9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/14(月) 20:10:02.38 ID:ph0Jfg0qO

麦野「はーい今日もファミレスでミーティングでーす♪」

絹旗「麦野ってば超元気良いですね?」

フレンダ「あれは多分何か悪巧みしてるってわけよ……」

滝壺「南南西から信号が……」

麦野「さてアイテムの諸君。今日は何の日か知ってるかにゃーん?」

引用元: 麦野「浜面にバレンタインチョコをあげたい」 



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/14(月) 20:13:03.05 ID:ph0Jfg0qO

絹旗「それは……」

フレンダ「結局……」

滝壺「バレンタインだね、むぎの」

麦野「ピンポーン!よくできましたー!」

フレンダ「まぁ誰でも知ってるってわけよ……」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/14(月) 20:17:12.24 ID:ph0Jfg0qO
麦野「そして!バレンタインに対し淡い希望を抱いて期待しているのは!」

絹旗「超男性ですね」

麦野「つまり?」

フレンダ「浜面?」

麦野「その通りだにゃーん♪」

滝壺「……それで、どうするの?むぎの?」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/14(月) 20:21:33.77 ID:ph0Jfg0qO
麦野「まぁ要するにチョコに期待しているであろう浜面の期待を踏みにじるのよ!こんなに面白いことは……」

絹旗「……」

フレンダ「……」

滝壺「……」

麦野「……あれ?どうしたのよアンタ達?」

滝壺「実はね、むぎの。私たち……」

絹旗「……もうチョコ超あげちゃいました。浜面に」

フレンダ「……アハッ♪」

麦野「」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/14(月) 20:26:40.46 ID:ph0Jfg0qO
麦野「なななな!?何でよ!?何故!?why!?」

絹旗「超理由を説明すると始まりは滝壺さんでしたね」

フレンダ「一週間ぐらい前だっけ?たまたま麦野がいない時にバレンタインの話題になって……」

滝壺「……私が皆でチョコつくろうって提案したの。はまづらに」テレテレ

麦野「」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/14(月) 20:30:29.01 ID:ph0Jfg0qO
絹旗「最初は超嫌だったんですけど……」

フレンダ「まぁ例えパシりでも感謝してるところはあったわけだし……」

滝壺「楽しかったね。チョコつくるの」

フレンダ「結局絹旗ってばわざわざハート型の容器を買いに行ったり……」

絹旗「わーわー!それは超秘密です!」

麦野「」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/14(月) 20:35:38.24 ID:ph0Jfg0qO
麦野「ど、どうして私を呼んでくれなかったのよ!ズルいじゃない!」

絹旗「一番の理由はその場に麦野が超居なかったってことですが……」

フレンダ「ほ、ほら!麦野は麦野できっとすっごいのを用意してると思ってたわけよ!」

滝壺「……むぎのもはまづらにチョコ作りたかったの?」

麦野「!」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/14(月) 20:47:03.33 ID:ph0Jfg0qO
麦野「べ……別に浜面もといバカ面とかじゃなくて!アンタ達がアイツの為なんかに……」

絹旗「あれは超焦ってますよ多分」ヒソヒソ

フレンダ「結局自分だけ出遅れたのが納得いかないわけよ」ヒソヒソ

滝壺「……むぎの。私、バレンタインデーって、普段の気持ちを伝えられる良い機会だと思う」

絹旗「……まぁそうですね。義理とか本命とか関係無く、感謝する気持ちを表すには超最適です……私は超義理でしたよ?」

フレンダ「結局、もし麦野が浜面にチョコ渡したいって言うのなら……」

滝壺「……私達はそんなむぎのを手伝ってあげるよ?」

麦野「……」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/14(月) 20:55:46.32 ID:ph0Jfg0qO
麦野「……し……仕方ないわね!たまには上司として部下を労うのも大切よ!そう!これは上司で……」

絹旗「超素直じゃないですねー」ニヤニヤ

フレンダ「やっぱり麦野は麦野ってわけよ」ニヤニヤ

麦野「こらぁ!笑うなぁ!」

滝壺「自分に正直になるって大切だよ、むぎの♪」ナデナデ

麦野「にゃ!?滝壺も気安くなでるんじゃないわよ!」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/14(月) 21:04:50.93 ID:ph0Jfg0qO
絹旗「とは言ったものの既に時間が超ヤバイですね」

