1: ◆5F5enKB7wjS6 19/10/31(木)22:27:15 ID:i6Y


―――事務所


がちゃ


P「ふいー、お疲れさまで――」


李衣菜「Pさん! トリック!」

泰葉「アンド!」

加蓮「トリック!」


P「……したぁ~」クルリ

李衣菜「あっちょっと逃げないでくださいっ」ガシッ

P「ええい離せぇ! いきなり血糊持って迫られる気持ちを考えろー!」

加蓮「いたずらさせろー♪」

泰葉「させろーっ、ふふふっ♪」

引用元: モバP「だりやすかれんとハロウィン」 



THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 3Chord for the Pops!
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2: ◆5F5enKB7wjS6 19/10/31(木)22:28:54 ID:i6Y
P「はぁ、まったく……念の為お菓子持ってきて良かった。ほら、これあげるから……パンp」ガサガサ

泰葉「ダメです、トリックアンドトリックなので」

P「トリートは!?」

加蓮「さっき李衣菜が作ってくれたかぼちゃプリン食べたからいいかなーって」

泰葉「美味しかったね♪」

加蓮「ねー♪」

P「なんて横暴な……! お、俺の分は」

李衣菜「ちゃんと冷蔵庫にしまってありますよ! あとで食べてください♪」

P「い、今食べたいなぁ?」

「「「ダメ♪」」」

P「なんでだよぉ!」 

3: ◆5F5enKB7wjS6 19/10/31(木)22:30:25 ID:i6Y
P「ちひろさーん! 助けてください、どこにいるんですかっ!?」


ゾンビ「――呼びましたかぁ……?」ヌッ


P「のわあああああああゾンビィっ!!?」

ゾンビ?「ち、違います私です! ちひろです!!」

P「あ、その蛍光緑の服は確かにちひろさんだ」

ちひゾン「どこで判断してるんですか!?」

P「だって、なんですかその顔! 原型留めてませんが!」

ちひゾン「仕方ないじゃないですかあの子たちにメイクさせられたんです! 無理やり! 押さえつけられて!」

P「どこからどう見ても特殊メイクにしか見えないんですけど!?」 

 
5: ◆5F5enKB7wjS6 19/10/31(木)22:32:43 ID:i6Y
李衣菜「ちひろさん、『コスプレ衣装はたくさんあるけどメイクが大変』って言ってたじゃないですか……♪」

泰葉「だから私たちがこうして協力してあげたんですよ……♪」

加蓮「こういうときの為にメイクさんに教わっといて良かったね……♪」


「「「あっはっはっはっは――♪♪」」」ケラケラケラ…


ちひゾン「お、鬼! 悪魔! アイドル!」

P「ま、街で見かけたコスプレイヤーたちより一層邪悪に見える……いつもの恰好なのに……!」 

6: ◆5F5enKB7wjS6 19/10/31(木)22:33:51 ID:i6Y
泰葉「そういうわけで、Pさんにもメイクしてみたいんです私たち」

李衣菜「なんだか楽しくなっちゃって!」

P「イヤだよどんなメイクさせられるんだ!? こんなのか!?」

ちひゾン「こんなの言わないでぇ!」

加蓮「大丈夫、似合ってるよちひろさん」

ちひゾン「嬉しくないです!」

P「と、とりあえずちひろさんはメイク落としてきてください、ほんと怖いので」

ちひゾン「……うえええぇぇぇぇええん!!」ダダッ 

7: ◆5F5enKB7wjS6 19/10/31(木)22:35:02 ID:i6Y
加蓮「なんだ、もう落としちゃうんだ。ボロボロの衣装とか着て交差点行ったらきっと人気者になれたのになぁ」

