1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 19:09:17.75 ID:qTZ1UGt0O
ゲンドウ「でなければ帰れ!」
マダオ「いや、清掃員の面接に来ただけなんですけどー…」
ミサト「乗るのよ、長谷川さん」
マダオ「いや、重機の操作は慣れてるんだけどね」
マダオ「問題は給料の方で時給はー…」
ゲンドウ「お前には失望した。」
マダオ「え?何?ちょっと待って!!」
マダオ「乗らないなんて言ってないよ?言ってないからね?」
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2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 19:10:38.39 ID:qTZ1UGt0O
グラグラグラ
マダオ「え?何?何?何?地震?」
ゲンドウ「やつめ、ここに気づいたか」
マダオ「何?何これ?何なのこれ?怖いんだけど!!めちゃめちゃ怖いんだけど!!」
ピッ
ゲンドウ「冬月、レイを起こしてくれ」
冬月「まだ使えるかね」
ゲンドウ「構わん。」
3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 19:11:59.40 ID:qTZ1UGt0O
数分後
ガラガラガラガラ
ストレッチャーに少女が乗せられている
マダオ「え?病人?」
グラグラグラ
震動が始まると少女がストレッチャーごと倒れた。
綾波「きゃあ!」
マダオ「きゃあ!だ…大丈夫?」
綾波「うぅ…」
苦悶の表情を浮かべる綾波
彼女を抱き抱えたマダオの掌には血がベットリついている。
マダオ「いやァァァァ!!血がァァァァ!血がァァァァ!」
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 19:12:40.36 ID:qTZ1UGt0O
マダオ「何で?面接に来て何でこうなっちゃったの?何で?」
しかし微動だにしないゲンドウ。
むしろニヤニヤ笑っている。
ゲンドウ「乗れ。」
マダオ「無理!無理だから!やな予感しかしないからいや!」
綾波「…………」
綾波「不採用」
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 19:13:23.12 ID:qTZ1UGt0O
マダオ「えっ?」
リツコ「不採用よ。」
マダオ「………もしかして」
ミサト「今のは面接だったのよ。残念ね。」
リツコ「いちいちそんなに焦ってたらD級勤務者すら勤まらないわ」
マダオ「いや、誰でもああ言うでしょ!ふつう、ふつうでしょ?」
8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 19:14:51.14 ID:qTZ1UGt0O
リツコ「14歳の少年、以下ね」
ゲンドウ「帰れ!」
こうして今日も俺は無職
ああ。無職
負けるな、マダオ。
勝つんだ、マダオ。
お前の戦いは今始まったばかりだ!
冬月「…………」
冬月「独り言の途中…ちょっといいかね」
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 19:20:28.79 ID:qTZ1UGt0O
さっき画面に映っていた初老の男が俺に話し掛けてきた。
さっきの面接の批評なら止めてくれ。
いくら落ちるのが慣れている、と言えどもさっきの面接はヘビーだった。
冬月「さっきの面接で…」
俺を傷付けるなら止めてくれええぇぇぇぇ!!
繊細なんだァァァァァァァァ
冬月「清掃員としては不採用だったが」
不採用不採用やめて!社会のクズだからってやめて!とにかくやめて!
冬月「諜報部員として、採用したい。」
だから不採用不採用…
…え?
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 19:25:23.61 ID:qTZ1UGt0O
冬月「一目見たときから気になっていたんだよ。」
冬月「君は碇にそっくりだ。」
ゲンドウ「………」
マダオ「うあぁァァァァ!」
冬月…とか言う男の後ろから顔を出してきた。いきなり。
しかし、良く良く見てみると…
冬月「似ているだろう?」
冬月「碇の憎たらしさとか碇の根性の悪さとか碇の顔の悪さとか…そっくりだとは思わんかね。」
マダオ「………」
ゲンドウ「………」
19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 19:32:56.35 ID:qTZ1UGt0O
冬月「君に仕事を頼みたい。報酬は君の望み以上に出そう。」
冬月「………万では、不足かね?」
エエエエエ!!
そんなに貰っていいのかよ!?
へへっ残念だが、銀さん。
不幸のエンドレスループから先に抜け出すのは俺みたいだぜ。
冬月「ちょうど明日から私達は南極に行かなければならないのだが…」
…南極?
そういやこの職場は何かおかしい。
俺は不安になった。
高額な報酬といい、
まさかこの仕事
ブラックでデンジャラスな仕事なんじゃないのか?
