初春「レベル5です!レベル5ですよ佐天さん!」 

初春「レベル5です!レベル5ですよ佐天さん!」佐天「にっ!

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/12(木) 22:47:11.54 ID:f3b55OpOO
――――――――――




固法「………………初春…!」

初春「固法先輩は私の事、信じてくれますよね?」

固法「……あなた…………行方不明って……!!」

初春「お願いです固法先輩…私を助けて下さい…」

固法「助けるって、一体どういう事!?」

初春「誰も私の事わかってくれないんですよ…皆さん間違ってるんです…だから、だから何が正しいのかを……そうですよ!私は正しい事をしてるじゃないですか!!」

引用元: 初春「レベル5です!レベル5ですよ佐天さん!」佐天「さんっ!」 



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/12(木) 22:50:21.43 ID:f3b55OpOO
固法「お、落ち着きなさい初春!一体何があったの…?あなた、あなた行方不明になってもう二週間以上は経ってるのよ…?」

初春「…固法先輩…私を…助けて下さい…!!助けて下さいよ!!!」

固法「…!!わ、わかったわ初春!!事情は後で聞くから今は私の部屋に来なさい」

初春「…ダメですよ固法先輩の部屋じゃ…危ないんです……」

固法「………わかったわ…ついて来なさい初春、私が取っておきの隠れ家を用意してあげるから…!!」

初春「ありがとうございますっ!!」

固法「……(スキルアウト時代の遊び場がこんなときに役にたつなんてね…)」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/12(木) 22:53:17.41 ID:f3b55OpOO



初春「…………随分と怖い場所なんですね…」

固法「まぁね、一応この学園都市の最低辺のような場所だし…(とにかく一旦ここに初春を留めらせてアンチスキルに連絡を……)」

初春「固法先輩……………信じてますよ?」

固法「ぁ、えっ!? も、もちろん、信じなさい私を」

初春「………」

固法「…………着いたわ初春、ここは昔スキルアウトっていう人達の一派の集会が行われていた場所なの」

固法「その一派はもう解体させられたし、他のスキルアウトも寄り付く事は無いと思うから安心しなさい」

初春「ありがとうございます………」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/12(木) 22:56:31.77 ID:f3b55OpOO
固法「(今の内にアンチスキルに連絡を!)」カチャッ

ポチ…ポチ…

初春「……」

固法「(レベル…5…を…確保…場所は……)」


初春「信じていたのに固法先輩」

固法「っっえっ!?」ガタッ

初春「今、指の動きを見てたんですけど固法先輩がなんてメール打ったのかわかっちゃいましたよ」

固法「……!!…ま、待って初春……これは…」

初春「私を確保する為にこんな場所に連れて来たんですね、確かに広いですもんねここ」

初春「そうですか、ふ~ん…」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/12(木) 23:01:07.83 ID:f3b55OpOO
 

固法「待って初春…違うの…」

初春「何が違うんですか固法先輩あなたは私を裏切ったくせに」

固法「ま、待っ………!?…………がハッ!!…………ぐっ…!!うぅ………!!ぁあぁあああ!!!!!」

初春「固法先輩は私に嘘をつきました、もぉ~、私傷ついちゃいましたよ」

固法「……がふっ…………あつい………!!やめ………がふっ…………うい…………はる………!!」

初春「お仕置きですよ固法先輩」クスッ

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/12(木) 23:02:45.43 ID:f3b55OpOO
固法「あがぁぁぁ…ぁぁ……ぁ…………(暑い!!暑い!!熱いよ!!!)」

初春「許しませんよ」

固法「…がはっ……ハァ……ハァ……え…息ができる…………、!?ぎゃああぁアアアアアアアアアぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!(床が!!まるで鉄板みたいに!!!)」



パンッ



固法「!?!?!?…ぁ……!!!ぁぁあアアアアアアアアア!!!!!!!(嫌ぁぁぁぁぁぁぁ!!!腕が!!腕が痛い!!!!)」

初春「許しません」クスッ

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/12(木) 23:06:35.27 ID:f3b55OpOO
固法「うぅ…………!!!(痛い…痛い……!!!)」

初春「…固法先輩の能力、透視能力でしたよね」

固法「…うぐっ………ぐぅ…それが……なに…よ………?」

初春「……いえ、眼を使う能力なんだなーって思っただけですよ」

固法「何を………? ……………!! ……………嫌…………やめて…………やめて初春………」

初春「フフン♪」


ボンッ


固法「あぁ……!!!ぁあ!!!あぁあぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!! 嫌あぁあぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!(前が!!前が見えない!!眼が!!!!)」

初春「固法先輩もう眼鏡かけてる意味ないじゃないですかぁ♪フフッ♪」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/12(木) 23:09:30.29 ID:f3b55OpOO
固法「あアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

初春「固法先輩うるさいです」

バゥン


固法「がはっ!!!……ゴフッ…………ゴフッ…………ゲホゲホ(お腹が…痛い)」ビチャビチャビチャ

初春「そろそろ固法先輩もさよならしませんか」

固法「……ゴフッ……がふっ………("さよなら"?……楽になるならなんでもいいわよ……)」

初春「さよなら、固法先輩」

バンッ




固法「………」 

ぐちゃ



――――――――

―――

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/12(木) 23:13:51.07 ID:f3b55OpOO
――

――――――

禁書「とうまっ!とうまっ!とうまったらぁ!ねぇとーまー!!!」

上条「はぁ…もう!!あのねぇインデックスさん!病院では静かにしないとダメなのっ!!」

禁書「むぅ!…ねぇとうま、いつ退院するの?」

上条「えぇ……あーそうだなー…まぁあと十数日ってとこかな…」

禁書「…とうま、もしかしてとうまをそんなふうにした人にやり返そうとか思ってるんじゃないかな!」

上条「え…?」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/12(木) 23:14:54.52 ID:f3b55OpOO
禁書「ダメだよとうま!ただでさえいつもいつも何かに巻き込まれてケガして来るのに!自分からケガしに行こうだなんて私感心しないかもっ!」

上条「あぁ…そうか…ごめんなインデックス、大丈夫だって、そんな事はしない」

禁書「ほんとに!?約束なんだよ!?」

上条「わかってるって!それよりお前早く帰らないと、スフィンクスにエサやらなくていいのか?」

禁書「あぁ!忘れてたんだよ!!じゃあねーとーまー!!」タッタッタッ…

上条「……………………ごめんなインデックス、俺はもう一度アイツと…」

――

――――――

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/12(木) 23:17:55.36 ID:f3b55OpOO
――

――――――

ステイル「これは科学側の問題であって僕達魔術側が動くべきじゃない」

土御門「少~しばかり今回は事情が違うんだにゃ~、もし今の、半ば暴走した状態の初春飾利が万が一、学園都市に潜入してきた魔術師と戦闘でも始めたらどうなると思う?」

ステイル「…!」

神崎「私達は、それを未然に防げば良いのですね?」

土御門「……今まで以上に魔術側の動きを警戒しないといけない、科学側との戦争を望んでいる馬鹿共だっているんだ」

ステイル「…了解した」

神崎「私もです、土御門」

土御門「…頼んだぞ」

――――――

――

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/12(木) 23:19:33.92 ID:f3b55OpOO
――

――――――

美琴「…………」

ミサカ「気がつきましたかお姉様、とミサカは安堵の表情を浮かべます」

美琴「……私は……………!!くぅっ!…腕が……」

ミサカ「無理をなさらないで下さいお姉様、とミサカは本気で貴女の事を心配します」

美琴「病院………か、……!? アイツは……、アイツはどうしたの!?」

ミサカ「彼は大丈夫ですから安心してくださいお姉様、もうすぐ全てが終わります、とミサカはその場凌ぎでは無い本心を述べます」

美琴「……これから何が起きるの…………?」

―――――

――

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/12(木) 23:22:40.01 ID:f3b55OpOO
――

――――――

アレイスター「土御門…………君は……少し勘違いをしている…」

アレイスター「……………」

アレイスター「……初春飾利………」


アレイスター「…………良いサンプルが採れる事を…………期待するよ………」


―――――

――

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/12(木) 23:25:49.71 ID:f3b55OpOO
――

―――――――

結標「初春飾利の姿が確認されたそうよ」

佐天「ほんとですか!?」

結標「えぇ、彼女に襲われた人物がどうやら上手い具合に隠しカメラのある位置に初春飾利を誘導していたみたいなの」

佐天「そんな…じゃあその襲われた人は…?」

結標「……彼女に殺されたわ」

佐天「……!!」

結標「……もうこれ以上犠牲者を出さない、いや、出しちゃいけないわ」

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/12(木) 23:27:33.53 ID:f3b55OpOO
佐天「はい…!!」

結標「止めてみせるわ」

佐天「いよいよ始まるんですね…」

結標「えぇ、討伐に向けての準備の最終段階に入るわよ」

佐天「はい!」


婚后「それでは、本日の訓練も厳しく参りますわよ!」

佐天「よろしくお願いします!!」


一方通行「………ふン……おもしれェ事になってるじゃねェか、なァ海原?」

海原「"面白い"ですか…まぁ、確かにそうかもしれませんね…」

――――――

――

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/12(木) 23:29:02.12 ID:f3b55OpOO

――

――――――



タッタッタッタッタッタッ……


ランニングマン「………………向かい風の強い日だ、…………………………これから何かが始まるな…………………………」




タッタッタッタッタッタッ………


――――――

――

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/12(木) 23:31:50.54 ID:f3b55OpOO

――

――――――

初春「私のやろうとした事の邪魔をするんなら、誰であろうと許さないんですよ…?」

初春「私は固法先輩ならわかってくれると思ってたんですよ?」

初春「…………でも感謝してます、こんな隠れ家を用意してくれるなんて、優しいんですねっ!」

初春「……」

初春「……フフッ♪」

―――――――

――




一週間後

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/12(木) 23:59:24.23 ID:f3b55OpOO
演習場



佐天「……いきます」カチッ

キュイーン…

婚后「さぁ、やってみなさいですわよ!!」

佐天「うりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」グンッ

実践演習場に配置されたジャンクのトラックに佐天が触れる、するとそのトラックが風を巻き上げながら、数十メートルは先の地面に描かれた円形のターゲットに向かって勢いよく飛んでいく。

