1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/26(水) 21:04:30.65 ID:XnTM6iVx0
シンジ「えっ」

アスカ「何よ?私が阪神ファンじゃいけないわけ?」

シンジ「違うよ、意外だなって思って」

アスカ「じゃあどこだったら以外じゃないのよ」

シンジ「アスカは巨人ファンだと思って」

アスカ「んなわけないでしょ!私はずっと阪神一筋よ!」

シンジ「へえ~、ちなみに金本が前に所属してた球団は?」

アスカ「えっ?ずっと阪神でしょ?」

シンジ「えっ」


8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/26(水) 21:09:24.22 ID:XnTM6iVx0
アスカ「なにわけのわからないこと言ってるの」

シンジ「じゃあアスカが阪神ファンになった時の監督は?」

アスカ「星野だったわ」

シンジ「そうなんだ・・・」

シンジ(間違いねえ、こいつにわかファンだ)

※野球事情は劇中の時代と今がリンクしてると考えてね


10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/26(水) 21:13:52.40 ID:XnTM6iVx0
シンジ「実は僕も阪神ファンなんだ」

アスカ「へぇ~このアスカ様と一緒なんだ」

シンジ「うん、僕湯船のファンだったから阪神ファンになったんだ」

アスカ「湯船?誰よそれ」

シンジ「知らない?ノーヒットノーラン達成した」

アスカ「知らないわよ、そんな有名じゃない選手なんて」

シンジ(この野郎、暗黒阪神の投手陣唯一の希望を)


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/26(水) 21:18:07.14 ID:XnTM6iVx0
アスカ「まっ、あんたなんて阪神が強くなってからファンになったにわかでしょ」

シンジ「・・・」ピキピキ

アスカ「私みたいに本物の猛虎愛なんて持ち合わせてないでしょうね」

シンジ「・・・そ、そうだね。アスカには敵わないよ」

アスカ「そうそう、身の程を知りなさい」

シンジ「そうだね。ところでアスカ、ハートキーって知ってる?」

アスカ「は?誰よ?」

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/26(水) 21:26:36.94 ID:XnTM6iVx0
シンジ(2000年代の選手も知らないのか・・・)

シンジ「おっかしいな~、ハートキーって有名なはずなんだけどな~」

アスカ「えっ、し、知ってるわよ、ハートキーでしょ。もちろん」アセアセ

シンジ「だよね、タラスコとかバトルとか聞いてるだけで懐かしいよね」ニヤニヤ

アスカ「そ、そうね。あのころを思い出すわね」

シンジ「バトル神話とかあったね。ベンチ入りしただけで7連勝とか」

アスカ「う、うん」

シンジ(焦ってるな)


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/26(水) 21:34:00.70 ID:XnTM6iVx0
シンジ「遠山・葛西・遠山・葛西・遠山・・・」

アスカ「えっ?」

シンジ「えっ、わからない?」

アスカ「そ、そうね少しど忘れしたかも」アセアセ

シンジ「うん、わかるよ。あの頃はネタだらけだったから」

アスカ「う、うん。」

シンジ「エイプリルフールの阪神優勝祝賀会もおもしろかったなぁ」ニヤニヤ

アスカ「・・・」


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/26(水) 21:39:34.77 ID:XnTM6iVx0
シンジ「どうしたのアスカわからないの?」ニヤニヤ

アスカ「ち、ちがうわよ!すこし忘れてただけで・・・」アセダラダラ

シンジ「そう?じゃあ星野の前の監督はだれ?」

アスカ「え、そんなの?」

シンジ「え~アスカは猛虎魂をもったファンなんでしょ?」

シンジ「にわかの僕に教えてよ~」ニヤニヤ

アスカ「・・・」フルフル

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/26(水) 21:46:43.65 ID:XnTM6iVx0
アスカ「う、うるさぁぁぁぁぁい!!!!!!!!」

シンジ「!!!」ビクッ

アスカ「なによ、にわかで悪いの?」

アスカ「優勝した年からファンになっちゃいけないの?」

アスカ「強くなってから・・・ヒック・・・好きになっちゃいけないの?・・・グスッ」

シンジ(何だろう・・・かわいく見えてきた)


