前回 初春「レベル5です!レベル5ですよ佐天さん!」

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/07(土) 22:35:54.75 ID:9XE0ndCTO




ザワザワ……


生徒A「聞いたかよ、八人目のレベル5……」

生徒B「知ってる知ってる!」

生徒C「でもそれがわかった途端に行方不明になったんだろ?」

生徒D「もしかして誰かに消されたんじゃね?www」

生徒B「レベル5をそう簡単に消せるやつなんかいねえよwww」

生徒A「だよなー」






佐天「…………」

引用元: 初春「レベル5です!レベル5ですよ佐天さん!」佐天「にっ! 




4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/07(土) 22:40:46.95 ID:9XE0ndCTO


佐天「…………(あれから三日、本当に初春のことが広まり始めた)」

佐天「(それも、突然一斉に情報が流れて……)」

佐天「(という事は、誰か、何者かが意図して情報を規制していた……ってことだよね)」

佐天「(行方不明になった情報も流してるって事はつまり、その情報を流していた人物と初春が接触している可能性は否定できない…)」

「(初春……あなたは…)」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/07(土) 22:43:40.65 ID:9XE0ndCTO



佐天「…………(あの夜、私は初春の姿をした何かに出会った)」

佐天「(………怖かった、あの姿はどう見ても初春だし、声も初春なのに、あれは初春じゃなかった)」

佐天「(初春には無い、威圧感みたいな物を、"アレ"は放ってた…と思う)」

佐天「(まるで『いつでもお前を殺せる』って言ってるかのような、そんな威圧感を…)」

佐天「初春……(私の知ってる初春は………やっぱり、もういないんだ)」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/07(土) 22:48:47.42 ID:9XE0ndCTO


佐天「…………さて、そろそろ行かなくちゃ、御坂さんのお見舞いの時間に遅れちゃう」



――――――――

―――




土御門「アレイスター………彼女に何を吹き込んだ?」


アレイスター「…彼女は…垣根帝督を超える…」

土御門「お前……!何を企んでいる」

アレイスター「なに………プランの一環だよ……」

土御門「………………(彼女を使って何をする気だ、アレイスター)」

―――

―――――――

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/07(土) 22:52:30.64 ID:9XE0ndCTO

――――――――――



事件の夜



初春「……………白井さんが悪いんですよ」

初春「私のした事を全て否定しちゃうからです」

初春「当然の罰ですよ」

初春「…………(今日は疲れたな、これからどこに行こう)」




???「こんばんは、初春飾利さん」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/07(土) 22:58:10.74 ID:9XE0ndCTO


初春「? どうして私の名前を知ってるんですか?」

結標「……第一七七支部所属のジャッジメント、公になっている能力はレベル1の定温保存……」

初春「…何者ですか?」

結標「あなたに………ついて来てもらいたいんです」

初春「……もちろん、嫌ですよ?私はもう疲れてるんです」

結標「それは困りました……どうしても来て頂かないと」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/07(土) 23:01:49.77 ID:9XE0ndCTO


初春「…来ないと何ですか?私に手をだすんですか?」

結標「い、いえ、決してそんなつもりは…」

初春「私を脅したんですか?あなたは私に刃向かうんですね?」

結標「待って下さい、落ち着い…………がっ……!?」

初春「全く、私は疲れてるのに、邪魔しないでください」

結標「…………あ……あつ………やめ……」



土御門「その辺でやめておけ、初春飾利」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/07(土) 23:06:01.22 ID:9XE0ndCTO



土御門「いきなりそんな事をするとは、随分と冷たい魂の持ち主だにゃ~」

結標「ガハッ………ハァ………ハァ……(助かった……)」

初春「………、今度は何ですか?」

土御門「おっと、君に危害を加えるような事はしないから安心するにゃ~」

初春「…………あなたは、蒸し焼きにしてあげましょうか!そうしましょう!」


土御門「クッ!……………約束する、君には危害を加えない、ただ俺達についてくるだけでいい」

初春「…なんの目的があって私を連れて行こうと思うんですか?」

土御門「君に話がある人物がいる」

初春「……………」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/07(土) 23:12:54.57 ID:9XE0ndCTO



土御門「そうだ、見せてもらったぞ、さっきの戦い」

初春「え?なんの話ですか?」

土御門「…御坂美琴と白井黒子に攻撃を加えていただろう?その全てを俺は見ていた」

初春「……何を言ってるんです?私は危害を加えたつもりはありませんよ?」キョトン

土御門「何…?」


初春「ただのお仕置きですよ」ニコッ



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/07(土) 23:17:39.84 ID:9XE0ndCTO
土御門「(コイツ……)」

初春「白井さんが悪いんですよ、私は正しいことをしただけのに……だから白井さんには休んで頂こうと思っただけですよ」

初春「それに私のお仕置きの邪魔をした悪い悪い御坂さんを思って、御坂さんにもお仕置きをしただけなんです♪」

土御門「(…!何様のつもりなんだ……)ま、まぁ、ならその"お仕置き"を見させてもらった」

土御門「流石はレベル5…大能力者の白井黒子程度なら、本気を出すまでもなかったか?」

初春「………」

土御門「驚いたのは、同じレベル5である御坂美琴を相手にしても、君は本気をださなかったということだ」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/07(土) 23:21:54.39 ID:9XE0ndCTO


初春「どうして私が本気じゃないなんてわかるんですか?」

土御門「なぁに…こちらの予想より遥かに小さい規模での能力行使をしていたからな」

初春「こちらの予想?私がレベル5だと知ってたのも意外でしたたが…、あなた達は一体…」

土御門「……まあいいぜぃ、ついてくる気になったか?」

初春「…………」

土御門「…………了解と受け止めた、ついてこい、その人物の元に案内する」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/07(土) 23:32:51.52 ID:9XE0ndCTO


初春「……わかりました、少しあなた達にも興味が沸いてきましたし」

土御門「そうか………、結標、立てるか…?

結標「…なんとか…………、では私について来て下さい…(危なかった……彼女は私に能力を発揮する時間の余裕すら与えてはくれないのね……)」


土御門「(これで、初春飾利の記憶、つまり一人称視点からの能力使用時の記憶が手に入った……案内人を殺されるとは思わかったが)」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/07(土) 23:39:54.48 ID:9XE0ndCTO
土御門「(そして俺の記憶、つまり三人称視点からの、彼女が能力を使用した時の記憶も確保)」

土御門「(後は…奇跡的に命が助かる可能性が残っている御坂美琴の、能力を行使された側の記憶が手に入れば)」

土御門「(御坂美琴、外的なダメージなら"妹達"の"協力"でなんとか回復できるはずだな)」

土御門「(それにしても三本柱によるデータの回収か、無茶苦茶だ……心理掌握がいるからこそ可能な方法だな)」

土御門「(しかし…まさか俺が彼女の前に姿を現すことになっちまうとは、想定外だった)」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/07(土) 23:45:05.00 ID:9XE0ndCTO

ヒュンッ





初春「……ここは…?……………!」



アレイスター「……………はじめまして……初春飾利」


初春「…………あなたは誰ですか?(逆さまになって槽に入って……何をしてるんだろ)」

アレイスター「誰であろうと関係ないさ……レベル5になっ気分は?」

初春「その前に聞かせて下さい、なんで私がレベル5になったっていう事を知っているんですか?(検査官からのリーク…とかかな)」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/07(土) 23:55:56.26 ID:9XE0ndCTO

アレイスター「……知っているも何も…君がレベル5になるキッカケを能えたのは…私だよ」

初春「キッカケを…能えた?」

土御門「君の能力、定温保存は"触れている物の温度を一定に保つ能力"なんかじゃなかった、というのを知った日の事を覚えているか?」

土御門「そのとき君はレベル2の精神感応、春上衿衣と接触していたはずだ」

初春「…なぜ春上さんの事まで…」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 00:03:37.44 ID:z9OQcn/TO
土御門「彼女にはちょっとした手伝い、キッカケ作りをしてもらった」

初春「…?」

土御門「…詳しくは教えないが、他人の精神、思考を操ることの出来る能力者ってのが存在するんだにゃ~」

初春「まさか、春上さんを…」

土御門「まぁ、操るという所まではしちゃあいない、むしろ意識を誘導したというほうが近いな」

アレイスター「…彼女が君に…キッカケを能える手伝いをしたはずだ…」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 00:07:19.48 ID:z9OQcn/TO


アレイスター「君は脳内で自分の能力の特性を決めつけていて…それ以上を目指そうとはしていなかった…」

土御門「…まぁそこには学園都市側のミスもあるがな、能力開発の際に君の能力がレベル1の定温保存だと誤認してしまった」

土御門「だから、君がそれ以上の事が出来ることを知る必要があったのさ」

初春「…そうですか、でも少し気になるのは学園都市が能力の判別を謝るなんて事…」

土御門「当然、あるぜよ」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 00:17:20.46 ID:z9OQcn/TO
アレイスター「…今のところこの学園都市内にいる能力者の能力は"一応"把握している…」

