1: 2019/11/05(火) 00:47:16 ID:L0gMGcFg
――待ち合わせ場所

千歌「曜ちゃんまだかなぁ~」

梨子「もう少しで来るんじゃない?」

千歌「う~ん…」

曜「梨子ちゃーん!」タッタッタッ

千歌「!」

梨子「ほら。曜ちゃん来たわよ」

千歌「うん♪曜ちゃんおはよー!」

曜「おはよう。遅くなってごめんね?」スタスタ

千歌「ううん、大丈夫だよ♪じゃあ学校行こっか!」

梨子「そうね」

曜「…」

引用元: 曜「千歌ちゃんを無視したらどうなるか」 



2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 00:50:25 ID:L0gMGcFg
千歌「それでさー、果南ちゃんがねー」

梨子「ふふ。果南さんらしいわね」

千歌「曜ちゃんはどう思うー?」

曜「…」

千歌「…? 曜ちゃん?」

曜「…」

千歌「あれー…?」

千歌「ね、ねぇ、曜ちゃん…。聞いてるの…?」ユサユサ

曜「…」

千歌(む、無反応…)

梨子「…曜ちゃんどうしたの?」

曜「え?なにが?」

千歌「…!」

3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 00:55:20 ID:L0gMGcFg
梨子「いや、千歌ちゃんが話しかけてるじゃない」

曜「千歌ちゃん…?」

千歌「そ、そーだよー…?曜ちゃん?ぼーっとしてたの?」

曜「…」

千歌「あ、あれぇ…?」

梨子「…曜ちゃ」

曜「千歌ちゃんって誰?」

千歌「え…」

梨子「…なに、言ってるの?」

曜「えー?…あっ、早く行かないとバス来ちゃうよ?」スッ

梨子「ちょっと!」

曜「…さっからどうしたの?私、先に行くからね?」スタスタ

4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 00:59:35 ID:L0gMGcFg
梨子「なんなのよ…」

梨子「…! 千歌ちゃ――」

千歌「…」ウルウル

梨子「あ…」

千歌「…曜ちゃん、私のこと誰って…」

千歌「む、昔からの……ぐすっ、友達、なのにぃ…」ポロポロ

千歌「うぇぇぇん……よーちゃぁぁん…」グスグス

梨子「千歌ちゃん…」

千歌「ひっく…ぐすっ、うぅぅ…」

梨子「…お、落ちついて?きっと曜ちゃんなりの冗談よ!だから、ね…?泣き止もう…?」サスサス

千歌「ほんとぉ…?」ウルウル

梨子「う、うん。…たぶん」ボソ

5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 01:04:50 ID:L0gMGcFg
千歌「…っ」グシグシ

梨子「ハンカチいる…?」

千歌「だいじょーぶ…」グシグシ

梨子「そっか…」

千歌「…」スッ

千歌「…梨子ちゃんごめんね?泣いちゃって…」

梨子「…ううん。しょうがないわよ」

梨子「それにしても!曜ちゃんってば冗談が過ぎると思わない?あとでガツンと言ってやりましょ?」

千歌「い、いいよ。曜ちゃんも悪気があったわけじゃないだろうし…」

梨子「悪気しかないでしょ…。千歌ちゃんも泣いてたじゃない…」

千歌「そーだけどぉ…。でも、やっぱり言わないで…?私はべつに怒ってないから…」

梨子「…はぁ。千歌ちゃんがそこまで言うならいいわ。私はなにも言わない」

千歌「ありがとね…♪」

梨子「…ううん」

6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 01:09:27 ID:L0gMGcFg
――バス停

曜「ん?…やっと来た。なにしてたの?もうバス来るよ?」

梨子「なにしてたって…」

千歌「梨子ちゃんっ」グイッ

梨子「…!…わかってるわよ」スッ

曜「…」チラ

千歌「曜ちゃん?あと何分くらいでバス来るのー?」

曜「…」

千歌「…曜ちゃーん!ねぇってばぁ~」ユサユサ

曜「…」パシッ

千歌「あぅ…」

梨子「曜ちゃんっ!!」

曜「…っ!?」ビクッ

7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 01:14:25 ID:L0gMGcFg
曜「な、なに?そんな大声出さなくても…」

梨子「どうして千歌ちゃんを無視するの!?さっきだって千歌ちゃん泣いてたのよ…!?」

曜「無視って……そもそも千歌ちゃんって誰のこと?」

千歌「…っ」ウルッ

梨子「…っ!!このっ」グッ

千歌「やめてっ!!」バッ

梨子「……どうしてかばうの!?曜ちゃんは……千歌ちゃんを…」

曜「…さっきからどうしたの?千歌ちゃん千歌ちゃんって。もしかして梨子ちゃんの友達?」

梨子「あ、あなたねぇ…!!」

千歌「梨子ちゃんやめてってばっ!!」ガシッ

梨子「……」

千歌「私は大丈夫だから…。だから……曜ちゃんに手を出さないで…」

梨子「千歌、ちゃん…」

曜「…♡」

8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 01:18:09 ID:L0gMGcFg
――お昼休み・2年の教室

千歌「曜ちゃん!今日のお弁当の中身なぁに?」

曜「…」パカッ

千歌「わぁ。今日もおいしそー♪おかず交換しない?」

曜「いただきまーす♪」スッ

千歌「…曜ちゃーん」

曜「はむっ。うん、おいしい♪」モグモグ

千歌「うぅ…」パクッ

千歌「もぐ、…ひっ。ぐす…もぐ、もぐ…」

梨子「…曜ちゃん。これっていつまで続けるつもり?」

曜「なにが?」

千歌「…っ。ひぐっ…」モグモグ

梨子「……」

9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 08:22:35 ID:yw9HAL52
――放課後・部室

梨子(結局、曜ちゃんが千歌ちゃんに話しかけることは1度もなかった。返事をすることも。…ずっと、無視してた)

梨子(どうして?昨日までは普通に仲良かったのに…)

梨子(…喧嘩でもした?ううん。あの2人が喧嘩をしてたとしても、曜ちゃんがあんなことするわけないよね…)

梨子(…意味わからないわ。明日になれば全部元通りになってくれたらいいんだけど…)

曜「ふわぁ…」

梨子(無視してる本人は呑気にあくびしてるし…)イラッ

梨子(無視されてる千歌ちゃんの気持ちがわからないの…?)

千歌「曜ちゃんあくびしたぁ?あはは、お弁当食べたら眠くなっちゃうもんね♪私と一緒にお昼寝する?」

曜「みんなまだかなぁ」ノビーッ

千歌「お、お昼寝って時間じゃないかぁ…。はは…」

梨子(…千歌ちゃんも千歌ちゃんよ。思いっきりガツンを言ってやればいいのに。なんでかばったりするのかしら…)

10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 08:27:38 ID:yw9HAL52
千歌「…ねぇ、曜ちゃん?今日もペア組もうね?今日はどんな練習するんだろー…?」

曜「…」

梨子「きょ、今日も昨日と同じじゃない?」

千歌「…梨子ちゃんには聞いてないよ」

梨子「あ、ごめん…」

梨子(な、なによ…。そんな言い方しなくてもいいでしょ…)

ガチャ

ルビィ「こんにちはぁ」

花丸「お疲れさまずら~」

千歌「…ルビィちゃんと花丸ちゃん!こんにちはー!」

曜「お疲れー」

梨子「こんにちは…」

11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 08:32:16 ID:yw9HAL52
ルビィ「おねえちゃんたちはまだですか?」キョロキョロ

