前回 【艦これ】泣き虫雪風と釣り人提督 Part2

1: ◆jf7rnHhSH2 2015/03/24(火) 22:20:55.67 ID:8AEWnvxao
これまでのあらすじ:
トラック諸島で緊急事態が発生した。
ブッダを逮捕したと主張する深海棲艦がトラック沖に陣取り、
日本政府に対してサンオクエンの身代金とハワイ高飛び用の燃料を要求したのだ。

これからのあらすじ:
トラック諸島での難事を解決した提督と雪風と愉快な仲間たちは未知なる海外艦、新たな改二情報などの期待を胸に深海棲艦ハントに勤しむのであった。

・雪風メイン……とはなんだったのか
・俺設定満載
・雪風がよく泣く
・思いついたネタ不定期に投げると思われます。投稿速度はあまり期待しないでね
・ヤギ前後
・地の文つき
・わかったか
・小ネタとして艦娘とかを安価で取ってそれとは関係なく思いついたネタを突然投下したりする
・わかったか!!
・このスレは艦これSSとニンジャスレイヤーと鋼鉄少女と幻想再帰のアリュージョニストを応援しています。あとFFS
・わかったかと言っている!!!
 

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1427203255

引用元: ・【艦これ】泣き虫雪風と釣り人提督 Part3 



2: ◆jf7rnHhSH2 2015/03/24(火) 22:22:58.02 ID:8AEWnvxao
登場人物紹介

提督:
もはや漁業のこと忘れかけててアイデンティティが危ぶまれる元釣り人。よくスカム思考する。
もう枯れてるんじゃないかとの疑惑あり。でも提督業にはなんら問題ないからいいよね。

猫吊るし:
提督に提督業を押し付けた、いつも手に白い猫を吊るしている謎の少女。一説には妖精さんの一種とも。
本気を出せば海域丸ごと深海棲艦を弱体化できるが疲れるし根本的解決には至らないので普段はやらない。

雪風:
提督の最初の艦娘にして嫁。昔のことを思い出しては泣き出すが猫吊るし曰く、イレギュラー的なものらしい。
でも戦闘中は泣かない。自分がまごまごしたせいで僚艦が沈んでは元も子もないのだ。

妖精さん:
艦娘の艤装や艦載機などに住まう謎の住人。深海棲艦に対抗できるのは彼女たちの力あってこそ。
と猫吊るしは言うが、何がどう役立っているのかは提督も艦娘も知らない。

未着任艦娘:
2015/3/24現在全員着任済み

3: ◆jf7rnHhSH2 2015/03/24(火) 22:56:28.67 ID:8AEWnvxao
このスレについて:
イベントとかなんかで長編書いたり一発ネタ書いたりなんか安価とって小ネタ書いたりします

小ネタの安価ルールは「小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下」です。前スレの1000についても多分書きます

現時点での既出艦娘

DD
如月/吹雪/響/五月雨/朝潮・山雲/陽炎・舞風/秋月

CL/CLT
由良

CA/CAV
青葉/加古/三隈(ネタ消化待ち)・熊野

CV/CVL
飛鷹

BB/BBV
扶桑/比叡

SS/SSV
まだ

Other
まだ

6: ◆jf7rnHhSH2 2015/03/26(木) 22:28:58.10 ID:9Nfhffdpo
――― レベリングとは均すという意味がある ―――

南西諸島、バシー沖。ボーキサイトの名産地。オリョールと並ぶ要所である。

主力艦隊を処分したといっても深海棲艦は定期的に湧いてくる上、輸送ワ級と名づけられた補給艦が随伴するため、

湧いた敵艦隊が海上に居座る時間が長く、脅威度が高いので定期的に掃討する必要があるのだ。


雪風を旗艦とした、最上型航巡3、球磨型雷巡2の無慈悲な水上打撃艦隊が超長距離から敵水雷戦隊を圧殺する。

残敵も中口径砲により掃討されていく。

そんな状況をぷかぷか丸の甲板から憂え気に眺める少女が一人。最上型航巡次女、三隈である。

三隈「提督、何故三隈をもがみんと一緒に出撃させてくれないのですか?」

提督「といわれてもなぁ……最上型では一人だけ抜きんでて練度高いし」

三隈「昔はサーモン海でもがみんとあんなに活躍しましたのに」

提督「それが原因なんだよなぁ。旗艦じゃないのに上がる上がる」

三隈「まさか活躍しすぎたせいて出撃させてもらえなくなるなんて……」

提督「練度低い子も育てて行きたいからな」


一方艦隊の方では……

大井「北上さんと出撃させてくれないなんて、提督も何を考えてるのかしら」

木曾「俺の練度が姉さんたちに追いつけば出してもらえるだろ、多分」

9: ◆jf7rnHhSH2 2015/03/29(日) 22:15:01.70 ID:31dcZ9eAo
――― 鏃が艦載機 ―――

鎮守府、工廠。資材を積んで艦娘を喚んだり、装備を開発したり、改造、改修、装備の変更や点検などを一手に担う鎮守府の重要拠点。

そこの一角で椅子に座って黙々と作業をする少女が一人。瑞鶴である。

瑞鶴「……よしっ、これで烈風は完成、と」

提督「何してんだ?」

瑞鶴「これよこれ。艦載機の準備」

そう言いながら烈風をつけた矢を格納庫にしまう。

瑞鶴「提督さんも手伝ってよ。艦載機に矢を差し込んで固定するだけだし」

渡される矢と彗星一二甲。

提督「全く、しょうがねぇなぁ」

ぶつくさ言いながらも隣の椅子に腰掛け、提督も作業を始める。

提督「ところで疑問なんだが」

瑞鶴「何かしら?」

提督「一航戦や二航戦は普通に矢を飛ばしてから艦載機に変えてるが、瑞鶴たちはなんで先に艦載機つけてるんだ?
    箭の部分も結局艦載機になるんだし鏃の部分だけ艦載機のままにしておく理由がわからん」

瑞鶴「それね、隊長機なのよ」

提督「ほう」

瑞鶴「隊長機を前もって決めておくことで統率性を高めてるの」

提督「赤城たちも取り入れてて良さそうなもんだが」

瑞鶴「先輩たちは自分で直接統率してるから……労力は増えるけどその分即応性が高いわ」

提督「オートとマニュアルみたいなもんか」

瑞鶴「そうね。オートと言っても妖精さんに判断を委ねる感じだけど」

提督「……よし、出来たぞ。これでいいか」

瑞鶴「ん……うん、さーんきゅっ」

提督「どういたしまして」

10: ◆jf7rnHhSH2 2015/03/29(日) 22:17:51.84 ID:31dcZ9eAo
翔鶴・瑞鳳もおんなじ感じ

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/29(日) 22:41:30.36 ID:YJFdwXEho
レーベ

15: ◆jf7rnHhSH2 2015/03/30(月) 22:25:07.29 ID:StRL5au0o
――― フミカネ氏の解説がなければどこが変わったのかわからなかったので俺は不憫で先見性がないぜ ―――

提督「これでレーベも改二、いやZweiか」

レーベ「ダンケ!」

提督「……見た目全然変わってない様に見えるんだが」

レーベ「結構変わったよ? ほらこの艤装の艦首部分とか」

提督「長くなってるな」

レーベ「他にも砲を機銃に積み替えたり、電探も増やしたりしてるよ」

提督「ホントだ」

レーベ「あとそれと……」

提督「それと?」

レーベ「写真撮るときの表情変えたよ」

提督「いやそれはどうでもいいだろ」

レーベ「えー」

16: ◆jf7rnHhSH2 2015/03/30(月) 22:25:36.29 ID:StRL5au0o
>>14:艦載機側に取り付け用のアタッチメントを用意してあるのでごあんしんください。けそいことはけそいひとにまかせましょう

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/03/30(月) 22:59:30.47 ID:Q2boouUo0
夕張

19: ◆jf7rnHhSH2 2015/03/31(火) 22:29:12.63 ID:YXx85G18o
――― 遅い遅いというけれど ―――

夕張「出撃よ! って、やだー! 私が一番遅いって、置いてかないでよー!」


提督「……というわけで」

南方海域前面。月初め恒例のマンスリー任務。低速戦艦3、軽巡1を機軸とする艦隊による出撃任務。

提督「じゃ、夕張が旗艦だ。任せたぞ」


夕張を旗艦に、長門、扶桑、山城、利根、筑摩。利根型の二人を先頭にした複縦陣で敵艦隊を警戒しながら進む。

提督「この構成なら足の遅い夕張でも戦艦たちと進んでいるはず……」


利根『敵艦隊を発見したぞ!』

夕張『潜水艦反応は?』

利根『いるようじゃな!』

夕張『オッケー! 爆雷をお見舞いしてあげる! 各艦、最大戦速!』


提督「……あれ、夕張、利根たちに普通についていってるぞ……」

20: ◆jf7rnHhSH2 2015/03/31(火) 22:29:46.11 ID:YXx85G18o
どんどん積んだ結果遅くなったとはいえ低速戦艦ほどじゃないのだ……
三川艦隊任務の話にしようかと思ったけど夕張そこまで活躍してなかったので急遽変更

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

23: ◆jf7rnHhSH2 2015/03/31(火) 22:46:39.88 ID:YXx85G18o
明石了解ー

24: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/02(木) 22:51:23.91 ID:HCRXD5Uao
――― 壊れたものは戻らない ―――

提督「おーらよっと、いっちょ上がり」

見るも無残に解体されたツ級。特にドロップを持っているわけでもなかったのでまさに斬られ損である。

明石(提督、この戦いが終わったら人斬り魔になるんじゃないかと凄く心配です……)


明石「あの、提督?」

提督「うん、何だ?」

明石「深海棲艦の解体ですが……私に任せてはいただけないでしょうか?」

提督「いや、申し出はありがたいが出来る限りは自分でやるさ」

明石「どうしてですか? 大変でしょうに」

提督「まぁなんだ。艦娘は敵艦と戦ったり、鎮守府や工廠などでいろいろ働いたりしてるだろ? 俺のすることといえば艦隊編成とか、艦娘の輸送とかいわば裏方仕事だ」

明石「私も似たようなものですし」

提督「明石も艤装の修繕や……最近では装備の改修もやってるだろ? 俺も俺のできる範囲でやれることやりたいんだよ」

明石「そうですか……」

明石(ちゃんと提督なりに考えてるんですね)

提督「それに」

明石「それに?」

提督「深海棲艦の奴ら解体するの楽しい」

明石(前言撤回)

25: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/02(木) 22:58:23.63 ID:HCRXD5Uao
提督がどんどん壊れていくが何ら問題ありません

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

27: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/02(木) 23:04:00.93 ID:HCRXD5Uao
磯風了解ー

30: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/06(月) 22:39:11.75 ID:NTa4MEz6o
赤く燃える空。そして照り返して赤く染まる海。そして油の燃える匂い。

あたりは火の海。地獄絵図。

目の前には、艤装も服もぼろぼろの、黒髪ロングの艦娘。

「ちっ……私もここまでか。。雪風、すまん……また頼めるか」

「そんなの……、そんなのダメです! 雪風が、連れて帰ります!」

雪風は磯風の手を握り、曳航しようとする。だが、体が重い、なかなか前に進まない。

「雪風、機関の調子、良くなってないのだろう? このままでは共倒れだ。私を処分して、お前だけでも……」

「でも、また撃つなんて、そんなこと……!」

「私が沈めば、またいつか撃つことになる。……その時に、この磯風だと分かって撃てるか?」

艦娘が沈むと深海棲艦にされるという。それが嘘か真かは不明だが、鬼・姫クラスに艦娘を模した手合いがいることは信憑性を裏付けるといえよう。

艦娘の砲撃・雷撃などによって処分することで、艦魂を逃がせば少なくとも囚われる事はない。だが、それは死と同義である。特に身体の構築が困難な艦娘だと。

「―――っ!!」

歯を食いしばり、連装砲を磯風に向ける。涙で磯風の姿が滲む。

「そうだ、それでいい」

微笑む磯風。

「……外すなよ?」

「磯風……!」

直後、砲撃音と、弾が磯風の身体を砕く音が聞こえ―――

31: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/06(月) 22:40:42.33 ID:NTa4MEz6o
「――――――あ゛っ!?」

目を見開く雪風。居所は布団の中。目の前には提督のおぼろげな顔。目元を拭うと涙。

「……どうした、雪風」

片目を開けて問いかける。

「悪い、夢を見ました……」

「ほう」

「あたしが、磯風を……砲撃処分、する……」

「そうか、辛かったな」

そう言って雪風を両腕で抱きしめる。

「うっ、うっ、ぐすっ……」

「よしよし」


ひとしきり泣いた後。

「磯風は、大丈夫でしょうか……」

「大丈夫だろ。夢は逆夢って言うしな」

「でも、もし正夢だったら……」

雪風のその言葉に、提督はちらりと時計を見やる。午前二時。

「そろそろ、磯風たちの遠征が終わる頃だ。出迎えに行くか?」

提督の誘いに、雪風はこくりと頷いた。

32: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/06(月) 22:49:40.77 ID:NTa4MEz6o
手早く着替えた二人は鎮守府の桟橋まで来た。夜空に星が瞬いている。雪風は双眼鏡で水平線とにらめっこをしている。

「さて、そろそろ帰投時刻だが……」

「……あっ、見えました! ひぃふぅみぃしぃごーろく、皆います!」

「居なかったら困るというか緊急連絡入るだろ」

矢矧を先頭に、桟橋まで近づく艦娘たち。

「全艦、鼠輸送作戦より帰投しました」

「あぁ、皆お疲れ様。補給と点検を済ませたら休むといい。今回の遠征の書類は明朝提出してくれ」

「了解です」

提督が手早く矢矧に指示を伝えている横で、雪風は磯風に抱きついていた。

「うわぁぁぁぁん、磯風ぇぇぇぇぇ……グスッグスッ」

「どうした、雪風?」

「ごめんなさい、ごめんなさい……」

「謝られるようなことは何もしていないのだが……」

そこに割り込んで声をかける提督。

「雪風が磯風を沈める夢を見たらしくてな」

「そうか」

話を聞いた磯風は、ぎゅう、と雪風を抱きしめ返す。

「私がいる。だから大丈夫だ、雪風」

「……うん」

「さ、戻ろう。私達も、司令も、みんないる。不安がることはないさ」

「うん……」

「司令」

雪風を抱きしめたまま磯風が向き直る。

「何だ?」

「雪風のこと、よろしく頼むぞ」

「勿論だ」

返事を聞いて頷くと、提督に雪風を預けた。

「じゃ、また明日な」

「もう今日だけどな」

雪風の顔を見ると、泣き疲れたのか、安心したのかうとうとしている。

「……休もう」

33: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/06(月) 22:50:49.10 ID:NTa4MEz6o
別の単発小ネタ考えてたらだいぶ遅れた

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

37: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/06(月) 23:53:02.17 ID:NTa4MEz6o
白露了解ー

38: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/07(火) 22:20:37.72 ID:LSGrDRAqo
――― 白露も歩けば ―――

鎮守府、埠頭。

提督「今日の遠征だが確か面子は……」

白露「白露いっちばーんっ!!」

提督「そうだったな。名取と白露型5人だったな」

白露「一番だよ一番! ところで今日は何の遠征?」

提督「今日はタンカー護衛任務だ。まぁいつも通りの場所だから特に細かくは言わないが……」

五月雨「あの、提督……?」

提督「五月雨も来てたか。なんだ、質問か?」

五月雨「白露姉さん、もう行っちゃいました」

提督「おいぃ!?」

驚いてる間に他の遠征班も集まってくる。

名取「ふぇぇぇぇん~、白露ちゃんが居ません~」

提督「もう遠征行っちゃったよ! ひーふーみーしーご、他は揃ってるようだから点呼はいいから急いで追っかけて!」

名取「は、はいぃ~」

39: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/07(火) 22:21:09.13 ID:LSGrDRAqo
数時間後……

名取「艦隊帰投しました。じゃあ私はこれで……」

提督「ちょっと待て」グワシ

名取「ふぇぇ」

提督「何だあれは」

提督の指差す先には、頭にでっかいこぶを作った白露の、村雨に曳航されている姿が!!

涼風「あぁ、これかい? 今日は天気が荒れ模様でねぇ。タンカーを目的地まで護衛したはいいんだけど……」

春雨「姉さんが波に足取られてバランス崩したところをタンカーにゴーン、って」

白露「うぁ~……」

提督「名取、これぐらいなら別に怒らないから旗艦なんだし自分で報告しような?」

名取「ふぁい……」

提督「村雨、悪いが白露をそのまま入渠ドックまで運んで。明石に診てもらおう」

村雨「はいはーい!」

白露「うぁぁ……やっぱタンカーはだめぇ……」

40: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/07(火) 22:24:41.50 ID:LSGrDRAqo
昨日のネタ、今日やるべきだったのではとふと思う

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

42: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/07(火) 22:30:31.13 ID:LSGrDRAqo
山城了解ー

44: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/09(木) 22:32:09.58 ID:vXzZp/lPo
――― 日ごろの行い ―――

提督「あー、扶桑姉妹もそろそろこの時期か」

提督の手元には小さな箱が二つ。中にあるのはケッコンユビワである。

提督「扶桑はともかくとして問題は山城だな。まぁこじれたら扶桑と一緒に説得すりゃいいか」



提督「山城、ここまで練度を上げてきた祝いだ。受け取れ」

山城「あ、ありがとう。でも、私の心は常に扶桑姉様と共に……」

提督「それは知ってるから。強くなれば姉を守ることも出来るだろ。ってわけでさっさと指輪つけろ」

山城「これって明らかにパワハラよね……不幸だわ……」

提督「こっちだってこっ恥ずかしいんだよ! 判れよ!」

山城「戦艦、雷巡、潜水艦を中心に十数人とケッコンしておいて何言ってるんですか……」

提督「何度やっても慣れないものは慣れないの! ……まぁ、これからも扶桑ともども活躍期待してるぞ」

山城「はい。……それと」

提督「ん、なんだ?」

山城「姉様と、同じくらい……提督も、いい人だと思います。 いつも、感謝しています。……本当ですよ?」

提督「……!?」

山城「提督に日頃の感謝の気持ちを伝えたら鳩が豆鉄砲食らったような顔をされた……不幸だわ……」

45: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/09(木) 22:34:03.24 ID:vXzZp/lPo
雪風と声の妖精さん的に一緒なんだよなぁ

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

48: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/09(木) 23:47:50.08 ID:vXzZp/lPo
赤城了解ー

50: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/10(金) 22:41:19.03 ID:k/iOWy4fo
――― 運命の五分間も今は昔 ―――

鎮守府、埠頭。何はともあれ見晴らしがいい。

赤城「……はぁ」

提督「どうした、溜息なんかついて」

赤城「夏の、MI作戦ありましたよね」

提督「あぁ。まぁいろいろゴタゴタあったが何はともあれ勝利した」

赤城「あの時は昔の無念を晴らしたと思ったんですが……案外気分晴れないものですね」

提督「まぁそんなもんだ。大体無念が晴れたからって連中が消えてなくなるわけでもなし」

赤城「そうですね……」

提督「あいつらは戦時の怨念が具現化したものらしいし。戦地巡って一つ一つ鎮めていく他ない。そのためにも、これからもよろしく頼むぞ」

赤城「はい、お任せください!」


赤城「……ところで提督」

提督「ん?」

赤城「ここしばらく私の出撃機会が全くないようなのですが」

提督「ま、まぁ後進の育成もしなきゃならないからな……」

51: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/10(金) 22:42:22.61 ID:k/iOWy4fo
叢雲も無事改二になったし1-6と観艦式終わらせてイベントに備えるか……

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

54: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/10(金) 22:52:20.73 ID:k/iOWy4fo
叢雲了解ー

55: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/12(日) 22:35:24.70 ID:gmDiUqi/o
――― マストアイテムな槍はどこへ消えた? ―――

叢雲「いいわね、こういうのを待っていたのよ。やれば出来るじゃない!」

提督「コレで叢雲も改二か……って持ってた槍はどうしたんだよ」

叢雲「ふふん、内緒」

提督「まぁいいや。輸送船団の護衛に行くぞ」

叢雲「アンタ、改二になった私に遠征行かせようってわけ?」

提督「最近、佐世保の方でヲ級や潜水艦が湧いてくるから精鋭を送って護衛してもらいたいんだと。他には雪風、五十鈴、初霜、吹雪、鈴谷が出撃予定だ」

叢雲「へぇ、だいぶ本気じゃない。改装された叢雲の力、存分に発揮してあげるわ!」


佐世保近海、復路

叢雲「落ちろっ!!」

吹雪「当たって!!」

五十鈴「一機残らず、落ちたわね」

鈴谷「こっちは駆逐三隻沈めたよ」

雪風「しれぇ、先に進みますか?」

提督『まぁ弾薬も余ってるしちょっかい掛けたこと後悔させてやれ。鈴谷は瑞雲をこっちの直掩に回してバックアップを』

雪風「了解です。砲雷撃戦、続行します!」


雪風「雪風はツ級をやります! 他の方はヲ級をお願いします!」

叢雲「追い詰めるわ。逃がしはしない!」

逃げるヲ級を先回りする叢雲。そのまま真正面から突進する。

叢雲「私の前を遮る愚か者め、沈めぇ!!」

突進しながら槍を具現化する。突進の勢いのままに、穂先がヲ級の腹を貫通する!!


叢雲「はい、ヲ級鹵獲したわ」

ぷかぷか丸に戻り、ヲ級を穂先から蹴り抜く。

提督「……あぁそうか、隠してたのか」

叢雲「別に砲雷撃戦では使わないしね。夜戦距離で戦うならアリだけど。じゃ、護衛に戻るからアンタもしっかりやりなさいよ」

提督「お前もな」

56: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/12(日) 22:36:40.37 ID:gmDiUqi/o
半分忘れられてるかもしれないがこの世界観では艤装は念じることで出したりしまったり出来るのだ。自動的に修理はされないから直すときは物理的に外すけど

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

58: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/12(日) 23:04:50.50 ID:gmDiUqi/o
長月了解ー

59: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/14(火) 22:45:09.19 ID:tMHYtTPdo
――― 改修したら装備も良くなる ―――

長月「酸素魚雷の力、思い知れ!」

至近からの砲雷撃。軽巡ホ級は爆炎をあげ、海の底へ沈んでいく。残った駆逐たちは我先にと遁走する。

長月「作戦完了だ」

提督「うーむ……」

長月「どうした、司令官?」

提督「いや、酸素魚雷なんて積んでたっけか?」

長月「近代化改修したからな」

提督「それで酸素魚雷になるモンなのか?」

長月「なるさ」

提督「だとすると装備のほうの魚雷はどうなるんだ。いや普通の魚雷装備は改修用除いて破棄してるけど」

長月「基本的に発射管にカード差し込んで強化する感じだからな。連装数増やすと重たくなって辛い。五連装のを普通につけてる島風や雷巡たちは凄いと思う」

提督「そういうもんなのか……」

60: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/14(火) 22:45:49.82 ID:tMHYtTPdo
元が霊とか魂とかであるためカードにしたり物理的に顕現したりふわっとした運用が可能

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

62: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/15(水) 05:52:36.88 ID:WZpTPQd/o
朝霜了解ー

63: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/16(木) 22:28:52.80 ID:Q88KLQcro
――― 覚悟はいいけど ―――

提督「これで朝霜も改か……磯風もだけど駆逐艦にしては改に必要な練度高すぎでしょ」

朝霜「細かいことは気にすんなって!」

提督「鉢巻に……左足だけストッキング黒いな」

朝霜「磯風や初霜と違って、夕雲型は靴下じゃないからねぇ。代わりに特注のストッキングってわけ」

提督「そういや磯風や初霜も左靴下長いな……」

朝霜「そそ。大和さんのリスペクトってやつさ」

提督「しかし、初霜みると坊ノ岬後っぽいし、改の時点で坊ノ岬意識するとなると朝霜や磯風の改二はどうなってしまうんだろうな……」

朝霜「……まぁその時はその時さ!」

69: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/17(金) 22:21:05.52 ID:sbNArVPzo
早いなぁ。川内了解ー

70: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/20(月) 22:27:27.41 ID:nheVtTxIo
――― 的がなければ夜戦は出来ぬ ―――

川内「夜戦したい! 夜戦しよう! 夜戦! やーせーんー!」

提督「お前それしかないんかい!」

川内「沖ノ島沖北ルートでもサブ島でもいいから早くー!!」

提督「どっちも行く用事ねぇよ! ……そういや今月のALはまだだったな」

川内「夜戦するの!?」

提督「少なくとも敵旗艦落とさなきゃならないからな。夜戦はまず必要になるだろう」

川内「やったー!!」


~~~~~~


北方AL海域。毎月、最奥にいるツ級を4回沈めることにより上から勲章などがもらえる画期的システムが採用されている。


利根「その艦もらったぁ!!」


利根の三号砲がタ級の臓腑を貫く。主力を一撃で沈められうろたえる敵艦隊に川内型の三姉妹が吶喊する。


川内「突撃よ!!」

神通「油断しましたね」

那珂「いつもありがとー!!」


ツ級と護衛の駆逐が次々とやられていく。残ったワ級も必死に砲弾を放つが所詮は蟷螂の斧。


島風「五連装酸素魚雷、いっちゃってー!」

雪風「艦隊をお守りします!」


多勢に無勢、なす術もなく沈んでいく。


川内「さぁ、私と夜戦しよ!!」

神通「姉さん、もう敵はいませんよ」

川内「えっ、でも提督は夜戦するって」

神通「この前も提督に言われたでしょう、敵がいなければ夜戦は出来ないって」

川内「えー」


提督「夜戦したがるくせに昼のうちから本気出しちまったら意味ないなぁ……」

71: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/20(月) 22:29:55.26 ID:nheVtTxIo
バシーとかで任務消化してると昼で済んでしまうので夜戦する機会ないんだよなぁ

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

73: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/20(月) 22:45:55.21 ID:nheVtTxIo
漣了解ー

76: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/21(火) 21:31:06.19 ID:A6gkiymyo
――― いったいあのうさぎ何なんだろうな ―――

提督「そういや漣よ」

漣「何でしょう、ご主人様?」

提督「そのうさぎ……まぁうさぎとしとこう。そいつは何だ?」

提督が指差すは漣の砲に乗っかっている、妖精と同じぐらいの大きさの謎生物。実物のうさぎよりは明らかに小さい。

漣「可愛いでしょう?」

提督「可愛いかどうかじゃなくて何者かを訊いてるんだよ」

漣「といわれても、この『漣』が建造されたときからいっしょにいるし……」

提督「そうだな」

漣「それに漣の艤装の損傷度合いに比例するように弱っていくんですよね」

提督「なにそれこわい」

漣「いつだったか大破したときなんか白目剥いて泡吹いてそりゃもうそのまま死ぬんじゃないかと。艤装に修復材ぶっ掛けたらすぐ治りましたけど」

提督「いったいなんなんだよ……」

漣「漣の艤装の一部なんじゃないですかね。ほら連装砲ちゃんとかと似たようなの」

提督「でも明らかに有機的だよなぁ」

漣「それ言ったらみんなの肉体部分全部そうですし。『こまけぇこたぁいいんだよ!』ってやつですよ、ご主人様」

提督「うーむ……」

77: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/21(火) 21:31:50.68 ID:A6gkiymyo
妖精さんの亜種なのかね

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

79: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/22(水) 05:50:32.63 ID:kX/AvjHWo
飛龍了解ー

82: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/22(水) 22:50:14.09 ID:kX/AvjHWo
――― 信じたものが現実になる世界 ―――

飛龍がまだ改の頃。

飛龍「友永隊、頼んだわよ!」

提督「友永隊ってなんだよ」

飛龍「提督ってば無粋ですね。私がまだ普通の空母だった頃活躍した艦攻隊ですよ」

提督「名づけてなんか変わるのか?」

飛龍「こういうのは気分の問題ですよ。そう名づけてればやってくれそうじゃないですか」

提督「そういうもんかね」

飛龍「そういうもんです」


時は下って改二&友永艦攻実装

飛龍「これで友永隊、天山一二型に機種転換完了! これでもういつもの流星改に名前付けただけとか言わせませんよ!」

提督「……そういえば装備扱いだから他の艦娘も使えるんだよな」

飛龍「まぁ、配置換えとかはよくありますけど、なるべく私が使いたいかなーって」

提督「状況次第だな」

83: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/22(水) 22:53:14.44 ID:kX/AvjHWo
専用と汎用の違い……。漣のウサギや島風の連装砲ちゃんズなどが前者になるのであろう。

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

86: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/23(木) 05:52:28.20 ID:ixlfCJ8So
清霜了解ー

87: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/23(木) 22:40:27.91 ID:ixlfCJ8So
――― 信じたものが現実になるといっても限界はある ―――

清霜「しれーかーん、戦艦にしてよー」

提督「無茶言うな。お前は駆逐艦だろう」

清霜「でも艦種変更とかあるじゃん。龍鳳とかさー。ねぇ、ねぇねぇ」

提督「あぁ、もう。ちょっと工廠行くぞ」

清霜「戦艦にしてくれるの!?」


鎮守府、工廠

清霜「ねぇねぇどうやんのどうやんの!?」

提督「おらよっと」

提督が下ろすは試製51cm連装砲。とにかくでかい。

提督「これ装備できたら証明するまでもなく戦艦だから装備しろ」

清霜「よーし」

なんら疑問を抱くことなく51cm砲をカード化し、自分の連装砲のスロットに挿す。だが。

清霜「あれぇ?」

ブザー音とともに排出されるカード。駆逐艦が装備できるわけはないのだ。何度か試すが当然結果は一緒。

提督「じゃ、戦艦になれるよう頑張れ」

手を振り振り工廠から立ち去る提督。

清霜「うー……」

清霜はふと、姉から聞いた提督の武勇伝を思い出した。攫われた雪風を助けるため、人間の身でありながら51cm砲を腕に取り付け、深海棲艦と渡り合ったという話。

清霜「そっか、スロットに挿さらないなら物理的に持てばいいよね!」

カードを振るい、51cm砲を現出させる。それを両手で抱えて持ち上げようとする。

清霜「うーん……しょ、お、おも、おっと、っとととと」

あまりの重さにバランスを崩す。両腕に相当な重量を抱えた状態で転べばどうなるか、言うまでもない。


この後、たまたま通りがかった夕雲が51cm砲に押しつぶされていた清霜を発見し、何とか救助した。
ついでに提督は夕雲に叱られた。

90: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/24(金) 05:53:33.26 ID:kTIMRDL/o
村雨了解ー

91: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/24(金) 22:33:51.12 ID:kTIMRDL/o
――― ダメコン大事 ―――

村雨「本当に困るんですけどぉー……うわぁん……」

艦娘はダメージが一定量を超えると服や艤装がボロボロになり、能力が低下する。

だが大破してもその戦闘で沈む事はない。艦娘自身にダメコン能力があるためだ。だが、次の戦闘に入るまでにはその力も切れる。

故に大破が出たら応急修理要員をつけてない限りは撤退が原則である。

提督「むぅ、帰投だ、帰投」

