――――提督執務室。
「朝潮、状況を説明してくれるか?」
「はい、元帥から未だどこの鎮守府にも着任していない艦娘ならばここに来る可能性が高いと聞いた朝雲が着任の為に来訪、偶々通りがかった陽炎と口喧嘩から殴り合いに発展し、朝雲が大破、現在入渠しています」
「口喧嘩の原因は何だ?」
「陽炎型なんかに朝潮型は劣らないと言ったらしく、最初は陽炎も相手にしていなかったようですが、口論がエスカレートする内に、その……雪風についての話をしたようで……」
(あぁ、アウトだな……)
「本人も悪気は無く反省していますし、陽炎もやり過ぎたと言っていたので、今回は双方共に処罰などは見送っていただけないでしょうか?」
「子供の喧嘩に処罰も何も無い。但し、今後はそういう発言をした場合、罰として一週間白雪と町内清掃させる。これでいいか?」
「はい、ありがとうございます」
「じゃあ悪いが歓迎会をするから準備をしておいてくれと間宮に伝えてきてくれ。俺は今から元帥に電話しなきゃならん」
「了解です」
「新しい艦娘が着任するなんて一言も聞いてないぞこのクソ爺ー!!」
――――朝雲が着任しました。
「朝潮、状況を説明してくれるか?」
「はい、元帥から未だどこの鎮守府にも着任していない艦娘ならばここに来る可能性が高いと聞いた朝雲が着任の為に来訪、偶々通りがかった陽炎と口喧嘩から殴り合いに発展し、朝雲が大破、現在入渠しています」
「口喧嘩の原因は何だ?」
「陽炎型なんかに朝潮型は劣らないと言ったらしく、最初は陽炎も相手にしていなかったようですが、口論がエスカレートする内に、その……雪風についての話をしたようで……」
(あぁ、アウトだな……)
「本人も悪気は無く反省していますし、陽炎もやり過ぎたと言っていたので、今回は双方共に処罰などは見送っていただけないでしょうか?」
「子供の喧嘩に処罰も何も無い。但し、今後はそういう発言をした場合、罰として一週間白雪と町内清掃させる。これでいいか?」
「はい、ありがとうございます」
「じゃあ悪いが歓迎会をするから準備をしておいてくれと間宮に伝えてきてくれ。俺は今から元帥に電話しなきゃならん」
「了解です」
「新しい艦娘が着任するなんて一言も聞いてないぞこのクソ爺ー!!」
――――朝雲が着任しました。
引用元: ・【艦これ】大鳳「浦風が可愛い鎮守府」提督「多分一応は鎮守府」
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15: ◆UeZ8dRl.OE 2014/11/22(土) 23:52:31.93 ID:hA0H7t6B0
・飛鷹『回らない方じゃ無いんだ』、投下します
主に寿司を提供する和風レストラン
主に寿司を提供する和風レストラン
16: ◆UeZ8dRl.OE 2014/11/22(土) 23:53:08.87 ID:hA0H7t6B0
――――回転寿司屋。
「提督、それ取って」
「自分で取れ」
「ケチ」
「茶碗蒸し、食うか?」
「欲しい」
「――なぁ飛鷹、何でチーズケーキが回ってくるんだろうな」
「私に聞かないでよ」
「食べるか?」
「いらない」
「俺の奢りだ、遠慮するな」
「いらないって言ってるじゃない。っていうか何で回ってるの?」
「回転寿司だからそりゃ回ってるだろ」
「回らない寿司って約束じゃなかった?」
「……加賀に小遣い削られた」
「情けないわね、たまにはガツンと言いなさいよ」
「この前、加賀に連絡忘れて無断外泊しちまったんだ」
「そういうの気を付けてくれなきゃ困るんだけど――ビントロ頼むなら私も」
「武蔵達が止めなかったら完全武装で捜索するって大変だったらしい。茶碗蒸し来たぞ」
「提督、銀杏あげるから海老ちょうだい」
「それ交換になってねぇだろ……ほら、食え」
「――うん、出汁が結構ちゃんと利いてるわね。じゃあはい、銀杏」
「ん、他に何か頼むか?」
「アイス」
「……チーズケーキと何が違うんだ?」
「いいじゃない、食べたいんだから、悪い?」
「はぁ……抹茶でいいか?」
「提督はバニラね」
「俺も食うのは決定済みかよ」
「どうせなら二種類食べたいじゃない? あっ、玉子取って」
「りょーかい」
――――次は回らないの連れてってね。
――――財布に余裕があればな。
――――前借りしたら?
――――そこまでプライド捨てたくねぇよ。
「提督、それ取って」
「自分で取れ」
「ケチ」
「茶碗蒸し、食うか?」
「欲しい」
「――なぁ飛鷹、何でチーズケーキが回ってくるんだろうな」
「私に聞かないでよ」
「食べるか?」
「いらない」
「俺の奢りだ、遠慮するな」
「いらないって言ってるじゃない。っていうか何で回ってるの?」
「回転寿司だからそりゃ回ってるだろ」
「回らない寿司って約束じゃなかった?」
「……加賀に小遣い削られた」
「情けないわね、たまにはガツンと言いなさいよ」
「この前、加賀に連絡忘れて無断外泊しちまったんだ」
「そういうの気を付けてくれなきゃ困るんだけど――ビントロ頼むなら私も」
「武蔵達が止めなかったら完全武装で捜索するって大変だったらしい。茶碗蒸し来たぞ」
「提督、銀杏あげるから海老ちょうだい」
「それ交換になってねぇだろ……ほら、食え」
「――うん、出汁が結構ちゃんと利いてるわね。じゃあはい、銀杏」
「ん、他に何か頼むか?」
「アイス」
「……チーズケーキと何が違うんだ?」
「いいじゃない、食べたいんだから、悪い?」
「はぁ……抹茶でいいか?」
「提督はバニラね」
「俺も食うのは決定済みかよ」
「どうせなら二種類食べたいじゃない? あっ、玉子取って」
「りょーかい」
――――次は回らないの連れてってね。
――――財布に余裕があればな。
――――前借りしたら?
――――そこまでプライド捨てたくねぇよ。
23: ◆UeZ8dRl.OE 2014/11/23(日) 00:13:48.04 ID:VF1v1n5o0
・球磨『鮭取るクマー』
・雷『秋といえば山!』
・電&加賀『何となく二人で』
・由良『京都?』
・夕張&軽巡『夕張改造計画』
以上五本でお送りします
新スレでも潜水艦の皆さんは元気なようで何よりです(1分以内ってどういうこと…?)
・雷『秋といえば山!』
・電&加賀『何となく二人で』
・由良『京都?』
・夕張&軽巡『夕張改造計画』
以上五本でお送りします
新スレでも潜水艦の皆さんは元気なようで何よりです(1分以内ってどういうこと…?)
27: ◆UeZ8dRl.OE 2014/11/23(日) 21:55:51.93 ID:VF1v1n5o0
・球磨『鮭取るクマー』、投下します
球磨は球磨だけどあの球磨じゃなくてこの球磨は(ry
球磨は球磨だけどあの球磨じゃなくてこの球磨は(ry
28: ◆UeZ8dRl.OE 2014/11/23(日) 21:56:21.93 ID:VF1v1n5o0
――――北海道。
「おい球磨、本当に熊が出ても大丈夫なのか?」
「大丈夫だクマ。この辺の熊とはマブダチだクマ」
「お前と多摩は山でも生きていけそうだな」
「そんなこと言われると照れるクマ」
(頬を染めながら鮭を捕る姿は可愛いと形容すべきか逞しいと形容すべきか、そもそも照れる様なことは言ってないんだがなぁ)
「――提督、後ろ向いてみるクマ」
「ん? なん……○●◎◇◆□!?」
「久しぶりだクマ、元気してたクマ?」
「く、く、球磨、お知り合いか……?」
「この辺の主クマ、多分様子見に来たんだクマ」
「俺、襲われないよな?」
「心配しなくても球磨の匂いが付いてるから襲わないクマ。それより提督、足元見てみるクマ」
「足元?――木の実と、茸?」
「お土産にくれるみたいだクマ、ありがとだクマーまた来年も来るクマー」
「本当に熊と打ち解け合ってたんだな、お前……」
「まさか信じてなかったクマ? ひどいクマー球磨は嘘吐かないクマー」
「いや、改めて感心しただけだ。それでな、球磨」
「何だクマー?」
「腰、抜けた、立てん」
「おい球磨、本当に熊が出ても大丈夫なのか?」
「大丈夫だクマ。この辺の熊とはマブダチだクマ」
「お前と多摩は山でも生きていけそうだな」
「そんなこと言われると照れるクマ」
(頬を染めながら鮭を捕る姿は可愛いと形容すべきか逞しいと形容すべきか、そもそも照れる様なことは言ってないんだがなぁ)
「――提督、後ろ向いてみるクマ」
「ん? なん……○●◎◇◆□!?」
「久しぶりだクマ、元気してたクマ?」
「く、く、球磨、お知り合いか……?」
「この辺の主クマ、多分様子見に来たんだクマ」
「俺、襲われないよな?」
「心配しなくても球磨の匂いが付いてるから襲わないクマ。それより提督、足元見てみるクマ」
「足元?――木の実と、茸?」
「お土産にくれるみたいだクマ、ありがとだクマーまた来年も来るクマー」
「本当に熊と打ち解け合ってたんだな、お前……」
「まさか信じてなかったクマ? ひどいクマー球磨は嘘吐かないクマー」
「いや、改めて感心しただけだ。それでな、球磨」
「何だクマー?」
「腰、抜けた、立てん」
29: ◆UeZ8dRl.OE 2014/11/23(日) 21:56:50.88 ID:VF1v1n5o0
「おっちゃん替え玉欲しいクマ!」
――あいよー。
「今日は良く食うな、それで三玉目だろ?」
「運動したからエネルギー補給してるんだクマ。提督もしっかり食べるクマ」
「二杯も食えば十分だ」
「じゃあコレ食べ終わったらホテル戻るクマ」
「そうだな、早めに寝ないと飛行機の時間に遅れかねん」
「寝ないクマ、提督と朝までしたいことも話したいこともいっぱいあるクマ」
「徹夜しろってのか?」
「付き合ってくれないなら、腰抜けたのをおんぶして帰ったの皆にバラすクマ」
「……分かった、その代わり頭撫でさせろ」
「別に球磨は提督に撫でられるの嫌いじゃないクマ、好きにするクマ」
「縫いぐるみじゃないって怒られた記憶があるんだが?」
「妹達の前でやるからだクマ、球磨はお姉ちゃんなんだクマ」
(木曾のマントで昼寝して何回も蹴り転がされてた奴のセリフとは思えんな……)
――――そういえば蟹もまだ食べてなかったクマ。
――――まだ食うのかよ……。
――――提督も後で球磨食べていいクマ。
――――結局食われる気しかしないぞ、それ。
――あいよー。
「今日は良く食うな、それで三玉目だろ?」
「運動したからエネルギー補給してるんだクマ。提督もしっかり食べるクマ」
「二杯も食えば十分だ」
「じゃあコレ食べ終わったらホテル戻るクマ」
「そうだな、早めに寝ないと飛行機の時間に遅れかねん」
「寝ないクマ、提督と朝までしたいことも話したいこともいっぱいあるクマ」
「徹夜しろってのか?」
「付き合ってくれないなら、腰抜けたのをおんぶして帰ったの皆にバラすクマ」
「……分かった、その代わり頭撫でさせろ」
「別に球磨は提督に撫でられるの嫌いじゃないクマ、好きにするクマ」
「縫いぐるみじゃないって怒られた記憶があるんだが?」
「妹達の前でやるからだクマ、球磨はお姉ちゃんなんだクマ」
(木曾のマントで昼寝して何回も蹴り転がされてた奴のセリフとは思えんな……)
――――そういえば蟹もまだ食べてなかったクマ。
――――まだ食うのかよ……。
――――提督も後で球磨食べていいクマ。
――――結局食われる気しかしないぞ、それ。
35: ◆UeZ8dRl.OE 2014/11/24(月) 22:34:42.84 ID:MLOyaKRO0
・雷『秋といえば山!』 、投下します
36: ◆UeZ8dRl.OE 2014/11/24(月) 22:35:21.81 ID:MLOyaKRO0
――――山。
「ねぇ司令官、あっちに行ってみましょ」
「はしゃぐと転ぶぞ」
「大丈夫よ、ほらこっちこっち」
(こういうところは流石暁の妹って感じだな)
「司令官? どうかした?」
「何でもない、紅葉に見入ってただけだ」
「司令官こそ、足元気を付けないと転んじゃうわよ?」
「以前の俺と一緒にするな、山に海に川に河原にと連れ回されたお陰でだいぶ鍛えられたんだ」
「じゃあ島風と競争する?」
「フルマラソンとか言い出しかねんから絶対にやめろ」
「……ねぇ、司令官」
「何だ?」
「何で紅葉だけを大勢で見に来るの?」
「さぁ、何でだろうな」
「司令官は秋以外の山って、嫌い?」
「登るのはいつでも苦だが、嫌いじゃないぞ」
「私ね、春はこれから咲く花を応援したくなるし、夏は目一杯元気を分けてもらえるし、冬は新しい芽が出たりするのを見るのが好きなの」
(……雷、こんな顔もするんだな)
「紅葉だって当然綺麗だけど、他の季節だってとっても素敵だと思うわ。ねぇ、司令官もそう思わない?」
「あぁ、綺麗だ」
「綺麗? ちょっと、私の話聞いてた?」
「――ん? あぁ、すまん、聞いてなかった」
「ひどーい、そんなに紅葉が好きならここにずっと居れば」
「そう怒るな、帰りに抹茶餡蜜か抹茶パフェでも食べるか?」
「この雷様を物で釣ろうだなんて舐められたものね」
「じゃあ伊良湖の作った新作最中でどうだ」
「……欲しい」
「呆気なく釣れたな」
「だって伊良湖さんの最中美味しいんだもん」
(今より成長しても、どっちの顔も見せてくれりゃいいんだが)
「ちょっと司令官、また私の話聞いてないでしょー」
「聞いてる聞いてる、雷が食いしん坊って話だろ」
「~~司令官のバカー!」
――――次は暁型全員で冬に来てみるか。
――――その時は司令官、暁から目を離さないでね?
――――お前少しは姉を信用しろよ……。
「ねぇ司令官、あっちに行ってみましょ」
「はしゃぐと転ぶぞ」
「大丈夫よ、ほらこっちこっち」
(こういうところは流石暁の妹って感じだな)
「司令官? どうかした?」
「何でもない、紅葉に見入ってただけだ」
「司令官こそ、足元気を付けないと転んじゃうわよ?」
「以前の俺と一緒にするな、山に海に川に河原にと連れ回されたお陰でだいぶ鍛えられたんだ」
「じゃあ島風と競争する?」
「フルマラソンとか言い出しかねんから絶対にやめろ」
「……ねぇ、司令官」
「何だ?」
「何で紅葉だけを大勢で見に来るの?」
「さぁ、何でだろうな」
「司令官は秋以外の山って、嫌い?」
「登るのはいつでも苦だが、嫌いじゃないぞ」
「私ね、春はこれから咲く花を応援したくなるし、夏は目一杯元気を分けてもらえるし、冬は新しい芽が出たりするのを見るのが好きなの」
(……雷、こんな顔もするんだな)
「紅葉だって当然綺麗だけど、他の季節だってとっても素敵だと思うわ。ねぇ、司令官もそう思わない?」
「あぁ、綺麗だ」
「綺麗? ちょっと、私の話聞いてた?」
「――ん? あぁ、すまん、聞いてなかった」
「ひどーい、そんなに紅葉が好きならここにずっと居れば」
「そう怒るな、帰りに抹茶餡蜜か抹茶パフェでも食べるか?」
「この雷様を物で釣ろうだなんて舐められたものね」
「じゃあ伊良湖の作った新作最中でどうだ」
「……欲しい」
「呆気なく釣れたな」
「だって伊良湖さんの最中美味しいんだもん」
(今より成長しても、どっちの顔も見せてくれりゃいいんだが)
「ちょっと司令官、また私の話聞いてないでしょー」
「聞いてる聞いてる、雷が食いしん坊って話だろ」
「~~司令官のバカー!」
――――次は暁型全員で冬に来てみるか。
――――その時は司令官、暁から目を離さないでね?
――――お前少しは姉を信用しろよ……。
38: ◆UeZ8dRl.OE 2014/11/25(火) 01:37:32.21 ID:UkyBdZKN0
――――提督執務室
「――延々話をループさせる艦娘が三人居るのを知ってるか?」
「いいえ、知らないわ」
「一人目はな、九九艦爆の足について延々語るんだ」
「その子なら良く知ってるわ」
「二人目はな、姉の改二についての話を夕方から明け方まで続けやがったんだ」
「本人も改二になって喜んでたわね」
「そして三人目はな、とある駆逐艦娘の寝顔やらパジャマ姿やらアイス食べてる姿やらを見せながら可愛さについて延々語るんだ」
「その駆逐艦娘が本当に可愛いんだから仕方無いわ」
「――大鳳、シスコンも度が過ぎると嫌われるぞ」
「そうなったら提督を道連れに死にます」
「冗談に聞こえなかったのは気のせいにしておく」
「そういえばこの前私が作ったドーナツを食べている時のムービーがここに」
「それ長くなるパターンだからせめて寝る前にしてくれ、夕方はキツイ」
「浦風がドーナツ食べて笑ってるのをいつ見るの?」
「瑞鳳の持ちネタをパクんな。後、今じゃない」
「――提督も、食べますか?」
「あるなら食べる」
「夕飯、ドーナツでも構いませんよね」
「大いに構うが?」
「――延々話をループさせる艦娘が三人居るのを知ってるか?」
「いいえ、知らないわ」
「一人目はな、九九艦爆の足について延々語るんだ」
「その子なら良く知ってるわ」
「二人目はな、姉の改二についての話を夕方から明け方まで続けやがったんだ」
「本人も改二になって喜んでたわね」
「そして三人目はな、とある駆逐艦娘の寝顔やらパジャマ姿やらアイス食べてる姿やらを見せながら可愛さについて延々語るんだ」
「その駆逐艦娘が本当に可愛いんだから仕方無いわ」
「――大鳳、シスコンも度が過ぎると嫌われるぞ」
「そうなったら提督を道連れに死にます」
「冗談に聞こえなかったのは気のせいにしておく」
「そういえばこの前私が作ったドーナツを食べている時のムービーがここに」
「それ長くなるパターンだからせめて寝る前にしてくれ、夕方はキツイ」
「浦風がドーナツ食べて笑ってるのをいつ見るの?」
「瑞鳳の持ちネタをパクんな。後、今じゃない」
「――提督も、食べますか?」
「あるなら食べる」
「夕飯、ドーナツでも構いませんよね」
「大いに構うが?」
47: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/01(月) 22:53:02.50 ID:6disF1780
・電&加賀『何となく二人で』、投下します
昔は見上げていた人を、見下ろすようになった時の何とも言えない感覚
昔は見上げていた人を、見下ろすようになった時の何とも言えない感覚
48: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/01(月) 22:53:36.97 ID:6disF1780
――――鎮守府。
「金剛、アッサムを」
「比叡のカレーを一緒にどうデス?」
「紅茶を出す店に来て、それを頼むのはかなり稀有な存在ね」
「駆逐艦の子達やカレー好きな人には好評ネー。ほら、あそこでも食べてマース」
(アレは……)
「電」
「あっ加賀さん、こんにちは」
「同席してもいいかしら」
「はいなのです」
「一人なの?」
「暁はレディー修行、響はふらっと何処かへ、雷は夕張さんにご飯を作りに行ったのです」
「そう」
「今日はお休みなのですか?」
「えぇ」
「……」
「……」
(困ったのです。加賀さんと共通の話題が無いのです……)
(カレー、確かに美味しそうね)
「――か、加賀さん」
「何?」
「この後、お暇なら買い物に付き合ってもらえますか?」
「そうね……いいでしょう、何を買いに行くの?」
「なのとていとくの食器やご飯なのです」
「そう、ではヒトヨンマルマルに鎮守府入口で待ち合わせましょう」
「はいなのです」
「金剛、追加注文を」
「金剛、アッサムを」
「比叡のカレーを一緒にどうデス?」
「紅茶を出す店に来て、それを頼むのはかなり稀有な存在ね」
「駆逐艦の子達やカレー好きな人には好評ネー。ほら、あそこでも食べてマース」
(アレは……)
「電」
「あっ加賀さん、こんにちは」
「同席してもいいかしら」
「はいなのです」
「一人なの?」
「暁はレディー修行、響はふらっと何処かへ、雷は夕張さんにご飯を作りに行ったのです」
「そう」
「今日はお休みなのですか?」
「えぇ」
「……」
「……」
(困ったのです。加賀さんと共通の話題が無いのです……)
(カレー、確かに美味しそうね)
「――か、加賀さん」
「何?」
「この後、お暇なら買い物に付き合ってもらえますか?」
「そうね……いいでしょう、何を買いに行くの?」
「なのとていとくの食器やご飯なのです」
「そう、ではヒトヨンマルマルに鎮守府入口で待ち合わせましょう」
「はいなのです」
「金剛、追加注文を」
49: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/01(月) 22:54:11.93 ID:6disF1780
――――街。
「加賀さんが髪を下ろしている姿、新鮮なのです」
「赤城さんに、この服なら下ろした方が似合うと強引に……」
「電も、早く大人の女性が着る服が似合うようになりたいのです」
「――大きくなったわね、貴女も」
「もう少しで、加賀さんに追い付きます」
「そう簡単に追い付かせません」
「あ、頭を押さえちゃダメなのです!」
「撫でているだけよ」
「……ふふっ」
「?」
「加賀さん、司令官に似てきたのです」
「それは、誉められているの……?」
「一緒に居ると、いつの間にか凄く安らいでいるのです」
「……そう」
「――手、繋いでもいいですか?」
「……えぇ」
――――(流石に気分が高揚します)
――――(子猫を抱いて加賀さんが微笑んでるのです……写真を撮って司令官に見せてあげないと)
「加賀さんが髪を下ろしている姿、新鮮なのです」
「赤城さんに、この服なら下ろした方が似合うと強引に……」
「電も、早く大人の女性が着る服が似合うようになりたいのです」
「――大きくなったわね、貴女も」
「もう少しで、加賀さんに追い付きます」
「そう簡単に追い付かせません」
「あ、頭を押さえちゃダメなのです!」
「撫でているだけよ」
「……ふふっ」
「?」
「加賀さん、司令官に似てきたのです」
「それは、誉められているの……?」
「一緒に居ると、いつの間にか凄く安らいでいるのです」
「……そう」
「――手、繋いでもいいですか?」
「……えぇ」
――――(流石に気分が高揚します)
――――(子猫を抱いて加賀さんが微笑んでるのです……写真を撮って司令官に見せてあげないと)
56: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/03(水) 00:10:52.30 ID:9q7qMNIP0
・由良『えっと……ここ』、投下します
タイトル変更、由良さんマイペース
タイトル変更、由良さんマイペース
57: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/03(水) 00:11:46.90 ID:9q7qMNIP0
――――神社。
「こういうの、好きなのか?」
「何処かへ行きたいなって思って、目を閉じて開いたページに載ってる場所に行こうって決めたの」
「その結果がこれ、か……俺は昔からこういうの好きな方だから構わんが、お前的にはどうなんだ?」
「――うん、落ち着く」
「そうか、なら良かったな」
「火って、私達にとっては悪いイメージばかりだけど、この火はどこか安らぐの」
(艦娘にとっての火は、戦いに直結しやすいからな……)
「提督さん、火って、暖かいね」
「あぁ、鎮守府にも暖炉を一つぐらい設置するのもいいかもしれん。エアコンとファンヒーターだけってのも味気無い気がしてきた」
「うん、いいかも。皆で集まって、そこでチーズフォンデュとかしたい」
「流石に全員はどう考えても無理だが、お前達姉妹でなら十分出来そうだな」
「提督さんもちゃんと参加してね? ね?」
「引っ張らなくてもちゃんと参加する、安心しろ」
「うん。――あのね、このお火焚きって鎮魂の儀式でもあるんだって」
「鎮魂、か……」
「だからなのかな、私が安らぐの」
「――帰るぞ」
「大丈夫だよ、提督さん」
「……」
「大丈夫、まだまだ未練あるから、消えたりしない」
「……一陽来復の祈りも込められてるって話だ。消し炭もらって帰ったら長良達に良いお土産になるんじゃないか?」
「うん、一抱えぐらいでいいかな?」
「置き場に困るからやめとけ」
――――提督さん、次は五山の送り火とかも連れて行って。
――――何だ、こういう行事に興味が湧いたのか?
――――うん、お寺とかも色々行ってみたい。
――――じゃあ次は京都観光だな。
「こういうの、好きなのか?」
「何処かへ行きたいなって思って、目を閉じて開いたページに載ってる場所に行こうって決めたの」
「その結果がこれ、か……俺は昔からこういうの好きな方だから構わんが、お前的にはどうなんだ?」
「――うん、落ち着く」
「そうか、なら良かったな」
「火って、私達にとっては悪いイメージばかりだけど、この火はどこか安らぐの」
(艦娘にとっての火は、戦いに直結しやすいからな……)
「提督さん、火って、暖かいね」
「あぁ、鎮守府にも暖炉を一つぐらい設置するのもいいかもしれん。エアコンとファンヒーターだけってのも味気無い気がしてきた」
「うん、いいかも。皆で集まって、そこでチーズフォンデュとかしたい」
「流石に全員はどう考えても無理だが、お前達姉妹でなら十分出来そうだな」
「提督さんもちゃんと参加してね? ね?」
「引っ張らなくてもちゃんと参加する、安心しろ」
「うん。――あのね、このお火焚きって鎮魂の儀式でもあるんだって」
「鎮魂、か……」
「だからなのかな、私が安らぐの」
「――帰るぞ」
「大丈夫だよ、提督さん」
「……」
「大丈夫、まだまだ未練あるから、消えたりしない」
「……一陽来復の祈りも込められてるって話だ。消し炭もらって帰ったら長良達に良いお土産になるんじゃないか?」
「うん、一抱えぐらいでいいかな?」
「置き場に困るからやめとけ」
――――提督さん、次は五山の送り火とかも連れて行って。
――――何だ、こういう行事に興味が湧いたのか?
――――うん、お寺とかも色々行ってみたい。
――――じゃあ次は京都観光だな。
62: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/04(木) 19:38:58.80 ID:SgVkKJW/0
・夕張&軽巡『夕張改造計画』、投下します
服装実験軽巡、ご想像にお任せします
ゆるふわウェーブとかいいかも
服装実験軽巡、ご想像にお任せします
ゆるふわウェーブとかいいかも
63: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/04(木) 19:39:41.08 ID:SgVkKJW/0
――――工廠。
「――ねぇ、私何で縛られてるの?」
「縛らないと逃げそうだからよ~」
「今から逃げたくなるようなことされるの!?」
「大人しくしてれば悪いようにはしないクマー」
「メカ夕張! ヘルプ! 助けて!」
「マスター、諦めが肝心という言葉を送らせて頂きます」
「その洋服どこで――まさか買収されたの!?」
「あら、人聞きの悪いこと言わないでちょうだい、ただのプレゼントよ」
「五十鈴まで……私をどうする気?」
「今からするのはね~」
「夕張に最近欠けているものを教える行為クマ」
「私に欠けてるもの……?」
「そう――女子力チェックよ」
「――ねぇ、私何で縛られてるの?」
「縛らないと逃げそうだからよ~」
「今から逃げたくなるようなことされるの!?」
「大人しくしてれば悪いようにはしないクマー」
「メカ夕張! ヘルプ! 助けて!」
「マスター、諦めが肝心という言葉を送らせて頂きます」
「その洋服どこで――まさか買収されたの!?」
「あら、人聞きの悪いこと言わないでちょうだい、ただのプレゼントよ」
「五十鈴まで……私をどうする気?」
「今からするのはね~」
「夕張に最近欠けているものを教える行為クマ」
「私に欠けてるもの……?」
「そう――女子力チェックよ」
64: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/04(木) 19:40:28.12 ID:SgVkKJW/0
「食事はどうしてるの~?」
「メカ夕張に蕎麦を作ってもらってるわ。後は遊びに来た子達が持ってきたお菓子とか」
「一番最近外出したのはいつだクマ?」
「えっとぉ……二回前の秘書艦日?」
「服とか下着とか、身に付けるものを最後に買ったのはいつ?」
「明石に頼んで買ってきて貰ったのが確か……一年前?」
「色々試してみても~なんて言ってるのに、自分では試さないのね~」
「だって、基本ここで作業してるから着飾る必要無いんだもん」
「着替えてお風呂に入ってるだけ、マシと言えなくもないクマ」
「――トリートメントは?」
「うっ……つ、使ってるワヨ?」
「嘘はダ~メ」
「ハイ、ゴメンナサイ」
「五十鈴、どう思うクマ?」
「素材はいいんだから、本人の意識次第じゃない?」
「じゃあサイズ的に球磨ちゃんのが一番近いから、服の用意お願いね~」
「了解クマ」
「髪は五十鈴に任せて」
「ならメイクは私ね~」
「サポート致します」
「別に私は気にしてないんだけど……」
「あら、提督に可愛いって言われたくないの?」
「きっと喜んでくれるクマ」
「それに~今のままだと、メカちゃんに女子力負けてるんじゃないかな~」
「……分かったわよ、煮るなり焼くなり好きにすればいいじゃない」
「じゃあまずは――」
「お風呂だよ~」
「メカ夕張に蕎麦を作ってもらってるわ。後は遊びに来た子達が持ってきたお菓子とか」
「一番最近外出したのはいつだクマ?」
「えっとぉ……二回前の秘書艦日?」
「服とか下着とか、身に付けるものを最後に買ったのはいつ?」
「明石に頼んで買ってきて貰ったのが確か……一年前?」
「色々試してみても~なんて言ってるのに、自分では試さないのね~」
「だって、基本ここで作業してるから着飾る必要無いんだもん」
「着替えてお風呂に入ってるだけ、マシと言えなくもないクマ」
「――トリートメントは?」
「うっ……つ、使ってるワヨ?」
「嘘はダ~メ」
「ハイ、ゴメンナサイ」
「五十鈴、どう思うクマ?」
「素材はいいんだから、本人の意識次第じゃない?」
「じゃあサイズ的に球磨ちゃんのが一番近いから、服の用意お願いね~」
「了解クマ」
「髪は五十鈴に任せて」
「ならメイクは私ね~」
「サポート致します」
「別に私は気にしてないんだけど……」
「あら、提督に可愛いって言われたくないの?」
「きっと喜んでくれるクマ」
「それに~今のままだと、メカちゃんに女子力負けてるんじゃないかな~」
「……分かったわよ、煮るなり焼くなり好きにすればいいじゃない」
「じゃあまずは――」
「お風呂だよ~」
65: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/04(木) 19:41:06.44 ID:SgVkKJW/0
――――提督執務室。
「――ん? 誰だ?」
――球磨だクマー、お届けモノだクマー。
「届け物? まぁいい、とりあえず入れ」
「し、失礼、します」
「何だ、球磨以外にも誰か……」
「あの、球磨達がお洒落しろってうるさかったから今こういう恰好してるんだけど……やっぱり変、ですか?」
「……たまには、いいんじゃないか。その、何だ、似合ってる」
――提督もっと感想言えクマー。
――五十鈴が協力したのよ、コーディネートは完璧に決まってるじゃない。
――今度は天龍ちゃんにもやってあげよっと。
――マスターの心拍数と体温上昇、状況から推察するに“照れ”というものだと認識。
「はぁ……一日オモチャにされた気分だわ……」
「良かったな、久しぶりに実験する側からされる側に回れて」
「も~提督までからかわないでってばー」
「――この後、飯でもどうだ?」
「へっ!? あっ、はい、お蕎麦ならどこでも」
(やっぱり蕎麦か……まぁいいか、今日は新鮮な気分で食えそうだしな)
――――私の作った服も試着してもらえますか~?
