1 :自己満足。基本的にアスカ→シンジの順:2012/12/15(土) 00:06:34.73 ID:K2urrQEr0
1.

「何してんの?」

「音楽聴いてる」

「何の?」

「クラシック」

「ふーん」

「……」

「……」

「えっと何か用?」



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貞本 義行
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2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 00:08:54.72 ID:K2urrQEr0
「暇」

「……だから?」

「暇」

「……つまり?」

「ひーまー」

「僕、音楽きい「ひーーーまーーー」

「……」

「……」

「音が「暇」

「……」

「……」

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 00:12:20.08 ID:K2urrQEr0
「……何したいの?」

「アンタが考えなさいよ」

「えー……」

「文句あるわけ?」

「い、いや別に」

「……」

「……」

「……じゃあゲームは?」「ヤダ」

「テレビは?」「ヤダ」

「他の人とあそ「ヤダ!」

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 00:13:47.37 ID:K2urrQEr0
「……ヤダヤダばっかりじゃ分からないよ。じゃあアスカが考えてよ」

「まったくしょうがないわねぇ。男のくせに情けない奴!」

「男は関係ないだろー!」

「関係あるわよ! ……そうね、こうしましょう」

「何?」

「ゲーセンにいくわよ!」

「……ゲームはヤダって」

「何か文句あるわけ?」

「いえ別に……」


6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 00:16:52.43 ID:K2urrQEr0
2.

「ゲームセンターに行く準備だけで、なんで二時間もかかるの……」

「うっさいわねぇ。女の子の準備には色々と時間がかかるものなのよ」

「もう夕方だよ? 確か中学生は18時までしかゲームセンターに入店できないよ?」

「別にいいわよ。それに18時だったらちょうどいいわ。この前雑誌で見た新しいお店に行ってみたかったのよ。そこでご飯食べよーっと」

「えぇ?! ゲームセンターだけじゃなかったの? 聞いてないよ」

「さっき決めたの」

「ミサトさんとペンペンの夕飯どうするのさ」

「ペンペンには出てくる前に買い置きの秋刀魚をあげといた。ミサトはほっといても死にゃしないわよ」

「そんな勝手に……」

「それにミサトは明日休みだし。どうせ酔っ払いながらご飯いらなーい、とか連絡くるわよ。ほんっと毎度毎度何がいいのかしら? ああいうのを芸がないっていうのよ」

「そこまで言わなくても……」


9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 00:18:55.32 ID:K2urrQEr0
「そんなことより、シンジ?」

「え、何?」

「何か言うことはないわけ?」

「え、え、言うこと?」

「……はぁ。アンタは今何をしてる?」

「ゲームセンターに向かってる」

「誰と?」

「アスカと」

「そう、この超絶美少女アスカ様が一緒に歩いてあげているのよ? アンタはこの優しさに心底感謝しなさいよね!」

「別に頼んじゃわけじゃ「なんか言った?!」「う、ううんなんでも」



12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 00:24:49.71 ID:K2urrQEr0
「まったく。……で」

「?」

「……このあたしがどういう状態かって聞いてる」

「……僕の隣を歩いてる」

「このバカ! そういう状態じゃないわよ。見て分からないの?!」

「えーっと、えー…………ご、ごめん」

「このウルトラバカ! 甲斐性なし! ヘタレ! 死ね!」

「そこまで言うことないだろー!」

「うっさい黙れ! サイテー大バカシンジ!」

「なんだよもう……意味がわからないよ……」



15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 00:33:08.29 ID:K2urrQEr0
3.

「そういえばアンタ、ゲーセンってよく行くの?」

「学校帰りにトウジたちとよく行くよ。大体僕は二人が遊んでるのを後ろから見てるだけだけど」

「なんで?」

「二人が遊ぶのってエヴァを題材にしたものや、対戦格闘モノが多いんだよね。そういうのってさ、ほら」

「あーなるほど。普段やってることを日常に持ち込みたくないって感じ?」

「まあそんなところ。戦うこと自体、好きじゃないし」

「ま、アンタらしいわね」

「アスカはよく行くの?」

「ぜーんぜん。ヒカリと買い物に行くことが多いし」

「そっか。確かに委員長とゲームセンターは繋がらないかなぁ」

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 00:36:58.97 ID:K2urrQEr0
「む、何よ。あたしは繋がるってわけ?!」

「えー、だって最初一人でゲームセンターにいたよね」

「そうだっけ?」

「そうだよ」

「んー忘れた」

「クレーンゲームやってたじゃない。今考えてみたらちょっと意外かも」

「どして?」

「だってアスカだったら対戦格闘モノとか好きそうだから」

「別に嫌いじゃないわよ。アンタと一緒で普段やってることと比較しちゃうだけ。あたしの場合は、エヴァの操縦に比べて物足りないからだけど」

「……戦闘狂」

「なんですって?!」

「ぐはっ」


19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 00:40:19.25 ID:K2urrQEr0
4.

