1: ◆C2VTzcV58A 2019/12/15(日) 21:26:04.42 ID:F3FS0SJh0
摩美々「さむ……」

P「寒いな」

摩美々「ちょっとあったかくなったと思ったら、最近は突き落とすみたいに急に寒くなりましたよねー」

P「そうだなぁ。寒暖差で風邪ひいちゃいそうだ」

摩美々「だから冬って嫌なんですよ。こうやって、こたつに籠ってぬくぬくしているのがいちばーん」

P「……まあ、午前のレッスンは頑張っていたし、フリーの時間にそうしていること自体は一切叱るべきところもないんだが」

摩美々「なんですかぁ、その含みのある言い方。遠回しにせずに、はっきり言うべきだと思いまぁす」

P「じゃあ言うけど」



P「こたつに入ってるのはふたりだけなのに、なんで俺達こんなにくっついてるんだ?」

摩美々「えー?」

P「こたつには辺が4つあるのに、なんでわざわざ俺が座ってたところに入り込んできたのかって聞いてるんだ」

摩美々「もともとここに入ろうって決めてたんですー。そしたらプロデューサーがもう入ってたから」

P「どこに入っても同じだろう。傍から見ると結構おかしな光景だぞ、これ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1576412764

引用元: シャニP「摩美々がくっついて離れない」 



2: ◆C2VTzcV58A 2019/12/15(日) 21:27:05.27 ID:F3FS0SJh0
摩美々「誰もいないからいいじゃないですかー。……それに、私はこうしていたいと思ってますし」

P「俺とくっついていたいって? どうして」

摩美々「それは……だって」イジイジ

P「………摩美々。まさか」

摩美々「こんな寒い日は、暑苦しい人のそばにいればあったかくなるかと思いましてー」

P「……まあ、そんな意味だろうと思ったよ」

摩美々「あれー? どうしたんですかぁ、拍子抜けしたような顔して。もしかして、なにか他の理由があると思ってましたぁ?」ニヤニヤ

P「こら、大人をからかうんじゃない」

摩美々「その返し、便利すぎるから禁止しません? トレーディンカードゲームなら即制限喰らいますよ」

P「これはカードゲームじゃないからいいんだ」

摩美々「まあ、せいぜい壊れカードに頼っててくださいー。2年経てば私もオトナの仲間入りですから、その手も使えなくなりますしー」

P「あ、そうか。成人か……」

摩美々「ふふー。楽しみですねー」


3: ◆C2VTzcV58A 2019/12/15(日) 21:31:58.26 ID:F3FS0SJh0
摩美々「しかし寒いですねー。暖房の温度、もっと上げられないんですかー」

