絢瀬亜里沙「犯人は・・・あなたです。」 前編

165: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 14:55:03.81 ID:77BaRI4I0
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真姫「・・・という事があったのよ・・・。亜里沙?」

亜里沙「・・・。」

亜里沙は理解する。この事件の真実に。

それは、

亜里沙にとって信じられない、筆舌しがたい真実。


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引用元: 絢瀬亜里沙「犯人は・・・あなたです。」 




166: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 14:55:44.53 ID:77BaRI4I0
亜里沙「全てを聞いて、この事件の裏側が見えてきましたよ。

よくぞかつてのメンバーにここまでえげつない事が出来た物です。

これを思いついたのは海未さんですか?」

海未「・・・ぇぇ。真姫の事情は知っていましたからね。

おかげで都合通りに動いてくれましたよ。」

亜里沙「っ・・・!・・・最後にことりさんと海未さんですが・・・。

私は十中八九、海未さんが犯人だと思っていました。」

絵里「・・・!!」

穂乃果「ど、どうして!?」

海未「ほぉ・・・。何故ですか?」

亜里沙「あなたが殺したにこさんと、希さん、花陽さんの死体ですよ。

希さんは首を右上から斜め下に、にこさんは腹を同じく、花陽さんは首を刺されていましたが、

首の中心より左側に刺し傷が多かったんです。

これらは・・・、よいっしょっと。」

亜里沙は身代わりとなった人形を持ち上げてみせる。

167: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 14:56:15.03 ID:77BaRI4I0
亜里沙「この人形も滅多刺しにされていますが、左を中心に刺されていますよね?

これらは左利きの刺し方です。海未さんは左利きですよね?

ことりさんは右利きです。

この事から犯人は海未さんだろうと思っていました。・・・信じたくは無かったですけどね。」

海未「フフ・・・私が左利きな事はプロフィールにも書いていなかったのに・・・さすがμ`sのファンですね。」

※海未が左利き、ことりが右利きな事は漫画から参考にしました。もしかしたら間違えているかもしれません。


亜里沙「伊達にファンやってないんですよ、・・・もう辞めましたけどね。」

亜里沙「後は海未さんを呼び寄せるためにワザとスキを作って罠を張りました。

一人では危ないと思ったのでお姉ちゃん達にメールを送ってね。

内容は、『真姫さんが犯人だという証拠を見つけるために自分が囮となる。

自分がメールを送ったらすぐにリビングに来て襲っている真姫さんを拘束してほしい』ってね。

メンバーの中に共犯者がいて、海未さんが捕まると知ったら邪魔をするかもしれないと思ったんで、

メールに真姫さんと書き、海未さんだと分からない様に部屋を真っ暗にしておきました。」

海未「なるほど・・・まんまと引っかかった訳ですか・・・。」

168: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 14:56:42.47 ID:77BaRI4I0
亜里沙「後はこの通りです。自分のダミーを用意して、私は隠れていました。

そしたらまんまと海未さんが来てくれたので、則メールをして取り押さえてもらった訳です。」

・・・こうして聞くと淡々と犯人を捕まえた様に聞こえる。

しかし、ここまで来るのに葛藤はあったのだ。

まず真姫に今回の事件が狂言だといい、自分に協力してほしいと言った所。

少ない可能性だが、真姫が本当に殺人を起こしている可能性もあった。

もし真姫が犯人だったらいい様に誘導されていたのかもしれない。

もう一つは今生き残っているメンバーと海未が犯人である可能性もあった。

雪穂、穂乃果、凛、絵里はまだ死んでいない訳だから、海未と手を組んでいたのかもわからない、

もし手を組んでいたら亜里沙は生きていなかっただろう。

亜里沙「最後にお聞きします。

ことりさんは・・・もう生きていないのですか?」

穂乃果「っ・・・!そうだよことりちゃんは・・・。」

海未「えぇ・・・。ことりは、一番最初に殺しました。

今はインゴットのおいてある部屋の『奥の』部屋に置いてありますよ。」

穂乃果「あぅ・・・ああああああああああああああああ!!!そんな・・・・。あぁ・・・。」

169: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 14:57:41.73 ID:77BaRI4I0
穂乃果はその場で蹲り、泣き叫ぶ。

自分の無二の親友の一人が殺人を犯し、もう一人はその一人によって殺されたのだ。

真姫にした事を思い出すと、とてもではないが同情なんて甚だ出来はしない。

だが、・・・。

亜里沙「最後に・・・改めてお聞きします。

にこさん、希さん、花陽さん、ことりさんを殺したのは・・・あなたですよね?」

海未は付き物の落ちた様な、ライブ会場で見る様な笑顔じゃない、やり遂げたような顔で、

海未「・・・はい、私が犯人です。」

そう、答えた。

パキン!!!

その瞬間、亜里沙の目の前の空間にヒビが入る。

まるでガラスが割れる様に、割れて、割れて、割れて、そして最後には自分すら割れた。

亜里沙はそんな割れた自分を茫然と見ながら、目の前にある黒い渦に吸い込まれていく。

その先に、また、大きな渦があった。

今度は亜里沙を吸い込まず、その代わりに映像が映る。

170: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 14:59:04.57 ID:77BaRI4I0
それは、亜里沙たちが移っていて、何か石の前に集まって会話をしている。

亜里沙「これ・・・真姫さんの別荘の中に石碑だ!・・・て事は・・・。」

亜里沙にとっては数時間前の事・・・。

これはあの日の映像だった。

亜里沙「あれ・・・でも。」

映像ではちょうど一通り議論が出尽くした様だ。

確かこの後は亜里沙と穂乃果が残り、碑文を解いていくのだが・・・。

亜里沙「石碑の前で残っているのは・・・真姫さんだけだ。」

映像の亜里沙は欠伸をしながら自分の部屋に帰っていく。

真姫は何かを呟きながら書庫室に向かった。

このパターン・・・これは・・・。

亜里沙「・・・そうだ!この映像は、私が殺された一周目の世界なんだ!」

映像には真姫が映っていて、熱心に碑文を解いている。

亜里沙「てことは・・・あの日の事が・・・分かるかもしれない。」

亜里沙はその映像を食い入る様に見る。

まもなく、真姫が碑文を解いてインゴットの置いてある部屋に行く所だった。

171: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 14:59:44.89 ID:77BaRI4I0
23:00 一周目の世界(RE)黄金の部屋

真姫「はっはははははははははっ!!お金よりもこの世には素晴らしい物がある!!

お金で買えない物なんていくらでもある!!そう思ってたわ!!

でも、そんなものは嘘だってはっきりわかったわ!!!そんなのはねぇ、持ってないやつの愚かな自分への言い訳だったのよ!」

真姫「この黄金を溶かす事で、この世のありとあらゆる幸せを得る事が、生み出す事ができる!!

やったぁ!!やったぁ!!!うううううう!!!」

ギイイイイイイイイイイン

真姫「誰!?」

真姫はとっさに振り向く。ドアを開ける音がしたのだ。するとそこには・・・

真姫「希!?あなた何で・・・。」

希「・・・いやっほー、真姫ちゃん。」

希が笑みを浮かべながら、立っていた。

真姫「・・・!?」

とっさの事に頭が回らない真姫。

希は真姫を無視してつかつかと黄金の元に歩いていく。

希「はぇ~すごいインゴットの山やね。碑文に書いてある事は本当だったんやなぁ・・・。」

172: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 15:00:37.05 ID:77BaRI4I0
真姫「あなた・・・碑文を解いて・・・?」

希「いや?ウチは寝付けなくてこのデカイ館を散歩していただけよ?

そしたらライオンの像の首から上がいろんな方向を向いているから気になって付いて行っただけやで。」

真姫「・・・。」

希「そしたら、書庫室の奥にあからさまに隠されていた様な扉があるやん?

ウチはこれはもう誰かが碑文を解いたと思ってなぁ・・・。下に降りてみたって訳や。」

真姫「・・・そう。」

希「そんな怖い顔しなくてもええやん?うちは何も盗ったりはせえへんで?

ただほんのちょっと、お小遣いが欲しいと思ってなぁ・・・?」

真姫「は・・・?」

真姫は希の言葉に燻がる。

希「いやな?身内の恥だから言いたくは無いんやが、ウチの家庭は今金銭的なトラブルに巻き込まれていてな?

お金が一銭でも欲しいねん。やから、ほんのすこーし、この黄金を見つけた、そう!ご祝儀がほしいんや!

ゴルフでホールインワンしたら打った側がお金を渡すやろ?そんな感じや。」

真姫「そんな感じって・・・いくらなのよ?その借金。」

真姫は100万か、そこらなら渡しても良いと思っていた。

しかし・・・。

希「XXXXX万円。」

真姫「・・・冗談でしょ?」

173: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 15:01:08.03 ID:77BaRI4I0
希「冗談じゃないから困っているんやで、なーにお金持ちの真姫ちゃんの事や。そんぐらいすぐやろ?」

真姫は幹部から家の事情を聞いているので経済状況は知っている。

全財産はどんなにかき集めても5000万円が限度だ。

真姫「・・・悪いけれど、そんなお金は無いわ。

黄金を換金したら、少なからずメンバーにはお金を渡してあげるから、それで我慢してよ。」

希「アカン!!!それじゃあかんのや!!」

希は切羽詰まったような顔で希の肩に手を乗っける。

真姫「ちょ、希・・・い、痛い!!」

希「そんな換金なんて待っていられへんのや!!!最低でも後ひと月以内になんとかせんと!!

う、うちは・・・うちは・・・。」

それはまさに悪鬼迫った表情だった。

普段冷静で温厚な希が見せる表情ではない。

真姫は希のこんな焦った表情を初めて見た。

真姫「の、希、落ち着いてよ!うちにはそんな大金無いわよ!

この黄金を換金しないと・・・。」

希「嘘や!!!絶対持っているはずや!!」

希は真姫を押し倒す。

174: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 15:01:52.02 ID:77BaRI4I0
いつの間にか、肩に掛けられていた手は首にかかっていた。

真姫「の、希・・・苦しい・・・!」

希「なぁ・・・なぁ?なんでお金くれへんの!?別にいいやん。

これからぎょうさんお金手に入るんやさかい。

ええやろ?そんくらい払えるやろ?どうして嘘をつくんや?答えてみぃ!!!」

ギュウウウウ

希の手が首を閉める。

真姫「い、いや・・・。いやぁぁぁぁぁ!!!!!」

ドンッ!!!

真姫は最後の力を振り絞って希を押し出す。

希「えっ!?きゃっ!」

希がよろけてしまったのが原因なのか、それとも真姫の押した力が強かったのか、

希は勢い余ってインゴットの山の角に頭をぶつけてしまう。

希「あっ・・・あああああああ!!!!!痛い!!!痛いよぉぉぉお!!!!!」

希の頭からは微量だが血が流れていた。

真姫「え・・・その・・・ごめ・・・。」

希「真、真姫ちゃん、私を殺そうとしたの・・・?」

真姫「ち、違うわよ!!希が首を絞めてきたから・・・。」

希「私を殺そうと・・・い、いやああああああああああ!!!!」

希は錯乱していた。頭を打たれた事の混乱もあるかもしれない。

175: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 15:02:17.26 ID:77BaRI4I0
今の希は正気ではないと真姫は判断した。

真姫「希!!冷静に、クールになって!怪我も軽傷よ!消毒をして、包帯を巻いていれば

すぐ直るわ!縫う必要もない!だから冷静になって!」

希「う、うわあああああああああ!!」

希はインゴットの山からインゴットを一つ持つ。

重たいのか、両手で持っても上には上がらないらしい。

真姫「希!!!な、何を!!」

希「あああああ!!!!」

希はそれをなんとか上に挙げて真姫に突っ込み、振り下ろしてきた。

真姫「きゃ、きゃああああ!!!」

真姫はなんとかそれを避ける。

希が振り下ろした先にあったPCは、今の衝撃で粉々になった。

・・・完全に運だった。次は除けられない・・・。

176: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 15:02:45.47 ID:77BaRI4I0
真姫「希!!!落ち着きなさいよぉ!!!」

真姫はそこから後ずさる。

希はもうインゴットを持って体制を立て直していた。

希「[ピーーー]ぇぇぇぇぇぇぇえ!!!!!!」

真姫は後ろに無意識に下がるがインゴットの山に当たってしまう。

真姫「・・・いやああああ!!」

希「っ・・・あ!!」

しかし、希はインゴットの余りの重さによろけてしまう。

希「あっ!」

希の振り上げたインゴットは狙いが外れてインゴットの山に当たる。

希「あっ・・・!」

希はインゴットを落としてしまう。

真姫はそれを奪おうとしたが予想以上に重くてよろけてしまう。

希「あああああああ!!!」

希もそのインゴットを奪おうとする。

二人はそのインゴットを奪おうとへし合いになった。

希「・・・くっ・・・!」

真姫「希・・・!あっっ!」

力負けをしたのは真姫だった。

インゴットは真姫の手を離れ、希の手に渡す。

しかし、引っ張る力が強すぎたのか、インゴットが重かったのもあるのだろう。

177: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 15:03:39.12 ID:77BaRI4I0
引っ張る力とインゴットの重力で、インゴットを持った手は希の意志とは離れて180度回転してしまう。

まるで、観覧車の様に、そしてスタートからゴールまで移動し終わった時、

希の手はインゴットと地面の板挟みになった。

希「ああああああああ!!!!!!痛い痛い!!!!!あああああ!!!!」

・・・真姫は必至だった。

家を守らなければいけないという思い。

その為にはこのインゴットを守らなければという思い。

それらを掛け合わせた時、生まれた思いは・・・。

今こうして、二人っきりでいる間に・・・

なんとか・・・

ナントカシナケレバ・・・・

・・・後は、全てがおかしな光景。

真姫の視覚はぐにゃりと歪み、真姫の視界は水面越しに覗く様な気分になっていた。

そしてそれは触覚、聴覚などの五感もそうだった。

水面越しから見えるその世界からは、自分の手がインゴットを掴んで

希の頭に思いっきり、振り下ろしている所だった。

真姫は子供のころに、せっかく組み立てた積み木のお城を壊してしまった事を思い出した。

178: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 15:04:28.65 ID:77BaRI4I0
ブンッ!!

グシャ!!!

・・・あの頃は幸せだったなぁ・・・ママもパパもいっぱい遊んでくれたっけ。

あの頃はママみたいなお医者さんになりたいとか思っていたっけ。

それがどうしてこんな事になってしまったんだろう・・・。

ブンッ!!

グシャ!!!

私はお医者さんになって人の命を救う事が夢だったはず・・・。

でも今私がしているのは・・・。

ブンッ!!

グシャアッ!!

水面から帰ってきた時には、

両の手で数えきれないほど希をインゴットで殴っていた。

希の頭は血まみれで、目はぎろりと上を向き、口からは血と涎とも泡ともつかない物を

たらし始めている。

真姫「はぁ・・・はぁ・・・。」

真姫は最後にインゴットを振り上げる。

そして、角を、よーく、よーく狙いを定めて・・・

振り下げた。

グシャアッ!!!

