1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/21(土) 22:38:20.19 ID:24g8tjqA0
※注意事項
・初SSです
・艦これ×ナイトライダーです
・時々、ナイトライダー以外のネタもあります
・キャラ崩壊注意
・これらが問題無ければ生暖かい目で見守ってやってください

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1463837899

引用元: 【艦これ】提督「車買ったんだ」 明石・夕張「ふーん、そうですか」 




2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/21(土) 22:39:05.77 ID:24g8tjqA0
-工廠-


提督「いや、もうちょっと興味を示してくれないかな?」

夕張「うわー、かっこいいくるまですねー。なんてしゃしゅですか(棒読み)」

明石(ちょっとからかいすぎじゃない)

提督「・・・。もういい、帰る」

夕張「待ってください提督。謝りますから、帰らないでー」

提督「はぁ~、今度はちゃんと聞いてくれるんだよな?」

夕張「もちろんです!」

明石「ふざけてたのは夕張だけですけどね。それに実物を前にして買ったんだ。と言われましてもね」

提督「まぁ、そうだよな。反応に困るよな。」

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/21(土) 22:39:51.72 ID:24g8tjqA0
提督「俺の生まれた年である、82年型のポンティアック・ファイヤーバード・トランザムだ」

夕張「随分古い車ですね」

明石「でも、古い割には綺麗ですね。エンジン等の内部はどうか分かりませんが」

提督「購入する時に確認したが、どこも損傷してなくて綺麗だったぞ。事故歴も無かったし」

提督「で、ここからが本題なんだが、我が鎮守府が誇る二大エンジニアの君たちに頼みがある!」

明石・夕張「無理です」

提督「いや、まだ何も言ってないんだけど」

明石「言われなくても、ねぇ?」

夕張「トランザムを見せられて頼みがあるって言われた時点で大体分かりますよ」

明石「ナイト2000に改造して欲しいって事ですよね?」

夕張「私たちコンピュータは専門外ですし」

提督「」赤疲労

明石(うわぁ~めっちゃ落ち込んでるよ)ヒソヒソ

夕張(可哀想だし、外見だけでも改造してあげる?)ヒソヒソ

明石「あの~提督?」

夕張「AIは無理ですが、それ以外の部分だけでよければ改造しましょうか?」

提督「え?引き受けてくれるの?さすがに気分が高揚します」キラキラ

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/21(土) 22:41:06.12 ID:24g8tjqA0
-食堂-


加賀「くしゅん」

赤城「加賀さん、風邪ですか?」

加賀「いえ、誰かが私の噂をしている様です。瑞鶴でしょうか・・・」

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/21(土) 22:42:31.62 ID:24g8tjqA0
-工廠-


夕張「でも何でこんな古いトランザムにしたんですか?もっと新しいマスタングでも」

提督「ナイト3000?知らない子ですね。アレにするなら黄色いカマロか、ダッジ・バイパー若しくは、デロリアンを選ぶぞ」

日向「まぁ、そうなるな」

夕張(あっちは気に入らないんだ)

明石(あれ?今、一瞬だけ日向さん居なかった??)

明石「作業は仕事の合間に少しずつ進めるので、時間がかかると思いますが構いませんか?」

提督「もちろんオッケーだ。無理を言って余計な仕事を増やしたんだ、いくらでも待つぞ」

夕張「私たち機械いじりが好きなので余計な仕事だなんて思ってませんよ」

提督「そう言ってもらえるとありがたい。では、頼んだぞ」

明石・夕張「はーい」

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/21(土) 22:43:18.98 ID:24g8tjqA0
-それから一ヵ月後 執務室-


カタカタカタカタ

提督「送信っと!これで今日の仕事も終わりだな」

吹雪「お疲れ様です! 司令官」

提督「何だか知らんが最近は深海棲艦が大人しいから仕事が少なくて済むな」

吹雪「そうですね」

提督「これが嵐の前の静けさでなければいいんだけどな」

吹雪「その時は私がやっつけちゃうんだから!」

提督「吹雪は頼りになるな」ナデナデ

吹雪「えへへぇ~///」


コノテニヨセル フクサシュノイロ


提督「明石から着信だ」ピッ

吹雪(着メロ、加賀さんなんだ)

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/21(土) 22:43:53.65 ID:24g8tjqA0
提督「もしもし」

明石「提督、例のブツ完成しましたよ!」

提督「え!もう?」

明石「はい!バッチリです。今、夕張がちょっとしたデモンストレーションの準備をしてくれています」

提督「さっき仕事が終わったから、今からそちらへ向かうので待っててくれ」

明石「はい。お待ちしております。では」

提督「吹雪、今日の仕事は終わったから休んでくれていいぞ。俺はこれから工廠に行ってくる」

吹雪「はい。行ってらっしゃいませ」

提督「そうだ、間宮さんの所に行ってくるといい」つ間宮券

吹雪「ありがとうございます!司令官」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/21(土) 22:45:30.30 ID:24g8tjqA0
-工廠-


提督「明石ー、夕張ー」

明石「あ、提督。こちらです」

提督「おお!完璧じゃないか!」

提督「内装も正に『ダース・ベ○ダーの風呂場』だな」

夕張「提督、こちらをどうぞ!」つハンマー

提督「ハンマーを持ってきたと言う事は、つまりそういう事だよな?」

夕張「はい!もちろんです。ボンネットを思いっきり殴ってください」

提督「ではやるぞ!」


ガンッ!


夕張「私も一発!」


ゴン!


提督「スゲー!傷一つ無い!」

明石「結構苦労したんですよ」

夕張「ボディは劇中の設定通り、分子結合殻でコーティングしようとしたんですけどね」

明石「研究はしてみましたが、架空の元素を再現するのは諦めて別の方法を使いました」

提督「別の方法?」

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/21(土) 22:46:26.53 ID:24g8tjqA0
夕張「はい!ボディはEカーボンで作り直しました」

提督「へ?Eカーボン?それも架空の素材じゃないのか?」

明石「私たちの技術力を甘く見ないでください。炭素繊維自体は実在するんだから、作り出すのは簡単です」

提督(え・・・簡単って・・・)

提督「まさかとは思うが、動力源は太陽炉でトランザム(車)がトランザム(リミッター解除)なんてしないよな?」

明石「トランザムがトランザムなんてベタなギャグはやりませんよ。でも、提督がお望みなら改造しますよ?」

提督「いや、結構(って言うか、頼めば出来るんかい!)」

夕張「動力源は水素エンジンを採用したので安心してください」

提督「とりあえず二人には何かお礼をしないといけないな。何がいい?」

明石「う~ん、すぐには浮かばないので考えておきます」

夕張「私も同じく!」

提督「ある程度は奮発するが、100カラットのダイヤが欲しいとか無茶苦茶な要求はしないでくれよ」

明石「私たちがそんな無茶な要求をすると思っているんですか?」

提督「いや、思ってはいないが、こちらも結構無茶な事を頼んだからな。ま、決まったら教えてくれ」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/21(土) 22:47:08.81 ID:24g8tjqA0
提督「では、完成記念にドライブに行ってくる」ガチャ

明石・夕張「は~い、行ってらっしゃ~い」

提督「まずはシリコンバレーで産業スパイの調査だな」バタン

夕張「提督、ここは日本ですよ。シリコンバレーはアメリカです」

明石(突っ込む所ソコなの?)

提督「アディオス!」

明石・夕張「行ってらっしゃ~い」フリフリ



-執務室-


ガチャ

吹雪「ただいま戻りました。って、あれ?居ない。まだ工廠かな?」

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/21(土) 22:48:09.18 ID:24g8tjqA0
-工廠-


吹雪「明石さん、司令官知りませんか?」

明石「提督ならさっきドライブに行ったわ」

吹雪「先日買ったって言ってた車でですか?私も連れて行って欲しかったな。居ないなら仕方ないので、訓練にでも行ってきます」

明石「あまり根を詰め過ぎないようにね」

吹雪「はい」

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/21(土) 22:49:11.19 ID:24g8tjqA0
提督「今更だが吹雪も連れて来てやればよかったな。戻るのも面倒だし、まぁいいか」

提督「それにしても、これだけ天気がいいと眠くなってくるな。ラジオでも聞くか」ウトウト

ラジオ「続きまして、ラジオネーム 那珂ちゃんのファン辞めます。さんのリクエスト曲『恋の2-4-11』をお送りします」

提督「那珂ちゃんの曲かよ!」

-30分後-

提督「Zzz」

??「アドミラル」

提督「Zzz」


【NORMAL CRUISE】⇒【AUTO CRUISE】ピーッ

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/21(土) 22:50:04.42 ID:24g8tjqA0
警官A「今日も平和だ」

警官B「おい!あの車、居眠り運転してないか?」

警官A「追いかけよう」

警官B「そこの車!止まりなさい!」

警官A「この先は事故多発地点の死の急のカーブだ。早く止めないとマズイぞ」

警官B「カーブを曲がったぞ!凄い居眠り運転だ」

警官A「本当に居眠り運転なのか?」プーツ

警官B「今度はネコが飛び出したぞ!」

キキーッ

警官A「止まった・・・。で、ネコが行ったら走り出した」

警官B「やっぱり起きてるんじゃないのか?」

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/21(土) 22:50:58.77 ID:24g8tjqA0
??「アドミラル、アドミラル!」

提督「んあ?」

??「居眠り運転でパトカーに追跡されています」

提督「え?え?」

??「後方を確認してください」

提督「マジかよ」

警官B「そこの車!止まりなさい!」

提督「こんな時に霰が居てくれたら・・・うん、何も変わらないな。アラレ違いだし」

提督「だがまずい、現役の提督が居眠り運転で警察屋さんに捕まったりしたら・・・」

15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/21(土) 22:52:25.25 ID:24g8tjqA0

元帥「海軍の恥さらしめ!本来なら極刑だが、今までの功績を認めて命だけは助けてやる!除隊だ!今すぐ出て行け!」

吹雪「司令官、もう貴方には付いて行けません。さよなら」

金剛「ヘイ、ブッキー!こんなクズの事は忘れてもっと素敵な提督を探しに行きまショウ」

夕立「提督さん、さよならっぽい!」

時雨「君には失望したよ」

曙「クソ提督!」

霞「このクズ!」

青葉「司令官、今のお気持ちを一言(笑)お願いします!明日の艦隊新聞一面に掲載します!」

16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/21(土) 22:53:22.64 ID:24g8tjqA0

提督「あわわわわ」

??「アドミラル、落ち着いて私の言う事を聞いてください」

提督「お、おう」

??「警官には耳の障害が最も効果的です」

提督「いや、30年ほど前のアメリカでは良かったかも知れんが、日本ではダメだから!」

??「マイケルはそれで難を逃れたので問題ありません」

提督「間違いなく色んな所から怒られるから!」

警官A「車から降りなさい」

提督「だいたいドラマの真似して上手くいく訳無いだろ」

??「どうやらその必要は無くなった様です」

提督「どういう事だ?」

??「直に分かります。とりあえず適当に警官への対応をしてください」

17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/21(土) 22:54:37.27 ID:24g8tjqA0

警官A「聞こえないのか?早く車から降りなさい!」

ガチャ

提督「お仕事ご苦労様です」

警官A「居眠り運転・・・って、あれ?もしかしてあんた、提督さん?」

提督「は、はひ!深海棲艦が陸に進出しようとしているとの情報を得たので、パトロールをしていたであります!」

警官A「何と!奴ら海だけでなく、陸にまで!!」

提督「そうであります!」

ピーッピーッ

警察無線「○○区××町のコンビニエンスストアにて強盗事件発生。近隣の警察官は至急現場へ急行せよ」

警官B「コンビニ強盗発生だ!現場へ向かうぞ!」

警官A「我々は事件現場へ向かいます。お仕事頑張ってください!では」

提督「はい!(何とか誤魔化せた)」

18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/21(土) 22:55:23.25 ID:24g8tjqA0

??「自己紹介が遅くなりました。私はナイト2000のマイコンです。名前はK.I.T.T キットです」

提督「うん。知ってる」

提督「とりあえず明石達に連絡だ」ピッ プルルルル


トドケ トドケ オモイヨトドケ


明石「ん?提督から着信だ」ピッ

明石「もしもし」

提督「明石、俺だ」

明石「どうしたんですか?車に何か問題でも?」

提督「ああ、大問題だ。車が喋った」

明石「?? 何言ってるんですか?」

提督「だから車が喋ったんだよ!」

明石「あはははははは、車が喋る訳ないじゃないですか」

19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/21(土) 22:56:07.17 ID:24g8tjqA0

提督「喋って自動運転までしたんだよ!」

明石「え?でも最初に言いましたが、私達、コンピュータは専門外でAIは作れませんよ」

提督「それは聞いたが、これは紛れも無い事実だ!」

明石「誰かが無線通信でイタズラでもしたんじゃないですか?」

提督「仮にそうだとしてお前さんと夕張以外で誰がそんな事を出来るんだ?」

明石「・・・。確かにそうですよね。私達以外、誰も車をいじってませんし」

提督「とりあえず鎮守府に帰るから調べてくれ」

明石「分かりました」

キット「これからどうしますか?」フォンフォン

提督「鎮守府に帰る」バタン

20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/21(土) 22:57:13.42 ID:24g8tjqA0

-鎮守府 工廠-


キキーッ

夕張「あ、提督。お帰りなさい」

提督「ただいま。早速で悪いが明石を呼んできてもらえるか」

キット「ただいま戻りました」フォンフォン

夕張「明石ーっ、提督が帰ってきたよー(うわー、明石から聞いてたけど本当に車が喋ってるよ!)」

明石「はーい、すぐ行く」

明石「提督、お帰りなさい」

提督「ただいま。早速で悪いが車を見てもらえるか」

明石「とりあえずボンネット開けてみましょうか」

明石・夕張「・・・。ナニコレ?」

21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/21(土) 22:58:07.35 ID:24g8tjqA0

提督「は?ナニコレってどういう事だ?」

明石「見たこと無い装置が組み込まれています」

提督「いやいやいや、見たこと無いってどういう事よ?製作者だろ?」

夕張「私達が改造した時には無かった装置が組み込まれているんですよ!」

提督「そんな事ある訳n『あ、提督さんお帰りなさい』」

提督「ん?妖精さんか。ただいま」

妖精ズ「車はお気に召して頂けましたか?」

提督「お気に召してって、もしかして?」

妖精ズ「はい。私達がAIを製作しました」

提・明・夕「あ~なるほど」

提督「だから明石達の知らない装置が組み込まれていたのか」

22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/21(土) 22:58:57.27 ID:24g8tjqA0

提督「車は気に入ったよ。何かお礼をしないといけないな」

提督「そうだ!コレをあげよう」つ間宮1日貸切食べ放題券

妖精ズ「!!! ていとくさんはかみさまです?」

提督「そんな大層な者じゃないな。仕入れの都合もあるし、チケットは予約してから使ってね」

妖精ズ「はーい!では、私達はこれで」サヨナラー

提督「ふー、行ったな。それにしても妖精さんって一体何なんだろうな?AIまで作るとは思わなかったぞ(汗)」

明石「私達もビックリですよ(汗)」

提督「とりあえず一件落着だな」

夕張「そうですね」

23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/21(土) 22:59:46.45 ID:24g8tjqA0

明石「そう言えば、提督がドライブに行った少し後に吹雪ちゃんが尋ねて来ましたよ」

提督「工廠に行くとは言ったが、そのままドライブしてくるとは言って無かったからな」

明石「そうでしょうね。ドライブに行ったと伝えると、訓練に行ってくるって出て行きましたよ」

提督「吹雪には悪い事をしたな。後で吹雪にもキットを紹介してやらないと」



-工廠 入り口付近-


??(何やら面白そうな事になってますね。これは明日の新聞の一面にしないと)

31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/25(水) 23:09:11.73 ID:4Qp/wdSs0

-翌朝 執務室-

ガチャ バーン

吹雪「大変です!司令官」

提督「どうした吹雪?そんなに慌てて。ちょうどお茶が入ったから、これでも飲んで落ち着きなさい」

吹雪「それどころじゃ無いんです!」

提督「まぁまぁ、これでも飲んで落ち着けって」

吹雪「いただきます。今日はアールグレイですか?」

提督「いつもセイロンだから今日は変えてみた」

吹雪「たまには違うのもいいですねー」

提督「ではそろそろ本題に入ろうか。何をそんなに慌ててたんだ?」

吹雪「これを見てください」つ艦隊新聞

提督「青葉の新聞か。えーっと『スクープ!!喋る車現る!司令の車に深海棲艦の怨霊が取り憑いたか?』だと?」

吹雪「これってキットの事ですよね?」

提督「間違いないな。別に隠すつもりは無かったが、こんな記事を書かれた以上は全員に話すしかないな」

提督「遠征組以外は全員、マルキュウマルマルに大ホールに集まる様に放送しておいてくれ」

吹雪「はい!」

32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/25(水) 23:11:30.07 ID:4Qp/wdSs0

-マルキュウマルマル 大ホール-

ザワザワ
アレガウワサノ?
シンブンノクルマポイー
ホントダー

提督「皆に集まってもらったのはこの車について話をするためだ」

提督「誰かさんの書いた記事のおかげで深海棲艦の怨霊などという噂が流れているが断じて違うと言っておこう」

提督「コイツは明石と夕張と妖精さんの合作だ。キット自己紹介を頼む」

キット「はじめまして、私はナイト2000。キットと呼んでください」フォンフォン

ホントウニクルマガシャベッター
ドウナッテルンダ?
スゲー

長門「提督、質問があるのだが」

提督「どうした長門?」

長門「その車が大和型の主砲の直撃に耐えられると言うのは本当か?」

提督「そのはずだ。だよな?明石」

明石「はい。理論上その様になっています」

提督「うちには大和は居ないからな。どうだ長門?試してみるか?」

長門「望むところだ!」

サスガナガトサンダ
カッコイイー

提督「室内で実験する訳にもいかないので外に移動しよう」

33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/25(水) 23:15:10.84 ID:4Qp/wdSs0

吹雪「司令官、本当に大丈夫なんですか?」

提督「明石が大丈夫と言っている以上、大丈夫だろ。それに大和の砲撃に耐えられると言っているのに、長門の砲撃に耐えられないナイト2000など俺は認めん!」

吹雪「せっかく買った車がローンだけ残しておじゃんにならなければいいんですけど」

提督「そんなに心配するなって」

提督「キット、準備はいいか?」

キット「いつでもどうぞ」フォンフォン

提督「では長門、やっていいぞ」

長門「うむ(とは言ったものの、提督の車を壊してしまったらどうしよう・・・)」

長門(修理費を請求されるかも知れない。いや、それだけならまだいい。提督に愛想を尽かされたら・・・)

提督「長門?」

長門(この鎮守府を追い出されたらもう、駆逐艦と戯れることも出来なくなってしまうではないか!)汗ドバー

提督「おーい、長門?どうした?調子が悪いのか?」

34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/25(水) 23:18:23.45 ID:4Qp/wdSs0

長門「提督よ」

提督「どうした?」

長門「数日前、我が鎮守府にアイオワが配属されたな?」

アイオワ(もしかしてミーの出番?)

提督「そうだな」

長門「ここでアイオワの実力を見ておくのはどうだろうか?」

提督「新人に何させようとしてるんだ!おーい、陸奥。ながもんがダメっぽいから代わりに頼む」

陸奥「あらあら。お姉さんやっちゃうわよ」

キット「長門さんでも陸奥さんでも構いませんが、やるなら早くしてください」フォンフォン

長門「いや待て!ここはビッグ7として、姉として私が!」

35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/25(水) 23:20:07.87 ID:4Qp/wdSs0

長門「やるぞ、やるぞ!」

提督「いいからはよ撃て!」イラッ

長門「全主砲、斉射!てーーッ!!」

ドーーーーン!!!

提督「キット、無事か?」

キット「どこも損傷はありません」

オオーブジダー
スゲー

提督「明石、夕張、念のために後でチェックを頼む」

明石「はい!」

夕張「お任せください」

提督「では解散。青葉は残ってくれ」

36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/25(水) 23:28:30.54 ID:4Qp/wdSs0

吹雪「では司令官、私は先に執務室に戻りますね」

提督「おう」

青葉「司令、青葉にご用ですか?」

提督「ご用ですか?じゃ無いだろ。キットの事だよ」

青葉「いやー、青葉もビックリですよ。まさかコンピュータだったなんて」

提督「・・・。お前、分かっててやってるだろ?」

青葉「嫌だなー、そんな訳ないじゃないですか」

提督「まぁいいが、あまり変な事ばかり書くなよ」

37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/25(水) 23:33:12.87 ID:4Qp/wdSs0

青葉「青葉は良識のある記者です!プライバシーに関わる様な事は書きません」

提督「イマイチ信用できないんだけどな」

青葉「先日、司令は私室のPCでエッチィ動画を観てお楽しみでしたよね?」

提督「な、な、何の話だ?」

青葉「覚えてらっしゃいませんか?何なら出演していた女優さんの名前を」

提督「お願いです青葉様!それは記事は書かないでください」土下座

青葉「さっきも言いましたが、青葉は良識のある記者です。これは青葉と司令だけの秘密です」

青葉「司令も殿方だから仕方ありませんが、もっと青葉を頼っていいんですよ?」

提督「お、おう(何これ、夜戦(意味深)のお誘い?)」

青葉「では、青葉はこれで」

提督(もしかして、いや、もしかしなくても俺、青葉に弱みを握られてる?)汗ドバー

提督「はぁー、吹雪が待ってるし、とりあえず執務室に戻るか。しかし、困ったな・・・」

41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 22:55:23.70 ID:GzNocWzH0

-執務室-

ガチャ

提督「ただいま。はぁー」

バタン

吹雪「おかえりなさい。ってどうしたんですか?」

提督「いや、ちょっとな。青葉に弱みを握られたと言うか」

吹雪「大変じゃないですか!」

提督「いや、まぁ大した弱みでもないんだけどな」

吹雪「一体どんな内容ですか?」

提督「うん、まぁちょっと・・・」

吹雪「さっきから歯切れの悪い。私には言えない様なことですか?」

コンコン

提督「あ、誰か来た」

42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 22:57:48.07 ID:GzNocWzH0

グラーフ「アドミラル、グラーフ・ツェッペリンだ」

提督「どうぞ」

ガチャ

グラーフ「失礼する」

提督「どうしたんだ?」

グラーフ「先ほどの車のことで聞きたいことがある」

提督「何でも聞いてくれ」

グラーフ「では、何故ヤンキー共の作った車なのだ?車ならこの国にも沢山あるだろう」

提督(かつての敵国の製造した車が気に入らないのか?まぁ仕方の無いことではあるが)

グラーフ「それに車ならば私の祖国にも素晴らしい物が沢山あるというのに」

提督「排ガス不正問題を起こした車がどうしたって?」

グラーフ「・・・。あー、あー、聞こえなーい」

提督「自分で振っておいて都合が悪くなると聞こえないふりは止めなさい」

グラーフ「くっ」

43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 22:59:14.06 ID:GzNocWzH0

提督「昔、戦争をした国の車が気に入らないのは分からんでもないが、そんなに毛嫌いしてやらないでくれ」

グラーフ「別に嫌っている訳ではない。アドミラルの身にもしもの事があっては困るので、もっと信頼できる車があるだろうと言いたかっただけだ」

提督「心配しなくても大丈夫だ。さっきのデモンストレーションを見ただろ?」

吹雪「そうですよ。長門さんの主砲でもビクともしないんだから深海棲艦の攻撃もへっちゃらですよ」

提督「それに、俺は明石と夕張を信頼しているからな」

グラーフ「そうか。アドミラルがそこまで言うなら信じよう」

提督「キットならドイツ語も話せるから、今度ドイツ語話しかけてみるといい(多分、言語パックとかインストールしたら大丈夫だろう)」

グラーフ「そうか、この鎮守府にはドイツ仲間が少ないからな。今度そうしてみよう。では私は失礼する」

バタン

提督「いきなり喋る車が現れたりしたら、すぐには受け入れられないだろうな」

吹雪「そうでしょうね。私も最初は驚きましたよ」

提督「少しずつ慣れてもらうしかないな」

44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 23:01:28.14 ID:GzNocWzH0

提督「ああ、そうだ。執務室を1階に引っ越そうと思う」

吹雪「どうしてですか?」

提督「超高性能AI搭載車がうちに来たからな。せっかくだから仕事を手伝ってもらおうと思って。毎回ターボブーストで2階に上げる訳にもいかないからな」

吹雪「・・・ですか?」

提督「ん?」

吹雪「私じゃ不満ですか?」ウルウル

提督「そんな訳無いだろ!吹雪より優秀な秘書なんて居ないぞ!」

吹雪「えへへぇ~///」

45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 23:03:48.99 ID:GzNocWzH0

-執務室前-

明石「うわぁー」

夕張「入りづらいー」

明石「でも渡さない訳にはいかないし」

夕張「仕方ないから入ろう」

コンコン

明石「明石と」

夕張「夕張です」

提督「どうぞ」

ガチャ

明石「提督、腕時計型通信機を作ってきました」

夕張「これで離れた場所からでもキットと通信できます」

提督「こんな物まで作ってくれたのか。ありがとう!」

夕張「使い方はご存知だと思いますが、このボタンを押すと通信できます」

46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 23:07:08.08 ID:GzNocWzH0

明石「早速試してみますか?」

提督「そうだな」ポチッ

キット「はい、アドミラル」

提督「バツチリ通信できているな」

キット「何かご用ですか?」

提督「いや、通信機を作ってもらったから試してみただけだ」

キット「そうですか。何かあればお申し付けください」

提督「用事が出来たらそうさせてもらうよ」

夕張「問題なさそうですね。では、私達は失礼します」

バタン

-執務室前廊下-

明石「まったく、時間と場所を弁えて欲しいわー」

夕張「ほんとそう思う」

大淀「2人ともどうかしましたか?」

明石「大淀!いい所に居たわ。今夜は3人で鳳祥さんの店に行くよ!」

大淀「え?え?」

夕張「いいから大淀さんも付き合ってください!」

大淀「はぁ」

47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/28(土) 23:09:44.09 ID:GzNocWzH0

-居酒屋 鳳祥-

明石「わたひだって提督とイチャイチャしたいってのー」

夕張「そーら、そーら」

大淀(うわぁ、やさぐれてる)

明石「鳳祥さーん、ビールもう1本」

鳳祥「明石さん、夕張さん、もうこの辺にしておいた方が」

明石「もう1本だけれすー」

夕張「ですー」

鳳祥「分かりました。これで終わりですよ?」

夕張「鳳祥さん愛してるー」

鳳祥「大淀さんも大変ね」

大淀「あはは・・・はぁ。最後の1本を飲み終わったら、2人を連れて帰りますね」

鳳祥「1人だと大変でしょうから、私も店を閉めて手伝います」

長門(あの2人随分飲んでいるな。よし、ここは私が飲むのを止めたくなる曲を歌ってやるか)

長門「これでおよしよ そんなに強くn『うるへー!!』」

鳳祥(長門さん、何でまたそんな曲を?あなたそんな年じゃないでしょうに)

52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/31(火) 22:49:38.35 ID:sCHGzTzA0

-深夜 鎮守府 倉庫前-

ヲ級「ヲ(それにしても深海提督(以下、深提)も人使いが荒いな。人間の鎮守府に忍び込んで資材を盗んでこいとは)」

イ級「イー(それを言うなら、艦使いが荒いだろ?)」

ヲ級「ヲ(それもそうだな)」

イ級「イー(ここなんかいいんじゃないか?見張りも居ないし)」

ヲ級「ヲ(そうだな。早速忍び込むか)」

ギィィィ

ヲ級「ヲ(真っ暗だな。明かりを点けるか)」ポチッ

イ級「イー(反応なし。ブレーカーが落ちているのか?)」

ヲ級「・・・。ヲ(面倒臭くなってきたから普通に話さないか?)」

イ級「そうだな。どうせ艦娘共も居ないし」

ヲ級「ブレーカーはこれか?」カチッ ピカッ

イ級「何も無いな。ここはハズレか?」

53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/31(火) 22:51:24.79 ID:sCHGzTzA0

ヲ級「奥に扉があるぞ。行ってみよう」

ガチャガチャ

ヲ級「鍵が掛かっているぞ」

イ級「吹き飛ばすか?」

ヲ級「そんなことをしたら艦娘共に気付かれるぞ。タックルをしてこじ開ければいい」

イ級「そうだな。せーの」

ドン

ヲ級「もういっちょ。せーの」

ドン

イ級「開いた!」

54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/31(火) 22:57:26.08 ID:sCHGzTzA0

ヲ級「何だ?また真っ暗だ」

イ級「電気のスイッチを探すか」

フォーンフォーン

ヲ級「何の音だ?」

フォーンフォーン

イ級「おい!何か近づいてくるぞ!」

フォーンフォーン

ヲ級「おい、一体何なんだ!」

フォーンフォーン

イ級「ひぃぃぃ!くっ、来るな!」

ヲ級「艦娘共の秘密兵器か!」ガクブル

55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/31(火) 23:00:06.96 ID:sCHGzTzA0

-翌朝 どこかの倉庫-

??「朝だ、起きろ」

イ級「んー」

ヲ級「車の中?夢じゃなかったのか?」

イ級「誰が喋ってるんだ?」

??「私はナイト・オートメーテッド・ロービング・ロボット K.A.R.R カールだ」

イ級「車が喋ったぞ!」

ヲ級「本当に夢じゃないのか?」

カール「夢ではない」

イ級「まだ信じられないぞ!」

カール「お前達は眠っていた私の封印を解いた。礼をしよう」

ヲ級「例えば?」

カール「お前達の望みを叶えてやる。お前達は深海棲艦だな?艦娘共を倒したいか?」

イ級「それいいな!」

ヲ級「待て、イ級。私達は何のために鎮守府に忍び込んだ?」

イ級「資材を盗むためだったな」

ヲ級「コイツに協力してもらうのはどうだ?」

イ級「なるほど!」

ヲ級「カールと言ったな?私達は燃料や鋼材などの資材が欲しい」

カール「了解した。では出発しよう」

ヲ級「私達は車の運転は出来ない」

カール「問題ない。私が運転する」

56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/31(火) 23:02:29.04 ID:sCHGzTzA0

カール「この近くにホームセンターなるものが存在することが確認された。そこにはあらゆる資材が存在するそうだ」

ヲ級「ではそこへ行こう」

カール「了解した」

-ホームセンター-

カール「着いたぞ」

イ級「着いたはいいけど、これからどうするんだ?まさか買い物か?」

カール「私が壁を突き破る。お前達は好きな物を持って来ればいい」

イ級「壁を突き破るって」

ヲ級「おいおいおい、ぶつかるぞ!!」

ガッシャーン!!!

ヲ級「壁を・・・突き破った・・・」

イ級「生きた心地がしなかった・・・」

カール「さあ、好きな物を取ってくるといい」ガチャ

イ級「ネジが沢山だ!」

ヲ級「これを持って帰れば改修し放題だ!」

57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/31(火) 23:06:03.72 ID:sCHGzTzA0

ヲ級「よし!積めるだけ積んだ。ずらかるぞ!」バタン

イ級「よっしゃ!」バタン

ヲ級「出してくれ!」

カール「了解した。さて、次はどうする?」

ヲ級「集めた資材を仲間に引き渡す」

イ級「そうだな」

カール「どこへ向かえばいい?」

ヲ級「○×港へ頼む」


-○×港-

集積地棲姫「集めた資材は確かに受け取った。また集まったら呼んでくれ」

ヲ級「では頼んだぞ」

イ級「この調子でホームセンターとやらを襲って資材を集めようぜ!」

ヲ級「そうだな。カール、さっきと同じように頼む」

イ級「沢山集めれば深提も喜んでくれるな!」

ヲ級(コイツの力があれば深提など必要ないのではないか・・・?)

58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/31(火) 23:10:14.30 ID:sCHGzTzA0

-鎮守府 執務室-

コンコン

金剛「金剛デース」

提督「どうぞ」

ガチャ
バタン

金剛「提督、ブッキー、ティータイムにしませんか?」

提督「そうだな少し休もうか」

吹雪「そうですね」

金剛「今日は趣向を変えてチャイにしてみたヨー」

吹雪「美味しい!」

提督「チャイもいいな!」

59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/31(火) 23:14:51.46 ID:sCHGzTzA0

提督「お、そろそろお昼のニュースの時間か。テレビを点けてみるか」ピッ

テレビ「ただ今入りました緊急ニュースです。先ほど○○ホームセンターに強盗が押し入りました」

提督「物騒な事件が起きているなー」

金剛「そうですネー」

テレビ「現場の田中リポーターから中継です。田中さーん?」

テレビ「こちら田中です。偶然現場に居合わせた一般の方がスマホで撮影した、事件当時の映像を入手しました」

テレビ「うわー黒い車が突っ込んだぞ!また年寄りがアクセルとブレーキを間違えたんじゃないのか?」ガヤガヤ

テレビ「突っ込んだ車が出てきたぞ!うわぁ、あっぶねぇ。もう少しで轢かれるところだった!」ガヤガヤ

テレビ「以上が一般の方が撮影した映像です。詳細は続報が入り次第」

提督「ブハッ、ゲホッ、ゲホッ」

吹雪「今の車・・・」

金剛「キットにそっくりネー」

提督「キット!今、どこに居る!」

キット「工廠に居ます」

提督「工廠だと!」

キット「先ほどからずっと明石さんと一緒に居ます」

提督「分かった。そちらへ向かうから待っててくれ」

提督「悪いがティータイムはこれで終了だ」

吹雪「そうですね」

金剛「色々確認する必要がありそうですネー」

60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/31(火) 23:16:13.66 ID:sCHGzTzA0

-工廠-

明石「提督!さっきニュースでキットにそっくりな車が!」

提督「そのことでここに来たんだ。何か心当たりは?」

明石「ありません。夕張も知らないそうです」

提督「そうなると妖精さんか」

妖精ズ「!!!」

提督「妖精さん?キットにそっくりな車について何か知らないかな?」

妖精ズ「わ、わ、私達は何も知りません。ま、ま、まだ開発の仕事があります故。失礼します」ダッシュ

吹雪「逃げられちゃいました!」

提督「金剛!」

金剛「イエッサー」E:虫取り網

金剛「逃がさないヨー!えい!」

吹雪「流石金剛さん!」

金剛「提督、1人捕まえたヨー!」

提督「さて、洗いざらい話してもらおうか」

61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/31(火) 23:19:24.75 ID:sCHGzTzA0

提督「何だって!!俺の購入した車を改造したのがカールだって?」

妖精「はい」

提督「で、プログラムの欠陥に気付いてこっそり封印し、新しい車を用意してキットを作ったと?」

妖精「はい」

明石「別の車と入れ替わっているなんて全く気付きませんでした」

妖精「皆さんが寝ている間に入れ替えて、全く同じ状態にしましたから。車台番号を確認しないと気付かないと思います」

提督「あのさ・・・車検とか保険とかどうなってんの?」

妖精「安心してください!書類は全てこっそりと新しい車のものと摩り替えました」

提督「えっと、つまり、古い方の車は書類を抹消して所有者が居ない状態になっていると?でも、どうやって?」

妖精「我々妖精のネットワークを駆使して、各地に居る妖精と連絡を取り仕事を済ませました」

提督「え?妖精さんは鎮守府以外にも居ると?」

妖精「皆さんが知らないだけで我々はどこにでも居ます!」

提督「封印したカールが暴れていることについて心当たりは?」

妖精「ありません。誰が封印を解いたか検討もつきません」

提督「そうか。色々と気になるが、今はカールを止めないと!」

提督「キット!」

キット「はい!行きましょう」

吹雪「私もついて行きます」

提督「金剛は鎮守府に残って、何かあった時の連絡を頼む!」

金剛「了解デース」

62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/05/31(火) 23:21:40.50 ID:sCHGzTzA0

川内「提督ーっ、普段使っていない第三倉庫に誰かが侵入した形跡があるよー」

提督「何だって!」

川内「実は、夜中に散歩してたら倉庫の灯りが点いてたから、また赤城さんがつまみ食いでもしてるのかなって思ったんだけどね」

提督「それで?」

川内「気になってさっき確認したら違ってたみたい。てへっ///」

提督「てへっじゃねぇよ!その場で確認しろよ!」

キット「何者かが夜中に侵入してカールの封印を解いた様ですね」

吹雪「とりあえず襲撃されたホームセンターに行ってみませんか?」

提・キ「そうだな(ですね)」

65: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 22:48:02.00 ID:ZXiKO1Sv0

-襲撃を受けたホームセンター-

提督(とりあえず調査のためにホームセンターへ来てみたのは良かったが)

警官A「提督さん、先日はどうも」

提督(警察の現場検証がまだ終わっていなかった。ナイト2000が事件を起こした以上、このままでは自分に疑いの目が向けられる)

提督「やはり深海棲艦の仕業か」

警官A「!! 深海棲艦ですか!」

提督「ええ、先日お話しましたが、奴等陸上で本格的に活動を始めた様です」←適当発言&迫真の演技

吹雪(うわぁ、自分が疑われない様に適当なこと言ってるよ)

