1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/04(日) 23:41:41.73 ID:AaOOxfVP0
~放課後 屋内プール前にて~

森島「そんなことないと思うけど♪」

塚原「明らかに度を越してるわよ、橘君ボロボロじゃない」

純一「あははは……」

塚原「橘君も『あははは……』じゃないと思うんだけど?」

純一「は、はい……」

森島「ひびきちゃん、橘君はワンチャンになってくれるって……だから問題ないと思うの」

塚原「はるか、あなたは『ワンチャン』にまたがってお馬さんゴッコをするの?」

森島「だって~ひびきちゃんを待ってるあいだ、暇だったんだもん。ねえジョン?」

純一「は、はい」

森島「こ~ら、『はい』じゃくて『わん』でしょ?」ニコッ

純一「わ、わん!」

引用元: 塚原「はるか、いくらなんでもやりすぎじゃない?」 森島「そう?」 




2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/04(日) 23:42:22.71 ID:AaOOxfVP0
森島「それに、お馬さんごっこだけじゃなくて、ボール遊びもやったわよね?」

純一「わん!」

塚原「ボール遊び?」

森島「うん♪ ほら、こうやって……えーーい! ほら、ジョン! 取ってきて♪」

純一「わんわん!」

塚原「あきれた……だから橘君のズボンがあんなにボロボロになっているのね」

森島「ほ~ら、頑張ってー!」

純一「わ、わん!」

森島「ジョン、ベリグーよ♪ よ~しよし」ナデナデ

純一「くぅんくぅん」

塚原「……着替えてくるわ、もう少し待ってて」スタスタ

森島「うん♪ なるべく早くね~」

純一「わん♪」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/04(日) 23:44:23.00 ID:AaOOxfVP0
~更衣室にて~

…ガチャ

七咲「あ、塚原先輩! 何だったんですか、さっきの騒ぎ?」

塚原「はぁ…… はるかの悪のりに橘君がつき合っていただけよ」

七咲「森島先輩と橘先輩が?」

塚原「そう、はるかは動物が……特に犬が大好きで…」ゴソゴソ

七咲「はい」

塚原「それで、橘君のこと『ワンチャンみたい♪』って言ってたから……」モゾモゾ

七咲「ワンチャン……」

塚原「彼に犬になってもらって……」ヌギヌギ

七咲「い、犬にですか!?」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/04(日) 23:44:48.25 ID:AaOOxfVP0
塚原「あぁ、ごめんなさい。犬の振りね……要するに『ごっこ遊び』」

七咲「『ごっこ遊び』ですか……びっくりしました」

塚原(確かに……怒られている時の困った顔の橘君は犬みたいかな……)クスッ

七咲「塚原先輩?」

塚原「んっ……何でもないわ、早く着替えましょ」

七咲「はい」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/04(日) 23:45:59.51 ID:AaOOxfVP0
~同時刻 屋内プール前にて~

純一「本当に、これで大丈夫なんでしょうか?」ヒソヒソ

森島「大丈夫よ♪ ひびきちゃん、橘君のこと心配そうな目で見てたでしょ?」ヒソヒソ

純一「は、はぁ……(あれって、完全にあきれている目だったような……)」ヒソヒソ

森島「ひびきちゃんは、と~っても面倒見がいいんだから!」ヒソヒソ

純一「はい」ヒソヒソ

森島「だからね、橘君の困っている姿を何度も見せれば、絶対にほっとけなくなると思うの」ヒソヒソ

純一「はい」ヒソヒソ

森島「こうやって……少しづつ、ひびきちゃんの中に橘君のことを印象づけていけば……」ヒソヒソ

純一「は、はい!」

森島「こ~ら、声が大きい」ヒソヒソ

純一「は、はい……」シュン

森島「橘君にも、必ずチャンスが巡ってくるはずよ」ヒソヒソ

純一「そ、そうですよね」ヒソヒソ

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/04(日) 23:47:16.77 ID:AaOOxfVP0
森島「それにしても……ひびきちゃん遅いわね~何やってるのかしら」ヒソヒソ

純一「と、ところで森島先輩」ヒソヒソ

森島「なーに?」ヒソヒソ

純一「さっきのって…森島先輩が楽しんでいるだけ……ってことはないですよね?」ヒソヒソ

森島「あれ? 橘君は楽しくなかったの?」ヒソヒソ

純一「た、楽しくない……ことはないです」ヒソヒソ

森島「うん、ならノープロブレムよ♪」ビシッ

純一(お馬さんごっこ……森島先輩のお尻の感触が……)

塚原「二人で何の内緒話をしているの?」

森島&純一「!?」ビクッ

七咲「先輩達、今度は何を企んでいるんですか?」

森島「ちょっとぉ! ひびきちゃん、おそーい」

塚原「はいはい」

純一「七咲も一緒か」

七咲「はい、お疲れさまです」ペコリ

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/04(日) 23:48:21.12 ID:AaOOxfVP0
森島「や~ん、いつ見てもカワイイわね、逢ちゃんは♪ お家に連れて帰っちゃだめ?」

塚原「だめに決まってるじゃない。バカなこと言ってないで帰るよ」

七咲「はい、そういうことです。帰りましょう……ニャン」

森島「……っ!? やっぱり連れて帰るぅーーー!!!」ギュウ

塚原「七咲、ふざけないの」

七咲「く、苦しぃ……橘先輩…たすけて……」フガフガ

純一(美少女三人が戯れている、こんな夢ような光景を目の前で堪能できるなんて!)ジーン

森島「ねっねっ? いいでしょ? 連れて帰っても?」ギュゥゥゥ

純一(僕は……なんて幸せ者なんだ!)ワナワナ

塚原「橘君、二人はほっといて行きましょう」スタスタ

純一「(はっ!?)……あ、はい!」ダッ

七咲「ま、待ってください! 先輩の薄情者ーーー!!」

森島「にゃんにゃん、ごろにゃーん♪」スリスリ

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/04(日) 23:49:52.32 ID:AaOOxfVP0
~夜 塚原家にて~

森島『だからぁ~ 橘君はワンチャンなの!』

塚原「はいはい、仲がいいのは結構だけど、時間と場所を考えなさい」

森島『ん~ どうして?』

塚原「はるかは大丈夫だと思うけど、橘君がまわりに敵を作ることになるでしょ?」

森島『敵? ひびきちゃんは考えすぎよ~』

塚原「はるかは、もう少し自分が周りに与える影響を理解しておくべきね」

森島『そーだ♪ だったら、ひびきちゃんも一緒に遊べばいいのよ! ん~グッアイデア♪』

塚原「私は部活があるでしょ」

森島『別に放課後に!……なんて、私は一言も言ってないでしょ?』

塚原「お昼休み? 最近はいつも三人でご飯食べてるじゃない?」

森島『だ か ら ! お休みの日に三人で遊べばいいのよ~♪』

塚原「あなた、受験勉強はどうするのよ?」

森島『えーーたまには息抜きも必要よ!』

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/04(日) 23:50:49.06 ID:AaOOxfVP0
塚原「はるかは息抜きの時間のほうが多いでしょ」クスッ

森島『むむ……ひびきちゃんは橘君のこと、嫌い?』

塚原「い、いきなり何を言い出すの!」

森島『だってひびきちゃん、お昼と帰る時以外は橘君とあまり接点がないでしょ?』

塚原「それは……はるかの邪魔をしたらって。あの子だってはるかに会いに来てるんだし」

森島『じゃぁ嫌い……ってわけじゃないんだ?』

塚原「ん……橘君と一緒だと、はるかが上機嫌なのは嬉しいかな」

森島『うん』

塚原「ちょっと変わっているけど……おもしろい子だし、悪い子じゃないと思うよ」

森島『よーし! じゃ、今度のお休みに決まりね♪』

塚原「こ、こら……それとこれは話が違うでしょ!?」

森島『ひびきちゃん、やっぱり橘君のこと、嫌いなんだ……』ボソッ

塚原「も、もう……わかったわよ」

森島『うふふ、ひびきちゃんだーい好き♪』

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/04(日) 23:52:35.16 ID:AaOOxfVP0
~夜 森島家にて~

森島「うん、また明日ね。ひびきちゃん、おやすみ~♪」ピッ

森島「ふう…ちょっと強引だったかしら?」

森島「ううん、こういう時は少しぐらい強引な方がちょうどいいのよ♪」

森島「でも、まさか橘君がひびきちゃんのこと……」クスッ



~回想 数日前 学校テラスにて~

森島「それで、大事なお話っていうのはなにかしら?」

純一「は、はい……実は……」

森島「……実は?」

純一「ぼ、僕……塚原先輩のことがずっと気になっていて!」

森島「わお! そういう展開はさすがに予想してなかったわ!」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/04(日) 23:53:33.04 ID:AaOOxfVP0
純一「す、すいません! こんなことを森島先輩にお話していいものか、迷ったんですが……」