アレイスター「が…やはり私達にもわからない能力や…原理不明の力が存在する事もわかっている」

土御門「そういった物の一部は、所謂都市伝説として広まっていたりもするがな」

土御門「能力開発の際に能力の種類を分けていく訳だが、稀にそういった類の能力を持った者も現れる」

土御門「そういった類の物は、新たにカテゴリーを作る事はせず、既存のカテゴリーに無理矢理当て嵌められてしまう事が多い」

土御門「君の場合もそのパターンだ、初春飾利」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 00:26:21.59 ID:z9OQcn/TO
初春「……そうですか、それはわかりました」

初春「でも、なんで私を選んだんですか?他にもたくさん私みたいな境遇の方はいるんですよね?」

アレイスター「…………土御門…すまないが席を外してくれるか……ここからは私と彼女だけでお話しをすることにしよう」

土御門「……わかった、結標、頼む」




ヒュンッ





アレイスター「さぁ……初春飾利……なぜ君なのかをお話ししよう…」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 00:36:18.23 ID:z9OQcn/TO



アレイスター「君は……自分の演算能力の高さに…気づいていたかな…?」

初春「…演算能力…ですか」


アレイスター「君が、君の能力を定温保存だと認識していた頃……その演算能力の高さを発揮することは出来なかっただろう…」

アレイスター「しかし……君がキッカケを能えられてからは……君自身も気がついたのだろう…?」

初春「…」

アレイスター「その演算能力なら……君がレベル5に到達する事くらいは簡単に予測できるのさ……」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 00:54:23.73 ID:z9OQcn/TO



アレイスター「それが君が選ばれた理由だよ初春飾利」

アレイスター「その演算能力を活かせるものを用意してしまえば…後はその要素を君自身のP・Rに組み込んでくれる…」

アレイスター「そして君は………もしかしたらあの一方通行を超えられるかもしれない可能性をも示してくれる……」

初春「……それが理由ですか……私の演算能力の高さに目をつけられたという事はわかりました」

初春「…………でも…、ここに、窓の無いビルに私を招いたのはその話をする為だけじゃないんですよね?」

アレイスター「……その通りだよ…」

 
77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 01:14:56.88 ID:z9OQcn/TO
 

アレイスター「………君に私のプランの一部の……手伝いをしてもらいたいんだ…」

初春「プラン?」

アレイスター「………虚数学区の制御の為のプロセスの一つ……とだけ伝えておこう」

初春「虚数…学区…」

アレイスター「理解できなくていい……」

初春「そのプランに私が協力する理由がありませんよ?」

アレイスター「………君にレベル5になれるキッカケを能えた事………それに、案内人、結標淡希を殺害しようとした事の罪滅ぼしではダメかな…………」

初春「………それとこれとは話は別です」ニコッ

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 01:18:47.79 ID:z9OQcn/TO



アレイスター「……そうか………なら……君を匿う代わりというので…どうかな」

初春「私を匿う?」

アレイスター「君は…何人の人の命を奪った……」

初春「……、悪いことをした人は死んで当然ですよ?」

アレイスター「……罪の無い者の命も…君は奪っている…」

初春「……その為の犠牲なら仕方ないじゃないですか!そうですか、あなたも私のやった事を否定するんですか…!なら、あなたが、あなたの価値観が間違ってると言うことをこの場所で教えてあげますよ」ニヤッ

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 01:29:28.81 ID:z9OQcn/TO

アレイスター「…君の価値観がどうであろうと……そちらの世界では…君は罪人になる事に変わりはない…」

初春「そうでしょうか?それなら、他の皆さんにもわからせてあげるだけの事ですよ」

アレイスター「……なるほど…面白い……」


初春「(液体に浸かってる……これなら……簡単にやれますよ)」

アレイスター「……」
コポ……コポ……


コポコポコポコポ…


コボコボコボコボコボ…

初春「(水槽の中で蒸し焼きになっちゃえばいいんです)」





初春「………あれ…………?…なんで?沸点まで温度を上げたのに……なんで全く苦しまないんですか…!?」

89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 01:33:58.04 ID:z9OQcn/TO
コポコポうるさいのは初春ちゃんが頑張って沸点探ってる音です


初春「………(温度上昇がダメならっ!!)」


アレイスター「………その世界…その次元から私に何をしようと…無駄だよ…」

初春「………なっ!?……………そんな………効かないんですか?…………」


アレイスター「………君は…いずれ追われる身になる…」

アレイスター「数日後には君のレベルと能力を公開する…」

アレイスター「そうなれば…遅かれ早かれ…君が"解決"した事件の怪奇現象の正体だと気づかれるだろう……」

アレイスター「そして……今の君が…追っ手から逃れられるようには思えない…」

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 01:39:57.08 ID:z9OQcn/TO
初春「…………いくらなんでも、それは私を甘く見すぎですよ、アンチスキル程度なら…」

アレイスター「…追っ手は……そういった類だけではない…」

初春「…?」

アレイスター「君はレベル5だ……動員される人間も…自然と強力なものになる…」

アレイスター「…或いは…科学側との戦争を望むものも……君を狙うだろう……」

初春「……(科学側との戦争………どう意味…?)」

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 01:43:15.88 ID:z9OQcn/TO
初春のセリフのミスはご愛嬌でたのんます



アレイスター「…君を匿おう……だから…私のプランに協力して欲しい…」

初春「………」

初春「………(少なくとも今は…そのほうが……)」


初春「………わかりました、協力しましょう」


アレイスター「…そう……か……」

96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 01:51:11.08 ID:z9OQcn/TO


アレイスター「それと……もう一つ…」

初春「……?」

アレイスター「君は…今よりも更に強力になれる…その手伝いを我々がしよう…」

初春「……」

アレイスター「そうなれば…君が理想とする世界……皆が君の価値観に賛同する世界でも…作ればいい…」

初春「……そうですね、それはおもしろそうです!」

















97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 01:58:44.68 ID:z9OQcn/TO
―――

――――――




ガラッ

佐天「失礼しまーす、御坂さん、こんにちは」

美琴「あぁ佐天さん、こんにちは、毎日わざわざごめんなさいね」

佐天「いえそんな…、どうせ今は何をやるわけでも無いですし、お体の調子はどうですか?」

美琴「ん…まぁだいぶ回復したわね、とりあえず早く歩き回れるくらいにはなりたいわ」

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 02:04:10.14 ID:z9OQcn/TO


佐天「…あの日からもう五日経つんですね…」

美琴「………そうね」

佐天「……初春の事は学園都市中に広まってますね」

美琴「しかもその情報の流し方が、新たなレベル5は行方不明…だもんね、そんな情報を流すってことは、そこに注目させたいって意図があるわよね」

佐天「……私が初春に最後にあったのは三日前、それ以降は目撃の情報もありませんし」

美琴「…監視カメラにも映ってないから……まさかとは思うけど、学園都市を抜け出した可能性もあるわよね」

104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 02:12:03.97 ID:z9OQcn/TO
 
佐天「多分監視カメラに映ってないのはそういう事では無いと思います」

美琴「え?」

佐天「思い出して下さい、ジャッジメント時代に初春が何をしていたかを」

美琴「…! なるほどね」

佐天「でも…学園都市を抜け出した可能性は確かにありますよ」

美琴「そうね、でもまぁ、抜け出そうとするなら何かしら痕跡を残すはずだけど、それも無いもんね」

佐天「ですよね…」

美琴「まぁ、上の人間すら見つけてないみたいだし、私達に見つかるわけもないわね」


108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 02:22:45.76 ID:z9OQcn/TO


佐天「………そういえば、今日は上条さんはいらっしゃらないんですか?」

美琴「へ……?な、なぁに言ってんのよ佐天さーん!ああああアイツがどうして私なんかのお見舞いにくる必要があるのよ!」

佐天「いや、でも凄く御坂さんの事を心配してましたよ、上条さん」

美琴「えぇっ!?あ、アイツが……私の事を……?」ポッ

佐天「(御坂さんって、すぐ態度にでちゃう人なんだな)そうですよぉ!、そりゃ重傷患者なんですから」

美琴「そ、そうよね!これで心配かけなかったらほんとに最低よ!最低!」

佐天「じゃ今から来れるか聞いてみますね!」ポチポチ

美琴「……!ちょ、ちょっと待って佐天さん!今からはちょっとダメよ!ダメかもしんない!」

115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 02:30:35.27 ID:z9OQcn/TO
佐天「いいじゃないですかぁ~!………はい、もうメール送っちゃいましたよ」

美琴「あっ……あぁ……どうしようどうしよう…!!」

佐天「あははは……、あっ、返事来ましたよ」

美琴「え!?………別にっ興味は無いけどっ、な、なんだって?」

佐天「……あーぁ、今からは無理なんですって、夕飯の材料を買いに行く途中らしいですよ」

美琴「そ、そう……来ないんだ……」

佐天「……でも買い物終わったら来るみたいですよ!やったですね御坂さん!」

美琴「へっ!?そ、そんな!無理して来なくてもいいのにさっ!何よアイツ中々良い所あるじゃない!あっはははは!」

117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 02:41:07.97 ID:z9OQcn/TO
佐天「あははは、顔赤いです御坂さん!」

美琴「そんなっ!そんな事ないわよっ!私は普段からこんなもんよ!」

佐天「えぇ~?」ニヤニヤ

美琴「なっなによ!」

佐天「あはははは!(…御坂さん、だいぶ元気になったなぁ)」

佐天「(白井さんのこと……少しは気を紛らわせられればいいな)」

佐天「(やっぱり元気なほうが似合うよ御坂さん)」


美琴「……もう…!」

120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 02:55:32.50 ID:z9OQcn/TO
カァー………カァー……



