1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 15:14:45.14 ID:o2TEj/F+0


ナウシカ「ここで垢すりができるって本当なの?」

千尋「は、はい(綺麗な人……)」

ナウシカ「じゃあお願い、メーヴェで飛びすぎて疲れちゃった」パサッ

千尋(わ……綺麗な体……)

ナウシカ「どうしたの?」

千尋「あの……タオル……」スッ

ナウシカ「ああごめんね、この部屋にいるのは私とあなただけだからつい」ニコッ

千尋「い、いえ……」ドキドキ


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6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 15:17:37.57 ID:o2TEj/F+0


千尋「では、やっていきますね」

ナウシカ「お願いね」

千尋「……」ゴシゴシ

ナウシカ「あなた、おいくつ?」

千尋「10歳です」ゴシゴシ

ナウシカ「偉いわね、その歳からちゃんと働いて」

千尋「ありがとうございます」ゴシゴシ

ナウシカ「私の小さい頃は蟲ばかり追い掛けていたわ」

千尋「虫ですか?」ゴシゴシ


15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 15:19:49.76 ID:o2TEj/F+0


ナウシカ「うん、千尋は蟲は好き?」

千尋「カブトムシは捕まえた事がありますが……」ゴシゴシ

ナウシカ「カブトムシ?」

千尋「はい、クワガタもたまに」ゴシゴシ

ナウシカ「聞いた事ない蟲ね、どんな蟲なの?」

千尋「えと……カブトムシはツノがあって……それで他のカブトムシと喧嘩します」

千尋「クワガタはハサミがついていて……ハサミで……挟みます」

ナウシカ「そう、うふふ、私の知ってる森にもそういう蟲いるわよ?」

ナウシカ「人の何倍もある蟲が」ニコッ

千尋「ええ!?」


22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 15:22:26.96 ID:o2TEj/F+0


千尋「あの……どうだったでしょうか……」

千尋「私経験が浅くて……まだ余り上手くできないんです……」モジモジ

ナウシカ「とっても気持ち良かったわよ、ありがとう」

ナウシカ「体が羽のように軽くなったわ、腐海の果てまで飛べそうよ」ニコッ

千尋「……!ありがとうございます!」パアア

ナウシカ「これ、お礼よ」スッ

千尋「あの……これは?」

ナウシカ「チコの実、とっても栄養があるのよ?」

千尋「チコノミ……」

ナウシカ「よく噛んで食べてね、じゃあね、また来るわ」ニコッ

千尋「ありがとうございました!」ペコリ


27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 15:24:12.94 ID:o2TEj/F+0


千尋(不思議な人だったな……)

千尋「……」

千尋「……」クンクン

千尋「……」

千尋「……」パクッ

千尋「……」コリコリ

千尋「……!?」

千尋「んへぇ……変な味ぃ……」

リン「せーん!次の客がくるよー!」

千尋「あ、はーい!」


30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 15:27:55.02 ID:o2TEj/F+0


ムスカ「おや、まさかこのような少女だったとは」

千尋「千です……あの……私で駄目なら別の人にやってもらう事も……」

ムスカ「いや、是非君にお願いしたいね」

千尋「がんばりますっ!」ペコリ

ムスカ「ではさっそく頼むよ」ヌギヌギ

千尋「……!」プイッ

ムスカ「さあ、垢すりを始めてくれたまえ」フルチーン

千尋「あ、あの!タオルを!」サッ

ムスカ「ここは浴場だろう、タオルなど不用だ」

千尋「え……」


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 15:29:51.72 ID:o2TEj/F+0


ムスカ「どうした?こちらはお金を払っている客だが?」

千尋「……」

ムスカ「こちらを向くんだ」

千尋「……」

ムスカ「向きたまえ!」ガシッ!

千尋「ィヤアッ!」

ムスカ「静かにしたまえ!君はラピュタ王の前にいるのだ!」

ドーラ「そこまでにしなあ!!」バキッ!

