5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 16:45:12.32 ID:cuhOvP2L0
まどか「……え?」

仁美「そうですわねえ、私も昨日また見ちゃいましたわ」

さやか「仁美だってモテるくせにぃ」

仁美「わ、私は……」

まどか「女の子にモテるって……え?」

さやか「あちゃー、混乱しちゃってるよまどか」

まどか「だ、だってだって!」

仁美「純粋ですものねえ、まどかさん」

まどか「男の子じゃなくって女の子にモテるの?え?だってほむらちゃんも女の子で……」

さやか「まどか、知らないの?まあ知らなくてもいいけど……」

仁美「そうですわねえ……そういう世界もあるということですわ」

引用元: さやか「転校生って意外とモテるよねえ、女の子に」 



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 16:48:30.02 ID:cuhOvP2L0
まどか「そういう世界って?」

さやか「女の子が女の子を――恋愛対象として見る世界、かな」

仁美「まあごく希ですし、それを好む殿方もいるそうですけど……」

さやか「普通はありえないしさ、転校生に告りにいってる子たちだって半ば遊び半分なんだろうなって」

仁美「暁美さんのような方の隣を歩けたらそれだけで自慢になりますものね」

さやか「あたしはあんたの隣を歩けるだけで自慢だぞー!」

仁美「も、もうさやかさんったら……」

まどか「(女の子が、女の子を恋愛対象として見る……)」ボーッ

さやか「うわあ、まどかがパンクしそう!」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 16:52:05.64 ID:cuhOvP2L0

まどか「……」マドマド、

まどか「(好きになる人が男の人以外の人もいるんだなあ、女の子が、女の子を……?)」

まどか「(そんなことって、ありえるのかなあ……)」

キャアキャア

まどか「……!」

女子生徒1「もう本当にバカなんだからあ」

女子生徒2「あんたに言われたくないってば」ギュウッ

女子生徒1「きゃあ、もう抱きつかないでよお!……恥ずかしいでしょ」

女子生徒2「……、この照れ屋さんめーっ」

キャイキャイ

まどか「……」

まどか「……」ハッ

まどか「(わ、私何見て……)」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 16:54:49.68 ID:cuhOvP2L0
女子生徒1「ばかあ……ほら、見られてるでしょ!」

まどか「あ……」

女子生徒2「見せ付けちゃえばいいのにー」

女子生徒1「バカ!」

女子生徒2「ちぇーっ」

女子生徒1「……帰るよもう」

キュッ

女子生徒2「……はいはい」

トトト...

まどか「(こ、恋人繋ぎ!?)」カアァッ

まどか「(お、女の子同士でそんな……!)」マドマド

「――まどか?」

17: ミス 2011/05/14(土) 16:55:58.67 ID:cuhOvP2L0
女子生徒1「ばかあ……ほら、見られてるでしょ!」

まどか「あ……」

女子生徒2「見せ付けちゃえばいいのにー」

女子生徒1「バカ!」

女子生徒2「ちぇーっ」

女子生徒1「……帰るよもう」

キュッ

女子生徒2「……はいはい」

トトト...

まどか「(こ、恋人繋ぎ!?)」カアァッ

まどか「(お、女の子同士でそんな……!)」マドマドアワアワ

「――まどか?」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 17:00:25.14 ID:cuhOvP2L0
まどか「へっ!?」

ほむら「……」

まどか「あ、ほ、ほむらちゃ……」

ほむら「……どうしたの?顔真っ赤」

まどか「こ、これはその、えっと……!」

『転校生って意外とモテるよねえ、女の子に』
 『女の子が女の子を――恋愛対象として見る世界、かな』

まどか「(わ、私何思い出して……!これじゃあ変に意識しちゃうよ……!)」

ほむら「……」チラッ

...キャイキャイ

まどか「あの……ほ、ほむらちゃんこそどうしたの!」

ほむら「え?」ホムッ

まどか「今日は帰るの、遅いんだなって!」

ほむら「……」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 17:05:59.48 ID:cuhOvP2L0
ほむら「えぇ……、少し先生とお話していたから」

まどか「あ……そうなんだ」

まどか「(今一瞬、ほむらちゃん……)」

ほむら「あなたこそ、今日は少し遅いんじゃないの?」

まどか「えっ、そうかな……ずっとぼーっとしていたっていうか……」

まどか「(変なことばっかり考えてて……)」

ほむら「やっぱり……」

スッ...

ほむら「熱でも、あるんじゃないの?」

ピタッ

まどか「!」ドキッ

22: ミス 2011/05/14(土) 17:07:05.28 ID:cuhOvP2L0
ほむら「えぇ……、少し先生とお話していたから」

まどか「あ……そうなんだ」

まどか「(今一瞬、ほむらちゃん……)」

ほむら「あなたこそ、今日は少し遅いんじゃないの?」

まどか「えっ、そうかな……ずっとぼーっとしていたっていうか……」

まどか「(変なことばっかり考えてて……)」

ほむら「やっぱり……」

スッ...