P「最近調子が悪いんだよなぁ。業者呼ぶか、買い替えたほうがいいかもしれないな」

摩美々「こたつで足元は暖まりましたケド、上半身が冷え切っちゃいますー。プロデューサー、責任とってもっと暖めてくださいー」

P「なんで俺が責任を」

摩美々「この部屋の主はプロデューサーなんですから、部屋の管理もプロデューサーの責任じゃないですか」

P「この部屋の主は社長だと思うけどな……というか、上半身が冷えるのは肩出した服着てるからじゃないか?」

摩美々「私のファッションにケチをつけるつもりですか? それは喧嘩の合図になりますよー」シュッシュッ

P「違う、違うから俺の腕にジャブを打ち込むのはやめてくれ」

摩美々「つかれたー」

P「ばてるの早すぎないか!?」

摩美々「寒さは体力を奪うんですー」

P「ダメだ、摩美々が悪い子を通り越してダメ人間になりつつある……わかった。ちょっと待っててくれ」

摩美々「?」

4: ◆C2VTzcV58A 2019/12/15(日) 21:33:25.50 ID:F3FS0SJh0
P「確かこの辺に……」

摩美々「なに探してるんですかぁ」

P「なんだ、あれだけ寒い寒い言ってたのにこたつから出てきたのか」

摩美々「気になって落ち着かなかったので。プロデューサー、逃げちゃうかもしれないですしー」

P「俺はどこにも行ったりしないから、安心していいよ」

摩美々「……もしかして、私が寂しがってたとか勘違いしてません?」

P「してないしてない」ニコニコ

摩美々「ムカつく顔ー」シュッシュッ

P「笑顔がムカつくって言われるの理不尽だな……お、あった」

摩美々「なんですかぁ、これ」

P「どてら。あったかいぞ」

摩美々「おー。いいもんもってんじゃねーかー」

P「なんでヤンキー風?」

摩美々「こういうのがあるならもっと早く言ってくださいよー。今まで毛布にくるまったりしてたんですからぁ」

P「存在を忘れてたんだよ。でも、ミノムシみたいになってる摩美々はかわいかったなぁ」

摩美々「そんなに虫が好きなら、今度こっそりコートのポケットに入れといてあげますねー」

P「やめてくれ。本気でビビりそうだから」

摩美々「ふふー。どてら、ありがとうございまぁす」


5: ◆C2VTzcV58A 2019/12/15(日) 21:35:21.25 ID:F3FS0SJh0
摩美々「ふふー♪」ヌクヌク

P「上はどてら、下はこたつ。幸せそうだな」

摩美々「おかげさまでー」

P「摩美々みたいな子がどてらを着ているのを見ると、なんだか新鮮だな」

摩美々「ミスマッチってことですかー」

P「むしろ逆だよ。普段のファッションとのギャップがあって映えると思った」

摩美々「プロデューサーに染められちゃったー」

P「ははっ」

摩美々「プロデューサーは、どてらが似合いそうですよね」

P「どういう意味で言ってるのか図りかねるな……」

摩美々「ご想像にお任せしまぁす」

P「まあ、いいか。それより摩美々」

摩美々「んー?」

P「どてらを着て防寒ばっちりなのに、わざわざまた俺とくっついてるのは」

摩美々「………」

P「………」

摩美々「ぷい」

P「なんだその反応」

摩美々「プロデューサーは、自分の暑苦しさをわかってませんねー。今離れたらまた寒くなっちゃうじゃないですか」

P「そこまでか? ……はっ、まさか遠回しに汗臭いことを伝えようとしている……!?」ビク

摩美々「汗臭い人にわざわざくっつこうとしませんってば……ほら、飴あげますから元気出してくださいー」

P「子供扱いしてないか?」

摩美々「普段子供扱いされてることへの仕返しですからぁ」

P「それは年齢的な話であって……ありがとう、いただくよ」

摩美々「めしあがれー」

P「………お、うまい」

摩美々「まみみセレクトですからー」

P「さすがの目利きだな……ごちそうさま」

摩美々「食べ終わりました? では、この鏡を見てくださいー」

P「うん?」

P「うおっ! 舌が紫に!」

摩美々「ふふー、今度はまみみ色に染めちゃいましたぁ」


6: ◆C2VTzcV58A 2019/12/15(日) 21:38:01.18 ID:F3FS0SJh0
P「………」

摩美々「………」

P(なんか、ずっとくっついてたら慣れてきたな。摩美々も静かになったし)

摩美々「……んー」

P「なにか考え事か?」

摩美々「あー……そうですね」

P「悩みがあるなら聞くぞ。できることなら力になりたい」

摩美々「悩みっていうほど深刻な話ではないんですケド……名前を考えてて」

P「なんの」

摩美々「子供」

P「!?!?」

摩美々「どうしたんですか? すごい顔してますケド」

P「い、いや……なんでも、ない」

P(こ、子供!? どういうことだ……さすがに今子供ができそうとかそういう話じゃないよな? 将来的な話か?)

