1 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 :2012/11/30(金) 19:01:54.36 ID:/yCmPcNLP
マリ「別に美味しくないと思うけど」

シンジ「……いりません」

マリ「そ? なら、私たべよーっと」


シンジ「……あの」

マリ「ん?」モグモグ

シンジ「あの、マリ、さんは」

マリ「ごくんっ……マリでいーよ」


シンジ「えっと……」

マリ「敬語もダメって言ったでしょー?」

シンジ「う、うん、ごめん」


3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 19:03:54.13 ID:/yCmPcNLP
シンジ「……マリは、アスカと同じで」

マリ「ん、エヴァのパイロットやってるよ」

シンジ「……じゃあ、お偉いさん? なんじゃ」

マリ「うーん。ま、ちょっとイバってるかも?」


シンジ「そっか……」

マリ「うん」

シンジ「……」

マリ「……」モグモグ


シンジ「あの……」

マリ「……?」モグモグ

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 19:05:54.34 ID:/yCmPcNLP
シンジ「なんで、ここにいるの?」

マリ「なんで?」

シンジ「だって、ここは、僕の……隔離場所じゃないか」

マリ「らしいねぇ」

シンジ「マリがいる理由、ないじゃないか……」

マリ「……」


シンジ「……」

マリ「……」モグモグ

シンジ「……」

マリ「……」モグモグ

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 19:07:20.70 ID:/yCmPcNLP
マリ「……ご飯」

シンジ「え?」

マリ「ご飯、食べに来たんだよ」

シンジ「はぁ」

マリ「栄養補給、大事でしょー?」

シンジ「えっと……」


マリ「……」モグモグ

シンジ「……」

マリ「……」モグモグ

シンジ「……」

7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 19:09:20.20 ID:/yCmPcNLP
シンジ「いや……」

マリ「ん?」

シンジ「なんで、ここで食べるの?」

マリ「……あれぇ、もしかしてお邪魔?」

シンジ「そ、そういうわけじゃないけど」

マリ「よかったぁ。流石にそんなこと言われたら傷つくよー」


シンジ「……」

マリ「……」モグモグ

シンジ「……」

マリ「……」モグモグ


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 19:11:30.96 ID:/yCmPcNLP
シンジ「だ、だから!!」


マリ「んぐっ……!」

シンジ「え? ……どうしたの!?」

マリ「んー……んー!!」

シンジ「せ、背中叩けばいいの?」


マリ「……」コクコク

シンジ「し、失礼します」ドンドン

マリ「ん……!!」


シンジ「……だ、大丈夫?」

マリ「……ふぅ」


11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 19:14:07.17 ID:/yCmPcNLP
マリ「もー、わんこ君、いきなり大声出すのは無しだよ」

シンジ「ご、ごめん」

マリ「ん、素直に謝れるのはとってもいいなぁ」ナデナデ

シンジ「わ、わ……やめてよ」


マリ「ん?」ナデナデ

シンジ「う……」


マリ「どしたの?」ナデナデ

シンジ「……」

12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 19:16:44.79 ID:/yCmPcNLP
マリ「熱でもあるの?」ヒタ

シンジ「な、ないよ!」ズサーッ


マリ「ありゃ、わんこ君に嫌われちった」

シンジ「……嫌って、ないよ」

マリ「そうなんだ。じゃ、もっとこっちおいでよ」


シンジ「……」

マリ「ほら」

シンジ「……うん」


シンジ「……」ストン

マリ「……」モグモグ

15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 19:19:15.48 ID:/yCmPcNLP
マリ「わんこ君、わんこ君」

シンジ「なに?」

マリ「ほれ、あーん」

シンジ「え!?」

マリ「あーん」


シンジ「た、食べないよ!」

マリ「どして?」

シンジ「それは、マリが食べてるやつだし……」

マリ「いいよ、いいよ」

シンジ「……マ、マリが使ってた、スプーンだし……」

マリ「かまわん、かまわん」


17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 19:22:25.66 ID:/yCmPcNLP
シンジ「僕はかまうよ!」

マリ「なんでー?」

シンジ「だ、だって、それは……」

マリ「んー?」

シンジ「……うう」


マリ「ほれ、あーん」

シンジ「……」

マリ「あーん!!」


シンジ「わ、分かったよ! 食べればいいんだろ、食べれば!!」


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 19:25:20.70 ID:/yCmPcNLP
シンジ「ん……」パク

