勇者「すごい美人で有能な僧侶と魔法使いをお願いします」 中編

3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/29(金) 13:33:17.94 ID:hpeqfj4Jo
勇者「そもそも僕は女性陣の裸を見たことがないんですよ?それを見ないまま成仏は不可能」

ドラゴン「嘘をつくな!!」

勇者「あ、キラちゃんのはバッチリ見ちゃったな。確かに」

ドラゴン「そういうことじゃない……!!」

勇者「しかし、君の裸も見てないので、見るまで殺されても死ねないですよ、いや、本当に」

ドラゴン「いい加減に……!!」

キマイラ「今のドラゴン様では勝てませんよ」

ドラゴン「ふざける―――」

勇者「戦うな。君が戦い、傷ついたら、僕はまた剣を抜かなければいけない。そうなれば泥沼の消耗戦になる」

ドラゴン「残される者たちのことを考えろ!!!」

勇者「自分勝手な勇者で……本当に申し訳ありません」

ドラゴン「帰ってくるんだ!!!」

勇者「みなさんによろしく……貴女も牙を剥くことはもうしないください……僕からの最後のお願いです……」

キマイラ「失礼します」バッ

ドラゴン「ふざ……けるなぁぁぁぁ!!!!!!!」

引用元: ・勇者「すごい美人で有能な僧侶と魔法使いをお願いします」―epilogue― 



4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/29(金) 13:38:13.44 ID:hpeqfj4Jo
魔法使い「―――どうしたの!?」

僧侶「え?え?敵襲ですか?!」

エルフ「何かあった?」

少女「……」

キラーマジンガ「マスター?」

キャプテン「なんだい、うるさいねえ……」

少女「魔王の残党が……来ただけだ」

魔法使い「そいつは?」

少女「俺が追い払った」

キャプテン「なんだ、それだけかい。―――あたたた」

僧侶「寝ていないとダメですよ」

キャプテン「そういうわけにもいかないだろう。ダーリンが大仕事をこなしてくれたんだ。あたしが休んでるわけにもいかないよ」

魔法使い「どうせ、港に帰るまでは何もできないでしょ?」

キラーマジンガ「休養は重要です」

キャプテン「はいはい……分かったよ……うるさいねえ……」

5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/29(金) 13:43:49.07 ID:hpeqfj4Jo
少女「……」

エルフ「ドラゴン様?」

少女「なんだ?」

エルフ「……何か……あったのですね?」

少女「……」

エルフ「あの……」

少女「勇者は去った」

エルフ「え……」

少女「もう帰ってはこないだろう」

エルフ「ど、どういうことですか?!」

少女「だが、必ず帰ってくるとも言った……」

エルフ「は……?」

少女「だから……俺は待つことにする……勇者の凱旋を……」

エルフ「どこに……行ったのですか……」

少女「奴の決意を無駄にはできない……」

8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/29(金) 13:50:55.49 ID:hpeqfj4Jo
―――翌日

魔法使い「あれ?あのタラシは?」

エルフ「……」

少女「奴ならこの船から降りた」

僧侶「えぇ?!」

キラーマジンガ「海に飛び込んだのですか?」

少女「色々な女性を口説きすぎて、故郷に帰ったあとのことが怖くなったと言っていた」

魔法使い「はぁぁぁぁぁ?!」

キラーマジンガ「パパの側室は私を含め7人いました」

僧侶「あの……」

キラーマジンガ「しかし、側室であれば別に問題はないように思えますが」

魔法使い「何が側室よ!!ふざけんじゃないわよ!!私はそんなの認めてないわ!!」

キラーマジンガ「そういうわれましても」

少女「とにかく奴は去った。探すなら探せばいい」

魔法使い「誰が探すのよ!!あんなやつ!!」

10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/29(金) 14:14:28.89 ID:hpeqfj4Jo
―――甲板

魔法使い「ボートは?」

キャプテン「んなもんでこの大海原に出る気かい?」

魔法使い「聞いただけよ」

キャプテン「ダーリン……どこいったのかねえ」

魔法使い「新しい側室でも探しにいったんでしょ」

キャプテン「本当にそう思ってる?」

魔法使い「……ふん」

キャプテン「何か一言ぐらいあってもよかったのにねえ」

魔法使い「ホントよ……。私物は全部置いていくとか……誰が管理すると思ってるのよ」

キャプテン「あたしがするよ?」

魔法使い「え?」

キャプテン「ダーリンの服とかあるんだろ?―――あー、毎晩匂いを嗅ぎながら……ふふ……」

魔法使い「だめよ!!何いってんのよ!!」

キャプテン「あたしに任せておけばオールオーケーさね」

11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/29(金) 14:20:02.82 ID:hpeqfj4Jo
―――客室

