【艦これ】泣き虫雪風と釣り人提督 前編

525: ◆jf7rnHhSH2 2014/03/06(木) 00:37:51.82 ID:pAJJwVsfo
ぷかぷか丸内、作戦室

出撃を前に提督は唸っていた。机上に広がるはサーモン海の海図。今作戦の海域と航路が示されている。

提督「うーん、夜戦が問題だな…。サブ島ほどではないにしろ痛いことは変わりない。道中一部に輪形陣張ってるから潜水艦も辛いしなぁ」

提督「第一、分岐条件:ドラム缶って何だよ!! そんな装備聞いたこともねーよ!!」


ガチャリ、とドアが開く。


霧島「あら司令、こんなところで何をやってるんですか?」

提督「執務室戻るのだるいからここで航路考えてたんだがどうしたもんかねぇ」

霧島「この北ルートとかどうですか?」

提督「それも考えたんだが装甲空母鬼や姫を配置してるらしくてなぁ」

霧島「艦載機に枠割いてる上、たいてい輪形陣張ってきますから見た目より火力出ませんよ?」

提督「あとここだ。ドラム缶とやらが4つあれば真南に航路を取れるらしいんだがそんなもんはうちにはない」

霧島「ありますよ?」

提督「えっ」

霧島「先ほど私に装備の破棄任務依頼したじゃないですか。報告しに行ったら大淀さんからもらいました」

提督「鉄資源の再利用ってそういうことか…」

霧島「ちょうど4つ有りますね」

提督「よーし、編成組んで装備整えて出発するか」

引用元: ・【艦これ】泣き虫雪風と釣り人提督 



526: ◆jf7rnHhSH2 2014/03/06(木) 00:38:36.77 ID:pAJJwVsfo
サーモン海、深海棲艦泊地付近

提督「敵がぬるい、道中2戦で済む、あまつさえ給油まで出来る……。もしや楽園なのでは」

大鳳「さすがに敵陣真っ只中を楽園というのはおかしいと思います」

提督「そうだな」

加賀「敵主力発見。タ級フラグシップを2隻確認」

提督「ふん、ル級じゃ手に負えないと判断したか…」

霧島「高速戦艦同士の殴り合いになりますね」

提督「だが、第一目標はあくまであのワ級だ。輸送用の癖に火力まで有りやがって」

最上「でも火力と輸送力を両立させるといってもこっちも似たようなものだよね」

三隈「こちらは巡洋艦に輸送用ドラム缶を積載して、あちらは輸送艦に砲を積んでますもの」

提督「まぁどうであろうと大して変わらん。向こうも艦載機飛ばしてきたようだし…全艦出撃!!」

榛名「榛名! 全力で参ります!!」


少女戦闘中……


提督「タ級は火力がル級の8割しかないそうだからな……。下手するとこっちのほうが弱いんじゃ……」

大鳳『敵残存戦力、タ級フラ2、ワ級フラ1です!』

提督「おーけい、そろそろ日が沈む。全艦夜戦用意! 連中に引導を渡してやれ!!」

527: ◆jf7rnHhSH2 2014/03/06(木) 00:39:43.48 ID:pAJJwVsfo
榛名「勝手は! 榛名が! 許しません!」

霧島「距離、速度よし! 全門…斉射ぁ!!」

ワ級フラ「ウボァー」

no title


大鳳 ザザーッ『旗艦、撃沈! 残存戦力も沈黙しました!』

提督「よっしゃ、皆よくやった!! 全艦帰投せよ!」


ぷかぷか丸、甲板上

榛名「これで南方海域も平和になりますね!」

提督「あぁ、だが……」

霧島「だが?」

提督「ここで卯月のドロップが手に入るらしいしワ級出ること確定なんで毎日三回はここに来ることになると思う。大変だが頑張って欲しい」

ワ級「ちょっと待ってよ休めると思ったのに」

提督「お前がいうな、と言うか沈んでろよ!!」

528: ◆jf7rnHhSH2 2014/03/06(木) 00:40:31.95 ID:pAJJwVsfo
卯月はまだ出ないけどやってるうちに出ると思う(震え声)

久々の小ネタ艦娘安価下

529: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/06(木) 00:44:31.19 ID:dczpNdNv0
おつです!
安価なら日向で

534: ◆jf7rnHhSH2 2014/03/06(木) 22:34:50.57 ID:pAJJwVsfo
ある日の鎮守府執務室。

提督「元の世界とは別の世界に飛ばされる……そういうのもあるのか!!」

読んでた文庫本を閉じ、黒電話の受話器をとり、ダイヤルを回す。

ピーンポーンパーンポーン

提督『今から呼ぶ六名は出撃ブリーフィングするんで執務室へ集合するように。
   翔鶴、瑞鶴、飛鷹、妙高、羽黒、ひb…ヴェールヌイ』

ピーンポーンパーンポーン

数分後

提督「今回呼んだのは他でもない。この6人で東オリョールの主力を撃滅し、通商破壊を行ってもらう!」

翔鶴「と言われましても…」

飛鷹「潜水艦の皆が毎日のようにボコボコ輸送艦沈めてなかった?」

提督「疑問はもっともだ。猫吊るしが密林で発見したというこの本。別世界の艦娘の話が」

瑞鶴「前に似たようなことしてなかった?」

提督「うん。で、なんだかんだで瑞鶴の初陣は東オリョールの通商破壊作戦に決まり、出撃することになりましたどっとはらい」

ヴェル「それで私たちが呼ばれたと」

提督「中盤の山場の再現だ。機動部隊が出撃して敵主力を撃滅する。いいねぇ、痺れるねぇ」

瑞鶴(また提督のミーハー癖が頭をもたげたのね…)

提督「というわけで旗艦は翔鶴なー」

瑞鶴「あれ、主人公私なのに?」

提督「まぁそういう編成だったので」

535: ◆jf7rnHhSH2 2014/03/06(木) 22:36:21.15 ID:pAJJwVsfo
東オリョール海、海上

提督「さてさて、北回りのルートか…」

妙高「提督」

提督「なんだい」

妙高「何故私と羽黒に水上偵察機を?」

提督「小説内で使用してて、たまたま手元に二つあったから搭載してみました」

羽黒「あ、あの、敵艦発見しました!」

提督「よーし全艦出撃準備ー」


この後無茶苦茶敵艦が沈んだ


飛鷹「戦闘描写すらなし!?」

提督「空母3隻もいるから対空に劣る無印水上艦隊は瞬殺だし…」

536: ◆jf7rnHhSH2 2014/03/06(木) 22:39:55.98 ID:pAJJwVsfo
オリョール海最奥部

飛鷹「敵主力発見! ル級2、ヲ級1を確認!」

羽黒「残りは重巡1、軽巡2です!」

提督「空母2構成がよかったんだがまぁ仕方ない。よーし、敵は雑魚だが油断するなよー。」

翔鶴『はい、了解しま(メコッ

提督「……今なんか変な音がしたな? 瑞鶴、どうした?」

瑞鶴『翔鶴姉が! 翔鶴姉の顔面に弾丸が!!』

翔鶴『前が見えません…』

ヴェル『司令官、翔鶴さんにル級の弾が直撃して中破した』

提督「さすが被害担当艦と言うかなんと言うか……。速やかに敵を撃滅して手当てしよう」

結局翔鶴抜きでも負けるはずもなかった
no title



ぷかぷか丸、甲板上

提督「どれどれ……これはひどい」

翔鶴の顔面ど真ん中にくっきり残る砲弾の跡

翔鶴「うう……すみません」

瑞鶴「翔鶴姉、大丈夫……?」

提督「まぁ応急手当はしたし次の出撃までゆっくり休めば大丈夫」

瑞鶴「次?」

提督「今回は中盤の山場だといったろう。そう、クライマックスたる沖ノ島海域戦があるのだ!!」

瑞鶴「!?」


気が向いて成功したら続く

539: ◆jf7rnHhSH2 2014/03/07(金) 00:03:10.13 ID:Y0eRdE0Ko
さっき挑戦したらクリア出来ました。近日中に書きます(白目)

というわけで日向編

540: ◆jf7rnHhSH2 2014/03/07(金) 00:04:35.37 ID:Y0eRdE0Ko
提督「ふー今日の東京急行おーしまいっと。艦隊帰投しましたー」

日向「あぁ、提督か。おかえり」

提督「ただいま。ここで待ってるとは珍しいな。何か相談か?」

日向「装備のことでちょっと話g「晴嵐なら水母ちとちよ固定だから無理」

日向の表情がみるみるうちに曇っていく

提督「まぁ……開発できたら優先的に配備するから」

日向「そうか…」

提督(あ、表情戻った)

日向「ところで、最上のヤツは頑張ってるか?」

提督「頑張ってるな。さっきもフラヲを大破させてたし」

日向「そうか……。やはり航空火力艦の時代だな」
提督「よくやってるよ。 輸送火力艦の時代だな」

日向「……ん?」

提督「輸送火力艦」

日向「……んん?」

提督「輸送火力艦。敵もワ級フラグシップなんての出してきたし対抗するならドラム缶積んだ航巡だなーと」

日向「瑞雲とかは」

提督「主砲・副砲・缶・缶で積む余裕ない」

日向「まるで北号の再現じゃないか。後部甲板は盾でもないし資材置き場でもないのだが…。いっそグレてしまおうか」

提督「非行甲板ってか?」

日向「誰がうまいことを言えと」ゴスッ

提督「オウフ」バタリ

日向「後部甲板は鈍器でもないのだが…うっかりツッ込んでしまった」

541: ◆jf7rnHhSH2 2014/03/07(金) 00:07:45.96 ID:Y0eRdE0Ko
今回はネタ思いつく速度早かったなぁ

小ネタ艦娘とか安価下

542: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/07(金) 00:20:39.77 ID:RRgY/qjDo
矢矧

546: ◆jf7rnHhSH2 2014/03/12(水) 01:53:33.22 ID:ytRjyOJJo
卯月って都市伝説じゃないんですかね。夕雲も長波もでたけど卯月出ねぇよ!?

というわけで矢矧編

547: ◆jf7rnHhSH2 2014/03/12(水) 01:54:57.77 ID:ytRjyOJJo
矢矧「軽巡矢矧、着任したわ!」

提督「まさか大型の1h一回目で出るとはな…ともあれ、よろしく」

矢矧「ところで提督」

提督「なんだい」

矢矧「提督の左袖に縋ってぐずってるのは…」

雪風「ぐすっ、ぐすっ…」

提督「まー、その、あれだ。矢矧が来て嬉しくはあるんだが、
   前世で守れなかった罪悪感とか申し訳なさとかそういうのが先立ってどんな顔して会えばいいかわからないの状態」

雪風「ごめんなさい……ごめんなさい…ぐしゅ…」

矢矧「そっか……そうだ」

矢矧は何か思いついたのか雪風の肩をぽんぽんと叩く。

矢矧「雪風」

雪風「ふぁい…?」

矢矧「えいっ☆」

振り向いたところに打ち込まれるでこぴん。

雪風「ひうっ!?」

提督「!?」

矢矧「前はダメだったけど、今度は守りきりましょうね。私も協力するから。ね?」

雪風「は、はい!」

雪風を抱き寄せながら矢矧は提督に耳打ちする。

矢矧(こういう時はかるーく罰を与えてさっと水に流してしまったほうがいいのよ)

提督(うーん、そういうのもありか…)

548: ◆jf7rnHhSH2 2014/03/12(水) 01:56:21.61 ID:ytRjyOJJo
今週でドラム缶8つ目になるから東京急行と東京急行(遠征)が並行してできるぞー(白目)

小ネタ艦娘とか安価下

552: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/12(水) 02:03:54.15 ID:vyfFE6gAO
ゴーヤ

555: ◆jf7rnHhSH2 2014/03/15(土) 01:28:05.32 ID:NKcVsytoo
提督「なぁ、ゴーヤよ」

ゴーヤ「なんでちか?」

提督「俺の記憶が正しければ潜水艦遠征は1泊2日の大旅行だったはずだ」

ゴーヤ「そうでち」

提督「今回着任したレーベレなんちゃらは」

Z1「レーベレヒト・マース」

提督「そうそうそれだそれだ。長すぎるからマースでいいよないや話がそれた、ドイツ艦だよな」

ゴーヤ「そうでち」

提督「今回の遠征、ゴーヤが旗艦だった」

ゴーヤ「頑張ったでしょ?」

提督「往復二時間で接触とかどういうことだ!! 言え!!」(ユサユサガクガク

ゴーヤ「今回は向こうから来るから迎えに行っただけでちー!!」

556: ◆jf7rnHhSH2 2014/03/15(土) 01:28:54.39 ID:NKcVsytoo
レ級とか話を聞くだけであたまおかしくなってしにそうなんですが

小ネタ艦娘とか安価下

557: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/15(土) 01:33:15.69 ID:lntkNiYno
夕立!

565: ◆jf7rnHhSH2 2014/03/18(火) 01:16:29.03 ID:BKw7Kge1o
夕立改二実装前後辺りのお話

提督「ほー、夕立が改二ねぇ……。来るんじゃないかと噂はされていたが」

夕立「もっと強くなれるっぽい?」

提督「発言がことごとく曖昧すぎて超心配だがとりあえず練度条件は満たしたしやってみよう」


タッポイタッポイタッポイタッポイタッポイタッポイタッポイタッポイ

少女改装中……

タッポイタッポイタッポイタッポイタッポイタッポイタッポイタッポイ


夕立改二「ソロモンの悪夢、見せてあげる!」

提督「おぉ……なんか目が危険色だし顔つきも強そうになったそ魚雷も凶悪そうだしすごく強化されたっぽい!?」

夕立「っぽい?」

提督「さっそく試してみるか!!」

出撃中……

夕立「よりどりみどりっぽい?」(ドグチァ

提督「何あの威力」

夕立「夕立ったら、結構頑張ったっぽい? 提督さん、褒めて褒めてー!」

提督「うん、これは凄いわ…。駆逐艦とは思えんレベルだ」(ぼふぼふ

帰投……

夕立「艦隊が戻ってきたっぽい?」

提督「よーし補給だー」

夕立「お腹いっぱいっぽい!」

提督「……見かけは変わっても中身はいつもの夕立だなぁ…」

566: ◆jf7rnHhSH2 2014/03/18(火) 01:21:48.23 ID:BKw7Kge1o
なおレーベレヒト・マースは着任時セリフで「レーベと呼んでよ」と言ってることが判明しました。てへぺろ
既出・未所持艦娘置いときますねあと小ネタ艦娘とか安価下

戦艦・航戦
大和・武蔵・扶桑・日向・金剛・比叡・霧島

正規空母・軽空母・水母・揚陸艦
蒼龍・祥鳳・鳳翔

重巡・航巡
鳥海・鈴谷・高雄

軽巡・雷巡
北上・龍田・球磨・矢矧

駆逐艦
雷・響・如月・夕立

潜水艦・潜母
伊168・伊19・伊58

未所持だからどうなるかわからんぞ
Z1・ビスマルク・卯月・初風

568: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/18(火) 01:25:03.93 ID:UawitJKTo
加古

572: ◆jf7rnHhSH2 2014/03/20(木) 00:13:29.32 ID:qKhJSR75o
前編:>>534-536

別の日、ぷかぷか丸甲板

提督「そうだ、沖ノ島海域行こう」

集められたのは翔鶴、瑞鶴、飛鷹、隼鷹、ヴェールヌイ、雪風。

瑞鶴「この前言ってた小説の話?」

提督「そうだ。一回目攻略したときは戦艦・空母でごり押しだったしなぁ。空母機動部隊でいけるかどうか」

提督「……まぁ平均的に練度高いし彩雲やら烈風やら流星改やら潤沢に使えるし何とかなるでしょ」

翔鶴「楽観的過ぎませんか?」

提督「むしろ羅針盤のほうが心配なぐらいだな」

隼鷹「南西諸島の羅針盤は荒れ狂うからねぇ」

提督「ちなみに小説だと引き続き翔鶴が旗艦だったがせっかくの主人公だし瑞鶴旗艦ね。練度的には遜色ないし」

瑞鶴「理由付けが酷い気がするけどわかったわ」

提督「じゃ、しゅっつげーき!!」


少女戦闘中……


提督「ククク……1回目にして北ルート中間地点遭遇なしで敵主力と交戦……勝ったな(慢心)」


少女戦闘中……


敗北"D"

提督「これはひどい」

瑞鶴(中破)「まぁ、私だってたまには怪我するし…」
雪風(大破)「みんな、みんな雪風のせいで…グスッ」
ヴェル(大破)「これは少し、恥ずかしいな…」
翔鶴(中破)「私って、怪我しやすいのかしら…ねぇ、瑞鶴?」
飛鷹(中破)「消火ポンプが故障って…どういうことよ…」
隼鷹(中破)「まぁ~、装甲だきゃぁ薄いからなぁ、あたしと飛鷹ってば。仕方ないねぇ~。

提督「うん、まぁ全部単縦でやってくるル級のせいだから泣くなほれ」

雪風(ぐしゅぐしゅ)

瑞鶴「これって結構無茶振りなんじゃ……」

提督「まぁそうかもしれないが加賀ならこう言うだろうな」

加賀『私たちはあの激戦区を戦い抜きました。五航戦の子達とは違って』

提督「とか」

瑞鶴「……もう一度チャレンジするわ」

提督「おーけい。そういうと思って補給用の弾薬燃料と、修復用のバケツ鋼鉄燃料は用意してある」

瑞鶴「みんな、今度こそいくわよ!!」

みんな「おー!!」

提督(にしても「五航戦の子」って鶴姉妹本人なのか彼女らの艦載機妖精なのかどっちなんだろうなぁ)

573: ◆jf7rnHhSH2 2014/03/20(木) 00:14:41.99 ID:qKhJSR75o
少女戦闘中……

提督「南ルートで主力と交戦……羅針盤が従順だな……」


瑞鶴『敵主力発見! ル級三隻、黄、赤、青!』

提督「まるで信号機だな」

瑞鶴『第一次攻撃隊、発艦始め! 敵艦隊と交s(ドグチァ

提督「んぁ、瑞鶴どうした!?」

翔鶴『瑞鶴!? 瑞鶴大丈夫!?』

隼鷹『あー、砲弾が顔面に直撃してるねぇ』

瑞鶴『前が見えないわ…』

提督「お前もかよ!!」

雪風『や、やっぱり雪風がいるから……』

飛鷹『そんなの貴方のせいじゃないわ! それより、瑞鶴が動けなくなったぶんをカバーしないと!』

雪風『……はい!』

ヴェル『行くよ!』

雪風『艦隊を! お守りします!』 二級*2「ウボァー」(撃沈)

ヴェル『さて、やりますか』 リ級「グアァ」(中破)

提督「お、うまいこと進んでるな?」


飛鷹『これで……最後よ!』

ル級フラ「アンギャー」

no title


翔鶴『敵艦隊、完全に沈黙しました。これより帰投します』

提督「おつかれさまー。帰ったらうまいもん食いに行くぞー」


瑞鶴「うぅ~……せっかくの見せ場なのに活躍できなかった…」

提督「まぁ、そういうこともあるさね。……しかしほんと似たもの姉妹だよなぁ。旗艦してたら敵主力の戦艦で顔面凹まされるとか」

瑞鶴「こんなことになるなんて…」

提督「まぁ精進だな精進」


後日……

提督「んん……? この本だと敵構成フラ1のエリ3じゃん! 一番無慈悲な構成じゃん! こっちは一番甘い構成じゃん!」

提督「……まぁ敵の戦力が欠けたところを突く時の運も大事よねー…」

576: ◆jf7rnHhSH2 2014/03/23(日) 21:24:32.69 ID:pbC0P1zro
卯月手に入れたんで卯月について調べようとWiki見てたらちょうと良いネタが有ったので加古編


工廠にて

卯月「ぷっぷくぷぅ~! うーちゃん、感激ぃ!」

提督「これで改造完了、と」

ガチャコ

提督「んん?」

加古「やほー」

提督「加古じゃないか、珍しいな。どうした」

加古「卯月が改になったと聞いてね、ちょっとプレゼントをね」

卯月「うれしいぴょーん!」

加古「まぁこれくらいしかないけど」

そう言うと加古は自分の付けてたヘアピンを卯月の襟につける。

卯月「ありがとぴょん!」(トテトテトテ

加古「……まぁ本当ならこっちがお礼言わなきゃいけないとこだけどね」

提督「なんかあったっけか?」

加古「昔の話でね。うっかりやられちゃったあと皆を救助してくれたのが卯月なんだよ。彼女には頭が上がらないね」

提督「そうか……。ところでヘアピン渡しちゃったけどいいのかね」

加古「予備あるし」

提督「あるんかい」

582: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/24(月) 20:49:04.77 ID:/mCsWd1I0
ウチのむっちゃんは最強なんだ(集中線)

584: ◆jf7rnHhSH2 2014/03/26(水) 00:47:12.53 ID:j1nelIkoo
>>582

提督「あ~、海を眺めるのもいいもんだなぁ」

ザバァ

応急修理女神「貴方が落としたのはどのむっちゃんですか?」

「なんですかなんですかぁー?」
「あらあら」
「えらいぞ!」

提督「唐突だしそもそも落としてないのだが」

女神「出番そのものが来ないコッチの身にもなってみろよオラッ!!」

提督「気をつければ轟沈なんて有り得ないからなぁ…」

588: ◆jf7rnHhSH2 2014/03/29(土) 22:38:41.93 ID:rL76KNz3o
サブタイトルはあったほうがいいよねと思うようになってきたのでつけよう。綾波編はもうちょい待って(震え声)

――180万――

提督「180万ねぇ」

猫吊「あなたの他にも提督はたくさんいるんですよ。別世界だけど」

提督「二水戦…神…神!? 神が書いたというのか!?」

猫吊「神通ですが」

提督「……あぁだから探照灯が。で、この探照灯意味あんの?」

猫吊「神通っぽいでしょう?」

提督「無駄に電気を使うな」(パチン

591: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/02(水) 00:33:49.08 ID:6yY6vHGqo
ある人は守るべきものがあるから人は強く成れると言い、
ある人は守るべきものがないから人は強く在れると言う。
どちらも正しいのかもしれない。
どちらも間違っているのかもしれない。

命あっての物種とはいうが、守るべきもののために命を捨てる真似は莫迦なのか。

これはそんなある莫迦の、莫迦どもの話。

592: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/02(水) 00:35:56.81 ID:6yY6vHGqo
「いやぁ、全く俺もたいした人間になったもんだ。しがない漁師が今じゃお上と会食する仲だもんなー」

例によっていつもの提督。両手に土産物を下げてご機嫌気分で鎮守府への道を歩む。

「あいつらに土産も大量に買ったし。今日も鎮守府は平和ですってな」

荷物を降ろし、鎮守府の扉を開く。

「たっだいま~っと。みんな元気に留守番してたか~?」

帰宅への返事は痛烈な一言だった。

「遅いのよクソ提督! 今まで何やってたのよ!」

廊下に飛び出して提督を罵りながらやってくる曙。

「お偉いさんと会食に行くって言ったろう。慌てなくても土産はたくさん…」

曙の姿をよく見ると髪は解け、服と艤装はボロッボロである。

「ん、どうした。機雷原に突っ込んだ後みたいにボロボロじゃねーか」

「留守中に深海棲艦の敵襲があったのよこのバカ!!」

「はっは~ん、それで被弾して機嫌が悪いのかなるほどなるほど」

「そうじゃないわよ!!」

「まぁ落ち着け。撃退は出来たんだろう?」

曙を宥めるように頭をぽふぽふと軽く撫でながら問う。

593: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/02(水) 00:37:30.78 ID:6yY6vHGqo
「撃退は…できたといっていいのか、その……」

言いよどむ曙。

「ん? どうした?」

「や、大和に聞きなさいよ!」

そういって曙は提督から逃げるように去っていった。

「うーむ? まぁ留守の間の指揮は大和に任せてたからどっちにしろ彼女に訊いた方が早いな」

そう一人ごち、奥へと進む。

途中、食堂をちょっと覗くと艦娘たちが集まっていた。

いや、集まっていたというのは正しくない。全員激戦帰りといわんばかりのズタボロで、

机に突っ伏しているか、椅子に座って項垂れているか、あるいは床に転がっているかのいずれかである。

その数ざっと百人以上。この鎮守府のほぼ全員といっても過言ではない。

「入渠ドック狭すぎるんだよな。状況報告聞いたらバケツを配布しないと……」

594: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/02(水) 00:39:22.76 ID:6yY6vHGqo
執務室のドアを開け放つ。

「おかえりなさい、提督」

そこには大和がいた。多少艤装に傷はあるものの大きなダメージはなさそうだ。

だが、顔色が悪い。何かとてつもなく悪いことがあったかのように。

「どうした、何か悪い物でも食ったか?」

軽口を叩くも、深刻な表情は変わらない。

「そういえば雪風を見かけないな。俺が帰ってくるといの一番に駆け込んでくるのに今日は曙のほうが先だった」

「……それを、今から話します」

「何か、あったのか……?」

「鹵獲されました。私が不甲斐ないばかりに…すみません!」

「……詳しく話してくれ」

「はい…それは…」

要約すると、俺が出かけた後、深海棲艦の群れが鎮守府に乗り込んできて、
雪風が孤立するように弾幕を浴びせかけ、完全に切り離したところで雪風に集中砲火を仕掛けて、
大破したところでこっそり忍び寄った深海棲艦が彼女を捕まえ、それを盾に撤退していった、ということらしい。