――――バーゲンで買ったけどうちにはちょっと大きいんよ。これも着てみてもらえへん?
――――ちょ、ちょっと待って、何で皆私のところに来るのよー!?
――――(マスターが幸せそうで何よりです。――マスターが着れるなら、私にも着れますね)
「――ん? 誰だ?」
――球磨だクマー、お届けモノだクマー。
「届け物? まぁいい、とりあえず入れ」
「し、失礼、します」
「何だ、球磨以外にも誰か……」
「あの、球磨達がお洒落しろってうるさかったから今こういう恰好してるんだけど……やっぱり変、ですか?」
「……たまには、いいんじゃないか。その、何だ、似合ってる」
――提督もっと感想言えクマー。
――五十鈴が協力したのよ、コーディネートは完璧に決まってるじゃない。
――今度は天龍ちゃんにもやってあげよっと。
――マスターの心拍数と体温上昇、状況から推察するに“照れ”というものだと認識。
「はぁ……一日オモチャにされた気分だわ……」
「良かったな、久しぶりに実験する側からされる側に回れて」
「も~提督までからかわないでってばー」
「――この後、飯でもどうだ?」
「へっ!? あっ、はい、お蕎麦ならどこでも」
(やっぱり蕎麦か……まぁいいか、今日は新鮮な気分で食えそうだしな)
――――私の作った服も試着してもらえますか~?
――――バーゲンで買ったけどうちにはちょっと大きいんよ。これも着てみてもらえへん?
――――ちょ、ちょっと待って、何で皆私のところに来るのよー!?
――――(マスターが幸せそうで何よりです。――マスターが着れるなら、私にも着れますね)
72: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/04(木) 20:06:32.01 ID:SgVkKJW/0
・春雨&?『ハルサメ、タベタイ』
・吹雪『私の一日』
・涼風『てやんでぇー!』
・古鷹改二『やっちゃった……』
・野分『のわっち以外の方向で』
以上五本でお送りします
・吹雪『私の一日』
・涼風『てやんでぇー!』
・古鷹改二『やっちゃった……』
・野分『のわっち以外の方向で』
以上五本でお送りします
92: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/07(日) 00:09:07.53 ID:FTuzwR160
・春雨&?『ハルサメ、タベタイ』 、投下します
悪雨ちゃん
悪雨ちゃん
93: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/07(日) 00:09:42.55 ID:FTuzwR160
――――食堂。
「麻婆春雨お願いします」
「はーい」
(席はどうしよう……)
――メシウマ!
――やっぱカレーだよねぇ。
――コレはお子様ランチじゃないもん!
――ごっはん~ごっはん~。
(あっ夕立姉さん、あそこに――)
「きゃあっ!?」
「ひゃうっ!? 間宮さん、どうしたんですか?」
「今、棚を開けたら何か小さくて速いのが飛び出してきて……」
「えっ……あの、それって……」
「あぁ心配しないで春雨ちゃん、アレじゃないのは確かよ」
「そ、そうですか」
「――あら?」
「?」
「春雨が減ってる……昨日から使って無いのに、おかしいわね……」
「大鯨さんか伊良湖さんが使ったんじゃないでしょうか」
「でも、コレ見て?」
「――“春雨ちゃん専用春雨”……?」
「何時も頼んでくれるから、貴女のは別に置いてあるの」
(知らなかった……)
「とにかく、すぐに作るわね。辛さはどうする?」
「お任せします」
――デスソースありますけど、使いますかー?
「伊良湖、春雨ちゃん涙目で震えてるから仕舞っておいて」
「麻婆春雨お願いします」
「はーい」
(席はどうしよう……)
――メシウマ!
――やっぱカレーだよねぇ。
――コレはお子様ランチじゃないもん!
――ごっはん~ごっはん~。
(あっ夕立姉さん、あそこに――)
「きゃあっ!?」
「ひゃうっ!? 間宮さん、どうしたんですか?」
「今、棚を開けたら何か小さくて速いのが飛び出してきて……」
「えっ……あの、それって……」
「あぁ心配しないで春雨ちゃん、アレじゃないのは確かよ」
「そ、そうですか」
「――あら?」
「?」
「春雨が減ってる……昨日から使って無いのに、おかしいわね……」
「大鯨さんか伊良湖さんが使ったんじゃないでしょうか」
「でも、コレ見て?」
「――“春雨ちゃん専用春雨”……?」
「何時も頼んでくれるから、貴女のは別に置いてあるの」
(知らなかった……)
「とにかく、すぐに作るわね。辛さはどうする?」
「お任せします」
――デスソースありますけど、使いますかー?
「伊良湖、春雨ちゃん涙目で震えてるから仕舞っておいて」
94: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/07(日) 00:10:30.00 ID:FTuzwR160
「はーい、お待ち遠様ー」
「ありがとうございます」
「春雨スープも今作ってるから、すぐに持ってくるわね」
「え? 注文してないのにいいんですか……?」
「いいのよ。今ちょうど暇になったし、春雨ちゃんが美味しそうに食べてるの見て、他の人も注文してくれるようになるから」
「春雨美味しそう! 夕立もスープ欲しいっぽい!」
「ね?」
「あはは……じゃあ冷めないうちに――」
「イタダキマス」
「……え?」
「ツルツル食感、程好クピリリトシタ餡、美味シイ。良イ仕事シテル」
「へ? あ、はい、どういたしまして?」
「スープモ、飲ミタイ」
「えーっと、春雨ちゃんお知り合い?」
「し、知りません……」
「貴女、お名前は?」
「駆逐棲姫」
「――やっぱり、深海棲艦っぽい?」
「ありがとうございます」
「春雨スープも今作ってるから、すぐに持ってくるわね」
「え? 注文してないのにいいんですか……?」
「いいのよ。今ちょうど暇になったし、春雨ちゃんが美味しそうに食べてるの見て、他の人も注文してくれるようになるから」
「春雨美味しそう! 夕立もスープ欲しいっぽい!」
「ね?」
「あはは……じゃあ冷めないうちに――」
「イタダキマス」
「……え?」
「ツルツル食感、程好クピリリトシタ餡、美味シイ。良イ仕事シテル」
「へ? あ、はい、どういたしまして?」
「スープモ、飲ミタイ」
「えーっと、春雨ちゃんお知り合い?」
「し、知りません……」
「貴女、お名前は?」
「駆逐棲姫」
「――やっぱり、深海棲艦っぽい?」
95: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/07(日) 00:10:58.43 ID:FTuzwR160
――――提督執務室。
(また増えたか……)
「クーちゃん、春雨スープのお代わり持ってきたの?」
「一杯ジャ、満足出来ナカッタシ」
「ヲーちゃん、リトちゃんに続いてクーちゃんか。ここの鎮守府は深海棲艦に好かれてるのかもしれんな」
「あの、何だか奇妙な親近感があるのでこの子もここに置いて貰えないでしょうか」
「そもそもうち以外に行かれると面倒なことになる、当然そのつもりだ。お前も異論は無いな?」
「オ前ノ指図ハ受ケナイ。デモ、春雨ヲ毎日クレルナラ居テアゲテモイイ」
「……見た目は春雨に似てるが、性格は悪いな」
「あの、すみません……」
「お前が謝る必要は無いぞ。それに、リトも大概口は悪い」
「ヤッパリ、ココニ仲間ガ居タノネ」
「仲間が居るかどうか分かるのか?」
「結晶ノ欠片ヲ拾ッタハズヨ、アレニ私達ハ惹カレルノ」
(リトの奴、そんなこと言いやがらなかったぞ……)
「クーちゃん、あの、頭にスープが……」
「オ構イ無ク」
(うぅ、後でシャワー浴びなきゃ……)
――――駆逐棲姫のクーちゃんが春雨の帽子に居座るようになりました。
(また増えたか……)
「クーちゃん、春雨スープのお代わり持ってきたの?」
「一杯ジャ、満足出来ナカッタシ」
「ヲーちゃん、リトちゃんに続いてクーちゃんか。ここの鎮守府は深海棲艦に好かれてるのかもしれんな」
「あの、何だか奇妙な親近感があるのでこの子もここに置いて貰えないでしょうか」
「そもそもうち以外に行かれると面倒なことになる、当然そのつもりだ。お前も異論は無いな?」
「オ前ノ指図ハ受ケナイ。デモ、春雨ヲ毎日クレルナラ居テアゲテモイイ」
「……見た目は春雨に似てるが、性格は悪いな」
「あの、すみません……」
「お前が謝る必要は無いぞ。それに、リトも大概口は悪い」
「ヤッパリ、ココニ仲間ガ居タノネ」
「仲間が居るかどうか分かるのか?」
「結晶ノ欠片ヲ拾ッタハズヨ、アレニ私達ハ惹カレルノ」
(リトの奴、そんなこと言いやがらなかったぞ……)
「クーちゃん、あの、頭にスープが……」
「オ構イ無ク」
(うぅ、後でシャワー浴びなきゃ……)
――――駆逐棲姫のクーちゃんが春雨の帽子に居座るようになりました。
104: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/07(日) 18:50:34.34 ID:FTuzwR160
潮→プリティーポイズン(卯月が付けた)
朧→スロージャンキー(卯月が)
曙→反抗期ガール(卯月)
朧→スロージャンキー(卯月が)
曙→反抗期ガール(卯月)
113: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/08(月) 02:44:19.26 ID:7jQHJ+PN0
・吹雪『私の一日』、投下します
死者の目覚め
怠惰スーツ
236B→追加A→214C
死者の目覚め
怠惰スーツ
236B→追加A→214C
114: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/08(月) 02:44:53.41 ID:7jQHJ+PN0
――――吹雪型私室。
「吹雪、起きて」
「んぅ……後五分……」
「起きないと、こうです」
「~~!? あ、頭がぐわんぐわんするぅ……」
「し、白雪、それやる時は先に何か言ってくれよ……」
「叢雲、もう終わった……?」
「終わったから耳栓外していいわよ、磯波」
「すぅ……すぅ……」
(初雪の怠惰スーツ、完全防音だからこういう時は便利ね)
「白雪、皆の鼓膜が大破しかねないからそれは非常手段でって言わなかったっけ……?」
「今日は加賀さんが外出する予定で、大淀さんもあきつ丸さんと他の鎮守府へ出掛けるから大変って言ってたのは吹雪だよ?」
「・・・あーっ!? すぐに引き継ぎしないと加賀さん達出掛けきゃあっ!?」
「ちょっと落ち着けっての、パジャマで行く気か」
「寝癖も酷いわ、整えてあげるからこっち来なさいよ」
「で、でも時間が……」
「――準備はゆっくりでいいわ、ここで引き継ぎをします」
「加賀さん!?」
「今日は午前に地域の方々との懇親会、午後は遊技場でのイベント運営と新規着任艦娘達との面談、夕方には昨日霧島達に頼んでおいた侵入者対策マニュアルのチェック、後は――」
「吹雪、起きて」
「んぅ……後五分……」
「起きないと、こうです」
「~~!? あ、頭がぐわんぐわんするぅ……」
「し、白雪、それやる時は先に何か言ってくれよ……」
「叢雲、もう終わった……?」
「終わったから耳栓外していいわよ、磯波」
「すぅ……すぅ……」
(初雪の怠惰スーツ、完全防音だからこういう時は便利ね)
「白雪、皆の鼓膜が大破しかねないからそれは非常手段でって言わなかったっけ……?」
「今日は加賀さんが外出する予定で、大淀さんもあきつ丸さんと他の鎮守府へ出掛けるから大変って言ってたのは吹雪だよ?」
「・・・あーっ!? すぐに引き継ぎしないと加賀さん達出掛けきゃあっ!?」
「ちょっと落ち着けっての、パジャマで行く気か」
「寝癖も酷いわ、整えてあげるからこっち来なさいよ」
「で、でも時間が……」
「――準備はゆっくりでいいわ、ここで引き継ぎをします」
「加賀さん!?」
「今日は午前に地域の方々との懇親会、午後は遊技場でのイベント運営と新規着任艦娘達との面談、夕方には昨日霧島達に頼んでおいた侵入者対策マニュアルのチェック、後は――」
115: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/08(月) 02:45:26.06 ID:7jQHJ+PN0
――――会議室。
「今日は御足労頂きありがとうございまひた!」
――お疲れ様、吹雪ちゃん。
――またうちにも食べに来てね。
――赤城の嬢ちゃんに超ドカ盛り作ったって言っといてくれや。
「はい、伝えておきますね」
(噛んじゃったの、バレてないといいなぁ……)
――――遊技場。
「焦らなくても参加賞のお菓子は全員分あるよー!」
――あっ、姉ちゃんのパンツ白だー!
「きゃあっ!?」
「そんなイタズラする子にはー弥生のお仕置きぴょん」
「ごめんなさい、して」
――痛い、痛いってば!? グリグリはやめてよ弥生姉ちゃん!
「や、弥生、私は大丈夫だから」
「イタズラには、しっかりお仕置き、です」
――ごめんなさいもうしないから許してっ!
「うん、もうしちゃ、ダメ」
「因みに弥生は今日はピンクだぴょん」
「ふんっ!」
「見切ったぴょん!」
「ちょうしんちゅう」
「しまっ――」
「せんしっぽ」
「見よう見まねで何で出来るんだぴょぉぉぉぉぉぉ……」
「イタズラはダメ、です」
(卯月、吹き飛んでったけど大丈夫かな……?)
「今日は御足労頂きありがとうございまひた!」
――お疲れ様、吹雪ちゃん。
――またうちにも食べに来てね。
――赤城の嬢ちゃんに超ドカ盛り作ったって言っといてくれや。
「はい、伝えておきますね」
(噛んじゃったの、バレてないといいなぁ……)
――――遊技場。
「焦らなくても参加賞のお菓子は全員分あるよー!」
――あっ、姉ちゃんのパンツ白だー!
「きゃあっ!?」
「そんなイタズラする子にはー弥生のお仕置きぴょん」
「ごめんなさい、して」
――痛い、痛いってば!? グリグリはやめてよ弥生姉ちゃん!
「や、弥生、私は大丈夫だから」
「イタズラには、しっかりお仕置き、です」
――ごめんなさいもうしないから許してっ!
「うん、もうしちゃ、ダメ」
「因みに弥生は今日はピンクだぴょん」
「ふんっ!」
「見切ったぴょん!」
「ちょうしんちゅう」
「しまっ――」
「せんしっぽ」
「見よう見まねで何で出来るんだぴょぉぉぉぉぉぉ……」
「イタズラはダメ、です」
(卯月、吹き飛んでったけど大丈夫かな……?)
116: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/08(月) 02:46:00.93 ID:7jQHJ+PN0
――――提督執務室。
「お疲れ吹雪。ほら、カフェオレだ」
「あっ、ありがとうございます」
「悪いな、今日は二人が居ないから任せっきりになって」
「司令官こそ、書類が山になってますよ」
「あー……まぁ、何とかなるさ」
「――こうしてると、初めて司令官と会った日を思い出しますね」
「あの時は書類じゃなくて段ボールの山だったがな」
「私の机が無くて、その段ボールで書類書いてました」
「お尻が痛いって言うからクッションは買ってやっただろ」
「クッションじゃなくて座布団でしたよ」
「大した差は無いだろ。それより、あの時座った瞬間に硬いってボソッと呟いたの、しっかり聞こえてたからな?」
「だって、本当に硬かったんです。結局あの座布団、最後は丸めてお昼寝の枕代わりに使うようになってましたし」
「枕にするにも硬かったがな」
「アレ、今もちゃんと仕舞っておいてあるんですよ?」
「俺が最後に見た時ですらボロボロだったのに、まだ置いてたのか」
「……だって、捨てられるわけないじゃないですか。硬くても、ボロボロでも、司令官から最初に貰った贈り物なんですから」
「――ハンカチと、少し焦げたクッキーだったな」
「さ、さぁ司令官、そろそろお話はこのぐらいにして書類をやっちゃいましょう」
「“辛い時も、苦しい時も、一緒に乗り越えて行きましょうね、司令官”、だったか」
「何で一言一句忘れずに覚えてるんですか!?」
「そりゃあ嬉しかったからな、本当の意味でお前達の提督になれた気がして」
「――艦娘としての私達の司令官は、貴方一人だけです。これからも、この先もずっと」
「……あぁ」
――――吹雪、今日は司令官とデートの約束じゃないんですか?
――――んぅ……えっ、今何時!?
――――マルナナサンマルです。
――――ち……ち……遅刻しちゃうー!
「お疲れ吹雪。ほら、カフェオレだ」
「あっ、ありがとうございます」
「悪いな、今日は二人が居ないから任せっきりになって」
「司令官こそ、書類が山になってますよ」
「あー……まぁ、何とかなるさ」
「――こうしてると、初めて司令官と会った日を思い出しますね」
「あの時は書類じゃなくて段ボールの山だったがな」
「私の机が無くて、その段ボールで書類書いてました」
「お尻が痛いって言うからクッションは買ってやっただろ」
「クッションじゃなくて座布団でしたよ」
「大した差は無いだろ。それより、あの時座った瞬間に硬いってボソッと呟いたの、しっかり聞こえてたからな?」
「だって、本当に硬かったんです。結局あの座布団、最後は丸めてお昼寝の枕代わりに使うようになってましたし」
「枕にするにも硬かったがな」
「アレ、今もちゃんと仕舞っておいてあるんですよ?」
「俺が最後に見た時ですらボロボロだったのに、まだ置いてたのか」
「……だって、捨てられるわけないじゃないですか。硬くても、ボロボロでも、司令官から最初に貰った贈り物なんですから」
「――ハンカチと、少し焦げたクッキーだったな」
「さ、さぁ司令官、そろそろお話はこのぐらいにして書類をやっちゃいましょう」
「“辛い時も、苦しい時も、一緒に乗り越えて行きましょうね、司令官”、だったか」
「何で一言一句忘れずに覚えてるんですか!?」
「そりゃあ嬉しかったからな、本当の意味でお前達の提督になれた気がして」
「――艦娘としての私達の司令官は、貴方一人だけです。これからも、この先もずっと」
「……あぁ」
――――吹雪、今日は司令官とデートの約束じゃないんですか?
――――んぅ……えっ、今何時!?
――――マルナナサンマルです。
――――ち……ち……遅刻しちゃうー!
122: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/09(火) 21:16:12.52 ID:ZHswbrvt0
・涼風『てやんでぇー!』、投下します
タイトルは落ち込んだ涼風が海に叫んだ一言です
タイトルは落ち込んだ涼風が海に叫んだ一言です
123: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/09(火) 21:16:47.91 ID:ZHswbrvt0
――――カフェ『バーニングラブ』
「大鳳さん、あたいに話ってなんだい?」
「私、ずっと涼風に聞こうと思ってたけど、聞けなかったことがあるの」
「いいよ、何でも聞いて、昨日今日知り合った仲じゃないんだしさ」
「あのね、涼風――何で、江戸っ子口調なの?」
「この口調かい? 実はさ、元々はあたいも普通に話してたんだよ」
「それなら、何で今の口調に?」
「ほら、あたいって五月雨と背格好とか髪の色とかよく似てるだろ? だから、せめて話せば一発でどっちか分かるように、今の口調にしたって訳さ」
「今みたいに髪を短くするとかじゃダメだったの?」
「そうする予定だったんだけど、あたいが切るなら私も切るって五月雨が言い出して……」
「五月雨、貴女のこと大好きだものね」
「気持ちは嬉しかったんだけど、それじゃ本末転倒になるし、たまたま前の鎮守府の近所にちゃきちゃきの江戸っ子の爺さんが居たから、その爺さんの話す言葉をマネし始めたのさ」
「居たのは関東の鎮守府だったの?」
「ううん、東北」
「じゃあ東北の方言でもよかったんじゃない?」
「大鳳さん、マネってさ、ある程度理解出来ないと無理なんだよ……」
(そこまで方言がキツイって、一体どこに居たのかしら……)
「――ちょっと待って、なら何で今は髪を短くしてるの?」
「そりゃあ……アレだよアレ、そういう気分だったってだけの話。もういいかい? 紅茶御馳走様!」
「えっ? ちょ、ちょっと涼か――行っちゃったわ……あっ金剛、紅茶お代わり」
――――涼風、ドライヤーお願いしてもいい?
――――いいよ、貸して。
――――もう涼風は伸ばさないの?
――――……五月雨は理由知ってるだろ、洗うのも楽だしあたいはもう絶対に伸ばさないよ。
――――(寝ぼけて私と間違えちゃったのぐらい許してあげればいいのになぁ……)
「大鳳さん、あたいに話ってなんだい?」
「私、ずっと涼風に聞こうと思ってたけど、聞けなかったことがあるの」
「いいよ、何でも聞いて、昨日今日知り合った仲じゃないんだしさ」
「あのね、涼風――何で、江戸っ子口調なの?」
「この口調かい? 実はさ、元々はあたいも普通に話してたんだよ」
「それなら、何で今の口調に?」
「ほら、あたいって五月雨と背格好とか髪の色とかよく似てるだろ? だから、せめて話せば一発でどっちか分かるように、今の口調にしたって訳さ」
「今みたいに髪を短くするとかじゃダメだったの?」
「そうする予定だったんだけど、あたいが切るなら私も切るって五月雨が言い出して……」
「五月雨、貴女のこと大好きだものね」
「気持ちは嬉しかったんだけど、それじゃ本末転倒になるし、たまたま前の鎮守府の近所にちゃきちゃきの江戸っ子の爺さんが居たから、その爺さんの話す言葉をマネし始めたのさ」
「居たのは関東の鎮守府だったの?」
「ううん、東北」
「じゃあ東北の方言でもよかったんじゃない?」
「大鳳さん、マネってさ、ある程度理解出来ないと無理なんだよ……」
(そこまで方言がキツイって、一体どこに居たのかしら……)
「――ちょっと待って、なら何で今は髪を短くしてるの?」
「そりゃあ……アレだよアレ、そういう気分だったってだけの話。もういいかい? 紅茶御馳走様!」
「えっ? ちょ、ちょっと涼か――行っちゃったわ……あっ金剛、紅茶お代わり」
――――涼風、ドライヤーお願いしてもいい?
――――いいよ、貸して。
――――もう涼風は伸ばさないの?
――――……五月雨は理由知ってるだろ、洗うのも楽だしあたいはもう絶対に伸ばさないよ。
――――(寝ぼけて私と間違えちゃったのぐらい許してあげればいいのになぁ……)
125: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/10(水) 00:26:43.35 ID:mv6TFMwr0
テイルズ、封神演義、メルブラで正解
元帥の現主力なら先の四名と二代目空母教導艦の千歳と二代目戦闘教導艦の霧島です、一代目は大鳳鎮守府で居酒屋と道場やってます
元帥の現主力なら先の四名と二代目空母教導艦の千歳と二代目戦闘教導艦の霧島です、一代目は大鳳鎮守府で居酒屋と道場やってます
126: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/10(水) 00:42:30.69 ID:mv6TFMwr0
※これは劇のようなものです。大鳳の行動がたまに突拍子もないものになったりするのをうまく制御しながら彼女に推理させて下さい。二時半までやって、また時間が出来た時に続きをやります。今日は触りだけになる予定。
「大変! 鎮守府で殺人事件が起きるなんて! 浦風、私達でこの事件の謎を解きましょう!」
「そ、そうじゃ。うちと姉さんで解決するんじゃー」
(緊張してる浦風可愛い)
「まずは犯行現場を確認しましょう。浦風、どこに行けばいいの?」
「えっとねぇ、最初は↓2じゃ」
以下の番号から選んでください。
1、空母寮
2、軽巡寮
3、駆逐艦寮
4、工廠
「大変! 鎮守府で殺人事件が起きるなんて! 浦風、私達でこの事件の謎を解きましょう!」
「そ、そうじゃ。うちと姉さんで解決するんじゃー」
(緊張してる浦風可愛い)
「まずは犯行現場を確認しましょう。浦風、どこに行けばいいの?」
「えっとねぇ、最初は↓2じゃ」
以下の番号から選んでください。
1、空母寮
2、軽巡寮
3、駆逐艦寮
4、工廠
128: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/10(水) 00:44:20.58 ID:Z9dsWdQ3o
なんとなく死人が出そうな工廠
129: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/10(水) 00:52:17.86 ID:mv6TFMwr0
――――工廠。
「マスター、マスター、あぁどうしましょう」
「メカ夕張、やっぱり被害者は夕張なのね」
「そうです。マスターが動かないのです」
「こ、これは……エビフライが口に詰まっとるんじゃ」
(こ、この死因何とかならなかったの……ずっと見てるとお腹が苦しい……)
「姉さん、とにかく↓2するんじゃ」
・1、メカ夕張にそばを御馳走してもらう
・2、夕張の口からエビフライを引き抜く
・3、本当に死んでいるか確認する
・4、ダイイングメッセージを調べる
「マスター、マスター、あぁどうしましょう」
「メカ夕張、やっぱり被害者は夕張なのね」
「そうです。マスターが動かないのです」
「こ、これは……エビフライが口に詰まっとるんじゃ」
(こ、この死因何とかならなかったの……ずっと見てるとお腹が苦しい……)
「姉さん、とにかく↓2するんじゃ」
・1、メカ夕張にそばを御馳走してもらう
・2、夕張の口からエビフライを引き抜く
・3、本当に死んでいるか確認する
・4、ダイイングメッセージを調べる
131: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/10(水) 00:57:47.43 ID:GLSM27Lpo
4
132: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/10(水) 01:08:09.63 ID:mv6TFMwr0
「あら? これは何かしら?」
――五月。
「五月って、皐月のことかねぇ?」
「でも、続きを書こうとして何かぐちゃぐちゃってした形跡があるわ。まだ続きがあったのかもしれない」
「マスター……だからあれほど文明機器に頼りすぎるといざという時困ると言っていたのに……」
「未完成なダイイングメッセージとか勘弁してくれないかしら」
「き、気を取り直して↓2じゃ」
・1、エビフライを調べる
・2、他の場所に移動する(空母寮、駆逐艦寮、軽巡寮のどれかを同時に指定)
・3、皐月が犯人だと決めつける
・4、夕張の脇をこそばす
――五月。
「五月って、皐月のことかねぇ?」
「でも、続きを書こうとして何かぐちゃぐちゃってした形跡があるわ。まだ続きがあったのかもしれない」
「マスター……だからあれほど文明機器に頼りすぎるといざという時困ると言っていたのに……」
「未完成なダイイングメッセージとか勘弁してくれないかしら」
「き、気を取り直して↓2じゃ」
・1、エビフライを調べる
・2、他の場所に移動する(空母寮、駆逐艦寮、軽巡寮のどれかを同時に指定)
・3、皐月が犯人だと決めつける
・4、夕張の脇をこそばす
134: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/10(水) 02:31:37.24 ID:Wp652Efv0
4
135: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/10(水) 02:44:26.74 ID:mv6TFMwr0
「そういえば、本当に死んでるの?」
「姉さん、よく刑事ドラマで見るアレをやってみるんじゃ」
「それじゃつまらなげふんげふん、ちゃんと確認できないわ浦風。だからこうしましょう、こちょこちょこちょこちょ」
「っ……っ……」
(夕張さん、顔真っ赤になっとる……)
「――ふぅ、ダメね、やっぱり死んでるわ」
「(マスター、耐えきるとはナイスガッツです)」
「これ以上ここに居ても新しい情報は得られなさそうね。浦風、次の犯行現場に向かいましょう」
「だったら次は↓2じゃね」
・1、駆逐艦寮
・2、軽巡寮
・3、空母寮
「姉さん、よく刑事ドラマで見るアレをやってみるんじゃ」
「それじゃつまらなげふんげふん、ちゃんと確認できないわ浦風。だからこうしましょう、こちょこちょこちょこちょ」
「っ……っ……」
(夕張さん、顔真っ赤になっとる……)
「――ふぅ、ダメね、やっぱり死んでるわ」
「(マスター、耐えきるとはナイスガッツです)」
「これ以上ここに居ても新しい情報は得られなさそうね。浦風、次の犯行現場に向かいましょう」
「だったら次は↓2じゃね」
・1、駆逐艦寮
・2、軽巡寮
・3、空母寮
136: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/10(水) 03:04:07.75 ID:MZy2A930O
1番で
137: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/10(水) 03:34:28.97 ID:mv6TFMwr0
――――駆逐艦寮。
「被害者は……長波に時雨、初風、朝雲もなの?」
「口にエビフライ、これは良いイラストが描けそう!」
「秋雲、せめて悲しむ演技ぐらいした方がえぇよ?」
「夕立もエビフライ食べたいっぽい!」
「この磯風が作ってやろう」
「本当の死人が出かねないのでやめてください」
「流石に今度は真面目に調べてみましょうか。エビフライは車海老、衣はサクサクで美味しそうね」
「それ、真面目に調べてるって言っていいんじゃろうか……」
「浦風、私はこの鎮守府に来て学んだの。楽しいことは全力で楽しまないと損なのよ?」
(長波の頬を突っつきながら言われてもいまいちピンと来んよ姉さん)
「被害者は……長波に時雨、初風、朝雲もなの?」
「口にエビフライ、これは良いイラストが描けそう!」
「秋雲、せめて悲しむ演技ぐらいした方がえぇよ?」
「夕立もエビフライ食べたいっぽい!」
「この磯風が作ってやろう」
「本当の死人が出かねないのでやめてください」
「流石に今度は真面目に調べてみましょうか。エビフライは車海老、衣はサクサクで美味しそうね」
「それ、真面目に調べてるって言っていいんじゃろうか……」
「浦風、私はこの鎮守府に来て学んだの。楽しいことは全力で楽しまないと損なのよ?」
(長波の頬を突っつきながら言われてもいまいちピンと来んよ姉さん)
138: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/10(水) 03:38:24.54 ID:mv6TFMwr0
流石に平日深夜だしこのスレ見てる人も少なかったですね、こんな感じでまた時間が出来た時にやります
・古鷹改二『やっちゃった……』、投下します
古鷹は天使(もう一つのスレから目を逸らしつつ)
・古鷹改二『やっちゃった……』、投下します
古鷹は天使(もう一つのスレから目を逸らしつつ)
139: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/10(水) 03:39:11.96 ID:mv6TFMwr0
――――古鷹型私室。
「加古、起きて、加古」
「んー……後五年……」
「もうっ、そんなに寝てたらすぐにお婆ちゃんになっちゃうよ。ほら、ちゃんと起きて」
「ふぁ~い……」
「今日は私が秘書艦の日だから、ちゃんとお昼御飯は自分で作るんだよ?」
「分かってるってば、あたしだって……やるときゃ、やる……ぐぅ」
「起き、て!」
「んがっ!?」
「あっ……やっちゃった……」
「加古、起きて、加古」
「んー……後五年……」
「もうっ、そんなに寝てたらすぐにお婆ちゃんになっちゃうよ。ほら、ちゃんと起きて」
「ふぁ~い……」
「今日は私が秘書艦の日だから、ちゃんとお昼御飯は自分で作るんだよ?」
「分かってるってば、あたしだって……やるときゃ、やる……ぐぅ」
「起き、て!」
「んがっ!?」
「あっ……やっちゃった……」
140: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/10(水) 03:39:50.99 ID:mv6TFMwr0
――――提督執務室。
「――それで、朝から加古は入渠って訳か」
「はい……羽黒さん達から聞いてたんですけど、予想してた以上に加減が難しくって……」
「まぁ普通ハリセンで机にめり込むような威力が出るとは思わんさ」
「提督、その、一緒に居るの怖くないですか?」
「もう慣れた。何度も吹き飛ばされたり爆発されたりぶん殴られたりしたからな、身体だけは頑丈だぞ」
「ふふっ、常勝不敗に不死身も加えちゃいます?」
「冗談でもやめろ古鷹、あのクソ爺は本気でやりかねん。――ん?」
「なっ、何ですか提督。顔、近いです……」
「いや、ちょっとお前の目が気になってな」
「目?」
「やっぱりそうだ、夕立と一緒でお前も目の色が変わってるぞ。ほら、鏡見てみろ」
「ホントだ、黒に変わってる。全然気付かなかった……」
「左目の方は変わってないみたいだが、そっちの調子はどうだ?」
「えっと、えいっ」
「うぎゃあぁぁぁぁっ!?」
「提督っ!?」
「目がっ!? 目がぁぁぁぁっ!?」
「ごめんなさい、光の強さも加減出来なくなってるみたいで……」
「い、いや、俺の不注意だ、気にするな。暫く目を閉じてればそのうちなんとかなる」
「――あの、治るまで書類も出来ないですし、少し休憩しませんか?」
――――青葉、見ちゃいました。
――――何の事?
