1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/15(木) 22:29:20.09 ID:M+cNQ2f+0
シンジ「僕がエヴァのパイロットを辞める事が出来たら」

カヲル「…………ごめん」

シンジ「……何で謝るのさ」

カヲル「……すまない」

シンジ「謝らないでよ、カヲル君のせいじゃないのに」

引用元: カヲル「シンジ君……タバコ、止めようか?」 


2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/15(木) 22:31:53.69 ID:M+cNQ2f+0
シンジ「そりゃ……ブラックジョークすぎたかなとは思ってるよ」

カヲル「……うん」

シンジ「でもさ、カヲル君が謝る必要性はどこにもないわけで」

カヲル「……うん、そうだよね」

シンジ「苦笑いすら出来ずに、ブラックジョークについて行けないなら。それなら、黙っていてほしかったよ」

カヲル「……そうだね。確かに……ごめ―

シンジ「謝らないで!」

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/15(木) 22:34:22.58 ID:M+cNQ2f+0
カヲル「…………」

シンジ「どっちかと言うと……謝った方がいいのは僕の方だと思うし」

シンジ「……このライターもうガス切れだな」

カヲル「……はい。予備のライター」

シンジ「あ……うん、ありがとう……一本吸う?」

カヲル「いや、僕はやめておくよ」

シンジ「そう……」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/15(木) 22:36:41.47 ID:M+cNQ2f+0
シンジ「あー……両切りだから、濃い煙がダイレクトに来る感じ。最ッ高!」

カヲル「……」

シンジ「あ、そうだ。カヲル君、フィルター付きの奴にする?」

カヲル「……いい」

シンジ「メンソール系は好きじゃないから持ってないけど……チョコレートの香りがする変わり種もあるよ?」

カヲル「僕は……シンジ君に、タバコを止めろって言ってるのに、吸うわけにはいかないだろう」

シンジ「さっき予備のライター取ってくれたけどね」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/15(木) 22:39:02.10 ID:M+cNQ2f+0
カヲル「……そうだね」

シンジ「いや……別に、責めてる訳じゃないから……そんな深刻な顔しないでよ」

カヲル「……うん」

シンジ「……ジャンプ読む?」

カヲル「……ありがとう」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/15(木) 22:42:14.14 ID:M+cNQ2f+0
シンジ「……」シュボ

カヲル「……」

シンジ「……ケホっ」

カヲル「…………」チラ

シンジ「……ウンッ……ンッ……」

カヲル「お水、飲むかい?」

シンジ「ありが……ゲフッ!」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/15(木) 22:45:08.75 ID:M+cNQ2f+0
シンジ「ウェッフ!?ゲホ!」

カヲル「シンジ君!?」

シンジ「大丈夫……アスカよりはマシだから」

カヲル「せめてフィルター付きの物を……ああ、そういう問題でもないか」

シンジ「アスカって何本吸ってるんだろ……フィルター付きの銘柄で、僕より酷いむせ方、ウォエ!」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/15(木) 22:48:49.90 ID:M+cNQ2f+0
アスカ「ただいまー」

マリ「おじゃましまぁす……」

シンジ「あ゛、アズガ、おがゲホォ!?」

マリ「ちょ!?わんこ君!?」

アスカ「あー、大丈夫よコネメガネ。私よりましだから」

アスカ「所で、あんたまたむせてるの?煙を肺に入れてないくせに」

シンジ「両切りだから、箱に書いてる数字よりずっとキツイから仕方が、エフン!?」

マリ「そ、そういう問題!?」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/15(木) 22:52:30.75 ID:M+cNQ2f+0
カヲル「そういう問題じゃないと思うけどね……」

シンジ「アスカは、煙を肺に入れるのやめなよ。銘柄次第では口で転がすだけでも良い感じだし」

アスカ「そもそも、葉巻は肺喫煙しないし。歴史的には肺喫煙は新しい吸い方だから」

アスカ「と続けるんでしょ?もういい加減、暗記したからそらんじれるわよ」

シンジ「味覚を感じない肺に入れるって感覚がよくわからないんだけだよ」

カヲル「シンジ君、大丈夫かい?」

シンジ「……何とか。ああ、くそ。火付けたばっかりなのに、床に落としちゃった。もったいない……」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/15(木) 22:56:34.61 ID:M+cNQ2f+0
アスカ「相変わらず安いタバコ吸ってるわねぇ……このコウモリ柄のタバコ、ふつう見ないわよ」

シンジ「でもコンビニにも置いてるし、一番安いし、古典的なタバコって感じがして好きなんだ。しかも安いし」

アスカ「安いって、二回言ったわよ」

シンジ「でも、大事な事でしょ?」

アスカ「そりゃね。私が一番好きなのは五百円もするからねぇ……」

シンジ「僕が吸ってるやつなら、二百円だからね。まぁそれでも、昔から吸ってる人からしたら、高くなったみたいだけど」

アスカ「タバコ税とか、ナンセンスよね。文化に税金をかけるなんて!」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/15(木) 23:00:41.13 ID:M+cNQ2f+0
シンジ「でも、真昼間からやってても。飲酒より白い目で見られないのは、まだ救いかな」

シンジ「あ、アスカ。一本吸う?」

アスカ「良いわよ。両切りは吸いにくいから、咥えながら作業しにくいし」

カヲル「シンジ君……さっき思いっきりむせたのに。すぐに吸う気なのかい……?」

シンジ「もう、カヲルくんったら。僕と何年過ごしてるんだよ。ははは」

アスカ「あ、そうだ。変わり種見つけてきたわよ」

シンジ「え、どんなの?」

カヲル「……」

マリ「……大変だね」

カヲル「君もね」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/15(木) 23:04:07.73 ID:M+cNQ2f+0
アスカ「えーっと、何だっけ。ウィスキー樽に寝かせた葉っぱですって」