マリ「おー、食べた、食べた」


シンジ「……」モグモグ

マリ「ど? お味は?」


シンジ「……」モグモグ

マリ「……」

シンジ「……」

マリ「……」


シンジ「……あんまり、美味しくないや」

マリ「あはは! だっよねー」

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 19:28:10.36 ID:/yCmPcNLP
マリ「わんこ君、これ、残り食べる?」

シンジ「……え」

マリ「私、もうお腹いっぱいだわ」

シンジ「……」


マリ「……」

シンジ「……」

マリ「……」


シンジ「……いや、いいよ」

マリ「そっかぁ」


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 19:31:58.26 ID:/yCmPcNLP
マリ「新しいの、もらって来てあげようか?」

シンジ「ううん、いらない」

マリ「食べ残しが、嫌なんじゃないの?」

シンジ「うん」


マリ「……わんこ君さぁ、あんまりご飯、食べてないらしいね?」

シンジ「……」

マリ「ダメだよぉー、ちゃんと食べなきゃ、元気でないよ?」

シンジ「……」


28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 19:34:34.29 ID:/yCmPcNLP
マリ「もう、しょうがないにゃー」

シンジ「……」


マリ「ほれ、あーん」

シンジ「えっ」

マリ「あーん」

シンジ「な、なんだよ」

マリ「あーん」

シンジ「い、いらないって言ってるじゃないか!」


マリ「……でも、さっきは食べたよね?」

シンジ「う……」


31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 19:37:47.41 ID:/yCmPcNLP
マリ「私が食べさせれば、食べるんじゃないの?」

シンジ「ち、違うよ」

マリ「じゃ、どして?」

シンジ「……それは」


マリ「……」

シンジ「……」

マリ「ほれ」


シンジ「―――もういいよ!! 食べるよ!!」

マリ「おっ、えらいぞぉ」


34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 19:41:10.31 ID:/yCmPcNLP
マリ「あーん」

シンジ「違うよ! 一人で食べるから、スプーン貸してよ!」パシッ

マリ「ありゃりゃ」


シンジ「……」パクパク

マリ「……」

シンジ「……」モグモグ


マリ「美味しい?」

シンジ「……美味しくないよ」

マリ「あはは、そだったねぇ」


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 19:44:25.60 ID:/yCmPcNLP
マリ「でも、ご飯は大事だよー。全ての基本だよ」

シンジ「……」

マリ「ほら、こういう歌があるの、知ってる?」

シンジ「……」


マリ「しあわっせはー、歩いてこない―」

シンジ「……」

マリ「だーから、歩いてゆくんだね―」

シンジ「……」

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 19:46:33.53 ID:/yCmPcNLP
マリ「一日一歩! 三日で三歩」

シンジ「……」

マリ「さーんぽ進んで、にっほさがる―」

シンジ「……」

マリ「……って、戻るなっつーの!」アハハ

シンジ「……」


マリ「ま、でもさ、そういう日々の積み重ねがさ、幸せに繋がっていくんだよ」

シンジ「……」

マリ「だから、ご飯はちゃんと食べな?」

シンジ「……」


42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 19:49:33.46 ID:/yCmPcNLP
アスカ「―――ガキシンジ、ご飯、持ってきて……」


マリ「ありゃ、姫」

シンジ「……」


アスカ「……なんで、コネメガネがここにいんのよ」

マリ「なんでって、こっちが聞きたいくらいなんだけど」

アスカ「……なにをよ」

マリ「姫ともあろうかたが、食事の配膳係なんて、どーしてやってるのかな?」

アスカ「……」

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 19:52:13.79 ID:/yCmPcNLP
アスカ「……ガキシンジの担当のやつが、手を離せなかったから、しょうがなくよ」

マリ「でも、そこで引き受けるなんて、姫の柄じゃないよねぇ」

アスカ「……」

マリ「ん?」


アスカ「……どうでもいいでしょ、そんなの」

マリ「んふふ、そーだねぇ」

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 19:54:27.09 ID:/yCmPcNLP
アスカ「……それ」