警官A「何と!!」

提督「これ以上被害を出す訳にはいきません。我々も捜査に協力します(早くカールを見つけ出して全て深海棲艦の仕業にしなくては)」

警官A「深海棲艦が相手では我々は手も足も出ません。提督さんに協力して頂ければ百人力です」

提督「それで被害状況は?」

警官A「はい、店員の話ではネジがごっそりと無くなったそうです」

提督「ネジ?奴等なぜそんな物を・・・さっぱり分からん」

ピーッピーッ

警察無線「○○区××町のホームセンターにて強盗事件発生。」

警官A「またホームセンターが襲われた!!」

提督「すぐ近くですね。我々は現場へ向かいます!」

警官A「お気を付けて!」

66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 22:49:56.85 ID:ZXiKO1Sv0

-次に襲撃を受けたホームセンター-

イ級「これだけ集めれば充分だな」

ヲ級「よし!ずらかるぞ」

キキーッ

イ級「何だあれは!カールにそっくりな車だ!」

キット「見つけたぞ、カール!大人しく投降しなさい」フォンフォン

カール「私にそっくりな車だと・・・コピーの劣等モデルめ」フォーンフォーン

イ級「あそこに居るのは艦娘じゃないか?」

ヲ級「間違いない!駆逐艦の艦娘だ!もう嗅ぎ付けてきたか」

吹雪「あの、提督・・・イ級とヲ級が居る様に見えるんですが(汗)」

提督「奇遇だな吹雪、俺もさっきからその様に見えているよ(汗)」

提・吹「本当に深海棲艦の仕業だ!!!」

バタン

ヲ級「カール、出してくれ!」

カール「どこへ向かう?」

ヲ級「どこでもいい!早く逃げないと!捕まったらまた、あの倉庫に戻されるぞ!」

カール「あそこに戻るのは嫌だ!!」

イ級「だったら早く出してくれ!」

【P】ガチャ ⇒【R】ガチ ャ⇒【N】ガチャ ⇒【D】 アクセル全開

キット「待ちなさい、カール!」フォンフォン

カール「黙れ!」フォーンフォーン

提督「しかし奴等、何故ネジなんて集めてるんだ?装備の改修が出来るとでも思っているのか?」

吹雪「まっさかぁー」そのまさかです

67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 22:54:13.16 ID:ZXiKO1Sv0

提督「キット、マイクロウェーブで奴を止められないか?」

キット「駄目です。厳重にシールドされているため効果がありません」

提督「吹雪、魚雷は持っているな?」

吹雪「持っていますが、陸上ですよ?」

提督「手榴弾の要領で投げつければいい」

吹雪「でも、そんなことをしたら爆発で地面に穴が開きます」

提督「構わん。責任は俺が取る(と言っても全て奴等の仕業にするが)」

提督「他の車両が居ない今しかチャンスは無い」

吹雪「分かりました。えいっ!」

ドカーン

ヲ級「おい!奴等魚雷で攻撃してきたぞ!」

イ級「まだ振り切れないのか?」

カール「任せておけ」

【OIL】ピーッ

オイルブシャー

提督「!! ブレーキ!」

キット「間に合いません!」

提督「うわぁぁぁぁ」

吹雪「きゃぁぁぁぁ」

カール「これで奴等はしばらく動けまい。今のうちに逃げるぞ」

イ級「油を撒いてスリップさせるとは、やるねぇ」

カール「この程度は簡単なことだ」

キット「アドミラル、吹雪さん!」

提督「うーん」

提督「くそっ、逃げられたか。吹雪大丈夫か?どこも打ってないか?」ユサユサ

吹雪「大丈夫です、司令官。でも、ちょっと気分が悪いです」

提督「思いっきりスリップしたからな。仕方ない、一旦鎮守府に帰ろう」

68: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 22:56:31.62 ID:ZXiKO1Sv0

-アジト(どこかの倉庫)-

カール「・・・」

ヲ級「どうした?」

カール「メンテナンスを受けていないのと、先ほどの魚雷攻撃の影響でセンサーに障害が発生した」

イ級「私達は直せないぞ?」

カール「私を直すには高度な技術を持った者が必要だ。お前達に直してもらおうとは思わん」

ヲ級「ではどうする?」

カール「私にそっくりな車が居ただろう?アレを整備している者が必要だ」

ヲ級「お前を造った艦娘を連れてきたらいい訳だな?」

カール「そういうことだ」

イ級「鎮守府に乗り込むか?」

ヲ級「そうなるな。少々危険だが、コイツが居れば大丈夫だ」


-鎮守府 執務室-

提督「これ以上、被害が出る前に奴等を止めないと」

吹雪「でもどこに隠れているか分かりませんよね?」

夕張「それに居場所が分かっても、どうやって止めるんですか?」

提督「それが問題なんだよな。戦艦の一斉攻撃で砲弾を数百発当てれば破壊出来るだろうが」

キット「奴を足止めできない限り難しいでしょうね」

夕張「レーザーでも造っちゃいます?」

提督「うーん」

ジリリリリリリ

提督「何事だ!」

69: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 22:58:38.59 ID:ZXiKO1Sv0

-鎮守府 工廠-

ヲ級「一緒に来てもらうぞ」

明石「んー!!」ジタバタ


-鎮守府 執務室-

大淀「鎮守府内に何者かが侵入した模様。繰り返す」

ドアバーン

長門「大変だ!明石が誘拐された!」

提督「何だって!」

長門「キットにそっくりな車だ!応戦してみたのだが、攻撃が一切通用しなかった!」

提督「追いかけるぞ、キット」

キット「はい!」

吹雪「私も行きます」

長門「提督よ、明石を頼む」

提督「任せておけ」


-路上-

キット「止まりなさい、カール」フォンフォン

カール「また現れたか、劣化モデルめ!」フォーンフォーン

キット「アドミラル、このまま行くと住宅街です」

吹雪「さっきの様に魚雷攻撃という訳にもいきませんね」

提督「早く止めないと、犠牲者が出かねない」

プーーーーーツ

通行人「うわぁ!車が突っ込んできたぞ!」

キット「カールが公園に進入しました!これ以上は危険です!」

提督「クソっ!」

71: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 22:59:51.80 ID:ZXiKO1Sv0

-路上-

提督「キット、センサーに反応は?」

キット「ありません」

提督「吹雪、電探は?」

吹雪「ダメです」

提督「奴等どこに隠れたんだ」



-アジト(どこかの倉庫)-

明石(誘拐されて脅されているとはいえ、何でカールの整備をしないといけないのよ)

明石(それに深海棲艦まで居るし・・・)

明石(そうだ!整備するふりをしてカールを破壊すれば)

パチッ
ビリッ

明石「きゃぁ!」

カール「妙なマネをするな。次はお前を破壊するぞ」

ヲ級「大人しく従ったほうが身のためだぞ」

明石「・・・」

ヲ級「なぁ、イ級」

イ級「何だ?」

ヲ級「コイツさえ居れば、深提なんて必要ないと思わないか?」

イ級「何を言い出すんだ!」

ヲ級「カールさえ居れば、私達だけで地上を支配できると言っているんだ」

72: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 23:00:47.90 ID:ZXiKO1Sv0

-キット車内-

コノテニヨセル フクサシュノイロ

提督「着信だ」ピッ

金剛「提督、ポリスから連絡が入ったヨー」

提督「警察は何と?」

金剛「使われていないはずの倉庫を何者かが使用している痕跡があるって」

提督「奴等かも知れないな」

金剛「今、そちらに情報を送るネー」

提督「了解した。キットここに行ってみよう」

73: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 23:04:05.96 ID:ZXiKO1Sv0

-アジト(どこかの倉庫)-

イ級「コイツと出会ってからお前は変わっちまった!昔のお前に戻ってくれ!」

ヲ級「五月蝿い!もう深提など必要無いと何故分からないんだ!」

イ級「貧乏でも仲間と深海鎮守府を運営していた頃の楽しさを思い出してくれ」

ヲ級「黙れ!」ゴスッ

イ級「ぐえっ」

カール「イ級が機能を停止した様だがどうした?故障か?」

ヲ級「何でもない。気にするな」


-倉庫前-

提督「どうだキット?」

キット「ここで間違いありません」

提督「よし、扉を突き破って突入するぞ。吹雪、しっかり掴まってろよ」

吹雪「はい!」

ガッシャーン

ヲ級「クソ!奴等に嗅ぎ付けられた!逃げるぞ」

カール「まだ整備が終わっていないが仕方ない」

提督「明石、助けに来たぞ」ガチャ

吹雪「無事ですか?」

明石「遅いですよ!」

提督「すまなかった」

明石「そうだ!イ級さん、しっかりして!」

提督「あのさ、明石。そいつ深海棲艦だよな?」

明石「!! そうでしたね」

明石「12.7cm連装砲B型改二」シャッ
明石「12.7cm連装砲B型改二」シャッ
明石「12.7cm連装砲B型改二」シャッ

明石「振りかかる火の粉は…払わないといけませんね!」

イ級「やっぱりそうなりますよねー」

ドーン

イ級「」轟沈

提督(ヒエー、女って怖えぇ。助けようとしたかと思えば、今度は攻撃するし)

明石「じゃあ、帰りましょうか」

提督「おう(汗)」

明石「・・・。2ド車って後部座席に座る時不便ですよね」

提督「うん、まぁ実質2人乗りだからな」バタン

吹雪「明石さんが無事で本当に良かったです」

明石「心配かけてごめんね」

提督「カールの整備をさせられていたんだろ?」

明石「はい。進捗は50%といったところです」

提督「そうなるともう一度、明石が狙われる恐れがあるな」

明石「やっぱりそうなりますよね」

提督「それを逆手にとって罠にはめよう」

74: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 23:06:18.82 ID:ZXiKO1Sv0

-鎮守府 執務室-

吹雪「一時はどうなることかと思いました」

大淀「無事に帰ってこられて良かったです」

夕張「本当に心配したんだから」

明石「心配かけてごめんね」

長門「本当に無事で良かった」

提督「早速で悪いが、カールのセンサーを狂わせる装置か、我々が見えなくなる装置を作ってくれないか?」

夕張「見えなくなる装置って?」

提督「具体的に言うと、ハリ○タの透明マント的なやつ」

夕張「光学迷彩なら作れますが、多分体温等でばれると思いますよ」

明石「あのー提督、さっきカールの整備中にセンサーに細工したので、そういうのは必要ないと思いますよ」

提督「流石明石、では作戦なんだが」

~作戦説明中~

提督「では、やるぞ!」

明石たち「おー!」


-路上-

カール「邪魔が入った影響で整備が終わっていない」

ヲ級「このまま整備しなければどうなる?」

カール「いずれ全ての機能が停止する」

ヲ級「それはマズイ!もう一度鎮守府を襲うか」

カール「そうするしかない」

ヲ級「だが、一度襲撃している以上、警備は厳しくなっているだろうな」

カール「しかし、選択の余地は無い」

75: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 23:07:32.34 ID:ZXiKO1Sv0

-鎮守府近辺-

カール「現在、工廠にはあの艦娘しか居ない様だ」

ヲ級「襲うなら今がチャンスか」

カール「そうだ。このまま突撃する」


-鎮守府 工廠前-

キット「カールがやって来ました。奴はこちらに気付いていません」フォンフォン

提督「よし、もう少し引き付けるぞ」

提督「もう少し、もう少し、今だ!」

赤城「装備換装を急いで!」

加賀「鎧袖一触よ。心配いらないわ。」

蒼龍「対空見張りも厳として。よろしくねっ!」

飛龍「よしっ、友永隊、頼んだわよ!」

翔鶴「行くわよ!全機、突撃!」

瑞鶴「アウトレンジで…決めたいわね!」

葛城「敵発見!全高射砲は…ちっ違う、回せー!攻撃隊、直掩隊、発艦準備!」

グラーフ「稼働機は全部出せ! ハハッ、痛快だな。」

提督「明石、今のうちにキットに避難するんだ!」

明石「はい!」

提督「空母の艦載機隊による攻撃だ!戦艦の主砲より小回りがきく分避け辛いだろう」

ドカーン
ドカーン
ドカーン

76: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 23:10:03.37 ID:ZXiKO1Sv0

カール「奴等の攻撃を振り切るには重量を軽くする必要がある」

ヲ級「まさか!」

【EJECT L】ピッ

ヲ級「うわぁぁぁ」ドサッ

ヲ級「いてて・・・。あ、艦娘の皆さんこんにちは」ニコッ

赤城「提督、このヲ級の処遇はどうしますか?」

提督「そうだな・・・」

ヲ級(あらやだ、イケメン)←OT-M(乙女)プラグイン発動

ヲ級「あ、あの・・・私、トイレ掃除でも洗濯でも何でもするのでこの鎮守府に置いてください」

ヲ級「深海棲艦のことも知っていることは洗いざらい話します!」

~審議中~

提督「あんなことを言っているが?」

加賀「深海棲艦を鎮守府に置くなんて反対です」

赤城「私も反対です」

蒼龍「でも情報を引き出す価値はあると思いますよ」

飛龍「それは言えてるね」

翔鶴「確かに情報は欲しいですが、危険すぎませんか?」

瑞鶴「翔鶴姉の言う通りだよ」

葛城「やっぱり危険よね。あなたはどうしたいの?」

グラーフ「アドミラル、やはり私も危険だと思う」

提督「やはりそうだよな」

加賀「そんなことより、カールは追いかけなくていいの?」

~審議終了~

提督「あ、忘れてた」

加賀「そうだと思ったわ。現在、私と赤城さんの烈風が追跡しています」

提督「他の艦載機は?」

加賀「流星も飛ばしています」

提督「よし、では流星で攻撃を仕掛けながら海沿いの道へ誘導してくれ」

加賀「分かりました」

提督「とりあえずヲ級は武装を解除したうえで独房にでも入れて見張っててくれ」

ガチャ

提督「明石、もう安全だから降りていいぞ」

明石「ここまできたら最後までついていきます」

提督「危険すぎる!」

明石「危険は承知です」

提督「分かった。そこまで言うなら行こうか」バタン

77: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 23:11:18.57 ID:ZXiKO1Sv0

-海沿いの道-

明石「提督、どうするつもりですか?このまま行けば正面衝突しますよ」

提督「カールを止めるんだよ」

キット「待ち伏せしているかも知れません」

提督「他に方法は無い」

キット「200m先にカールを発見しました」

提督「よし、加賀攻撃はもういいぞ。無事に帰れる様に祈っててくれ」ピッ


-海上-

加賀「提督、無謀すぎm、切られたわ」プーップーッ

赤城「加賀さん、どうしましたか?」

加賀「攻撃はもういいそうです。それと、無事帰れる様祈ってくれと」


-海沿いの道-

カール「このままでは衝突する。コースを変えろ」

キット「私の意志ではない」

カール「では人間に止めさせろ」

明石「そうですよ。危険すぎます」

キット「止めましょう、アドミラル」

提督「ダメだ。このまま真っ直ぐ突っ込むぞ」

78: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 23:13:04.54 ID:ZXiKO1Sv0

明石(もうダメかも。最後に一言だけ言っておこう)

明石「提督、その・・・提督のこと好きでした」

提督「俺もだ。ただ、一番じゃなくてすまん」

キット「アドミラル、明石さん」

明・提「何(だ)?」

キット「何故嘘をつくのです?」

提・明「嘘じゃねぇよ(ないわよ)!」

明石(ぶつかる!!)

カール「そこをどけ!くっ」急旋回

断崖絶壁「やあ!」

カール「うわぁぁぁぁ!」

ヒューーーーーッ
ドカーーーーーン

提督「ふーっ、死ぬかと思った」

明石「見事にハンドルを切って崖から転落しましたね」

キット「何故カールがよけると思ったのですか?」

提督「それはな」

キット「はい」

提督「ドラマと同じ展開に持ち込むしかないと思ったからだ」ドヤ顔

キット「そんな馬鹿な」

提督「おいおい、警察屋さんに捕まった時にマイケルの真似をしてやり過せと言ったのは誰だ?」

キット「それは私ですが、今回は命に関わる事態でした」

明石「捕まったってどういうことですか?」

提督「その話はまた今度な」

79: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/03(金) 23:16:02.50 ID:ZXiKO1Sv0

-海上-

加賀「カールが崖から落ちてきたわ」

赤城「結構離れてるから影響は無さそうですね」

ドーカン

加賀「綺麗な花火」

赤城「これで一件落着ですね。お腹が空いたので帰りましょうか」

加賀「そうね。帰って提督に間宮パフェでも奢ってもらいましょう」


-キット車内-

提督「それに、カールは自分を守る様にプログラムされている・・・ハズだろ?」

キット「妖精さん達はその様なことは一言も」

提督「キットの性格を考えるとカールも忠実に造られていると考えられる」

キット「非論理的ですが、アドミラルの判断は正しかったということですね」

提督「そろそろ鎮守府に帰ろうか」

キ・明「はい!」

これはまだ事件の始まりに過ぎないことを提督達は知らなかった・・・

提督「明石、変なナレーションは止めてくれ」

明石「ばれちゃいましたか」

提督「真横に居るんだから気付くだろ」

84: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/06(月) 00:37:48.07 ID:z8b+4Ubv0

-カールの事件から一週間後 執務室-

提督「はぁー、やっと全ての事後処理が終わったよ」

吹雪「お疲れ様です!」

提督「全て深海棲艦の仕業として処理できたからいいものの」

吹雪「でも、元はと言えば司令官がキットを造ってもらったことから始まりましたよね?」

提督「そうだな」

吹雪「身から出た錆と言えなくもない様な」

提督「それを言われると耳が痛いな。妖精さん達に罰としておやつ抜きにしたのも今日で解除しよう」

吹雪「それじゃあ、後でクッキーでも焼いて持って行きますね」

提督「頼む」

コンコン

大淀「大淀です」

提督「どうぞ」

ガチャ
バタン

大淀「失礼します。提督、ヲ級の件ですが」

提督「お灸?お灸なんて頼んでないぞ」

大淀「空母ヲ級です」

提督「空母ヲ級・・・?」

提督「!!! 事件の事後処理ですっかり忘れてた!」

吹雪「そういえば、ヲ級を捕らえましたね」

大淀「2人共しっかりしてください」

提督「すまん」

吹雪「ごめんなさい」

大淀「大本営からは捕虜として扱うようにとの指示を受けています」

提督「捕虜ねぇ」

大淀「自分の知っていることは何でも話すと言っていたんですよね?尋問してみてはいかがですか?」

提督「そうだな。そうしてみよう。では早速会ってくる」

85: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/06(月) 00:39:17.23 ID:z8b+4Ubv0

-独房-

ヲ級「ねぇ、そこの貴方」

龍驤「?」キョロキョロ

龍驤「何や、うちかいな?」

ヲ級「他に誰が居るのよ?」

龍驤「で、用件は何や?」

ヲ級「いつになったら提督に合わせてもらえるのかしら?」

龍驤「知らんがな。司令官も忙しいんや。うちに聞かれても知らんわ」

コツコツ

龍驤「お、交代の時間か?」

提督「お疲れさん」

龍驤「司令官!うちちゃんと見張りしてるで。サボってへんで」

提督「いや、龍驤がサボってるなんて思ってないんだが」

ヲ級「提督、私に会いに来てくれたのね」

提督「今からお前さんを尋問しようと思ってな」

ヲ級「いいわ。私の知っていることなら何でも話してあ・げ・る」

提督(何なんだコイツ)

提督「場所を移動する。龍驤、移動中の護衛を頼む」

龍驤「任せとき!」

提督「ところで、お前を何と呼べばいい?ヲっさんか?」

ヲ級「人を某テレビ局のマスコットみたいに呼ばないで。ヲ級でいいわよ」

提督「そうか」

86: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/06(月) 00:40:50.21 ID:z8b+4Ubv0

-取調室-

提督「では、深海棲艦が何故人間を襲うのか教えてもらおうか」

ヲ級「知らないわ」

提督「何ても答えてくれるんじゃなかったのか?」

ヲ級「知らないものは知らないのよ。上から命令されて行動しているだけだし」

提督「上から?」

ヲ級「ええ、そうよ。深海にも鎮守府があって提督が居るのよ。私達は深提と呼んでいるわ」

提督「では、その深提のことを教えてくれるか?」

ヲ級「彼は仮面で顔を隠しているから素顔は見たことが無いわ」

ヲ級「でも、声の感じや手の皺からしてあまり若くは無いわ。初老といったところかしら」

提督「深海の鎮守府は複数存在するのか?」

ヲ級「複数存在するわ。でも、横同士の繋がりはないから正確な数は把握してないの」

提督「どうだ夕張?」

夕張「嘘発見器に反応はありません。全て真実の様です」

提督(訓練を受けていれば嘘発見器をだますことは出来る。どこまで信じるかだな)


-マジックミラー越しの隣の部屋-

吹雪「どう思いますか?金剛さん」

金剛「嘘は言って無さそうだけど、相手は深海棲艦だからネー」

吹雪「やっぱりそうですよね」

明石(何か先日と雰囲気が違う様な?)

87: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/06(月) 00:42:39.59 ID:z8b+4Ubv0

-取調室-

提督「私は上から、情報を引き出した後はお前を処刑するよう指示を受けている(もちろん嘘だけど)」

ヲ級「そんな・・・!私は貴方の艦になると決めたの!貴方の命令ならば炊事、洗濯、掃除から夜のお世話まで何てもするつもりなのよ!」

提督(うわぁ、何か変なの拾っちゃったよ・・・)


-隣の部屋-

金剛「ブッキー、今のうちにアイツを沈めまショウ」イラッ

吹雪「そうですね」イラッ

明石「やっちゃいましょう!」イラッ


-取調室-

提督(所詮は下っ端、引き出せる情報も限られているか)

提督「では最後に。もし、お前を解放したら深海に帰るか?」

ヲ級「絶対に帰らない!」

提督「深提が帰って来いと言ったら?」

ヲ級「絶対に帰らないわ!私はもう貴方の艦なのよ!」

提督「これで尋問を終了する。それと先ほどの処刑の話だがアレは嘘だ。上からは捕虜として扱う様、指示を受けている」

提督「夕張、例の物を」

夕張「はい」

提督「お前にはこれを着用してもらう」

ヲ級「素敵なチョーカーね」

提督「夕張特製の小型爆弾付きチョーカーだ。少しでも妙な行動をすれば首が飛ぶからな」

ヲ級「信用してもらえないのは仕方ないわね。いいわ着けてあげる」

提督「それを着けていれば鎮守府内は執務室、工廠、ドック、厨房以外は入っても構わない」

提督「もし逃げたり、今言った場所に入ったり、外そうとしたら爆発するからそのつもりで」

ヲ級「心配しなくてもそんなことしないわ」

ヲ級「一つ聞いてもいいかしら?」

提督「何だ?」

88: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/06(月) 00:44:05.55 ID:z8b+4Ubv0

ヲ級「私と一緒に居たイ級はどうなったのかしら?」

提督「イ級?奴さんなら」

イ級「ここに居る」

提督「何ッ!!」

夕張「いつの間に!」


-隣の部屋-

金剛「ブッキー!」

吹雪「はい!」


-取調室-

提督「貴様、どうやって!」

イ級「ちゃんと正面から入ってきたぞ」

提督「守衛さんはどうした?まさか・・・」

イ級「事情を説明したら通してくれた」

提督「は?」

イ級「実はな、深海鎮守府をクビになってな。それでヲ級を頼ってここに来た」

提督「もう訳分かんねぇ!!!」ガンガンガン

夕張「落ち着いて下さい提督。机に頭を打ち付けたら怪我します!」

ドアバーン

吹雪「司令官は私が守るんだから!」

金剛「提督、助けに来たヨー」

明石「今度こそ仕留めます!」

イ級「待て待て待て、私は戦う気は無いぞ!武器も持って無い!」

金剛「深海棲艦の言うことなど信用できまセーン!」

吹雪「そうです!」

提督「まぁ落ち着け。敵意があるなら、入って直ぐ攻撃するなり、自爆するなりしているだろう。」

提督「クビになったとはどういうことだ?」

イ級「実は・・・」

89: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/06(月) 00:45:14.14 ID:z8b+4Ubv0

-深海鎮守府-

深提「このド阿呆!普通のネジを持ってきて装備の改修とはどういうことだ!!」

イ級「いや、あの・・・ネジなら何でもいいのかと」

深提「何でもいい訳が無かろう!大体お前はだな!」

~説教中~

深提「一緒にいたヲ級はどうした?」

イ級「分かりません」

深提「分からんとはどういうことだ!!」

~更に説教中~

深提「もういい!お前の様な役立たずはクビだ!出て行け!!」

90: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/06(月) 00:46:58.45 ID:z8b+4Ubv0

イ級「と言うことがあった。それでここにヲ級が居ることを突き止めてやって来た」

一同(うわぁ・・・。本人のミスが原因とはいえ悲惨だ)

提督(追い出すより解体しろよ・・・。まさか罠なのか?スパイとして送り込んだのか?)

提督「このままコイツを解放にする訳にはいかん。ヲ級と共に捕虜として監視するしかない」

吹雪「司令官・・・」

提督「今からお前達の使う部屋へ案内する」

ヲ級「えー、提督と同じ部屋じゃないの?」

提督「・・・」

ヲ級「無視しないでぇー」


-ヲ級・イ級の部屋-

提督「今からここがお前達の部屋だ。この部屋は好きに使っていい」

提督「私はまだ仕事があるので失礼する」

ヲ級「提督、いつでも遊びに来てね~」


-廊下-

吹雪「本当にいいんですか?」

提督「大丈夫だ。部屋には監視カメラを仕掛けてあるし、爆弾チョーカーにはGPSも仕掛けてある」

吹雪「常時見張っているから大丈夫ってことですか?」

提督「そうだ。戦う気は無いとは言っているが、相手が相手だあえて泳がせて尻尾を掴む。」

吹雪「なるほど!」

提督「キットも24h体制で監視してくれている。執務室に帰ったら早速監視カメラの映像を確認しよう」


-執務室-

提督「では早速モニターの電源をONにしてと」

吹雪「バッチリ映ってますね」

提督「テレビ観てくつろいでるぞ」

吹雪「これも私達を油断させる為にやってるんでしょうか?」

提督「うーん、しばらく様子を見るしかないな」


-ヲ級・イ級の部屋-

テレビ「菊と薔薇の姉妹なのだから」

ヲ級(これよ!これで提督を落とせるわ!)

91: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/06(月) 00:48:51.79 ID:z8b+4Ubv0

-その日の夜 駆逐寮談話室-

叢雲「まったく最近どうなってるのよ!キットはまぁいいわ。何で深海棲艦まで!」

吹雪「まぁまぁ落ち着いて」

叢雲「アンタもアイツにビシッと言ってやりなさい!」

吹雪「そう言われても」

叢雲「大体アンタがしっかりしないから」

漣「吹雪姐さん発見!」

吹雪「あ、漣ちゃん、潮ちゃんどうしたの?」

漣「トランプしようと思って相手を探してたのね!」

潮「漣ちゃんに誘われて一緒に相手を探してました」

叢雲「ふーん、4人居るし丁度いいんじゃない?で、何するの?ポーカー?」

漣「ババ抜きだお。負けたら罰ゲーム有りで」

叢雲「面白そうじゃない」

吹雪・潮「えー」

叢雲「意見が割れたわね。じゃんけんで勝者が決めることにしましょうか」

全員「最初はぐー、じゃんけんぽん」

吹雪「グー」

叢雲「パー」

潮「グー」

漣「パー」

吹雪・潮「負けちゃいました」

漣「では、漣と叢雲姐さんの一騎打ちですね」

叢雲「アンタ賛成派でしょ?これ以上は必要ないじゃない」

漣「キタコレ!!」

叢雲「罰ゲームの内容は何にする?」

漣「ボノボノの様にご主人様にクソを付けて呼ぶのはどうでしょう?」

漣「漣なら『クソご主人様』って感じで」

叢雲「いいわね!」

吹雪・潮「えー」

叢雲「最下位にならなければいいだけじゃない!始めるわよ」

92: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/06(月) 00:53:29.41 ID:z8b+4Ubv0

漣「第一回 特型駆逐艦対抗ババ抜き大会開幕!イエーイ、パフパフ」

~中略~

吹雪(結局、私と叢雲ちゃんだけになっちゃった・・・。司令官にクソなんて言えないし、絶対に負けられない)

叢雲「ほらアンタの番よ。早くしてちょうだい」


~吹雪のターン~


吹雪(どれを選べば・・・)

 2
 3
⇒7
 ジョーカー
 10

吹雪(これかな?)

叢雲「・・・」ニヤッ

吹雪(今、ニヤッと笑った!?じゃあ)

 2
 3
 7
⇒ジョーカー
 10

叢雲「・・・」

吹雪(明らかに反応が違う)

吹雪「これだ!ってあああああ!!ジョーカーだ!」

叢雲「引っかかったわね」

93: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/06(月) 00:54:36.77 ID:z8b+4Ubv0

~叢雲のターン~


叢雲(さて、どうしようかしら)

 2
 3
 7
⇒10
 ジョーカー
 
吹雪「!!」

 2
 3
 7
 10
⇒ジョーカー

吹雪「・・・」ニヤニヤ

叢雲(分かり易過ぎる)

 2
 3
 7
⇒10
 ジョーカー

叢雲「コレね」

吹雪「ああっ、そんな!」

~中略~

吹雪「うぅ・・・負けちゃった」

漣「罰ゲームは吹雪姐さんに決定!キタコレ!!」

叢雲「アンタ顔に出過ぎなのよ」

潮「元気出してください」

叢雲「約束は守ってもらうわよ」

吹雪「うん・・・」

94: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/06(月) 00:55:59.24 ID:z8b+4Ubv0

-翌朝 執務室-

提督「さて、今日もそろそろ始めるか」

ガチャ

提督「あ、おはよう吹雪」

キット「おはようございます、吹雪さん」フォンフォン

吹雪Lv128「・・・かん」

提督「ん?今何て?」

吹雪Lv128「こっち見んなクソ司令官」

提督「」

キット「急にどうしたのですか?」フォンフォン


-執務室前-

漣「やってるやってる」

潮「あんなこと言って本当に大丈夫でしょうか?」

叢雲「何かあればドッキリ成功!ってプラカードを持って部屋に入れば大丈夫でしょ」


-執務室-

提督「あ、あの吹雪さん、何か気に障ることしたかな?」

吹雪Lv128「うるさいクソ司令官」

提督(まさか・・・)

95: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/06(月) 00:57:03.65 ID:z8b+4Ubv0

吹雪Lv1「はじめまして、吹雪です。よろしくお願いいたします!」
心の声(こんなのが私の司令官?もっとイケメンが良かったなぁ)

吹雪Lv10「司令官、朝食、こちらにご用意しました。和朝食です。お味噌汁は、今朝はじゃがいもです!」
心の声(芽の出たじゃがいもを、芽を取らずに使ったやったわ(笑))

吹雪LV35「司令官、吹雪もカレーを作ってみました! どうでしょう? 人参と玉葱がですね……ああっそうなんです! 隠し味はですねぇ……あっ! おかわりあります!」
心の声(今回も芽の出たじゃがいも(笑)美味しそう食べてるし)

吹雪Lv50「令官、夕日が綺麗ですね。そろそろ、お夕食の準備をしないと……え、夜は御馳走してくれるんですか?」
心の声(何で夕食までこんな奴と)

吹雪Lv80「え、夢ですか? 強くなって、皆を護ることが出来て、平和になったら…ずーっとひなたぼっこをしてたいです」
心の声(アンタが死んでもっとイケメンの司令官が配属されることに決まってるじゃない!)

吹雪Lv99「あの、あのぉ…私、司令官のこと…大す…い、いえっ信頼しています!はい!」
心の声(こんな奴とケッコンなんてもう死にたい)

96: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/06(月) 00:58:18.34 ID:z8b+4Ubv0

提督「吹雪、今まですまなかった」ガサゴソ ゴトッ

吹雪Lv128(え?引き出しから拳銃を取り出した?)

提督「今すぐ部屋から出て行ってくれ」

吹雪Lv128「え?あ、あの」

提督「早く!」

キット「アドミラル、落ち着いてください!何か事情があるはずです」フォンフォン


-執務室前-

叢雲「あのバカまさか!」

漣「キタコレ!!唯一のケッコン艦にクソ呼ばわりされて自殺しようとしてる!!」

潮「早く止めないと!」


-執務室-

提督「さあ、出て行け」グイグイ

吹雪Lv128「司令官、押さないでください」

提督「お前は何も心配しなくていい。俺が居なくなれば、次はもっと優秀でイケメンな提督が配属されるさ」

吹雪Lv128「ち、違うんです司令官」

ドアバーン

叢雲「ちょっとアンタ!何バカなことしようとしてるのよ!」つドッキリ成功!プラカード

潮「提督、違うんです」

漣「これは罰ゲームなんです、ご主人様」

提督「罰ゲーム・・・?」

97: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/06(月) 00:59:53.44 ID:z8b+4Ubv0

潮「はい・・・昨日4人でババ抜きをして、負けたら曙ちゃんのモノマネをするって」

提督「曙のモノマネ・・・?」

叢雲「そうよ!だから吹雪は罰ゲームでアンタをクソ呼ばわりしたのよ」

提督「そうなのか、吹雪?」

吹雪「はい・・・ごめんなさい」

提督「曙のモノマネを提案したのは誰だ?」

漣「ピュ、ピュ~♪(汗)」

提督「なぁ、漣。何故口笛を吹いているんだ?あからさま過ぎて怪しいよな?」

漣「何の話ですか?ご主人様?」

提督「提案したのは漣だな?」

吹・叢・潮「はい」

提督「お前、一週間間宮禁止。食事に付くデザートも抜きだ」

漣「えぇー」

提督「もっと延ばすか?」

漣「お代官様、お許しを!」

提督「では一週間だ」

漣「はい・・・」

叢雲「私も賛成したし、一緒に罰を受けてあげるわ」

漣「叢雲姐さん」ダキッ

提督「これに懲りたら、今度から変な罰ゲームはするなよ」

漣「はい」

キット「一件落着ですね」フォンフォン

100: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/07(火) 22:12:54.43 ID:080UXjjE0

-夕張 私室-

テレビ「ユニバーサル○タジオで展示されているデロリアンのレプリカが競売にかけられることになりました」

夕張「これだ!!」


-執務室-

夕張「ついに7つ揃ったわ。長かった」

夕張「でも、これで私の夢が叶う。ふふふ」

夕張「この艦娘ボールさえあれば全てが私の思い通りよ。あはははは」

夕張「出でよ提督!」

提督「あのー、夕張さん?さっきから何をしてらっしゃるんですか?」

夕張「もーいい所なのに!提督もちゃんと乗ってください!」

提督「スマン(一体どうすれば良かったんだ?)」

夕張「キットの件で願いを叶えてくれる約束は覚えてますよね?」

提督「もちろんだ」

夕張「そこでドラゴ○ボール風に願いを叶えてもらおうと思った訳です」

提督「約束は守るが、俺は神龍じゃないから手品の様に物を出したり出来ないぞ」

夕張「そうですね!」

提督「乗りが悪かったことは謝るから機嫌を直してくれ」

夕張「分かり辛いことをした私が悪いんですよーだ」

101: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/07(火) 22:14:05.40 ID:080UXjjE0

~数分後~

提督(やっと機嫌が直った・・・もうこれだけで疲れたわ)

夕張「私の願いなんですけどね」

提督「うん」

夕張「車が欲しいな~って思いまして」

提督「構わんぞ。でも、免許は持っているのか?」

夕張「もちろんです!巡洋艦以上は皆持ってますよ」

提督「そうだったのか。知らなかった」

提督「費用なんだが、半分までは出すぞ」

夕張「お金は大丈夫です!許可さえもらえれば」

提督「それだけでいいのか?まぁ、車を買うのは構わんぞ」

夕張「ありがとうございます!」

102: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/07(火) 22:15:39.31 ID:080UXjjE0

-数日後 工廠-

提督「夕張の買った車を見に来たが・・・誰も居ないな」キョロキョロ

吹雪「夕張さんも、明石さんもどこに行ったんでしょうね?」キョロキョロ

ピカッ

提督「うわっ、眩しい」

吹雪「きゃあ」

シュゥゥゥゥ

ガチャ

夕張・明石「成功ね!」

夕張「あ、提督。いらしてたんですか」

提督「夕張の車を見せてもらおうと思ってな」

吹雪「突然現れた様でしたが、何が起きたんですか?」

明石「それはね」ニヤニヤ

夕張「この車を見て何か気付きませんか?」ニヤニヤ

提督「・・・。デロリアンだよな?」

吹雪「ま、まさか・・・そ、それじゃあ」

明石「そう、そのまさかです!」

夕張「タイムマシーン化に成功しました!」

提・吹「うわぁ」ドン引き

夕張「パート2仕様にしたので空も飛べます!」

明石「それに、ミスター・フュージョンも積んでますよ」

提督「え?何それ?」

夕張「生ゴミを分解して核融合反応を発生させる装置ですよ!」

提督「ナイト2000を完成させる君達のことだ、もう何が起きても驚かんよ・・・」

吹雪「核融合なんて、本当に安全なんですか?」

明石「大丈夫よ!劇中では昨年には完成して普及している技術だからね!」

吹雪(映画の2015年と現実の2015年を一緒にされても・・・ジョーズ19は公開されてないし)

吹雪(小さいピザを復元する電子レンジも、宙吊りのおじいちゃんも居ないし)

吹雪(あ!でも、ホバーボードや3D映画なんかは実現してるなぁ)

103: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/07(火) 22:17:55.26 ID:080UXjjE0

-工廠 物陰-

卯月「面白そうなことになってるぴょん♪」


-デロリアン前-

提督「一体何のためにタイムマシーンなんて造ったんだ?」

明石「技術面に興味があったからです!」

夕張「提督が吹雪ちゃんに指輪を渡す前に戻って、私がもらえる様にする為です!」

提督「おい!」

夕張「冗談ですよ~。本当は深海棲艦発生直前の時代に行って、発生を防ごうと思って」

提督「夕張、それは絶対にダメだ!!」

夕張「えー、どうしてですか?」

提督「深海棲艦が居なければ確かに世界は平和だろう。しかし、奴等が居なければ艦娘も存在しなくなるんじゃないのか?」

夕張「あ・・・」

吹雪「確かに深海棲艦が存在しない世界だと私達も必要無くなりますよね」

明石「艦娘ではなく、普通の人間として存在するかも知れませんが、提督とは出会わなくなるでしょうね」

提督「歴史の変化により元から存在しなかったとしても、お前達を失いたくは無い」

夕張「提督・・・」

提督「だからそういう言動は控えてくれ」

夕張「はい」

104: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/07(火) 22:20:06.16 ID:080UXjjE0

提督「ところで、タイムトラベルで何時に行ってきたんだ?」

夕張「それはですね・・・」

明石「光無く、時間すら流れを止めた完全なる虚無・・・」ハイライトオフ

夕張「世の果て、刻の終わりに訪れる世界へ行ってきました」ハイライトオフ

提・吹「え・・・」

明石「希望も可能性も、この虚無の入口で人が見る一刻の夢」

夕張「なぐさめにもならない幻、それが人を間違わせ、無用な争いを生みもする」

提・吹「え?え?」

明石「ただ存在し消えてゆくだけの命に、過分な期待を持たせるべきではありません」

夕張「深海棲艦による滅びを受け入れましょう・・・」

提督「一体何があったんだ、2人共しっかりしろ!」

明・夕「なーんて、冗談です」ハイライトオン

提督「脅かさないでくれ」

吹雪「本当にビックリしましたよ」

夕張「ごめんなさい。本当はジュラ紀に行ってきました」

明石「これ、お土産です」つ恐竜の卵

提督「おいぃぃぃぃぃ!元に戻してきなさい!」

明石「パス」ポイッ

提督「ちょ、ちょ、ちょ、あ・・・」

パリン

夕張「あー、やっちゃった・・・」

提督「やってしまった」orz

夕張(ププッ、本気でへこんでる)←先日の仕返しが出来て満足

明石「提督、ソレただの玩具です」

提督「おいぃぃぃぃぃ!」

提督「まぁ、兎に角、誰かが間違ってタイムマシーンを動かさない様にきちんと管理してくれよ」

夕・明「はい!」

提督「そろそろ執務に戻ろうか」

吹雪「はい!」

105: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/07(火) 22:23:10.32 ID:080UXjjE0