フレンダ「もうお昼時ってわけよ……」

麦野「……ちょっと待ってよ。アンタ達はもう渡したって言ったじゃない?一体いつに……」

絹旗「あぁ……昨日の仕事、12時を超回ってましたから……」

フレンダ「麦野が車から降りた後に皆で渡したってわけよ」

滝壺「少し早いけどバレンタインデーはバレンタインデーだから……」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/14(月) 21:12:01.07 ID:ph0Jfg0qO
絹旗「浜面ってば超驚いてましたね」ニヒヒ

フレンダ「(゚Д゚)って顔だったわけよ……」アハハ

滝壺「でもその後すごく喜んでたね……良かった」

麦野「グググ……」

絹旗「……もうこれくらいにしとかないと超炉心融解(メルトダウン)しますよ麦野だけに」ヒソヒソ

フレンダ「結構気にしてるってわけよ……」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/14(月) 21:22:52.56 ID:ph0Jfg0qO
絹旗「と、とにかく!今日中に超渡さないとバレンタインじゃないです!ただのチョコです!」

フレンダ「結局、手作りが一番だと思うけど……」

滝壺「時間が足りないね……」

絹旗「超仕方ないですけど既製品ってことになりますね。麦野」

麦野「で、でもそれじゃあつまらなくない?皆手作りだったんでしょ?」

フレンダ「そりゃそうだけど、"チョコをあげる"ってのが大切なわけよ!」

滝壺「けどお店にあるのだけじゃつまらないのは事実だね」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/14(月) 21:27:41.58 ID:ph0Jfg0qO
麦野「……」ズーン

絹旗「ちょ!滝壺さんはなんで超ズバッと言っちゃいますか!」

フレンダ「あー麦野がダークサイドに……」

滝壺「でも、既製品だってオリジナリティをプラスすることが出来るよ?」

麦野「……例えば?」グスッ

滝壺「すばり、手紙」b

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/14(月) 21:36:18.83 ID:ph0Jfg0qO
絹旗「手紙……超言い方を変えるならメッセージカードってやつですね!」

フレンダ「確かにメールなんかじゃ絶対伝わらない何かがあるわけよ!ナイス!」

滝壺「♪」フフン

麦野「で、でもでも……」

絹旗「あーもう!いつもの麦野らしくないですよ!思い立ったら超すぐに実行するのが麦野なんです!」

フレンダ「もう迷ってられないってわけよ!麦野!」

滝壺「大丈夫。私たちはみんなむぎのを応援してる」b

麦野「……ありがとう」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/14(月) 21:38:00.64 ID:ph0Jfg0qO
休憩兼書き貯め

38: ◆P8oqsk33ug 2011/02/14(月) 22:24:37.01 ID:ph0Jfg0qO
一応酉つけてみました
もしかしたらPCからやるかもしれません

39: ◆P8oqsk33ug 2011/02/14(月) 22:58:19.06 ID:ph0Jfg0qO
フレンダ「というわけでお店に来たわけだけど……」

絹旗「結構……というか超残ってるもんですね」

滝壺「やっぱり皆手づk」

絹旗「ストーォップ!超ストーォップ!」

麦野「うーん……迷うわね……」

フレンダ「結局これだけ沢山あるとそうなるのは無理無いわけよ……」

絹旗「コホン……ですね……"いちごおでんチョコ"って超変なのもあるし」

40: ◆P8oqsk33ug 2011/02/14(月) 23:00:10.05 ID:ph0Jfg0qO
麦野「そうだ。あんた達は何を作ったのよ?」

絹旗「私たちですか?至って超普通のチョコといいますか……」

フレンダ「わざわざハート型を……」ニマニマ

絹旗「だぁー!それは超忘れてください!それだったらフレンダだってチョコに鯖混ぜるとか超狂ってますよ!」

フレンダ「あー!鯖をバカにするのは許さないってわけよ!」

ギャーギャー!