そして、至った。

179: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 15:05:35.33 ID:77BaRI4I0
真姫「・・・はぁ・・・はぁ・・・。」

希の体はピクリとも動かない。

真姫は人を殺した経験はもちろん無い。

しかし、この一撃で確実に殺した、そんな予感がした。

真姫「・・・、そうだ、脈を・・・。」

真姫は脈を計り、目を見る。

・・・脈は無く、目は焦点が合っていなかった。

真姫「はぁ・・・終わった。っ・・おぷ!!!」

・・・殺人を犯した実感が沸いてくる。

真姫は罪悪感と、初めて見る人の死体に、嗚咽を吐いた。

何よりその死体はメンバーの希で、誰が殺したかを改めて理解して、真姫は嘔吐を我慢できなかった。

真姫「お、おえええええええええええええ!!!!」

正当防衛だったのだ。

そう真姫は自己弁護をする。やらなければやられていた。

自分は家を、家族を守らなければいけない。

そうだ、これは当然の事。

・・・しかし、例え正当防衛だと認められようと、真姫が親友の一人を殴り殺してしまった事に代わりは無い・・・。

希はそこに、死んでいた。

真姫はしばらくそこでうずくまって嘔吐していたが、

真姫「・・・。よし。」

真姫は覚悟を決める。

180: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 15:06:09.10 ID:77BaRI4I0
もう殺してしまったのだ。後悔しても始まらない。

なら後悔をする必要はない。

希が死んで真姫が生きているならば、これからも生きてやる。

その為にも希の死体を隠さなければいけない。

真姫「・・・どうしよう。」

希がいなくなった事はいずれ騒ぎになる。

希の死体はこの部屋に隠しておけば、メンバーには碑文さえ解かれなけば分かりはしないだろう。

しかし、警察はどうだろうか。

・・・どこかで聞いた事がある。

警察は失踪事件となれば何百人もが捜査するとかなんとか・・・。

この島は狭い。

もしこの部屋が外と繋がっているならば、簡単に発見されてしまうだろう。

真姫「海に流してしまえば・・・。事故として処理できる・・・か?」

しかし、今例えば沖にポイと投げても波に流されて島についてしまうだろう。

やるならば迎えの船が来てから、海のど真ん中から捨てなくては・・・。

とりあえず、それまでする事は特にない・・・。

それより今は、この部屋に繋がる仕掛けを解かなくては・・・。

真姫は地上に上がり、仕掛けを解こうと地上に続く階段に・・・、

ゴトッ

真姫「・・・!?誰!?」

181: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 15:06:55.83 ID:77BaRI4I0
何か音がしたので真姫はすぐにその音の方向に向かう。

音は地上に続く階段から洩れた。

真姫「・・・、誰もいないわね。」

真姫は暫くその場で立ち尽くす。

・・・しかし音は聞こえてこなかった。

真姫は気のせいだと思うことにして、地上に出る。

そして、碑文のローマ字、LORDNの順にボタンを押すと、

ゴゴゴ・・・石像の首が元に戻った。

これで部屋も見つからないだろう。

真姫は書庫室に隠し部屋が出ていないか確認した後、

静かに部屋に戻るのだった。

そんな静けさの戻ったホールに、正確には石碑に後ろに隠れている一人の少女がいた。

海未「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・。」

海未は真姫がホールから出て行ったを見て、石碑の後ろからやっと息を上げた。

海未も部屋に戻ってから眠れなくて碑文に挑戦し、自分で解いたのだ。

そして石碑のあるホールに行くと、石像の首が動いているのを発見し、後を着いていくと

インゴットの部屋に着いた、という訳だ。

海未は一部始終を全て見ていた。

182: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 15:07:23.98 ID:77BaRI4I0
当然希が襲われている所も、最終的には殺された所も、全てだ。

何故助けに行かなかったのか、それは海未だけが知る事・・・。

海未「・・・オエ・・・!」

海未は希の死体を思い出して、嘔吐する。

だが同時に笑ってもいた。

人は嘔吐しながら笑うことも出来るんだと海未は知る。

海未「これは使えるかもしれません。」

海未はニヤリと笑いながら再び碑文の仕掛けを発動させる。

そして、隠し部屋に行くと、インゴットの山・・・では無く注目すべきはその真後ろにある、

大きな時計の下にあるテーブルだ。

このテーブルはインゴットを真正面から見たらちょうど死角になる位置に置いてある。

真姫はインゴットを見てすぐにインゴットに近づいた事、すぐに希に襲われた事もあって、

このテーブルの存在に気付かなかったのだ。

無理も無いだろう。誰だって、自分の身長より大きいインゴットを見たら、一瞬で虜になる・・・。

しかし、海未は入口から隠れてじっとみていたのでこの部屋の全体を見ることができた。

海未はそのテーブルの上にある封筒を手に取り、封を切って中を見る。

中には通帳と、印鑑、そして手紙があった。

書かれたのが随分昔なのか、少し黄ばんでいて、達筆だったが頭の良い海未なら造作も無く簡単に読む事ができた。

184: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 15:07:45.27 ID:77BaRI4I0
海未「学校の勉強も、捨てた物じゃないですね・・・ええと。」

手紙の半分は遺産を見つけた事についての取り決めと家族に対しての内容。

遺産はこの島にいる者に平等に配る事を書いてある。

そして、下半分は・・・。

海未「これは・・・本当の事なんですか・・・!?」

海未は上のデカイ時計を見る。

そして、その手紙をビリビリに破く。

この手紙は自分だけが知っていた方が良い。

そして、海未の中で組みあがる、殺人計画。

それを思いついた時、殺人鬼は生まれたのだった。

188: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/06/08(日) 18:25:52.33 ID:77BaRI4I0
3:30

にこの部屋

コンコン、

コンコン!

海未はにこの部屋をノックする。

数回ノックすると、にこはパックをして、出てきた。

にこ「なによぉ・・・こんな夜中に・・・、あら海未、珍しいわね。」

海未「にこ・・・。大事な話があります。中に入れてもらえませんか?」

にこは最初、凛や穂乃果だったら眠いので突き返そうと思っていた。

しかし、来たのは海未。それに何やら真剣な顔をしていた。

にこ「・・・まぁ入りなさいよ。」

海未「ありがとうございます。」

にこはベッドに腰掛ける様に合図する。

海未はベッドに座り、にこはイスに座った。

189: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 18:31:38.08 ID:77BaRI4I0
にこ「・・・んで?何よ?つまらない話なら明日に・・・。」

海未「今、碑文を解いて黄金を発見しました。

にこ「・・・は?」

にこは最初海未に言っている意味が分からなかった。

しかし、それを理解した時、

にこ「・・・マジなの?」

海未「はい、大マジです。」

にこ「そっかぁ・・いいなぁ・・・あんたと言い、真姫といい、お金ってある人にはとことんあるけど、

無い人には本当に無いんだねぇ・・・。そっかぁ・・・。」

海未「真姫、私はあなたの事情を知っています。

あなたは家族の事情に腐らずにあんな事をしてまで家族を支えてきました。

そんなあなたを、私は助けられるなら助けたいと思っています。

これは同情ではありません。あなたの仲間として言ったことです。」


190: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 18:32:21.91 ID:77BaRI4I0
にこ「海未・・・、本当に・・・いいの?」

海未「はい、にこ、あなたは頑張り屋です。

あんな事があったにも関わらず、妹たちのために働いて、働いて。

私はそんなあなたに何か良いことがあってもいいと思うんです。

私がそれを、してあげたい。」

にこ「・・・海未、私はこの事をあなたにだけしか相談していない。

ううん。出来なかった。

これを知ったら、メンバーやファンは、アイドルとして私を汚いと言うだろうと思ったから・・・。」

海未はにこを抱きしめる。

海未「汚いだなんて、少なくとも私は思いませんよ。にこはキレイです。

キレイな心の持ち主です。

じゃなければ、あんな事はできませんよ・・・。」

191: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 18:32:53.37 ID:77BaRI4I0
にこ「海未・・・、じゃあ私はもらっても・・・・。いいのね!?」

海未「はい・・・と言いたい所なんですが・・・、事情がありまして・・・、

聞いてくれますか・・・?にこ?」

にこ「・・・何でも言って?」

海未「実はですね・・・。」

海未はにこに事の顛末を話した。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^

にこ「ちょっと・・・!それ本当なの!?」

海未「えぇ。間違いありません、これを見てください。」

海未は携帯を真姫に見せる。

にこ「こ、これは・・・。」

そこには、真姫が希を殺している瞬間が写し出されていた。

にこ「ひどい・・・、ひどすぎる・・・。」

にこ「でも、海未が言った事が本当なら、遺産は真姫の物になるはずじゃ・・・?」

海未はにこに、手紙の内容は言わなかった。

遺産はこの島にいる者に分配する事。これを教えたら、にこはこれから言うことに協力しないだろう。

にこの協力は海未の計画にはどうしても必要だった。

海未「にこ・・・、この島の皆を・・・皆殺しにしませんか?」

192: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 18:33:26.09 ID:77BaRI4I0
にこ視点

海未「にこ・・・この島の皆を・・・皆殺しにしませんか?」

海未は私に向かってとんでもない事を言い出した。

え?何?ヒトゴロシ?ヒトゴロシってあの・・・?

私の頭で必死に他の言葉に変換してみる。

どうやっても『人殺し』としか変換できなかった。

にこ「あ、あはは・・・な、何を言っているのよ?海未。

何で私がそんな犯罪なんて・・・。」

海未「これを見てください。隠し部屋のテーブルに置いてありました。

海未は私に通帳を見せる。

中を見ると・・・ひい、ふう、み、・・・

にこ「これ・・・5千万も入っているじゃない!!」

海未「はい。印鑑も入っていました。中にはパスワードも書いてありました。

これで、私達は5千万を得た訳です。」

にこ「で、でもこれ真姫の・・・祖父の・・・。」

海未「これは碑文を解読した者に対する褒美でした。つまり、私ももらう資格があります。」

193: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 18:33:54.95 ID:77BaRI4I0
にこ「だ、だったら正々堂々ともらえば・・・。」

海未「えぇ、真姫が希を殺してなければ主張していましたね。」

にこ「え・・・?」

海未「良いですか?希が行方不明になる事はいずれ分かります。

無人島で11人の中の1人が失踪するなんて大事件です。

明日一日私達で探して、いなければ警察に通報しなくてはいけません。

それは私には止められない。

今は台風で警察も明後日までは来れないでしょう。

しかし、台風が止めば朝一で警察はやってくる。

その時、どうなるか分かりますか?」

海未は私に鬼気迫りながら話してくる。

しかし、分かりやすく話してくれたおかげで何となく事に深刻さは理解できた。

にこ「ど、どうなるって言うのよ・・・?」

海未「私達、逮捕されてしまうかもしれませんよ?」

にこ「た、逮捕!?なんでにこ達が!?」

194: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 18:34:35.74 ID:77BaRI4I0
海未「今希の死体は隠し部屋にあります。しかし警察ならばその程度、簡単に見つけるでしょう。

日本の警察は優秀ですからね。その後、当然私達に容疑は降りかかるでしょう。

だって、警察からしたら、状況がまるで分からないのですから。

真姫が直接殺した事は判明すると思います。

しかし、私達が間接的に関わったかどうかは分かりません。

もしかしたら、何かの間違いで逮捕されるかもしれませんよ。

そして、何より今回は状況が少し特殊です。

にこは沖縄に隠されたお宝の都市伝説の話を知っていますか?」

にこ「・・・?いや、知らないわね。」

海未「簡単に言うと、沖縄に隠されたインゴットを県が狙っていると言う話です。

私も都市伝説と思っていましたが、これを見たら本当の事としか思えません。

警察が来れば、当然インゴットの事はばれてしまい、この通帳の事もばれるでしょう。

その時に県があらゆる手を使ってインゴットと、この通帳を奪いにくるかもしれないんですよ!」

195: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 18:35:32.42 ID:77BaRI4I0
にこ「そ、そんな事・・・。」

海未「私達個人では、県というでかい組織には勝てません。それに、犯罪者の財産なんです。

警察ならばどうとでも出来るんじゃないですか?

そうなれば、この通帳も、名義は真姫の祖父ですから当然没収されるでしょうね。」

にこ「そんなの、絶対にいやよ!!!これは私達の物よ!!」

せっかくあんな事を、もうしなくて済むと思ったのに・・・絶対にいやよ!!

海未「そうですよね?私も、にこには幸せになってほしいと思っています。

でも警察がきたらそれも叶わない。」

にこ「ど、どうにかならないの!!?それは!」

自分でも焦る感情が抑えきれない。

海未が何故かニヤリと笑った気がした。

海未「そこで、さっき言った提案です、皆を、皆殺しにすれば、良いんですよ。」

にこ「はぁ・・・!?そんな事をすれば、ますます警察が来るじゃない!

それに皆殺しって事は私達以外の全員でしょ!?そんなの犯人って自白している様なものじゃ・・・。」

海未「それが、あるんです、皆殺しにすれば、私達が逮捕されない方法が。

この島の秘密を、お話しします。」

196: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 18:35:59.59 ID:77BaRI4I0
それから海未はその方法を語ってくれた。

それは、単純明快な方法。

私は必至にその案の欠点を探そうとした。

しかし、見つからない!!!

単純な故に・・・見つからない!!

海未「・・・というのが私の計画です、殺人は、私が行います。

しかし、ことり達も馬鹿ではありません。

私一人では無理でしょう、なので、にこには、その手伝いをしてほしいのです。」

にこ「・・・わ、私、人殺しなんて・・・そんな・・・。」

絶対無理よ無理よ!!!でもそれをやらないと・・・通帳は手に入らない。

手に入らないなら・・・あれをしなくちゃいけない!! それだけは絶対に・・・嫌だ!

私の体が震えるのを感じる。

海未はそれを見たのか・・・。

にこ「・・・あっ」

海未が、身体を抱きしめてくれた。

海未「にこ、ここで頑張らなければ、お金は手に入らないんです。

怖いのも分かります。大丈夫です。全て私がやりますから。

あなたは、ちょっと、細工をしてくれればいいんです。」

197: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 18:36:27.77 ID:77BaRI4I0
にこ「さ、細工・・・?」

海未「そうです、後は私がやります。大丈夫、必ず上手くいきます。

二人で幸せに、なりましょう。にこ。」

海未は頭を撫でながら、耳元で言う。

そうだ。ここでさえ頑張れば・・・!!

もう、妹や母さんに苦労をさせないで食べさせてあげられる!

これは、やるしか・・・ないんだ!!

にこ「分かった、やるよ。」

そう決めた時、自分の中で驚く程冷静になる。

にこ「何をやれば良い?教えて。海未」

海未の顔は見えない、でも海未は、笑った気がした。

海未「取りあえず、貸してほしい物があるんですが・・・。」

198: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 18:37:23.53 ID:77BaRI4I0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

▽月▽日 ~音野木坂スクールアイドル連続殺人事件から2か月前の話~

男A「ふぅ~気持ちよかったぜぇ~。世の中生きてりゃいいことあるってのは本当だなオイ!」

男B「そうっすねぇ先輩!まさか現役JKと●●るなんて思わなかったっすよ!

しかもラブライブ優勝チームの一人と!」

男A「いくら優勝しても所詮はスクールアイドル。本当のアイドルでもないから金も出ない。

精々ペラ紙一枚がもらえるだけだ。」

男B「また●●たいっすわぁ!次もお願いしますよ!」

男A「大丈夫また●●るさ。何せ、こいつの家庭じゃ借金は他から借りでもしないと返せないしな。

借金を返せるような裕福な親族もいない。精々利子を返すので精一杯さ。」

男B「本当なら借金の返済期日はとっくに過ぎている。にも関わらず、

こうして待ってやっている俺たちはなんて優しいんだろうな!」

男A「ま、待ってやっている代わりにちょいと『副業』させてはいるけどな!」
         
「「ぎゃはははははははははははは!」」

男達の下衆な笑い声がこだまする。それは、人の皮を脱いで代わりに欲望の皮を纏った獣のようだった。

??「・・・。」

199: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 18:37:50.02 ID:77BaRI4I0
男B「じゃ、そういう訳で、来週もお伺いに行きますわ。ちゃんとミミを揃えて返してくださいよ?借金っ!」

男A「ま、どーしても?どーしても返せないのであればぁ・・・?

今回のような『副業』でもいいですよ?クククッ!」

??「・・・。早く消えて。」

男B「おーこわぁ。じゃ、これにて失礼しますわ。また来週。では、また。」

男A「失礼しますね。あ、この事をしゃべったら・・・わかりますよね?」

男A「矢沢にこさん。」

ギイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイドンッ!