――――わざと光を強くしましたね?
――――うん、目の下に隈が出来てたし、休んでもらいたかったから。
――――またまたぁ、膝枕したかっただけじゃないんですかー?
――――青葉も、したいならしてあげるといいよ。
――――……ストレートに返されちゃうと、青葉ちょっと困っちゃいます。
「――それで、朝から加古は入渠って訳か」
「はい……羽黒さん達から聞いてたんですけど、予想してた以上に加減が難しくって……」
「まぁ普通ハリセンで机にめり込むような威力が出るとは思わんさ」
「提督、その、一緒に居るの怖くないですか?」
「もう慣れた。何度も吹き飛ばされたり爆発されたりぶん殴られたりしたからな、身体だけは頑丈だぞ」
「ふふっ、常勝不敗に不死身も加えちゃいます?」
「冗談でもやめろ古鷹、あのクソ爺は本気でやりかねん。――ん?」
「なっ、何ですか提督。顔、近いです……」
「いや、ちょっとお前の目が気になってな」
「目?」
「やっぱりそうだ、夕立と一緒でお前も目の色が変わってるぞ。ほら、鏡見てみろ」
「ホントだ、黒に変わってる。全然気付かなかった……」
「左目の方は変わってないみたいだが、そっちの調子はどうだ?」
「えっと、えいっ」
「うぎゃあぁぁぁぁっ!?」
「提督っ!?」
「目がっ!? 目がぁぁぁぁっ!?」
「ごめんなさい、光の強さも加減出来なくなってるみたいで……」
「い、いや、俺の不注意だ、気にするな。暫く目を閉じてればそのうちなんとかなる」
「――あの、治るまで書類も出来ないですし、少し休憩しませんか?」
――――青葉、見ちゃいました。
――――何の事?
――――わざと光を強くしましたね?
――――うん、目の下に隈が出来てたし、休んでもらいたかったから。
――――またまたぁ、膝枕したかっただけじゃないんですかー?
――――青葉も、したいならしてあげるといいよ。
――――……ストレートに返されちゃうと、青葉ちょっと困っちゃいます。
144: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/11(木) 02:24:31.89 ID:oQfpbjib0
タイトル変更
・野分『あだ名』、投下します
大所帯になりましたね、陽炎型も
・野分『あだ名』、投下します
大所帯になりましたね、陽炎型も
145: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/11(木) 02:25:11.11 ID:oQfpbjib0
――――陽炎型私室。
「第一回、野分にあだ名を付けよう会議ー!」
「舞風が急に皆を集めた理由ってそれだったの?」
「そういう面白いんやったらウチは大歓迎や」
「私は普通に野分と呼んでもらえればいいんだけど……」
「甘い! 甘いよ野分! この個性派揃いの鎮守府で普通じゃ生き残れねぇってもんだ!」
「不知火も何か特別な個性を全面的に押し出すべきでしょうか」
「磯風も新しい自分というのを探す良い機会かもしれないな」
「二人はそのままで居てください、お願いですから」
「舞風、雪風思い付きました!」
「あっ、あたしもあたしもー」
「じゃあトップバッター二人でよろしくぅ!」
「雪風は“ノッチ”が良いと思います」
「あたしはねー“ワッキー”が良いと思うなぁ、うんうん」
(どうしよう、どっちも絶対嫌だ……)
「野分的にはどっちがいいの?」
「えっ!? えーっと……ほら、他の皆のも先に聞いた方がいいと思わない?」
「(野分、自分で逃げるタイミングを潰したわよ)」
「(そうは言ってもツチ……初風姉さんなら今のを切り抜けられたの?)」
「私は“のわのん”が良いと思うわ」
「(初風姉さん!?)」
「(ツチノコって言いかけた罰よ、精々まともなあだ名が付くのを祈りなさい)」
「他にはー?」
「もういっそ音読みにして“やぶ”でもいいんじゃない?」
「陽炎姉さん、今医者の漫画読んどるから言ったじゃろ」
「ブラックジャックは名医よ、ヤブじゃないわ」
「天津風は何か思い付いたか?」
「“ノワテキ”」
「もしかして、ビフテキを私が作ったからでしょうか……」
(島風のお昼御飯考えてるんやろなぁ)
「そこで密かに野分のイラスト描いてる秋雲は?」
「ん? そだねぇ、まだ出てないのなら“のわきち”かな」
「――よし、そろそろ出揃ったね。じゃあ野分、パパッと決めちゃってーどうぞ!」
「……“のわっち”じゃ、ダメ?」
「第一回、野分にあだ名を付けよう会議ー!」
「舞風が急に皆を集めた理由ってそれだったの?」
「そういう面白いんやったらウチは大歓迎や」
「私は普通に野分と呼んでもらえればいいんだけど……」
「甘い! 甘いよ野分! この個性派揃いの鎮守府で普通じゃ生き残れねぇってもんだ!」
「不知火も何か特別な個性を全面的に押し出すべきでしょうか」
「磯風も新しい自分というのを探す良い機会かもしれないな」
「二人はそのままで居てください、お願いですから」
「舞風、雪風思い付きました!」
「あっ、あたしもあたしもー」
「じゃあトップバッター二人でよろしくぅ!」
「雪風は“ノッチ”が良いと思います」
「あたしはねー“ワッキー”が良いと思うなぁ、うんうん」
(どうしよう、どっちも絶対嫌だ……)
「野分的にはどっちがいいの?」
「えっ!? えーっと……ほら、他の皆のも先に聞いた方がいいと思わない?」
「(野分、自分で逃げるタイミングを潰したわよ)」
「(そうは言ってもツチ……初風姉さんなら今のを切り抜けられたの?)」
「私は“のわのん”が良いと思うわ」
「(初風姉さん!?)」
「(ツチノコって言いかけた罰よ、精々まともなあだ名が付くのを祈りなさい)」
「他にはー?」
「もういっそ音読みにして“やぶ”でもいいんじゃない?」
「陽炎姉さん、今医者の漫画読んどるから言ったじゃろ」
「ブラックジャックは名医よ、ヤブじゃないわ」
「天津風は何か思い付いたか?」
「“ノワテキ”」
「もしかして、ビフテキを私が作ったからでしょうか……」
(島風のお昼御飯考えてるんやろなぁ)
「そこで密かに野分のイラスト描いてる秋雲は?」
「ん? そだねぇ、まだ出てないのなら“のわきち”かな」
「――よし、そろそろ出揃ったね。じゃあ野分、パパッと決めちゃってーどうぞ!」
「……“のわっち”じゃ、ダメ?」
146: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/11(木) 02:25:43.17 ID:oQfpbjib0
――――なぁ“のわっち”。
――――司令、その呼び方はやめて下さい。
――――舞風から聞いたぞ、最後はこの呼び方で折れたんだろ?
――――……このあだ名で、私はここに馴染めるんでしょうか。
――――もう、馴染んでるんじゃないか?
――――え?
――――少なくとも姉妹艦とは、な。
――――司令、その呼び方はやめて下さい。
――――舞風から聞いたぞ、最後はこの呼び方で折れたんだろ?
――――……このあだ名で、私はここに馴染めるんでしょうか。
――――もう、馴染んでるんじゃないか?
――――え?
――――少なくとも姉妹艦とは、な。
161: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/11(木) 12:11:21.75 ID:oQfpbjib0
・飛鷹『寒い』
・加賀vs元帥卯月『環境の変化』
・特Ⅰ型改二艦『お祝い』
・第六駆逐隊『練習』
・ながもん『陽炎と出掛ける』
以上五本でお送りします
今日の潜水艦の皆さんはキラ付けされていたようですね
・加賀vs元帥卯月『環境の変化』
・特Ⅰ型改二艦『お祝い』
・第六駆逐隊『練習』
・ながもん『陽炎と出掛ける』
以上五本でお送りします
今日の潜水艦の皆さんはキラ付けされていたようですね
170: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/12(金) 22:47:56.09 ID:O7UVGGF60
・飛鷹『寒い』、投下します
171: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/12(金) 22:48:33.44 ID:O7UVGGF60
――――秋田。
「寒い」
「そりゃ東北だからな」
「ねぇ、コート貸して」
「コートの上からコート着てどうする。それより何より俺が風邪引くわ」
「その時は責任持って私が看病してあげるわよ」
「それはそれは有難いことで……」
「じゃあポケット貸して」
「ポケットなんぞどうやって貸すんだよ」
「こうするのよ」
「……借りるっていうのか、コレ」
「何、文句あるの? 少なくともお互いの片手は暖かいんだからいいじゃない」
「手っていうか、腕だろ」
「くっつかないと歩きにくいのよ」
「満足そうなところ悪いんだが――もう着いたぞ、店」
「……二人で歩くのが楽しくて通り過ぎたから戻ろうとか言えないの?」
「……既に一度折り返してるんだよ」
「え?……じゃ、じゃあ、入りましょうか」
「あぁ、寒いしな」
(全然気付かなかった……え? ホントに?)
(正確には横ばっか見てて曲がる筋間違えたんだが、そこまで言わなくてもいいだろ)
「寒い」
「そりゃ東北だからな」
「ねぇ、コート貸して」
「コートの上からコート着てどうする。それより何より俺が風邪引くわ」
「その時は責任持って私が看病してあげるわよ」
「それはそれは有難いことで……」
「じゃあポケット貸して」
「ポケットなんぞどうやって貸すんだよ」
「こうするのよ」
「……借りるっていうのか、コレ」
「何、文句あるの? 少なくともお互いの片手は暖かいんだからいいじゃない」
「手っていうか、腕だろ」
「くっつかないと歩きにくいのよ」
「満足そうなところ悪いんだが――もう着いたぞ、店」
「……二人で歩くのが楽しくて通り過ぎたから戻ろうとか言えないの?」
「……既に一度折り返してるんだよ」
「え?……じゃ、じゃあ、入りましょうか」
「あぁ、寒いしな」
(全然気付かなかった……え? ホントに?)
(正確には横ばっか見てて曲がる筋間違えたんだが、そこまで言わなくてもいいだろ)
172: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/12(金) 22:49:11.97 ID:O7UVGGF60
「ふーん、きりたんぽってこんなのなんだ」
「味噌と鍋、とりあえずどっちも食うか」
「――熱っ!」
「いきなり頬張るなよ」
「少し冷めてると思ったのよ……」
「餅とはまた違った感じで美味いな」
「鍋も身体が芯から暖まるし、食感が変わっていいわね」
「間宮にも今度作ってもらえるように頼むか」
「鳳翔さんの方がいいんじゃない? あそこ囲炉裏あるし」
「あまり大人数で押し掛けるのもな……」
「そう? あの人なら喜ぶと思うけど、駆逐艦の子達を集めて作り方を教えるとか」
「お前も一緒に教えたらどうだ?」
「柄じゃないわよ」
「……鍋、よそってくれ」
「出汁だけでいいの?」
「具も入れろ、具も」
――――ちょっと提督! アレどういうこと!?
――――“飛鷹&鳳翔ときりたんぽを作ろう”って張り紙か?
――――鳳翔さんが凄い笑顔で作り方教えてくれたから断れないじゃないの!
――――まぁ、頑張れ。
――――……覚えてなさいよ!
――――楽しんでこいよー。
「味噌と鍋、とりあえずどっちも食うか」
「――熱っ!」
「いきなり頬張るなよ」
「少し冷めてると思ったのよ……」
「餅とはまた違った感じで美味いな」
「鍋も身体が芯から暖まるし、食感が変わっていいわね」
「間宮にも今度作ってもらえるように頼むか」
「鳳翔さんの方がいいんじゃない? あそこ囲炉裏あるし」
「あまり大人数で押し掛けるのもな……」
「そう? あの人なら喜ぶと思うけど、駆逐艦の子達を集めて作り方を教えるとか」
「お前も一緒に教えたらどうだ?」
「柄じゃないわよ」
「……鍋、よそってくれ」
「出汁だけでいいの?」
「具も入れろ、具も」
――――ちょっと提督! アレどういうこと!?
――――“飛鷹&鳳翔ときりたんぽを作ろう”って張り紙か?
――――鳳翔さんが凄い笑顔で作り方教えてくれたから断れないじゃないの!
――――まぁ、頑張れ。
――――……覚えてなさいよ!
――――楽しんでこいよー。
173: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/12(金) 22:58:52.14 ID:O7UVGGF60
遅くなりましたがエビフライ始めます
174: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/12(金) 22:59:38.54 ID:O7UVGGF60
「さて、誰から調べましょうか?」
「姉さん、一人ずつ頬をプニプニして遊んじゃいけんよ?」
「確認よ、確認」
「じゃあ↓2じゃ」
・1、長波
・2、時雨
・3、初風
・4、朝雲
「姉さん、一人ずつ頬をプニプニして遊んじゃいけんよ?」
「確認よ、確認」
「じゃあ↓2じゃ」
・1、長波
・2、時雨
・3、初風
・4、朝雲
176: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/12(金) 23:03:01.41 ID:7hSVznb+0
2
177: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/12(金) 23:23:45.31 ID:O7UVGGF60
「時雨が床に指で何か書いてるわね、タルタルソースかしら」
「ケチャップじゃないんじゃね……」
「“2000”、って書いてあるみたい」
「何かの暗号じゃろか?」
「うーん……まだ情報が足りないわね」
「夕立、食堂でエビフライ食べてくるね」
「浦風、私達も晩御飯はエビフライにしましょうか」
「先に事件を解決せんといかんよ?」
「晩御飯になっても分からなかったら強制終了するわ」
「……とにかく↓2じゃ」
・1、時雨のエビフライを引き抜く
・2、他の三人を調べる(先の三人から指定)
・3、本当に死んでいるか再度こそばして確認する
・4、周りの駆逐艦に情報を聞く
「ケチャップじゃないんじゃね……」
「“2000”、って書いてあるみたい」
「何かの暗号じゃろか?」
「うーん……まだ情報が足りないわね」
「夕立、食堂でエビフライ食べてくるね」
「浦風、私達も晩御飯はエビフライにしましょうか」
「先に事件を解決せんといかんよ?」
「晩御飯になっても分からなかったら強制終了するわ」
「……とにかく↓2じゃ」
・1、時雨のエビフライを引き抜く
・2、他の三人を調べる(先の三人から指定)
・3、本当に死んでいるか再度こそばして確認する
・4、周りの駆逐艦に情報を聞く
179: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/12(金) 23:31:19.45 ID:ObvtxRdJO
1
180: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/12(金) 23:58:46.14 ID:O7UVGGF60
「コレ、抜いてみるわね」
「抜いたら爆発とかせんかねぇ?」
「爆発はしないと思うけど、大きな問題が出てくるわ」
「問題?」
「それはね浦風――口の中でふやけてるから衣が取れてしまうの」
「大丈夫じゃ姉さん、それ作り物じゃけぇ」
「えっ、私それ聞いてないわよ?」
「本物じゃったら間宮さんと鳳翔さんにお説教されとるよ、うちら皆」
「……それもそうね。――こっ、これはっ! 何の変哲もないエビフライだわ!」
(時雨が深呼吸してるけど見ないフリじゃ)
「じゃあ口に戻して、と。エビフライに何か証拠になりそうなものは無かったわよ」
「それなら次は↓2じゃ」
・1、周りの駆逐艦に話を聞く
・2、他の三人を調べる
・3、時雨の写真を撮る
・4、ズバリ推理する(犯人指定)
「抜いたら爆発とかせんかねぇ?」
「爆発はしないと思うけど、大きな問題が出てくるわ」
「問題?」
「それはね浦風――口の中でふやけてるから衣が取れてしまうの」
「大丈夫じゃ姉さん、それ作り物じゃけぇ」
「えっ、私それ聞いてないわよ?」
「本物じゃったら間宮さんと鳳翔さんにお説教されとるよ、うちら皆」
「……それもそうね。――こっ、これはっ! 何の変哲もないエビフライだわ!」
(時雨が深呼吸してるけど見ないフリじゃ)
「じゃあ口に戻して、と。エビフライに何か証拠になりそうなものは無かったわよ」
「それなら次は↓2じゃ」
・1、周りの駆逐艦に話を聞く
・2、他の三人を調べる
・3、時雨の写真を撮る
・4、ズバリ推理する(犯人指定)
182: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/13(土) 00:03:06.80 ID:91oyrbeRo
1
183: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/13(土) 00:26:27.54 ID:CtPwdUDj0
「浜風と磯風は何か知らない?」
「初風は昨日の夜に誰かのところへ行っていたみたいです」
「妙高さんのところで無いことは確かだ」
「秋雲は何か知っとるん?」
「んー? 特に何も、昨日も長波にはいつも通り描くの手伝ってもらってたし、寝るまでは普通だったよ?」
「こら、長波のスカート捲っちゃいけんって!」
「やっぱしダメ?」
「原稿、手伝ってもらえなくなるんじゃない?」
「それはマジで困る!」
「夕立――は食堂行っちゃったし、まだ聞いてないのは……霰?」
「何?」
「貴女は何か知らない?」
「……朝雲は名前的に、犯人と相性悪そう」
「あ、相性?」
「うん、だって――むぐ?」
「ヒント与えすぎなのよアンタは、こっちでおとなしくしてなさい」
(霞、今どこから現れたのかしら……)
「姉さん、次は↓2じゃ」
1、夕立に話を聞きに食堂へ
2、時雨以外の三人を調べる
3、他の場所へ行く(軽巡寮or空母寮)
4、行動自由指定(あくまでお遊びの範囲内で)
「初風は昨日の夜に誰かのところへ行っていたみたいです」
「妙高さんのところで無いことは確かだ」
「秋雲は何か知っとるん?」
「んー? 特に何も、昨日も長波にはいつも通り描くの手伝ってもらってたし、寝るまでは普通だったよ?」
「こら、長波のスカート捲っちゃいけんって!」
「やっぱしダメ?」
「原稿、手伝ってもらえなくなるんじゃない?」
「それはマジで困る!」
「夕立――は食堂行っちゃったし、まだ聞いてないのは……霰?」
「何?」
「貴女は何か知らない?」
「……朝雲は名前的に、犯人と相性悪そう」
「あ、相性?」
「うん、だって――むぐ?」
「ヒント与えすぎなのよアンタは、こっちでおとなしくしてなさい」
(霞、今どこから現れたのかしら……)
「姉さん、次は↓2じゃ」
1、夕立に話を聞きに食堂へ
2、時雨以外の三人を調べる
3、他の場所へ行く(軽巡寮or空母寮)
4、行動自由指定(あくまでお遊びの範囲内で)
185: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/12/13(土) 00:32:44.27 ID:oezKXZPFO
2
187: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/13(土) 01:02:58.36 ID:CtPwdUDj0
「長波をまずは見てみましょうか。これは、インクかしら?」
「“通常運転”? 何のことじゃ?」
「初風はケチャップ……というより、血糊ね」
「こっちは“静寂”じゃ。何か意味があるんかねぇ?」
「最後は朝雲ね。油性マジックっぽいわ、これ」
「“注意”、車にでも関係しとるんじゃろか」
「でも、静寂って車には関係無いわね」
「うーん……」
(首をひねって考える浦風可愛い)
「姉さん、真剣に考えとる?」
「か、カンガエテルワヨ?」
(でも、本当に全く見当がつかないわね……)
「“通常運転”? 何のことじゃ?」
「初風はケチャップ……というより、血糊ね」
「こっちは“静寂”じゃ。何か意味があるんかねぇ?」
「最後は朝雲ね。油性マジックっぽいわ、これ」
「“注意”、車にでも関係しとるんじゃろか」
「でも、静寂って車には関係無いわね」
「うーん……」
(首をひねって考える浦風可愛い)
「姉さん、真剣に考えとる?」
「か、カンガエテルワヨ?」
(でも、本当に全く見当がつかないわね……)
200: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/15(月) 11:05:07.18 ID:fLXdAiul0
・加賀vs元帥卯月『環境の変化』、投下します
201: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/15(月) 11:05:35.69 ID:fLXdAiul0
――――演習場。
「コレはどういうことでしょうか元帥殿?」
「お前のところの艦娘数人から、うちの卯月の実力を見たいという要望があった。だから演習をする。何か問題があるのか?」
「ありません。ありませんが、卯月に演習をさせるつもりで来たならば、朧なり潮なりを連れてくれば良かったのでは?」
「本音を言え、本音を」
「うちの艦娘達が警護を嫌がって押し付け合いになって揉めたぞどうしてくれる」
「ふむ、結果がお前さん達とは面白い巡り合わせじゃのぅ」
「全く、相変わらず何を考えているか分からんな、古狸」
「武蔵、元帥に失礼ですよ?」
「構わんよ鳳翔。儂としては滅多に顔を見せん二人に会えただけで満足だ」
「避けているのだから当然だ」
「私も畑とお店がありますので……」
「さて、話はこのぐらいにして――始まるようじゃぞ?」
「コレはどういうことでしょうか元帥殿?」
「お前のところの艦娘数人から、うちの卯月の実力を見たいという要望があった。だから演習をする。何か問題があるのか?」
「ありません。ありませんが、卯月に演習をさせるつもりで来たならば、朧なり潮なりを連れてくれば良かったのでは?」
「本音を言え、本音を」
「うちの艦娘達が警護を嫌がって押し付け合いになって揉めたぞどうしてくれる」
「ふむ、結果がお前さん達とは面白い巡り合わせじゃのぅ」
「全く、相変わらず何を考えているか分からんな、古狸」
「武蔵、元帥に失礼ですよ?」
「構わんよ鳳翔。儂としては滅多に顔を見せん二人に会えただけで満足だ」
「避けているのだから当然だ」
「私も畑とお店がありますので……」
「さて、話はこのぐらいにして――始まるようじゃぞ?」
202: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/15(月) 11:06:09.03 ID:fLXdAiul0
「加賀ぴょんにボコボコにされに来たぴょん。お手柔らかにお願いするぴょん」
「あまり笑えない冗談ね」
「うーちゃんはか弱いウサちゃんでぇーっす」
「兎が猛獣とは知りませんでした」
「ちょこっとイタズラが好きなだけぴょん。だから~……楽しませてね?」
「審判は吾輩が務めるぞ。それでは加賀対卯月――始め!」
(速度は島風より劣るはず、接近される前に仕留めた方が賢明ね)
「艦載機、全機発艦」
「最初からクライマックスぴょん!?」
「手を抜ける相手ではありませんから」
「じゃあうーちゃんもー……最初から本気で行きます」
(真正面からの突撃……近付く暇など与えません)
「全航空隊、攻撃開始」
「怖いぴょん怖いぴょん、いっぱい来るぴょん」
「逃がしません」
「――怖いから、速くするぴょん」
(速度が上がった?――いえ、そんな生易しいものではないわ)
「うーちゃんフルパワー!」
「もって三十秒といったところかしらね」
「正解でぇーっす。それまでに決めるぴょん」
「決めるのはこちらです」
「それは無理~ぴょん!」
(急旋回による水飛沫で視界を封じても私には通用――っ!?)
「目が多いのも考えものね」
――首、もらいます。
「あまり笑えない冗談ね」
「うーちゃんはか弱いウサちゃんでぇーっす」
「兎が猛獣とは知りませんでした」
「ちょこっとイタズラが好きなだけぴょん。だから~……楽しませてね?」
「審判は吾輩が務めるぞ。それでは加賀対卯月――始め!」
(速度は島風より劣るはず、接近される前に仕留めた方が賢明ね)
「艦載機、全機発艦」
「最初からクライマックスぴょん!?」
「手を抜ける相手ではありませんから」
「じゃあうーちゃんもー……最初から本気で行きます」
(真正面からの突撃……近付く暇など与えません)
「全航空隊、攻撃開始」
「怖いぴょん怖いぴょん、いっぱい来るぴょん」
「逃がしません」
「――怖いから、速くするぴょん」
(速度が上がった?――いえ、そんな生易しいものではないわ)
「うーちゃんフルパワー!」
「もって三十秒といったところかしらね」
「正解でぇーっす。それまでに決めるぴょん」
「決めるのはこちらです」
「それは無理~ぴょん!」
(急旋回による水飛沫で視界を封じても私には通用――っ!?)