婚后「上出来ですわ佐天さん」

佐天「あ、ありがとうございますっ!!」

96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 00:01:25.65 ID:UESgJRD3O
 

婚后「悔しいですが、今の貴女は間違いなくこのわたくし婚后光子に見劣りしない、レベル4の能力を行使できるようになりましてよ!」

佐天「は、はい!ありがとうございますっ!!」

婚后「……ようやくここまで来ましたか、といった感じでございましょうか」

佐天「そう…ですね」

婚后「……佐天さん、どうか、どうか白井さんの仇を……とって下さいですわ………」

佐天「………わかっています……!」ギリッ

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 00:03:58.79 ID:UESgJRD3O
婚后「しかし、問題はここから貴女がどうやってレベル5になるか、という事ですわね…」

婚后「わたくし自身がレベル4の能力者ですので、これ以上の助言ができないのですわ」

佐天「た、確かに……どうすればレベル5に…」

婚后「……空力使いのレベル4の能力者とレベル5の能力者の間には、絶対的な壁があるのですわ」

佐天「…壁……?」

婚后「そう、能力発動の壁が」

102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 00:05:21.13 ID:UESgJRD3O
婚后「空力使いはレベル4の時点で、手で触れた点を基点にした噴射点を作り対象の物体を飛ばす、という攻撃ができますわね?」

婚后「この、手で物体を触れるという所が、壁なのでありますの」

佐天「どういう事ですか?」

婚后「風力使い(エアロシューター)という能力者の総称をご存知でしょうか?」

佐天「あっ、聞いたことはあります」

婚后「彼らが行っているのは風を操る行為なんですが、あれはあくまで念動力の一種なんですわ」

婚后「そう、彼らは念動力の延長で風を操ったに過ぎない」

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 00:06:39.56 ID:UESgJRD3O
婚后「わたくし達空力使い(エアロハンド)がレベル5になるには、最低でも手で触れずに物体に噴射点を形成出来るようになる必要がありますわ」

婚后「更に言わせていただくと、竜巻を起こす、突風を操る等風力使いと同じ攻撃、ただし威力はわたくし達空力使いの方がケタ違いに高いですのですが、それをマスターしなければなりませんわ」

佐天「そんな事出来るようになるんですか!?なんか風力使いバージョンの御坂さんみたいでかっこいいですね!!」

婚后「あくまで理論上の話ですわよ、過去に一人も空力使いのレベル5は存在していませんのですから」

佐天「でも、確かにそれは中々体得しづらそうですね」

婚后「そこでですわ」

105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 00:09:07.63 ID:UESgJRD3O



一方通行「……他の奴に聞いても抽象的な答えしか帰ってこねェからって、お前が訓練やってたンだよなァ…?」

婚后「そうですわ、それが何か?」

一方通行「……ンじゃァ俺に何か質問をしにくるってのがおかしいじゃねェか!」

佐天「レベル5になるコツみたいなのを教えてくれればいいんですよアセロラさん!」

一方通行「だァれがアセロラだこらァ!!その法則で略すならアセラタだろォが!!あァ!?」
佐天「(そこじゃねぇ)」

婚后「まさに抽象的な意見で構いませんのよ?P・Rの構築のコツとか、何かありますでしょ?」

一方通行「…チィ、めンどくせェな…」

110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 00:12:08.89 ID:UESgJRD3O


一方通行「……今以上の努力をしろ、俺に言えるのなンざそれだけじゃねェのか?」

一方通行「最強になる為に俺がしたのはそンくらいだ」

佐天「今以上の努力…ですか」

佐天「………過去、死に何度か直面したあなただからこそのセリフですね…」

一方通行「……うるせェ…妙なこと言わせんな、恥ずかしい…」

佐天「…ありがとうございました!」

婚后「ちょ、ちょっとお待ちなさい佐天さん!貴方今の話で何かわかりましたの?」

112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 00:13:03.07 ID:UESgJRD3O
佐天「はい……いや漠然とですよ!?そんなハッキリとは見えてきません」

佐天「でも、何か掴めた気がします!わからないんですけど、一方通行さんが言いたかったのはひたすら努力しろって意味じゃないって事はわかりました」

婚后「…? まぁ、貴女が何か掴めたのなら、わたくしはそれに価値があると思いますわ、それにしたって、あんな助言ならわたくしでもできましたわ!」

佐天「あはは…、さぁ婚后さんそろそろ演習場戻りましょう!もう時間なんて無いんですから!」

婚后「そうですわね、参りましょう佐天さん!」

タッタッタッ……


一方通行「………俺だって何言いたかったかなンざ漠然としかわからねェよ、だからそっからはお前が模索するしかねェんだ……」

114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 00:15:34.56 ID:UESgJRD3O
演習場


佐天「今以上の努力…そうだ、一方通行さんはレベル5の能力者だった人だ、今でこそ演算補助デバイスの力が必要不可欠だけど」

佐天「…対して私は演算補助デバイスの力を借りたほんの一握りの時間しかレベル5に"成れない"」

佐天「その違いは……大きい」

佐天「そもそも、演算補助デバイスを使っても私はまだレベル4だ…」

佐天「壁を越えなきゃ……! レベル5の壁を……!! もう初春討伐まで時間がないんだから!!」


婚后「それでは実践演習を始めますわよ!!参りますわ!!」

佐天「はい! ………(越えてみせる……!!!)」カチッ


キュイーン……

115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 00:18:12.45 ID:UESgJRD3O

婚后がジャンクのトラックに噴射点を作り佐天目掛け発射してくる。
普段の訓練ではこの飛んできたトラックに佐天も触れた瞬間に噴射点を作り、トラックを飛ばし返すという、命を懸けた巨大オブジェクトキャッチボールを行う。ところが佐天は噴射天を作る為の準備をするそぶりを見せなかった。

婚后「なっ……!? どうしたんですの!?能力が発動できないなら回避行動をとるのですわ!!」


佐天「違う…、触れちゃだめだ、初春は他人に触れずに能力を発動出来るんだ……」

佐天「なら私だってそれくらい!!」

121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 00:21:54.00 ID:UESgJRD3O


フッ…


佐天「…あ」

右側面に小さな噴射点が現れトラックの軌道が少し揺らぐ、しかし噴射点はすぐに消えてしまった。

婚后「避けなさい!!」

佐天「……クッ!」
直前で佐天がトラックを避ける。間一髪の所で佐天は逃げきる事が出来た。

婚后「佐天さん!!一体どうして噴射点を作る構えをとらなかったのですの!?」

佐天「すみません婚后さん…………でも一瞬だけど、今噴射点が……」

婚后「えぇ見えましたわ!それでも自ら命を落としに行くような行為は二度と!!二度としないでいただきたいですわ!!!!」

佐天「すいません…………」


124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 00:23:21.30 ID:UESgJRD3O
佐天「(初春は自身の発するAIM拡散力場の把握力に長けてるらしい…だから座標攻撃のような攻撃を可能とするって…)」

佐天「(なら今私がやったのは何?間違いなく噴射点を手からではなく、空間に作る事が出来た…)」

佐天「…」

佐天「…………あはは、そうか、無意識なんだ…演算補助デバイスで演算能力だけは格段に上がってるから…」

佐天「(つまり………今のをコントロール出来るかどうかにかかってるって訳ね!)」

佐天「婚后さん!もういっちょキャッチボールいきましょう!!」

婚后「なななな何を言っていますの佐天さん!!貴女まさか…!!」

佐天「大丈夫!何か掴めそうなんですよ!お願いします!!」

126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 00:25:13.91 ID:UESgJRD3O
婚后「んもう!知りませんわよ!!」

婚后がトラックに噴射点を作り佐天目掛け発動してくる。

佐天「(半信半疑になるな……、集中しろ涙子!!)」

佐天「(さっきは出来たんだ、今度できない筈がないじゃん!)」

トラックの側面に噴射点が出現する。しかしそれは次第に"点"では済まない規模に拡大されていく。

婚后「これは…………竜巻…!?」

トラックが勢いよく横に吹っ飛ぶ、それと同時に強烈な横殴りの風が吹き、演習場にある様々なオブジェクトが吹き飛んでいった。


佐天「………やっぱり、いける……、でもまだだ…!!」

128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 00:26:01.26 ID:UESgJRD3O
数時間後


婚后「……………まだ……続けるんですの………?」

佐天「今日中にコントロールを覚えないといけないんですよ!もう時間が無いんです!!」

婚后「…致し方ありませんわね、この婚后光子、交わした約束を破る趣味はありませんわ!!まだまだいきますわよ!!」

佐天「ありがとうございますっ!!」

佐天「(扱えるようにしてみせる!ただレベル5になれる条件を満たすだけじゃ初春は倒せないんだから!)」

130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 00:28:31.57 ID:UESgJRD3O



佐天「………手応え、ありますよ!」

婚后「演算補助デバイスのバッテリー切れまで続けるなんて…わたくし流石に限界が近いですわよ…」

佐天「今日は特にありがとうございました、婚后さん!」

婚后「へ!?あ、いえ、この程度のお付き合いなど当然の振る舞いですのよ!おほほほ!!」

婚后「………まぁ、多数の補助を差し引いても、今日一日で、たった一日で壁を越える可能性を私達に見せていただけるなんて、ビックリですのよ」

佐天「そんなそんな…でも、本当にありがとうございました婚后さん」

婚后「貴女の努力の賜物ですわよ」

132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 00:29:18.59 ID:UESgJRD3O

佐天「お疲れ様です!では今日は失礼します」

海原「もうこの演習場での寝泊まりは慣れましたか?」

佐天「はい!ていうか私基本的にどこでも寝られるんで、あははは」

海原「それはよかったです、万が一ここでの生活がストレスになってしまっていたらと心配していました」

佐天「そんな事ありえませんって!それじゃまた!」

海原「はい、おやすみなさい」






佐天「………もしも」

136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 00:32:43.69 ID:UESgJRD3O
佐天「もしも、いや、もしかしたら、演算補助デバイスを使わなくても、せめてレベル1程度の能力行使なら出来るんじゃない!?」



…………



佐天「…何も起きない、か」

佐天「……ははは、そりゃそうだよね、演算補助デバイスのおかげ、ミサカネットワークのおかげだもんね…」

佐天「やっぱり、どうしたって私が高レベルの能力を行使出来るのは一時間程度が限界…か」

佐天「それでも初春を……初春を止めなくちゃ…!!」





―――――――

――

138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 00:33:52.68 ID:UESgJRD3O
――

