1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 17:41:57.60 ID:u+cRwWLVO
シンジ「おはよう綾波」

綾波「おはよう」

シンジ「はいお弁当」

綾波「ありがとう」

シンジ「急に寒くなったね。風邪に気を付けてね」

綾波「うん」

アスカ「なに朝からイチャついんてのよ!! バカじゃないの?」

シンジ「うるさいなアスカには関係ないだろ!!」

アスカ「うるさいとは何よ!!」

シンジ「もういいよ、ゴメンね綾波」

綾波「ううん」




ミサト「ちょっと、いいかしら? 大事な話があるの」

綾波「はい」


3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 17:43:58.39 ID:u+cRwWLVO
\第一話 避けろ!! 気円斬は危ないぞ!!/

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 17:45:06.40 ID:u+cRwWLVO
ミサト「あのね、すっごく言いにくいことなんだけど」

綾波「?」

ミサト「あなた、病気なのよ」

綾波「病気?」

ミサト「……アゴが……しゃくれるの」

綾波「?」


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 17:47:20.56 ID:u+cRwWLVO
ミサト「しかも、日に日にね」

綾波「?」

ミサト「原因はわからない。でも大丈夫よ。死んだりはしないし、すぐに治る可能性もあるわ」

綾波「?」

ミサト「どうしたの?」

綾波「いえ」

ミサト「しゃくれてもエバーには乗れるから、気にしないこと。いいわね?」

綾波「はい」

ミサト「んじゃ、そういうことだから」ガラガラ

綾波「はい」

綾波「……」

綾波「?」

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 17:48:43.29 ID:u+cRwWLVO
\最終話 閃け!! 乱れ雪月花!!/

10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 17:50:11.63 ID:u+cRwWLVO
―1日目―



■綾波 レイ(あやなみ れい)



シンジ「おはよう綾波」

綾波「おはよう」

シンジ「はいお弁当」

綾波「ありがとう」

11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 17:52:40.99 ID:u+cRwWLVO
シンジ「今日も頑張ろうね」

綾波「聞いてもいい?」

シンジ「なにかな?」

綾波「しゃくれって、なに」

シンジ「しゃくれ? しゃくれたアゴのこと?」

綾波「うん。たぶん」

アスカ「まーた朝からぺちゃくちゃと。ほんと暢気ね」

シンジ「あ、ねぇアスカ。ちょっと猪木の物真似してみて」

アスカ「はぁ? あんた、バカァ? なんでそんなことしなくちゃいけないのよ」

シンジ「猪木知ってるでしょ。やってよ」

アスカ「そりゃ知ってるけど、嫌よ!! 本気で馬鹿じゃないの?」

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 17:55:43.05 ID:u+cRwWLVO
シンジ「プリン買ってあげるから」

アスカ「はぁ? そんな物で飼い慣らせるほど安い女じゃないわよ。馬鹿にしないで」

シンジ「今日の夕飯はハンバーグにしようかな」

アスカ「ゲンキデスカッ!! ゲンッキガ アレバァ ナンデモデキルゥ!! イクゾー!!」

シンジ「これがしゃくれだよ綾波」

綾波「そう」

アスカ「イチッ!! ニッ!! サンッ!!」

シンジ「もういいよアスカ。年頃の娘がしゃくれ全開で恥ずかしいとは思わないの?」

アスカ「だ――もうっ!! 何がしたいのよ!!」

綾波(すごい顔だったわ。白目剥いて)

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 17:59:15.44 ID:u+cRwWLVO
アスカ「ハンバーグ」

シンジ「わかったから」

綾波(わたしもあんな威勢の良い人になるのね)

シンジ「どうしたの綾波?」

綾波「いえ、ありがとう」

シンジ「? うん」

アスカ「ねぇ、本当にハンバーグ?」

シンジ「本当だって」

アスカ「そう。ま、仕方ないから食べてあげるわ」

シンジ「はいはい」

綾波「……」

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 18:01:15.07 ID:u+cRwWLVO
―2日目―



■受け口 レイ(うけぐち れい)



