1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 20:55:37.84 ID:IJ7UIs3F0
ミサト「アスカとシンちゃんに足りないのは適切なコミュニケーション」

ミサト「同じパイロット同士、同じ釜の飯食って仲良くしないとね♪」

シンジ「一緒に暮らすなんて…」

アスカ「嫌よ!絶対いや!」

ミサト「これは命令よ」ニコッ

アスカ「ふん!」


4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 20:59:25.31 ID:IJ7UIs3F0
ミサト「ぷっは~!くぅぅぅ!――ん?」

シンジ「」パクパク

アスカ「」モグモグ

ミサト「あんたたち……お葬式じゃないんだから何か喋ったらどうなの?」

シンジ「そ、惣流はさぁ」

アスカ「何よ」

シンジ「どうしてエヴァのパイロットになったのかなぁ……なんて」

アスカ「あんたには関係ないでしょ」

シンジ「うぅ……」

ミサト(がんばれ!シンちゃん!)


7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 21:00:55.42 ID:IJ7UIs3F0

シンジ(なんだよ、惣流のやつ……少しくらい会話してくれたっていいじゃないか)

シンジ(嫌いだ……)




アスカ(どうしてあんな奴と一緒に暮らさなくちゃいけないのよ!)

アスカ(まぁいいわ。いずれ追い出してやるんだから)


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 21:02:56.43 ID:IJ7UIs3F0
キィーン

シンジ「!?」

シンジ「え?光?なんだろう」

――

シンジ「こっちに行ったような」

シンジ アスカ「あ」

シンジ「お、起きてたんだ」

アスカ「もしかして…あんたも今の見たの?」

シンジ「うん、変な光がちょうどこっちに」

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 21:04:43.23 ID:IJ7UIs3F0
アスカ「とにかく確認しましょ」

シンジ「うん……」


デーン


シンジ「ねぇ……なんだろこれ」

アスカ「小さいUFO……」

シンジ「もしかして使徒なんじゃ」

アスカ「その可能性も無いとは言い切れないわね」

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 21:05:45.66 ID:IJ7UIs3F0
アスカ「どれどれ」

シンジ「近づかない方がいいと思うんだけど……」

アスカ「平気よ。こんな小さなUFO、例え使徒だとしてもあたし一人で十分だわ」

シンジ「ミサトさんは?ミサトさんを呼んできたほうが」

アスカ「開かないわね、これ」ガチャガチャ

アスカ「ミサトなら酔って爆睡してるから起こすなんて無理じゃない?」ガチャガチャ

UFO ガタガタ

アスカ「動いた!」

シンジ「ひっ!まずいよ!」

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 21:10:26.59 ID:IJ7UIs3F0
パカーン

赤ちゃん「あぁい!」

アスカ「へ?」

シンジ「あ…赤ちゃん!?」

アスカ「え?えぇぇ!?」

赤ちゃん「きゃぁぁい!」フワフワ

シンジ「ひっ!浮いてる!」

アスカ「な、何なのよ…こいつ」

赤ちゃん「はぁぁい!」フワフワ

アスカ「こ、こっちに飛んで来る!」

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 21:14:35.41 ID:IJ7UIs3F0
シンジ「可愛いなぁ」ナデナデ

赤ちゃん「きゃっきゃ」

アスカ「で?どうするの?」

シンジ「何が?」 赤ちゃん「きゃぁい」

アスカ「そいつよ!使徒かもしれないのよ!」

シンジ「えぇ。どう見ても人の赤ちゃんじゃないか」ナデナデ

アスカ「どこに空飛ぶ赤ちゃんがいるのよ!もう!ミサトを起こしてくる!」

赤ちゃん「あぁぁい!」ヒューン

ギュッ

アスカ「ひっ!な、何よ」

シンジ「惣流に行って欲しくないんだって」

アスカ「言葉がわかるの?」

シンジ「いや、そんな感じがしただけだけど」

アスカ「はぁ?」

赤ちゃん「きゃっきゃっきゃ」

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 21:15:28.56 ID:IJ7UIs3F0
赤ちゃん「うぅう!うぅう!」

アスカ「もう!離してよ…」

赤ちゃん「きゃぁぁい」

アスカ「何がしたいのか…」

シンジ「アスカとあそびたいんじゃないかな?」アハハ

アスカ「――何、勝手に名前で呼んでるのよ」

シンジ「あ…」

赤ちゃん「きゃぁい!あぁい!」

ギュゥ

アスカ「え?」

ギュッ

シンジ「どうしたの?」

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 21:20:37.61 ID:IJ7UIs3F0
赤ちゃん「ぱぁぱ!まぁま!」

アスカ「」

シンジ「」

赤ちゃん「ぱぁぱ!まぁま!!!」

シンジ「ぼ、僕がパパ?あはは、そんな……」

アスカ「ありえない!なんでこんなやつと夫婦なのよ!」

シンジ「こんなやつって!僕だってアスカと夫婦なんて嫌だよ!」

アスカ「また…勝手に名前で呼んで!」

赤ちゃん「ぱぁぱ!まぁま!きゃっきゃっきゃ」

アスカ「はぁ!?だから違うって!」


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 21:25:48.82 ID:IJ7UIs3F0
シンジ「なんだろ?バッジかな?」