ほむら「熱でも、あるんじゃない?」

ピタッ

まどか「!」ドキッ

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 17:12:03.85 ID:cuhOvP2L0
バシッ

まどか「……っ」

ほむら「……」ホム、

まどか「あ、ごめ……」

ほむら「……熱は、ないみたい」

まどか「う、うん……」

まどか「(どうして私、今あんなこと――今までほむらちゃんに触られらって平気だったのに)」

まどか「(さやかちゃんや仁美ちゃんが……変なこと、言うから)」

ほむら「……まどか、帰らないの?」

まどか「えっ……あ、う、うん」

ほむら「まどかの家までついていっていい?」

まどか「へ!?ど、どうして!?」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 17:17:06.31 ID:cuhOvP2L0
ほむら「……今日のまどかは、変だから」

まどか「あ、う、うん……」

ほむら「あなたがいいなら」

まどか「えっと……構わない、けど」

ほむら「……良かった」ホムッ

まどか「……うん」

トトト...

まどか「(凄く変な感じ……)」チラッ

ほむら「……」ホムホム、

まどか「(ほむらちゃん、綺麗だもんなあ……仁美ちゃんが言ってたこともわかる気がする)」

ほむら「……まどか?」ピタッ

まどか「あ!ご、ごめん……私」フイッ

ほむら「……?」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 17:21:55.87 ID:cuhOvP2L0
まどか「あ、はは……どうしてかなあ、本当に今日の私、変だなあ」

ほむら「……」

まどか「……」

ほむら「……まどか」

まどか「……わ、私!ここまででいいや!ほむらちゃんのお家遠いよね?」

ほむら「え……」

まどか「ごめんね、送ってくれてありがとう!」

ほむら「……えぇ」

まどか「それじゃあ、また明日!」

タタタッ...

ほむら「まどか……」

ほむら「……」グッ

―――――
 ―――――

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 17:26:38.01 ID:cuhOvP2L0
まどか「はあ、はあ……」

バタンッ...
トスッ、

知久「お帰りー」

タツヤ「りーっ」

まどか「……ただいま」

知久「どうしたんだい、まどか?こんなところで座り込んで……」

まどか「うん……」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 17:27:42.40 ID:cuhOvP2L0
まどか「(……逃げるように帰って来ちゃった。ほむらちゃん、気を悪くしてないかな……)」

まどか「(……やっぱり私、ちょっと変。さやかちゃんたちの話を聞いてから)」

まどか「(ほむらちゃんのこと、意識しちゃうよ……)」

知久「まどか、すぐにご飯だから着替えておいでー」

まどか「うん……」

タツヤ「だーあだ」

まどか「え?」

タツヤ「ほーむほむう!」

まどか「……!」カアァッ

まどか「も、もう!」バッ

タツヤ「……ほや?」

――――― ――

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 17:30:58.04 ID:cuhOvP2L0
次の日

さやか「お、きたきた」

まどか「おはよう、仁美ちゃん」

仁美「はあ、はあ……おはようございますわ、さやかさん、まどかさん」

さやか「どしたのさ、今日?仁美が遅れるなんて珍しい」

仁美「もう……さやかさんのせいですわ」

さやか「えー、なんのことやら」

仁美「惚けないで」

さやか「まあまあ、こうしたら許してくれる?」

ギュッ

まどか「!」

仁美「ちょ、ちょっとさやかさん……」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 17:33:59.90 ID:cuhOvP2L0
さやか「まあまあそう照れない照れない……って、なぜまどかが真っ赤!?」

まどか「へっ」

仁美「まどかさんが赤くなったせいで私が照れる機会逃がしちゃいましたわ」

さやか「ま、仁美の赤面はいつもあたしが拝んでるからなあ」

仁美「へ、変なこと言わないでほしいですわ!」

さやか「へへーんだっ」

まどか「……」アウアウ、

仁美「……って、まどかさん?」

さやか「またパンクしかけてる、まどかっ!」

まどか「はわあ……」

―――――
 ―――――

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 17:38:37.84 ID:cuhOvP2L0
コトッ

まどか「……」ボーッ

まどか「(私、おかしいのかなあ、やっぱり……)」

まどか「(女の子が仲良くしてるだけで変な気分になっちゃう……)」

トントン、

まどか「……はあ」

ほむら「……まどか」コソッ

まどか「ふえっ!?」

ガタッ

先生「鹿目ー?トイレかー?」

クスクスッ

まどか「あ、す、すいません……」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 17:42:55.16 ID:cuhOvP2L0
トスッ

まどか「……うぅ」

ほむら「……」チラッ

まどか「!」ドキッ

ほむら「……手紙」

まどか「え……?あ、本当だ……」

まどか「(気付かなかった)」

カサカサ、

『まどか、どうしたの?何かあった?……と仁美がww』

まどか「(一瞬、ほむらちゃんかなって思っちゃった……ほむらちゃんは知らせてくれただけなのかな)」

『ていうか転校生のほうガン見しすぎだってwww』

まどか「……えっ」カアァッ

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 17:55:08.47 ID:cuhOvP2L0
ほむら「……」ホムッ