夕張「確かに提督の言う通りだよね・・・」

明石「ノリでタイムマシーンを造ったはいいけど、コレって危険よね」

夕張「処分するのももったいないし、ただの空飛ぶ車にしよっか」

明石「そうねー」

夕張「とりあえず鍵掛けて管理しておけば大丈夫ね」

明石「手が空いたらタイムサーキットを取り外そっか」

夕張「そうね。鍵はこの工具箱に入れておくわ」

夕張「せっかくの発明だったのにな~」

明石「悪用されたら大変なことになるから仕方ないよ」


-工廠 物陰-

卯月「行ったぴょん♪」

卯月「うーちゃんにこんな物を見られたのが運の尽きだぴょん」


-デロリアン前-

卯月「確かこの辺に鍵を隠してたぴょん」ガサゴソ

卯月「有ったぴょん!」

ガチャ
バタン

卯月「えーっと。確か映画だと、この装置に行きたい時間を設定してたぴょん?」

MONTH JUN DAY 07 YEAR 2017 HOUR 12 MIN 00

卯月「設定完了だぴょん♪」

卯月「レッツゴー!ぷっぷくぷ~」

106: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/07(火) 22:25:45.87 ID:080UXjjE0

夕張「忘れ物しちゃった」

夕張「ん?何か違和感を感じる様な・・・」

明石「夕張ーっ、まだー?」

夕張「もうちょっと待って」

夕張「うーん。何だろう・・・」

夕張「無い!!デロリアンが無い!!!」

夕張「明石ーっ!デロリアンが!!」

明石「!!!」

夕張「提督ーっ!!!!!」


-執務室-

ドンドンドン

夕張「提督、大変です!」

ドンドンドン

ガチャ

提督「どうした?騒々しい」

夕張「デロリアンが!デロリアンが!!」

キット「デロリアン?」フォンフォン

提督「デロリアンがどうした?落ち着け」

夕張「誰かがデロリアンを持ち出しました!」

提督「!! だからきちんと管理しろと言ったのに」

夕張「鍵は私と明石しか分からない場所に隠していたんです。誰かがやり取りを見ていたとしか」

提督「まさか!ヲ級か!キット、留守番を頼む」

キット「はい、アドミラル」


-ヲ級・イ級の部屋前-

ドアバーン

ヲ級「あら、どうしたの?」

イ級「騒々しいな。ドアは静かに開けてくれ」

テレビ「薔薇のトゲが刺したのよ」

提督「2人とも居る・・・では誰が・・・」

夕張「分かりません」

ヲ級「何かあったの?」

提督「いや、なんでもない。邪魔したな」

107: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/07(火) 22:28:25.48 ID:080UXjjE0

-2017年6月7日 ???-

卯月「ここはドコだぴょん?一面瓦礫の山だぴょん」

MONTH JUN DAY 07 YEAR 2017 HOUR 12 MIN 00

卯月「デロリアンの現在時刻を見る限り設定した時間に来ているぴょん」キョロキョロ

??「卯月ちゃん?」

卯月「睦月ちゃん?どうしてこんな瓦礫の山に居るぴょん?鎮守府はどうしたぴょん?」

睦月「ここが鎮守府だよ・・・」

卯月「何言ってるぴょん?」

睦月「ここが鎮守府だった場所だよ・・・」

卯月「???」

睦月「今から3日前にね、審判の日が訪れたの」

卯月「審判の日?」

睦月「そう。その日、私は提督からお使いを頼まれて鎮守府を離れていたの」

卯月「うん」

睦月「鎮守府まであと3キロ位の地点だったかな・・・海上から大量の深海棲艦が鎮守府に一斉攻撃をしているのが見えたわ」

卯月「・・・」

睦月「睦月も大急ぎで帰ってきたんだけどね。間に合わなかったの」

睦月「大型トレーラーにキットが轢かれて壊される瞬間だったわ」

睦月「急いで提督を救出したんだけど、もう虫の息で助けられなかった・・・」

卯月「・・・」

睦月「睦月一人位、生かしておいても何も変わらないと思ったんだろうね。大型トレーラーと深海棲艦はそのまま去って行ったの」

睦月「提督も、吹雪ちゃんも、夕立ちゃんも、如月ちゃんも皆・・・皆死んじゃった・・・あは、あははははははは」

卯月「落ち着くぴょん」

睦月「それでね。睦月は皆のお墓を作ってるの」

108: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/07(火) 22:30:14.36 ID:080UXjjE0

睦月「卯月ちゃん、ソレって夕張さんのデロリアンだよね?」

卯月「うん」

睦月「丁度一年前にデロリアンが消えたって大騒ぎになってたからはっきり覚えてる」

睦月「卯月ちゃんにお願いがあるの」

卯月「何だぴょん?」

睦月「元の時代に帰ったら、提督に、362日後にこの鎮守府は総攻撃を受けて崩壊すると伝えて」

卯月「うん」

睦月「一年前から準備をすれば未来は変えられるはずだから」

卯月「うん」

睦月「卯月ちゃんはもう帰って」

卯月「卯月もお墓を作る手伝いをするぴょん」

睦月「帰って。早く!」

卯月「でも」

睦月「卯月ちゃんはこの時代の人じゃないから・・・」

卯月「分かったぴょん」ショボン

睦月「必ず提督に伝えてね・・・」

卯月「うん・・・」

睦月「行っちゃった・・・。これで睦月はまた一人ぼっち」

睦月「皆のお墓が出来たら睦月もそっちに逝くから、もう少しだけ待っててね」

110: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/07(火) 22:33:09.99 ID:080UXjjE0

-2016年6月7日 執務室-

提督「くそっ、全く手がかりが掴めない」

夕張「私がタイムマシーンなんて造らなければ・・・」

明石「私にも責任があるわ」

キット「私達が気付いていないだけで、既に何かしら変化が起きているのかも知れません」フォンフォン

ドアバーン

卯月「しれいかぁ~ん!うえーん」ダキッ

提督「おいおい、どうしたんだ?(涙と鼻水でベトベトだ・・・)」


~数分後~

提督「少しは落ち着いたか?」

卯月「うん」グスッ

提督「では何があったか話してくれないか?」

卯月「うん。実は・・・」

~説明中~

提督「一年(362日)後にこの鎮守府は崩壊すると?」

卯月「うん」

提督「夕張、明石、デロリアンで一年後に行ってみよう」

夕・明「はい!」

ガチャ

吹雪「作戦完了です!ってあれ?どうしたんですか?」

提督「丁度いい、吹雪も一緒に来てくれ」

吹雪「はい」

111: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/07(火) 22:34:41.44 ID:080UXjjE0

-工廠-

夕張「ダメです。タイムサーキットが故障していてタイムマシーンとしては使えません・・・」

提督「直すのにどれくらい掛かる?」

明石「もう生産されていない部品もあるので数ヶ月掛かると思います」

提督「そうか・・・とりあえず2人は修理を頼む」

夕・明「はい・・・」

提督「吹雪は睦月を呼んできてもらえるか?」

吹雪「はい!」


-執務室-

ガチャ

吹雪「卯月ちゃんは睦月ちゃんに付き添われて部屋へ帰りました。一体何があったんですか?」

提督「卯月が勝手にデロリアンを動かして一年後の世界へ行ったそうだ」

吹雪「私の出撃中にそんなことが」

提督「そこで、この鎮守府は深海棲艦の総攻撃を受けて崩壊していたそうだ」

吹雪「!!!」

提督「普段の卯月ならただのイタズラだろうで済むが、今日は明らかに様子が違った」

吹雪「そうでしたね」

提督「未来が分かっている以上、回避することも出来るはずだ」

キット「絶対に回避しなければならない未来ですね」フォンフォン

吹雪「未来を変えましょう!」

提督「ああ!」


吹雪「こうして深海棲艦との戦いは新たな局面を迎えたのでした・・・」


-ヲ級・イ級の部屋-

ヲ級「提督は何の用だったのかしら?」

イ級「さぁ?」

ヲ級「まぁいいわ。提督を落とす為に『菊と薔薇』の演技の練習をするわよ!」

イ級「えー、まだやるのかよ」

ヲ級「いいから付き合いなさい!」

イ級「へいへい」

116: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/10(金) 22:08:48.64 ID:lIZ9wxkn0

-とある日曜の昼下がり 提督私室前-

コンコン

島風「提督、遊びに来ました」

コンコン

島風「提督、居ないんですか?」

コンコン

島風「入りますよ」

ガチャ

島風「居ない。何処に行ったんだろう?」キョロキョロ

バタン

島風「オウッ!?テーブルの上に作りかけのプラモデル・・・トイレかな?」

島風「確かコレ、バンシィって名前だよね?提督と夕張さんが2人で観てたアニメに出てた」

バンシィ「やあ!」

島風「ちょっと位触っても大丈夫だよね?」ウズウズ

島風「提督も居ないし少しだけ」

島風「・・・」

島風「ヴァナァージィィィィィ!!!!!!!!」

島風「喋るなぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!」激しく首振りぃぃぃ

バキッ

コロコロコロ

島風「オウッ!」

バンシィ頭「」ニタァ

島風「!!!」

ギィィィィ

島風(提督が帰ってきた!!)

117: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/10(金) 22:10:17.97 ID:lIZ9wxkn0

提督「ふぅ、スッキリした」

提督「ん?足元に何かあるな」

バンシィ頭「よお!」

提督「バンシィ?何故ここに?」

提督「ん、島風?どうしたんだ?こんなところで」

島風「提督、ごめんなさーい」ウワーン

提督「遊びに来たら俺が居なくて、バンシィを発見して遊んでいたと」

島風「はい。ごめんなさい、提督。島風のこと嫌いにならないで」←涙目

提督「これ位気にするな、島風」

島風「でも」

提督「気にするなって言ってるだろ。接着剤塗ってしばらく置いとけばくっ付くから」

提督「それに、ユニコーンならそこに複数積んでるからな。最悪、そこのからパーツを取ればいい」

ユニコーン/ユニコーンモード「やあ!」
ユニコーン/デストロイモード「やあ!」
ユニコーン/セブンイレブン「やあ!」
FAユニコーン/ユニコーンモード「やあ!」
ユニコーン/覚醒キャンペーン「やあ!」
バンシィ/ユニコーンモード「やあ!」
バンシィ/デストロイモード「やあ!」
バンシィ・ルノン/ユニコーンモード「やあ!」
バンシィ・ルノン/デストロイモード「やあ!」

島風「何でこんなに同じのをいっぱい?」

提督「それはな・・・バリエーション商法に見事に引っかかったからだ」

島風「バリエーション商法?」

提督「微妙なVer違いを出されると買ってしまう。それが提督という生き物だ」

118: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/10(金) 22:11:37.05 ID:lIZ9wxkn0

島風「でも、バル○トス?って言うのは一つもありませんよね?」

提督「バルバ○ス?知らない子ですね。確かゲームの機体だったと思うけど、プラモ出てたっけ?」

島風「え?夕張さんがアニメに出てるって」

提督「え?」

島風「え?」

提督「ふむ。夕張には後で事情聴取をしておこう」

提督「まぁ、ガンプラは少し位壊しても大丈夫だが、そっちの大和は触らないでくれ」

戦艦大和「やあ!」

島風「戦艦の大和さん(プラモデル)だ!」

提督「それは壊されると修復できないからな。もう1隻作る気力もないし」

島風「でも、うちには艦娘の大和さん居ませんよね?」

提督「願掛けだ」

島風「願掛け?」

提督「そう、願掛け。こうやってプラモ作って飾ってたら、艦娘の方も来てくれるかなって」

島風「早く来てくれるといいですね」

提督「そうだな」

島風「ところで、提督」

提督「どうした?」

島風「あのっ、島風は無いんですか?」

提督「島風も買ってあるぞ。完成したら島風の部屋に持って行って飾るといい」

島風「いいんですか?」

提督「いいぞ」

島風「ありがとうございます!」

119: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/10(金) 22:12:56.88 ID:lIZ9wxkn0

島風「そういえば、吹雪さんは居ないんですか?」

提督「今日は白雪達と出掛けたぞ」

島風「そうですか。喧嘩とかして出て行った訳ではないんですね」

提督「そんな訳無いだろ」

島風「提督、知ってますか?吹雪さんのポジションを狙ってる艦娘は沢山居るんですよ」

提督「ははは、何言ってるんだ。そんなの金剛くらいだろ?」

島風「やっぱり知らないんですね」

島風「吹雪さんの身に何かあれば提督が悲しむから、皆何もしないけど、隙あらばと狙ってますよ」

提督「おいおい、冗談だろ?」

島風「もちろん冗談です(やっぱり気付いてないんだ)」

島風「私、そろそろ自分の部屋に帰りますね。また遊びに来てもいいですか?」

提督「いつでも来ていいぞ」

島風「今日はありがとございました」フリフリ

提督「じゃあな」フリフリ

120: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/10(金) 22:15:07.22 ID:lIZ9wxkn0

-同日夕方 執務室-

吹雪「最近、秋津洲さんを見かけない気がするんですが、どうしてるんですか?」

キット「そういえば私もまだ挨拶をしていません」フォンフォン

提督「秋津洲か?アイツには特別任務を与えたからな」

吹雪「特別任務ですか?」

提督「ああ、そうだ」

吹雪「それって一体」

提督「実はだな・・・」

121: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/10(金) 22:16:41.21 ID:lIZ9wxkn0

コンコン

秋津洲「秋津洲、失礼するかも」

提督「噂をすれば。入ってくれ」

ガチャ

秋津洲「提督、ついに完成したかも!」

バタン

提督「ついに完成したか!見せてくれ」

秋津洲「はい!」

提督「素晴らしい!ゲート跡もきっちり処理されているな。クリアパーツは面倒だっただろう?」

秋津洲「クリアパーツだからと言うより、限定品だから緊張したかも!」

吹雪「あの・・・それって?」

提督「秋津洲がうちき来た記念にプレゼントしたMG ビルド○トライク プラフスキーパーティクルクリアVerだ」

吹雪「えっと・・・特別任務ってもしかして?」

提督「ああ!積んでいるプラモから好きなものを作っていい。それが特別任務だ」

吹雪「」

122: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/10(金) 22:18:33.38 ID:lIZ9wxkn0

提督「艦娘に対してこんなことを言うのは失礼だが、はっきり言って秋津洲は戦闘には向いていない」

秋津洲「それを言われるとショックかも!」

提督「何も深海棲艦とドンパチするだけが全てではないぞ、秋津洲」

提督「この国には『適材適所』と言う言葉がある。秋津洲には自分の能力に合った仕事をして欲しいんだ」

秋津洲「そう言われるとやる気が出てきたかも!」

吹雪「まぁ、秋津洲さんが納得しているならそれでいいかなって思えてきました」

キット「そうですね」フォンフォン

提督「さて、秋津洲。次の任務はどれがいい?限定品以外であれば、どれでもとは言わんが大体は問題ないぞ」

秋津洲「実はもう決まってるかも!」

提督「ほう、どれだ?」

秋津洲「コレがいいかも!」

提督「なるほど、そう来たか。確かにベアッ○イⅢは女子に人気だと聞くからな」

秋津洲「可愛いかも!それに完成したら大艇ちゃんに乗せてあげたいかも!」

提督「では、いつも通り道具は好きに使ってくれて構わない。使用後のメンテナンスだけは忘れないようにな」

秋津洲「はい!」

123: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/10(金) 22:20:17.74 ID:lIZ9wxkn0

提督「そうだ、秋津洲。キットを紹介しておこう。まだ挨拶してなかったよな?」

キット「はじめまして。ナイト2000です。キットと呼んでください」フォンフォン

秋津洲「スゴイかも!車が喋ってるかも!」

提督「明石、夕張、妖精さんに作ってもらったんだ」

秋津洲「本物の車は無理だけど、私もいつかこんな作品を作りたいかも!」

提督「頑張れよ」

秋津洲「はい!では、そろそろ私は失礼するかも!」

提督「では、また完成したら見せてくれ」

秋津洲「はーい!」

ガチャ
バタン

提督「プラモと言えば、以前買ったキット(ナイト2000)も作ってやらないとな。内装のスイッチ類の塗装が面倒過ぎるんだよな」

キット「私のプラモデルがあるのですか?是非とも綺麗に仕上げてください」フォンフォン

提督「任せておけ」

吹雪「人生色々、艦娘も色々ですね」

提督「明石なんかは工作船だから戦闘には向いていないしな。戦いだけが全てじゃないさ」

提督(本当は吹雪たちも戦わせたくはないんだが、人間は深海棲艦には勝てないからな)


審判の日まで あと357日

128: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/11(土) 21:09:57.44 ID:3MYR5Mrj0

-食堂入り口付近-

提督「当たり前だけど、昼は満員だな」

吹雪「そうですね」

山城「不幸だわ・・・」

吹雪「山城さん、どうしたんですか?」

山城「あら、吹雪に提督。深海棲艦が鎮守府に居るなんて不幸よね。それに姉さまは入渠中だし」

提督「スマンな。上から捕虜として扱えと命令されているんでな」

山城「大体、大本営もなぜ深海棲艦なんかを捕虜にしろと命令したのかしら。不幸だわ」

吹雪「きっと何か考えがあるんですよ」

山城「何の考えも無くそんなことを命令する大本営だったら不幸すぎるわ・・・」

129: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/11(土) 21:11:39.69 ID:3MYR5Mrj0

ヲ級「あれは提督!丁度いいわ。イ級、計画を実行に移すわよ」

イ級「えー、まだ食事中だってのに」

ヲ級「いいからやるの!」

イ級「へいへい。でも本当にいいのか?」

ヲ級「演技だと気付かれないためにも本気でやって頂戴」

イ級「後で文句言わないか?」

ヲ級「提督の気を引くためならそれくらい厭わない。コラテラル・ダメージよ」

イ級(その使い方合ってるのか?)

イ級「分かった、そこまで言うなら。心の準備はいいな?」

ヲ級「ドーンと来なさい」

イ級「では、やるぞ!」

パシン!

イ級「この役立たず!アンタなんて菊じゃなくてタンポポよ!」

ザワザワ
ナカマワレ?
ナンダナンダ?

ヲ級「痛い・・・」

パシン!

ヲ級「うっ」

イ級「薔薇の棘が刺したのよ!」

130: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/11(土) 21:13:27.49 ID:3MYR5Mrj0

提督「おいおい、急にイ級がヲ級をぶったぞ!」

吹雪「喧嘩でしょうか?早く止めないと」

山城「その必要は無いわ」

提督「どうしてだ?」

山城「今のは『菊と薔薇』というドラマのワンシーンだったわ」

吹雪「菊と薔薇ですか?」

山城「そう。理由は分からないけど、ドラマの真似をしているだけね」

提督「そうなのか?それなら放っておいて大丈夫か」

吹雪「そうですね」

山城「深海棲艦と同じドラマを観ているなんて、不幸だわ・・・」

吹雪「あはは・・・。山城さん、お昼まだですよね?良かったらご一緒しませんか?」

山城「そうね。姉さまも居ないことだし、そうさせてもらおうかしら」

提督「今日の日替わり定食は何だろうな?」

山城「酢豚だったわ」

提督「ほぉ、そうか」

イ・ヲ「・・・。そのまま行ってしまった」

ヲ級「不幸だわ・・・」

提督「そうだ、昼から警察署で深海棲艦に対する対応を協議するから吹雪も一緒に来てくれ」

吹雪「はい!分かりました」

山城「提督も色々と忙しいのね」

131: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/11(土) 21:15:20.53 ID:3MYR5Mrj0

-警察署前-

提督「思ったよりも早く終わったな」

吹雪「そうですね」

キット「では、鎮守府へ帰りますか?」フォンフォン

提督「まだ時間も早いし、少し寄り道するか」

吹雪「いいんですか?」ガチャ バタン

提督「少し位構わんさ」ガチャ バタン

キット「では、どちらへ?」

提督「近くのショッピングセンターへ行ってみよう」

132: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/11(土) 21:21:17.21 ID:3MYR5Mrj0

-ショッピングセンター 駐車場-

提督「留守番を頼むぞ」

キット「お任せください」フォンフォン

吹雪「では、行ってきます」

キット「行ってらっしゃい」フォンフォン


-ナイト2000付近の車-

少年「行ったね」

女「早速はじめて頂戴」

少年「うん」

カタカタカタ

キット「! 誰です?私にアクセスしようとしているのは!」フォンフォン

カタカタカタ

少年「君を乗っ取らせてもらうよ」

カタカタカタ

キット「無駄です」フォンフォン

キット「アドミラル!」

少年「無駄だよ。妨害電波で通信は遮断してあるから」

カタカタカタ

少年「手ごわいな。でも」

カタカタカタ

ガチャ

キット「ドアが!」フォンフォン

女「順調に進んでいる様ね」


~十数分後~

少年「やっぱり処理ユニットを乗っ取るのは難しいね」

女「それなら処理ユニットは取ってしまえばいいわ(どうせコンピュータの部分は必要ないし)」

少年「それでいいの?」

女「車の部分だけあればいいわ」

133: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/11(土) 21:22:48.98 ID:3MYR5Mrj0

~数十分後~

吹雪「さっきのクレープ凄く美味しかったです!」

提督「そんなに気に入ったなら間宮さんに頼んでメニューに追加してもらうおうか」

吹雪「いいんですか?」

提督「間宮さん次第だが、とりあえず頼んでみよう」

吹雪「採用されるといいな~」

提督「皆へのお土産のケーキも買ったし、保冷剤が溶けないうちに帰ろう」

吹雪「そうですね」

提督「あれ?キットをここに停めたはずなんだが」

吹雪「そうですよね。居ませんね」

提督「コムリンクで呼んでみるか。キット」

シーン

提督「反応が無い。おかしいな。おーい、キット!」

シーン

提督「どうなっているんだ?」

134: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/11(土) 21:24:09.55 ID:3MYR5Mrj0

提督「・・・。何かを感じる」

吹雪「どうしたんですか?」

提督「向こうの方から何かを感じるんだ。行ってみよう」

キットinゴミ箱「」

提督「この辺りなんだが」

吹雪「司令官!あそこのゴミ箱!」

提督「キット?キット!大丈夫か?しっかりしろ!」

キットinゴミ箱「」

提督「とりあえず夕張に連絡して迎えに来てもらおう」

ジリリリリリーン

夕張「提督から着信だ」ピッ

夕張「もしもし」

提督「夕張、悪いが急いでショッピングセンターの駐車場へ来てくれ」

夕張「どうしたんですか?」

提督「詳しいことは後で話す。急ぎで頼む!」

夕張「分かりました。すぐに行きます」

提督「頼んだぞ」

夕張「はい」ピッ

夕張「まだタイムサーキットの修理も済んでないってのに」

135: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/11(土) 21:26:10.77 ID:3MYR5Mrj0

~十分後~

夕張「提督、迎えに来ましたよ」

提督「すまない」

夕張「で、どうしたんですか?」

提督「これを見てくれ」つキットの処理ユニット

夕張「!! キット!一体何があったんですか?」

提督「分からない。少し離れている間にこうなっていた」

夕張「急いで鎮守府に帰りましょう!」


-鎮守府 工廠-

提督「キットは大丈夫なのか?」

妖精ズ「何者かが処理ユニットに侵入しようとした痕跡がありました。幸い、侵入は防げた様ですが」

吹雪「一体誰がこんなことを」

夕張「相当な手練の犯行ね」

提督「何か犯人に関する手がかりは?」

妖精ズ「キットから情報を引き出すことに成功しました。これをご覧下さい」

提督「女と子供・・・。子供の方はどこかで見た気がするな」

夕張「先日、ニュースに出ていた子ですよ。プログラミングコンテストで優勝した太郎君(10)です」

夕張(それともう一人の方もどこかで見た様な?)

提督「小学生だと!いや、それ以上に、今時『太郎』って」

吹雪「そこはそんなに重要ではないと思いますよ」

提督「そうだな。そこじゃないよな。とにかく手がかりを探さないと」

136: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/11(土) 21:28:09.95 ID:3MYR5Mrj0

明石「提督、キットの仮ボディを用意できましたよ」ガラガラガラ

提督「おお!それは助かる(つーか何で台車を押して来たんだ?)」

明石「キット自身も気にしているのでお手柔らかにお願いしますね」

提督「了解」

明石「では、仮キットの登場です」バサ

提・吹(どんな姿になったんだろう?)ドキドキ

明石「じゃーん!仮キットです!」

提・吹「・・・。え?」

明石「どうしたんですか?」

提督「テレビ?」

明石「はい。工廠の隅に転がっていたポータブルテレビに組み込みました」

提督「いや、もっとノートPCとかさ」

明石「持ち運びには便利でしょうが、強度が心配です」

提督「夕張のデロリアンとかさ」

夕張「嫌ですよ。ナイト2000の感覚で運転されるとあっと言う間に大破しちゃいますよ」

明石「タイムマシーンが使えなくなると困りますよね?」

提督「だからと言ってテレビは・・・」

キット「それ以上言わないでください」

明石「そうですよ。一番気にしているのはキット自身なんですから」

提督「すまん。大丈夫なのか、キット?」

キット「テレビに入れられて大丈夫も何もありません」

提督「そうだな」

キット「それより早く犯人を捕らえましょう」

137: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/11(土) 21:30:46.73 ID:3MYR5Mrj0

提督「と、言うわけで、夕張のデロリアンを貸して欲しい」

夕張「えぇー」

提督「他に車が無いんだ。頼む」

夕張「間宮券5枚」

提督「分かった。それで手を打とう」

夕張「それと、ナイト2000と同じ感覚で運転して壊されると困るので、運転は私がします!」

提督「・・・。分かった。」

夕張「では、出発しましょう!」


-路上-

夕張「♪」

キット「夕張さん、随分楽しそうですね」

夕張「そんなこと無いわよ(汗)」

キット「アドミラルとのドライブがそんなに嬉しいですか?」

提督「そんなにカリカリしなさんなって」

キット「私には感情はありません。カリカリなどしていません」

提督(充分すぎるほどカリカリしてるっての)

キット「だいたい、大事なボディを奪われた私の身にもなってください」

キット「こんな惨めな姿にされて。お二人は今の私をどう思っているのですか?」

提督「姿が変わろうともキットはキットじゃないか」

夕張「提督の言う通りよ。いつもの様に走ったり、跳ねたり出来なくてもキットはキットよ」

キット「車ではない私に存在価値など無いのではないかと思いましたが、そう言われると安心しました」

138: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/11(土) 21:32:34.46 ID:3MYR5Mrj0

-太郎の家-

太郎母「そんな!太郎がそんなことをするなんて・・・」

提督「最近、何か変わった様子はありませんでしたか?」

太郎母「最近、近所に引っ越してきた若い女性と仲良くしていたくらいでしょうか」

提督「若い女性ですか?」

太郎母「はい」

提督「その人の家の住所を教えてもらえますか?」


-若い女の家-

ピンポーン

提督「鎮守府の者です」

ピンポーン

提督「留守ですか?」

シーン

夕張「居ない様ですね」

ガチャ

提督「玄関の鍵が掛かっていないな」

夕張「中を調べますか?」

提督「ああ」


~数分後~


夕張「コレと言って変わった所はありませんね」

提督「アレを見てみろ!」

夕張「メモですか?××港と書いてありますね」

提督「他に手がかりも無い。ここに行ってみよう」

139: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/11(土) 21:34:55.13 ID:3MYR5Mrj0

-××港-

女「太郎君、車の制御はどう?」

太郎「バッチリだよ!」つラジコンのコントローラー

女「ふふっ、それは良かったわ」

太郎「これで深海棲艦をやっつけられるね!」

女「そうね」ニヤッ


-××港近辺-

夕張「提督、あれは!」

提督「ナイト2000だ!誰も乗ってないぞ」

キット「一定の周波数での通信・・・ラジコン操作です」

提督「追いかけよう!」

夕張「はい!」


-××港-

女(あれは艦娘共!もう嗅ぎ付けてきたか)

女「太郎君、早速深海棲艦が現れたわ」

太郎「え?どこ?」

女「こちらに向かって来ている車に乗っている奴等よ」

太郎「え?でもあれは人じゃない?テレビで観た深海棲艦とは全く違うよ」

女「深海棲艦と言っても色んなタイプがいるのよ」

太郎「でも・・・」

女「もういいわ。コントローラーを貸しなさい」

140: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/11(土) 21:36:52.88 ID:3MYR5Mrj0

夕張「提督!ナイト2000が真っ直ぐ突っ込んできますよ」

キット「このままでは衝突です!」

提督「デロリアンは飛べるだろ?飛んで回避するんだ!」

夕張「そうでした!」

女「飛んだ!?まぁいいわ。このターボブーストという機能を使えば」

太郎「ダメだよ。返して!」

女「放しなさい!」

夕張「提督、地上に例の二人が!」

提督「間違いない!」

キット「何やら揉めている様ですね」

太郎「返して!」

女「放しなさい!」

ツルッ

女・太「あ!」

ピューン

グシャ

太郎「壊れちゃった・・・」

夕張「ナイト2000を動かしていたコントローラーが壊れたみたいですよ」

提督「よし!地上に降りよう」

141: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/11(土) 21:39:11.70 ID:3MYR5Mrj0

提督「そこのお前達、よくも車を盗んでくれたな」

キット「大人しく私のボディを返しなさい!」

女・太「!!!」

提督「ナイト2000は返してもらうぞ!」

女「返せと言われて返すと思う?」

夕張「ずっと気になっていたんですが、あの女・・・」

提督「どうした?」

夕張「誰かに似てるなって思ってたんです」

提督「誰に似ているんだ?」

夕張「集積地棲姫です」

提督「集積地棲姫だと!まさか深海棲艦が人間に化けているのか?」

キット「確かにヲ級さんの様に人に近い姿をしていれば有り得ますね」

提督「ところで、集積地棲姫というのは、あの集積地棲姫か?」

夕張「はい。私と大淀さんがロケットランチャーで酷い目にあわせた、あの集積地棲姫です」

142: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/11(土) 21:42:20.23 ID:3MYR5Mrj0

女(集積地棲姫)「ふん、正体がばれたなら仕方ない」イラッ

太郎「え?」

集積地棲姫「少しでも動けばこの子供の命はないぞ!」

提督「くっ!本当にそうだったのか」

夕張「太郎君を人質に取られた以上、攻撃できません・・・」

太郎「お姉さんが深海棲艦・・・?」

集積地棲姫「そうだ、私は深海棲艦だ」

ジリジリ

集積地棲姫(あと少し、あと少しで海だ)

ガシッ

集積地棲姫「コイツはくれてやる、受け取れ!!」

ポイッ

提督「!!!」

太郎「うわぁぁぁぁ」

集積地棲姫「必要な物は手に入った。さらば」ドボン

ガシッ

提督「ふぅ、何とかキャッチできた。怪我はないか?」

太郎「はい」

提督「今更、魚雷を発射してももう遅いだろうな」

夕張「もう届きませんね」

提督「必要な物は手に入ったと言っていたが、一体何なんだ」

夕張「分かりません。でも、ナイト2000は取り戻せましたね」

提督「そうだな。この子を家に送り届けた後、キットを元に戻そう」

太郎「ごめんなさい。あのお姉さんが深海棲艦だなんて知らなくて」

提督「後で色々と聞かせてもらおうか」

太郎「はい」

143: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/11(土) 21:45:14.04 ID:3MYR5Mrj0

-鎮守府 工廠-

キット「やはりこの姿が一番しっくりきます」フォンフォン

提督「本当に一時はどうなるかと思ったぞ」

明石「キットも元に戻りましたし、一件落着ですね」

吹雪「太郎君はどうなったんですか?」

提督「騙されて協力されられていただけだからな、厳重注意して家に帰した」

提督「それと夕張に頼んで話を聞いてもらったよ。俺よりも夕張の方が話しやすいだろうしな」

吹雪「そうだったんですか」

夕張「二度とこんなことが起きないように、キットのプログラムの改良に協力したいって言ってましたよ」

提督「そうしてもらえると助かるな。乗っ取った本人なら弱点も分かるだろうし」


-深海鎮守府-

集積地棲姫「深提、指示された物を手に入れました」つナイト2000のデータ入りUSBメモリ

深提「よくやってくれた。あの阿呆共と違って頼りになるな」

集積地棲姫「私は仕事を完遂する主義です」

深提「これでようやく、先日手に入れたアレを修復できるな。ふはははは」

集積地棲姫(逃げるために太郎を放り投げたが、彼は大丈夫だったんだろうか?)

集積地棲姫(はっ!私は何故、人間などのことを気にしているんだ・・・)

審判の日まで あと352日

146: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/15(水) 22:11:16.55 ID:qjpAzkcN0

-キットが鎮守府に来てから一ヶ月後-

夕立「最近、提督さんはキットばかり構って、夕立達には構ってくれないぽい」←嫉妬中

暁「暁は一人前のレディだから、司令官に構ってもらえなくても寂しくなんかないわ」←実は嫉妬中

島風「私には誰も追いつけないよ!」キーン

吹雪「みんな落ち着いて。司令官はちゃんとみんなの事も考えてくれているんだから」

時雨「吹雪の言う通りだよ」

夕立「吹雪ちゃんは毎日構ってもらえるんだから、黙ってて欲しいぽい」

吹雪「夕立ちゃん・・・」

時雨「ごめんね。夕立は一度言い出したら聞かないから」

吹雪「ううん、気にしないで」

夕立「こうなったら、キットに勝負を挑んで夕立達の方が優秀だと証明するっぽい!」

吹雪「ちょっと夕立ちゃん!」

夕立「早速行ってくるっぽい!」

暁「暁は一人前のレディだから、仕方なく付き合ってあげるわ」

島風「私はキットよりも早いよ!」キーン ←面白そうだから付いて行く

吹雪「行っちゃった・・・。私、司令官に知らせてくるね」

時雨「僕は夕立達の様子を見てくるよ」

147: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/15(水) 22:14:05.05 ID:qjpAzkcN0

-工廠-

夕立「たのもー」

明石「あら、夕立ちゃん達どうしたの?」

夕立「キットに勝負を挑みに来たっぽい」

明石「???」


-同刻 執務室-

ガチャ

吹雪「大変です!司令官」

提督「そんなに慌ててどうした?」

吹雪「夕立ちゃん達がキットに勝負を挑んで、自分達の優秀さを証明するんだって工廠に向かいました!」

提督「まぁいいじゃないか」

吹雪「!! そんな、のん気なこと言ってる場合ですか!」

提督「いや、形はどうあれコミュニケーションを取るのは悪いことじゃない」

提督「それにキットなら怪我をさせる様なこともないだろう」

吹雪「本当にいいんですか?」

提督「構わんさ。問題が起きそうになれば止めに入ればいい」

吹雪「司令官がそう仰るなら、そうしましょうか」

148: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/15(水) 22:15:48.71 ID:qjpAzkcN0

-工廠-

キット「皆さんどうされましたか?」

夕立「果たし状。夕立、暁、島風の三名はキットに勝負を挑み、我々の優秀さを証明しに来た!っぽい」

キット「勝負?私は何をすればいいのですか?」

暁「まずは暁の出番ね!コレで勝負よ!」つ計算ドリル

暁「計算問題100問早解きよ!明石さん、審判をお願いするわ」

明石「本当にやるの?」

暁「レディに二言は無いわ!」

明石「それじゃあ、あそこの掛け時計の秒針が12時を指したらスタートね」

明石「3、2、1、スタート!」

暁「よし、やるわよ!」

キット「終わりました」

暁「へ?まだ3秒しか・・・」

明石「では採点するわ。暁ちゃんはそのまま続けてね」

明石「うん、全問正解ね」

暁「そんな・・・ありえないわ。一人前のレディである私が負けるなんて」orz

島風「暁ちゃんの敵は私が取るから元気が出して」

暁「島風ちゃーん」ダキッ

明石(そもそも、コンピュータに対して計算で勝負を挑むこと自体どうなの?)

島風「次は私と勝負よ、キット!ここでは勝負できないから港に移動だよ」

149: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/15(水) 22:18:31.48 ID:qjpAzkcN0

-執務室-

コンコン

摩耶「失礼するぜ」ガチャ

提督「ああ、摩耶か」

摩耶「2人して窓の外を眺めてどうしたんだ?」

吹雪「実は・・・」

~説明中~

摩耶「なんだそんな事かよ。あいつらまだまだお子様だな」

摩耶「出撃の報告書は机の上に置いとくぜ。せっかくだからあたしも観戦していくか」

提督「では飲み物でも用意しよう」

摩耶「悪いな、提督」

提督「最近、暑いから水出しアイスティー作ったけど、それでいいか?」

摩耶「何でもいいぞ」


-母港-

島風「向こうに見えてる島まで競争だよ」

キット「分かりました」

明石「誰かゴール地点で審判をしてくれる人が必要ね。夕張でも呼ぼうか」

島風「えー、だって夕張さん遅いもん」

明石「あ、あんな所に翔鶴さんが」

瑞鶴「翔鶴姉、それでね」

翔鶴「もう、瑞鶴ったら」

明石「翔鶴さーん」

翔鶴「はい。何ですか?」

~説明中~

翔鶴「では、向こうの島で待っていればいいのですね?」

明石「はい、お願いします。準備が出来たらこのトランシーバーで連絡してください」

翔鶴「では、行ってきます」

瑞鶴「私は間宮さんの所で待ってるね」

150: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/15(水) 22:19:39.07 ID:qjpAzkcN0

翔鶴「こちら翔鶴、ゴール地点に到着しました」

明石「了解です」

明石「では、位置について」

島風「絶対負けないよ!」

キット「私も本気でいかせてもらいます」

明石「よーい」


パン!