「追撃しようとはしたんですが、伏兵にしてやられました…。倒しきった頃には遥か遠くに逃げていてこちらもボロボロでした」

「偵察機か何かは出しているか?」

「赤城が彩雲を飛ばしています。南のほうへ向かって行ったそうです」

「ふむ…」

595: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/02(水) 00:41:12.44 ID:6yY6vHGqo
ジリリリリン、と古式ゆかしい黒電話が鳴る。全館放送や通信室との内線に使われているやつだ。受話器をとる。

「こちら提督。赤城か? 何かを発見したか?」

『敵は南のほうへ進んで行き、鉄底海峡の奥地まで撤退しました。あと、深海棲艦から電文が入っています』

「奴らはなんと言っている?」

『ユキカゼハ コチラガ アズカッタ カエシテ ホシクバ サーモンカイ サイシンブ マデ テイトク ヒトリデ コイ』

それを聞いて、己の胸に言いようの知れぬどす黒い感情が沸き上がるのを感じた。

(そうかそうか最初から雪風が目当てだったか。
 あいつが俺にとてもよく懐いていて俺もあいつの事を憎からず想っていることを知っての狼藉だよな。
 あいつら一匹残らず塵一つ残さず殲滅してやろうか)

「……オーケイわかった。彩雲の燃料が切れる前に帰還させとけ。以上」

チン、と受話器を下ろす。

「あの……気を、確かに…」

大和が後に語ったところによると、振り向いた俺の顔は不自然なまでに口の端が吊りあがった、恐ろしい笑顔だったという。

「なぁ、大和よ」

「は、はい」

「入渠ドックは満杯だろ。バケツ保管庫の鍵を渡すから全員補修するよう伝えてくれ。赤城とおまえ自身もな。俺はちょっと救出作戦を練る」

「い、行ってまいります!」

鍵を受け取り、そそくさと出て行く大和。

「……まぁ既に作戦は出来てるんだけどな」

そういうと俺は机に書置きを残して、窓から身を翻し、飛び降りた。

非常用に設置したクッションが衝撃を和らげる。

「あいつらにばれる前に出ることが肝要だ」

向かうは工廠。その地下室。

596: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/02(水) 00:44:09.31 ID:6yY6vHGqo
「妖精、秘密兵器の開発の進捗はどうだ?」

「さきほど、試作品が仕上がりました!」

「見せてもらうぞ」

「どうぞ」

奥の扉を開け放つ。

そこには、大和や武蔵の装備しているものより一回り大きい三連装砲と、七つの魚雷を装填した魚雷発射管が置かれていた。

51cm三連装砲と七連装酸素魚雷。どちらも史実では計画のみで終わった武装。秘密裏に開発していたのだが。

「どちらも腕に装備するタイプです」

「じゃあ早速つけるか」

「えっ、正気ですか? 酸素魚雷はともかく51cm、それも三連装砲とかただの人がつけるなんて正気の沙汰じゃないですよ?」

「46cmより一回りでかいだけだろ。演習場で撃った事あるし問題ない」

「これほどのものになると体への負担が危険で危ないデンジャラスなんですが」

「雪風を救うためならこの身がぶっ壊れようと構うもんか」

そう呟きながら伊勢型や朝潮型の艤装を参考に装備を行う。初めてつけたにもかかわらず、妙に馴染む。

「何か、あったんですか?」

開発妖精が心配そうに声をかける。

開発にかかりきりだったので外の騒ぎについては妖精たちは一切気づかなかったのだろう。知らぬが仏である。

「……俺は何も言わなかったし、お前らは何も聞かなかった。いいね?」

「アッハイ」

597: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/02(水) 00:46:10.70 ID:6yY6vHGqo
外に出て、ぷかぷか丸に乗りこむ。三式爆雷ソナーセット、30連装噴進砲、51cm艦首魚雷、探照灯。
万一の時のために載せた装備。妖精たちがメンテをしているのでいつでも準備は万全である。
燃料、弾薬も全てそろっている事を確認する。

「おーい、全員集合ー」

『はーい』

一声かけると妖精たちが皆集まって甲板上に整列する。

「よーし皆お疲れ様だ。整備も出来てるようだし、今日は全員両舷上陸…えーとこれでいいんだっけまぁ全員休んでいいぞー」

『わーい』

ぷかぷか丸からぞろぞろ降りる妖精たち。全員降りたことを確認してこっそり錨をあげ、エンジンを始動させる。

「俺の私的な復讐にあいつらを巻き込むわけにはいかないしな」

妖精たちは何も知らずに今後の予定を話し合っている。

「……抜錨!!」

提督の一声とともに、ぷかぷか丸は雪風を取り戻すために進み始めた。

598: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/02(水) 00:47:54.41 ID:6yY6vHGqo
「あれ? ぷかぷか丸動いてない?」

「あ、ホントだ」

「しれーかん乗ってなかったっけ」

「やばくね?」

「あ、ポータルのほう向かったから暴走じゃなさそう」

「そういう問題じゃなくね?」

「そういえばひとり足りなくない?」

                  ヒ ト
「ひーふーみー…あ。あの妖精がいない」

「……まぁ、あの妖精なら何があっても大丈夫でしょ」

「そだね」

「それより休暇だー」

「わー」

599: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/02(水) 00:53:21.00 ID:6yY6vHGqo
鎮守府、執務室。バケツをひと通り配布し終え、戻ってきた大和が見たものは、

「提督、作戦かいぎ…を…」

もぬけの殻となった執務室と、机上に置いてある一枚の紙。

『俺はサーモン海へ行く。後のことは頼んだ』

「まさか提督一人で行ってしまうなんて……なんて無茶を」

他にあるのは仕事の書類と、緊急招集用ブザー。
ボタンを押すことで各艦種の代表に執務室集合のアラート通知がなされる代物である。
代表は基本、各ネームシップ内で持ち回りである。

「……招集、しましょう!」

大和は机上のブザーに手を掛け、そっとボタンを押し込んだ。

600: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/02(水) 00:56:16.28 ID:6yY6vHGqo
招集。
実のところ、会議という名のお茶会としてしか使用されていなかった。
だが、今は違う。

航戦代表、伊勢。
巡洋戦艦代表、金剛。
正規空母代表、赤城。
軽空母・揚陸艦代表、龍驤。
重巡・航巡代表兼書記、青葉。
軽巡・雷巡代表、夕張。
駆逐艦代表、陽炎。
潜水艦代表、伊168。

そして、超弩級戦艦代表、大和。

大和以外『提督が、行方不明!?』

大和「サーモン海へ行く、と書置きを残してね。赤城さん、あの電文を」


赤城は電文の写しを取り出し、一人ひとりに回していく。


赤城「内容自体はありきたりな脅迫文ですね」

龍驤「これ、ヤバイんちゃう!? これ見て提督一人で行ってしもたんやろ!?」

大和「えぇ。これがその書置きよ」


ひらひらと、全員に見えるよう書置きを見せる。


金剛「テートクから目を離さないでって言ったのにー!!」

大和「言ってませんしものの五分で遁走するなんて思いませんよ普通……」

夕張「それにしても、こんな見え見えの煽りに乗るなんて……」

伊勢「まぁ提督は事あることに叫ぶし。今回もそんな感じだったでしょ?」

601: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/02(水) 00:57:35.30 ID:6yY6vHGqo

大和「…いえ、報告を聞いても奇声一つ上げず、電文を聞いても妙に落ち着いていました」

赤城「罵り声上げるの想定してヘッドフォンを取り外す準備はしてたんですけど」

青葉「そのときの提督の表情はどんな感じでした?」

大和「笑ってました」

イムヤ「笑ってた?」

大和「こう口の端を吊り上げ、歯をむき出しにして……。この私でも、見ただけで背筋がゾクッとする笑みでした」

青葉「……その表情一度だけ見たことあるけど、完全に怒ってると思うなー」

陽炎「どんな感じだったの?」

青葉「…黙秘権を行使させていただきます」トオイメ

大和「ともあれ、提督一人で敵中に突っ込むなんて自殺行為もいいところです。
   提督の安全を確保し、雪風を救出する。両方行わなければなりません」

夕張「しつもーん」

大和「はい、夕張さん」

夕張「質問というよりは確認なんだけど……。提督はぷかぷか丸に乗ってサーモン海へ出航したのよね」

大和「そうですね」

夕張「確かカタログスペックでは全速で30ノット…。30ノット台後半出せる駆逐艦隊を送り込めば晩までには追いつけるかと」

赤城「こちらも艦載機を飛ばして捜索および、駆逐隊が敵と遭遇した時の援護に回ります」

大和「ではその方針で行きましょう。艦隊の選定は陽炎、お願いできる?」

陽炎「任せてください、というかもう皆聞き耳立ててると思うけどね」

大和「後は……強行突破用の艦隊を編成します。全艦、艤装を整え出撃準備。編成完了し次第出撃します!」

602: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/02(水) 00:58:30.53 ID:6yY6vHGqo
ところ変わってアイアンボトムサウンド、ヘンダーソン飛行場のあったあたり。
国際空港は占拠され、今は深海棲艦の泊地の一つとなっている。

「偵察機より報告。標的A、サーモン海近海に侵入したわ」

そう報告するのは飛行場姫。備え付けのモニタにぷかぷか丸と甲板に立つ提督の姿が見える。

「うふふ、莫迦ねぇ。こんな見え透いた罠に一人でノコノコと。」

嗤うは戦艦棲姫。そしてモニタの中の提督をを不安げに見つめる雪風。

「しれぇ…来ちゃ……来ちゃ駄目です…」

「さぁ、どこまで耐えられるかしらね? 前衛部隊に攻撃指示を。じわじわと、甚振るように追い詰めていってね。この子に、無残な死に様を見せるようにね…」

「やぁ…やめて……やめて、ください……」

涙を流しながら懇願する雪風。

「前衛部隊、標的Aに攻撃せよ!」

雪風の願いは聞き入れられることなく、攻撃指令は無慈悲に下された。

「さぁ、苦しみなさい、絶望しなさい。そうすれば…」

603: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/02(水) 00:59:37.24 ID:6yY6vHGqo
甲板に出て海の向こうを見据える提督。

「あいつらには、うちの娘達を傷つけた罪、鎮守府に攻め入った罪、俺に喧嘩を売った罪、そして何より、雪風を攫った罪を贖ってもらわないとな」

敵の近づく波音が感じられる。

「おそらく、敵は拳銃持ったパンピー程度と見做しているだろう」

右に砲を、左に魚雷を、それぞれ構える。

「だが俺は見てきた。艦娘達の戦いを。彼女達の生き様を。そんな彼女たちがやられて俺が黙って見てるだけ? ふ ざ け ん な」

両手のトリガに指を掛ける。

「全世界を敵に回しても、俺が、俺たちが! 雪風を、助け出す!!」

51cm三連装砲の砲撃音とともに、元漁師の提督と深海棲艦達との戦争が、今始まった。

609: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/04(金) 01:17:03.43 ID:NtpKUaako
イ級「敵艦発見!」
リ級「んん~、遠いな。このまま接近させて…ん?」

深海棲艦のアウトレンジから飛んでくる砲弾。

リ級「ちょ、ぜ、全艦回避k」

KABOOOOOM!!

提督「……」

Ping! Ping!

三式聴音探信儀が敵潜水艦の接近を告げる。

提督(5時方向…)

爆雷投射機に向かって踵を振り下ろす。勢いよく打ち出される爆雷。

カ級エリ「魚雷発射用意…ってなんだあr」

ドゥーン!!

提督「……」


重巡リ級「敵艦接近中! 駆逐艦…より小さい? とにかく一隻! 前線部隊…殲滅されました!!」

ル級エリ「殲滅!? 馬鹿いわないで頂戴!? なんで一隻でこの短時間に十数隻屠ってるのよ!?」

重巡リ級「ありえない距離からありえない精度でありえない威力の砲」

ぐしゃり。

リ級の頭があった場所を弾が通り過ぎていく。

ル級エリ「え?」

崩れ落ちるリ級の身体。

ル級エリ「え、あ、なに、なにが」

彼女が最期に見たものは

提督「砕け散れ」

46cm三連装砲を凌駕した砲の、その砲口だった。

610: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/04(金) 01:19:38.02 ID:NtpKUaako
「ざっ、とこんなもんだ」

砲に弾を込めながら一人つぶやく。

「どうせあいつらは追ってくるだろう」

主機の回転数を限界いっぱいまで上げる。レバーが安全装置にあたり、カツンと音を立てる。

「だが、あいつらは追いつけない」

ぷかぷか丸は速度を上げ、サーモン海を突き進んでいく。

「皆には内緒で妖精さんたちに改造施してもらったからな。機関部まで手を入れてるとは思うまいて」

611: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/04(金) 01:20:40.69 ID:NtpKUaako
提督が去ったのちしばらくして、サーモン海近海。

陽炎の指揮下で編成された駆逐隊が、提督を探すため、海原を駆け抜ける。

隊は三つ。駆逐隊旗艦綾波、後詰め部隊旗艦赤城を中心とし、北ルート捜索を担当するあ号、

駆逐隊旗艦白露、後詰め部隊旗艦翔鶴を中心とし、南ルートを捜索するし号、

そして陽炎と後詰め旗艦加賀を中心とした中央ルート捜索担当のか号。


か号は船足の速い島風が斥候を務め、敵を警戒しながら進んでいく。

不知火「……島風より連絡。電探、ソナーともに感なし、目視も敵影一つたりとて見当たらずとのことです」

陽炎「さすがにもう敵の領海といっていいところなのに……。やけに静かじゃない?」

黒潮「うーん、他のルートの救援に向かったのかもしれんなぁ」

陽炎「最短距離の中央ルートをがら空きにして? 一応他の隊に確認とって見ましょうか。不知火、あ号に繋いで」

不知火「了解……繋がりました」

陽炎「こちらか号。北のほうの捜索はどう?」

綾波『哨戒中の敵艦隊一隊と交戦、全艦撃沈しました。司令官は見当たりません』

陽炎「こっちは司令官はおろか、哨戒中の艦隊すら見かけないわ。増援がくる様子は?」

綾波『今のところありませんね……』

陽炎「了解。こっちの警備が手薄だから、もしかしたら北か南に回ったのかもしれない。気をつけて」

綾波『了解しました』

ブツン、という音とともに通信が切られる。

陽炎「ということは南かしら。不知火、し号に繋いで」

不知火「既に繋いであります」

陽炎「ありがと」

時雨『こちらし号旗艦代理、時雨』

陽炎「あれ、白露は?」

時雨『姉さんなら一番先に見つけるんだから、って言って斥候に回っちゃった』

陽炎「えー……」

時雨『潜水艦隊を見つけて沈めたけど、提督は見つからないな……』

陽炎「こっちは敵艦隊どころかはぐれ艦すら見当たらないわ。増援には警戒して」

時雨『了解』

612: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/04(金) 01:22:27.53 ID:NtpKUaako
陽炎「……うーん、追いついてもいい頃だと思うんだけど。まさか、沈められたりしてないわよね…」

最悪の状況を想像しかけたところで、後ろから声がかかる。

不知火「ん……後詰め部隊から通信が入りました」

陽炎「加賀さんから? 今出るわ」

加賀『こちら加賀。彩雲から提督を発見したとの打電が入ったわ』

陽炎「!? それで司令官は今どこに!?」

加賀『ルンバ沖を突破した、とのことよ』

陽炎「嘘!? いくらなんでも速過ぎるわ!?」

加賀『目算で40ノットぐらい出してるらしいわ』

陽炎「島風で追いつけるかどうかってとこじゃない!!」

加賀『それと、敵艦隊が見当たらない理由も判明したわ』

陽炎「敵の誘導、ってわけじゃなさそうよね」

加賀『どうも、提督自ら砲や魚雷を装備して撃沈してるらしいわ。それにぷかぷか丸に搭載した武装も使ってるみたい』

陽炎「もう司令一人でいいんじゃないかな」

加賀『ダメです。あんな無茶がいつまでも押し通るはずがありません。急いで合流する必要があります』

陽炎「言ってみただけよ。機関全速で向かったほうがいいわね」

加賀『えぇ。秋に使ったポータルを見つけたら開放しておいて』

陽炎「了解。他の隊は?」

加賀『し号もそちらに合流するわ。あ号は北から回り込みます』

陽炎「わかったわ」


陽炎「みんな、聞いたわね。道は司令官によって拓かれているわ。全艦、両舷全速!」

613: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/04(金) 01:25:12.25 ID:NtpKUaako
深海棲艦、飛行場姫の泊地

「ふぅん、まさか武装してくるとはねぇ」

飛行場姫の偵察機から送られてくる映像を見ながら戦艦棲姫は一人ごちる。

「でも、まぐれ当たりは続かないわよ。アイツに繋いで」

「はいよ」

飛行場姫が備え付けの通信機をチューニングする。ほどなく、通信機から声が届く。

「こちら飛行場泊地。そちら聞こえる?」

「はーい、聞こえてるよー。前線が突破されたそうだねぇ」

通信機の先から聞こえるは深海棲艦らしからぬ明るい声。狂気に満ちた明るい声。

「えぇ。でも貴女ならあのくらい軽く捻り潰せるでしょう?」

「楽勝楽勝。無謀と蛮勇の代償、たっぷり払わせてあげなきゃねぇ。……おっと、哨戒部隊からヤツが海域に入ったとの知らせだ」

「あんまり早く沈めちゃダメよ? 彼女に現実をたっぷり理解させてあげて」

チン

「さて、第二幕の始まりよ」

「しれぇ…」

その様子を、雪風は震えて見ていることしか出来なかった。

622: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/06(日) 01:12:57.63 ID:+d0ynYJeo
ルンバ沖海域。波も緩やかで、静かで平和な海と言っても差し支えない。

この静寂は殺戮――恐らくは提督によっての――によって生み出されたものであろうが。

陽炎「このペースだと、司令官はもうサンタクロース海域に突入してるかなぁ」

全速で進みながらひとりごちる陽炎。

不知火「……あら、加賀さんから通信」

陽炎「彩雲からの偵察報告かしら?」ガチャ

加賀『陽炎? サンタクロース諸島前のポータルを過ぎたら慎重に行動した方がいいわ。彩雲が厄介なものを見つけたから』

陽炎「厄介なものって……?」

加賀『大量の艦載機。それもヌ級やヲ級が使ってるいつものやつじゃない』

陽炎「それってまさか……」

加賀『えぇ。さらに悪いことに提督はそいつらがいる方向へ一直線に向かっている』

陽炎「それじゃ、なおさら急がなきゃ!!」

加賀『そうね。でも慌てて注意を疎かにしてはダメ』

陽炎「了解です。ミイラ取りがミイラになってはどうしようもないですし」

ガチャコ

陽炎「……こんなところまで出張ってくるなんて…!!」

焦りを覚えつつ、陽炎たちは進軍を再開する。

623: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/06(日) 01:14:27.53 ID:+d0ynYJeo
サンタクロース諸島。ぷかぷか丸は波を掻き分け進んでいく。

「……おかしい。敵の数が少ない」

敵地の真っ只中のはずなのに、妙に敵が少ない。
せいぜい、哨戒中の敵艦隊がまばらにいるくらいである。

「俺が来ていることは向こうも承知のはず。……まるで、別の危険があるから逃げ出したかのよう」

ブゥーン、と、空から響く風切り音。空を見やると雲霞の如く迫ってくる艦載機の群れ。

「あれは……飛び魚艦爆か!」

機関は既に全速、フル回転。軽くカタログスペックを超える40ノットは出ている。

「よかろう、隠し玉を見せてやる」

機関操作のハンドルについている安全装置を取り外す。

「機関、強速ならぬ狂速!! 之字運動開始!」

ゴウッ、と唸りを上げてぷかぷか丸が加速する。

「仰角最大! 三式弾斉射だオラッ!!」

艦載機の群れとすれ違い様に対空弾を発射する。

「これも追加だ! 噴進砲、一斉射!!」

弾は空中で弾け、艦爆の狙いを狂わせる。
だが、全てを落とせるわけもなく、いくつかはぷかぷか丸に着弾する。

「被害は大体船尾のほうか……加速してなかったら死ねたな」

一息つく間もあらばこそ、雷跡が右舷を掠めるように通り過ぎていく。
魚雷が飛んできた先を見やるとそこには紅く輝く深海棲艦が一隻。

「あーあ、まさかさらに速くなるなんてねぇ。今ので沈むと思ったのに」

「やはり、お前か……戦艦レ級!!」

「くくく……。前線の艦隊をたった一隻で丸ごと殲滅したとか。実に沈め甲斐が有りそうだ」

「上等だ、その首へし折って手土産にしてやるか!!」

624: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/06(日) 01:17:21.82 ID:+d0ynYJeo
降り注ぐ砲弾、上がる水柱。柱の回廊を縫うようにぷかぷか丸は進んでいく。

(レ級は飛び魚艦爆と烏賊魚雷というインチキ兵器を持っているが、それゆえに電探を持つ枠がない。回避の目は十分にある)

「ほらほら、燃料切れまで踊り狂わせてやろうかぁ!?」

声の聞こえてくるほうに砲弾を撃ち込むも、振り回された尻尾に打ち落とされる。

「痒い痒い! その程度で首が落とせるもんか!」

(危険だが、やはり沈めるには至近での砲雷撃しかないか……)

通りすがりざまに魚雷を打ち込むものの、尻尾で海面を波立たせて起爆タイミングを狂わされる。

「はん、このまま尻尾巻いて逃げるかい?」

(放置したところで飛び魚と烏賊の群れに襲われるのがオチだ。日も沈む。夜戦で決着をつける!!)

「お前こそ今のうちに尻尾巻いて水底に沈め! そうすれば痛い目見たくて済むぜ!」

速度を調整し、レ級へ向けて回頭する。空に日の光はなく、闇が辺りを包み込む。

625: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/06(日) 01:18:34.18 ID:+d0ynYJeo
「さて、最期に何か言っておくことはあるか?」

「そうだねぇ、冥土の土産にいいこと教えてあげようか」

「聞くだけ聞いてやろう。熨斗つけて突っ返してやるが」

「お前の大切なたぁいせつな雪風をさらったのはわ・た・し」

「そうか」

「あれ、反応淡白だねぇ?」

「ドタマと腹と胸に大穴開けるつもりだったのが全身ミンチにすることに変わったぐらいだ」ニタァ

「無理無理。その台詞こそ熨斗つけて返してあげるよ」ニヤァ

「さぁ、覚悟しやがれ!! 機関フル稼働!!」

加速するぷかぷか丸。負けじとレ級も高速で突っ込んでくる。

勝負は一瞬。

(速度、角度、出力よし! 距離…100…50、30、10、今!)

バチン! という音とともに光が闇を切り裂く。

「グアッ!? 目、目が!?」

探照灯の光は夜闇の中でもはっきりものを映し出すほどの輝度である。この光をまともに見たらどうなるか。ご覧の通りである。

「じゃ、約束どおりミンチな」

目がくらんで動けないレ級に向かって砲弾の雨と魚雷の嵐を叩き込む。止めとばかりに艦首魚雷も発射する。

残骸を除けば、もはやそこには戦艦レ級の姿はなかった。

「……これでしばらくは邪魔は出来まい」

この先にある海峡を見やる。

「鉄底海峡か……。夜に着いたのは幸いだな」

ぷかぷか丸の舳先をアイアンボトムサウンドに向け、さらに奥へ、奥へと進んでいく……。

「……あ、首もぎ取るの忘れてた」

626: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/06(日) 01:21:21.70 ID:+d0ynYJeo
飛行場姫の泊地。

「レ級Eliteの撃沈確認……。冗談でしょう!?」

偵察からの報告に飛行場姫が驚きの声を上げる。

「あの子一人で一艦隊丸ごと相手に出来る強さよ? 何なのアレ!?」

戦艦棲姫が多少ヤケ気味に雪風に問いかけるが、

「しれぇ……やだ、しれぇがしんじゃうの、やぁ……」

虚ろな目をしてブツブツつぶやくばかり。

「すっかり出来上がってる。後はあいつの死に様を見せるだけだけど出来上がりすぎてて情報が訊けそうにないわね」

「じゃあどうするの?」

「質でダメなら量で叩き潰す」

飛行場姫の問いにさらりと答える戦艦棲姫。

「私はこいつを連れて最深部へ行く。既に隊は集めてある。ここを通り抜けたら航空機でこっちまで追い立ててやれ」

「私が沈めてしまっても構わないんでしょう?」

「私にもお楽しみを残しておいてよ」

ハハッ、と笑いながら戦艦棲姫は背負っている艤装の右手で雪風を引っ掴み、飛行場を後にした。

空の向こうに広がる暗雲をみやり、一人ごちる。

「……ふん、明日は荒れ模様になりそうね」

627: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/06(日) 01:23:49.42 ID:+d0ynYJeo
サーモン海、補給基地。日は既にとっぷりと暮れている。

急いで駆けつけたものの、ぷかぷか丸の残骸も、交戦中のレ級も見当たらなかった。

陽炎「とりあえずポータルオン、と」

駆動音とともに、転移装置が再び動き出す。

ガガーピー

不知火「鎮守府から通信です」

ガチャコ

陽炎「こちらか号隊旗艦陽炎」

大和『陽炎、お疲れ様。ポータルの接続を確認したわ。他の隊もそちらに合流するよう伝達してあるわ』

陽炎「了解です。これからの方針は?」

大和『今夜、金剛姉妹を筆頭に重巡・戦艦中心の編成でアイアンボトムサウンドを制圧するわ。飛行場姫もきっといるはず』

陽炎「あの量の艦載機で襲われたらひとたまりも有りませんからね…」

大和『制圧した後、最深部へ進撃します。あと、昼間の作戦に出た子は鎮守府に戻って休息をとってね。今日は一日お疲れ様』

ガチャ

陽炎「さて、皆聞いたわね。他の隊が来るまで待機、合流後撤収します。アイアンボトムサウンド制圧後、再度出撃の可能性があるので準備を怠らないように。以上!」

了解、の掛け声の後、三々五々休憩に移る。

陽炎「ふー……。まさかこんな奥地にまで行ってしまうなんて……」

暗くなった空を見やる。この先の運命を暗示するかのごとく、暗雲が空の向こうに見える。

陽炎(雪風、司令官……。無事でいてください!)