まどか「(……もしかしてほむらちゃん、気付いてたのかな私が見てたこと)」

まどか「(やっぱり私、変だ……)」

昼休み

さやか「まーどかー」

ダキッ

まどか「きゃっ」

さやか「ふむ……」

まどか「さ、さやかちゃんどうしたの?」

仁美「そうですわ、突然まどかさんに抱きつくなんて」

さやか「なに?嫉妬?」

仁美「ば、バカなこと言わないで」

さやか「あら図星」

仁美「うるさいですわっ」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 17:59:45.49 ID:cuhOvP2L0
さやか「そう怒らない、可愛い顔が台無しだって」

仁美「!」

さやか「はい思考停止」

仁美「変なこと言わないで下さる!?」

さやか「はいはい……で、まどかはまどかで……」

まどか「あう……」

さやか「……一体どうしたっていうのさまどかー?」

まどか「昨日から赤くなりっぱなし」

仁美「襲われちゃいますわよ?この野獣に」

さやか「なっ」

まどか「野獣!?」

さやか「そこに反応しないでよ!」

51: ミス 2011/05/14(土) 18:01:28.72 ID:cuhOvP2L0
さやか「そう怒らない、可愛い顔が台無しだって」

仁美「!」

さやか「はい思考停止」

仁美「変なこと言わないで下さる!?」

さやか「はいはい……で、まどかはまどかで……」

まどか「あう……」

さやか「……一体どうしたっていうのさまどかー?」

まどか「え……」

さやか「昨日から赤くなりっぱなし」

仁美「襲われちゃいますわよ?この野獣に」

さやか「なっ」

まどか「野獣!?」

さやか「そこに反応しないでよ!」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 18:03:43.86 ID:cuhOvP2L0
まどか「……」

さやか「まどかー?」

まどか「(さやかちゃんと仁美ちゃんがあんなことやこんなこと……)」モワモワ

さやか「……おーい、まどか?欲求不満なの?」

仁美「……欲求不満?さやかさんじゃありませんし」

さやか「さりげなく変なこと言うな」

仁美「気のせいですわ」

さやか「ぐぬぬっ……」

まどか「はっ!」ハッ

さやか「お、戻ってきた」

まどか「(わ、わたわた私何考えて……!)」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 18:11:44.79 ID:cuhOvP2L0
さやか「おぉ、また真っ赤」

仁美「さやかさん、まさかまどかさんに何かしたんじゃ……」

さやか「はあっ!?」

まどか「ご、ごめん私ちょっと頭冷やしてくる!」

さやか「ちょ、まどか!?」

仁美「……まどかさん」

さやか「……お弁当」

仁美「問題はそこじゃないでしょ」

さやか「冗談だって」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 18:12:47.38 ID:cuhOvP2L0

――――― ――

ジャーッ...

まどか「(どうしよう、最低だよ私……友達で変なこと、考えちゃうなんて……)」

まどか「(どうかしちゃってる……)」

ジャボジャボ

ット...

まどか「!」

グイッ

まどか「だれっ……!?」

「だーれだ?」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 18:16:53.40 ID:cuhOvP2L0
まどか「(……この声)」

まどか「杏子ちゃん……?」

杏子「うお、なぜばれたし」

マミ「当たり前でしょ……」

杏子「げっ」

マミ「何がげっよ何が」

まどか「マミさん……え?どうして杏子ちゃんが……」

マミ「要するに不法侵入ね」

杏子「不法侵入言うな。マミに弁当届けに来てやっただけだっつーの」

マミ「それは感謝するけどさっさと出てってって言ったはずよね?」

杏子「し、仕方ないだろ、トイレに行きたかったんだから……つーかマミこそなんでここにいんだよ」

マミ「杏子が別の女の子に手出したりしないかどうか確かめるためによ」

まどか「!?」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 18:20:19.76 ID:cuhOvP2L0
杏子「なんだよそれーあたしをなんだと思ってやがる」

マミ「女誑しの遊び人」

杏子「それ全部あんたにそのまま返すぞ」

マミ「あらやだ。現に今だって鹿目さんに手出して……」

まどか「……」

マミ「って、鹿目さん?」

まどか「あ、どうぞ続けてください!」

杏子「はあ?」

まどか「(うわあ、私ったらまた変なこと……!)」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 18:25:22.07 ID:cuhOvP2L0
マミ「続けるって言われても何を続ければいいのか……」

杏子「だな……」

まどか「うぅ……ごめんなさいっ」バッ

杏子「っておいまどか!?」

マミ「馴れ馴れしく私の後輩を名前で呼ばないでくれない?」

杏子「……知らねえし」

―――――
 ―――――

まどか「……はあはあ」

まどか「(私、昨日から逃げてばかりだなあ……どうして)」

まどか「(……変なことばかり考えちゃうんだろう)」

トスッ、

まどか「……ん?」

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 18:28:45.34 ID:cuhOvP2L0
ほむら「……」