千歌「うん。3年生はまだ来てないかなぁ」

ルビィ「そうですか…」

花丸「じゃあ本でも読んで待ってよっと」スッ

曜「花丸ちゃんなに読むの?」

花丸「悪の教典ずら~」

千歌「…」

曜「…悪の教典?なにそれ、おもしろい?」

花丸「まあまあかな。教師が生徒を虐殺するサイコホラーだよ」

曜「へ、へぇ。花丸ちゃんもそんな本読むんだね」

花丸「曜ちゃんも読んでみるずら?上巻はもう読み終わったから貸すよ?」

曜「…私はいいかなぁ。小説読むと眠くなるし…」

花丸「ふーん」

12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 08:37:40 ID:yw9HAL52
千歌「曜ちゃんも小説読むと眠くなるのー?私もなんだよねー!」

曜「…」

花丸「まったく。たるんでるずら」

ルビィ「たるんでるのかなぁ…?」

梨子「…あれ?そういえばよっちゃんは?」

ルビィ「善子ちゃんなら今日はお休みですよ」

梨子「休み?どうしてまた…」

花丸「新しいゲームの発売日なんだって。だから授業が終わったら速攻で買いに行ったずら」

梨子「そ、そーなんだ…。よっちゃんらしいといえばよっちゃんらしいけど…」

ルビィ「あはは…」

千歌「善子ちゃんもたるんでるなぁ~!!…ねっ、曜ちゃん?」

曜「…」

ルビィ「…?」

13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 08:42:14 ID:yw9HAL52
ルビィ「梨子ちゃん…」ツンツン

梨子「うん?」スッ

ルビィ「あの、もしかして…千歌ちゃんと曜ちゃんって喧嘩してます…?」ヒソヒソ

梨子「…え?」

ルビィ「だってほら、千歌ちゃんが話しかけてるのに無視してるし…」

梨子「あー…」

ルビィ「喧嘩ですか…?早く仲直りしたほうがいいと思いますけど…」

梨子「…えっとね、よくわからないの」

ルビィ「どーゆーことですか…?」

梨子「…朝からこの調子なのよ。私が話しかけたら返事するのに、千歌ちゃんが話しかけてもうんともすんとも言わなくて…」

ルビィ「そんな…」

曜「…」

14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 08:47:22 ID:yw9HAL52
ルビィ「…よしっ。ルビィ、曜ちゃんに注意してきますっ」

梨子「注意って……やめたほうがいいわよ…」

ルビィ「どうしてですか?…このままだと千歌ちゃんがかわいそうですよ。いまにも泣き出しちゃいそうだし…」

梨子「でも…」

ルビィ「大丈夫ですっ。ちょっと軽く言うだけですから♪」

梨子「そう…。気をつけてね…?」

ルビィ「はい」ニコッ

ルビィ(…梨子ちゃんもおおげさだなぁ。なにを気をつけるの?ダメなことをダメだって注意するだけだもん)スッ

ルビィ「あの、曜ちゃん?千歌ちゃ――」

曜「…」スッ

ルビィ「――ひっ…」

梨子「…?」

15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 08:50:19 ID:yw9HAL52
曜「…ルビィちゃん?」

ルビィ「あっ、えっと…」

曜「うん?なぁに?」

ルビィ「な、なんでもないですぅ!!」タッ

梨子(え?)

花丸「?」チラッ

千歌「…」ギュ

ルビィ「…」ストンッ

梨子「る、ルビィちゃん?」

ルビィ「…ごめんなさい。やっぱ無理でした」

梨子「えぇ…?」

ルビィ「だって…」

曜『…』ギロッ

ルビィ(あわわわ…)ガタガタ

16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 09:03:11 ID:yw9HAL52
ガチャ

ダイヤ「遅くなってしまい申し訳ありません」

果南「お疲れー。ダイヤがちゃんと掃除しろってうるさくてさ~」

ダイヤ「当然のことを言ったまでですわ!」

果南「ダイヤは細かいんだよ」

ダイヤ「細かくないです。あれが普通なのですよ」

果南「え~…」

ダイヤ「これに懲りたら果南さんも――」

ルビィ「おねえちゃんっ」ギュッ

ダイヤ「…ルビィ?」

ルビィ「…」ギュゥゥ

曜「…」

17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 09:08:51 ID:yw9HAL52
ダイヤ「ど、どうしたのですか?どこか調子でも…」アセアセ

ルビィ「…ううん。急に抱きついたりしてごめんね…?」

ダイヤ「べ、べつにそれは…かまいませんが…」

果南「ダイヤってルビィのこと好きだもんねー。平静を装おっても内心では飛び跳ねるくらい嬉しいんでしょ?」

ダイヤ「なっ、なななにを言っているのですか!!果南さん!!」

果南「ほらほらどもってるよ~?」

ダイヤ「だっ黙りなさい!!これ以上言うつもりなら打首にしますよ!!」

果南「やれるもんならやってみなよー?」

ダイヤ「むきー!!」

ルビィ「お、おねえちゃん落ちついてぇ…」オロオロ

花丸「まーたやってるずら」ペラッ

梨子「はは…」チラッ

千歌「…」

18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 09:15:35 ID:yw9HAL52
曜「2人ともお疲れさま~。鞠莉ちゃんは?」

果南・ダイヤ「…!」ピタッ

果南「…そうそう。鞠莉は理事長の仕事があるから今日は出れないって言ってたよ」

ダイヤ「毎日少しずつ処理しないからですわ…。はぁ…」

果南「まあまあ…」

曜「ふ~ん。じゃあ今日は6人だね」

千歌「…っ」ビクッ

果南「6人?1、2、3……7人じゃん。というか善子は?」

花丸「ゲームの発売日だから休みずら~」

果南「あいつめ…。そんな理由で休んでいいわけないでしょ」

ダイヤ「果南さんの言う通りですわ!!明日は善子さんだけ特別メニューをやってもらいましょう!!」

ルビィ「と、特別メニュー…」

19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 09:50:40 ID:yw9HAL52
果南「まあ、とりあえずそのことは置いておいて…。練習着に着替えたら屋上に行くよ!」

ダイヤ「ですね。ふふ、明日が楽しみですわ…♪」

ルビィ「おねえちゃん…」

花丸「ふぅ…」パタン

梨子「…」ガタッ

千歌「…」

果南「…ん?千歌?」

千歌「…え?」

果南「もうみんな着替えに行ったよ?千歌は行かないの?」

千歌「ぁ……う、うん。ごめんっ。いまいく」ガタッ

果南「…ねぇ、なんか目赤くない?もしかして泣いてた?」

千歌「…!」

20: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 09:53:16 ID:yw9HAL52
千歌「な、泣いてなんかないよ」フイッ

果南「本当に?」

千歌「うん…」

果南「…」ジーッ

千歌「…」

果南「…まあいいや。なにかあったら言いなよ?」

千歌「うん。ありがと…」ニコ

果南「…」ニコッ

果南「行こっか♪」

千歌「うんっ」

果南「…」スッ

果南(…曜と喧嘩でもしたかな、こりゃ)ガチャ

21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 09:56:12 ID:yw9HAL52
――屋上

果南「はい、まずはストレッチから。2人組作ってー!」

ルビィ「花丸ちゃんっ」

花丸「ずら」

千歌「よ、曜ちゃ――」

曜「梨子ちゃーん!一緒に組もう?」

千歌「ぁ……」

梨子「え…」

曜「今日は善子ちゃん休みでしょ?私も組む人いないからさ。一緒に組もうよ♪」

梨子「…」

曜「…梨子ちゃん?」

梨子「…なんで私となのよ。千歌ちゃんがいるじゃない」

曜「…」

22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 10:00:11 ID:yw9HAL52
曜「私と組むのは嫌なの…?」

梨子「そ、そういうわけじゃないわよ。私が言いたいことはつまり…」

曜「じゃあいいじゃんっ。ねっ?」グイッ

梨子「ちょ、ちょっと!」スタスタ

曜「ほらほら、あっちでやろー♪」グイグイ

梨子「あぁ、もう…」チラッ

千歌「…」

梨子(は、半泣きじゃないの…)

