2 : Vacxly :2013/07/10(水) 12:27:45 bbV4Zh72
843年 レイス家

ヒストリア「おはようございます。お父様」

「おはよう。今日はお前に重大な知らせがある」

ヒストリア「知らせですか?」

「今日からお世話になっていた医者の息子がこちらに来て一緒に暮らすことになる。」

ヒストリア「イェーガー医師の息子ですか?どうして?」

「一週間前に急に亡くなってな。仕方なくお世話になっていた私の家にくることになった」


5 : Vacxly :2013/07/10(水) 12:36:16 bbV4Zh72

「また血の繋がっていない家族が増えるが仲良く出来るようにするんだな」

ヒストリア「…分かりました」

血の繋がっていない。妾の子である私には痛い言葉だった。

それでも今日来る新しい義弟を楽しみにするのだった。


18 : Vacxly :2013/07/10(水) 20:31:51 bbV4Zh72

ーーー

エレン『父さん!死んじゃ嫌だ!』

グリシャ『エレン。私はもう駄目のようだ。医者のくせにカルラも助けられなかった』ゴホ ゴホ

エレン『父さんは悪くないよ!自分が感染しようと母さんを助けようとした!』

グリシャ『お前だけを残して死ぬ私を許してくれ…。そして私が死んだらこの手紙の人の所にいけ…」

エレン『これは…?』

グリシャ『私が医者として担当していたところだ。そこに行けば…ゴホッゴホッ!』

エレン『父さん!嫌だ!嫌だ!』

グリシャ『エレン。例えお前が天涯孤独なろうが私はー』

そう言いグリシャは息をひきとった。

エレン『父さん!?父さん!?うああああああああ!!!』

ーーー


19 : Vacxly :2013/07/10(水) 20:43:28 bbV4Zh72
馬車の中

エレン(…レイス家か)

エレン(父さん貴族の人と知り合いだったんだな)

エレン(貴族は憧れたりしたことがあるが…これから血の繋がってない赤の他人に養子として住むのか)

エレン(手紙を読んだところ娘が一人いるみたいだな。…仲良くするとしたらそいつ次第だな)

エレン(そろそろ着くみたいだな)

トッ


20 : Vacxly :2013/07/10(水) 20:53:35 bbV4Zh72
馬車から降りたとき小柄で金髪の髪の色をした少女が居た。

エレン(あいつかな)

エレン「あの、すいません」

ヒストリア「は、はい」

エレン「おま…君がヒストリア=レイスか?」

ヒストリア「(まさか今日来ると言っていた人かな)はい。そういうあなたはエレン=イェーガーですか?」

エレン「そうだ。今日から養子として住むことになった。よろしくな」

ヒストリア「よ、よろしく」

エレン「それじゃあ早速で悪いが案内してもらっていいか?」

ヒストリア「はい!」


21 : Vacxly :2013/07/10(水) 21:18:46 bbV4Zh72
「ようこそ。エレン君。遠いところからご苦労だったな」

エレン「お世話になります。お父様」

「そう緊張しないでいい。ではヒストリア、部屋を案内してやってくれ」

ヒストリア「かしこまりました」

ヒストリア(この人がこれから私の義弟になるんだ)

エレン「ヒストリア義姉さん」

ヒストリア「!?イェーガーさん!?」

エレン「エレンでいい。これからお世話になる身だから俺は君の義弟だ」

エレン「だから、その荷物は持たないでいい」

ヒストリア「え?でも…」

エレン「いいから。それぐらい自分で持てる」

ヒストリア「わ…分かった」

こうしてエレンとの生活が始まった。



32 : Vacxly :2013/07/11(木) 23:11:47 nCyPSH0E

夜 自室

エレン(疲れた)

エレン(夕食は豪勢だったけど気を遣わないといけなかったからあまり味が分からなかった)

エレン(今更ながら母さんの料理が恋しいな…)

エレン(だけどしっかりしないとな)

エレン(母さんと父さんが死んだ今誰かに甘えたら駄目だ)ギリッ

その夜エレンは涙を堪えながら寝た。



30 : Vacxly :2013/07/11(木) 20:22:32 nCyPSH0E
翌日

エレン「おはようございます。ヒストリア義姉さん」

ヒストリア「おはようエレン。そんなしっかり言わなくていいんだよ」

エレン「し、しかし」

ヒストリア「いいから。もうエレンは私の家族で義弟だから」

エレン「…分かった」

33 : Vacxly :2013/07/11(木) 23:33:20 nCyPSH0E
ヒストリア「それじゃあ朝食食べに行こ」

エレン「はい!」

ーーー

「おはようエレン君。昨日はぐっすり眠れたか?」

エレン「はい。ぐっすり眠れました」

「それは良かった。朝食後は座学があるから遅れずに来てくれ」

エレン「かしこまりました。お父様」

俺は紅茶を飲み食堂を後にした。


34 : Vacxly :2013/07/11(木) 23:55:23 nCyPSH0E
座学 終了後

エレン(どうしよう)

エレン(難しくて分からなかった)

エレン(仕方ないが…聞くしかない)

エレン「ヒストリア義姉さん」

ヒストリア「どうしたの?エレン」

エレン「今やった座学で分からないところがあったんだ。教えてくれないか?」

ヒストリア「いいよ。これはー」

ーーー


35 : Vacxly :2013/07/11(木) 23:56:01 nCyPSH0E
乗馬の練習

馬「ヒヒーン」

エレン「うわ!」ドサ

ヒストリア「エレン!大丈夫?」

エレン「ああ、大丈夫だよ。ヒストリア義姉さん。馬が暴れて」

クリスタ「エレン。馬が暴れるのはー」

ーーー


36 : Vacxly :2013/07/11(木) 23:56:53 nCyPSH0E
夜 自室

エレン(疲れた)

エレン(今日はなに一つ自分で出来なくてヒストリア義姉さんに教わってばかりだった)

エレン(こんなんじゃだめだ)

エレン(もっと出来るように努力しないと)


37 : Vacxly :2013/07/12(金) 00:08:54 j3rclvxg
数ヶ月後

エレン(あれから数ヶ月が経った)

エレン(座学と乗馬と貴族としての教育は最初は出来なかったが義姉さんとお父様のお陰で聞く必要はないくらいには出来るようななった)

エレン「…父さん。…母さん」

ヒストリア「エレン」コンコン

俺は義姉さんに呼ばれドアを開けた。


38 : Vacxly :2013/07/12(金) 00:09:47 j3rclvxg
エレン「どうしたの?義姉さん?こんな夜遅くに?」

ヒストリア「眠れなくて。一緒に寝ていい?」

エレン「え?」

エレン(どうする?いくら家族で義姉とはいえ同年代の女の子だぞ///)

ヒストリア「お願い」

エレン(そんな上目遣いでお願いされたら…寝るしかないか)

エレン「ああ。分かった」

ヒストリア「ありがとう。エレン」


39 : Vacxly :2013/07/12(金) 00:17:11 j3rclvxg
エレン(ベッドに入って一緒に寝たのは良いが)

エレン(どうしよう距離が近い///)

エレン「義姉さん」

ヒストリア「なに?」

エレン「狭くないの?」

ヒストリア「大丈夫だよ。温かい」ニコ

エレン「そ、そうか。良かった」

ヒストリア「エレンってさ…この数ヶ月で変わったよね」


50 : Vacxly :2013/07/12(金) 06:17:01 j3rclvxg
エレン「変わった?」

ヒストリア「うん。最初にここに来たときは暗そうで笑わなかったりしたけど最近は笑うようになった」

ヒストリア「それに全然出来なかった座学と馬術も努力して出来るようになってきたし」

エレン「義姉さん…」

ヒストリア「エレン」

ヒストリアはエレンの方に顔を向けて言う。

ヒストリア「エレンは頑張ってる。両親が死んでも挫けずに。」


51 : Vacxly :2013/07/12(金) 06:19:36 j3rclvxg
ヒストリア「でもね」

ヒストリア「辛かったら泣いて甘えていいんだよ。私は血が繋がってない赤の他人でも義姉でもエレンの家族だから」

その夜俺は今まで堪えていた涙を流して泣いた。

ただ赤ん坊にように泣く俺を泣き疲れて眠るまで抱きしめて頭を撫でてくれていた。

俺は母さんのような暖かさを感じた。




55 : Vacxly :2013/07/12(金) 13:05:38 j3rclvxg
847年

「ヒストリア。夕食後話がある」

ヒストリア「分かりました。お父様」

エレン「…」

エレン(ここのところ義父さんと義姉さんの二人で話すことが多い。)

エレン(いつもと違い義姉さんの表情も暗い。笑うときの表情が無理矢理作っているように見える)

エレン(しかも使用人の見る目が冷たい。まるで自分とは違う変わった生き物を見る目だった)

エレン(義姉さんに何があったんだ?)


56 : Vacxly :2013/07/12(金) 13:06:28 j3rclvxg
エレン「義姉さん」

ヒストリア「何?エレン」

エレン「義姉さんここのところ表情が暗いし様子が変だ。義父さんと何を話してるんだ?」

ヒストリア「…ごめん。エレンには言えないこと」

エレン「家族の俺でも言えないことなのか?」

ヒストリア「…!」ダッ

エレン「義姉さん!話はまだ…!」

エレン(今の会話で確信した。俺の知らないところで「なにか」が起きてる)

エレン(ばれないように盗み聞きするしかない)



58 : Vacxly :2013/07/12(金) 13:23:45 j3rclvxg
ーーー

エレン(この部屋だな)

エレン(使用人に見つからないように抜け出すのは大変だったな)

「ヒストリア。今日でこの話は最後だ」

「血族争いでお前は血は直系だが不貞の子に不相応だのでお前が殺されることで解決する話になった」

エレン(……は?)

俺は頭の思考が停止した。何言ってんだ?血の繋がっている自分の娘に。

話は俺の思考停止を待たずに続いた。

「しかし名を偽って慎ましく生きれば見逃す形になった。そのためにお前を訓練兵に追い込むことになった」


59 : Vacxly :2013/07/12(金) 13:24:46 j3rclvxg
エレン(…)

ヒストリア「…分かりました。ですがエレンはどうなるのですか?」

「エレンは血の繋がっていない私の養子だがあの子に跡取りをしてもらうことになった…お前が心配することはない」

ヒストリア「…良かった」

ドン!


60 : Vacxly :2013/07/12(金) 13:39:55 j3rclvxg
「!?エレン!?」

ヒストリア「どうして…!?」

エレン「話は全て聞かせてもらいました。…どういうことですか?義姉さんを追い出すというのは?」

ヒストリア「な、なんでもないよ!エレ」

エレン「義姉さんは黙ってて!」

「聞いてたなら分かるな。ヒストリアは跡取りで問題になったから名を偽って追い出すことで解決したんだ」

エレン「…お父様には感謝してます。身寄りがなくなった俺を引き取ってお世話になりました」

エレン「ですがそれとこれとは別です!」

エレン「何故自分の娘を殺すとか追い出すとか平然と言えるのですか!?」


61 : Vacxly :2013/07/12(金) 13:45:27 j3rclvxg
「…エレン。大人の話にはお前には難しくて分からないことがあるんだ」

エレン「…!?もういいです!お父様にはご恩がありますがヒストリア義姉さんを追い出すのなら…俺もこの家を出ます!」

「エレン!?」

ヒストリア「駄目だよ!エレン!」

エレン「血の繋がっている自分の娘に平然と殺すとか追い出すとか言っている人なんかと生活なんかしたくありません!!」

エレン「俺は跡なんか継ぎません!ヒストリア義姉さんとここを出て訓練兵を志願します!!」


62 : Vacxly :2013/07/12(金) 13:49:20 j3rclvxg
「…そうか。勝手にするんだな」

エレン「ッ…行くよ!義姉さん!」ガッ

ヒストリア「エレン!?離して!」

ガタンッ!