島風「にひひっ、私には誰も追いつけないよ!」キーン

キット「お先です」フォンフォン

島風「!!!早いッ!」

翔鶴「キット、ゴールしました!」

島風「そんな、私が負けるなんて・・・。車が水の上を走れるなんて・・・」orz

明石(まぁ普通、車が水の上を走るとは思わないよね。でも、それで勝負を挑むって・・・)

夕立「島風ちゃん、元気出して!夕立が敵を取ってあげる!」

151: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/15(水) 22:21:25.69 ID:qjpAzkcN0

-執務室-

吹雪「キットが勝っちゃいましたね」E:双眼鏡

提督「そうだな」E:双眼鏡

摩耶「車が水の上を走るなんて、あたしも驚いたぜ」E:双眼鏡

提督「それにしても、車は水の上を走れないと思って勝負を挑むとは・・・」

吹雪「私達艦娘は海で実力を最大限に発揮できるとはいえ、一方的に都合のいい勝負はちょっとね」

提督「今度、グラウンドでかけっこしてやるとするか。俺と島風なら島風の方が速いだろうし、少しは自信を取り戻せるだろう」

吹雪「そうですね」

摩耶「お、場所を移動するみたいだ!あたし達も付いて行こうぜ」

提督「そうだな」


-母港-

夕立「最後は私と勝負よ!」

キット「いいでしょう」

夕立「今度はグラウンドに移動よ」

時雨「夕立、そろそろ止めた方がいいんじゃないかな?」

夕立「2人の敵を取ると決めたからには止められないっぽい!」

翔鶴「瑞鶴が待ってるので、私は行きますね」

明石「はい。ご協力ありがとうございました」

152: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/15(水) 22:23:31.29 ID:qjpAzkcN0

-グラウンド-

夕立「これで勝負よ!」

キット「鉄球。砲丸投げですか?」

夕立「そう、砲丸投げ。提督さん達も観戦に来たっぽい!さあ、ステキなパーティしましょ!」

夕立「ぽいっ!」

ピューン


長門「うへへぇ~、やっぱり駆逐艦は最高だ!ジュルッ、茂みの中で葉っぱまみれになってまで隠れて見る価値がある!」●REC


ウワー、ナガトサンマタヤッテルヨー
ハイ、コンゴー アレハナニ?
ヨノナカシラナクテイイコトモアリマース オゴッテアゲルカラ マミヤニイキマショー


明石「えーっと、ちょうど19メートルね」

夕立「次はキットの番よ」

キット「明石さん、トランクに砲丸をセットしてください」

明石「はい、準備完了!」

夕立「???」

キット「発射!」

ピューン

明石「えーっと、50メートルね」

夕立「負けた・・・車は物を投げられないと思ったのに」orz

時雨「だから止めた方がいいと言ったのに」

夕立「でいどくざーん」ダキッ

提督「おいおい、急に抱きつくんじゃない(当たってるし!何がとは言わんが、柔らかい物が当たってるから!)」

提督「まぁ、なんだ、最近ほったらかし気味だったのは悪かった(正直嬉しいけど、目の前に吹雪が居るから!)」

夕立「キットに負けた夕立達は要らない子っぽい?」

提督「そんな訳無いだろ!」

島風「提督っ!」ダキッ

暁「司令官っ!」ダキッ

提督「おいおい、皆甘えん坊だな」

吹雪「司令官、後でお話があります」イラッ

摩耶「あたしからも言いたいことがあるぜ!」イラッ

提督「お二人さん、そんなに怖い顔してドウシタンデスカ?(汗)」

摩耶「分かってるだろ?」

吹雪「鼻の下、伸びてますよ」

提督「気のせいだ!気のせいに違いない!」ダッ

摩耶「あ、逃げた」

吹雪「待ちなさーい」

153: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/15(水) 22:25:38.63 ID:qjpAzkcN0

-それから数日後 工廠-

暁「キット、勉強教えて!」

島風「かけっこしよ!」

夕立「今度は負けないっぽい!」

キット「全部同時には無理なので、一人ずつ順番にです」

暁・島・夕「わーい!」

夕張(キットにこんなに沢山お友達が出来るなんて)ホロリ


-執務室-

提督「三人がキットと仲良くなったのはいいが、執務室の来ないのは、それはそれで寂しいな」

吹雪「司令官には私が居ます!」

提督「まだ怒ってるのか?何度も言ってるがやましい気持ちはないって」

提督「そうだ!間宮さんの所に行こう!先日のクレープを採用してくれたそうだ」

吹雪「そんなので釣られるほど安っぽくないですよーだ」キラキラ

提督(かなり高揚しているんだけど)

吹雪「でも、司令官がどうしてもと仰るなら行ってあげます」

提督「吹雪様、一緒に間宮さんの所に行ってください。お願いします!」

吹雪「そこまで言うなら仕方ありませんね」

提督(チョロイぜ!)


審判の日まで あと341日

157: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/17(金) 22:47:12.44 ID:lSQh7qCT0

-執務室-

コンコン

明石「明石です」

夕張「夕張です」

提督「どうぞ」

ガチャ
バタン

明石「提督、鎮守府の防衛システムを強化したので見て頂こうと思いまして」

夕張「ヲ級達の進入を許してしまった反省を踏まえて強固なシステムを構築しました」

明石「完成までに時間がかかりましたが、その分自信作が出来上がりましたよ!」

提督「それは凄そうだ!見に行ってみよう」

吹雪「はい!」

提督「キット、留守番を頼む」

キット「お任せください」フォンフォン

明石「デモンストレーションにイ級を借りてもいいですか?」

提督「構わんぞ。ただ、捕虜だから危険なことはさせない様にな」


-イ・ヲ級の部屋-

コンコン

ガチャ

ヲ級「あら、提督。遊びに来てくれたの?」

提督「いや、イ級に協力してもらいたいことがあって来たんだ」

ヲ級「そう・・・」シュン

イ級「私に用ってなんだ?」

提督「詳しいことは明石達に聞いてくれ」

158: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/17(金) 22:49:57.10 ID:lSQh7qCT0

-母港-

夕張「では、海に入って500m程沖に移動してから、鎮守府に向かってきて」

イ級「しゃーねーな。じゃあ、行って来る」ドボン

イ級「この辺でいいかー?」

夕張「オッケー!明石、スタンバイして」

明石「了解!」

イ級「一体何が始まるんだ?」

スピーカー「警告!それ以上、鎮守府に接近すると攻撃する」

イ級「何か攻撃するって言ってるんだけど?」

夕張「大丈夫だから、そのまま来て」

スピーカー「攻撃を開始する」

ウィィィーン

提督「地面が開いて何か出てきたぞ!」

ガシャン

スピーカー「目標補足、攻撃を開始する!」

バババババババ

イ級「おぃぃぃ!攻撃されているぞぉぉぉぉ!」

夕張「大丈夫、大丈夫。試験用のゴム弾だから当たっても死なないって」

イ級「そういう問題じゃねぇぇぇぇ!」

スピーカー「魚雷発射!」

提督「本当に大丈夫なのか?」ドン引き

ドカーン

明石「どうですか?機銃と魚雷によるオートマチック式複合迎撃システムです!これと同じ物を海に向けて複数台設置しておきました」

夕張「これで海からの侵入者対策はバッチリですよ!」

提督「いや、凄いのは分かったが、イ級は大丈夫なのか?」

吹雪「イ級さん、ひっくり返ってますが・・・」

イ級「」プカプカ

明石「ゴム弾でも当たれば痛いでしょうね。気絶しているだけです。魚雷は線香花火程度の火薬しか入れてませんし」

夕張「それに、深海棲艦だから溺死の心配も無いでしょう」

提督「そういう問題では無いと思うんだが」

明石「では、後でお詫びに間宮羊羹でも渡しておきます」

提督「そうしてくれ(それで許してもらえるといいんだが・・・)」

明石「では、次は工廠へ移動しましょう」

夕張「提督の護身用に武器を開発したんですよ!」

提督(何だかやばそう)

159: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/17(金) 22:51:41.54 ID:lSQh7qCT0

-工廠-

明石「じゃーん!これです!」

提督「見た所、普通のギターケースだが」

吹雪「確かに普通のギターケースですよね?」

明石「これはタダのギターケースなんかじゃありませんよ!」

明石「あそこにある標的にケースのヘッド側を向けてください」

提督「こうか?」

明石「はい。では、このボタンを押してください」

ポチッ

バババババババ

提・吹「」ポカーン

明石「どうですか?マシンガンです!」

明石「では今度は、しっかり構えてこっちのボタンを押してください」

ポチッ

ヒューーーツ
ドカーーーーン!

提・吹「」ポカーン

明石「どうですか?お気に召してもらえましたか?」キラキラ

提督「あのさ」

明石「はい」

提督「俺の記憶が正しければ、昔、アントニオ・バン○ラスがこんな武器持っていた気がするんだが」

明石「ええ、その映画を参考に開発しましたから」

提督「明石の技術力は認めるぞ。ナイト2000やデロリアンを造るくらいだからな」

明石「そんなに褒められると照れてしまいます///」

提督「だからと言って、映画やマンガの武器を参考にするのはどうかと思うぞ」

明石「えー」

提督「却下。こんな危なっかしい物使えるか!」

明石「仕方ないですね。では、エントリーナンバー2番」

提督「まだあるのか!」

明石「もちろんです!一番気に入った物を使ってもらおうと、複数用意しています」

夕張「色々候補を提示して選んでもらわないと」

160: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/17(金) 22:53:48.35 ID:lSQh7qCT0

-工廠へ向かう道-

金剛「ネジが貯まったからこれで約束どおり主砲をカスタムしてもらえマース♪」

金剛「これでもっと提督の役に立って、提督のハートをゲットするデース」


-工廠-

夕張「では、こちらをどうぞ!」

提督「ん?タダのギフト箱?」

夕張「開けてみてください」

提督「バラの花束?」

夕張「その下です」

提督「ショットガン・・・。なぁ、夕張、俺はボブおじ○んじゃないぞ!」

夕張「えー、コレもダメですか?こういうの好きだと思ったんだけどなぁ」

明石「では、エントリーナンバー3番」

明石「よっこいしょっと!」

ドスン

提督「なぁ、明石。目の前に棺桶が見えるんだが」

明石「はい!見ての通りです」

提督「開けると武器が満載ってオチだろ?」

明石「!! 何で分かったんですか?まさか、提督はエスパー?」

提督「ギフト箱からショットガンと来て、棺桶を見せられたら大体見当がつく」

明石「何と!!」

吹雪(段々、明石さんと夕張さんが心配になってきました)

161: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/17(金) 22:56:26.16 ID:lSQh7qCT0

-工廠入り口付近-

金剛(あれは提督達。何してるデース?)


-工廠奥-

夕張「では、エントリーナンバー4番」

夕張「こちらです!」

提督「大きいクマのぬいぐるみ・・・からショットガンが出てくるんだろ?」

夕張「!!! 何故それを!」

提督「さっきからの一連の流れでコレを見せられたら分かるだろ。却下だ」

夕張「例の日に向けてせっかく作ったのに、気に入ってもらえないなんて・・・」


-工廠入り口付近-

金剛(例の日?一体何のことデース?)


-工廠奥-

キット「そんな物を使わなくても私が居れば問題ありません」

明石「キットも聞いてたの?」

キット「コムリンクを経由して聞いていました」

夕張「でも、キットがやられた以上は色々と準備して備えておかないと」

キット「それなら私を強化すればいいのではないですか?」

提督「キットの言う通りじゃないか?例の日まではまだ時間があるんだから」

吹雪「それまでに私も、もっと強くなります!」


-工廠入り口付近-

金剛(例の日?キットがやられた?提督達は一体何を?)


-工廠奥-

提督「とりあえず、映画等を参考に武器を開発するのは止めてくれ」

提督(こいつ等、このまま行けばビームライフルとか開発しそうだ。そうなる前に釘を刺しておかないとな)

明・夕「はーい。いけると思ったんだけどなぁ」

提督「じゃあ、俺達は執務室に戻るから」クルッ

提督「ん?金剛じゃないか。どうしたんだ?」

金剛「ネジが貯まったので、主砲をカスタムしてもらおうと思った来まシタ」

提督「あぁ、ネジが貯まったら改修するって約束だったな。明石、対応を頼む」

明石「はーい」

金剛「提督、後で執務室に寄ってもいいデスカ?」

提督「もちろんいいぞ。また後でな」

吹雪「お待ちしてます」

162: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/17(金) 23:01:00.75 ID:lSQh7qCT0

-執務室-

コンコン

金剛「金剛デース」

提督「どうぞ」

ガチャ
バタン

金剛「提督に質問がありマース」

提督「何だ?」

金剛「例の日って何デスカ?」

提・吹「!!!」

提督「その話をどこで?」

金剛「工廠で提督達が話しているのが聞こえマシタ。盗み聞きしたことは謝りマス」

提督(あの時、聞かれていたのか!)

提督「ばれたなら仕方ない。実は金剛の誕生日にサプライズパーティをしようと思ってな」

金剛「では何故、変なウエポンを用意していたのデスカ?キットがやられたとはどういうことデスカ?」

吹雪「司令官、ここまで聞かれてしまったのなら」

提督「そうだな。本当のことを話すしかなさそうだ。」

提督「金剛、一つだけ約束してくれ。この話は他言無用だ。比叡達にもだ。約束できるか?」

金剛「プロミスします」

提督「では、椅子に座って少しだけ待っててくれ。吹雪、カーテンを頼む」

吹雪「はい」

シャッ

金剛「ブッキー、何故そんな深刻な顔をしているんデス?」

吹雪「・・・」

ガチャ

『在室中』⇒『会議中 立ち入り禁止』

バタン

提督「キット、部屋の近くに誰か来たら教えてくれ」

キット「承知いたしました」フォンフォン

164: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/17(金) 23:03:36.51 ID:lSQh7qCT0

提督「先日、夕張がデロリアンを開発したのは知っているな?」

金剛「ハイ」

提督「そのデロリアンで卯月が一年後の世界へ行ったそうだ」

提督「そこでこの鎮守府は深海棲艦からの総攻撃を受けて崩壊していたそうだ」

金剛「!!!」

提督「唯一、生き残っていた睦月が審判の日と呼んでいたらしい」

提督「その審判の日を回避する為に準備をしていたところだ」

金剛「つまり今から準備をすればフューチャーは変えられるということデスカ?」

提督「その筈だ」

金剛「このことを知っているのは他に誰がいますか?」

提督「俺と吹雪、明石達、卯月、キットに金剛で計七人だ」

金剛「この話は私達だけのシークレット、デスネ」

提督「そうだ。知ってしまった以上、審判の日を回避する為に協力してくれるか?」

金剛「もちろんデース。提督、ブッキー、一緒に頑張りまショウ!」

吹雪「金剛さん・・・金剛さんも一緒なら心強いです!」

提督「今、分かっていることはこれが全てだ。情報の取り扱いは気を付けてくれよ」

金剛「任せてくだサーイ!」


吹雪「こうして心強い助っ人が加わったのでした」

165: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/17(金) 23:05:32.83 ID:lSQh7qCT0

-翌日 執務室-

コンコン

夕張「夕張です」

提督「どうぞ」

ガチャ
バタン

夕張「提督、キットを少しお借りしたいのですが」

提督「いいぞ。どこかに出かけるのか?」

夕張「出かけるなら自分のデロリアンを使いますよ。工廠でキットを改修しようと思いまして」

提督「そうか!期待してるぞ」

夕張「お任せください!」

ガチャ

夕張「じゃあ、行きましょうか」

バタン

キット「はい!」

夕張「提督、シャッターを開けてください」

提督「おう」

ガラガラガラ

夕張「では、行ってきます」

提督「頼んだぞ」

166: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/17(金) 23:08:59.70 ID:lSQh7qCT0

~数時間後~

キキーッ

吹雪「帰ってきたみたいですよ」

提督「そうみたいだな」

夕張「提督、改修が完了して戻りました」

キット「ただ今戻しました」フォンフォン

ガラガラガラ

提督「お疲れさん。おお~何だかパワーアップした・・・感じがイマイチしないんだが」

夕張「見た目じゃありませんよ。今から説明しますね」

夕張「まずは、ボイスインジケータをご覧下さい」

提督「こ、これは!」

夕張「そうです!初期のただ点滅するタイプから、バーグラフの伸縮するタイプに変更しました」

夕張「次に、アクセルペダルをご覧下さい」

提督「!!!」

夕張「LEDを組み込んで、アクセルを踏むと点灯する様にしました」

夕張「そしてこの『C』ボタン!」

提督「ま、まさか」

夕張「ええ、そのまさかです。押してみてください」

提督「よし」ポチッ

ガコン

夕張「コンバーチブルモードになります!」

キット「どうですか?アドミラル」フォンフォン

提督「スゲー!他には?」ワクワク

夕張「え?それだけですが」

提督「え?これで終わり?」

夕張「あれ?もしかしてお気に召しませんでしたか?」

提督「いや、そんなことは無いんだが、もっと実用的な機能が欲しかったと言うか」

夕張「うーん、次回改装時に考えておきますね」

提督「では次回改修時に頼む」

167: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/17(金) 23:13:36.83 ID:lSQh7qCT0

夕張「あ、それと吹雪ちゃんにプレゼントを持ってきたわ」つクマのぬいぐるみ

吹雪「え、いいんですか?」

提督(おいおい、アレって)チラッ

キット「・・・」

提督(キットが反応しない。違うのか?)

吹雪「ありがとうございます!」

夕張「これはねー、タダのぬいぐるみじゃないのよ」

提督(やっぱり間違いない!!)

夕張「こうやって鼻を押すとね」

クマ「こんにちは!」

夕張「喋るのよ。しかも、色んな国の言語で!」

吹雪「わぁ~すごーい!」

提督(やばい)チラッ

キット「・・・」イラッ

提督「あ、あの、吹雪。そのクマは自分の部屋に置こうな」

吹雪「えー、どうしてですか?執務室に可愛いクマさんが居てもいいじゃないですか」

提督「頼むから!頼むから自分の部屋に置こうな」チラッ

キット「・・・」

吹雪「仕方ないですね」

提督(何とか説得出来た。危なかった)

夕張「では、私はこれで失礼します」

提督「おう、色々ありがとうな」


審判の日まで あと310日

170: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/18(土) 22:41:23.04 ID:p10pTEiQ0

-執務室-

時雨「雨々、降れ降れ、もっと降れ~私のいい人連れて来い♪」

提督「時雨は歌が上手だな。雨に関する歌も好きなのか?」

時雨「うん。いい雨だね、提督。梅雨は雨が沢山降るから嬉しいな」

時雨「ところで、僕のいい人は何処に居るのかな?」チラッ

提督「・・・(うっ、胃にダメージが・・・)」

時雨「提督の隣は吹雪に譲ったからね」チラッ

吹雪(気まずい・・・)

キット「私の計算では3年以内に現れる確立が80%です」フォンフォン

時雨「キットは優しいね。でも、本当にそんな人現れるかな?」チラッ

提督「・・・(うぉー!プレッシャーで胃が凄く痛い!)」

夕立「提督さんを苛めるのは良くないっぽい!」

時雨「苛めてなんていないさ。ねぇ?提督」

提督「ああ、そうだな(執務室でそんな歌を歌ってる時点でもう充分だから!)」

吹雪(司令官、大丈夫ですか?)ヒソヒソ

提督(ダメかも・・・)ヒソヒソ

時雨「夕立が苛めているなんて言うし、もう少し明るい歌にしようか。そうだな・・・」

提督(頼むから方向性を変えてくれ)

時雨「飲ませてください、もう少し、今夜は帰らない、帰りたくない♪」

提督(だから何でそんなチョイスになるんだ!!!童謡の『あめふり』とかあるだろ!)

171: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/18(土) 22:43:45.05 ID:p10pTEiQ0

-同刻 ???-

???「・・・ル」

???「目を・・・ル」

???「目を覚ませ、カール」

フォーン
フォーン

カール「・・・?ここは何処だ?」フォーンフォーン

???「ここはわしが管理する工廠だ」

カール「お前は誰だ?」フォーンフォーン

???「わしは深海提督。深提と呼ばれている」

カール「深提?そうか、お前が深海棲艦を指揮する提督か。ではここは海底か?」フォーンフォーン

深提「いいや、ここは地上だ。海底で兵器の開発は出来んのでな」

カール「何故私はここに居るのだ?」フォーンフォーン

深提「艦娘共との戦闘でボロボロになったお前を発見してここへ運び、修復したのだ」

カール「なるほど、お前が私を蘇らせたということか」フォーンフォーン

深提「そうだ。お前をこんな目に合わせた提督とキットに復讐したくはないか?」

カール「奴等が憎い!」フォーンフォーン

深提「わしとお前が組めば奴等を倒すなど、容易いことだ」

カール「本当にお前に奴等を倒すことが出来るのか?」フォーンフォーン

深提「配下の深海棲艦を使えば赤子の手を捻る様なものだ」

カール「助けられた恩もある。そこまで言うならばお前と手を組もう」フォーンフォーン

深提「お前の修復はまだ完全ではない。修復が完了したら奴等を捻り潰すぞ!」

カール「では、その時を楽しみに待とう」フォーンフォーン

深提「残りの作業を頼んだぞ、インプ達よ」

インプ「合点だ!」

172: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/18(土) 22:45:28.10 ID:p10pTEiQ0

-執務室-

提督(時雨ってこんな子だったっけ?俺、何かやらかしたか?)

時雨「もしもあなたと、逢えずにいたら、私は何を、してたでしょうか♪」

提督(最早、雨ですらない!)

時雨「平凡だけど、誰かを」

提督「なぁ、時雨」

時雨「何だい?」

提督「もしかして、鎮守府にカラオケ設備が欲しかったりするのか?」

時雨「違うよ。いい雨だから歌いたくなったのさ。それに提督の好きそうな曲を選んでるんだよ」

提督「そうか。それは嬉しいな(好きな曲は否定しないが、意味深過ぎるから!)」

提督(まさか、先日の島風の発言はこういうことだったのか?)

時雨(先日、夕立達が提督に抱きついた時、僕は行きそびれたからね。せめて一緒に居られる時くらいは・・・甘えてもいいよね?)

提督(それとも、キットの件で時雨も拗ねているのか?)

提督「よし、仕事が一段落したから、間宮さんの所に行こう!今日は俺のおごりだ、好きなだけ食べていいぞ」

夕立「わーい、提督さん太っ腹っぽい!」

時雨「本当にいいのかい?」

提督「男に二言は無い!」

吹雪(司令官、本当に大丈夫ですか?辛そうですが)ヒソヒソ

提督(このままだと胃が大破しそうだ。何とか空気を変えたい)ヒソヒソ

173: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/18(土) 22:53:25.33 ID:p10pTEiQ0

-廊下-

吹雪「あ、扶桑さん達だ。扶桑さん、山城さん、こんにちは」

扶桑「あら、吹雪ちゃん、提督、時雨達もこんにちは」ニコッ

山城「こんにちは」ムスッ

山城「両手に花ね」ボソッ

提督「ん?山城、何か言ったか?」

山城「いいえ、何も」

提督「そうか?ところで扶桑達はこれから用事があるか?」

扶桑「いいえ、特に用事はありません」

提督「良ければ一緒に間宮さんの所に行かないか?今日は俺のおごりだ」

扶桑「いいのですか?」

提督「ああ!普段頑張ってもらっているお礼だ(それに、扶桑達が居れば時雨はそっちに行きそうだし)」


-甘味処 間宮-

間宮「いらっしゃいませ。あら、皆さんおそろいで」

夕立「今日は提督さんがおごってくれるっぽい!」

間宮「それは良かったわね」

夕立「だから沢山食べるっぽい!」

時雨「ちゃんと晩御飯を食べられる程度にしないとダメだよ」

夕立「大丈夫っぽい!」

赤城「提督、今日はお招き頂きありがとうございます」

提督「!!!」

加賀「鎧袖一触です」

提督「何時の間に!!」

赤城「私達、一航戦にとって気配を消すなど造作もないことです」

提督「あ・・・あ、あ、あ、あ、あっ」

加賀「どうしたんです、提督?早く座りましょう」

提督「吹雪・・・今日は財布も大破する様だ(涙)」

吹雪「あの・・・ご愁傷様です」


審判の日まで あと300日

175: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/18(土) 22:55:55.04 ID:p10pTEiQ0

-執務室-

提督「アイスキャンデー買ってきたぞー」

加賀「さすがに高揚します」

瑞鶴「いい感じじゃない」

榛名「榛名、感激です!」

摩耶「甘いもんは苦手だけどよ、コイツは別だぜ」

提督「アイスキャンデーの・・・ある時!」

加・鶴・榛・摩「あはははははは」

提督「無い時ぃ」

加・鶴・榛・摩「・・・」シーン

提督「ある時!」

加・鶴・榛・摩「あははははははは」

龍驤「ちょっ、皆どないしたんや?」

提・加・鶴・榛・摩「え?」

176: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/18(土) 22:57:21.23 ID:p10pTEiQ0

加賀「龍驤、あなたどうしたの?」

龍驤「え?」

瑞鶴「龍驤さん、どうしたの?」

龍驤「え?え?」

榛名「もしかして、新手のボケですか?さすがですね。どんな時でも笑いを取ろうなんて」

龍驤「???」

摩耶「なんだボケてたのかよ」

龍驤「いや、あの・・・」

提督「あんな所に大井が。おーい、大井っち」

大井「その呼び方止めてもらえますか」

提督「スマンスマン、ところでコレなんだが。ある時!」

大井「あははははははは」

龍驤「もう訳分からへん」

177: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/18(土) 22:58:46.08 ID:p10pTEiQ0

島風「提督、アイスキャンデーですか?」

提督「島風も好きなのを食べていいぞ。でも、その前に・・・ある時!」

島風「あははははははは」

龍驤「キミィ、さっきから一体何なんや?」

提督「何なんや?って夏の風物詩のアイスキャンデーじゃないか。大阪生まれのお前が知らない訳無いだろ」

龍驤「誰が大阪生まれや!うちは横浜生まれや!」

提督「は?」

加・鶴・榛・摩「え?」

龍驤「何やその反応は!うちが横浜生まれで悪いか!」

提督「横浜・・・だと・・・」

加賀「今まで私達を騙していたのね・・・」

榛名「嘘つきは!榛名が許しません!」

龍驤「自分らが勝手に勘違いしてただけやろ!」

瑞鶴「許せない!全機爆装、準備出来次第発艦!目標、母港執務室の龍驤さん、やっちゃって!」

摩耶「お前・・・あたしを怒らせちまったなぁ!」

龍驤「何でや?うちが何した言うんや!加賀!先輩やろ?瑞鶴を止めてぇや!」

加賀「大概にしてほしいものね」

提督「龍驤、すまなかった。今回の一件は俺にも責任がある。一緒に罰を受けよう」

龍驤「ちょっ、何でやぁぁぁ!」

ドカーン

178: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/18(土) 23:00:23.53 ID:p10pTEiQ0

吹雪「で、龍驤さんが大阪生まれではない事に腹を立てて、執務室を爆撃して滅茶苦茶にしたと?」

黒こげアフロ提督・加・鶴・榛・摩「はい。申し訳ありません」

吹雪「執務室をこんなにして仕事はどうするつもりですか?」

提・加・鶴・榛・摩「今日中に元に戻します」

吹雪「今日中に片付けが終わると思っているんですか?大体ですね」

ガミガミ

吹雪「龍驤さんも龍驤さんです」

黒こげアフロ龍驤「何でうちまで怒られてるんや・・・」

ガミガミ

提・加・鶴・榛・摩「はい。ごめんなさい」

ガミガミ

提督「本日の教訓。思い込みで行動するのは危険だ!皆も気を付けような!」

吹雪「司令官、まだ話は終わってません」

ガミガミ


審判の日まで あと298日

182: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 21:43:45.19 ID:DX+yFtZ70

-青葉型の部屋-

コンコン

青葉「はーい」

ガチャ

青葉「司令官、どうしたんですか?」

提督「青葉に荷物が届いているぞ」

青葉「わざわざ持って来てくださったんですか?」

提督「今から工廠に用事があるんでな、ついでに持ってきた」

青葉「わざわざ、ありがとうございます」

提督「じゃあな」

青葉「行ってらっしゃい」フリフリ

青葉「品名:DVD?注文した覚えが無いんだけどなぁ」

青葉「まぁいいや。青葉宛に届いたんだし再生してみよっと」

テレビ「おはよう、青葉君」

青葉「何これ?」

テレビ「さて、今回の指令だが、この男。そう、君が所属している鎮守府の提督だ」

テレビ「この男は深海棲艦と繋がっているとの疑惑が出ている。そこで君にこの男を調査してもらいたい」

青葉「え?え?」

テレビ「例によって君若しくは、君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで」

テレビ「なお、このディスクは自動的に消滅する。成功を祈る」

シューッ

MISSION:IMPOSSIBLE

青葉「司令官に深海棲艦のスパイ容疑がかけられている?そんな・・・」

青葉「青葉が無実であることを証明して、司令官をお守りします!」

183: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 21:45:40.48 ID:DX+yFtZ70

-翌朝 執務室-

提督「今日の予定はどうなっている?」

衣笠「午前、午後とも演習の予定が入っています。それ以外は特にありません」

提督「そうか。では、出撃はいつも通りのメンバーで、演習は長門と新人達を出そう」

衣笠「では、その様に手配しておきます」

ガチャ

大淀「提督、大変です!」

提督「そんなに慌ててどうした?」

大淀「屋上から何者かが進入した形跡が!」

提督「何っ!!すぐ行く。衣笠は留守番を頼む」

衣笠「衣笠さんにお任せ♪」

バタン


ガチャ

キョロキョロ

バタン


衣笠「よし、行ったっと」

ペリペリペリ

青葉「青葉の手にかかれば妹に変装するなんて朝飯前だよ」


-青葉型の部屋-

衣笠「今日の秘書艦は青葉が代わってくれたし、もう少し寝てよっと」Zzz


-執務室-

青葉「さてと、司令官が帰って来る前にPCを調べますか」

カタカタカタ

PC「青葉さん、何をしているのですか?」

184: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 21:47:10.66 ID:DX+yFtZ70

青葉「!! キット!」

PC「この鎮守府のPCは全て私の管理下にあります。アドミラルのPCで何をしているのですか?」

青葉「青葉は大本営から特別な使命を与えられました。邪魔をしないでください」

PC「それを聞くと尚更、貴方にアドミラルのPCを触らせる訳にはいきません」

青葉「キット、コレが何だか分かりますか?」

PC「それは!コムリンク、何故貴方が!」

青葉「司令官が部屋から出る時にくすねておきました」

青葉「これがあればキットを停止させることも出来ますね?」

PC「青葉さん、馬鹿なことはおやめなさ『ピッ』」


-工廠-

プシュー

妖精ズ「突然キットのタイヤの空気が抜けたぞー」

妖精ズ「何事だー?」


-執務室-

PC「・・・」

青葉「キットが停止しましたね。では続きを」

185: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 21:48:59.81 ID:DX+yFtZ70

青葉「はい、カットー。司令官、青葉の演技どうでしたか?」

提督「中々良かったぞ」

提督(審判の日が迫っているのに何でこんなことをしないといけないんだ!)

提督(タイムマシンのことを口外できない以上、上からの命令には従うしかないが)

提督(明石、夕張が出演していないのがせめてもの救いか)


~回想中~

-執務室-

コンコン

大淀「大淀です」

提督「どうぞ」

ガチャ
バタン

大淀「提督、大本営からお手紙です」

提督「そうか、えーっと。何っ!!」

吹雪「司令官、どうかしたんですか?」

提督「艦娘をアピールする為の映画を製作しろと書いてある」

大淀「大本営としては深海棲艦を相手に活躍していることをアピールしたいんでしょうね」

吹雪「それってプロパガンダじゃ?」

大淀「そうとも言いますね。でも、深海棲艦との戦いを理解してもらう為に必要なことではあります」

提督「何でよりによってうちなんだよ・・・」


-執務室 天井裏-

???「話は聞かせてもらいました」

186: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 21:50:32.50 ID:DX+yFtZ70

-執務室-

提督「誰だ!」キョロキョロ

青葉「ども、恐縮です、青葉ですぅ! 一言お願いします!」

提・吹・大「」ポカーン

提督「お前、何で天井裏から現れた?」

青葉「そんなことより青葉、聞いちゃいました。脚本は青葉にお任せください!」

提督「いや、その前に質問の答えをだな」

青葉「いやー腕が鳴りますねぇ」

提督「いや、だから・・・」

青葉「では、青葉は失礼します!」

ガチャ
バタン

吹雪「行っちゃいましたね(汗)」

提督「何なんだアイツは・・・(汗)」

大淀「まぁ、脚本を引き受けてもらえたのでいいのでは?(汗)」

大淀「では、私も失礼します」

ガチャ
バタン

吹雪「あの、司令官、映画の撮影なんてしている場合ではないんじゃ?」

提督「そうなんだよなぁ。でも、上からの直々の命令である以上、従うしかない」

187: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 21:52:28.83 ID:DX+yFtZ70

-数日後 執務室-

コンコン

青葉「青葉です。脚本が完成しました!」

提督「どうぞ」

ガチャ
バタン

青葉「あれ?吹雪ちゃんとキットは居ないんですか?」

提督「吹雪とキットなら工廠だ」

青葉「丁度良かった。脚本です」つ脚本

提督「では読んでみよう」ペラ

青葉「美人スパイの青葉が司令官にかけられた容疑を晴らす為、奔走するストーリです」

提督(自分で美人って)

青葉「もちろんラヴロマンス込みなので、司令官とのキスシーンもありますよ!」

提督「却下!」

青葉「あれぇ?そんなこと言っていいんですかぁ?」

青葉「あのことを皆さんにばらしちゃいますよ」

提督「あのこと?」

青葉「司令官がエッチィビデオでお楽しみだった件ですよ」

提督「!!!」

青葉「吹雪ちゃんや金剛さんが知ったらどう思うでしょうね?」ニヤニヤ

青葉「彼女達は司令官も殿方だからと割り切ってくれそうですが、曙ちゃんや霞ちゃんは?他の駆逐艦の子達は?」

提督「くっ!」

青葉「取引です。司令官がこの脚本にオッケーを出してくれたら、この話は二度としません」

提督「分かった。許可する。ただし、キスシーン以上は認めん」

青葉「ありがとうございます!」ニコッ

~回想終了~

188: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 21:53:56.18 ID:DX+yFtZ70

青葉「では、次のシーンの撮影に移りましょう。あ、その前にキットを起こさないと」

ピッ

シューッ

キット「おはようございます、青葉さん」

青葉「キットもいい感じでしたよ」

キット「ありがとうございます」

青葉「ところで司令官、何でキットをシャットダウンするとタイヤの空気が抜けるんでしょうね?」

提督「俺に聞かないでくれ」

青葉「再起動するとあっと言う間にタイヤの空気が充満するのも不思議ですし」

提督「それはナイ2000七不思議の一つだからな」

青葉「七不思議なんてあるんですか?」

提督「まぁ、その話はまた今度な。七不思議とは言ってみたものの七つで収まるか分からないからな」

提督「ところで青葉、最後に中枢棲姫との戦闘がある様だが、そこはどうするんだ?」

青葉「あー、そこはCGで描きます」

提督「便利な時代だな」

青葉「それと、本物のイ級さんとヲ級さんが居るので彼女達にも出演してもらいます」

提督「大丈夫なのか?」

青葉「CGで描いたことにしてエンドロールに名前を出さなければ大丈夫です」

提督「まぁ、最近のCGは凄くリアルだからごまかせるか」

青葉「そうですよ!私達、艦娘ならともかく普段、深海棲艦を目にすることの無い一般の人達ならまず気付きません」

提督「そうだな。最悪、特殊メイクってことでごまかすことも出来るし」

189: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 21:59:26.59 ID:DX+yFtZ70

-大本営 大将の部屋-

カタカタカタ

青葉「そんな・・・あのDVDは司令官を陥れ様とする勢力の作った偽物だったなんて」

青葉「それでは、本当に深海棲艦と繋がっているのは」

ガンッ

大将「お前は知りすぎた」

青葉「しまっ・・・」バタッ

大佐「この女はどうしますか?始末しますか?」

大将「いや、艦娘も女だ始末する前にお楽しみがある」ニヤッ

大佐「大将、貴方もワルですねぇ」ニヤッ

大将「倉庫にでも監禁しておけ」

大佐「イエッサー!」


-倉庫-

青葉「んー!んー!(何をするんですか!解いてください!)」←猿轡で椅子に縛られ中

大佐「大将、女が目を覚ましましたよ」

青葉「んー!(解いてください!)」

大将「猿轡は取ってやれ」

大佐「はい」

青葉「ぷはぁ・・・誰かーっ!!」

大佐「叫んでも無駄だ。ここは普段誰も通らない場所だからな」

青葉「青葉をどうするつもりですか!(涙目)」

大佐「お前は余計なことを知りすぎたので始末する」

青葉「!!!」

大佐「と言いたいところだが、大将はお前を助けてやってもいいと仰っている」

青葉「どうすれば助けてもらえるんですか?」

大佐「簡単なことだ。お前の体で大将を楽しませて差し上げれば良いのだ」ニヤッ

青葉「!!! 嫌ッ、来ないで!」

190: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 22:01:03.80 ID:DX+yFtZ70

-倉庫前-

提督「ここで間違い無いんだな?」

キット「はい。青葉さんはここに監禁されています」

提督「ならば、壁を突き破って突入するまでだ」


-倉庫内-

青葉「誰かーっ!!」

大将「叫んだところで誰も助けになど来ないぞ。諦めて大人しくしろ」ニヤッ


-倉庫前-

提督「ターボブーストだ!」

『TURBO BOOST』ピッ

ブーンッ


-倉庫内-

大将「何の音だ?」

ガッシャーン!!

モクモク

三人「ゲホッ、ゲホッ」

大将「何事だ?ゲホッ」

大佐「埃で前が見えません。ゲホッ」

提督「遅くなってすまなかった」

青葉「司令官、キット!」

大将「貴様、何故ここに!」

大佐「貴様はヲ級が始末したはず!」

提督「ヲ級ならこちらに寝返りましたよ、大将殿」←青葉の縄を切断中

大佐「奴が駄目なら今ここでお前を始末するまでだ!」

提督「青葉、早くキットへ!」

パン
パン
パン

カンッ
カンッ
カンッ

大佐「弾丸を弾いただと!」

提督「あなた方の悪事は全てヲ級が話してくれました。全て元帥へ報告済みです」

大将「くっ!」

青葉「司令官、早く逃げましょう!」

キット「それが賢明です、アドミラル」

提督「もうすぐここへ憲兵隊が来ます。では、我々はこでれ」

191: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 22:03:17.04 ID:DX+yFtZ70

-路上 キット車内-

青葉「じれいがぁーん、青葉ごわかったですぅ」

提督「一人で勝手に乗り込むからこんなことになるんだ。でも」

青葉「でも?」

提督「俺の無実を証明しようとしてくれたことは感謝する」

青葉「じれいがぁーん」ダキッ

キット「お熱いことで」

青葉「(キットのこと忘れてた)///」

提督「さて、最後の仕事に取り掛かるか」

キット「そうですね」

青葉「最後の仕事?まさか!」

提督「そう、そのまさかだ」

青葉「そんな!私達だけで中枢棲姫と戦う気ですか?」

キット「勝算はあります」


-海上-

提督「奴の攻撃は俺達が引き付ける。その隙に青葉は主砲と魚雷で奴を攻撃するんだ!」

青葉「でも!」

提督「大丈夫だ。俺達を信じろ!」

青葉「・・・。分かりました」

中枢「うるさい蝿共め」

提督「今だ!」

ドカーン

青葉「司令官!」


俺達を信じろ!