~~~~~~

村雨「はふ、ごめんなさ~い……」

提督「まぁ大破するのはしょうがないとして……靴どうした?」

村雨「やられたときに無くなっちゃいました~……」

提督「よく戻ってこれたな。海面に立つのに重要そうなのに」

村雨「無くても浮いてられますよ」

提督「そうなのか?」

村雨「艤装に入れた燃料から推進力や浮力を作ってますからね」

そう言って黒煙を噴いてる背中の艤装をコン、と叩く。

提督「ぶっ壊れたらやばいんじゃないの?」

村雨「艤装も結局は体の一部ですから。いざとなればこの身一つでも立てますよ」

提督「マジで」

村雨「長くは続かないから緊急時だけですけどね。それじゃ、入渠してきま~す」

提督「あ、あぁ。引き止めて悪かったな」

村雨「いえいえ~」

92: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/24(金) 22:38:16.91 ID:kTIMRDL/o
ダメコンは大切です

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

93: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/04/24(金) 22:53:09.94 ID:Iq34euNTo
時津風

95: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/27(月) 22:20:25.83 ID:D1sWoUfJo
――― 前後から抱き付かれたい人生だった ―――

雪風「しれぇ、作戦終了しました!」

とてとて走って雪風が提督に飛びつく。

提督「よしよし、よくやったな」

それに応えるように抱き寄せて頭を撫でる。だがその背後に忍び寄る影あり。

時津風「むー、雪風ばっかずるーい。時津風もー」

そう言って提督の背中にぴょん、と飛び乗る。ちょうどおんぶの形になる格好だ。

提督「へもげっ」

雪風「あっ、じゃあ雪風も!」

そう言って前から飛びつく。それはまさにだいしゅきホールドの形。

提督「あばばばばばば」

奇声をあげながらよろめき歩く提督。

初風「……提督、何してんの?」

雪風「しれぇ」

時津風「しれー」

提督「見りゃわかんだろあばばっばばば」

初風「新手の筋トレ?」

提督「ちげーよ」


結局自室に戻るまで離してもらえなかったそうな。

96: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/27(月) 22:36:36.47 ID:D1sWoUfJo
鎮守府、執務室。資料片手に唸る提督。

「うーん、まるゆが出ない。余剰資源の使い道があるのはいいが……せめて三隈欲しいよなぁ」

「そんなあなたに朗報です!」

バン、と床下から出てくる猫吊るし。ちなみに執務室は二階である。

「なんだ、またどっか襲われたか。横須賀か?」

「いや、そこらへん襲われたらもう喉元同然じゃないですか」

「佐世保の近くにフラヲが来てることは無視か」

「おかしいと思ったんですよね。あの近くにマスターとなる泊地ないのにあんな艦がうろついてるなんて」

「結論から言え」

「というわけで準備が整い次第、第十一号作戦を発令します」

97: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/27(月) 22:38:02.70 ID:D1sWoUfJo


2015 Spring Event:Eleventh Operation of Western Sea


「なんだよそれ」

「結論から言えといったのはあなたじゃないですか」

「モノには順序があるんだよ。大体の概要話してから細部を説明するってやつだ」

「いちからか? いちからせつめいしないとダメか?」

「煽りはいいからさっさと話せ」

「はいはい」

猫吊るしが指を鳴らすとホワイトスクリーンが下がり、プロジェクターが西方海域の地図を映し出す。

「第十一号作戦はもともとミッドウェー前に行なわれる予定だった作戦でした」

「それをやろうってのか」

「えぇ、やらざるを得ません。我々が太平洋方面にコマを進めてる間に、着々と戦力を溜めてたようで、西側の深海棲艦の動きが活発になってきてます」

カレー洋、リランカ島を中心に深海棲艦の活動を示す赤い靄が地図上にかかる。

「また叩き潰せばいいだけだろ」

「えぇ、その通りです。今回、カレーとリランカに連合艦隊を出せるよう、セットアップします」

「毎度思うんだがどこでも連合艦隊出せるようにしろよ」

提督の疑問に、猫吊るしは肩をすくめて首を振る。

「霊的干渉の広域制御は難しいんですよ? まぁまずこいつらを打ち破ります」

「それで終わりじゃない、と言いたげだな」

「そこから更に、海上打通作戦を行い、ヨーロッパへのアクセスを確かなものとします」

「飛行機じゃいかんのか」

「コストが高いんですよ。その点、船なら大量に輸送できて比較的安価ですし。タンカーが今現在も使われてるのはそういうことですよ」

「うーむ」

「じゃ、準備できたらまたお知らせしますんで」

言うだけ言うと猫吊るしは床下に飛び込んで退場していった。残されるは提督のみ。

「あ、あぁ……」

98: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/27(月) 22:43:27.64 ID:D1sWoUfJo
つまりノープランイベントSSが始まり、いつもの平常業務であるところの小ネタの更新はいったん止まる公算が大きい。というわけでご了承願います

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

100: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/27(月) 22:51:00.76 ID:D1sWoUfJo
祥鳳了解ー

102: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/28(火) 21:26:15.30 ID:dsAwmA2fo
――― 甲板ニーソ(今回の話とはあまり関係ない) ―――

祥鳳「軽空母、祥鳳です」

提督「変わった弓だな」

祥鳳「えぇ、これ飛行甲板も兼ねてるんですよ」

提督「ほほう」

祥鳳「発着艦シークエンス、ご覧になります?」

提督「そうだな」


~~~~~~


屋外演習場。イ級を模した標的艦が航行している。

祥鳳は矢羽が艦載機となった矢を慎重に番える。

祥鳳「では……攻撃隊、発艦してください!」

ビィン、と弦が鳴り、飛び出した矢が複数の艦攻となり編隊を組む。そのまま低空飛行で標的に接近し、模擬魚雷を投下する。

命中した証である金属の衝突音を背に、編隊が戻ってくる。弓の甲板部分を水面と平行に構え、着艦に備える。

祥鳳「おかえりなさい」

着艦するそばから回収し、全機回収したところで再び矢に戻す。

祥鳳「いかがでしたか、提督?」

提督「弓が飛行甲板兼ねてるのはわかったが……矢が複数の艦載機になったり戻ったりするのは謎いなぁ」

祥鳳「式神形式よりはオカルトじゃないと思うんですけど」

提督「俺にとってはどっちも謎いよ」

103: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/28(火) 21:27:02.72 ID:dsAwmA2fo
よつばのあの煽り好き
というわけでイベント頑張っていきましょう

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

106: ◆jf7rnHhSH2 2015/04/28(火) 21:45:54.91 ID:dsAwmA2fo
ゆーちゃん了解ー

107: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/01(金) 22:33:13.92 ID:kRPoklNFo
――― ユーちゃん育成訓練 ―――

ユー「ドイツ海軍所属、潜水艦U-511です。ユーとお呼びください」

提督「よろしくな。ふーむ、最初から二段改装あるのか……龍鳳改みたいなもんかな」

ユー「何をすればよろしいでしょうか……?」

提督「そうだな。潜水艦寮に伊58というピンク髪の潜水艦娘がいるからいろいろ教えてもらって練度向上に努めるといい」

ユー「はい」

~~~~~~

潜水艦寮。

ゴーヤ「提督から聞いたよ、新しい仲間が来るって! よろしくでち!」

ユー「よろしく……」

ゴーヤ「ビッシビシいくよ! ユーを旗艦にしてオリョクルでち!」

ユー「うん、頑張る」


~~~~~~

南西海域、オリョール海

ユー「敵艦隊発見です。ふぉいあー!」ドーン

ゴーヤ「なかなかやるでち」

はち「……ユー、小破してから全然中破しないね」

しおい「んぐぅっ、やられた……」

イク「先輩としての威厳が崩れてくのね……」


~~~~~~

ろー「ろーちゃんです! はい!」

提督「日に焼けたな……」

ろー「オリョールの訓練、長かったですって!」

提督「しかもスク水になってる」

ろー「小破のまま使ってたらなんか駄目になっちゃったから新しいのもらいました!」

提督「いいのかそれで……」

ろー「はい!」

108: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/01(金) 22:34:36.53 ID:kRPoklNFo
イベントはあとE-7を残すのみなので次回からイベント編書いていきたいですね

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

110: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/01(金) 22:48:55.82 ID:kRPoklNFo
葛城かぁ。了解ー

なおローマと高波については現在未入手なので安価とっても出せるかどうかの保証はないです(可能な限り掘るけど)

111: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/03(日) 22:33:45.49 ID:Mi4znL/ao
鎮守府、執務室。提督の目の前には一人の少女。

「お前が来たということは、ついに作戦準備が整ったか」

「ええ。あとは貴方が指示をだすだけです」

「……そうか。では」

机の受話器を取り、ダイアルを回す。鎮守府全体への放送である。

『全艦娘に告ぐ。本日一〇〇〇より、第十一号作戦を発令する。繰り返す。本日一〇〇〇より、第十一号作戦を発令する』

一呼吸おき、言葉を続ける。

『この作戦は西方にまたぞろ湧いてきた深海棲艦を押し返し、シーレーンを奪い返し、ヨーロッパへの海路を打通するものである』


『暁の水平線に勝利を刻めぃ!!』

112: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/03(日) 22:40:13.07 ID:Mi4znL/ao


2015 Spring Event:11th Operation of Western Sea Episode 1 ~ カレー洋強襲偵察!! ~


西方海域、カレー洋。

「さて、まずは敵情の強行偵察か……。雪風、島風に、川内三姉妹に、夕立。彼女たちならやってくれるだろう」

提督はぷかぷか丸から出撃する雪風たちを見送りながら呟く。

その後ろから声をかける猫吊るし。

「そうそう、一つ言い忘れてました」

「なんだよ」

「トラックでやったアレですが、リチャージしておきました」

「ほう」

「勿論それ相応の代償はいりますが」

「艦娘の命か?」

提督の言葉にため息を付いて首を振る猫吊るし。

「全く、暴力的でいけませんね貴方は」

「もしそうだったら断るところだった」

「海域突破したらプレゼントする予定の装備ですよ装備」

「具体的には?」

「この試製51cm連装砲が」

どこからか51cm砲をドン、と取り出す猫吊るし。物理質量はだいぶ重かったはずだが。

「試製46cm連装砲になります」

「……あれ、それウチになくね?」

「ないですね。更に弱めると試製35.6cmになる上……まぁいっか」

「51cmはあるから46cmくれ。よこせ」

「はいはい。でも渡すのはクリアしてからですよ」

そう言って猫吊るしは連装砲の上に載り、詠唱を始めた。

113: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/03(日) 22:41:52.92 ID:Mi4znL/ao
カレー洋、深海東洋艦隊警戒部隊主力艦隊

「全く……私がここのフラグシップだってこと判ってんのかね」

そこにはうんざり顔のリ級改がいた。理由は言うまでもない。

「さーて、強行偵察の連中はこの軽巡棲鬼ちゃんがバッシバシ沈めちゃうからねー」

テンションの高い軽巡棲鬼である。

一応リ級改の随伴艦だということになっているが、相手は鬼姫クラスである。強くは出られない。

(あー、もう。神様いるならあいつをいっぺん目の前から消してください)

そう思っていた矢先、東のほうからまばゆい光が!

(何だアレ)

次の瞬間、その光は軽巡棲鬼に直撃し、彼女をベーグル湾の方までふっ飛ばした!!

(……サンキュー神様!!)

だが、その感謝をすぐさま後悔することになる。


「今の光、なんだったんでしょうね?」

「ちょうど行き先に着弾してたっぽい?」

「まぁまぁいけば分かるって」


「げっ、艦娘……オレンジの服の軽巡は危険度の高いヤツで……駆逐は……ヤバイの上から三隻じゃん」

なんだかんだで軽巡棲鬼は戦闘では頼りになる。だが、彼女は先ほどどっか遠くの方まで吹っ飛んだ。

そこに精鋭の水雷戦隊が突撃してくる。つまるところ、死。


「やっせんーやっせんー♪」

「姉さん、あくまで偵察ですよ?」

「別に倒してしまっても構わないんでしょ? 夜戦で」


リ級改だったものが、残骸となって波の上を漂うことになるのはその会話の数分後のことであった……。

114: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/03(日) 22:44:17.72 ID:Mi4znL/ao
次回予告!

「カレー洋の敵情視察、完了しました!」

陣容の把握……!!

「艦隊決戦か……胸が熱いな」

ついにあの艦娘が出撃……!!

「またお前か!!」

復讐に燃える深海棲艦……!!


次回、11th Operation of Western Sea Episode 2 ~ 第二次カレー洋作戦!! ~

118: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/07(木) 22:41:29.20 ID:l5YUXByno
鎮守府、戦艦娘寮、長門型の部屋。

「また大規模作戦の時期か……」

「そうね」

机に伏せっている長門と、向かいでその様子を見つめる陸奥。

「こういうときは大体金剛型が出るからな……。出撃しなければビッグセブンの力を振るうことも出来ない」

「月に一度南方海域に出てるじゃない」

「あれでは物足りない。連合艦隊を組んでその旗艦としてだな……」

「はいはい」

と、適当に雑談しているところに通信音が入る。

「どうやら強行偵察が終わったようだな」

「カレー洋だっけ? 一度制圧されたところを盛り返してくるのは珍しいわよね」

『……により、敵情の把握に成功した。我々はこれより連合艦隊を以って敵艦隊先鋒を挫き、叩き潰し、リランカより東の制海権を確保する』

「連合艦隊か……」

『以下呼ばれた者は工廠に集合し、出撃準備をすること』

長門は短くため息をつく。

「どうせ第一艦隊は金剛姉妹だろう」

だが。

『第一艦隊旗艦、長門』

「……!?」

反射的に長門の身体が跳ね上がる。

「あらあら」

『随伴艦は陸奥、扶桑、山城、摩耶、加賀……』

「い、今確かに私の名前が呼ばれたな!?」

「えぇ。久々の出撃ね」

『第二艦隊旗艦雪風、随伴艦は神通、島風、北上、大井、木曾……』

「よし、戦艦長門、出撃する!!」

もはや自信を喪いだらけ切っていた者の姿はなく、戦艦長門の姿がそこにあった。

119: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/07(木) 22:42:06.96 ID:l5YUXByno


11th Operation of Western Sea Episode 2 ~ 第二次カレー洋作戦!! ~



「カレー洋の敵情視察、完了しました!」

工廠に集まるは先ほどの強行偵察部隊。島風が手早く机上に地図を広げる。

「……これ南方海域のだぞ。その隣のヤツだ」

「おうっ!?」

改めて広げなおし、四方に重石を置く。

「カレー洋のポータルがここですね。ここにヲ級の改、こちらにル級の改……」

テキパキとコマを配置しながら説明していく神通。川内は近くの椅子に腰掛け既に睡眠状態である。

「……そして敵主力の旗艦は、装甲空母姫です」

「またお前か!!」

リランカ島の東、そこに鬼を象ったコマが置かれる。

「……装甲空母姫とかいつ以来だろうな。ま、大したことあるまい」

「普通の船舶にとっては十分脅威ですよ」

「ま、そのために艦娘がいるんだ」

なんてことはない、という顔をして柱に掛けてある鎮守府内放送用の通信機を取る。

『鎮守府内全艦娘に告ぐ。我々は強行偵察部隊により、敵情の把握に成功した。我々は……』

120: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/07(木) 22:43:03.50 ID:l5YUXByno
西方海域、カレー洋。海の上を12隻の艦娘が突き進む。

出遭った艦隊はことごとく航空攻撃からの甲標的による雷撃で半壊、長門型と扶桑型の砲撃で撃滅。

「ビッグセブンの力、侮るなよ」

その言葉に違わず、長門の放った徹甲弾はル級改のバイタルパートを正確に捉え、轟沈せしめた。

「主砲、副砲、撃てーっ!」

他の戦艦も負けじと続く。

「鎧袖一触ね……」

青い袴の正規空母が呟く。

「でもなぁ、こんなんじゃアタシ達の出番ないんじゃないか?」

「そんなことないわ。機銃を構えなさい」

摩耶の愚痴から程なく、空の向こうに黒い点が見えてくる。

「そうだな、防空巡洋艦摩耶さまの腕の見せ所だな!」

装備している機銃と砲門を空に向ける。同じくして加賀も弓を引く。

放たれた矢は烈風となり、その戦闘機の名の如く、激しく敵艦載機を翻弄する。

防空網を抜けた数少ない艦載機も、天地のひっくり返った雨の如き機銃と砲の嵐に晒される。

「ざっとこんなもんだ!」

121: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/07(木) 22:44:19.91 ID:l5YUXByno
カレー洋最深部。装甲空母姫率いる敵艦隊を残すのみ。

「艦隊決戦か……胸が熱いな」

自艦隊12隻に対し、敵艦隊はわずか6隻。もはや数の暴力でしかない。

アウトレンジからの航空戦、雷撃による漸減、そして水上打撃部隊と水雷戦隊による決戦。まさに理想的といって良い戦闘である。

護衛艦である駆逐と軽巡は加賀の艦攻と北上達の雷撃で始末され、残るはヲ級、タ級、そして装甲空母姫のみ。

だが、戦意を失った様子はない。砲を構え、残り少ない艦載機を収容し、一矢報いようと目を光らせる。

(私たちも、一歩違えばあのようになっていたのかもしれないな。いや、実際大和たちは……)

「どうしたの、姉さん。難しい顔して」

「いや、なんでもないさ」

陸奥の心配そうな声が長門の思考を断つ。軽くかぶりを振って、砲を構えなおす。扶桑姉妹の砲撃が空母と戦艦を一撃で沈めていく。

(提督も言っていたな、『昔は昔、今は今』と。雪風に向けての言葉だったが、私たち皆に共通することだ。加古にとらわれては前に進めない)

観測機の情報により微修正が行なわれる。装甲空母姫が砲を接近する長門に向ける。

「……全主砲、斉射、撃てーっ!!」

長門の艤装が火を噴くのと、装甲空母姫の砲撃が放たれたのはほぼ同時だった。


一瞬の後。鉄塊の砕ける音と爆音。

「ふっ……効かぬわ」

長門の拳から鉄の破片がボロボロとこぼれる。姫の砲弾を打ち砕いたのだ。

その視線の先は、爆炎を上げて沈み逝く深海棲艦の姿があった。

122: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/07(木) 22:45:59.43 ID:l5YUXByno
次回予告!

「通商破壊ね……任せて!!」

通商破壊のプロ……!!

「あれが敵の補給線……」

糧道を断つは勝利への近道……!!

「何故ここまで吹っ飛ばされた……」

復讐に燃える深海棲艦……!!(再度)


次回、11th Operation of Western Sea Episode 3 ~ ベーグル湾通商破壊戦!! ~

127: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/08(金) 22:50:48.01 ID:/a6nM5c6o
鎮守府、執務室。先の連合艦隊の活躍により、敵前線を押し返すことに成功した。

提督は一人、偵察や資料の情報を元にコマが配置された地図と睨めっこしている。

「次はリランカ島か……」

「その前に」

ひょっこり顔を出す猫吊るし。遠慮がないのはいつものことだ。

「なんだよ」

「敵は豊富な物資を以ってがっちりリランカを支配下に置いてます」

そう言いながらリランカ南岸のコマを指差す。

「いつものことだろ。あそこは連中のリスポーン地点だから住人は西側に避難してるし」

制圧すれば復活地点から遠く離れなくなり被害が激減するとはいえ、近寄ればやはり危ないのは変わらない。

「今回の作戦、リランカ島を長期的に抑える必要があります」

「MIのときみたいにまた拠点作るのか」

「そういうことです。で、まず敵の補給線をぶった切ります」

リランカから北東の艦隊群を指し示す。その海域にはベーグル湾と記されている。

「ここにワ級が大量に集まっています。ここを滅茶苦茶にすれば敵戦力は殺がれ、陽動も兼ねる事になるでしょう」

「なるほどな、一理ある。具体的な資料はあるか?」

「もちろん、ここに」

猫吊るしの渡したベーグル湾付近の資料を捲り、メモ紙に艦娘の名を記していく。

「……よし、出撃するか」

128: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/08(金) 22:52:23.06 ID:/a6nM5c6o


11th Operation of Western Sea Episode 3 ~ ベーグル湾通商破壊戦!! ~



西方海域、ベーグル湾。

ビスマルクを先頭に、重巡那智、足柄、航巡利根、筑摩、軽空母隼鷹の艦隊が広大な海原を往く。

その後方から提督はぷかぷか丸に乗って追う。

「ビスマルク、やる気高すぎてから回りしないといいが」

~~~~~~

ブリーフィング時、最も士気が高かったのはビスマルクだった。

「通商破壊ね……任せて!!」

「結構乗り気だな」

「ティルピッツも魚雷載せて通商破壊戦に携わったと聞くし、このビスマルクに出来ないはずないじゃない!」

~~~~~~

前衛の艦隊を手早く撃退し、次の敵艦隊に差し掛かる。

「電探に感あり。軽巡クラスだけどこれは……」

「軽巡棲鬼じゃな」

ビスマルクの言を利根が引き継ぐ。

シニョンは解け、服もぼろきれを引っ掛けたような状態になっている。

「何か怒ってますね」

「元からじゃん? ま、気づく前に一発お見舞いしてやろうぜぇ。モノども、かかれぇ!!」

隼鷹の巻物甲板から次々と艦載機が飛び出す。後を追うように利根と筑摩も瑞雲を飛ばす。

「ここに鬼級とかこの補給線、よほど重要らしいわね!」

艦載機の離脱後、間髪入れずビスマルクが主砲を叩き込む。

「逆に言えば、ここが奴らの急所だってことだ!」

「この戦い、絶対勝って見せるわよ!!」

那智と足柄もあとに続く。

そうこうするうちに敵随伴艦は全て沈み、艤装部分をボコボコにされた軽巡棲鬼が撤退していく。

「追撃するか?」

「いいえ、本来の目的は補給線の断絶。ここで弾を無駄使いすることはないわ。行きましょう」

「了解だ」

129: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/08(金) 22:53:26.41 ID:/a6nM5c6o
更に先に進むと、いるわいるわワ級の大群。護衛艦より輸送艦の方が多いぐらいである。

「あれが敵の補給線……。あいつら、自衛用の砲を備えてるエリートやフラグシップばかりね」

「さすがに普通の船だと危ないでしょうね。でも私たちなら勝てるわ!」

瑞雲を飛ばして索敵していた利根が眉をひそめる。

「空母はおらんが……あやつら、輸送艦の陰にフラタをひそめとるのぅ。皆反撃には気をつけるんじゃぞ」

「ふっ、そのぐらい無くてはやりがいがない」

各々残弾を確認し、戦闘準備を整える。

「いつでもいけます。姉さんも大丈夫?」

「もちろんじゃ!」

「頭上はアタシに任せな!」

「それじゃ、いくわよ……Feuer!!」

ビスマルクの主砲発射を合図に、獲物を見つけた狼の如く、艦娘たちは勢いよく敵陣に飛び込んだ。

130: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/08(金) 22:54:28.43 ID:/a6nM5c6o
ベーグル湾某所。ボロボロになった軽巡棲鬼は西の空を眺めている。

「何故ここまで吹っ飛ばされた……」

状況を把握し、臨時に護衛艦隊の旗艦になったところで巡洋艦たちの無慈悲な奇襲。護衛の任を果たすこともできず無様に撤退。

視線の先にはいくつもの黒い煙。

自分たちの守ろうとしたものがどうなったか、想像に難くない。

ギリリ、と歯軋りをしても状況は変わらない。

目を瞑って息を吸い、精神を落ち着ける。

「……まぁいい。我々も進歩しているのだ。水鬼様達なら……」

そう呟くと、海の底にゆっくりと、深く深く沈んでいった。

131: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/08(金) 22:55:41.83 ID:/a6nM5c6o
次回予告!

「これが艦隊司令部施設……」

連合艦隊旗艦の喜び……!!

「これ西にいく意味あるの?」
「いいドロップあるかもしれませんよ?」

究極の決断……!!

「四月(ハル)の喧嘩(イクサ)……開始(ハジ)めてみるか……!?」

凶悪な面構え……!!