81 : Vacxly :2013/07/12(金) 15:58:40 1Rx4TvQY
 
エレンの部屋

ヒストリア「エレン!もういいって!」

ブン

ヒストリア「キャッ!」

俺は義姉さんをベッドに投げ飛ばした。

エレン「義姉さん。なんで俺に何も言わず黙ってたの?」

ヒストリア「…エレンに心配かけたくなかったから」


82 : Vacxly :2013/07/12(金) 15:59:37 1Rx4TvQY
エレン「…」

ヒストリア「私ね、妾の子なんだ。だから、血族争いで血は直系だけど不貞の子で不相応だったんだ」

ヒストリア「私はエレンが思っているより汚い人なの」

エレン「…それで俺には何も言わずに自分が出て行くことで解決しようとしたのか?」

ヒストリア「エレン?」

パッシイァ

俺は義姉さんにビンタをした。


83 : Vacxly :2013/07/12(金) 16:06:15 1Rx4TvQY
ヒストリア「…何するの!?」

エレン「…そうやって一人で抱えこむのやめろよ!」

エレン「覚えてるか!?4年前のあの日の夜を!?」

エレン「俺は性格が悪かったから一人も友達も居ず両親も病気で他界した」

エレン「孤独だった」

エレン「それでもここに養子としてここに来た」


84 : Vacxly :2013/07/12(金) 16:16:12 1Rx4TvQY
エレン「不安だったよ。性格は悪いし何にもしらない赤の他人の家に住むことになったから」

エレン「だけど義姉さんはそんなことも関わらず俺に接してくれた。座学で分からないところを教えてくれたし馬術も教えてくれた」

エレン「そして俺を家族として義弟として甘やかさせてくれるのを許した」

エレン「それなのに義姉さんが悩みを抱えてどうするんだよ!?」


85 : Vacxly :2013/07/12(金) 16:21:43 1Rx4TvQY
ヒストリア「エレン…」

エレン「義姉さん…」

俺は義姉さんを抱きしめた。

エレン「妾なんて関係ない。義姉さんは俺の義姉さんだ」

エレン「これから先どんな苦難があっても俺は義姉さんの隣にいるそして」

エレン「この身が尽きようと義姉さんは俺が守る」

エレン「約束だ」



88 : Vacxly :2013/07/12(金) 16:42:05 1Rx4TvQY
ヒストリア「う…ひっく…ひっく…」

エレン「だから義姉さんも約束してくれ。どんなことがあっても俺に相談してくれ。例え血が繋がってなくてもヒストリア義姉さんの…義弟だから」

ヒストリア「う…ん…。約束…する…」

エレン「今は泣いてくれ。泣き顔なんて義姉さんには似合わない。俺は義姉さんの笑った顔が好きなんだ」

ヒストリア「エレ…ン…。うっ…あっ…うわあああああああん」ボロボロ

その夜ヒストリア義姉さんは泣いた。

俺はあの夜ヒストリア義姉さんがしてくれたのと同じようなことをして泣き疲れるまで抱きしめた。

朝日が昇った時は俺はヒストリア義姉さんを抱きしめたまま寝ていた。



93 : Vacxly :2013/07/12(金) 17:13:54 1Rx4TvQY
朝 玄関

エレン「今までお世話になりました」

「…昨日は済まなかったな。エレン君」

エレン「良いですよ。気にしてません」

「我儘を言うかもしれないが許してくれ。ヒストリアは妾の子だ。それでも私の娘だ」

エレン(どの口でそんなこと言えるんだ)

「ヒストリアに昨日のことを謝っていたことを伝えてくれ。…そしてあの娘を守ってくれ」

エレン「…分かりました。行ってきます」

俺はヒストリア義姉さん…否クリスタ義姉さんが待っている馬車に乗りトロスト区に出発した。




103 : Vacxly :2013/07/12(金) 21:55:15 1Rx4TvQY

訓練兵団入団式

ザッ ザッ

キース「オイ。貴様」

アルミン「ハッ!」

キース「貴様は何者だ!?」

アルミン「シガンシナ区域出身!アルミン・アルレルトです!!」

キース「そうか!バカみてぇな名前だな!!親がつけたのか!?」

アルミン「祖父がつけてくれました!」

キース「アルレルト!貴様は名にしにここに来た!?」

アルミン「人類の勝利の役に立つためです!!」

キース「それは素晴らしいな!!貴様は巨人のエサにでもなってもらおう」


104 : Vacxly :2013/07/12(金) 21:56:10 1Rx4TvQY
キース「貴様は何者だ!?」

ジャン「シガンシナ区出身!ジャン・キルシュタインです!」

キース「何のためにここに来た!?」

ジャン「……憲兵団に入って内地で暮らすためです」

アルミン「…」

ミカサ「…」

キース「そうか!貴様は内地に行きたいのか?」

ジャン「はい!」

キース「ふん!」ゴッ

ジャン「!!」

キース「オイ!誰が座って良いと言った!!」

キース「こんな所でへこたれる者が憲兵団になどなれるものか!!」


105 : Vacxly :2013/07/12(金) 21:59:52 1Rx4TvQY
キース「貴様は何だ!」

マルコ「ウォール・ローゼ南区ジナエ町出身!マルコ・ボッドです!」

キース「何しにここに来た!」

マルコ「憲兵団に入り!王にこの身を捧げるためです!!」

キース「…そうか…それは結構なことだ。目指すといい…だが王はきっとお前の体なんぞ欲しくない」


106 : Vacxly :2013/07/12(金) 22:09:58 1Rx4TvQY
キース「次!!貴様だ!!貴様は何者だ」

コニー「ウォール・ローゼ南区ラガコ村出身!コニー・スプリンガーです!」バッ

キース「逆だ…コニー・スプリンガー」ミシミシ

コニー「……!!」

キース「最初に教わったハズだ。この敬礼の意味は「公に心臓を捧げる」決意を示すものだと…」

キース「貴様の心臓は右にあるのかコニー?」

コニー「……」

キース「…!!」


107 : Vacxly :2013/07/12(金) 22:33:55 1Rx4TvQY
サシャ「…」モグモグ

キース「オ…イ…貴様は何をやってる?」

サシャ「?」モグモグ ムシャリ

キース「貴様だ!貴様に言ってる!!貴様…何者なんだ!?」

サシャ「!?」モグモグ ゴックン

サシャ「ウォール・ローゼ南区ダウパー村出身!!サシャ・ブラウスです!」

キース「サシャ・ブラウス…貴様が右手に持っている物は何だ?」

サシャ「「蒸かした芋」です!調理場に丁度頃合いの物があったので!つい!」

キース「貴様…盗んだのか…。なぜだ…。なぜ今…芋を食べ出した?」

サシャ「…冷めてしまっては元も子もないので…今食べるべきだと判断しました」


108 : Vacxly :2013/07/12(金) 22:34:42 1Rx4TvQY
キース「イヤ…分からないな。なぜ貴様は芋を食べた?」

サシャ「…?それは…「何故人は芋を食べるのか?」という話でしょうか?」

サシャ「…?」

サシャ「あ!」

サシャ「半分…どうぞ…」

キース「は…半…分…?

サシャ「…」フーッ

エレン(個性的なやつばかりだな)


109 : Vacxly :2013/07/12(金) 22:46:49 1Rx4TvQY
ーーー

コニー「オイ…あの芋女まだ走らされてるぞ」

ジャン「は?すごいな5時間ぶっ通しか。」

ジャン「しかし死ぬ寸前まで走れと言われた時より今日はメシ抜きと言われた瞬間の方が悲壮な顔をしたよな」

コニー「ダウパー村ってのは確か人里外れた山奥にたる少人数の狩猟の村だ」

マルコ「まだそんな村があったなんてな…」

マルコ「そういえばジャンは出身シガンシナなんだよね?」

ジャン「あ…まあな。」

コニー「ってことはよ「その日」もいたよなシガンシナに!」

マルコ「お、おい!」

コニー「見たことあるのか?超大型巨人!」

ジャン「あぁ……」



111 : Vacxly :2013/07/12(金) 22:55:09 1Rx4TvQY
食堂

エレン(義姉さんは大丈夫だろうか)

エレン(一人で走らされた芋女の所にパンと水を持って行って)

エレン(食べ終えたら俺も行くか)

ワイワイ ガヤガヤ

エレン(何だ?やけに騒がしいな)

「超大型巨人はどのくらい大きいんだ!?」

ジャン「壁から首を出すぐらいだ…」

「何!?俺は壁を跨いだときいたぞ!」

「私も!!」

エレン「…」

「どんな顔だったの?」

ジャン「皮膚が殆ど無くて口がでかかったな」



117 : Vacxly :2013/07/12(金) 23:06:11 1Rx4TvQY
「ウォール・マリアを破った「鎧の巨人」は!?」

ジャン「それも見た。そう呼ばれているが俺の目には普通の巨人に見えたな」

エレン「…」

「じゃあ、普通の巨人は?」

その時ジャンの脳裏には母親を巨人に喰われたのが浮かんだ。

ジャン「ウッ…」

マルコ「…みんなもう質問はよそう。思い出したくないこともあるだろう」

コニー「すまん!色々と思いださせちまって…!」

ジャン「…ああ、人類は巨人には勝てない。俺はミカサとババアを助けようとしたが助けられずに喰われた」

ジャン「だから、俺は巨人の脅威を思い知ったから憲兵団に入る」

エレン「とんだ臆病者だな。お前は」



124 : Vacxly :2013/07/12(金) 23:20:10 1Rx4TvQY
ジャン「あ?何だお前は?」

ジャンに視線を向けていた周りはエレンの方に視線を向ける。

エレン「俺はシガンシナ出身のエレン・イェーガーだ。…といっても色々あって「その日」にはいなかったがな」

ジャン「お前もシガンシナ出身か。それより「その日」にはいなかっただ?そんな巨人を見たことない奴が俺を馬鹿にするんじゃねえ!」

エレン「いや。俺が言ってるのはそういうことじゃない。」

エレン「確かに俺は巨人を見たことない。だがな、仮に俺がお前の立場だったら母親の仇を討つために巨人を駆逐するね!」

カン カン カン

エレン「…まぁ悪かったな。俺も人の事情を知らずにお前に言ってしまったな」

ジャン「…分ればいい。俺も喧嘩腰だった」

エレン「これで手打ちにしてくれ」

ジャン「あぁ」

ポンッ



126 : Vacxly :2013/07/12(金) 23:36:05 1Rx4TvQY
エレン(早く義姉さんのところに向かわないとな)

ドン

エレン「おっと、すいませ…」

ミカサ「…」ギロリ

エレン「…何だったんだ?今のは?」

黒髪の少女はジャンのところに向かった。ジャンの知り合いか友人というところか。

エレン(それでもあの睨み方は普通じゃなかった)


130 : Vacxly :2013/07/12(金) 23:51:29 1Rx4TvQY
エレン「義姉さん!」

俺が向かった時は倒れて寝ている芋女と義姉さんと長身の女が居た。

エレン「…誰だ?お前は?」

ユミル(こいつがクリスタの義弟か)

ユミル「私はユミルだ。よろしく」

エレン「こちらもよろしく。俺はクリスタ義姉さんの義弟のエレン・イェーガーだ」

エレン「義姉さん。これはどういう状況だ?」



137 : Vacxly :2013/07/13(土) 00:03:55 mXSw.k7k
カクカクシカジカ

エレン「なるほどな。とりあえず芋女は俺が担ぐよ」

クリスタ「で、でも」

エレン「大丈夫だ。女子寮に入ったらユミルと担いでくれ」

エレン「それまで義姉さんは楽にしててくれ」

クリスタ「…わかった。ありがとうエレン。」

ーーー



139 : Vacxly :2013/07/13(土) 00:09:18 mXSw.k7k
男子寮 寝室

エレン(疲れた)

エレン(たった一日だけでいろんな人と会ったな)

エレン(こんな時は直ぐに寝るのが一番だな)

アルミン「あ、あの」

エレン「ん?」

アルミン「君シガンシナ出身のエレン・イェーガーだよね?」

エレン「ああ、そうだが」

アルミン「僕はアルミン・アルレルト。よろしく」




141 : Vacxly :2013/07/13(土) 00:15:42 mXSw.k7k
エレン(教官に馬鹿みてぇな名前と言われてた奴か。正直義姉さんに近い容姿だな)

エレン「こちらもよろしく。何で俺の名前を知ってるんだ?」

アルミン「食堂でジャンに突っかかってたから」

エレン「…ジャンの友達か。悪いこと言ったな」

アルミン「別に良いよ。…ジャンはあの出来事以来変わってしまった」



150 : Vacxly :2013/07/13(土) 00:35:20 mXSw.k7k
エレン「シガンシナ陥落か。俺はその日いなかったから分からないが人類が巨人の恐ろしさを思い知ったのは分かる」