「痛い……」

「ふん、アンタが悪い」

「……」

「いい機会だからアンタにはあたしが天才的頭脳を持ったエースパイロットたる所以を改めて教えてあげるわ! 有難く思いなさい!」

「えー」

「文句言わない! さぁ見てなさい。あたしの手にかかればクレーンの一つや二つ。そもそもこういうのは、勢いなのよ。こうガーーーッとやって、どおぉりゃああああってやれば!」


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 00:42:24.10 ID:K2urrQEr0
「……」

「……」

「……それ何?」

「……動物的な、何か」

「……」

「……」

「……ぷ」

「……ッ! 笑ったわね! アンタこのフォルムがどんだけ取りづらいかわかってないわね! ハッこれだから素人はまいったわ」

「それを一発で取っちゃうアスカは天才的な腕前って……ふふ、こと?」

「ッそういうことよ! ってアンタ今バカにしたわね?! バカシンジのくせに!」

「わー、ちょっと待った手を下してよ! ごめん悪かったよ!」

「うるっさあぁぁい! 生意気な奴! ならアンタもやってみなさいよ! そうしたらこのあたしの偉大さがわかるわ!」

「僕が?」

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 00:44:06.37 ID:K2urrQEr0
「そうよ。ふふーん、どうせアンタのことだから、一つも取れずにただゲーセンにお金を献上するだけになるんでしょうけどね!」

「ふ」

「ッ! ……ほーぉ、どうやら無敵のヒーローシンジ様はそーとーな自信がおありのようで」

「言ったよね。トウジたちのゲームを見てることが多いって。でもそれだけじゃないってことさ」

「あーら、口だけは達者なこと。そういうのはね、きっちりと結果を出してからいうものよ!」

「まぁ見ててよ。こういうのはね、角度と、重心なんだ」

「ねぇ、アンタ上半身だけ筺体の横から覗き込んでる姿、想像したことある? 相当まぬけよ」

「う、うるさいな! 気が散るだろ黙っててよ!」

「はいはい。シンジ様の仰せのとーりに」

「よーし、よし……ここだ!」

23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 00:48:59.85 ID:K2urrQEr0
「……」

「……」

「……それ何よ?」

「……乗り物的な、何かかな」

「……」

「……」

「……ぷふ、くくく……あーはっはははは、何それーダサッ! 大見栄切っておいてそれだけ? 普通! 普通すぎ! 二個ぐらいとりなさいよ!」

「なんだよ、そんなに笑うことないじゃないか! ほら、アスカが取ったの貸せよ」

「どうするのよ」

「これって大きさ的にはキーホルダーにつけるものだよね。だからこうして、っと」

「んん?」

 


28 : :2012/12/15(土) 00:59:00.35 ID:K2urrQEr0
「ほら、乗り物と動物がセットになって、なんかそれっぽくなったでしょ」

「それっぽいって何よ」

「……それっぽいはそれっぽいだよ! 詳しく聞かないでよ! はい、これ」

「え?」

「あげるよ。こういうのは僕より女の子が持ってたほうがいいと思うし」

「……厄介払いじゃなくて?」

「そ、そんなわけないよ。やだなぁもう」

「……」

「……」

「……」

「……ごめんなさい」

「ったくもう。いいわよ。もらったげるわ。感謝しなさいよね!」

29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 01:04:51.15 ID:K2urrQEr0
5.

「ここが新しいお店?」

「そうみたいね」

「やっぱり人多いね。結構待つのかな」

「あそこに受け付け表があるわよ。アンタが書いてきなさいよ」

「はいはい。わかったよ」


「で?」

「すぐみたいだよ。入り口の近くだとすごくおいしそうな匂いがしてた」

「アンタは犬か。ふふーん、なんだかんだ言って楽しみなんでしょ」

「う、それは否定できない」

「まったく、アンタもまだまだガキね。やーいガキシンジー」

「……アスカそれ自分のほうが子供っぽいよ」

「うるっさい!」

「ぐはっ」



33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 01:16:05.55 ID:K2urrQEr0
「学ぶことを覚えなさいよ。まったく」

「う、うう」

「さーってようやく順番が回ってきたわね。何に、し、よ、う、かなっと」

「……手頃な割にはしっかりしてそうだね」

「そんなのわかるわけ?」

「うん。……ほらこの写真の料理なんか色々と手間がかかるんだよね。これにしてみようかなー。もしかしたらウチで作れるかもしれないし」

「アンタさ。ミサトの家に来てから主夫力上がってない?」

「……否定できないけど、半分アスカが原因ってことわかってる?」

「さーってあたしはこれにしよーっと! すみませーん」

「……都合が悪くなるとすぐこれだ。ミサトさんといい女の人って皆こうなの?」

「ぶつぶつうるっさい。男ならどーんと女の子を包み込むぐらいの器を持ちなさいよ!」

「えー……」

 

