1: 名無しさん@おーぷん 20/04/14(火)22:50:22 ID:iYb
所恵美「プロデューサー、ちょっといいかな?」

P「どうした?」

恵美「仕事のことで相談。できれば、2人だけで話したいな」

P「わかった。会議室でいいか?」

恵美「ありがと。じゃあ先に行って待っとくね」

引用元: 所恵美「泣けてきちゃう」 


2: 名無しさん@おーぷん 20/04/14(火)22:59:26 ID:iYb
……

P「2人だけがいいってのは珍しいな……何かあったのか?」

恵美「そういう訳じゃないんだけどさ……」

P「……言いづらいことなのか?」

恵美「うん……先に言っとくけど、アタシ、プロデューサーにはすっっごく感謝してるからね」

P「お、おう。ありがとう」

3: 名無しさん@おーぷん 20/04/14(火)23:03:52 ID:iYb
恵美「いつもアタシたちのことを考えてくれてるし、やりたいこともたくさんやらせてくれるし」

P「そう言って貰えるのは嬉しいな」

恵美「だからさ、今から言うのは、アタシのワガママかもしれないんだけど……」

P「……何でも言ってくれよ。こういうのは信頼が大切だしな」

恵美「うん……あのね……」

4: 名無しさん@おーぷん 20/04/14(火)23:05:18 ID:iYb
恵美「次の仕事、やりたくない……」

P「……なぜ?」

恵美「泣けてきちゃうから……」

6: 名無しさん@おーぷん 20/04/14(火)23:12:42 ID:iYb
P「ドラマの仕事か? 大切な人を失うとか、生き別れた家族と再会とか、そういう感動的なシーンでの……」

恵美「違うよ。むしろそれって、泣くのを求められるよね?」

P「それもそうか。でも恵美の仕事で泣けるのって……」

恵美「これだよ、これ」

P「……え? これ? 泣く要素あるか?」

恵美「だから困ってるの……」

7: 名無しさん@おーぷん 20/04/14(火)23:17:25 ID:iYb
P「えっと……恥ずかしいから?」

恵美「うん……おかしいよね、水着とかは平気なのに」

P「……普段着もわりと肌色多めだもんな」

恵美「ん? 減るもんじゃないし、もっと見たい?」

P「……男と2人きりの時にそういうこと言うんじゃありません」

恵美「にゃははっ、それもそっか」

8: 名無しさん@おーぷん 20/04/14(火)23:21:37 ID:iYb
P「しかし、本当に泣くのか?」

恵美「うん……家で軽くやってみたけど、その時点で既に……」

P「マジか……どのくらい泣くんだ?」

恵美「どのくらいって……説明するのは難しいな」

P「……よし、今ここでやってみようか」

恵美「えっ!?」

9: 名無しさん@おーぷん 20/04/14(火)23:24:51 ID:iYb
P「やろう是非やろう、あまりに酷かったら断ることも考えなくもないし、是非見てみたいし1回だけやってみてくださいお願いします」

恵美「ぅぅ、わかったよ!1回だけだからね!」

………
……

10: 名無しさん@おーぷん 20/04/14(火)23:31:36 ID:iYb
恵美(´;ω;`)

P「……」

恵美「ね?」

P「マジかよ……」

11: 名無しさん@おーぷん 20/04/14(火)23:36:11 ID:iYb
P「まさかそこまでとは……」

恵美「なんでアタシに回したの? 他に出来る子たくさんいるじゃん」

P「向こうがどうしても恵美に、って。普段お世話になってるし、この程度でNGは出せないよ」

恵美「ぅぅ……そうだよね……」

12: 名無しさん@おーぷん 20/04/14(火)23:40:29 ID:iYb
P「ちなみに、俺以外の誰かには相談した?」

恵美「うん、エレナと琴葉に。エレナは、『楽しもうヨ!』だって」

P「まあ、エレナらしいな」

恵美「その時、海美も聞いてて、『見たい!見たい!』って興奮してた」

P「脳内再生余裕だな」

13: 名無しさん@おーぷん 20/04/14(火)23:43:44 ID:iYb
恵美「琴葉はまず、『前は逆の立場だったよね』って」

P「そんなことあったか?」

恵美「琴葉がキャラ作りしたい、って言って迷走してた時ね」

P「琴葉はそのままでも充分」

恵美「そうそう、おもしろいよねー」

14: 名無しさん@おーぷん 20/04/14(火)23:46:46 ID:iYb
恵美「そのあと、『私なら求められるものを予習して、全力で……』って」

P「琴葉らしいな」

恵美「悪いと思ったけど、長かったから途中から聞き流した」

P「ああ、うん」

15: 名無しさん@おーぷん 20/04/14(火)23:49:50 ID:iYb
恵美「ねぇ、プロデューサー、どうしてもアタシがやらなきゃダメ?」

P「そうだな……これからのこともあるしな……」

恵美「そうだよね……でも……こんな状態じゃできないよ……」

P「……恵美、ちょっと聞いてくれるか?」

恵美「なに?」

16: 名無しさん@おーぷん 20/04/14(火)23:53:25 ID:iYb
P「今回の件だけど、恵美一人に背負わせて、本当に申し訳ないと思ってる」

恵美「うん……」

P「でもな、恵美はどんな役が来ても大丈夫、っていう信頼がある」

恵美「そんなことないよ」

P「そんなことあるんだよ。エドガーだって、俺の想像の遥か上を行った」

恵美「あ、ありがと」

17: 名無しさん@おーぷん 20/04/14(火)23:59:07 ID:iYb
P「それに、これは少々うまくいかなくても、大丈夫な場だ」

恵美「そうなの?」

P「ああ、だから安心してくれ。それに将来、舞台や声優の仕事にも役立つと思う」

恵美「……うん」

P「いざ本番を迎えたら大丈夫だろう。不安なら付き添うから、やりきって欲しい」

恵美「……そうだね、アタシ頑張るよ」

18: 名無しさん@おーぷん 20/04/15(水)00:01:20 ID:Zlm
………
……


ホンバンイキマース

恵美(大丈夫)

5ビョウマエ

恵美(アタシは泣かない)

4、3……

恵美(この役、やりきってみせる!)

19: 名無しさん@おーぷん 20/04/15(水)00:02:39 ID:Zlm
恵美「ご主人様、かまって欲しいにゃん!」

モウイッカイ

恵美(´;ω;`)

おわり