ムスカ「きゅー」バタンッ

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 15:31:42.94 ID:o2TEj/F+0


ドーラ「おいお前達!この変態を縛り上げて船に飾っときな!」

息子達「わかったよママー」

ドーラ「大丈夫かい?お嬢ちゃん」

千尋「……」グスン

ドーラ「もう大丈夫だよ、変態はこの通り伸びちまったからね」

千尋「……」エッグエッグ

ドーラ「怖かったね……よしよし……」

息子「あぶねえ所だったな嬢ちゃん」

息子「あいつは前科ありなんだよ、間に合って良かったぜ」

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 15:33:48.68 ID:o2TEj/F+0


千尋「ありがとうございました!助けてくれて!」ペコリ

ドーラ「いいんだよ、あいつとは因縁があるしね」

息子「垢すりありがとな!お嬢ちゃん!」

息子「今度は俺一人で来るからそん時はよろしくな!」

息子「あ、抜け駆けずりぃぞ!」

息子「なにおぉ!?」

ぎゃーぎゃー

ドーラ「ええいお前達静かにおし!」

千尋「……」クスッ

ドーラ「今日はありがとね、さっぱりしたよ」

千尋「いえ、礼を言うのはこちらの方です」

ドーラ「これは餞別だよ」スッ

千尋「!?」


47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 15:37:01.45 ID:o2TEj/F+0


息子「じゃあな!しっかりやれよ!」

千尋「あ、あの!こんな高価なもの!」

千尋「……いっちゃった」

千尋「どうしよう……宝石なんかもらっちゃった……」

千尋(湯バーバに……でも私を思ってくれたものだから……)

千尋「……」

千尋「……ハクも宝石好きなのかな?」

リン「せーん!」

千尋「!」カクシ

リン「どうしたのさ?」

千尋「ううん!何でもない!」アセアセ

リン「次のお客だよ!しゃきっとしなよ!」

千尋「はーい!」

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 15:41:24.27 ID:o2TEj/F+0


トトロ「……」

千尋「千です!垢すりをさせて頂きます!」ペコリ

トトロ「……」ズンズン

千尋「(タオルは……一応……)あの……タオル……」スッ

トトロ「?」

千尋「使いますか?」

トトロ「……」サッ

千尋(使うんだ)

トトロ「……」ポトッ

千尋「あの、それ、頭に乗せるんじゃなくて……」

トトロ「~♪」

千尋「……垢すり始めていきますね」ゴシゴシ


59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 15:44:11.41 ID:o2TEj/F+0


千尋「……」ゴシゴシ

トトロ「……」

千尋(大きいから大変……)ゴシゴシ

トトロ「……」ウトウト

千尋(うふふ、気持ち良くなってくれてるのかな?)ゴシゴシ

千尋「どこか痒い場所とかありませんか?」ゴシゴシ

トトロ「トオオオトオオオオオロオオオオオ!!」

千尋「!!?」ビクゥッ!

トトロ「……トトロ」

千尋「あ、あのぅ……」ビクビク

トトロ「……」ポリポリ

千尋(側頭部か……)ゴシゴシ

トトロ「……」ウトウト

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 15:46:34.78 ID:o2TEj/F+0


千尋(……よし、後は乾かせば……)

トトロ「……」ブルブルブル!

千尋「きゃあ!?」

トトロ「……」

千尋「……」ビッショリ

トトロ「……」スッ

千尋「ううん、私はタオルいらない、今拭いてあげますね」

千尋「……」フキフキ

トトロ「……」フキフキ

千尋(ふふ……優しい人なんだ)フキフキ


65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 15:49:53.89 ID:o2TEj/F+0


トトロ「……」ズンズン

千尋「ありがとうございましたー!」ペコリ

千尋「……」ゴッソリ

千尋「ドングリたくさんもらっちゃったけど……こういうのって後で虫が出てくるのよね……」

千尋(……疲れた……もうくたくた……)

