―暗夜王国・港街ディア入口―
???「二人とも急ぎなさい。もう戦闘は始まっているらしいから」
???「わかりました。けど、これが私の精一杯だから」
???「ちょっと、かなり揺れるんだけど、もっと緩やかにできないわけ?」
???「ごめん、命令を優先するから。どうにか落ちないようにしがみついてて」
???「ありがとう。でも、こっちが本命だったなんて、運が悪いことね。カムイに何かしたら、どうなるか教えてあげるわ」
「だから、カムイ、もう少しだけ待っていてちょうだい」
???「二人とも急ぎなさい。もう戦闘は始まっているらしいから」
???「わかりました。けど、これが私の精一杯だから」
???「ちょっと、かなり揺れるんだけど、もっと緩やかにできないわけ?」
???「ごめん、命令を優先するから。どうにか落ちないようにしがみついてて」
???「ありがとう。でも、こっちが本命だったなんて、運が悪いことね。カムイに何かしたら、どうなるか教えてあげるわ」
「だから、カムイ、もう少しだけ待っていてちょうだい」
引用元: ・カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」
【Switch用追加コンテンツ】ファイアーエムブレム 風花雪月 エキスパンション・パス|オンラインコード版
posted with amazlet at 19.11.06
任天堂 (2019-07-25)
売り上げランキング: 377
売り上げランキング: 377
672: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/11(金) 22:13:47.18 ID:XNZ8fB6I0
―港町ディア・港内―
アクア「ヒノカ、なんでこんな作戦を強行したの。あなたなら、こんな被害が大きくなる作戦をするなんて」
ヒノカ「わかっているさ。だが、この作戦のおかげでカムイが白夜に帰ってくる。やってみた甲斐があったということだ」
カムイ「ヒノカさん、ウィンダムにはサクラさんと臣下の方たちがいるんです。それをわかっていながらやったというんですか?」
ヒノカ「そうか、サクラはまだ生きているのか。ふふ、また良い事を聞けたよ。私はサクラがもう暗夜に殺されているとばかり思っていたからな。卑劣な暗夜が人質を残しておくはずないと」
カムイ「その考えに反論できませんね」
ヒノカ「だけど、カムイ。サクラが生きているのはお前のおかげだと思ってる。ありがとう、サクラを見捨てないでくれて、とてもうれしいよ」
カムイ「……ですが、ヒノカさん考えてください。この町が落ちてしまったら、サクラさんの命は――」
ヒノカ「ふふっ、だからここを落としたらすぐに暗夜王都を落としにいく。そうすれば、何の問題もない」
アクア「ヒノカ、そんなこと無理に決まってる。どうやって王都までたどり着こうというの? 天馬でもそんな早くつけるわけないわ」
ヒノカ「やってみなければわからないさ。大丈夫、行くのは私たちだけだ、アクアとカムイは白夜に戻って本当の家族と一緒に、私とサクラの帰りを待っているだけでいい。そう、それだけでいいんだ」
アクア「……っ」
アクア「ヒノカ、なんでこんな作戦を強行したの。あなたなら、こんな被害が大きくなる作戦をするなんて」
ヒノカ「わかっているさ。だが、この作戦のおかげでカムイが白夜に帰ってくる。やってみた甲斐があったということだ」
カムイ「ヒノカさん、ウィンダムにはサクラさんと臣下の方たちがいるんです。それをわかっていながらやったというんですか?」
ヒノカ「そうか、サクラはまだ生きているのか。ふふ、また良い事を聞けたよ。私はサクラがもう暗夜に殺されているとばかり思っていたからな。卑劣な暗夜が人質を残しておくはずないと」
カムイ「その考えに反論できませんね」
ヒノカ「だけど、カムイ。サクラが生きているのはお前のおかげだと思ってる。ありがとう、サクラを見捨てないでくれて、とてもうれしいよ」
カムイ「……ですが、ヒノカさん考えてください。この町が落ちてしまったら、サクラさんの命は――」
ヒノカ「ふふっ、だからここを落としたらすぐに暗夜王都を落としにいく。そうすれば、何の問題もない」
アクア「ヒノカ、そんなこと無理に決まってる。どうやって王都までたどり着こうというの? 天馬でもそんな早くつけるわけないわ」
ヒノカ「やってみなければわからないさ。大丈夫、行くのは私たちだけだ、アクアとカムイは白夜に戻って本当の家族と一緒に、私とサクラの帰りを待っているだけでいい。そう、それだけでいいんだ」
アクア「……っ」
673: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/11(金) 22:23:12.45 ID:XNZ8fB6I0
カムイ「ですが、私は」
アサマ「そんな弱弱しい姿で何を言うかと思えば、ここは諦めて白夜へ戻るのがいいでしょう」
カムイ「……どなたですか?」
アサマ「目が見えないというのは本当なんですね。私はアサマ、ヒノカ様の臣下です。ここであなたに会えたというのは、ここであなたが白夜に戻るためでしかありませんよ」
カムイ「白夜に戻ったところで何の意味もないと思うんですけどね」
アサマ「ええ、私はそう思ってますが。なにせ主君の命令ですので」
ヒノカ「アサマ、口が過ぎるぞ。カムイは暗夜に王国に操られているだけだ。闘いたくもない白夜と戦わされているだけにすぎない」
アサマ「はぁ」
カムイ「なるほど、苦労してるんですね。アサマさんは」
アサマ「ふむ、あなたには私の悩みが伝わるようですね。はい、本来なら白夜の地でのんびりゆったりとしていたかったのですが」
ヒノカ「これから先は白夜で休んでいてくれても構わないぞ。できればカムイのことを見守っていてほしいからな」
アサマ「それは勘弁遠慮しますよ。悩みがわかる方と一緒にいても、面白くはありませんから」
アサマ「そんな弱弱しい姿で何を言うかと思えば、ここは諦めて白夜へ戻るのがいいでしょう」
カムイ「……どなたですか?」
アサマ「目が見えないというのは本当なんですね。私はアサマ、ヒノカ様の臣下です。ここであなたに会えたというのは、ここであなたが白夜に戻るためでしかありませんよ」
カムイ「白夜に戻ったところで何の意味もないと思うんですけどね」
アサマ「ええ、私はそう思ってますが。なにせ主君の命令ですので」
ヒノカ「アサマ、口が過ぎるぞ。カムイは暗夜に王国に操られているだけだ。闘いたくもない白夜と戦わされているだけにすぎない」
アサマ「はぁ」
カムイ「なるほど、苦労してるんですね。アサマさんは」
アサマ「ふむ、あなたには私の悩みが伝わるようですね。はい、本来なら白夜の地でのんびりゆったりとしていたかったのですが」
ヒノカ「これから先は白夜で休んでいてくれても構わないぞ。できればカムイのことを見守っていてほしいからな」
アサマ「それは勘弁遠慮しますよ。悩みがわかる方と一緒にいても、面白くはありませんから」
674: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/11(金) 22:31:17.89 ID:XNZ8fB6I0
セツナ「あっ、アサマに先越されちゃった……残念」
アサマ「はっはっは、セツナさんは貧乏くじでしたね」
セツナ「それほどでも……。この人が……カミイ様?」
ヒノカ「カムイだ。ふふ、これから一緒に過ごすことになる」
セツナ「……そう、よろしくね。カムイ様」
モズメ「ど、どうすればええんやろ?」
アクア「今動いたら腕の一本か二本持っていかれそうね」
カムイ「すみません。私の不注意で、お二人を巻き込んでしまって」
アクア「カムイ、そんなこと言わないで」
モズメ「そうや、あたいがもっとうまく出来てればよかったんや」
アサマ「ふむ、ではヒノカ様。どうしましょうか?」
ヒノカ「ああ、このままこの三人を連れて戻ろう。アサマ、セツナも一緒に戻ってくれ。ここの制圧はもう少しすれば終わる。あとは、ウィンダムまで一気に攻め入るだけさ」
カムイ(……そんなことできるわけもないのに、どうしてそんなことを)
アサマ「はっはっは、セツナさんは貧乏くじでしたね」
セツナ「それほどでも……。この人が……カミイ様?」
ヒノカ「カムイだ。ふふ、これから一緒に過ごすことになる」
セツナ「……そう、よろしくね。カムイ様」
モズメ「ど、どうすればええんやろ?」
アクア「今動いたら腕の一本か二本持っていかれそうね」
カムイ「すみません。私の不注意で、お二人を巻き込んでしまって」
アクア「カムイ、そんなこと言わないで」
モズメ「そうや、あたいがもっとうまく出来てればよかったんや」
アサマ「ふむ、ではヒノカ様。どうしましょうか?」
ヒノカ「ああ、このままこの三人を連れて戻ろう。アサマ、セツナも一緒に戻ってくれ。ここの制圧はもう少しすれば終わる。あとは、ウィンダムまで一気に攻め入るだけさ」
カムイ(……そんなことできるわけもないのに、どうしてそんなことを)
675: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/11(金) 22:39:09.88 ID:XNZ8fB6I0
エリーゼ「おねえちゃん、今助けてあげ――」
ニュクス「駄目よ、今攻撃してもカムイたちを危険に晒すだけ、今は耐えて」
エリーゼ「そんな、このままじゃカムイおねえちゃんが……」
ニュクス「そうね、運が良いのは、敵の動きが少しだけ遅くなってるってことね。増援が来てくれればいいのだけれど」
エリーゼ「ううっ、このまま見てるだけなんて悔しいよ!」
ニュクス「耐えることも必要よ。エリーゼはカムイのこと信じているんでしょ?」
エリーゼ「うん」
ニュクス「なら、信じましょう。その瞬間まで。だからそんな泣きそうな顔しないの。可愛い顔が台無しになっちゃうわ」
エリーゼ「う、うん。ありがとう……」
バサバサバサバサバサ
ニュクス「? この音、大通りの方角から?」
エリーゼ「ん、あ、あれっ!」
ニュクス「……あれは竜?」
ニュクス「駄目よ、今攻撃してもカムイたちを危険に晒すだけ、今は耐えて」
エリーゼ「そんな、このままじゃカムイおねえちゃんが……」
ニュクス「そうね、運が良いのは、敵の動きが少しだけ遅くなってるってことね。増援が来てくれればいいのだけれど」
エリーゼ「ううっ、このまま見てるだけなんて悔しいよ!」
ニュクス「耐えることも必要よ。エリーゼはカムイのこと信じているんでしょ?」
エリーゼ「うん」
ニュクス「なら、信じましょう。その瞬間まで。だからそんな泣きそうな顔しないの。可愛い顔が台無しになっちゃうわ」
エリーゼ「う、うん。ありがとう……」
バサバサバサバサバサ
ニュクス「? この音、大通りの方角から?」
エリーゼ「ん、あ、あれっ!」
ニュクス「……あれは竜?」
676: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/11(金) 22:49:24.63 ID:XNZ8fB6I0
ヒノカ「それじゃ、カムイ。いこう」スッ
カムイ「……」
???「何をしてるのかしら?」
ヒノカ「!」
セツナ「っ! ヒノカ様」チャキ
???「おっと、そうはさせないわよ!」
セツナ「!? いつの間に……」
アサマ「おやおや、強襲ですか。でも背中が――っ!」サッ ボキッ
アサマ「おっと、祈祷棒を折られてしまいましたね。まぁ命が助かっただけ安いものですね」
???「……そう、次は外さない」
カムイ「い、一体何が」
カミラ「カムイ、大丈夫? お姉ちゃんが助けに来たわ」
ルーナ「あたしたちが直々に助けに来てあげたんだから、感謝しなさいよ!」
ベルカ「任務はあなたを守ることだから。早く後ろに下がって」
カムイ「カミラ姉さん、どうしてここに」
カミラ「増援の任を奪い取ってここまで来たのよ。ああっ、カムイひどい怪我ね。ちょっと、オイタした子にお仕置きしなくちゃね……」
白夜天馬兵「ヒノカ様の前に割って入るか、貴様ぁ!」
カミラ「うるさいわね、邪魔よ」ニコッ
グチャ ドタンドタ……
アサマ「あまり、穏やかじゃないですねぇ」
セツナ「……みんな、準備」
カムイ「……」
???「何をしてるのかしら?」
ヒノカ「!」
セツナ「っ! ヒノカ様」チャキ
???「おっと、そうはさせないわよ!」
セツナ「!? いつの間に……」
アサマ「おやおや、強襲ですか。でも背中が――っ!」サッ ボキッ
アサマ「おっと、祈祷棒を折られてしまいましたね。まぁ命が助かっただけ安いものですね」
???「……そう、次は外さない」
カムイ「い、一体何が」
カミラ「カムイ、大丈夫? お姉ちゃんが助けに来たわ」
ルーナ「あたしたちが直々に助けに来てあげたんだから、感謝しなさいよ!」
ベルカ「任務はあなたを守ることだから。早く後ろに下がって」
カムイ「カミラ姉さん、どうしてここに」
カミラ「増援の任を奪い取ってここまで来たのよ。ああっ、カムイひどい怪我ね。ちょっと、オイタした子にお仕置きしなくちゃね……」
白夜天馬兵「ヒノカ様の前に割って入るか、貴様ぁ!」
カミラ「うるさいわね、邪魔よ」ニコッ
グチャ ドタンドタ……
アサマ「あまり、穏やかじゃないですねぇ」
セツナ「……みんな、準備」
677: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/11(金) 23:00:28.69 ID:XNZ8fB6I0
ヒノカ「……暗夜の王女、何の真似だ?」
カミラ「それはこっちの台詞よ。私の大事な妹をどこに連れて行こうというのかしら? 人の物を取っちゃいけないって、幼い頃に習わなかったのかしら?」
ヒノカ「黙れ目狐。カムイは私たちの家族だ、私の邪魔をするというなら、ここで切り殺すまでだ」
カミラ「怖いわね。でも、そう言ってもらえると助かるわ、容赦なく血祭りにできるもの。カムイを困らせる人は一人残らずね。「
ヒノカ「……大した自信だな」
カミラ「ええ、カムイが見てるもの。おねえちゃんだから、負けられないわ。カムイ」
カムイ「なんですか、カミラ姉さん」
ヒノカ「っ」
カミラ「増援はあと少しで到着するから、防衛の方任せるわね」
カムイ「はい、ありがとうございます」
カミラ「お礼なんていらないわ。あなたが無事でよかった。ルーナ、ベルカ!」
ルーナ・ベルカ「はい、カミラ様」
カミラ「カムイたちと広場に行ってちょうだい。私は、この泥棒猫と踊らなくちゃいけないみたいだから」
ベルカ「わかった。カムイ様と他の人も乗って」
カムイ「はい、ありがとうございます」
ヒノカ「カムイ、待て!」
カミラ「あら、駄目よ。あなたの相手は私、泥棒猫ちゃん」
ヒノカ「邪魔をするんだな。この目狐……」
カミラ「そうよ、カムイがほしかったら私を倒してからにしなさい」
ヒノカ「白夜の天馬術、見せてやる。手出し無用だ。他のものは進軍を続けろ!」
カミラ「それはこっちの台詞よ。私の大事な妹をどこに連れて行こうというのかしら? 人の物を取っちゃいけないって、幼い頃に習わなかったのかしら?」
ヒノカ「黙れ目狐。カムイは私たちの家族だ、私の邪魔をするというなら、ここで切り殺すまでだ」
カミラ「怖いわね。でも、そう言ってもらえると助かるわ、容赦なく血祭りにできるもの。カムイを困らせる人は一人残らずね。「
ヒノカ「……大した自信だな」
カミラ「ええ、カムイが見てるもの。おねえちゃんだから、負けられないわ。カムイ」
カムイ「なんですか、カミラ姉さん」
ヒノカ「っ」
カミラ「増援はあと少しで到着するから、防衛の方任せるわね」
カムイ「はい、ありがとうございます」
カミラ「お礼なんていらないわ。あなたが無事でよかった。ルーナ、ベルカ!」
ルーナ・ベルカ「はい、カミラ様」
カミラ「カムイたちと広場に行ってちょうだい。私は、この泥棒猫と踊らなくちゃいけないみたいだから」
ベルカ「わかった。カムイ様と他の人も乗って」
カムイ「はい、ありがとうございます」
ヒノカ「カムイ、待て!」
カミラ「あら、駄目よ。あなたの相手は私、泥棒猫ちゃん」
ヒノカ「邪魔をするんだな。この目狐……」
カミラ「そうよ、カムイがほしかったら私を倒してからにしなさい」
ヒノカ「白夜の天馬術、見せてやる。手出し無用だ。他のものは進軍を続けろ!」
678: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/11(金) 23:09:16.03 ID:XNZ8fB6I0
ベルカ「うん、みんな乗れた」
ルーナ「よし、次はあたしね! ベルカ、今乗るから!」
ベルカ「ごめん、重量オーバーだからルーナは回り道で来て」バサバサバサバサッ
ルーナ「ええっ、あたしだけ徒歩なの!? この中を徒歩で行くなんて、聞いてないわよ!」
エイッナノ! グワァ
ハイッ セイヤァ!
ピエリ「抜けたの!」
ラズワルド「よし、カムイ様って……ルーナ?」
ルーナ「ラズワルド、どうしてこんなところにいるのよ!」
ラズワルド「いや、僕は……それより、カムイ様は」
ルーナ「相方が連れてっちゃったわ。あたしは置いて行かれた感じ―――」
リリス「あっ……」
ルーナ「あ、あんた」
ピエリ「なになに、リリスの知り合いなの? なら仲間なの! いっぱい敵を倒して、カムイ様をお守りするの!」
ラズワルド「ルーナ、大丈夫。僕が保証するよ」
ルーナ「色目使われてるわけじゃないでしょうね?」
ラズワルド「ち、ちがうよ。それにお茶に誘ったら断られちゃったから」
ルーナ「ふーん、そっ」
リリス「あの、よろしくお願いします」
ルーナ「しょうがないわね。緊急事態だし、今は何も聞かないわ。とりあえず、広場まで抜けるわよ。この大軍すべてを相手なんてできるわけないから」
ラズワルド「同感、ピエリ。道を作ってくれるかな?」
ピエリ「任せるの!」
リリス「行きます! ライブ!」
ピエリ「痛みがなくなったの! 元気一杯、槍いっぱいなの!」
ルーナ「よし、次はあたしね! ベルカ、今乗るから!」
ベルカ「ごめん、重量オーバーだからルーナは回り道で来て」バサバサバサバサッ
ルーナ「ええっ、あたしだけ徒歩なの!? この中を徒歩で行くなんて、聞いてないわよ!」
エイッナノ! グワァ
ハイッ セイヤァ!
ピエリ「抜けたの!」
ラズワルド「よし、カムイ様って……ルーナ?」
ルーナ「ラズワルド、どうしてこんなところにいるのよ!」
ラズワルド「いや、僕は……それより、カムイ様は」
ルーナ「相方が連れてっちゃったわ。あたしは置いて行かれた感じ―――」
リリス「あっ……」
ルーナ「あ、あんた」
ピエリ「なになに、リリスの知り合いなの? なら仲間なの! いっぱい敵を倒して、カムイ様をお守りするの!」
ラズワルド「ルーナ、大丈夫。僕が保証するよ」
ルーナ「色目使われてるわけじゃないでしょうね?」
ラズワルド「ち、ちがうよ。それにお茶に誘ったら断られちゃったから」
ルーナ「ふーん、そっ」
リリス「あの、よろしくお願いします」
ルーナ「しょうがないわね。緊急事態だし、今は何も聞かないわ。とりあえず、広場まで抜けるわよ。この大軍すべてを相手なんてできるわけないから」
ラズワルド「同感、ピエリ。道を作ってくれるかな?」
ピエリ「任せるの!」
リリス「行きます! ライブ!」
ピエリ「痛みがなくなったの! 元気一杯、槍いっぱいなの!」
679: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/11(金) 23:20:08.56 ID:XNZ8fB6I0
カムイ「ベルカさんですか。ありがとうございます」
ベルカ「気にしないで、そう言う任務だから。今から私もあなたの命令に従うわ」
カムイ「はい、ありがとうございます。増援の方たちが来る時間はわかりますか?」
ベルカ「弓騎兵を中心に構成していたから、もうそろそろよ。相手にもその情報が漏れてるから何かしてくるかもしれないわ」
カムイ「そうですね。何をしてくるのかはわかりませんけど、守りぬく以外に選択肢なんてありませんから」
ベルカ「そう、ついたわ」
エリーゼ「あっ、カムイおねえちゃん。今ね、カミラおねえちゃんが」
カムイ「はい、わかっています。エリーゼさん、ニュクスさん、もう一度砲台で牽制射撃をお願いします。もうすぐ、増援が到着するらしいので」
ニュクス「そう、こちらはできる限りのことをやってみるけど、ずっとは無理よ?」
カムイ「はい、何か変化が起きたらすぐに砲台から出て、中央の舞台と合流してください」
エリーゼ「うん、わかった。カミラおねえちゃんは大丈夫?」
カムイ「ええ、ヒノカさんが相手ですから。あの人は武人です、一騎打ちに水を差すような支持はしないでしょうから」
アクア「ヒノカのこと信じてるのね」
カムイ「そうですね。わずかに話しただけでも、そう言う人なのだと思えましたから。ただ……」
アクア「ただ?」
カムイ「いえ、なんでもありません。さぁ、最後のひと踏ん張りですよ」
ベルカ「気にしないで、そう言う任務だから。今から私もあなたの命令に従うわ」
カムイ「はい、ありがとうございます。増援の方たちが来る時間はわかりますか?」
ベルカ「弓騎兵を中心に構成していたから、もうそろそろよ。相手にもその情報が漏れてるから何かしてくるかもしれないわ」
カムイ「そうですね。何をしてくるのかはわかりませんけど、守りぬく以外に選択肢なんてありませんから」
ベルカ「そう、ついたわ」
エリーゼ「あっ、カムイおねえちゃん。今ね、カミラおねえちゃんが」
カムイ「はい、わかっています。エリーゼさん、ニュクスさん、もう一度砲台で牽制射撃をお願いします。もうすぐ、増援が到着するらしいので」
ニュクス「そう、こちらはできる限りのことをやってみるけど、ずっとは無理よ?」
カムイ「はい、何か変化が起きたらすぐに砲台から出て、中央の舞台と合流してください」
エリーゼ「うん、わかった。カミラおねえちゃんは大丈夫?」
カムイ「ええ、ヒノカさんが相手ですから。あの人は武人です、一騎打ちに水を差すような支持はしないでしょうから」
アクア「ヒノカのこと信じてるのね」
カムイ「そうですね。わずかに話しただけでも、そう言う人なのだと思えましたから。ただ……」
アクア「ただ?」
カムイ「いえ、なんでもありません。さぁ、最後のひと踏ん張りですよ」
680: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/11(金) 23:30:01.68 ID:XNZ8fB6I0
ヒノカ「はぁ! せやっ!」
カミラ「ふふっ、確かに動きは速いけど、力はいまいちなのね。それっ!」
ヒノカ「くっ。力が強い!」
カミラ「ふふっ、威勢はいいけど、力不足よ。カムイを追いかけて来たみたいだけど、これじゃ拍子抜けだわ」
ヒノカ「くっ、私じゃ届かないっていうのか? こんなに、こんなに長く思い続けてきたというのに」
カミラ「……なら、なんであの子の心を汲んであげないのかしら」
ヒノカ「なんだと!? 私は、カムイを暗夜の手から取り戻すために、それだけのためにここまで来たんだ! それをお前のような、血の繋がっていない存在に!」
カミラ「……そうね。確かに私とカムイは血がつながっていないわ」
ヒノカ「なら、なぜ姉のようにふるまう」
カミラ「私がカムイと一緒に過ごしてきた時間は、確かなものだからよ。それをあなたに否定されるわけにはいかないわ」
ヒノカ「くっ。使いたくはなかったが! 竜脈!」
シュオンッ ドゴォオオオオオン
カミラ「? 水が引いて、カムイ!」
ヒノカ「ふんっ!」
カミラ「くっ。やってくれるわね」
ヒノカ「進撃は成功させる。そのためにも、お前をカムイの元に行かせはしない!」
「絶対に、絶対に!!!」
カミラ「ふふっ、確かに動きは速いけど、力はいまいちなのね。それっ!」
ヒノカ「くっ。力が強い!」
カミラ「ふふっ、威勢はいいけど、力不足よ。カムイを追いかけて来たみたいだけど、これじゃ拍子抜けだわ」
ヒノカ「くっ、私じゃ届かないっていうのか? こんなに、こんなに長く思い続けてきたというのに」
カミラ「……なら、なんであの子の心を汲んであげないのかしら」
ヒノカ「なんだと!? 私は、カムイを暗夜の手から取り戻すために、それだけのためにここまで来たんだ! それをお前のような、血の繋がっていない存在に!」
カミラ「……そうね。確かに私とカムイは血がつながっていないわ」
ヒノカ「なら、なぜ姉のようにふるまう」
カミラ「私がカムイと一緒に過ごしてきた時間は、確かなものだからよ。それをあなたに否定されるわけにはいかないわ」
ヒノカ「くっ。使いたくはなかったが! 竜脈!」
シュオンッ ドゴォオオオオオン
カミラ「? 水が引いて、カムイ!」
ヒノカ「ふんっ!」
カミラ「くっ。やってくれるわね」
ヒノカ「進撃は成功させる。そのためにも、お前をカムイの元に行かせはしない!」
「絶対に、絶対に!!!」
681: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/11(金) 23:37:35.30 ID:XNZ8fB6I0
カムイ「揺れて、一体何が……」
暗夜兵士「み、水が引いただと!?」
暗夜兵士「枯れた水路から敵が侵攻してくるぞ!」
カムイ「くっ、これが最後の手段ですか。ヒノカさんも、やりますね」
モズメ「感心しとる場合じゃないで!」
カムイ「ですね。もう、陣形を考える必要はありません。皆さん、敵を絶対に通さないでください。路地裏もすべて封鎖してください!」
ニュクス「エリーゼ、あと一回撃ったら引くわよ」
エリーゼ「うん、わかった!」
ボウッ ドワァン!
グアアアアアッ
ニュクス「合流するわよ」
エルフィ「水が引いて、この位置じゃ囲まれてしまうわ」
フェリシア「エルフィさん、こっちです。早く!」
サイラス「流石にこうなったら危ない、水路の上がれる場所を抑えるしかない」
ハロルド「エルフィくん。こちらが援護する、フェリシアくんは治療を優先だ!」
フェリシア「は、はい。エルフィさん、もう少しでもう少しですから!」
サイラス「くそっ、どこからでも攻められるからって調子に乗るなよ!」
エルフィ「ごめん、私動くのは遅いから……」
フェリシア「気にしないでください、いつもなら私の方がドジして遅いんですから」
エルフィ「……ふふ、今言うことじゃないわ。でもありがとう、肩が軽くなった気分よ」
サイラス「本当に、変な励まし方だな。でも、俺だってけがしたらそれくらい遅い」
ハロルド「うむ、沼に足を取られれば私だって遅いぞ」
エルフィ「……ええ、それじゃ、遅い私の援護、お願いできるかしら?」
一同「もちろんだ」
暗夜兵士「み、水が引いただと!?」
暗夜兵士「枯れた水路から敵が侵攻してくるぞ!」
カムイ「くっ、これが最後の手段ですか。ヒノカさんも、やりますね」
モズメ「感心しとる場合じゃないで!」
カムイ「ですね。もう、陣形を考える必要はありません。皆さん、敵を絶対に通さないでください。路地裏もすべて封鎖してください!」
ニュクス「エリーゼ、あと一回撃ったら引くわよ」
エリーゼ「うん、わかった!」
ボウッ ドワァン!
グアアアアアッ
ニュクス「合流するわよ」
エルフィ「水が引いて、この位置じゃ囲まれてしまうわ」
フェリシア「エルフィさん、こっちです。早く!」
サイラス「流石にこうなったら危ない、水路の上がれる場所を抑えるしかない」
ハロルド「エルフィくん。こちらが援護する、フェリシアくんは治療を優先だ!」
フェリシア「は、はい。エルフィさん、もう少しでもう少しですから!」
サイラス「くそっ、どこからでも攻められるからって調子に乗るなよ!」
エルフィ「ごめん、私動くのは遅いから……」
フェリシア「気にしないでください、いつもなら私の方がドジして遅いんですから」
エルフィ「……ふふ、今言うことじゃないわ。でもありがとう、肩が軽くなった気分よ」
サイラス「本当に、変な励まし方だな。でも、俺だってけがしたらそれくらい遅い」
ハロルド「うむ、沼に足を取られれば私だって遅いぞ」
エルフィ「……ええ、それじゃ、遅い私の援護、お願いできるかしら?」
一同「もちろんだ」
682: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/11(金) 23:47:17.69 ID:XNZ8fB6I0
ピエリ「ここから絶対に広場に入れてあげないの!」
ルーナ「もうっ、そろそろ諦めなさいよ! ラズワルド、右の方、影!」
ラズワルド「わかったよ! それ!」
グアアアア
ピエリ「すごいの。どんどん来てくれるから、どんどん血みどろにできるの!」
リリス「ううっ、血で服がべとべとになっちゃった」
ピエリ「今度可愛い服買ってあげるの! リリスに似合う可愛いのなの!」
ルーナ「え、なに、買い物。今度買い物に行くの!? だったらあたしも連れて行きなさいよ!」
ピエリ「ルーナも可愛いもの好きなの?」
ルーナ「いや、買い物が好きなの!」
ラズワルド「そうだね、ルーナって無駄な買い物多いから!」
ルーナ「無駄じゃないわよ!」
ピエリ「いいの! この戦いが終わったら、三人で買い物に行くの!」
ラズワルド「えっ、ピエリ。僕は、僕も付いて行っていいよね?」
リリス「ううっ、ラズワルドさん、少しは女子会の空気読んでください」
ルーナ「ほんとよね。それだから女の子に話しかけても相手にされないのよ」
ピエリ「ラズワルド、泣きそうな顔してるの! 面白いの!」
ラズワルド「違うよ、剣を振り過ぎて、つかれただけだよ。泣いてるわけじゃないから」
ルーナ「とりあえず。こいつら止めてからね」
ピエリ「なの、リリス。最後にお願いなの。ここからはそんな暇ないの」
リリス「はい、ピエリさん。頑張ってください」
「ライブ!」
ルーナ「もうっ、そろそろ諦めなさいよ! ラズワルド、右の方、影!」
ラズワルド「わかったよ! それ!」
グアアアア
ピエリ「すごいの。どんどん来てくれるから、どんどん血みどろにできるの!」
リリス「ううっ、血で服がべとべとになっちゃった」
ピエリ「今度可愛い服買ってあげるの! リリスに似合う可愛いのなの!」
ルーナ「え、なに、買い物。今度買い物に行くの!? だったらあたしも連れて行きなさいよ!」
ピエリ「ルーナも可愛いもの好きなの?」
ルーナ「いや、買い物が好きなの!」
ラズワルド「そうだね、ルーナって無駄な買い物多いから!」
ルーナ「無駄じゃないわよ!」
ピエリ「いいの! この戦いが終わったら、三人で買い物に行くの!」
ラズワルド「えっ、ピエリ。僕は、僕も付いて行っていいよね?」
リリス「ううっ、ラズワルドさん、少しは女子会の空気読んでください」
ルーナ「ほんとよね。それだから女の子に話しかけても相手にされないのよ」
ピエリ「ラズワルド、泣きそうな顔してるの! 面白いの!」
ラズワルド「違うよ、剣を振り過ぎて、つかれただけだよ。泣いてるわけじゃないから」
ルーナ「とりあえず。こいつら止めてからね」
ピエリ「なの、リリス。最後にお願いなの。ここからはそんな暇ないの」
リリス「はい、ピエリさん。頑張ってください」
「ライブ!」
683: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/11(金) 23:58:47.65 ID:XNZ8fB6I0
カムイ「弓兵の方々。壁の奥に向けて一斉正射!」
セツナ「負けてられない。私たちも……射て」
カムイ「遮蔽物で射線を避けて、右水路から近付いてくる伏兵に注意してください!」
モズメ「いくで! ニュクスさん、援護してや」
ニュクス「わかったわ。といっても、そろそろ抑えられる限界に来てるんだけど」
モズメ「仕方無いやろ。こっちと無効で人数二倍くらい違うんやから!」
アクア「そうね、愚痴るのはよくないわね」
ニュクス「アクア、とりあえず。ここにいても守りきれる自信がないわ、エリーゼと一緒に後方に下がってて頂戴」
アクア「ええ、そうね……」
カムイ「くっ、これ以上は………」
タタタタタタタタタッ
ジョーカー「カムイ様!」
カムイ「ジョーカーさん。遅かったですね」
ギュンター「ええ、住民の方々を誘導するのに時間がかかりましたが故」
フローラ「すみません、遅くなってしまいました」
カムイ「今は一人でも手数がほしいところです。上からも敵が来ていますから、すぐに迎撃を」
ジョーカー「はい、いっぱい連れて来ましたので。存分に使ってあげてください」
カムイ「え?」
ドタドタドタドタドタッ!
増援兵「前衛弓を引け、騎馬隊負傷兵の前で大盾準備、土足で入り込んできた白夜の方々をお出迎えしろ!」
「ファランクス準備!!!」ザッ
セツナ「負けてられない。私たちも……射て」
カムイ「遮蔽物で射線を避けて、右水路から近付いてくる伏兵に注意してください!」
モズメ「いくで! ニュクスさん、援護してや」
ニュクス「わかったわ。といっても、そろそろ抑えられる限界に来てるんだけど」
モズメ「仕方無いやろ。こっちと無効で人数二倍くらい違うんやから!」
アクア「そうね、愚痴るのはよくないわね」
ニュクス「アクア、とりあえず。ここにいても守りきれる自信がないわ、エリーゼと一緒に後方に下がってて頂戴」
アクア「ええ、そうね……」
カムイ「くっ、これ以上は………」
タタタタタタタタタッ
ジョーカー「カムイ様!」
カムイ「ジョーカーさん。遅かったですね」
ギュンター「ええ、住民の方々を誘導するのに時間がかかりましたが故」
フローラ「すみません、遅くなってしまいました」
カムイ「今は一人でも手数がほしいところです。上からも敵が来ていますから、すぐに迎撃を」
ジョーカー「はい、いっぱい連れて来ましたので。存分に使ってあげてください」
カムイ「え?」
ドタドタドタドタドタッ!
増援兵「前衛弓を引け、騎馬隊負傷兵の前で大盾準備、土足で入り込んできた白夜の方々をお出迎えしろ!」
「ファランクス準備!!!」ザッ
684: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/12(土) 00:08:01.89 ID:arBesepi0
カムイ「増援、間に合ったんですか!」
ジョーカー「はい、すみません。私たちは彼らをここに誘導することくらいしか」
カムイ「いいえ、住民の方々の避難誘導、ありがとうございます」
白夜兵「くっ、増援が!」
白夜天馬兵「上から行けば」
増援兵「上に矢を射て! 一匹たりとも通すな!」
ヒュンヒュンヒュン
ヒノカ「くっ……」
カミラ「ふふっ、あなたの負けよ。奥の手も空振り、部隊をこれ以上進める意味はないと思うけど?」
ヒノカ「……なぜ、なぜなんだ。正義は、正義は私たちにあるはずなのに……」
カミラ「………」
アサマ「御話し中、失礼しますよ」
カミラ「あら、丁寧に言うのね」
アサマ「おやおや、攻撃してこないのですね」
カミラ「ええ、一騎打ちの約束だもの」
アサマ「そうですか。ヒノカ様、もう撤収のお時間ですよ。私たちの役目も終わりましたので」
ヒノカ「くっ、……そういう取り決めだったからな」
アサマ「よかったです。これでまだ進むと言ったらどうしようかと思いましたよ。まだまだ無駄死にする兵士が増えるところでしたから」
ヒノカ「………部隊に伝えてくれ。撤退すると」
アサマ「はい、わかりました。ちなみにですが、カムイさんがああなった原因はある意味私かもしれないんですよねぇ」
カミラ「……そう、今から三枚に落としてもいいかしら?」
アサマ「はっはっは、それはご遠慮させてもらいます」
タタタタタタタタッ
ジョーカー「はい、すみません。私たちは彼らをここに誘導することくらいしか」
カムイ「いいえ、住民の方々の避難誘導、ありがとうございます」
白夜兵「くっ、増援が!」
白夜天馬兵「上から行けば」
増援兵「上に矢を射て! 一匹たりとも通すな!」
ヒュンヒュンヒュン
ヒノカ「くっ……」
カミラ「ふふっ、あなたの負けよ。奥の手も空振り、部隊をこれ以上進める意味はないと思うけど?」
ヒノカ「……なぜ、なぜなんだ。正義は、正義は私たちにあるはずなのに……」
カミラ「………」
アサマ「御話し中、失礼しますよ」
カミラ「あら、丁寧に言うのね」
アサマ「おやおや、攻撃してこないのですね」
カミラ「ええ、一騎打ちの約束だもの」
アサマ「そうですか。ヒノカ様、もう撤収のお時間ですよ。私たちの役目も終わりましたので」
ヒノカ「くっ、……そういう取り決めだったからな」
アサマ「よかったです。これでまだ進むと言ったらどうしようかと思いましたよ。まだまだ無駄死にする兵士が増えるところでしたから」
ヒノカ「………部隊に伝えてくれ。撤退すると」
アサマ「はい、わかりました。ちなみにですが、カムイさんがああなった原因はある意味私かもしれないんですよねぇ」
カミラ「……そう、今から三枚に落としてもいいかしら?」
アサマ「はっはっは、それはご遠慮させてもらいます」
タタタタタタタタッ
685: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/12(土) 00:16:36.59 ID:arBesepi0
カムイ「はぁ、はぁ、ヒノカさん」
ヒノカ「カムイ、私は必ず。お前の目を覚まして見せる、暗夜からお前を救ってみせる。だから……」
カムイ「ヒノカさん。もう私のことは忘れてください」
ヒノカ「な、何を言い出すんだ! お前は、なんで私にそんな残酷なことを言うんだ。ここまで、ここまで来たのは!」
カムイ「ヒノカさん。最後の警告です。私のことを忘れて、すぐに撤退してください。そうじゃなければ、私はここであなたを切り伏せないといけなくなります」
ヒノカ「か、カムイ。冗談だよな? カム」
チャキ
カミラ「………あなた、わかってあげなさい。カムイの気持ちをね」
ヒノカ「嘘だ。カムイ、お前は騙されているんだ!」
カムイ「ヒノカさん。私は私の意思で、考えて行動しているんです。それをあなたに否定する権利はありません」
ヒノカ「………」
セツナ「ヒノカ様、戻りましょう」
ヒノカ「か、カムイ……」
カムイ「さようなら、ヒノカさん。願わくば、あなたと戦場で会わないことを祈っています」
「いやだ」
カムイ「ヒノカさん……」
ヒノカ「………私は、私はあきらめないぞ。次に会ったとき、お前は白夜に戻るんだ。力づくでも、連れて帰る。そうでなければ―――」
セツナ「ヒノカ様!」
ヒノカ「くっ………」
バサバサバサバサバサッ
ヒノカ「カムイ、私は必ず。お前の目を覚まして見せる、暗夜からお前を救ってみせる。だから……」
カムイ「ヒノカさん。もう私のことは忘れてください」
ヒノカ「な、何を言い出すんだ! お前は、なんで私にそんな残酷なことを言うんだ。ここまで、ここまで来たのは!」
カムイ「ヒノカさん。最後の警告です。私のことを忘れて、すぐに撤退してください。そうじゃなければ、私はここであなたを切り伏せないといけなくなります」
ヒノカ「か、カムイ。冗談だよな? カム」
チャキ
カミラ「………あなた、わかってあげなさい。カムイの気持ちをね」
ヒノカ「嘘だ。カムイ、お前は騙されているんだ!」
カムイ「ヒノカさん。私は私の意思で、考えて行動しているんです。それをあなたに否定する権利はありません」
ヒノカ「………」
セツナ「ヒノカ様、戻りましょう」
ヒノカ「か、カムイ……」
カムイ「さようなら、ヒノカさん。願わくば、あなたと戦場で会わないことを祈っています」
「いやだ」
カムイ「ヒノカさん……」
ヒノカ「………私は、私はあきらめないぞ。次に会ったとき、お前は白夜に戻るんだ。力づくでも、連れて帰る。そうでなければ―――」
セツナ「ヒノカ様!」
ヒノカ「くっ………」
バサバサバサバサバサッ
686: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/12(土) 00:20:00.77 ID:arBesepi0
カムイ「………」
カミラ「カムイ……」
カムイ「カミラ姉さん、ありがとうございます。ヒノカさんを殺さないでくれて」
カミラ「ふふっ、殺してほしくないことくらいわかっていたから。でも、カムイ、あなたあのままヒノカ王女がここに居座ってたら、殺すつもりだったでしょう?」
カムイ「……さぁ、どうでしょうか……」
『………私は、私はあきらめないぞ。次に会ったとき、お前は白夜に戻るんだ。力づくでも、連れて帰る。そうでなければ―――』
カムイ「そうでなければ……何なんでしょうね」
カミラ「?」
カムイ「いいえ。町の防衛は成功しました。負傷者の救護に当たりましょう」
カミラ「ええ」ダキッ
カムイ「カミラ姉さん?」
カミラ「改めて言わせて、無事でいてくれてよかったわ」
カムイ「いいえ、助けてくれてありがとうございます。カミラ姉さん……」
カミラ「カムイ……」
カムイ「カミラ姉さん、ありがとうございます。ヒノカさんを殺さないでくれて」
カミラ「ふふっ、殺してほしくないことくらいわかっていたから。でも、カムイ、あなたあのままヒノカ王女がここに居座ってたら、殺すつもりだったでしょう?」
カムイ「……さぁ、どうでしょうか……」
『………私は、私はあきらめないぞ。次に会ったとき、お前は白夜に戻るんだ。力づくでも、連れて帰る。そうでなければ―――』
カムイ「そうでなければ……何なんでしょうね」
カミラ「?」
カムイ「いいえ。町の防衛は成功しました。負傷者の救護に当たりましょう」
カミラ「ええ」ダキッ
カムイ「カミラ姉さん?」
カミラ「改めて言わせて、無事でいてくれてよかったわ」
カムイ「いいえ、助けてくれてありがとうございます。カミラ姉さん……」
695: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/13(日) 12:13:08.79 ID:4VWBHc6R0
◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・港町ディア『宿舎』―
カムイ「改めてお礼を言わせてください、ありがとうございます。皆さんのおかげでこの町をどうにか守り切ることができました」
暗夜兵「いいえ、すみません。押しつけるような形で指揮を任せてしまって」
カムイ「たまたまうまくいっただけです、これも皆さんが私の指示に従ってくれたが故です。本当にありがとうございます」
暗夜兵「そんな……、あなたの下でなら戦いたいと思えるくらいでしたよ。私たちだけでは右往左往するばかりで、町は落とされ被害は甚大になっていたはずですから」
カムイ「買被りすぎです。犠牲も少なくありませんでしたから……。負傷兵の方々には後々会いに――」
暗夜兵「いえ、その思いだけでありがたい。そんなことを前の指揮官は口にさえ出しませんでしたから。町の方は我々にお任せください」
カムイ「はい、よろしくお願いします」
暗夜兵「では……」
バタン
カミラ「ふふっ、もう慕われているのね」
カムイ「港町を守れたという結果だけでも十分なんですけど。すみません、話の途中で席を外してしまって」
カミラ「構わないわ。それに、カムイが誰かに慕われている姿は見ていて良いものだから。でも、邪魔な虫だったら、おねえちゃんが切り落としちゃうわ」
―暗夜王国・港町ディア『宿舎』―
カムイ「改めてお礼を言わせてください、ありがとうございます。皆さんのおかげでこの町をどうにか守り切ることができました」
暗夜兵「いいえ、すみません。押しつけるような形で指揮を任せてしまって」
カムイ「たまたまうまくいっただけです、これも皆さんが私の指示に従ってくれたが故です。本当にありがとうございます」
暗夜兵「そんな……、あなたの下でなら戦いたいと思えるくらいでしたよ。私たちだけでは右往左往するばかりで、町は落とされ被害は甚大になっていたはずですから」
カムイ「買被りすぎです。犠牲も少なくありませんでしたから……。負傷兵の方々には後々会いに――」
暗夜兵「いえ、その思いだけでありがたい。そんなことを前の指揮官は口にさえ出しませんでしたから。町の方は我々にお任せください」
カムイ「はい、よろしくお願いします」
暗夜兵「では……」
バタン
カミラ「ふふっ、もう慕われているのね」
カムイ「港町を守れたという結果だけでも十分なんですけど。すみません、話の途中で席を外してしまって」
カミラ「構わないわ。それに、カムイが誰かに慕われている姿は見ていて良いものだから。でも、邪魔な虫だったら、おねえちゃんが切り落としちゃうわ」
696: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/13(日) 12:24:34.73 ID:4VWBHc6R0
カムイ「実感が湧きません。指示した通りにみんなが従ってくれたこと、それがこの結果に結びついているんですから。私がお礼を言われることもないと思うんですけど」
カミラ「そう、カムイらしいわ。謙遜はあなたの美徳だもの、ここにマークスお兄様がいたら同じことを言うでしょうね」
カムイ「謙遜だとかじゃありませんよ。私だけでどうにかできた問題じゃないんですから、だからカミラ姉さんが来てくれて本当に助かりました。あのままだったら、私とモズメさん、アクアさんは今頃白夜の船の中にいたでしょうから」
カミラ「本当、間に合ってよかったわ。ベルカとルーナにも後でお礼を言ってあげて、さすがに私一人じゃ力が足りなかったかもしれないから」
カムイ「はい。でも、増援の任を奪い取ってきたっと言ってましたけど……」
カミラ「ええ、お父様から渡された任を終えた頃に増援の話があってね。頼りなさそうなのが率いていくと聞いたから、私がその任務を代わってあげたの。カムイに早く会いたかったし、王女が直々に指揮を執るとなれば、みんなのやる気も出るでしょう?」
カムイ(それ職権乱用ですよ、カミラ姉さん)
カミラ「だから安心して、これからは私も一緒に戦うわ。カムイのためだもの、お父様もわかってくれるわ」
カムイ「……そうですか。わかりました、これからよろしくお願いしますね」
カミラ「ええ。任せて頂戴」
カミラ「そう、カムイらしいわ。謙遜はあなたの美徳だもの、ここにマークスお兄様がいたら同じことを言うでしょうね」
カムイ「謙遜だとかじゃありませんよ。私だけでどうにかできた問題じゃないんですから、だからカミラ姉さんが来てくれて本当に助かりました。あのままだったら、私とモズメさん、アクアさんは今頃白夜の船の中にいたでしょうから」
カミラ「本当、間に合ってよかったわ。ベルカとルーナにも後でお礼を言ってあげて、さすがに私一人じゃ力が足りなかったかもしれないから」
カムイ「はい。でも、増援の任を奪い取ってきたっと言ってましたけど……」
カミラ「ええ、お父様から渡された任を終えた頃に増援の話があってね。頼りなさそうなのが率いていくと聞いたから、私がその任務を代わってあげたの。カムイに早く会いたかったし、王女が直々に指揮を執るとなれば、みんなのやる気も出るでしょう?」
カムイ(それ職権乱用ですよ、カミラ姉さん)
カミラ「だから安心して、これからは私も一緒に戦うわ。カムイのためだもの、お父様もわかってくれるわ」
カムイ「……そうですか。わかりました、これからよろしくお願いしますね」
カミラ「ええ。任せて頂戴」
697: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/13(日) 12:39:58.38 ID:4VWBHc6R0
カムイ「……本当にこれが白夜の狙いだったのでしょうか?」
カミラ「どうしたの?」
カムイ「確かにヒノカさんの部隊が現れたことは間違いないんですけど、正直攻めてくる数は少ないと思えましたから」
カミラ「そうね、ヒノカ王女の臣下が言っていたわ、私たちの役目も終わったって。少し引っかかるのよね」
カムイ「………ですが、今の状況では動くこともできません。この町をもう一度白夜が襲わないとも限りませんし、なによりノートルディアで今だに来るはずもない白夜を待っているマクベスさんの戦力を暗夜に戻さないことには……」
カミラ「ほんと、お父様は暗夜に協力する白夜の国があると言っていたけど、この結果を見る限りじゃ」
カムイ「もしくは、ヒノカさんはすでにその国が信用ならないと思っていたのかもしれませんね。だから、それを利用した形なのかもしれません。よくある騙し合いです。だけど、今はどちらが合っているかを考えている暇はありませんから……」
カミラ「マクベスへの連絡は?」
カムイ「すでに送りました。あとはマクベスさんから返答か、ご本人がここに来てくれるのを待つばかりです。さすがに、すべての兵が一気に戻ってくることはできないでしょうから」
カミラ「そうね、さすがにそれは難しいわ。だから、マクベスからの接触があるまで、ここで待つことにしましょう?」
カムイ「はい」
カミラ「そうだ、久しぶりにお風呂に一緒に入りましょう? 久々に背中を流してあげるわ」
カムイ「カミラ姉さんはお風呂が好きですね。いいですよ、ご一緒します」
カミラ「ふふっ、久しぶりだからおねえちゃん、とってもうれしいわ……。どれくらい大きくなったかも調べてあげるからね」
カムイ「調べても意味ないですよ? 私ではカミラ姉さんに敵いませんから」
カミラ「どうしたの?」
カムイ「確かにヒノカさんの部隊が現れたことは間違いないんですけど、正直攻めてくる数は少ないと思えましたから」
カミラ「そうね、ヒノカ王女の臣下が言っていたわ、私たちの役目も終わったって。少し引っかかるのよね」
カムイ「………ですが、今の状況では動くこともできません。この町をもう一度白夜が襲わないとも限りませんし、なによりノートルディアで今だに来るはずもない白夜を待っているマクベスさんの戦力を暗夜に戻さないことには……」
カミラ「ほんと、お父様は暗夜に協力する白夜の国があると言っていたけど、この結果を見る限りじゃ」
カムイ「もしくは、ヒノカさんはすでにその国が信用ならないと思っていたのかもしれませんね。だから、それを利用した形なのかもしれません。よくある騙し合いです。だけど、今はどちらが合っているかを考えている暇はありませんから……」
カミラ「マクベスへの連絡は?」
カムイ「すでに送りました。あとはマクベスさんから返答か、ご本人がここに来てくれるのを待つばかりです。さすがに、すべての兵が一気に戻ってくることはできないでしょうから」
カミラ「そうね、さすがにそれは難しいわ。だから、マクベスからの接触があるまで、ここで待つことにしましょう?」
カムイ「はい」
カミラ「そうだ、久しぶりにお風呂に一緒に入りましょう? 久々に背中を流してあげるわ」
カムイ「カミラ姉さんはお風呂が好きですね。いいですよ、ご一緒します」
カミラ「ふふっ、久しぶりだからおねえちゃん、とってもうれしいわ……。どれくらい大きくなったかも調べてあげるからね」
カムイ「調べても意味ないですよ? 私ではカミラ姉さんに敵いませんから」
698: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/13(日) 12:49:01.36 ID:4VWBHc6R0
◇◇◇◇◇◇
―暗夜南海域―
ヒノカ「………カムイ」
アサマ「ヒノカ様」
ヒノカ「アサマか?」
アサマ「どうやら落ち着かれたようですね。良かったですよ、ご乱心な主君の下にいると苦労ばかりしますから」
ヒノカ「手の掛る臣下には言われたくない言葉だな。カムイは暗夜に操られているだけだ、それを心配に思うことが悪いことだとは言わせないぞ」
アサマ「……勘違いしないでください。そのことに関して話をしに来たわけではありませんから」
ヒノカ「?」
アサマ「私たちの役目は見事に終わりました。そして、今やその結果が実を結ぼうとしているようです」
ヒノカ「………そうか。私の意思を汲んでくれたんだな」
アサマ「はい、ですから。もう無理はしないでください、流石に冷や冷やしましたので」
ヒノカ「………それは約束できない。カムイもそうだがサクラが生きていることがわかったんだ。この先やるべきことなど、もう決まっている」
アサマ「……はぁ、仕方ありませんね。話は以上です」
ヒノカ「ああ、今日は休んでくれ。いろいろと疲れてしまっただろうからな」
アサマ「はい、では………」
―暗夜南海域―
ヒノカ「………カムイ」
アサマ「ヒノカ様」
ヒノカ「アサマか?」
アサマ「どうやら落ち着かれたようですね。良かったですよ、ご乱心な主君の下にいると苦労ばかりしますから」
ヒノカ「手の掛る臣下には言われたくない言葉だな。カムイは暗夜に操られているだけだ、それを心配に思うことが悪いことだとは言わせないぞ」
アサマ「……勘違いしないでください。そのことに関して話をしに来たわけではありませんから」
ヒノカ「?」
アサマ「私たちの役目は見事に終わりました。そして、今やその結果が実を結ぼうとしているようです」
ヒノカ「………そうか。私の意思を汲んでくれたんだな」
アサマ「はい、ですから。もう無理はしないでください、流石に冷や冷やしましたので」
ヒノカ「………それは約束できない。カムイもそうだがサクラが生きていることがわかったんだ。この先やるべきことなど、もう決まっている」
アサマ「……はぁ、仕方ありませんね。話は以上です」
ヒノカ「ああ、今日は休んでくれ。いろいろと疲れてしまっただろうからな」
アサマ「はい、では………」
699: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/13(日) 12:52:43.11 ID:4VWBHc6R0
ヒノカ「…………」
ドゴン ポタポタ
ヒノカ「私は、無力なのか………」
ヒノカ「誰か、誰か教えてくれ。どうすれば、どうすればカムイは……」
「カムイは白夜に帰ってきてくれるんだ……」
第十章 おわり
ドゴン ポタポタ
ヒノカ「私は、無力なのか………」
ヒノカ「誰か、誰か教えてくれ。どうすれば、どうすればカムイは……」
「カムイは白夜に帰ってきてくれるんだ……」
第十章 おわり
700: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/13(日) 13:05:02.27 ID:4VWBHc6R0
現在の支援レベル(暗夜)
リンカ C+
ジョーカー C+
ギュンター C+
サイラス B
マークス C+
ラズワルド C
ピエリ C
レオン C+
エリーゼ C+→B
ハロルド C+
エルフィ C
カミラ C+→B
ルーナ →C
ベルカ →C
リリス B
モズメ C→C+
サクラ C+
アクア B→B+
カザハナ D+
ツバキ D+
フェリシア C
フローラ C
ニュクス C→C+
仲間の支援
今回の戦闘でニュクスとエリーゼの支援がCに上がりました
今回の戦闘でピエリとリリスの支援がC+に上がりました
リンカ C+
ジョーカー C+
ギュンター C+
サイラス B
マークス C+
ラズワルド C
ピエリ C
レオン C+
エリーゼ C+→B
ハロルド C+
エルフィ C
カミラ C+→B
ルーナ →C
ベルカ →C
リリス B
モズメ C→C+
サクラ C+
アクア B→B+
カザハナ D+
ツバキ D+
フェリシア C
フローラ C
ニュクス C→C+
仲間の支援
今回の戦闘でニュクスとエリーゼの支援がCに上がりました
今回の戦闘でピエリとリリスの支援がC+に上がりました
701: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/13(日) 13:10:36.15 ID:4VWBHc6R0
昼間はここまでです。夜いつもどおりの時間くらいに新しい章を始めたいと思います。
この先の展開に関しての安価を取ります。参加していただけると幸いです。
◇◆◇◆◇
マクベスからの応答があるまでの間に話をしている組み合わせを決めたいとおもいます。
カムイ
アクア
ジョーカー
ギュンター
サイラス
ラズワルド
ピエリ
エリーゼ
ハロルド
エルフィ
カミラ
ルーナ
ベルカ
リリス
モズメ
フェリシア
フローラ
ニュクス
一組目は>>702 >>703
二組目は>>704 >>705
になります。
この先の展開に関しての安価を取ります。参加していただけると幸いです。
◇◆◇◆◇
マクベスからの応答があるまでの間に話をしている組み合わせを決めたいとおもいます。
カムイ
アクア
ジョーカー
ギュンター
サイラス
ラズワルド
ピエリ
エリーゼ
ハロルド
エルフィ
カミラ
ルーナ
ベルカ
リリス
モズメ
フェリシア
フローラ
ニュクス
一組目は>>702 >>703
二組目は>>704 >>705
になります。
702: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/13(日) 13:30:54.80 ID:pPQxpxhGO
ルーナ
703: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/13(日) 13:33:02.72 ID:G2f/Jy4g0
ラズワルド
704: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/13(日) 13:37:07.30 ID:bfg8YpPmo
フローラ
705: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/13(日) 13:38:33.03 ID:WiWJhNgq0
ジョーカー
708: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/13(日) 22:44:47.71 ID:4VWBHc6R0
◆◆◆◆◆◆
カムイ「カミラ姉さん。そんなに背中に体を押しつけないでください、洗い辛いです」
カミラ「いいじゃない。久し振りにカムイと入るお風呂なんだもの。前に入ったのはいつだったかしらね?」
カムイ「半年前くらいだったと思いますよ」
カミラ「そう、なら少し大きくなってるかもしれないわね」モミモミ
カムイ「っ、いきなり触らないでください。びっくりするじゃないですか」
カミラ「ごめんなさいね。お詫びに私のを触らせてあげるわ」
カムイ「……」モミモミ
カミラ「んっ……どうしたのカムイ?」
カムイ「いえ、やはりというか。やっぱり、あの人は姉さんと良い勝負ができたと思えるんですよね」
カミラ「……正直妬いちゃうわ。その女の胸をもいであげたくなるくらいに。もいで、ペタンコにしてあげれば、カムイの中の一番はおねえちゃんになるわ。そうでしょう?」
カムイ「冗談……ですよね?」
カミラ「ふふっ、冗談よ。冗談」
―どこか―
カゲロウ「うっ!?」
サイゾウ「どうした、カゲロウ」
カゲロウ「いや、胸に悪寒が走ってな……」
サイゾウ「胸に悪寒……局地的な脅威が迫っているのかもしれぬぞ」
カゲロウ「悪い知らせでないといいんだが……、どうしたサイゾウ?」
サイゾウ「……いや、なんでもない」
カゲロウ「?」
カムイ「カミラ姉さん。そんなに背中に体を押しつけないでください、洗い辛いです」
カミラ「いいじゃない。久し振りにカムイと入るお風呂なんだもの。前に入ったのはいつだったかしらね?」
カムイ「半年前くらいだったと思いますよ」
カミラ「そう、なら少し大きくなってるかもしれないわね」モミモミ
カムイ「っ、いきなり触らないでください。びっくりするじゃないですか」
カミラ「ごめんなさいね。お詫びに私のを触らせてあげるわ」
カムイ「……」モミモミ
カミラ「んっ……どうしたのカムイ?」
カムイ「いえ、やはりというか。やっぱり、あの人は姉さんと良い勝負ができたと思えるんですよね」
カミラ「……正直妬いちゃうわ。その女の胸をもいであげたくなるくらいに。もいで、ペタンコにしてあげれば、カムイの中の一番はおねえちゃんになるわ。そうでしょう?」
カムイ「冗談……ですよね?」
カミラ「ふふっ、冗談よ。冗談」
―どこか―
カゲロウ「うっ!?」
サイゾウ「どうした、カゲロウ」
カゲロウ「いや、胸に悪寒が走ってな……」
サイゾウ「胸に悪寒……局地的な脅威が迫っているのかもしれぬぞ」
カゲロウ「悪い知らせでないといいんだが……、どうしたサイゾウ?」
サイゾウ「……いや、なんでもない」
カゲロウ「?」
710: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/13(日) 22:57:01.40 ID:4VWBHc6R0
―港町ディア・広場前噴水―
ルーナ「………」
ルーナ「はぁ、なし崩し的にどうにかカムイ様と接触したわけだけど、正直不安ね。本当にあたしたちにどうにかできるのかしら?」
ラズワルド「ルーナ!」
ルーナ「きゃああ!って、ラズワルドじゃない。脅かさないでよ!」
ラズワルド「ごめんごめん。僕が近づいてきてるのに気付かないなんて、どうしたの?」
ルーナ「別に、なんでもないわよ」
ラズワルド「なんでもなくないでしょ?」
ルーナ「………あたしたちがするべきことを考えてたらね。少しだけ不安になったのよ」
ラズワルド「………僕たちの使命のことだよね」
ルーナ「約束っていうこともあるわ。絶対に成し遂げなくちゃいけないって、覚悟も持ってきたんだから。でも、大まかなことなんてわからないわ」
ラズワルド「そうだね」
ルーナ「目標は決まってる。決まってるのはすごくいいんだけどね、そこまでの道筋が全く思いつかないのよ。もしかしたら、あたしたちが来たことなんて何の足しにもならないんじゃないかって思ったら――」
ラズワルド「……ルーナ」
ルーナ「ごめんね、久しぶりに再会したっていうのに、なんだか調子狂っちゃうわよね」
ルーナ「………」
ルーナ「はぁ、なし崩し的にどうにかカムイ様と接触したわけだけど、正直不安ね。本当にあたしたちにどうにかできるのかしら?」
ラズワルド「ルーナ!」
ルーナ「きゃああ!って、ラズワルドじゃない。脅かさないでよ!」
ラズワルド「ごめんごめん。僕が近づいてきてるのに気付かないなんて、どうしたの?」
ルーナ「別に、なんでもないわよ」
ラズワルド「なんでもなくないでしょ?」
ルーナ「………あたしたちがするべきことを考えてたらね。少しだけ不安になったのよ」
ラズワルド「………僕たちの使命のことだよね」
ルーナ「約束っていうこともあるわ。絶対に成し遂げなくちゃいけないって、覚悟も持ってきたんだから。でも、大まかなことなんてわからないわ」
ラズワルド「そうだね」
ルーナ「目標は決まってる。決まってるのはすごくいいんだけどね、そこまでの道筋が全く思いつかないのよ。もしかしたら、あたしたちが来たことなんて何の足しにもならないんじゃないかって思ったら――」
ラズワルド「……ルーナ」
ルーナ「ごめんね、久しぶりに再会したっていうのに、なんだか調子狂っちゃうわよね」
711: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/13(日) 23:08:24.41 ID:4VWBHc6R0
ラズワルド「いや、なんだか安心した」
ルーナ「?」
ラズワルド「僕も同じだよ」
ルーナ「さっきまで女の子に声を掛けてた奴の言葉とは思えないんだけど?」
ラズワルド「あはは、僕なりの処世術みたいなものだから。紛らせてるだけっていったほうがいいかもしれない。ルーナの考えてること、僕も思ってることだよ」
ルーナ「……」
ラズワルド「出口だけしか見えないのがこんなに不安なんて思わなかったからね。出口までの道が全くわからない中で進まなくちゃいけないのに、あの時みたいに僕たちの手を引いてくれる人はいないから、とても不安だよ」
ルーナ「……」
ラズワルド「だから、僕はとりあえずだけどカムイ様をお守りすることを今の指針に考えてる。それが一番の近道だって思うからね」
ルーナ「そう、ラズワルドはそう考えてるのね」
ラズワルド「うん、不安なことだけ考えてても前になんか進めないから。今はあの人を守ることが、出口に最も近づけることだって信じるしかないからね」
ルーナ「はぁ、カムイ様が女の子だからだとか、そんな理由じゃないでしょうね?」
ラズワルド「カムイ様は可愛いと思うよ。そうだね、そう考えればもっと守りたくなってきたかも」
ルーナ「……一瞬でも見直したとか思った私がばかだったわ。やっぱり、あんたはあんたのままなのね」
ルーナ「?」
ラズワルド「僕も同じだよ」
ルーナ「さっきまで女の子に声を掛けてた奴の言葉とは思えないんだけど?」
ラズワルド「あはは、僕なりの処世術みたいなものだから。紛らせてるだけっていったほうがいいかもしれない。ルーナの考えてること、僕も思ってることだよ」
ルーナ「……」
ラズワルド「出口だけしか見えないのがこんなに不安なんて思わなかったからね。出口までの道が全くわからない中で進まなくちゃいけないのに、あの時みたいに僕たちの手を引いてくれる人はいないから、とても不安だよ」
ルーナ「……」
ラズワルド「だから、僕はとりあえずだけどカムイ様をお守りすることを今の指針に考えてる。それが一番の近道だって思うからね」
ルーナ「そう、ラズワルドはそう考えてるのね」
ラズワルド「うん、不安なことだけ考えてても前になんか進めないから。今はあの人を守ることが、出口に最も近づけることだって信じるしかないからね」
ルーナ「はぁ、カムイ様が女の子だからだとか、そんな理由じゃないでしょうね?」
ラズワルド「カムイ様は可愛いと思うよ。そうだね、そう考えればもっと守りたくなってきたかも」
ルーナ「……一瞬でも見直したとか思った私がばかだったわ。やっぱり、あんたはあんたのままなのね」
712: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/13(日) 23:14:30.45 ID:4VWBHc6R0
ラズワルド「ええっ、カムイ様を守ろうっていうのは僕の本心だよ!」
ルーナ「そこで止めとけばいいのに、なんでこうも軽い発言をするのかわからない、そう言う意味よ」
ラズワルド「落ち込んでるから、少しでも気がまぎれるかと思ったのに」
ルーナ「そう……まぁ、その気遣いはありがと……」
ラズワルド「うん、さてと。それじゃ僕は宿舎に戻るよ」
ルーナ「そう、あたしはもう少しここにいるから、大丈夫よ。少しだけ軽くなったから」
ラズワルド「うん、ルーナ。また気が滅入ったりしたら言ってね。力になれることはできる限りするからさ」
ルーナ「そう、一応気には留めとくわ。一応よ、一応だからね!」
ラズワルド「あはは、わかったよ」
ルーナ「もう……」
ルーナ「そこで止めとけばいいのに、なんでこうも軽い発言をするのかわからない、そう言う意味よ」
ラズワルド「落ち込んでるから、少しでも気がまぎれるかと思ったのに」
ルーナ「そう……まぁ、その気遣いはありがと……」
ラズワルド「うん、さてと。それじゃ僕は宿舎に戻るよ」
ルーナ「そう、あたしはもう少しここにいるから、大丈夫よ。少しだけ軽くなったから」
ラズワルド「うん、ルーナ。また気が滅入ったりしたら言ってね。力になれることはできる限りするからさ」
ルーナ「そう、一応気には留めとくわ。一応よ、一応だからね!」
ラズワルド「あはは、わかったよ」
ルーナ「もう……」
713: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/13(日) 23:24:24.67 ID:4VWBHc6R0
―港町ディア・宿舎―
ガシャン
フローラ「あっ……いけないわね。でも、まだ仕事が……」
ジョーカー「んっ、いつも通りフェリシアが皿を割ったのかと思ったら、お前がドジを踏むなんて珍しいこともあるんだな」
フローラ「ジョーカー」
ジョーカー「まったく、使用人が疲れて仕事に支障を出すなって、ジジイに言われてることだろうが」
フローラ「そうね……。でも大丈夫よ、任された仕事はちゃんとこなすわ。与えられたことをきちんとこなしてこそ使用人、でしょ?」
ジョーカー「はぁ、俺が言ってるのはそう言うことじゃねえ」
フローラ「えっ」
ジョーカー「フローラ。さっきの戦闘の疲れがまだ残ってるんだろ? 血色もいつもより白いくらいだ」
フローラ「そんなことないわ。疲れてなんていないもの、落とした食器を片づけるから、ジョーカーは自分の仕事に。っ!」
ジョーカー「言わんこっちゃない」
フローラ「……この程度の切り傷」
ジョーカー「見せてみろ」
フローラ「! ジョ、ジョーカー一体何を」
ジョーカー「まったく、使用人が指先に怪我なんてするんじゃねえ。人様が見て快く思わないことだってあるんだぞ」
フローラ「……ジョ、ジョーカー、その、顔……顔が」
ガシャン
フローラ「あっ……いけないわね。でも、まだ仕事が……」
ジョーカー「んっ、いつも通りフェリシアが皿を割ったのかと思ったら、お前がドジを踏むなんて珍しいこともあるんだな」
フローラ「ジョーカー」
ジョーカー「まったく、使用人が疲れて仕事に支障を出すなって、ジジイに言われてることだろうが」
フローラ「そうね……。でも大丈夫よ、任された仕事はちゃんとこなすわ。与えられたことをきちんとこなしてこそ使用人、でしょ?」
ジョーカー「はぁ、俺が言ってるのはそう言うことじゃねえ」
フローラ「えっ」
ジョーカー「フローラ。さっきの戦闘の疲れがまだ残ってるんだろ? 血色もいつもより白いくらいだ」
フローラ「そんなことないわ。疲れてなんていないもの、落とした食器を片づけるから、ジョーカーは自分の仕事に。っ!」
ジョーカー「言わんこっちゃない」
フローラ「……この程度の切り傷」
ジョーカー「見せてみろ」
フローラ「! ジョ、ジョーカー一体何を」
ジョーカー「まったく、使用人が指先に怪我なんてするんじゃねえ。人様が見て快く思わないことだってあるんだぞ」
フローラ「……ジョ、ジョーカー、その、顔……顔が」
714: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/13(日) 23:43:07.46 ID:4VWBHc6R0
ジョーカー「ああっ? 顔がどうしたって?」
フローラ「だから………」
ジョーカー「とりあえずこれ使っとけ」
フローラ「これは?」
ジョーカー「俺のハンカチだ。見ればわかるだろ?」
フローラ「………ええ」
ジョーカー「……なぁ、フローラ」
フローラ「な、なによ?」
ジョーカー「フローラにとって、俺たちは信用できない人間なのか?」
フローラ「そうよね、一度カムイ様に刃を向けた私がそう思われても……」
ジョーカー「勘違いしてんじゃねえ。俺はそう言うことで聞いてるんじゃない」
フローラ「え?」
ジョーカー「カムイ様があの時のことを許した以上、俺がそれをどうこう言うことなんてない。俺が聞いてるのは、お前自身が俺たちのことを信じているかどうかっていう話だ」
フローラ「そ、それは……」
ジョーカー「俺はお前を信用してる。なんだかんだでよくこなしてくれて助かってるのは確かだ。だから、俺はお前の横でちゃんと仕事ができる」
フローラ「……」
ジョーカー「だが、もしもお前が俺たちを信用してないって言うなら、残念だが俺はお前と一緒の仕事はできなくなる。信頼されてない奴とする仕事なんてのは手間が増えて大変だからな」
フローラ「それもそうね……」
ジョーカー「ああ、それでフローラ、お前は――」
フローラ「ごめんなさい。私、そう言うことを考えていなかったみたい」
フローラ「だから………」
ジョーカー「とりあえずこれ使っとけ」
フローラ「これは?」
ジョーカー「俺のハンカチだ。見ればわかるだろ?」
フローラ「………ええ」
ジョーカー「……なぁ、フローラ」
フローラ「な、なによ?」
ジョーカー「フローラにとって、俺たちは信用できない人間なのか?」
フローラ「そうよね、一度カムイ様に刃を向けた私がそう思われても……」
ジョーカー「勘違いしてんじゃねえ。俺はそう言うことで聞いてるんじゃない」
フローラ「え?」
ジョーカー「カムイ様があの時のことを許した以上、俺がそれをどうこう言うことなんてない。俺が聞いてるのは、お前自身が俺たちのことを信じているかどうかっていう話だ」
フローラ「そ、それは……」
ジョーカー「俺はお前を信用してる。なんだかんだでよくこなしてくれて助かってるのは確かだ。だから、俺はお前の横でちゃんと仕事ができる」
フローラ「……」
ジョーカー「だが、もしもお前が俺たちを信用してないって言うなら、残念だが俺はお前と一緒の仕事はできなくなる。信頼されてない奴とする仕事なんてのは手間が増えて大変だからな」
フローラ「それもそうね……」
ジョーカー「ああ、それでフローラ、お前は――」
フローラ「ごめんなさい。私、そう言うことを考えていなかったみたい」
715: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/13(日) 23:54:07.70 ID:4VWBHc6R0
ジョーカー「フローラ」
フローラ「どこかで償わなきゃいけないって思ってたのかもしれないわ。自分がボロボロになってでもって」
ジョーカー「はぁ、ならお前は馬鹿だ。そんなこと、カムイ様は頼まねえ。無理して倒れたら誰が後に入るんだよ?」
フローラ「フェリシアは……おっちょこちょいだから難しいわね」
ジョーカー「ああ、それにジジイの扱きに堪えられるような奴を見つけるのだって一苦労だからな」
フローラ「ええ、ごめんなさいジョーカー。無駄な心配を掛けてしまって」
ジョーカー「わかればいいんだよ。なら、俺がお前に今してもらいたいこと位はわかるよな?」
フローラ「ええ、少し休ませてもらうわね。ジョーカー、私の仕事任せてもいいかしら?」
ジョーカー「ああ、任せておけ。ちゃんと期待どおりにこなしておいてやる」
フローラ「ええ、あの、これだけど」
ジョーカー「ああ、ハンカチがどうかしたか?」
フローラ「洗って返すから」
ジョーカー「そんなこと気にする必要もないんだけどな。したいならそうしてくれ、それじゃ、さっさと休んでこい」
フローラ「ええ、ありがとう」
ガチャ バタン
フローラ「………」
フローラ「信じてるなんて、うれしいこと言ってくれるのね」
クンクン
フローラ「ジョーカーの匂いがする……って、私は何を……ん?」
エルフィ「………」
フローラ「……え、えっと」
エルフィ「大丈夫、何も見てないわ」
フローラ「」
エルフィ「でも、応援してるからね」
フローラ「」
フローラ「どこかで償わなきゃいけないって思ってたのかもしれないわ。自分がボロボロになってでもって」
ジョーカー「はぁ、ならお前は馬鹿だ。そんなこと、カムイ様は頼まねえ。無理して倒れたら誰が後に入るんだよ?」
フローラ「フェリシアは……おっちょこちょいだから難しいわね」
ジョーカー「ああ、それにジジイの扱きに堪えられるような奴を見つけるのだって一苦労だからな」
フローラ「ええ、ごめんなさいジョーカー。無駄な心配を掛けてしまって」
ジョーカー「わかればいいんだよ。なら、俺がお前に今してもらいたいこと位はわかるよな?」
フローラ「ええ、少し休ませてもらうわね。ジョーカー、私の仕事任せてもいいかしら?」
ジョーカー「ああ、任せておけ。ちゃんと期待どおりにこなしておいてやる」
フローラ「ええ、あの、これだけど」
ジョーカー「ああ、ハンカチがどうかしたか?」
フローラ「洗って返すから」
ジョーカー「そんなこと気にする必要もないんだけどな。したいならそうしてくれ、それじゃ、さっさと休んでこい」
フローラ「ええ、ありがとう」
ガチャ バタン
フローラ「………」
フローラ「信じてるなんて、うれしいこと言ってくれるのね」
クンクン
フローラ「ジョーカーの匂いがする……って、私は何を……ん?」
エルフィ「………」
フローラ「……え、えっと」
エルフィ「大丈夫、何も見てないわ」
フローラ「」
エルフィ「でも、応援してるからね」
フローラ「」
721: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/14(月) 20:40:38.77 ID:lpnbZrM90
◆◆◆◆◆◆
―港町ディア『宿舎』―
マクベス『伝令から状況は承りました。認めたくありませんが、白夜の策にまんまと嵌められたというわけですな』
カムイ「はい、そう言うことになりますね。すみません、できうる限り被害を抑えようとは思いましたが、ディアに滞在する兵士を少なからず失ってしまいました」
マクベス『その件はガロン王様から直接の物言いがあるでしょう、私が特に言うことはありません。ところで捕虜などはいましたかな?』
カムイ「いいえ、逃げ遅れた白夜兵はその場で自害したようで、残念ながら情報はなにも」
マクベス『ふむ、手ひどく縛り上げて吐かせようと考えていましたが、仕方がないですな。私たちはノートルディアからの撤退準備中ですので、着くのは翌日ほど、完全撤退の完了には数日かかるでしょうな』
カムイ「はい、わかりました」
マクベス『他に何か情報はありますかな?』
カムイ「一つだけなら、カミラ姉さんがヒノカ王女の臣下から不審なことを聞いたそうです」
マクベス『カミラ王女もそこにおられるのですか。まぁ、いいでしょう。それでどういったことですかな?』
カムイ「はい、役目が終わったと言っていたそうです。本来この襲撃が本命なら失敗という言葉を使う気がするのです」
マクベス『……何かまだあると、カムイ王女はお考えなのですな?』
カムイ「無ければそれに越したことはないのですが……」
マクベス『まあ良いです。では、これにて』
カムイ「はい」
シュッ
―港町ディア『宿舎』―
マクベス『伝令から状況は承りました。認めたくありませんが、白夜の策にまんまと嵌められたというわけですな』
カムイ「はい、そう言うことになりますね。すみません、できうる限り被害を抑えようとは思いましたが、ディアに滞在する兵士を少なからず失ってしまいました」
マクベス『その件はガロン王様から直接の物言いがあるでしょう、私が特に言うことはありません。ところで捕虜などはいましたかな?』
カムイ「いいえ、逃げ遅れた白夜兵はその場で自害したようで、残念ながら情報はなにも」
マクベス『ふむ、手ひどく縛り上げて吐かせようと考えていましたが、仕方がないですな。私たちはノートルディアからの撤退準備中ですので、着くのは翌日ほど、完全撤退の完了には数日かかるでしょうな』
カムイ「はい、わかりました」
マクベス『他に何か情報はありますかな?』
カムイ「一つだけなら、カミラ姉さんがヒノカ王女の臣下から不審なことを聞いたそうです」
マクベス『カミラ王女もそこにおられるのですか。まぁ、いいでしょう。それでどういったことですかな?』
カムイ「はい、役目が終わったと言っていたそうです。本来この襲撃が本命なら失敗という言葉を使う気がするのです」
マクベス『……何かまだあると、カムイ王女はお考えなのですな?』
カムイ「無ければそれに越したことはないのですが……」
マクベス『まあ良いです。では、これにて』
カムイ「はい」
シュッ
722: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/14(月) 20:53:38.68 ID:lpnbZrM90
カムイ「すごいですね。ノートルディアからここまでの距離を魔術投影できるなんて」
ニュクス「そうね。ただ報告してる姿は結構滑稽なのよ?」
カムイ「そうなんですか?」
ニュクス「部屋の真ん中に立って誰もいない空間に永遠と話しかけてるんだから、それは滑稽よね」
カムイ「マクベスさん。天幕の中で一人なんですか、なんだかかわいそうですね」
ギュンター「しかし、これでいよいよわからなくなってきましたな。ガロン王様からの命令がない限り動けないとなると」
カミラ「黒竜砦のは見越せたけど、今回の件は運が良かったとしか言いようがないわ」
カムイ「はい、増援が間に合わなければ敗走、ノートルディア公国にいるマクベスさんたちも、孤立することになったでしょうから。ここを止められたのは不幸中の幸いですね」
ギュンター「そう考えますと、白夜の目的は複数あるということになりますな。そしてそのうちのひとつ、港町ディアの占領は失敗、だがそれが失敗しても問題ないということなのでしょう」
カムイ「……そうですね。少し知恵が欲しいところですね」
エリーゼ「……ねぇ、今暗夜の兵士さんってどういう風に割り振られてるのかな?」
カムイ「割り振られてる……ですか?」
エリーゼ「え、えっとね。ノートルディアとここに兵士さんがいるのはわかってるんだけど……」
カミラ「つまり、ほかの場所にはどれくらいの兵士がいるのかを知りたい。そう言うわけね」
エリーゼ「うん」
カムイ「そうですね。ギュンターさんは何かご存知ないですか?」
ニュクス「そうね。ただ報告してる姿は結構滑稽なのよ?」
カムイ「そうなんですか?」
ニュクス「部屋の真ん中に立って誰もいない空間に永遠と話しかけてるんだから、それは滑稽よね」
カムイ「マクベスさん。天幕の中で一人なんですか、なんだかかわいそうですね」
ギュンター「しかし、これでいよいよわからなくなってきましたな。ガロン王様からの命令がない限り動けないとなると」
カミラ「黒竜砦のは見越せたけど、今回の件は運が良かったとしか言いようがないわ」
カムイ「はい、増援が間に合わなければ敗走、ノートルディア公国にいるマクベスさんたちも、孤立することになったでしょうから。ここを止められたのは不幸中の幸いですね」
ギュンター「そう考えますと、白夜の目的は複数あるということになりますな。そしてそのうちのひとつ、港町ディアの占領は失敗、だがそれが失敗しても問題ないということなのでしょう」
カムイ「……そうですね。少し知恵が欲しいところですね」
エリーゼ「……ねぇ、今暗夜の兵士さんってどういう風に割り振られてるのかな?」
カムイ「割り振られてる……ですか?」
エリーゼ「え、えっとね。ノートルディアとここに兵士さんがいるのはわかってるんだけど……」
カミラ「つまり、ほかの場所にはどれくらいの兵士がいるのかを知りたい。そう言うわけね」
エリーゼ「うん」
カムイ「そうですね。ギュンターさんは何かご存知ないですか?」
723: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/14(月) 21:06:19.59 ID:lpnbZrM90
ギュンター「城を出る前の情報くらいでしたら耳にしております」
カムイ「おねがいします」
ギュンター「はい、ガロン王様の考えでは黒竜砦の強襲を皮切りに白夜はノートルディアの襲撃という筋書きですが、同時に無限渓谷からの侵攻の可能性も考えていたようです」
エリーゼ「えっ、でもあそこは一番暗夜の目が光ってる場所だよ?」
ギュンター「そうですな。エリーゼ様の言うとおり、無限渓谷から侵攻は絶望的でしょうが、もしやという可能性もあったのでしょう。あと、ウィンダムにもまだ多くの兵が滞在しております故、そう易々と攻め落とされますまい」
カムイ「つまり、今戦力が集中しているのはノートルディア、無限渓谷、王都ウィンダムの三か所になるわけですか………」
ギュンター「そう言うことになりますな」
一同「………」
ニュクス「カムイ、その、今から言うことは私の独り言よ。そう、どこかに向かって魔術的に話をしているようなものなの。だから気にしないでほしいの」
カムイ「……」
ニュクス「この配置、海岸線ガバガバじゃないの」
カムイ「おねがいします」
ギュンター「はい、ガロン王様の考えでは黒竜砦の強襲を皮切りに白夜はノートルディアの襲撃という筋書きですが、同時に無限渓谷からの侵攻の可能性も考えていたようです」
エリーゼ「えっ、でもあそこは一番暗夜の目が光ってる場所だよ?」
ギュンター「そうですな。エリーゼ様の言うとおり、無限渓谷から侵攻は絶望的でしょうが、もしやという可能性もあったのでしょう。あと、ウィンダムにもまだ多くの兵が滞在しております故、そう易々と攻め落とされますまい」
カムイ「つまり、今戦力が集中しているのはノートルディア、無限渓谷、王都ウィンダムの三か所になるわけですか………」
ギュンター「そう言うことになりますな」
一同「………」
ニュクス「カムイ、その、今から言うことは私の独り言よ。そう、どこかに向かって魔術的に話をしているようなものなの。だから気にしないでほしいの」
カムイ「……」
ニュクス「この配置、海岸線ガバガバじゃないの」
724: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/14(月) 21:21:18.07 ID:lpnbZrM90
カムイ「ええ、ガバガバですね」
カミラ「カムイ、ガバガバなんて言わないで頂戴、その口をふさぎたくなっちゃうから」
カムイ「無限渓谷とノートルディアの監視と王都防衛に宛てた分、ガバガバになっちゃったんですね。ニュクスさんの言うとおり、これじゃ海岸線を攻め放題です」
ニュクス「ガバガバ前線じゃ、報告もないから異常なしになるのも仕方ないわ」
カムイ「ガバガバ前線異常無し、確かにその通りですね」
カミラ「あのね、カムイ……」
エルフィ(エリーゼ様に悪影響を及ぼしそうな会話ね……これ)
エリーゼ「ねぇ、エルフィ」クイクイ
エルフィ「どうしました、エリーゼ様?」
エリーゼ「ガバガバってどういう意味かな?」
エルフィ「………エリーゼ様、ちょっと外でお話をしましょう?」