まどか「うわあっ!?」

ほむら「……」ホムッ

まどか「ほほほ、ほむらちゃん!?」

ほむら「……まどか、どうしてここに」

まどか「ほむらちゃんこそ……」

まどか「(屋上で寝転んでたなんて……それより私)」

まどか「ご、ごめん、私踏んじゃってた!」

ほむら「……構わないわ」ムクッ

まどか「(うぅ、恥ずかしい……)」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 18:32:41.34 ID:cuhOvP2L0
ほむら「……」

まどか「(ど、どどどどうしよう……なんて言えばいいのかな……ごめんなさい!?それとも)」

まどか「ほ、ほむらちゃん!」

ほむら「……座ったら?」

まどか「へ?」

ほむら「隣」

まどか「あ、う、うん……」

まどか「(私、今なんて言おうとしたんだろう……)」カアァッ

まどか「失礼、します」トスッ

ほむら「そんなこと言わなくてもいいのに」クスッ

まどか「」ドキッ

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 18:37:49.13 ID:cuhOvP2L0
ほむら「……まどか?」

まどか「……あ、あの」

まどか「(なんだろう、今の……それに、ドキドキが止まらないっ)」

『女の子が女の子を恋愛対象として見る世界』

まどか「(そ、そんな……まさか)」

ほむら「……」

ヒョイッ

まどか「!?」

ほむら「……まどか、大丈夫?」

まどか「」

まどか「……」

ガッ

ほむら「!?」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 18:42:10.94 ID:cuhOvP2L0
まどか「……ほむらちゃん」

ストッ...

ほむら「……まど、か?」

まどか「……私、私――」

グッ

ほむら「……!」

まどか「……」

ほむら「――まどか、やめ……」

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 18:44:13.69 ID:cuhOvP2L0
キーンコーンカーンコーン

ほむら「!」

まどか「!」ビクッ

ほむら「……ごめん」バッ

タタタ...

まどか「あ、ほむらちゃ……」

バタン...

まどか「(……私、何やっちゃったんだろう)」

まどか「(……頭がわーってなって、真っ白になって、……押し倒しちゃった、ほむらちゃんを)」

まどか「拒絶、されちゃった……」

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 18:52:51.60 ID:cuhOvP2L0

まどか「ねえ、パパ」

知久「どうしたんだい?」

まどか「赤ちゃんってどうして生まれるか、知ってる?」

知久「……」

知久「まどかっ!?」

まどか「あはは……パパとママじゃないと、私もタツヤも生まれてこなかったんだよね」

知久「……ええっと」

まどか「……女の子同士は、だめなんだよね」

タツヤ「ほむほーむ?」

まどか「……」

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 18:56:11.97 ID:cuhOvP2L0
まどか「……違うよ、タツヤ」

ナデ

タツヤ「ねーちゃあ?」

まどか「パパも、ママだって私が女の子を好きだなんて言ったら嫌だよね?」

知久「まどか……」

まどか「あはは、女の子を押し倒しちゃったなんて、私、きっとおかしいんだよね……」

知久「……」

まどか「拒絶されて当たり前だよね、気持ち悪いよね、変だよね」

知久「……まど」

まどか「……今日はもう寝るね」カチャッ

――――― ――

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 19:02:35.69 ID:cuhOvP2L0
次の日

仁美「……」

さやか「……」

まどか「……」

仁美「……あの」

さやか「……」ツンッ、

仁美「……」

まどか「……えっと」

まどか・仁美・さやか「(何これ雰囲気最悪)」

まどか「(……さやかちゃんと仁美ちゃん、二人とも何かあったのかな)」

まどか「(……私も、結局昨日眠れなかったや)」

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 19:29:31.19 ID:cuhOvP2L0
仁美「……」

さやか「……」

まどか「……」

マミ「あらあら何よこの暗ーい雰囲気?」

さやか「あ、マミさん……と」

杏子「あたしがいちゃ悪いか?」

マミ「悪いわよ」

杏子「お前がついてこいって言ったんだろうが」

92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 19:30:36.46 ID:cuhOvP2L0
マミ「それで?どうしたの?」

仁美「……あ、いえ」

さやか「まあ……」

杏子「……な、なんだよ」

マミ「ソウルジェムが黒ずんできそう」

まどか「……」

マミ「……誰も反応してくれないなんて」

杏子「どんまい」

マミ「ティロ・フィナーレするわよ」

杏子「」

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 19:36:49.33 ID:cuhOvP2L0
マミ「あら?鹿目さん、よく見たら目、赤いわよ?」ヒョイッ

まどか「えっ」

杏子「……」

マミ「……なに、杏子?」

杏子「何でも」フイッ

マミ「ふーん」

杏子「笑うな」

マミ「笑ってないわよーだ」

杏子「むう」

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 19:37:53.67 ID:cuhOvP2L0
まどか「……あの、マミさ」

マミ「何かあった?」

ナデ

まどか「……マミさん」

トッ...