シンジ「おはよう綾波」

受け口「おはやう」

シンジ「はいお弁当」

受け口「ありがトゥ」

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 18:04:47.41 ID:u+cRwWLVO
シンジ「?」

受け口「ドゥしたの」

シンジ「いや、あれ?」

受け口「?」

シンジ「今日の綾波はいつもより元気だね」

受け口「うん」

アスカ「ふんっ」

受け口「怒ってるの」

アスカ「うるさい!!」

シンジ「ゴメンね。昨日の夜、間違えてアスカの顔にハンバーグぶつけちゃったんだ」ヒソヒソ

受け口「ほうなの」

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 18:08:05.61 ID:u+cRwWLVO
シンジ「まあそれはアスカが食べたんだけど、その後に出来心でお風呂を覗いちゃって。しかもパンツ盗んじゃった」ヒソヒソ

受け口「ほうなの」

シンジ「まあパンツ盗んだのは内緒だけど、それからずっとあの調子さ。ヒステリーゲルマンはほんと迷惑だよね」ヒソヒソ

アスカ「?」

受け口「ドゥしたの」

アスカ(えこひいきってこんな顔してたかしら。気のせい?)

シンジ「ゴメンねアスカ」

アスカ「え? ああ、もういいわよ」

シンジ「ありがとう」

アスカ「ふんっ。今日もハンバーグだからね」

シンジ「また? まあいいけど」

アスカ「それで許してあげるわ」

シンジ「わかった」

アスカ「~~♪」

受け口(お肉のなにがいいの)

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 18:10:28.04 ID:u+cRwWLVO
―3日目―



■レイ田 哲平(れいた てっぺい)



シンジ「おはよう綾波」

哲平「ああ、おはよう」

シンジ「はいお弁当」

哲平「うわぁありがとう。これ好きなんだよね」

21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 18:12:54.62 ID:u+cRwWLVO
哲平「なんていうの? あのー、ホラ貝? あれがいいんだよ」

シンジ「入ってないけど、いいよね」

哲平「おい上田!! 上田ってば!!」

シンジ「今はいないかな」

哲平「あ、用事なんもなかったわ。ハッハッハッハ!!」

シンジ「ねぇ、今日の綾波は昨日より元気だね」

哲平「んなことねぇよ。誰が顎波だよ」

シンジ「言ってないよ」

アスカ「ねぇ、えこひいきってそんなにアゴ大きかった? いや待ってごめん。やり直す」

アスカ「あんた、誰ェ?」

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 18:17:49.53 ID:u+cRwWLVO
哲平「アゴは関係ないでしょアゴは。アゴはあるけど髪はねぇ。うるせぇっつの。ハァーハッハッハァッ!!」

シンジ「元気だなぁ綾波」

アスカ「いや、かなり変よ」

哲平「だから誰が顎波だよ」

シンジ「言ってないよ。明日のお弁当には何を入れようか?」

哲平「それは上田に聞かないとわかんないわ」

アスカ「誰だか知らないけど、ウエダを信頼しているのね」

哲平「バッカ、んなことねぇよ。気のせいだよ気のせい」ニコニコ

シンジ「そうなんだ。綾波、今日も頑張ろうね」

アスカ「今日はあまり関わらない様にしましょ」

哲平「だから顎波じゃねーって。何回言わせんだよ。」

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 18:20:27.74 ID:u+cRwWLVO
―4日目―



■諸波里 レイ(もろなみざと れい)



シンジ「おはよう」

諸波里「おはようシュ」

シンジ「はいお弁当」

諸波里「あんりがとうシュ」

25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 18:22:55.51 ID:u+cRwWLVO
シンジ「今日はいつもの綾波だね」

アスカ「あんたは目に致命的な不具合があるんじゃない?」

シンジ「なにが?」

アスカ「異常よこれは」

諸波里「しょんなことないでしゅ」

シンジ「ほら」

アスカ「なにがほら、よ」

諸波里「しゃしゅしゅけのしゅしぇんがあしゅたのしゅりけん」

アスカ「なに?」

シンジ「いつもお弁当ありがとう。明日もお願い。だって」

アスカ「しゅりけんって聞こえたけど」

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 18:26:13.63 ID:u+cRwWLVO
諸波里「しょうでしゅ」