次回、11th Operation of Western Sea Episode 4 ~ 決戦!リランカ島攻略作戦!! ~

135: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/12(火) 22:48:02.69 ID:TBhbV+jXo
西方海域、ぷかぷか丸改二甲板。

「ベーグル湾は抑えたわ。あとは現地の方で補給しながら哨戒ってところね」

「了解。リランカ制圧したら一報入れるんで後処理済ませてこっちに合流してくれ」

「わかったわ。じゃ、頑張りなさいよ」

「そっちもな」

ビスマルクとの通信を終え、一息つく提督。そこに長門が通りがかる。

「提督、艦隊の準備は九分通り終わったぞ」

「うむ。カレー洋に引き続き、長門が第一艦隊旗艦だったな。これを持て」

提督が取り出したのは一枚のカード。

「これが艦隊司令部施設……」

艦隊の指揮権を切り替え、護衛退避を可能とする画期的装備。艤装のスロットに差込み、満足げに頷く長門。

「よしよし。あの頃を思い出すよ」

「さて、リランカ島を落としに行きますか……!!」

136: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/12(火) 22:50:56.04 ID:TBhbV+jXo


11th Operation of Western Sea Episode 4 ~ 決戦!リランカ島攻略作戦!! ~


リランカ島沖。

長門を旗艦とし、陸奥、摩耶、赤城、蒼龍、飛龍と続く第一艦隊、

雪風を旗艦とし、神通、島風、鳥海、金剛、羽黒が並ぶ第二艦隊。

皆一線級の練度を持つ艦娘たち。万全の体制でこの海戦に臨む。

「そういえば、加賀はどうしたんだ?」

「次の作戦を見据えて待機中だそうです」

摩耶の疑問に赤城が答える。

「そうそう、敵泊地に精鋭で切り込むとか」

どこで小耳に挟んだのか、飛龍が訳知り顔で呟く。

「あぁ、それで……」

「おしゃべりはそこまでだ。敵艦隊が近い。第一、第二艦隊対空戦闘用意」

長門の号令により、空母艦娘は弓を取り、他の艦は砲を空に向ける。

弓なり音とともに無数の烈風が飛び出し、敵艦載機を迎え撃たんと青空を駆け抜けていった。

137: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/12(火) 22:53:17.21 ID:TBhbV+jXo
『――各艦、戦闘に支障はないか?』

「第一艦隊、全員問題なし、だ」

「第二艦隊も問題ありません!」

機動部隊を軸とする敵艦隊を突破し、リランカ島に近づく一行。そこは、初めて西方に来たときとは全く違う様相を呈していた。

深海棲艦の勢力圏下では馴染み深い赤黒い空。そして、港湾部に女王然として佇む、巨大な艤装を背負った深海棲艦。

『あれが……港湾水鬼!!』

『四月(ハル)の喧嘩(イクサ)……開始(ハジ)めてみるか……!?』

無線に割り込む音声。自らの艤装や護衛要塞から次々と艦載機を繰り出す。

「全艦、突撃! 敵艦載機に気をつけろ!」

「摩耶さまの力、思い知れッ!!」

交錯する艦載機、乱れ飛ぶ弾幕。

「Phew、第一波は凌げまし……!!」

一息付く金剛。だが、息付く暇も有らばこそ。響く砲撃音に、反射的に己の身を艤装で庇う。

直後、着弾。彼女の艤装の左半分がボロボロに砕ける。

「……Shit!! テートクに貰った大切な装備が!」

もし庇っていなかったら、自分の身体がこうなるところであったろう。

「金剛さん、大丈夫ですか!?」

「ちょーっとHeavyなの貰っただけネ! まだ平気デース!」

ここで萎縮しては士気に関わる。強いて己を奮い立たせる。

「全艦雷撃用意、雷撃後装備換装し、第一艦隊の攻撃後再突入します!」

次々と上がる火柱。駆逐と要塞があらかた片付いた証拠である。

138: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/12(火) 22:55:13.64 ID:TBhbV+jXo
「全主砲、斉射、てーっ!!」

雪風たちが反転すると同時、長門率いる第一艦隊の砲撃が始まった。先ほどよりも大きな水柱が次々立ち上る。

『すこしは"殺"るのか……"愉"しいなぁ……』

「装備換装、急い……きゃぁっ!?」

港湾水鬼の主砲が赤城を水面に叩き付ける。

「こっ、こんなところで……」

フラフラになりながら立ち上がるも、甲板が中ほどからぽっきりへし折れている。

「第二次攻撃隊、発艦! 赤城の攻撃隊は私か蒼龍の所に着艦して!」

「ごめんなさい……」

「後は私たちに任せて!」

即座に二航戦の二人がカバーに入る。

「ル級も仕留めたわ。後はあのデカブツだけ!」

「第二艦隊、換装完了しました!」

雪風からの通信。つまりは突撃準備完了の合図。

「よし、第一艦隊砲撃止め! 後は頼むぞ、雪風……!」

139: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/12(火) 22:57:03.88 ID:TBhbV+jXo
「砲雷撃戦、続行します!!」

雪風、島風、そして神通が構えているのはいつもの砲ではない。 

WG42、対地攻撃用ロケットランチャー。艦娘用にスケールダウンしてはいるものの、軽量級の艦娘でも陸上の相手にダメージを叩き出す事のできる数少ない兵器である。

次々と港湾水鬼の艤装に着弾し、爆発していく。港湾水鬼は悶え苦しみながらもまだ稼動している砲で撃ち返す。

「!! 雪風ちゃん、危ないっ!」

雪風に向かう砲弾に島風が割り込む。着弾の衝撃で二人して海面にたたきつけられる。

「島風ちゃん!?」

「私なら平気……だって早いもん……」

その一言を最後に気を失う。よく見ると背中の魚雷発射管がひしゃげている。連装砲ちゃん達も主がダウンしたことで機能不全に陥っている。

「あとは鳥海さんたちに任せましょう!」

神通の声がかかる。二人で島風と連装砲ちゃん達を曳航し、後の三人と交代する。

「お疲れ様、後は任せて! 鳥海、突撃します!」

最大戦速で鳥海が横切る。その後を羽黒と金剛が追う。


港湾水鬼の20インチ砲が軋み音を上げながら照準を鳥海に合わせようとするが、

「計算通りです!」

鳥海の砲撃が、それをへし折る。そのまま真正面から突っ込む。

「主砲、斉射……」

鳥海の砲門が港湾水鬼を狙う。港湾水鬼は巨大な両腕を交差させ、衝撃に備える。

だが、パシャリという水音のみ。衝撃は来ない。そっと腕を開く。

140: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/12(火) 22:58:21.03 ID:TBhbV+jXo
高雄型重巡洋艦四番艦、鳥海。勢いよく跳躍し、水鬼の上を取っていた。

その全主砲は港湾水鬼の開いた腕の中、胴と頭のあるバイタルパートを向いていた。

「……てーっ!!」

射撃の反動できりもみ回転しながら着水。爆発大炎上する港湾水鬼。

金剛と羽黒が追いつく頃にはあらかた焼け落ちていた。

「Oh, 私たちが出るまでも有りませんでしたネ」

「でも、戦いは続くんですよね……」

羽黒の呟きに鳥海が頷く。

「ええ。でも今回はおしまい。司令官さんに連絡を入れて、臨時泊地を作りましょう」

144: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/14(木) 22:47:53.59 ID:qrcOJWTMo
西方海域、臨時ポータル出口。

既に送り出した通商破壊艦隊、主力連合艦隊のほかにもう一艦隊、そこに待機していた。

「ん……リランカの制圧完了したみたいだよ」

「よし、いよいよ私たちの出番か」

最上が受けた電文に、武蔵が頷く。後ろには三隈、霧島、加賀、そして呂500。

「リランカ南西の環礁に泊地が建設されているという話でしたね」

と、霧島が言う。

「うん。まずは回遊している敵艦隊を突破し、リランカ島にて先行した主力艦隊と合流。三式弾を受けとった後環礁に行き敵泊地を叩くよ」

地図を広げて航海ルートを指差しブリーフィングする最上。

「そういえば、提督は何故彼女を入れたのかしら……」

加賀が目を向けた先には、潜水艦娘の呂500。近くに敵影は無いため、浮上して航行している。

「提督にお尋ねになればよいのでは?」

「そうね。向こうに着いたら訊いてみましょう」

三隈の意見に頷く加賀。

「じゃあみんな、出撃するよ!」

145: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/14(木) 22:48:44.11 ID:qrcOJWTMo


11th Operation of Western Sea Episode 5 ~ アンズ環礁泊地攻撃作戦! ~


リランカ島、臨時泊地。先行した艦娘たちが何やら物々しい基地らしきものを建造していた。

そして提督もヘルメットをかぶり、指揮を取っていた。

「提督、旗艦最上および旗下五名、泊地攻略部隊ただいま到着しました」

「おう、お疲れ様。ここはまだ建築中だからな、装備の換装はぷかぷか丸で行ってくれ」

「了解!」

最上と入れ替わりに加賀が来る。

「今回の作戦、陸上基地相手ですが何故潜水艦の子を?」

「ろーちゃんのことか」

加賀の問いに顎を掻きながら言葉を続ける。

「あの基地の近く、水雷戦隊が待ち構えてるらしくてな。敵の目を逸らすための言わば囮だ」

「危なくはありませんか?」

「なぁに、オリョールなどで鍛えた練度の見せどころだ。それに……」

「それに?」

ニヤリと意味深な笑みを浮かべる提督。

「ま、見てれば分かるさ」

146: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/14(木) 22:49:57.26 ID:qrcOJWTMo
戦艦・航巡の三式弾の搭載を終え、再度出撃する泊地攻略艦隊。彼女らの目の前に立ち塞がるは……。

「例の煙幕ですわね」

暗夜煙幕。通常、深海棲艦の撤退時に使われるが稀に広域に渡って張り巡らされているときがある。

「もがみん、どうします?」

だが最上が口を開くより早く、行動するものがいた。

「ろーちゃんにお任せ、ですって!」

言うが早いか、どぶんと水面下に潜り、煙幕の中に突入していった。

「あぁ、もう! 追いかけるよ! 衝突には気をつけて!」

最上たちも後を追う。


煙幕とは便宜上の呼び名で、実際のところ光の殆ど通らないドーム内に近い。闇夜の如き暗さは撤退や奇襲に最適である。

そのため、慎重に行動する必要があるが今回は違った。爆雷の発射音と爆発音が次々と聞こえてくる。

「敵艦隊、電探に捕捉。対潜攻撃に集中してこちらに気づいてないようです」

「囮ってこのことだったのね……」

「それより早く片付けないと。ろーちゃんが危ないよ」

潜水艦に気を取られていた深海棲艦達は突然の砲撃になす術も無く撃沈された。

「全艦撃沈、っと。ろーちゃんは……」

「がるるー」

「うわっ!?」

最上の後ろにひょっこり浮上する呂500。

「ろーちゃんは無事ですって!」

「ならいいけど……」

何事も無かったかのように航行を再開する呂500。だがその水着の背中部分は少し黒く焦げていた……。

147: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/14(木) 22:51:40.70 ID:qrcOJWTMo
アンズ環礁、敵秘匿泊地。

護衛と思しきル級改が睨みを利かせ、護衛要塞が哨戒し、輸送艦が物資を運んでくる。

その中央に居座る、巨大な艤装をつけた深海棲艦。

「あれが泊地水鬼……」

「データによるとその装甲は硬く、大口径主砲による砲撃すら弾くとか」

霧島の分析に、武蔵は腿につけた弾を引き抜いて砲に装填する。

「だから、この三式弾があるんだろう?」

「補給艦はろーちゃんに任せて!」

手を振り、水面下に潜る呂500。

「もがみん、準備できましたわ」

「こちらも発艦準備出来てるわ」

二人が航空戦の準備を終えるのを見て、最上もカタパルトに瑞雲を載せる。

「よし、発艦後突撃し、敵護衛艦隊と交戦、可能な限り近づいてあの泊地水鬼を討つよ! 発艦準備!」

飛行甲板を構え、瑞雲を射出。同時に加賀が艦載機を次々と繰り出す。

敵も襲撃に気づいたらしく、艦載機が迎撃しに来る。

「全艦、突撃! 爆撃に注意して!」

148: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/14(木) 22:52:48.95 ID:qrcOJWTMo
敵の戦闘機は少なく、制空権は艦娘の側にあった。輸送艦は呂500の魚雷に次々と襲われ、泊地水鬼と護衛要塞の目はそちらにひきつけられた。

一方、最上たちの前に立ちはだかるル級改。駆逐を盾に、砲撃を寄せ付けない。

「全く、これは厄介だな」

数の不利をものともせず、致命打にならないよう弾を防ぎ、反撃してくる。

「あぁっ、くまりんこのお洋服が……!」

「三隈!」

更に追い討ちをかけようとするル級。だがその隙を逃すほど甘くは無い。

「隙ありだッ!」

「主砲、斉射! 撃てーっ!」

戦艦二人の砲撃を喰らい、爆発炎上して沈んでいく。

「護衛要塞と輸送艦も大方片付きました」

加賀の報告が入る。残すは泊地水鬼のみ。

149: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/14(木) 22:54:18.90 ID:qrcOJWTMo
「もう、飛べないの……飛べないのよ……わかる? ねぇ……?」

泊地水鬼の嘆きが環礁に響く。

「鬼や姫クラスの深海棲艦は思いのたけを呟くというが、今回は訳がわからないな……泊地が飛ぶわけなかろうに」

「確かにね。飛ばせない、ならわかるんだけど」

突入に備え、砲と弾の最終確認をしながら雑談する武蔵と最上。

「三隈さんは加賀さんに預けて、私たちで突入しましょう」

霧島からの意見具申に頷く最上。

「ここでもがみんと別れるだなんて……三隈、残念ですわ……」

「大破してるし、仕方ないよ」

「三隈の分まで頑張ってくださいな」

「もちろんさ!」

最上は振り返って速度を上げ環礁内に突入、霧島と武蔵も後に続く。

150: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/14(木) 22:56:32.03 ID:qrcOJWTMo
「フフッ…痛い……痛いわ…ウッフフフフフフ……」

降り注ぐ三式弾の雨霰。だが、痛い痛いという割にはそこまで艤装へのダメージが少ないように見える。

「見た目以上に硬いな……もっと近づくか?」

「霧島の分析ではバイタルパートに直接撃ちこむ必要がありそうです」

「よし、近づこう。衝突と敵の砲撃には気をつけて!」

接近しながら更に撃ちこむ三人。

泊地水鬼の下部艤装が大きく顎を開く。

「今だッ!」

最上の連装砲から放たれた三式弾が艤装の中に飛び込み、大爆発を起こす。

「よし!」

「やりましたね!」

勝ちを確信する最上と霧島。だが、武蔵は違った。

「……いや、まだだ!!」

艤装は丸ごと吹っ飛んだものの、肉体部分はまだまるまる残っていた。

「だから…何度来ても……同じなのよ……」

全砲門からの一斉射。

「ぐぅ!?」

「うあぁっ!?」

最上と霧島を立て続けに吹き飛ばす。

「ちっ、何てヤツだ……!」

武蔵は振り返り、フラフラになりながら立ち上がる最上に告げる。

「最上、霧島をつれて離脱しろ」

「武蔵さん、何を……!?」

「単騎駆けでアイツを討ち取る」

「さすがに一人じゃ……!」

「私を誰だと思ってるんだ? 大和型戦艦、その改良二番艦武蔵だ。あとはこの武蔵に任せろ」

「……わかりました。でも無茶して沈まないでくださいよ!」

151: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/14(木) 23:00:21.77 ID:qrcOJWTMo
最大戦速で泊地水鬼に接近する。次々と放たれる砲弾。

あるときは旋回し、あるときは艤装で弾き飛ばし、ある時は拳で打ち砕く。

「そうだ、いいぞ。どんどん撃って来い!! 私はここだ!」

右肩の単装砲を武蔵に向け左肩の砲門とともに斉射する。響く轟音。上がる水柱。だが。

「戦艦が、簡単に沈むか!」

機関一杯、更に加速する。そして右腰につけた連装砲―――試製51cm連装砲―――を腕に装着しなおす。

「もう飛べないと言っていたな? なら私が飛ばしてやろう!!」

その勢いのまま、泊地水鬼の体を連装砲で真っ直ぐに殴り、腕を振り上げた。。宙を舞う白い身体。

「また……あの空に……」

「撃ち方……始めッ!!」

泊地水鬼の言葉はそれ以上続くことはなかった。武蔵の砲撃が彼女を破壊せしめたからである。

「空、か……」

見上げれば赤黒い空。まだこの海域に深海棲艦が残っている証拠。

「もうひと踏ん張りだな……」

152: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/14(木) 23:02:03.93 ID:qrcOJWTMo
次回予告!

「甲種勲章なんていらないのだが」
「これを見ても同じことが言えますか?」

人類の意地……!!

「今度こそ沈めてあげるわ……」
「沈むわけには行きません!」

雪風の真の力……!!

「忌々しいガラクタどもめ……!」
「火の塊となって沈んでしまえ……!」

最悪のコンビ!!


11th Operation of Western Sea Episode 6 ~ 西方打通最終決戦!! ステビア海を越えて! ~

157: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/18(月) 23:01:29.31 ID:K4fjJDNRo
西方海域、リランカ島。

「これでポータルの準備もよし、と」

アンズ環礁への攻撃完了後間もなく。臨時の泊地は完成し、鎮守府とのポータルも繋がった。

「へぇ、短期間で結構なものができてるじゃない」

通商破壊作戦後、合流したビスマルクが建物を見て感心する。

「なぁに、中は簡素なもんだ。作戦終了後は撤退するしな」

「ふぅん? ところでもう一戦あるんでしょう?」

「あぁ、そうだ。ビスマルクも作戦に参加することになるからな。準備しておけ」

「腕が鳴るわね!」

いそいそと真新しい建物に入っていくビスマルク。

入れ替わるように現れるは猫吊るし。彼女の方を向くことなく、提督は口を開く。

「偵察の情報によると、例の戦艦水鬼が敵の総旗艦らしいな」

「えぇ。倒せたら甲種勲章あげますよ」

「甲種勲章なんていらないのだが」

「これを見ても同じことが言えますか?」

り向くと、どこから取り出したのか猫吊るしが大型電探を掲げている。

「FuMOレーダー……!」

最強の対空電探。あれば重巡洋艦クラスの戦力の向上が見込まれる。

「今回私のパワーをちょっと使ってこれ作っちゃいました。弱体化させるとなるとこれもおじゃんですねぇ」

「ぐっ……!! 茨の道を歩ませるつもりか……!」

「あなたたちならそこまで苦労することもないでしょう? それに」

「それに?」

「私に頼り過ぎたら、私がいなくなったとき苦労するのはあなたたちですよ?」

ギリ、と歯を食いしばる。

「……いいだろう。お前の力に頼らずともヤツらを撃滅せしめる艦隊になったこと、証明してやる!」

158: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/18(月) 23:03:28.81 ID:K4fjJDNRo


11th Operation of Western Sea Episode 6 ~ 西方打通最終決戦!! ステビア海を越えて! ~


リランカ臨時泊地、埠頭。

「第一艦隊旗艦に隼鷹、随伴は大和、武蔵、長門、ビスマルク、千代田。第二艦隊旗艦に雪風、随伴は神通、島風、妙高、北上、大井。この12名で連合艦隊を組む」

「質問だ」

「長門か。何だ?」

「何故我々戦艦ではなく隼鷹が旗艦なんだ?」

「艦隊司令部によって徹甲弾を積む枠をとられたくないからな。これからブリーフィングに入るがナメプで勝てる相手ではない」

提督は手を振り合図を送る。間もなく大淀が地図を貼り付けたホワイトボードを運んでくる。

「アンズ環礁の秘匿泊地に打撃を与えたことにより、敵の主力をステビア海に誘引することに成功した」

リランカの西、カスガダマから北にあたる海域に敵を示す赤いコマをいくつも貼り付ける。

「なすべきことは単純明快だ。この敵艦隊旗艦を撃滅し、制海権を奪取する。ここを越えればスエズを抜けてヨーロッパまでのシーレーンが確保できる」

同時に中東への海路も拓け、タンカーの輸送も容易になる、と付け足しながら地図の北側に向けて矢印を引く。

「偵察隊によると敵艦隊に空母棲姫やあの戦艦水鬼の姿も確認されているという。これが決戦となるだろう。暁の水平線に勝利を刻めぃ!!」

159: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/18(月) 23:04:29.22 ID:K4fjJDNRo
西方海域、ステビア海。

「敵艦撃沈確認、っと」

「肩慣らしにもなりませんね」

敵前衛艦隊はハイパーズの雷撃と戦艦の砲撃により、なす術もなくひき潰された。

「ん、雪風から通信だ。……っとこちら隼鷹。どうした?」

「暗夜煙幕が広域に張られています。第二艦隊で突入後、安全を確保します」

「了解。無理すんなよー」

「しばらく待機か……」

武蔵が残念そうに呟く。

「まぁ、奇襲されたら危ないもんね」

と、千代田。カラクリ箱の烈風の調整に余念がない。

160: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/18(月) 23:05:12.27 ID:K4fjJDNRo
暗夜煙幕内。神通の飛ばした夜偵をもうひとつの目として慎重に航行する。

「……! 敵艦隊発見です!」

夜偵からの通信に神通は一瞬息を飲んだ。

「あれは、戦艦棲姫……! こちらに向かってきます!」

「迎撃します、雪風に続いてください!」

闇の中とはいえ、広い海の上。隠れる場所などない。即座に交戦の判断を下す。

かすかな光の中でも浮かび上がる特徴的艤装の影。

「今度こそ沈めてあげるわ……」

戦艦棲姫は全砲門を雪風に向け、斉射。

「沈むわけには行きません!」

ドウ、と轟音とともに水柱が盛大に上がる。だが、雪風は着弾点より更に先に進んでいた。

身体をひねり、魚雷を海面に発射しながら更に接近。戦艦棲姫も副砲で牽制をかけるが照準が追いつかない。

「この程度の魚雷で……!」

「油断大敵、次発装填済みです!」

再度の発射。更にばら撒かれる魚雷。

「くっ、回避を……!!」

「捕捉済みです!」

水面を蹴り、雪風が飛び上がる。その右手には53cm艦首酸素魚雷。

雪風の投げつけたその魚雷は過たず戦艦棲姫に直撃し、先に発射した魚雷ともども大爆発を起こした。

着水し、残心。轟沈していくさまを確認する。

「……敵艦、撃沈です。神通さん、残敵は?」

「姫の撃沈により、混乱をきたしています。こちらで片付けますので第一艦隊に連絡をお願いします。あと……」

「?」

「強くなりましたね。二水戦旗艦として、誇りに思います」

「あ、ありがとうございます!」

「でも気を抜いてはいけませんよ。敵はまだまだいますから」

「はい!」

161: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/18(月) 23:05:54.86 ID:K4fjJDNRo
暗闇を抜けると、そこには空母棲姫率いる機動艦隊と戦艦水鬼率いる精鋭の水上打撃部隊。

対するは精鋭の水雷戦隊を前衛に置き、大和型を主軸とした連合艦隊。

まさに連合艦隊同士の決戦といった様相である。

「全く、大した歓迎だ」

「このぐらい来なければ手応えがないというものだ」

敵陣容に怯むことなく、ポキポキと指を鳴らす武蔵と長門。

近づくにつれ、深海棲艦の威圧が増す。並大抵の人や艦娘ならその空気だけで腰を抜かして動けなくなり死を待つだけとなるだろう。

「忌々しいガラクタどもめ……!」

「火の塊となって沈んでしまえ……!」

だが今更ここで尻尾を巻いて逃げ出すものはない。

「……よし、第一、第二艦隊、対空砲火準備用意!」

各々空に向けて射角を取る。遠くの空から白い飛翔物体が見えてくる。

「千代田、出し惜しみは無しだ! 艦上戦闘鬼烈風、全機発艦!」

「了解よ!」

隼鷹が巻物を広げ式神を飛ばせば、千代田はカラクリ箱を全開にし中の艦載機を次々と空に放り上げる。

交錯する緑の翼と白き獣。空中では恐るべきドッグファイトが繰り広げられている。

「よーっし、上は抑えた! あとはあいつ等だけど……」

その時、提督から通信が入る。

『一発でかいの行くぜ! その隙に切り込めぃ!!』

『こちら支援艦隊旗艦翔鶴、支援攻撃いきます!』

敵前衛部隊に襲い掛かる砲火の嵐。水柱に混ざり爆炎が上る。

「よし、全艦隊突撃ぃ! ヒャッハー!!」

162: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/18(月) 23:06:39.90 ID:K4fjJDNRo
鬼・姫クラスは巨大な艤装を装備しているが、見た目と裏腹に動作は機敏である。戦艦の砲弾の雨の中でも狙いをつけさせない。

当たったとしてもその装甲は量産型の深海棲艦の比ではない。

「ちっ、一式でもバイタルパートに至らないか」

武蔵の放った一射。戦艦水鬼に直撃すると思われたが、巨大な拳で弾を粉砕した。指が少し焼け焦げたがその程度である。

「まずは敵の手数を減らしましょう」

大和が狙うはル級の改。46cm三連装砲の斉射を浴び、大きくよろめく。

「……そこっ!!」

間髪いれず追撃を叩き込み、戦艦を水底へ返す。長門とビスマルクもヲ級に狙いを定め、次々と沈めていく。

前衛の艦隊は第二艦隊と交戦中。だが、数の不利をものともせず、大和たちと渡り合う。

「ぐっ……敵艦隊もなかなかやるな……!」

戦艦水鬼の一撃に艤装を半分吹っ飛ばされる長門。

「大丈夫!?」

「あ、あぁ。致命傷ではないが……大和が吹っ飛ぶのも頷ける威力だな」

それを見て煙幕を張りながら撤退していく戦艦水鬼達。

「だが向こうのダメージも小さくないようだ」

戦艦水鬼の腕にはいくつもの着弾の痕。空母棲姫の艤装も少なからぬ損傷を受けている。

ここで逃せば再び体勢を立て直して戻ってくるだろう。泥沼の戦いである。

「あとは雪風たちの仕事だね」

艦載機を着艦させながら、隼鷹は無線を繋ぐ。

「第二艦隊各位、残敵を追撃、掃討だ! 逃すんじゃないよ!!」

「了解です! 砲雷撃戦、続行します!!」

163: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/18(月) 23:07:27.91 ID:K4fjJDNRo
闇に紛れて進む二つの影。その背後から強烈な光が差す。

「敵艦、発見しました!」

雪風の持つ探照灯が二隻の姿をくっきりと浮かび上がらせる。

「忌々しい……!!」

光源に向かって放たれる20インチ砲。轟音とともに光が消える。

「やったか……」

呟く戦艦水鬼。だが、その言葉を口に出した直後聞こえた言葉によってその思いを打ち消される。

「おっそーい!」

砲撃と同時に雪風はサーチライトを閉じ、島風と一緒に戦艦水鬼の懐まで飛び込んだのだ!

「行くよ、島風ちゃん!」

「任せて!」

二手に別れ、水鬼の腕に飛び乗り更に跳躍。艤装の二つの顔面目掛け魚雷をぶちまける!!

「GYAAAAAAAAAAAAAAA!!」

悶え苦しむ艤装。空母棲姫から引き離される。

空母棲姫は振り向くことなく進む。だが。

「夜偵、空母棲姫を捉えました」

「神通さん、足止めをお願い出来ますか?」

神通が頷くと同時に加速する妙高。夜偵の情報と熟練の見張妖精。闇の中でも迷うことなく目標に向かって突き進む。

後ろからの砲撃音。フレンドリーファイアを恐れぬ一見無謀とも思える乱射。だが、その弾道は空母棲姫の進路を的確に阻む。

「もう、降参してください!」

真後ろから聞こえる声。思わず振り向く空母棲姫。彼女が最後に見たものは、迷彩艤装の重巡洋艦と雷巡と見紛う数の数多の魚雷だった。

164: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/18(月) 23:08:04.19 ID:K4fjJDNRo
最後の足掻きとばかり暴れまわる戦艦水鬼。がむしゃらに振り回される拳に当たれば致命傷は免れ得ない。

そんな怪物と対峙するは白い服の重雷装巡洋艦二人。

「さて決めちゃいますか。大井っち、準備はいい?」

「えぇ、北上さん!」

言うや否や、互いの右手を繋ぎ、ぐるぐる回転し始める。速度が最高潮に達したその時、その手が離れ、大井が怪物の頭上を取る。

北上はその勢いのまま四肢に装備した魚雷を次々と放ち、大井も雨霰と魚雷を降らす。次々と爆発する魚雷。

全弾撃ち尽くした二人は砲を構える。北上は海面で、大井は空中で。

「ギッタギタにしてあげましょうか!」

「海の藻屑となりなさいな!」

着弾、大爆発。大井の宣言通り、戦艦水鬼は海の藻屑と消え去った。

165: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/18(月) 23:08:48.74 ID:K4fjJDNRo
次回予告!

「そういうわけで地中海まで打通できたよ!」
「ボンジョルノ! リットリオです!」

新たな戦力……!

「あれ、ローマが先に着てると思ったのですが」
「知らんぞ」

新たな難題……!

「かもです!」
「かもかも?」

新たなカモ……!