――――――

黄泉川「監視対象の様子はどうじゃん?」

アンチスキルA「変化ありませんね、いつも通り、たまに何処かへと姿を消したりはしているんですが」

アンチスキルB「おそらく食糧の調達等を行っているのでしょう」

黄泉川「そうか…、奴が食糧の調達をしているところを狙えば確保できそうなものをじゃん…」

アンチスキルC「あはは、無茶ですよそれは、大体外に出たら彼女は監視カメラに映らないように移動するのですから、確保するにも場所が特定できません」

黄泉川「やっぱ、あの娘に任せるしかないのかじゃん……」

アンチスキルD「それは違いますよ」

140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 00:34:53.94 ID:UESgJRD3O
黄泉川「なんの話ですかじゃん?」

アンチスキルD「私の部隊を彼女の追跡・確保の任に就かせました」

黄泉川「なっ…!そんな事したって無駄に被害者を増やすだけですじゃん!」

アンチスキルA「ん?監視対象が動きます、出かけるのでしょうか?」

アンチスキルD「ちょうど良い、見ていなさい、コチラ司令塔、任務を開始しろ」

アンチスキルC「ま、待って下さい!こんな時間に彼女が動くのはおかしい…」

アンチスキルD「問題ない、さすがにレベル5と言えど少女だ、隙をつけば簡単に確保できる」

202: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 06:37:48.04 ID:UESgJRD3O
 
初春「…」

狩人部隊A「…コチラ狩人、対象の追跡を開始」

初春「…」タッタッタッ…

狩人部隊B「!!何処かへ走っていくぞ、絶対に逃がすな」

狩人部隊C「隠密に確保に向かえよ……万が一俺達が追跡している事が気づかれたら、彼女を殺害しなきゃあならん」ニヤッ

狩人部隊D「えぇ、気をつけて動きましょう、気をつけて…」ニヤッ

狩人部隊E「しかし、スキルアウトのたまり場ってのはどうしてこうも道が入り組んでんだよ」


203: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 06:38:40.56 ID:UESgJRD3O
初春「…」タッタッタッ…

狩人部隊F「なんだ?建物の中に…」

狩人部隊G「隊長、どうしますか?」

狩人部隊H「まさか、我々に…?」

狩人部隊C「我々に気づいたとは思えん…よし、三人小隊二組で建物内に進入する、A、Bは私と、D、E、Fは我々を援護する体制で進入する」

狩人部隊C「G、Hの2名は外で待機だ、では行くぞ」

狩人部隊「了解」

狩人部隊G「(なんだ…?さっきから肌寒い気が………)」

狩人部隊C「狭い場所に入った事を後悔するんだな」

204: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 06:43:11.30 ID:UESgJRD3O

狩人部隊B「(目標はどこに…?)」

パンッ

狩人部隊B「…………ぇ…?あ………あぁあ!!!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!腹がぁぁぁぁぁぁぁ!!!腹がいてぇぇぇぇ!!!」

狩人部隊A「だ、大丈夫か!?う、うわぁぁ!!コイツ腹が破裂してる……!!」

狩人部隊C「なんだと!?マズイ!気づかれたか!!第一、第二隊、発砲を許可する!!目標を発見しだい……………がはっ!!ゲホっゲホっ……!!(なんだ…?ま、マズイ!!これは奴の能力か!)」

狩人部隊A「ひぃぃ!!隊長!!隊長!!う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ死ねぇぇぇ!!!」ズタタタタタタ!!!!!!!

狩人部隊C「無駄弾を………がふっ…………うつな………ゲホっゲホ……………う!?がぁああああああ!!!!床がぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!」

狩人部隊A「ぎゃああああああああああ!!!!手が焼けたぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!(ライフルが熱した鉄板みたいになりやがった!!)」

205: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 06:46:17.10 ID:UESgJRD3O
狩人部隊E「隊長達に何かが起きたらしい!援護に向かうぞ!」

狩人部隊F「了解した!」

狩人部隊D「……………ぁ……ぁ………」ガタガタ…

狩人部隊E「ど、どうした!?………………、ぁ………し、しまった!!」

初春「こんにちは皆さん、ダメですよ勝手に私の後ろ追いてきちゃ」

ゴオォォォォ…

狩人部隊E「あぁ!!あああああ!!!息が!!!息があああああ!!!!!!(なんだ!?部屋の中の気温が!!!)」

狩人部隊F「ひいぃ!!!嫌だっ!!嫌だっ!!嫌だあああああががが!!がはッ!!ぁぁぁぁぁぁぁあ!!!(床が…壁が……身体中が……あつい……)」

狩人部隊D「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!あづい!!あづいぃぃぃぃい」バタバタ

初春「さっき皆さんのお仲間さんにも会いましたよ、少し面倒なのでこの建物まるごと蒸しちゃおうと思います」

207: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 06:49:17.21 ID:UESgJRD3O
ゴオォォォォ…………

狩人部隊A「あが…………が……………かふ……………たすけ…………………」

狩人部隊B「…………っ…………っ……」

狩人部隊C「…………ぐ………くそぉ………………」




狩人部隊D「…………」

狩人部隊E「………………だ……れか……」

狩人部隊F「………い…………や………だ………………」

初春「私は涼しいくらいなんですけど皆さんはなんだかとても暑そうですね、とっても苦しそうですよ!フフッ♪」


初春「さて……」

208: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 06:51:11.44 ID:UESgJRD3O
狩人部隊C「………!!がはっ!!ハァ…ハァ……(息ができる!!)」

初春「あなたが隊長さんみたいですね、聞きたい事があるんです」

狩人部隊C「………!?」

初春「どうして私を追ってこられたんですか?いや、というよりどうして私の隠れていた場所の周りを張っていたんですか?」

狩人部隊C「…なっ!!(まさか、そんな段階からバレていた!?)」

初春「私の能力、擬似的なレーダーみたいな使い方も出来るんですよ」

初春「常に能力の届く範囲の気温を少し下げておくんです、すると誰かが近くに来ると、その人の発する体温で、私には誰かが来た事がその正確な位置まで含めてわかっちゃうんですよ」ニコッ

210: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 06:56:43.78 ID:UESgJRD3O
初春「だから嘘つかないで下さいね?どうして私の隠れてる場所がわかったんですか?」

狩人部隊C「!(も、黙秘だ…彼女は我々を差し向けた"裏"を知ろうとしている…それはさけなければ…)」

初春「むぅ、質問無視しないでくださいよぉー」ブーブー

狩人部隊C「…(何があろうと、何も話すな)」


キンッ


狩人部隊C「…?(なんだ?左手に違和感が…)」

初春「……話したくないんですね」ニコッ

212: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 07:01:16.15 ID:UESgJRD3O
初春「……左手、不思議なくらい何も感じないと思いません?見てみてくださいっ!きっとビックリしますよっ!」

狩人部隊C「…え………………、あぁ………! ………嘘だろ…………?」ガタガタ…

初春「その様子だと指先まで感覚が無くなっちゃうみたいなんですね」

狩人部隊C「そんな…………そんなぁ………俺の手がぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

初春「だって暑そうだったじゃないですか、だからすぐに涼しくしてあげようと思ったんですよぉ!だから瞬間冷凍してあげたんですっ♪」

狩人部隊C「うわぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!こんな……!!こんな事………!!!」

初春「お話ししてくれる気になりましたか?それじゃ教えて下さい他の部分まで冷凍されたくないですよね?」

213: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 07:05:41.63 ID:UESgJRD3O
狩人部隊C「……!!(耐えろ!!耐えろぉぉ!!コイツはまだ俺をまだ殺すことはない、情報を引き出せる可能性が無いと理解した時、始めて俺に手をかける気なんだ!)」

初春「教えてくださいよぉ~」ブー

狩人部隊C「……(もう少しで、俺達から連絡が無い事に気づいた待機組がきっと増援をくれるはずだ…それまで!!)」

初春「……もしかして時間稼ぎとか考えてませんか?」

狩人部隊C「…!」

初春「窓から二人組が見えたんですよね、皆さんと同じ格好してましたし、何か不審だったんで花火みたいにパーンってしちゃいましたよ」

狩人部隊C「…………そん………な…………(なら、俺は!!俺はどうすれば助かるんだ!!)」

初春「無駄死になんて嫌ですよね…?だから、私に教えてくれませんか?そうすれば貴方は無駄死にじゃないんですよ!」

214: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 07:10:44.15 ID:UESgJRD3O
狩人部隊C「…(俺は死ぬのか?)」

キンッ

狩人部隊C「あ」

初春「…もうわかりましたよね?両足完全冷凍しちゃいましたよ?右腕もしてあげましょうか?」

狩人部隊C「うぅ…!!うぅ……(動けねえ!!いかん!!これはマズイ!!)」

初春「まだ序の口なんですよ?これ、」

狩人部隊C「!?」

初春「じゃあ特別に、あなたがあの場所がわかった理由を教えてさえくれればあなたは助けますよ!」

キンッ

初春「念の為右腕も凍らせておきますよ」

215: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 07:11:47.09 ID:UESgJRD3O



アンチスキルD「………どうした狩人部隊!なぜ連絡がない!」

アンチスキルA「……まずいんじゃないですか?」

黄泉川「あぁ、おそらく部隊はもうアイツに全滅させられてるじゃん…」

アンチスキルD「ぐっ…!!増援だ!!我々も動きましょう!」

黄泉川「それはできないじゃん!討伐作戦の決行は明日なんだじゃん!!ここで無駄に犠牲を増やすわけにはいかないのですじゃん!!!」

アンチスキルD「くそっ…!!化け物め……!!」




217: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 07:22:34.56 ID:UESgJRD3O


狩人部隊C「…!!(助かる?助かるのか!?)」

初春「だから、あなた方に命令をした組織ないし人物と、なぜあの場所がわかったのかを教えてくれませんか?」ニコッ

狩人部隊C「(…助かるか、そんな訳ないな、コイツは間違いなく俺を殺すさ) 断る…」

初春「…そうですか」


パリンッ

狩人部隊C「…ぇ……」



221: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 07:54:56.65 ID:UESgJRD3O