果南「…」ジッ

ダイヤ「千歌さん、ではわたくしと――」スッ

千歌「嫌だっ!!」バッ

ダイヤ「なっ」ガーン

23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 10:05:36 ID:yw9HAL52
千歌「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!曜ちゃんがいい!!」

ダイヤ「千歌さ…」

千歌「曜ちゃんっ!!どうして無視するの!?ねぇ、返事してよぉ…!!」ガシッ

曜「…」

千歌「曜ちゃ……ひっ、ぐす……返事、してよぉ…」ウルウル

曜「…」

千歌「私がなにかしたなら謝るからぁ……だから……無視しないで…」ポロポロ

曜「…」

梨子「よ、曜ちゃん…。そろそろやめてあげなよ…」

曜「え?なにが?」

千歌「…っ!!うわああぁぁっ…!!なんで私だけぇぇぇ…!!ううぅぅぅ!!」ギュゥゥ

曜「梨子ちゃん、ストレッチしようよ」

梨子(ち、千歌ちゃんが真横で泣き叫んでるのに無反応…。まるで本当に見えてないみたい…)

千歌「よーちゃぁぁぁんっ!!!」ビエーン!!

24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 10:08:27 ID:yw9HAL52
千歌「無視しないでよぉぉぉ!!うぇぇぇぇぇ…!!」ポロポロ

曜「…」

花丸「どうしたの…?」

ルビィ「さ、さあ。ルビィにはよくわからないや…」

ダイヤ「…」ポカーン

果南「…曜」スッ

曜「なぁに?」

果南「さっきからなんのつもり?」

曜「なんのつもりって、なにが?」

果南「…千歌のことだよ」ピキッ

曜「千歌って誰?」

果南「 」ブチッ

25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 10:13:34 ID:yw9HAL52
果南「曜っ!!」バッ

曜「わっ」サッ

梨子(あ、あの果南さんがキレてる……。初めて見た…)

梨子(…いや、普通はキレるわよね。幼馴染があんなこと言われたら…)サスサス

千歌「びええぇぇ!!ううぅぅ…!!またチカのこと誰って言ったぁぁ…!!!」ポロポロ

曜「…危ないよ。幼馴染にそういうことするの?」

果南「それはこっちのセリフっ、だろぉ!!」ブンッ!!

曜「…」サッ

ルビィ「あわわわ…」

花丸「る、ルビィちゃん……なんかやばいずらぁ…」

ルビィ「そんなの言われなくてもわかってるよぉ…」

ダイヤ「…」ポカーン

ルビィ「お、おねえちゃん…」ユサユサ

ダイヤ「…!」ハッ

26: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 10:19:12 ID:yw9HAL52
ダイヤ「こ、これは…どういう状況ですの…?」

ルビィ「曜ちゃんが千歌ちゃんを無視して果南さんが怒って…あんなふうになっちゃったのぉ…」

ダイヤ「はあ…?」

ルビィ「おねえちゃんおねがいっ、あの2人をとめて…!!」

ダイヤ「…えっ?わたくしが、とめる?」

ルビィ「もうおねえちゃんしかいないの…」

ダイヤ「い、いやいや……無理でしょう、あんなの…。か、果南さん本気で怒ってるじゃないですか…」

ダイヤ「止めに行ったら…わたくしが逆にやられますわ…」

ルビィ「おねがい…」ギュッ

ダイヤ「し、しかし…」チラッ

果南「んのっ、避け、るなぁ!!」ブン!ブン!

曜「避けなきゃ当たっちゃうじゃん…」サッサッ

ダイヤ(素晴らしい身のこなしですわぁ…)

27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 10:23:32 ID:yw9HAL52
千歌「ぐすっ、ひっく…」

梨子「…」サスサス

梨子(…どんどんこの場所から離れていってる…。まさかあのままドアにむかって…逃げるつもり…?)

果南「このっ、曜っ!!」ブンッ

曜「…」サッ

曜「…」チラ

果南「まさかよそ見する余裕があるなんてね…」グッ

曜「…私も避けるので精一杯だよ。やっぱ果南ちゃんはすごいや。当たったらひとたまりもないだろうね」スタスタ

果南「…そりゃ鍛えてるからね」スタスタ

曜「そっか」ドンッ

曜「…あれ?」スッ

果南「もう逃げられないよ。さっさと諦めて降参しな?」

曜「…」

28: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 10:26:40 ID:yw9HAL52
曜「…」

果南「…」

ルビィ「お、おねえちゃん…」ユサユサ

ダイヤ「む、むむ無理ですわ…」

花丸「この人はもうダメずら。完全にびびりあがってるよ」

ダイヤ「それならあなたが止めてみなさい!!」

花丸「…お、オラは暴力反対だから」

ダイヤ「このぉ…」

千歌「…っ」グシグシ

梨子「…」ギュ

果南「ねぇ、曜」

曜「んー?」

29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 10:31:31 ID:yw9HAL52
果南「私だって曜を殴りたくないよ。…いまなら許してあげる。早く千歌に土下座しな」

曜「土下座?」

果南「…早くしな。私は気が長いほうじゃないからね」

曜「…」

果南「曜」

曜「…えっと、誰に土下座するんだっけ?」

果南「千歌にだよ」イライラ

曜「千歌って誰?」

果南「…そっか。そういう態度とるんだね。もういいよ」グッ

曜「あー…」

果南「病院のベッドの上で謝りなっ!!」ブンッ!!

曜「…どうなっても知らないよ」スッ

ガシャァァンッ!!

曜「…」ニヤ

30: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 10:35:10 ID:yw9HAL52
果南「…」ズシュ…

果南「…え?」ポタポタ…

曜「わぁ、やっぱりすごい破壊力♪窓ガラスを突き破っちゃった♡」

果南「なっ……あ゙ッ…うぅ…」ググッ…

果南「…あ゙っ」ズボッ

果南「…っ」ポタポタ…

ダイヤ「か、果南、さん…」

花丸「ひ……」

ルビィ「いやぁぁぁぁ…!!」

梨子「う、嘘でしょ…」

千歌「…!」バッ

梨子「あ、千歌ちゃん…!」スッ

31: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 10:39:37 ID:yw9HAL52
果南「はぁ、はぁ…っ」ズキズキ

果南「まっ、まさか……あの状態で、避ける、なんてね…」ポタポタ

曜「水泳部をなめないでよね?こう見えて…かなり体はやわらかいんだよ?」ニコッ

果南「そっ、かぁ…」フラッ

果南「…ぅ」ギュ

曜「…早く保健室に行ったほうがいいよ。出血多量で死んじゃうかもだし♪」

果南「そう、だね…」

千歌「大丈夫…!?」タッタッタッ

果南「…! 千、歌…」スッ

千歌「どいてっ!!」ドンッ

果南「ぇ…」フラァ

果南「…っ」ズサッ

梨子「…は?」

32: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 10:44:09 ID:yw9HAL52
千歌「曜ちゃん大丈夫!?どこかケガしてない…?」ギュッ

曜「…」

千歌「…大丈夫みたいだね。よかったぁ」

曜「…果南ちゃん。私、帰るね。保健室行きなよ?」ガチャ

千歌「あ、私も帰る!一緒に帰ろう?」ギュー

果南「待ちなよ…」

曜「…」スッ

千歌「?」チラッ

果南「いまのなに…?心配する相手が違うんじゃないの…?」

千歌「…そのケガは自己責任だよね?」

果南「は…」

千歌「曜ちゃんはただかわしただけじゃん。悪いのは全部果南ちゃんでしょ。なんで心配しないといけないの?」

果南「ち、千歌…」

33: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 10:48:11 ID:yw9HAL52
千歌「曜ちゃん帰ろ――」ドンッ