P「な、泣かせちゃった……。あとでなんか奢ろう……」

李衣菜「それで、Pさんなんですけど」

泰葉「メイクします?」

P「うっ! し、したくないけど……みんなが満足するなら、俺は……俺は! いくらいたずらされてもかまわ――!」


加蓮「ああ~っ! これ駅前で売ってた予約限定のパンプキンパイ!?」

泰葉「Pさんが買ってきたのってこれだったんですか? 先に言ってください!」

李衣菜「食べよう食べようっ、Pさん早く早く~っ!」


P「……結果的にトリート成功した」 

8: ◆5F5enKB7wjS6 19/10/31(木)22:36:11 ID:i6Y
P「やっぱ美味いな、さすが予約限定品」モシャモシャ

泰葉「んむんむ……んふ、上品な甘さですね。パイ生地はサクサクで、かぼちゃのペーストはしっとりとして……♪」

加蓮「李衣菜、今度作ってよ~。ここまで美味しいのは期待しないけど♪」

李衣菜「じゃあ加蓮の分は無しで作るね。泰葉、一緒に食べようね~♪」

泰葉「うん、ありがとう李衣菜♪」

加蓮「あっウソ、ウソでーす! 私の分も作って~!」


ちひろ「もぐもぐ」ムスーッ…

P「ち、ちひろさん機嫌直してくださいよ……すみませんでした」

ちひろ「……こんなので悪かったですね。怖くてごめんなさいね?」

P「美味しいスパークリングワインもありますから……あとで楽しみましょうよ、ね、ね?」

ちひろ「……うふっ。私もゾンビメイク、ちょっと楽しかったので許します♪」 

9: ◆5F5enKB7wjS6 19/10/31(木)22:37:11 ID:i6Y
李衣菜「Pさん、ちひろさんっ。泰葉がコスプレしましたよ、見てください!」

P「え? いつ着替えたんだ、衣装はどこに……」


首から下にシーツを巻いた泰葉「てるてるぼうず」キリッ


P「ぶっふぉ」

加蓮「あはっあはははあっはははははは!!!」ヒーッヒーッ

李衣菜「さいこ、泰葉最高っ! ふふ、うふあははははっ♪♪」

ちひろ「ちひひひっちひゃひゃっひひひっ!!!!」バンバンバン

P「ちひろさんなんつう笑い方を、ってもうワイン飲んでる!? ちょっと! 俺の分残して!!」 

10: ◆5F5enKB7wjS6 19/10/31(木)22:38:30 ID:i6Y
加蓮「私もコスプレする!」

李衣菜「なんの?」

加蓮「『Pさんに嫁いだ若妻』のコスプレ!」

P「コスプレってなんだよ」

加蓮「『あなた……幸せになろうね♪』」ピトッ

P「はいはい……甘えたいだけだろ」ナデナデ

李衣菜「むっ」

泰葉「む……」

李衣菜「じゃあ私は『嫁に息子を盗られたことで歪んだ愛情に目覚めた姑』のコスプレします!」ギュゥ

泰葉「それなら私は『母親と祖母が醜い争いをしてる間に父親を奪って逃避行する娘』のコスプレで!」ムギュ

P「だからコスプレってなんだ!?」

ちひろ「ずいぶん愉快な家族ですねぇ♪」チッヒッヒ 

11: ◆5F5enKB7wjS6 19/10/31(木)22:40:19 ID:i6Y
加蓮「『あぁらお義母さま? いい加減子離れしたらどうですか?』」

李衣菜「『あなたみたいな雌狐に息子はやれません』」

加蓮「『なんですって……!』」

李衣菜「『小娘が……!』」

P「ほんとになんなんだこれ」

泰葉「『私は赤ちゃんの頃橋の下でお父さんに拾われたのよね……だから結ばれても平気なのよ、お父さん……いえ、Pさん!』」

P「設定! 設定がおかしい!」

ちひろ「みんなー、一番演技が良かった子にはプロデューサーさんからご褒美がありますよー♪」

「「「ご褒美!?」」」クワッ

P「あ!? あーあー、そうだ! パンプキンパイ食べさせてやるからそんな血走った目はやめなさい!!」

ちひろ「ちっひゃっひゃ♪」グビグビ 

12: ◆5F5enKB7wjS6 19/10/31(木)22:41:41 ID:i6Y
泰葉「――あいむ、なんばーわんっ♪」

李衣菜「くぅ……演技じゃ泰葉にまだ敵わない……!」

加蓮「そもそも嫁姑の足引っ張り合いじゃ娘が一人勝ちになるに決まってるじゃん……!」

P「はい、じゃあ勝者の泰葉にパンプキンパイを……あーん」

泰葉「あー……んっ。んぅ、しあわせでふ……♪」

加蓮「…………」ジーーーーッ…!