マリ「え?」

アスカ「その食器……アンタが食べたやつ?」

マリ「私と、わんこ君のやつだよ」

アスカ「……なにそれ」

マリ「私がちょっと食べて、半分以上は、わんこ君が食べたよ」


アスカ「……はぁ? だってこいつ、全くご飯、食べなかったんじゃ……」

マリ「あれぇ、姫も把握してたんだ?」

アスカ「……」


48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 19:56:20.16 ID:/yCmPcNLP
マリ「あ、だから、姫も来たのか」

アスカ「……違うわよ」

マリ「じゃ、どうしてさ?」

アスカ「……ていうか、本当に食べたの? ガキシンジ」


シンジ「……」

アスカ「……」

シンジ「……」

アスカ「……ちょっと、なんとか言いなさいよ」

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 19:58:18.49 ID:/yCmPcNLP
マリ「わんこ君、ちゃんと食べたもんね―?」ナデナデ

シンジ「……」

マリ「美味しくなかったんだもんねー?」

シンジ「……」

マリ「あれだけ食べれば、大きくなれるよー?」ナデナデ

シンジ「……」

マリ「って、なれないんだっけ。あはは!」

シンジ「……」


シンジ「……」

アスカ「……」

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 20:01:47.68 ID:/yCmPcNLP
シンジ「……あ、アスカは」

アスカ「あん?」

シンジ「アスカは、僕のこと、嫌いなんだろ」

アスカ「……はぁ?」


シンジ「僕のこと、ガキだって、怒ってるって」

アスカ「……」

シンジ「そう、言ったじゃないか……」

アスカ「……」

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 20:03:29.39 ID:/yCmPcNLP
アスカ「……そうね、怒ってるわよ」

シンジ「……」

アスカ「どうしようもないくらいガキだし、やることなすこと、裏目に出るし……」

シンジ「……」


アスカ「自分勝手やって、色んな不幸を撒き散らして……」

シンジ「……」

アスカ「……そのくせ、私のことは助けにきてもくれないし……」

シンジ「……」


54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 20:05:23.29 ID:/yCmPcNLP
アスカ「ほんと、殺したいくらい、ムカツクわ」

シンジ「……」

アスカ「……」

シンジ「……」


アスカ「…………だから、変なとこで勝手に死なれちゃ、困るのよ」

シンジ「……」

アスカ「……」

シンジ「……」


アスカ「食事くらい、ちゃんと、摂りなさいよ」

シンジ「……」

56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 20:07:50.33 ID:/yCmPcNLP
マリ「んふふ」

アスカ「……なによ」

マリ「姫とわんこ君は、ホントに仲いいねー」

アスカ「はぁ? 別に仲良くないわよ」

マリ「ほんとにー?」

アスカ「ホントよ」


マリ「ふーん、でも、私とわんこ君は、仲いいよねー?」ナデナデ

シンジ「……わっ、だから撫でるの、やめてよ!」

アスカ「……」

57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 20:09:55.84 ID:/yCmPcNLP
マリ「私と姫も、仲いいよねー?」

アスカ「……仲良くないわよ」

マリ「ええー?」

アスカ「なによ」

マリ「それは、へこむなー」シュン

アスカ「……う」


マリ「……」

アスカ「ま、まぁ……悪くは、ないかも、しんないけど……」


マリ「だよね!」

アスカ「!」ビクッ

58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 20:11:22.37 ID:/yCmPcNLP
マリ「いやー、いいね、私たち三人! 仲良しだね!」

アスカ「別に、私たち三人が仲良いわけでないでしょ……」

マリ「こうなったなら、ああするしかないかもね」

アスカ「なによ」



マリ「3Pしようよ!」



アスカ「―――ぶっ!」

シンジ「―――ぶっ!」


63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 20:14:11.35 ID:/yCmPcNLP
アスカ「ああああ、アンタねぇ!」

マリ「なに?」

アスカ「出来るわけないでしょ! そんなこと!」

マリ「あ、そっか……ここ、監視カメラあるんだっけ」


アスカ「そういう問題じゃ、ない!」

マリ「じゃあ、どういう問題?」

アスカ「そ、それは……」

マリ「ああ、姫って経験ないもんね、それはしょうがないにゃあ」


アスカ「!」

シンジ「!」


67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 20:20:28.80 ID:/yCmPcNLP
アスカ「……」チラ

シンジ「……?」


アスカ「べ、別に、経験ないなんて言った覚え、ないんだけど」

マリ「あるの?」

アスカ「それは……」

マリ「ん?」


アスカ「…………百戦錬磨よ」

マリ「ほぉほぉ」


70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 20:23:52.68 ID:/yCmPcNLP
アスカ「私のこと、いくつだと思ってんのよ」