赤ちゃん「まぁま!きゃぁぁい」

アスカ「はぁ……だれか助けて……」

パーン

ワンニャー「わんにゃー!!!」

シンジ「ひぃ!」

アスカ「な、何したのよ!」

ワンニャー「えっと……ここは……」

ワンニャー「はっ!ルゥちゃま!」

ルゥ「わんにゃー!」

ワンニャー「ルゥちゃまぁぁぁ!」

ルゥ「あぁぁい!」

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 21:26:44.98 ID:IJ7UIs3F0
ワンニャー「ご無事でしたか!ルゥちゃまぁぁ!」

アスカ「使徒よ!何とかしなくちゃ!えぇと、えぇと…何か鈍器を」オロオロ

シンジ「お、落ち着いてよ!まだそうと決まった訳じゃないじゃないか!」

アスカ「犬が喋るわけないでしょ!」

シンジ「猫かもしれないじゃないか!」

アスカ「猫も喋んないわよ!」

ワンニャー「あのぉ…」

アスカ「ひぃっ!」

シンジ「な、なんでしょうか」 オロオロ

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 21:28:42.64 ID:IJ7UIs3F0
数分後

アスカ「簡単に言うと宇宙で遭難してここに漂着したってわけね」

シンジ「ベビーシッターなんですかぁ」

ワンニャー「はい!しかも血統書つきです!」

アスカ「ペットがベビーシッターって…両方とも養われる側じゃないの」ボソボソ

ワンニャー「それであのぉ…」

ワンニャー「どうやら…我々の宇宙船が壊れてしまっているようでして…」チラッ

ワンニャー(女性の方は押しにかなり強そうですね…ではこちらを!)

ワンニャー「お願いします!救援がくるまで泊めてください!!お願いですぅぅぅ!」

シンジ「ひぃ!」

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 21:32:01.28 ID:IJ7UIs3F0
シンジ「そんな……」(この場所だって安全とは言えないし……)

シンジ「」チラッ

アスカ「ふん!」

シンジ(うぅ……)

ワンニャー「だ、駄目ですか?」ウルウル

ルゥ「きゃっきゃっきゃ」


26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 21:34:36.27 ID:IJ7UIs3F0
シンジ(ここで断ったら…この赤ちゃんはどうなるんだろう)

シンジ(母さんもいない……父さんもいない世界で……)

アスカ(ずっと一人で生きていかなくちゃいけない……それでも)

シンジ「いいですよ」

アスカ「は?」

ワンニャー「本当ですか!ありがとうございます!」

アスカ「何勝手に決めてるのよ!」

シンジ「だって可愛そうじゃないか!」

アスカ「こんな狭い部屋に何人住まわせる気よ!」

ルゥ「ぱぁぱ?まぁま?」

アスカ「何よ…そんな顔で見ないでよ」

ルゥ「まぁま」

アスカ「やめてよ……」

アスカ『ママ!ねぇ!ママ!』

アスカ『あたし!エヴァのパイロットに選ばれたのよ!ねぇ!ママ』

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 21:36:38.48 ID:IJ7UIs3F0
ルゥ「まぁま?」

アスカ「あたしは……」



アスカ『違うわ!ママ!それは人形よ!?お願い!ママ!こっちを見て!?』

――



アスカ「あぁもう!わかったわよ!勝手にすれば!?」

28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 21:37:49.82 ID:IJ7UIs3F0
ミサト「なるほどね……」

ルゥ「きゃぁ~い♪」

ミサト「信じられないけど……まぁ、仕方が無いわね」

ワンニャー「ありがとうございます!」

シンジ「あの…ミサトさん」

ミサト「どうしたの?」

シンジ「父さん達には…このことを報告するんですか?」

ミサト「報告すると色々とややこしいからねぇ。大丈夫、しないわよ」

ミサト「その代り、正体だけはバレないようにね!」(宇宙人だなんてバレたら……ネルフもさすがに見過ごせなくなるし……)

ワンニャー「それはこのワンニャーにお任せください!」

ルゥ「わんにゃー!」

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 21:39:15.95 ID:IJ7UIs3F0

ミサト「それじゃ!私も行ってくるから!留守とルゥちゃん頼むわね!」

ワンニャー「行ってらっしゃいませ!ミサト様!」

ワンニャー「さぁ~、ルゥちゃま。ワンニャーと二人でお留守番しましょうね~」

ルゥ「ぶぅ~」

ミサト(家事もしてくえるなんて楽ちん♪)

32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 21:42:40.19 ID:IJ7UIs3F0
学校

シンジ「~♪」

アスカ「ふん、今日は機嫌がいいのね」

シンジ「ルゥくん可愛かったな~って。早く帰って遊んであげよう」

アスカ「……馬鹿みたい」

シンジ「惣流はなんとも思わなかったの?」

アスカ「…別に」

シンジ「僕達の事、パパとママなんて、可愛いな~♪」

アスカ「だからいつからあんたの妻になったのよ!?」ガタッ

シンジ「ひっ!?」

シーン

アスカ「あ、あれ……」

トウジ「な、なんや……あいつら夫婦喧嘩かいな」

ケンスケ「妻って単語が聞こえたっけど」


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 21:44:30.09 ID:IJ7UIs3F0
ルゥ「……」

ルゥ「ぱぁぱ…まぁま…」ウルウル

ヒューン フワフワ

ルゥ「ぱぁぱ、まぁま!」

ユラユラ

ワンニャー「さぁ!ルゥちゃま!お散歩に行きましょ……てあれ?ルゥちゃま?」

シーン

ワンニャー「いない…」

ワンニャー「ルゥちゃま!?どこですか!?ルゥちゃまぁぁぁ!」

ワンニャー「わ、私としたことがぁぁああ!」

ワンニャー「ルゥちゃまぁぁ!どこですかぁぁ!」

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 21:49:34.99 ID:IJ7UIs3F0
授業中

アスカ(あぁ、もう!何よ!ここに来てから環境が変わりすぎよ!)