僧侶「勇者様……何か置手紙でも……」ゴソゴソ

エルフ「……無いと……思うけど……」

僧侶「どうしてですか?あの勇者様ならきっと何を残しているに違いありません」

キラーマジンガ「はい。パパはふざけた人でしたが、とても訳もなく失踪するとは考えにくいです」

エルフ「それはだから、女性関係が煩わしくなったから……」

キラーマジンガ「話は伺いました。誰もパパとは  関係がないとか」

エルフ「そ、そりゃないよ!!」

僧侶「残念ながら……ありません……」

キラーマジンガ「誰とも一線を越えてはいません。その程度で煩わしく思うような人物ならば、最初から手当たり次第に口説こうとはしないはずです」

エルフ「ガーちゃん……」

キラーマジンガ「と、恋愛マニュアルに書いてありました」

エルフ「誰の本?」

キラーマジンガ「パパのです」

エルフ「あぁ……そう……」

12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/29(金) 14:33:41.78 ID:hpeqfj4Jo
僧侶「あ……」

キラーマジンガ「便箋ですか?」

僧侶「これは……姫様のラブレター……」

エルフ「なんて書いてあるか見る?」

僧侶「でも……」

キラーマジンガ「何か手がかりがあるかもしれません」

僧侶「そ、そうですね……よ、よし……」

僧侶「えい!!」ペラッ

キラーマジンガ「なんと書かれていますか?」

僧侶「えっと……昨夜はご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした―――」

―――きっと約束を守ることはないでしょう。勇者様の言葉の奥、そして見つめる先には尋常ならざる覚悟があるようでした。

こう書くと失礼ではあるのですが、私には勇者様が生への執着を捨てたようにしか見えませんでした。

もしも、貴方が平和のために、他人のために命を捨てるつもりなのであれば、思いとどめて欲しいです。

私は貴方を愛しています。貴方自身の犠牲で紡がれる未来など私はいりません。

死なないで。絶対に。

13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/29(金) 14:39:52.95 ID:hpeqfj4Jo
―――甲板

少女(目に映るもの全てを守るとは……こういうことだったのか……?)

少女「お前は愚かだ……これから先……誰が守ってくれるというのだ……」

魔法使い「ねえ」

少女「どうした?」

魔法使い「他に何か言ってなかったの?」

少女「気になるのか?」

魔法使い「野垂れ死にされたら……夢見が悪いでしょ……」

少女「ふん……少なくとも野垂れ死にはしないだろう……」

魔法使い「そうなの?」

僧侶「―――大変です!!!」

魔法使い「どうしたのよ?」

僧侶「ゆ、ゆ、勇者様は……!!!」

魔法使い「なに?」

僧侶「し、し、死ぬつもりだったんですよ!!!」

14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/29(金) 14:44:31.28 ID:hpeqfj4Jo
魔法使い「は?」

僧侶「こ、これを!!」

魔法使い「これ……姫様の手紙じゃない……」

少女「……」

魔法使い「え……」

僧侶「きっと、姫様には最後の挨拶を済ませていたのではないでしょうか?」

魔法使い「でも……死ぬって……」

僧侶「敵討ちの連鎖を……止める為に……では……?」

魔法使い「連鎖って……」

僧侶「魔王を倒したのですから人間は魔物から恨まれます。勇者様はそうさせないために……」

魔法使い「人間代表で生贄に……なったっていうの……」

僧侶「……どうなのですか?」

少女「それが正解だったとして、俺たちに何ができる?」

魔法使い「助けに行けば!!」

少女「助けに?勇者が命を賭けてまで全てのニンゲンを守ろうとしたのに、それを反故にするのか?」

16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/29(金) 14:51:23.92 ID:hpeqfj4Jo
魔法使い「そ、それは……」

少女「この話はこれで終わりだ」

僧侶「そんなのってないです!!」

少女「なら、行け。俺は止めない」

魔法使い「……」

僧侶「ゆうしゃ……さまぁ……」ウルウル

少女「これで終わりなんだ……世界は救われ、ニンゲンが魔物と争う理由も潰えたのだから……」

魔法使い「アイツは……最後まで自分勝手で……他人の気持ちなんて……何も考えなくて……!!」

僧侶「ゆうしゃさまぁぁ……ぁぁぁぁ……!!!!」

少女「見てみたかったな……勇者が統治するところは……」

魔法使い「なんでよ……どうして最後まで……何もかもを滅茶苦茶にしていくのよ……あの馬鹿は……!!」

僧侶「ゆうしゃさまぁ……ゆうしゃ、さまぁ……ぁぁ……!!」

魔法使い「もういいわ……あんな奴……大嫌いよ……世界で一番……」

魔法使い「きら……い……なんだから……」

キャプテン「―――島が見えたぞぉぉぉ!!!てめえら!!上陸の準備しなぁ!!!」

17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/29(金) 14:57:29.25 ID:hpeqfj4Jo
―――海賊の村