エリーゼ「え、ガバガバの意味知りたいよー」
カムイ「エリーゼさん、ガバガバっていうのはですね」
エルフィ「それ以上、エリーゼ様に変なことを教えると、つぶれた林檎になりますよ?」
カムイ「アッハイ」
エルフィ「エリーゼ様、ちょっとお外で待ちましょうか?」
エリーゼ「え、なんで。あたしも――ふわぁ~」
エルフィ「もう夜ですから、今日は休みましょう?」
エリーゼ「う、うん。みんなごめんね」
カムイ「いいんですよ。ゆっくり休んでください」
ガチャ
エルフィ「カムイ様、あとで林檎を潰しに行きますね?」
カムイ「いえ、エリーゼさんと一緒に林檎を食べててください」
エルフィ「……いいえ、伺いますので」
バタン
カミラ「カムイ、ガバガバなんて言わないで頂戴、その口をふさぎたくなっちゃうから」
カムイ「無限渓谷とノートルディアの監視と王都防衛に宛てた分、ガバガバになっちゃったんですね。ニュクスさんの言うとおり、これじゃ海岸線を攻め放題です」
ニュクス「ガバガバ前線じゃ、報告もないから異常なしになるのも仕方ないわ」
カムイ「ガバガバ前線異常無し、確かにその通りですね」
カミラ「あのね、カムイ……」
エルフィ(エリーゼ様に悪影響を及ぼしそうな会話ね……これ)
エリーゼ「ねぇ、エルフィ」クイクイ
エルフィ「どうしました、エリーゼ様?」
エリーゼ「ガバガバってどういう意味かな?」
エルフィ「………エリーゼ様、ちょっと外でお話をしましょう?」
エリーゼ「え、ガバガバの意味知りたいよー」
カムイ「エリーゼさん、ガバガバっていうのはですね」
エルフィ「それ以上、エリーゼ様に変なことを教えると、つぶれた林檎になりますよ?」
カムイ「アッハイ」
エルフィ「エリーゼ様、ちょっとお外で待ちましょうか?」
エリーゼ「え、なんで。あたしも――ふわぁ~」
エルフィ「もう夜ですから、今日は休みましょう?」
エリーゼ「う、うん。みんなごめんね」
カムイ「いいんですよ。ゆっくり休んでください」
ガチャ
エルフィ「カムイ様、あとで林檎を潰しに行きますね?」
カムイ「いえ、エリーゼさんと一緒に林檎を食べててください」
エルフィ「……いいえ、伺いますので」
バタン
726: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/14(月) 21:33:32.15 ID:lpnbZrM90
カムイ「話は戻りますけど、海岸線の監視がされてない以上、あらゆる場所から侵入されているかもしれません」
カミラ「沿岸沿いに近い国といえば、ミューズ公国かしら? でも、いきなり大勢の白夜軍が押し寄せてきたら、流石に問題になるわよね?」
カムイ「まだ話が届いていないのかもしれませんね。ちなみになんですが、ミューズ公国から王都まで陸路で行くためにはどういった道を通ることになるんですか?」
ギュンター「ミューズ公国から目指すとなると、まずシュヴァリエ公国、次に国境線として存在する城壁、次に賭博の町と呼ばれるマカラスを経由して、黒竜砦という順路ですな。地理に理解がなければ、この道を通ることになるでしょう」
カムイ「ここまでは至らないと考えたほうがいいのかもしれませんね」
カミラ「ふふ、流石に城壁を易々となんて突破できるとは思えないわ」
ニュクス「でも、現在戦力が集中してるのはあの三か所なのよね?」
カムイ「そうなんですよね……。ちょっと休めると思ったらすぐこれです。ギュンターさん、地元の方に視察隊をマカラスへ派遣してもらえるように頼めますか?」
ギュンター「視察隊ですか?」
カムイ「ええ。明朝、陸路でマカラスに走ってもらいたいんです。正直、無いとは思いたいのですが……」
ギュンター「わかりました。掛け合っておきましょう」
カムイ「すみません、お願いいたします」
カミラ「沿岸沿いに近い国といえば、ミューズ公国かしら? でも、いきなり大勢の白夜軍が押し寄せてきたら、流石に問題になるわよね?」
カムイ「まだ話が届いていないのかもしれませんね。ちなみになんですが、ミューズ公国から王都まで陸路で行くためにはどういった道を通ることになるんですか?」
ギュンター「ミューズ公国から目指すとなると、まずシュヴァリエ公国、次に国境線として存在する城壁、次に賭博の町と呼ばれるマカラスを経由して、黒竜砦という順路ですな。地理に理解がなければ、この道を通ることになるでしょう」
カムイ「ここまでは至らないと考えたほうがいいのかもしれませんね」
カミラ「ふふ、流石に城壁を易々となんて突破できるとは思えないわ」
ニュクス「でも、現在戦力が集中してるのはあの三か所なのよね?」
カムイ「そうなんですよね……。ちょっと休めると思ったらすぐこれです。ギュンターさん、地元の方に視察隊をマカラスへ派遣してもらえるように頼めますか?」
ギュンター「視察隊ですか?」
カムイ「ええ。明朝、陸路でマカラスに走ってもらいたいんです。正直、無いとは思いたいのですが……」
ギュンター「わかりました。掛け合っておきましょう」
カムイ「すみません、お願いいたします」
727: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/14(月) 21:40:32.95 ID:lpnbZrM90
カムイ「はい、すみません。今日の会議はここまでにしますね。皆さん、今日一日疲れている中、集まってくれてありがとうございます」
カミラ「ええ、今日はもう休むわ。おやすみなさい」
ニュクス「話はこれで終わりなのよね。それじゃ部屋に戻るわ」
カムイ「ニュクスさん、少しいいですか?」
ニュクス「なにかしら?」
カムイ「今日の夜、お暇でしょうか?」
ニュクス「特にやることはないわ」
カムイ「そうですか、でしたら一度私の部屋に来ていただいてもよろしいですか?」
ニュクス「別に構わないけど、いったい何の用事かしら?」
カムイ「はい、個人的なお願いがありまして。できれば二人きりで頼みたいことなんです……」
ニュクス「そう、わかったわ」
カムイ「ありがとうございます。さて、ちょっと、指の運動をしておかないといけませんね」
ニュクス「?」
カミラ「ええ、今日はもう休むわ。おやすみなさい」
ニュクス「話はこれで終わりなのよね。それじゃ部屋に戻るわ」
カムイ「ニュクスさん、少しいいですか?」
ニュクス「なにかしら?」
カムイ「今日の夜、お暇でしょうか?」
ニュクス「特にやることはないわ」
カムイ「そうですか、でしたら一度私の部屋に来ていただいてもよろしいですか?」
ニュクス「別に構わないけど、いったい何の用事かしら?」
カムイ「はい、個人的なお願いがありまして。できれば二人きりで頼みたいことなんです……」
ニュクス「そう、わかったわ」
カムイ「ありがとうございます。さて、ちょっと、指の運動をしておかないといけませんね」
ニュクス「?」
728: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/14(月) 21:50:56.84 ID:lpnbZrM90
―カムイの部屋―
コンコン
ニュクス「失礼するわね」
カムイ「はい、ニュクスさん。お待ちしてました」
ニュクス「それで、お願いって何かしら?」
カムイ「はい、とりあえずベッドに座ってください」
ニュクス「ええ、失礼するわね。それにしても、目が見えない割には私だってよくわかるわね?」
カムイ「ふふっ、感覚を捉えることはそれほど難しくないんです。それに気配にも人それぞれ特色がありますから」
ニュクス「なんだか野生の獣みたいね……。ごめんなさい、目が見えない相手にこんなことをいうものじゃなかったわね」
カムイ「気にしないでください、目が見えないのにこうやって目が見えるように……」スッ
ニュクス「んっ」
カムイ「触れられることは、正直怖いことだと思えますから」
ニュクス「……私はそうは思わないわ。これがあなたにとって相手を知る唯一の方法だというなら、それにすがることに間違いなんてないもの」
カムイ「そうでしょうか?」
ニュクス「カムイは私の罪を知っているかしら?」
カムイ「いいえ、何も。ただあなたの身形と雰囲気は全く合いませんから……」
ニュクス「そうね。この姿は私にとっての罰みたいなものだから……」
カムイ「罰……ですか?」
コンコン
ニュクス「失礼するわね」
カムイ「はい、ニュクスさん。お待ちしてました」
ニュクス「それで、お願いって何かしら?」
カムイ「はい、とりあえずベッドに座ってください」
ニュクス「ええ、失礼するわね。それにしても、目が見えない割には私だってよくわかるわね?」
カムイ「ふふっ、感覚を捉えることはそれほど難しくないんです。それに気配にも人それぞれ特色がありますから」
ニュクス「なんだか野生の獣みたいね……。ごめんなさい、目が見えない相手にこんなことをいうものじゃなかったわね」
カムイ「気にしないでください、目が見えないのにこうやって目が見えるように……」スッ
ニュクス「んっ」
カムイ「触れられることは、正直怖いことだと思えますから」
ニュクス「……私はそうは思わないわ。これがあなたにとって相手を知る唯一の方法だというなら、それにすがることに間違いなんてないもの」
カムイ「そうでしょうか?」
ニュクス「カムイは私の罪を知っているかしら?」
カムイ「いいえ、何も。ただあなたの身形と雰囲気は全く合いませんから……」
ニュクス「そうね。この姿は私にとっての罰みたいなものだから……」
カムイ「罰……ですか?」
729: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/14(月) 22:00:53.90 ID:lpnbZrM90
ニュクス「ええ。昔ね、調子に乗った子供がいたのよ」
カムイ「……」
ニュクス「その子供はね。好奇心と自己陶酔を繰り返した揚句に、あらゆることに手を伸ばしたの。その結果、多くの人間の命を奪ったわ」
カムイ「……」
ニュクス「その代償として、子供は恐れられる存在になった。そして体はその当時のままに、いつしか一人で過ごすことになったの。誰ともかかわりを持たないように、誰にも見つからないように、見つかっても気にされないように」
カムイ「ふふっ、そこをアクアさんに見つかってしまったんですね」
ニュクス「そうね。そして、すぐにあなたに出会ってしまったわ。あんな……恥ずかしい真似も見られちゃったわ」
カムイ「皆さんには年相応な姿に見えていたみたいですよ」
ニュクス「大人の女性をからかうものじゃないわ」
カムイ「そうですか? ニュクスさんは冷静な印象ですけど、だからからかいたくなっちゃうんですよね」サワサワ
ニュクス「んっ、ちょっと、なんで頬をそんなに……んやっ」
カムイ「ニュクスさん、今はそのようなことをしようなんて思っていないんですよね?」
ニュクス「当り前よ、だから私は……見つからないように過して来たのよ」
カムイ「そうですか。ふふっ、ならすぐに私たちの元を離れてもよかったんですよ」
ニュクス「……もう、そんなことできないわ」
カムイ「どうしてですか?」
ニュクス「アクアと出会ってあなたに出会って、もう私はこの中の繋がりを作ってしまったわ」
カムイ「ふふっ、なんだかんだでみんなと別れたくないんですね……」
「可愛いですね、ニュクスさん」ナデナデ
カムイ「……」
ニュクス「その子供はね。好奇心と自己陶酔を繰り返した揚句に、あらゆることに手を伸ばしたの。その結果、多くの人間の命を奪ったわ」
カムイ「……」
ニュクス「その代償として、子供は恐れられる存在になった。そして体はその当時のままに、いつしか一人で過ごすことになったの。誰ともかかわりを持たないように、誰にも見つからないように、見つかっても気にされないように」
カムイ「ふふっ、そこをアクアさんに見つかってしまったんですね」
ニュクス「そうね。そして、すぐにあなたに出会ってしまったわ。あんな……恥ずかしい真似も見られちゃったわ」
カムイ「皆さんには年相応な姿に見えていたみたいですよ」
ニュクス「大人の女性をからかうものじゃないわ」
カムイ「そうですか? ニュクスさんは冷静な印象ですけど、だからからかいたくなっちゃうんですよね」サワサワ
ニュクス「んっ、ちょっと、なんで頬をそんなに……んやっ」
カムイ「ニュクスさん、今はそのようなことをしようなんて思っていないんですよね?」
ニュクス「当り前よ、だから私は……見つからないように過して来たのよ」
カムイ「そうですか。ふふっ、ならすぐに私たちの元を離れてもよかったんですよ」
ニュクス「……もう、そんなことできないわ」
カムイ「どうしてですか?」
ニュクス「アクアと出会ってあなたに出会って、もう私はこの中の繋がりを作ってしまったわ」
カムイ「ふふっ、なんだかんだでみんなと別れたくないんですね……」
「可愛いですね、ニュクスさん」ナデナデ
730: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/14(月) 22:10:48.36 ID:lpnbZrM90
ニュクス「んあっ! ――っ今のなに!?」
カムイ「ふふ、おでこが弱点なんですね。こうやって撫で撫でしてあげると、肩が小さく震えてるのがわかります」
ニュクス「こ、こらっ、やめな、さい。お、おとなのぉ」
カムイ「ふふ、どうしたんですか。手に触れてる御でこがとっても熱いですよ?」サワサワ
ニュクス「いやぁ、やめぇ、やめてぇ。そ、そこ、そこ、なんか変なの」
カムイ「大丈夫ですよ。演技じゃなくて、本当に子供みたいに反応してるニュクスさん、とっても可愛いですよ。顔の形もわかりましたから、その我慢してる顔に涙を流させたくなります」
ニュクス「はぁはぁ、こんなの、知らないぃ、こんなこんな風に撫でてもらったことなんてぇ」
カムイ「知らないなら覚えてください。ニュクスさんは頭を撫でられて感じてしまう人なんだってことを。それとも、やっぱり願望から来てるんですか?」
ニュクス「そ、そんなことぉ」
カムイ「ふふっ、今の話だと優しく褒められたことなんてなかったんですよね。ずっと、飢えていたんですよね。こうやって、優しく」
ニュクス「あっ」
カムイ「腫れものでも扱うように」
ニュクス「んんっ」
カムイ「優しく撫でられたかったんですよね?」
ニュクス「か、からかわないっで」
カムイ「からかってなんていませんよ。私はニュクスさんにお礼が言いたいんですから。これが私の気持ちです」
ニュクス「だ、だったら、もっと、表現方法をっ はうんっ!」
カムイ「すみません、私がしたいというのもありますので」
カムイ「ふふ、おでこが弱点なんですね。こうやって撫で撫でしてあげると、肩が小さく震えてるのがわかります」
ニュクス「こ、こらっ、やめな、さい。お、おとなのぉ」
カムイ「ふふ、どうしたんですか。手に触れてる御でこがとっても熱いですよ?」サワサワ
ニュクス「いやぁ、やめぇ、やめてぇ。そ、そこ、そこ、なんか変なの」
カムイ「大丈夫ですよ。演技じゃなくて、本当に子供みたいに反応してるニュクスさん、とっても可愛いですよ。顔の形もわかりましたから、その我慢してる顔に涙を流させたくなります」
ニュクス「はぁはぁ、こんなの、知らないぃ、こんなこんな風に撫でてもらったことなんてぇ」
カムイ「知らないなら覚えてください。ニュクスさんは頭を撫でられて感じてしまう人なんだってことを。それとも、やっぱり願望から来てるんですか?」
ニュクス「そ、そんなことぉ」
カムイ「ふふっ、今の話だと優しく褒められたことなんてなかったんですよね。ずっと、飢えていたんですよね。こうやって、優しく」
ニュクス「あっ」
カムイ「腫れものでも扱うように」
ニュクス「んんっ」
カムイ「優しく撫でられたかったんですよね?」
ニュクス「か、からかわないっで」
カムイ「からかってなんていませんよ。私はニュクスさんにお礼が言いたいんですから。これが私の気持ちです」
ニュクス「だ、だったら、もっと、表現方法をっ はうんっ!」
カムイ「すみません、私がしたいというのもありますので」
731: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/14(月) 22:21:49.84 ID:lpnbZrM90
ニュクス「も、もう許して、お願いだからぁ……」
カムイ「そうですね。はい、すみません。ちょっと調子に乗りすぎたみたいです」パッ
ニュクス「はぁ……はぁ」
カムイ「大丈夫ですか?」
ニュクス「どの口がそんなことを言ってるのかしらね……。あなた、みんなにこんなことしてるのかしら?」
カムイ「はい」
ニュクス「即答するのね。あなたの頭の中ガバガバじゃない」
カムイ「ガバガバですか。確かにそうかもしれませんね」
ニュクス「まったく……でも、カムイも私のこと恐ろしいと思ったでしょう?」
カムイ「何がですか?」
ニュクス「私の罪の話、聞いてなかったの?」
カムイ「そのことですか。いいえ、別にそうは思いませんよ」
ニュクス「私がまた過去と同じようなことをするかもしれない、そうは思わないの?」
カムイ「はい。もしもするような人だったら、アクアさんを見捨てていたでしょうから。ここにアクアさんがいること、それだけでも私はあなたを信じる理由になります」
ニュクス「そう、変わっているのね」
カムイ「はい、よく言われます」
ニュクス「調子が狂うわね。けど、ありがとう」
カムイ「いいえ、これからもよろしくお願いしますね。ニュクスさん」
ニュクス「ええ、よろしくね……。ただ、こういうスキンシップはあまり感心しないわ」
カムイ「そ、そうですか。気持ち良くなかったですか?」
ニュクス「か、帰らせてもらうわね///」
バタン!
ニュクス「はぁはぁ、もう……」
カムイ「そうですね。はい、すみません。ちょっと調子に乗りすぎたみたいです」パッ
ニュクス「はぁ……はぁ」
カムイ「大丈夫ですか?」
ニュクス「どの口がそんなことを言ってるのかしらね……。あなた、みんなにこんなことしてるのかしら?」
カムイ「はい」
ニュクス「即答するのね。あなたの頭の中ガバガバじゃない」
カムイ「ガバガバですか。確かにそうかもしれませんね」
ニュクス「まったく……でも、カムイも私のこと恐ろしいと思ったでしょう?」
カムイ「何がですか?」
ニュクス「私の罪の話、聞いてなかったの?」
カムイ「そのことですか。いいえ、別にそうは思いませんよ」
ニュクス「私がまた過去と同じようなことをするかもしれない、そうは思わないの?」
カムイ「はい。もしもするような人だったら、アクアさんを見捨てていたでしょうから。ここにアクアさんがいること、それだけでも私はあなたを信じる理由になります」
ニュクス「そう、変わっているのね」
カムイ「はい、よく言われます」
ニュクス「調子が狂うわね。けど、ありがとう」
カムイ「いいえ、これからもよろしくお願いしますね。ニュクスさん」
ニュクス「ええ、よろしくね……。ただ、こういうスキンシップはあまり感心しないわ」
カムイ「そ、そうですか。気持ち良くなかったですか?」
ニュクス「か、帰らせてもらうわね///」
バタン!
ニュクス「はぁはぁ、もう……」
732: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/14(月) 22:27:26.72 ID:lpnbZrM90
◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・マカラスと黒竜砦の分かれ道―
暗夜兵「よし、この先をずっと進み続ければマカラスだな」
暗夜兵「ええ、それにしても。港街の件は本当に助かりましたね、あのカムイ王女ですか。あの方がいなかったら」
暗夜兵「まったくだ。それに、俺たちのおかげだとも言ってくれるような方だった」
暗夜兵「ええ、ああ。俺もあんな指揮官の元で働きてえな。それに、ほら、あの恰好」
暗夜兵「うっ、あまり考えないでいたのだがな」
暗夜兵「お前ら、談議はそれまでにしておけ、このままマカラスを――」
トテトテトテ
暗夜兵「隊長、前方に人影が!」
暗夜兵「なに? 人数は?」
暗夜兵「見たところ一人だけみたいです……。赤い鎧を着ていますね」
暗夜兵「ゆっくり近づけ、何があるかわからんからな」
暗夜兵「はい……」
???「はぁ、はぁ……ぐっ」
ドサッ
暗夜兵「おい、大丈夫か?」
―暗夜王国・マカラスと黒竜砦の分かれ道―
暗夜兵「よし、この先をずっと進み続ければマカラスだな」
暗夜兵「ええ、それにしても。港街の件は本当に助かりましたね、あのカムイ王女ですか。あの方がいなかったら」
暗夜兵「まったくだ。それに、俺たちのおかげだとも言ってくれるような方だった」
暗夜兵「ええ、ああ。俺もあんな指揮官の元で働きてえな。それに、ほら、あの恰好」
暗夜兵「うっ、あまり考えないでいたのだがな」
暗夜兵「お前ら、談議はそれまでにしておけ、このままマカラスを――」
トテトテトテ
暗夜兵「隊長、前方に人影が!」
暗夜兵「なに? 人数は?」
暗夜兵「見たところ一人だけみたいです……。赤い鎧を着ていますね」
暗夜兵「ゆっくり近づけ、何があるかわからんからな」
暗夜兵「はい……」
???「はぁ、はぁ……ぐっ」
ドサッ
暗夜兵「おい、大丈夫か?」
733: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/14(月) 22:35:51.23 ID:lpnbZrM90
???「あ、あんたら、いったい……」
暗夜兵「われわれは港町ディアより、マカラスへ向かう視察隊だ。見たところ、暗夜の鎧ではないようだが」
暗夜兵「しかし、傷だらけだな。鎧はもうボロボロじゃないか」
???「へへへ。どうにかこうにかこれで命を繋いできたんだ」
暗夜兵「命を繋いできたって、一体どういうことだ?」
???「ああ、それを伝えるためにここまで来たんだ。ほんと、こうやってあんたたちに巡り合えてよかった」
暗夜兵「おい、水を飲ませてやれ」
暗夜兵「よし、ゆっくり飲むんだ」
暗夜兵「怪我とかはないみたいだな。鎧に感謝しないとな」
???「んくっ、んくっ、はぁああああ。生き返ったよ、ありがとな」
暗夜兵「何よりだ。それで、ここまで来た理由って言うのは?」
???「ああ、マカラスに白夜軍が到達したんだ」
暗夜兵「!? な、なんだと」
???「ああ、仲間に託されて命かながら逃げてきたんだ」
暗夜兵「そうか。すまないが、どこから来たか聞いていいか?」
???「ああ、私はクリムゾン」
「シュヴァリエ公国からここまでやってきた。白夜が侵攻してきたって伝えるためにね」
第十一章 前篇 おわり
暗夜兵「われわれは港町ディアより、マカラスへ向かう視察隊だ。見たところ、暗夜の鎧ではないようだが」
暗夜兵「しかし、傷だらけだな。鎧はもうボロボロじゃないか」
???「へへへ。どうにかこうにかこれで命を繋いできたんだ」
暗夜兵「命を繋いできたって、一体どういうことだ?」
???「ああ、それを伝えるためにここまで来たんだ。ほんと、こうやってあんたたちに巡り合えてよかった」
暗夜兵「おい、水を飲ませてやれ」
暗夜兵「よし、ゆっくり飲むんだ」
暗夜兵「怪我とかはないみたいだな。鎧に感謝しないとな」
???「んくっ、んくっ、はぁああああ。生き返ったよ、ありがとな」
暗夜兵「何よりだ。それで、ここまで来た理由って言うのは?」
???「ああ、マカラスに白夜軍が到達したんだ」
暗夜兵「!? な、なんだと」
???「ああ、仲間に託されて命かながら逃げてきたんだ」
暗夜兵「そうか。すまないが、どこから来たか聞いていいか?」
???「ああ、私はクリムゾン」
「シュヴァリエ公国からここまでやってきた。白夜が侵攻してきたって伝えるためにね」
第十一章 前篇 おわり
734: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/14(月) 22:41:03.21 ID:lpnbZrM90
カムイの支援状況と起きているイベント
―対の存在―
アクア
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)
―城塞の人々―
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
ギュンターC+
(恋愛小説の朗読を頼まれています)
フェリシアC
(イベントは起きていません)
フローラC
(イベントは起きていません)
リリスB
(一緒に眠ったことがあります)
―暗夜第一王子マークス―
マークスC+
(イベントは起きていません)
ラズワルドC
(あなたを守るといわれています)
ピエリC
(今度はカムイの弱点を探ってみせると息巻いています)
―暗夜第二王子レオン―
レオンC+
(イベントは起きていません)
―暗夜第一王女カミラ―
カミラB
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ベルカC
(イベントは起きていません)
ルーナC
(イベントは起きていません)
―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼB
(イベントは起きていません)
ハロルドC+
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィC
(イベントは起きていません)
―白夜第二王女サクラ―
サクラC+
(イベントは起きていません)
カザハナD+
(イベントは起きていません)
ツバキD+
(イベントは起きていません)
―カムイに力を貸すもの―
サイラスB
(イベントは起きていません)
ニュクスC+
(イベントは起きていません)
モズメC+
(イベントは起きていません)
―カムイと絆を維持する者―
リンカC+
(イベントは起きていません)
―対の存在―
アクア
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)
―城塞の人々―
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
ギュンターC+
(恋愛小説の朗読を頼まれています)
フェリシアC
(イベントは起きていません)
フローラC
(イベントは起きていません)
リリスB
(一緒に眠ったことがあります)
―暗夜第一王子マークス―
マークスC+
(イベントは起きていません)
ラズワルドC
(あなたを守るといわれています)
ピエリC
(今度はカムイの弱点を探ってみせると息巻いています)
―暗夜第二王子レオン―
レオンC+
(イベントは起きていません)
―暗夜第一王女カミラ―
カミラB
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ベルカC
(イベントは起きていません)
ルーナC
(イベントは起きていません)
―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼB
(イベントは起きていません)
ハロルドC+
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィC
(イベントは起きていません)
―白夜第二王女サクラ―
サクラC+
(イベントは起きていません)
カザハナD+
(イベントは起きていません)
ツバキD+
(イベントは起きていません)
―カムイに力を貸すもの―
サイラスB
(イベントは起きていません)
ニュクスC+
(イベントは起きていません)
モズメC+
(イベントは起きていません)
―カムイと絆を維持する者―
リンカC+
(イベントは起きていません)
735: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/14(月) 22:46:29.11 ID:lpnbZrM90
仲間たちの間で起きているイベント
【対の存在】
―アクア―
ニュクスC
(イベントは起きていません)
【城塞組】
―ジョーカー―
フローラC+
(信頼していると伝えています)
ピエリC
(イベントは起きていません)
ハロルドC
(ジョーカーは、ハロルドの運の無さが暇つぶしに向いていると気付いたようです)
―ギュンター―
―フェリシア―
エルフィC+
(色々と怪我をした時は手をまわしています)
―フローラ―
ジョーカーC+
(ジョーカーのハンカチを借りています。クンカクンカしました。それをエルフィに見られています)
エルフィC+
(今度、城塞で力仕事を手伝うそうです)
―リリス―
ラズワルドC
(和解はできています。喫茶店はパス)
ピエリC+
(あり方を受け入れています。今度可愛い服を一緒に買いに行く予定)
エルフィC
(イベントは起きていません)
サイラスC
(イベントは起きていません)
モズメC
(イベントは起きていません)
【対の存在】
―アクア―
ニュクスC
(イベントは起きていません)
【城塞組】
―ジョーカー―
フローラC+
(信頼していると伝えています)
ピエリC
(イベントは起きていません)
ハロルドC
(ジョーカーは、ハロルドの運の無さが暇つぶしに向いていると気付いたようです)
―ギュンター―
―フェリシア―
エルフィC+
(色々と怪我をした時は手をまわしています)
―フローラ―
ジョーカーC+
(ジョーカーのハンカチを借りています。クンカクンカしました。それをエルフィに見られています)
エルフィC+
(今度、城塞で力仕事を手伝うそうです)
―リリス―
ラズワルドC
(和解はできています。喫茶店はパス)
ピエリC+
(あり方を受け入れています。今度可愛い服を一緒に買いに行く予定)
エルフィC
(イベントは起きていません)
サイラスC
(イベントは起きていません)
モズメC
(イベントは起きていません)
736: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/14(月) 22:48:12.99 ID:lpnbZrM90
【暗夜第一王子組】
―マークス―
―ラズワルド―
リリスC
(和解できたので、喫茶店に誘うが見事に断られる)
ピエリC
(イベントは起きていません)
ルーナC
(悩みがある時は力になるといいました)
エリーゼC
(尾行コンビ結成、避難訓練では炎役)
―ピエリ―
ジョーカーC
(イベントは起きていません)
リリスC+
(約束のためには命を掛けるリリスを気にかけています。魔法をやめて剣で戦うように奨めています)
ラズワルドC
(イベントは起きていません)
【暗夜第二王子組】
―レオン―
ハロルドC
(カムイに不可抗力したので蹴り飛ばした)
サクラC+
(サクラは怖い話が苦手だけど聞きたいようなので、今度話す約束をしています。トマトが好きだと教えています)
ツバキC
(剣の扱いについて色々指摘されました)
カザハナC+
(お風呂の監視係を務めることになっています)
【暗夜第一王女組】
―カミラ―
―ベルカ―
―ルーナ―
ラズワルドC
(一応、一応気にとめています)
【暗夜第二王女組】
―エリーゼ―
ラズワルドC
(尾行コンビ結成)
ハロルドC
(イベントは起きていません)
―マークス―
―ラズワルド―
リリスC
(和解できたので、喫茶店に誘うが見事に断られる)
ピエリC
(イベントは起きていません)
ルーナC
(悩みがある時は力になるといいました)
エリーゼC
(尾行コンビ結成、避難訓練では炎役)
―ピエリ―
ジョーカーC
(イベントは起きていません)
リリスC+
(約束のためには命を掛けるリリスを気にかけています。魔法をやめて剣で戦うように奨めています)
ラズワルドC
(イベントは起きていません)
【暗夜第二王子組】
―レオン―
ハロルドC
(カムイに不可抗力したので蹴り飛ばした)
サクラC+
(サクラは怖い話が苦手だけど聞きたいようなので、今度話す約束をしています。トマトが好きだと教えています)
ツバキC
(剣の扱いについて色々指摘されました)
カザハナC+
(お風呂の監視係を務めることになっています)
【暗夜第一王女組】
―カミラ―
―ベルカ―
―ルーナ―
ラズワルドC
(一応、一応気にとめています)
【暗夜第二王女組】
―エリーゼ―
ラズワルドC
(尾行コンビ結成)
ハロルドC
(イベントは起きていません)
737: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/14(月) 22:49:36.74 ID:lpnbZrM90
―ハロルド―
ジョーカーC
(ジョーカーは、ハロルドの運の無さが暇つぶしに向いていると気付いたようです)
レオンC
(カムイに不可抗力をしたので蹴られました)
エリーゼC
(イベントは起きていません)
モズメC+
(一緒に鍛錬を積む約束をしています)
―エルフィ―
フェリシアC+
(げがをした時、率先して傷を癒してくれます。まだ、部族の村のことの恩返しを続けているようです)
フローラC+
(今度、城塞で力仕事の予定があるらしい)
リリスC
(イベントは起きていません)
サイラスC
(主君の話を聞いて、サイラスは少しうらやましいと思うことがあるようだ)
モズメC
(エルフィはモズメの悩みを聞くことを約束しています)
【白夜第二王女サクラ】
―サクラ―
レオンC+
(怖い話を聞かせてもらう予定です。レオンはトマト好きだと知っている)
―ツバキー
レオンC
(グラビティーマスターを返上したいようなので、剣に関しての指摘を行った)
―カザハナ―
レオンC+
(お風呂の件で言い争いがありました)
【カムイに力を貸すもの】
―サイラス―
リリスC
(イベントは起きていません)
エルフィC
(主君の話を聞いて、サイラスは少しうらやましいと思うことがあるようだ)
モズメC+
(イベントは起きていません)
―ニュクス―
アクアC
(イベントは起きていません)
エリーゼC
(イベントは起きていません)
―モズメ―
ハロルドC+
(一緒に鍛錬を積む約束をしています)
エルフィ
(エルフィはモズメの悩みを聞くことを約束しています)
サイラスC+
(イベントは起きていません)
リリスC
(イベントは起きていません)
ジョーカーC
(ジョーカーは、ハロルドの運の無さが暇つぶしに向いていると気付いたようです)
レオンC
(カムイに不可抗力をしたので蹴られました)
エリーゼC
(イベントは起きていません)
モズメC+
(一緒に鍛錬を積む約束をしています)
―エルフィ―
フェリシアC+
(げがをした時、率先して傷を癒してくれます。まだ、部族の村のことの恩返しを続けているようです)
フローラC+
(今度、城塞で力仕事の予定があるらしい)
リリスC
(イベントは起きていません)
サイラスC
(主君の話を聞いて、サイラスは少しうらやましいと思うことがあるようだ)
モズメC
(エルフィはモズメの悩みを聞くことを約束しています)
【白夜第二王女サクラ】
―サクラ―
レオンC+
(怖い話を聞かせてもらう予定です。レオンはトマト好きだと知っている)
―ツバキー
レオンC
(グラビティーマスターを返上したいようなので、剣に関しての指摘を行った)
―カザハナ―
レオンC+
(お風呂の件で言い争いがありました)
【カムイに力を貸すもの】
―サイラス―
リリスC
(イベントは起きていません)
エルフィC
(主君の話を聞いて、サイラスは少しうらやましいと思うことがあるようだ)
モズメC+
(イベントは起きていません)
―ニュクス―
アクアC
(イベントは起きていません)
エリーゼC
(イベントは起きていません)
―モズメ―
ハロルドC+
(一緒に鍛錬を積む約束をしています)
エルフィ
(エルフィはモズメの悩みを聞くことを約束しています)
サイラスC+
(イベントは起きていません)
リリスC
(イベントは起きていません)
738: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/14(月) 23:01:14.78 ID:lpnbZrM90
今日はここまでです。gkbr怖い、靴の中にホウサンダンゴいれなきゃ。
今起きている支援を一通りまとめてみましたが……。あまり見やすくないかも。うまい方法が見つからなくてもうしわけない。
書き忘れてしまいましたが、アクアとカムイの支援は現在B+です
次の展開における安価を取りたいと思います。参加していただけると幸いです。
◇◆◇◆◇
カムイと話をすることになるキャラクター
アクア
ジョーカー
ギュンター
フェリシア
フローラ
リリス
ラズワルド
ピエリ
カミラ
ベルカ
ルーナ
エリーゼ
ハロルド
エルフィ
サイラス
ニュクス
モズメ
安価番号は>>740
◇◆◇◆◇
次に出発前に話をすることになるキャラクターの組み合わせを一組
カムイと話したキャラクター以外で上記の表から
安価番号は>>741 >>742 でお願いいたします。
今起きている支援を一通りまとめてみましたが……。あまり見やすくないかも。うまい方法が見つからなくてもうしわけない。
書き忘れてしまいましたが、アクアとカムイの支援は現在B+です
次の展開における安価を取りたいと思います。参加していただけると幸いです。
◇◆◇◆◇
カムイと話をすることになるキャラクター
アクア
ジョーカー
ギュンター
フェリシア
フローラ
リリス
ラズワルド
ピエリ
カミラ
ベルカ
ルーナ
エリーゼ
ハロルド
エルフィ
サイラス
ニュクス
モズメ
安価番号は>>740
◇◆◇◆◇
次に出発前に話をすることになるキャラクターの組み合わせを一組
カムイと話したキャラクター以外で上記の表から
安価番号は>>741 >>742 でお願いいたします。
740: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/14(月) 23:09:25.93 ID:Z4SU6zv80
おつ
ルーナ
ルーナ
748: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/15(火) 23:03:48.60 ID:+fzAvj1N0
◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・港町ディア『宿舎』―
コンコン
カムイ「はい、どなたですか?」
ルーナ「カムイ様、あたしよ」
カムイ「その声、カミラ姉さんの臣下の方でしたね。たしか……」
ガチャ
ルーナ「ルーナよ。ちゃんと覚えてよね」
カムイ「はい、ごめんなさい。色々あってお話しする時間を作れませんでしたから。私の落ち度ですね」
ルーナ「ちょっと、いきなり謝らないでしょ。あたしが悪いみたいじゃない」
カムイ「ふふっ、それでどうしたんですか? 何か急ぎのお話でも?」
ルーナ「そ、そうよね。そのためにここまで来たんだから」
カムイ「?」
ルーナ「え、えっとね、カムイ様」
カムイ「はい、なんでしょうか」
ルーナ「あたしもカムイ様を守るために戦うわ」
カムイ「それは嬉しいですが、どうしたんですか、突然? まだ会って一日も経ってませんよ?」
ルーナ「な、なによ。あたしに守ってもらうのが不愉快なわけ?」
カムイ「いいえ、そうじゃありませんよ……」
ルーナ「じゃあ何よ、何が不満なわけ?」
カムイ「いいえ。私なんかより、まず自分の命を大切にしてください。そうしてもらわないと困るんです」
ルーナ「あたしじゃ、力不足だって言いたいのかしら。それ見る目ないわよ」
カムイ「はは、見えませんから、間違ってないかもしれませんね」
―暗夜王国・港町ディア『宿舎』―
コンコン
カムイ「はい、どなたですか?」
ルーナ「カムイ様、あたしよ」
カムイ「その声、カミラ姉さんの臣下の方でしたね。たしか……」
ガチャ
ルーナ「ルーナよ。ちゃんと覚えてよね」
カムイ「はい、ごめんなさい。色々あってお話しする時間を作れませんでしたから。私の落ち度ですね」
ルーナ「ちょっと、いきなり謝らないでしょ。あたしが悪いみたいじゃない」
カムイ「ふふっ、それでどうしたんですか? 何か急ぎのお話でも?」
ルーナ「そ、そうよね。そのためにここまで来たんだから」
カムイ「?」
ルーナ「え、えっとね、カムイ様」
カムイ「はい、なんでしょうか」
ルーナ「あたしもカムイ様を守るために戦うわ」
カムイ「それは嬉しいですが、どうしたんですか、突然? まだ会って一日も経ってませんよ?」
ルーナ「な、なによ。あたしに守ってもらうのが不愉快なわけ?」
カムイ「いいえ、そうじゃありませんよ……」
ルーナ「じゃあ何よ、何が不満なわけ?」
カムイ「いいえ。私なんかより、まず自分の命を大切にしてください。そうしてもらわないと困るんです」
ルーナ「あたしじゃ、力不足だって言いたいのかしら。それ見る目ないわよ」
カムイ「はは、見えませんから、間違ってないかもしれませんね」
749: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/15(火) 23:15:21.28 ID:+fzAvj1N0
ルーナ「ううっ、目が見えないのになんでそんな言い方するわけ? 趣味悪いわよ」
カムイ「仕方無いですよ。もう無くなってしまった物なんですから……」
ルーナ「無くなった物……」
カムイ「……あの、ルーナさん。少しお顔を触らせてもらってもいいですか?」
ルーナ「な、なんでよ」
カムイ「私は触って相手の顔を理解する以外に手がないので、もしもよろしければ、私にルーナさんの顔を教えてくれませんか?」
ルーナ「……痛くしないわよね?」
カムイ「はい」
ルーナ「厭らしい手つきじゃないわよね」
カムイ「はい」
ルーナ「そう、ならいいわ」
カムイ「失礼しますね」ピトッ
ルーナ(……温かい、なんだか……安心できる)
カムイ「ルーナさんは、私のこの目のことをどう思いますか?」
ルーナ「え、それは。その……」
カムイ「可哀そうだって思いますか?」
ルーナ「そ、それはね。だって、子供の頃に目が見えなくなったんでしょ? 本来だったら、もっと世界を見れるはずだったのに、それを奪われるなんて」
カムイ「ふふっ、やっぱりそう思っちゃいますか」
ルーナ「な、なんで笑うのよ」
カムイ「いいえ、ルーナさんは言動と違って心の中はやさしい方なんだなって思いまして」
カムイ「仕方無いですよ。もう無くなってしまった物なんですから……」
ルーナ「無くなった物……」
カムイ「……あの、ルーナさん。少しお顔を触らせてもらってもいいですか?」
ルーナ「な、なんでよ」
カムイ「私は触って相手の顔を理解する以外に手がないので、もしもよろしければ、私にルーナさんの顔を教えてくれませんか?」
ルーナ「……痛くしないわよね?」
カムイ「はい」
ルーナ「厭らしい手つきじゃないわよね」
カムイ「はい」
ルーナ「そう、ならいいわ」
カムイ「失礼しますね」ピトッ
ルーナ(……温かい、なんだか……安心できる)
カムイ「ルーナさんは、私のこの目のことをどう思いますか?」
ルーナ「え、それは。その……」
カムイ「可哀そうだって思いますか?」
ルーナ「そ、それはね。だって、子供の頃に目が見えなくなったんでしょ? 本来だったら、もっと世界を見れるはずだったのに、それを奪われるなんて」
カムイ「ふふっ、やっぱりそう思っちゃいますか」
ルーナ「な、なんで笑うのよ」
カムイ「いいえ、ルーナさんは言動と違って心の中はやさしい方なんだなって思いまして」
750: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/15(火) 23:26:29.42 ID:+fzAvj1N0
ルーナ「バッカじゃないの! そんな質問されて、全然なんて言えるわけないじゃないの……。それにワザとでもそんなこと言えない」
カムイ「ありがとうございます、ルーナさん。確かに目を失ったことが良いことだなんて思いませんよ」
ルーナ「じゃあ」
カムイ「ええ。でも、私はそこで止まるなんてできませんでした。まだ、可能性がありましたから」
ルーナ「………可能性?」
カムイ「はい、私ができうる限りのことをする可能性です。やることは難しいです、でも、いつまでも手を引っ張られたままで世界を歩き続けることなんて私にはできなかったんです。私は思った以上に欲張りなんです」
ルーナ「欲張り? 謙遜が美徳って言われてるのに、なんだかおかしいわよ」
カムイ「みんな私が謙遜してるってよく言うんですよ。私はこんなにわがままな女なのに」
ルーナ「わがままって……」
カムイ「わがままですよ。こうしてルーナさんに触れられるのは、目が見えない自分のわがままを叶えるために動いて来たからなんです。自分のためだけに力をつけて来て、わがままなままに生きて来た私が、謙遜だなんて、面白い話です」
ルーナ「はぁ、それ我がままじゃないと思うんだけど」
カムイ「ありがとうございます、ルーナさん。確かに目を失ったことが良いことだなんて思いませんよ」
ルーナ「じゃあ」
カムイ「ええ。でも、私はそこで止まるなんてできませんでした。まだ、可能性がありましたから」
ルーナ「………可能性?」
カムイ「はい、私ができうる限りのことをする可能性です。やることは難しいです、でも、いつまでも手を引っ張られたままで世界を歩き続けることなんて私にはできなかったんです。私は思った以上に欲張りなんです」
ルーナ「欲張り? 謙遜が美徳って言われてるのに、なんだかおかしいわよ」
カムイ「みんな私が謙遜してるってよく言うんですよ。私はこんなにわがままな女なのに」
ルーナ「わがままって……」
カムイ「わがままですよ。こうしてルーナさんに触れられるのは、目が見えない自分のわがままを叶えるために動いて来たからなんです。自分のためだけに力をつけて来て、わがままなままに生きて来た私が、謙遜だなんて、面白い話です」
ルーナ「はぁ、それ我がままじゃないと思うんだけど」
751: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/15(火) 23:36:34.12 ID:+fzAvj1N0
カムイ「わがままですよ」
ルーナ「違うわ。それは努力っていう自己鍛錬よ。それに普通の人だったら、目が見えなくなったら誰かに支えてもらいたいって思うはずよ。で、そっちの生き方のほうがよっぽどわがままに見えるわ」
カムイ「そうですか?」
ルーナ「そうよ……。というか、それがわがままだったら、世の中の努力家がみんなわがままになっちゃうじゃない。あたしは嫌よ、あたしの頑張ってきたことが全部わがままになるなんて。これじゃ、あたしはわがままなやつになっちゃうじゃない!」
カムイ「ふふ、ルーナさんはわがままなんですね」
ルーナ「ああっ、もう! なんでそういう話になるのよ……。でもいいわ、そろそろ触るのは終りにしてくれない?」
カムイ「はい、そうですね」スッ
ルーナ「ふぅ、カムイ様の考えはわかったけど、あたしはあんたを守るつもりだから」
カムイ「そうなんですか?」
ルーナ「ええ、そうよ。いやって言っても守り通してあげるんだか……でも、あんたのわがままにも付き合ってあげてもいい……わよ」
カムイ「?」
ルーナ「ちゃんと、自分の身も守って見せるわ。それに先にあたしが死んじゃったら、カムイ様のこと守り続けられないからね。だから、絶対に死なないから」
カムイ「はい、そう言ってもらえてうれしいです」
ルーナ「……あと、あたしに頼めることがあったらいつでも言って、できる限り力になるわ、だから――」
カムイ「はい、いつかその時が来たら……」
ガチャ バタン
ルーナ「違うわ。それは努力っていう自己鍛錬よ。それに普通の人だったら、目が見えなくなったら誰かに支えてもらいたいって思うはずよ。で、そっちの生き方のほうがよっぽどわがままに見えるわ」
カムイ「そうですか?」
ルーナ「そうよ……。というか、それがわがままだったら、世の中の努力家がみんなわがままになっちゃうじゃない。あたしは嫌よ、あたしの頑張ってきたことが全部わがままになるなんて。これじゃ、あたしはわがままなやつになっちゃうじゃない!」
カムイ「ふふ、ルーナさんはわがままなんですね」
ルーナ「ああっ、もう! なんでそういう話になるのよ……。でもいいわ、そろそろ触るのは終りにしてくれない?」
カムイ「はい、そうですね」スッ
ルーナ「ふぅ、カムイ様の考えはわかったけど、あたしはあんたを守るつもりだから」
カムイ「そうなんですか?」
ルーナ「ええ、そうよ。いやって言っても守り通してあげるんだか……でも、あんたのわがままにも付き合ってあげてもいい……わよ」
カムイ「?」
ルーナ「ちゃんと、自分の身も守って見せるわ。それに先にあたしが死んじゃったら、カムイ様のこと守り続けられないからね。だから、絶対に死なないから」
カムイ「はい、そう言ってもらえてうれしいです」
ルーナ「……あと、あたしに頼めることがあったらいつでも言って、できる限り力になるわ、だから――」
カムイ「はい、いつかその時が来たら……」
ガチャ バタン
752: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/15(火) 23:45:49.75 ID:+fzAvj1N0
―港町ディア『宿舎』ロビー―
ピエリ「おいしいの!」
カミラ「あら、ピエリ。何しているのかしら?」
ピエリ「あっ、カミラ様なの! 今、地元の兵隊さんからいっぱい甘いお菓子貰ったの!」
カミラ「すごい量ね。こんなにあったら、みんなでお茶会が開けそうだわ」
ピエリ「すごい量なの! さっきまでもっとあったの。ピエリいっぱい食べたの!」
カミラ「ふふっ、はしたない子ね。口元に食べカスがついてるわよ」フキフキ
ピエリ「ん、カミラ様優しいの! お屋敷だと誰もピエリにこういうことしてくれないから、うれしいの」
カミラ「それは仕方無いわ。あなた、従者に酷いことしてるってきいてるから」
ピエリ「………」
カミラ「?」
ピエリ「カミラ様も、ピエリのこと悪く言うの? ピエリ、ピエリ、ふえええええぇぇぇぇん!」
カミラ「あらあら、ごめんなさい。怖がらせるつもりなんてなかったのに。ほら、泣きやまないと顔がひどいことになっちゃうわよ?」
ピエリ「ひぐっ、カミラ様も、ピエリのことおかしいって思ってるの。きっとそうなの」
カミラ「ふふっ、ピエリは怖がりなのね」
ピエリ「怖がりじゃないの。怖くなる前に、えいっ!てするの」
カミラ「それを怖がりっていうのよ」
ピエリ「おいしいの!」
カミラ「あら、ピエリ。何しているのかしら?」
ピエリ「あっ、カミラ様なの! 今、地元の兵隊さんからいっぱい甘いお菓子貰ったの!」
カミラ「すごい量ね。こんなにあったら、みんなでお茶会が開けそうだわ」
ピエリ「すごい量なの! さっきまでもっとあったの。ピエリいっぱい食べたの!」
カミラ「ふふっ、はしたない子ね。口元に食べカスがついてるわよ」フキフキ
ピエリ「ん、カミラ様優しいの! お屋敷だと誰もピエリにこういうことしてくれないから、うれしいの」
カミラ「それは仕方無いわ。あなた、従者に酷いことしてるってきいてるから」
ピエリ「………」
カミラ「?」
ピエリ「カミラ様も、ピエリのこと悪く言うの? ピエリ、ピエリ、ふえええええぇぇぇぇん!」
カミラ「あらあら、ごめんなさい。怖がらせるつもりなんてなかったのに。ほら、泣きやまないと顔がひどいことになっちゃうわよ?」
ピエリ「ひぐっ、カミラ様も、ピエリのことおかしいって思ってるの。きっとそうなの」
カミラ「ふふっ、ピエリは怖がりなのね」
ピエリ「怖がりじゃないの。怖くなる前に、えいっ!てするの」
カミラ「それを怖がりっていうのよ」
753: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/15(火) 23:55:45.30 ID:+fzAvj1N0
ピエリ「ん、どうして怖がりなの?」
カミラ「そうね。怖いことから逃げたくなる気持ち、私にもわかるわ。私もカムイが白夜にいると知ったとき、とても怖かったから。カムイをさらった奴らを八つ裂きにしてやりたいって、思うほどにわね」
ピエリ「八つ裂き、ピエリもいっぱい八つ裂きにするの!」
カミラ「そうね。でも、何でもかんでも力で解決しようとするのは、少しだけ頂けないわ」
ピエリ「どうしてなの? 怖いこともすぐになくなるし、返り血浴びて奇麗になれるから一石二鳥なの」
カミラ「ええ、でも、時には一番頼れるものに蓋をしてでも、立ち向かわないといけないことも出てくるわ。むしろ、そうしなくちゃいけない場面もね」
ピエリ「ピエリ、よくわからないの」
カミラ「ええ、すぐにわかる必要なんてないことよ。それに、今はそういうときじゃないから」
ヒョイ
ピエリ「? カミラ様どうしたの?」
カミラ「はい、あーん」
ピエリ「……あ~ん」パクッ
カミラ「ふふっ、どう?」
ピエリ「うん、おいしいの!」
カミラ「こうしてお菓子を食べてる姿、とっても可愛いわよ」
ピエリ「カミラ様に可愛いって言われたの。ピエリ嬉しいの」
カミラ「そう言ってもらえると嬉しいわ。もう一つ、どう?」
ピエリ「食べたいの!」
カミラ「じゃあ、口をあけて頂戴。あーん」
ピエリ「あ~ん! ん~、おいしいの。カミラ様、ありがとうなの。今度はピエリがやってあげるの!」
カミラ「そう、お手柔らかにね」
カミラ(こうしてみると可愛い子供そのものね)
カミラ「そうね。怖いことから逃げたくなる気持ち、私にもわかるわ。私もカムイが白夜にいると知ったとき、とても怖かったから。カムイをさらった奴らを八つ裂きにしてやりたいって、思うほどにわね」
ピエリ「八つ裂き、ピエリもいっぱい八つ裂きにするの!」
カミラ「そうね。でも、何でもかんでも力で解決しようとするのは、少しだけ頂けないわ」
ピエリ「どうしてなの? 怖いこともすぐになくなるし、返り血浴びて奇麗になれるから一石二鳥なの」
カミラ「ええ、でも、時には一番頼れるものに蓋をしてでも、立ち向かわないといけないことも出てくるわ。むしろ、そうしなくちゃいけない場面もね」
ピエリ「ピエリ、よくわからないの」
カミラ「ええ、すぐにわかる必要なんてないことよ。それに、今はそういうときじゃないから」
ヒョイ
ピエリ「? カミラ様どうしたの?」
カミラ「はい、あーん」
ピエリ「……あ~ん」パクッ
カミラ「ふふっ、どう?」
ピエリ「うん、おいしいの!」
カミラ「こうしてお菓子を食べてる姿、とっても可愛いわよ」
ピエリ「カミラ様に可愛いって言われたの。ピエリ嬉しいの」
カミラ「そう言ってもらえると嬉しいわ。もう一つ、どう?」
ピエリ「食べたいの!」
カミラ「じゃあ、口をあけて頂戴。あーん」
ピエリ「あ~ん! ん~、おいしいの。カミラ様、ありがとうなの。今度はピエリがやってあげるの!」
カミラ「そう、お手柔らかにね」
カミラ(こうしてみると可愛い子供そのものね)
754: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/16(水) 00:08:06.99 ID:LNRXHkvW0
◆◆◆◆◆◆
―港町ディア『宿舎』―
カムイ「そうですか。いやな予感というのは当たってしまうものなんですね」
暗夜兵「はい」
カムイ「その、シュヴァリエ公国から逃れてきたという方は?」
暗夜兵「待機させております」
カムイ「では、その方をここい呼んでいただけますか?」
暗夜兵「はい、少々お待ちを」
ギュンター「まさか、シュヴァリエ公国からマカラスまでが落ちているとは。一体いつの間に」
カムイ「情報が漏れないほどに、完膚なきまでに叩きのめされたのでしょう。どちらにせよ、ヒノカ王女の部隊がディアを襲ったのは城壁攻略を成功させるための陽動だったということですね」
アクア「カムイ、これからどうするの?」
カムイ「まずは、その方から話を聞いてみましょう」
暗夜兵「どうぞ、こちらの部屋です」
クリムゾン「………あんたがここのリーダーさん?」
カムイ「はい、初めまして。暗夜王国王女のカムイといいます」
クリムゾン「カムイっていうのかい……へぇ」
カムイ「あの、どうしました?」
クリムゾン「いや、なんでもないよ。あんたがマカラスまで視察隊を出してくれたんだってね。追手から逃げてふらふらだったから、おかげで助かったよ」
―港町ディア『宿舎』―
カムイ「そうですか。いやな予感というのは当たってしまうものなんですね」
暗夜兵「はい」
カムイ「その、シュヴァリエ公国から逃れてきたという方は?」
暗夜兵「待機させております」
カムイ「では、その方をここい呼んでいただけますか?」
暗夜兵「はい、少々お待ちを」
ギュンター「まさか、シュヴァリエ公国からマカラスまでが落ちているとは。一体いつの間に」
カムイ「情報が漏れないほどに、完膚なきまでに叩きのめされたのでしょう。どちらにせよ、ヒノカ王女の部隊がディアを襲ったのは城壁攻略を成功させるための陽動だったということですね」
アクア「カムイ、これからどうするの?」
カムイ「まずは、その方から話を聞いてみましょう」
暗夜兵「どうぞ、こちらの部屋です」
クリムゾン「………あんたがここのリーダーさん?」
カムイ「はい、初めまして。暗夜王国王女のカムイといいます」
クリムゾン「カムイっていうのかい……へぇ」
カムイ「あの、どうしました?」
クリムゾン「いや、なんでもないよ。あんたがマカラスまで視察隊を出してくれたんだってね。追手から逃げてふらふらだったから、おかげで助かったよ」
755: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/16(水) 00:18:10.10 ID:LNRXHkvW0
カムイ「それで、あなたの名前は?」
クリムゾン「そうだったね、私はクリムゾン。誇り高きシュヴァリエの戦士さ。といっても、この体たらくじゃ、そんなこと言えないけどね」
カムイ「クリムゾンさん。そのここまでの顛末を教えてくれませんか? いったい何があったのかを」
クリムゾン「ああ、白夜軍が突然現れたのは数日前だ。たぶん海からやってきたんだろうけど、深夜の静まり返っていたところを私たちの国は襲われてね」
カムイ「………」
クリムゾン「もうシュヴァリエのほとんどは白夜に占領されてる。まだ、隠れて抵抗してる奴らもいるけど時間の問題だった。そこで私は仲間たちに頼まれて、このことを国境の城壁に伝えに行ったのさ。でも、考えが甘かったんだよ」
カムイ「すでに城壁は落ちていた……というわけですか?」
クリムゾン「ああ、敵の中をどうにか見つからずに進んで、マカラスに至った時、運悪く見つかっちゃってね。命かながらディアを目指してたところを」
カムイ「私の送った視察隊に発見されたということですか」
クリムゾン「そういうことになるね」
カムイ「わかりました。貴重な情報ありがとうございます。となると、海上はすでに白夜に抑えられているんでしょうから。ディアからシュヴァリエを目指す道は使えませんね」
クリムゾン「そうだったね、私はクリムゾン。誇り高きシュヴァリエの戦士さ。といっても、この体たらくじゃ、そんなこと言えないけどね」
カムイ「クリムゾンさん。そのここまでの顛末を教えてくれませんか? いったい何があったのかを」
クリムゾン「ああ、白夜軍が突然現れたのは数日前だ。たぶん海からやってきたんだろうけど、深夜の静まり返っていたところを私たちの国は襲われてね」
カムイ「………」
クリムゾン「もうシュヴァリエのほとんどは白夜に占領されてる。まだ、隠れて抵抗してる奴らもいるけど時間の問題だった。そこで私は仲間たちに頼まれて、このことを国境の城壁に伝えに行ったのさ。でも、考えが甘かったんだよ」
カムイ「すでに城壁は落ちていた……というわけですか?」
クリムゾン「ああ、敵の中をどうにか見つからずに進んで、マカラスに至った時、運悪く見つかっちゃってね。命かながらディアを目指してたところを」
カムイ「私の送った視察隊に発見されたということですか」
クリムゾン「そういうことになるね」
カムイ「わかりました。貴重な情報ありがとうございます。となると、海上はすでに白夜に抑えられているんでしょうから。ディアからシュヴァリエを目指す道は使えませんね」
757: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/16(水) 00:29:09.92 ID:LNRXHkvW0
ギュンター「やはり陸路でマカラス、国境線と進んでシュヴァリエ公国を目指すほかありませんな」
カムイ「そうですね。クリムゾンさん」
クリムゾン「なんだい?」
カムイ「あなたはどうしますか? ここでシュヴァリエ解放までお待ちいただいてもよろしいのですが」
クリムゾン「いや、祖国が侵略されてるのに、黙ってみてることはできないよ。カムイ王女が許してくれるなら、私も同行させてくれないかい?」
カミラ「いいんじゃないかしら? シュヴァリエの兵士はとても優秀と聞いているわ」
カムイ「優秀……ですか」
クリムゾン「ああ、任せてくれよ」
カムイ「………わかりました。クりムゾンさん、一緒にシュヴァリエまでの道を開きましょう」
クリムゾン「ありがとう、助かるよ」
カムイ「……皆さん。聞いての通りです、私たちはこれよりマカラスへ移動し、占領地域を奪還します」
アクア「ガロン王とマクベスの指示を待たないの?」
カムイ「流石に待っている暇はないですよ。できる限り、早く白夜の侵攻に釘を打たないといけませんから。道中での戦闘も予想されますので、皆さん準備は万全にしていきましょう」
カムイ(わずかな期間でシュヴァリエ、国境線の城壁、そしてマカラスを落としたとなると、すさまじい量の軍勢でしょうが、今はどうにかするしかありませんね………)
カムイ「そうですね。クリムゾンさん」
クリムゾン「なんだい?」
カムイ「あなたはどうしますか? ここでシュヴァリエ解放までお待ちいただいてもよろしいのですが」
クリムゾン「いや、祖国が侵略されてるのに、黙ってみてることはできないよ。カムイ王女が許してくれるなら、私も同行させてくれないかい?」
カミラ「いいんじゃないかしら? シュヴァリエの兵士はとても優秀と聞いているわ」
カムイ「優秀……ですか」
クリムゾン「ああ、任せてくれよ」
カムイ「………わかりました。クりムゾンさん、一緒にシュヴァリエまでの道を開きましょう」
クリムゾン「ありがとう、助かるよ」
カムイ「……皆さん。聞いての通りです、私たちはこれよりマカラスへ移動し、占領地域を奪還します」
アクア「ガロン王とマクベスの指示を待たないの?」
カムイ「流石に待っている暇はないですよ。できる限り、早く白夜の侵攻に釘を打たないといけませんから。道中での戦闘も予想されますので、皆さん準備は万全にしていきましょう」
カムイ(わずかな期間でシュヴァリエ、国境線の城壁、そしてマカラスを落としたとなると、すさまじい量の軍勢でしょうが、今はどうにかするしかありませんね………)
758: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/16(水) 00:36:27.60 ID:LNRXHkvW0
◇◇◇◇◇◇
―暗夜王国・賭博の町マカラス―
タクミ「そう、この町の奴らは抵抗も何もなく降伏したってことでいいんだね?」
オボロ「はい、すでに全兵士の投降を確認してます。今、この町は私たちの制圧下にあります」
ヒナタ「でも、拍子抜けだよな。ここまで来るのに戦闘なんてなかったし、もっと剣を振るえるかと思ってた」
タクミ「なら、もう準備しておくんだね。いずれ話を嗅ぎつけてこっちにやってくる奴らがいるはずだから。僕たちはそれを迎え撃つだけでいい」
オボロ「わかりました、タクミ様。ところで、この荷車の中にいるのはどうするのです?」
タクミ「ああっ、暗夜に媚を売ったやつらのことかい? 前線で戦ってもらうよ、使える駒はちゃんと使える場所に置かないとね」
「結局、そういうことにしか使えない奴らなんだからさ」
―暗夜王国・賭博の町マカラス―
タクミ「そう、この町の奴らは抵抗も何もなく降伏したってことでいいんだね?」
オボロ「はい、すでに全兵士の投降を確認してます。今、この町は私たちの制圧下にあります」
ヒナタ「でも、拍子抜けだよな。ここまで来るのに戦闘なんてなかったし、もっと剣を振るえるかと思ってた」
タクミ「なら、もう準備しておくんだね。いずれ話を嗅ぎつけてこっちにやってくる奴らがいるはずだから。僕たちはそれを迎え撃つだけでいい」
オボロ「わかりました、タクミ様。ところで、この荷車の中にいるのはどうするのです?」
タクミ「ああっ、暗夜に媚を売ったやつらのことかい? 前線で戦ってもらうよ、使える駒はちゃんと使える場所に置かないとね」
「結局、そういうことにしか使えない奴らなんだからさ」
759: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/16(水) 00:48:02.27 ID:LNRXHkvW0
―荷車の中―
ウウッ ドウシテ ドウシテコンナコトニ
カアサン トウサン ゴメンヨ ゴメンヨ
???「………」
スズメ(巫女)「あの……」
???「スズメか、どうした。眠れないのか?」
スズメ「はい。船に乗せられて、ここまでこの荷車に乗せられるままに来ましたから、疲れているはずなんですけど。リンカ様はお疲れでないのですか?」
リンカ「ああ、大丈夫だ。それよりも、お前は体が弱いんだろう? ゆっくり休んだ方がいい」
スズメ「はい、ごめんなさい。不安なのはリンカ様も同じはずなのに」
リンカ「気にすることじゃないさ。こんな捕虜みたいな扱いを受けるのは初めてのことじゃないしな。……まぁ、それが原因でここにこんな形で連れてこられてるわけだけどな」ジャラッ ジャラッ
スズメ「でも、なんだかその割には、悲観の色が少ないですよ?」
リンカ「そうだな。確かにそうかもしれない。まったく、こんな姿、父には見せられないな。孤高であることを重んじる炎の部族の名折れだ」
スズメ「でも、やっぱり嬉しそうです」
リンカ「そうだな。たぶん、それがあたしがここに連れてこられても、心が折れない理由なのかもしれない」
「あいつに会えたらいいな。たとえ、殺し合いの中心地であったとしても」
ウウッ ドウシテ ドウシテコンナコトニ
カアサン トウサン ゴメンヨ ゴメンヨ
???「………」
スズメ(巫女)「あの……」
???「スズメか、どうした。眠れないのか?」
スズメ「はい。船に乗せられて、ここまでこの荷車に乗せられるままに来ましたから、疲れているはずなんですけど。リンカ様はお疲れでないのですか?」
リンカ「ああ、大丈夫だ。それよりも、お前は体が弱いんだろう? ゆっくり休んだ方がいい」
スズメ「はい、ごめんなさい。不安なのはリンカ様も同じはずなのに」
リンカ「気にすることじゃないさ。こんな捕虜みたいな扱いを受けるのは初めてのことじゃないしな。……まぁ、それが原因でここにこんな形で連れてこられてるわけだけどな」ジャラッ ジャラッ
スズメ「でも、なんだかその割には、悲観の色が少ないですよ?」
リンカ「そうだな。確かにそうかもしれない。まったく、こんな姿、父には見せられないな。孤高であることを重んじる炎の部族の名折れだ」
スズメ「でも、やっぱり嬉しそうです」
リンカ「そうだな。たぶん、それがあたしがここに連れてこられても、心が折れない理由なのかもしれない」
「あいつに会えたらいいな。たとえ、殺し合いの中心地であったとしても」
760: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/16(水) 00:51:33.49 ID:LNRXHkvW0
カムイ支援の新規項目
カムイとル―ナの支援がC+になりました
仲間間の支援
カミラとピエリの支援がCになりました
カムイとル―ナの支援がC+になりました
仲間間の支援
カミラとピエリの支援がCになりました
761: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/16(水) 01:03:46.63 ID:LNRXHkvW0
今日はここまでです。スズメはモブ巫女です。
マップを見ながら町の位置関係を確認していると、マカラスって国境線の城壁を超えた先にあるんですよね。
そしてそんな場所にカムイが来るかもという情報だけで、出向くリョウマたちは罠の可能性を考えなかったのか……
◇◆◇◆◇
次から戦闘に入ります。カムイと一緒に行動することになるチームを決めたいと思います。
チーム城塞(ギュンター・ジョーカー・フローラ)
チーム血みどろ(ピエリ・リリス・カミラ)
チーム攻め盾(エルフィ・エリーゼ・フェリシア)
チーム青一点(ベルカ・ラズワルド・ルーナ)
チーム走行遊撃(サイラス・ニュクス・ハロルド)
チーム連続投射(アクア・モズメ)
今回も多数決で決めたいと思いますので、>>768までの間で一番多く選ばれたチームにしたいと思います。
マップを見ながら町の位置関係を確認していると、マカラスって国境線の城壁を超えた先にあるんですよね。
そしてそんな場所にカムイが来るかもという情報だけで、出向くリョウマたちは罠の可能性を考えなかったのか……
◇◆◇◆◇
次から戦闘に入ります。カムイと一緒に行動することになるチームを決めたいと思います。
チーム城塞(ギュンター・ジョーカー・フローラ)
チーム血みどろ(ピエリ・リリス・カミラ)
チーム攻め盾(エルフィ・エリーゼ・フェリシア)
チーム青一点(ベルカ・ラズワルド・ルーナ)
チーム走行遊撃(サイラス・ニュクス・ハロルド)
チーム連続投射(アクア・モズメ)
今回も多数決で決めたいと思いますので、>>768までの間で一番多く選ばれたチームにしたいと思います。
770: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/16(水) 08:40:45.39 ID:uHN12dp/0
む 同率が3つか
有効なら走行遊撃に決選投票
案外リョウマの進軍には手間がかかってたのかもしれんね
有効なら走行遊撃に決選投票
案外リョウマの進軍には手間がかかってたのかもしれんね
771: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/16(水) 22:32:11.07 ID:LNRXHkvW0
◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・賭博の町マカラス―
クリムゾン「ここがマカラスだよ」
カムイ「そうですか……」
サイラス「しかし妙だな。町にまったく損害が見えない。本当に白夜軍がここに来てるんだろうか?」
ニュクス「すでに投降したのかもしれないわよ。それにマカラスにいる民にとって、戦争なんてどうでもいいことなのかもしれないわ」
ハロルド「関係ないことだ。私たちは白夜から暗夜を守るために来ている、そこはどうあっても変わらないことだよ」
カムイ「ハロルドさんの言う通りですね。それに町の方々が無事なら、それに越したことはありませんが」
サイラス「とりあえず。町に入ってみよう、待ち伏せされている可能性は高いけど、ここで待ってるわけにはいかない」
カムイ「そうですね。皆さん、戦闘態勢を維持したままでマカラスに入ります。敵の奇襲が予想されます、窓や屋根、裏路地にも気を配るようにお願いします」
一同 コクリッ
カムイ「それでは、行きますよ」
―暗夜王国・賭博の町マカラス―
クリムゾン「ここがマカラスだよ」
カムイ「そうですか……」
サイラス「しかし妙だな。町にまったく損害が見えない。本当に白夜軍がここに来てるんだろうか?」
ニュクス「すでに投降したのかもしれないわよ。それにマカラスにいる民にとって、戦争なんてどうでもいいことなのかもしれないわ」
ハロルド「関係ないことだ。私たちは白夜から暗夜を守るために来ている、そこはどうあっても変わらないことだよ」
カムイ「ハロルドさんの言う通りですね。それに町の方々が無事なら、それに越したことはありませんが」
サイラス「とりあえず。町に入ってみよう、待ち伏せされている可能性は高いけど、ここで待ってるわけにはいかない」
カムイ「そうですね。皆さん、戦闘態勢を維持したままでマカラスに入ります。敵の奇襲が予想されます、窓や屋根、裏路地にも気を配るようにお願いします」
一同 コクリッ
カムイ「それでは、行きますよ」
772: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/16(水) 22:42:48.20 ID:LNRXHkvW0
◇◇◇◇◇◇
―マカラス市内―
ヒナタ「タクミ様、どうやら暗夜の一団が入ってきたみたいだ」
タクミ「そう、それじゃ手筈どおりに奴らを誘導するように指示を出して」
ヒナタ「わかりました」
タクミ「オボロ、僕の援護をお願いできるかな?」
オボロ「ええ、もちろんです」
ヒナタ「しかし、乗ってくれるかな?」
タクミ「乗らなきゃ、マカラスはこのまま白夜の物になるだけ、何の問題もないよ。それをここに来た奴らがどう思うか知らないけどね」
白夜兵「オボロ様、侵入してきた者たちの中に……」
オボロ「そう、タクミ様に伝えておくわ。あなたは誘導部隊を指揮しながら、例の場所まで奴らを誘導して頂戴」クワッ
白夜兵「わかりました」サッ
タクミ「オボロ、何かあった?」
オボロ「ええ、裏切り者がどうやら来てくれたようですよ。タクミ様」
タクミ「! そうかい、ふふ、ならここでリョウマ兄さんとヒノカ姉さん、サクラの心配事の種を摘んであげないとね」
ヒナタ「タクミ様。俺たちも向かいましょう」
オボロ「タクミ様」
タクミ「ああ、そうだね。それじゃ、行こうか……」
「裏切り者たちを殺しにね」
―マカラス市内―
ヒナタ「タクミ様、どうやら暗夜の一団が入ってきたみたいだ」
タクミ「そう、それじゃ手筈どおりに奴らを誘導するように指示を出して」
ヒナタ「わかりました」
タクミ「オボロ、僕の援護をお願いできるかな?」
オボロ「ええ、もちろんです」
ヒナタ「しかし、乗ってくれるかな?」
タクミ「乗らなきゃ、マカラスはこのまま白夜の物になるだけ、何の問題もないよ。それをここに来た奴らがどう思うか知らないけどね」
白夜兵「オボロ様、侵入してきた者たちの中に……」
オボロ「そう、タクミ様に伝えておくわ。あなたは誘導部隊を指揮しながら、例の場所まで奴らを誘導して頂戴」クワッ
白夜兵「わかりました」サッ
タクミ「オボロ、何かあった?」
オボロ「ええ、裏切り者がどうやら来てくれたようですよ。タクミ様」
タクミ「! そうかい、ふふ、ならここでリョウマ兄さんとヒノカ姉さん、サクラの心配事の種を摘んであげないとね」
ヒナタ「タクミ様。俺たちも向かいましょう」
オボロ「タクミ様」
タクミ「ああ、そうだね。それじゃ、行こうか……」
「裏切り者たちを殺しにね」
773: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/16(水) 22:53:13.01 ID:LNRXHkvW0
◆◆◆◆◆◆
―マカラス宮殿近辺―
ヒュン キンッ
サイラス「くっ、ちょっかいみたいな攻撃ばっかりだな」
ハロルド「うむ、こうも遠距離攻撃ばかり。さすがに堪えるぞ」
ニュクス「ねぇ、これって間違いなく誘われてるわよね」
カムイ「でしょうね。だんだんマカラス市街地から離れていますし、この先には何があるんですか?」
カミラ「この先には王族の別荘が多くある場所よ。たぶんそこに誘い込もうとしてるんでしょうけど」
カムイ「解せませんね。市街地で戦う方が何倍も優位のはずなのに。そこから遠ざかるというのは」
カミラ「私たちを呼び出す意味があるんでしょう?」
カムイ「……」
アクア「カムイ、誘いに乗らないのも手よ? このまま市街地に戻って――」
カムイ「いえ、たぶん相手は市街地になんてやってきません。どうやら、私たちを宮殿に招き入れるのが目的のようですから、来るまでこういう嫌がらせを続けるでしょうから。それに、待っていてもマカラスの奪還はできません」
アクア「そう、わかったわ。ごめんなさい、意見を出してしまって」
カムイ「謝る必要なんてありませんよ。皆さん、罠であることは百も承知ですが、このままマカラスの別荘地に向かいます。よろしいですね?」
サイラス「カムイ、護衛は任せてくれ、必ず守り通してみせるからさ」
カムイ「ええ、頼りにしてますよサイラスさん。それでは、行きましょう」
―マカラス宮殿近辺―
ヒュン キンッ
サイラス「くっ、ちょっかいみたいな攻撃ばっかりだな」
ハロルド「うむ、こうも遠距離攻撃ばかり。さすがに堪えるぞ」
ニュクス「ねぇ、これって間違いなく誘われてるわよね」
カムイ「でしょうね。だんだんマカラス市街地から離れていますし、この先には何があるんですか?」
カミラ「この先には王族の別荘が多くある場所よ。たぶんそこに誘い込もうとしてるんでしょうけど」
カムイ「解せませんね。市街地で戦う方が何倍も優位のはずなのに。そこから遠ざかるというのは」
カミラ「私たちを呼び出す意味があるんでしょう?」
カムイ「……」
アクア「カムイ、誘いに乗らないのも手よ? このまま市街地に戻って――」
カムイ「いえ、たぶん相手は市街地になんてやってきません。どうやら、私たちを宮殿に招き入れるのが目的のようですから、来るまでこういう嫌がらせを続けるでしょうから。それに、待っていてもマカラスの奪還はできません」
アクア「そう、わかったわ。ごめんなさい、意見を出してしまって」
カムイ「謝る必要なんてありませんよ。皆さん、罠であることは百も承知ですが、このままマカラスの別荘地に向かいます。よろしいですね?」
サイラス「カムイ、護衛は任せてくれ、必ず守り通してみせるからさ」
カムイ「ええ、頼りにしてますよサイラスさん。それでは、行きましょう」
774: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/16(水) 23:04:48.64 ID:LNRXHkvW0
サイラス「………宮殿に入ったら奴らの気配が消えた?」
ニュクス「ほんと、さっきまでちょっかいばかり出してた奴らの気配が消えたわね」
ハロルド「代わりと言ってはなんだが、向こうにたくさんの人影があるようだが……」
カムイ「まぁ、そうなるでしょうね。さて、誘いに乗ってあげたんですから、あいさつくらい欲しいものですけど」
「ほんとふてぶてしい態度だよね。見ててイライラするよ」
アクア「!」
ザッ ザッ
タクミ「罠だってわかってるのに、ここに入ってくるなんて、どうかと思うけどね」
カムイ「そういう性分なんですよ。お久しぶりですね、タクミさん」
タクミ「馴れ馴れしく声をかけるな、この裏切り者。どうして、あんたはそんなに堂々としてられるんだよ」
カムイ「堂々となんてしてませんよ。あとイライラしてたら当たるものも当たらなくなりますよ?」
オボロ「カムイ王女、タクミ様を侮辱するなら、容赦しないわ」クワッ
サイラス「うえっ、なんだあの顔」
ハロルド「ううむ、すごい気迫だ。この距離でも感じられるほどとは」
ニュクス「そうね、背中が少しヒュンってなるわ」
カムイ「侮辱と取るかはオボロさん次第です」
オボロ「……そう、なら容赦しなくてもいい、そういうことよね?」クワッ
ニュクス「ほんと、さっきまでちょっかいばかり出してた奴らの気配が消えたわね」
ハロルド「代わりと言ってはなんだが、向こうにたくさんの人影があるようだが……」
カムイ「まぁ、そうなるでしょうね。さて、誘いに乗ってあげたんですから、あいさつくらい欲しいものですけど」
「ほんとふてぶてしい態度だよね。見ててイライラするよ」
アクア「!」
ザッ ザッ
タクミ「罠だってわかってるのに、ここに入ってくるなんて、どうかと思うけどね」
カムイ「そういう性分なんですよ。お久しぶりですね、タクミさん」
タクミ「馴れ馴れしく声をかけるな、この裏切り者。どうして、あんたはそんなに堂々としてられるんだよ」
カムイ「堂々となんてしてませんよ。あとイライラしてたら当たるものも当たらなくなりますよ?」
オボロ「カムイ王女、タクミ様を侮辱するなら、容赦しないわ」クワッ
サイラス「うえっ、なんだあの顔」
ハロルド「ううむ、すごい気迫だ。この距離でも感じられるほどとは」
ニュクス「そうね、背中が少しヒュンってなるわ」
カムイ「侮辱と取るかはオボロさん次第です」
オボロ「……そう、なら容赦しなくてもいい、そういうことよね?」クワッ
775: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/16(水) 23:15:59.99 ID:LNRXHkvW0
カムイ「さて、とりあえず聞きますけど、マカラスから早急に撤退してもらえませんか? 戦うのは本坊ではないので」
タクミ「ふんっ、素直に聞くと思ってるわけ?」
カムイ「いいえ。タクミさんが素直に聞いてくれるとは思ってませんよ。でも、一度は聞いておくべきですから」
タクミ「形式的な話なんていらないよ。あんたはここで死ぬんだから、そんな必要もない」
アクア「タクミ……」
タクミ「アクア姉さん? なんだ、生きてたの。てっきりもう暗夜兵に殺されたと思ってたのに」
アクア「やめてタクミ。カムイはあなたの姉さんなのよ。姉弟同士で争うなんて……」
タクミ「今さら何言ってるんだよ。ここにあんたたちがいるってことは、ヒノカ姉さんの部隊をどうにかできたってことだろ? 争うつもりがないなら、ヒノカ姉さんについて行けばよかったんだ。ヒノカ姉さんは、あんたのことを助けに行ったんだからね」
アクア「それに従ったら、捕まっているサクラは――」
カムイ「アクアさん。何を言っても無駄ですよ、それに私がわかりました、ついて行きましょうと言ったところで、タクミさんや他の方たちは許すつもりもないんでしょうし」
タクミ「ああ、皆の前で処刑してあげるよ。暗夜の人間が辿る道がどういうものか、みんなに教えなくちゃいけないからね」
ザザッ ジャキ チャキ
白夜兵「カムイ王女、いや国を売った 女。貴様が、貴様がいるから……」
タクミ「裏切り者を殺せたら、わかってるよね?」
白夜兵たち「……いくぞ!」
ウオオオオオオオオッ
リンカ「……スズメ、お前は後方で待機してろ」
スズメ「で、ですが」
リンカ「言う通りにしてるんだ。それに、お前は巫女だろ? 前線には向かない」
スズメ「……はい、リンカ様」
タタタタタッ
リンカ「さてと、あたしも行くか」
タクミ「ふんっ、素直に聞くと思ってるわけ?」
カムイ「いいえ。タクミさんが素直に聞いてくれるとは思ってませんよ。でも、一度は聞いておくべきですから」
タクミ「形式的な話なんていらないよ。あんたはここで死ぬんだから、そんな必要もない」
アクア「タクミ……」
タクミ「アクア姉さん? なんだ、生きてたの。てっきりもう暗夜兵に殺されたと思ってたのに」
アクア「やめてタクミ。カムイはあなたの姉さんなのよ。姉弟同士で争うなんて……」
タクミ「今さら何言ってるんだよ。ここにあんたたちがいるってことは、ヒノカ姉さんの部隊をどうにかできたってことだろ? 争うつもりがないなら、ヒノカ姉さんについて行けばよかったんだ。ヒノカ姉さんは、あんたのことを助けに行ったんだからね」
アクア「それに従ったら、捕まっているサクラは――」
カムイ「アクアさん。何を言っても無駄ですよ、それに私がわかりました、ついて行きましょうと言ったところで、タクミさんや他の方たちは許すつもりもないんでしょうし」
タクミ「ああ、皆の前で処刑してあげるよ。暗夜の人間が辿る道がどういうものか、みんなに教えなくちゃいけないからね」
ザザッ ジャキ チャキ
白夜兵「カムイ王女、いや国を売った 女。貴様が、貴様がいるから……」
タクミ「裏切り者を殺せたら、わかってるよね?」
白夜兵たち「……いくぞ!」
ウオオオオオオオオッ
リンカ「……スズメ、お前は後方で待機してろ」
スズメ「で、ですが」
リンカ「言う通りにしてるんだ。それに、お前は巫女だろ? 前線には向かない」
スズメ「……はい、リンカ様」
タタタタタッ
リンカ「さてと、あたしも行くか」
776: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/16(水) 23:28:14.28 ID:LNRXHkvW0
カムイ「皆さん、近くの方たちと陣を組んでください!」
サイラス「カムイには近づかせない。ハロルド!」
ハロルド「任せたまえ!」
白夜兵「カムイ! 死ねえええええ!!!!」
ブンッ
ハロルド「ん?」キンッ
白夜兵「くっ、まだまだ!」
ニュクス「ハロルド!? これで!」ボッ
白夜兵「ウギャアアアアアアアア」ドサッ
ニュクス「どうしたの。敵が目の前に迫ってるのに、棒立ちになって」
ハロルド「いや、気迫は確かに感じる。感じるのだが……。そんな、このようなことがあってよいというのか?」
ニュクス「くっ、気にあるけど敵がまだまだ迫ってきてる。ハロルド、今は」
ハロルド「わかっている。くそっ、なぜこのような戦いをせねばならないんだ」
サイラス「てやぁ!」
ザシュッ
白夜兵「ぐっ、ぐおおお」ドサッ
サイラス(なんだ、この違和感は?)