アルミン「エレンはどうして「その日」に居なかったんだ?」

エレン「…色々あってな。両親が病気で他界してからクリスタ義姉さんの家庭に養子として生活してたんだ」

アルミン「クリスタ義姉さんて…エレンてクリスタ・レンズの義弟なの!?」

エレン「そうだが。なんでそんな驚く必要があるんだ?」


152 : Vacxly :2013/07/13(土) 00:45:25 mXSw.k7k
アルミン「驚くも何も彼女は男子の中で話題が持ちきりだったんだよ!」

エレン「はぁ?なんで?」

アルミン「まだ分からないの?彼女の容姿に惚れている人がたくさんいるということだよ」

エレン「(そういうことか)アルミン、それはお前もか?」

アルミン「え?それは(エレンの表情が怖い)」

エレン「まあ、いいや。それは俺がいる限り絶対許さない。俺の大切な人だし」


153 : Vacxly :2013/07/13(土) 00:59:11 mXSw.k7k
エレン「ところで話が変わるが、ジャンが何でシガンシナ陥落から変わってしまったんだ?」

アルミン「…エレンは外の世界について知ってるかい?」

エレン「知らないな。外の世界には何があるんだ?それとジャンに何の関係がある?」

アルミン「エレン。この世界の大半は「海」っていう水で覆われているんだよ」

アルミン「しかも「海」は全部塩水なんだって」

エレン「……!!塩だと!?嘘つけ!!塩なんて宝の山だから商人がすぐ取り尽くすだろ!!」


154 : Vacxly :2013/07/13(土) 01:10:28 mXSw.k7k
アルミン「いいや!取り尽くすないほど「海」は広いんだ!」

エレン「…そんなわけ…(いや、こいつ本気だ)」

アルミン「塩が山ほどあるだけじゃない!!炎の水!氷の大地!砂の雪原!きっと外の世界は壁の中の何倍も広いんだ!」

エレン「外の世界…すごいな。初めて興奮した」


155 : Vacxly :2013/07/13(土) 01:11:13 mXSw.k7k
エレン「ジャンはそのことについてどう思ったんだ?」

アルミン「うん。小さい頃話したことがあるんだけど最初は興味を示さなかったんだ。」

アルミン「だけど、話していくうちに興味を示してくれて外の世界を探検したりしようと約束したりしたんだ」

エレン「つまりシガンシナ陥落のお陰で現実的な考え方をするようになったということか」

アルミン「うん。その日以来ジャンは変わってしまったんだ」


156 : Vacxly :2013/07/13(土) 01:22:45 mXSw.k7k
エレン「まあ、仕方ないじゃないか?誰だって母親を目の前で喰われたりしたら巨人の脅威を思い知って遠ざかるために内地に行ける憲兵団を目指すだろうな」

エレン「俺みたいな考え方をする奴が異常なだけだ」

アルミン「でも僕はその考え方を尊敬するよ。ジャンなら絶対に出来ない考え方だしね」

エレン「ありがとな。とりあえず明日から訓練始まるからもう寝ないか?」

アルミン「そうだね。僕もつい興奮して話してしまった」

エレン「あのさ、アルミン」

アルミン「何?エレン?」

エレン「俺さ、アルミンの友達だよな」

アルミン「うん。僕はエレンの友達だよ」

エレン「ありがとな。おやすみ」

アルミン「おやすみ。エレン」

その夜久しぶりにぐっすり眠れた気がした。


177 : Vacxly :2013/07/13(土) 20:51:53 w1b5t9ow
翌日

立体機動適性訓練

キース「まずは貴様らの適性を見る!両側の腰にロープを繋いでぶら下がるだけだ!!」

キース「全身のベルトで体のバランスを取れ!これが出来ない奴は囮にも使えん!開拓地に移ってもらう」

教官A「これはまだ初歩の初歩だがこの段階から立体機動の素質は見てとれる」

ミカサ「…」

教官A「見ろ…あの子だ。全くブレが無い…。何をどうすればいいのかすべてわかるのだろう…素質とはそういうものだ」

教官A「んん…今期は出来る者が多いようだ」


178 : Vacxly :2013/07/13(土) 20:52:36 w1b5t9ow
教官B「あの…彼は…」

教官A「…素質というものだろう。人並み以上に出来ることがあれば…」

エレン「…!?」

教官A「人並み以上に出来ないこともある」

キース「何をやってるエレン・イェーガー!!上体を起こせ!!」

ユミル「…」

ジャン「wwwww」

クリスタ(エレン…)

エレン(え…?何だこれ…こんなの…どうやって…)ドクン

エレン(ウソ…だろ?これじゃああの時と…)

ーーー


179 : Vacxly :2013/07/13(土) 21:02:37 w1b5t9ow
ーーー

クリスタ「基本通りにやれば出来るはず上手くやろうとか考えなくていいよエレン。私でも出来たから」

クリスタ「上半身の筋肉は固く下半身は柔らかく」

クリスタ「前後のバランスにだけ気を付けて腰巻きと足裏のベルトにゆっくり体重を乗せれば出来るよ」

エレン「すまない…教えてくれて」

アルミン「落ち着いてやれば出来るよ。運動苦手な僕だって出来たんだから」

エレン「…今度こそ出来るよ気がする。上げてくれアルミン!」

アルミン「いくよ」キリキリ

エレン「!?」

アルミン「あ!?」

クリスタ「え!?」

エレン「」ゴッ

ーーー


181 : Vacxly :2013/07/13(土) 21:16:34 w1b5t9ow
夜 食堂*

ザワザワ

エレン「…」

モブA「オイ…あいつ確か昨日の晩に…ジャンに突っかかって自分だったら巨人を皆殺しにするようなことを言ってた奴だよな」

モブB「それがあの初歩の姿勢制御訓練で既に死にかけたんだと」

モブA「本当かよ…あんなことも出来ねぇ奴がいるのか…」

モブA「そんなんでこれから先訓練に耐えられるのか?」

モブB「さぁな…しかしこのまま
じゃいずれここを追い出される。役立たずに食わせるメシなんかねぇからよ」

モブA「つかなんであいつ天使と一緒にメシを食べてるんだ?羨ましい!」

モブB「知るか!どうやら義弟みたいらしいぞ」

モブ「マジかよ…!」

エレン「…」

クリスタ「エレン!」

エレン「すまない義姉さん…考え事をしてた」



186 : Vacxly :2013/07/13(土) 21:41:01 w1b5t9ow


クリスタ「考えても仕方ないよ。とにかく明日出来るように頑張ろう」

エレン(「何が義姉さんを守る」だ。情けねぇ。これじゃあ義姉さんとの約束を守れねえじゃねぇか)

ユミル「あんたみたいなやつじゃ兵士に向いてないな」

エレン「なに…!?」

ユミル「そうだろ。向いてないやつがようやく出来る程度では無駄に死ぬだけだ」

ユミル「あんた巨人を実際に見たことはないんだろ?そんなやつが仮にギリギリ卒業して兵士になってもろくに対抗出来ず喰われてお終いだ」

クリスタ「ユミル!言い過ぎだよ!」

エレン「…いいよ、義姉さん。外に出て風に当たってくる」ガタッ

クリスタ「待って!エレン!」

ーーー


187 : Vacxly :2013/07/13(土) 21:54:50 w1b5t9ow
エレン(くそ!分かってんだよ!)

食堂でユミルに言われたことを思い出す。

エレン(だが、どうする?このままアレが出来なきゃ話にならねぇ)

『あの娘を守ってくれ』

エレン「…」ギリッ

エレン「…とにかく誰かに教えてもらって出来るようにするしかない」

ーーー


188 : Vacxly :2013/07/13(土) 22:02:22 w1b5t9ow
男子寮

コニー「コツだって?悪いけど俺…天才だから「感じろ」としか言えん」

ジャン「俺は逆に教えてほしいね。あんな無様な姿晒しておいて正気を保っていられる秘訣とかをよぉ…」

エレン「ッ…そうかよ。悪かったな」

マルコ「まぁまぁ。コニーとジャンの他にも上手いって言われてたのはあっちにいる二人だよ」

マルコ「名前は確か…」

ーーー



190 : Vacxly :2013/07/13(土) 22:14:40 w1b5t9ow
ベルトルト「う~ん…姿勢制御のコツか…」

エレン「頼む!二人もすごく上手いって聞いた」

エレン「ベルトルト、ライナー」

ライナー「すまんが…ぶら下がるのにコツがいるとは思えん。期待するような助言は出来そうにないな…」

エレン「そうか…悪かったな。無駄な時間取らせて」

エレン(もう…駄目なのか)

ベルトルト「待って」

エレン「…なんだ」

ベルトルト「君はシガンシナ区出身でも巨人の恐ろしさを知らないよね」

ベルトルト「なのに…どうして兵士を目指すの?」


193 : Vacxly :2013/07/13(土) 22:34:55 w1b5t9ow
エレンを適性訓練で失敗させる気は無かったのですが、完全無欠にするのは嫌なのでああやりました。申し訳ございません。


エレン「…俺はシガンシナ区出身でも両親とも病気で他界して天涯孤独になった」

エレン「それでもクリスタ義姉さんの養子として家族に迎えられた」

エレン「孤独で血が繋がってない赤の他人の俺にも関わらず義姉さんは俺に接してくれた」

エレン「嬉しかった。だから義姉さんが訓練兵を志願した時俺は約束した」

エレン「自分の身が尽きようと義姉さんの隣にいて守る、と」

エレン「だから訓練兵を志願した。例え巨人だろうと義姉さんに危害を加えるやつは俺が駆逐して義姉さんを守る」

エレン「それが兵士を目指す理由だ」


197 : Vacxly :2013/07/13(土) 22:42:34 w1b5t9ow
ベルトルト「…」

ライナー「…」

エレン「すまなかったな。長々と無駄話をして。邪魔者は去るよ」

ベルトルト「僕は!」

ベルトルト「僕は…君と違って臆病だ」

エレン「え?」



203 : Vacxly :2013/07/13(土) 23:13:28 w1b5t9ow
ベルトルト「僕は巨人の恐怖を知らず世間的な体裁を守るここにいる人達と同じだ」

ベルトルト「訓練兵になっても調査兵団にならないようにして憲兵団を目指しつつ駄目だったら駐屯兵を選んで憲兵団への異動を伺ったりする」

ベルトルト「僕はそんな考え方をしている臆病な人達と同じだ」

ベルトルト「僕は体動かすの得意だから…憲兵団の特権階級狙いで兵士を選んだ」

ベルトルト「それが駄目だったら全部放棄するかもしれない。僕には…自分の意思が無い」

ベルトルト「羨ましいよ…自分の命より大事なものがあって…」


204 : Vacxly :2013/07/13(土) 23:21:17 w1b5t9ow
エレン「…俺は巨人の恐怖を実際に目の当たりにしたわけじゃないから説得力があることなんて言えない」