千歌「――…」ドサッ

曜「…」バタンッ

千歌「…」

千歌「え、ぇ…?」

千歌「いま、えっ……なんで、突き飛ばし……え…?」

千歌「曜ちゃん…?よー、ちゃ…」ウルウル

千歌「……ぁ、うぁ…あぁ…」ウルウル

千歌「うぁぁぁぁぁっ!!よーぢゃんがづぎどばじだぁ…!!!」バタバタ

千歌「うぇぇぇぇんっ!!ああぁぁぁぁ…!!」バタバタ

梨子「…」スタスタ…

千歌「よーぢゃぁぁぁ…!!もどっでぎでよぉぉ!!」

梨子「…」

34: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 10:51:10 ID:yw9HAL52
曜「…」スタスタ

「うぁぁぁぁぁっ!!よーぢゃんがづぎどばじだぁ…!!!」

曜「…」スタスタ

「うぇぇぇぇんっ!!ああぁぁぁぁ…!!」

曜「…」スタスタ

「よーぢゃぁぁぁ…!!もどっでぎでよぉぉ!!」

曜「…」ピタッ

曜「…」

曜「…っぁぁぁ♡♡♡さいこぉぉぉ♡♡」

曜「ぁぁぁぁ…♡♡かわいすぎるぅ…♡」

曜「ふへっ、へへ、ひひひ♡」

鞠莉「曜?」

曜「…!」ピタッ

35: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 10:58:50 ID:yw9HAL52
鞠莉「さっきから大声とか聞こえるんだけど…なにかあったの?いまも泣いてるような声が聞こえたわよ?」

曜「…」

曜「…果南ちゃんがケガしちゃったんだって♪」

鞠莉「果南が?…えっ!?ど、どこケガしたの!?」

曜「…」スッ

鞠莉「手…?突き指とかかしら…?」

曜「ううん。こうやって」ヒュッ

ガシャァァンッ!!

鞠莉「…えっ?」

曜「窓ガラスを突き破っちゃってね。手がズタズタだったよ♪」スッ

鞠莉「え、え?」

曜「あははっ。理事長さよなら~。また明日ぁ♪」スタスタ

鞠莉「え??」ポカーン

36: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 11:27:55 ID:yw9HAL52
――千歌の部屋

千歌「…」ボフ

梨子「…」スッ

梨子(…果南さんは病院に搬送された。10針以上縫ったらしい。鞠莉さんから聞いただけだけど…)

梨子(すごく痛そうだった…。血もいっぱい出てたし…)ギュ

梨子(…ルビィちゃんなんて気絶してたもんね。……それよりも、1番びっくりしたのが…)

千歌「梨子ちゃんはいいよね…」

梨子「…え?」

千歌「…私が話しかけてもなんの返事もしてくれないのに、梨子ちゃんが話しかけたら返事してくれるじゃん」

千歌「梨子ちゃんばっかずるい!!ずるいずるいずるい!!」バッ

梨子「…」

梨子「…なにそれ。曜ちゃんのことじゃなくて、他に言うことあるんじゃないの?」

37: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 11:32:38 ID:yw9HAL52
千歌「…他に言うこと?なにがあるの?」

梨子「果南さんのことよ。あんな大ケガして…」ギュッ

千歌「だからそれは自分がやったことじゃ」

梨子「そもそもの原因はなに!?」

千歌「…っ」ビクッ

梨子「あの行動は千歌ちゃんを思ってのことでしょ!?それをあんな……最低よっ、千歌ちゃんは…!!」

千歌「…」ウルウル

梨子「…ぁ」

梨子「ご、ごめんなさい…。その、言い過ぎちゃったわ…」

千歌「…っ。ひっく……うぅ…。頼んで、ないもん…」

梨子「は…?」

千歌「あんなことしてって頼んでないもん!!最低なのは果南ちゃんだよ!!曜ちゃんに手を出そうとするなんて…!!」

38: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 11:36:44 ID:yw9HAL52
梨子「な……あ、あなた…」

千歌「チカは悪くないもん!!果南ちゃんが悪いん――」バチンッ!!

千歌「あぅ…!!」ドサッ

梨子「はぁ、はぁ…っ!!」

千歌「ううぅぅ…!!梨子ちゃんがぶっだぁぁぁ!!」

梨子「黙りなさいっ!!」ガシッ

千歌「うぅぅ…!!」バタバタ

梨子「果南さんが悪いですって…?訂正しなさい!!」

千歌「うぁぁぁぁんっ!!よーぢゃんだずげでぇぇぇ!!」バッ

梨子「あっ、こら!!」

千歌「ぅぅぅ……よーちゃぁん…」ガサゴソ

千歌「ひっく、うぅ…」スッ

千歌「ぐすん……よーちゃぁぁん…」スッスッ

39: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 11:41:28 ID:yw9HAL52
梨子「な、なにするつもり?」

千歌「曜ちゃんに電話するんだよ…。梨子ちゃんが私をぶったって言ってやるんだから…!!」

梨子「や、やめてよ!悪いのは千歌ちゃんじゃない…」

千歌「うるさい!!私は悪くないもん!!」プル…ピッ

千歌「…!! 曜ちゃん!?いまね――」

「電話番号をお間違えではないですか?この電話はお繋ぎできません…」

千歌「あ、あれ?」スッスッ

千歌「…」プル…ピッ

「電話番号をお間違えではないですか?この電話はお繋ぎできません…」

千歌「え…」

梨子「どうしたの…?」

千歌「この電話はお繋ぎできませんって…」

梨子「お繋ぎできません…?」

40: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 11:44:50 ID:yw9HAL52
千歌「なにこれ?こんなの…いままでなかったのに…」

梨子「…」スッスッ

梨子「…」プルルルル…ピッ

曜『梨子ちゃん?どーしたの?』

千歌「…!」バッ

千歌「よーちゃん!よーちゃん助けて!!」

曜『…なんかノイズが聞こえるなぁ。あとでまたかけ直すね』ブチッ

梨子「ノイズって…」

千歌「…いいもん!私のほうからかけ直すから!!」スッスッ

千歌「…」プル…ピッ

千歌「曜ちゃ――」

「電話番号をお間違えではないですか?この電話はお繋ぎできません…」

41: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 11:48:14 ID:yw9HAL52
千歌「…っ」スッスッ

千歌「…」プル…ピッ

「電話番号をお間違えではないですか?この電話はお繋ぎできません…」

千歌「わ、ゎ……」

千歌「私のだけ着信拒否ざれでるぅぅぅ!!?」バタバタ

千歌「よーちゃんどぉじでぇぇぇ!!!」バタバタ

梨子「ち、千歌ちゃん…」

千歌「びぇぇぇぇんっ!!」バタバタ

梨子「…」

千歌「よーちゃ、よーちゃぁぁぁ…!!」ポロポロ

梨子「ぶっ、ぶったりしてごめんね…。やり過ぎたわ…」

千歌「ううぅぅぅ…っ!!!」ポロポロ

42: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/05(火) 11:54:16 ID:yw9HAL52
――1週間後・部室

曜「…」ヌイヌイ

千歌「曜ちゃん頑張ってるねー♪私もなにか手伝うことあるかなぁ?」

千歌「ううん、千歌ちゃんはなにもしなくていいよ!」

千歌「ほんとー?なんかごめんね…?」

千歌「いいのいいの。千歌ちゃんが隣にいてくれるだけで私は幸せだから♪」

千歌「よーちゃぁん…♡」ギュッ

梨子(千歌ちゃんが壊れました)

梨子(まるで曜ちゃんと会話してるようだけど、全部1人です)