淀んだ雲に不安を覚え、二人の無事を祈らずにはいられなかった。

634: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/08(火) 00:59:53.62 ID:PB+/SAt8o
「さて、アイアンボトムサウンド……またここに来ることになるとはな」

夜の海を進み行くぷかぷか丸。

「あの時も苦労したっけな」

右舷方向に舵を取る。目指す地点は唯一つ。

「……なぁ、飛行場姫!!」

無線で怒鳴りつけると、島に明かりが灯る。
ザザッ、という音ののちに返事が返ってくる。

『へぇ、わざわざ私のところに挨拶に来たんだ?』

「夜が明けたら絶対爆撃しにくるだろ」

『まぁそうだけど』

「だから、今夜のうちに叩き潰す。そのための準備もしてきたしな」

『へー、あの子を放置して?』

「アイツに手を出そうが出すまいがどちらにしろ皆殺し確定だからな」

『ふん、口車には乗らないのね。いいわ。"今は"まだ生きてるわ。ここにはいないけどね』

「それだけ聞けば十分だ。もう一度解体してやるから覚悟しろこのロリxxx!!」

『駆逐艦娘嫁にしたロリコンに言われたかないわ!!』

635: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/08(火) 01:00:53.38 ID:PB+/SAt8o
「右九〇回頭!」

飛行場姫は他の深海棲艦と違い、陸の上に居座っている。日が昇れば大量の艦載機で叩き潰しに来ることは明らか。
その前に殺らなければならない。さらに……。

『浮遊要塞、行きなさい!!』

上位の深海棲艦が使用する浮遊要塞。これらを捌かずして標的に近づくことは困難を極める。

「落ちろたこ焼きィ!!」

高空から来るものは主砲で、海面から来るものには魚雷で対応する。

だが、再装填の間を縫って砲撃を打ち込んでくることは避けられない。

『沈め沈めェ!!』

更に、姫本人からも砲撃が飛んでくる。

「ヤバッ!!」

とっさに左腕を上げて防御する。

ゴシャッ、という嫌な音が闇夜に響いた。

636: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/08(火) 01:03:31.95 ID:PB+/SAt8o
「っ痛ぅ……あぶねぇ……魚雷全部打ち尽くしてなかったら左腕が無くなってたかもな。あと頭」

『悪運の強い奴め…』

砲弾によって大きく潰れた魚雷発射管を外して投げ捨てる。左腕も痛むが、とりあえずまだ動くことを確認する。

「やってくれるねぇ……。そんなお前のためにカクテルを用意してあるんだ。奢ってやるよ」

『……?』

最後の浮遊要塞を打ち落とし、速度を調整しながら舵を切る。

左舷に並べてあるのは燃料を入れ、布で栓をした瓶。

『貴様、何を……!!』

「カクテルはカクテルでもモロトフ・カクテルだがな!!」

岸のぎりぎりまで近寄る。物を投げれば届く距離。飛行場姫が砲を再調整しているが構うことなく次々と布に火をつける。

「九杯でいいな? まずひとーつ!!」

滑走路にぶち当たり割れた火炎瓶が燃え始める。

「ふたーつ! みっつ! よっつ! いつつ!」

火炎瓶を飛行場姫に向かって次々と投擲していく。

『あづっ!! 熱!! 焼ける!!』

流れ星の如く降り注ぐ火炎瓶が、割れては燃料を撒き散らす。

「むっつ! ななつ! やっつ! ここのつ!! そして……」

51cm三連装砲を構え、弾丸を装填する。

『や、やめ……』

弾は三式焼夷弾。飛行場姫のトラウマを抉る弾。

「十!!」

彼女の眼前で炸裂した焼夷弾は、既に燃料まみれとなっていたその体と艤装を悉く焼き尽くした。

「……さーて雪風、待ってろよー」

目指すはサーモン海最深部。

637: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/08(火) 01:05:16.76 ID:PB+/SAt8o
「まさか飛行場姫すら仕留めるなんて……」

飛行場姫からの通信が途絶えた。それはすなわち彼女の敗北を意味している。

「貴女の提督、やってくれるわねぇ……!」

戦艦棲姫は艤装の右手をギシ、と握り締める。だが、握られている雪風の反応は乏しい。

「……しれぇが……ゆきかぜのせいで……だめ…いや…」

「……まぁあいつが死ぬまで生きてればなんでもいいわ。こっちに向かってくるようだし」

自分から離れて囲うように居並ぶ深海棲艦達を見やる。

「ここまで来れば後は袋小路、デッドエンドというやつよ。やられた仲間の分も含めて清算させてもらいましょうか!」

638: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/08(火) 01:08:39.48 ID:PB+/SAt8o
提督が去ってしばらく後のアイアンボトムサウンド。

金剛「みんな、私についてきて! Follow me!!」

大和「この先が飛行場姫の拠点ですね……」

愛宕「えぇ、この先のはず…だけど……」

摩耶「あいつは白いから遠目でもわかるはずだけどな……電探にも感がないし」

衣笠「あのあたりのはずよね?」

衣笠が島の一つを指さす。

霧島「ちょっと危険ですが……探照灯をつけてみましょうか」パチン

探照灯をつけ、海岸沿いを照らす。そこには、黒く焼け焦げた遺体があった。

いったい誰のものかと、上陸して検分する。

摩耶「何だ、これ……」

大和「まさかこの子が……」

愛宕「この角、髪の長さ…焼け残った艤装……間違いないわ。飛行場姫よ」

霧島「瓶の破片が散ってますね……火炎瓶による攻撃でしょうか」

金剛「これを…テートクが……?」

衣笠「ってことは、もう先に進んじゃったんじゃない? ……ん、別働隊から最深部前ポータルを開放したとの連絡が来たわ」

大和「ちょっと繋ぎましょうか」

639: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/08(火) 01:14:27.01 ID:PB+/SAt8o
ガチャ、ザザー、チューン

武蔵「大和か。無線を繋いだって事は飛行場姫は撃破したのか」

大和「いえ、私たちが来たときには既に焼き尽くされてたわ」

武蔵「……やったのは、提督か」

大和「でしょうね。そっちの様子はどう?」

武蔵「利根が提督を発見した。だいぶスピードは落ちてるもののサーモン海の最深部へ進んでいる」

大和「じゃあ後は追いついて合流して、雪風を助け出すだけね」

武蔵「それは難しいだろうな。最深部は今嵐のまっただ中だ。それに……」

大和「それに?」

武蔵「ここまで艦が少ないということは逆に向こうに集結している可能性がある。……この状況を逆手に取るか」

大和「?」

武蔵「向こうは酷い悪天候だ。10m先すら見えるか怪しいぐらいに。奴らの後ろに回り込み奇襲をかける」

大和「なるほどね」

武蔵「正々堂々とは言い難いがこの状況でそんなことは言ってられまい」

大和「提督と雪風についてはどうするの?」

武蔵「わざわざ人質にとって呼びつけるぐらいだ。目的が何であれ、そうやすやすと殺しはすまい。
   敵の混乱を狙って潜水艦娘を急行させる」

大和「だいぶ希望的観測が込み入ってるけど……他に良い手も思いつきそうにないし。いいわ、やりましょう」

武蔵「自分で言っておいてなんだが、ものすごく危険な作戦になるぜ」

大和「それに人数が必要になるけど……無理強いは出来ないわね」

武蔵「希望者だけで何とかするしかない。いったん鎮守府に戻って再編成だ」

大和「わかったわ。私たちも補給のためいったん戻ります」

プチュン

大和「皆さん、聞きましたね。一度鎮守府に戻って整備を行い、有志を募って再編成を行います。これより艦隊、帰投します!」

644: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/11(金) 00:56:42.50 ID:KfckjE62o
「……朝、か」

提督が仮眠から目を覚ます。懐中時計を見やると6時を指している。

干し肉をとり、歯で無造作に引き裂き噛み締めながら甲板に出る。

「灰色の空、黒い雲。実におあつらえ向きの天気じゃないか」

ぽつり、ぽつり、と雨が降り出す。

「今日は荒れるぜ……」

激しくなる雨足。吹きすさぶ風。風に飛ばされないように帽子をきつくかぶり直す。

「鬼が出るか、蛇が出るか。まぁ出るのは姫だろうがな」

嵐の中、迷うことなくその中心部へ突き進んでいく……。

645: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/11(金) 00:57:58.33 ID:KfckjE62o
鎮守府、港湾部。

百を超える艦娘が完全武装状態で集まっている。彼女らの前には巨大な白板。

白板にはサーモン海最深部と深海棲艦の予測位置、そしてぷかぷか丸の予想進路が描かれている。

「……ブリーフィングは以上です」

説明を終え、大和は手にしていた指示棒を縮める。

目を瞑り、言葉を続ける。

「嵐の中、深海棲艦の大部隊を包囲して奇襲する。この作戦は、とても危険なものとなるでしょう。

 再び、深くて暗い海の底に沈む可能性は高いです。それでも、私は、大和は行きます。

 無理強いはしません。言葉も要りません。私とともに、提督と雪風を助けに行く娘は残ってください」

そこまで言って言葉を切る。足音一つない静寂。

目を見開けばやる気に溢れた艦娘たち。

「全艦、抜錨!! 目標、サーモン海最深部!」

646: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/11(金) 01:00:00.76 ID:KfckjE62o
サーモン海最深部、そこに彼女はいた。

嵐の只中でも一目でわかる艦影。思い出そうにも忘れられないその姿。

「戦艦棲姫!!」

無線で怒鳴りつけるように叫ぶ。

『いらっしゃい、テイトクさん。本当に一人で来るなんてねぇ。馬鹿なの? 狂人なの?』

ものすごい剣幕にもかかわらず余裕綽々の戦艦棲姫。

「一人で来いと言ったのはテメーらだろ。さぁ雪風を返してから痛い目見るか痛い目見てから雪風を返すか好きなほうを選びな。
 うちの娘達を傷つけて雪風を攫った代償は高くつくぜ?」

『これを見てもそんな大口叩けるかしら?』

深海棲姫が巨大な生物じみた艤装の右手を掲げる。その手に握られているのは……

「雪風ッ!!」

「ぁ……しれぇ……?」

『それにね……うちの子たちが既にあなたを取り囲んでいるわ。下手に動けば命の保障はないわよ?』

悪天候の中、水平線に仄かに灯る赤色や金色の光。それが意味することはいまさら口に出すまでもない。

「ふん、交渉する気は無いようだな」

『先に暴力で解決する気しかない選択肢持ち出したあなたが言う台詞じゃないでしょ』

「……らしくねぇ、全くらしくねぇな」

『何が?』

「お前らの行動がだ。艦娘の鹵獲、脅迫状めいた電文、そして今もだ。
 沈めようと思えば沈められる戦力を配置しているにもかかわらず、いまだ攻撃する様子がない」

『こっちも想定外よ。まさかたかが駆逐一隻のためにたった一人でここまで乗り込んでくるなんて。
 しかもレ級ちゃんと飛行場姫を下して。面倒臭いッたらありゃしない』

「雪風は俺の大切な相棒だ。それ以上の言が必要か? それに質問の答えになってねぇ」

『あなたに言う義理があって?』

「是非とも聞きたいねぇ。わざわざここまで回りくどいことをする理由を」

『これから死ぬというのに大した度胸ね』

「殺すというなら冥土の土産寄越せよ」

『いいわ、そのクソ度胸に免じて教えてあげるわ』

647: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/11(金) 01:01:08.77 ID:KfckjE62o
サーモン海最深部周辺。

波は荒れ、雨は降り注ぐ。

大和「○七○○。全艦所定の位置に付いたかしら」

赤城が目を眇めて嵐の向こうにいる艦娘を見やる。

赤城「合図有りました。包囲できたようです」

大和「後はタイミングだけど……迂闊に動いたら二人が危険に晒されるし」

赤城「まさか戦艦棲姫が雪風ちゃんを捕まえてるなんて」

大和「さすがに戦艦棲姫ともなるとイムヤ達だけじゃ力不足……。雷巡の三人を送りたいけど」

赤城「姫・鬼クラスを片付ける役目が有りますからね」

そう言いながら無線に耳を済ませる。

赤城「無線からは提督と戦艦棲姫の会話が聞こえますね」

大和「何を話してるのかしら?」

赤城「途切れ途切れですからね……。どうも、提督を殺すことで雪風を絶望のどん底に叩き落して……あっ、いいところで聞こえなくなってしまいました」

大和「そこまで聞けば大体予測は付きます。いずれにせよ阻止しなければなりません」

648: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/11(金) 01:04:09.75 ID:KfckjE62o
サーモン海、海中。潜行するは5人の伊号潜水艦娘。まるゆはついてこられそうにないのであきつ丸に預けてきた。

イムヤ「うわぁ……まさか戦艦棲姫だなんて。大穴開けるのは無理そう」

しおい「そうなの?」

ゴーヤ「本体の細さとは裏腹に装甲も耐久も冗談みたいに硬いでち」

イク「イクたちが魚雷撃ちつくしてもかすり傷程度で平然としてたの!」

しおい「そんな相手をどうやって……」

はち「私たちや水上打撃部隊で丸一日かけて削れるだけ削って、精鋭を送って撃沈。大変な一日だったわ」

ゴーヤ「……それにしても胸糞悪くなる話でち」

イムヤ「無線?」

ゴーヤ「うん、てーとくとアイツの会話」

イク「どんな話なの?」

ゴーヤ「えっと……」

649: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/11(金) 01:05:49.90 ID:KfckjE62o
場面は海上に戻る。

「要は雪風の絶望を凝縮して深海棲艦するって事か! ハッ、確かに効果的かも知れんな! だがな……」

提督は左手親指で自分を指差す。

「俺はまだ生きてるぜ」

「し、れぇ……」

「もうちょっとの辛抱だ、雪風」

うめく雪風を励ますように声をかける。

『ここまで生きてるのがおかしかったけどあなたはもうすぐ死ぬのよ。最期に言い遺すことはある?』

「わざわざ聞いてくれるのか。そーりゃ親切なこった」

『今生の別れの挨拶とかオススメよ?』

「そうだなぁ……よし」

無線装置のダイヤルをひねり、出力を最大まで上げる。

「全員に聞かせてやろうじゃないか。俺が、提督であることの証をよぉ……!!」

『さっさとして頂戴。言い終わったらこの主砲でぶち抜いてあげるから』

降りしきる雨の中、思いっきり、息を吸い込み、力の限り、吼え猛る!!

650: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/11(金) 01:09:45.66 ID:KfckjE62o




『砲雷撃戦、用意! 撃てぇぇぇぇぇぇッ!!』




651: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/11(金) 01:11:21.03 ID:KfckjE62o
三百六十度、全方位。上がる爆炎、水飛沫。

『な、馬鹿な、いつの間に呼んだの!?』

「呼んじゃいねぇよ! 全員自分からこの地獄に突っ込みやがったんだ! 雪風のために!!」

更に無線に向けて叫ぶ。

             カタッパシカラブッツブセ
『俺の心配はいらねぇ!! Destroy'em ALL!!』

『ならば、お前だけでも!!』

戦艦棲姫が16インチ砲を構える。提督も51cm三連装砲を構え……

カチッ、カチ、カチッ

「あ、弾切れだこれ」

次々打ち出される砲撃の音。

「やべ、回避しねぇと!!」

機関を再始動させ、舵をいっぱいに曲げる。

船底部から鋼鉄のひしゃげる嫌な音がする。

『アイアンボトムサウンドに……沈みなさい……!!』

「そうは行くかってんだ! 俺はお前らをオウフ」

ベキベキベキ。砲弾の嵐は、ぷかぷか丸の船底を破り、船体をへし折った。

傾く甲板に提督はバランスを崩し、

「やべ、落ちる落ちタワバッ」

転んだ拍子に頭を打ち、提督は裂けた船の間から暗く深い海へ、転げ落ちていった。

652: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/11(金) 01:18:06.57 ID:KfckjE62o
今日はここまで

(中略)あんたが今ここで倒れたら、雪風や猫吊るしとの約束はどうなっちゃうの?
耐久はまだ残ってる。これを耐えれば、戦艦棲姫に勝てるんだから!

             デュエルスタンバイ
次回、「提督死す」 砲雷撃戦用意!

657: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/15(火) 22:46:23.06 ID:RPpXC1wWo
海中

イムヤ「!? 司令官が落ちた!?」

ゴーヤ「でも、さっきの会話からするとてーとくの次は雪風の番でち!」

しおい「あわわわ、どうしよう!?」

ゴーヤ「……全員で戦艦棲姫に魚雷斉射、その後すぐしおいはてーとくの救助に向かって! ゴーヤたちで出来るだけ時間を稼ぐでち!」

しおい「わかったわ!」

イク「魚雷発射準備OKなの!」

ゴーヤ「カウント、行くでち! さん、にぃ、いち…」

はち「ふぉいあー!!」

潜水艦娘5人による魚雷の一斉射。だがそれですら致命打にはなり得ないとわかっていた。

しおいは海の底へ潜り、ゴーヤたちは海の上へと浮上して行った。

しおい(早く、提督を引き上げないと……!!)

658: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/15(火) 22:47:50.83 ID:RPpXC1wWo
海上

「ハハハ、あっけない!! 見なさい! これがお前の最愛の人の最期よ!」

捕らえている雪風にぷかぷか丸が沈み行く様をよく見えるように右腕を掲げ、戦艦棲姫は高らかに宣言する。

「し、しれぇ、しれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

雪風の悲痛な叫びは沈み行く船とともに掻き消されていく。

「しれぇが、ゆきかぜのせいで、死んじゃっ……」

「さ、後はこの小娘を握りつぶせばおしま……ん?」

ドゥン、ドゥン、ドゥン、と次々と魚雷が戦艦棲姫に当たる。

「やらせはしないわ!」

次々と海面に出るイムヤ、ゴーヤ、イク、はち。

「てーとくは今しおいが助けに向かってるから、大丈夫でち!」

「提督も雪風もやらせはしない、なの!」

「20ミリ連装機銃が火を噴くわ!」

「煩い小バエどもね」

肩に担いだ主砲を海面に向け、威嚇とばかりに数発ぶっ放す。

「急速潜航!」

あっという間に海に潜り、次の魚雷を発射する。

「このぐらいの魚雷でどうにかできると思ってるのかしら」

「へぇ~。じゃあこれならどうかな?」

潜水艦娘のものよりはるかに強烈な魚雷が戦艦棲姫に炸裂する。

「ぐっ! お前は!」

戦艦棲姫が振り向いた先には、両の腕脚に酸素魚雷を大量に装填した艦娘。

「ハイパー北上さまだよー」

659: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/15(火) 22:49:31.38 ID:RPpXC1wWo
海中

提督を追って急速潜行するしおい。

(……いた、提督みーっけ)

だが、沈む速度は速く、距離もすぐに追いつけるようなものではない。

(急がないと、手遅れになっちゃう!)

全速を出すしおい。だが提督は無情にも沈み続ける。

そんな絶望的状況の中、しおいは見た。

ものすごい速さで垂直方向へ、提督のほうへ潜り行く何かを。

(もしかしてあれって……!)

660: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/15(火) 22:50:20.99 ID:RPpXC1wWo
提督は51cm三連装砲の重みに引かれ、どんどん沈んでいく。

(あぁ、やっちまったなぁ……)

薄れ行く意識の中、ぼんやりと思索を巡らす。

(まぁあいつらは皆来ているようだし負けはないだろう)

脳裏に浮かぶは艦娘達の顔。

(俺がいなくなっても何とかやっていけるだろうし)

(……おい)

(一つ心残りは……まぁ死ぬからあってもなくても関係ないか)

(おい)

脳に直接響くドスの聞いた声。

(幻聴まで聞こえ始めたか。そろそろ俺の人生も終わ『返事しろよこのスットコドッコイがッ!!』

怒鳴り声とも言える意識の割り込みが、提督の意識を死の淵から引き戻す。

(何だよ。海の底に沈んで死に行く人間に何の用だよ)

(このキチガイボケナスビ。私は今二つのことで非常に怒ってる)

謎の声は罵声を浴びせながら怒りを露わにする。

(ひとつは、ぷかぷか丸を沈めたこと。二つ目は死んで艦娘たちへの責任を放棄しようとしたこと。それもどちらも私の目の前で、だ!!)

(というかお前誰だよ。神かよ)

(そうとも、神だよ)

661: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/15(火) 22:51:37.59 ID:RPpXC1wWo




『応急修理女神だよ!!』




662: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/15(火) 22:52:26.85 ID:RPpXC1wWo
(でもお前艦娘用だろ)

『女神ナメんな。提督引き上げてぷかぷか丸直すことぐらい造作もない!!』

(マジで)

『目を開けてみな』

目を開け仰ぎ見ると、そこにはまるでビデオの巻き戻しを行うように修復されていくぷかぷか丸と腕を組んで睨み付ける女神。

(うわぁ、すげぇ)

『おらっ、甲板に乗りな! 海面まで吹っ飛ばすよ!!』

返事を待たず、女神は提督の腕を捕まえぷかぷか丸の甲板に投げつける。海中なので痛くはないが。

(この深さから一気に上がったら潜水病かなんかで結局死ぬんじゃねーの俺)

『私の加護がありゃ死にはしないよ! うぉりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!』

女神は船尾を掴み、その小さな体のどこから沸いてくるのかわからない力で船体を丸ごと持ち上げ始めた。

『弾と燃料はサービスしといたよ! 後は自分で何とかしな!!』

663: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/15(火) 22:53:19.13 ID:RPpXC1wWo
「全く、これはジリ貧だねぇ……」

戦艦棲姫の不意を付いたはいいものの、重雷装巡洋艦の魚雷ですら致命傷というほどではなかった。

「大井っちや木曾っちがいれば良かったんだけどまだ交戦中だし……」

雷巡トリオには姫・鬼クラスとの直接対決。北上は速攻で南方棲戦鬼を沈め、救援に駆けつけたのだが、この有様である。

体勢を立て直した戦艦棲姫は雪風を盾にとりながら反撃を開始した。

「ほらほら、下手に撃つとこの子が死んじゃうわよ?」

雪風をぶら下げながら戦艦棲姫が挑発する。

万全な状態ならばまだしも、今の雪風は身も心もボロボロである。

彼女の言う通り、フレンドリーファイアが死に繋がる可能性は極めて高い。

有効打を与えられないまま、至近弾でじわじわと削られていく。

潜水艦娘達の魚雷攻撃はあっさり凌がれ、必殺の酸素魚雷は雪風を盾に取られて打ち込めず、僚艦は皆外周で死闘を繰り広げている。

いっそ密着して酸素魚雷を全部叩き込んでやろうかという捨て鉢戦法が北上の脳裏をよぎったその時……。

664: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/15(火) 22:54:53.16 ID:RPpXC1wWo
轟ッ!!