森島「うん、それで?」

純一「はい、今の塚原先輩と接点のないまま告白しても、うまくいくとは思えなくて」

森島「確かに……それはそうね」

純一「そこで、塚原先輩の一番の親友である、森島先輩に協力してもらえたら……と考えまして」

森島「グー! ベリグーよ! 目のつけどころは悪くないわね♪」

純一「は、はい!」

森島「で も !」

純一「で も ?」

森島「私の大事なひびきちゃんと、変な人をおつきあいさわせるわけにはいかないわよ!」

純一「そ、それはもちろんです!」

純一「だから、僕が塚原先輩にふさわしい男かどうか、森島先輩に見極めてもらいたいんです!」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/04(日) 23:55:18.70 ID:AaOOxfVP0
~夜 森島家にて~

森島「あの時の橘君……必死になっちゃって。ホント、かわいかったなぁ」クスクス

森島「……うん。しばらく様子を見てきたけど」

森島「橘君だったら、ひびきちゃんを任せても大丈夫よね♪」

森島「あとは……橘君の頑張りと、ひびきちゃん次第だけど……」

森島「よぉし♪ 明日も頑張らなきゃ!」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/04(日) 23:56:23.88 ID:AaOOxfVP0
~朝 通学路にて~

塚原「橘君、美也ちゃん、おはよう」

純一「あ、塚原先輩と森島先輩! おはようございます!」

美也「おはようございます」ペコリ

森島「おはよ~♪ 朝から元気がいいわね。美也ちゃんはとっても可愛いし♪」

美也「そ、そんなことないです///」

森島「美也ちゃんは、世界に誇れる可愛い妹ナンバー1よ! 私が決めたもの♪」

美也「///」

塚原「はるか、美也ちゃんが困ってるよ」

森島「わお! 照れてる美也ちゃんも可愛いわ~ 食べちゃいたいくらい♪」

純一「も、森島先輩! 僕はどうですか?」

森島「橘君? う~ん、そうねぇ……世界に誇れる忠犬ナンバー1とか?」

純一「ちゅ、忠犬ですか?」

塚原「ぷっ!? はるか、橘君も困ってるよ(ホント、あの子ったら犬みたい)」クスクス

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/04(日) 23:57:41.41 ID:AaOOxfVP0
美也「……」ジィー

森島「ひびきちゃん、笑いすぎ! あっ、そうだ!? 橘君、今度の日曜日、暇よね?」

純一「日曜ですか? 暇ですけど…なにかあるんですか?」

森島「ふふっ、聞いたら驚くわよ? なんと! ひびきちゃんと遊園地に行くの♪」

塚原・純一・美也「ふえ!?」

塚原「ちょ、ちょっと!? 遊園地に行くなんて聞いてないんだけど!」

純一「遊園地って……森島先輩と塚原先輩で?」

森島「も~鈍いわねぇ! ひびきちゃんと私と橘君の三人でに決まってるじゃない♪」

塚原「ねぇ、ちょっと!」

森島「そうだ!? 美也ちゃんも一緒に行かない?」

美也「ごめんなさい、日曜日は紗江ちゃんの家にお呼ばれされてて……」

塚原「はるか! 聞いてるの!?」

森島「え~そうなんだぁ~ ざ~んねん」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/04(日) 23:59:19.05 ID:AaOOxfVP0

純一「でも、僕なんかが一緒に行ったら迷惑じゃないですか?」

森島「そんなことないわよ!? ねぇ、ひびきちゃん?」

塚原「別に迷惑じゃ……じゃなくて、はるか! どうして遊園地に行くことになってるのよ!?」

森島「どうしてって……昨日遊びにいくって約束したじゃない?」

純一「そういう約束したんですか? 塚原先輩?」

塚原「はるかが『三人で遊びたい!』っていうから、わかったとは言ったよ」

森島「うんうん」

塚原「でも、『遊園地に行く』なんて言ってなかったよね?」

森島「う~ん、遊ぶっていったらやっぱり遊園地じゃない? ねぇ、橘君?」

純一「た、確かに……遊園地といえば遊ぶための場所といえますけど……」

森島「……けど? 橘君は私たちと遊園地で遊びたくないの?」

純一「そ、そんなことは……ぜひお供させてください!」

森島「うん。素直でよろしい♪」

美也「……」ジィー

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:00:56.33 ID:7dIGTA9s0
塚原「……はるかの中では、もう決まっていることなんでしょ?」

森島「当然でしょ?」

塚原「確かに約束はしたから……わかった、今度の日曜ね」

森島「うん。それじゃ決まり♪」

純一「やったぁ!」

森島「でも、美也ちゃんが一緒じゃないのは残念ね」

美也「ありがとうございます、お兄ちゃんをよろしくお願いします」

純一「どういう意味だ、美也?」

美也「どういう意味もこういう意味もないよ! お兄ちゃん、すぐ調子にのって失敗するんだから」

塚原「ふふっ、美也ちゃんはお兄さん思いね」

美也「塚原先輩もお兄ちゃんのこと、よろしくお願いします」ペコリ

塚原「うん、任せておいて」

純一「つ、塚原先輩まで……ヒドいですよ~」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:02:31.27 ID:7dIGTA9s0
~HR前 2年A組にて~

梅原「よぉ、大将! 朝っぱらからお盛んだねぇ!!」

純一「う、梅原?!な、なんのことだよ?」

梅原「なんのことぉ? しらばっくれやがって!」

梅原「誰もが憂鬱になる学校への道のり……」

純一「……」

梅原「そんなひとときに、我が校一の美女と才媛をはべらせてるなんて、両手に花じゃないか!」

純一「見てたんなら、声ぐらい掛ければいいじゃないか」

梅原「ばっか! 俺にはまぶし過ぎて、遠くから眺めるのが精一杯だったぜ!」

??「朝っぱらから、なにバカやってんの」

梅原「おぉ~! 聞いてくれよぉ棚町~!!」

純一「よぉ、薫」

棚町「やっほー で、どしたの?」

梅原「大将のヤツ、朝っぱらから森島先輩や塚原先輩とイチャイチャと…」

純一「バ、バカ!! イチャイチャなんてしてないだろ!!」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:03:31.57 ID:7dIGTA9s0
棚町「ふ~ん、そうなんだ? 鼻の下のばしちゃって、ス  ! ヘンタイ!」ベーッ

梅原「そうだよなぁ~棚町っていう大事な人がいながら♪」

棚町「そうなの……純一ったら、私のことほっといて浮気ばっかりして♪」ヨヨヨ

純一「こ、こら! バカなこと言うな!」

梅原「モテる旦那も持つと……ツライねぇ~♪」

棚町「えぇ、こうなったら……私も浮気しちゃおうかしら♪」

純一「……」

梅原「おぅ、俺ならいつでもフリーだぜぇ!」

棚町「誰も、アンタとなんて言ってない」

梅原「ひ、ひでぇ! 聞いたか大将~~~!!」

キーンコーンカーンコーン

純一「あ、チャイムが鳴ったな」

棚町「うん、席につこ♪」

梅原「くっそぉ~ 今にみてろぉぉぉぉぉ~!!!」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:04:58.76 ID:7dIGTA9s0
~授業中 3年A組にて~

教師「で、あるから……」

塚原(はるかが突拍子もないことを言い出すはいつものことだけど……)

教師「こうなるのであって……」

塚原(橘君と一緒だと、それに拍車がかかるのは気のせいかしら?)

教師「ここを……塚原、訳してみろ?」

塚原「はい、『彼の言動に戸惑いながらも、徐々に心惹かれていった』です」

教師「よし、そのとおりだな」

森島「さっすが、ひびきちゃん♪」

塚原(そういえば、美也ちゃんの様子……あとで七咲に聞いてみよう)

教師「……ではここでの回答は。森島、わかるか?」

森島「はい。えっと『そんな彼もベリグーね♪』だと思います」

教師「……そうだな」

塚原(遊園地なんて久しぶりだし、せっかくだから楽しもうかな)

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:06:34.81 ID:7dIGTA9s0
~放課後 屋内プールにて~

塚原「はい、今日はここまで! みんな、お疲れさま」

部員「「「はい! お疲れさまでした!」」」

部員「今日の先輩、なんか機嫌良さそうだったね?」コソコソ

部員「うん、厳しいのは相変わらずだけど」ヒソヒソ

塚原「ほら、一年! 無駄話してないで早く片づける」

部員達「「「はーい」」」

七咲「塚原先輩、お疲れさまでした!」

塚原「うん、七咲もお疲れさま。……七咲、片付けが終わったらちょっといいかな?」

七咲「なんでしょう?」

塚原「別に急ぎじゃないから。更衣室で待ってるね」

七咲「わかりました、先輩」


29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:08:54.91 ID:7dIGTA9s0
~同時刻 屋内プール前にて~