梨子(自分で自分に抱きついてます)

梨子(千歌ちゃんはもう、クラスでは変人扱いされてます)

梨子「…」

梨子(どうしてこうなった…)ハァ

43: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 13:36:53 ID:UHN2LpwQ
梨子(あれから1週間経つけど、いまだに曜ちゃんは無視したままだし…)

梨子(千歌ちゃんなんて…1人で会話してるし…)

梨子(私はどうすればいいの?…1年組も3年組もここ3日くらいは部室に顔を出しすらしないし…)

梨子(ルビィちゃんは曜ちゃんの顔を見るだけで逃げ出す始末だしぃ…)

梨子(…なんなのこれ。Aqoursはもう終わりなの?うぅ……誰か助けてぇぇ…)

ガラッ

梨子「…!」バッ

善子「リリー…」

梨子「よ、よっちゃん!?」ガタッ

善子「ねぇ、私たちで商店街行くんだけど……リリーも行かない?」

梨子「えっ!私も…?」

善子「ええ。嫌じゃなければ、だけど」

梨子(なんてタイミング……よっちゃんが天使に見える…。あぁ、堕天使だっけ…?…まあどうでもいいわ!!)

44: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 13:41:39 ID:UHN2LpwQ
梨子「行く!行くわ!!ぜひ私も!!」

善子「そ、そう?じゃあ、校門で待ってるから…」スッ

千歌「私たちも行っていいの?」

善子「え…」

千歌「千歌ちゃーん、私たちは衣装を作ってよ?」

千歌「えー。でも、私も商店街行きたいなぁ」

千歌「商店街なら今度私たち2人で行こうよ。それならいいでしょ?」

千歌「うー…。…わかったよ。約束だからね?」

千歌「うん♪ゆびきりしよ?」

千歌「ゆーびきりげーんまーん嘘ついたら針千本飲ーますっ♪」

善子「…」ヒキッ

梨子(ひ、1人でやるゆびきりなんて初めて見たかも…)

45: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 13:45:50 ID:UHN2LpwQ
千歌「…というわけだからやっぱりいいや!みんなで楽しんできてね?」ニコッ

善子「え、ええ。それじゃ…」ササッ

梨子「よっちゃん置いてかないでぇぇ」タッ

曜「…」チラ

千歌「…2人きりだね、曜ちゃん」

千歌「そーだねぇ」

千歌「えへへ…♪」ギュッ

千歌「わっ。…千歌ちゃん?」

千歌「曜ちゃんに抱きついてると落ちつくから♪」

千歌「もぉ、千歌ちゃんってばぁ」

千歌「よーちゃん大好きぃ…♡」

千歌「私も――」

曜「――私も好きだよ」ボソ

千歌「えっ?」パッ

46: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 13:50:03 ID:UHN2LpwQ
千歌「わ、私に……言ったの…?」

曜「…」ヌイヌイ

千歌「ね、ねぇ…いま、好きって…」

曜「…」ヌイヌイ

千歌「ぁ、…ぁ、ぅ…」ウルウル

千歌「……っ。ぅぅ……うぇぇぇぇ…」ポロポロ

千歌「どーして無視するのぉ…?うぅ、うぁぁぁぁ…」ポロポロ

曜「…」ヌイヌイ

千歌「もう嫌だよ……よーちゃんに無視されるの…すごくつらいよぉぉ…」ポロポロ

千歌「ひっ、えぐ……ぐすっ、返事、してよぉ……」ポロポロ

千歌「よぉちゃぁぁ…」ポロポロ

曜「…♡」ヌイヌイ

47: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 13:55:16 ID:UHN2LpwQ
千歌「うぅ……ひっ、ひ…っ」

千歌「ぐすっ……ぅ、ひっく…」

千歌「よー、ちゃぁん…」

曜「…」ヌイヌイ

千歌「おしっ、教え……ごほっ、うぐ……教えてよ…」

千歌「ちか……なにかしたの…?なにかしたなら……謝る、からぁ…」

曜「…」チラ

千歌「…!」

曜「…」スッ

曜「…なんで1人で会話してたの?あれ、すごく気持ち悪かったよ。狂ったのかと思った」

千歌「……曜ちゃんが私のこと無視するから。曜ちゃんに無視されて……頭がおかしくなりそうだったから…」

千歌「せめて、曜ちゃんと会話してるように妄想して…」

千歌「そ、そうしないと……本当に気が狂いそうで…」ウルウル

曜「ふぅん…」

48: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 14:00:25 ID:UHN2LpwQ
千歌「よーちゃん……どうして私のこと無視したの…?私、本当につらかったんだよ…?」ウルウル

千歌「ちゃ、着信拒否も…早く解除してよ…。曜ちゃんと電話したいよぉ…」ポロポロ

曜「…」

曜「無視した理由、知りたい?」

千歌「ぅん…」グシグシ

曜「…千歌ちゃんのことが嫌いだから」

千歌「え…?」

曜「聞こえなかった?大嫌いって言ったんだよ」

千歌「だ、大嫌い…?そ、そんな……嘘、だよね…?」ウルウル

曜「大嫌い」

千歌「…っ。やめて…」フルフル

曜「お前なんか大嫌いだっ!!」

千歌「やめてぇぇぇっ!!」バッ

49: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 14:05:07 ID:UHN2LpwQ
千歌「あぁぁぁ……やめっ、やめてよぉぉ……」ポロポロ

千歌「大嫌いなんて…言わないでぇ……」ポロポロ

曜「…♡」キュンキュン

千歌「ひっ、ひ……ひぃ、ぅぅぅ…」ガタガタ

曜「こんなに震えちゃって…」スッ

千歌「…っ!! よーちゃん…!!」ガシッ

曜「うん?」

千歌「き、きら、嫌い…なんて、言わないで…」

千歌「おねがい、おねがい……します……」ギュゥゥ

曜「さわるなっ」ドンッ

千歌「ぁぅ…!」ドサッ

千歌「ぁぁぁぁ……よー、ちゃぁぁ…」ポロポロ

50: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 14:09:49 ID:UHN2LpwQ
曜「…千歌ちゃんはさ、私のこと好きなの?」

千歌「ぅぁぁ……ひっ。す、すき……」

曜「私はこんなに嫌いなのに?」

千歌「…~~っ。もう、やめてよぉ…」

曜「え~」

千歌「き、嫌いなんて言わないで…」

曜「何回同じこと言うの?」

千歌「だって……ぅぅぅ…」ポロポロ

曜「…私に好きになってほしい?」

千歌「ぐすっ…」コクン

曜「私が千歌ちゃんを好きになったら、なんでもしてくれる?」

千歌「…!! うんっ!!曜ちゃんのためなら……」

曜「じゃあ死んでよ」

千歌「え……?」

曜「ためしに死んでくれない?」

51: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 14:16:33 ID:UHN2LpwQ
曜「死んでくれたら、好きになってあげる」

千歌「死、って……そんな、嘘だよね…?」

千歌「し、死んだら……曜ちゃんに会えないじゃん…」

曜「…嘘つきだね。もういいよ」プイッ

千歌「ぁっ、ぁ……ぁぁぁ…!!」

千歌「やだっ、やだやだやだ!!嫌いにならないで!!曜ちゃんに嫌われたら……わたしぃ…」ポロポロ

曜「ふわぁ。眠くなってきちゃった…」ノビーッ

千歌「よーちゃぁぁぁっ!!」ポロポロ

曜「はぁ~…」

曜「…じゃあなにをすればいいかわかるよね?」チラ

千歌「…!」ビク

千歌「…」

千歌「…」ガサゴソ

千歌「…」スッ…

千歌「…っ」カチチチチ…

52: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 14:19:54 ID:UHN2LpwQ
千歌「ぅぅ…」スルッ