アスカ「あ、わかった。そうですって」

シンジ「にんにくって。ラーメンの話だね」

諸波里「うん」

アスカ「何を食べて育ったらそう聞こえるようになるのよ」

諸波里「だしゅのしゃしゅがエヴァのしゃしゃながいしゅうしょはしゅりけん」

アスカ「エヴァとしゅりけんはわかったわ」

シンジ「脱出する時はやっぱりトナカイに乗って逃げるのがいいって」


アスカ「耳に毛玉でも詰まってるの?」

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 18:29:55.29 ID:u+cRwWLVO
諸波里「しゃしゅしぇしぇしょうゆしょんぐんがね、しゅりけんっていうしゅんが」

シンジ「今日の綾波はよく喋るなぁ」

アスカ「なんて?」

シンジ「それはそうと将軍に醤油ぶっかけたらね、手裏剣って言いながら死んだって」

アスカ「しゅりけんがやっと出てきた」

シンジ「とても愉快だね」

アスカ「まず会話の展開がおかしいとは思わないの?」

シンジ「アスカよりはマシさ」

アスカ「ちょ、どういう意味よそれ!!」

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 18:34:11.68 ID:u+cRwWLVO
シンジ「綾波、明日は何が食べたい?」

諸波里「しゅりけん」

シンジ「わかった。頑張って作るよ」

アスカ「どうやってしゅりけん作るのよ」

シンジ「玉子焼きだよ。なに? ゲルマン魂は手裏剣を食べ物と認識してるのかい? 野蛮だなぁ。だからアスカみたいなのが形成されるんだね」

アスカ「もう使徒に負けてもいいかもしれない」

諸波里「しゅしゅしゅ」

シンジ「あ、綾波が笑った。珍しいな」

アスカ「あたしは今の状況が珍しすぎて特報王国に送りつけたいわ。『奇怪、アゴがしゃくれ続ける青髪人形』って。いいわね。あたしってやっぱり天才」

諸波里「しゅしゅしゅしゅ」

シンジ「愉快だなぁ」

アスカ「死にたい」

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 18:37:19.12 ID:u+cRwWLVO
―5日目―



■アント波 猪レイ木(あんとなみ いのれいき)



シンジ「おはよう」

猪レイ木「オハヨッ!!」

シンジ「はいお弁当」

猪レイ木「アリガトッ!!」


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 18:40:31.32 ID:u+cRwWLVO
シンジ「ははは、綾波は可愛いから猪木の真似は似合わないよ」

アスカ「よく見なさいよ。主にアゴを。猪木そのものじゃない」

猪レイ木「ゲンキデスカッ!!」

アスカ「はい、元気よ」

猪レイ木「ゲンキデスカッ!!」

シンジ「僕は元気だよ」

猪レイ木「ゲンキデスカッ!!」

トウジ「なんやなんや誰やお前。元気やで」

アスカ「あんたの目は普通なのね」

トウジ「なんやおったんかお前。あの猪木お前かと思たのに」

アスカ「普通じゃなかった」

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 18:43:16.49 ID:u+cRwWLVO
シンジ「綾波は、元気?」

猪レイ木「ゲンキデスヨッ!!」

アスカ「そろそろ慣れてきたわ」

猪レイ木「アリガトッ!!」

アスカ「何のお礼よ」

猪レイ木「イヤ コンナフウニナッタ ワタシヲ ウケイレテ クレテ タスカルワ アリガトッ!!」

アスカ「わかったから長台詞言わないで」

猪レイ木「ワカッタヨッ!!」

アスカ「不思議なものね。今のあんたとなら仲良くなれる気がする」

猪レイ木「イヤヨッ!!」

アスカ「なんでよ!!」

35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 18:48:27.98 ID:u+cRwWLVO
シンジ「二人はいつのまにそんなに仲良くなったの?」