P「………」

摩美々「……あの。そこまで真剣に考えてもらわなくても」

P「その、だな」

P「……『マミ』とかは……さすがに安直すぎるかな……?」

摩美々「………」


摩美々「あの。さすがに今回は、私の説明不足というか、言葉が足りなかったことを認めるんですケド」

P「?」

摩美々「子供って、カメレオンのことなんですケド。新しく飼おうかと思ってて……」

P「………」

7: ◆C2VTzcV58A 2019/12/15(日) 21:39:44.01 ID:F3FS0SJh0
P「………」モゾモゾ

摩美々「無言でこたつの中へ吸い込まれていくの、絵面が怖いのでやめてくれませんか?」

P「恥ずかしくて、顔を見せられない……!」

摩美々「謝りますから。紛らわしいこと言ってすみませんでした」

P「いや……俺の方こそ、妙な勘違いをしてすまなかった」

摩美々「いえいえ」

P「いえいえ。俺もやっと落ち着いてきた」

摩美々「それはよかったですー」

摩美々「じゃあ、これで謝罪は一応済んだので」

P「?」

摩美々「……ぷっ。ふふっ、ふふふっ、ごほっげほっ」クスクス

摩美々「こ、子供って……誰と誰の子供で想像したんですかっ……あははっ」ゲラゲラ

P「………」プルプル

P「謝ったからって遠慮せずに笑うなーー!!」


8: ◆C2VTzcV58A 2019/12/15(日) 21:40:32.74 ID:F3FS0SJh0
………

……


9: ◆C2VTzcV58A 2019/12/15(日) 21:44:57.46 ID:F3FS0SJh0
P「じゃあ、いってきまーす」

摩美々「あ、ちょっと待ってくださいー。ハンカチ忘れてますよー」

P「あ、本当だ。ごめんごめん」

摩美々「忘れん坊とは悪い子ですねー。いい子な妻に感謝してくださいー」

P「わかってるよ。ありがとう」

P「………」

摩美々「どうしました?」

P「いや……まさか、本当に摩美々とくっつくことになるとはなぁ」

摩美々「急になんですかぁ? 今さら離婚とか許しませんよー」

P「わかってるよ。離れるなんてありえない。こんなによくできた奥さんがいて、それに」


「パパー!」


P「こんなにかわいい娘がいるんだもんな」

摩美々「ほら。パパにいってらっしゃいは?」

「パパ、いってらっしゃい!」

P「はい、いってきます」

P「さあ、今日もお仕事頑張るぞー」

10: ◆C2VTzcV58A 2019/12/15(日) 21:46:18.48 ID:F3FS0SJh0
摩美々「さ、まぴぴも幼稚園の支度しないとねー」

まぴぴ「はーい!」


P「………」


P「いやさすがにそれは安直すぎるだろ!!!」

11: ◆C2VTzcV58A 2019/12/15(日) 21:46:51.46 ID:F3FS0SJh0
P「―――はっ!?」

P「ここは……こたつの中」

P「そうか、夢か……暖かくてつい寝ちゃってたんだな」

P「摩美々は……」


摩美々「………すぅ」スヤスヤ


P(摩美々も寝ちゃってるのか)

P(結構時間経ってるし、そろそろ出ないとな。起こさないようにそっと――ん?)

摩美々「………」ギュッ

P「……袖、掴まれちゃってるな」

P「………」

P「もう少しだけ、くっついておいてあげるか」


12: ◆C2VTzcV58A 2019/12/15(日) 21:47:46.29 ID:F3FS0SJh0
摩美々「ぴーまん……パパのパンツを被っちゃダメだよ……」

P「いやその名前もないだろ!」

摩美々「いいじゃないですか……すぴー」

P「あっ! さては起きてるな摩美々! 狸寝入りかっ!」

摩美々「寝てまーす。なので、もっと恥ずかしい台詞とか寝言とか言っちゃってくださいー」

P「ね、寝言? 俺、寝てる時なにか言ってたのか? なんて?」

摩美々「………」


摩美々「すぴー」

P「こら、ごまかさないで起きなさい! 摩美々ーーー!!」

摩美々「ふふー♪ まだまだ離しませんよー」



おしまい