狩人部隊C「え……? え………?」

初春「わかりませんよね、今あなたの両足がなくなっちゃいました」

狩人部隊C「………そんな… (わからない…恐ろしいほど何も感じない……)」

初春「まだ言いたくないんですか?今ならまだ間に合いますよ?命は助かりますよ?さぁ話して下さい」

狩人部隊C「………はっ、助かったところで、こんな身体じゃもう仕事は」

パリンッ

狩人部隊C「…!?」

初春「左手も割っちゃいましたよ?ちょっと助かるかわからない段階に入ってきちゃいましたね」

225: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 08:11:47.86 ID:UESgJRD3O


狩人部隊C「……ヒィ!………」

初春「……なんで今は痛くないかわかりますか?」

狩人部隊C「…?」

初春「傷口が凍ってるからなんです、これ、普通はまぁ出来ないんですけど、私の能力を使うと一瞬で解凍できちゃうんですよ」

狩人部隊C「……まさか……やめろよ………」

パリンッ

初春「……そんな言葉が聞きたいんじゃないんですよー!右腕割っちゃいました、もう仕方ないですね」

狩人部隊C「………(ぐっ……!!くそぉ……こんな事になっちまうなんて………)」

226: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 08:27:38.39 ID:UESgJRD3O

初春「解凍しちゃいますよ」スゥ

シュウゥゥッ

狩人部隊C「……!!!!あぁ!!!!あああああああ!!!!ぎゃああああアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!あアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!」ガクガクガクガク


ブシャーッ!!!!!
初春「うわっ!?…………ぁぁ……血がかかっちゃいましたよぉ……」

狩人部隊C「嫌だ!!!!!!痛い!!!!!!!痛いぃぃぃぃいぃぃぃぃい!!!!あぁアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!あぁ……………ガハッ………!!ごぶぁ……………ゲホッ……ゲホッ…!」ガクガクガクガク

初春「……クスッ、ふふっ……フフッ……あなたが悪いんでーすよっ」

228: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 08:41:21.55 ID:UESgJRD3O
狩人部隊C「あぁ……あがっ…………がふっ………」ピク…ピク…

初春「あなた達がついて来たおかげで、あの場所がもう安全じゃない事がわかりました、その事は感謝しますよ」

狩人部隊C「…………ぐ……っ……す……ま……」ピク…ピク…

初春「もうそろそろ出血多量で…」

狩人部隊C「………あぁ………ぁ……(さっきまでの苦しみが嘘のようだ………意識が遠退く…)」

初春「…よく頑張りました、ゆっくりお休みしてて下さい」ニコッ

狩人部隊C「……………(どうか……どうか作戦の成功を祈ります……この化け物をきっと討伐して下さい……そして…我々の死を…………無駄には…………)」ピク…ピク……

…………


初春「さて、とりあえず何処かへ移動しなきゃならないですっ」

230: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 08:50:36.26 ID:UESgJRD3O
電車から書き込み




初春「……結局ここに帰ってきちゃいました」

初春「……やっぱりここにいましょう、また誰か来たらその人達から情報を引き出せるはずですし」

初春「ふわぁぁ………ん~、疲れちゃいました…もう今日はお風呂入って寝ちゃいましょー!」

初春「………私の…理想の世界まで……あと少しな気がするんです……………」




アンチスキルB「監視対象が帰還……全身血まみれですよ…」

黄泉川「……やっぱりやりやがったじゃん……!!」

アンチスキルA「今日は随分はやく寝るみたいですね」

黄泉川「……今の内にせいぜい寝ておくがいいじゃん…今日がお前の最後の夜になるじゃん………!」ギリッ



―――――――

――

233: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 08:56:06.12 ID:UESgJRD3O



初春飾利討伐計画発動当日



「―――告です、警告です、近隣の皆さんは速やかに指定の避難所に避難して下さい――――」

「―――区、第七学区、第八学区は、閉鎖されます、住人の皆さんはすみやかに指定の地域へ避難して下さい――」



アンチスキル「車両部隊、到着!!」

アンチスキル「了解した、車両部隊は配置につけ!」

アンチスキル「住民の完全避難を確認しました!」

アンチスキル「うむ!ではこれより閉鎖学区を戦闘区域とする!」

235: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 09:15:32.41 ID:UESgJRD3O




初春「ん……朝になっちゃいました………、あれ?………なんですか?街の様子がおかしい……」

初春「…………………そうですか、なんとなくわかりました……」

初春「…………そんなに皆さん私の事を邪魔したいなら」

初春「皆さんは悪人です、死んでもらいますからね……」




237: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 09:35:50.38 ID:UESgJRD3O
アンチスキル「戦車部隊到着、配置につかせます!」

アンチスキル「戦闘区域への爆撃が許可されました!これより戦闘区域内全域を爆撃対象区域とします!」

アンチスキル「了解!いいか、よく聞け!これよりここら一帯は爆撃許可がされた区域になる、座標情報をよく聞いて誤爆はさけろよ!」

アンチスキル達「了解!」

アンチスキル「第一波攻撃まであと三分です!」

アンチスキル「うむ………、この初段でいかにダメージを与えられるかに作戦はかかっている!」

アンチスキル「気を引き締めていけよ!撃破対象はレベル5だ、一国の軍隊に匹敵するような化け物だ…!!」

240: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 10:25:49.93 ID:UESgJRD3O
黄泉川「いよいよ始まるじゃん…」

アンチスキルA「彼女には気づかれていますかね?監視カメラからの様子だとよくわかりませんが」

黄泉川「当然気づいているだろうな…あんな女の子でも一級品の化け物じゃん……」

アンチスキルB「間もなく攻撃が開始されるようです!監視カメラが遮断されます!」

黄泉川「始まるか……我々も戦闘準備を開始!作戦に備えろじゃん!」

アンチスキル達「了解!」

黄泉川「今日の戦闘で学園都市の未来が決まるんじゃん……!!」




242: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 10:47:19.95 ID:UESgJRD3O
 

アンチスキル「第一波攻撃開始!」

アンチスキル「了解!目標の施設に対し砲撃を開始!」

戦車隊が一斉に初春の潜む施設に砲撃を始めた。征圧には十分過ぎる量の砲弾が浴びせられていく。

アンチスキル「粉塵により目標付近の有効視界範囲が狭化します」

アンチスキル「了解、戦車隊砲撃一端やめ!」


粉塵が次第に晴れていく。そこは初春が潜んでいた施設を含む周辺一体が瓦礫で埋め尽くされていた。

アンチスキル「油断するなよ!AIM拡散力場の照合開始!」

243: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 11:01:51.64 ID:UESgJRD3O
アンチスキルの部隊の波を掻き分け、特殊な装備を施した駆動鎧が瓦礫に向かって歩いていく。
上空からはヘリによる観測が行われていた。

アンチスキル「たとえ生きていたとしても、逃げられはしないぞ…」

アンチスキル「上空からの静止画像きました!!」

アンチスキル「……なんだこれは…」

静止画には、瓦礫の山の中、たった一部だけが破片一つ被らずに円形に温存されている場所があった。その中心に人がたっている。

アンチスキル「まさか…いくら何でもノーダメージなんて事は…」

直後に前面の駆動鎧に異変が起きる。

246: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 11:24:34.93 ID:UESgJRD3O
塗装色とは明らかに違った、高熱で熱した鉄板のように装甲が真っ赤に発光していく。

駆動鎧の操縦士の悲鳴が無線を通じて聞こえてくる。コックピットハッチを開くという思考に辿りつけない程の苦しみ。

アンチスキル「……嘘だろ?」

アンチスキル「駆動鎧部隊、機能停止しました!」

アンチスキル「ぐぅ…!彼らに攻撃を加えているのは初春飾利だ!奴はまだ生きてるぞ!!」

アンチスキル「くそぉ……何を、どうしたらあの弾幕の中無傷でいられるんだ!」

248: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 11:48:17.69 ID:UESgJRD3O
アンチスキル「目標の座標を確認!標準を合わせ次第、砲撃を再開せよ!」



初春「ん~と、私囲まれてるみたいですね、それなら見える限りの物や人は全て……私の敵なんですねっ!」



ズドドドドドドド!!!!!!!!



アンチスキル「なんだ!?戦車部隊!!何が起きた!!」

初春の視界に入っていた戦車が相次いで爆発を起こす、熱膨張による爆発、戦車のような構造の機体には余りにも相性の良い攻撃だった。

アンチスキル「……第二波攻撃を許可する!!」

黄泉川「了解じゃん!!」

253: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 12:31:22.99 ID:UESgJRD3O
上空を滞空していたヘリが次々に現地を離れる。

初春「……もう、何をしようとしてるかくらい読めちゃいますよ」

初春が手を横に大きく広げる。すると初春の周りを囲むように未元空間が現れた。
擬似絶対零度の現出、物質に対してならある意味最強の盾である。

初春「……これで心配するべきは運動エネルギーのベクトルだけですっ!」

初春「流石に直撃したら危ういですよね……よし、逃げてみましょう!」


アンチスキル「………航空部隊、爆撃開始!!」

254: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 12:43:07.37 ID:UESgJRD3O


アンチスキル「目標!移動を開始しました!」

アンチスキル「爆撃の広域拡大を許可!第一波攻撃隊を全力で退避させろ!!」

初春「フフッ♪そんな程度じゃダメですよっ♪」




ヒュウ~~…………




ズドドドドドォォォォ!!!!!!!!!!

