1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 00:11:12.23 ID:LhkIM+tE0
青春学園高等部

手塚「そうだ。実は最近教育委員会の方から部活動の縮小を求める動きがある」

リョーマ「何でまた……」

乾「曰く、ここ数年の青学の進学実績の停滞は部活動にもその一因があるとのことだ」

手塚「今度全国模試が行われる。ここで結果を出さねば我々テニス部は活動時間を削減されてしまうだろう」

リョーマ「ふーん、要するにその模試ってやつで高得点を取ればいいんだね」

手塚「今回は特別に外部から大石も駆けつけてもらった。かつての青学レギュラー陣で挑む」

大石「医学部志望の大石です!」

リョーマ「(……)」


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3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 00:15:47.98 ID:LhkIM+tE0
リョーマ「……で、何で模試がトーナメント形式で行われるんスか」

手塚「直に競い合った方が意欲が上がるという運営側の意向だ」

乾「何でもただ高得点を取ればいいだけでなく、様々なルールの下で行われるらしい」

リョーマ「……めんどくさ」

手塚「初戦の相手は氷帝学園だ」

跡部「手塚ぁ、頭サビついてねえよなぁ。あーん?」


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 00:20:16.33 ID:LhkIM+tE0
手塚「初戦はダブルスだ。菊丸、桃城!」

菊丸「ほいほーい」

桃城「部の存続がかかってるとなりゃあ負けらんねーなぁ、負けらんねーよ」

リョーマ「……ダブルスって何スか」

手塚「二人で協力して問題を解く形式だ。それぞれの学力はもちろん、コンビネーションが求められる」

リョーマ「……」

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 00:24:57.66 ID:LhkIM+tE0
青春学園V.S.氷帝学園

ダブルス:菊丸・桃城ペア対忍足・向日ペア

忍足「なんや、また自分か。桃城」

桃城「どーも」

向日「もっと飛んでみそ」

菊丸「残念無念また来週~」

審判「回答、始め!」

乾「教科は数学、制限時間60分のうちに多く点数を取った方が勝ち……」

大石「アクロバティックの向日に、『千の別解を持つ男』忍足。中々手ごわそうな相手だ」


14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 00:29:59.89 ID:LhkIM+tE0
菊丸「菊丸バズーカ!」

堀尾「出た―! 先輩のアクロバティック!」

不二「誰も思いつかないような独創的な解法で一気に回答時間を短縮する……それが英二のやり方」

向日「お前らの負ける確率を教えてやろうか、100パーセントだぜ!」

カチロー「も、もっと速い!?」

乾「途中計算をすっ飛ばすことで回答スピードを上げているのか……」


16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 00:35:47.48 ID:LhkIM+tE0
向日「侑士、次のよこしな!」

忍足「そんな急かさんでええがな」

大石「忍足が回答までの大まかな流れをフローチャート風に書き、向日が計算を行う……」

不二「さすが氷帝の正レギュラー、いいコンビネーションだ」

堀尾「こ、このままじゃ負けるー!?」

越前「っていうかさっきから桃センパイ、何もしてないんスけど」

河村「ヘイ、桃ちゃんよぉ! 山ごもりで習得したスキル、さっさと見せてやんなベイベー!」

越前「山ごもりで習得したスキル……?」

手塚「ああ。青学のくせものは……出題者の気持ちが分かる」

越前「……はぁ?」



19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 00:41:44.73 ID:LhkIM+tE0
桃城「……出題者は関数の視覚的な表現による処理を求めてるってわけかよ」

不二「桃のスキルは一見アレだけど、出題者の意図を汲むことは問題を解く上でとても大切なことだよ」

越前「……そうなんスか」

桃城「どーん」

不二「ほらね」

越前「はあ」

跡部「(桃城武……確かに『くせもの』だなぁ)」

跡部「しかし残念だったな手塚、うちの天才プレーヤーは……心を閉ざすことができる」

向日「侑士、次の問題!」

忍足「今集中してんのや。ちょっと黙っててくれへんかな、岳人」

越前「(それって逆効果なんじゃ……)」

審判「回答やめ!」


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 00:46:06.47 ID:LhkIM+tE0
~~採点中~~