37 : :2012/12/15(土) 01:22:33.34 ID:K2urrQEr0
「なに、文句あるわけ? また殴られたいの?」

「い、いやなんでもないよ……ごめん」

「そうやってすぐ謝るところもウザイ!」

「うう、……ごめん。あ」

「なによ!」

「電話……ミサトさんだ。はいもしもし。はい。はい。わかりました。はい。っと、アスカ――」

「シンちゃーん、あたしぃ。今ねぇ飲んでるの。今日はご飯いらないからー、じゃーねー。……でしょ」

「! すごいや。一字一句間違いないよ」

「ついでに言えば、後ろでいつもの二人が呆れている姿が浮かんだわ」

「おお、ほんとすごいや」

「……だから言ったでしょ。芸がないって」

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 01:27:45.94 ID:K2urrQEr0
6.

「今何時?」

「えーっと19時半だよ。そろそろ帰ろうか」

「そうね。――の前にちょっと付き合いなさいよ」

「なに?」

「いいからついてくる!」

「はいはい。わかったよ」



「ここよ」

「ここ? なにがあるの?」

「そうじゃない。ほら。ここに寝そべって」

「よっと……。ッ! わぁ」



40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 01:32:17.52 ID:K2urrQEr0
「前にミサトに教えてもらったのよ。ここは満天の星空が眺められる絶好のポイントって」

「そうなんだ。でも本当すごいね。この町って高いビルが多いからこういう景色は見れないって思ってたよ」

「あたしも。向こうにいたころはもっと綺麗な星空がいっぱい見れるところ知ってたんだけど、こっちのことは全然分からないし正直諦めてた」

「なんでここにきたの?」

「んー……。なんとなく」

「そっか。そういえば、前にミサトさんにこの町を一望できるところに連れて行ってもらったことあるよ」

「そうなの?」

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 01:33:34.40 ID:K2urrQEr0
「うん。今度アスカも連れて行ってあげるよ。ちょっと遠いけど、休みの日ならいけると思う」

「! ふ、ふーん。ま、期待しないで待ってるわ」

「あ、ひどいな。アスカこそちゃんと予定空けておいてよね」

「ッ! ……アンタ何言ってるかわかってるの?」

「え、何が?」

「はぁ……なんでもないわよ。まったく、自覚のないのが一番性質が悪いわね」

42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 01:35:38.17 ID:K2urrQEr0
「?? ……ふぅ」

「なによ」

「いや……こんな星空を見てるとさ、なんだか自分がちっぽけな存在に思えてくるよ」

「いきなりね。ほんっと暗いやつ」

「ひどいな。でもそう意味じゃないよ」

「じゃあなに?」

「こんなに広い世界の中にいると自分の悩みなんてすごく小さなことだなって思えてさ」

「へぇ、アンタに悩みなんてあったの?」

「うう、ひどいな。僕だっていろいろ考えるよ」

「ふーん……。感謝しなさいよね。特別にこのあたしが聞いてあげる。お姉さんに話しみ?」

「なんだよそれ。同い年じゃないか……」



 

45 : :2012/12/15(土) 01:38:59.23 ID:K2urrQEr0
「……」

「……」

「……」

「……自分が本当に必要とされている存在なのかわからないんだ」

「……」

「今ここにいるのだって、エヴァのパイロットとしてで、僕自身じゃない」

「……」

「ただ言われるままにエヴァに乗って、使徒と戦って、傷ついて、死にそうになって。……いつか本当に死んでしまっても戦死で片付けられる」

「……」

「そこに僕の存在理由なんて、あるのかなって」

「……」

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 01:40:29.88 ID:K2urrQEr0
「――ただ」

「……?」

「前に父さんに褒めてもらった時、うれしかったんだ。僕は父さんに褒められるためにエヴァに乗ってるのかもしれない……」

「アンタ、バカね」

「え?」

「もう答えが出てるじゃない」

「こた、え?」

「自分で言ったわよ。褒められたくて乗ってるかもって。それって自分がここにいる理由じゃない。褒めてほしいからエヴァに乗る。それはアンタがここに存在する理由じゃない」

「でもそれって他人から必要とされてるわけじゃ」

「はぁ。アンタってほんんんっとーーーーーにニブいわね。ミサトや学校の連中を見てわからないの?」

「……アスカが何を言っているのかわからないよ」

「はぁ。まったくここまでニブいのも天然記念モノね。それぐらい自分で考えなさいよ」

「えぇ?」

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 01:42:29.32 ID:K2urrQEr0
「……」

