1: ◆z.6vDABEMI 2019/12/23(月) 22:27:23.94 ID:bBP3Yd1Ro
明転。ふたりの男が向かい合っている。
片方の男(中岡)は目を閉じている。若干むふむふしており、ちょっと怖い。
もう片方の男(コカド)は半笑い、手に札を持っており、それを見せようとしているようだ。

コカド「それでは、目を開けてください!」

中岡「……! ……? ……?? ええ?え?」

コカド「ドッキリ大成功ー!」

札には古典的なドッキリ大成功!の文字が。

中岡「なんやぁ、ドッキリかぁ~……もー、なんやねん、もー!」

コカド「ほんまに目の前に中岡くん好きな女の子ぉ、おるかもって思ってた?」

中岡「思ってた……」

コカド「ドッキリでしたー!」

中岡「なんやねんそのしょっぼいドッキリ!」

地団駄を踏んでじだじだする中岡。不満げな顔である。やむなし。

コカド「いや、しょぼくはないねん」

中岡「え?なにが?」

コカド「今日1日、なんかおかしなことなかった?いっぱいあったやろ?」

中岡「え?ん??……んん?……あ!」

何かに気づく中岡。

コカド「実はー……今日1日、テレビ局さんの力を借りて!中岡くんにドッキリをかけまくっていましたー!」

再び出されるドッキリ大成功の札。

中岡「うっわ、マジかぁ……全部ドッキリかぁ~」

コカド「ほら、思い出してみ?今日変なこといっぱいあったやろ?」

中岡「えっと、朝起きたら部屋に市松人形がいっぱいあった?」

コカド「ドッキリでしたー!」

中岡「ドッキリかぁ~」

コカド「他は?」

中岡「目覚まし、目覚まし時計の音がぱおーんって……」象の動き

コカド「ドッキリでしたー!」

中岡「これもドッキリかぁ~」

コカド「あとは?」

中岡「えー?……ああ、あれ!財布から5万盗られてた!」

コカド「……」

中岡「あれもドッキリかぁ~、はよ返せよコカドぉ~」

コカド「いや……それは知らんわ……」

中岡「……」

コカド「……」

中岡「……え?」



〇お久しぶりです。
〇相変わらず書きためは無いです。
〇M-1見逃してショックです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1577107643

引用元: ロッチ中岡「なんやあ、ドッキリかぁ~」 



2: ◆z.6vDABEMI 2019/12/23(月) 22:34:12.26 ID:bBP3Yd1Ro
コカド「え?なにそのドッキリにしては妙にリアルな額。俺知らんよそれ」

中岡「……そんなんええって、ドッキリやろぉ?」

コカド「誰か知ってます?」

あちこちきょろきょろするコカド。
周りにいるスタッフ達に首を振られたらしく、自らも首を傾ぎ不思議がる。

中岡「そういうのええねんって、ほんまもぉ、コカドくんはお芝居上手やねえ」

コカド「ほんまやってほんま!」

中岡「……ええ?」

コカド「いや、ほかあるやろ!もっと別な、明らかにこれドッキリやわ!って言うの!」

中岡「えー?俺の車にガチョウがめっちゃ乗ってた?」

コカド「それドッキリ!」

中岡「それドッキリかぁ~」

コカド「車のシート傷つけんようにカバー被せんの大変やったらしいわ」

中岡「あ、そう。……あ、俺のカバンの中にダンベル入れたんもお前ら?」

コカド「それもドッキリ!」

中岡「あ、これもかぁ~、ドッキリかぁ~」

コカド「お前がトイレ行ってる間に俺が入れたんや」

中岡「マジかぁ」

コカド「なんで俺が家出る時ダンベル背負って出なあかんねん!ってずーっと思いながら今日1日おった(笑)」

中岡「喫茶店でカップルが水掛け合う喧嘩してたんは?」

コカド「アレは自然発生!」

中岡「ドッキリちゃうんかぁ~」

コカド「あんなコントみたいなことあるんやな」

中岡「な!……あ、じゃあ俺のケータイに留守電入れたんもお前?」

コカド「……え?」

中岡「え?」

コカド「え?え?」

中岡「何よそれ、これもドッキリやろ~?」

3: ◆z.6vDABEMI 2019/12/23(月) 22:40:40.83 ID:bBP3Yd1Ro
コカド「何の話?俺もスタッフさんも、マネージャーも電話してへんよ」