そうとしか表現しようの無い音とともに、ぷかぷか丸は海面を飛び出し、空中に躍り出た。

その風圧は絶望の暗雲を散り散りに吹き飛ばし、

その船体は不安を丸ごとひき潰すかのように、勢い良く着水した。

舳先には提督が立っている。右腕には51cm三連装砲。左手には銛。

「地獄から舞い戻ってきてやったぜxxxxxxx戦艦棲姫! あの程度で俺を殺せると思うなよ!!」

(戻ってこられたのは私のおかげでしょうが)

(その点は感謝するが今はハッタリ利かせた方がいいんだよ)

応急修理女神が直接脳内に茶々を入れてくる。

「ならばもう一度沈めるまでよ。それに……」

盾にするように雪風を掲げる。

「あなたの最愛の人を撃てr」

ドゥン

響く砲撃音。千切れ飛ぶ戦艦棲姫の右腕。

「そんな……!?」

吹き飛んだ右手は力を失い、雪風を手放す。

重力に引かれ落ちていく雪風。

「あら、よっと!!」

提督は、落ちてきたその華奢な体に腕を伸ばし、絡め取るように抱き寄せる。

「もう大丈夫だ、雪風!」

「しれぇ!!」

首に巻きつくように提督の体に抱きつく雪風。

「……ならば、諸共砕け散れぇ!!」

戦艦棲姫はそんな二人に16インチ砲で狙いを定め、発射した。

響く砲撃音。巻き上がる爆煙。そして、グシャリと言う音。

665: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/15(火) 22:55:41.17 ID:RPpXC1wWo
音の出所は、戦艦棲姫の主砲。

「ば、馬鹿な!?」

煙が晴れる。そこには雪風を庇うように立ち、砲を向ける提督の姿。

51cm三連装砲で、戦艦棲姫の砲弾を相殺し、ぶち抜いたのだ。

「それが、最後の抵抗か?」

「くっ……!」

「周辺の戦いも大勢は決した。雪風も取り戻した。チェックメイトだ。だが……」

提督はそこで言葉を切り、雪風をそっと下ろす。そしてそっと耳打ちする。

「機関一杯、限界まで回してくれ」

雪風はこくり、とうなずくとレバーを握り。限界までスロットルをあげた。ぷかぷか丸が始動し始める。

再び戦艦棲姫のほうを向き、言葉を続ける。

「だが、テメェは俺が直々に手を下してやる。二度と海面に上がりたくなくなるぐらいの恐怖を刻み付けて海の底に沈めてやる!」

加速するぷかぷか丸。抵抗とばかりに戦艦棲姫は副砲を撃ちこんで来る。

「沈め、沈め、沈めぇぇぇぇ!!」

右手と砲を失ってバランスが崩れたせいかまともに当たらない。

提督は銛を構える。大物に狙いを定める漁師の目。その視線が戦艦棲姫の怒りの籠もった視線と交わった刹那。

飛び出した銛は、戦艦棲姫本体の右肩に突き刺さった。

666: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/15(火) 22:56:18.84 ID:RPpXC1wWo
「このぐらいどうってことはないわ!」

突き進むぷかぷか丸に叫び返す戦艦棲姫。だが返事は銛の下から聞こえてきた。

「そうだろうな。だがこれならどうかな?」

顔面に突きつけられる主砲。銛にぶら下がった提督が突き出したものだ。ちょうど胸と腹にも突き当たっている。

「テメェの敗因は三つ。一つは雪風を攫った事」

渾身のストレートを叩き込む直前のように腰を捻り軽く腕を引く。

「一つはうちの鎮守府に喧嘩を売った事」

51cm三連装砲のトリガーに指を掛ける。

「そしてもう一つは……」

「あ……あぁ……」

「この俺を怒らせた事だぁぁぁぁぁ!!」

砲身を刺し貫かんばかりに叩きつけると同時に、三門ぶんのトリガーを同時に引く!!

667: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/15(火) 22:57:15.65 ID:RPpXC1wWo
ところで、この世には物理法則というものがあります。

その一つが作用・反作用の法則です。

実物より小型化されているとはいえ、とてつもない破壊力を生みだす砲弾を放つ51cm三連装砲。

そのようなものを目標に密着した状態で、しかも三門同時に撃ったらどうなるでしょう?

668: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/15(火) 22:58:56.10 ID:RPpXC1wWo
耳を劈くような轟音。尋常ならざる衝撃。覚えているのはそこまでだった。


がばり、と身を起こす。ざっと見渡すと白い布団、白い壁、白い天井、そして……

「し"れ"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"ぇ"!!」

涙で顔をぐしゃぐしゃに濡らした我が相棒、雪風。上から覆いかぶさるようにぎゅう、と抱きついてくる。二度と離すまいというかのように。

俺の胸に顔をうずめて泣き続ける。どうしたものかと思案していたら、戸が開く音がした。

「あ、司令官。お加減はいかがでしょうか? どこか痛むところとかありませんか?」

入ってきたのは看護帽をかぶった初霜。

「右腕から肩にかけてバッキバキに痛いが……あー、まー、大丈夫みたいだな」

痛みをこらえながら腕から指先まで動くことを確認する。

「本来なら右腕丸ごとなくなっててもおかしくないですよ!? 戦艦用主砲で密着して砲撃するなんて!」

「まぁこの通り俺の腕は無事だし。それよか俺と雪風助けに行ったせいで沈んだヤツはいるか?」

「戦艦棲姫の撃沈で敵は統制が取れなくなったんでこちらは大した被害は有りませんでした」

「なら何の問題もないな」

安堵のため息をつきながら左手で雪風を撫でる。

「こんな無茶は二度としないでくださいよ? ぷかぷか丸が轟沈したときは肝が冷えましたよ!?」

「大丈夫大丈夫。二度としないって。頭に血が上って怒り狂ってない限りは」

「それ可能性あるって事ですよね!?」

「だってさぁ……」

ぐすぐす泣く雪風を見ながら言葉を続ける。

「大好きな雪風や皆を傷つけられて何もしないでいられるほど温厚じゃないし?」

「だからって司令官が直接出向くのは無謀ですって! 生身の人間が砲弾にまともに当たったら死んじゃいます!」」

「いいじゃん勝ったし」

「それに、司令官が死んだら雪風ちゃんはもちろん、皆が悲しみますよ!!」

「それもそうだな」

軽くうなずき、雪風のほうに目をやる。

「でも大丈夫。俺は幸運の女神のキスを受けてるからな。なぁ雪風?」

「しれぇは、ゆきかぜがまもりますから……ぐしゅ」

「な?」

「『な?』じゃないですよ、まったくもう……」

呆れたようにジト目でにらむ初霜。

「大体よー、それ言ったらお前ら全員そうだよ。雁首揃えて全員出てきて。いそうな気配したから活用させてもらったけど」

「来てるの知ってたんですか!?」

初霜が目を丸くする。

「いんや、実際砲撃の音が聞こえるまでは確信はなかったけどな」

肩をすくめて続ける。

「全く、俺のために危険を顧みず全軍突撃とか、莫迦だよ莫迦。まぁ雪風のために単騎駆けする俺も似たようなもんだがな! あっはっは!!」

669: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/15(火) 22:59:35.74 ID:RPpXC1wWo
突然、バン! と開く扉。飛んでくる艦載機。いや、帆船。そこから飛び出し、俺の顔面に向かって飛び蹴りを放つ妖精。

「バカハドッチダー!!」

「おおっと」

右腕でガード。割と痛む右腕でガード。体調が万全ならまだしも、この状況下では向う脛を思いっきり蹴られたのと変わりない衝撃。

「――――!!」

声にならないレベルの激痛。

「しれぇ!? しれぇぇぇ!?」

「私がいなかったら一回、いや二回は死んでたんだからね……ってありゃ、やりすぎた?」

蹴った反動で軽やかに着地――俺の腹の辺りに――したのは応急修理女神。どうも想定外の反応だったらしい。いや怪我したほうの腕で庇う俺の責任もあるが。

「司令官は病み上がりなんでですからそういうのは治ってからにしてください」

治ってたらいいのかよ初霜よ。

「とりあえず説教は治ってからじっくりたっぷりするから早く治しなさいよ!!」

言うだけ言って女神はあっさり去ってしまった。

「行っちゃいましたね」

扉のほうを見ながら初霜がつぶやく。

「……あー、俺は寝るわ。うん。ほれ、雪風降りろ」

ぽふぽふと雪風を軽く叩くが、雪風は首をふるふると横に振り、より強く抱きついてきた。

「ゆきかぜは……しれぇから離れたくないです。離したくないです」

「お熱いですね、司令官」

「冷やかすな」

「お邪魔だと思いますのでごゆっくり」

そそくさと退室し、扉を閉める初霜。

「おいぃ!?」

部屋に残るは俺と、涙目でこっちを見つめる雪風。

「……ほれ、布団入れ」

腕の痛みをこらえながら雪風を布団でくるむ。抱きつく雪風の体が暖かい。

(まったく、ほっとけないヤツだよ、雪風は)

そんなことを考えつつ眠りに付く。治ったらいつも通りの生活が始まるだろう。

だがそのときまでひとまずは。おやすみなさい。

670: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/15(火) 23:01:32.08 ID:RPpXC1wWo
次回予告

島風「実は私ね、従姉妹に当たる子が一人だけいたの」

謎の新艦娘!

??「やっと私の出番ですね」

伏龍目覚める!!

提督「こ、これが水上偵察機の真の力…!!」

新しいシステム!!!

一体どうなってしまうのか!!! 春イベント編、予定は未定!!

674: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/17(木) 22:29:18.93 ID:Sf1BUmPUo
鎮守府、執務室。

提督は大本営からの資料を読みつつ眉を顰めていた。

提督「ぐぬぬ」

綾波「司令官、あまり根つめると体に毒ですよ。ここは一息入れてお茶にしましょうか」

提督「……来ねぇ」

綾波「何がですか?」

提督「改二だよ、か・い・に! まさかレーベとマックスのほうが先に来るとは思わなかったぜ畜生!」

資料を棒状に丸めて机をべふべふ叩く。

提督「夕立も来た! 衣笠も来た! 金剛シスターズも来た! いや榛名はまだだがもう来ることは確定してる!」

机を叩くのをやめ、資料を綾波のほうに突きつける。

提督「然るにお前だ綾波! 南方海域も大詰めだしそろそろ来てもいい頃だと思うんだよ!!」

綾波「あー、あれはちょっと迷子になっちゃっただけですし…お恥ずかしい」

提督「ぽこじゃか敵艦沈めまくって『ちょっと迷子になった』で済ますなよ!」

綾波「それより雪風ちゃんの改二はどうなんですか?」

提督「響がヴェールヌイになって以来ずっと待ってんだけど大本営からの資料にそういう気配はさっぱりない」

丸めた資料を机へポンと放り投げて言葉を続ける。

提督「過去のトラウマ要因の大半が雪風時代のものだから丹陽になればちったぁあの泣き虫も解消されるんじゃないかなぁと思うんだが」

綾波「名前や艤装や見かけが変わっても中身が変わるわけじゃないから多分雪風ちゃんも変わらないと思います」

提督「ですよねー……響も名乗りが変わった以外は特段変化なかったし」

675: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/17(木) 22:30:41.47 ID:Sf1BUmPUo
早く雪風と綾波の改二来やしませんかね

というわけで小ネタ艦娘とか安価下

676: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/17(木) 22:33:38.08 ID:kP4P3G9AO
はっちゃん

680: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/19(土) 21:45:54.13 ID:pEyQv7m8o
オリョール海での作戦終了後

はち「ご褒美にシュトーレン食べたいなぁ」

提督「シュトーレンはないが……これなら」

デデーン

提督「電子書籍タブレット!!」

はち「!!」

提督「防水加工済みだから風呂場とかでも大丈夫だぞ。本の購入は自腹だが」

はち「Danke!!」

提督「いいってことよ。何か大本営から無料で送られてきたが使い道なかったし」


別の日、東部オリョール海

提督「今日も元気に強襲揚陸部隊すりつぶすぞー敵に魚雷をぶちまけろー」

バシュー

提督「……あれ、一本少なくね?」

バシュー

提督「ひーふーみーしーご、やっぱり一本少ない。誰も中破してないはずだが」

ザバァ

提督「ん、はっちゃんどうしたそんなに慌てて戻ってきて」

はち「タブレットだと魚雷が出ませんでした」

提督「そういうもんなの?」」

はち「えーと、これでいいかな。次はちゃんと撃ちます」

ザバーン

提督「……今持ってったの秋雲作のウス=異本じゃなかったか?」


なお魚雷は正常に発射された模様

提督「アレでいいのかよ!?」

681: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/19(土) 21:47:22.91 ID:pEyQv7m8o
偵察機の追加システムどうなるんだろうなぁ

例によって小ネタ艦娘とか安価下

689: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/21(月) 22:25:11.97 ID:MP3Am+Lio
>>686-687
はっちゃん編Sequel

秋雲「あれ、提督。私の本ここにおいてあったと思ったんだけど」

提督「はっちゃんが魚雷発射装置の代用として持ってたぞ」

秋雲「ええー。まぁ試し刷りの分だからいいけどさー」

提督「そもそも何でお前がここにいるんだよ」

秋雲「いやー、一区切り付いたんで後ろのハンモックで寝てたら出撃しちゃうんだもんなぁ」

ドゥン、ドゥン、ドゥン、グチャ、ドゥン、ドゥンと後ろで魚雷の着弾音が聞こえ

提督「……グチャ?」

どう考えても魚雷の着弾音ではない。振り向き、様子を確認する。そこには触手に絡まれながら沈み行く深海棲艦の姿が!!



イ級「ウボァー」グッチョグッチョ



提督「」

秋雲「あー、触手モノだったからねぇアレ」

提督「SAN値直葬モノだよ畜生!! 誰得だよ!!」

秋雲「普通の触手モノだけど相手が悪かったねぇ」

提督「はっちゃんの本の代用品探さなきゃな……」

秋雲「提督も一冊どう?」ヒョイ

提督「……雪風じゃねーかこれ! あいつが見つけたら泣いちゃうから無し無し。と言うか姉をモデルにするとか恐ろしいなお前」

秋雲「提督も気にいると思ったのになー」

690: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/21(月) 22:28:27.72 ID:MP3Am+Lio
あきつ丸編

鎮守府、工廠

提督「これであきつ丸も改造完了、と。それが飛行甲板か。飛鷹たちみたいに式神を飛ばすのか?」

あきつ丸「いえ、提督殿。自分はこの回り灯籠を使うであります。こうやって影絵を写して……」

バラバラバラ、と飛び出すカ号。立体化された瞬間、妖精さんがすばやく飛び乗り操縦する。

提督「式神もよくわからない理屈だったが更に輪をかけて訳がわからないな……」

あきつ丸「深海棲艦ほどではないと思うであります」

提督「じゃあとりあえず紫電改二と流星とスツーカ乗せて……」

あきつ丸「あっ、艦攻と艦爆は無理であります」

提督「ナンデ!? 艦攻艦爆不可ナンデ!?」

あきつ丸「……提督殿。その理由、どうしても知りたいでありますか?」

提督「だって言っちゃ悪いが15.5副ガン積みですら心もとない火力だし夜戦も雷撃ないからお察しだし攻撃機積めないとなぁ……」

あきつ丸「揚陸艦に火力を求めてはいけないのであります。理由をお見せするので余った彗星と修復材を用意して欲しいであります」

提督「彗星はそう積むもんでもないけど解体するには微妙に惜しいからねぇ。ほれ彗星……ん? 修復材?」

あきつ丸「……彗星を灯籠に取り付けて……あっ、灯籠から離れたほうがいいであります」

提督「お、おう」

あきつ丸「では点灯」

灯籠から伸びるスイッチをあきつ丸が押した瞬間、ドゥン!! という音とともに灯籠が近くで待機していた彗星妖精ごと吹っ飛んだ

彗星妖精「アジャパー」

提督「!?」

あきつ丸「灯籠に着火すると爆装や雷装ごと吹っ飛んでしまうのであります」

提督「なにそれこわい……でも艦偵ならそう大仰な武装はないし積めるかな」

彩雲妖精「」

提督「あ、ちょうどいいところに」

彩雲妖精「バクハツシサンヤダー!!」(ダッシュ

提督「あっ、逃げた」

あきつ丸「……まぁあんなところ見てしまったら仕方ないかもしれないでありますね……」

691: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/21(月) 22:31:15.25 ID:MP3Am+Lio
せめて艦偵ぐらいは積ませてくださいよー!!

例によって小ネタ艦娘とか安価下
イベントが近いのでネタ消化遅れるかもしれないけど

692: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/04/21(月) 22:33:23.61 ID:a4cOxt8Po
那智

704: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/24(木) 22:10:43.76 ID:ZRk17MDho
―――このスレは青少年のなんかに配慮しています―――

那智「今夜ばかりは呑ませてもらうぞ!」

提督「そうだな。まぁ呑むなら帰ってからな」

那智「そういえば司令官が宴席などで呑んでいるところを見たことがないが……」

提督「呑まないからな」

那智「下戸なのか」

提督「呑めないのではなく呑まないんだ」

那智「では呑めるのだな」

提督「呑めるが呑むと碌なことにならんからな」

那智「なに、私たちの中にも酒飲みはたくさんいるし問題ない。今夜は司令官も呑もうではないか」

提督「……後悔することになるぞ、互いに……」


翌朝!!

そこには後頭部に大きなたんこぶを作った提督と、左手首に湿布を貼った那智が!!

提督「まぁ、その、なんだ。記憶はないけど大体何があったかはわかる。すまん」

那智「……まさか酒乱だったとはな。黙りこんだと思ったら裏拳で殴りかかってきた時はびっくりしたぞ」

提督「見境なく暴れるらしい上、その間の記憶ないから酒は断ってたんだが」

那智「雪風ならさすがに殴らないだろうと彼女を盾にしたらいきなり手首掴んで握撃してきた時は正直ものすごく痛かった」

提督「……すまん」

那智「いやこっちも司令官の嫁を盾にするのはやりすぎたと思う。すまない」

提督「ところで俺の後頭部のこぶは」

那智「提督が私の手首握って動きを止めたところで羽黒が『ごめんなさいっ!』といいながら椅子でゴン、と」

提督「そうか……その判断は実際正しいから不問だ。羽黒にそう伝えてくれ」

那智「司令官が直接行ったほうがよくないか?」

提督「不問だが頭が痛いのは確かなんで今日は寝る! というわけでよろしく!」

そう言ってワンステップで布団にとび込む提督。そのまますやすや寝息を立て始める。

那智「元気そうに見えるのだが…」

705: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/24(木) 22:12:02.07 ID:ZRk17MDho
―――地名について―――

提督「なぁ、猫吊るしよ」

猫吊「何でしょう?」

提督「海図見てて思ったんだが何でキスカやソロモンじゃなくてキスやサーモンなんだよ。魚類かよ」

猫吊「一部の艦娘が昔の記憶フラッシュバックしてトラウマ起こさないようにするための処置です」

提督「夕立とか大丈夫そうだったが」

猫吊「他にもいるでしょう。雪風とか雪風とか雪風とか」

提督「その点は雪風だされたら反論しようがないが霧艦のときは普通だったじゃないか」

猫吊「ゲストの方々が迷ったら困るからです」

提督「まぁそれなら筋は通るな…釈然としないけど」

706: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/24(木) 22:13:59.43 ID:ZRk17MDho
―――春イベント編第一弾―――
あらすじ:敵艦隊を! 索敵機で!! ぶっ潰せ!!! 説明!!

提督「まぁそういうわけで航戦やら航巡やら持ち出したんだけど」

日向「潜水艦にも攻撃できる……航空火力艦の時代だな」 1ダメ>

提督「輪形陣の潜水艦とか心底どうでもいいので無視して欲しいんですが」

最上「僕たちみたいに晴嵐外して水偵にするとか」

提督「しようと思ったらめっちゃ嫌そうな顔された」

最上「うん、まぁ、わからなくもないけど」

提督「……というかノリで航巡出したけど観測機だけなら重巡でよかったのでは。利根とか改二あるらしいし」


大鳳「……敵艦隊主力、発見しました!」

提督「よーし、敵先鋒のツラを拝ませてもらおうか!!」

フラリ改「ドーモ、テイトク=サン、リ級Flagship改善は賢く強」 チュドドド

最初のアンブッシュで敵僚艦の被害は甚大である(大体加賀と大鳳のせい)

日向「艦載機を飛ばして突撃……これだ」 ゴウッ

僚艦「ギャー」

伊勢(出撃時に日向遅いよ、って言ったの根に持ってんのかなぁ)

フラリ改「えっ、えっ」

提督「フラヲのほうが手強かったんじゃないかねこれ」

三隈「あちらは輪形陣とはいえ僚艦がフラ戦2隻確定ですしこちらは普通の水雷部隊なので仕方ないのでは…」

フラリ改「ちょっと!? 私の見せ場は!?」

加賀「鎧袖一触よ。心配要らないわ」

フラリ改「そういうことじゃウボァー」チュドドドド

提督「フラグシップ改とはなんだったのか」



猫吊「どうやら前線部隊をやっつけたようですね」

提督「全くのベイビーサブミッションだったな」

猫吊「そこで、報酬に艦戦をプレゼント! あの機体の改です!!」

提督「伝説の震電改か!!」

烈風改妖精「レップウカイダヨー」

提督「」ズコー

提督「なんでや! 震電改くれよ!! あるんだろ! なぁ!?」

猫吊「世界のバランスが変わるので」

提督「震電改一つぐらいで変わるわけないでしょぉぉぉぉぉ!?」

猫吊「じゃあ烈風改はいらないんですね」

提督「いや、もらっとく」

707: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/24(木) 22:16:53.55 ID:ZRk17MDho
次回予告!

「勝手は! 榛名が!(ゴシャ) 許しません!!(グシャ)」
「今昼なのに二回殴らなかったか」

「距離、速度、よし! 全門、斉射ァ!!」パチ
「それは探照灯のスイッチだ」

「カッコカリを超えて、私、爆誕!!」
「火力ないな」
「強襲揚陸艦や輸送潜水艇や工作艦に攻撃能力求めないでください」

次回、「ボス前の夜戦マスは有害」 果たして谷風や初風に出番はあるのか!? 雪風に出番はないのか!?

提督「ないです。だって索敵値低いし……」
雪風「し゛れ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!」


このスレは、各艦これSS、鋼鉄少女、艦これ妖精4コマ、ニンジャスレイヤーを応援しています

716: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/26(土) 16:58:23.50 ID:HmpzrxrMo
―――ボス前の夜戦マスは超有害(憤怒)―――

あらすじ:敵艦隊を! 残党ごと!! ぶっ潰せ!!! 説明!!

提督「というわけでとりあえず戦艦に水偵を載せたわけだが」

霧島「この間まで廃棄してたのによくこんな短時間で集められましたね」

提督「近代化改修用のネームシップ軽巡・重巡から取れるし」

霧島「資料見ると『今、水観作成が熱い!!』とかありましたけど」

提督「どう見ても水偵に毛が生えた程度だ。大和と武蔵が持ってきた分で十分」


榛名「勝手は! 榛名が!(ゴシャ) 許しません!!(グシャ)」

提督「んん……? 今昼なのに二回殴らなかったか」

榛名「榛名は大丈夫です!」

提督「気のせいかな」

金剛「Burning……(ゲシャ)Loooooooove!!(グシャ)」

提督「……やっぱ二回ぶち込んだ気がするぞ」


提督「ここら辺で偵察を行えば敵主力が見つかるはず……ん?」

夜闇が辺りを包み込む!!

説明しよう!! 深海棲艦は特殊な気体を放出して夜闇のごとき空間を一瞬にして創りだすことができるのだ!!

撤退時の煙幕代わりに使ったり、今回のように奇襲に使ったりすることができるのだ!!

提督「そうだよなぁ、ここに伏兵張るよなぁ。誰だってそうする。俺だってそうする」


<ソンナ、ワタシノセンキョウブンセキガ
<アアッ、クマリンコノオヨウフクガ

提督「……当ててきたのはリのチのチ、全部FSか。鉄底海峡ほどじゃないがこっちは夜戦出来ない空母込みだぞ畜生」

霧島「被害甚大です、どうしますか?」

提督「撤退だ、探照灯を持ってこよう」


霧島「距離、速度、よし! 全門、斉射ァ!!」パチ

ペカーッ

提督「それは探照灯のスイッチだ」

霧島「……斉射オラ斉射ァ!!」ドゴンドゴン

提督「ごまかすのはいいけど先にスイッチ切ろうね?」

717: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/26(土) 16:59:19.69 ID:HmpzrxrMo
加賀「敵主力発見しました」

提督「さーて次はどんなヤツかな」

フラル改「ドーモ、テイトク=サン、ル級Flagship改善は賢く強い!!」

提督「ザッケンナコラー!! 天丼ネタとか深海棲艦いい加減にしろよ……」

(無常にも飛ばされる戦闘シーン)

フラル改「アバッ、アババーッ!!」

金剛「口だけのBigMouthでしたね、テートク!」

提督「夜戦のフラチのほうが怖いってのはちょっとボスとして威厳が無さ過ぎじゃないですかね」


明石「ふんふふ~ん♪」

大淀「今日はいつになくご機嫌ですね」

明石「今日辺り私の戦闘用艤装が届くって連絡があってね。これで明石(仮)なんて言わせない!」

猫吊「ちわー、三河屋デース」

明石「来た! メイン艤装来た! これで勝つる!!」

猫吊「冷やかしに来ました」

明石「」ズコー

猫吊「提督さんたちまた夜戦で大破撤退したんでもうちょっと後回しです。チャオ!」トテテテ

明石「うー、早く突破してよー提督ー…」


この後無事艤装が届いた模様

718: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/26(土) 17:00:16.65 ID:HmpzrxrMo
次回予告!!

「金剛SistersのPower、見せてあげるネー!」
「地獄金剛、鬼榛名、羅刹霧島、夜叉比叡というぐらいだしな」

「実は私ね、従姉に当たる子が一人だけいたの」
「うん、知ってる」

「ドーモ、テイトク=サン。姉がお世話になったようで」
「お前妹なの!?」

次回、「輪形陣のフラ戦は無害」ポートワインに三式弾の嵐が降り注ぐ!!

谷風「あれ!? 谷風の加入話は!?」
提督「お前E2はおろかE3でも出やがって! ちったぁ初風に出番譲れ」

726: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/27(日) 11:57:42.24 ID:MNEv7uPYo
―――輪形陣のフラ戦は無害(高装甲持ちに限る)―――

あらすじ:ポート! ワインを!! ぶっ潰せ!!! 説明!!