シンジ「アスカが好きな銘柄だね。無添加タバコだっけ?」

アスカ「私がいつも吸ってるのは、無添加な上に無農薬を謳ってる物だけどね」

アスカ「ほら、これよ」

シンジ「わぁ、アズキ色のパッケージが何か怪しい」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/15(木) 23:06:14.45 ID:M+cNQ2f+0
マリ「実はさぁ……」

カヲル「うん、何だい?」

マリ「一つ謝らなきゃいけいことあるの」

カヲル「……また、タバコを奢ってあげたのかい?」

マリ「……はい」

アスカ「一本どうぞ」

シンジ「いただきまーす」

アスカ「あ、その言葉マリにも言って。これ、マリの奢りだから」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/15(木) 23:07:31.91 ID:M+cNQ2f+0
アスカ「あー……」

シンジ「美味しい……」

カヲル「……」

マリ「……ねぇ、姫」

アスカ「タバコなら止めないわよ」

マリ「……はい」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/15(木) 23:11:04.77 ID:M+cNQ2f+0
カヲル「諦めが早すぎるよ……」

マリ「何て言えば良いのさ……そもそも、私、姫にタバコ奢ってる身なのに」

カヲル「まずはタバコを奢るのを止めようよ。君、二人で買い物に行ったら、間違いなく奢ってるよね?」

マリ「アンタだって……外出るとき、ワンコ君にお金渡されて、ついでにタバコのカートン買い頼まれても断らないじゃない」

カヲル「……そうなんだよね」

マリ「お互い、まずは喫煙の手助けを止めないと」

カヲル「止めれるかな」

マリ「自信は無いけどね」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/15(木) 23:14:59.20 ID:M+cNQ2f+0
シンジ「久しぶりにいつもの奴以外を吸うと」

アスカ「うん」

シンジ「タバコの固さと燃える遅さに驚く」

アスカ「私が吸ってるのは特別よ。無添加ってことは、燃焼剤も無いし」

アスカ「この銘柄は、タバコ葉をギチギチに詰めてるのも売りの一つだから」

シンジ「へぇ……まぁぼくが吸ってるのが、安いだけあってスカスカだから燃えやすいってのあるだろうけど」

アスカ「そのせいで、私より吸う本数多いわよね」

アスカ「でもそれを差し引いても、むせる症状が私よりマシなのは不公平よ」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/15(木) 23:16:51.85 ID:M+cNQ2f+0
シンジ「アスカの場合は、肺に入れるのやめたら劇的に改善すると思うな」

マリ「吸うの止めちゃったらもっと劇的に改善すると思う」

アスカ「……」

シンジ「……」

マリ「ごめん……」

カヲル「謝っちゃだめだろうに……」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/15(木) 23:22:50.18 ID:M+cNQ2f+0
こんな事書いてるけど、タバコ美味しいです

シンジ「まぁ、こっちも美味しいけど」

シンジ「やっぱり、いつも吸ってるやつが一番落ち着くなぁ」

アスカ「相変わらず」

シンジ「何?」

アスカ「両切りタバコの吸い口を、トントンと叩く仕草は様になってるのに」

シンジ「……うん」

アスカ「くちびるを突っ張らせて吸うその姿は、相変わらず滑稽よね」

シンジ「ぷはぁー……仕方ないじゃない、こうしないと葉っぱが口に入るから」

アスカ「まぁ、フィルターをコンビニで買ってつけられるよりはマシか」

シンジ「コンビニで売ってるフィルターって、プラスチック製だから……ないよね」

アスカ「口当たりが最悪」

シンジ「それだったら、キセルを買ってきて、分解して吸うかな」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/15(木) 23:25:37.54 ID:M+cNQ2f+0
アスカ「キセルタバコかぁ……一回やってみたいけど」

シンジ「こだわりのタバコ屋に行くと、売ってたりするけど。ちょっと二の足踏む値段だよね」

アスカ「同じ理由でジッポーライターも買わずにここまで来ちゃったわ」

シンジ「使い捨てライターよりカッコいいんだけどねぇ……あ、今吸ってたのがラス1だった」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/15(木) 23:30:09.22 ID:M+cNQ2f+0
カヲル「……ちょっと、コンビニに行ってくる。小腹が空いた」

アスカ「あ、食べ物なら。さっきマリと買い物に行ったときに買ってきたわよ?」

カヲル「いや、そういう軽食の類じゃなくて」

アスカ「……」ニヤニヤ

カヲル「もっと……お弁当的な」

シンジ「アスカ……意地悪はやめなよ。カヲル君、コンビニに行くなら」

カヲル「うん……」

シンジ「このお金でタバコ買ってきて。カートン買いね」

カヲル「わかったよ……いつもの銘柄だね?」

シンジ「うん、お願いね」

マリ「…………」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/15(木) 23:34:36.21 ID:M+cNQ2f+0
マリ「……今なら大丈夫かな」

アスカ「あれ、どうしたのよ」

マリ「姫、ハッピーバースデー」

アスカ「え、これ、もしかして。プレゼント!?」

マリ「うん、サプライズだよ」

アスカ「え、小っちゃいけど、でもこの形は……」

アスカ「やっぱりいい!!」

シンジ「うわ!良いなー!!」

アスカ「ジッポーライターだぁ!!」

マリ「うふふ……お誕生日おめでとう、姫」

アスカ「ありがとう、マリ!絶対に大切にするから!!」

マリ「ふふふ……喜んでくれて何よりだよ」



終わり