マミ「……」チラッ

ほむら「……」

杏子「あれ、ほむら……って」

まどか「!」ビクッ

タタタッ

杏子「……行っちまった。なんだあいつ」

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 19:46:59.63 ID:cuhOvP2L0
まどか「……ほむらちゃん」

マミ「……」ナデ、

マミ「……ふむ」

杏子「……あ?」

マミ「何でも」

杏子「……」

杏子「っていうかさやかたちは?」

さやか「……」

仁美「……」

マミ「あの二人も喧嘩でもしてるのかしらね?」

杏子「あの二人も……?ていうか喧嘩してるわりには二人並んで歩いてるんだな」

98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 19:49:40.31 ID:cuhOvP2L0
マミ「あら可愛い」

杏子「……」

マミ「杏子が一番可愛いけど」

杏子「はあっ!?」

マミ「……」

まどか「……」

マミ「……外れか」

杏子「は?」

マミ「杏子、さっきの冗談よ」

杏子「」

杏子「知ってるし」

まどか「……」

マミ「なら良かったわ。とりあえず、この子を教室まで運びましょうか」

99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 19:52:26.51 ID:cuhOvP2L0
杏子「はあっ!?」

マミ「同じ反応はつまらないです」

杏子「黙れ」

まどか「……」

まどか「あ、あの私」

杏子「うお、動いた」

マミ「失礼な言い方ね」

杏子「悪い」

まどか「……私、すいません、教室一人で行けますから」

マミ「そう?」

杏子「まあ普通はそうだろうしな」

マミ「杏子」

杏子「悪い」

まどか「……心配かけちゃって、ごめんなさい」ペコッ

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 19:56:07.03 ID:cuhOvP2L0
マミ「そんなこと……」

まどか「あと……変なこと考えちゃって、ごめんなさい」

杏子「別にいいって……え?」

まどか「……私、私ってほんと……」

まどか「(変 っ!)」

ダダダッ

マミ「……」

杏子「……」

マミ「変なことって」

杏子「……なんだよ」

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 20:01:07.69 ID:cuhOvP2L0
マミ「まあ最近の若い子はきっと進んでるのね……」

杏子「意味わかんねーし」

マミ「……」

杏子「あたし、帰るわ」

ガシッ

マミ「……」

杏子「なんだよ」

マミ「……何でもないわ」

スッ...

杏子「……家で待ってっから」

マミ「……当たり前よ」

杏子「また後でな」ヒラッ

マミ「……」

マミ「えぇ」

――――― ――

104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 20:04:09.86 ID:cuhOvP2L0
まどか「……」

まどか「(……はあ。また変な妄想……私ってどうしてこんな……)」

まどか「(ほむらちゃんの身体に触れてから……ずっと変な疼きが止まらない)」

フラッ

まどか「!」

まどか「(……昨日、寝てないせいかな)」

まどか「(少し、保健室で休ませてもらおう)」

―――――
 ―――――
保健室

先生「担任の先生には言ってきた?」

まどか「あ、いえ……」

先生「じゃあ私が言っておくから横になってて。あと、一時間目は用事があるから抜けるけどいい?」

まどか「はい、ベッドを使わせてもらうだけでいいので……」

105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 20:06:56.21 ID:cuhOvP2L0
先生「じゃあはい、鍵も置いておくから」

まどか「あ、はい……」

ガラガラッ
バタン...

まどか「……はあ」

トスッ...

まどか「(……ほむらちゃんに、触りたいな)」

まどか「(……ほむらちゃんと、話したいな。どうしてこんなことを思っちゃうのかな)」

ゴロッ

まどか「(……やっぱり私、ほむらちゃんのこと)」

ガラガラッ

まどか「!」ビクッ

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 20:11:27.88 ID:cuhOvP2L0
ほむら「……まどか?」

まどか「……」

まどか「(どうしてほむらちゃんが……)」

ほむら「……いるんでしょ?」

まどか「……」

まどか「……いないよ」

ほむら「……開けていい?カーテン」

まどか「……だめ」

ほむら「どうして」

まどか「だめだから」

109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 20:13:47.50 ID:cuhOvP2L0
ほむら「……そう」

まどか「……」

ほむら「……じゃあ、ここでいいわ」

まどか「……ほむらちゃん」

ほむら「なに」

まどか「……昨日のこと?」

ほむら「……えぇ」

まどか「……私って、あんなことしちゃうんだよ、笑っちゃうよね。ほむらちゃんも吃驚したでしょ?」

まどか「ごめんねも言い損なっちゃった、だからごめんねほむらちゃん」

まどか「私ってば、最近おかしいからさ。女の子が仲良くしてるところ見るだけで変なこと考えちゃって」

まどか「ほむらちゃんを見るたびに、……あんなことしたいって思っちゃって」

まどか「へへっ、気持ち悪いよ……」

112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 20:15:25.37 ID:cuhOvP2L0
ほむら「まどか、開けていい?」