森島「そろそろ、部活も終わるころかしら?」

純一「そうですね……森島先輩、ありがとうございます!」

森島「どうしたの、急に?」

純一「先輩のおかげで、塚原先輩と一緒に遊びに行けるなんて……夢のようです」

森島「ふふっ、それは橘君が頑張ってたからよ♪」

純一「でも、受験勉強の邪魔になってるんじゃ……」

森島「ホントにイヤだったら、ひびきちゃんはちゃんと断るもの、だから大丈夫♪」

純一「は、はい!」

森島「そんなことより! 橘君にお願いがあるの」

純一「な、なんでしょう?」

森島「あのね……神社で……わかったかしら?」ゴニョゴニョ

純一「そ、そうですね、わかりました! じゃあお先に失礼します」ダッ

森島「やっぱり可愛いわ~♪ 一生懸命で、ホント応援したくなっちゃう♪」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:09:52.83 ID:7dIGTA9s0
>>28
アマガミっていうゲーム

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:11:59.14 ID:7dIGTA9s0
~更衣室にて~

七咲「塚原先輩、片付けと掃除終わりました」

塚原「うん、ご苦労さま」

七咲「それで……お話ってなんでしょうか?」

塚原「七咲は、橘君の妹さん……美也ちゃんと同じクラスだったよね?」

七咲「はい」

塚原「今日の美也ちゃん、変わった様子とかなかったかな? 元気がないとか?」

七咲「う~ん、いつも通りだったと思いますけど……何かあったんでしょうか?」

塚原「実はね……」

   …………

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:13:57.41 ID:7dIGTA9s0
七咲「これは……多分なんですけど?」

塚原「うん、構わないよ」

七咲「美也ちゃんは橘先輩……お兄さんのことが大好きなんです」

塚原「うん、そうみたいだね」

七咲「森島先輩と塚原先輩のお二人に、橘先輩がデレデレしてるのを見て……」

塚原(鼻の下……確かに伸びていたかも)クスッ

七咲「……おもしろくなかったのかもしれません」

塚原「そういうつもりはなかったんだけど、美也ちゃんに悪いことしたみたいだね」

七咲「でも……美也ちゃん、塚原先輩たちのこと、嫌っているわけじゃないと思うんです」

塚原「七咲は、どうしてそう思うの?」

七咲「はい。美也ちゃんが塚原先輩たちのこと、悪く言ってるの聞いたことありませんから」

塚原「そうなの?」

七咲「むしろ『先輩たちみたいになりたい!』……って言ってますよ美也ちゃん」

塚原「そう? だとしたら嬉しいけど」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:15:40.66 ID:7dIGTA9s0
七咲「あっ?! 今の話、橘先輩と美也ちゃんには内緒にしてくださいね」

塚原「もちろんよ。ありがとう、七咲」

七咲(そっか……遊園地かぁ……)ジィー

塚原「よっかたら、七咲も一緒に遊園地に行く?」

七咲「ありがとうございます。でも、今度の日曜日は郁夫と遊ぶ約束をしているので」

塚原「七咲は弟さん思いだね。私はひとりっ子だから、皆が少しうらやましいよ」

七咲「そんなことありませんよ、男の兄弟って何を考えてるかよくわからなくて……」

七咲「私は、塚原先輩みたいなお姉さんが欲しかったです」

塚原「私? 私が姉なんて、面白くもなんとないと思うけど?」

七咲「い、いえ!」

塚原「むしろ、はるかがお姉さんになった方が、面白いんじゃないかな?」クスッ

七咲「塚原先輩のように、厳しいけど優しさがあって、キレイで頭のいいお姉さんがいたら最高です!」

塚原「こ、こら! 七咲、先輩をからかわない///」

七咲「からかってなんかいません! 本当にそう思っているんです!!」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:16:53.69 ID:7dIGTA9s0
塚原「…………」

七咲「…………」

塚原「……えっ、と……『お姉さん』って呼んで……みる?///」

七咲「い、いいんですか!?」

塚原「ま、まぁ……誰もいないし、お遊びだけど……も、もちろん七咲がイヤじゃなかったらね///」

七咲「は、はい!」

塚原「…………」

七咲「じゃ、じゃあ、いきますね!///」ドキドキ

塚原「う、うん///」ドキドキ

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:17:40.20 ID:7dIGTA9s0
七咲「ひ、ひびきおねーちゃん♪」

塚原「ど、どうしたの、逢?」

七咲「…………」ジィー

塚原「…………」ジィー

七咲&塚原「……ぷっ!!」

塚原「あははっ、照れるけど……意外と悪くないね」クスクス

七咲「は、はいっ……ぷっ……あ、ありがとうございました」クスクス

塚原「こっちこそ……はるかたちも待っているだろうし、そろそろ帰ろうか」クスクス

七咲「はいっ」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:19:21.03 ID:7dIGTA9s0
~プール前にて~

塚原「お待たせ、はるか」

七咲「森島先輩、お疲れさまです」

森島「二人とも、部活お疲れさま♪」

塚原「あれ? 橘君は一緒じゃないの?」

森島「え? うん、用事があるって先に帰ったわよ」

塚原「へえ、そうなんだ?」

七咲「森島先輩を置いて帰るなんで、橘先輩ひどいです」

森島「むむむ……二人とも、何だかすごく楽しそう」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:20:04.44 ID:7dIGTA9s0
塚原「ん? 別に何もないけど……ねぇ七咲?」クスッ

七咲「はい、何もありませんよ」クスッ

森島「こ~ら! 二人で私のことのけ者にしてない?」

七咲「森島先輩は妹でしょうか?」

塚原「そうだね、一番手のかかる?」

森島「な、なんのこと?」

塚原「なんでもないよ」クスクス

七咲「なんでもありません。さ、帰りましょう」クスクス

森島「ひびきちゃんと逢ちゃんのいじわるぅ~!」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:21:08.64 ID:7dIGTA9s0
~夜 橘家にて~

純一「ただいま~」

美也「あ、にぃい、おかえり~ 遅かったね」

純一「うん、ちょっと寄り道しててな。ほら、ついでにこれ」

美也「やったー! まんま肉まんだ~ まんま肉まん♪ まんま肉まん♪ にししししっ♪」

純一「こ、こら、踊るな。……美也はホント、まんま肉まんが好きだなぁ」

美也「にしし♪ にぃにだって好きでしょ?」

純一「まぁな。外はふかふかでしっとり、中はジューシーで飽きのこない味」

美也「にぃに、知ってる? まんま肉まんって、季節によって中身の配合変えてるんだって!」

純一「そうなのか?」

美也「うん! 梨穂ちゃんが言ってたよ。だから一年中食べても飽きないんだって♪」

純一「梨穂子は食べ物のことになると、妙なことまで知ってるなぁ」

美也「すごいよね~ まんま肉まん♪」

純一「そうだな。僕は着替えてくるから、先に食べてていいぞ」

美也「うん、いっただきま~す♪」パクッ

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:22:40.96 ID:7dIGTA9s0
~橘家 純一の部屋にて~

純一「よし! これはここにしまって……と」

美也『にぃに~』

純一「ど、どうしたんだ美也。まだ着替え中なんだけど」

美也『うん……』

純一「……美也?」

美也『こ、こんどの日曜日なんだけど』

純一「あぁ、森島先輩たちと遊園地に……やっぱり美也も来たいのか?」

美也『みゃーは、紗江ちゃんの家にお呼ばれされてる、って言ったでしょ!』

純一「そ、そうだったな。それで、どうしたんだ?」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:23:27.14 ID:7dIGTA9s0
美也『にぃに……頑張ってね』

純一「ど、どうしたんだ急に?」

美也『あのね、二年前のあの日に何があったか、みゃーにはよくわからないけど……』

純一「う、うん」

美也『にぃにが今、すっごく一生懸命なの、みゃーにだってわかってるもん』

純一「美也……」

美也『だから、頑張ってね! そ、それだけ……にししし♪』

純一「ありがとう……美也。頑張るよ、僕!」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:24:27.53 ID:7dIGTA9s0
~塚原家 響の部屋にて~

塚原「うん、今日はここまでにしとこう」カチャカチャ

塚原(美也ちゃん、本当にお兄さん思いなんだな……)

塚原(橘君は変わってるけど、面倒見が良くて妹思いだし……)

塚原(美也ちゃん…あと七咲に、お土産を買ってあげよう)

塚原(……私に兄妹がいたらどんな感じなんだろう)

塚原(お爺さまたちは、男の子が欲しかったみたいだけど……)

塚原(それにしても……)

塚原(……少し前まで、はるかのことばかり考えてたのに……)

塚原(最近、橘君のこと、考える時間が増えてきた……のかな)

塚原(うん、あれだけ一緒にいれば……ね)