256: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 13:06:10.06 ID:UESgJRD3O
 

地上に次々と爆撃が行われていく。戦車部隊による砲撃に匹敵する程であった。

アンチスキル「観測!!早くしろ!!」

再び周囲が粉塵に包まれる。
それと同時に、爆撃により炎が各地で上がる。しかし…


黄泉川「………ダメだったか…!!!」

ただ一部、一切の炎の上がらない箇所、依然として初春飾利にダメージはなかった。

アンチスキル「………まだだ!この現場から奴を離れさせるな!あの娘が到着するまで持ちこたえろ!!!」

262: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 14:24:52.37 ID:UESgJRD3O
 

佐天「…………」

結標「…そろそろ、行くわよ?」

佐天「……はい」

結標「…………怖いでしょうね、気持ちはとてもわかる、でも、あなたなら出来るわ」

結標「絶対に」

佐天「……ありがとうございます(初春、とうとうこの日が来たよ)」

佐天「(あなたを助けることは出来なかったけれど、それでも私はね……私は…)」

佐天「…………む、結標さん!私を送る時、よかったら一緒に飛んでくれませんか…?」

結標「……もちろんよ、あなた一人を戦地に送るような真似はしないわ」

佐天「ぁ、ありがとうございます!でも私を送ってくれたらすぐに退避してくださいね?」

結標「わかってるわよ、巻き込まれるような事はしない」

267: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 15:13:55.64 ID:UESgJRD3O


結標「それじゃ、行くわよ」

佐天「ハイッ!!」

佐天「(私が道を指し示すべきだった、レベル0だった私だからこそそれが出来たのに、なのに私はあの日、初春の異変に気づくことが出来なかった)」

佐天「(こんな事になっちゃったのはやっぱり私のせいでもある、私の責任、だから、だからさ初春、今からあんたを…)」



ヒュンッ


275: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 16:22:45.85 ID:UESgJRD3O
アンチスキル「まもなく彼女がこちらに来るそうです!」

アンチスキル「了解した!!攻撃部隊を撤退させろ!!」

アンチスキル「了解!!全攻撃部隊に通電!!今すぐ現戦闘区域を離脱せよ!!繰り返す!!現戦闘区域を離脱せよ!」

アンチスキル「本気で逃げろよ!暴風に巻き込まれたくないなら!」

ヒュンッ

佐天「…………結標さん、今までホントにありがとうございました…」

結標「最後のお別れみたいな事言わないの、帰ってきなさい」

佐天「……はい、行ってきます!!!!」

294: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 17:16:34.52 ID:UESgJRD3O
もしもしの電池きれそう、今から帰宅するから帰宅したらペースあげます


初春「…なんですか?今度は皆さん一斉に逃げちゃったんですか?」

初春「…次は私に何をするつもりなんですか?」

初春が辺りを見回す。そこにあるのは彼女が破壊した戦車や駆動鎧の残骸、そして瓦礫の山が無数に広がるだけだった。

初春「完全撤退?まさか、核兵器でも使うんですか?」

そんな事を言いながら初春が歩きだす。

初春「………不自然すぎますよ、こんなの」

初春「(全く読めません、一体何をする気なんですか!?)」

303: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 18:02:01.17 ID:UESgJRD3O





カチッ



キュイーン…



佐天「いくよ、初春…!!!」






304: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 18:02:36.41 ID:UESgJRD3O
初春「まずは完全撤退の意図を読まないと……」

そう言って初春が進もうとした時、突然無数の瓦礫が初春目掛け吹き飛んできた。

初春「!? なんですか!?」

初春はとっさに反応し爆発を起こして軌道を変える。

初春「…? まるで瓦礫が空気を噴射して飛んでいるかのように見えました……」

そう言って初春が周囲を見渡す、すると遥か遠方に巨大な竜巻のような物が四本ほど見えた。

初春「なんですか…? 風力使い…? それとも…」

すると、初春目掛け竜巻が一斉に迫る。

336: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 19:37:08.90 ID:UESgJRD3O
帰宅した


初春「なっ!? ……こんな、こんな竜巻なんか、なんでもないんですよぉっ!! わぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!」

初春が前面空間の気温を一気に上げていく。すると強烈な上昇気流が生まれ、巨大な竜巻が出現した。

初春「甘いです!こんなんじゃ甘いんですよ!!私にはこんな物…」

初春がそう言うと、上昇気流によって作り出した巨大な竜巻と四本の竜巻が激突する。

初春「うわあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

衝撃で初春が吹き飛ぶ。


339: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 19:38:46.16 ID:UESgJRD3O


初春「いたたた…………お尻ぶつけちゃいましたよぉ…、なんなんですか一体」

そう言って初春が顔をあげると、遠くの瓦礫の山の上から初春を見据える人物が初春の目に入った。


初春「……え? まさか……」





佐天「おーい、初春ー!」

初春「へ……? あっ! 佐天さんっ!!」

佐天「久しぶりだね、初春」



342: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 19:42:03.37 ID:UESgJRD3O

初春「そうですね!久しぶりです!」パァァ

佐天「でも、こんな所で再開なんて私は思いもしなかったな」

初春「…そういえば、どうして佐天さんがココにいるんですか?」

佐天「………初春にはなんとなくその理由がわかるんじゃない?」

初春「え…? まさか、さっきの攻撃は…」


佐天「……初春、どうして私達はこんな事になっちゃったんだろうね」


初春「佐天さんが…?」

344: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 19:46:05.25 ID:UESgJRD3O
佐天「……初春、私はあんたを止めに来たんだよ、もうこれ以上犠牲者を出したくないの…!」

佐天「あんたが人を、人を殺す姿なんて、もう見たくない…」

初春「……"犠牲者"ですか? …確かにそうかもしれません、でも、でもそれは必然的な犠牲であって…」

佐天「違うよ、違うよ初春…!! わからないの!? あんたは自分の世界に溺れてるだけなの! 自分のやってしまったことを思い出して!!」

初春「溺れてなんか…! 溺れてなんかないですっ!! …佐天さん酷いです……! あんまりですよっ!! 私は佐天さんだけは、佐天さんだけはわかってくれると思ってたのに!!」

佐天「……わからないわよ…人が死んでいい理由なんか……!」

347: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 19:49:37.19 ID:UESgJRD3O
初春「なんでわかってくれないんですかっ!? だって、だって私は…」

佐天「初春、もう終わりにしようよ、今日で全部最後にしよう」

初春「……私は正しいんです…皆さん間違ってますよぉ…」

佐天「いい加減にしてよ初春……、白井さんの命を奪ったのも、固法先輩の命を奪ったのも、それだけじゃない、いろんな人の命をあなたは奪った!! それを正当化するなんて出来ないに決まってるじゃない!!!」

初春「………どうしても…わかってもらえませんか……?」

佐天「……えぇ、私には理解できないよ、初春の考えてる事が」

初春「…そうですか! もういいですよっ!!! 佐天さんなんか……!!」

355: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 19:57:50.94 ID:UESgJRD3O
初春「佐天さんなんか…!!! いなくなっちゃえばいいんですよっ!!!!」

佐天「そう、もう止まるつもりは無いのね………………わかった、私も本気出す」カチッ

キュイーン…

佐天が再び演算補助デバイスを起動させる。

初春「さよなら、佐天さん!!!!」キッ

初春が佐天の居る場所に集中した。その場所が爆発を起こしたが、佐天の姿はなかった。

初春「!? あれ…」

佐天「上よ! 初春ー!!」

佐天は脚部に噴射点を作り一瞬でその場を離れ、初春の頭上に飛んでいた。

360: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 20:06:20.57 ID:UESgJRD3O
佐天「うりゃぁぁあ!!」

佐天が今度は背中に噴射点を作り、初春目掛け蹴りの体制になり加速しながら突っ込んでくる。

初春「クッ!! うわぁぁ!!!!!」

初春が佐天の行く先を塞ぐかのように大量の爆発を起こす。

佐天「甘いわよっ!!!」ブワッ

脚部から風を一気に噴射し爆発を回避していく。その姿はまるで空中を飛んでいるように見えた。

初春「!! やりますね…」

初春はそう言うと、佐天が再びこちらに向かってくるのを確認し、左手を前に突き出す。

初春「私に突っ込んで来るなんて!ダメですよ佐天さん浅はかすぎますっ!!」ニヤッ

362: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 20:16:18.34 ID:UESgJRD3O
佐天「何か来る!」

佐天は警戒しながらも初春目掛け噴射を強め、さらに加速させる。

初春「フフッ!!いきますよー!!!!」

初春の延ばした左手の先数センチから一瞬衝撃波のような物が出現する。その直後、初春の左手を延ばした方向に向かって氷の槍が大量に飛んでいく。

佐天「なっ!! (回避する?)いや、間に合わない…、なら!」ブンッ

ズオォォォオ!!!!

佐天が両手をX字方向に振る。すると強烈な突風が佐天の進行方向に向かって吹きだした。
初春の作りだした氷の槍は粉々に砕け散っていく。

初春「くっ!!」

初春もまた前方に爆発を起こし、その衝撃で後方に一気に飛んでいく。

365: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 20:25:28.15 ID:UESgJRD3O
佐天「そんな回避方法じゃ!!私から逃げることはできないわよ!!初春!!」

佐天が超高速で初春に向かって飛んでくる。

初春「うぐっ!?(しまった!空中に打ち上がっちゃったら、佐天さんのほうが有利になっちゃう!)」

佐天「目ぇ醒まさしてやるわよ初春ーー!!!!」

突っ込んでくる佐天が右手を思い切り後ろに引く。初春は今度は右手を前に突き出す。

初春「これならどうですか!!」ブオォォォッ!!!!!!!

初春の右手から限界温度に達した熱風の渦が佐天目掛け放たれる。

佐天「ちぃっ!!!!」ギュオォォォ!!!!

佐天も右手を前に突き出す、その竜巻を纏っているかのようだった。

369: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 20:33:25.80 ID:UESgJRD3O
佐天は、初春から放たれた熱風の渦に負けないような渦を纏った右腕を、初春の放った熱風の渦に向かって突き出す。

佐天「うりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!ズバァァァァァァア!!!!

初春「止まってぇぇ!!!!」ズバァァァァァァア!!!!!

二つの渦が激突し、再び二人は吹っ飛んでいく。

佐天「ぐぅっ!!!!」ギュインッ

佐天は全身から空気の渦を噴射し空中で体制を整える。
一方初春は爆発の衝撃波を利用して体制を立て直そうとしていたが空中ではいくら爆発の衝撃波を利用してもバランスをとることは難しく、地面に勢いよく落ちていく。

初春「うわぁぁ!!!」ブワッ

しかし地面に落下する直前にクッション的に爆発を起こし、落下の衝撃を若干和らげた。

初春「あぐっ!!! ……うぅ……」

372: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 20:39:51.05 ID:UESgJRD3O
ズサァァァ…

初春「うぐっ……!!クッ…………」

初春は落下の痛みに思わず、その場でうずくまる。

佐天「なに休んでんのよ初春!!」ビュンッ

佐天は地上に降りたつと、右腕を斜め下に思いっきり振り下ろす。すると斬撃が初春めがけ放たれる。

初春「…!? 鎌鼬ですかっ!? うぐぅ!!あぁぁぁぁ!!!!」ダッ

初春は痛みに耐えながらその場を急いで離れる。

初春「ぐぅっ!!(今は佐天さんが動きを止めてる!これなら体内の血液を沸騰させられます!!)」

377: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 20:44:59.78 ID:UESgJRD3O
佐天「ほらほら初春!どんどんいくわよ!!」ビュンッ!!!