11th Operation of Western Final Episode ~ 地中海からの刺客!! ~

「ちょっと私のことは!?」
「多分出るよ、多分」

169: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/21(木) 22:38:27.88 ID:Jz7dONkfo
ぷかぷか丸改二。その舳先で提督は待っていた。艦娘が勝つ瞬間を。

遠くから響く轟音。程なくして空気が変わる。重苦しさは失せ、赤い空と黒い雲は青と白に変わる。

程なく入る無線。

『しれぇ、敵艦隊主力、撃滅しました!』

「よし、皆よくやった。残敵に注意し、帰投せよ」

無線を切る。そして周囲に誰もいないことを確認し、手を打ち合わせガッツポーズをとる。

「オラッシャァァァァァ!! 見たか猫吊るしめ! これが俺たちのチカラってやつよ!!」

「あなたの力じゃないでしょう」

後ろから冷や水を浴びせるが如き声。当の猫吊るしである。さっきまで影も形もなかったはずだが。

「まぁ、それはそうだがどっから出やがったこのストーカー紛い」

「あなたが呼べばいつでも来られる位置に」

「やっぱりストーカーじゃねーか!!」

170: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/21(木) 22:41:33.22 ID:Jz7dONkfo


11th Operation of Western Sea Final Episode ~ 地中海からの刺客!! ~


「そういうわけでステビア海の制海権を抑え、スエズ経由で地中海まで打通できました」

「これで交易も盛んになるか」

「それだけじゃないですよ」

そう言って意味深な笑みを浮かべる猫吊るし。

「どういうことだ?」

提督の疑問に返事をすることなく猫吊るしは緊急脱出用の救命艇に乗り込み、そのまま着水。モーターをフル回転させ、フルスピードで北に突っ走りだした。

「ちょっとイタリアいってきまーす」

という声を残して。

「……まぁ、ここからイタリアならだいぶかかるだろう。しばらくヤツの顔を見なくて済むなら清々するな」

ちょうど艦娘たちが入れ違いに戻ってくるのが見える。

「さ、リランカに戻って戦勝パーティーだ!」

171: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/21(木) 22:43:45.36 ID:Jz7dONkfo
リランカ島、臨時泊地。

埠頭には見慣れない少女が三人と、見慣れた顔が一つあった。

「おかえりー。遅かったね」

見慣れた顔は、そう、先ほど別れたばかりの猫吊るしだった。

「おかしいでしょ!? 何でお前がここにいるの!? イタリア行ったんじゃなかったの!?」

「イタリアへのポータルがないとは言ってないです」

「そーかいそーかいxxxxxx。で、何しにいったんだよ」

「まぁまぁその前に。新しい艦娘を紹介しますね」

猫吊るしが目を向けたほうには着物を着崩した黒髪の少女、あの二式大艇を軽々と持ち上げる明緑色の服を着た少女、
そして、いかにも色合いと艤装の形状からイタリアの戦艦と言わんばかりの栗毛の少女。

「雲龍型航空母艦、三番艦、葛城よ!」

「水上機母艦、秋津洲よ!」

「ボンジョルノ! ヴィットリオ・ヴェネト級戦艦二番艦、リットリオです!」

「雲龍型の三番艦や秋津洲は聞いたことがあるからいいとしてヴィットリオ……ヴェネト?」

聞きなれないクラス。猫吊るしがドヤ顔で付け足す。

「大戦中のイタリアの主力戦艦ですね。海上打通の成功と引き換えにイタリア政府に艦娘設計許可貰って建造したわけですよ」

はた、と何か気づいたかのようにきょときょと左右を見回すリットリオ。

「ん、どうした?」

「えぇ、妹のローマが先に来てるはずなんですが」

「姉妹艦なら同じような艤装・服装してるはずだよな。帰投時には見当たらなかったが」

「まだステビア海を彷徨ってるのかしら。あんまり大きな声では言えないけど私たち遠洋航海向きじゃないし……」

そこまで聞いて提督は頭を抱える。

「探せというのか……」

そんな提督の袖を引っ張る猫吊るし。

「ん、なんだよ」

「探しに行くならついでにアンズ環礁の泊地の再建邪魔してください。あとろ号とかまだ残ってましたよね」

「全く、新人育成に艦娘探しに任務の消化に……あぁもう、休む暇もありゃしない!!」

172: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/21(木) 22:45:41.68 ID:Jz7dONkfo
しばらく後。提督たちは再びステビア海に来ていた。

「通商破壊部隊をベーグル湾に、秋津洲と軽空母数隻をキス島に。後はローマの捜索か……」

アンズ環礁近辺。規模は小さいものの、深海棲艦の回遊が見られる。

「全く、泊地水鬼がまた復活してやがる」

護衛の駆逐の合間をワ級が行き交い、再建の準備を整えている。

「あんまり交戦したくはないんだよなぁ」

「遠くから補給艦を狙うのはどうでしょう?」

意見を具申するリットリオ。

「そうだな、空母で爆撃すれば邪魔できるだろう。葛城、初仕事いけるか?」

「まっかせて! 航空母艦葛城、出撃するわ!」

「戦艦リットリオ、抜錨します!」

「えっ、おい、ちょっと?」

提督が止めるより早く、リットリオも水面に降り立ち、葛城に続いていった。


葛城が式紙を取り付けた矢を飛ばすと矢は烈風と流星改となり、編隊を組んで泊地へ飛んでいった。

リットリオも主砲斉射の準備に入る。

「38cmスケールの砲で届くわきゃねーだろ? 超長射程の大和砲ならともかく」

ぶつくさ言いながら遠眼鏡で泊地の方を見やる。葛城の流星改がワ級に雷撃を叩き込み、烈風が泊地水鬼の艦載機を追い回す。

「よしよし。……だがいくつか逃したか」

直後、戦艦の主砲発射音。そして、逃げていた補給船に大穴が開き、轟沈する。

音の出所を見ると、砲口から煙を吐くリットリオの姿。

「えぇ? あの距離でも届くの……? イタリア艦半端ねぇな……」

173: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/21(木) 22:48:28.33 ID:Jz7dONkfo
更に先に進むと、ル級とにらみ合っている、リットリオによく似た艤装をつけた一人の少女がいた。

「……んん? あれがローマか?」

よく見ると他にも深海棲艦が見受けられる。程なくして始まる砲撃戦。

「あれじゃ多勢に無勢だ。葛城、リットリオ、出撃だ!」

言うより早く、リットリオはぷかぷか丸から飛び出していた。

「ローマ、待っててね!」

続けて葛城も着物を翻し、水面に飛び降りる。すぐさま艦載機を飛ばし、リットリオを追う。

背後からの奇襲は想定外だったらしく、敵陣はあっさり崩れた。艦隊旗艦と思しきル級は後ろの敵を確認した隙に、ローマに一撃を浴びせられて海の底送りとなった。


ぷかぷか丸船内。一通り補給と修理を済ませた後、改めて挨拶をする。

「ヴィットリオ・ヴェネト級戦艦四番艦、ローマです、よろしく。何? あまりジロジロ見ないでくださいね」

「……いや、何であんなところに? ポータルがあるならリランカまですぐだろ」

「目障りな爆撃機を沖に見つけて追いかけてたんだけど、見失った上に流されたのよ」

「爆撃機? ……あぁ泊地水鬼のか?」

「多分そうね。まぁ、姉さんたちと一緒に助けに来てくれたことは感謝するわ。Grazie」

「あ、あぁ。これからよろしくな」

174: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/21(木) 22:50:10.97 ID:Jz7dONkfo
リランカに戻ると、ビスマルクたち七人の艦娘が埠頭で待っていた。……七人? 今七人といったか?

ビスマルク、利根、筑摩、足柄、那智、隼鷹、そして夕雲型の制服を着た、おどおどした艦娘。確かに七人だ。

「新しい艦娘を見つけたというのか……!!」

「夕雲型駆逐艦、六番艦の高波です。あ、あの……頑張ります! ホントかもです!」

そう言ってぺこりと頭を下げる高波。

「ふふん、お帰りなさいアトミラール。私のこと、褒めてもいいのよ?」

ドヤ顔で胸を張るビスマルク。

「よくやったよくやった。ところでろ号」

その言葉に胸をそらしたままピシリ、と身体を硬直させる。

「8割だからあと1回か2回は行く必要があるな」

ビスマルクの代わりに答える那智。

「すまんが残り消化してきてくれ。そうしたら鎮守府戻って戦勝パーティーだ」

「了解だ。ほら行くぞビスマルク」

「ちょ、ちょっと待って艤装のアーム部分無理に引っ張らないであ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

後に残されるは提督と高波の二人のみ。

「……なんだか大変そうかも、です」

「まぁそのうち慣れるさ」

175: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/21(木) 22:52:31.40 ID:Jz7dONkfo
そして、大戦は終結し、日常へ回帰する。再び深海棲艦の活動が活発になったときのために、練度を上げ、資材を貯め、装備を調えるのだ。

鎮守府、執務室。

「この椅子に座るのも久方ぶりだな……」

「しれぇ、資料お持ちしました」

「ん、ありがと」

雪風から資料を受け取る。

「また新しい遠征か……よし、高波と秋津洲を送るか。他に送るのは……」

「了解しました!」

雪風に手早く指示を伝え、退室するのを見送る。

「さて、次に連中が湧くのはどこになるやら」

窓越しに海を見やる。穏やかな海。だが深海棲艦は神出鬼没。提督と艦娘の戦いはまだまだ終わらない……。


11th Operation of Western Sea ~~ The End ~~

179: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/22(金) 22:36:52.76 ID:mBxiBVSXo
――― 悲しい物語だぜ ―――

雲龍「新しい機体は、やっぱり昂るわね」

天城「烈風……眩しい翼……あっ、自分の艦載機なのに、見惚れちゃいました!」

葛城「そっかそっか、これが流星改ね。……んでもってこれが烈風……いいじゃない!」

提督「姉妹揃って艦載機好き過ぎだろ……」

葛城「私たち、前世じゃ艦載機飛ばすことなんてなかったんだから。空母なのによ?」

提督「それもそうか」

葛城「だからこういうの憧れだったのよねぇ」

~~~~~~

キス島沖。いつもの場所

葛城「敵発見っ! 全高射砲は……ちっ違う、回せー! 攻撃隊、直掩隊、発艦準備!」

提督「艦載機飛ばすより先に高角砲に手が伸びてるじゃねーか!!」

葛城「いや、ほら、つい癖で」

180: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/22(金) 22:38:29.62 ID:mBxiBVSXo
久々なので既出艦娘

DD
如月・長月/吹雪・叢雲/漣/響/白露・村雨・五月雨/朝潮・山雲/陽炎・時津風・磯風・舞風/朝霜・清霜/秋月/Z1

CL/CLT
由良/川内/夕張

CA/CAV
青葉/加古/三隈・熊野

CV/CVL
飛鷹/祥鳳/赤城/瑞鶴/葛城

BB/BBV
扶桑・山城/比叡

SS/SSV
U-511

Other
明石

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

182: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/22(金) 22:58:13.43 ID:mBxiBVSXo
【悲報】既出一覧に飛龍追加し忘れてた(>>78)

というわけで安価下

183: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/05/22(金) 23:28:47.13 ID:hEmj16S7O
秋津洲

187: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/25(月) 22:32:38.24 ID:RI9iPKmHo
――― はしより重いものはメソッド ―――

提督「秋津洲は水上機母艦なのか……」

秋津洲「そう、大型飛行艇の運用支援や、洋上補給のために建造された、飛行艇母艦!」

提督「とりあえず甲標的つけてキス島沖に」

秋津洲「甲標的母艦じゃないから装備できないかも」

提督「ええー。じゃあ大発載せて遠征に」

秋津洲「大艇ちゃんより重いもの持ったことないから大発とかは無理かもー」

提督「……」

~~~~~~

数日前

提督「これが二式大艇か……。なんか大型爆撃機を落としたとか言う逸話があるとかなんとかかんとか」

千歳「提督、物凄く嫌な予感がするのですが」

提督「たしか水上機母艦に積むんだったな。装備しようか」

千歳「え、でもこの大きさはちょっと」

提督「大丈夫大丈夫、鳳翔さんでも烈風とか積めるし」ドサッ

千歳「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」グシャリ

提督「あるぇー?」


この後千代田に脛を蹴られた。脚部艤装つきで。

~~~~~~

提督「重い軽いで言うなら二式大艇の方が重いだろオラッ!!」

秋津洲「無理なものは無理かもー!!」

188: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/25(月) 22:34:37.59 ID:RI9iPKmHo
秋津洲流戦闘航海術とはバトルシップでやってた戦艦ドリフトと同様のものだそうな

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

190: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/26(火) 05:17:57.86 ID:Kug7iIH/o
春雨了解ー

191: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/26(火) 22:46:19.73 ID:Kug7iIH/o
――― 危ないのはどっちだ ―――

ある日の昼下がり。鎮守府近くの警備任務からの帰途中。

春雨「あれ? あんなところに夕立姉さんが。危なくないですか?」

春雨が指差す先には背部艤装のみを付けた夕立。

村雨「あぁ、いつものアレね。春雨はアレ見るの確か初めてよね?」

春雨「?」

春雨が疑問に思っていると夕立からやや離れたところに深海棲艦が浮上する。駆逐イ級だ。

春雨「! 夕立姉さん、危ない!!」

春雨の叫びとイ級の砲撃はほぼ同時だった。

夕立のいたところに水柱が立つ。だが、水柱の中に夕立の姿は無い。

夕立「さぁ、素敵なパーティーしましょ?」

彼女は既にイ級の背後に回っていた。そして殴る蹴るの暴行を加えていく。

春雨「うわぁ……」

村雨「砲撃だけでなく近接格闘も取り入れるべきって提督の案で始まったんだけど……夕立はちょっとやりすぎかなーって気も……」

そうこうしているうちにイ級は海の藻屑と成り果てていた。

~~~~~~

鎮守府、埠頭。

白露「白露いっちばーん! ……あれ、村雨と春雨は?」

192: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/26(火) 22:47:22.93 ID:Kug7iIH/o
夕立改二みたいに春雨も毛先が違う色してるんだよなぁ

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

194: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/27(水) 06:54:23.70 ID:LGV2+ZDWo
朧了解ー

195: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/27(水) 22:21:58.51 ID:LGV2+ZDWo
――― 中破時限定 ―――

鎮守府近海の深海棲艦掃討をしていた頃の話。

朧「艦隊、戻りました……」

提督「中破か。まぁしょうがない。戻ってドックに……ん?」

朧「どうしたんですか?」

提督「太ももやふくらはぎにヒトデがついてるぞ」

朧「これはつけてるんです」

提督「何でだよ」

朧「これで傷口塞いでるんです。絆創膏みたいなものだから無闇にはがしたりしないでくださいね?」

提督「あ、あぁなるほど。じゃ、早くドックいってこい」

朧「はい。失礼します」


提督「……あれ吸血ヒトデだったりしない?」

196: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/27(水) 22:23:08.59 ID:LGV2+ZDWo
謎のヒトデ……

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

198: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/27(水) 22:54:32.59 ID:LGV2+ZDWo
矢矧了解ー

200: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/28(木) 22:51:06.96 ID:FYPx9tA2o
――― 日課 ―――

鎮守府、工廠。日課をこなせばいくばくかの資源がもらえるので全艦娘着任済みでもここに来ない日はない。

提督「今日もまたいつもの作業が始まる……」

矢矧「今日のデイリー任務は私に任せてみない?」

提督「ほう、じゃあ頼むぞ」


艦娘作業中……

矢矧「えーと、開発して、建造して……また開発して建造三回……」

提督「装備の改修は明石の領分だから矢矧はもうひとつの方やってくれ」

矢矧「もう一つというと……軍縮条約? 艦を二体解体って……私には無理! ……やるけど」

意を決して解体装置の前に立つ。解体装置、ぷらずまちゃんDrei。

解体時に螺子釘残さずバラされて霊と資材に還元される刺激が本体までフィードバックされる不具合を解消した最新式の解体装置である。

矢矧「それで……誰を解体するの?」

提督「さっき建造でできた駆逐で」

開発妖精から建造された艦娘のカードを受け取る。

矢矧「これをぷらずまちゃんの口に入れればいいのよね……」

恐る恐るぷらずまちゃんの口にカードを置き、手を引く。直後、ガコンと口が閉じて解体時独特の金属音が鳴った。

まもなく背部艤装から資材が排出され、妖精たちが手早く回収していった。

提督「おつかれさん」

矢矧「デイリー任務も、結構大変なのね……」

201: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/28(木) 22:54:44.78 ID:FYPx9tA2o
日果ではない

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

203: ◆jf7rnHhSH2 2015/05/28(木) 22:59:48.83 ID:FYPx9tA2o
千歳了解ー

204: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/01(月) 22:21:51.05 ID:zuusO7xho
――― メチルアルコールは酒ではない ―――

千歳「給油はいかが?」

提督「俺は船じゃねぇよ」

千歳「お酒ですよお酒」

提督「俺の酒癖悪いの分かってていってんのか」

千歳「そういえばそうでしたね」

提督「……酒で給油できるなら燃料の代わりに酒飲ませればOKなんじゃねーか? 隼鷹とか」

千歳「艤装に入れる油とお酒はまた別ですから」

提督「艤装と本体は実質一緒なんだろう?」

千歳「まぁそうですけどお酒じゃ艤装動きませんし」

提督「面倒なもんだな」

千歳「美味しいから飲みますけどね」

205: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/01(月) 22:23:25.06 ID:zuusO7xho
軽油は軽巡洋艦や軽自動車用の燃料ではないからね

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

210: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/01(月) 22:41:55.63 ID:zuusO7xho
暁了解ー

211: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/03(水) 20:03:47.80 ID:JwhT1mOJo
――― 補助輪 ―――

提督「これで暁も改二か」

暁「これで私も一人前のレディよね!」

提督「……」ジーッ

暁「司令官、そんなに見つめられると私……私っ……!」

提督「……なんか魚雷の装填数減ってねぇ?」

暁「三連装酸素魚雷にしたのよ! って私に見蕩れてたんじゃないの!?」

提督「あと靴についてたバルジかなんかが無くなったな」

暁「だいぶスマートになったでしょ?」

提督「妹三人は最初からつけてなかったが……まさかあれは浮きみたいなモンで自転車でいう補j」

暁「……」ポチッ

暁の左肩後ろの装置から強烈な光が提督の顔面に浴びせられる! 探照灯だ!!

提督「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛目が、目がぁぁぁぁぁ!!」

暁「ぷんすか!」

212: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/03(水) 20:14:09.34 ID:JwhT1mOJo
強い光を目に浴びせるのはとても危険なのでリアルではやらないようにね!

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

214: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/03(水) 20:39:40.83 ID:JwhT1mOJo
蒼龍了解ー

217: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/04(木) 22:21:49.23 ID:HmRxLYnvo
――― 量産不可 ―――

蒼龍「これで私も改二……これで、飛龍には負けません! 江草隊も彗星に機種転換して強化されましたし!」

提督「そうだな。ところで蒼龍よ」

蒼龍「なんでしょう?」

提督「遊休状態の彗星がざっと二十数機あるわけだが」

蒼龍「上位艦載機作るときに副産物として出てきますからね」

提督「そこでだ、蒼龍改二を量産して江草隊を次々と彗星に載せかえれば」

蒼龍「それはちょっと無理ですね……」

提督「何でだよ」

蒼龍「機種転換任務あるでしょう? アレで妖精に特殊な改造施すんですよ。基本的に自分の装備からは離れられないのでそのための措置ですね」

提督「ままならんもんだな……」

218: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/04(木) 23:06:04.71 ID:HmRxLYnvo
でも実際のところ九九江草でも役に立つので量産してる人は量産してるそうな

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

>>216
雪風も探照灯による目潰しで敵機撃墜とかしてたし(震え声)

220: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/04(木) 23:10:23.13 ID:HmRxLYnvo
球磨了解ー

224: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/08(月) 22:35:40.86 ID:x9z7THlro
――― 語尾に引き摺られる ―――

提督「球磨の髪は触り心地がいいなぁ」

球磨「なでなでしないで欲しいクマー、ぬいぐるみじゃないクマー……」

提督「そもそも何で語尾がクマなんだよ兎なキャラが語尾にウサとかつけるようなもんじゃねーかそういう鳴き声じゃないだろ」

球磨「そんなこと球磨に言われても困るクマ……」

提督「いっそ語尾を変えてみるか」

球磨「どこら辺がいっそ何だクマ……」

提督「『かも』とかどうだ?『ぽい』っぽくて女の子らしさが上がるのでは?」

球磨「……」

提督「……」

~~~~~~

『敵艦発見かもー』

『お手紙が届いてるかも』

『ゆとりの行動をするかも』

~~~~~~

提督「まるで秋津洲じゃん!」
球磨「まるで高波クマ!」

提督「……」

球磨「……」

提督「うん、やっぱなしで」

球磨「そもそも何でもう二人いる『かも』にしたクマ……」

225: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/08(月) 22:36:47.33 ID:x9z7THlro
軽巡改二誰になるんだろ……

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

227: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/08(月) 22:54:15.18 ID:x9z7THlro
あきつ丸了解ー

230: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/09(火) 22:34:30.82 ID:SiiuaNwpo
――― そういや出番がなかった ―――

鎮守府、執務室。第十一号作戦中の頃の話。

提督「ふー、これでリランカの制圧完了、と。書類片付けて向こうに引っ越すか。一時的だけど」

あきつ丸「提督殿!!」

提督「おおどうしたそんなに慌てて」

あきつ丸「遠征から帰ったら揚陸作戦があったと聞いたであります!」

提督「あったがもう終了したぞ」

あきつ丸「では自分の出番は」

提督「無いな」

あきつ丸「くっ、この日のためにシャベルの素振りをしてきたというのに!」

提督「お前の本来の武器じゃないだろ砲撃しろよ。というかそのシャベル、MIのときに使ってたのより新しくなってるな」

あきつ丸「ちょっと古くなってきてしまったのでちょっとそこの農園にあったのを拝借したであります」

提督「山雲のじゃねーか!!」

231: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/09(火) 22:38:36.77 ID:SiiuaNwpo
今回そこまで制空厳しくなかったしなぁ

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

233: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/09(火) 22:48:21.37 ID:SiiuaNwpo
大和了解ー

234: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/10(水) 22:40:26.82 ID:rCUHPDw1o
――― 大和の改二ってどうなるんだ ―――

提督「なぁ大和よ」

大和「提督、なんでしょう?」

提督「改二ってあるよな」

大和「えぇ」

提督「大体最期の出撃のときをモチーフにした感じの改装がなされるよな。夕立だったらソロモン海海戦だし飛龍や蒼龍はMIだ」

大和「死線に立つ事で限界を超えると聞きましたね」

提督「然るに大和、お前もう最期のときの装備じゃんどうなるんだよ。武蔵もだけど」

大和「それは……まぁその、多分計画のみあった超大和型みたいになるんじゃないでしょうか」

提督「超大和型というと51cm砲だよなぁ……夢があるなぁ……」

大和「51cm砲といえば……、この前みたいな無茶はもうしないでくださいね?」

提督「わかってるわかってる」

大和「……あら無線。……えっ、雪風ちゃんがさらわれた!?」

提督「おいちょっと51cm砲借りるぞ」

大和「嘘です。というかやっぱりダメじゃないですか」ペシ

提督「おうふ」

235: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/10(水) 22:41:46.70 ID:rCUHPDw1o
「傾斜復元しないと……注水を急いで!」ってメンタルモデル方式でない場合どこに注水すんの?

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

237: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/10(水) 22:47:41.21 ID:rCUHPDw1o
愛宕了解ー

241: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/11(木) 21:44:47.79 ID:ita60oyNo
――― 予測を外すのって辛いですね ―――

提督「六月に重巡の改二か……」

愛宕「あら、本当?」

提督「大本営からの資料だからまぁ間違いない。進水日が六月半ばの愛宕が一番ありそうな気がするので重点的に鍛えようと思う」

愛宕「久々に頑張っちゃおうかしら」


艦娘演習中……

愛宕「主砲、撃てぇー!!」

提督「やっぱ安定して強いなぁ」


艦娘通商破壊中……

愛宕「喰らいなさぁい!!」

ワ級「ウボァー」

提督「よしよし、いい感じだ」


~~~~~~

提督「これで練度70、まぁ大丈夫だろう」

愛宕「摩耶ちゃんは75だったわよ?」

提督「あいつ改が18だし……」

雪風「しれぇ、大本営から通信が入っています」

提督「へいへいどれどれ……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

愛宕「どうしたの?」

提督「……【第六戦隊の一員として、緒戦及びソロモン海の夜戦で活躍した】ある重巡洋艦のさらなる改装だとさ……」

愛宕「あら、残念……」

提督「衣笠と古鷹は済んだし青葉かなぁ、加古かなぁ……」


その後……

提督「これで青葉も練度70、慢心はない」

青葉「そうそう、大本営から連絡届いてますよ!」

提督「へいへいどれどれ……あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

青葉「【ソロモン海での夜戦、活躍の後その帰り途に没した重巡洋艦】……ありゃー……」


この後無茶苦茶加古育てた

242: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/11(木) 21:45:14.63 ID:ita60oyNo
――― 海水でぐっしょぐしょ ―――

大和「右脚部艤装に被弾、浸水。傾斜復元しないと……注水を急いで!」

艦において浸水して傾いたときに、浸水した部分と逆側に注水することによってバランスをとるダメージコントロールがある。

妖精「ほいほいさー」

つまり、浸水した分と同じぐらい注水すればバランスは保たれる。

大和「よし、反撃に転じます! 全主砲、撃てぇー!!」

だが……。


鎮守府、入渠ドック。

大和「~~~~っ、ふー……」

ドックにたどり着くなり手早く脚部艤装を脱ぐ大和。上下逆さにひっくり返すと海水がだばぁ、と流れる。

大和「こっちも洗って乾かさないといけませんね」

当然、靴下もぐしょ濡れである。

大和「仕方ないこととはいえ、なかなか慣れませんね……」

243: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/11(木) 21:45:43.47 ID:ita60oyNo
陽炎、抜錨します! だとちゃんと注水でバランスとってたな……

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

245: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/11(木) 22:18:07.39 ID:ita60oyNo
文月了解ー

247: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/12(金) 22:08:34.85 ID:6yPuUVSuo
――― とろける ―――

鎮守府、工廠内の一室。防音加工を施されている。そこには文月と彼女の声を録音する猫吊るしの姿。

猫吊「……よし、録音完了です。ご協力ありがとうございます」

文月「どういたしまして~。ところでそれ何に使うの?」

猫吊「知りたいですか?」

文月「うんうん」

猫吊「じゃあちょっと移動しましょうか」


鎮守府、執務室。ドアノブには「昼寝中。濫りに起こすな」とかかれた札がかけてある。

猫吊(では起こさないようそーっと入りますよ)

文月(いいのかなぁ)

猫吊(ではこのヘッドホンを……)


椅子にもたれかかり安らかに昼寝している提督に手早く装着。


文月(あたしの声を聞かせるの~?)

猫吊(あなたの声にはリラックス効果があるんですよ)

文月(へ~)

猫吊(再生、と。これで連日お疲れの提督も手早く疲労回復するでしょう)

文月(よかったぁ)

猫吊(さ、出ましょう)


しばらく後……

雪風「しれぇ、そろそろ午後の仕事を……」

提督「」ドロドロドロ

雪風「しれぇ!? しれぇぇぇぇぇ!?」

248: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/12(金) 22:16:08.46 ID:6yPuUVSuo
びしょびしょの脚部艤装で何するつもりなんですかね……

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

251: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/12(金) 22:39:38.69 ID:6yPuUVSuo
足柄了解ー

253: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/15(月) 22:21:48.73 ID:2Bmd9HL5o
――― 問:第五戦隊任務に入れなくて構わない妙高型重巡洋艦は ―――

提督「毎月恒例の沖ノ島沖第五戦隊任務の時期だなぁ。妙高型姉妹と利根姉妹の出番だ」

足柄「私たちの出番ね。戦場が、勝利が、私を呼んでいるわ!」

提督「そういや重巡改二が近いんだよなぁ。一人入れ替えるか……?」

足柄「」ビクッ


足柄(まずいわ、利根たちはドラム缶のために固定、そして第五戦隊の構成的に抜けるのは私……。それだけはダメ! 私が抜けるなんて絶対嫌!!)


提督「どう思う、足柄?」

足柄「あ、そ、そうねあの任務は途中夜戦も行うし敵主力を撃滅しないと達成にならないしそれに装備取り替えるの面倒でしょういつものメンバーで行くのがいいと思うわ」

提督「そうだな、いつものメンバーで行くか」

足柄(ほっ)

提督「というか第五戦隊の構成忘れちゃったからなぁ。いつものメンバー内だってことは確かなんだが」

足柄(ええー……)

254: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/15(月) 22:30:05.15 ID:2Bmd9HL5o
もう一つの2-5マンスリー任務の重巡枠は別に足柄でなくてもいいのだ

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

256: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/15(月) 22:44:37.79 ID:2Bmd9HL5o
初霜了解ー

257: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/16(火) 22:09:32.70 ID:xkDxF8Sqo
――― 実は結構期待してた ―――

1月ごろの話

提督「……ほほう、『矢矧達最後の二水戦と共に奮戦し、多くの仲間を助けて生還した、ある駆逐艦のさらなる改装』か……あと那智。つまりは」

雪風「雪風か……」

初霜「私ですね」

提督「どっちも練度は十分だから問題ないがこれだけではどっちかわからんのよなぁ。追加情報待ちだな」


数日後……


雪風「しれぇ、通信が届いています!」

提督「続報来たか……『坊ノ岬沖海戦において矢矧率いる最後の二水戦と共に以下略』その戦いなのは知ってるよxxxx!!」


更に数日後……


初霜「提督に、ご連絡があるみたい」

提督「来たか続報……『坊ノ岬沖海戦で大和、そして矢矧たち最』だから他の情報をよぉ!?」


当日

初霜「これはすごいわ!」

雪風「初霜ちゃんでしたね! おめでとうです! ……しれぇ? どうしたんですか微妙な顔して」

提督「いや雪風改二、ちーっとは期待してたんだよ」

初霜「その、ごめんなさい提督……」

提督「いやいや初霜が悪いわけじゃないから謝られても」

258: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/16(火) 22:10:24.51 ID:xkDxF8Sqo
丹陽まだですかね

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

260: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/16(火) 22:36:12.69 ID:xkDxF8Sqo
リットリオ了解ー

なおこの後イタリアでとっても重複扱いになります

262: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/17(水) 22:26:29.05 ID:IHgcB7YAo
――― 不自然かと思ったらそうでもない ―――

イタリア「ヴィットリオ・ヴェネト級戦艦二番艦、リットリオ改め、イタリアです。よろしくお願いしますね」

提督「うーむ……」

イタリア「どうかしましたか、提督?」

提督「国名や都市名そのままつけちゃうのってどうなのかなぁって」

イタリア「それを言ったら大和や扶桑は日本のことですし、武蔵や山城もローマと同じような名づけですよ」

提督「昔の呼び方だしなぁ」

イタリア「まだ艦娘にはなってはいませんが海防艦に『沖縄』というのがあるじゃないですか」

提督「うぐっ……そうだな……そうだな」

263: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/17(水) 22:27:23.53 ID:IHgcB7YAo
海外艦、皆日本語流暢よなぁ。勉強してきたんだろうか

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

265: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/17(水) 22:42:39.32 ID:IHgcB7YAo
巻雲了解ー

267: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/18(木) 22:10:34.33 ID:+PSq7T9qo
――― 年上に見えない問題 ―――

提督「夕雲型も増えたよなぁ。ネームシップの夕雲を筆頭に、巻雲、長波、早霜、清霜、朝霜……」

巻雲「巻雲の妹もだいぶ増えましたね、司令官さま」

提督「……ん? 巻雲は末子では?」

巻雲「えっ」

提督「末っ子」

巻雲「次女です! 二番艦ですよ!! 何で二番目に挙げたのに末っ子なんですか!?」」

提督「え、だって着任順だし、長波や朝霜や早霜より見た目年上に見えないし」

巻雲「むー……あっ、清霜とならどうですか!!」

提督「……うーん、清霜の方が年上に見えるな」

巻雲「もー! 司令官さまのばかぁ!」ベフッベフッ