麦野「ダメだわこいつら……」

滝壺「むぎの、むぎの」クイクイッ

麦野「ん?どうしたの滝壺?」

滝壺「これはどう?」

41: ◆P8oqsk33ug 2011/02/14(月) 23:02:15.96 ID:ph0Jfg0qO
麦野「あら、これは……クッキー?クッキーかぁ……」

滝壺「私もチョコに少しデコレーションしただけだから、あんまり参考にならないけど……」

滝壺「でも、バレンタイン=チョコってわけじゃないみたいだから、珍しくて良いと思うよ。むぎの」

麦野「……そうね!皆と同じじゃつまらないにゃーん♪」

フレンダ「結局ハートは未だしもホワイトチョコでLOVEなんて書こうとしたわけよ!」

絹旗「そそそそんなことないです!超無いです!例え書いたとしても未来のための超練習です!」

麦野「てめェェらうるせぇぇぇ!!」バシューン

滝壺「良かった。いつものむぎのだ」

42: ◆P8oqsk33ug 2011/02/14(月) 23:04:44.82 ID:ph0Jfg0qO
絹旗「麦野がお目当ての物を買えたようなのでアジトで超メッセージカード作りです」ボロボロ

フレンダ「公共の場で騒ぐとこうなるから注意するべきってわけよ」ボロボロ

麦野「うー……いざ書くとなると恥ずかしいわね……」

滝壺「これにはあんまりアドバイスできないね」

絹旗「とにかく麦野の思ってることを書くのが超良いと思います!」

フレンダ「こればっかりは麦野次第ってわけよ!」

麦野「にゃーん……」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/02/14(月) 23:07:43.83 ID:ph0Jfg0qO
麦野「拝啓、浜面……ってこれはおかしいわ……」ゴシゴシ

滝壺「まだ時間掛かるみたいだね」

絹旗「想いや感情を文字にするのは超大変ですよね」

フレンダ「まして書くのも中々骨が折れるってわけよ。字の形が変だったり文法もおかしかったり……」

絹旗「あぁーわかります超わかります」

滝壺「……とにかく麦野にはがんばってほしい」

絹旗「……そうですね」

フレンダ「全員そう思ってるってわけよ!」

44: ◆P8oqsk33ug 2011/02/14(月) 23:10:32.10 ID:ph0Jfg0qO
麦野「……」カキカキ

絹旗「いくらなんでも超時間かかりすぎじゃないですか?滝壺さん超寝ちゃいましたよ」

フレンダ「あんなに真剣な麦野は初めて見たわけよ……」

滝壺「……zZZ」

麦野「……できたぁぁぁぁ!!」ガタン

滝壺「」ビクッ

絹旗「あ、超起きました」

フレンダ「もうすぐ6時だから随分長かったってわけよ……」

滝壺「目がシパシパする……」

45: ◆P8oqsk33ug 2011/02/14(月) 23:12:32.67 ID:ph0Jfg0qO
絹旗「麦野、超完璧ですか?」

麦野「完璧……とは言えないけど、私なりには……」

フレンダ「麦野、準備オッケー?」

麦野「……うん。大丈夫」

滝壺「じゃあむぎの。私たちはここで待ってるね?」

麦野「え!?着いてきてくれないの!?」

46: ◆P8oqsk33ug 2011/02/14(月) 23:14:04.51 ID:ph0Jfg0qO
絹旗「それだと超意味ないじゃないですか!」

フレンダ「結局麦野自身が自分の気持ちを伝えるのが大事なわけよ!」

滝壺「もう私たちがいなくてもむぎのは大丈夫。きっと成功する」b

麦野「みんな……」

麦野「……うん。ありがとう!行ってくるわ!」

47: ◆P8oqsk33ug 2011/02/14(月) 23:15:50.64 ID:ph0Jfg0qO
フレンダ「お昼の頃の麦野が別人みたいってわけよ……」

絹旗「……私たちも、麦野も、全員アイテムのメンバーが超大切なんですよ。……不服ですが浜面も」

滝壺「きぬはたえらいえらい」ナデナデ

絹旗「ちょ!くすぐったいです滝壺さん!」ムキー!