カムイ「サイラスさん!」
サイラス「!? くっ、くそ、なんなんだこれは!」
ブンッ
白夜兵「きゃあああああ」ドサッ
サイラス「………くそっ、最悪な気分だ」
カムイ「サイラスさん、どうしたんですか」
サイラス「カムイ、俺たちはとても嫌な戦闘を強いられてる気がする。こんなの戦闘じゃない」
サイラス「カムイには近づかせない。ハロルド!」
ハロルド「任せたまえ!」
白夜兵「カムイ! 死ねえええええ!!!!」
ブンッ
ハロルド「ん?」キンッ
白夜兵「くっ、まだまだ!」
ニュクス「ハロルド!? これで!」ボッ
白夜兵「ウギャアアアアアアアア」ドサッ
ニュクス「どうしたの。敵が目の前に迫ってるのに、棒立ちになって」
ハロルド「いや、気迫は確かに感じる。感じるのだが……。そんな、このようなことがあってよいというのか?」
ニュクス「くっ、気にあるけど敵がまだまだ迫ってきてる。ハロルド、今は」
ハロルド「わかっている。くそっ、なぜこのような戦いをせねばならないんだ」
サイラス「てやぁ!」
ザシュッ
白夜兵「ぐっ、ぐおおお」ドサッ
サイラス(なんだ、この違和感は?)
カムイ「サイラスさん!」
サイラス「!? くっ、くそ、なんなんだこれは!」
ブンッ
白夜兵「きゃあああああ」ドサッ
サイラス「………くそっ、最悪な気分だ」
カムイ「サイラスさん、どうしたんですか」
サイラス「カムイ、俺たちはとても嫌な戦闘を強いられてる気がする。こんなの戦闘じゃない」
777: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/16(水) 23:39:43.35 ID:LNRXHkvW0
カミラ「……ピエリ、ちょっといいかしら?」
ピエリ「カミラ様、どうかしたの?」
カミラ「弱すぎるわ。間合いの取り方も、武器の扱い方も、連携の取り方も、全部とっても」
ピエリ「うん、この人達とっても弱いの。だから殺したい放題なの!」
リリス「ピエリさん、あの、私はどうして後ろにいなくちゃいけないんですか。もう、また血でべとべとなんですけど」
ピエリ「リリスを守るためなの。仕方ないの、でも、こんなに弱かったらリリスを後ろに乗せる必要なんてないの!」
カミラ「ええ、本当に弱いわ。これが本当に城壁を越えてやってきた白夜の先鋭だなんて言われても信じられないわね」
ギュンター「ふむ、ジョーカー、フローラ」
ジョーカー「なんだ爺」
フローラ「どうしました?」
ギュンター「こいつら、どう思う?」
ジョーカー「雑魚だ雑魚、俺が真正面から投げてるのに全く避ける気配もねえ」
フローラ「そうですね。弱すぎて話になりません」
ギュンター「やはりか。くっ、この歳になってこのような、戦いを強いられることになるとは思っていなかったが」
ピエリ「カミラ様、どうかしたの?」
カミラ「弱すぎるわ。間合いの取り方も、武器の扱い方も、連携の取り方も、全部とっても」
ピエリ「うん、この人達とっても弱いの。だから殺したい放題なの!」
リリス「ピエリさん、あの、私はどうして後ろにいなくちゃいけないんですか。もう、また血でべとべとなんですけど」
ピエリ「リリスを守るためなの。仕方ないの、でも、こんなに弱かったらリリスを後ろに乗せる必要なんてないの!」
カミラ「ええ、本当に弱いわ。これが本当に城壁を越えてやってきた白夜の先鋭だなんて言われても信じられないわね」
ギュンター「ふむ、ジョーカー、フローラ」
ジョーカー「なんだ爺」
フローラ「どうしました?」
ギュンター「こいつら、どう思う?」
ジョーカー「雑魚だ雑魚、俺が真正面から投げてるのに全く避ける気配もねえ」
フローラ「そうですね。弱すぎて話になりません」
ギュンター「やはりか。くっ、この歳になってこのような、戦いを強いられることになるとは思っていなかったが」
778: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/16(水) 23:56:46.82 ID:LNRXHkvW0
サイラス「カムイ、向かってきてる兵たちは戦闘訓練なんて一切受けてない、新兵以下の奴らだ」
カムイ「……最悪ですね」
ハロルド「こんな戦闘技術も身に付けていない人間を向かわせるなんて、正気の沙汰ではない。すぐにやめさせなければ!」
カムイ「……陣形を変えます。私たちを中心に敵中を突破、肉薄するようにして、この作戦の指揮官を倒しましょう」
ニュクス「わかったわ……だけど、敵の本隊がそれを許してくれるかしら? あのラインから先の奴らはどう見ても――」
カムイ「許す許さないの問題じゃありません。この生産性のない戦いを終わらせることが何よりも大事ですから。」
サイラス「カムイ、乗ってくれ。こんな狂った戦いを俺は早く終わらせたい」
カムイ「ええ、すみませんがよろしくお願いしますね」
サイラス「任せてくれ、必ず奴の足元まで連れて行ってやる」
カムイ「ハロルドさん、ニュクスさん、敵の足止めをお願いします」
ハロルド「ああっ、できる限り殺さないように努めさせてもらうよ。こんなものは正義でもなんでもない」
ニュクス「本当に悪趣味ね……。私がやってきたことを見てるみたいで、吐き気がするわ」
カムイ「皆さん、向かってくる方たちを抑えてください。これより、敵指揮官に攻撃を仕掛けます!」
カムイ「……最悪ですね」
ハロルド「こんな戦闘技術も身に付けていない人間を向かわせるなんて、正気の沙汰ではない。すぐにやめさせなければ!」
カムイ「……陣形を変えます。私たちを中心に敵中を突破、肉薄するようにして、この作戦の指揮官を倒しましょう」
ニュクス「わかったわ……だけど、敵の本隊がそれを許してくれるかしら? あのラインから先の奴らはどう見ても――」
カムイ「許す許さないの問題じゃありません。この生産性のない戦いを終わらせることが何よりも大事ですから。」
サイラス「カムイ、乗ってくれ。こんな狂った戦いを俺は早く終わらせたい」
カムイ「ええ、すみませんがよろしくお願いしますね」
サイラス「任せてくれ、必ず奴の足元まで連れて行ってやる」
カムイ「ハロルドさん、ニュクスさん、敵の足止めをお願いします」
ハロルド「ああっ、できる限り殺さないように努めさせてもらうよ。こんなものは正義でもなんでもない」
ニュクス「本当に悪趣味ね……。私がやってきたことを見てるみたいで、吐き気がするわ」
カムイ「皆さん、向かってくる方たちを抑えてください。これより、敵指揮官に攻撃を仕掛けます!」
779: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/17(木) 00:04:44.91 ID:0MbnhuBT0
???「やっと追いついたと思ったら、もう始めちまってるとはねぇ」
???「風が囁いている。守るべき者たちが危ないと……。だけどどうする。正面からはとてもじゃないが」
???「何言ってんだ、正面がダメなら上から回ればいい。上からねっとりと攻め立ててやるんだよ」
???「天から颯爽と現れ、仲間たちを救う。栄光的なシチュエーションじゃないか!」
???「そうだな。とりあえず、手頃な入れる場所を見つけようか。なに」
「どこから入ったって、的はいっぱいあるんだからな」
???「風が囁いている。守るべき者たちが危ないと……。だけどどうする。正面からはとてもじゃないが」
???「何言ってんだ、正面がダメなら上から回ればいい。上からねっとりと攻め立ててやるんだよ」
???「天から颯爽と現れ、仲間たちを救う。栄光的なシチュエーションじゃないか!」
???「そうだな。とりあえず、手頃な入れる場所を見つけようか。なに」
「どこから入ったって、的はいっぱいあるんだからな」
785: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/17(木) 22:18:59.22 ID:0MbnhuBT0
◇◇◇◇◇◇
タクミ「やっぱり寄せ集めじゃ役に立つわけもないか、わかってたことだけど」
オボロ「タクミ様、援護はしないのですか?」
タクミ「裏切り者に手を貸す気なんてないよ。裏切り者同士で殺し合えばいい」
オボロ「……そうですか」
タクミ「リョウマ兄さんみたいな生ぬるい考えじゃ、暗夜なんかに勝てないんだ。それを、僕が証明してやる」
オボロ「………」
ヒナタ「オボロ、ちょっといいか?」
オボロ「なによ?」
ヒナタ「この作戦、やっぱり気に入らない。確かにカムイ王女を倒すこと自体には何も不満なんてねえよ。裏切り者なんだからな」
オボロ「そうね」
ヒナタ「でも、こんなことってありかよ。暗夜に少しでも媚を売ったからって――」
オボロ「……ヒナタは暗夜を擁護するって言うのかしら?」クワッ
ヒナタ「ちげえよ。暗夜は攻めてきた。それは揺るがねえし、許せねえ。でも、だからこそ俺たちは俺たちが間違ってないことを証明するために、戦うべきなんじゃねえのか。こんなの――」
オボロ「なら、向かってくる裏切り者を切り殺せばいいのよ。そうすれば、ここにいるみんなが全員救われるわ」
ヒナタ「……選んでる暇はねえってことかよ。わかったよ、俺がカムイ王女の首を取ってくる。とってくればいいんだろ!」ダッ
タクミ「オボロ、僕のこと、守ってくれるよね?」
オボロ「……はい、タクミ様」
タクミ「やっぱり寄せ集めじゃ役に立つわけもないか、わかってたことだけど」
オボロ「タクミ様、援護はしないのですか?」
タクミ「裏切り者に手を貸す気なんてないよ。裏切り者同士で殺し合えばいい」
オボロ「……そうですか」
タクミ「リョウマ兄さんみたいな生ぬるい考えじゃ、暗夜なんかに勝てないんだ。それを、僕が証明してやる」
オボロ「………」
ヒナタ「オボロ、ちょっといいか?」
オボロ「なによ?」
ヒナタ「この作戦、やっぱり気に入らない。確かにカムイ王女を倒すこと自体には何も不満なんてねえよ。裏切り者なんだからな」
オボロ「そうね」
ヒナタ「でも、こんなことってありかよ。暗夜に少しでも媚を売ったからって――」
オボロ「……ヒナタは暗夜を擁護するって言うのかしら?」クワッ
ヒナタ「ちげえよ。暗夜は攻めてきた。それは揺るがねえし、許せねえ。でも、だからこそ俺たちは俺たちが間違ってないことを証明するために、戦うべきなんじゃねえのか。こんなの――」
オボロ「なら、向かってくる裏切り者を切り殺せばいいのよ。そうすれば、ここにいるみんなが全員救われるわ」
ヒナタ「……選んでる暇はねえってことかよ。わかったよ、俺がカムイ王女の首を取ってくる。とってくればいいんだろ!」ダッ
タクミ「オボロ、僕のこと、守ってくれるよね?」
オボロ「……はい、タクミ様」
786: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/17(木) 22:29:56.95 ID:0MbnhuBT0
白夜兵「来たな、くらえ!」
ブンッ
サイラス「そうそう、こういう感じだ」
キン ザシュ
白夜兵「ぐおぉ!」
カムイ「サイラスさん、ここからは私も降りて闘います。ハロルドさん、ニュクスさんサイラスさんを先頭に前進します。左右からの敵の排除を優先してください」
ニュクス「ええ、わかったわ」
白夜兵「ふん、ここまで来たからと言って、タクミ様に届くと――」
ニュクス「煩わしいから、黙りなさい」ボウッ
ハロルド「前線に戦闘技術もままならない者たちを送り出すような君たちに、負けるわけにはいかない!」ブンッ
ザシュ ザシュザシュ
カムイ「エルフィさん、ギュンターさん! 後ろから迫ってる人達を受け止められますか?」
エルフィ「任せて。こんな攻撃、訓練で受け止めてる丸太に比べたら軽いものよ」
エリーゼ「エルフィ、ほんとすごい訓練してるよね」
フェリシア「ど、どういう訓練なんですか、それ」
ギュンター「まかされましたぞ。とはいっても、老体にこの量とは、カムイ様もなかなか無茶を仰りますな」
ジョーカー「爺、根性みせろ」
ギュンター「若造に言われるまでもない。フローラ、ジョーカー、この者たちの命、奪わぬようにな。カムイ様もそれを望んでいるだろうからな」
フローラ「はい、できる限り努めさせて頂きます」
ジョーカー「はい、お任せくださいカムイ様」
カムイ「ギュンターさんには丸わかりみたいですね。すみませんが、エルフィさん、エリーゼさん、フェリシアさんも、あの方たちの命を奪わないように対処してください!」
エリーゼ「うん、わかったよ!」
フェリシア「はい、わかりました。手加減するのは得意なんです」
ブンッ
サイラス「そうそう、こういう感じだ」
キン ザシュ
白夜兵「ぐおぉ!」
カムイ「サイラスさん、ここからは私も降りて闘います。ハロルドさん、ニュクスさんサイラスさんを先頭に前進します。左右からの敵の排除を優先してください」
ニュクス「ええ、わかったわ」
白夜兵「ふん、ここまで来たからと言って、タクミ様に届くと――」
ニュクス「煩わしいから、黙りなさい」ボウッ
ハロルド「前線に戦闘技術もままならない者たちを送り出すような君たちに、負けるわけにはいかない!」ブンッ
ザシュ ザシュザシュ
カムイ「エルフィさん、ギュンターさん! 後ろから迫ってる人達を受け止められますか?」
エルフィ「任せて。こんな攻撃、訓練で受け止めてる丸太に比べたら軽いものよ」
エリーゼ「エルフィ、ほんとすごい訓練してるよね」
フェリシア「ど、どういう訓練なんですか、それ」
ギュンター「まかされましたぞ。とはいっても、老体にこの量とは、カムイ様もなかなか無茶を仰りますな」
ジョーカー「爺、根性みせろ」
ギュンター「若造に言われるまでもない。フローラ、ジョーカー、この者たちの命、奪わぬようにな。カムイ様もそれを望んでいるだろうからな」
フローラ「はい、できる限り努めさせて頂きます」
ジョーカー「はい、お任せくださいカムイ様」
カムイ「ギュンターさんには丸わかりみたいですね。すみませんが、エルフィさん、エリーゼさん、フェリシアさんも、あの方たちの命を奪わないように対処してください!」
エリーゼ「うん、わかったよ!」
フェリシア「はい、わかりました。手加減するのは得意なんです」
787: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/17(木) 22:38:54.63 ID:0MbnhuBT0
カムイ「皆さん、この先にいる方々に容赦は必要ありません。撤退したくなるまで、叩きのめします」
モズメ「わかったで、アクアさん」
アクア「ええ……♪~」
モズメ「!! みつけたで!」
パシッ バシュッ パシッ バシュ
ドスッ ドスッ
白夜兵「な、なんだ。その速度は……」
モズメ「ほんま、アクアさんの歌聞くと、体中の神経が研ぎ澄まされるみたいや。こんなに簡単に二射できる」
アクア「役に立ててうれしいわ。このまま、カムイの進撃のサポートに徹するわよ」
モズメ「そうやね!」
白夜弓兵「こんな空間で竜に乗ってやってくるとはな。格好の的だ!」
カミラ「ええ、引きつけ役にはもってこいなくらいに、目立つでしょう? ピエリ!」
ピエリ「カミラ様、上がってなの!」
バサッバサッ パカラ パカラ
白夜弓兵「!? 竜の陰から!」
ピエリ「えいっなの!」
ズブシャッ
白夜弓兵「ぐあっ、おおっ」
ピエリ「うん、鍛えられてるから中々槍が入らなくて楽しいの! もっと押し串刺しにしてやるの!」
ビチャッ
白夜弓兵「こはっ……」
白夜弓兵「貴様よくも! くらえ!」パシュッ
ピエリ「ミートシールドの出番なの」ザッ
モズメ「わかったで、アクアさん」
アクア「ええ……♪~」
モズメ「!! みつけたで!」
パシッ バシュッ パシッ バシュ
ドスッ ドスッ
白夜兵「な、なんだ。その速度は……」
モズメ「ほんま、アクアさんの歌聞くと、体中の神経が研ぎ澄まされるみたいや。こんなに簡単に二射できる」
アクア「役に立ててうれしいわ。このまま、カムイの進撃のサポートに徹するわよ」
モズメ「そうやね!」
白夜弓兵「こんな空間で竜に乗ってやってくるとはな。格好の的だ!」
カミラ「ええ、引きつけ役にはもってこいなくらいに、目立つでしょう? ピエリ!」
ピエリ「カミラ様、上がってなの!」
バサッバサッ パカラ パカラ
白夜弓兵「!? 竜の陰から!」
ピエリ「えいっなの!」
ズブシャッ
白夜弓兵「ぐあっ、おおっ」
ピエリ「うん、鍛えられてるから中々槍が入らなくて楽しいの! もっと押し串刺しにしてやるの!」
ビチャッ
白夜弓兵「こはっ……」
白夜弓兵「貴様よくも! くらえ!」パシュッ
ピエリ「ミートシールドの出番なの」ザッ
788: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/17(木) 22:47:25.00 ID:0MbnhuBT0
リリス「ミートシールドってすごいですね」
ピエリ「重たいけどすぐに使える優れモノなの!」
白夜弓兵「くっ、死体を盾にするとは。だが、そうなんども……影!?」
カミラ「上もみなきゃだめよ?」グルグル ザシュッ
白夜弓兵「がっ、な、なぜ、ここにまで至れる……前線にあれほどの……」ドサッ
カミラ「あなたたちが兵士じゃない人たちを無理やり使ってるからよ。ど素人が出ても役に立たないことくらい、わかってるはずよね?」
ピエリ「ここにいるの、みんな殺していいの?」
カミラ「ええ、思う存分殺しましょう。あとピエリ、帰ったら私と一緒にお風呂に入りましょう?」
ピエリ「いいの? なら、リリスも一緒なの!」
リリス「わ、私はいいですよ!」
カミラ「いいわよ。三人で仲良く洗いっこしましょう?」
ピエリ「いっぱい奇麗になって、一緒にお風呂入るの!」
リリス「……」ポスポス
カミラ「ふふっ、まだ大きくなるわ、きっとね」
リリス「………あるわけないじゃないですか」
ピエリ「重たいけどすぐに使える優れモノなの!」
白夜弓兵「くっ、死体を盾にするとは。だが、そうなんども……影!?」
カミラ「上もみなきゃだめよ?」グルグル ザシュッ
白夜弓兵「がっ、な、なぜ、ここにまで至れる……前線にあれほどの……」ドサッ
カミラ「あなたたちが兵士じゃない人たちを無理やり使ってるからよ。ど素人が出ても役に立たないことくらい、わかってるはずよね?」
ピエリ「ここにいるの、みんな殺していいの?」
カミラ「ええ、思う存分殺しましょう。あとピエリ、帰ったら私と一緒にお風呂に入りましょう?」
ピエリ「いいの? なら、リリスも一緒なの!」
リリス「わ、私はいいですよ!」
カミラ「いいわよ。三人で仲良く洗いっこしましょう?」
ピエリ「いっぱい奇麗になって、一緒にお風呂入るの!」
リリス「……」ポスポス
カミラ「ふふっ、まだ大きくなるわ、きっとね」
リリス「………あるわけないじゃないですか」
789: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/17(木) 23:00:00.69 ID:0MbnhuBT0
ルーナ「ほんと、こんなこと考えるなんて最悪ね!」
ラズワルド「そうだね。さすがにこれは悪趣味かな!」
白夜槍兵「先に手を出してきたお前たちに言われたくはない!」ブンッ
ルーナ「ベルカ!」
ベルカ「掴まって」スッ
ルーナ「いいわよ」ガシッ
スカッ
白夜槍兵「!?」
ベルカ「真上ガラ空き、ルーナ」
ルーナ「ええ、喰らいなさい!」
ザシュ
白夜槍兵「ぐぎぁ」ベチャ
ルーナ「あ、あれ。剣が床に刺さっちゃった!?」
白夜槍兵「間抜け目!」
ルーナ「や、やられる!?」
ラズワルド「そうはいかないよ!」ザシュ バシ
白夜槍兵「ぐ、ぐおおおあ」ドサ
ベルカ「ルーナ、突き立てなくてもよかった。あの距離なら普通に切り落とすだけでも」
ルーナ「いいじゃない、少しだけ決めてみても」
ラズワルド「ル―ナ、カッコよく決めたいって、まるで……」
ルーナ「そんな恥ずかしいこと言ってないじゃない!」
ラズワルド「いや、その格好良く決めたいっていうのがさ」
ルーナ「ちがうわ」
ベルカ「そうね、最後とてもカッコ悪かったし」
ラズワルド「ははっ、言えてる」
ルーナ「ううっ、笑わないでよ!」
ベルカ「どうでもいいけど、また次くるよ。敵の分散はほとんど出来たみたいだから、ここの奴らを倒して一気に距離を詰めるましょう」
ルーナ「そうそう、地上はラズワルドが先行しなさいよ」
ラズワルド「わかってるよ、それに女の子を先に歩かせるわけにはいかないからね」
ベルカ「軽いわね」
ルーナ「そこがラズワルドの使いやすいとこだったりするから。あ、ベルカ、あたしも乗せてよね」
ベルカ「わかったわ。その代り、弓兵がいたらすぐに言って。できる限り、対応してみせるから」
ラズワルド「そうだね。さすがにこれは悪趣味かな!」
白夜槍兵「先に手を出してきたお前たちに言われたくはない!」ブンッ
ルーナ「ベルカ!」
ベルカ「掴まって」スッ
ルーナ「いいわよ」ガシッ
スカッ
白夜槍兵「!?」
ベルカ「真上ガラ空き、ルーナ」
ルーナ「ええ、喰らいなさい!」
ザシュ
白夜槍兵「ぐぎぁ」ベチャ
ルーナ「あ、あれ。剣が床に刺さっちゃった!?」
白夜槍兵「間抜け目!」
ルーナ「や、やられる!?」
ラズワルド「そうはいかないよ!」ザシュ バシ
白夜槍兵「ぐ、ぐおおおあ」ドサ
ベルカ「ルーナ、突き立てなくてもよかった。あの距離なら普通に切り落とすだけでも」
ルーナ「いいじゃない、少しだけ決めてみても」
ラズワルド「ル―ナ、カッコよく決めたいって、まるで……」
ルーナ「そんな恥ずかしいこと言ってないじゃない!」
ラズワルド「いや、その格好良く決めたいっていうのがさ」
ルーナ「ちがうわ」
ベルカ「そうね、最後とてもカッコ悪かったし」
ラズワルド「ははっ、言えてる」
ルーナ「ううっ、笑わないでよ!」
ベルカ「どうでもいいけど、また次くるよ。敵の分散はほとんど出来たみたいだから、ここの奴らを倒して一気に距離を詰めるましょう」
ルーナ「そうそう、地上はラズワルドが先行しなさいよ」
ラズワルド「わかってるよ、それに女の子を先に歩かせるわけにはいかないからね」
ベルカ「軽いわね」
ルーナ「そこがラズワルドの使いやすいとこだったりするから。あ、ベルカ、あたしも乗せてよね」
ベルカ「わかったわ。その代り、弓兵がいたらすぐに言って。できる限り、対応してみせるから」
791: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/18(金) 00:33:33.06 ID:v167o89F0
サイラス「そろそろ、敵陣の中枢に入れるぞ」
カムイ「サイラスさん、油断は禁物ですよ!」
サイラス「わかってるさ。でも、早くどうにかしないと犠牲ばかり増えることになる!」
カムイ「サイラスさん……」
白夜槍兵「通すか!!!」
サイラス「押し通させてもらう!」
ドゴン ドタリッ
サイラス「よし、抜け―――」
???「てやぁ!」
カムイ「サイラスさん、危ない!」キン
カムイ(くっ、力強い……、力強いけど、この気配は……)
???「……あたしは最後の最後で運がいいみたいだ」
カムイ「その声……てやぁ!」
???「おっと、もっと強くなったんじゃないか? カムイ」
カムイ「お久しぶりですね。リンカさん」
リンカ「ああっ、久しぶりだなカムイ。次に会った時は敵同士だと言っていたが、本当にそうなるなんてな」ダッ
カムイ「……本当、偶然というのは怖いものですね。こんな形でリンカさんと再会することになるなんて」
リンカ「そうだな。手加減はするつもりはない、全力で行かせてもらう」
カムイ「そうですか。でも、今の狙いはリンカさんじゃないんで。ここでじっとしていてもらえませんか。そうすれば危害は加えませんよ」
リンカ「そう言いながら剣は構えたまま、本当に抜け目のない奴だ。でも、そういうところ、あたしは気に入ってる」
カムイ「リンカさん」
リンカ「けど、戦いは戦いだ。カムイ、おまえをここで倒させてもらう! てやあああ!」
ブンッ
キン!
カムイ「サイラスさん、油断は禁物ですよ!」
サイラス「わかってるさ。でも、早くどうにかしないと犠牲ばかり増えることになる!」
カムイ「サイラスさん……」
白夜槍兵「通すか!!!」
サイラス「押し通させてもらう!」
ドゴン ドタリッ
サイラス「よし、抜け―――」
???「てやぁ!」
カムイ「サイラスさん、危ない!」キン
カムイ(くっ、力強い……、力強いけど、この気配は……)
???「……あたしは最後の最後で運がいいみたいだ」
カムイ「その声……てやぁ!」
???「おっと、もっと強くなったんじゃないか? カムイ」
カムイ「お久しぶりですね。リンカさん」
リンカ「ああっ、久しぶりだなカムイ。次に会った時は敵同士だと言っていたが、本当にそうなるなんてな」ダッ
カムイ「……本当、偶然というのは怖いものですね。こんな形でリンカさんと再会することになるなんて」
リンカ「そうだな。手加減はするつもりはない、全力で行かせてもらう」
カムイ「そうですか。でも、今の狙いはリンカさんじゃないんで。ここでじっとしていてもらえませんか。そうすれば危害は加えませんよ」
リンカ「そう言いながら剣は構えたまま、本当に抜け目のない奴だ。でも、そういうところ、あたしは気に入ってる」
カムイ「リンカさん」
リンカ「けど、戦いは戦いだ。カムイ、おまえをここで倒させてもらう! てやあああ!」
ブンッ
キン!
792: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/18(金) 00:43:42.00 ID:v167o89F0
サイラス「さっきは不意を突かれたが、今度はそうはいかないぞ」
リンカ「暗夜の騎士か。そこをどけ、あたしはカムイと戦いたいんだ」
サイラス「生憎だけど、俺を倒してからにしてほしいね。カムイにはやるべきことがある、それを邪魔させるわけにはいかない」
リンカ「そうか……。カムイはいい仲間を持ってるんだな」
カムイ「リンカさん?」
サイラス「カムイ、ここは俺が食い止める。他のみんなを連れて早く進むんだ」
カムイ「……はい、わかりました。二人とも行きましょう」
ニュクス「ええ」
カムイ「ハロルドさんも早く!」
ハロルド「わかりました! サイラスくん、すまないがここは任せたぞ!」
サイラス「ああっ、任せてくれ」
リンカ「……こんなに多くの者たちが信じて従っているなんてな。カムイは本当に不思議な奴だ」
サイラス「ああ、だからその信じる証として、お前をこれ以上先に進ませるわけにはいかない。闘うつもりがないなら、武器を下してくれればいい」
リンカ「……残念だが、それは無理だ。闘うことしか、今のあたしにはないんからな」
サイラス「そうか、なら手合わせ願おうか? 俺はサイラス」ヒュンヒュンヒュン チャキ
リンカ「望むところだ! あたしはリンカ……誇り高き戦士だ」ジャキッ
リンカ「暗夜の騎士か。そこをどけ、あたしはカムイと戦いたいんだ」
サイラス「生憎だけど、俺を倒してからにしてほしいね。カムイにはやるべきことがある、それを邪魔させるわけにはいかない」
リンカ「そうか……。カムイはいい仲間を持ってるんだな」
カムイ「リンカさん?」
サイラス「カムイ、ここは俺が食い止める。他のみんなを連れて早く進むんだ」
カムイ「……はい、わかりました。二人とも行きましょう」
ニュクス「ええ」
カムイ「ハロルドさんも早く!」
ハロルド「わかりました! サイラスくん、すまないがここは任せたぞ!」
サイラス「ああっ、任せてくれ」
リンカ「……こんなに多くの者たちが信じて従っているなんてな。カムイは本当に不思議な奴だ」
サイラス「ああ、だからその信じる証として、お前をこれ以上先に進ませるわけにはいかない。闘うつもりがないなら、武器を下してくれればいい」
リンカ「……残念だが、それは無理だ。闘うことしか、今のあたしにはないんからな」
サイラス「そうか、なら手合わせ願おうか? 俺はサイラス」ヒュンヒュンヒュン チャキ
リンカ「望むところだ! あたしはリンカ……誇り高き戦士だ」ジャキッ
793: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/18(金) 00:56:10.95 ID:v167o89F0
カムイ「あと少しだと思うんですが……」
ヒナタ「あたれぇ!!」
カムイ「っ!」サッ
ヒナタ「くそ、避けられた」
カムイ「その声……もしかして、ヒナタさんですか?」
ヒナタ「……覚えててくれたんだな。あんなわずかな時間しか一緒にいなかったのにさ」
カムイ「ええ、できる限り人のことは覚えておこうと思ってますのでね!」ドンッ
ヒナタ「押し出しかよ。間合い、また詰めねえといけねえ」ジャキ
カムイ「ヒナタさん。なぜこのような真似をするんですか?」
ヒナタ「さぁな、俺にもわかんねえし、わかりたくもねえ」
カムイ「………」
ヒナタ「ただ、カムイ王女、あんたの首を持ち帰れば、少しは良くなる。俺はそう信じてる、だから悪いけど、ここであんたには死んでもらわなくちゃならねえ」
カムイ「………それは無理な相談です」
ヒナタ「相談なんてしてねえ、する気もねえ」
ハロルド「君はこの作戦が間違っていると思っているということかね? なら、すぐに指揮官にやめるよう言いたまえ」
ヒナタ「それはできねえ。俺はタクミ様の臣下だ、従う以外に選択肢なんてない。無い以上、俺はすぐに終わるように動くことしかできねえ」
カムイ「……なら、仕方ありません。こちらも全力でことに当たらせてもらいます」
ヒナタ「裏切り者のカムイ王女。その首、取らせてもらうからな!」
ヒナタ「あたれぇ!!」
カムイ「っ!」サッ
ヒナタ「くそ、避けられた」
カムイ「その声……もしかして、ヒナタさんですか?」
ヒナタ「……覚えててくれたんだな。あんなわずかな時間しか一緒にいなかったのにさ」
カムイ「ええ、できる限り人のことは覚えておこうと思ってますのでね!」ドンッ
ヒナタ「押し出しかよ。間合い、また詰めねえといけねえ」ジャキ
カムイ「ヒナタさん。なぜこのような真似をするんですか?」
ヒナタ「さぁな、俺にもわかんねえし、わかりたくもねえ」
カムイ「………」
ヒナタ「ただ、カムイ王女、あんたの首を持ち帰れば、少しは良くなる。俺はそう信じてる、だから悪いけど、ここであんたには死んでもらわなくちゃならねえ」
カムイ「………それは無理な相談です」
ヒナタ「相談なんてしてねえ、する気もねえ」
ハロルド「君はこの作戦が間違っていると思っているということかね? なら、すぐに指揮官にやめるよう言いたまえ」
ヒナタ「それはできねえ。俺はタクミ様の臣下だ、従う以外に選択肢なんてない。無い以上、俺はすぐに終わるように動くことしかできねえ」
カムイ「……なら、仕方ありません。こちらも全力でことに当たらせてもらいます」
ヒナタ「裏切り者のカムイ王女。その首、取らせてもらうからな!」
794: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/18(金) 01:07:21.19 ID:v167o89F0
白夜侍「ヒナタ様、お供いたします!」
ヒナタ「ああ、一人残らず斬り伏せろ!」
白夜侍「わかりました。いくぞ!」
カムイ「ニュクスさん、ハロルドさん。よろしくお願いします」
ニュクス「ええ、任せて。ハロルド、私が牽制するから、その隙におねがい」
ハロルド「ああ、ニュクスくん、頼んだよ!」
ニュクス「ええ、まずはその動き、崩させてもらうわね」 ボウッ
白夜侍「甘い!」サッ
ハロルド「そこだ!」
グサッ
白夜侍「ぐっ、まだだぁ!!!」
シャキン ズシャ
ハロルド「ぐっ。何のこれしき、こんなことで負けるわけにはいかない!」
白夜侍「はっ、満足に動けずに何を!」
ボワワワワッ
白夜侍「ぐあ、しまっ、うわ、うぎゃあああああ……うぁぁ」ドサッ
ニュクス「大丈夫?」
ハロルド「すまない。カムイ様は?」
ニュクス「あの侍と戦ってる最中よ。私の魔法じゃ、巻き込みかねないわ」
ハロルド「くっ、どうすれば」
白夜侍「いたぞ! 暗夜の兵を切り殺せ!」
ニュクス「次から次へと、ここも切りがないわね」
ハロルド「くっ、カムイ様の援護に回ろうにも、このままでは!」
カムイ(気配が増えている……このままでは囲まれてしまいますね)
ヒナタ「このままいけば。俺たちの勝ちだな」
カムイ「さぁ、どうでしょう……ねっ!」ドガッ
ヒナタ「くっ、足蹴りかよ」
カムイ「剣だけが武器ではありませんよ。力を使わせてもらいます」
シュオオオオン
カムイ・竜状態「グオオオオオオン!」
ヒナタ「! 竜状態かよ。おもしれえ!」ブンッ
カムイ・竜状態「くっ、でいっ!」
ヒナタ「ちっ、刀で受け流すのが精いっぱいだぞ、これ」
ヒナタ(もろに受けたら、刀が折れちまう。早くしねえと、前線の奴らが疲弊し切っちまう、そんなことになったら)
ヒナタ「ああ、一人残らず斬り伏せろ!」
白夜侍「わかりました。いくぞ!」
カムイ「ニュクスさん、ハロルドさん。よろしくお願いします」
ニュクス「ええ、任せて。ハロルド、私が牽制するから、その隙におねがい」
ハロルド「ああ、ニュクスくん、頼んだよ!」
ニュクス「ええ、まずはその動き、崩させてもらうわね」 ボウッ
白夜侍「甘い!」サッ
ハロルド「そこだ!」
グサッ
白夜侍「ぐっ、まだだぁ!!!」
シャキン ズシャ
ハロルド「ぐっ。何のこれしき、こんなことで負けるわけにはいかない!」
白夜侍「はっ、満足に動けずに何を!」
ボワワワワッ
白夜侍「ぐあ、しまっ、うわ、うぎゃあああああ……うぁぁ」ドサッ
ニュクス「大丈夫?」
ハロルド「すまない。カムイ様は?」
ニュクス「あの侍と戦ってる最中よ。私の魔法じゃ、巻き込みかねないわ」
ハロルド「くっ、どうすれば」
白夜侍「いたぞ! 暗夜の兵を切り殺せ!」
ニュクス「次から次へと、ここも切りがないわね」
ハロルド「くっ、カムイ様の援護に回ろうにも、このままでは!」
カムイ(気配が増えている……このままでは囲まれてしまいますね)
ヒナタ「このままいけば。俺たちの勝ちだな」
カムイ「さぁ、どうでしょう……ねっ!」ドガッ
ヒナタ「くっ、足蹴りかよ」
カムイ「剣だけが武器ではありませんよ。力を使わせてもらいます」
シュオオオオン
カムイ・竜状態「グオオオオオオン!」
ヒナタ「! 竜状態かよ。おもしれえ!」ブンッ
カムイ・竜状態「くっ、でいっ!」
ヒナタ「ちっ、刀で受け流すのが精いっぱいだぞ、これ」
ヒナタ(もろに受けたら、刀が折れちまう。早くしねえと、前線の奴らが疲弊し切っちまう、そんなことになったら)
795: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/18(金) 01:21:52.37 ID:v167o89F0
オボロ「タクミ様、ヒナタがカムイ王女の侵攻を止めてるみたいです」
タクミ「うん、見えてるから大丈夫だよ。それじゃ、とどめを刺さないとね」
カチャ ブオン
タクミ「こちらに気づいてない今なら……どこにでも当てられる。さっきの言葉を地獄で後悔させてやる」
キリキリキリキリ
オボロ「これで、終わりですね」
タクミ「ああ、これでみんなを悩ませる種を摘める。暗夜に対抗する状況を作り出せる。だから、ここで死ね」
???「ふっ」
オボロ「!? タクミ様、下がって!」
タクミ「っ!」サッ
ヒュンヒュン トストス
???「避けちまうのか、気付かれてないと思ったんだが? 腐っても王族、そう言うことかもしれないな」
タクミ「誰だ!」
???「名乗る必要性なんて感じないねぇ。そちらから名乗ったらどうな――」
???「ふっふっふ、聞きたいようだな。ならば聞かせてやる!」
バッ
???「あの、馬鹿……」
スタッ
???「深淵なる暗黒より生まれし力。ある時は言霊として世界を混沌の闇へ誘い、ある時は力を持って闇をこの手で飼いならす」
オボロ「?」
???「この闇の力、その加護を受けし男!」
「俺の名は漆黒のオーディン!!!!!」
タクミ「うん、見えてるから大丈夫だよ。それじゃ、とどめを刺さないとね」
カチャ ブオン
タクミ「こちらに気づいてない今なら……どこにでも当てられる。さっきの言葉を地獄で後悔させてやる」
キリキリキリキリ
オボロ「これで、終わりですね」
タクミ「ああ、これでみんなを悩ませる種を摘める。暗夜に対抗する状況を作り出せる。だから、ここで死ね」
???「ふっ」
オボロ「!? タクミ様、下がって!」
タクミ「っ!」サッ
ヒュンヒュン トストス
???「避けちまうのか、気付かれてないと思ったんだが? 腐っても王族、そう言うことかもしれないな」
タクミ「誰だ!」
???「名乗る必要性なんて感じないねぇ。そちらから名乗ったらどうな――」
???「ふっふっふ、聞きたいようだな。ならば聞かせてやる!」
バッ
???「あの、馬鹿……」
スタッ
???「深淵なる暗黒より生まれし力。ある時は言霊として世界を混沌の闇へ誘い、ある時は力を持って闇をこの手で飼いならす」
オボロ「?」
???「この闇の力、その加護を受けし男!」
「俺の名は漆黒のオーディン!!!!!」
800: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/19(土) 11:49:56.95 ID:5Cs48CRK0
ヒナタ「なっ、新手かよ!」
カムイ・竜状態「そこです」グッ ドゴォ
ヒナタ「ぐっ、しまっ――」
カムイ・竜状態「はぁ!」
ドガッ
ヒナタ「ぎっ……くそっ、引き下がるしかないって言うのかよ」タタタタタッ
シュオオオン
カムイ「はぁはぁ、どうにかなりましたね」
ニュクス「カムイ、大丈夫?」
ハロルド「カムイ様、お怪我は?」
カムイ「流石に無傷とはいきませんけど、ヒナタさんの意識が逸れたのが幸いです」
ニュクス「そうね。あの先でなんだか聞いてて背筋がムズムズしそうなことを言っているのがいるみたいだったから、意識を持っていかれるのも仕方ないわ」
ハロルド「うむ、敵か味方かわからないが……」
カムイ「でも、流れを見る限りタクミさんたちと戦っているようですから、敵というわけではなさそうです。サイラスさんがリンカさんを抑えてる間に、決着をつけましょう」タタタタタタッ
カムイ・竜状態「そこです」グッ ドゴォ
ヒナタ「ぐっ、しまっ――」
カムイ・竜状態「はぁ!」
ドガッ
ヒナタ「ぎっ……くそっ、引き下がるしかないって言うのかよ」タタタタタッ
シュオオオン
カムイ「はぁはぁ、どうにかなりましたね」
ニュクス「カムイ、大丈夫?」
ハロルド「カムイ様、お怪我は?」
カムイ「流石に無傷とはいきませんけど、ヒナタさんの意識が逸れたのが幸いです」
ニュクス「そうね。あの先でなんだか聞いてて背筋がムズムズしそうなことを言っているのがいるみたいだったから、意識を持っていかれるのも仕方ないわ」
ハロルド「うむ、敵か味方かわからないが……」
カムイ「でも、流れを見る限りタクミさんたちと戦っているようですから、敵というわけではなさそうです。サイラスさんがリンカさんを抑えてる間に、決着をつけましょう」タタタタタタッ
801: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/19(土) 12:02:43.32 ID:5Cs48CRK0
タクミ「オボロ、容赦はいらないから」
オボロ「ええ、タクミ様」クワッ
オーディン「……ゼロ」
ゼロ「なんだ。もしかしてビビっちまったのか?」
オーディン「そんなことはない。いや、すまん、結構ビビってるんだ。なんだよあの顔、力が抜けそうになるぞ」
ゼロ「ああ、しかし慣れたら結構あの視線でゾクゾクできそうだ」
オボロ「そう、残念だけど慣れる暇なんてないわよ。ここで、バラバラにしてあげるわ。暗夜の人間、私は大っ嫌いなの」クワッ
ヒュンヒュンヒュン ジャキ
タクミ「くらえっ!」ヒュン!
サッ
ゼロ「そうこなくっちゃな。オーディン、女は任せろ、軽く遊んでおいてやる」
オーディン「ああ、任せたぜ。俺は指揮官の足をすくってやるさ。なにいくら、強力な武器だからといっても、こう近づかれたら」
タクミ「甘いよ」ギリッ バシュッ
オーディン「ええっ、なんで近距離で準備早いんだよ。こっちが術を使う前に射るなんて」
タクミ「残念だけど、懐に入ったからって勝ち目があるわけじゃないんだよ!」
オーディン「くっ、だが、ここで引いたらカムイ様を狙われる。それだけは阻止させてもらう! せやぁ!」シュオン
タクミ「ふんっ、ほんと運がないよね。あんな女に加勢しにきて、ここで死ぬことになるんだからさ!」
オーディン「おわっ、……結構真面目にピンチじゃないか俺」
オボロ「ええ、タクミ様」クワッ
オーディン「……ゼロ」
ゼロ「なんだ。もしかしてビビっちまったのか?」
オーディン「そんなことはない。いや、すまん、結構ビビってるんだ。なんだよあの顔、力が抜けそうになるぞ」
ゼロ「ああ、しかし慣れたら結構あの視線でゾクゾクできそうだ」
オボロ「そう、残念だけど慣れる暇なんてないわよ。ここで、バラバラにしてあげるわ。暗夜の人間、私は大っ嫌いなの」クワッ
ヒュンヒュンヒュン ジャキ
タクミ「くらえっ!」ヒュン!
サッ
ゼロ「そうこなくっちゃな。オーディン、女は任せろ、軽く遊んでおいてやる」
オーディン「ああ、任せたぜ。俺は指揮官の足をすくってやるさ。なにいくら、強力な武器だからといっても、こう近づかれたら」
タクミ「甘いよ」ギリッ バシュッ
オーディン「ええっ、なんで近距離で準備早いんだよ。こっちが術を使う前に射るなんて」
タクミ「残念だけど、懐に入ったからって勝ち目があるわけじゃないんだよ!」
オーディン「くっ、だが、ここで引いたらカムイ様を狙われる。それだけは阻止させてもらう! せやぁ!」シュオン
タクミ「ふんっ、ほんと運がないよね。あんな女に加勢しにきて、ここで死ぬことになるんだからさ!」
オーディン「おわっ、……結構真面目にピンチじゃないか俺」
802: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/19(土) 12:15:02.21 ID:5Cs48CRK0
オボロ「そこよ!」ブンッ
ゼロ「おっと」
オボロ「……ちっ、逃した。早くあんたを殺してタクミ様の元に戻らないといけないの」クワッ
ゼロ「それは御苦労な事だ。なら、さっさとその槍で俺をイカせてくれよ」
オボロ「口の減らない人ね。でも、完全に避け切れてるわけじゃないみたい」
ゼロ「そうだな。なかなかにいい筋してるぜ。さすがは王族の臣下と言ったところだが、負ける気はしないな」
オボロ「ふん、避けてばっかりのくせに何を言うのかと思えば……。その口、縫ってあげるわ」
ゼロ(イライラさせて集中力が欠けると思ったが、こいつ俺との距離を正確に見極めてやがる。弓なんて引いたら、すぐに刺されそうだ)
オボロ「ふんっ、暗夜の力なんてこの程度、あんたの相棒もタクミ様には到底及ばないみたいね」
ゼロ「……そうだな。でも時間稼ぎ位はできるもんだぜ?」
オボロ「?」
タタタタタタタタタッ
カムイ「てやぁ!」ザシュ
グオオオアアアア ドサッ
オボロ「あれはカムイ王女、ヒナタの奴しくじったのね」
ゼロ「視線がお留守だ!」
ヒュン
オボロ「ふんっ」キン
ゼロ「はぁ、予想済みか。いいね」
オボロ「ここまで来られるなんて思ってなかったわ。このままじゃ、タクミ様に」
ゼロ「どうした、主の元に帰らないのか? 帰すつもりもないけどな」
オボロ「くっ」
ゼロ「おっと」
オボロ「……ちっ、逃した。早くあんたを殺してタクミ様の元に戻らないといけないの」クワッ
ゼロ「それは御苦労な事だ。なら、さっさとその槍で俺をイカせてくれよ」
オボロ「口の減らない人ね。でも、完全に避け切れてるわけじゃないみたい」
ゼロ「そうだな。なかなかにいい筋してるぜ。さすがは王族の臣下と言ったところだが、負ける気はしないな」
オボロ「ふん、避けてばっかりのくせに何を言うのかと思えば……。その口、縫ってあげるわ」
ゼロ(イライラさせて集中力が欠けると思ったが、こいつ俺との距離を正確に見極めてやがる。弓なんて引いたら、すぐに刺されそうだ)
オボロ「ふんっ、暗夜の力なんてこの程度、あんたの相棒もタクミ様には到底及ばないみたいね」
ゼロ「……そうだな。でも時間稼ぎ位はできるもんだぜ?」
オボロ「?」
タタタタタタタタタッ
カムイ「てやぁ!」ザシュ
グオオオアアアア ドサッ
オボロ「あれはカムイ王女、ヒナタの奴しくじったのね」
ゼロ「視線がお留守だ!」
ヒュン
オボロ「ふんっ」キン
ゼロ「はぁ、予想済みか。いいね」
オボロ「ここまで来られるなんて思ってなかったわ。このままじゃ、タクミ様に」
ゼロ「どうした、主の元に帰らないのか? 帰すつもりもないけどな」
オボロ「くっ」
803: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/19(土) 12:26:04.12 ID:5Cs48CRK0
カムイ「みなさんは彼の援護を! 私はこのままタクミさんと戦っている方を援護に向かいます!」
ハロルド「わかった! 加勢するぞ、君!」
ニュクス「敵か味方かわからないけど、手伝うわ」
オボロ「挟み撃ちなんて、卑怯ね」
ゼロ「ああ、卑怯で結構だ。どうする、このまま戦い続けるか?」
オボロ「調子に乗らないでほしいわね。誰でもいいから道連れにしてやるわ。タクミ様に、手を出させなんてしない」
ニュクス「……そう、そういうことね」
オボロ「なにがよ」
ニュクス「いいえ、健気だと思っただけよ。ただ、それだけ」ボウッ
ボワッ
オボロ「くっ、暗夜の奴らがあああああ!」
ハロルド「ニュクスくん、ここは私が。よしっ。お返しだ」
オボロ「ちっ」
ゼロ「背中が御留守だぜ」
オボロ「ああっ! うっ、ううっ、こんな奴らに負けるわけになんて、いかない……いかないのよ!」クワッ
ハロルド「もう、やめたまえ。武器を捨てるんだ!」
オボロ「命乞いするくらいなら、最後まで戦うわよ」
ゼロ「……そうかい。なら、ここで終わりだ」ヒュン
オボロ「!!!!」
シュオンッ
カッ
ゼロ「!? 消えた?」
ハロルド「ふむ、逃げたのか?」
ニュクス「魔術的なもののようだけど、とりあえずは一段落ね。カムイの方は……」
ハロルド「わかった! 加勢するぞ、君!」
ニュクス「敵か味方かわからないけど、手伝うわ」
オボロ「挟み撃ちなんて、卑怯ね」
ゼロ「ああ、卑怯で結構だ。どうする、このまま戦い続けるか?」
オボロ「調子に乗らないでほしいわね。誰でもいいから道連れにしてやるわ。タクミ様に、手を出させなんてしない」
ニュクス「……そう、そういうことね」
オボロ「なにがよ」
ニュクス「いいえ、健気だと思っただけよ。ただ、それだけ」ボウッ
ボワッ
オボロ「くっ、暗夜の奴らがあああああ!」
ハロルド「ニュクスくん、ここは私が。よしっ。お返しだ」
オボロ「ちっ」
ゼロ「背中が御留守だぜ」
オボロ「ああっ! うっ、ううっ、こんな奴らに負けるわけになんて、いかない……いかないのよ!」クワッ
ハロルド「もう、やめたまえ。武器を捨てるんだ!」
オボロ「命乞いするくらいなら、最後まで戦うわよ」
ゼロ「……そうかい。なら、ここで終わりだ」ヒュン
オボロ「!!!!」
シュオンッ
カッ
ゼロ「!? 消えた?」
ハロルド「ふむ、逃げたのか?」
ニュクス「魔術的なもののようだけど、とりあえずは一段落ね。カムイの方は……」
804: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/19(土) 12:37:49.06 ID:5Cs48CRK0
オーディン「くそ、全然近づかせてもらえないとは、格好悪すぎだろ」
タクミ「どうしたの、僕を倒して見せるんじゃなかったのかい?」
オーディン「言わせておけば、よし。このタイミングで一気に!」
タクミ「そんなことでどうにかできると思わないでほしいね」ヒュンッ
ガッ
オーディン「いでっ! しまった、態勢だ崩れて――」ドタッ
タクミ「終わりだよ!」ヒュンッ
オーディン「や、やられ―――」
キンッ
オーディン「……ってあれ?」
カムイ「……すみません、遅くなりました。大丈夫ですか?」
オーディン「なにその、かっこいい登場の仕方」
カムイ「えっ?」
オーディン「そうだよ、できれば俺はそんな感じに表れたかったんだ! 颯爽と現れて、敵を薙ぎ払って」
カムイ「そうですか、なら次からはそんな感じでお願いします」
タクミ「ふん、ここまで来れるなんて思ってなか――」
カムイ「せいっ てやぁ!」
タクミ「いきなり攻撃してくるんだね」
カムイ「話を聞いている暇なんてありませんので、そこの人」
オーディン「お、俺か?」
カムイ「そうです、すみませんが援護をお願いします。一秒でも早く、タクミさんには倒れてもらわなくてはいけないんです」
タクミ「ふん、やっぱりそういうことだ。おまえは僕が憎いんだろ、あの村の件のこと本当は――」
カムイ「勘違いも甚だしいんですよ。あなたは」
タクミ「どうしたの、僕を倒して見せるんじゃなかったのかい?」
オーディン「言わせておけば、よし。このタイミングで一気に!」
タクミ「そんなことでどうにかできると思わないでほしいね」ヒュンッ
ガッ
オーディン「いでっ! しまった、態勢だ崩れて――」ドタッ
タクミ「終わりだよ!」ヒュンッ
オーディン「や、やられ―――」
キンッ
オーディン「……ってあれ?」
カムイ「……すみません、遅くなりました。大丈夫ですか?」
オーディン「なにその、かっこいい登場の仕方」
カムイ「えっ?」
オーディン「そうだよ、できれば俺はそんな感じに表れたかったんだ! 颯爽と現れて、敵を薙ぎ払って」
カムイ「そうですか、なら次からはそんな感じでお願いします」
タクミ「ふん、ここまで来れるなんて思ってなか――」
カムイ「せいっ てやぁ!」
タクミ「いきなり攻撃してくるんだね」
カムイ「話を聞いている暇なんてありませんので、そこの人」
オーディン「お、俺か?」
カムイ「そうです、すみませんが援護をお願いします。一秒でも早く、タクミさんには倒れてもらわなくてはいけないんです」
タクミ「ふん、やっぱりそういうことだ。おまえは僕が憎いんだろ、あの村の件のこと本当は――」
カムイ「勘違いも甚だしいんですよ。あなたは」
805: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/19(土) 12:50:40.42 ID:5Cs48CRK0
タクミ「か、勘違いだって?」
カムイ「そんな理由で、あなたと戦うと思っているんですか?」
タクミ「なら、なんで僕たちの邪魔をするんだ! 白夜を守るために戦うことや、母さんのことを思えば、暗夜に行くなんてこと考えないはずなのに!」
カムイ「それに答える義理はありませんし、答えてる暇もないんですよ」
タクミ「このぉ!」ジャキ
オーディン「煽りに弱いな、それじゃ指揮官向きじゃない」シュオン
タクミ「くっ」
カムイ「はぁ!」ドゴンッ
タクミ「ぐあっ、まだ……」
チャキッ
タクミ「―――っ!」
カムイ「タクミさん、あなたの投降と、皆の武装解除を要求します」
タクミ「僕は、まだ負けて」
カムイ「これ以上の戦いに意味はありません。投降してください」
タクミ「はっ、僕の命の保証なんてないのによく言うよ。サクラも生きているなんて言ってどうせ死んでるんだろ?」
カムイ「……なら、仕方ありませんね。あなたを殺して、この戦いを終わらせることにしましょう」
スッ
カムイ「さようなら、タクミさん」
タクミ「――っ」
ブンッ
シュオンッ
キンッ!