~~~~~~

後日……


提督「高波も夕雲型か……」

巻雲「あっ、さすがに高波よりはお姉さんに」

提督「見えない」

巻雲「う゛ー!」ベフッベフッ

268: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/18(木) 22:12:18.47 ID:+PSq7T9qo
やはり袖余りが幼く見える理由なのだろうか

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

271: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/18(木) 22:26:41.05 ID:+PSq7T9qo
舞風了解ー

275: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/19(金) 22:33:52.91 ID:BaS/DW05o
――― AGPのあれ ―――

提督「ほー、榛名の艤装がこんなに……」

榛名「提督、お呼びになりましたか?」

提督「おお、榛名か。ほれ、この資料。別世界線の榛名の話らしいが艤装の側面部が巨大な手になるギミックが仕込まれてて格好いい」

榛名「うーん……。榛名にはちょっと難しいですね」

提督「まぁ出来なくても問題あるまい」

榛名「この資料、借りていってもよろしいでしょうか?」

提督「一通り目を通したし構わんよ」

榛名「ありがとうございます!」


後日……

榛名「提督! 見ていただけますか?」

提督「何をだ?」

榛名「榛名、明石さんの協力を得てあの艤装を完全再現しました!」ガッショガッショ

明石「いやぁ、指の関節部分は苦労しましたねぇ」

提督「マジで。というか大丈夫なのか榛名」

榛名「はい、榛名は大丈夫です!!」

提督「マジか……」

276: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/19(金) 22:43:30.48 ID:BaS/DW05o
金剛のは盾になるそうだし霧島や比叡にもなんかギミック搭載されるのかね

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

279: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/20(土) 06:32:26.03 ID:ZuP+oUfYo
阿武隈了解ー

>>278
そういうギミック仕込んだフィギュアがあるそうな

281: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/22(月) 22:01:58.05 ID:RiJl8GJSo
――― お気に入り ―――

鎮守府、執務室。提督はたまにオリジナルな掛け軸を作るため書道することがある。なおあまり上手くない。

提督「さて、どうするかな。死と虚無の王とかがいいかな」

阿武隈「ねぇ、提督」

提督「なんだ、いい案でもあるのか?」

阿武隈「あたしの名前、漢字で書けます?」

提督「このタイミングで訊くとはな……よし書いてやろうじゃないか。よいしょ」

阿武隈「……何で半紙を横向きに?」

提督「……」サラサラ

阿武隈「あ、あの」

提督「よし出来た」


>A Bookmark< テテーン


阿武隈「ぜんぜん違う、とかそれ以前に漢字で、って言ったじゃない! 提督のバカぁ!」ポカポカ

提督「軽いジョークだ、って単装砲出すな痛い痛い」

282: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/22(月) 22:03:15.15 ID:RiJl8GJSo
陽炎抜錨します5巻の阿武隈はとても格好良いです

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

284: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/22(月) 22:12:43.42 ID:RiJl8GJSo
浜風了解ー

286: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/23(火) 22:36:43.51 ID:124Y2Q2Mo
――― 前髪長いよね ―――

提督「浜風さぁ」

浜風「なんでしょうか、提督?」

提督「髪で視線遮られたりしないの? 傍目見えづらそうな気がするんだけど」

浜風「大丈夫ですよ。それに髪留めで視界確保してますし」

提督「左目分しか確保してないじゃないか」

浜風「照準定めるときは片目の方がやりやすいんですよ」

提督「ふーん……」

ヒョイ

浜風「あっ、ちょっと提督!? 髪留めとらないでください!?」

提督「戦闘中はずれたらまずくね?」

浜風「取ってから言わないでくださいよ!? 返してください」

提督「鬼さんこちら手のなるほうへー」

浜風「あぁもう髪が邪魔……」


こんな風になんやかんやしてたら雪風に怒られました。とっぴんぱらりのぷう。

289: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/24(水) 05:43:42.16 ID:sQUoYMzOo
利根了解ー

290: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/24(水) 22:05:33.68 ID:sQUoYMzOo
――― 改二は積極的に最前線で戦うことになる ―――

提督「さて、月も跨いだ事だし」

利根「我輩と筑摩の出番じゃな?」

提督「そうだ。ほれ、ドラム缶持って」

利根「沖ノ島沖じゃな」

提督「妙高姉妹とともに出撃だ!!」


艦娘戦闘中……


利根「当然の勝利じゃ」

提督「よっしゃ、ドラム缶を整備員ととっかえて今度は北方だ」

利根「北方棲姫はなんとかせんのか?」

提督「潰しても潰しても生えてくるし放置だ放置」

利根「では、出撃じゃな!」


艦娘奮闘中……


利根「ぬぅ、吾輩もちと疲れたぞ……しばらく寝る!」

提督「そうもいかん。南方海域が残っている」

利根「我輩たちでなくとも最上たちが居るじゃろ?」

提督「敵の勢力強いからなぁ。やはりここは練度が高くて頼りになる利根たちに任せたいんだよ」

利根「なら仕方ないのぅ」


艦娘激闘中……


利根「ぜー、ぜー……これで今月の分は終了じゃな……」

提督「あぁ、それなんだがなんかリランカに港湾棲姫が生えてきたから三式弾積んだ巡洋艦で屠るべしとか言う指令書が届いてだな」

利根(くらっ)バタリ

提督「まぁ面倒だし別にやる気は、って倒れてるー!?」

291: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/24(水) 22:32:27.34 ID:sQUoYMzOo
ふと気がつくとbob改二艦娘をマンスリー任務で物凄く使い倒していた

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

293: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/24(水) 22:43:15.04 ID:sQUoYMzOo
天津風了解ー

294: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/25(木) 22:58:49.17 ID:V/5n2xCCo
――― 燃焼の結果……のはず ―――

提督「なぁ、天津風よ」

天津風「何かしら?」

提督「頭頂部のそれ、煙突だよな。普通に煙出るし」

天津風「えぇ、そうよ」

提督「いったい何燃やしてんだよ。吹雪型とかなら背部艤装で燃料燃やしてどうこうってわかるけど天津風の場合魚雷しかないじゃん」

天津風「あぁ、これね。この煙突、ここのガーダーに繋がってるのよ」

とんとん、とふとももの金属部分を指差す。

天津風「航行で燃焼したぶんを排出するってわけ」

提督「なるほ……ど……?」

天津風「まだ何か?」

提督「ってことはこのバンド、服の下スーッと通って煙突まで繋がってるのかよ。謎いデザインだな」

天津風「こうなってるものはこうなってるんだからしょうがないでしょ!?」

295: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/25(木) 22:59:27.32 ID:V/5n2xCCo
煙突とガーダーつないでるバンド、透けて見えるんだよねぇ

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

299: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/26(金) 05:51:14.42 ID:BAw826qJo
しおい了解ー

300: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/26(金) 21:57:04.76 ID:BAw826qJo
――― スエズ運河行くと思っていた ―――

第十一号作戦の頃の話

提督「そうか……リランカ攻略した後ヨーロッパ方面への打通作戦するのか……。こりゃ最終決戦は運河かな……?」

しおい「えっ、運河いくんですか!?」

提督「いくんじゃないかなー。運河行かなかったら大陸大回りしなきゃいけないからなぁ」

しおい「いいですよねー、運河。楽しみー」


提督作戦攻略中……


しおい「ろーちゃんが泊地攻略した、って話してたしそろそろ私の出番かな。提督のところ行ってみよっと」


リランカ臨時泊地執務室。

しおい(提督と猫吊るしさんがなんか話してる。ちょっと聞き耳立てちゃお)

~~~~~~

猫吊「泊地水鬼に打撃を与えたことで敵主力がステビア海まで出張ってきましたね。いよいよ最終決戦です」

提督「これで最終か……運河はどうすんだ?」

猫吊「まぁ向こうも向こうで水際でナントカしてたんで何とか守られてますよ」

提督「じゃあ別に行かないのか」

猫吊「そうですね。挟み撃ちにされて頓死するのを避けるために広いステビア海を決戦のバトルフィールドにしてるわけですし」

~~~~~~

しおい(えっ、運河行かない……? 嘘……!?)

提督「よしブリーフィングしに行くか、ってうぉっ、しおいどうしたこんなところで」

しおい「」マグロメ

提督「おい、しおい、しおい!?」

301: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/26(金) 21:58:43.19 ID:BAw826qJo
6-3において攻略上ちとちよのほうが明らかに優秀だった時の秋津洲の顔にそっくりでした

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

303: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/26(金) 22:36:36.71 ID:BAw826qJo
伊勢了解ー

305: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/29(月) 22:37:28.73 ID:qWMSRVDSo
――― 装備更新の確実化はとてもコストが高い ―――

提督「ほほー、21号電探が改修できるようになったのか……」

伊勢「私と日向の担当ね」

提督「これで大量に余っていた21号電探の在庫処分ができる。100個の21号より21号改+10を1個の方が役に立つのだ」

伊勢「改は大和さんたちの担当だからそれは忘れないでね?」

提督「まぁまずは改を作らねばな。千里の道も一歩からってヤツだ」


数週間後……


伊勢「提督、21号改完成しましたよ!」

提督「……今気づいたんだが」

伊勢「何?」

提督「めっちゃネジ消費するのな……特に確実化した場合……」

伊勢「残りいくつだっけ」

提督「30個超えてたのが2個にまで減ってる……」

伊勢「うわぁ」

提督「しばらく1個消費のだけにしよう……改+10はまた今度だ……」

伊勢「諦めてはいないのね……」

306: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/29(月) 22:38:17.66 ID:qWMSRVDSo
日向は瑞雲狂といわれているが伊勢もカタパルトがないとダメになるっぽい

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

310: ◆jf7rnHhSH2 2015/06/30(火) 05:52:11.39 ID:/JY3h3RMo
衣笠了解ー

311: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/01(水) 22:18:38.27 ID:hTnwRNspo
――― 練度より装備 ―――

衣笠「提督、艦隊練度表見てたんだけど……」

提督「うん」

衣笠「私、いつの間にか重巡のなかで下から数えたほうが早くなってない!?」

提督「改二実装が相次いだし、青葉か加古かわからないから70にしたしなぁ」

衣笠「初の改二だったのもいまや昔……うぅ」

提督「それに最近なんか猫吊るしからバフ受けただろ」

衣笠「それはそうだけど……3号砲のために別の私育てる分の経験合わせたら練度99ぐらいいかないかなぁ」

提督「冗談抜きで行きそうなんだよなぁ……」

315: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/02(木) 05:54:35.36 ID:pCcr+5mAo
満潮了解ー そういえば瑞の海、鳳の空2巻出ましたね

316: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/06(月) 22:48:41.56 ID:y/p+aRhvo
――― 人の頭をむやみになでてはいけない ―――

提督「ふむ、最近ナデポとか言うのが流行っているらしいな」

ナデポ。要するに頭を撫でて仲がよくなるとかそういうアレである。

提督「ツンケンしている子もこれで態度を和らげるかもしれん。何か減るもんじゃないし早速やってみよう」


~~~~~~


提督「おーい、満潮ー。ちょっとこっち来てくれ」

満潮「何よ?」

提督「」ナデナデ

満潮「……なにそれ、意味分かんない」

提督(撫で方が足りないのか?)ナデナデ

満潮「……で、なに?」

提督(もうちょっと撫でてみよう)ナデナデナデナデ

満潮「……うざいのよ!!」

そう言うと満潮は提督の腕を掴み、270度ほどねじった。

提督「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ちぎれるちぎれるぅぅ!!」

317: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/06(月) 22:49:33.46 ID:y/p+aRhvo
提督の右腕の耐久力が大幅に減りました。とっぴんぱらりのぷぅ

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

319: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/06(月) 22:53:01.83 ID:y/p+aRhvo
白雪了解ー

321: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/07(火) 22:32:24.32 ID:2cXJCpd/o
鎮守府、執務室。提督の机の上にはいつも通り資料が山と積まれていた。だが、いつもと違うところが一つあった。

「今度は偵察作戦ねぇ……」

書類の一番上に載った紙を取り上げる。それは新たな作戦指令書。

作戦名は――

「K作戦、か……」


泣き虫雪風と釣り人提督 6-3 Operation K


「史実では二式大艇を使った偵察作戦だったらしいな……」

「大艇ちゃんが活躍するかも!?」

二式大艇という単語に反応して勢いよく執務室に飛び込んできた艦娘、秋津洲。この鎮守府で唯一、二式大艇を扱える艦娘である。

「次の作戦、この秋津洲にお任せかも!」

「そうだな、有用そうなら艦隊に組み込むことも考慮に入れるか」

うきうきしている秋津洲をよそに、グアノ環礁沖海域の敵艦隊資料を捲る。

「1戦目、潜水艦……これはいい。2戦目、エリツ……? 駆逐が少ないとエリネとぶつかるのか……」

「ふんふふ~ん♪」

秋津洲は大艇ちゃんを手入れしている。

「うん、偵察後近くにいる駆逐棲姫沈めて来い……ってどういうことだよ!? 偵察じゃなかったのかよ!?」

「駆逐棲姫? 見たことないかも」

「そりゃ見たことないだろうよ。あいつが出たのは半年ほど前の1回だけだしその時お前はいなかった」

更に資料を読み進める。

「随伴艦は……フラタ2、フラリ1、後期ニが2。おいおい、水雷戦隊で挑む戦力じゃないぞこれ」

「戦艦がいるの? 手強いかも……」

その他情報にざっと目を通した後、資料を机に放る。他にたいしたことは書いてない。重要なのは航路と敵戦力である。

「秋津洲」

「はい!」

「第四艦隊が帰ってきたら千歳と交代、遠征よろしく」

「秋津洲、了解したかも!」

元気のいい返事。だが、はたと気づく。

「……えっ、ちょっと待って大艇ちゃんの偵察任務は!?」

「別に普通の水偵でいいみたいだし、ツ級に制空用の水上爆撃機落とされると辛い。せめて6機ぐらい積めればねぇ。それと」

「それと?」

「甲標的。駆逐ひとつ落とすだけでも戦況は変わる」

「私、甲標的母艦じゃないからそういうのは無理かもー!」

「つまりはそういうことだ。どっかで活躍の場があるさ、多分」

「うわぁん!」

322: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/07(火) 22:33:54.70 ID:2cXJCpd/o
鎮守府、工廠。

「えー、K作戦の艦隊は旗艦、雪風」

「はい!」

「で、随伴が神通、島風、夕立、綾波、そして水母千歳」

「あの、提督」

「何だ千歳」

「今回偵察任務ですよね?」

「そういうことになっている」

「でも、この編成って……精鋭もいいところですよね」

「うむ。我らが鎮守府でも屈指の水雷戦隊だな」

今回は偵察の要である水上機母艦を軸に、水雷戦隊を護衛として挑む作戦である。

「それに……私に探照灯?」

「夜戦用だ。夜偵は神通が飛ばす」

雪風と綾波は五連装酸素魚雷を装備している。

「綾波、念のため見張員つれてけ」

「了解です!」

「……あの、偵察ですよね?」

千歳が念押しと言わんばかりに訊ねる。

「そういうことになっている」

「明らかに『絶対殺す』といわんばかりの編成と装備って必要なんですか?」

「なんか偵察地点の近くに駆逐棲姫がタ級おともにうろついてるらしくてそれの排除も作戦に含むんだとさ」

「……偵察ってなんなんでしょうね」

「俺が訊きたいよ」

はぁ、と二人揃って溜息。敵主力の撃沈も作戦に含まれている。最早、強行偵察というレベルではない。

323: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/07(火) 22:34:58.42 ID:2cXJCpd/o
グアノ環礁沖海域。途中の潜水艦隊や水雷戦隊を蹴散らし、偵察を行っている。

「赤黒い霧……ここまで濃いなんて……」

試製晴嵐を飛ばし、妖精とリンクして偵察を行っている千歳が驚嘆の声を上げる。

大規模作戦の時を除けばここまで濃い霧が出ているのはAL海域ぐらいのものである。中部海域の敵本拠地に近づいているのだろう。

『偵察の調子はどうだ?』

「晴嵐でも厳しいですね……二式大艇くらい丈夫なら奥まで偵察できるかもしれませんが」

『まぁ無いものをねだっても仕方ない。敵主力はいたか?」

「ここから北東で哨戒してますね。事前の資料の通り、駆逐棲姫を中心とした水上打撃部隊です」

『……よし、千歳の晴嵐が戻り次第、全艦突撃。駆逐棲姫を討ち果たせ!』


~~~~~~


口で「倒せ」と言うのは簡単である。だが、実際の戦闘はそうもいかない。

そもそも水雷戦隊の砲撃戦で戦艦を倒すというのが無茶振りなのだ。駆逐棲姫も艦種こそ駆逐艦なものの、そこらの戦艦を凌駕する装甲と耐久を持つ。

つまりは夜戦に賭けるしかないが、それも昼間の猛攻を凌いだ上で、である。

『雪風、状況報告!』

「千歳さん大破、神通さんと夕立ちゃん中破、雪風小破、敵艦は駆逐撃沈で残存5です!」

「あの、提督」

雪風の報告に千歳が割り込む。

『どうした?』

「敵の攻撃で探照灯が壊れてしまったようです……」

『仕方ない。あるだけの札で勝負するしかない。千歳は下がって水雷戦隊で決着をつける!』

324: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/07(火) 22:36:33.29 ID:2cXJCpd/o
夜戦はいわば至近距離でのガチの殴り合い。敵残存戦力が少なければ数に任せて一方的に叩きのめすだけだが、同等数いる場合話は別である。

随伴艦が守りを固め、本命である駆逐棲姫への攻撃を許さない。

雪風の必殺の魚雷はニ級を盾に防がれ、駆逐棲姫の反撃で島風が大破させられる。

「こちらが交戦したタ級、撃沈しました」

神通からの報告。中破してなお戦艦を屠るだけの火力。

(後は無傷の綾波が姫を狙えば……)

神通が飛ばした夜偵からの通信映像を見ながら黙考する提督。だが。

「……っ!」

もう一隻のタ級が綾波に砲撃を浴びせる。

「まっ……まだ、戦える、はずです……!」

大破こそ免れたものの、決して浅くはないダメージ。追撃を狙うタ級。そこに夕立が飛び込む。

「綾波ちゃん、ここは夕立に任せて! 早く追わなきゃ逃げられるっぽい!」

「はい!」

リ級を護衛に、戦闘海域から離脱し始める駆逐棲姫。主砲が捻じ曲がっている以上、この距離から砲撃で倒すことは不可能。

ならば、接近して撃滅するより他に無し。

(……機関は、何とかいけそうですね)

狙うは大将首ただ一つ。マストに載せた見張員が駆逐棲姫の行く先を指し示す。

「方位三六○、機関一杯です!」

速度を目一杯上げる。リ級が立ちはだかり砲撃を仕掛けてくるが狙いをつけさせない。

両者の距離がどんどん縮まる。あわや正面衝突する直前、綾波は水面を蹴って飛び上がり、更にリ級を踏み台にして更に高く飛び上がった。

眼下には駆逐棲姫。両太ももに装着した五連装の酸素魚雷管に触れる。

「角度よし、深度調定よし……ってーっ!!」

降り注ぐ魚雷。しかし、全て駆逐棲姫から左右にずれた場所に沈む。姫は目で追って自分に向かっていないことを確認する。

325: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/07(火) 22:42:17.45 ID:2cXJCpd/o
その後頭部に、硬いものをぶつけたかのごとき衝撃が伝わった。

それは落ちてきた綾波が振り下ろした主砲であった。帽子のような装甲の上から伝わる衝撃。一瞬の意識の喪失。

その隙は、綾波に二撃目を与えるに十分な隙であった。着地の勢いを使ったボディチェック。その体当たりは駆逐棲姫のバランスを崩し、転倒させた。

急いで体を起こす駆逐棲姫。だが、遅すぎた。


大爆発。沈んだ後浮上してきた酸素魚雷を避けることはかなわなかった。

駆逐棲姫の撃沈を見たリ級はなすすべなく撤退していく。

『や、やったのか……?』

「司令官さん、やりましたー!」

綾波の歓声。

「しれぇ、任務達成しました! これより帰投します!」

『あ、あぁ。お疲れ様。気をつけて帰って来い』


通信を切り、一息つく。

「綾波、魚雷と見張員載せて夜戦特化にしたとはいえ、思った以上にやってくれたなぁ……」

326: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/07(火) 22:44:21.94 ID:2cXJCpd/o
後日

「私も活躍したいかもー!」

秋津洲が二式大艇片手に提督に訴える。

「大体なー、その二式大艇が爆装や雷装してるならともかくなぁ、対潜・触接補助だけじゃ……ん、待てよ」

「?」

「そうかその手があったか! これなら活躍できるかも!」

「あっ、それ私の口癖! とらないでー!」


北方海域、アルフォンシーノ方面

「さぁ、やるわ! 第六○一航空隊、発艦始め!」

「よし、第一次攻撃隊、発艦始め」

「天城航空隊、お……お願いします!」

「稼働全艦載機、発艦はじめっ!」

空母から放たれる艦載機の群れが敵艦隊を蹂躙する。それを援護するは秋津洲の二式大艇。

「大艇ちゃん、いっけー!!」

二式大艇は触接の成功率を大幅上昇させるという。艦載機で先手を取って敵艦隊を壊滅させる戦法において、その効果はとても有用である。

残敵も戦艦が先手を取って沈めるため、艦隊の被害は最小限に抑えられる。

「やっぱり後方支援ならバッチリかも! ね、大艇ちゃん!」

適材適所である。

327: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/07(火) 22:46:10.46 ID:2cXJCpd/o
K作戦、何で敵主力倒さなきゃならないんでしょうね……

白雪小ネタはまた別の日にやります

330: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/08(水) 22:47:31.93 ID:6Ywysmhbo
――― 19世紀末ごろには渦巻き型蚊取り線香は既に実用化されていた ―――

提督「あぢーなー……蚊だ。よっと」パチン

白雪「ううん……この季節、飛び交う虫は苦手です」

提督「そうだなー」

白雪「ぐるぐる型のお香を焚きましょ! 白雪にお任せください! 一網打尽です!」

提督「そんなの使わなくとも、てい」ポチッ

白雪「電気蚊取りだなんて風情がないですよ、司令官……」

333: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/09(木) 05:48:30.33 ID:o5hTkDDMo
神通了解ー

334: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/10(金) 22:34:46.04 ID:0ZkSl8Ypo
――― 武士の命 ―――

神通「提督」

提督「何じゃらほい」

神通「姉さんは魚雷をクナイのように逆手に持ってますよね」

提督「忍者みがあるな」

神通「那珂は高角砲をマイクのように握ってますよね」

提督「アイドルみがあるな」

神通「そんなわけで私も明石さんの協力のもと、作ってみました」

そう言って彼女がとり出したるは魚雷。だが川内型が標準で装填してるものの二倍から三倍の長さがある。

提督「なんだよこれ。これで敵艦を撲殺するつもりか」

神通「近いですがちょっと違いますね」

神通が魚雷の根元部分を引っ張ると中から刃が現れる。

提督「仕込み杖ならぬ仕込み魚雷かよ……」

神通「砲が折れ、魚雷が尽きてもこれで最後まで戦えます」

提督「物騒だなオイ」

神通「戦とはそういうものです」


なお、バランスの問題などがあることが判明したため使用されなくなった。

335: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/10(金) 22:37:17.20 ID:0ZkSl8Ypo
魚雷管の場所が刀っぽく感じる

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

337: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/10(金) 22:55:23.12 ID:0ZkSl8Ypo
瑞鳳了解ー

338: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/13(月) 22:37:20.55 ID:axTClY4Do
――― 最初に思いついたの誰だよ ―――

瑞鳳「私の作った玉子焼き、食べるぅ?」

提督「食うが……鶏の卵だよな?」

瑞鳳「そうだけど……ウズラとかダメなの?」

提督「……この資料を見ればわかる」

瑞鳳「?」


提督が差し出した資料。空母艦娘についての資料らしい。

ぱらり、とページを捲る。そこにある文字列を認識した瞬間、瑞鳳の身体は固まった。


瑞鳳「な、に……これ……」


一番目の大見出しが「空母は卵生」とか書いてあればそうなるのもむべなるかな。

瑞鳳「空母は卵産んだりしないよ!?」

提督「猫吊るし曰く、この世界での与太話は別世界の真実であるという。つまり産む世界線があるって事だ。怖いな」

瑞鳳「知りたくなかったぁ……」

提督「俺もだ」

339: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/13(月) 22:38:12.04 ID:axTClY4Do
2013年の7月までは遡れた

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

341: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/13(月) 22:48:12.77 ID:axTClY4Do
酒匂了解ー

344: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/14(火) 22:19:49.43 ID:VoL2pJRco
――― ご飯かライスかお米 ―――

酒匂「司令? お風呂にする? ご飯にする?それとも……さ か わ?」

提督「それはちょっとまずいだろ」

酒匂「えっ? これってだめなの? なぁんでぇ!?」

提督「そりゃさぁ」

雪風「しれぇは雪風のものです! あ、いや雪風はしれぇのもの? とにかくダメです!!」

雪風は提督に背中から飛びつき、ほっぺたを膨らまして酒匂を威嚇する。

酒匂「えー、独り占めするのよくないよー」

雪風「むー」

酒匂「ぴゅぅぅぅ」

提督「はいはい、二人とも落ち着け。一緒に飯食いに行こう」

雪風「はい!」

酒匂「わぁい!」

345: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/14(火) 22:31:03.18 ID:VoL2pJRco
酒匂って好意高いよね

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

346: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/14(火) 22:41:18.61 ID:LK0x+31z0
Pyuuu
長門

347: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/15(水) 05:45:22.69 ID:Bpn7shDZo
長門了解ー

349: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/15(水) 21:59:03.00 ID:Bpn7shDZo
――― 長門の個人的趣味ではないか? 提督は訝しんだ ―――

長門「艦隊、水着で浜辺に集合だ! 演習、ビーチバレーというのをやるぞ!」

提督「去年、深海棲艦とやりあったな。つーか白露が言ってた夏季特別演習ってこれのことか……」

長門「チーム分けはこの長門が考えておいた! ところで提督」

提督「なんだ?」

長門「ビーチバレーのルールを知っているか?」

提督「知らんぞ、というかお前知らずに開催しようとしたのか」

長門「提督は去年ヤツラとビーチバレーでやりあったのだろう?」 

提督「あれは殺人ビーチバレーであって普通のビーチバレーは知らんぞ」

長門「むぅ、割と当てにしていたのだが」


このあとルールを知ってた陸奥がナントカして解決した。

350: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/15(水) 22:00:07.45 ID:Bpn7shDZo
どうでもいい話なんだけどK作戦の話、最初綾波がわるさめちゃんの顔面ぶん殴って首を360度ほどねじれさせた挙句爆発四散とかにしようかと思ってた

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

353: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/15(水) 22:20:51.80 ID:Bpn7shDZo
翔鶴了解ー

354: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/16(木) 22:26:42.29 ID:VbM3q0KLo
――― ま、まぁ榛名よりは待たずに済むだろうし(震え声) ―――