アスカ「ちょうど今差し出した手を弾かれたところよ」

猪レイ木「ナンデヤネンッ!! チョロQカヨッ!!」

アスカ「ツッコミを学んだ方がいいわ」

猪レイ木「イヤヨッ!!」

アスカ「だからなんでよ!!」

シンジ「僕も正直、学んだ方がいいと思うよ」

猪レイ木「ワカッタヨッ!!」

アスカ「なんであたしが言うと嫌がるのよ」

猪レイ木「スキ ダカラダヨッ!!」

アスカ「……え?」

37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 18:51:53.00 ID:u+cRwWLVO
猪レイ木「ウソダヨッ!!」

アスカ「……あたし今なら素手で人を殺せる気がする」

シンジ「僕で試す? いいよ嬉しいな」

アスカ「あんたの歪んだ 癖を垣間見たくはなかった」

猪レイ木「イクゾー!!」

アスカ「やらなくていいわよ」

猪レイ木「ハイッ!!」パチーン

アスカ「痛ッ!! なにすんのよ!!」

シンジ「そこは喜ぶところだよアスカ」

アスカ「地雷踏んで死ね」

猪レイ木「ゲンキデスカッ!!」

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 18:54:23.64 ID:u+cRwWLVO
―6日目―



■三日月 レイ(みかづき れい)



シンジ「おはよう」

三日月「」ピカァ

シンジ「はいお弁当」

三日月「」ピカピカ


40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 18:57:06.92 ID:u+cRwWLVO
アスカ「やいバカシンジ」

シンジ「なに?」

アスカ「あたし今どう表現していいかわからない感情に苛まれてる」

シンジ「恋、かな?」

アスカ「恋は盲目だものね」

シンジ「うん。でも盲目は良くない。まずは現実をしっかり見ないとね」

アスカ「その言葉そっくりそのまま詰め込んだ炸裂弾をあんたに撃ち込みたいわ」

シンジ「僕は盲目じゃないよ」

アスカ「よく見てみなさいよ!! そのえこひいき的な誰かを!!」

シンジ「綾波を?」

三日月「」ピカァ


44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 19:02:18.97 ID:u+cRwWLVO
シンジ「……」ジー

三日月「」カッカッ

シンジ「……」ジー

三日月「///」ピカァァァ

シンジ「綺麗な指してたんだね」

アスカ「知らなかったよ。ってそうじゃない!! あんたが知るべきは顔よ!!」

シンジ「今日の綾波は大人しいね」

アスカ「ヤンチャな美少女の声に耳を傾けろ!!」

シンジ「ああもううるさい。綾波の顔がどうしたのさ」

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 19:06:40.92 ID:u+cRwWLVO
アスカ「見てみなさい!!」

シンジ「……」ジー

三日月「」ピカピカ

アスカ「まず黄色いでしょ? というか輝いてる」

シンジ「レモンまるかじりするとこうなるよ」

アスカ「そんなバカ――そうなの? あんな酸っぱいものまるかじりできないわよ」

シンジ「うん難しいけどね。特に、叩くと良い音がなるレモンなら、40秒でこうなる」


アスカ「へぇ……そうなんd」
シンジ「嘘だけどね」
アスカ「四肢を拡散させて死ね」

三日月「」ピカピカ

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 19:11:05.95 ID:u+cRwWLVO
アスカ「じゃあアゴを見てみなさい!! しゃくれどころの騒ぎじゃない!! お月様よ!! 青髪のお月様よ!!」

シンジ「バナナの真似してるんでしょ」

アスカ「ばな」

シンジ「日本人にはたまにあるんだ。そういう気持ちになる時が」

アスカ「……そうなの?」

シンジ「うん。時々ね。タンスの角に小杉をぶつけた時とか」

アスカ「誰よ小杉って……でも、まだまだあたし日本人についてわかっ」
シンジ「こういう話をすぐ信じちゃうのがゲルマン魂の特徴なの?」
アスカ「今すぐのど   をシュレッダーにかけろ」