オーディン「き、消えた!?」
カムイ「…みたいですね」
オーディン「どこかから攻撃されたりしないよな?」
カムイ「大丈夫だと思います。それに戦闘兵のほとんどは、もう倒し終えたみたいですから、事実上闘いは終わったも同然ですね」
オーディン「え、えっと、カムイ様でよろしいんですよね? 俺は――」
カムイ「すみません、自己紹介よりも先に今は戦っている人たちを止めて来ていただけませんか」
オーディン「ああ、わかった」
タタタタタタタタッ
カムイ「……やっぱり、私の手は躊躇しないんですね……。振り下ろすことに、何の感慨もなかった。まるで、獣みたい」
カムイ「そんな理由で、あなたと戦うと思っているんですか?」
タクミ「なら、なんで僕たちの邪魔をするんだ! 白夜を守るために戦うことや、母さんのことを思えば、暗夜に行くなんてこと考えないはずなのに!」
カムイ「それに答える義理はありませんし、答えてる暇もないんですよ」
タクミ「このぉ!」ジャキ
オーディン「煽りに弱いな、それじゃ指揮官向きじゃない」シュオン
タクミ「くっ」
カムイ「はぁ!」ドゴンッ
タクミ「ぐあっ、まだ……」
チャキッ
タクミ「―――っ!」
カムイ「タクミさん、あなたの投降と、皆の武装解除を要求します」
タクミ「僕は、まだ負けて」
カムイ「これ以上の戦いに意味はありません。投降してください」
タクミ「はっ、僕の命の保証なんてないのによく言うよ。サクラも生きているなんて言ってどうせ死んでるんだろ?」
カムイ「……なら、仕方ありませんね。あなたを殺して、この戦いを終わらせることにしましょう」
スッ
カムイ「さようなら、タクミさん」
タクミ「――っ」
ブンッ
シュオンッ
キンッ!
オーディン「き、消えた!?」
カムイ「…みたいですね」
オーディン「どこかから攻撃されたりしないよな?」
カムイ「大丈夫だと思います。それに戦闘兵のほとんどは、もう倒し終えたみたいですから、事実上闘いは終わったも同然ですね」
オーディン「え、えっと、カムイ様でよろしいんですよね? 俺は――」
カムイ「すみません、自己紹介よりも先に今は戦っている人たちを止めて来ていただけませんか」
オーディン「ああ、わかった」
タタタタタタタタッ
カムイ「……やっぱり、私の手は躊躇しないんですね……。振り下ろすことに、何の感慨もなかった。まるで、獣みたい」
806: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/19(土) 13:05:29.82 ID:5Cs48CRK0
シキカンハテッタイシタ! モウタタカウヒツヨウハナイ!
サイラス「勝負あったな」
リンカ「……みたいだな。だが、これでよかったのかもしれない、久々にカムイにも会えた。思い残しは何もない」
サイラス「カムイの知り合いみたいだけど」
リンカ「ああ、まぁ、それが原因でここに贈られる羽目……いや、ちがうな。ここにはあたし自らが望んだことで来ることになっただけだ。カムイの所為じゃない」
サイラス「………」
リンカ「なぁ、お願いしてもいいか?」
サイラス「俺にはそれを叶えられる権限はないけど、まずは聞かせてくれないか?」
リンカ「ああ、あの者たちをどうにか助けてやってくれないか?」
サイラス「あの者たち……。前線に出てきた兵士とも思えない人たちのことか?」
リンカ「ああ、そうだ」
サイラス「それは無用な心配だと思うぞ。そもそも、助けるつもりがなかったらカムイは全員を切り伏せるように命令していたはずだ。わざわざ何人かに受け止めるのを任せてまで、殺さないように配慮するなんて普通はしない」
リンカ「そうか……ありがとう」
サイラス「降伏してくれるか?」
リンカ「ああ、少し疲れたからな……」
サイラス「そうか、なら休んでてくれ。俺は彼らの武器を下ろすように勧告してくるから」
パカラパカラ
リンカ「スズメは大丈夫だろうか? いや、心配しなくてもいいか。あいつなら、きっと白夜に帰れるはずだからな」
サイラス「勝負あったな」
リンカ「……みたいだな。だが、これでよかったのかもしれない、久々にカムイにも会えた。思い残しは何もない」
サイラス「カムイの知り合いみたいだけど」
リンカ「ああ、まぁ、それが原因でここに贈られる羽目……いや、ちがうな。ここにはあたし自らが望んだことで来ることになっただけだ。カムイの所為じゃない」
サイラス「………」
リンカ「なぁ、お願いしてもいいか?」
サイラス「俺にはそれを叶えられる権限はないけど、まずは聞かせてくれないか?」
リンカ「ああ、あの者たちをどうにか助けてやってくれないか?」
サイラス「あの者たち……。前線に出てきた兵士とも思えない人たちのことか?」
リンカ「ああ、そうだ」
サイラス「それは無用な心配だと思うぞ。そもそも、助けるつもりがなかったらカムイは全員を切り伏せるように命令していたはずだ。わざわざ何人かに受け止めるのを任せてまで、殺さないように配慮するなんて普通はしない」
リンカ「そうか……ありがとう」
サイラス「降伏してくれるか?」
リンカ「ああ、少し疲れたからな……」
サイラス「そうか、なら休んでてくれ。俺は彼らの武器を下ろすように勧告してくるから」
パカラパカラ
リンカ「スズメは大丈夫だろうか? いや、心配しなくてもいいか。あいつなら、きっと白夜に帰れるはずだからな」
807: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/19(土) 13:16:28.46 ID:5Cs48CRK0
◇◇◇◇◇◇
―マカラス宮殿・裏出口付近―
タクミ「……えっ?」
オボロ「タクミ様。ご無事で」
ヒナタ「タクミ様」
タクミ「オボロ、ヒナタ?」
スズメ「ハァ……ハァ……」
タクミ「こいつは連れてきた奴の一人じゃないか、どうしてここにいるんだ」
オボロ「どうやら七難即滅で私たちをここに連れてきたみたいです。もう正規兵の撤退準備は整ってます」
スズメ「ハァ……無事だったんですね……やった甲斐がありました」
タクミ「そう、なるほどね。僕たちを助けて白夜に一緒に帰ろうってわけ? ふん、いい心がけだけど――」
スズメ「勘違い、しないで、ください……」
タクミ「?」
スズメ「私が救いたかったから、救っただけです。それを理由に白夜に帰るつもりはありません、私が帰るところなんて、もうどこにもありはしないんですから……」
ヒナタ「お、おい。お前くらいなら――」
スズメ「さぁ、早くどこかに行ってください。あなた達がいると、戦っている人たちが戦いをやめられないんです。これ以上の流血を望まれるなら、あなた達自身で、あの人たちと戦ってくればいいんです」
オボロ「タクミ様に無礼な態度ね、殺すわよ」
ヒナタ「オボロ、こんな裏切り者の言葉に耳を傾ける必要なんてねえよ。それに、俺たちの役目は終わったんだ。そうだろ、タクミ様」
タクミ「……ああ、ここに残っても暗夜の連中がお前たちを大事にするわけない。裏切り者もここに捨て置けば後はどうにでもしてくれる。撤退するよ」
タタタタタタタタタッ
ヒナタ「こんなことどの口が言うんだって思うかもしれねえけど、本当にすまねえ……」
スズメ「いいんです。もう、どうにもならないことですから。早く行ってください、ヒナタ様にも立場があるんですから、こんなところで裏切り者と話しているのはよくないことですよ」
ヒナタ「……ああ」
タタタタタタタタッ
―マカラス宮殿・裏出口付近―
タクミ「……えっ?」
オボロ「タクミ様。ご無事で」
ヒナタ「タクミ様」
タクミ「オボロ、ヒナタ?」
スズメ「ハァ……ハァ……」
タクミ「こいつは連れてきた奴の一人じゃないか、どうしてここにいるんだ」
オボロ「どうやら七難即滅で私たちをここに連れてきたみたいです。もう正規兵の撤退準備は整ってます」
スズメ「ハァ……無事だったんですね……やった甲斐がありました」
タクミ「そう、なるほどね。僕たちを助けて白夜に一緒に帰ろうってわけ? ふん、いい心がけだけど――」
スズメ「勘違い、しないで、ください……」
タクミ「?」
スズメ「私が救いたかったから、救っただけです。それを理由に白夜に帰るつもりはありません、私が帰るところなんて、もうどこにもありはしないんですから……」
ヒナタ「お、おい。お前くらいなら――」
スズメ「さぁ、早くどこかに行ってください。あなた達がいると、戦っている人たちが戦いをやめられないんです。これ以上の流血を望まれるなら、あなた達自身で、あの人たちと戦ってくればいいんです」
オボロ「タクミ様に無礼な態度ね、殺すわよ」
ヒナタ「オボロ、こんな裏切り者の言葉に耳を傾ける必要なんてねえよ。それに、俺たちの役目は終わったんだ。そうだろ、タクミ様」
タクミ「……ああ、ここに残っても暗夜の連中がお前たちを大事にするわけない。裏切り者もここに捨て置けば後はどうにでもしてくれる。撤退するよ」
タタタタタタタタタッ
ヒナタ「こんなことどの口が言うんだって思うかもしれねえけど、本当にすまねえ……」
スズメ「いいんです。もう、どうにもならないことですから。早く行ってください、ヒナタ様にも立場があるんですから、こんなところで裏切り者と話しているのはよくないことですよ」
ヒナタ「……ああ」
タタタタタタタタッ
808: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/19(土) 13:24:06.73 ID:5Cs48CRK0
スズメ「……ははっ、白夜に帰る最後の機会、失ってしまいましたね……。リンカ様にお膳立てもしてもらったのに。本当に私は馬鹿ですね……」
ガチャ
カムイ「………」
スズメ「カムイ王女ですね。すみませんが、タクミ様たちには逃げていただきました。この手引きをしたのは私です」
カムイ「そうですか……」
スズメ「どうぞ、私を殺してください。私の命など安いものですけど、あなたの無念が少しでも晴れるなら」
カムイ「いいえ、タクミさんがもうこの地を去るというのでしたら問題ありません。追撃の必要もありませんし、中にいる方たちも武装解除に従い始めていますから」
スズメ「殺さないのですか?」
カムイ「特に理由がないので、殺すつもりはありませんよ。それに皆さんには聞きたい話がありますので、……そのあまり聞かれたくないことかもしれませんが」
スズメ「……白夜のことですよね?」
カムイ「それもあります。あと前線で戦っていたあの方たちについてです」
スズメ「はい、気付いているんですよね? あの方たちがとても非力な存在だということを。兵法や連携以前の問題に、武器の持ち方もそのすべてに至るまでが、未熟すぎるとも」
カムイ「はい、とてもじゃないですが。シュヴァリエと城壁を破ってきたような精鋭には見えませんでしたから」
スズメ「当然ですよ。だって――」
「あの方たちは精鋭でも正規兵でもない。白夜に住んでいた、ただの民間人なんですから」
ガチャ
カムイ「………」
スズメ「カムイ王女ですね。すみませんが、タクミ様たちには逃げていただきました。この手引きをしたのは私です」
カムイ「そうですか……」
スズメ「どうぞ、私を殺してください。私の命など安いものですけど、あなたの無念が少しでも晴れるなら」
カムイ「いいえ、タクミさんがもうこの地を去るというのでしたら問題ありません。追撃の必要もありませんし、中にいる方たちも武装解除に従い始めていますから」
スズメ「殺さないのですか?」
カムイ「特に理由がないので、殺すつもりはありませんよ。それに皆さんには聞きたい話がありますので、……そのあまり聞かれたくないことかもしれませんが」
スズメ「……白夜のことですよね?」
カムイ「それもあります。あと前線で戦っていたあの方たちについてです」
スズメ「はい、気付いているんですよね? あの方たちがとても非力な存在だということを。兵法や連携以前の問題に、武器の持ち方もそのすべてに至るまでが、未熟すぎるとも」
カムイ「はい、とてもじゃないですが。シュヴァリエと城壁を破ってきたような精鋭には見えませんでしたから」
スズメ「当然ですよ。だって――」
「あの方たちは精鋭でも正規兵でもない。白夜に住んでいた、ただの民間人なんですから」
812: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/19(土) 22:42:06.82 ID:5Cs48CRK0
◆◆◆◆◆◆
―賭博の町マカラス・貴族宮殿―
カムイ「ギュンターさん。連れてこられた民間人の被害はどれほどでしょうか?」
ギュンター「生き残りの数は25人ほど、遺体の数は20人と言ったところでしょうか……。戦闘中に転び、後続に踏み殺された者もいたようで、できうる限りの治療行為は行いましたが、今だ多くが怯えております」
カムイ「わかりました。引き続き、彼らに寄り添ってあげてください。決して武器を手にしてはなりません」
ギュンター「はい、では……」
スズメ「ありがとうございます。カムイ王女、あなたが来てくれたおかげで多くの人の命が救われました」
カムイ「いいえ。すみません、早くに気づいていれば、まだ多くを救うことができたはずです。彼らにも友人などがいたのでしょう?」
スズメ「いいえ。ここにいるものはすべてが他人同士です、肉親や知り合いは一人としていないんです」
アクア「あえて分けたということ? なんで」
スズメ「……白夜は今、底知れない恐怖に支配されています。アクア様も、幽閉されていた間、その片鱗を見ていたと思いますが」
カミラ「あなた幽閉されていたの? 私はてっきり……」
アクア「ええ、といっても当然のことだと思っていたから。もともと暗夜で育ってきた私を危険視することは、戦争が始まったら真っ先に考えることともいえるから」
スズメ「アクア様には覚悟があったということですね。なら、私の話すことはその覚悟がなかった方々に起きた話になると思います」
―賭博の町マカラス・貴族宮殿―
カムイ「ギュンターさん。連れてこられた民間人の被害はどれほどでしょうか?」
ギュンター「生き残りの数は25人ほど、遺体の数は20人と言ったところでしょうか……。戦闘中に転び、後続に踏み殺された者もいたようで、できうる限りの治療行為は行いましたが、今だ多くが怯えております」
カムイ「わかりました。引き続き、彼らに寄り添ってあげてください。決して武器を手にしてはなりません」
ギュンター「はい、では……」
スズメ「ありがとうございます。カムイ王女、あなたが来てくれたおかげで多くの人の命が救われました」
カムイ「いいえ。すみません、早くに気づいていれば、まだ多くを救うことができたはずです。彼らにも友人などがいたのでしょう?」
スズメ「いいえ。ここにいるものはすべてが他人同士です、肉親や知り合いは一人としていないんです」
アクア「あえて分けたということ? なんで」
スズメ「……白夜は今、底知れない恐怖に支配されています。アクア様も、幽閉されていた間、その片鱗を見ていたと思いますが」
カミラ「あなた幽閉されていたの? 私はてっきり……」
アクア「ええ、といっても当然のことだと思っていたから。もともと暗夜で育ってきた私を危険視することは、戦争が始まったら真っ先に考えることともいえるから」
スズメ「アクア様には覚悟があったということですね。なら、私の話すことはその覚悟がなかった方々に起きた話になると思います」
813: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/19(土) 22:55:21.97 ID:5Cs48CRK0
カムイ「何があったか聞かせてもらえますか?」
スズメ「はい、皮切りは白夜の暗夜強襲の話がひそかにささやかれたことが始まりでした」
カムイ「ハイタカさんとシモツキさんの行った強襲作戦のことですね」
スズメ「はい。でも、アクア様が無事なのを見る限り、お二人は……」
カムイ「……はい、私たちが」
スズメ「あの方々はそれを望んでいましたから。でも今さらのことですが、本来あの作戦は行われないはずでした」
アクア「リョウマとユキムラね」
スズメ「はい、リョウマ様とユキムラ様の二人が白夜軍の指揮権を持っていました。だから、最初は強行的に暗夜を攻めようという方々の意見が通ることもなかったのです。サクラ様が捕らえられたという話が上がると、サクラ様の身を案じてお二人は慎重に作戦を考えるようになりました。ですが………」
カムイ「……ヒノカさんですね」
カミラ「えっ?」
カムイ「ヒノカさんが強硬派の作戦に乗ってしまった。それが原因だったんですね」
スズメ「はい。サクラ様が暗夜の捕虜となったという知らせが届いたとき、悠長に事を構えている暇はない今すぐ救出のために進軍すべきだというのが強硬派の考えでした。でもそれは建前で、彼らの目的は暗夜に傷を与えること、言い方を悪くすれば、サクラ様は強硬派にとって駒にしか見えていなかったんです」
スズメ「はい、皮切りは白夜の暗夜強襲の話がひそかにささやかれたことが始まりでした」
カムイ「ハイタカさんとシモツキさんの行った強襲作戦のことですね」
スズメ「はい。でも、アクア様が無事なのを見る限り、お二人は……」
カムイ「……はい、私たちが」
スズメ「あの方々はそれを望んでいましたから。でも今さらのことですが、本来あの作戦は行われないはずでした」
アクア「リョウマとユキムラね」
スズメ「はい、リョウマ様とユキムラ様の二人が白夜軍の指揮権を持っていました。だから、最初は強行的に暗夜を攻めようという方々の意見が通ることもなかったのです。サクラ様が捕らえられたという話が上がると、サクラ様の身を案じてお二人は慎重に作戦を考えるようになりました。ですが………」
カムイ「……ヒノカさんですね」
カミラ「えっ?」
カムイ「ヒノカさんが強硬派の作戦に乗ってしまった。それが原因だったんですね」
スズメ「はい。サクラ様が暗夜の捕虜となったという知らせが届いたとき、悠長に事を構えている暇はない今すぐ救出のために進軍すべきだというのが強硬派の考えでした。でもそれは建前で、彼らの目的は暗夜に傷を与えること、言い方を悪くすれば、サクラ様は強硬派にとって駒にしか見えていなかったんです」
814: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/19(土) 23:07:18.61 ID:5Cs48CRK0
カムイ「そこに王族であるヒノカさんが強行作戦に同調した。結果、強硬派の意見に箔が付いたということですね」
スズメ「そして、ヒノカ王女の出立と同時に白夜で大規模な裏切り者を排除する流れが強まりました」
カムイ「………その一部があなたたちなんですね」
スズメ「はい、私は白夜の医療術師として所属していました。あの平原の戦いの日、私は傷ついていた暗夜兵を治療しました。そして、それが私がここに送られることになった理由です」
アクア「まさか、それだけでここにいるというの!?」
スズメ「残念ですけど、私が捕まるのには正当性がわずかながらにあります。暗夜と交易を交わしたという理由だけで束縛された者さえいます」
カミラ「……ひどいわね」
スズメ「一族もろとも捕らわれた者たちもいました。そして、それぞれ繋がりのない人々の場所へと送られるんです。まったく知らない他人の中に、怯える人しかいない中に送って、そして唆すんです」
アクア「暗夜を討てば、すべてが元に戻る……」
スズメ「そうです。でも、皆さんが思っている通りですけど、あの方たちに正規の兵と戦う力はありません。結果、無駄死にしていくだけなんです……」
カムイ「リョウマさんや、ユキムラさんはどうしたのですか?」
スズメ「はい、私たちが送られることになる数日前に、ユキムラ様を含む多くの方々は幽閉され、リョウマ様は国内情勢安定化のためにこの作戦を行う決意をされました。もう、白夜はかつての白夜ではありません。もう、何もかも変ってしまったんです」
スズメ「そして、ヒノカ王女の出立と同時に白夜で大規模な裏切り者を排除する流れが強まりました」
カムイ「………その一部があなたたちなんですね」
スズメ「はい、私は白夜の医療術師として所属していました。あの平原の戦いの日、私は傷ついていた暗夜兵を治療しました。そして、それが私がここに送られることになった理由です」
アクア「まさか、それだけでここにいるというの!?」
スズメ「残念ですけど、私が捕まるのには正当性がわずかながらにあります。暗夜と交易を交わしたという理由だけで束縛された者さえいます」
カミラ「……ひどいわね」
スズメ「一族もろとも捕らわれた者たちもいました。そして、それぞれ繋がりのない人々の場所へと送られるんです。まったく知らない他人の中に、怯える人しかいない中に送って、そして唆すんです」
アクア「暗夜を討てば、すべてが元に戻る……」
スズメ「そうです。でも、皆さんが思っている通りですけど、あの方たちに正規の兵と戦う力はありません。結果、無駄死にしていくだけなんです……」
カムイ「リョウマさんや、ユキムラさんはどうしたのですか?」
スズメ「はい、私たちが送られることになる数日前に、ユキムラ様を含む多くの方々は幽閉され、リョウマ様は国内情勢安定化のためにこの作戦を行う決意をされました。もう、白夜はかつての白夜ではありません。もう、何もかも変ってしまったんです」
815: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/19(土) 23:18:29.62 ID:5Cs48CRK0
アクア「そんな……」
カムイ「ありがとうございます、スズメさん。辛いお話をさせてしまって申し訳ありません」
スズメ「いいえ、誰かに話しておきたかったんです。今の白夜のことを。その相手がカムイ王女様だったというのは、面白い偶然でした」
カムイ「……スズメさん。一つお願いできますか」
スズメ「はい、なんでしょうか?」
カムイ「民間人の方々を統率するリーダーになってもらえませんか?」
スズメ「……リーダーですか?」
カムイ「はい、この後のことを少しだけ考えています。残念ですが、このままここにいたとして、あなた達の身の安全の保証はできません。いいえ、多分後続でこちらを目指している方々は、あなた達をすぐに殺すでしょう」
スズメ「では、私がリーダーになる意味というのは、なんなんですか?」
カムイ「はい、皆さんが生き残るためには、誰かが引っ張らなければなりません。こうして私に話をしてくれたスズメさんに、それを任せたいんです。あなたなら、民間人の方たちを見捨てないでいてくれると」
スズメ「……私に務まるかはわかりません。でも、命を救われたあなたの頼みです、任されました」
カムイ「はい、ではスズメさん。皆さんの元へ行ってあげてください」
スズメ「はい、それでは……。あの、リンカ様は?」
カムイ「皆と一緒にいるそうです」
スズメ「ありがとうございます」
ガチャ バタン
カムイ「ありがとうございます、スズメさん。辛いお話をさせてしまって申し訳ありません」
スズメ「いいえ、誰かに話しておきたかったんです。今の白夜のことを。その相手がカムイ王女様だったというのは、面白い偶然でした」
カムイ「……スズメさん。一つお願いできますか」
スズメ「はい、なんでしょうか?」
カムイ「民間人の方々を統率するリーダーになってもらえませんか?」
スズメ「……リーダーですか?」
カムイ「はい、この後のことを少しだけ考えています。残念ですが、このままここにいたとして、あなた達の身の安全の保証はできません。いいえ、多分後続でこちらを目指している方々は、あなた達をすぐに殺すでしょう」
スズメ「では、私がリーダーになる意味というのは、なんなんですか?」
カムイ「はい、皆さんが生き残るためには、誰かが引っ張らなければなりません。こうして私に話をしてくれたスズメさんに、それを任せたいんです。あなたなら、民間人の方たちを見捨てないでいてくれると」
スズメ「……私に務まるかはわかりません。でも、命を救われたあなたの頼みです、任されました」
カムイ「はい、ではスズメさん。皆さんの元へ行ってあげてください」
スズメ「はい、それでは……。あの、リンカ様は?」
カムイ「皆と一緒にいるそうです」
スズメ「ありがとうございます」
ガチャ バタン
816: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/19(土) 23:29:44.96 ID:5Cs48CRK0
カムイ「……白夜がそのようなことになっていたなんて。サクラさんに説明するのが辛いですね」
カミラ「サクラ王女のことはわからないけど、真実は伝えておくべきよ」
カムイ「はい、戻ったら覚悟しないといけませんね。では、次の議題ですけど、すみません外で待っている方を呼んでいただけますか?」
フローラ「はい。お待たせしました、こちらへ」
ゼロ「ああ」
オーディン「廊下で待つのってなんだか緊張する」
カムイ「すみません、長い間待たせてしまったようで。どうぞ、座ってください。まずはお礼を、ありがとうございました。お二人の加勢もあって多くの人たちの命を救うことができました」
ゼロ「礼を言われることでもない。むしろ、加勢が来て助かったくらいだ。お相子だよ。そうそう、俺の名はゼロ」
オーディン「俺は漆黒のオーディン。まあ、正直、冷や冷やしたぜ。それにあの顔が怖いのなんのって」
カムイ「オボロさんですね。確かに気配だけでもすごいものですから。それは置いておいて、お二人はどうして私たちを援護してくださったんですか?」
ゼロ「主君からの命令でな。急いで追いかけてきた」
カムイ「主君? いったい誰でしょうか?」
オーディン「俺たちの主、それはグラビティーマスターさ」
カミラ「サクラ王女のことはわからないけど、真実は伝えておくべきよ」
カムイ「はい、戻ったら覚悟しないといけませんね。では、次の議題ですけど、すみません外で待っている方を呼んでいただけますか?」
フローラ「はい。お待たせしました、こちらへ」
ゼロ「ああ」
オーディン「廊下で待つのってなんだか緊張する」
カムイ「すみません、長い間待たせてしまったようで。どうぞ、座ってください。まずはお礼を、ありがとうございました。お二人の加勢もあって多くの人たちの命を救うことができました」
ゼロ「礼を言われることでもない。むしろ、加勢が来て助かったくらいだ。お相子だよ。そうそう、俺の名はゼロ」
オーディン「俺は漆黒のオーディン。まあ、正直、冷や冷やしたぜ。それにあの顔が怖いのなんのって」
カムイ「オボロさんですね。確かに気配だけでもすごいものですから。それは置いておいて、お二人はどうして私たちを援護してくださったんですか?」
ゼロ「主君からの命令でな。急いで追いかけてきた」
カムイ「主君? いったい誰でしょうか?」
オーディン「俺たちの主、それはグラビティーマスターさ」
817: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/19(土) 23:40:18.42 ID:5Cs48CRK0
カムイ「グラビティーマスター? 誰のことでしょうか?」
ゼロ「……やっぱり浸透してないようだな。だから言ったろ、大抵の奴にはそれじゃ伝わらないってな」
オーディン「おかしいな。かなり決まってる二つ名だと思ったんだけど………」
フローラ「グラビティーマスター……レオン王子のことですね?」
オーディン「いよっしゃあああああ! ビンゴだぜ、メイドさん」
フローラ「フローラです。本当なんですね、その二つ名」
カミラ「ふふふっ、そう言えばそんな二つ名あったわね。今度呼んであげなくちゃいけないわ」
カムイ「レオンさん、そんな強力な二つ名があるんですね。私も呼んであげないといけません。グラビティーマスターレオンさんって」
ゼロ「……オーディン、覚悟はしておいた方がいいかもしれないぜ」
オーディン「いやいや、レオン様も気に入ってるはずだ。なにせ三日間考え抜いた二つ名なんだぜ。他にもライフオブツリーとか、リバーシブルバストゥメントとかな」
ゼロ「ああ、すごい熱意だ。それをレオン様に話すとイイぞ。同じくらいお前は寝て過ごすことになるだろうがな」
ゼロ「……やっぱり浸透してないようだな。だから言ったろ、大抵の奴にはそれじゃ伝わらないってな」
オーディン「おかしいな。かなり決まってる二つ名だと思ったんだけど………」
フローラ「グラビティーマスター……レオン王子のことですね?」
オーディン「いよっしゃあああああ! ビンゴだぜ、メイドさん」
フローラ「フローラです。本当なんですね、その二つ名」
カミラ「ふふふっ、そう言えばそんな二つ名あったわね。今度呼んであげなくちゃいけないわ」
カムイ「レオンさん、そんな強力な二つ名があるんですね。私も呼んであげないといけません。グラビティーマスターレオンさんって」
ゼロ「……オーディン、覚悟はしておいた方がいいかもしれないぜ」
オーディン「いやいや、レオン様も気に入ってるはずだ。なにせ三日間考え抜いた二つ名なんだぜ。他にもライフオブツリーとか、リバーシブルバストゥメントとかな」
ゼロ「ああ、すごい熱意だ。それをレオン様に話すとイイぞ。同じくらいお前は寝て過ごすことになるだろうがな」
818: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/19(土) 23:49:40.67 ID:5Cs48CRK0
カムイ「で、ゼロさん、オーディンさん。港町ディアからこちらまで来られたんですよね? 私たちの後続で誰かマカラスを目指していますか?」
ゼロ「マクベス様率いる、正規兵がこちらに向かってる。まぁ、容赦するような連中じゃないな」
オーディン「……正直、ここにあの民間人たちを置いておくと、命はないぞ」
カムイ「仕方ありませんね。ありがとうございます、お二人はこれからどうされますか?」
ゼロ「レオン様からはカムイ様の力になるように託をもらってる」。つまりそういうことだな」
オーディン「ああ、俺が来たからにはもう安心だ。すべての障害を、この漆黒で覆い尽くしてみせる!」
カムイ「はい、期待してます。これからよろしくお願いしますね。では、お話はここまでです、ほかの皆さんもゆっくり休んでください」
カムイ「あのフローラさん」
フローラ「はい。なんでしょうか、カムイ様?」
カムイ「ひとつお願いがあります。よろしいでしょうか?」
フローラ「はい、どうぞ仰ってください」
カムイ「はい、実は―――」
ゼロ「マクベス様率いる、正規兵がこちらに向かってる。まぁ、容赦するような連中じゃないな」
オーディン「……正直、ここにあの民間人たちを置いておくと、命はないぞ」
カムイ「仕方ありませんね。ありがとうございます、お二人はこれからどうされますか?」
ゼロ「レオン様からはカムイ様の力になるように託をもらってる」。つまりそういうことだな」
オーディン「ああ、俺が来たからにはもう安心だ。すべての障害を、この漆黒で覆い尽くしてみせる!」
カムイ「はい、期待してます。これからよろしくお願いしますね。では、お話はここまでです、ほかの皆さんもゆっくり休んでください」
カムイ「あのフローラさん」
フローラ「はい。なんでしょうか、カムイ様?」
カムイ「ひとつお願いがあります。よろしいでしょうか?」
フローラ「はい、どうぞ仰ってください」
カムイ「はい、実は―――」
819: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/19(土) 23:59:45.28 ID:5Cs48CRK0
◆◆◆◆◆◆
―賭博の町・マカラス西街道への出口―
スズメ「カムイ王女、ここまでの気遣いありがとうございます」
カムイ「いいえ、苦肉の策です。すみませんがこれで我慢していただけると――」
スズメ「いいんです。今、私たちに必要なのは心を落ち着かせることですから。それに、こうして護衛も付けてくれるのです、感謝しきれません」
ウウッ、ダイジョウブナノカ? デモ、キガイハクワエテコナカッタヨ
アンヤノフクッテ、ナンカフシギナモノダナ。
カムイ「送ることしかできませんから、あとは向こうの方たちに従ってください。大丈夫、あそこの方たちは私の知り合いですから、信じてください」
スズメ「はい」
リンカ「スズメ。すまないが、この者たちを頼むぞ。あたしじゃ、一緒にいても気の利いたことの一つも言えないからな」
スズメ「リンカ様も一緒に来れば」
リンカ「だめだ、あたしの顔は暗夜の人間が知っている。あたしが一緒にいることは、お前たちを危険に晒すことになる。だから、ここでお別れだ。スズメと過ごした時間、楽しかったぞ」
スズメ「……リンカ様……私も楽しかったです」
リンカ「ああ」ジャラジャラ
カムイ「申し訳ないです、リンカさん。こんなものを付けてしまって」
リンカ「いいんだ。それにこうしておかないと、スズメたちに要らぬ疑いを掛けることになるからな。安いものさ」
カムイ「はい」
―賭博の町・マカラス西街道への出口―
スズメ「カムイ王女、ここまでの気遣いありがとうございます」
カムイ「いいえ、苦肉の策です。すみませんがこれで我慢していただけると――」
スズメ「いいんです。今、私たちに必要なのは心を落ち着かせることですから。それに、こうして護衛も付けてくれるのです、感謝しきれません」
ウウッ、ダイジョウブナノカ? デモ、キガイハクワエテコナカッタヨ
アンヤノフクッテ、ナンカフシギナモノダナ。
カムイ「送ることしかできませんから、あとは向こうの方たちに従ってください。大丈夫、あそこの方たちは私の知り合いですから、信じてください」
スズメ「はい」
リンカ「スズメ。すまないが、この者たちを頼むぞ。あたしじゃ、一緒にいても気の利いたことの一つも言えないからな」
スズメ「リンカ様も一緒に来れば」
リンカ「だめだ、あたしの顔は暗夜の人間が知っている。あたしが一緒にいることは、お前たちを危険に晒すことになる。だから、ここでお別れだ。スズメと過ごした時間、楽しかったぞ」
スズメ「……リンカ様……私も楽しかったです」
リンカ「ああ」ジャラジャラ
カムイ「申し訳ないです、リンカさん。こんなものを付けてしまって」
リンカ「いいんだ。それにこうしておかないと、スズメたちに要らぬ疑いを掛けることになるからな。安いものさ」
カムイ「はい」
820: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/20(日) 00:10:29.07 ID:XHv68lYx0
マクベス「カムイ王女、こちらにおりましたか」
カムイ「マクベスさん」
マクベス「マカラスの戦闘は終わったと聞きましたが、こちらにいる兵の方々は?」
カムイ「はい、マカラスの地元兵の方たちです。どうやらフリージアに白夜の兵が向かったという情報がありまして、こうして集まってもらいました」
マクベス「そうですか」
カムイ「はい、たとえ嘘だったとしても、白夜の襲撃を考えて彼らには安全が確保されるまでフリージアにいてもらうことになると思います」
マクベス「ふん、地方部族のことなど気にする必要もないとは思うのですが、まあ良いでしょう。白夜と結託されて反乱を起こされるよりはましですからな。ところで、この地にいた白夜軍は?」
カムイ「はい、撤退したようです。多分、国境線の城壁に拠点を移したと思われます」
マクベス「そうですか、ではここからは私たちの出番ですが……。むっ、そちらの方は」
リンカ「………」ジャラジャラ
マクベス「ふむ、一人捕虜がいるようですね。これは――」
カムイ「捕虜なんて呼ばないでください。私の臣下なんですから」
リンカ「え、カムイ?」
カムイ「マクベスさん」
マクベス「マカラスの戦闘は終わったと聞きましたが、こちらにいる兵の方々は?」
カムイ「はい、マカラスの地元兵の方たちです。どうやらフリージアに白夜の兵が向かったという情報がありまして、こうして集まってもらいました」
マクベス「そうですか」
カムイ「はい、たとえ嘘だったとしても、白夜の襲撃を考えて彼らには安全が確保されるまでフリージアにいてもらうことになると思います」
マクベス「ふん、地方部族のことなど気にする必要もないとは思うのですが、まあ良いでしょう。白夜と結託されて反乱を起こされるよりはましですからな。ところで、この地にいた白夜軍は?」
カムイ「はい、撤退したようです。多分、国境線の城壁に拠点を移したと思われます」
マクベス「そうですか、ではここからは私たちの出番ですが……。むっ、そちらの方は」
リンカ「………」ジャラジャラ
マクベス「ふむ、一人捕虜がいるようですね。これは――」
カムイ「捕虜なんて呼ばないでください。私の臣下なんですから」
リンカ「え、カムイ?」
821: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/20(日) 00:20:48.94 ID:XHv68lYx0
カムイ「どうしたんですか。あの日、私はあなたを部下にしたんですよ、忘れたわけじゃありませんよね?」
リンカ「あ、あれは」
カムイ「もう、こうやって触るとよく鳴いてくれるリンカさんを手放すわけないじゃないですか」スッ
リンカ「ひゃうっ! な、人のいる前で触るなと」
カムイ「え、聞こえません」サワサワッ
リンカ「いやっ、やめっ……」
マクベス「そうですか、まあいいです。そうやってごっこ遊びにでも耽っていてください。私はこれよりノートルディア公国まで進みます。案内人もいますのでね」
クリムゾン「へへっ」
カムイ「クリムゾンさん、いつの間にかいないと思ったら」
クリムゾン「ごめんごめん、ちょっと怖くて隠れてたんだ。でも、マカラスを取り戻してくれたおかげで、こうやってノートルディアに戻ることができそうだよ、ありがとな」
カムイ「いいえ、気にしないでください。ではマクベスさん、後のことはお任せします。私はこれより、王都に戻って事の成り行きをお父様に報告したいと思います」
マクベス「わかりました。では、私はこれより城壁に向かいますので」
カムイ「はい。お気をつけて」
リンカ「あ、あれは」
カムイ「もう、こうやって触るとよく鳴いてくれるリンカさんを手放すわけないじゃないですか」スッ
リンカ「ひゃうっ! な、人のいる前で触るなと」
カムイ「え、聞こえません」サワサワッ
リンカ「いやっ、やめっ……」
マクベス「そうですか、まあいいです。そうやってごっこ遊びにでも耽っていてください。私はこれよりノートルディア公国まで進みます。案内人もいますのでね」
クリムゾン「へへっ」
カムイ「クリムゾンさん、いつの間にかいないと思ったら」
クリムゾン「ごめんごめん、ちょっと怖くて隠れてたんだ。でも、マカラスを取り戻してくれたおかげで、こうやってノートルディアに戻ることができそうだよ、ありがとな」
カムイ「いいえ、気にしないでください。ではマクベスさん、後のことはお任せします。私はこれより、王都に戻って事の成り行きをお父様に報告したいと思います」
マクベス「わかりました。では、私はこれより城壁に向かいますので」
カムイ「はい。お気をつけて」
822: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/20(日) 00:31:34.03 ID:XHv68lYx0
フローラ「それでは行きましょう皆さん」
ジョーカー「逸れない様に気をつけろよ」
ギュンター「ではカムイ様、この者たちとともにフリージアへ向かいます。我々のことは待たず、王都へお戻りくださいませ」
カムイ「はい、すみませんが、皆さんのことよろしくお願いします」
リンカ「あたしからも、すまないがよろしく頼む」
ジョーカー「任されましたぞ。では」
ザッザッザッザッザッザッ
カムイ「行ってしまいましたね」
リンカ「ああ。カムイ、ありがとう。おかげで助かった」
カムイ「リンカさん、一つ聞いてもいいですか?」
リンカ「なんだ?」
カムイ「リンカさんはどうしてここに来たんですか。たとえ捕虜になったとしても、あなたは炎の部族の族長の娘なんでしょう?」
リンカ「……そうだったな」
カムイ「……捕虜といえば、スズカゼさんはどうしたんですか?」
リンカ「あいつはリョウマの配下に親族がいたこともあるが、やるべきことをこなして地位を守った。信頼を勝ち取ったんだ」
カムイ「……あの」
リンカ「勘違いするな。炎の部族の皆に庇われなかったとかそう言うことじゃない。むしろ、みんなあたしを庇ってくれた。気にするなと、守ってやると言われた。父にはお前は悪くないと、久々に抱きしめられたよ」
カムイ「……」
リンカ「あたしは、そんなみんなが繋げてきた炎の部族を終わらせたくなかった。だから――」
リンカ「部族から自主離反したんだ。だから炎の部族としてのリンカはもういない、今はただのリンカだ。だからさ、少しだけ肩を貸してくれないか」
「今だけ、今の間だけ支えてくれ……」
第十一章 おわり
ジョーカー「逸れない様に気をつけろよ」
ギュンター「ではカムイ様、この者たちとともにフリージアへ向かいます。我々のことは待たず、王都へお戻りくださいませ」
カムイ「はい、すみませんが、皆さんのことよろしくお願いします」
リンカ「あたしからも、すまないがよろしく頼む」
ジョーカー「任されましたぞ。では」
ザッザッザッザッザッザッ
カムイ「行ってしまいましたね」
リンカ「ああ。カムイ、ありがとう。おかげで助かった」
カムイ「リンカさん、一つ聞いてもいいですか?」
リンカ「なんだ?」
カムイ「リンカさんはどうしてここに来たんですか。たとえ捕虜になったとしても、あなたは炎の部族の族長の娘なんでしょう?」
リンカ「……そうだったな」
カムイ「……捕虜といえば、スズカゼさんはどうしたんですか?」
リンカ「あいつはリョウマの配下に親族がいたこともあるが、やるべきことをこなして地位を守った。信頼を勝ち取ったんだ」
カムイ「……あの」
リンカ「勘違いするな。炎の部族の皆に庇われなかったとかそう言うことじゃない。むしろ、みんなあたしを庇ってくれた。気にするなと、守ってやると言われた。父にはお前は悪くないと、久々に抱きしめられたよ」
カムイ「……」
リンカ「あたしは、そんなみんなが繋げてきた炎の部族を終わらせたくなかった。だから――」
リンカ「部族から自主離反したんだ。だから炎の部族としてのリンカはもういない、今はただのリンカだ。だからさ、少しだけ肩を貸してくれないか」
「今だけ、今の間だけ支えてくれ……」
第十一章 おわり
823: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/20(日) 00:56:46.33 ID:XHv68lYx0
今日はここまでです。支援レベル関係ですが、ちょっと見直してみます。
ここから少し休息時間に入ります。
次の展開を決める安価を取りたいと思います。ご参加いただけると幸いです。
◇◆◇◆◇
まず、カムイが話をする人物。
ベルカ
ゼロ
オーディン
カザハナ
ツバキ
>>825
◇◆◇◆◇
次にレオンが話をすることになる人物
サクラ
ツバキ
カザハナ
>>826
◇◆◇◆◇
最後に話をしている組み合わせ(イベントが起きているキャラ同士は、そのイベントが継続します)
イベント一覧表は <<735~<<737を参照してください。
アクア
ジョーカー
ギュンター
フェリシア
フローラ
リリス
ラズワルド
ピエリ
ゼロ
オーディン
カミラ
ベルカ
ルーナ
エリーゼ
ハロルド
エルフィ
サイラス
ニュクス
モズメ
一組目は>>827と>>828
二組目は>>829と>>830
キャラが被った場合は、次の数字のキャラクターに移行します。
すみませんが、よろしくおねがいいたします。
ここから少し休息時間に入ります。
次の展開を決める安価を取りたいと思います。ご参加いただけると幸いです。
◇◆◇◆◇
まず、カムイが話をする人物。
ベルカ
ゼロ
オーディン
カザハナ
ツバキ
>>825
◇◆◇◆◇
次にレオンが話をすることになる人物
サクラ
ツバキ
カザハナ
>>826
◇◆◇◆◇
最後に話をしている組み合わせ(イベントが起きているキャラ同士は、そのイベントが継続します)
イベント一覧表は <<735~<<737を参照してください。
アクア
ジョーカー
ギュンター
フェリシア
フローラ
リリス
ラズワルド
ピエリ
ゼロ
オーディン
カミラ
ベルカ
ルーナ
エリーゼ
ハロルド
エルフィ
サイラス
ニュクス
モズメ
一組目は>>827と>>828
二組目は>>829と>>830
キャラが被った場合は、次の数字のキャラクターに移行します。
すみませんが、よろしくおねがいいたします。
825: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/20(日) 01:12:14.94 ID:f3dbZ6V+o
カザハナ
826: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/20(日) 01:18:27.87 ID:SuypEJf1o
サクラ
827: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/20(日) 01:20:47.06 ID:0Pu4q0sko
ツバキ
828: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/20(日) 01:21:17.69 ID:0Pu4q0sko
かぶりすまん
オーディン
オーディン
829: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/20(日) 01:24:43.04 ID:VK7Gqob20
ニュクス
830: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/20(日) 01:40:25.22 ID:zgSA0jWz0
ゼロ
835: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/21(月) 19:07:24.40 ID:IeOuF/No0
◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・地下街―
リリス「う~ん、どうしましょうか」
ゼロ「………」
リリス「……やっぱり野菜でしょうか。干した果物もいい気がするんですけど」
ゼロ「……」
リリス「………」
ゼロ「……」
リリス「はぁ、あのゼロさん。私に何か用ですか?」
ゼロ「やっと気づいたか、この距離でも気付かれてないんじゃどうしようかと思ったが」
リリス「声をかけないと、周りの方たちからの視線が結構痛いので」
ゼロ「そうか、まあいい」
リリス「私はよくありません。それで何の用ですか? 結構前から尾けていたんですよね?」
ゼロ「……ああ、それとお前の経歴を調べさせてもらった」
リリス「……」
ゼロ「お前、一体どこからこの国にやってきたんだ? まったくと言っていいほど足取りがなくて気味が悪い」
リリス「私のことを信用できない、そういうことでいいんですね?」
ゼロ「敵だとは思ってない、が信用もしてないってことだ」
リリス「そうですか、無理に信用しなくても大丈夫ですよ。私はレオン様に興味なんてありませんから」
ゼロ「そうかい、なら別にいい。だが何時でも俺はお前を見ているぞ」
リリス「そうなんですか、もう少しカッコイイ人になら見ていてもらいたいんですけど」
ゼロ「口の減らない奴だ……」
―暗夜王国・地下街―
リリス「う~ん、どうしましょうか」
ゼロ「………」
リリス「……やっぱり野菜でしょうか。干した果物もいい気がするんですけど」
ゼロ「……」
リリス「………」
ゼロ「……」
リリス「はぁ、あのゼロさん。私に何か用ですか?」
ゼロ「やっと気づいたか、この距離でも気付かれてないんじゃどうしようかと思ったが」
リリス「声をかけないと、周りの方たちからの視線が結構痛いので」
ゼロ「そうか、まあいい」
リリス「私はよくありません。それで何の用ですか? 結構前から尾けていたんですよね?」
ゼロ「……ああ、それとお前の経歴を調べさせてもらった」
リリス「……」
ゼロ「お前、一体どこからこの国にやってきたんだ? まったくと言っていいほど足取りがなくて気味が悪い」
リリス「私のことを信用できない、そういうことでいいんですね?」
ゼロ「敵だとは思ってない、が信用もしてないってことだ」
リリス「そうですか、無理に信用しなくても大丈夫ですよ。私はレオン様に興味なんてありませんから」
ゼロ「そうかい、なら別にいい。だが何時でも俺はお前を見ているぞ」
リリス「そうなんですか、もう少しカッコイイ人になら見ていてもらいたいんですけど」
ゼロ「口の減らない奴だ……」
837: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/21(月) 19:18:38.02 ID:IeOuF/No0
リリス「ふふっ、ゼロさん。よかったら買物のお手伝いをしてくれませんか?」
ゼロ「はぁ? 何だって俺が持たないといけないんだ?」
リリス「あー、重いなぁ。重たいなぁ。ゼロさん、一緒に来てくれたんですから、持ってくれてもいいじゃないですか?」
ゼロ「はぁ? 何を言ってんだ、俺は――」
オジョウチャンガオモイッテイッテンダ アンタモッテヤレヨ
ココデササエナキャ オトコガスタルヨネェ
ゼロ「ぐっ……お前、結構腹黒なんだな」ガシッ
リリス「賢いって言ってください」ニコニコ
ゼロ「これはずる賢いっていうんだよ。くそっ、まさか荷物持ちにされるなんて思ってもいなかったぜ」
リリス「ふふっ、ゼロさんはレオン様のこと、とても大事に思っているんですね。私みたいな一介の召使のことなんて、調べる必要なんてないんですけどね」
ゼロ「不安要素はできる限り消したいんでね」
リリス「ふふっ、主君思いというところでは、私とゼロさんは似てるかもしれませんね」
ゼロ「……素性のわからない奴と同類にされるのは御免だな」
リリス「別に私のことを調べるのは構いませんよ。心置きなく調べてください、ただ……」
ゼロ「ただ?」
リリス「また、買い物のお手伝いをしてくれませんか?」
ゼロ「……考えておいてやるよ」
ゼロ「はぁ? 何だって俺が持たないといけないんだ?」
リリス「あー、重いなぁ。重たいなぁ。ゼロさん、一緒に来てくれたんですから、持ってくれてもいいじゃないですか?」
ゼロ「はぁ? 何を言ってんだ、俺は――」
オジョウチャンガオモイッテイッテンダ アンタモッテヤレヨ
ココデササエナキャ オトコガスタルヨネェ
ゼロ「ぐっ……お前、結構腹黒なんだな」ガシッ
リリス「賢いって言ってください」ニコニコ
ゼロ「これはずる賢いっていうんだよ。くそっ、まさか荷物持ちにされるなんて思ってもいなかったぜ」
リリス「ふふっ、ゼロさんはレオン様のこと、とても大事に思っているんですね。私みたいな一介の召使のことなんて、調べる必要なんてないんですけどね」
ゼロ「不安要素はできる限り消したいんでね」
リリス「ふふっ、主君思いというところでは、私とゼロさんは似てるかもしれませんね」
ゼロ「……素性のわからない奴と同類にされるのは御免だな」
リリス「別に私のことを調べるのは構いませんよ。心置きなく調べてください、ただ……」
ゼロ「ただ?」
リリス「また、買い物のお手伝いをしてくれませんか?」
ゼロ「……考えておいてやるよ」
839: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/21(月) 19:31:10.37 ID:IeOuF/No0
―暗夜王国・北の城塞『薬品庫』―
オーディン「おおっ、この陰湿且禍々しい空間、ここだ、ここでこそ俺のインスピレーションが輝くに違いない。よーし、きたきたきたきたあああああ!出でよダークネスボルトォオオオオ! ジュジュジュジューン! 決まったあ!」
ニュクス「煩わしいわね……一体何の騒ぎよ」
オーディン「て、ニュクス。いつからそこに!?」
ニュクス「どうしたのかしら、人のことを物珍しい視線で観察して。大丈夫よ、あなたの輝くに違いないあたりの発言に、背筋がムズムズはしたけど、実際無害なんでしょう?」
オーディン「実際無害って、俺は……ふん、我が力の片鱗はそう簡単に見抜けるものではないからな」
ニュクス「何を言っているのかわからないけど」
オーディン「ふふっ、貴様の闇もなかなかのものだと思うぞ」
ニュクス「人に向かって闇なんて言わないでほしいわね……、確かに私の後ろめたいことばかりだけど、ね」
オーディン「あ、ああ……その、すまない」
ニュクス「素直に謝るのね。でも事実だから謝る必要はないわ。気にしないで、それよりどうしたのかしら? 今、カムイは外に出てるわ」
オーディン「カムイ様に会いに来たことは確かなんだが、そうかやっぱり出かけてるのか。はぁ、ちょっと挨拶を済ませておきたかったんだけどなぁ」
ニュクス「昨日、王都に帰還して、すぐに報告を終えたのに、すぐに出掛けるなんて。本当に多忙ね」
オーディン「そうだな。俺ならすぐにへこたれる」
ニュクス「若いんだから元気出しなさい」
オーディン「ニュクスに若いんだからって言われてもな」
ニュクス「見た目だけよ。これでも中身はいい歳なの、少しは察して頂戴。だから、あなたよりは魔術には詳しいと思うから、困ったことがあったら聞くといいわ」
オーディン「おおっ、この陰湿且禍々しい空間、ここだ、ここでこそ俺のインスピレーションが輝くに違いない。よーし、きたきたきたきたあああああ!出でよダークネスボルトォオオオオ! ジュジュジュジューン! 決まったあ!」
ニュクス「煩わしいわね……一体何の騒ぎよ」
オーディン「て、ニュクス。いつからそこに!?」
ニュクス「どうしたのかしら、人のことを物珍しい視線で観察して。大丈夫よ、あなたの輝くに違いないあたりの発言に、背筋がムズムズはしたけど、実際無害なんでしょう?」
オーディン「実際無害って、俺は……ふん、我が力の片鱗はそう簡単に見抜けるものではないからな」
ニュクス「何を言っているのかわからないけど」
オーディン「ふふっ、貴様の闇もなかなかのものだと思うぞ」
ニュクス「人に向かって闇なんて言わないでほしいわね……、確かに私の後ろめたいことばかりだけど、ね」
オーディン「あ、ああ……その、すまない」
ニュクス「素直に謝るのね。でも事実だから謝る必要はないわ。気にしないで、それよりどうしたのかしら? 今、カムイは外に出てるわ」
オーディン「カムイ様に会いに来たことは確かなんだが、そうかやっぱり出かけてるのか。はぁ、ちょっと挨拶を済ませておきたかったんだけどなぁ」
ニュクス「昨日、王都に帰還して、すぐに報告を終えたのに、すぐに出掛けるなんて。本当に多忙ね」
オーディン「そうだな。俺ならすぐにへこたれる」
ニュクス「若いんだから元気出しなさい」
オーディン「ニュクスに若いんだからって言われてもな」
ニュクス「見た目だけよ。これでも中身はいい歳なの、少しは察して頂戴。だから、あなたよりは魔術には詳しいと思うから、困ったことがあったら聞くといいわ」
840: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/21(月) 19:42:02.31 ID:IeOuF/No0
オーディン「え、いいのか?」
ニュクス「別に構わないわよ」
オーディン「なら、一つ俺の魔術作りに協力してくれないか?」
ニュクス「いきなりなお願いね、一体何をするのかしら?」
オーディン「ああ、すっごいやつだ。できあがったら、みんなが驚きのあまりに叫び出してしまうような。そんな奴を作りたい」
ニュクス「結構アバウトなのね」
オーディン「まぁ、考えてるだけっていうのもあるけどな。ただ、一人じゃどうも纏まらないし、さすがにレオン様に聞くってわけにもいかない、てわけなんで、お願いできないか?」
ニュクス「元々、私から聞いてと言ったんだもの。約束くらい守るわ」
オーディン「本当かっ!」
ニュクス「ええ、準備ができたら言ってちょうだい。ちゃんと手伝ってあげる。その代り……」
オーディン「そ、その代り、なんだ?」
ニュクス「いいえ、なんでもないわ」
オーディン「そうか、ありがとうなニュクス。よし、久々に燃えてきたぜ!」
タタタタタタタタタタタッ
ニュクス「魔術ね。どんな魔術を作るのかしら……。いえ、魔術の目的なんて、決まってるわよね。私が一番知っているはずだから……」
ニュクス「別に構わないわよ」
オーディン「なら、一つ俺の魔術作りに協力してくれないか?」
ニュクス「いきなりなお願いね、一体何をするのかしら?」
オーディン「ああ、すっごいやつだ。できあがったら、みんなが驚きのあまりに叫び出してしまうような。そんな奴を作りたい」
ニュクス「結構アバウトなのね」
オーディン「まぁ、考えてるだけっていうのもあるけどな。ただ、一人じゃどうも纏まらないし、さすがにレオン様に聞くってわけにもいかない、てわけなんで、お願いできないか?」
ニュクス「元々、私から聞いてと言ったんだもの。約束くらい守るわ」
オーディン「本当かっ!」
ニュクス「ええ、準備ができたら言ってちょうだい。ちゃんと手伝ってあげる。その代り……」
オーディン「そ、その代り、なんだ?」
ニュクス「いいえ、なんでもないわ」
オーディン「そうか、ありがとうなニュクス。よし、久々に燃えてきたぜ!」
タタタタタタタタタタタッ
ニュクス「魔術ね。どんな魔術を作るのかしら……。いえ、魔術の目的なんて、決まってるわよね。私が一番知っているはずだから……」
841: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/21(月) 19:55:47.82 ID:IeOuF/No0
◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・レオン邸―
カムイ「レオンさん、サクラさんたちは?」
レオン「姉さん。うん、集まってもらってるよ……。正直、話すのが嫌なことではあるんだけどね」
カムイ「そうですね。でも、知っておいてもらわないといけません。今の白夜がどんなことになっているのかということを」
レオン「……わかったよ姉さん。この部屋に三人とも待ってる、どうする僕が代わりに話しても」
カムイ「いいえ、これは私が話すべきことですから、あの場にいて聞いた話をすべて、伝える必要があります」
レオン「そう、強いね姉さんは」
カムイ「そんなことないですよ。私は出来る限り、やるべきことをやるだけですから」
ガチャ
サクラ「カムイ姉様」
カムイ「ただいま、サクラさん。どうにか生きて戻ってこれました」
カザハナ「ちょっと、開口一番にサクラが不安になること言わないでよ」
ツバキ「ほんと、カムイ王女は容赦がないよねー」
カムイ「はは、ツバキさんも元気そうでなによりです。音色だけで、元気な感じが伝わってきますよ」
ツバキ「そうですかね。これでも白夜の件で少し悩んでたりするんです。それで、その話なんですよね?」
カムイ「………はい。あまり良くない話です」
サクラ「………」
カザハナ「……」
ツバキ「……」
レオン「姉さん、ここに」
カムイ「はい」
サクラ「……姉様、その良くないお話っていうのは」
カムイ「はい、正直皆さんにとっては信じ難く、辛い話だと思いますが。終わるまで話を聞いてくれますか?」
サクラ「……お、おねがいします姉様……何があったのか、教えてください」
―暗夜王国・レオン邸―
カムイ「レオンさん、サクラさんたちは?」
レオン「姉さん。うん、集まってもらってるよ……。正直、話すのが嫌なことではあるんだけどね」
カムイ「そうですね。でも、知っておいてもらわないといけません。今の白夜がどんなことになっているのかということを」
レオン「……わかったよ姉さん。この部屋に三人とも待ってる、どうする僕が代わりに話しても」
カムイ「いいえ、これは私が話すべきことですから、あの場にいて聞いた話をすべて、伝える必要があります」
レオン「そう、強いね姉さんは」
カムイ「そんなことないですよ。私は出来る限り、やるべきことをやるだけですから」
ガチャ
サクラ「カムイ姉様」
カムイ「ただいま、サクラさん。どうにか生きて戻ってこれました」
カザハナ「ちょっと、開口一番にサクラが不安になること言わないでよ」
ツバキ「ほんと、カムイ王女は容赦がないよねー」
カムイ「はは、ツバキさんも元気そうでなによりです。音色だけで、元気な感じが伝わってきますよ」
ツバキ「そうですかね。これでも白夜の件で少し悩んでたりするんです。それで、その話なんですよね?」
カムイ「………はい。あまり良くない話です」
サクラ「………」
カザハナ「……」
ツバキ「……」
レオン「姉さん、ここに」
カムイ「はい」
サクラ「……姉様、その良くないお話っていうのは」
カムイ「はい、正直皆さんにとっては信じ難く、辛い話だと思いますが。終わるまで話を聞いてくれますか?」
サクラ「……お、おねがいします姉様……何があったのか、教えてください」
842: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/21(月) 20:06:45.93 ID:IeOuF/No0
~~~~~~~~~~~~~~~^
カムイ「これで以上です」
サクラ「……そ、そんな」
カザハナ「……そんなことって」
ツバキ「………」
カザハナ「ごめん、あたし……ここにいられない」ガタッ
サクラ「カザハナさん!」
カザハナ「サクラ……ごめん」
ガチャ バタン
サクラ「カムイ姉様、何かの間違い……ではないんですよね………」
カムイ「私もできれば信じたくないことですが、スズメさんの話、そしてあの場にいた人々の雰囲気から、真実なのだろうと思っています」
サクラ「……」
カムイ「……ごめんなさい、サクラさん」
サクラ「いいんです。姉様も、私たちに話すのは辛かったのに」
カムイ「いいえ、サクラさん達の命の責任があります。それを考えたら私が話さなくてはいけないことですから」
サクラ「……ありがとうございます」
レオン「やっぱりカザハナには、辛い話だったかもしれない」
ツバキ「うん、そうだろうね。カザハナは平和な白夜の世界で育って来たから……」
レオン「ツバキは、大丈夫かい?」
ツバキ「正直、ショックはあるし、もしかしたら俺たちが何もしなければみたいに思うこともある。でも、そんなことを考えても仕方ないってことくらい、カザハナだってわかってるはずだよ。でも、今はそれを受け入れられるかどうかわからない」
カムイ「これで以上です」
サクラ「……そ、そんな」
カザハナ「……そんなことって」
ツバキ「………」
カザハナ「ごめん、あたし……ここにいられない」ガタッ
サクラ「カザハナさん!」
カザハナ「サクラ……ごめん」
ガチャ バタン
サクラ「カムイ姉様、何かの間違い……ではないんですよね………」
カムイ「私もできれば信じたくないことですが、スズメさんの話、そしてあの場にいた人々の雰囲気から、真実なのだろうと思っています」
サクラ「……」
カムイ「……ごめんなさい、サクラさん」
サクラ「いいんです。姉様も、私たちに話すのは辛かったのに」
カムイ「いいえ、サクラさん達の命の責任があります。それを考えたら私が話さなくてはいけないことですから」
サクラ「……ありがとうございます」
レオン「やっぱりカザハナには、辛い話だったかもしれない」
ツバキ「うん、そうだろうね。カザハナは平和な白夜の世界で育って来たから……」
レオン「ツバキは、大丈夫かい?」
ツバキ「正直、ショックはあるし、もしかしたら俺たちが何もしなければみたいに思うこともある。でも、そんなことを考えても仕方ないってことくらい、カザハナだってわかってるはずだよ。でも、今はそれを受け入れられるかどうかわからない」
843: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/21(月) 20:15:05.27 ID:IeOuF/No0
カムイ「探しに行きましょう。レオンさん」
レオン「……そうだね。捕虜として受け入れたのは僕だから責任がある」
ツバキ「そうしてくれるかな。俺はサクラ様と一緒にここで待ってるよ。今は、俺たちがいるよりも二人のどちらかがいてくれたほうがいいと思うから」
レオン「そう、わかったよ。姉さん、僕は屋敷の北側を探す」
カムイ「では、私は南の方を回ってみますね」
ガチャ バタン
サクラ「………どうして、こんなことになってしまったんでしょうか」
ツバキ「サクラ様、今はそのことを考えない方がいいです。たぶん、答えなんて出ないし、決めつけることで自分を縛りつけちゃうことなるかもしれないから」
サクラ「はい……」
レオン「……そうだね。捕虜として受け入れたのは僕だから責任がある」
ツバキ「そうしてくれるかな。俺はサクラ様と一緒にここで待ってるよ。今は、俺たちがいるよりも二人のどちらかがいてくれたほうがいいと思うから」
レオン「そう、わかったよ。姉さん、僕は屋敷の北側を探す」
カムイ「では、私は南の方を回ってみますね」
ガチャ バタン
サクラ「………どうして、こんなことになってしまったんでしょうか」
ツバキ「サクラ様、今はそのことを考えない方がいいです。たぶん、答えなんて出ないし、決めつけることで自分を縛りつけちゃうことなるかもしれないから」
サクラ「はい……」
844: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/21(月) 20:25:53.48 ID:IeOuF/No0
~~~~~~~~~~~~~
カザハナ「……なによそれ。なんで、なんでそんなことになってるの。意味わかんない、意味がわかんないよ……」
カザハナ「あたしが、あたしが……サクラにそうするべきだって言ったからなの? それがこんなことに繋がっちゃうっていうの?」
タタタタタタタタッ
カムイ「! カザハナさん、見つけました」
カザハナ「……なによ、何しに来たの」
カムイ「カザハナさん、この出来事を自分の所為だと思っているんですか?」
カザハナ「だって、そうでしょ。暗夜に攻めてきた強硬派は、サクラが捕まってるからって理由で攻撃を仕掛けて来て。ヒノカ様やタクミ様もそれに流されて、あたしが、あたしがあの時……」
カムイ「多分……理由なんて、どうでも良かったんですよ。だから、カザハナさんが気に病むことなんてありません」
カザハナ「ど、どうでも良いって……。そんなこと、信じたくない……信じたくないよ」
カムイ「カザハナさん、自分を責めないでください」
カザハナ「無理だよ……」
カムイ「……」
カザハナ「もう、白夜になんて戻れない……。もう、あたしたちの居場所なんて……居場所なんてない。あたしが、サクラの帰る場所なくしちゃったんだ」
カムイ「カザハナさん」
カザハナ「……なによそれ。なんで、なんでそんなことになってるの。意味わかんない、意味がわかんないよ……」
カザハナ「あたしが、あたしが……サクラにそうするべきだって言ったからなの? それがこんなことに繋がっちゃうっていうの?」
タタタタタタタタッ
カムイ「! カザハナさん、見つけました」
カザハナ「……なによ、何しに来たの」
カムイ「カザハナさん、この出来事を自分の所為だと思っているんですか?」
カザハナ「だって、そうでしょ。暗夜に攻めてきた強硬派は、サクラが捕まってるからって理由で攻撃を仕掛けて来て。ヒノカ様やタクミ様もそれに流されて、あたしが、あたしがあの時……」
カムイ「多分……理由なんて、どうでも良かったんですよ。だから、カザハナさんが気に病むことなんてありません」
カザハナ「ど、どうでも良いって……。そんなこと、信じたくない……信じたくないよ」
カムイ「カザハナさん、自分を責めないでください」
カザハナ「無理だよ……」
カムイ「……」
カザハナ「もう、白夜になんて戻れない……。もう、あたしたちの居場所なんて……居場所なんてない。あたしが、サクラの帰る場所なくしちゃったんだ」
カムイ「カザハナさん」
845: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/21(月) 20:42:11.54 ID:IeOuF/No0
カザハナ「レオン王子だって、あたしたちのことをどうにかしてくれるって言ってくれたのに、これじゃ、もう………」
カムイ「カザハナさん、もうそこまでにしてください」ギュッ
カザハナ「やだっ、やだよぉ。あたしの、あたしたちの生まれ育った国が、こんな、こんな事をしてるなんて、信じたくない、信じたくないよぉ……」
カムイ「カザハナさん……」
カザハナ「あたしが、あたしがサクラも、サクラも不幸にしちゃったんだ……。親友失格だよ、あたし」
カムイ「……それは違います」
カザハナ「なんで、そんなこと言えるのよ! あんたに、あんたに何がわかるっていうの」
カムイ「そうですね、私にはカザハナさんのこともサクラさんのこともよくはわかってません」
カザハナ「だったら!」
カムイ「でも、カザハナさんとサクラさんの間にある絆は確かなものだと思っています。カザハナさん、サクラさんは不幸だなんて思って無いと思いますよ。あなたが一緒にいて、サクラさんはとても安心しているはずですから」
カザハナ「……そ、そんなこと……わからない」
カムイ「そうですね。これは私の憶測ですから、でもサクラさんはそう思っていると思いますよ。親友っていうのは信じてくれるから親友なんです。私の親友であるサイラスさんのように」
カザハナ「……」
カムイ「カザハナさん、もうそこまでにしてください」ギュッ
カザハナ「やだっ、やだよぉ。あたしの、あたしたちの生まれ育った国が、こんな、こんな事をしてるなんて、信じたくない、信じたくないよぉ……」
カムイ「カザハナさん……」
カザハナ「あたしが、あたしがサクラも、サクラも不幸にしちゃったんだ……。親友失格だよ、あたし」
カムイ「……それは違います」
カザハナ「なんで、そんなこと言えるのよ! あんたに、あんたに何がわかるっていうの」
カムイ「そうですね、私にはカザハナさんのこともサクラさんのこともよくはわかってません」
カザハナ「だったら!」
カムイ「でも、カザハナさんとサクラさんの間にある絆は確かなものだと思っています。カザハナさん、サクラさんは不幸だなんて思って無いと思いますよ。あなたが一緒にいて、サクラさんはとても安心しているはずですから」
カザハナ「……そ、そんなこと……わからない」
カムイ「そうですね。これは私の憶測ですから、でもサクラさんはそう思っていると思いますよ。親友っていうのは信じてくれるから親友なんです。私の親友であるサイラスさんのように」
カザハナ「……」
846: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/21(月) 21:06:19.66 ID:IeOuF/No0
カムイ「怖がらずに聞いてあげてください。サクラさんはちゃんと答えを返してくれるはずですから」
カザハナ「でも、白夜が、白夜が変わっちゃったのは」
カムイ「カザハナさんは、自分に国の意向を変えられる力があると思いますか?」
カザハナ「そ、そんな力あるわけ――」
カムイ「そういうことです。軍の主権を握っていたのはリョウマさんとユキムラさんでしたから。正直言って、カザハナさんが何かしたからといって、変わるものじゃないんですよ。だから、安心してください」サワサワッ
カザハナ「ひゃう、ちょ、なんで眼尻触って……」
カムイ「リラックスさせようと思いまして」
カザハナ「そ、そういうのは。もっと違う感じでも、あうぅぅ」
カムイ「はい、リラックス、リラックス」
カザハナ「だ、だめ、だめだから!」
カムイ「ふふっ、何がダメなんですか。おしえてください、何がダメなんですか?」
カザハナ「そ、それは……」
レオン「……姉さん、そっちにカザハナは……」
カザハナ「んっ、んんんっ」
レオン「……どういう状況なのかな、これ?」
カムイ「あっ、レオンさん。その、心をほぐしてあげようと思いまして」
カザハナ「でも、白夜が、白夜が変わっちゃったのは」
カムイ「カザハナさんは、自分に国の意向を変えられる力があると思いますか?」
カザハナ「そ、そんな力あるわけ――」
カムイ「そういうことです。軍の主権を握っていたのはリョウマさんとユキムラさんでしたから。正直言って、カザハナさんが何かしたからといって、変わるものじゃないんですよ。だから、安心してください」サワサワッ
カザハナ「ひゃう、ちょ、なんで眼尻触って……」
カムイ「リラックスさせようと思いまして」
カザハナ「そ、そういうのは。もっと違う感じでも、あうぅぅ」
カムイ「はい、リラックス、リラックス」
カザハナ「だ、だめ、だめだから!」
カムイ「ふふっ、何がダメなんですか。おしえてください、何がダメなんですか?」
カザハナ「そ、それは……」
レオン「……姉さん、そっちにカザハナは……」
カザハナ「んっ、んんんっ」
レオン「……どういう状況なのかな、これ?」
カムイ「あっ、レオンさん。その、心をほぐしてあげようと思いまして」
849: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/21(月) 23:13:33.02 ID:IeOuF/No0
◆◆◆◆◆◆
―レオン邸―
シャー
レオン「………」
サクラ『……』
シャーーーー
レオン「……」
サクラ『……』
レオン「サクラ王女?」
サクラ『………』
レオン「サクラ王女!」
サクラ『はっ、え、えっと、なんですかレオンさん』
レオン「反応がないからどうしたのかと思ってさ……」
サクラ『すみません、その、ぼーっとしていて』
レオン「……サクラ王女」
サクラ『ごめんなさい、心配かけちゃったみたいで、なんでもないんです……なんでも』
レオン「……なんでもないってことはないよね」
サクラ『そんなこと……』
レオン「いつもなら、僕に何か話をするように頼んでくるのに。今日だけはだんまりで何もない、気づいてくださいって言われてるみたいだよ」
サクラ『………』
レオン「白夜のことだね」
サクラ『はい』
レオン「サクラ王女が気に病むことじゃない。サクラ王女に何ができたかなんてわからないし、もしも白夜にあなたがいたとして、それを止められたかはわからないんだから」
サクラ『そ、それは……そうですよね。私にどうにかできたなんて思えませんから……』
レオン「………」
―レオン邸―
シャー
レオン「………」
サクラ『……』
シャーーーー
レオン「……」
サクラ『……』
レオン「サクラ王女?」
サクラ『………』
レオン「サクラ王女!」
サクラ『はっ、え、えっと、なんですかレオンさん』
レオン「反応がないからどうしたのかと思ってさ……」
サクラ『すみません、その、ぼーっとしていて』
レオン「……サクラ王女」
サクラ『ごめんなさい、心配かけちゃったみたいで、なんでもないんです……なんでも』
レオン「……なんでもないってことはないよね」
サクラ『そんなこと……』
レオン「いつもなら、僕に何か話をするように頼んでくるのに。今日だけはだんまりで何もない、気づいてくださいって言われてるみたいだよ」
サクラ『………』
レオン「白夜のことだね」
サクラ『はい』
レオン「サクラ王女が気に病むことじゃない。サクラ王女に何ができたかなんてわからないし、もしも白夜にあなたがいたとして、それを止められたかはわからないんだから」
サクラ『そ、それは……そうですよね。私にどうにかできたなんて思えませんから……』
レオン「………」
850: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/21(月) 23:24:24.10 ID:IeOuF/No0
サクラ『私、いつも誰かの後ろにいて、守れてばかりで……そんな私が今の白夜にいて何か出来ることなんてありませんよね……』
レオン「そうだ。だから、サクラ王女にできることなんてなかったんだよ。ここにいても、白夜にいたとしても」
サクラ『………私は何もできないんです。ただ弱いだけで誰も救えない、そんな人間なんです』
レオン「…………」
サクラ『レオンさん、私には一体何ができたんでしょうか?』
レオン「言ったでしょ、何もできることはなかったって。もう一度言わせないで」
サクラ『………』
レオン「……サクラ王女」
サクラ『なんでしょうか?』
レオン「少しの間だけ耐えてくれないかな」
サクラ『レオンさん?』
レオン「白夜の変化も、白夜が行っていることも、これから僕の考えがまとまるまでの間に起きる出来事も、そのすべてに耐えてくれるかい?」
サクラ『……私に耐えられるでしょうか?』
レオン「耐えられるよ。ここにはツバキもカザハナもいる、あなたを支えてくれる人がいるんだ。だから、そうやって気丈に振舞うのはよそう」
サクラ『レオンさん……あの』
レオン「やっぱり、やっぱり弱弱しい姿はみんなに見せられない?」
レオン「そうだ。だから、サクラ王女にできることなんてなかったんだよ。ここにいても、白夜にいたとしても」
サクラ『………私は何もできないんです。ただ弱いだけで誰も救えない、そんな人間なんです』
レオン「…………」
サクラ『レオンさん、私には一体何ができたんでしょうか?』
レオン「言ったでしょ、何もできることはなかったって。もう一度言わせないで」
サクラ『………』
レオン「……サクラ王女」
サクラ『なんでしょうか?』
レオン「少しの間だけ耐えてくれないかな」
サクラ『レオンさん?』
レオン「白夜の変化も、白夜が行っていることも、これから僕の考えがまとまるまでの間に起きる出来事も、そのすべてに耐えてくれるかい?」
サクラ『……私に耐えられるでしょうか?』
レオン「耐えられるよ。ここにはツバキもカザハナもいる、あなたを支えてくれる人がいるんだ。だから、そうやって気丈に振舞うのはよそう」
サクラ『レオンさん……あの』
レオン「やっぱり、やっぱり弱弱しい姿はみんなに見せられない?」
851: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/21(月) 23:34:53.83 ID:IeOuF/No0
サクラ『いいえ、あの、さっきの上げてくれた人に姉様とレオンさんが入ってません』
レオン「姉さんはともかくとして、僕はそんな支えるなんて」
サクラ『今支えてくれてるじゃないですか』
レオン「こ、これは捕虜としてサクラ王女を預かってる身だから」
サクラ『ふふっ、大丈夫です。わかってますから』
レオン「そ、そう……ならいいんだけど」
ピタッピタッ ピトッ
サクラ『レオンさん……』
レオン「……どうかした?」
サクラ『私、ツバキさんとカザハナさんにいっぱい甘えてみようと思います』
レオン「そうかい。なら、その間に何か考えてみせるよ。姉さんも力を貸してくれるはずだから」
サクラ『はい、待ってますね。レオンさん……』
レオン「ところで、扉に密着してるのかな?」
サクラ『え、あっ、そのごめんなさい』
レオン「いや、別にいいんだけど」
レオン(ドア一枚隔ててとはいえ、こう距離が近いとわかると、そのなんだか恥ずかしい///)
サクラ(そ、そうですよね。いくらドアがあるって言っても、こんなに声が聞こえる距離に……あわわわ、なんか恥ずかしくなってきました///)
レオン「……落ち着こう」
サクラ『落ち着かないと……』
レオン「姉さんはともかくとして、僕はそんな支えるなんて」
サクラ『今支えてくれてるじゃないですか』
レオン「こ、これは捕虜としてサクラ王女を預かってる身だから」
サクラ『ふふっ、大丈夫です。わかってますから』
レオン「そ、そう……ならいいんだけど」
ピタッピタッ ピトッ
サクラ『レオンさん……』
レオン「……どうかした?」
サクラ『私、ツバキさんとカザハナさんにいっぱい甘えてみようと思います』
レオン「そうかい。なら、その間に何か考えてみせるよ。姉さんも力を貸してくれるはずだから」
サクラ『はい、待ってますね。レオンさん……』
レオン「ところで、扉に密着してるのかな?」
サクラ『え、あっ、そのごめんなさい』
レオン「いや、別にいいんだけど」
レオン(ドア一枚隔ててとはいえ、こう距離が近いとわかると、そのなんだか恥ずかしい///)
サクラ(そ、そうですよね。いくらドアがあるって言っても、こんなに声が聞こえる距離に……あわわわ、なんか恥ずかしくなってきました///)
レオン「……落ち着こう」
サクラ『落ち着かないと……』
852: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/21(月) 23:50:19.90 ID:IeOuF/No0
◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・シュヴァリエ公国―
ウウッ タ、タスケ
ガンズ「がはっはっはっは。死ねぇ、死ねぇ!」
グワアアアアアアア
マクベス「ふん、白夜の軍勢とはどういうものかと思いましたが。この程度とは拍子抜けですね。しかも、ノートルディア公国の騎士たちも、どうやらそのほとんどを取り返したようですな」
ガンズ「へっ、殺せるなら殺しちまえばいい。おらおらおらおら!」
ザシュッ ガシュッ
マクベス「ふむ、シュヴァリエ公国の騎士クリムゾン。この町の制圧はほぼ完遂しました。この程度の兵にやられるようではそこが知れるというものですな。優秀な兵というのは過大評価というものです」
クリムゾン「……」
オッ、オンナノヘイガイルゾ マクベスサマ
マクベス「好きにしていいですよ。その代り、ちゃんと処理をしてください」
サッスガ マクベスサマ ハナシガワカル
ヤメ……テ……
クリムゾン「おい、いくらなんでも、それは」
マクベス「いいのですよ。それに、あなた達の国を救うために我々は来たのですから……。敵の兵をどうしようと我々の勝手というものです」
クリムゾン「……そうだな。助けてもらっておいて、言うことなんてないからな」
マクベス「それでいいのです。さぁ、残りの行き残りを炙り出しますよ。ガンズ、残っている者たちが立てこもっているという建物を襲撃しなさい。私も他の部隊を率いて、逃げようとしたものを仕留めますので」
ガンズ「ええ、マクベス様の命令通りに! おら、ゲパルト兄弟、俺様に付いてきな」
―暗夜王国・シュヴァリエ公国―
ウウッ タ、タスケ
ガンズ「がはっはっはっは。死ねぇ、死ねぇ!」
グワアアアアアアア
マクベス「ふん、白夜の軍勢とはどういうものかと思いましたが。この程度とは拍子抜けですね。しかも、ノートルディア公国の騎士たちも、どうやらそのほとんどを取り返したようですな」
ガンズ「へっ、殺せるなら殺しちまえばいい。おらおらおらおら!」
ザシュッ ガシュッ
マクベス「ふむ、シュヴァリエ公国の騎士クリムゾン。この町の制圧はほぼ完遂しました。この程度の兵にやられるようではそこが知れるというものですな。優秀な兵というのは過大評価というものです」
クリムゾン「……」
オッ、オンナノヘイガイルゾ マクベスサマ
マクベス「好きにしていいですよ。その代り、ちゃんと処理をしてください」
サッスガ マクベスサマ ハナシガワカル
ヤメ……テ……
クリムゾン「おい、いくらなんでも、それは」
マクベス「いいのですよ。それに、あなた達の国を救うために我々は来たのですから……。敵の兵をどうしようと我々の勝手というものです」
クリムゾン「……そうだな。助けてもらっておいて、言うことなんてないからな」
マクベス「それでいいのです。さぁ、残りの行き残りを炙り出しますよ。ガンズ、残っている者たちが立てこもっているという建物を襲撃しなさい。私も他の部隊を率いて、逃げようとしたものを仕留めますので」
ガンズ「ええ、マクベス様の命令通りに! おら、ゲパルト兄弟、俺様に付いてきな」
853: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/22(火) 00:00:44.96 ID:/F89nlqu0
ゲパルトP(パラディン)「ええ、さっさと暗夜に立て付く愚か者を殺しましょう」
ゲパルトS(ソーサラー)「そうですね。ですが、私としては魔法で八つ裂きにしてやりたいところなんだけどね」
ガンズ「へっ、関係ねえよ。見つけ次第殺せばいい。お前たちは楽しそうに人を殺すからなぁ。みてて気分がいいんだよ」
ゲパルトP「はい、もっとすがすがしく殺しますから」
ゲパルトS「それでは行きましょうか、兄さん」
ガンズ「がーっはっはっはっは! 皆殺しだ、殺して殺して殺しまくるぞ!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
クリムゾン「………」
白夜民間人「」
クリムゾン「……間違ってるのかもな。あたしたち」
オラオラオラーーーーー
ザコデスネ
ハハ、ヨクモエル、ヨクモエルヨニイサン
クリムゾン「戦いの糧になる、糧になると信じているのに」
マクベス「一人残らず殺すのです。逃がす必要はありませんのでね」
クリムゾン「…………」ギリッ
「何も見出せないよ。リョウマ……」
休息1 おわり
ゲパルトS(ソーサラー)「そうですね。ですが、私としては魔法で八つ裂きにしてやりたいところなんだけどね」
ガンズ「へっ、関係ねえよ。見つけ次第殺せばいい。お前たちは楽しそうに人を殺すからなぁ。みてて気分がいいんだよ」
ゲパルトP「はい、もっとすがすがしく殺しますから」
ゲパルトS「それでは行きましょうか、兄さん」
ガンズ「がーっはっはっはっは! 皆殺しだ、殺して殺して殺しまくるぞ!」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
クリムゾン「………」
白夜民間人「」
クリムゾン「……間違ってるのかもな。あたしたち」
オラオラオラーーーーー
ザコデスネ
ハハ、ヨクモエル、ヨクモエルヨニイサン
クリムゾン「戦いの糧になる、糧になると信じているのに」
マクベス「一人残らず殺すのです。逃がす必要はありませんのでね」
クリムゾン「…………」ギリッ
「何も見出せないよ。リョウマ……」
休息1 おわり
854: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/22(火) 00:07:49.58 ID:/F89nlqu0
カムイ支援関係
カザハナとの支援がCになりました。
※カムイのみ引き続き、支援をレベルで表記します。
仲間関係の支援
レオンとサクラのイベントが進みました。
オーディンとニュクスのイベントが始まりました。
リリスとゼロの支援がイベントが始まりました。
※試験的に仲間同士はイベントの有無表示にしようと思います。少し続けて、無理そうなら戻す感じです。
カザハナとの支援がCになりました。
※カムイのみ引き続き、支援をレベルで表記します。
仲間関係の支援
レオンとサクラのイベントが進みました。
オーディンとニュクスのイベントが始まりました。
リリスとゼロの支援がイベントが始まりました。
※試験的に仲間同士はイベントの有無表示にしようと思います。少し続けて、無理そうなら戻す感じです。
855: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/22(火) 00:17:42.16 ID:/F89nlqu0
今日はここまでです。ゲパルト兄弟はモブですが、この先それなりに出番があると思います。
ちょっと、支援関係の見直しをしてますが。少し時間がかかりそうです。申し訳ありません。
また安価で今後の展開を決めたいと思います。参加していただけると幸いです。
◇◆◇◆◇
カムイが話をする人物
ベルカ
ゼロ
オーディン
ツバキ
>>857
◇◆◇◆◇
レオンが話をする相手
ツバキ
カザハナ
>>858
◇◆◇◆◇
話をしている組み合わせ
アクア
ジョーカー
ギュンター
フェリシア
フローラ
リリス
ラズワルド
ピエリ
ゼロ
オーディン
カミラ
ベルカ
ルーナ
エリーゼ
ハロルド
エルフィ
サイラス
ニュクス
モズメ
一組目は>>859と>>860
二組目は>>861と>>862
キャラが被った場合は、次の数字のキャラクターに移行しますので、よろしくおねがいしたします。
ちょっと、支援関係の見直しをしてますが。少し時間がかかりそうです。申し訳ありません。
また安価で今後の展開を決めたいと思います。参加していただけると幸いです。
◇◆◇◆◇
カムイが話をする人物
ベルカ
ゼロ
オーディン
ツバキ
>>857
◇◆◇◆◇
レオンが話をする相手
ツバキ
カザハナ
>>858
◇◆◇◆◇
話をしている組み合わせ
アクア
ジョーカー
ギュンター
フェリシア
フローラ
リリス
ラズワルド
ピエリ
ゼロ
オーディン
カミラ
ベルカ
ルーナ
エリーゼ
ハロルド
エルフィ
サイラス
ニュクス
モズメ
一組目は>>859と>>860
二組目は>>861と>>862
キャラが被った場合は、次の数字のキャラクターに移行しますので、よろしくおねがいしたします。
857: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/22(火) 00:33:27.24 ID:kd9GgGlDO
ベルカ
858: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/22(火) 00:54:00.78 ID:JXZgAoSB0
ツバキ
864: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/24(木) 17:09:39.70 ID:Uh9TFPf20
―暗夜王国・北の城塞『小さな小屋』―
フェリシア「よし、紅茶の時間まであと一時間あります! 今日こそ、ちゃんと成功させてみせます!」
フェリシア「え、えっと。まずは……紅茶をいれたことにして、カップを持って……。うん、フェリシア、いきます!」
フェリシア「いい、いいですよ。あとはこのまま……わっわわわわわわ」
ガチャン!