シンジ(ルゥくん、ふふ、小さい子ってあんなにも可愛いんだ)

シンジ「ん?」

赤ちゃん「ぶ~」フワフワ

シンジ(!?――今、窓の外に……)

シンジ「ね、ねぇ……」ヒソヒソ

アスカ「何よ、授業中よ?」

シンジ「窓の外にルゥくんが見えたような気がして」

アスカ「はぁ?どれだけあの子が好きなのよ。馬鹿じゃないの」

ルゥ「きゃぁぁい」フワフワ

アスカ「げっ!?」

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 21:54:17.98 ID:IJ7UIs3F0
アスカ「ちょっと!どうすんのよ!何とかしなさいよ!」

シンジ「どうすればいいんだろ……とりあえず、休み時間まで待って」

アスカ「はぁ?あんたバカ?このままいきなり教室に飛んで入ってきたらどうするの?」

アスカ「教室はパニックよ!おまけに、私達に向かってぱぱぁ、とかままぁとか言われたら……」

アスカ「おしまいよ!」

シンジ「確かに……それはまずいね」

アスカ「私にいい案があるわ」

37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 21:57:32.47 ID:IJ7UIs3F0
シンジ「せ、先生」

先生「ん?どうしたのかね」

シンジ「惣流が具合が悪くて帰りたいって」

先生「ふむ、」

アスカ「先生、私ちょっと熱があるみたいで」

先生「早退してもいいが……一人で大丈夫かね?」

シンジ「それなら僕が送ります」

先生「碇が?」

シンジ「はい、多分彼女の家を知っているのは僕だけだと思うし」

先生「う~ん……仕方が無い」

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 22:03:07.59 ID:IJ7UIs3F0
タッタッタッタ

シンジ「ねぇ!どこに行ったのかな?」

アスカ「わからないわよ!そんなの!」

シンジ(どうしよ……ルゥくんにもしものことがあったら)

シンジ「早く見つけなきゃ!赤ん坊を一人にするなんて!大変だよ!」

アスカ「そうね、あんなの他人に見られたら最悪よ!」

シンジ「惣流…」

39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 22:07:02.15 ID:IJ7UIs3F0
屋上

ルゥ「きゃっきゃっきゃ」

シーン

ルゥ「うぅぅ……」ウルウル

ルゥ「ぱぁぱ……まぁま……」ポロポロ

ルゥ「びえぇぇぇん!!!」

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 22:11:09.01 ID:IJ7UIs3F0
ビエェェェン

シンジ「今の!」

アスカ「上から聞こえてきたわね!」

アスカ「きっと屋上よ!」

タッタッタッタ

ガチャリッ

シンジ「ルゥくん!」

アスカ「ルゥ!」


ルゥ「ひっくひっく」グスン

シンジ「ルゥく」

アスカ「ルゥ!何してんのよ!バカ!」ギュッ

シンジ「え?」

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 22:13:46.35 ID:IJ7UIs3F0
アスカ「ばかばか!」ギュッ

ルゥ「えぇぇん」ポロポロ

アスカ「これでも……心配したんだから」

シンジ「アスカ……」

アスカ「また勝手に」

シンジ「ごめん」


43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 22:18:38.84 ID:IJ7UIs3F0
帰り道

シンジ「やっぱり、惣流もルゥくんの事かわいがってるじゃないか」

ルゥ「きゃぁい♪」

アスカ「ふん、勝手に思ってなさいよ」

アスカ(どうして……屋上に着いたとき……ルゥを見た時)

アスカ(抱きしめてあげなくちゃって思ったんだろ?)

アスカ「はぁ……あんたのせいで頭おかしくなりそうだわ」

ルゥ「きゃきゃっきゃ♪まぁま」

アスカ「はぁ……」

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 22:27:25.02 ID:IJ7UIs3F0

ミサト「あら、今日は随分と楽しそうだったのね」

アスカ「どこがよ!他人にバレるんじゃないかってヒヤヒヤしてたんだから!」

ワンニャー「ルゥちゃま無事で何よりです♪」

ルゥ「わんにゃー!」

シンジ「ワンニャーも次からは目を離さないでよ」

アスカ「全く!シッターペットなんでしょ?アンタは」

アスカ「しかも、血統書つきの」

ワンニャー「申し訳ないです…」

ミサト「あら、でもワンニャーは家の事全部一人でしてくれたのよ?」

ミサト「掃除とか洗濯とか♪助かったわ!」

ワンニャー「あぁ、ミサト様!私!とても嬉しいですぅ!」

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 22:30:05.92 ID:IJ7UIs3F0
ワンニャーの育児日記

オット星と比べると地球はまだまだわからないこと

知らないことばかり

それでも、ルゥちゃまはアスカさんとシンジさんの傍にいて

とても幸せそうです

救援はまだまだ来ないみたいですが

これから、楽しく過ごせそうです


47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 22:34:34.81 ID:IJ7UIs3F0
ネルフ本部

冬月「最近、諜報部の連中が奇妙な報告を出している」

ゲンドウ「あぁ、知っている」

冬月「碇、あの赤ん坊は何者なんだ?ゼーレの回し者か」

ゲンドウ「ゼーレは関係ないだろう。老人どもに情報が行き届かぬようにせねば」

冬月「我々はどうする?見過ごすのか?」

ゲンドウ「構わん、このままにしておく」

冬月「そうか……」

ゲンドウ「孫か」ボソ

冬月「い、碇?」

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 22:40:10.84 ID:IJ7UIs3F0
日向「パターン青!使徒です!」