男達がある一室から出ると、そこには少女が一人残された。

その少女は一言でいえば・・おかしかった。

少女は上履きを履いていた。ここは学校ではない。

少女はランドセルを背負っていた。

その少女はランドセルを背負う年齢ではない。繰り返すがここは学校ではない。

しかしその少女はそれ以外は何もつけていなかった。

いや、着ていなかったと言った方が正しいだろう。

200: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 18:38:22.29 ID:77BaRI4I0
学校でもないのにランドセルや上履きを履いているのは異常だったし、それ以外は何も

着ていないのも異常だった。そして男二人と一室でその姿でいたことも異常だったし、

ここがどこで、どのようないかがわしい事が行われていたのかを想像できたとしても、

それは全てが異常という言葉で示されるしかなかった。

にこ「・・・やっと行ったわね。あいつら、人をおもちゃか何かかと思っているのかしら。

仮にもスクールアイドルのにこちゃんと●●るってのに・・・感謝しなさいよ。」

にこ「まったく・・・もう・・・っっっっ!うわあああああああああああああああああ!!!」

にこは男の足音が消えるのを知ると、そのまま情事後のベッドにへたり込み、

シーツを握りしめながら泣くのだった。


・・・よくある話だ。にこの父は誰が見てもパチンコとアルコール中毒だった。

毎晩深夜にお金をスッカラカンにして酒臭い息を吐きながら家に帰ってくる。

母が朝から夜まで働いたナケナシのお金も父はパチンコと酒に使ってしまう。

父は娘たちに暴力を振るうこともあった。にこ達は耐えた。ずっと耐えながら生きてきた。

そんなある日、前触れも何もなく父が死んだ。

どうやら事故だったらしい。にこはそんな父が死んで喜んだ。この奇跡に感謝した。

・・・だが拾う神があれば捨てる神もあるというものだ。

父が死に、葬儀を適当に済ませ、これから母と妹達と一緒に家族で助け合っていこうとした矢先。

・・・借金取りが現れた。父は酒とパチンコで借金をしていたのだ。

201: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 18:39:00.52 ID:77BaRI4I0
父は借金を返すために借金をし・・・そんな自転車操業で借金はブクブクと、まさに肥えてしまっていた。

その額は軽く書類を見たにこでもにこ母が朝から晩まで働いてやっと利息の半分が返せる事が解る額だった。

書類にはトイチとかよく分からない単語があったが詳しい事はにこにはわからない。

にこ母「お願いします!!!後少しだけ!!お願いします!!」

それから地獄は始まった。

毎晩遅い時間に電話がかかってきたり、頼んでもいない出前がかかってきたり、

ドアの向こうから怒号が聞こえてきたり。

それはにこ達の精神を少しずつ蝕んでいった。

まず最初に、にこ母が倒れてしまった。

疲労とストレスによる胃潰瘍。

命に別状はないが医療費でまた借金は増えてしまった。

男A「どうしようかねぇ・・・。あ、ねぇにこちゃん。にこちゃんってスクールアイドルなんだよね?」

男B「お母様はしばらくお金を返す事が出来ない。でも借金は増えていく。じゃあ、どうしようねぇ?」

にこ「何が・・・言いたいの?」

男A「社会人って言うのはね?毎日毎日会社で暴言を吐かれてストレスを貯めながら仕事をしている訳ですよ。

それでね、そのストレスを癒すには、甘くて刺激的な『癒し』が必要なんだ。」

男たちの顔つきが変わる。それは獣と表現しても良いものだった。

202: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 18:39:46.55 ID:77BaRI4I0
にこ「私に・・・体を売れって言いたいの?」

男A「いやいやとんでもない!それじゃ売春で犯罪じゃないか!俺たちは犯罪はしないよ。」

闇金な時点で犯罪じゃないか!とにこは思った。

男A「ただ、ただね?俺たちは機械じゃない。

このまま君の家族が借金を返してくれないと俺たちは上に叱られてストレスが溜まり続ける。

そうなると、俺たちもストレスで何をしでかすか、わからなくなっちゃうなぁ!」

男B「確か・・・君はスクールアイドルをやっていたよね・・・?どうしようかなぁ。」

男はにこの体を見ながら

男A「●●ちまうかもなぁ?」

にこ「やめて!!!メンバーは関係ないでしょ!」

男B「その通りさ。でもねぇ・・・君の家族はお金がないでしょ?

だから俺たちはストレスを溜めちゃうなぁ・・・困ったなあ!」

男A「『癒し』さえあればねぇ・・・。

まぁ・・・君がしてくれないのであれば、『他』で発散するしかないよねぇ・・・?」

にこ「・・・っ!」

にこが相手をしてくれなければ、こいつらは他のメンバーを襲うと言っているのだ。

男B「そもそも俺たちがストレスが溜まる原因は君の家庭が借金はおろか、利子も返してくれないからなんだよ?」

203: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 18:40:20.06 ID:77BaRI4I0
男A「君はただ俺たちと一室に入って寝転がっていればいいんだ。それだけで『癒し』になるんだよ。」

にこの頭の中は恐怖とメンバーの事でいっぱいだった。

こいつらが寝転がっているにこに何をするかは明白だ。だがしかし・・・。

メンバーに危害を加えさせる訳にも・・・。

にこ「・・・とに・・・。」

男B「ん?聞こえないなぁ?」

にこ「本当に私が・・・『癒し』になればメンバーには何も起きないのね?」

男A「あぁ・・・。そうだねぇ。『癒し』があれば俺たちも生きていけるな。」

にこ「・・・わかったわ。それでいい。」

男B「契約成立・・・だな。じゃあ、さっそく今週中の『癒し』をもらおうかな。」

ごめんね。皆。何で謝っているのかは知らないけれど、何となく謝りたくなったんだ。

特になんでか真姫ちゃんの顔が浮かんできちゃった。なんでだろ。

はぁ・・・なんか憧れていた初めてと違うんだなぁ。

でも皆を守れると思えば・・・そもそも私の家族が原因なんだから責任を取るなら私がしないとね。

204: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 18:40:47.69 ID:77BaRI4I0
母さんが入院している今、私が家族を支えないといけないし・・・。

にっこにっこにー!大丈夫!私は大丈夫!こんなの全然怖くない!

にこ「・・・グスッ・・・グスッ・・・う、うう。・・・・・・・・・・・・いたい!いっ痛いっ!」

にこ「・・・・・・・・・・痛い痛い痛い痛いっ!!!やめてやめてやめえぇぇぇぇえええええ!!!」

男A「お、●●かぁ!こいつはラッキーだぜぇ!」

男B「先輩羨ましいっすわぁ。俺にも後でさせてくださいね!」

ギシギシッ

    ギシギシギシ

        ・・・・・。

体中が痛い。なんでこんな事をしているんだろう。焼けた棒を体に突っ込まれたらこうなるのかな。

後どれくらいで終わるんだろう。後どれくらい我慢していればいいんだろう。心が壊れそうだよ。真姫ちゃん。

・・・・・・・・・

205: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 18:41:49.66 ID:77BaRI4I0
男A「ふーっきもちよかったぁ!やっぱ初物JKは最高っすわぁ!」

男B「そうっすねぇ!!写真もばっちり撮りましたよ!

あ、学生書も撮っておかないとっと・・・。財布借りるねぇ~。」

え・・・?写真・・・?何それ聞いてない・・・。

男A「・・・写真?っああ。これはね。万が一ばれた時の予防線だよ。

なーに大丈夫大丈夫。君がこの事を誰にも言わなければこれは誰にも見せないよ。」

男B「でもこの事を誰かに言ったら・・・わかるよねぇ・・・?

君はおろか、君の所属していたメンバーにまで迷惑がかかるよ?」

にこ「あっ・・・あっ・・・。」

男A「ほら、ちょっと前にあった三○市の事件の女の子の  撮り画像も流出して、

ばらまかれたのを知ってるかい?

今はネットにばらまかれたら簡単に流出しちゃうしなぁ・・・。

君のその『かわいい』画像が流出されたらどうなるだろうね?

すぐに何処の誰か判っちゃうだろうなぁ。ラブライブ優勝チームならなおさらだ。

そして君のメンバーは驚くだろうねぇ・・・。

それだけなら・・・いいんだけどね?」

206: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 18:44:02.68 ID:77BaRI4I0
にこ「い、いや・・・。お願い。誰にも言わないから!お願い!」

男B「もちろんにこちゃんを信じているよ。君が誰にも言わなければ俺たちは誰にも見せるつもりはないよ。」

男A「ま、そういうわけで。よろしくお願いしますよ!にこちゃん。」

にこ「い、いやああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

にこはこの日、運命の袋小路に巻き込まれた事を知った。

それからも、これが続いた。

男たちの要求はとどまる事を知らない。

最初は『普通』の要求でもだんだんと『特別』な要求になっていった。

それでもにこはこれで家族が平穏な生活を出来るならと耐えた。

しかし、時が経つにつれ、男たちがにこを呼ぶ回数は増えて行った。

それは今やにこのささやかな平穏を犯し始めた。

平穏な日常を守るために身を捧げたはずの行為なはずなのに

・・・今はそれによって平穏を犯される。

にこは男たちに何故、体を捧げているのか、その意味がわからなくなっていった。

にこには相談できる友達はいなかった。

いや、親友は昔と違って沢山できた。でもだからこそ、親友だからこそ言えない事もある。

誰が親友に、自分が家族の借金のツケを体で払っていると言えるのだろうか・・・。

また、言ったからってどうなるものでもない・・・。

207: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 18:44:57.97 ID:77BaRI4I0
にこはシャワーで●●を厳重に掻き出すように洗う。

最初は何も出てこなかったが暫く掻き出すと  液体が出てきた。

にこ「・・・っ!クソッ!クソッ!」

にこはさらに●●を洗う。

男たちに何度も●●れたこと、乱暴に洗った事もあってにこのそこは黒ずんでいた。

衣服を付ける。

衣服をつけながら、数々の辱めがフラッシュバックした。

どうしてこんな事になったのだろう。

あいつらはいつも私をガムの様に扱うのだ。噛んでしゃぶって味わって嬲って、傷つける。

そうして味が出尽くすまで噛み尽くす。そして最後に自分の欲をぶちまけた後、ぽいっと捨てて

帰っていく。もし私に莫大な力があれば、あいつらに生きてきた事を後悔するほどの事を与えてやるのに・・・!。

そんな中、真姫ちゃんからラブライブを優勝した記念に旅行にいかないか?と持ちかけられた。

208: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 18:45:41.77 ID:77BaRI4I0
全くいいご身分だ。私は一週間の利子を体で払っているのに・・・。ナンデワタシダケコンナメニ・・・

にこ「・・・っ!?」

いけないいけない。私ったら何を考えているんだろう。こんな気持ちじゃいけないよね。

一番の親友にそんな事を思っちゃいけないって。

でも、お金持ちになりたいとは言わないから、週に一度、レストランで美味しいものを家族と食べられるような、

その程度でいいからお金が欲しい。

その為なら私は、

身体はもう売ってしまった。

今度は魂でも売ってやる。

209: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/08(日) 18:49:46.39 ID:77BaRI4I0
とりあえずここまで。

誤字脱字以下略

リンクを張ってくれと言われたので

亜里沙「犯人は・・・あなたですよね?」(このSSに続く話)
http://www.logsoku.com/r/news4vip/1393229680/

海未「犯人は・・・あなたですね?」(このSSとは関係ない話)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1382544459/

211: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/06/09(月) 01:47:37.68 ID:hUeMVage0
27:30 2階 リビング

海未視点

にこは、私の計画に乗ってくれました。

もちろんそれは、こちら側が誘導させたのですが・・・。

普通殺人の共犯になってくれ、なんて余程追い詰められなければ無理でしょう。

にこは借金取りによってもう、壊れる寸前だった事は相談にのっていた私が一番よく知っています。

にこにはまず、この後起こす計画を説明し、

真姫に送り主のアドレスが解らない様に私の撮った画像を載せてメールを打つ様に頼みました。

また、密室を作る準備をお願いしました。

別にこれくらい私でも出来ますが、行動を起こさせる事が大事なのです。

そして私は、先ほど電話ででことりを呼び出しました。

多分もうじき来・・・、

ことり「海未ちゃん、どうしたの?電話じゃ言えない話って。」

海未「ええ、わざわざ来てくれてありがとうことり、その・・・聞きたい事があるんです。」

ことり「聞きたい事?何かな?」

ことり・・・あなたは私にとって二番目に出来た友達・・・、ずっと、親友だと思っていましたよ・・・。

まだあなたはしらばっくれるんですね。

212: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 01:48:20.29 ID:hUeMVage0
海未「私、聞いてしまったんです。あなたが穂乃果に告白してしまった所を。」

ことり「・・・!」

海未「何故ですか・・・?ことり、私達、告白は一緒にって約束したじゃないですか。

どうして、抜け駆けなんて・・・。」

ことり「・・・私、メンバーに相談していたの、穂乃果ちゃんが、女の子として好きって。」

海未「・・・。」

ことり「それは、世間から見たら許されない事、してはいけない事。

私は悩んでメンバーに相談した、でも皆は受け入れてくれたの。

それで・・・今日メンバーには気を聞かせてもらって・・・その。」

海未「ことり、答えになっていませんよ!私が知りたかったのは、どうして抜け駆けをしてかってk」

ことり「だって、それなら海未ちゃんを選ぶに決まっているんだもん!!!」

海未「・・・・。」

ことり「私と海未ちゃんなら、誰が見たって海未ちゃんを選ぶ。

海未ちゃんはかっこよくて、優しくて、何でもできて・・・。

順位でも平均で見れば負けているし・・・。

でもそんな私を、穂乃果ちゃんは私も好きって言ってくれたの!

そんな私が良いって言ってくれたの!」

213: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 01:48:48.91 ID:hUeMVage0
海未「ことり・・・。」

ことり「順位も、センターも、何もかもあなたにあげる。

でも、穂乃果ちゃんだけは、絶対に渡せない!渡さない!」

ことりははっきりとした意志で海未に伝える。

海未はそれを黙って聞いていた。

ことり「だからもう、悪いけれど、私達の間に口を挟まない・・・きゃっ!」

ドンッ!

ことりは海未に引っ張られてテーブルに叩きつけられる。

そして、ことりの上に覆いかぶさった。

そして、海未は後ろポケットに隠し持っていたナイフを何のためらいも無く左肩に刺した。

ことり「くっあああああああああああ!!!!」

ことりのパジャマが赤く染まる。

海未はナイフを斜めに抜く。

苦痛を与える抜き方だ。

214: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 01:49:23.63 ID:hUeMVage0
海未「さっきから黙って聞いていればことり、よくもまぁそんな事がしゃあしゃあと言える物ですね。

先に穂乃果を好きになったのは私なんですよ?あなたもそれを応援してくださったじゃないですか?

なのに、あなたが穂乃果を好きになったと言うから、本来ならば、私が先に告白する所を、

一緒にって言ってあげたんじゃないですか!!その恩を忘れて、あなたって人は・・・!!」

ことり「確かに・・・一時は海未ちゃんを応援したよ。

でも海未ちゃんは全然穂乃果ちゃんに思いを伝えなかった。

さっき、本来ならば私が先に告白する所を・・・って言っていたけど!

本当は一緒じゃなきゃ告白できないからだよね!?」

海未「な・・・なっ!」

ことり「この恋愛●●!!海未ちゃんはただの臆病者だよ!

海未ちゃんが先に告白?ちゃんちゃらおかしいよ!

そんな事無理だよ無理無理!だって、恋愛映画を見るのも目を背けちゃうんだもんね!

恋愛は不謹慎なんでしょ!?あなたは穂乃果ちゃんが好きって言っているけど!

実際は自分を気にかけてくれる人なら誰でもいいんでしょ!?

所詮独りよがりの恋愛なんだよ!そんな人に、穂乃果ちゃんは任せられない!

穂乃果ちゃんは私が―!」

海未「こ、ことりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」

215: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 01:52:05.90 ID:hUeMVage0
ドンッ!!!!!

ナイフは右目に向かって振り下ろされる。

ことり「あっあっああああああああああ!!ぎゃああああああああ!!!」

海未「あなたに、私の、何が、分かるって!言うんですか!!

恋愛●●!?臆病者!?えぇ、その通りですよ!私にはメンバーの様に、

あんなに明るく振るまえない!私はあなたと比べて友達も少ない!親友も、あなた達くらいです!

その親友を!好きになってしまった気持ちが分かりますか!?あなたは私に勝てないと言っていましたが、

その言葉、そっくりそのまま返しますよ!私と、ことりだったら!間違いなく穂乃果はことりを選ぶだろうと!

ずっと思っていますよ!!でも!それでも!穂乃果を愛しているんです!だから、だから・・・。」

ぐしゃっ!