21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 19:36:16.61 ID:qTZ1UGt0O
冬月「何、ブラックでもデンジャラスでもない。」
冬月「君にしか出来ない、しかも簡単な仕事だ」
『君にしか出来ない、簡単な仕事』
その一言で俺の不安はぶっ飛んだ。
君にしか出来ない
なんて甘い響きだろうか。
簡単な仕事だ
なんて美しい響きだろうか。
その一言に惑わされ俺は
内容も聞かず即答してしまった。
マダオ「…やります。俺がやります!」
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 19:42:21.11 ID:qTZ1UGt0O
冬月「そうか。やってくれるか。」
人に頼られる、と言うのはこんなに気持ちよい事だったか。
冬月「では、君に頼みたい任務は…」
ゴクリ。
冬月「碇の影武者だ。」
…
影武者。囮ってことだよな?
ブラックでデンジャラスな仕事じゃねえかあァァァァ!!
28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 19:46:35.29 ID:qTZ1UGt0O
ゲンドウ「ネルフ本部を3日も開ける訳にはいかんのだよ」
と、さっきまで黙ってた目の前のオッサンがいきなり喋り出した。
ゲンドウ「頼む」
と言い、土下座をし始めた。
何だか自分自身の土下座を見ているようで見苦しい。
止めろ!止めて!止めて下さい!お願いだから!
しかし彼は顔をあげない。
それに「やる」と言ってしまった手前断れない。
30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 19:49:51.98 ID:qTZ1UGt0O
結局、俺は親指に赤いインクを塗りたくり、紙に押し付けた。
その瞬間、碇司令はさっきの土下座は嘘だったかのように
素早く立ち上がりニヤリと笑った。
計画通り。とでも言うかの様に。
騙されたァァァァァァァァァァァァ!!
31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 19:55:16.71 ID:qTZ1UGt0O
黒服の男達に無理矢理腕を掴まれ
無理矢理服…と言っても2枚しか着てないが、奪われ
無理矢理制服を着せられた。
俺はこうして
真ん前のオッサンの
ダミーの
オッサン
になっちまった。
バカ!一時の苦しみを耐え切れなかった俺のバカ!バカ!バカ!バカ!バ…(以下略)
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 20:09:47.89 ID:qTZ1UGt0O
司令室。
俺は暇を持て余していた。
司令と言ってもまるでやることがない。
書類の処理は
「極秘事項に当たりますので」と書類を触らせても貰えないし
じゃあ、とネットゲームをやろうとすれば「情報漏洩の危険が」
とか言って禁止されるし
銀さんに自慢したいと思って万事屋に電話しようとすると
同じ理由で止められた。
この分じゃハツに連絡することも叶わないだろう。
折角デカイ仕事をしてるってのに…何だかな
プルルルルル
マダオ「!」
突然、電話が鳴った。
机の上に『マニュアル』があることを確認し、出た。
36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 20:13:19.97 ID:qTZ1UGt0O
マダオ「……碇だが」
緊張する。
あまりヘビーな内容でなければ良いんだが。
シンジ「もしもし」
シンジ「父さん?」
イヤァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!
どうしよう!どうしよう!!
父さん?って事は息子だよね?ね?
いきなりヘビーな相手来ちゃったァァァァ
落ち着け!俺!落ち着け!
とにかく、マニュアル通りやればいいから!
大丈夫だから!バレないから!
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 20:15:22.70 ID:qTZ1UGt0O
シンジ「どうしたの?父さん?」
マダオ「いや…あぁ…」
マニュアルには『なるべく早く話を切り上げるように』としか書いてない。
役に立たねえぇぇぇぇ!
シンジ「今日の父さん何だか…」
ヤバい。バレる。ヤバい。
ビッー!ビッー!
42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 20:17:15.05 ID:qTZ1UGt0O
マダオ「!?」
諜報部員「碇司令、警報です!」
黒服ナイス!
助かったァァァァァァァァ!
マダオ「と、言うわけだから切るぞ」
シンジ「ちょ…父さ…」
プッープッープッー
シンジ「………切れちゃった」
46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 20:20:40.78 ID:qTZ1UGt0O
ふう。
どうやら危機は脱出出来たようだな。
マダオ「ありがとう、お前達のおかげで助かったぜ!」
諜報部員「いえ…」
マダオ「本当にありがとう!飲みに行こう!勿論俺の奢りだ!」
諜報部員「ですから…」
諜報部員「司令は何を勘違いしているか知りませんが、使徒が襲来しました。」
え?
マダオ「え?何?どういうこと?」
諜報部員「使徒、我々の敵が来ました。」
51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 20:25:31.52 ID:qTZ1UGt0O
マダオ「じゃ何?さっきのは本物の警報ってこと?」
諜報部員「警報に本物も偽者もありません」
無駄な感謝しちゃったよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
飲みに行くって行ったの撤回!
奢りだってのも撤回!撤回!
諜報部員「とにかく、発令所へ」
得体の知れないもんと関わり持つなんて聞いてない!聞いてないよ!
