1: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:37:18.06 ID:IDzCsl2Ro
・アイマス×モバマス
・千早とライラさんが米を炊く
・ヤマ、オチ特になし

よろしければお付き合いください

↓なお前回
【予定は未定】ライラ「大体三周年でございます」 千早「ええ、そうね……」  



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1574512637

引用元: 【予定は未定】千早「ざっくり四周年ですって」 ライラ「言ったもの勝ちですねー」 



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2: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:39:31.06 ID:IDzCsl2Ro

千早「皆さんこんばんは、如月千早です」

ライラ「ライラさんでございますです」

千早「今回は四周年記念放送、とのことです」

ライラ「……千早さん」

千早「何かしら」

ライラ「前回の放送、三周年だった気がするのでございますが」

千早「ええ、その通りね」

ライラ「……気のせいではありませんでしたですか」

千早「そうね。気のせいだったらよかったのにね」

3: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:40:28.90 ID:IDzCsl2Ro

ライラ「皆さん、この番組のこと覚えていらっしゃるのでしょうか」

千早「……ライラさん」

ライラ「はいです」

千早「考えても仕方がないことって、あるものよ」

ライラ「そういうものでございますですか」

千早「ええ」

ライラ「…………」

千早「だから、私たちは私たちにできることをしましょう」

ライラ「ライラさんたちにできること、でございますか?」

千早「肩肘張らず、のんびりと」

千早「それが、この番組のいいところでしょう?」

ライラ「おー……」

千早「それに、難しくて面倒くさいことはスタッフが全部やってくれるわ」

千早「……それくらいやってくれなきゃ、私たちが報われないもの」

4: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:41:18.56 ID:IDzCsl2Ro

ライラ「ふふふー」

千早「ふふ、やっと笑ってくれた」

ライラ「おー、ご心配おかけしましたですよ」

千早「いいのよ。いつもは私が励ましてもらっているんだから」

ライラ「あー……そうでございましたですか?」

千早「心当たりがないならそれでいいの」

千早「それもライラさんらしさだものね」

ライラ「……よく分かりませんです」

千早「ふふっ」

ライラ「えへへー」

千早「さて、気を取り直していきましょうか」

ライラ「はいですよ」

千早「予定は未定」

ライラ「始まりますですよー」

千早「(ホント、久しぶりだわ)」

5: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:42:02.22 ID:IDzCsl2Ro

***************************


千早「というわけで移動してきたのだけれど」

ライラ「見覚えのある竹林でございますねー」

千早「前々回の放送で来たところよね」

ライラ「流しそうめん、美味しかったのですよー」

千早「まあ、作業着を渡された時点で嫌な予感はしていたのだけれど」

ライラ「予感的中でございますか」

千早「……当たって欲しくなかったわね」

ライラ「千早さん、諦めが肝心なのですよ」

千早「いい加減慣れてしまった自分が悲しいわ」

6: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:42:37.72 ID:IDzCsl2Ro

ライラ「というわけで、今日はここでご飯を炊くそうでございます」

千早「……ご飯?」

ライラ「はいです」

千早「……ここで?」

ライラ「そのようでございます」

千早「うん、何を言っているのか分からないわ」

ライラ「キャンプの時みたいに、飯ごう炊さんなのですよ」

千早「よく見てライラさん」

ライラ「……ほぇ?」

千早「準備されている道具にお鍋の類いはないわ」

ライラ「おー……」

千早「一体これでどうしろって言うのかしら」

7: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:43:39.04 ID:IDzCsl2Ro

亜季「竹を使うのでありますよ!」

千早「……へ?」

ライラ「おー、亜季さんでございます」

亜季「お呼びに預かり参上致しました」

ライラ「亜季さんは今日のゲストでございましたですか」

