~明石・夕張視点~

夕張「提督は信号に引っかかったわね」

明石「信号を無視して突っ走る・・・って訳にはいかないか。事故を起こした場合、提督たちは無事でも相手が確実に死ぬわ。キットだし」

夕張「ええ。衝突した場合、速度にもよるけど相手の車は原型を留めないんじゃないかしら?」

明石「本当に恐ろしい物を造る人が居るものね」

夕張「造ったの私たちだけどね(笑)」

明石「そうだった」

明・夕「あははははは」

明石「ちょっと見て!」

夕張「例の車が段々薄くなってる?」

明石「完全に消えたわ!」


~提督・吹雪視点~

キット「アドミラル、レーダーから反応が消えました!」

提督「消えた!?」

ピピッ

キット「夕張さんからの無線通信です」

夕張「提督、大変です!例の車が消えました!」

提督「キットもレーダーから消えたと言っているが、どういうことだ?」

明石「恐らくですが、光学迷彩を展開したのではないかと」

提督「そんな物まで用意しているのか!残念だが、これ以上の追跡は不可能だ。一旦、合流しよう」

夕張「はい」


~合流後~

提督「奴が消えた時のことを教えてくれるか?」

夕張「先ほどお話した通り、光学迷彩を展開したのか、数秒かけて薄くなっていき、最終的に全く見えない状態になりました」

明石「昼間ならプレ○ターのように、多少空間が歪んでいる感じがして目視で追跡できるかも知れませんが、夜間はまず無理ですね」

提督「それが目的で夜間に暴走しているのかも知れないな」

キット「まだ光学迷彩を展開しているのか、レーダーの範囲外に居るのか反応がありません」フォンフォン

吹雪「これからどうしますか?」

提督「仕方ないので、今日は帰って寝よう。対策会議は明日だ」

引用元: 【艦これ】提督「車買ったんだ」 明石・夕張「ふーん、そうですか」 




777: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/05(金) 22:39:56.78 ID:DRlJixyB0

-翌日 執務室-

提督「目視不可、レーダーにも映らないそんな奴をどうやって対処するか」

吹雪「困りましたね」

キット「レーダーにも映らないとなると、見つけようがありません」フォンフォン

提督「目視不可、レーダーにも映らない相手を見つける装置を開発できないか?」

明石「無茶言わないで下さい」

夕張「そうですよ。そんな都合のいい物を造れたら困りませんよ」

提督「そうだよな」

コンコン

大淀「大淀です」

提督「どうぞ」

ガチャ

バタン

大淀「サラトガさん宛に大本営からかなり大きい荷物が届いたのですが」

提督「今、手を離せないから、サラトガに伝えて対応してもらってくれ」

大淀「では、その様に伝えます」

ガチャ

バタン

吹雪「そうだ!銀行強盗なんかに使うカラーボールってありますよね?」

提督「蛍光オレンジの塗料が入っているアレか?」

吹雪「はい!例の車が消えそうになったら投げつけるのはどうでしょうか?」

夕張「確かに車体が透明になったとしても、塗料は消えないわね」

明石「私たちが空から追跡しながら、消えそうになったら投げつける。確かにいけそうね」

キット「空から追跡している夕張さん、明石さんから現在地を教えてもらえれば、昨日のように信号に引っかかっても追跡できますね」フォンフォン

提督「その作戦でいってみるか」


-少し後 工廠-

サラトガ「妖精さーん」

妖精ズ「はーい」

ゾロゾロ

妖精ズ「どなた?」

サラトガ「はじめまして。先日着任したサラトガです。サラとお呼びください。お近付きの印につまらない物ですが」つドーナツ

妖精ズ「これはどうも、ご丁寧にありがとうございます」

サラトガ「実はあなたたちにお願いがあって来ました」

妖精ズ「何を開発しますか?」ワクワク

サラトガ「開発ではなく、customizeをお願いします。もちろん、タダでとは言いませんよ」つお菓子が満タンの袋

妖精ズ「!!! サラ様、我々妖精は誠心誠意取り組ませて頂く所存であります!」ビシッ

サラトガ「それは頼もしいですね。材料は大体用意してあるので、今から言うcustomizeをお願いしますね」

妖精ズ「はい!」

778: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/05(金) 22:41:40.55 ID:DRlJixyB0

-夜 正門前-

提督「カラーボールは持ったな?」

明・夕「はい!」

提督「では、出発だ!」

夕張「今日こそ捕まえてやるわ」


-○×通り-

南氷洋「今夜がお前にとって最後の夜だ。精々楽しむがいい」

???「苦しまないように、一思いにトドメを刺してあげてね。パパ」

南氷洋「ああ、そうだな。お前が所属する鎮守府の長だ。その位の情けは掛けてやろう」

???「キットが見えてきたよ」

南氷洋「そろそろ出発だ」


~提督・吹雪視点~

提督「昨日はこの辺りで遭遇したな。レーダーに反応は無いか?」

キット「まだ反応はありませんが、光学迷彩を展開して潜んでいる可能性はあります」

吹雪「昼間ならまだしも、光学迷彩を展開されると夜は目視での発見は無理ですね」


~明石・夕張視点~

夕張「まだ現れて無いみたいね」

明石「早く現れないかな~、捕まえて研究したら色々と面白そうなんだけどな~」

夕張「キットの改造の参考になりそうではあるわね」

779: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/05(金) 22:46:54.91 ID:DRlJixyB0

キット「アドミラル、例の車が現れました」

提督「今日で決着をつけるぞ」

キット「はい」

提督(何故、夜間にスモークガラスなんて使っているんだ?)

吹雪「またジワジワ離されていますね」

提督「それでいい。今日は光学迷彩を封じるのが目的だからな」

吹雪「丸見えになってからが本番ってことですね」

提督「そうだ」


-明石・夕張視点-

夕張「光学迷彩を展開したみたい!また薄くなってきたわ!」

明石「えいっ!」ポイッ

ベチャッ

明石「直撃したわ!」

南氷洋「なるほど。そう来たか。確かにこれでは光学迷彩を展開する意味が無いな」

???「あんな物を用意してるとは思わなかったねー」

南氷洋「光学迷彩を展開して背後から攻撃してやろうと思ったが。くっくっくっ、面白くなってきたな」

夕張「別の車が来たわ!まさか新手?」

780: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/05(金) 22:49:39.34 ID:DRlJixyB0

キット「後方から高速で接近する車があります。どうやらダッジ・バイパーのようです」

提督「今度は何だよ!」

吹雪「あの、司令官。真横に来ましたけど・・・乗ってる人が、その」

提督「乗ってる人がどうした?」

ウィィィーン

サラトガ「Good evening!」

アイオワ「グッド イブニング!」

提督「サラトガにアイオワ!こんな所で何してるんだ?それにその車は?」

サラトガ「先日、申請した車ですよ。実は、私が本国に居た頃に乗っていた車で、Japanに着てから手続きが完了するまで大本営の倉庫に保管してもらっていました」

アイオワ「昨日、苦戦したって聞いてアドミラルを助けに来たのよ」

提督「そうだったのか」

サラトガ「今日、受け取ったんですよ」

提督「大淀の言っていた大きい荷物とはこの車だったのか」

吹雪「大淀さんも車だとは思ってなかったんでしょうね。車だと分かっていれば、車だと言ったでしょうし」

サラトガ「工廠の妖精さんたちにcustomizeしてもらったんですよ」

提督「改造?まさか!」

サラトガ「今お見せしますね」ポチッ

ガシャガシャガシャ

吹雪「車が変形?しましたよ、司令官!」

提督「」ポカーン

サラトガ「Attack!」

バババババ

提督「相手の素性も分かってないのに、いきなり撃つ奴があるか!」

カンカンカン

キット「全て弾いています。防弾仕様のようです」

提督「相手が丈夫で良かった・・・」

781: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/05(金) 22:53:11.13 ID:DRlJixyB0

吹雪「突然撃つなんて恐ろしすぎます。サラトガさんも金剛さんのようにハンドルを握ると性格が変わるタイプでしょうか?」

提督「そうかも知れないな。いや、間違い無くそうなんだろうな。普通、撃たないぞ(汗)」

吹雪「そうですよね(汗)」

提督「いや、待てよ。アメリカって銃社会だし、あれが普通なのか?」

キット「流石にあれは普通ではありません」

提督「そうだよな。それにしても何でうちの鎮守府は揃いも揃ってアメ車なんだ?」

吹雪(司令官がトランザムを購入したのが全ての始まりじゃないでしょうか?)

提督「誰か一人くらい日本車に乗ってくれよ。スカイラインとか。扶桑辺りに勧めてみるか」

吹雪「摩耶さんなんてどうですか?」

提督「摩耶なぁ・・・アイツ、普通に族になりそう」

吹雪「むしろ安全運転かも知れませんよ?金剛さんがアレなことを考えると、逆に摩耶さんは大人しそうな気がします」

提督「・・・。確かに有り得る。今度、キットに乗せてみるか」

キット「何かあれば私が止めるので安心してください」

吹雪「司令官、今度はドアの所に電気の塊の様な物が出てきましたよ」

提督「電空パルスを使う気か」

吹雪「電空パルス?」

キット「電磁波により電気系統をマヒさせ、機能を停止させる装備です」

提督「当たれば効果絶大だが」

キット「私も直撃を受ければ機能停止します」

吹雪「発射しましたね」

『SKI MODE』ピッ

アイオワ「シット!何で避けるのよ!」

サラトガ「相手もなかなかやりますね」

提督「当然の様にスキーモードで回避したな」

キット「そうなると思いました」

吹雪「前に他の車が居なくて良かったですね。もし居たらとんだとばっちりですよ」

提督「本当にな。しかも、うちの艦娘がやらかしたとなると俺の責任になるからな」

キット「その場合は深海棲艦に責任を押し付けましょう」

提督「キット、お主も悪よのう」

提督「いえいえ、アドミラルほどでは」

吹雪(二人の会話に付いて行けません)

782: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/05(金) 22:58:43.97 ID:DRlJixyB0

キット「先ほどの電空パルスを回避した時の動きがワンテンポ遅れていたように感じたので、スキャンしてみたのですが」

提督「何か分かったのか?」

キット「前方の車は現在無人で外部から操作している様です」

提督「外部から?そうか、だから内部の様子が分からないようにスモークガラスだったのか」

キット「その様です」

提督「では、通信を遮断したら止まるのか?」

キット「はい。マイクロジャムで通信を妨害しました」

吹雪「速度が落ちてますね」

ピタッ

提督「完全に止まったな。降りて調査するか」

南氷洋「墓穴を掘ったな」

オートパイロットモードニキリカエマス

キット「待ってください、アドミラル」

ターゲットヲセッテイ

キット「自動運転モードに切り替わりました。我々をターゲットに設定し、追跡して来るようです」

提督「何だって」

キバクソウチヲキドウシマス

キット「アドミラル、直ぐにこの場から離れてください!爆弾を起動させました。バンパーに接触すると起爆します!」

提督「クソッ!厄介な物を積んでくれたな!」

吹雪「サラトガさんにも知らせないと!」

提督「サラトガ、今すぐこの場から離れるんだ!奴が爆弾を起動させた!キットを追跡してきて触れると爆発するそうだ」

アイオワ「ボム?キットもバイパーもボム程度じゃ壊れないわ」

提督「俺たちは平気でも、街中で爆発させる訳にはいかないだろ!」

サラトガ「そうですね。私たちもassistします」

提督「頼む」

吹雪「あの車、どうやって処理しますか?キットに触れたら爆発する以上、起爆装置の解除は不可能ですよね?」

キット「私が運転中にアドミラルが向こうに飛び移り、爆弾を解除する・・・と言うのは現実的ではありませんね」

提督「ああ。どこか人が居ない場所で壁にでも衝突させて爆破するのが手っ取り早いが・・・」

キット「残念ながらその様な都合のいい場所は近辺に存在しません」

提督「やはりそうか。こうなったら鎮守府で処理するしかない」

吹雪「鎮守府で!?」

提督「そこ等で爆破して被害を出す訳にはいかんからな」

783: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/05(金) 23:00:26.20 ID:DRlJixyB0

-鎮守府-

提督「このまま埠頭に向かうぞ」

吹雪「埠頭に向かって、その後どうするんですか?」

提督「海に叩き落とす」

吹雪「えぇーっ!」


-埠頭-

提督「よし、180°ターンだ」

キキキッ

提督「そして、そのまま前進!」

吹雪「司令官、このままだと衝突してしまいます!」

提督「大丈夫だ。俺を信じろ!」

提督「ターボブーストだ!」

『TURBO BOOST』ピッ

ブーン

提督「今だ、ミサイルを発射してやれ!」

サラトガ「Attack!」

ドカーン!

提督「元の速度に加え、ミサイルの着弾。これで止まれまい!」

ドボン

吹雪「海に落ちましたよ!」

ブクブク

アイオワ「沈んでいくわね」

サラトガ「Mission Complete!」

ブクブク

コツン

ドカーーーーン!

提督「よし!着底して爆発したな」

夕張「派手に爆発したわね」

明石「けっ、汚ねぇ花火だ。って何言わせるのよ!」

夕張「振ってないのに勝手に言ったじゃない」

784: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/05(金) 23:02:02.27 ID:DRlJixyB0

ダダダダダ

大淀「提督!今の爆発は何ですか!」

提督「深海棲艦の作った(と思われる)爆弾が爆発したんだ。だが、もう大丈夫だ」

大淀「どうして大丈夫だと?」

提督「爆弾は一つしか確認されていない。それに、向こうがその気なら今、こうしている間にも攻撃してくるだろ(多分)?」

大淀「・・・。確かにそうですね」

提督「夜間に驚かせてすまなかった。もう休んでくれ」

大淀「分かりました。でも、何かあれば直ぐに呼んでください」

提督「ああ、そうするよ。だが、吹雪も居るし大丈夫だ」

大淀(こんなにも信頼されている吹雪さんが羨ましい。これがケッコン艦と他の艦娘の差ですね)

大淀「おやすみなさい」

提督「おやすみ」

吹雪「司令官、爆発した残骸はどうしますか?」

提督「夜が明けたらはっちゃんたちに頼んで回収してもらう。何か分かるかも知れないからな」

吹雪「確かに海に沈んだ以上、私たちより潜水艦の人たちの出番ですね」

提督「今日はもう休もう。明石、夕張、アイオワ、サラトガ、お疲れさん。ゆっくり休んでくれ」


-少し離れた場所-

???「提督さん、中々やるね。当然と言えば当然だけど」

南氷洋「この程度で終わってもらっては困る。それに奴は瀬戸内海と日本海を破ったのだ、まだまだ楽しませてもらわないとな」

???「そろそろ帰らないと怪しまれそうだから、帰るね。チャオチャオ」

南氷洋「気をつけて帰りなさい」

???「はーい」

787: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/07(日) 23:25:18.73 ID:tTQXYb430

-執務室-

提督「はっちゃんたちに海底を調査してもらったはいいが・・・」

吹雪「木っ端微塵に吹き飛んでいて、回収できる物は無かったそうですね」

提督「映像を確認したが、本当に木っ端微塵だったな」

吹雪「結局、犯人は分からず終いですね」

提督「だが、深海棲艦の犯行と見て間違い無いだろう。恐らく、南氷洋深提の仕業だ」

吹雪「どうしてそう思うんですか?」

提督「メカ猪事件の時のメッセージだ」

吹雪「確か近々刺客を送り込むって内容でしたね」

提督「ああ、そうだ」

コンコン

夕張「夕張です」

提督「どうぞ」

ガチャ

バタン

夕張「提督、何か忘れてませんか?」

提督「?」

夕張「大事なことを忘れてますよね?」

提督「えっと・・・夕張と何か約束してたっけ?」

夕張「いえ、私との約束ではなくって」

提督「??」

夕張「ほら、あの人の強化をですね」

吹雪(あの人の強化?)

提督「!!! 思い出した!」

夕張「やっと分かってくれましたか」

提督「もう完成しているのか?」

夕張「一週間以上前に完成してますし、ちゃんと伝えてますよ。まぁ、キットの偽物が現れたりしてゴタゴタしていたから忘れているのは仕方ありませんが」

提督「それは悪かった。早速、北上を呼んでテストしてみよう」

ピンポンパンポーン

スピーカー「北上、執務室まで来てくれ。繰り返す」

788: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/07(日) 23:27:53.54 ID:tTQXYb430

~数分後~

コンコン

北上「北上だよ」

提督「どうぞ」

ガチャ

バタン

提督「急に呼び出してすまなかった。大井も来たのか。丁度いい」

大井「当然です。ちゃんと見張ってないと北上さんに何をするか分かりませんからね」

提督「心配しなくても何もしないって」

夕張「そうですよ」

大井「北上さんには魅力が無いと言うのですか!」

提督「何故そうなる?」

北上「まーまー、落ち着きなよ、大井っち。で、用件は何?」

提督「実は北上用の強化装備を開発たから、テストしてもらおうと思ってな」つ仕様書

北上「へぇ~そうなんだ」

提督「名づけてフルアーマー北上改二」

吹雪(プラモデル感覚で強化装備を開発するのはどうなんでしょう)

大井「なんて物を作ってるんですか!」イラッ

北上「いいね~。痺れるね~」

大井「!!! 提督、当然、私の分も有るんですよね?」

夕張(変わり身早っ!)

提督「いや、まだ試作品だから北上の分しか作ってない」

大井「試作品なら仕方ありませんね。当然、今後、私の分も作ってくれるんですよね?」

提督「ああ、その予定だ」

大井「では、今日の所は我慢しましょう」

提督「そうしてもらえると助かる」

夕張「では、工廠に移動しましょう」

789: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/07(日) 23:30:36.18 ID:tTQXYb430

-工廠-

明石「では、装備の説明をしますね」

明石「まずは魚雷ガトリングガン×6門。文字通りガトリングガンから小型魚雷を発射します」

明石「次に、魚雷バズーカ+三連装魚雷とグレネード魚雷」

~中略~

明石「以上が装備の説明となります。何か質問はありますか?」

北上「大丈夫。あとは使ってみてからかな」

提督「早速で悪いが近海に出撃してくれるか?大井も一緒に頼む」

北上「大井っち、いっくよー」

大井「はい!」

吹雪「司令官、北上さんの装備のモデルって」

提督「FAユニコ○ンだ」

吹雪「それって、部屋にあった白い一本角のプラモデルですよね?」

提督「ああ、そうだ」


-海上-

北上「お!あんな所にイ級が居るよ」

大井「飛んで火に入る夏の虫とはこのことですね。早速やっちゃいましょう!」

北上「そうだねー」

イ級「イーッ!」

大井「こちらに気付きましたよ」

北上「フルアーマーは伊達じゃないからねっと」

バババッ

ドーン!

イ級「イーッ!?」9999 Criticalhit!

北上「うわぁ~悲惨」

大井「塵一つ残さず消滅しましたね。これなら鬼や姫も目じゃないですよ!」

北上「流石に強烈過ぎて引くわ~」

大井「この装備さえあれば提督を倒して鎮守府を支配。ゆくゆくは世界を私たちのものに」ブツブツ

北上「大井っち・・・提督に対して何か恨みでもあるの?」

大井「え?そんなことありませんよ。うふっ♪」

北上(本当かなぁ)

大井「私に指輪をくれなかったロリコン野郎なんて死ねばいいのよ」ボソッ

北上(うわぁ・・・。大井っちは知らないみたいだけど、吹雪と金剛さんのどちらに指輪を渡すか悩んでたくらいだし、ロリコンでは無いと思うけどな~)

大井「それに提督を狙う金剛さんたちも」ボソッ

北上(これはヤバイね。どちらにしても大井っちは候補に入って無かったし、余計なことは言わないでおこう)

大井「さぁ、帰りましょうか♪」ニコッ

北上「そ、そうだね」

790: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/07(日) 23:35:03.23 ID:tTQXYb430

-鎮守府-

北上「艦隊が帰って来ましたよっと」

提督「お疲れさん!どうだった?」

北上「それはもう恐ろしい火力でしたよ」

大井「この装備さえあれば、鬼に金棒です!」

提督「そんなにも凄いのか。用意した甲斐があるな。では、補給を受けてくれ」

北上「はーい」

『燃料:500 弾薬:600』

提督「」

北上「」

明石「」

夕張「」

吹雪「え?」

大井「うわぁ・・・」

キット「あれだけの武装であることを考えると、妥当な数値かと」フォンフォン

提督「ははっ。俺、疲れてるみたいだ。ゼロが一つ余分に見えるぞ」

北上「私もだよー。慣れないことはするもんじゃないね」

明石「いやー、機械の調子が悪いみたいですねー」

夕張「まーそんなこともありますよ。バグは修正しないといけませんね!」

吹雪「皆さん、それは見間違いではありません。現実逃避しないでください」

提督「うわぁぁぁぁ!何で一戦しかしてないのに、一人で戦艦×6で出撃したくらいの資材を消費してるんだよぉぉぉぉ!」

大井「ソレ、作らせたの提督ですし」

明石「改善の余地大有りですね・・・」

夕張「むしろ改善の余地しか無いわ・・・」

大井「約束通り、私の分も作ってくださいね」

提督「え?」

大井「出撃前に約束しましたよね?」

提督「キオクニゴザイマセン」

大井「へぇ~そういうことを言うんですか」チャキッ

吹雪「大井さん!」

提督「大井さん、こちらに単装砲を向けないでください。お願いします」

大井「では、私の分も用意してくれますよね?」ニコッ

提督「はい・・・ただし、これから改良するので少し待ってもらえますか?」

大井「いいですよ。今直ぐとは言いません」

提督(良かった)

大井「でも、夏までには用意してもらえますよね?」

提督「善処します。明石さん、夕張さん、夏までにお願いします」

明・夕「はい(大井さん怖い)」

799: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/14(日) 23:16:31.55 ID:B8IIuJCd0

-執務室-

コンコン

大淀「大淀です」

提督「どうぞ」

ガチャ

バタン

大淀「提督、大本営より鉄底海峡の調査要請が届きました」

新提(鉄底海峡の調査?奴は数日間、鎮守府を留守にする?これはチャンスなのでは!)

提督「鉄底海峡の調査?」

大淀「はい。同海峡では海が赤く変色しているそうです」

提督「赤く変色?赤潮じゃないのか?」

キット「地形からして赤潮の発生は考えづらいです」フォンフォン

提督「だいだい、わざわざ本土から調査に行かなくても、ショートランド泊地から調査に向かえばいいだろ」

吹雪「そうですよね」

大淀「当初はショートランド泊地が調査を行っていましたが、二日前から連絡が取れない状態が続いているそうです」

新提「これは一大事じゃないか!早く調査へ向かうべきだ!」

提督「確かに連絡が途絶えているのは気になるが」

新提「留守中のことは全て私に任せておけ!」

提督(お前が一番心配なんだよ)

吹雪(あなたが一番心配です)

大淀「彼のことは私が見張っておくので安心してください」

新提「新米とはいえ私もれっきとした提督だ!深海棲艦を指揮して戦ったきたんだ、艦娘でも大丈夫だ!」

提督(いや、心配しているのはそこじゃなくて)

吹雪(朝潮ちゃんや、リベッチオちゃんに変なことをしないか危惧しているんですが)

提督「大淀、留守中は頼む」

大淀「はい!お任せください」

新提「いや、もっと私を頼っていいんだぞ!」

提督「・・・。そうっすね」

新提「何だよ!その投げやりな反応は!」

吹雪「ご自分の胸に聞いてみてください」

800: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/14(日) 23:19:49.20 ID:B8IIuJCd0

提督「メンバーは誰にするか。とりあえず、吹雪は決定として」

提督「出撃させろ!って五月蝿いから天龍も連れて行くか。あとは・・・念のため、戦艦も居た方がいいな」

吹雪「金剛さんでどうですか?」

提督「そうだな。金剛を連れて行こう。空母は一航戦ペアでいいか」

吹雪「あともう一人ですね」

提督「摩耶を連れて行くか」

~しばらく後~

提督「と、いうことで鉄底海峡の調査に向かう。出発は明日だ。準備しておいてくれ」

摩耶「面倒くせーなー」

提督「仕方ないだろ。ショートランドと連絡が取れない以上、放置はできん」

赤城「その通りですよ」

天龍「よっしゃー!出撃だー!深海棲艦共をサンタに貰ったシュベルトゲベ○ルの錆にしてやるぜ!」

提督「頼むから深海棲艦の腹にソレをめり込ませて手を離なすとか止めてくれよ」

天龍「そんなことする訳無いだろ。一撃で真っ二つにしてやるぜ!」

加賀(このメンバーで大丈夫かしら・・・心配なのは天龍一人だけど)

提督「では、解散!今日はゆっくり休んでくれ」

801: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/14(日) 23:23:22.56 ID:B8IIuJCd0

-ショートランド泊地-

提督「ショートランド泊地に来てみたはいいが、人っ子一人居ないな」キョロキョロ

キット「ですが、攻撃を受けた様な形跡はありません」フォンフォン

吹雪「ここに居たはずの人たちは何処に行ってしまったのでしょうか?」

金剛「おかしいデスネー」

赤城「まさか、深海棲艦との戦闘で全滅した?流石にそれは無いですよね」

提督「そういえば、世界中でついさっきまで人が居た様な痕跡があるにも関わらず、村人全員が突然蒸発したって事件があると聞いたことがあるな」

天龍「止めろよ!」涙目

提督「怖がらせてスマン」

天龍「ち、ちげーよ!怖がってなんてないからな!嘘じゃないぞ!」

吹雪(そこまで言うと逆に怖いってアピールしている様なものですよ)

摩耶「天龍、びびり過ぎだろ」

加賀「施設は無事なようですし、補給をさせてもらいましょう」

提督「そうだな。勝手に使うのは気が引けるが、使わせてもらおう。補給が完了次第、鉄底海峡に向かおう」

802: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/14(日) 23:26:13.42 ID:B8IIuJCd0

-同刻 鎮守府 食堂-

新提「清霜ちゃ~ん」

清霜「ひっ、大和姉さまー!(泣)」

大和「清霜ちゃんが嫌がってます!」

新提「いや、私はそんなつもりじゃ」

清霜「あの人、怖いです」←大和の後ろに隠れている

大和「清霜ちゃんがこう言ってますが?」

新提「ち、違うんだ、私はその」

大和「何が違うんですか?あなたは要注意人物だと聞いています」

新提「何を言うんだ!アイツ(提督)だって間違いなくロリコンだろ!」

大和「長門さんならまだしも、提督をロリコン呼ばわりとは許せません!」ギロッ

新提「ち、違うんだ!落ち着いて話し合おう!(あ、あそこに居るには!)」

新提「夕雲ママァ~!」ダッ

大和「待ちなさい!まだ話は終わってません!」

夕雲「新提さん、おふざけは大概にしてくださいね」ニコッ

新提「え?」

夕雲「私に甘えていいのは、巻雲さんたち妹と、提督だけですよ」

新提(ひっ・・・た、龍田に近い恐ろしいオーラを感じる。いや、龍田の比ではない!)

新提「もっ、申し訳ありませんでした!」土下座

夕雲「分かってもらえればいいんですよ」

新提(だが、これはチャンスでもある。ママは甘えていいのは妹と提督だけだと言った。つまり、私が自分の鎮守府を持ち、夕雲が自分の所へ来てくれれば!)

新提(私の夕雲が居れば好きなだけ甘えられる!夕雲は私の母になってくれるかも知れない女性だ!)