33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/26(水) 21:52:31.83 ID:XnTM6iVx0
シンジ「アスカ、ごめんね」ギュッ

アスカ「・・・・グスッ、いじわるバカシンジ・・・ヒック・・・死んじゃえ」ウルウル

シンジ「ごめんね、ちょっとからかったつもりだったんだけど」

アスカ「・・・ヒック・・・にわかじゃないもん・・・」

シンジ「そうだね、ファンになった時点で年数なんか関係ないもんね」

アスカ「・・・グスッ」

シンジ「来年は西岡、銭留も獲れたんだし優勝できるよ」

アスカ「・・・うん」


37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/26(水) 21:59:10.38 ID:XnTM6iVx0
シンジ「そうだ、今度一緒に阪神のキャンプをみに行こうか」

アスカ「・・・でもシンクロテストとかあるでしょ・・・ヒック」

シンジ「あんなのほっとけばいいよ。どうせスカタン(ゲンドウ)が趣味でやってるだけだし」

アスカ「うぅ、シンジぃ~」ギュッ

シンジ(にわかファンでも、これだけ可愛かったら・・・アリだね)

アスカ「見栄張ってごめんなさい・・・」

シンジ「いいんだよ、スカタンなんか野球のルールも知らないのに阪神ファンだと言ってきたんだから」



39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/26(水) 22:04:56.53 ID:XnTM6iVx0
アスカ「・・・グスッ・・・」

シンジ「だから気にしないでよ」ギュッ

ミサト「たっだいま~、シンちゃんとアスカ仲良くしt・・・」

二人「・・・・・・・・・・・」ギュー

ミサト「しすぎてるわね」

ペンペン「クワッ!」

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/26(水) 22:11:39.24 ID:XnTM6iVx0
冬月「碇、ルールは覚えたか」

ゲンドウ「・・・、ゲッツーとは何だ?」

冬月「お前はこれでもやっていろ」

ゲンドウ「実況パワフルプロ野球?」

冬月「最近の子はこれでルールを覚えるそうだ」

ゲンドウ「わかった、やってみよう」

ゲンドウ(もう少しで、ルールを覚えれそうだ。待っていろシンジ)



47 : 忍法帖【Lv=7,xxxP】(1+0:15) :2012/12/26(水) 22:33:05.61 ID:pUjlDSW90
シンジ「ミサトさんはどこのファンですか?」

ミサト「そりゃあもう巨人一択よお!」

シンジ「ああやっぱり……」

ミサト「でも最近の巨人ってちょっち華がないのよね~」

シンジ「ちなみにどの時期が一番好きで?」

ミサト「やっぱり清原とかペタジーニがいた頃かしら」

シンジ「うわあ~(よりによってあの頃かよ)」

ミサト「ああでも落合がいた頃も良かったわねえ……そうそうそういえば斎藤雅樹がさあ」

シンジ「(これは長くなるぞ)」



49 : 忍法帖【Lv=7,xxxP】(1+0:15) :2012/12/26(水) 22:38:54.36 ID:pUjlDSW90
数時間後

ミサト「とまあそんな感じで若大将がそりゃあ凄かったのよ!」

シンジ「は、はは……(もう限界だよ)」

ミサト「ちょっと!シンちゃんちゃんと聞いてるっ!?」

シンジ「え、ええ……聞いてますよ」

ミサト「もう~つれないわねえ~」

シンジ「す、すみません(酔った巨人ファンの長話と懐古ネタはうんざりだよ)」

ミサト「で私思ったんだけれど川上哲治さんってさ~」

52 : 忍法帖【Lv=7,xxxP】(1+0:15) :2012/12/26(水) 22:44:25.50 ID:pUjlDSW90
シンジ「とまあ、こんな感じでこの後もひたすら巨人談義を聞かされ続けました」

リツコ「それは災難だったわね」

シンジ「ええ、全くです」

リツコ「本当、巨人なんて何がいいのかしら?」

シンジ「ちなみにリツコさんはどこファンですか?」

リツコ「…………」

リツコ「横浜よ」

シンジ「わあ~………」


57 : 忍法帖【Lv=7,xxxP】(1+0:15) :2012/12/26(水) 22:52:17.80 ID:pUjlDSW90
リツコ「横浜って言うとみんなそんな反応するのね」