佐天「……それじゃ、カラスも鳴いてるし、私はそろそろ帰りますね」

美琴「っっえぇ!?ちょちょちょちょっと待って!帰っちゃうの!?」

佐天「? はい、そろそろ夕飯の支度しなきゃならないですし」

美琴「(今佐天さんが帰ったら、この後アイツと二人っきりになっちゃう!!)ゆ、夕飯ならそこらで買ってここで食べれば!?」

佐天「ダメですよそんな、それにお金勿体ないですし」

美琴「うぅ…」

124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 03:12:02.59 ID:z9OQcn/TO
佐天「それじゃ!上条さんとちゃんと仲良くやって下さいね?」

美琴「なっ!!どういう意味よ!……………ねぇ佐天さん、帰り一人で大丈夫なの?」

佐天「ま、前みたいな事があるとは思えませんよ!それに!また初春に会ったら、少なくとも学園都市内に初春がいるって事がわかるじゃないですか!」

美琴「そ、そう……ならいいんだけれど」

佐天「……大丈夫ですよ御坂さん!それじゃまた!」ガラガラッ

美琴「……またね!佐天さん!」



佐天「(そう、大丈夫………、私は覚悟を決めたから…)」

125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 03:16:38.11 ID:z9OQcn/TO

―――



上条「ただいまーっと、おーいインデックスー?」

禁書「……………」

上条「……………インデックス…さん?」

禁書「……………とーま……」

上条「は、はい!!」

禁書「……………お腹……空いた………」

上条「お、おう!安心しろインデックス!たった今材料を買ってきたからな!今から飯作ってやるよ」


128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 03:25:55.39 ID:z9OQcn/TO
ガバッ
禁書「とーま!まだかな!まだかなっ!もうお腹が限界なんだよっ!」グギュゥゥ

上条「待ってなさいって、上条さんも急いでるんだから」

禁書「まだかな!まだかなっ!!」

上条「そういえば、最近見ないけどスフィンクスはどこ行ったんだ?」禁書「とーま!喋ってないで早く料理作ってほしいかもっ!!」

上条「わ、わかってるって!」

134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 03:34:18.05 ID:z9OQcn/TO




禁書「うぅ~!ごちそうさまでしたっ!」

上条「でしたっと、じゃあ俺これからまた出かけるから留守番よろしくな」

禁書「へっ?とーまどこに行くのか教えてほしいかも」

上条「ビリビリのお見舞いだよ、さっき佐天さんからメール来てな、なぁにすぐ帰ってくるって!」

禁書「ふーん、わかった」

上条「んじゃ行ってくるわ」

136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 03:44:38.44 ID:z9OQcn/TO


上条「8時か……わりと遅い時間なのに佐天さんはまだ帰ってないのか?」



佐天「あっ」

上条「おっ、よう佐天さん!どうして外にいるんだ?」

佐天「あはは、もう帰り道ですよ、これから夕飯の支度しないといけないし」

137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 03:46:28.33 ID:z9OQcn/TO

上条「そうだよなー、………って!一人で大丈夫なのか!?」

佐天「はい!覚悟を決めてますから!」

上条「か、覚悟!?……よくわからねえけど、よかったら送ってくぞ?」

佐天「大丈夫ですって!それより早く御坂さんのお見舞いに行ってあげて下さい!」

上条「いいのか?……そっか、じゃまたな佐天さん!」

佐天「はい!またいつか!」

140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 03:54:21.10 ID:z9OQcn/TO


上条「いやぁ結局行かせちゃったけど地味に心配だな」

上条「…………ん?つう事は、今ビリビリの病室に行ったらあいつと二人きりなのか…?」

上条「……」

上条「………っ気まずい!ぜっっったい気まずい!誰か、誰か上条さんを救ってくれる友人を呼ぼう!」


上条「…………って、ビリビリと面識のある俺の友人って御坂妹くらいなんだよなー、」


上条「こりゃ一人で行くしかないかー」

142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 04:05:53.01 ID:z9OQcn/TO


美琴「……アイツ遅いなぁ、やっぱり来ないのかな」ガラガラッ
上条「よービリビリー見舞いに来たぞー」

美琴「ひぃぃっ!?い、いきなり入ってくんじゃねぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」バチバチ

上条「お、おい落ち着けビリビリ!!院内でそんなモンぶっ放したら取り返しのつかない事に!!」

美琴「グッ…!!う、うるさいわねっ!」バチッ…

145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 04:16:07.75 ID:z9OQcn/TO




上条「……なぁビリビリ、お前身体の方はかなり回復してんだな」

美琴「な、なんでそんな事アンタにわかんのよ」

上条「いやぁこの前来た時は寝たきりだったのにお前今立ち上がってたじゃん」

美琴「へっ…? あっ……ほんとだ…」

上条「いやぁなんにせよ、よかったな!ビリビリ!けっこう心配してたんだぜー?」

美琴「し、心配って…///、つか、私の名前は御坂美琴だっつうの!!」

148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 04:23:47.41 ID:z9OQcn/TO
ガラガラッ


冥土帰し「おやおや、何をしてるのかな?」

上条「おっ、先生」

美琴「ゲコ太先生、なんだか私歩けるみたいなんですけど…」

冥土帰し「そうみたいだね、順調に回復しているようだね(ゲコ太…?)」

上条「いやーよかったなぁ、とりあえず歩けるなら色々と出来るようになるしなっ!」

美琴「あ、アンタにそんな事で安心される筋合いはないわよ…///」

151: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 04:41:29.84 ID:z9OQcn/TO


冥土帰し「でもまだ本調子じゃないみたいだね、どれ、少しリハビリがてら外に散歩にでもいってみたらどうかな?」

美琴「え?散歩?で、でももう夜遅いし…」

冥土帰し「なぁに、心配ならそこの彼と一緒に行けばいい」

上条「へっ!?……まぁ俺はかまわねえけど、どうする?ビリビリ」

美琴「えぇっ!!???どどどどどうするって……そりゃアンタ……(どうしよう…)」

153: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 04:50:15.45 ID:z9OQcn/TO
夜が明けたか…


上条「まぁそんなヘビーな運動させようって訳じゃないんだから、行ってみようぜ?」

美琴「……で、でも…(夜の道を二人っきりで散歩って……だってそれってつまり……)」

上条「それに今まで寝たきりだろ?身体を動かさねえと太るぞ?」

美琴「うわぁぁぁかったわよ!行きゃあいいんでしょ!!(……デートじゃん…)」

冥土帰し「とはいえ病人なんだ…早めに戻ってくるんだ、いいね?」

上条「わかってますって!んじゃ行こうぜビリビリ!」

美琴「わ、わかってるわよ……」

155: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 04:58:12.72 ID:z9OQcn/TO




上条「………ビリビリーまだ歩けるかー」

美琴「…………だ、大丈夫よ……」

上条「そうか(うかつに何か言うとコイツとんでもない事するからなぁ)」

美琴「(あぁ……なんなのよこの空気は……)」





スッ…


美琴「(ん……?向こうの曲がり角に……誰かいる)」


上条「なぁ御坂、お前今普通に電撃は使えるんだよな?」

美琴「え!?あっ、ま、まぁね(なんだろう……あのシルエットには見覚えがある)」

195: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 10:23:13.39 ID:z9OQcn/TO
すまないうっかり寝てしもうた
投下し直しますよろし




上条「そっちのほうの調子はどうなんだ?」

美琴「え?あぁ、やっぱり本調子って訳にはいかな…」


スゥ…











美琴「…………え…?」

197: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 10:30:27.42 ID:z9OQcn/TO


美琴「(あれは………!まさか………!)」タッタッタッ…


上条「やっぱりなー、さすがのお前でも難しいのなー…」

タッタッタッ…

上条「…って、おい!どこ行くんだよビリビリ!っっってかお前走れんのかよっ!!」


美琴「(まさか……!!!……………そんな……!!)」


上条「お、おいっ!!待てって御坂!クソッ、どこに行く気だよ………、とにかく追いかけねえと!」ダッ

199: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 10:40:42.54 ID:z9OQcn/TO


美琴「………………あの姿は………あの娘は………!!」




「…」スゥー



美琴「ま、待って!!!行かないで!!!!」


「…」ス…


美琴「待ってよ!!!!……お願い……!!!」

202: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 10:48:26.45 ID:z9OQcn/TO
美琴「クッ……!!止まってってば!!」




「…」ス…





美琴「いかないで…!!!」


美琴「もうどこにもいかないで……!!いつもみたいに私に抱きつきにきてよ………!!」



美琴「ねえ!!もう一度!!もう一度帰ってきて!!」



美琴「ねえ…!!黒子!!!!」

204: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 10:54:06.79 ID:z9OQcn/TO

黒子「…」ピタ…

美琴「………黒子…!」

美琴「ほんとに黒子………なんだよね?」

黒子「…」

美琴「っ…!!黒子ぉっ!!」
ダッ


黒子「…」


フッ




美琴「………え…?」

207: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 11:01:58.89 ID:z9OQcn/TO




美琴「あ……れ……?」


美琴「く、黒子っ!?黒子、どこ!?」

美琴「……テレポート……い、いやそんな筈は……」


美琴「……そんな…、黒子…」

ガタッ


美琴「……!!そこにいるの!?黒子!!!」






初春「こんばんは、御坂さん♪」

213: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 11:11:26.82 ID:z9OQcn/TO
美琴「なっ――!!」

初春「どうしたんですか?」

美琴「アンタは……!」

初春「あぁそうでした!私いま一応行方不明扱いなんですよね!驚きますよね♪」

美琴「………なんで………なんでアンタが…!!」

初春「なんでって、追ってきたのは御坂さんじゃないですか」

美琴「え!?」

222: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 11:21:15.37 ID:z9OQcn/TO
初春「私の事、ずっと追いかけてきてましたよねっ」

美琴「アンタ……何言って…」

初春「フフン♪ そうなんです、でも、もしかしたら御坂さんには違う人が見えていたかもしれないですよ」

美琴「…!!」


初春「そうですね、例えば……………白井さんとか!」ニコッ

美琴「………アンタ……よくも………よりによって……黒子を………黒子をぉぉぉぉぉ!!!!!!!」バチバチッ!!!