ガシッ

新提「???」

大和「さぁ、向こうでお話の続きをしましょうね」

新提「助けてー」

霞「ふん!自業自得ね」

朝潮(新提さんが自分の所に来なかったから拗ねてます)

霞「朝潮姉、今、変なこと考えてなかった?」

朝潮「そんなことありません!」

803: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/14(日) 23:28:33.37 ID:B8IIuJCd0

-鉄底海峡-

吹雪「本当に赤いですね」

提督「水質に異常はあるか?」

キット「水質に異常は見られませんが、周辺海域に生物が見当たりません」

提督「何が起きているんだ・・・」

赤城「提督、10km程先に深海棲艦を確認しました」

提督「見つけた以上、放置は出来ん。仕掛けるぞ!」

一同「はい!」

飛行場姫「ナンドデモ・・・ミナゾコニ・・・シズンデ・・・イキナサイ・・・」

金剛「撃ちます!ファイヤー!」

ドカーン

摩耶「どーだ!参ったか?」

ドカーン

~中略~

飛行場姫「タクサンノテツ・・・シズム・・・コノ、ウミデ・・・ソウ・・・」

提督「よし、撃破したな。では、調査に移行しよう」

ドカーン

グラグラ

提督「何事だ!」

キット「魚雷が直撃しました!真下からの攻撃です!」

提督「真下?潜水艦か!」

キット「ですが、ソナーに反応はありません!」

提督「まさか・・・ステルス潜水艦!?」

キット「その様なもの聞いたことがありません」

提督「だが、他に何かあるか?」

金剛「キットが攻撃を受けていマース!」

摩耶「向こうからはたこ焼きが飛んできたぞ!」

吹雪「撃ち落としましょう!」

摩耶「ぶっ殺されてぇかぁ?」

吹雪「お願い! 当たってください!」

バババッ

ドカーン

吹雪「何とか撃ち落とせましたね」

加賀「第二波がきたわ!」

赤城「先ほどの戦闘で消耗しているというのに」

提督(このままではマズイ)

金剛「提督!避けてくだサイ!」

ドカーン

804: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/14(日) 23:32:26.01 ID:B8IIuJCd0

提督「キット、無事か?」

キット「私の装甲はあの程度の攻撃では傷付きません」

提督「奴等の狙いはどうやら俺たちの様だな」

キット「その様です。先ほどから吹雪さんたちは無視して私たちだけを攻撃しています」

提督「金剛!吹雪を連れてショートランド泊地まで退避するんだ!」

金剛「クッ・・・分かりマシタ。行きますよ、ブッキー」

吹雪「でも、司令官を助けないと!」

金剛「これは提督からの命令デス」グイッ

吹雪「離してください!」

金剛「ダメです」

吹雪「司令官!司令かーん!」

金剛「提督、絶対に死なないでクダサイ」

加賀「提督、あなたの死は無駄にしません」

ドカーン

提督「勝手に殺ろすな!って言うか、真顔で何てこと言うんだよ!」

加賀「冗談です。必ず生きて帰って来てください」

提督「加賀が言うと、冗談に聞こえないから」

天龍「前に言ったよな?やっぱり、フラグじゃねーか!」

提督「だから勝手に殺すな!」

摩耶「絶対に死ぬなよ」

提督「ああ、ショートランドで会おう!」

ドカーン

提督「クソッ、兎に角、振り切るぞ!」

キット「ですが、ソナーに映らない潜水艦(?)の攻撃をどうやって振り切りますか?」

提督「動き回れば当たるまい」

ドカーン

805: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/14(日) 23:38:32.74 ID:B8IIuJCd0

-ショートランド近海-

金剛「あそこに誰か居マス!」

加賀「深海棲艦では無さそうね」

???「敵か!いや・・・どうやら艦娘のようだな。もしかしたら、本土から来たのかも知れない。話を聞いてみるか」

天龍「向こうもこちらに気付いたみたいだぜ」

赤城「彩雲から連絡が入りました。あれは長門さんだそうです」

摩耶「もしかして、ショートランドの艦娘か?」

赤城「まだ分かりませんが、その可能性はありそうです」

長門「お前たちはどこからやって来たのだ?」

吹雪「私たちは本土からショートランド泊地及び、鉄底海峡の調査に派遣されました」

ショートランド・長門「本土から?丁度良かった!連絡が取れなくて困っていたんだ。私は鉄底海峡の調査に派遣された長門だ。このままショートランドへ向かおう」

加賀「そうね」

ショートランド・長門「どうしたんだ?浮かない顔をしているが」

金剛「実は・・・」

~事情説明中~

ショートランド・長門「そんなことがあったのか。直ぐにでも探索隊を派遣したいが、余裕が無くてな。一旦、ショートランドヘ戻ろう」

吹雪「はい」

ショートランド・長門「彼は今まで何度も窮地を切り抜けて来たんだろう?今は無事を信じるしかない」

金剛「その通りデース!提督はこんなことで死んだりは・・・」


-ショートランド泊地-

金剛「今、長門が探索隊の手配を進めてくれていマス」

吹雪「何時、出発できそうですか?」

金剛「早くても、明日の朝だそうデス」

吹雪「・・・」

金剛「ブッキー、長門も言いマシタが、今は信じて待つしかありマセン」

吹雪「はい」

金剛「それに、大和の砲撃にも耐えるキット、デス。きっと無事デス」

吹雪(キットときっとって・・・。ダジャレで元気付けようとしてくれているんですね)

ピカーッ

吹雪「え?指輪が・・・」

金剛「ブッキー、もしかして」

吹雪「もしかして?」

金剛「滅びの呪文を唱えましたカ?」

吹雪「?」

金剛「バ○ス、デース!」

吹雪「金曜日の夜にサーバーを滅ぼす呪文なんて唱えてません!」

金剛「一度、明石に見てもらいまショウ」

吹雪「はい!」

806: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/14(日) 23:40:58.05 ID:B8IIuJCd0
-工廠-

ショートランド・明石「うわっ!ナニコレ!?」

ショートランド・夕張「ま、まさか・・・この指輪、サイコフ○ームで出来てるの?」

吹雪(サイコフ○ーム?)

ショートランド・大淀「指輪の発光現象、少数ながら報告が上がっています」

ショートランド・明石「何か知ってるの?」

ショートランド・大淀「詳しいことは分かっていませんが、提督と強い絆を結んだ艦娘の持つ指輪は提督の身に危機が迫った時に、それを知らせるかのように光るとか」

金剛「指輪の光が一本の筋になって南東を指してマース!」

ショートランド・夕張「これってもしかして」

ショートランド・大淀「はい。鉄底海峡方面を指しているのではないかと」

吹雪「直ぐに司令官を助けに行きましょう!」

赤城「吹雪さん」

加賀「もう直ぐ日が暮れるわ。残念ながら、そうなると私たちは戦えない」

ショートランド・長門「ならば私が同行しよう」

吹雪「ありがとうございます!」

金剛「天龍と摩耶を呼びに行きまショウ!」

天龍「俺たちはここに居るぜ!」

摩耶「あたしも何時でも出撃できるぞ!」

吹雪「では、行きましょう!」

807: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/14(日) 23:45:41.82 ID:B8IIuJCd0

-数時間前 鉄底海峡周辺のどこかの島-

キット「アドミラル、アドミラル!」

提督「ん・・・キット?」

キット「良かった。気が付きましたか」

提督「いてて、えっと・・・俺は何をしてたんだっけ?」

キット「鉄底海峡の調査中に深海棲艦から攻撃を受け、この島へ逃げ込みました」

提督「そうだった!吹雪たちと連絡は取れるか?」

キット「残念ながら、先ほどの攻撃で通信装置に損傷を受けました。ですが、通信装置が無事だったとしても難しいでしょう」

提督「どうして?」

キット「この海域を中心として強力な妨害電波が出ています」

提督「なるほど。それでショートランドと連絡が取れなかったのか。現在地は?」

キット「GPSも損傷を受けたため、現在地を特定できません。鉄底海峡周辺のどこかの島と言うこと以外は不明です」

提督「そうなったら日が暮れて星が出るのを待つか。星を見れば方角が分かるはずだ」

キット「大航海時代の船乗りと同じ方法ですか。今は他に方法が無い以上、仕方ありません」

提督「現在地が鉄底海峡周辺と言うことは、北西に向かえばショートランドにたどり着くはずだ」

キット「ええ、そのはずです」

提督「水と食料はある程度積んであるし、今は待つしかないか」

提督「このまま座って待つのも疲れるから、少し散歩をしたいんだが、周辺に危険な生き物は居そうか?」

キット「大型の肉食動物は確認できません。安全と思われます」

提督「では、降りてみるか」

808: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/14(日) 23:48:11.76 ID:B8IIuJCd0

~数時間後~

キット「何か居る様です」フォンフォン

提督「!!!」

ガサガサ

提督「誰だ!」

吹雪「司令・・・官?」

提督「吹雪?」

吹雪「良かった!無事だったんですね」

提督「捜しに来てくれたのか?」

吹雪「はい!」

提督「そんな危険なことをしなくても、こちらから帰ったのに」

吹雪「司令官が心配で居ても立っても居られなかったんです!」

提督「心配をかけてすまなかった。金剛たちはどうしたんだ?」

吹雪「金剛さんなんてどうでもいいじゃないですか」

提督(どうでもいい?吹雪がそんなことを言うか?)

吹雪「今は司令官と二人っきり。そっちの方が大事です!あ、キットも居るから三人ですか?」

提督「どうして金剛のことをどうでもいいなんて言うんだ?普段のお前ならそんなことは言わないはずだ」

吹雪「文字通りどうでもいいからですよ?どうして他の女のことを気にするんですか?」

提督「・・・。お前、誰だ?」

キット「アドミラル、何を言い出すのですか?吹雪さんですよ」フォンフォン

吹雪「そうですよ、司令官。急にどうしたんですか?私はあなたの吹雪ですよ」

提督「お前は吹雪ではない!」

ブーン

吹雪「セイバーなんて出してどうしたんですか?そうか、疲れているんですね。もう時間も遅いので今夜はここで休んで、夜が明けたら鎮守府に帰りましょう」

提督「お前は別の鎮守府の吹雪でもない。吹雪と瓜二つの『何か』だ」

キット「アドミラル、落ち着いてください」フォンフォン

吹雪?「ふ~ん。ばれちゃったんですね」

キット「吹雪さん、どうしたのですか?」フォンフォン

吹雪?「本当は穏便に済ませるつもりだったけど、ばれた以上は強引に進めるしかなさそうですね」

提督「目的は俺の首か?」

吹雪?「そんな訳無いじゃないですか。あなたに死なれては困ります」

提督「では、俺を人質にして大本営を」

吹雪?「そんなことしません。拷問もしません。ただ、私と一緒に居てくれるだけでいいんです」

提督(一緒に居るだけでいい?一体何が目的なんだ?)

809: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/14(日) 23:49:33.22 ID:B8IIuJCd0

-提督が居る島周辺-

吹雪「あの島に向かって光が伸びています」

金剛「あそこに提督が居るんデスネ?」

吹雪「恐らく」

天龍「早く助けに行こうぜ!」

吹雪「はい!」

ゴツン

天龍「な、何だ!」

吹雪「どうしたんですか?」

天龍「目に見えない壁の様な物があって進めない」

吹雪「天龍さん、こんな時に変な冗談は」

金剛「本当デース」

吹雪「え?」

ショートランド・長門「ビッグセブンである私の力を持ってしても進めないだと・・・」

吹雪「そんな・・・どうして?」

金剛「ブッキー、あなたは進んでくだサイ」

天龍「お客さんが来たな」

ショートランド・長門「ここは私たちに任せろ!」

摩耶「吹雪、絶対に提督を見つけて助け出せよ!」

吹雪「はい!必ず司令官を助け出します!」

ショートランド・長門「全主砲、斉射!て――ッ!!」

810: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/14(日) 23:52:40.58 ID:B8IIuJCd0

吹雪「はぁはぁ・・・この先に司令官が・・・」

ガサガサ

吹雪(居た!)

吹雪「司令官!」

提督「ん?」チラッ

提督「吹雪!」

吹雪「え?私がもう一人居る・・・?」

吹雪?「本物が来ちゃいましたね。こうなった以上仕方ありません、私の本当の姿を見せてあげます」

深海吹雪「70余年前にこの海に沈んだ駆逐艦吹雪、その艦の妬み、恨み、怒りと言った負の感情から生まれたのが私」

提督「!!!」

吹雪「そんな・・・」

深海吹雪「私はずっと暗い海の底で一人ぼっち。同じ吹雪なのに司令官や仲間が居るあなたが羨ましかった!だから司令官を奪おうと決めた!」

提督「そうだったのか」

吹雪「司令官、その深海棲艦から離れてください!私の半身なら私がこの手で!」

提督「待て、吹雪。俺に任せてくれないか?」

吹雪「どうするんですか?」

スタスタ

吹雪「司令官!」

深海吹雪「私と一緒に来てくれるんですね?」

提督「悪いが、お前と一緒に行くことは出来ない。だから、お前がうちに来い」ギューッ

吹雪(司令官、あなたは深海棲艦でも受け入れるんですね)

深海吹雪「でも、私は深海棲艦だから・・・」

提督「深海棲艦なら既にイ級とヲ級が居る」

吹雪「そうだよ!司令官がこう言ってるんだから、あなたも一緒に来るべきだよ。それに仲間が欲しいって言ってたよね?」

深海吹雪「本当にいいんですか?」

提督「男に二言は無い」

深海吹雪「司令官・・・」

ピカーッ

提督「うわっ!眩しい!」

吹雪「きゃっ」

キット「何が起こっているのですか?」フォンフォン

811: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/14(日) 23:53:28.48 ID:B8IIuJCd0

-提督が居る島周辺-

天龍「これで終わりだ!」

ドカーン

摩耶「さっきので最後だな。また沸いてこなければいいけど」

ショートランド・長門「海の変色が治まっていく・・・?」

金剛「見えない壁も消えていマース!」

天龍「本当だ!」

金剛「提督ぅー」ダッ

摩耶「姐さん、一人で行くと危ないって!」

ショートランド・長門「私たちも追いかけよう!」

812: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/14(日) 23:55:30.31 ID:B8IIuJCd0

吹雪「私とそっくりな姿に戻ってる?」

黒吹雪「え?」

提督「本当だ」

黒吹雪「どうして?私、何もしてないのに・・・」

提督「負の感情が浄化されて、艦娘に生まれ変わったってことじゃないのか?」

キット「その様な事例は聞いたことがありませんが、この場合、そう考えるのが自然でしょう」フォンフォン

提督「では、改めて確認しよう。うちに来てくれるな?」

黒吹雪「はい!宜しくお願いします!」

提督「ところで、二人に分裂した吹雪が一つになる時、光の騎士スペリオル吹雪に」

吹雪ズ「なりません!私たちは騎士と魔王じゃありません!」

提督「じゃあ、正面衝突すると」

吹雪ズ「ファイナル吹雪フォーミュラーにもなりません!あと、神コ○様でもありません!」

提督「そうか」

吹雪ズ「何でそんな露骨に残念そうなんですか!」

提督「キノセイデスヨ」

吹雪ズ「もう!」

提督(それにしても・・・)

黒吹雪「?」ポヨン

吹雪「どうしたんですか?」ペタン

提督(同じ吹雪のはずなのに、どうして差が付いた?)

提督(サクラが持っていた写真の吹雪はまさか?いや、しかし、キットのDNA鑑定でちゃんと・・・う~ん)

吹雪ズ「司令官?」

提督「! スマン、なんても無い。ショートランドに帰ろうか」

金剛「提督ぅー!」ダダダダダ

提督「金剛も来てくれたのか。心配をかけて済まなかった」

金剛「ヴァーニングゥゥゥ」ピョーン

金剛「ラァァァァーヴ!」

提督「うおっ!」バタン

提督「急に飛び掛らないでくれ」

金剛「どれだけ心配したと思ってるんデスカ!」

提督「悪かった。だが、この通り無事だ。安心してくれ」

金剛「そういえば、ブッキーの隣に居る、そっくりな子は誰デスカ?」

黒吹雪「えっと・・・」

提督「吹雪の双子の妹だ」

黒吹雪「え?」

金剛「訳ありみたいデスネ。これ以上は聞かないことにシマス」

提督「そうしてもらえると助かる」

813: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/15(月) 00:01:55.62 ID:FHca0+Pc0

金剛「で、そのツインズのシスターはどうするんデスカ?」

提督「鎮守府に連れて帰る」

金剛「でも、うちには既にブッキーが」

提督「上に報告したうえで認めさせるさ」

吹雪(でも、元・深海棲艦だと知ったら、研究のために渡せって言いだすかも知れない)

提督「それに何かあればアレを使えばいい」

金剛「アレ?」

吹雪「まさか・・・」

金剛「ブッキー、何か知っているのデスカ?」

吹雪「司令官のお師匠さんだった人は覚えていますか?」

金剛「ハイ。瀬戸内海深提デスネ?」

吹雪「あの人、元帥の幼馴染だったそうで、元帥の他人に知られたくない過去、いわゆる黒歴史をまとめたファイルを持っているそうです」

金剛「マサカ・・・」

提督「それは今、俺が所持している。ここまで来れば分かるな?」

金剛「何と恐ろしい・・・」

天龍「提督ー」

摩耶「無事みたいだな。全く、心配かけやがって」

提督「天龍に摩耶、すまなかった」

ショートランド・長門「あなたが提督か?」

提督「君は?」

ショートランド・長門「私は鉄底海峡調査のため、ショートランドに派遣された長門だ」

提督「では、ショートランドの艦娘は」

ショートランド・長門「私を含めて全員無事だ。昼間はどうにかして本土と連絡を取ろうとして、全員が泊地を離れていた」

提督「そうだったのか。失踪事件が起きたのかと心配していたんだ」

ショートランド・長門「悪いことをしてしまったな」

提督「謝るのはこちらの方だ。勝手に資材を使わせてもらったからな」

ショートランド・長門「気にするな。本土から遠路はるばるやって来たのだ、補給を受けるのは当然だ。ところで周辺海域の変色が治まったのだが、心当たりは無いか?」

提督「この辺り一帯を支配していたと思われる深海棲艦を倒したのが理由ではなかろうか?(恐らくもう一人の吹雪が原因だろう)」

ショートランド・長門「まさか、あなたが?」

提督「いや、いくらなんでも深海棲艦を倒したりは・・・出来なくはないな。うん。だが、この島には深海棲艦は居なかったから、倒したのは君たちだろう」

ショートランド・長門「うーん。だが、それらしき敵は居なかったのだが・・・島に居なかったとなるとやはりそうなのか」

天竜「俺たちはそんなスゲー奴を倒したのか!」

提督「ああ、きっとそうだ」

ショートランド・長門(そこに居る、もう一人の吹雪が気になるが・・・尋ねるのは野暮か)

ショートランド・長門「他にそれらしい要因が見当たらない以上、その様に報告するしか無いな」

摩耶「提督も無事発見出来たし、ショートランドに帰ろうぜ!居残り組みも心配しているはずだし」

814: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/15(月) 00:08:36.39 ID:FHca0+Pc0

-ショートランド泊地-

赤城「提督、よくぞご無事で」

加賀「提督なら必ず帰って来ると信じていたわ」

提督「二人とも、心配をかけてすまなかった」

加賀「どれだけ心配したと思っているんですか?」

赤城「心が張り裂ける思いをしました」

提督「悪かった。帰ったら間宮さんの店で好きな物を奢るから許してくれ」

赤城「上々ね」

加賀「気分が高揚します」

提督(まったく、現金な奴等だ。とは言え、俺に原因があるから文句は言えんが)

ショートランド・長門「今夜はここでゆっくり休んでくれ。夜が明けたら私がオス○レイで本土まで送ろう」

提督「オス○レイはちょっと」

ショートランド・長門「何だ、嫌か?仕方ない、二式大艇を使うか」

提督「そっちで頼む」


-翌朝 ショートランド泊地-

キット「空を飛んで帰る?バカなことは止めて下さい!」フォンフォン

提督「しかしだな、少しでも早く帰るにはその方法しか」

キット「飛行機など使わなくとも、私は海を走行できます!」フォンフォン

提督「そうは言っても、キットもそれなりにダメージを受けているだろ?鎮守府までの道のりはそこそこ長いからな」

キット「ならば、ここの明石さんに修理を頼めばいいではないですか!フォンフォン

提督「そう思って相談してみたが、ここの設備では難しいと言われた」

キット「では、フェリーを手配しましょう!」フォンフォン

提督「何日掛かるんだよ・・・。兎に角、我慢してくれ」

ショートランド・長門「そろそろ出発しようか」

キット「私はてこでも動きません!」フォンフォン

提督「はぁ・・・。長門、頼む」

ショートランド・長門「了解した」

キット「止めて下さい、長門さん!押さないでください!うわぁぁぁぁ!」フォンフォン

吹雪「キットの航空機嫌いって何とかならないんですか?(汗)」

提督「妖精さんに相談してみたが、人格の矯正は難しいそうだ」

吹雪「何で余計な部分まで完全再現しちゃったんでしょうね?」

提督「本当にな」

815: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/15(月) 00:11:30.90 ID:FHca0+Pc0

-鎮守府 執務室-

提督「と、言う訳で、吹雪がもう一人配属されることとなった」

黒吹雪「よろしくお願いします」

吹雪「仲良くしてあげてね」

白雪「叢雲ちゃん、良かったね」

叢雲「何が良かったのよ?」

白雪「吹雪ちゃんが部屋に居なくて寂しがっていたもんね」

叢雲「な、何バカなこと言ってんのよ!///」

提督「へぇ~、叢雲ってお姉ちゃん子だったのか?意外だな」

叢雲「そ、そんな訳ないでしょ!」

白雪「はい、そうなんです」

叢雲「白雪!」

提督「叢雲の意外な一面を見たな」

叢雲「五月蝿い!違うって言ってるでしょ!」

ゴスッ

提督「!?!?!?!?!?(声にならない悲鳴)」

バタッ

ピクピク

初雪「鳩尾ならまだしも、金的はダメ・・・ゼッタイ」

白雪「鳩尾でも充分ダメだから!」

深雪「やっちまったなー」

磯波「何てことを」

吹雪ズ「司令官、しっかりしてください!」ユサユサ

吹雪「もう!叢雲ちゃん、何てことしてくれるのよ!」

叢雲「あ・・・えっ、そんなつもりじゃ」

初雪「司令官・・・もう・・・使えないかも」

叢雲「つ、使えないって何が?」

初雪「赤ちゃん、出来ない・・・かも」ボソッ

叢雲「!!!」カオマッサオ

吹雪「こんな時、どうすれば・・・」

初雪「冷やせば・・・いいんじゃない?」

白雪「氷、貰って来ます!」ダッ

叢雲(本当に再起不能だったらどうしよう・・・。この場合、私が責任を取って、って違う!これじゃタダの略奪だ!)

吹雪「叢雲ちゃん、司令官に何か言うことがあるよね?」ゴゴゴゴゴ

叢雲「ごっ、ごめんなさい!」

826: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/21(日) 23:20:46.11 ID:7KPD67+k0

-叢雲事件から数時間後 執務室-

提督「何だとッ!」

吹雪「どうしたんですか?」

提督「こうしては居られない!秋津洲、秋津洲は居らぬか!」

秋津洲「はっ。秋津洲、ここに」シュタッ

吹雪「!!!(川内さん以外にも忍者が居る!?)」

提督「俺は常々、すーぱーナントカなんて出す暇があるなら、智那ッガイを出せ!と主張してきた!」

秋津洲「確かに言ってたかも」

提督「そして、計画がポシャって無くなったんだと思ってたプラモアニメ(無印)続編の製作決定だ!」

秋津洲「秋津洲の出番かも!?むしろ主役かも!」

提督「そこで、秋津洲に重大な任務を与える!」

秋津洲「・・・」ゴクッ

提督「コイツをお前さんに進呈する!」

秋津洲「こ、これは!艦プラバトルで提督が使用したスタービルド吹雪DXのモデルになったと言われている、HGBF スタービルドス○ライクかも!」

提督「そうだ」

秋津洲「で、でも、こんな大切な物貰ってもいいかも?」プルプル

提督「ああ、秋津洲に完成させて欲しいんだ(つーか、前にやったプラフスキークリアVerの方が貴重品だし)」

秋津洲「不肖秋津洲、全身全霊を持って完成させるかも!」

提督「完成の暁には智那ッガイと一緒に飾ろう」

秋津洲「はい!」

提督「そして、二体がかりでビルドナントカを叩き潰すぞ!」

秋津洲「じげんはおーりゅー死すべし、慈悲は無い」

提督「その調子だ」

吹雪(じげんはおーりゅーって秋津洲さんが艦プラバトルの時に叫んでたんじゃ?)

827: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/21(日) 23:22:37.45 ID:7KPD67+k0

秋津洲「燃えてきたかもーっ!!!秋津洲のプラモスピリットがビッグバンを起こしそうかも!」

提督「いいぞ!その調子だ!」

秋津洲「うぉぉぉぉーっ!」

ピカーッ!

吹雪「秋津洲さんが金髪に!?それに金色のオーラが!」

秋津洲「あたしは・・・超秋津洲だ!」シュウシュウ

吹雪「す、スーパー超秋津洲・・・さん?」

秋津洲「私はの戦闘力は53万です」

吹雪(戦闘力って何ですか・・・)

秋津洲「5秒でスタービルドス○ライクを完成させてくるかも!」

提督「おう、頑張れよ!」

ガチャ

バタン

吹雪「帰りは普通に歩いて帰るんですね」

提督「戦闘民族ナントカ人じゃ無いから、流石に飛びはしないってことだな」

吹雪「もう、色々と付いて行けません」

提督「俺もだ」

吹雪「え!?」

提督「いや、流石にこんな訳の分からん方向に進むとは思ってなかったからな」

吹雪「そうですか(汗)」

提督「工廠にキットの様子を見に行こう」

吹雪「はい!」

提督「それと、もう一人の吹雪の艤装も造ってもらわないとな」

828: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/21(日) 23:23:57.34 ID:7KPD67+k0

ガチャ

ギィィィィ

卯月「こんにちは、うーちゃんだぴょん!」

卯月「さっき司令官と吹雪ちゃんが執務室から出て行くのが見えたからイタズラしに来たぴょん」

卯月「今日は何をしようかな~。あ!机の上に司令官のメガネを発見したぴょん!」

卯月「ぷっぷくぷぅ~、早速イタズラしてやるぴょん♪」

卯月「でも、このメガネをどうしようかな・・・」

~妄想中~

卯月「このメガネを舐め回してヨダレでベトベトにしてやるぴょん♪」

ペロ 

レロ 

卯月「司令官の味がするぴょん♪癖になりそうだぴょん♡」

~妄想終了~

卯月「うぅ・・・これじゃ、タダの変 だぴょん。でも、如月ならやりかねないぴょん」

卯月「とりあえず、このメガネを掛けて考えてみるぴょん」

卯月「???」

卯月「度が入ってない?ってコレ、PC用メガネだぴょん!」

卯月「そういえば、司令官が執務中以外にメガネを掛けている姿なんて見たこと無かったぴょん」

卯月「うーちゃんを騙すなんていい度胸しているぴょん!もう怒ったぴょん!」

卯月「こんな物!・・・。でも、物を壊したり、人を傷付けるのはうーちゃんのポリシーに反するぴょん」

卯月「仕方が無いから今日の所は引き下がるぴょん」


-睦月型私室-

如月「くしゅん」

睦月「およ?風邪かにゃ?」

如月「誰かが私の噂をしているみたい。司令官かしら♡」

829: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/21(日) 23:25:52.07 ID:7KPD67+k0

-工廠-

提督「キットはどうなっている?」

明石「もうボロボロですよ」

提督「やはりそうか。いくら装甲が丈夫でも内部は精密機器の塊だからな」

夕張「ええ。内部に結構ダメージを受けています」

黒吹雪「私のせいでごめんなさい」

明石「車体の修理が完了するまでの応急措置として・・・」

夕張「キットはポータブルテレビに入ってもらいました」

キット「こんな恥ずかしい姿、見ないでください」

吹雪(前に車体を盗まれた時もこうなったけど、またこうなるんですね)

明石「この際だから大改造しちゃいましょう!」

妖精ズ「やっちまえー!おーっ!」

夕張「妖精さんたちもやる気満々ですよ」

提督「それは頼もしいな。だが、車体をマスタングに変更とかは止めてくれよ」

キット「私も現在のトランザムを希望します。ただ、車は人間よりはるかに早く年を取ることを忘れないでください」

夕張「修理のついでに新機能を搭載する予定だから安心して」

明石「ギクッ!な、何を言うんですか」

提督「今、ギクッ!って言っただろ」

吹雪「ギクッ!なんていう人は始めて見ましたよ」

明石「ナ、ナンノハナシデスカー」

提督「まぁ、いい。差し入れ持ってきたから溶けないうちに食べてくれ」つ間宮アイス

妖精ズ「わーい!提督さん、太っ腹ー」

夕張「ありがとうございます」

明石「いただきます」

提督「迷惑ついでにもう一つ頼みたいことがある」

明石「何ですか?」

提督「この子(黒吹雪)の艤装を造ってやって欲しい」

黒吹雪「お願いします」

明石「吹雪型の艤装でいいんですか?」

提督「ああ、吹雪の艤装を使えることを確認した。当然と言えば当然だけどな」

明石「分かりました」

提督「じゃあ、頼んだぞ」

830: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/21(日) 23:27:33.19 ID:7KPD67+k0

-資材倉庫前-

卯月「今日のイタズラは不発に終わったぴょん・・・」トボトボ

卯月「何か新しいイタズラを考えないとテンションが上がらないぴょん・・・」トボトボ

イマガチャンスダヨ

卯月「ん?倉庫裏から話し声が聞こえるぴょん」

ウンソレジャ
チャオチャオ

リベッチオ「あ!卯月ちゃん」

卯月「こんな所で何してるぴょん?」

リベッチオ「散歩だよ」

卯月「本当に?」

リベッチオ「本当だよ。だって、明石さんたちが資材をちょろまかして開発するならともかく、リベは資材倉庫に用事なんて無いからね」

卯月(だからと言って、資材倉庫裏に居たなんて怪しいぴょん)

卯月「さっき、誰かと話してなかったぴょん?」

リベッチオ「リベは一人だし、携帯も持ってないよ。風の音が話し声に聞こえたんじゃないの?」

卯月「うーん・・・そうかな」

リベッチオ「じゃあねー」フリフリ

卯月「行っちゃったぴょん・・・。本当にうーちゃんの空耳だったのかな?」

831: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/21(日) 23:30:23.01 ID:7KPD67+k0

-翌日 工廠-

提督「お疲れさん」

明石「お疲れ様です!」

提督「キットはどんな感じだ?」

明石「修復の進捗は70%位です」

提督「ふむ。数日中には復旧できそうだな」

吹雪「執務室にキットが居ないと寂しいから早く帰ってきてね」

キット「はい。明石さん、夕張さん、妖精さん、無理をしない程度に急ぎでお願いします」

夕張「任せといて!」

妖精ズ「お任せあれー!」

ピーッ!
ピーッ!
ピーッ!