千尋(少し……よこ……に……なって……休んで……)

千尋(つぎ……の……お客さん……が……来る……ま……で……)

千尋「……すぅ……すぅ……」





ジジ「あれ?寝ちゃってるよ」


70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 15:52:05.06 ID:o2TEj/F+0


キキ「あら本当、困ったわね」

ジジ「まったく従業員が休んでどうするんだい!やい!おきろ!」ツンツン

千尋「ん……むにゃ……」

ジジ「おきろー!」

キキ「駄目よジジいじわるしちゃ」

ジジ「じゃあどうするの?誰が僕達の垢を擦るのさ?」

キキ「少し休ませてあげましょうよ、疲れているのよきっと」

ジジ「やれやれ、割を食うのは僕らだよ」

千尋「……ん」


77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 15:56:29.82 ID:o2TEj/F+0


千尋「……!」ハッ

ジジ「起きたみたいだよ」

千尋「す、すいません!少し横になるつもりが……その……!」アタフタ

キキ「いいのよ、私達は今きた所だから」

ジジ「でも客の前でよだれ垂らして寝るのはどうかと思うよ」

千尋「……!」ゴシゴシ

キキ「もうジジったら……はいハンカチ」スッ

千尋「あ……す、すいません!」ゴシゴシ

千尋「あの……これ……洗って……」

キキ「いいわ、私が後で洗っておくし、洗わなくてもあなたのなら別に汚くないわよ」ニコリ

千尋「本当にすみません……」

キキ「さっきから謝ってばかりだよ」

千尋「……すいません」

80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 15:58:51.33 ID:o2TEj/F+0


千尋「……!」ハッ

ジジ「起きたみたいだよ」

千尋「す、すいません!少し横になるつもりが……その……!」アタフタ

キキ「いいのよ、私達は今きた所だから」

ジジ「でも客の前でよだれ垂らして寝るのはどうかと思うよ」

千尋「……!」ゴシゴシ

キキ「もうジジったら……はいハンカチ」スッ

千尋「あ……す、すいません!」ゴシゴシ

千尋「あの……これ……洗って……」

キキ「いいわ、私が後で洗っておくし、洗わなくてもあなたのなら別に汚くないわよ」ニコリ

千尋「本当にすみません……」

ジジ「さっきから謝ってばかりだよ」

千尋「……すいません」


85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 16:01:06.30 ID:o2TEj/F+0


キキ「ジジいじわる言わないの、じゃあ垢すり始めてくれる?」ヌギヌギ

千尋「は、はい!」

キキ「あなたお名前は?」

千尋「千と言います!タオルです」スッ

キキ「ありがとう、私はキキよ、こっちの黒猫はジジ」

ジジ「……ふん」プイッ

千尋「……」ゴシゴシ

キキ「ジジが喋っても驚かないのね」

千尋「はい、ここではドアノブだって喋りますから」ゴシゴシ

キキ「まあドアノブが?」

ジジ「ここは不思議な世界なんだよ、この子には僕の言葉が分かるみたいだし」


88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 16:03:43.76 ID:o2TEj/F+0


キキ「千はいくつ?」

千尋「10歳です」ゴシゴシ

キキ「私は13よ、私の方がお姉さんね」

千尋「私と3つしか違わないのに、ずいぶん大人びて見えます」ゴシゴシ

キキ「そう?一人立ちしているせいかな?」

千尋「13歳で一人立ちですか?」

ジジ「魔女の常識だよ、知らないの?」

千尋「すいません……」

キキ「もうジジったら、すねないの」

ジジ「すねてなんかないよ!」

キキ「私が終わったらジジの番だから、それまで我慢しなさい」

ジジ「べ、別に僕は……そんな……」モジモジ

92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 16:06:31.15 ID:o2TEj/F+0