初春「他人の目をごまかすっていう所は重福さんの視覚阻害と方向性は、って、あれ?御坂さん、怒っちゃったんですか?」

229: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 11:35:47.47 ID:z9OQcn/TO

美琴「黒子を………黒子を…よくもぉぉぉぉぉ!!!!」ゴゴゴゴ……

初春「困りますよ御坂さん、こんなところで稲妻なんか落としたら大変な事になりますよ?」

美琴「うるさいっっ!!アンタだけは…………アンタだけは………!!!!!」ゴゴゴゴ…

初春「………ふぅ、そうですか、わかりましたよ御坂さん」



初春「私、もう前のときみたいに優しくしませんよ?」

243: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 11:51:07.73 ID:z9OQcn/TO
美琴「これで!!!!!!」ヴォーン…

初春「(電撃の槍…!)……そうですか、わかりましたよ御坂さん!」ヒュウゥゥゥゥ

美琴「あぁぁぁぁぁ!!!!当たれぇぇぇぇぇぇ!!!」ヒュッ

ドゴォォォォ!!!

初春「無駄ですよ御坂さん」ヒュウゥゥゥゥ

バチィッ!!!!

美琴「!? 何…?あの透明な壁みたいな物は」

初春「盾ですよ?空気中の水分から生成した氷で創ったんですよ」

247: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 12:01:09.08 ID:z9OQcn/TO
戦闘描写だけ次の投下分から書き方変えます、台詞と効果音じゃ表現むりやったわ

美琴「クッ、そんな事まで……!!(雷撃を防ぐなら!!)」シュゥゥゥウ

初春「今度は砂鉄剣ですか、それなら私も、空気中の水分から剣を創ってみましょう!」キィィィ

美琴「そんなもんで対抗できると思ってるの!」ダッ

初春「ええ♪"砂鉄"なら大丈夫ですよ♪」ス…


ガキィィィィン!!!


美琴「……なっ!?」ボロボロ…

初春「フフン♪」

251: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 12:08:28.54 ID:z9OQcn/TO
美琴「………私の剣が発熱で赤く…」

初春「隙ありですよ、御坂さん」

初春が切り掛かり、美琴は咄嗟にそれを砂鉄剣でガードする。

美琴「何を……!?」

美琴の剣は初春の造り出した氷の剣と刃を交えた瞬間、ボロボロに砕け散った。

初春「化学反応ですよ、熱を加えてあげただけなんです」

美琴「クソ…!!何度破壊されようと…!!」シュゥゥゥウ

初春「もう御坂さん気づいて下さいよ~、私の氷の剣も再生出来るんですよ?」

255: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 12:15:42.73 ID:z9OQcn/TO
初春「そうじゃなかったら熱した剣と剣先を交えた瞬間に溶けてなくなっちゃうじゃないですか」

美琴「クッ……そうね、でも!お互いに武器が復活し続けるなら、体力的に有利な私に歩があるわよ!!!!」シュゥゥゥウ

初春「私がこんな遊びで創った剣だけで戦うと思うんですか?」

美琴「えっ!?」

次の瞬間、美琴の頭上に数十本の氷の槍の様な物が生成される。

美琴「くっ!!!!!」ダッ

直後にそれらが落下したが、驚異的な速度でその場所から美琴は脱した。

初春「さすが御坂さん、身体能力の強化なんてすごいです!」

265: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 12:28:38.65 ID:z9OQcn/TO
美琴「いくらなんでもあんなスピードで氷を生成できるなんて…!!」
バチバチッ!!

美琴は走りながら初春に向かって放電をするが、その全てを生成した盾に阻まれてしまう。

初春「御坂さんまだまだ元気ですね!じゃあもっと面白いもの見せてあげます!」


バゥンッ!!

美琴「あぐっ…!!!!!」

背後で爆発が起き、衝撃で美琴は吹き飛んだ。

初春「私、熱膨張を応用して擬似的な爆発みたいなものを起こせるんです♪」


美琴「そ…んな…!!」

272: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 12:33:21.50 ID:z9OQcn/TO
美琴「…(それも、ただ擬似的な爆発を起こせるってだけじゃない…!)」

初春「もちろん、ある程度なら威力と有効範囲は操作できますよ!」

美琴「今のは…偶然私の背後を爆発させたんじゃない…!!」

初春「そうです!狙ってますゆ♪」ニコッ

美琴「まさか…座標攻撃…!?」

277: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 12:40:21.27 ID:z9OQcn/TO
初春「似たようなものです♪そんなことより御坂さん足が止まりましたね」


パンッ

美琴「………え…?」

美琴が崩れ落ちる。小さな爆発音と共に美琴の右足の股から下の部分は破裂していた。

美琴「あ……ぁあ!!ぎゃああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

美琴は余りの痛みにその場にうずくまり悶える。

初春「そんな立ち止まってたらダメじゃないですか♪」

283: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 12:44:58.95 ID:z9OQcn/TO
美琴「くぅ……!!!うぐっ……!!!」

初春「もう走りまわれませんよね、美琴さん」トットットッ

初春は笑顔で小走り気味に美琴に近寄る。

美琴「…!!うぅ………がぁぁぁぁ…!!!!」

初春「え…?」

初春が近づいた瞬間、強烈な落雷が初春目掛けて放たれる。

初春「うっ……わ…!!」


ドゴォォォォ………

 
298: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 13:03:28.11 ID:z9OQcn/TO


ズオォォォン………



上条「今のは…!!そっちか御坂!!」
ダッ


上条「クソっ…!一体何が起きてんだよ!!」

上条「御坂……何相手にしてるか知らねえけど今のお前じゃ…!!」

304: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 13:12:08.83 ID:z9OQcn/TO
ゴゴゴゴ………


美琴「ハァ………………ハァ…………」

美琴「…………うぅ(マズイな、まさかこんなに早く電池切れしちゃうなんて)………」パタッ




初春「………ぐっ……ふぅ…………さすが御坂さん、少し私も気を抜いちゃってましたよ…」シュィィィィ…

初春「ちょっとダメージ……負っちゃいました……」

雷撃の瞬間、初春は氷の盾を生成し直後に緩衝材的用途で爆発を起こし、更にその爆発の衝撃に乗り後方に回避していた。

311: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 13:21:30.49 ID:z9OQcn/TO
美琴「……なんとか…………なんとか逃げなきゃ……!!」ハァ……ハァ…

美琴は壊れた右足を庇い立ち上がろうとするがすぐにその場に崩れ落ちてしまう。

美琴「ぐっ!あぁ!!………(まだ能力が使えれば……砂鉄から擬似的な補助器具を生成できたのに…!!)」

それでもホフクでなんとか前に進む。

美琴「ハァ………ハァ……(ケータイ持ってきてればアイツに助けを……)」

美琴「……ぐっ………(いやダメだ、アイツを巻き込む訳には……)」

トッ…トッ…トッ…

初春「あ、いたいた!御坂さ~ん、どこに行くんですか~?」ニコッ

美琴「うぐっ…!!………」

320: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 13:39:56.81 ID:z9OQcn/TO
ゆっくりと初春が近づいてくるが、それでもホフクで進む美琴との距離は狭まっていく。

美琴「うぅ……うぅ…………」ズル…ズル…

初春「あんなタイミングで雷撃を撃ってくるなんて流石御坂さん!でも、もう力が尽きちゃったんですね!フフッ♪」

美琴「……うぅ……………」

初春「今日、御坂さんに会えて本当によかったです!いつ病院から出てくるのかずっと監視してたんですよ?」

美琴「……なっ……?」

初春「もっと歩き回れるまでには時間がかかると思ってたんです、だから何日でも監視してようと思ってました」

323: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 13:44:49.17 ID:z9OQcn/TO
美琴「………なんで………そうまでして………私…を……ぐぅっ……狙うのよ……」ハァ…ハァ…

初春「なんでって、白井さんに邪魔されたお仕置きの続きに決まってるじゃないですかぁ♪」
美琴「お仕置き……?」


パンッ


美琴「ぁぁ!!ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

初春「これで前には進めないですよね?」

美琴「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!(左腕が………痛い……!!)」

325: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 13:51:39.10 ID:z9OQcn/TO
美琴「ぎゃぁぁぁぁぁ…………!?……ぁぁ……あつ……あつ……い……息がぁ………あがっ!?がふっ……………がっ………!?(これは…!!)」