青葉「目標、主モニターに写します」

ミサト「これは…」

リツコ「使徒そのものが爆弾…ってところかしらね」

ミサト「もちろん標的は……ここよね」

リツコ「さぁ、どうする?司令や副司令がいない今、作戦の全権はあなたにあるわ」

ミサト「はぁ……ちと困ったわね」

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 22:45:58.31 ID:IJ7UIs3F0
アスカ「素手で受け止めろ!?無茶よ!」

ミサト「無茶でもやるしかないでしょ」

アスカ「ふん、いいわ!私一人でなんとかしてみせるわ」

ミサト「だめよ。落下予測地点が広範囲に及んでるの」

ミサト「エヴァ三機が協力して落下予測地点をカバーしないと」

アスカ「できるわよ!一人で十分だわ!」

ミサト「ねぇ…アスカ」

シンジ「僕も出撃します!」

アスカ「はぁ?」


51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 22:52:39.72 ID:IJ7UIs3F0
シンジ「惣流が一人で出来るようには思えない」

アスカ「何よ!私を甘く見ないで!」

シンジ「甘く見てないよ!」

アスカ「!?」ビクッ

シンジ「惣流が……惣流が一人で戦って失敗したらどうするんだよ!」

シンジ「みんなは……ルゥくんはどうなるんだよ!」

アスカ「私が失敗するわけないでしょ!」

シンジ「わからないよ!そんなの!」

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 22:56:06.52 ID:IJ7UIs3F0
シンジ「でも!少しでも危険を避けたいんだ!」

アスカ「あんたねぇ」

シンジ「アスカの勝手でルゥくんを危険な目に遭わせるなんて許さない!」

アスカ「何よ……」

アスカ「ルゥくんルゥくんって!出撃したければ勝手にすれば!?」

スタスタ

ミサト「ちょっと!アスカ!」

シンジ「それでは…僕も行きます」

ミサト「シンジくんも!」

レイ「」

ミサト「あなたも出撃しくれるわね?」

レイ「えぇ、命令ですもの」

53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 22:58:45.09 ID:IJ7UIs3F0

ワンニャー「あれ……今日は皆さん気分が優れないようで」

シンジ「」パクパク

アスカ「」モグモグ

ミサト(はぁ……これじゃぁ初めと同じじゃない)

ヒューン

ルゥ「ぱぱ?まま?」

アスカ「ふん、」

シンジ「おいで、ルゥくん」

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 23:02:36.15 ID:IJ7UIs3F0
ルゥ「ぱぁぱ?」

シンジ「大丈夫、僕が必ず守るから」ナデナデ

ルゥ「まぁま?」キョトン

シンジ「あんなの……ママでもなんでもないよ」

シンジ「自分の事しか考えられない……」

ルゥ「ぶぅぅ、まぁま!」

シンジ「ルゥくん?もしかして、怒った?」

ルゥ「ぶぅぅ」プイッ

シンジ(僕が惣流がママでもなんでもないって言ったから?)


56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 23:15:29.92 ID:IJ7UIs3F0
日向「使徒…殲滅……」

伊吹「至急!パイロットの回収を急いでください!」

ミサト「ふぅ、何とかなったわね」

リツコ「やるじゃない、あの子たち」

リツコ「特に最近のシンジくん。エヴァに乗ることにかなり意欲的になってるみたいだし」

リツコ「何を吹き込んだのかしら」

ミサト「失礼ね。あの子は自分で戦う理由を探して見つけたのよ」

58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 23:22:57.52 ID:IJ7UIs3F0
初号機エントリープラグ内部

シンジ「はぁはぁ、倒した……」

シンジ「守ったんだ。みんなを」

シンジ「――僕のこの手で」ギュッ

弐号機エントリープラグ内部

アスカ「結局、一人では何もできなかった……」

アスカ「駄目、駄目よ!アスカ!」

アスカ「こんなのエリートパイロットでも何でもないじゃない!」

ドンッ

アスカ「私の居場所が――なくなる」ウルウル

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 23:27:40.90 ID:IJ7UIs3F0

アスカ(ママ…どうしよ)

アスカ(誰も私を見てくれない)

アスカ(このままじゃ……誰も……)

アスカ「でも、使徒を全て倒したらどうなるの?」

アスカ「例えパイロットとして認められても使徒がいなくなってしまえば」

アスカ「私はどうなるの?」ウルウル

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 23:30:34.65 ID:IJ7UIs3F0
ガラッ

スタスタ

ドサッ

アスカ「ねぇ、ルゥ。ごめんね」

アスカ「今日だけ、一緒に寝かせて」

ルゥ「」スースー

アスカ「ルゥも大変よね。こんな分けのわからない星にたどり着いちゃって」

アスカ「パパとママにも会えなくなって」

61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 23:35:37.14 ID:IJ7UIs3F0
アスカ「ふふ、私と同じね」

ルゥ「」スースー

アスカ「ねぇ?ルゥ。どうしよ?私、本当に一人ぼっちになっちゃう」ウルウル

アスカ「こんな駄目な私、もう誰も見てくれない」ポロポロ

ルゥ「ふぁぁ、まぁま?」

アスカ「ごめん、起こしちゃったわね」グスン

ルゥ「まぁま…」ウルウル

アスカ「どうして、あんたが泣くのよ」ウルウル

ルゥ「まぁま」ギュッ

アスカ「――ありがとう」

アスカ「ルゥは私を必要としてくれるのね」ポロポロ

アスカ「ありがとう、ルゥ」ギュッ



63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 23:39:02.90 ID:IJ7UIs3F0
次の日