マダオ「ヤダ!ヤダ!絶対ヤダ!嫌な予感しかしないからヤダ!ヤダ!」
…するとまたもや黒服に腕を捕まれ
何人か仲間を呼ばれた後抵抗もむなしく
俺は引きづられていった。
この職場、辞めたい。
55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 20:30:35.75 ID:qTZ1UGt0O
ミサト「使徒の位置は?」
日向「使徒の攻撃と発する電磁波で確認出来ません」
ミサト「そう。」
ミサト「使徒の攻撃が落ちた場所は?」
マヤ「一日前はここ。」
マヤ「12時間前はここに。」
リツコ「ズレを修正していってるのね。恐らく次は…」
ミサト「ここよ。」
何だか難しい話をしていた。
ダメだ。俺には理解できねぇ。
聞くなよ?聞くなよ?俺に聞くなよ?意見を求めるなよ?
ミサト「…碇司令はどう、お考えですか?」
このアマァァァァァァァァ!
56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 20:33:54.61 ID:qTZ1UGt0O
手元にあるマニュアルを読む、と「とりあえず部下に任せろ」と書いてあった。
なるほど。部下に一任、か。
マダオ「君に任せる」
そう俺が言った瞬間、目の前のボインのお姉ちゃんはニヤッと笑った。
ミサト「そうですか。」
リツコ「で、ミサト作戦は考えてあって?」
ミサト「もちよ。それはね…」
61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 20:39:04.08 ID:qTZ1UGt0O
リツコ「使徒を手で、受け止める?」
ミサト「そうよん」
リツコ「バカじゃないの?そんなの技術部は許可出来ないわ」
ミサト「でも使徒を倒すにはこれしかないのよ」
リツコ「倒さなくとも、避難すれば良いだけじゃない!」
ミサト「使徒を倒すのが私達の仕事よ?」
リツコ「仕事?あなたのくだらないプライドの間違いじゃなくて?」
女の言い争いはなんて醜いのか。
何だかすまいるの裏側みたいだなぁ…
リツコ「司令もそう思いますよね?」
えっ
ミサト「あら、司令は私に一任するって言ったわ。」
ちょ!待って!待って!
俺を巻き込まないでぇぇぇぇ!
63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 20:43:59.96 ID:qTZ1UGt0O
マダオ「いやぁ…それは…」
リツコ(耳元で)「今夜…セーラー服の着用、考えてもよくってよ。」
え?セーラー服って何?何?
ミサト(耳元で)「あら…私なんか今夜、セーラー戦士に変身してお仕置きしてあげちゃうわよん?」
セーラー戦士?お仕置き?何?何それ?何なのそれ?
ふざけてる。ふざけてやがる。っつうか何で司令だってだけで
モテモテなの?同じような顔なのに
同じようにダンディな声なのに
何で俺はハツに逃げられちゃったの?
おかしいよね?ね?
無職だから?ねえ無職だからなの?ねえ?
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 20:45:47.83 ID:qTZ1UGt0O
しかし、男には選ばなければならない時がある。
今の俺は長谷川泰三ではない
碇ゲンドウである。
セーラー服かセーラー戦士か
選ばなければならない。
答えは出ていた。
マダオ「セーラー戦士で」
お仕置き付きは、デカかった。
68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 20:49:23.02 ID:qTZ1UGt0O
アスカ「使徒を手で、」
アスカ「受け止めるぅ?」
ミサト「そうよん」
アスカ「成功の確率は?」
ミサト「神のみぞ知るってとこね。」
アスカ「成功したら奇跡ってことね…」
ミサト「奇跡は起こしてこそ初めて価値が出るものよ。」
ミサト「すまないけど作戦にあたって…遺書を書いてもらいたいんだけど」
綾波「私はいいわ。」
アスカ「私もよ」
シンジ「……僕も……ですけど」
ミサト「どうしたのシンジ君?」
シンジ「お願いがあるんです。ミサトさん!」
ミサト「…………?」
69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 20:54:27.44 ID:qTZ1UGt0O
司令室
ない!ない!ない!ない!
碇司令の息子がもうすぐ来ると言うのに
マニュアルがない。
なんでも危険な作戦の前だからって言うから断れなかったが…
どうしよう。
多分掃除のババアが捨てたに違いない。
そんなに役に立った記憶はないがないならないで不安だ。
コンコン
シンジ「父さん、入ります。」
うわぁぁァァァァァァァァァァァァァァァァ!
きたァァァァァァァァ!!
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 20:59:43.11 ID:qTZ1UGt0O
こうなったら覚悟を決めよう。
碇司令っぽいこと言ってれば大丈夫だから!バレないから!
きっと他愛もない親父の会話だから!大丈夫!
マダオ「どうした。」
シンジ「まさか、会ってくれるとは思わなかった」
マダオ「……そうか。」
シンジ「父さんは何で」
しかし、何でこの息子は暗いのか。
中々会えないならちょっとは喜ぶだろうに…
シンジ「僕を捨てたの?」
…え、捨てたって何?