キャプテン「色々世話になったね」

エルフ「それはこっちのほうだよ。ありがとう」

僧侶「……」

キャプテン「大丈夫かい?」

魔法使い「ああ、平気よ。楽しかったわ。初めは……海賊なんて嫌な奴らだって思ってたけど……」

キャプテン「まぁ、昔も今も海賊は鼻つまみ者さ。まあ、これからは平和になるだろうし、漁業でもしようかねえ」

船長「手伝います!!キャプテン!!!」

海賊「うっす!!!」

キャプテン「たっりめーだよ!!!アンタたちはあたしに一生を捧げなぁ!!!」

少女「楽しそうだな」

キャプテン「船に乗りたかったらいつでも言って頂戴な。あんたたちなら大歓迎だからね」

キラーマジンガ「海はもうこりごりです」

キャプテン「そういうなって。特にキラキラちゃんの腕っぷしは買ってるんだからね」

キラーマジンガ「買ってもらっても困ります」

キャプテン「あっはっはっは!!じゃあ、またね!!元気でな!!」

魔法使い「ええ!貴女たちもね」

エルフ「さよなら」

キャプテン「絶対に遊びにくるんだよー!!!」

18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/29(金) 15:05:34.67 ID:hpeqfj4Jo
―――港町

魔法使い「え?ここに住むの?」

少女「ああ。悪くない場所だからな」

魔法使い「でも、どうして……」

少女「ここに居ればきっと様々な情報が入ってくるはずだ。それに海賊たちからも情報を仕入れやすい」

エルフ「情報って?」

少女「魔族の動きだ。新たな魔王が誰になるのか分からないが、不穏な動きはかならずあるだろう」

キラーマジンガ「マスターは迅速に対応するため、永住を決めたのですね」

少女「永住はしない。暫くの間だ」

キラーマジンガ「では、私はマスターの下で色々とお世話させていただきます」

少女「結構だ……といいたいが、まあ、頼む」

キラーマジンガ「はい」

魔法使い「ここでお別れね」

エルフ「今までありがとう。ガーちゃんには優しくしてね」

少女「分かっている。ああ、道中危険だろうから、キラーマンジガを連れて行け。それじゃあな」

19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/29(金) 15:12:55.63 ID:hpeqfj4Jo
―――フィールド

魔法使い「貴女はどうするの?」

エルフ「ボクは……どうしよう……」

魔法使い「里に帰るの?」

エルフ「うーん……それが一番いいかなぁ……」

キラーマジンガ「里に戻られると、こちらから会いにいくのは非常に困難ですね」

魔法使い「そうねー、見えないものね」

エルフ「あはは、そうだね」

僧侶「……」

エルフ「……でも、今更帰ったら、根掘り葉掘り色々聞かれそうで面倒かもね」

魔法使い「じゃあ、どうするつもりなの?」

エルフ「もう少し、みんなと一緒にいてもいい?」

魔法使い「勿論よ。ね?」

僧侶「……」

エルフ「ありがとう。嬉しいよ」

20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/29(金) 15:19:52.65 ID:hpeqfj4Jo
―――城下町

キラーマジンガ「では、ここまででよろしいですか」

魔法使い「護衛ありがとう。助かったわ」

キラーマジンガ「いえ、私も補給を兼ねていますから」

エルフ「ドラゴン様によろしく」

キラーマジンガ「はい」

魔法使い「貴女に言うのも変だけど……元気でね」

キラーマジンガ「はい」

僧侶「……」

魔法使い「なんとか言ったら?当分、会えないんだし」

僧侶「……今までありがとう……ございます……」

キラーマジンガ「こちらこそお世話になりました」

エルフ「またね、ガーちゃん」

魔法使い「マーちゃん、またね」

キラーマジンガ「はい。いつか必ず」

21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/29(金) 15:28:14.01 ID:hpeqfj4Jo
―――夜 宿屋

魔法使い「あー!!!もう!!報奨金が出ないってどういうことよぉ!!」

エルフ「世間では海賊艦隊の功績だから仕方ないね」

魔法使い「大金が手に入るはずだったのに」

エルフ「大金なんて手に入れてどうするつもりだったの?」

魔法使い「お店でもやろうかなって。もう、冒険はこりごりだし」

エルフ「商売か……」

僧侶「そうです!!」ガタッ

魔法使い「え?な、なに?」

僧侶「お花屋さんをやりましょう!!」

エルフ「薬草屋じゃなくて?」

僧侶「お花屋さんです!!なんとなく考えていました!!」

魔法使い「アイツのことで悩んでたんじゃないの?」

僧侶「いえ。勇者様が帰ってくるまでどう過ごそうかずっと考えていただけです」

エルフ「あぁ……そうなんだ……」

22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/29(金) 15:34:37.99 ID:hpeqfj4Jo
僧侶「がんばりましょうね」