提督「これで翔鶴・瑞鶴も練度最大か……」

翔鶴「やりました!」

瑞鶴「これが五航戦の力よ!」

提督「そんな二人に悪いニュースと良いニュースがある」

瑞鶴「何?」

提督「どっちから聞きたい?」

翔鶴「では悪いニュースから……」

提督「恒例のケッコンカッコカリ指輪だが二人ともしばらくお預けだ」

瑞鶴「えっ、何でよ? 赤城さんたちには渡してたじゃない」

翔鶴「それでは良いニュースは……?」

提督「近々空母の改二が来るという話があってな。もしマリアナ・レイテで生き残ったらというIf改装になるらしい」

翔鶴「それってもしかして……!」

瑞鶴「私たちの改二!?」

提督「あぁ、まず間違いないだろう。そのときに指輪を渡そうと思う」

瑞鶴「よしっ、これで加賀さんを見返せる!」

提督「そういうわけで装備は回収させてもらうよ。しばらく出撃することはないと思うからゆっくりやすんでいってね!!」

~~~~~~

翔鶴「瑞鶴、暇ね……」

瑞鶴「榛名さんなんか三ヶ月ぐらい待たされたらしいわ」

翔鶴「いつごろになるか聞いておけばよかったわね」

355: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/16(木) 22:28:26.96 ID:VbM3q0KLo
阿武隈改二楽しみですね。翔鶴・瑞鶴はイベント前後かな?

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

357: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/16(木) 22:57:12.22 ID:VbM3q0KLo
プリンツ・オイゲン了解ー

359: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/21(火) 22:08:55.46 ID:6RsZLcTzo
――― 皆ここらの記憶あやふやですよね ―――

プリンツ・オイゲン着任直後あたりの話

提督「で、こっちが工廠で……」

プリンツ「んっ? あ、長門だぁ! おーい、なーがとー!」

長門「おお、プリンツ・オイゲンだったか? 久しいな」

提督「あれ、まだ互いに紹介してなかったと思うが……その前に会ってたか?」

プリンツ「……ん? どこで会ったかって? それはもちろん! ……っと……あれ? えっと…どこだっけ…?」

長門「そういえば私も、そうだな……一目見て誰だかわかったが……うーむ」

酒匂「あっ、しれぇ? その子新しく来た子?」

プリンツ「酒匂! 久しぶりー!」

酒匂「プリンツちゃん? ぴゅう! おひさー!」

提督「酒匂とも知り合いなのか」

プリンツ「そうそう! ……あれ、でもどこで知りあっ……うっ頭が」

提督「……えーとプリンツ・オイゲンの艦歴は……あっ。やめようこれ以上深く追求するのはやめよう」

プリンツ「……うん」

360: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/21(火) 22:10:32.40 ID:6RsZLcTzo
「思い……出した……!!」とかならないよう祈るばかりです。あとケ号作戦の話書くかもしれません

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

362: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/21(火) 22:19:20.31 ID:6RsZLcTzo
大鳳了解ー

363: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/23(木) 06:53:37.39 ID:txkTW7F8o
鎮守府、執務室。今日も今日とて提督は資料に目を通し書類仕事を行っていた。

「ふーむ、これが阿武隈改二の一部か……この軌条、どっかで見たことがあるな?」

そこに突然開くドア。扉の向こうで仁王立ちするは猫吊るし。

「せめてノックして返事を待てよ」

「別に床や天井から入っても良かったんだけど」

「良くねぇよ俺の部屋だぞ」

繰り返されるいつものやり取り。突然入ってくるのを止めた試しがない。

「そうそう、グッドニュースを持ってきました」

「何だよ」

「キス島の羅針盤条件が緩くなりました。軽巡旗艦、他駆逐艦でもキス島に近づけるルートにいけます」

「もう2回か3回はいっただろ。今更緩めてどうするんだよ」

「他の平行世界ではまだ救出できてない人だっているんですよ。まぁそれはともかく」

「何だよ?」

「新しい任務です。任務の消化がてら、羅針盤の正常動作をご確認ください」

そう言って提督に書類を投げ渡す。

「ふむ、『阿武隈を旗艦とし、響、初霜、若葉、五月雨、島風の編成を組め』、でこっちが『同艦隊でキス島主力に打ち勝て』と……」

「まさか難しいとか言いませんよね?」

「どうせ羅針盤次第だろ。昔と違って資材もバケツも大量にあるし、あとは繰り返すだけだ」

364: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/23(木) 06:55:37.16 ID:txkTW7F8o


ケ号作戦、推進中!


鎮守府、工廠。任務に必要な駆逐艦娘を集め、ブリーフィングを行っている。阿武隈は改装中である。

「……と、まぁそういうわけで諸君らには阿武隈の指揮の元、キス島へ向かってもらう」

「奇跡の作戦、キスカ……!?」

「そういうこった。昔は駆逐のみでないといけなかったから軽巡の指揮が出来なかったが、今日からは違う……はず」

改装用のドック――実質更衣室みたいなものだが――の方を向く。

「阿武隈、準備はいいか?」

「あたしの出番? そうこなくっちゃ! 阿武隈、出撃です!」

ドックから姿を見せた少女は改装前とは違って、自信に満ち溢れた顔をしていた。

「よーし、いい面構えだ。この作戦、旗艦はお前だ。成功を期待しているぞ」

「阿武隈、ご期待に応えます!」


キス島沖、南方。陸戦隊が撤収した今も、何かを守るように深海棲艦がうろついている。

「ここに来るのもいつぶりだか」

出撃する阿武隈たちを見送る提督。あいては最早顔なじみ同然の水雷戦隊。

接敵前に敵駆逐艦が沈む。阿武隈の甲標的による先制攻撃だ。続けざまに砲撃が飛び交う。昔と違い練度の高まった今、苦戦する要素はない。

「よしよし、次が本番だ。気を引き締めてかかれ」

『はぁい……』

進撃を指示するが阿武隈の声に覇気がない。出撃前は結構やる気があったはずだが。

365: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/23(木) 06:56:18.67 ID:txkTW7F8o
問題の地点。リ級やル級のEliteクラスが回遊する恐怖の海域。軽巡洋艦を連れて行けるようになった今でもワンパン大破は十分ありうる地点。

「皆さん私の指示に従ってくださーい!」

甲標的で敵の数を減らしつつ阿武隈が指示を飛ばそうとする。だが。

「さて、やりますか」

「おっそーい!」

以前参加したことのある島風と響は聞く必要はないとばかりに先行し、

「おい初霜、ちょっと近づきすぎうわぁ」

「きゃぁ!?」

若葉と初霜が衝突し、

「もう、なんでぇ!?」

五月雨は何もないところでずっこけていた。

どう見ても阿武隈の指示を聞いていないか聞くどころではない。


「こりゃいっぺん戻って立て直しかなぁ……」

ぷかぷか丸の甲板で頭を抱えていると通信が入った。

『こちら阿武隈です……今なら北上さんの気持ちちょっとわかる気がします』

「あぁ、誰か大破したか?」

『いえ、皆小破すらしてません』

「見た感じかなりぐだぐだだったように見えたが」

『うー……ともかく進撃には問題ありません』

唸りながら答える阿武隈。若葉と初霜が思いっきりぶつかってたはずだが平気ならそれに越したことはない。

「よし、進め。海流はどうだ?」

『東に流れてますね』

「よしよし、キス島の主力は輸送艦がいる都合上大したことないし撃滅もたやすい。全艦、突撃せよ!!」

366: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/23(木) 06:57:15.63 ID:txkTW7F8o
鎮守府、埠頭。任務は無事成功した。

「はぁー、疲れたー」

「よしよし阿武隈よくやったな」

阿武隈の頭をぐしぐし撫でる。

「わあぁ! あんまり触らないでくださいよぉ! あたしの前髪崩れやすいんだから!」

そんな感じで戯れていると猫吊るしが近づいてきた。

「どうやら無事任務を達成したようですね」

「さすがは阿武隈改二だ。よくやってくれた」

「だから止めてってばぁ!」

もう一回撫でようとしたが止められた。猫吊るしは気にせず懐から書類を取り出す。

「で、追加任務ですがもう一回キス島行ってもらいます」

「は? さっき行ったじゃん」

「えぇ、五月雨、初霜、若葉OUT、秋雲、夕雲、長波INで」

「阿武隈は」

「響、島風とともに続投です」

前髪を必死で直している阿武隈に向き直り、

「というわけでもう一回頼むぜ」

「うぅー、やりますけど今度は撫でないでくださいね?」

結局同じように吶喊して同じように撫でられたのであった。

367: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/23(木) 06:58:12.20 ID:txkTW7F8o
おしまい。まさか軽巡のまま甲標的を載せられるとは……

370: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/23(木) 22:22:15.01 ID:txkTW7F8o
――― イタリアの昼カットインって青少年の何かがめっちゃ危なすぎでしょこれ ―――

イタリア「新しい水着も用意したの。うふふ」

提督「主砲はつけるのな」

イタリア「戦艦ですし」

提督「金属部分肌に直接触れてるけど熱くねぇの?」

イタリア「平気ですよ。私の一部ですし」

提督「でも取り外しは出来るんだよな」

イタリア「えぇ。よいしょっと。ほら、火ぶくれとかもありません」

提督「ほほー……。いい事を思いついた」

イタリア「?」

提督「おーい清霜ー。これ新しい戦艦の装備だぞー。つけてみるかー?」

清霜「つけるつけるー!!」

イタリア「駆逐の子がつけて大丈夫でしょうか……」

提督「ほれ、よいしょっと」

清霜「どぉ? 清霜かっこい(ゴキッ」

提督「……肩脱臼してる。やはりダメか」

イタリア「やっぱり……」


清霜の肩は入渠したら治ったのでご安心ください

371: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/23(木) 22:23:19.21 ID:txkTW7F8o
――― 航空機ぽんぽん量産できるのって恐ろしくない? ―――

大鳳「未帰還機……って言葉は嫌な言葉よね。なるべくなら出したくないけれど、戦いだから」

提督「艦載機って中に妖精がいるんだよな」

大鳳「えぇ」

提督「あいつらはどうなるんだ?」

大鳳「海面に無事落ちた子は回収するけど、戻ってこなかった子は……」

提督「子は?」

大鳳「実際見てもらったほうが早いですね。これが流星改入りのマガジン。そしてこれがボーキサイト」

提督「うん、わかる」

大鳳「これをこうして、こうして、えいっ」

ポンッ、という音とともにボーキサイトが流星改とその妖精に変化した。

提督「おお」

大鳳「あとは艦載機を矢にしてマガジンに補充すれば完了です」

提督「ボーキを贄に呼び出すのはいいとしてどっから湧いてくるんだ」

大鳳「さぁ……。猫吊るしさんに聞いたら『むつーでりーとさいこーちく方式』なんだとか。よくわかりませんけど」

提督「……思ったよりヤバイ技術なのでは」

372: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/23(木) 22:24:43.11 ID:txkTW7F8o
大鳳って改のほうが中破時の損傷大きくない? 特に胸とスパッツ

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

374: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/24(金) 05:46:34.18 ID:ufB2/nTmo
ビスマルク了解ー

375: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/24(金) 22:38:41.38 ID:ufB2/nTmo
――― 他のUボートや呂号潜水艦出るのかどうか ―――

ユー「ドイツ海軍所属、潜水艦U-511です。ユーとお呼びください」

ビスマルク「Uボートの子かぁ。懐かしいわね……」

提督「ほう、前世での知り合いか」

ビスマルク「この子じゃなくて同じUボートのU-556だけどね。私の騎士に当たる子よ。実際宣誓だってしたんだから」

提督「なるほど。ところで」

ビスマルク「何かしら?」

提督「伊号潜水艦たちの通称は番号名もじったものになってるがU-511は番号名の方もじらずユーだよな。もしかして他のUボートdグエッ」

ビスマルク「そこまで」

ビスマルクの腕が提督の首に絡みつく。

ビスマルク「こっちじゃコトダマとかいって言った事が真実になったりするんでしょう? あの子が来ないなんて認めないわ」

提督「ぐるじい……ぐび……ぐびじまっでる……」

376: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/24(金) 22:39:16.13 ID:ufB2/nTmo
フミカネさんがUボートの資料を入手したらしいので新規艦に期待が高まりますね?

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

379: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/24(金) 22:50:01.03 ID:ufB2/nTmo
マックス・シュルツ了解ー

381: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/27(月) 22:44:55.49 ID:kAMUsNALo
――― 丈短いよね ―――

提督「さて、レーベが建造依頼することによってマックスが来るというが……24分、来たかな?」

マックス「私が駆逐艦マックス・シュルツよ。マックス、でもいいけれど。よろしく」

提督「あぁ、よろしくな」

レーベ「マックス、久しぶり!」

マックス「えぇ、久しぶりね。それにしても……」

レーベ「?」

マックス(服の丈が短くないかしら? レーベもだけど)

マックス「いえ、なんでもないわ」

提督「んで、この子がウチの秘書艦にして筆頭艦娘、雪風だ」

雪風「マックスさんですね! よろしくお願いします!」

マックス「ふぅん……よろしく」

マックス(この子も短いわね)

島風「てーとくー!! 爆雷とソナーどこー?」

提督「対潜哨戒か。確かレーベが持ってたな。装備受け渡せ」

レーベ「うん、ちょっと待ってね」

島風「はやくー!」

マックス(!? あの子のスカート、もう用を為してないレベル……。艦娘はあのくらいの丈がデフォルトなの!?)

マックス「ふ、ふぅん……」


この誤解は他の駆逐艦娘に会うまで続いた

382: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/27(月) 22:51:55.10 ID:kAMUsNALo
なおマックスが着任したのは14春以前なので時津風も天津風もいないころです

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

384: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/27(月) 23:06:24.65 ID:kAMUsNALo
涼風了解ー

386: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/28(火) 22:43:13.74 ID:K6mLwuN9o
――― 図鑑のあの部分の疑問 ―――

涼風「涼風だよ。特型駆逐艦として数々の攻略作戦に参加したんだ。その後は」

提督「ちょい待ち」

涼風「なんだい提督?」

提督「なんかおかしい部分があった気がする」

涼風「えー? 歴戦艦に見えないって? そりゃあまぁ雪風には負けるけどさぁ、あたいも」

提督「そっちじゃなくてもうちょっと前」

涼風「え、特型駆逐艦としてってとこ?」

提督「そこ。どこぞの一人前のレディーが暁型が最終完成形だって言ってたし暁型でも綾波型でも吹雪型でもないだろ」

涼風「ふふん、これを見なよ」

提督「ポケット海軍年間だぁ?」

涼風「ここの記述に初春型以降も特型と呼んでる記述があるし間違いじゃないさ!」

提督「……これ、1935年のだよな。お前まだ進水してないよな。初春型以降9隻ってまだ村雨までしか進水してないよな」

涼風「こまけぇこたぁいいんだよ!!」

387: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/28(火) 22:44:12.69 ID:K6mLwuN9o
他の解釈の思いつきがない

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

389: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/28(火) 23:01:53.70 ID:K6mLwuN9o
初風了解ー

390: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/29(水) 22:22:01.59 ID:QTDKAKE2o
――― デザインの相互影響 ―――

阿武隈改二直前あたりの話

提督「改二になるとだいたい艦娘のデザイン変わるよなぁ」

初風「何よ、藪から棒に」

提督「睦月・如月は改二になって月型のアクセサリがついただろ」

初風「そうね」

提督「摩耶・鳥海も改二になって高雄・愛宕に近いデザインになったろう」

初風「えぇ、それで?」

提督「初風が改二になったら他の十六駆の三人に近いデザインになるんじゃね?」

初風「……何考えてんのよ」グイー

提督「痛い痛いほっぺつねるな」

初風「妙高姉さんに言わないだけマシと思いなさいよ」

提督「完全に脅迫じゃねぇか」

初風「それに初春と初霜は互いの姉妹デザインに近づいた感じはないでしょ」

提督「それもそうだな。じゃあ一つ賭けをしようじゃないか」

初風「何かしら?」

提督「近々阿武隈が改二になる。確かデザイン担当は初風と同じはずだ。俺は長良たちと同じようなデザインになる方に間宮券を賭ける」

初風「ということは私は現状に近い方に賭けることになるわね」

提督「ククク、実装当日を首を洗って待っているがいい!!」

初風「そっちこそ、券の用意忘れないようにしなさいよ」


当日


阿武隈「あたし的には、とってもOKです!」


初風「主砲も変わったし、缶部分も変わったわね……」

提督「かいt甲標的軌条もついたし魚雷発射管も足首についた……服も一新されてる……」

初風「まさかここまで変わるなんてね……」

提督「金剛型の服はそう変わらなかったのに……」

初風「これ勝敗どうなんの……」

提督「ノーコンテスト、かな……」

391: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/29(水) 22:22:33.03 ID:QTDKAKE2o
 
小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

393: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/29(水) 22:50:01.08 ID:QTDKAKE2o
最上了解ー

396: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/30(木) 23:02:19.72 ID:XaK2D9Kyo
――― 流行り廃り ―――

最上「提督、最近15.5cm主砲を集めてるらしいね」

提督「あぁ、そうだ。軽巡にフィット概念が出来たらしくてな。集めたのを軽巡艦娘に装備させてるわけだ」

最上「へぇ~」

提督「だから最上のドロップや建造は喜ばしいのだ」

最上「なんか喜ぶべきかどうか微妙な気がするなぁ」


後日……

提督「……」

最上「あれ、15.5cm主砲外してる?」

提督「フィットの対象外らしいことが明らかになったのだ……」

最上「ありゃ~……これどうするの?」

提督「とりあえず保管だ。OTO砲の改修にまわそう……」

最上「でも最近は徹甲弾の改修ばっかなような」

提督「それはいいっこなしだ」

397: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/30(木) 23:03:25.78 ID:XaK2D9Kyo
15.5cmは最上と大淀くらいしか持ってこないんだよなぁ。最上の妹達は最初から20.3だし

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

399: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/31(金) 05:48:44.32 ID:ZJqMtNYno
イムヤ了解ー

400: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/31(金) 22:59:11.25 ID:ZJqMtNYno
――― 浮き輪 ―――

イムヤ「私、今は浮き輪に乗ってるけど、ホントは潜るとすごいのよ!」

提督「しかしその浮き輪持って潜れるのか?」

イムヤ「もちろん!」

提督「じゃあちょっと埠頭まで行こうか」


~~~~~~


イムヤ「司令官、今から潜るからよく見ててね」

そう言ってイムヤは海に飛び込んだ。もちろんあの浮き輪を持った状態でだ。

提督「そうだよなぁ、普通は沈むよなぁ。普通の艦娘は海面に立つけど普通は沈むよなぁ」

一分、二分……未だ浮かび上がる様子がない。

提督「……まさか溺れてたりしないだろうな……っと」

イムヤ「ぷはーっ! 司令官、見てた?」

提督「そもそもこっからじゃ海中の様子見えないし何で浮き輪ごと沈めるかの問いに答えられてないぞ」

イムヤ「それは簡単よ。この浮き輪、バラストタンク代わりになってるの!」

提督「なるほど……」

401: ◆jf7rnHhSH2 2015/07/31(金) 23:00:51.30 ID:ZJqMtNYno
ろーちゃんの浮き輪はコルク製だとどっかで見た気がする

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

403: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/01(土) 07:11:13.69 ID:ZHPNLENdo
敷波了解ー

404: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/03(月) 22:37:16.14 ID:4C8gVODwo
――― 自己参照による無限循環 ―――

鎮守府、工廠。提督が執務室にも食堂にいなければ大体ここにいる。

敷波「司令官、近海の実戦訓練終わったよー」

提督「お疲れさん。ついでに今しがた建造が終わった艦娘でも見てみるか?」

敷波「きっと可愛い子でしょうね……ふんっ」

建造妖精「あーい、デイリーぶんいっちょあがりー」

提督「……ほう。敷波の言う通りだったな」

敷波「誰だったの? いやそんなに興味あるわけじゃないけど」

提督「ほれ見てみろ」

現れたのは綾波型の二番艦。つまるところ敷波である。

言葉につまる敷波。ニヤニヤしながら言葉を続ける提督。

提督「いやぁ、案外自己評価高いじゃないか敷波」

敷波「うぅ、司令官の意地悪……」

提督「『きっとあたしより可愛い子』だなんて自己参照で無限に可愛くなってしまうな?」

敷波「いや『あたしより』とはいってない」

提督「バレたか」

405: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/03(月) 22:37:47.58 ID:4C8gVODwo
もっと自己評価高くてもいいと思う

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

407: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/03(月) 23:03:11.33 ID:4C8gVODwo
野分了解ー

409: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/04(火) 22:33:31.23 ID:9bW/gZNyo
――― 静かな夜 ―――

野分「フタマルマルマル。司令、食事の後は運動した方がいいですよ、運動」

提督「そうかもな」

野分「野分もちょっと運動してきます」

提督「いってらー」

~~~~~~

野分「フタフタマルマル。司令、静かな夜ですね。ずっとこんな夜だといいですね」

提督「そうだな……ん?」


ふと考える。静かな夜であることの意味を。


「もう……やっぱり今日もあの子が騒いでいるのね!」

「そろそろ夜戦の時間か…。騒がしくなるね」

「あーもう5500トン級が一隻うるさいですね」

「チッ、まーた軽巡が一隻騒いでるわね……」

「おっ、何か水雷戦隊のほうが夜なのにうるさいかも」


提督「……どんな運動したんだ?」

野分「夜戦演習です」

提督「そうか」


提督(……まさかな)

410: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/04(火) 22:35:40.88 ID:9bW/gZNyo
初風も似たようなこと言った気がするんだよなあ

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

412: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/04(火) 23:01:07.32 ID:9bW/gZNyo
夕雲了解ー

413: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/06(木) 22:42:48.47 ID:RCrw/1Hwo
――― あんま甘えないタイプ ―――

夕雲「提督、甘えてくれても、いいんですよ?」

提督「といわれてもなぁ。鎮守府の運営は安定期入ってて苦労するでもなし、それに……」

夕雲「それに?」

雪風「しれぇのこととっちゃいやです!」

素早く提督の肩に乗って所有権を主張する雪風。素早い。

提督「雪風が既にいるからな」

夕雲「あらあら。疲れたときはいつでも言ってくださいね?」

提督「あぁ、そうだな」

雪風「むー」

その言葉に雪風はぎゅーっと頭にしがみつく。

提督「あだだだだ緊箍児かよオイ」

夕雲「仲のよろしいことで」

414: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/06(木) 22:43:55.74 ID:RCrw/1Hwo
ところで夕雲にメガネかけさせるとトラウマ引き起こす人がいるらしいな?

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

416: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/06(木) 23:08:25.01 ID:RCrw/1Hwo
大井っち了解ー

419: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/07(金) 22:37:43.46 ID:W1BBMKcRo
――― 遠征メンツは非情 ―――

遠征のメンバーを決めるのも基本的に提督の仕事である。

提督「第二艦隊に北上入れて、第三艦隊にも北上入れて、第四艦隊にも北上をいれて、と」

同一艦隊でなければ同じ艦娘を入れられるのでこのような運用も可能である。

大井「!? 提督も北上さんのよさに気づいたというの!?」

提督「いや、軽巡の練度全員だいぶ上がったしダダ余りさせるのももったいないから開いた軽巡枠に突っ込んで改二練度待ちだ」

大井「私も随伴させてよ、ねぇ!!」

提督「東京急行と水上機前線輸送と北方航路に無理にねじ込んでるから無理。雷巡を入れる余裕はない」

大井「軽巡の『私』もいるでしょ?」

提督「今度はレベルが足りねぇだろ」

大井「チッ、これだから頭の固いヤツは……」

提督「今日の演習、育成枠として大井と北上を出す予定だったが大井だけにするか」

大井「あっ、何でもありませぇん。うふふ」

提督「と思ったがやっぱり二人とも出すか」

大井「北上さんをダシにするなんて提督汚い……(北上さんと一緒なら無敵です。提督、見ててくださいね)」

提督「本音と建前が逆転してるぞ」

大井「気のせいですよ、提督」

420: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/07(金) 22:38:33.10 ID:W1BBMKcRo
あ、例によって例のごとくイベント編やるので小ネタの更新頻度は低下します

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

422: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/07(金) 22:54:55.76 ID:W1BBMKcRo
卯月了解ー

423: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/10(月) 19:46:54.25 ID:6BeC0AiMo


~~反撃! 第二次SN作戦 プロローグ~~


鎮守府、執務室。南方で大規模な作戦が行われるということで艦娘たちは準備ではおおわらわ。

雪風に指揮を一任して提督は情報の分析にあたる。

「飛行場ねぇ。あんのクッソうざったい(検閲)のことを思い出すなぁ。水鬼にでもなったか?」

資料をペラペラ捲っていると窓から白い戦闘機が一機、執務室に入ってきた。もちろん原寸大ではない。そうだったら提督は既にお陀仏だろう。

「零戦……?」

「てーとくさん、つくえのしょるいとか、どけてもらえます? ちゃくりくしたいので」

プロペラ音に混じって聞こえる妖精の声。

「嫌だと言ったら?」

「ふじちゃくします」

書類が飛んだり墜落の余波で発火したりしたら困るのでとりあえずどける。

程なくして着陸する零戦。手馴れたものである。載っているのは長髪を後ろで束ね、鉢巻を巻いた茶服の妖精。零戦21型の熟練妖精である。

「ほーしょーさんにくらべれば、このていどいーじーわーくすですな」

「訓練なら他所でやってくれ。俺は忙しいんだ」

「おじかんはとらせません。だいほんえいからしりょうをもってきました」

その言葉に怪訝な目を向ける提督。

「普通、艦娘か猫吊るしが持ってくるもんだろそういうのは」

「みなさんいそがしいのでかわりに」

言いながら妖精は筒状に丸めた紙を機体から取り出す。機体の大きさと紙の体積がどう見ても合致しないが細かいことを考えるのは後にする。

そこにはデフォルメされた艦娘の顔がいくつかあった。

「だいほんえいのこえのようせいさんからとどいたしりょうです」

声の妖精。艦娘は艦の魂、それを入れる体、そして意志を伝える声があって完成するという。

「いや、どうでもいいだろそんなの」

「ぜんぶみましたか?」

そう言われて見直す。それぞれのイラストの横にはきぬ、あぶくま、しょうかく、ずいかく、はやすいと書かれて……

「んん? はやすい……?」

「あらたなかんむす、きますよ」

急いで海軍資料を漁る。速吸。流星を射出できるカタパルトを搭載した給油艦。それを使うことはなかったらしいが。

「あと、かんさいきようせいにもこのたびじゅくれんどせいどがつくことになりました。チョーシアゲアゲでつよくなるっぽいです」

「よくわからんがまぁなんか強くなるってことか?」

「そんなかんじで。じゃ、つたえることはつたえたのでかえります」

言うだけ言って飛び去る零戦と妖精。

「……さて、今年の夏はどうなることやら」

このときはまだ、地獄が待ち受けているとは思いもよらなかったのであった……。

427: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/13(木) 23:24:38.94 ID:ZUDRDwPno
ショートランド近海、ぷかぷか丸甲板上。

「またここに来ることになるとはな……」

「半年振りくらいですかね」

提督が感慨にふけっている横で何かをしている猫吊るし。

「何やってんだ」

「おにぎり握ってるんですよ。戦闘糧食」

「すぐ食うわけでもあるまいし腐ったりかびたりしないのか?」

「新たに出来た妖精さんの力で腐らず安心」

「相変わらずわけのわからんヤツラだよ」

遠くから砲撃音。しばらくして艦隊からの通信が入る。

『ふぇぇ……こちら名取です。初霜ちゃん大破、叢雲ちゃん中破しました……』

「相手はフラ戦だっけか? しゃーない。帰投せよ」

428: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/13(木) 23:26:11.44 ID:ZUDRDwPno


~~反撃! 第二次SN作戦 エピソード1 発動準備、第二次SN作戦!~~


鎮守府、執務室。提督は書類とにらめっこしている。

「うーむ、水雷戦隊でフラ戦に挑むのはかなり無謀だぞ……ん?」

ふと、書類の一文に気づく。

「水雷戦隊を含む……?」

艦娘における水雷戦隊の最小単位は軽巡1、駆逐2である。

「じゃあ、別に重巡とか空母とか戦艦とか使ってもいいのか……?」

そのことに気づくと同時にノック音。入室を促すと雪風が書類を持って飛び込んできた。

「しれぇ! 新しい情報がはいりました!!」

「よっしゃ。……何? 菊月がいれば最短ルートを通れる……?」

「でも菊月ちゃん遠征に出てたような」

「いや、そろそろ戻ってくる頃だ」

メモ紙に艦名を書き連ね、雪風に渡す。

「雪風、彼女たちを工廠に連れてきてくれ。出撃準備だ。俺は菊月のほうに向かう」

「日向さん、衣笠さん、古鷹さんですね」

「よし行くぞ!」

429: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/13(木) 23:27:34.60 ID:ZUDRDwPno
遠征から戻ってくる睦月型の面々。

「睦月型は消費が少ないとはいえ、遠征ばかりでは物足りないな」

「あぁ。本格的に出撃して敵の首魁を討ち果たしたいものだ」

長月と菊月が雑談に興じている。そこに卯月が割り込んでくる。

「司令官にも睦月型の本当の力見せてあげたいぴょん!」

「こういう地道な物資輸送も大事です。資源あってこそ艦隊が動けるのですから」

「みーちゃんは夢がないぴょん。ぷっぷくぷぅ~」

「皆、鎮守府につくわよ……あら?」

「どうした、如月姉?」

「司令官が待ってるわ」

提督は大規模作戦のためにショートランド方面に行っているはず。戻るのはポータルですぐにしても待っているのは解せない。急いで港に戻る。

「如月以下五名、東京急行任務から帰投いたしました」

「うむ、お疲れ。書類は後でまとめるとして菊月」

「何か?」

「今回の第一作戦に参加だ」

「!?」

驚きを隠せないといった表情をする菊月。

「如月、菊月が抜けた分の穴埋めは天津風で。なに、第一作戦が終わるまでだ」

「了解です、司令官」

菊月の方を見ると、震えていた。

「ほ、本当にこの菊月が……」

「あぁ、ドラム缶下ろして連装砲とってこい。面子が揃い次第、出撃だ」

430: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/13(木) 23:28:43.03 ID:ZUDRDwPno
再びショートランド近海。

「……見えた、こっちだ」

菊月の先導によって敵警戒艦隊の旗艦まで最短距離で到達した。

「あれは……駆逐棲姫か。随伴艦も駆逐だ」

瑞雲からの報告を受ける日向。

駆逐棲姫。渾作戦やK作戦では水雷戦隊で挑まざるを得ず、苦戦を強いられた相手。だが……。

「衣笠さんにお任せ!」

「主砲狙って、そう…。撃てぇー!」

「あたってくださーい!」

巡洋艦や戦艦をふんだんに入れた艦隊の前ではもはや駆逐棲姫など相手にならないのであった。

「グ……バカな……」

大破した駆逐棲姫に一歩一歩近づく。

「悪いが、ここの海域はよく知っている。ここに陣取った時点でお前の負けだ」

至近で放たれた菊月の砲撃は駆逐棲姫への介錯となった……。

431: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/13(木) 23:30:08.97 ID:ZUDRDwPno
鎮守府、執務室。

「さて、ここから本格的に進行するわけだが猫吊るしよ」

「何でしょう?」

「敵の情報はあるのか?」

「ここに」

どこからともなく渡された資料をとりあげ、読む。

「ふむ、水母棲姫に……新艦載機に……防空棲姫?」

麦茶を口に含みスペックにも目を通し……

「ブー!?」

提督の口から勢いよく噴出される麦茶。猫吊るしは間一髪回避。

「汚いですねぇ」

「いやそういう問題じゃないだろこれ」

口を拭いながら防空棲姫の装甲スペックを指し示す。

「この値マジかよ!? 弱化できるよな!?」

「二割程度なら」

「全然足りねぇよ!? こんなの倒せるのか?」

問われて猫吊るしは珍しく眉をひそめ肩をすくめる。

「数名、ってとこですね。なんか仕掛けがあるのでしょう」

「欲しいのはその情報だよ!」

「ま、ゆっくりお待ちください」

「ほんとどうしよこれ……」

提督の弱音に猫吊るしが指差す。

「そうそう、そういう弱音は艦娘たちの前では見せてはいけませんよ。不安がりますから」

「……あぁ、わかってるよ。そっちも解析急いでくれ」

「はいはい」

そう言って猫吊るしは床下に消えた。

「……本当に、勝てるのか……?」

434: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/17(月) 22:06:23.98 ID:KZYODCAFo
――― 烈風拳 VS 流星拳 ―――

鎮守府、屋外訓練場。

直接戦場に出ることはなくとも、練度の維持に努めるのも艦娘にとって大事なことである。

陸軍艦娘のあきつ丸も例外ではない。

あきつ丸「ふぅ、今日はこの辺にしておくのであります」

訓練を終え撤収しようとしたところに、訓練場に入ってくる見慣れない艦娘。

あきつ丸「新入りでありますな。補給艦娘で名前は確か……」

速吸「はい、速吸って言います!」

あきつ丸「自分、あきつ丸であります」

速吸「よろしくお願いします!」

あきつ丸「こちらこそよろしくであります」


せっかくなので雑談しながら訓練の様子を見ることにした。

速吸「へぇ~、FS作戦に参加したんですか」

あきつ丸「もちろんであります。敵主力への攻撃を援護するため付近の陸上棲艦に繰り返し攻撃を仕掛けたのであります」

自分の攻撃で痛撃を与えて活躍したことも忘れず語る。

速吸「私も改装間に合えば出られたのかなぁ。でも補給艦ですし」

そうこうしているうちにターゲットが出てくる。ル級を模した戦艦クラスだ。

あきつ丸「戦艦……? 無茶なのでは?」

速吸「これで試してくるように、と提督さんから言われてるので」

そう言いながら速吸は甲板を構える。カタパルトに乗っているのは……。

あきつ丸「流星……?」

速吸「はい、流星改です。……速吸航空隊、発艦!」

あきつ丸(補助艦艇というものは概して戦闘には向かないもの。幾ら装備が良くても……)

思考は爆音によって中断される。気がつくと標的は撃沈判定を出していた。

あきつ丸「な、な……!?」

速吸「……あ、着艦どうしましょう……」

あきつ丸の驚愕をよそに、速吸は航空機を戻す方法に頭を悩ませていた。

438: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/18(火) 22:45:06.49 ID:9C5lYUF0o
(ヤバい情報を見てしまった……。だが平常心を保たねば……)

鎮守府、埠頭。次の作戦のため、連合艦隊として出撃する艦娘を招集。

「第一艦隊旗艦伊勢、同随伴日向、最上、三隈、祥鳳、飛鷹。第二艦隊旗艦那智、同随伴足柄、初春、叢雲、木曾、名取」

全員揃っている。装備も問題ない。

「この艦隊を以って、敵の先鋒を撃滅する。各自奮戦し、作戦を遂行せよ!」

応という掛け声をあわせ、ぷかぷか丸に乗り込む。

(俺の動揺ばれてないだろうな……別に噛まなかったし大丈夫なはず)

などと考えながら艦橋へ向かう提督。

「提督、なんか汗凄かったねぇ。話してる間中顔から汗だらっだらだったよ?」」

「暑いんじゃないか?」

「いや、あれほど汗っかきではなかったはずじゃ」

「冷や汗にしてもこんな序盤で緊張するほどじゃあるまいし……」

439: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/18(火) 22:45:38.52 ID:9C5lYUF0o


~~反撃! 第二次SN作戦 エピソード2 連合艦隊、ソロモン海へ!~~


ぷかぷか丸、艦橋。基本的に妖精たちによって航行しているので特段来る必要はないのだが冷暖房完備で過ごし易い。

「~~っはぁ~……」

緊張から解き放たれ、提督は大きくため息をついた。

「全く大きいため息ですねぇ」

振り向くとそこには猫吊るし。なんか頭陀袋を背負っている。

「何だその袋は」

「例によって海域突破の報酬ですよ」

袋から取り出したおにぎりやら勲章やらを並べていく。

見たところ勲章とカタパルト――資料にあった、翔鶴型改二に必要と目されるやつだ――と大型の電探以外はさしたることない消耗品のようだ。

「……それの一部を使って敵を弱体化できるんだったな?」

「えぇ、できますよ」

「やろう」

「弱気ですねぇ」

「海域の平穏を取り戻すのに弱気もクソもあるか」

440: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/18(火) 22:48:06.10 ID:9C5lYUF0o
艦橋から猫吊るしがビームを照射。実際に効果があるかどうかは傍目には判らない。

「だがこれで敵が弱るならやる価値はある」

「高射装置要らないんですか?」

「いらないだろ。既存のも改修済んでないし」