初春「万が一また能力を使われたら、私もちょっと怖いんですよ、だから御坂さんの頭にはぼーっとしてもらいましょう!」

美琴「あっ……あぁがっ………ゲホッ…ゴホッ……(空気が………熱いよぉ!!)」

初春「フフン♪やっと追いつきましたよ御坂さん!」

初春が地面でもがく美琴のすぐ前で立ち止まる。

328: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 13:59:13.88 ID:z9OQcn/TO
初春「この間の傷はどうなってるのか見せて下さい御坂さん!」ビリビリ

そう言うと初春は美琴の着ている服の腹部を破いた。

美琴「……ゲホッ……がはっ……!!(何を……?)」

初春「うわぁ!すごいですね御坂さん!こんなにキレイに肌が再生してるなんて!」ナデナデ

美琴「あぅ……!!くぅ………!?……がはっ!ハァ……ハァ……(アレ?息が出来るようになった…?)」

初春「……でもダメですよ御坂さん、これじゃお仕置きし直さなきゃなりませんよ?」

美琴「えっ――!?」



ジュウゥゥゥゥゥ

333: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 14:05:33.45 ID:z9OQcn/TO
ジュウゥゥゥゥゥ…

美琴「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!」

初春「フフッ♪この前は冷たくしたから、今度は熱くしてあげます」

美琴「あぁぁぁぁぁ………やめっ…………やめ……て……!!」ジュウゥゥゥゥゥ!!!!!

初春「ダメですよぉ御坂さん!これはお仕置きなんですからっ!」ニコッ

美琴 「やめっ………!!いやっ……!!!!」





「なっ!そ、そこで何をしてるんですかっ!?」



初春「…?」

347: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 14:15:37.13 ID:z9OQcn/TO


小萌「一体何を………?わ、わぁぁ!!!ちょ、ちょっとそこの倒れてる女の子ちゃん!大丈夫なんですかっ!?」タッタッタッ

美琴「…ィヤ………来ちゃ……ダメ……!!」

小萌「そ、そっちのしゃがんでる女の子ちゃんは救急車を呼ぶんですっ!」

初春「……(小さな女…の子?……なんだっていいです……お仕置きの邪魔をするなら…)」
美琴「ダメ…!!こっちに来ないで……!!逃げて!!逃げてぇぇぇ!!!」


初春「心配かけてしまってごめんなさい!大丈夫ですからっ!」ニコッ

小萌「えっ!?こ、こんなケガ、全然大丈夫じゃな……」


バァンッ



美琴「あっ………!!………あぁ……………嫌あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」ガクガクガクガク

363: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 14:22:55.76 ID:z9OQcn/TO
小萌「……うぅ……!!」バタッ
倒れた小萌の元に初春が向かう。

初春「ダメじゃないですか!こんな所見られたら、私………あなたにも手をかけなくちゃならなくなっちゃいますよ?」

小萌「……いったい………なにが……?」

美琴「やめてぇぇぇ!!やめてよぉ!!」

初春「でも、見られちゃいましたから、しょうがないですねっ!」

小萌「…え…」パァンッ

小萌「…………」ピク…ピク…

371: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 14:26:35.19 ID:z9OQcn/TO
クルッ
初春「………さて、お仕置きの続きですよ御坂さん!フフッ♪」

美琴「どぉして……!!どうして関係の無い人まで……!!!!」

初春「え?だって、私の邪魔をしたじゃないですか」

美琴「…クソォ…………うぅ………!!!」

初春「泣かないで下さいよ御坂さん……、なんだか私悪い事してるみたいじゃないですか……」

379: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 14:31:38.22 ID:z9OQcn/TO
 

初春「そうですね……、もう御坂さんも充分お仕置きは我慢しましたよ!偉いですよ御坂さん!」

美琴「………え…!?」

初春「だから……もうそろそろお休みしていいですよっ♪」ニコッ

美琴「…!!!(殺される……!!本気で殺される……!!)」

387: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 14:37:46.11 ID:z9OQcn/TO


初春「もう御坂さんは充分苦しみました!だから最期は楽に、一瞬で眠れるようにしてあげますから安心して下さい!フフッ♪」ニコッ

そう言うと初春は数歩下がって、両手を横に広げる。

美琴「何を……!?」

初春「御坂さんは……絶対零度って知ってますか?」

美琴「絶対………零度……………まさか……有り得ない…!!」

402: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 14:46:17.74 ID:z9OQcn/TO
初春「と言っても所謂一般的な絶対零度とはちょっと違うみたいなんですけど、とりあえず私の能力を使うと……絶対零度を引き起こす事ができるみたいなんです!」

美琴「有り得ないわよ……そんなの……量子力学における不確定性原理を……無視するなんて事……!!」

初春「私の能力なら、理論的には分子の運動を0に、つまり絶対零度の現出も可能なんです!」

初春「私の能力で、温度差を利用して、通常の空間とは切り離された空間を"作る"ことによって不確定性原理を無視した、絶対零度の現出を可能にするんですよっ!」

421: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 15:01:16.71 ID:z9OQcn/TO
美琴「………そう………そういう事………、分子の運動を止めて、私は……、確かに楽に死ねるわね……」ギリッ


初春「…安心して下さい御坂さん、さすがにそんな事はしませんよ」

美琴「…………え…?」

初春「温度差による擬似的な隔離空間を生成するのは大変なんです、だから御坂さんをまるまる隔離するなんてできないんですよ…」

美琴「じゃあ……何を…」

初春「んん……そうですね、名付けて絶対零度爆弾です!」

美琴「はぁ…?」

427: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 15:06:51.05 ID:z9OQcn/TO


初春「ちなみに今の段階で、隔離空間内の分子の運動はほぼ停止しています」

美琴「……ばかげてる……!!」

初春「ここからが私の温度操作能力の真骨頂ですよ!」ギュオォォォォ!!

両手を広げた初春の前に球体の未元空間が現れる。


美琴「な、なに!?」

初春「これが絶対零度爆弾です!でも爆弾って名付けただけあって」

初春「分子運動の"暴走"で小規模ながら、とてつもない威力の爆発を起こせるんです!痛みも恐怖も何か感じるっていうプロセスを踏むことも無いですから安心して下さいねっ!!」

436: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 15:18:39.08 ID:z9OQcn/TO
初春「私の温度操作は、物理的に有り得ないことがたくさんできるんです!」

初春「それはある意味で分子の暴走により引き起こしているというようにも考えられるみたいなんです!」

初春「この世界でまだ観測されてない方法で私の能力は発動してるらしいんです!だからこんな爆弾も創れちゃうんですよ!御坂さん!」

美琴「……フッ……(あれは本来実用的な攻撃じゃない…でも今の私みたいに満足に動けない相手を仕留めるなら…)」

美琴「(こんな面倒な事しないでも、私の頭を爆発させれば終わりなのにね…私達には理解できない、彼女だけの優しさ……か)」

初春「それじゃ、そろそろお休みなさいの時間です!」ニコッ


ギュオォォォォ!!!!!


美琴「………(黒子……今からアンタのとこに行くかも……)」

440: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 15:24:36.33 ID:z9OQcn/TO
初春「さよなら……御坂さんっ!」


グオォォォ!!


美琴「……黒子…………待ってて…………」ニコッ









『生きて…』

444: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 15:26:37.60 ID:z9OQcn/TO
『……生きて…』


『生きて下さいまし!お姉様!』







「え…?」

ズドオオオオオォォォォォ!!!!!

上条「うおぉぉぉぉぉ!!!!!!」



キュインッ!!!



初春「え……!?爆弾が消えた………!?」

456: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 15:35:47.31 ID:z9OQcn/TO
上条「ハァ……ハァ…………ったく、ようやく見つけたぞ!!御坂ぁ!!!!」

美琴「え……?アンタ、なんで…………」

上条「なんでじゃねえ!!いくら久々に動けるからってお前はしゃぎすぎだ!!!」

美琴「…な、なによっそんな言い方!……!!………うぅ!…」

上条「…!?御坂!?大丈夫か!?」

美琴「私の事はいいから………アンタは早く……逃げて……!!」フッ…

上条「なっ!?おい御坂!!おいっ!!クソ、気を失ったか!!」



初春「はぁ…………もーうっ!!なんでこんなに皆さん私の邪魔したがるんですかー!」ブーブー

462: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 15:41:30.13 ID:z9OQcn/TO

上条「……お前か、御坂にこんな事をしたのはっ!!!!」

初春「そうですよ?お仕置きなんだから仕方ないですよ!」

上条「!!……テメェ……!!」

初春「あぅ、でも困りました、あなたには手を出しちゃダメだって言われてるんです」ウゥー

上条「なに…?」

初春「前にも一度あってるかもしれませんが、はじめまして!上条当麻さん!私は初春飾利といいます!」ニコッ

上条「初……春…? !!!じゃあお前が、白井を殺したっていうレベル5かよ…!!!」

470: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 15:47:58.13 ID:z9OQcn/TO
初春「白井さんは私を、私の正義を否定したんです!ジャッジメントの規律なんかに縛られて…本当にいい事をしたのは私なのに!その私を否定したんです!」