「目が多いのも考えものね」
――首、もらいます。
203: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/15(月) 11:06:44.25 ID:fLXdAiul0
――――居酒屋鳳翔。
「……次は負けません」
「むさぴょん、アレ教えてあげてなかったの?」
「それでは面白くないだろう? 後、むさぴょんは背中が痒くなるから禁止と言ったはずだ」
「むさぴょん、酒を注いでくれんか?」
「手酌で勝手に飲め」
「そう固いこと言ってやるなよむさぴょん」
「……提督よ、今度の秘書艦日を楽しみにしていろ」
「あらあら、何だかとっても楽しそうですね」
「私は楽しくありません」
「加賀が拗ねてるってのは珍しいな」
「拗ねてなどいません。あのような形で負けた自分が情けないだけです」
「まぁそう悲観するな」
「そうだぴょん。アレは演習だと一回こっきりの手品みたいなものだぴょん。だから全然悔しがらなくてもモーマンタイー」
「いえ、最近気が緩んでいたのは事実です。今回のこの一件を機に、気を引き締め直します」
「ほぅ……ならば久しぶりに私とも一戦どうだ?」
「ふふ、久しぶりに私も混ぜてもらおうかしら」
「では、明日は武蔵と鳳翔さんにお願いします」
「やるのは構わんが、くれぐれも鎮守府は壊してくれるなよ?」
「じゃあそろそろうーちゃん達は帰るぴょん」
「何だ、もう少しいいじゃないか卯月」
「明日は早朝からみっちりと仕事が詰まっています。今日息抜きした分は、しっかり働いて頂きますよ?」
「仕方無いのぅ……ではまた来るぞ、武蔵、鳳翔」
「二度と来なくて結構だ」
「お待ちしておりますね」
「次は負けません」
「うーちゃんリベンジマッチは受け付けてないぴょん」
「……“大切でなければ命懸けで守っ――」
「やっぱりいつでもどこでもウェルカムぴょんだからそこのボケ老人にニヤニヤする餌を与えないで下さい」
「では、再戦を楽しみにしているわ」
(バラした子は後でお仕置き決定ぴょん)
――――旗艦殺しの一撃は健在のようじゃな。
――――久しぶりにやったから身体痛いぴょん……。
――――艦娘でなければ主機が壊れて航行不能になるような負担かけとるわけじゃからのぅ。どれ、帰ったら儂がマッサージでも。
――――温泉に行くので三十万程下さい。
――――秘書艦娘が儂を置いていこうとするな。
――――はぁ……またスケジュール調整しないと……。
「……次は負けません」
「むさぴょん、アレ教えてあげてなかったの?」
「それでは面白くないだろう? 後、むさぴょんは背中が痒くなるから禁止と言ったはずだ」
「むさぴょん、酒を注いでくれんか?」
「手酌で勝手に飲め」
「そう固いこと言ってやるなよむさぴょん」
「……提督よ、今度の秘書艦日を楽しみにしていろ」
「あらあら、何だかとっても楽しそうですね」
「私は楽しくありません」
「加賀が拗ねてるってのは珍しいな」
「拗ねてなどいません。あのような形で負けた自分が情けないだけです」
「まぁそう悲観するな」
「そうだぴょん。アレは演習だと一回こっきりの手品みたいなものだぴょん。だから全然悔しがらなくてもモーマンタイー」
「いえ、最近気が緩んでいたのは事実です。今回のこの一件を機に、気を引き締め直します」
「ほぅ……ならば久しぶりに私とも一戦どうだ?」
「ふふ、久しぶりに私も混ぜてもらおうかしら」
「では、明日は武蔵と鳳翔さんにお願いします」
「やるのは構わんが、くれぐれも鎮守府は壊してくれるなよ?」
「じゃあそろそろうーちゃん達は帰るぴょん」
「何だ、もう少しいいじゃないか卯月」
「明日は早朝からみっちりと仕事が詰まっています。今日息抜きした分は、しっかり働いて頂きますよ?」
「仕方無いのぅ……ではまた来るぞ、武蔵、鳳翔」
「二度と来なくて結構だ」
「お待ちしておりますね」
「次は負けません」
「うーちゃんリベンジマッチは受け付けてないぴょん」
「……“大切でなければ命懸けで守っ――」
「やっぱりいつでもどこでもウェルカムぴょんだからそこのボケ老人にニヤニヤする餌を与えないで下さい」
「では、再戦を楽しみにしているわ」
(バラした子は後でお仕置き決定ぴょん)
――――旗艦殺しの一撃は健在のようじゃな。
――――久しぶりにやったから身体痛いぴょん……。
――――艦娘でなければ主機が壊れて航行不能になるような負担かけとるわけじゃからのぅ。どれ、帰ったら儂がマッサージでも。
――――温泉に行くので三十万程下さい。
――――秘書艦娘が儂を置いていこうとするな。
――――はぁ……またスケジュール調整しないと……。
209: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/16(火) 22:46:36.17 ID:zRc/XugV0
タイトル変更
・特Ⅰ型『きっとそうだから』、投下します
まだ情報出てなかったので…
・特Ⅰ型『きっとそうだから』、投下します
まだ情報出てなかったので…
210: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/16(火) 22:47:49.07 ID:zRc/XugV0
――――吹雪型私室。
「ねぇ皆、改二になるの誰だと思う?」
「(皆さん、分かってますね?)」
「(大丈夫大丈夫、分かってるって)」
「(把握)」
「(はい、大丈夫です)」
「(全く、手間のかかる一番艦ね)」
「吹雪だと私は思います」
「アタシも吹雪だと思うぜ」
「吹雪、一択」
「私も、そう思います」
「この中ならアンタなんじゃないの?」
「やっぱり? そうだよね? 私だよね?」
「何と言ってもネームシップですから」
「うん、そうだよね!」
「めんどくさい、なれても、パス」
「そこはなってくれないと困るよ!?」
「わ、私ももしそうなった時はパスした方がいいんでしょうか……?」
「大丈夫、その時はちゃんと祝福するよ、磯波」
「吹雪じゃなかったら大本営に行って改二艦を発表してる奴を締め上げればいい話よ」
「き、気持ちだけ有り難く受け取っとくね? ダメだよ、襲撃は」
「しっかり過去にも活躍してるしな、アタシと違って」
「ごめん深雪反応に困る」
「そういえば、何故毎回情報が小出しなんでしょうか」
「私も気になって司令官に聞いてみたことがあるんだけど、知らせてくるのが凄い気紛れな奴だからってことしか、元帥も教えてくれないんだって」
「めんどくさがり、なのかも」
「それは初雪だろ?」
「深雪は、大雑把」
「大雑把じゃなくてそこは豪快って言ってくれよな」
「今、ハーブティー淹れますね」
「ローズヒップがあればお願い」
「叢雲は改二になったら魅力が増すのかな」
「別にこれ以上は望んでないわ」
「ローズヒップ、美容効果、あり」
「増す気満々だな」
「うっさいわね! 私が何を飲もうと勝手でしょ!」
(カモミールの方がいいかな……)
「ねぇ皆、改二になるの誰だと思う?」
「(皆さん、分かってますね?)」
「(大丈夫大丈夫、分かってるって)」
「(把握)」
「(はい、大丈夫です)」
「(全く、手間のかかる一番艦ね)」
「吹雪だと私は思います」
「アタシも吹雪だと思うぜ」
「吹雪、一択」
「私も、そう思います」
「この中ならアンタなんじゃないの?」
「やっぱり? そうだよね? 私だよね?」
「何と言ってもネームシップですから」
「うん、そうだよね!」
「めんどくさい、なれても、パス」
「そこはなってくれないと困るよ!?」
「わ、私ももしそうなった時はパスした方がいいんでしょうか……?」
「大丈夫、その時はちゃんと祝福するよ、磯波」
「吹雪じゃなかったら大本営に行って改二艦を発表してる奴を締め上げればいい話よ」
「き、気持ちだけ有り難く受け取っとくね? ダメだよ、襲撃は」
「しっかり過去にも活躍してるしな、アタシと違って」
「ごめん深雪反応に困る」
「そういえば、何故毎回情報が小出しなんでしょうか」
「私も気になって司令官に聞いてみたことがあるんだけど、知らせてくるのが凄い気紛れな奴だからってことしか、元帥も教えてくれないんだって」
「めんどくさがり、なのかも」
「それは初雪だろ?」
「深雪は、大雑把」
「大雑把じゃなくてそこは豪快って言ってくれよな」
「今、ハーブティー淹れますね」
「ローズヒップがあればお願い」
「叢雲は改二になったら魅力が増すのかな」
「別にこれ以上は望んでないわ」
「ローズヒップ、美容効果、あり」
「増す気満々だな」
「うっさいわね! 私が何を飲もうと勝手でしょ!」
(カモミールの方がいいかな……)
211: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/16(火) 22:49:31.23 ID:zRc/XugV0
――――司令官、何か新しい情報は入りましたか?
――――まだだ。
――――そうですか……分かったら、すぐに教えてくださいね。
――――(最近毎日聞きに来るな、アイツ……)
――――まだだ。
――――そうですか……分かったら、すぐに教えてくださいね。
――――(最近毎日聞きに来るな、アイツ……)
216: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/18(木) 03:05:08.07 ID:RnGYKHNN0
・第六駆逐隊『練習』、投下します
スポンジケーキは作ったことが無い
スポンジケーキは作ったことが無い
217: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/18(木) 03:05:40.13 ID:RnGYKHNN0
――――駆逐艦寮キッチン。
「作るならぶしゅっとノベルがいいんじゃない?」
「果汁が飛び出す本か、新しいがやめておいた方がいい」
「簡単なのならショートケーキね」
「チョコケーキも作ってみたいのです」
「簡単なのならバウンドケーキが作りやすいって間宮さんに聞いたわ」
「弾むケーキか、斬新だな」
「パウンドケーキかぁ……スポンジケーキを作るよりも簡単だし、分量を量って作る練習にもなるかもしれないわ」
「電もパウンドケーキなら間宮さんと作ったことがあるのです」
「一通り聞いて回って来たけど、パウンドケーキを作ると言っていた艦娘は居なかったはずだよ」
「じゃあバウンドケーキに決定ね!」
「暁、どうしてもケーキを弾ませたいのかい?」
「作るならぶしゅっとノベルがいいんじゃない?」
「果汁が飛び出す本か、新しいがやめておいた方がいい」
「簡単なのならショートケーキね」
「チョコケーキも作ってみたいのです」
「簡単なのならバウンドケーキが作りやすいって間宮さんに聞いたわ」
「弾むケーキか、斬新だな」
「パウンドケーキかぁ……スポンジケーキを作るよりも簡単だし、分量を量って作る練習にもなるかもしれないわ」
「電もパウンドケーキなら間宮さんと作ったことがあるのです」
「一通り聞いて回って来たけど、パウンドケーキを作ると言っていた艦娘は居なかったはずだよ」
「じゃあバウンドケーキに決定ね!」
「暁、どうしてもケーキを弾ませたいのかい?」
218: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/18(木) 03:06:26.01 ID:RnGYKHNN0
「バターを出して」
「はい」
「……暁、今回はコレで問題は無いが、マーガリンはバターじゃないよ」
「そ、そのぐらい知ってるし!」
(ちゃんとメモを取っているようだし、次からは大丈夫と信じよう)
「目盛りをゼロに合わせて、と……いいわよ電」
「はいなのです」
「そういえば、何個分作るの?」
「とりあえず、六個分ぐらい――」
「暁、殻は食べられないよ」
「ちょ、ちょっと手が滑っただけだし!」
「……三個分ぐらいでいいんじゃない?」
「そうですね……」
「はい」
「……暁、今回はコレで問題は無いが、マーガリンはバターじゃないよ」
「そ、そのぐらい知ってるし!」
(ちゃんとメモを取っているようだし、次からは大丈夫と信じよう)
「目盛りをゼロに合わせて、と……いいわよ電」
「はいなのです」
「そういえば、何個分作るの?」
「とりあえず、六個分ぐらい――」
「暁、殻は食べられないよ」
「ちょ、ちょっと手が滑っただけだし!」
「……三個分ぐらいでいいんじゃない?」
「そうですね……」
219: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/18(木) 03:07:01.88 ID:RnGYKHNN0
「よし、タネは出来た」
「タネ? 埋めるの?」
「焼く前の材料を混ぜ合わせた状態をタネっていうのよ」
「ハンバーグなんかも焼く前のをタネっていうのです」
「し、知っててとぼけてみただけなんだから!」
「あぁ、そうだね。じゃあタネを型に流し込もうか」
「焼き上がりにムラが出来ないように注意してね」
「前に作った時は一つムラが酷いのが出来ちゃったのです……」
「暁に任せて」
「(微調整、お願いするのです)」
「(了解)」
――四十分後。
「ほら、見て見て、ちゃんと膨らんだわ!」
「ハラショー、コイツは美味しそうだ」
「細かく切り分ければ、司令官も執務の合間に手軽に食べれるわ」
「じゃあ四人で持っていくのです!」
――――パウンドケーキ? 有り難くもらうが、何かのお祝いか?
――――あっ……えーっと、その、そう! 作りたくなったの!
――――(当初の目的を忘れるとは、少し浮かれ過ぎていたみたいだ……)
――――(クリスマスにはやっぱりショートケーキを作ろうかしら)
――――(なのとてーとく用のも焼きたいのです)
「タネ? 埋めるの?」
「焼く前の材料を混ぜ合わせた状態をタネっていうのよ」
「ハンバーグなんかも焼く前のをタネっていうのです」
「し、知っててとぼけてみただけなんだから!」
「あぁ、そうだね。じゃあタネを型に流し込もうか」
「焼き上がりにムラが出来ないように注意してね」
「前に作った時は一つムラが酷いのが出来ちゃったのです……」
「暁に任せて」
「(微調整、お願いするのです)」
「(了解)」
――四十分後。
「ほら、見て見て、ちゃんと膨らんだわ!」
「ハラショー、コイツは美味しそうだ」
「細かく切り分ければ、司令官も執務の合間に手軽に食べれるわ」
「じゃあ四人で持っていくのです!」
――――パウンドケーキ? 有り難くもらうが、何かのお祝いか?
――――あっ……えーっと、その、そう! 作りたくなったの!
――――(当初の目的を忘れるとは、少し浮かれ過ぎていたみたいだ……)
――――(クリスマスにはやっぱりショートケーキを作ろうかしら)
――――(なのとてーとく用のも焼きたいのです)
225: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/19(金) 18:13:52.26 ID:3NRN3EFc0
・ながもん『陽炎と出掛ける』、投下します
226: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/19(金) 18:14:22.66 ID:3NRN3EFc0
――――街。
「ちょっと、待ちなさいってば!」
「何だ?」
「何で私肩車されてんのっ!?」
「不満か? 文月は喜んでくれたのだが……」
「周囲の視線が痛くて顔から火が出そうよっ!」
「何だ、そんなことか。このビッグセブン長門の肩車だ、気にしなければいい」
「気にするに決まってんでしょ! は・や・く・お・ろ・せ!」
「リズミカルなパンチだな」
(ダメだ……全然効いてない……)
「陽炎、どこか行きたいところがあれば遠慮なく言っていいぞ」
「……服、見たい」
「了解だ。陸奥がよく利用している店に案内しよう」
「ちょっと、待ちなさいってば!」
「何だ?」
「何で私肩車されてんのっ!?」
「不満か? 文月は喜んでくれたのだが……」
「周囲の視線が痛くて顔から火が出そうよっ!」
「何だ、そんなことか。このビッグセブン長門の肩車だ、気にしなければいい」
「気にするに決まってんでしょ! は・や・く・お・ろ・せ!」
「リズミカルなパンチだな」
(ダメだ……全然効いてない……)
「陽炎、どこか行きたいところがあれば遠慮なく言っていいぞ」
「……服、見たい」
「了解だ。陸奥がよく利用している店に案内しよう」
227: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/19(金) 18:14:50.67 ID:3NRN3EFc0
「確かにセンス良いわね」
「どれでも好きに試着するといい。気に入ったのがあれば私が預かろう」
「長門も見て回ったら?」
「私は大丈夫だ、いつも陸奥が私の服もまとめて買ってくるお陰で、箪笥に着ていない服が大量に眠っている」
(その割には数パターンしか長門の私服って見たこと無い気が……)
「陽炎、選ばなくていいのか?」
「言われなくても選ぶわよ」
――少女試着タイム。
「コレなんてどう?」
「良いな」
「――こっちは?」
「良いな」
「――コレは?」
「良いな」
「――コレ」
「良いな」
「長門に聞いた私がバカだった……」
「私は率直な意見を言っただけだ」
「次、長門も試着、服は私が選ぶから」
「いや、だから私は――」
「つべこべ言わずに着なさい」
高身長、引き締まった体型、整った顔立ち。
導き出される結論は、良いものが見れて満足げな陽炎と服を選んでもらって満足げな長門を見て仲の良い姉妹だなと微笑む店員のほんわか空間の完成。
「どれでも好きに試着するといい。気に入ったのがあれば私が預かろう」
「長門も見て回ったら?」
「私は大丈夫だ、いつも陸奥が私の服もまとめて買ってくるお陰で、箪笥に着ていない服が大量に眠っている」
(その割には数パターンしか長門の私服って見たこと無い気が……)
「陽炎、選ばなくていいのか?」
「言われなくても選ぶわよ」
――少女試着タイム。
「コレなんてどう?」
「良いな」
「――こっちは?」
「良いな」
「――コレは?」
「良いな」
「――コレ」
「良いな」
「長門に聞いた私がバカだった……」
「私は率直な意見を言っただけだ」
「次、長門も試着、服は私が選ぶから」
「いや、だから私は――」
「つべこべ言わずに着なさい」
高身長、引き締まった体型、整った顔立ち。
導き出される結論は、良いものが見れて満足げな陽炎と服を選んでもらって満足げな長門を見て仲の良い姉妹だなと微笑む店員のほんわか空間の完成。
228: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/19(金) 18:15:20.17 ID:3NRN3EFc0
「まさか全部買うとはね……」
「コレぐらいしか私には金の使い途が無い。お前達の笑顔が見られるなら、安いものさ」
「ふーん……ありがと」
「陽炎、今のをもう一度言ってくれ。携帯のボイスレコーダーに録音する」
「バカじゃないの?」
「これが世に言う“ツンデレ”というものなのか?」
「違うに決まってんでしょ!」
「そうか、ならばそういうことにしておこう」
「だ・か・ら・ち・が・う!」
「やはり良いリズムだな」
「あぁもうっ! このバカ長門ー!」
――――あら? 長門、その服どうしたの?
――――陽炎に選んでもらったんだ。
――――ふーん……私の選んであげた服は着ないクセに。
――――何か言ったか?
――――別に、何も言ってないわよ。
「コレぐらいしか私には金の使い途が無い。お前達の笑顔が見られるなら、安いものさ」
「ふーん……ありがと」
「陽炎、今のをもう一度言ってくれ。携帯のボイスレコーダーに録音する」
「バカじゃないの?」
「これが世に言う“ツンデレ”というものなのか?」
「違うに決まってんでしょ!」
「そうか、ならばそういうことにしておこう」
「だ・か・ら・ち・が・う!」
「やはり良いリズムだな」
「あぁもうっ! このバカ長門ー!」
――――あら? 長門、その服どうしたの?
――――陽炎に選んでもらったんだ。
――――ふーん……私の選んであげた服は着ないクセに。
――――何か言ったか?
――――別に、何も言ってないわよ。
236: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/19(金) 18:47:48.32 ID:3NRN3EFc0
・『庭を駆け回ったり炬燵で丸くなったり』
・ヲーちゃん『爆撃』
・『こたつむり』
・赤城『食事よりも大切なもの』
・木曾『頼まれた』
以上五本でお送りします
・ヲーちゃん『爆撃』
・『こたつむり』
・赤城『食事よりも大切なもの』
・木曾『頼まれた』
以上五本でお送りします
240: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/20(土) 20:53:29.08 ID:ffbPa0CC0
・『庭を駆け回ったり炬燵で丸くなったり』、投下します
広いと大変
広いと大変
241: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/20(土) 20:54:00.20 ID:ffbPa0CC0
――――鎮守府中庭。
「雪合戦したいっぽいー!」
「良いね、やろうか」
「当然アタシもやるよー!」
「はいはーい、私も参加ね」
「涼風と春雨はどうするの?」
「パス、熱い風呂は好きだけど、寒いの苦手……」
「麻婆春雨食べてきます……」
「じゃあ私は参加してくるから、また後でね」
「あいよー」
――深雪さまも混ぜろよな!
――うーちゃん、雪原に出撃しまぁーっす、ビシッ!
――ふわぁ~雪がいっぱいだ~。
――おぅ! 谷風さんも混ぜてもらうよっ!
「……続々と出てくるね」
「皆さん、元気です」
駆逐艦元気組は外で遊び、他は中で暖を取るようです。
「雪合戦したいっぽいー!」
「良いね、やろうか」
「当然アタシもやるよー!」
「はいはーい、私も参加ね」
「涼風と春雨はどうするの?」
「パス、熱い風呂は好きだけど、寒いの苦手……」
「麻婆春雨食べてきます……」
「じゃあ私は参加してくるから、また後でね」
「あいよー」
――深雪さまも混ぜろよな!
――うーちゃん、雪原に出撃しまぁーっす、ビシッ!
――ふわぁ~雪がいっぱいだ~。
――おぅ! 谷風さんも混ぜてもらうよっ!
「……続々と出てくるね」
「皆さん、元気です」
駆逐艦元気組は外で遊び、他は中で暖を取るようです。
242: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/20(土) 20:55:19.29 ID:ffbPa0CC0
――――鎮守府各施設間通路。
「那珂ちゃんはーアイドルだからー手が霜焼けになるのは――」
「那珂、やりますよね?」
「ハイ、ジンツウオネエサマ」
「姉さん、そっちはどうですか?」
「道を確保するので手一杯かも、長良達は由良の単装砲で吹き飛ばしたりしてるみたいだよ」
「度々聞こえる砲撃音はそれだったんですね……でも、五十鈴さんが居ますから危険は無いはずです」
「天龍ちゃんと龍田ちゃんは駆逐艦寮の周りを中心にやってるし、阿賀野ちゃん達は軽巡寮を中心にやってるみたいだよ」
「大淀さんは加賀さん達と全体指揮してるし、球磨達は各寮の防寒対策頑張ってるし、重巡以上は全員各施設の点検やったりしてるって、私も雪合戦やりたいなぁ……」
「ある程度目処が着いたら、軽巡の皆でやりましょうか」
「おーそれ聞いたらやる気が出てきた。那珂、ペース上げるよ!」
「しょうがないなぁ……」
(やる前に疲れ……姉さんなら大丈夫ですね)
「誰か工廠も手伝ってよー!」
「マスター、口ではなく手を動かして下さい」
軽巡は通路の確保に大忙しです。
「那珂ちゃんはーアイドルだからー手が霜焼けになるのは――」
「那珂、やりますよね?」
「ハイ、ジンツウオネエサマ」
「姉さん、そっちはどうですか?」
「道を確保するので手一杯かも、長良達は由良の単装砲で吹き飛ばしたりしてるみたいだよ」
「度々聞こえる砲撃音はそれだったんですね……でも、五十鈴さんが居ますから危険は無いはずです」
「天龍ちゃんと龍田ちゃんは駆逐艦寮の周りを中心にやってるし、阿賀野ちゃん達は軽巡寮を中心にやってるみたいだよ」
「大淀さんは加賀さん達と全体指揮してるし、球磨達は各寮の防寒対策頑張ってるし、重巡以上は全員各施設の点検やったりしてるって、私も雪合戦やりたいなぁ……」
「ある程度目処が着いたら、軽巡の皆でやりましょうか」
「おーそれ聞いたらやる気が出てきた。那珂、ペース上げるよ!」
「しょうがないなぁ……」
(やる前に疲れ……姉さんなら大丈夫ですね)
「誰か工廠も手伝ってよー!」
「マスター、口ではなく手を動かして下さい」
軽巡は通路の確保に大忙しです。
243: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/20(土) 20:56:03.79 ID:ffbPa0CC0
――――鎮守府各所。
「プリンツ、手が止まってるわよ」
「ビスマルク姉さま、スコップ似合わない」
「そう? でも、確かに麺棒以外を持つと最近しっくり来ないわね」
(前はあんなに凛々しかったのに、今はすっかりパン屋の店主が板についちゃってる……)
「ほら、また手が止まってるわ」
「主砲で吹き飛ばしちゃダメ?」
「店ごと吹き飛ぶからダメよ」
「鳳翔ー熱燗ー」
「全部終わったら飲ませてあげます」
「全部終わったらって、いつ終わんねんなコレ」
「後もう少しですよ」
「それ、一時間前ぐらいにも聞いたんやけど」
「これぐらいで音を上げるんですか?」
「アホなことぬかすなや。こんなんで音を上げる程、柔な鍛え方してへんわ」
「ふふっ、頼りにしてるわよ、龍驤」
「お汁粉百五十人分……圧巻です」
「正確にはお代わりなんかも考慮に入れてますし、三百人分ぐらいでしょうか」
「大鯨ちゃん、伊良湖、次はお餅の準備始めますよ」
「「はいっ!」」
「雪」
「冷タイラシイワ」
「春雨、マダカナ」
「一緒ニ行ケバ良カッタジャナイ」
「風デ飛バサレル」
「雪ノ宿、食ベル?」
「甘サトショッパサノハーモニーネ」
「一枚チョウダイ」
皆(?)、頑張ってました。
「プリンツ、手が止まってるわよ」
「ビスマルク姉さま、スコップ似合わない」
「そう? でも、確かに麺棒以外を持つと最近しっくり来ないわね」
(前はあんなに凛々しかったのに、今はすっかりパン屋の店主が板についちゃってる……)
「ほら、また手が止まってるわ」
「主砲で吹き飛ばしちゃダメ?」
「店ごと吹き飛ぶからダメよ」
「鳳翔ー熱燗ー」
「全部終わったら飲ませてあげます」
「全部終わったらって、いつ終わんねんなコレ」
「後もう少しですよ」
「それ、一時間前ぐらいにも聞いたんやけど」
「これぐらいで音を上げるんですか?」
「アホなことぬかすなや。こんなんで音を上げる程、柔な鍛え方してへんわ」
「ふふっ、頼りにしてるわよ、龍驤」
「お汁粉百五十人分……圧巻です」
「正確にはお代わりなんかも考慮に入れてますし、三百人分ぐらいでしょうか」
「大鯨ちゃん、伊良湖、次はお餅の準備始めますよ」
「「はいっ!」」
「雪」
「冷タイラシイワ」
「春雨、マダカナ」
「一緒ニ行ケバ良カッタジャナイ」
「風デ飛バサレル」
「雪ノ宿、食ベル?」
「甘サトショッパサノハーモニーネ」
「一枚チョウダイ」
皆(?)、頑張ってました。
255: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/21(日) 18:06:55.83 ID:JQpC0um/0
・ヲーちゃん『爆撃』、投下します
次のお手本は三隈
次のお手本は三隈
256: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/21(日) 18:07:25.61 ID:JQpC0um/0
――――朧以下四名私室。
「潮、その額は?」
「急にヲーちゃんが艦載機ぶつけてきたの……何か気に障ることしちゃったのかなぁ……」
「心当たりは?」
「ううん、何にも」
「分かった、アタシが話聞いてくる」
「えっ、でも……」
「ヲーちゃんも、顔合わせづらいかもしれないから」
「……うん、ありがとう、朧ちゃん」
「何処に居るか、分かる?」
「逃げるように空母寮の方へ行っちゃったから、多分その近辺に居ると思う」
「了解、行ってくる」
「潮、その額は?」
「急にヲーちゃんが艦載機ぶつけてきたの……何か気に障ることしちゃったのかなぁ……」
「心当たりは?」
「ううん、何にも」
「分かった、アタシが話聞いてくる」
「えっ、でも……」
「ヲーちゃんも、顔合わせづらいかもしれないから」
「……うん、ありがとう、朧ちゃん」
「何処に居るか、分かる?」
「逃げるように空母寮の方へ行っちゃったから、多分その近辺に居ると思う」
「了解、行ってくる」
257: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/21(日) 18:07:54.29 ID:JQpC0um/0
――――空母寮前。
(ヲーちゃん……ヲーちゃん……いた。一緒に居るのは、瑞鶴さん?)
「――そりゃ普通は急に爆撃されたら嫌がられるんじゃない?」
「デモ、瑞鶴ハ加賀ニ爆撃シテル。ソレガ仲良シノ証ダッテ、潮ガ」
「アレはお互い合意の上でやってるもの。それに、本当に邪魔になりそうなタイミングは外してるし、爆撃してるから仲良しって訳じゃないわよ?」
「潮、爆撃シタラ悲シソウナ顔シタ……私、ドウシタライイ?」
「理由をちゃんと話せば、潮なら分かってくれるわ」
「ヲ、分カッタ」
「じゃあさっさと行きなさい、“仲良し”なんでしょ?」
「ヲッ! 潮、一番ノ友達!」
(……部屋、戻ろ)
――――潮、ゴメン。痛カッタ……?
――――あはは、ちょっとね。
――――ヲ……本当ニゴメン。
――――これからは爆撃しちゃダメだよ?
――――分カッタ、次ハ卯月ヲ真似テミル。
――――ひゃあぁぁぁぁぁっ!?
――――(真似する相手が悪い、絶対)
(ヲーちゃん……ヲーちゃん……いた。一緒に居るのは、瑞鶴さん?)
「――そりゃ普通は急に爆撃されたら嫌がられるんじゃない?」
「デモ、瑞鶴ハ加賀ニ爆撃シテル。ソレガ仲良シノ証ダッテ、潮ガ」
「アレはお互い合意の上でやってるもの。それに、本当に邪魔になりそうなタイミングは外してるし、爆撃してるから仲良しって訳じゃないわよ?」
「潮、爆撃シタラ悲シソウナ顔シタ……私、ドウシタライイ?」
「理由をちゃんと話せば、潮なら分かってくれるわ」
「ヲ、分カッタ」
「じゃあさっさと行きなさい、“仲良し”なんでしょ?」
「ヲッ! 潮、一番ノ友達!」
(……部屋、戻ろ)
――――潮、ゴメン。痛カッタ……?
――――あはは、ちょっとね。
――――ヲ……本当ニゴメン。
――――これからは爆撃しちゃダメだよ?
――――分カッタ、次ハ卯月ヲ真似テミル。
――――ひゃあぁぁぁぁぁっ!?
――――(真似する相手が悪い、絶対)
258: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/21(日) 18:38:50.00 ID:JQpC0um/0
――――提督執務室。
「吹雪、この前のやつ届いてるぞ」
「き、緊張します……」
「青葉経由で依頼が来た時は驚いたが、艦娘をより深く知ってもらうには良い機会だったからな」
「機密情報だらけで、私達の日常の話しか出来なかったですけどね……」
「表向きはそうだが、既に一般人にも艦娘とはどういう存在なのか、かなり広く浸透してる。逆に普通の人間と変わらない部分を強調した方が、全員にとってプラスに働くだろ」
「――し、司令官」
「ん? どうした?」
「発売中止にして下さい! 今すぐ!」
「何か書かれたらまずい内容が載ってるのか? チェックした時には全く問題は無かったはずなんだが……とにかく見せてみろ」
「見せられません!」
「見ないと分からないだろ。ほら、どこだ」
「司令官の●●●!」
「……は?」
「と、とにかく抗議してきます!」
「あ、あぁ……一体何がまずかったんだ?」
時既に遅し、吹雪は暫く鎮守府に籠りました。
「吹雪、この前のやつ届いてるぞ」
「き、緊張します……」
「青葉経由で依頼が来た時は驚いたが、艦娘をより深く知ってもらうには良い機会だったからな」
「機密情報だらけで、私達の日常の話しか出来なかったですけどね……」
「表向きはそうだが、既に一般人にも艦娘とはどういう存在なのか、かなり広く浸透してる。逆に普通の人間と変わらない部分を強調した方が、全員にとってプラスに働くだろ」
「――し、司令官」
「ん? どうした?」
「発売中止にして下さい! 今すぐ!」
「何か書かれたらまずい内容が載ってるのか? チェックした時には全く問題は無かったはずなんだが……とにかく見せてみろ」
「見せられません!」
「見ないと分からないだろ。ほら、どこだ」
「司令官の●●●!」
「……は?」
「と、とにかく抗議してきます!」
「あ、あぁ……一体何がまずかったんだ?」
時既に遅し、吹雪は暫く鎮守府に籠りました。
265: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/22(月) 01:47:28.84 ID:jjhUjDTp0
・『こたつむり』、投下します
気が抜けてたっていいじゃない、戦い終わってるんだもの、はつはる
気が抜けてたっていいじゃない、戦い終わってるんだもの、はつはる
266: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/22(月) 01:48:05.38 ID:jjhUjDTp0
「やっぱ炬燵にはみかんじゃねーの?」
「みかんも、あり。でも、アイスこそ、至高」
「分かっておらぬのぅ。番茶に煎餅、これ以外にあるまい」
「番茶に煎餅は流石に年寄り臭くない?」
「妾を年寄り扱いするのか?」
「炬燵で抹茶アイス、食べてるの、見た」
「アレは子日が妾に買ってきたのを食しただけじゃ」
「へー、てっきり和ばっか食べてんのかと思ってたけど、違うんだ」
「別に妾が何を口にしようと良かろう?」
「その前は、抹茶バウム――」
「コホン、話を戻すぞ。炬燵に番茶と煎餅という組み合わせは――」
「抹茶バウム美味いよな」
「和と洋の、コラボ。グッジョブ」
「其方等少しは人の話を聞かぬか!」
「いや、正直どーでもいいし、人それぞれの好みでいいんじゃねーの?」
「ふむ、確かに一理ある。では他にどういったものが似つかわしいと思うておるのじゃ?」
「食べ物じゃないけど、ゲーム、とか」
「充電器が届く位置に陣取らないと、動くハメになるんだろ」
「うん、常に位置は固定、譲らない」
「そういう意味であれば、トランプなどもよいな」
「ウノでも、いい」
「めんどいからなるべく手を動かさないで済むやつ」
「……のぅ、茶が欲しくならぬか?」
「言い出しっぺ、ゴー」
「異議無し」
「待たぬか! ここは正々堂々勝負で決めるのが良いぞ」
「ペットボトル、ある」
「あたしも水筒あるから」
「……妾も次からそうするかのぅ」
「ところで、お前等いつ自分の部屋に戻るんだ?」
――――ここに、住む。
――――却下。
――――部屋まで運んでくんない?