~~~~~~


一方のソロモン海域。

「ぷかぷか丸から謎の光線を確認」

「提督が以前話していた、猫吊るしのヤツのだろう」

伊勢たちにも光線は見えている。

「む、私の瑞雲隊から敵艦隊の弱体化確認の報せが入った」

「僕たちの隊も確認したよ」

偵察機からの報告を受け頷く伊勢。

「よーし、全艦第四戦闘隊形! 突撃します!」


潜水艦を撃退し、敵艦隊を薙ぎ払い、補給部隊を潰してたどり着いた先に……。

「敵艦隊確認、旗艦は軽巡棲鬼ですわ。一隻足りないのが気になりますが……」

「たしかに見当たらないわね。大抵六隻一組で行動するのに」

いぶかしみながらも交戦に入る。軽空母が艦載機を飛ばし、雷巡の木曾が甲標的で先制をしかけるいつものスタイル。だが……。

「よし、随伴を片付けて旗艦を沈め……!?」

何もなかったはずの空間から砲撃音。弾は逃げる間もなく飛鷹に着弾。水面にしたたか打ち付けられる。

「がっ……は……!?」

「大丈夫ですか!?」

祥鳳がカバーに入り、日向が発射されたと思しき地点に撃ち返す。

「あの辺か!?」

着弾。空間がわずかにゆがんだように見える。

「やるな……ククク」

そのシルエットは……。

「戦艦棲姫!? 光学迷彩か!?」

441: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/18(火) 22:50:28.13 ID:9C5lYUF0o
思わぬ伏兵に苦戦を強いられる艦娘たち。相手はろくすっぽ見えず、しかも熾烈な砲撃が飛んでくる。

雷撃を交わし、離脱体制に入る深海棲艦たち。

「まずいな、木曾が大破している。追撃はするがこの状況で壁となる戦艦棲姫を倒せるか……」

「なぁに、大将首さえとれば勝ち! この足柄に任せなさい。那智姉さん、援護よろしくね!」

そう言って敵陣に突撃する足柄。

「全く無茶をする……! 第二艦隊全艦、動けるものは足柄を援護せよ!」


降り注ぐ砲弾を右へ左へと避ける足柄。

敵味方ともに砲火が飛び交い、狙いがつけられない。

戦艦棲姫は見えづらいとはいえ、度重なる砲撃で輪郭が分かる程度には体表が焦げ付いていた。

気づけば戦艦棲姫の前に足柄。主砲は間に合わない。ニヤリと笑みを浮かべる足柄に副砲を向ける。

「これで終わりよ!」

「させるかッ!!」

盛大に水柱が上がる。目の前の敵に副砲が当たった感触がない。そして戦艦棲姫自身も撃たれた様子がない。

ふと見上げると回転跳躍する足柄の姿。その狙いは、撤退する軽巡棲鬼。

「十門の主砲は伊達じゃないわよ!」

上空からの集中砲火。軽巡棲鬼はなす術もなく爆炎を上げて轟沈していく。戦艦棲姫も戦意を失い海中に沈み行く。

着水し、残心を決める足柄。そしてVサインを掲げる。

「だって私、足柄がいるんだもの。当然の結果よね、大勝利ぃ!」

444: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/19(水) 22:39:05.49 ID:+i+4shlto
――― キラーバズソー ―――

卯月「おつかれぴょん! 」

提督「……」

卯月「んぅ? どうしたぴょん?」

提督「いや、"ぴょん"ってなんなんだろうと思ってな……」

卯月「うーちゃんの卯はウサギのウ、ぴょん」

提督「何で鳴き声じゃなくて跳ねる時の擬音なんだよ。……そもそもウサギの鳴き声って……」

~~~~~

????「バニィィィィーッ!!」

~~~~~

提督「……いや違ったこれじゃない」

卯月「何言ってるぴょん?」

445: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/19(水) 22:40:03.23 ID:+i+4shlto
たまには小ネタで精神の安寧を保つ。これがイベントのコツ
ぷうぷう鼻を鳴らすとかあるそうですね。

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

446: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/19(水) 22:42:48.77 ID:8WSg+Fi20
大潮
ぉっ

448: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/21(金) 22:34:32.93 ID:m02c4jTVo
鎮守府、食堂。艦娘といえど腹が減っては戦が出来ぬ。また、数多の艦娘が交流する場所であるが故、噂話も絶えない。

「なぁ、北上姉。最近、提督の様子おかしくないか?」

「んー、そうねぇ、まぁ、そうねぇ」

木曾の問いに曖昧に返事をしながら煮物を食べる北上。

「何かを隠そうとして隠しきれてない感じだな。姉さんはなんか心当たりあるか?」

「作戦資料が届いてからだったかなぁ、あんなふうになったの」

「……資料に何かあった?」

考え込む木曾。その間にごはんを食べ終える北上。

「ま、そのときになったらきっと説明してくれるよ。じゃ、あたしは出撃予定があるから行くね」

「おう」

449: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/21(金) 22:36:58.56 ID:m02c4jTVo


~~反撃! 第二次SN作戦 エピソード3 激突!第二次南太平洋海戦~~


ぷかぷか丸甲板上。今回の作戦のブリーフィングを行っている。

「今回確認された新たな深海棲艦。上はコイツを水母棲姫と名づけた」

提督がホワイトボードに異形の深海棲艦の写真を張る。

「航空攻撃と開幕雷撃を同時に行ってくることが確認されている」

「レ級みたいなものか」

長門の呟きに首肯する提督。

「うむ。砲撃は戦艦クラスほどではないがそれでもこちらの改二重巡クラスの火力を打ち込んでくる。これを殲滅して制海権を確保し、飛行場攻撃への足がかりを得る」

長門、陸奥、加賀、大鳳、千代田、摩耶、阿武隈、愛宕、鳥海、北上、島風、そして雪風。

確実に勝ちを取りにいく構成。だが冷や汗が止まらない。先に進むなという警告するように。



海戦自体は優位に運んでいる。猫吊るしのビームの影響もあるが、ともかく苦戦する要素はない。

『こちら長門。水母棲姫を撃退した。ヤツらは存外しぶといな……む?』

「長門、どうした?」

『水母棲姫が空母棲鬼をつれて戻ってきた。しかも二隻だ』

「ふむ……いったん帰投せよ。艦隊の再編成を行う」

450: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/21(金) 22:41:52.46 ID:m02c4jTVo
ぷかぷか丸、作戦室。

「相手が鬼姫クラスを増やすなら仕方ない。こちらも長門と陸奥に代わり、大和と武蔵を投入する。制空権を考え、摩耶を千歳に変える」

「もう大和たちを投入するというのか。早すぎはしないか?」

長門の質問に手を振り答える提督。

「念には念を入れたいのだよ。連中も背水の陣ということだ。資材消耗も激しいとはいえ、一回で決着がつくならそこまで損害はない」

「むぅ……」

惜しそうに海図を睨む長門。しばし黙り込んだ後、顔をあげ、口を開いた。

「提督、何か焦っていないか……?」

「いや、そんなことはないぞ」

「ならいいのだが。焦っていてはいつか取り返しのつかないことが起きるぞ」

「うむ。平常心が大切だ」

そう言う提督の表情は、冷静さとは程遠いものだった……。



再び、南太平洋。連合艦隊は水母棲姫たちを追い詰めていた。

「支援も送った。昼も大破者なし。敵は虫の息といっていいだろう」

『第二艦隊旗艦、阿武隈。水雷戦隊、いつでも突撃できます』

「オーケイ、連中に引導を渡してやれ」

『よーし、どっかの夜戦バカには負けないんだから! 第二艦隊、突撃!』

突撃指示を送る。これで制海権は確保したも同然。

一足先に戻ってきた艦娘たち。支援射撃のための第三艦隊だ。

長門、陸奥に二航戦。護衛に綾波、夕立。なんら問題はない構成。

長門は支援砲撃で敵に痛打を与えられたせいか満足そうな表情をしている。

「そうそう、提督」

「なんだ、飛龍?」

「私たち艦載機積まないまま引っ張り出されたんですが」

「……あ」

「早く決着をつけたいのは分かりますが準備はちゃんとしましょ?」

蒼龍にダメ押しの突込みを入れられる。

「そうだな、少し落ち着くか……」

本隊からの勝利の報せを聞いても、提督の心が浮き立つことはなかった……。

456: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/24(月) 22:05:33.97 ID:qRVYsaMho
――― デイリー建造の闇 ―――

鎮守府、工廠。艦娘の建造もここで行うのだが……。

大潮「新しい仲間、どんどん来ますね!」

提督「来るのはいいけど知った顔ばっかりなんだよなぁ」

建造で来る艦娘はほとんど増えていない。デイリーの最低値ならなおさらである。

提督「で、誰が建造された?」

工廠妖精「大潮と大潮と大潮と、そして大潮ですね」

提督「偏りすぎぃ!!」

大潮「「「「「困ったときこそ大潮にお任せください!!」」」」」

提督「サラウンド過ぎて困るよ! というか何普通に並んでるの!?」

大潮「「「「「えー」」」」」


建造された大潮は近代化改修に回されました

457: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/24(月) 22:07:25.67 ID:qRVYsaMho
やっぱり艦載機積まないと支援も攻撃してくれないのか……
というわけでイベント期日も終盤に差し掛かったのでここで既出一覧

DD
如月・卯月・文月・長月/吹雪・白雪・叢雲/敷波・朧・漣/暁・響/初霜/白露・村雨・春雨・五月雨・涼風
朝潮・大潮・満潮・山雲/陽炎・初風・天津風・時津風・磯風・浜風・野分・舞風/夕雲・巻雲・朝霜・清霜/秋月/Z1・Z3

CL/CLT
由良・阿武隈/球磨・大井/川内・神通/矢矧・酒匂/夕張

CA/CAV
青葉・衣笠/加古/足柄/愛宕/最上・三隈・熊野/利根/プリンツ・オイゲン

CV/CVL
千歳/飛鷹/祥鳳・瑞鳳/赤城/蒼龍/飛龍/翔鶴・瑞鶴/大鳳/葛城

BB/BBV
扶桑・山城/伊勢/比叡・榛名/長門/大和/ビスマルク/リットリオ

SS/SSV
U-511/伊168/伊401

Other
明石/秋津洲/あきつ丸


小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

459: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/24(月) 22:34:32.64 ID:qRVYsaMho
速吸了解ー

461: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/25(火) 22:04:44.57 ID:lvVyokSko
ソロモン海、某所。そこでは戦艦娘二人と駆逐艦娘二人が待機していた。

「ンー、テートクたちを待つのも退屈デース」

「……あ、金剛姉様、暗号通信が入りました」

「Oh、テートクから?」

「えぇ。ちょっと待ってください。解読しますので姉様は他の二人を呼んでください」

「OK、榛名。任せたヨー! 綾波ー! 夕立ー! 出撃準備ネー!」

金剛に後を任せ、榛名は解読に集中する。

―――機動部隊、制海権奪取ニ成功セリ。敵制空権ノ要ニ楔ヲ打チ込ムベシ

「うまくいったのですね」

制海権奪取に成功し次第、アイアンボトムサウンドに潜む飛行場姫を討ち取る手筈になっている。

―――コチラカラ援軍ヲ送ル。協力シ敵ヲ粉砕セヨ

「援軍?」

ポータルの方を振り向くとカラクリ箱型の甲板とともに向かってくる艦娘たちが見えた。

「こっちの方にも駆り出されるなんてね」

「頭上は私たちに任せて!」

462: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/25(火) 22:06:20.61 ID:lvVyokSko


~~反撃! 第二次SN作戦 エピソード4 激突!第二次南太平洋海戦~~


ちょうど金剛たちも戻ってくる。

「全員揃ったネ。簡単にBriefingしマース。目標はアイアンボトムサウンド深部、名称飛行場姫」

「一昨年の秋以来ですね……」

榛名が心配そうに呟く。アイアンボトムサウンド。今よりはるかに練度も低く、夜戦装備もない状況下、まさに地獄の如き戦場であった。

「正面から行くと暗夜煙幕が張られているので空母を連れて行くのは困難デース。そこで北回りルートを取りマス」

「制海権を取ったとはいえ、いくつか敵艦隊が確認されてるけど……強行突破しちゃう?」

「敵編成次第ネ。千歳、敵情はどうデス?」

「最初に偵察したときよりずいぶん弱体化してましたね」

千歳からの敵艦隊の報告。真正面からぶつかっても問題なく倒せる相手。

「私たちならどうと言う事はない相手デース」

「損耗を抑え、倒れるまで繰り返し飛行場姫に打撃を加える。そのための綾波ちゃんと夕立ちゃん、そしてこの三式弾ですしね」

駆逐艦娘たちは対地ロケット砲、WG42を構える。

「今度はこれがあるから前より楽勝っぽい!」

「綾波も行きます!」

「OK、Follow Me!! 皆サン、付いてきて下さいネー!!」

金剛の掛け声とともに、飛行場姫攻撃のための挺身部隊は出撃した。

463: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/25(火) 22:07:29.49 ID:lvVyokSko
繰り返される飛行場姫への砲撃。護衛要塞も空母もない上、前世代の艦載機を使用する飛行場姫相手に千歳と千代田の熟練烈風隊が遅れをとることはなかった。

「勝手は、榛名が! 許しません!!」

榛名の放った三式弾が飛行場姫に直撃。数度目の大爆発。再生が確認できたら補充と修理のために撤退し、再度出撃する、というローテーションを繰り返す。

「ウーン、しぶといデース……」

「疲れたっぽいー……」

毎出撃ごとに補給と破損の修復は行っているが、精神的疲労はそう簡単には取れない。

偵察隊を送っていた千歳が眉を顰める。

「うーん、まずいわね」

「What happen? Troubleでもありましたか?」

「北ルートの艦隊構成が重くなってるわ。フラタに……エリツ・たこ焼きヲ級も確認できたわ」

「敵の構成が変わったら背水の陣、とテートクもいってたデース。テートクに支援を要請しマース」

すぐさま提督に打電する金剛。程なく返信が来る。


『支援要請受理。千歳・千代田ニ代ワル艦娘ヲ送ル。中央突破ニテ攻略セヨ』


やってきた援軍は、利根と筑摩であった。

「おーい、金剛よ! お主のための装備を持ってきたぞ!」

利根の手には94式高射装置。

「航空戦力がなくなる代わり、といったところじゃな」

夜偵と交換で装備する。榛名の方を見ると測距儀つき21号電探を筑摩から受け取っているところだった。

「さて、今度こそ決着をつけマース!! 全艦、私についてきてくださいネー!!」

464: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/25(火) 22:08:28.88 ID:lvVyokSko
北ルートの守りが濃くなった分、中央ルートの守りは薄くなっていた。

目に付く相手を片っ端から薙ぎ払いながら、飛行場姫のもとまでたどり着く。

憤怒の形相をした飛行場姫。滑走路じみた艤装から次々と離陸する異形の飛行物体。

「全艦、対空戦闘用意ネ!」

金剛の指示にあわせ砲身の照準を飛来する敵機にあわせる。

「Fire!!」

三式弾を積んだ主砲が一斉に火を噴く。群のど真ん中で炸裂した三式弾は効果的に敵機を落としていく。

間をおかず入る通信。

『金剛姉様、聞こえますか? これよりこの比叡が支援砲撃を行います!』

『霧島もいますよ!』

『OK、My Sisters! 遠慮なくやっちゃってヨー!!』

通信を切り、艦隊に指示を出す。

「全艦、支援艦隊の着弾確認ののち最大戦速! Destroy'em All! 全弾撃ちつくしてでも撃滅ネ!」

直後、着弾音。盛大に水柱と火柱が上がる。それを合図に、艦隊戦の第二ラウンドのゴングが鳴らされた。


~~~~~~


金剛の放った三式弾は怒れる飛行場姫の心臓を食い破り、大爆発を起こした。

「……これで、本当にFinish、デスネ……」

再生する様子はない。ソロモン海周辺の制空権は取ったも同然。さらに東にコマを進めることも不可能ではないだろう。

提督と通信をつなぐ。

『……ん、金剛か。うまく行ったか?』

『金剛旗艦挺身部隊、飛行場姫を撃破、制空権を奪取したネ』

『よし、よくやった。お疲れ様、といいたいところだが……』

『huh?』

『激戦で疲れてるところ悪いが、可能な限り全速力で鎮守府に戻ってくれ。説明はあっちで行う』

それだけ言うと通信が切れる。他の仲間は支援艦隊と合流し、喜びを分かち合っている。

「皆サン、テートクからのMessageデース。ASAPで鎮守府に戻るよう連絡がありました。これより帰投しマース」

海域の主たる飛行場姫が敗北したため、深海棲艦も大人しくなっている。

「……即時の呼び戻し……何があったデース?」

466: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/25(火) 22:10:06.28 ID:lvVyokSko
――― 燃料は戦艦並に食う ―――

艦娘は資材を食うほど健啖家の傾向にある。燃料・弾薬の補充は艤装側の話だが、肉体部分もそれに引きずられる傾向にある。

提督は速吸と『旅行』中である。施設をぐるりと回って最後に食堂というのがいつものパターンである。


提督「で、ここが食堂だ。飯時だしなんか食ってくか?」

速吸「はい!」


提督「基本タダだからな。好きなモン注文していいぞ」

速吸「じゃあお言葉に甘えて、これと、これとこれと……」

提督「……」

速吸「これとこれと、あとそれにこれ」

提督「……マジか……?」


並ぶ大量の皿。

速吸「いただきます」

提督「そんなに食って大丈夫なのか……?」

速吸「はい、平気ですよ」

提督「戦艦とか正規空母クラスだぞ……」


実際ぺろりと食べきってしまい、提督はしばらく速吸のことを畏れたと言う。

467: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/25(火) 22:11:33.24 ID:lvVyokSko
燃料を大量に食う=ダメージを受けたときの鋼鉄消費量が大きい。つまりは食うのだ。

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

469: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/25(火) 22:49:56.80 ID:lvVyokSko
加賀さん了解ー

470: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/27(木) 22:02:09.99 ID:MJl4HoE/o
鎮守府、埠頭。金剛が戻ってきたときには既に提督が雪風・加賀とともに待っていた。

「Hey、テートク! 何があったんデース?」

金剛の問いに、提督はうむ、と唸り、口を開く。

「現在我々は南方海域を攻めているが、これに乗じて西方海域の深海棲艦の活動が活発化してきた」

大淀がホワイトボードを運んでくる。そこには西方海域の地図が張り出されていた。

「本来なら別働隊を送って抑えるのだがそこらへんは猫吊るしが何とかしてくれるということなので、ちょっと大変だが引き続き攻略を任せたい」

指し棒で緑×印の二点を指し示す。リランカ島とアンズ環礁だ。

「リランカ、アンズ、この二点を偵察し、更に敵の主力を撃沈する。単純な話だ」

「MIの頃を思い出しますネー……」

「まぁ、普通来るよな。今回は来る前に叩き潰すが」

などとブリーフィングをしていると、銀髪をサイドテールにした、明緑色の服を着た艦娘が駆け込んでくる。

「いま航空偵察って言ったかも! この秋津洲と大艇ちゃんの出番かも!! 私の出番かも!!!」

「……」

顎に手を当て、しばし沈思黙考する提督。

「筑摩、偵察隊は出せるか」

「いつでも準備万端です」

「よし。加賀の彩雲隊もつくしまぁ大丈夫だろう。金剛、榛名、筑摩、綾波は1時間の休憩のあと、加賀、雪風とともに西部方面へ」

「無視しないで欲しいかもー!!」

471: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/27(木) 22:02:42.69 ID:MJl4HoE/o


~~反撃! 第二次SN作戦 エピソード5 奮戦!西部方面派遣艦隊~~


西部海域。道中の敵を蹴散らしながら進む艦娘たち。

「リランカ島、港湾棲姫が位置を変えてますね……」

「hmm? とりあえずテートクに報告デース」

偵察も順調。だがそれを妨げる相手はいるのだ。

「ん……彩雲隊より敵艦隊発見、敵旗艦は装甲空母姫」

「OK、全艦対空射撃用意。加賀、発艦準備は?」

言いながら振り向くと加賀は既に矢を番えていた。

「いつでもいいわ」

水平線の向こうから見えてくる黒い粒。敵艦載機であろう。

「Good。3カウント後に発艦、その後対空射撃、第一次攻撃隊収容と同時に敵艦隊にEngageしマース」

「わかったわ」

加賀の返答を確認しカウントを始める。

「3、2、1、Take off!!」

金剛の声にあわせ、加賀が烈風を飛ばす。装甲空母姫のロートル機体と熟練の妖精が載った加賀の烈風。もはや鎧袖一触である。

そして制空はそのまま水上艦の打撃力に繋がる。勝敗は火を見るより明らか。



その後もとくに然したる問題もなく進んでいく。

「……筑摩偵察隊、アンズ環礁は大きな動きはないようです。備蓄も陸上棲艦の活動も確認できません」

「こちら榛名、敵補給艦隊を撃滅しました。ここより北北西の方向に向かっていたので主力がそちらにいるものと思われます」

「加賀、榛名の推測は当たってマスか?」

「いまそっちに向かわせてるわ……いた。戦艦棲姫」

「全く、これで何度目でしょうネ」

軽くため息をついて肩をすくめる金剛。アイアンボトムサウンド以来、霧の艦隊が来たときを除いて大規模作戦でその顔を見ない時はない。

今回も戦艦棲姫にソロモン海で遭遇したとの報告が入っている。

「随伴は大したことないわね。大きくて巡洋艦クラス。制空はフラヌだけね」

「では、サクッと片付けて帰りまショウ。既にティータイムに遅れてマース」

472: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/27(木) 22:03:20.59 ID:MJl4HoE/o
随伴艦の弱い戦艦棲姫など、熟練の艦娘たちの前では少しばかり硬い的に過ぎない。

「着弾観測、よろしくね!」

筑摩の砲撃により、バイタルパートを貫かれ、轟沈していく戦艦棲姫。

「むー、雪風たちの出番がありませんでした……」

「ちょっと残念です」

雪風と綾波は五連装酸素魚雷を積み、更に見張り員まで載せた、殺意の高い装備を施していた。

「おー、成功したようだねぇ」

木製のボートに乗ってやってきたのは猫吊るし。モーターもマストもないのに自在に動いている。

「じゃ、後は私がやるから帰って提督に報告しな。というか危ないから離れときなー」

猫をぶんぶん回しながら一方的に通告する。

何をするのかは艦娘たちにも分からないし理解できないが、危険なことだけは分かるのでそそくさとその場を後にする。



鎮守府、埠頭。西部に派遣されていた艦娘がポータルから戻ってくる。

一人、二人、三人。

「戦果Resultがあがったヨー!!」

「榛名、帰投いたしました」

「利根姉さん、心配してないかしら」

四人、五人、六人。

「しれぇ! 雪風帰投しました!」

「綾波、帰投しました」

「提督、任務完了しました」

七人。

「チャオ!」

……七人?

「……誰だ!?」

そこには小麦色の肌をしたツインテールの女の子。服のカラーリングからリットリオやローマと同郷の者と思われる。

「ボンジョルノ! マエストラーレ級駆逐艦、リベッチオです。リベでいいよ。猫吊るしって人から話は聞いてるよ! 提督さん、よろしくね!」

「いつの間に……」

唖然としていると通信機が鳴る。

『はい、こちら鎮守府』

『私からの突然のプレゼントは喜んでくれたかい?』

『猫吊るしか。こういうことは事前に言っとけ』

『じゃ、これで後顧の憂いも断ったし、いよいよFS作戦に取り掛かりますか。私が戻ったら詳細説明するから首を洗って待っててね』

『何で覚悟しろと脅されねばならんのだ』

『脅しでもなんでもなく覚悟したほうがいいよ。じゃーね』

言うだけ言って通信を切るのはいつものことだが、ここまで警告したのは初めてのことである。

「あの情報といい、猫吊るしの言い方といい、嫌な予感しかしない……」

473: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/27(木) 22:06:58.97 ID:MJl4HoE/o
今日はここまで。新しい護衛艦の名前、「かが」だそうですね。
加賀のリクエストがはいった直後にこれとは……運命?

475: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/28(金) 22:36:35.74 ID:3BzMJZFao
鎮守府、執務室。提督は猫吊るしからFS作戦の概要について説明を受けている。

「……というわけで、まずは敵機動部隊を粉砕します」

「敵旗艦は」

「空母棲姫です」

「またかよ。クソだるいな」

うんざりした顔をする提督。

「戦うのは艦娘でしょう」

「一緒だ一緒。あいつらの苦労は俺の苦労だ。可能な限り弱めよう」

「ところで、今回犠牲にするのはこの、某正規空母姉妹の改二に必要となる予定の試製カタパルト甲板ですが」

「また作り直せばいい。というか作れ」

躊躇いなく横暴な指示をする。軽くため息をつく猫吊るし。

「量産するの結構大変なんですよこれ」

「知ったことか。だいたいまだ改二自体は実装されてないんだろう。敵をすりつぶすほうが先だ」

「ま、そうですがね」

そう言って猫吊るしは膝で甲板をへし折った。

476: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/28(金) 22:38:10.66 ID:3BzMJZFao


~~反撃! 第二次SN作戦 エピソード6 反攻作戦!FS方面進出~~


ソロモン海東部。ぷかぷか丸甲板上。

既に艦娘たちは出撃し、敵艦隊と交戦に入っている。

「祈るしかないってのも辛いもんだな」

「嫁さん送ってますもんね」

提督の呟きに返答する猫吊るし。

「深海棲艦のどてっぱらぶち抜きてぇ」

「提督は戦闘海域に突っ込んじゃダメです。あなたがいなくなったら誰が指揮するんですか」

「雪風と大和に総指揮のハウツーは教え込んだし何とかなるだろ」

「なりません。提督あっての艦娘なんですから」

強い口調で否定する猫吊るし。

「お前はどうなんだよ。そもそも俺にやらせず自分でやればよかっただろ」

提督の詰問に猫吊るしは目を逸らしながらぼそぼそ呟く。

「そういうわけにもいかないんですよね……」

提督が更に問い詰めようとしたその時、無線通信が入った。

『こちら長門。潜水艦隊を撃退。海流は北と南に分かれている。どちらに向かう?』

猫吊るしに目を向けると彼女は既に艦隊の配置が記された海図を開いていた。南周りにはヲ級改の文字がぼつぼつ見える。

「北のほうがまだ手薄そうだな……」

通信機を取り、北回りルートをとるよう伝える。

改めて猫吊るしに更に質問しようとしたところで、先に猫吊るしが口を開いた。

「それに……」

「それに?」

「もう二年以上艦隊の指揮を執って、たくさんの戦果をあげているんですよ? 今更あなたから変えるなんて考えられません」

「俺が死んだらどうすんだよ」

「またやり直しですかね。あなたが攻略した海域ぶんは楽になるでしょうが。というわけで軽挙妄動は慎んでください」

「ふん、持ち上げられたもんだ」

477: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/28(金) 22:46:03.14 ID:3BzMJZFao
そんなこんなで雑談している間にも艦娘たちは敵艦隊を撃破し、ついに空母棲姫を追い詰める。

『残存艦は敵旗艦、空母棲姫のみ。全く、手応えないわね!』

第二艦隊旗艦、ビスマルクからの通信。

「よし、止めを刺せ」

『皆、聞いたわね。第二艦隊、全艦最大戦速!』

ビスマルクの号令とともに、第二艦隊が追撃をを開始する。妙高と鳥海から放たれる夜偵が逃げる空母棲姫の位置を捉える。

距離を縮めていくビスマルクたち。空母棲姫は死に物狂いで残りの艦載機を飛ばすも、さらに詰め寄られて爆弾の投下タイミングを逸する。

『逃がさないわよ……甘く見ないで! Feuer!!』

38cm連装砲から放たれた徹甲弾は空母棲姫の体をズタズタに引き裂き、深海棲艦の艤装ごと大爆発を起こした。


「――――っ!! アイツ、無線切り忘れてたな」

「ヘッドホンつけっぱなしなのがいけないんですよ」

爆音に頭をくらくらさせる提督。軽く頭を振って気を取り直す。

「まぁ作戦は成功だな」

「えぇ、これでFS作戦を実行する準備は整いました」

「つまり、今回の敵総旗艦とまみえることができるわけか」

提督が手に取った一枚の書類。そこにはどこかで見たような風貌をした深海棲艦の画と、そのスペック、そしてその名前が記されていた。

「防空棲姫に……!!」

479: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/28(金) 22:48:11.85 ID:3BzMJZFao
――― 今なら無料! 急いで聴け!! ―――

南西諸島防衛線。あ号とい号を同時に消化するのに最適な海域。

今日もまた潜水艦隊が瑞雲と魚雷で無慈悲に敵艦隊を粉砕していく。

提督「さーて、敵主力が近いぞ。気を引き締めていけー」

すると背後から突然特徴のある演歌調のBGMが流れ始めた!

提督「!?」

振り向くとそこには加賀とジュークボックスが!!

提督「こんなとこで何やってるんだよ」

加賀「いえ、せっかく私の歌が登録されたものですから盛り上がるときに流そうと」

流れる曲は加賀岬。

提督「いやただのルーチンワークだから! 盛り上がるところじゃないから! というかジュークボックス勝手に持ち出すなよ!?」

加賀「やはり生で聴くほうが好みですか」

提督「いやいやそうじゃねぇよマイク取り出すなよ何ノリノリで歌い始めてんだよ!?」

480: ◆jf7rnHhSH2 2015/08/28(金) 22:49:30.45 ID:3BzMJZFao
ジュークボックス分も無料になったそうですね

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

481: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/28(金) 22:52:43.76 ID:isHDFyxb0
羽黒

483: ◆jf7rnHhSH2 2015/09/01(火) 22:36:07.16 ID:BHw44lJBo
――― 内気なほうが殺意が高い ―――

羽黒「し……司令官さん? ……ごめんなさい!」


提督「とか言ってたのが」

羽黒「全砲門、開いてください!!」

着弾観測連撃で吹っ飛ぶタ級フラグシップ。明らかに致命傷である。というか上半身丸ごと吹っ飛んでいる。

羽黒「このまま、全ての戦いが終わってしまえばいいのに……」

提督「これだもんなぁ……」

気弱な性格だが改二になってトップクラスの砲戦力を誇り、夜戦も強い。

提督「まぁ歴戦の武勲艦だしなぁ」

そう呟くと同時に武勲艦について思い返す。