佐天が斬撃を連続で放ち続ける。初春はそれを必死に回避していく。

初春「くっ…!(ダメだ!!鎌鼬攻撃が激しくて佐天さんのいる座標に集中できないっ!!)」

佐天「どうしたの初春!!そんなもんじゃないんでしょ!?」ビュンッ!!!!

初春「なんとか!! せめてこの鎌鼬をどうにかしなきゃ…!」

初春「…!! そうだ!」

佐天「どうしたの初春!動きが鈍ってきたわよ!!」

ズドドドドド!!!!!!!!!!

佐天「!? しまった!!」

初春が一気に佐天の周囲を爆発させ、大量の粉塵が舞いあがり佐天の視界を奪う。


382: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 20:52:13.07 ID:UESgJRD3O
パラパラパラ……

佐天「コホッコホッ(視界を奪われた!!でもね初春!!粉塵なんか私の前じゃなんにも成らないのよ!!)」

佐天が両手を思い切り横にスイングさせる、すると暴風と言っていいほどの強烈な風が吹き荒れて、粉塵は一瞬にして消えさってしまった。

佐天「これで!! ………え…?」

視界が晴れ、佐天が初春のいた地点を見つめる。その場所に初春はいた。

佐天「これは…?」

しかし、初春の姿があるのはその場所だけではなかった。周囲に初春の姿が大量に出現していた。

佐天「なるほど…、例の幻影ね……!!」

佐天が再び右手を構える。

佐天「どこに本物がいるかなんて探さないからね!!まとめて吹き飛ばしてあげるわよ!!!」

395: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 21:04:23.82 ID:UESgJRD3O
佐天「うりゃっ!!」ビュンッ!!

佐天は一番近い、前方の初春目掛け走りながら右手を横に振る。すると横一線に長く形成された斬撃が出現し、佐天の右側面に出現していた幻影達を一気に切り裂き、打ち消していく。

佐天「このっ!!」

そして左手で前方の初春目掛け空気の渦で作りあげた槍を放つ、が、その初春も幻影であった。

佐天「それならっ!!」
そのまま左手を、横に開き気味に後ろに振り直し、斬撃を出現させ左側に出現していた初春の幻影達を一度に切り裂いていく。

佐天「……くっ!!(とにかく今は動きまわって座標攻撃を避けなくちゃ!)」

佐天は脚部に空気の噴射点を作り一気に空中に舞う。舞いあがりながら両手を横に広げ身体を一回転させる。すると佐天の周囲の空気が佐天の周りに渦を巻き始める。

佐天「竜巻で一気に吹き飛ばしてやるわよ!!」

初春「甘いですよ!!攻撃の手が緩むのを待ってました!」

398: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 21:09:43.53 ID:UESgJRD3O
佐天「なっ!?」ゴオォォォォ

風の渦の中心に浮遊する佐天は、そこから竜巻を形成するために一次的に攻撃の手を休めていた。

初春「今度こそさよならですよ佐天さん!!! その渦一帯の温度を限界まで上げてあげますよ!!!」キッ

幻影が消え去り本物の初春が出現する。そして佐天のいる空間に向かい意識を集中させる。

佐天「しまった!!!!!」ゴオォォォォ




初春「……………!? え!? え!?」

佐天「…………あれ?あつくならない……?」

403: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 21:16:04.17 ID:UESgJRD3O
初春「なんで!?なんでですかっ!?」キッ


佐天「…………そうか……!!! 残念だったわね初春!! 私にはその攻撃は通用しないわよっ!!!!」ゴオォォォォ

初春「えっ!? なんで!? どうしてですか!?」

佐天「あんたが温度をあげているのは空気!もっと言うと空気中の物質よ!!その空気の流れや濃度、状態を観測した上で座標に攻撃を行ってるはず!!」

初春「!!」

佐天「でも、私は周囲の空気を活発に移動させてる!!まして今は竜巻を起こしているから、あんたには空気の流れや座標の予測が出来ないのよ!!!!」ゴオォォォォ

初春「くぅ……!!(どうしよう!!どうしよう!!)」

佐天「諦めなさい初春!!!!」ゴオォォォォ

初春「…………まだですよ佐天さん!!!(いや、それなら佐天さんの身体を直接壊してあげますよ!!)」

407: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 21:25:54.23 ID:UESgJRD3O
佐天「私に直接…とか考えてんでしょ!? そんな事させる暇なんかあげないわよぉぉぉ!!!!」グオォォォォオ!!

佐天は形成した竜巻を初春目掛け放つ。周囲の様々なものを巻き上げながら竜巻は初春目掛け突き進んでいく。

初春「ぐぅっ!!(こんな近くで放たれたら上昇気流で渦を形成する時間もないじゃないですか!!)」

佐天「これでっ!!これで終わりよ初春!!!!」

初春「うぅ!!嫌ぁぁぁぁぁ!!!!(どうしよう!何か!何か!!)」



ズオォォォオ……

411: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 21:32:17.87 ID:UESgJRD3O
ヒュウゥ…………


佐天「ハァ…ハァ…!竜巻が直撃したら流石の初春だって…」スタッ

佐天が地面に降り立ち、初春のたっていた場所を見つめる。そこは竜巻が舞った跡以外何も無かった。

佐天「終わった……よね…?」カチッ

佐天が演算補助デバイスの起動状態を解除し、その場所に座りこむ。

佐天「…………やった……んだよね…私」

佐天「なんだろう………いくらなんでも…こんな呆気なく…?」

413: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 21:36:08.81 ID:UESgJRD3O

タッタッタッタッタッタッ


アンチスキル「お、おいお前!!ここから先の学区は立入禁止だぞっ!!止まれ!!」

「うるせえ!!」

バキッ!!

アンチスキル「ぐはぁ!!」


アンチスキル「お、おい大丈夫か!?」

アンチスキル「あの少年を止めろぉぉ!!戦闘区域に入り込んじまうぞ!!」

「うぐっ!?しまった!見つかったか!!」タッタッタッタッタッタッ

421: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 21:42:03.91 ID:UESgJRD3O
アンチスキル「ま、待て!!そこから先は戦闘区域で危険だ!!立ち止まりなさい!!」

「その先に用があるんだっつーの!!」

アンチスキル「君!!危険だ!やめなさい!!」

「やべえ!!(土御門!!本当にお前はいいんだな!?)」



土御門「任せろかみやん、"目隠し"させるくらい朝飯前だにゃ~」

ヴォンッ!!!!


アンチスキル「あ…………れ…?今誰かがここを走り抜けたような気が……」

424: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 21:45:47.11 ID:UESgJRD3O
アンチスキル「気のせいだろ?警備続けるぞ!誰一人学区内にいれるわけにはいかない!」

アンチスキル「了解だ!」



上条「(わりぃ土御門!!魔術使わせちまって……!)」タッタッタッ…

土御門「いってこいかみやん、彼女を、佐天涙子をサポートしてやれよ…ゴフッ!!ガハッ!!」ボタボタボタ……

上条「(待っててくれ佐天さん!!)」


タッタッタッ……………

426: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 21:49:13.65 ID:UESgJRD3O
佐天「………んしょっと、」

佐天「………」

佐天「……なんとなくわかる…」

佐天「初春…まだやられてないな……」

佐天「……さすがに私も少し疲れてきたかな…」

佐天「(演算補助デバイスの使用限界は多分あと10分程度…)」


佐天「………まずいかも」

429: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 21:56:48.91 ID:UESgJRD3O



初春「……………うっ………ぐ………」ガラ…

初春「……やっぱり……完全には…回避出来てなかったみたいですね………」

初春は、爆発の衝撃で横に回避してすぐ氷の壁を竜巻の前面に大量展開したが、観測がやはり不完全でそれらは竜巻の勢いを抑えきることが出来なかった。
しかしそのわずかな時間で初春は竜巻に巻き込まれる瞬間に自身の周囲に擬似絶対零度空間を現出させ、物理的なダメージを最小限に抑えていた。


初春「………随分……吹き飛ばされちゃいました……」

初春「佐天さん………私もう……ホントに……ホントに佐天さんを………」

初春「……倒しますからね……!!」


432: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 22:06:05.79 ID:UESgJRD3O
ジジ…
「こちらアンチスキル、討伐計画援護部隊!佐天涙子!無線に答えられよ!!」

佐天「は、はいっ!!ここここちら佐天涙子ですっ!!」

「応答感謝する、緊張しないでも大丈夫だから、現場の状況を説明して欲しい!航空観測隊が大規模戦闘をこの数分は確認してないと伝えているが、初春飾利はどうなったかの報告をお願いしたい」

佐天「一応、竜巻で吹き飛ばしました…」

「なにっ!?本当か!?それじゃ…」

佐天「でも待って下さい!!まだ戦闘区域には入ってこないで下さい! 嫌な予感がします……」

「なっ!?どういう事だ?」

佐天「初春は…いえ、目標は、まだ倒されてないです……そう思います…」

「…………そうか、まだ頑張れるか?よければ今救急隊を送るぞ?」

佐天「大丈夫ですよ、まだ戦えます、戦わせて下さい!」

「……すまない、頼んだぞ、もう少しだけ頑張ってくれ…!!(こんな少女を危険に曝すなんてな、大人は最低だな…)」

440: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 22:16:21.16 ID:UESgJRD3O
佐天「……竜巻の跡を行こう、初春を…初春を見つけなきゃ」

佐天「…こんな事じゃ倒せないのはわかってるから…」

佐天「…行くよ佐天涙子、もう少しだけ頑張らないと…」


パンッッ


佐天「………え…?」

ブシャーッ!!!!!




初春「やっと………"当たり"ましたね……佐天…さん……!!!」

佐天「ぁ………あ………右腕が…………!!あぁ!!あぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!」ブシャーッッ!!!!!