審判「ウォンバイ青学菊丸・桃城ペア! ゲームカウント80/100-65/100!」

向日「なっ! くそくそ!」

乾「……向日は途中計算を飛ばし過ぎてミスを連発していたようだな」

越前「それって一番だめなパターンじゃ……」

菊丸「やっりー!」

桃城「まずは一勝っスね!」

手塚「ああ。だが油断せずに行こう!」

越前「次は……」

河村「ヘイヘイカモーン!!」

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 00:49:50.64 ID:LhkIM+tE0
シングルス2:河村対樺地

跡部「行け……樺地」

樺地「……ウス」

桃城「タカさん頼みますよぉー!」

河村「よっしゃ行くぜビクトリィー!!」

審判「回答始め!」

乾「科目は英語……先ほどと同じく制限時間内により高得点を取った方の勝ちだ」

不二「タカさんは英語得意だもんね」

越前「……ラケット持ったまま回答していいんスか?」

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 00:54:12.94 ID:LhkIM+tE0
河村「ここに入る関係副詞はウェアー! 空欄に入る動詞はテーイク!!」

越前「ふーん、日頃から英語喋ってるだけのことはありますね」

乾「ん……? 樺地、さっきから……」

樺地「ウェア"ー! テイィィ"ク!!」

跡部「アイツには正直言って俺も驚かされたぜ。純粋なゆえに何でも吸収しちまう……ガキのようにな」

大石「バカな! こちらの回答がコピーされている!?」

越前「(……突っ込んじゃダメなのかな)」


32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 00:58:40.39 ID:LhkIM+tE0
河村「くっ……何てパワーだこのガキ! ここは、グレイトォォォ!!」

不二「はっ! タカさん、それはいけない!」

河村「波動球!!」ドゴオオ

越前「波動球って一体……」

河村「ここに入る前置詞はイーン!! (と言いながらonと書く)」

越前「……せこっ」

樺地「イ"ーン!!」

乾「そうか! 樺地の何でも無造作にコピーする習性を利用して!」

越前「そういう問題っスか?」

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 01:03:59.04 ID:LhkIM+tE0
審判「回答やめっ!」

~~採点中~~

審判「ウォンバイ青学河村! ゲームカウント90/100-82/100!」

カチロー「やったぁ!」

越前「つーか普通に高得点じゃん」

堀尾「次はいよいよシングルス1!」

「て、手塚だ……」

「手塚……」ザワザワ

堀尾「何か他の学校も集まってきた……!?」

真田「ほう」

「去年の東大合格者数ナンバー1、立海大附属!」

カツオ「みんなこの試合に注目してるんだ」


46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 01:09:33.53 ID:LhkIM+tE0
シングルス1:手塚対跡部

跡部「手塚ぁ、団体戦の勝敗は決まったが手ぇ抜くんじゃねーぞ、あーん?」

手塚「言われずともそのつもりだ」

審判「回答始め!」

「勝つのは氷帝! 負けるの青学! 勝者は跡部! 敗者は手塚!」

リョーマ「(仮にも試験中にこの声援って……)」

乾「試験はセンター式国語。時間は80分だ。何故この二人の対決が外国語じゃないのか先生のオーダーの意図が分からないが……」

跡部「俺様の美技に酔いな!」

手塚「油断せずに行こう!」

「す、すげぇ……」

「この二人、レベルが違うぜ……」


57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 01:13:58.12 ID:LhkIM+tE0
跡部「やるじゃねーの、手塚ぁ!」

跡部「(国語……一見捉えどころのないように見えるこの教科)」

跡部「(だがな、どんな問題にも『手がかり』があるんだよ!)」

跡部「(俺様の『眼力』なら正解の選択肢丸見えだぜ!)」キュピーン

跡部「俺様の『氷の世界』に跪いてろ」

堀尾「な、なんだ! あんなにサクサクと!」

不二「『眼力』を極めた跡部には正解の選択肢に氷柱が刺さっているかのごとく正答が見えるんだろう」

58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 01:17:31.48 ID:LhkIM+tE0
「お、おい見ろ……」

「さっきから手塚……」

「あの席から一歩も動いていない!」

越前「当たりm」

海堂「黙ってろ」

越前「!?」

乾「……『手塚ゾーン』だ。全ての正答は引き寄せられるかの如く手塚の元へやってくる」

越前「普通に問題解いてるだけじゃn」

海堂「静かに応援できねーのか」

越前「!?」

「す、すげえ……あの学力……」

「全てを超越している」


60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 01:20:10.50 ID:LhkIM+tE0
跡部「ちっ、手塚ぁー!!」