――――自分の足で帰れ。
――――よもや秘書艦まで追い出したりはせぬよな?
――――まずは炬燵から出ろ、話はそれからだ。
「みかんも、あり。でも、アイスこそ、至高」
「分かっておらぬのぅ。番茶に煎餅、これ以外にあるまい」
「番茶に煎餅は流石に年寄り臭くない?」
「妾を年寄り扱いするのか?」
「炬燵で抹茶アイス、食べてるの、見た」
「アレは子日が妾に買ってきたのを食しただけじゃ」
「へー、てっきり和ばっか食べてんのかと思ってたけど、違うんだ」
「別に妾が何を口にしようと良かろう?」
「その前は、抹茶バウム――」
「コホン、話を戻すぞ。炬燵に番茶と煎餅という組み合わせは――」
「抹茶バウム美味いよな」
「和と洋の、コラボ。グッジョブ」
「其方等少しは人の話を聞かぬか!」
「いや、正直どーでもいいし、人それぞれの好みでいいんじゃねーの?」
「ふむ、確かに一理ある。では他にどういったものが似つかわしいと思うておるのじゃ?」
「食べ物じゃないけど、ゲーム、とか」
「充電器が届く位置に陣取らないと、動くハメになるんだろ」
「うん、常に位置は固定、譲らない」
「そういう意味であれば、トランプなどもよいな」
「ウノでも、いい」
「めんどいからなるべく手を動かさないで済むやつ」
「……のぅ、茶が欲しくならぬか?」
「言い出しっぺ、ゴー」
「異議無し」
「待たぬか! ここは正々堂々勝負で決めるのが良いぞ」
「ペットボトル、ある」
「あたしも水筒あるから」
「……妾も次からそうするかのぅ」
「ところで、お前等いつ自分の部屋に戻るんだ?」
――――ここに、住む。
――――却下。
――――部屋まで運んでくんない?
――――自分の足で帰れ。
――――よもや秘書艦まで追い出したりはせぬよな?
――――まずは炬燵から出ろ、話はそれからだ。
271: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/22(月) 20:56:11.61 ID:jjhUjDTp0
・赤城『変わらずまた来年も』、投下します
272: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/22(月) 20:56:49.72 ID:jjhUjDTp0
――――提督執務室。
「赤城、何見てるんだ?」
「アルバムです。青葉が今まで撮った写真を厳選して、全員分作ってくれたんですよ」
「ちょっと待て、俺もらってないぞ」
「何人かから“提督が私的に使うかもしれない”と指摘があったので、提督には渡さないそうですよ?」
「長い付き合いで今一番傷付くことを言われた気がするんだが……」
「言い換えると、“恥ずかしいから絶対にやめて”ですね」
(大体言った奴が分かった)
「私の写真で良ければ差し上げましょうか? 後、加賀のも」
「いや、いい。何人かのは持ってるし、写真が無くても顔が見たくなれば会いに行けば済む話だ」
「それもそうですね」
「赤城は何か特別な思い出とかあるのか?」
「いえ、特別というものはありませんよ」
「……そうか」
「はい、全て大切な思い出ですから、特別にどれとは言えないです」
(何だ、そういう意味だったか……今日は色々不安にさせられる日だな……)
「強いて言うなら、この写真でしょうか」
「どれだ?」
「この写真です」
「これは……終戦時に撮った写真か」
「はい、最近来た子は当然居ませんが、ここの皆が写っています」
「言われてみれば確かに全員で撮った写真は珍しいな、人数が多すぎて大変ってのもあるが」
「この写真だけは、いつも懐に入れて持ち歩いているんです」
(劣化が激しいってことは、何度もこうして眺めてるんだろうな。赤城らしいといえば赤城らしい)
「――よし、撮るか」
「はい?」
――――流石に多いですね。
――――妖精の本気様々だな、二百人程度なら顔まではっきり判別出来るそうだ。
――――……提督。
――――何だ?
――――来年もまた、撮りましょうね。
――――……あぁ、そうだな。
「赤城、何見てるんだ?」
「アルバムです。青葉が今まで撮った写真を厳選して、全員分作ってくれたんですよ」
「ちょっと待て、俺もらってないぞ」
「何人かから“提督が私的に使うかもしれない”と指摘があったので、提督には渡さないそうですよ?」
「長い付き合いで今一番傷付くことを言われた気がするんだが……」
「言い換えると、“恥ずかしいから絶対にやめて”ですね」
(大体言った奴が分かった)
「私の写真で良ければ差し上げましょうか? 後、加賀のも」
「いや、いい。何人かのは持ってるし、写真が無くても顔が見たくなれば会いに行けば済む話だ」
「それもそうですね」
「赤城は何か特別な思い出とかあるのか?」
「いえ、特別というものはありませんよ」
「……そうか」
「はい、全て大切な思い出ですから、特別にどれとは言えないです」
(何だ、そういう意味だったか……今日は色々不安にさせられる日だな……)
「強いて言うなら、この写真でしょうか」
「どれだ?」
「この写真です」
「これは……終戦時に撮った写真か」
「はい、最近来た子は当然居ませんが、ここの皆が写っています」
「言われてみれば確かに全員で撮った写真は珍しいな、人数が多すぎて大変ってのもあるが」
「この写真だけは、いつも懐に入れて持ち歩いているんです」
(劣化が激しいってことは、何度もこうして眺めてるんだろうな。赤城らしいといえば赤城らしい)
「――よし、撮るか」
「はい?」
――――流石に多いですね。
――――妖精の本気様々だな、二百人程度なら顔まではっきり判別出来るそうだ。
――――……提督。
――――何だ?
――――来年もまた、撮りましょうね。
――――……あぁ、そうだな。
273: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/23(火) 02:13:10.91 ID:v6pr1Vfm0
・赤城『今』、投下します
食べ歩いて謎の襲撃をしていた理由、雲龍着任の裏話
食べ歩いて謎の襲撃をしていた理由、雲龍着任の裏話
274: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/23(火) 02:13:48.98 ID:v6pr1Vfm0
――――???
私は、彼女と彼に誇りを守ってもらった。
その恩を、一生忘れることはない。
陽の当たらない部分は、私が背負えばいい。
ただ明るい場所で、笑っていて欲しい。
だけど、彼女はまた私の隣に立った。
彼は、何も言わず頭を下げた。
あの子は、こんな私についてきた。
――だから。
「懲りないですね、もう無駄だというのに」
「何度も言っただろう、ただ平和なだけでは困るのだ。深海棲艦が居なくなった今、軍事予算は大幅に削られ、新たに最新鋭の兵器を作ろうにも国の認可は降りない。それならば、兵器として簡単に産み出せる“艦娘”を利用しない手はあるまい?」
「長きに渡る戦いを終えて、ようやく掴んだ平和を放棄する、と」
「そんなものは仮初めに過ぎん。いずれはまた、新たな戦争が起きる。我々は、その準備をせねばいかんのだ」
「そうですか、私には関係ありませんね。ですから、全て潰します」
「貴様も艦娘ならば分かるだろう? その力を軍事目的に利用すれば、どれだけの成果を産むか。これもまた、平和の為なのだ」
「貴方の言う平和なんて、私にはどうでもいいんです。私が守りたいのは、今の平和だけですから。それを脅かすというのであれば、誰であろうと、何であろうと、止めてみせます」
「そうか、残念だ。望むのならば、最高の待遇で迎えようと思ったのだがな」
「……私が一番好きなものを、教えて差し上げましょうか?」
「何だ、言ってみろ。用意できるものならば、今すぐに用意しよう」
「――仲間の、笑顔です」
――――お帰りなさい、赤城さん。
――――ただいま、加賀。
――――今日はどうしますか?
――――食堂で、皆と食べたいですね。
私は、彼女と彼に誇りを守ってもらった。
その恩を、一生忘れることはない。
陽の当たらない部分は、私が背負えばいい。
ただ明るい場所で、笑っていて欲しい。
だけど、彼女はまた私の隣に立った。
彼は、何も言わず頭を下げた。
あの子は、こんな私についてきた。
――だから。
「懲りないですね、もう無駄だというのに」
「何度も言っただろう、ただ平和なだけでは困るのだ。深海棲艦が居なくなった今、軍事予算は大幅に削られ、新たに最新鋭の兵器を作ろうにも国の認可は降りない。それならば、兵器として簡単に産み出せる“艦娘”を利用しない手はあるまい?」
「長きに渡る戦いを終えて、ようやく掴んだ平和を放棄する、と」
「そんなものは仮初めに過ぎん。いずれはまた、新たな戦争が起きる。我々は、その準備をせねばいかんのだ」
「そうですか、私には関係ありませんね。ですから、全て潰します」
「貴様も艦娘ならば分かるだろう? その力を軍事目的に利用すれば、どれだけの成果を産むか。これもまた、平和の為なのだ」
「貴方の言う平和なんて、私にはどうでもいいんです。私が守りたいのは、今の平和だけですから。それを脅かすというのであれば、誰であろうと、何であろうと、止めてみせます」
「そうか、残念だ。望むのならば、最高の待遇で迎えようと思ったのだがな」
「……私が一番好きなものを、教えて差し上げましょうか?」
「何だ、言ってみろ。用意できるものならば、今すぐに用意しよう」
「――仲間の、笑顔です」
――――お帰りなさい、赤城さん。
――――ただいま、加賀。
――――今日はどうしますか?
――――食堂で、皆と食べたいですね。
275: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/23(火) 02:16:46.53 ID:v6pr1Vfm0
・木曾『頼まれた』、投下します
第六駆逐隊は天龍龍田と旅行中、なお暁が乗る電車を間違えた模様
第六駆逐隊は天龍龍田と旅行中、なお暁が乗る電車を間違えた模様
276: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/23(火) 02:18:24.21 ID:v6pr1Vfm0
――――球磨型私室。
「良い食いっぷりだな、お前もちゃんと食えよ?」
――にゃー。
「木曾、お腹空いたクマー」
「球磨姉は自分で作って食えるだろ」
「妹が冷たいクマー……反抗期だクマー……お姉ちゃん悲しいクマー……」
「あぁもう分かった分かった、何が食いたいか言えよ」
「鮭のムニエル食べたいクマ」
「多摩は鰹のタタキがいいにゃ」
「アタシはスープパスタよろしくー」
「私はキノコのリゾットね」
「そんな面倒なもん一度に作れるわけ無いだろ! 食いたいなら誰でもいいから手伝え!」
「仕方無いクマねー……なのとてーとくの力を借りるクマ」
――にゃ?
――ふみ?
「猫の手で料理は出来ねぇよバカ姉貴」
「姉に向かってバカとは何だクマー!」
「文句があるなら自分で作れ」
「分かったクマ。木曾の好物のザッハトルテは二度と作ってやらないクマ」
「べ、別にいらねぇなぁそんなものは……」
(目が泳いでるにゃ)
(アレ絶品だもんねー)
(木曾への交渉材料に作り方教えてもらおうかしら……)
「ヴォー……そろそろ本当にお腹空いてきたクマ、木曾は何食べたいクマ?」
「俺か? 球磨姉が作るなら何でもいいぜ」
「じゃあ木曾の顔作るクマ」
「いらねぇよそんなもん」
「じゃあ猫の顔のオムライスにするクマ」
「……あぁ」
(分かりやすいにゃ)
(分かりやすいねー)
(オムライスなら簡単に作れそう)
「鮭のムニエルはちゃんと木曾が作るクマー」
「自分で作った方が美味いだろ、何で俺が……」
「球磨は木曾が作ったのが食べたいクマー」
「……仕方ねぇな、分かったよ」
――にゃー。
――みゃおー。
「ほら、お前等は危ないからちょっと向こうで多摩姉とでも遊んでろ」
「多摩に勝手に任せるんじゃないにゃ」
「良い食いっぷりだな、お前もちゃんと食えよ?」
――にゃー。
「木曾、お腹空いたクマー」
「球磨姉は自分で作って食えるだろ」
「妹が冷たいクマー……反抗期だクマー……お姉ちゃん悲しいクマー……」
「あぁもう分かった分かった、何が食いたいか言えよ」
「鮭のムニエル食べたいクマ」
「多摩は鰹のタタキがいいにゃ」
「アタシはスープパスタよろしくー」
「私はキノコのリゾットね」
「そんな面倒なもん一度に作れるわけ無いだろ! 食いたいなら誰でもいいから手伝え!」
「仕方無いクマねー……なのとてーとくの力を借りるクマ」
――にゃ?
――ふみ?
「猫の手で料理は出来ねぇよバカ姉貴」
「姉に向かってバカとは何だクマー!」
「文句があるなら自分で作れ」
「分かったクマ。木曾の好物のザッハトルテは二度と作ってやらないクマ」
「べ、別にいらねぇなぁそんなものは……」
(目が泳いでるにゃ)
(アレ絶品だもんねー)
(木曾への交渉材料に作り方教えてもらおうかしら……)
「ヴォー……そろそろ本当にお腹空いてきたクマ、木曾は何食べたいクマ?」
「俺か? 球磨姉が作るなら何でもいいぜ」
「じゃあ木曾の顔作るクマ」
「いらねぇよそんなもん」
「じゃあ猫の顔のオムライスにするクマ」
「……あぁ」
(分かりやすいにゃ)
(分かりやすいねー)
(オムライスなら簡単に作れそう)
「鮭のムニエルはちゃんと木曾が作るクマー」
「自分で作った方が美味いだろ、何で俺が……」
「球磨は木曾が作ったのが食べたいクマー」
「……仕方ねぇな、分かったよ」
――にゃー。
――みゃおー。
「ほら、お前等は危ないからちょっと向こうで多摩姉とでも遊んでろ」
「多摩に勝手に任せるんじゃないにゃ」
277: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/23(火) 02:20:54.66 ID:v6pr1Vfm0
――――木曾って動物に好かれるよな。
――――何でそう思うんだ?
――――木曾さん!
――――木曾さん木曾さん!
――――木曾ぴょん!
――――な?
――――コイツ等を動物に分類していいのか?
――――何でそう思うんだ?
――――木曾さん!
――――木曾さん木曾さん!
――――木曾ぴょん!
――――な?
――――コイツ等を動物に分類していいのか?
284: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/23(火) 22:33:29.53 ID:v6pr1Vfm0
間に合った、クリスマスイベント準備中投下
285: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/23(火) 22:33:57.51 ID:v6pr1Vfm0
――――食堂。
「えーっと、漣ちゃん?」
「何ですか?」
「本気?」
「イエス」
「コレ、着るの?」
「イグザクトリー」
「きょ、拒否権はあるのよね?」
「うん、それ無理。もうビラ配っちゃいました」
「い、伊良湖はどう――」
「着心地は悪くないですね、流石妖精さんです」
「……分かりました、クリスマスはこれを着て仕事をします。どうせ中に居ればあまりお客様には見えませんし」
「何を仰る間宮さん。期間中はずっとですよ?」
「」
「それじゃあお願いしますねー」
「……大鯨ちゃんに二週間程食堂を任せちゃダメかしら」
「暖かいですよ、コレ」
(せめて胸元が開いてなければ……)
「えーっと、漣ちゃん?」
「何ですか?」
「本気?」
「イエス」
「コレ、着るの?」
「イグザクトリー」
「きょ、拒否権はあるのよね?」
「うん、それ無理。もうビラ配っちゃいました」
「い、伊良湖はどう――」
「着心地は悪くないですね、流石妖精さんです」
「……分かりました、クリスマスはこれを着て仕事をします。どうせ中に居ればあまりお客様には見えませんし」
「何を仰る間宮さん。期間中はずっとですよ?」
「」
「それじゃあお願いしますねー」
「……大鯨ちゃんに二週間程食堂を任せちゃダメかしら」
「暖かいですよ、コレ」
(せめて胸元が開いてなければ……)
286: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/23(火) 22:34:28.13 ID:v6pr1Vfm0
――――鎮守府イベント会場。
「那珂ちゃんサンタは今日も絶好調、キャハッ」
「本当にボクでいいのかな?」
「別に宣伝なら着るの那珂だけで良かったんやない?」
「それは協力してくれた街の皆さんの要望ゲフンゲフンもといイベントは参加してこそ意義があるってやつですよ」
「漣、ボク達を売ったね……? まぁ、いいさ。君の言うことにも一理ある」
「艦載機をソリに見立てるっちゅうのはえぇ発想やとはうちも思うよ。調整やら何やらギリギリで結構苦労したけど、やりがいはあるわ」
「那珂ちゃんはクリスマスライブに向けて準備はバッチリだよ!」
「ボクは何をすればいいのかな?」
「ご年配の方々への配慮をお願いします。白雪達にも頼みましたけど、それでも人手が足んねーって感じで……」
「うん、分かったよ」
「じゃあ今日は宣伝街巡り行ってらっしゃいませー」
「「「了解」」」
「那珂ちゃんサンタは今日も絶好調、キャハッ」
「本当にボクでいいのかな?」
「別に宣伝なら着るの那珂だけで良かったんやない?」
「それは協力してくれた街の皆さんの要望ゲフンゲフンもといイベントは参加してこそ意義があるってやつですよ」
「漣、ボク達を売ったね……? まぁ、いいさ。君の言うことにも一理ある」
「艦載機をソリに見立てるっちゅうのはえぇ発想やとはうちも思うよ。調整やら何やらギリギリで結構苦労したけど、やりがいはあるわ」
「那珂ちゃんはクリスマスライブに向けて準備はバッチリだよ!」
「ボクは何をすればいいのかな?」
「ご年配の方々への配慮をお願いします。白雪達にも頼みましたけど、それでも人手が足んねーって感じで……」
「うん、分かったよ」
「じゃあ今日は宣伝街巡り行ってらっしゃいませー」
「「「了解」」」
287: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/23(火) 22:35:01.75 ID:v6pr1Vfm0
――――クリスマスイベント前日。
「あっ、もしもし漣AですがBちゃんお願いします」
『モブじゃねぇんですからAとかB呼びはやめろって前に言いませんでしたかねぇ……で、何の用です?』
「クリスマスイベントにご招待します。抵抗は無意味なので拉致られちゃって下さい」
『は? 何言って――赤城さん!? いや、ちょっ、待っ』
『――五人共快く参加してくれるそうです。今から戻りますね?』
「お疲れ様です赤城さん、帰ってきたらパンケーキ焼きますね」
『楽しみにしておきます、では』
「さてさて、元帥は勝手に来るからいいとして、次はっとー」
――――漣のちょっと本気は凄いでしょ、ね?
「あっ、もしもし漣AですがBちゃんお願いします」
『モブじゃねぇんですからAとかB呼びはやめろって前に言いませんでしたかねぇ……で、何の用です?』
「クリスマスイベントにご招待します。抵抗は無意味なので拉致られちゃって下さい」
『は? 何言って――赤城さん!? いや、ちょっ、待っ』
『――五人共快く参加してくれるそうです。今から戻りますね?』
「お疲れ様です赤城さん、帰ってきたらパンケーキ焼きますね」
『楽しみにしておきます、では』
「さてさて、元帥は勝手に来るからいいとして、次はっとー」
――――漣のちょっと本気は凄いでしょ、ね?
289: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/24(水) 03:25:54.23 ID:WxJ9mDfj0
――――クリスマスイベント当日。
「クリスマスキタコレ!」
「やけにテンション高いな……まぁ今回はお前が陣頭指揮取ってたし、テンションが上がるのも仕方無いか」
「ご主人様、クリスマスにはプレゼントですよね?」
「不公平になるから誰にもやらない方向で決定しただろ」
「いつ“もらう”って言いました? はい、漣特製ケーキです」
「……小耳に挟んだんだが、ホール二十個分ぐらい俺用のが用意されてるらしいな」
「皆昨日は準備と平行して頑張ってましたよ。因みにコレは潮と朧と匿名希望の曙も一緒に作ってますから、厳密には私特製でも何でも無いんですよねー」
「蟹とヲーちゃんと花弁とウサギのマジパンか、作ったのが誰だかよく分かる」
「ご主人様、とりあえず一口食べてみませんか?」
「あぁ、一口でいいならもらう」
「ではでは――ん」
「っ!?」
「自分で言うのも何ですが、ケーキウマー!」
「……顔真っ赤にするぐらいならやるなよ、口移し」
「それ以上言うと、ぶっ飛ばしますよ?」
「サンタコス、似合ってるぞ」
「……追撃とかチートですよ、もう」
「ほら、イベントの主催者なんだから働いてこい」
「あっヤバッ開会の司会忘れてた!?」
「さっさと行ってこい、最高に盛り上げるんだろ?」
「任せて下さい、漣の本気は凄いんだから!」
――――今日は疲れ果てて倒れるまでご主人様方もお嬢様方も帰しませんよ! レッツパーリィ! クリスマス、皆で祝えば、怖くないっ!
「クリスマスキタコレ!」
「やけにテンション高いな……まぁ今回はお前が陣頭指揮取ってたし、テンションが上がるのも仕方無いか」
「ご主人様、クリスマスにはプレゼントですよね?」
「不公平になるから誰にもやらない方向で決定しただろ」
「いつ“もらう”って言いました? はい、漣特製ケーキです」
「……小耳に挟んだんだが、ホール二十個分ぐらい俺用のが用意されてるらしいな」
「皆昨日は準備と平行して頑張ってましたよ。因みにコレは潮と朧と匿名希望の曙も一緒に作ってますから、厳密には私特製でも何でも無いんですよねー」
「蟹とヲーちゃんと花弁とウサギのマジパンか、作ったのが誰だかよく分かる」
「ご主人様、とりあえず一口食べてみませんか?」
「あぁ、一口でいいならもらう」
「ではでは――ん」
「っ!?」
「自分で言うのも何ですが、ケーキウマー!」
「……顔真っ赤にするぐらいならやるなよ、口移し」
「それ以上言うと、ぶっ飛ばしますよ?」
「サンタコス、似合ってるぞ」
「……追撃とかチートですよ、もう」
「ほら、イベントの主催者なんだから働いてこい」
「あっヤバッ開会の司会忘れてた!?」
「さっさと行ってこい、最高に盛り上げるんだろ?」
「任せて下さい、漣の本気は凄いんだから!」
――――今日は疲れ果てて倒れるまでご主人様方もお嬢様方も帰しませんよ! レッツパーリィ! クリスマス、皆で祝えば、怖くないっ!
290: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/24(水) 03:27:59.09 ID:WxJ9mDfj0
――――イベント会場。
「ご主人様ー」
「漣君、どこ行ってたの?」
「ちょっと呼ばれたんで」
「そうなんだ、多摩と子多摩と球磨君はあっちで露店開いちゃったよ」
「多摩と子多摩で客引き、セールストークは球磨、役割がはっきりしてますね……」
「売れ行き好調みたいだよ、来月はちょっと潤いそう」
「……あの、ご主人様?」
「何?」
「いい加減突っ込んでくれませんか」
「寒くないの?」
「意外に温いですね、ってそうじゃねぇですよ!」
「あはは、可愛いよ、漣君」
「……どうも」
「さざなみねーちゃん、サンタさんなのにゃ? プレゼントほしいにゃ」
「子多摩、店はどうしたんですか?」
「かーさんがここならあんぜんだから、さざなみねーちゃんといっしょにあそんできなさいっていったのにゃ」
「あれ、僕は?」
「なにもいってなかったにゃ」
「えー……まぁ、いいや。とりあえず漣君、子多摩お願い。僕はここの提督さんとかあきつ丸さん達に挨拶してくるよ」
「了解です。子多摩、どっか行きたい場所ありますか?」
「ちょっとおなかすいたにゃ」
「じゃあまずは甘味ですね。独創的な甘味で評判の伊良湖さんって方が増えたみたいですし、ちょっと行ってみましょうか」
「レッツゴーにゃ」
「子多摩、迷子になっちゃ困るんで手繋ぎましょう」
「わかったにゃ」
――――ふしゃーっ!?
――――(ど、独創的ってレベルじゃねぇですよコレ……)
――――トナカイ(のリアル顔型)パフェお待たせしました。
「ご主人様ー」
「漣君、どこ行ってたの?」
「ちょっと呼ばれたんで」
「そうなんだ、多摩と子多摩と球磨君はあっちで露店開いちゃったよ」
「多摩と子多摩で客引き、セールストークは球磨、役割がはっきりしてますね……」
「売れ行き好調みたいだよ、来月はちょっと潤いそう」
「……あの、ご主人様?」
「何?」
「いい加減突っ込んでくれませんか」
「寒くないの?」
「意外に温いですね、ってそうじゃねぇですよ!」
「あはは、可愛いよ、漣君」
「……どうも」
「さざなみねーちゃん、サンタさんなのにゃ? プレゼントほしいにゃ」
「子多摩、店はどうしたんですか?」
「かーさんがここならあんぜんだから、さざなみねーちゃんといっしょにあそんできなさいっていったのにゃ」
「あれ、僕は?」
「なにもいってなかったにゃ」
「えー……まぁ、いいや。とりあえず漣君、子多摩お願い。僕はここの提督さんとかあきつ丸さん達に挨拶してくるよ」
「了解です。子多摩、どっか行きたい場所ありますか?」
「ちょっとおなかすいたにゃ」
「じゃあまずは甘味ですね。独創的な甘味で評判の伊良湖さんって方が増えたみたいですし、ちょっと行ってみましょうか」
「レッツゴーにゃ」
「子多摩、迷子になっちゃ困るんで手繋ぎましょう」
「わかったにゃ」
――――ふしゃーっ!?
――――(ど、独創的ってレベルじゃねぇですよコレ……)
――――トナカイ(のリアル顔型)パフェお待たせしました。
309: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/24(水) 22:17:16.34 ID:WxJ9mDfj0
「ねぇ、隼鷹」
「何?」
「皆サンタコスよね?」
「だねぇ」
「――何で私達、ドレスなの?」
「シャンパン飲んでりゃ絵になるからだってさ」
「楽といえば楽だけど、ずっとこの恰好で外でシャンパン飲んでられる訳無いじゃない……」
「シャンパンじゃなくて熱燗飲めばいんじゃね?」
「ドレスで熱燗飲んでどうすんのよ」
「大丈夫大丈夫、ちゃんと売り子やってりゃ漣も文句言わないって」
「そもそもここじゃ、熱燗用意出来ないし」
「マジで寒いんだから現実逃避ぐらいいいじゃんかよぉ……」
「……何かごめん」
――すいません、一杯頂けますか?
「あっ、はい。少々お待ちください」
「よろしければあちらにシャンパンに合う軽食もありますので、そちらもどうぞ」
――ありがとう、見てきます。
「お待たせしました、どうぞ」
「ありがとうございました、ごゆっくりなさって下さいね」
「――猫被るのも慣れたもんよね」
「そこは素ってことにしとこうぜ」
「素なら胸元にしか目がいかないような奴爆撃するに決まってるじゃない」
「おっかないねぇ、飛鷹ってば」
「……提督、早く覗きに来なさいよ」
「飲ませて酔わせりゃここにずっと居させられっかもよ?」
「それは……ありね」
(アタシは冗談のつもりだったんだけどな……まっ、いっか)
――――お前等、寒そうだな……。
――――あー! 提督ー! 熱燗持ってきてー!
――――開口一番酒かよ。
――――しょうがないじゃない、寒いのよ……。
「何?」
「皆サンタコスよね?」
「だねぇ」
「――何で私達、ドレスなの?」
「シャンパン飲んでりゃ絵になるからだってさ」
「楽といえば楽だけど、ずっとこの恰好で外でシャンパン飲んでられる訳無いじゃない……」
「シャンパンじゃなくて熱燗飲めばいんじゃね?」
「ドレスで熱燗飲んでどうすんのよ」
「大丈夫大丈夫、ちゃんと売り子やってりゃ漣も文句言わないって」
「そもそもここじゃ、熱燗用意出来ないし」
「マジで寒いんだから現実逃避ぐらいいいじゃんかよぉ……」
「……何かごめん」
――すいません、一杯頂けますか?
「あっ、はい。少々お待ちください」
「よろしければあちらにシャンパンに合う軽食もありますので、そちらもどうぞ」
――ありがとう、見てきます。
「お待たせしました、どうぞ」
「ありがとうございました、ごゆっくりなさって下さいね」
「――猫被るのも慣れたもんよね」
「そこは素ってことにしとこうぜ」
「素なら胸元にしか目がいかないような奴爆撃するに決まってるじゃない」
「おっかないねぇ、飛鷹ってば」
「……提督、早く覗きに来なさいよ」
「飲ませて酔わせりゃここにずっと居させられっかもよ?」
「それは……ありね」
(アタシは冗談のつもりだったんだけどな……まっ、いっか)
――――お前等、寒そうだな……。
――――あー! 提督ー! 熱燗持ってきてー!
