大泉「じゃあなんだい、隊長って」


鈴井「実はね、僕も詳しくは聞かされてなくて」


鈴井「まぁ、まずは駅に入ってからという事らしいですよ」


大泉「怖ぇよぉ、なにやらされんだよぉ」


［駅構内へ］ﾄﾞﾝ


［構内］ﾋﾟｯ


鈴井「…ん、見てください大泉さん」


大泉「おっ、何だか人が集まってますね」


大泉「男性が多いようですが女性も居ます」


大泉「というか小さなお子さんを連れてらっしゃるお母さんも居ますよ」


大泉「何の集まりなんですかね？」


鈴井「大泉さん、あちらの壁」


大泉「ん、何か壁一面に絵がありますね」


大泉「…スクールガールストライカーズぅ？なんだいこりゃ？」


藤村「お前スクストも知らねぇのかよ」


大泉「なんだとヒゲこの野郎」

藤村「スクストってのはな、オブリとかいう謎の敵から人知れず世界を守ってる女子校生達の戦いを描いたアプリゲームなんだよ」


藤村「もうリリースから五年以上経ってんだぞ」


大泉「へぇ」


藤村「という訳で今回は大泉君とミスターにはスクストのプレイヤー、つまりは隊長になってもらいます」


大泉「はい？」


鈴井「えっ？」


［隊長になる］ﾄﾞﾄﾞﾝ


藤村「じゃあコレ、スクストやる為に特別なスマホ持ってきたから」ｽｯ


大泉「待て待て待て、何でわざわざ新宿まで連れてこられてスマホでゲームしなきゃならないんだよ？」


大泉「北海道でもどこでも出来るだろ！？」


藤村「いや、俺がスクストのシール欲しかったから」


鈴井「シール！？」


藤村「ほら、あの絵に銀色のシールがいっぱい貼ってあんだろ」


藤村「あれ、１人２枚まで取っていいから剥がしたら俺にくれよ」


大泉「あれ剥がす為だけに僕達早起きして新宿まで来たのかよ！？」


鈴井「そういうのはさぁ！プライベートでやりなよ！」

鈴井「というか１人２枚とかのルールがあるなら僕達の分を渡すとかダメでしょ」


大泉「おっ、ミスター良い事言うね」


大泉「そうだよ、どうせ剥がすなら自分で貰うからね」


藤村「なんだよ、デブでヒゲ生えてるとシール分けてもらえないのかよ」


大泉「うるせぇ」


大泉「じゃあ僕はね、この金髪の子の胸の部分を…と」ﾍﾞﾘｯ


大泉「あっ、全然胸の所じゃなかった」


鈴井「でも逆に胸だけ隠れてる感じになってるよ」


大泉「よく見りゃ他の子の絵もそんな感じだね」


藤村「隊長ってのは変態の集まりだからな」


［コラッ！］ﾊﾞｼｯ


大泉「これ開けて良いの？」


藤村「まぁそれは後のお楽しみって事でとりあえず先に隊長になりましょうや」


大泉「どうしたら隊長になれるんだい」


藤村「さっき渡したスマホにインストールしてあるから後はそれ立ち上げるだけだな」


鈴井「じゃあ我々も隊長になってみますか」


［いざ隊長に］ﾄﾞﾄﾞﾝ

……………………………


…………………


………



大泉(…あれ？)


大泉(確か駅の構内でスマホのアイコンを押して…)


大泉(気づいたらこの…教室？に居た)


大泉(…ん、何か身体が変だぞ)


大泉(っていうか視界が低くないかい？)


大泉(手もまるで猫みたいに毛むくじゃら…毛むくじゃら！？)


大泉(手だけじゃない！身体が猫になってるよ！？)


大泉(え、何これ！？ドッキリ！？)


大泉(ミスター！藤村くぅーん！うれしー！どこ行ったんだーい！？)


ティエラ「目が覚めたようですね」


大泉(誰だアンタ)

ティエラ「わたくしは"アンタ"ではなく有能美人教師の小田切ゆか子です」


大泉(なまら図々しい自己紹介だなぁ)


大泉(っていうか、なぜ考えてる事が分かるの！エスパー！？)


ティエラ「いや、先ほどから聞こえてますから」


大泉(そうなの？)


ティエラ「ええ、そうです」


ティエラ「あ、小田切ゆか子というのは世を忍ぶ仮の姿で実際は有能美人時空管理官のティエラと申します」


大泉(聞いてないよぉ、聞いてない)


大泉(そして図々しいよぉ)


ティエラ「ではチュートリアルを始めましょうか、スズムシ隊長」


大泉(誰がスズムシだこの野郎)