亜季「不肖大和亜季、精一杯サポートさせて頂きます!」

千早「あの、ちょっといいでしょうか」

亜季「はい、なんでありましょうか」

千早「サポートというのは一体……?」

ライラ「亜季さんはなんと、サバイバルの達人さんなのですよ」

千早「ああ、今回はそういう方向性なのね」

8: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:44:14.78 ID:IDzCsl2Ro

亜季「いえ、私がたしなんでいるのはサバイバルゲームなのですが」

千早「それは、銃で撃ち合ったりする……?」

亜季「概ねご想像の通りかと」

千早「女性もやるんですね」

亜季「実は男女差があまり関係ないスポーツなのでありますよ」

千早「その……危なかったりは……?」

亜季「もちろん危険はあります。ですが、そのためにルールがあるのですよ」

亜季「まあ、知らない人からすると物騒に見えるのでしょうな」

千早「すみません、無神経なことを」

亜季「いえいえ。それを自覚すればこそ、配慮を忘れてはいけないのです」

亜季「自分の楽しみだけを追求するのは、正しい姿とは言えませんからな」

千早「……すごいですね」

ライラ「はいです。亜季さんはすごい方なのです」

9: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:44:51.63 ID:IDzCsl2Ro

亜季「なんの、ライラ殿の言葉あってこそです」

千早「ライラさんの?」

亜季「ええ。『意味もなく銃口を人に向けてはいけない』と」

亜季「『銃は、本当に怖いものなのだから』と」

ライラ「覚えていてくださったのでございますか」

亜季「無論です。ライラ殿は我々と違って、現実に銃がある世界をご存じなのでしょう?」

亜季「その言葉の重さが分からないほど、愚かではないつもりです」

ライラ「おー……」

亜季「ならば私は、誠心誠意応えるだけなのでありますよ」

10: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:45:26.66 ID:IDzCsl2Ro

千早「……本当にすごい人ね」

ライラ「ふふー、亜季さんはとてもすごい方なのですよ」

亜季「あの……話を聞いていただいていましたか?」

千早「もちろんです」

ライラ「ライラさんのお話をこんなにも真剣に聞いてくださって、とても嬉しいのです」

千早「私も見習わないといけないわね」

亜季「申し訳ありません。どうかそのくらいで……」

ライラ「おー、亜季さん真っ赤でございますです」

千早「ふふ、そのくらいにしておきましょう?」

亜季「そ、そうであります。早く番組を進めないと」

ライラ「分かりましたです。それでは頑張りましょー」

11: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:46:01.30 ID:IDzCsl2Ro

***************************


千早「さて。竹でご飯を炊く、ということだったけれど」

ライラ「どうするのでございますか?」

亜季「竹を鍋の代わりにするのです」

千早「……燃えませんか?」

亜季「切り出したばかりの青竹なら水分が多いので大丈夫なのですよ」

ライラ「切ったばかり、でございますか」

千早「それでノコギリを手渡されたわけね」

12: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:46:39.79 ID:IDzCsl2Ro

亜季「そして、先ほどスタッフの皆さんが伐採した竹がこちらです」

千早「……え?」

亜季「どうかしましたか?」

ライラ「ライラさんたちで切るのではないのですか?」

亜季「はっはっは、さすがに素人には危険ですよ」

ライラ「おー、スタッフさんはプロでございましたか」

千早「彼らは一体、どこに向かっているのかしら」

亜季「ですのでお二人には、竹を加工していただきます」

ライラ「加工でございますか」

亜季「はい。米と水の投入口を開けなければいけませんので」

千早「確かに、一節丸々だからこのままじゃお米を入れられないわね」

13: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:47:13.84 ID:IDzCsl2Ro

ライラ「どうすればいいのでしょうか」

亜季「節を三等分するように、切り込みを二カ所入れてください」

亜季「中心に向けて、少し斜めに入れるのがポイントです」

ライラ「あー、大体この辺りですかねー」

千早「三等分ということは、こことここ……いえ、もう少し広くとらないと……」

亜季「千早殿、そんなにきっちり測らなくでも大丈夫ですよ」

千早「え?」