まどか「……だめ」

ほむら「開けるわ」

まどか「だ、だめ!」

シャッ

まどか「……」

ほむら「……」

まどか「……」

ほむら「……まどか」

115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 20:19:48.37 ID:cuhOvP2L0
まどか「……拒絶されて当たり前だよ」

まどか「……ほむらちゃんが私の前からいなくなっちゃったって、仕方ないよ」

ほむら「……」

ほむら「……そんなこと、ない」

まどか「……ほむらちゃん、女の子に告白されたこと、いっぱいあるんでしょ?」

ほむら「……!」

まどか「そのとき、どう思った?嫌だったでしょ?気持ち悪かったでしょ?」

まどか「……全部全部、断ってるんだろうな、って。断ってるっていうことは嫌だってことだよね」

まどか「女の子なんか、無理だっていうことだよね?」

ほむら「……」

ほむら「えぇ」

まどか「……へへっ、当たり前だよ……」

117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 20:21:34.05 ID:cuhOvP2L0
ほむら「……他の女の子は、皆無理」

まどか「……え?」

ほむら「だけど――あなただけは違うわ、鹿目まどか」

まどか「……ほむら、ちゃん……?」

ギュッ

ほむら「……」

まどか「……でも、ほむらちゃんは」

まどか「(私が押し倒したとき、拒絶して……)」

118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 20:27:38.59 ID:cuhOvP2L0
ほむら「……あのときは、吃驚しただけで」

まどか「そんなの……おかしいよ」

ほむら「あなたが、私のことを嫌いになったんじゃないかと思ってたから」

まどか「……え?」

ほむら「だから、あんなこと……」

ほむら「私だって……あなたにああやってされること、望んでなかったわけじゃないのに」

まどか「……ほむらちゃん」

120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 20:28:41.05 ID:cuhOvP2L0
ほむら「あなたのことが、好きなのに……」

ギュッ、

まどか「……」

まどか「……ねえ、ほむらちゃん」

ストッ、

ほむら「……!」

まどか「……そんなこと言われたら私、我慢出来なくなっちゃうよ」

ほむら「……えぇ」

ほむら「……構わないわ」

終わり

127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 20:34:19.96 ID:cuhOvP2L0
さやか×仁美編

仁美「……どうしてあんな話振ったんですの」

さやか「……なんのことー?」

仁美「惚けないで欲しいですわ」

さやか「最近よく使うよね、惚けないでって」

仁美「……あなたのせいじゃない」

さやか「……それとなーく匂わせておくのもありかなって、さ。あたしたちのこと」

仁美「……」カアァッ

さやか「……まどかは何にも知らないだろうし、変な偏見は持たないんじゃないの?」

仁美「……自分に対しては、というところに関してはわかりませんわよ」

さやか「大丈夫だって、それにあの子、転校生のこと何気に気にしてるみたいだし」

仁美「……そうですわね」

さやか「……どうせいつかはばれることじゃん」

ギュッ

仁美「……」

142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 20:43:47.78 ID:cuhOvP2L0
仁美「……わかってますわ」

さやか「……それに直接言ったわけじゃないんだし」

仁美「……えぇ」

さやか「……ねえ仁美」

仁美「……」

さやか「あたしたちって結局さ、どういう関係なんだろうね」

仁美「……さやかさん」

さやか「このままでいいのかなって、思うわけ」

仁美「……どういう意味ですの」

さやか「……恭介とお似合いじゃない?仁美」

仁美「……」

さやか「……別れよっか」

パシンッ

さやか「……」

145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 20:46:27.08 ID:cuhOvP2L0
さやか「仁美……」

仁美「……それを言うためにわざわざまどかさんにあの話を振ったんですの?」

さやか「……」

仁美「……本当はまだ、上条くんのことが忘れられない……そうならそうはっきり言ってくれればいいのに!」

さやか「……!」

さやか「仁美、あんた……」

仁美「……ごめんなさい、言い過ぎましたわ」

クルッ

さやか「……」

仁美「……今日のところは帰ります」

さやか「……」

さやか「……習い事、頑張って」

仁美「……」

バタン、

さやか「……」

148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 20:52:08.26 ID:cuhOvP2L0
―――――
 ―――――

仁美と付き合い出したのはいつだったか。
正直、思い出せなかったりする。確かに、あたしは恭介が好きだった。
仁美とこんな関係になったことも、結局は恭介が原因。

わかってた。
最初は恭介の代わりのつもりだった。あたしはまだ、恭介が忘れられなかった。
恭介が好き、でも本当はあたしのことが好きだった、そんなことを言う仁美と、
仕返し気分のつもりで付き合い始めた頃はまだ。

仁美だって気付いていたはずだった。
本当は、仁美も恭介に振られてあたしを頼ってきただけなのかも知れないし、
あたしのことが好きだっというのも嘘だったのかも知れない。

でも今は――

「……何がいけないのかわかんない」

どうして、同性を好きになっちゃいけないの?