フェリシア「ああっ! カップが割れちゃいました! ど、どうしましょう! 練習用に買った最後の一個だったのに」
ルーナ「騒がしいわね、誰かいるわけ?」
フェリシア「あっ」
ルーナ「あれ、あんたカムイ様の……えっと、フェリシア?」
フェリシア「は、はいい。ごめんなさい、ごめんなさい」
ルーナ「はっ、何いきなり謝ってんのよ? って、これカップ破片一杯散らばってるじゃない」
フェリシア「え、えっと、その……」
ルーナ「……」
フェリシア「……はうう」
ルーナ「これって何か失敗した後なわけ?」
フェリシア「は、はい。お恥ずかしい話、私、全然メイドとしての仕事ができなくて、ここでその紅茶を運ぶ練習をしてたんです」
フェリシア「よし、紅茶の時間まであと一時間あります! 今日こそ、ちゃんと成功させてみせます!」
フェリシア「え、えっと。まずは……紅茶をいれたことにして、カップを持って……。うん、フェリシア、いきます!」
フェリシア「いい、いいですよ。あとはこのまま……わっわわわわわわ」
ガチャン!
フェリシア「ああっ! カップが割れちゃいました! ど、どうしましょう! 練習用に買った最後の一個だったのに」
ルーナ「騒がしいわね、誰かいるわけ?」
フェリシア「あっ」
ルーナ「あれ、あんたカムイ様の……えっと、フェリシア?」
フェリシア「は、はいい。ごめんなさい、ごめんなさい」
ルーナ「はっ、何いきなり謝ってんのよ? って、これカップ破片一杯散らばってるじゃない」
フェリシア「え、えっと、その……」
ルーナ「……」
フェリシア「……はうう」
ルーナ「これって何か失敗した後なわけ?」
フェリシア「は、はい。お恥ずかしい話、私、全然メイドとしての仕事ができなくて、ここでその紅茶を運ぶ練習をしてたんです」
865: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/24(木) 17:20:28.65 ID:Uh9TFPf20
ルーナ「で、始めて早々にカップを割っちゃったわけね。はぁ、噂は聞いてたけど、本当にドジなのね」
フェリシア「ううっ、本当のことなので何も言い返せません」
ルーナ「ふふっ、そう言うことならあたしに任せなさい」
フェリシア「ふぇ?」
ルーナ「あたしがフェリシアの練習相手になってあげるわ」
フェリシア「え、えっと、いいんですか」
ルーナ「いいのよ。べ、別に頑張ってるのが報われないのは可哀そうだからとか、そういうこと思って手伝うって言ってるわけじゃないんだからね、勘違いしないでよ!」
フェリシア「え、えっと、うれしいです。よろしくおねがいします。でも、今練習用に買った最後のカップを割っちゃって……」
ルーナ「なら、あたしが買ったの使っていいわ。ふふん、あたしいっぱいカップ持ってるから、正直使わないものだから割ったって構わないわ、今度持ってきてあげる」
フェリシア「そ、そんな。そこまでしてもらわなくても」
ルーナ「あたしがいいって言ってるの。それともなに、あたしのものは使えないって言いたいわけ?」
フェリシア「そ、そんなことありませんよ!」
ルーナ「なら決まりね」
フェリシア「は、はぁ……」
フェリシア「ううっ、本当のことなので何も言い返せません」
ルーナ「ふふっ、そう言うことならあたしに任せなさい」
フェリシア「ふぇ?」
ルーナ「あたしがフェリシアの練習相手になってあげるわ」
フェリシア「え、えっと、いいんですか」
ルーナ「いいのよ。べ、別に頑張ってるのが報われないのは可哀そうだからとか、そういうこと思って手伝うって言ってるわけじゃないんだからね、勘違いしないでよ!」
フェリシア「え、えっと、うれしいです。よろしくおねがいします。でも、今練習用に買った最後のカップを割っちゃって……」
ルーナ「なら、あたしが買ったの使っていいわ。ふふん、あたしいっぱいカップ持ってるから、正直使わないものだから割ったって構わないわ、今度持ってきてあげる」
フェリシア「そ、そんな。そこまでしてもらわなくても」
ルーナ「あたしがいいって言ってるの。それともなに、あたしのものは使えないって言いたいわけ?」
フェリシア「そ、そんなことありませんよ!」
ルーナ「なら決まりね」
フェリシア「は、はぁ……」
866: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/24(木) 17:29:45.74 ID:Uh9TFPf20
―暗夜王国・北の城塞付近の泉―
アクア「……♪~ ♪~ ……こうして歌うのは久しぶりかもしれないわね」
ザッザッ
ゼロ「……アクア様」
アクア「……何時からそこにいたのかしら? 盗み見なんてあまりほめられたものじゃないわ」
ゼロ「すみません。その聞き入っていたので……」
アクア「そう」
ゼロ「………」
アクア「……」
ゼロ「……」
アクア「えっと、それで何の用かしら?」
ゼロ「そうでした。アクア様、少しおしゃべりしませんか?」
アクア「……え?」
ゼロ「俺がここに来た理由はそれなんです」
アクア「……えっと、その……」
ゼロ「なにか用事でもあるのでしたら、後日でも」
アクア「いいえ。ごめんなさい、話に聞いていた印象と違うから動揺していただけよ。でも、どうして私なんかと話をしたいの?」
ゼロ「そうですね。俺とあなたはどこか似ている、そう思うからです」
アクア「……♪~ ♪~ ……こうして歌うのは久しぶりかもしれないわね」
ザッザッ
ゼロ「……アクア様」
アクア「……何時からそこにいたのかしら? 盗み見なんてあまりほめられたものじゃないわ」
ゼロ「すみません。その聞き入っていたので……」
アクア「そう」
ゼロ「………」
アクア「……」
ゼロ「……」
アクア「えっと、それで何の用かしら?」
ゼロ「そうでした。アクア様、少しおしゃべりしませんか?」
アクア「……え?」
ゼロ「俺がここに来た理由はそれなんです」
アクア「……えっと、その……」
ゼロ「なにか用事でもあるのでしたら、後日でも」
アクア「いいえ。ごめんなさい、話に聞いていた印象と違うから動揺していただけよ。でも、どうして私なんかと話をしたいの?」
ゼロ「そうですね。俺とあなたはどこか似ている、そう思うからです」
867: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/24(木) 17:41:06.15 ID:Uh9TFPf20
アクア「………」
ゼロ「………」
アクア「え?」
ゼロ「そんな嫌そうな顔をしないでくださいよ」
アクア「ごめんなさい。話に聞いてるしゃべり方をしないのは、それが理由なのかしら?」
ゼロ「ええ。俺がいつものように声を掛ける相手は二通りくらいですから」
アクア「二通り?」
ゼロ「ええ、一つは苦労を知らなそうな人、もう一つは人の心に土足で入り込もうとしてくる者」
アクア「そう……。ねぇ、ゼロ」
ゼロ「なんですか、アクア様」
アクア「あなたの話、また今度でもいいかしら?」
ゼロ「正直、すっぱり興味がないといわれるかと思っていたんですが」
アクア「そんなことないわ。それに自分のことをこうやって話してくれるのだから、それに応えないわけにはいかないもの。でも、今は聴けそうにないわ」
ゼロ「その理由だけ、聞かせてもらっても?」
アクア「そうね……耳にしていたあなたの噂と、今の話からが釣り合わない、それだけよ」
ゼロ「ふっ、そうですか。なら、また今度ここにアクア様がいた時、お話させてください」
アクア「ええ、わかったわ」
ゼロ「………」
アクア「え?」
ゼロ「そんな嫌そうな顔をしないでくださいよ」
アクア「ごめんなさい。話に聞いてるしゃべり方をしないのは、それが理由なのかしら?」
ゼロ「ええ。俺がいつものように声を掛ける相手は二通りくらいですから」
アクア「二通り?」
ゼロ「ええ、一つは苦労を知らなそうな人、もう一つは人の心に土足で入り込もうとしてくる者」
アクア「そう……。ねぇ、ゼロ」
ゼロ「なんですか、アクア様」
アクア「あなたの話、また今度でもいいかしら?」
ゼロ「正直、すっぱり興味がないといわれるかと思っていたんですが」
アクア「そんなことないわ。それに自分のことをこうやって話してくれるのだから、それに応えないわけにはいかないもの。でも、今は聴けそうにないわ」
ゼロ「その理由だけ、聞かせてもらっても?」
アクア「そうね……耳にしていたあなたの噂と、今の話からが釣り合わない、それだけよ」
ゼロ「ふっ、そうですか。なら、また今度ここにアクア様がいた時、お話させてください」
アクア「ええ、わかったわ」
870: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/24(木) 22:35:30.27 ID:Uh9TFPf20
―暗夜王国・王都ウィンダム『レオン邸』―
レオン「……せいっ!」ブンッ
レオン「……ふぅ、ツバキに教えられた通りにこなしてみたけど、うまくなってるのかちょっとわからないな」
ツバキ「いやー、前に比べたら見違えるくらいだよー」
レオン「……ツバキ、いるならいると言ってくれないかな?」
ツバキ「集中してるみたいだったんで、声を掛けづらかったんですよー。でも、大丈夫、俺から見ても全然上達してますから」
レオン「そうか、なら時間を掛けた甲斐があるよ。でも、一人でやってもあまり実感がわかないよ。実戦で試しても意味はないだろうし」
ツバキ「うーん、残念だけどそうだね。一瞬の隙を狙える相手だと、すぐにやられちゃうと思う」
レオン「……厳しい意見だけど、重く受け止めとくよ。はぁ、ここに来てまさかもう一度剣を握ることになるなんて、思ってもいなかったけど。こんな感じだったんだ……」
ツバキ「もう一度ってことは、一度離れたってことだよね」
レオン「……そうだね。だから、ツバキには感謝してるよ、一度は離れた場所に戻るのも悪くないから」
ツバキ「なら、その先に行ってみるのも悪くないと俺は思うよ」
レオン「?」
ツバキ「俺が相手をすればレオン王子の腕も上達するはずだよ。レオン王子は筋がいいから」
レオン「何を言い出すかと思えば、煽てたって捕虜のツバキには模擬刀も触らせる気なんてないよ」
ツバキ「そうだね。でも、もしも俺が模擬刀を握れる日が来たら、その時はちゃんと手合わせしてくれるかな?」
レオン「……そうだね。その時が来たらお願いしようかな、悔しいけど一人じゃ限界も感じてるし」
ツバキ「うん、わかったよー」
レオン「……せいっ!」ブンッ
レオン「……ふぅ、ツバキに教えられた通りにこなしてみたけど、うまくなってるのかちょっとわからないな」
ツバキ「いやー、前に比べたら見違えるくらいだよー」
レオン「……ツバキ、いるならいると言ってくれないかな?」
ツバキ「集中してるみたいだったんで、声を掛けづらかったんですよー。でも、大丈夫、俺から見ても全然上達してますから」
レオン「そうか、なら時間を掛けた甲斐があるよ。でも、一人でやってもあまり実感がわかないよ。実戦で試しても意味はないだろうし」
ツバキ「うーん、残念だけどそうだね。一瞬の隙を狙える相手だと、すぐにやられちゃうと思う」
レオン「……厳しい意見だけど、重く受け止めとくよ。はぁ、ここに来てまさかもう一度剣を握ることになるなんて、思ってもいなかったけど。こんな感じだったんだ……」
ツバキ「もう一度ってことは、一度離れたってことだよね」
レオン「……そうだね。だから、ツバキには感謝してるよ、一度は離れた場所に戻るのも悪くないから」
ツバキ「なら、その先に行ってみるのも悪くないと俺は思うよ」
レオン「?」
ツバキ「俺が相手をすればレオン王子の腕も上達するはずだよ。レオン王子は筋がいいから」
レオン「何を言い出すかと思えば、煽てたって捕虜のツバキには模擬刀も触らせる気なんてないよ」
ツバキ「そうだね。でも、もしも俺が模擬刀を握れる日が来たら、その時はちゃんと手合わせしてくれるかな?」
レオン「……そうだね。その時が来たらお願いしようかな、悔しいけど一人じゃ限界も感じてるし」
ツバキ「うん、わかったよー」
871: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/24(木) 22:45:12.00 ID:Uh9TFPf20
レオン「ところで、ツバキ。話は変わるんだけどいいかな?」
ツバキ「何の話かな?」
レオン「白夜のことについてなんだ。ツバキ、君はどう考えているんだい?」
ツバキ「……そうですね。正直、信じたくないって思う反面、そうなっちゃうこともあるのかなって思わないこともないんだ」
レオン「どういうことだい?」
ツバキ「……これは俺の推測だから、サクラ様やカザハナに話さないって約束できるかな?」
レオン「ああ、その約束は守るよ。絶対に」
ツバキ「うん、なら安心して話せるよ」
レオン「これはなるようになったって言っていたけど、ツバキはどうしてそう考えたんだい?」
ツバキ「……白夜王国は大きな戦争が起きたことがないんだ。争いは確かにあるよ、盗賊が村を襲ったりとか、それを粛清する小さな闘いとか、小さいけどこれは争いだからね。でも集落間での争いなんてない。本当に戦争史を書きあげたら真白って言ってもいい場所なんだ」
ツバキ「何の話かな?」
レオン「白夜のことについてなんだ。ツバキ、君はどう考えているんだい?」
ツバキ「……そうですね。正直、信じたくないって思う反面、そうなっちゃうこともあるのかなって思わないこともないんだ」
レオン「どういうことだい?」
ツバキ「……これは俺の推測だから、サクラ様やカザハナに話さないって約束できるかな?」
レオン「ああ、その約束は守るよ。絶対に」
ツバキ「うん、なら安心して話せるよ」
レオン「これはなるようになったって言っていたけど、ツバキはどうしてそう考えたんだい?」
ツバキ「……白夜王国は大きな戦争が起きたことがないんだ。争いは確かにあるよ、盗賊が村を襲ったりとか、それを粛清する小さな闘いとか、小さいけどこれは争いだからね。でも集落間での争いなんてない。本当に戦争史を書きあげたら真白って言ってもいい場所なんだ」
872: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/24(木) 22:56:58.52 ID:Uh9TFPf20
レオン「いいことじゃないか。暗夜の戦争史を作ったらその真逆になるだろうからね。父上が武力で平定した土地は多い、土地の関係上、集落同士の争いだって珍しくない。暗夜王国の領土のほとんどは争いによってもたらされたものだからね」
ツバキ「うん、そう言うと思ってた。でも、そう言うのがなかったから白夜は狂っちゃったんだと俺は思うんだよね」
レオン「?」
ツバキ「白夜は……戦争っていう物事に対してとても無防備だったんだよ。少なくとも俺はそう考えてる」
レオン「……その無防備さっていうのは、起きてしまった出来事に対することだよね?」
ツバキ「理解してくれてうれしいよ。でも、元々あんなことが起きなければ、今日までのことなんて起こり得なかったんだから、暗夜のことを怨んでないなんてことは言えないけどね」
レオン「……ツバキ」
ツバキ「大丈夫、レオン王子が戦争を始めたわけじゃないんだから、そんなに気に病むことはないよー」
レオン「……捕虜に心配されるなんて。僕の立場がないじゃないか」
ツバキ「あはは、そうかもね。まぁ、俺から言えるのはこれくらいだよー」
レオン「……そう、ありがとう。その話、参考にさせてもらうから」
ツバキ「うん、そうしてもらえると助かるかな。それじゃ、俺はこれで」
タタタタタタタッ
レオン「……考えないといけない……か」
ツバキ「うん、そう言うと思ってた。でも、そう言うのがなかったから白夜は狂っちゃったんだと俺は思うんだよね」
レオン「?」
ツバキ「白夜は……戦争っていう物事に対してとても無防備だったんだよ。少なくとも俺はそう考えてる」
レオン「……その無防備さっていうのは、起きてしまった出来事に対することだよね?」
ツバキ「理解してくれてうれしいよ。でも、元々あんなことが起きなければ、今日までのことなんて起こり得なかったんだから、暗夜のことを怨んでないなんてことは言えないけどね」
レオン「……ツバキ」
ツバキ「大丈夫、レオン王子が戦争を始めたわけじゃないんだから、そんなに気に病むことはないよー」
レオン「……捕虜に心配されるなんて。僕の立場がないじゃないか」
ツバキ「あはは、そうかもね。まぁ、俺から言えるのはこれくらいだよー」
レオン「……そう、ありがとう。その話、参考にさせてもらうから」
ツバキ「うん、そうしてもらえると助かるかな。それじゃ、俺はこれで」
タタタタタタタッ
レオン「……考えないといけない……か」
873: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/24(木) 23:07:26.22 ID:Uh9TFPf20
◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・北の城塞『カムイの部屋』―
コンコン
ベルカ「カムイ様」
カムイ「ベルカさんですね。入ってください」
ベルカ「……失礼するわ」
ガチャ バタン
カムイ「すみません、カミラ姉さんの臣下であるあなたに、このような仕事を頼んでしまって」
ベルカ「構わない。それに、カミラ様からもカムイ様の役に立つよう命令を受けているから」
カムイ「そう言ってもらえると助かります。それで、シュヴァリエ公国はあなたの目から見てどうでしたか?」
ベルカ「……白夜軍の掃討は終わったと思って間違いない。……町の中はそうでもないけど、人の寄りつかない森に野晒にされた遺体が多くあった。……女性が多かったわ」
カムイ「……マクベスさん達の報告通り、白夜軍は完膚なきまでに叩き潰されたということですね。……はぁ、きれいごとばかりでは済まされないとはわかっていますが、殺すだけでは飽き足りないのですね」
ベルカ「……私には理解できない。殺すだけで別に構わない。それとも、そうするように命令が出たの?」
カムイ「命令なんていりませんよ。大義名分なんてものは後から付いてくるものですから、ただ、そこにいた人たちがやりたいことをやっただけに過ぎません」
ベルカ「……」
―暗夜王国・北の城塞『カムイの部屋』―
コンコン
ベルカ「カムイ様」
カムイ「ベルカさんですね。入ってください」
ベルカ「……失礼するわ」
ガチャ バタン
カムイ「すみません、カミラ姉さんの臣下であるあなたに、このような仕事を頼んでしまって」
ベルカ「構わない。それに、カミラ様からもカムイ様の役に立つよう命令を受けているから」
カムイ「そう言ってもらえると助かります。それで、シュヴァリエ公国はあなたの目から見てどうでしたか?」
ベルカ「……白夜軍の掃討は終わったと思って間違いない。……町の中はそうでもないけど、人の寄りつかない森に野晒にされた遺体が多くあった。……女性が多かったわ」
カムイ「……マクベスさん達の報告通り、白夜軍は完膚なきまでに叩き潰されたということですね。……はぁ、きれいごとばかりでは済まされないとはわかっていますが、殺すだけでは飽き足りないのですね」
ベルカ「……私には理解できない。殺すだけで別に構わない。それとも、そうするように命令が出たの?」
カムイ「命令なんていりませんよ。大義名分なんてものは後から付いてくるものですから、ただ、そこにいた人たちがやりたいことをやっただけに過ぎません」
ベルカ「……」
874: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/24(木) 23:18:23.54 ID:Uh9TFPf20
カムイ「……ごめんなさい。隠密としてのあなたの腕を見込んで視察を頼みましたが……辛いものを見せてしまったようです」
ベルカ「命令だから、あと視察に関する話は終わってないから」
カムイ「……フリージアのことでしたね。スズメさんと他の方々の様子はどうでしたか?」
ベルカ「暗夜の地に慣れていないことよりも、シュヴァリエ公国で白夜兵が皆殺しにされたという知らせが応えてるみたい。でも、スズメができる限りフォローに回ってるおかげで、大きな混乱はないようだから」
カムイ「スズメさんもそうですが、クーリアさんがあの方々を受け入れてくれたことがありがたかったです。それにベルカさんがそう言うのなら、しばらく心配はいりませんね」
ベルカ「……私の意見なんて、あまり参考にならない」
カムイ「でも、ベルカさんからは問題が無いように見えたんですよね?」
ベルカ「……ええ」
カムイ「なら良かった」ナデナデ
ベルカ「……? なんで頭を撫でる?」
カムイ「いえ、嫌でしたか?」
ベルカ「……カミラ様も、時々頭を撫でてくる。私にはよくわからない」
カムイ「わからないとは?」
ベルカ「……依頼を遂行するのは当然のこと、依頼を遂行できないようなら私に生きている価値なんてないわ。依頼を達成することは……私にとって普通のことよ。だから完遂したことで頭を撫でられる意味がわからない」
カムイ「……なら、これは私がベルカさんにへの追加報酬だと思ってください」
ベルカ「命令だから、あと視察に関する話は終わってないから」
カムイ「……フリージアのことでしたね。スズメさんと他の方々の様子はどうでしたか?」
ベルカ「暗夜の地に慣れていないことよりも、シュヴァリエ公国で白夜兵が皆殺しにされたという知らせが応えてるみたい。でも、スズメができる限りフォローに回ってるおかげで、大きな混乱はないようだから」
カムイ「スズメさんもそうですが、クーリアさんがあの方々を受け入れてくれたことがありがたかったです。それにベルカさんがそう言うのなら、しばらく心配はいりませんね」
ベルカ「……私の意見なんて、あまり参考にならない」
カムイ「でも、ベルカさんからは問題が無いように見えたんですよね?」
ベルカ「……ええ」
カムイ「なら良かった」ナデナデ
ベルカ「……? なんで頭を撫でる?」
カムイ「いえ、嫌でしたか?」
ベルカ「……カミラ様も、時々頭を撫でてくる。私にはよくわからない」
カムイ「わからないとは?」
ベルカ「……依頼を遂行するのは当然のこと、依頼を遂行できないようなら私に生きている価値なんてないわ。依頼を達成することは……私にとって普通のことよ。だから完遂したことで頭を撫でられる意味がわからない」
カムイ「……なら、これは私がベルカさんにへの追加報酬だと思ってください」
875: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/24(木) 23:30:16.98 ID:Uh9TFPf20
ベルカ「……そう、なら十分貰ったわ。手を放してくれる?」
カムイ「そうですか。うーん、もう少し触りたいんですけど……。そうです」
ベルカ「?」
カムイ「ベルカさん、顔を触らせてもらってもいいですか?」
ベルカ「……嫌よ」
カムイ「では、命令です。ベルカさん、私に顔を触らせてください」
ベルカ「………」
カムイ「いいじゃないですか、減るものじゃありませんし」
ベルカ「……本当におかしな人ね、カミラ様から聞いた通りだなんて思わなかったけど、命令なら従うしかないから」
カムイ「はい、ありがとうございます」ピトッ
ベルカ「……」
カムイ「……」ペタペタ
ベルカ「……」
カムイ(あまり顔は反応がないですね……)
ベルカ「………」
カムイ「……」ススッ
ベルカ「っ……」
カムイ「首筋、気持ちがいいんですか?」
ベルカ「……ちがうわ」
カムイ「でも」サワサワ
ベルカ「っ……!」
カムイ「ふふっ、息を殺してますね。どうして、そんなに強く息を殺してるんですか?」
ベルカ「……っん。っ……」
カムイ「首の弱い方は他にもいましたけど、こうやって強情に耐えるのはベルカさんが初めてですね。ちょっと、声を上げさせたくなってきました」サワサワシュッシュ
ベルカ「――っ、はっぁ」
カムイ「………ふふっ、カミラ姉さんがベルカさんを可愛がっている理由が、なんだかわかります」
ベルカ「……っ。もう、いい?」
カムイ「はい、堪能させてもらいましたから」スッ
ベルカ「……意味がわからないわ。どうしてこんな意味のないことするのか」
カムイ「意味があるかないかは私が決めることです、とても有意義な時間でしたよ」ナデナデ
ベルカ「なんで、また頭を」
カムイ「命令に従ってくれた追加報酬です。それだけですよ」
ベルカ「………そう」
カムイ「はい、ただそれだけですから。シュヴァリエ公国とフリージアについての報告、ありがとうございます。そして、無事に戻って来てくれてよかったです」ナデナデ
カムイ「そうですか。うーん、もう少し触りたいんですけど……。そうです」
ベルカ「?」
カムイ「ベルカさん、顔を触らせてもらってもいいですか?」
ベルカ「……嫌よ」
カムイ「では、命令です。ベルカさん、私に顔を触らせてください」
ベルカ「………」
カムイ「いいじゃないですか、減るものじゃありませんし」
ベルカ「……本当におかしな人ね、カミラ様から聞いた通りだなんて思わなかったけど、命令なら従うしかないから」
カムイ「はい、ありがとうございます」ピトッ
ベルカ「……」
カムイ「……」ペタペタ
ベルカ「……」
カムイ(あまり顔は反応がないですね……)
ベルカ「………」
カムイ「……」ススッ
ベルカ「っ……」
カムイ「首筋、気持ちがいいんですか?」
ベルカ「……ちがうわ」
カムイ「でも」サワサワ
ベルカ「っ……!」
カムイ「ふふっ、息を殺してますね。どうして、そんなに強く息を殺してるんですか?」
ベルカ「……っん。っ……」
カムイ「首の弱い方は他にもいましたけど、こうやって強情に耐えるのはベルカさんが初めてですね。ちょっと、声を上げさせたくなってきました」サワサワシュッシュ
ベルカ「――っ、はっぁ」
カムイ「………ふふっ、カミラ姉さんがベルカさんを可愛がっている理由が、なんだかわかります」
ベルカ「……っ。もう、いい?」
カムイ「はい、堪能させてもらいましたから」スッ
ベルカ「……意味がわからないわ。どうしてこんな意味のないことするのか」
カムイ「意味があるかないかは私が決めることです、とても有意義な時間でしたよ」ナデナデ
ベルカ「なんで、また頭を」
カムイ「命令に従ってくれた追加報酬です。それだけですよ」
ベルカ「………そう」
カムイ「はい、ただそれだけですから。シュヴァリエ公国とフリージアについての報告、ありがとうございます。そして、無事に戻って来てくれてよかったです」ナデナデ
876: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/24(木) 23:42:32.52 ID:Uh9TFPf20
◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・クラーケンシュタイン城『来客室へと続く廊下』―
カムイ「私に客人なんて、珍しいこともあるんですね」
マークス「珍しいことではない。先の戦い、暗夜王国を駆け巡り、ほぼすべての地域を防衛、解放してきたお前と話をしたいというものはいないわけではないからな。むしろ、この先は増えるかもしれん」
カムイ「私はできる限りのことをしただけ、あと皆が命令通りにこなしてくれたからこそです。それにマークス兄さんなら、もっとうまく出来たかもしれません」
マークス「それはわからないさ。カムイ、今回のことは誇るべきだ、お前は暗夜の危機を防いだのだからな」
カムイ「そうだといいんですけどね」
マークス「まだ白夜との戦争は続いている故、気を抜くことはできない。しかし、お前が成し遂げたことは誇れるべきものであることは間違いない。この私が保証しよう」
カムイ「ありがとうございます、マークス兄さん」
マークス「ここが来客室だ。私はこれより軍議に向かわねばならないが……。話ではお前も知っている者が来ているそうだ」
カムイ「私の知っている人ですか?」
マークス「ああ、ではな」
カムイ「はい、頑張って来てください。マークス兄さん」
カムイ(私の知っている人……一体誰でしょうか?)
ガチャ
カムイ「すみません、お待たせしてしまったようです」
???「はは、少し待たせてもらったよ、カムイ」
―暗夜王国・クラーケンシュタイン城『来客室へと続く廊下』―
カムイ「私に客人なんて、珍しいこともあるんですね」
マークス「珍しいことではない。先の戦い、暗夜王国を駆け巡り、ほぼすべての地域を防衛、解放してきたお前と話をしたいというものはいないわけではないからな。むしろ、この先は増えるかもしれん」
カムイ「私はできる限りのことをしただけ、あと皆が命令通りにこなしてくれたからこそです。それにマークス兄さんなら、もっとうまく出来たかもしれません」
マークス「それはわからないさ。カムイ、今回のことは誇るべきだ、お前は暗夜の危機を防いだのだからな」
カムイ「そうだといいんですけどね」
マークス「まだ白夜との戦争は続いている故、気を抜くことはできない。しかし、お前が成し遂げたことは誇れるべきものであることは間違いない。この私が保証しよう」
カムイ「ありがとうございます、マークス兄さん」
マークス「ここが来客室だ。私はこれより軍議に向かわねばならないが……。話ではお前も知っている者が来ているそうだ」
カムイ「私の知っている人ですか?」
マークス「ああ、ではな」
カムイ「はい、頑張って来てください。マークス兄さん」
カムイ(私の知っている人……一体誰でしょうか?)
ガチャ
カムイ「すみません、お待たせしてしまったようです」
???「はは、少し待たせてもらったよ、カムイ」
877: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/24(木) 23:53:18.96 ID:Uh9TFPf20
カムイ「……この声、クリムゾンさんですか?」
クリムゾン「良くわかったね。あまり話してなかったと思ったんだけど、覚えててくれてうれしいよ」
カムイ「いえ、その節は先導してくださってありがとうございます」
クリムゾン「いいって、協力するのは当然のことだからさ」
カムイ「帰還したマクベスさんから報告はいただいています。シュヴァリエ公国の奪還の方、無事に済んだようですね」
クリムゾン「…………」
カムイ「どうしました?」
クリムゾン「あ、いや、ごめんよ。すぐにこっちに向かってきたからさ、ちょっと疲れてるだけだから、気にしないで」
カムイ「そうですか。それにしても、なぜ私を訪ねてきたんですか。シュヴァリエを開放したのはマクベスさん率いる正騎兵の方たちでしたが」
クリムゾン「ははっ、カムイがマカラスを開放してくれたおかげで道が開けたんだ。だから私は正規兵よりもカムイ王女の遊撃隊の方に礼を言いたくてね」
カムイ「そうですか。ふふっ、わざわざありがとうございます」
クリムゾン「まいったね。私が礼を言いに来たのに、礼を言われてばっかりじゃん。まぁいいや、少し暗夜王国に滞在することになってるから、礼はいつでもいいよね」
カムイ「少しの間、滞在される予定なんですか?」
クリムゾン「ああ、そうさ。まぁ、カムイと接点が無かったら、この滞在も叶わなかっただろうしね」
カムイ「ふふっ、そうですか。それで、どこに泊まる予定なんですか?」
クリムゾン「ん、決まってないよ。まぁお忍びってわけでもないけど、突然来たようなものだし、いきなり頼むのもあれだし。まぁ、野宿には慣れてるからさ」
カムイ「……そうですね。あの、クリムゾンさん」
クリムゾン「ん? なんだい」
「よろしければ、私の住む城塞に来てみませんか? ふかふかのベッドをご用意できるかもしれません」
休息2 おわり
クリムゾン「良くわかったね。あまり話してなかったと思ったんだけど、覚えててくれてうれしいよ」
カムイ「いえ、その節は先導してくださってありがとうございます」
クリムゾン「いいって、協力するのは当然のことだからさ」
カムイ「帰還したマクベスさんから報告はいただいています。シュヴァリエ公国の奪還の方、無事に済んだようですね」
クリムゾン「…………」
カムイ「どうしました?」
クリムゾン「あ、いや、ごめんよ。すぐにこっちに向かってきたからさ、ちょっと疲れてるだけだから、気にしないで」
カムイ「そうですか。それにしても、なぜ私を訪ねてきたんですか。シュヴァリエを開放したのはマクベスさん率いる正騎兵の方たちでしたが」
クリムゾン「ははっ、カムイがマカラスを開放してくれたおかげで道が開けたんだ。だから私は正規兵よりもカムイ王女の遊撃隊の方に礼を言いたくてね」
カムイ「そうですか。ふふっ、わざわざありがとうございます」
クリムゾン「まいったね。私が礼を言いに来たのに、礼を言われてばっかりじゃん。まぁいいや、少し暗夜王国に滞在することになってるから、礼はいつでもいいよね」
カムイ「少しの間、滞在される予定なんですか?」
クリムゾン「ああ、そうさ。まぁ、カムイと接点が無かったら、この滞在も叶わなかっただろうしね」
カムイ「ふふっ、そうですか。それで、どこに泊まる予定なんですか?」
クリムゾン「ん、決まってないよ。まぁお忍びってわけでもないけど、突然来たようなものだし、いきなり頼むのもあれだし。まぁ、野宿には慣れてるからさ」
カムイ「……そうですね。あの、クリムゾンさん」
クリムゾン「ん? なんだい」
「よろしければ、私の住む城塞に来てみませんか? ふかふかのベッドをご用意できるかもしれません」
休息2 おわり
878: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/24(木) 23:58:11.83 ID:Uh9TFPf20
●カムイの支援一覧○
―対の存在―
アクアB+ 弱点:不明
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)
―城塞の人々―
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
ギュンターC+
(恋愛小説の朗読を頼まれています)
フェリシアC 弱点:口
(イベントは起きていません)
フローラC 弱点:口
(イベントは起きていません)
リリスB
(一緒に眠ったことがあります)
―暗夜第一王子マークス―
マークスC+
(イベントは起きていません)
ラズワルドC 弱点:不明
(あなたを守るといわれています)
ピエリC 弱点:前髪に隠れた瞳
(今度はカムイの弱点を探ってみせると息巻いています)
―暗夜第二王子レオン―
レオンC+
(イベントは起きていません)
オーディンC
(イベントは起きていません)
ゼロC
(イベントは起きていません)
―暗夜第一王女カミラ―
カミラB
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ルーナC+
(目を失ったことに関する話をしています)
ベルカC→C+ 弱点:首筋
(イベントは起きてません)
―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼB
(イベントは起きていません)
ハロルドB 弱点:喉仏
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィC 弱点:横首筋
(イベントは起きていません)
―白夜第二王女サクラ―
サクラC+
(イベントは起きていません)
カザハナC 弱点:眼尻
(イベントは起きていません)
ツバキD+
(イベントは起きていません)
―カムイに力を貸すもの―
サイラスB 弱点:首裏
(イベントは起きていません)
ニュクスB 弱点:おでこ
(イベントは起きていません)
モズメC+ 弱点:耳裏
(イベントは起きていません)
―カムイと絆を維持する者―
リンカC+ 弱点:顎先
(イベントは起きていません)
―対の存在―
アクアB+ 弱点:不明
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)
―城塞の人々―
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
ギュンターC+
(恋愛小説の朗読を頼まれています)
フェリシアC 弱点:口
(イベントは起きていません)
フローラC 弱点:口
(イベントは起きていません)
リリスB
(一緒に眠ったことがあります)
―暗夜第一王子マークス―
マークスC+
(イベントは起きていません)
ラズワルドC 弱点:不明
(あなたを守るといわれています)
ピエリC 弱点:前髪に隠れた瞳
(今度はカムイの弱点を探ってみせると息巻いています)
―暗夜第二王子レオン―
レオンC+
(イベントは起きていません)
オーディンC
(イベントは起きていません)
ゼロC
(イベントは起きていません)
―暗夜第一王女カミラ―
カミラB
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ルーナC+
(目を失ったことに関する話をしています)
ベルカC→C+ 弱点:首筋
(イベントは起きてません)
―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼB
(イベントは起きていません)
ハロルドB 弱点:喉仏
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィC 弱点:横首筋
(イベントは起きていません)
―白夜第二王女サクラ―
サクラC+
(イベントは起きていません)
カザハナC 弱点:眼尻
(イベントは起きていません)
ツバキD+
(イベントは起きていません)
―カムイに力を貸すもの―
サイラスB 弱点:首裏
(イベントは起きていません)
ニュクスB 弱点:おでこ
(イベントは起きていません)
モズメC+ 弱点:耳裏
(イベントは起きていません)
―カムイと絆を維持する者―
リンカC+ 弱点:顎先
(イベントは起きていません)
879: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/25(金) 00:04:29.59 ID:HfCVHfD/0
●仲間間支援状況○
・新規発生イベント
アクアとゼロのイベント(似た者同士)が始まりました。
ルーナとフェリシアのイベント(努力はいずれ……)が始まりました。
・進行したイベント
レオンとツバキのイベント(剣を手に)がBになりました。
・新規発生イベント
アクアとゼロのイベント(似た者同士)が始まりました。
ルーナとフェリシアのイベント(努力はいずれ……)が始まりました。
・進行したイベント
レオンとツバキのイベント(剣を手に)がBになりました。
880: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/25(金) 00:25:10.31 ID:HfCVHfD/0
今日はここまでです。すこし、支援関係を試行錯誤していますので、コロコロかわったりして申し訳ありません。
今回も新しい試みをしてみようと思いますので、すみませんがよろしくお願いいたします。
また安価で今後の展開を決めたいと思います。参加していただけると幸いです。
◇◆◇◆◇
カムイが話をする人物
ゼロ
オーディン
ツバキ
>>882
◇◆◇◆◇
話をしている組み合わせ
アクア
ジョーカー
ギュンター
フェリシア
フローラ
リリス
ラズワルド
ピエリ
ゼロ
オーディン
カミラ
ベルカ
ルーナ
エリーゼ
ハロルド
エルフィ
サイラス
ニュクス
モズメ
リンカ
一組目は>>883と>>884(すでにイベントが発生しているキャラクターで起きた場合は、イベントが進行します)
◇◆◇◆◇
進行する異性間イベント
1アクア×ゼロ(似た者同士)C
2ジョーカー×フローラ(頼れる影)C
3ラズワルド×リリス(和解の紅茶)C
4ゼロ×リリス(疑惑と買い物)C
5ラズワルド×ルーナ(異界に至っても)C
6ラズワルド×エリーゼ(暗夜尾行コンビ・ラズーゼ)C
7オーディン×ニュクス(魔術の手伝い)C
8サイラス×エルフィ(昔のままではいられない)C
9モズメ×ハロルド(鍛練!鍛練!鍛練!)C
この中から一つ >>885(話をしている組み合わせと被った場合は、そのかぶったものの一つ下の数字になります)
◇◆◇◆◇
進行する同性間イベント
1ジョーカー×ハロルド(不運の暇つぶし)C
2フェリシア×ルーナ(努力はいずれ)C
3フェリシア×エルフィ(傷つかぬ盾)C
4フローラ×エルフィ(不器用の恩返し)C
5ピエリ×リリス(守られる盾と剣)C
6ピエリ×カミラ(世界にそれは一人だけ)C
7エルフィ×モズメ(悩みの種が芽吹くまで)C
この中から一つ >>886(話をしている組み合わせと被った場合は、そのかぶったものの一つ下の数字になります)
今回も新しい試みをしてみようと思いますので、すみませんがよろしくお願いいたします。
また安価で今後の展開を決めたいと思います。参加していただけると幸いです。
◇◆◇◆◇
カムイが話をする人物
ゼロ
オーディン
ツバキ
>>882
◇◆◇◆◇
話をしている組み合わせ
アクア
ジョーカー
ギュンター
フェリシア
フローラ
リリス
ラズワルド
ピエリ
ゼロ
オーディン
カミラ
ベルカ
ルーナ
エリーゼ
ハロルド
エルフィ
サイラス
ニュクス
モズメ
リンカ
一組目は>>883と>>884(すでにイベントが発生しているキャラクターで起きた場合は、イベントが進行します)
◇◆◇◆◇
進行する異性間イベント
1アクア×ゼロ(似た者同士)C
2ジョーカー×フローラ(頼れる影)C
3ラズワルド×リリス(和解の紅茶)C
4ゼロ×リリス(疑惑と買い物)C
5ラズワルド×ルーナ(異界に至っても)C
6ラズワルド×エリーゼ(暗夜尾行コンビ・ラズーゼ)C
7オーディン×ニュクス(魔術の手伝い)C
8サイラス×エルフィ(昔のままではいられない)C
9モズメ×ハロルド(鍛練!鍛練!鍛練!)C
この中から一つ >>885(話をしている組み合わせと被った場合は、そのかぶったものの一つ下の数字になります)
◇◆◇◆◇
進行する同性間イベント
1ジョーカー×ハロルド(不運の暇つぶし)C
2フェリシア×ルーナ(努力はいずれ)C
3フェリシア×エルフィ(傷つかぬ盾)C
4フローラ×エルフィ(不器用の恩返し)C
5ピエリ×リリス(守られる盾と剣)C
6ピエリ×カミラ(世界にそれは一人だけ)C
7エルフィ×モズメ(悩みの種が芽吹くまで)C
この中から一つ >>886(話をしている組み合わせと被った場合は、そのかぶったものの一つ下の数字になります)
882: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/25(金) 00:33:18.73 ID:vXhwfrIr0
おっつおっつ!
安価ならゼロでおなしゃす
安価ならゼロでおなしゃす
883: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/25(金) 00:34:45.89 ID:oTercW5OO
乙
リンカ
リンカ
884: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/25(金) 00:37:06.78 ID:Gz/BKmUQ0
アクア
885: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/25(金) 00:45:45.50 ID:LIm2/noVo
3
クリムゾンがクリムゾンされてしまう
クリムゾンがクリムゾンされてしまう
886: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/25(金) 00:47:28.28 ID:+KzdAcrs0
2
888: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/25(金) 22:30:45.49 ID:HfCVHfD/0
◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・北の城塞大広間―
リンカ「アクア、少しいいか?」
アクア「あら、リンカ。あなたから声を掛けてくるなんて珍しいわね、それも私なんかに」
リンカ「……用があるから声を掛けてるだけだ。それとも今から何か用でもあるのか?」
アクア「いいえ、特にないわ」
リンカ「そうか、なら、アクア。お前はどうしてそう切り替えられるんだ?」
アクア「ごめんなさい、その言っていることの意味がよくわからないのだけど?」
リンカ「……すまなかった、言葉が足りなかったようだ。あたしが聞いてるのは、アクアは輪に入ったり出たりを繰り返しているのに、どちらへもすぐに切り返しが出来ていると思ってな」
アクア「輪の中……もしかして人のことかしら」
リンカ「そうだ。確かにあたしはもう炎の部族の人間ではないが、未だ孤高でありたいとは思ってる。だが、ここに来てからはあまり一人ではいられることも少なくなった。その所為もあって、この頃は一人でいることに違和感を覚えるほどになってきてる」
アクア「そう。でもいいんじゃないかしら? そうやって変わっていくことに不思議なことはないんだし、むしろリンカが打ち解けているようにも思えるわ」
リンカ「……そうだ。打ち解けてることに関しては……悪くないと思ってる」
―暗夜王国・北の城塞大広間―
リンカ「アクア、少しいいか?」
アクア「あら、リンカ。あなたから声を掛けてくるなんて珍しいわね、それも私なんかに」
リンカ「……用があるから声を掛けてるだけだ。それとも今から何か用でもあるのか?」
アクア「いいえ、特にないわ」
リンカ「そうか、なら、アクア。お前はどうしてそう切り替えられるんだ?」
アクア「ごめんなさい、その言っていることの意味がよくわからないのだけど?」
リンカ「……すまなかった、言葉が足りなかったようだ。あたしが聞いてるのは、アクアは輪に入ったり出たりを繰り返しているのに、どちらへもすぐに切り返しが出来ていると思ってな」
アクア「輪の中……もしかして人のことかしら」
リンカ「そうだ。確かにあたしはもう炎の部族の人間ではないが、未だ孤高でありたいとは思ってる。だが、ここに来てからはあまり一人ではいられることも少なくなった。その所為もあって、この頃は一人でいることに違和感を覚えるほどになってきてる」
アクア「そう。でもいいんじゃないかしら? そうやって変わっていくことに不思議なことはないんだし、むしろリンカが打ち解けているようにも思えるわ」
リンカ「……そうだ。打ち解けてることに関しては……悪くないと思ってる」
889: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/25(金) 22:40:45.17 ID:HfCVHfD/0
アクア「なら」
リンカ「でも、やはりあたしは心のどこかで孤高でありたいと願っているのさ」
アクア「………」
リンカ「だが、この環境を悪くないと思っているあたしがいる以上、あたしはそっちのあたしも認めてやりたい。だからアクアみたいに切り替えができたらと思ってな」
アクア「そう、そう言うことね。残念だけどリンカ、それはあなたには難しいと思うわ」
リンカ「な、なんだと」
アクア「ええ、悪いことは言わないわ。このまま打ち解けてしまったほうがいいと思う」
リンカ「くっ、あたしでは力不足という意味なのか?」
アクア「いいえ。どちらかといえば、あなたの性格を思うにそう言うことはできないと思うからよ」
リンカ「ど、どういう意味だ? 孤高を目指すあたしと、打ち解けようとしているあたし、二つに手を伸ばしているから無理だというのか?」
アクア「そういうことじゃないの……。そうね、リンカ、今度あなたにそのことに関する問いかけをしてあげる」
リンカ「問いかけ? その結果があたしに切り替えができないという証明になるというのか?」
アクア「ええ、少なくとも。リンカはこういった切り替えをするには向いてないってことは証明できると思うわ」
リンカ「……わかった。アクアのその問いかけを待つよ」
アクア「ええ、ありがとう。それじゃ近いうちにね」
リンカ「ああ……」
リンカ「でも、やはりあたしは心のどこかで孤高でありたいと願っているのさ」
アクア「………」
リンカ「だが、この環境を悪くないと思っているあたしがいる以上、あたしはそっちのあたしも認めてやりたい。だからアクアみたいに切り替えができたらと思ってな」
アクア「そう、そう言うことね。残念だけどリンカ、それはあなたには難しいと思うわ」
リンカ「な、なんだと」
アクア「ええ、悪いことは言わないわ。このまま打ち解けてしまったほうがいいと思う」
リンカ「くっ、あたしでは力不足という意味なのか?」
アクア「いいえ。どちらかといえば、あなたの性格を思うにそう言うことはできないと思うからよ」
リンカ「ど、どういう意味だ? 孤高を目指すあたしと、打ち解けようとしているあたし、二つに手を伸ばしているから無理だというのか?」
アクア「そういうことじゃないの……。そうね、リンカ、今度あなたにそのことに関する問いかけをしてあげる」
リンカ「問いかけ? その結果があたしに切り替えができないという証明になるというのか?」
アクア「ええ、少なくとも。リンカはこういった切り替えをするには向いてないってことは証明できると思うわ」
リンカ「……わかった。アクアのその問いかけを待つよ」
アクア「ええ、ありがとう。それじゃ近いうちにね」
リンカ「ああ……」
890: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/25(金) 22:50:50.89 ID:HfCVHfD/0
―北の城塞『小さな小屋』―
ガシャン!
ルーナ「………」
フェリシア「ま、またやっちゃいました……」
ルーナ「ねぇフェリシア、あたしがここでカムイ様役として座ってから何個目のカップよ、それ」
フェリシア「え、えっと……十二個目でしたか?」
ルーナ「十五個目よ! ちょっと、流石にこれはどうかと思うわ」
フェリシア「ごめんなさい! ごめんなさい!」
ルーナ「カップはあるって言ったけど、これじゃいくつあっても足りなくなっちゃうわ」
フェリシア「そ、その。私、頑張りますから。その……」
ルーナ「うん、そのがんばる努力するっていう熱意だけは褒めたいんだけど、こうも空振りする人を見るのは初めてかもしれないわ。だって、まだカップに何も注いでないのよ。なのに突然、カップが宙を舞うくらいに躓くって……ある意味天才的よ」
フェリシア「ううっ。失敗しないように注意してるんです。でも、うまくいかないんです。毎日ジョーカーさんや姉さんの手間を増やしてばっかりで」
ルーナ「……はぁ、仕方無いいわね。ちょっと休憩しましょう」
フェリシア「だ、大丈夫です。まだ頑張れますから!」
ルーナ「いいから言うこと聞きなさい。それに、こんなにカップの破片が散らばった場所で練習したって良いことないわ」
フェリシア「は、はい……」
ガシャン!
ルーナ「………」
フェリシア「ま、またやっちゃいました……」
ルーナ「ねぇフェリシア、あたしがここでカムイ様役として座ってから何個目のカップよ、それ」
フェリシア「え、えっと……十二個目でしたか?」
ルーナ「十五個目よ! ちょっと、流石にこれはどうかと思うわ」
フェリシア「ごめんなさい! ごめんなさい!」
ルーナ「カップはあるって言ったけど、これじゃいくつあっても足りなくなっちゃうわ」
フェリシア「そ、その。私、頑張りますから。その……」
ルーナ「うん、そのがんばる努力するっていう熱意だけは褒めたいんだけど、こうも空振りする人を見るのは初めてかもしれないわ。だって、まだカップに何も注いでないのよ。なのに突然、カップが宙を舞うくらいに躓くって……ある意味天才的よ」
フェリシア「ううっ。失敗しないように注意してるんです。でも、うまくいかないんです。毎日ジョーカーさんや姉さんの手間を増やしてばっかりで」
ルーナ「……はぁ、仕方無いいわね。ちょっと休憩しましょう」
フェリシア「だ、大丈夫です。まだ頑張れますから!」
ルーナ「いいから言うこと聞きなさい。それに、こんなにカップの破片が散らばった場所で練習したって良いことないわ」
フェリシア「は、はい……」
891: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/25(金) 23:02:26.90 ID:HfCVHfD/0
ルーナ「フェリシア、いつも失敗したらどうしようとか、そんなこと考えてない?」
フェリシア「そ、それはそうですよ。失敗したら皆さんに迷惑をかけちゃいますから、だから失敗しないようにいっぱい集中してるんです」
ルーナ「やっぱりね。まったく、そんなに肩肘張ってたらできるものもできないわよ」モミモミ
フェリシア「だ、大丈夫ですよ。肩なんて揉んでもらわなくても」
ルーナ「いいのよ。いっぱい溜まってたカップをもらってくれたお礼みたいなものだから……。あたしもね、こうやって肩肘張っちゃうことがあるの。だからあんたの悩みがわからないわけじゃないわ」
フェリシア「ルーナさんにも、そんなことあるんですか?」
ルーナ「そうよ、実戦の時なんて特にね。あたしのミスで誰かが死んじゃうかもしれない。そう考えると肩肘に力が入って、いつもより動けなくなっちゃう、本当はそんなことあっちゃいけないんだけどね。つまり、フェリシアがよくドジするのはそれが原因だってあたしは思うのよ。あたしが言うんだから間違いないわ」
フェリシア「……そ、そうなんでしょうか?」
ルーナ「そうよ、だから次の練習の時はやりたいようにやってみなさい。大丈夫、絶対うまくいくんだから、あたしを信じなさい」
フェリシア「はい、ルーナさんを信じてみますね。よーし、私頑張っちゃいます!」
ルーナ(……元気が出てのはいいけどど、新しいカップ用意しなくちゃまずいわね。まさか、持ってきた半分を割られるなんて思わなかったわ)
フェリシア「そ、それはそうですよ。失敗したら皆さんに迷惑をかけちゃいますから、だから失敗しないようにいっぱい集中してるんです」
ルーナ「やっぱりね。まったく、そんなに肩肘張ってたらできるものもできないわよ」モミモミ
フェリシア「だ、大丈夫ですよ。肩なんて揉んでもらわなくても」
ルーナ「いいのよ。いっぱい溜まってたカップをもらってくれたお礼みたいなものだから……。あたしもね、こうやって肩肘張っちゃうことがあるの。だからあんたの悩みがわからないわけじゃないわ」
フェリシア「ルーナさんにも、そんなことあるんですか?」
ルーナ「そうよ、実戦の時なんて特にね。あたしのミスで誰かが死んじゃうかもしれない。そう考えると肩肘に力が入って、いつもより動けなくなっちゃう、本当はそんなことあっちゃいけないんだけどね。つまり、フェリシアがよくドジするのはそれが原因だってあたしは思うのよ。あたしが言うんだから間違いないわ」
フェリシア「……そ、そうなんでしょうか?」
ルーナ「そうよ、だから次の練習の時はやりたいようにやってみなさい。大丈夫、絶対うまくいくんだから、あたしを信じなさい」
フェリシア「はい、ルーナさんを信じてみますね。よーし、私頑張っちゃいます!」
ルーナ(……元気が出てのはいいけどど、新しいカップ用意しなくちゃまずいわね。まさか、持ってきた半分を割られるなんて思わなかったわ)
892: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/25(金) 23:12:09.18 ID:HfCVHfD/0
―暗夜王国・王都ウィンダム『地下街』―
リリス「確かここら辺で待ち合わせでしたけど、少し時間がありますね」
ラズワルド「やあ、奇遇だね。こんなところで会うなんてさ」
リリス「あれ、ラズワルドさん。本当にこんなところで会うなんて、何しに来てるんですか?」
ラズワルド「うん、ちょっと用事でね。そうだ、時間があるなら、近くでお茶しない? 地下街でおいしいお店を見つけたんだ」
リリス「ふふっ、今日はその口説き文句で何人に振られたんですか? 五人ですか、十人ですか、もっと多いんですか?」
ラズワルド「……ぐっ、痛い所を突くよね、リリスは。だからさ、僕のためにお茶しない?」
リリス「ごめんなさい。ラズワルドさんの連敗記録に箔をつけるためにお断りさせてもらいますね」
ラズワルド「ええっ、まだ負け続けるの。正直、そろそろお情けでもいいから白星がほしいところなんだけど」
リリス「駄目です。お情けでもらった白星に意味なんてありませんから。ラズワルドさんの実力で白星を手に入れてください」
ラズワルド「うう、これでも自信満々に声を掛けてるんだけどなぁ。何がいけないんだろ、やっぱり何か装飾品が必要なのかな?」
リリス「口にバラとかどうですか? 情熱的な男って感じが出て女性が笑ってくれるかもしれませんよ」
ラズワルド「リリスの言ってる笑うって、失笑の部類だよね」
リリス「さぁ、どうでしょうか?」
リリス「確かここら辺で待ち合わせでしたけど、少し時間がありますね」
ラズワルド「やあ、奇遇だね。こんなところで会うなんてさ」
リリス「あれ、ラズワルドさん。本当にこんなところで会うなんて、何しに来てるんですか?」
ラズワルド「うん、ちょっと用事でね。そうだ、時間があるなら、近くでお茶しない? 地下街でおいしいお店を見つけたんだ」
リリス「ふふっ、今日はその口説き文句で何人に振られたんですか? 五人ですか、十人ですか、もっと多いんですか?」
ラズワルド「……ぐっ、痛い所を突くよね、リリスは。だからさ、僕のためにお茶しない?」
リリス「ごめんなさい。ラズワルドさんの連敗記録に箔をつけるためにお断りさせてもらいますね」
ラズワルド「ええっ、まだ負け続けるの。正直、そろそろお情けでもいいから白星がほしいところなんだけど」
リリス「駄目です。お情けでもらった白星に意味なんてありませんから。ラズワルドさんの実力で白星を手に入れてください」
ラズワルド「うう、これでも自信満々に声を掛けてるんだけどなぁ。何がいけないんだろ、やっぱり何か装飾品が必要なのかな?」
リリス「口にバラとかどうですか? 情熱的な男って感じが出て女性が笑ってくれるかもしれませんよ」
ラズワルド「リリスの言ってる笑うって、失笑の部類だよね」
リリス「さぁ、どうでしょうか?」
893: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/25(金) 23:22:08.08 ID:HfCVHfD/0
ラズワルド「でも、本当に不思議だね。まさか、こんな風に話し合う日が来るなんて思いもしなかったから」
リリス「そうですね。本当ならこうして話し合うことなんてありえなかったことでしょうから」
ラズワルド「うん。僕はできれば、和解の印としてリリスとお茶を楽しみたいんだけど……」
リリス「そうですね……。ついて行くのは正直、嫌なんですよね」
ラズワルド「……そう言われると、ちょっと凹みたくなるよ」
リリス「ふふっ、だからと言ってはなんですけど。ラズワルドさんのご都合がつくのでしたら、北の城塞で紅茶を楽しみませんか?」
ラズワルド「えっ? これって、もしかして逆ナン――」
リリス「調子に乗ると、今の話はなかったことにしますけど?」
ラズワルド「……ごめん」
リリス「ふふっ。ラズワルドさんの誘いに乗ると白星になっちゃいますけど、私からのお誘いなら私に白星が上がるだけですから」
ラズワルド「なんだろう、なんか悔しい」
リリス「なら、やめます?」
ラズワルド「いや、せっかくのお誘いだからね。それに女の子から誘われて断る男がいるわけないよ」
リリス「そう言ってもらえると、なんだか嬉しいです。準備ができたらお呼びしますね」
ラズワルド「あっ、うん。楽しみにしてるから」
リリス「はい、楽しみにしててください」
リリス「そうですね。本当ならこうして話し合うことなんてありえなかったことでしょうから」
ラズワルド「うん。僕はできれば、和解の印としてリリスとお茶を楽しみたいんだけど……」
リリス「そうですね……。ついて行くのは正直、嫌なんですよね」
ラズワルド「……そう言われると、ちょっと凹みたくなるよ」
リリス「ふふっ、だからと言ってはなんですけど。ラズワルドさんのご都合がつくのでしたら、北の城塞で紅茶を楽しみませんか?」
ラズワルド「えっ? これって、もしかして逆ナン――」
リリス「調子に乗ると、今の話はなかったことにしますけど?」
ラズワルド「……ごめん」
リリス「ふふっ。ラズワルドさんの誘いに乗ると白星になっちゃいますけど、私からのお誘いなら私に白星が上がるだけですから」
ラズワルド「なんだろう、なんか悔しい」
リリス「なら、やめます?」
ラズワルド「いや、せっかくのお誘いだからね。それに女の子から誘われて断る男がいるわけないよ」
リリス「そう言ってもらえると、なんだか嬉しいです。準備ができたらお呼びしますね」
ラズワルド「あっ、うん。楽しみにしてるから」
リリス「はい、楽しみにしててください」
894: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/25(金) 23:32:05.63 ID:HfCVHfD/0
―地下街『洋服市場』―
ルーナ「へぇ、そんなことがあったのね。まあいいわ、あたしも別にもう気にしてないし、あんたが噛みついてこない限り、何もする気はないわ」
リリス「そんな簡単に許しちゃっていいんですか?」
ルーナ「いいのよ。それに今のあんたから嫌な感じは全然しないし、それに今から買い物行くのに、ギスギスなんてしてられないじゃない」
リリス「……ふふっ、ルーナさんって優しい方なんですね。そんな感じ全然しないのに」
ルーナ「ちょ、全然しないっていうのは余計よ!」
リリス「ごめんなさい」
アッ、イタノ!
タタタタタタタタタッ
ピエリ「ルーナにリリス、見つけたの!」
リリス「ピエリさん、少し遅刻ですね」
ピエリ「ごめんなの、リリスとお出かけだからいろいろ準備してきたの」
リリス「ふふっ、いつも以上にかわいいですよ」
ピエリ「ありがとなの!」
ルーナ「ちょっと、少し遅れてるわよ。夜になると市街を移動するのって結構危険なんだから。日没までに買い物済ませて戻るわよ」
ピエリ「大丈夫なの、リリスに似合う服のお店は頭に入ってるから後は選んでもらうだけなの。こっちだからついてくるの!」
リリス「ところでルーナさん、その手にぶら下がってる大きな袋はなんですか?」
ルーナ「へっ、こ、これは……その、近くの雑貨市でカップが安く売ってたから買っただけよ。文句ある!?」
リリス「な、なんでそんな攻撃的な口調なんですか……」
ピエリ「ルーナ、リリスをいじめちゃ駄目なの。次、またいじめたら、えいっしちゃうの!」
ルーナ「へぇ、そんなことがあったのね。まあいいわ、あたしも別にもう気にしてないし、あんたが噛みついてこない限り、何もする気はないわ」
リリス「そんな簡単に許しちゃっていいんですか?」
ルーナ「いいのよ。それに今のあんたから嫌な感じは全然しないし、それに今から買い物行くのに、ギスギスなんてしてられないじゃない」
リリス「……ふふっ、ルーナさんって優しい方なんですね。そんな感じ全然しないのに」
ルーナ「ちょ、全然しないっていうのは余計よ!」
リリス「ごめんなさい」
アッ、イタノ!