「……」

「……」

「……アスカ?」

「……すぅぅ。はぁー……。こ、これはアンタのためじゃないから。ウジウジいつまでも悩んでるバカのせいであたしの夕食がまずくなっても困るから。そう! これはあたしの食生活に支障がでるから!」

「え? え? アスカ?」

「たとえ他の奴がアンタのことをパイロットとしか必要としなかったとしても」

「……うん」

「…………よ」

「え?」

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 01:43:38.29 ID:K2urrQEr0
「……あたしがアンタ自身を必要としてあげるわよ」

「――ッ!」

「……」

「……」

「……」

「……ありがとう、アスカ」


53 : :2012/12/15(土) 01:51:23.17 ID:K2urrQEr0
エピローグ.

「おはよー」

「あ、おはようアスカ」

「ミサトは?」

「まだ寝てる。結局朝帰りだったみたい。台所と……トイレが大変なことになってた」

「げげぇぇぇ……。そんなの使いたくないー」

「もう掃除しておいたから大丈夫だよ」

「……アンタ将来主夫として十分やってけるわね。それに比べてミサトは……だからいい年して独り身なのよ」

「あ、くしゃみしてる。風邪引かないといいけど」

「バカは風邪引かないわよ」

「ひどいなぁ。ほらアスカもご飯食べちゃってよ。学校に遅れちゃうよ」

「わかってるわよ!」

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 01:52:46.56 ID:K2urrQEr0
「あれ? それって」

「あ……こ、これは、ケータイにつけるにはちょうどいいサイズだったし、前々からストライプつけたいなーって思ってたからよ! 文句あるわけ?!」

「いや別に文句なんて……。ただ微妙な景品だったからもっといいものつけたらって思って」

「そ、それは、せっかくアンタがくれたものだから……」

「えっと……」

「――ッ! ああもう! いい? 何も言わないのは、社交性も抜群のあたしの意に反するからだから! 変な勘違いするんじゃないわよ!」

「う、うん?」

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 01:56:33.66 ID:K2urrQEr0
「……初めて貰ったものだから、その、大切にしたくて。……ッそれだけよ!」

「……」

「……」

「……」

「……顔、赤いわよ」

「……アスカもね」

56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 01:57:33.80 ID:K2urrQEr0
「……」

「…………その」

「――ッ! なによ」

「あ、えっと。昨日のこと。話聞いてくれてありがとう。うれしかった。僕にも必要としてくれる人がいるってわかったから」

「あ、あれは! あたしの豊かな食生活のためで……」

「それでも、うれしかったんだ。はは、ずっと悩んでたことなのにアスカに話したらなんだかすっきりしちゃった。でも嫌な気分じゃない。アスカがいてくれて本当によかった」

57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 02:02:35.50 ID:K2urrQEr0
「――あ」

「どうしたの?」

「ううん。なんでもない。……感謝しなさいよね! このあたしのおかげなんだから!」

「はは、本当だね。何かお礼をしなくちゃ。そうだ、今日の夕飯アスカの好きなもの作るよ。何がいい?」

「ラーメン!」

「…アスカも芸がな「うっさい!」「ぐはっ」

58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 02:04:21.51 ID:K2urrQEr0
「もうおいてくわよ! じゃーね!」

「ちょ、ちょっとまってよ!」

「べーっだ、バカシンジのあほー、のろまー」

「なんだよもう!」

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 02:07:27.23 ID:K2urrQEr0
--------------------

「……人のこと言えたもんじゃないわね」


「――ママ。あたしの居場所も見つかったかもしれない」


「ふふ。あははっ。あー……あいつといると、あたしって笑えるんだ。ふふ」

--------------------


終わり。


61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 02:13:59.13 ID:K2urrQEr0
プロローグ.

「何これ?」

「写真?」

「……――ッ!」

「こ、これって」

「あんの馬鹿どもがぁぁあああああッ!」

「あ、ケンスケにトウジ。……逃げたほうがいいよ」

「しねぇぇえええええッ!」

「あーあ、二人ともまずは保健室かな……」

62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 02:14:40.59 ID:K2urrQEr0
--------------------

「そういえばこのアスカの私服は初めてみるやつだ」

「アスカにはやっぱりこういう元気な感じがよく似合……あ。あのとき」

「……」

「あー……」

「ウルトラバカ、甲斐性なし、ヘタレ……か」

「……」

「…………ッよし」

--------------------

63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/15(土) 02:15:13.82 ID:K2urrQEr0
「アスカー、ねぇアスカー」「何よー」



終劇。