島風「あのね、提督。実は私ね、従姉に当たる子が一人だけいたの」

提督「天津風だろ、知ってる」

島風「……ポートワイン、攻略できるよね…?」

提督「当たり前だろ。俺と仲間たちを信じろ」


提督「というわけで金剛、比叡、榛名、霧島に烈風ぽこじゃか積んだ加賀と大鳳でポートワインをぶっ潰す」

金剛「金剛SistersのPower、見せてあげるネー!」

提督「地獄金剛、鬼榛名、羅刹霧島、夜叉比叡というぐらいだしな」

この後滅茶苦茶殴られた。


提督「単縦でエリ潜が二隻でた時はどうしようかと思ったが」

加賀「鎮守府近海の対潜部隊と違って私達は十分な装甲がありますから」

提督「フラ戦も怖くないし」

加賀「十分な装甲がありますから」

提督「それは東京急行の時に知った」


港湾棲姫「ドーモ、テイトク=サン。姉がお世話になったようで」

提督「お前妹なの!?」

港湾棲姫「来るなといったじゃないですかー! やだー!!」

提督「初耳だよ!?」

護衛要塞(ボソボソ)

港湾棲姫「あ、周波数間違えてて無線届いてなかったみたい」

提督「おい」


このあと無茶苦茶三式弾叩き込んだ

no title


天津風「いい風来てる? ジセダイガタクチクk……」

提督「声だけしか聞こえないが」

島風「やったぁぁぁぁぁ!!」ドピューン

提督「うれしいからって速攻さらって行きやがったぞアイツ…」

727: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/27(日) 11:59:21.12 ID:MNEv7uPYo
次回予告!

「まさかこれで終わりだと思った?」
「なければいいなと思いながらあると思ったよ畜生!! 酒匂がこない時点で怪しいと思ったけど!!」

「ドーモ、ヲ級フラグシップ改善デス! 他の二人と一緒と思うなよ」スカッスカッ
「お供のタ級のほうがいい仕事してるんですがそれは」

「速いだけじゃ、ダメなのね……」
「島風ーッ!!」

哀れ島風は天津風をさらったインガオホーを受けるのか!?

次回、「ダメコンの発動は心臓に悪い」 中部太平洋に爆雷の雨が降り注ぐ……!!

島風「提督ひっどーい!!」
提督「余り過ぎたダメコンが悪い」

732: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/28(月) 21:47:16.67 ID:XtsBygt0o
E-5の例の鬼はエコ支援だけ(しかもエコ支援が全ミスしても)破壊できる…できるのだ!!

投下します

733: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/28(月) 21:47:51.10 ID:XtsBygt0o
提督「ふー、敵の前線基地粉砕したんでこれで終わり」

猫吊「これで終わりだなんておかしいと思いませんか? ノット単位で島が移動しますか?」

提督「ついに頭がおかし、そもそもからおかしかったか。その頭、明石に修理してもらったらどうだ」

猫吊「そんなことより、これ見てくださいよ。北太平洋の様子なんですがね」ピッ

いつの間にか吊り下げられたスクリーンに、映像が映し出される。
そこには、島と思しき何かが少なくともまるゆより高速で動いている様子が!?

提督「なにあれ」

猫吊「ほらあの部分見てください。見覚えありませんか?」

提督「……飛行場姫や港湾棲姫がつけていた滑走路に似ているな」

猫吊「多分最新鋭の新型深海棲艦でしょう」

提督「まさか」

猫吊「まさかこれで終わりだと思った?」

提督「なければいいなと思いながらあると思ったよ畜生!! 酒匂がこない時点で怪しいと思ったけど!!」

猫吊「アレをぶっ潰せば太平洋の半分の制海権はいただいたも同然ですよ」

提督「クソッタレェ……。後はゆっくり初風探そうかと思ったのによぉ……!!」

734: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/28(月) 21:50:31.05 ID:XtsBygt0o
ExtraOperation 死闘、孔雀島の鬼!! 前編

―――ダメコンの発動は心臓に悪い―――

あらすじ:爆雷で! 潜水艦を!! ぶっ潰せ!!! 説明!!

提督「というわけで潜水艦をぶっ潰して前線を押し上げる必要があるらしい」

ボードに貼り付けられた中部太平洋地域の海図と海流。提督はそれをバン、と叩く。

提督「事前情報によると何か駆逐艦四隻あれば敵主力の待機地点まで固定で行ってくれるらしいので実際楽な任務だ」

ブリーフィングを続けながら艦娘たちに装備を配る。

伊勢「あれ、これ日向の分の晴嵐じゃない? よく取り戻せたね」

提督「瑞雲六三四と換装するからちょっと待ってろといったらあっさりと」

伊勢「あれでミーハーだからね……ってちょっと待って。今瑞雲六三四を装備してるのって」

提督「水上機基地に絶賛遠征中のちとちよだな」

伊勢「提督、血も涙もないね……」

提督「そりゃ深海棲艦ぶっ殺すためならこのぐらいはしないと」


フラヲ改「ドーモ、ヲ級フラグシップ改善デス! 遅れて改になった他のサンシタ二人と一緒と思うなよ」

ブーン スカッスカッ

提督「お供のタ級のほうがいい仕事してるんですがそれは」

島風「はぅ…この私がやられるなんて…」

提督「だが、お前らにかかずらってる暇なんてないから!」

伊勢「敵主力、発見しました!」

提督「おっしゃ、全艦、突撃ぃ!」

フラヲ改「あっ、ちょっと、今度こそ当てるから待って」

提督「待てといわれて待つヤツなんていねーよ!!」

735: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/28(月) 21:52:41.87 ID:XtsBygt0o
提督「さて、ここが主力がいると思しき場所だが」

ヴェル「ソナー感、敵五隻」

マース「FSヨ・カ各1、Eliteカ2、そして…アンノウン1」

提督「その不明艦がおそらくは主力旗艦……みんな、いけるか?」

島風「うぅ……」

雪風「島風ちゃん、大丈夫…!?」

島風「正直、ダメかも……」


ヨ級フラ(……敵艦隊接近中。一隻大破の模様)

ソ級エリ(ふん、愚かね。一発沈めてこっちに引き込んで報いを受けてもらいましょうか)

カ級フラ(せやね)

ソ級エリ(全艦魚雷装填……発射!!)

バシュー

那珂「!? 魚雷接近中! 全艦回避して!!」

島風「あっ――」

急加速しようとした島風はバランスを崩し、海面に倒れる! そこに向かうはソ級の魚雷!!

ソ級エリ(グッバイ、島風! 貴女の死因は不運な転倒からの魚雷死だーッ!)

響く爆音。上がる火柱。それは直撃の証。島風の声がかすかに聞こえる。

島風「速いだけじゃ、ダメなのね……」

提督「しまかぜー(棒読み)」

ソ級エリ(ヒッサツ! 間違いなく殺ったァーッ! キンボシ・オオキイ!! さぁ回収しに行きましょ)


島風が沈んだ地点まで回りこみ待機するソ級。だがいつまでたっても沈んでこない。

ソ級エリ(アレ?)

上を見やると妖精さんたちの力によって海面まで引き上げられていく島風の姿が!!

ソ級エリ(ナンデ!? 妖精=サンナンデ!?)

提督「よし、島風救助成功したし後は爆雷を叩き付けるだけだな。撃てー!!」

ボチャボチャボチャ

ヨ級フラ(グワーッ!!)

カ級フラ(アバーッ!!)

ソ級エリ(オゴーッ!? オゴゴーッ!!)


提督「というわけで皆の不断の努力あって敵離島攻撃への橋頭堡を築けたわけだが」

島風「提督ぅ~……!」

提督「酷い作戦なのは認める。うん。実際殴られても文句は言えない」

島風「転んで魚雷が当たって体が沈んだとき、すっごく、すーーーっごく怖かったんだからね!!」

目に涙を浮かべながら提督を両の拳でポカポカ叩く島風。

提督「だからダメコンつけてただろ」

島風「つけててもすごく怖いからやめてよ!!」

提督「だがたまにはダメコン妖精使わないとなぁ。いつも出番がないって不貞腐れてるし」

島風「私たちのメンタルのことも考えてよ!?」

736: ◆jf7rnHhSH2 2014/04/28(月) 21:53:13.54 ID:XtsBygt0o
次回予告!!

「あの子は……一度も戦場に出たことにない箱入り娘なんです」
「出る前に戦争終わっちゃったもんね」

「アイツが酒匂を捕らえているって?」
「えぇそうです」ニヤニヤ
「その顔で言われても信用ならん」

「やだなー行きたくねーなー」
「何のために10万も資材ためたんですか」
「大型建造のため」

「四桁単位で資源が吹っ飛んでいくぞ……」
「大型建造よりはましだと思いますが」

「ココまで来るとはね……いいでしょう……」
「テメェ絶対ぶっ殺してやるけんのぉ……!!」

提督たちは囚われの酒匂を救い出すことが出来るのか!?

次回、ExtraOperation 死闘、孔雀島の鬼!! 後編「ロンゲスト・デイ・オブ・サクテキキ」
ピーコック島に烈風が吹き荒れる!!!

雪風「しれぇ、雪風の出番は」
提督「支援艦隊出すから大丈夫だ」
雪風「わーい」

743: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/02(金) 00:51:01.85 ID:5mGkGF8oo
鎮守府、執務室

雪風「しれぇ、通信が届いています!!」

提督「あんがと。なになに、ピーコック島近辺の敵艦情報ねぇ……」

提督調査中……

提督「……うわぁ」

雪風「しれぇ?」

提督「もう前線築いたしあとは国のお偉いさんに任せればいいんじゃないかな(震え声)」

雪風「しれぇ!?」

猫吊「何馬鹿なこと言ってんですか。国に負担を押し付けるとか見下げ果てたクズですね」ニョキ

提督「でもなー道中に戦艦棲姫とかさー。やだなー行きたくねーなー」

猫吊「何のために10万も資材ためたんですか」

提督「大型建造のため」キッパリ

猫吊「ビスマルクは別に逃げやしませんよ。さぁ文句言わないで準備して」

提督「しゃーねーなー。雪風、夕立とちとちよ、金剛榛名と一緒に支援砲撃任せたぞ」

雪風「了解です!」

提督「主力はどうするかな……」

744: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/02(金) 00:52:01.94 ID:5mGkGF8oo
ExtraOperation 死闘、孔雀島の鬼!! 後編「The Longest Day of SAKUTEKIKI」


猫吊「そうそう、良いニュースと悪いニュースが有ります」

提督「こういうのは良いニュースがどうでもよくて悪いニュースが致命的なんだろ。良いニュースから聞こうか」

猫吊「ピーコック島を攻略すれば今回の作戦はおしまいです!」

提督「知ってた。悪いニュースは?」

猫吊「クリア報酬用の酒匂なんですが移送中に深海棲艦に攫われました。離島棲鬼が捕えています」

提督「アイツが酒匂を捕らえているって?」

猫吊「えぇそうです」ニヤニヤ

提督「その顔で言われても信用ならん」

猫吊「でも事実ですし」

提督「……わざと捕らえさせたんじゃないか?」

猫吊「知りませんねぇ?」

ドタドタドタ、バンッ

矢矧「提督!!」

提督「矢矧か。そんなに慌ててどうした。酒匂のことでも耳にしたか」

矢矧「そうです。酒匂が敵の手に落ちたと聞いて。あの子は……一度も戦場に出たことにない箱入り娘なんです」

提督「出る前に戦争終わっちゃったもんね」

矢矧「えぇ、だから心配で心配で……敵部隊は精強という話ですし」

猫吊「こういう話を聞いたら黙ってはいられないでしょう?」

提督「行きますよ! 行きますとも畜生!! xxxx!!」

猫吊「頑張って下さいね」ニヤニヤ

745: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/02(金) 00:52:47.90 ID:5mGkGF8oo
提督「まぁこういう日のために開発やら大型建造やらアイアンボトムサウンドの攻略やらしたんだろうなーと思わざるをえない」

工廠で装備を確認する提督。

提督「さて、諸君。準備は万全か?」

霧島「万全です、司令!」

武蔵「勿論だ」

大和「もうホテルなどとは言わせません!」

大鳳「烈風、流星改、いつでも発艦できます!」

加賀「問題ないわ」

赤城「準備万端です!」

提督「では、出撃ぃぃ(ブブー)あん?」

工廠妖精「やんごとなき事情があるので予備の艦娘減らしてください~」

提督「あぁもう! あぁもう!!」


この後明石とか天津風とか無茶苦茶近代化改装した

746: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/02(金) 00:54:11.98 ID:5mGkGF8oo
提督「うん、嘘とか冗談とか見間違いとかであって欲しかったけど」

戦艦棲姫「あら久しぶりぃ」

提督「なんで道中で出るんだよ畜生!!」

戦艦棲姫「最新鋭移動要塞の見学? 16インチ弾食らわせてあげるからさっさとお帰りなさい」

提督「お前と遊んでる暇はねーんだよ!」

戦艦棲姫「じゃあ力づくで追い返すしかないわね!!」

提督「全艦、強行突破だオラッ!! 敵随伴艦はなるべく潰せィ!!」


艦娘戦闘中……


赤城「一航戦の誇り、こんなところで失うわけには……!!」

提督「赤城、まだ動けるか!?」

赤城「はい、なんとか……!」

提督「よっしゃ、全速離脱!!」

戦艦棲姫「逃したか……!」

747: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/02(金) 00:54:54.72 ID:5mGkGF8oo
大鳳「敵主力、発見しました!!」

離島棲鬼「ココまで来るとはね……いいでしょう……」

提督「よーし、いくぞー!!」

離島棲鬼「あ、ちょっと待った」

提督「?」

ザッパザッパ

戦艦棲姫「はーいおまたせー」

提督「わざわざあっちから来たのかよ!! しかも傷治ってるし!!」

離島棲鬼「全機発進、奴らを叩き潰せ!!」

提督「そうは行くかよ! こっちも艦戦出せるだけ出せィ!!」

大鳳「全機…発艦!!」

離島棲鬼「ばっ、バカな!? こっちは350機を超えるというのに!?」

提督「練度が違うんだよ、練度が!!」

加賀「五航戦の子なんかと一緒にしないで」

提督「いや五航戦いないだろ」

雪風「艦隊をお守りします!!」

ドバラララララ ドーン

離島棲鬼「くっ、浮遊要塞まで!!」

提督「テメェ絶対ぶっ殺してやるけんのぉ……!!」

748: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/02(金) 00:56:14.84 ID:5mGkGF8oo
艦娘戦闘中……


離島棲鬼「ぐぬぬ、私をここまで追い詰めるとはね……」

提督「こちとら秘密兵器の大和型に万全状態の大鳳、一航戦、それに限定解除済み霧島改二まで揃えてんだ。負けるわけには行かんなぁ」

離島棲鬼「だけど……これならどうかしら?」

酒匂「ぴゃん!」

酒匂を羽交い締めにして盾にする離島棲鬼。

離島棲鬼「フフフ……三式弾で攻撃しようものなら彼女も一緒に燃えちゃうわよ?」

霧島「どうしましょう、司令?」

提督「……そうか」

離島棲鬼(ふふーん私ってあったまいー)

戦艦棲姫(あっ、これ死亡フラグだ)

風切り音。直後に銛が深々と突き刺さる音。

離島棲鬼「あんぎゃー!! 腕っ! 腕がぁ!!」

酒匂「ぴゃぁぁぁぁ!?」ボチャン

提督「霧島! 今だ!!」

霧島「主砲、斉射ぁ!!」

離島棲鬼「うぎゃぁぁぁぁぁ!!」

戦艦棲姫(やっぱりこうなるわよね……)


この後、酒匂は無事引き上げられました


酒匂「ぴゃぁぁぁぁん!! 怖かったよぉぉぉ!!」

提督「よしよし、暖かくして船室で休んでな」

749: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/02(金) 00:59:24.61 ID:5mGkGF8oo
次回予告

「流星改3つに彩雲だ」
「艦戦なし?」
「瑞雲6機で十分だ」

「出ないな」
「出ませんね」

「もしかして改装のほうが先にできたりして」
「吾輩もついに……!」

春イベント編最終回、「あの日見た初風を僕達はまだ知らない」

50周しても何の成果も得られませんでしたぁぁぁぁっ!!

754: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/06(火) 00:41:54.82 ID:p8PXkMJKo
雪風「しれぇ! 今回の作戦も無事完了しましたね!」

提督「そうだな」ペラッペラッ

雪風「……? この資料って今回の海域の資料ですよね?」

提督「うむ」

雪風「何を調べてるのですか?」

提督「サメワニ沖に初風のドロップがあるという情報があってな。敵構成やルートから出撃メンバーを考えてるんだよ」

雪風「初風おねえちゃん…?」

提督「そ。北方海域最深部なんざ二度と行きたくないからここで見つけなかったらいつ逢えるかわかりゃしねぇ」ペラッペラッ


春イベント編最終話 「初風が来ないのはどう考えても流星改が悪い」


提督「ん~、改二が来そうってことで利根の練度あげてたからルート固定用に利根と筑摩を採用」カリカリ

提督「ドラム缶は航巡で練度の高い三隈を採用、1個持たせて昼連撃と両立」

提督「あとマックスに2個持たせる。火力は期待できないから1枠は新缶」

提督「戦艦は…ちょうど対潜哨戒の時に持たせた晴嵐持ってる伊勢に任せるか」

提督「このルートなら水上艦しかでないし正規空母は……」

755: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/06(火) 00:43:16.15 ID:p8PXkMJKo
工廠

提督「というわけで飛龍。流星改3つに彩雲だ」

飛龍「あれ、艦戦なしなんですか?」

提督「どうせ三隈の瑞雲あるし……」


鎮守府、桟橋前

提督「作戦概要。初風見つけるまでリ級フラ改を叩きのめし続けるだけの簡単なお仕事です」

利根「我輩たちの練度向上も兼ねてのことじゃな?」

提督「なんせこのために今回もらった勲章全部設計図にしといたからな」ペラリ

利根「また強くなってしまうのぅ」

提督「いやしかし本当に改二で航巡改装来るとはなぁ」

756: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/06(火) 00:45:17.68 ID:p8PXkMJKo
サメワニ沖

利根「ほれ、敵旗艦を鹵獲したぞ!」

提督「おつかれさん。やはり昼連撃あると火力が違うな」

リ級改「くっ、殺せ……!」

提督「いや普通に殺すけどね」(ザクザク

リ級改「グァァァ」

提督「んー、このドロップは違うなぁ」(ポイ

リ級改(ボチャン)

提督「まぁ近代化改修に回すか」


サメワニ沖take25

提督「初風はどこですか?」

リ級改「くっ、殺」

提督「イヤーッ!!」(ザクッ

リ級改「アバーッ!!」

提督「……これも違う。出ないな」

筑摩「出ませんね」


サメワニ沖take50

提督「……」

リ級改「くっ、殺……なんで刃物じゃなくてハンマーを」

提督「……」ガッガッガッ

リ級改「あうっ痛っや、やめ」

Z3「日本海軍って、恐ろしいのね……」

三隈「ただの八つ当たりだと思います…」

757: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/06(火) 00:46:24.37 ID:p8PXkMJKo
サメワニ沖take75

提督「……」ドスッ

リ級改「アッ……ガ……」

飛龍「ついに貫き手で直接取るようになっちゃってる……」

提督「ここまで出ないともしかして利根の改装のほうが先にできたりして」

利根「吾輩もついに……!」

提督「まぁ改二にすること自体は決定事項だから心配することはないぞ」


take100

提督「……うーむ」

飛龍「提督、どうしました?」

提督「いや、途中のル級が邪魔だなーと。で、加賀の46スロならぶち抜けるんじゃないかなーと」

飛龍「えー、じゃあ私お役御免ですか?」

提督「大差なかったら戻す。燃費の差があるしね」


take108

提督「……結局ル級にまともに当たんなきゃ意味無いじゃん!!」

加賀「そうね」

提督「いっそ流星改を彗星一二甲に変えるか。僚艦を安定して落とせるようになった方がいいし!!」


take109

提督「うーん、微妙だなー。何回かやってあまり変わらないなら戻すか」ドスッ

提督「……ん? んん? この手触りは……」

提督「初風だぁぁぁぁぁぁぁ!! 多分」


提督「流星改が悪かったんだな」

加賀「それは違うと思います」


この後無茶苦茶雪風が泣いた


雪風「初風お姉ちゃぁぁぁん!」(ブワァ

初風「司令官、仮にも雪風の旦那さんなんでしょう? これ、どうにかならないの?」

提督「このままの雪風が好きだし」

758: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/06(火) 00:51:47.25 ID:p8PXkMJKo
春イベント編、完結!!
ところでバシーボス狙い挑戦回数そろそろ200回到達しそうなんですが浜風出てくれませんかね。

761: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/05/07(水) 21:15:18.81 ID:K978rwmAO
1日1回ビス子回すとか

なにそれこわい
(1日2~3時間プレイが限度の俺提督)

762: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/08(木) 22:40:07.98 ID:Hx3yva74o
>>761

飛龍「提督」

提督「なんだい」

飛龍「今回の作戦で湯水の如く資材を使ったわけですが、その上に一日一回の大型建造を……?」

提督「そうだ」

飛龍「初風ちゃんの回収含めて3万だか4万だか飛ばしてましたよね?」

提督「大型建造五回分と考えれば実際安い。しかも開発資材の消費は0だ」

飛龍「代わりにバケツ400杯ぐらい使ってるじゃないですかー!!」

提督「1/4しか消費していない。僥倖な事だ」

飛龍「本当に大丈夫なんですかこれ」

提督「ここ二ヶ月ぐらい――大和来たあと辺りぐらいか――政府からの援助受けてないしな。それに今は東京急行遠征がある」

飛龍「それでも毎日弾薬鋼鉄6000はさすがに…」

提督「まぁ一週間かそこらは暴れられるだろう。後は二日にいっぺんぐらいのペースでやってけば実際安全」

飛龍「……ボーキは余りますよね。ちょっと回し」

提督「お断りします」

766: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/09(金) 22:17:45.37 ID:SNQYMlPwo
鎮守府、執務室

加賀「提督、零式水上観測機が出来上がりました」

提督「そいつぁ重畳」ペラッ

加賀「……? その資料、加賀と書いてありませんでしたか?」

提督「そうだな。別世界での今作戦の話だそうだ。読むか?」ペラリ

加賀「はい」


艦娘黙読中……


加賀「」プルプルカタカタ

提督「ん、どうした? ボーキが切れたか」

加賀「な、な、何ですかこの記事は! あとボーキサイトは麻薬じゃないです!!」バンッ

加賀が叩きつけた資料には、こう記してあった。


【空母加賀さん撃沈録】


提督「いやー、ひどいことする提督がいたもんだ。この作戦はMI作戦じゃないとあるにもかかわらず空母をぽこじゃか沈めるなんて。烈風改に包まれてあれ」

加賀「MI作戦の再来でも沈めちゃダメですよ!!」

提督「いつもの落ち着きがないぞ。びーくーるびーくーる」

加賀「スゥーッ、ハァーッ、スゥーッ、ハァーッ……」

提督「ダメコンをつけてるはずという油断、大破することはなかろうという慢心、連戦による極度の疲労から来る確認ミス……冷静さを無くすと実際死ぬ」

加賀「……そんな事いいながら提督も大破進軍したこと有りましたよね」

提督「……知らんなぁ?」

加賀「……北方海域最深部」ガシッメリメリ

提督「やめて本当は覚えてますアイアンクローやめてくださいしんでしまいます」メリメリメリメリ

780: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/14(水) 22:35:08.37 ID:cJxevinvo
――時系列的には2-4突破前の話――

陸奥「うーん、第三砲塔の調子が……」

提督「調子が悪いなら交換してしまえばいいじゃない。実は46cm三連装砲が出来上がったのだ。物理的に取り替えてしまおう」

陸奥「え、ちょっと、片方だけ交換するとバランスが」

提督「じゃあ第二砲塔も取り替えるか。物理的に。実は46cm三連装砲がもう一個あってな」


艦娘換装中……


提督「よーし試射してみっか」

陸奥「撃てーっ!!」

ドォン、ドォン

提督「よーしよし調子よさそうだな」

陸奥「……第三砲塔、何してるの?」

提督「えっ、でも今正常に撃ててたよね?」

陸奥「うーん、なんか違和感が。第二砲塔はなんら問題なかったけど」

提督「たまたま不調部分があったのかな。第二砲塔のを移し変えてみよう」ガチャコ


艦娘試射中……(ドゥン


陸奥「やっぱりなんかおかしいわ……」

提督「第二砲塔に載せてたときは問題なかったじゃないですかー! やだー!!」


このあと無茶苦茶試行錯誤したが問題は解決しなかったので放置することにした

781: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/14(水) 22:37:02.53 ID:cJxevinvo
実際にはばくはつとかしないのでごあんしんください

なんか小ネタ艦娘とか安価下

782: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/05/14(水) 22:38:56.98 ID:4yuekMBG0
陽炎

785: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/16(金) 22:46:38.63 ID:bbDXOTl8o
――義姉さん――

提督「陽炎よ。ふと思ったんだが」

陽炎「何かしら?」

提督「俺は雪風とケッコンしたわけだ。カッコカリだが」

陽炎「そうね」

提督「で、陽炎は雪風の姉に当たるわけだ。不知火、黒潮、初風もだが」

陽炎「他にもいるけどね」

提督「……俺はお前たちのことを義姉さんと呼ぶべきなのかなー、と思ってな。大体陽炎型19人もいるんだから最終的に18人も姉妹が出来ちまうぜ」

陽炎「いつもと同じでいいんじゃない?」

提督「それもそうだな、おねえちゃん」

陽炎「」ガシッギリギリ

提督「ひぎゃぁぁぁ人の関節はそっちの方に曲がるようには出来てないのぉぉぉぉ!?」

786: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/16(金) 22:47:28.47 ID:bbDXOTl8o
特型駆逐艦だと23人の姉妹(未実装含む)がついてくるよ! やったね!!