マリ「……」

アスカ「それくらい、人並……人並以上に、あるに決まってんでしょ」

マリ「……」

アスカ「……」



マリ「でも……生えてないよね?」



アスカ「―――ぶっ!」

シンジ「―――ぶっ!」


73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 20:25:51.86 ID:/yCmPcNLP
アスカ「アンタねぇ!」

マリ「あはは」


シンジ「……」チラ

アスカ「ガキシンジ! こっち見てんじゃ、ないわよ!」ゲシ

シンジ「いたっ!」


マリ「やー、姫はいつまでたっても可愛いなぁ」

アスカ「この性悪コネメガネェ……!!」


76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 20:27:30.29 ID:/yCmPcNLP
アスカ「そもそも、アンタはいったい、いつの間に!」

マリ「えー、私も経験あるなんて言った覚え、ないけどなぁ」

アスカ「……こ、この……!」

マリ「ま、ないとも言った覚え、ないけどね?」

アスカ「……!」


アスカ「……」

マリ「……」

シンジ「……」


80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 20:30:03.91 ID:/yCmPcNLP
アスカ「……来なさい」

マリ「え?」

アスカ「あっちで、決着つけるから、きなさい」

マリ「でも、わんこ君が」

アスカ「いいから、来いっつってんの!」

マリ「わっ、こわ」



マリ「んじゃ、わんこ君、まったねー」フリフリ

シンジ「あ、う、うん」


84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 20:32:40.26 ID:/yCmPcNLP
シンジ「はぁ……」


シンジ「……」

シンジ「……」

シンジ「久々にご飯、食べたせいかな」

シンジ「からだ、重いや……」


シンジ「……」

シンジ「……」

シンジ「でも」


シンジ「……」

シンジ「…………」


86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 20:34:31.27 ID:/yCmPcNLP
エピローグ



カヲル「じゃあ、今日も一緒に演奏しようか、シンジ君」

シンジ「うん、そうだね、カヲル君」


カヲル「じゃあ……」

シンジ「……」

カヲル「……?」

シンジ「……」


カヲル「どうかしたのかい?」

シンジ「あ、うん。えっと……」

89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 20:35:49.59 ID:/yCmPcNLP
シンジ「やりたい曲がね、あるんだ」

カヲル「へぇ、そうなのかい?」

シンジ「うん」

カヲル「どんな曲?」


シンジ「こういう曲、なんだけど」ポロロン

カヲル「……」

シンジ「……」ポロロン


カヲル「……ああ、これなら知ってる。一緒に演奏、出来るよ」

シンジ「ほんと?」

カヲル「ああ」


91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 20:37:13.84 ID:/yCmPcNLP
シンジ「じゃあ、やろう」

カヲル「いつでも」


シンジ「……」ポロロン

カヲル「……」ポロロン

シンジ「……」

カヲル「……」



シンジ「……幸せはー」



終劇


99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 20:41:40.55 ID:/yCmPcNLP
マリ「わんこくーん、またきたよー」

シンジ「あ、うん」

マリ「よいしょっと」ストン


シンジ「……」

マリ「……」

シンジ「……」ズリズリ

マリ「……」ズリズリ


シンジ「……なんで近づくの?」

マリ「なんで離れるのさ」


103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 20:45:11.79 ID:/yCmPcNLP
シンジ「……そういえば、この前、大丈夫だったの?」

マリ「前って?」

シンジ「ほら、アスカにさぁ」

マリ「あー、あれね、一発ぶん殴られたくらいだったかな」


シンジ「なぐ……!?」

マリ「その代わり、十発くらい、お尻叩いてやったけど」


シンジ「お、お尻……!?」

マリ「姫って、鷲掴みたくなるようなお尻してるよねぇ」



105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 20:47:58.99 ID:/yCmPcNLP
マリ「わんこ君も、そう思うでしょ?」

シンジ「し、しらないよ」

マリ「考えたこともないの?」

シンジ「ないよ!」


マリ「ふーん、まぁ嘘だろうけど」

シンジ「……ウソじゃ、ないよ……」

マリ「ちなみに私のお尻はどう?」

シンジ「……だ、だから、そんなこと、考えないって、言ってる、だろ……」


マリ「ふーん」ニヤニヤ

106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 20:50:47.75 ID:/yCmPcNLP
マリ「あ、そうそう、朗報だよ!」