~~~~~~

『あの、その…あのっ……ごめんなさい』
『油断しましたね。次発装填済みです』

『はぁ~癒されます、感謝ですね~』
『殺~りま~した~』

『っぽい?』
『ソロモンの悪夢、見せてあげる!!』

『えっ、やだ、あたし!? い、いけるけど』
『ほーらね、そこにいたでしょ?』

~~~~~~

提督「みんな大人しそうな顔して改二になったら殺意高すぎでしょ……羽黒と言い神通と言い他の子と言い……」

羽黒「あの、司令官さん、何か……?」

提督「いや、なんでもない。なんでもないぞ」

羽黒「??」

484: ◆jf7rnHhSH2 2015/09/01(火) 22:37:13.32 ID:BHw44lJBo
まぁイベント延長されたし終了までには間に合うでしょう(震え声)

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

485: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 22:47:20.64 ID:/07jz+M00
大鯨

488: ◆jf7rnHhSH2 2015/09/07(月) 22:51:31.84 ID:z+OxBPVco
鎮守府、執務室。ここは提督の私室兼寝室でもある。提督も人間なので睡眠は必要である。艦娘も休養を取るに睡眠がベストなのは論を待たない。

「さて、明日はFS作戦だ。ゆっくり休んで明日に備えよう」

資料を片付け、提督は言う。

「はい、しれぇ」

雪風は既に寝巻き姿。寝る準備は万全である。

布団は新婚のときに貰った煎餅布団。提督と駆逐艦娘が入るに十分な大きさ。

部屋の明かりを消し、布団に潜り込む。

「……しれぇ、体が震えてます」

「夜は冷えるからな」

「今は夏真っ盛りですよ、しれぇ」

「じゃあ武者震いだ。明日は決戦だからな」

そう嘯く提督の体をぎゅぅ、と密着するように雪風が抱きついてくる。

「しれぇ……不安なときは雪風が、ううん、雪風たちがいますから。あたしたちを信じて下さい」

「んむ……」

曖昧に返事をしつつ、提督は眠りについた……。

489: ◆jf7rnHhSH2 2015/09/07(月) 22:52:43.69 ID:z+OxBPVco


~~反撃! 第二次SN作戦 エピソード7 FS作戦~~


提督が眠りにつく数時間前。執務室では二人きりのブリーフィングが行われていた。

一人は提督。もう一人は猫吊るしである。

「目下の懸念点にして敵総旗艦であるところの防空棲姫について、良いニュースと悪いニュースがあります。どちらからお聞きになりたいですか?」

「良いニュースから」

「そうですか。では」

猫吊るしは軽く咳払いし、ホワイトボードにFS方面の海図を張り出した。

「ここらへん、敵中枢付近だけあって陸上棲艦が複数確認されています。ここと、ここですね」

二箇所のポイントに深海棲艦を模したマグネットを貼り付ける。港湾棲姫と離島棲鬼だ。

「この二箇所を繰り返し叩くことで、敵に致命打を与えやすくなることが判明しました」

「どんな理屈だよ」

「まぁおそらく、拠点からパワーを得ているんでしょう」

肩をすくめてかぶりを振る猫吊るし。ふわっとした物言いなのはいつものことなので置いておく。

「で、悪いニュースってなんだよ」

「本当に聞きたいんですか?」

「話を振ったのはそっちだろう。言えよ」

「……いいでしょう」

提督が促すと、猫吊るしの表情からおちゃらけた調子が消えた。

「ヤツの来歴が分かりました」

「それのどこが悪いニュースなんだよ」

「以前、私のいないときに雪風ちゃんが攫われる事件あったでしょう」

「あぁ、絶望させてあっち側に引き込む作戦だって話だったな」

「それに近いことやってます。ヤツの核は、防空駆逐艦秋月型二番艦、照月」

「というかこっちに似た艦今までもあったじゃねーか。駆逐棲姫しかり軽巡棲鬼しかり」

その言葉を待ってたかのように、一枚の写真を取り出す。

「あれらは沈んだ艦の記憶――それも曖昧模糊な――を元に型をとったに過ぎません。ヤツは……艦娘としての彼女そのものから出来てます」

猫吊るしが見せた写真。防空棲姫の近影。艤装こそ深海棲艦のものだが本体部はこれまでになく艦娘に近い。

「目元がこう、似てるな。秋月に」

「彼女の姉妹艦が元ですから」

「つまるところ、雪風がこういうことになる可能性もあったわけか。反吐の出る話だ」

昔のことを思い返す。あれからずいぶん時が経った。今でも鮮明に覚えている。

「というわけで彼女を、救ってあげてください」

「戦うのは艦娘だ。俺じゃない」

「指示を下すのは貴方ですよ、提督」

490: ◆jf7rnHhSH2 2015/09/07(月) 22:56:58.08 ID:z+OxBPVco
翌日、FS方面海域。FSとはフィジーとサモアの頭文字から来ている。

ぷかぷか丸の甲板上では提督によるブリーフィングが行われている。

「――というわけで、敵基地を焼き潰したのち艦隊を再編成し、敵中枢を叩く。質問はあるか?」

手を挙げる艦娘が一人。

「秋月か。何だ?」

「その、防空棲姫ですが、私と……その……似ているような」

秋月が目を向ける先には防空棲姫の近影。

「あぁ、だいぶ似ているな」

「私たちも沈んだらあのようになってしまうのでしょうか……」

「沈まない為に日々訓練しているし沈まんように指揮する為に俺がいるわけだ。それに」

「それに?」

「万一そうなったとしても皆で取り返すさね」

「しれぇ、昔一人で取り返そうとしましたよね」

横から入る雪風のツッコミ。

「昔は昔、今は今、だ」

「?」

何のことかと首を傾げる秋月。

「あの時は秋月はまだいなかったな。雪風か大和あたりに聞けば分かる」

手を振り話題を打ち切る提督。

「他に質問は無いな? さぁ最終決戦だ。暁の水平線に勝利を刻めィ!!」

491: ◆jf7rnHhSH2 2015/09/07(月) 22:57:51.50 ID:z+OxBPVco
艦娘たちの装備の最終チェックを行う。

第一艦隊旗艦にはあきつ丸。第二艦隊には三式弾やWG42を積んだ艦娘を配備。

燃料、弾薬、艤装のダメージチェックなども欠かせない。

準備が完了し、次々とぷかぷか丸から飛び出す艦娘達を見送る。

「まずは、陸上側の制圧だ……」

~~~~~~

『港湾棲姫、撃破したのであります。全艦損害軽微、戦闘に支障なしであります』

「よし。続けて離島棲鬼も撃破せよ」

『了解であります!』

あきつ丸からの連絡を受け、さらに艦隊を進める。作戦は順調。猫吊るしによるデバフもあいまって大した損害も受けていない。

「うまく行ってるときこそ、油断してはならないんだよなぁ」

離島棲鬼も打ち倒し、撤退。これを数度繰り返す。


「深海棲艦は倒しても倒してもまた平気な顔をして元の位置に湧くので難儀でありますな」

何度目かの帰還時。あきつ丸が少々うんざりした様子でぼやく。

「全くだ。だが平気な顔に見えても内部的に損害は入っているはず。こういうのも重要な役目だ」

「うむ、本隊のためにももう一頑張り、であります」

烈風の補充を終え、踵を返すあきつ丸。

「さて、そろそろ本隊の準備に入るか……」


「道中にあのクソたこ焼きもちヲ改がいるらしいからなぁ」

「それで空母4……私たちが出ることも含め、相当重たい構成ですね」

そう言いながら46cm三連装砲の調整をする大和。

「烈風も熟練度が上がったとはいえ、制空争いも厳しいからな」

第一艦隊には大和型の姉妹のほか、赤城、加賀、大鳳、雲龍が名を連ねている。

「たどり着けなければ倒せませんからね」

「うむ」

「しれぇ、第二艦隊、準備整いました!」

雪風が手を振り伝える。

「第一艦隊も調整完了です」

大和の言に頷く提督。

「よし、陸上攻略部隊が帰還し次第敵中枢艦隊攻略部隊を進発させる! 陸上攻略部隊の一部は決戦支援部隊として援護に回す!」

492: ◆jf7rnHhSH2 2015/09/07(月) 22:58:41.35 ID:z+OxBPVco
空は紅く海は黒く。強力な深海棲艦が跳梁跋扈する海域はいつもそうだ。

「損害軽微、と……。いよいよか。全艦、心して進軍せよ」

進軍の命を下す提督。あとは艦娘たちがうまくやってくれることを祈るのみ。

戦艦棲姫をお供に、現れる異形。艤装のあちこちに天を貫く柱の如く砲門が生えたそれは、艦娘に酷似しつつも艦娘とは決定的な断絶を感じさせる姿。

「来たンだァ……。ヘーェ、来たンだァ……」

ギリ、と歯を食いしばる秋月。

「照月……!」

「秋月ちゃん、今は抑えて。空母の皆さんが攻撃を……」

雪風が押しとどめるが後半が続くことは無かった。

防空棲姫の砲門が火を噴いたかと思えば無数の艦載機が墜落していく。

「そんな……!?」

正規空母四隻分の猛攻をも物ともしない驚異の対空砲火。

「む、村田隊全機未帰還!!」

赤城が動揺を隠せぬ声で報告する。

「まさに空母の天敵ね……」

残り少なくなった友永隊を収容しながら加賀が呟く。

続けて降り注ぐ支援砲撃。だが、防空棲姫は平気な顔をしている。

493: ◆jf7rnHhSH2 2015/09/07(月) 23:00:11.66 ID:z+OxBPVco
そこから先は血で血を洗うが如き激戦だった。

「照月、この秋月が貴方を止め」

秋月が言い切らぬうちに砲撃を浴びせ、再起不能に追い込む。

「秋月ちゃん、しっかり!」

引き上げにかかった雪風に返す刀で魚雷をぶち込む。

駆逐艦とは思えぬ火力を持つ防空棲姫は戦艦棲姫とのコンビで第一艦隊相手に大立ち回り。無事な艦が残らぬ有様。

「ぐぅっ、だが、打撃は与えた。残るは第二艦隊か……」

武蔵が呟く。この時点で第二艦隊は雪風と秋月が大破、阿武隈が中破。到底追える様な状態ではない。

だが、ここで逃がしてはまたやり直しである。


「逃がさないわよ!!」

一番槍はビスマルク。全砲門を開き、魚雷も全弾撃ちつくす勢いで弾幕を張る。

そこに妙高も援護に入る。

「こっちは任せてください!」

だが、防空棲姫は夜戦力も尋常ではない。妙高を牽制しながら、ビスマルクに痛烈な一撃を放つ。

「が、っ……!?」

ビスマルクは思い切り吹き飛ばされ、受身も取れず転がる。追い討ちとばかりに戦艦棲姫が妙高を狙い撃つ。

だが、一人残っていた。戦況を分析し、隙を見せるチャンスを狙うものが。

「主砲、よーく狙って……」

その声に防空棲姫が振り向くが、遅い。

「てーっ!!」

20.3cm主砲は防空棲姫の腹を過たず貫いた。

晴れ行く空。沈む戦艦棲姫。そして防空棲姫の身体も、また。

「アレ……? ウゴカナイ……アッハハハ……。ウミトソラガ…綺麗……」

防空棲姫の腹に開いた穴から何かが零れ落ちる。鳥海がそれを手に取る。

「これは……」

提督がいつも処理しているからわかる。雫だ。

雪風と肩を貸しあいながら秋月が近づいてくる。

「鳥海さん、これは……まさか……」

「きっと、貴方の考えてる通りでしょうね」

「…私が提督に持って行って良いでしょうか」

「えぇ」

そう言って秋月に雫を手渡す。


こうして、拡張作戦たるSN作戦は幕を閉じた。だが、それは新たな始まりに過ぎなかった。

497: ◆jf7rnHhSH2 2015/09/09(水) 22:52:04.94 ID:voR/sIGEo
南太平洋海域。制海権を取ったとはいえ、深海棲艦自体はまだ存在する。

そして、姫・鬼クラスの深海棲艦は通常海域にない『雫』を持っている可能性が高い。

「まぁ蛸を捌くようなもんだ。あらよっと」

提督の持つ包丁に腹を裂かれる水母棲姫。そして切り口に手を突っ込み、『雫』を持って引き抜く。

「……この感触は……来た!?」

……そう、一般的に『掘り』と呼ばれている行為である。

「ヒャッハー!! モノども、第一次作戦終了だー!! ウィーピピー!!」

水母棲姫だったものを蹴っ飛ばして海に還し、奇声をあげて喜ぶ提督。作戦中とはえらい違いである。

「しれぇ、元気になったのはいいですけど、こういう元気はちょっと違うと思います……」


一日ほど日を遡る。鎮守府、執務室。

提督の背後には「進捗ダメです」「電撃棒」「当たり以外は全て外れ」「Welcome Hell!!」「とみみ」など威圧的な文言の書かれた掛け軸が所狭しと飾られている。

提督の目の前には雪風。

「戦勝パーティー中、江風と巻雲とちとちよ姉妹に思いっきりせっつかれた」

「大体予想はつきます。つまり……」

「……追加の出撃だ」

「いつもの、ですね」

大規模な深海棲艦の活動があるとき、その海域で新たな艦娘の雫が発見されるという。その捜索である。

江風の姉である海風、巻雲の妹にあたる風雲、そして千歳・千代田の後継として就役した瑞穂。

深海棲艦が撤退すれば、次いつ探せるかわからない。決断は一つ。

「探すぞ」

手首をほぐし、首をゴキゴキ鳴らす。

「艦隊はどうしますか?」

「攻略に使った艦隊をもとにもうちょっと練ろう」

今夏最後の作戦が始まる……

498: ◆jf7rnHhSH2 2015/09/09(水) 22:53:08.22 ID:voR/sIGEo


~~反撃! 第二次SN作戦 ファイナルエピソード 海は青く風は白く~~



アイアンボトムサウンド。飛行場姫は大人しくなったが彼女がいなくなったわけではないし、近づいたら攻撃されるのは変わらない。

だが、彼女が海風を持っている以上、彼女の腹を裂くには倒すより他にないのだ。

「勝手は! 榛名が!! 許しません!!!」

榛名の三式弾による連撃が飛行場姫を艤装ごと吹き飛ばす。

「榛名、Good Job! サァ、回収するネー!」

倒れ伏す姫の本体部慎重に引き摺り出し、抵抗しないことを確認して連行する。

少しでも怪しい動きをすれば加賀の飛ばしている村田隊が吹き飛ばす寸法である。

どさり、とぷかぷか丸の甲板に下ろされる姫。

「やりました」

「おう、おつかれさん」

姫を吊るして包丁一閃。その後手を突っ込んで雫を取り出す。完全なルーチンワークである。

「……これは貴重だけど違うな」

『養殖』とぞんざいに書かれた箱に雫を放り込む提督。

「駆逐艦っぽい?」

「高波だった」

499: ◆jf7rnHhSH2 2015/09/09(水) 22:53:47.24 ID:voR/sIGEo
もちろん、掘りというものはすぐ出るものではない。傷や体の疲労は高速修復剤で回復できるが、精神の疲労はそうもいかない。

「テートクぅ、皆そろそろ限界デース……」

「ぽぃぃ……」

いつも明るい金剛や戦闘狂の夕立もさすがに度重なる出撃で元気がなくなっている。

加賀や大淀、綾波も疲労の色が見える。その一方で……

「榛名は大丈夫です!」

「ハイになってないか?」

他の五人とは逆の意味で危なそうな気配を感じた。

「まぁ仕方ない。コイツの腹掻っ捌いたら今日は撤収だ」

宣言通り腹を切り開いて雫をもぎ取る。もぎ取ったところで提督の動きが止まる。

「……Hey、テートク?」

心配になって金剛が声をかける。

「あ、ちょっとこれ持ってて」

「アッハイ」

もぎ取った雫を手渡される。

「……やったぁぁぁぁ! やりましたぁぁぁぁぁぁ!!」

提督は歓喜の叫びを上げ、飛行場姫をフックから無理やりもぎ取ると腕を思い切り掴んで振り回し始め、そのまま甲板の端まで近づき、手を離した。

慣性に従い飛行場姫は放物線を描きながら飛んでいき、岩礁にぶつかった後、水底に沈んでいった。

「Oh...」

呆然としている金剛から雫を取り上げ、

「よーし今晩はステーキだYeah!!」

さっきの榛名と負けず劣らずのハイテンションで帰路に着いた。

「……妹、増えたっぽい?」

夕立の呟きに返答するものはいなかった。

500: ◆jf7rnHhSH2 2015/09/09(水) 22:54:31.28 ID:voR/sIGEo
翌日。FS方面海域。空母棲姫が風雲を腹に隠しているらしいっぽいかもという曖昧な情報を元に、艦隊を出撃させていた。

もちろん、鹵獲しては腹を裂くルーチンワーク。最初は普通に採っていたが、回数が増えるごとにだんだん暴力的になってきている。


艦娘たちは次の出撃の為に小休止を取っていた。腹を裂いてからリリースするまでの時間がだんだん長くなってきている。小休止の時間もそれに比例して長くなる。

ふと雪風が右舷側見ると、猫吊るしが歩いていた。

「そういえば猫吊るしさん」

「なんでしょう?」

「しれぇって包丁で深海棲艦のお腹開いてますよね。姫クラスの深海棲艦は物凄く装甲が硬いのにどうして切り開けるんですか?」

「あぁ、それはですね」

例の包丁を手に取る猫吊るし。

「これ妖精さんが鍛刀してるんですよね。貴方たち艦娘の砲が深海棲艦に効くのと同じようなもんです。妖精さんの力です」

「ほへー……」

説明を聞いててふと気づく。今提督が鹵獲した姫を処理中のはずだが何故猫吊るしの手元に解体用の包丁があるのか。

困っているのではないかと提督の方を向く。

「早よ風雲よこせゴルァァァァ!!!」

空母棲姫の身体に貫手が刺さっていた。

「あの、猫吊るしさん、しれぇ、素手で貫通してますが……」

「……人の怒りってコワいね!!」

そう猫吊るしが言うのと、風雲で無かった腹いせにサッカーボールの如く蹴っ飛ばされた空母棲姫が海中に沈むのはほぼ同時だった。

501: ◆jf7rnHhSH2 2015/09/09(水) 22:55:45.41 ID:voR/sIGEo
そんなこんなで。

「水上機母艦、瑞穂、推参いたしました」

「改白露型一番艦となる海風です」

「夕雲型駆逐艦、三番艦の風雲よ」

鎮守府、工廠。海風は江風や春雨と、風雲は夕雲や巻雲、長波や高波と再会を喜び合っている。

「それで早速だが出撃任務だ。海風と風雲は江風、リベ、照月と一緒にFS海域の対潜哨戒だ」

「えっ」

驚く海風。一方春雨は遠い目をする。

「私もやりましたね……爆雷を投げる日々……」

「なぁに、江風や風雲の姉妹も一緒に出るし、対潜のエキスパートである伊勢、龍驤、あきつ丸がサポートしてくれる。安心して欲しい」

出口の方に対潜装備に換装した三人が既に待っていた。

「瑞穂は速吸と一緒に演習だ。戦艦・空母の子と一緒に出撃するから気楽にするといい」

そう言いながら試製晴嵐と甲標的を瑞穂に渡す。

「あっ、はい」

「さて、また備蓄と育成の日々だ……」

こうして第二次SN作戦およびFS作戦は完了した。だが次もまた勝てるとは限らない。勝てるようにするための地道な下積み、それが大切なのだ。

502: ◆jf7rnHhSH2 2015/09/09(水) 22:57:34.17 ID:voR/sIGEo
おまけ

江風「改造してもらったと思ったら遠征遠征また遠征。こう夜戦とかでバーッと活躍したいもんだよ」

風雲「仕方ないわよ。駆逐艦の層が厚すぎるもの」

海風「夕立姉さんが異常すぎるともいえますね」

照月「秋月姉さんもこの戦いでとても練度が上がったと聞きます」

リベ「そういえばミズホは?」

江風「なんかAL海域の哨戒に駆り出されたとか。羨ましいぜ」


~~~~~~


瑞穂「……くしゅん!」

利根「どうした、風邪か? ここは冷えるから体調には気をつけるんじゃぞ」

瑞穂「利根さんこそ寒くは無いのですか?」

利根「毎月行ってて慣れておるからな! はっはっは!」

503: ◆jf7rnHhSH2 2015/09/09(水) 22:58:31.17 ID:voR/sIGEo
イベント編おしまい。

というわけで小ネタに今イベント七名(速吸消化済みだけど)ぶち込んでも何ら問題無いです

506: ◆jf7rnHhSH2 2015/09/11(金) 23:00:19.35 ID:luIItNPEo
――― 面倒な任務は消化しなくたって構わない ―――

鎮守府、執務室前廊下。毎日、毎週、毎月、その他一回こっきりの任務表はここに張り出されている。

「海上突入部隊、進発せよ!」の任務用紙の上には殺意の込められた、しかし最早読めない字で書かれた紙が張られている。

そんな任務表を大鯨は見つめる。

大鯨「……やっぱり手を付けてませんね」


鎮守府、執務室。

大鯨「て・い・と・く」

提督「龍h……今は大鯨か」

大鯨「あ、あの、潜水艦作戦は……」

大鯨の手には【『潜水艦隊』出撃せよ!】の任務用紙。

提督「絶対いかん」

大鯨「そうなんですか……理由をお聞きしてもよろしいでしょうか?」

提督「難度が高すぎる。対潜部隊掻い潜った先の空母を随伴艦ごと全滅させること三度とかやってられん。月毎任務じゃなかったら張り紙張って永久封印するところだ」

大鯨「でもこの大鯨がいればルートは固定でき……」

提督「自分の練度考えろ。行くにしても大鳳・阿武隈あと雷巡と潜水艦で行くし」

大鯨「うー、活躍の場が……」

507: ◆jf7rnHhSH2 2015/09/11(金) 23:01:54.45 ID:luIItNPEo
大鯨の練度と龍鳳の練度は艤装の都合上別なのです

小ネタ艦娘とか安価下既出さらに下

509: ◆jf7rnHhSH2 2015/09/12(土) 09:18:07.20 ID:M5xJBmPTo
海風了解ー



次回 【艦これ】泣き虫雪風と釣り人提督 Part3 後編