フレンダ「……ま、いつまでもこんな感じが続くのが一番ってわけよ!」

53: ◆P8oqsk33ug 2011/02/15(火) 00:41:09.85 ID:np7ZITAQ0
麦野「威勢よく飛び出したものの……やっぱり不安だわ……」

麦野「……とりあえず事前に連絡した方が良いわよね」

麦野「……電話でこんなに緊張するなんて思わなかったなぁ」ドキドキ

Prrrr

ピッ

浜面『もしもし?麦野か?』

麦野「にゃあ!?」

浜面『うおゎ!ど、どうした!?』

麦野「ななななんでもないわよ馬鹿面ぁ!」

浜面『そ、そうか?ならいいがよ……そうだ。用件は何だ?仕事か?』

54: ◆P8oqsk33ug 2011/02/15(火) 00:41:59.00 ID:np7ZITAQ0
麦野「あ……その……今アンタどこにいるのよ」

浜面『今?えーっと……家だけど』

麦野「……こ……から……く……ら」ボソッ

浜面『……えっ?』

麦野「これから行くって言ってるのよぉぉ!」

浜面『……ええええ!?』

麦野「だから……待ってなさいよ!」

ピッ

55: ◆P8oqsk33ug 2011/02/15(火) 00:46:41.95 ID:np7ZITAQ0
浜面「……良く分からないけど俺は明日の朝日を拝めるか怪しいだろう間違いない」

浜面「とりあえず掃除しておこう……」ゴソゴソ

麦野「あああああ!どうして私はこうも口が悪いのよ!まるで強迫じゃない!」

麦野「でももうやっちゃったことは仕方ないか……」

麦野「とにかく、絹旗にフレンダ、滝壺が応援してくれてるんだから……」

麦野「よし!頑張れ私!」

56: ◆P8oqsk33ug 2011/02/15(火) 00:47:34.43 ID:np7ZITAQ0
ピンポーン

浜面「想像以上に早い到着だったぁぁぁ!掃除出来てないぃぃぃ!!」

浜面「しかし出る他ない訳ですね……」

ピンポーン

浜面「はいはい今行きますよーっと!」

ガチャ

麦野「……こんばんは」

浜面「お、おぅ……こんばんは」

麦野「……」

浜面「ど、どうした?なんなら中で……」

麦野「……ううん。ここでいいの」

57: ◆P8oqsk33ug 2011/02/15(火) 00:48:59.37 ID:np7ZITAQ0
浜面「そうか?……それで、どうしたんだ麦野?」

麦野「……」スッ

浜面「えっ?これ……」

麦野「わ……私から、その……」

麦野「えっと……あの……!!」

麦野「……あぁもういいわ!何も言わずに受け取りなさい!」

浜面「ええ!?いやそんな!」

58: ◆P8oqsk33ug 2011/02/15(火) 00:50:30.68 ID:np7ZITAQ0
麦野「早く!ほら!良い!?言っとくけど義理よ!義理!」ズイッ