アスカ「学校へ行くわよ!バカシンジ!」

シンジ「うぅん、眠い……って、えぇ!?」

アスカ「な、何よ」

シンジ「今、名前で呼んだ?」

アスカ「特別にアスカって呼んでいいわよ。その代わり私もバカシンジって呼ぶから」

シンジ「アスカ……」

アスカ「もう!早く起きなさい!ルゥも起こさなくちゃいけないんだから!」

シンジ「う、うん!わかったよ!アスカ」


67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 23:48:40.97 ID:IJ7UIs3F0

シンジ「ただいま!」

ワンニャー「シンジさんにアスカさん!おかえりなさい!」

ルゥ「きゃぁぁい!」

ワンニャー「あ、ミサト様から伝言を授かってます」

アスカ「ミサトから?」

ワンニャー「冷蔵庫の食材が切れたらしくて買ってきてくださいとの事です」

アスカ「それならアンタが行けばいいじゃない」

ワンニャー「今日は宇宙通販で頼んでおいたルゥちゃまのミルクが届く日ですので」

シンジ「それじゃぁ僕が買いに行ってくるよ」

68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 23:52:14.11 ID:IJ7UIs3F0
ルゥ「ぱぁぱ!」ヒューン

シンジ「ルゥくんも一緒にくる?」

ルゥ「あぁい!」

ワンニャー「よかったですねルゥちゃま。シンジさんとお買い物が出来て」

アスカ「あ、何か甘いものもよろしく」

ルゥ「まぁま!」ギュ

アスカ「いたたたた!ちょっと髪の毛引っ張らないでよ!」

シンジ「ルゥくんはアスカも来てほしいって」

アスカ「えー」

ルゥ「」ウルウル

アスカ「はいはい…わかりました」

69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/24(金) 23:55:57.47 ID:IJ7UIs3F0
スーパー

アスカ(いよいよ、本当の夫婦みたいじゃない……)

アスカ(知り合いはいないわね)キョロキョロ

シンジ「どうしたの?アスカ」

アスカ「警戒してるのよ。クラスメイトに見られたら誤解されるでしょ」

シンジ「大丈夫だよ。ここで結構買い物するけど一度も知り合いと会ったことはないよ」

アスカ「なら、安心ね」

ルゥ「まぁま!まぁま!」

アスカ「駄目よルゥ。お菓子なんて、帰ったらあんたのミルクが届いてるんだから」

ルゥ「ぶぅぅ」


72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 00:02:04.55 ID:YMh/oNAW0
シンジ「一個ぐらいいいじゃない」

アスカ「子供を甘やかしすぎるのはよくないことなのよ」

アスカ「何でも買い与えてご機嫌とろうなんて母親失格ね」

シンジ(アスカ、初めの頃と比べて大分打ち解けて来たみたい)

シンジ「アスカも甘いもの買うじゃん」

アスカ「中学生になったらいいのよ」

ルゥ「ぶぅ!ぶぅぅ!」

アスカ「な、なによ」

ルゥ「ぶぅぅぅ!」

アスカ「わかったわよ!一個だけだからね!」

ルゥ「きゃぁぁい♪」

アスカ「どれにする?あ、これとかいいんじゃない?」

ルゥ「あぁい!あぁい♪」

シンジ(ふふ、何だか今日はアスカの暖かい部分に触れることができた。そんな気がするな)


74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 00:07:04.35 ID:YMh/oNAW0
冬月「君の息子、随分と変わったな」

冬月「一時、逃亡したのが嘘のようだ」

ゲンドウ「そうだな」

冬月「碇、買ったのか」

ゲンドウ「あぁ」

冬月「ビデオカメラ……」

ゲンドウ「息子と孫の成長を記録せねば」

76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 00:12:35.93 ID:YMh/oNAW0
学校

トウジ「最近、センセも惣流も全然けぇへんようになったな」

ケンスケ「二人とも何かあったのかな」

ヒカリ「私、アスカちゃんが心配だわ……」

ケンスケ「なら!お見舞いに行くってのはどうかな!」

トウジ「お!賛成!」

ケンスケ「僕とトウジはシンジの家に行くよ」

ヒカリ「じゃぁ、私はアスカちゃんの家にお見舞いに行くわ」

トウジ「それじゃぁ!今日の放課後出発やで!」

77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 00:15:25.71 ID:YMh/oNAW0
トウジ「なんや、委員長。惣流の見舞いにいくんちゃうんかい」

ヒカリ「鈴原たちこそ、碇くんのお見舞いはどうしたの?」

ケンスケ「え?碇の住所はここだけど」

ヒカリ「え?アスカちゃんのもよ?」

トウジ「とりあえず、チャイム鳴らして見ようや」

ピンポーン

78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 00:17:58.07 ID:YMh/oNAW0
シンジ アスカ 「はーい!」

ケンスケ「またしても……今時ペアルック。いやーんな感じ…」

ヒカリ「不潔よ……」

シンジ アスカ 「」

シンジ「ご、誤解だよ!これにはわけがあって!」

アスカ「そうよ!ミサトが!コレを着ろって」

トウジ「えぇから、お邪魔するで~♪」

80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 00:21:56.30 ID:YMh/oNAW0
アスカ「ちょ!勝手に上がりこまないでよ!」

ヒカリ「おじゃましまーす♪」

シンジ「み、みんな待って!