エレン「自分の命を大事にすることも立派なことだと思う」

エレン「俺はここにいる人達と違い反対なことを言ってしまった」

エレン「俺は普通の人達にとって異端者と思われても当たり前なやつだよ」


209 : Vacxly :2013/07/13(土) 23:41:04 w1b5t9ow
ライナー「…お前は仮に巨人と遭遇してもその考え方は変わらないのか?」

エレン「まぁな。とにかく今は兵士になれるかどうかだ。兵士になれば自分の命に関わる」

エレン「だけどな義姉さんを喰おうとする巨人は俺が殺す」

エレン「それだけのことだ」

ライナー「……」


211 : Vacxly :2013/07/13(土) 23:47:59 w1b5t9ow
ライナー「……」

ライナー「俺にもあるぜ。絶対曲がらないものが…」

エレン「…」

ライナー「帰れなくなった故郷に帰る。俺の中にあるのはこれだけだ」

ライナー「絶対に…何としてもだ」

エレン「…そうか」

ライナー「ベルトの調整から見直してみろ。明日は上手くいく…」

ライナー「お前ならやれるはずだ。エレン・イェーガーだったっけ?」

エレン「あぁ、ありがとよ…ライナー・ブラウンだっけ?」

ライナー「そうだ。よろしくな」

エレン「こちらもよろしく。早速寝る前にベルトを確認するよ」


212 : Vacxly :2013/07/13(土) 23:56:18 w1b5t9ow
ーーー

エレン「…何だこれ」

エレン「ベルトの金具が破損してるじゃねぇか」

エレン「だから上手くいかなかったのか」

エレン「…義姉さんに心配かけさせちまったな」

エレン「明日謝ろう」

ーーー



214 : Vacxly :2013/07/14(日) 00:08:59 6qJ6vo42

エレン「おはよう。アルミン」

アルミン「おはよう。エレン。エレンなら適性訓練合格出来る!だから頑張って」

エレン「ありがとな。アルミン。あと、お願いがあるんだ」

アルミン「お願い?」

エレン「今日一日だけベルトを交換してほしいんだ」

アルミン「どうして?」

エレン「昨夜ライナーのアドバイスでベルトを確認したら金具が破損してたんだ」

アルミン「分かった。それにしてもベルトが破損するなんてあるんだね」

エレン「あぁ、だがベルトを交換したら必ず出来るわけじゃない。あとは俺自身の実力だ!」



216 : Vacxly :2013/07/14(日) 00:16:24 6qJ6vo42
食堂

エレン「おはよう、義姉さん。昨日は心配かけさせてごめん」

クリスタ「いいよ。それより今日の適性訓練頑張って!エレンなら絶対合格出来るよ!」

ユミル「果たして上手くいくのやら。まあ、失敗したら開拓地に行く前にあの間抜けヅラを笑わせもらうよ」

エレン「大丈夫だ。絶対合格してみせる!」



222 : Vacxly :2013/07/14(日) 00:27:24 6qJ6vo42
立体機動適性訓練

キース「立体機動装置を操ることは兵士の最低条件だ。出来なければ開拓地に戻ってもらう…いいな?」

エレン「はい!」

エレン(やる!俺は絶対やる!!)

エレン(俺には素質がねぇかもしれねぇけど…根性だけは誰にも負けねぇ!)

キース「始めろ」キリキリ

エレン(理屈なんか知らん!根拠もない!でも俺にはこれしかねぇ!)

エレン(これが俺の武器だ!)

キース「…」

「おお!!」

エレン(やった…出来た!!)

キース「…エレン・イェーガー」

エレン(…どうなる)



225 : Vacxly :2013/07/14(日) 00:30:26 6qJ6vo42




キース「合格だ」

229 : Vacxly :2013/07/14(日) 00:40:18 6qJ6vo42
エレン(や…やった!!)

ユミル「やるじゃねぇか」

クリスタ「エレン!おめでとう!」ニコッ

アルミン(天使だ)

ライナー(結婚しよ)

エレン(これで俺はやれる!巨人とも戦える!!)

エレン(ようやく義姉さんを守るための力をつける一歩を踏めたんだ!)

235 : Vacxly :2013/07/14(日) 10:00:19 6qJ6vo42
夜 食堂

クリスタ「エレン!今日はおめでとう!」

エレン「ありがとう。義姉さん」

ユミル「しかし何で急に出来るようになったんだ?昨日までは上体すら上げれず間抜けな顔をしてたじゃねぇか」

エレン「ベルトの金具が壊れてたんだよ。だから、今日一日ベルトを交換してやったんだ」

クリスタ「ベルトの金具が壊れるなんて珍しいこともあるんだね」

ユミル「まあ、あんなの出来て当たり前だ。こんなんで浮かれてたら巨人なんて殺せない」

エレン「そうだな」



237 : Vacxly :2013/07/14(日) 10:11:52 6qJ6vo42
男子寮

アルミン「エレン、合格おめでとう!僕は信じてたよ」

エレン「ありがとな。アルミン。お前がベルトを交換してくれたおかげだ」

アルミン「そんなことないよ。エレン自身の実力だよ」

アルミン「そういえばだけど、エレンが合格した後教官にベルトのことについて伝えておいたよ」

アルミン「そうしたら新たに整備項目に加えることを言ってたよ」

エレン「そうか」

アルミン「あと、明日起きたら教官のところに行って新しいベルトを貰ってきて」

エレン「分かった。ありがとな。そこまでしてくれて」

アルミン「友達として当然のことをしたまでだよ。おやすみ、エレン」

エレン「あぁ、おやすみ。アルミン」

エレン(友達か…性格悪くて喧嘩ばかりしていたから昔はいなかったな)

エレン(義姉さん。俺に初めて友達と言える人が出来たよ)


242 : Vacxly :2013/07/14(日) 11:41:01 6qJ6vo42

エレン(今日は対人格闘の訓練をする日か)

エレン(その前にキース教官からベルト貰ってこないとな)コンコン

キース「誰だ?」

エレン「訓練兵のエレン・イェーガーです。新しいベルトをもらうために来ました」

キース「入れ」

エレン「失礼します」ガチャ

キース「新しいベルトだ」

エレン「ありがとうこざいます。キース教官」

エレン(また金具が壊れてるとかは…ないみたいだな)

キース「昨日の訓練が出来たからといって浮かれずこれからも修練に励め」

エレン「はい!」


243 : Vacxly :2013/07/14(日) 12:04:09 6qJ6vo42
対人格闘訓練

ライナー「行くぞ!」ダダダ

エレン「来い!」ガシッ

エレン「ふん!!」ブン

ライナー「くっ!」ドサ

エレン「大丈夫か?」

ライナー「イテテ…大丈夫だ。ほら次はお前がならず者をやる番だ」

ライナー「まったく…俺の巨体を投げ飛ばすとは…」

エレン「悪い…力の加減が下手でよ」

ライナー「お前取っ組み合いに慣れてやがるな」

エレン「小さい頃は体ばっかりでかいやつとか喧嘩していたからな」


244 : Vacxly :2013/07/14(日) 12:20:49 6qJ6vo42
ライナー「へぇ…」

エレン「正直この訓練は巨人に対して意味があるとは思えない」

ライナー「教官に聞こえねぇようにな」

エレン「義姉さんに危害を加えるのは巨人だけじゃねぇ。人間だってあり得るかもしれない」

エレン「だから俺はこの訓練を真剣にやってるが他のやつはどうなんだろうな」

ライナー「さぁな。俺はいくら不利な状況でも逃げてはいけない時がある」

ライナー「守る対象が脅威に晒された時その間に入って盾にならなければならない」

ライナー「相手が何であろうとだ。俺達は大砲でも格闘術でも使いこなして力をつけなきゃならん」

ライナー「俺はそう思う」


245 : Vacxly :2013/07/14(日) 12:27:35 6qJ6vo42
エレン「そうか…。悪かったな。訓練にもどろうぜ」

アニ「…」

ライナー「そうだな…ん…?」

エレン「どうした?」

ライナー「あいつ…」

エレン「あぁ、アニ・レオンハートか。うまく教官にバレないようにサボってるみたいだな」

ライナー「…よし。俺たちでアニにも短刀の対処を教えてやるぞ」

エレン「は?」

ライナー「あの不真面目な奴に説教して兵士とはどうあるべきか…教えてやろうじゃないか」


246 : Vacxly :2013/07/14(日) 12:37:12 6qJ6vo42
ミカサ「ジャン。真面目にやって」

ジャン「いいじゃねぇか。こんなの流すために時間を使うもんだよ」

ミカサ「…」プツッ

ブン!

ジャン「いてぇ!」

ミカサ「ジャン。私は確かにあなたのことは大切。けどあなたを甘やかしすぎる気はない」

ミカサ「ので、真剣にやってもらう。それに憲兵団を目指すなら対人格闘は大切だと思う」

ジャン「…悪かったよ」



249 : Vacxly :2013/07/14(日) 12:55:32 6qJ6vo42
ライナー「教官の頭突きは嫌か?」

ライナー「それ以上身長を縮めたくなかったら真面目にやるんだな」

エレン「おい!その言い草は…」

アニ「…」

エレン(あ…!すげぇ怒ってる…。入団式の時も怖い顔をしてると思ってたが…本当に怒った顔は比じゃねぇな)

ライナー「そら始めるぞエレン!」

アニ「…」スッ

エレン「(!?何だあの構えは)アニ。これは刃物の対処を形式的に覚える訓練だぞ?…やり方は知ってるよな?」

エレン「行くぞ!」


254 : Vacxly :2013/07/14(日) 16:39:50 aTouyACk
ーーー

ライナー「」

エレン(アニの倍近くあるライナーが宙を舞いやがった)

エレン「すげぇ技術だな。誰から教わったんだ?」

アニ「…お父さんが」

エレン「親父さんがこの技術の体現者なのか?」

エレン(この技術を習得出来れば…)

アニ「どうでもいい」

エレン「え?」

アニ「こんなことやったって意味なんか無いよ」


255 : Vacxly :2013/07/14(日) 16:40:29 aTouyACk
エレン「どういう意味だ?それはこの訓練のことか?」

アニ「「対人格闘術」なんか点数にならない。私を含め熱心な内地志願者は真面目にやらず流すもんさ」

エレン「…そうか。俺はバカ正直にやってるが目的があってやってる」

エレン「それに意味がないことなんてない」

アニ「…」

エレン「マズイ!教官だ」

アニ「…」ビュッ

エレン「!危ねえ!」ガシ


256 : Vacxly :2013/07/14(日) 17:01:17 aTouyACk
アニ「とにかく…点数の高い立体機動術じゃなきゃやる意味が無い」

アニ「目指してるのは立派な兵士ではなく内地の特権を得ることだから」

アニ「なぜかこの世界では巨人に対抗する力を高めた者ほど巨人から離れられる。どうしてこんな茶番になると思う?」

エレン「…さぁな。それが人の本質で自分の保身にしかまわることが出来ないやつだと思うがな!」

アニ「!」バシッ

エレン「う!」ドサッ

アニ「…私の父もあんたらと同じで何か現実離れした理想に酔いしれてばかりいた」

アニ「幼い私は心底下らないと思いながらも…この無意味な技の習得を強いる父に逆らえなかった…」

アニ「私はもうこれ以上この下らない世界で兵士ごっこに興じれるほどバカになれない」


257 : Vacxly :2013/07/14(日) 17:02:31 aTouyACk
エレン「…」

エレン「待ってくれ!」

アニ「…何だい?」

エレン「俺はお前…アニのその技術に興味がある!」

エレン「俺にその技術を教えてくれ!」

アニ「何故?」

エレン「俺には自分の命よりも守りたい人がいる。その人を守れる力をつけれるならどんな技術でも学びたい!」

エレン「頼む!教えてくれ!」

アニ「…そんなにこの技が気に入ったんなら教えてやってもいいけど?」

エレン「!ありがとな!アニ!」


258 : Vacxly :2013/07/14(日) 17:10:48 aTouyACk
キース「そこまでだ!各自昼食を食って次の立体機動装置の訓練に備えろ!」

エレン「…終わりか」

アニ「次回の訓練で教えてあげる。次の立体機動の訓練に遅れないようにするんだね」

エレン「あぁ。今日はありがとな」

アニ「別にいい」


262 : Vacxly :2013/07/14(日) 21:33:25 aTouyACk
ジャン「…」

午後 立体機動の訓練

キース「これから立体機動の訓練を開始する!」

キース「毎年訓練中に事故を起こして死亡するやつがいるがそんなやつが巨人と戦うなど不可能だ!!」

キース「そして訓練中に命綱を切ってその対応を見る「闇討ち」も行われる!!」

キース「覚悟して受けろ!!いいな!?」

訓練兵一同「ハッ!!」

キース「各班に別れて開始しろ!!」


263 : Vacxly :2013/07/14(日) 21:39:16 aTouyACk
1班
ライナー、ベルトルト、アニ

2班
ミカサ、マルコ、ジャン

3班
コニー、サシャ、アルミン

4班
エレン、クリスタ、ユミル

その他




265 : Vacxly :2013/07/14(日) 21:48:03 aTouyACk
エレン(俺は義姉さんと同じ班か)