浜面「お、おぅ……」

麦野「……用事はこれだけよ。変なことで連絡して悪かったわ」

麦野「それじゃ……」

浜面「……麦野!」

麦野「……何よ」

浜面「ありがとな!美味しくいただくぜ!」

60: ◆P8oqsk33ug 2011/02/15(火) 00:53:20.59 ID:np7ZITAQ0
麦野「……ふふっ」

浜面「……あれ?麦野さん?」

麦野「はーまづらぁ。1ヶ月後に期待してるわよ」

浜面「もうホワイトデーのお話!?気が早いよ!」

麦野「ちなみに十倍返しだにゃーん♪」

浜面「ひでぇ!?」

麦野「アハハ……なんだか疲れちゃったわ」

浜面「……それはまたどうして?」

麦野「さぁ?なんでだろうね?」

浜面「なんじゃそりゃ……」

61: ◆P8oqsk33ug 2011/02/15(火) 00:56:04.89 ID:np7ZITAQ0
麦野「……今度こそ私は行くわね」

浜面「そうだ、送っていくか?」

麦野「下っ端のくせに出しゃばるんじゃないにゃーん。調子乗ってると風通しがよくなるわよ?」

浜面「それは勘弁です麦野様」

麦野「分かればよろしい♪」

麦野「……じゃあね浜面。また明日とか」

浜面「……あぁ」

バタン

67: ◆P8oqsk33ug 2011/02/15(火) 01:53:50.28 ID:np7ZITAQ0
結局私は気のきいた言葉を掛けることが出来なかった。

まぁソレが出来たところで彼に気味悪がられるのがオチだろう。

良いようにまとめてしまえば『私』は『私』らしかったってことだ。

一応手紙にはそれなりの気持ちを表した文字を並べたつもりである。

しかし口で伝えられるならそうするのが一番良いはずだ。

それが出来ない私はやはり、どこか彼を意識している部分があるのだろうか。

他の皆がどういった気持ちで渡したのか、本心は本人にしか分からない。

ただ日ごろの感謝の気持ちを表したといっていたけれど、実は違うかもしれない。

特に絹旗あたりは。そして私も今、自分の気持ちが分からないでいる。

68: ◆P8oqsk33ug 2011/02/15(火) 01:54:53.11 ID:np7ZITAQ0
麦野「……悩んだってキリがないわね」

麦野「やりたいことは達成された。それで良いじゃない。他に何を望むのよ、私」

麦野「……っていつの間にかアジト前か……」

ガチャ

絹旗「お!超英雄の凱旋ですよ!」ヒャッハー

フレンダ「むっぎのー!おかえりー!どうだった!?どう!?」バタバタ

滝壺「おかえり。むぎの」ヒック

麦野「あんた達は全く……分けてほしいわよその元気……って何このニオイ」

69: ◆P8oqsk33ug 2011/02/15(火) 01:55:41.83 ID:np7ZITAQ0
絹旗「だったらこう……両腕を天に超突き出してですね……」ニャハハ

フレンダ「ギャリック砲ってわけよー!」アハアハ

滝壺「違うよフレンダ。それは操気弾だよぉ」ウフフ

麦野「あ、あんた達酒飲んだわね!?」

絹旗「チョコ作ったときに使った洋酒が超残ってましてですねぇ」

フレンダ「飲んでみたらこれが意外と……ってわけよ!」ウィー

滝壺「むぎのも飲む?」

麦野「……飲む」

70: ◆P8oqsk33ug 2011/02/15(火) 01:56:41.48 ID:np7ZITAQ0
絹旗「あら、超意外でしぇね。てっきり怒らられれ……」

フレンダ「あっはは!絹旗ってば呂律が回ってにゃいってわきゃよ!」

麦野「あんた達もね……」

滝壺「はい。むぎのの分」

麦野「ん。ありがと」

滝壺「そうだ。むぎのの話聞かせて?」

麦野「……そうねぇ」

71: ◆P8oqsk33ug 2011/02/15(火) 01:59:26.11 ID:np7ZITAQ0
先ほども言ったように、悩んでいたって今は解決しないだろう。