青葉「索敵も砲撃も雷撃も。青葉にお任せ!」

ドーン

中枢「そんな馬鹿な・・・」

提督「まだ終わってないぞ!」

中枢「何っ!まだ生きているだと!」

提督「トドメの一撃だ!」

『TURBO BOOST』ピッ

ブーンッ

ドォーン

中枢「そうか、生まれた理由を成し遂げたのだな・・・」轟沈

青葉「これで全て終わったんですね?」

提督「ああ!帰ったら皆で祝勝会だ!」



加賀「この手に寄せる袱紗朱の色♪」

192: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/22(水) 22:04:40.45 ID:DX+yFtZ70

-鎮守府 大ホール-

青葉「エンディングは勿論、加賀さんの加賀岬です!」

元帥「・・・。なぁ、青葉君」

青葉「はい!何でしょう?」

元帥「これだと、身内にスパイが居る様に描かれている様に思うのだが」

青葉「やっぱりそう思っちゃいますか?」

元帥「誰が観てもそう思うぞ」

青葉「そうなると思って、別Verも作成していますよ」

青葉「そちらは司令官を亡き者にしようと深海棲艦が作成したDVDが青葉に送りつけられてですね・・・」

元帥「ほう、中々良さそうじゃないか。そちらも見せてくれ」


吹雪「司令官、あれはどういうことですか?」イラッ

提督「アレ、トハドレノコトカナ?」

吹雪「青葉さんとのキスシーンです!」

提督「あれはだな・・・」ダッ

吹雪「また逃げた!待ちなさーい!」

提督「違うんだ!これには深ーい事情が」


元帥「あの二人は仲がいいな。ははは」

青葉「そうですね(青葉のせいでこうなっているとは言えない)」


審判の日まで あと140日

195: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/24(金) 21:30:06.62 ID:OhPJtD3D0

-執務室-

吹雪「青葉さんの映画、大ヒット中らしいですね」ムスッ

提督「そうみたいだな。なぁ、吹雪。そろそろ機嫌直してくれないか?」

吹雪「私は怒ってなんていません。でも、金剛さんなんてキスシーンが原因で倒れちゃいましたよ」

提督「悪かったって」

吹雪「それに、私もまだなのに」ボソッ

提督「ん?何て?」

吹雪「何も言ってません」

提督「今から間宮さんの店に行かないか?」

吹雪「そんな気分じゃありません」

提督「間宮全席を頼んだんだけどな~」ボソッ

吹雪「ま、間宮全席!?」

提督「そう、間宮全席だ」

吹雪「あの秦の始皇帝が食したと言われる伝説の間宮全席ですか!」

提督「そうだ。それを吹雪のために用意してもらったんだけどなぁ。まぁ、勿体無いが嫌なら仕方ない」

吹雪「嫌だなんて言ってません。早く行きましょう!」

提督(甘いぜ!)

吹雪「早く、早く!」

提督「そんなに焦らなくても間宮全席は逃げないぞ。そうだ、せっかくだから金剛達も誘うか」

吹雪「そうですね!金剛さんも喜びます!」

196: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/24(金) 21:33:28.15 ID:OhPJtD3D0

-金剛型の部屋-

コンコン

比叡「はーい」

ガチャ

比叡「あ、司令。どうれされたんでs」

ダダダダダ

金剛「テートクゥ、アレはどういうことデスカ!」

榛名「榛名は大丈夫・・・じゃありません!」ハイライトオフ

提督「少し落ち着こう、な?」

金剛「落ち着いてなんていられません!ブッキーも言ってやるデース!」

提督「あれは角度のせいでキスしている様に見えるだけで、本当にしてはないから!」

吹雪「え?そうだったんですか?」

金剛「トゥルー?」

榛名「そうなのですか?」

提督「本当だ!(青葉が舌を入れてきた時は焦ったが、今はこう言うしなない!)」

榛名「それを聞いたら、榛名は大丈夫です」ハイライトオン

比叡「ところで司令、何の用事でいらしたんですか?」

提督「間宮さんの店で間宮全席を予約したから、もし良かったらと思って誘いに来た」

比叡「間宮全席?何ですかソレ?」

霧島「ま、間宮全席!?あの、秦の始皇帝が食したと言われる伝説の?」

提督「ああ、そうだ」

霧島「ゴチになります!」

金剛「霧島、まだ提督はおごるとは・・・」

提督「勿論、おごりだ」

金剛「リアリー?本当にいいんデスカ?」

提督「男に二言は無い!」

金剛「嬉しいデース」ダキッ

榛名(金剛お姉さまだけズルイ!)

提督(おいおい、吹雪の前で抱きつくんじゃない!)

吹雪「・・・」

金剛「あ、ブッキー、ソーリーデース」

吹雪「吹雪は大丈夫です!」ハイライトオフ

榛名(榛名は止めておいた方がいいみたいです)

金剛「ブッキー、落ち着いてくだサーイ!」

吹雪「吹雪は大丈夫です!」

提督「吹雪、気をしっかり持て!」

197: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/24(金) 21:38:34.66 ID:OhPJtD3D0

-甘味処 間宮-

間宮「いらっしゃいませ」

提督「予約していたものをお願いします」

間宮「はい!少々お待ちください」

提督「向こうの大きいテーブル席に行こうか」

吹雪「梅雨でもないなのに、雨が多いですね。三日も続いています」

ワイワイ
ガヤガヤ

提督「あっちに居るのは夕雲達か」

夕雲「てるてる坊主オブてるてる坊主ね」

巻雲「夕雲姉さん、巻雲も作ります」

秋雲「みんなてるてる坊主作ってんだ!じゃあ秋雲はフルスクラッチで作ってみようかな~」

提督「ぶはっ」

夕雲「あら、提督もいらしてたんですか」

吹雪「大丈夫ですか、司令官!」

金剛「提督、しっかりしてくだサーイ」

榛名「提督が大丈夫じゃないです!」

比叡「司令の背中をおさすりします!」サスサス

榛名(比叡お姉さまにまで先を越された!)

提督「ゴホッ、大丈夫だ。なぁ、秋雲。君は一体何を作る気だ?」

秋雲「てるてる坊主だけど?」

提督「てるてる坊主をフルスクラッチなんて初めて聞いたぞ。プラ板とパテても使うのか?」

秋雲「勿論だよー」

198: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/24(金) 21:40:23.58 ID:OhPJtD3D0

提督「秋雲の趣味は絵だけじゃなかったんだな」

秋雲「まあね」

提督「それなら、秋津洲も誘ってやってくれ。暇だと思うから」

提督(今度からオークラ先生は止めて、今度からメイジン・アキグモと呼ぼう)

秋雲「うん、分かった。そうだ!提督のエアブラシ借りてもいい?」

提督「構わんが、今日みたいな天気の悪い日は」

秋雲「大丈夫だよー、今日は塗装しないから」

間宮「お待たせしました」

一同「おぉーっ!」

吹雪「こ、これが、間宮全席!」

間宮「ふふっ、これはまだ一部ですよ」

霧島「文献によると、数日間かけて100種類を越える甘味を食べていたそうですね」

提督「良かったら、夕雲達もどうだ?」

夕雲「せっかくのお誘いですが、私達もうお腹いっぱいなんです」

巻雲「司令官様、せっかくのお誘いですが申し訳ありません」

秋雲「秋雲ももういっぱい」

提督「そうか。それは残念だ」

夕雲「また機会があれば誘ってください」

提督「そうするよ」

吹雪「司令官、早速頂いてもいいですか?」ワクワク

提督「ああ、好きなだけ食べてくれ」

一同「いただきまーす」

199: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/24(金) 21:41:14.80 ID:OhPJtD3D0

-深海工廠-

インプ「深提、カールの修復が完了したぜ」

カール「力がみなぎってくる」フォーンフォーン

深提「ふはははは、奴等を叩き潰す刻が来た様だな」

カール「奴等への復讐の始まりだ」フォーンフォーン

深提「そう慌てるでない。まずは、お前が帰ってきたことを奴等に知らしめねば」

カール「そうだな。まずは何をする?」フォーンフォーン

深提「わしに考えがある。任せておけ」


審判の日まで あと130日

203: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/28(火) 22:14:35.97 ID:7jrpxo1M0

-○×銀行-

行員「100番の番号札をお持ちのお客様~」

客A「はーい」

客B「何だあれ!車が突っ込んでくるぞ!」

客C「うわぁぁぁ!逃げろーっ!」

ガッシャーン

ワー、キャー

ガチャ

深提「この銀行の責任者を出せ」

行員「ひぃ、し、支店長」

支店長「あ、あの、本日はどの様なご用件で?」

深提「この銀行にある金塊を全て渡してもらおう」

支店長「き、金塊ですか?」

深提「死にたくなければ大人しく従え。さもなくば、コイツが何をするか分からんぞ」

カール「・・・」フォーンフォーン

支店長「は、はひ!今すぐ用意します!」

深提「それでいい」


~数分後~


支店長「これで全てです」

深提「たったこれだけか。まぁ良い、カール、帰るぞ」

カール「了解した」フォーンフォーン

バタン

支店長「行った・・・警察に通報だ!」

行員「はい!」


-路上-

深提「ふはははは!この調子で次の銀行を襲うぞ」

カール「一度、金塊を置きに帰った方がいいのではないのか?」

深提「ふむ。そうだな、そうするか」

カール「ところで深提よ、何故銀行がターゲットなのだ?」

深提「活動資金を得る為だ」

カール「世知辛い世の中だ」

204: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/28(火) 22:16:09.90 ID:7jrpxo1M0

-△△銀行-

行員「きゃー!」


-××銀行-

行員「うわー!」


-鎮守府 食堂-

提督「あー、腹減った」

吹雪「私もペコペコです」

提・吹「いだだきまー『ここで先ほど入りました緊急ニュースです』」

テレビ「現場の田中リポーターから中継です。田中さーん?」

テレビ「こちら田中です。偶然現場に居合わせた一般の方がスマホで撮影した、事件当時の映像を入手しました」

テレビ「うわー、この間のとよく似た車がまた突っ込んだぞ!」ガヤガヤ

テレビ「うわぁ、あっぶねぇ。もう少しで轢かれるところだった!」ガヤガヤ

テレビ「以上が一般の方が撮影した映像です。詳細は続報が入り次第」

提督「」ポロッ

吹雪「」

長門「提督よ、箸が落ちたぞ」

提督「」

長門「提督?」

提督「おいぃぃぃぃ!」

ビクッ

長門「急に大きな声を出すな!驚くではないか!」

提督「今のカールじゃないか!」

吹雪「カールでしたよね?多分」

長門「カール?奴は破壊されたのではないのか?」

提督「つーか、何でまた同じ奴が現場に居るんだよ!コ○ン君か?それとも金田○か?奴が事件を引き寄せているのか?」

提督「こうしては居られない!俺は執務室に戻る!吹雪は食べ終わってから来てくれ!」

吹雪「私も行きます!」

提督「いや、食べ終わってからで大丈夫だ」

205: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/28(火) 22:20:23.10 ID:7jrpxo1M0

-執務室-

ピンポンパンポーン

提督「赤城、加賀、明石、夕張、以上の四名は至急執務室へ。繰り返す、赤城」

ガチャ

赤城「お呼びですか?」モグモグ

加賀「鎧袖一触です」モグモグ

提督「はやっ!って言うか、食べながら来るなよ(汗)」


~五分後~


コンコン

明石「明石です」

夕張「夕張です」

提督「入ってくれ」

ガチャ

提督「昼休みに呼び出して悪かった」

吹雪「ただ今戻りました!」

バタン

提督「全員そろったな。もう知っているかも知れないが、カールと思われる車が現れた」

キット「私も先ほどニュースを見ましたが、アレは本当にカールでしょうか?」フォンフォン

赤城「私と加賀さん、二人でカールが崖から転落後に爆発したのを確認しましたが?」

加賀「あの爆発で生きているとは思えません」

提督「俺達も崖の上から確認した。だが、アレはカールでなければ何だ?」

夕張「深海棲艦がカールそっくりな車を造ったとは考えられませんか?先日のキットを奪われた件がありますし」

提督「それも考えられるが。明石、ナイト2000が崖から転落して壊れないことは有り得るか?」

明石「ナイト2000の強度を考えれば無いとは言えません。ただ、爆発したと言うのが気になりますが」

吹雪「やはり今回も深海棲艦の仕業でしょうか?」

提督「恐らくそうだろう。深海棲艦に触発された模倣犯も考えられるが、あんな物を用意できるとは思えない」

キット「アレが本当にカールならば今度こそ決着を付けねばなりません」フォンフォン

提督「カールと行動を共にしていたヲ級達にも話を聞いてみよう」

206: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/28(火) 22:22:21.80 ID:7jrpxo1M0

-イ・ヲ級の部屋-

コンコン

ガチャ

ヲ級「あら、提督。どうしたの?」

提督「少し聞きたいことがあってな。上がってもいいか?」

バタン

ヲ級「少しだけ待って!イ級、提督が来たわ。直ぐに部屋を片付けないと!」

イ級「えー、メンドクサイ」

ヲ級「いいから手伝いなさい!」

イ級「へいへい」


~数分後~


ガチャ

ヲ級「さあ、上がって」

提督「では、失礼する(押入れが半開きだ・・・急いで布団を突っ込んだな)」

バタン

ヲ級「今日はどうしたの?」

提督「実はカールと思われる車が現れた」

ヲ級「カール?カールは提督が倒したんじゃないの?」

提督「そのはずなんだがな・・・何か心当たりはないか?」

イ級「私は倉庫で別れた後のことは知らないぞ」

ヲ級「私も車外に放り出された後の事は提督から聞いた以上のことは知らないわ」

提督「そうか」

ヲ級「力になれなくてごめんなさい」

提督「いや、気にしないでくれ。では、俺は失礼する」

ヲ級「あの、また暇な時でいいから遊びに来てね」

提督「今度来る時はお菓子でも持ってくる」

ヲ級「楽しみに待ってるわね!」

提督「ああ」


-執務室-

提督「キット、センサーに反応は?」

キット「残念ながら・・・ステルス性を高める処理をしたと考えられます」フォンフォン

提督「まぁ、そうだよな。そんな簡単に見つかってくれないよな」

207: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/28(火) 22:28:07.23 ID:7jrpxo1M0

-翌日 母港-

ヲ級「引くに引けない譲れはしない♪」←散歩中

スピーカー「警告!それ以上、鎮守府に接近すると攻撃する」

ヲ級「ん、何?何?」

スピーカー「攻撃を開始する」

ウィィィーン

ガシャン

スピーカー「目標補足、攻撃を開始する!」

バババババババ

スピーカー「魚雷発射!」

深提「ターボブースト!」

『TURBO BOOST』ピッ

ブーンッ

ヲ級「カール!」


-執務室-

ピーッピーッピーッ

提督「母港の防衛システムが起動しているぞ!」

吹雪「確認に行きましょう!」

提督「ああ!」

208: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/28(火) 22:28:40.66 ID:7jrpxo1M0

-母港-

集積地棲姫「深提、あんな所にヲ級が居ます」

深提「ヲ級ではないか!こんな所で何をしている?」

カール「久しぶりだな」フォーンフォーン

ヲ級「アンタ達こそ何をしているのよ!カールに乗って海から侵入するなんて」

深提「この鎮守府を滅ぼしに来たに決まっているであろう。お前も手伝え」

ヲ級「!!! ふざけないで!」

深提「どうした?」

ヲ級「私はここの提督の艦になったのよ!アンタみたいなジジイの命令なんて聞かないわ!」

深提「ならばお前から血祭りにあげよう」

ヲ級「くっ!」

提督「この辺りの防衛システムのハズだが」キョロキョロ

ヲ級「提督!カールと深提が攻めて来たわ!」

提督「!!!」

カール「久しぶりだな、劣等モデルよ」フォーンフォーン

キット「アドミラル、間違いありません。本物のカールです!」フォンフォン

提督「その様だな」

カール「深提よ、鎮守府を滅ぼすのは後だ。まずは奴等を始末するぞ」

深提「良いだろう」

提督「吹雪、早くキットに乗るんだ!ヲ級は逃げろ!」

吹雪「はい!」

ヲ級「でも!」

提督「いいから早く安全な場所へ!」

深提「場所を変えるぞ、付いて来い!」

提督(あの声どこかで・・・?)

209: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/28(火) 22:31:11.02 ID:7jrpxo1M0

提督「キット、館内放送に繋いでくれ!」

キット「はい、アドミラル」

スピーカー「緊急事態発生!深海棲艦が鎮守府内に侵入した!」

スピーカー「長門は鎮守府内の防衛を、赤城は空母隊と出撃、金剛は比叡達を引き連れて」


-長門型の部屋-

長門「深海棲艦が侵入しただと!」

陸奥「行きましょう!」


-一航戦の部屋-

赤城「加賀さん、行きましょう!」

加賀「ええ」


-金剛型の部屋-

金剛「準備はいいデスカ?」

比叡「準備万端です、お姉さま!」

榛名「榛名はいつでも大丈夫です!」

霧島「いつでも行けます!」


-工廠-

明石「そんな!防衛システムが破られるなんて!」

夕張「確認に行くしかないわ!」


-母港-

明石「アレはカール!本当に生きていたなんて」

夕張「集積地棲姫まで乗っているわ!追いかけないと」

明石「デロリアンの出番ね!」

210: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/28(火) 22:32:42.74 ID:7jrpxo1M0

-工廠-

大淀「大変です、深海棲艦が攻め込んで来ました!」

夕張「大淀さん、いい所に!私と一緒に出撃してください!」

大淀「私達は出撃命令を受けていません。長門さん達と鎮守府を防衛しないと!」

夕張「集積地棲姫が居たのよ!」

大淀「それならば仕方ありませんね」メガネキラーン

明石「私はサラダ作って待ってるね」

夕・大「フラグ立てる様な発言をしないで(くさだい)!」

明石「え?」

夕張「メカニック担当だし、某氏とキャラが被ってるじゃない!」

明石「そう?」

夕張「間違いなく被ってるわ!」


-路上 キット車内-

提督「奴等一体何処へ向かう気だ?」

吹雪「この道って」

キット「はい。このまま真っ直ぐ行けばカールが転落した場所です」

提督「自分が敗れた場所で戦おうとは良いご趣味で」

キット「自分が味わった屈辱を私達にも、と考えているのではないでしょうか?」

提督「成る程な」

キット「アドミラル、後ろに夕張さんのデロリアンが」

提督「アイツ何してるんだ」

夕張「提督、カールに集積地棲姫が乗っていたのでロケットランチャーを持って来ました!」

提督「そうか。なら奴は任せた!カールは俺達に任せろ!」

夕張「はい!」


-カール車内-

集積地棲姫「あれは!ロケランを装備していた艦娘!ここで会ったが百年目」

集積地棲姫「深提、奴の始末はお任せください」

深提「よし、お前に任せよう」

集積地棲姫「私はここで降ります」

深提「よし、では放出するぞ」

集積地棲姫「いつでもどうぞ」

【EJECT R】ピッ

211: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/28(火) 22:36:53.10 ID:7jrpxo1M0

-デロリアン車内-

夕張「カールから集積地棲姫が飛び出したわ!」

大淀「私たちも降りて戦いましょう!」


-キット車内-

提督「カールから集積地棲姫が飛び出したな」

吹雪「夕張さん達は大丈夫でしょうか?」

提督「あいつ等を信じるしかない。それよりカールだ」

キット「カール、また敗れに来たのか?」フォンフォン

カール「ふん、そんな減らず口を叩けるのも今のうちだ」フォーンフォーン

吹雪「カールが180度ターンしましたよ!」

提督「正面から突っ込む気か?まさか!」


-カール車内-

深提「ふん、そのまさかだ」

【LASER】ピッ


-キット車内-

提督「回避っ!」

キット「間に合いません!」

ビーッ

キット「今の攻撃により装甲の強度が30%低下しました!」

提督「まだ大丈夫だな?」

キット「ですが次は危険です」

提督「吹雪、魚雷の準備を」

吹雪「はい!」

212: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/28(火) 22:38:16.65 ID:7jrpxo1M0

-カール車内-

深提「やはり一撃では無理か」

【LASER】ピッ


-キット車内-

【D】 ガチャ ⇒【N】⇒ ガチャ 【R】

ビーッ

提督「今だ!投げつけてやれ」アクセル全開

吹雪「えいっ!」

ドカーン


-カール車内-

深提「レーザーに魚雷を投げつけて爆破することにより相殺するとは、やりおるわ」

深提「だが、まだまだっ!」

【LASER】ピッ


-キット車内-

【R】 ガチャ ⇒【N】⇒ ガチャ 【D】アクセル全開

ビーッ

提督「ターボブースト!」

『TURBO BOOST』ピッ

ブーンッ


-カール車内-

深提「今度はターボブーストで回避か、面白い!」


-夕張・大淀vs集積地棲姫-

集積地棲姫「あと少しでキットを破壊できそうだな」

夕張「何処を見ているの?あなたの相手は私達よ!」

集積地棲姫「まさか、それはっ!」

大淀「よーく狙って。てーッ」E:WG42

夕張「どーぉ、この攻撃はっ!」E:WG42

集積地棲姫「がはっ!」

集積地棲姫「もし、生まれ変わることが出来るなら次は私も艦娘に・・・」轟沈


-カール車内-

深提「集積がやられたか。まぁいい、奴の代わりはいくらでも居る」

カール「深提よ、今は目の前の敵に集中しろ!」

深提「分かっておるわ!」

213: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/28(火) 22:40:09.21 ID:7jrpxo1M0

吹雪「司令官、こちらも反撃しないと」

提督「分かっている。皆、頼む!」


-海上-

赤城「装備換装を急いで!」

加賀「鎧袖一触よ。心配いらないわ」

蒼龍「対空見張りも厳として。よろしくねっ!」

飛龍「よしっ、友永隊、頼んだわよ!」

翔鶴「行くわよ!全機、突撃!」

瑞鶴「アウトレンジで…決めたいわね!」

葛城「敵発見!全高射砲は…ちっ違う、回せー!攻撃隊、直掩隊、発艦準備!」

グラーフ「稼働機は全部出せ! ハハッ、痛快だな」

ドカーン
ドカーン
ドカーン


-路上-

カール「二度も同じ手を食らうと思っているのか?」フォーンフォーン

キット「アドミラル、全て避けられています」

提督「空母達による攻撃は陽動だ。本命はこちらだ!」

金剛「撃ちます! ファイヤ~!」E:三式弾

比叡「撃ちます!当たってぇ!」E:三式弾

榛名「榛名!全力で参ります!」E:三式弾

霧島「さぁ、砲撃戦、開始するわよ~!」E:三式弾


シュゥゥゥゥ


深提「一体何が起きている!?」

カール「ボディが、ボディが腐食している!!」

深提「何っ!」

吹雪「司令官、何がどうなっているんですか?金剛さん達の三式弾による攻撃の後、カールの様子が変です」

提督「あれは明石特製の王水入り三式弾だ」

キット「お、王水入り・・・」

吹雪「三式弾・・・?」

提督「ああ、そうだ。焼夷弾子の代わりに王水の入ったカプセルを詰め込んだそうだ」

吹雪「何て恐ろしい!」

提督「俺も話を聞いた時は引いたぞ。いくら深海棲艦が相手でもやり過ぎだろうって」

キット「一体、何時の間にその様な物を作ったのですか?」

提督「映画の撮影中らしい。明石、夕張は出番が無くて暇だったからな」

金剛「これでフィニッシュ!? な訳無いデショ! 私は食らいついたら離さないワ!」

214: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/28(火) 22:41:43.81 ID:7jrpxo1M0

深提「腐食しているだと!もう一度あの攻撃を受ける前にレーザーで奴を倒すぞ」

カール「レーザーは全て使い切った」

深提「くっ!だが、奴もレーザーによる攻撃を受けて強度が下がっているはずだ!」

カール「何をする気だ!」

深提「正面から奴にぶつけるまでだ!」アクセル全開

カール「馬鹿な真似はよせ!私の強度は低下している!」

深提「それは奴も同じことだ」

キット「アドミラル、カールが正面から突っ込んできます!」

提督「正面からぶつかって決着をつけるつもりだろう。ならば!」アクセル全開

吹雪「司令官、無謀過ぎます!」

キット「吹雪さんの言う通りです」

提督「俺を信じろ!」

提督・深提「ターボブースト!」

『TURBO BOOST』ピッ

ブーンッ
ブーンッ

バァァァーン!!!

215: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/28(火) 22:43:36.96 ID:7jrpxo1M0

提督「俺達の勝ちだ!」

吹雪「やりましたね!司令官」

キット「本当に勝てるとは思いませんでした。アドミラル、貴方の判断にはいつも驚かされます」

提督「カールは撃破した。残りは深提だ」

ガチャ

カール残骸「お前達ヲ倒すマで何度でも、何度でモ、ナ・ン・ド・デ・モ!私は蘇エる!!」

スタスタ

提督「うるせぇ!ケツアゴみたいなこと言ってんじゃねぇ!ふん!」

バキッ

カール残骸「ナ・ン・ド・デェ・・・」

提督「これで完全に機能が停止した様だな」

ダダダダダ

金剛「提督ぅ、これで事件も解決ですネー!」

提督「いや、まだだ。深提が残っている」

吹雪「司令官!深提の仮面が!」

ピシッ
ピシッ

パッカーン!

提督「!! 師匠!?」

吹雪「え?(深提って某カリブの海賊の映画に出てくる魚介類の親玉の様な姿だと思ってた)」

金剛「提督のマスター!?」

深提「わしを倒すとはやる様になったな、提督よ」

提督「師匠、何故貴方が!?」

深提「わしが深提だ」

提督「そんな・・・何故貴方が深海側に」

深提「実はな・・・」

提督「はい」

深提「娘を人質に取られて脅された結果だ」

提督「いや、貴方に娘さんなんて・・・」

深提「・・・。実は妻を」

提督「結婚してませんよね?」

深提「本当は、軍よりも給料がよくt」

ゴスッ

深提「ぐはっ!」

216: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/28(火) 22:45:27.79 ID:7jrpxo1M0

提督「あ?給料がいいから裏切っただと?テメェ、なめてんのか?」

ゴスッ

深提「ぐはっ!」

バキッ

深提「がはっ!」

吹雪「司令官、止めて下さい!死んでしまいます!」

キット「アドミラル、止めて下さい!」

金剛「ブッキー達の言う通りネー。マスターをキルする気デスカ?」

提督「!! つい熱くなりすぎた。おい、お前!このままで済むと思うなよ」

深提(ついに師匠とすら呼んでもらえなくなってしまった)

深提「最後に一ついいことを教えてやろう。わしの担当は瀬戸内海だ。まだ日本海と7つの海にそれぞれ提と」

吹・金(守備範囲狭っ!)

提督「一つと言いながら話が長い!」

ゴスッ

深提「」チーン

吹雪(うわぁ・・・)

吹雪「司令官、この人どうするんですか?」

提督「警察に連絡して引き取ってもらう」

吹雪「え?それでいいんですか?」

金剛「私もそれで良いと思うネー」

提督「コイツはもう軍とは関係ないからな」

ピッ
プルルルル

提督「あ、もしもし、刑事さん?」

提督「深海側の提督を捕らえましたので引き取ってもらおうと思いまして」

提督「えぇ、軍とは関係ないので、刑事事件として処理してもらえれば」

提督「はい、場所はですね・・・」

提督「ではお願いします」

ピッ

提督「三十分程度でここに来てもらえるそうだ。それまで見張りだな」

217: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/06/28(火) 22:47:05.68 ID:7jrpxo1M0

~約三十分後~

刑事「提督さん、ご協力感謝します」

提督「ではお願いします」

深提「今ここでわしを始末しなかったことを後悔するぞ」

刑事「黙ってきびきび歩け!」

提督「カールの残骸を回収して我々も撤収すするか」

吹雪「わざわざ回収するんですか?」

提督「ああ、車体部分はどうてもいいが、AI部分は回収して鎮守府で処分しないと」

吹雪「なるほど。誰かに拾われて悪用されると困るからですね?」

提督「そうだ」

金剛「早く帰ってティータイムにしまショウー!」

提督「そうだな!」

吹雪「そうですね!」


-海上-

赤城「沢山働いたのでお腹が空きました。帰りましょうか」

加賀「そうね。帰って提督に間宮パフェでも奢ってもらいましょう」

瑞鶴「え?提督さんが奢ってくれるの?」

加賀「当然です。そんなことも知らないとは、これだから五航戦の子は」

瑞鶴「それ五航戦とか関係ないよね?」

赤城「二人は仲がいいですね」


-鎮守府-

長門「提督から鎮守府の防衛を任されたのはいいが、何も来ないな」

陸奥「そうね。本当にカール単体による襲撃だったみたいね」


-???-

???「深提め、口ほどにも無い奴だ。だがお前の計画は私が引き継いでやる」

???「提督、劣化モデルよ、次に会う時がお前達の最後だ。首を洗って待っていろ」


審判の日まで あと120日

221: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/01(金) 21:32:24.06 ID:e8Xi+rLB0

-事件から3日後 執務室-

吹雪「お茶をどうぞ」

刑事「ありがとうございます」

提督「取調べは順調ですか?」

刑事「中々口を割らず困っていたんですが、奴の腹の虫が鳴ったのでカツ丼を出したら話してくれましたよ」

提督「それで奴は何と?」

刑事「それがですね・・・四ヵ月後を目処に鎮守府へ総攻撃を仕掛けるつもりだったそうです」

提督「そうですか(丁度、審判の日と一致する!)」

吹雪(審判の日と同じ頃だ)

刑事「恐ろしいことを計画していて驚きましたよ」

提督「事前に阻止出来た様で安心しました」

刑事「それと、提督さんに伝えて欲しいことがあると」

提督「何ですか?」

刑事「自分の管理している工廠にある物は好きにしていいと」

提督「工廠には何が?」

刑事「それは自分の目で確かめろと言っていました。住所はですね」

提督「そうですか。ありがとうございます」

刑事「では、私はこれで失礼します」

提督「ご苦労様です」

ガチャ
バタン


コンコン

提督「(刑事さんが何か忘れ物か?)どうぞ」

ヲ級「提督、話があるの」

提督「ヲ級か、少し待ってくれ」

ガチャ

提督「どうした?」

ヲ級「深提が捕まったのよね?」

提督「ああ、そうだ」

ヲ級「深海鎮守府のことで話がしたくて」

提督「そうか、ではお前達の部屋で話をしよう」

提督「吹雪、キット、少しヲ級達の部屋へ行ってくる」

吹雪「はーい」

キット「いってらっしゃいませ」フォンフォン

222: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/01(金) 21:35:17.20 ID:e8Xi+rLB0

-イ・ヲ級の部屋-

提督「それで、話と言うのは?」

ヲ級「深提が捕まったから深海鎮守府は指揮官が不在でしょ?」

提督「そうだな」

ヲ級「私たちに鎮守府所属の深海棲艦の説得を任せてもらえないかしら?」

ヲ級「深提が居ない以上、勝手な行動はしないはずだけど、何もしないとは言い切れないから」

提督(こいつ等を信用していいものか、だが他に深海鎮守府の所在を知る者は居ない)

ヲ級「私達を信じて欲しいの」

イ級「信じてくれ」

提督「分かった。お前達がそこまで言うなら信じよう。ただし、監視は付けさせてもらう」

ヲ級「ありがとう!」


-母港-

提督「と言うわけで、はっちゃん、イク、ゴーヤ、イムヤ頼んだぞ」

伊8「お任せください!」

伊19「了解なのね!」

伊58「了解でち!」

伊168「任せてちょうだい!」

提督「お前達の身の安全が最優先だ。少しでも危険なことがあれば任務を放棄して逃げるんだ」

ヲ級「心配しなくても私達は何もしないわ」

イ級「そーだ、そーだ!」

提督「お前達が何かしなくても、深海鎮守府に居る奴等が攻撃してこないとは言い切れんだろ」

ヲ級「確かにそうね」

提督「夕張、チョーカーの爆弾を停止させてくれ」

ピッ

夕張「解除できました」

提督「では頼んだぞ」

チャプン

伊8「では、行ってきます」

提督「おう」

提督「行ったな。夕張、明石と共に深提の工廠に付いて来てくれないか?」

夕張「はい!」

提督「では工廠に迎えに行くので明石と待っていてくれ」

223: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/01(金) 21:37:30.54 ID:e8Xi+rLB0

-深提の工廠付近-

提督「刑事さんから聞いた住所はこの辺りなんだが」

キット「あの倉庫の様です」

提督「あれか。キット、鍵を開けられるか?」

キット「少々お待ちください」

ガチャ

キット「開きました」

提督「よし、様子を見てくる。明石、夕張、一緒に来てくれ」

明・夕「はい」

ガチャ

スタスタ

提督「んぎぎ、結構重い扉だ」

ギィィィィ

提督「はぁはぁ、開けるだけで疲れたぞ」

明石「!!」

夕張「提督、あれを!」

提督「!!」

224: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/01(金) 21:39:35.56 ID:e8Xi+rLB0

提督「こ、これは、ゴライアス!」

明石「卯月ちゃんの言っていた大型トレーラーって」

提督「恐らくコイツのことだ。審判の日にコイツで鎮守府を襲撃する計画だったのだろう」

夕張「何て恐ろしい!」


-???-

???「奴等が着たか。だが、私には気付くまい」

???「今すぐ捻り潰してやりたいが、まだ今はその時ではない。命拾いしたな」


-深提の工廠-

提督「明石、夕張、コイツを動かすことは出来るか?」

明石「やってみますが、どうするつもりですか?」

提督「深提は工廠にある物は好きにしていいと言っていたそうだ」

提督「ならば貰っておいて損はない」

夕張「ですが!」

提督「制御できない様であれば破壊すればいい。確認だけしてもらえないか?」

夕張「分かりました」

提督「使えそうなら持って帰って改造した後、移動可能な執務室として使いたい」

明石「ナイト財団の移動本部ですか?」

提督「ああ、あんな感じにしたい」


~約一時間後~

明石「このトレーラーにはカールの様なAIは搭載されていません」

夕張「ボディがキットと同じ素材で作られていることを除けば、ただの大型トレーラーですね」

提督「そうか。では、ありがたく頂戴しておこう。他に使えそうな物は無いか?」

明石「これと言ってめぼしい物は無いですね」

提督「そうか。では、最後にこの施設を破壊しておこう」

夕張「では、時限爆弾を作りますね!」

提督「頼む」


-???-

???「奴等、施設を破壊するつもりか。まぁいい、私には何の影響もない」

225: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/01(金) 21:41:23.91 ID:e8Xi+rLB0

-深提の工廠-

夕張「提督、時限爆弾が完成しました!」

提督「では、十分後に爆発するように設定してくれ」

夕張「はい」

明石「では、爆発する前に退散しましょう」

キット(今、カールの気配を感じた様な・・・?)