エレン「義姉さん大丈夫か?」

クリスタ「うん、大丈夫。緊張しちゃって」

エレン「義姉さんなら上手くいく」

エレン「立体機動装置の対G能力は女性の方が優れてるから」

ユミル「人の心配する暇があるなら自分の心配をしろ。また開拓地に送られたいのか?」

エレン「…そうだったな。すまない」

エレン「始めるぞ!」

ーーー



267 : Vacxly :2013/07/14(日) 22:17:12 aTouyACk
夜 食堂

エレン「すまない、義姉さん。
俺が点数を稼げなくて」

クリスタ「エレンのせいじゃないよ。エレンは頑張った」

ユミル「気にする必要はない。適性訓練みたいな結果だったら文句を言ってたが今回は違う」

ユミル「あんたは頑張った。次頑張ればいい」

1位が2班、2位が1班、3位が4班、4位が3班という結果だった。

エレン「ありがとう、義姉さん。あと、ユミルも」

エレン「正直ユミルからそういう言葉が出るとは思わなかったがな」


268 : Vacxly :2013/07/14(日) 22:26:15 aTouyACk
ユミル「おいおい。私もそういう言葉も言えるっての」

エレン「そうか」

緊張感が続く訓練のなかで久しぶりに笑った気がした。

アルミン「あ、あの。一緒に食べさせてもらっていいかな?」

エレン「ん?アルミンか。いいよ。食事は大勢で食べた方が美味いと思うからな」

アルミン「ありがとう、エレン」

俺はジャンとミカサとサシャが居る席を見る。

エレン「にしても、お前ジャン達と一緒に食べなくていいのか?」

アルミン「…いいんだ。僕が苦手意識をもって距離をとってるから」

エレン「…ジャンか?」



270 : Vacxly :2013/07/14(日) 22:34:26 aTouyACk
アルミン「うん」

エレン「俺はお前の友達だけどそんな深いことまでは言えないが…」

エレン「出来たらちゃんと仲直りした方が良いと思う。特にこんな集団生活してるなかで溝が出来ていたりしたら訓練に支障をきたす」

エレン「…まあ取り敢えず今は食事しようぜ。こんな会話してたら不味くなる」

アルミン「…うん。ありがとう、エレン。僕にアドバイスをしてくれて」

エレン「気にするな。困った時はお互い様だ」


275 : Vacxly :2013/07/14(日) 22:58:17 aTouyACk
ジャン「俺に何のようだ?エレン」

エレン「何のようかというか…お願いがあるんだ」

ジャン「お願い?」

エレン「お前立体機動装置扱うの得意なんだろ?さっき夕食の時に聞いてた」

ジャン「…つまり教えてほしいということか?」

エレン「理解が早くて助かる。俺も代わりに馬術を教える」

エレン「こうみえてクリスタ義姉さんに小さい頃教わっていたから他のやつより出来る自信はある」

エレン「お互い順位を上げる為に協力しないか?」



277 : Vacxly :2013/07/14(日) 23:10:21 aTouyACk
ジャン「…お前にしてはいいこと言うじゃねえか。いいぞ」

ジャン「その話のった」

エレン「交渉成立だな」

ジャン「まあ、憲兵団目指している俺にとっては将来役に立つ可能性はないが上位に入るためにも必要だからな」

エレン「…そうか。まあ、俺にはどうでもいい」

エレン「あと、俺は介入する気はないがアルミンとも出来るだけ仲直りしろよ」

ジャン「…あいつなんてどうでもいい」


278 : Vacxly :2013/07/14(日) 23:12:05 aTouyACk
エレン「…は?」

ジャン「あんなやつ頭が良いだけで体力面は駄目なやつだ。開拓地送りにされてもおかしくないやつだ」

ジャン「そんなやつとは友達になった気なんかねぇな」

エレン「…」ブチッ

ドガッ!

ジャン「っ!何しやがる!」

エレン「俺はお前とあいつに何があったかは深く知らねえ。だけどな」

エレン「自分の友達にそんな酷い言葉言うんじゃねえ!!」


283 : Vacxly :2013/07/14(日) 23:21:56 aTouyACk
ミカサ「ジャン!!」ガシッ ブン!

エレン「ぐっ!」

エレン(何でミカサがいやがる)

ミカサ「ジャン!大丈夫?」

ジャン「…あぁ、平気だ。こんなのどうってことない」

ミカサ「あいつとジャンが居たら何か起こると思ったから勝手につけていた。ごめんなさい」

ジャン「大丈夫だ。気にするなミカサ」

エレン(とにかく熱くなって手を出したのは俺だから…謝らないとな)



287 : Vacxly :2013/07/14(日) 23:29:20 aTouyACk
俺は屈辱的な気分になったが土下座をした。

エレン「手を出してごめんなさい。これからはこんなことしません」

ミカサ「…あなたがジャンに何かを言うのは勝手。だが次手を出したら私が許さない」

ジャン「ミカサもういい。…俺も悪かったな。さっきの交渉は破棄しないからそのことは気にするな」

俺はアルミンのことについてジャンを許せない気分だったが我慢してこの場を去った。



300 : Vacxly :2013/07/15(月) 00:14:38 57903a6s
ミカサ「あいつ…今度ジャンに手を出したら削ぐ!」

ジャン「やめろ。これは俺とエレンの問題だ」

ジャン「お前が介入する必要はない」

ミカサ「…ジャンがそう言うなら」

ジャン(アルミンについてだって俺がいつまでたっても許せないから駄目なんだよ)

ジャン(それでも俺を殴りやがって…!)

ジャン「ミカサ。俺は対人格闘訓練のペアはアニにする」


301 : Vacxly :2013/07/15(月) 00:22:31 57903a6s
ミカサ「どうして…!?」

ジャン「あいつを見返すためだ。今日は適当に流してたがあいつを超えるためにやる!」

ジャン「そのためにアニに教わる」

ミカサ「私は…?」

ジャン「アルミンと組んでくれ。俺とアルミンの問題にミカサは関係ない」

ジャン「むしろ仲直りさせようとしてくれた。だから、アルミンとは今まで通りに接してくれ」

ミカサ「…分かった。でも危ないことになったら私を呼んでほしい」

ジャン「…その必要はねぇよ」



310 : Vacxly :2013/07/15(月) 00:39:32 57903a6s
男子寮

エレン(…危なかったな)

エレン(もう少しでミカサに邪魔されるところだった)

エレン(だがこれで成績が良いやつから技術を教わって力をつけられる)

エレン(そして義姉さんに教えることが出来る)

エレン(今度は俺が守る力をつけながら義姉さんに教える番だ)


316 : Vacxly :2013/07/15(月) 00:58:22 57903a6s
アルミン「…エレン?」

エレン「!どうした、アルミン?」

アルミン「戻ってくるのが遅かったから心配したんだよ」

アルミン「何かあったの?」

エレン「…特に何もねぇよ」

エレン(アルミンに心配かけさせるわけにはいかねえ…絶対にな)


318 : Vacxly :2013/07/15(月) 01:04:08 57903a6s
エレン「もう寝ようぜ。明日も早いしな」

アルミン「うん、お休み」

エレン「お休み」

エレン(明日から自主トレもしないとな)

エレン(巨人を殺す武器を扱うんだ。使用者が貧弱な体型でどうするんだ)


319 : Vacxly :2013/07/15(月) 01:16:34 57903a6s
こうして夜は更けていった。

エレンはアニからジャンと交代しながらやることになっても学び続けた。

ジャンから立体機動装置の扱いを学びながらジャンに馬術を教えた。

そして学んだ技術をクリスタに教えた。

こうして技術を学んだり教えたりして…二年が経った。



325 : Vacxly :2013/07/15(月) 09:27:47 57903a6s



849年

立体機動の訓練後

1位 ミカサ・アッカーマン

2位 ジャン・キルシュタイン

3位エレン・イェーガー

4位 クリスタ・レンズ

5位ライナー・ブラウン

6位 ベルトルト・フーバー

7位 アニ・レオンハート

8位 コニー・スプリンガー

9位 マルコ・ボッド

10位 サシャ・ブラウス


326 : Vacxly :2013/07/15(月) 09:37:26 57903a6s
対人格闘訓練

ジャン「おらぁ!」バシッ

アニ「…」

ジャン「くっ!」

アニ「まだまだ駄目。2年前よりはマシになったけど」

アニ「エレンのほうが出来てる」

ジャン「…そうかよ!」

ジャン(あいつに勝つまでは絶対諦めねぇ!)


327 : Vacxly :2013/07/15(月) 09:44:32 57903a6s
エレン「ユミル。今日は義姉さんと組んでいいか?」

ユミル「そうか。今日はあいつの日か」

訓練をしているジャンとアニを見ながら言う。

ユミル「分かった。私は別のやつと組むから宜しく頼んだよ」

エレン「あぁ」

エレン「義姉さん。今日も宜しく頼んだ」

クリスタ「うん、こちらも。それにエレンと訓練出来るから嬉しい」


329 : Vacxly :2013/07/15(月) 09:58:42 57903a6s
エレン(あれから2年が経って変わった)

エレン(ジャンとアニの協力のお陰で立体機動装置の扱いと対人格闘は良くなった)

エレン(そして義姉さん自身も最初は良くなかった成績も上がるようになった)

エレン(アルミンも食事以外はミカサと接するようになったし良かった)

エレン(…ジャンとはまだ仲直りしてないが時間が解決するだろ)


330 : Vacxly :2013/07/15(月) 10:08:49 57903a6s
アルミン「エレン、今日も一緒に食べていい?」

エレン「ああ、いいぞ」

エレン(食事をするときもアルミンと一緒なのは日常的になったが…ミカサに睨みつけられてる気がして仕方ないな)

クリスタ「エレン。今日も一緒に訓練してくれてありがとね」

エレン「当たり前のことをしてるだけだよ。義姉さんが昔してくれたようにね」



332 : Vacxly :2013/07/15(月) 10:19:14 57903a6s
ユミル「しかしあんたも変わったな。2年前にあの間抜けな顔をしたやつとは思えん」

エレン「2年も経てば変わるもんだ。それに義姉さんを守るやつが貧弱なやつだと駄目だろ」

ユミル「それもそうだな。まあ、クリスタを守るのは私も同じだけどな」

クリスタ「…もう!私も二人に守られてばっかじゃないよ!」

エレン「分かってるよ。義姉さん自身もただ守られるばかりの人じゃないことは」

エレン「そういえばアルミン明日の座学の試験の勉強付き合ってくれないか?」


333 : Vacxly :2013/07/15(月) 10:24:28 57903a6s
アルミン「いいよ。僕もエレンに鍛えさせてもらってるしね」

エレン「助かる。アルミン座学で一番優秀だし教え方も分かりやすいからな」

アルミン「そんな褒めなくていいよ」

エレン「いや。褒めさせてもらう。実際お前のお陰で義姉さんとユミルもお世話になってるからな」

アルミン「…ありがとう」


334 : Vacxly :2013/07/15(月) 10:36:58 57903a6s
エレン「ごちそうさま。あと、義姉さん。明日の座学の試験が終わった次の日の休暇二人だけで出かけないか?」

クリスタ「え?嬉しいけどどうして二人だけなの?」

ユミル「そうだな。どうせなら私も一緒に行きたい」

エレン「すまない。「その日」は重大な日なんだ。」

クリスタ「…エレンがそう言うなら」

ユミル「…そうか。次行くときは私とアルミンも誘ってくれよ」

エレン「悪かったな。お休み」

夕食を食べ終えた俺はアルミンと一緒に食堂を出た。


336 : Vacxly :2013/07/15(月) 10:41:32 57903a6s
アルミン「ねえ、エレン」

エレン「どうした?」

アルミン「どうして明後日が重大な日なの?」

エレン(アルミンなら言ってもいいか)