シンジ「す、すみません……」

リツコ「いいわ、慣れてるもの」

シンジ「あ……あの、えっと……な、なんでまた横浜の応援を?」

リツコ「母が大洋時代からのファンでね、その名残よ」

シンジ「なるほど……」

リツコ「最初は母に無理やり野球を見せられるのは苦痛だったの……でも」

リツコ「98年、渋々連れて行かれた球場でみたファンの熱気とマシンガン打線の迫力に一気に心奪われたわ」

シンジ「………」


59 : 忍法帖【Lv=7,xxxP】(1+0:15) :2012/12/26(水) 23:01:01.70 ID:pUjlDSW90
リツコ「それからというもの私は母と同じくらいの熱狂的横浜ファンになっていった……」

リツコ「あの頃の横浜はすごかったわ、大魔神がいて波留がいてローズがいて鈴木尚もいて……」

リツコ「マシンガン打線の異名は伊達じゃなかったわ」

シンジ「………」

リツコ「でもそんな楽しい日々も長くは続かなかった………」

リツコ「2000年以降横浜はセカンドインパクトととともに一気に弱体化、気がついたらBクラスの常連に」

リツコ「あれほど熱気のあったスタジアムも徐々に人が減っていき、私の周りにいたファン友もいなくなっていった」

リツコ「でもそれでも私は横浜の応援をやめなかったわ、またいつかマシンガン打線が見れると信じていたから」

60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/26(水) 23:04:58.21 ID:3+dPsYOu0
マヤさんは中日だと信じている!

61 : 忍法帖【Lv=7,xxxP】(1+0:15) :2012/12/26(水) 23:10:59.19 ID:pUjlDSW90
シンジ「そうだったんですか……」

リツコ「でもその矢先に母が亡くなってね……自殺だったわ」

シンジ「………」

リツコ「自殺原因は勿論横浜よ、大半の人が母の自殺した理由を愛人関係って思ってるらしいけれど」

リツコ「母はそれくらいで自殺する人間じゃなかった、むしろ嫌なことがあった時こそ横浜を応援してストレスを発散してたの」

リツコ「でもマシンガン打線とその後の落差に耐えられなくなった母は精神がどんどん衰弱してってついに死を選んだわ」

リツコ「この時私は母を殺した横浜が憎かった、応援するのもやめようと思ったわ」

リツコ「でも………ブラウン管に映る横浜の姿を見るとどうしても憎むことができなくて」

シンジ「………(思った以上に重い話になってきた)」

62 : 忍法帖【Lv=7,xxxP】(1+0:15) :2012/12/26(水) 23:20:27.90 ID:pUjlDSW90
リツコ「本当大馬鹿者よね私って……」

リツコ「もう見ることのできないマシンガン打線の幻想を追い続けてるだけなのにファン気取り……」

リツコ「あの頃を忘れられない面倒くさい女……」

リツコ「シンジ君もそう思うでしょ?」

シンジ「僕はそうは思いません」

リツコ「えっ?」

シンジ「例えチームが弱くなっても信じ続けて応援する……ファンの鏡だと思います」

リツコ「そ、そうかしら?」

シンジ「はい、きっと大洋時代からのファンだったお母さんも喜んでると思いますよ」

リツコ「そう……」


67 : 忍法帖【Lv=7,xxxP】(1+0:15) :2012/12/26(水) 23:28:23.23 ID:pUjlDSW90
シンジ「横浜だってここまで思ってくれるファンがいて幸せですよ」