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:25:22.06 ID:7dIGTA9s0
塚原(…………)

塚原(……今日、『用事』ってはるかは言ってたけど)

塚原(二人でコソコソと、何か企んでいる気がする)

塚原(ふぅ……はるかと上手くいけば……いいんだけど)ズキッ

塚原(…………)

??『ひびき~ はるかちゃんから電話よ~』

塚原「は、は~い」バタバタ

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:27:19.74 ID:7dIGTA9s0
~日曜日 駅前にて~

純一「塚原先輩、おはようございます!」

塚原「おはよう、早かったのね」

純一「はい! こんな大切な日に寝坊するわけにはいきませんから!」

塚原「くすっ。そうね、寝坊なんてしたら、後で色々とヒドイかも」クスクス

純一「え、え?!」

塚原「それとも……普段の君を見ていると、そっちの方が好みなのかな?」クスクス

純一「つ、塚原先輩?! そ、そんなことは決して」

塚原「ところで、ひびきは……まだみたいね」

純一「は、はい。まだみたいです」

塚原「はるかが遅れてくるのは、いつものことだけど……仕方ないから、待ちましょう」

純一「はい!(塚原先輩の私服姿……)」

純一(いつもの制服姿もいいけど……私服姿の塚原先輩も素敵だな……)

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:28:13.18 ID:7dIGTA9s0
塚原「どうしたの? ぼーっとして」

純一「ご、ごめんなさい! 塚原先輩がキレイだったので、つい見とれてしまって!」

塚原「と、突然なにを言いだすの!///」

純一「突然じゃないです! 制服や水着もいいけど、私服も素敵だなって!」

塚原「そ、そういうことは、はるかに言ってあげなさい!///」

純一「い、いえ、僕の正直な気持ちなので……」

森島「ひびきちゃ~ん、橘く~ん、遅くなっちゃった!」テヘ

純一「も、森島先輩!」

塚原「は、はるか! 遅いよ」

森島「ソーリー♪ 途中で可愛いワンチャンがいたから、ついキュンキュンって……」

塚原「あなたはまた……だから、いつも早く家を出なさいって……」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:28:48.51 ID:7dIGTA9s0
森島「あれ?」

塚原「ど、どうしたの?」

森島「う~ん、ひびきちゃんの顔……なんか赤くない?」

塚原「そ、そんなこと……私も遅れそうだったから、少し走ったから……かも///」

森島「な~んだ♪ ひびきちゃんも私のこと言えないじゃない」

塚原「そ、そうだね、ごめん。そんなことより、そろそろ行こうか?」

純一「そうですね! 早く遊園地に行きましょう!」

森島「よーし、遊園地にレッツゴー♪」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:29:46.03 ID:7dIGTA9s0
~キビトランド園内にて~

森島「到着~ ふふっ、さーて楽しむわよ~」

純一「結構混んでますね」

塚原「そうね、久しぶりに来たけど……どうするの、はるか?」

森島「……えっと、それじゃあ早速何か乗ろうか?」

純一「そうですね」

森島「あ! あの落下傘みたいやつは?」

塚原「あれ? じゃあ行こうか」

純一「い、いきなりあんな激しそうな……」

森島「男の子なんだから、大丈夫でしょ? ね?」

純一「は、はい……」

塚原「あまり無理しないほうがいいよ」

純一「だ、大丈夫です!」

森島「それじゃ、レッゴー♪」

  …………

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:31:05.09 ID:7dIGTA9s0
黙々と投下していると、誰も見てないんじゃないかという恐怖がwww

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:31:47.70 ID:7dIGTA9s0
純一「……ぅぅぅ」

塚原「だ、大丈夫、橘君?」

純一「は、はい……ぅぅ……」

森島「ご、ゴメンね……ホントに大丈夫?」

塚原「はるか、ちょっと何か飲み物買ってきて」

森島「わ、わかったわ、すぐに買ってくるから待っててね」

塚原「ゴメンね……はるかの無理につきあわせちゃって」

純一「い、いえ……僕が高いところが苦手なだけなんで……」

塚原「とにかく、少し休んで気分が良くなるのを待とう」ナデナデ

純一(ああ……先輩たちにいいところを見せようとして……情けない)

森島「おまたせ! 買って来たよ」

塚原「ありがとう、はるか。さ、橘君、これを飲んで」

純一「あ、ありがとうございます」

   …………

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:32:53.04 ID:7dIGTA9s0
純一「も、もう大丈夫です」

森島「ほ、ホント大丈夫?」

塚原「さっきと比べて、だいぶ顔色はいいみたい」

純一「はい、せっかく遊びに来たのに……ご迷惑をおかけしました」

塚原「誰だって苦手なものはあるよ」

森島「本当にゴメンね……」

純一「だ、大丈夫ですから! せっかく遊園地に来たんですし、次行きましょう!」

塚原「そうだね……観覧車とかジェットコースターはダメそうかな」

森島「う~ん、あとは何があるかしら?」

純一「あっ! これなんてどうです?」

塚原「ホラーハウス『エジプトの謎』か……」

森島「こ、ここなの?」

純一「あれ? 先輩、もしかしてこういうのはダメなんですか?」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:33:42.26 ID:7dIGTA9s0
森島「だ、ダメなんかじゃないよ……ただ」

塚原「ただ?…ふふっ」クスクス

森島「な、何よ! 行けばいいんでしょ!」

塚原「はるかは、さっき橘君に無理させたからね」クスクス

純一「い、いや、そんなに無理しなくても」

森島「ひびきちゃん! 無理なことなんかないもん! 行きましょ!」

純一「じゃ、じゃあ行きましょう」

森島「え、えぇ……」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:34:34.21 ID:7dIGTA9s0
~ホラーハウスにて~

森島「……う、薄暗いわね」

純一「暗くしないと雰囲気でませんからね」

塚原「はるか、転ばないようにしなさいよ」

純一「大丈夫ですか?」

森島「も、もちろん大丈夫よ! きゃぁ!?」

塚原「はるか?」

純一「床、なんか柔らかいですね」

森島「も、もう~! なんで柔らかくしてるの!」

塚原「驚かせるために決まってるじゃない」

森島「……なるほど」

純一「塚原先輩は大丈夫なんですか?」

塚原「私? 私はこういうの平気」

  ふっ…………

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:35:28.72 ID:7dIGTA9s0
森島「えっ!? な、なに!?」

塚原「急に真っ暗になったね」

純一「森島先輩、気をつけてくださいね」

森島「も、もう~!? なんで真っ暗になるのよ~!?」

??『我が財宝を盗みに来たのはお前か~~』

森島「きゃぁ!?」

純一「宝の番人か何かですかね?」

塚原「そうみたい。結構凝った仕掛けね」

森島「ふ、二人とも、どうしてそんなに冷静なのよ~!?」

??『我が財宝を盗みに来たのはお前か~~』

  ウオオオ~~~~~ン!

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:36:40.14 ID:7dIGTA9s0
森島「え? な、なに!? 何なの?」

純一「え?」

塚原「み、ミイラ?」

森島「きゃあ!?」

キング『我が財宝を盗みに来た愚か者よ! 千年王国の呪いをその身で受けるがいい!』

   ウオオオ~~~~~ン! ボゥーン!

塚原「ごほっ、ごほっ」

純一「な、何だこの煙……」

塚原「はるか、大丈夫? ……ごほっごほっ」

純一「あ、あれ……森島先輩?」

塚原「ちょっと、はるか?」

純一「塚原先輩、大丈夫ですか?」

塚原「橘君? 私は大丈夫だけど……」

純一「あ……煙が晴れてきましたね」

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:38:08.38 ID:7dIGTA9s0
塚原「はるか? ……いないわね、どこに行ったのかしら?」

純一「あ、あれ? 森島先輩? 塚原先輩も……どこに行ったんだろう?」

塚原「な、なに言ってるの橘君、私ならここに……あれ?」

純一「……君、どうしたの? 君も迷子かな?」

塚原「な、なにこれ? 橘君……随分大きくなってるけど?」

純一「え? もしかして……塚原先輩ですか?」

塚原「そうだけど……」

純一「ぼ、僕が大きくなったんじゃなくて、先輩が小さくなってるみたいです」

塚原「え、えぇぇぇぇぇ!?」

純一「塚原先輩なんですか? 本当に!?」

塚原「本当にって、見れば……わからないよね」

純一「面影とか…確かに塚原先輩ですね」

塚原「うん……これって……元に戻るのかな」

純一「あ、アトラクションですし……多分」

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:39:41.82 ID:7dIGTA9s0
塚原「そ、そうよね? あ……はるかのこと探さないと」