なんか小ネタ艦娘とか安価下

787: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/05/16(金) 22:52:24.90 ID:gNu5mX6to
山城さんとまるゆ

791: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/19(月) 21:36:11.45 ID:xJj1QY7eo
――姉さまより先――

鎮守府工廠。それは艦娘の建造、近代化改修、装備の開発および換装、艦娘の解体などを一手に執り行う元倉庫である。

提督「まるゆ改も増えたなぁ。点呼ー」

まるゆ「1」「2」「3」「4」「5!」

提督「よしよし、ちゃんと揃っているな。これで近代化改修ができる」

山城「…ついにこの日がきたのですね」

提督「そうだ、まるゆを近代化改修に使う日が山城お前いつからそこに」

山城「先ほどまるゆちゃんを召集してたのでもしかしたらと思って」

提督「そうだな。まるゆを近代化改修に使うことによって運が増大する。理屈はわからんが『運』貨筒を持っているからだろ多分」

山城「嗚呼、これで姉さまも不幸から解放されるのですね……!」

提督「いくぞ……近代化改修オラーッ!!!」


まるゆたちは光の珠となり、医療用じみたベッドの上で眠っている艦娘に吸い込まれていった。


山城「……って扶桑姉さまじゃなくて」


対象は、雪風であった。


山城「何で雪風ちゃんなんですか!? もう十分幸運じゃないですか!?」

提督「何かまだまだ伸びる余地あるらしいし」

山城「姉様が不幸なままじゃないですかー!!」

提督「航戦になって姉妹ともども二桁になったろ!! あやまれ! 陸奥と大鳳にあやまれ!」

ワーワーギャーギャー

雪風「Zzz...」

792: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/19(月) 21:37:29.52 ID:xJj1QY7eo
ビスマルクが出るのが先か雪風の運が99になるのが先か…

例によって例のごとく小ネタ艦娘とか安価下

793: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/05/19(月) 21:40:02.28 ID:+7YSaaRmO
熊野

795: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/22(木) 22:54:01.26 ID:ZJLx0fXio
――例の本のヲ級が存外可愛い――

鎮守府、執務室。書類仕事が一区切り付いたのか伸びをする提督。

提督「んがぎぎぎ……。まぁ午前中の仕事はこんなところでよかろ。飯でも食いに行くか」


食堂

【本日休業 間宮】

提督「……そういや休暇申請出してたな。確かに認印を押した記憶があるな。……コンビニにでも行ってなんか買うか」

熊野「あら、ごきげんよう提督」

提督「よう。今からコンビニ行くんだが、サンドイッチでも買ってこようか? モノのついでだ」

熊野「そうですわね……。折角ですしわたくしもご一緒いたしますわ」

提督「ほう?」

熊野「提督にわたくしの好みがわかりまして?」

提督「わからんだろうな。カツサンドでも買おうかと思ったんだが」

熊野「足柄さんなら喜ぶでしょうけどね」


鎮守府近くのファ○マ


提督「ステーキ弁当があるな……」

熊野「野菜とかも摂らないと健康によろしくなくてよ?」

提督「知らんなぁゲヘヘ。あとは適当に食いたいもん籠に入れておきゃこっちで会計するぜ」

熊野「わかりましたわ」


提督「これお願いしまー……」

提督は最後まで言い切ることが出来なかった。

原因は店員の容貌だ。青白い肌。青く輝く目。金色のオーラ。

ヲ級「ヲッ」

あからさまに深海棲艦なのだ!!

提督(なんでや! なんでコンビニのバイトしてるんや!! というかいつもは普通に日本語喋ってただろ!!)

ヲ級(らっしゃっせー)

提督(こいつ、脳内に直接……!!)

ヲ級(お弁当あたたたためますか?)

提督(「た」が多いよ! 暖めます。あとファ○チキください)

ヲ級(うぃ↑ーっす)


提督「……」

熊野「提督、どうしましたの? 釈然としない顔をして」

提督「……いや、なんでもない」

796: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/22(木) 22:55:31.24 ID:ZJLx0fXio
瞳にハイライトがあるだけで割と違うんだなぁ

小ネタ艦娘とか安価下

797: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/05/22(木) 23:05:52.83 ID:pd+13BHeo
祥鳳さん

804: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/24(土) 16:17:00.93 ID:cIN7qMuJo
――龍驤の改二が来るとは思わなかった――

提督「龍驤、グッドニュースだ」

龍驤「なんや?」

提督「龍驤の改二が実装されたそうだ。二航戦やちとちよよりビッグになれるぞ」

龍驤「ほんまに!? 嘘じゃあらへんやろな!?」

提督「マジでマジで。だがレベルが足らんからまずは修行だー!!」

龍驤「やったでー!!」


艦娘レベリング中……


提督「改造完了っと」

龍驤「……たしかに強うなった気はするけど……ビッグになってへんやん!!」

提督「ちとちよを超える火力、二航戦を超える最大搭載スロ。ビッグになってるぜ」

龍驤「胸のこととちゃうん!? 改二になったら胸が大きゅうなるんやろ!?」

提督「北上や木曾の胸がでかくなったという話は寡聞にして聞かんな」

龍驤「あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛……」

809: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/26(月) 20:55:51.08 ID:iPF+cAyro
――しおい着任直後辺りの話――

しおい「提督、ごきげんよう」

提督「おう、鎮守府にも慣れたか」

しおい「はい。でも……」

提督「どうした?」

しおい「なんだか……監視されてるような感じがして」

提督「それはちょっと問題だな。一応あのxxxxxxx猫吊るし曰く部外者立ち入り禁止だからそこいらのストーカーとは思えないが」

しおい「特に晴嵐取り出したときに強く感じます」

提督「んー、ちょっと晴嵐取り出してみて」

しおい「あ、はい」 ヴィィィンガコン


??「アレがあれば航空戦艦の時代が……」
??「伊勢、日向には負けたくないの……」
??「アレがあれば姉様も喜んでくれるはず……」


提督「……」

しおい「やっぱり何か視線感じるなぁ……」

提督「あー、そうだな。この件については解決策を打つことにするからしばらく晴嵐はしまっとけ。戦艦寮行ってくる」

しおい「よろしくお願いします」


このあと(伊勢以外の航戦を)無茶苦茶説教した。

810: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/26(月) 20:56:24.64 ID:iPF+cAyro
安価取ったぶんに夕立を書き忘れている…なんてこった

小ネタ艦娘とか安価下

811: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/05/26(月) 20:59:28.62 ID:HRnzQc11o
五月雨

814: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/29(木) 22:24:46.23 ID:JpH2iTJ9o
――弾薬の減らない海上護衛――

提督「えーと、第三艦隊は大潮を下げて五月雨に入ってもらう。他の面子は引き続きで、海上護衛任務だ」

五月雨「はい、護衛任務はお任せください!」

提督「……ところで一つ気になってることがあるんだが」

五月雨「なんでしょうか?」

提督「海上護衛だってのに何で弾減らないの? いや弾薬丸儲けだからありがたいけどさー」

五月雨「そこまで深海棲艦が出ることもないですし、使った分は依頼側から出してもらえるので」

提督「太っ腹だなぁ。艦娘用の弾薬を用意できるとかどこの誰なのやら」

五月雨「遠征任務の書類とかに書いてあるのでは?」

提督「依頼元はまちまちなんだよなぁ。……大本営とやらの差し金か?」

五月雨「でも物資輸送で助かってる人いることは間違いないはずですし!」

提督「だといいけどなぁ」

815: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/29(木) 22:25:29.64 ID:JpH2iTJ9o
おかしな点はだいたい大本営のせい(ゴルゴム並感)

小ネタ艦娘とか安価下

816: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/05/29(木) 22:57:49.70 ID:470k1JHwo
乙です 由良

819: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/30(金) 21:03:44.00 ID:XUeu2DKLo
――由良の髪留めをご確認のうえ、この話をお読みください――

南西海域、バシー海

提督「よーし輸送艦をバシバシ沈めるぞー。バシーだけに」

由良「長良型軽巡、由良、出撃します」

提督「ボケたんだしちったぁ突っ込んでくれよ……」


提督「よーし敵は戦艦主導の輸送船団だ。ル級の砲撃には気をつけろー!」

由良「てーっ!!」

ドコンボコン

提督「……ひーふーみー…いつもより敵が少ないな?」

提督が海面に目を凝らすと、そこには駆逐艦の黒い影!!

その向く先にはル級と対峙している由良!!

提督「由良! 左舷後方から来るぞ!!」


BLAMN!!


発砲音。由良はル級との交戦を続けている。

駆逐艦が外したのか? いや、砲撃をまともに浴びて沈みかけている。

他の艦娘がフォローに入ったのか? いや、そのような様子はない。

もう一度由良を見る。髪留めから硝煙が立ち上っている。


提督「……あれ、実弾入りだったのかよ。というかあの大きさで駆逐艦一発とかどんだけだよ」


艦娘ってすごい。そう思った提督であった。

820: ◆jf7rnHhSH2 2014/05/30(金) 21:04:34.70 ID:XUeu2DKLo
ロングポニーテールをカタパルトとして水上機飛ばしても良かったかなと投稿してから思う

小ネタ艦娘とか安価下

821: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/05/30(金) 21:29:11.52 ID:9CiHKFASO
天津風もしくは不知火


825: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/04(水) 06:15:14.32 ID:ZJDLnyOio
――部屋割り――

鎮守府、執務室

提督「うーん、ここ最近陽炎型増えすぎぃ。前は雪風と島風一緒にして陽炎と不知火、黒潮と舞風、秋雲は確実に夜更かしするんで一人部屋にしてたんだが…」

提督「雪風はケッコンして俺と一緒に寝るようになったし、この春で一挙に三人も増えたからなぁ。その上未着任が二人もいるし」

提督「というわけで天津風は島風と同室にしようかと思うのだが。いとこ同士だろ?」

天津風「私としては同じ隊だった初風と一緒のほうがいいんだけど……」

島風「……」

提督「ほれほれ、ドアの向こうから島風が見てるぞ」

天津風「ど、どっちかというと島風とは友達みたいなもんだし……」

島風「……」グスッ

提督「まぁ本人の意見は大体尊重するが……どうするね?」

天津風「うぅ……。ものすごく断りづらい……」


結局島風と相部屋にしたそうです

826: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/04(水) 06:15:47.35 ID:ZJDLnyOio
昨晩投稿予定だったのに張るのを忘れてた

小ネタ艦娘とか安価下

827: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/04(水) 08:12:43.44 ID:JtA1gGOno
第六駆逐隊のほのぼのとした一日

830: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/08(日) 20:30:00.93 ID:MnrCCtAso

6月某日、飛龍、第二改装さる

飛龍「よしっ、これなら一航戦にも負けませんねっ!」

提督「負けないというか火力が高すぎぃ。64ってなにこれ」

飛龍「どぉお?」

提督「スロットも配分よし。艦載機は……九九艦爆に零式艦戦21に九七艦攻? 破棄破」

飛龍「ちょっと待ってください!!」

提督「え?」

飛龍「この子たちは練度が違うんですよ」

提督「練度と言われてもなぁ。結局艦載機の性能がモノを言うだろ?」

飛龍「それは、まぁ最新鋭のに比べると威力とかは物足りないかもしれませんが、妖精さんの訓練の結果、精度が上がったので同程度なら負けませんよ!」

提督「なら最新鋭のに載せればよくね?」

飛龍「今扱ってる機体に慣れすぎちゃって他のには乗れないんですよね……。流星とか烈風とかは扱いが難しいですし」

提督「ままならんな……」

友永妖精「でも天山とかには載ってみたいかも」

提督「……天山なんて数カ月前にスクラップ処分したっきりだぞ」

飛龍「また開発すればいいんですよ!!」

提督「じゃあしばらく開発は任せようか」

飛龍「了解です!」


その後


提督「出ない、出ない……(マグロ目)」

飛龍「天山が、出ない……(マグロ目)」

834: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/10(火) 22:47:02.18 ID:oW9Vsiy1o
――おとなって――

鎮守府、食堂

そこは給糧艦・間宮が支配する領域……というわけでもない。

さまざまな艦娘のさまざまなニーズに対応するためファミレスのようなオーダー形式をとっているのだ。

総料理長間宮を筆頭に彼女の直属の配下の妖精さんたちが、オーダーを取ったり料理を作ったり配膳したりしているのだ!!


それはさておき。艦娘たちだっておなかは空くのです。

食堂に入る少女の一団。暁、ヴェールヌイこと響、雷、電の四人。第六駆逐隊なのです。


雷「お腹空いたわねー」

暁「まずは席を取りましょ」

響「といってもこの時間は混んでるね」

電「司令官さんのところが空いているのです」

電が指差す先には六人用の席に一人で座ってメニューを見ている提督の姿。

暁「司令官さん、その……」

提督「相席か。別に構わんよ」

最後まで言わせず返事をする提督。

暁「むぅー……」

不満げな顔をしながらもちゃっかり提督の隣に座る。

他の三人もおのおの席に付く。

響「雪風と一緒じゃないなんて珍しいね」

提督「あぁ。早めに昼食取らせて珊瑚海出撃のための準備させてる。ほれ、メニューだ」

雷「司令官はもう決めたの?」

提督「まぁな」

言いながら隣の暁と向かいの三人にメニューを渡す。

響「私はボルシチセットにしようかな」

雷「私はミートソーススパゲティにしようっと!」

電「電はカルボナーラにするのです!!」

暁「う゛~……」

顔をしかめ悩む暁。見なくてもわかる。お子様ランチを選ぶか長姉としてのプライドをとるか悩んでいるのだ。

暁「……!!」

そんな暁の目に飛び込む『日替わり大人定食』の文字!!

836: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/10(火) 22:47:53.39 ID:oW9Vsiy1o
逸る気持ちを抑え、あくまで冷静に。

暁「暁はこの、大人定食にするわ」

提督「よし、全員決まったな。おーだー」

妖精「はーい」

あまった水偵や瑞雲を有効活用してすばやいオーダーを実現している。どこから発着しているかは考えないことにする。

提督「ボルシチセットと、ミートソースと、カルボナーラと」

妖精「うんうん」


提督「大人定食とお子様ランチと鶏のから揚げ」


暁「!?」

響(ほぅ)

雷(?)

電(司令官さん……?)

837: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/10(火) 22:48:41.64 ID:oW9Vsiy1o
何かを悟った響。何か違和感があった気がした雷。どういうことかと訝る電。そして……

暁「ちょ、ちょっとどういうことよ!? 暁はお子様ランチなんて頼んでないわ!」

提督に食って掛かる暁。

提督「大人定食だろ? ちゃんと頼んだではないか」

暁「そーよ! ……えっ?」

提督「なんら問題はない」


万事OKという顔で珊瑚海の海域図を取り出して何かを検討する提督。

そうこうしているうちに料理が出来上がり、配膳される。


暁以外「いただきます(なのです)」

提督「どうした、暁。食わないのか?」

提督は目の前のお子様ランチには目もくれず、レモンを片手で絞ってから揚げにかけながら暁に問う。

その暁の目の前には、大人定食――子供には辛いぜ麻婆丼&野菜たっぷり青椒肉絲――が盛られている。

もちろん提督は内容を知っていた。

暁「い……いただき、ます」

暁はちら、と青椒肉絲に目をやる。

青椒とは要するにししとうとかピーマンのことである。しかるに野菜たっぷり。苦味に敏感な子供には辛いものがある。

挑む前から敗北が見える試合に挑んではならない。いつぞや司令官がそんな話をしていた。

提督「ん? 食わないのか?」

から揚げを齧りながら素知らぬ顔で聞いてくる。

暁「た、食べるし」

麻婆丼に目をやる。

『子供には辛いぜ』と銘打ってはいてもそこまで辛くないかもしれない。豆腐とかご飯とかあるし。

暁(大丈夫、暁はもう大人のレディなんだから!)

意を決してレンゲを握り、一掬いして口に放り込む。

838: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/10(火) 22:53:09.81 ID:oW9Vsiy1o
意識が飛んだ。気づいたときにはいつの間にか渡されたコップの水を無我夢中で飲み干していた。

暁「―――っ! はぁ……!! はぁ……!!」

提督「……お子様ランチと交換するか?」

暁「――!!」

恐るべき誘惑。だがここで乗ってしまっては自分は子供のまま……。

だが、司令官は更に言葉を続ける。

提督「無理だと思ったら引くのも、紳士淑女のたしなみだぜ」

暁「……交換するわ」

提督「よしよし。立派なレディだ」

暁「と、当然よ!」

他の三人の表情を見る。

響(やっぱりね)

雷(ここまで見越して……!)

電(スゴイのです!)

これがオトナの対応というものだ。

ドヤ顔しながら麻婆丼を一口。

提督(辛っ!! これめっちゃ辛ッ!!)

―――――――――――――

雪風「しれぇ、唇腫れてません?」

提督「ひうめひがからふてな(昼飯が辛くてな)」

839: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/10(火) 22:55:44.07 ID:oW9Vsiy1o
響がヴェル表記じゃないのは文字数合わせる都合上なのです
あと、ビスマルクが出ないと安心して大鯨掘りにいけないんですが

小ネタ艦娘とか安価下

840: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 22:57:46.56 ID:OyVkDmDWo
古高

846: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/11(水) 21:48:19.81 ID:UZeXsnj+o
――うおっ、まぶし!――

提督「古鷹か……」

古鷹「はい」

提督「その左目は戦闘の古傷か何かか」

古鷹「いえこれはサーチライトなんですが……」ペカー

提督「あんま光量ないな」

古鷹「前世で壊されたせいかこのぐらいしか光出ないんですよね」ペカー

提督「やっぱ古傷じゃねーか!!」

古鷹「オンオフは自在ななので問題ありません」ペカー

提督「いやそういう問題じゃなくてだな……。待てよ。探照灯装備したらどうなるんだ?」

古鷹「ちょっとつけてみましょうか」ガチャ

古鷹が探照灯を装備した瞬間!!

\ ペ カ ー /

古鷹の左目から溢れる光が提督に直撃したのだ!!

提督「ぐわぁぁぁぁぁ!! 目が! 目がぁぁぁぁぁ!!」

古鷹「てっ、提督、大丈夫ですか!?」

提督「」ビクンビクン


この後、古鷹のサーチライトはオン・オフ方式からアナログ調整方式になったとか。妖精さんのちからってすげー。

847: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/11(水) 21:50:28.30 ID:UZeXsnj+o
べっ、別に漢字サーチライトネタとか考えてなかったし!! し!!!

小ネタ艦娘とか安価下

848: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/11(水) 22:24:29.31 ID:jwnzBv8e0
天津風

853: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/12(木) 22:31:38.85 ID:TFySJc3jo
――フフ怖――

鎮守府、工廠

雪風「新しい仲間が進水しました!」

提督「どぉれ、見に行くとするか」

天龍「俺の名は天龍。フフフ、怖いか?」

提督「全然怖くな…」

雪風「」(じわっ

提督「ん?」

雪風「うわぁぁぁぁぁん!!」

提督「お゙ゔっ!?」

天龍「へっ?」

雪風「じれ゙ぇ゙~!!」(ギュムム

提督「……な~かした~なーかしたーてーいとーくに言ってやろ~」

天龍「なっ、おい、ちょっと待てって」

提督「って俺が提督だったわ。さーてどうしてくれようk」


風切り音。直後、壁に何か重いものが突き刺さる音。

提督の頬を掠めるように飛んできたのは、龍田の薙刀だった。


龍田「雪風ちゃんを泣かせた上天龍ちゃんを困らせる悪い提督はどこかしらぁ~」

提督「おいちょっと待て後半はともかく前半は濡れ衣だ」

龍田「天龍ちゃんの件については認めるのね~?」

提督(あ、やべ)

提督は察した。気が済むまで許すつもりがないであろうことを。

提督「……三十六計逃げるに如かず!!」(ダッ

龍田「逃がさないわよ~」(ダッ

雪風を振り払い、遁走する提督。薙刀を引き抜き即座に追いかける龍田。

残される二人。

雪風「ぐしゅ、ぐしゅ……」

天龍「……まぁ、なんだ、その。軽い冗談だ。だから泣きやめ。な?」

雪風「ぐすっ……はい……」

天龍「よしよし。……何か調子狂うなぁ……」

854: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/12(木) 22:32:47.85 ID:TFySJc3jo
真に怖いのは龍田さん。わかりましたね?

小ネタ艦娘とか安価下

855: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/12(木) 22:33:43.84 ID:35miXj7AO
木曾

856: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/12(木) 22:43:24.32 ID:TFySJc3jo
木曾了解ー

覚え書き
戦艦・航戦
大和・武蔵・扶桑・日向・金剛・比叡・霧島・山城・陸奥

正規空母・軽空母・水母・揚陸艦・潜水母艦
蒼龍・祥鳳・鳳翔・あきつ丸・飛龍

重巡・航巡
鳥海・鈴谷・高雄・加古・那智・熊野・古鷹

軽巡・雷巡
北上・龍田・球磨・矢矧・由良・木曾・天龍

駆逐艦
雷・響・如月・綾波・陽炎・夕立・五月雨・天津風・(浜風)

潜水艦・潜母
(実装分全部消化したため一時募集締め切り)

857: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/13(金) 22:50:40.32 ID:GV4Xss8Fo
――一番割を食ったのは天龍型と五十鈴改二だと思う――

木曾「水上機? 要らないねぇ」

常々そんな台詞を口にしていた木曾は、雷巡になる道を選んだ。霧の艦隊が来る前の話である。

提督「過剰とも言える酸素魚雷の数を抑え、従来の欠点であった対空を強化か。姉よりマイルドになったな」

木曾「せっかくの魚雷もボロボロになってちゃ意味がない。そうだろ?」

提督「まぁ最近は航空機の脅威が酷くなってきてるからな。飛行場姫とかいたし」


そして、春。水偵の機能が向上し、観測射撃が可能となった。


提督「……なぁ、木曾よ。カタパルト取っ払って甲標的積んだこと、後悔してないか?」

木曾「あぁ。自分で選んだことだしな。だが……」

演習場で観測射撃の訓練を行う球磨と多摩を見やる。

水偵に乗っている妖精からデータを受け取り、リアルタイムに反映して行う連続射撃は、
巡洋艦・戦艦娘の砲撃の威力と精度を大幅に向上させた。

木曾「だが、羨ましくなることもある」

提督「まぁ雷巡は敵の懐に飛び込んでからが本番だからな。だろ?」

木曾「ふふ、そうだな」

863: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/17(火) 22:44:56.12 ID:NMbOY1wso
――駆逐艦総選挙・その裏側――

日も暮れた鎮守府。その演習場から出てくる男が一人。提督である。

提督「スカッとした!! さーて腹ごなしも終わったし仕事に戻るか」

そんな提督が自室に戻る途中、艦娘寮のほうからウィーンガシャ、ウィーンガシャという奇怪な音が聞こえてきた。

提督「んん? あそこらへんは確か軽巡寮だったよな。夕張がまたなんかやってんのか?」

軽巡寮で騒音があり、生物的音声だったら川内、機械的な音だったら夕張と相場が決まっている。

提督「ちょいと様子を見に行くか……」

864: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/17(火) 22:45:47.71 ID:NMbOY1wso
音の出所は軽巡寮談話室。夕張がノートパソコンでなにやら作業をしており、
川内型の三姉妹がなにやら内職じみたことをしている。

提督「騒音があったという通報がなかったけどなんか聞こえてきたんで様子を見に来たぞ」

夕張「提督、こんばんは。よかったら作業手伝ってもらえます?」

夕張が顔をあげて答える。彼女の後ろのプリンタが騒々しい音を立てながら次々と紙を吐き出す。

提督「藪から棒に何言ってるんだ。そもそも何をしてるかすら聞いてないぞ」

川内「駆逐艦総選挙をちょっとね」

提督「ますます訳がわからん」

那珂「ほら、この前アイドルグループの総選挙があったじゃないですか」

提督「あったな」

那珂「それで那珂ちゃん達もやろうかなと思ったんだけどこの艦隊でアイドルなの那珂ちゃんだけだし~」

提督「それがどう駆逐艦とつながるんだ」

那珂「せかさないせかさない。それで、水雷戦隊も一種のアイドルグループみたいなものだよねって話になって」

神通「これでいこうと言う事になりました。人数的にも50人ぐらいいますしね」

提督「で、今内職じみて紙を束ねてるのが……なんだ?」

神通「投票用紙です」

提督「どれどれ」

差し出された紙を受け取る。ずらりと並ぶ駆逐艦娘の名前。

提督「多いなぁ」

神通「提督も投票なさいますか? 一人持ち点五点で重複もOKです」

提督「じゃあ雪風に五点」

神通「では雪風ちゃんの名前の横に点数を書いて投票箱に入れてくださいな」

那珂「あっ、ずっるーい! 夕立ちゃんに入れてもらおうかなーと思ったのに」

川内「それがありなら綾波ちゃんに入れてよ!」

提督「というかコナかけんのありなの?」

那珂「だって……」

川内「ねぇ?」

提督「それに何しようと俺の票が雪風以外に揺らぐことはないぞ」

そう言いながら提督は投票箱に票を放り込む。

那珂「だよねー……」

865: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/17(火) 22:48:08.22 ID:NMbOY1wso
提督「まぁ鎮守府内でやるなら実際五点は大きかろうな。150人いるかどうかだし」