ぐしゃっ!

ぐしゃ!!

ぐしゃあ!!!!

海未「あっ・・・。」

海未がことりを見た時、ことりの顔は見るも無残な顔になっていた。

顔の中心から左側はもう見る影も無い程穴が開いていた。

血は飛び散り眼球のあった場所と、口からは血があふれている。

海未はことりの体から、静かに離れる。

216: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 01:53:49.61 ID:hUeMVage0
ボト・・・ボト・・・

静かにどいたはずなのに、自分の体から、ナイフから血が垂れて音がする。

海未「こ、ことり・・・。」

ことりはもちろん返事を返さない。

たとえ生きていても返事は出来ないだろう。

何故なら、もう舌はおろか、声帯も潰れているだろうから・・・。

海未「お、おぇぇぇぇぇ・・・。」

海未は初めての殺人という行為に嘔吐する。

自分の中の良心の呵責が悲鳴を上げているのだ。

海未「はぁ・・・はぁ・・・。

これに後何回耐えなければいけないのか・・・。」

2,3回ほど吐いた後、海未は口を拭って携帯を取る。

海未「もしもし・・・、にこ、こちらは終わりました。

そっちは・・・、はい、終わりましたか、了解です。

じゃあ後は知らないふりをして今後の指示を待ってください、では。」

217: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 01:55:23.47 ID:hUeMVage0
海未は電話を切る。

真姫にメールを送り、希の死体を海未の部屋に誰にも気づかれずに運ぶ事に成功したようだ。

海未は自室の鍵と、希のポッケに入っていた希の鍵、そして真姫から昼に貸してもらい、そのままだった

2階の鍵を持っている。

海未はことりの遺体のポッケをまさぐる。

海未「・・・ありました。」

海未はことりの部屋の鍵を手に入れる。

後はこの部屋と海未の部屋、ことりの部屋、希の部屋に違う鍵を置いて海未が死んだふりをすれば

密室殺人は完成する。

何故密室にする必要があるのか。

難解にすればするほど、内部は混乱し、乱れを生む。

それだけで十分だ。

海未「もうじき始まりますよぉ・・・穂乃果ぁ・・・。クッヒッヒッヒッ」

海未は泣き叫ぶ穂乃果の顔を想像しながら密室殺人の準備を行うのだった。

218: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 01:55:50.47 ID:hUeMVage0
真姫視点 10:08

その日、真姫の世界はある一件のメールから地獄に変わった。

真姫「なによ・・・これは!!!」

誰から送られてきたのか、とにかく知らないメールアドレスから送られてきたメール。

中を開けるとそこには、昨日真姫が希を殺した瞬間を撮った画像が写っていた。

真姫「・・・どういう事・・・?」

他にメールに何か書いていないかを確認する。

そこにはこう書いてあった。

『今日一日、できるだけメンバーと別行動をしろ』

真姫「・・・何を・・・?いや、それより・・・。」

昨日の出来事がばれた事の方が一大事だ。

しかも、この別荘にいるのはメンバーだけだ。

・・・メンバーの中にこの事を知っている者がいるという事!

真姫にとっては、その事が重要だった。

真姫「いや、待てよ・・・?」

真姫は考える。警察に通報するなら、こんなメールを送らずにとっとと通報すればいい話。

しかし、メールを送ってきたという事は警察に通報する気は無いんじゃ・・・。

219: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 01:56:28.97 ID:hUeMVage0
真姫「・・・。どうする?」

真姫は必死に考える。

しかし、このメールだけじゃ向こうは何を狙っているのか・・・。

真姫「・・・うぷっ。」

思わず昨日の事を思い出してしまう。

気分は最悪だった。

コンコン

真姫「!?っ・・・。」

それは、ドアをノックする音だった。

真姫「だ、誰!?」

にこ「にこだよー、一緒にリビングいこーよ。」

真姫「に、にこちゃん!?ちょっと待ってて!」

真姫は急いで支度を整える。

ドアを開けるとにこは腕を組みながら待っていた。

にこ「あんたねーこの世界一アイドルのにこちゃんを・・・真姫ちゃん大丈夫!?顔が真っ青だよ!!」

真姫「え・・・?」

真姫は鏡を見る。とてもファンには見せられない、そんな蒼白な顔をしていた。

真姫「・・・ゴメン、大丈夫よ。リビングに行きましょう?」

にこ「・・・分かった、でも調子悪いなら早く言いなさいよ。倒れられたら困るわ。」

真姫「うん、ありがとうにこちゃん。その時はちゃんと言うね。」

220: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 01:57:31.71 ID:hUeMVage0
にこサイド 10:45 希の部屋。

希の部屋では海未が死んだフリをしていた。

真姫「嘘・・・嘘よ・・・!

なんで、どうして・・・!」

穂乃果「いやァ!!どうしてよぉ!!海未ちゃんが何をしたの!?いやああ!!」

海未は口から泡を出して、顔面を蒼白にしている。

芝居と分かっている私でも信じられないのに、知らない人が見たら誰でも死んでいると思うだろう。

真姫「もう何がなんだかわからない・・・。どういうこと?何で?どうして?」

真姫ちゃんは相当混乱していた。

心中お察しするわよ。

当たり前よね。自分の殺した希が海未の部屋にいて、他に二人も殺されているんだから。

今日のメールも相まって、パニックになっているんじゃないかしら?

亜里沙「・・・。」

部屋内が悲鳴でいっぱいの時、ふと亜里沙が海未に近づく。

そして、亜里沙は海未の手首に手をあてた。

にこ「・・・!」

マズイ!!ドラマで見た事があるけど、あれは確か脈を計るやつ・・・!

ばれる!!!

亜里沙「・・・。」

221: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 01:57:59.84 ID:hUeMVage0
にこ「ちょっと亜里沙!?ダメでしょ!」

私は注意する。

でも、とっさの事だったので反応が遅れてしまった。

・・・でも亜里沙は特に疑問に思っていないみたい。

・・・ばれていないのかしら・・・?

亜里沙「・・・。」

話を変えようと、ことりの鍵を指して、

にこ「また鍵がおいてあったわ。多分ことりの鍵よね・・・?」

真姫「えぇ・・・そうね。」

なんとか話題は鍵の話にシフトしてくれた。

でもなんで亜里沙に脈を計られても大丈夫だったんだろう・・・?

昨日貸したアレを使ったのかな・・・・?

でもあれをどう使ったんだろう。

花陽「ん・・・?あれは・・・?」

部屋をでる時に後ろにいた花陽が声を上げる。

222: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 01:58:33.41 ID:hUeMVage0
え・・・?何?

私は部屋を見る。

しかし、部屋が暗いせいか、よく見えない。

花陽「あれは・・・。何でここに・・・?」

凛「かよちんいくにゃ~。」

凛に急かされて花陽は部屋をでた。

何だったんだろう。

ことりの部屋には私が書いた手紙が置いてある。

海未から事情を聞いていたので、それに関する事を書いた。

『悔い改めろ。この犯罪者。金を払えば済むと思うな。』

まァこんなもんかしら?

真姫ちゃんそうとうショック受けているし・・・。

これなら昨日海未から言われた事を実行しやすいわね。

223: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 01:59:19.08 ID:hUeMVage0
12:00 3階 リビング

にこ「警察はどうだった?絵里・・・?」

絵里「とりあえずどこか安全な場所で皆でいるように言われたわ。しばらくはここで籠城ね。」

その後、私達は3階のリビングに籠城する事になった。

途中で穂乃果がもう一度海未の遺体を見たいと言ってきたから危なかったわ。

でもこの後はどうするのかしら・・・?今は花陽が今回の事件は密室なのではないか?と話している。

良かった。

海未からは私にこの事件をより複雑にするように、そして真姫の信用を得る様に言われた。

事件を複雑にするのは分かるけど、何で真姫ちゃんの信用を・・・?

まぁ海未だから何か考えがあるんでしょ。

とりあえずこの事件が密室な事を言えば複雑になると思っていたんだけど・・・。

花陽自ら説明してくれてよかったわ。

花陽「そういう事です・・・。一体犯人はどうやって犯行に及んだのでしょうか・・・?」

それになんか外部犯の仕業になっているわね・・・。よし、ここは・・・、

にこ「・・・トリックとかは別にして死んでいるのは確かよ。それにさっきから外部犯の犯行の様に皆言っているけどさ、

・・・私達の中に犯人はいないってどうして言える訳?」

「「「!?」」」

真姫「・・・!!!」

224: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 02:00:24.23 ID:hUeMVage0
穂乃果「そんな!?私達の中にあんな事をしたやつがいるって言うの!?そんな人いるわけないよ!!」

凛「そうだよ!!私達仲間なんだよ!?」

にこ「私だってこんな事口にしたくないわよ!でもしょうがないでしょ!誰かが言わなくちゃいけないのよ!!

絵里「ちょっと待って、今仲間割れしてる場合じゃないわ!」

にこ「そう言って、あんたが犯人なんじゃないの!?昨日のアリバイは無いんでしょ!?」

絵里「はぁ?そういうにこはどうなのよ!?ある訳!?」

良かった、いい具合に混乱してる。

この調子でかき回して・・・。

真姫「今ここでそんな事・・・はぁ・・・はぁ・・・言って何になるの!?

急にそんな事言われてもアリバイなんてある訳ないじゃない!

外部犯の可能性もある!数分後には殺されるかもしれない!今私達がしなきゃいけない事は何!?

こうやって仲間同士で疑いあって罵あう事なの!?違うでしょ!?」

穂乃果「・・・。」

にこ「・・・。」

真姫「今しなきゃいけないのは、警察が来るまで生きる事でしょ!違う!?」

絵里「そうね・・・その通りよ。こんな時だからこそ一致団結しなきゃいけないのよね・・・。」

穂乃果「そう・・・だよね・・・ゴメン。私冷静じゃなかった。」

225: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 02:00:51.52 ID:hUeMVage0
にこ「私こそゴメン。変な事言ったわ。」

真姫ちゃんが流れを変える。

真姫ちゃんの仲間思いに少し感動する。

でも真姫ちゃんは希を殺したんだ。

今はこんな事を言っているけど・・・、でも本当は・・・。

真姫「そうよ・・・それでいいのよ・・・。」

真姫ちゃんは顔が真っ青になっていた。今にも倒れそうだ。

にこ「真姫ちゃん大丈夫!?わっすごい熱!」

花陽「私、風邪薬あります!」

絵里「ありがと!それ飲んで休みなさい。」

真姫「そうさせてもらうわ・・・。隣りの部屋で休んでいるわね。」

絵里「隣り・・・?真姫、危険じゃない?」

亜里沙「そうですよ!少し窮屈でも外は危険かもしれないんですよ!」

にこ「大丈夫よ。私も一緒に行くわ。」

多分真姫ちゃんはメールにあった事を実行しようとしているんだろう。

でもここで真姫ちゃんから話を聞けば・・・。

226: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 02:01:27.03 ID:hUeMVage0
隣部屋


真姫「にこちゃん、本当にうつるから少ししたらあっちに行きなさいよ?」

こんな時でもにこちゃんは私の事を信用してくれている。

でもゴメンね。

私、その真姫ちゃんの思いを、踏みにじるわ。

にこ「うん、でもその前に真姫ちゃんに聞きたい事があるの。」

真姫「えっ?」

にこ「ことりの死体を発見した時、私は確かに聞いたわ。『どうしてことりが・・・?私はことりは殺してないのに・・・。』って。」

真姫「な、何を・・・。」

にこ「『は』ってどういう事なのかしら・・・。詳しく聞かせてもらうわよ・・・?」

真姫「・・・。」

真姫「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

227: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 02:01:53.40 ID:hUeMVage0
同時期 2階リビングにて

花陽「凛ちゃん、話があるの。」

花陽は凛にだけ声が聞こえる様にこそこそとしゃべる。

凛は何かを察したのか、目立たない位置に花陽を連れて行く。

凛「かよちん・・・?どうしたの?」

花陽「実は・・・さっきの遺体の事で話があるの・・・、私、さっき思い出したんだけど・・・。」

228: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 02:02:21.20 ID:hUeMVage0
隣部屋にて

真姫「に、にこちゃんなの!?」

にこ「えっ?」

真姫「あのメール、にこちゃんなの!?ねぇ!?どういうつもりなのよ!?こんな写真を撮って・・・。」

真姫ちゃんは案の定取り乱していた。

にこ「真姫ちゃん、何の話?写真って・・・?」

真姫「とぼけないでよ!あのメールはにこちゃんでしょ!?」

にこ「だから何の話よ?真姫ちゃん。」

私は真姫ちゃんの手を握る。

にこ「真姫ちゃん、話してみてよ!私、どんな真姫ちゃんでも受け入れられるよ!」

真姫は目に涙を貯めながら上目づかいに私を見る。

うわ・・・かわいい。

真姫「じゃぁ・・・話すね。」

真姫ちゃんは語ってくれた。

黄金を見つけた事、そこで希と争った事、最終的に希を殺した事、そして携帯に知らないアドレスでメールが来て、

自分が真姫を殺している画像が写っていたこと。

私は真姫ちゃんが全てを語ってくれた後、優しく抱きしめた。

にこ「真姫ちゃん、つらかったね、苦しかったよね。」

真姫「にこちゃあん!にこちゃああん!!うわああああああ!」

229: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 02:02:48.22 ID:hUeMVage0
真姫ちゃんが私の胸の中で泣く。

年上の私のがちっちゃいのがちょっと恥ずかしかった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

にこ「じゃあ一端、となりに戻るわね。大人しくしていなさいよ?」

真姫「すぐに帰ってきてよね。」

にこ「わかったわよ~。」

あれから真姫ちゃんはべったりだった。

私もべったりしたいけど、今は部屋を監視しないと・・・、それに一個成功したから、それも報告しないと・・・。

バタン。

にこは隣部屋の扉を閉めると、ポケットから白いハンカチを出す。

真姫がポケットに入れていた私物だ。

真姫がにこに甘えているスキに、ポケットからくすねてきたのだ。

海未から、真姫の私物をどれか一個手に入れてきてくれと言われていたから助かった。

部屋に戻ろうとすると、扉から絵里達が食糧を取りにいくかどうか議論している声が漏れて聞こえた。

私は部屋の前でこの事と、ハンカチをくすねてきた事を伝えるために海未にメールをする。

返事はすぐに返ってきた。

にこ「・・・了解。」

230: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 02:03:26.84 ID:hUeMVage0
12:30 3階リビング

亜里沙「私は反対です。別に明日まで何も食べなくても死にはしません。水もありますし我慢するべきです。」

にこ「私は一階から食糧を取りにいくのに賛成よ。」

穂乃果「にこちゃん!?真姫ちゃんは大丈夫なの!?」

にこ「今ようやく眠ったわ。それよりも一階にある食糧はやっぱり欲しいわね。食べる物もなければ薬も飲めないわ。」

花陽「私も賛成です。これから何があるかわかりません。それにこれ以上時間をおけばどんどん暗くなって危険です。」

凛「そうにゃ~今が一番安全にゃ!」

亜里沙「でも・・・。」

私は真姫ちゃんの状態を話して、なんとか食糧を取りに行くように話を持っていく。

絵里「・・・本当に行くの?でも確かにそうね。もし行くなら今しかない。それは間違いない・・・。」

花陽「それに真姫ちゃんは体調が悪いでしょ?空腹には出来ないよ・・・。」

絵里「わかったわ。十分に気を付けるのよ。」

凛「了解にゃ。んじゃ、行ってくるにゃ~。」

食糧を取りに行くのは花陽と凛に決まった。

凛と花陽はリュックサックを持って外に出てった。

にこ「じゃ、にこはまた真姫ちゃんの様子でも見ていようかしらね。じゃ。」

そう言ってリビングから出る。

私は凛とにこが出て行った所をすぐにメールする。

またしても早くメールが返ってきた。

にこ「・・・え?でもこれって・・・。」

にこは携帯をすぐに閉じれなかった。

231: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 02:04:22.92 ID:hUeMVage0
何故なら、そのメールには『1階の階段から私は仕掛けるから、にこは3階の階段から仕掛けてください。

挟み撃ちです。』

とあったからだ。

にこ「仕掛ける・・・って殺せって事・・・?」

にこの体が震える。

この手で・・・殺せって・・・メンバーを・・・。

その時もう一通メールが来る。

にこはすぐに開く。

『困惑しているのは分かります。しかし、相手は二人です。私一人では失敗する可能性もあります。

あなたの力が必要なんです。一緒に幸せを、掴みましょう、にこ。』

と書いてあった。

にこ「そうだ・・・一緒に幸せをつかむんだ・・・。」

そうだ、誓ったじゃないか。悪魔に魂を売ってでも、幸せになるって・・・。

もう、体を売るのは嫌なんだ!