タタタタタタタタタッ
ピエリ「ルーナにリリス、見つけたの!」
リリス「ピエリさん、少し遅刻ですね」
ピエリ「ごめんなの、リリスとお出かけだからいろいろ準備してきたの」
リリス「ふふっ、いつも以上にかわいいですよ」
ピエリ「ありがとなの!」
ルーナ「ちょっと、少し遅れてるわよ。夜になると市街を移動するのって結構危険なんだから。日没までに買い物済ませて戻るわよ」
ピエリ「大丈夫なの、リリスに似合う服のお店は頭に入ってるから後は選んでもらうだけなの。こっちだからついてくるの!」
リリス「ところでルーナさん、その手にぶら下がってる大きな袋はなんですか?」
ルーナ「へっ、こ、これは……その、近くの雑貨市でカップが安く売ってたから買っただけよ。文句ある!?」
リリス「な、なんでそんな攻撃的な口調なんですか……」
ピエリ「ルーナ、リリスをいじめちゃ駄目なの。次、またいじめたら、えいっしちゃうの!」
895: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/25(金) 23:44:37.88 ID:HfCVHfD/0
ルーナ「えいっって、あんたのえいっはシャレにならないのよ」
ピエリ「なら、リリスいじめちゃ駄目なの」
リリス「ピエリさん、ありがとうございます」
ピエリ「お安い御用なの! ピエリ、リリスのこと大好きなの」
リリス「え、えっと、その……///」
ルーナ「ん、なになに、もしかしてこうやって面と向かって言われるの始めてだったりするわけ?」ニヤニヤ
リリス「そ、その……はい」
ピエリ「好きだから好きっていうの、おかしなことじゃないの。ルーナのことも好きなの」
ルーナ「……そ、そう、ありがと」
リリス「あれ、ルーナさん。なんで目線そらしてるんですか?」
ルーナ「う、うるさいわね。ちょっと、安売り商品に目が向いただけよ」
リリス「安売り商品ですか……『夜の刺激に一役、朝は貴婦人なあなたも夜は女王様に』……ルーナさん、いい趣味してますね!」
ピエリ「ルーナはああいう服がいいの? 黒くて変な仮面付き、しかも鞭が付いてて、なんだか強そうなの!」
ルーナ「ち、ちがう。あんなのあたしの趣味じゃないから」
リリス「でも、安売り商品に目が向いたって言ってたじゃないですか? 興味がなかったら普通見向きもしませんよ。買ってきたらどうですか?」
ルーナ「そ、それは。ああもう、ピエリにその……好きっていわれて動揺しただけ! ただそれだけ、これでいいでしょ!/////」
リリス「顔真っ赤で可愛いですよ」
ルーナ「なんでこんな風にいじられないといけないのよ」
ピエリ「なら、リリスいじめちゃ駄目なの」
リリス「ピエリさん、ありがとうございます」
ピエリ「お安い御用なの! ピエリ、リリスのこと大好きなの」
リリス「え、えっと、その……///」
ルーナ「ん、なになに、もしかしてこうやって面と向かって言われるの始めてだったりするわけ?」ニヤニヤ
リリス「そ、その……はい」
ピエリ「好きだから好きっていうの、おかしなことじゃないの。ルーナのことも好きなの」
ルーナ「……そ、そう、ありがと」
リリス「あれ、ルーナさん。なんで目線そらしてるんですか?」
ルーナ「う、うるさいわね。ちょっと、安売り商品に目が向いただけよ」
リリス「安売り商品ですか……『夜の刺激に一役、朝は貴婦人なあなたも夜は女王様に』……ルーナさん、いい趣味してますね!」
ピエリ「ルーナはああいう服がいいの? 黒くて変な仮面付き、しかも鞭が付いてて、なんだか強そうなの!」
ルーナ「ち、ちがう。あんなのあたしの趣味じゃないから」
リリス「でも、安売り商品に目が向いたって言ってたじゃないですか? 興味がなかったら普通見向きもしませんよ。買ってきたらどうですか?」
ルーナ「そ、それは。ああもう、ピエリにその……好きっていわれて動揺しただけ! ただそれだけ、これでいいでしょ!/////」
リリス「顔真っ赤で可愛いですよ」
ルーナ「なんでこんな風にいじられないといけないのよ」
896: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/25(金) 23:56:27.65 ID:HfCVHfD/0
リリス「へぇ、こんな服あるんですね。でも、私には似合わないみたいですね」
ルーナ「ふーん、あたしなら着こなせそうね」
リリス「いえ、この服、どう見ても胸の大きな方用ですよ?」
ルーナ「……ど、努力すれば結果は実るはずよ」
リリス「そ、そうですよね……」
ピエリ「この服、きつくて着れなくなっちゃったやつなの」
ルーナ&リリス「!?」
ピエリ「二人ともどうしたの?」
ルーナ「あ、あんた、まだ成長してるっていうの!?」
リリス「嘘ですよね。嘘に決まってますよね!?」
ピエリ「ピエリ、まだまだ大きくなってるの。でも鎧も新調しなくちゃいけないから大変なの。ルーナもリリスも大きくならないの?」
リリス「……も、もちろん、これから大きくなるんですよ」
ルーナ「ええ、まだ本気だしてないだけだから。気づいたらカミラ様と同じくらいになるのよ。だから、この服はそれまで買わなくてもいいわ」
リリス「そうですね。この服は来るべき時まで買えませんね」
ピエリ「そうなの? ピエリは新しくこれを買うの!」
リリス(……あれ、さっきよりも少し大きくないですか?)
ルーナ(何よあれ、カミラ様に匹敵する大きさを想定したつくりじゃないの!)
ピエリ「うん、ちょっと試着してくるの!」
パタパタパタ
ルーナ「ふーん、あたしなら着こなせそうね」
リリス「いえ、この服、どう見ても胸の大きな方用ですよ?」
ルーナ「……ど、努力すれば結果は実るはずよ」
リリス「そ、そうですよね……」
ピエリ「この服、きつくて着れなくなっちゃったやつなの」
ルーナ&リリス「!?」
ピエリ「二人ともどうしたの?」
ルーナ「あ、あんた、まだ成長してるっていうの!?」
リリス「嘘ですよね。嘘に決まってますよね!?」
ピエリ「ピエリ、まだまだ大きくなってるの。でも鎧も新調しなくちゃいけないから大変なの。ルーナもリリスも大きくならないの?」
リリス「……も、もちろん、これから大きくなるんですよ」
ルーナ「ええ、まだ本気だしてないだけだから。気づいたらカミラ様と同じくらいになるのよ。だから、この服はそれまで買わなくてもいいわ」
リリス「そうですね。この服は来るべき時まで買えませんね」
ピエリ「そうなの? ピエリは新しくこれを買うの!」
リリス(……あれ、さっきよりも少し大きくないですか?)
ルーナ(何よあれ、カミラ様に匹敵する大きさを想定したつくりじゃないの!)
ピエリ「うん、ちょっと試着してくるの!」
パタパタパタ
897: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/26(土) 00:12:27.81 ID:3YlKkkye0
ピエリ「いい感じなの! 胸も苦しくなくてとってもいいの!」
リリス「……」ツンツン
ルーナ「……」ツンツン
ピエリ「? どうしたの?」
リリス「……はぁ、こんな弾力。夢のまた夢です」
ルーナ「……どうやったらこんな風に育つのよ。不公平だわ」
ピエリ「よくわからないの。でも、二人とも楽しそうで嬉しいの!」
リリス「……そうですね。こうやって、自由に買い物に来るのは初めてですから、とっても楽しいです」
ルーナ「そ、そうね。いい暇つぶしになってるから悪い気はしないわ」
ピエリ「ピエリ嬉しいの。でも、今日はリリスのために来たから、リリスにピエリのお勧めプレゼントするの!」
リリス「えっ?」
ピエリ「はい、これなの。ピエリとお揃いのリボンなの。リリス、ピエリのこと全然怖がらなかったの。だから、そのお礼なの!」
リリス「……」ポタポタ
ピエリ「り、リリス泣いてるの? も、もしかしてうれしくないの?」
リリス「ううん、ちがいます。嬉しくて、涙が出ちゃうだけです」
ピエリ「? 泣いてるなら悲しいんじゃないの?」
リリス「ううん、うれしくて涙が出ることもあるんです。ありがとうございます、リリスさん」
ピエリ「……うん、リリスが喜んでくれてピエリ嬉しいの!」
ルーナ「ちなみになんだけど、あたしには……」
ピエリ「ルーナの分は無いの!」
ルーナ「そうよね………。でも、良かったわね、リリス」
リリス「はい、大切にしますね、ピエリさん」
リリス「……」ツンツン
ルーナ「……」ツンツン
ピエリ「? どうしたの?」
リリス「……はぁ、こんな弾力。夢のまた夢です」
ルーナ「……どうやったらこんな風に育つのよ。不公平だわ」
ピエリ「よくわからないの。でも、二人とも楽しそうで嬉しいの!」
リリス「……そうですね。こうやって、自由に買い物に来るのは初めてですから、とっても楽しいです」
ルーナ「そ、そうね。いい暇つぶしになってるから悪い気はしないわ」
ピエリ「ピエリ嬉しいの。でも、今日はリリスのために来たから、リリスにピエリのお勧めプレゼントするの!」
リリス「えっ?」
ピエリ「はい、これなの。ピエリとお揃いのリボンなの。リリス、ピエリのこと全然怖がらなかったの。だから、そのお礼なの!」
リリス「……」ポタポタ
ピエリ「り、リリス泣いてるの? も、もしかしてうれしくないの?」
リリス「ううん、ちがいます。嬉しくて、涙が出ちゃうだけです」
ピエリ「? 泣いてるなら悲しいんじゃないの?」
リリス「ううん、うれしくて涙が出ることもあるんです。ありがとうございます、リリスさん」
ピエリ「……うん、リリスが喜んでくれてピエリ嬉しいの!」
ルーナ「ちなみになんだけど、あたしには……」
ピエリ「ルーナの分は無いの!」
ルーナ「そうよね………。でも、良かったわね、リリス」
リリス「はい、大切にしますね、ピエリさん」
899: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/26(土) 11:46:49.78 ID:3YlKkkye0
◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・北の城塞―
クリムゾン「うーん、よく寝た。ベッドってあんなにフカフカなんだな! いつも使ってるのと別物過ぎて違和感すごかったよ」
カムイ「気に入ってもらえたみたいで良かったです。滞在される期間は、あと五日間ほどでしたね?」
クリムゾン「ん、そうだよ。でもよかったのかい? まだここに慣れてもいないのに、こんな自由に歩かせて」
カムイ「私にとって初めてのお客さんですから、といっても私は目が見えないので案内などはできないので、申し訳ないんですが」
クリムゾン「カムイ、あんた本当に目が見えてないのかい?」
カムイ「はい、瞼の下はあまり見せられたものじゃありませんから、クリムゾンさんがどうしてもというのであれば、お見せしますけど」
クリムゾン「………見せてもらってもいいかい?」
カムイ「はい」パチッ
クリムゾン「……!」
カムイ「これでいいですか?」
クリムゾン「……本当に目が見えないんだね。これであの動きは反則だって言われても仕方ないな」
カムイ「よく言われます。でも、私だけでここまで来られたわけじゃないので、支えてくれた人たちには感謝してます」
クリムゾン「謙遜するね。支えられたからって、ここまでできるようになるなんてすごいことだよ」
カムイ「ふふっ、ただ欲張りなだけなんですけどね」
―暗夜王国・北の城塞―
クリムゾン「うーん、よく寝た。ベッドってあんなにフカフカなんだな! いつも使ってるのと別物過ぎて違和感すごかったよ」
カムイ「気に入ってもらえたみたいで良かったです。滞在される期間は、あと五日間ほどでしたね?」
クリムゾン「ん、そうだよ。でもよかったのかい? まだここに慣れてもいないのに、こんな自由に歩かせて」
カムイ「私にとって初めてのお客さんですから、といっても私は目が見えないので案内などはできないので、申し訳ないんですが」
クリムゾン「カムイ、あんた本当に目が見えてないのかい?」
カムイ「はい、瞼の下はあまり見せられたものじゃありませんから、クリムゾンさんがどうしてもというのであれば、お見せしますけど」
クリムゾン「………見せてもらってもいいかい?」
カムイ「はい」パチッ
クリムゾン「……!」
カムイ「これでいいですか?」
クリムゾン「……本当に目が見えないんだね。これであの動きは反則だって言われても仕方ないな」
カムイ「よく言われます。でも、私だけでここまで来られたわけじゃないので、支えてくれた人たちには感謝してます」
クリムゾン「謙遜するね。支えられたからって、ここまでできるようになるなんてすごいことだよ」
カムイ「ふふっ、ただ欲張りなだけなんですけどね」
900: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/26(土) 11:49:18.89 ID:3YlKkkye0
クリムゾン「欲張りって、ははっ、確かにそうかもね。普通ならここまでなろうなんて思わないからさ」
カムイ「はい、ところでどうします? どこかを見て回るのでしたら、案内を付けますが」
クリムゾン「いや、別にいいよ。それに、私はどっちかというとカムイに興味があるね」
カムイ「私にですか?」
クリムゾン「ああ、目が見えないっていうのにあの動き、一回お手合わせ願いたくてさ」
カムイ「別に構いませんよ。武器はどうしますか、得意なものがあればそれで用意しますよ」
クリムゾン「いいのかい、なら斧槍がいいな」
カムイ「わかりました。付いて来てください。こちらに小さいながら演習場がありますので」
~~~~~~~~~~~~
クリムゾン「はいっ!」
カムイ「んっ、てやっ!」
クリムゾン「おっとと! 攻め強いね」
カムイ「そう言うわけでもないですよ。クリムゾンさんも、中々やりますね」
クリムゾン「そんな風に笑みこぼされて言われてもね。でも、少し楽しくなってきたよ。ここからは私も攻めるからね!」
カムイ「はい、よろしくおねがいします」
クリムゾン「いくよっ!」
キンッ カキンッ
カムイ「このままじゃ、負けちゃいそうです」
クリムゾン「まだまだ、こんなものじゃないでしょ?」
カムイ「クリムゾンさんもですよね?」
クリムゾン「それじゃ、仕切り直しってもう一回やろっか?」
カムイ「はい、そうしましょう」
カムイ「はい、ところでどうします? どこかを見て回るのでしたら、案内を付けますが」
クリムゾン「いや、別にいいよ。それに、私はどっちかというとカムイに興味があるね」
カムイ「私にですか?」
クリムゾン「ああ、目が見えないっていうのにあの動き、一回お手合わせ願いたくてさ」
カムイ「別に構いませんよ。武器はどうしますか、得意なものがあればそれで用意しますよ」
クリムゾン「いいのかい、なら斧槍がいいな」
カムイ「わかりました。付いて来てください。こちらに小さいながら演習場がありますので」
~~~~~~~~~~~~
クリムゾン「はいっ!」
カムイ「んっ、てやっ!」
クリムゾン「おっとと! 攻め強いね」
カムイ「そう言うわけでもないですよ。クリムゾンさんも、中々やりますね」
クリムゾン「そんな風に笑みこぼされて言われてもね。でも、少し楽しくなってきたよ。ここからは私も攻めるからね!」
カムイ「はい、よろしくおねがいします」
クリムゾン「いくよっ!」
キンッ カキンッ
カムイ「このままじゃ、負けちゃいそうです」
クリムゾン「まだまだ、こんなものじゃないでしょ?」
カムイ「クリムゾンさんもですよね?」
クリムゾン「それじゃ、仕切り直しってもう一回やろっか?」
カムイ「はい、そうしましょう」
901: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/26(土) 11:52:35.94 ID:3YlKkkye0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
アクア「……シュヴァリエ公国の騎士って、強いのね」
ニュクス「珍しいわね、アクアがこういった様子を見ているなんて」
アクア「ニュクス……ちょっと気になることがあって。その確認みたいなものよ」
ニュクス「確認?」
アクア「ええ、あのマカラスでの戦いを考えると。白夜がしたかったことが裏切り者への制裁だけとは思えないわ」
ニュクス「……そう? 裏切り者を排除して、暗夜の力を削ぎ落とせれば」
アクア「そんな勢力でもなかったでしょ? 今まで人と人との争いをあまり経験したことのない人たちが使い物にならないことなんて、わかってるはずなのに。あえてこんな風に使うのにはわけがあったんじゃないかしら?」
ニュクス「……残念だけど、私はそういう専門家じゃないから、コメントできそうにないわ。けど、アクアの言いたいことがわからないわけでもない」
アクア「ニュクス」
ニュクス「アクア、こういう時はそう言うことに詳しい人を尋ねるべきよ。それも国の動きをわかっているような、そう言う人にね」
アクア「……確かにその通りよね、とはいっても、私にそんな知り合いなんていないわ」
アクア「……シュヴァリエ公国の騎士って、強いのね」
ニュクス「珍しいわね、アクアがこういった様子を見ているなんて」
アクア「ニュクス……ちょっと気になることがあって。その確認みたいなものよ」
ニュクス「確認?」
アクア「ええ、あのマカラスでの戦いを考えると。白夜がしたかったことが裏切り者への制裁だけとは思えないわ」
ニュクス「……そう? 裏切り者を排除して、暗夜の力を削ぎ落とせれば」
アクア「そんな勢力でもなかったでしょ? 今まで人と人との争いをあまり経験したことのない人たちが使い物にならないことなんて、わかってるはずなのに。あえてこんな風に使うのにはわけがあったんじゃないかしら?」
ニュクス「……残念だけど、私はそういう専門家じゃないから、コメントできそうにないわ。けど、アクアの言いたいことがわからないわけでもない」
アクア「ニュクス」
ニュクス「アクア、こういう時はそう言うことに詳しい人を尋ねるべきよ。それも国の動きをわかっているような、そう言う人にね」
アクア「……確かにその通りよね、とはいっても、私にそんな知り合いなんていないわ」
902: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/26(土) 11:53:53.35 ID:3YlKkkye0
ニュクス「そうね、でもあなたのことを知っている人ならいるかもしれないわ」
アクア「誰かしら……マクベス?」
ニュクス「……別に構わないけど、あのマクベスに教えていいことがあると思う?」
アクア「無いわね」
ニュクス「はぁ、アクアは元々暗夜の王女だったんでしょ?」
アクア「ええ」
ニュクス「なら、その界隈に聞いてみるのも悪くないと思うわ。今、この国に王子と王女と呼ばれる人は少ないし、全員カムイを慕ってる。そうそう、悪いことにはならないと思うわ」
アクア「暗夜の王族ね……。でもいきなり話に行くなんて、接点も何もないのに」
ニュクス「エリーゼを仲介に立てましょう、あの子なら喜んで引き受けてくれると思うわ」
アクア「……そう、参考にさせてもらうわ」
ニュクス「気にしないでいいわ。それじゃ、私は戻るから、あと、その頭どうにかしたほうがいいわよ」
アクア「………ああ、寝癖のことね。ええ、どうにかしておくから。その、あまり見ないでほしいわ」
ニュクス「なら、今度からはちゃんと直してから、外に出たほうがいいわ。それじゃね」
アクア(……私もできる限り動かないといけないわね。まずは、エリーゼに会いに行かないといけないか)
アクア「でも、先にお湯を浴びるべきね。この寝癖を直さないと……」
アクア「誰かしら……マクベス?」
ニュクス「……別に構わないけど、あのマクベスに教えていいことがあると思う?」
アクア「無いわね」
ニュクス「はぁ、アクアは元々暗夜の王女だったんでしょ?」
アクア「ええ」
ニュクス「なら、その界隈に聞いてみるのも悪くないと思うわ。今、この国に王子と王女と呼ばれる人は少ないし、全員カムイを慕ってる。そうそう、悪いことにはならないと思うわ」
アクア「暗夜の王族ね……。でもいきなり話に行くなんて、接点も何もないのに」
ニュクス「エリーゼを仲介に立てましょう、あの子なら喜んで引き受けてくれると思うわ」
アクア「……そう、参考にさせてもらうわ」
ニュクス「気にしないでいいわ。それじゃ、私は戻るから、あと、その頭どうにかしたほうがいいわよ」
アクア「………ああ、寝癖のことね。ええ、どうにかしておくから。その、あまり見ないでほしいわ」
ニュクス「なら、今度からはちゃんと直してから、外に出たほうがいいわ。それじゃね」
アクア(……私もできる限り動かないといけないわね。まずは、エリーゼに会いに行かないといけないか)
アクア「でも、先にお湯を浴びるべきね。この寝癖を直さないと……」
904: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/26(土) 21:39:37.30 ID:3YlKkkye0
◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・レオン邸―
レオン「君がアクア?」
アクア「ええ、そうよ」
レオン「話は聞いたことあるよ。といっても噂くらいだったから、こうして話をするのは初めてになるのかな?」
アクア「そうなるわね。ごめんなさい、こうして会いに来たのにいきなり私の方から話を始める形になってしまって」
レオン「いや、構わないよ。それにサクラたちのことをエリーゼから聞いて、すぐに来てくれたんだ。僕としても三人と話ができる人間がほしかったところなんだ」
アクア「やっぱり、白夜のことが……」
レオン「ああ、サクラもツバキもカザハナも表面上は気にしてないように見せてるけど、内情は複雑なままだからね。どちらにしても、今の白夜に対してサクラ達が交渉材料になることはない。認めたくないけど、僕は三人を守り通せなくなってきたのかもしれないね」
アクア「諦めないでほしいけど、今の状況じゃ仕方ないのかもしれないわね……」
レオン「まぁ、できうる限りのことはするつもりだよ。あとで、サクラ達に会ってやってくれないかな? 今はエリーゼの遊び相手になってもらってるし、アクアが行ってくれれば、サクラ達の緊張もほぐれるはずだからさ」
アクア「ええ」
レオン「それで、僕に話したいことって何かな?」
アクア「今回の白夜侵攻のことについて、少し気になったことがあったの。私では考えがまとまりそうにないから、詳しい人に話しておきたくて」
レオン「ふーん、それで僕を尋ねに来てくれたのかい?」
アクア「ええ」
―暗夜王国・レオン邸―
レオン「君がアクア?」
アクア「ええ、そうよ」
レオン「話は聞いたことあるよ。といっても噂くらいだったから、こうして話をするのは初めてになるのかな?」
アクア「そうなるわね。ごめんなさい、こうして会いに来たのにいきなり私の方から話を始める形になってしまって」
レオン「いや、構わないよ。それにサクラたちのことをエリーゼから聞いて、すぐに来てくれたんだ。僕としても三人と話ができる人間がほしかったところなんだ」
アクア「やっぱり、白夜のことが……」
レオン「ああ、サクラもツバキもカザハナも表面上は気にしてないように見せてるけど、内情は複雑なままだからね。どちらにしても、今の白夜に対してサクラ達が交渉材料になることはない。認めたくないけど、僕は三人を守り通せなくなってきたのかもしれないね」
アクア「諦めないでほしいけど、今の状況じゃ仕方ないのかもしれないわね……」
レオン「まぁ、できうる限りのことはするつもりだよ。あとで、サクラ達に会ってやってくれないかな? 今はエリーゼの遊び相手になってもらってるし、アクアが行ってくれれば、サクラ達の緊張もほぐれるはずだからさ」
アクア「ええ」
レオン「それで、僕に話したいことって何かな?」
アクア「今回の白夜侵攻のことについて、少し気になったことがあったの。私では考えがまとまりそうにないから、詳しい人に話しておきたくて」
レオン「ふーん、それで僕を尋ねに来てくれたのかい?」
アクア「ええ」
905: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/26(土) 21:48:44.08 ID:3YlKkkye0
レオン「先に言っておくことがある……正直、僕はまだ君を信頼してない」
アクア「ええ、わかっているわ」
レオン「だから、アクアの話を聞いたところでそれに対して考えるかどうかも僕次第だ」
アクア「そうね。私が今の白夜の人間で、あなたに間違った物を教えようとしているかもしれない、そう考えれば当然のことだと思うわ」
レオン「うん、それでけわかればいいよ。それじゃ、アクア。君の思ってることを僕に話してくれないかな?」
アクア「ええ、いいわ。まずシュヴァリエ公国の騎士、クリムゾンが来ていることは知っているわよね?」
レオン「ああ、聞いてる」
アクア「こういったことにただの騎士を寄こすものかしら? 普通なら町を維持する貴族の物や、騎士団の団長が陳謝にやってくるものだと思うの」
レオン「………」
アクア「それに彼女はカムイに対して礼をしたいと現れたらしいわ。シュヴァリエ公国への道、マカラスを開放したのは確かにカムイだけど、シュヴァリエを実質開放したのはマクベス率いる正規兵なのに。それはせずにカムイに接触してるわ」
レオン「…………」
アクア「ええ、わかっているわ」
レオン「だから、アクアの話を聞いたところでそれに対して考えるかどうかも僕次第だ」
アクア「そうね。私が今の白夜の人間で、あなたに間違った物を教えようとしているかもしれない、そう考えれば当然のことだと思うわ」
レオン「うん、それでけわかればいいよ。それじゃ、アクア。君の思ってることを僕に話してくれないかな?」
アクア「ええ、いいわ。まずシュヴァリエ公国の騎士、クリムゾンが来ていることは知っているわよね?」
レオン「ああ、聞いてる」
アクア「こういったことにただの騎士を寄こすものかしら? 普通なら町を維持する貴族の物や、騎士団の団長が陳謝にやってくるものだと思うの」
レオン「………」
アクア「それに彼女はカムイに対して礼をしたいと現れたらしいわ。シュヴァリエ公国への道、マカラスを開放したのは確かにカムイだけど、シュヴァリエを実質開放したのはマクベス率いる正規兵なのに。それはせずにカムイに接触してるわ」
レオン「…………」
906: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/26(土) 22:00:25.08 ID:3YlKkkye0
アクア「それと、マクベスの報告を聞く限り。シュヴァリエ公国を占拠していた白夜兵はとても弱かったらしいわ。今日の朝、クリムゾンとカムイが鍛錬をしているところを見たわ。クリムゾンの騎士としての強さを考えても、シュヴァリエ公国があの程度の白夜軍をどうにかできなかったとは思えない」
レオン「……カムイ姉さんから聞いた話だと、残っていた兵は白夜の民間人だったと聞いてる。でも、攻めてきた時は先鋭だったのかもしれないよ?」
アクア「それは、そうかもしれないわね」
レオン「それにそう考えれば、シュヴァリエ公国に残っていた白夜兵が民間人だったのも納得できる。結局、港町ディアを攻め落とせなかった時点で、白夜の作戦は失敗していた。結局、裏切り者たちを暗夜においてくることは、作戦の副目標で、気にすることじゃないって僕は思うよ」
アクア「そう……」
レオン「でも、アクアはまだ白夜の牙が隠れているんじゃないかって考えているわけだね」
アクア「ええ、正直、これだけとはとても思えないの。まだ、何かが隠れているんじゃないかって……そう思うのよ」
レオン「……ふふっ、なんていうかアクアはカムイ姉さんになんだか似てるよね」
アクア「私が、カムイと?」
レオン「そうやって考え続けてるところとか、特にね」
アクア「そう、ありがとう。レオンも私の知ってる弟に似ているわ」
レオン「それは心外なんだけど……」
アクア「ふふっ、ごめんなさい」
レオン「……カムイ姉さんから聞いた話だと、残っていた兵は白夜の民間人だったと聞いてる。でも、攻めてきた時は先鋭だったのかもしれないよ?」
アクア「それは、そうかもしれないわね」
レオン「それにそう考えれば、シュヴァリエ公国に残っていた白夜兵が民間人だったのも納得できる。結局、港町ディアを攻め落とせなかった時点で、白夜の作戦は失敗していた。結局、裏切り者たちを暗夜においてくることは、作戦の副目標で、気にすることじゃないって僕は思うよ」
アクア「そう……」
レオン「でも、アクアはまだ白夜の牙が隠れているんじゃないかって考えているわけだね」
アクア「ええ、正直、これだけとはとても思えないの。まだ、何かが隠れているんじゃないかって……そう思うのよ」
レオン「……ふふっ、なんていうかアクアはカムイ姉さんになんだか似てるよね」
アクア「私が、カムイと?」
レオン「そうやって考え続けてるところとか、特にね」
アクア「そう、ありがとう。レオンも私の知ってる弟に似ているわ」
レオン「それは心外なんだけど……」
アクア「ふふっ、ごめんなさい」
907: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/26(土) 22:13:24.63 ID:3YlKkkye0
レオン「それじゃ、話はこれくらいかな?」
アクア「そうね、私が話しておきたかったことはこれだけね」
レオン「そう、なら――」
アクア「ここからは聞きたいことがあるわ」
レオン「なんだい?」
アクア「ねぇ、サクラ達の服装、あれはどういうこと?」
レオン「服装……ああ、メイド服のこと?」
アクア「ごめんなさい。こうして話しを少ししただけなのに聞くのはどうかと思うのだけど。レオン、あなたってメイドが好きなの?」
レオン「……ごめん、何を言っているのかわからないんだけど」
アクア「ごめんなさい、言い方を変えるわね。メイド服を着てる女のことが好きなの?」
レオン「何も変わってないよね。あとサクラ達がメイド服を着てることが、僕の好みの服装になるのか教えてほしいんだけど」
アクア「そこにメイド服を着た少女が二人もいることが何よりの証拠だと思うわ」
レオン「それは横暴だよ」
アクア「私はね、ここにサクラ達がいるってエリーゼから聞いたとき、再会したら優しく抱きしめてあげようって思っていたの」
レオン「そうだね、そうしてくれればサクラも安心するはずだよ」
アクア「そうね、エリーゼが玄関を開けてメイド服を着たサクラが私の目の前に現れるまではね。あまりの衝撃に抱きしめることなんてできなくなってしまったわ」
レオン「そう、残念だけど僕は別にメイド服が好みってわけじゃないよ」
アクア「そう、なら何が好みなのかしら」
レオン「そこ追求する場所じゃないよね」
アクア「そうね、私が話しておきたかったことはこれだけね」
レオン「そう、なら――」
アクア「ここからは聞きたいことがあるわ」
レオン「なんだい?」
アクア「ねぇ、サクラ達の服装、あれはどういうこと?」
レオン「服装……ああ、メイド服のこと?」
アクア「ごめんなさい。こうして話しを少ししただけなのに聞くのはどうかと思うのだけど。レオン、あなたってメイドが好きなの?」
レオン「……ごめん、何を言っているのかわからないんだけど」
アクア「ごめんなさい、言い方を変えるわね。メイド服を着てる女のことが好きなの?」
レオン「何も変わってないよね。あとサクラ達がメイド服を着てることが、僕の好みの服装になるのか教えてほしいんだけど」
アクア「そこにメイド服を着た少女が二人もいることが何よりの証拠だと思うわ」
レオン「それは横暴だよ」
アクア「私はね、ここにサクラ達がいるってエリーゼから聞いたとき、再会したら優しく抱きしめてあげようって思っていたの」
レオン「そうだね、そうしてくれればサクラも安心するはずだよ」
アクア「そうね、エリーゼが玄関を開けてメイド服を着たサクラが私の目の前に現れるまではね。あまりの衝撃に抱きしめることなんてできなくなってしまったわ」
レオン「そう、残念だけど僕は別にメイド服が好みってわけじゃないよ」
アクア「そう、なら何が好みなのかしら」
レオン「そこ追求する場所じゃないよね」
908: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/26(土) 22:28:15.98 ID:3YlKkkye0
アクア「じゃあ、なんで二人はメイド服を着ているのかしら?」
レオン「……単純な話だよ、使用人の服を貸してるだけだから」
アクア「その理由を聞いてるのよ」
レオン「……着てみたいって、頼まれてね」
アクア「……」
レオン「捕虜である以上、三人は外に出られないからね。ストレスだって溜まる。それに白夜の件もあって精神的にも辛いだろうから、本当にそれだけだよ」
アクア「……そう」
レオン「ああ、いつか白夜に戻してあげたいって考えていたから、今回の白夜の件は僕も応えてる」
アクア「……優しいのね」
レオン「三人はこの先しばらくは絶えないといけない場面にいる。精神面のケアをしてあげるのは、引き取った僕の使命でもある。それに……」
アクア「?」
レオン「この頃は、僕の屋敷も騒がしくなってきて、静かだと妙に落ち着かない感じがするんだ」
アクア「そう、……レオン。サクラ達のこと、守ってくれてありがとう」
レオン「お礼を言われることじゃないよ。さぁ、これで話は終わりでしょ?」
アクア「ええ、私はサクラ達と話してくるから。レオン、よろしくね」
レオン「正直、ただの思い過ごしで済むといいんだけど」
アクア「そうね、そうだといいのだけど……」
レオン「……単純な話だよ、使用人の服を貸してるだけだから」
アクア「その理由を聞いてるのよ」
レオン「……着てみたいって、頼まれてね」
アクア「……」
レオン「捕虜である以上、三人は外に出られないからね。ストレスだって溜まる。それに白夜の件もあって精神的にも辛いだろうから、本当にそれだけだよ」
アクア「……そう」
レオン「ああ、いつか白夜に戻してあげたいって考えていたから、今回の白夜の件は僕も応えてる」
アクア「……優しいのね」
レオン「三人はこの先しばらくは絶えないといけない場面にいる。精神面のケアをしてあげるのは、引き取った僕の使命でもある。それに……」
アクア「?」
レオン「この頃は、僕の屋敷も騒がしくなってきて、静かだと妙に落ち着かない感じがするんだ」
アクア「そう、……レオン。サクラ達のこと、守ってくれてありがとう」
レオン「お礼を言われることじゃないよ。さぁ、これで話は終わりでしょ?」
アクア「ええ、私はサクラ達と話してくるから。レオン、よろしくね」
レオン「正直、ただの思い過ごしで済むといいんだけど」
アクア「そうね、そうだといいのだけど……」
909: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/26(土) 22:38:06.77 ID:3YlKkkye0
◆◆◆◆◆◆
―北の城塞『カムイの部屋』―
カムイ「今日は一段と手が痺れますが、クリムゾンさんとの打ち合いはとても楽しかったですね」
???「カムイ様」
カムイ「……その声はゼロさんですね?」
ゼロ「はい」
カムイ「どうかしましたか? こんな夜分遅くに、音も立てずに入ってくるなんて」
ゼロ「……いいえ。レオン様より、託を頼まれましてね。ちょっと、こうして忍びこんできたんですよ」
カムイ「……レオンさんからですか?」
ゼロ「はい、クリムゾンに警戒しろと」
カムイ「……そうですか。レオンさんも何か感じたということですね?」
ゼロ「……いや、今回は出所は違うみたいなんで」
カムイ「?」
ゼロ「まぁ、いいです。では、託も済んだので、俺はこれで」
カムイ「いえ、少し待ってください」
ゼロ「?」
カムイ「ちょっと、お話しませんか? あまり互いのことをよく知らないのも、これから戦っていく上では問題になりますから」
ゼロ「ほぉ、つまりカムイ様は俺と知り合いになりたい、そうおっしゃっているんですね」
カムイ「はい、ですから、こちらにどうぞ」
ゼロ「なるほどね、こうやって横に座らせて、顔をその手で撫でまわすんだな」
カムイ「あれ、どうして分かったんですか?」
ゼロ「色々と有名なんですよ。カムイ様のその、●●ハンド」
カムイ「●●ハンドですか、リリスさんが良く言ってますけど。浸透していたんですね」
―北の城塞『カムイの部屋』―
カムイ「今日は一段と手が痺れますが、クリムゾンさんとの打ち合いはとても楽しかったですね」
???「カムイ様」
カムイ「……その声はゼロさんですね?」
ゼロ「はい」
カムイ「どうかしましたか? こんな夜分遅くに、音も立てずに入ってくるなんて」
ゼロ「……いいえ。レオン様より、託を頼まれましてね。ちょっと、こうして忍びこんできたんですよ」
カムイ「……レオンさんからですか?」
ゼロ「はい、クリムゾンに警戒しろと」
カムイ「……そうですか。レオンさんも何か感じたということですね?」
ゼロ「……いや、今回は出所は違うみたいなんで」
カムイ「?」
ゼロ「まぁ、いいです。では、託も済んだので、俺はこれで」
カムイ「いえ、少し待ってください」
ゼロ「?」
カムイ「ちょっと、お話しませんか? あまり互いのことをよく知らないのも、これから戦っていく上では問題になりますから」
ゼロ「ほぉ、つまりカムイ様は俺と知り合いになりたい、そうおっしゃっているんですね」
カムイ「はい、ですから、こちらにどうぞ」
ゼロ「なるほどね、こうやって横に座らせて、顔をその手で撫でまわすんだな」
カムイ「あれ、どうして分かったんですか?」
ゼロ「色々と有名なんですよ。カムイ様のその、●●ハンド」
カムイ「●●ハンドですか、リリスさんが良く言ってますけど。浸透していたんですね」
910: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/26(土) 22:51:40.80 ID:3YlKkkye0
ゼロ「触るなら触ってくれて構わないぜ」
カムイ「うーん、こうも挑戦的な人は初めてですね」
ゼロ「中途半端な責めだったら、逆に俺が責め返しちまうかもしれないけどな」
カムイ「そうですか。別に責めるとかそう言うわけではないのですが、ゼロさんの顔を覚える絶好のチャンスなので、このままやらせていただきますね?」
ゼロ「ああ、いつもでいイイぜ」
カムイ「それでは……」ピトッ
ゼロ「?」
カムイ「あれ、これは……眼帯ですか?」
ゼロ「そうだ、子供の頃にヤられたんだ」
カムイ「そうなんですか……。ふふっ、お揃いですね」
ゼロ「おれは同情なんてしないぜ。同情したからって、失った物が帰ってくるわけじゃないからな」
カムイ「そうですね。では……」
ゼロ(話には聞いていたが、まったく気持ち良く感じないね。くっくっく、俺が感じる顔を見られなくて、試行錯誤し始めたら、逆に責め返してやるか)
カムイ(……困りましたね。手がしびれてうまく動かせません。顔を認識するくらいはどうにかできますが、弱点を探るとなると……)
カムイ「……」シュッシュ ピトピト ペタペタ
ゼロ「カムイ様、まったく気持ち良くならないんだが?」
カムイ(困りましたね。手がフルフル震えてしまっては……後触ってないのは……ここですか?)
ピトッ
カムイ「うーん、こうも挑戦的な人は初めてですね」
ゼロ「中途半端な責めだったら、逆に俺が責め返しちまうかもしれないけどな」
カムイ「そうですか。別に責めるとかそう言うわけではないのですが、ゼロさんの顔を覚える絶好のチャンスなので、このままやらせていただきますね?」
ゼロ「ああ、いつもでいイイぜ」
カムイ「それでは……」ピトッ
ゼロ「?」
カムイ「あれ、これは……眼帯ですか?」
ゼロ「そうだ、子供の頃にヤられたんだ」
カムイ「そうなんですか……。ふふっ、お揃いですね」
ゼロ「おれは同情なんてしないぜ。同情したからって、失った物が帰ってくるわけじゃないからな」
カムイ「そうですね。では……」
ゼロ(話には聞いていたが、まったく気持ち良く感じないね。くっくっく、俺が感じる顔を見られなくて、試行錯誤し始めたら、逆に責め返してやるか)
カムイ(……困りましたね。手がしびれてうまく動かせません。顔を認識するくらいはどうにかできますが、弱点を探るとなると……)
カムイ「……」シュッシュ ピトピト ペタペタ
ゼロ「カムイ様、まったく気持ち良くならないんだが?」
カムイ(困りましたね。手がフルフル震えてしまっては……後触ってないのは……ここですか?)
ピトッ
911: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/26(土) 22:56:53.38 ID:3YlKkkye0
ゼロ「!」
カムイ(なるほど、弱点は口回りなんですね。でもこのフルフルと震える手では、的確に触れることは難しいですね……)
ゼロ「今のは少し感じちまったよ。もっと激しくイかせてくれるんだろう?」
カムイ「そうしたいのはやまy
カムイ(なるほど、弱点は口回りなんですね。でもこのフルフルと震える手では、的確に触れることは難しいですね……)
ゼロ「今のは少し感じちまったよ。もっと激しくイかせてくれるんだろう?」
カムイ「そうしたいのはやまy
912: 上のはミスです ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/26(土) 23:07:06.63 ID:3YlKkkye0
ゼロ「!」
カムイ(なるほど、弱点は口回りなんですね。でもこのフルフルと震える手では、的確に触れることは難しいですね……)
ゼロ「今のは少し感じちまったよ。もっと激しくイかせてくれるんだろう?」
カムイ「そうですね。ゼロさんのご要望にお応えできるように、頑張ってみます」
カムイ(さすがに的確には触れられませんから……ここは手の震えを利用してみましょう。まずは、ここに手を乗せて……)
ゼロ「ほ、ほう。一回触れば把握は的確なんだな」
カムイ「はい、それが私のもってる技術の一つですから。でも、ごめんなさいゼロさん」
ゼロ「何がだい? やっぱり、震える手じゃ俺を満足させられないってことか?」
カムイ「そうですね。満足はできないと思います。変わりにですけど……」
ゼロ「?」
カムイ「とっても焦らされる感じになると思います」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ゼロ「ぐっ、なんだ、イキそうで、このイケない感じは」
カムイ「震える指じゃずっと触ってられませんから、でもどうですかこうやって弱点を触れたり触れなかったりする感覚。満足したくても満足できない、ゼロさんだけが体験できる特別なものなんですよ?」
ゼロ「こ、これは、キキやがる」
ゼロ(口回りに感じる快感がまるで波だ。くそ、カムイ様の行為に絡めとられちまうとは)
カムイ「ふふっ、どうしたんですか。顔も熱くて、息も途切れ途切れですよ? 仕方ないですよね、今日の私は手が不自由なので」
ゼロ「くそっ、も、もういい。俺の負けだ、その手を早く」
カムイ「はい、ゼロさんがそう仰るのでしたら」パッ
ゼロ「……はぁはぁ。くそ、●●ハンドを甘く見過ぎていたようだ。こんな使い方をしてくるなんてな」
カムイ「焦らしも効果的なんですね、ゼロさん、ありがとうございます」
カムイ(なるほど、弱点は口回りなんですね。でもこのフルフルと震える手では、的確に触れることは難しいですね……)
ゼロ「今のは少し感じちまったよ。もっと激しくイかせてくれるんだろう?」
カムイ「そうですね。ゼロさんのご要望にお応えできるように、頑張ってみます」
カムイ(さすがに的確には触れられませんから……ここは手の震えを利用してみましょう。まずは、ここに手を乗せて……)
ゼロ「ほ、ほう。一回触れば把握は的確なんだな」
カムイ「はい、それが私のもってる技術の一つですから。でも、ごめんなさいゼロさん」
ゼロ「何がだい? やっぱり、震える手じゃ俺を満足させられないってことか?」
カムイ「そうですね。満足はできないと思います。変わりにですけど……」
ゼロ「?」
カムイ「とっても焦らされる感じになると思います」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ゼロ「ぐっ、なんだ、イキそうで、このイケない感じは」
カムイ「震える指じゃずっと触ってられませんから、でもどうですかこうやって弱点を触れたり触れなかったりする感覚。満足したくても満足できない、ゼロさんだけが体験できる特別なものなんですよ?」
ゼロ「こ、これは、キキやがる」
ゼロ(口回りに感じる快感がまるで波だ。くそ、カムイ様の行為に絡めとられちまうとは)
カムイ「ふふっ、どうしたんですか。顔も熱くて、息も途切れ途切れですよ? 仕方ないですよね、今日の私は手が不自由なので」
ゼロ「くそっ、も、もういい。俺の負けだ、その手を早く」
カムイ「はい、ゼロさんがそう仰るのでしたら」パッ
ゼロ「……はぁはぁ。くそ、●●ハンドを甘く見過ぎていたようだ。こんな使い方をしてくるなんてな」
カムイ「焦らしも効果的なんですね、ゼロさん、ありがとうございます」
913: 上のはミスです ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/26(土) 23:18:45.87 ID:3YlKkkye0
◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・クラーケンシュタイン城『王の間』―
ガロン「こんな茶番でだませると思ったか? くっくっく、甘いぞカムイ、だがお前がどんなことをしようとも何もかわらぬ」
ガロン「むしろ、お前が考え行動し、得ようと動けば動くほどに、血は満ちていく。白夜も暗夜も平等に、血で満ちていくのだからな」
ガロン「さぁ、異形神ハイドラよ。我に新たな天啓を……」
ガロン「……」
ガロン「くっくっく、はーっはっはっはっは! 面白い、ならばどう動くのか、しばらく眺めるとしよう」
「次の準備が整うまでな」
休息2 おわり
―暗夜王国・クラーケンシュタイン城『王の間』―
ガロン「こんな茶番でだませると思ったか? くっくっく、甘いぞカムイ、だがお前がどんなことをしようとも何もかわらぬ」
ガロン「むしろ、お前が考え行動し、得ようと動けば動くほどに、血は満ちていく。白夜も暗夜も平等に、血で満ちていくのだからな」
ガロン「さぁ、異形神ハイドラよ。我に新たな天啓を……」
ガロン「……」
ガロン「くっくっく、はーっはっはっはっは! 面白い、ならばどう動くのか、しばらく眺めるとしよう」
「次の準備が整うまでな」
休息2 おわり
914: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/26(土) 23:22:24.08 ID:3YlKkkye0
○カムイの支援一覧●
―対の存在―
アクアB+
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)
―城塞の人々―
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
ギュンターC+
(恋愛小説の朗読を頼まれています)
フェリシアC
(イベントは起きていません)
フローラC
(イベントは起きていません)
リリスB
(一緒に眠ったことがあります)
―暗夜第一王子マークス―
マークスC+
(イベントは起きていません)
ラズワルドC
(あなたを守るといわれています)
ピエリC
(今度はカムイの弱点を探ってみせると息巻いています)
―暗夜第二王子レオン―
レオンC+
(イベントは起きていません)
オーディンC
(イベントは起きていません)
ゼロC→C+
(イベントは起きていません)
―暗夜第一王女カミラ―
カミラB
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ルーナC+
(目を失ったことに関する話をしています)
ベルカC+
(イベントは起きてません)
―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼB
(イベントは起きていません)
ハロルドB
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィC
(イベントは起きていません)
―白夜第二王女サクラ―
サクラC+
(イベントは起きていません)
カザハナC
(イベントは起きていません)
ツバキD+
(イベントは起きていません)
―カムイに力を貸すもの―
サイラスB
(イベントは起きていません)
ニュクスB
(イベントは起きていません)
モズメC+
(イベントは起きていません)
リンカC+
(イベントは起きていません)
―対の存在―
アクアB+
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)
―城塞の人々―
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
ギュンターC+
(恋愛小説の朗読を頼まれています)
フェリシアC
(イベントは起きていません)
フローラC
(イベントは起きていません)
リリスB
(一緒に眠ったことがあります)
―暗夜第一王子マークス―
マークスC+
(イベントは起きていません)
ラズワルドC
(あなたを守るといわれています)
ピエリC
(今度はカムイの弱点を探ってみせると息巻いています)
―暗夜第二王子レオン―
レオンC+
(イベントは起きていません)
オーディンC
(イベントは起きていません)
ゼロC→C+
(イベントは起きていません)
―暗夜第一王女カミラ―
カミラB
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ルーナC+
(目を失ったことに関する話をしています)
ベルカC+
(イベントは起きてません)
―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼB
(イベントは起きていません)
ハロルドB
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィC
(イベントは起きていません)
―白夜第二王女サクラ―
サクラC+
(イベントは起きていません)
カザハナC
(イベントは起きていません)
ツバキD+
(イベントは起きていません)
―カムイに力を貸すもの―
サイラスB
(イベントは起きていません)
ニュクスB
(イベントは起きていません)
モズメC+
(イベントは起きていません)
リンカC+
(イベントは起きていません)
915: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/26(土) 23:24:23.02 ID:3YlKkkye0
●仲間間支援状況○
・新規発生イベント
アクアとリンカのイベントが始まりました。
・進行したイベント
ラズワルドとリリスのイベントがBになりました。
フェリシアとルーナのイベントがBになりました。
・新規発生イベント
アクアとリンカのイベントが始まりました。
・進行したイベント
ラズワルドとリリスのイベントがBになりました。
フェリシアとルーナのイベントがBになりました。
916: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/26(土) 23:32:17.89 ID:3YlKkkye0
今日はここまでになります。
名前欄のミス申し訳ありませんでした。ちょっとぼんやりしてたみたいで、本当に申し訳ない。
あと、キャラが微妙に崩れてるところがあったり申し訳ない……
次の展開の安価を決めたいと思います。参加していただけると幸いです。
◇◆◇◆◇
カムイが話をする人物
オーディン
ツバキ
>>917
◇◆◇◆◇
話をしている組み合わせ
アクア
ジョーカー
ギュンター
フェリシア
フローラ
リリス
ラズワルド
ピエリ
ゼロ
オーディン
カミラ
ベルカ
ルーナ
エリーゼ
ハロルド
エルフィ
サイラス
ニュクス
モズメ
リンカ
一組目は>>918と>>919(すでにイベントが発生しているキャラクターで起きた場合はイベントが進行します)
◇◆◇◆◇
進行する異性間イベント
1アクア×ゼロ C
2ジョーカー×フローラ C
3ラズワルド×リリス B
4ゼロ×リリス C
5ラズワルド×ルーナ C
6ラズワルド×エリーゼ C
7オーディン×ニュクス C
8サイラス×エルフィ C
9モズメ×ハロルド C
この中から一つ >>920(話をしている組み合わせと被った場合は、そのかぶったものの一つ下の数字になります)
◇◆◇◆◇
進行する同性間イベント
1ジョーカー×ハロルド C
2フェリシア×ルーナ B
3フェリシア×エルフィ C
4フローラ×エルフィ C
5ピエリ×リリス C
6ピエリ×カミラ C
7エルフィ×モズメ C
8アクア×リンカ C
この中から一つ >>921(話をしている組み合わせと被った場合は、そのかぶったものの一つ下の数字になります)
名前欄のミス申し訳ありませんでした。ちょっとぼんやりしてたみたいで、本当に申し訳ない。
あと、キャラが微妙に崩れてるところがあったり申し訳ない……
次の展開の安価を決めたいと思います。参加していただけると幸いです。
◇◆◇◆◇
カムイが話をする人物
オーディン
ツバキ
>>917
◇◆◇◆◇
話をしている組み合わせ
アクア
ジョーカー
ギュンター
フェリシア
フローラ
リリス
ラズワルド
ピエリ
ゼロ
オーディン
カミラ
ベルカ
ルーナ
エリーゼ
ハロルド
エルフィ
サイラス
ニュクス
モズメ
リンカ
一組目は>>918と>>919(すでにイベントが発生しているキャラクターで起きた場合はイベントが進行します)
◇◆◇◆◇
進行する異性間イベント
1アクア×ゼロ C
2ジョーカー×フローラ C
3ラズワルド×リリス B
4ゼロ×リリス C
5ラズワルド×ルーナ C
6ラズワルド×エリーゼ C
7オーディン×ニュクス C
8サイラス×エルフィ C
9モズメ×ハロルド C
この中から一つ >>920(話をしている組み合わせと被った場合は、そのかぶったものの一つ下の数字になります)
◇◆◇◆◇
進行する同性間イベント
1ジョーカー×ハロルド C
2フェリシア×ルーナ B
3フェリシア×エルフィ C
4フローラ×エルフィ C
5ピエリ×リリス C
6ピエリ×カミラ C
7エルフィ×モズメ C
8アクア×リンカ C
この中から一つ >>921(話をしている組み合わせと被った場合は、そのかぶったものの一つ下の数字になります)
917: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/26(土) 23:33:44.32 ID:uVNKglQ80
さすがのゼロもカムイさまには勝てなかったよ……
918: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/26(土) 23:34:43.88 ID:vMsjIJbgO
おつー
安価ならオーディン
安価ならオーディン
919: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/26(土) 23:35:14.09 ID:8F8FWN1L0
乙でしたー
本編にない砦組の支援とか見てみたいのでギュンター
他のキャラと絡ませ辛かったら安価下のキャラで
本編にない砦組の支援とか見てみたいのでギュンター
他のキャラと絡ませ辛かったら安価下のキャラで
920: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/26(土) 23:39:27.81 ID:Cj3f9+IDO
2でお願いします。
921: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/26(土) 23:41:12.87 ID:eBiwvmBN0
サイラス
924: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/27(日) 11:02:47.94 ID:ktGeRNtL0
カムイの話す相手:オーディン
キャラ支援:ギュンター×サイラス
進行する異性間支援:ジョーカー×フローラ
進行する同性間支援:フェリシア×ルーナ
で行きたいと思います。
キャラ支援:ギュンター×サイラス
進行する異性間支援:ジョーカー×フローラ
進行する同性間支援:フェリシア×ルーナ
で行きたいと思います。
925: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/27(日) 22:34:29.72 ID:ktGeRNtL0
◆◆◆◆◆◆
―レオン邸―
サクラ「あっ、アクア姉様」
エリーゼ「アクアおねえちゃん! レオンおにいちゃんとの話は終わったの?」
アクア「ええ、エリーゼのおかげでね。それとありがとう、私をサクラに会せてくれて」
エリーゼ「お礼なんて良いよ。あたしもサクラのこと気になってたもん。でも、あたしが訪ねて不安にさせちゃったらどうしようって、思ったりしてたから」
サクラ「エリーゼさん、そんな私のことなんて気にかけていただかなくても」
エリーゼ「気にするよ! だって、ここはサクラの故郷じゃないんだよ、そんな場所にいるのに……あたしだったら不安で泣いちゃうと思うから」
サクラ「あ、あの、エリーゼさん」
エリーゼ「?」
サクラ「私、今日エリーゼさんに会えてとっても良かったって思ってるんです。確かにここにいることで、辛いこともあります。もしかしたら明日には私たちが死んでしまうかもしれないってことはわかってるんです。でも、今はエリーゼさんとこうしてお話できて、アクア姉様とも再会できたから、私後悔はしてません」
エリーゼ「……サークラ!」ダキッ
サクラ「え、エリーゼさん!?」
エリーゼ「あたし、サクラともっとお話ししたい。ねぇ、好きな本のこととか、食べ物のこととか、いっぱいいっぱいお話ししよっ?」
サクラ「……はい、私エリーゼさんといっぱいお話ししたいです」
アクア「ふふっ、私が間に入ることができないくらい仲良くしてるのね。レオンの心配は杞憂に終わったみたいだけど、ところでサクラ」
サクラ「アクア姉様、何か気になることがあるんですか?」
アクア「ええ、そのメイド服だけど……あなたが着たいって言ったのかしら?」
エリーゼ「そうそう、あの日着てた巫女服……だよね。あれを着てると思ってたから、最初レオンおにいちゃんが新しいメイドさんを雇ったのかと思ったよ」
サクラ「え、えっと、その、私が着たいって言ったわけじゃないんです」
アクア「? じゃあ誰が……」
サクラ「それは――」
タタタタタタタッ
カザハナ「サクラ見て見て! これもすっごくヒラヒラし――」
アクア「………」
カザハナ「………あ、あれ、えっと、その……」
アクア「そう、思った以上にレオン邸の生活に馴染んでるのね。ふふっ、心配なんて無用だったみたい。私はアクア、好きに呼んでちょうだい」
カザハナ「え、えっと。カザハナです。その……アクア様、こ、これはですね――」
アクア「ええ、とっても似合ってるわよ。ここのメイドに転職したらどうかしら?」
カザハナ「なんでここなんですか!?」
アクア「え、私はてっきり……」
カザハナ「そういうんじゃありませんから!」
ワイワイ ガヤガヤ
ツバキ「何もないみたいだねー。よかったよかった」
レオン「混ざらないのかい?」
ツバキ「それは酷ってものですよー」
レオン「たしかに、そうかもね」
―レオン邸―
サクラ「あっ、アクア姉様」
エリーゼ「アクアおねえちゃん! レオンおにいちゃんとの話は終わったの?」
アクア「ええ、エリーゼのおかげでね。それとありがとう、私をサクラに会せてくれて」
エリーゼ「お礼なんて良いよ。あたしもサクラのこと気になってたもん。でも、あたしが訪ねて不安にさせちゃったらどうしようって、思ったりしてたから」
サクラ「エリーゼさん、そんな私のことなんて気にかけていただかなくても」
エリーゼ「気にするよ! だって、ここはサクラの故郷じゃないんだよ、そんな場所にいるのに……あたしだったら不安で泣いちゃうと思うから」
サクラ「あ、あの、エリーゼさん」
エリーゼ「?」
サクラ「私、今日エリーゼさんに会えてとっても良かったって思ってるんです。確かにここにいることで、辛いこともあります。もしかしたら明日には私たちが死んでしまうかもしれないってことはわかってるんです。でも、今はエリーゼさんとこうしてお話できて、アクア姉様とも再会できたから、私後悔はしてません」
エリーゼ「……サークラ!」ダキッ
サクラ「え、エリーゼさん!?」
エリーゼ「あたし、サクラともっとお話ししたい。ねぇ、好きな本のこととか、食べ物のこととか、いっぱいいっぱいお話ししよっ?」
サクラ「……はい、私エリーゼさんといっぱいお話ししたいです」
アクア「ふふっ、私が間に入ることができないくらい仲良くしてるのね。レオンの心配は杞憂に終わったみたいだけど、ところでサクラ」
サクラ「アクア姉様、何か気になることがあるんですか?」
アクア「ええ、そのメイド服だけど……あなたが着たいって言ったのかしら?」
エリーゼ「そうそう、あの日着てた巫女服……だよね。あれを着てると思ってたから、最初レオンおにいちゃんが新しいメイドさんを雇ったのかと思ったよ」
サクラ「え、えっと、その、私が着たいって言ったわけじゃないんです」
アクア「? じゃあ誰が……」
サクラ「それは――」
タタタタタタタッ
カザハナ「サクラ見て見て! これもすっごくヒラヒラし――」
アクア「………」
カザハナ「………あ、あれ、えっと、その……」
アクア「そう、思った以上にレオン邸の生活に馴染んでるのね。ふふっ、心配なんて無用だったみたい。私はアクア、好きに呼んでちょうだい」
カザハナ「え、えっと。カザハナです。その……アクア様、こ、これはですね――」
アクア「ええ、とっても似合ってるわよ。ここのメイドに転職したらどうかしら?」
カザハナ「なんでここなんですか!?」
アクア「え、私はてっきり……」
カザハナ「そういうんじゃありませんから!」
ワイワイ ガヤガヤ
ツバキ「何もないみたいだねー。よかったよかった」
レオン「混ざらないのかい?」
ツバキ「それは酷ってものですよー」
レオン「たしかに、そうかもね」
926: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/27(日) 22:50:48.58 ID:ktGeRNtL0
◆◆◆◆◆◆
―北の城塞『壊れかけた塔』―
サイラス「あれ、ギュンター? こんなところで何をしているんです?」
ギュンター「サイラスか。なに、老朽化した塔の様子の確認をしていてな。さすがにこれを保全し続けるにも限度というものがある」
サイラス「ん……たしかに結構年季が入ってますね、これ」
ギュンター「そうだな。だが、いずれ朽ちるものであることに変わりはない。人も物も同じようにな」
サイラス「が言うと、説得力のある言葉だな」
ギュンター「ふっ、これでも長く生きてきた身。何もかも衰えていくことは嫌でも認めなくてはならん事だ」
サイラス「……ギュンターが言うと、なんだかすごい説得力があるよ。なんていうか、強い意志みたいなのを感じる」
ギュンター「ふっ、昔ここを訪れているお前は、時々そんな顔をしていたな」
サイラス「そ、そんな顔してました?」
ギュンター「あの頃、カムイ様の手を引いてくれたのはサイラスだけであったからな。私もジョーカーへの手ほどきあって、あまり多くの時間を過ごせなかった。年が近いという理由だけで来てくれたが、あれほどカムイ様と仲良くしてくれたこと、感謝しているぞ」
サイラス「ありがとう。でもギュンターと初めて会った時はその……」
ギュンター「顔に傷があるからと怯えられたな。確かに幼いお前には恐ろしいものに映ったのかもしれん」
―北の城塞『壊れかけた塔』―
サイラス「あれ、ギュンター? こんなところで何をしているんです?」
ギュンター「サイラスか。なに、老朽化した塔の様子の確認をしていてな。さすがにこれを保全し続けるにも限度というものがある」
サイラス「ん……たしかに結構年季が入ってますね、これ」
ギュンター「そうだな。だが、いずれ朽ちるものであることに変わりはない。人も物も同じようにな」
サイラス「が言うと、説得力のある言葉だな」
ギュンター「ふっ、これでも長く生きてきた身。何もかも衰えていくことは嫌でも認めなくてはならん事だ」
サイラス「……ギュンターが言うと、なんだかすごい説得力があるよ。なんていうか、強い意志みたいなのを感じる」
ギュンター「ふっ、昔ここを訪れているお前は、時々そんな顔をしていたな」
サイラス「そ、そんな顔してました?」
ギュンター「あの頃、カムイ様の手を引いてくれたのはサイラスだけであったからな。私もジョーカーへの手ほどきあって、あまり多くの時間を過ごせなかった。年が近いという理由だけで来てくれたが、あれほどカムイ様と仲良くしてくれたこと、感謝しているぞ」
サイラス「ありがとう。でもギュンターと初めて会った時はその……」
ギュンター「顔に傷があるからと怯えられたな。確かに幼いお前には恐ろしいものに映ったのかもしれん」
927: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/27(日) 23:04:17.34 ID:ktGeRNtL0
サイラス「今まで顔に傷がある人なんて見たことがなかったこともありましたから。正直、戦うとこうなるのかもしれないって思ったりもしました」
ギュンター「ふっ、でもお前は騎士となって、またカムイ様の前に現れただろう。しかし、戦うことに恐怖を覚えたというのに、何故騎士を目指したのか、わからないがな」
サイラス「ああ、それは単純なことです」
ギュンター「?」
サイラス「カムイの力になりたいと思った時にさ。いつもカムイの傍にいるギュンターのことを思い出したんだ」
ギュンター「………」
サイラス「俺が騎士を目指そうと思ったのはギュンターがいたからかもしれない。幼い記憶の中で思い出せるかっこいい男って聞かれたら、ギュンターだって答えられる。それくらいに、俺はギュンターのことを尊敬してる。」
ギュンター「ふっ、恥ずかしいことを言ってくれるな。だが、お前が本当にカムイ様を守れる力があるかはわからんぞ」
サイラス「?」
ギュンター「サイラス、お前とは手合わせをしたことがなかったな。その腕がカムイ様をお守りするに足りるのかどうか、確かめてみたくなった」
サイラス「……望むところだ。俺の力、ギュンターに見せつけてみせる」
ギュンター「ふっ、若造が調子にのりおる。手合わせ、楽しみにしておるぞ」
サイラス「ああ!」
ギュンター「ふっ、でもお前は騎士となって、またカムイ様の前に現れただろう。しかし、戦うことに恐怖を覚えたというのに、何故騎士を目指したのか、わからないがな」
サイラス「ああ、それは単純なことです」
ギュンター「?」
サイラス「カムイの力になりたいと思った時にさ。いつもカムイの傍にいるギュンターのことを思い出したんだ」
ギュンター「………」
サイラス「俺が騎士を目指そうと思ったのはギュンターがいたからかもしれない。幼い記憶の中で思い出せるかっこいい男って聞かれたら、ギュンターだって答えられる。それくらいに、俺はギュンターのことを尊敬してる。」
ギュンター「ふっ、恥ずかしいことを言ってくれるな。だが、お前が本当にカムイ様を守れる力があるかはわからんぞ」
サイラス「?」
ギュンター「サイラス、お前とは手合わせをしたことがなかったな。その腕がカムイ様をお守りするに足りるのかどうか、確かめてみたくなった」
サイラス「……望むところだ。俺の力、ギュンターに見せつけてみせる」
ギュンター「ふっ、若造が調子にのりおる。手合わせ、楽しみにしておるぞ」
サイラス「ああ!」
928: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/27(日) 23:14:25.86 ID:ktGeRNtL0
◆◆◆◆◆◆
―貴賓室―
ジョーカー「フローラ、これを持つのを手伝ってくれないか?」
フローラ「わかったわ」
ジョーカー「ああ、よしそのままで頼む」
フローラ「ねぇ、ジョーカー。後で私の仕事も手伝ってくれないかしら?」
ジョーカー「仕方ねえな」
フローラ「ええ、ありがとう」
ジョーカー「でも、こうしてフローラが俺によく手伝いを頼むようになったのを見ると、あの日の説教はちゃんと機能したんだな」
フローラ「ええ、ジョーカーは頼っても良いって言ってくれたから、うまく使わせてもらってるわ」
ジョーカー「ちっ、そういうことかよ。まったく、素直に手伝ってほしいって言えよ」
フローラ「ふふっ、ジョーカーにそんなこと言われるなんて思ってもいなかったわ。でも、仕事を効率的にできる部分だけよ、ジョーカーに手伝いを頼んでいるのは」
ジョーカー「そうかい、まぁ、俺も同じようにうまく使わせてもらってるんだから、お相子ってことか?」
フローラ「そうね、そう考えるとすごくしっくりくるわ……」
フローラ(そういえば、まだあのハンカチを返してなかったわね……)
―貴賓室―
ジョーカー「フローラ、これを持つのを手伝ってくれないか?」
フローラ「わかったわ」
ジョーカー「ああ、よしそのままで頼む」
フローラ「ねぇ、ジョーカー。後で私の仕事も手伝ってくれないかしら?」
ジョーカー「仕方ねえな」
フローラ「ええ、ありがとう」
ジョーカー「でも、こうしてフローラが俺によく手伝いを頼むようになったのを見ると、あの日の説教はちゃんと機能したんだな」
フローラ「ええ、ジョーカーは頼っても良いって言ってくれたから、うまく使わせてもらってるわ」
ジョーカー「ちっ、そういうことかよ。まったく、素直に手伝ってほしいって言えよ」
フローラ「ふふっ、ジョーカーにそんなこと言われるなんて思ってもいなかったわ。でも、仕事を効率的にできる部分だけよ、ジョーカーに手伝いを頼んでいるのは」
ジョーカー「そうかい、まぁ、俺も同じようにうまく使わせてもらってるんだから、お相子ってことか?」
フローラ「そうね、そう考えるとすごくしっくりくるわ……」
フローラ(そういえば、まだあのハンカチを返してなかったわね……)
929: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/27(日) 23:26:46.19 ID:ktGeRNtL0
ジョーカー「……考えごとか?」
フローラ「えっ?」
ジョーカー「仕事中に考えごとは感心できないな」
フローラ「そうね、ごめんなさい。でも、なんで考えてるなんてわかったの?」
ジョーカー「前にも言っただろ? 俺はお前を信用してる、信用してるんだからお前が何か考えてることくらい理解できる、ただそれだけの話だ」
フローラ「……そ、そう////」
ジョーカー「ん、どうした。顔が赤くなってるが、また風邪か?」
フローラ「ふふっ、そうかもしれないわ。ねぇ、ジョーカー、この前貸してもらったハンカチ、今度返すわね」
ジョーカー「ああ、そんなこともあったな。すっかり時間がたったから忘れられてるかと思ってた」
フローラ「ひどいことを言うのね」
ジョーカー「ああ、流石に行軍中に帰してもらおうなんて思ってないからな。だが、少し時間がたち過ぎてるからてっきり」
フローラ「それは……、いろいろあったのよ」
ジョーカー「色々ね……。まぁ、俺は気長に待つことにする、フローラがどれだけきれいにして返してくれるのか、少し気になってはいるからな」
フローラ「そう、なら、驚くくらいきれいにして返してあげるから。楽しみに待ってて欲しいわ」
ジョーカー「そうか、楽しみに待ってるぞ」
フローラ「えっ?」
ジョーカー「仕事中に考えごとは感心できないな」
フローラ「そうね、ごめんなさい。でも、なんで考えてるなんてわかったの?」
ジョーカー「前にも言っただろ? 俺はお前を信用してる、信用してるんだからお前が何か考えてることくらい理解できる、ただそれだけの話だ」
フローラ「……そ、そう////」
ジョーカー「ん、どうした。顔が赤くなってるが、また風邪か?」
フローラ「ふふっ、そうかもしれないわ。ねぇ、ジョーカー、この前貸してもらったハンカチ、今度返すわね」
ジョーカー「ああ、そんなこともあったな。すっかり時間がたったから忘れられてるかと思ってた」
フローラ「ひどいことを言うのね」
ジョーカー「ああ、流石に行軍中に帰してもらおうなんて思ってないからな。だが、少し時間がたち過ぎてるからてっきり」
フローラ「それは……、いろいろあったのよ」
ジョーカー「色々ね……。まぁ、俺は気長に待つことにする、フローラがどれだけきれいにして返してくれるのか、少し気になってはいるからな」
フローラ「そう、なら、驚くくらいきれいにして返してあげるから。楽しみに待ってて欲しいわ」
ジョーカー「そうか、楽しみに待ってるぞ」
930: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/27(日) 23:39:13.68 ID:ktGeRNtL0
◆◆◆◆◆◆
―小さな小屋―
フェリシア「……」
ルーナ「……」
カチャ
フェリシア「……! できました、やりましたよ! ルーナさん、できました!」
ルーナ「やればできるじゃないの。私のアドバイス、ちゃんと活かせたみたいでうれしいわ」
フェリシア「好きなようにやってみました。だから、失敗したらとかそういうこと考えないでやってみたんです」
ルーナ「ふふっ、フェリシアは心配症だからね。肩の力を抜くのに失敗しても大丈夫だからとか、そんなこといっても抜けるわけないって思ったのよ。だから、好きにやらせてみただけだから」
フェリシア「いいえ、ありがとうございます。私、ちょっと自信が付いてきました」
ルーナ「ええ、そうやって努力は続けていくのよ」
フェリシア「……ルーナさんはこんな風に努力を続けてるんですか?」
ルーナ「そうよ、努力に終わりはないの。壁を越えた先に壁があって、それをまた越えるために努力してを繰り返すの……」
フェリシア「辛くないんですか……」
ルーナ「辛くないって言えば嘘になるわ。私もね、一度はあきらめかけたことがあるわ」
フェリシア「ルーナさんがですか?」
ルーナ「ええ……努力してもどうにもならない事があるって信じたくはなかったけどね」
フェリシア「……そ、そんなこと」
―小さな小屋―
フェリシア「……」
ルーナ「……」
カチャ
フェリシア「……! できました、やりましたよ! ルーナさん、できました!」
ルーナ「やればできるじゃないの。私のアドバイス、ちゃんと活かせたみたいでうれしいわ」
フェリシア「好きなようにやってみました。だから、失敗したらとかそういうこと考えないでやってみたんです」
ルーナ「ふふっ、フェリシアは心配症だからね。肩の力を抜くのに失敗しても大丈夫だからとか、そんなこといっても抜けるわけないって思ったのよ。だから、好きにやらせてみただけだから」
フェリシア「いいえ、ありがとうございます。私、ちょっと自信が付いてきました」
ルーナ「ええ、そうやって努力は続けていくのよ」
フェリシア「……ルーナさんはこんな風に努力を続けてるんですか?」
ルーナ「そうよ、努力に終わりはないの。壁を越えた先に壁があって、それをまた越えるために努力してを繰り返すの……」
フェリシア「辛くないんですか……」
ルーナ「辛くないって言えば嘘になるわ。私もね、一度はあきらめかけたことがあるわ」
フェリシア「ルーナさんがですか?」
ルーナ「ええ……努力してもどうにもならない事があるって信じたくはなかったけどね」
フェリシア「……そ、そんなこと」
931: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/27(日) 23:48:44.78 ID:ktGeRNtL0
ルーナ「でもね、努力の先に得られる物がまだあるってわかったから、私は努力を続けられるの。たとえばこうやって、努力してるフェリシアに助言をしてあげることとか、カップがここまで来るのをちょっとドキドキしながら眺めたりとかね」
フェリシア「……ルーナさん」
ルーナ「そ、そんな顔で見ないでよ。あー、なんでこんなこと言っちゃったの、こんなのあたしのキャラじゃないわ」
フェリシア「ふふっ、ありがとうございます。いつか、ちゃんと紅茶の入ったカップをルーナさんのいる席まで届けられるように、頑張りますね」
ルーナ「何言ってるのよ。そんな小さな目標で、あたしは満足なんてしないから」
フェリシア「ええ、これじゃダメなんですか?」
ルーナ「ダメよ、ダメダメね。もっと、目標は高く持たないといけないわ! でも……その、大きな目標の通過点として、あたしに紅茶を運んでほしいわ。ちゃんと、できるようになったって、確認したいからね」
フェリシア「はい、今の一番の目標にさせてもらいます」
ルーナ「それじゃ、また始めるわよ。今度はカップ一式を棚から取り出して、ここに運んでくる練習よ。ふふっ、今度は一から準備が必要だからね、カップはまだまだあるから、気にしないでいいわ!」
フェリシア「はい、いっぱい頑張っちゃいますね。ルーナさん、ありがとうございます」
ルーナ「……お礼なんて……ううん、ありがとね、フェリシア」
935: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/28(月) 22:34:34.87 ID:9Ld8bnHp0
◇◆◇◆◇◆◇
ピエリ「お湯、温かいの! いっぱい殺した後のお風呂は気持ちがいいの!」
カミラ「そうね。ふふ、いつものピエリは可愛らしいけど、髪を下ろすとどこか大人びた雰囲気になるのね」
ピエリ「誰かとお風呂入ることあまりないから楽しいの! リリスも早く来るのよ」
リリス「や、やっぱり私、あとで一人で入りますから!」
ピエリ「なに言ってるの。一緒に入るって約束したの、こっちに早く来るの!」
リリス「ちょ、引っ張らないでください。ああっ、うう、なんの罰ゲームですか」
ピエリ「胸なんて隠して、リリスおかしいの」ドン!