三日月「」ピカピカ

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 19:13:10.25 ID:u+cRwWLVO
―7日目―



■Σ波 レイ(しぐまなみ れい)



シンジ「おはよう」

Σ波「キャッ」ビクッ

シンジ「はいお弁当」

Σ波「ヒャッ」ビクッ

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 19:16:46.40 ID:u+cRwWLVO
アスカ「またアゴの鋭さが増したなオイ。パックマンかよ。殺傷能力あるだろそのアゴ」

シンジ「何を驚いているの?」

Σ波「キャッ」ビクッ

シンジ「なんだか今日の綾波はとても可愛いね」

アスカ「キャッ」ビクッ

シンジ「今日も寒いね」

Σ波「ウンッ」ビクッ

シンジ「今日はよく驚くね」

Σ波「ウンッ」ビクッ

シンジ「なにもしないよ」

Σ波「ワカッテルッ」ビクッ

シンジ「今日も普通には喋れないみたいだね」

Σ波「ムズカシイワッ」ビクッ

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 19:20:23.42 ID:u+cRwWLVO
アスカ「ねぇ」

シンジ「ん?」

アスカ「たぶん今あたしの中で、寂しかった系の感情が喚き散らしてる」

シンジ「自分の感情がわからないほど馬鹿になっちゃったの?」

アスカ「馬鹿になるくらい馬鹿みたいな毎日を過ごしてるからよ」

Σ波「キャッ」ビクッ

シンジ「あ」

アスカ「?」

Σ波「?」ビクッ

シンジ「あ、あああああああああああああああ」

アスカ「なによ!?」

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 19:22:57.67 ID:u+cRwWLVO
シンジ「あああああああアスカアアアアアアアアアアアアッッ!!」ガバァ

Σ波「ヒャアッ」ビクッ

アスカ「なんであたしの名前を叫びながらえこひいきに抱きつくのよ!!」

シンジ「こ、こわい。こわいよアスカ」グサッグサッ

Σ波「ヒャア」ビクッ

アスカ「待ってバカシンジのオデコにえこひいきのアゴが刺さってる。痛覚も欠落したの?」

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 19:26:42.28 ID:u+cRwWLVO
シンジ「こわいこわいこわい」グサグサグサッ

アスカ「あたしはどんな顔してこの状況を見守ればいいの」

トウジ「笑えばええと思うで」

アスカ「黙ってろよ角刈り」

トウジ「アホ抜かすな!! 角刈りちゃうわ!!」

アスカ「存在が角刈りでしょ!!」

トウジ「意味わからんわ!! ハゲてまえボケェ!!」

アスカ「ハゲにより近いのはあんたの方でしょ!!」

トウジ「な、なんやてぇ?」

シンジ「仲良いね、二人」

Σ波「ウンウン」

アスカ「ちょ、変なルート増やさないでよ!! あたしはバカシンジがい」
シンジ「僕はとても恐ろしいことに気付いたよアスカ」
アスカ「いもん。え? なに? やっと気付いたの? 刺さったもんね、アゴ刺さったもんね。猿でも気付くわよ」



53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 19:33:33.66 ID:u+cRwWLVO
シンジ「僕たちはなぜ」

アスカ「あ、その言い方はアゴじゃないな。別の何かに気付いたなはっはーん」

シンジ「7日間学校に通っているの?」

アスカ「ひゃーこわい気にするな死ね。それでさっき奇想天外な動きしたの? 碇シンジ君はファンタジスタだなぁまったくぅ」

シンジ「あと綾波がいつもよりややしゃくれてる気が」

アスカ「そこ、その、それよ!! いや、やや、どころじゃないわよ!! 認識能力をどこに捨ててきたのよ!!」

シンジ「まあ、気にするほどではないよね」

Σ波「ウン」

アスカ「そっちは気にしなさいよ!! バカシンジ号の舵取りはどうなっているのよ!!」

シンジ「それは綾波に任せてる」

Σ波「ワタシ」

アスカ「えこひいきずるい!!」

シンジ「なんだかアスカって僕に対する愛情たっぷりだよね。ツンデレはどこへやら」ハハハ

Σ波「ウン」フフフ

アスカ「他人事かよ!! 可愛かったあたしを返せ!!」


55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 19:35:13.66 ID:u+cRwWLVO
―8日目―