スピーカー「緊急事態発生!緊急事態発生!提督、至急執務室へお戻りください!」

提督「何事だ!?」

夕張「内線で確認してみましょう」

夕張「もしもし、大淀さん?緊急事態ってどうしたんですか?」

大淀「深海棲艦の大群が鎮守府に向かって進軍中なんです!」

夕張「えぇ!?ここに提督がいるから直ぐに代わります!」

夕張「大変です!深海棲艦の大群が向かって来ているそうです!」つ受話器

提督「何だと!?」

吹雪「そんな!」

明石「緊急事態じゃない!」

提督「敵の数は分かるか?」

大淀「少なくとも50は居ます!」

提督「直ぐに執務室に戻るが、その前に今から言う編成で出撃させてくれ!」

大淀「はい」

提督「第一防衛ラインに金剛、比叡、五十鈴、朝潮、蒼龍、飛龍」

提督「第二防衛ラインにザラ、ポーラ、北上、大井、翔鶴、瑞鶴。北上はフルアーマー装備で出撃させてくれ!」

提督「最終防衛ラインに大和、アイオワ、長門、陸奥、赤城、加賀の三段構えだ!」

提督「残った艦娘は全員で鎮守府の警備を」

大淀「分かりました!その様に伝えます」

明石「こうなったら、未完成ですが、キットを動かせる状態にしましょう!」

提督「大丈夫なのか?」

夕張「まだ完全ではありませんが、大体の機能は使用可能です」

明石「この危機を乗り越えないことには話になりませんからね」

提督「そうだな」

832: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/21(日) 23:33:00.68 ID:7KPD67+k0

夕張「では、PCとキット(テレビ)をこのシリアルケーブルで接続してください」

提督「分かった」

明石「車体とPCが繋がったわ」

妖精ズ「では、このデータ移行.exeファイルをクリックしちゃって下さい」

提督「よし」カチカチッ

『転送中 残り500時間』

提督「あの・・・とんでもない時間が表示されているんだけど」

妖精ズ「スピードアップしますか?」

提督「出来るならして欲しいが」

妖精ズ「分かりました」

吹雪「あの・・・何かよこせと言わんばかりに手を出してますが(汗)」

提督「えっと・・・この手は何かな?」

妖精ズ「等価交換の原則です?」

提督「そうっすか。これしか無いけどいいかな?」つ飴玉

妖精ズ「緊急事態だから仕方ないです。では、びびでばびでぶー」

『転送中 残り30分』

吹雪「一気に短くなりましたよ!」

提督「本当はこれが正しい表示ってことは無いよね?」

妖精ズ「そんなことは無いです」

提督「何か釈然としないけど、信じよう」

明石「データの移行が済んだら、キットの古いCPUは貰ってもいいですか?」

提督「構わんが、何に使うんだ?」

明石「艦プラバトルのバトルシステムに組み込んで、キットが居なくても使用可能に改造します」

提督「そういうことなら好きに使ってくれ」

提督「30分間ここで待っている訳にはいかないから、先に執務室に戻るぞ」

吹雪「はい!」

キット「私も移行が完了次第向かいます」

明石「吹雪ちゃん、ちょっと待って!」

夕張「これを!」

吹雪「私の艤装?」

明石「ええ。昨日頼まれた黒ブキちゃんの艤装だけど、今は吹雪ちゃんが装備した方がいいわ」

提督「そうだな。今は吹雪に装備してもらおう」

吹雪「分かりました!司令官の護衛、お任せください!」

833: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/21(日) 23:34:56.28 ID:7KPD67+k0

-執務室までの道中-

イ級「イーッ!」

提督「イ級だと!」

吹雪「司令官、逃げてください!」

ブーン

スパッ

吹雪(私が撃つより先にやっつけちゃった)

イ級「イー・・・」撃沈

吹雪「既に鎮守府内に侵入しているなんて・・・」

提督「おかしい」

吹雪「え?」

提督「深海棲艦が鎮守府に向けて進軍中であると報告を受けてまだ5分も経っていない。それなのに既に侵入しているのはおかしいと思わないか?」

吹雪「確かにそうですよね。普段なら、イ級一隻でも鎮守府の防衛ラインに接近したら警報が発報するはずなのに」

提督「それに、防衛システムも動いていない。何者かが手引きをしたと考えるのが妥当か」

吹雪「一体誰が?」

提督「分からない。だが、犯人探しは後だ」

吹雪「そうですね。今はこの危機を乗り切らないと」

提督「クソッ!こんな時、アレを持っていれば」

吹雪「アレ、ですか?(アレって何だろう?)」

提督「ああ、伝説の妖刀だ」

吹雪「えぇっ!司令官、そんな物持ってたんですか!?」

提督「うむ。生血を求めて肉を切り裂く、伝説の妖刀。その名も、デザインナイフ」

吹雪「え?デザインナイフ?あの、プラモデルを作る時に使っているアレですか?」

提督「そうだ」

吹雪「妖刀って一体どういうことですか?」

提督「奴は今まで数多のモデラー共の指を切り裂き、血を吸ってきた。それ故、奴はモデラーからは妖刀と恐れられている」

吹雪「はぁ・・・」

提督「幸いにも俺は怪我をしたことは無い。だが、何度か爪が削れたことならある。秋津洲はどうだろうな?」

吹雪(何を言い出すかと思ったら、それってタダの不注意じゃないですか?)

摩耶「提督ーっ!」ダダダダダ

提督「摩耶か。既に敵が入り込んでいるから気を付けろ!」

摩耶「ああ、あたし達も向こうで何隻か倒してきたぜ!」

青葉「こんなにあっさり侵入されるなんて、おかしいですよね」

834: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/21(日) 23:37:06.81 ID:7KPD67+k0

ル級改「見ぃつけた」

鳳翔「提督!逃げてください!」

摩耶「ル級!いつの間に!?」

提督「危ない!」ドン

吹雪「きゃあ!」ドサッ

ドカーン!

吹雪「痛たた・・・、そうだ!司令官!」

ル級改「木っ端微塵に吹き飛んだか。艦娘を庇って死ぬとは馬鹿な奴だ。お陰で目的は達成できたが」

吹雪「司令官?何処ですか?隠れてないで出てきてください・・・」

摩耶「そんな・・・嘘だろ?」

鳳翔「提督・・・。あなたの敵は必ず!」

青葉「嘘ですよね?嘘だと言ってください!」

榛名「提督・・・」ペタン

霧島「榛名、しっかりして!今は戦わないと!」

吹雪「・・・てやる」

ル級改「あ?何か言ったか?」

吹雪「・・・めてやる」

ル級改「言いたいことがあるならはっき」

ドーン!

ル級改「り・・・」撃沈

吹雪「全部、沈めてやる!」ダッ

青葉「吹雪さん!」

摩耶「追いかけたいけど、こっちもお客さんだ」

鳳翔「あなたたち、生きて帰れるとは思わないことね」

リ級「やっちまえー!」

タ級「ひゃっはー!」

ル級「けっ、たかが軽空母風情が何『鳳翼天翔!』」

ル級「ぐわーっ!」ドサッ

ザワザワ

タ級「こ、コイツ出来る!」

鳳翔「・・・」スッ

ツ級「何だぁ?痛くも痒くも」

摩耶「い、今のは・・・まさか!」

青葉「摩耶さん、何か知ってるんですか?」

835: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/21(日) 23:38:17.59 ID:7KPD67+k0

~ツ級視点~

レ級「艦娘だ居たぞ!やっちまえ!」

ウオーッ
ヤッチマエー

ツ級「艦娘共をやっちまえー!」

ドーン

ツ級「うぎゃぁぁぁぁぁーっ!腕が!腕がぁぁぁぁ!」

レ級「まだ死んでないのか。まぁ、いいや。たっぷり可愛がってやるよ」

ツ級「何を言っているんだ、レ級!私はツ級だ!仲間だろ!」

レ級「見ろよ。コイツ、艦娘のくせにあたしたちの仲間のふりして命乞いしてるぜ。痛みで気が狂ったか?(笑)」

バカジャネーノ
コッケイダナ
カワイソウダカラトットトコロソウゼ(笑)

ツ級「違う!私はツ級だ!」

レ級「五月蝿い」

ドーン

ツ級「うぎゃぁぁぁぁぁーっ!!」

836: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/21(日) 23:40:20.19 ID:7KPD67+k0

ツ級「あ・・・」バタッ

摩耶「間違いない、あれは幻魔拳!」

青葉「幻魔拳?」

摩耶「相手の脳に作用して精神を破壊したり、操ったりする恐ろしい技だ。まさか、鳳翔さんが使えたなんて」

青葉「何と恐ろしい」

ヴィィィィィィィィン

青葉「何の音ですか?」

摩耶「榛名姐さんが(AGP榛名の)アレを展開したぞ!」

榛名「お前も、深海棲艦かぁぁぁぁ!」ダッ

ガシッ

タ級「ぐえっ!」

メキメキ

摩耶「うわぁ・・・」

グチャッ

青葉「ひっ・・・」

ポイッ

榛名「あっちにも深海棲艦が・・・。皆さん、提督の所に送ってあげますね。向こうで提督にきちんと謝ってください」ダッ

霧島「ああっ、榛名!私は榛名を追いかけます!ここはお願いします」ダッ

鳳翔「鎮守府正面はこの鎮守府でトップの錬度を誇る方々が防衛しています。それをたやすく突破できるはずがありません。どうやって侵入したのか答えなさい」

リ級「手引キシタ者ガイル」

鳳翔「それは誰ですか?」

リ級「ソレハ」

川内「鳳翔さん、危ない!」

ドカーン!

川内「怪我してない?」

鳳翔「川内さん、助けて頂きありがとうございます」

レ級「お前、ベラベラ喋りすぎ(笑)」

鳳翔「口封じのためとは言え、味方を攻撃するなんて!」

川内「この腐れ外道!」

レ級「そんなに褒められると照れるね///」

鳳翔「褒めてません」

川内「レ級とは厄介なのが出てきたね」

レ級「そうだ、冥土の土産に良いことを教えてあげる。トップの錬度を誇るってのが相手をしているのは陽動部隊だから」

鳳翔「まんまと嵌められたということですか」

レ級「そゆこと」

837: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/21(日) 23:41:08.57 ID:7KPD67+k0

-工廠-

キット「!!!」

夕張「どうしたの?」

キット「コムリンクとの通信が途絶えました」

明石「まさか・・・提督の身に何か起きたんじゃ?」

キット「分かりません」

夕張「吹雪ちゃんも付いてるし、大丈夫・・・だよね?」

明石「うん、大丈夫!きっと、大丈夫!だから今はキットの最終調整に集中しないと!」

844: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/02(金) 22:54:04.85 ID:UVFDXHct0

-執務室-

新提「こちら執務室の新提。第一防衛ラインはどうなっている?」

金剛「こちら第一防衛ラインの金剛。敵は駆逐艦、軽巡が中心で数は多いですが、楽勝デース」

新提「了解。だが、油断はしない様に」

金剛「分かってマース。で、何で提督ではなく、新提が通信しているデース?」

新提「アイツがまだ帰ってこないから代理だ」

金剛「提督の声を聞かないとやる気が出ないデース」

新提「贅沢言うな」

金剛「でも、ここで敵を全て沈めて長門たちの出番を奪えば提督から褒めてもらえるデース!だから頑張りマース!」

新提「その調子で頼む。通信終了」

新提(数が多いとはいえ駆逐艦や軽巡が中心とはどういうことだ?本当に鎮守府を攻める気があるのか?まさか)

ドカーン

新提「今の爆発は!?」

845: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/02(金) 22:56:02.76 ID:UVFDXHct0

日向「よくも提督を!食らえ、瑞雲アターック!」

タ級「ふん」ガシッ

タ級「こんな玩具で何が出きる?」バキッ

ポイッ

日向「!!! 私の瑞雲が・・・」

伊勢(ヤバイ)

伊勢「皆、この場から逃げて!早く!」

鈴谷「まさか、日向さんってばアレをやる気!?」

熊野「ありえませんわ!」

伊勢「そのまさかだよ!大切にしていた瑞雲を破壊されて理性が崩壊したんだ!ここに居たら巻き込まれる!」

日向「ずいうーん」クルッ

日向「雲瑞!!」

『雲瑞システム 残り時間:59:55』

日向「ズイッ、ズイッ、ズイッ、ズイッ、ズイッ、ズイッ」

熊野「あわわわわ・・・」

タ級「何が起きているんだ!?」

鈴谷「日向さんから大量の瑞雲が飛び出した!」

伊勢「瑞雲が世界を侵食しようとしているんだ!二人とも早く逃げ・・・うわぁぁぁぁ!」

熊野「伊勢さん!」

鈴谷「熊野、逃げるよ!伊勢さんの犠牲を無駄にしちゃ駄目だ!」

熊野「くっ・・・分かりましたわ。伊勢さん、あなたの犠牲は無駄にしません!」ダッ

伊勢「雲瑞完了」

タ級「ナニコレ(汗)」

日向「ズイッ、ズイッ、ズイッ、ズイッ、ズイッ、ズイッ」

伊勢「雲瑞の心のままに」

タ級(訳が分からん!ひょっとして私はとんでもない所に攻め込んだのでは・・・?)

熊野「瑞雲にモニターがぶら下がっていますわ!」←安全圏から観察中

鈴谷「モニターに提督と吹雪ちゃんが映ってるよ!」←安全圏から観察中

日向「ズイーーーーッ」ポイッ

熊野「瑞雲のモニターに向けて瑞雲を投げましたわ!」

提・吹「瑞雲、瑞雲、瑞雲、瑞雲、瑞雲、瑞雲、瑞雲、瑞雲、瑞雲、瑞雲、瑞雲、瑞雲、瑞雲、瑞雲、瑞雲、瑞雲」

熊野「」ポカーン

846: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/02(金) 22:58:53.07 ID:UVFDXHct0

鈴谷「今度はイ級とヲ級が映ってるモニターに投げたよ!」

イ級「黒縁瑞雲欲しい(泣)」

ヲ級「瑞雲こそ至高の艦載機!何故ならそこに瑞雲があるからです!」

熊野「訳が分かりませんわ!一体何ですの!」

赤城「瑞雲」

加賀「瑞雲」

グラーフ「瑞雲」

アクィラ「瑞雲」

サラトガ「瑞雲」

鈴谷「モニターの中の空母の人たちまで瑞雲、瑞雲言い出したー!」

『雲瑞システム 残り時間:30:02』

伊勢「私は日向の使い。第二の雲瑞。100倍雲瑞投入!」ポイッ

提・吹「瑞雲、瑞雲、瑞雲、瑞雲、瑞雲、瑞雲、瑞雲、瑞雲、瑞雲、瑞雲、瑞雲、瑞雲、瑞雲、瑞雲、瑞雲、瑞雲」

鈴谷「今度はモニターの中の二人が瑞雲まみれになったー!(汗)」

熊野「瑞雲が集まっていきますわ!」

ピカーッ

日向「人類の叡智の結晶、1/1スケール 瑞雲」

タ級「巨大な瑞雲!?瑞雲とは一体何なんだ!?」

日向「時間が無い。雲瑞の真髄、ファイナル雲瑞コミュニケーション、スタート!」カーン!

『雲瑞システム 残り時間:????』

タ級「ファイナル?何だか知らんが、最後なのか?」

日向「ズイッ、ズイッ、ズイッ、ズイッ、ズイッ、ズイッ」

鈴谷「1/1スケール 瑞雲が真っ直ぐ突っ込んだ!」

ドーン!

タ級「ぶっ!」

日向「瑞雲を飛ばせば見えてくる♪世界の真実が見えてくる♪」

タ級「普通に喋った!?」

日向「この世の真実を見届けよ」

タ級「何だと!?」

847: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/02(金) 23:00:39.06 ID:UVFDXHct0

-ビッグバンが起きる前の宇宙-

タ級「ここは何処だ?」

日向「宇宙創成の瞬間だ」

タ級「何だと!」

日向「さぁ、始まるぞ」

タ級「何かが近づいてきた?」

日向「あれこそがこの世の真理」

タ級「ま、まさか・・・。間違いない、瑞雲だ。それも地球なんかより遥かに巨大な瑞雲!」

日向「そう。この世界は瑞雲によって構成されている。瑞雲こそが宇宙であり、宇宙こそが瑞雲なのだ」


-鎮守府-

熊野「帰って来ましたわ」

鈴谷「何か悟った様な顔してるー」

日向「どうだ瑞雲(しんり)を知った気分は?」

タ級「この世は瑞雲・・・」

日向「ようやく理解したか」

鈴谷「前からも1/1スケール 瑞雲が!」

日向「瑞雲計画完了」

ブチッ

熊野「瑞雲と瑞雲に挟まれましたわ!」

タ級「がはっ!(吐血)」

タ級「みんな、瑞雲・・・」

日向「日向は鎮守府にて最強」

タ級「それは別のマンガだ」ガクッ

848: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/02(金) 23:02:42.97 ID:UVFDXHct0

黒吹雪「深海棲艦が攻め込んできたのに、艤装が無いから戦えないなんて!」

夕立「危ないから黒ブキちゃんは隠れた方がいいっぽい!」

睦月「夕立ちゃんの言う通りにゃしぃ!」

ドカーン!

黒吹雪「あれは・・・吹雪?大変!早くあの子を止めないと!」

夕立「今日の吹雪ちゃんは何か怖いっぽい」

黒吹雪「何があったか分からないけど、怒りと憎しみで我を無くしているわ。このままだと深海棲艦化するかも知れない!」

夕立「それって、アナ○ンが闇落ちしてベイダ○卿になった感じ?」

睦月「それって、神様の棲む森で猪の親分が祟り神になった感じ?」

黒吹雪「何故その例えなのか分からないけど、そうよ」

夕立「それは大変!早く追いかけないと!」

睦月「にゃしぃ!」


海風「よく狙って、てー!」

山風「撃つよ!撃つからね!」

江風「ふふン、いいねいいね!やっぱ駆逐艦の本懐は戦闘だよなー、いっくぜー!」

ドカーン!

山城「深海棲艦が鎮守府に侵入してくるなんて、不幸だわ」

ドカーン!

扶桑「今はそんなことを言っている場合では無いわ」

ドカーン!

時雨「そうだよ。今は食い止めないと」

ドカーン!

扶桑「提督は無事に執務室へたどり着いたのかしら?」

ドカーン!

山城「大丈夫ですよ。あの人、この程度で死ぬ人じゃないから」

ドカーン!

時雨「そうだね」

吹雪「沈めぇぇぇ!」

ドカーン!

リ級「ぐわーっ!」撃沈

山城「姉さま、吹雪の様子が何か変じゃない?」

扶桑「どうしたのかしら?」

時雨「吹雪、提督の護衛はしなくていいのかい?」

吹雪「邪魔しないで」ギロッ

時雨「え・・・」ゾクッ

山城「あの子がこの鎮守府で最も錬度の高い艦娘とは言え、相手は駆逐艦なのに眼光の鋭さに少し恐怖を感じてしまった・・・不幸だわ」

扶桑「行ってしまった。何だか様子がおかしいわ」

夕立「吹雪ちゃん、ちょっと待つぽいー!」ダダダダダ

睦月「止まってにゃー」ダダダダダ

黒吹雪「止まりなさい!」ダダダダダ

849: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/02(金) 23:05:06.77 ID:UVFDXHct0

-厨房-

足柄「♪」

足柄「いい感じに揚がったわ!これを艦隊の指揮で疲れているであろう提督に持っていくと・・・」

~妄想中~

足柄「提督!お腹が空いていると思って、勝利のカツを持ってきたわ!」

提督「丁度腹が減っていたんだ、ありがとう、足柄!」パクッ

提督「美味い!なんて美味いんだ(涙)」

足柄「あの、よかったら毎日でも揚げてあげるわよ」

提督「本当か、足柄!」

足柄「ええ、本当よ」

提督「俺は何て幸せ者なんだ・・・結婚してくれ、足柄!」

~妄想終了~

提督「なーんちゃって///」ニヤニヤ

ドカーン

足柄「きゃっ!」

ポロッ

足柄「何なのよ?今の爆発は・・・って、カツは?カツが無い!」

足柄「!!!」

足柄「床に・・・落ちてる・・・。今日のはイベリコ豚だったのに・・・」

チ級「艦娘発見だぁー!」

足柄「アンタ・・・」

チ級「何だぁ?命乞いか?」

足柄「よくもカツを・・・もう3秒以上経過してるから、3秒ルールも適用されない・・・」

チ級「あ?カツ?」

ガシッ

ドボン

チ級「うぎゃぁぁぁぁー!」←後頭部を掴まれ油に顔を突っ込まれた

パチパチ

チ級「カラッと揚がる、カラッと揚がっちゃうからぁぁぁぁ!」

グイッ

チ級「助かった・・・」

足柄「これで済む訳無いでしょ?」ゴゴゴゴゴ

チ級「ですよねー」

足柄「10門の主砲は伊達じゃないのよ!」

ドカーン

チ級「うぎゃー」撃沈

足柄「さて、新しいカツを揚げないと。落としたのは勿体無いけど、お魚のエサにでもしようかしら」

850: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/02(金) 23:09:20.34 ID:UVFDXHct0

新提「やはりそうなのか!前線の奴等は囮でこちらが本命の陽動作戦か!金剛たちを呼び戻さないと!」

香取「その必要はありません」

新提「しかし!」

香取「前線が本当に囮と決まった訳ではありません。それに今、鎮守府に居る子たちの実力も相当なものですよ」

香取「さあ貴方たち、今こそ遠洋航海の成果を発揮する時です!」

暁「遠洋航海で成長したレディの力を見せてあげるわ!」

響「鳳翼天翔!」

電「はわわ・・・。響ちゃんが凄い技を出したのです!」

雷「私たちも負けてられないわ!」

ドカーン

ドカーン

ドカーン

香取「どうですか?」

新提「確かにこれなら耐えられそうだ。それにしてもアイツは何をしているんだ!」

呂500「ろーちゃんたち潜水艦娘は陸上では戦えないですって」

グラーフ「砲を積んでいない以上、仕方ない」

ビスマルク「さあ、かかってらっしゃい!」

プリンツ「Feuer! Feuer!」

ドカーン

タ級「ぐわーっ!」撃沈

プリンツ「ビスマルク姉さま大活躍です!」

ビスマルク「何言ってるの、あたりまえじゃない。良いのよ?もっと褒めても」

リベッチオ(昨日の一件で卯月に疑われてるかも知れないから、ここは疑いを晴らすためにもそれらしく振舞わないと!)

リベッチオ「南西の風・・・やった、縁起が良いよ!勝てるよ!」

リットリオ「一番、二番主砲狙え・・・今よ、撃て!」

アクィラ「攻撃隊各機、カタパルトへ。連続射出、急いでー!」

ドカーン

卯月(リベッチオちゃんが怪しいと思ったのは、うーちゃんの思い過ごしぴょん?)

春風「春風流剣術奥義、地翔虎輝」

ツ級「うわーっ!」撃沈

朝風「流石、春風。やるわね!」

春風「お褒め頂きありがとうございます」


装甲空母鬼「おやおや、誰かと思えば、裏切り者のヲ級さんとイ級さんではありませんか」

ヲ級「装甲空母鬼!」

装甲空母鬼「ここで会ったのも何かの縁。私が沈めてあげましょう」

イ級「いや、私はクビにされただけなんだけど」

装甲空母鬼級「クビにされた後、ここに来たということは裏切りと同じ」

イ級「それを言われると反論できない」

ヲ級「全機発艦!」

851: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/02(金) 23:11:55.91 ID:UVFDXHct0

装甲空母鬼「バカな・・・私がヲ級に敗れるなんて・・・」撃沈

ヲ級「これが愛の力よ!イ級もそう思うでしょ?」

イ級「え?あ、うん(愛の力とか恥ずかしいことを大声で言うなよ)」

ツ級「ぐわーっ!」撃沈

島風「おうっ!!!」

島風「あ・・・ありのまま今、起こった事を話すぜ。風が吹いたかと思えばツ級がやられていた」

天津風「ちょっと何やってるのよ!まだ敵が居るのよ!」

島風「そしたら吹雪さんが物凄い速度で通り過ぎた。な・・・何を言っているのかわからねーと思うが、私も何が起きたのか分からなかった・・・」


-???-

提督「ん?ここは何処だ?」

提督「えっと・・・俺はタ級から吹雪を庇ったんだったよな」

提督「向こうに一列に並んで歩く人が見える・・・。つまり、ここは」

???「ええ、ここは黄泉比良坂です」

提督「朧!では、俺も朧も死んだのか」

朧「いいえ、提督も私も生きてますよ」

提督「二人とも生きている?どういうことだ?ここは黄泉比良坂なんだろ?」

朧「提督に砲撃が直撃する寸前に積尸気を開いてこちらに引き込んだんですよ」

提督「それって、つまり肉体込みってことだよな?」

朧「もちろんです。魂だけこっちに連れてきたら、肉体は砲撃で吹き飛んで現世に帰れなくなってますよ」

提督「ですよねー」

朧「生者が長居するのは良くないので鎮守府に帰りましょう」

提督「頼む」


-鎮守府-

提督「本当に帰って来れた・・・。朧様様だ」

朧「私たちが提督を護るのは当然です・・・多分」

提督(多分って)

提督「あの、一つ聞きたいのですが、朧さんは艦娘ですよね?」

朧「はい。私は艦娘です。蟹座の黄金聖○士ではありません」

提督「良かった」

イ級「イーッ!」

朧「アクベンス」ゴキッ

イ級「グエッ」撃沈

提督(うわぁ・・・エグイ技出たよ。女の子の太ももに挟まれてみたい気はするが、背骨をへし折られるのは勘弁したい)

提督「あそこに居るのは吹雪か!」

852: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/02(金) 23:15:36.51 ID:UVFDXHct0

黒吹雪「あ、あれはレ級!」ダダダダダ

夕立「夕立でもレ級の相手はキツイっぽい!」ダダダダダ

睦月「早く吹雪ちゃんを止めないと!」ダダダダダ

吹雪「あなたが最後ですよ。直ぐに司令官の所に送ってあげます」

ドカーン!

レ級「くっ。駆逐艦風情が頭に乗るな!」小破

ドカーン!