曜「…なにその傷」

千歌「え…?」

曜「手首の」

千歌「……曜ちゃんに無視されて、つらくて……て、手首を切ったら…少し落ちついたから…」

曜「…意味わからないんだけど」

千歌「ごめん、なさい…」スッ

曜「…」ギュ

千歌「…離して。離して、くれないと……死ねない…」

曜「…やっぱり死ななくていい」

千歌「じゃ、じゃあ…」

曜「そのかわり、手の指を折ってよ」

53: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 14:26:41 ID:UHN2LpwQ
千歌「指…?指を折ればいいの…?」

曜「死ぬよりは簡単だよね?できる?」

千歌「……曜ちゃんのためなら、そのくらい…」

曜「じゃあやってみてよ」ニコッ

千歌「…うんっ」スッ

千歌「…」ググ…

千歌「ぐ、ぁ……ぅぅぅ……っ!!」バキッ

千歌「ぃあ…!!ぁっ、あっ……ぁぁ…」

千歌「ぅ~……ぅぅ……み、見て…。折ったよ…?」

千歌「え、えへへ。これでいいんだよね…?」

曜「…」

曜「…なにか勘違いしてない?私は手の指を折れって言ったんだよ?手の指はあと9本残ってるじゃん」

千歌「あと……9、本…?」

曜「嫌ならいいけど」

千歌「…――」スッ…

54: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 14:30:31 ID:UHN2LpwQ
千歌「――ひっ……ぁっ、ぁぅ……」

千歌「ううぅ……痛いよぉ……うぐ……ぁ…」

千歌「ひっく……ぐす…」

曜「よくできました♪いい子だよ、千歌ちゃんは♪」ナデナデ

千歌「よー、ちゃん……えへ…」

千歌「こ、これで……いいん、だよね…?」

曜「う~ん…」

千歌「よーちゃ…?」

曜「最後に、もうひとつだけ私のお願い聞いてくれる?」

千歌「おねがい…?」

曜「その折った指をね?食べてほしいんだぁ♡」

千歌「ゆ、指を……食べる…?」

55: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 14:37:50 ID:UHN2LpwQ
千歌「えっ、え、え…?指を食べ……え…?」

曜「できないかなぁ?」

千歌「ぅ、そ、そんなの…」

曜「…無理ならいいんだよ。はぁ…」

千歌「ご、ごめんね…」

曜「しょせん、千歌ちゃんにとって…私なんかそこらへんの雑草と同じレベルだってことだよね…」

千歌「え……」

曜「好きって言ったのも……嘘だったんだ…」

千歌「ち、違うよ!!私は曜ちゃんのことが――」

曜「…そんなうすっぺらな言葉なんて聞きたくない。本当に好きなら、行動に移してみてよ」

千歌「……」

千歌「……わかっ、た…」

曜「…え、やってくれるの?」

千歌「…」コク

曜「…♡」ニヤァ

56: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 14:44:35 ID:UHN2LpwQ
曜「本当にいいの…?きっと痛いよ…?」

千歌「…私と約束して?もう無視しないって。私を、好きになってくれるって…」

曜「うん。約束するよ。絶対にそれは守る」ニコ

千歌「本当に…?」

曜「私を信じて」

千歌「…」

千歌「…わかった。曜ちゃんを信じる」スッ

千歌「…」ガブッ

千歌「…くっ。ぐぐ……ぅ…」ギリギリ…

千歌「あが……がぁ、ぎぎ…」グチグチ…

曜「あは…♡」

千歌「……っぁ。はぁ、はっ……は……ぁ…」ブチィ…

バキッ…ゴリッ…メキョ…

メキメキ…グチャ…ブチッ…バリッ…

ゴキゴキメキッグチャァメキョバキバキグチョ…モグモグ…

57: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 14:53:03 ID:UHN2LpwQ
千歌「――ぁ、ぁぁ……ひひ、えへ…」

千歌「見てぇ……ぜんぶ、たべたよぉ…」スッ

曜「…すごいよ。痛くなかった?」

千歌「痛いよ……すごく、いたい…。いますぐにでも…泣き叫びたいくらい……えへ…♡」

曜「なら途中でやめたらよかったじゃん」

千歌「やめ、るわけないよ…。だって……曜ちゃんに無視されたり嫌いって言われるよりマシだもん…♡」

曜「そっかぁ♡」

千歌「ねぇ、ほめて…?ぜんぶ、たべたから…」

千歌「よーちゃん……わたし、ちゃんとおねがいきいたよ…?」

曜「…そうだね。ご褒美をあげないとね」スッ

千歌「ごほうびってなに――」チュッ

曜「…んっ。ぷはっ」スッ

58: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 14:58:05 ID:UHN2LpwQ
千歌「よー、ちゃ…?」

曜「ご褒美のちゅー♪私のじゃ嫌かな?」

千歌「い、いやじゃないよ。でも、ちだらけできたないよ…」

曜「千歌ちゃんに汚いところはないよ」ギュッ

千歌「ぁ…」

曜「…私のためにありがとうね。うれしいよ」ギュー

千歌「ううん…。これで…わたしのこと、すきに…なってくれる…?」

曜「なに言ってるの。千歌ちゃんのことは最初から大好きだよ?」

千歌「ふぇ…?だけど、さっき…」

曜「あぁ。あれは嘘でーす♪」

千歌「う、そ…?」

曜「うんっ。千歌ちゃんを試したかったんだぁ。本当に私のことが好きなのかって…♡」

59: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 15:04:01 ID:UHN2LpwQ
曜「好きじゃなかったらそんなことしてくれないからね。そして、千歌ちゃんは私のお願いを聞いてくれた…」

曜「…安心したよ。千歌ちゃんは本当に私のことが好きなんだね♡」ニコ

千歌「よー、ちゃん…」ウルウル

曜「なぁに?」

千歌「うそでよかったぁ…。き、きらいなんて……もう、ぜったいにいったらやだよ…?」

曜「約束する。だから千歌ちゃんも安心して?」ギュッ

千歌「ぅん…♪」ギュゥ

曜「…」ギュー

曜「…ねぇ、私たちは付き合わない?」スッ

千歌「つきあう…?」

曜「恋人になろうってこと♪…両想いだもん。いいよね?」

千歌「こいびと…?わたしと、よーちゃんが…?」

曜「嫌だ?」

千歌「いやなわけ、ないよ…。わたしなんかでいいの…?」

曜「…どうしてそういうこと言うの?」

60: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 15:07:58 ID:UHN2LpwQ
千歌「わ、わたしは…ゆびが、なくなっちゃったし…」

千歌「ようちゃんの……じゃまになっちゃう、よ…」

曜「千歌ちゃんじゃないとダメなのっ。指のことは私に任せて。私が千歌ちゃんの手になるから♡」

千歌「よー、ちゃ、ん…」

曜「…」ニコ

千歌「そっかぁ…。こいびと、かぁ…」

千歌「よーちゃんが、よかったから……わたしと…」

千歌「こいびと、に…」フラッ

千歌「なっ、……」ガクッ

曜「…っと」ギュッ

曜「…」

曜「ありがとね♡」ギュゥゥ

61: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 15:15:15 ID:UHN2LpwQ
善子「――ねぇ、やっぱイカレてるわよ」

ルビィ「よ、善子ちゃんっ」

善子「だってそうでしょ?1人で会話してるなんて、はっきり言って正気じゃないわ」

善子「リリーだってさっき見たでしょ?1人でゆびきりしてたのよ?あれを見て……ゾッとしたわ…」

梨子「そ、それはそうだけど……そんな言い方…」

善子「…リリーもあの人と一緒にいたくないから、私たちと出かけてるんじゃないの?」

梨子「ぅ…」

花丸「人の悪口はやめるずら!」

善子「ふん。うっさいわねぇ」フイッ

ルビィ「ち、千歌ちゃん…どうしてああなっちゃったんだろう…?見てるのもつらいよぉ…」

梨子「…曜ちゃんが無視してからね。千歌ちゃんがおかしくなったのは」

ルビィ「そんなぁ…」

62: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 15:19:47 ID:UHN2LpwQ
善子「そもそも、どうして曜は千歌を無視したの?」