■綾波 レイ(あやなみ れい)



シンジ「おはよう綾波」

綾波「おはよう」

シンジ「はいお弁当」

綾波「ありがとう」


58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 19:37:59.92 ID:u+cRwWLVO
アスカ「治ってるよそんな馬鹿な。なにがあった」

綾波「うん」

アスカ「うん、で済まされた」

シンジ「よかったね、綾波」

綾波「うん」

アスカ「あたしのキャラは崩壊したままよ」

シンジ「顔もね」

アスカ「修羅になってあんたを殺す」

シンジ「修羅るんだね」

アスカ「多用する言葉ではないのにこの速度で馴染むのがおかしい」

綾波「あなた達は」

シンジ「ん?」
アスカ「ん?」

綾波「本当に仲が良いのね」

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 19:40:38.74 ID:u+cRwWLVO
アスカ「どこをどう見たら仲良く見えるのよ!! 目に鉛玉でも貰ったの?」

シンジ「そうだよやめてよこんな赤髪ゲルマン魂精神疾患キチガイイリュージョニストと!!
目に鉛玉とか酷いこと言うなよ!! 綾波に謝れ!! 謝れよヒョウロクダマ原始人!!」

綾波「くすくす」

シンジ「あ、綾波が笑った」

アスカ「おい言い過ぎだろバカシンジ」

綾波「わたし、この一週間」

シンジ「うん」

綾波「とても、楽しかったわ」

シンジ「そりゃ良かった」


61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 19:45:07.93 ID:u+cRwWLVO
綾波「ぽかぽかするの」

シンジ「僕もだよ」

アスカ「あたしゃぼこぼこだよ」

綾波「ふふふ」

シンジ「あははははは」

アスカ「ねぇ、混ぜてよ」




――こうして、しゃくれことアゴ波レイの一週間は終わった。

ミサト「ちょっと、いいかしら? 大事な話があるの」

アスカ「なによ」

――なんだかんだで、アゴ波レイにとっては

ミサト「あのね、すっごく言いにくいことなんだけど」

アスカ「うん」

――とても楽しい一週間だったそうな。

62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 19:47:32.72 ID:u+cRwWLVO
ミサト「あなた、病気なのよ」

アスカ「えっ」

――そしてまた。

ミサト「……ツッコミの……スキルが上がるの」

アスカ「はぁ?」

――新たな患者が一人。

ミサト「しかも、日に日にね」

アスカ「アハハッ! あんた、バカァ? そんなの」

――ここに誕生し

アスカ「無理に決まってるでしょ!! もうあたし死んじゃう!!」

なかった。

63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 19:48:42.93 ID:u+cRwWLVO
\番外編 青眼白竜!! 滅びのEXILE SCREAM!!/


65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 19:50:02.10 ID:u+cRwWLVO
アスカ「ねぇ」

レイ「?」

アスカ「あんたってアゴが日に日にしゃくれていたけど」

レイ「うん」

アスカ「なんで毎日性格まで変わっていたのよ」

レイ「勉強、したから」

アスカ「なにをよ」

レイ「アゴが、しゃくれてきた。って」

アスカ「うん」

レイ「アレに、似てるわ。って」

アスカ「アレにね」

レイ「こんなに……似てるなら……わたしはアレに……な……なろう……って」グスン

アスカ「なんで泣くのよ」

66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 19:53:21.09 ID:u+cRwWLVO
レイ「がんばった」