現在進行形で私の中を浸食しているあの気持ち。自分でも整理がつかないこの感情。

私は彼に何をしたいのか。何をしてほしいのか。

酔いの魔力に任せて一時でいいから忘れてしまいたかった。

まぁ、いずれ向き合わざるを得ない問題を先送りしただけだ。

でも今だけはそうしたい。たまにはこういうのも悪くないと思うのだ。

こうして私のバレンタインの夜は過ぎていく。

 
79: ◆P8oqsk33ug 2011/02/15(火) 10:09:49.82 ID:np7ZITAQ0
浜面「しっかしあの麦野がバレンタイン……かぁ」

浜面「唯でさえ滝壺達から貰えただけで驚いたのに、麦野となると天地がひっくり返るレベルだぜ……」

浜面「……今の聞かれてたりしないよな?」キョロキョロ

浜面「……とにかく、美味しくいただくって言ったわけだし、食べましょうかね」ガサソソ

浜面「お!チョコクッキーか。珍しいなぁ。少なくともフレンダの鯖チョコよりは……」ポリッ

浜面「うん。美味いなぁ……」パラリ

浜面「んぁ?なんだこれ……手紙?」

80: ◆P8oqsk33ug 2011/02/15(火) 10:12:24.50 ID:np7ZITAQ0
浜面へ

世の中バレンタインデーということで、誠に遺憾ながらあなたにクッキーをプレゼントしました。

手作りじゃないのは、浜面が浜面だからです。それ以上でもそれ以下でもありません。

貰えるだけありがたいと思ってください。本当ならスルーするつもりだったんだから。

でも、そうしなかったのは、少し、ほんの少しはアイテムの一員として、下っ端として日々ちょっとだけ活躍している浜面に感謝しているからです。

多分。

それに加えて、絹旗やフレンダや滝壺があなたにあげているのに、私だけあげないのもどうかなって思ったからです。

後者の方が理由として95%を占めます。

私らしくない言葉を綴ってきたけど、これからもアイテムとして頑張っていきましょう。

浜面君にはちょっとは期待してるにゃーん♪

                              麦野より

P.S.

お返しは百倍よ!百倍!

81: ◆P8oqsk33ug 2011/02/15(火) 10:14:51.59 ID:np7ZITAQ0
浜面「ははは……ひでぇ言われ様だぜ……って百倍!?さっきより増えてる!」

浜面「……でも、ありがたいことだよなぁ」

浜面「よぉし!負け犬上等!下っ端上等!俺は頑張るぜぇぇぇ!」

浜面「とりあえずコーヒーでも淹れるかな……」

浜面「……いやマジでホワイトデーどうしよう」

82: ◆P8oqsk33ug 2011/02/15(火) 10:18:15.60 ID:np7ZITAQ0
麦野「はぁい……ファミレスでまたミーティングでーす……」ズキズキ

絹旗「頭が……頭が……超痛い……」ガンガン

フレンダ「結局飲みすぎたってわけよ……」

滝壺「……zzz」

絹旗「まぁこれは超自業自得ってわけですけど……」

麦野「コホン……気を取り直して、今日は普通に仕事の話!」

フレンダ「ってことは結局アイテム全員集合ってわけよ」

滝壺「でも、はまづらはまだだね?」ムクリ

麦野「急に起きないでよ滝壺……びっくりするじゃない」

83: ◆P8oqsk33ug 2011/02/15(火) 10:21:07.99 ID:np7ZITAQ0
絹旗「きっとどこかで超油売ってるんですよ。まったく浜面は超浜面ですね」