手塚「(あと一問……あと一問だ……!)」

手塚「」グラッ

大石「て、手塚!!」

桃城「て、手塚部長どうしたんスか?」

大石「実は……手塚は青学の進学実績の為に一日一時間半睡眠で勉強していたんだ」

手塚「zzz……」

越前「……だめじゃん」


63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 01:24:53.87 ID:LhkIM+tE0
審判「手塚、回答続行不可能により勝者・氷帝跡部!」

「本当にあの手塚に勝った!」

「す、すげえ! さすが跡部部長だ!」

向日「さ、さすが跡部じゃん! 狙ってたんだろ、アレを」

宍戸「ああ。だが跡部の奴……ちっとも嬉しそうじゃねえ」

跡部「……」

大石「ま、まあとりあえず団体戦は勝利だ!」

「一同、整列!」

「ありがとうございました!」

手塚「zzz……」


ひょーてい、ひょーてい……


69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 01:31:51.18 ID:LhkIM+tE0
乾「次は四天宝寺か不動峰、勝った方と我々は当たる」

菊丸「見に行こーよ!」

四天宝寺V.S.不動峰

桃城「バ、バカな……。あの不動峰がここまでストレート負け……?」

大石「シングルス1はかつて九州最強と言われたこの二人か」

シングルス1:千歳対橘

審判「回答始め!」

乾「教科は数学、同じ一問で先に答えを出した方が勝ちか」

74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 01:35:28.50 ID:LhkIM+tE0
千歳「23行……」

「な、何だアイツ? 何を言ったんだ?」

千歳「この問題を解くのに必要な行数たい」

越前「どういうことっスかね」

手塚「『才気煥発の極み』」

越前「あ、起きたんだ」

不二「つまり無我の爆発的なオーラを頭脳活性化に使うことにより瞬時に解答への道筋が分かるということじゃない」

手塚「その通りだ」

「は、速ぇー!!」

「もう答えが分かってるっていうのかよ!?」

75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 01:39:10.00 ID:LhkIM+tE0
神尾「た、橘さーん!!」

橘「……おうよ!」

橘「このまま負ける訳には行かねえよな!!」

「な、何だあの構えはー!?」

千歳「(あの構え……あれは桔平の……!)」

橘「暴れ書き!!!!」

大石「な、何だあの手の動きは! 手が何本にも見える」

乾「そ、そうか! この問題は確率。もの凄いスピードで樹形図を書くことによりゴリ押しで解こうとしているのか」

千歳「……これで23行目たい」カラン

審判「正解! ウォンバイ四天宝寺千歳!」

越前「まあ正攻法より速いわけないよね」


78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 01:44:12.69 ID:LhkIM+tE0
竜崎「今度の相手はあの不動峰を圧倒した四天宝寺だ! 心してかかるんだよ!」

越前「先生、いたんスか……」

青春学園V.S.四天宝寺

シングルス2:不二対白石

不二「うん、いい風だ」

白石「んんー! エクスタシー!」

越前「あれ、ダブルスからなんじゃ……」

乾「細かいことは気にするな」


80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 01:47:29.02 ID:LhkIM+tE0
審判「回答始め!」

乾「また数学か。制限時間内により高い点数を取った方が勝ち」

不二「その両辺のx、消えるよ」

白石「……x=0だった場合どないするん?」

不二「……あ」

堀尾「消えるxを返した!?」

謙也「これが教科書に忠実な四天宝寺のバイブル、白石蔵ノ助っちゅー話や」


83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 01:53:19.66 ID:LhkIM+tE0
白石「トリプルカウンターは全部出さなアカンでぇ」

不二「(……お望みなら)」

カチロー「で、出たー! トリプルカウンターの一つ、『ベクトルの外積』!!」

白石「四面体の体積なら底面積と高さが出ればええんや」

大石「白石はもう普通に解けている!?」

不二「なら……!」

乾「あれは、トリプルカウンター『コーシー・シュワルツの不等式』!」

白石「(左辺)-(右辺)=カッコの二乗」

カチロー「これも普通に解かれてる!」


86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 01:58:14.91 ID:LhkIM+tE0
白石「予備校で習ったテクニック使うて格好ええ解き方やなぁ、不二。でも無駄多いでぇ」