何この親子?どうなってんの?
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 21:02:33.64 ID:qTZ1UGt0O
シンジ「僕を放って置いたくせに」
シンジ「僕を利用したいだけしてる」
シンジ「どうせ父さんは、僕をエヴァの部品としか考えてないんでしょ?」
何このヘビーな親子ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
他愛もない会話どころじゃねぇぇぇぇぇぇ!
78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 21:07:03.56 ID:qTZ1UGt0O
シンジ「どうせ、僕のことなんて何も分からないんだ。父さんは」
実はねーオジサンお父さんの影武者なんだぁァァァァァァァァ
だから君のことなぁーんにもしらないよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
とはまさか言えない。
俺は今、「碇ゲンドウ」だ。
「碇ゲンドウ」として彼に向き合わなきゃいけない。
碇ゲンドウなら何と言うか、
……何故かすぐに言葉にすることが出来た。
79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 21:10:32.94 ID:qTZ1UGt0O
マダオ「シンジ、大人になれ。」
決まった。
この一言で全ては解決する。
勝った。
最初に負けたガキに俺は勝ったァァァァァァァァ!
シンジ「……僕には何が大人かわかりません」
予想外だった
奴は、カウンターを仕掛けてきた。
二倍にも三倍にも膨れ上がり
しまいには長谷川泰三…俺自身の脳天から何からを貫いた。
オジサンも何が大人か分かんないやァァァァァァァァ!!
89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 21:18:27.69 ID:qTZ1UGt0O
綾波「あなたは何が大人か、分からないのね」
この娘
…どっから出てきた?
アスカ「40にもなって…アンタにバカぁ?」
そうだよ。俺はバカだ。
ミサト「一般的に考えればもう立派な大人よ」
リツコ「無職なのが負い目なのね」
マヤ「そんなに無職は嫌ですか?」
嫌だ!嫌だ!嫌だ!嫌だ!嫌だ!
日向「どうして長谷川さんは職にこだわるんだい?」
…それは
91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 21:19:21.76 ID:qTZ1UGt0O
青葉「世間の目?」
93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 21:21:49.61 ID:qTZ1UGt0O
冬月「家族の為?」
ゲンドウ「それとも」
ゲンドウ「自分のプライドの為、か?」
うるさい!うるさい!うるさい!
お前さんに何が分かる!
ゲンドウ「分からない。人間とは理解し合えない生き物だ。」
ゲンドウ「が、私も…」
ゲンドウ「私もマダオだ。」
マダオ「…………!」
97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 21:24:32.72 ID:qTZ1UGt0O
マダオ「職もあるのに?女もいるのに?」
ゲンドウ「私も妻に逃げられた」
マダオ「…………!」
ゲンドウ「さっき、お前も見ただろう?私は息子に嫌われている。」
ゲンドウ「『マルでダメなお父さん』」
ゲンドウ「略してマダオだ」
98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 21:27:29.19 ID:qTZ1UGt0O
ゲンドウ「しかし私は一人でも立って歩けている。」
ゲンドウ「私は大人だ」
マダオ「なぜ、そう言い切れるんだ?」
ゲンドウ「私は大人だと私自身がしんじているからだ。」
ゲンドウ「自分がそれを本当だと信じれば、それは真実になり得る。」
マダオ「…………そうか」
マダオ「俺は大人だ!」
マダオ「俺は無職でもマダオでも立派な大人なんだ!」
108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 21:31:41.67 ID:qTZ1UGt0O
マダオ「無職でもいいんだ!」
目の前が明るくなった。
シンジ「おめでとう」
ミサト「おめでとう」
アスカ「おめでとう」
綾波「おめでとう」
リツコ「おめでとう」
加持「おめでとう」
ヒカリ「おめでとう」
ケンスケ「めでたいな」
トウジ「おめでとさん」
ペンペン 「クェ!クェ!」
日向「おめでとう」
青葉「おめでとう」
マヤ「おめでとう」
冬月「おめでとう」
ゲンドウ・ユイ「おめでとう」
職にさようなら
ハツにありがとう
マダオ
そして全ての無職達に
おめでとう
121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/10/01(木) 21:39:01.54 ID:qTZ1UGt0O
……………
…………
………
…わさーん
…がわさーん
………長谷川泰三さーん!
ババアの声が響く
100分待ち
職安ではいつもの事だが寝ちまったみたいだ。
ババアの声を無視し、
6409番と書かれた紙をくしゃくしゃにして
ゴミ箱に捨てた。
俺は外へと歩き出す。
後ろで「坂田銀時さぁーん」と
次の奴の名前が呼ばれていたが気にしない。
「ありがとう」
俺はそう呟きながら
嗚呼 歌舞伎町へと
男一人今日も消えて行く
終劇
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