アスカ「ま、努力だけは認めてあげるわ。というかお月様なんかはよく努力でなんとかできたものよ」

レイ「かじったから」

アスカ「……あえて聞こう。何を?」

レイ「お月様」

アスカ「……どうやってお月様まで行ったのよ」

レイ「……」フルフル

アスカ「行ってないの? 夢の中でお月様をかじったとか?」

レイ「……」フルフル

アスカ「これも違う。お月様が落ちてきた?」

レイ「……」コクリ

アスカ「やったぁ正解。それをかじったらあんな顔になったのね。良かったじゃない」

レイ「嘘だけど」

アスカ「ハナから信じてません」

67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 19:55:59.29 ID:u+cRwWLVO
レイ「月をかじったのは本当」

アスカ「……そういうことにしといてあげるわ。あんたって意外とメルヘン思考なのね」

レイ「誰がメンヘラだよ」

アスカ「言ってない」

レイ「まあ、少しだけ? そういう部分もあるカモシレナイケド」

アスカ「照れちゃったよこの人」

レイ「でも、あなたよりはマシ」

アスカ「急に真顔で酷いこと言うのやめて」

68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 19:58:53.07 ID:u+cRwWLVO
レイ「わたしの顔、変だった?」

アスカ「変とかそういう次元のお話ではないわ。変なのはシンジよ!! バカなんて言葉が可愛く見えるほどブッ飛んでたわよ」

シンジ「綾波、なに? 呼んだ?」

アスカ「もう耳を千切っちゃえよ」

レイ「呼んだわ」

アスカ「嘘おっしゃい!!」

シンジ「アスカは妄想界のグラディエーターだね」

アスカ「どう受け止めれば。それよりあんたってば、なんでえこひいきのアゴがあんなになるまで気付かなかったのよ!!」

シンジ「?」

アスカ「本気でわからないの?」

シンジ「え? あ、え?」

アスカ「なによ」

シンジ「だって綾波のアゴはいつもしゃくれてるじゃないか」

アスカ「」

レイ「」

69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 20:01:19.32 ID:u+cRwWLVO
シンジ「じゃ、僕は買い物してから帰るから」スタスタ

レイ「……」

アスカ「うん、大丈夫よ、大丈夫。あんたはしゃくれてない。アイツの目がおかしいのよ」

レイ「わたしが死んでも、代わりはいるもの」

アスカ「あんたの中で芽生えた自分に対する殺意は心の引き出しにしまいなさい」

レイ「代わりも……きっと……しゃくれて……」グスン

アスカ「泣くなもう駄目だこれ以上はあたしの手に負えない」

レイ「ゲンキデスカッ!!」

アスカ「あんたが元気になりなさいよ」

レイ「ウンッ!!」

アスカ「なんであんたって猪木の真似する時に白目剥くの?」

レイ「あなたの真似よ」

アスカ「あたし顔の皮膚という皮膚を全て削ぎ落としてくるわ」

レイ「がんばって」

アスカ「心配してよ」

70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 20:05:04.13 ID:u+cRwWLVO
レイ「いやよ」

アスカ「だからなんであたしをそんなに嫌がるのよ!! なぜだかそこそこ仲良くしてるじゃない!!」

レイ「……好き……だから」

アスカ「……」

レイ「うそ」
アスカ「うん知ってる」

レイ「ふっ」

アスカ「鼻で笑うな!! あんたってそんなにひょうきんな人だったのね」

レイ「あなたよりはマシよ」

アスカ「あんたとバカシンジはあたしを見下さないと生きていけない病気なの?」

レイ「碇くんと……共通の……病気? 嬉しい」

アスカ「やめろあたしも混ぜろ」

レイ「あなたって少しおかしいわ」

アスカ「あんたに言われたくないわよ!!」

レイ「くすくす」


72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/14(水) 20:09:10.57 ID:u+cRwWLVO
レイ「好きなのは、本当」

アスカ「またそうやって」

レイ「ほんと」

アスカ「ほ、ほんとに?」

レイ「……」コクリ

アスカ「い、いやそんな、絶対またからかって」

レイ「ほんと」

アスカ「そっかそうなんだあはは。そうなんだへー。はー」

レイ「……」

アスカ「ねぇ、何か言ってよ。慣れてないよ。あたしこういうの慣れてないよ」

レイ「……」

アスカ「ねぇったら!!」

レイ「くすくす」



おしまい