キキ「さあ次はジジの番よ」

ジジ「僕はやんなくていいよ!」

キキ「照れちゃって」

ジジ「て、照れてなんか……」

千尋「失礼します」ゴシゴシ

ジジ「あひゃあ!?」

千尋「……」ゴシゴシ

ジジ「し、しっぽは……駄目だよぉ……」

キキ「暴れないの、千が困るでしょう?」

ジジ「ひ、ひんっ……!」ピクンッ

千尋「ふふ……」ゴシゴシ


98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 16:09:26.54 ID:o2TEj/F+0


キキ「ありがとう、何だか体が軽くなったみたい!これなら重い荷物も簡単に運べそうよ」

キキ「これ、よかったら食べて、私が焼いたクッキーよ」

千尋「ありがとう!」ニコッ

ジジ「また来てやっても良いよ」

千尋「ありがとうございました!」





タエ子「じゃあね、気持ち良かったわよ」スタスタ

千尋「ありがとうございました!」ペコリ

千尋「……ふぅ」グゥー

千尋「お腹空いた……さっきキキさんに貰ったクッキー少し食べちゃお」

千尋「……」ポリポリ

千尋「美味しい、がんばろ」ニコニコ


102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 16:13:57.66 ID:o2TEj/F+0


千尋「垢すりをさせて頂く千で……」

カーチス「……可憐だ」

千尋「え?」

カーチス「熟す前の果物のようなその姿……何ともみずみずしい……」

千尋「……」

グイッ

千尋「きゃっ!?」ビクッ

カーチス「お嬢さん!私と結婚して下さい!私があなたをこのような可哀相な境遇から救ってあげますから!」キラーン!

千尋「あ、あの……」ドキドキ

ポルコ「やめろよアメリカ野郎、困っているじゃねえか」ズイッ

千尋(豚!?)

109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 16:18:36.27 ID:o2TEj/F+0


カーチス「何だと豚!人の一世一大の恋を邪魔する気か!?」

ポルコ「お前は何個人生を持ってやがんだよ、次から次へと口説きやがって」

千尋「あの、逃げてきたの!?」

ポルコ「へ?」

カーチス「……ぷっ!がはははは!」

ポルコ「……お嬢ちゃん、俺は食用じゃねえよ」

千尋「あ……ご、ごめんなさい!」ペコリ

カーチス「ははは良いんだよお嬢さん、さ、こんな豚は放っておいて私の体をこの可憐な手で綺麗にしてくれないか?」

千尋「……」キュン

ポルコ「おい俺が先だろ」

カーチス「この部屋に先に入ったのは俺だろ!」

ポルコ「建物に先に入ったのは俺だ」

カーチス「先に着陸したのは俺だぞ!」


111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 16:21:07.35 ID:o2TEj/F+0


カーチス「このままじゃ埒があかん、お嬢さんにどっちが先か決めてもらおう」

ポルコ「そうだな、どっちから先にやるか決めてくれお嬢ちゃん」

千尋「え……」

カーチス「……」キラーン!

千尋「……カ、カーチスさんで……」

カーチス「よっしゃああああ!ま、当然だな!」

ポルコ「……ハムと間違えられるわ、散々だぜ」テクテク

千尋「あ、あの、ごめんなさい!」ペコリ

ポルコ「気にするな、その汚ねえアメリカ野郎の体をピカピカにしてやんな」ニカッ!

千尋「はい!がんばります!」


115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 16:24:36.11 ID:o2TEj/F+0


千尋「……」ドキドキ

カーチス「とても気持ち良かったよお嬢さん、天国にきたようだった」ニコッ

千尋「あ、ありがとうございます」ドキドキ

カーチス「お嬢さん、そのみずみずしいお手を……」ソッ

千尋「?」スッ

カポッ

千尋(え!?指輪!?)

カーチス「……また来ます」ペコリ

千尋「あ、あの!」

カーチス「……」キラーン!

