【人混みの中立ちすくんだ】

ﾌﾞﾁｯ

ほたる「あ……かばんが……」

ﾊﾞﾗﾊﾞﾗﾊﾞﾗ

ほたる「す、すみません。すぐ拾いますので……」

ｶﾞﾂｯ

ほたる「あうっ！あ、ご、ごめんなさい……」

「馬鹿野郎！不急不要でないなら外に出歩くな！」

ほたる「すみません、すみません！」ﾍﾟｺﾍﾟｺ

「いいからとっとと終わらせろ！濃厚接触になるだろうが」

ほたる「はぅ……」



【正しい顔があふれていて】

ほたる「……」

ほたる「やっぱり、私なんて誕生日を祝ってもらうような……」

ほたる「でも……みんな、せっかく用意してくれたって言うし」



ほたる「……だけど、非常事態宣言が出てるのに、みんなを外に出掛けさせるような事をしちゃったから、もしかすると私のせいで……」

ほたる「……ごめんなさい」



【自分一人が選ぶ道を間違えてるようで】

【無くすのと同じだけ掴めると思いたい】



千雪「……あら？」

甘奈「どったの、千雪さん？」

甜花「あ……たしか、白菊さん？」

千雪「困っているようだし、手伝おうか」

甘奈「だね」

甜花「うんっ！」

甘奈「これで最後かな？」

ほたる「すみませんすみませんすみません」ﾍﾟｺﾍﾟｺ

甜花「……どんまい。甜花もよくやる」

千雪「よく落とすなら、小袋とかに小分けして入れた方が、無くなりにくいわよ」

千雪「あ、たしか」ｺﾞｿｺﾞｿ

ほたる「あ……可愛い小物入れ……」

ほたる「でもこんな……」

千雪「大丈夫よ。私は……ほら」

甘奈「えへへー、めーちゃ可愛いでしょ」

甜花「甜花……頑張って選んだ」ﾌﾝﾇ

千雪「私には二人から誕生日プレゼントで貰ったのがあるから。これをあなたに貰ってほしいな……なんて」

ほたる「あ……」



ほたる「ありがとうございます！」



【夢中で生きた昨日が励ましている】

…………
……



甘奈「でも、あれもまだまだ使えたのに……よかったの？」

千雪「そうね……ふふっ」

甜花「うわ……大人の笑み？」





千雪「今の私より、よっぽど大切に使ってくれそうだったから……かしら」

ﾀﾀﾀｯ

ｶﾞﾗｯ

ほたる「すみません、遅れました！」

ﾊﾟﾝﾊﾟｰﾝ

一同『ほたるちゃん、誕生日おめでとう！』

茄子「もう、主役が遅れてはダメなんですよ」

朋「そう言って、さっきから『私がほたるちゃんを迎えにいきます！』って聞かなかったんだからね」

茄子「も、もう……」

裕美「そんなことより、ケーキがあるよ」

泰葉「ご馳走も沢山ありますね」

森久保「ほ、ほたるさんの誕生日ですから……たまには机からはい上がったもりくぼも……」

千鶴「毎日出た方がいいような……」

森久保「はぅ！……やっぱり、嫌われているみたいですし、机の下へと」ｺｿｺｿ

裕美「はいはい、漫才はそこまでよ」



【いつもは忘れてるけれど、誰かに思われているよ】

ほたる「みんな……」

ほたる「すみません……私なんかの為に」



朋「こーら」ﾃﾞｺﾋﾟﾝ

ほたる「はぅ……」

朋「言ったよね。謝る必要なんてないし」



歌鈴「みんなほたるちゃんが大好きで集まってますから」

芳乃「言魂はー、心の表れを示すものでしてー」

茄子「だから、ほたるちゃんが生まれた日。今日、それをお祝いする為にみんなが集まった日」

茄子「だから、いっぱい祝われてちゃってくださいね」



ほたる「………………はい！」



【心が信じたあの日の鐘を鳴らしていて】

ｷｬｯｷｬｳﾌﾌ

モバP（以下P）「まいったな……出番がない」



【あなたは想われているよ】

舞「大丈夫ですよ。ほたるさんはPさんのこと大好きですからね」



【誰かに想われているよ】

悠貴「じゃあ、ドアを開けますよ」

P「そうだな……みんな、プレゼントは持ったか？」

舞、悠貴『はいっ！』



【心が信じたあの日の鐘を鳴らしていて】



『ほたるちゃん！お誕生日おめでとう！』

～Fin