シンジ「なに?」

マリ「姫、やっぱり経験ないって!」

シンジ「―――ぶっ!」


シンジ「な、なんてこと言うんだよ!!」

マリ「あれ、嬉しくないの?」

シンジ「嬉しくないよ!!」

マリ「なぁんだ、君くらいの年齢の子なら……って言っても実際は違うんだけど、そういうのが好きなのかなって」

シンジ「わけわかんないこと言わないでよ!!」

108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 20:53:37.50 ID:/yCmPcNLP
マリ「ちなみに、私はどーっちだ?」

シンジ「え」

マリ「ん?」


シンジ「……知らないよ」

マリ「どっちが良いと思ってる?」

シンジ「……」

マリ「ほれほれ」


シンジ「―――ど、どっちでもいいよそんなの!!!!」

マリ「にゃはは、怒った怒った」

109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 20:55:30.43 ID:/yCmPcNLP
マリ「わんこ君はかわいーなぁ」

シンジ「……」

マリ「~♪」

シンジ「……マリは」

マリ「なぁに」


シンジ「……マリは、どうして僕に構うのさ」

マリ「いい匂いがするから」

シンジ「匂い……?」

マリ「そ!」


112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 20:57:59.84 ID:/yCmPcNLP
シンジ「……前にもそんなこと言ってたね」

マリ「言ったっけ?」

シンジ「ほら、初めて会った時に」

マリ「……ああー! 言った、言った! よく覚えてるねー」

シンジ「うん」


マリ「ていうか、よく覚えてくれてたねー。嬉しいぞ、このこのー」グリグリ

シンジ「やめてよ!」


115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 21:02:32.38 ID:/yCmPcNLP
シンジ「……でも、結局、それって誰でもいいってことだよね」

マリ「どして?」

シンジ「だって、好きなのはLCLの匂いってことだろ」

マリ「ああー」


シンジ「……僕がエヴァに乗ってなかったら、マリだって、きっと……」

マリ「うーん」

シンジ「……」

マリ「……ね、わんこ君」


シンジ「……なに?」

マリ「匂い、嗅がせてよ」


118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 21:09:40.20 ID:/yCmPcNLP
シンジ「な、なに言ってんだよ! ダメだよ!」

マリ「なんで?」

シンジ「だ、だって……匂い嗅ぐなんて、そんなの……」

マリ「そんなの?」


シンジ「と、とにかく! そんなのよくないよ!」

マリ「ふーん……」

シンジ「うん……」


マリ「スキありっ!」ガバッ

シンジ「うわっ!」


120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 21:13:59.44 ID:/yCmPcNLP
マリ「うーん……」クンクン

シンジ「離してよっ!」

マリ「わんこ君、LCLの匂い、あんまりしなくなっちゃったね」クンクン

シンジ「だから、言ったんだよ! やめてよ!」


マリ「……でも、これ、嫌いじゃないよ」クンクン

シンジ「……え」

マリ「んふふー、わんこ君の匂いだねぇ~」

シンジ「……う、あ」


123 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 21:17:06.80 ID:/yCmPcNLP
シンジ「は、離せよっ!」ドンッ

マリ「あいたっ!」


シンジ「あ……」

マリ「つっつつ……」

シンジ「ご、ごめん、大丈夫……?」

マリ「う、ううう……」


シンジ「あの、その」

マリ「やぁっ」ガバッ!


シンジ「!」


126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 21:19:37.22 ID:/yCmPcNLP
シンジ「……!!」モガモガ

マリ「やーん、わんこ君が私の服の中に顔突っ込んでくるー」ギュー


シンジ「うぐぐ!!」

マリ「男は狼なのよー、気を付けなさ―い」ギュー


シンジ「んー! んんー!!」

マリ「年頃になったならー、つつしみなさーい」ギュー



シンジ「―――つつしめよ!!」スポッ

マリ「ありゃ」


129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 21:21:57.58 ID:/yCmPcNLP
シンジ「……はぁっ、はぁっ」