千尋(いっちゃった……)ポー


117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 16:27:18.45 ID:o2TEj/F+0


ポルコ「まったくキザや野郎だぜ」テクテク

千尋「お、お待たせしました!」ペコリ

ポルコ「その指輪捨てても良いぜお嬢ちゃん、奴には何人もの婚約者がいるからよ」

千尋「そ、そうなんですか……」シュン

ポルコ「たはは、悪い男に引っ掛からないようにな」

ポルコ「じゃあ垢すり始めてくれ」ヌギヌギ

千尋「はい!タオルです!」スッ

ポルコ「長い間飛行艇に乗ってくたびれたぜ」

千尋「気持ち良くなってもらえるよう頑張ります!」


120 : ◆TU2imyK31H1o :2012/07/06(金) 16:33:54.39 ID:o2TEj/F+0


千尋「……」ゴシゴシ

ポルコ「なかなかうめえじゃねえかお嬢ちゃん」

千尋「ありがとうございます」ゴシゴシ

ポルコ「俺のいる町で開業したら繁盛するぜ?思いきって独立したらどうだ?」

千尋「そんな、私なん……て!?」ツルッ

ドサッ!ちゅっ

ポルコ「!?」

千尋「……」

ポルコ「大丈夫かい?」

千尋「は、はい!ごめんなさい!」ペコリ

ポルコ「足元が滑りやすいんだな、気をつけな」

千尋「は、はい!気をつけます!」

千尋「……」ゴシゴシ


124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 16:37:05.53 ID:o2TEj/F+0


ポルコ「良かったぜお嬢ちゃん、またな」テクテク

千尋「ありがとうございました!」ペコリ

カーチス「あー豚!?お前その顔!?」

ポルコ「用が済んだら帰るぞアメリカ野郎」テクテク

千尋「……」

千尋(どうしよう……キスしちゃった……)

千尋(でもほっぺた気味だったし……相手豚さんだし……ファーストキスじゃないよね、うん)コクコク

千尋(……カーチスさんにもらったこの指輪どうしよう)

千尋「……」

千尋(……これ持ってたらまた来てくれるかもしれないから持っとこ)カクシ

リン「せーん!次の客がくるよー!」

千尋「あ、はーい!」

129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 16:39:41.65 ID:o2TEj/F+0


たぬき達「やあやあ疲れがとれましたよ」

たぬき達「また気が向いたらきますわ」

リン「ありがとうございました!」ペコリ

リン「……ふぅ、あー数が多いと大変だな」

千尋「ありがとうリンさん、手伝ってくれて」

リン「いいって事よ、それにしても千……お前なんか雰囲気変わったな?」

千尋「え?」

リン「一段大人の階段を昇ったっていうか……初夜を終えた奴みたいっていうか……」

千尋「しょ、しょや!?」ポッ

リン「おっと千にはまだ早いな、次のお客がお待ちだ!しっかり頼むよ!」

千尋「はい!」

千尋「……」

千尋(まさかさっきの豚さんとのキスで……)

千尋(そんな……嫌だなぁ……)モジモジ


139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 16:43:26.21 ID:o2TEj/F+0


千尋「垢すりをさせて頂く千です」ペコリ

雫「あら可愛らしい女の子ね、あなたが垢すりしてくれるの?」

千尋「はい!あの……私じゃ駄目でしょうか?」

雫「ううん!千ちゃんで良いわ、雰囲気が出てて素敵!小説のアイディアに使えそう!」ウキウキ

千尋「小説?」

雫「私小説家になるのが夢なのよ!えーと……ここで服を脱げば良いの?」オロオロ

千尋「はい、あの、タオルです」スッ

雫「女同士とはいえ……な、何だか恥ずかしいわね」ポッ

千尋「がんばります!」ニコッ

142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 16:46:53.21 ID:o2TEj/F+0