446: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 22:23:54.53 ID:UESgJRD3O
初春「………やっぱり…私…集中力が切れちゃった…みたいです…」

佐天「あぐっ!!!うぅぅ!!!!(痛い!!痛いよぉ!!!!)」

初春「最初は…佐天さんの身体中の血を…沸騰させちゃおうとしたんですよ……」

佐天「うぐぅっ!!ぐっっ!!(痛い!!けど!冷静になれ涙子!!私は初春のやり方を知ってるでしょ!)」

初春「だけど……なんだか…うまくいかなくて…だから…とにかく一部分だけ…完全にランダムに近かったんですけど…爆発させました…………」

佐天「ぐっ!!!うぅっっ!!!!(演算補助デバイスを起動!!初春はもう正確な座標攻撃は出来ない!冷静になれ涙子!!)」カチッ

キュイーン…


初春「まだ……やるつもり…ですか……?」

佐天「…うぐっ!…あんたこそ……あぐっっっ!………随分疲れてるみたいじゃない……!!」

 
455: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 22:37:44.16 ID:UESgJRD3O

初春「佐天…さん…………私…佐天さんだけは……倒しますよ……」

佐天「うぐっ……このっ!!」ヒュンッ

佐天が左手を振るう、初春に向かって斬撃が放たれる。威力は弱いが確実に人体なら傷つけられる程度の斬撃であった。

佐天「ぐっ!!「私ももっと演算に集中しなきゃ!!痛みなんかに惑わされんな涙子!!」

初春「う…!? こ、こんなの……!!」

初春はなんとか後ろにステップし、氷の盾を前面に形成する。
ズガガガガッ!!!

佐天「……くっ……!!(防がれた…!!盾の形成は健在………それは、マズイ!あの攻撃がくる!!)」

初春「これでも………くらえですよ…!!!」

佐天の頭上に大量の氷の槍が形成さていくが、ほとんどはただの氷の塊に近いものであった。

佐天「(こんなものでも頭に当たったら即死よ!)ぐっ!!ぅらぁぁぁぁあ!!!」

459: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 22:44:52.73 ID:UESgJRD3O
もうちょいしたら入ってきますね



佐天が左手を空に向かって二、三回振る。斬撃が氷の塊目掛け吹き上がり、落下してくる塊を砕いていくが、砕かれた塊が佐天に降り注ぐ。

佐天「うぐっ!!あぅ…!!!」パラパラパラ!!!!

初春「く…槍もダメですか………! なら…直接佐天さんを触って…酷い事しちゃいますから………」

初春が精一杯の速度で近づいてくる。普段より遥かに遅い速度だが、腕のダメージに耐えつつ回避をした佐天もまた、精一杯の速度で彼女から離れようとしていた。

佐天「……うぐっ!!(まずい!!)」ブンッ!

ゴオォォォォ!!

佐天も初春目掛け左手を振り、格段に威力の落ちた突風を吹き放ち、なんとか初春から距離をとろうとする。

初春「うっ……わ……!? ハァ………ハァ……、逃がしませんよ…!!」タトッ…タトッ…

479: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 23:29:22.81 ID:UESgJRD3O
佐天「うっ!ぐっ!(距離をとらなきゃ!!)」タトッ…タトッ…


初春「…逃がしま…せんよ……」タトッ…タトッ…



佐天「っっ!きゃあっ!!」ガシャッ!!!

佐天「うぐっ!!(しまった!!瓦礫で足踏み外して転んじゃった!)」


初春「チャンス……ですね……」タトッ…タトッ…


佐天「立ち上がらなきゃ…… !? ぐうぅう゛ぅ!!(右腕が使えないから、うまく立ちあがれない!)」

初春「……立てないんですか……佐天…さん…」タトッ…タトッ…

佐天「くそっ!!立て! 立ってよ!!」

487: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 23:37:21.58 ID:UESgJRD3O
 

初春「ようやく……ようやく……」タトッ…タトッ…


タッタッタッタッタッタッ


初春「これで……お別れです……」


タッタッタッタッタッタッ


佐天「くそぉっ!お願いだから!立ち上がってぇ……」

初春「さよなら……佐天さん……」スゥ

タッタッタッ

ダッ!!!!!


上条「うおぉぉぉぉォォォ!!!!!」

初春「!?」ビクッ

495: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 23:42:54.02 ID:UESgJRD3O
初春「なんですかっっ!!??」

上条「おるぁぁぁあ!!!!」ドゴォ!!!!!

初春「がはっ!!??」

上条の右ストレートが初春の肩に直撃する。初春はその衝撃で後ろに吹き飛んだ。


初春「うぅっ……痛ぃ………」

上条「ハァ……ハァ……」

佐天「…………え……!? か、上条さんっ!?!?」

上条「ハァ…ハァ…、よう、佐天さん」


499: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 23:48:13.72 ID:UESgJRD3O
佐天「………え…!? え!? ちょっと待って下さい!! どうして戦闘区域にいるんですか!?」

上条「いやぁ、ちょっとばかし上条さんもルールを破る事くらいあるわけで…」

佐天「る、ルールを破る!? 何言ってるんで…………!!!! 上条さん!!後ろっ!!」

上条「っっ!?!?」

初春「いきなり痛いじゃないですか…」

初春「酷いですよ…上条当麻さん…」

初春は、そう言うと上条に手を伸ばす。


511: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 23:53:01.70 ID:UESgJRD3O
初春「許しませんから……」スゥ

初春が上条に掴みかかろうとする。

上条「!?!? ぐっ!!こんの野郎!!」

初春「苦しめちゃいますから…!」スゥ

上条「何をする気だ!?」

上条が初春の手を右手で掴む。

初春「…!! 自分から触るなんて……すごい勇気ですねっ!!」ニヤッ


キュイーン!!


初春「えっ!? ……!!! しまった!幻想殺しですか!!」

上条「今だ佐天さん!!!」

520: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/13(金) 23:59:37.09 ID:UESgJRD3O
佐天「えっ!?」

上条「コイツを吹き飛ばせ!!」

佐天「えっ!? あ、はいっ!!」シュウゥゥッ

初春「うぅ!!離して下さいっ!!離して!!」

佐天が初春の脇腹付近に噴射点を形成する。

初春「ぅ、うわぁぁぁ離して下さい!!!」シュウゥゥッ!!!

佐天「上条さん手を離して!」

初春「がぁっ!!!」ズォンッ!!!

次の瞬間、初春が空を舞い、50数メートル先まで一気に吹き飛ばされた。


527: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 00:04:58.04 ID:kWi9PaPMO
佐天「やった!」

上条「まだだ佐天さん!今のうちに距離をとるぞ!立てるか!?」

佐天「ち、ちょっと厳しいです、手伝って下さい…」

上条「!? 待て佐天さん!! 右腕どうしたんだ!」

佐天「あっ!これは、初春にやられちゃって…」

上条「止血しなきゃマズイぞ!ちょっと待っててくれ!」

上条がワイシャツをひきちぎり佐天の腕に巻き付ける。

佐天「ありがとうございますっ!」

上条「よし、肩かすから、なんとか奴から距離を…!!」

533: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 00:12:05.24 ID:kWi9PaPMO
初春「うぅ……うぐっ……!! まだ私はやれますよ………、んしょっと…」

上条「!? 嘘だろ…!? もう立ち上がりやがった……」

佐天「くっ……、マズイです上条さん、もう演算補助デバイスの使用限界まであと少しです…!!」

上条「……!? そんな物使って戦ってたのか!?」

佐天「はい……一時的なドーピング程度のものと思っておいて下さい…」

上条「そんで、そいつの使用限界までもう時間が無いのか…!!」

佐天「……多分次が、私の最後の攻撃になると思います……!!!」

539: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 00:20:18.60 ID:kWi9PaPMO
初春「許さないですよ二人とも………許しません………ユルシマセン………」タッ………タッ………

初春「許さないっ!!」キッ!!!!!

ズドドドドドドド!!!!!!!!!

上条「うぐっ!? この爆発は!!! 佐天さん下がってろ!爆発は俺が打ち消す!!」

キュイーン!

初春「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!絶対に許さないですよおぉぉぉぉ!!!!!」ギッ!!!!!


ズドドドドドドドドドドドドドドド!!!!!!!!

上条「うっぐぅっ!!!! くそぉ!! 打ち消すので精一杯だ!!」

佐天「何かっ!! 何か初春の気を逸らせられるものがあれば…………、!! そうだ!」

542: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 00:28:17.83 ID:kWi9PaPMO

佐天「初春ー!!!!!」


ビュウゥゥゥゥゥ!!!!

初春「うぐぅぅぅう!? 突風!?!?」

バサァ……


佐天「なるほど!私は水玉と予想してたけど!まぁイチゴ柄も悪くないわよ初春!!」

初春「」

上条「」


佐天 「…………さ、さぁ上条さん今です!」
初春「うわぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!許さないですからぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!」
ズドドドドドドドドド!!!!!!

上条「ぐぅっ!?!? くそぉ!!! ダメだ佐天さん!!! スカートめくる以外の方法で頼む!!」

佐天「は、はいっ!!……………………、(考えろ!!何か!!何かあるはずなんだ!!演算補助デバイスの使用限界はもうほんとに近いんだから早く何か思いつかなきゃ!!!)」

548: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 00:36:47.40 ID:kWi9PaPMO
初春「うわあああぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!死んじゃえばいいんですよおぉぉぉぉ!!!!!!」

ズドドドドドドドドド!!!!!!!!!

上条「うっ!!くそぉ!!」

佐天「何かっ!!何かっ!!」

佐天「(思い出せ…!婚后さんとの演習を……!!)」

初春「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!!」
ズドドドドドドドドド!!!!!!

上条「うっ!!ぐぅっ!!くそぉ!!!」

佐天「………ん…? …戦車の…残骸? ……………そうだ!!これだ!」

上条「頼む佐天さん!!早く!!」

549: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 00:43:29.49 ID:kWi9PaPMO
佐天「いけぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」
ヒュンッ!!!!


佐天が戦車の残骸に素早く噴射点を形成し、初春めがけて一気に吹き飛ばす。

初春「なっ!!!! くぅ!!!!」ズドドドドドドド!!!!!!!!!

初春はとっさに戦車側に大量の爆発を起こし、射出された戦車を吹きとばす。しかしその瞬間、一瞬の隙を上条は見逃さなかった。

上条「うおぉぉぉぉォォォ!!!!」ダッ!!!!!!!


初春「えっ!?あっ!!!しまっ――――」

557: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 00:52:23.97 ID:kWi9PaPMO
上条「うおらぁぁぁあ!!!!!!!」バキィッ!!!!!

初春「あ゙ぁ゙っ!!!!!!!」ズガッ!!

上条が渾身の右ストレートを初春に当てた。
その衝撃で初春が吹き飛ばされる。


ズサァァァ……

初春「うぅ………うぅぅぅぅ…………うわあぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!!」スゥッ!!