マリ「……」

シンジ「……なんなんだよ、もう……」

マリ「……」


マリ「わんこ君、わんこ君」

シンジ「……今度は、なに?」



マリ「 ぼよーん」ポロッ

シンジ「―――ぶっ!」


137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 21:26:11.94 ID:/yCmPcNLP
マリ「やーん、わんこ君に 見られちゃったー」

シンジ「見せたんじゃないかよ!!」

マリ「男って、ほんとに怖いね―」

シンジ「女の方がよっぽど怖いよ!!」


マリ「あはは! わんこ君をからかうのは面白いなぁ!」

シンジ「もう、やだよ。誰か助けてよ……」

マリ「あははははは!  ……はぁー」

シンジ「……?」


マリ「ム ム してきた」

シンジ「えっ」

141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 21:31:12.33 ID:/yCmPcNLP
マリ「どうしよう。姫に悪いかな」

シンジ「まず僕に悪いだろ、近づくなよ」


マリ「ん、でも、据え膳食わぬは高楊枝って言うし」

シンジ「なんか色々間違ってるよ、あと近づくなよ」


マリ「味見くらいなら? いいかもしれないし?」

シンジ「訳わかんないこと言うなよ、だから近づくなよ」


マリ「ごめんよ、わんこ君。……せめて、優しくするから」

シンジ「近づくなよ!! 眼が怖いよ!!」


147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 21:38:08.77 ID:/yCmPcNLP
マリ「いただきます!」ガバッ

シンジ「や、やめ……!!」


マリ「剥くよ? 剥くからね? わんこ君??」

シンジ「服を破かないでよ!! 離してよ!!」


マリ「いやー、もう一生離さない可能性もあるよ?」

シンジ「そんな可能性ないよ!!」


マリ「ああー、すっごい匂い。たまんないにゃー」

シンジ「顔埋めないでって……あああ!!」

148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 21:40:26.80 ID:/yCmPcNLP
マリ「……ねぇ、わんこ君」ピタ

シンジ「へ、な、なに?」

マリ「噛んでいい? 首筋、歯型つけていい??」

シンジ「だ、駄目に決まってるだろ、そんなの!」


マリ「問答無用!」カプッ

シンジ「……あいたぁ!」

マリ「わらひは ひゅうへつひ らったのら」チュー

シンジ「痛い痛い痛い痛い!!」

149 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 21:42:17.94 ID:/yCmPcNLP
アスカ「―――ちょっと、コネメガネェ!!」



マリ「あ、ひめ」

シンジ「……うっう」グスッ



アスカ「……」

マリ「……あれぇ、私、やっちゃったかな?」


156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 21:45:16.62 ID:/yCmPcNLP
アスカ「……あんた、なにやってんのよ」

マリ「んー……マーキング?」

アスカ「……なんで、ガキシンジはパンツ一丁なのよ」

マリ「そりゃー、これから全身を歯型だらけにだねぇ」


アスカ「……」

マリ「……したかったん、だけど……ねぇ……」

アスカ「……」

マリ「……」


シンジ「うっうっ」グスグスッ

158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 21:48:52.11 ID:/yCmPcNLP
アスカ「あんた、知らないわけじゃないでしょ?」

マリ「なにを?」

アスカ「……この部屋、監視カメラ、ついてるの」

マリ「あー、そうだったねぇ」


アスカ「……」

マリ「んー……カメラ、これだっけ?」

アスカ「……そうだけど」

マリ「そっかぁ」


マリ「男性クルーのみんなぁ! 私で●くのはこれっきりにしてねぇー」フリフリ

アスカ「―――コネメガネェ!!」


162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 21:54:33.56 ID:/yCmPcNLP
アスカ「アンタってやつは……!」

マリ「姫、怒りっぽすぎ」

アスカ「説教よ! ついてきなさい!」

マリ「またかぁ……へいへい」


マリ「あ、その前に、わんこ君」

シンジ「な、なんだよ」ビクッ

マリ「エヴァに乗ってない君を必要としてくれる人、きっと現れるからさ」

シンジ「……」

マリ「それまでは、私の でも思い出しながら、頑張んな」

シンジ「……」

163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/30(金) 21:56:11.47 ID:/yCmPcNLP
シンジ「……」

シンジ「良い感じのこと言われても、ぜんぜん心に響かないよ」


シンジ「……」

シンジ「……」

シンジ「…………おっ  」


シンジ「……」

シンジ「……」

シンジ「……ううううううううう」ジタバタ



終劇(真)