亜季「三等分というのはあくまで目安ですので」

千早「……分かりました」

14: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:47:57.04 ID:IDzCsl2Ro

ライラ「亜季さん亜季さん」

亜季「はい、どうかしましたか?」

ライラ「ノコギリが滑ってうまくいきませんです」

亜季「ライラ殿は力が入りすぎているようですな」

ライラ「力を入れないと切れませんですよ?」

亜季「いえいえ。最初は軽くこするような感じでいいのです」

ライラ「こするでございますか」

亜季「同じ場所をこすれば溝ができて、切りやすくなるのです」

ライラ「おー、やってみますです」

千早「あの……大和さん」

亜季「なんでしょうか、千早殿」

千早「切っているとノコギリが引っかかってしまって……」

亜季「ふむ。これは引きノコですから、押すときに力はいらないのです」

千早「引きノコ……?」

亜季「引くときに切れるノコギリのことですよ」

千早「え……切れる方向があるんですか」

亜季「刃の形をよく見るとお分かりになると思いますよ?」

千早「……あ、本当だわ」

15: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:48:25.76 ID:IDzCsl2Ro

ライラ「亜季さん、これはどれくらい切ればいいのでございますか?」

亜季「竹の三分の一くらいの深さがあれば十分です」

千早「ということは、これくらいかしら」

亜季「おお、いいですね」

ライラ「次は縦でございますか」

千早「……ノコギリでは難しそうなのだけれど」

亜季「というわけで、次はこちらを使います」

ライラ「おー。これは確か、ナタでございます」

16: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:48:57.97 ID:IDzCsl2Ro

千早「これでどうやって?」

亜季「まず、ナタの刃を切り込みの端に当ててください」

ライラ「こうでございますか?」

亜季「後は、ナタの背を棒で軽く叩くのです」

ライラ「コンコン、コンコン……おーっ!」

千早「綺麗に真っ直ぐ割れたわね」

ライラ「なんだか楽しいでございます!」

千早「ふふ、じゃあ私の分も頼めるかしら?」

ライラ「いいのでございますか?」

千早「ええ、もちろん」

ライラ「ライラさん頑張りますよー」

17: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:50:08.09 ID:IDzCsl2Ro

千早「この切り取った部分はどうするんですか?」

亜季「蓋として使うので、捨てないようにしてください」

千早「なるほど」

ライラ「できましたですよー」

亜季「では、軽く水洗いをしたらお米と水を入れましょうか」

ライラ「はいですよ」

千早「お米は……いつの間にやらスタッフが用意したみたいね」

ライラ「水はどれくらい入れますですか?」

亜季「ならしたお米に指を立てて、その第一関節くらいまでです」

ライラ「ほほー、ではこのくらいですねー」

千早「ライラさん、どうやってお米を平らにしたの?」

ライラ「少しお水を入れて、ゆっくりと揺らすのです」

千早「……そんなやり方が」

亜季「ライラ殿は物知りですな」

ライラ「ふふー、お米屋の女将さんに教わりましたですよ」

千早「さすがライラさん、というところかしら」

18: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:51:05.23 ID:IDzCsl2Ro

亜季「ところで、同じものを二つ作るのも芸がないとは思いませんか?」

ライラ「どういうことでございますか?」

亜季「お二人がよろしければ、一つは炊き込みご飯にしてはどうかと」

ライラ「それは美味しそうでございますです」

千早「あの……手の込んだ料理は、私はちょっと……」

亜季「いえいえ、使うのはこれだけですので」

ライラ「おー、サバ缶でございますねー」

千早「サバ缶?」

亜季「はい、これをほぐしてお米と一緒に炊くだけです」

千早「それだけでいいんですか?」

亜季「これはしょう油煮ですから、味付けも不要なのですよ」

19: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:51:37.03 ID:IDzCsl2Ro

ライラ「ふふー、サバ缶はとっても便利でとってもすごいのですよー」

亜季「骨まで食べられ栄養価も高く、何より美味しい」

ライラ「お安いのもステキですねー」

亜季「アレンジのしやすさもポイントですな」

千早「(圧が凄いわ)」

ライラ「亜季さんに分けていただいてから、すっかり好きになりましたですよ」

亜季「おお、そんなこともありましたな」