吹雪「きゃあ!」大破

川内「吹雪!」

鳳翔「吹雪ちゃん!」

摩耶「て、提督?」

青葉「摩耶さん、何を言ってるんですか!司令官は・・・って司令官!?」

提督「鳳翔さん、申し訳ありませんが、弓を貸してください」

鳳翔「え?でも、使えるんですか?」

提督「大丈夫です。俺は射手座です」

鳳翔「分かりました(このよく分からない自信は何処から来るのでしょう?)」

摩耶「提督、生きてるんだよな?幻じゃないよな?」

川内「本当に提督だよね?」

提督「ああ、だが、説明は後だ。朧、悪いが吹雪を入渠させてやってくれ」

朧「はい!」

夕立「はぁはぁ・・・夕立たちも手伝うっぽい!」

提督「レ級よ、お前は超えてはいけない一線を越えてしまった。だが、お前を許そう。死は救済だ(訳:テメー、ぶっ○す!)」キリキリ

摩耶「死は救済って・・・、やべぇぞ!提督がどこぞの冥王の様なことを言い出したぞ」

青葉「いやぁ~、吹雪さんを傷付けられてキレたようですね~」

摩耶「そんな悠長なことを言ってる場合じゃないだろ!」

秋雲「んー、いいねー」

摩耶「何してるんだ?」

秋雲「提督のスケッチですよ」

摩耶「こんな時に何やってんだよ・・・」

秋雲「いい題材を見つけたら命がけでも描く。それが画家です!」

摩耶「いや、あたしもお前も艦娘だから(汗)」

摩耶「そして提督に射手座の冥衣を着せるんじゃない!」

秋津洲「あたしは『YOURS EVER』ってペンダントを製作するかも!」

摩耶「お前もちょっと待て!確かに冥王って言ったのはあたしだ。だからってそんな物作ろうとするな!」

秋津洲「えー」

摩耶「えー、じゃない!」

853: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/02(金) 23:19:38.45 ID:UVFDXHct0

-工廠-

『転送完了』

ピカッ

明石「スキャナーが発光した!と言うことは」

フォンフォン

フォンフォン

夕張「車体への転送が完了したわ!」

キット「コムリンクとの通信が再開しました。アドミラルの所へ行ってきます」フォンフォン

【P】 ガチャ ⇒【R】 ガチャ ⇒【N】ガチャ ⇒【D】

明・夕「いってらっしゃーい」フリフリ

夕張「それにしてもさっきのは何だったんだろ?」

明石「一時的な通信不良じゃない?後でコムリンクの点検をしないと」

854: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/02(金) 23:24:10.25 ID:UVFDXHct0

グサッ

レ級「痛ってぇー!」

提督「!!!」

鳳翔「額に矢が刺さったのにまだ生きています!」

青葉「不味いですねぇ。これはきっと、あのパターンですね」

秋津洲「確かにそうかも!」

鳳翔「あのパターン?」

青葉「レ級が額に刺さった矢を飲み込み、口から発射します」

秋津洲「で、それが提督に直撃して龍驤さん辺りが『死ぬな司令官!我らはまだ会うたばかりではないか!』って」

鳳翔「提督は源博雅ではありません!だいたい何処からそんなネタが出てくるんですか!」

青葉「いやぁー、司令官が弓を構えた姿を見たら、何だか陰陽師の安部さんが出てくる映画を思い出したといいますか」

摩耶(今のでネタが分かった鳳翔さんもどうなんだ?)

レ級「まずお前から始末してやる!」

摩耶「不味い!このままだと本当に提督が殺されちまう!摩耶様の攻撃、喰らえーっ!」

ドカーン

青葉「索敵も砲撃も雷撃も。青葉にお任せ!」

ドカーン

川内「砲雷撃戦よーい!撃てー!」

ドカーン

提督「もう一発打ち込んでやるか」

鳳翔(私の弓を提督が持っているので、攻撃できません)

秋津洲「あたしは攻撃しても意味無さそうだから見とくだけかも」

秋雲「秋雲さんはスケッチが忙しいからパス」

摩耶「コイツ等・・・」

ブーーーン

鳳翔「何の音でしょう?」チラッ

ドーン

秋津洲「キットがレ級に特攻したかも!」

レ級「ぐぼぁ!?」

ピューン

摩耶「凄い勢いで飛んでいったな」

キラーン

秋津洲「お星様になったかも!」

キット「アドミラル、怪我はありませんか?」フォンフォン

提督「ああ、大丈夫だ。だが、いいタイミングで来てくれた」

855: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/02(金) 23:28:36.98 ID:UVFDXHct0

リベッチオ(提督が生きてる?死んだはずじゃ?どうやら作戦は失敗みたい)

摩耶「そうだ!榛名姐さんのこと忘れてた!」

鳳翔「そうでした!霧島さんが着いているから大丈夫だとは思いますが」

提督「榛名がどうかしたのか?」

摩耶「提督の敵討ちとして深海棲艦を手当たり次第に狩り始めたんだ!」

提督「何かそれ、かなりヤバそうなんだが」

キット「一刻も早く榛名さんを見つけて、アドミラルの無事を知らせるべきでしょう」フォンフォン

川内「榛名さんならあそこに居るよー。次のターゲットを捜してるみたい」ユビサシ

青葉「かなり殺気立ってますねぇ」

提督「うわぁ・・・ちょっと行ってくる」

鳳翔「武運長久を!」

提督「相手は味方ですよ(汗) あ、そうだ、弓をお返ししておきます。では」ダッ

鳳翔「お役に立ててなによりです」

榛名「深海棲艦コロス、深海棲艦コロス、深海棲艦コロス」ハイライトオフ

霧島「榛名!お願いだからもう止めて!」

提督「おーい!榛名ー!霧島ー!」

霧島「し、司令?ほら、榛名、司令は生きてるわ!」

榛名「提督?・・・の偽者!許さない!」

霧島「ちょ、ちょっと、榛名!何言ってるのよ!本物の司令よ!」

提督「榛名ー!霧島ー!」

榛名「偽者は榛名が許しませぇぇぇぇん!」ダッ

提督「えぇぇぇぇぇ!(ヤバイ。ヤバ過ぎる)」

856: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/02(金) 23:30:05.55 ID:UVFDXHct0

霧島「司令、逃げてください!」

提督(いや、待てよ。あの装備は以前、拉致された時に使っていたな。ぎりぎりまで近づき、一気に懐に入ってしまえば使えまい!)ダッ

霧島「司令!何で榛名に向かって走るんですか!」

提督「心配するな、勝算はある!」

榛名「偽者め!」

ギューッ

霧島「司令が榛名を抱きしめた!(羨ましい)」

提督「榛名、もう大丈夫だ。俺は生きている」

榛名「提督?本当に提督なんですね?」

提督「ああ、本当に俺だ」

榛名「よかった・・・本当によかった(涙)」

新提「こんな所に居たのか!おい、提督!大変なことになっているのに何をしているんだ!」

提督「スマン。ちょっとあの世の入り口まで行っていた」

新提「つまらん冗談を言っている場合か!」

提督「いや、冗談ではなく、本当だ。詳しいことは後で話す」

新提「?」

提督「キット、深海棲艦はまだ居るか?」

キット「先ほどのレ級で最後です」フォンフォン

提督「では、後は金剛たちが戦っている奴等で終わりか」

新提「金剛たちなら大丈夫だろう。数は多いが駆逐艦や軽巡ばかりだと言っていたからな」

提督「ふむ。キット、金剛たちに無線を繋いでくれ」

キット「はい」フォンフォン

857: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/02(金) 23:31:03.00 ID:UVFDXHct0

-海上-

金剛「キットからの無線通信デース」

提督「金剛、聞こえるか?」

金剛「提督!提督の声を聞きたかったデース!」

提督「そっちの状況はどうなっている?」

金剛「敵は全滅させたようデース。もう敵影は見当たりまセーン」

提督「そうか。念のため、偵察機を飛ばして敵影が見えなければ、第二、第三艦隊と合流して引き上げてくれ」

金剛「了解デース」

提督「では、鎮守府で待ってるぞ」

金剛「ハーイ」

金剛「皆さーん、敵が居ないことを確認出来たら引き上げるようにとのことデース」

飛龍「では、彩雲を飛ばしますね」

金剛「お願いしマース」

飛龍「蒼龍」

蒼龍「了解!」

858: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/02(金) 23:33:14.48 ID:UVFDXHct0

-鎮守府-

提督「それにしても派手にやってくれたな」

新提「至る所がボロボロだな」

妖精ズ「提督さーん」

提督「ん?どうしたんだい?」

妖精ズ「コレをどうぞ」つ謎の布切れ

提督「これは?」

妖精ズ「修復したい箇所をこの布で覆います」

提督「うん」

妖精ズ「すると数秒で元通りに!名づけてタイムふろ『それ以上はダメ!』」

妖精ズ「えー」

提督「色々と怒られるから」

妖精ズ「仕方ないですね。では、名前を変えます。とりあえず『復元ふろしき』で。」

新提(風呂敷は変えないのか)

妖精ズ「でも、青い狸型ロボも我々妖精が居なければ生まれないんですよ」

提督「マジっすか」

妖精ズ「アレは我々の技術の結晶です」

鳳翔「提督、ここは私たちに任せて、あなたは吹雪ちゃんの所に行ってあげてください」

提督「では、お願いします」


-入渠ドック-

提督「吹雪の様子はどうだ?」

朧「まだ意識が戻りません」

夕立「かなりのダメージを受けたから時間が掛かるっぽい」

睦月「吹雪ちゃんが心配だにゃ」

黒吹雪「吹雪・・・」

提督「バケツを使おう。妖精さん、投入しちゃってください」

妖精ズ「はーい」ドバー

吹雪「ん・・・」

夕立「意識が戻ったっぽい!」

吹雪「ここは?」

睦月「入渠ドックにゃ!」

吹雪「そうだ!レ級は!」

提督「奴なら倒した。もう大丈夫だ」

吹雪「司令官・・・?」

提督「ああ、俺だ。心配を掛けてすまなかった。朧のおかげで無事だ」

吹雪「司令官!」ギューッ

提督「もう大丈夫だ。心配しなくていい」

吹雪「良かった・・・司令官が死んじゃったんだと思って、私もう・・・」

提督「何処にも行かないから大丈夫だ」

859: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/02(金) 23:34:49.92 ID:UVFDXHct0

-夜 資材倉庫周辺-

川内「やぁー戦だ、夜戦だ、夜戦♪」

川内「ん?アレは卯月?おーい、卯月!」

卯月「!!!」ピクッ

卯月「しーっ!」

川内「こんな所で何してるの?」ヒソヒソ

卯月「リベッチオがコソコソ怪しい動きをしているから見張ってるぴょん!」ヒソヒソ

川内「怪しい動き?」ヒソヒソ

卯月「今日の襲撃にリベッチオが関わっているかも知れないぴょん」ヒソヒソ

川内「まっさかー」ヒソヒソ

卯月「本当だぴょん!」ヒソヒソ

リベッチオ「作・・・失敗・・・ちゃったね。うん、提・・・さん、生き・・・よ」

川内「!!!」

卯月「聞こえたぴょん?」ヒソヒソ

川内「もう遅いから卯月はもう帰った方がいいよ。このことは私から提督に報告するから」

卯月「でも」

川内「心配しなくても、手柄を横取りなんてしないって」

卯月(川内さんは本当に信じられるぴょん?現れたタイミングが良過ぎて怪しいぴょん)

川内「私はスパイなんかじゃない」

卯月(嘘を言っている目じゃ無いぴょん)

卯月「分かったぴょん。後はお願いするぴょん」

川内(リ級の件もあるし、鎮守府内に裏切り者が居るなんて信じたくなかったけど、間違い無さそうだね)

860: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/02(金) 23:37:45.25 ID:UVFDXHct0

-執務室-

???「提督」

提督「川内か」

シュタッ

川内「提督に聞いて欲しいことがあるんだけど」

提督「どうした?」

川内「実は、今日の襲撃に関してなんだけど」

提督「何者かが手引きしたと見て間違い無いだろうな」

川内「その犯人の目星が付いたから報告しようと思って」

提督「・・・。リベッチオか?」

川内「!!! どうしてそれを?」

提督「前々から怪しいと思ってたんだよ。俺がコーヒーは嫌いだと知っていて飲ませようとするし」

川内「はぁ・・・」ジトー

提督「な、何だよ!そんな目で見るな!」

川内「真面目な話をしてるんだけど」

提督「俺も真剣に話をしているんだが」

川内「まぁ、いいや。兎に角、リベッチオには気を付けた方がいいよ。それと、これは卯月からの情報だから」

提督「卯月から?今度、卯月に何か奢ってやらないといけないな」

川内「そういえば吹雪はどうしたの?」

提督「今日はもう休ませた」

川内「色々大変だったから、休める時に休ませる方がいいよね」

864: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/09(金) 22:50:39.65 ID:F2suPumK0

-襲撃の翌日 工廠-

明石「では、キットの最後の仕上げを行いますね」

提督「頼む」

夕張「修理のついでに大改造したので、その辺の説明しましょうか」

提督「頼む」

夕張「キットの車体はEカーボン製でしたが、ナノマシンに変更しました」

提督「そういえば以前、襲撃してきたツ級がナノマシン云々って言ってたな」

タ級「はい。そのツ級を研究してキットの車体に応用しました」

提督「それは凄そうだな」

夕張「なので、ダメージを受けても瞬時に修復されます。早い話が、車体はトランザムのままナイト3000化したと思ってください」

提督「流石、我が鎮守府の誇る二大メカニック嬢だ!」

夕張「そんなに褒められると照れます///」

提督「コレで何か好きな物食べてくれ」つ間宮券×2

夕張「ありがとうございます!そうそう、これでキットを廃液の沼に沈められても平気ですよ」

提督「縁起でもない発言は止めてくれ」

夕張「じゃあ、夕張沼にはまります?」

提督「ナニソレ?」

夕張「ここで言う沼とはですね、特定のジャンルにはまることを指します」

提督「はぁ」

夕張「つまりですね、夕張沼にはまったですって?何言ってるの、あたりまえじゃない。良いのよ?もっと沼っても。ってことです」

提督「遠まわしに指輪くれってアピールは止めて下さい」

夕張「別にそんなつもりで言ったんじゃないんだけどなー」

明石「夕張も手伝ってよー」

夕張「はーい!今行くー」

提督「では、そろそろ執務室へ戻るとするか」

865: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/09(金) 22:52:45.48 ID:F2suPumK0

-執務室-

ガチャ

吹雪「おかえりなさい」

大淀「おかえりなさい」

バタン

提督「ただいま。大淀も来てたのか」

大淀「はい。提督にお伝えしたいことがありまして」

提督「どうした?」

大淀「先ほど、大本営より召集がかかりました。昨日の襲撃についてだそうです」

提督「それならわざわざ出向かなくても、いつも通りテレビ電話会議でいいんじゃないのか?」

大淀「ええ、私もそう思ったのですが、会って話がしたいそうです」

提督「面倒なことをしてくれるな。で、何時だ?今から来いってか?」

大淀「いえ、明後日のヒトサンマルマルからだそうです」

提督「分かった」

大淀「昨日の件があるので、護衛に数名連れて行ってください」

提督「そうだな」

大淀「では、私はこれで」

提督「せっかくだからお茶でも飲んでいかないか?」

大淀「そうですね。いただきます」

866: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/09(金) 22:55:25.94 ID:F2suPumK0

~しばらく後~

提督「さて、誰を連れて行くか。とりあえず吹雪は決定として・・・残りのメンバーは後で考えよう。昨日の襲撃について話しておきたいことがる」

吹雪「はい」ゴクッ

提督「もう少し近くに寄ってくれ。青葉に聞かれると不味い。それとこれは他言無用で頼む」

吹雪「はい」

提督「まだ確定では無いが、恐らくリベッチオが関わっている」ヒソヒソ

吹雪「えぇーっ!本当なんですか!」

提督「ああ、川内からの情報だ。第一発見者は卯月らしいが」ヒソヒソ

吹雪「それで卯月ちゃんから話は聞いたんですか?」ヒソヒソ

提督「いや、まだだ。昨晩の遅い時間に川内から聞かされたからな」ヒソヒソ

吹雪「今から卯月ちゃんを呼んで話を聞きますか?」ヒソヒソ

提督「ここだと青葉に盗聴される恐れがあるから、後ほど別の場所で聞こうと思う」ヒソヒソ

吹雪「確かに青葉さんに聞かれると、あっと言う間に鎮守府中に知れ渡ってしまいそうですね」ヒソヒソ

867: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/09(金) 22:56:16.92 ID:F2suPumK0

-廊下-

提督「丁度いい所に」

吹雪「卯月ちゃんが居ましたね」

提督「おーい、卯月!」

卯月「司令官、どうしたぴょん?」

提督「今から間宮さんの店に行かないか?」

卯月「司令官の奢りぴょん?」

提督「ああ、奢るぞ」

卯月「やったぴょん♪」

868: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/09(金) 22:58:33.41 ID:F2suPumK0

-甘味処 間宮-

ワイワイ
ガヤガヤ

提督「好きな物を頼んでいいぞ」

卯月「あんみつも良いけど、DXパフェも捨てがたいぴょん」

提督「両方でも構わないが、その場合」

卯月「晩ご飯が食べられなくなりそうだぴょん」

吹雪「じゃあ、両方頼んで二人で分ける?」

卯月「そうするぴょん!」

提督「間宮さーん」

間宮「はーい」

提督「あんみつと、DXパフェと、ケーキセットお願いします」

間宮「はい。少々お待ちください」

提督「卯月。お前さんをここに連れてきたのは聞きたいことがあるからなんだ」

卯月「う、うーちゃんは何も悪いことなんて企んでないぴょん(汗)」

提督「昨晩、川内から『 L 』のことを聞いた」

卯月「!!!」

提督「一応、卯月からも話を聞いておこうと思ってな」

卯月「でも、こんな場所で話して大丈夫ぴょん?」

提督「皆、話に華が咲いて俺達のことなんて気にしていないだろう。それに、ここで重要な話をしているなんて思いもしないだろうからな」

卯月「分かったぴょん。あれは一昨日のことだったぴょん」

~中略~

提督「なるほど。やはり奴が手引きをしたと考えて間違い無さそうだな」

吹雪「そうですね」

卯月「これからどうするぴょん?直接問い質すぴょん?」

提督「そんなことをしても無駄だろう。決定的証拠が無い以上、言い逃れられる」

吹雪「それに下手をしたら、直接手を下すかも知れませんね」

卯月「じゃあ、どうするぴょん?」

提督「しばらく泳がせて決定的な証拠を掴む」

卯月「じゃあ、うーちゃんが」

提督「これ以上、危険なことに首を突っ込まない方がいい」

卯月「でも、司令官が」

提督「心配するな。キットの修復ももう直ぐ完了する。それに吹雪も居る」

吹雪「そうだよ。だから安心して」

卯月「分かったぴょん・・・」

提督「だが、何か気付いたことがあれば教えてくれ」

卯月「分かったぴょん!」

提督「くれぐれも無茶な行動はしない様にな」

卯月「はーい」

間宮「お待たせしました。あんみつと、DXパフェと、ケーキセットです」

869: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/09(金) 23:00:25.03 ID:F2suPumK0

-夕方 執務室-

提督「と、言う訳で大本営にて襲撃の報告を行うことになったので、道中の護衛を頼みたい」

金剛「了解デース」

摩耶「おう、任せとけ!」

川内「任せといて」

摩耶「それにしてもわざわざ来いなんて、面倒なこと言うよな」

提督「本当にな。いつも通りテレビ電話会議で済ませられればいいんだけどな」

金剛「どうやって移動しマスカ?新幹線デスカ?」

提督「いや、移動本部を使う。何かあった時の為にキットも連れて行きたいからな」


-会議当日の早朝 正門前-

提督「留守中は頼むぞ」

新提「任せておけ」

提督「お前が一番心配だ。比叡、頼んだぞ」

比叡「はい!お任せください!秘書艦として精一杯頑張ります」

リベッチオ「提督さん、何処に行くの?」

提督「大本営で会議だ」

リベッチオ「リベも連れて行って欲しいなー」

提督「遊びに行くんじゃないんだぞ」

リベッチオ「そんなこと分かってるよー」

提督(あえて近くに置いて見張るもの有りか)

提督「分かった。乗ってくれ」

川内(ここは私がちゃんと見張っとかないと)

リベッチオ「わーい」

ポーラ「提ー督ぅー、ポーラも連れて行ってくださぁーい」

提督「お前、高級な酒を飲ませてもらえるとか思ってるだろ?」

ポーラ「そんなこと無いでぇ~す」

提督「ポーラは留守番してなさい」

ポーラ「ポーラ、泣いちゃいますよぉー」

摩耶「護衛が増えて困ることは無いし、連れて行ってやったらいいだろ」

ポーラ「摩耶さぁ~ん、ありがとうございますぅ~」

摩耶「コラ、くっ付くな!」

提督「はぁー、先が思いやられる」

金剛「まったくデース」

吹雪「あはは・・・」

872: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/16(金) 22:30:32.25 ID:PTYY9ERk0

-大本営 駐車場-

少尉「提督様、お待ちしておりました。元帥がお待ちです。部屋まで案内します」

提督「お願いします。皆、行くぞー」

一同「はーい」

提督「キットは留守番を頼む」

キット(コムリンク)「はい」


-エレベーター内-

『B3』ピッ

提督「ん、地下?」

少尉「はい。いつもの会議室は工事中でして」

提督(工事中なんて聞いてないけどな)

チカサンカイデス

少尉「着きました。あちらの部屋で元帥がお待ちです」

提督「分かりました」

ガチャ

提督「薄暗くてよく見えないな」

少尉「明かりを点けるので中で少々お待ちください」

ゾロゾロ

吹雪「あれ?リベッチオちゃんは?」

提督「何っ!」

バタン!

提督「!!」

ガチャガチャ

吹雪「開きません!」

提督「罠か!」

873: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/16(金) 22:34:27.78 ID:PTYY9ERk0
提督様って表現は違和感があるかと思いますが、
佐藤様、田中様って感じで、名前 + 様だと思ってください。

でも、巻雲や春風が司令官様って呼ぶことを考えると変では無いのか?
よく分からなくなってきた。

874: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/16(金) 22:40:11.96 ID:PTYY9ERk0

ピカッ

摩耶「明かりが点いたのはいいけどよ、何もねーなこの部屋。それに元帥も居ないぞ」

提督「扉を破壊して脱出するか」

ドバー
ドバー
ドバー

提督「至る所から水が!」

モニター「提督君、聞こえているかね?」

提督「あ、あなたは中将!これはどういうことですか!」

モニター「聞いて驚け。私が南氷洋深提だ」

提督「な、何ぃ・・・」

吹雪「そんな・・・」

金剛「獅子身中の虫デース!」

摩耶「テメェ、裏切ったな!」

モニター「その部屋は潜水艦娘の訓練施設だ。30分もすれば注水が完了し、部屋は水没する」

吹雪(この部屋いっぱいの水だなんて、水道代が大変なことになりそうです)

提督「その前に扉を破壊して脱出すればいいだけの話だ」

ブーン

提督「せい、ふっ、はっ!またつまらぬ物を」

吹雪「切れてません!」

提督「へ?」

モニター「無駄だ。その部屋は魚雷の爆発にも耐えられる設計になっている。ビーム兵器の対策もしている」

提督「こうなったら、金剛、摩耶、ポーラ!三人で一斉に砲撃してやれ!戦艦と重巡の一点集中砲撃には耐えられまい」

金剛「艤装は移動本部の中デース!」

提督「しまった!」

モニター「提督さん、聞こえてるー?(リベ)」

提督「リベッチオ!これはどういうことだ?」

モニター「ごめんね、提督さん。提督さんに恨みは無いけど、これもパパの命令だから(リベ)」

ポーラ「リベッチオ、あなたが恨んでるのは私でしょ?関係の無い提督たちは解放してあげて!」

モニター「ポーラお姉ちゃんにも恨みなんて無いよ(リベ)」

モニター「その部屋からの脱出は不可能だ。精々足掻くんだな。ふはははは(南氷洋)」

モニター「チャオチャオ(リベ)」

875: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/16(金) 22:41:34.02 ID:PTYY9ERk0

-鎮守府 執務室-

コンコン

長門「長門だ」

新提「入ってくれ」

ガチャ

バタン

長門「今日の出撃について相談があるのだが」

比叡「今、お茶淹れますね」

長門「いや、私が淹れよう。比叡は座っててくれ」

比叡「では、お願いします」

長門「任せておけ」ニヤッ

876: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/16(金) 22:44:41.82 ID:PTYY9ERk0

-大本営 B3F-

提督「クソッ!何とかして脱出しないと。そういえば川内も何処だ?」

吹雪「言われてみれば居ませんね」

モニター「提督、聞こえる?(川内)」

提督「川内!まさか・・・お前もスパイだったのか?」

モニター「バカなこと言わないでよ!私は提督の鎮守府で生まれた艦娘だよ。スパイな訳無いじゃん!」

提督「そうだな。変なことを言ってすまなかった。今、コントロールルームに居るんだよな?」

モニター「今、ロックを解除するから待ってて」

モニター「ダメだ!パスワードが設定されてて解除できない!」

提督「キット!聞こえるか?」

シーン

提督「キット?キット!」

摩耶「まさか圏外か?」

提督「どうやらその様だ」

モニター「キットに助けを求めてくる。帰って来るまで絶対に生きててよね!」

提督「ああ、だが、早めに頼む」

モニター「任せといて!」

提督「川内が帰ってくるまでボーっと待つ訳にもいかない。もう一度、扉の破壊を試みよう」

吹雪「でも、どうするんですか?」

提督「セイバーのビームを一点に当て続ければ少しずつでも穴が開くはずだ」

金剛「ポーラ、さっきの恨みってどういうことデース?」

ポーラ「今まで黙っていた過去をお話します。あれは私とザラ姉さまが今の鎮守府に配属される前に所属していた鎮守府での出来事でした」

ポーラ「ある日の作戦行動中、敵の罠にはまり、私は大破、ザラ姉さまは中破してしまいました」

ポーラ「大破してしまった私は最早足手まといでしかない。死を覚悟した私は殿を名乗り出ました」

ポーラ「でも、ある艦娘が私の代わりに囮となり、私たちを逃がし、そして彼女は沈みました」

ポーラ「あの時、私が殿を務め沈んでいたらこんなことにはならなかったはずです」

提督「それとリベッチオに何の関係が?」

ポーラ「その時沈んだ艦娘の名はヴィットリオ・ヴェネト。リベッチオの母親です。あの子は人間と艦娘の間に生まれた子です」

提督(うわぁ)

摩耶(マジで)

吹雪(重すぎる)

金剛(話デース)

877: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/16(金) 22:48:59.50 ID:PTYY9ERk0

ポーラ「彼女の夫だった提督は飲めもしないお酒に溺れる様になり、やがて体を壊し亡くなりました」

提督「ん?リベッチオは中将をパパって呼んでたよな?」

ポーラ「彼はリベッチオの父親ではありません」

吹雪「何か事情がありそうですね」

ポーラ「提督を失った鎮守府は代わりに着任できる人が居なかったため解体となり、私とザラ姉さまはあなたの鎮守府に異動となりました」

ポーラ「鎮守府が解体された後、あの子がどうしていたか分かりません。でも、あの子が配属された来た時、これは運命なんだと感じました」

ポーラ「私のせいであの子は両親を失ったのだから、私が守らないと、そしてあの子に謝罪しなければいけないと思いました」

ポーラ「でも、出来なかった。自分の過去と向き合うのが怖かった。だから私もお酒に逃げたんです。うぅ・・・」

吹雪(司令官は聞こえていなかった様ですが、だからあの時(忘年会前)あんなことを言ったんですね)

提督「ポーラ、辛い時は泣いていいんだぞ」

ポーラ「うわぁぁぁーん」

提督「金剛、摩耶、悪いがポーラに付いていてやってくれ」

金剛「ハイ」

摩耶「おう」

提督「俺は扉の破壊を試みる」

~数分後~

提督「焦げ目すら付かないってどういうことだよ!ビームサーベルで破壊できないっておかしいだろ!」

吹雪「司令官、落ち着いてください!」

提督「すまん、取り乱してしまった。だが、もう腰の高さまで水位が上がっている。川内はまだか?」

モニター「アドミラル、聞こえますか?(キット」

提督「キットか!」

モニター「今からシステムをハッキングするのでもう少しだけお待ちください」

提督「出来るだけ早めに頼む!」


-B1F コントロールルーム-

川内「どう?解除できそう?」

モニター「パスワードは解読できました。しかし、カードキーが無いとロックを解除出来ない様です」

川内「カードキー?」

モニター「恐らく元帥が持っているでのはないでしょうか?」

川内「そうだね。ここの責任者である元帥の可能性が高い。元帥の所に行ってくるよ!」ダッ

878: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/16(金) 22:51:48.28 ID:PTYY9ERk0