エレン「…義姉さんには言うなよ。明後日はな」

エレン「俺と義姉さんが出会った日なんだ」


337 : Vacxly :2013/07/15(月) 10:45:52 57903a6s
エレン「だから訓練バカな俺でもその日は羽目を外して祝いたくてな」

エレン「それに義姉さんも厳しい訓練を耐えてる」

エレン「その日だけは楽にしてほしいんだよ」

アルミン「…そっか。エレンもそういう一面あるんだね」

エレン「おいおい。俺は義姉さんを守るために休日にも関わらず特訓ばかりするがそういうことも考えるんだぞ」



341 : Vacxly :2013/07/15(月) 10:57:38 57903a6s
エレン「そういえばミカサとはどうなんだ?」

アルミン「え?」

エレン「いや、急に接し始めてたから気になってな」

アルミン「…まあ、昔の時みたいに普通に話せるようになったよ。ジャンとはまだだけど」

エレン「そうか(思っていたより酷くなくて良かった)」

エレン「話変えて悪かったな。明日の試験に合格出来るように頑張ろうぜ!」

アルミン「うん!」

ーーー




343 : Vacxly :2013/07/15(月) 11:04:45 57903a6s
アルミン「で…」

アルミン「どうして僕もついてかなければいけないの?」

ユミル「しょうがないだろ。エレンが私のクリスタと二人だけで休日を過ごそうとするから気になって仕方ないんだよ!」

アルミン「いや、流石につけるのはまずいんじゃないかな?」

ユミル「大丈夫だって。妨害したりとかはしないから」

アルミン「まあ…それならいいか」


369 : Vacxly :2013/07/16(火) 00:58:45 xIBivCVQ
AM10:00

エレン「義姉さん!待たせて
ごめん!」

クリスタ「ううん。全然待ってないから気にしないでいいよ」

クリスタ「それよりこの服どうかな?似合ってる?」

エレン「…似合ってるよ!」

クリスタ「ありがとう。エレンもその服似合ってるよ」ニコ

エレン「…そうかな///昨晩どの服にするか迷ってて」


370 : Vacxly :2013/07/16(火) 01:08:47 xIBivCVQ
クリスタ「ふふ。エレンもそういう可愛いところあるんだね」

エレン「と、とりあえずまずは服を見に行こう」

クリスタ「うん!」ニコ

ーーー

アルミン「エレンてクリスタの前だと態度が全然違うね(クリスタの服装凄く可愛い。天使だ)」

ユミル「そうだな。義姉だから自然にそうなるんだろ(流石私のクリスタだ)」

アルミン(しかし何か貴族が着てそうな服だな)

ーーー


371 : Vacxly :2013/07/16(火) 01:22:12 xIBivCVQ
トロスト区 洋服店

クリスタ「エレン。このワンピース似合ってるかな?」

エレン「すごく似合ってる。可愛いよ義姉さん」

クリスタ「ありがと」ニコ

エレン(ライナー達が義姉さんを天使とか女神とか言う理由が分かった気がする)

エレン(確かにあの白いワンピースを着た義姉さんを見ると天使に見えてしまった)


372 : Vacxly :2013/07/16(火) 01:28:30 xIBivCVQ
エレン「ワンピース以外で他に欲しい服はあるか?」

クリスタ「でもエレンに買ってもらうのは悪いよ」

エレン「気にしないでくれ。この日のためにお金は貯めてきたから」

エレン(訓練兵の給金と訓練所に来る前に持ってきたお金があるから大丈夫だ)

クリスタ「…じゃあ他には」


373 : Vacxly :2013/07/16(火) 01:37:06 xIBivCVQ
ーーー

店員「ありがとうございました」

エレン(思っていたより結構買ったな)

クリスタ「服買ってくれてありがとね。エレン」

エレン「こちらもだよ、義姉さん。わざわざ俺の服も見てくれてありがとな」

クリスタ「いいよ。それにエレン昔から服の選びかたよくなかったからね」

エレン「ははっ。それもそうだな」


374 : Vacxly :2013/07/16(火) 01:45:18 xIBivCVQ
エレン「次は露店に行くか?義姉さん」

クリスタ「…ねえ、エレン」

エレン「どうした?」

クリスタ「あのね折角二人きりだから私のこと名前で呼んでくれない?」

エレン「…駄目だ。ここは外だから義姉さんの名前を呼ぶことは出来ない」

クリスタ「…それならせめて「クリスタ」でお願い」

エレン「…分かった。今は義姉さんのことを「クリスタ」と言うな」

クリスタ「うん。それじゃあ行こ!」

エレン「あぁ」ニッ


375 : Vacxly :2013/07/16(火) 02:04:00 xIBivCVQ
エレン「あのさクリスタ義姉さん」

クリスタ「なに?」

エレン「実はさ露店でクリスタ義姉さんの好物を見つけたんだ」

クリスタ「えっ…!?でもあれは高いよ」

エレン「大丈夫だって。今は食べれないけど一緒に生活してた時は食べてたじゃないか」

エレン「今日は思いっきり甘えてくれ」


377 : Vacxly :2013/07/16(火) 02:11:07 xIBivCVQ

クリスタ「…エレンがそう言うなら頂こうかな」ニコ

ーーー

公園

エレン・クリスタ「「いただきます」」パク

エレン(美味い)

甘酸っぱい味が舌に伝わる。

エレン「クリスタ義姉さん。久しぶりに食べる「苺」は美味しいか?」

クリスタ「うん!美味しいよ!」

エレン「そうか。喜んでくれて嬉しいよ」


378 : Vacxly :2013/07/16(火) 02:21:00 xIBivCVQ
クリスタ「でもよく見つけたね」

エレン「あぁ、たまたま見つけてな」

エレン(本当はサシャから聞いたからなんだけどな)

エレン「でもそんな買えなくてごめん」

クリスタ「そんなことないよ。私のために買ってくれてありがとう」ニコ

エレン「…それは良かった///」

エレン「!?クリスタ義姉さん、悪いがすぐに移動出来るか?」

クリスタ「え?どうして?」

エレン「いいから早く!」

俺は義姉さんの手を握って公園から駆け出した。


379 : Vacxly :2013/07/16(火) 02:25:57 xIBivCVQ
ーーー

ユミル「何だ!?急に走りだしやがった!」

アルミン「どうしたんだろ?急に走り出して」

ユミル「そんなこと言ってる場合か!行くぞ!」ガシ

アルミン「えっ?ちょ!?」

ーーー


381 : Vacxly :2013/07/16(火) 02:45:26 xIBivCVQ
レストラン

エレン「着いた」ハア ハア

クリスタ「どうしたの?急に走り出して」ハア ハア

エレン「急に走り出してごめん。前から行くレストランの予約時間に遅れそうだったから」

クリスタ「予約って…ここの店凄く高そうなところだよ!?」

エレン「気にしないでくれ。さあ、入ろう」

クリスタ(どうしてここまでしてくれるんだろう)

ーーー

ユミル「見逃すところだった」

アルミン「いきなり手を掴んで走り出さないでよ」ハア ハア

ユミル「あの店に入って行ったか」

アルミン「ねえ、聞いてる?」

ユミル「私たちも行くぞ」ガシッ

アルミン「人の話聞いてよ!」

ーーー


382 : Vacxly :2013/07/16(火) 03:00:56 xIBivCVQ
店員「いらっしゃいませ。何名様でしょうか?」

エレン「予約したエレン・イェーガーです」

店員「イェーガー様ですね。こちらへどうぞ」

エレン「クリスタ義姉さん、行くよ」

クリスタ(さっきからずっと手を握られていて恥ずかしい)

エレン「クリスタ義姉さん」

クリスタ(まるで…カップルみたい)

クリスタ(なに思ってるの私!?エレンと私は姉弟だよ!?)

エレン「クリスタ義姉さん!」

クリスタ「ハッ」

エレン「どうしたの?呼んでも反応しないから心配したよ」

クリスタ「い、いや何でもないよ」

エレン「そうか。行こう」

クリスタ「う、うん」



385 : Vacxly :2013/07/16(火) 03:13:15 xIBivCVQ
ーーー

ユミル「あの席に座ったか」

アルミン「ねえ、ユミル。ここいかにも高級料理店という感じがするけど大丈夫なの?」

ユミル「心配するな。持ち金は全部持って来てる」

アルミン「そ、そっか(持って来てるお金全部使いそう)」

ーーー


386 : Vacxly :2013/07/16(火) 03:32:16 xIBivCVQ
エレン「今日は楽しかった?クリスタ義姉さん」

俺は運ばれて来たワインを義姉さんと乾杯しながら言う。

クリスタ「うん、楽しかったよ。でもどうしてこういう料理店に連れて行ってくれたの?」

エレン「…義姉さん。今日はどんな日か分かる?」

クリスタ「…どんな日?」

クリスタ(今日は何かあったかな?誕生日でもないし…)

ーーー

エレン『明後日は重大な日なんだ』

ーーー


387 : Vacxly :2013/07/16(火) 03:38:55 xIBivCVQ
クリスタ(重大な日…私と二人きり…)

クリスタ(まさか…)

クリスタ「私とエレンが初めて出会った日…?」

エレン「…そうだ。大切な日だから祝いたくて準備をしてきた」

エレン「そしてクリスタ義姉さんも日頃から訓練を頑張ってるから今日は羽目を外して過ごしてほしかったんだ」

俺はポケットから小さい箱を取り出す。


388 : Vacxly :2013/07/16(火) 03:45:03 xIBivCVQ
エレン「これさ大した物じゃないけど俺からのプレゼント」パカ

クリスタ「指輪…?」

エレン「あぁ、露店で売ってた物だ。これはな」

エレン「ペアリングというんだ」

エレン「本当はもっと高い物を買おうと思ったけど…クリスタ義姉さん?」



390 : Vacxly :2013/07/16(火) 03:59:01 xIBivCVQ
クリスタ「エレン…」ポロポロ

エレン「!?…どうして泣いてるんだ?」オロオロ

クリスタ「違うの。これは嬉し泣き。」ポロポロ

エレン「嬉し泣き?」

クリスタ「うん、嬉しいの。私のためにここまで準備してくれて」

クリスタ「それなのに私は何も準備してないし覚えてなかった」

クリスタ「ごめんね…」

エレン「…そんなことない。義姉さんはちゃんと覚えてたじゃないか」

エレン「それに俺は泣かすために準備したんじゃない。クリスタ義姉さんに喜んでほしいからやったんだ」


391 : Vacxly :2013/07/16(火) 04:13:05 xIBivCVQ
エレン「手、出してもらっていいか?」

クリスタ「うん」

俺は差し出された義姉さんの手の薬指にはめた。そして自分の薬指にも。

エレン「我儘を言うかもしれないがその指輪は訓練以外ははめていてくれ。俺とクリスタ義姉さんの出会って一緒にいるという…約束の証だから」

クリスタ「…」ガタ

エレン「クリスタ義姉さん?」


392 : Vacxly :2013/07/16(火) 04:22:10 xIBivCVQ
クリスタ義姉さんは席を立ったかと思ったら俺に抱きしめてきた。

エレン「クリスタ義姉さん!どうし…んっ」

俺は喋ろうと口を動かそうとした瞬間義姉さんの口で塞がれた。

ワインを飲んでいたからなのか義姉さんからワインの味がした。

エレン(これって…キス?)