千早「分けて……?」

ライラ「月末ピンチの時に助けていただいたのですよ」

千早「ライラさん……」

亜季「そういうサバイバルは専門外でしたが、他ならぬライラ殿の頼み」

亜季「私にできることで援護させていただいたのですよ」

ライラ「あの時はありがとうございましたですよ」

亜季「なんの、お気になさらず」

千早「(これも人徳……なのかしら)」

20: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:52:09.88 ID:IDzCsl2Ro

***************************


ライラ「これからどうするのですか?」

亜季「三十分ほど水に浸けたままにしておいて、炭火の準備ですね」

千早「……スタッフがやってるあれですか?」

ライラ「おー、楽しそうでございます」

千早「まあ、マッチ一本渡されることを考えれば、助かるけれど」

亜季「マッチ一本……でありますか」

ライラ「はいですよ。火をつけるときは大体そうなのです」

亜季「なんと。なかなか厳しいですな」

千早「単に面白がっているだけなんです」

亜季「そういうものですか」

ライラ「そういうものなのですよー」

21: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:52:50.38 ID:IDzCsl2Ro

千早「……ということは、何かやらされる訳ね」

ライラ「ほえ?」

千早「いつもなら私たちで火をおこさないといけないでしょ?」

千早「でも、今日はそうじゃない」

ライラ「おー、そういうことでございますか」

亜季「なるほど。これはそういうことでしたか」

千早「大和さん?」

亜季「先ほどスタッフからこれを渡されたのですよ」

ライラ「竹の棒でございますねー」

千早「これで一体何を……?」

亜季「ナイフもありますし、箸でも作りましょうか」

ライラ「おはしでございますですか」

千早「確かに、スタッフを見ているだけというのも、ね」

亜季「決まりですな」

22: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:53:16.13 ID:IDzCsl2Ro

ライラ「おはし、どうやって作りますですか?」

亜季「簡単に言うと、ナイフで角をとっていくだけです」

千早「先の方を細くしたりとかは……?」

亜季「余裕があればやってみてもいいかもしれませんね」

千早「そんな感じでいいんですか」

亜季「自分が使えればそれでいい訳ですからな」

ライラ「それならライラさんにもできそうですねー」

千早「そうね。それくらいなら」

23: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:53:44.65 ID:IDzCsl2Ro

亜季「それでは、刃物を使う際の注意点を」

ライラ「はいです」

亜季「まず、刃を自分に向けないこと」

亜季「そして、刃を他の人に向けないこと」

亜季「以上です」

千早「……それだけ?」

亜季「ええ。これだけ守れば、そうそう怪我はしません」

ライラ「分かりましたですよ」

24: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:54:14.97 ID:IDzCsl2Ro

千早「それで、具体的にはどうすれば」

亜季「利き手にナイフ、もう一方の手に竹を持ってください」

ライラ「こうでございますね」

亜季「そして、刃を寝かせた状態で竹に当てます」

千早「刃は自分に向けないように……」

亜季「あとは、竹を持っている方の親指で刃の背を押すだけです」

ライラ「ほほー」

千早「……少しずつしか削れませんね」

亜季「それでいいのです」

千早「というと?」

亜季「一気にやろうとすると、すっぽ抜けたりして危ないですからな」

千早「なるほど、そういうことですか」

ライラ「ライラさん、のんびりは得意ですよー」

亜季「ふふ、さすがはライラ殿」

千早「私も見習わないと」

25: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:54:59.72 ID:IDzCsl2Ro

――――――
――――
――

ライラ「できましたー」

千早「私も、なんとか」

亜季「お二人とも、お疲れ様でした」

千早「でもこれ、番組的には凄く地味だったんじゃ」

亜季「何を仰います。お二人の真剣な表情、とても良かったでありますよ?」

ライラ「おー、照れますですねー」

26: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:55:31.21 ID:IDzCsl2Ro

千早「大和さんのそれは?」

亜季「少々手持ち無沙汰だったもので、コップを作らせていただきました」