カミラ「ふふ、恥ずかしがることなんてないのよ」ドドン!
リリス「ううっ、ピエリさんやカミラ様にはわからない悩みです。ほっといてください」
ピエリ「? ピエリ、リリスに何か変なこと言ったの?」
カミラ「ふふっ、そうね。リリスにしかわからない、そういうものがあるのよ」
リリス「カミラ様まで……。もういいです、私、先に体洗って出ちゃいますから!」
ペタペタ
ピエリ「リリス、ごめんなの。許してほしいのよ」
リリス「こればっかりは駄目です。ない人の悩みを持ってる人がわかるわけないんですから、もうピエリさんなんて知りません!」
ピエリ「び、びぇええええええん! カミラ様、リリスに、リリスにぃ、嫌われちゃったの。どうすればいいの」
カミラ「あらあら、かわいそうに。でも大丈夫よ、私に任せておきなさい」
ピエリ「ふぐっ、なんとか、何とかしてくれるの?」
カミラ「ええ、持たざる者には与えてあげればいいのよ。こうやってね」モミッ
リリス「ひゃん……、か、カミラ様。いきなり、な、なにを、はうううぅん」
カミラ「こうやってね、優しく触れば大きくなるのよ」
ピエリ「そうなの、ピエリ良いこと聞いたの! 今から、リリスの小さいのを大きくしてあげるの」
リリス「ひゃ、ふ、ふたりで、そんな、わ、わたしの 、そんな、いっぱい触ら……いたっ」
カミラ「だめよ、ピエリ。そんな強く握っちゃ、リリスが痛がってるわ」
ピエリ「むずかしいの」
カミラ「大丈夫よ、ピエリがリリスに優しくしてあげたいようにするのが一番いいのよ。ほら、こうやって」
ピエリ「わかったの。リリス、いっぱい優しくしてあげるの!」
リリス「だ、だめ、そ、それいじょう、いや、もう―――」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
リリス「っていうことが、マカラスの戦いのあとにあったんですけど。本当に辛かったです」
カムイ「……リリスさん、なんで私はその場にいなかったんでしょうか?」
リリス「カムイ様、流石に怒りますよ」
カムイ「もう怒ってるじゃないですか。でも、カミラ姉さんや、ピエリさんと仲良く過ごしてるみたいで、なんだか安心しました」
リリス「ううっ、こんなに 責められたのに、仲良くなんて言い方はないですよ、カムイ様」
カムイ「そうですね。今度、そんなイベントがあったらちゃんと呼んでくださいね。目が見えないのであらぬ場所に手が行ってしまうかもしれませんが」
リリス「………」
カムイ「……冗談ですよ、冗談」
ピエリ「お湯、温かいの! いっぱい殺した後のお風呂は気持ちがいいの!」
カミラ「そうね。ふふ、いつものピエリは可愛らしいけど、髪を下ろすとどこか大人びた雰囲気になるのね」
ピエリ「誰かとお風呂入ることあまりないから楽しいの! リリスも早く来るのよ」
リリス「や、やっぱり私、あとで一人で入りますから!」
ピエリ「なに言ってるの。一緒に入るって約束したの、こっちに早く来るの!」
リリス「ちょ、引っ張らないでください。ああっ、うう、なんの罰ゲームですか」
ピエリ「胸なんて隠して、リリスおかしいの」ドン!
カミラ「ふふ、恥ずかしがることなんてないのよ」ドドン!
リリス「ううっ、ピエリさんやカミラ様にはわからない悩みです。ほっといてください」
ピエリ「? ピエリ、リリスに何か変なこと言ったの?」
カミラ「ふふっ、そうね。リリスにしかわからない、そういうものがあるのよ」
リリス「カミラ様まで……。もういいです、私、先に体洗って出ちゃいますから!」
ペタペタ
ピエリ「リリス、ごめんなの。許してほしいのよ」
リリス「こればっかりは駄目です。ない人の悩みを持ってる人がわかるわけないんですから、もうピエリさんなんて知りません!」
ピエリ「び、びぇええええええん! カミラ様、リリスに、リリスにぃ、嫌われちゃったの。どうすればいいの」
カミラ「あらあら、かわいそうに。でも大丈夫よ、私に任せておきなさい」
ピエリ「ふぐっ、なんとか、何とかしてくれるの?」
カミラ「ええ、持たざる者には与えてあげればいいのよ。こうやってね」モミッ
リリス「ひゃん……、か、カミラ様。いきなり、な、なにを、はうううぅん」
カミラ「こうやってね、優しく触れば大きくなるのよ」
ピエリ「そうなの、ピエリ良いこと聞いたの! 今から、リリスの小さいのを大きくしてあげるの」
リリス「ひゃ、ふ、ふたりで、そんな、わ、わたしの 、そんな、いっぱい触ら……いたっ」
カミラ「だめよ、ピエリ。そんな強く握っちゃ、リリスが痛がってるわ」
ピエリ「むずかしいの」
カミラ「大丈夫よ、ピエリがリリスに優しくしてあげたいようにするのが一番いいのよ。ほら、こうやって」
ピエリ「わかったの。リリス、いっぱい優しくしてあげるの!」
リリス「だ、だめ、そ、それいじょう、いや、もう―――」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
リリス「っていうことが、マカラスの戦いのあとにあったんですけど。本当に辛かったです」
カムイ「……リリスさん、なんで私はその場にいなかったんでしょうか?」
リリス「カムイ様、流石に怒りますよ」
カムイ「もう怒ってるじゃないですか。でも、カミラ姉さんや、ピエリさんと仲良く過ごしてるみたいで、なんだか安心しました」
リリス「ううっ、こんなに 責められたのに、仲良くなんて言い方はないですよ、カムイ様」
カムイ「そうですね。今度、そんなイベントがあったらちゃんと呼んでくださいね。目が見えないのであらぬ場所に手が行ってしまうかもしれませんが」
リリス「………」
カムイ「……冗談ですよ、冗談」
938: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/28(月) 22:57:14.90 ID:9Ld8bnHp0
◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・北の城塞―
カムイ「クリムゾンさん、ちょっといいですか?」
クリムゾン「ん、どうしたんだい? あれか、また鍛錬したくなったとか? うれしいよ、私カムイとの鍛錬なら四六時中付き合えるからさ」
カムイ「いえ、今日は鍛錬がしたいわけじゃないんです」
クリムゾン「なんだ、ちょっと残念だね」
カムイ「すみません。クリムゾンさんに聞きたいことがあったんですよ」
クリムゾン「私に聞きたいことって一体何かな」
カムイ「はい、その、あまり良いことではないんですが」
クリムゾン「……」
カムイ「シュヴァリエ公国でのことを、聞かせてもらえませんか?」
クリムゾン「それは、どういう意味のことかな?」
カムイ「できれば、私がマカラスを開放して、後をマクベスさんに任せた後の話です」
クリムゾン「………」
カムイ「あの」
クリムゾン「何が聞きたいんだい?」
カムイ「……そうですね。白夜の兵士たちがどのような行動をとったのかということです。すでに現場の方は臣下の方に見てもらい報告を受けていますが、実際に何があったかまではわかりませんからね」
クリムゾン「………それをなんで私から聞くんだい? シュヴァリエを開放したマクベスから直接聞けばいいじゃないか?」
カムイ「聞ければいいんですが、この頃私はマクベスさんに煙たがられているようなので。あまり詳しい話は聞かせてもらえないんですよ」
―暗夜王国・北の城塞―
カムイ「クリムゾンさん、ちょっといいですか?」
クリムゾン「ん、どうしたんだい? あれか、また鍛錬したくなったとか? うれしいよ、私カムイとの鍛錬なら四六時中付き合えるからさ」
カムイ「いえ、今日は鍛錬がしたいわけじゃないんです」
クリムゾン「なんだ、ちょっと残念だね」
カムイ「すみません。クリムゾンさんに聞きたいことがあったんですよ」
クリムゾン「私に聞きたいことって一体何かな」
カムイ「はい、その、あまり良いことではないんですが」
クリムゾン「……」
カムイ「シュヴァリエ公国でのことを、聞かせてもらえませんか?」
クリムゾン「それは、どういう意味のことかな?」
カムイ「できれば、私がマカラスを開放して、後をマクベスさんに任せた後の話です」
クリムゾン「………」
カムイ「あの」
クリムゾン「何が聞きたいんだい?」
カムイ「……そうですね。白夜の兵士たちがどのような行動をとったのかということです。すでに現場の方は臣下の方に見てもらい報告を受けていますが、実際に何があったかまではわかりませんからね」
クリムゾン「………それをなんで私から聞くんだい? シュヴァリエを開放したマクベスから直接聞けばいいじゃないか?」
カムイ「聞ければいいんですが、この頃私はマクベスさんに煙たがられているようなので。あまり詳しい話は聞かせてもらえないんですよ」
939: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/28(月) 23:15:38.55 ID:9Ld8bnHp0
クリムゾン「……なんで、あんたのおかげでマカラスまでの道が開けたんだよ。それを……」
カムイ「さぁ、何か面白くないのかもしれません。別に私にとってはどうでもいいことですが。でも、シュヴァリエ公国までの道を開いたのは私ですから、その先で何が起きたの、知らなくてはいけない立場にいるはずですから」
クリムゾン「……、口から出まかせ言ってるわけじゃなさそうだね」
カムイ「こんなことで嘘を吐いたって仕方ありませんから、それに私を訪ねてきた時のクリムゾンさんはとても辛そうでしたよ? 正直、ウィンダムに出来れば来たくなかったんじゃないですか?」
クリムゾン「……なんか、私の心の中を探られてるみたいで気味が悪いね」
カムイ「……」
クリムゾン「けど、カムイにはシュヴァリエ公国までの道を開いてくれたのは確かだ。わかったよ、でもあまりいい話じゃないよ」
カムイ「わかってます。逆に意気揚々と話されたりしたら、困りますから」
クリムゾン「私が、そんな風に話をするようなやつに見えるかい?」
カムイ「人は見かけによりませんから」
クリムゾン「そこはお世辞でも、クリムゾンさんはそういう人には見えません、って言うところだよ」
カムイ「でも、クリムゾンさんのほうこそ大丈夫ですか?」
クリムゾン「なにがだい?」
カムイ「正直、話す方が辛いことだと思いますから」
クリムゾン「ははっ、こんな風に気にしてくれるなんて、まるで友達みたいだな」
カムイ「はい、私とクリムゾンさんは友達ですから、心配するのは当然ですよ」
クリムゾン「……まったく、調子のいい友達だね。わかった、話せる範囲でいいなら」
カムイ「お願いします」
カムイ「さぁ、何か面白くないのかもしれません。別に私にとってはどうでもいいことですが。でも、シュヴァリエ公国までの道を開いたのは私ですから、その先で何が起きたの、知らなくてはいけない立場にいるはずですから」
クリムゾン「……、口から出まかせ言ってるわけじゃなさそうだね」
カムイ「こんなことで嘘を吐いたって仕方ありませんから、それに私を訪ねてきた時のクリムゾンさんはとても辛そうでしたよ? 正直、ウィンダムに出来れば来たくなかったんじゃないですか?」
クリムゾン「……なんか、私の心の中を探られてるみたいで気味が悪いね」
カムイ「……」
クリムゾン「けど、カムイにはシュヴァリエ公国までの道を開いてくれたのは確かだ。わかったよ、でもあまりいい話じゃないよ」
カムイ「わかってます。逆に意気揚々と話されたりしたら、困りますから」
クリムゾン「私が、そんな風に話をするようなやつに見えるかい?」
カムイ「人は見かけによりませんから」
クリムゾン「そこはお世辞でも、クリムゾンさんはそういう人には見えません、って言うところだよ」
カムイ「でも、クリムゾンさんのほうこそ大丈夫ですか?」
クリムゾン「なにがだい?」
カムイ「正直、話す方が辛いことだと思いますから」
クリムゾン「ははっ、こんな風に気にしてくれるなんて、まるで友達みたいだな」
カムイ「はい、私とクリムゾンさんは友達ですから、心配するのは当然ですよ」
クリムゾン「……まったく、調子のいい友達だね。わかった、話せる範囲でいいなら」
カムイ「お願いします」
940: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/28(月) 23:30:21.57 ID:9Ld8bnHp0
クリムゾン「といっても、城塞は手強かったよ。マクベスだっけ? あいつの指揮のおかげで暗夜の兵士も何人か死んだみたいだけど」
カムイ「……そんな報告は資料になかったのですが」
クリムゾン「……戦死者が出るってことは、経歴に傷がつくってことなんでしょ。でも、正規兵の方が城壁に詳しい、土地鑑は間違いなく暗夜にあった。だからかもしれないよ、少ししたら城塞から白夜の兵が引いたのさ」
カムイ「引いた? 陣を組み直したりといったことはしなかったのですか?」
クリムゾン「ああ、正規兵の数にここを持たせられないって思ったのかもしれない。城壁に入った時にはもぬけの殻だったよ」
カムイ「………」
クリムゾン「ん、どうしたんだい?」
カムイ「いいえ、それで。城壁を越えた後はどうなったんですか」
クリムゾン「……シュヴァリエ公国の都市にマクベスが入った時には、白夜軍は撤退の動きに入ってたよ。後から聞いた話だけど、騎士団が戦況を盛り返したって言ってたから、それと城壁が落ちたことが重なって、白夜が撤退を開始した。でも、しんがりを務めることになった兵もいたんだ」
カムイ「多くの兵を逃がすための囮ですか……、あのクリムゾンさん、正直に答えてもらえますか?」
クリムゾン「なんだい?」
カムイ「その、最後の戦いは争いでしたか?
クリムゾン「……争い――」
カムイ「……」
クリムゾン「……争いのわけない。あれは単なる虐殺だ」
カムイ「……そんな報告は資料になかったのですが」
クリムゾン「……戦死者が出るってことは、経歴に傷がつくってことなんでしょ。でも、正規兵の方が城壁に詳しい、土地鑑は間違いなく暗夜にあった。だからかもしれないよ、少ししたら城塞から白夜の兵が引いたのさ」
カムイ「引いた? 陣を組み直したりといったことはしなかったのですか?」
クリムゾン「ああ、正規兵の数にここを持たせられないって思ったのかもしれない。城壁に入った時にはもぬけの殻だったよ」
カムイ「………」
クリムゾン「ん、どうしたんだい?」
カムイ「いいえ、それで。城壁を越えた後はどうなったんですか」
クリムゾン「……シュヴァリエ公国の都市にマクベスが入った時には、白夜軍は撤退の動きに入ってたよ。後から聞いた話だけど、騎士団が戦況を盛り返したって言ってたから、それと城壁が落ちたことが重なって、白夜が撤退を開始した。でも、しんがりを務めることになった兵もいたんだ」
カムイ「多くの兵を逃がすための囮ですか……、あのクリムゾンさん、正直に答えてもらえますか?」
クリムゾン「なんだい?」
カムイ「その、最後の戦いは争いでしたか?
クリムゾン「……争い――」
カムイ「……」
クリムゾン「……争いのわけない。あれは単なる虐殺だ」
941: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/28(月) 23:45:47.14 ID:9Ld8bnHp0
カムイ「虐殺……ですか」
クリムゾン「……戦闘の意思がなくなった相手をめった刺しにして笑ってる兵がいた。動けない女に群がってる男たちもいた、怖さに耐えるように身を寄せ隠れていた家に火を放って、逃げる奴を追いかけて、追いかけて……逃げきれなくなったところで殺していた。それをマクベスは愉快そうに見てたよ」
カムイ「………」
クリムゾン「私は止めたかった。でも、シュヴァリエを開放するためにやってきたマクベスに意見することなんてできなかった。私は、多くの人間が一方的に殺され●されていくのをただ黙って見てるだけだった」
カムイ「……クリムゾンさん」
クリムゾン「今でも、時々思い出すんだ。男の組み敷かれてる女や、足もとに倒れて動かなくなった亡骸がさ、ふと頭をよぎるんだ。暗夜軍がしたことはたしかにシュヴァリエ公国の解放に繋がったけど、そのやり方を私は支持できない」
カムイ「……マクベスさんは、あまり兵士に恵まれていないんでしょうね」
クリムゾン「?」
カムイ「多分、兵士たちは最初マクベスさんから指示を仰いだんじゃないですか?」
クリムゾン「な、なんの指示さ」
カムイ「簡単です。ここに女がいる、この女を●してもいいですか、って。私の臣下にそんなことを嬉々揚々という人はいません。それは私が臣下の方たちに恵まれているから、そういったことが許されるわけもないと、みんな知っているからです。ですが、マクベスさんが率いている兵士たちは違います、それをマクベスさんはよく理解していると思いますよ」
クリムゾン「……戦闘の意思がなくなった相手をめった刺しにして笑ってる兵がいた。動けない女に群がってる男たちもいた、怖さに耐えるように身を寄せ隠れていた家に火を放って、逃げる奴を追いかけて、追いかけて……逃げきれなくなったところで殺していた。それをマクベスは愉快そうに見てたよ」
カムイ「………」
クリムゾン「私は止めたかった。でも、シュヴァリエを開放するためにやってきたマクベスに意見することなんてできなかった。私は、多くの人間が一方的に殺され●されていくのをただ黙って見てるだけだった」
カムイ「……クリムゾンさん」
クリムゾン「今でも、時々思い出すんだ。男の組み敷かれてる女や、足もとに倒れて動かなくなった亡骸がさ、ふと頭をよぎるんだ。暗夜軍がしたことはたしかにシュヴァリエ公国の解放に繋がったけど、そのやり方を私は支持できない」
カムイ「……マクベスさんは、あまり兵士に恵まれていないんでしょうね」
クリムゾン「?」
カムイ「多分、兵士たちは最初マクベスさんから指示を仰いだんじゃないですか?」
クリムゾン「な、なんの指示さ」
カムイ「簡単です。ここに女がいる、この女を●してもいいですか、って。私の臣下にそんなことを嬉々揚々という人はいません。それは私が臣下の方たちに恵まれているから、そういったことが許されるわけもないと、みんな知っているからです。ですが、マクベスさんが率いている兵士たちは違います、それをマクベスさんはよく理解していると思いますよ」
942: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/29(火) 00:12:51.84 ID:OEWbF7IH0
クリムゾン「……何が言いたいんだよ」
カムイ「私は国取りとか、領土拡張とかそういうものはよくわかりません。そもそも、できれば戦いなど起きない方がいいんですよ。マクベスさんもなんだかんだ言えば、戦いをせずに結果が出るのが望ましいと考えているでしょう」
クリムゾン「だったら、シュヴァリェ公国であいつが出した指示は」
カムイ「はい、でもそれは仕方がないんですよ。なにせ、マクベスさんとは全く関わりのない兵士たちが大量にいたんですから。それに隠ぺいされた戦死された兵の話もあります。正直、城壁攻略までに置いていえば、マクベスさんは兵士を消耗して、敵に逃げられただけの状態なんですよ。それを従えている兵士たちに見られているわけですから。兵士の士気低下というのは目に見えて自身への評価に繋がりますからね、マクベスさんとしてもそれは抑えなければならないことです。軍師を務めている以上、泥を塗るわけにはいきませんからね」
クリムゾン「……まさか、そんな、そんな理由で!?」
カムイ「クリムゾンさん。あなたにとってそんなことでも、マクベスさんにとっては正規兵に頼りにされる指揮官を演出できる格好の舞台だったんですよ。あそこにいた方たちは、それを体よく提供してくれたでしょう。戻ってからマクベスさんに対する正規兵の指示は上がっていますからね。ただ、本当の意味でマクベスさんを信頼している人はいないでしょうが」
クリムゾン「……わからないよ。そんなことで、あんな蛮行が許されるって言うのかい?」
カムイ「……戦争はそういうものですから、相手は白夜の兵です、何をしても御咎めなどありませんから。マクベスさんの命令はやりたいことをやっていいという、許しみたいなものなんですから」
クリムゾン「敵国の人間なのはわかる、だけど民間人にそんなことをしていいはずはないだろ。自分は兵士じゃないと懇願しているのに、そんな相手を殺すなんて」
カムイ「そうですね、でも起きてしまったことは変えられませんから。クリムゾンさん、もう話は大丈夫ですよ」
クリムゾン「……少し熱くなってたかもしれない」
カムイ「ふふっ、感受性豊かなんですね。クリムゾンさんらしさなのかもしれませんね」
クリムゾン「そ、そうかな……」
カムイ「私は国取りとか、領土拡張とかそういうものはよくわかりません。そもそも、できれば戦いなど起きない方がいいんですよ。マクベスさんもなんだかんだ言えば、戦いをせずに結果が出るのが望ましいと考えているでしょう」
クリムゾン「だったら、シュヴァリェ公国であいつが出した指示は」
カムイ「はい、でもそれは仕方がないんですよ。なにせ、マクベスさんとは全く関わりのない兵士たちが大量にいたんですから。それに隠ぺいされた戦死された兵の話もあります。正直、城壁攻略までに置いていえば、マクベスさんは兵士を消耗して、敵に逃げられただけの状態なんですよ。それを従えている兵士たちに見られているわけですから。兵士の士気低下というのは目に見えて自身への評価に繋がりますからね、マクベスさんとしてもそれは抑えなければならないことです。軍師を務めている以上、泥を塗るわけにはいきませんからね」
クリムゾン「……まさか、そんな、そんな理由で!?」
カムイ「クリムゾンさん。あなたにとってそんなことでも、マクベスさんにとっては正規兵に頼りにされる指揮官を演出できる格好の舞台だったんですよ。あそこにいた方たちは、それを体よく提供してくれたでしょう。戻ってからマクベスさんに対する正規兵の指示は上がっていますからね。ただ、本当の意味でマクベスさんを信頼している人はいないでしょうが」
クリムゾン「……わからないよ。そんなことで、あんな蛮行が許されるって言うのかい?」
カムイ「……戦争はそういうものですから、相手は白夜の兵です、何をしても御咎めなどありませんから。マクベスさんの命令はやりたいことをやっていいという、許しみたいなものなんですから」
クリムゾン「敵国の人間なのはわかる、だけど民間人にそんなことをしていいはずはないだろ。自分は兵士じゃないと懇願しているのに、そんな相手を殺すなんて」
カムイ「そうですね、でも起きてしまったことは変えられませんから。クリムゾンさん、もう話は大丈夫ですよ」
クリムゾン「……少し熱くなってたかもしれない」
カムイ「ふふっ、感受性豊かなんですね。クリムゾンさんらしさなのかもしれませんね」
クリムゾン「そ、そうかな……」
943: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/29(火) 00:23:35.77 ID:OEWbF7IH0
カムイ「はい、長い間拘束してしまって申し訳なかったです。私は部屋に戻りますから、クリムゾンさんはゆっくりしていてください」
クリムゾン「あ、ああ。なんだか、話して後悔した気がするけど、カムイに聞いてもらえてちょっと肩の荷が下りた感じがするよ」
カムイ「ふふっ、そう言ってもらえると話を聞いた甲斐があるというものです。それでは、失礼しますね」
ガチャ バタン
カムイ「……民間人……ですか」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―暗夜王国・レオン邸―
レオン「サクラとカザハナはどう思う?」
サクラ「その、シュヴァリエ公国の騎士さんですよね。その、話を聞く限りだと、少しだけ」
カザハナ「いや、アクア様の話を聞いた限りだとあやしいよ、それ」
レオン「うん、僕も同じ考えだよ。火の気のないところにとはいうけど、ここまで露骨に説明されると疑わずにはいられないかな」
カザハナ「でも、目的がわからないよ。要人の暗殺とかかな?」
レオン「どうだろう。こうやって堂々と現れてるところを見ると、要人暗殺とかそういったことを考えるようには見えない。だから、正直それが不気味で仕方ないんだ」
サクラ「あ、あの。本当にカムイ姉様に会いに来ただけだったりするんじゃないでしょうか?」
レオン「会うだけっていうことだけですでに意味がわからないんだけど。つまり、接触することが目的ってこと?」
カザハナ「何のためによ」
サクラ「そ、そのお友達になるため……とかでしょうか?」
クリムゾン「あ、ああ。なんだか、話して後悔した気がするけど、カムイに聞いてもらえてちょっと肩の荷が下りた感じがするよ」
カムイ「ふふっ、そう言ってもらえると話を聞いた甲斐があるというものです。それでは、失礼しますね」
ガチャ バタン
カムイ「……民間人……ですか」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―暗夜王国・レオン邸―
レオン「サクラとカザハナはどう思う?」
サクラ「その、シュヴァリエ公国の騎士さんですよね。その、話を聞く限りだと、少しだけ」
カザハナ「いや、アクア様の話を聞いた限りだとあやしいよ、それ」
レオン「うん、僕も同じ考えだよ。火の気のないところにとはいうけど、ここまで露骨に説明されると疑わずにはいられないかな」
カザハナ「でも、目的がわからないよ。要人の暗殺とかかな?」
レオン「どうだろう。こうやって堂々と現れてるところを見ると、要人暗殺とかそういったことを考えるようには見えない。だから、正直それが不気味で仕方ないんだ」
サクラ「あ、あの。本当にカムイ姉様に会いに来ただけだったりするんじゃないでしょうか?」
レオン「会うだけっていうことだけですでに意味がわからないんだけど。つまり、接触することが目的ってこと?」
カザハナ「何のためによ」
サクラ「そ、そのお友達になるため……とかでしょうか?」
944: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/29(火) 00:36:49.47 ID:OEWbF7IH0
レオン「……そんな平和的なものではない気がするけど。まぁ、姉さんが直に見ているんだから、そんな間違いが起きるとは思えないよ。さてと……」
サクラ「これから軍議ですか?」
レオン「ああ、この頃は臣下たちにも自由時間を与えてる。監視の目がないからって勝手に外へ出ないようにね」
カザハナ「わかってるわよ。さすがに死にたくなんてないし、それに抜け出して白夜に帰っても、今は意味なんてないから」
レオン「……ごめん、ちょっと無神経だった」
カザハナ「いいからいいから。ほらほら、レオン王子。早くいかないと軍議に遅れちゃうよ」
レオン「ああ、わかってる。それじゃ、行ってくるから、おとなしくしてるんだぞ」
ガチャ バタン
カザハナ「はぁ、それじゃあたしちょっと行ってくるね~」
サクラ「カザハナさん、いくら自由にしていいって言われてても」
カザハナ「いいじゃない。それに、結構あたし気に入ってるんだよ。あのひらひらしてるスカートとか」
サクラ「レオンさんが帰ってきたら怒られちゃうかもしれないよ」
カザハナ「軍議の日は決まって夜まで帰ってこない。だから、最低夕方までは自由時間よ。それに少しだけだから、ね?」
サクラ「わ、私にお願いされても」
カザハナ「そういうわけだから、ちょっと着替えてくるね!」
タタタタタタタタッ
カザハナ「うん、なんだかんだでこのメイド服動きやすくていいのよね。それじゃ、戻ってサクラに紅茶でも入れてあげよう。ふふん、少しは様になってきたはずだし」
ガチャ
レオン「……」
カザハナ「」
サクラ「これから軍議ですか?」
レオン「ああ、この頃は臣下たちにも自由時間を与えてる。監視の目がないからって勝手に外へ出ないようにね」
カザハナ「わかってるわよ。さすがに死にたくなんてないし、それに抜け出して白夜に帰っても、今は意味なんてないから」
レオン「……ごめん、ちょっと無神経だった」
カザハナ「いいからいいから。ほらほら、レオン王子。早くいかないと軍議に遅れちゃうよ」
レオン「ああ、わかってる。それじゃ、行ってくるから、おとなしくしてるんだぞ」
ガチャ バタン
カザハナ「はぁ、それじゃあたしちょっと行ってくるね~」
サクラ「カザハナさん、いくら自由にしていいって言われてても」
カザハナ「いいじゃない。それに、結構あたし気に入ってるんだよ。あのひらひらしてるスカートとか」
サクラ「レオンさんが帰ってきたら怒られちゃうかもしれないよ」
カザハナ「軍議の日は決まって夜まで帰ってこない。だから、最低夕方までは自由時間よ。それに少しだけだから、ね?」
サクラ「わ、私にお願いされても」
カザハナ「そういうわけだから、ちょっと着替えてくるね!」
タタタタタタタタッ
カザハナ「うん、なんだかんだでこのメイド服動きやすくていいのよね。それじゃ、戻ってサクラに紅茶でも入れてあげよう。ふふん、少しは様になってきたはずだし」
ガチャ
レオン「……」
カザハナ「」
946: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/29(火) 00:45:41.39 ID:OEWbF7IH0
レオン「その格好」
カザハナ「こ、これは――って、軍議のほうはどうしたの。遅れるとまずいんじゃない?」
レオン「ああ、ちょっと忘れ物をしてね」
カザハナ「珍しい、いつも忘れ物なんてしないのに」
レオン「ははっ、僕だって忘れることだってあるよ」
カザハナ「まぁ、そうよね。カムイ王女の客人が危険人物かもしれないなんて話をしてたからかな?」
レオン「……」
カザハナ「?」
レオン「そうだね。ははっ、僕としたことがいろいろと考え込んでるのかもしれない」
カザハナ「しっかりしてよ」
レオン「でも、勝手にメイド服に着替えてるのは感心しないけどね」
カザハナ「こ、これは……」
レオン「まぁいいよ。それじゃ、僕はもう行くから」
カザハナ「へっ、……うん」
レオン「あ、それと、結構似合ってるんじゃないかな。その服装」
カザハナ「……」
レオン「それじゃ……」
タタタタタタタッ
カザハナ「……」
テトテトテトテト
サクラ「あ、カザハナさん。遅かったで――。ど、どうしたんですか、なんだか無表情ですよ?」
カザハナ「ウウン、ナンデモナイヨ、サクラ、トッテモコイシイコウチャ、イレテアゲルワネー」
サクラ「そんな片言言葉で返されても、全然説得力ありませんよ?」
カザハナ「ダウジョウブ、ホントウニナンデモナイノ」
カザハナ「……///」
カザハナ「こ、これは――って、軍議のほうはどうしたの。遅れるとまずいんじゃない?」
レオン「ああ、ちょっと忘れ物をしてね」
カザハナ「珍しい、いつも忘れ物なんてしないのに」
レオン「ははっ、僕だって忘れることだってあるよ」
カザハナ「まぁ、そうよね。カムイ王女の客人が危険人物かもしれないなんて話をしてたからかな?」
レオン「……」
カザハナ「?」
レオン「そうだね。ははっ、僕としたことがいろいろと考え込んでるのかもしれない」
カザハナ「しっかりしてよ」
レオン「でも、勝手にメイド服に着替えてるのは感心しないけどね」
カザハナ「こ、これは……」
レオン「まぁいいよ。それじゃ、僕はもう行くから」
カザハナ「へっ、……うん」
レオン「あ、それと、結構似合ってるんじゃないかな。その服装」
カザハナ「……」
レオン「それじゃ……」
タタタタタタタッ
カザハナ「……」
テトテトテトテト
サクラ「あ、カザハナさん。遅かったで――。ど、どうしたんですか、なんだか無表情ですよ?」
カザハナ「ウウン、ナンデモナイヨ、サクラ、トッテモコイシイコウチャ、イレテアゲルワネー」
サクラ「そんな片言言葉で返されても、全然説得力ありませんよ?」
カザハナ「ダウジョウブ、ホントウニナンデモナイノ」
カザハナ「……///」
947: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/29(火) 01:09:30.30 ID:OEWbF7IH0
◆◆◆◆◆◆
―星界・マイルーム―
カムイ「……」
コンコン
リリス「カムイ様、皆さまをお連れしました」
カムイ「はい、入ってもらってください」
ラズワルド「ははっ、この空間に来るのも久しぶりだけど。カムイ様の部屋に来るのは初めてかな」
ルーナ「邪魔するわよ。って、何もない部屋ねここ、もっと何か置きなさいよ」
オーディン「ふっ、魅惑なる隠された大地に聳える隠れ家とか、なんだよこれカッコよすぎるだろ」
リリス「すいません、一人とってもうるさい人が」
カムイ「いいえ、構いませんよ。むしろ、賑やかなことはいいことですから」
ラズワルド「そう言ってもらえると嬉しいよ。僕たちのこと招待してくれてありがとう、カムイ様」
カムイ「いいえ。いずれお話を聞かなくてはいけないと思っていましたから。どうぞ、座ってください」
ルーナ「……失礼するわね」
オーディン「それにしても、こんな隠れ家があるなんて。リリスはすごいな」
リリス「これくらいしかカムイ様のお役にたてませんから。それでは、私はしばらく外で待っていますね」
カムイ「はい、すみません」
リリス「いいえ、では皆さん。またあとでお会いしましょう」
ガチャ バタン
カムイ「さて、ここに来てもらったのは他でもありません。あなた達に少し聞きたいことがあってお呼びしました」
ラズワルド「僕たちの目的、そういうことですよね?」
カムイ「はい、正直ラズワルドさんだけかと思いましたが、ルーナさんも、オーディンさんも来るとは予想外でした。皆さんは最初からお知り合いだったんですね」
ラズワルド「まぁ、腐れ縁みたいなものです」
オーディン「そうさ、俺たちは切っても切れない縁で繋がれているんだからな」
ルーナ「はぁ、ほんと、長い間一緒よね」
オーディン「ふっ、運命が俺たちをつかんで離さないだけさ。そう、俺たち選ばれし者なんだからな!」
カムイ「ふふっ、オーディンさんは面白い人ですね。さて、皆さんは私のためにここまで戦ってきてくれました、ですから、私としてはあなた方の目的に力添えがしたいと考えてます」
ラズワルド「……あまり詳しいことは言えませんがよろしいですか?」
カムイ「はい、話せないことや話したくないことは別に構いません。ただ、目的だけはわかるように教えていただけませんか?」
ラズワルド「はい、僕たちの目的ですが―――」
―星界・マイルーム―
カムイ「……」
コンコン
リリス「カムイ様、皆さまをお連れしました」
カムイ「はい、入ってもらってください」
ラズワルド「ははっ、この空間に来るのも久しぶりだけど。カムイ様の部屋に来るのは初めてかな」
ルーナ「邪魔するわよ。って、何もない部屋ねここ、もっと何か置きなさいよ」
オーディン「ふっ、魅惑なる隠された大地に聳える隠れ家とか、なんだよこれカッコよすぎるだろ」
リリス「すいません、一人とってもうるさい人が」
カムイ「いいえ、構いませんよ。むしろ、賑やかなことはいいことですから」
ラズワルド「そう言ってもらえると嬉しいよ。僕たちのこと招待してくれてありがとう、カムイ様」
カムイ「いいえ。いずれお話を聞かなくてはいけないと思っていましたから。どうぞ、座ってください」
ルーナ「……失礼するわね」
オーディン「それにしても、こんな隠れ家があるなんて。リリスはすごいな」
リリス「これくらいしかカムイ様のお役にたてませんから。それでは、私はしばらく外で待っていますね」
カムイ「はい、すみません」
リリス「いいえ、では皆さん。またあとでお会いしましょう」
ガチャ バタン
カムイ「さて、ここに来てもらったのは他でもありません。あなた達に少し聞きたいことがあってお呼びしました」
ラズワルド「僕たちの目的、そういうことですよね?」
カムイ「はい、正直ラズワルドさんだけかと思いましたが、ルーナさんも、オーディンさんも来るとは予想外でした。皆さんは最初からお知り合いだったんですね」
ラズワルド「まぁ、腐れ縁みたいなものです」
オーディン「そうさ、俺たちは切っても切れない縁で繋がれているんだからな」
ルーナ「はぁ、ほんと、長い間一緒よね」
オーディン「ふっ、運命が俺たちをつかんで離さないだけさ。そう、俺たち選ばれし者なんだからな!」
カムイ「ふふっ、オーディンさんは面白い人ですね。さて、皆さんは私のためにここまで戦ってきてくれました、ですから、私としてはあなた方の目的に力添えがしたいと考えてます」
ラズワルド「……あまり詳しいことは言えませんがよろしいですか?」
カムイ「はい、話せないことや話したくないことは別に構いません。ただ、目的だけはわかるように教えていただけませんか?」
ラズワルド「はい、僕たちの目的ですが―――」
948: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/29(火) 01:26:01.43 ID:OEWbF7IH0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
カムイ「神器を巡り合わせる……ですか」
ラズワルド「はい」
カムイ「ふむ、よくわからない話ですね。それをすることによって何が起きるのか、全く予想がつきませんから」
ルーナ「詳しいことは教えられない、けどそれが約束で、あたしたちの目的だから」
オーディン「ああ、この力はその目的のために、使われるべき力だからな」
カムイ「そうですか、と言っても、このまま戦争が続けば否応にも巡り合うことになりそうですけどね」
ラズワルド「確かにそうかもしれません。でも、それはつまり」
カムイ「ラズワルドさん、暗夜に付いた時点で、その覚悟くらいはありますよ。どういう形であれ、私が白夜の方々を裏切ったことに間違いはありませんから」
ラズワルド「……しかし」
カムイ「いいですか、私はあなた達のするべき目的に力添えすると言っているんです。このまま流れに任せても、それが成されるのであれば、それはむしろいいことです。それに、私だって相手を殺したいわけではありませんから、だから安心してください」
ラズワルド「……はい、カムイ様」
ルーナ「はぁ、ラズワルドはダメダメね。カムイ様はわがままなんだから。ね、カムイ様」
カムイ「ふふっ、そうですね。さて、これでラズワルドさん達の目的はわかりましたね」
カムイ「さてと、オーディンさん。ちょっとよろしいですか?」
オーディン「ついにカムイ様の 靡手が、ついに俺に向けられたということだな」
カムイ「…… 靡手?」
ラズワルド「……多分、カムイ様の●●ハンドのことです」
カムイ「なるほど、そういうことですか。言葉が変わると、予想されていたとはわからなくなってしまいますね」
カムイ「神器を巡り合わせる……ですか」
ラズワルド「はい」
カムイ「ふむ、よくわからない話ですね。それをすることによって何が起きるのか、全く予想がつきませんから」
ルーナ「詳しいことは教えられない、けどそれが約束で、あたしたちの目的だから」
オーディン「ああ、この力はその目的のために、使われるべき力だからな」
カムイ「そうですか、と言っても、このまま戦争が続けば否応にも巡り合うことになりそうですけどね」
ラズワルド「確かにそうかもしれません。でも、それはつまり」
カムイ「ラズワルドさん、暗夜に付いた時点で、その覚悟くらいはありますよ。どういう形であれ、私が白夜の方々を裏切ったことに間違いはありませんから」
ラズワルド「……しかし」
カムイ「いいですか、私はあなた達のするべき目的に力添えすると言っているんです。このまま流れに任せても、それが成されるのであれば、それはむしろいいことです。それに、私だって相手を殺したいわけではありませんから、だから安心してください」
ラズワルド「……はい、カムイ様」
ルーナ「はぁ、ラズワルドはダメダメね。カムイ様はわがままなんだから。ね、カムイ様」
カムイ「ふふっ、そうですね。さて、これでラズワルドさん達の目的はわかりましたね」
カムイ「さてと、オーディンさん。ちょっとよろしいですか?」
オーディン「ついにカムイ様の 靡手が、ついに俺に向けられたということだな」
カムイ「…… 靡手?」
ラズワルド「……多分、カムイ様の●●ハンドのことです」
カムイ「なるほど、そういうことですか。言葉が変わると、予想されていたとはわからなくなってしまいますね」
949: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/29(火) 01:46:19.42 ID:OEWbF7IH0
オーディン「ふっ、この漆黒のオーディン。どんな責めにも屈するつもりはない、俺こそ 靡手の誘惑を耐えきる唯一無二の戦士だ!」
カムイ「ふふっ、相当の自信ですね。ちょっと指を解さないといけないようですね」
ラズワルド「うっ、カムイ様の指、すごく柔らかそう」
ルーナ「んー、でもあたしはあまりそんな攻められてないのよね」
ラズワルド「確かに僕もそうだね」
カムイ「はは、そういうこともありますよ」
オーディン「ふっ、ラズワルドとルーナが耐えられたなら、楽勝だな。さぁ 靡手の使い手カムイよ、この俺から嗚咽を引き出してみるがいい!」
カムイ「そうですか、なら遠慮なく―――」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
オーディン「うわあああああ、やめろぉ、やめ、そ、そこは」
カムイ「どうしたんですか、こんなに体をピクピクさせて、なにがやめてほしいんですか?」
オーディン「だ、だからその、えっとですね」
カムイ「ふふっ、今さっきまでの言葉遣いはどうしたんですか。もっと、シュトルムシュオールとか、アイゼンドラッケンとか、そんな感じの言葉で私を封じ切るんじゃないんですか?」
オーディン「ちょ、ちょっとまって、ほんとおねがいします。ふたり、二人に見られてるからぁ! はううん!」
カムイ「見せつけてるんですから、焼きつけてもらいましょう。漆黒のオーディンは耳から首筋にかけてのラインをこうやって、優しく撫でられると……」
オーディン「っあ!」
カムイ「声をあげちゃう人間なんだって……」
ラズワルド「ううっ、これをずっと見せられるとか、すごい拷問だよね」
ルーナ「ええ、なまじ知り合いなだけに、直視できない光景だわ」
オーディン「お、おい、二人とも、見てないで助けてくれ! この、この人容赦……」
カムイ「ふふっ、顔が震えて温まってきてますよ、オーディンさん」フゥー
オーディン「っはうあう」
カムイ「耳も弱いんですね、こんなに弱点がいっぱいなのに、私の 靡手を攻略できると思ってるんですか?」
オーディン「やめっ、やめてー。耳は、耳に息吹きかけるのはー! し、静まれ、静まれ俺の中でうごめ――って、はうあああああっ!」
ラズワルド「カムイ様、ごめんなさい。これ以上は勘弁してください、見てるこっちが倒れたくなります」
ルーナ「私からもお願いするわ、正直、あしたの仕事に影響するかもしれないくらい、見ててきついから」
オーディン「ひどくない、やられてるの俺なのにひどくないか!?」
カムイ「仕方無いですね。オーディンさん、また今度機会があったらお触りさせてくださいね」
オーディン「……その、遠慮させてほしいです」
カムイ「ふふっ、相当の自信ですね。ちょっと指を解さないといけないようですね」
ラズワルド「うっ、カムイ様の指、すごく柔らかそう」
ルーナ「んー、でもあたしはあまりそんな攻められてないのよね」
ラズワルド「確かに僕もそうだね」
カムイ「はは、そういうこともありますよ」
オーディン「ふっ、ラズワルドとルーナが耐えられたなら、楽勝だな。さぁ 靡手の使い手カムイよ、この俺から嗚咽を引き出してみるがいい!」
カムイ「そうですか、なら遠慮なく―――」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
オーディン「うわあああああ、やめろぉ、やめ、そ、そこは」
カムイ「どうしたんですか、こんなに体をピクピクさせて、なにがやめてほしいんですか?」
オーディン「だ、だからその、えっとですね」
カムイ「ふふっ、今さっきまでの言葉遣いはどうしたんですか。もっと、シュトルムシュオールとか、アイゼンドラッケンとか、そんな感じの言葉で私を封じ切るんじゃないんですか?」
オーディン「ちょ、ちょっとまって、ほんとおねがいします。ふたり、二人に見られてるからぁ! はううん!」
カムイ「見せつけてるんですから、焼きつけてもらいましょう。漆黒のオーディンは耳から首筋にかけてのラインをこうやって、優しく撫でられると……」
オーディン「っあ!」
カムイ「声をあげちゃう人間なんだって……」
ラズワルド「ううっ、これをずっと見せられるとか、すごい拷問だよね」
ルーナ「ええ、なまじ知り合いなだけに、直視できない光景だわ」
オーディン「お、おい、二人とも、見てないで助けてくれ! この、この人容赦……」
カムイ「ふふっ、顔が震えて温まってきてますよ、オーディンさん」フゥー
オーディン「っはうあう」
カムイ「耳も弱いんですね、こんなに弱点がいっぱいなのに、私の 靡手を攻略できると思ってるんですか?」
オーディン「やめっ、やめてー。耳は、耳に息吹きかけるのはー! し、静まれ、静まれ俺の中でうごめ――って、はうあああああっ!」
ラズワルド「カムイ様、ごめんなさい。これ以上は勘弁してください、見てるこっちが倒れたくなります」
ルーナ「私からもお願いするわ、正直、あしたの仕事に影響するかもしれないくらい、見ててきついから」
オーディン「ひどくない、やられてるの俺なのにひどくないか!?」
カムイ「仕方無いですね。オーディンさん、また今度機会があったらお触りさせてくださいね」
オーディン「……その、遠慮させてほしいです」
950: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/29(火) 02:01:18.19 ID:OEWbF7IH0
◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・クラーケンシュタイン城『王の間』―
マクベス「……カムイ王女に正規兵を任せるというのですか!?」
ガロン「何か不満があるようだな、マクベスよ」
マクベス「カムイ王女はまだ、正規兵を統率できるほどに戦闘実績がありませぬ。まだ懸念材料がある以上、ここはこのマクベスに任せるていただけば」
ガロン「ふむ、マクベスよ。お前はわしの判断にたいして意見している。そう考えてよいのだな?」
マクベス「そ、そんなことは。ただ、私は暗夜の正規兵を任せられるほど、カムイ王女には実戦経験が――」
ガロン「ふっ、港町ディアの猛攻を阻止し、賭博の町マカラスまでも開放した我が子は力不足だと、そういいたいのか?」
マクベス「そ、それは」
ガロン「ふっ、マクベス。シュヴァリエ公国での一件もある、お前にも休み時間がいるだろう。その合間、正規兵をカムイが運用するだけの話だ。何も不思議なことはあるまい」
マクベス「ガロン王様、私は」
ガロン「話は以上だ……。しばしの休みに入るがよい」
マクベス「………わかりました、ガロン王様」
ガチャ バタン
ガロン「ふふっ、憎かろう。悔しかろう、さぁ、マクベスよ。どう動く、お前の心にあるそのどす黒いものは、我にどんな余興を与えてくれるのだろうな? 楽しみにしておるぞ……」
休息3 おわり
―暗夜王国・クラーケンシュタイン城『王の間』―
マクベス「……カムイ王女に正規兵を任せるというのですか!?」
ガロン「何か不満があるようだな、マクベスよ」
マクベス「カムイ王女はまだ、正規兵を統率できるほどに戦闘実績がありませぬ。まだ懸念材料がある以上、ここはこのマクベスに任せるていただけば」
ガロン「ふむ、マクベスよ。お前はわしの判断にたいして意見している。そう考えてよいのだな?」
マクベス「そ、そんなことは。ただ、私は暗夜の正規兵を任せられるほど、カムイ王女には実戦経験が――」
ガロン「ふっ、港町ディアの猛攻を阻止し、賭博の町マカラスまでも開放した我が子は力不足だと、そういいたいのか?」
マクベス「そ、それは」
ガロン「ふっ、マクベス。シュヴァリエ公国での一件もある、お前にも休み時間がいるだろう。その合間、正規兵をカムイが運用するだけの話だ。何も不思議なことはあるまい」
マクベス「ガロン王様、私は」
ガロン「話は以上だ……。しばしの休みに入るがよい」
マクベス「………わかりました、ガロン王様」
ガチャ バタン
ガロン「ふふっ、憎かろう。悔しかろう、さぁ、マクベスよ。どう動く、お前の心にあるそのどす黒いものは、我にどんな余興を与えてくれるのだろうな? 楽しみにしておるぞ……」
休息3 おわり
951: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/29(火) 02:04:01.45 ID:OEWbF7IH0
○カムイの支援一覧●
―対の存在―
アクアB+
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)
―城塞の人々―
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
ギュンターC+
(恋愛小説の朗読を頼まれています)
フェリシアC
(イベントは起きていません)
フローラC
(イベントは起きていません)
リリスB
(一緒に眠ったことがあります)
―暗夜第一王子マークス―
マークスC+
(イベントは起きていません)
ラズワルドC
(あなたを守るといわれています)
ピエリC
(今度はカムイの弱点を探ってみせると息巻いています)
―暗夜第二王子レオン―
レオンC+
(イベントは起きていません)
オーディンC→C+
(イベントは起きていません)
ゼロC+
(イベントは起きていません)
―暗夜第一王女カミラ―
カミラB
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ルーナC+
(目を失ったことに関する話をしています)
ベルカC+
(イベントは起きてません)
―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼB
(イベントは起きていません)
ハロルドB
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィC
(イベントは起きていません)
―白夜第二王女サクラ―
サクラC+
(イベントは起きていません)
カザハナC
(イベントは起きていません)
ツバキD+
(イベントは起きていません)
―カムイに力を貸すもの―
サイラスB
(イベントは起きていません)
ニュクスB
(イベントは起きていません)
モズメC+
(イベントは起きていません)
リンカC+
(イベントは起きていません)
―対の存在―
アクアB+
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)
―城塞の人々―
ジョーカーC+
(イベントは起きていません)
ギュンターC+
(恋愛小説の朗読を頼まれています)
フェリシアC
(イベントは起きていません)
フローラC
(イベントは起きていません)
リリスB
(一緒に眠ったことがあります)
―暗夜第一王子マークス―
マークスC+
(イベントは起きていません)
ラズワルドC
(あなたを守るといわれています)
ピエリC
(今度はカムイの弱点を探ってみせると息巻いています)
―暗夜第二王子レオン―
レオンC+
(イベントは起きていません)
オーディンC→C+
(イベントは起きていません)
ゼロC+
(イベントは起きていません)
―暗夜第一王女カミラ―
カミラB
(白夜の大きい人に関して話が上がっています)
ルーナC+
(目を失ったことに関する話をしています)
ベルカC+
(イベントは起きてません)
―暗夜第二王女エリーゼ―
エリーゼB
(イベントは起きていません)
ハロルドB
(ハロルドと一緒にいるのは楽しい)
エルフィC
(イベントは起きていません)
―白夜第二王女サクラ―
サクラC+
(イベントは起きていません)
カザハナC
(イベントは起きていません)
ツバキD+
(イベントは起きていません)
―カムイに力を貸すもの―
サイラスB
(イベントは起きていません)
ニュクスB
(イベントは起きていません)
モズメC+
(イベントは起きていません)
リンカC+
(イベントは起きていません)
952: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/29(火) 02:06:20.79 ID:OEWbF7IH0
●仲間間支援状況○
・新規発生イベント
ギュンターとサイラスのイベントが始まりました。
・進行したイベント
ジョーカーとフローラのイベントがBになりました。
フェリシアとルーナのイベントがAになりました。
・新規発生イベント
ギュンターとサイラスのイベントが始まりました。
・進行したイベント
ジョーカーとフローラのイベントがBになりました。
フェリシアとルーナのイベントがAになりました。
956: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/30(水) 12:47:17.91 ID:dDlOsfYO0
◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・レオン邸―
アクア「そう、やっぱりレオンもそう思うわけね」
レオン「問題が起こる前に考えるとそうなるってだけの話だよ。たしかにマクベスへのあいさつが無いままに姉さんだけに会いに来てるのは不自然だからね……」
アクア「……また、争いが起きるのかしら?」
レオン「それを未然に防げればいいけど。サクラは友達になるためにここにやってきたっていう意見だったよ」
アクア「ふふ、サクラらしい考えね。そんな平和的なものであればいいのだけど、それは淡い期待としか言えないわ」
レオン「そうだね。わざわざここまで来てるんだから、もう少しはっきりとした目的があるとは思う。それにしても、こうして話してみるとアクアもカムイ姉さんのこと、心配なんだね」
アクア「……命を助けてもらったということもあるけど、それ以上にカムイの力になりたいの」
レオン「そう。なら、早くした方がいいかもしれない」
アクア「?」
レオン「父上が姉さんに正規兵を任せるという話が、静かに上がってきてる」
アクア「……それは、実質マクベスの指揮権が失われるってことよね」
―暗夜王国・レオン邸―
アクア「そう、やっぱりレオンもそう思うわけね」
レオン「問題が起こる前に考えるとそうなるってだけの話だよ。たしかにマクベスへのあいさつが無いままに姉さんだけに会いに来てるのは不自然だからね……」
アクア「……また、争いが起きるのかしら?」
レオン「それを未然に防げればいいけど。サクラは友達になるためにここにやってきたっていう意見だったよ」
アクア「ふふ、サクラらしい考えね。そんな平和的なものであればいいのだけど、それは淡い期待としか言えないわ」
レオン「そうだね。わざわざここまで来てるんだから、もう少しはっきりとした目的があるとは思う。それにしても、こうして話してみるとアクアもカムイ姉さんのこと、心配なんだね」
アクア「……命を助けてもらったということもあるけど、それ以上にカムイの力になりたいの」
レオン「そう。なら、早くした方がいいかもしれない」
アクア「?」
レオン「父上が姉さんに正規兵を任せるという話が、静かに上がってきてる」
アクア「……それは、実質マクベスの指揮権が失われるってことよね」
957: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/30(水) 12:49:42.26 ID:dDlOsfYO0
レオン「そうなるね。父上に姉さんが認められているっていうことだろうけど、風当たりはかなり厳しくなるはずだ。そもそもマクベスにとって面白い話のはずはないからね」
アクア「マクベス以外にも、カムイのことを目の敵にしている人たちがいるのかもしれないわね」
レオン「ふっ、まぁそんな奴らから姉さんを守るのもいいじゃないか」
アクア「ふふっ、そうね。カムイのことだから、にっこり笑って頭を撫でてくれるかもしれないわ」
レオン「ちょ、なんで、そういう話になるわけ?」
アクア「だって、話を聞けば聞くほどレオンはカムイのことが大好きみたいだから……ふふっ」
レオン「そ、そんなわけないから。ほら、カムイ姉さんって、そのなんだか放っておけないところとかあるから」
アクア「その感じわかるわ。でも、レオン、カムイの話をしている時のあなたは真剣そのものよ。すごい親愛を感じるから」
レオン「だからそれは……////」
アクア「あらあら、顔を赤くして可愛いわね」
アクア「マクベス以外にも、カムイのことを目の敵にしている人たちがいるのかもしれないわね」
レオン「ふっ、まぁそんな奴らから姉さんを守るのもいいじゃないか」
アクア「ふふっ、そうね。カムイのことだから、にっこり笑って頭を撫でてくれるかもしれないわ」
レオン「ちょ、なんで、そういう話になるわけ?」
アクア「だって、話を聞けば聞くほどレオンはカムイのことが大好きみたいだから……ふふっ」
レオン「そ、そんなわけないから。ほら、カムイ姉さんって、そのなんだか放っておけないところとかあるから」
アクア「その感じわかるわ。でも、レオン、カムイの話をしている時のあなたは真剣そのものよ。すごい親愛を感じるから」
レオン「だからそれは……////」
アクア「あらあら、顔を赤くして可愛いわね」
958: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/30(水) 12:57:12.70 ID:dDlOsfYO0
ワイワイ ガヤガヤ
カザハナ「ううっ、何話してるんだろ?」
ツバキ「カザハナ、扉に張り付いて何してるの?」
カザハナ「な、なんでもないわよ!」
サクラ「カザハナさん、こんなところにいたら、レオンさんに怒られちゃいます。部屋に戻りましょう?」
カザハナ「……」
サクラ「はぁ、ツバキさん」
ツバキ「わかったよー、さぁさぁ、カザハナ。部屋に戻ろうねー」ガシッ
ズルズルズル
カザハナ「ああっ、あと、あと少しだけだから。あと少しだけだからぁ!」ジタバタ
サクラ「カザハナさん、アクア姉様とレオンさんの御話の邪魔をしちゃ駄目です」
ジャマシテルワケジャ――――
レオン「……何やってるんだよ、あいつらは」
アクア「ふふっ、本当に自由にさせてあげているのね。はやくこの問題を終わらせて、サクラ達が白夜に帰れる策を考えないといけないんでしょう?」
レオン「うん、カムイ姉さんに任されてるから。それにできれば帰してあげたいって言ったと思うけど」
アクア「そうね、再度確認して悪かったわ。でも、お礼はまた言わせてちょうだい、ありがとう」
レオン「お礼なんていらないから。それじゃ、僕は午後から軍議に出ないといけないから」
アクア「? 時間にしては早いと思うけど?」
レオン「色々と議題の準備が必要だからね、それじゃ失礼するよ」
ガチャ バタン
アクア「明日にでも、カムイに話さないといけないわね……」
カザハナ「ううっ、何話してるんだろ?」
ツバキ「カザハナ、扉に張り付いて何してるの?」
カザハナ「な、なんでもないわよ!」
サクラ「カザハナさん、こんなところにいたら、レオンさんに怒られちゃいます。部屋に戻りましょう?」
カザハナ「……」
サクラ「はぁ、ツバキさん」
ツバキ「わかったよー、さぁさぁ、カザハナ。部屋に戻ろうねー」ガシッ
ズルズルズル
カザハナ「ああっ、あと、あと少しだけだから。あと少しだけだからぁ!」ジタバタ
サクラ「カザハナさん、アクア姉様とレオンさんの御話の邪魔をしちゃ駄目です」
ジャマシテルワケジャ――――
レオン「……何やってるんだよ、あいつらは」
アクア「ふふっ、本当に自由にさせてあげているのね。はやくこの問題を終わらせて、サクラ達が白夜に帰れる策を考えないといけないんでしょう?」
レオン「うん、カムイ姉さんに任されてるから。それにできれば帰してあげたいって言ったと思うけど」
アクア「そうね、再度確認して悪かったわ。でも、お礼はまた言わせてちょうだい、ありがとう」
レオン「お礼なんていらないから。それじゃ、僕は午後から軍議に出ないといけないから」
アクア「? 時間にしては早いと思うけど?」
レオン「色々と議題の準備が必要だからね、それじゃ失礼するよ」
ガチャ バタン
アクア「明日にでも、カムイに話さないといけないわね……」
959: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/30(水) 13:00:07.29 ID:dDlOsfYO0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―暗夜王国・北の城塞―
カムイ「……」
クリムゾン『敵国の人間なのはわかる、だけど民間人にそんなことをしていいはずはないだろ。自分は兵士じゃないと懇願しているのに、そんな相手を殺すなんて』
カムイ「……正直、これだけを証拠とするのはよくないのですが、普通ならわかるはずのない情報なんですよね」
リリス「カムイ様、やっぱりそういうことなのでしょうか?」
カムイ「正直なところ、まだわかりません。ですが、あの場にクリムゾンさんはいなかったのに、どうやって知ることができたのかは全くわからないんですよね。マクベスさんの報告書にもそんな記述は無かったようですから」
リリス「……どうするんですか?」
カムイ「まだ、考えが纏まりません。纏まりませんが、一度レオンさんに確認しに行くのがいいかもしれません。クリムゾンさんが何か目的をもってここに来ているとレオンさんは踏んでいるようですし。ただ、誰からか話が来たということですから、レオンさん自体が気付いたことではないのかもしれませんね」」
リリス「……やはり、ここは皆さんにも協力を仰いだほうが」
カムイ「大事にすると、クリムゾンさんに迷惑がかかりますし、それが原因で彼女が拘留されたとなれば、それが新しい火種を呼ぶかもしれません。シュヴァリエ公国の人々が抱いている暗夜王国へのイメージは、この前の白夜軍掃討戦で最低なものになっているでしょうからね。他人であろうとも、それがどうされているかを見てしまった人たちが抱く感想は似通って同じものでしょうから」
リリス「わかりました、カムイ様の考えに私は賛同しますね」
―暗夜王国・北の城塞―
カムイ「……」
クリムゾン『敵国の人間なのはわかる、だけど民間人にそんなことをしていいはずはないだろ。自分は兵士じゃないと懇願しているのに、そんな相手を殺すなんて』
カムイ「……正直、これだけを証拠とするのはよくないのですが、普通ならわかるはずのない情報なんですよね」
リリス「カムイ様、やっぱりそういうことなのでしょうか?」
カムイ「正直なところ、まだわかりません。ですが、あの場にクリムゾンさんはいなかったのに、どうやって知ることができたのかは全くわからないんですよね。マクベスさんの報告書にもそんな記述は無かったようですから」
リリス「……どうするんですか?」
カムイ「まだ、考えが纏まりません。纏まりませんが、一度レオンさんに確認しに行くのがいいかもしれません。クリムゾンさんが何か目的をもってここに来ているとレオンさんは踏んでいるようですし。ただ、誰からか話が来たということですから、レオンさん自体が気付いたことではないのかもしれませんね」」
リリス「……やはり、ここは皆さんにも協力を仰いだほうが」
カムイ「大事にすると、クリムゾンさんに迷惑がかかりますし、それが原因で彼女が拘留されたとなれば、それが新しい火種を呼ぶかもしれません。シュヴァリエ公国の人々が抱いている暗夜王国へのイメージは、この前の白夜軍掃討戦で最低なものになっているでしょうからね。他人であろうとも、それがどうされているかを見てしまった人たちが抱く感想は似通って同じものでしょうから」
リリス「わかりました、カムイ様の考えに私は賛同しますね」
960: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/30(水) 13:01:49.21 ID:dDlOsfYO0
カムイ「すみません」
リリス「いいんですよ。それではカムイ様、私はお出かけしてきますね」
カムイ「ええ、久々にお休みですから。今日もピエリさんとお出かけなんですよね?」
リリス「はい、カムイ様にもピエリさんがプレゼントしてくれたリボンを見てもらいたいんですけど」
カムイ「ははっ、触らせてもらいましたから。私には可愛いリボンを付けたリリスさんが見えますよ」
リリス「ありがとうございます。それでは………」
ガチャ バタン
カムイ「……はぁ、どうするべきでしょうか」
コンコン
カムイ「はい」
ジョーカー『カムイ様、ジョーカーです』
カムイ「ジョーカーさん、どうしました?」
ジョーカー『はい、レオン様が来られまして、今日は何かご予定が?』
カムイ「……いいえ、何もありませんが。ちょうど良かった、話したいことがありますので貴賓室に通してもらえますか。私も向かいますので」
ジョーカー『仰せの通りに』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
レオン「………」
ガチャ
カムイ「すみません、お待たせしてしまって」
レオン「ううん、僕の方こそ、何も連絡なしに来ちゃってさ」
カムイ「いいえ……?」
レオン「姉さん、どうかした?」
カムイ「いえ、レオンさん背が縮みましたか?」
レオン「……ひどい挨拶だよ、それ」
リリス「いいんですよ。それではカムイ様、私はお出かけしてきますね」
カムイ「ええ、久々にお休みですから。今日もピエリさんとお出かけなんですよね?」
リリス「はい、カムイ様にもピエリさんがプレゼントしてくれたリボンを見てもらいたいんですけど」
カムイ「ははっ、触らせてもらいましたから。私には可愛いリボンを付けたリリスさんが見えますよ」
リリス「ありがとうございます。それでは………」
ガチャ バタン
カムイ「……はぁ、どうするべきでしょうか」
コンコン
カムイ「はい」
ジョーカー『カムイ様、ジョーカーです』
カムイ「ジョーカーさん、どうしました?」
ジョーカー『はい、レオン様が来られまして、今日は何かご予定が?』
カムイ「……いいえ、何もありませんが。ちょうど良かった、話したいことがありますので貴賓室に通してもらえますか。私も向かいますので」
ジョーカー『仰せの通りに』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
レオン「………」
ガチャ
カムイ「すみません、お待たせしてしまって」
レオン「ううん、僕の方こそ、何も連絡なしに来ちゃってさ」
カムイ「いいえ……?」
レオン「姉さん、どうかした?」
カムイ「いえ、レオンさん背が縮みましたか?」
レオン「……ひどい挨拶だよ、それ」
961: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/30(水) 13:04:50.39 ID:dDlOsfYO0
カムイ「そうですか、ここら辺が……」
レオン「そこは眉間だよ。ちょっと、痛いからやめてくれないかな?」
カムイ「すみません。サクラさんたちはお元気ですか?」
レオン「ああ、元気で困るくらいだよ」
カムイ「そうですか、それは良かったです。あの、レオンさん、今日ここに来られたのは――」
レオン「カムイ姉さんのことだから察しはついてると思うけど」
カムイ「……クリムゾンさんのことですね? 安心してください、すでに人払いは済ませてありますから」
レオン「……さすがは姉さんだ、わかってるなら話が早いよ」
カムイ「レオンさんはどう思っているんですか?」
レオン「……僕の意見より、まずは姉さんの意見を聞きたいかな。僕の意見なんて、すでに予想されてるかもしれないからね」
カムイ「そんなことはないと思いますけどね」
レオン「だからこそだよ、僕の意見と姉さんの意見が一緒だったら、何も間違いはないはずだからね」
カムイ「そうですか。では、私の意見としてですが……多分、クリムゾンさんは白夜と繋がっていると思います」
レオン「……どうしてそう思うんだい?」
カムイ「今回の訪問もそうですが、クリムゾンさんが暗夜に抱いている感情に良いものを感じません。それを押し殺しながら来る理由が、私へのお礼というのはいささか負担がかかり過ぎるものです」
レオン「そこは眉間だよ。ちょっと、痛いからやめてくれないかな?」
カムイ「すみません。サクラさんたちはお元気ですか?」
レオン「ああ、元気で困るくらいだよ」
カムイ「そうですか、それは良かったです。あの、レオンさん、今日ここに来られたのは――」
レオン「カムイ姉さんのことだから察しはついてると思うけど」
カムイ「……クリムゾンさんのことですね? 安心してください、すでに人払いは済ませてありますから」
レオン「……さすがは姉さんだ、わかってるなら話が早いよ」
カムイ「レオンさんはどう思っているんですか?」
レオン「……僕の意見より、まずは姉さんの意見を聞きたいかな。僕の意見なんて、すでに予想されてるかもしれないからね」
カムイ「そんなことはないと思いますけどね」
レオン「だからこそだよ、僕の意見と姉さんの意見が一緒だったら、何も間違いはないはずだからね」
カムイ「そうですか。では、私の意見としてですが……多分、クリムゾンさんは白夜と繋がっていると思います」
レオン「……どうしてそう思うんだい?」
カムイ「今回の訪問もそうですが、クリムゾンさんが暗夜に抱いている感情に良いものを感じません。それを押し殺しながら来る理由が、私へのお礼というのはいささか負担がかかり過ぎるものです」
962: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/30(水) 13:09:10.34 ID:dDlOsfYO0
レオン「うん、本来ならマクベスに礼を言うべきところだからね」
カムイ「話はクリムゾンさんから聞きました、どうやら白夜兵に対しての蛮行を容認したようです。それがクリムゾンさんには許せなかったのかもしれません」
レオン「……」
カムイ「ただ、目的は未だにわかりません、でも何かをしたいというわけではありませんし。とくに出掛けることもなく、今もここにとどまっていますから」
レオン「……姉さんに会いに来たんじゃないかな?」
カムイ「私にですか? でも、私と接触して意味があるとは思えないのですが。私はこの頃はマクベスさんから嫌われてしまっているようですし、そんな人と話しても、反感を買うだけだと思うんですが……」
レオン「そうだね、ここから自由になってわずかの間に多くの功績をあげてるんだから、マクベスが面白く思うはずなんてないよ。他にもそういう奴らはいるからね」
カムイ「…あまり、気分が良いものではないですね。だからこそ、そんな方たちからクリムゾンさんを守らないといけませんね」
レオン「守る?」
カムイ「はい、私はクリムゾンさんの真意を確かめようと思います」
レオン「……真意次第では殺すのかい?」
カムイ「いいえそこまではいかないと思います。何も起きていないのに、処罰などできませんし。それに一介の騎士が言うことで戦争なんて起きたりしませんから」
レオン「……なるほどね、それは言えてる。でも、なら早くした方がいいかもしれない」
カムイ「? どういうことですか」
レオン「……クリムゾンに不信感を抱いている者がいるみたいだからね。今は何も動いてなんていないけど」
カムイ「そうですか、まさかそれを伝えに?」
レオン「ははっ、姉さんのためだからね。これくらいのこと容易いことだから。それじゃ、僕はこれで戻るよ、後のことは任せるね」
カムイ「はい、ありがとうございますね。レオンさん」
レオン「うん、それじゃあね」
ガチャ バタン
レオン「………」
カムイ「話はクリムゾンさんから聞きました、どうやら白夜兵に対しての蛮行を容認したようです。それがクリムゾンさんには許せなかったのかもしれません」
レオン「……」
カムイ「ただ、目的は未だにわかりません、でも何かをしたいというわけではありませんし。とくに出掛けることもなく、今もここにとどまっていますから」
レオン「……姉さんに会いに来たんじゃないかな?」
カムイ「私にですか? でも、私と接触して意味があるとは思えないのですが。私はこの頃はマクベスさんから嫌われてしまっているようですし、そんな人と話しても、反感を買うだけだと思うんですが……」
レオン「そうだね、ここから自由になってわずかの間に多くの功績をあげてるんだから、マクベスが面白く思うはずなんてないよ。他にもそういう奴らはいるからね」
カムイ「…あまり、気分が良いものではないですね。だからこそ、そんな方たちからクリムゾンさんを守らないといけませんね」
レオン「守る?」
カムイ「はい、私はクリムゾンさんの真意を確かめようと思います」
レオン「……真意次第では殺すのかい?」
カムイ「いいえそこまではいかないと思います。何も起きていないのに、処罰などできませんし。それに一介の騎士が言うことで戦争なんて起きたりしませんから」
レオン「……なるほどね、それは言えてる。でも、なら早くした方がいいかもしれない」
カムイ「? どういうことですか」
レオン「……クリムゾンに不信感を抱いている者がいるみたいだからね。今は何も動いてなんていないけど」
カムイ「そうですか、まさかそれを伝えに?」
レオン「ははっ、姉さんのためだからね。これくらいのこと容易いことだから。それじゃ、僕はこれで戻るよ、後のことは任せるね」
カムイ「はい、ありがとうございますね。レオンさん」
レオン「うん、それじゃあね」
ガチャ バタン
レオン「………」
963: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/30(水) 13:11:31.91 ID:dDlOsfYO0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―暗夜王国・レオン邸―
カザハナ「……ああ、もう。なんでこんなことになってるのよ、あたし」
カザハナ「レオン王子とアクア様が何話してるかなんて、気にする必要なんてないのに……。はぁ」
ヒラヒラ
カザハナ(ヒラヒラしてて可愛いから着てたけど、今は違う意味で着てる気がする)
カザハナ「……あたし、どうしちゃったんだろ」
カザハナ「……ああ、もう。これもレオン王子の所為よ! あんな風に似合ってるなんて言うから!」
レオン「僕がどうしたって?」
カザハナ「う、うわあああ! れ、レオン王子!?」
レオン「いきなり驚かないでくれないかな。それと、またその服を着てるんだね」
カザハナ「な、何か文句あるの!」
レオン「別に、とりあえず似合ってはいるからね」
カザハナ「な、ばかぁ////」
レオン「? 意味がわからないけど、どうしたんだい? なんだか、考えごとをしてたみたいだけど」
カザハナ「あんたがアクア様とどんな話をしてたのかなって、ちょっと気になってただけ、ちょっとよ、ちょっとだけよ!」
レオン「そうかい?」
カザハナ「……やっぱり、レオン王子も頼りになる人のほうがいいの?」
レオン「………」
―暗夜王国・レオン邸―
カザハナ「……ああ、もう。なんでこんなことになってるのよ、あたし」
カザハナ「レオン王子とアクア様が何話してるかなんて、気にする必要なんてないのに……。はぁ」