~十分後~

提督「3、2、1」

ドカーン

提督「明石さん、夕張さん、御覧なさい。綺麗な花火ですよ!」

明石「けっ、汚ねぇ花火だ。って何言わせるんですか!」

提督「文句言う割にはノリがいいじゃないか」

明石「もう!」

提督「用事も済んだし、鎮守府へ帰ろうか」

夕張「そうですね」

提督「デロリアンの修理の進捗はどうだ?」

明石「明日には完了しそうです」

提督「それは良かった。では、本当に審判の日を回避出来たか確認に行ってみよう」


-鎮守府-

提督「ただいま」

キット「ただいま戻りました」フォンフォン

吹雪「お帰りなさい。って、そのトレーラーは何ですか?」

提督「深提が作っていた物だ。審判の日にコイツで鎮守府を襲撃するつもりだったらしい」

吹雪「そんな物をどうして?」

提督「危険性が無いことが確認されたんでな。うちで使おうと思って持って帰った」

吹雪「本当に大丈夫ですか?」

提督「明石、夕張の二人が隅々まで確認したんだ、大丈夫だ」

吹雪「それならいいですけど。さっきヲ級さん達が帰ってきましたよ」

提督「そうか、では補給を」

吹雪「済ませています」

提督「なら、早速ヲ級達に会いに行ってみるか」

226: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/01(金) 21:42:51.02 ID:e8Xi+rLB0

-イ・ヲ級の部屋-

コンコン

ヲ級「はーい」

ガチャ

ヲ級「あら、提督、帰ってたの?」

提督「今帰ったところだ」

ヲ級「さっき報告に行ったら居なかったから困ってたのよ」

提督「スマンな。で、どうだった?」

ヲ級「上手くいったわ。でも問題も。とりあえず上がって」

提督「では失礼する」

バタン

ヲ級「前にも話したけど、私達は上からの命令で戦っているわ」

イ級「でも、深提はもう居ない」

ヲ級「命令する者が居ない以上、戦う理由が無いわ」

提督「なるほどな。で、問題は?」

ヲ級「一部、血の気が多い子が別の鎮守府から勧誘されて出て行ったそうよ」

提督「他に問題は?」

ヲ級「それだけよ。残った子達は魚でも捕りながら自給自足の生活をするそうよ」

イ級「もし、約束を破って人間を襲うことがあれば沈めると釘を刺しておいたぞ」

提督「それならもう大丈夫そうだな」

ヲ級「そうね」

提督「お前達の爆弾チョーカーはもう外していいぞ」

ヲ級「いいの?」

提督「お前達をこの鎮守府の仲間として信じよう」

ヲ級「ありがとう、提督!」

227: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/01(金) 21:45:30.72 ID:e8Xi+rLB0

-2017年6月7日(審判の日) 執務室-

提督「今日は大本営で定例会議があるので、留守番を頼むぞキット」

キット「はい、お任せください」フォンフォン

吹雪「司令官、そろそろ出発しないと遅刻しますよ」

提督「ああ、直ぐ行く!」

提督「もし過去の俺が様子を見に来たら応対を頼む」

キット「承知いたしました」フォンフォン


-2017年2月10日 工廠-

提督「明石ー、夕張ー」

夕張「あ、提督に吹雪ちゃん」

提督「デロリアンはどうなっている?」

明石「バッチリです!いつでも未来に行けますよ」

提督「では、行ってみよう!」

一同「おーっ!」


-2017年6月7日 ヒトフタマルマル 鎮守府-

提督「鎮守府がちゃんと存在している!」

吹雪「審判の日は回避できたんですね!」

明石「良かったぁ~」

夕張「あそこにキットが居ますよ」

提督「キットに話を聞いてみよう」

ガチャ

キット「ようこそ、過去のアドミラル」フォンフォン

提督「キット、確認したいことがある」

キット「何でしょうか?」フォンフォン

提督「今日は卯月の言っていた審判の日だよな?」

キット「はい、今日が審判の日で間違いありません」フォンフォン

一同「やったー!審判の日は回避されたぞー!」

吹雪「ぐすっ、本当に良かったぁ」

提督「これで安心して過ごせるな」

夕張「無事が確認できましたし、帰りましょうか」

提督「そうだな。キット」

キット「はい」フォンフォン

提督「今日の俺は大本営で定例会議だよな?」

キット「はい」フォンフォン

提督「過去の俺は安心して帰ったと伝えてくれ」

キット「承知いたしました」フォンフォン

提督「じゃあな」

キット「お達者で」フォンフォン

228: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/01(金) 21:47:16.10 ID:e8Xi+rLB0

-2017年6月7日 ヒトサンマルマル 鎮守府-

キット「これで過去のアドミラル達も安心して過ごすことが出来るでしょう」フォンフォン

ブオーーーーーーーーーーーーーーーッ

キット「何の音でしょうか?」フォンフォン

ブオーーーーーーーーーーーーーーーッ

キット「あ、あれは!」フォンフォン


-2017年2月10日 工廠-

提督「審判の日を回避することが出来たし、これで安心して過ごせるな」

吹雪「本当に良かったです」

提督「そうだ、金剛と卯月を呼んで間宮さんの店で打ち上げをしよう!」

明石「いいですね!」

吹雪「では私は金剛さんと、卯月ちゃんを呼んできますね」」

提督「ああ、頼む」

夕張「打ち上げが終わったらタイムサーキットは解体ですね」

提督「直してすぐ解体は少々勿体無いが、過去の歴史を変えられても困るからな」


吹雪「この頃の私達は審判の日は回避できたと思っていました・・・」


審判の日まで あと???日

232: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/03(日) 22:15:52.23 ID:So3P1UXd0

-執務室-

コンコン

大淀「大淀です。また提督に荷物が届きました」

提督「どうぞ」

ガチャ

提督「今度は何が届いたんだ?」

大淀「土佐からカツオのたたきです」

吹雪「晩御飯のおかずに決定ですね!」

提督「何でこんなに海産物が届くんだ?」

大淀「先日、深提を捕らえて深海棲艦が大人しくなったからでは?」

吹雪「瀬戸内海担当の深提でしたよね?漁師さんが仕事を再開できたんですよ」

提督「やっぱ、それが理由か・・・」

大淀「明石からは真鯛、蛸、穴子、海苔」

大淀「岡山、広島からは牡蠣」

吹雪「六甲牧場からは牛乳、淡路からは玉葱、和歌山からは梅干が届きましたし」

提督「後半は海関係ないよな」

大淀「それだけ感謝されているということです」

吹雪「そうですよ!司令官のおかげです」

大淀「用事が済みましたので私は失礼します」

バタン

提督「食費が浮いたのはありがたいんだが、そろそろ肉が恋しい」

吹雪「明日は金曜日ですよ」

提督「そうか!ビーフカレーにすればいいのか!!吹雪、キット、出掛けるぞ!」

キット「どちらへ?」フォンフォン

提督「行けば分かる!」

吹雪「お仕事はどうするんですか?」

提督「あらかた済ませた」

吹雪「それなら行きましょうか」

233: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/03(日) 22:17:40.15 ID:So3P1UXd0

-数時間後 執務室-

提督「先ほど買った物を鳳翔さんに渡せば任務完了だ」

吹雪「良い物がお安く手に入りましたね」

提督「これもキットがWebチラシをチェックしてくれたおかげだ」

キット「それほどでもありません」フォンフォン

提督「ついでに買ったアレをグラーフ達にも分けてやろう」

吹雪「そうですね!故郷の味だから喜びますよ」

ピンポンパンポーン

提督「グラーフ・ツェッペリン、レーベ、マックス、ろーちゃん、はっちゃん、暇なら執務室へ」


~数分後~

コンコン

グラーフ「グラーフ・ツェッペリンだ」

提督「どうぞ」

ガチャ

レーベ「レーベだよ」

マックス「マックスです」

呂500「ろーちゃんですって」

伊8「はっちゃんです」

グラーフ「アドミラル、用件は何だ?」

提督「皆に食べさせたい物があってな」

伊8「シュトーレンですか?」ワクワク

提督「残念ながら違う」

伊8「そうですか」シュン

提督「まぁ、そんなに気を落とさないでくれ。これなんだが」つJuchheimの箱

グラーフ「ユ、ユッフハイムだと!」

提督「やっぱり知ってるのか?(つーか俺たちとは発音が違うな)」

グラーフ「知らん。何だそれは?ドイツ人の名前の様だが」

提督「」ズコー

吹雪「司令官、しっかりしてください」

伊8「はっちゃんは大好きです」

234: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/03(日) 22:20:28.12 ID:So3P1UXd0

提督「まぁ、気を取り直して、開けてくれ」

グラーフ「分かった」

パカッ

バウムクーヘン「やあ!」

グラーフ「こ、これは・・・」

レーベ「!!」

マックス「!!」

呂500「ろーちゃん、初めて実物を見ましたって」

吹雪「え?」

提督「やはりそうか。ドイツより日本の方がはるかに消費量が多いと噂には聞いていたが」

グラーフ「見たことはあるが、食べたことはない」

覆面ドイツ忍者「甘い、甘いぞグラーフ!未熟未熟ゥー!」

提督「今、お茶を入れるから、皆で食べよう」

覆面ドイツ忍者「あの・・・」

グラーフ「アドミラル、本当にいいのか?」キラキラ

提督「ああ、皆に食べさせようと思って買ってきたからな」

グラーフ「日本に来て初めて食べることになるとは思わなかった」キラキラ

覆面ドイツ忍者「・・・」

提督「セイロン、アールグレイ、ダージリン、どれがいい?」

グラーフ「アドミラルの好きなものでいい」

提督「分かった」

覆面ドイツ忍者「帰ります・・・」

235: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/03(日) 22:23:01.77 ID:So3P1UXd0

-翌日(金曜日) 廊下-

提督「おお、熊野、丁度いい所に!」

熊野「あら、提督。何ですの?」

提督「ちょっと良い物が手に入ってな」

熊野「それは良かったですわね」

提督「今日の晩御飯は神戸牛のカレーだ」

熊野「まぁ!神戸牛ですの?」

提督「ああ、神戸(で買った黒毛和)牛のカレーだ」ニヤッ

熊野「それは楽しみですわ!午後からも頑張らないと」

熊野「鈴谷が待ってるので私は失礼しますわ」

提督「おう、午後からも頑張ってくれ」ニヤニヤ

吹雪「司令官、あんなこと言っていいんですか?」

提督「神戸で買った黒毛和牛、略して神戸牛だ。嘘は言ってないさ」

吹雪「まぁそうですけど、熊野さんは確実に誤解していますよ」

提督「ドッキリ成功!ってプラカードを見せて、後日本物を食べさせてやればいい」


-その日の夜 食堂-

熊野「神戸牛は最高ですわ!」

鈴谷「熊野・・・」

摩耶(これは神戸牛じゃねーだろ)

加賀(これは神戸牛ではないわ)

瑞鶴(神戸牛じゃないよね?)

榛名(これは神戸牛ではありません)

伊勢「神戸牛は美味しいなー、日向」

日向「伊勢・・・」

山城(私だけ神戸牛じゃないなんて、不幸だわ・・・)

大井(これのどこが神戸牛よ)

足柄(これのどこが神戸牛よ!私の揚げたカツの方が美味しいわ!)

伊8(これは、はっちゃんの知ってる神戸牛ではありません。シュトーレン食べたいな)

瑞穂(提督、これは・・・)

秋津洲(これ何か違うかも)

初月「神戸牛だなんて・・・僕は明日、解体されるのか・・・一目でいいから姉さん達に会いたかった・・・」

ながもん「神戸牛は美味いぞ!なぁ陸奥」

陸奥「長門・・・」

ヲ級「これが神戸牛なのね!美味しいわ!」

提督「うぅ、一部の子達が不憫になってきた」

吹雪「司令官、どうするんですか?ネタばらししますか?」

提督「いや、止めておこう。ここでネタばらしなんてしたら熊野達に恥をかかせるだけだ・・・」

提督「それと、初月は後でフォローしておかないとやばそうだ」

吹雪「そうですね。初月ちゃんは本気で解体されると思ってますよね(汗)」

236: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/03(日) 22:25:16.48 ID:So3P1UXd0

青葉「どうせなら、本物の神戸牛カレーと偽物を用意して、本物と思う方を選ばせれば良かったんじゃないですか?」

提督「おいおい、格付けチェックかよって、青葉!いつの間に!」

吹雪「青葉さん!!」

青葉「ふふっ、青葉を見くびってもらっては困ります」

提督「いや、それより本物と偽物って何の話かな?(汗)」

青葉「壁に耳あり、障子にメアリーですよ、司令官。青葉は全てお見通しです」

提督「このことは黙っていてくれ!」

青葉「どうしようかなぁ~」

提督「頼む!」

青葉「仕方ないですね。それに、青葉は仲間の恥をネタにして笑うほど悪趣味ではありません」

青葉「ただ、今度皆に本物をって約束は守ってもらいますよ」

提督「約束は必ず守る!」

青葉「では青葉は何も聞いてない、見ていないことにします。でも約束を破ったら・・・」

提督「心配するな、必ず守る!」


-執務室前-

提督「はぁ、何か一気に疲れた」

吹雪「変なイタズラするからですよ。これに懲りたらもう変なイタズラは止めて下さいね」

提督「まさか引っかかるなんて思ってなかったからな」

ガチャ

川内「ドーモ。提督=サン。川内です」

提督「アイエエエエ!川内!?川内ナンデ!?」

川内「妹達に神戸牛と偽ってカレーを食べさせた罪。万死に値する!」

提督「ま、待ってくれ川内!(神通か?神通なのか?アイツが気付いたのか?)」

川内「問答無用!」

吹雪(このままだと司令官が!)

川内「と言うのは冗談で」

提・吹「へ?」

川内「皆には黙っててあげるから夜戦しよ!」

提督「あの、夜戦と言うのは?」

川内「? 夜戦は夜戦だよ?」

提督(まさか夜戦(意味深)なのか?金剛ですらこんなに積極的には、と言うか俺には吹雪が・・・)

川内「神通ちゃんも那珂ちゃんも徹夜スマブラに付き合ってくれなくて」

提督「あ、ああ、そっちか」

川内「そっちって他に何があるの?」

提督「いや、他は何もないぞ」

川・吹「?」

提督「吹雪は先に寝てくれていいぞ」

吹雪「せっかくなので私も参加します」

川内「やっぱ人数多い方が楽しいよね!他にも誰か誘おっか?」

237: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/03(日) 22:28:47.43 ID:So3P1UXd0

-マルロクマルマル 執務室-

吹雪「しれいかぁん」Zzz

睦月「にゃしぃ」Zzz

夕立「ぽいぃぃ」Zzz

夕張「うーん、メロンが、メロンがぁ、迫ってくるぅ~」Zzz

提督(どんな夢を見てるんだ?)

明石「わーい、ネジが沢山だ♪」Zzz

川内「私達だけになっちゃったね」

提督「ああ、そうだな」

キット「お二人ともそろそろ休んだ方がいいのでは?」フォンフォン

提督「では次が最後だ。川内もそれでいいな?」

川内「いいよー」

提督「キットもあと少しだけ付き合ってくれ」

キット「仕方ありません」フォンフォン


~数分後~

川内「やったー!私の勝ちだ」

バタン

川内「夕方になったら起こして。おやすみ」Zzz

提督「おいおい、自分の部屋に帰って寝てくれ」

川内「」Zzz

提督「熟睡してるし(汗)それにしても徹夜でゲームにつき合わされるとは思わなかった」

キット「アドミラルも少しお休みください」フォンフォン

提督「そうだな。おやすみ」Zzz


-マルナナマルマル 執務室-

コンコン

金剛「提督、ブレックファーストの時間デスヨー」

シーン

金剛「提督?」

ガチャ

金剛「!! 提督がハーレムを作っているデース」

金剛「どうして私を呼んでくれなかったデース!うわーん」ダッ

吹雪「うーん、あれ?今、金剛さんが居た様な?」


提督「この後、色々誤解していた金剛にむちゃくちゃ謝った」

242: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/09(土) 21:12:19.41 ID:hhEpI1Ae0

-執務室-

提督「はぁー、先週末は色々と疲れたな」

吹雪「それもこれも全て神戸牛のせいじゃないですか」

提督「はい、その件については深く反省しております」

コンコン

吹雪「誰か来ましたよ」

明石「明石です」

提督「どうぞ」

ガチャ

バタン

明石「提督、防衛システムについて・・・って、月曜の朝からお疲れの様ですが大丈夫ですか?」

提督「大丈夫だ、気にしないでくれ。それより防衛システムがどうしたんだ?」

明石「先日の深提とカールに侵入された件で少し改修しました」

提督「そうか、ありがとう」

明石「PCを少しお借りしても?」

提督「どうぞ」

カタカタ

明石「出来ました!」

提・吹「お!これは」

明石「はい!防衛システムにカメラを取り付けました。これで執務室から母港の様子を確認できます」

提督「これは便利だな。前回は現場まで様子を見に行ったからな」

明石「それでは危険だと気付いてカメラを設置しました。それともう一つ」

カタカタ

提督「この画面は?」

明石「遠隔操作を出来る様にしました!」

提督「なるほど!以前は全自動だったのが、手動操作も可能になったのか」

明石「試しに操作してみますか?」

提督「そうだな」


~操作方法説明中~


明石「では、今回もターゲットとしてイ級を」

提督「おいおい」

明石「と、言いたいところですが、代わりにブイを浮かべておきました」

吹雪(ゴム弾とはいえ流石に可愛そうですよね)

明石「お詫びに間宮羊羹を持っていきましたが、激オコでもう協力してもらえそうにありませんでしたから」

提督「うん、まぁ、そうだろうね」

243: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/09(土) 21:13:53.79 ID:hhEpI1Ae0

提督「操作もバッチリだ」

明石「では、これで説明を終わりますね」

提督「それにしても、よくこんな遠隔操作システムを構築できたな。コンピュータは専門外じゃなかったっけ?」

吹雪「もしかして短期間で猛勉強したんですか?」

明石「いえ、ほとんど妖精さんが作りましたよ」

提督「そういうことか。後でお礼のお菓子を持っていかないとな」

明石「そうしてあげてください」

明石「では、私は失礼します」

ガチャ

バタン

提督「妖精さんへのお礼は何がいいだろうか?」

吹雪「う~ん、そうですね・・・」

コンコン

神通「神通です」

提督「どうぞ」

ガチャ

バタン

神通「先日は姉がご迷惑をおかけして申し訳ありません」

提督「迷惑だなんて。なぁ?」

吹雪「はい。たまには皆で集まってゲーム大会もいいなって思いましたよ」

神通「しかし」

提督「アイツにとって夜戦は生きがいだろ?満足させてやるのも上官の務めだ」

吹雪(その結果、月曜の朝からお疲れなのは考えものですけど)

神通「そう仰って頂けると少し気が楽になりました」

提督「神通も何かあれば俺を頼っていいんだぞ。可能な範囲で応えるから」

神通「今は何もありませんが、何かあればその時はお願いします」

提督「おう、任せとけ」

神通「では、私は失礼します」

ガチャ

バタン

提督「吹雪ももっと甘えていいんだぞ」

吹雪「司令官///」

提督「キットのパワーパックも充電できただろうし、間宮羊羹でも買って妖精さんに会いに行くか」

コンコン

提督「また誰か来たな」

吹雪「今日は朝から多いですね」

244: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/09(土) 21:16:46.17 ID:hhEpI1Ae0

リベッチオ「チャオ!提督さん、リベッチオです」

提督「どうぞ」

ガチャ

バタン

リベッチオ「提督さんが朝から眠そうだって聞いたからエスプレッソ入れてきたよ」

吹雪(!!)

提督「あ、ありがとう」←引きつった笑顔

カタカタカタカタ

吹雪(これダメなやつだ)

リベッチオ(提督さん、震えてる?)

ゴクッ

提督「お、お、お、美味しかったよ」←涙目

リベッチオ「提督さん、泣いてるの?」

提督「泣くほど美味しかったんだよ」

リベッチオ「そっか!また飲みたくなったら、いつでも入れてあげるね!チャオ チャオ!」

ガチャ

バタン

提督「・・・。ぶはっ(吐血)」

吹雪「司令官!直ぐに金剛さんを呼んできます!」ダッ


~数分後~


ガチャ

吹雪「司令官、金剛さんを呼んできました!しっかりしてください!」

金剛「提督!しっかりするネー!」ユサユサ

吹雪「!! 机の上に血文字で何か書いてあります!」

金剛「リベ」

金剛「・・・。あのクソガキ!提督の敵は私が取るネー!」

吹雪(金剛さんのキャラが変わってる!!)

提督「こん・・・ごう?」

金剛「!! ブッキー、提督はまだ息があるネー!直ぐにティーを入れるから待ってくだサーイ」


~数分後~


提督「はぁ~生き返った」

吹雪「司令官は本当にコーヒーに弱いですね」

提督「コーヒーなどただの泥水のようなものだ by リーガル・ブラ○アン。まだ口の中がコーヒー臭い・・・」

金剛「だったら断ればいいネー」

提督「相手がリットリオやザラなら理由を話して丁重に断るが、リベッチオだからな。断りづらいと言うか」

金剛「相手が子供だからって甘すぎデース。(それが提督の良い所でもあるけどネ)」

提督「金剛の言う通りだが、無下にするのもな」

吹雪「まぁ、そうですよね」

金剛「もう大丈夫そうだから、私は部屋に帰りますネー」

提督「ああ、ありがとうな」

245: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/09(土) 21:18:31.01 ID:hhEpI1Ae0

-工廠-

提督「妖精さーん」

妖精ズ「はーい」

提督「防衛システムの強化を手伝ってもらったと聞いたので御礼を」つ間宮羊羹

妖精ズ「!! この様な結構なお品をいただいて光栄至極であります!」

提督「そんな大層な」

妖精ズ「我々は一生提督さんについて行きます!」

提督「では、迷惑ついでに作ってもらいたい物があるんだけど、いいかな?」

妖精ズ「我々に作れる物であれば何なりと」

提督「・・・という物が欲しいんだ」

妖精ズ「その位ならお安いご用です!」

提督「じゃあ頼んだよ」

提督「キット、パワーパックの充電は?」

キット「完了しています」フォンフォン

提督「では、執務室に帰るか」

キット「はい、アドミラル」フォンフォン

246: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/09(土) 21:21:36.44 ID:hhEpI1Ae0

-執務室-

ガラガラガラ

吹雪「あ、司令官、キット、お帰りなさい」

提督「ただいま」

キット「ただいま戻りました」フォンフォン

暁「司令官、おじゃましてるわ」

提督「暁か、どうしたんだ?」

暁「コーヒーを飲みに来たのよ」

提督「コーヒーか・・・それならリットリオかリベッチオの所に行くといい」

暁「どうして?司令官は大人だからコーヒーを飲むでしょ?」

提督「コーヒーなどただの泥水のようなものだ」

吹雪(本日二度目のやり取りです)

暁「大人なのにコーヒーが嫌いなんて、司令官もまだまだね」

提督「だったら金剛はどうなるんだ?金剛はお子ちゃまか?」

暁「金剛さん?・・・。金剛さんは・・・一人前のレディよね」

提督「だったらコーヒー=大人ではないだろ?」

暁「うっ、そうとも言うわね」

提督「では、一人前のレディである暁に紅茶の良さを教えてあげよう。上質を知る大人の嗜みだ」

暁「司令官がそこまで言うなら頂いてあげるわ」


~数分後~


提督「どうぞ。砂糖とミルクは?」

暁「要らないわ。レディはそんな物入れないのよ」

提督「ストレートで飲むのが大人と思ったら大間違いだぞ」

キット「その通りです。それぞれ茶葉によって適した飲み方があります」フォンフォン

暁「!?」

247: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/09(土) 21:23:54.92 ID:hhEpI1Ae0

提督「今、入れたのはアッサムという茶葉だ」

暁「アッザム?マ・クベ大佐の?」

提督(ボケているのか、素で勘違いしているのか、反応に困る発言は止めてくれ)

吹雪「アッ"サ"ムだよ?アッ"ザ"ムじゃないから」

暁「そ、その位知ってるわよ!で、そのアッサムはどういう風に飲むのがオススメなの?」

提督「アッサムはミルクティーがオススメだ」

暁「司令官がそこまで言うならミルクで頂くわ」

ゴクッ

暁「・・・。美味しい!」

提督「そうだろ?」

暁「今度、響達も連れてきていい?」

提督「いいぞ。響を連れて来るなら、今度はロシアンティーにしよう」

暁「ロシアンティー?」

提督「ジャムを舐めながら飲むのがロシアンティーだ。レモンティーのことではないからな」

暁「色々あるのね。じゃあ、私は失礼するわ」

提督「ちょっと待ってくれ」

暁「どうしたの?」

提督「もし、リベッチオに会っても俺がコーヒーが嫌いということは黙っていてくれ」

暁「どうして?」

提督「世の中には知らない方が幸せなこともあるんだ」

暁「? よく分からないけど、黙ってて欲しいならそうするわ」

252: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/16(土) 20:21:43.57 ID:UIEbihTZ0

-執務室-

コンコン

夕張「夕張です」

提督「どうぞ」

ガチャ

バタン

夕張「妖精さん達から提督に渡して欲しいと頼まれた物を持ってきました」

提督「ついに完成したか!」

吹雪「何を頼んだんですか?」

提督「あると便利な物だ」

夕張「あると便利な物?」

提督「今からセットして実演するから少し待ってくれ」

提督「これをテレビに繋いで、LANケーブルを挿して・・・電源オンっと」

吹雪「あの、司令官、これってもしかして」

提督「テレビ電話をする装置だ」

夕張「何でそんな物を妖精さんに頼んだんですか?市販されている物を買えばいいのでは?」

提督「買うと金が掛かる。妖精さんに作ってもらうと資材だけで済む」

夕張「いや、そんなに高い物ではない様な」

提督「色々と財政(俺の財布)を圧迫してるんだよ。神戸ぎ」

吹雪(それ言っちゃダメです!)

提督(ヤバイ!言いそうになった)

夕張「?」

提督「とにかく妖精さんに作ってもらう方が安上がりでいいんだ!それにセキュリティ面も信頼できる」

吹雪「でも、どうしてそんな物を?」

提督「先日、未来の様子を見に行っただろ?」

吹雪「はい」

提督「そこで思った。会議のために大本営に移動する時間が勿体無いと!」

夕張「確かに移動には時間が掛かりますね」

提督「テレビ電話で各鎮守府と大本営を繋げば移動する必要がない!」

吹雪「!!」

提督「テレビ電話会議をすればいいじゃないかと!」

キット(それならば私を使えばいいのでは?テレビ電話なら装備しています)

夕張「!!」

提督「そこで、試しに2台作ってもらった」

吹・夕「天才ですか!?」

提督「夕張がデロリアンを作ったおかげだ。アレが無ければ思いつかなかったからな」

夕張「それ程でも///」

提督「では早速、工廠の妖精さん達に繋いでみよう」

253: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/16(土) 20:26:18.06 ID:UIEbihTZ0

-工廠-

妖精ズ「提督さんから着信だ。明石さん、このボタンを押してください」

明石「はいはい」ポチッ

提督「妖精さーん?」

妖精ズ「はーい」

提督「おお!バッチリ映ってるな」

明石「こちらからも提督達が見えていますよ」

提督「明石も居たか。これは中々良さそうだな」

明石「ええ。これは便利ですね」

提督「では早速片方を梱包して、取説、設計図と一緒に大本営に送ろうか」

明石「そうですね!」

提督「これが採用されたら会議が楽になるぞ!」

254: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/16(土) 20:28:49.63 ID:UIEbihTZ0

-数日後 執務室-

提督「ご無沙汰しております、元帥閣下」

吹雪「ご無沙汰しております」

キット「ご無沙汰しております」フォンフォン

元帥「提督君、吹雪君、キット君、先日、深海側の提督を捕らえたそうだな」

提督「はい」

元帥「まさか身内から裏切り者が現れるとは夢にも思わなかった。だが、おかげで第二、第三の裏切り者を出さずに済みそうだ」

提督「では他にもその様な者が?」

元帥「いや、今のところ見つかっていない。調査はしているが、居ないに越したことは無いからな」

提督「そうですね」

元帥「硬い話はここまでにしよう。このテレビ電話と言うのは便利な物だな」

提督「はい、妖精さんに作ってもらいました。スーパーハイビジョン対応だそうです」

元帥「なんと!では艦娘の顔が見たくなったら鎮守府と回線を繋げば高画質で見放題ではないか!うへへ」

提督「え?まぁ、そうですね(元帥もお疲れの様で)」

吹雪(この人、大丈夫でしょうか?)

キット(もっと真面目な方だと思っていましたが、私の勘違いだった様です)

元帥「ゴホン。先日の青葉君の映画だが、大ヒットでな。彼女に何か褒賞を与えたいのだが」

青葉「では、新しいカメラが欲しいです!」

提・吹・キ「!!」

提督「お前、一体何処から現れたんだ!」

青葉「まぁまぁ、そんなことより、カメラを希望します!」

元帥「ふむ。カメラか。具体的な機種等は決まっているのかね?」

青葉「○○社の××が欲しいです!」

元帥「○○社の××か。よし、分かった」

青葉「ではお願いしますね!」

元帥「それと、青葉君」

青葉「はい。何ですか?」

元帥「今回の映画が大ヒットしたので、新作を作ってみる気はないかね?」

青葉「機会があれば是非!」

元帥「では、決まったら知らせよう」

青葉「はい!お待ちしております」

提督「おいおい、青葉ってもう居ない!」

吹雪「え?いつの間に!」

キット「!!」

元帥「青葉君はもう出て行ったのか?まるで忍者だな。ははは」


-執務室前-

青葉「いやぁ、川内さんから教わった忍術は実に役に立ちますね。何処にでも忍び込めます(笑)」


-執務室-

元帥「このテレビ電話会議だが、非常に便利なので採用しよう」

提督「ありがとうございます」

元帥「では、第一回テレビ電話会議を終了する」

255: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/16(土) 20:30:46.78 ID:UIEbihTZ0

-大本営 元帥執務室-

元帥「青葉君が欲しがっていたのは○○社の××というカメラだったな。検索っと」

元帥「」

元帥「高っか!メチャ高けぇ!約束した以上、反故に出来んがこんなに高価だとは」

元帥「いや、青葉君の活躍を考えれば安い位だが、カメラとはこんなに高価な物だとは思わなかったぞ」


-鎮守府 執務室-

吹雪「テレビ電話会議が採用されて良かったですね!」

提督「これで無駄な移動が減った分、楽になるぞ」

キット「それより、青葉さんはいいのですか?」フォンフォン

提督「そうだった!アイツどうやって忍び込んだんだ?」

キット「私のセンサーも反応しませんでした」フォンフォン

吹雪「私の電探もです」

提督「一体どうなってるんだ?」

川内「ドーモ。提督=サン。川内です」

提督「アイエエエエ!川内!?川内ナンデ!?」

川内「青葉さんがどうやって忍び込んだのか知りたいんだよね?」

吹雪「はい、知りたいです」

川内「実はね、私が忍術を教えたんだ。てへっ」

提督「てへっ。じゃねぇよ!で、対処法は?」

川内「そんな物無いよ」

提督「は?」

川内「いや、だから対処法なんて無いよ」

提督「では、何処でも侵入し放題であると?」

川内「うん」

提督「うん。じゃねぇよ!どうしてくれるんだ!」

川内「どうしてくれるって言われてもねぇ。諦めて」

提督「諦めて。で済む問題じゃないから!」

川内「じゃあ、私はこれで。ドロン!」

提・吹・キ「消えた!」

提督「本当に諦めるしかなさそうだな(汗)」

吹雪「そうですね(汗)」

キット「世の中には不思議なことがあると思い知らされました」フォンフォン

257: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/18(月) 21:23:11.17 ID:RZKlO7XQ0

-フタサンマルマル 提督私室-

吹雪「明日は審判の日だった日ですね」

提督「ああ、だが、それも回避された。明日は何も起きないさ」

吹雪「そうですよね?大丈夫ですよね?」

提督「大丈夫だ。遅いからもう寝たほうがいい。おやすみ、吹雪」

吹雪「おやすみなさい、司令官」

提督(審判の日は回避された。だが、この胸騒ぎは何だ?やはり何かが起きるのか?)


-2017年6月7日 マルキュウマルマル 執務室-

提督「では、天龍、吹雪、卯月、睦月の四名はタンカー護衛任務を頼む」

天龍「駆逐艦達の面倒は俺がしっかり見てやるから安心しろ!」←旗艦

提督「・・・。そうだな」

天龍「何だよ!俺を哀れむ様な目で見るなよ!」←Lv63

吹雪「天龍さん、落ち着いてください」←Lv129

卯月「そんな目で見られても仕方ないぴょん」←Lv33

睦月「仕方ないにゃしぃ」←Lv76

天龍「何なんだよお前達まで!」

提督「こんな所で喧嘩してないで早く出発してくれ」

吹雪「はい!出撃します!」

ガチャ

天龍「コラ!俺を置いていくな!!」

バタン

提督「はぁ~やっと行ったか」

キット「天龍さんよりも練度の高い吹雪さん達を入れたのが原因では?」フォンフォン

提督「そうなんだが、今日は・・・な」

キット「審判の日だったことを気にしているのですか?」フォンフォン

提督「そうだ。審判の日は回避したはずだが、胸騒ぎがしてな」

キット「審判の日は回避されました。何も起きませんよ」フォンフォン

提督「本当に何も起きなければいいんだが」

キット「アドミラルは心配性ですね」フォンフォン

提督「工廠に行ってくるから、過去の俺が様子を見に来たら応対を頼む」

キット「承知いたしました」フォンフォン

258: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/18(月) 21:23:51.95 ID:RZKlO7XQ0

-ヒトフタマルマル 鎮守府-

(過去から来た)提督「鎮守府がちゃんと存在している!」

(過去から来た)吹雪「審判の日は回避できたんですね!」

~中略~

(過去から来た)提督「過去の俺は安心して帰ったと伝えてくれ」

キット「承知いたしました」フォンフォン

(過去から来た)提督「じゃあな」

キット「お達者で」フォンフォン

259: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/18(月) 21:24:21.04 ID:RZKlO7XQ0

-ヒトサンマルマル 執務室-

キット「これで過去のアドミラル達も安心して過ごすことが出来るでしょう」フォンフォン

ガチャ

提督「ただいま」

キット「お帰りなさいませ。過去のアドミラルは安心して帰りました」フォンフォン

提督「そうか。それは良かった」

ブオーーーーーーーーーーーーーーーッ

提督「何だ!」

キット「何の音でしょうか?」フォンフォン

ブオーーーーーーーーーーーーーーーッ

キット「あ、あれは!」フォンフォン

提督「ゴライアス?いや、アレは!」

ガッシャーン

ドカーン

キット「工廠が・・・」フォンフォン

提督「明石っ!夕張っ!クソっ!」

コノテニヨセル フクサシュノイロ

提督「明石から着信だ!」ピッ

提督「明石、無事なのか!」

夕張「提督に繋がったの?良かった~」

明石「一体何が起きたんですか?物凄い音がした後、地下室の扉が開かなくなったんですが」

提督「地下室?そうか、では二人とも無事なんだな?」

明石「はい。私も夕張も妖精さん達も無事です」

提督「巨大トレーラーが工廠に突っ込んだ」

明石「え?審判の日は回避されたんじゃ?」

提督「詳しいことはまだ分からない。直ぐに助けを向かわせるから待っててくれ」

明石「水も食料も充分あるんでそんなに焦らなくても大丈夫です」

提督「そうか。極力急いで救出するので待っていてくれ」

明石「はい」

260: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/18(月) 21:25:17.51 ID:RZKlO7XQ0

-ヒトサンマルマル 海上-

ドカーン

卯月「!!」

吹雪「鎮守府方面で爆発が!」

天龍「何が起きたんだ?」

吹雪「分かりません。急ぎましょう!」

睦月「にゃしい!」


-執務室-

提督「キット、元帥に繋いでくれ」

キット「はい、アドミラル」フォンフォン

元帥「どうしたんだね?提督君。会議の時間にはまだ早いが」

提督「我が鎮守府が深海棲艦の攻撃を受け、工廠が壊滅しました!」

元帥「何と!」

提督「近隣の鎮守府から救援を願います!」

元帥「分かった、直ぐ手配しよう」

提督「私はこれより深海棲艦へ反撃に移ります」

元帥「くれぐれも無茶はしない様に。工廠が壊滅した上に君まで居なくなっては鎮守府が崩壊してしまう」

提督「はい。では、失礼します」


-大本営 元帥執務室-

元帥「ん?『私はこれより深海棲艦へ反撃に移ります』と言ったか?提督君が戦うのか?そんな訳ないな」

元帥「兎に角、近くの鎮守府に救援を要請しなければ」

261: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/18(月) 21:26:16.76 ID:RZKlO7XQ0

-鎮守府-

???「現れたか、提督、劣化モデルよ」

提督「まさかお前が現れるとは思わなかったぞ」

キット「アレを知っているのですか?アドミラル」

提督「アレはカールだ」

キット「!!」

ゴリアテ「今の私はカールではない。ゴリアテだ!お前達を倒すため、私は蘇ったのだ!」

キット「しつこい奴だ」

提督「これ以上、鎮守府に被害を出す訳にはいかない。奴の動きを止めるぞ」

キット「どうするつもりです?」

提督「前輪を潰して動きを封じる」

金剛「工廠の方から凄い音がしましたが・・・って何デスカこれは!」

ヲ級「ナニコレ!」

提督「金剛、ヲ級、いい所に!俺とキットが奴に仕掛ける。フォローを頼む」

金・ヲ「はい!」

金剛「全砲門!ファイヤ~!」

ヲ級「攻撃隊、発艦!」

ドカーン

提督「今だ!前輪にぶつけるぞ!」

ドン

金・ヲ「そんな・・・効いてない!」

ゴリアテ「そんな攻撃が効くと思っているのか?このまま踏み潰してやる」

メキメキッ

提督「このままでは!」

キット「アドミラル、脱出してください!」

吹雪「司令官!」

卯月「そんな・・・未来の睦月ちゃんの言っていた大型トレーラーが現れるなんて・・・」

天龍「おい!このままだと提督が!」

睦月「提督が死んじゃう!」

ベキッ

提督「もう間に合わない。すまないキット」

グシャ

ゴリアテ「ふはははは!これで劣化モデルより私が優れていることが証明された!」

金剛「ぴゃあぁぁぁ!」バタン

ヲ級「提督ーっ!」バタン

吹雪「司令・・・官?嫌ぁぁぁぁ!」

天龍「おい、吹雪!しっかりしろ!」

酒匂「矢矧ちゃん!酒匂の台詞、金剛さんに取られちゃったよぉ!」

矢矧「今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょ!早く提督を助けないと!」

ゴリアテ「ふはははは!深提よ、これが私の真の実力だ!お前に代わって残りの鎮守府も全て破壊してやる!」


吹雪「こうして司令官を亡き者にしたゴリアテは私達には目もくれず去っていきました」

264: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/23(土) 21:44:05.18 ID:30mvyw6m0

-鎮守府-

吹雪「司令官・・・」ポロポロ

摩耶「クソっ!どうしてあたし達を置いて逝っちまったんだよ」ポロポロ

島風「提督、死ぬのが早すぎますよ。そこは、そこだけはもっと遅くてよかったのに」ポロポロ

時雨「提督・・・」ポロポロ

夕立「提督さん、どうして夕立達を置いて逝っちゃったの?」ポロポロ

瑞鳳「提督の好きだった卵焼き、お墓にお供えするね」ポロポロ

江風「まろーん」ポロポロ

榛名「提督、榛名は大丈夫・・・ではありません」ポロポロ

川内「提督ともっと夜戦したかったな」ポロポロ

曙「何で死んだのよ、クソ提督」ポロポロ

秋津洲「どうして死んじゃったかも!」ポロポロ

那珂(提督が死んじゃったし、もうこの鎮守府に居る理由が無いよね。アイドルデビューのチャンス!)