ライラ「コップでございますか」

亜季「といっても、切り口を削っただけの簡単なものですが」

千早「……それほど簡単には見えないんですが」

亜季「はっはっはっ、こういうものは慣れですよ」

ライラ「千早さん亜季さん、火の準備ができたそうでございますよ?」

亜季「おっと。それでは早速、火にかけましょうか」

千早「何か注意することなどは……?」

亜季「フタを上にしておけば、後は適当に置いてくださって結構ですよ」

ライラ「では、暖かそうなここに置きますですよ」

千早「じゃあ、その隣に」

27: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:56:11.35 ID:IDzCsl2Ro

亜季「さて、後は待つだけです」

千早「……大和さんって、こういうことにお詳しいんですね」

ライラ「ふふー、亜季さんはサバイバルの達人さんでございますからねー」

千早「えっと、サバイバルゲームの、じゃなかったかしら」

亜季「はは、ライラ殿のお言葉もあながち間違ってはいないのですよ」

千早「というと?」

亜季「サバゲー仲間の中に、アウトドアの達人がいましてな」

亜季「屋外のフィールドでご一緒したときなどに色々と教わったのでありますよ」

ライラ「おー」

亜季「なんでも、お仲間と無人島でサバイバルをされたこともあるとか」

千早「(……どこかで聞いたような)」

ライラ「スゴイお方なのですねー」

28: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:56:44.46 ID:IDzCsl2Ro

亜季「どうです? 今度ご一緒しませんか?」

千早「サバイバルゲームに、ですか?」

亜季「ええ。やってみると面白いというのももちろんありますが」

亜季「普段知り合うことのないような人と会えるのも楽しみの一つです」

ライラ「おー、ライラさん興味津々でございますねー」

亜季「ふふ、大歓迎です」

千早「いえでも、全くの素人ですし……」

亜季「いえいえ、そういう方にこそ是非体験した頂きたいのですよ」

ライラ「千早さん、興味ございませんですか?」

千早「興味がない……というわけではないのだけれど」

亜季「ふふ、迷ったら飛び込んでみるのもいいものですよ?」

千早「迷ったら……飛び込む……」

ライラ「当たって砕けろでございますねー」

千早「……そうね」

亜季「まあ、いつになるかは分かりませんが、その日を楽しみにしておりますよ」

千早「ふふ、そのときはよろしくお願いします」

亜季「ええ、任されました」

29: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:57:22.33 ID:IDzCsl2Ro

亜季「ついでに、お二人に合いそうな装備も探しておきましょう」

ライラ「装備でございますです?」

亜季「ポジションによって得物の種類も変わってきますからな」

千早「そうなんですか」

亜季「千早殿はスナイパーなどがはまりそうな気がします」

千早「スナイパー……ですか?」

亜季「冷静で忍耐力もありそうですし、何より耳が良い」

亜季「まあ、いきなりスナイパーは難しいでしょうが」

千早「そう言われるとこう、やってみたくなりますね」

亜季「おっと、やぶ蛇でしたかな」

30: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:57:52.71 ID:IDzCsl2Ro

ライラ「ライラさんはどうでございますか?」

亜季「そうですな。ライラ殿は遊撃手が合いそうです」

ライラ「それはどういうものなのですか?」

亜季「自由に動きながら味方のサポートや相手の撹乱などを行うポジションです」

ライラ「なんだか難しそうでございます」

亜季「ライラ殿は広い視野と洞察力をお持ちです」

亜季「的確に急所を衝くような、そういう動きができる気がするのであります」

千早「それは分かりますね」

ライラ「おー……」

31: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:58:30.55 ID:IDzCsl2Ro

千早「ちなみに、大和さんは?」

亜季「私は最前線で突撃する係ですな」

ライラ「おー、格好良いでございます」

千早「とても頼もしいんでしょうね」

亜季「……少々照れますな」

ライラ「千早さん亜季さん、ご飯が吹いてきましたですよ」

千早「あら、本当」

亜季「ふふ、もう少しの我慢でありますよ」

ライラ「ジュウジュウ吹いたら火を引いて、でございますねー」

千早「最後にワラを一握り、パッと燃え立ちゃ出来上がり……だったかしら」

亜季「よくご存じで」

ライラ「ふふー、キャンプの時に教えていただいたのですよ」

千早「まあ、普段は使うことがないのだけれど」