魔法使い「お店をやるのはいいけど……資金は?」

僧侶「ないんですか?」

魔法使い「無いわよ」

エルフ「じゃあ、まずは資金を集めるところからだね」

魔法使い「どこで集めればいいかしら?」

僧侶「また傭兵として登録しておきますか?」

魔法使い「……そうね。まあ、そっちは片手間でいいけど」

エルフ「傭兵?二人とも傭兵だったの?」

魔法使い「あれ?言ったことなかった?」

僧侶「傭兵登録所で私たちと勇者様は出会ったのです」

エルフ「へえ……」

魔法使い「でも、魔王はいなくなったし……傭兵の需要なんてあるのかしら?」

僧侶「魔物がいなくなったわけじゃないですから、きっとありますよ」

魔法使い「私たちにあればいいわね……需要……」

23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/29(金) 15:42:02.06 ID:hpeqfj4Jo
―――数ヵ月後 傭兵登録所

魔法使い「暇ね……」

僧侶「今日の新聞ですよー」

魔法使い「んー……なになに……大漁船艦隊、密漁発覚か?……艦隊の首領は否認……」

僧侶「キャプテンさん、楽しそうですね」

魔法使い「トラブルも絶えないみたいだけどね」

僧侶「そういえばジーちゃんとゴンちゃんからも近況報告の手紙がきたんですよ」

魔法使い「なんだって?」

僧侶「最近、すごいことが舞い込んだとのことです」

魔法使い「すごいこと?」

僧侶「魔族の中で保守派と革新派が対立を始めたそうで。で、革新派のリーダーにゴンちゃんが選ばれたとか」

魔法使い「あの子、なんだかんだ言って魔族のために動いてるのね」

僧侶「ジーちゃんを秘書にするって書いてありましたよ?」

魔法使い「みんな……色々してるのね……」

僧侶「何も変わっていないの……私たちだけですね……」

24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/29(金) 15:47:56.76 ID:hpeqfj4Jo
エルフ「ただいまー。いやー、疲れた」

魔法使い「おかえりなさい」

エルフ「魔物は目的なくニンゲンを襲うようになったみたい。もう大変だよ」

僧侶「お忙しいようで羨ましいです」

エルフ「お花屋さん開業のためにバリバリ働かないとね」

魔法使い「ありがとう……でも、私たちにも仕事くれぇぇ……」ウルウル

僧侶「お願いしますぅ……」ウルウル

エルフ「ボクに言わないでよ!!」

魔法使い「そもそも私たちが魔王を倒したのに世間の風は厳しいわね」

僧侶「キャプテンさんばかりが記事になってましたからね」

魔法使い「はぁ……美味しい仕事……ないかしらねぇ……」

僧侶「そうですねえ……」

エルフ「なんか最近老け込んでない?」

魔法使い「老け込んでないわよ!!」

僧侶「ちょっとヤル気が起きないだけです!!」

25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/29(金) 15:52:44.80 ID:hpeqfj4Jo
受付「あーちょっといいですか?」

僧侶「はい?」

魔法使い「なぁに?」

エルフ「また仕事?ボクはパスだよ」

受付「ああ、いえ……それが……」

魔法使い「なによ?」

受付「魔法使いと僧侶とエルフ族を出せと言う人が今来ているのですよ」

僧侶「え……」

エルフ「ボクがエルフってことは……」

受付「もちろん公表なんてしてませんよ!!」

魔法使い「……ねえ、他に条件とかつけてこなかった?」

受付「すごく美人で有能なって言ってましたね」

僧侶「もしかして……!!」ガタッ

エルフ「そんな……こと……」

魔法使い「い、行きましょう?」

26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(大阪府) 2012/06/29(金) 16:06:06.30 ID:hpeqfj4Jo
受付「―――お待たせしました」

「……おぉ!素晴らしい!」

受付「こちらの方々でよろしいですか?」

「ええ。勿論ですよ」

魔法使い「……」

「よろしくお願いします。いやー、実は知り合いが遠く離れた港町にいるらしいのですが、このご時勢一人で出歩くのは危険でして、はい」

僧侶「うっ……うぅ……」

「そこでとっても美人な傭兵を探してここにやってきたわけなんですよ。いやー、ここまで見事な美人だとは思いませんでしたが」

エルフ「……っ」

「短い間……いや、長い間、いやいや、一生涯、僕だけの傭兵になってもらいたいぐらいですね」

魔法使い「馬鹿じゃないの?」

僧侶「うぅぅ……うぇぇん……んっ……ぐすっ……」

エルフ「……話してくれるよね?今まで何があったのかぐらいは。こっちは本当に心配したんだから!!」

「それを語るにはまずはベッドインからしないとダメですね。でも、その前に……ただいま戻りました。みんなが大好きな元・勇者です」


END