初春「白井さんはきっとお仕事に課題に疲れてたからそんな考え方になっちゃってたと思うんです!」

初春「だから…だから、休ませてあげただけですよ!」

上条「お前……なにを言って…」

472: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 15:52:36.44 ID:z9OQcn/TO
初春「だってそうじゃないですか!」

初春「悪いのは銀行強盗達です!悪いことをした人間は死んじゃえばいいんです!死ななきゃだめなんです!」

初春「その為に人質が、悪人が死ぬために巻き添えで死んじゃったなら、それは無駄死になんかじゃないんですよ!」

初春「正義の為の犠牲なんですよ!なら、仕方ないじゃないですか!!」

初春「白井さんはそれがわからなかったんです!!それなら、それなら白井さんだって悪人と同じ考えの悪人ですよ」

初春「そうです!白井さんが悪いんです!!」



上条「……………ふざけんじゃねえよ……!!」

484: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 15:59:30.33 ID:z9OQcn/TO
初春「え…?」

上条「そんなの…、そんなのは、結局お前が自分のやった行為を正当化する為だけの、ただの言い訳じゃねえか!!」

初春「なっ…!」

上条「悪人は死ななきゃならない?あぁそうだよ!確かに一利あるさ!!だけどな!その理屈じゃ!その場にいた、無関係の人達が死ぬ理由、死ななきゃならない理由にはならねえんだよ!!」

上条「結局それは!!お前が無関係な人達を巻き込んでしまった事に対してのお前の逃げの理由付けだ!!」

初春「…!!」

上条「それに…!!白井は、白井は正しい事をしていたじゃねえか!ジャッジメントとしての自分を信じて!それは正しいことだ!」


493: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 16:06:15.29 ID:z9OQcn/TO
上条「それなのにお前は!自分を、自分の考えを否定されたってただそれだけの理由で!最愛の友達を手にかけたんだぞ!」

初春「………うるさいです…」

上条「どうしてだ!!白井が死ななきゃならなかった理由なんて何もないんだ!!」

初春「……………うるさいですよっ……」

上条「だが!レベル5という、この学園都市の最高点に達したお前は自分を否定する人間を全て敵と捉えて傷つけたんだ!!そんなの間違ってるに決まってんだろぉ!!!!」

初春「もうやめてくださいっ!!!!」

上条「!?」

499: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 16:10:29.41 ID:z9OQcn/TO


初春「あなたは何もわかってないんです!!何もわかってくれないんです!!何も知らないんです!!」

初春「そうですよ!私が正しいのに!それを偽善の言葉で否定するならあなただって私の敵ですよ!」

上条「何…!!」

初春「私はこの世界を造り変えてみせるんです!!皆さんが幸せになれる世界を創るんですよ!!その邪魔をしないでくださいっ!!!」

上条「……お前……まだそんな事を……!!!」


507: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 16:14:09.54 ID:z9OQcn/TO


初春「もう約束なんて知りませんよ!!私の邪魔をするならあなたは敵です!!あなたを倒します!!」


上条「………あぁ、そうか………、そうかよ!!!」



上条「お前がどうしても自分が正しいと思うんなら…、白井や、罪の無い人達を殺した事が正しい事だって言うなら!」



上条「まずはそのふざけた幻想をぶち壊す!!!!!!」

533: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 16:26:10.99 ID:z9OQcn/TO

初春「うわぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!あなたは敵ですよぉぉぉぉぉ!!!!!」ズドオォォォォォォォォォン!!!!

上条「な、なんだ…!?」

周囲の建造物が次々と爆発を起こしていき、その破片が上条達に降り注ぐ。

上条「………!!まずいっ!!危ない御坂っ!!」

その破片の中でも一際大きな破片が美琴目掛け落下していく。

上条「…う…うおぉぉぉぉぉ!!」ダッ!!

間一髪の所で、美琴を抱き上げその場を離れる…………はずだった。

ズドォン
上条「あぅぐっ!!!!」

美琴「な、私の事はいいから………!?ちょ、ちょっとアンタ!!足が瓦礫に…!!」

上条「大…丈夫だ、挟まっちゃいないから動ける……!!」

美琴「……!!…」

上条の足はスネから下が奇妙な方向に若干曲がってしまっていた。

上条「く……クソォ…!!」



550: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 16:36:18.32 ID:z9OQcn/TO

初春「いやぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!」ズドドドドオォォォォォ!!


初春はもはや上条すら見えていないかのように次々と空間を爆発させていく。まるで精神暴走を起こしているように、或いはすでに起こしていたのかもしれないが、それは無差別な爆撃だった。


上条「……ぐっ…!!クッソォ……!!なんなんだよこの爆発は……!!」

美琴「彼女は……!!空間の温度変化を利用した擬似的な爆発を起こせるの……、とにかく今は戦うんじゃなくて逃げなきゃ…!」

上条「お、おい御坂!立てるのか!?」

美琴「アンタの左足だって歩けるかわかんないような状態じゃない……そんなんで私を抱き抱えて(そういえばコイツに…抱き抱えられた…!!)逃げられるとは思えないし」

上条「で、でもアイツを止めなきゃ!!」

美琴「今の私達に何ができんのよ!!それに彼女は今私達が見えてない!!行くなら今しかないのよ!!」

555: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 16:41:28.77 ID:z9OQcn/TO
ズドォォォン…

上条「わかったよ…!!行くぞ御坂!!」

美琴「急いで!!」ドォォォン…



上条「……ん…!?ちょ、ちょっと待て御坂!!あそこに誰か倒れてるんだ!!」


美琴「えっ!?…………あっ…!!あの人は……!!」

上条「クソォ、瓦礫にやられない内に助けねえと!!」ズドォォォン…

美琴「ま、待って!!その人は!!」


上条「だ、大丈夫か!?」



上条「………あれ?……この人は……」

567: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 16:47:05.87 ID:z9OQcn/TO
上条「………そんな………なんで……!!」

美琴「か、上条当麻!!!早くしなさい!!!」

上条「そんな…、そんな…!!………小萌…先生………!!!」

美琴「早くっっえっ…先生…!?……アンタ……知り合い……なの……?」

上条「………ウッ……クソッ………畜生………チクショオォォォォ!!!!!」

上条「てめぇぇぇぇぇぇぇよくも小萌先生をぉぉぉぉぉ!!!!!!!」ダッ

美琴「ダメ!!上条当麻ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

578: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 16:53:01.84 ID:z9OQcn/TO
こんな時までフルネームででしか呼べないみこったん可愛いじゃねえですかフヒヒ

588: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 17:07:31.92 ID:z9OQcn/TO
上条「こんの野郎おぉぉぉぉぉ!!!!!!」ダッ!!

初春「うわぁぁぁぁぁぁぁぁあん!!!!!!!」
ズドォォォォ!!!!!!!

上条「くっ……!!うるぁぁぁあ!!!!」

上条の前を阻むように爆発がで起きる。

キュイン!
上条「!!(いいぞ!爆発自体は打ち消せる!!)うおらあぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」ダッダッダ!!!

初春「死んじゃえばいいんですよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」
ズドドドドド!!!!!

上条「!!!まずいっ!!連発かっ!!!!」

なんとか爆発を避けて走り抜けようとする、が、大量の瓦礫や破片が上条目掛け吹き飛んでくる。

上条「うぐっ!?くそぉぉぉぉぉ!!!!!!!」ダッダッダッ!!

ドンッ!!


上条「…ぁ…!」


バタッ…

美琴「…そんな!!!頭に瓦礫が……!!!」

595: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 17:12:40.74 ID:z9OQcn/TO
上条「…………ちく…しょぉ……!よくも……………よくも…小萌先生を……………白井を…………」ガクッ

美琴「ああ…!!うわぁぁぁあ!!!」






初春「うぐっ………ひっぐ………うえぇん………」タトッ…タトッ…

初春「………ヒック………ぐすっ………」タトッ…タトッ


美琴「………あ、アンタ、どこへ行く気なのよ!!!!」

初春「…………グスッ………」タトッ…タトッ…

美琴「………っ!!」

599: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 17:15:45.13 ID:z9OQcn/TO

――――――――

―――



上条「――――――、」


上条「―――アレ………、」


上条「……………」

上条「……生き…………てる………のか……?」

上条「……ここは……………?」

冥土帰し「……目覚めたんだね?」

604: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 17:20:08.04 ID:z9OQcn/TO
上条「……ア………レ………先生…?」

上条「………俺は……なんで病院なんかに……?」

冥土帰し「………ふぅ、あんまり帰りが遅いからアンチスキルと連絡をとって君達を捜索したんだ」

冥土帰し「……そして発見された時には君は瓦礫の中でボロボロ……彼女はその傍らで呆然と座っていた…」

上条「……そうだ……………初春……飾利……!!!」

605: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 17:25:06.12 ID:z9OQcn/TO
上条「…………!先生…!!小萌先生は…!?小萌先生はどうしたんですか……?」

冥土帰し「………生きている限り、私は医者として最善を尽くしてその患者を助ける……」

上条「!!…じ、じゃあ小萌先生も助かるんですね!?」

冥土帰し「…………我々が発見したときには……もう彼女は…………」

上条「…そ…んな…」

冥土帰し「…………御坂美琴は別室で治療中だ、君達に何が起きたかは後で話を聞く、だから今は休んでなさい…」

610: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 17:29:31.44 ID:z9OQcn/TO
上条「…………先生、俺はどのくらいで退院できますか……?」