-鎮守府 執務室-

ツンツン

比叡「寝てませんてばぁーっ」zzz

新提「完全に寝てるな」

長門「睡眠薬入りの茶を飲んで眠るとは、チョロイもんだ」

新提「では、行くか」

長門「うむ」

ガチャ

新提「!!!」

長門「どうし・・・って、大和!」

大和「お二人そろってどちらへ?」←扉の前で仁王立ち

新提「え?いや、ちょっとトイレに。なぁ、長門」

長門「う、うむ!」

大和「仲がよろしいのですね。異性であるお二人がそろってお手洗いだなんて」

新提「そうなんだよ!私たちは大の仲良しでな!」

長門「うむ」

大和「そんな嘘が通じるとでも?」

新提「」滝汗

大和「扉の前に私が居るからと言って、窓から逃げようなんて考えないことです。外は空母の皆さんが偵察機を飛ばしています」

新提「アー、モレソウダー」

大和「お手洗いでしたら、お一人ずつどうぞ」

長門(クソッ、提督め!ここまで読んでいたか)

879: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/16(金) 22:54:20.09 ID:PTYY9ERk0

-大本営 B3F-

提督「せめて木製のドアがあれば・・・」

吹雪「そんな物どうするんですか?」

提督「体重の軽い吹雪ならドアに乗った状態で浮いていられるだろう。部屋が完全に水没しない限り助かるはずだ」

吹雪「そんな処女航海で沈んだとされる某豪華客船の映画の様なことをしなくても私たちは大丈夫です。問題は司令官です!」

提督「しかしだな」

吹雪「私たち艦娘は人間よりはるかに生命力が強いです。完全に水没しない限り死にません!ですが、このままだと確実に司令官は低体温症で死んでしまいます!」

提督「溺死が先か、低体温症が先か。扉を破壊できない以上、川内が助けてくれるのをただ待つしかない」

吹雪「川内さん、急いでください。このままだと本当に司令官は・・・」

提督「こうなったら。はぁーーーーつ」

摩耶「あ、あれは!」

金剛「どうしたんデース?」

摩耶「提督がペガサスの大四辺形を描き始めたぞ!」

金剛「?」

提督「彗星拳!」

ゴスッ

提督「・・・」

吹雪「・・・」

金剛「・・・」

摩耶「・・・」

ポーラ「・・・」

提督「痛ってーぇ!!!」ゴロゴロゴロ

金剛「そりゃ、そうなりマース。提督は艦娘じゃないんですカラ」

摩耶「水没しかけてる部屋でのた打ち回ると余計に濡れるぞ」

吹雪「司令官、大丈夫ですか!?」

提督「痛たた。指は・・・ちゃんと動く。うん、折れてない(涙目)」

吹雪「セイバーでも破壊できなかったのに、素手で扉を破壊なんて無茶ですよ」

提督「追い詰められることによって秘めた力が・・・って展開に期待したが無理だったな。だが」

吹雪「だが?」

提督「俺がここで水攻めを受けることにより、地上に降り注ぐ雨の勢いが少しでも弱まると思えば」

吹雪「?」

摩耶「ここは海底神殿じゃねーだろ!それに、提督は女神でもない!」

金剛「二人は何を言っているデース?」

吹雪「分かりません」

880: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/16(金) 22:55:41.06 ID:PTYY9ERk0

-元帥執務室-

ドアバーン

川内「元帥!大変だよ!」

元帥「君は提督君のところの川内か。ドアを開ける時はノックを」

川内「そんなこと言ってる場合じゃ無いよ!提督が死にそうなんだ!」

元帥「提督君が死にそう?どういうことだね?」

~事情説明中~

元帥「何と!中将め、それで提督君を呼んで話を聞くべきだと主張して引かなかったのか」

川内「早くしないと提督が!」

元帥「うむ。コントロールルームへ急ごう」


-B1F コントロールルーム-

元帥「提督君、聞こえるかね?直ぐに助ける。もう少しの辛抱だ」

モニター「はい。早めにお願いします。意識が朦朧としてきました(提督)」

ピッ

元帥「よし、これで」

川内「どういうこと!?水の勢いが増してるよ!」

元帥「何だと!」

モニター「ロックを解除しようとすると、注水量が増すように細工されていたようです(キット)」

元帥「これでは提督君を助けるどころか、死期を早めただけではないか!」

川内「元帥でしょ!何とかしてよ!」

元帥「助けたいのは山々だが・・・」

モニター「私が今からシステムを書き換えて注水を止めます」

川内「キットだけが頼みの綱だよ!」

881: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/16(金) 22:57:37.47 ID:PTYY9ERk0

-B3F-

提督「川の向こう岸に亡くなった爺さんが」ガタガタ

吹雪「司令官、しっかりしてください!」

金剛「渡っちゃダメネー!」

摩耶「寝るんじゃない!」

ポーラ「大切な人を失うなんてもう嫌ぁぁぁ!提督、死なないで!」

提督「俺の肩の高さまで水位が上がっているってことは、吹雪はもう床に足が着かないんじゃないのか?」ガタガタ

吹雪「はい。少し前から足が着かなくなってます」

金剛「私たちはつま先立ちでギリギリ水面より上に居ますが、そろそろ限界デース」


-中将執務室-

少尉「中将、そろそろここを離れた方が良いかと」

中将「そうだな。奴の死に顔を拝めないのは残念だが、ここで捕まる訳にはいかんからな。リベッチオ、そろそろ出発するぞ」

リベッチオ「はい。提督さん、ゴメンネ」

882: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/16(金) 22:59:53.61 ID:PTYY9ERk0

-鎮守府-

ジリリリリーン

大淀「もしもし、大淀です」

キット「キットです。事情を説明している暇が無いので、今から言うことを直ぐに実行してください!アドミラルの命がかかっています」

大淀「提督の!分かりました」

キット「霰さんを大本営へ大至急向かわせてください」

大淀「分かりました」

スピーカー「霰さん、大本営にて提督がお待ちです。至急、大本営へ向かってください。繰り返します」


-朝潮型私室-

朝潮「霰、提督がお呼びです」

霞「もう行ったわ」

朝潮「え?もう?」

883: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/16(金) 23:01:28.53 ID:PTYY9ERk0

-数分後 大本営 駐車場-

霰「キーン」

キット「霰さん」フォンフォン

霰「んちゃ!」

キット「アドミラルが地下室に閉じ込められています。扉を破壊して救出してあげてください」フォンフォン

霰「分かった」

キット「あなたが最後の希望です」フォンフォン

霰「行ってくる」


-B3F-

霰「司令官、この扉を破壊したらいいの?」

提督「霰か?そうだ、この扉を破壊してくれ」ガタガタ

霰「この扉ってつおい?」

提督「ああ、めちゃんこつおいぞ」ガタガタ

霰「うっほほーい。えい」

ゴスッ

メキッ

吹雪「何をしても破壊できなかった扉にひびが!」

メキッ

摩耶「あと少しだ!」

バキッ!

金剛「小さな穴が開きマシタ!」

ポーラ「後は水圧で・・・」

ドーン!

提督「完全に破壊された・・・」ガタガタ

提督「うわぁぁぁぁ!流されるー」ガタガタ

吹雪「当然、水流と共に外へ流されますよね・・・」


-B1F コントロールルーム-

川内「扉が破られたよ!早く提督の所へ行こう!」

元帥「よくやった!」

モニター「少し待ってください。注水を停止したので今から排水します(キット)」

884: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/16(金) 23:02:50.72 ID:PTYY9ERk0

-B3F-

元帥「提督君、しっかりするんだ!」

提督「元帥?」ガタガタ

元帥「これを飲みなさい」

提督「これは?」ガタガタ

元帥「人間用に改良した高速修復剤の試作品だ。これさえあれば、一瞬で元気になれる!」

提督「あの・・・疲労がポンと取れるイケナイお薬の類では?」ガタガタ

元帥「そういう類では無いので安心したまえ」

提督「・・・。では、いただきます」ゴクッ

元帥「どうだね?」

提督「・・・。何だかみなぎって来たっ!」

元帥(中身は単なるリ○ビタンDだが、本当に効果があるとは・・・。プラシーボ効果とやらも侮れんな)

吹雪「一時はどうなるかと思いましたが」

金剛「一安心デース!」

摩耶「まったく、ヒヤヒヤさせてくれるぜ」

ポーラ「良かった・・・本当に良かった(涙)」

川内「提督も助かったことだし、首謀者である中将を捕らえないと」

霰「わくわく、わくわく」

キット(コムリンク)「大変です!中将がヘリを使って逃げようとしています」

提督「マイクロジャムで止めてくれ!」

キット(コムリンク)「残念ながら届きません。屋上へ急いでください」

提督「皆、行くぞ!」

一同「はい!」

885: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/16(金) 23:05:22.29 ID:PTYY9ERk0

-屋上-

提督「居たぞ!中将だ!」

中将「何っ!生きているだと!?」

提督「霰、ヘリを破壊してやりなさい!」

霰「うっほほーい」

バキッ

メキッ

ゴキッ

少尉「脱出用のヘリが!」

中将「クソッ!だが、せめて奴はこの場で始末してやる!」

吹雪「拳銃!司令官、逃げてください!」

パンパンパン

スッ

中将「避けただと!」

提督「とあるアニメのキャラクター、ここではあえてLANねーちゃんとしよう。彼女は劇場版で銃弾を回避している!一般人にできるのなら、軍人なら出来て当然!」

中将「ふざけるな!それはアニメの話だろ!」

提督「うぉぉぉーっ!」

スパッ

少尉「中将!」

リベッチオ「パパ!」

中将「うわぁぁぁぁぁぁぁ・・・あ?切れてない?」

提督「このセイバーは人間と艦娘は切れないんでな。命拾いしたな」

中将「だが、この距離で発砲すれば避けられまい!」

リベッチオ「もう止めようよ」

中将「何を言うんだ、リベッチオ!コイツさえ始末すれば大金が手に入る。そうすればお前を出撃させて危険な目に合わせることも無くなる!平和に暮らせるんだぞ!」

リベッチオ「リベは艦娘だよ。危険なことには慣れてるから。それに提督さんは何も悪いことなんてしてないよ。だから、もう止めようよ」

中将「リベッチオ・・・」

少尉「くっ。こうなったら、俺が」

ゴスッ

霰「司令官はやらせない」

少尉「ぐはっ」

バタッ

元帥「中将、何故このようなことをしたんだね?」

中将「私が事故で妻子を失ったのはご存知ですね」

元帥「ああ」

中将「そんな時、リベッチオと出会いました。親を失った子と妻子を失った私。これは運命だと思いました」

中将「この子を幸せにするには金が必要だった。金さえあれば出撃させて危険な目に合わせることも無くなる。平和な暮らしが出来る。そんな時に深海棲艦から勧誘をうけました」

元帥「それで寝返ったのか」

中将「はい」

886: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/16(金) 23:07:26.61 ID:PTYY9ERk0

憲兵「では、連行します」

元帥「頼んだよ」

中将「リベッチオ、提督君、すまなかった」

リベッチオ「パパ・・・」

憲兵「さあ、キビキビ歩け!」

少尉「いつか必ず復讐してやるからな!必ずだ!」

憲兵「黙って歩け!」

リベッチオ「提督さん、ごめんなさい。リベはもう提督さんの所には居られません」

提督「何を言っているだ。お前はうちの艦娘だろ。ハックション」

リベッチオ「提督さん・・・」

摩耶「甘すぎるだろ」

金剛「それも提督のいいところデース」

元帥「先ほどの水攻めで体が冷えたようだな。風呂で温まるといい」

提督「そうさせてもらいます」

ポーラ「リベッチオ、ごめんね」

リベッチオ「ポーラお姉ちゃん・・・」

提督「ハックション」

吹雪「司令官、風邪をひかないうちにお風呂に行きましょう」

提督「そうだな」

川内「一件落着だね!」


-鎮守府 執務室-

長門「クソッ!」ガンッ

新提「落ち着くんだ、長門」

長門「新提よ、悔しくないのか?提督の留守中なら可愛い駆逐艦とイチャイチャし放題だと思ったのに!」

新提「悔しいさ。悔しいに決まっているだろ!だが、今は耐えるんだ。いつかチャンスは巡って来る」

長門「そうだな、その通りだ。その時まで耐え忍ぼう。今は待つ時だ」

新提「ああ、そうだ」

比叡「ぐー」zzz

887: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/16(金) 23:10:07.14 ID:PTYY9ERk0

-翌朝 提督私室-

提督「うぅ・・・頭が痛い。寒気がする」

吹雪「大丈夫ですか?とりあえず熱を測ってみましょう」

ピピッ

吹雪「40℃もありますよ!」

提督「昨日の水攻めのせいで風邪をひいたな」

吹雪「今日はお休みした方が良さそうですね」

提督「流石に仕事は無理そうだ。キットに代理を頼もう」

吹雪「ご飯、食べられそうですか?」

提督「食欲が無い」

吹雪「お粥なら食べられますよね?作ってくるのでゆっくり休んでてください」

提督「すまんな」

888: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/16(金) 23:11:51.66 ID:PTYY9ERk0

-廊下-

榛名「吹雪さん、おはようございます」

吹雪「おはようござます、榛名さん」

榛名「先ほど執務室を訪ねたら提督が不在だったのですが、何処にいらっしゃるかご存知ありませんか?」

吹雪「実は風邪をひいて寝込んでしまいました」

榛名「それは一大事です!」

吹雪「今からお粥を作るので、もしよければ私が戻るまで司令官の傍に居てあげてもらえませんか?」

榛名「お任せください!」


-提督私室-

コンコン

榛名「榛名です」

ガチャ

榛名「お邪魔します」

提督「うぅ・・・」

榛名「提督がうなされています」

ピタッ

榛名「それに凄い熱。こんな時は・・・そうだ!濡れタオルをおでこに置いてあげましょう」

提督(額が冷たくて気持ちいい。そうか、誰かが濡れタオルを置いてくれたのか)

提督「んー、ふぶき?」

榛名「榛名です」

提督「ふぶきー、あいしてるよー」抱きついてスリスリ

榛名「きゃっ!は、榛名は大丈夫です!///」

提督「ん?」ジー

提督(やっぱり吹雪だよな?)←意識朦朧として吹雪に見えている

榛名(提督に抱き付かれてしまいました!///)

スリスリ

提督(何だか吹雪にしては肉付きがいい様な?吹雪ってこんな大人の女性って感じだったかな?まーいいや)

スリスリ

889: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/16(金) 23:14:12.28 ID:PTYY9ERk0

ガチャ

吹雪「お待たせしま・・・って何してるんですか?司令官(低い声)」

提督「あれ?ふぶきがふたりいる?」

吹雪「そこにいらっしゃるのは榛名さんです」

榛名「はい、榛名です」

提督「はるにゃ?」ジー

提督「榛名ぁぁぁぁぁぁぁぁ↑」

提督「申し訳ありません!」土下座

提督「切腹してお詫びいたす!」

吹雪「馬鹿なことは止めて下さい!」

榛名「榛名は気にしていませんから!むしろ、甘えて頂けて嬉しかったです!」

提督「離せ二人とも!死んで詫びるしかないんだ!」

~数分後~

吹雪「落ち着きましたか?」

提督「死にたい(はい)」

吹雪「では、お粥が冷めないうちに食べちゃってください」

提督「死にたい(はい)」

吹雪「もう怒ってませんから(こんな時くらい、私に甘えてくれたらいいのに)」

提督「死にたい(はい)」

吹雪「はぁー。食べさせてあげます。あーん、してください」

提督「あーん」モグモグ

吹雪「美味しいですか?」

提督「はい」

吹雪「はい、あーん、してください」

提督「あーん」モグモグ

榛名(羨ましい)ジー

吹雪(榛名さんが物凄く見てます・・・)

吹雪「あの、私、お薬もらって来るので、よかったら食べさせてあげてください」

榛名「はい!榛名、全力で提督に食べさせてあげます!」


-金剛型私室-

金剛「!」

霧島「どうされたのですか?」

金剛「榛名と提督がイチャイチャしてる気がするネー!」

霧島「気のせいでは?」

金剛「気のせいなんかじゃ無いヨー!行ってきマース!」ダッ

霧島「はぁ。お姉さまは司令のことになるとこれだから」

890: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/16(金) 23:15:28.93 ID:PTYY9ERk0

-提督私室-

コンコン

金剛「金剛デース!」

榛名「お姉さま、お静かにお願いします」

ガチャ

金剛「!!!(榛名が提督に膝枕、うらやましい!)」

バタン

金剛「提督はどうしたんデスカ?」

榛名「風邪をひかれたそうです。先ほど、ご飯を食べて眠られました」

金剛「昨日の水攻めのせいデスネ」

ガチャ

榛名「おかえりなさい」

吹雪「あれ?寝てしまいましたか」

榛名「はい」

金剛「ブッキー、私にも提督の看病をさせてください!」

吹雪「えっと、でも、寝てしまいましたし、どうしましょう」

金剛「額の濡れタオルを交換するだけの係りでもいいデース!」

吹雪「分かりましたから、落ち着いてください(汗)」

891: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/16(金) 23:16:58.55 ID:PTYY9ERk0

-昼 提督私室-

コンコン

瑞鳳「瑞鳳です」

提督「どうぞ」

ガチャ

バタン

瑞鳳「風邪ひいたって聞いたから、差し入れに卵焼き作ってきたの。食べりゅ?」

榛名「私が食べさせて差し上げます!」

金剛「今度は私の番デース!」

瑞鳳「ダメ!私が作ったんだから、私が食べさせてあげるの!」

提督「あの・・・」

榛名「私です!」

金剛「私デース!」

瑞鳳「だから瑞鳳なの!」

吹雪「いい加減にしてください!司令官は病人なんですよ!」

榛名「ごめんなさい」

金剛「申し訳ありません」

瑞鳳「ごめんね」

吹雪「瑞鳳さんの卵焼きなんだから、瑞鳳さんが食べさせてあげてください」

提督「いや、あの」

瑞鳳「いいの?それじゃ、あーんして♡」

提督「あーん(一人で食べられるし、結構恥ずかしいんだが)」

コンコン

比叡「比叡です」

磯風「磯風だ」

一同「!!!」

提督(ヤバイ!比叡はまだいい、だが・・・)

吹雪(磯風ちゃんは危険過ぎます!)

892: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/16(金) 23:18:57.70 ID:PTYY9ERk0

金剛「ここは居留守を使いましょう」ヒソヒソ

提督「そうだな」ヒソヒソ

磯風「司令?居ないのか?入るぞ」

一同「!!!」

浦風「磯風、提督さんの部屋の前で何しとるんじゃ?」

磯風「司令が倒れたと聞いたから差し入れを持ってきた」

浜風「!!! まさか・・・ソレを食べさせる気ですか?」

磯風「他に何がある?」

浜風「私は左を、浦風は右をお願いします」

浦風「了解じゃ!」

磯風「二人とも何をする?離せ!引きずるな!私は司令に差し入れをだな」

ズルズル

浜風「そんな物を食べさせたら、止めを刺してしまいます」

磯風「何を言うか!私が心を込めて作った手料理だぞ!」

浦風「味見はしたんか?」

磯風「そんなもの、必要ない」

浜風「では、一口食べてみなさい」

磯風「何をする!これは司令にだな・・・フガフガ」

磯風「」チーン

比叡「ヒエーッ!(汗)」

浦風「少々可哀想じゃが」

浜風「提督の命の方が大切です」

893: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/16(金) 23:21:22.31 ID:PTYY9ERk0

提督「磯風は連行されたか。比叡を入れてやってくれ」

金剛「いいんデスカ?」

提督「比叡なら大丈夫だろう」

金剛「分かりマシタ」

ガチャ

比叡「あら?お姉さま?」

金剛「早く入ってくだサイ!」

比叡「はい」

バタン

比叡「司令に差し入れを持ってきました。間宮さんの所で買ったアイスと、淹れたてのアイスティーです」

提督「ありがとう。こんなに心配してもらえて俺は幸せ者だ(涙)」

比叡「そんな、大げさですよ。私たちが司令のことを心配するのは当然です」

提督「そういえば、昨日、睡眠薬入りのお茶を飲まされて眠らされたんだって?」

比叡「その様です」

提督「体は大丈夫なのか?」

比叡「はい、バッチリです!」

提督「それなら良かった。あの二人に説教してやろうと思ったが、帰ってから新提と長門を見て無いな」

比叡「あの二人なら司令が帰って来る少し前に、大和が何処かに連れて行きましたよ」

提督「あー、なるほど(お仕置き部屋に連行されたか。俺も使ったことの無い部屋に連れて行くとは。大和・・・恐ろしい子)」

コンコン

北上「北上だよー」

大井「大井です」

提督「どうぞ」

ガチャ

バタン

北上「提督、調子はどう?」

提督「朝よりは良くなった」

大井「提督に寝込まれると艦隊運営に支障が出るので、仕方なく精のつく料理を作って来ました」

提督「ありがとう。助かるよ」

北上(大井っち、素直じゃないなー。提督が心配だからって言えばいいのに)

コンコン

摩耶「摩耶様だ」


-厨房-

足柄「カラっと揚がったわ!このカツを差し入れしてあげれば」

那智「いや、病人にカツはダメだろ」

足柄「どうしてよ!」

那智「病気の時は消化のいい物を差し入れてやらんとな。カツは悪いだろ」

足柄「そんな・・・元気が出ると思ったのに」ガーン

那智「病人には玉子酒だ!」

894: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/16(金) 23:24:17.52 ID:PTYY9ERk0

-翌日 執務室-

吹雪「まだ寝てた方がいいんじゃないですか?」

提督「熱も下がったし、何時までも寝ている訳にはいかんからな」

吹雪「少しでも体調が悪いと感じたら、休んでくださいね」

提督「ああ、そうさせてもらう」

吹雪「そういえばさっき、妖精さんたちに何を頼んでたんですか?」

提督「今回、セイバーでも歯が立たなかったから、新しい武器を造ってもらおうと思ってな」

吹雪「そうなんですか。今度は何を造ってもらうんですか?」

提督「金属でも切れる刀だ」

吹雪「それってもしかして」

提督「某有名泥棒一味の人が持っている、斬鉄では無いぞ」

吹雪「斬鉄とかじゃないんですね(司令官ならリボル○インとかかと思いました)」

提督「斬鉄だとそのまんま過ぎるからな。それに、サクラが未来の俺は胴太貫って刀を持っていると言っていたんでな。胴太貫と命名しようと思う」

吹雪「そうだったんですか。サクラにまた会いたいですね」

提督「また会いに来るかも知れないし、来なかったとしても、いずれ会える日が来るさ」

吹雪「そうですね。あの子は司令官と私の」

吹雪(あれ?司令官と私の子ってことは、つまり私は司令官と・・・///)ボンッ

プシューツ

提督「ん、どうした?顔が赤いぞ。心なしか湯気も出てないか?まさか、俺の風邪がうつったのか?」

吹雪「だ、大丈夫です。卵なら産めます!」

提督「たっ、卵!?」

提督(艦娘は卵を産むのか!?まさか、瑞鳳の卵焼きは瑞鳳が産んだ卵から作られているのか!?)

吹雪「あ・・・いえ、ち、違います!今のはその」アタフタ


-お仕置き部屋-

長門「提督よ、そろそろ助けてくれ。まさか、私たちは忘れられているのか?」←天井から逆さ吊り中

新提「もう駆逐艦にちょっかいをかけたりしないから、許してくれー!」←同じく

899: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/23(金) 22:40:11.12 ID:H4a7Hu2V0

-午前 執務室-

時雨「いい雨だね」ハイライトオフ

提督(晴天です)

吹雪(梅雨なのに雨が降らず、晴天です)

時雨「こんな日は歌いたくなるよ」

提督(まさか・・・)

時雨「時雨、歌うよ。アキ・ヤシロ、雨の慕情」

吹雪(以前もこんなことありましたよね・・・)

提督(そしてその流れで何故かテレサに行くんだろ?お願いです、止めて下さい)

キット「~♪」

提督(キットも曲を流さなくていいから!)

キンコンカンコーン

提督「!!!(救いのチャイムだ!)」

提督「ほら、昼休みのチャイムだ!ご飯食べに行こう!な、時雨!」

吹雪「あー、お腹ペコペコ。早く行きましょう!」

時雨「・・・。命拾いしたね」ボソッ

提督(怖えぇー!普段いい子なのに、雨が降らないだけで何故こうなるんですか!)

900: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/23(金) 22:42:39.31 ID:H4a7Hu2V0

-食堂-

テレビ「先ほど入りました、緊急ニュースです!」

テレビ「○×動物園へ向けて移送中だったゴリラが、事故により逃走した模様」

テレビ「動物園関係者と警察が全力でゴリラの行方を追っていますが」

提督「トラックが事故ってゴリラが逃走とは物騒だな」

吹雪「本当に怖いですね」

提督「うちには関係ないだろうが、早く見つけて欲しいものだな」

吹雪「そうですね。外出先から帰ってきたら、リビングにゴリラが!なんて洒落になりませんからね」

時雨「さあ、どんどん降るんだ・・・この際、血の雨でもいいよ。ゴリラに襲われるといいんだ。フフフ」ブツブツ

夕立「時雨、どうしたの?」

龍驤「君、もう大丈夫なん?」

提督「ああ、バッチリだ」

龍驤「うちも見舞いに行こか思てんけどな、仰山押しかけても迷惑か思てな」

提督「皆、来てくれるのはいいが、部屋がぎゅうぎゅうのすし詰め状態だったな」

龍驤「それにしても君が寝込むなんて珍しいな」

吹雪「南氷洋深提の罠にはめられて水攻めに合いましたからね」

龍驤「ホンマかいな!?」

提督「こう見えても疲れまんねん」

龍驤「大阪のおっちゃんの出てたCMか。懐かしいわー」

提督(何で知ってるんだよ?20年程前のネタだぞ。艦としても艦娘としても存在してない時代だろ)


-執務室-

ガチャ

???「・・・」キョロキョロ

バタン

キット「おや、長門さん。どうされましたか?アドミラルと吹雪さんなら食堂で昼食中ですよ」フォンフォン

???「・・・」

キット「もう少ししたら戻ってくるでしょうし、待たれますか?」フォンフォン

???「・・・」コクッ

キット「では、しばらくお待ちください」フォンフォン

901: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/23(金) 22:46:56.04 ID:H4a7Hu2V0

-執務室-

ガチャ

提・吹「ただいま」

バタン

キット「お帰りなさい。長門さんが来られています」フォンフォン

提督「おう、長門。どうした?」

???「ウホッ」

提督「ぷっ」

吹雪「あはは。長門さん、どうしたんですか?ゴリラのモノマネなんてして!」

???「ウホッ、ウホッ」

提督「ぷぷっ・・・上手じゃないか」

コンコン

陸奥「陸奥よ」

提督「ぶはっ。ど、どうぞ」

陸奥(何を笑ってるのかしら?)