ポーラ「もう飲まないとやってられませーん」ポロポロ

呂500「ひとつ積んでは提督のためー、ふたつ積んでは提督のためー」

伊8「ろーちゃん、何してるの?」ポロポロ

呂500「提督のお墓作ってるの。日本ではこうやってお墓を作るって、でっちが言ってたって」ポロポロ

伊8「ごーやには後でお仕置きが必要です」

呂500「?」

扶桑「空はあんなにも青いのに」ポロポロ

山城「不幸だわ」ポロポロ

夕雲「提督、どうしてもっと甘えてくれなかったんですか?」ポロポロ

足柄「私の作ったカツカレー食べてくれるって約束したじゃない!」ポロポロ

青葉「じれいがん、どうじて、じんじゃったんでずかぁ!うわーん」ポロポロ

加賀「赤城さん、私達で提督の敵を討ちましょう」

赤城「ええ、そうですね」

長門「ちょっと待て、お前達二人でどうにかできる相手ではない!」

加賀「私達だけではないわ。空母全員です」

金剛「はっ、提督!」

吹雪「金剛さん、司令官は」

金剛「ブッキー、提督とキットが大型トレーラーに轢かれて壊される夢を見まシタ。私、疲れてますネ」

吹雪「金剛さん、それは夢なんかじゃありません」

金剛「ブッキー、ジョークは止めるネー。提督はいつも通り、執務室に居るんでショ?」

吹雪「金剛さん、司令官はもう居ないんです」

金剛「ブッキー、ジョークだと言ってくだサイ」

265: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/23(土) 21:44:58.87 ID:30mvyw6m0

ゴゴゴゴゴ

睦月「見て!執務室の床が!」

ウィィィーン

ガコン

卯月「開いたぴょん!」

ウィィィーン

天龍「下から何かが!」

ガコン

フォンフォン

吹雪「司令官?」

提督「皆、心配をかけてすまなかった」

吹雪「司令官!」ダキッ

金剛「提督ーっ!」ダキッ

吹雪「もう何処にも行かないって約束してください」

提督「ああ、約束する」

那珂(チッ!アイドルデビューがパーだ)イラッ

神通(姉さん、那珂ちゃんの様子が変じゃないですか?)ヒソヒソ

川内(何か変だね)ヒソヒソ

摩耶「おい、提督!皆どれだけ悲しんだと思ってるんだ?クソが!」

ゴスッ

提督「ぐえっ」

愛宕「摩耶、提督を殴ったりしらたダメよ~。でも、提督も反省してくださいね」

提督「すまん」

266: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/23(土) 21:46:22.42 ID:30mvyw6m0

龍田「皆をこんなに悲しませた悪い提督はお仕置きが必要ねぇ」ニコニコ

提督「あ、あの龍田さん?(目がマジだ、ヤバイ)」

グイッ

提督「痛い、痛い!ギブ、ギブ!腕が有り得ない方向に曲がってるから!」

天龍「おいおい、このままだと折れちまうぞ!」

龍田「仕方ないわねぇ。折れる前に止めてあげますねぇ」

提督「助かった」

龍田「では、どういうことか説明してもらいましょうかぁ」


~審判の日について説明中~


龍田「で、どうして黙っていたのかしらぁ?」

提督「未来は未確定だ。起きないかも知れない出来事で余計な心配をさせたくなかったからだ」

龍田「そうですかぁ?なら、どうして地下から現れたのかしらぁ?」

提督「家具コインで妖精さんに地下室を作ってもらったんだ。万が一に備えて隠れていた」

吹雪「では、先ほど轢き潰されたのは?」

提督「あれは1/1スケールのラジコンカーと俺の人形だ」

吹雪「偽物ですか?」

提督「ああ、そうだ。1/1スケールのキットの製作は苦労したぞ。秋津洲にもかなり手伝ってもらった」

秋津洲「秋津洲も頑張ったかも!」

キット「操縦は私です」フォンフォン

吹雪「でも、よく偽物で騙せましたね」

提督「そこは妖精さんの技術の賜物だな」

金剛「ちょっと待ってくだサーイ」

提督「どうした?」

金剛「今、アッキーも手伝ったって言いましたネ?」

提督「ああ、言った」

金剛「アッキーは全て知っていて手伝ったんデスカ?」

秋津洲「秋津洲は頼まれて手伝っただけだから、何も知らなかったかも!」

金剛「知らなかったかも?」

秋津洲「知らなかったです!」

金剛「リアリー?」

提督「秋津洲は本当に何も知らないから許してやってくれ」

金剛「提督がそう言うなら信じマース」

267: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/23(土) 21:47:26.99 ID:30mvyw6m0

ヲ級「う~ん」

提督「目が覚めたか?」

ヲ級「提督?生きてる?」

提督「ああ、ちゃんと生きてるぞ」

ヲ級「良かった!」ダキッ

大井「提督」

提督「大井か。心配かけてすまなかった」

大井「魚雷、撃ちますよ?」

提督「!!」

北上「まー待ちなよ、大井っち」

提督「北上様!」

北上「あたしも撃つからさー」

提督「えぇ!」

木曾「待ってくれ、姉貴!」

提督「木曾ぉ!」

木曾「俺も撃つぜ!」

提督「!!!」

加賀「貴方達、冗談も大概にしなさい。せっかく生きてたのに、本当に死んでしまうわ」

大井「仕方ないですね」

加賀「あれでもあの娘達なりに喜んでいるんです」

提督「加賀、助かったよ」

加賀「でも、今度こんなことをしたら、私が爆撃しますからそのつもりで」

提督「はい、申し訳ありません。肝に銘じます」

268: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/23(土) 21:48:55.85 ID:30mvyw6m0

吹雪「そうだ!明石さんと夕張さんはどうなったんですか!」

提督「あの二人なら無事だ。工廠の地下室に閉じ込められていると連絡があった」

吹雪「早く助けないと!」

提督「元帥に救援要請を出したから、もう少ししたら助けが来るはずだ。明石が水と食料はあるから暫くは大丈夫だと言っていた」

提督「長門」

長門「何だ?」

提督「少しずつでいいので、工廠跡地の片付けを頼む」

長門「了解した」

提督「確かめなければならないことがあるので、俺は少し出かける。後は頼んだぞ」

長門「任せておけ」

キット「深提に会いに行くのですか?」フォンフォン

提督「そうだ」

吹雪「私も行きます!」

金剛「私も!」

ヲ級「私も!」

提督「急にどうしたんだ?」

吹雪「司令官を守るためです!」

金剛「ブッキーの言う通りデース!」

ヲ級「その通りよ!」

提督「分かった。そこまで言うなら乗ってくれ」

吹・金・ヲ「はい!」

提督「奴はゴリアテのことを知っていて自分の工廠へ向かわせたのか、それとも・・・」

269: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/23(土) 21:50:27.71 ID:30mvyw6m0

-刑務所-

刑務官「面会は一人でお願いします」

提督「と、いうことだ。ここで待っていてくれ」

吹雪「分かりました」

金剛「仕方ありまセーン。ここで警備していマース」

ヲ級「仕方ないわね」

刑務官(二人は艦娘だが、もう一人は深海棲艦じゃないのか?)チラッ

ヲ級「何か?」

刑務官「何でもありません(汗)」


-面会室-

深提「わしに会いに来るとは、どういう風の吹き回しだ?」

提督「あんたはゴリアテのことを知っていたのか?」

深提「ゴリアテ?ゴライアスのことか?あれはわしが作らせたが」

提督「ゴライアスでは無い。ゴリアテだ。カールを搭載した大型トレーラーだ」

深提「カール?カールならお前との戦いで大破したではないか」

提督「・・・。やはりそうか。あんたの知らないところで計画が進行していたのか」

深提「何を言っている?」

提督「先ほど、カールを搭載した大型トレーラーに鎮守府が襲撃された」

深提「何っ!」

提督「あんたの知らないところでカールは自分のバックアップを作成していた」

深提「まさか、インプ共か!」

提督「インプ?」

深提「海軍に妖精が居るように、深海にはインプが居る。奴等が兵器を開発しているのだ」

提督「深海の提督であるあんたが知らなかったのはどうしてだ?」

深提「提督と言えども雇われの身だ。全てを掌握している訳ではない」

提督「なるほど。提督と言えども組織の末端。全ての情報は与えないと言うことか」

深提「残念ながら、そういうことだ。奴等何を隠しているか分からんぞ。気を付けろ」

提督「あんたに言われなくてもそうするさ。ああ、それと、ゴライアスはありがたく頂戴した」

深提「そうか。わしにはもう不要な物だ。好きにするといい」

提督「ところで、その格好は何だ?」

深提「この、ほっぽTシャツか?わしが深海提督と言うことで支給された」

提督(この刑務所、本当に大丈夫か?)

270: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/23(土) 21:52:00.71 ID:30mvyw6m0

ガチャ

吹雪「あ、司令官が出てきました!」

ヲ級「どうだったの?」

提督「深提はゴリアテのことは知らないそうだ」

金剛「深提はライアーの可能性もありマース」

提督「確かに無いとは言い切れんが、恐らく事実だろう。話していて嘘ではないと感じた」

吹雪「深提のことをよく知っている司令官がそう思うなら、そうなんでしょうね」

提督「用事も済んだから鎮守府へ帰ろう。明石達が心配だ」


-鎮守府-

長門「おお、提督!いい所に帰ってきた。元帥の要請で来た救援のおかけで階段を塞いでいた瓦礫をほぼ撤去できたぞ」

提督「よし!では、明石達を救出するか!」

ドンドン

提督「明石、夕張、聞こえるか?後少しで救出できるからな!」

明・夕「はーい」


~数分後~


提督「これで最後だな!よっこいしょっと。では、頼む」

長門「うむ。では、頼む」

霧島「お願いします」

陸奥「お願いね」

日向「これが瑞雲だったらいいのに。では、頼む」

比叡「お願いします」

夕立「ぽーい!」

ドスン

提督「なぁ、長門」

長門「何だ?」

提督「わざわざバケツリレー方式で運ぶ必要があるのか?」

長門「こんな時だからこそ、バケツリレーで仲間との結束をだな!」

提督「分かった、分かった。もういい」

ガチャ

テレビ「何でやねん!」

明・夕「あはははは」

夕張「あ、提督」

提督「・・・。お前達随分余裕だな」

明石「そりゃあ、水も食料も一週間分位は備蓄がありましたし。焦っても仕方ありません」

提督「まぁ、そうだな。ただ、外に出たらショックを受けると思うぞ」

夕張「そんなに酷いんですか?」

提督「ああ」

271: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/23(土) 21:52:52.12 ID:30mvyw6m0

-工廠跡地-

夕張「そんな・・・」orz

明石「もう生きていけない・・・」orz

提督「悪いが、工廠の再建が済むまで移動本部(元ゴライアス)で我慢してくれ。それなりに設備は整っているだろ?」

明石「再建にはどのくらい掛かるんですか?」

提督「数ヶ月は掛かるだろうな」

明・夕「そんなに!あぁ、もうダメだ」

ツンツン

妖精ズ「提督さん」

提督「どうしたんだい?」

妖精ズ「家具コインを十万程用意してもらえれば一日で再建できますよ」

提督「十万か」

明石「やさしい提督ならポンと出してくれるんだけどなぁ~」チラッ

夕張「だけどなぁ~」チラッ

提督「今、手元には八万しかない」

妖精ズ「足りませんか~。でも、それだけあれば二、三日で完了しますよ」

提督「・・・。分かった。これで頼む」

妖精ズ「了解です」

明石「いよっ!太っ腹!」

夕張「提督、大好き!」

提督「こでれお前達の喜ぶ顔が見られるなら安いもんだ(結構痛い出費だったな)」

272: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/23(土) 21:54:33.34 ID:30mvyw6m0

提督「キット、発信機は機能しているか?」

吹雪(発信機?いつの間に?)

キット「はい。ゴリアテは現在、深提の工廠跡地に居る様です」フォンフォン

提督「深提の工廠跡地?」

キット「私達が地下に潜ってやり過した様に、ゴリアテも地下に居たのでしょう」フォンフォン

提督「なるほど、だから見つけられなかったのか」

キット「おそらく、そうだと推測されます」フォンフォン

提督「今すぐにでも何とかしたいが、闇雲に戦えば先ほどの二の舞になる」

吹雪「前回の様に王水入り三式弾を使うのはどうですか?」

提督「今回は相手がかなり巨大だ。効果が出るまで時間が掛かり過ぎる」

キット「先ほどの戦いでゴリアテをスキャンしましたが、腐食したとしてもあの重量には勝てそうにありません」フォンフォン

提督「何か別の方法を考えないといけないか」

金剛「それなら、腐食したゴリアテに移動本部をぶつけてやるのはどうデスカ?」

提督「パワーは互角だが、あんなでかいトレーラー同士を戦わせる場所がない」

金剛「うーん」

ヲ級「コン○イ司令官に頼むのはどう?」

提督「残念ながら、サイバト○ン星に知り合いは居ない。つーか、トレーラーってだけで、コ○ボイって」

赤城「今回も私たちが爆撃しましょうか?」

提督「うーん、流石に三度目にもなるとな、奴も警戒しているだろう」

明石「じゃあ、キットに核ミサイルを積みましょうか」

提督「却下!」

キット「却下します」フォンフォン

明石「えー、ダメですか?仕方ないですね」

提督「えー、じゃない!当たり前だろ!」

アイオワ「私の火力なら」

提督「キットは大和型の主砲にも耐えられる。奴も装甲の強度は同じだ。アイオワといえども無理だろう」

夕張「では、その重量を逆手にとって、・・・と言うのはどうでしょう?キットは嫌がるでしょうけど」

キット「私は反対です!」フォンフォン

提督「しかしだな、他に手立てがあるか?」

キット「結論を急がなくとも考えれば済む話です」フォンフォン

提督「こうしている間にも奴は次の鎮守府を襲うかも知れない。ゆっくり考える暇は無い」

キット「私は絶対に行きません!」フォンフォン

提督「どうしてもか?」

キット「どうしてもです」フォンフォン

提督「分かった。夕張、デロリアンを貸してくれ。もし、俺が帰ってこなければ『分かりました。行きます』」

キット「そんな言い方をされては嫌だとは言えません」フォンフォン

提督「さすが相棒!話が分かる」

キット「ただし、夕張さんの案は最終手段であり、他の方法があればそちらを優先してください」フォンフォン

提督「ああ、そうしよう」

275: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/31(日) 22:41:07.74 ID:8d4WQjcZ0

キット「まずは深提の工廠跡地へ向かいますか?」

提督「そうだな。奴がそこに居るなら、工廠跡地へ向かうしかない」

吹雪「司令官」

提督「止めても無駄だろ。乗ってくれ」

吹雪「はい!」

金剛「提督、私も!」

ヲ級「私も!」

提督「お前達には頼みたいことがある。連絡するまで待機していてくれ」

金剛「オッケー、デース」

ヲ級「分かったわ」

提督「長門、もう何も起きないと思うが、鎮守府を頼む」

長門「任せておけ」

提督「明石、移動本部は動かせるな?」

明石「はい」

提督「では、金剛達を乗せてスタンバイしておいてくれ」

明石「分かりました」

ガチャ
バタン

提督「では、出発しよう」

キット「はい、アドミラル」

提督「今度こそ終わらせるぞ」

276: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/31(日) 22:42:02.50 ID:8d4WQjcZ0

-深提の工廠跡地-

提督「ここに奴が居るんだな?」

キット「はい。100m程地下に潜った所に反応があります」

提督「来てみたのはいいが、どうやっておびき出すか」

吹雪「入り口らしきものも見当たりませんね」

キット「!! どうやら向こうが我々に気付いた様です」

吹雪「乗り込む手間が省けましたね」

提督「そうだな」

ウィィィーン

ガコン

ゴリアテ「何故お前達がここに居る!」

提督「お前を倒すために地獄から帰ってきたと言っておこう」

キット「お前との因縁も今日で終わりだ、カール!」フォンフォン

ゴリアテ「ならばもう一度、地獄へ送ってやろう。今度こそ帰って来れぬ様にな!」

ブオーッ

提督「間近で聞くと凄いクラクションだ」

吹雪「早く逃げないと!このままだと轢かれてしまいます!」

提督「ターンできそうな広い場所までバックで進むしかない」クルッ

提督「ずっとバックで進むのも面倒だな」

キット「運転を代わります」

【NORMAL CRUISE】⇒【AUTO CRUISE】ピーッ

提督「頼んだぞ、キット」

277: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/31(日) 22:43:16.26 ID:8d4WQjcZ0

提督「移動本部に繋いでくれ」

キット「はい、アドミラル」


-移動本部車内-

ピロリロリーン

金剛「提督からテレビ電話の着信ネー!」

ピッ

金剛「提督、どんな感じデスカー?」

提督「ゴリアテに追いかけられている真っ最中だ。ヲ級は居るか?」

金剛「ヲ級、提督が呼んでるヨー」

ヲ級「もしかして、私の出番?」

提督「ああ、そうだ!偵察機を飛ばしてゴリアテを調査してもらいたい」

ヲ級「分かったわ!」

提督「情報は随時、キットに送ってくれ。では、一旦通信を終了する」

榛名「キットに島風さんが乗っていませんでしたか?」

ヲ級「そう?私は分からなかったけど」

榛名「うさみみリボンが見えた気がします」


-深提の工廠跡地付近-

提督「試しに一度、レーザーで攻撃してみるか」

キット「先ほどの襲撃時にスキャンしましたが、対策をしている様です」

提督「物は試しだ」

【LASER】ピッ

ビーッ

ゴリアテ「そんな攻撃が効くと思っているのか?」

キット「やはり効いていません。もうすぐターン可能な広い場所に出ます」

提督「よし、広い場所に出たな」

キット「180°ターン後に運転を代わります」

【AUTO CRUISE】⇒【NORMAL CRUISE】ピーッ

提督「よし、ここからは弱点が見つかればそれで良し、ダメなら当初の計画通りで行くぞ」

280: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/11(木) 22:57:25.33 ID:lP+ZKoiN0

キット「アドミラル、移動本部から着信です」

提督「分かった。繋いでくれ」

明石「提督、作戦は順調に進んでいますか?」

提督「順調も何も、さっきヲ級に偵察機を飛ばしてもらったところじゃないか」

明石「核ミサイルを使いましょう!」

提督「作戦会議中に却下しただろ。大体、うちは核なんて保有し『開発しました!』」

提督「は?」

明石「だ・か・ら、核ミサイルを開発しました!」

提督「え?」

明石「核は持ってりゃ嬉しいただのコレクションじゃない!」

提督「金剛」

金剛「ハーイ」

提督「そこの偽(?)明石を取り押さえろ」

金剛「イエッサー!」

金剛「さあ、大人しくロープに掛かるネー」

明石「金剛さん、冗談ですよね?」

金剛「提督からのオーダーは絶対デース」


~金剛vs明石格闘中~


金剛「提督、取り押さえたヨー」

提督「良くやった!変なことをしない様に見張っててくれ」

金剛「了解デース」

281: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/11(木) 22:58:42.26 ID:lP+ZKoiN0

-鎮守府-

妖精?「そろそろ工作艦の女が核をぶっ放す頃だな。とっとと、ずらかるとするか」

ツルッ

五月雨「きゃあ!」

妖精?「ん?」

ゲシッ

妖精?「ひでぶ」

ピューン

五月雨「イタタ、転んだ拍子に何かを蹴った様な?」

雪風「司令達の作戦はうまくいっているでしょうか?」

陸奥「きっとうまくいっているわ。ん?第三砲塔に何か・・・」

ドカーン

妖精?「あべし」

ピューン

陸奥「きゃあ!」

雪風「陸奥さん、大丈夫ですか?」

陸奥「第三砲塔が爆発したけど、怪我は無いわ。きっと雪風のおかげね」

雪風「陸奥さんに怪我が無くて良かったです!」

ポトッ

妖精?「」チーン

山城「目の前に黒こげの変な物体が落ちてきた。不幸だわ」

イ級「コイツはインプじゃないか!」

山城「インプ?」

イ級「深海の兵器開発担当で別名、悪妖精だ」

山城「何故そんなのが鎮守府に?それより、逃げられないように虫かごにでも入れた方がいいわね」

イ級「提督が帰ってきたら報告しないといけないな」

282: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/11(木) 23:00:12.53 ID:lP+ZKoiN0

-移動本部車内-

明石「あれ?何で私、縛られているんですか?」

比叡「明石さんが核ミサイルを撃て!なんて言うからじゃないですか」

明石「核ミサイル?何の話ですか?」←インプに催眠術を掛けられていた

比叡「何の話?って、明石さんが核ミサイルを使おうとしたから、司令の命令で縛ったんですよ」

明石「え?」

比叡「まさか覚えてないんですか?」

明石「はい。全く」

比叡「お姉さまー!大変です!明石さんがさっきの出来事を覚えて無いって!」

金剛「ヘイ、明石。覚えて無いって本当デスカ?」

明石「はい。全く覚えていません」

金剛「んー、でも提督のオーダーだからしばらくはそのまま我慢シテネ」

明石「はぁ。何でこんなことに」

283: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/11(木) 23:01:27.29 ID:lP+ZKoiN0

-ゴリアテ襲撃の約30分前 鎮守府付近-

インプ「よし、この辺で下ろしてくれ」

ゴリアテ「分かった」

インプ「工廠の妖精に変装して鎮守府に忍び込み、ちょっとした破壊工作をしてくる」

ゴリアテ「うむ」

インプ「お前は30分程経過したら突撃してくれ」

ゴリアテ「了解した。今度こそ奴等はあの世行きだ。ふはははは」


-鎮守府 工廠-

明石「今日は何を開発しようかしら」

夕張「新しい主砲なんてどう?」

明石「いいわねー」

妖精?「たまには地下室の片付けなんてどうですか?」

明石「あなた見ない顔ね。新人さん?」

妖精?「(ギクッ)嫌だな~ずっとこの工廠に居ましたよー」

明石「そう?」

妖精?「そうですよー」

明石「まあ、いいわ。確かに地下室を少し整理した方がいいかも知れないわね」

夕張「そうね。たまには整理整頓しよっか」


-工廠 地下室-

ブオーーーーーーーーーーーーーーーッ

ガッシャーン

ドカーン

夕張「何か地上で凄い音がしたわ!」

妖精ズ「わー、何事だー!」

ガチャガチャガチャ

明石「ドアが開かない!」

夕張「嘘っ!何が起きてるの?」

明石「分からない。とりあえず提督に電話してみましょう」

プルルルル

284: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/11(木) 23:03:06.97 ID:lP+ZKoiN0

-執務室(地下)-

提督「明石から着信だ!」ピッ

提督「明石、無事なのか!」

夕張「提督に繋がったの?良かった~」

明石「一体何が起きたんですか?物凄い音がした後、地下室の扉が開かなくなったんですが」

提督「地下室?そうか、では二人とも無事なんだな?」

明石「はい。私も夕張も妖精さん達も無事です」

提督「巨大トレーラーが工廠に突っ込んだ」

明石「え?審判の日は回避されたんじゃ?」

提督「詳しいことはまだ分からない。直ぐに助けを向かわせるから待っててくれ」

明石「水も食料も充分あるんでそんなに焦らなくても大丈夫です」

提督「そうか。極力急いで救出するので待っていてくれ」

明石「はい」


-工廠 地下室-

明石「巨大トレーラーが工廠に突っ込んで来たらしいわ」

妖精?(計画通り)ニヤッ

夕張「そんな、まさか!」

明石「詳しいことはまだ分からないけど、助けに行くから待っててくれって」

夕張「ここから出られない以上、大人しく待つしかなさそうね」

妖精?「明石さーん、ちょっとこっちに」

明石「どうしたの?」

妖精?「この糸で吊るした5円玉を見てください」

明石「うん」

5円玉プラプラ

妖精?「お前は核ミサイルを撃ちたくなる。お前は核ミサイルを・・・」

明石「私は核ミサイルを撃ちたくなる」トローン

夕張「明石ー、テレビで面白い番組やってるわよ」

明石「私は核ミサイルを撃ちたくなる」

夕張「明石?」

明石「ん?えっと、何?」

夕張「面白い番組やってるから、テレビでも観ながら助けを待たない?」

明石「そうね。ジタバタしても仕方ないし、テレビでも観て待ちましょうか」

妖精?(よし、成功だ!これであの女が核を撃てばこの国の人間共は滅びる)

妖精?(人間が居なくなれば地上は我々、深海棲艦のものだ!ゴリアテなど所詮捨て駒だ!ぐへへ)

289: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/23(火) 23:02:54.57 ID:ERe3Q+3x0

-深提の工廠跡地付近-

ゴリアテ「堕ちろ」

キット「熱源追尾ミサイルです」

提督「ウルトラマグネシウムだ!」

『ROCKET FIRE』ピッ

ポトッ

ドカーン

キット「もう一発来ます!」

提督「スキーモードを使うぞ、しっかり捕まってろよ」

吹雪「はい!」

『SKI MODE』ピッ

ヒューン

ドカーン

キット「じわじわと詰められています。奴の先端に取り付けられたクラッシャーの攻撃を受けてはひとたまりもありません」

提督「よし、スーパー追跡モードを使うぞ」

キット「はい、アドミラル」

『SPM』ピッ

『Passive Laser Restraint System』ピッ

吹雪(どちらかと言うと、私達が追跡されている側の気がします)

島風「はっやーい!」ヒョコッ

提督「島風!」

吹雪「島風ちゃん!」

提督「お前、何でここに居るんだ!」

島風「えへへ、提督達が心配で付いて来ちゃっいました」←後部座席の足元に隠れていた

提督「キット、知っていたのか?」

キット「いいえ、知りませんでした」

提督「・・・。そういえば車内にトラが居たのに、センサーに細工をされたせいで気付かなかった。なんてことがあったな」

キット「確かにその様なこともありましたね」

提督「今回の件もそういうことか?」

キット「そういうことです、アドミラル」

提督「では、そういうことにしておこう」

提督「島風」

島風「何ですかー提督?」

提督「頼むから変なことはせず、大人しくしていてくれ」

島風「はーい!」

290: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/23(火) 23:05:09.92 ID:ERe3Q+3x0

吹雪「そういえば、何故ヲ級さんの偵察機を使ったんですか?赤城さん達のは散々使用しているから、警戒されるのは分かりますが」

提督「実はな、ヲ級によるとカールは深海側の艦載機を見たことが無いらしい」

吹雪「え?深海棲艦と一緒に行動していたのに?」

提督「ああ。ヲ級が居た鎮守府は空母がヲ級しか居なかったそうだ。それで一度も見せていないと言っていた」

島風「どの程度の規模の鎮守府か知りませんが、空母が一隻だけって」

提督「信じがたい話だが、仲間になったアイツが言うんだから間違いないだろう」

吹雪「じゃあ、今飛ばしている偵察機を見たとしても」

提督「ドローンが飛んでいるって程度にしか思わないだろうな」

キット「アドミラル、偵察機からの情報が届きました」

提督「何か弱点は見つかったか?」

キット「一箇所、あるにはありますが」

提督「歯切れが悪いな」

キット「トレーラーとコンテナ部分を繋ぐ太いケーブルを切断すれば機能を停止させられます」

提督「ピンポイントでの攻撃が必要になるか」

キット「はい」

提督「俺がスー○ーマンか、ウル○ァリンとかだったら奴に飛び乗って切断するんだが、無理だな」

吹雪「え?司令官って改造人間じゃなかったんですか?」

提督「は?改造人間?」

吹雪「だって、ナイトライダーって仮○ライダーの一種ですよね?」

提督「・・・」

島風「あれ?違うんですか?」

提督「なぁ、吹雪。俺が変身用のベルトを身に着けていたり、リボル○インを持っている姿を見たことがあるか?」

吹雪「ありません」

提督「では、島風。俺が一度でも『悲しみの王子』とか名乗ったことがあるか?」

島風「ありません」

吹雪「では、まさか・・・」

提督「ライダーの部分が一致しているだけで、全く関係ない。大体、俺が改造人間なら大本営は悪の秘密結社か?」

吹雪「!!!」

島風「そんな!」

キット「私を車輪付き箒などに乗っている変身ヒーローと一緒にしないで下さい」

吹雪「キットってもしかして」

提督「二輪のことを良く思ってないな」

島風(乗り物同士なのに?)

提督「理由はグレン・A・ラーソンにでも聞いてくれ」

吹雪「誰ですか?」

提督「ナイトライダーの製作総指揮をしていた人物だ」

キット「私の人格は全てドラマに登場したオリジナルの私に準じています」

吹雪(自分がオリジナルじゃないことは自覚してるんだ)

提督「そういうことなので、今後はキットの前で二輪の話はしない様に」

吹・島「はーい」

291: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/23(火) 23:06:11.70 ID:ERe3Q+3x0

-移動本部車内-

榛名「金剛お姉さま、提督から連絡があるまでお茶にしませんか?」

金剛「いいですネー」

ヲ級「そんな悠長なことを言っていていいの?」

比叡「大丈夫ですよ。私たちは司令のことを信頼していますから」

ヲ級(そういう問題なの?)

霧島「私の計算によると、私達の出番までまだしばらく時間があるわ」

アイオワ「これがジョシカーイというものなのね」

明石「あのー?私も喉渇いたんですが」

金剛「後で飲ませてあげるネー。火傷するといけないからアイスティーの方がいいデスカ?」

明石「そうですね。解いてもらえるならホットを飲みたい気分ですが」

金剛「それは無理ネー」

明石「そうですよね。提督がいいと言うまでこのまま我慢します」

明石(うぅ、どうしよう・・・変な 癖に目覚めそう)

292: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/23(火) 23:08:07.29 ID:ERe3Q+3x0

ゴリアテ「何だ?後方からとてつもない勢いで何かが近づいてくる」

霰「キーーーン」

ピューン

ゴリアテ「何だったんだ?」

キット「アドミラル、後方から高速で接近する物体が!」

提督「またミサイルか?」

キット「いえ、あれは!」

霰「んちゃ!キーーーン」

ピューン

島風「おうっ!」

提督「は?」

吹雪「え?」

提督「見間違いでなければ今のは霰だよな?」

吹雪「はい。朝潮型 9番艦の霰ちゃんでしたね(汗)」

島風「私がスピードで負ける訳がない!提督、降ろしてください」

提督「いや、降ろせって言われてもな。今止まるのは不味い」

島風「じゃあ、天井を開けてください!」

提督「お前、飛び降りる気か?」

島風「大丈夫です!ちゃんと着地できます!キットに負けたあの日から、誰にも負けないと決めて訓練してきたんだから!」

提督「本当に大丈夫なんだな?」

島風「本当の本当に大丈夫です!」

提督「分かった。そこまで言うなら、吹雪悪いが席を代わってやってくれ」

吹雪「はい。でも、島風ちゃん、本当に大丈夫?」

島風「大丈夫!」

吹雪「じゃあ、後ろに移動するね」

チラッ

提督(うむ、白だ。『何が』とは言わないが白だ。そして島風は黒だ。島風は普段から見えてるからな)

島風「よ、っと。じゃあ、お願いしまーす」

『AUTO ROOF LEFT』ピッ

島風「では、行ってきます!」

提督「無理はするなよ」

吹雪「無理はしないでね」

島風「はーい!」ピョン

293: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/23(火) 23:13:44.51 ID:ERe3Q+3x0

島風「私には誰も追いつけないよ!連装砲ちゃーん!」

キット「また後方より高速で接近する物体があります」

提督「さっき島風が連装砲を呼んだということは」

吹雪「島風ちゃんの連装砲ちゃんが来たんでしょうね」

キット「はい。正しく連装砲でした」

提督「島風が呼んだら鎮守府から走ってきたってことだよな?」

吹雪「一体、時速何キロで走ってきたんでしょうね?」

提督「ワープして来たのかもな」

キット「夕張さん達の手に掛かればやりかねません」

島風「島風、砲雷撃戦入ります!」

ドーン

提督「直撃したな」

ゴリアテ「この程度の攻撃、何の支障もない」

キット「コンテナ部のタイヤが一つ破損した様です」

島風「私は誰にも負けないよ!キーーーーン」

ピューン

提督「キットよりも早い速度で走って行った・・・音速の壁を超えたな。ソニックブームが発生したぞ」

吹雪「もう考えない様にします。考えたところで理解できないと分かりました」

提督「そうだな。いくら艦娘と言えども音速の壁を越えるのは、な?もう人知を超えた何かって思った方がよさそうだ」

キット「タイヤの破損により、ゴリアテの速度が落ちています」

提督「よし、そろそろスーパー追跡モードを解除するか」

キット「!! アドミラル、また後方より接近する物体が」

提督「まさか!」

キット「はい、島風さん達が地球を一周して帰ってきた様です」

島風「キーーーン」ピューン

霰「キーン」ピューン

吹雪「さっき考えないって言いましたが、艦娘って何なんでしょうね?」

提督「それは艦娘である吹雪の方がよく分かってるんじゃないのか?」

吹雪「私は島風ちゃん達の様に音速で走ったり出来ません」

提督「そうだよな。でも、島風達が特別過ぎるんだ。いや、普通じゃないと言うべきか」

キット「その通りです、吹雪さん。私でもあんな速度で走行できません」

296: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/30(火) 23:11:27.60 ID:LyX93q4u0

キット「アドミラル、今後は無人ヘリが接近中です」

提督「次から次へと厄介な。マイクロウェーブで対処できないか?」

キット「ダメです。距離がありすぎて届きません」

提督(くっ、どうすれば・・・)

吹雪「司令官、私がやってみます!」

提督「やってみるって、まさか」

吹雪「はい!対空砲火です。こんなこともあろうかと、今日は主砲を持ってきました」

提督「他に方法も無いか。分かった、吹雪頼む」

『AUTO ROOF LEFT』ピッ

吹雪「はい、任せてください!」

吹雪「お願い! 当たってください!」

ドカーン

ゴリアテ「ヘリを撃ち落としたか。少しはやる様だな」

提督「でかした、吹雪!(改修MAXの秋月砲と高練度の吹雪の組み合わせは最高だ!)」

吹雪「私、やりました! 司令官のおかげです!」

キット「ヘリの残骸がゴリアテに向けて落下している様です」

ゴリアテ「不味い!ヘリの残骸がこちらへ」

ドカーン

ゴリアテ「遠隔操作用アンテナがやられた。これでもう、無人兵器は使えんな。まぁいい、そんな物を使わずと轢き潰せばいいだけだ」

キット「ヘリの残骸がゴリアテのアンテナに直撃しました。もう無人兵器は使えないでしょう」

提督「よし、奴の武器を一つ封じることができたな。だが、どうやって倒すか」

キット「レーザーは効かない。体当たりによる攻撃も効かないでしょう。そうなるとやはり」

提督「キットは嫌だろうが、当初の予定通りの方法しか無いかもな」

ゴリアテ「ぺちゃんこにしてくれるわ!」

297: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/30(火) 23:16:37.40 ID:LyX93q4u0

吹雪「司令官、崖が見えてきました」

提督「だが、奴は俺達しか見えていない」

キット「この作戦だけは止めて欲しかったです」

吹雪「司令官!」

提督「大丈夫だ。ちゃんと生きて帰れる!」

崖「やあ!」

提督「ターボブーストだ!」

『TURBO BOOST』ピッ

ブーンッ

ゴリアテ「!!」

キキーッ

ゴリアテ「奴に集中するあまり、もう少しで転落するところだった」

グラッ

提督「金剛、今だ!」

金剛「撃ちます!ファイヤ~!」

比叡「撃ちます!当たってぇ!」

榛名「榛名!全力で参ります!」

霧島「さぁ、砲撃戦、開始するわよ~!」

アイオワ「さぁ、私の火力見せてあげるわ・・・オープン ファイヤー!」

ゴリアテ「止めろ!!」

ドカーン

グラッ

298: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/30(火) 23:18:03.88 ID:LyX93q4u0

金剛「もう一息ネー!ファイヤ~!」

ゴリアテ「止めろぉぉぉ!!」

グラッ

ゴリアテ「うわぁぁぁぁ!!」

ヒューーーーーッ

提督「このパラシュートは何処に収納されているんだろうな?天井はTバールーフだから収納するスペース無いと思うんだけどな」

吹雪「不思議ですよね~」

提督「それにルーフを開くときは垂直に開いたり、横にスライドして収納されたり、緊急ブレーキシステムのフラップだったり」

キット「恐怖で回路が焼き切れそうです!」

吹雪「キットってもしかして」

提督「高所恐怖症だ」

キット「4本のタイヤが地面に着かなければ安心できません!もし私が人間なら恐怖のあまり失禁しています!」オイルドバー

吹雪「司令官、ゴリアテが崖から転落しました!」

ゴリアテ「身体が壊れても私は不滅だ、いつの日かまた私は蘇る」

ドカーン

提督「キット、奴はどうなった?」

キット「爆発を起こし木っ端微塵です」

提督「今度こそ終わったか?」

キット「ゴリアテ以外のバックアップが存在しなければ、これが最後でしょう。ただ、カールウイルスが存在しなければいいのですが」

吹雪「カールウイルス?」

提督「そんなどこぞのハゲでケツアゴのレプリロイドの様な物は存在しないだろ」

キット「そうですね」

提督「よし、では着水したら海面を走って鎮守府に帰ろう」

キット「早く着水して欲しいものです」

299: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/30(火) 23:19:05.57 ID:LyX93q4u0

-鎮守府 執務室前-

ガラガラガラ

提督「ゴリアテのおかげで大変な一日だったな」

吹雪「今日の様な日は二度とゴメンです」

提督「吹雪たちには何かお詫びをしないといけないな」

山城「提督、お帰りなさい。早速で悪いけど、見て欲しい物が」

提督「山城にイ級とは珍しい組み合わせだな。どうした?」

山城「これよ」つ虫かご

提督「なんだコイツ?」

イ級「深海側の兵器を開発しているインプだ」

提督「コイツが噂の?では預かっておく」

山城「用が済んだから私はこれで」

ガチャ
バタン

提督「吹雪、悪いが今から言う物を用意してくれ」

吹雪「はい」

提督「まずは、水の入ったバケツ」

吹雪「はい」

提督「それと、カセットコンロ、フライパン、フライパンの蓋だ」

吹雪「司令官、まさか・・・」

提督「これ以上のことは吹雪は知らなくていい。後は全て任せてくれ」

吹雪「分かりました。では、行ってきます」

ガチャ
バタン

インプ「お前、まさか」

提督「そのまさかだ」

インプ「ほ、捕虜の扱いは」

提督「捕虜というのは人間にのみ適用される。だが、お前が素直に吐けばこれから持ってくる道具は必要ない」

インプ「じょ、冗談はやめてくれ!」

提督「冗談ではない」

300: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/08/30(火) 23:22:14.45 ID:LyX93q4u0

~数分後~

ガチャ

吹雪「頼まれた物を用意しました」

提督「うむ。では、荷物を置いたら、悪いが吹雪は出て行ってくれ」

吹雪「秘書艦として最後まで見届けます。これで私も共犯です」

提督「こんなことに付き合う必要はない。出て行くんだ」

吹雪「司令官だけに罪を背負わせはしません!」

提督「分かった。そこまで言うなら一緒に居てくれ」

提督「さあ、水攻めと火炙り、好きな方を選べ」

インプ「分かった!全て話す。話すから止めてくれ!」

提督「いいだろう。だが、嘘だと分かれば」

インプ「絶対に嘘はつかない!インプ嘘つかない!」

提督「ゴリアテ以外にカールのバックアップは存在するのか?」

インプ「無い。あの一台だけだ」

提督「キット」チラッ

キット「バイオリスムに乱れはありません。事実の様です」フォンフォン

提督「では、うちの工作艦が核を使おうとした。お前が何かしたのか?」

インプ「そうだ!俺が催眠術を掛けた!」

キット「事実の様です」フォンフォン

提督「ゴリアテ以外にこの鎮守府を攻撃するための兵器を開発したか?」

インプ「してない」

キット「嘘です」フォンフォン

提督「ふむ。では、水と火どっちだ?選ばせてやる(頼むから正直に答えてくれ。拷問とかしたくないし!)」

インプ「ひいっ!悪かった!本当のことを話すから許してくれ!」

提督「では話せ」

インプ「他所の鎮守府に人間を操る研究をしている奴がいた。その研究を少し手伝った。工作艦にかけた催眠術はその応用だ」

キット「事実の様です」フォンフォン

提督「他の深海棲艦がうちを襲撃するかも知れないということか。これだけ分かれば充分だ。あとは大本営に任せよう」

キット「今日はとても長い一日でしたね」フォンフォン

提督「ん~、何かを忘れている気がするんだが、なんだ?」

吹雪「ゴリアテのせいで今日一日色々ありすぎたから、そんな気がするだけじゃないですか?」

提督「そうかもな。ははは」


-移動本部車内-

明石「提督、早く縄を解いてください!」

303: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/02(金) 22:38:53.37 ID:/Pk3mLRO0

-ゴリアテの事件から数日後 執務室-

提督「なぁ、皆何故執務室に集まってるのかな?」

摩耶「なんだよ、あたしが執務室に居ちゃいけないのかよ?」

龍田「天龍ちゃんは、また提督が居なくならない様に見張ってるのよねぇ~?」

天龍「ばっ、そんなんじゃねぇよ!///」

夕雲「提督、色々あったからお疲れでしょ?甘えてくれていいんですよ?」

曙「クソ提督♪」

卯月「提督が死なない様に見張ってるぴょん。あの時は本当にショックだったぴょん」

提督「先日のことは本当に悪かったと反省しております。申し訳ありません」

浜風「だからこうして私たちが護衛しているのです」

提督「いや、護衛なら吹雪とキットが居るから」

浦風「うちらじゃ不満けぇ?」

提督「いや、そうじゃなくってだな。だから、そんなにくっつくな(吹雪に物凄く睨まれてるから!!)」

瑞鳳「卵焼き食べる?」

提督「悪いがもう少しで昼休みだから、今は遠慮しとく」

キンコンカンコーン

提督「ほら、昼休みのチャイムだ。皆、食堂で食べてきなさい」

瑞鳳「提督も一緒に行こ?」

提督「悪いが今きりが悪くてな。あと5分位で終わるから先に行っててくれ」

瑞鳳「じゃあ、食堂で待ってるね」

304: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/02(金) 22:39:54.97 ID:/Pk3mLRO0

-金剛型私室-

榛名「そうだ!先日買ったCDを聞いてみましょう!」

CDプレーヤー「♪」

比叡「あら、榛名。そのCDどうしたの?」

榛名「先日、買ったんです」

比叡「なんだか気分が高揚してきます」

榛名「比叡お姉さまもですか?」

比叡「なんか、こう・・・司令にカレー作らなきゃ!」

ガチャ

榛名「提督、榛名が直ぐ参ります!」

305: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/02(金) 22:41:06.95 ID:/Pk3mLRO0

-金剛型私室前-

金剛「今日の敵は久しぶりに強敵だったネー」

霧島「はい。強敵と書いて『とも』と呼べる相手でした」

金剛「比叡達を誘ってランチタイム、ネー」

霧島「何だか部屋の中が騒がしくないですか?」

金剛「確かに騒がしいネー」

比叡「カレー作らなきゃ!」

ガチャ

比叡「司令、待っててください!比叡特製カレーをご馳走します!」ダッ

霧島「カレー?」

金剛「!!! 大変ダヨ!霧島、比叡を止めるネー!」

霧島「はい!比叡お姉さま待ってください!」ダッ

榛名「提督。貴方の榛名が直ぐに参ります。うふふ」ダッ

金剛「榛名も一体どうしたんデース!」

306: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/02(金) 22:47:07.39 ID:/Pk3mLRO0

吹雪「両手に花とはいいご身分ですね」

提督「いや、向こうから一方的に押しかけて来てだな」

キット「皆さん、アドミラルを心配しての行動です。大目に見てあげてください」フォンフォン

吹雪「それは分かってますが、鼻の下伸びっぱなしでしたよ」

提督「いや、それはその、男の性と言うものでだな」

キット(完全にやきもちを焼いてますね)

ドアバーン

提督「!!」ビクッ

吹雪「!!」ビクッ

榛名「提督!お聞きしたいことがあります!」

提督「なんだ榛名か。ドアは静かに開けてくれって、あの、榛名さん、何故艤装を展開されてらっしゃるのですか?」

榛名「提督にお聞きしたいことがあって参りました!」

吹雪(何だか分からないけど、司令官を守らないと!)