冥土帰し「どうしてそんな事をきくのかな…?」

上条「……教えてください」

冥土帰し「……、早くて一ヶ月程度だね」

上条「なっ!?なんでそんなにかかるんですか!?」

冥土帰し「君はおそらく頭に瓦礫を喰らって気を失ってしまったんだね、だからその後君に降り注いだ瓦礫を避けることが出来なかった、そのせいで君は今身体中に重大なダメージを負っているんだね」

619: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 17:34:22.42 ID:z9OQcn/TO
上条「……俺は……俺は、初春飾利をぶっ飛ばさきゃならないんだ…」

冥土帰し「少なくとも……そこまで動けるようになるには一ヶ月だね」

上条「クソッ……クソォ……!!!」




――――――――

――



土御門「なるほどな……アレイスター………」

636: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 17:48:42.15 ID:z9OQcn/TO

土御門「お前がやりたかったことを予想してみたぜぃ」

アレイスター「…」

土御門「彼女になんて言って協力させたのかは問わないさ」

土御門「お前は………上条当麻に眠る"何か"を覚醒させたかったんだろ?」

土御門「その為にはレベル5と接触させ、戦闘させる必要があった」

土御門「それが真の目的なのか、目的の為のデータ採集なのかは俺にはわからないがな」

土御門「だが……、それは失敗に終わってしまった」

638: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 17:53:35.75 ID:z9OQcn/TO
土御門「お前の予定よりも上条当麻と初春飾利が戦闘を行ってしまった」

土御門「さらにお前の想定を越えて、上条当麻が敗北した」

土御門「そして初春飾利は、今だにこちらには帰還していない」

土御門「これじゃあ流石に、計画の想定範囲内って訳にはいかないよな?」

アレイスター「…」

土御門「俺を呼び付けた理由なんざ聞かなくてもわかる」

土御門「初春飾利を用いた上条当麻の覚醒計画は失敗した、つまり初春飾利は今や用済みだ」

643: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 17:58:40.10 ID:z9OQcn/TO
土御門「彼女を消せって言うんだろ…?」

アレイスター「…」

土御門「……まぁ、安心するにゃ~、既にそれを想定して、ある人物に接触しておいたからな…」

アレイスター「…そうか」

土御門「それじゃさっそく俺達は動くぜぃ」

土御門「じゃあな、アレイスター」


ヒュンッ


――

――――――

644: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 18:02:43.72 ID:z9OQcn/TO



チュン…チュン…


ピンポーン!



佐天「………………ん……?」

佐天「ふぁぁぁ……(今何時、ってまだ5時じゃない…こんな朝早くに誰…?…)」

ピンポーン!

佐天「はいはい、いまでますよぉ~、ふわあぁぁ………」ゴシゴシ


648: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 18:06:08.29 ID:z9OQcn/TO
佐天「はーい」ガチャ

土御門「おはようだにゃ~佐天さん」

佐天「………?」

土御門「…相変わらずリアクションが弱いぜぃ………」

佐天「………ぁ、あなたは確か………」

土御門「……思い出したかにゃ~?」

佐天「……そうだ!私に初春の事を話した人っ……!!」


650: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 18:11:54.07 ID:z9OQcn/TO
土御門「今日もその、初春飾利についての話を……」

佐天「て、ゆーか!なんで私の部屋知ってるんですか!!」

土御門「…うぐっ!?今はそんな話はどーでもいい!」

佐天「よくないっ!!あなたやっぱりおかしいですよ!……ハッ、まさか、わわわわ私のストーカーなんですか………!?」ビクッ

土御門「なっ」

佐天「そうなんですよね!?だってあなた私達の事詳しかったし!」


土御門「ハァ…、おい落ち着け少女、俺は青髪ピアスとちがってそんな趣向の持ち主じゃないにゃ~」

653: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 18:15:04.68 ID:z9OQcn/TO
佐天「青髪……ピアス…?」

土御門「まあいい……そんな事よりとても重大な話がある、明け方とはいえ外では話しづらいから部屋に入らせてもらいたい」

佐天「なっなんで…………、わかりました……どうぞ」

土御門「すまないな…結標、一方通行、エツァリ、入っていいそうだ」

佐天「………えっ…?」

656: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 18:20:03.94 ID:z9OQcn/TO
ゾロゾロ…

結標「おじゃましますっと…うーん、なんだか素っ気ないレイアウトの部屋ね…」

佐天「…えっ?」

一方通行「……なァに見てンだァ?お前があがっていいっつったンだろォが」

佐天「はっ??」

エツァリ「はは…一方通行さん、他人の家に入る時はおじゃましますくらい言いましょうよ…」

佐天「ありゃっ??」

土御門「……そういう訳で、おじゃましますにゃ~」

674: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 18:47:30.37 ID:z9OQcn/TO
佐天「どっ……どーゆう事ですか!?にゃ~さん!!あなた一人だけじゃないんですか!?」

土御門「にゃ……紹介が無くて済まなかったな……俺は土御門だ」

結標「結標淡希よ、よろしく」

海原「海原光貴です、まぁ、一応ですが」

結標「それで、あの白髪くんが一方通行」


一方通行「………チィッ…」

佐天「ど、どうも……佐天涙子です…」

675: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 18:52:03.21 ID:z9OQcn/TO
佐天「そ、それで皆さんのご関係は一体…」

土御門「ん……まぁ、俺達はグループという組織だ」

佐天「ほぉ…(仲良しグループ的な感じかな?)」

土御門「自己紹介も済んだし、本題に入らせてもらう」

佐天「は、はい!」

土御門「こんな時の為に以前君に接触し、話を伝えておいてよかったよ、手間が省ける」

土御門「昨日の夜、初春飾利が現れた」

佐天「……え!?」

680: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 19:01:09.04 ID:z9OQcn/TO
土御門「簡潔にだけ述べさせてもらおう、初春飾利が出現したのは第七学区付近、その後、御坂美琴、上条当麻に接触し、この二人と戦闘」

土御門「二人を振り切り現在は再び行方をくらましている(……そう、今回は嘘じゃなく本当にその行方が掴めていないのさ)」

佐天「戦闘って……二人は!?二人は大丈夫なんですか!?」

土御門「現在治療中だ、戦闘のダメージが甚大で回復までには時間がかかるらしい」

佐天「そんなっ……!でも、なんで御坂さんは外に…?」

土御門「上条当麻とリハビリの為に散歩に出かけていた最中に遭遇、だそうだ」

佐天「そんな……(多分、私が帰ってすぐ後のことだ…)」

683: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 19:08:33.86 ID:z9OQcn/TO
土御門「俺が何を伝えたいかわかるか?」

佐天「えっ?」

土御門「詳しい部分は開かせられないが、彼女は、初春飾利は今や完全に暴走した状態と化している」

結標「そして……それを止められる可能性があるのは…今の所あなただけなの」

佐天「……!?わ、私ですか!?」

土御門「よく考えてみるんだ」

684: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 19:12:51.10 ID:z9OQcn/TO
土御門「……………彼女がレベル5になって以降、彼女が接触した人間はことごとく危害を加えられている」

土御門「……そう、佐天涙子、ただ一人君を除いてな…!」

佐天「なっ…」

土御門「それ意外にもな、色んな要素を考慮していくと、やっぱり君が適任だとわかるのさ」

佐天「でも……私は…」

688: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 19:19:25.19 ID:z9OQcn/TO
土御門「例えば、初春飾利が最も友情を感じていたと思われていた人物は、御坂美琴、白井黒子、佐天涙子だが、その二人は共に重傷を負わされ、白井黒子は死亡してしまった」

土御門「となると、彼女が、初春飾利が心理的な揺らぎを感じる人物で尚且つ動けるのは君だけなのさ」

佐天「………そんな…」

土御門「そこで頼みがある…!」

佐天「………な、なに…?」

土御門「……初春飾利の討伐に参加してくれ、佐天涙子!」

佐天「!?」

691: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 19:25:17.77 ID:z9OQcn/TO
佐天「……待って下さい…待ってくださいよ!!」

佐天「た、確かに初春とは仲良かったですし、なんか話聞いてると適任だなっていうのはわかるんですけど!」

佐天「わ、私はレベル0なんですよ!?そんな私がレベル5になってしまった初春にかなう訳ないじゃないですか!!」

佐天「レベル0の私が討伐に参加したところで一体何が出来るの!?それだったらまだ関わりが無い人でも、レベル5の人間を送りこんだほうが可能性があるじゃない!!」


一方通行「あァ……確かになァ…」

701: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 19:31:35.04 ID:z9OQcn/TO
佐天「!?」

一方通行「確かにお前の言う事は間違っちゃいねェ、レベル0なンざが現場にいても邪魔になるだけだ…」

一方通行「だがよォ佐天さン、お前大事な事忘れてンだよ」

一方通行「御坂美琴だって正真正銘のレベル5だぜェ…?」

佐天「…あっ……」

一方通行「その御坂美琴はレベル5第三位の実力者だったがどうだァ?こンな結果になっちまってるぜェ?」

一方通行「レベル5なら、なンとかなるなンて思ってンじゃねェぞ…」

706: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 19:39:39.55 ID:z9OQcn/TO
一方通行「何より…もしレベル5の討伐をレベル5じゃねェ人間が可能とするってンなら理事会はそっちの可能性を選ぶに決まってンだろが」