アスカ「この世の終わりだわ……」

トウジ「結構、綺麗な部屋やな」

トウジ「ん?」

ルゥ「」スヤスヤ

ヒカリ「あ、赤ちゃん?」

ケンスケ「も、もしかして……子育て休暇?」

81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 00:27:19.70 ID:YMh/oNAW0
アスカ「ち、違う!違うわよ!」

シンジ「この子はアスカの親戚の子で!その!預かってて!」

ペンペン「クエェェ!!」 ペンペン「クワァ?」

ヒカリ「あら、可愛い動物さんが二匹」

アスカ「なっ!?」(どうしてペンペンが二匹もいるのよ!)

シンジ「きっとワンニャーだよ」ヒソヒソ

ルゥ「まぁま?ぱぁぱ?」キョトン

アスカ「ひっ!」

シンジ「お、起こしちゃった?ルゥくん?」

ルゥ「まぁま!ぱぁぱ♪」

ヒカリ「ママって……」

トウジ「パパって……」


84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 00:31:32.17 ID:YMh/oNAW0
ヒカリ「ねぇ!アスカちゃん!出産の時ってやっぱり」

トウジ「センセ!お前!抜け駆けか!」

ケンスケ「中学生で一児の父か」

シンジ「だから違うって!」

アスカ「そうよ!この子にとって男の人はみんなパパで!女の人はみんなママなのよ!」

ルゥ「うぅ…」ウルウル

ヒカリ「そうなんだ、そうよね♪」

トウジ「ま、中学で結婚なんて早すぎるしな」

シンジ「ふぅ…」

ルゥ「まぁま…ぱぱ…」ウルウル


86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 00:35:06.31 ID:YMh/oNAW0
シンジ「アスカ、アスカってば」ヒソヒソ

アスカ「今度は何よ」

シンジ「アスカがあんなこと言うから」

アスカ「え?」

ルゥ「」ウルウル

シンジ「すねちゃった」

アスカ「る、ルゥ?どうしたの?」ニコニコ

ルゥ「」プイッ

アスカ「ルゥのママは私よ?さっきはあんなこと言ってごめんね!」

ルゥ「」プイッ

シンジ「あーあ、アスカ」

アスカ「何よ!あぁ言うしかなかったのよ!」

88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 00:39:16.86 ID:YMh/oNAW0
ミサト「あら、お友達?」

ケンスケ「お久しぶりです!!」

レイ「」

アスカ「どうして!そいつがいるのよ!」

ミサト「アスカに足りないのは協調性なの」

ミサト「さ、シンジくん。レイとユニゾンのテストをしてみて」

シンジ「はい」

89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 00:42:04.44 ID:YMh/oNAW0
ヒカリ「すごい!動きがぴったり!」

トウジ「で、惣流とはどうなんや?」

アスカ「くっ!どきなさい!」

レイ「わかった」

アスカ「いくわよ!バカシンジ!あんなやつよりも高得点だすんだから!」

シンジ「う、うん」

ヒカリ「頑張って!アスカちゃん」

ルゥ「まぁまー!」パチパチ


91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 00:45:39.36 ID:YMh/oNAW0
ケンスケ「これは酷いね」

アスカ「しっかりしてよ!バカシンジ!」

シンジ「えぇ、僕がいけないの?」

ミサト「これはレイと交代かしらね」

アスカ「嫌よ!あんなのと組むのなんか」

ミサト「交代するのはシンジくんじゃなくてアスカのほうよ」

アスカ「どうして!どうして私なのよ!」

アスカ「もう知らない!」タッタッタ

ヒカリ「アスカちゃん!」

ルゥ「まま!」


96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 00:54:21.48 ID:YMh/oNAW0
アスカ「何よ…みんなして」

シンジ「アスカー!」

ルゥ「まぁま!」

シンジ「はぁはぁ、随分探したよ」

アスカ「この作戦は降りるわ」

シンジ「どうして!」

アスカ「前に言ってたじゃない」

アスカ「私の勝手でみんなを危険な目に遭わせたくないって」

ルゥ「まぁま」ウルウル

アスカ「これはルゥのためでもあるのよ」ナデナデ


98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 01:00:01.30 ID:YMh/oNAW0
シンジ「僕は……」

シンジ「僕はアスカと一緒に戦いたい」

アスカ「でも、それは」

シンジ「アスカとなら!綾波以上に上手くやれる気がするんだ!」

シンジ「残りの日を頑張ろうよ!それでも駄目なら大人しく綾波と組むよ」

アスカ「シンジ……」(私を必要としてくれるの?)

シンジ「ルゥくんも賛成だよね?」

ルゥ「あ~い♪」

アスカ「ふん!いいわよ!そのかわり!私の動きにちゃんとついてこれるように」

アスカ「頑張りなさいよ!」

ルゥ「きゃぁい♪」

シンジ(何か少し勘違いしてるみたいだけど――ま、いいか)

99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 01:03:15.05 ID:YMh/oNAW0
ゲンドウ「夕日をバックに家族水いらず」

冬月「いいな」

ゲンドウ「あぁ、素晴らしいシーンを収めることができた」

冬月「これくらいのこと、わざわざ出向かなくても」

冬月「諜報部に頼めばいいことだろう」

ゲンドウ「この目で見届けたいのだ」

冬月「親バカだな。碇」



101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 01:07:29.52 ID:YMh/oNAW0
日向「目標!殲滅を確認!」