リツコ「ねえシンジ君」

シンジ「なんですか?」

リツコ「横浜は………ベイスターズはまた強くなれるかしら?」

シンジ「阪神だって長い暗黒の果てに2003年があったんです」

シンジ「だからきっと横浜だって応援し続ければまたいつの日か復活できると思います」

リツコ「復活……」

シンジ「ええだから、これからも横浜を応援してあげてください」

リツコ「分かったわ………」

リツコ「これからも応援する……」

シンジ「はい………」


70 : 忍法帖【Lv=7,xxxP】(1+0:15) :2012/12/26(水) 23:33:46.79 ID:pUjlDSW90

シンジ「リツコさんがあそこまで熱狂的な横浜ファンだったとは……」

シンジ「横浜もまだまだ馬鹿にできないな……」

シンジ「よしっ!今日は久々に横浜でペナントをやってみよう」

数日後・司令執務室

リツコ「というわけで碇司令、野球を見に行きましょう」

ゲンドウ「君とかね?」

リツコ「ええ」

71 : 忍法帖【Lv=7,xxxP】(1+0:15) :2012/12/26(水) 23:40:06.45 ID:pUjlDSW90
冬月「ほう……丁度いいんじゃないか碇?」

冬月「貴様、野球のルールが知りたいと言ってたではないか」

リツコ「そうなのですか?」

ゲンドウ「ああ……」

冬月「折角の機会だ、ここで彼女に教わったらいいじゃないか?」

ゲンドウ「………(ふむ、確かにこれは好都合だな……だが彼女と二人っきりは気まずいな)」

リツコ「何か不都合でも?」

ゲンドウ「いや問題ない………それでいいだろう」

72 : 忍法帖【Lv=7,xxxP】(1+0:15) :2012/12/26(水) 23:46:53.67 ID:pUjlDSW90
ゲンドウ「冬月、お前も来るか?」

冬月「すまんが私は東京オリオンズ以外に興味はないのでな(馬鹿が!私が着いて行っては意味が無いのだよ!)」

ゲンドウ「そうか……(なんだと!これでは私と赤木博士二人っきりになってしまうではないかっ!)」

リツコ「ならばシンジ君を呼んでみてはいかがでしょうか?」

ゲンドウ「シンジか……(これは悪くないな、ここで親子の親交を深められるかもしれん)」

ゲンドウ「いいだろう、その日はシンジを呼ぶ」

リツコ「ではそのように手配しておきます」

ゲンドウ「ああ……」


76 : 忍法帖【Lv=7,xxxP】(1+0:15) :2012/12/26(水) 23:51:23.06 ID:pUjlDSW90
数日後

シンジ「まさか父さんと一緒に野球を観に行けるなんて思わなかったよ!」

ゲンドウ「私もだ……シンジ」

リツコ「入り口はこちらです」

ゲンドウ「ああ……わかった……」

ゲンドウ「それにしても君は随分この球場に慣れているな」

リツコ「半分庭みたいなもんですから」

ゲンドウ「庭か……」


78 : 忍法帖【Lv=7,xxxP】(1+0:15) :2012/12/26(水) 23:55:52.97 ID:pUjlDSW90
観客席

カキーンッ!

観客「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

ゲンドウ「っ!?なんだ…何が起きた!?」

シンジ「ホームランだよ!ホームランだ!」

ゲンドウ「ホームラン……これがホームランか……」

リツコ「ここでホームランなんて見るの何年ぶりかしら!」

ゲンドウ「(……あんなに嬉しそうな赤木博士も初めてだな)」

シンジ「なんていうかさ……」

79 : 忍法帖【Lv=7,xxxP】(1+0:15) :2012/12/27(木) 00:02:57.37 ID:aSu0bjDf0
シンジ「こうして三人で並んで観てると家族みたいだね」

ゲンドウ「家族だと……」

リツコ「あらいいこと言うわねシンジ君」

シンジ「また三人でこれたらいいなあ」

ゲンドウ「………(私は出来ればユイと来たかったのだがな)」

シンジ「また今度も来れるかな?」

リツコ「ええきっと………ですわよね?司令」

ゲンドウ「あっ、ああ……」

シンジ「次も楽しみだなあ」

ゲンドウ「だが試合はまだ終わっていない、次のことよりまずは今を楽しむんだ」

シンジ「確かに……それもそうだね」


81 : 忍法帖【Lv=7,xxxP】(1+0:15) :2012/12/27(木) 00:05:26.56 ID:aSu0bjDf0
ミサトの家

ミサト「ウソッ!?横浜が巨人に勝ったですって!」

ミサト「………」

ミサト「珍しいこともあったもんね……」

ミサト「………」

ミサト「まっ、でもたまにはこんな日があってもいっか」

                         終わり