夕張「あぁ、それなんですけど」

提督「ん?」

夕張「この鎮守府や各海域近辺在住のかたがたにも投票してもらうことになってます」

提督「そりゃまたグローバルだな。というか艦娘の存在堂々と公表していいのか?」

疑問に思う提督の問いに、天井から逆さに現れる少女の声。

猫吊「一般の人には普通の女の子にしか思われてませんし、許可は出してますよ」

提督「なんでそこにいるんだよというかこれお前の差し金かよ」

猫吊「いえ、彼女たちの発案ですが問題があったら無かった事にするまでなので」

提督「何それ怖い」

866: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/17(火) 22:52:01.65 ID:NMbOY1wso
開票日

提督「様子見に来たぞオラッ」

軽巡寮の談話室に入ると必死に票を数えている軽巡たちが目に入る。PCを使って総集計している夕張以外だいたい目が死んでる。

夕張「あっ、提督。予想以上に票が集まっちゃったんで手伝ってもらえますか?」

提督「グローバルすぎたんだろ。自分たちでなんとかしなさい」

夕張「むー」

提督「途中経過を見に来たんだが」

夕張「あんまり大差付かないんですよねー」

そうぼやきながら夕張が手元のノートパソコンを操作する。画面上に棒グラフがうにょーんと生成される。

提督「どんぐりの背比べだな。曙とかが低くないのがむしろ疑問」

夕張「それはまぁ、提督以外に強く当たってませんからね。地域別にするとちょっと面白いんですよね」

夕張がキー入力すると別の種類の棒グラフが伸びた。あからさまに伸びの激しいものが一つ。

提督「なんだこれ……睦月型の……南方海域票?」

夕張「何か人気なんですよね。もしかしてロrげふげふ」

提督「毎日東京急行送ってるからじゃね」

夕張「……そういえばそうでしたね」

提督「じゃ、集計作業頑張ってくれ。あとで皆にアイスを奢ろう」

夕張「あれ、結果に興味はないんですか?」

提督「まぁねー。えこひいきで見てしまいそうだし」

夕張「既に雪風ちゃんがいるじゃないですか」

提督「だから、だよ」

言いながら部屋を去る提督。

夕張「全く、提督ってば変わった人ですね……」


結局一週間ぐらいやいのやいのと騒いでそれでおしまいだったらしい。

867: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/17(火) 22:54:18.64 ID:NMbOY1wso
そビ捕

小ネタ艦娘とか安価下

868: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/17(火) 23:00:03.38 ID:PS78n+HSO
不知火か翔鶴

872: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/18(水) 23:00:24.59 ID:cu4+DKdEo
――実はよく見ると涙目なんですよねあれ――

これはまだ、オリョールクルージングが本格的に流行する前の話……

提督「よーしワ級とその取り巻きが来たぞー。やっちまえーウィーピピー!!」

バシーに現れる深海棲艦の輸送船団はリ級やル級とその随伴艦が補給艦たる輸送ワ級を警護している。

こういう不埒な輩を始末することにより、南西海域の安全を確保するのである。

提督「ル級の砲撃来るぞ!! ……不知火のほう!!」

不知火「!!」

響く衝撃音。上がる爆煙。

提督「大丈夫か!?」

返事より先に爆煙の中から砲撃音。

不知火「不知火を、怒らせたわね……!」

艤装と服が多少ボロボロになりながらも、不敵な笑みを浮かべ、闘志を失わない艦娘の姿がそこにあった。


戦闘終了後……

不知火「作戦が終了しました」

提督「よーし皆お疲れ様ー」

ぷかぷか丸で艦娘達を出迎える提督。戻ってきた不知火の目尻に涙がうっすら見える

提督「……ん、不知火、泣いてるのか?」

不知火「!! ……目にゴミが入っただけです」

提督「そうか」

そう言って後ろを向く提督。不知火が素早く涙をぬぐうのを横目で確認しながら。

提督「……不知火」

不知火「なんでしょう? 不知火に落ち度でも?」

提督「大変だったろう。船室のふかふかベッドでゆっくり休め」

不知火「…じっとしてるのは性に合わないのですが」

提督「休むのも仕事のうちだ。あと泣きたいときは泣いてもいいんだぜ。雪風にもそう言ってる」

不知火「泣いてません」

提督「まぁ泣きたい時の話だ。あんま気にするこたぁねぇ」

不知火「……失礼します」


このあと船室のひとつからぐずる声が聞こえたような気がした

873: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/18(水) 23:01:33.91 ID:cu4+DKdEo
どっちも、ってのもある! が不知火のみで思いついたので

小ネタ艦娘とか安価下

874: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/18(水) 23:27:25.98 ID:UMyptj8SO
ぷらずま はアリ?

ダメなら曙

876: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/20(金) 22:57:49.76 ID:3oPBDkP/o
――物欲センサーは無慈悲なドロップの女王――

鎮守府、工廠。艦娘を建造したり引っこ抜いた雫(ドロップ)を艦娘にしたりする場所である。

浜風「駆逐艦浜風です。これより貴艦隊所属となります」

提督「あ、あぁ、うん。よろしく」

浜風「……どうしましたか?」

提督「いや、まぁ。なんでもない。雪風は執務室にいると思うから後で顔見せてあげてくれ」

浜風「……? 姉妹からは新しい艦娘が来るたびテンション上がってると聞いてたけど……」

利根「それは我輩が説明しよう!!」

浜風「いったい提督に何が……?」

利根「それはのぅ……」

***

沖ノ島沖出撃前

提督「うえっへっへっへ捕鯨じゃ、捕鯨じゃぁぁぁぁあ!!」

奇声をあげながら銛をぶんぶん振り回す提督。あからさまに狂人なのだ!!

提督「#$%&なんざ知ったことかオラWryyyyyyyyyyyyyy!!」

羽黒「あの……司令官……今日の作戦は……」

提督「これから沖ノ島沖へ行って捕鯨を行う!! 利根姉妹、妙高姉妹ならそれが出来る!! あの憎きフラタに目に物見せてやれウィーピピー!!」

妙高「提督、大丈夫なんでしょうか……」

那智「暴れっぷりがまるで酒を呑ませた時のようだな。あの時は無言だったが」

利根「少なくとも喋ってる間はまだ大丈夫じゃ。黙りこくると恐ろしいことになるからのぅ」

足柄「ともかく、勝利を求めてるってことよね!!」

***

なんだかんだで主力撃滅

足柄「大勝利ッ!! 提督、首級持ってきたわ!!」

フラタ「」

提督「よーしよくやったぁって首切れてないのに首級なのかぁ~!? まぁドロップは大体心臓の辺りだからなぁ~!!」(ドブチャ

銛でフラタの胸を刺し貫く。素早く引き抜き、穿った穴に手を突っ込む。引き抜いた手には握り拳大の結晶が掴まれている。

提督「んん? これは……初めての手触り!! 大鯨かなぁ~ぐひゃひゃひゃ!! ものども、全力で帰投じゃぁぁぁぁ!!」

***

利根「……というわけじゃ」

浜風「何か申し訳ないような……」

利根「とはいえお主を探すために200回以上バシーに出撃してたしの。一晩落ち着けば大丈夫じゃろ」

浜風「そういうものでしょうか」

利根「あと、雪風に会うときは予備の服を持っておいたほうが良いぞ」

浜風「??」


浜風が利根のアドバイスの意味を知るのは雪風に会って自室で涙に濡れたセーラー服を洗濯する事になってからであった。

877: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/20(金) 22:59:15.38 ID:3oPBDkP/o
――へいる・とぅ・しぇーど・おぶ・ぷらずま・いんだすとりある――

鎮守府、工廠。ここでは艦娘の建造や装備の開発のみならず、艦娘の解体および装備の破棄も行われている。

艦娘や彼女たちの装備が多すぎると霊的な何かがヤバイので適宜減らす必要があるのだ。閑話休題。

提督「……んぁ?」

工廠に入った提督は何かがおかしいことに気づいた。解体専用装置『ぷらずまちゃん』(>>370参照)が増えているのだ。

しかも片方は機械らしくない。元となった電に酷似している。

提督「猫吊るしがまたなんかやったのか? 2つもいらねーよ」

ぶつくさ言いながら近づくとそれ……いや、彼女は動き出した。

ぷら「ナ゛ス゛は゛嫌゛い゛な゛の゛て゛す゛!!」

提督「を゙ゔっ!?」

ぷら「何見てるんですかぷらずまはタダじゃないのです見世物代払うのです」

提督「見世物なのは認めるのかよ」

ぷら「もらえるものはもらうのです」

提督「おい猫吊るし」

猫吊「どうかしましたか?」

提督「こいつ何なんだよ」

ぷら「こいつとは失礼極まりないですね。ぷらずまという名前があるのです」

猫吊「ほらちゃんとぷらずまって名乗ってるじゃないですか」

提督「WhoじゃねーよWhatだよ」

猫吊「鬼畜艦1番艦ぷらずまですよ。電の邪心をベースに、
   故障してない利根のカタパルト、調子の良い陸奥の第三砲塔、RJの胸部装甲、扶桑姉妹の幸運などなどを混ぜて大型建造で余った資材で作成しました」

提督「どこの北欧神話だよっつーかあるなら邪心以外は彼女たちに渡そうよ!?」

猫吊「でも材料が材料なだけに強いですよ」

提督「嘘くせぇ。ステータスも見た目電と変わらないっぽいし」

ぷら「ぷらずまの本気を見るのです!!」

878: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/20(金) 22:59:54.33 ID:3oPBDkP/o
南西諸島海域、カムラン半島

提督「来たのはいいけどさぁ。こいつだけで大丈夫なの?」

猫吊「繰り返しますが他の艦娘を連れてくるのは絶対罷りなりません。たとえ雪風だとしても。特に深雪は視界に入れることすら厳禁です」

提督「だからこいつだけなんだが何でダメなんだよ」

猫吊「見ればわかります」

提督「ということで単機出撃だがいけるかぷらずま?」

ぷら「お前の命令を聞く義理はないのです」

提督「おい猫吊るし」

猫吊「どうかしましたか?」

提督「思いっきり出撃拒否りやがったぞ!! 曙のほうが素直なレベルじゃねーか!!」

~~~

曙「くしゅん!」

潮「曙ちゃん、大丈夫?」

曙「あのクソ提督が変な噂したに違いないわ」

潮「多分違うと思うけど……」


~~~

猫吊「大丈夫です。問題ありません」

提督「いや有りまくりだろ!!」

猫吊「あっ、敵艦隊接近してます」

提督「お前も曲がりなりにも艦娘だr……いねぇ」

ぷらずまはどこかと見回すと艦同士が衝突したような破砕音。深海棲艦が煙を上げながら沈んでいく。

沈む艦隊の中央に立っているのは……ぷらずま!!

提督「砲撃音すら聞こえなかったが」

猫吊「そりゃ体当たりは砲撃じゃないですからね」

提督「第二陣来たぞ。ル級込みだ」

敵陣営を確認した直後、またも衝突音。先ほどまで我が物顔で進んでいたル級が沈みかけている。

ぷら「沈んだ船も出来れば助けたいのです。でも沈めなければ助けられませんよね」

ぷらずまは沈みかけた(というか自分で沈めた)ル級の襟首を引っ掴み、持ち上げる。

提督「どこぞの冥宮のシャーマニックじゃねーんだからよー…」

ぷら「助けた船も出来れば沈めたいのです」

そういった直後、ル級を海面に叩きつけ、更に踵落としを脳天に喰らわせた。

ぷら「沈むほうが悪いのです」ニヤニヤ

提督「」

猫吊「魅力的でしょう?」

提督「いやなんか絶対間違ってる」


不条理さに眩暈を起こした提督は、帰投後、雪風に後の処理を任せ早々に寝込んだ。


翌日、ぷらずまはどこにも見当たらなかった。

猫吊るし曰く、「どっかいっちゃいました」との事だが追及する気は失せていた。

879: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/20(金) 23:01:16.00 ID:3oPBDkP/o
というわけで浜風来ました

小ネタ艦娘とか安価下

880: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/20(金) 23:16:28.20 ID:Gzhf0Xvvo
水着艦娘だらけのビーチバレー大会
ポロリもあるよ

886: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/23(月) 23:00:02.15 ID:TsTixNPIo
――ポロリ(首)――

(これまでのあらすじ)

艦娘達の快進撃により、深海棲艦は西はインド洋から東は太平洋西部まで制海権を奪還された。

秘密兵器の戦艦棲姫は討伐され、霧の艦隊は契約期限が切れて撤退し、移動要塞離島棲鬼もボコられた。

つまり、航空砲雷撃戦を行うにはあまりにも艦娘たちが強すぎるのだ。

そこで深海棲艦達は一計を案じることにしたのであった。


鎮守府、執務室。いつものようにいつもの如く書類仕事をしている提督に一通の封筒が届けられた。

提督「……果たし状?」

雪風「古風ですね」

提督「いまどきの少女が書くようなキャピキャピした丸文字で書かれてなかったら頷くけどな」

雪風「誤配でしょうか……?」

提督「住所自体は間違ってないが切手が貼ってない辺り直接ぶち込んだのか? あと磯の香りがぷんぷんする」

ぶつくさ言いながら開封し、中の手紙を広げる。

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

チキチキ!! 艦娘VS深海棲艦対抗ビーチバレー大会(ポロリもあるよ)開催のお知らせ By戦艦棲姫

先日のピーコック海戦では敗北を喫した。

だが、海戦は強くとも、スポーツはどうかな!?

腕に覚えのある艦娘を六名連れて来い。ビーチバレーで決着をつけてやる。覚悟するがいい!!

日時:6月**日 一三○○

場所:***海水浴場


提督「うん、読む気失せた」

雪風「しれぇ!?」

提督「それはともかく、事情を皆に話して適当に選ぶか」

887: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/23(月) 23:02:04.56 ID:TsTixNPIo
鎮守府、食堂。

この鎮守府で艦娘が集まれる場所はここぐらいのものである。

正確には外とか工廠とかあるが全員が椅子に座ってくつろぎながら話せる場所が食堂ぐらいなのだ。


提督「……というわけで適当に選ぶ。既にくじは作成済みだ」

そう言って提督はドン、とくじ箱を机に載せる。

提督「まぁ六名ということはペア三組なんだろう。一度に二つずつ引いてペアを作る。どんな組み合わせでも恨みっこなしだ。イヤーッ!!」

気合一閃、くじ箱に手を突っ込んで引き抜く。

提督「えーと、最上、三隈」

呼ばれた二人が互いに困ったような顔を見合わせる。提督は気にせず次のくじを引く。

提督「阿武隈と、北上」

北上は眉を顰め、阿武隈は顔を青ざめさせる。

提督「最後は妙高と初風」

妙高は落ち着いているが初風はあからさまにガタガタ震えている。

提督「よし決定。深海棲艦の目に物見せてやろうではないか! 何か質問は……はい漣」

漣「これポロリするの胸じゃなくて首じゃないですかー!!」

提督「今は艦じゃなくて艦娘だから多分大丈夫でしょ」

888: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/23(月) 23:02:34.04 ID:TsTixNPIo
なんだかんだで当日、午後一時、某海水浴場。

天候は……雨!! 


妙高「いませんね……」

阿武隈「雨の中水着とか寒いよぅ……」

提督「おい、どういうことだよ一体」

北上「時間間違えたんじゃないの?」

提督「いや、確かに一三○○と書いてあったはず」ペラリ

~~~~

日時:6月**日 一三○○

場所:***海水浴場

追記:雨天中止

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

提督「……雨天中止じゃねーかザッケンナコラー!!」パァン

最上「そこは先に気づこうよ提督……」

提督「せやな。皆で何か食いに行くか」

三隈「先ほどお昼を食べたばかりですわ」

提督「全く、ままならんな……」

初風「提督のせいだと思うんだけど」

889: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/23(月) 23:03:15.34 ID:TsTixNPIo
――NGシーン――

提督「どんな組み合わせでも恨みっこなしだ。イヤーッ!!」

気合一閃、くじ箱に手を突っ込んで引き抜く。

提督「えーと、深雪と、ぷらずま」

ぷら「沈むほうが悪いのです!!」

深雪「ヤメロー! ヤメロー!!」

漣「命がポロリじゃないですかー! やだー!!」


というわけで小ネタ艦娘とか安価下

890: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/23(月) 23:23:22.96 ID:Jn38tkoBO
中2じゃ無い長月

893: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/24(火) 23:31:43.53 ID:g8FOYlnZo
――狡兎死して――

鎮守府、執務室

提督「うー資材不足資材不足…ブツブツ」

長月「作戦が完了した」

提督「おかえr……旗艦の長良はどうした?」

長月「報告書を書いた後、『走りこみするから代わりに届けて』と頼まれた」

提督「走りこむついでにここまでくれば良かったのでは」

長月「いいんだ。私も司令官に聞きたいことがあったしな」

提督「なんだなんだ。南方へのバカンスは飽きたという話か」

長月「私たちはあの戦争の時代の艦艇の船魂で、深海棲艦と闘うために今一度生を受けた」

提督「そうだな」

長月「……深海棲艦と闘って、負けたらそれまでだ。だが、勝ったら? 勝った後私たちはどうなる? どうすればいい?」

提督「多分俺も本業に戻ることになるだろうし……引き続き俺の元で働けばいいんじゃね?」

長月「というと……漁業を?」

提督「そうだ。それに輸送業や護衛業も有りだろう。深海棲艦がいなくなっても海運がなくなるわけじゃない。むしろ解決してからが本番だ」

長月「そうか……気が楽になった」

提督「だがその前に勝たなきゃただの狸の皮算用だからな。頑張ってくれよ」

長月「あいわかった。任せてもらおう!」

896: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/25(水) 00:19:52.65 ID:roIdzHI1o
朧了解ー

898: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/25(水) 22:54:10.62 ID:roIdzHI1o
――艤装を混同することはないのです――

鎮守府、入渠ドック。

艦娘はここで手当を受けて休養に入る。また、海戦で傷ついた艦娘の艤装はここに預ける事になる。

提督「うーん、誰が誰のだかわからん」

彼の目の前には修理済みの背部艤装が4つ。第七駆逐隊の朧・曙・漣・潮のものである。

提督「別に名札とかもないしどうやって区別つけてるんだ?」

そこへ入ってくる朧。

朧「提督、どうしました?」

提督「いやなに、どうやってお前らが自分たちの艤装を見分けてるか気になってな」

朧「簡単ですよ」

そう言うと朧はぽんぽん、と手拍子を軽く打った。

並んだ艤装の一つからかさこそとカニが出てくる。

朧「これがアタシの艤装です」

カニの出てきた艤装を背負う。

朧「では、朧、遠征に出撃します!」

提督「お、おう」

そのまま出て行く朧を見送る。

提督「……朧以外わかんねーじゃん!!」

899: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/25(水) 22:55:39.90 ID:roIdzHI1o
――このSSは鋼鉄少女を応援してるので磯風と野分はよ来い――

彼の目の前には修理済みの背部艤装が3つ。第七駆逐隊の曙・漣・潮のものである。

提督「朧以外はどうやって区別つけてるんだ?」

そこへ入ってくる漣。

漣「どうしましたか、ご主人様?」

提督「いやなに、かくかくしかじか」

漣「まるまるうまうまというわけですね。そんなの簡単ですよ」

ばちこん、と大げさにウィンクする漣。

漣「艤鎧、装…○!!」

提督「そこ伏字にすんの!?」

艤装の一つが光の粒となり魔法少女の変身バンクの如く漣を包み込み、気づいたときには完全装備の漣が目の前に立っていた。

漣「こういうことできますし間違えっこないですよ。じゃ、ご主人様遠征行って来ますね」

提督「お、おう」

そのまま出て行く漣を見送る。

提督「……そういや艤装も彼女たちの一部だったな……」

900: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/25(水) 22:56:05.12 ID:roIdzHI1o
>>897
いつかやるか……うん

というわけで小ネタ艦娘とか安価下

901: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/25(水) 23:03:40.66 ID:EalaUEQyo
飛鷹

903: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/28(土) 06:37:15.26 ID:E1mTan8Oo
――最新鋭ー最新鋭ー震電改はとってもとっても最新鋭ーだからよこせ――

鎮守府、工廠。入渠ドックでは修理しか行わないので装備のメンテなどは基本的にこちらで行う。

自室に艤装を持ち込んでメンテするものもいるが工廠のほうが用具が揃っているのでそれほど数は多くない。

提督「おや、飛鷹がいるな。珍しい」

飛鷹「あら、提督。暇なら艦載機の整備手伝ってくれない?」

提督「そんな事言ったってやり方知らんぞ」

飛鷹「これと同じように和紙を切り抜いて二つ折りにすればいいから。はい」

そう言うと飛鷹はサンプルの式紙と和紙の束とはさみを提督に渡した。

提督「まぁいいけどさぁ……」

提督はぶつくさ言いながらも隣に座り、作業を開始する。

提督「そういや、艦載機と一口に言ってもいろいろあるはずだが同じでいいのか?」

飛鷹「いいのよ。術でそれぞれ飛ばすときに変えるから」

提督「というか発艦方法の違う空母間で艦載機を融通できる仕組みがわからん」

飛鷹「そういうこと? ちょっとこれを見て」

飛鷹は自分の巻物を取り出す。そのまま器用にくるくる広げていくと、なにやらスリーブめいたものにカードが挿入されている。

飛鷹「私たち空母は甲板のスロットに艦載機のカードを仕込んで術によって実体化させてるの。飛ばす方法が違うだけで基本はみんな一緒よ」

提督「妖精が乗ってたと思うんだが」

飛鷹「実体化したときにいつの間にか乗ってるのよね……」

提督「あと副砲とか物理的に腰に吊るしてた(>>232)気がするが」

飛鷹「あれね。腰に吊るそうがカードにして挿そうがつけてれば実際どこでもいいのよね」

提督「めっちゃアバウトだなというかあれカードにも出来たのかよ」

飛鷹「物理的に換装すると格好いい派が多数だから空母艦娘以外だとあまり見ないけど」

提督「まぁせっかく四連装酸素魚雷装備しても見た目三連装の通常魚雷だと悲しいよな……」

904: ◆jf7rnHhSH2 2014/06/28(土) 06:39:51.24 ID:E1mTan8Oo
そろそろ貯蓄にはいらないとなー

というわけで小ネタ艦娘とか安価下

905: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/06/28(土) 07:11:31.89 ID:ikmW4m3o0
叢雲

907: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/02(水) 06:17:03.68 ID:jLmT5ENio
―― 一人だけオーパーツ ――

鎮守府、入渠ドック。

提督の目の前には修理済みの背部艤装が8つ。吹雪・白雪・初雪・深雪・叢雲・磯波・綾波・敷波のものである。

提督「うーん、誰が誰のだかわからん……といいたいところだが」

どう見ても一つだけ異質である。

艦娘について疎い者に「この中で吹雪型でないものの艤装が有ります」と問えば100人中100人が叢雲の艤装を指差すだろう。

提督「叢雲のだけ完全に別モンだよな……」

叢雲「何私の艤装ジロジロ見てんのよ」

提督「他の吹雪型……いや特型と違いすぎてるからな。初春や子日のほうが近いぐらいだ」

叢雲「私たちも詳しくは知らないんだけど艦魂を顕現させるためのカラダの創造者が深く関わってるらしいわ。あの猫吊るしの受け売りだけどね」

提督「初耳だよそれ」

叢雲「ま、そういうことよ」

提督「……自分が他の姉妹と違いすぎてるから気になって聞いたとか?」

叢雲「!! そ、そんなわけないじゃない!!」

提督「まぁ俺もお前たちも全容を全く知らぬまま未知の敵と戦ってるって点では一緒だ。というか全部開示しろよあのドヤ顔め」

叢雲「べ、別にあんたのために闘ってるんじゃないんだから!!」

提督「俺はそんなこと言ってないが。まぁほれ遠征行った行った」

908: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/02(水) 06:18:32.69 ID:jLmT5ENio
―― 準備は出来ているか? 俺は出来てない ――

飛龍「艦隊帰投しました! 次はMI作戦ですか?」

提督「……そうだ」

飛龍「えっ」

提督「そうだ」

飛龍「……本当に?」

提督「そうだ」

飛龍「ということは近日中に……?」

提督「既に始まっている」

飛龍「!?」

提督「資材の備蓄、改二候補の重点育成、装備の充実……。史上最大の戦いは既に始まっていたのだ。深海棲艦よ、覚悟するがいい!」

ビシ、と海の向こうに指を突きつける。

提督「あ、ノリで言ってしまったが他のみんなには内緒な」

飛龍「アッハイ」

909: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/02(水) 06:19:35.38 ID:jLmT5ENio
大型建造しなくなるだけで資材どんどんたまりますね(自我研修済み)

というわけで小ネタ艦娘とか安価下

910: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/02(水) 06:26:49.96 ID:xDjKEaMco
あきつ丸とイチャイチャ

916: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/03(木) 05:56:40.08 ID:FXQK99Z9o
―― イチャイチャ? 知らない子ですね ――

あきつ丸「提督殿」

提督「どうした」

あきつ丸「三機目のカ号を入手したのはいつでありますか?」

提督「ええと……二週間前だ」

あきつ丸「羽黒殿の対空改修が終わったのはいつでありますか?」

提督「……二週間前だ」

あきつ丸「もう一つ質問よろしいでありますか? 新たにカ号を持ってきたあきつ丸はどこにいったでありますか?」

提督「……君のような勘のいい陸軍は って霊的に同一人物だからわかってるでしょ!?」

あきつ丸「男女のたわいもない会話にはこのような冗句が必須と」

提督「どこ情報だよ!?」

あきつ丸「訳あってソースは話せないであります」

提督「読み方の違いの問題じゃねーから!!」

あきつ丸「提督殿もなんだかんだでノリノリであります」

提督「で、本題は何だよ」

あきつ丸「いえ、別にないであります。強いて言えば提督殿とちょっと『こいきなとぉく』をしてみることであります」

提督「あぁもう! あぁもう!!」

917: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/03(木) 06:15:31.92 ID:FXQK99Z9o
えーと祥鳳はすでに半分脱げてるようだしもうやった。鳳翔は最初のほうでやった
ということで龍驤にしましょう(改二記念で自発的にやったぶんはノーカン)

次の次の小ネタ艦娘とか安価下

918: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/03(木) 06:31:06.27 ID:qpWb7ZImo
榛名、特別なメンテナンス

921: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/03(木) 22:46:29.62 ID:FXQK99Z9o
―― 3ヶ月待たされてる間にLv99になってしまったんですが(憤怒) ――

提督「七月か……ついに榛名の改装が来るな……」

榛名「はい! この日の為に練度も十分上げました!」

提督「卯月探してたら上がってたというのが真相だがな」


そして七月。猫吊るしが大本営直属の妖精をつれてきて大改修を行う日がやってきた。


提督「さーて前情報から行くと妙高の改二だろうなー。レベルもうちょっと必要かなー」

榛名「あの、提督、榛名の改二は……?」

提督「呉の空襲の日にあわせた今月下旬じゃね? 大本営はだいたいそういうところにこだわるし」

榛名「」

提督「ん、どうした榛名」

榛名「はい、榛名は大丈夫です」(マグロ目)

提督「大丈夫そうには見えないが」

榛名「ハイ、ハルナハダイジョウブデス」(マグロ目)

提督「……衛生兵ー! えいsいや明石だ。明石はどこだー!!」

922: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/03(木) 22:47:39.15 ID:FXQK99Z9o
―― 軽空母や軽巡洋艦は搭載力や耐久力と引き換えに対潜攻撃能力を得ている気がする ――

龍驤「……なんでや……改二になったのに何で胸は成長せんのや……」

提督「艦暦考えるにもう十分大人だからじゃねーの?」

龍驤「キミほんまデリカシーないやっちゃなー。乙女の繊細な……こう、わからへん?」

提督「逆に考えよう。胸が大きい艦娘の真似をすればいい。正規空母たちのように長弓を使うとか」

龍驤「あれ結構腕の力いるんよ……トイウカキョニュウデユミツカウトカブツブツ」

提督「ちとちよみたくカラクリ人形ならぬカラクリ艦載機とか」

龍驤「あれ意外と繊細でな。うまいこと飛ばさんとすぐ墜落するねん」

提督「試したことあったのかよ。あきつ丸の走馬灯とか」

龍驤「火気厳禁とか論外や論外」

提督「飛鷹隼鷹みたいに陰陽術で」

龍驤「それもともとウチらの手法やって!!」

提督「手詰まりだな」

龍驤「……そうや、バルジや! 中型バルジつくってぇな!! 開発出来るようなったって資料みたで!」

提督「期待はするなよ?」


その後、中型バルジが作成され、装備することになった。龍驤の足部艤装に。

開発妖精「これでぎょらいがきてもあんしんですね?」

龍驤「なんでや!! なんで胸じゃないんや!!」

開発妖精「ばるじはそーゆーものですし?」

923: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/03(木) 22:48:18.78 ID:FXQK99Z9o
今日は筆がノったな(自画自賛)

小ネタ艦娘とか安価下

925: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/03(木) 23:01:50.82 ID:h2US04tPo
鳥海

931: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/06(日) 22:59:27.33 ID:rWFPLkE6o
―― 君はまだ灰被りとかよくよく考えるとひどいことですね? わかったか ――

鎮守府執務室。秘書艦ないし開発担当でない艦娘がここに来るのは大体陳情のためである。

暁「司令官ってば暁のこと子供扱いしてる気がするわ! 一人前のレディなのに!」

提督「そりゃなぁ? そもそも『一人前のレディ』とは何か説明できるか?」

暁「うっ、それは、その……」

提督「わからないからって心配するこたぁない。一人前のレディな艦娘に訊けばいい。俺? もともと海の男なパンピーが知るわけなかろう?」