ミサト「ふふ、完璧なユニゾン攻撃」

リツコ「あの二人なんだかいい感じね」

リツコ「パイロットとしてもそうだけど」

リツコ「男女としてもね、ふふ」


シンジ「やったよ!アスカ!」

アスカ「ふん!私にかかればお茶の子さいさいよ!」

シンジ「僕達……でしょ?」

アスカ「ま、特別にそういうことにしておいてあげるわ」

102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 01:14:37.19 ID:YMh/oNAW0
ネルフ本部

ミサト「新しいチルドレン?」

冬月「ゼーレが直接送り込んできたのだ」

冬月「何を考えているのやら」



カヲル「初めまして、渚カヲルです」

ミサト「で、私にどうしろと?」

冬月「彼の保護者を頼みたい」

ミサト「そ、そんな!アスカとシンジで手一杯です!」(ルゥちゃんとワンニャーもいるし)

冬月「駄目か?」

ミサト「わかりました……ひき受けます」

103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 01:17:19.91 ID:YMh/oNAW0
ゲンドウ「老人どもめ、我が息子の家族を崩壊させるつもりか」

冬月「いや、それは心配ないだろう」

ゲンドウ「あぁ、引き続き私が見守るからな」

冬月「いや、そういうのは」

ゲンドウ「問題ない。父として当然の役目だ」

冬月「」

104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 01:20:06.99 ID:YMh/oNAW0

ミサト「紹介するわ。新しいエヴァのパイロット」

カヲル「渚カヲルです。よろしく」

シンジ「よ、よろしくお願いします」

アスカ「また部屋狭くなるじゃない!ただでさえ狭いのに!」

ミサト「まぁまぁ」

カヲル「君が碇シンジくんだね」

シンジ「え?そ、そうだけど」

カヲル「君とは仲良くなれそうだよ」ニコッ

シンジ「///////」

105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 01:23:12.50 ID:YMh/oNAW0
ワンニャー「初めまして!カヲル様!シッターペットのワンニャーです!」

カヲル「え?」

シンジ「こっちはルゥくん!」

ルゥ「きゃぁぁい!」

カヲル「」ジー

ルゥ「?」キョトン

カヲル(そんな……使徒でもリリンでもない存在だなんて)

ルゥ「きゃぁぁい!」

カヲル「君はどこから来たんだい?この星のヒトではないね」ナデナデ

106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 01:28:59.35 ID:YMh/oNAW0
ルゥ「あぁい」

カヲル「そう、そんなに遠くから来たのか。大変だっただろうね」

シンジ「え?ルゥくんと会話ができるの?」

カヲル「彼には不思議な力が宿ってる。すごいね」

ワンニャー「オット星の赤ちゃんはみんな超能力を持ってるんです」

ワンニャー「大人になるにつれて無くなるんですけどね」

カヲル(本当に不思議だ。彼を見ていると何かを思い出せそうな気がする)

カヲル(僕が僕になる前の記憶が)

107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 01:34:48.53 ID:YMh/oNAW0
UFO ピロリンピロリン

ワンニャー「はて、なんでしょう?宇宙通販でしょうか」

ワンニャー「これは……」

ワンニャー「たたたた大変です!なんと!オット星の救援隊が数日で地球に着くそうです!」

ミサト「よかったわね!ルゥちゃん。パパとママにもうすぐ会えるわよ!」

ルゥ「?」キョトン

シンジ「そ、そうだよね。どうしてだろ?本当は喜んであげなくちゃ行けないのに」

アスカ「」タッタッタ

シンジ「アスカ!?」

ミサト「ちょっと!アスカ!」


110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 01:39:51.27 ID:YMh/oNAW0
アスカ(嫌嫌嫌!嫌よ!)タッタッタ

アスカ「ルゥ……私を置いてかないで」

シンジ「アスカー!」

シンジ「アスカ!」

アスカ「ねぇ、シンジ。ルゥがいなくなったら私達どうなるの?」

アスカ「ルゥが私とシンジを繋いでくれて……ルゥが私を認めてくれて」

アスカ「そんなルゥがいなくなっちゃったら!どうなるの!!」シクシク

アスカ「また一人ぼっちじゃない……」

シンジ「アスカは一人なんかじゃないよ」

アスカ「え?」


112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 01:42:42.76 ID:YMh/oNAW0
シンジ「ルゥくんがいなくなっても僕はアスカの傍にいる」

アスカ「シンジ……」

シンジ「ルゥくんがいなくなればちょっぴり寂しくなるけど」

シンジ「僕達は今まで通り、ずっと一緒だよ」

アスカ「――約束して」ギュッ

シンジ「約束する」


ギュッ

113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 01:46:36.99 ID:YMh/oNAW0
ルゥ「」

ワンニャー「ルゥちゃま……」

カヲル「彼は気付いてたんだよ。アスカやシンジくんが自分の両親でないことに」

カヲル「それでも、二人の暖かさは心地よかった」

カヲル「だから、別れが辛いんだね」

ルゥ「うぅ」グスン

カヲル「君の星について、もっと知りたいな」

ルゥ「?」

カヲル「あ、頭に……何かが」

ミサト「ちょっと!大丈夫!?」

ワンニャー「これもルゥちゃまの超能力が原因なのですか!?」

114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 01:48:49.56 ID:YMh/oNAW0
ミサト「しっかりしなさい!」

カヲル「僕の記憶が――目を覚まそうとしている」

ルゥ「あぁい?」

カヲル「――」

カヲル「そうか、そういうことなのか」

カヲル「君に会えて本当に良かった。ルゥくん」

カヲル「――全て思い出したよ。何もかも」

115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 01:51:47.09 ID:YMh/oNAW0
日向「衛星軌道上にA.Tフィールド出現!」