―――――
 ―――――

149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 20:55:10.64 ID:cuhOvP2L0
次の日

さやか「……行って来ます」

父親「今日こそ志筑さんとこの娘さんに失礼のないようにな」

母親「本当よ、もう変なこととかするのはやめてよね、家の中で……」

さやか「……」

ガチャッ

仁美「……」

さやか「……仁美」

仁美「おはようございます」

さやか「……どうして」

仁美「……いつもの癖ですわ」

152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 20:58:45.07 ID:cuhOvP2L0
さやか「……あっそ」

仁美「……学校くらい、一緒に行ってもいいでしょ」

さやか「……勝手にしたら」

さやか「(あたし……どうしてこんなふうにしか言えないんだろう)」

仁美「勝手にします」

さやか「……」

さやか「……仁美」

仁美「……別れたくない、って言ったら」

さやか「……」

仁美「……冗談ですわ」

さやか「……ん」

仁美「……こんなのもう、うんざりですものね」

さやか「……ん、」ズキッ、

さやか「……もううんざり」

154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 21:02:06.09 ID:cuhOvP2L0
仁美「……えぇ」

さやか「……」

仁美「……」

さやか「……ごめん」

仁美「……聞こえてませんわ」

さやか「……嫌い」

仁美「……私も」

さやか「……」

仁美「……」

さやか「……仁美、泣きそうだよあんた」

仁美「……さやかさんに言われたくありませんわ」

さやか「……バカ」

仁美「……知ってます」

さやか「(……あたしが、だし)」

156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 21:06:57.52 ID:cuhOvP2L0
仁美「まどかさん、来ませんね」

さやか「……だね」

仁美「……もう少し二人でいたいと思うのは私の我儘なんでしょうね」

さやか「……そうだね」

仁美「……納得できないって言ったら」

さやか「仁美がそんな頭硬いわけないって知ってるから」

仁美「……そうでしたわね」

さやか「あんたも……わかってるんでしょ」

仁美「……お母様から最終通告と書かれた変な紙切れを頂いてしまいましたわ」

仁美「縁を切るんですって、これ以上“お遊び”を続けたら」

さやか「……ちょうど良かったじゃん」

仁美「……」

158: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 21:11:07.35 ID:cuhOvP2L0
さやか「あたしもそんな感じだったから。家の中での疎外感っていったらないよほんと」

仁美「……」

さやか「ありゃあ笑えるね」

仁美「……えぇ」

さやか「……もうさ、こうして話すこともしないほうがいいんじゃないの」

仁美「……えぇ」

さやか「……大嫌いだよ仁美」

仁美「……私も、大嫌いですわ、さやかさん」

さやか「……」ズクッ

159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 21:12:17.48 ID:cuhOvP2L0
トトト...

まどか「二人とも、遅れてごめんね?」

さやか「……」

仁美「行きましょうか」

まどか「……?」

さやか「まどか、目赤いけど」

まどか「あ、はは、これは……」

さやか「そっか」

まどか「……」

>>81>>97
―――――
 ―――――

163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 21:29:43.24 ID:cuhOvP2L0
仁美「……まどかさん、置いて来ていいんですの?」

さやか「逆に今のまどかはマミさんたちに任せといた方がいいのかなって」

さやか「今のあたしたちじゃまどかに何も言えないでしょ」

仁美「……えぇ」

さやか「……いっそもう、あたしたち話さなきゃいいんだよね」

仁美「さっきも言ってましたわ、それ」

さやか「だから、そういうこと」

仁美「……」

さやか「もうさ、話しかけないで」

仁美「……こっちの台詞ですわ」

さやか「……じゃーね。あたし、先に教室行ってるから」

仁美「……はい」


165: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 21:32:48.44 ID:cuhOvP2L0
さやか「(……これで、良かったんだよね)」

女子1「あれ?今日さやか一人?」

さやか「え、あぁ、うん……」

女子1「まどかも保健室行っちゃったらしいし……」

女子2「仁美ちゃんもいなくなっちゃったね」

女子1「珍しい」

さやか「そう?」

女子1「ていうかうちら、てっきりさやかと仁美ってできてんのかと思ってた」

さやか「えっ!?」

女子2「だよねえ、まあありえないだろうけど」

さやか「そ、そうそう、ありえないって……」

女子3「女同士だしねー」

さやか「……うん」

女子1「それにさっき仁美、また男子に連れられていくの見たし」

さやか「」

166: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 21:35:40.47 ID:cuhOvP2L0
女子2「最近少なくなってきたけど、さやかちゃんたちの様子見て狙い時って思ったのかなあ」

女子1「とられたくなきゃさっさと仲直りしなよ、この~」

さやか「……は、はは」

女子3「さやか?」

さやか「……」

さやか「(……あたしって、ほんとバカ!)」ガタッ

女子2「ちょ……」

さやか「ごめん、ちょっとトイレ行ってくる!」

ガラッ
タタタッ...