ガチャ

バタン

陸奥「あら、長門も居たの」

???「ウホッ」

陸奥「どうしたのよ?ゴリラのモノマネなんてして」

???「ウホッ」

ポコポコポコ

提督「おいおい、今度はドラミングを始めたぞ(笑)」

吹雪「どこまでなりきるんでしょうか?(笑)」

コンコン

長門「長門だ」

提督「は?」

吹雪「え?」

陸奥「嘘っ!」

キット「長門さんが二人居る?」フォンフォン

902: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/23(金) 22:50:49.27 ID:H4a7Hu2V0

ガチャ

長門「提督。 !!!」

提督「な、長門が・・・」

吹雪「もう一人?」

陸奥「一体どうなっているの!?」

長門「な・・・これはどういうことだ!何故、執務室にゴリラが居る!?」

提督「は?」

吹雪「え?」

陸奥「嘘っ?」

キット「ゴリラ?」フォンフォン

長門「そうだ!ゴリラだ!」

キット「ゴリラとは、あの、学名:ゴリラ・ゴリラのことですか?」フォンフォン

長門「それ以外に何が居る?」

キット「では、先に部屋に居たのが長門さんで、今、やって来たのがゴリラであると?」フォンフォン

長門「逆だ!逆!」

提督「は?」

吹雪「え?」

陸奥「嘘っ?」

長門「何だ、その反応は!」

キット「つまり、先に部屋に居たのがゴリラで、今、やって来たのが長門さんであると?」フォンフォン

長門「そうだ!」

提督「つ、つまり、俺達が長門だと思っていたのは」サーッ(血の気の引く音)

吹雪「先ほどのニュースの逃走したゴリラではないでしょうか?」サーッ

陸奥「つまり、私の姉はゴリラだった?」サーッ

長門「陸奥よ、何故お前だけそうなる?」イラッ

提督「皆、落ち着いて聞いてくれ。ここで騒ぐと大変なことになる。吹雪はゆっくりと部屋を出て警察と動物園に連絡を」

吹雪「はい」

提督「長門、陸奥はゴリラの捕獲を手伝ってくれ」

陸奥「ええ」

長門「分かった」

ガチャ

バタン

903: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/23(金) 22:52:32.64 ID:H4a7Hu2V0

提督「吹雪は無事、部屋を出た。動物園関係者が来るまでどうしたものか」

キット「私が麻酔で眠らせます」フォンフォン

提督「麻酔?そんな物搭載していたか?」

キット「先日、明石さんがいつか役に立つかも知れないと積みました」フォンフォン

陸奥「一発で決めてね」

キット「お任せください」フォンフォン

長門(何だか嫌な予感がする)

キット「発射!」フォンフォン

プスッ

長門「あひゃっ!?」

フラフラ

バタン

提督「やったな、キット!」

キット「象をも眠らせる強力な麻酔です。当分、目を覚まさないでしょう」フォンフォン

陸奥「これで一安心ね、長門」

ゴリラ「ウホッ」

長門「うぅ・・・て、提督・・・私は長・・・」zzz

提督「今、ゴリラが喋ったぞ!」

キット「『て、提督・・・私は長・・・』と言いましたね」フォンフォン

提督「へ?」

陸奥「あら?ちょっと待って!床で寝ているのは長門よ!」

ゴリラ「ウホッ?」

キット「そんな馬鹿な!」フォンフォン

ゴリラ「ウホーッ!」

パリーン

提督「窓を突き破って逃げた!」

陸奥「大変よ!皆に知らせないと!」

提督「俺は館内放送で皆に知らせるから、陸奥は奴を追ってくれ!」

陸奥「分かったわ!」

ピンポンパンポーン

スピーカー「緊急事態発生!鎮守府内をゴリラが逃走中!」

904: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/23(金) 22:54:26.50 ID:H4a7Hu2V0

-埠頭-

スピーカー「緊急事態発生!鎮守府内をゴリラが逃走中!」

曙「はぁ?ゴリラ?あのクソ提督、エイプリルフールでもないのにつまらない冗談を言って」

漣「面白い冗談、キタコレ!」

スピーカー「これは訓練ではない。繰り返す、これは訓練ではない!」

グイグイ

漣「ボノボノ、引いてるお!」

曙「重い!これは大物ね!」

ゴリラ「ウホーッ!」ダダダダダ

曙「!?!?!?」

漣「?!?!?!」

クルッ

曙「ゴリ・・・」

漣「ラ?」

ゴリラ「ウホーッ!」ダダダダダ

曙・漣「ぎゃーーーーーっ!」

陸奥「悲鳴?まさか!」ダッ

陸奥「あなたたち、大丈夫?」

曙「ゴッ、ゴリ、ゴリ」

陸奥「ゴリラが来たのね?」

曙「」コクコク

陸奥「どっちに行ったら分かるかしら?」

漣「アッチに走って行きました」ユビサシ

陸奥「二人に怪我が無くて良かったわ。私はゴリラを追いかけるから、あなたたちは提督への報告をお願いできるかしら?」

曙「ハイ」

陸奥「それじゃ、お願いね」ダッ

905: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/23(金) 22:55:58.88 ID:H4a7Hu2V0

-吹雪型私室前-

叢雲「はぁー、今日の出撃はキツかったわ・・・。難関海域に私を出したってことはアイツは私を信頼してるってことだろうけど」

ガチャ

ゴリラ「ウホッ!」

叢雲「・・・」

バタン

叢雲「疲れてるみたい。ゴリラが見えたわ」

ガチャ

ゴリラ「ウホッ!」

叢雲「やっぱり、居るーっ!キャー」ダッ


-執務室-

ドアバーン

提督「ノックしてから開けてくれないか」

叢雲「ゴッ、ゴリッ」

提督「ゴリラか!ゴリラと遭遇したんだな?」

叢雲「」コクコク

提督「何処で会ったか教えてくれるか?」


-吹雪型私室前-

提督「ここで奴と遭遇したんだな?」

叢雲「そうよ」

提督「では、俺は麻酔銃で奴を眠らせる。叢雲は少し下がってくれ」

ガチャ

バーン

提督「ゴリラ、覚悟ぉぉぉ!」

黒吹雪「!?」

白雪「!!!」

提督「居ない・・・?」

白雪「あ、あの、司令官?」

黒吹雪「一体何事ですか?」

提督「驚かせてすまなかった。叢雲、もう大丈夫だ」

叢雲「よかった」ヘナヘナ

~事情説明中~

白雪「そんなことがあったんですか。後はお任せください」

黒吹雪「さあ、叢雲ちゃん、こっちおいで」

提督「では、叢雲を頼む」

906: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/23(金) 22:58:48.07 ID:H4a7Hu2V0

-執務室前-

提督「また振り出しに戻ってしまったな」

ガチャ

漣「ご主人ざまぁぁぁ(泣)」ダッ

曙「クソ提督ぅぅぅぅ(泣)」ダッ

提督「おいおい、どうしたんだよ?まさか、奴と遭遇したのか?」

曙「」コクコク

提督「そうか。それは怖い思いをしたな。もう大丈夫だ」ナデナデ

~数分後~

提督「落ち着いたか?」

曙「うん」

提督「部屋まで送るから」

曙「嫌。一緒に居て」

漣「ご主人様ぁ!おねげえですだ!一緒に居てくだせぇ!」

提督「しかしだな」

陸奥「提督」

提督「陸奥か。帰ってきたということは見失ったか」

陸奥「ええ」

提督「悪いが、この子たちと一緒に居てやってくれないか?」

陸奥「いいわよ。お姉さんに任せなさい!」

提督「そういうことだから、曙、漣」

曙「分かったわ」

漣「分かりました」

提督「そうだ、間宮さんの店にでも行ってくるといい。甘い物で元気出せ」つ間宮券×3

陸奥「さあ、行きましょ!」

曙「絶対に死なないでよね。クソ提督」

提督「流石にゴリラに殺されたりはしないさ。コイツもあるし」

ブーン

提督「それにキットも居る。だから安心してくれ」

陸奥「深海棲艦でも殺せない提督なんだから大丈夫よ」

提督(実は何回か殺されてるけどな。先日も朧が居なければ死んでたし。とは言え、何だかんだで回避したが)

陸奥「じゃあね」フリフリ

バタン

907: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/23(金) 23:02:04.00 ID:H4a7Hu2V0

提督「キット、何処に居る?」

キット(コムリンク)「工廠でセンサーを強化してもらっています。あと少しで作業が完了します」

提督「では、完了したら捜索の再開を頼む」

キット(コムリンク)「はい」

ガチャ

提督「吹雪か。動物園の方はどうだった?」

吹雪「あと30分程したら来てくれるそうです」

提督「そうか。それまで待っている訳にもいかないので、捜しに行くか」

吹雪「はい!ところで、長門さんはどうしたんですか?体調不良ですか?」

提督「キットがゴリラと間違えて麻酔で眠らせた」

吹雪「だからソファーで寝てるんですね(汗)」


-グラウンド-

ゴリラ「ウホッ」

卯月「あ!長門さん」

ゴリラ「ウホッ、ウホッ」

卯月「こんな所で何をしているのかって?落とし穴を掘って司令官を落とそうかと思案していたぴょん」

ゴリラ「ウホッ?」

卯月「え?危なくないか、って?ちゃんと緩衝材を敷き詰めるから大丈夫だぴょん」

提督「見つけたぞ!ゴリラァ!!」

吹雪「早く眠らせましょう!」

卯月「二人ともどうしたぴょん?」

提督「卯月、そいつから直ぐに離れるんだ!」

吹雪「早く逃げて!」

卯月「どうして長門さんから逃げる必要があるぴょん?もしかして卯月にイタズラ(意味深)をしようとしているぴょん!?」

提督「落ち着いて聞いてくれ。ソイツは長門じゃ無い、ゴリラだ」

卯月「ゴリラ?ぷっぷくぷぅ~♪長門さんをゴリって・・・(笑)」

吹雪「卯月ちゃん、ソレ、本当にゴリラだから!」

ゴリラ「ウホッ!」

卯月「え・・・」

ガシッ

卯月「ぴょーん!?」

ゴリラ「ウホーッ!」

提督「卯月を離せ!」

ゴリラ「ウホーッ!」ダッ

吹雪「どうしましょう!?さらわれてしまいました!」

提督「ゴリラの行きそうな場所・・・そうだ!高い場所だ!」

吹雪「どうして高い場所に?」

提督「某有名な映画に出演した巨大ゴリラは美女をさらって某すごく高ーいビルに登った。奴もゴリラだ同じ行動に出るはず」

吹雪「なるほど!」

908: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/23(金) 23:02:48.79 ID:H4a7Hu2V0

-執務室-

パチッ

長門「ん?卯月が呼んでいる気がする」

長門「ここは?・・・。執務室か」

長門「何故、私はソファーで寝ていたのだ?」

長門「そうだ!ゴリラと間違われて麻酔銃で眠らされたんだった!こうしてはいられない。奴を捜さなければ!」

909: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/23(金) 23:04:58.02 ID:H4a7Hu2V0

-グラウンド-

長門「おーい!提督ー!」

提督「長門!目を覚ましたのか!」

長門「少し眠ってスッキリしたぞ」

提督(象をも眠らせる強力麻酔なのに少し眠ってスッキリって)

吹雪「よくここに居るのが分かりましたね」

長門「私の駆逐センサーがここだと教えてくれたのでな!ところで卯月は何処だ?卯月に呼ばれたと思ったのだが」

吹雪(駆逐センサーって)

提督「ゴリラにさらわれた」

長門「何だと、あの野郎!」ゴゴゴゴゴ

提督「落ち着くんだ!NAGATO-1 TITUS!」

長門「誰がNAGATO-1 TITUSだ!」

提督「数年前にフィギュアの手足をTITUSに換装する遊びが流行ったことがあった」

長門「それがどうした?」

提督「当時の俺はこいつ等何やってんだ?って眺めていたんだが」

長門「それで?」

提督「今なら分かる!もし、長門のフィギュアが存在したら・・・TITUS遊びが似合いそうだと!(※)」

長門「私は手首から円盤状のビームを出して、ラリアットなどしない!」

提督「何だと・・・だが、膝からビームを出しての膝蹴りなら」

長門「膝蹴りも、タックルもしない!私は艦娘であり、ゴリラでもTITUSでも無い!」

提督「そんな・・・」orz

吹雪「嘘だと言ってください、長門さん!」

リベッチオ「もう止めようよ」

長門(提督が露骨に落ち込んでいる。私のせいなのか?いや、しかし・・・)

提督「もう無理だ」チラッ

吹雪「司令官、しっかりしてください!」チラッ

長門(チラチラとこちらを見るんじゃない!)

提督「あー、もう無理」チラッ

吹雪「長門さん」ジー

長門「あー、もう!分かった、分かったから!深海棲艦は殲滅だ!これでいいのか?」

提督「よし!やる気が沸いてきた!」

キット(コムリンク)「アドミラル、ゴリラの現在地を特定できました」

提督「奴は何処に居る?」

キット(コムリンク)「灯台をよじ登っています」

提督「やはり俺の読みは正しかった。吹雪、長門、灯台に向かうぞ」

吹雪「はい!」

長門「卯月、もう少しの辛抱だ。直ぐに助けてやるからな!」

キット(コムリンク)「私も直ぐに向かいます」


※この世界ではfigma 長門は存在しない設定です

910: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/23(金) 23:07:01.51 ID:H4a7Hu2V0

-灯台前-

豆之助「ウーッ、ワン!ワン!」

吹雪「豆之助です!」

長門「提督、あれを!」

提督「天辺まで登るとは厄介な」

キキーッ

提督「キットも来てくれたか」

キット「お待たせしました」フォンフォン

提督「俺は麻酔銃でゴリラを撃つ。長門は卯月を頼む」

長門「分かった。私の命に代えても卯月はキャッチする」

提督「卯月、もう少しの辛抱だ。直ぐに助けてやるからな」

キット「あと3ミリ上です」フォンフォン

提督「ここか?」

キット「そこです」フォンフォン

提督「狙い撃つぜ!」

キット「ネラウウツー、ネラウウツー」フォンフォン

吹雪(今日のキットはどうしたんだろう?)

パン

ヒューン

プスッ

ゴリラ「ウホッ?」

卯月「高い所怖いぴょーぉぉぉぉん(泣)」

提督「ひとーつ、ふたーつ・・・にゃにゃーつ」

ゴリラ「ウホ・・・」クラクラ

提督「はい、おちた!」

パッ

提督「奴が卯月を離した!今だ!」

長門「おう!」ダッ

ヒューーーーン

卯月「ぴょーぉぉぉぉん!?(泣)」

ガシッ

長門「捕ったどぉぉぉぉっ!もう安心していいぞ!」

ドーン

吹雪「ゴリラも落ちました!」

911: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/23(金) 23:08:39.95 ID:H4a7Hu2V0

卯月「うぇぇぇぇーん、怖かったぴょーん!(泣)」ダッ

提督「よしよし」ナデナデ

長門「卯月が無事で本当に良かった」

卯月「ゴリラ、怖いぴょーん!(泣)」

長門「いや、私は長門なんだが」

卯月「ゴリラ、嫌ぁぁぁぁぁ(泣)」

提督「悪いがしばらく卯月には近付かないでやってくれ」

長門「何故だぁぁぁぁ!(血涙)」

提督「仕方ないだろ。それよりゴリラを縛るのを手伝ってくれ」

長門「はぁ・・・仕方ない。この鎖で縛るのだな?」

提督「ああ、そうだ」

キット(あの高さから落下して生きているとは。まさか、このゴリラは!)

~しばらく後~

動物園職員「この度はご迷惑をお掛けして申し訳ありません」

提督「本当に大変でしたよ。奴が目を覚まさないうちに連れて帰ってください」

動物園職員「はい」

ピロリロリーン

動物園職員「ん?着信だ」

ピッ

動物園職員「もしもし。はい。え?ゴリラを捕獲した?どういうことですか!こちらも鎮守府でゴリラを」

ブチッ

吹雪「大変です!目を覚ましたゴリラが鎖を引きちぎりました!」

バキッ

提督「鋼鉄製の檻を破壊しただと!?」

ゴリラ「ウホーッ!」ダッ

動物園職員「大変だ!早く追いかけないと!」

~30分後~

提督「ダメだ。全く見つからない。キット、どうだ?」

キット「反応がありません」フォンフォン

吹雪「鎮守府の敷地の外に逃げたんでしょうか?」

提督「これだけ捜して見当たらないとなると、そうかも知れないな」

動物園職員「埒が明きませんね。申し訳ありませんが、ずっとここに居る訳にもいきませんので」

提督「見つけ次第連絡させてもらいます」

動物園職員「お願いします」

912: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/23(金) 23:11:07.24 ID:H4a7Hu2V0

-夜 工廠-

明石「はぁー、また暴走するとわ」

妖精ズ「ホント、ビックリっすよー」

明石「毎度毎度、他人事みたいに言わないでよ。貴方たちも一緒に造ったでしょ?」

妖精ズ「そうでした。ごめんちゃい」テヘペロ

明石「提督たちは本物のゴリラだと思ってるみたいだからいいけど」

妖精ズ「電子回路をショートさせる銃を本当に麻酔銃だと思ってたみたいで助かりましたね」

明石「誰かに見られる前に解体しちゃいましょ」

妖精ズ「おー!」

916: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/29(木) 22:18:21.90 ID:FAt0mgmM0

-ヒトゴーマルマル 執務室-

キット「ヒトゴーマルマル、休憩には丁度良い時間です」フォンフォン

提督「ふぅ、そろそろ休憩にしようか」

吹雪「では、お茶淹れますね」

提督「頼む」

吹雪「あれ?」

提督「どうした?」

吹雪「戸棚に茶葉がありません」

提督「茶葉が無い?そんなはず無いだろ?昨日もちゃんと飲んだんだから」

吹雪「でも、本当に見当たりません」

提督「確かに見当たらないな」

コンコン

金剛「金剛デース!」

ウォースパイト「ウォースパイトです」

提督「どうぞ」

ガチャ

バタン

金剛「提督!」

ウォースパイト「Admiral!」

金剛「大変デース!」

ウォースパイト「事件が起こりました!」

提督「もしかして紅茶の茶葉が消えたのか?」

金剛「!!!」

ウォースパイト「何故分かったのですか?」

提督「執務室に置いてあった茶葉が無くなったからな。もしかしたらと思ったんだ」

金剛「そんな・・・提督に分けてもらおうと思ったのに・・・今日のティータイムはお預けデース」

ウォースパイト「誰がこんな酷いことを・・・」

提督「犯人は鎮守府内に居る」

一同「!!!」

提督「名探偵と言われた、ばっちゃんの名にかけて!」

吹雪「えぇー!?司令官のお婆様って探偵だったんですか!?」

提督「いいや。ノリで言ってみただけだ」

吹雪「ビックリさせないでください!」

提督「すまんすまん」

917: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/29(木) 22:22:04.30 ID:FAt0mgmM0

ウォースパイト「でも、どうして鎮守府内に犯人が居ると思われるのですか?」

提督「ここは部外者が簡単に入れる場所では無い。それに、金剛とウォースパイトの部屋からも茶葉が消えたとなると、内部に詳しい者の犯行と考えるのが妥当だろう」

金剛「確かに外部の人間がピンポイントで私たちの部屋から茶葉を盗んだとは考え辛いデース」

吹雪「犯人は何を目的に茶葉を盗んだりしたんでしょう?」

提督「それはまだ分からないな。聞き込みが必要だ。ん?コレは?」

吹雪「紺色の長い髪の毛?私ではありませんね」

金剛「私たちでも無いデース」

提督「とりあえず、証拠物件その1としてジッパー付きの袋に保管しておこう。証拠1っと」カキカキ

???「いやぁ~面白いことになってきましたねぇ~」

吹雪「まさか・・・」

キット「ええ、そのまさかです」フォンフォン

ガチャ

青葉「天井裏からこんにちは!青葉だよぉ!」

吹雪(あなたはゴーヤちゃんですか)

提督「もう突っ込まんぞ」

青葉「よっこらせ、っと」

青葉「これから事件の調査に乗り出すんですよね?」

提督「ああ、そうだ」

青葉「青葉が司令官たちより先にホシを挙げたら、青葉の願いを聞いてもらえますか?」

提督「公序良俗に反しない内容ならな」

青葉「青葉がそんなお願いをすると思ってるんですか!」

提督「思ってないが、一応だよ。一応、釘は刺しておかないとな」

ジャッジャッジャーン↑

ジャッジャッジャーン↓(某サスペンス劇場のテーマ曲)

提督「こ、この曲は!」

ピッ

青葉「もしもし、ガサー?どうしたの?」

提督「携帯の着信音かよ!某新喜劇の様な展開は止めてくれ!」

青葉「うん、うん、分かった。それじゃ」

ピッ

青葉「兎に角、司令官より先に犯人を見つけてやりますから!」ダッ

吹雪「行ってしまいましたね」

提督「サスペンス物って大体、事件の真相に近づき過ぎた新聞記者って消されるよな」

金剛「デスネー」

ウォースパイト「よくある展開です」

吹雪「止めなくていいんですか?」

提督「鎮守府内のちょっとした事件だし、大事には至らないだろ。それに、本当にヤバそうなら助ければいいさ」

吹雪「そうですね」

提督「今の時間なら間宮さんの店に皆、集まってそうだから、行ってみるか」

918: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/29(木) 22:24:08.60 ID:FAt0mgmM0

-甘味処 間宮-

ワイワイ

ガヤガヤ

提督「予想通り、結構集まってるな」

吹雪「そうですね」

金剛「手分けして聞き込みしますカ?」

ウォースパイト「それがよさそうね」

提督「そうだな。手分けして聞き込みをしよう」

時雨「ん、あれは」

夕立「あ!提督さんと吹雪ちゃんだ。提督さーん、吹雪ちゃーん」フリフリ

提督「とりあえず、夕立と時雨に話を聞いてみるか」

吹雪「そうですね」

夕立「これから休憩っぽい?」

提督「いや、ちょっとした事件が起きてな。聞き込みに来たんだ」

時雨「事件?」

吹雪「実は」

~説明中~

時雨「そんなことがあったなんて」

夕立「そういえば駆逐寮に紅茶の香りが充満してたっぽい!」

時雨「そうだね」

時津風「してたしてた」

吹雪(時津風ちゃん、いつの間に?)

提督(犬っぽい三人がこう証言しているとなると犯人は駆逐艦か?いや、しかし、俺たちを欺くための罠もかも知れない。駆逐艦に目を向けさせておいて実は・・・と言うことも)

提督「匂いの発生源は分かるか?」

夕立「寮全体に充満していたから何処からかは分からないっぽい・・・」

提督「そうか。でも、駆逐寮ってことだけでも手がかりになったよ。ありがとう」

夕立「夕立は役に立ったの?」

提督「ああ、役に立ったぞ」

夕立「提督さん、褒めて褒めてー!」

提督「よしよし」ナデナデ

時雨(夕立だけズルい)ジー

時津風(いいなーいいなー)ジー

提督(うわっ!めっちゃ見てるし)

提督「二人ともおいで」

時雨「いいの?」

時津風「嬉しい、嬉しい」

金剛(私も撫でられたいデース!)

吹雪「・・・」ジトー

919: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/29(木) 22:25:06.42 ID:FAt0mgmM0

-資材倉庫前-

青葉「う~ん・・・何となく事件の全容が見えてきましたねぇ」トボトボ

青葉「犯人は恐らくあの人。でも、まだ決定的証拠がありません」トボトボ

???「・・・」

青葉「もう少し、調査が必要ですねぇ」トボトボ

???「お前は知りすぎた(※)」

青葉「!!!」

ゴスッ

青葉「あうっ・・・」バタッ

???「悪く思うな。余計なことに首を突っ込んだお前が悪いんだ」

青葉「やはりあなたが・・・」ガクッ

???「ドラム缶に詰めて倉庫内に隠しておこう」


※口調で犯人が分からないようにするため、普段とは違う喋り方にしています。
 ついでに容姿は某探偵マンガの犯人(全身真っ黒の人)とでも思ってください。
 執務室に落ちていた髪の毛の時点でばれてそうですが、気にしない。

920: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/29(木) 22:26:21.24 ID:FAt0mgmM0

-駆逐寮 廊下-

提督「夕立たちの証言を元に駆逐寮に来てみたはいいが」

金剛「時間が経ち過ぎているのか、全く香りがしませんネー」

ウォースパイト「あるいは、犯人の工作により証拠を隠滅されてしまったか」

吹雪「どうしましょう」

響「やあ、司令官。こんな所でどうしたんだい?」

~事情説明中~

響「なるほど。そんなことがあったのか」

提督「昨晩から今日の昼頃にかけて、何か気付いたことはなかったか?」

響「そういえば、彼女がレディなら美味しい紅茶を淹れられて当たり前だ!と、張り切って紅茶を淹れていたな」

提督「まさか」

響「それで、私たちはお腹がパンパンになるまで紅茶を飲まされたよ。薄かったり、渋かったり、散々だったよ」

吹雪「それじゃあ、犯人は」

キット(コムリンク)「アドミラル、大変です!」

921: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/29(木) 22:28:05.63 ID:FAt0mgmM0

-崖-

キキーッ

暁「!!!」

ガチャ

暁「来ないでッ!」

提督「暁、早まるんじゃない!」

吹雪「そうだよ、暁ちゃん!バカなことは止めて!」

キット「お二人の言う通りです、暁さん!」フォンフォン

暁「ここから身を投げる以外に罪を償う方法なんて無いのよ!」

ウォースパイト「早まってはいけません、暁さん!きちんと話して謝ればAdmiralは分かってくれます!」

金剛「その通りデース!ダカラ、身を投げるなんて言ってはいけまセーン!」

暁「でも、でも・・・」

ビューーーーン

金剛「狙ったかのように突風が!」

暁「きゃあ!」グラッ

提督「暁!」ダッ

ガシッ

暁「司令官、手を離して!」

提督「死んでも離さん!直ぐに引き上げてやるからな!」

暁「どうして私なんかにそこまで・・・」

提督「暁が居なくなったら、何人が悲しむと思っているんだ?」

暁「私なんて居なくなっても」

吹雪「バカなこと言わないで!」

暁「吹雪お姉ちゃん・・・」

提督「俺も、吹雪も、キットも、響たちも、金剛も、ウォースイパイトも・・・鎮守府の皆が悲しむに決まってるだろ!」

暁「ううっ・・・ごめんなさい・・・」

グイッ

提督「ふぅ・・・これで一件落着だな」

吹雪「一時はどうなることかと思いましたけど、無事解決しましたね」

922: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/29(木) 22:30:13.00 ID:FAt0mgmM0

鳳翔「さあ眠りなさい♪」

提督「あの、鳳翔さん?」

鳳翔「どうされましたか?」

提督「何故、わざわざ歌ってらっしゃるのかと思いまして・・・」

鳳翔「事件が解決したからには、エンディングテーマ曲が必要かと思いまして。この曲は某サスペンス劇場の初代エンディングテーマなんですよ」

提督「そうらしいですね(でも、俺が生まれる前から、乳児にかけての頃だけど)」

吹雪「あれ?そういえば何か忘れてませんか?」

金剛「そうデスカ?」

ウォースパイト「全て解決したから、何も残ってないはずです」

提督「そうだよな」

吹雪「うーん・・・でも、何か忘れている気がします」

提督「何故こんなことをしたのか教えてくれるか?」

暁「一人前のレディになりたかったから」

提督「やはりそうか」

キット「暁さん、あなたは金剛さんやウォースパイトさんを見て、紅茶を上手に淹れられるのがレディの証だと思ったのですね?」フォンフォン

暁「そうよ」

提督「だから執務室や金剛たちの部屋に忍び込んで茶葉を持ち出したんだな」

暁「司令官に美味しい紅茶を淹れてあげるために、練習しようと思ったの。でも中々上手くいかなくて」

吹雪「それなら、茶葉を分けて欲しいと言えば良かったのに」

暁「ごめんなさい。サプライズで振舞いたかったから。どんな罰でも受けます」

提督「では、金剛とウォースパイトにきちんと謝りなさい。レディならちゃんと謝罪できるだろ?」

暁「金剛さん、ウォースパイトさん、ごめんなさい」

金剛「アカツキ」

暁「はい」

金剛「あなたの提督に対する思いはよーく分かりマシタ。なので、私が紅茶の淹れ方を教えてあげマース」

暁「え?でも、私は」

ウォースパイト「過ぎたことは水に流しましょう」

暁「金剛さん、ウォースパイトさん・・・」グスッ

金剛「泣いていたらシスターに笑われますヨ」

提督「さて、事件が解決したのはいいが、ここで一つ最大の謎が残っている」

吹雪「え?事件は解決したから、もう謎なんて残ってないんじゃ」

提督「サスペンスドラマでは何故か、崖で犯人が逮捕されて事件が解決する」

吹雪「言われてみればそうですね」

提督「2時間ドラマの帝王さん、教えてください!何故なんですか?」

吹雪(謎ってそういうことですか。でも、確かに気になります。帰ったらイムヤちゃんのスマホで調べてもらおうかな)

キット「それなら、2時間ドラマの帝王氏がインタビューで彼なりの見解を答えていました」

提督「な、何だと・・・」

923: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/29(木) 22:30:55.58 ID:FAt0mgmM0

-資材倉庫-

青葉inドラム缶「誰か居ませんかー!助けてくださーい!」ガンガンガン

青葉inドラム缶「まさか・・・青葉は死んでしまったんでしょうか!?」

青葉inドラム缶「あの世ってこんな狭い空間ですか!?」

青葉inドラム缶「誰かー!(泣)」ガンガンガン

924: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/06/29(木) 22:32:09.71 ID:FAt0mgmM0

-夜 食堂-

衣笠「提督、青葉見てない?」

提督「そういえば姿が見えないな」

吹雪「何処に行ったんでしょうね?」

暁「あーっ!」

提督「どうした?」

暁「青葉さんが事件のことを嗅ぎ回ってたから、殴って眠らせて、資材倉庫のドラム缶に押し込んだんだった!」

提督「おまっ、なんてことしてるんだよ!」

吹雪「やり過ぎだよ!」

暁「ごめんなさい・・・」

提督「いや、謝る相手は青葉だから」


-資材倉庫-

暁「あのドラム缶よ」

提督「はぁ、まったく・・・」

パカッ

衣笠「泣き疲れて寝てるわね」

提督「涙と鼻水でぐちゃぐちゃだ。他人には見せられないな。部屋まで運ぶから、衣笠は布団を敷いてやってくれ」

衣笠「はーい」

提督「暁は明日の朝、きちんと謝れよ」

暁「はい・・・」

提督「あと、罰として一週間おやつ抜きだ。紅茶の件だけなら、謝ったから「はい終了」でよかったが、流石にこれは見過ごせん」

暁「ごめんなさい」

提督「トラウマにならなければいいんだが」

927: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/07(金) 23:24:37.08 ID:uSDkNR600

-紅茶事件の翌日 執務室-

吹雪「・・・」ジー

ギューッ

提督「あのー、青葉さん?仕事し辛いから離れてもらえないかな?(当たってるから!柔らかいものが当たってるから!)」

青葉「嫌です。ちゃんと配慮して利き手の方は空けているから大丈夫なはずです」

吹雪「・・・」ジー

提督「いや、キーボードって両手で使うから(吹雪の視線が痛い!)」

青葉「では、マウスだけで仕事してください」

提督「無茶言うな!」

吹雪「司令官」

提督「はっ、はひ!」

吹雪「鼻の下が伸びてます」

提督「き、気のせいであります!」

吹雪「青葉さん、そんなに司令官にくっ付かないでください」

青葉「嫌です。司令官は怖い思いをした青葉を慰めてくれているんです!絶対に離れません」

提督(それって余計なことに首を突っ込んだ青葉が悪いだろ・・・)

吹雪「司令官も嬉しそうな顔をしてないでビシッと言ってください」

提督「あの・・・執務室に居てもいいが、仕事に支障が出るから離れてもらえないだろうか?」

青葉「司令官は青葉が嫌いですか?」ウルウル

提督「いや、そんなことは無いぞ」

吹雪「司令官」

提督「はっ、はい!」

吹雪「今まで金剛さんや榛名さんに関しては大目に見てきましたが、もう我慢できません。去勢しちゃいましょうか」

提督「いやいやいや!そんなことしたら吹雪も困るだろ!」

吹雪「大丈夫ですよ。赤ちゃんの素を冷凍保存しておけば子供は出来ます」

提督「あの、何と言うか、その、ペットの犬を去勢するように軽々しく言われましても」

吹雪「私は本気ですよ?」ニコッ

提督(ヤバイ。ヤバ過ぎる。本気の目だ。狩られる!人生最大のピンチだ!)