393 : Vacxly :2013/07/16(火) 04:33:55 xIBivCVQ
クリスタ「えへへ…ごめんね、エレン。汚い私からはこんなことしか出来ないの」

クリスタ「それに約束も裏切るかもしれない」

エレン「…そうか。まだ気にしてるんだな」

エレン「クリスタ義姉さんは裏切るかもしれないがそんなの関係ない」

エレン「俺は裏切らない。俺はクリスタ義姉さんが死にやすい調査兵団に所属しようと共に所属する」

エレン「クリスタ義姉さんが死ぬ時は俺も一緒になって死ぬ」

エレン「それがあの時した約束だと思ってるからだ」

エレン「交わした約束は忘れない。絶対にな」



395 : Vacxly :2013/07/16(火) 04:42:25 xIBivCVQ
クリスタ「エレン…」

エレン「そろそろ料理も食べ終えたし帰ろう。門限の時間もあるからな」

クリスタ「…うん」

エレン「あと、キスしてくれてありがとう。嬉しかった」

クリスタ「…あのね、エレン」

エレン「どうした?」

クリスタ「寮まで一緒に手を繋いで帰ってもいい?」

エレン「…もちろんだ」


396 : Vacxly :2013/07/16(火) 04:56:51 xIBivCVQ
クリスタ(私はエレンの義姉なのに何やってんだろう)

私はエレンの手を繋いで帰った。着くまで手を繋いだ血が繋がっていない義弟の手は暖かく感じた。

エレン「そろそろ別れないとな」

男子寮に着いた時私とエレンの手は離れようとした。


397 : Vacxly :2013/07/16(火) 04:58:00 xIBivCVQ
クリスタ「待って!」

エレン「どうした?クリスタ義姉さん」

クリスタ「…私からも我儘言ってもいい?」

エレン「いいよ。クリスタ義姉さんの頼みなら何でも聞くぞ」

クリスタ「今日一晩だけエレンと一緒に寝ていい?」

エレン「…あぁ、いいよ。俺はクリスタ義姉さんの義弟だから」

クリスタ「ありがとう」ニコ

エレン(周りにバレるが…一日だけなら…)


398 : Vacxly :2013/07/16(火) 05:09:19 xIBivCVQ
深夜 男子寮 寝室*

俺は周りが寝静まった時に義姉さんを迎えて自分のベッドに寝かせた。

クリスタ「えへへ、エレンと一緒に寝るの久しぶりだね」

エレン「そうだな。相当久しぶりだ」

クリスタ「暖かいよ、エレン」ギュッ

エレン「俺も暖かいよ、クリスタ義姉さん」ギュッ

クリスタ「お休み、エレン」

エレン「お休み、クリスタ義姉さん」

久しぶりにクリスタ義姉さんの暖かさを感じながら寝た。小さい時クリスタ義姉さんに泣いて慰められたことを思い出しながら。

ライナー(大丈夫だ。俺とクリスタは相思相愛だ。だから…)

ベルトルト(あきらめなよ)

深夜寝静まった中で見た者もいた。



406 : Vacxly :2013/07/16(火) 10:25:43 l3hGdDdE
ーーー

アルミン(ここの料理美味しいな。牛肉なんて食べたの久しぶり)

ユミル「…」

アルミン「ユミル…覗きたい気持ちは分かるけど折角高級なレストランで食べてるんだから食べる方にも意識向けよう」

ユミル「…あぁ、そうだな」

アルミン(食べながら見てる)

アルミン(僕も覗いてみるか)


407 : Vacxly :2013/07/16(火) 10:38:31 l3hGdDdE
アルミン(それにしてもエレンは姉思いだな。前々から祝う準備してたなんて)

ユミル「…」

アルミン(…指輪だって!?しかもペアリング。やってることが恋人みたいなことじゃないか!)

アルミン(あ、クリスタが泣き出した。失礼かもしれないけど泣いてる姿も可愛い。天使だ)

アルミン(エレンが天使の手を掴んで指にはめ始めた。やってることがまるで彼氏みたいだよ)


408 : Vacxly :2013/07/16(火) 10:46:55 l3hGdDdE
アルミン(ん?どうしたんだろう?急に席を立って)

アルミン(え!?ここレストランだよ!?周りは特に見てないけど抱きしめてどうしたの!?)

アルミン(…天使からエレンにキスをした!)

ユミル「…」ピクピク

アルミン(ユミルどうしたんだろう…?それにしてもクリスタが汚い子?約束?)

アルミン(…二人とも何か重い過去を背負ってるんだね)


409 : Vacxly :2013/07/16(火) 10:51:44 l3hGdDdE
アルミン(二人とも重い過去を背負っていても前に進もうとしてるのに…僕は何やってるんだろう)

ユミル「…」

アルミン「ユミル!」

ユミル「…あぁ。どうした、アルミン?」

アルミン「それはこちらの台詞だよ。どうしたの?何か考え事?」


410 : Vacxly :2013/07/16(火) 10:58:26 l3hGdDdE
ユミル「ちょっとな…」

アルミン(正直クリスタがエレンにキスをした時点で飛び出すかと思った)

アルミン「クリスタ達も店を出たから帰ろうか。門限もあるしね」

ユミル「そうだな」

アルミン(なぜだろう。クリスタがエレンにキスしたときは表情が変わったように見えたけどそれ以外は真剣に聞いてるように見えた)

ーーー


411 : Vacxly :2013/07/16(火) 11:14:24 l3hGdDdE
早朝*

エレン「ん…」

俺は誰も起きてないであろう時間に起きた。

クリスタ「…」

エレン「…よし」

俺は寝息をたてている義姉さんを起こさないようにして周りが起きていないかを確認した。

エレン「誰も起きてないな」

俺は確認をとると寝ている義姉さんを起こさないようにしておんぶして寝室を出た。


412 : Vacxly :2013/07/16(火) 11:22:07 l3hGdDdE
女子寮 玄関

エレン「おはよう、ユミル」

ユミル「あぁ、おはよう」

エレン「わざわざ悪かったな。関係ないことに巻き込んで」

ユミル「別にいい。クリスタの頼みだから気にしてない」

エレン「そうか。とりあえず義姉さんを頼む」

俺はおんぶをしていた義姉さんをユミルに抱えさせた。


413 : Vacxly :2013/07/16(火) 11:27:54 l3hGdDdE
エレン「今日が雪山の訓練じゃなかったらこのまま寝かせたかったな」

ユミル「そういうわけにはいかないだろ。それにあんなむさいやつらがいる部屋に私のクリスタを寝かせるのは危ないだろ」

エレン「まぁ、それもそうだな。悪いけどあとは任せた」

ユミル「あぁ、任せとけ」

俺はそう言い雪山の訓練の準備をするためにこの場を去った。


414 : Vacxly :2013/07/16(火) 11:30:51 l3hGdDdE
ユミル「…」チラッ

クリスタ「…」スー スー

ユミル「…私も準備するか」

ーーー

キース「これより雪山訓練を始める!!」

キース「各班に別れてスタート地点に行け!!以上だ!!」

訓練兵一同「はっ!」


415 : Vacxly :2013/07/16(火) 11:34:34 l3hGdDdE
1班
ライナー、ベルトルト、アニ

2班
ミカサ、アルミン、ジャン

3班
コニー、サシャ、マルコ

4班
エレン、クリスタ、ユミル、ダズ



419 : 以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/16(火) 13:21:03 l3hGdDdE


エレン(義姉さんと同じ班なのは分かるが…ダズか。班のメンバーでは初めてだな)

エレン(それにしてもアルミンがジャン達と同じ班か。ミカサは大丈夫だがジャンだと心配だな)

エレン「義姉さん、準備は大丈夫か?」

支給されたコート、ライト、食料が入った鞄を見ながら言う。

クリスタ「うん、大丈夫だよ。エレンは?」

エレン「あぁ、大丈夫だ」

アルミン「ジャン、ミカサ。今日はよろしく」

ミカサ「よろしく、アルミン」

ジャン「……」

ミカサ「ジャン!」

ジャン「…あぁ、よろしくな」

アルミン「……っ」


420 : Vacxly :2013/07/16(火) 13:33:02 l3hGdDdE
ーーー

訓練開始から7時間後

ジャン「ちっ。ついてねえな」

下山しようとしたところで吹雪が起きた。

ジャン「これじゃあ下山出来るかすら怪しいじゃねぇか」

ジャン「最悪凍え死ぬかもしれねぇ」

ミカサ「起きたことに言ってもしょうがない」

ジャン「…誰のせいでこうなったと思ってんだよ!そこにいる役立たずが遅いからこうなったんだろ!」

アルミン「…ごめん」

ジャン「ごめんで済むか!」

ジャン「折角成績が上がって上位に入って憲兵団になれるのにこんな所で凍え死ねだ?」

ジャン「ふざけんじゃねぇ!」


421 : Vacxly :2013/07/16(火) 13:40:19 l3hGdDdE
ミカサ「ジャン!」パシッ

ジャン「っ!」

ミカサ「今ジャンは焦っていて頭に血がのぼってる。ので冷静になるべき」

ミカサ「それにアルミンの悪口はジャンでも許せない。貴方がアルミンと接点ない間エレンがアルミンを鍛えてた」

ミカサ「アルミンは体力がないという欠点を直そうと努力している。それをジャンが責める理由はない」

ジャン「…悪かったよ」


422 : Vacxly :2013/07/16(火) 13:49:36 l3hGdDdE
ジャン「おい」

ジャンは萎縮しているアルミンに声をかける。

アルミン「うっ…あっ…」

ジャン「…当たって悪かったな」

ジャン「行くぞ。ライナーとか別の班のやつはもう下山しているはずだ」

ーーー



424 : Vacxly :2013/07/16(火) 14:05:39 l3hGdDdE
エレン(まさか吹雪が起こるとはな)

エレン(最悪だ)

エレン(これじゃあ下山出来るか分からない状況だ)

エレン(何よりも最悪なのは…)

エレンは体力が限界で倒れそうなダズを見る。

ダズ「ハア、ハア」

エレン(今にもダズが倒れそうな状況だ。このまま置いていくという考え方もあるが…駄目だ)

エレン(そんなのクズがやることだ)




426 : Vacxly :2013/07/16(火) 14:15:42 l3hGdDdE
エレン「義姉さん」

クリスタ「なに?エレン」

エレン「ダズは俺が背負う。だから俺にやらせてくれ」

クリスタ「駄目だよ、エレン。ダズは私が…」

エレン「ダズを背負うのはどう考えても俺が適任だ。義姉さんの身長では遅くなるだけだ」

クリスタ「それでも駄目」

クリスタ「いつも私がエレンのお世話になってる。だから…」

エレン「義姉さん」

エレン「今は私情を優先してる場合じゃない」

クリスタ「それなら交代でやらせて」

エレン「…分かった。だが、とりあえず今は俺にやらせてくれ」



429 : Vacxly :2013/07/16(火) 14:22:39 l3hGdDdE
エレン「ダズ、まだ動けるか?」

ダズ「ハア、ハア。もう駄目だ」

エレン「頑張れ。下山出来るまで俺が背負うから」

ダズ「すまない…エレン」

ーーー

更に2時間が経過した。


430 : Vacxly :2013/07/16(火) 14:31:40 l3hGdDdE
吹雪は止むことなく強まっていった。

ジャン(くそ。止まないで強くなっていくだけじゃねぇか)

ジャン(しかも気のせいだと思いたいが眠くなってきやがった)

ジャン(…冗談じゃねぇ)

ジャン(ミカサは平気だがアルミンは…あいつもちゃんとついてきてるのか)

ジャン(本当に努力してたんだな)


433 : Vacxly :2013/07/16(火) 14:44:48 l3hGdDdE
ジャン「ミカサ」

ミカサ「どうしたの、ジャン?」

ジャン「一回休憩しないか?」

ミカサ「…こんな時に何言ってるの?」

ジャン「いや、このまま行っても体力がなくなって凍え死ぬから一回休んで体力整えてから行かないか?」

ジャン「アルミンのことも考えてな」


434 : Vacxly :2013/07/16(火) 15:00:29 l3hGdDdE
アルミン「え…?」

ジャン「勘違いするな。ギリギリついて行けてるやつがこのまま行っても倒れて足でまといになるだけだからだ」

ジャン「お前に対して優しいからじゃない」

アルミン「…駄目だ!僕はエレンと鍛えて体力は上がった!決してジャンの足でまといにはならない!」

ジャン「…そうかよ。勝手に倒れても知らねぇからな」


435 : Vacxly :2013/07/16(火) 15:15:55 l3hGdDdE
ーーー

エレン「義姉さん。もう交代だ」

クリスタ「もう少しだけやる」ズズズ

エレン「それさっきも言ってた」

結局倒れたダズはクリスタの雪車により運ばれていた。

ユミル「…クリスタ」

ユミル「もう諦めろ」

下山している時に無言だったユミルが話始めた。


436 : Vacxly :2013/07/16(火) 15:21:11 l3hGdDdE
エレン「なに言ってんだ。ユミル」
*
エレン「ダズを置いてけということか?」

ユミル「あんたは今黙ってろ」

ユミル「ダズはもう既に虫の息だ」

ユミル「自分の体調も把握できねぇ奴が評価欲しさに受けちゃいけねぇ訓練を受けちまった」

ユミル「こいつの実力はここまでだったんだよ」


437 : Vacxly :2013/07/16(火) 15:27:06 l3hGdDdE
エレン「…」

クリスタ「…」

ユミル「このまま毛虫並みの速度でふもとまで歩いてたらこいつはもちろん助からねぇし私達もヤバイ」

ユミル「朝まで保たねぇ。とすると選択肢は2つだ」

ユミル「ダズを置いて私達は生き残るか4人とも死ぬか…どっちにする?」


438 : Vacxly :2013/07/16(火) 15:38:07 l3hGdDdE
クリスタ「……3つ目にする」

クリスタ「ユミルの見立ては間違っていて私はこのままふもとの施設に辿り着きダズも助かる」

クリスタ「もちろんユミルは先に行ってて助かる…これでいいでしょ?」

エレン「…そういうことだ。俺と義姉さんだけでダズを助ける」

エレン「助ける気がないなら先に行っていてくれ。そうすればユミルには迷惑が掛からないはずだ」*
*
エレン「それに俺は義姉さんを置いていけない。義姉さんの意思は俺の意思だ」