にこはすぐにメールを送る。

解答は・・・イエスだった。

232: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 02:04:57.75 ID:hUeMVage0
2F廊下

二人は早歩きで目的地を目指していた。

でもそれは1Fの食糧がある所ではない。海未が死んでいた、ことりの部屋だ。

花陽「凛ちゃん、急ぐよ!。」

凛「ちょっとまつにゃ~。かよちん、さっきの話、本当なのかにゃ?」

花陽「うん!!確かに見たんだ、あの部屋には、にこちゃんが持っていた、

ピンク色のテニスボールが落ちていたんだ!」

凛「でもそれが何で犯人に繋がる証拠になるのにゃ?」

花陽が先ほど凛に話した事、それはことりの部屋に犯人に繋がる証拠があるから取りに行こう、という話だった。

花陽「前に聞いた事があるんだ。脇にボールを挟んで脈を止める方法があるって!」

正確には『圧迫止血法』という立派な医療行為だ。

脇の溝にボールをあてて、方の力を入れてボール挟み込むようにすると、腕の血管が

ボールに圧迫されて血が止まり、

肩から先に血液が回らなくなるので脈が無くなった様に見えるのだ。

主に手から大出血した時に使う止血方法。

花陽はそれを偶然知っていたのだ。

233: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 02:05:59.08 ID:hUeMVage0
凛「よく分からないけど、そのピンクのテニスポールあれば・・・。」

花陽「うん、密室の謎が解るかもしれない。」

凛「でもそれならば何故絵里達に話さなかったんだにゃ?」

花陽「それは・・・あの中に犯人がいるからだよ。凛ちゃん。」

凛「え!?」

花陽「凛ちゃん、私はずっと疑問に思っていたんだ。

何で海未ちゃんだけ毒で死んだんだろうって。

他の皆は武器で殺されているのに、おかしいと思わない?」

凛「言われてみればそうだね・・・、それに毒なんてそう簡単に飲んでくれると思わないし・・・。」

花陽「ナイフとかで刺した方がはるかに手間がかからないと思わない?」

それに、と花陽は付け加える。

花陽「私、亜里沙ちゃんが死んだ海未ちゃんに近づいて手首を抑えているのを見たんだ。

多分脈があるか、計っていたんだと思う。」

凛「でも無かった。それは、そのトリックを使っていたからって言いたいんだね?」

花陽「そう、もし海未ちゃんが死んだふりをして容疑者から外れようとして

そのトリックを使ったならば、海未ちゃんだけ毒で死んだ事もとても納得がいくんだ。」

234: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 02:06:25.27 ID:hUeMVage0
凛「でもそれって・・・。」

花陽「うん、そのボールはにこちゃんの物、つまり少なくてもにこちゃんと海未ちゃんは犯人だと思う。」

凛「・・・。」

花陽「でもまだ、そうと決まった訳じゃない。もしかしたらまだ他に仲間がいるかもしれない。

それに、本当に毒殺されたのかもしれないし・・・、だからそれを捜しに行くんだ。」

凛「分かった。あ、ここだね。」

花陽「うん。入るよ!」

ことりの部屋

凛「あれを探そう!」

花陽「うん!っ・・・!?そんな・・・馬鹿な!」

花陽はある一点を示す。

凛「そ、そんな・・・嘘でしょ!?」

そこにあるはずの、海未の死体は消えていた。

花陽「じゃあやっぱり犯人は・・・!」

ギイイイイイイイイイイイイイ

海未「・・・・・・・・・・。」

235: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 02:06:51.57 ID:hUeMVage0
花陽サイド
音がしたので、後ろを向くと、そいつは、いや、海未ちゃんは笑いながら何かを逆さに掴みながら、

私に振り下ろしていきました。

私はただ立っているだけでした。もうだめだ・・・私はそう思いました。

凛「かよちんあぶない!!」

その時、凛ちゃんが私を後ろに引き戻しました。

私はしりもちをついて後ろに倒れました。

凛「あああああああああ!!!痛いぃぃぃぃい!!!」

凛ちゃんが後ろに後ずさって痛がっています。

その時、手に柔らかい感触がありました。

それは私が探していたピンクのテニスボール。

花陽「見つけたよ!凛ちゃ・・・」

私がそれを持って、前を向くと、

花陽「あっあぁ・・・!」

凛ちゃんが海未ちゃんに羽交い絞めにされて逆さに持っている何かをもう一回振り下ろしている光景でした。

凛「あっああぁぁ!!」

236: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 02:07:55.25 ID:hUeMVage0
それが振り下ろしきった後、凛ちゃんのお腹あたりから赤い何かがとびちりました。

凛「ごふっ・・・あああああああああああ!!!!!!!痛い痛い!!!!!」

それがそいつの顔につきました。

不覚にもそれは美しい。と感じてしまったと同時にそれは血で、どこから、

誰から出てきたのかに気付きました。

花陽「いやああああああああああああああああああああああああああああ!!

凛ちゃああああああああああああああん!」

逃げよう。そう思っても、ひざが動きません。怖くて息もろくに吸えません。

人は恐怖でマヒするとこの時初めて知りました。

花湯「あっあ・・・あっ・・・。」

海未「・・・。」

海未「・・・、フフフフフ。」

そいつは楽しんでいました。人を刺して喜んでいました。

ワインを開けた時、快感を覚える人がいると聞きます。

この人もそれと同じ人なのでしょう。私というワインを開けて、私から出る液体を浴びたいのです。

根っからの殺人鬼。血が似合う犯罪者。海未ちゃんの顔がドアの外からの光が漏れて見えました。

あぁ・・・あなたが殺したんですね・・・。血のメイク、とてもきれいですよ。

海未ちゃんと私の目が合い、私の所に向かおうとしました。

237: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 02:08:23.81 ID:hUeMVage0
どこっ

そいつがしりもちをつき、その上に今度は凛ちゃんがのっかかりました。

凛「かよちん逃げてえええええええええええええええええええ!!!」

花陽「うわああああああああああああああああああああ!!!」

凛ちゃんの声と共に、私は立ち上がりました。

自分の意志では動かなかったのに凛ちゃんの声には言うことを聞くんです。

不思議です。

急いで部屋の出口まで向かいました。

出口までは五歩のはずなのに出口が遠ざかっている様な錯覚に陥りました。

三歩目でそいつが凛ちゃんに向かってなにかを・・・、

ナイフを振り下ろし、四歩目でナイフが刺さり、五歩目で血が飛び散りました。

花陽「いやああああああああああああああ!!!」

私はもうそこから逃げる事しか考えていませんでした。

凛ちゃんは見捨てても、この手に持っているこれは離しませんでした。

これを持ってはやく三階に・・・。その時、曲がり角から影が見つかりました。

しかし私は止まれず、その人にぶつかってしまいました。

238: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 02:08:57.64 ID:hUeMVage0
花陽「あうっ!」

相手を見ると、

にこ「・・・。」

花陽「にこちゃん・・・?」

何でにこちゃんがここにいるのか・・・、そんな事はどうでも良いことでした。

今すぐあの人が犯人だと教えなければ。

花陽「今すぐ逃げて!海未ちゃんが犯人だったの!。海未・・・あっ・・・。」

にこちゃんはしりもちをついた私を見ながら四角い何かを振り上げました。

さっき見たことある光景だなって思った後、私は察しました。

ゴメン凛ちゃん。やっぱり私、凛ちゃんがいないと、何もできないのかも。

にこ「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」

ドゴッ!!!!!!!!!!!

目の前の視線がぐらつき、前が染まりました。

にこちゃんは私にまだ息があるのを確認すると、もういちど、私にむかって大きく振り上げました。

その目は何故か泣きそうでした。何で泣いているんでしょう・・・。まぁいいや。一言言うなら、

にこ「うああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」

ゴメン凛ちゃん、私には、やっぱりあなたが必要です・・・。

ドゴッ!!!!!!!!

再び私の頭に何か衝撃が走りました。

痛くはありませんでした。

ただ、今回は、なにも・・・か・・・んが・・・え・・・・

239: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 02:09:27.96 ID:hUeMVage0
にこサイド

にこ「はぁ・・・はぁ・・・。」

にこ「お、おええええええええええええええええええええええええ!!!!!」

にこは激しく嘔吐する。

殺した!!殺した!!やってしまった・・・。

でも、でもでもしょうがないじゃない!

花陽たちが証拠を見つけようと二階に行くから!

もし一階に降りてくれれば海未がXXしてくれたのに!!!

こ、これは私のせいじゃないわよ私のせいじゃ・・・!

わ、私は、ただ見張りを、小細工を・・・小細工をすすす、すればいいって・・・。

でも今目の前で倒れているのは花陽で、これを殺したのはわた・・・。

にこ「おええええええええええええええええええええええええ!!!!!!」

にこ「はぁ・・・はぁ・・・・そうだ、海未は・・・。」

海未を探すと、海未は希の部屋から出てきた所だった。

240: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 02:10:12.78 ID:hUeMVage0
にこ「ねぇ・・・、海未、私、やったよ!ちゃんとやったよ!!

また少し汚れちゃったけど!私ちゃんと成し遂げたよねぇ!?」

海未は段々と近づいてくる。

凛の血に塗れたその顔で微笑む。

ナイフからは血がボタボタと垂れていた。

私は神様に縋る気持ちで、海未に近づき、跪いた。

にこ「ねぇ!!もう私はこれで!」

海未「はい、そうですね。」

海未は私と同じ目線まで身体を下げる。

海未「もう、いいんですよ。」

にこ「そうだよね!!もう・・・っえっ・・・?」

ドスッ!!

241: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 02:11:03.55 ID:hUeMVage0
にこは腹に何かを入れられた気分になった。

何故か、力が抜けていく。

海未「もうあなたは十分頑張りました。お休みなさい、にこ。」

にこ「・・・ゴフッ・・・。」

喉からせりあがってくる血を吐きながら。下を見る。

海未のナイフが、私のお腹を貫いていた。

にこ「何で・・・?海未・・・?」

ズボッ!

海未「あなたのため、そして未来の後輩のためですよ。」

にこ「な・・・に・・・を・・・?」

私の芯から大事な物が抜けていく様な気がした。

支えを失って倒れるのが分かる。

手を見ると、真っ赤に濡れていた。

あぁ・・・、これ私の血なんだ・・・。

にこ「う・・・み。」

海未は倒れた私を見る。

そして、右手で頭を撫でながら、目に左手を易しく置いた。

海未「お休みなさい、お眠り。」

それは、まるで菩薩の様。

にこ「・・・う・・・ん、おや・・・す・・・」

私は、その手の中で、静かに自分の終わりを迎える。

余りいい人生では無かったと言えるけど、

殺人鬼に看取られる最後だったけど、

それでも最後は少しだけ、ほんの少しだけよかったと、思うことにしよう。

 

244: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/06/09(月) 21:29:38.76 ID:hUeMVage0
海未サイド

にこの脈が止まった事を確認すると、海未はにこのポケットを探る。

海未「ええっと・・・ありました。」

海未が出したのはにこが真姫のポケットからくすねた真姫刺繍の入っている白いハンカチ。

そして、今度は花陽を見る。

花陽の頭からは白い何かが見えていて、にこがどれだけ強く殴ったかが窺える。

海未「花陽、あなた、以外に頭が切れるんですね・・・。知らなかったですよ。」

花陽が右手に持っているピンクのにこのテニスボール。

それを海未は回収し、代わりに真姫の白いハンカチを入れる。

これで、また場が荒れるだろう。

そして、花陽の死体を凛の横に、寝かせる様に置いた。

海未「そこで、二人でお休み。」

そして、また手紙を置く。

意味は特に無い。さっきのもそうだが、手紙は主に動揺をさせ、仲間割れさせる為の物だ。

海未「にこ、花陽、凛。こんな事をして何言っているんだと思うかもしれないですけど・・・

私は今でもあなた達を仲間と思っています。

もちろんことり、希もね。」

245: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 21:30:08.83 ID:hUeMVage0
海未「だから・・・。」

海未「・・・・・・・・・・・・・・・・。」

海未は誰もいない廊下で一人呟く。

その声は、誰にも聞こえる事が無いだろう。

だが、それでいいのだ。

殺人鬼は、救いようもなく、憎まれた方が良い。

海未「さようなら。」

直に花陽達がいつまでも帰ってこない事を不審がるだろう。

いつまでもここにいるのはマズイ。

海未は遺体となったにこ達ををもう一度見定めて隠れる場所を探しにいった。

海未「・・・また会えますよ、嵐の来る頃に・・・。」

246: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 21:30:37.02 ID:hUeMVage0
14:58

真姫視点

真姫「私の、私のせいじゃない私のせいじゃない私のせいじゃない・・・。」

真姫は自分でもどこを走っているのか分からなかった。

花陽と凛、にこちゃんが死に、その花陽の手からは私のハンカチがあった。

それに、事故とはいえ、自分の不手際で穂乃果の目に怪我をさせる事になってしまった。

失明は無いと思うが・・・、しかし、この先どうすれば・・・。

真姫「にこちゃん・・・どうして・・・。」

真姫は一階に降りて、ホールに降りる。

そこには祖父のデカイ肖像画と、碑文の書いてある石碑があった。

思えば今回の事件はこの碑文を解いた事から始まった気がする・・・。

真姫が解っている事は希を殺した犯人が自分という事、その事を知っている者が、

最低一人はメンバーの中にいるという事、そして、にこや花陽、凛を殺してはいないという事だ。

そもそも花陽の手に握りしめられていた真姫のハンカチ、あれはにこが部屋を出て行ってから無くしたと気づいた。

つまりにこが持って行ったという事なのだろう。廊下でハンカチの事を聞かれた時は気が動転していて忘れていたが・・・。

もしあそこに、にこの死体が無ければにこだと思った、しかし、にこは死んでいるし・・・。

247: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 21:31:14.24 ID:hUeMVage0
真姫「どういう・・・っ!」

コツ、コツ、コツ、コツ、コツ、コツ・・・。

その音はホールを歩く音だった。

ホールの床はよく音が響く素材で作られている。

だから、人が歩く音がよく聞こえるのだ。

真姫は追いかけてきた亜里沙かと思い、振り向く。

真姫「亜里沙・・・あなたおいかけて・・・っ!!」

グサッ!

真姫は振り向いて信じられない物を二つ見た。

一つは死んでいると思っていた海未が、血まみれで目の前に立っている事。

もう一つは、海未の手に持っている物が血まみれのナイフで、それが真姫の腹に埋まっている事だ。

真姫「あっ・・・!う・・・み!」

ずりゅ!