李衣菜「…………」ジーーーーッ…!

P「分かった、分かったから! 2人にも食べさせてやるから! 血走った目怖い!」

泰葉「新しい技能に目覚めたんだね、2人とも……!」 

13: ◆5F5enKB7wjS6 19/10/31(木)22:42:47 ID:i6Y
P「つ、疲れた……精神的に……」グテ

李衣菜「あはは、楽しかったですねハロウィンパーティー♪」

P「いたずらされまくった身にもなってくれ……」

泰葉「いたずらというか……甘えですかね?」

加蓮「最近お仕事やレッスンばっかりだったんだもん。こういうときくらい甘えさせてよ♪」

P「はは……まぁ楽しくなかったって言えばウソになるけどさ」


ちひろ「くかー……♪」ムニャムニャ…


P「……ちひろさんも久しぶりにハメ外したみたいだったし」

李衣菜「ふふっ」

加蓮「かわいい♪」

泰葉「あ、さっき使ったシーツ掛けてあげよう……」ファサ 

14: ◆5F5enKB7wjS6 19/10/31(木)22:43:38 ID:i6Y
P「それじゃ片付けでも……って、そんなにゴミもないか」

加蓮「うん、そだね。結局パンプキンパイしか食べてないもん」

P「それなのにあれだけ大騒ぎできるのは才能だな……」

李衣菜「そりゃアイドルですから♪」

泰葉「どんな些細なことでも盛り上げて周りを元気にする……理想のアイドルです!」

加蓮「どう、Pさん? 私たちに夢中になってくれた?」

P「……ああ。なったよ……降参、3人には勝てないなぁ」 

15: ◆5F5enKB7wjS6 19/10/31(木)22:44:33 ID:i6Y
李衣菜「へへ、やったー!」

泰葉「大成功だねっ」

加蓮「パーティーはこうじゃなきゃね♪」


きゃっきゃ

  きゃっきゃ


P「これからももっともっと、元気に可愛くかっこよくしてあげるからな。楽しみにしててくれ」

ちひろ「んぐぅ……ぐぅ~……、ぅにゅ……」ゴロン

P「……こっちはどんどん可愛げが無くなっていく……。はぁ」 

16: ◆5F5enKB7wjS6 19/10/31(木)22:45:30 ID:i6Y
李衣菜「PさんPさん、プリン忘れてました、食べてくださいっ」

P「あー、俺も忘れてた。じゃあもらうよ」

加蓮「はい、あーんっ♪」

P「ってそれは恥ずかしいから! 自分で食べさせてくれよ!」

加蓮「だーめっ! 最後のトリックだよ、トリック!」

李衣菜「はい詰めて詰めてー♪」ムギュー

P「ちょっ李衣菜なんだっ、なんでくっついて!」

泰葉「もっと寄って李衣菜、そうそう、加蓮も♪ よいしょっと」ポスン

加蓮「へいへーいようこそ♪」

P「んなぁ泰葉!? どこ座って、何そのスマホ!?」


わちゃわちゃ…… 

17: ◆5F5enKB7wjS6 19/10/31(木)22:46:31 ID:i6Y
泰葉「撮りまーす♪」


「「「ハッピーハロウィン♪♪」」」

P「むぐっ……!?」


パシャリ☆


P「……美味い。あと重いから早く退いて……」

李衣菜「泰葉重いって」

泰葉「加蓮だよ」

加蓮「私ピーーキロだけど」

「「太れ」」ペシーッ

加蓮「あぅっ!?」


P「はぁ……トリックとトリート同時に味わってる……。あはは」 

18: ◆5F5enKB7wjS6 19/10/31(木)22:47:23 ID:i6Y


―――

――




ちひろ「なんで起こしてくれなかったんですか! 一緒に撮りたかったのに!」

P「寝てたじゃないですか……というか写ってますよ、端っこに」

ちひろ「え、どこ――」



ちひろ「よだれ垂らしてる!! いやぁぁぁあ!!!」



おわり