フレンダ「あー……浜面がきたら昨日の感想聞きたいってわけよ!」

絹旗「お、フレンダにしては超名案ですね。グッジョブです」

滝壺「それは私も気になる」

麦野「ええぇ!?だ!駄目よ!ダメダメ!」

フレンダ「あれー?どうしたのかな麦野―?」ニヤニヤ

絹旗「これはある意味麦野が一番超気になっていることだと思いますよー?」ニヤニヤ

滝壺「……ニヤリ」

麦野「そ……それは……っていうか皆して笑ってんじゃないわよぉ!」

浜面「おーっす」

84: ◆P8oqsk33ug 2011/02/15(火) 10:24:28.27 ID:np7ZITAQ0
フレンダ「噂をすればなんとやらってわけよ」

絹旗「浜面!超単刀直入に聞きます!昨日私達のプレゼントはどうでしたか!?」

滝壺「ワクワク……」

浜面「ななななんだぁ?藪から棒に……」

絹旗「超そんなことはいいですから答えるんですっ!」

浜面「えぇー……そうだなぁ……」

麦野「あーあー!聞こえなーい!全然聞こえないにゃーん!」

絹旗「だったら超耳をしっかり塞ぐべきですが……大分隙間が空いてますね」

フレンダ「結局麦野は聞きたくて仕方ないってわけよ……」

86: ◆P8oqsk33ug 2011/02/15(火) 10:29:08.22 ID:np7ZITAQ0
浜面「うーん……皆個性的で良かったと……」

絹旗「そうじゃなくてもっと超具体的にですね……」

浜面「……じゃあ絹旗から」

絹旗「自分で賛成しといてアレですが、超恥ずかしいですねこれ」ドキドキ

浜面「とにかく形が色々あって面白かったな」

絹旗「フッフーン!そりゃ超頑張りましたからね!」

フレンダ「そうだ!聞いてよ浜面。結局絹旗ってばね……」

絹旗「しつこーい!超しつこいですよフレンダ!わざわざハート型容器買ったとかは超やめてください!」

浜面「え?そうだったのか?」

絹旗「超自爆したぁぁぁ!」

88: ◆P8oqsk33ug 2011/02/15(火) 10:31:51.91 ID:np7ZITAQ0
絹旗「」プスプス

滝壺「……」ツンツン

浜面「なぁ絹旗が……」

フレンダ「まぁ絹旗だから大丈夫ってわけよ。多分」

フレンダ「……じゃ、今度は私の番ってわけよ!」

浜面「んー……超独創的だったなぁ……あれは中々……」

フレンダ「な、中々……?」

浜面「少なくとも一番印象に残ってるぜ……うん」

フレンダ「つまり……?」

浜面「インパクトが強すぎてあんまり好きじゃ……」

フレンダ「」チーン

滝壺「だから生ものはダメだよって言ったのに……」

89: ◆P8oqsk33ug 2011/02/15(火) 10:35:24.08 ID:np7ZITAQ0
滝壺「じゃあはまづら。次は私」ワクテカ

浜面「滝壺のはキラキラしてて綺麗だったぞ。食べるのがもったいないくらいだったよ」

滝壺「……」グッb

浜面「あれは食べられるラメか何かか?わざわざ文字まで……」

滝壺「そのとおり。はまづらにわたしの気持ちが伝わったはず」

浜面「ただなぁ、その文字なんだが」

滝壺「?」

浜面「lavaって書いてあってさ、調べたら『溶岩』って意味なんだよな。一体どうして……」

滝壺「つ、痛恨のスペルミス……」ガーン

90: ◆P8oqsk33ug 2011/02/15(火) 10:39:16.79 ID:np7ZITAQ0
絹旗「うう……超恥ずかしい……穴があったら……」ブツブツ

フレンダ「」

滝壺「スペルミススペルミススペルミス……」ボソボソ

浜面「おいおい大丈夫かこいつら……」

麦野「は、浜面……」

浜面「お、麦野。麦野のはなぁ……」

麦野「……」ドキドキ

91: ◆P8oqsk33ug 2011/02/15(火) 10:43:16.72 ID:np7ZITAQ0
浜面「味はまぁ、店のものだったから、ちょっと失礼な言い方だけど保障されてるわけだ」

麦野「ホントに失礼な言い方ね。額で呼吸する方法教えてあげようか?」

浜面「う……悪ぃ」

麦野「……それで?」

浜面「あ、あぁ。クッキーってのが意外だったな。こいつらは皆チョコだったから、斬新で良かったぜ」

麦野「……そっかぁ」

浜面「それと、あの手紙だけど」

麦野「!」

93: ◆P8oqsk33ug 2011/02/15(火) 10:49:33.66 ID:np7ZITAQ0

浜面「……俺さ、正直こんな風に思われてるとは思わなかった」

浜面「麦野の気持ちが分かって嬉しかったよ。まぁ5%だけど……」

浜面「とにかく、皆の、麦野の期待に応えられるように頑張るからさ」

浜面「だから、これからもよろしくな!」スッ


94: ◆P8oqsk33ug 2011/02/15(火) 10:51:49.13 ID:np7ZITAQ0
麦野「……なによこの手は」

浜面「えっ!?流れ的にはここで握手をしてですね……」

麦野「……」

浜面「……いや、悪かったな。調子乗るなって言ってたのに……」

麦野「……ん」スッ

浜面「……あれ?」

麦野「早く……するならしなさいよ……」

浜面「お、おぅ……」ギュッ

95: ◆P8oqsk33ug 2011/02/15(火) 10:55:16.16 ID:np7ZITAQ0

麦野「……えへへ」

浜面「ははは……」

麦野「はーまづらぁ。これからもビシバシとこき使ってやるわ。光栄に思いなさい」

浜面「ほどほどに頼むぜ?リーダーさんよ」

麦野「その言い方は浜面のくせに生意気だにゃーん」ピシッ

浜面「いったい!デコピン痛い!」

96: ◆P8oqsk33ug 2011/02/15(火) 10:57:59.75 ID:np7ZITAQ0



         「ふふっ……これからも、よろしくね、浜面」


           「へヘ……よろしくな!麦野!」