花丸「さあ。この中では梨子ちゃんが1番詳しいんじゃない?」

梨子「…私だってわからないわよ」

善子「本当に?」

梨子「嘘なんてついてどうするの…?千歌ちゃんに聞いても心当たりがないの一点張りだし、曜ちゃんは千歌ちゃんって誰?しか言わないし…」

梨子「もう、意味がわからなすぎて頭が痛いわ…」

善子「ふーん…」

ルビィ「…」ギュッ

梨子「はぁ…」プルルルル…

梨子「で、電話?…あ、鞠莉さんだ」ピッ

梨子「もしもし?なにか…」

梨子「…」

梨子「…えっ、千歌ちゃんが!?」

63: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 15:23:27 ID:UHN2LpwQ
――――

――

曜「千歌ちゃんあーん♪」

千歌「あーん♪」パクッ

千歌「もぐもぐ…。おいしくないよぉ…。曜ちゃんのごはんが食べたいなぁ…」

曜「退院したら好きなだけ作ってあげるからさ。それまでの辛抱だよ。ねっ?」

千歌「うん…。我慢する…」

曜「いい子だねぇ♪」ナデナデ

千歌「えへへ…」

梨子「…」

曜「…あっ、梨子ちゃんもあーんってする?」

千歌「やだ!曜ちゃんがあーんってして!」

曜「そっかそっか。…あーん♪」

千歌「あーん♪あむあむ…♪」

64: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 15:33:22 ID:UHN2LpwQ
曜「あっ、また口についてるよ?」

千歌「ふいてー」

曜「うん♪」フキフキ

梨子「…」

梨子「…その指、もう治らないみたいね」

曜「うん♪お医者さんは頑張ってくれたみたいだけど、ぐちゃぐちゃでくっつけるのは不可能だったって♪」

梨子「そのわりには嬉しそうだけど」

曜「…気のせいじゃない?」ニコッ

梨子「…ふん」

千歌「ねぇ、誰か知らないけど…なにも用がないなら帰ってくれないかな?私と曜ちゃんの時間を邪魔してるのがわからない?」

梨子「…っ」ズキッ

曜「こらっ。そんなこと言ったらダメでしょ?」

千歌「だってぇ…」ウルウル

曜「あー、泣かないで?よしよし、いい子だから…♪」ナデナデ

千歌「うぅ…」ギュゥゥ

65: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 15:36:24 ID:UHN2LpwQ
曜「…♪」ナデナデ

千歌「…」ギュゥゥ

梨子「…曜ちゃん。話したいことがあるから廊下に来てくれない?」

曜「ここで話してよ」

梨子「無理。千歌ちゃんの前では話せない」

曜「ふーん…」スッ

千歌「あ……」

曜「千歌ちゃんごめんね?ちょっと話したいことがあるんだって」

千歌「行かないで…」ウルウル

曜「…大丈夫だよ。すぐ戻ってくるから。ね?」

千歌「うぅ…」ウルウル

千歌「や、約束だよ?」

曜「うん。約束♪」

梨子「…」

66: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 15:39:58 ID:UHN2LpwQ
ピシャン…

曜「…あれ、果南ちゃんもいるんだ」

果南「…」

曜「そんなとこで待ってないで、千歌ちゃんに顔見せればよかったのに」

果南「…あんな千歌は見たくない」

曜「酷いなぁ。千歌ちゃん泣いちゃうよ?」

果南「…」

曜「…で、話ってなに?早くしてよね?千歌ちゃん、大泣きするとなかなか泣き止まなくて大変だから♪」

梨子「…なんで千歌ちゃんを無視したの?」

曜「えっ?千歌ちゃんって誰?」スッ

梨子「…っ!!」キッ

曜「あははっ、冗談だよ。そんな怖い顔しないで?」ニコ

67: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 15:45:22 ID:UHN2LpwQ
曜「どうして無視したか、なんて……いまはもうどうでもいいことだと思わない?」

梨子「…それだと質問の答えになってないわよ」

果南「曜。あの日、千歌になにをしたの?千歌が自分からかってに指を食べ始めたわけないよね?」

曜「そんなこと私に聞かれてもな~」

果南「いいから答えろよ…!!」ガシッ

曜「わ~…」

梨子「か、果南さん!」

果南「曜っ。早く答えなよ…」

曜「…病院では揉め事を起こしたくないんだよなぁ。わかったよ、答えるから離して?」

果南「…」パッ

曜「…っと」スッ

曜「相変わらず短気だね。短気は損気だよ?」

果南「…」イライラ

68: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 16:10:51 ID:UHN2LpwQ
曜「まずは~…どうして無視をしたかだよね?」

梨子「…ええ」

曜「端的に言うと、私のものになってほしかったから♪」

果南「は?」

曜「千歌ちゃんは私だけの千歌ちゃんなんだよ。…他のやつに笑顔をむけてほしくなかった。話してほしくなかった。…スクールアイドルなんてしてほしくなかった」

梨子「それと無視とは関係ないでしょ…」

曜「あるよ。千歌ちゃんがおかしくなったのはなんで?私が無視したからでしょ?」

曜「私が無視をしなければこうはならなかった。ここまで私に依存してくれなかったはずだよ?」

曜「でも、1人で会話をしだしたのはちょっとびっくりしたかなぁ」クスッ

果南「…それだけ千歌は曜のことが大切だったんだよ」

曜「だろうね♪だけど、それだけじゃ物足りないの♪」

曜「私のためだったらなんでもしてくれるような千歌ちゃんがよかったんだぁ♡」

曜「たとえば……私がお願いしたら自分の指を10本全部噛みちぎってくれるような千歌ちゃんがね…♡」ウットリ

69: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 16:16:40 ID:UHN2LpwQ
梨子「まさか…」

曜「うん♪私が手の指を食べてってお願いしたら、喜んで食べてくれたよ?」ニコッ

果南「…やっぱり、曜が命令したんだね」

曜「命令じゃないよ。お・ね・が・いっ♪」

果南「私からしたらどっちも同じだよ」

曜「全然違うんだけどなぁ~」

梨子「…これからどうするつもり?」

曜「なにが?」

梨子「千歌ちゃんのことよ。ずっとあのままなの?」

曜「あのままだろうね。果南ちゃんや梨子ちゃん、他のみんなのことも全部忘れちゃったから♪2度と思い出さないよ♪」

梨子「…っ」ギュ

曜「でもそれでいいじゃん。私だけしか心を開いてくれなくても。私としては最高だよ?」

曜「まさに私が理想とした千歌ちゃんそのとのだしぃ…♡」

70: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 16:21:59 ID:UHN2LpwQ
果南「…しまねぇたちはなんて言ってるの」

曜「頭のイカれた障害者はいらないってさ。千歌ちゃんのパパとママもそう言ってたよ?」

梨子「え…」

果南「あの両親がそんなこと言うわけないでしょ…!!」

曜「事実なのに…。まあ、千歌ちゃんがあんなこと言わなければ言ってなかったと思うけどね?」

果南「…千歌に、なにを言わせたの?」

曜「言わせたんじゃなくて、千歌ちゃんが自分の意思で言ったんだよ?」

果南「だからなんて言ったんだよ!!」

曜「お前らなんか親じゃない。さっさと死ね。消えろ。私には曜ちゃんしかいらないから、あなたたちとは2度と会いたくない……」

曜「他にも罵詈雑言の嵐だったけど……忘れちゃった♪」テヘッ

果南「ち、千歌が…」

梨子「そんな…」

曜「…♪」ニヤ

71: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 16:26:13 ID:UHN2LpwQ
曜「…もういいよね?そろそろ戻らないと」スッ