~~~~~~

鎮守府廊下。

暁「うー、ごまかされた気がする。でも訊きに行くのはありかも」

雪風「あれ、暁ちゃん? 何か悩んでます?」

暁「ひゃうっ!? ……雪風じゃない。おどかさないでよ」

雪風「悩み事だったら相談に乗りますよ? しれぇには言いづらいこともあるかもしれませんし」

暁「司令官にも話したんだけどかくかくしかじか」

雪風「一人前のレディですか……」

暁「雪風とかどうなの? 司令官とケッコンして何か変わった?」

雪風「しれぇと一緒に寝るようになった以外は変わりませんが……そうです!」

暁「?」

雪風「最近着任した、新しい戦艦の艦娘がレディっぽい雰囲気を漂わせてました!」

暁「戦艦寮ね。行ってみるわ!」

~~~~~~

鎮守府、戦艦寮。

金剛型二部屋、伊勢型、扶桑型、長門型、大和型。そして、新たに増築されたと思しき部屋……。

暁「ここが、その、レディなひとの部屋ね。深呼吸深呼吸……」スーハースーハー

そんな暁に後ろからかかる声!!

ビス「あら、駆逐艦の子? 私に何か用かしら?」

暁「ぴょぁぁぁ!?」

ビス「ほらほら、そんなに驚かないの。ここにいるってことは私に用事があるんでしょう?」

暁「え、えと、あの、その、実は……」

かくかくしかじか

ビス「そうね、こんなのはどうかしら?」

932: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/06(日) 23:00:22.63 ID:rWFPLkE6o
再び鎮守府執務室

提督「みかんはいつ食っても旨いのだ」ムシャムシャ

そこに扉をバンと開いて入ってくるものあり。暁である。

提督「暁じゃないか。答えは出たのか?」

暁「キ、キ、キスしてくれてもいいのよ?」

恥じらいに頬を染め、目を逸らしながら言い放つ。

提督「……目ぇ瞑りな」

暁「ん……」

言われたとおり目をつぶる暁。

暁の唇に近づく……

チュッ

暁「#$%&!?」

提督「もう目ぇ開けていいぞ」

暁(し、司令官とキスしちゃった!?)

真っ赤にした頬に手を当て震える。

暁「し、しつらいしまみた!!」

呂律の回らない舌で退室の挨拶をしながら駆け出す。

提督「……みかんに口付けさせただけなんだけどな」

手に持ったみかんの一片を凝視しながらひとりごちる。

提督「これ食ったら間接キスになるのかね? まぁいいか」

指で弾いて口に放り込む。その味は甘酸っぱかった。

933: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/06(日) 23:01:25.44 ID:rWFPLkE6o
ビスマルク来たのでもう何も怖くない(来たのは9日ほど前だが)

というわけで小ネタ艦娘とか安価下

934: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/06(日) 23:12:55.10 ID:6FTdu+BJo
隼鷹

937: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/07(月) 22:21:39.59 ID:nJXIlvaxo
―― 客船がお嬢様だという風潮 ――

提督「隼鷹、前々から思ってたんだけどさー」

隼鷹「なんだい、提督?」

提督「何でそんなスカムでパンクなトゲトゲツンツンヘアーなんだよ」

隼鷹「あぁ、これねぇ。飛鷹見ればわかるだろうけどアタシ達、元が商船だからお嬢様気質じゃん?」

提督「そこらの因果関係がよくわからないが本人がそう言うんならそうなんだろうな」

隼鷹「それでさ。こういう風に髪を尖らせたりフランクな言葉遣いしたりして敵にナメられないようにするわけよ」

提督「ヒャッハーとか言うならモヒカンにするくらいの気合が必要なのでは。あと棘付き肩パッド」

隼鷹「やだねぇ、提督。髪は乙女の命だよ?」

提督「整髪剤で固めるのはいいのか?」

隼鷹「もちろんよくないしそんなの使ってないよ。ちょっと一房触ってみな」

提督「さらっさらだ。……んん? 芯棒かこれ? 紙が巻いてあるけど」

隼鷹「そう、式を使って固定してあるのさ」

提督「技術の無駄遣いだな」

隼鷹「術を解いて言葉遣いも直せば……」

隼鷹が指を鳴らすとツンツンだった髪の毛がさらりと下がり、手櫛を通して整えればまさに令嬢。

提督「ほう、これはこれは」

隼鷹「いかがです、提督?」

提督「まさに深窓の令嬢って感じだな。左手に酒瓶ぶら下げてなけりゃ」

隼鷹「あっはっはっは! それもそうだねぇ!」

あっさり元通りピンと張る髪の毛。

提督「酒も役作りのためか?」

隼鷹「いや、これは個人的嗜好だよぉ」

提督「そうか……」

938: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/07(月) 22:25:17.37 ID:nJXIlvaxo
実際髪下ろしたらどうなるんでしょうね

というわけで小ネタ艦娘とか安価下

939: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/07(月) 23:22:46.07 ID:M7u7QgOPO
最上

943: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/08(火) 20:50:22.44 ID:SCVYdEFno
―― 提督の個人的感想であって実際彼女たちをそういうものと規定するものではないですね? ――

提督「うーむ」

最上「どうしたんだい、提督?」

提督「いやー、ちょっと考えてたんだよ。最上型姉妹は何かお嬢様っぽいってなー」

最上「そうかな?」

提督「熊野は言うまでもなくセレブな生活に染まって下々の生活がよくわかってないタイプ系のお嬢様。一人で行動させると危ない」

最上「うん、まぁその、うん」

提督「鈴谷はそうだなぁ……こう箱入り娘にせず育てた場合みたいな?」

最上「疑問系なの?」

提督「俺の偏見だと思うが女子高生ってあんなモンじゃないか?」

最上「そうかなぁ」

提督「三隈はそうだな。蝶よ花よと育てられた不思議系。何をどうやったらくまりんこなんて出てくるんだ。『み』はどこいったんだよ!!」

最上「僕に当たられても困るなぁ……」

提督「で、最上。名家だけど女の子ばっかで男の跡継ぎがいないから男の子として育てられたタイプ!!」

最上「そこ強調するとこ!?」

提督「一昔前の封建社会的な世界観的な話ではよくある話だろう? もちろん俺の勝手な想像だが」

最上「ボーイッシュなところがあるのは認めるけど……」

提督「と言うかなんでお嬢様なんだろうな」

最上「うーん……」

提督「まぁふと思っただけだ。気にすんな」


その後しばらく重巡寮にて何事か思い悩む最上の姿が見られたという……

944: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/08(火) 20:51:16.32 ID:SCVYdEFno
最上には「三隈に詫び入れる」というセリフがあって いや自分の勝手な憶測で皆を混乱させるのはよそう

というわけで小ネタ艦娘とか安価下

945: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/08(火) 21:59:44.82 ID:VPxQFPuDo
羽黒

948: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/09(水) 20:57:31.35 ID:HW6cICObo
―― 特段艦種とか変わったわけでもないのに着任時の台詞が変更されているのだ ――

提督「これで羽黒も改二だな」

羽黒「頂いた装備、大切に使います!」

提督「しかし、着任当時のことを思い出すなぁ。なんで初対面の相手に謝られてんだよ俺」

羽黒「あの時ですね……」

~~~~~~

過去・バシー沖

雪風「しれぇ、敵旗艦鹵獲しました!」

提督「Zzz...」

雪風「もー、しれぇ寝ちゃってます。とにかく、敵は撃退したので帰投しますね」


工廠

提督「うー、ねみぃ。んじゃ敵艦解体すっか」

寝起きでやり方がぞんざいになっていた提督は返り血をまともに浴びてしまった。

提督「うぇ~、後で着替えよっと。……ん、これ新艦じゃね?」

ドロップを妖精さんに投げ渡す。あっという間に艦娘が出来上がる。

羽黒「羽黒です。妙高型重巡洋艦の末っ子d……」

羽黒は見てしまった。全身に血を浴び、刃物を持った恐ろしい男の姿を。

羽黒「あ……あの、ごめんなさい!!」ダッ

提督「???」

~~~~~~

羽黒「あれホント怖かったんですよ」

提督「うん、着替えに戻るときに雪風が俺の姿見て泣き出してたし着替える前に鏡見たとき我ながらちょっと引いた」

羽黒「先に水を浴びるなどすればよかったのでは……」

949: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/09(水) 20:58:19.60 ID:HW6cICObo
あと大鯨だけなんだけどなぁ

というわけで小ネタ艦娘とか安価下

950: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/09(水) 21:07:47.24 ID:FvwEtNND0
木曾

954: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/10(木) 22:23:28.12 ID:JVGWc1INo
―― バリボー!! ――

これまでのあらすじ
果たし状を突きつけられた提督一行は有志をくじ引きで募って戦場に挑んだが
「いませんね……」 「おい、どういうことだよ一体」雨天中止……

~~~

鎮守府、執務室

雪風「しれぇ、通信が入ってます!!」

提督「お、深海棲艦に叩きつけた果たし状の返信が来てるよしよし」

雪風「どうやって送ったんですか?」

提督「鎮守府近海の駆逐艦をちょっとメッセンジャーにこれをな」

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

艦娘VS深海棲艦対抗ビーチバレー大会(ポロリはない)開催のお知らせ By提督

テメェの都合で中止されてムカついた。以下から選んで返信したのち二人以上で所定の日時に来なさい。わかったか

 (はい) Yes

日時:7月**日 一三○○

場所:***海水浴場

備考:雨天決行

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雪風「しれぇ……」

雪風にかわいそうな人を見るような目で見られている気がするが気にしないことにする。

955: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/10(木) 22:24:19.62 ID:JVGWc1INo
某海水浴場

三隈「ビーチバレーはいいんですけど三隈と雪風ちゃんだけなんですか?」

提督「他の前回参加者は忙しかったり休暇出してたりしてたもんでね」

三人とも水着姿である。提督が脱ぐ必要あったかはともかく。

提督「そろそろ時間だから来るはずだが」

雪風「あっ、あれじゃないですか?」

沖から来たる三隻の金色深海棲艦……Flagshipなのだ!!

ヲ級「よくぞ逃げずに来たわね」

提督「いや呼びつけたの俺だから」

タ級「フフ、その減らず口いつまで叩けるかしら?」

ル級「はい、ボール」

ル級が取り出したのはバレー用のボール……と同じぐらいの大きさの鉄球!!

提督「何で鉄球なんだよ!!」

ル級「生身で打ち返したり艤装を使って打ち返したり艦載機を使って打ち返したりして規定のとき点を取るか相手を全員コートに沈めれば勝ち」

三隈「なるほど……」

提督「どこのエクストリームビーチバレーだよ!! 三隈も納得しないでよ!!」

雪風「雪風は沈みません!!」

提督「あぁもう、あぁもう!!!」

956: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/10(木) 22:25:08.19 ID:JVGWc1INo
じゃんけんでサーブ権を得る。相手はヲ級とタ級。ル級曰く「私のほうが強いけど低速戦艦だからなー低速は辛いわー」とのこと

三隈「三隈の立体的な航空砲雷撃戦、始めますわ!」

鉄球を放り上げ、連装砲から弾を放つ。弾は鉄球に……当たらない!

鉄球が三隈めがけて落下する!!

提督「おいおいおい」

雪風「三隈さんっ!!」

鉄球が三隈に直撃するその直前!! 瑞雲が鉄球に体当たりし、網を飛び越えそのまま相手コートに突っ込んだのだ!!

タ級「くっ」

三隈「くまりんこ☆」

雪風「ごわがっだぁ~……」ヘナヘナ

提督「危うくR-18飛び越してR-18G展開になるところだったぞ」


その後も点を取ったりとられたりしたが雪風が幸運でナントカ倒した

雪風「雪風、また生還しました!」

タ級「」プスプス

ヲ級「」プスプス

提督「しかし果たし状出された怒りで果たし状出し返してしまったわけだがこのビーチバレー何か意味あったの?」

ル級「いや別に新しい泊地作ってることから目をそらすためってわけじゃないんだからね」

提督「……性懲りも無く造ってるのかよ」

ル級「あ、やべ」

提督「そうかそうか三隈、撃っちゃっていいぞ」

三隈「み……くまっ!!」ドゥン

ル級「うひー!!」

ル級はノビてる他二人を引っ掴み海の向こうへと逃走して行った……。

提督「……しかし、新しい泊地となると洒落にならんな……。備蓄しないとな……」

のちのAL/MI作戦の始まり……

957: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/10(木) 22:26:29.40 ID:JVGWc1INo
ビーチバレー後日談と絡めたら予想以上に長くなったな……

というわけで小ネタ艦娘とか安価下

958: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/10(木) 22:34:29.01 ID:b+tBaG6Ao
鬼怒

960: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/11(金) 22:33:59.95 ID:tKoH1JrEo
―― 見たら飛ぶ(精神が) ――

鬼怒「提督、訓練しよ、訓練!!」

提督「艦娘はともかく俺が訓練する理由が見つからないが」

鬼怒「射撃場に誰もいないときに砲撃の練習してるの知ってるよ」

提督「あれはただの気晴らしだし、別に隠す気もないからな」

鬼怒「だから訓練しよっ!」

提督「まぁたまには訓練の様子見るのもいいか」


艦娘訓練中……


鬼怒「ふー、いい汗かいた!」

提督「お疲れさん。片付けとか俺がやっておくから先に帰ってな」

鬼怒「はーい」

おとなしく訓練場から退出する鬼怒

鬼怒「といったけど、こうやって一人になったときを見計らって練習してるんだよね。砲撃音聞こえるし」

そう呟いて引き返す。

鬼怒「さーってどんな調子かな?」

そっとドアを開け隙間からのz

961: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/11(金) 22:34:46.73 ID:tKoH1JrEo
軽巡艦娘寮・長良型三号室

阿武隈「ふんふふ~ん♪」

鬼怒「……」

阿武隈「おかえり~、ってどうしたの!? 顔色悪いよ!?」

鬼怒「……ちょっと、寝込むね……」

そう言うと鬼怒はベッドに倒れこんだ。

阿武隈「ちょ、ちょっとちょっと!?」


翌朝まで鬼怒が起きることはなく、倒れた理由も黙して語ることはなかった……。

962: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/11(金) 22:35:41.07 ID:tKoH1JrEo
イベント開始までに資材どのくらいたまるかなぁ

というわけで小ネタ艦娘とか安価下

963: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/11(金) 22:50:40.79 ID:h8/Pyb3Jo
がっさん

965: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/14(月) 22:48:09.01 ID:VNi++etko
―― 養殖を否定しないスタイル ――

提督「この演習で衣笠の練度は55……。すなわち、改二だ!!」

衣笠「衣笠さんにお任せ!!」

提督「というわけで武装解除して近代化改修送り、と」

無慈悲である。

衣笠「釈然としないわね……」

おお!! 近代化改修に送られたはずなのに何故ここに衣笠が!?
そう、彼女こそ最初に改二になった衣笠なのである!!

提督「3号砲手に入るし……」

衣笠「三隈も持ってくるでしょう?」

提督「三隈でやりたいのは山々なんだが出ないし……」

衣笠「それにもう一人の自分が育ったのち改修に回されるの見るとなんだかなぁって感じが」

提督「五十鈴に相談しとけ。一週間ぐらいぶっ続けで語ってくれるだろう」

衣笠「うわぁ……」

提督「改の時点で正規空母並の対空改修できるから仕方ないね」

衣笠「しかももう3人の私がいるわけだけど」

提督「そっちも改二にして3号砲と近代化改修の材料にするよ」

衣笠「やっぱり……」

雪風「しれぇ! 鎮守府近海の潜水艦の掃討完了しました! 敵旗艦のフラヨ鹵獲しました!」

提督「どれどれ、ドロップは(ザクッ)……衣笠だこれ」

衣笠「少なくとも後4回繰り返すのね……」

提督「3号砲開発できないからなぁ。MI/AL作戦のためにも仕方ないよなぁ……」

966: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/14(月) 22:48:43.57 ID:VNi++etko
大型建造で三隈を当てろ? イベントのためにためてるのに本末転倒じゃないですか

というわけで小ネタ艦娘とか安価下

967: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/14(月) 23:03:09.50 ID:/mWlYkKEo
黒潮

970: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/15(火) 20:28:58.30 ID:6QOI8MAWo
―― 台詞が彼女たちを形作るのだ ――

鎮守府執務室

提督「うーむ……」

黒潮「司令はん、何か悩んどるん?」

提督「うん、黒潮は関西弁だよな」

黒潮「せやで。生まれは藤永田やし」 *藤永田造船所。

提督「浦風は広島弁だな」

黒潮「せやな」

提督「浦風も藤永田出身だろ。関西弁でもおかしくないだろ」

黒潮「それはその……キャラかぶり避けるためなんちゃう?」

提督「そんなの気にしてどうすんだよ」

黒潮「ほら、駆逐艦って数多いやん? 特徴づけは必須なんや。多分」

提督「多分?」

黒潮「うちらにもそこらへんよくわかってないんよ。艦娘の姿形や性格や口調なんかは大本営で作られてるらしいけど」

提督「雪風が泣き虫なのも?」

黒潮「ありうるで……」


後日猫吊るしに確認したところ「イレギュラーですけど性能に問題ないからいいでしょう?」との返事をもらったという

971: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/15(火) 20:29:40.21 ID:6QOI8MAWo
そろそろ次スレを立てねばならない時期なのではないだろうか?

ともあれ小ネタ艦娘とか安価下

972: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/15(火) 20:49:52.41 ID:x4TDyOxAO
づほ→大鳳→多摩(優先順位)

975: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/16(水) 20:57:47.97 ID:hYoX3DJFo
―― 艦載機を格納するのが格納庫である以上矢筒部分のはずだが ――

提督「ん、瑞鳳ちょっと矢筒ずれてねーか」(グイ

瑞鳳「んぅ」

あからさまに艶っぽい声なのだ!!

瑞鳳「提督? 格納庫勝手にまさぐるのやめてくれない?」

提督「あ、あぁ勝手に直したのは悪かったが今の声は何だよというかまさぐるって」

瑞鳳「艦娘は元が艦魂だから艤装も体の一部なのよ」

提督「その割には壊れたり直したり取り外せたりするようだが。ってそうじゃなくて」

瑞鳳「肉体部分が傷ついて治癒するのと同じようなものよ」

提督「人の肉は取り外しはできねぇよ!?」

瑞鳳「こればっかりはちょっと説明しづらいわね」

提督「とりあえず矢筒外すだろ」

瑞鳳「んぅ」

提督「10歩ほど離して」ゴソゴソ

瑞鳳「んぅ///」

提督「なんでだよ!! 何で何か感じてんだよ!!」

瑞鳳「複数の同一艦娘が存在するのと似たようなものだから」

提督「そっちじゃねーよ!! 何で格納庫触られて感じるんだよ!?」

瑞鳳「ほら、その、ね?///」

提督「ね?///じゃねーよ!! どうしてこうなった……。どうしてこうなった!?」

976: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/16(水) 20:59:40.95 ID:hYoX3DJFo
次スレタイトルもテンプレもまだ考えてないけどだいじょうぶだよね(震え声)

ともあれ小ネタ艦娘とか安価下

977: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/07/16(水) 21:09:45.73 ID:8rZMvdMwo
雪風と久々にイチャコラしてくださいお願いします

980: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/17(木) 22:50:24.04 ID:7J2iMPwVo
―― ちいさなしあわせ ――

鎮守府、執務室

提督「うー、あぢー。こうも暑いと海に飛び込みたくなるぞ……」

椅子にだらしなく座り、ぶつくさ文句をたれながらうちわで己をあおぐ提督。

雪風「しれぇ、通信が入ってます……」

提督「あぁ、書類はそこに置いといて。雪風も暑そうだな。こっちおいで」

雪風「ふぁい、しれぇ…」

ふらふらと近づき、倒れるように提督の胸に飛び込む雪風。

雪風を抱き上げ、ひざ上に座らせる。

提督「ほれ、涼しかろう?」

パタパタと雪風をうちわであおぐ。

雪風「はふ……ありがとうございまふ……」

しばらくあおいでいると雪風は寝息を立て始めた。

提督「……寝ちゃったかな?」

上の空で雪風の頭を撫でる。

提督「……これが幸せってヤツなのかねぇ……Zzz...」

985: ◆jf7rnHhSH2 2014/07/18(金) 22:34:02.54 ID:MDc0Begfo
―― リランカ北ルート固定とか大本営はゲイのサディスト ――

提督「蒼龍改二か……」

大淀「はい」

提督「うちの空母・戦艦の層は厚いからこのへんは問題無いとしてだ」

大淀「はい」

提督「二航戦+駆逐2でリランカ!? リランカだと!? カスガダマではないのか!?」

大淀「はい」

提督「はいじゃないが」

解説:4-3は駆逐2以上で羅針盤頼みの数が二倍になるのだ!! ザッケンナコラー!!

~~~

提督「よし、潜水艦なし、金剛筑摩残しでフラタ2。余裕だったな」


だがここで悲劇が起こる!!

提督「アイエッ!?」

筑摩「すみません、弾づまり起こしちゃいました」

筑摩が連撃をしなかったのだ!!

提督「アイエエエエエ!?」

しかも今回機種変換のためにリランカ任務を消化する必要がなかったのだ!!

提督「……この任務放置しようか」

大淀「家具職人もらえますよ」

提督「今すぐ欲しいって家具ないし…」


次回 【艦これ】泣き虫雪風と釣り人提督 Part2