千尋「……」ゴシゴシ

雫「気持ち良い、上手ね」

千尋「ありがとうございます」ゴシゴシ

雫「ねえ千ちゃん?千ちゃんは好きな人いる?」

千尋「え……」ピクッ

雫「いるんだー!どんな人?教えてよ千ちゃん!」ニコニコ

千尋「こ、困ります」ゴシゴシ

雫「いいじゃない誰にも言わないし、どんな人かぐらい教えてよん!」

千尋「えーと……おかっぱです……」ゴシゴシ

雫「おかっぱ!?あはははは!」

千尋「……」ムッ


147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 16:52:32.00 ID:o2TEj/F+0


雫「ごめんね笑ったりなんかして、おかっぱなんて言うと思わなかったから」

千尋「いえ、確かに女の子みたいな人だし」ゴシゴシ

雫「おかっぱの男の子かー、ふーん、素敵な人なんでしょうねー」

千尋「でも偉い人なんです」ゴシゴシ

雫「あら良いじゃない格差恋愛!許されない恋って感じで!」

千尋「で、でも向こうは私の事なんて何にも思ってないと思う……」ゴシゴシ

雫「ぶつかってみないと分からないじゃない!」

千尋「ぶつかるなんて……」ゴシゴシ

雫「……うふ」プニッ

千尋「ふぇ?」

雫「千ちゃんのほっぺたぷにぷにだね、可愛い」プニプニ

千尋「や、やめふぇくだしゃい……」


151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 16:55:35.50 ID:o2TEj/F+0


雫「何だか生き返った気分だわ!面白いのが書けそう!ありがとうね千ちゃん!」ニコッ

千尋「喜んで頂いて何よりです」

雫「千ちゃん、これあげる」スッ

千尋「?」

雫「私のお気に入りのお店で売ってたペンダントよ」

千尋「あの……高価なものじゃ……」

雫「あははそんな事ないわ、それ付けてその男の子にアタックしてみれば?」ニヤニヤ

千尋「あたっく……」ポッ

雫「じゃあね千ちゃん!またくるわねー!」バイバイ

千尋「ありがとうございました!」ペコリ

千尋「……」

千尋「あたっく……」ポー


158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 16:58:54.35 ID:o2TEj/F+0


リン「千!次のお客が……どうしたんだよボーッとしちゃって」

千尋「リンさん!私アタック……」

リン「アタック?」

千尋「あ……な、何でもない!」ポッ

リン「変なやつだな、次のお客が待ってるぞ!シャキッとして接客しろよ!」

千尋「う、うん!」

リン「あ、そうそう、今まで客にもらったのはちゃんと隠しておけよ?」ニヤリ

千尋「は、はい!」ドキッ

千尋(ばれてたんだ……)ドキドキ

161 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 17:02:45.65 ID:o2TEj/F+0


サン「……」キョロキョロ

千尋「垢すりをさせて頂く千です」ペコリ

サン「……」キョロキョロ

千尋「……あの、それ危ないので……」

サン「なに!?」ズイッ!

千尋「ひっ!」ビクッ

サン「うるさい人間!何を持っていようと私の勝手だ!」ガシッ!

千尋「……!!」ブルブル

モロ「サン、刃をおさめ」ヌッ

千尋「!!?」ビクゥッ!

166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 17:05:16.15 ID:o2TEj/F+0


サン「母さん!私やっぱり帰る!」

モロ「せっかく湯屋に来たんだ、垢すりぐらいしておかないと損だよ」

千尋(オ、オオカミ!?大きい!!)ガタガタ

サン「私にそんなの必要ない!水浴びで十分だ!」

モロ「わがまま言っちゃいかんよ、やってもらいなさい、サン」

サン「う……」

モロ「私の娘をよろしく頼むよ」クルッ

千尋「……!!」コクコク!