果南「…待ちなよ。まだ話は終わってない」ガシッ

曜「…なにその手?これで2回目だね。さっさと離してよ。私にふれていいのは千歌ちゃんだけなんだから」グイッ

果南「…っ!」

曜「…3回目はないよ。次は折るからね」パッ

果南「…曜」ガシッ

曜「…私の話聞いてた?折るって言ったよね?」ミシッ

果南「…っ。ここで問題起こしたら大変なことになるよ」

曜「…」ピタッ

果南「千歌に会えなくなるだろうね。…それでもいいの?」

曜「…」

曜「…ち」パッ

72: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 16:30:31 ID:UHN2LpwQ
曜「…」

果南「…」

梨子「…」ギュ

曜「…なに?」

果南「梨子」チラ

梨子「…! あ、えっと…」

曜「…」ジッ

梨子「あ、Aqours……Aqoursはどうするの…?」

曜「…なんだ。呼び止めるからなにか重要な話しかと思ったら……Aqours?そんなくだらないことで呼び止めたの?」

梨子「くだらないって…」

果南「くだらなくないよ。…いま、Aqoursのリーダーと衣装係が欠けてる状態。このままだと近いうちに解散になっちゃうよ」

曜「解散、かぁ」

73: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 16:36:59 ID:UHN2LpwQ
曜「…まっ、いいんじゃない?あんなグループが解散しようが」

果南「はぁ…?」

曜「この前まで顔を出さなかったくせによく言うよ。リーダーである千歌ちゃんを避けてた時点でAqoursはもう終わりなんだよ」

果南「……」

曜「梨子ちゃんもだよ」スッ

梨子「え…」

曜「部室にはいたけど、内心では千歌ちゃんのことバカにしてたでしょ。…被害者ぶるなよ」

梨子「ぅ……だ、だって…」

曜「だって、なに?」

梨子「…っ。も、もとはといえば曜ちゃんが千歌ちゃんを無視したからでしょ…!そこからおかしくなったのよ!!」

曜「…まあそうだね。私が無視したから千歌ちゃんがおかしくなっちゃったね。…だから?」

梨子「え…?」

74: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 16:42:37 ID:UHN2LpwQ
曜「だからなにって聞いてるの。おかしくなっても友達だったら支えてあげればいいじゃん。ちがう?」

梨子「だ、だからそれは…」タジッ

曜「もういいよ。…そんなやつらは友達じゃない。千歌ちゃんに、私以外の友達はいらない」

曜「千歌ちゃんはね、私だけのアイドルなんだよ。それをバカどもが勘違いして友達ぶって……」

曜「そろそろ我慢の限界だったんだよね。…ただでさえ千歌ちゃんの隣にバカが引っ越してきてイライラしてたのに」

梨子「な、なにそれ…。私のこと…?」

曜「他に誰がいるの?」ニコッ

梨子「…っ。うぅ…!」ウルウル

曜「泣くなよ。気持ち悪い」

果南「…ふーん。それが曜の本性だったんだ」

曜「…まあね。千歌ちゃんの前ではこんなこと言えるわけないしー♪」

果南「…」

果南「…で、言いたいことはそれだけ?」

75: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 16:48:31 ID:UHN2LpwQ
曜「うん?なにが?」

果南「言いたいことはそれだけかって聞いてるの」

曜「なにが言いたいかよくわからないよ」

果南「…千歌のことだよ。そんなくだらない理由で千歌を壊したの?千歌の人生を壊して、曜はなにがしたいの?」

曜「…壊してなんかない」

果南「壊したじゃん。千歌はもう1人で食事すらできないんだよ?…あんたが千歌を破滅に導いたんだ」

曜「…だからなに?千歌ちゃんには私がいればいいんだよ。そして、私も千歌ちゃんがいればいい」

果南「あっそ。もうあんたにはなに言っても無駄みたいだね。幻滅したよ」

曜「……そろそろ帰ったほうがいいんじゃない?さすがに幼馴染は殺したくないからね」

果南「…わかった。今日は帰るね」

曜「もう2度と来ないで」ニコッ

果南「…梨子、行こう」スッ

梨子「…っ」グシッ

梨子「は、はい…」

曜「……す…」ギリギリ

76: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 16:53:46 ID:UHN2LpwQ
――千歌の病室

曜「ただいまー♪ちょっと長引いちゃった!」

千歌「曜ちゃん遅い!!寂しかったんだからね…?」

曜「ごめんごめん♪」

千歌「むー…。あっ、りんごむいて!りんご食べたい!」

曜「りんごー?わかった、ちょっと待っててね」スッ

曜「どんな形がいい~?」

千歌「ウサギさん!」

曜「ウサギさんねー。りょーかいっ」シャリッ

曜「…♪」シャリシャリ

曜「…」シャリシャリ

『壊したじゃん。千歌はもう1人で食事すらできないんだよ?…あんたが千歌を破滅に導いたんだ』

曜「…」シャリ…

『もうあんたにはなにを言っても無駄みたいだね。幻滅したよ』

曜「…っ!!」グシャァ…

77: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 16:57:25 ID:UHN2LpwQ
千歌「わっ、曜ちゃんどうしたの!?ぐちゃって…」

曜「ご、ごめんっ。ちょっと考え事してた…」

千歌「で、でも…普通握りつぶす…?握力すごいね…」

曜「ごめん…」

千歌「ううん、気にしないで?…大丈夫だった?ケガしてない?」

曜「う、うん…」

千歌「それならよかったぁ♪」

曜「千歌ちゃん…」

曜「…」ギュッ

千歌「…よーちゃん?」

曜「ごめんね。しばらく、こうしてもいいかな…」ギュゥゥ

千歌「うんっ。もちろんいいよ♪」ギュー

78: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 17:00:36 ID:UHN2LpwQ
曜「…」ギュゥゥ

千歌「…♪」ナデナデ

曜「…ねぇ」

千歌「なぁに?」

曜「千歌ちゃんは……私の他に、友達とか欲しい…?」

千歌「…いきなりどーしたの?まさかさっきの人になにか言われたんじゃ…」

曜「そ、そんなんじゃないよ。その、気になって…」

千歌「そうなんだ?」

曜「…うん。それで、どーなの…?」

千歌「私は曜ちゃんがいればいいかな♪」

曜「ほ、ほんと…?」

千歌「嘘なんかつかないよー」

79: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/11/06(水) 17:07:24 ID:UHN2LpwQ
曜「千歌ちゃぁんっ」ギュゥゥ

千歌「わっ。ちょ、ちょっと!苦しいってば~」

曜「えへへ…」ギュー

千歌「もー…」ナデナデ

曜「…千歌ちゃん。こんな私だけど、ずっと一緒にいてくれる?」

千歌「当然でしょ?むしろ私でいいの?」

曜「私は千歌ちゃんじゃないとダメなの!」

千歌「そっかぁ…。えへへ、うれしいなぁ…」

曜「…でさ。退院したら、私たちで暮らさない?」

千歌「それって2人暮らしってこと?」

曜「うん。…ダメ、かな?」

千歌「そんなことないよ!賛成!!どこに住もうかなぁ~。あーっ、いまから楽しみだよ~♪♪」

曜「…ありがとね」ニコッ

曜(本当に、ありがとう…。やっぱり千歌ちゃんは私だけのアイドルだね…♪大好きだよ…♡)

曜(もう絶対に離さないから♡♡)
~Happy End~