提督「な、何だアレ!」

吹雪「そんな手に引っかかるとでも?」ジリジリ

提督「(ヤバイ!ジリジリと詰め寄られている!)嘘じゃないから!後ろを見てみろって!」

吹雪「その手には乗りませんよ」ジリジリ


-執務室前-

卯月(面白いイタズラを思いついたから、やって来たら修羅場だったぴょん!)

卯月(このままだと、司令官の大事なアレがアレされてしまうぴょん!ここは助け舟を出してやるぴょん)

卯月(まずは耳栓をして、このイタズラ用に用意した巨大クラッカーの紐を)

パーーーーン!

卯月(そして見つかる前に逃げるぴょん!)

928: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/07(金) 23:26:40.46 ID:uSDkNR600

-執務室-

パーーーーン!

一同「!!!」ビクッ

吹雪「何の音!?」

提督(吹雪がよそ見をした!今がチャンスだ!)

提督「青葉、しっかり捕まってろよ!」

青葉「はい!(きゃー!お姫様抱っこされてます!///)」

吹雪「そうだ!司令官、って窓から逃げてる・・・私より青葉さんの方が大事ですか?」


-鎮守府正門前-

提督「キット、直ぐに正門前まで迎えに来てくれ」

キット(コムリンク)「はい、アドミラル」

提督「一応、大淀に連絡しておくか」

青葉「そうですね」

プルルルル

大淀「もしもし」

提督「俺だ。数時間程度、留守にするから」

大淀「どうされましたか?」

提督「実は」

~事情説明中~

大淀「うん。それは提督が悪いですね」

提督「何で俺が悪いんだよ!どう考えても青葉だろ!」

大淀「冗談です。でも、吹雪さんがやきもちを妬くのも仕方ないと思いますよ」

提督「そこは否定できないし、反省しております」

大淀「もてる男性は辛いですね」

提督「嫌味か?」

大淀「いいえ、本心です。私も提督をお慕いしております。では」

プーップーッ

提督「え?ちょっ、大淀!って切れてるし」

キキーッ

キット「お待たせしました」フォンフォン

ガチャ

提督「乗ってくれ」

青葉「では、失礼します」

提督「ん?何で後部座席に座るんだ?誰も居ないんだから助手席に座ればいいだろ?」

青葉「助手席とは彼女席です。ここは吹雪さん専用です」

提督(何で変なところで律儀なんだ?今は吹雪を乗せて無いんだから気にしなくていいだろ?)

キット(以前、助手席に座ってみたいと言っていたはずですが。今がチャンスなのでは?)

929: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/07(金) 23:29:00.05 ID:uSDkNR600

大事なのは青葉ではなく、自分の体です。
誰しも玉を取られたくは無かろう。

930: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/07(金) 23:30:13.88 ID:uSDkNR600

-路上-

提督「とりあえず鎮守府を飛び出したはいいが、どうしたものか。何処か行きたい場所とかあるか?」

青葉「そうですね・・・そうだ!最近出来たカフェのケーキが美味しいと聞きました!」

キット「雑誌の特集に載っていた店ですね」

提督「カフェでケーキか(吹雪に土産を買って帰るか)」

青葉「はい!」

提督「場所は分かってるんだよな?」

青葉「モチロンです!」

提督「では、そこへ行こう。案内を頼む」

青葉「はい!(やったー!司令官とデートです!)」

931: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/07(金) 23:32:08.11 ID:uSDkNR600

-数時間後 執務室前-

提督「部屋に吹雪は居るか?」

キット(コムリンク)「はい。在室中です」

提督「まだ怒ってる・・・よな?」

キット(コムリンク)「いえ、アドレナリンも分泌していませんし、脈拍の乱れも無く、平常状態のようです」

提督「だが、俺の顔を見ると、また怒りがこみ上げてくるかも知れない。かと言って、ずっとこうしている訳にもいかない」

キット(コムリンク)「そこまで怖がらなくとも大丈夫でしょう」

提督「よし!」

ガチャ

提督「ただいま。ケーキ買って来たぞ」

吹雪「お帰りなさい」

提督「あの、さっきはすまなかった!」土下座

吹雪「もう怒ってませんよ。私の方こそごめんなさい。でも、ちゃんと私のところへ帰って来てくれて嬉しいです。せっかくだから、ケーキ食べちゃいましょう!」

提督「ああ、そうだな(良かった・・・これで一安心だ)」


-夜 提督私室-

提督「おやすみ」

吹雪「おやすみなさい」


-翌朝-

ジリリリリリ

提督「ふぁ~、朝か。ん、吹雪が居ない」キョロキョロ

提督「朝練か?まーいいや。食堂で会うだろうし、もし会わなくても、ちゃんと始業時間には執務室に来るだろう」

932: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/07(金) 23:36:05.58 ID:uSDkNR600

-執務室-

提督「食堂でも会わなかったな。どうしたんだ?」

ガチャ

提督「お、来たか」

提督「ん?叢雲、どうしたんだ?」

バタン

叢雲「はぁ?朝から何言ってんのよ?まだ寝ぼけてるのかしら?」

提督「いや、ちゃんと起きてるぞ」

叢雲「あんた、自分のヨメカッコカリの顔を忘れたの?」

提督「??? 何を言っているんだ?俺がケッコンしたのは吹雪だろ?」

叢雲「やっぱりまだ寝ぼけてるのね。昨晩も私を抱いたじゃない」

提督「俺が叢雲を?」

叢雲「呆れた・・・あれだけ激しくしといて」

提督「は?え?」

コンコン

曙「曙よ」

提督「どうぞ」

ガチャ

バタン

提督「聞いてくれ、曙。叢雲が俺とケッコンしたなんて言うんだよ」

曙「はぁ?何言ってんのよ、クソ提督。アンタの初期艦かつヨメは叢雲姉さんでしょ?」

提督「は・・・?」

曙「まさか、新手の惚気?はいはい、ご馳走様」

叢雲「このバカのことはほっといて、どうしたの?」

提督(おかしい。どうなっているだ?昨晩までは何ともなかったはず。それとも本当に俺がおかしいのか?)

曙「ちょっと、クソ提督!聞いてるの?」

提督「ん?ああ、すまん。遠征はいつも通りで頼む」

曙「姉さん、コイツの様子が変だからちゃんと見とく方がいいわよ」

叢雲「そうね。後は任せておいて」

曙「じゃあ、行ってくるわ」

叢雲「いってらっしゃい」フリフリ

ガチャ

バタン

提督「そういえば、キットはどうしたんだ?」

叢雲「さっきから何なのよ?キットならいつも通り工廠に停めてあるでしょ」

提督「ちょっと行ってくる」ダッ

叢雲「待ちなさい!仕事は・・・って行っちゃった」

933: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/07(金) 23:37:58.84 ID:uSDkNR600

-工廠-

フォンフォン

提督「良かった。キットはちゃんと居るな」

フォンフォン

提督「キット、聞いてくれよ。さっきから色々変なんだ」

フォンフォン

提督「叢雲が自分が俺のヨメだ。とか言い出すし」

アイオワ「アドミラル、どうしたの?車に話しかけたりして」

提督「車って・・・キットは単なる車じゃないだろ?」

アイオワ「???」

提督「キットも何か言ってやれ」

アイオワ「あー、アレね。ニッポンでは物に命が宿るって考えがあるのよね?」

提督「アイオワまでどうしたんだよ?」

サラトガ「あら、提督。How are you ?」

提督「サラトガ、今日は朝から皆、変なんだ叢雲が俺のヨメだとか言い出すし、アイオワはキットを物扱いするし」

サラトガ「提督、どうされたのですか?」

提督「キット?どうしたんだ?何でさっきからずっと黙ってるんだ?」

サラトガ「提督。車が喋る訳無いじゃないですか」

提督「サラトガまで・・・」

アイオワ「その車は精巧に作られたレプリカ。AIなんて積んでないじゃない」

提督「え?」

サラトガ「明石さん、ユーバリさんでもAIまでは再現できなかったと聞いてますよ」

提督「そんなはずは・・・」

サラトガ「お疲れのようですね。こちらへいらしてください」

提督「こうか?」

サラトガ「もう少し近くに。はい、そこでいいですよ」ギューッ

アイオワ(出た!サラの必殺技!ああやって胸に顔を埋めて落ちなかったガイは居ないわ!)

サラトガ「どうですか?落ち着きましたか?」

934: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/07(金) 23:40:41.29 ID:uSDkNR600

卯月「ぷっぷくぷぅ~(笑) かなり混乱してるぴょん♪」←物陰から観察中

曙「いい様ね」

叢雲「流石にこれは吹雪には見せられないわ。そろそろネタばらしでいいんじゃない?」

曙「ダメよ」

卯月「その通りだぴょん!ネタばらしはもっと楽しんでからだぴょん!」

叢雲「はぁ。アンタたち、本当にいい性格してるわね。まぁいいわ。吹雪には私からまだ続行中だと伝えておくから」


-昨日 提督が鎮守府から脱出後、しばらく経った執務室-

コンコン

卯月「卯月だぴょん」

吹雪「どうぞ」

ガチャ

バタン

卯月「あれ?」キョロキョロ

卯月「司令官は居ないぴょん?(本当は全部知ってるけどねー(笑))」

吹雪「・・・。青葉さんと出て行っちゃった」

卯月「えぇー!何があったぴょん?」←迫真の演技

吹雪「実は・・・」

~説明中~

卯月「そんな!こんな可愛い奥さんが居るのに、他の女といちゃつくとは酷い司令官だぴよん!許せない!(イタズラを仕掛けるには丁度いい口実だぴょん♪)」ニヤッ

吹雪「可愛いだなんて///」

卯月「これは一度懲らしめてやらないといけないぴょん!」

吹雪「どうやって?」

卯月「耳を貸して欲しいぴょん」

吹雪「こう?」

卯月「ごにょごにょごにょ」

吹雪「えぇー!!!」

卯月「司令官を反省させるにはこの手しな無いぴょん!」

吹雪「そう・・・なのかな?」

卯月「そうだぴょん!」

吹雪「うん、そこまで言うなら。分かった」

卯月「後でうーちゃんから、キットたちにも話を通しておくから」

935: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/07(金) 23:42:24.98 ID:uSDkNR600

提督「え?ああ、落ち着いた・・・気がする」

サラトガ「それは良かったです」←卯月の仲間

アイオワ(全くニヤけてすら無い。混乱し過ぎて、それどころじゃないみたね)←同じく

提督「そうだ!サラトガのバイパーはどうしたんだ?」

サラトガ「私のバイパーですか?ちゃんとありますよ」

提督「見せてくれ」

サラトガ「では、あちらに停めてあるので行きましょう」

~移動中~

提督「うん、ちゃんとあるな。では、ディフェンダー・ モードに切り替えてみてくれ」

サラトガ「提督、どうされたのですか?」

アイオワ「アドミラル、ユー アー ソー タイアード」

提督「疲れてなんて無いから!」

サラトガ「私のバイパーはドラマと同じモデルですが、ディフェンダー・ モードへの切り替え機能なんてありませんよ」

提督「そんなバカな!?以前、南氷洋深提と戦った時にディフェンダー・ モードを使っただろ?」

サラトガ「そこまで仰るなら、車内をご覧下さい」ガチャ

提督「・・・。無い。何処にもスイッチが無い!」

アイオワ「当然じゃない」

提督「そうだ!夕張!」ダッ

アイオワ「ドッキリとは言え、少し可哀想ね」

サラトガ「ええ、そうね」

提督「夕張!」

夕張「はい、何ですか?」

提督「夕張のデロリアンはタイムマシンだよな?」

夕張「タイムマシン?何言ってるんですか?」←当然仕掛け人

明石「提督も少し修理した方が良いみたいですね」←右に同じ

夕張「タイムマシンなんて造れる訳無いじゃないですか」

提督「そんな・・・嘘だ!嘘だと言ってくれ!」

明石「あの、提督。冗談抜きで少し休んだ方がいいと思いますよ。さっきから変ですよ」

提督「俺は変なんかじゃない!そうだ!吹雪」ダッ

明石「行っちゃった」

夕張「流石にやり過ぎじゃないかしら」

936: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/07(金) 23:44:02.03 ID:uSDkNR600

-廊下-

提督「吹雪!」

吹雪「どうしたんですか、司令官?」

提督「左手を出してくれ」

吹雪「?」

提督「いいから!」

吹雪「こうですか?」

提督「無い!指輪が無い!」

吹雪「指輪?」

提督「ケッコンカッコカリの指輪だよ!」

吹雪「さっきからどうしたんですか?司令官がケッコンしたのは叢雲ちゃんじゃないですか」←やはり仕掛け人

提督「そんな・・・。うわぁぁぁぁぁ!」ダッ

吹雪「行っちゃった。卯月ちゃん、司令官が可哀想だからそろそろ終わりにしてあげて」

卯月「確かにちょっと可哀想になってきたぴょん」

937: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/07(金) 23:46:48.09 ID:uSDkNR600

-執務室-

提督「そうだ、こんな物(指輪)が有るからいけないんだ。捨てよう」

提督「指輪を捨てるなら火山だよな。一人だと少々心細いので、旅の仲間が欲しいな。弓で無双するエルフとか」

提督「旅の途中で指輪を『わしらの愛しいしと』とか言う奴と遭遇しそうだが、あの程度の相手なら余裕で勝てる。イ級以下だろ」

提督「とりあえず置手紙を残しておこう。俺が居ない間の鎮守府の運営は長門や大淀が居れば何とかなるだろう」カキカキ

コンコン

金剛「金剛デース」

提督「他に何か書き残しておくことはあっただろうか」

金剛「提督?居ないんデスカー?」

ガチャ

金剛「提督?」

提督「えーっと、それから」

金剛「提督」

提督「ん?金剛か。すまん。手紙を書いていて気付かなかった」

金剛「何の手紙デスカ?」

提督「しばらく留守にするから、必要事項を書いていたんだ」

金剛「留守?何処に行くんデスカ?」

提督「どこか遠い火山だ」

金剛「どうしてそんな場所に?」

提督「指輪を捨てに行くんだよ」

卯月「流石にマズイことになってきたぴょん!」←扉の隙間から観察中

曙「そろそろネタばらししないとマズイわ!」

叢雲「行くわよ!」

金剛「提督!バカなことは止めてください!」

提督「すまんな。俺は頭がおかしくなってしまったんだ」カキカキ

卯月「司令官!」

提督「悪いが、今取り込み中だから後にしてくれ」

卯月「今じゃなきゃダメだぴょん!」

938: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/07(金) 23:48:18.80 ID:uSDkNR600

提督「はぁ、分かったよ。で、何だ?」

テッテレー

『ドッキリ大成功!!』

提督「は???」

卯月「ドッキリ大成功だぴょん!」

曙「すっかり騙されたわね!」

叢雲「アンタの顔、傑作だったわ」

提督「え?え?」

金剛「提督、今日起きたことは全てドッキリデース。ブッキー」

吹雪「はい」

スタスタ

吹雪「騙してごめんなさい」ペコリ

提督「え?じゃあ、叢雲とケッコンは」

叢雲「当然、嘘よ」

提督「でも、指輪を持ってただろ」

叢雲「これはショッピングモールで買ったシルバーの指輪よ。本物を使うのは気が引けたから偽物を用意したのよ」

提督「では、キットも」

キット(コムリンク)「申し訳ありません、アドミラル」

卯月「全て仕込んだネタだぴょん!」

提督「良かった・・・。じゃあ、夕張のデロリアンはタイムマシンなんだな?」

卯月「え?」

提督「え?」

卯月「司令官、何言ってるぴょん?」

提督「何って」

卯月「タイムマシンなんて存在する訳無いぴょん。司令官はマンガや映画の観過ぎだぴょん」

提督「夕張ー!」ダッ

ガチャ

バタン

吹雪「司令官、待ってください!」ダッ

金剛「二人ともちょっと待つネー!」ダッ

ガチャ

バタン

卯月「ぷっぷくぷぅ~♪」

叢雲「ネタばらし後に更にドッキリを仕掛けるなんて、アンタ本当にいい性格してるわね」

卯月「それ程でも~」

曙「褒めてないから」

946: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/17(月) 21:54:19.23 ID:N38coZgC0

-執務室-

コンコン

青葉「青葉ですぅ」

提督「どうそ」

ガチャ

バタン

青葉「司令官、見てください!」つチラシ

提督「『第三回 鈴鹿グランプリ 一般参加者大募集!』どうしたんだ、これ?」

青葉「街で配ってました。面白そうじゃないですか?」

吹雪「もしかして」

青葉「はい!キットで参加したらどうかと思いまして」

提督「キットで参加しろと言われてもな」

キット「私はレース用の車両ではありません。とは言え、レースに参加した経験はありますが」フォンフォン

青葉「艦娘の広報にもなりますよ!」

提督「今更、広報活動は必要無いと思うんだが」

青葉「優勝賞金100万ですよ!」

提督「そっちが目当てか」

青葉「そ、そんなこと無いですよ!もし司令官が優勝したら、皆で美味しい物食べられるかな~なんて思ってません!」

吹雪「白状しましたね」

提督「まぁいい、せっかくだから参加してみるか」

吹雪「いいんですか?」

提督「青葉の言う通り、優勝賞金が手に入れば皆に美味しい物を振舞うのもいいと思ってな」

青葉「この鎮守府にはキット以外にも複数台の車が有りますし、皆さんに告知してみてはどうですか?」

提督「開催は一ヵ月後でエントリーの締め切りは二週間後か。そうだな。掲示板に貼っておいてくれ」

青葉「はい!」

提督「参加希望者は俺に連絡するように書いておいてくれ」

青葉「了解です!」

947: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/17(月) 21:58:09.61 ID:N38coZgC0

-数時間後 掲示板前-

ザワザワ

金剛「これは参加するしかないデース!」

比叡「ヒエー」

榛名「流石です!」

霧島「私の計算ではお姉さまなら優勝を狙えるかと」

アイオワ「イッツ インタラスティング!サラも参加してみたら?」

サラトガ「やるからには優勝を狙うわ!」

夕張「へぇー、面白そうね」

明石「せっかくだから夕張も参加したら?」

ウォースパイト「・・・」

ポーラ「私もフェラーリで参加しようかな~、ねぇザラ姉さま~」

ザラ「そうね。貴方が今までお酒につぎ込んだお金を貯めていれば、フェラーリも買えたかも知れないわね!」

ポーラ「うっ・・・」

ザラ「車が欲しいならお酒を止めなさい!」

ポーラ「えー!!!無理です!こうなったら提督に買ってもらいますぅ~」

ザラ「買ってくれる訳が無いでしょ!」

ポーラ「提督の愛人になれば大丈夫ですよぉ~。ポーラの魅力で落としてみせますぅ~」

ザラ「馬鹿なこと言うんじゃありません!」

ポーラ「うぅ、こうなったら、リットリオさぁ~ん、フェラーリを貸してくださぁ~い」

リットリオ「ごめんなさい。車は持ってないです」

ポーラ「そんなぁ~」

ビスマルク「面白そうね。これは私たちの祖国の車をアピールするチャンスよ!」

プリンツ「あれ?でも、ビスマルク姉さま、車なんて持ってましたか?」

ビスマルク「何言ってるのよ?提督に買ってもらうに決まってるじゃない」

プリンツ「え?」

ビスマルク「あの人チョロそうだから、私の魅力で落としてやるわ!」

プリンツ「そ、そうですねー(棒読み)」

プリンツ(残念ながら提督の好みを考えると、ビスマルク姉さまの順位は金剛さん、扶桑さん、大和さんより下ぽいので多分無理だと思います)

948: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/17(月) 22:00:12.57 ID:N38coZgC0

-執務室-

コンコン

ウォースパイト「ウォースパイトです」

提督「どうぞ」

ガチャ

バタン

ウォースパイト「私もレースに参加しようと思います」

提督「参加するのは構わないが、車はどうするんだ?」

ウォースパイト「レースまでには用意するわ」

提督(英国の車。えっと・・・ロール・スロイス、MINI、ジャガー、アストンマーティン、ん?アストンマーティンと言えば諜報部員?まさか!)

提督「一つ聞きたいんだが、どんな車を買うんだ?」

ウォースパイト「It's a big secret. I'm sorry Ican't tell you. A secret makes a woman woman.」

提督「なるほど。つまり、届いてからのお楽しみってことか」

ウォースパイト「ええ、そうよ。では、失礼するわ」

ガチャ

バタン

吹雪「ウォースパイトさんは何て言ってたんですか?秘密がどうとかって言ってたのは分かりましたが」

提督「『秘密よ。秘密。残念だけど教えられないわ。女は秘密を着飾って美しくなるんだから』だそうだ」

キット「何やら意味深な発言でしたね」フォンフォン

提督「ウォースパイトが参加すると聞いてちょっと心配になってきたんだが」

吹雪「どうしてですか?」

提督「サラトガがバイパーに乗ってるだろ?」

吹雪「はい」

提督「米国に対抗?して英国のトンデモ車を出してくるんじゃないかと思ってな」

吹雪「流石に考えすぎですよ」

提督「そうであることを祈るよ」

949: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/17(月) 22:06:22.37 ID:N38coZgC0

コンコン

夕張「夕張です」

提督「どうぞ」

ガチャ

バタン

夕張「提督、私も例のレースに参加しようと思って」

提督「うん、夕張なら来ると思ってた。申請しておくよ」

夕張「それと妖精さんから提督に渡したい物があるそうですよ」

妖精ズ「お待たせしました。頼まれていた刀が完成しましたよ」

提督「今回は随分時間が掛かったな。別に急いでは無かったからいいけど」

妖精ズ「素材の調達に時間が掛かりまして」

提督「刀の素材って玉鋼だっけ?あれってそんなに特殊な素材だったっけ?」

キット「確かに刀の鋳造に必要な玉鋼は一度にわずかな量しか生産できませんが、そこまで特殊な物ではありません」フォンフォン

妖精ズ「この刀はアダマンチウムとオリハルコンとガマニオンと銀星砂から造られています」

提督「え?ちょっと待って。それって全部空想上の素材なんじゃ」

妖精ズ「地球上には存在しませんが、宇宙には存在します」

提督「マジかよ、知らなかった」

妖精ズ「それと、特殊な機能を付加するのに少々時間が掛かりました」

提督「特殊な機能?」

妖精ズ「霊的なものを斬る機能を付加しておきました」

提督「何でそんなの付けたの!?」

妖精ズ「以前、深海棲艦の怨霊と戦ったと聞きましたし、それに」

提督「それに?」

妖精ズ「お盆には色々と帰ってこられますからね。ウケケケケ」

吹雪(今日の妖精さんたちはどうしたんでしょうか?)ヒソヒソ

提督(分からない。ストレスでも溜まってるんだろうか?)ヒソヒソ

提督「とりあえずありがとう。これお礼だから」つお菓子詰め合わせ

妖精ズ「ありがたき幸せ」

夕張「では、失礼します」

ガチャ

バタン

吹雪「霊的なものが斬れるって本当なんでしょうか?」

提督「どうなんだろうな?試そうにも試せないし、真偽は分からないな」

吹雪「でも、前みたいに悪霊に襲われても雲龍さんが居れば解決しそうですけどね」

提督「雲龍も常に側に居る訳では無いからな。幽霊やオバケは触れないから怖いのであって、倒せるなら大したこと無いかもな」

吹雪「そうかも知れませんね」

950: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/17(月) 22:08:04.26 ID:N38coZgC0

コンコン

ビスマルク「ビスマルクよ」

提督「どうぞ」

ガチャ

バタン

ビスマルク「提督、もーっと私に頼っていいのよ」

提督「急にどうしたんだ?」

ビスマルク「だ・か・ら、私に頼っていいのよ!」

吹雪「何かの暗号でしょうか?」

提督「何だかよく分からんが、頼りにしてるぞ」

ビスマルク「いえ、だから、そうじゃなくて」

提督「???」

ビスマルク「提督のバカー、ロリコン野郎ー(泣)」ダッ

ガチャ

バタン

提督「行ってしまった」

キット「何だったのでしょう?」フォンフォン


-執務室前-

プリンツ(ビスマルク姉さま、あれでは伝わらなくて当然です)

951: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/17(月) 22:10:06.47 ID:N38coZgC0

コンコン

ポーラ「ポーラです~」

提督「どうぞ」

ガチャ

バタン

ポーラ「提督、ポーラとしたいこととかありませんかぁ~」

提督「ポーラとしたいこと?特に無いが」

ポーラ「そんなこと無いですよねぇ~」

提督「いや、本当に無いんだが」

ポーラ「もぉ~提督は恥ずかしがり屋さんですねぇ~」

ガシッ

グイッ

提督「おいおい、手首を掴んで引っ張らないでくれ」

ポーラ「提督ぅ~、ポーラの胸を好きなだけ触っていいんですよぉ~、ポーラが提督の愛人になってあげますぅ~」

提督「コラ!止めろ!引っ張るんじゃない!」

吹雪「司令官」ジトー

提督「いや、待て、誤解だ!自分の意思でやってるんじゃ無いだろ!文句ならポーラに言ってくれ!」グイッ

ポーラ「もぉ~、恥ずかしがらずに、お好きなだけどうぞ」グイッ

提督「だから止めろって!お前、いつものことながら酔ってるだろ?」グイッ

ポーラ「今日はまだ飲んでませんよぉ~」グイッ

提督「結局飲む気だろ!先日、リベッチオと和解したからもう酒に逃げる必要は無くなっただろ?」グイッ

ポーラ「それは無理ですぅ~。ポーラはもうお酒が無いと生きられない体になってしまっていますぅ~」グイッ

提督「酒を断つ練習をしてみろ。ポーラはやれば出来る子だ!」グイッ

ポーラ「なら、お酒の代わりに提督が毎晩慰めてくれてもいいんですよぉ~」グイッ

吹雪「ポーラさん」イラッ

ポーラ「は~い、何ですかぁ~」

ガチャ

提督「丁度いい所に!ザラ、助けてくれ!」

スタスタ

ゴツン!