不二「くっ!」

堀尾「え、=じゃなくて≡!?」

白石「(いや、あれもトリプルカウンターの一つ……)」

不二「『合同式』!」

白石「数学的帰納法によって示された……と」

不二「!?」

白石「(ぶっちゃけ教科書通りの勉強ほどつまらんモンはないわなぁ)」

白石「(せやけど部長として、確実に学校の合格実績に一勝を刻みつけるのが俺の役目)」

白石「(これが俺たちの掲げたスローガン)」

白石「どんな勉強をしようと、受かったモン勝ちや!」


88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 02:01:12.84 ID:LhkIM+tE0
審判「ゲームセットウォンバイ四天宝寺白石! ゲームカウント100/100-77/100!」

桃城「あんな悔しそうな不二先輩、初めて見た……」

越前「今回はいいとこナシっスね不二先輩」

乾「予備校で習うテクニックは便利だが、教科書レベルの基本ができていないなら使うべきではないな」

不二「……」

桃城「こりゃあ負けらんねーなぁ、負けらんねーよ!」

海堂「フシュー」

95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 02:16:25.47 ID:LhkIM+tE0
ダブルス:桃城・海堂ペア対一氏・小春ペア

審判「回答始め!」

乾「科目は現代文の記述だ……。物理とかなら死んでたな」

「『文明の彼岸に無数の橋が渡されているのだ』とあるがどういうことか、説明せよ」

桃城「……」

海堂「……おい、文系様は作者の気持ちが分かるんじゃねーのか」フシュー

桃城「うっせぇ! だいたい問題解く上で考えるのは作者じゃなくて出題者の気持ちだろうが!」

海堂「やんのか、テメー」

桃城「ああ?」

越前「……何か喧嘩し始めましたけど」


97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 02:24:04.59 ID:LhkIM+tE0
小春「『人間社会の築き上げてきた文化的伝統とは異なった、科学的観点からは捉えきれない世界の存在が暗示されているということ』やんなぁ」

一氏「さっすが小春! IQ200は伊達やないでぇ!」

乾「……マズいな。向こうは何やらまともっぽい答えを出してきている」

桃城「くっ、海堂。ちょっと耳を貸せ」

海堂「……何だ」

桃城「ゴニョゴニョ」

海堂「……」

桃城「ったく、マムシ! テメーの答案はつまんねーんだよ!」

海堂「んだと? テメエの答案こそセンスのカケラもねえんだよ」

小春「何や、まだ喧嘩してはるなぁ」

一氏「楽勝や」

98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 02:27:54.12 ID:LhkIM+tE0
桃城「ったく、現代文の問題なんて難しい言葉使った大喜利みてーなもんなのによぉ!」

海堂「それなのに桃城、テメエの答案からは微塵のユーモアも感じらんねぇ」

桃城「てめ、やんのか!?」

小春「……」

一氏「……」

小春「ユウくん、答案の作り直しや」

一氏「せやな」

審判「ゲームセットウォンバイ青学桃城、海堂ペア! ゲームカウント30/100-0/100!」

越前「……IQ高くても頭いいとは限んないっスね」


100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 02:34:17.24 ID:LhkIM+tE0
シングルス1:手塚対千歳

千歳「この問題を解くには……8分」

手塚「いや、3分だ」

桃城「あ、あれは!?」

乾「手塚も『才気煥発の極み』を!?」

千歳「やれやれ、英語には色んな解き方なんてそうそうないもんと思っとったたい。
   そうやって自分にリミッターばかけとった時点で俺は己の限界点ば決めちょったんかも知れんばい」

審判「ゲームセット、ウォンバイ青学手塚! ゲームカウント100/100-95/100!」

堀尾「こ、これで」

カチロー「決勝進出だー!」



104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 02:43:56.55 ID:LhkIM+tE0
竜崎「決勝戦の組み合わせが決まった!
   ダブルス:乾・海堂ペア対柳・切原ペア
   シングルス2:手塚対真田
   シングルス1:越前対幸村
   全力で行っておいで!」

大石「あの」

竜崎「ん?」

大石「医学部志望の大石です」

竜崎「あ、ああ」

大石「医学部志望の大石です」

手塚「先生、大石はこう言っているんです。何故自分を使わないのかと」

竜崎「いや、シンクロくらいしか特技ないし……」

大石「俺は医学部志望ですよ!? 手塚、使わないなら何故俺を呼んだ!?」

手塚「解説役が不足するだろうと思ってな」

大石「俺を何だと思ってるんだーっ!!」


106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 02:47:58.93 ID:LhkIM+tE0
ダブルス:乾・海堂ペア対柳・切原ペア