248: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 21:31:49.18 ID:hUeMVage0
ナイフを引き抜かれる。

真姫の腹から血が沢山あふれ出した。

真姫「っく・・・!!」

真姫はそれでも倒れずに目の前に殺人鬼の肩に手を掴む。

もはや、海未が犯人な事は、明らかだった。

真姫「あんたが・・・にこちゃ・・・達を・・・!」

海未は真姫がまだ立っていられる事に驚いた。

急所を刺したはずなのだが・・・。

海未「あなたも眠りなさい、真姫。」

真姫「何故・・・こんな事を・・・!?」

海未は再びナイフを『突き』に姿勢で構え、真姫に言う。

海未「未来の後輩のためですよ。」

真姫「何を・・・!ぐっふっ!」

真姫は再び腹を刺される。

今度は立っていられる事は出来なかった。

249: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 21:32:22.24 ID:hUeMVage0
???? ??:?? 魔女の空間

亜里沙「・・・どういう事・・・?」

今まで一周目の映像を見ていた亜里沙だったがどうにも腑に落ちない事があった。

映像を見ていくうちに亜里沙は一週目の記憶を全て取り戻していた。

希の死亡理由、密室のトリック、花陽達が食糧を取りに行くと言って二階で死んでいる理由、

にこが花陽たちと一緒に死んでいる理由、にこの動機。

一周目の謎は全て解き明かされた様に見える。恐らくこの映像は二週目の犯人を暴いた黒い魔女のお礼なのだろう。

しかし、それでも一つだけ、というかこれは二週目からなのだが、分からない事があった。

亜里沙「事件の首謀者の海未さんの動機がいまいち分からない・・・、というかピンと来ない・・・。」

二週目の事件は穂乃果達が真姫の通帳を奪おうと仕組んだ物だった。

理由は最低な物だったが理解は出来る。

だが、それを狂言では無く、本物の殺人事件にしてしまったのは海未だ。

250: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 21:32:53.40 ID:hUeMVage0
一周目に至っては狂言すら起こっていない。

希が真姫に殺された事を海未が見ただけだ。

海未は希が殺される所を見てこう言ったのだ。

『これは使えるかもしれません。』と。

使える?何に?殺人計画にだろう。

この口ぶりから海未は殺人計画をこの合宿に来る前から考えていたという事になる。

そして、たまたま碑文が解かれて真姫が希を殺す所を目撃して、計画を思いついた・・・。

ことりと争っている時に穂乃果の事を意識している描写があったが、そんな事で皆殺しにするのか・・・?

でも人間関係が原因で刃傷沙汰な事件なんて腐るほどある。

案外そんな物なのか・・・?

亜里沙「何かもっと、大事な事を見逃している気がする・・・。」

251: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 21:33:20.88 ID:hUeMVage0
映像では、三階のリビングで絵里と雪穂が殺され、目の見えない穂乃果が嬲られて殺されている所だった。

見るに堪えない映像だが、それに写っている海未は・・・。

確かに笑っている、人とは思えない笑い声を出しながら穂乃果達を殺している、だがその目は・・・。

亜里沙「とても・・・悲しそう・・・、まるで・・・。」

亜里沙「まるで、何か、違う目的で、無理やりやらされている様な・・・。」

映像では亜里沙が海未に後ろから刺されて絶命した所が映し出されていた。

自分が死ぬ瞬間なんてそうは見れないと思ったが、中々心にクるもんがある。

-プツン-

映像が止まる。

どうやら亜里沙が死んだから一周目をこれ以上やる価値は無いと魔女たちが止めたのだろう。

黒い魔女の勝利条件は亜里沙が事件を解く事。

その亜里沙が殺されては解くことが出来ない。

ゲームオーバー、と言う訳だ。

亜里沙「結局分からなかったな・・・、それにこの後どうすr・・・!」

映像を映していた黒い渦が再び動き始める。

亜里沙「えっちょ、え!?」

それはドンドンデカくなり、亜里沙を飲み込んでいった。

252: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 21:33:50.94 ID:hUeMVage0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

・・・亜里沙が目を開けると、そこはほの暗く、寒い。

しかし、とても広かった。

亜里沙「ここは・・・?」

亜里沙は段々と感覚を取り戻し、気づけば狭い椅子・・・というか、映画館にあるような、

そんなシートに座っている事に気付く。周りを見ると、亜里沙が座っているイスが沢山あった。、

亜里沙「映画館・・・?いや、劇場?」

前には赤のカーテンと、舞台があるからか、亜里沙はそう思った。

亜里沙「どういう事・・・?私は確か、事件を解いて・・・。」

いつからここにいるのか、ここがどこなのか、亜里沙は検討もつかない。

亜里沙「ん・・・ひっ!?」

亜里沙は人の気配がして驚く。

どこかと思い、前を見ると、舞台の上にはとてもでかい十字架があったのだ。

いや、十字架というか・・・この大きさなら人を張り付けにする張り付け台と言った方が良いのかもしれない。

そんな十字架にはすでに先客がいた。

亜里沙「・・・!!!海未さん!!」

海未が十字架に貼りつけられていたのだ。

253: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 21:34:19.76 ID:hUeMVage0
もちろん、人が浮かぶ訳がない。

その手と、足にはずぶとい釘で打たれていて、そこから血が溢れていた。

そうとう痛いだろうに、海未は何の反応も示さない。

目は開いているが焦点は合わず、亜里沙の呼びかけにも答えなかった。

亜里沙「海未さん!!!!、今助けに・・・えっ!」

ガチャン!!

亜里沙は自分が何か、強い物に繋がれている事に気付く。

亜里沙「何・・・これは。」

亜里沙の両手首と両足首が鎖の様な物で繋がれているのだ。

全く動かせないという事は無いが、席を立って移動する事は出来ないようだった。

亜里沙「どういう事・・・?これは一体・・・?」

こんな異質な空間には覚えがある。

黒い魔女と、ピンクの魔女のいた、あの不思議空間。

どうやら自分が今異空間に閉じ込められていると亜里沙は分析する。

亜里沙「黒い魔女!!聞こえている!?これはどういう事なの!?私は事件を解いたわよ!」

254: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 21:35:05.29 ID:hUeMVage0
フフフフフフフフヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ・・・。

誰かが答える。

しかし、亜里沙が周りを見ても誰もいない・・・。

そして、その笑い声は何かの始まりを意味していた。

カっ!!

照明が上がり、舞台にライトが当たる。

そこには、

黒い魔女「亜里沙、お久しぶり、そして、よく事件を解決する事が出来たわね。

おめでとう。」

ピンクの女「まさか、こうもきれいさっぱりに解いちゃうとはねー。

でもおめでとう、亜里沙。」

黒い魔女とピンクの魔女が舞台にいた。

亜里沙「祝うにしては手荒い歓迎じゃないですか?これから何が始まるんです?」

黒い女「亜里沙、あなたは私の駒として、見事に事件を解いてくれたわ。おかげで賭けに勝つ事が出来た。

だから、ご褒美をあげようと思って。」

255: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 21:35:59.56 ID:hUeMVage0
亜里沙「褒美・・・?やっぱり先ほどの映像はあなたが・・・?」

黒い女「えぇ、亜里沙、あなたは事件を解く時にこの事件の全てが知りたいと願ったはずよ。

だから、それを叶えてあげようと思ってね。」

亜里沙「あぁ・・・なるほど、でもさっきので大体の事は分かりましたよ。

それとも、まだ何かあるんですか?」

黒い女「・・・。」

ピンクの女「・・・。」

「「ぷっはっはっはっはっはっくすくすくすくすくすくすくすくすぷっーくすくすくすくすはははははは!」」

二人の魔女がゲラゲラ笑う。まるで、自分が何か見当違いの事を話している様に感じた。

黒い女「あなたは、まだ何も知ってはいないわよ?何もね。」

ピンクの女「そうねーま、しょうがないんだけどね。その時の記憶、消されているんだもんね。」

亜里沙「!?っ・・・消されているって・・・、一周目の時の記憶じゃなくて、ですか!?」

256: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 21:36:26.39 ID:hUeMVage0
ピンクの女「そうよ、亜里沙、これからあなたに、あの合宿で何が起こったのか、本当の事を教えてあげる。」

亜里沙「何が起こったのかって・・・それは一週目の事じゃ・・・あなた達だって一周目って・・・。」

黒い女「えぇ、『ループして一周目』って事よ。

つまり、一周目が終わった時点で段階であなたはすでに、二週しているのよ。あの合宿をね。」

亜里沙「・・・!?って事は私は・・・。」

黒い女「そう。あの時に何が起こったのかは、何も知らないって訳。まぁ記憶は私が消したからなんだけど。」

亜里沙「なんでそんな事を・・・!?それに何でここに海未さんが・・・!?」

ピンクの女「それも、全部見れば分かるわよ、今から見せてあげるわ。」

黒い女『今から見せる映像が、あの時、合宿であった真実よ。』

黒い女がそれをしゃべった時、何故かその言葉だけは嘘ではないと身体が、心が信じてしまう。

その言葉に乗せるその力は魔女だけが使える物、その力に乗せた言葉は、全て真実・・・!

真実の・・・言葉。

257: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/09(月) 21:36:55.61 ID:hUeMVage0
亜里沙は理解する、これから見せられる映像は、全て本当の事なんだと。

黒い女「じゃ、始めるわよ。カーテンコール!」

黒い女の言葉と共に、赤いカーテンが開く。中からはシアターが出てきた。

パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!

パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!

パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!

どんどん拍手が大きくなる、しかし、亜里沙がいくら周りを見渡そうとも、その姿は欠片も見えない!

亜里沙は理解する、ここは完全に、人間が住むところではないと。

パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!

パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!パチパチパチパチパチパチパチパチ!!!

開場は、シアターから発せられる、目を開けられないほどの光で覆い尽くされた。

260: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/06/10(火) 04:34:59.33 ID:092QZoPD0
○月×日 真実の世界 合宿一日目。

真姫家別荘前

雪穂「これはすごいね!本当にでかい!ペンションみたいだよ!」

真姫「西木野家が持つ、一番でかい別荘よ。でも良かったわ。

前使った別荘だったら、この二人の部屋を用意するのは難しかったから。」

亜里沙「この度は本当にスイマセン・・・。私は止めたんですが、雪穂がどうしてもと・・・。」

絵里「こら!雪穂ちゃんだけのせいにするんじゃないの!あなたもどうせ、悪ノリして付き合ったんでしょ!?

亜里沙「てへへ・・・。ばれちゃいましたか・・・。」

にこ「別にいいじゃない!全くの無関係って訳でもないんだから。」

花陽「そうだね。むしろ、仲間が増えて、うれしいよ!」

希「二人とも中学生だよね?高校はどこにしたん?」

雪穂「もちろんUTえっ・・・あいて!」

亜里沙「私達、二人とも音ノ木坂学園に入ります!もう合格届も来ました!」

凛「わぁ!つまり、凛たちの後輩って訳なのかにゃ!?」

真姫「なら、尚更送り返す訳には行かないわね、先輩として、示しがつかないわ。」

にこ(先輩ぶっている真姫ちゃんかわいい)

穂乃果「こうして後輩入ってくるって思うと、本当に存続は成功したんだなって思うよ。」

絵里「廃校が嘘みたいよね、それだけでも私達がやってきた事は価値があるなって思うわ。」

真姫「あ、やっと着いたわ。じゃ、開けるわよ。」

凛「楽しみだにゃ~!」

261: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:35:25.91 ID:092QZoPD0
この時はまだ11人でした。

今思うと、どうしてこうなったのか、分かりません。

皆が少なからず家庭の事情で悩んでいた事は知っていました。

しかし、それでも皆、この時はそんな事なんて忘れて、まだ

仲の良い、ラブライブを優勝した名誉ある仲間だったと思います。

どうしてこんな事が起こってしまったのでしょうか。

楽しい合宿だったはずなのに、どうして、どうして、どうして。

一人消えて、二人消えて、三人消えて、四人消えて、最後に一人になっても、

私には、どうすればこの事態を回避できたのか、わかりません。

ただ、一つ思うことは、やはり、

あの碑文さえ解かなければ、こんな事は起きなかったのではないでしょうか?


~つひに行く 道とはかねて聞きしかど 昨日今日とは思はざりしを~


これを書いている今、この句がやけに、心に残ります。

園田海未

262: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:36:05.76 ID:092QZoPD0
22:00ホールにて


食事を終えて、ホールに行くと、真姫の祖父と碑文の書いてある石碑があった。

メンバーはそれを見て、議論を仕出す。

それは、過去二つのゲームと同じ展開。

連続殺人のスタートとも言える・・・。

黄金とは何か?

火払いの王とは?

この碑文の意味は?

いくつもの疑問が沸く、一日目。

そして、時間も時間だし、解散しようという話になる。

これもまた、過去二つと同じ展開。

真姫「私は起きているけど、あなた達は寝ないの?」

絵里「私は・・・もう少し起きているわ、この碑文をもう少し考えたくて・・・。」

亜里沙「私も、気になります。」

海未「私もです。こういうなぞなぞ、好きなんですよね。

小さい頃、ミルキィなんとかって探偵アニメがあって、そこのピンクが○○ですぅ~って」

にこ「ハイハイ。私も起きてるわ、寝付けないし。」

263: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:36:34.43 ID:092QZoPD0
希「うちはもう寝るわぁ・・・。」

花陽「はえぇ・・・、皆元気だねぇ・・・、私はもう眠くて・・・。」

凛「凛もだよ・・・、さすがに疲れた。」

ことり「私も今日は限界・・・。」

雪穂「亜里沙元気だねー・・・。オヤスミ。」

穂乃果「私も今日はいいや・・・。オヤスミー。」

・・・・・・・

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^

亜里沙「5人・・・?やけに多いですね・・・。」

過去の事件では一人だったり、二人だったりしたが五人とは・・・。

しかも犯人の海未までどうどうと参加している。

亜里沙「やはり、碑文が解かれた事が海未さんを殺人に駆り立てた動機・・・?」

亜里沙はてっきり、この合宿に行く前に何かあったのかと思っていたのだが・・・。

映像には5人が書庫室に向かっていくところだった。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

264: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:37:35.97 ID:092QZoPD0
ことりの部屋

穂乃果「え・・・、海未ちゃんに私達が付き合っている事を言ったの?」

ことり「うん、皆に言う前に海未ちゃんにだけは言っておこうって思って。」

穂乃果「そっか・・・、海未ちゃんなんて言ってた?」

ことり「おめでとう・・・。だって、同姓で大変な事も沢山あるだろうけど、

二人ならば乗り越えられるってさ。」

穂乃果「そっか・・・、応援してくれているんだ。」

ことり「・・・実を言うとね、海未ちゃんも、穂乃果ちゃんの事、好きだったみたいなんだ。」

穂乃果「えぇ!?それって本当なの!?」

ことり「うん、でも、それでもことり達を応援してくれるって。」

穂乃果「そっか・・・。叶わないなぁ・・・。」

ことり「ことりもそう思った、普通自分の好きな人取られて、応援しているって言えないよ。」

穂乃果「でも、応援してくれてるって言ったんだよね?」

ことり『うん。海未ちゃんは心から私達が付き合う事応援してくれるよ。』

穂乃果「じゃあ、それに応えられるように、頑張らないとね・・・。」

ことり「うん・・・。」

265: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:38:09.72 ID:092QZoPD0
24:00 書庫室

にこ「んあっーそれにしても解けないわねぇ!」

にこが鉛筆を机に放り投げながら呟く。」

海未「そりゃあ、真姫さん達家族が解こうとしても、解けなかったんですから、

部外者の私達にはそう簡単には解けないですよ、

でも、全く進んでないという訳ではありませんよ?そうですよね?希。」

真姫「うん、祖父が沖縄で黄金を見つけた事、この碑文を見れるのはここ沖縄の別荘

しかない事から、沖縄に何か関係があると思って歴史書を見ているんだけど・・・。

なかなか見つからないわ。」

絵里「どうした物かしら・・・。」

海未「そもそも『火払いの印を志す王』が分からなければどうにもなりません。

亜里沙、絵里、印の方で何か見つけましたか?」

亜里沙「いえ、本で探すのが予想以上に手で・・・、そもそも火を払う印なんて、いくらでもありますからね・・・。

もう少し絞り込めればいいんですが・・・。」

絵里「場所ごとに沢山あるしね、こういうものは・・・。せめてどこかに絞り込めれば・・・。」

にこ「あーもう!!どこにあるのよ!!お宝!!!」

266: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:38:37.42 ID:092QZoPD0
どさ!