女子1「あらら」

―――――
 ―――――

168: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 21:39:36.13 ID:cuhOvP2L0
さやか「(……別に、変な意味じゃない)」

さやか「(……友達として、仁美が変なことされないか見に行くだけなんだから……)」

タタタッ

さやか「仁美、どこ……」

トトト...

「でさー、ほんっとありえないよねー」
 「志筑さんも笑っちゃってよこいつのことー」

さやか「!」

さやか「……仁美」

さやか「(……あんなところで、男に囲まれて……怯えてる)」グッ...


169: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 21:45:04.93 ID:cuhOvP2L0
どうして着いて来てしまったのか。
今更後悔しても遅いとはわかっていても、大きな身体でだんだんと迫ってくる男子生徒たちの
身体を避けることが出来ない。

さやかさんの代わりを探せばいい。
そんな軽い気持ちだった。それに、今までだってこんなに大人数の男性に取り囲まれることはあっても、
こんなふうに壁に押し迫られることなんてなかった。

どうして今頃――
どうして今更――――

さやかさんじゃなきゃだめだと、さやかさんしかいないのだと、気付いてしまうのだろう。
遊びでもなんでもなく、これが私の本当の気持ちで。

どうして私は、さやかさんを引き止められなかったのだろう――

両親が反対したって、周囲の人にどう思われたって構わない。
好きなものは好きで、仕方なくって……。

「志筑さーん、どうしたの?」
 「大丈夫だって、俺等怖くないからさ」

「……私、私は……」

――――― ――

170: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 21:47:53.79 ID:cuhOvP2L0
さやか「あんたらいい加減にしたら!?」

仁美「……!」

「……あぁ?」
 「なんだ、二年の餓鬼じゃん」

さやか「(やたらでかいと思ったら三年……!?)」

「なに、君もして欲しいわけ?」
 「あー、けど残念。俺等可愛い子しか興味ないんだわ」

さやか「くっ……」

ドンッ

「……痛ぅ!?」
 「おい、どうした?」

仁美「……さやかさんが可愛くないなんてありえませんわ」

さやか「ひ、仁美……?」

173: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 22:01:20.05 ID:cuhOvP2L0
仁美「残念ですわね、あなたたち見る目がないんですわ、きっと」

「なっ……」
 「んだとてめえ?せっかく俺等が」

ガッ

仁美「!」

さやか「……!仁美に触るな!」

ドカッ

176: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 22:02:30.34 ID:cuhOvP2L0
「うおっ!?」
 「ったあああ……この糞餓鬼……」

さやか「たった一学年しか変わんないのに糞餓鬼とかバカじゃないの?」

仁美「さやかさん……」

さやか「仁美、逃げるよ!」

グイッ

仁美「……」

仁美「……はい」キュッ

「くっそ……」
 「覚えとけよてめーら!」

―――――
 ―――――

177: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 22:07:48.14 ID:cuhOvP2L0
さやか「……はあ、はあ」

仁美「……」

さやか「……なんであんたは汗一つかいてないのよ」

仁美「さやかさんが運動不足なだけじゃありませんの?」

さやか「ぬ」

仁美「……さやかさん」

さやか「……ごめん」

キーンコーンカーンコーン

さやか「チャイム鳴ったし、戻……」

パシッ

さやか「……仁美」

179: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 22:09:01.84 ID:cuhOvP2L0
仁美「……さやかさん、私」

さやか「……聞きたくないよ、何にも。あんたの言葉聞くために助けたわけとかじゃなくって……」

仁美「だめです、聞いてください」

さやか「……やだ」

仁美「……どうしても聞かないっていうなら」

さやか「なによ」

仁美「……叫びますわよ」

さやか「……は?」

仁美「恥ずかしくなんてありませんわ。怖くともなんとも」

さやか「……」

仁美「あなたが好きだって、静まり返った学校中、叫んじゃいますわ」

180: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 22:12:47.43 ID:cuhOvP2L0
仁美「それでも、いいんですの?」

さやか「……あんた、あたしとなんていちゃだめだよ。せっかく可愛いのにさ」

さやか「さっきのみたいな奴等だけじゃないんだし……」

仁美「それでも、好きなんです」

さやか「……!」

さやか「……あたしは嫌い」

仁美「それでもいい」

さやか「……けどっ」

さやか「(あたしは恐いから、周囲の目が……!一人になることが恐いから……!)」

181: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/14(土) 22:15:57.59 ID:cuhOvP2L0
仁美「……あなたのことが好き。それだけじゃだめですの?」

さやか「……仁美」

ギュッ

さやか「……っ」

仁美「私は、さやかさんさえいればそれでいい、さやかさんを周りの人が疎んでも、嫌がっても」

仁美「私だけでもずっと側にいますわ」

仁美「……これは、私の我儘だと分かってます、けれど」

さやか「……うん、」

仁美「……これからも、ずっとずっと、隣にいてほしいですわ、あなたに」

さやか「……」

さやか「……あたし達って、ほんとバカ」ギュッ

終わり