純一「は、はい。先に進んでみましょうか」

塚原「えぇ、行きましょう……きゃっ!?」

純一「つ、塚原先輩、大丈夫ですか?」

塚原「い、痛たた……体に違和感があって……少し動きにくいかな」

純一「そ、そうですよね。急に体が小さくなったんですから」

塚原「う、うん」

純一「あの……また転んだりしたら危ないから、手をつなぎませんか?」

塚原「そ、そうね……じゃあお願いしようかな。はい///」

純一「はい/// (先輩の手……小さくて可愛いな)」ギュッ

塚原「ありがとう。……はるか、どこに行ったのかな」

純一(あっ……先輩震えてる)

塚原「それにしても広いわね、ここ」

純一(当たり前だよな、急に体が小さくなって、戻るかどうかもわからないのに)

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:40:28.29 ID:7dIGTA9s0
塚原「ふぅ……困ったな」

純一「塚原先輩は凄いですね」

塚原「え、何が?」

純一「自分がこんな状態なのに……森島先輩の心配して」

塚原「それは……」

純一「それだけじゃなくて……」

塚原「…………」

純一「スポーツ万能で頭も良くて……梅原…僕の友達が言ってたんですけど」

塚原「……うん」

純一「『まぶしくて遠くから見てることしかできない』って」

塚原「……そっか。……でもね」

純一「はい」

塚原「……怖いよ……私だって女の子だよ」ギュッ

純一「……!?」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:41:19.06 ID:7dIGTA9s0
塚原「耐えられなくて、逃げ出したくなることだって……」

純一「はい、だから僕にも出来ることがあるんじゃないか?って思うんです」ギュッ

塚原「え?」

純一「今みたいに、こうして塚原先輩のお役に立てる事が…」

塚原「…………」

純一「塚原先輩のこと、支えてあげられる事が出来るんじゃないかって」

塚原「た、橘君……君は、はるかのこと……あ、光!?」

純一「出口かもしれませんね、行ってみましょう」

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:42:20.86 ID:7dIGTA9s0
~ホラーハウス出口にて~

塚原「やっぱり出口だったみたいね」

純一「つ、塚原先輩!」

塚原「うん?」

純一「戻ってます! 元に戻ってますよ、塚原先輩!」

塚原「ほ、本当だ……良かったぁ……」

純一「やっぱりアトラクションの仕掛けだったんですね」

塚原「え、えぇ。それにしてもはるかは……」

森島「わお! 二人で手をつないでるなんて、いつからそんなに仲良くなったのかしら?」

純一「わっ!? 森島先輩!」バッ

塚原「こ、これは!///」バッ

森島「ふ~ん、私のこと置いて行ったのは、そういう訳だったんだぁ?」ニコニコ

塚原「何言ってるの!? あなたこそ、どこにいたの? 随分探したんだから!」

森島「う~ん、真っ暗になってから、変なミイラが出てきたでしょ?」

純一「はい」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:43:34.79 ID:7dIGTA9s0
森島「ミイラがが吐き出した煙が晴れたと思ったら、二人の姿がどこにもなくて」

塚原「はるか、あなた大丈夫だったの?」

森島「えぇ♪ 私が一人困ってたら、きびにゃんが現れて助けてくれたの♪」

純一「き、きびにゃんがですか?」

森島「そうよ? 『ニャンニャン』って♪」

塚原「そう……なんだかよくわからないけど、見つかってよかったよ」

森島「ねね。そろそろお腹すかない?」

純一「そういば……そろそろお昼ですね」

塚原「うん、それじゃ何か食べに行こうか」

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:44:03.58 ID:7dIGTA9s0
森島「も・ち・ろ・ん、ひびきちゃんと橘君のおごりでしょ?」

塚原「なんでよ?」

森島「だって~ 私のこと置いて二人で楽しんでたんでしょ?」

純一「そ、それは……///」

森島「しかも、仲良く手なんかつないじゃったりして~?」

塚原「わ、わかったから!///」

森島「わ~い♪ 何にしようかしら♪」

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:45:14.84 ID:7dIGTA9s0
~夕方 土産物屋にて~

塚原「はるか、買い物済んだから、外で待ってるよ」

純一「ぼ、僕も終わったんで、先に出てますね」

森島「うん、わかったわ~ も~どれも可愛いから、選ぶのに困っちゃう♪」

塚原「ふぅ…色々あったけど今日は楽しかったよ」

純一「そうですね。あ、お昼はありがとうございました、全部出してもらっちゃって……」

塚原「気にしないでいいよ、色々助けてもらったし……橘君は何を買ったの?」

純一「はい、美也に『きびにゃんクッキー』を」

塚原「橘君は妹思いだね」

純一「そ、そんなことは……塚原先輩は何を買われたんですか?」

塚原「私? この『部活だ!きびにゃん♪』の水泳部バージョンを七咲に。あと……」

純一「あと?」

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:46:10.58 ID:7dIGTA9s0
塚原「これ、美也ちゃんに渡してくれるかな?」

純一「こ、これは?」

塚原「まんま肉まんを食べてるきびにゃん、ちょっと珍しいでしょ?」

純一「えぇ、珍しいですね。美也も喜ぶと思います! でも、どうして美也に?」

塚原「ほら、はるかが美也ちゃんのこと誘ったけど、彼女、お友達と用事があったでしょ?」

純一「はい」

塚原「だから、お土産くらいはね」

純一「ありがとうございます! そうだ、僕も塚原先輩に渡すものが……」ゴソゴソ

塚原「私に? 何かな?」

純一「あった!……これ、良かったら受け取ってもらえませんか」

塚原「お守り?」

純一「はい。塚原先輩、もうすぐ国立医大の推薦があるって聞いたので」

塚原「そうか、はるかね。……ありがとう」

純一(やった! 受け取ってもらえた!)

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:47:26.42 ID:7dIGTA9s0
塚原「……ねぇ、橘君」

純一「は、はい、なんでしょう?」

塚原「橘君は私のこと『凄い』って言ってくれたよね?」

純一「(ホラーハウスの時……)は、はい」

塚原「あの時も言ったけど、私にだって怖かったり、逃げ出したくなる時だってあるんだよ」

純一「…………」

塚原「もちろん、本当に逃げる訳にはいかないし、自分でやるしかないんだけど」

純一「は、はい」

塚原「今度の推薦だって、本当は凄いプレッシャーなんだ」ギュッ

純一(あ……お守り……)

塚原「家は代々医者の家系だから、合格して当たり前って雰囲気だしね」

純一「で、でも……先輩は」

塚原「その点、はるかは本当に凄いよ」

純一「森島先輩がですか?」

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:48:58.79 ID:7dIGTA9s0
塚原「うん。はるかは普段はああだけど、後ろ向きに考えたり、逃げ出したりしないから」

純一「せ、先輩……」

塚原「はるかに人気があるのって、そういうことだと思うんだ」

純一「ぼ、僕は、塚原先輩だって本当に凄いと思います!」

塚原「プレッシャーを感じて、後ろ向きで逃げ出したくなってるのに?」

純一「で、でも、そんなに頑張ってるじゃないですか!」

塚原「自分にやりたいことのために頑張るのは、当たり前じゃないかな?」

純一「で、でも……」

塚原「頑張ったから、全てが報われる訳じゃないのよ」

純一「……っ!」

塚原「……ごめんね、別に意地悪を言うつもりじゃなかったんだ」

純一(だ、ダメだ……このままじゃ……)

81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:49:41.23 ID:7dIGTA9s0
塚原「ふふっ……情けない先輩だよね……」

純一「先輩! ちょっと一緒に来てください!」ギュッ

塚原「え!?」

森島「やっほー お待たせ~……って、あれ?」

純一「森島先輩!」

森島「な、なに?」

塚原「ちょ、ちょっと橘君?」

純一「塚原先輩のこと、少しお借りします!!」

森島「…………うん。頑張ってね、橘君」ニコッ

塚原「え? は、はるか?」

純一「先輩、行きましょう!」

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:51:24.28 ID:7dIGTA9s0
~観覧車にて~

塚原「ちょ、ちょっと、どういうつもりなの急に!」

純一「いいから、乗ってください!」

塚原「も、もう……」

純一「うっ……」

  カタカタカタカタ

塚原「橘君、君は高い所ダメなんでしょ?」

純一「は……はい……」

塚原「もう、そんなに顔色が悪くなってる……」

純一「ど、どうしても、つ、塚原先輩に聞いてもらいたいことが……あって」

塚原「話だったら、別にここじゃなくても……」

純一「せ、先輩は『頑張ったからといって全てが報われる訳じゃない』って……」

塚原「え、えぇ……」

純一「で、でも、世の中には、が、頑張ら……なかったり、逃げだしたりする人だって……いるんです」

塚原「…………」

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:53:12.94 ID:7dIGTA9s0
  カタカタカタカタ