にこが癇癪を起こして本が数冊落ちる。

その中の一冊の本が偶然開いたまま落ちた。

真姫「こらこら真姫ちゃん・・・、あらこれって・・・。」

真姫がその本を拾う。

真姫「懐かしい・・・皆みてよ。」

真姫が広げたその本にはお祭りの歴史書だった。

海未「そうですね。小さい頃に行きました。亜里沙はありますか?」

亜里沙「私は今年行きましたよ、すごいですよね!大きい所なら何発も花火を打ち上げるんですよね?」

にこ「そうよそうよー。花火とか見ながら枝豆を食べるの最高だわー。」

真姫「にこちゃんオッサン・・・。」

絵里「ん・・・?この印・・・。」

海未「どうしたのです?絵里。」

絵里が指したのは太鼓を叩いている写真だった。

亜里沙「いや、この太鼓に書かれている模様・・・、確か防火の印なのよ。」

※参考画像 http://blog-imgs-38.fc2.com/m/e/d/medetaina/201007062000002f9.jpg

真姫「あー、よく見るよねこの模様。提灯とかにも書いてあるわよね。」

267: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:39:06.39 ID:092QZoPD0
亜里沙「これ、なんていうんですか?」

海未「これは『巴』というんですよ、家紋としても有名ですよね、

意味は先ほど言った通り、防火・・・。」

にこ「どうしたの、海未。」

真姫「海未?」

海未「・・・!もしかして」

海未は碑文をメモした紙をよく見返す。

海未「これです!!亜里沙!よく見つけました!」

次に沖縄の歴史書をペラペラ捲る。

でてきたのは、琉球王国時代のページだった。

海未「尚巴志王!!これです!」

絵里「・・・なるほど・・・。火払い印が巴でそれを志す王、

ならば巴+志+王で『尚巴志王』ね。」

亜里沙「・・・!私もそれが答えだと思います!でも次の『川を三つ下った~』

の部分が・・・。」

海未「それも・・・多分これです。」

海未が開いたのは琉球王国の位のページだった。

亜里沙「位を川と表現した訳ですか。」

海未「えぇ、訳は・・・。」

268: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:39:33.44 ID:092QZoPD0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

亜里沙「すごい、真姫さんが解いた時よりも何倍も速い・・・。」

黒い女「そりゃ、自力で碑文を解いた事のあるメンバーが三人もいたらねぇ・・・。」

亜里沙(でもここから何が分かるんだろう・・・?多分オチとして海未さんが

誰かに協力してもらって殺人を起こすんだろうけど・・・。)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

12:40 ホールにて

亜里沙「海未さん、この石碑の名前の所、外せる様になってますよ!」

海未「ビンゴです、にこがメモの綴りを間違えてくれて助かりましたよ。」

にこ「わ、わざとよわざと!」

真姫「スイッチらしき物があるわ。後はL,O,R,D,Nの順で押していけばいいって事?」

亜里沙「押してみます!」

亜里沙はその順通りにスイッチを押す。

カチッ!

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!

すると、近くの石像の首が動き出す。

やがて石像が止まり、首が指す方向を見ると、そこにもまた石像があり、その石像の向く先にも

石像があった。

絵里「ハラショー・・・。」

にこ「この石像の首の指す所に行けって事かしら?」

海未「そうみたいですね、行ってみましょう!」

・・・黄金はすぐそこだった。

269: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:40:02.14 ID:092QZoPD0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

書庫室

絵里「驚いたわ・・・、散々歩かされて最後の場所が書庫室とは・・・。」

海未「でもこれで終わりみたいですよ?見てください。」

亜里沙「書庫室の暖炉の奥に階段らしき物がありますね・・・?」

真姫「結構深そうよ?懐中電灯は・・・。」

海未「その必要はなさそうです、ここにスイッチが・・・ほら。」

海未がスイッチを押すと、階段の明かりが点く。

すると、階段の先に扉があるのを発見する。

その扉には、

『六の欠片、九の欠片、十六の欠片、十八の欠片、三十六の欠片を引き抜いて鍵に合わせた者だけが黄金に至る。』

と書いてあった。

絵里「・・・あたりね。」

亜里沙「えぇ。開きますか?」

真姫「やってみるわ・・・おっ・・・。」

真姫が思っていたよりもスムーズに開けられそうだったので少し驚く。

真姫「いい?開けるよ・・・?」

にこ「何があるのかしら・・・?」

海未「鬼が出るか、蛇がでるか・・・。」

亜里沙「それとも黄金か、ですね。」

ギイイイイイイイイイイイイイイ

重そうな扉がゆっくりと開く。

そして、黄金の積まれた部屋が彼女らを迎えた・・・。

270: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:40:31.52 ID:092QZoPD0
亜里沙「こ、これは・・・。」

亜里沙たちが思っていたよりは部屋はキレイだと内装に感想を持ったのは一瞬の事。

なぜならば、その中央にある山と積まれたインゴットに絶句したからだ。

そして、その絶句は時が経つにつれて驚嘆へと変わる。

真姫「・・・これは、すごい!」

海未「素晴らしい!フフ、フフフフフフ!」

亜里沙「こんなに沢山・・・、見たことないわ・・・。」

絵里「ハラショー・・・。価値にして何十億以上の黄金・・・。」

にこ「目がつぶれそうよ・・・眩しい山だわ・・・。」

「「やったああああああああああああああああああああ!!!!」」

これほどの黄金の山は魔力を持つ。それは、人間の素直な感情をむき出しにするのだ。

・・・だから、彼女らが黄金を見つけた事は、本当にうれしかったのであろう。

彼女らはしばらくの間、まるで園児の様に笑い、抱き合い、そして転げまわったのであった。

271: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:40:59.63 ID:092QZoPD0
亜里沙「何・・・?この展開は?」

黒い女「あら、ご不満かしら?」

亜里沙「不満って事は無いけど・・・、何の事件も起きずに碑文が解かれるなんて・・・。」

黒い女「今までに無かった展開って言いたい訳?」

もしかしたら、現実では殺人事件なんて全く起こらなかったという事か?

まぁ・・・その方が現実味があるけれど・・・。

でもこれで終わり・・・?私達は一人数億を持って家まで帰宅・・・?

じゃあここにいる私は・・・?それにこの鎖・・・。

手と足に繋がっているこの鎖はなんだろうか。

これは嫌でもこの映像を見せようとする明確な悪意を感じる。

それにあそこで貼り付けになっている海未は・・・。

海未「・・・。」

海未はやはり、目の焦点が合わない。その虚空の目に何を映しているのか。

272: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:41:28.07 ID:092QZoPD0
亜里沙「・・・ん?これは・・・!」

亜里沙の稀有な一言に馬鹿騒ぎが終わる。

絵里「どうしたの!?」

亜里沙「いや・・・、ここに手紙があって・・・。」

黄金の山を中央から見たら、死角にあるテーブルにその手紙はあった。

テーブルの上にあるデカイ時計が今の時間を指している。

絵里「真姫のおじい様が書いた手紙でしょ?私達が勝手に見てもいいのかしら?」

にこ「でもここに、『黄金を見つけた者へ』ってかいてあるにこ?」

海未「・・・開けてもいいんじゃないですか?」

真姫「私が良いって言うんだから、開けちゃいなさいよ。」

亜里沙「じゃあ開けますね、よっと・・・これは、通帳と印鑑ですね、

それと手紙が入っています。」

にこ「通帳?どれどれ~いくら入っているに・・・こ・・・?」

にこは愕然とする。

だって、その通帳には0が1,2,3,4,5,6,7、7個!!

にこ「ご、5千万円!!」

真姫「ヴェエ!?嘘でしょ!?」

にこ「嘘じゃないわよ!ほら!」

にこが通帳を希に見せる。

273: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:41:54.14 ID:092QZoPD0
最初は半信半疑だった希も、0の桁を一つずつ数える度に表情を変えていった。

真姫「本当ね・・・!!!!あ、中にパスワードも書いてある。」

絵里「もうなんか・・・すごいわね・・・。」

海未「手紙にはなんと書いて・・・?」

亜里沙「えーと、うわ達筆ですよメンドクサイ。」

絵里「読める?」

亜里沙「なんとか、えーっと、最初に遺産の事が書いてありますね。

遺産の分け前は、遺産を見つけた時にその島にいる全ての者に平等に分け与える事。」

絵里「平等!?」

海未「って事は私達にも分け前がでるって事ですね・・・。」

にこ「本当に・・・!?やった!!!!」

真姫「なんとかなったって訳ね・・・。これで病院が・・・。」

絵里「他には・・・?」

亜里沙「えーっと家族に対して書いてありますね。どうやら、真姫さんの家族は

あまりおじい様の事を良く扱わなかったみたいですね。

結構キツイ事が書いてありますよ。」

真姫「そんな・・・希の言うことは当たっていたって事ね・・・。」

絵里「下手すれば、家族以外の者がここを発見する事もあったでしょうしね・・・。

素直に渡したくなかったんでしょう・・・。」

274: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:42:33.99 ID:092QZoPD0
亜里沙「で、えっと次は・・・えっ?」

海未「どうしたのです?亜里沙?」

絵里「亜里沙?」

亜里沙「うそでしょ・・・!?」

希「どうしたの!?」

亜里沙「よ、読みますね。」

『以上として、私個人が伝えたい事は以上である。この遺産を見つけたという事は、

この島の本当の主と言うこと。なので、この島の秘密を伝える。』

海未「秘密・・・?」

『この島は戦時中は軍の基地として使われた記録を持つ。私はそこを買い取った訳だ。」

絵里「ほぉ・・・。」

『買い取ってから気づいたのだが、どうやらこの島には、大量の爆弾が眠っているらしいのだ』

にこ「大量の・・・爆弾!?」

『この事を政府に言い、除去してもらおうとも考えた。しかし、この島を買った事を穿り返されると非常に

面倒くさい。この島と病院は黄金を換金して建てたり、買った訳だが、あの黄金はずっと前から政府が狙っている

ものなのだ。もし国に見つかったらあの手この手を使って全額取る事は無いだろうが、難癖をつけてかなりの額を

取りにくるだろう。政府関係者はこの島には呼びたくはない。しかし、大量の爆弾をこのまま放置しておくのも

忍びない。そこで私は、爆弾を自由に爆発させられる、そんな仕掛けを時計に施したのだ。』

275: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:43:12.51 ID:092QZoPD0
海未「・・・なんですって・・・。」

絵里「ちょっと待って?時計ってこの・・・時計?」

手紙のおいてあったテーブルの上にはアンティークで中々立派な貫禄のある時計がある。

にこ「この時計が・・・爆発するスイッチって事なの!?」

亜里沙「その時計で間違い無いみたいです、『この手紙が置いてあったテーブルの上の時計』と書いてありました。」

『この手紙が置いてあったテーブル、その上に時計があるな?その裏側を見てほしい。左右に押すことの出来るスイッチがあるはずだ。』

真姫「・・・あったわよ!スイッチ!」

海未「本当にあるとは・・・。」

『このスイッチを右側に押したままにすると、次の24時に爆発する様になっている。

眠っている爆弾の量はおよそ900トンだそうだ。島ごと吹っ飛ぶだろう。』

にこ「900トンって・・・!そんなの爆発したら、この屋敷どころか、クレーターができるわよ!」

亜里沙「テレビで見たことがあるんですが、50キロ爆弾でもビルの近くで破裂すれば

ビルだけじゃなくて駐車場ごと粉々に出来るそうです・・・。」

絵里「50キロでそれなら・・・900トンってそれの1万8000倍じゃない!

それが爆発したら・・・。」

海未「跡形も残りませんね・・・。」

276: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:43:39.10 ID:092QZoPD0
真姫「24時ぴったりに爆発するって事は、時限爆弾って事ね・・・。」

今となっては誰にも分からない事だが・・・

米軍に島に乗り込まれ、支配される万一の時、その爆発で島ごと自決できる仕掛けを施した。

という事なのだろうか・・・?

にこ「でもそれが爆発したら全員死ぬわよ?このスイッチを押した人も。」

亜里沙「それも書いてありますね。」

『なお、この爆発が何かの事故で動いてしまった時のために、脱出路も作っておいた。

テーブルの下にスイッチがあるはずだ。それを押すと脱出路への道が出来るはずだ。』

にこ「・・・あった!これね!」

にこはスイッチを押す。

すると、テーブルの横の壁が動き、通路が現れた。

中は真っ暗だ。

にこ「はーまるで映画みたいよね・・・!あいてっ!」

にこは何かに頭をぶつける。

にこ「海未!明かりをつけてー!」

海未が明かりをつける。

すると・・・

真姫「・・・なにこれ・・・。」

海未「嘘でしょ・・・。」

そこは通路と言うより、武器庫だった。

277: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:44:09.38 ID:092QZoPD0
『その通路には、昔軍が使っていた武器もしまわれている。これも、国の者を呼べない訳である事は分かるだろう。

この通路を5kmほど行くと、島の反対側にある小さな小屋にでる。その小屋の中なら爆発が起きても大丈夫だろう。

この島に隠されている事は以上だ。この手紙を読んだ者の幸福を願う。 

西木野雷道朗』



亜里沙「きゅ、旧日本軍の武器庫・・・?」

絵里「ずいぶん沢山・・・。」

拳銃はもちろんの事、手りゅう弾、ヘルメット。防災ずきん、拳銃、博物館でしか見たことのない物がずらりと並ぶ。

にこ「す、すごい・・・。」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

亜里沙「真姫さん家の地下にこんな秘密が・・・。」

黒い女「黄金を隠すには、あの島は都合がよかったって事ね・・・。」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

黄金とは、この世にある魔力の集合体だ。

数枚の札で簡単に人を殺してしまえるそれは、人を操る魔力を持っていると

考えていいだろう。

それが見上げる程に積み上げられていたら、この部屋にはどれほどの魔力が充満しているのだろうか。

にこ「馬鹿いわないでよ!山分けよ山分け!だって手紙にもそう書いてあったじゃない!」

真姫「それは、黄金の事でしょ!?この通帳の事は勘定に入っていないわよ!」

黄金を手に入れた者たちの叫び声が地下室を響かせる・・・。

・・・彼女たちは黄金を手に入れた訳だが、冷静に考えてみるとこのインゴットがすぐに

お金として返ってくる訳ではない。

278: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:44:38.49 ID:092QZoPD0
何せ刻印も入っていなく、歴史的に見ても大分古い。その上県が狙っていた事もある。

全額正しく換金される事も怪しく、それがいつ頃済むのかも定かではない。

メンバーにはそれぞれ火急に大金が必要な事情があるのだ。

そして今、その大金は真姫の持っている通帳の中の5000万しかない・・・。

彼女たちは数十億の価値のある黄金の前で、5000万の分け方について紛糾していた。

にこ「真姫ちゃん一人で謎が解けた?解けなかったでしょう!?その通帳も含めての

11等分でしょうが!」

真姫「そもそもこの遺産は私、西木野の遺産なのよ!?黄金の場所を解いてもらった事は

感謝しているけれど、それはこれ(インゴット)を換金してわけてチャラでしょうが!

それを通帳もだなんて、図々しすぎるわよ!」

絵里「それはあなたのお母様達が蛇険に扱った結果でしょ?

それを私達に言うのはお角違いと言う物よ。」

亜里沙「それに、この島、銃なり爆発物なり、かなり危ない物を分かっていて持っていますよね・・・?

これってどうなんですかねぇ・・・?法律的には。」

真姫「脅そうっていう訳?」

亜里沙「ですから、それをうやむやにする分も、全て含めてちゃらにして、なーかよく11等分。

悪くない話だと思いますけど?」

海未「ちょ、皆さんおちついて・・・。」

にこ「あんたは黙っていなさい!」

279: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:45:14.73 ID:092QZoPD0
真姫「そこまで言うなら上等じゃない!あなた達に渡さなきゃいけないという制約はこの、

遺言状による物よ。もしこれが破れて無くなればあなた達は受け取る資格を失うわ!それでもいいの!?」

にこ「それがどうしたのよ!?こっちには通帳と印鑑とパスワードがあんのよ!

あんたがそれを破いたら私達もこの通帳、どうなるか分からないわよ!?あんたの焦り様を見ていると、

あんたもこの通帳のお金が欲しいんでしょう!?それも全額!私達はこのお金の一部で良いけど、

あなたの所は困るんじゃない!?」

絵里「それにこの島の事、全部を警察、マスコミ、ありとあらゆる所にぶちまけるわよ?

さぞスクープになりそうだけれど、大丈夫?」

真姫「そ、その程度の事で有利になったつもりなの!?」

海未「ひっ!」

真姫は通路にあった近くの銃を手に取るとそれを真姫に向ける。

にこ「なーにその銃は!?それで私達を殺すの?いいわよ!やってごらんなさいよ!