――――開口一番酒かよ。
――――しょうがないじゃない、寒いのよ……。
310: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/24(水) 22:17:43.34 ID:WxJ9mDfj0
「皆、ちゃんと並んでね。ほらそこ、割り込みなんてしちゃダメよ! 良い子にしてないとサンタさんはプレゼントをくれないわ」
「あなた、迷子なの? 大丈夫、私が居るから心配しないで。すぐにお母さんを見付けてあげるからね」
「私は雷よ、サンタさんじゃないわ。プレゼントが欲しい子はこの列に並んでね」
「おばあちゃん、そんな薄着で寒くない? 待ってて、温かいお茶とカイロを持ってくるから」
「雷、そろそろ交代するよ」
「あっ響、もうそんな時間?」
「大変だったみたいだね」
「大変は大変だったけど、色んな人から“ありがとう”って言われて凄く嬉しかったわ」
「それはいいな、やりがいがありそうだ」
「暁達は?」
「さっきまで龍驤達のショーを見てたよ。雷も行ってみるといい」
「そうするわ。じゃあ響も頑張ってね」
「了解」
――――雷、お疲れ様なのです。
――――アレ、暁は?
――――あそこでトナカイクッキー貰える列に並んでるのです。
――――子供に混じっててもあんまり違和感無いわね……。
「あなた、迷子なの? 大丈夫、私が居るから心配しないで。すぐにお母さんを見付けてあげるからね」
「私は雷よ、サンタさんじゃないわ。プレゼントが欲しい子はこの列に並んでね」
「おばあちゃん、そんな薄着で寒くない? 待ってて、温かいお茶とカイロを持ってくるから」
「雷、そろそろ交代するよ」
「あっ響、もうそんな時間?」
「大変だったみたいだね」
「大変は大変だったけど、色んな人から“ありがとう”って言われて凄く嬉しかったわ」
「それはいいな、やりがいがありそうだ」
「暁達は?」
「さっきまで龍驤達のショーを見てたよ。雷も行ってみるといい」
「そうするわ。じゃあ響も頑張ってね」
「了解」
――――雷、お疲れ様なのです。
――――アレ、暁は?
――――あそこでトナカイクッキー貰える列に並んでるのです。
――――子供に混じっててもあんまり違和感無いわね……。
311: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/24(水) 22:18:13.01 ID:WxJ9mDfj0
「待機という言葉にも、すっかり抵抗が無くなったな」
「そうですね」
「大和は完全武装か」
「サンタの恰好は少し恥ずかしいですけど、せっかくの皆で楽しむクリスマスですから」
「そうだな、全力で楽しむのが一番アイツも喜ぶだろうさ」
「――あの、武蔵」
「何だ?」
「赤鼻とトナカイの角、今は外しててもらってもいい? 思わず笑ってしまいそうで……」
「待機中とはいえ、これも立派な武装だ。外す訳にはいかんよ」
「提督がいらしても?」
「当然だな」
「そうですか……あちらでお腹を抱えて笑い堪えるのに必死みたいよ?」
「……意地でも外さん」
――――何でお前だけトナカイなんだよ……。
――――サンタの恰好だと上も着ろと言われたからな、これなら上を着ずともおかしくはない。
――――いや、違う意味でおかしいからな?
――――たまにはウケというのを狙ってるのも一興だろ?
――――清霜が見てはいけないものを見たって感じでさっき通りすぎたけどな。
「そうですね」
「大和は完全武装か」
「サンタの恰好は少し恥ずかしいですけど、せっかくの皆で楽しむクリスマスですから」
「そうだな、全力で楽しむのが一番アイツも喜ぶだろうさ」
「――あの、武蔵」
「何だ?」
「赤鼻とトナカイの角、今は外しててもらってもいい? 思わず笑ってしまいそうで……」
「待機中とはいえ、これも立派な武装だ。外す訳にはいかんよ」
「提督がいらしても?」
「当然だな」
「そうですか……あちらでお腹を抱えて笑い堪えるのに必死みたいよ?」
「……意地でも外さん」
――――何でお前だけトナカイなんだよ……。
――――サンタの恰好だと上も着ろと言われたからな、これなら上を着ずともおかしくはない。
――――いや、違う意味でおかしいからな?
――――たまにはウケというのを狙ってるのも一興だろ?
――――清霜が見てはいけないものを見たって感じでさっき通りすぎたけどな。
312: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/24(水) 22:18:43.86 ID:WxJ9mDfj0
「大盛況だね、朧ちゃん」
「うん、まだまだ頑張る」
「後どのぐらい焼けそうかな?」
「後五十枚は焼ける、多分」
「分かった、曙ちゃんに伝えてくるね」
「潮、コレ二人の分、持っていって」
「ありがとう、ヲーちゃんもお手伝いありがとね」
「ヲッ! トッピング頑張ル!」
「じゃあまた後で」
――ウィンタークラブ朧スペシャル二枚注文入ったわよー!
「朧、注文来タ」
「うん、ヲーちゃんは具材準備して、朧はピザ生地伸ばすから」
「ヲッ!」
「――注文してもいいか?」
「提督、ズルはダメ。表から注文してくれなきゃ焼かないよ」
「冗談だ、もう注文してきた。今作ってるそれが俺のだ」
「そう……じゃあ、一番美味しくなるように頑張る」
「贔屓はしていいのか?」
「デスソース、塗ってあげる」
「それ、焼くお前も大変なことになるぞ」
「冗談、多分」
「そこは言い切ってくれ」
「漣、楽しそうにしてた?」
「今も主催者として走り回ってるよ、こっちにもそのうち顔出すんじゃないか?」
「そう」
「お前はどうなんだ? 楽しめてるのか?」
「クリスマスも、他のイベントも、皆が楽しめてるなら、朧は好きです」
「そうか、なら良かった」
「――提督」
「ん?」
「メリークリスマス、ピザ生地、コレでいい?」
「メリークリスマス、珍しくていいんじゃないか、ハート型」
――――朧、サッキハ凄ク良イ笑顔ダッタ!……ドウカシタ? 朧ノ顔、今ハ凄ク赤イ。
――――ピザ焼いてるから、多分。
――――……焦ゲテルヨ?
――――あっ……。
「うん、まだまだ頑張る」
「後どのぐらい焼けそうかな?」
「後五十枚は焼ける、多分」
「分かった、曙ちゃんに伝えてくるね」
「潮、コレ二人の分、持っていって」
「ありがとう、ヲーちゃんもお手伝いありがとね」
「ヲッ! トッピング頑張ル!」
「じゃあまた後で」
――ウィンタークラブ朧スペシャル二枚注文入ったわよー!
「朧、注文来タ」
「うん、ヲーちゃんは具材準備して、朧はピザ生地伸ばすから」
「ヲッ!」
「――注文してもいいか?」
「提督、ズルはダメ。表から注文してくれなきゃ焼かないよ」
「冗談だ、もう注文してきた。今作ってるそれが俺のだ」
「そう……じゃあ、一番美味しくなるように頑張る」
「贔屓はしていいのか?」
「デスソース、塗ってあげる」
「それ、焼くお前も大変なことになるぞ」
「冗談、多分」
「そこは言い切ってくれ」
「漣、楽しそうにしてた?」
「今も主催者として走り回ってるよ、こっちにもそのうち顔出すんじゃないか?」
「そう」
「お前はどうなんだ? 楽しめてるのか?」
「クリスマスも、他のイベントも、皆が楽しめてるなら、朧は好きです」
「そうか、なら良かった」
「――提督」
「ん?」
「メリークリスマス、ピザ生地、コレでいい?」
「メリークリスマス、珍しくていいんじゃないか、ハート型」
――――朧、サッキハ凄ク良イ笑顔ダッタ!……ドウカシタ? 朧ノ顔、今ハ凄ク赤イ。
――――ピザ焼いてるから、多分。
――――……焦ゲテルヨ?
――――あっ……。
313: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/24(水) 22:19:30.91 ID:WxJ9mDfj0
「赤城、そのバレル何個目?」
「十八個目です。霞も遠慮せずに食べていいんですよ?」
「見てるだけでお腹いっぱいになったわ」
「それなら次は甘いものにしましょう」
「いや、そういう問題じゃないってば」
「でしたら、霞の行きたいところに行きませんか?」
「……青葉のとこ」
「青葉のところというと、特別記念撮影コーナーですね」
「写真、好きなんでしょ?」
「私の行きたいところではなく、霞の行きたいところでいいんですよ?」
「私も行きたいのよ」
「クリスマスぐらい、好きなことを――」
「赤城と二人で撮りたいの! 悪い!?」
「……分かりました、青葉のところですね?」
「くどいわね、だからそう言ってるじゃない」
「――ふふっ」
「何よ、急に笑いだして」
「いえ、小さくて可愛いサンタから思わぬプレゼントを貰えたものですから」
「はぁ!?」
(また、大切な思い出が増えそうね)
――――ではでは撮りますよー。
――――ちょっと赤城! 顔近いったら!
――――……ダメ、でしょうか?
――――……ほら、写るんだから笑いなさいよ。
――――(仲良き事は美しきかな、ってやつですねー)
「十八個目です。霞も遠慮せずに食べていいんですよ?」
「見てるだけでお腹いっぱいになったわ」
「それなら次は甘いものにしましょう」
「いや、そういう問題じゃないってば」
「でしたら、霞の行きたいところに行きませんか?」
「……青葉のとこ」
「青葉のところというと、特別記念撮影コーナーですね」
「写真、好きなんでしょ?」
「私の行きたいところではなく、霞の行きたいところでいいんですよ?」
「私も行きたいのよ」
「クリスマスぐらい、好きなことを――」
「赤城と二人で撮りたいの! 悪い!?」
「……分かりました、青葉のところですね?」
「くどいわね、だからそう言ってるじゃない」
「――ふふっ」
「何よ、急に笑いだして」
「いえ、小さくて可愛いサンタから思わぬプレゼントを貰えたものですから」
「はぁ!?」
(また、大切な思い出が増えそうね)
――――ではでは撮りますよー。
――――ちょっと赤城! 顔近いったら!
――――……ダメ、でしょうか?
――――……ほら、写るんだから笑いなさいよ。
――――(仲良き事は美しきかな、ってやつですねー)
315: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/24(水) 23:37:19.08 ID:WxJ9mDfj0
――――クリスマスイベント終了後、撤収中。
「コレでツリーは最後か――ん?」
「ンショ……ンショ……」
(どうやらまた、深海棲艦のようだな)
「ンショ……ンショ……イタッ」
「大丈夫か?」
「っ!? ク、来ルナ!」
「その星が欲しいのか?」
「来ルナ!」
「っ……怯えなくていい、私はお前に危害を加えたりしない」
「カエレ! 来ルナ! アッチ行ケ!」
(中々効くな、ヲーちゃんの艦載機は豆鉄砲と聞いていたのだが……)
「大丈夫だ、すぐに取ってやろう」
「来ルナァァァァッ!」
(くっ……この長門に傷を付けるとは、小さいながら大したものだ)
「嫌、来ナイデ……」
「もう少しで――よし」
「ヒッ!?……?」
「星はここに置いておく。外は危険だ、隠れるならばこの鎮守府の敷地内がいいだろう。お前の仲間も居る、会いたくなったらまた来るといい」
「……オ前ハ、私ヲ追イカケナイノ?」
「追いかけずとも、待てばいいと学んだからな」
「……名前、教エロ」
「長門だ」
「ナガ、ト……長門、マタ、来ル」
「あぁ、待っているぞ」
――――あら、ツリー一つ運ぶにしては遅――長門!? ちょっとどうしたのよその目!?
――――そう騒がずとも大丈夫だ。それより、提督に入渠の許可を貰ってきてくれないか?
――――分かったわ、ちょっと待ってて。詳しい話、絶対後で聞かせてもらうわよ?
――――(近いうちに、またここの住人が増えるのか。胸が熱いな)
――――???が鎮守府敷地内で度々確認されるようになりました。
「コレでツリーは最後か――ん?」
「ンショ……ンショ……」
(どうやらまた、深海棲艦のようだな)
「ンショ……ンショ……イタッ」
「大丈夫か?」
「っ!? ク、来ルナ!」
「その星が欲しいのか?」
「来ルナ!」
「っ……怯えなくていい、私はお前に危害を加えたりしない」
「カエレ! 来ルナ! アッチ行ケ!」
(中々効くな、ヲーちゃんの艦載機は豆鉄砲と聞いていたのだが……)
「大丈夫だ、すぐに取ってやろう」
「来ルナァァァァッ!」
(くっ……この長門に傷を付けるとは、小さいながら大したものだ)
「嫌、来ナイデ……」
「もう少しで――よし」
「ヒッ!?……?」
「星はここに置いておく。外は危険だ、隠れるならばこの鎮守府の敷地内がいいだろう。お前の仲間も居る、会いたくなったらまた来るといい」
「……オ前ハ、私ヲ追イカケナイノ?」
「追いかけずとも、待てばいいと学んだからな」
「……名前、教エロ」
「長門だ」
「ナガ、ト……長門、マタ、来ル」
「あぁ、待っているぞ」
――――あら、ツリー一つ運ぶにしては遅――長門!? ちょっとどうしたのよその目!?
――――そう騒がずとも大丈夫だ。それより、提督に入渠の許可を貰ってきてくれないか?
――――分かったわ、ちょっと待ってて。詳しい話、絶対後で聞かせてもらうわよ?
――――(近いうちに、またここの住人が増えるのか。胸が熱いな)
――――???が鎮守府敷地内で度々確認されるようになりました。
338: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/25(木) 12:24:41.31 ID:W8YAe6VT0
・鳳翔&瑞鳳『玉子焼き以外』
・睦月『妹が風邪引いたのね』
・武蔵『提督と呼ばない日』
・元帥鎮守府『やり過ぎた』
・大鯨『間宮さんの着ていた服』
以上五本でお送りします
流石に3つだと少なすぎましたね…年明けまでには書きます
・睦月『妹が風邪引いたのね』
・武蔵『提督と呼ばない日』
・元帥鎮守府『やり過ぎた』
・大鯨『間宮さんの着ていた服』
以上五本でお送りします
流石に3つだと少なすぎましたね…年明けまでには書きます
344: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/26(金) 21:08:54.94 ID:ddU8J2iO0
・鳳翔&瑞鳳『玉子焼き以外』、投下します
345: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/26(金) 21:09:26.35 ID:ddU8J2iO0
――――鳳翔宅。
「玉子焼き以外、ですか?」
「そう、玉子焼き以外にも色々覚えたいなーって思って」
「そうですね、提督も喜んで下さると思いますよ」
「べ、別にそれだけが理由じゃないのよ?」
「では、教えるのは提督の好物でなくても――」
「それ! それ教え……あっ」
「色々、じゃなかったの?」
「……出来れば、提督の好きそうなのがいいかな」
「ふふっ、じゃあ早速始めましょうか」
「何の作り方を教えてくれるの?」
「そうねぇ……アレにしましょう」
「玉子焼き以外、ですか?」
「そう、玉子焼き以外にも色々覚えたいなーって思って」
「そうですね、提督も喜んで下さると思いますよ」
「べ、別にそれだけが理由じゃないのよ?」
「では、教えるのは提督の好物でなくても――」
「それ! それ教え……あっ」
「色々、じゃなかったの?」
「……出来れば、提督の好きそうなのがいいかな」
「ふふっ、じゃあ早速始めましょうか」
「何の作り方を教えてくれるの?」
「そうねぇ……アレにしましょう」
346: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/26(金) 21:10:25.20 ID:ddU8J2iO0
「後は固めれば出来上がりです」
「うん、大体流れは分かったかな。ありがとね、鳳翔さん」
「また何か覚えたくなった時は、いつでも聞きに来て下さいね」
「そうさせてもらうね。今のうちにお店の仕込みとか手伝えるなら手伝うけど、何かしようか?」
「それなら、少しお茶に付き合ってもらってもいいかしら」
「喜んで!」
「じゃあすぐに淹れますね。……あの、瑞鳳」
「?」
「そこに置いてある雑誌の付箋が付いているページ、開いてみてくれますか?」
「これ? これがどうかしたの?」
「……その服、私に似合うでしょうか」
(……ふーん、なるほどなるほど)
「鳳翔さん、明日一緒に街に行かない?」
「街、ですか? 恐らく、お昼過ぎなら時間はありますけど……」
「じゃあ決まりね」
――――これなんてどうかな?
――――少し派手ではありませんか?
――――このぐらいなら鳳翔さんの雰囲気崩れないから大丈夫だって、ね?
――――……試着だけ、してみますね。
――――(和服以外の鳳翔さん、初めて見るかも)
「うん、大体流れは分かったかな。ありがとね、鳳翔さん」
「また何か覚えたくなった時は、いつでも聞きに来て下さいね」
「そうさせてもらうね。今のうちにお店の仕込みとか手伝えるなら手伝うけど、何かしようか?」
「それなら、少しお茶に付き合ってもらってもいいかしら」
「喜んで!」
「じゃあすぐに淹れますね。……あの、瑞鳳」
「?」
「そこに置いてある雑誌の付箋が付いているページ、開いてみてくれますか?」
「これ? これがどうかしたの?」
「……その服、私に似合うでしょうか」
(……ふーん、なるほどなるほど)
「鳳翔さん、明日一緒に街に行かない?」
「街、ですか? 恐らく、お昼過ぎなら時間はありますけど……」
「じゃあ決まりね」
――――これなんてどうかな?
――――少し派手ではありませんか?
――――このぐらいなら鳳翔さんの雰囲気崩れないから大丈夫だって、ね?
――――……試着だけ、してみますね。
――――(和服以外の鳳翔さん、初めて見るかも)
354: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/28(日) 00:47:17.15 ID:4DMAPXgS0
今日更新頑張る、山雲は年始頑張る、木曾城こんにちは、潜水艦は2月スレ立て予定でち
355: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/28(日) 05:22:01.29 ID:4DMAPXgS0
・睦月『妹が風邪引いたのね』、投下します
長月は紛れもなく普通の風邪です
長月は紛れもなく普通の風邪です
356: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/28(日) 05:24:32.39 ID:4DMAPXgS0
――――睦月型私室。
「長月、具合はどうかにゃ?」
「あぁ、だいじょゲホッ!……大丈夫だ」
「バレバレな嘘吐かないのですよー。今日は部屋から出ちゃダメなのね」
「このぐらい何て事は無い」
「睦月の言うことを聞くのです」
「長月に命令していいのは司令官だけ――」
「聞・け・な・い・の?」
「……分かった、休もう」
「じゃあ大人しく布団に戻りましょー」
「多少咳が出るだけだ、床に着く必要は無い」
「いいから戻るのですよー」
「強引な姉だな全く……コレでいいんだな?」
「うむ、よいぞ!」
「似合わないな、そのセリフ」
「長月だって人のこと言えないのね」
「……りんご、剥いてくれ」
「ウサギさんにしてあげよっか?」
「普通でいい」
「遠慮しなくてよいのだぞー?」
「睦月がそうしたいだけじゃないのか?」
「バレてしまっては仕方無いのでウサギさんにするのです」
「まぁ食べられるなら文句は無いさ」
「長月、具合はどうかにゃ?」
「あぁ、だいじょゲホッ!……大丈夫だ」
「バレバレな嘘吐かないのですよー。今日は部屋から出ちゃダメなのね」
「このぐらい何て事は無い」
「睦月の言うことを聞くのです」
「長月に命令していいのは司令官だけ――」
「聞・け・な・い・の?」
「……分かった、休もう」
「じゃあ大人しく布団に戻りましょー」
「多少咳が出るだけだ、床に着く必要は無い」
「いいから戻るのですよー」
「強引な姉だな全く……コレでいいんだな?」
「うむ、よいぞ!」
「似合わないな、そのセリフ」
「長月だって人のこと言えないのね」
「……りんご、剥いてくれ」
「ウサギさんにしてあげよっか?」
「普通でいい」
「遠慮しなくてよいのだぞー?」
「睦月がそうしたいだけじゃないのか?」
「バレてしまっては仕方無いのでウサギさんにするのです」
「まぁ食べられるなら文句は無いさ」
357: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/28(日) 05:25:41.68 ID:4DMAPXgS0
「……ねぇ、長月」
「何だ?」
「体調が悪いなら、隠さないで欲しいのね」
「こんなものはただの風邪だ、命に関わる様なものじゃない」
「ただの風邪でも、睦月は心配なのです」
「……分かった。次からは、そうする」
「よしよし、長月は良い子なのですよ」
「んぅ、頭を撫でるな……そんなことよりもりんご、早くしてくれ」
「はい、あーん」
「自分で食べれる」
「あーん」
「食べれると言っている」
「あーん」
「…………あーん」
「はい、ウサギさん」
「――おい、このウサギ耳が片方取れているぞ」
「ちょ、ちょっと今回は失敗しちゃっただけなのね」
「全く、頼りになるのかならんのか分からん姉だ」
「むー、もっと睦月を頼って良いのだぞー?」
「気が向いたらな」
――――……寝るまで、手を握っていてくれないか?
――――それぐらいならお安いご用なのですよ。
――――あぁ……こいつは良い夢が……見れそう……。
――――(お休み、長月)
「何だ?」
「体調が悪いなら、隠さないで欲しいのね」
「こんなものはただの風邪だ、命に関わる様なものじゃない」
「ただの風邪でも、睦月は心配なのです」
「……分かった。次からは、そうする」
「よしよし、長月は良い子なのですよ」
「んぅ、頭を撫でるな……そんなことよりもりんご、早くしてくれ」
「はい、あーん」
「自分で食べれる」
「あーん」
「食べれると言っている」
「あーん」
「…………あーん」
「はい、ウサギさん」
「――おい、このウサギ耳が片方取れているぞ」
「ちょ、ちょっと今回は失敗しちゃっただけなのね」
「全く、頼りになるのかならんのか分からん姉だ」
「むー、もっと睦月を頼って良いのだぞー?」
「気が向いたらな」
――――……寝るまで、手を握っていてくれないか?
――――それぐらいならお安いご用なのですよ。
――――あぁ……こいつは良い夢が……見れそう……。
――――(お休み、長月)
359: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/28(日) 22:56:19.33 ID:4DMAPXgS0
・武蔵『提督と呼ばない日』、投下します
一騎当千の呂布みたいに羽織ればどうということはない(サラシキャストオフ)
一騎当千の呂布みたいに羽織ればどうということはない(サラシキャストオフ)
360: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/28(日) 22:56:47.72 ID:4DMAPXgS0
――――提督執務室。
「来たぞダーリン」
「・・・・・・あぁ、武蔵か」
「どうしたダーリン」
「お前こそどうした、頭でも打ったか? それとも何かの罰ゲームか?」
「私は至って正常だぞダーリン」
「鳥肌、立ってるぞ」
「ダーリンこそ、顔がひきつっているぞ」
「意地でもその呼び方続ける気か……」
「どうだダーリン、これで少しはむさぴょんと呼ばれた私の気持ちが分かっただろう」
「……悪かった、謝る。だからもうその呼び方はやめろ」
「そうだな、お互いに得が無い。長崎旅行で手を打とう」
「そういえば、まだ行ったこと無かったな」
「カステラだけは赤城が土産に持って帰って来たんで食えたんだがな、実際に長崎の街をこの目で見てみたい」
「分かった、次の秘書艦日に行けるよう調整しておく」
「数年遅れのハネムーン、というやつか」
「ハネムーン、なんて柄じゃないだろ」
「これでも私は女だぞ、そういったものに少しは興味もある」
「なら旅行中はダーリン、ハニーって呼び合うか?」
「それこそ私の柄じゃない」
「――肝心な事を思い出した」
「胸を見るのは構わんが、触りたいなら夜にしろよ? 朝からは流石に私も気が乗らんぞ」
「そうじゃない、旅行に行きたきゃ上を着ろ。この付近ではもう珍しくも無くなってるからいいが、いくらなんでも旅行先で余計な面倒事は避けたい」
「了解だ、羽織るだけなら考えておく」
「……珍しく簡単に折れたな」
「余計な面倒事で時間を割かれるのは、私も望んでいないさ。――なぁ、提督よ」
「何だ?」
――――ウェディングドレスなら……まぁ、いつでも着てやらんこともない。
――――……特注になりそうだな。
「来たぞダーリン」
「・・・・・・あぁ、武蔵か」
「どうしたダーリン」
「お前こそどうした、頭でも打ったか? それとも何かの罰ゲームか?」
「私は至って正常だぞダーリン」
「鳥肌、立ってるぞ」
「ダーリンこそ、顔がひきつっているぞ」
「意地でもその呼び方続ける気か……」
「どうだダーリン、これで少しはむさぴょんと呼ばれた私の気持ちが分かっただろう」
「……悪かった、謝る。だからもうその呼び方はやめろ」
「そうだな、お互いに得が無い。長崎旅行で手を打とう」
「そういえば、まだ行ったこと無かったな」
「カステラだけは赤城が土産に持って帰って来たんで食えたんだがな、実際に長崎の街をこの目で見てみたい」
「分かった、次の秘書艦日に行けるよう調整しておく」
「数年遅れのハネムーン、というやつか」
「ハネムーン、なんて柄じゃないだろ」
「これでも私は女だぞ、そういったものに少しは興味もある」
「なら旅行中はダーリン、ハニーって呼び合うか?」
「それこそ私の柄じゃない」
「――肝心な事を思い出した」
「胸を見るのは構わんが、触りたいなら夜にしろよ? 朝からは流石に私も気が乗らんぞ」
「そうじゃない、旅行に行きたきゃ上を着ろ。この付近ではもう珍しくも無くなってるからいいが、いくらなんでも旅行先で余計な面倒事は避けたい」
「了解だ、羽織るだけなら考えておく」
「……珍しく簡単に折れたな」
「余計な面倒事で時間を割かれるのは、私も望んでいないさ。――なぁ、提督よ」
「何だ?」
――――ウェディングドレスなら……まぁ、いつでも着てやらんこともない。
――――……特注になりそうだな。
361: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/28(日) 22:57:54.07 ID:4DMAPXgS0
・元帥鎮守府『やり過ぎた』、投下します
和を着せるなら次は洋
和を着せるなら次は洋
362: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/28(日) 22:58:24.60 ID:4DMAPXgS0
――――元帥鎮守府。
「ちょっとクソ親父! 何なのよコレ!」
「これ、ドアは静かに開けんか曙。――ふむ、可愛いドレスじゃな、自分で買ったのか? 儂は知らんぞ」
「しらばっくれんじゃないわよ! 私の服どこやったの!?」
「卯月、知っとるか?」
「うーちゃん知らないぴょん」
「そういうのいいから早く服返して、これじゃどこにも行けないじゃない……」
「今日は休暇だろう。その格好で何も問題は無いじゃないか」
「問題大有りよ! 今日は潮と二人で少し遠くまで出掛けるんだから」
「そうかそうか。だったら卯月、この前のアレを出してやったらどうじゃ?」
「了解でぇーっす。こんなこともあろうかと発注しといた曙用対大掃除特化型和服だぴょん」
(何でこんなのが元帥とその秘書艦やってて、この国大丈夫だったのかしら……)
「三角巾、竹箒、ハタキ、オプション品もバッチリ!」
「ほぅ、これはポイントが高いのぅ」
「もう小芝居はいいから服返してくれない? 潮待たせてるんだから」
「そうつれないことを言わず、老い先短い老人の頼みを聞くと思って着てみんか?」
「どこが老い先短いのよ、殺しても死にそうに無い癖に」
「流石に首撥ねたら死ぬぴょん」
「それは誰だって死ぬっての」
「――実はな曙、この前健康診断で……」
「ちょっと、何よ急に真面目な顔して、騙されないわよ?」
「……治らない、そうです」
「卯月、アンタまで冗談キツ……ホント、なの?」
「信じたくはありませんが、はっきりと医者に宣告されました」
「ちょっと、え? 嘘よね……? 嘘って言ってよ……」
――全部嘘だよ、曙ちゃん。
「ちょっとクソ親父! 何なのよコレ!」
「これ、ドアは静かに開けんか曙。――ふむ、可愛いドレスじゃな、自分で買ったのか? 儂は知らんぞ」
「しらばっくれんじゃないわよ! 私の服どこやったの!?」
「卯月、知っとるか?」
「うーちゃん知らないぴょん」
「そういうのいいから早く服返して、これじゃどこにも行けないじゃない……」
「今日は休暇だろう。その格好で何も問題は無いじゃないか」
「問題大有りよ! 今日は潮と二人で少し遠くまで出掛けるんだから」
「そうかそうか。だったら卯月、この前のアレを出してやったらどうじゃ?」
「了解でぇーっす。こんなこともあろうかと発注しといた曙用対大掃除特化型和服だぴょん」
(何でこんなのが元帥とその秘書艦やってて、この国大丈夫だったのかしら……)
「三角巾、竹箒、ハタキ、オプション品もバッチリ!」
「ほぅ、これはポイントが高いのぅ」
「もう小芝居はいいから服返してくれない? 潮待たせてるんだから」
「そうつれないことを言わず、老い先短い老人の頼みを聞くと思って着てみんか?」
「どこが老い先短いのよ、殺しても死にそうに無い癖に」
「流石に首撥ねたら死ぬぴょん」
「それは誰だって死ぬっての」
「――実はな曙、この前健康診断で……」
「ちょっと、何よ急に真面目な顔して、騙されないわよ?」
「……治らない、そうです」
「卯月、アンタまで冗談キツ……ホント、なの?」
「信じたくはありませんが、はっきりと医者に宣告されました」
「ちょっと、え? 嘘よね……? 嘘って言ってよ……」
――全部嘘だよ、曙ちゃん。
363: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/28(日) 22:58:51.38 ID:4DMAPXgS0
「潮……?」
「元帥なのにバカなところは死んでも治らないってかかりつけのお医者様に言われたの。古くからの友人なんだって」
「簡単にバラすとつまらんじゃないか潮、もう少しで曙が泣きながら儂に――」
「ちょっと黙っててね嘘つきで最低なお爺さん」
「」
「フリーズしたぴょん。相変わらず潮はキツイぴょん」
「卯月ちゃん、今度リゾット作るから手伝ってね。温かいお湯を用意して待ってるから」
(笑ってるのに目が笑ってないですね……ちょっとやり過ぎたか)
「曙ちゃん、朧ちゃんが服貸してくれるみたいだから着替えて早く行こ」
「へっ? あ、あぁ、そうね。二人とも、帰ってくるまでに服は戻しときなさいよ!」
「それじゃあ行ってきます」
「……ちとやり過ぎたかのぅ?」
「素直に言えない子しか居ませんからね、ここは」
「素直に言ってもいいんじゃぞ?」
「寿命消費おめでとうございます。精々長生きして下さい」
「ひねくれとるのぅ……」
――――潮、決まった?