純一「ぼ、僕もそう……でした」

塚原「……え? どういうこと?」

純一「に、二年前……クリスマスの日に……女の子に振られてから……」

純一「ぼ、僕は……それを忘れようとして……ず、ずっと逃げてばかりで……」ガクガク

塚原「た、橘君……」

純一「こ、これからも……そ、そうやって……言い訳ばかりで……逃げていくんだと」

純一「そ、そんな時に……塚原先輩を見たんです!」

塚原「わ、私?」

純一「は、はい! ぶ、部活も……勉強もい、一生懸命頑張ってる、塚原先輩が……」

純一「す、すごく輝いて、かっこ良くて……す、素敵に見えて……」

塚原「……うん」

純一「ぼ、僕も頑張らなきゃ…って……ぅっ」ガクガクブルブル

85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 00:54:49.60 ID:7dIGTA9s0
  カタカタカタカタ

塚原「た、橘君、大丈夫?」

純一「だ、だい……うぅぅ……(た、高い……も、もうダメかも……)」ガクガクブルブル

塚原「しっかりしなさい!」ギュッ

純一「あ……!?(一体何が起こったんだ?)」

塚原「私に聞いてもらいたいことがあるんでしょ?」

純一(……つ、塚原先輩に抱きしめられて)

塚原「男の子なら最後までしっかりしなさい!」ギュッ

純一「っ!? が、頑張らなきゃ……って!」

塚原「うん」

純一「せ、先輩みたいに……先輩にっ……つ、つりあうような男に……なりたいって」

塚原「うん」

純一「ぼ、僕の努力なんて……む、無駄で、報われないかもっ……しれないけど……ぅぅ」

塚原「……っ!?」

純一「そ、そ、それでも……今までみたいに……逃げたくっ……なくて!」

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 01:02:29.22 ID:7dIGTA9s0
  カタカタカタカタ

純一「ず、ずっと見てました!……ぼ、僕は塚原先輩の……ことが…好きです!」

塚原「……ありがとう」

純一「す、好き……です。こ、こんなに情けない…ぼ、僕だけど……」

塚原「……うん」

純一「た、頼りない僕だけど……つ、塚原先輩のそばで……」

塚原「……うん」

純一「あ、あの時……みたいに、頑張ってる先輩の……ち、ちからに……ぅぅ……」

塚原「た、橘君!? 大丈夫、橘君!」

純一「ぁ…………(い、意識が……)」

96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 01:04:01.72 ID:7dIGTA9s0
~園内 ベンチにて~

純一(ぅぅ……こ、ここは……)

純一(あれ……ぼ、僕はいったい……)

純一(あ!? た、確か……塚原先輩と観覧車に乗って……)

純一(ど、どうなったんだっけ?)

??「あ、気がついたみたいよ……」

純一(おでこが冷たくて気持ちいい……)

??「橘君? 大丈夫?」

純一(つ、塚原先輩の声? ……後頭部にも柔らかくて気持ちいい感触が……なんだろう?)

塚原「大丈夫、橘君?」

純一「うっ……(ま、まぶしい)」

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 01:05:25.27 ID:7dIGTA9s0
森島「ほら!? ひびきちゃん、気がついたみたい!」

純一「あっ……(つ、塚原先輩の顔が……こんなに近くに……)」

塚原「よ、よかった……気がついたんだね……」ジワッ

純一「あ……れ?(塚原先輩……泣いてる?)」

森島「橘君、大丈夫?」

純一「は、はい。大丈夫です」

森島「う~ん、大丈夫なら、早くそこから体を起こして欲しいなぁ?」ニコニコ

塚原「は、はるか」

純一「え? えっ?」バッ

98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 01:06:44.91 ID:7dIGTA9s0
森島「ひびきちゃんの膝枕、気持ち良かったかしら?」ニコニコ

純一「あっ……えっ?(もしかして、さっきの感触……塚原先輩の……)」

塚原「はるか……橘君は気絶してたんだから……」クスッ

純一(笑って、る……さ、さっきのは気のせいだったのかな……)

塚原「橘君も気がついたみたいだし……そろそろ帰ろうか?」

森島「う~ん、ちょっと遊び足りない気もするけど……」

純一「ぼ、僕のせいですね……ゴメンなさい」

森島「う・そ・よ♪ とーっても楽しかったわ。ね、ひびきちゃん?」

塚原「そうね、いい気分転換になったよ。ありがとう……はるか、橘君」

純一「は、はい!」

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 01:08:19.87 ID:7dIGTA9s0
~翌月曜日 お昼休み 食堂にて~

森島「それじゃ、ここで席を取ってるから、よろしくね♪」

純一「はい! よろしくお願いします」

塚原「はるかはA定食ね?」

  …………

塚原「橘君、昨日はありがとう」

純一「先輩こそ! 忙しいのにありがとうございました」

塚原「勉強のいい気分転換になったよ」

純一「美也のやつ、先輩がくれたきびにゃんのキーホルダー、凄く喜んでました」

塚原「そう? ひびきみたいに可愛いものを選ぶの得意じゃないから……よかった///」

純一「…………(か、観覧車の時のこと……聞かなきゃ)」

塚原「…………(か、観覧車の時のこと……言わなきゃ)」

102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 01:09:34.93 ID:7dIGTA9s0
純一&塚原「あ、あの……」

純一「つ、塚原先輩、お先どうぞ」

塚原「た、橘君こそ、先にどうぞ」

純一「そ、それじゃ……か、観覧車でのことなんですけど……」

塚原「あ、うん///」

純一「ど、どうでしょうか?」

塚原「そのことだけど……ゴメン」

純一「……えっ あ……ぁ…… そ、そうです、か……」

104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 01:11:30.69 ID:7dIGTA9s0
塚原「あ、違うの! 返事は待ってほしいんだ」

純一「ど、どういうことでしょう?」

塚原「うん……私、大学の推薦がもうすぐでしょ?」

純一「はい」

塚原「だから、それが終わって……結果発表まで、返事を待ってほしいの」

純一「は、はい!」

塚原「君が頑張って気持ちを伝えてくれたこと……嬉しかったよ///」

純一「ご、ごくり……」

塚原「だから……いい加減な状態のままで、返事をしたくないから、ね?」

純一「わかりました! 待ちます! いえ、待たせてください!」

塚原「こ、こら。声が大きいよ!」

純一「すいません!」

塚原「も、もう///」

105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 01:12:59.64 ID:7dIGTA9s0
~放課後 テラスにて~

森島「う~ん、それじゃあ今はひびきちゃんの返事待ち、ってことね?」

純一「はい、そういうことになります」

森島「そっかぁ……ひびきちゃんからいいお返事、もらえるといいわね」

純一「は、はい!」

森島「ところで……観覧車の中で何があったのかしら?」

純一「え?!」

森島「ひびきちゃんに聞いても、何にも教えてくれないのよねぇ~」

純一「は、はぁ……」

113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 01:29:07.65 ID:7dIGTA9s0
森島「橘君は……何があったか、お姉さんに教えてくれるわよね?」ニコッ

純一「な、何もありませんでした。確かに告白はしましたけど……」

森島「むむむ……ホントに?」ズイッ

純一「ほ、本当に……(ち、近い……顔が近い)」アセアセ

森島「ひびきちゃんも、君みたいに顔を赤くして『何もないよ』って言うんだけど……」

純一「は、はひ……」

森島「まぁ、いいわ。私に内緒でひびきちゃんに変なことしたら、許さないんだから」ニコッ

純一「も、もちろんです」コクコク

116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 01:31:15.55 ID:7dIGTA9s0
~放課後 屋内プールにて~

七咲「先輩、お疲れさまでした!」

塚原「七咲もお疲れ あ、ちょっといい?」

七咲「はい、なんでしょう?」

塚原「うん、ちょっと待ってね」ゴソゴソ

七咲「…………」ジィー

塚原「これ……ちょっと子供っぽいかもしれないけど、七咲に」

七咲「わぁ! すごく可愛いです!」

塚原「……ならよかった」

七咲「これ、どうしたんですか?」

塚原「うん、遊園地のお土産なんだけど、七咲には美也ちゃんのことで色々と教えてもらったから」

119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 01:33:46.66 ID:7dIGTA9s0
七咲「ありがとうございます! 大事にしますね」

塚原「そう言ってもらえると、選んだ甲斐があったよ」

七咲「……先輩、何かいいことでもありました?」

塚原「ど、どうしてそう思うの?」

七咲「はい、何だか先輩の顔がイキイキとしてるので」

塚原「『イキイキ』か……」

七咲「はい」

塚原「そうだね、つまらないことで悩んでいても意味がないのはわかったかな」

七咲「つまらないこと……ですか?」

120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 01:35:22.91 ID:7dIGTA9s0
塚原「うん。こんなこと言っちゃいけないんだろうけど、努力の全てが報われないとか」