ポーラ「」ピヨピヨ

ザラ「提督、ポーラがご迷惑をお掛けして申し訳ありません。後ほど、私からよーーーく言い聞かせておきます」

提督「お、おう。頼む(汗)」

ザラ「失礼します」

ズルズル

バタン

吹雪「司令官」ジトー

提督「だから誤解だって!さっきから一体何なんだよ」

952: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/17(月) 22:11:09.53 ID:N38coZgC0

コンコン

提督「また誰か来たな。今度は金剛か?」

吹雪「流れから考えると金剛さんでしょうね」ムスッ

日向「日向だ」

提・吹(日向(さん)?)

提督「どうぞ」

ガチャ

バタン

日向「私もレースに参加しようと思うんだが」

提督「えっと、一応確認なんだが、乗り物は車・・・だよな?」

日向「瑞雲だ」

提督「うん、そう言うと思った」

吹雪「ですよね」

キット「そうだと思いました」フォンフォン

提督「残念ながら飛行機では参加できないんだ」

日向「何を言うんだ!瑞雲は飛行機ではない!瑞雲は瑞雲だ!」

提督「いや、エンジンが付いていれば何でもいいって訳では無いんだよ。飛んだらレースにならないし」

日向「そんな!地上を走らないといけないのか!?」

提督「ああ、そうだ。瑞雲にフロートは有るが、タイヤは付いて無いだろ?」

日向「なるほど、そうだったのか。ならば仕方ない。当日は君の応援に専念するとしよう」

提督「悪いな」

日向「仕方ないことだ。では、私は失礼するよ」

ガチャ

バタン

吹雪「納得してもらえたようで良かったですね」

提督「瑞雲にタイヤを付けて参加すると言い出したらどうしようかと思ったぞ」

953: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/17(月) 22:14:57.96 ID:N38coZgC0

コンコン

金剛「金剛デース」

提督「来たか。どうぞ」

ガチャ

バタン

提督「レースの参加申し込みだろ?」

金剛「その通りデース!」

提督「では、申請しておくよ」

金剛「提督も参加するんですよネ?」

提督「ああ」

金剛「他は誰が参加するんデスカ?」

提督「夕張とウォースパイトだ」

金剛「ウォースパイト?夕張は分かりますが、ウォースパイトもデスカ?」

提督「そうなんだよ」

金剛「意外デース。彼女は何に乗るんデスカ?」

提督「秘密ってことで教えてくれなかったよ」

金剛「そうデスカ。当日はライバル同士ですね。提督と言えども手加減はしませんヨ」

提督「望むところだ」

金剛「では、失礼しマース」

ガチャ

バタン

提督「これで全員出そろったか」

吹雪「今、車を所有している人は全員来ましたね」


-廊下-

新提「おーい、金剛」

金剛「ん?」クルッ

金剛「何だ、新提デスカ」

新提「つれないな」

金剛「で、何の用デスカ?」

新提「金剛もレースに参加するんだろ?せっかくだから良いことを教えてやろうと思ってな」

金剛「しませんヨ」

新提「へ?」

金剛「イングリッシュジョーク、デース」

954: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/17(月) 22:18:31.57 ID:N38coZgC0

-レース当日 鈴鹿サーキット-

提督「ウォースパイトはまだ来て無いのか?」キョロキョロ

吹雪「姿が見えませんね」キョロキョロ

キキーッ

提督「ん?」クルッ

ガチャ

ウォースパイト「Admiral」

提督「」ポカーン

ウォースパイト「コレが私の車、アストンマーティン DB5です。素敵な車でしょ?」

吹雪「これってもしかして」

ウォースパイト「私の祖国の諜報部員が乗ったことで有名な車よ」

吹雪「やっぱりそうですよね!この間、司令官と観た映画に出てました!」

ウォースパイト「今日はお互いライバル同士、手加減はしないわ!」

提督「ああ!お互い全力で戦おう!」

金剛「提督、そろそろ始まるみたいデスヨー」

提督「おう!直ぐ行く。ウォースパイトもそろそろ配置に付こうか」

ウォースパイト「はい」

パン

パン

司会「いよいよ始まります、第三回 鈴鹿グランプリ!今年の参加者の顔ぶれを見ていきましょう」

司会「まずは、昨年、一昨年の覇者!瀬名選手!」

ワー

キャー

ガンバレー

瀬名「神を見た」

ウオー

司会「続きまして中島選手!今年こそは優勝でしょうか?」

中島「今年こそは瀬名選手に勝ちますよ!」

司会「優勝を目指して頑張ってください!」

司会「続きまして、佐藤選手、鈴木選手、高橋選手(以下略)」

司会「そして、今年は海軍から提督さんと艦娘の方々も参加されます!」

ウオー

ナカチャーン

955: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/17(月) 22:20:30.75 ID:N38coZgC0

-観客席-

長門「盛り上がっているな」

青葉「優勝賞金100万ですからね。それに、あの瀬名選手が出るとなると当然盛り上がりますよ」

長門「そんなに有名なレーサーなのか?」

青葉「それはもう凄いですよ」

川内「100万あれば何回夜戦できるんだろ?」

長門「一夜戦1万としたら、百夜戦か?」

川内「そんなに!」キラキラ

青葉(お二人の会話は訳が分かりません)

神通「夜戦の話で盛り上がってないで提督たちを応援してください、姉さん」

那珂「提督、那珂ちゃんも応援してるよー!きゃはっ☆」

江風「提督ー、優勝したら豪華ディナー期待してるぜ!」

956: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/17(月) 22:22:26.52 ID:N38coZgC0

司会「各車スタートラインに並びました。では、ここで簡単にルールを説明します」

ウオー

ナカチャーン

司会「まずはサーキットを一周、その後市内に設けられたコースを走り、最後は再びサーキットに帰って来て一周するとゴールになります」

司会「おっと、ここで定刻となりました!」

ピッ

ピッ

ピッ

プーン!

ブーーーーーーーーン

司会「各車一斉にスタートしました!トップはやはりと言うべきでしょうか?瀬名選手です!」

提督「流石、瀬名選手だ」

吹雪「知ってるんですか?」

提督「ああ、有名なF1ドライバーだ」

キット「国内外のあらゆる大会で優勝している有名な方です」

吹雪「そんな凄い人が出てる大会で一般参加者募集って」

提督「マシンの性能を考えると、うちの鎮守府のメンバーの方が圧倒的だ」

吹雪「あー、確かに。ドラマや映画の車を丸ごと再現している方がおかしいですよね」

提督「その通りだ。テクニックでは負けても、性能は勝ってるからな」

吹雪「そう考えると、私たちよく出してもらえましたね」

提督「マシンの性能に関する制限は一切無かったから問題無いさ」

瀬名(あのドライバー、出来る!)

中島(瀬名さん意外にも今年はライバルが多そうだ)

???「ふっふっふっ。今からこのドラム缶に入った油をコースに撒いてやる。提督よ、これでお前はお終いだ」

ドバーッ

司会「おーっと!何故かコースに油が撒かれています!この様な障害は聞いていません!」

瀬名「うわー!」

中島「うおー!」

司会「先頭の瀬名選手、中島選手がスピンしました!」

提督「おいおい、コースに油ってどうなってるんだよ!」

吹雪「このレースって障害物競走だったんですか?」

提督「そんな話聞いて無いぞ!」

キット「ターボブーストで回避しましょう」

司会「この様な展開を誰が想像できたでしょう?しかし、大会規定に妨害を禁止するとの項目は無いため、続行します!」

提督「いやいや、おかしいだろ!」

吹雪「早くターボブーストを使わないと私たちもスピンしてコースアウトですよ!」

提・金「ターボブーストだ!(デース!)」

『TURBO BOOST』ピッ

ブーン

957: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/17(月) 22:23:54.01 ID:N38coZgC0

提督「まったく、何だったんだよ」

夕張「じゃあ、私は飛んで回避ね」

明石「空を飛べるって便利だよねー」

司会「おーっと、提督選手、金剛選手はジャンプして回避、夕張選手は飛行して回避しました!」

アイオワ「サラ!何とかしないと!」

サラトガ「No problem. バイパーにはトラクターミサイルがあるわ」

アイオワ「なるほど!地面にアンカーを打ち込んでワイヤーを巻き上げることでスピンを回避するのね!」

サラトガ「Yes! Tractor Missile,Fire!」

司会「何と!サラトガ選手は地面にワイヤー付きアンカーを打ち込むことによりスピンを回避しました!」

ウォースパイト「ここはトラクションスパイクで」

司会「ウォースパイト選手はタイヤからスパイクが出てきました!そして後続の佐藤選手、鈴木選手、高橋選手は当然スピンしたー!!!」

提督「スパイク!?何でDB5にそんな物が付いてるんだよ!」

キット「恐らく、私の機能を一部コピーしたのではないかと」

提督「なるほど、そう考えるのが妥当か。アレも元々普通の車だったはず。妖精さんに頼んでボ○ドカー仕様+αに改造したか」

司会「ここで瀬名選手、中島選手が復活です!コースに戻り、走り始めました!」

瀬名「今年のレースはどうなっているんだ?」

司会「先頭集団はサーキットから市街地コースへと出始めました!」

???「チッ!だが、先ほどのオイル地獄はまだ始まりに過ぎない。レースが終了するまでにはお前をあの世に送ってやるさ」

958: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/17(月) 22:25:51.87 ID:N38coZgC0

司会「何と言うことでしょう!今度はコース上にまきびしが撒かれています!こんな物を踏んだら一発でパンクしてしまいます!」

提督「さっきから何なんだよ!チ○チ○マシン猛レースかよ!」

吹雪「マッ○GoGoGoかも知れませんよ」

提督「うん、まぁ、どちらにしても俺が生まれる前だし、親の世代だけどな」

キット「まきびし程度では私にとっては何の障害にもなりません」

吹雪「キットのタイヤって凄く頑丈だよね」

ウォースパイト「またコース上に障害物ですか」

パン!

司会「おっと!ここでウォースパイト選手のDB5がまきびしを踏んでパンクしてしまいました!ここでリタイアか?」

提督「何か嫌な予感がする」

司会「何と!パンクしたタイヤが自動的に修復されました!」

提督「うん、それってBMW 750iLだよね。トゥモロー・ネバー・ダァァァァァーイ!」

吹雪「司令官、落ち着いてください!」

キット「恐らく、ウォースパイトさんの車両はこれまでに登場したボ○ドカーの機能を寄せ集めたのでしょう」

吹雪「妨害しちゃいけないって規定が無いのなら、コースにバナナの皮でも落としちゃいますか?」

提督「ヒゲのイタリア人が出てくるレースゲームじゃないんだから止めてくれ(汗)」

キット「その通りです。やるのであれば赤甲羅でないと」

提・吹「へ?」

キット「ほんのジョークです」

吹雪「そっか・・・そうだよね!あはは」

提督(キットってたまによく分からんことを言うよな)

968: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/23(日) 22:15:40.39 ID:+jgw7IyX0
-鎮守府 大ホール-

テレビ「何と言うことでしょう!今度はコース上にまきびしが撒かれています!こんな物を踏んだら一発でパンクしてしまいます!」

ワー

キャー

加賀「さっきから様子が変ね」

赤城「そうですね。コース上に油やまきびしなんて」

グラーフ「どうもきな臭いな」

龍驤「何やけったいな大会やなー」

夕立「何だか変わったレースね」

時雨「あれは変わってると言うより、変だよ」

海風「江風が川内さんたちにご迷惑をかけてないか、お姉さん心配です」

阿賀野「提督さん、頑張れ~♡」

酒匂「ぴゃー♡」

矢矧「さっきから様子が変だけど、本当に運営本部が用意したトラップなのかしら?」

能代「運営本部があんなトラップを用意したりするかしら?何だか変ね」

ポーラ「本来ならポーラもあそこに居たはずなのにぃ~」

ザラ「ポーラ」

ポーラ「ひっ!?ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」

ビスマルク「提督がロリコンじゃなかったら、私もベンツで参加してたのに」

プリンツ(ロリコン云々以前に、アレで伝わったら奇跡です)

比叡「ヒエー!」

榛名「あのトラップを掻い潜って走り続ける提督が素敵です!お姉さまも頑張ってください!」

霧島(これは大会運営委員が準備したものではなく、何者かによる妨害では?)


-観客席-

江風「何だか知らねーけど、凄い大会だな!」

神通「流石にこれはおかしいのでは?」

那珂「こんな激しい大会に出場するなんて、提督たちも大変だね~。まるで、リアル・マ○オカートだよ」

969: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/23(日) 22:17:44.35 ID:+jgw7IyX0

アイオワ「大変!今度は前方にカルトロップが!」

サラトガ「今度はTunneler Missileで!」

ドカーン!

アイオワ「綺麗に吹き飛んだわね。これで穴が開いたら別の問題が発生したけど、ノープロブレムね」

メキ

夕張「次から次へと色々仕掛けてるわね」

明石「私たちは平気だけど、普通の車に乗ってる人たちは大変よね~」

瀬名「ミサイルで吹き飛ばすとは、無茶なことをするな。おかげでパンクせずに済んだが」

中島「バイパーに乗っている選手のおかげで助かった」

メキ

司会「何と言うことでしょう!サラトガ選手の発射したミサイルによりまきびしは跡形もなく吹き飛びました!後続の夕張選手、瀬名選手、中島選手が無事通過したー!」

ドーーーーン!

司会「大変です!地面に穴が開きました!中島選手の後ろに居た鈴木選手がまきびしを吹き飛ばした場所に出来た穴に落ちた!後続の選手が次々と穴にはまっています!」

提督「穴が開いたって・・・この場合、誰の責任になるんだ?うちの艦娘のせいで穴が開いた訳だから(汗)」

吹雪「この場合、やはり司令官でしょうか?(汗)」

キット「他の選手への妨害を禁止しなかったのは大会運営委員会です、なので大会運営委員会の責任でしょう」

提督「・・・。そうだな!うん、そうに違いない!」

吹雪「そうですね!」

瀬名「この先は道が細くなる。仕掛けるなら今だ!」

中島「どうやら瀬名さんも仕掛けるつもりみたいだな」

司会「ここで瀬名選手、中島選手が一気に加速してトップに躍り出た!」

提督「一気に追い越されたな」

ウォースパイト「流石はProfessional、ですが負けません!」

夕張「やっぱプロは一味違うわねー」

金剛「オラオラ、どけどけデース!」プーッ


-観客席-

那珂「あれ?川内ちゃんは?」キョロキョロ

神通「そういえば居ませんね。何処へ行ってしまったのでしょう?」キョロキョロ

江風「おーい、川内さーん」キョロキョロ

川内「ただいま。ちょっと小腹が空いたから、ホットドッグ買ってきたよ」

那珂「ありがとー」

970: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/23(日) 22:20:13.51 ID:+jgw7IyX0

???「次はこのトラップを発動だ」ポチッ

ゴロゴロ

瀬名「うわーっ!」キキーッ

中島「い、岩が!」キキーッ

キット「大変です!崖の上から巨大な岩が転がってきます」

提督「今度は岩かよ!レーザーで破壊できそうか?」

キット「あの大きさだと私だけでは不可能です」

提督「ならば金剛にも強力を依頼しよう。金剛に繋いでくれ」

キット「はい」

提督「金剛聞こえるか?」

金剛「ハイ。どうしましたカ?」

提督「崖の上から巨大な岩が転がって来ているのが見えるか?」

金剛「ロック?」キョロキョロ

金剛「ワーオ!大変デース!」

提督「キットと一緒にレーザーを照射して粉砕して欲しい」

金剛「了解デース!」

【LASER】ピッ

ビーッ

バーン!

パラパラ

提督「よし!」

吹雪「やりましたね!」

金剛「成功デース!」


-観客席-

川内(長門さん)ヒソヒソ

長門(どうした?)ヒソヒソ

川内(さっきから様子がおかしいから、食べ物を買いに行くついでに探りを入れたんだけど)ヒソヒソ

長門(うむ)ヒソヒソ

川内(深海棲艦がレースを妨害しているみたい)ヒソヒソ

長門「何だと!」

川内(声が大きいよ!)ヒソヒソ

長門(スマン!)ヒソヒソ

青葉(何かあった様ですねぇ)

那珂「長門さん、どうしたの?」

長門「何でもない、気にしないでくれ」

那珂「?」

川内「ちょっと花積んでくる」

長門「私もちょっと行ってくる」

青葉「青葉も喉が渇いてきたので飲み物を買ってきます」

神通「いってらっしゃい」

那珂「青葉さーん、那珂ちゃんの分もお願い」

青葉「はーい」

971: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/23(日) 22:22:05.09 ID:+jgw7IyX0

司会「ここでウォースパイト選手が一気に加速してトップに躍り出た!」

ウォースパイト「直接攻撃するのは気が引けますが、smoke screenで妨害くらいなら大丈夫でしょう」

シューッ

モクモク

司会「今度は煙幕で前が見えません!」

提督「煙幕程度、何の障害にもならんさ」

キット「その通りです」

吹雪「でも、後ろの人たちは大変でしょうね」

司会「真っ白です!何も見えません!各車どの様な行動に出るのか!」

瀬名「この程度で妨害できると思っ」キキーッ

中島「うわっ!」

瀬名「危うく中島選手に追突するところだった!煙幕が晴れるまで下手に動くのは危険だ」

夕張「やっぱり飛べるって便利よねー」

明石「キットにはこの程度、何の影響も無いだろうけど、他の人たちは大変ね」

972: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/23(日) 22:23:41.20 ID:+jgw7IyX0

川内「あそこ!」ユビサシ

長門「あれはレ級!」

青葉(念のため記録しておきましょう)●REC

長門「先ほどからレースを妨害しているのは貴様か?」

レ級「あぁ?何だテメー」

長門「フッ。名乗るほどの者では無いさ」

川内「長門さん、ここはちゃんと名乗ったほうが良いと思うよ」

レ級「長門?まさか」

長門「ああ、そうだ。ビッグセブンの一人、戦艦長門だ!」

レ級「ここで会ったが百年目だ。提督の前にまずはテメーを血祭りにあげてやるよ!」

長門「その言葉、そっくりそのままお前に返そう」

レ級「おいおい、艤装も着けずにこのレ級様と戦う気か?嘗められたもんだ」

長門「ビッグセブンの力、侮るなよ!」

長門「ビッグセブン・タックル!」

レ級「ぐふっ」

長門「ビッグセブン・ニーキック!」

レ級「ぐはっ」

長門「ビッグセブン・ラリアット!」

レ級「ぐえっ」

川内(NAGATO-1 TITUSだ)

青葉(NAGATO-1 TITUSですね)

長門「トドメだ!ビッグセブン・パンチ!」

バコーーーーン!

レ級「ぐわー」

ピューン

キラーン

川内「アイツ、また星になったね」

長門「また?」

川内「前回、鎮守府を襲撃した時は、キットに撥ねられて星になったから」

長門「そんなことがあったのか。とりあえずレースを妨害する輩の始末は済んだし、提督に連絡しておくか」

ピッ

プルルルル

973: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/23(日) 22:25:29.24 ID:+jgw7IyX0

キット「長門さんから着信です」

提督「長門から?繋いでくれ」

長門「もしもし、提督?長門だ」

提督「こちら提督。どうぞ」

長門「レースを妨害していたレ級を発見した。どうぞ」

提督「レ級!?どうぞ」

長門「ああ、レ級だ。先日、鎮守府を襲撃した奴と同じ個体らしい。奴がレースを妨害していたのでぶっ飛ばしておいた。もう妨害は発生しないはずだ」←段々面倒になってきた

提督「よくやってくれた!後で礼をしないとな」

長門「それなら頼みたいことがある」

提督「何だ?言ってくれ」

長門「後で直接伝えたい」

提督「分かった。では、後で聞こう」

長門「では、レースを頑張ってくれ」

提督「おう!じゃあな」

吹雪「先日のレ級って確か、司令官が鳳翔さんの弓で射抜いた後、キットが撥ねたんですよね?」

キット「はい。まだ生きていたとは驚きです」

提督「深海棲艦の生命力は目を見張るものがあるな。奴が特別な個体である可能性もあるが」

吹雪「そうですね。そこまでのダメージを受けて生きていた深海棲艦は見たことがありません」

キット「執念でしょうか?あのクラスの深海棲艦が人間にボロボロにされることはまず無いでしょうから、復讐の機会を狙っていると考えられます」

提督「それは否定できないな」

974: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/23(日) 22:29:34.21 ID:+jgw7IyX0

-サーキット入り口-

司会「おーっと!ウォースパイト選手を追い抜いて提督選手が一位でサーキットに帰ってきました!このまま提督選手が逃げ切るのかーっ!」

提督「よし!残りはサーキット一周で現在、一位だ!」

吹雪「このまま行けば優勝ですね!」

キット「ですが油断大敵です。後ろにはウォースパイトさん、サラトガさん、金剛さんと続いています」

提督「そうだな。一気に逃げ切るぞ!」


-観客席-

青葉「飲み物買ってきましたー」

那珂「随分遅かったね」

青葉「ええ、売店がかなり混んでましたから」

神通「本当は深海棲艦と戦ったりしてたのでは?」ニコッ

青葉「嫌だなー、そんな訳無いじゃないですかー(神通=サン、怖い)」

神通「冗談ですよ」

長門(まさかとは思うが、ばれているのか?)

975: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/23(日) 22:31:34.23 ID:+jgw7IyX0

金剛「私の前には提督、ウォースパイト、サラトガの三名、ここから逆転するにはアレしか無いデース!」

~回想中~

新提「おーい、金剛」

金剛「ん?」クルッ

金剛「何だ、新提デスカ」

新提「つれないな」

金剛「で、何の用デスカ?」

新提「金剛もレースに参加するんだろ?せっかくだから良いことを教えてやろうと思ってな」

金剛「しませんヨ」

新提「へ?」

金剛「イングリッシュジョーク、デース」

新提「なんだ冗談か」

金剛「で、イイコトって何デスカ?」

新提「お前さんのナイト2000は元々私が造らせたものだ」

金剛「知ってマース」

新提「実はオリジナルには無い機能を搭載していてな」

金剛「フムフム」

新提「スーパーモードをも越える大改造を施してある」

金剛「だ、大改造?」ゴクッ

新提「黒ずくめの男たちが出てくる宇宙人SF映画は知っているか?」

金剛「ハイ」

新提「お前さんのナイト2000は、あの映画に登場したフォード LTD クラウン ビクトリアの様な変形をする」

金剛「!!! では、ロケットエンジンがニ期出てきて物凄い加速をするんデスネ?」

新提「ああ。ただし、一気に燃料を消費するから、使いどころには気を付けろよ」

金剛「モチロン、デース!ゴール直前で止まっては元も子もありマセンからね」

976: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/23(日) 22:34:14.10 ID:+jgw7IyX0

キット「サラトガさんのバイパーが電空パルスを展開しました」

提督「厄介な物を!だが、俺たちの真後ろにウォースパイトがくっ付いている、ウォースパイトを脱落させて二位を狙う気なら問題ない」

アイオワ「さぁ、やるわよ!」

ウォースパイト「電空パルスで妨害する気ですか。それなら」

アイオワ「消えたわ!」

サラトガ「Attack!ってウォースパイトは何処に?」

金剛「今デース!」ポチッ

ガシャッ

ガシャッ

キュィィィーン

提督「ちょっと待て!光学迷彩を積んでるのはヴァンキッシュだろ!」

吹雪「ウォースパイトさんが避けたせいでこっちに飛んできますよ!」

提督「避けられない!だが、今のキットなら」

ビリッ

提督「キット、大丈夫か?」

シーン

提督「キット?キットさん?」

シーン

提督「クソッ!キットが機能停止したか!」

吹雪「大変!」

提督「だが、車体はそのまま機能はナイト3000化したんだ、キットがシャットダウンしたとしても走行は可能だ!」

吹雪「あの・・・速度が落ちてませんか?」

ウォースパイト「お先です」ビューン

977: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/23(日) 22:36:14.74 ID:+jgw7IyX0

提督「何でそこはナイト2000のままなんだよ!」

ピタッ

吹雪「完全に停止してしまいました」

プシュー

吹雪「タイヤの空気まで抜けましたよ!」

提督「これは正にナイト2000七不思議の一つ。キットをシャットダウンするとタイヤの空気が抜ける現象だ」

吹雪「そんなのあるんですか?」

提督「ああ、そしてキットが再起動すると一瞬で空気が入って元通りになる」

吹雪「不思議ですね~。あ、金剛さんが凄い勢いで通過しましたよ」

提督「うん、したな。でも、俺たちはキットが再起動するまでどうにもならない」

司会「ゴーーーーーーーーーーーーール!ウォースパイト選手のDB5が一位でゴールしました!」

ビューン

ビューン

司会「続きまして金剛選手、サラトガ選手がゴール!」

提督「動け、キット!動いてくれ!」

ビューン

ビューン

ビューン

司会「瀬名選手、中島選手、夕張選手もゴール!残りは提督選手のみ!このままタイムアウトで棄権してしまうのか!?」

~数分後~

司会「えー、残念ながら提督選手のレース復帰は難しそうなので、リタイアとさせていただきます」

978: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/23(日) 22:37:51.35 ID:+jgw7IyX0

司会「優勝されたウォースパイト選手にはトロフィーと賞金100万円が贈られます。今のお気持ちをどうぞ!」

ワー

パチパチ

ウォースパイト「この私がNumber One? 違うわ。全ては皆さんの健闘が成しえたこと。そうよね? Admiral」

提督「そうっすね」←ヤケクソ

司会「準優勝の金剛選手には賞金50万円が贈られます」

金剛「私の活躍見てくれたの?もっと頑張るから目を離しちゃノー!なんだからネ!」

司会「第三位のサラトガ選手には賞金25万円が贈られます」

サラトガ「Oh my god! サラの戦果がそんなに?提督のおかげですね。帰ったら乾杯しましょう!」

司会「以上、結果発表でした。また来年お会いしましょう!」

瀬名「今年のレースは無茶苦茶だ・・・」

中島「また来年頑張りましょう・・・」

キット「まったく、大変な目に合いました」フォンフォン

吹雪「大丈夫?」

キット「はい。システムチェックを行いましたが、何処も問題ありません」フォンフォン

提督「帰ったら念のため、念入りにチェックしてもらおう」

979: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/23(日) 22:40:18.95 ID:+jgw7IyX0

-夜 鎮守府 大ホール-

提督「えー、レースで優勝したウォースパイト及び、二位、三位の金剛、サラトガの好意により本日は豪華ディナーが振舞われます。皆さん、彼女達に盛大な拍手を」

ワー

パチパチ

ウォースパイト「では皆さん、心行くまで食事をお楽しみください!」

ワー

パチパチ

赤・加「ウォースパイトさん」

ウォースパイト「はい」

赤城「私たち」

加賀「一航戦は」

赤・加「貴女に忠誠を誓い、何処までも着いて行きます!」

提督「あの」

加賀「あなた、まだ居たの?」

提督「」

加賀「あなたはもう私たちの提督では無いわ」

提督「」orz

吹雪「加賀さん、酷過ぎます!」

加賀「冗談よ」

赤城「私たちは何があっても、あなた以外を提督と認める気はありませんので、安心してください」

提督「加賀が言うと冗談に聞こえないんだけど・・・」

加賀「そんなに私のことが信用できないかしら?」

提督「いえ、そんなことはありません」

ナンデ シチメンチョウガ アルノヨー!

ズイカク オチツイテ!

加賀「まったく、これだから五航戦は」ヤレヤレ

江風「提督が優勝出来なかったのは残念だけどよー、美味いもン食えるなら何でもいいよなー」

海風「後でちゃんとウォースパイトさんにお礼を言わないとダメよ」

山風「美味しい・・・」モグモグ

980: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/07/23(日) 22:41:40.83 ID:+jgw7IyX0
青葉が録画した映像により、レ級によるレース妨害が証明されたおかげで提督たちが罪に問われることは無かった(ミサイルによる地面の陥没もレ級のせいに)が、
マシンのスペックがデタラメ過ぎたため、翌年以降の大会は出禁にされたそうな。めでたしめでたし。

本日はここまで。