中岡「いや、したやん」

コカド「してへんて」

中岡「お前の電話番号で履歴残っててんて」

スマホ(iPhone)をぽっけから取り出す中岡。その画面を見せる。

中岡「な?」

コカド「いやいやいやいや、俺マジでかけてへん、え、なんで?」

中岡「留守電に『殺す……』とか入れたやろ?聞いたで」

コカド「怖!!俺がドッキリさせられてる!!」

中岡「いやぁ、コカドくん達者んなってもうてなぁ」

スマホをいそいそと戻す中岡。
それを見ながらちょっと引いているコカド。

コカド「いや……まだあったやろ……そんな、なんか怖いのじゃなくて、あったやん」

中岡「曲がり角から犬追っかけてきたやつか」

コカド「あ、そうそうそう!それドッキリや」

中岡「ああ、これがドッキリかぁ~」

コカド「そうそう……」

中岡「スタジオで爆発事故起きたのは?」

コカド「事故言うてるやん、事故や事故、普通に事故」

中岡「ドッキリじゃないの?」

コカド「俺も知らんかったからね、ドッキリやったらヤバいやろ仕掛ける側知らんの」

中岡「楽屋帰ってきたら袖濡れてたんは」

コカド「それは、それはドッキリ」

中岡「ああ、ドッキリかぁ~……」

コカド「まだあったやろ」

中岡「エレベーターが突然止まったんはあれドッキリ?」

コカド「ドッキリちゃうわ、アクシデント!!ドッキリ以外のインパクト凄すぎてドッキリ薄なってるな!!!」

4: ◆z.6vDABEMI 2019/12/23(月) 22:47:32.46 ID:bBP3Yd1Ro
中岡「さすがにドッキリやろ」

コカド「マッジでしらん、俺ほんまに知らんこと起きすぎてへん?」

中岡「カメラとかで追っかけてたんやろ?」

コカド「追っかけてたけどそんなこと起きてた??」

中岡「ええ?起きてたよ?」

コカド「うそぉ、俺見てない」

中岡「あ、それからあれもお前やろ、忍者の末裔とか言う人が来てぇ」

コカド「その時点で知らんわ」

中岡「またぁ。忍者の末裔に手裏剣投げさせたやろ」

コカド「街中で行うには余りに物騒すぎるドッキリすぎるわ!」

中岡「いや、近所の公園やで?」

コカド「余計やばいやろ!!」

中岡「その後シュワちゃんのそっくりさんがおっかけてきたやん」

コカド「ん?……あ、ターミネータードッキリ!それはやった!」

中岡「逃げても追っかけてくるからどないしよ、思てたらロケットランチャー撃ってきたやんか」

コカド「それは知らん!!俺とお前、え?おんなじ1日送ったよな?おんなじもん見てるよな?」

中岡「そっかぁ、あれドッキリかぁ~」

コカド「俺のドッキリです判定無視して勝手に安心すなよ!」

中岡「それとトイレの中にヘビ仕込んだんもお前?」

コカド「それはドッキリ!俺!置いたの俺!ちょっと噛まれた!」

中岡「サソリも?」

コカド「サソリ知らん!」

中岡「毒針も?」

コカド「毒針知らん……毒針!?お前暗殺されかけてへんか!?なんやそれ!?」

5: ◆z.6vDABEMI 2019/12/23(月) 22:56:20.66 ID:bBP3Yd1Ro
中岡「あれドッキリかぁ~」

コカド「知らんねんって!毒針とかは知らんねん!」

中岡「なんやぁ、一部ドッキリかぁ~」

コカド「なにその一部ドッキリって!新しい用語生み出して勝手に安心せんといて!」

中岡「スタジオ入ったらタライ落ちてきたんは、アレはドッキリか」

コカド「ん……ドッキリ?ドッキリ、おうそうや……ん?」

中岡「ドッキリかぁ~」

コカド「あれ?えーっと、タライは何時の話しやったっけ……」

中岡「落とし穴もやろ?なんやぁ、ドッキリかぁ~」

コカド「落とし穴は……ああ、うんドッキリ……」

中岡「楽屋の壁が急に迫ってきたやつ、あれもドッキリかぁ~」

コカド「ドッキリ……ドッキリ?え?待って、俺もだんだん分からんようなってきた」

中岡「じゃあ駐車場で黒服の人が拳銃撃ってたのもドッキリかぁ~」

コカド「新情報!知らんこというのやめて中岡くん!怖い!え、怖い怖い怖い!なに?」

次第に怯え出すコカド。一方の中岡は朗らかである。

中岡「ご飯屋さんのおしぼりが臭かったの、あれドッキリやろ?ドッキリかぁ~」

コカド「セルフドッキリ宣言やめぇや!」

中岡「子供に水風船投げられたんも多分ドッキリやな」

コカド「それは確か午前中……そう、ドッキリ」

中岡「水風船の中にアルコール混じってたのもドッキリ?」

コカド「違う違う!みんな水風船しか用意して……」

中岡「ドッキリかぁ~」

コカド「その早めのドッキリ認定やめろって!なんなんそれ!?」

中岡「あぁ~、んじゃ今日全部ドッキリかぁ~」

コカド「ええ?なに、なにこの状況?どう言うこと?俺、逆ドッキリでもされてんの?」

中岡「え?コカドくん、逆ドッキリされてんの?」

コカド「されてへんの!?」

中岡「ああ……これもドッキリかぁ~」

コカド「自らの体験まるまるすべてドッキリになってもうてるけど!!??」

6: ◆z.6vDABEMI 2019/12/23(月) 23:02:34.86 ID:bBP3Yd1Ro
中岡「なんか安心したらトイレ行きたなってきたわ、行ってきていい?」

と言いながらはけて行く中岡。

コカド「俺まだなんも言うてへんねんけど!?」

中岡「行ってきまーす」

コカド「中岡ぁ!?」


すたすた。

取り残されるコカドとドッキリ札。


コカド「……ええ……?みんな、なんか知ってます……?」

コカド「……ですよね……何の話してんねんあいつ……」


一瞬の間

中岡「うわー!!??」

叫び声と同時にばしゃーーーーん!!と水の音。


コカド「……」


コカドの前に、びしょ濡れの中岡が走ってきた。

中岡「おま……あっちトイレかと思ったらプールにやってるやん!!」

コカド「それドッキリ!!俺のドッキリ!!」

中岡「なんやドッキリかぁ~!!」

コカド「よかったぁー!!」

中岡「成功したな!よかったな!」

コカド「よかった……ほんまよかったぁー!もう何の話してんのか分からんかったからぁー!」

中岡「あれ言わな、コカドくん!」

コカド「うん……うん……!」

札をぶんぶん振り回す。

コカド「ドッキリ大成功ーー!!!」

中岡「よかったな!」

コカド「ほんまよかったぁー!!」

中岡「ちなみにさっき、包丁持って追っかけてきた女の人はドッキリ?」

コカド「ドッキリちゃうーーー!!!」


暗転。