モロ「……」ズンズン

千尋(どこかの動物園にもああいうのいるのかな……)ドキドキ


178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 17:10:06.06 ID:o2TEj/F+0


千尋「で、では服を脱いで下さい」ドキドキ

サン「服か」ポイッポイッ

千尋「……」

サン「これで良いのか?」ゼンラー

千尋「あの……」スッ

サン「なんだそれは?くれるのか?」

千尋「いえ、お貸しします、タオルです」

サン「たおる?」

千尋「はい、タオルです」

サン「それが何だ?」

千尋「あの……これで体を……」

サン「拭くのか?」ゴシゴシ

182 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 17:13:20.38 ID:o2TEj/F+0


千尋「いえ、体を隠すんです」

サン「何で隠すんだ?」

千尋「え?」

サン「これから体を洗うんだろ?」

千尋「そうですけど……急に男の人が入ってくるかもしれないし……」

サン「人間に体を見られても恥ずかしくなどない、いいから早く洗え」

千尋「わ、分かりました」

千尋(……変わった人)ゴシゴシ

サン「うわ!?何だこれは!?タタリ神!?白いぞ!?綿か!?何だ!?」ビクッ

千尋「石鹸です」ゴシゴシ

サン「せっけん?」


186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 17:16:03.04 ID:o2TEj/F+0


千尋「石鹸を使うと体がピカピカになるんです」ゴシゴシ

サン「ピカピカにか!?それは困る!やめてくれ!蛍になりたくない!」

千尋「綺麗になるって意味です、光るわけではないです」ゴシゴシ

サン「なんだそうか、それを早く言え」

千尋(……この人)ゴシゴシ

千尋(最初は汚れていたけど……凄い立派な体してる……)ゴシゴシ

サン「気持ち良いな、これは良い毛繕いだ」

千尋(でもあちこちに傷がある……女の人なのに……)ゴシゴシ

サン「よし、私もやってやる」グイッ

千尋「え?」

193 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 17:20:02.03 ID:o2TEj/F+0


サン「ショウジョウ達は互いに毛繕いをするんだ、私もお前にやってやる」

千尋「い、いえ!結構です!」

サン「遠慮するな、服を取れ、綺麗にしてやる」ヌガシヌガシ

千尋「や、やめて……」

リン「ちょっとお客さん!困りますよ!うちはそういう店じゃないよ!」

モロ「サン、お前は何もしなくて良いんだよ」ヌッ

サン「母さん!?もこもこ!」

モロ「その人間の子娘はお前の体を洗うのが仕事なんだ、邪魔しちゃいけないよ」

サン「そうだったのか」

リン「大丈夫か千?」

千尋「リンさん……ありがとう……」ドキドキ


206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 17:24:41.68 ID:o2TEj/F+0


サン「おー、何だか肌がすべすべしてるぞ!」

サン「それに良い匂いするし!せっけんって奴の匂いだ!」クンクン

千尋「ご満足頂けたら何よりです」

サン「さっきはお前の仕事の邪魔して悪かったな」

千尋「いえ」

サン「だからこれやる」スッ

千尋「?」

サン「獣の骨を削って作った短刀だ、軽いからお前でも使えるぞ」

千尋「ありがとうございます!」ニコッ

モロ「サン、帰るよ」ズンズン

サン「じゃあな人間!また毛繕いしてもらいにくるぞ!」

千尋「またお越し下さいませ!」ペコリ

千尋「……」

千尋(ハク、男の子だからこういうの好きかな?)ブンブン

211 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/07/06(金) 17:28:37.48 ID:o2TEj/F+0


ハク「え?千を元の世界に?」

湯バーバ「半ば無理矢理人間の子供を働かせるのはどうかって人間愛護団体が騒いできてね」

ハク「では……千の両親は……」

湯バーバ「人間に戻して千と一緒に帰すよ、そもそも人間が化けた豚なんて食えたもんじゃない」

ハク「ありがとうございます湯バーバ様」ペコリ

湯バーバ「……ふん」スパー





リン「千!今日はお疲れさ……ありゃ、また寝ちゃってるよ」

リン「しょうがないなぁ、少し休ませてやるか」

千尋「……すぅ……すぅ……」

千尋「むにゃ……次は……どんなお客様くるかな……すぅ……すぅ……」

おわり