亜季「こうして今日、役に立っているではありませんか」

千早「……それもそうですね」

32: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:58:58.86 ID:IDzCsl2Ro

ライラ「良い匂いがしてきましたです」

亜季「ライラ殿、もう少しお待ちください」

ライラ「うー……」

亜季「あとちょっと蒸らせば、なお美味しくなるのですよ」

ライラ「うー……」

千早「ライラさん?」

ライラ「……分かりましたです。我慢しますですよ」

千早「そんな、この世の終わりみたいな顔をしなくても」

亜季「ライラ殿、空腹は最高のスパイスですよ?」

ライラ「それはもう、よく知っているのでございますよ」

千早「ライラさん……」

33: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 21:59:24.36 ID:IDzCsl2Ro

***************************


亜季「さて、待ちに待った実食であります」

ライラ「おー!!」

千早「ライラさん、落ち着いて」

亜季「まずは白米から行ってみましょうか」

ライラ「はいですよ!」

千早「(もう、何を言っても無駄ね)」

ライラ「それでは、いただきますでございます」

亜季「ええ、どうぞ」

34: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 22:00:05.43 ID:IDzCsl2Ro

ライラ「…………」

千早「ライラさん?」

ライラ「美味しいでございます!」

亜季「ふふ、それはよかった」

ライラ「いつも食べているご飯なのに、いつも食べているご飯とは違うのです」

ライラ「ご飯だけでどんどん食べられますですよ」

千早「ふふっ」

ライラ「あー……ライラさんだけごめんなさいです」

亜季「いえいえ、見ていて気持ちの良い食べっぷりでありましたよ」

千早「じゃあ、私たちもいただこうかしら」

ライラ「どうぞなのですよ」

亜季「……ん、これは」

千早「……竹の香り?」

亜季「ですな」

千早「すごく上品な味ですね」

ライラ「おー、これが竹の香りでございますですか」

千早「あ、そこはよく分かってなかったのね」

ライラ「えへへー」

亜季「ふふっ、実にライラ殿らしいですな」

35: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 22:00:38.07 ID:IDzCsl2Ro

千早「さて、次は」

ライラ「炊き込みご飯でございます!!」

千早「食い気味で来たわね」

亜季「ずいぶんとお待たせしてしまいましたからな」

千早「じゃあまずはライラさんから」

ライラ「……いいのでございますか?」

千早「早く食べてみたいって、顔に書いてあるわよ?」

ライラ「……書いてませんです」

千早「ふふ、ごめんなさい。意地悪言っちゃったわね」

亜季「はっはっはっ」

36: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 22:01:07.35 ID:IDzCsl2Ro

千早「じゃあ、一緒に食べましょうか」

ライラ「はいですよ」

亜季「それではどうぞ」

ライラ「亜季さんもご一緒でございますよ?」

亜季「では、ご相伴にあずかると致しましょう」

千早「いただきます」

ライラ「いただきますですよー」

亜季「いただきます」

ライラ「……ほわぁ」

千早「……これ、サバ缶を入れただけなんですよね?」

亜季「……ええ」

千早「しょう油の香ばしさと竹の香りが一緒になって……」

亜季「私も、ここまでとは思っていませんでした」

ライラ「とっっっても美味しいのです」

千早「サバ缶、すごいですね」

ライラ「ふふー」

千早「……収録終わったら買って帰ろうかしら」

37: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 22:01:38.54 ID:IDzCsl2Ro

――――――
――――
――

千早「さて、今回はこれで終わり、ということのようだけど」

ライラ「大変美味しかったでございます」

亜季「私も堪能させていただきました」

千早「……普通のご飯が物足りなくなりそうだわ」

ライラ「あー、それは問題でございますねー」

亜季「なに、サバゲーに来ていただければ用意させていただきますよ」

千早「……」

ライラ「千早さん、ちょっと良いかもって思いませんでしたか?」

千早「…………はい、思いました」

亜季「はっはっはっ」

38: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 22:02:08.43 ID:IDzCsl2Ro