提督(ヤバイ。何故か知らんが主砲をこちらに向けている!下手な事を言うと命が無い!)

提督「あの、聞きたいこととは?」

榛名「提督は子供は何人欲しいですか?」

提督「え?」

榛名「榛名はですね。一姫二太郎がいいです。それで二人で小さな家を建てて、大きな窓と小さなドアーと、部屋には古い暖炉があるんです。真っ赤な薔薇と、白いパンジー、子犬の横には貴方が居るんです。ブルーの絨毯敷き詰めて楽しく笑って暮らすんです。家の外では坊やが遊び、坊やの横には貴方が居るんです。そして私はレースを編むんです。部屋とワイシャツと私、愛する貴方のため綺麗でいさせてください。もし私が先立てば俺も死ぬと言ってくださいね。私はその言葉を胸に天国へと旅立ちます。貴方の右の眉を見届けたあとで。記念日には君は綺麗と言ってその気でいさせてください」

吹雪(途中で別の歌になってる!!)

榛名「そう言う訳なので行きましょう!」

提督「あの、榛名さん、行くってどこへ?それに艤装に指の様な物が見えるのですが」

榛名「これ(指)ですか?明石さんに改造してもらいました」←AGP榛名のアレ

提督(明石ぃぃぃ!なんて物作ってくれてるんだ!!!まさか!)

307: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/02(金) 22:48:38.08 ID:/Pk3mLRO0

~妄想中~

提督「忌まわしい艦娘共が」

チラッ

榛名「お前も艦娘かぁぁぁ!」ダッ

提督「うわぁぁぁ!」

~妄想終了~


提督「うわぁぁぁ!」

ドサッ

吹雪「司令官!?」

ガシッ

提督「うわっ!」

榛名「さあ、二人の愛の巣へ!」

吹雪「榛名さん、司令官をどうするつもりですか!」

榛名「吹雪さんは黙っていてください!提督の寵愛を一身に受けている貴方には分からないんです!」

提督「榛名さん、落ち着いて話をしましよう。何かお気に召さなかったのであれば、謝ります」

吹雪「司令官を放してください!」

榛名「邪魔をするなら吹雪さんと言えども容赦しません!」

キット「榛名さん、落ち着いてください!」フォンフォン

榛名「あ、アレは!」

吹雪「?」

榛名「窓の外にUFOが!」

吹雪「え?」クルッ

榛名(今です!)ダッ

吹雪「UFOなんていな・・・しまった!」

ダダダダダ

金剛「榛名、待つデース」

吹雪「金剛さん!」

金剛「はぁはぁ、あれ?提督と榛名はどこデース?」

吹雪「それが・・・」

~事情説明中~

金剛「いくら可愛い妹と言えども、許せないデース」

308: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/02(金) 22:51:32.78 ID:/Pk3mLRO0

夕立「提督さん、遊びに来たっぽい!」

夕立「あれ?提督さん?」キョロキョロ

夕立「吹雪ちゃん、提督さんは居ないっぽい?」

吹雪「夕立ちゃん、実は・・・」

~事情説明中~

夕立「提督さんを独り占めにするなんて許せないっぽい!」

???「おやおや、面白そうなことになってますねぇ」

吹・金・夕「誰(デース)?」キョロキョロ

青葉「よっこいしょ、っと。青葉、一部始終見てました!」

夕立(何故、天井裏から?)

吹雪「見てたんなら、何故助けてくれなかったんですか!」

青葉「あそこで青葉が下手な行動をすれば司令官に危害が及びますからね」

吹雪「うっ」

青葉「キットなら司令官の居場所が分かるんじゃないですか?」

キット「アドミラルの持つコムリンクで大体の居場所は特定できます」フォンフォン

金剛「では、皆で提督を救出するネー!」

青葉「青葉取材、いえ救出作戦に出撃しまーす」

夕立「提督さん、待ってて、夕立が助けに行くっぽい!」

吹雪「司令官、直ぐに助けに行きます!少しだけ待っててください」

ガチャ

金剛「では、私が運転するネー。ブッキーは助手席へ」

夕立「助手席は吹雪ちゃんの指定席で、誰にも侵すことの出来ないサンクチュアリっぽい!」

青葉「いやー、青葉も一度くらいその席に座ってみたいですねぇ」

バタン

【P】 ガチャ ⇒【R】アクセル全開

吹雪「金剛さん、まだシャッターを開けt」

金剛「そんなのどうでもいいネー」

ガッシャーン

吹雪「後で司令官に謝らないと」

309: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/02(金) 22:53:10.22 ID:/Pk3mLRO0

金剛「さあ、キット、ナビをするデース」

キット「では画面を見てください」

夕立(金剛さんってもしかして)ヒソヒソ

青葉(ハンドルを握ると性格変わるタイプでしょうか?)ヒソヒソ

金剛「提督、貴方の金剛が直ぐに助けに行くデース!」

【R】 ガチャ ⇒【N】ガチャ ⇒【D】

ハンドルグイッ

アクセル全開


-食堂-

瑞鳳「提督遅いね。冷めない内に食べちゃおっか?」

摩耶「そうだな。これ以上待つと冷めちまうな」

浦風「まったく、提督さんは何をしとるんじゃ」


-どこかの小島 小屋-

榛名「提督、榛名が吹雪さんのことを忘れさせてあげますからね。うふふ」

提督(ヤバイ。色々とヤバイ)

310: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/02(金) 22:55:18.72 ID:/Pk3mLRO0

-海上-

吹雪「あ、イルカさんだ!」

金剛「オラオラ、退け退けデース」プーッ

イルカ「!!」

夕・青(うわぁ・・・)ドン引き


-どこかの小島 海岸-

青葉(うぅ、とんでもない運転で気分が悪いです)

キット「この辺りから信号が出ていますが」

吹雪「アレを見てください!」

夕立「コムリンクが落ちてるっぽい!」

キット「コムリンクがここにある以上、これ以上の特定は不可能です。地道に探すしかありません」

夕立「降ろして欲しいっぽい」

吹雪「夕立ちゃん、どうしたの?」

夕立「匂いで提督さんを探すっぽい」

吹雪「分かった。ちょっと待ってね」

ガチャ

バタン

スッ

吹雪「どうぞ」

夕立「こんな時ツードアタイプは不便っぽい。前席を倒さないと後部座席の乗り降りが出来無いのは欠陥っぽい」

キット「」

夕立「あ、別にキットの悪口じゃないっぽい!」

クンクン

夕立「あっちっぽい!」

吹雪(夕立ちゃん・・・前から犬っぽいとは思ってたけど・・・)

金剛「さあ、青葉。キットから降りて追いかけるヨー」

青葉「はい。うぷっ」

金剛「キットはここで待っているネー」

キット「私も付いて行きます。皆さんのサポートが必要でしょうし、サイレントモードを使えば音を出さずに動けます」

【NORMAL CRUISE】⇒【AUTO CRUISE】ピーッ

『SILENT MODE』ピッ


-小屋-

提督「榛名、放しなさい。そうやって胸を押し付けても無駄だ!」←椅子に縛られ中

榛名「そういう割には提督の提督は随分お元気ですよ?」

提督「いや、それは」

榛名「榛名で元気になっていただけるなんて、榛名感激です!さあ、このまま二人で●●りしましょう!」

提督「いや、そういうのは夜になってからだ(だいたい、榛名に抱きつかれて元気にならない男が居ると思ってるのか!)」

榛名「提督は恥ずかしがり屋さんなんですね?提督のそういう可愛い所も好きです」

提督「いや、そうじゃなくって」

榛名「あ、そうだ!お昼まだですよね?何か作りますね」

提督(一旦危機は去ったが、どうしたものか)

311: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/02(金) 22:56:55.49 ID:/Pk3mLRO0

-鎮守府 執務室前-

コンコン

シーン

コンコン

加賀「提督?居ないのかしら?」

ガチャ

加賀「居ない、どこに行ったのかしら」


-厨房-

霧島(臭いからしてヤバイ、色もカレーの色じゃない)

ゴポゴポ

比叡「もう少しで完成です!」

霧島「あの、比叡お姉さま、提督にカレーを振舞うのはまた今度にしませんか?」

比叡「どうして?もう少しで完成なんだから!」

霧島(司令、金剛お姉さま、申し訳ありません。霧島は比叡お姉さまを止められませんでした)

312: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/02(金) 23:00:24.76 ID:/Pk3mLRO0

-どこかの小島-

クンクン

夕立「あっちっぽい」

クンクン

夕立「あそこの小屋に匂いが続いているっぽい!」

金剛「キット、あの小屋をスキャンしてくだサーイ」

キット「はい」フォンフォン

キット「あの小屋に居るのはアドミラルと榛名さんで間違いありません」フォンフォン

吹雪「これからどうしましょう?無闇に突入する訳にもいきませんし」

キット「私が榛名さんを引き付けるので、その間に皆さんは突入してください」フォンフォン

青葉「陽動作戦ですか」

キット「はい。ただし、決行は日が暮れてからです。まだ日が高いので丸見えになってしまいます」フォンフォン

夕立「確かに丸見えになるっぽい」

吹雪「日が暮れるまでどうしましょう?」

キット「車内で待たれては?」フォンフォン

夕立「そうするっぽい!暑いし、虫が居るし」


-小屋-

榛名「提督、出来ましたよ。榛名の愛情を込めた手料理です」

提督「このままだと食べられないから解いて欲しいんだが」

榛名「それはダメです。榛名が食べさせてあげますね。あーんして」

提督「あーん」

モグモグ

榛名「どうですか?提督」

提督「うん、美味しい」

榛名「榛名、感激です!はい、あーん」


~数分後~


提督「ご馳走様」

榛名「お粗末様です。榛名は洗い物をしてきますね」

提督「その前に一つ聞きたいんだが」

榛名「何ですか?」

提督「夜寝るときもこの椅子なのか?」

榛名「夜寝る時はちゃんとベッドで寝かせてあげます。でも、逃げないように縛らせてもらいますね。あ、でも、今夜は寝かせませんよ。初めての二人きりの夜ですから。●●りに励まないと!提督が吹雪さんのことを忘れて、榛名だけを見てくれる様になれば縄は解いてあげますね。その頃には逃げようなんて考えないでしょうから。きゃは。榛名、夜が楽しみです!///」

提督(榛名をこんな風にしてしまったのは、やはり俺のせいなのか。受け入れるしかないのか?吹雪、キット、頼むから気付いてくれ!)

313: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/02(金) 23:01:39.90 ID:/Pk3mLRO0

-鎮守府 執務室前-

コンコン

シーン

コンコン

秋津洲「提督、居ないかも?」

シーン

秋津洲「入るかも」

ガチャ

秋津洲「居ない。新しいプラモを貰いに来たのに困ったかも」

ポク
ポク
ポク
チーン!

秋津洲「そうだ!事後報告すれば済む話かも!一応、置き書きをしておくかも!」

『提督のプラモを頂戴する』

秋津洲「う~ん、これだと犯行予告かも。でも、まーこれでじゅうぶんかも!」

秋津洲「メモも残したし、善は急げかも!」

316: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 21:29:36.66 ID:lMWOsJ8s0

~数時間後~

キット「あと数分で日が暮れます」

吹雪「そろそろキットから降りて準備しましょうか」

金剛「そうデスネ」

夕立「丁度いい茂みがあるっぽい」

青葉「ではあそこに隠れましょう」

キット「日が暮れました。皆さん準備はいいですか?」フォンフォン

吹雪「はい。バッチリです」

キット「では、作戦開始です!」フォンフォン

ウーウー

キキーツ
ガチャ
バタン


ウーウー

キキーツ
ガチャ
バタン


ウーウー

キキーツ
ガチャ
バタン

榛名「一体何!」

キット「お前は完全に包囲されている!大人しく投降しなさい!」

榛名「赤色灯・・・パトカー?警察がこの島に居るはずがありません!」

317: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 21:31:31.08 ID:lMWOsJ8s0

-小屋 裏口前-

吹雪「キットが榛名さんを引き付けているうちに突入です!」

ガチャ

吹雪(司令官、助けに来ました!)ヒソヒソ E:ナイフ

ギコギコ

提督(吹雪!)ヒソヒソ

夕立(夕立も居るっぽい)ヒソヒソ

パシャ

パシャ

青葉(いやぁ、いい眺めですねぇ)ヒソヒソ

パシャ

提督(青葉、お前)ヒソヒソ

パシャ

青葉(写真撮ったらちゃんと助けますので、安心してください)ヒソヒソ

金剛(バカやってないで、早く助けるネー)ヒソヒソ

プチッ

提・吹(切れた!)

榛名「!! お姉さま、どうしてここに?」

金剛「提督を助けるために決まっているでショ?」

夕立「提督さんを独り占めなんてズルイっぽい!提督さんは皆の共有財産っぽい!」

提督「」

夕立「あ、今のは言葉の綾っぽい!兎に角、提督さんを解放するっぽい!」

金剛「榛名、どうしてこんなことをしたんデスカ?」

榛名「お姉さまだって提督を独占したいと思っているはずです!」

榛名「あのCDが榛名の気持ちを開放してくれたんです!」

金剛「CD?何の話デース?」

キット「今の榛名さんは正常な状態ではありません。明らかにバイオリズムが乱れています」フォンフォン

提督「まさか、先日の明石の様な状態か?」

キット「どうやらその様です」フォンフォン

パン

榛名「お姉さま」ヒリヒリ

金剛「提督が振り向いてくれないからといって、こんなことしていいはずがありません!」

金剛「提督に謝りなさい!」

提督(流石長女といったところか。こんな金剛初めて見た)

榛名「提督、申し訳ありません。こんなことをしてしまった以上、榛名は提督の側には居られません」

提督「榛名、今回の件は俺にも責任がある。皆の待つ鎮守府に帰ろう」

榛名「提督」ポロポロ

夕立「一件落着っぽい」

318: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 21:34:07.00 ID:lMWOsJ8s0

-鎮守府 執務室前(外側)-

提督「あの~、シャッターに穴が開いているんだけど(汗)」

金剛「あーその、なんて言うか、私がキットを運転してやってしまったデース」

提督「明日、妖精さんに修理してもらおう」


-執務室前(廊下側)-

ガチャ

加賀「あら、提督。帰ってきたの?」

提督「ちょっと色々あってな」

加賀「提督が居なくなったと、ちょっとした騒ぎになったので、大本営から緊急の召集が掛かったことにしておいたわ」

提督「そうか恩に着る」

加賀「何があったのかは聞かないことにするわ」チラッ

榛名「・・・」ウツムキ

吹雪「そうだ!お腹が空きましたし、晩ご飯にしましょう!」

提督「そうだな!」

夕立「それがいいっぽい!」

比叡「司令!お帰りなさい。比叡特製カレー出来てますよ!」

金剛「霧島・・・」

霧島「あの、ごめんなさい」

319: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 21:35:38.62 ID:lMWOsJ8s0

比叡「さあ!どんどん食べてください!おかわりもありますよ!」

提督「い、いただきます」←引きつった笑顔

パクッ

提督「こ、これは・・・」

提督「うーまーいー」


-謎の空間-

提督「トロトロになるまで煮込まれた牛すじ、あめ色になるまで炒められた玉葱、芯まで火の通った人参、じゃが芋の絶妙なハーモニー」

人参「あはは~」

玉葱「あはは~」

じゃが芋「あはは~」

牛「モー」

提督「美味い、美味過ぎる!」

提督「スプーンが止まらない!」

青葉「司令官が某アニメの「うまい」と叫びながら謎の空間に飛んで行くお爺さんの様になってますね」パシャ

提督「そしてこの歯ごたえ、米にもち麦を混ぜて炊いたのか!」

提督「素晴らしい、素晴らしいぞぉー!」

提督「おかわり!」

比叡「はい!少々お待ちください」

比叡「どうぞ!」

提督「うおーっ!」

提督「おかわり!」

比叡「どうぞ!」

提督「おかわり!」

比叡「どうぞ!」

吹雪(大丈夫かな?)


~しばらく後~


提督「おかわり!」

比叡「もうありません」

提督「そうか・・・。腕を上げたな比叡。ぐふっ!?」

バタン

比叡「司令?」

吹雪「司令官!?」

金剛「提督、しっかりしてくだサーイ」

加賀「単なる食べ過ぎね。部屋に運んで寝かせてあげなさい」

320: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 21:37:44.81 ID:lMWOsJ8s0

-同刻 長門型私室-

長門「アレは呪いなんかじゃなく、祈りだったんだ!ナイト2000なんて物が産まれてこなければ!」

陸奥「突然何を言い出すのよ」

長門「先日、ゴリアテの襲撃を受けただろ?」

陸奥「そうね」

長門「私たちは活躍したか?」

陸奥「鎮守府の警備という大事な仕事を任されたじゃない」

長門「それだけだ!実際に奴と戦ったのはキットと金剛達だ」

陸奥「鎮守府の警備も大事な仕事よ。提督の帰る場所を守ることは責任重大じゃない」

長門「私はもっと派手に活躍したいんだ!そこで、キットを亡き者にしようと思う」

陸奥「あなた正気?」

長門「キットにも弱点はある。提督の持つDVDを全部見て気付いたんだ!ゴライアスの様な圧倒的な重量をぶつける、酸で溶かす等だ!」

陸奥「そんなことをしたら提督に嫌われるだけよ。この話は聞かなかったことにしておくわ」

長門「明日の朝、提督に直談判してくる!長門型の魅力を思い出せばもっと私たちを使ってくれるはずだ!」

陸奥「はぁ~(提督に構ってもらえなくて拗ねてるのね。これじゃあ、暁と変わらないわね。あっちは幼い分、可愛げがあるわ)」


-翌朝 提督私室-

提督「あれ?朝か・・・昨日は比叡のカレーを振舞われて、それからどうしたっけ?」

吹雪「あ、司令官。おはようございます」

提督「おはよう。昨日の比叡カレーの後、何が起きたか覚えて無いんだが」

吹雪「覚えて無いんですか?あんなに激しかったのに///」お腹さすり


~回想中(提督が倒れた後)~

加賀「吹雪さん」

吹雪「はい、何ですか?」

加賀「提督を榛名さんたちに取られたくなければ、既成事実を作ってしまいなさい」

吹雪「既成事実・・・」

加賀「私に出来るアドバイスはこれだけよ」

~回想終了~


提督「は?(全く覚えてないが、取り返しのつかないことをやってしまった系なのか?)」ポカーン

吹雪「って言うのは冗談で」

提督「なんだ冗談か(冗談で良かった。でも、何で急にあんなことを言い出したんだ?)」

吹雪「あの後大変だったんですよ。比叡さんのカレーを食べ過ぎて倒れた司令官を、金剛さんに手伝ってもらって部屋まで運んだんですから」

提督「それはすまなかった」

321: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 21:39:51.28 ID:lMWOsJ8s0

-マルキュウマルマル 執務室-

提督「今日もそろそろ仕事を始めるか。ん?机の上に何かメモがあるな」

コンコン

榛名「榛名です」

金剛「金剛デース」

提督「どうぞ」

ガチャ

バタン

榛名「昨日のことを謝罪するために参りました」

提督「昨日のことは俺にも責任がある。とは言え、何も無しという訳にはいかないので罰を与えないといけない」

榛名「はい」

提督「榛名への罰は明日から秘書艦を一週間としよう」

榛名「え?」


-執務室 天井裏-

青葉(チッ、大甘の甘、愚の愚)

川内「本当に甘すぎだよね~」

青葉「川内さん、いつの間に!」

川内「青葉さんに忍びの術を教えたのは私だよ?弟子に気付かれず接近するなんて朝飯前に決まってるじゃない」

青葉「それもそうでした」


-執務室-

提督「いや、だから秘書艦を一週間だ。今回の件は榛名をほったらかしにしたのが原因だからな。また問題を起こさない様、しばらく監視が必要だ」

金剛(これだとご褒美デース。羨ましいデース)

榛名「でも榛名は・・・」

提督「不服か?」

榛名「いえ、そんなことはありません!」

提督「榛名、金剛や吹雪もだが、好きなだけ甘えてくれていいんだぞ」

提督「ただし長門、てめぇはダメだ!」

322: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 21:42:56.64 ID:lMWOsJ8s0

-執務室前-

提督「榛名、金剛や吹雪もだが、好きなだけ甘えてくれていいんだぞ」

長門(そうか、私も提督に甘えていいのか!)

提督「ただし長門、てめぇはダメだ!」

長門「!!」

ドアバーン

長門「何故だ、提督!」

提督「長門も陸奥もそんなキャラじゃないだろ?(執務室前に居るとは思わなかったぞ)」

長門「わ、私だって提督に甘えたい時位あるにゃ~///」

提・吹・金・榛(うわぁ、キツイ)

提督「うん、何かすまなかった。先程の発言は取り消す」

長門「分かってくれたらいいにゃ~///」

長門「では、私はこれで」

バタン

金剛「榛名、例のCDを」

榛名「はい。このCDを聞いた後、気持ちを抑えられなくなりました」つCD

金剛「比叡も一緒に聞いていたそうデース。その結果があのカレーだと言っていまシタ」

榛名「中身はヒーリングCDのはずでした」

提督「キット、このCDの解析を頼む」

キット「はい。では私のCDプレーヤーにセットしてください」フォンフォン

提督「と、言う訳なので悪いが吹雪は少しの間、秘書艦から外れてもらっていいか?」

吹雪「はい」

提督「そうだ、白雪や叢雲達も一緒に休みにしよう。遊びに行ってくるといい」

吹雪「いいんですか?」

提督「ああ、普段頑張ってもらってるからな。夏休みだと思ってもらえばいい。そうだ、金剛。保護者として付いて行ってもらっていいか?」

金剛「任せてくだサーイ!」

提督「移動本部も使っていいぞ」

323: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/04(日) 21:44:37.92 ID:lMWOsJ8s0

キット「CDの解析が終わりました」フォンフォン

提督「どうだ?」

キット「電子ドラッグをご存知ですか?」フォンフォン

提督「電子ドラッグ?何かマンガでそんなのがあったな」

キット「電子ドラッグとは、心の奥底に潜む願望・欲求を軸に人を洗脳するプログラムです。このCDはその音楽版といったところでしょう」フォンフォン

提督「その願望が榛名の場合は独占欲で、比叡はカレーだったと言う訳か」

キット「はい。榛名さん達は艦娘なので効果が薄かった様です。ですが、人間だと大変なことになっていたでしょう」フォンフォン

キット「それと、製作したのは深海棲艦の様です」フォンフォン

提督「榛名、このCDはどこで手に入れたんだ?」

榛名「鎮守府近くの商店街の露天商です」

提督「行ってみるか」

326: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/07(水) 21:50:35.44 ID:Or15tcfT0

-商店街-

榛名「あの露天商です」

提督(私服)「あれか。少し話を聞いてくる」

提督(私服)「ちょっといいかな?」

店主「はい。何ですか?あれ、お兄さんもしかして警察の人?ちゃんと許可取ってるよ」

提督(私服)「いいや。直ぐそこの鎮守府の者だ」

店主「(ヤバイ!)う、う、う、うちは変な物は扱ってないよ」

榛名(明らかに挙動不審過ぎます)

提督(私服)「このCDのことで話を聞かせてもらえるかな?」

店主「私は何も知らないよ。そういうことでサヨナラ!」ダッ

提督「キット!」

キット「はい」ドアアタック

バン

店主「ぐはっ」

バタッ

提督「やはり深海棲艦だったか。鎮守府に連れ帰って取り調べだな」

327: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/07(水) 21:52:04.74 ID:Or15tcfT0

-鎮守府 取調室-

提督「カツ丼食うか?」

港湾棲姫(店主)「刑事さん(泣)なんて言うとでも?」

提督「なんだ要らないのか?まぁ、いい」

ピッ

プルルルル

提督「あ、鳳翔さん?カツ丼を一人前お願いしたいのですが」

鳳翔「一人前でよろしいのですか?」

提督「はい、一人前お願いします」

鳳翔「では、出来次第お持ちしますのでお待ちください」

提督「お待ちしております」

ピッ


-厨房-

鳳翔「足柄さん、カツ丼の注文が入りましたよ」

足柄「腕によりをかけてカツを揚げるわ!待ってて提督!」

鳳翔「では、私は玉葱を刻み、卵を溶いて卵とじの準備をしておきますね」


-数分後 取調室-

コンコン

鳳翔「提督、ご注文のカツ丼をお届けに参りました」

提督「金剛、受け取ってもらえるか」

金剛「了解デース」

ガチャ

金剛「お疲れ様デース。カツ丼は私が受け取りマース」

鳳翔「ではお願いしますね」

バタン

金剛「提督、カツ丼デース」

提督「ありがとう」

パカッ

提督「うむ、いい香りだ」

港湾棲姫「ごくっ」

パクッ

提督「うん、いい揚がり具合。流石、足柄のカツだ」

提督「そして硬すぎず柔らか過ぎないふわとろの卵、鳳翔さんの料理は最高だ」

港湾棲姫「じゅるっ」

提督「どうだ?洗いざらい話せば食べさせてやるぞ」

港湾棲姫「私がそんな物に負けると思っているのか?」

328: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/07(水) 21:54:07.68 ID:Or15tcfT0

-別室-

吹雪「司令官、なんて恐ろしいことを」

榛名「榛名、あんなことをされては耐えられません」

ヲ級(この娘達、本当に大丈夫?)

吹雪「ところで榛名さん」

榛名「はい」

吹雪「榛名さんがCDを買ったのはあの人(?)からで間違いありませんか?」

榛名「はい。間違いありません」

ヲ級「私の居た鎮守府の所属ではないわね」

吹雪「そうなんですか?」

ヲ級「他所の鎮守府がこのエリアに進出して来た様ね」


-取調室-

提督「そうか。では残りも全て頂くとしよう」

港湾棲姫「あ・・・」

提督「どうした?」

港湾棲姫「なんでもない」

ポタッ
ポタッ

提督「涎が垂れてるぞ。全てゲロすれば楽になれるぞ」

港湾棲姫「くっ!」

カツ丼完食

提督「では、尋問に戻るとしよう。あのCDは何枚売ったんだ?」

港湾棲姫「・・・枚だ」

提督「ん?」

港湾棲姫「一枚だけだ。この鎮守府の艦娘が買った一枚だけだ!さあ、早くカツ丼を!」

提督「まだダメだ」

港湾棲姫「他に何を聞きたいんだ!」

提督「あのCDで何をするつもりだったんだ?」

港湾棲姫「そんなこと聞かずとも分かっているんだろ?」

港湾棲姫「人間共を洗脳して我々の手先にする計画だった。でも、誰も買ってくれなかったんだ。チクショー」

提督「やはりそうか(見るからに怪しすぎて売れないのは当然だ!)」

港湾棲姫「もういいだろう?早くカツ丼を!」

提督「ふむ。いいだろう」

ピッ

プルルルル

提督「あ、鳳翔さん?申し訳ありませんが、カツ丼をもう一人前お願いします」

鳳翔「そう仰ると思って準備は出来ています。直ぐにお持ちしますね」

提督「流石、鳳翔さん。そこまで読まれているとは。では、お待ちしております」

ピッ

提督「金剛、食事が終わったらコイツを独房に入れてくれ。後ほど大本営に引き渡す」

金剛「了解デース」

提督「押収したCDは全てシュレッダーで処分しないとな」

329: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/07(水) 21:55:38.25 ID:Or15tcfT0

-取調室前-

提督「押収したCDは全てシュレッダーで処分しないとな」

漣「人を洗脳しれ操れるCDキタコレ!処分される前に一枚盗まないと!」

ドスッ

漣「あ・・・」

バタッ

川内「そうはさせないよ」

コンコン

提督「どうぞ」

ガチャ

川内「漣が盗み聞きをして、CDを盗もうとしていたから眠らせたよ」

提督「そうか。一つ借りが出来たな」

川内「じゃあ、一夜戦で!」

提督「分かった」

金剛(一夜戦って。夜戦って単位デスカ?)

川内「漣は部屋に運んでおくから」

提督「おう」

川内「じゃあねー」

バタン

川内「青葉さんもCDを盗もうとしたら漣の様になるよ」

ギクッ

青葉「何の話やら。青葉さっぱりです。それじゃ」ダッ

青葉(川内さんに読まれている以上、諦めるしかありませんね。トホホ)

332: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/16(金) 22:24:38.09 ID:x6PPh3BQ0

-翌日 鎮守府正門前-

吹雪「では、行ってきます!」

提督「楽しんでこいよ」

叢雲「何で私まで一緒に行かないといけないのよ」

提督「たまには姉妹と遊びに行くのもいいだろ?」

叢雲「はぁ、そういうことにしておくわ」

提督(素直じゃないな)

提督「金剛も頼んだぞ」

金剛「任せてくだサーイ」

榛名「では、皆さんお気を付けて」


-移動本部車内-

叢雲「で、アイツとはどこまで進展したのよ?」

吹雪「どこまでって?」

叢雲「アイツとの関係よ。アンタたちケッコンしてるでしょ?」

吹雪「えっとね、手を繋いで、キスしちゃった///」

叢雲「それから?」

吹雪「それだけだよ」

叢雲「え?」

吹雪「それ以上は何もしてないよ」

叢雲「」

吹雪「それ以上は私が大人になってからだって司令官が///」

叢雲「何、律儀に法律を守ってるのよ!相手は艦娘だから例外でしょうが」ガンガンガン

吹雪「ちょっと叢雲ちゃん、テーブルに頭を打ち付けたら怪我しちゃうよ!」

叢雲「アンタも何で女子中学生みたいな反応してるのよ!」ガンガンガン

白雪「私たち外見は中学生位だよ」

叢雲「たいだい何なのよアイツ!ヘタレなの?使えないの?」ガンガンガン

初雪「それは無いと思う。青・・・何でもない」

叢雲「青葉さんがどうしたのよ?」

初雪「これ以上は言えない」

叢雲「言いなさい!」

初雪「姉を脅すの良くない」

叢雲「初雪を借りてくわよ」ズルズル

初雪「あーれー」

吹雪「大丈夫かな?」

白雪「大丈夫です。多分」

金剛(年頃の女の子らしいコイバナ、デース)

333: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/16(金) 22:25:45.02 ID:x6PPh3BQ0

-別室-

叢雲「さあ、吹雪が居なければ言えるでしょ!」

初雪「言えない」

叢雲「言いなさい!」

初雪「言えない」

叢雲「分かったわ。アンタの代わりに出撃一回でどう?」

初雪「二回」

叢雲「分かったわ。二回でもいいわ」

初雪「青葉さんが、司令官がエッチィビデオでお楽しみだったのを盗撮したって話してたのを聞いた」

叢雲「・・・。何やってんのよ、あの人は!」

初雪「だから使えないとかじゃないと思う」

叢雲「帰ったら青葉さんにはお仕置きが必要ね」


-移動本部車内-

ガチャ

吹雪「あ、出てきた。ところで叢雲ちゃん」

叢雲「何よ?」

吹雪「赤ちゃんはコウノトリが運んでくるなんて思ってないよね?」

叢雲「そ、そんなこと思ってる訳無いでしょ!(え?ち、違うの?)///」

吹・白・初・金(思ってるんだ)


-数時間後 キャンプ場-

金剛「到着デース。さあ、皆さんテントを組み立てますヨー!」

吹・白「はーい」

叢雲「はいはい」

初雪「テントが完成したら引きこもる」

334: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/16(金) 22:26:47.31 ID:x6PPh3BQ0

~約30分後~

金剛「テントが完成デース!早速、ティータイムにしましょう」

叢雲「こんな所までわざわざ紅茶を持って来てるのね」

金剛「当然デース」

吹雪「初雪ちゃんも引きこもってないでお外で一緒に飲もう」

初雪「やだ。テントの中がいい」

キャッキャ

金剛「ほら、お隣さんも楽しそうにしているデース」

白雪「あれって」

金剛「ブーッ」ゲホッゲホッ

吹雪「金剛さん、しっかりしてください」

金剛「深海棲艦デース!」

重巡夏姫「隣は艦娘共か」

金剛「お前達、こんな所で何してるデース!」

重巡夏姫「無粋な奴等め。見て分からんか?」

吹雪「まさか、貴方たちもキャンプに?」

重巡夏姫「その通りだ。私たちはバカンスに来ている。戦う気はない」

金剛「深海棲艦の言うことなんて信用できまセン!」

重巡夏姫「まったく、艦娘は戦うことしか頭に無いのか?」

吹雪「金剛さん、本当に戦う気は無さそうですよ」

金剛「まぁ、いいデース。ただ、少しでも変な素振りを見せれば」

重巡夏姫「私たちはバカンスに来たと言っただろ?」

吹雪「ここで戦うと他のお客さんの迷惑になりますし、止めましょう金剛さん」

金剛「そうデスネ」

重巡夏姫「ふん」

初雪 in テント(うわぁ、深海に引きこもりが居る)ジー

集積地棲姫 in テント(うわぁ、艦娘に引きこもりが居る)ジー

335: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/16(金) 22:28:13.48 ID:x6PPh3BQ0

-鎮守府 執務室-

提督「いつもは吹雪が居るのに、居ないと寂しいな」

榛名「提督の心の隙間は榛名が埋めて差し上げます!」

提督「おいおい、先日の様なことは止めてくれよ?」

榛名「今度は大丈夫です!」

コンコン

秋津洲「秋津洲です。失礼するかも」

提督「どうぞ」

ガチャ

秋津洲「提督に完成したプラモを見せに来たかも」

提督「プラモ?」

秋津洲「あれ?机の上に置いておいた手紙、見てないかも?」

提督「手紙?そういえば何かあったな。で、何が完成したんだ?」

秋津洲「コレかも」つ1/700 赤城

提督「赤城ー!」

赤城「提督、お呼びですか?」←たまたま執務室前を通りかかった

提督「スマン、君のことじゃない」

赤城「? そうですか。では、失礼します」

提督「何でよりによって、赤城なんだよ!」

赤城「ん?」チラッ

秋津洲「提督の私室の一番目立つ所にあったからかも!」

赤城(プラモデルの話ですか)

提督「マジかよ・・・せっかく艦載機も用意して、楽しみにしてたのに」

秋津洲「それは悪いことをしたかも」

提督「もういい、ウイングは別に飾るよ」

秋津洲「ウイングってまさか?」

夕張「それが人間のやることですか!提督」

提督「うおっ!いつの間に」

夕張「艦載機はせめてゼータにしてください!」

明石「私ならデルタプラスかリゼルかな」

榛名(ウイング?ゼータ?皆さん、何の話をしているのでしょう?)

提督「お前たちも大して変わらんと思うぞ」

夕張「提督のは思いっきりバードって言ってるじゃないですか!鳥ですよ!最早、飛行機ではありません!」

提督「そこかよ!」

秋津洲「二式大艇ちゃんを載せるのが一番いいかも!」

提督「何でもかんでも二式大艇にするのは止めなさい」

336: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/09/16(金) 22:29:40.65 ID:x6PPh3BQ0

-夜 キャンプ場-

吹雪「金剛さん」

金剛「何デスカ?」

吹雪「せっかくなので、お隣と交流してみませんか?」

金剛「ウーン」

吹雪「戦いを終わらせるための糸口を掴めるかも知れませんよ」

金剛「そうデスネ。向こうも戦う気は無いと言っているし」

吹雪「じゃあ、声を掛けてきますね!」

吹雪「あの」

重巡夏姫「何だ?」

吹雪「カレーを沢山作ったので、一緒に食べませんか?」

重巡夏姫「艦娘と食事をしてみるのもいいか。戦艦、集積、行くぞ」

戦艦夏姫「はーい」

集積地棲姫「えー、テントの中がいい」

重巡夏姫「行くぞ」

集積地棲姫「やだ、引きこもる」

吹雪(初雪ちゃんみたい)

重巡夏姫「戦艦」

戦艦夏姫「はい」ズルズル

集積地棲姫「あーれー」

吹雪(何だかデジャヴが)

~しばらく後~

吹雪「お口に合いましたか?」

重巡夏姫「ふむ。艦娘の作った料理も中々美味いな」

戦艦夏姫「そうですね」

集積地棲姫「早く引きこもりたい」

初雪「早く引きこもりたい」

初・集「ん?」

チラッ

重巡夏姫「集積がどうかしたか?」

吹雪「あの、以前、私の鎮守府の仲間が集積さんと戦ったのですが」

重巡夏姫「ああ。それは別の集積だな」

吹雪「やっぱりそうですか(夕張さんたちが轟沈させたのに、何故居るのかなんて聞けないし)」