越前「乾先輩と柳さんの戦いはすごそうっスね」

不二「越前、記憶は?」

越前「……なくなったりしてませんから」

柳「乾「機は熟した……」」

柳「……とお前は言う」

乾「連二、俺も全力で行かせてもらう!」

切原「楽勝っしょ!」

海堂「ああ?」

審判「回答始め!」


109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 02:53:36.27 ID:LhkIM+tE0
乾「1571年にオスマン帝国軍が……」ブツブツ

柳「イスラーム世界の分裂が始まり……」ブツブツ

越前「やっぱりあの二人、まともにすごいっスね」

手塚「事前に集めたデータを元に、詰将棋のように穴のない答案を作る。それが乾のデータ勉強だ」

越前「だからそれって普通の勉強っスよね」

海堂「(くっ……先輩の足を引っ張んねえようにしねぇと……)」

海堂「……ラスクマンが日本に来た理由?」

海堂「ワカメとか……いや、違うな。野菜が欲しかったんだっけか」

切原「……」

切原「あ"あ"?」

大石「な、なんだアイツ皮膚が赤く……!」

110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 02:58:55.18 ID:LhkIM+tE0
切原「テメーも赤く染めてやんよぉっ!!!」ビシッビシッ

桃城「ア、アイツ乾先輩に消しカスを投げつけてやがる!!」

乾「うぐっ!!」

切原「ヒャーッハッハ!」ビシッビシッ

海堂「汚えぞ切原! 乾先輩ばかり狙いやがって!」

堀尾「ああ、海堂先輩まで肌が赤く!」

海堂「!」ガシッ

乾「やめろ、海堂……データは……取れ」ガクッ

柳「……見事だ、貞治」

審判「青学、試合続行不可能により勝者立海、柳・切原ペア!」

114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 03:04:34.99 ID:LhkIM+tE0
手塚「乾よ、消しカスまみれになってまで……」

越前「いよいよ意味分かんない」

シングルス2:手塚V.S.真田

真田「手塚よ、あのときのカリを返してやろう!」

越前「何かあったんスか?」

不二「小学校の頃、模試帰りに真田君がドヤ顔で知識を皆に披露していたところ、手塚に間違いを指摘されたらしいよ」

越前「完全にただの逆恨みっスよね、それ」


117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 03:12:03.64 ID:LhkIM+tE0
真田「知りがたきこと陰の如く!」

大石「あ、あれは!」

桃城「机全体を腕で覆うように隠して!」

真田「これで我が回答は貴様からは見えん! どうした、手塚! 顔が青いぞ? フハハハハ!!」

越前「いや、そんなみっともないマネしなくてもカンニングとか違反だから」

審判「回答始め!」

真田「問題を解くこと雷霆の如しー!!」ズバァ

越前「速っ! あれ本当に問題解いてるの?」

幸村「あの回答スピードはまさに光速……。正直今の真田に勝てるのは俺しかいない」

大石「いや、手塚も『百錬自得の極み』でオーラを左腕に集めて応戦している!」

越前「左腕が強化されても意味ないんじゃ……」


121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 03:18:17.67 ID:LhkIM+tE0
手塚「答えが分からないなら、周りから削っていけばいい!」

不二「間違いの選択肢が削られていく!」

大石「まさに逆手塚ゾーン……いや、手塚ファントムとでも言うべきか」

越前「消去法とも言うよね」

真田「雷霆の如しー!!」ハァハァ

柳生「真田くんの顔色に乱れが……?」

幸村「あれだけ頭脳を酷使する『雷』を連発していては真田の体力ももう限界に近いだろう……」

真田「(く、あと一問なのだ! 働け、働かんかこの頭がぁー!!)」

真田「適当に書いて当たらんかぁー!!!」

『ア』

審判「ゲームセットウォンバイ立海真田!」

真田「もう二度と貴様とはやらんぞ……」

手塚「……」

越前「結局何の教科だったの?」


126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 03:26:48.50 ID:LhkIM+tE0
シングルス1:越前対幸村