七咲「はぁ……」

塚原「例え報われなくても、自分のための努力は、それ自体決して無駄じゃないんだ……って」

七咲「……そうですね」

塚原「それに……その努力を見ていてくれる人がいる」

七咲「……はい」

塚原「それがわかって、凄く嬉しかったかな」

七咲「何だか……少し難しいお話しですね」

塚原「そうかな? 七咲もその内わかる時がくると思うよ」

122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 01:37:04.51 ID:7dIGTA9s0
~ある日 お昼休み 教室にて~

梅原「なぁ、大将?」

純一「どうした、梅原?」

梅原「大将のこと……何だか噂になってるけど、ありゃぁ、本当なのか?」

純一「噂? どんな?」

梅原「おぅ、『大将と森島先輩がつきあってる』って噂」

純一「え、えぇ!?」

梅原「う~ん……大将のその様子だと、どうやらデマカセみたいだな」

純一「あ、当たり前だろ! 僕と森島先輩がつきあってるなんて」

124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 01:39:53.66 ID:7dIGTA9s0
梅原「でもな……大将と森島先輩がデートしてるのを見た……ってヤツもいるみたいなんだ」

純一「そ、それは、森島先輩と塚原先輩と三人で遊びに行ったのは本当だけど」

梅原「そっか……じゃぁ、それを見たヤツが言いふらしたのかもしれないな」

純一「も、森島先輩は何か言ってるのかな?」

梅原「さぁな? 俺が聞いた話では肯定も否定もしてないってことだけど」

純一「も、森島先輩や塚原先輩に迷惑がかかるよ……」

梅原「塚原先輩? どうして?」

純一「だ、だってその時、塚原先輩も一緒にいたんだから……」

梅原「ふむ……」

純一「変な噂が流れたら……塚原先輩は大学の推薦があるんだ!」

梅原「そ、そっか」

??「……ねぇ?」

127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 01:41:18.41 ID:7dIGTA9s0
梅原「うん?」

棚町「その噂してたの、誰?」

純一「か、薫?」

棚町「その噂してたの、誰よ?」

梅原「あ、あぁ…俺が聞いたのはC組の剣道部の連中から……」

棚町「ふ~ん。わかった、ありがと!」ダッ

梅原「お、おい棚町どこ行くんだ!?」

純一「ちょ、ちょっと薫!!」

梅原「行っちまった……どうしたんだ棚町のヤツ?」

純一「梅原、多分ヤバイことになる、追いかけよう!」

梅原「お、おぅ?」

130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 01:44:07.16 ID:7dIGTA9s0
~昼休み 2年C組にて~

棚町「あんたねぇ! 人の迷惑も考えないで、勝手な噂流すんじゃないよ!」

生徒「だ、だって、あの二人が歩いてんの見たんだぜ!」

棚町「うっさい! 二人じゃなくて三人でしょ!!」

生徒「!!??」

棚町「自分が相手にされないからって、好き勝手なことばっかり言って!!」

純一「か、薫! や、やめろ!!!」

棚町「は、放せ!」ガスッ

梅原「た、大将、大丈夫か! ってうわ!!」

純一「う、うぅ……(ひ、額が熱い……)」

棚町「森島先輩がつきあってるって言った訳? コイツがつきあってるって言った訳?」

生徒「そ、それは……」

132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 01:46:09.50 ID:7dIGTA9s0
棚町「全部アンタの作り話でしょ!!!」ガンッ

梅原「うっ……机が悲鳴を上げてやがる」

純一「薫! もうよせ!」

生徒「そ、そうだよ、あの時は森島先輩と塚原先輩と橘の三人だった、これでいいんだろ!」

純一「か、薫もういい……もういいから!」ガシッ

棚町「よくない!!」

生徒「ひ、ひぃ……」

棚町「三人でいるの見ただけで、あとは全部アンタの妄言! これで間違いない?」

生徒「あ、あ…間違いない」コクコク

棚町「よし、二度と好き勝手な噂話を流したりしないように」ニコッ

生徒「は、はい……」コクコク

135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 01:48:27.19 ID:7dIGTA9s0
~お昼休み 保健室にて~

棚町「ごめん……つい頭に血がのぼって……」

純一「もういいよ……薫は僕のためにやってくれたんだろ?」

棚町「うん……」

純一「ありがとう、薫」

梅原「ほ、ほら、大将、ちょっと動くなよ」

純一「い、いててて!」

梅原「あちゃ~額がパックリ切れてやがるな……ちょっと保健の先生呼んでくるわ」

棚町「あ、あたしが行ってくる! あっ!?」ダッ

森島「きゃっ!?」

塚原「どうしたの、はるか?」

棚町「ご、ごめんなさい! 失礼します!」ダッ

138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 01:50:32.86 ID:7dIGTA9s0
塚原「あれ? 橘君?」

純一「あ、塚原先輩と森島先輩……」

森島「ちょ、ちょっとどうしたの、その怪我?」

純一「い、いえ……」

  …………

森島「ふ~ん、そういうことだったんだ」

純一「はい……」

塚原「橘君はいい友達を持ったね」

梅原「そ、それより森島先輩たちはどうして保健室に?」

森島「あはは、ちょ、ちょっとね……」

塚原「はるかが、うどんのツユを指にこぼしちゃったのよ。それで念のためにね」

梅原「そ、そりゃぁ大変だ! 森島先輩の玉のお肌に瑕でも残ったら」

森島「もぅ~大げさねぇ」クスクス

140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 01:52:27.83 ID:7dIGTA9s0
塚原「何言ってんの、さっきまでキャアキャア言ってたじゃない」

純一「そ、そうなんですか?」

森島「も~う、ひびきちゃん、キライ!」プイ

梅原「うっひょぉ~ ちょっと可愛すぎるだろ、森島先輩!!」

純一「あ、あぁ……」

梅原「こりゃぁ、噂を流したヤツの気持ち……少しはわかっちまうぜ」

森島「キライ、キライ、キラ~イ!」プイ

塚原「ほら、消毒するから指を出して」

森島「やだ!」プイ

142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 01:54:49.28 ID:7dIGTA9s0
塚原「後輩の前でみっともない……早くしなさい」

森島「むむむ……はい!」

梅原「は、鼻血が……」

純一「こ、こら、梅原!」

塚原「……橘君、心配しなくても大丈夫よ」

純一「え?」

塚原「そんな噂ぐらいじゃ、何ともないから……ね、はるか?」

森島「そうよ! 橘君たちは気にしすぎ! でも、ありがとね」

塚原「うん、ありがとう。その気持ちだけで嬉しいよ」

純一&梅原「は、はいっ!!」

143: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 01:56:55.56 ID:7dIGTA9s0
~推薦入学者発表日 お昼休み 掲示板にて~

純一(きょ、今日が推薦入学の発表日だ!)

純一(じ、自分のことじゃないけど……ドキドキしてきた)

純一(も、もしかして……二人ともいるかな?)

純一「あっ! 森島先輩、塚原先輩、こんにちは!」

森島「橘君! ちょうどいいところに!」

塚原「あ、橘君も来てくれたんだ?」

森島「はい、お祝いのメッセージをどうぞ♪」

純一「え、も、もしかして!?」

森島「そう! ひびきちゃん、国立大学の医学部に推薦入学決定よ♪」

純一「お、おめでとうございます!!」

塚原「二人とも……ありがとう///」

森島「さっすが、ひびきちゃんよね~♪」

純一「はい! さすがです!!」

森島「でしょでしょ?」

148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 01:58:54.10 ID:7dIGTA9s0
塚原「こらこら、はるかが威張るところじゃないでしょ?」

森島「えへっ、それもそうか」

純一「でも、本当に凄いです! 国立大学の医学部なんて!」

森島「ふっふ~ん、まあ、それほどでも」

塚原「ふふっ、だからはるかじゃないでしょ?」クスクス

純一「……本当ですよ」

森島「いいじゃない! 私も嬉しいんだもん!」

塚原「そこまで喜んでもらえると嬉しいよ。ありがとう///」

純一「あの……そういえば森島先輩は進路って……」

森島「私? 私は文系の大学に行く予定よ」

純一「文系の大学ですか」

塚原「確か本命だけ残ってるんだよね?……受験はいつだっけ?」

森島「えーっと、年明けかな、確か」

塚原「頼りないなぁ……」

151: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 02:00:55.38 ID:7dIGTA9s0
純一「森島先輩も頑張ってくださいね、応援してます!」

森島「わお、ありがとう♪ 頑張るから見ててね」

塚原「ホントに頑張ってよ」

森島「頑張るわよ、ひびきちゃんと一緒に卒業旅行に行きたいもの♪」

純一「卒業旅行ですか?」

塚原「うん、まだはっきりとは決めてないんだけどね」

純一「いいですね」

塚原「あ……橘君。これ、落としたよ……はい」

純一「……えっ?(え……手紙?)」

森島「なになに? 何を落としたの?」

塚原「ほら、もうお昼終わっちゃうよ」

森島「そう? ざーんねん! 橘君、またね」

純一「は、はい」

153: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 02:02:22.80 ID:7dIGTA9s0
~放課後 輝日東神社前にて~

純一(塚原先輩からの手紙……『放課後、輝日東神社前で待ってて』とだけ)

純一(やっぱり……あの日の返事かな)

純一(それにしても……遅いな……まさか……)

純一(いや! 時間は書いてなかったし……あの時とは違う……はず)

純一(…………)

純一(だ、だめだ……本当に来てくれるんだろうか?)