――――うん、ボケ防止にゲーム。
――――それ、ネタなの? 本気?
――――コレ、パーティーゲームだから。
「元帥なのにバカなところは死んでも治らないってかかりつけのお医者様に言われたの。古くからの友人なんだって」
「簡単にバラすとつまらんじゃないか潮、もう少しで曙が泣きながら儂に――」
「ちょっと黙っててね嘘つきで最低なお爺さん」
「」
「フリーズしたぴょん。相変わらず潮はキツイぴょん」
「卯月ちゃん、今度リゾット作るから手伝ってね。温かいお湯を用意して待ってるから」
(笑ってるのに目が笑ってないですね……ちょっとやり過ぎたか)
「曙ちゃん、朧ちゃんが服貸してくれるみたいだから着替えて早く行こ」
「へっ? あ、あぁ、そうね。二人とも、帰ってくるまでに服は戻しときなさいよ!」
「それじゃあ行ってきます」
「……ちとやり過ぎたかのぅ?」
「素直に言えない子しか居ませんからね、ここは」
「素直に言ってもいいんじゃぞ?」
「寿命消費おめでとうございます。精々長生きして下さい」
「ひねくれとるのぅ……」
――――潮、決まった?
――――うん、ボケ防止にゲーム。
――――それ、ネタなの? 本気?
――――コレ、パーティーゲームだから。
364: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/28(日) 23:18:24.48 ID:4DMAPXgS0
――――提督執務室。
「決まったぞ」
「何が決まったんですか?」
「改二」
「誰の?」
「お前の」
「フユキじゃなくて?」
「そんな艦娘は居ない」
「私?」
「あぁ」
「や……や……」
「や?」
「やったあぁぁぁぁぁっ!!」
「うおっ!?」
「司令官、私、やっと、やっとぉ……」
「何も泣くことはないだろ……ほら、鼻水拭け」
「あ゛い……」
「――おめでとう、吹雪」
「今回の改二はどういった理由だ?」
『パンツ、パンツ』
「相変わらず公表出来ん理由じゃな、全く……」
「決まったぞ」
「何が決まったんですか?」
「改二」
「誰の?」
「お前の」
「フユキじゃなくて?」
「そんな艦娘は居ない」
「私?」
「あぁ」
「や……や……」
「や?」
「やったあぁぁぁぁぁっ!!」
「うおっ!?」
「司令官、私、やっと、やっとぉ……」
「何も泣くことはないだろ……ほら、鼻水拭け」
「あ゛い……」
「――おめでとう、吹雪」
「今回の改二はどういった理由だ?」
『パンツ、パンツ』
「相変わらず公表出来ん理由じゃな、全く……」
369: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/30(火) 19:07:49.69 ID:h7XIbTli0
・大鯨『間宮さんの着ていた服』、投下します
龍鳳になりますん
龍鳳になりますん
370: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/30(火) 19:08:17.10 ID:h7XIbTli0
――――食堂。
(改めて見ると、凄いデザインですね)
閉店後の食堂で一人、大鯨はとある服を広げて見つめていた。
某給糧艦曰く、一部分だけを直せば冬場は常に着てていいかもしれない着心地の服だ。
(……ちょっとだけ、わたしも着てみようかしら)
羞恥心に興味が勝り、大鯨はその服に袖を通す。既に間宮と伊良湖が自室へと戻っており、ここへは誰も来ないという安心感が彼女の行動を後押ししていた。
(――確かにこれ、着心地は凄くいいかも)
やや胸元が不安なものの、彼女の胸部装甲も中々の厚みがあり、着れないという程ではない。
店先に出る前に身だしなみをチェックする鏡の前で、大鯨はクルクルと回って全身を確認する。
「提督に見せたら、喜んでくれるでしょうか……」
保護してもらった恩、今の楽しい生活を与えてもらった恩。それを返したいと言ったら首を横に振られ、ケッコンカッコカリしたいと申し出た時もまた、彼女は首を縦に振ってはもらえずにいた。
(最初は本当に恩返しがしたいという気持ちだけでしたけど、今は……)
胸にそっと手を当て、大鯨は目を閉じて提督の顔を思い浮かべる。肌が露出しており一番冷えやすいはずのそこは、徐々に早くなる心臓の鼓動に合わせて、次第に熱を帯びていった。
(わたしも、皆と同じ提督との絆が欲しい。例えもう戦う必要が無かったとしても、あの人の為に、皆と戦える強さが欲しい……)
守られる側から、守る側へ。彼女の静かな決意の固さは、鳳翔と密かに演習して到達した練度の高さが物語っていた。
(うん、決めました。明日もう一度提督に話を――?)
目を開けて数秒、あり得ないことが起きているのに気付く。鏡越しに、誰かと視線が合っているのだ。
まるで壊れかけのブリキのロボットのように、大鯨はゆっくりと後ろを振り向き、自分の今着ている服の持ち主の顔を直に見る。
「あのね大鯨ちゃん、私はちょっと忘れ物を取りに来ただけだから、今日ここで見たものは誰にも言わないわ。だから、えっと……ごゆっくり?」
「あぅ……あ……」
次の日、大鯨が自室から出てくることは無かった。
(改めて見ると、凄いデザインですね)
閉店後の食堂で一人、大鯨はとある服を広げて見つめていた。
某給糧艦曰く、一部分だけを直せば冬場は常に着てていいかもしれない着心地の服だ。
(……ちょっとだけ、わたしも着てみようかしら)
羞恥心に興味が勝り、大鯨はその服に袖を通す。既に間宮と伊良湖が自室へと戻っており、ここへは誰も来ないという安心感が彼女の行動を後押ししていた。
(――確かにこれ、着心地は凄くいいかも)
やや胸元が不安なものの、彼女の胸部装甲も中々の厚みがあり、着れないという程ではない。
店先に出る前に身だしなみをチェックする鏡の前で、大鯨はクルクルと回って全身を確認する。
「提督に見せたら、喜んでくれるでしょうか……」
保護してもらった恩、今の楽しい生活を与えてもらった恩。それを返したいと言ったら首を横に振られ、ケッコンカッコカリしたいと申し出た時もまた、彼女は首を縦に振ってはもらえずにいた。
(最初は本当に恩返しがしたいという気持ちだけでしたけど、今は……)
胸にそっと手を当て、大鯨は目を閉じて提督の顔を思い浮かべる。肌が露出しており一番冷えやすいはずのそこは、徐々に早くなる心臓の鼓動に合わせて、次第に熱を帯びていった。
(わたしも、皆と同じ提督との絆が欲しい。例えもう戦う必要が無かったとしても、あの人の為に、皆と戦える強さが欲しい……)
守られる側から、守る側へ。彼女の静かな決意の固さは、鳳翔と密かに演習して到達した練度の高さが物語っていた。
(うん、決めました。明日もう一度提督に話を――?)
目を開けて数秒、あり得ないことが起きているのに気付く。鏡越しに、誰かと視線が合っているのだ。
まるで壊れかけのブリキのロボットのように、大鯨はゆっくりと後ろを振り向き、自分の今着ている服の持ち主の顔を直に見る。
「あのね大鯨ちゃん、私はちょっと忘れ物を取りに来ただけだから、今日ここで見たものは誰にも言わないわ。だから、えっと……ごゆっくり?」
「あぅ……あ……」
次の日、大鯨が自室から出てくることは無かった。
379: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/31(水) 02:25:49.00 ID:vz8pquiw0
――――提督執務室。
「そこ、もう少し綺麗に拭きなさいよねクソ提督」
「嫁に小言言ってくる姑かお前は」
「毎日毎日艦娘を連れ込む部屋なんだから、綺麗な方が都合が良いんじゃないの?」
「極一部で流行ってるよなその言い回し。仮にその通りだとして、今日連れ込まれてるのはお前だけど、いいのか?」
「お、大晦日に何考えてんのよこの変態クソ提督!」
「ハタキを投げるな雑巾を投げるな台から落ちる危ない!」
「……新年、綺麗な部屋で迎えた方が気持ち良いでしょ?」
「その気合いの入ったいかにも掃除してますって服で言われたら説得力があるな」
「漣がどこからか持ってきたのよ、一着も二着も準備するのに手間は変わらないとか言いながら」
(恐らくもう一着は元帥のところか……)
「ねぇ……変じゃない、わよね?」
「いつも着てる様な服とはまた印象が変わってて良いと思うぞ、その花の髪留めとも良く合ってる」
「変かどうかだけ答えれば良かったのに……ホント、クソ提督なんだから」
(今度は洋服じゃなくて和服にしてみるか)
「手、止めてないで早くやったら?」
「りょーかい」
「そこ、もう少し綺麗に拭きなさいよねクソ提督」
「嫁に小言言ってくる姑かお前は」
「毎日毎日艦娘を連れ込む部屋なんだから、綺麗な方が都合が良いんじゃないの?」
「極一部で流行ってるよなその言い回し。仮にその通りだとして、今日連れ込まれてるのはお前だけど、いいのか?」
「お、大晦日に何考えてんのよこの変態クソ提督!」
「ハタキを投げるな雑巾を投げるな台から落ちる危ない!」
「……新年、綺麗な部屋で迎えた方が気持ち良いでしょ?」
「その気合いの入ったいかにも掃除してますって服で言われたら説得力があるな」
「漣がどこからか持ってきたのよ、一着も二着も準備するのに手間は変わらないとか言いながら」
(恐らくもう一着は元帥のところか……)
「ねぇ……変じゃない、わよね?」
「いつも着てる様な服とはまた印象が変わってて良いと思うぞ、その花の髪留めとも良く合ってる」
「変かどうかだけ答えれば良かったのに……ホント、クソ提督なんだから」
(今度は洋服じゃなくて和服にしてみるか)
「手、止めてないで早くやったら?」
「りょーかい」
380: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/31(水) 02:26:24.75 ID:vz8pquiw0
「やっと粗方終わったわね」
「後は床掃除だな」
「じゃあ雑巾がけしてからワックスで――ってきゃあっ!?」
「曙!?」
「やっぱり、慣れない服なんか着るんじゃなかったわ……」
「見たところ怪我は無さそうだが……ずぶ濡れだな」
「寒いし気持ち悪い、着替える」
「あぁ、じゃあまた後でな」
「だから、着替えるって言ってんでしょこのクソ提督」
「……ひょっとして、ここで着替えるのか?」
「濡れたまま駆逐艦寮まで戻れっての?」
「……それもそうだな。適当にそこから合うやつを探せ」
「言われなくても分かってるわよ、あたしの買った服も何着か置いてあるもの。多少サイズがキツいかもしれないけど、それで我慢するわ」
「じゃあ着替え終わったら呼べ、外で待ってる」
「いいからクソ提督は掃除してて。その代わり、こっち向いたらタダじゃ済まさないから」
「分かった分かった。ほら、さっさと机の裏ででも着替えろ、風邪引くぞ」
(えーっと……あっ、あった。コレ、濡れると脱ぎにくいなぁ……あ)
――――あの、クソ提督……。
――――どうした? 着替え終わったのか?
――――まだこっち見んな!……その……服、貸して。
――――俺のだとデカ過ぎるだろ。
――――いいから貸しなさいよクソ提督!
「後は床掃除だな」
「じゃあ雑巾がけしてからワックスで――ってきゃあっ!?」
「曙!?」
「やっぱり、慣れない服なんか着るんじゃなかったわ……」
「見たところ怪我は無さそうだが……ずぶ濡れだな」
「寒いし気持ち悪い、着替える」
「あぁ、じゃあまた後でな」
「だから、着替えるって言ってんでしょこのクソ提督」
「……ひょっとして、ここで着替えるのか?」
「濡れたまま駆逐艦寮まで戻れっての?」
「……それもそうだな。適当にそこから合うやつを探せ」
「言われなくても分かってるわよ、あたしの買った服も何着か置いてあるもの。多少サイズがキツいかもしれないけど、それで我慢するわ」
「じゃあ着替え終わったら呼べ、外で待ってる」
「いいからクソ提督は掃除してて。その代わり、こっち向いたらタダじゃ済まさないから」
「分かった分かった。ほら、さっさと机の裏ででも着替えろ、風邪引くぞ」
(えーっと……あっ、あった。コレ、濡れると脱ぎにくいなぁ……あ)
――――あの、クソ提督……。
――――どうした? 着替え終わったのか?
――――まだこっち見んな!……その……服、貸して。
――――俺のだとデカ過ぎるだろ。
――――いいから貸しなさいよクソ提督!
384: ◆UeZ8dRl.OE 2014/12/31(水) 21:54:25.43 ID:vz8pquiw0
「年越しそばは全員に行き渡ったなー?」
――はーい!
「寝そうな奴はそばに撃沈しないように起こしてやれー」
――姉さん、もう少しですから頑張って。
――吾輩は……寝かけてなど……おらぬ、のじゃ……。
「七味を横の奴のそばに大量に入れようとするのはやめろよー」
――怒ってなんか……ない、ですよ?
――怒ってるぴょん! そのグーは絶対怒ってるぴょん!
「独創的なそばにアレンジするのはいいが、しっかり食えよー」
――お姉ちゃん、玉子焼き、入れる?
――せっかくだし、入れてみましょうか。
――色々試してみても、いいんじゃない?
――マスター、乗せすぎです。
「よし、じゃあ全員準備はいいな。作ってくれた間宮と材料提供してくれた鳳翔に感謝を込めて――」
『いただきます!』
――はーい!
「寝そうな奴はそばに撃沈しないように起こしてやれー」
――姉さん、もう少しですから頑張って。
――吾輩は……寝かけてなど……おらぬ、のじゃ……。
「七味を横の奴のそばに大量に入れようとするのはやめろよー」
――怒ってなんか……ない、ですよ?
――怒ってるぴょん! そのグーは絶対怒ってるぴょん!
「独創的なそばにアレンジするのはいいが、しっかり食えよー」
――お姉ちゃん、玉子焼き、入れる?
――せっかくだし、入れてみましょうか。
――色々試してみても、いいんじゃない?
――マスター、乗せすぎです。
「よし、じゃあ全員準備はいいな。作ってくれた間宮と材料提供してくれた鳳翔に感謝を込めて――」
『いただきます!』
399: ◆UeZ8dRl.OE 2015/01/01(木) 00:13:08.64 ID:IGroanoS0
・初霜『悪というものになってみる』
・飛鷹『バカ』
・武蔵『着崩し』
・第七駆逐隊『書き初め』
・赤城『お守り』
以上五本でお送りします
フライングの方はごめんなさい…
・飛鷹『バカ』
・武蔵『着崩し』
・第七駆逐隊『書き初め』
・赤城『お守り』
以上五本でお送りします
フライングの方はごめんなさい…
400: ◆UeZ8dRl.OE 2015/01/01(木) 00:18:04.97 ID:IGroanoS0
「新年明けた途端に死屍累々、か」
「普段から夜更かしな子は起きているようね」
「酒飲んで潰れた奴も居るし、誰が大丈夫なのか分からんな……」
「まだ飲み続けるなら、先に駆逐艦の子達を運ぶのを手伝うように言ってきます」
(浦風に背負われてる空母がいる気がするが、気にしないでおくか)
――あーかぐさぁんだぁ……。
――瑞鶴、貴女は少し酔いすぎです。翔鶴は……。
――すぅ……すぅ……。
――……本当に、手間のかかる子達ね。
(加賀も捕まったか……となると後は)
「赤城、大和、悪いが手伝ってくれ」
「了解しました」
「大和にお任せ下さい」
「――さて、俺はコイツ等をどうするかなぁ……」
「んぅ……クソてーとく……」
「しれぇ……」
「てーとくぅ……」
(……もう少し、このまま寝かせとくか)
「普段から夜更かしな子は起きているようね」
「酒飲んで潰れた奴も居るし、誰が大丈夫なのか分からんな……」
「まだ飲み続けるなら、先に駆逐艦の子達を運ぶのを手伝うように言ってきます」
(浦風に背負われてる空母がいる気がするが、気にしないでおくか)
――あーかぐさぁんだぁ……。
――瑞鶴、貴女は少し酔いすぎです。翔鶴は……。
――すぅ……すぅ……。
――……本当に、手間のかかる子達ね。
(加賀も捕まったか……となると後は)
「赤城、大和、悪いが手伝ってくれ」
「了解しました」
「大和にお任せ下さい」
「――さて、俺はコイツ等をどうするかなぁ……」
「んぅ……クソてーとく……」
「しれぇ……」
「てーとくぅ……」
(……もう少し、このまま寝かせとくか)
404: ◆UeZ8dRl.OE 2015/01/01(木) 01:43:41.14 ID:IGroanoS0
「きゅーきゅーかんばくはーあしがかわいいのよーあしがー」
「ごめんなさい、瑞鳳が壊れたテープレコーダーみたいになってるから先に戻りますね」
「うん、足元気を付けてね。千代田もお姉が那智さんと飲んでるから控え目にしとかないと……」
「キミ等は大変やね。うち等は気楽な姉妹艦居らん勢やし、帰れさえしたら問題無いから気楽やわ。なぁ鳳翔?」
「あら、たまに無理矢理押し掛けてきて、閉店しても帰らない困ったお客様は誰だったかしら」
「鳳翔の家広いし、寝る場所には困らんやん」
「次からは宿泊費としてお店を手伝ってもらいますね」
「えぇけど、うちは鳳翔程の料理の腕は無いで?」
「大丈夫です、表で呼び込みをしてもらうだけですから」
「凍えるし店目当ての客しか通らんやないかアホ!」
(何だかんだこの二人、仲良いなぁ……)
「ごめんなさい、瑞鳳が壊れたテープレコーダーみたいになってるから先に戻りますね」
「うん、足元気を付けてね。千代田もお姉が那智さんと飲んでるから控え目にしとかないと……」
「キミ等は大変やね。うち等は気楽な姉妹艦居らん勢やし、帰れさえしたら問題無いから気楽やわ。なぁ鳳翔?」
「あら、たまに無理矢理押し掛けてきて、閉店しても帰らない困ったお客様は誰だったかしら」
「鳳翔の家広いし、寝る場所には困らんやん」
「次からは宿泊費としてお店を手伝ってもらいますね」
「えぇけど、うちは鳳翔程の料理の腕は無いで?」
「大丈夫です、表で呼び込みをしてもらうだけですから」
「凍えるし店目当ての客しか通らんやないかアホ!」
(何だかんだこの二人、仲良いなぁ……)
405: ◆UeZ8dRl.OE 2015/01/01(木) 01:44:09.09 ID:IGroanoS0
「あら? 長門、どこ行くの?」
「少し夜風に当たってくるだけだ、すぐ戻る」
「――少し、料理を取り分けておいた。多少冷めてはいるが、美味しいぞ」
「……カエレ」
「あぁ、また気配を感じたら来る。器はその辺に置いておいてくれ」
(……美味シイ……暖カイ)
「少し夜風に当たってくるだけだ、すぐ戻る」
「――少し、料理を取り分けておいた。多少冷めてはいるが、美味しいぞ」
「……カエレ」
「あぁ、また気配を感じたら来る。器はその辺に置いておいてくれ」
(……美味シイ……暖カイ)
409: ◆UeZ8dRl.OE 2015/01/01(木) 16:07:37.22 ID:IGroanoS0
「マタ、近クマデ来テルワネ」
「電波乙」
「厨二乙」
「二人共、何処デソンナ言葉覚エテキタノヨ……」
「「漣」」
(駆逐棲姫ハ良イトシテ、ヲ級ハ天然ダシ変ナ言葉ヲ教エルノハヤメテモラエナイカシラ……)
「アノ子ハ警戒心強イカラ仕方無イ。ソノウチ、安全ダト確信シタラ来ル」
「なのトてーとく、アレハ安全ト言ッテイイノカ?」
「舐メラレルノト甘噛ミサレルノニ目ヲ瞑レバ安全ヨ、生キタ心地ガシナイ時ハアルケレド」
「ソレ、離島ダケ」
「良カッタナ、ナツカレテイテ」
「嬉シクナイワヨ!」
「アノ子来タラ、賑ヤカニナリソウ」
「元カラ此処ハ賑ヤカダ」
「違イナイワネ」
「電波乙」
「厨二乙」
「二人共、何処デソンナ言葉覚エテキタノヨ……」
「「漣」」
(駆逐棲姫ハ良イトシテ、ヲ級ハ天然ダシ変ナ言葉ヲ教エルノハヤメテモラエナイカシラ……)
「アノ子ハ警戒心強イカラ仕方無イ。ソノウチ、安全ダト確信シタラ来ル」
「なのトてーとく、アレハ安全ト言ッテイイノカ?」
「舐メラレルノト甘噛ミサレルノニ目ヲ瞑レバ安全ヨ、生キタ心地ガシナイ時ハアルケレド」
「ソレ、離島ダケ」
「良カッタナ、ナツカレテイテ」
「嬉シクナイワヨ!」
「アノ子来タラ、賑ヤカニナリソウ」
「元カラ此処ハ賑ヤカダ」
「違イナイワネ」
412: ◆UeZ8dRl.OE 2015/01/02(金) 07:21:43.02 ID:lB5hXSJd0
・初霜『悪というものになってみる』 、投下します
グレるの 法則が 乱れる!
グレるの 法則が 乱れる!
413: ◆UeZ8dRl.OE 2015/01/02(金) 07:22:09.36 ID:lB5hXSJd0
――――提督執務室。
「――初霜がグレた?」
「お主、何ぞ心当たりは無いかのぅ?」
「心当たり、と言われてもなぁ……」
「グレたとは言うても、さして今のままでも問題は無い可愛らしいものよ。とはいえ、やはり心配なものは心配じゃ。この件、よろしく頼みますぞ?」
「分かった、話を聞いてみる。それにしても、あの初霜がか……想像出来ん」
「あれは根が真面目じゃからのぅ、人知れず鬱憤を溜めておったのやもしれぬなぁ……」
(とにかく、話を聞かんことには始まらん。この後すぐに行ってみるか)
「――初霜がグレた?」
「お主、何ぞ心当たりは無いかのぅ?」
「心当たり、と言われてもなぁ……」
「グレたとは言うても、さして今のままでも問題は無い可愛らしいものよ。とはいえ、やはり心配なものは心配じゃ。この件、よろしく頼みますぞ?」
「分かった、話を聞いてみる。それにしても、あの初霜がか……想像出来ん」
「あれは根が真面目じゃからのぅ、人知れず鬱憤を溜めておったのやもしれぬなぁ……」
(とにかく、話を聞かんことには始まらん。この後すぐに行ってみるか)
414: ◆UeZ8dRl.OE 2015/01/02(金) 07:22:41.94 ID:lB5hXSJd0
――――初春型私室。
「初霜、居るか?」
「私に何か用?」
(……何だ? 何ていうかこう、色々おかしいな)
「なぁ、何で部屋の中でサングラスかけてるんだ?」
「かけたいから」
「シガレットチョコ、袋のままくわえて楽しいか?」
「買ったものをどうしようと私の勝手でしょ」
「その虎と龍の絵のジャンパー、どこで手に入れたんだ?」
「黒潮が古着屋で大量買いした中に混じってたの」
(……グレてる、のか?)
「用が無いなら帰って、今から金剛さんのカフェでスマイルを注文して三時間粘るので忙しいの」
「榛名が余裕で三時間やりかねんから意味無いぞそれ。――で? そんなことをする理由は何だ?」
「……提督のせいよ」
「俺、何かお前の気に障る様なことしたか?」
「私の言うことを、全然守ってくれないじゃない」
「一人で外出する時には必ず同行させろって奴か? なるべく最近は一人での外出は控えてるぞ?」
「“控える”じゃなくて、“絶対にしない”ようにしてもらいたいの」
「そうは言うが、緊急で出掛ける場合もあるしなぁ……」
「守ってくれないなら、これからも悪逆非道の限りを尽くしてみせます」
(悪逆非道? スマイルで三時間粘るのが初霜の中では悪逆非道なのか……?)
「はぁ……分かった、緊急時には鎮守府放送で報せて誰かに同行を頼むようにする。可能な限り、お前にも声をかける」
「その言葉、信じていいのね……?」
「あぁ、だからその似合わないのはさっさとやめろ」
「……実はコレ、結構恥ずかしかったの」
「安心しろ、それが恥ずかしくない奴はこの鎮守府には居ない」
(若葉は悪くないと思っていたんだが……そうか、恥ずかしいのか……だが、あえて着てみるのも悪くない)
プチ悪駆逐艦ブームが到来しました。
「初霜、居るか?」
「私に何か用?」
(……何だ? 何ていうかこう、色々おかしいな)
「なぁ、何で部屋の中でサングラスかけてるんだ?」
「かけたいから」
「シガレットチョコ、袋のままくわえて楽しいか?」
「買ったものをどうしようと私の勝手でしょ」
「その虎と龍の絵のジャンパー、どこで手に入れたんだ?」
「黒潮が古着屋で大量買いした中に混じってたの」
(……グレてる、のか?)
「用が無いなら帰って、今から金剛さんのカフェでスマイルを注文して三時間粘るので忙しいの」
「榛名が余裕で三時間やりかねんから意味無いぞそれ。――で? そんなことをする理由は何だ?」
「……提督のせいよ」
「俺、何かお前の気に障る様なことしたか?」
「私の言うことを、全然守ってくれないじゃない」
「一人で外出する時には必ず同行させろって奴か? なるべく最近は一人での外出は控えてるぞ?」
「“控える”じゃなくて、“絶対にしない”ようにしてもらいたいの」
「そうは言うが、緊急で出掛ける場合もあるしなぁ……」
「守ってくれないなら、これからも悪逆非道の限りを尽くしてみせます」
(悪逆非道? スマイルで三時間粘るのが初霜の中では悪逆非道なのか……?)
「はぁ……分かった、緊急時には鎮守府放送で報せて誰かに同行を頼むようにする。可能な限り、お前にも声をかける」
「その言葉、信じていいのね……?」
「あぁ、だからその似合わないのはさっさとやめろ」
「……実はコレ、結構恥ずかしかったの」
「安心しろ、それが恥ずかしくない奴はこの鎮守府には居ない」
(若葉は悪くないと思っていたんだが……そうか、恥ずかしいのか……だが、あえて着てみるのも悪くない)
プチ悪駆逐艦ブームが到来しました。
421: ◆UeZ8dRl.OE 2015/01/03(土) 11:40:39.05 ID:OXYzlMwf0
「ねのひは、可愛いだけじゃないんだよー?」
「ねのひ、カツアゲの日ー」
「初霜、ちゃんと悪い子演じられてるかなぁ……」
――子日ちゃん、もうそろそろ揚がりそう?
「うん、こんがりきつね色だよぉー」
――じゃあ十三番にお願いねー。
「はーい、ねのひ、食堂当番の日ー」
初霜は相談する相手を間違えていたようです。
「ねのひ、カツアゲの日ー」
「初霜、ちゃんと悪い子演じられてるかなぁ……」
――子日ちゃん、もうそろそろ揚がりそう?
「うん、こんがりきつね色だよぉー」
――じゃあ十三番にお願いねー。
「はーい、ねのひ、食堂当番の日ー」
初霜は相談する相手を間違えていたようです。
422: ◆UeZ8dRl.OE 2015/01/03(土) 11:42:34.09 ID:OXYzlMwf0
・飛鷹『バカ』、投下します
423: ◆UeZ8dRl.OE 2015/01/03(土) 11:43:16.44 ID:OXYzlMwf0
――――提督執務室。
「提督、どう? 似合ってる?」
「何だ、十二単じゃないのか」
「殴られたい?」
「冗談だ、似合ってる」
「ふふっ、ありがと」
「流石に左前とか古典的なネタの心配はいらなかったか」
「隼鷹も私もその辺はキッチリしてるから大丈夫よ。あっちは今頃飲んで着崩れまくってるかもしれないけどね……」
「全部脱がなきゃセーフってことにしておく」
「提督はこういうの着ないの?」
「悪いが俺に女装の趣味は……」
「わざと? ねぇ、わざと?」
「落ち着け飛鷹、せっかくの着物を俺の鼻血で染めるのは勿体無いだろう?」
「そんなキツく殴らないってば」
「違う、問題はそこじゃない」
「全く、年も明けたっていうのに人をからかう癖はちっとも変わらないんだから」
「からかう相手は決め――だから待て、初爆撃とかめでたくも何ともないぞ」
「……せっかくの着物なんでしょ? もう少し色々無いの?」
「髪、結わなかったんだな」
「隼鷹は結ったんだけどね、どっかの誰かさんにぐちゃぐちゃにされそうだったからやめたわ」
「そうか、少し残念だ」
「やっぱり、結った方が良かった?」
「どっちも見たかったってのが正直な感想ではある」
「じゃあ次は結ってみよっかな」
「……」
「何? 人の顔ジッと見て」
「そうして座ってると本当に深窓の令嬢って感じだな、黙ってればだが」
「口が悪くて悪かったわね……」
「せっかくだし、帯回しでもするか?」
「どこがどうなったらそういう発想にたどり着くわけ?」
「着物、綺麗な女、帯回し、そこまで突飛な発想でもない思うが」
「……やりたいの?」
「どうしてもって程にやりたくはないが、どんなものか気になってはいる」
「……しょうがないわね、付き合ってあげるわよ」
――――予想通り、短すぎて回した気にもならんな。
――――感想、それだけなの?
――――他にどう言えってんだ。
――――……バカッ!
――――ゴフッ!?
――――(ちょっと期待した私がバカみたいじゃない、もうっ!)