越前「ふーん、全教科から幅広く出題されるんだ」

不二「ちなみに今回は早押しクイズ形式だ」

越前「早押し? 高校生クイズみたいな感じかな」

審判「はじめっ!」

『和歌によく詠まれる名所のことを何と呼ぶ?」

越前「歌枕」ピポーン

菊丸「おチビの奴いきなり『無我の境地』だ!」

乾(ミイラ)「今まで勉強したイメージから反射的に答えを導き出す『無我の境地』」

越前「(復習をちゃんとやってるだけなんだけど)」

幸村「『無我の境地』は無駄に体力を消耗する」

越前「へえ、随分と現実的なんだね」

幸村「あとこれはジャージを落とすゲームじゃないよ」

越前「分かってるし別にジャージ落とそうとしてないから」

127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 03:32:24.05 ID:LhkIM+tE0
越前「神風連の乱」ピポーン

大石「今度は『才気煥発の極み』だ!」

越前「a=pq+r^2」ピポーン

手塚「百錬自得のオーラを適材適所に移動させている様だな」

越前「(いちいち変な解説をつけるの止めてくれないかな……)」

幸村「同位体」ピポーン

越前「えっ……?」

ジャッカル「……おい」

丸井「ああ」

真田「幸村の勉強が始まった」

129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 03:37:13.61 ID:LhkIM+tE0
越前「(supposeでしょ)」スカッ

越前「……え」

桃城「おいおい、越前の奴ボタンを押し損ねたぜ?」

幸村「どうやら……触覚を失いかけている様だね」

越前「は?」

金太郎「あれや、あいつの勉強怖いわぁ……。あいつどんな問題にも答えてくるから、
    その内答えたくのーなって、勉強するの嫌になって……」

白石「金ちゃん、いつ幸村クンと試合してたん?」



134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 03:40:07.84 ID:LhkIM+tE0
越前「いやいやいや! 勉強で触覚なくなるとか意味分かんないから!」

越前「まあ触覚を失ったところでしっかり見て押せば……」

越前「……見えない」

越前「でも問題文は読み上げてくれるから、音さえ聞こえていれば……」

越前「……」

越前「(音が……消えた)」

幸村「――この言葉はもう君には聞こえていないだろうけどね」

大石「越前ー!?」

越前「……」ガク


136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 03:43:56.08 ID:LhkIM+tE0
乾「テスト中に周りのシャーペンの音がプレッシャーになって頭の中が真っ白になるアレか」

菊丸「あー、あるある!」

越前「(もうやだ……なんでこんなに苦しいこと)」

越前「(勉強してただけで五感を奪われるなんて……あり得ないよ)」

越前「(勉強ってこんなに辛かったっけ……)」

『リョーマ、勉強楽しいか?』

越前「(……うん、嫌いになれるわけがない)」

越前「(だって勉強って……)」

越前「勉強って楽しいじゃん」

桃城「越前ー!!」

手塚「! このオーラは!!」

「「『天衣無縫の極み』!!?」」


140 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 03:49:56.90 ID:LhkIM+tE0
南次郎「おーおー、やってるじゃねーの」

桃城「南次郎さん!?」

南次郎「天衣無縫の極みってもんは、誰しも心の中に持ってるのさ」

南次郎「初めて勉強を始めた頃は皆勉強が楽しくて仕方なかったはずだぜ?」

南次郎「どうして昼と夜があるのか? 日本はどうして今の日本なのか? 『はじめまして』って英語で何と言うのか?」

南次郎「それが受験の為に予備校や学校で勉強して、安全な勉強を覚えやがる」

南次郎「勉強を始めた頃、あん時ゃ誰しも天衣無縫なんだよ」

越前「楽しんでる?」

幸村「(ふざけるな! 勉強を楽しくだと!?)」


143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 03:57:17.79 ID:LhkIM+tE0
幸村「王者立海の三連覇に……死角はない!」ピポーン

越前「……何で俺のまで押してるんスか」

幸村「あ、ごめん」

『フランス革命直後、第三身分が集まって憲法制定まで解散しないことを誓った事件は?』

越前「サムライドライブ!」ピポーン

堀尾「早押しボタンが真っ二つに!?」

越前「『テニスコートの誓い』」

審判「ゲームセット! ウォンバイ青学越前!」



147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/11(水) 04:00:53.92 ID:LhkIM+tE0
桃城「うぉおおー!! やったぜ越前!」

菊丸「おっチビー!!」

越前「喜んでるところ悪いっスけど、団体戦では負け」

幸村「いい試合だった。次は楽しむ勉強をしたいな」

越前「どーも」

乾「それにしても越前も『サムライドライブ!』とかするんだな。いいデータがとれた」

越前「……」

優勝:立海大附属中学校
準優勝:青春学園中等部


何だかんだで部活動の縮小は免れました。
ありがとテニプリ。

おわり