千早「と、とにかく!」

千早「ものすごく久しぶりの放送でしたが、いかがでしたでしょうか」

ライラ「やっぱりいつも通りでございましたですねー」

亜季「いやー、楽しかったであります」

ライラ「ふふー、楽しいのは良いことなのですよ」

千早「大和さん、今日は本当にありがとうございました」

ライラ「とても格好良かったですねー」

亜季「なんの、お役に立てて何よりです」

39: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 22:02:43.75 ID:IDzCsl2Ro

千早「そろそろ時間みたいね」

ライラ「おー、それではお別れでございますねー」

亜季「名残惜しいですが仕方ありませんな」

千早「本日は大和亜季さんをゲストに迎えてお送りしました」

ライラ「予定は未定、またいつかでございます」

亜季「……いつか?」

千早「何も言わず終わってしまう可能性すらありますから」

ライラ「それはイヤでございますねー」

千早「そうならないことを祈りましょう」

亜季「何ともはや」

ライラ「またお会いしましょー」

40: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 22:03:17.11 ID:IDzCsl2Ro

***************************


【後日・CGプロ】

ライラ「ただいま戻りましたですよー」

ナターリア「おかえり、ライラ!」

ライラ「おー。お疲れ様でございますよ、ナターリア」

ナターリア「今日もレッスンだったのカ?」

ライラ「はいですよ」

ナターリア「ライラ、最近すごくガンバッテるナ」

ライラ「ナターリアに負けていられませんですからねー」

ナターリア「どういうコト?」

41: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 22:03:45.36 ID:IDzCsl2Ro

ライラ「この前のナターリアのステージ、とてもステキだったのですよ」

ナターリア「ウンッ、とっても楽しかったゾ」

ライラ「ですので、今度はライラさんもご一緒が良いでございます」

ナターリア「ライラとステージ……アハハッ、ワクワクしてきた!」

ライラ「その為にも、頑張らないといけないのですよ」

ナターリア「ヨーシ、じゃあナターリアも!」

ライラ「ふふー。えいえいおー、でございますねー」

ナターリア「オーッ!」

42: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 22:04:15.04 ID:IDzCsl2Ro

ライラ「……ですが今はお疲れなので、ごほうびアイスの時間なのです」

ナターリア「ゴホービ……」

ライラ「ナターリア?」

ナターリア「イイコト思いついたゾ」

ライラ「ほほー」

ナターリア「二人でステージに立ったら、トクベツなゴホービもらおう!」

ライラ「おー、それはいい考えでございます」

ナターリア「ライラは何がイイ?」

ライラ「あー、ちょっとお高いトクベツなアイスがいいでございますねー」

ナターリア「ライラはホントにアイスが好きだナ」

43: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 22:04:46.43 ID:IDzCsl2Ro

ライラ「ナターリアは何がいいですか?」

ナターリア「マグロの解体ショー!!」

ライラ「解体ショー……でございますか」

ナターリア「目の前でマグロを捌いて、スシにしてくれるんだゾ」

ナターリア「この前テレビで見て、スッゴク楽しそうだったんダ」

ライラ「ですが、マグロはお高いでございますよ?」

ナターリア「ウーン……じゃあ、ナターリアたちで釣りに行こうヨ!」

ライラ「おー、楽しそうでございます」

ナターリア「ナナミなら釣り方知ってるカナ?」

ライラ「肇さんもご存じかもしれませんですねー」

44: ◆Hnf2jpSB.k 2019/11/23(土) 22:05:51.08 ID:IDzCsl2Ro

ナターリア「ソウダ!」

ライラ「どうしましたですか?」

ナターリア「どうせなら、捌くのも自分たちでやろうヨ」

ライラ「なるほどー、葵先生の出番でございますねー」

ナターリア「フェイフェイも呼ばなきゃナ」

ライラ「真奈美さんやヘレンさんにもお願いしましょー」

ナターリア「ミンナで釣ってミンナで捌いて、ミンナでスシパーティーだナ!」

ライラ「ふふー、楽しみでございますねー」



ちひろ「(これで特番一本いけませんか?)」

モバP「(……アリですね)」


<幕>