「提督、どう? 似合ってる?」
「何だ、十二単じゃないのか」
「殴られたい?」
「冗談だ、似合ってる」
「ふふっ、ありがと」
「流石に左前とか古典的なネタの心配はいらなかったか」
「隼鷹も私もその辺はキッチリしてるから大丈夫よ。あっちは今頃飲んで着崩れまくってるかもしれないけどね……」
「全部脱がなきゃセーフってことにしておく」
「提督はこういうの着ないの?」
「悪いが俺に女装の趣味は……」
「わざと? ねぇ、わざと?」
「落ち着け飛鷹、せっかくの着物を俺の鼻血で染めるのは勿体無いだろう?」
「そんなキツく殴らないってば」
「違う、問題はそこじゃない」
「全く、年も明けたっていうのに人をからかう癖はちっとも変わらないんだから」
「からかう相手は決め――だから待て、初爆撃とかめでたくも何ともないぞ」
「……せっかくの着物なんでしょ? もう少し色々無いの?」
「髪、結わなかったんだな」
「隼鷹は結ったんだけどね、どっかの誰かさんにぐちゃぐちゃにされそうだったからやめたわ」
「そうか、少し残念だ」
「やっぱり、結った方が良かった?」
「どっちも見たかったってのが正直な感想ではある」
「じゃあ次は結ってみよっかな」
「……」
「何? 人の顔ジッと見て」
「そうして座ってると本当に深窓の令嬢って感じだな、黙ってればだが」
「口が悪くて悪かったわね……」
「せっかくだし、帯回しでもするか?」
「どこがどうなったらそういう発想にたどり着くわけ?」
「着物、綺麗な女、帯回し、そこまで突飛な発想でもない思うが」
「……やりたいの?」
「どうしてもって程にやりたくはないが、どんなものか気になってはいる」
「……しょうがないわね、付き合ってあげるわよ」
――――予想通り、短すぎて回した気にもならんな。
――――感想、それだけなの?
――――他にどう言えってんだ。
――――……バカッ!
――――ゴフッ!?
――――(ちょっと期待した私がバカみたいじゃない、もうっ!)
424: ◆UeZ8dRl.OE 2015/01/03(土) 23:23:35.28 ID:OXYzlMwf0
・武蔵『着崩し』、投下します
425: ◆UeZ8dRl.OE 2015/01/03(土) 23:24:03.95 ID:OXYzlMwf0
――――鎮守府、各艦種寮区域前。
「武蔵、それじゃまるで花魁ですよ?」
「五月蝿く着ろと言うから着てやったんだ、着方まで指図される筋合いは無い」
「言うだけ無駄じゃぞ大和、こやつのは一種の露出癖に近いからなぁ」
「鏡を見てから言ったらどうだ?」
「失敬な! 吾輩はちゃんと今は履いておるぞ!」
(ほとんどどんぐりの背比べじゃねぇか……)
「私は着物って走れなくてやだなー」
「貴女にとっては、落ち着きというものを学ぶ良い機会ね」
「加賀よ、お前にだけは島風も言われたくないと思うがな」
「どういう意味かしら」
「自覚していないのか? さっきから歩幅が徐々に大きくなってきているぜ」
「何々? 競歩するの?」
「……気のせいです」
「そうか、気のせいならば私は気にせず先に行かせてもらうぞ」
「やっぱりやるの? 武蔵にだって足の速さなら負けないよ!」
「新年早々賑やかな奴等だ」
「そういう木曾も振袖はしっかり着てるんですね」
「大井姉が提督が喜ぶから着ろってしつこかったんだよ、別に俺は普段着でも良かったってのに……」
――最後に来た奴がお汁粉を七人分運ぶってのはどうだい?
――いいでしょう、受けて立ちます。
――速さなら島風が一番だよ!
――うむ、異論は無いぞ。
「……お前の妹、うちの姉貴達と同類だな」
「お互い、苦労するわね」
――そこの二人は不戦敗でいいのか?
「仕方ねぇ、付き合ってやるか」
「戦艦大和、本気で行くわ!」
「武蔵、それじゃまるで花魁ですよ?」
「五月蝿く着ろと言うから着てやったんだ、着方まで指図される筋合いは無い」
「言うだけ無駄じゃぞ大和、こやつのは一種の露出癖に近いからなぁ」
「鏡を見てから言ったらどうだ?」
「失敬な! 吾輩はちゃんと今は履いておるぞ!」
(ほとんどどんぐりの背比べじゃねぇか……)
「私は着物って走れなくてやだなー」
「貴女にとっては、落ち着きというものを学ぶ良い機会ね」
「加賀よ、お前にだけは島風も言われたくないと思うがな」
「どういう意味かしら」
「自覚していないのか? さっきから歩幅が徐々に大きくなってきているぜ」
「何々? 競歩するの?」
「……気のせいです」
「そうか、気のせいならば私は気にせず先に行かせてもらうぞ」
「やっぱりやるの? 武蔵にだって足の速さなら負けないよ!」
「新年早々賑やかな奴等だ」
「そういう木曾も振袖はしっかり着てるんですね」
「大井姉が提督が喜ぶから着ろってしつこかったんだよ、別に俺は普段着でも良かったってのに……」
――最後に来た奴がお汁粉を七人分運ぶってのはどうだい?
――いいでしょう、受けて立ちます。
――速さなら島風が一番だよ!
――うむ、異論は無いぞ。
「……お前の妹、うちの姉貴達と同類だな」
「お互い、苦労するわね」
――そこの二人は不戦敗でいいのか?
「仕方ねぇ、付き合ってやるか」
「戦艦大和、本気で行くわ!」
426: ◆UeZ8dRl.OE 2015/01/03(土) 23:24:30.56 ID:OXYzlMwf0
――――提督執務室。
「――で? お前達は新年早々何で走り込みみたいなことをやってるんだ?」
「一着は譲れません」
「どう考えても私の胸部装甲が最初にここに入っただろう」
「大和が一番ですか、とても晴れがましいですね」
「お前等の目は節穴だな、俺が一着だ」
「吾輩が一番に決まっておる」
「絶対私が一番だよ! だって速いもん!」
「……とりあえず、武蔵以外は自分の今の格好を鏡見て直してこい」
「「「「「……あ」」」」」
――――提督よ、こういう格好の私も、悪くないと思わないか?
――――お前、それが一番先に言いたくて競争させたのか?
――――質問に質問で返すのは野暮ってもんだぜ?
――――……力強くもあり、美しくもある、お前らしくていいと思うぞ。
――――ふむ……だったらもっと近くで見せてやるとしよう。
――――(あっ、これは多分五秒後にはここが――)
三秒で執務室が吹き飛びました。
「――で? お前達は新年早々何で走り込みみたいなことをやってるんだ?」
「一着は譲れません」
「どう考えても私の胸部装甲が最初にここに入っただろう」
「大和が一番ですか、とても晴れがましいですね」
「お前等の目は節穴だな、俺が一着だ」
「吾輩が一番に決まっておる」
「絶対私が一番だよ! だって速いもん!」
「……とりあえず、武蔵以外は自分の今の格好を鏡見て直してこい」
「「「「「……あ」」」」」
――――提督よ、こういう格好の私も、悪くないと思わないか?
――――お前、それが一番先に言いたくて競争させたのか?
――――質問に質問で返すのは野暮ってもんだぜ?
――――……力強くもあり、美しくもある、お前らしくていいと思うぞ。
――――ふむ……だったらもっと近くで見せてやるとしよう。
――――(あっ、これは多分五秒後にはここが――)
三秒で執務室が吹き飛びました。
428: ◆UeZ8dRl.OE 2015/01/04(日) 04:07:15.80 ID:BK4+rqh00
・第七駆逐隊『書き初め』 、投下します
429: ◆UeZ8dRl.OE 2015/01/04(日) 04:07:47.89 ID:BK4+rqh00
――――第七駆逐隊私室。
「墨よーし、筆よーし」
「蟹、よし」
「蟹はいらないでしょ」
「朧ちゃんの文鎮、蟹だから」
「そんなのあるんだ」
「三人とも、書く言葉のチョイスはオケ?」
「朧は大丈夫、決まってる」
「まぁ……一応、ね」
「書くならこれかなって、思います」
「じゃあちゃちゃっとその熱いパトスをキャンバスにぶちまけちゃいましょー」
「半紙よね、コレ」
「あはは……」
「――よし、書けたわ」
「うん、良い出来」
「ちゃんとうまく書けてるでしょうか……」
「ちょっと本気出し過ぎちゃいました」
「それで、この書初めどうするの? まさかどこかに貼るなんて言わないでしょうね?」
「イグザクトリー、ご主人様の部屋に今から貼りに行きますが、何か問題でも?」
「く、クソ提督の部屋っ!?」
「漣ちゃん、それはちょっと私も恥ずかしいかなって……」
「朧はいいよ、見られても恥ずかしくないし」
「漣、そんな勝手な事許さ――って居ない!?」
「み、皆の書き初めも無くなってる……」
「漣なら、二人が戸惑ってるうちに出てったよ」
「ちょっと何で止めないのよ朧!」
「四人のを並べて貼るの、朧は賛成」
「うぅ……恥ずかしいよぉ……」
(クソ提督の部屋に私の書き初めが……? 冗談じゃないわ!)
――――私の書き初め返しなさいよ、このクソ提督!
――――って言ってるが、曙の書き初めはどれなんだ?
――――あーうっかり名前の部分を墨で塗りつぶしちゃったので分かりませんねー。
――――そうか、じゃあこの“素直になる”って書き初めも四人のうちの誰のか分からんな。
――――……私が書いたの、それじゃないけど?
――――……何?
「墨よーし、筆よーし」
「蟹、よし」
「蟹はいらないでしょ」
「朧ちゃんの文鎮、蟹だから」
「そんなのあるんだ」
「三人とも、書く言葉のチョイスはオケ?」
「朧は大丈夫、決まってる」
「まぁ……一応、ね」
「書くならこれかなって、思います」
「じゃあちゃちゃっとその熱いパトスをキャンバスにぶちまけちゃいましょー」
「半紙よね、コレ」
「あはは……」
「――よし、書けたわ」
「うん、良い出来」
「ちゃんとうまく書けてるでしょうか……」
「ちょっと本気出し過ぎちゃいました」
「それで、この書初めどうするの? まさかどこかに貼るなんて言わないでしょうね?」
「イグザクトリー、ご主人様の部屋に今から貼りに行きますが、何か問題でも?」
「く、クソ提督の部屋っ!?」
「漣ちゃん、それはちょっと私も恥ずかしいかなって……」
「朧はいいよ、見られても恥ずかしくないし」
「漣、そんな勝手な事許さ――って居ない!?」
「み、皆の書き初めも無くなってる……」
「漣なら、二人が戸惑ってるうちに出てったよ」
「ちょっと何で止めないのよ朧!」
「四人のを並べて貼るの、朧は賛成」
「うぅ……恥ずかしいよぉ……」
(クソ提督の部屋に私の書き初めが……? 冗談じゃないわ!)
――――私の書き初め返しなさいよ、このクソ提督!
――――って言ってるが、曙の書き初めはどれなんだ?
――――あーうっかり名前の部分を墨で塗りつぶしちゃったので分かりませんねー。
――――そうか、じゃあこの“素直になる”って書き初めも四人のうちの誰のか分からんな。
――――……私が書いたの、それじゃないけど?
――――……何?
430: ◆UeZ8dRl.OE 2015/01/04(日) 04:08:22.97 ID:BK4+rqh00
朧:『毎日楽しく』
曙:『お礼を必ず口にする』
潮:『自信をもっと持つ』
漣:『もっと素直になる』
曙:『お礼を必ず口にする』
潮:『自信をもっと持つ』
漣:『もっと素直になる』
436: ◆UeZ8dRl.OE 2015/01/05(月) 00:22:41.69 ID:umRNGmni0
・赤城『お守り』、投下します
赤城さんが慢心?んなばかな
赤城さんが慢心?んなばかな
437: ◆UeZ8dRl.OE 2015/01/05(月) 00:24:15.24 ID:umRNGmni0
――――神社。
「珍しいな、いつもならこういう時は他の奴に行く権利を譲ってたのに」
「“ご褒美”、だそうです」
「褒美、か。そりゃ受け取らなきゃ罰が当たるな」
「えぇ、ですから提督のご褒美も期待しておきますね?」
「……新年早々財布を空にするとかはやめてくれよ?」
「大丈夫です、そういったものを望んでいるわけではありませんから」
「そうか、そりゃ安心だ」
「――提督は、今年は何をお願いするんですか?」
「そうだな……全員の姉妹艦の着任でも願っとくか」
「ふふっ、今よりも更に賑やかになって毎日大変そうですね」
「そういう赤城はどうなんだ?」
「秘密です」
「おい、人に聞いといてそれは卑怯だろ」
「あっ、私達の番ですね」
(流しやがった……)
「あの、提督……」
「ん? どうした?」
「お財布を忘れてしまったみたいで、その……」
「持ち物確認を怠ったな、慢心だぞ? ほら、五円だ」
「すいません、ありがとうございます」
(全員の願いが叶いますように)
(今の幸せが、ずっと続きますように)
「珍しいな、いつもならこういう時は他の奴に行く権利を譲ってたのに」
「“ご褒美”、だそうです」
「褒美、か。そりゃ受け取らなきゃ罰が当たるな」
「えぇ、ですから提督のご褒美も期待しておきますね?」
「……新年早々財布を空にするとかはやめてくれよ?」
「大丈夫です、そういったものを望んでいるわけではありませんから」
「そうか、そりゃ安心だ」
「――提督は、今年は何をお願いするんですか?」
「そうだな……全員の姉妹艦の着任でも願っとくか」
「ふふっ、今よりも更に賑やかになって毎日大変そうですね」
「そういう赤城はどうなんだ?」
「秘密です」
「おい、人に聞いといてそれは卑怯だろ」
「あっ、私達の番ですね」
(流しやがった……)
「あの、提督……」
「ん? どうした?」
「お財布を忘れてしまったみたいで、その……」
「持ち物確認を怠ったな、慢心だぞ? ほら、五円だ」
「すいません、ありがとうございます」
(全員の願いが叶いますように)
(今の幸せが、ずっと続きますように)
438: ◆UeZ8dRl.OE 2015/01/05(月) 00:24:43.74 ID:umRNGmni0
「どうする? 御神籤引くか?」
「そうですね、引いてみましょうか。あっでも……」
「気にするな、それぐらいは出す」
「はい、ではお言葉に甘えさせて頂きます」
(中吉……待人、必ず来る、か)
「赤城、そっちはどうだった?」
「……」
「赤城?」
「……はい? 何か言いましたか?」
「御神籤、どうだったんだ?」
「今年は大吉でした。提督はどうだったんですか?」
「中吉、まぁそこそこだ」
「では、あちらに結んでそろそろ戻りましょう」
「あぁ、じゃあどこか近場で食べて帰るとするか」
「でしたら、良いお店を知ってますのでご案内しますね」
「そりゃ期待出来るな」
「はい、とても美味しいですよ。――すいません提督、用事を思い出したので階段を降りたところで待っていて下さい」
「……分かった、下で待ってる」
――――そういえば、結局俺からのご褒美は何をやればいいんだ?
――――大丈夫です、もう貰いましたから。
――――……? 俺、何かやったか……?
――――はい、しっかりと。
「そうですね、引いてみましょうか。あっでも……」
「気にするな、それぐらいは出す」
「はい、ではお言葉に甘えさせて頂きます」
(中吉……待人、必ず来る、か)
「赤城、そっちはどうだった?」
「……」
「赤城?」
「……はい? 何か言いましたか?」
「御神籤、どうだったんだ?」
「今年は大吉でした。提督はどうだったんですか?」
「中吉、まぁそこそこだ」
「では、あちらに結んでそろそろ戻りましょう」
「あぁ、じゃあどこか近場で食べて帰るとするか」
「でしたら、良いお店を知ってますのでご案内しますね」
「そりゃ期待出来るな」
「はい、とても美味しいですよ。――すいません提督、用事を思い出したので階段を降りたところで待っていて下さい」
「……分かった、下で待ってる」
――――そういえば、結局俺からのご褒美は何をやればいいんだ?
――――大丈夫です、もう貰いましたから。
――――……? 俺、何かやったか……?
――――はい、しっかりと。
446: ◆UeZ8dRl.OE 2015/01/05(月) 00:46:23.08 ID:umRNGmni0
・叢雲『別に喜んでなんかないわ』
・朝雲&山雲『悪い子じゃ無い』
・雲龍『お礼』
・野分『身体の節々が痛い……』
・五月雨&比叡『一緒に料理』
以上五本でお送りします
山雲書いたら出るよね…
・朝雲&山雲『悪い子じゃ無い』
・雲龍『お礼』
・野分『身体の節々が痛い……』
・五月雨&比叡『一緒に料理』
以上五本でお送りします
山雲書いたら出るよね…
454: ◆UeZ8dRl.OE 2015/01/05(月) 22:57:15.35 ID:umRNGmni0
叢雲『別に喜んでなんかないわ』、投下します
ケーキ食べてテンション上がる叢雲可愛い
ケーキ食べてテンション上がる叢雲可愛い
455: ◆UeZ8dRl.OE 2015/01/05(月) 22:57:42.27 ID:umRNGmni0
――――提督執務室。
「はい、アンタにあげるわ」
「チョコマフィンか、作ったのか?」
「クリスマス用に買ってあった材料の処理よ」
「――ん、甘さは控え目で食いやすいな」
「アンタが文句言うから控え目にしたんじゃない」
「別に文句は言ってないぞ。毎日は絶対に無理だなって言っただけだ」
「バカが全部食べきろうとするからでしょ」
「残したらせっかく作ってくれた奴等に悪いだろ。一応、プチホールサイズには全員してくれてたしな」
「その年で糖尿病とか情けなくて目も当てられないし、まぁ精々気を付けなさい」
「健康には気を遣ってるつもりだから安心しろ」
「アンタ、脳味噌詰まってんの? 時々徹夜で書類書いてて秘書艦娘に心配かけてる癖に何が安心しろよ、バカじゃないの?」
「叢雲、上官に向かってバカとは何だバカとは。言葉遣いには気を付け――」
「論点すり替えなんかさせないわよ。第一、“クソ提督”と“クズ”と“お前”と“アンタ”に一切何も言ってこなかった上に元帥を“クソじじい”呼ばわりしてるアンタには絶対言われたくないわ」
(ぐぅの音も出ねぇ……)
「そ、そうだ叢雲、吹雪の改二が決まったが、お祝いはするのか?」
「やるわよ、当然じゃない。既に白雪達とバレない様にパーティーの準備を着々と進めてるし」
(よし、すり替えせいこ――)
「当然、もう吹雪へのプレゼントは用意してあるんでしょうね?」
「・・・・・・」
「……今すぐ出掛けるわよ、その書類を後五分で終わらせなさい」
「ちょっと待て、無茶言うな。そんなすぐに終わる書類じゃないぞコレ」
「聞こえなかったの? 終 わ ら せ な さ い」
「分かった、分かったからその物騒なモノはしまえ」
「ったく、余計な手間かけさせんじゃないっての」
「ホント、仲良いよなお前等」
「ずっと顔合わせてる相手と仲悪いのが嫌なだけ、それだけよ」
(素直じゃないな、コイツも)
「そんなことよりさっさと書類終わらせなさい、遅れたら夕飯作らないわよ?」
「その時は俺が作るとするさ」
(……それもありね)
――――叢雲、これなんてどうだ?
――――それだと初雪と種類が被るからやめときなさい。
――――いや、これはお前にだぞ。
――――……あっそ、だったらいいわ。
「はい、アンタにあげるわ」
「チョコマフィンか、作ったのか?」
「クリスマス用に買ってあった材料の処理よ」
「――ん、甘さは控え目で食いやすいな」
「アンタが文句言うから控え目にしたんじゃない」
「別に文句は言ってないぞ。毎日は絶対に無理だなって言っただけだ」
「バカが全部食べきろうとするからでしょ」
「残したらせっかく作ってくれた奴等に悪いだろ。一応、プチホールサイズには全員してくれてたしな」
「その年で糖尿病とか情けなくて目も当てられないし、まぁ精々気を付けなさい」
「健康には気を遣ってるつもりだから安心しろ」
「アンタ、脳味噌詰まってんの? 時々徹夜で書類書いてて秘書艦娘に心配かけてる癖に何が安心しろよ、バカじゃないの?」
「叢雲、上官に向かってバカとは何だバカとは。言葉遣いには気を付け――」
「論点すり替えなんかさせないわよ。第一、“クソ提督”と“クズ”と“お前”と“アンタ”に一切何も言ってこなかった上に元帥を“クソじじい”呼ばわりしてるアンタには絶対言われたくないわ」
(ぐぅの音も出ねぇ……)
「そ、そうだ叢雲、吹雪の改二が決まったが、お祝いはするのか?」
「やるわよ、当然じゃない。既に白雪達とバレない様にパーティーの準備を着々と進めてるし」
(よし、すり替えせいこ――)
「当然、もう吹雪へのプレゼントは用意してあるんでしょうね?」
「・・・・・・」
「……今すぐ出掛けるわよ、その書類を後五分で終わらせなさい」
「ちょっと待て、無茶言うな。そんなすぐに終わる書類じゃないぞコレ」
「聞こえなかったの? 終 わ ら せ な さ い」
「分かった、分かったからその物騒なモノはしまえ」
「ったく、余計な手間かけさせんじゃないっての」
「ホント、仲良いよなお前等」
「ずっと顔合わせてる相手と仲悪いのが嫌なだけ、それだけよ」
(素直じゃないな、コイツも)
「そんなことよりさっさと書類終わらせなさい、遅れたら夕飯作らないわよ?」
「その時は俺が作るとするさ」
(……それもありね)
――――叢雲、これなんてどうだ?
――――それだと初雪と種類が被るからやめときなさい。
――――いや、これはお前にだぞ。
――――……あっそ、だったらいいわ。
456: ◆UeZ8dRl.OE 2015/01/05(月) 23:13:52.05 ID:umRNGmni0
「提督さんからのお知らせを伝えるけぇ聞いてつかぁさい。朝雲と山雲の話は着任含めて二本分を一つにまとめて書くらしいんじゃ」
「良く出来たわ浦風、完璧ね」
「姉さん、流石にこれぐらいは誰でも出来るけぇ誉められてもあんま嬉しゅうないよ……?」
「不知火神」
「……うちが悪かった。じゃけぇあの劇のことははよう忘れてあげるんじゃ」
(アレはアレで可愛かったとも思うし、浦風も読み間違ったりしないかしら)
着任しちゃいました
「良く出来たわ浦風、完璧ね」
「姉さん、流石にこれぐらいは誰でも出来るけぇ誉められてもあんま嬉しゅうないよ……?」
「不知火神」
「……うちが悪かった。じゃけぇあの劇のことははよう忘れてあげるんじゃ」
(アレはアレで可愛かったとも思うし、浦風も読み間違ったりしないかしら)
着任しちゃいました
465: ◆UeZ8dRl.OE 2015/01/07(水) 01:32:24.56 ID:oksryC4q0
――――遊技場。
「ここ、本当に鎮守府なの?」
「見紛うことなく鎮守府だ」
「あそこで霰が着ぐるみ着て風船配ってるんだけど」
「今日はペンギンだな、機嫌が良いらしい」
(私の妹ってあんな子だったっけ……?)
「基本的に駆逐艦と軽巡にここは任せてるが、ベンチで日向ぼっこしながら監視してる空母も居るから紹介しておく。ここで分からないことがあればそいつに聞くといい」
「そんなことより、ここって鎮守府として本当にちゃんと機能してるの?」
「その辺も会って聞けば分かるさ、来た頃はお前より不審がってた奴だからな」
「ふーん……本当にこんなところで待ってたら、山雲が来るのかしら……」
――貴女、大丈夫?
――はい~何とか~。
「あそこに居るのがそうなんだが、誰か介抱してるな。少し待ってから――」
「山雲!? 嘘でしょ!?」
(……手間が省けたと思えばいいのか、手間が増えたと思えばいいのか……とりあえず、間宮に一人追加って連絡しないとな)
「あら~朝雲姉久し振りね~」
「山雲、何でベンチで横になってるの?」
「コーヒーカップで回しすぎたみたい」
「朝雲姉が居る様な気がしたから来たんだけどー、面白そうなものがあったからつい乗っちゃったの~」
「私が探し回ってたっていうのに、本当にマイペースなんだから、もうっ」
「そうなの~? それはごめんなさいねー」
「……でも、また会えて良かったわ」
「山雲も~嬉しいわ~」
(……私、ひょっとしてここに居ると邪魔なのかしら)
――――山雲が着任しました。
「ここ、本当に鎮守府なの?」
「見紛うことなく鎮守府だ」
「あそこで霰が着ぐるみ着て風船配ってるんだけど」
「今日はペンギンだな、機嫌が良いらしい」
(私の妹ってあんな子だったっけ……?)
「基本的に駆逐艦と軽巡にここは任せてるが、ベンチで日向ぼっこしながら監視してる空母も居るから紹介しておく。ここで分からないことがあればそいつに聞くといい」
「そんなことより、ここって鎮守府として本当にちゃんと機能してるの?」
「その辺も会って聞けば分かるさ、来た頃はお前より不審がってた奴だからな」
「ふーん……本当にこんなところで待ってたら、山雲が来るのかしら……」
――貴女、大丈夫?
――はい~何とか~。
「あそこに居るのがそうなんだが、誰か介抱してるな。少し待ってから――」
「山雲!? 嘘でしょ!?」
(……手間が省けたと思えばいいのか、手間が増えたと思えばいいのか……とりあえず、間宮に一人追加って連絡しないとな)
「あら~朝雲姉久し振りね~」
「山雲、何でベンチで横になってるの?」
「コーヒーカップで回しすぎたみたい」
「朝雲姉が居る様な気がしたから来たんだけどー、面白そうなものがあったからつい乗っちゃったの~」
「私が探し回ってたっていうのに、本当にマイペースなんだから、もうっ」
「そうなの~? それはごめんなさいねー」
「……でも、また会えて良かったわ」
「山雲も~嬉しいわ~」
(……私、ひょっとしてここに居ると邪魔なのかしら)
――――山雲が着任しました。
469: ◆UeZ8dRl.OE 2015/01/07(水) 17:02:07.25 ID:oksryC4q0
・朝雲&山雲『悪い子じゃ無い』、投下します
470: ◆UeZ8dRl.OE 2015/01/07(水) 17:02:39.01 ID:oksryC4q0
――――食堂。
「司令さ~ん、私もここに住んでいいのー?」
「山雲」
「特に問題でも無い限り、ここは無条件で受け入れるからな」
「へ~じゃあお言葉にー、甘えさせてもらうわねー」
「山雲ってば」
「必要な書類とかは後で渡す。ここでの生活については朝潮達にでも聞け、姉妹艦がまだ一番聞きやすいだろ。後の細かいことは各施設の管理艦娘にでも聞くといい。秘書艦はローテーション制だからその内やってもらうが、すぐには回って来ないから安心してくれ」
「部屋割りは~どうなるのー?」
「やーまーぐーもー?」
「基本的には同型艦で一部屋だ」
「じゃあ朝雲姉もー同じ部屋なのねー、嬉しいわー」
「やーまーぐーもー!」
「朝雲姉、何かしらー?」
「ずっと抱き着かれてると料理食べにくいんだけど」
「あーん」
「自分で食べられるでしょ」
「朝雲姉がー冷たくて悲しいわー……」
「もうっ、分かったからそんな声出さないでよ。ほら、何が食べたいの?」
「そこの煮物、美味しそうねー」
「煮物ね、分かったわ」
「あー、煮物で思い出したわ~。司令さーん、家庭菜園をー作ってもいいー?」
「構わんぞ、好きにしろ。その煮物に使ってる野菜も半分はここで収穫したものだ」
「じゃあ朝雲姉、一緒に作りましょー、ねー」
「私が手伝うのは決定なんだ……まぁいいけど」
「次はーそっちのお漬け物が食べたいかしらー」
「芝漬け? たくあん?」
「たくあんがいいわー」
「野菜が好きなら鳳翔のところに行ってみるといい、新鮮な野菜を食べさせてくれるぞ」
「そうなのー? それは楽しみー」
「山雲、次は何食べたい?」
「卵かけご飯がー食べたいわー」
(……朝雲が探してた理由、何となく分かったかもしれん)
――――お前の言う通り、多少マイペース過ぎるが、悪い奴ではないな。
――――時々妄想の世界に入り込んじゃうこともあるけど、少ししたらちゃんと戻ってくるわ。
――――すぅ……すぅ……。
――――(書類は、また明日にするか)
「司令さ~ん、私もここに住んでいいのー?」
「山雲」
「特に問題でも無い限り、ここは無条件で受け入れるからな」
「へ~じゃあお言葉にー、甘えさせてもらうわねー」
「山雲ってば」
「必要な書類とかは後で渡す。ここでの生活については朝潮達にでも聞け、姉妹艦がまだ一番聞きやすいだろ。後の細かいことは各施設の管理艦娘にでも聞くといい。秘書艦はローテーション制だからその内やってもらうが、すぐには回って来ないから安心してくれ」
「部屋割りは~どうなるのー?」
「やーまーぐーもー?」
「基本的には同型艦で一部屋だ」
「じゃあ朝雲姉もー同じ部屋なのねー、嬉しいわー」
「やーまーぐーもー!」
「朝雲姉、何かしらー?」
「ずっと抱き着かれてると料理食べにくいんだけど」
「あーん」
「自分で食べられるでしょ」
「朝雲姉がー冷たくて悲しいわー……」
「もうっ、分かったからそんな声出さないでよ。ほら、何が食べたいの?」
「そこの煮物、美味しそうねー」
「煮物ね、分かったわ」
「あー、煮物で思い出したわ~。司令さーん、家庭菜園をー作ってもいいー?」
「構わんぞ、好きにしろ。その煮物に使ってる野菜も半分はここで収穫したものだ」
「じゃあ朝雲姉、一緒に作りましょー、ねー」
「私が手伝うのは決定なんだ……まぁいいけど」
「次はーそっちのお漬け物が食べたいかしらー」
「芝漬け? たくあん?」
「たくあんがいいわー」
「野菜が好きなら鳳翔のところに行ってみるといい、新鮮な野菜を食べさせてくれるぞ」
「そうなのー? それは楽しみー」
「山雲、次は何食べたい?」
「卵かけご飯がー食べたいわー」
(……朝雲が探してた理由、何となく分かったかもしれん)
――――お前の言う通り、多少マイペース過ぎるが、悪い奴ではないな。
――――時々妄想の世界に入り込んじゃうこともあるけど、少ししたらちゃんと戻ってくるわ。
――――すぅ……すぅ……。
――――(書類は、また明日にするか)
次回 【艦これ】大鳳「浦風が可愛い鎮守府」提督「多分一応は鎮守府」 後編
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