上条「まだ立ち上がるのかよっ!!!」

上条「また能力を使われたらマズイ!!」


上条「……仕方ねえか!!」

559: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 00:57:29.17 ID:kWi9PaPMO
初春「まだ……ヒィ………がふっ……ですよ………くっ…ヒィ…」
ダッ!!

上条「これで!!」ガシッ

初春「!?!? なにを!?」

上条「佐天さん!!!!俺がコイツ抑えてる!!俺ごとやれ!!!」

佐天「なっなにを………!?」

上条「時間がねえんだろ!? 頼む!最後のチャンスなんだ!!やれ!佐天さん!!!」


佐天「……わかりました、すいません上条さん!!いきます!!!!」


佐天が脚部に噴射点を形成する。今までで最大の、まるで竜巻を纏ったかのように強力な渦を帯びた物であった。



佐天「これでラストよ初春!!!!!」ギュオォォォ!!!!!!!!!!!

564: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 01:09:53.62 ID:kWi9PaPMO

初春「うわぁん!!いやっ!!離してっ!!」バタバタ!!




佐天「うおるぁああぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!」ズドォッ!!!!!!

佐天が自らを射出する。超高速で初春に迫りながら左腕を大きく引き、そして…



初春「ひっ!!!」



バキィッッッッッ!!!!!!!





初春「 ガハッ…………………!!!!!!!」





568: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 01:15:01.58 ID:kWi9PaPMO


初春「………!!!……」ズザァァァァァ………………




上条「ぐっ…………」バタッ…





佐天「ハァ………………ハァ…………………うぐっ、……………」




佐天「今度こそ………………やったわよ………!!」ペタリ

573: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 01:21:42.00 ID:kWi9PaPMO



初春「…………ヒィ…………ヒィ…………」ゲホッゲホッ


佐天「…!!、…………初…春……?…」タッ…タッ…

初春「…………ヒィ……………ヒィ……………」ガハッ!!
ベチャベチャベチャ…

佐天「………」

初春「…………ヒィ…………ヒィ…………………」ゲホッゲホッ



初春「………ヒィ………さ………てん……………さん………ヒィ……」ガハッッ!!
ベチャベチャベチャ…

佐天「!! 初春!!」

 
 

581: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 01:33:44.54 ID:kWi9PaPMO
佐天「初春!なに?」

初春「さ…てん……さん………さ……て…ん……さん……」ゲホッ…ゲホッ…

佐天「初春!!私はここにいるよ!!」

初春「佐……天……さん……聞いて……ください……」

佐天「なに?………話していいよ」

初春「私…………私は………」ゲホッ…ゲホッ…

初春「…………ほんとは………………気づいてましたよ……………」

初春「……………私が……ゲホッ……………間違ってたって………」

佐天「………え…?」

586: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 01:42:12.77 ID:kWi9PaPMO
初春「でも………もう…後戻り……できない………じゃないですか……ゲホッ…ゲホッ……」


初春「過ぎさった………時間は………もう…戻せません……から……」

初春「だから………私は………私の世界を………押し通そうと……ゲホッ…ゲホッ………したんです……」

初春「私が…………世界の中心に……いなきゃって…………」

初春「………それなら……一人もでいいって…………思ってました……そう思ってました………」


佐天「初春……」

588: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 01:48:14.28 ID:kWi9PaPMO
初春「……それに………私は………誰にも………負けないって……思ってたから………ゲホッゲホッ!!」

佐天「初春!!…」

初春「ゲホッ……聞いて…ください……誰にも…負けないなんて……誇大妄想…ゲホッ………だったんですよ…………」

初春「………その力を使って………世界の中心を………私にしようとして…………」

初春「…………それで………大切な人を失って……ウゥッ…私は………私は………」


初春「…………一人でもいいなんて………嘘ですよ………」

初春「…………孤独なんて……………嫌ですよ…………」

初春「…………寂しいのなんて………ゴホッ…ゲホッ………嫌ですよ………」

591: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 01:53:34.59 ID:kWi9PaPMO
初春「………ねぇ…佐天…さん…………」

佐天「なに…?」

初春「………ありがとう…………ございました……………私の………私の友達で………いてくれて………」

佐天「………初春……やめてよ……そんな事言うの……」グスッ

初春「佐天さん…………ゲホッゲホッ……ごめんなさい…………私を……とめようとして………くれてたに…………」

初春「……私が………手をかけてしまった………皆さん……………ごめんなさい……………」

初春「………ごめんなさい…………ヒィ……ごめんなさい………………………ごめんなさい…………ゲホッ…」

595: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 02:00:23.27 ID:kWi9PaPMO
佐天「初春…………初春……!!」

初春「………ごめんなさい……………ごめんなさい…………」

初春「………………佐天…さん………」


初春「……………また……あの頃に…………………」


初春「…………………いつか…………」

初春「…………………」

初春「…………」ニコッ

初春が自分の頭に左手を沿える。


小さな破裂音が静寂の空間に鳴り響く…


初春「 」





佐天「……うぅ………うぐっ………ぅ゙ぅ゙……ひっぐ………ぐすっ……うい…はる………」

598: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 02:02:40.84 ID:kWi9PaPMO






数日後――――――







600: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 02:04:49.29 ID:kWi9PaPMO



佐天「…………」

美琴「…………」

佐天「…………」

美琴「………ねぇ、佐天さん?」

佐天「……ぇ、ぁ、なんですか…?」

美琴「……うん、ちょっとお話しよっか」

607: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 02:11:18.95 ID:kWi9PaPMO
佐天「………はい…」

美琴「…………佐天さんの中の、初春さんは、どんな人?」

佐天「え……?」

美琴「教えてくれる?」

佐天「私の中の…………初春……?」

美琴「…」

佐天「…………私の中の初春は……」

佐天「小さくて、可愛くて、ジャッジメントの仕事をよくやってて………」ウルッ

佐天「ちょっとバカだけど…ヒッグ…でもそういう所も面白くて……」

佐天「……優しくて……うぐっ……ひっく………」

美琴「……そっか、それは私の知ってる初春さんと同じ人だ」

615: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 02:22:18.87 ID:kWi9PaPMO
美琴「忘れないでね、その初春さんの事、絶対に忘れないで」

佐天「………え…?」

美琴「そして、佐天さんが戦ったあの初春さんは、もう忘れよう」

美琴「楽しかった頃の初春さんの事を思い出して、その記憶で塗り替えちゃおうよ」

美琴「過ぎ去った時間は、もう戻せないから、そうするしかないよ、きっと、それでいいんだよ」

佐天「……はい…」

美琴「……いきなりこんな事言ってゴメンなさい」

佐天「いえ………、むしろありがたかったです」

620: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 02:25:46.28 ID:kWi9PaPMO
佐天「私、御坂さんに言われるまで、忘れてたんですよね」

佐天「初春のこと、本当の、私達の友達だった、初春のことを…」

佐天「…………ずっと、ずっと」

美琴「……そう…」

佐天「でも、なんとなくわかりました」

佐天「私の知ってる初春は、やっぱり私の知ってる初春ですよ」

佐天「だから、忘れたりなんか絶対しません、初春の事は絶対忘れませんよ」

625: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 02:30:34.27 ID:kWi9PaPMO
美琴「……よかった、久しぶりに佐天さんが笑ってくれた」

佐天「えっ…?わ、私今までそんな暗い顔してました…?」

美琴「うん、でもよかったわ、元気出してくれて」

美琴「もちろん、自分の気持ちに無理しないようにはして欲しいけどさ、私は本当によかったと思ってる」

美琴「その笑顔で、どんどん楽しい記憶、楽しい思い出に塗り替えていこうよ」

佐天「……はい!」

ガラガラ
上条「おーいビリビリ~、見舞い来たぞー」

626: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 02:34:00.34 ID:kWi9PaPMO
美琴「……え?」

佐天「あっ、上条さん、こんにちは」

上条「おう、佐天さんもいたのか、怪我もう大丈夫なん?」

佐天「上条さんこそ………、あの日は本当にすいませんでしたっ!!」

上条「いや、いいっていいって…」

美琴「………なぁんでアンタはいつもいつも………」バチバチ…

上条「ん?お、おいどうした御坂…」

美琴「部屋来るときゃあノックぐらいしろって言ってんだろぉ!!!」バチバチッ!!!!!

上条「み、御坂さん…!?」

628: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 02:37:21.43 ID:kWi9PaPMO
美琴「言葉で言ってもわからないアンタには、身体でわからせてやるわよ……」バチバチッ!!

上条「一体俺は何に対してこんな仕打ちを!?不幸だ…」

佐天「あははは、あ、じゃあ私はそろそろ帰りますね…」

美琴「えっ…!?ちょ、ちょっと待って佐天さん!!今帰るのは違うんじゃない!?」

佐天「いえ、後はお二人で楽しくやってください!それじゃ」ガラガラ

美琴「ちょっ!!待っ!!」




パタンッ

佐天「ふぅ…………さぁて!帰りますか!」

636: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 02:46:06.24 ID:kWi9PaPMO
佐天「(私はまた普通の、日常に戻った)」

佐天「(今はまた、昔と変わらない無力な、レベル0に戻った)」

佐天「(でも……不思議と、今はそんな自分を変えられる気がする)」

佐天「(胸に刻んだ記憶のおかげ…かな?)」

佐天「(私にその理由はわからない……)」

佐天「……でも」

641: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 02:54:05.91 ID:kWi9PaPMO
佐天「いつかきっとわかる気がする」

佐天「だから、今はこの平和な日常の中でその日を待ってみようかなって、そう思う」






佐天「そして……」


佐天「初春、いつかまた……あなたに会えるかな」





佐天「………きっと…また…」





おわり

668: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 03:06:43.66 ID:kWi9PaPMO
アレイスターの伏線の話ですが、佐天さん専用の演算補助デバイスを与えることを許可しだ上゙ってのがアレイスターさんです

レベル5同士の戦闘において発生するAIM拡散力場のカオス化のデータ採集が目的という事にしてたんですが

描写しわすれました、完全にわすれとったわ

すいませんでした

673: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 03:09:53.09 ID:kWi9PaPMO
佐天さんの腕はゲコ太がくっつけたから安心

一応自分でスレたてして書いたSSはこれが初めてだから見苦しい点やらなんやらが多いのはホント申し訳ない

いつも乗っ取りで書いてたりとかだったもんで、中々慣れなかった