冬月「何!」

青葉「主モニターに写します!」

ゲンドウ「ゼーレのチルドレン…」

冬月「やはり、使徒だったか……何をする気なんだ」

116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 01:59:10.87 ID:YMh/oNAW0
カヲル「静かだ。そう、また旅をするんだ」

カヲル「新しい星を見つけよう」

カヲル「一つの星に二つもキャリアは必要ない」

カヲル「本当は争い合うべきではなかったんだ」

カヲル「――お互い忘れていただけなんだ」

カヲル「ありがとう。ルゥ、君のおかげで思い出すことができた。」

カヲル「僕は故郷の民を乗せたキャリア。――生命の根源の姿」

117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 02:03:00.62 ID:YMh/oNAW0
青葉「エヴァシリーズ消失!」

冬月「なんだと!?」

カヲル「さぁ行こう。ぼくの子ら。そして、リリンのしもべ……」

カヲル「今度はきっとオット星のように」

カヲル「――ただ、そう願って」

――

118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 02:06:58.07 ID:YMh/oNAW0
数日後

アスカ「な、ないてないわよね?」

シンジ「うん!少し顔が赤いけど」

ミサト「それでは!」

ヒカリ「ルゥくんのお別れ会をはじま~す!」

パン パーン

ルゥ「きゃぁぁぁい♪」

ケンスケ「可愛いな~。それにしても本当に碇の子かと思ったよ」

シンジ「あはは…」

アスカ「ルゥ!もう離さないんだから!」ギュッ

ルゥ「まま!きゃぁぁい♪」

119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 02:09:26.68 ID:YMh/oNAW0
ゲンドウ「」ウルウル

冬月「いいのか?最後だぞ」

ゲンドウ「あ、あぁ…」

シンジ「父さんが来るなんて珍しいね」

ゲンドウ「ル、ルゥを抱かせてくれないか?」

シンジ「え?あぁ、ルゥくんなら」

アスカ「絶対に離さないわ!」

ルゥ「キャッキャッキャ♪」

120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 02:12:03.52 ID:YMh/oNAW0
ゲンドウ「あ、あの」

アスカ「何よ!」

ゲンドウ「少しだけ抱かせてもらえないか?」

アスカ「少しだけよ!」

ルゥ「うぅぅ♪」

ゲンドウ「冬月、撮ってるか?ほら!早く!」

冬月「ばっちりだぞ碇」

ルゥ「じぃじ!」

ゲンドウ「い、今……」

冬月「確かに聞こえたぞ」

ゲンドウ「ぜ、絶対に離すものか!!!!!!」

アスカ「こら!!少しって言ったじゃない!」

ゲンドウ「構わん!!」

124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 02:13:49.89 ID:YMh/oNAW0

ワンニャー「本当にお世話になりました」

ルゥ「」

ワンニャー「ほら、ルゥちゃまもご挨拶は?」

ルゥ「」ウルウル

シンジ「あ!迎えじゃないのかな!」

ヒューン フワフワ

125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 02:19:14.26 ID:YMh/oNAW0
母「ルゥ?ルゥなの?」ウルウル

父「元気そうで何よりだ」

ミサト「嘘……シンジくんとアスカそっくり」

ルゥ「うぅ…」オロオロ

アスカ「駄目よ、ルゥ。ちゃんとパパとママのところへ行ってあげなさい」ウルウル

シンジ「大丈夫だよ。また遊びにおいでよ!」ウルウル

ルゥ「うぅ…ままぁ!ぱぱぁ!」ウワーン

母「ルゥ!良かった!本当に良かった!」シクシク

父「今まで、ルゥがお世話になりました」

ミサト「いえ、ルゥちゃんのおかげで我々も本当に助かりましたから」

ヒューン

アスカ「あ、行っちゃう…」

シンジ「ルゥくん!また遊びにおいでよ!ずっと待ってるから!」

アスカ「私もよ!ルゥ!ルゥぅぅ!」

126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 02:22:12.87 ID:YMh/oNAW0
数十年後

加持「あれからもう何年も経つな」

ミサト「人類補完計画は失敗に終わり」

リツコ「生きることをゆるされた我々人類が平和に過ごす」

ミサト「平和ね~。この辺りもすっかり町って感じになってきたじゃない」

シンジ「いらっしゃい!」

ミサト「久しぶりね。シンジくん」

ミサト「アスカは?」

シンジ「娘と遊んでます」

127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 02:25:37.98 ID:YMh/oNAW0
娘「あぁい!」

アスカ「今日はいい天気ね♪」

ミサト「久しぶり!」

加持「久しぶりだねアスカ」

アスカ「ミサトに!加持さん!」

リツコ「そういえば、副司令と司令もいらしてるって聞いたけど」

ミサト「元ね」

アスカ「お父様ならそこの門前に」

ミサト「あら!何してるのかしら気付かなかったわ!」

アスカ「今日は、特別な日なんで」

ミサト「あぁ、なるほどね♪」



129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/08/25(土) 02:28:39.47 ID:YMh/oNAW0
「」タッタッタッタ

「」タッタッタ

ゲンドウ「!?」

ゲンドウ「シンジ!アスカ!来た!」

冬月「カメラはばっちりだぞ!碇」

シンジ「ふふ、何だか緊張するな」

アスカ「な、ないてないわよね?」

シンジ「うん!少し顔が赤いけど」

ゲンドウ「きた!」


ルゥ「ただいま!!」



全員「おかえりなさい!」


おわり