……………………………


…………………


………


「…お……く…ん！」


大泉「…」


「…大…み君…！」


鈴井「大泉君！」


大泉「…うわぁ！」


藤村「どうしたお前！？」


大泉「あれ、僕は教室に…」


藤村「はぁ？」


大泉「…ここは新宿駅かい？」


鈴井「いや、ずっと新宿駅だよ」


嬉野「チュートリアル始めたと思ったら急に固まったから死んだかと思って焦った～」


藤村「焦りすぎてうれしーカメラ置いちゃってるもん、勿体ねぇ」


大泉「助けず見殺しにして僕が死ぬとこ撮れってか」


大泉(…さっきのは…夢…？)

大泉「一生どうでしょうしますって言ったのにこんな所でくたばるわけにはいかないからねぇ」


鈴井「大丈夫？病院いこうか？」


藤村「もし行くなら実費だからな」


大泉「君には人の心という物が無いのかい？」


藤村「そんな事より今はスクストだよ」


大泉「そんな事って」


藤村「で、この胸デカい眼鏡の人がティエ…」


大泉「あぁハイハイ、小田切さんね」


藤村「何で知ってんだよ！？」


大泉「え、マジで小田切さんなの！？」


鈴井「知らずに当てたの！？気持ち悪っ！」


大泉「気持ち悪いとか言うなよ！」


大泉(夢じゃ…ない…！？)

［チュートリアル開始］ｷﾗｷﾗ


［終わった］ﾋﾟｺﾝ


大泉「はぁ～、"もしもの私"に"パラレルワールド"ねぇ」


大泉「女の子が出てるだけかと思ったら結構設定が凝ってるんだね」


藤村「そうなんだよ、ここと良く似た別の世界が無数にあるかもしれないって面白いよな」


鈴井「大泉君はパラレルワールドの自分は何やってると思う？」


大泉「そりゃあもうシェフでしょう」


［シェフ］ﾄﾝﾄﾝﾄﾝ


大泉「それか登山家だね」


［登山家］ﾄｰﾛﾘｰ


大泉「もしくはギャンブラーとか」


［ギャンブラー］ﾁｬﾘﾝﾁｬﾘﾝ


大泉「で、藤村君は僕の家の広大な庭を整備する庭師ね」


［庭師］ﾎﾟﾜﾝ


大泉「100エーカーぐらいある庭の雑草を全部引っこ抜いてもらうよぉ、勿論手作業で一本ずつだぁ」


藤村「そんな事になったらその庭に灯油ぶっかけて燃やしてやるからな」

藤村「結局隊長名はどうしたんだよ？」


大泉「ぼかぁ勿論"大泉"隊長さ」


藤村「スズムシ隊長じゃねえのかよ」


大泉「誰がスズムシだカブトムシ」


鈴井「僕は"ミスター"にした」


大泉「ミスター隊長て」


藤村「すげぇ謎の人みたいになってる」


藤村「ちなみに俺は"藤やん"ね」


大泉「うわぁ、女の子達にあだ名で呼ばせる気だよこのオッサンは」


藤村「ゲームぐらいあだ名で呼ばさせてくれよ！」

大泉「で、まずはこのアルタイル・トルテって５人から１人のパートナーを選ぶと」


大泉「これ誰が強いとかあるの？」


藤村「いや、スクストはそういうの無いから気に入った子で良いよ」


鈴井「ふぅん、キャラによって強さの違いが無いのっていうのは良いね」


大泉「じゃあ僕は沙島さんで」


［沙島悠水］ﾃﾞﾃﾞﾄﾞﾝ


大泉「何か沙島さんとはシンパシーを感じるんだよねぇ」


鈴井「僕は美山さんかな」


［美山椿芽］ﾃﾞﾃﾞﾄﾞﾝ


鈴井「何か苦労してそう」


藤村「はいじゃあ、そういう事でお２人共に晴れて隊長就任おめでとうございます！」


藤村「いよいよここからがスクストの始まりですよぉ」


大泉「とりあえずさ、どこか座れる所でやらないかい？」


鈴井「そうだよ、ずっと立ちっぱだよ」


藤村「今の時間だと店開いてないんで」


大泉「だったらホテルの一室でも取っとけよ！」

［次回予告］ﾊﾞｰﾝｯ!


大泉「おいアンタ何やってんだ！？」


［金銭感覚崩壊］ﾄﾞｫｰﾝ!


鈴井「５が出ればEXR補助券だってさ！」


［サイコロの旅］ﾊﾞｽﾝｯ!


藤村「もう出せる手札ねぇよ！」


［革命勃発］ｶﾞｰﾝｯ!


大泉「ロックオンガチャ18回目、EXRは１枚も出ません」


［UR天井目前］ﾃﾞｰﾚﾚｯ!


次回へ続く！