439 : Vacxly :2013/07/16(火) 15:48:17 l3hGdDdE
そう良いエレンはクリスタと一緒にダズを乗せた雪車を引っ張り始めた。

エレン「義姉さん、手伝う。交代なんてもう無しだ」

クリスタ「ありがとう、エレン」

ユミル「…」

エレン「…いつまでそこに居るんだ」

ユミル「んん?」

クリスタ「早く行かないと危ないでしょ…早く…先に行ってよ」

ユミル「…なぁ?」


440 : Vacxly :2013/07/16(火) 16:10:35 l3hGdDdE
ユミル「エレンはダズを助ける気が伝わるがクリスタは助ける気あるのか?」

クリスタ「…」

ユミル「さっきお前危ないって言ったが…このままじゃ自分も死ぬって自覚があるんだよな」

ユミル「お前このまま死ー」

エレン「好い加減にしろ」

エレン「これ以上義姉さんのことを言うならユミルでも許せない」


441 : Vacxly :2013/07/16(火) 16:27:45 l3hGdDdE
ユミル「…お前らだろ」

ユミル「家から追い出された妾の子と養子ってのは…」

エレン「…何でそれを知ってやがる!?」

ユミル「そうか…やっぱりお前らだったか」

ユミル「たまたま耳にしただけだ…。内地のとある教会で生活のために金品を借りて回ってた時にな」

ユミル「物騒な話だな。偉いとこの跡取りの位置にお前がいて血は直系だが不貞の子に不相応だからもめた挙げ句」

ユミル「いっそ殺しちまえば全て解決すると話は転んだが…」

ユミル「せめて名を偽って慎ましく生きるなら見逃してやろうと訓練兵に追いやられた少女と」

ユミル「少女を庇って代わりの跡取りの位置を自ら蹴って少女と一緒に訓練兵に追いやられた少年がいるって…」

エレン「…」

クリスタ「…」



445 : Vacxly :2013/07/16(火) 17:47:14 uSGacGPI


ユミル「安心しろ…誰にも話してないしこの情報を売ったりしない」

エレン「…なにが目的だ?義姉さんを探すためだけに訓練兵までわざわざ来たのか?」

ユミル「目的なぁ…さぁ?私とクリスタが似てたからかもな」

クリスタ「え…?私とユミルの…生い立ちが?」

ユミル「まぁ…大体な…」

エレン「それだけの理由で兵士になろうとしてるのか?」


446 : Vacxly :2013/07/16(火) 18:12:18 uSGacGPI
ユミル「さぁ…よく分からん。イヤ違うな」

クリスタ「私と…友達になりたかったの?」

ユミル「は?違うね」

ユミル「それはない」

ユミル「まずなお前と私は対等じゃないんだよ!」

ユミル「偶然にも第2の人生を得ることが私は生まれ変わった!」

ユミル「だがその際に元の名前を偽ったりはしてない!ユミルとして生まれたことを否定したら負けなんだよ!」

ユミル「私はこの名前のままでイカした人生を送ってやる。それが私の人生の復讐なんだよ!!」

ユミル「生まれもった運命なんてねぇんだと立証してやる!!」


447 : Vacxly :2013/07/16(火) 18:26:38 uSGacGPI
ユミル「それに比べてお前は何だ!?」

ユミル「自殺して完全に屈服してまで…お前を邪魔者扱いした奴らを喜ばせたかったのか!?」

ユミル「何でその殺意が自分に向くんだよ!?その気合がありゃ自分の運命だって変えられるんじゃねぇのか!?」

クリスタ「…で…出来ないよ。今だって…ここから4人共助かる方法なんて無いでしょ!?」

ユミル「ある」

エレン・クリスタ「「…え?」」


448 : Vacxly :2013/07/16(火) 18:27:23 uSGacGPI
ユミル「この崖の下に明かりが見えるだろ。そこの下に丁度基地が見える」

ユミル「ここからダズを下に落とす」

クリスタ「え?」

エレン「落とす…だと…?」

ユミル「…運良く無事に落ちた先に運良く人がいて気付けば…まぁ…もしかしたら助かるかもな」

ユミル「こいつにゃもうそれしかねぇよ。奇跡でも望まねぇ限りこのままここで凍ったミノムシになるだけだ…」

エレン「ふざけるなよ…それじゃあ落ちて死ぬだけじゃねぇか!!」

ユミル「うるせぇ!」バッ*

エレン「がッ」ゴロゴロ

クリスタ「エレン!」

ユミル「お前もだ!」

クリスタ「うッ」ゴロゴロ


449 : Vacxly :2013/07/16(火) 18:33:12 uSGacGPI
ユミル「私がやっとくから先行っとけ」

エレン「ふざけやがって…」

クリスタ「そんな…」

エレン・クリスタ「「待ちやがれ!(待って!)」」

エレン・クリスタ「「!?」」

クリスタ「二人共…いない…」

エレン「どこにいったんだ…?」

ーーー


450 : Vacxly :2013/07/16(火) 18:41:13 uSGacGPI
ーーー

エレン・クリスタ「ハア、ハア」」

エレン・クリスタ「「ユミル!?」」

ユミル「遅かったな…先に着いちまったよ」

ユミル「本当に…バカやっちまった…」

エレン・クリスタ「「ダズは!?」」

ユミル「無事だ。あと、エレン」

エレン「なんだ?」

ユミル「さっきジャン達と会った。アルミンが途中で体力が尽きて倒れてたから会ってこい」

エレン「なに!?分かった!」

クリスタ「ねえ、ユミル」

基地の近くにある崖を指す。

クリスタ「あの崖から?」


451 : Vacxly :2013/07/16(火) 18:49:02 uSGacGPI
クリスタ「ロープなんか無かったはず…あったとしてもあんな崖…どうやってあそこからダズを降ろしたの?」

ユミル「…」

ユミル「いいぞ…お前になら教えてやっても…」

ユミル「ただし約束だ…私がその秘密明かした時…お前は…」

ーーー

基地

ガチャ!

エレン「アルミン!」

基地内のベッドにアルミンとダズが居た。ダズは寝ているが呼吸していることから問題ないだろう。

エレン「おい!アルミンは大丈夫か!?」

ジャン「うるせえ!そんな大きい声出すな!!」

ミカサ「大丈夫。アルミンはちゃんと生きてる」


452 : Vacxly :2013/07/16(火) 18:56:59 uSGacGPI
エレン「良かった…」

アルミン「…エレン?」

エレン「無理するな!まだ寝てろ!」

アルミン「あのね…エレン…。僕ジャンと…仲直り出来たよ…」

エレン「え…!?」

ジャン「う、うるせえ!俺はもう出てく!」

ガチャ!

ミカサ「エレン。私はジャンを追うからその間二人で話してて」

そう言いミカサはジャンを追いかけ基地を出ていった。


453 : Vacxly :2013/07/16(火) 19:04:41 uSGacGPI
エレン「もう体調は大丈夫なのかよ?」

アルミン「大体は回復したよ」

エレン「そうか。とりあえずジャンと仲直り出来て良かったな」

アルミン「うん。でも僕ジャンに許されるまでは最低なことをしちゃったから」

エレン「最低なこと?」


454 : Vacxly :2013/07/16(火) 19:19:14 uSGacGPI
アルミン「入団初日に話したこと覚えてる?」

エレン「あぁ、シガンシナ陥落のことか」

アルミン「僕ね昔虐められていたんだ。外の世界について興味あったから」

アルミン「だけどジャンが助けてくれて友達になったんだ」

アルミン「それから外の世界についてジャンに教えたら興味をもちだして調査兵団に入ることを言い出したんだ」

エレン(今のあいつからは全然考えられないな)

アルミン「だけど4年前にシガンシナに超大型巨人が現れてそれで壁を壊されて」

アルミン「その瓦礫がジャンの家にぶつかったんだ」


455 : Vacxly :2013/07/16(火) 19:47:55 uSGacGPI
アルミン「僕も一緒になって助けだそうとしたけど無理だったから駐屯兵に助けを求めに行ったんだ」

アルミン「でも結局その兵士は巨人に立ち向かうかと思ったら僕とジャンとミカサを抱えて逃げだしたんだ」

アルミン「そのせいでジャンの母親は巨人に喰われて死んだんだ」

アルミン「それで船で避難をする時に『お前の呼んだ兵士があんな腰抜けじゃなければババアは助かったんだ!』て言われて…

エレン「そうか…」



461 : Vacxly :2013/07/16(火) 20:55:27 uSGacGPI
エレン「よく俺に告白してくれたな」

アルミン「え…?」

エレン「お前はジャンの母親を助けるために自分の力ではどうしようもないから助けを求めに行ったんだろ」

エレン「それで正解だ。逆にアルミン達だけで助けたら巨人に喰われて死んでいた」

エレン「ジャン自身も分かってるはずだ。あいつは昔は正直に自分の感情を吐き出すことしか出来なかったが」

エレン「今は変わった。訓練も真面目にやってるし俺に勝とうと憲兵団を目指すやつにとっては意味ない対人格闘をアニに教わってやってる」

エレン「更にあいつは現状をよく認識するし入団初日より成長してると思う」


462 : Vacxly :2013/07/16(火) 21:06:44 uSGacGPI
アルミン「エレン…」

エレン「まぁ、あいつを褒める内容になったがアルミンは悪くない。今日の雪山訓練よく頑張ったな」

俺はミカサ達が戻るまでアルミンの頭を撫でた。

ーーー

ミカサ「ジャン…」

ジャン「なんだよミカサ」

ミカサ「こんなところに居たのね」

ジャン「どこだっていいだろ」


463 : Vacxly :2013/07/16(火) 21:14:08 uSGacGPI
ミカサ「ようやくアルミンのこと許したのね」

ジャン「…別にいいだろ。普通に考えれば悪くないのに俺がアルミンに鬱憤をぶつけてた情けないやつなだけだ」

ジャン「俺はそんな自分が嫌だから許した。それだけのことだ」

ジャン「だが憲兵団を目指すのは変えないな。俺は巨人が居ない内地に行きたいからな」

ミカサ「…そう」




465 : Vacxly :2013/07/16(火) 21:22:48 uSGacGPI
ジャン「…ミカサ」

ジャン「本当にあいつ成長したんだな」

ーーー

クリスタ「アルミン!」

エレン「義姉さん」

クリスタ「アルミンは大丈夫?」

エレン「あぁ、大丈夫だよ。今気持ちよく寝てる。いい寝顔をしてるだろ」

クリスタ「そうだね。良かった…」


466 : Vacxly :2013/07/16(火) 21:38:00 uSGacGPI
エレン「…義姉さん。ユミルと何かあったりした?」

クリスタ「ううん。何もなかったよ」

エレン「…そうか。俺は今日の出来事で少し不信感を抱いてしまったが…今まで通りに接したいと思う」

エレン「義姉さんを大切に思ってることは本気だったから」


467 : Vacxly :2013/07/16(火) 21:56:42 uSGacGPI
クリスタ「…私もユミルのこと大切な友達だと思ってる」

クリスタ「だからエレンと同じように私も接したい」

ーーー

ユミル『私がその秘密を明かした時…お前は……』

ユミル『元の名前を名乗って生きろ』

ーーー

エレン「…そうか」

エレン「義姉さん。俺は今日アルミンのところに居るけど義姉さんはどうする?」

クリスタ「私も一緒にいる。エレンの友達だけど私も友達だから」

こうして夜は更けていった。

アルミンが目を覚ます頃にはエレンとクリスタとミカサとジャンが一緒に寝てしまっていたのは別の話。

そして1年が経ち解散式を迎えた。


次回 エレン「クリスタ義姉さんは俺が守る」 後編