純一(も、もし……塚原先輩が来なかったら……僕は……)

純一(…………)

157: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 02:04:14.64 ID:7dIGTA9s0
塚原「ご、ごめん! 遅くなって!」

純一「つ、塚原先輩! ……来てくれたんですね」

塚原「私が誘ったんだから、来るのは当たり前でしょ」

純一「そ、そうですよね」

塚原「でも、遅くなってゴメン。推薦入学の件で先生に捕まってて」

純一「そうでしたか……それはお疲れさまでした」

塚原「うん、じゃあ……行こうか」スタスタ

純一「い、行くって、どこにです?」

塚原「……これ」

純一「あっ!?(僕が先輩にあげたお守り)」

塚原「推薦入学が決まったからね、少し時間は遅くなったけどお礼に行かないと」

純一「そ、そうですよね」

塚原「えぇ、それじゃ行きましょ」

159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 02:06:58.40 ID:7dIGTA9s0
~輝日東神社境内にて~

塚原「よし、これでいいかな」

純一「はい」

塚原「橘君、この後まだ大丈夫?」

純一「は、はい、もちろんです」

塚原「そっか……じゃぁ少し歩こうか」

  …………

純一(塚原先輩……ずっと黙ったままだ……)

純一(僕も人のことは言えないけど……)

塚原「橘君……あの時の返事……約束だったよね」

純一「は、はい!」

塚原「……今日まで……色々なこと考えたよ」

純一「……はい」

塚原「はるかのこと、君と知り合ってからのこと、この前の遊園地でのこと」

純一「…………」

162: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 02:08:54.73 ID:7dIGTA9s0
塚原「橘君は……はるかのことが好きだと思っていたよ。はるかも君のこと気に入ってるみたいだし」

純一「も、森島先輩は確かに素敵な人だと思います。でも…ぼ、僕は……」

塚原「うん、はるかとも君のこと、話したよ」

純一「そ、そうなんですか?」

塚原「やっぱり、あの子を除け者にするのは少し違うと思ったし……」

純一「はい」

塚原「はるかなりに、色々と動いてくれたてみたいだから」

純一「そうですね」

塚原「……遊園地でも少し言ったけど」

純一「……はい」

塚原「私も……一応女の子だし、怖いことや逃げ出したいことだってあるんだ」

純一(あ…塚原先輩が立ち止まった)

163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 02:10:16.13 ID:7dIGTA9s0
塚原「だ、だから、もし……もし、君が私のこと……見ていてくれるなら///」

塚原「私は……もう少し頑張れるんじゃないかな……って///」

純一「は、はい!」

塚原「……だ、だめ! 言葉にしようとすると、うまくいかない……」

純一「えぇ?」

塚原「本当は……もう返事をしてるんだよ? あの日……観覧車で」

純一「も、もしかして……僕が気絶してから……ですか?」

塚原「そう、君が気絶してから」クスクス

純一「気絶してるんですから、そんなの知りませんでしたよ……何て言ったんですか?」

塚原「じゃぁ……もう一度気絶してくれたら教えてあげる」クスクス

純一「え……と?」

塚原「振りでいいから……そこに座って目を閉じて」

純一「……ここでいいですか?」

塚原「うん……目を閉じて」

純一「は、はい……」

167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 02:12:29.62 ID:7dIGTA9s0
塚原「……ちゃんと目を閉じてる?」

純一「と、閉じてま……うわっ」ギュッ

塚原「気絶してるんだから……しゃべっちゃダメよ」ギュッ

純一「は、はい……(う、うわ……も、もしかして、塚原先輩に抱きしめられてる?)」

塚原「んっ……君が見ているって言ってくれて、凄く嬉しかったよ」

純一(せ、先輩の髪の香りが……)

塚原「私が……君に意地悪なことを言ったのに……」

塚原「私のために……観覧車に乗って……頑張ることの大切さを改めて教えてくれた……」ギュッ

純一(せ、先輩……あの時にこんなことを……)

塚原「ちょっと……無茶苦茶かもしれないけど……私のためにそこまでしてくれてありがとう」

純一(つ、塚原先輩……震えてる?)

塚原「私も……橘君のこと好きになっちゃった。見てるって言ったんだから、責任とってね」チュッ

純一(あ……唇に……)

塚原「…………はい、もういいよ///」

純一(塚原先輩の顔……真っ赤だ。……可愛いな)

170: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 02:14:01.12 ID:7dIGTA9s0
塚原「……ど、どうして黙ってるの?///」

純一「塚原先輩!」

塚原「は、はい!」

純一「もう一度、僕からも言わせてください」

塚原「う、うん///」

純一「ずっと見てました…好きです、塚原先輩! これからも、ずっと先輩のそばにいさせてください!」

塚原「……ありがとう。わたしも大好きよ」ギュッ

純一「せ、先輩……んっ」チュッ

塚原「……んっ」チュッ



一先ずおわり



森島「ちょ、ちょっと……私の出番はどうしたのよ!?」

204: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 04:02:44.66 ID:7dIGTA9s0
もう誰も見てないだろうwww

~数年後~

純一(あの日から……喧嘩をすることもあるけど、響とは仲良くやってる)

純一(はるかさんは、僕と響が付き合うことになったのを知って……)

純一(最初は喜んでくれてたけど……すぐに機嫌が悪くなってしまった)

純一(はるかさんが言うには『やっぱりひびきちゃんを取られたみたいでイヤ!』だったって)

純一(響は『しばらくすれば機嫌も直る』って言ってたけど……)

純一(三人で一緒にいることが当たり前になって……)

純一(響の言う通り、はるかさんの機嫌もいつの間にか直っていた)

純一(響はまだ大学生……はるかさんも無事に文系の私大に合格した)

純一(僕は理系の私大……一応、第一目標の学校に合格することが出来た)

純一(これは自分の力じゃなく……響が勉強を教えてくれたからだと思う)

206: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 04:06:10.91 ID:7dIGTA9s0
純一(……そういえば、僕にもちょっとした転機があった)

純一(はるかさんと響の家に遊びに行った時にことだ)

純一(どういう訳だか、響のお爺さんとその友達にえらく気に入られて……)

純一(今は大学に通いながら、その友達のところで色んな勉強をさせてもらってる)

純一(響のお爺さんの友達は、県議会議員をやっていて……)

純一(僕が今まで知りもしなかった世の中の仕組みを教えてもらったり……)

純一(空いた時間に事務所のお手伝いをさせてもらってる)

純一(先生は『大学を卒業したらワシの秘書になれ』って言ってくれてる)

純一(そこでしばらく勉強してから『選挙に出て、自分の住む町を良くしろ』とも)

純一(僕に議員なんて務まるのだろうか……)

純一(そう思ったりもするのだけど、僕や響、はるかさんの住む町を少しでも良く出来るのなら……)

207: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 04:09:34.26 ID:7dIGTA9s0
響「……純一さん、お待たせ!」

純一「大丈夫、僕も今来たところだから」

響「嘘。だって、何か考えごとしてたみたいだったよ?」

純一「うん、ちょっと今までのこととか、これからのことをね」

響「はるかはまだ来てないの?」

純一「はるかさんは……いつも通りかな」クスッ

響「まったく、あの子は……幾つになっても変わらないわね」

純一「響も幾つになっても変わらないよ?」

響「そ、そんなことないでしょ?」

純一「ううん、幾つになってもあの頃と同じで……凄く可愛い」

響「ば、バカ///」

209: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/09/05(月) 04:13:58.04 ID:7dIGTA9s0
純一(そうそう、僕はもうすぐ『塚原純一』になる)

純一(響のお爺さんに『是非、婿に』と言われて)

純一(響が言うには『お爺さんは男の子が欲しかったのよ』って)

純一(僕の家はそういうことに煩い方じゃないし)

純一(響と一緒になれるのなら、僕も特に気にならかなったから承諾した)

純一「今日はどこに行くの?」

響「うーん、はるかが行きたい所があるって言ってたけど……あの子が来ないと」

はるか「ごめーん! 途中で可愛いワンチャンがいたから、ついキュンキュンって……」

純一&響「……ぷっ!!」クスクス

はるか「な、なによ~ 二人して!」

純一「うん、いつまでも変わらないって」クスクス

響「うん、変わらないね」クスクス

はるか「もう、何よそれ!」


今度こそおわり♪