一方通行「レベル5ってのはなァ…この学園都市内における最高の実験動物なンだよ…」

一方通行「そのレベル5の希少性を知ってたら…既に一人やられちまってンのに更にレベル5を送り込むと思うかァ?あァ?」

佐天「……っ!!」

一方通行「……俺だって…やっていいってンなら今すぐにでもぶち殺しに行ってやりてェよ…」

佐天「……えっ!?なんであなたが…?」

結標「一方通行はレベル5の、それも第一位だった超能力者よ」ボソッ

佐天「!?えぇぇぇ!?!?」

713: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 19:45:36.97 ID:z9OQcn/TO
一方通行「フンッ………だが理事会はお前という可能性を見つけちまった訳だ」

一方通行「レベル0っつう、あり得ねェ、三下なンかじゃ済まされねェ低ランクで初春飾利を止められる可能性をなァ…」

佐天「………」

一方「なら、食いつくに決まってるよなァ!?この学園都市で最も価値の無い人間にそンな可能性があンだからよォ!!!」

佐天「!!!………ぐっ…!」

土御門「……もういい一方通行、後は俺が話す」

721: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 19:52:17.46 ID:z9OQcn/TO
佐天「……でも、やっぱり無理ですよ……、一方通行さんの言う通り私はこの学園都市で一番ダメな人間、レベル0なんです…」

佐天「初春を説得する…とかなら私にしかできない、私が適任なのはわかります」

佐天「でも…でも、討伐っていうのはつまり、あの初春と、レベル5になった初春と戦うって事じゃないですか」

佐天「そんなの……いくらなんでも無茶苦茶ですって…はは……」

土御門「……確かに、今のままじゃみすみす死ににいくようなもんだな、"今のままじゃ"」

佐天「……?」

733: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 20:12:00.13 ID:z9OQcn/TO
ちなみにていとくんは冷蔵庫になっちゃってます


土御門「君は…レベルアッパー事件に関わっていたな」

佐天「………!!」

土御門「レベルアッパーの原理を覚えているか…?」

佐天「えっ…と、確か、レベルアッパーを所有する複数の能力者の脳波をリンクさせて、一つのネットワークを構築し演算能力を高める……みたいな感じでしたよね…?」

土御門「素晴らしい答えだ、正解だにゃ~」

土御門「そのレベルアッパーってのは、あるネットワーク構築を参考にして製作された」

佐天「あるネットワーク…?」

土御門「あぁ、ミサカネットワークと呼ばれるものだ」

佐天「ミサカネットワーク……?」

746: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 20:33:21.22 ID:z9OQcn/TO
うぅ……もう眠気で力尽きそうですの……


土御門「ミサカネットワークは"妹達"による脳波や脳の電気信号の共有により構築されるネットワークで各"妹達"と記憶やご感の共有などを可能にしている」

土御門「そして当然、レベルアッパーの元ネタになっただけあって、演算能力の補助を行う事も可能だ」

佐天「ち、ちょっと待って下さい!"妹達"って一体…?それに、ミサカってまさか…」

結標「(駄洒落かしら?)」

土御門「君はすでに"妹達"と接触してるはずだにゃ~」


 
753: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 20:42:26.06 ID:z9OQcn/TO
佐天「えぇ?」

土御門「御坂美琴の妹って名乗る人物に出会わなかったか?」

佐天「……あ、確かに………って、更に待って下さい!御坂さんの妹さんって一体何人いるんですか!?レベルアッパーの基礎になるようなネットワークを構築できる人数って…」

土御門「おおよそ」一方通行「……まァ、大体一万人ってとこだなァ…」

佐天「い、一万!?い、意味がわからないですよ!?」

土御門「まぁ無理も」一方通行「無理もねェ……、"妹達"ってのは、クローンなンだよ」

佐天「く、クローン!?御坂さんの!?」


756: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 20:51:34.95 ID:z9OQcn/TO
土御門「……実は」一方通行「実はなァ、とある馬鹿野郎共がある計画を実行するために作りだしたンだよ…、その計画自体は既に頓挫しちまってるがなァ……」

佐天「……そうだったんですか…」

佐天「それで………どうしてその話を私に…?」


土御門「……………」チラッ


一方通行「…………」



土御門「……コホン……君の演算能力を高めてくれる、演算補助デバイスとしてミサカネットワークの使用を許可されている」

佐天「えっ……!?それはどういう……?」

761: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 21:00:20.47 ID:z9OQcn/TO
土御門「…一方通行の首についてる機械が見えるか…?あれがまさにそのミサカネットワークによる演算補助デバイスだ」

佐天「えっ…?」

土御門「アイツはな、ある事情であの演算補助デバイスを使わないとまともに自分の能力が使えないどころか、普段の生活だってままならないんだ」

佐天「そ、そうだったんですか…」

土御門「だがあれの補助がある事によって、レベル5の能力も、時間制限こそあるものの、以前と変わりないように行使できる」

768: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 21:06:17.26 ID:z9OQcn/TO
土御門「……特別に、本当に特別に君の為に演算補助デバイスをもう一つ製作してくれると、上が言っている」

土御門「それは、一方通行の着けている演算補助デバイスは違う、ある種のドーピングマシーンのような物になるようだ」

佐天「どういう事ですか?」

土御門「一方通行は、演算補助デバイスをつける前レベル5だった、そして今は演算補助デバイスを用いてレベル5の能力を発揮できる」

土御門「対して君に与えられる演算補助デバイスは、レベル0の君の演算能力をレベル5クラスに引き上げるって代物だ」

佐天「そんな物を…」

土御門「まぁ当然、着けたら即レベル5の能力を行使できるって訳じゃないけどな」

781: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 21:13:48.24 ID:z9OQcn/TO
土御門「演算能力だけあがっても、君のP・Rの構築やその能力をどれほど上手く扱えるのか等の要素が絡んでくるからな」

佐天「………た、確かに………じゃあ、どうすればいいんですか…?」

土御門「君は確か…レベル0のエアロハンド…だったな?」

佐天「はい!…そうらしいです…一応…」

土御門「もし、討伐に参加してくれるっていうなら、それまでにそういった部分の訓練もやるぞ」

佐天「……でも…それって訓練とかで補えるもんなんですか?」

土御門「その能力を理解してない人間に教えを求めても抽象的な答えしか帰ってこないぜよ」

土御門「なら、同系統の能力に教わればいいだけの話だ」

794: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 21:20:15.13 ID:z9OQcn/TO
佐天「同系統の能力者…ですか?」

土御門「君の友人にいるだろう?それもレベル4の大物が」

佐天「…え……!?まさか婚后さん……ですか!?」

土御門「彼女に協力を要請したら、快くOKを出してくれたぜぃ」

佐天「でも、確かに…婚后さんの能力者としてのスキルは凄かった…」

土御門「………俺達は、この計画を失敗させる訳にはいかないんだ」

土御門「……初春飾利をどうしても……どうしても、止めなくちゃならない」

土御門「もう一度聞く、佐天涙子、初春飾利の討伐に…参加してくれないか…?」

799: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 21:26:41.30 ID:z9OQcn/TO
佐天「…………私だけ…なんですよね……レベル5の初春と遭遇して傷を負わされてないのは…」

土御門「あぁ………(正確にはアレイスターと俺もいるが、状況が違うからな…)」

佐天「………(それは、もしかしたら初春の優しさだったのかな…)」

佐天「(私に何かを伝えたかったのかな……?)」

佐天「(…………でも、もうダメ、もう取り返しのつかない事を初春はしてしまったんだ)」

佐天「(覚悟を決めたんだ、私は…!!)」


佐天「…………わかりました、皆さんに協力しましょう…!」

801: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 21:32:09.45 ID:z9OQcn/TO


土御門「………恩に着る…!!」

結標「それじゃ、さっそくだけどあなた用の演算補助デバイスを受け取りに行くわよ、私が送ってあげるから」

土御門「演算補助デバイスの使い方については一方通行に聞いてくれ」

一方通行「………たァく、めンどくせェな、おい、やる気あンなら俺が言った事一回で覚えろよ」

一方通行「こいつァただつけりゃいいってもンじゃねェんだ…感覚に慣れが必要なンだよ……わかったか?」

佐天「は、はい!」

結標「それじゃ、行くわよ!」
海原「(はは、僕はなんで今日来たのだろう)」


805: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 21:36:27.24 ID:z9OQcn/TO





佐天「…………(もう、初春を止められるのが私しかいないのなら)……」

佐天「…………(私が、私が絶対に止めてみせる……!!)」

佐天「……………(そして皆を救ってみせる……だから…だから!!!)」





佐天「……待ってなさい初春!これから最大級の突風でスカートめくりに行ってあげるわよ!!」

820: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/08(日) 21:42:53.84 ID:z9OQcn/TO



黒子「……ここで非常に伝えづらい事をお話ししますの」

黒子「実はここでまた一区切りなんですのよ」

黒子「進撃の初春編とでも名付けましょうか」