ヒラヒラ
カザハナ(ヒラヒラしてて可愛いから着てたけど、今は違う意味で着てる気がする)
カザハナ「……あたし、どうしちゃったんだろ」
カザハナ「……ああ、もう。これもレオン王子の所為よ! あんな風に似合ってるなんて言うから!」
レオン「僕がどうしたって?」
カザハナ「う、うわあああ! れ、レオン王子!?」
レオン「いきなり驚かないでくれないかな。それと、またその服を着てるんだね」
カザハナ「な、何か文句あるの!」
レオン「別に、とりあえず似合ってはいるからね」
カザハナ「な、ばかぁ////」
レオン「? 意味がわからないけど、どうしたんだい? なんだか、考えごとをしてたみたいだけど」
カザハナ「あんたがアクア様とどんな話をしてたのかなって、ちょっと気になってただけ、ちょっとよ、ちょっとだけよ!」
レオン「そうかい?」
カザハナ「……やっぱり、レオン王子も頼りになる人のほうがいいの?」
レオン「………」
964: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/30(水) 13:15:19.90 ID:dDlOsfYO0
カザハナ「アクア様みたいにカムイ王女に危険が迫ってるかもしれないって教えてくれるような、そんな人のほうが……」
レオン「……」
カザハナ「べ、別にね。あんたのことを支えたいとかそういうことじゃないから、ただ、その、気になっただけで……」
レオン「ありがとう、気にしてもらえるのはうれしいよ」
カザハナ「そ、そう」
レオン「でも、別に肩肘を張る必要はないよ。君には君の良さがある、それで別にいいだろう?」
カザハナ「……なんか優しいね、レオン王子」
レオン「状況が状況だからね、気落ちしてるまま放置するのも問題になる」
カザハナ「……ありがとう。でもどうしたの、午後は軍議のはずじゃ」
レオン「ん、ちょっと新しい議題が入ってね。その準備に戻ってきたところだから、すぐに戻らないといけない」
カザハナ「そ、そう……」
レオン「それじゃ」
カザハナ「レオン王子……」
レオン「ん? どうかした?」
カザハナ「え、えっと、その……」
カザハナ「行ってらっしゃい」
レオン「……うん、行ってくる」
タタタタタタタッ
カザハナ「……胸が、ドキドキする……」
レオン『あ、それと、結構似合ってるんじゃないかな。その服装』
カザハナ「……ううっ」
レオン『別に、とりあえず似合ってはいるからね』
カザハナ「別にだけ、余計よ……///」
レオン「……」
カザハナ「べ、別にね。あんたのことを支えたいとかそういうことじゃないから、ただ、その、気になっただけで……」
レオン「ありがとう、気にしてもらえるのはうれしいよ」
カザハナ「そ、そう」
レオン「でも、別に肩肘を張る必要はないよ。君には君の良さがある、それで別にいいだろう?」
カザハナ「……なんか優しいね、レオン王子」
レオン「状況が状況だからね、気落ちしてるまま放置するのも問題になる」
カザハナ「……ありがとう。でもどうしたの、午後は軍議のはずじゃ」
レオン「ん、ちょっと新しい議題が入ってね。その準備に戻ってきたところだから、すぐに戻らないといけない」
カザハナ「そ、そう……」
レオン「それじゃ」
カザハナ「レオン王子……」
レオン「ん? どうかした?」
カザハナ「え、えっと、その……」
カザハナ「行ってらっしゃい」
レオン「……うん、行ってくる」
タタタタタタタッ
カザハナ「……胸が、ドキドキする……」
レオン『あ、それと、結構似合ってるんじゃないかな。その服装』
カザハナ「……ううっ」
レオン『別に、とりあえず似合ってはいるからね』
カザハナ「別にだけ、余計よ……///」
965: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/30(水) 13:17:46.84 ID:dDlOsfYO0
◇◇◇◇◇◇
―暗夜王国・北の城塞『来客室』―
クリムゾン「………」
~~~~~~~~~~~~~
シュヴァリエ騎士『クリムゾン、何をためらう必要がある。お前が前線で立つことこそが自由への旗揚げになる。それをお前も理解していたはずではないのか?』
クリムゾン『……』
シュヴァリエ騎士『今、城塞の警備の八割をシュヴァリエは任されている状態だ、そう簡単に破られることなどない。ここで一気に決起し、我らシュヴァリエの地で糧となった人々の無念を晴らさなければならない』
シュヴァリエ騎士『いやいや、あれは同胞じゃないって話だぜ、白夜にいながら暗夜に味方した奴らだって話だ。敵同士が斬り合ってただけだってよ』
シュヴァリエ騎士『なんだ、はははは、それは愉快なことだ。尚更、気にする必要ない。そうだろ、クリムゾン』
クリムゾン『ごめん、少しだけ外に出てきていいかな?』
シュヴァリエ騎士『ああ、考えがまとまったら言ってくれよ。俺たちはいつだって暗夜を倒す準備が整っているからな』
クリムゾン『頼もしいかぎりだね』
ガチャ バタン
クリムゾン『……どうすればいいんだろうね』
???『どうしたんだ? クリムゾン』
―暗夜王国・北の城塞『来客室』―
クリムゾン「………」
~~~~~~~~~~~~~
シュヴァリエ騎士『クリムゾン、何をためらう必要がある。お前が前線で立つことこそが自由への旗揚げになる。それをお前も理解していたはずではないのか?』
クリムゾン『……』
シュヴァリエ騎士『今、城塞の警備の八割をシュヴァリエは任されている状態だ、そう簡単に破られることなどない。ここで一気に決起し、我らシュヴァリエの地で糧となった人々の無念を晴らさなければならない』
シュヴァリエ騎士『いやいや、あれは同胞じゃないって話だぜ、白夜にいながら暗夜に味方した奴らだって話だ。敵同士が斬り合ってただけだってよ』
シュヴァリエ騎士『なんだ、はははは、それは愉快なことだ。尚更、気にする必要ない。そうだろ、クリムゾン』
クリムゾン『ごめん、少しだけ外に出てきていいかな?』
シュヴァリエ騎士『ああ、考えがまとまったら言ってくれよ。俺たちはいつだって暗夜を倒す準備が整っているからな』
クリムゾン『頼もしいかぎりだね』
ガチャ バタン
クリムゾン『……どうすればいいんだろうね』
???『どうしたんだ? クリムゾン』
966: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/30(水) 13:23:24.18 ID:dDlOsfYO0
クリムゾン『その声、リョウマかい?』
リョウマ『ああ、なんだか気落ちしているようだったからな』
クリムゾン『はは、恥ずかしいところ見られちゃったね。こんなところに遙々来てもらってるのにさ。もう、シュヴァリエの生活も板に付いた感じじゃないか?』
リョウマ『そうだな、あの作戦の日に上陸してからずっとここにいたのだからな。慣れるものさ』
クリムゾン『それも、そうだよね……』
リョウマ『反乱の件か……』
クリムゾン『……ああ、なんでだろうね。ここに来て思うんだよ、本当にこんなことして意味があるのかって』
リョウマ『今、シュヴァリエ公国は暗夜の敵対国ではないのだろう?』
クリムゾン『まぁね、でも明日には敵対国になるかもしれないよ。私が戦おうって言えば、みんな動いてくれるからさ。いや、私が戦わないっていっても、いずれは戦うことになるとは思うけど』
リョウマ『そうか……俺はできれば戦ってほしくなどないのだがな』
クリムゾン『リョウマ?』
リョウマ『民間人を犠牲にする戦い方を許可し、民が殺されている中で地下に潜み、何もできなかった俺のような男が言うことなど、許されないことだろう。だが、だからこそ、俺はそんな戦いにこのシュヴァリエを巻き込みたくないと思っている』
クリムゾン『リョウマは武人だね』
リョウマ『武人ではないさ。あの作戦を止めることができなかったのだからな……』
リョウマ『ああ、なんだか気落ちしているようだったからな』
クリムゾン『はは、恥ずかしいところ見られちゃったね。こんなところに遙々来てもらってるのにさ。もう、シュヴァリエの生活も板に付いた感じじゃないか?』
リョウマ『そうだな、あの作戦の日に上陸してからずっとここにいたのだからな。慣れるものさ』
クリムゾン『それも、そうだよね……』
リョウマ『反乱の件か……』
クリムゾン『……ああ、なんでだろうね。ここに来て思うんだよ、本当にこんなことして意味があるのかって』
リョウマ『今、シュヴァリエ公国は暗夜の敵対国ではないのだろう?』
クリムゾン『まぁね、でも明日には敵対国になるかもしれないよ。私が戦おうって言えば、みんな動いてくれるからさ。いや、私が戦わないっていっても、いずれは戦うことになるとは思うけど』
リョウマ『そうか……俺はできれば戦ってほしくなどないのだがな』
クリムゾン『リョウマ?』
リョウマ『民間人を犠牲にする戦い方を許可し、民が殺されている中で地下に潜み、何もできなかった俺のような男が言うことなど、許されないことだろう。だが、だからこそ、俺はそんな戦いにこのシュヴァリエを巻き込みたくないと思っている』
クリムゾン『リョウマは武人だね』
リョウマ『武人ではないさ。あの作戦を止めることができなかったのだからな……』
967: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/30(水) 13:28:32.91 ID:dDlOsfYO0
クリムゾン『あのさ……リョウマがもしも、ここを攻めてきた暗夜軍だったら、民間人たちをどうしていたと思う?』
リョウマ『抵抗する者は切り捨てるしかない。だが、力無き者や無抵抗なもの、降伏した者に刃を下ろすことはない。する必要性がないことだからな』
クリムゾン『そう。私ね、マカラスで死んだ白夜兵の数、数えたんだ。確かに少なくない数が死んだけど、遺体は30くらいしかなかったよ。全部が民間人のでも、マカラスに連れていかれた数には及んでなかった』
リョウマ『そうか……。タクミから話は聞いている。マカラスを開放したのはカムイだとな……。あいつはそれに気が付いたのかもしれない、あそこにいるのが戦闘兵じゃないことに。そんなカムイが戻ってくれば、白夜は元に戻ってくれると、どこかでまだ信じている俺がいる。情けないとはわかっていてもな』
クリムゾン『ねぇ、リョウマ。私、カムイともう一度話してみたいんだ』
リョウマ『?』
クリムゾン『だからさ、リョウマ。私が戻るまでの間、みんなが動くのを止めてくれないかな?』
リョウマ『……そうか。わかった、出来る限り善処してみせる。だが、そう長くは持たない。お前の意見はお前がいる間だけ機能する、お前がいない間にもしも何かが起こってしまったら』
クリムゾン『それは私のことが心配で言ってくれてるのかい?』
リョウマ『もちろんだ。お前に今の俺のような道を歩ませたくはないからな……だから、俺にできることがある間にカムイと会ってやってくれ』ナデナデ
クリムゾン『あはは、頭撫でられたのなんて久しぶりだよ。わかった、カムイに会っていろいろ話をしてみる。だからさ、リョウマ。私が帰るまで、お願いできるかい?』
リョウマ『ああ』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
クリムゾン「リョウマ……、カムイはとってもいい奴だよ」
クリムゾン「だからカムイとは戦いたくない。闘うなら、一緒に剣を取りたい……。とって一緒に平和を手に入れたい」
クリムゾン「明後日にはウィンダムを出ないといけない、その前に話をしないと……」
リョウマ『抵抗する者は切り捨てるしかない。だが、力無き者や無抵抗なもの、降伏した者に刃を下ろすことはない。する必要性がないことだからな』
クリムゾン『そう。私ね、マカラスで死んだ白夜兵の数、数えたんだ。確かに少なくない数が死んだけど、遺体は30くらいしかなかったよ。全部が民間人のでも、マカラスに連れていかれた数には及んでなかった』
リョウマ『そうか……。タクミから話は聞いている。マカラスを開放したのはカムイだとな……。あいつはそれに気が付いたのかもしれない、あそこにいるのが戦闘兵じゃないことに。そんなカムイが戻ってくれば、白夜は元に戻ってくれると、どこかでまだ信じている俺がいる。情けないとはわかっていてもな』
クリムゾン『ねぇ、リョウマ。私、カムイともう一度話してみたいんだ』
リョウマ『?』
クリムゾン『だからさ、リョウマ。私が戻るまでの間、みんなが動くのを止めてくれないかな?』
リョウマ『……そうか。わかった、出来る限り善処してみせる。だが、そう長くは持たない。お前の意見はお前がいる間だけ機能する、お前がいない間にもしも何かが起こってしまったら』
クリムゾン『それは私のことが心配で言ってくれてるのかい?』
リョウマ『もちろんだ。お前に今の俺のような道を歩ませたくはないからな……だから、俺にできることがある間にカムイと会ってやってくれ』ナデナデ
クリムゾン『あはは、頭撫でられたのなんて久しぶりだよ。わかった、カムイに会っていろいろ話をしてみる。だからさ、リョウマ。私が帰るまで、お願いできるかい?』
リョウマ『ああ』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
クリムゾン「リョウマ……、カムイはとってもいい奴だよ」
クリムゾン「だからカムイとは戦いたくない。闘うなら、一緒に剣を取りたい……。とって一緒に平和を手に入れたい」
クリムゾン「明後日にはウィンダムを出ないといけない、その前に話をしないと……」
968: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/30(水) 13:31:03.85 ID:dDlOsfYO0
―暗夜王国・クラーケンシュタイン城『マクベスの執務室』―
マクベス「おもしろくありませんね、なぜあのような小娘に正規軍の指揮など……」
マクベス「ガロン王様もどうかしている。カムイ王女はここまで奇麗に事を運んできましたが、そこがあやしいと思うべきところ」
マクベス「やはり、カムイ王女は未だ白夜と繋がっていて、情報を漏らしていると考えれば辻褄があうのです」
マクベス「ノートルディア公国を襲うはずの戦力が港町ディアとシュヴァリエ公国に向かったのも納得できるというもの……だが、証拠など何もない机上の空論、こんなものではガロン王様は耳さえも傾けて――」
コンコン
マクベス「……人が考え事をしているときに! 誰ですか、ここは軍師マクベスの執務室ですよ」
コンコンコンコン
マクベス「くっ! いいかげんにしませんか!」
ガチャ
マクベス「……誰もいない? ますます腹が立ちますね、カムイ王女のこともあるというのに、こうも悪戯をされるなど。ふむ……、これは」
マクベス「手紙のようですね、一体誰が?」
ピリッ スッ
マクベス「………! ふふふ、これは面白い話ですな。真意はどうあれ、目を光らせておくのは問題のないことでしょう」
マクベス「これでカムイ王女たちの仲良しごっこはおしまいですね。内部に亀裂が入れば、それだけで……」
マクベス「それに、これは事が起きてから動かせばよいもの。これでガロン王様にも示すことができます」
「カムイ王女が、反逆者であると認識させられる証拠を……」
休息4 おわり
マクベス「おもしろくありませんね、なぜあのような小娘に正規軍の指揮など……」
マクベス「ガロン王様もどうかしている。カムイ王女はここまで奇麗に事を運んできましたが、そこがあやしいと思うべきところ」
マクベス「やはり、カムイ王女は未だ白夜と繋がっていて、情報を漏らしていると考えれば辻褄があうのです」
マクベス「ノートルディア公国を襲うはずの戦力が港町ディアとシュヴァリエ公国に向かったのも納得できるというもの……だが、証拠など何もない机上の空論、こんなものではガロン王様は耳さえも傾けて――」
コンコン
マクベス「……人が考え事をしているときに! 誰ですか、ここは軍師マクベスの執務室ですよ」
コンコンコンコン
マクベス「くっ! いいかげんにしませんか!」
ガチャ
マクベス「……誰もいない? ますます腹が立ちますね、カムイ王女のこともあるというのに、こうも悪戯をされるなど。ふむ……、これは」
マクベス「手紙のようですね、一体誰が?」
ピリッ スッ
マクベス「………! ふふふ、これは面白い話ですな。真意はどうあれ、目を光らせておくのは問題のないことでしょう」
マクベス「これでカムイ王女たちの仲良しごっこはおしまいですね。内部に亀裂が入れば、それだけで……」
マクベス「それに、これは事が起きてから動かせばよいもの。これでガロン王様にも示すことができます」
「カムイ王女が、反逆者であると認識させられる証拠を……」
休息4 おわり
971: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/30(水) 22:37:37.13 ID:dDlOsfYO0
◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・北の城塞『カムイの部屋』―
コンコン ガチャ
リリス「カムイ様、クリムゾン様をお連れいたしました」
カムイ「はい、ありがとございます」
クリムゾン「………」
カムイ「どうしたんですか、いつもなら元気よく挨拶をしてくれるのに、今日はダンマリですね」
クリムゾン「……真剣だからね、無口にもなるのさ」
カムイ「そうですか」
クリムゾン「二人だけで話がしたいんだけど、こっちの方には退室してもらってもいい?」
カムイ「そうですね。ある場所に向かってから、退室してもらいますので。リリスさん」
リリス「はい、カムイ様。クリムゾン様、お手を失礼いたしますね」
クリムゾン「? いったい何を……」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―マイルーム―
リリス「では、私は外でお待ちしておりますね」
ガチャ バタン
クリムゾン「カムイ、お前一体何者なんだよ。こんな意味のわからないことができる知り合いがいるとか……」
カムイ「ええ、ですからできる限り有効に利用させてもらってますよ。こういった、他人に聞かれたくない話をする時などは、特に」
クリムゾン「そうかい……。ここに招いたってことは、私が来た理由をおおよそ察してるってことだよね?」
カムイ「はい、もう少し時間を掛けてからと思っていましたが、あなたのことを不審に思っている方々がいるという話を聞きましたので、こうしてお呼びしたわけです」
クリムゾン「はは、不審に思うのも仕方ないさ。むしろ、思わない方がおかしいことだからね……」
カムイ「……クリムゾンさん」
クリムゾン「大丈夫、私から話すよ。そのつもりでここに来たんだからね」
カムイ「そうですか。では、お願いします」
―暗夜王国・北の城塞『カムイの部屋』―
コンコン ガチャ
リリス「カムイ様、クリムゾン様をお連れいたしました」
カムイ「はい、ありがとございます」
クリムゾン「………」
カムイ「どうしたんですか、いつもなら元気よく挨拶をしてくれるのに、今日はダンマリですね」
クリムゾン「……真剣だからね、無口にもなるのさ」
カムイ「そうですか」
クリムゾン「二人だけで話がしたいんだけど、こっちの方には退室してもらってもいい?」
カムイ「そうですね。ある場所に向かってから、退室してもらいますので。リリスさん」
リリス「はい、カムイ様。クリムゾン様、お手を失礼いたしますね」
クリムゾン「? いったい何を……」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―マイルーム―
リリス「では、私は外でお待ちしておりますね」
ガチャ バタン
クリムゾン「カムイ、お前一体何者なんだよ。こんな意味のわからないことができる知り合いがいるとか……」
カムイ「ええ、ですからできる限り有効に利用させてもらってますよ。こういった、他人に聞かれたくない話をする時などは、特に」
クリムゾン「そうかい……。ここに招いたってことは、私が来た理由をおおよそ察してるってことだよね?」
カムイ「はい、もう少し時間を掛けてからと思っていましたが、あなたのことを不審に思っている方々がいるという話を聞きましたので、こうしてお呼びしたわけです」
クリムゾン「はは、不審に思うのも仕方ないさ。むしろ、思わない方がおかしいことだからね……」
カムイ「……クリムゾンさん」
クリムゾン「大丈夫、私から話すよ。そのつもりでここに来たんだからね」
カムイ「そうですか。では、お願いします」
972: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/30(水) 23:07:09.16 ID:dDlOsfYO0
クリムゾン「ああ、あんたの思っているとおりだけど、シュヴァリエ公国と白夜王国は繋がってる。共に暗夜を打倒するっていう旗の下にね」
カムイ「ということは、あの時、シュヴァリエ公国が白夜軍に占拠されたというのは……」
クリムゾン「真っ赤な嘘だ。いや、真っ白な嘘って言ったほうがいいのかな。シュヴァリエ公国は白夜軍に飲食住すべてを提供してたからね。港町ディアの攻撃は城壁に援軍を送られないための戦いだったんだよ」
カムイ「……だから、役目が済んだとヒノカさんの臣下が零していたのですね」
クリムゾン「そうだよ。城壁を攻略するのも簡単だったよ。暗夜の大将に財宝とかを一切合財積んだ馬車を差し出してね、これをあげるから城壁にしばらく匿ってくれってね。あとは、白夜軍が攻めてきたと同時に、内部にいた私たちが攻撃を開始するだけで済んだよ」
カムイ「……」
クリムゾン「そこからは私がシュヴァリエ公国に白夜が攻めてきたっていうことを知らせるために、港町ディアを目指してあんたに出会った。あとはここまでの流れどおりだよ。あんたを連れてマカラスに戻って、裏切り者に戦いを強いて死なせる。大量の戦死者が出たために白夜が撤退したように演出すれば、暗夜は乗り気になって城壁、そしてシュヴァリエまで攻めてくる。そして、同じように、また白夜の大敗を演じさせるんだ。今度はマカラスの何倍の数の裏切り者を使ってね」
カムイ「ということは、あの時、シュヴァリエ公国が白夜軍に占拠されたというのは……」
クリムゾン「真っ赤な嘘だ。いや、真っ白な嘘って言ったほうがいいのかな。シュヴァリエ公国は白夜軍に飲食住すべてを提供してたからね。港町ディアの攻撃は城壁に援軍を送られないための戦いだったんだよ」
カムイ「……だから、役目が済んだとヒノカさんの臣下が零していたのですね」
クリムゾン「そうだよ。城壁を攻略するのも簡単だったよ。暗夜の大将に財宝とかを一切合財積んだ馬車を差し出してね、これをあげるから城壁にしばらく匿ってくれってね。あとは、白夜軍が攻めてきたと同時に、内部にいた私たちが攻撃を開始するだけで済んだよ」
カムイ「……」
クリムゾン「そこからは私がシュヴァリエ公国に白夜が攻めてきたっていうことを知らせるために、港町ディアを目指してあんたに出会った。あとはここまでの流れどおりだよ。あんたを連れてマカラスに戻って、裏切り者に戦いを強いて死なせる。大量の戦死者が出たために白夜が撤退したように演出すれば、暗夜は乗り気になって城壁、そしてシュヴァリエまで攻めてくる。そして、同じように、また白夜の大敗を演じさせるんだ。今度はマカラスの何倍の数の裏切り者を使ってね」
973: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/30(水) 23:19:26.70 ID:dDlOsfYO0
カムイ「……」
クリムゾン「今ね、シュヴァリエは弱小国として暗夜に認識されてるよ。弱い白夜軍に負けてしまう、非力な国だってね。でもそれでいいんだ、そのおかげで、城壁の防衛に私たちはつくことができたからね。今、誰もが暗夜に対して攻撃を仕掛けようとしてる。今はそういう段階なんだ」
カムイ「反乱をおこす、そう言いたいんですね」
クリムゾン「ああ、私も暗夜と一矢報いるため技を磨いて来たからね。この力は自由と平和のために使うつもりでいたんだ」
クリムゾン「いたんだけどさ……私にはわからなくなってきちゃったんだよ」
カムイ「わからないですか?」
クリムゾン「はは、暗夜軍に殺される白夜の民間人の姿を見ててさ、最初暗夜に対しての感情が渦巻いてたよ。でもさ、良く考えてみれば民間人がいること自体がおかしいことなんだって気づいて、それが殺されている様をただ見ているだけの私たちは、暗夜と何にも変わらないんじゃないかって……さ」
カムイ「……一つ聞いてもいいですか?」
クリムゾン「なんだい?」
カムイ「シュヴァリエ公国に来た白夜の王族は、タクミさんだけでしたか?」
クリムゾン「……いいや、ちがうよ。むしろ、タクミはやることが終わったからってもう帰っていったよ。もうシュヴァリエにはいない」
カムイ「では……ヒノカさんですか?」
クリムゾン「白夜の第一王女だっけ? 名前は聞いてるけど会ったことはないよ」
カムイ「だとすれば、まさかリョウマさんですか?」
クリムゾン「ああ、リョウマは今もシュヴァリエにいるよ。いや、正確にはいてもらってるよ」
クリムゾン「今ね、シュヴァリエは弱小国として暗夜に認識されてるよ。弱い白夜軍に負けてしまう、非力な国だってね。でもそれでいいんだ、そのおかげで、城壁の防衛に私たちはつくことができたからね。今、誰もが暗夜に対して攻撃を仕掛けようとしてる。今はそういう段階なんだ」
カムイ「反乱をおこす、そう言いたいんですね」
クリムゾン「ああ、私も暗夜と一矢報いるため技を磨いて来たからね。この力は自由と平和のために使うつもりでいたんだ」
クリムゾン「いたんだけどさ……私にはわからなくなってきちゃったんだよ」
カムイ「わからないですか?」
クリムゾン「はは、暗夜軍に殺される白夜の民間人の姿を見ててさ、最初暗夜に対しての感情が渦巻いてたよ。でもさ、良く考えてみれば民間人がいること自体がおかしいことなんだって気づいて、それが殺されている様をただ見ているだけの私たちは、暗夜と何にも変わらないんじゃないかって……さ」
カムイ「……一つ聞いてもいいですか?」
クリムゾン「なんだい?」
カムイ「シュヴァリエ公国に来た白夜の王族は、タクミさんだけでしたか?」
クリムゾン「……いいや、ちがうよ。むしろ、タクミはやることが終わったからってもう帰っていったよ。もうシュヴァリエにはいない」
カムイ「では……ヒノカさんですか?」
クリムゾン「白夜の第一王女だっけ? 名前は聞いてるけど会ったことはないよ」
カムイ「だとすれば、まさかリョウマさんですか?」
クリムゾン「ああ、リョウマは今もシュヴァリエにいるよ。いや、正確にはいてもらってるよ」
974: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/30(水) 23:30:49.16 ID:dDlOsfYO0
カムイ「リョウマさんはまだシュヴァリエにいるんですか?」
クリムゾン「本当はもう帰っている予定なんだ。それを私がお願いして待ってもらってるんだ。こういっちゃなんだけどさ、私ってみんなの行動の指針を担ってたりするんだよ。私が攻めようと言えば、兵士が動く。私が戦うことで兵たちの指揮が上がる。ははっ、今考えるとマスコットみたいだよ」
カムイ「クリムゾンさん」
クリムゾン「でもさ、リョウマはね。シュヴァリエをこの戦いに巻き込みたくないって言っていたよ。あと、カムイに戻ってきてほしいって零してた」
カムイ「……残念ですけど、そのリョウマさんの願いには答えられそうにもありません」
クリムゾン「わかってる。本当はね、カムイに会いに来なくても道は決まってたはずだったんだ。でも、心の中にさ生まれた暗夜に対する思いが、それを隠してたのかもしれない。手元を見れば、民間人が殺されているのを見てただけの私たちも、何も変わらないのにね。もしも、その気があるなら、最初から一緒に戦っていればよかったんだ。そうすれば、白夜の民間人が、無残に殺されることなんてなかった」
カムイ「そうかもしれません。でも、もうそれをどうこう言っても、解決にはなりませんよ」
クりムゾン「わかってるさ。だから、こうして話をしに来てるんだよ。ここからが本題なんだ。最後まで話は聞かないと」
クリムゾン「本当はもう帰っている予定なんだ。それを私がお願いして待ってもらってるんだ。こういっちゃなんだけどさ、私ってみんなの行動の指針を担ってたりするんだよ。私が攻めようと言えば、兵士が動く。私が戦うことで兵たちの指揮が上がる。ははっ、今考えるとマスコットみたいだよ」
カムイ「クリムゾンさん」
クリムゾン「でもさ、リョウマはね。シュヴァリエをこの戦いに巻き込みたくないって言っていたよ。あと、カムイに戻ってきてほしいって零してた」
カムイ「……残念ですけど、そのリョウマさんの願いには答えられそうにもありません」
クリムゾン「わかってる。本当はね、カムイに会いに来なくても道は決まってたはずだったんだ。でも、心の中にさ生まれた暗夜に対する思いが、それを隠してたのかもしれない。手元を見れば、民間人が殺されているのを見てただけの私たちも、何も変わらないのにね。もしも、その気があるなら、最初から一緒に戦っていればよかったんだ。そうすれば、白夜の民間人が、無残に殺されることなんてなかった」
カムイ「そうかもしれません。でも、もうそれをどうこう言っても、解決にはなりませんよ」
クりムゾン「わかってるさ。だから、こうして話をしに来てるんだよ。ここからが本題なんだ。最後まで話は聞かないと」
975: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/09/30(水) 23:45:03.09 ID:dDlOsfYO0
カムイ「そうですね。それで、クリムゾンさんは私に何を望むんですか?」
クリムゾン「カムイ、私たちと剣を取って闘ってくれないかな」
カムイ「それは、私も反乱に加われということですか?」
クリムゾン「そういうことになる。でもさ、それは今じゃないんだ、この反乱に私は正義を見出せない。たぶん、みんな人を殺したくて仕方がないだけなんだ。戦争に、悪意に酔いしれてる。この反乱の先に、私は平和も自由もなにも無いように思えてね……」
カムイ「……そうですか」
クリムゾン「だから、私はこの反乱を思い留まってくれるように、シュヴァリエのみんなを説得することにするよ。そしてさ、本当の意味でこの悪意を晴らす戦いができる時、もう一度、私はカムイに会いに来る。その時はさ、カムイも私と一緒に剣を取って共に闘ってくれるって、約束してくれるかい?」
カムイ「ふふっ、クリムゾンさん。それって私に共犯者になれって言ってるのと変わりませんよ」
クリムゾン「カムイは、暗夜王国がこのままでもいいのか? ここはお前の家族が住んでる場所なんだよ」
カムイ「……私が暗夜王国に戻ってきたのは。ここに家族がいるからではないんです」
クリムゾン「え……」
カムイ「私は目が見えません。目が見えない私は考え続けることで、その暗闇から逃げてきましたから。それを手放すことができなかったんですよ。光に甘える事を私は嫌ったんです」
クリムゾン「……自分でいることの証明みたいなもの?」
カムイ「さぁ、そこまではわかりません。自分のことなのに、おかしなことですね」
クリムゾン「そうでもないよ。私だって少し前の自分のことがまったく理解できないからさ」
クリムゾン「カムイ、私たちと剣を取って闘ってくれないかな」
カムイ「それは、私も反乱に加われということですか?」
クリムゾン「そういうことになる。でもさ、それは今じゃないんだ、この反乱に私は正義を見出せない。たぶん、みんな人を殺したくて仕方がないだけなんだ。戦争に、悪意に酔いしれてる。この反乱の先に、私は平和も自由もなにも無いように思えてね……」
カムイ「……そうですか」
クリムゾン「だから、私はこの反乱を思い留まってくれるように、シュヴァリエのみんなを説得することにするよ。そしてさ、本当の意味でこの悪意を晴らす戦いができる時、もう一度、私はカムイに会いに来る。その時はさ、カムイも私と一緒に剣を取って共に闘ってくれるって、約束してくれるかい?」
カムイ「ふふっ、クリムゾンさん。それって私に共犯者になれって言ってるのと変わりませんよ」
クリムゾン「カムイは、暗夜王国がこのままでもいいのか? ここはお前の家族が住んでる場所なんだよ」
カムイ「……私が暗夜王国に戻ってきたのは。ここに家族がいるからではないんです」
クリムゾン「え……」
カムイ「私は目が見えません。目が見えない私は考え続けることで、その暗闇から逃げてきましたから。それを手放すことができなかったんですよ。光に甘える事を私は嫌ったんです」
クリムゾン「……自分でいることの証明みたいなもの?」
カムイ「さぁ、そこまではわかりません。自分のことなのに、おかしなことですね」
クリムゾン「そうでもないよ。私だって少し前の自分のことがまったく理解できないからさ」
976: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/10/01(木) 00:01:10.68 ID:hH4N980c0
カムイ「そんなものでしょうか?」
クリムゾン「そんなものさ。それで、ぶり返して悪いんだけど。私の提案、どう思ってくれるんだい?」
カムイ「……反乱ですか。たしかにある部族の村の方と、それに似た約束をしています」
クリムゾン「えっ」
カムイ「といっても、反乱というものではありませんよ。白夜侵攻が決まったところで彼らを徴用して、防衛の任に付かせるんです。暗夜の主力が抜けている間に山賊の横行が予想されますから、それを制圧するために各地の遊撃をしてもらい、その功績で独立を果たすっていう、子供だましみたいな話なんですけどね」
クリムゾン「なんだそれ、頭悪いのかいいのかわからないね、カムイは」
カムイ「はは、そうなります。でも、そうですね。クリムゾンさんの言うその時に到ったら、私はあなたとともに剣を取るのかもしれません」
クリムゾン「……本当かい!?」
カムイ「その時が来たらですよ。まずは、クリムゾンさんがシュヴァリエの反乱を抑えなくちゃいけませんから。でも、大丈夫ですか?」
クリムゾン「勝算はあるよ。なかったらこんな話なんて持ちかけないから、それに反乱自体をやめるんじゃない。時が来るまで待つだけさ」
カムイ「ものはいいようですね。マスコットって自虐してましたが」
クリムゾン「ほら、どんな場所でも戦の華みたいなのがいるだろ。シュヴァリエの反乱軍のシンボルは私だからさ」
カムイ「……シンボルですか。そうですね、ちょっとそのお顔に触れたくなりました」
クリムゾン「? いきなり何言って ひゃっ!」
カムイ「ごめんなさい。ちょっと、障るのが我慢できそうにありません」
クリムゾン「ちょ、いきなり、なにすっ。んやっ!」
カムイ「御近づきの印ですよ。私とあなた、その時に至ったら剣を取って共に闘うっていう、その印です」
クリムゾン「ひゃ、ん、んぁ、や、め、」
カムイ「ふふっ、クリムゾンさん。髪は短いんですね」
クリムゾン「あ、ああ。闘いのに、じゃまだか、らっ、ひうん!」
カムイ「……ふふ、柔らかいです。シュヴァリエ公国のシンボルにこうやって堂々と触れてるなんて、なんだか心が高鳴ります」
クリムゾン「な、なん、今さっきまでの重い話のふ、雰囲気が。あっ、んゅっ!」
カムイ「ふふ、耳朶、弱いんですね。ちょっと噛んじゃいましょうか?」
クリムゾン「そ、そんなことして、意味なんてないだろ!」
カムイ「そうですか? でも、そうですね、共に剣を取っていないのに信用できるわけありませんよね」
クリムゾン「そんなものさ。それで、ぶり返して悪いんだけど。私の提案、どう思ってくれるんだい?」
カムイ「……反乱ですか。たしかにある部族の村の方と、それに似た約束をしています」
クリムゾン「えっ」
カムイ「といっても、反乱というものではありませんよ。白夜侵攻が決まったところで彼らを徴用して、防衛の任に付かせるんです。暗夜の主力が抜けている間に山賊の横行が予想されますから、それを制圧するために各地の遊撃をしてもらい、その功績で独立を果たすっていう、子供だましみたいな話なんですけどね」
クリムゾン「なんだそれ、頭悪いのかいいのかわからないね、カムイは」
カムイ「はは、そうなります。でも、そうですね。クリムゾンさんの言うその時に到ったら、私はあなたとともに剣を取るのかもしれません」
クリムゾン「……本当かい!?」
カムイ「その時が来たらですよ。まずは、クリムゾンさんがシュヴァリエの反乱を抑えなくちゃいけませんから。でも、大丈夫ですか?」
クリムゾン「勝算はあるよ。なかったらこんな話なんて持ちかけないから、それに反乱自体をやめるんじゃない。時が来るまで待つだけさ」
カムイ「ものはいいようですね。マスコットって自虐してましたが」
クリムゾン「ほら、どんな場所でも戦の華みたいなのがいるだろ。シュヴァリエの反乱軍のシンボルは私だからさ」
カムイ「……シンボルですか。そうですね、ちょっとそのお顔に触れたくなりました」
クリムゾン「? いきなり何言って ひゃっ!」
カムイ「ごめんなさい。ちょっと、障るのが我慢できそうにありません」
クリムゾン「ちょ、いきなり、なにすっ。んやっ!」
カムイ「御近づきの印ですよ。私とあなた、その時に至ったら剣を取って共に闘うっていう、その印です」
クリムゾン「ひゃ、ん、んぁ、や、め、」
カムイ「ふふっ、クリムゾンさん。髪は短いんですね」
クリムゾン「あ、ああ。闘いのに、じゃまだか、らっ、ひうん!」
カムイ「……ふふ、柔らかいです。シュヴァリエ公国のシンボルにこうやって堂々と触れてるなんて、なんだか心が高鳴ります」
クリムゾン「な、なん、今さっきまでの重い話のふ、雰囲気が。あっ、んゅっ!」
カムイ「ふふ、耳朶、弱いんですね。ちょっと噛んじゃいましょうか?」
クリムゾン「そ、そんなことして、意味なんてないだろ!」
カムイ「そうですか? でも、そうですね、共に剣を取っていないのに信用できるわけありませんよね」
977: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/10/01(木) 00:12:19.40 ID:hH4N980c0
カムイ「では、共に闘うことになったら。ちょっと噛ませてください」
クリムゾン「ちょっと、あんたおかしいよ。一体何がしたいんだ。あっんぁ、も、もう耳朶に、ふれない、触れないでよ」
カムイ「はい、そうですね。ありがとうございました」
クリムゾン「はぁ、こっちは心臓に鞭打って話に来たっていうのに」
カムイ「そう怒らないでください。クリムゾンさん、ではその時が来たら私はあなたとともに剣を取ることを約束しましょう」
クリムゾン「……二言はないんだね?」
カムイ「はい。ですが、今は駄目です。今はどんな理由があろうともあなたと剣を取ることはできません。むしろ、剣を交える側に回ることになります」
クリムゾン「……そうならないために、私がいるんだよ。へへっ、その日が楽しみになってきたね」
カムイ「……クリムゾンさん。正直、私は難しいと思っています。あなたの話を聞いた限り、もうこの瞬間に反乱が始まっている可能性さえあるんですから」
クリムゾン「その時はその時だよ。運がなかったって諦めるしかない。でも、リョウマがいてくれるんだ。帰る予定までは持たせてくれるはずだからさ」
カムイ「そうですか。では」スッ
クリムゾン「?」
カムイ「握手です。私とクリムゾンさんの約束がここで為されたこと、それを証明する、ただそれだけの行為です」
クリムゾン「ははっ、いいねそれ。それじゃ、いつか共に剣を取って戦おうね、カムイ」
カムイ「はい、クリムゾンさんのフニフニした耳たぶを噛むことができることを祈ってます」
クリムゾン「…………」ギュッギュッギュ
カムイ「あ、あの、クリムゾンさん、手が、手が痛いです」
クリムゾン「ちょっと、あんたおかしいよ。一体何がしたいんだ。あっんぁ、も、もう耳朶に、ふれない、触れないでよ」
カムイ「はい、そうですね。ありがとうございました」
クリムゾン「はぁ、こっちは心臓に鞭打って話に来たっていうのに」
カムイ「そう怒らないでください。クリムゾンさん、ではその時が来たら私はあなたとともに剣を取ることを約束しましょう」
クリムゾン「……二言はないんだね?」
カムイ「はい。ですが、今は駄目です。今はどんな理由があろうともあなたと剣を取ることはできません。むしろ、剣を交える側に回ることになります」
クリムゾン「……そうならないために、私がいるんだよ。へへっ、その日が楽しみになってきたね」
カムイ「……クリムゾンさん。正直、私は難しいと思っています。あなたの話を聞いた限り、もうこの瞬間に反乱が始まっている可能性さえあるんですから」
クリムゾン「その時はその時だよ。運がなかったって諦めるしかない。でも、リョウマがいてくれるんだ。帰る予定までは持たせてくれるはずだからさ」
カムイ「そうですか。では」スッ
クリムゾン「?」
カムイ「握手です。私とクリムゾンさんの約束がここで為されたこと、それを証明する、ただそれだけの行為です」
クリムゾン「ははっ、いいねそれ。それじゃ、いつか共に剣を取って戦おうね、カムイ」
カムイ「はい、クリムゾンさんのフニフニした耳たぶを噛むことができることを祈ってます」
クリムゾン「…………」ギュッギュッギュ
カムイ「あ、あの、クリムゾンさん、手が、手が痛いです」
978: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/10/01(木) 00:27:22.76 ID:hH4N980c0
◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・ウィンダム正門―
カムイ「では、お気をつけて」
クリムゾン「ああ、宿泊場所を提供してくれてありがとう」
カムイ「いいえ、それでは」
クリムゾン「ああ、それじゃ、また会おうね」
バサッバサッ バサッバサッ
カムイ「……」
アクア「カムイ……」
カムイ「あれ、アクアさん。どうしたんですか?」
アクア「クリムゾンは国へ帰ったの?」
カムイ「はい、明日までの予定だったんですが、急遽帰ることになったようです」
アクア「……はぁ、私が何かを言う前に、自分で片付けてしまうのね。あなたという人は」
カムイ「さて、何のことでしょうか?」
アクア「……まあいいわ。要らない心配だったのかもしれないわね」
カムイ「何の話かはわかりませんけど、アクアさんありがとうございます」
アクア「さぁ? 私も何の事だかわからないわ。でも、その感謝の言葉は素直に受取って置いてあげる」
カムイ「そうですか……」
カムイ(反乱ですか。たしかに、お父様がやっていることは圧政です、それらから民を救うという大義名分はすでに用意されています)
カムイ(でも、反乱が成功して暗夜が変わっても、平和が訪れるという確証を私は得られない。なんでしょうか、何かを私は見落としているのかもしれません)
アクア「カムイ、どうしたの?」
カムイ「いいえ、すみません。考え事をしてました」
アクア「そう。目が見えないのにここまできて疲れたでしょ、帰りは私が手を引っ張ってあげるわ」
カムイ「そうですか、なら、お願いできますか?」
アクア「ええ……」
―暗夜王国・ウィンダム正門―
カムイ「では、お気をつけて」
クリムゾン「ああ、宿泊場所を提供してくれてありがとう」
カムイ「いいえ、それでは」
クリムゾン「ああ、それじゃ、また会おうね」
バサッバサッ バサッバサッ
カムイ「……」
アクア「カムイ……」
カムイ「あれ、アクアさん。どうしたんですか?」
アクア「クリムゾンは国へ帰ったの?」
カムイ「はい、明日までの予定だったんですが、急遽帰ることになったようです」
アクア「……はぁ、私が何かを言う前に、自分で片付けてしまうのね。あなたという人は」
カムイ「さて、何のことでしょうか?」
アクア「……まあいいわ。要らない心配だったのかもしれないわね」
カムイ「何の話かはわかりませんけど、アクアさんありがとうございます」
アクア「さぁ? 私も何の事だかわからないわ。でも、その感謝の言葉は素直に受取って置いてあげる」
カムイ「そうですか……」
カムイ(反乱ですか。たしかに、お父様がやっていることは圧政です、それらから民を救うという大義名分はすでに用意されています)
カムイ(でも、反乱が成功して暗夜が変わっても、平和が訪れるという確証を私は得られない。なんでしょうか、何かを私は見落としているのかもしれません)
アクア「カムイ、どうしたの?」
カムイ「いいえ、すみません。考え事をしてました」
アクア「そう。目が見えないのにここまできて疲れたでしょ、帰りは私が手を引っ張ってあげるわ」
カムイ「そうですか、なら、お願いできますか?」
アクア「ええ……」
982: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/10/01(木) 22:19:54.73 ID:hH4N980c0
◆◆◆◆◆◆
―暗夜王国・クラーケンシュタイン城―
カムイ「歓迎会ですか?」
エリーゼ「うん! アクアおねえちゃんが仲間になってくれたのに、あたしたち歓迎会してないなって思って。マークスおにいちゃんもレオンおにいちゃんにも話しをつけてあるから、どうかなって思って」
カムイ(シュヴァリエ公国のこともありますし、歓迎会を行うのは内心抵抗がありますが、でも、エリーゼさんが頑張って準備してくれたんですから、ここはその意思を組んであげるべきでしょうね)
カムイ「いいと思いますよ。では、アクアさんにも話を――」
エリーゼ「ダメダメダメー! カムイおねえちゃん、それはしちゃ駄目だよ!」
カムイ「どうしてですか?」
エリーゼ「アクアおねえちゃんを驚かせてあげようって思ってるの。アクアおねえちゃんが驚いたところってあまり見たことがないから」
カムイ「ふふっ、エリーゼさんらしいですね。アクアさんもきっと驚いて、喜んでくれます」
エリーゼ「うん! それじゃ、あたしは準備を始めるから、カムイおねえちゃんは時間になったらアクアおねえちゃんを連れてきて」
カムイ「はい、わかりました。そう言えば、今日は珍しく何もない日なんですよね」
エリーゼ「うん、だからここしかないって思うの!」
カムイ「ですね。それではアクアさんのことは任せてください、場所はどうしますか?」
エリーゼ「場所は北の城塞の大広間の予定なんだー」
カムイ「アクアさんも城塞に身を置いているんですが……」
エリーゼ「その点は大丈夫だよ。今、アクアおねえちゃんは城塞にいないはずだから」
カムイ「? なにか用事でもあるのですか?」
エリーゼ「うーんとね、用事を作ってもらったの、カミラおねえちゃんに!」
―暗夜王国・クラーケンシュタイン城―
カムイ「歓迎会ですか?」
エリーゼ「うん! アクアおねえちゃんが仲間になってくれたのに、あたしたち歓迎会してないなって思って。マークスおにいちゃんもレオンおにいちゃんにも話しをつけてあるから、どうかなって思って」
カムイ(シュヴァリエ公国のこともありますし、歓迎会を行うのは内心抵抗がありますが、でも、エリーゼさんが頑張って準備してくれたんですから、ここはその意思を組んであげるべきでしょうね)
カムイ「いいと思いますよ。では、アクアさんにも話を――」
エリーゼ「ダメダメダメー! カムイおねえちゃん、それはしちゃ駄目だよ!」
カムイ「どうしてですか?」
エリーゼ「アクアおねえちゃんを驚かせてあげようって思ってるの。アクアおねえちゃんが驚いたところってあまり見たことがないから」
カムイ「ふふっ、エリーゼさんらしいですね。アクアさんもきっと驚いて、喜んでくれます」
エリーゼ「うん! それじゃ、あたしは準備を始めるから、カムイおねえちゃんは時間になったらアクアおねえちゃんを連れてきて」
カムイ「はい、わかりました。そう言えば、今日は珍しく何もない日なんですよね」
エリーゼ「うん、だからここしかないって思うの!」
カムイ「ですね。それではアクアさんのことは任せてください、場所はどうしますか?」
エリーゼ「場所は北の城塞の大広間の予定なんだー」
カムイ「アクアさんも城塞に身を置いているんですが……」
エリーゼ「その点は大丈夫だよ。今、アクアおねえちゃんは城塞にいないはずだから」
カムイ「? なにか用事でもあるのですか?」
エリーゼ「うーんとね、用事を作ってもらったの、カミラおねえちゃんに!」
983: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/10/01(木) 22:31:26.11 ID:hH4N980c0
―暗夜王国・カミラ邸―
アクア「おいしいわね」
カミラ「そう言ってもらえると嬉しいわ。アクアの好みは知らないから、カムイの好きなものにしてみたの」
アクア「……えっと」
カミラ「カミラでいいわ。その方が気が楽でしょ?」
アクア「ええ。カミラ、今になってどうして私を招いたのかしら?」
カミラ「ふふっ、あなたと話がしてみたかったからよ。あなたも私にとっては可愛い妹だからね」ギュッ
アクア「いきなり抱きつかないでほしいわ。その、少し恥ずかしいから」
カミラ「そう? でも、やっぱりそうね。アクアは抱きしめられるよりも抱きしめる方の人なのかもしれないわね」
アクア「?」
カミラ「ふふっ、包容力があるように見えるのよ。可愛いけど、どこか頼りがいのあるそんな人ね」
アクア「え、えっと、それって喜んでいいことなのかしら?」
カミラ「心が強いって意味よ。あなたが暗夜にいた頃、どんな扱いを受けていたから知らないわけじゃないわ。私もマークス兄様も、気には掛けていたけど、守りになんていけなかった。ごめんなさい」
アクア「気にしないでいいわ。それに昔のことよ、それに今は私の傍にいてくれるだけで、うれしいものだから。当時だったら、絶対に考えられないことだったもの、こうやって兄妹と話すことができるなんてね」
カミラ「ええ、こうやってあなたと巡り合わせてくれたカムイに感謝しないといけないわ。紅茶のおかわり、どうかしら?」
アクア「ええ、お願いするわ」
カミラ「待ってて頂戴、おいしいのを入れてあげるわ。ふふっ、今日は良い日になりそうね」
アクア「?」
アクア「おいしいわね」
カミラ「そう言ってもらえると嬉しいわ。アクアの好みは知らないから、カムイの好きなものにしてみたの」
アクア「……えっと」
カミラ「カミラでいいわ。その方が気が楽でしょ?」
アクア「ええ。カミラ、今になってどうして私を招いたのかしら?」
カミラ「ふふっ、あなたと話がしてみたかったからよ。あなたも私にとっては可愛い妹だからね」ギュッ
アクア「いきなり抱きつかないでほしいわ。その、少し恥ずかしいから」
カミラ「そう? でも、やっぱりそうね。アクアは抱きしめられるよりも抱きしめる方の人なのかもしれないわね」
アクア「?」
カミラ「ふふっ、包容力があるように見えるのよ。可愛いけど、どこか頼りがいのあるそんな人ね」
アクア「え、えっと、それって喜んでいいことなのかしら?」
カミラ「心が強いって意味よ。あなたが暗夜にいた頃、どんな扱いを受けていたから知らないわけじゃないわ。私もマークス兄様も、気には掛けていたけど、守りになんていけなかった。ごめんなさい」
アクア「気にしないでいいわ。それに昔のことよ、それに今は私の傍にいてくれるだけで、うれしいものだから。当時だったら、絶対に考えられないことだったもの、こうやって兄妹と話すことができるなんてね」
カミラ「ええ、こうやってあなたと巡り合わせてくれたカムイに感謝しないといけないわ。紅茶のおかわり、どうかしら?」
アクア「ええ、お願いするわ」
カミラ「待ってて頂戴、おいしいのを入れてあげるわ。ふふっ、今日は良い日になりそうね」
アクア「?」
984: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/10/01(木) 22:44:48.22 ID:hH4N980c0
カミラ「ええ、こうやってアクアと御話をして、お茶会を楽しめるなんて、いい日に決まってるじゃない」
アクア「そ、そう……」
カミラ「ふふっ、照れてるのね」
アクア「そ、そんなことないわ。ただ……」
カミラ「ただ?」
アクア「私が来たことで、カムイの居場所を取ってしまっているんじゃないかって、思わなくもないの。だって、カミラはカムイとのお茶会のほうが楽しいと思うのでしょう?」
カミラ「……そうね。確かにそう思うわ、あなたには誤魔化しなんてあまり通用しないみたいだから」
アクア「……」
カミラ「でも、これからは違うわ。アクアも私の大事な妹だもの、これからゆっくり育てていくつもりよ、あなたとの繋がりをね。それにカムイだってアクアが私たちと仲良くなることに賛成してくれるわ」
アクア「そうね。私がみんなと仲良くしてるって聞いて、カムイが嫉妬してる姿なんて想像できないもの」
カミラ「それはそれでお姉ちゃん悲しいけど、なら何も問題ないじゃない?」
アクア「そうね、ありがとう、カミラ」
カミラ「ふふっ、それじゃ御近づきの印に、一緒にお風呂に入りましょう?」
アクア「……え、どうしてそうなるの?」
カミラ「だって、妹のことは多く知っておきたいから。ふふっ、裸のお付き合いは心の距離も縮められるのよ」
アクア「……カミラ、私、ちょっと急用を――」サッ
カミラ「駄目よ、もうお湯の準備は出来てるんだから」ガシッ
アクア「はふっ!」
カミラ「ふふっ、この頃はお風呂に一緒に入る子が増えて楽しいの。だから、アクアも仲間に入りしましょ?」
アクア「や、やめっ。あ、あーーーー」
ガチャ バタン
ポチャン
フフッ ケッコウキヤセスルノネ アクアハ
チョ、カミラ ソンナニサワ ンッ―――
アクア「そ、そう……」
カミラ「ふふっ、照れてるのね」
アクア「そ、そんなことないわ。ただ……」
カミラ「ただ?」
アクア「私が来たことで、カムイの居場所を取ってしまっているんじゃないかって、思わなくもないの。だって、カミラはカムイとのお茶会のほうが楽しいと思うのでしょう?」
カミラ「……そうね。確かにそう思うわ、あなたには誤魔化しなんてあまり通用しないみたいだから」
アクア「……」
カミラ「でも、これからは違うわ。アクアも私の大事な妹だもの、これからゆっくり育てていくつもりよ、あなたとの繋がりをね。それにカムイだってアクアが私たちと仲良くなることに賛成してくれるわ」
アクア「そうね。私がみんなと仲良くしてるって聞いて、カムイが嫉妬してる姿なんて想像できないもの」
カミラ「それはそれでお姉ちゃん悲しいけど、なら何も問題ないじゃない?」
アクア「そうね、ありがとう、カミラ」
カミラ「ふふっ、それじゃ御近づきの印に、一緒にお風呂に入りましょう?」
アクア「……え、どうしてそうなるの?」
カミラ「だって、妹のことは多く知っておきたいから。ふふっ、裸のお付き合いは心の距離も縮められるのよ」
アクア「……カミラ、私、ちょっと急用を――」サッ
カミラ「駄目よ、もうお湯の準備は出来てるんだから」ガシッ
アクア「はふっ!」
カミラ「ふふっ、この頃はお風呂に一緒に入る子が増えて楽しいの。だから、アクアも仲間に入りしましょ?」
アクア「や、やめっ。あ、あーーーー」
ガチャ バタン
ポチャン
フフッ ケッコウキヤセスルノネ アクアハ
チョ、カミラ ソンナニサワ ンッ―――
985: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/10/01(木) 22:53:46.89 ID:hH4N980c0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―暗夜王国・レオン邸―
マークス「そうか、アクアの歓迎会か、エリーゼらしい考えだな」
レオン「いいんじゃないかな、アクアも元は暗夜の王族で、故郷に戻ってきたようなものだし、僕たちの兄妹であることに変わりはないんだから」
マークス「うむ、父上にも出席してもらえるかどうか聞いてみよう」
レオン「……父上が参加してくれるとはあまり思えないけど」
マークス「そうかもしれんな。あれで、昔の父上は子煩悩だったと言って、幾人が信じるのかわからん」
レオン「僕もその話、信じられないけどね」
マークス「父上には私から話を出しておくとする。ところでレオン、この頃おかしなことはなかったか?」
レオン「おかしなこと? どういうおかしなことかな」
マークス「……いや、マクベス達の動きがこの頃全くないのだ。そう、何かを待っているかのようにな」
レオン「……何を待っているっていうんだい?」
―暗夜王国・レオン邸―
マークス「そうか、アクアの歓迎会か、エリーゼらしい考えだな」
レオン「いいんじゃないかな、アクアも元は暗夜の王族で、故郷に戻ってきたようなものだし、僕たちの兄妹であることに変わりはないんだから」
マークス「うむ、父上にも出席してもらえるかどうか聞いてみよう」
レオン「……父上が参加してくれるとはあまり思えないけど」
マークス「そうかもしれんな。あれで、昔の父上は子煩悩だったと言って、幾人が信じるのかわからん」
レオン「僕もその話、信じられないけどね」
マークス「父上には私から話を出しておくとする。ところでレオン、この頃おかしなことはなかったか?」
レオン「おかしなこと? どういうおかしなことかな」
マークス「……いや、マクベス達の動きがこの頃全くないのだ。そう、何かを待っているかのようにな」
レオン「……何を待っているっていうんだい?」
986: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/10/01(木) 23:03:26.19 ID:hH4N980c0
マークス「わからない。だが、カムイに正規兵を任せるという父上の話が上がった頃、マクベスは少し荒れていた。それがぴたりと止んでいる」
レオン「……」
マークス「カムイの台頭を面白く思っていない者たちもだ。何か企んでいないと良いのだがな」
レオン「カムイ姉さんは何も悪いことなんてしてないよ。むしろ、椅子に座ってばかりで御高説しか言わない奴らは見習うべきだけどね」
マークス「そうだな。で、今日のことだが、私も時間は開けておいた、久々に兄妹で過ごすのも悪くないからな」
レオン「そうだね、僕も時間は空けておく、予定だとカムイ姉さんがアクアを連れて城塞に来る予定らしいから、僕たちは先に城塞に向かっておけばいいんだよね?」
マークス「ああ。アクアとは少しばかり話しただけだったからな。こういった席を設けてくれたエリーゼには感謝しないとな」
レオン「そうだね、兄さんはいろいろ理由をつけて軍議に参加させてとか、いろいろ面倒くさそうなこと考えそうだから」
マークス「やはり、私は気難しいことばかり考えているのかもしれないな」
レオン「それが兄さんらしさだと僕は思ってるよ。それに、兄さんから気難しさを無くしたら、何が残るか全く想像できないし」
マークス「……私自身も、予想できないな」
レオン「……」
マークス「カムイの台頭を面白く思っていない者たちもだ。何か企んでいないと良いのだがな」
レオン「カムイ姉さんは何も悪いことなんてしてないよ。むしろ、椅子に座ってばかりで御高説しか言わない奴らは見習うべきだけどね」
マークス「そうだな。で、今日のことだが、私も時間は開けておいた、久々に兄妹で過ごすのも悪くないからな」
レオン「そうだね、僕も時間は空けておく、予定だとカムイ姉さんがアクアを連れて城塞に来る予定らしいから、僕たちは先に城塞に向かっておけばいいんだよね?」
マークス「ああ。アクアとは少しばかり話しただけだったからな。こういった席を設けてくれたエリーゼには感謝しないとな」
レオン「そうだね、兄さんはいろいろ理由をつけて軍議に参加させてとか、いろいろ面倒くさそうなこと考えそうだから」
マークス「やはり、私は気難しいことばかり考えているのかもしれないな」
レオン「それが兄さんらしさだと僕は思ってるよ。それに、兄さんから気難しさを無くしたら、何が残るか全く想像できないし」
マークス「……私自身も、予想できないな」
987: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/10/01(木) 23:13:34.95 ID:hH4N980c0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―暗夜王国・北の城塞―
カムイ「アクアさん、どうしたんですか? なんだかお疲れの様子ですけど」
アクア「……カムイはすごいわね。毎度のようにカミラのお風呂に付き合ってるなんて」
カムイ「カミラ姉さんですか? 特におかしなことはないと思うんですが」
アクア「いえ、色々触られてしまったから、それともカムイはそんなことされたことないのかしら?」
カムイ「いいえ、毎度のことなのでもう慣れてしまいましたから、それでどうでした、カミラ姉さんとのお風呂は」
アクア「……ノーコメントでお願いするわ」
カムイ「そうですか、それじゃ行きましょうか」
アクア「カムイ、どこに向かうのかしら?」
カムイ「大広間です、ちょっと忘れ物をしていたことを思い出しまして」
アクア「そう、よかったら。私が手を引っ張ってあげるけど」
カムイ「……そうですね。お願いできますか?」
アクア「任せて、ふふっ、こうやってカムイの手を握ってあげるのもなんだか慣れてきたわ」
カムイ「……そうですか?」
アクア「ええ……」
―暗夜王国・北の城塞―
カムイ「アクアさん、どうしたんですか? なんだかお疲れの様子ですけど」
アクア「……カムイはすごいわね。毎度のようにカミラのお風呂に付き合ってるなんて」
カムイ「カミラ姉さんですか? 特におかしなことはないと思うんですが」
アクア「いえ、色々触られてしまったから、それともカムイはそんなことされたことないのかしら?」
カムイ「いいえ、毎度のことなのでもう慣れてしまいましたから、それでどうでした、カミラ姉さんとのお風呂は」
アクア「……ノーコメントでお願いするわ」
カムイ「そうですか、それじゃ行きましょうか」
アクア「カムイ、どこに向かうのかしら?」
カムイ「大広間です、ちょっと忘れ物をしていたことを思い出しまして」
アクア「そう、よかったら。私が手を引っ張ってあげるけど」
カムイ「……そうですね。お願いできますか?」
アクア「任せて、ふふっ、こうやってカムイの手を握ってあげるのもなんだか慣れてきたわ」
カムイ「……そうですか?」
アクア「ええ……」
989: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/10/01(木) 23:33:17.58 ID:hH4N980c0
アクア「ねえ、カムイ」
カムイ「どうしました?」
アクア「今日考えたことがあるの。私はまた暗夜に戻ってきて、あなたは白夜に戻れなくなってしまったということをね」
カムイ「……」
アクア「そう考えたらね、今日カミラと過ごした時間がとても重く感じてしまうの。本当だったら、そこにはカムイがいるべきなのに、私がそこにいることが、とても恐ろしいことに思えてくる」
カムイ「……」
アクア「カミラはこれから絆を作っていけばいいって言ってくれたわ。でも、本当ならあの日、暗夜に付くことを決めたカムイにだけ、それは与えられるべきだって私は――」
カムイ「アクアさん、私がそんなことを気にする人だって思ってるんですか?」
アクア「で、でも――」
カムイ「ふふっ、アクアさん、誰が誰と仲良くするのかに許可なんていらないんですよ。それとも、アクアさんは皆さんと仲良くしたくないんですか? なら、確かに突っぱねてしまってもいいんですけど」
アクア「そ、そんなことはないわ。私だって、その、みんなと仲良くしたいと思っているわ」
カムイ「なら決まりですね。アクアさん、いっぱい仲良くなってください。皆さん、アクアさんと親睦を深めたいって思っているはずですから」
アクア「自信満々の発言ね。なにか知ってるような言い方よ?」
カムイ「そうですね、確かに知っていると言えば知っています。でも、教えません。もう、すぐ近くですから」
アクア「そう、なら、別にいいわ」
カムイ「はい。あと、アクアさん。最初に言いましたよね、私が白夜に戻れなくなったって」
アクア「ええ、確かにいったわ」
カムイ「戻れなくなったんじゃないんです、私は捨てたんです」
アクア「!」
カムイ「あの日、あの場所で、暗夜を選んだ時、私は白夜で生きることを捨てたんです。そして捨てたからと言って、私に何かが与えられるなんてことあるわけないんですよ」
カムイ「でも、そうですね。そんな私でも得ることができた物があるとすれば、考え続けることでしょうね。私は、考えて考えて自分の選んだ道を進むことを望んで、ここにいるんですから」
アクア「カムイ」
カムイ「だからアクアさん、私のことなんて気にしないで、みんなと仲良くしてください」
アクア「……ありがとう、カムイ」
カムイ「いいえ。そろそろ大広間―――」ピタッ
アクア「カムイ?」
カムイ「………招いた覚えはないんですが」
???「招かれた覚えもありませんのでご安心ください、ここには仕事として来ているだけですので」
カムイ「どうしました?」
アクア「今日考えたことがあるの。私はまた暗夜に戻ってきて、あなたは白夜に戻れなくなってしまったということをね」
カムイ「……」
アクア「そう考えたらね、今日カミラと過ごした時間がとても重く感じてしまうの。本当だったら、そこにはカムイがいるべきなのに、私がそこにいることが、とても恐ろしいことに思えてくる」
カムイ「……」
アクア「カミラはこれから絆を作っていけばいいって言ってくれたわ。でも、本当ならあの日、暗夜に付くことを決めたカムイにだけ、それは与えられるべきだって私は――」
カムイ「アクアさん、私がそんなことを気にする人だって思ってるんですか?」
アクア「で、でも――」
カムイ「ふふっ、アクアさん、誰が誰と仲良くするのかに許可なんていらないんですよ。それとも、アクアさんは皆さんと仲良くしたくないんですか? なら、確かに突っぱねてしまってもいいんですけど」
アクア「そ、そんなことはないわ。私だって、その、みんなと仲良くしたいと思っているわ」
カムイ「なら決まりですね。アクアさん、いっぱい仲良くなってください。皆さん、アクアさんと親睦を深めたいって思っているはずですから」
アクア「自信満々の発言ね。なにか知ってるような言い方よ?」
カムイ「そうですね、確かに知っていると言えば知っています。でも、教えません。もう、すぐ近くですから」
アクア「そう、なら、別にいいわ」
カムイ「はい。あと、アクアさん。最初に言いましたよね、私が白夜に戻れなくなったって」
アクア「ええ、確かにいったわ」
カムイ「戻れなくなったんじゃないんです、私は捨てたんです」
アクア「!」
カムイ「あの日、あの場所で、暗夜を選んだ時、私は白夜で生きることを捨てたんです。そして捨てたからと言って、私に何かが与えられるなんてことあるわけないんですよ」
カムイ「でも、そうですね。そんな私でも得ることができた物があるとすれば、考え続けることでしょうね。私は、考えて考えて自分の選んだ道を進むことを望んで、ここにいるんですから」
アクア「カムイ」
カムイ「だからアクアさん、私のことなんて気にしないで、みんなと仲良くしてください」
アクア「……ありがとう、カムイ」
カムイ「いいえ。そろそろ大広間―――」ピタッ
アクア「カムイ?」
カムイ「………招いた覚えはないんですが」
???「招かれた覚えもありませんのでご安心ください、ここには仕事として来ているだけですので」
990: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/10/01(木) 23:49:30.31 ID:hH4N980c0
アクア「マクベス?」
マクベス「おやおや、アクア様とも御方が私たちをここに呼んでおきながら、とぼけるのは感心しませんな」
アクア「な、何を言っているの?」
カムイ「……大広間でお待ちの皆さんは?」
マクベス「はい、今は丁重に御持て成しをさせていただいてます。こちらにはちゃんとした証拠も出揃っておりますのでね。皆さんには静かにしていただいたということです」
カムイ「一体、何の話ですか?」
マクベス「ふんっ、今さらあなたには関係のない話ですよ。皆さん、カムイ王女を捕らえるのです」
ガチャ ガチャン
ザザザッ
シュキン チャキ
暗夜兵「おとなしくしろ!」
暗夜兵「……この反逆者、アクア様から離れろ」ドガッ
カムイ「ぐっ」
ドサッ ガシッ ガシッ
暗夜兵「取り押さえました、マクベス様」
マクベス「皆さん、素晴らしい手際の良さです。これで不安の種が一つ摘めたというものでしょうな」
アクア「カムイ、なんでこんなことを!」
マクベス「おやおや、まだまだ情が抜けませんか」
アクア「マクベス。何を言っているの? 私、私があなたに何をしたって言うの!?」
マクベス「あなたから頂いた情報はとても役に立ちました。シュヴァリエ公国の騎士クリムゾンへの疑惑。そしてそのおかげで繋がりましたよ。カムイ王女がとんでもない売国奴であるということがですね」
アクア「そんな詭弁が許されると思っているの? 何も起きていないのに、こんなことをして」
マクベス「ええ、何も起きなければ私とてカムイ王女を疑ったりはしません。ですが、悲しいことに起きてしまったものはしょうがないのですよ。それも、カムイ王女と彼女が出会い、話をしたわずかな間にですがね」
カムイ「……!」
マクベス「おやおや、カムイ王女には思い当たる節があるようですな? ここで知らないというのであれば――」
カムイ「なにも反応しなかったら、隠し通しますか?と託するだけでしょう?」
マクベス「……ほう、そういうことを言いますか」
カッ カッ カッ
ドガッ
カムイ「ぐあぁっ……ゴホゴホ」
アクア「カムイ!」
マクベス「ふんっ。なら、ご存知ないカムイ王女に教えてあげましょう、一体何が起きたのか」
マクベス「おやおや、アクア様とも御方が私たちをここに呼んでおきながら、とぼけるのは感心しませんな」
アクア「な、何を言っているの?」
カムイ「……大広間でお待ちの皆さんは?」
マクベス「はい、今は丁重に御持て成しをさせていただいてます。こちらにはちゃんとした証拠も出揃っておりますのでね。皆さんには静かにしていただいたということです」
カムイ「一体、何の話ですか?」
マクベス「ふんっ、今さらあなたには関係のない話ですよ。皆さん、カムイ王女を捕らえるのです」
ガチャ ガチャン
ザザザッ
シュキン チャキ
暗夜兵「おとなしくしろ!」
暗夜兵「……この反逆者、アクア様から離れろ」ドガッ
カムイ「ぐっ」
ドサッ ガシッ ガシッ
暗夜兵「取り押さえました、マクベス様」
マクベス「皆さん、素晴らしい手際の良さです。これで不安の種が一つ摘めたというものでしょうな」
アクア「カムイ、なんでこんなことを!」
マクベス「おやおや、まだまだ情が抜けませんか」
アクア「マクベス。何を言っているの? 私、私があなたに何をしたって言うの!?」
マクベス「あなたから頂いた情報はとても役に立ちました。シュヴァリエ公国の騎士クリムゾンへの疑惑。そしてそのおかげで繋がりましたよ。カムイ王女がとんでもない売国奴であるということがですね」
アクア「そんな詭弁が許されると思っているの? 何も起きていないのに、こんなことをして」
マクベス「ええ、何も起きなければ私とてカムイ王女を疑ったりはしません。ですが、悲しいことに起きてしまったものはしょうがないのですよ。それも、カムイ王女と彼女が出会い、話をしたわずかな間にですがね」
カムイ「……!」
マクベス「おやおや、カムイ王女には思い当たる節があるようですな? ここで知らないというのであれば――」
カムイ「なにも反応しなかったら、隠し通しますか?と託するだけでしょう?」
マクベス「……ほう、そういうことを言いますか」
カッ カッ カッ
ドガッ
カムイ「ぐあぁっ……ゴホゴホ」
アクア「カムイ!」
マクベス「ふんっ。なら、ご存知ないカムイ王女に教えてあげましょう、一体何が起きたのか」
991: ◆P2J2qxwRPm2A 2015/10/01(木) 23:59:48.88 ID:hH4N980c0
マクベス「先ほど、国境の城壁が占拠されたという報が入りました。それも、わずかな時間で落とされたというね」
アクア「!」
カムイ「……そういうことですか」
マクベス「ええ、そこには白夜兵の姿とともにシュヴァリエ公国の騎士たちの姿もあったそうです。どうやらシュヴァリエ公国と白夜は繋がっていたということでしょう。そして反乱声明も発せられています」
アクア「……そ、そんなことって、カムイ!」
カムイ「……」
マクベス「カムイ王女、あなたにはシュヴァリエ公国と白夜王国に味方するスパイの疑いがあります。故にあなたを拘束させていただきます。そして情報協力をしていただいたアクア様には、多くの褒美が与えられるでしょうな」
アクア「わ、私は、私はそんなことに協力なんてしてない。それにカムイは何も、何もしていないわ!」
マクベス「ふんっ、芝居も長く続くと皆から反感を買いますよ? アクア様。では兵士の皆さん、カムイ王女を連れて行きなさい」
暗夜兵「はっ。おら、さっさと立て!」
カムイ「……はい」
アクア「カムイ、私は」
カムイ「わかっています。だから安心してください」
暗夜兵「さっさと歩け!」ドガッ
カムイ「ええ、わかってますよ」
マクベス「ふんっ、哀れですな。カムイ王女」
カムイ「ええ、そうですね」
マクベス「……ふん、黙らせるのも煩わしいものですな。さぁ、皆さん行きますよ。アクア様、後日御話に上がりますので、楽しみに待っていてくださいね」
アクア「わ、私、私は……」
ザッザッザッ
アクア「………どうして、どうしてこんなことになってしまうの」
「カムイ………」
休息時間 おわり
第2幕へ
アクア「!」
カムイ「……そういうことですか」
マクベス「ええ、そこには白夜兵の姿とともにシュヴァリエ公国の騎士たちの姿もあったそうです。どうやらシュヴァリエ公国と白夜は繋がっていたということでしょう。そして反乱声明も発せられています」
アクア「……そ、そんなことって、カムイ!」
カムイ「……」
マクベス「カムイ王女、あなたにはシュヴァリエ公国と白夜王国に味方するスパイの疑いがあります。故にあなたを拘束させていただきます。そして情報協力をしていただいたアクア様には、多くの褒美が与えられるでしょうな」
アクア「わ、私は、私はそんなことに協力なんてしてない。それにカムイは何も、何もしていないわ!」
マクベス「ふんっ、芝居も長く続くと皆から反感を買いますよ? アクア様。では兵士の皆さん、カムイ王女を連れて行きなさい」
暗夜兵「はっ。おら、さっさと立て!」
カムイ「……はい」
アクア「カムイ、私は」
カムイ「わかっています。だから安心してください」
暗夜兵「さっさと歩け!」ドガッ
カムイ「ええ、わかってますよ」
マクベス「ふんっ、哀れですな。カムイ王女」
カムイ「ええ、そうですね」
マクベス「……ふん、黙らせるのも煩わしいものですな。さぁ、皆さん行きますよ。アクア様、後日御話に上がりますので、楽しみに待っていてくださいね」
アクア「わ、私、私は……」
ザッザッザッ
アクア「………どうして、どうしてこんなことになってしまうの」
「カムイ………」
休息時間 おわり
第2幕へ
次回 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―2―
コメントする
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。