あんたが殺人を犯したら、あんたの家の親はどうなるかしらねぇ?医者の娘が人の命を奪う殺人鬼とくれば、

こりゃあ大スクープよ!」

真姫「黙れぇぇぇぇ!」

気づけば皆、武器庫にあった銃を知らず知らずのうちに持っていた。

それは、身の危険を感じての防衛本能なのか、それとも・・・。

黄金が人の本性を表させるように、武器には人の凶暴性を表させるようだった・・・。

にこと真姫はとうとう取っ組み合いを始める。

280: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:45:42.03 ID:092QZoPD0
絵里「・・・!まずいわ!銃を下しなさい!」

亜里沙「そうですよ!取っ組み合いをするなら銃を下してから・・・・。」

豪華な地下室は相手を罵り合う低俗な場所と化した。

パアン!!!!

その時、大きな爆発音が部屋内を響き渡った。

それを誰も銃声とは思わない。

だって、普通に暮らしていたら、そんな音、聞いた事がないのだから。

ボト、ボトボト・・・。

それは、真姫の顔、顎からでる血の音だった。

銃弾は真姫の顎から頭にかけて貫いていた。

海未「ま、真姫・・・?」

にこ「わ、私じゃないわよ!!、真姫ちゃんが突っ込んでくるから!」

にこから落ちた拳銃は音を立てて床に落ちる。

それを合図に、真姫はゆっくりと後ろに倒れた。

海未「いやああああああああああああああああ!!!!!!」

絵里「真姫!真姫!」

にこ「わ、私、私じゃない!!」

真姫が倒れた位置からは、血が湯水のようにドクドクと出ている。

それは真姫の顔を染めていく・・・。

亜里沙「・・・。」

281: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:46:10.83 ID:092QZoPD0
絵里「な、何故、何故打ったのよ!?にこ、にこおおおおおお!!!!」

絵里が銃を持ってにこに迫る。

にこ「わ、私は撃ってないわよ!撃ってない!やめろって言っているのに

にこちゃんが・・・とにかく撃ってないのよ!!」

メンバーが死んだ事で、絵里もにこも理性が消えていた。

絵里「どうしてよ!?殺す事は無かったでしょう!?何で!?どうして!?」

にこ「ちが、違うわよ!!これは事故!事故なのよぉぉぉぉぉ!!!」

再び爆発音が木霊する。

にこの顔に返り血がついた。

二人は絵里の持っている銃で相手を押しあう様に取っ組み合いをしていたのだ。

その時にたまたま絵里の顎の下に入るような形になって・・・銃が暴発した・・・?

絵里の口、いや顎から血がとろりと出る。一度でると、その血は勢いを増して、

止まらなくなった。

亜里沙「お姉ちゃん!!!」

にこ「うわあああああああああ!!!!う、うわあああああああああ!!!!」

海未「にこ、あなた!!」

にこ「違う、違うわよ!!!絵里の指が引き金に・・・これは事故よ!!」

事故事故と繰り返し泣くにこに、海未と亜里沙は何も声をかけられない。

にこ「事故だよこれは!!!皆、見てたでしょ!?海未!亜里沙!」

亜里沙「・・・私にはそれが事故かどうか、判断できません・・・。」

282: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:46:39.05 ID:092QZoPD0
海未「私もそうです。偶然暴発したのか、それを装って殺したのか、私は

知りません。」

にこ「この馬鹿共!!!見れば分かるでしょ!?見れば・・・みれ・・・。」

海未達の視線はとても冷たく、淡泊に見えた。

にこ「どうするのよ!?銃で死んだ・・・事故でごまかせないわよ!

どうすれば・・・そうだ・・・ここに隠せば・・・それか森に!」

海未「そんなので誤魔化しきれませんよ!警察がこの島中を捜索するのよ!?

そもそもなんで未開の森に二人が出かけるんですか!!」

にこ「・・・じゃぁどうすれば・・・はっ!」

感情をあらわにしていたにこが突然何か、天啓を受けたかの様に上を見ていった。

海未「な、何か思いついたんですか?」

にこ「事故に見せかけるのよ・・・。」

海未「だから、その事故にするのが無理なんですよ!焼いたって銃創でばれてしまいます!:

にこ「だから、もっと、もぉっと大きな事故にするのよ・・・。」

海未「・・・どういう・・・?」

にこはゆっくりとテーブルに向かい、あるものを叩く。

それは、時計だった。

にこ「爆発事故よ!全て爆発事故に見せかければいいのよ!!!!」

にこは時計の爆発スイッチをいじりながら、舌を出して、目をぱっちり開きながら、

狂気に満ちた顔と声で言う。

283: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:47:07.70 ID:092QZoPD0
それはまさに悪魔の考え。時計のスイッチを右に入れて次の24時を待てば

900トンの爆発でこの島は跡形も無く吹き飛ぶ。

死体?そんなの残る訳ない。そもそも爆発前に何があったかなんて、絶対にわからない。

にこ「この島に爆弾があるのは手紙に書いてあった通り!

それが明日の夜、何かの拍子で爆発してしまう!

これならどう!?事故でいけると思わない!?警察にだって分からないわよ!

二人死んだのも誤魔化せるわ!!!」

海未「何を言って・・・。」

海未は何を馬鹿な事を、反論する事を考える。

しかし、ない。全てを吹き飛ばして何もかもを有耶無耶にできる!!

二人が死んだことを誤魔化せる!!!

にこ「完璧よ!さすが私!さすが矢沢にこ!!そうよ!!絵里達が死んだのも

事故だもの!もう一個事故が起きるようなもんよ!!!

警察への言い訳は私が考えるわよ!とにかく私達は全員明日、島の反対側にある

小屋にいた!そこで偶然爆発があって無事だった!そういう言い訳にすれば良いのよ!」

亜里沙「・・・それはどんな言い訳なんですか?お姉ちゃんと、真姫さんを残して

全員が小屋に行っていて都合よく無事って一体どんな言い訳なんですか?」

284: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:47:38.04 ID:092QZoPD0
にこ「それはこれから考えるって言っているでしょうが!!何でもいいのよ!!

考えてよ!!あんたたちもほら!!何をぼーっとしているの!?

いいから考えてぇぇぇぇぇ!!!!!」

海未「・・・にこ、一つ聞きます。インゴットはどうするつもりなんですか?」

にこ「・・・はぁ?そんなの運べばいいじゃない運べば!!

爆発は明日の夜24時!まだ一日あるのよ!?一日あれば手分けして・・・。」

海未「無茶言わないで下さい!このインゴット何個あると思っているんですか!?

300個以上はあるんですよ!?・・・ライブで使うでかいアンプを二人で担ぐのもやっと

な私達が、一体何個たったの一日で島の反対側まで通じる地下道を徒歩で往復して

運ぶって言うんですか!無茶苦茶ですよ!」

にこ「このカードがあるじゃない!さっき封筒に入っていたカードが!これには

5000万入ってる!黄金は時間いっぱい運んで、それとは別に5000万円あるのよ!」

海未「嫌ですよ。」

にこ「何が!?」

海未「ここに数十億の黄金があるんですよ?

どうして5000万を分割した数百万で我慢しなきゃいけないんですか?」

にこ「う、海未・・・。」

海未はあり得ないといった態度で告げる。

285: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:48:05.33 ID:092QZoPD0
にこ「あんた何言っているのよ!?協力する気はないの!?」

海未「にこ、冷静に聞いて下さい?

私達皆で一番お金を得られる方法を考えました。」

にこ「な、何よそれは・・・?」

海未「素直に警察に事情を話して自首してほしいのです。」

にこ「は、はぁ!?何を言って・・・!」

海未「さすがにここで事件が起こったとは言えません。

警察に黄金の存在を知られてしまいますし・・・、だからそうですぇ・・・。

森なんてどうですか?今雨が降っていますから、

警察が来ても誤魔化せるかもしれませんよ。」

にこ「あ、あんた・・・。」

海未「どういう経緯でそうなったか、それこそあなたが考えてください。

さっきから事故、事故言っていますけど、自分の罪を人に押し付けないで下さい。」

にこ「海未ィィィィィィィィィィィィィィィ!」

海未「いいじゃないですか、私達まだ未成年なんですし、新聞に顔が載る訳でも、

実名が載る訳でもないんですよ?いいじゃないですか?少年院。

別に何十年も食らう訳じゃない、だって事故なんですよね?数年で出てこれますよ。

その時にこの黄金の山を分けた数十億を好きにすればいい。」

にこ「ふざけないでよ!私が捕まったら妹たちはどうなるのよ!?」

286: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:48:35.62 ID:092QZoPD0
海未『知りませんよそんなの。いいじゃないですか。

数年働いて年収ウン十億のお仕事と思えば、お勤めも楽しくなるんじゃないですか?」

海未は最初からにこの案に賛成する気などさらさら無いのだ。

別に絵里たちの死を隠ぺいできても、海未にとっては意味は無い。

余計な工作をせずににこに自首をしてもらえるのが最善なのだ。

ただ現場を変えてほしいだけ。

しかしにこは捕まりたくはない。

数十億がウン百万に変わるのは悲しいが、ここで自分が捕まったら・・・。

そもそもにこの借金はそのウン百万で十分おつりがくるほどなのだ。

例え数十億吹き飛ばすにしても犯罪を隠ぺいしたい・・・!

自分が捕まればどうなる?あの下衆な借金とりの魔の手は必ず妹にまで伸びるだろう。

それだけは絶対に出来ない・・・!何のために私は自分の初めてを犠牲にしてまで・・・!!

しかしそれは海未からすれば世迷言なのだ。

にこ「う、海未ィィィィィィィィィィィィィ!」

にこは憤怒の形相で銃を構える。

海未「何ですか?その銃は、今度は私を撃つのですか?

ますます言い訳がし難くなりますよ?」

海未「三人の死に関わったとなれば、少年院じゃなくて少年監獄所に勤める事になるんじゃないですか?

それでもいいんですかねぇ?」

にこ「う、海未ィィィィィィィィィ!!」

287: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:49:03.44 ID:092QZoPD0
黄金の部屋で、死神の鎌が、ゆっくりと首にかかるのがわかる・・・。

パアン!!!!

その音と共に、海未が倒れた。

それは、まるで人形が押されて倒れる様に・・・膝を折りたたまずに、無機質に倒れる。

にこ「・・・ち、違うわよ!!私じゃない!私、本当に引き金を引いていないわ!!」

動揺するにこをよそ目に、亜里沙は冷静だった。

亜里沙の持つ拳銃の先端からは、煙がでている。

今の発砲を誰がしたのかは明白だった。

亜里沙「・・・にこさんの銃はシングルアクション?みたいですから、

撃鉄を起こさないとその銃では人は殺せませんよ。安心してください。」

亜里沙は銃の先端を自分の服で拭う。

その目はとても冷たく見えた・・・。

亜里沙「海未さん・・・考えが足りませんよ。

人が死んだ今、無刻印の、これだけ大量のインゴットを換金するなんて、

どれだけ大変か・・・、無理ですよ。換金なんて。換金できない黄金の山なんて、

鉄くずの山と同じです。」

にこ「ははは・・・そうよね?」

288: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:49:29.90 ID:092QZoPD0
亜里沙「何百個ものインゴットが換金されて、それを本来受け取るはずだった娘が

怪死。これで怪しむなと言う方が無理な話です。警察沙汰にしない方がいいですよ。

さっきにこさんが仰ったみたいに、この島を吹き飛ばして証拠隠滅、

インゴットが欲しいなら勝手にどうぞ。ウン百万のカードだけで十分。

それが正しいと思いますよ。」

にこ「あ、ありがとう!あなたと同じ考えでとてもうれしいわ!

警察が介入すれば何が起こるか分からない!黄金なんて換金できる訳ないわ!

真姫ちゃんの祖父が残したあの5000万が手に入れられるお金なのよ!

そして、それだけで十分すぎる!」

亜里沙「そういう事ですよ。この数十億に目が眩まなければ、

私達はお金を持ってここから出られる。この島で起きた事を

無かった事にしてね。」

もはや銃の暴発とか、事故だとか、この島では意味をなさないのだ。

明日の24時に何が起きようと、全て爆発事故という結果で上塗り出来るのだから。

にこ「それを自首しろ・・・?頭がわいているんじゃない!?

自業自得よ!欲の皮を突っ張らせるからだわ!」

亜里沙「その通りですよ。」

にこ「・・・でも殺す事は無かったんじゃない?

海未だって、話せばわかってくれたわよ。」

289: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:49:58.92 ID:092QZoPD0
それを言うと亜里沙はニコリと笑って

亜里沙「撃つ必要はありましたよ?だって海未さんは銃を撃っていないんですもの。」

にこ「・・・?それはどういう意味?」

亜里沙「海未さんの銃はまだ発砲していないの。そして、海未さんの銃はシングルアクション。一度発砲したら

撃鉄を起こさなければいけない。・・・素人じゃ結構難しいらしいですよ?」

にこ「何の話・・・?あり・・・はっ!!!!」

亜里沙は笑いながら銃をにこに向ける。

にこはようやく亜里沙が何の話をしているのかを理解する。

『海未はまだ撃てる銃を持っていたから先に撃った』

・・・なんでもっと早く気づかなかったのだろうか・・・。

さっきこの島では全てが爆発で上塗りできると、理解したはずなのに・・・。

にこはとっさに姿勢を低くすると同時に亜里沙の銃が牙を剥く。

パアン!!

だが、人間が実弾より早く動ける訳はない。

当然の結果として、にこは短い悲鳴を上げた後、心臓に穴を開けて、絶命した。

亜里沙「さーってと。」

亜里沙はにこの手から通帳を奪い取る。

290: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:50:39.93 ID:092QZoPD0
この中には5000万が入っている。

もうそれだけで十分すぎる。

数十億という黄金があるから価値が分からなくなるのだ。

人はほんの数十万円で十分殺し合いが出来るのだ。

それが、5000万!

今通帳の中の金は、亜里沙によって独占された・・・。

亜里沙「ほんっとうに頭が弱いやつばっかだわ。

爆弾の仕掛けを聞いた時、この島から法が消え去った事に気が付かなかったなんてね。」

もちろん亜里沙も最初から独り占めをするために狙ったわけではない。

亜里沙が最初に銃を取った時、亜里沙はこの銃の弾倉の見方を知っていたのだ。

何故ならば、亜里沙は勉強熱心で、日本が好きだからだ。

だから、日本の歴史についても勉強したし、日本が戦争で使った道具ももちろん勉強していた。

それでこの銃に入ってる銃弾は二発と気づいた。

そう、亜里沙の銃では絵里を除いても一人殺せないのだ。

それに亜里沙の銃はシングルアクション。

そのスキを突かれて殺される事もある・・・。

だから真姫が殺された時、亜里沙は驚いた。

事故が足りない銃弾を満たしたのだ。

291: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:51:25.33 ID:092QZoPD0
実際に撃つのはもちろん初めてだが、銃の撃ち方と、リロードの仕方だけを覚えておけば

この距離なら誰でも当たる・・・。

一度目の暴発事故でこの虐殺劇は約束されていたのだ。

・・・まぁ不幸な事故が起きたが、金のためならしょうがない、諦めるとしよう。

亜里沙は笑みを浮かべながら通帳と印鑑を右側のポケットにしまい、

オートマチックの銃を探す。それを見つけると、その銃の弾倉を確認、

その銃の使っている玉を見つけて補充し、残りをわしづかみして左のポケットにいれた。

亜里沙「それと・・・よいしょっ!」

亜里沙はテーブルに上り、時計の上に設置してある爆弾のスイッチをオンにする。

これで、明日の24時にこの島は全て吹き飛ぶ。

亜里沙「どうしよっかなー、明日の24時まで待つ?でも姿が見えないって騒ぎになるよねー。」

亜里沙はにやりと壁に銃を向ける。

亜里沙「じゃあ、騒がせないように、するしかないよね!」

パアン!!

試し撃ちが終わった時、第二の虐殺劇が幕を開けたのだった。

292: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:51:53.95 ID:092QZoPD0
亜里沙「そ、そんな・・・!」

映像を見ていた亜里沙は驚愕する、

こんなバカな話があるだろうか。

まさか自分が殺人犯になっているなんて。

亜里沙「しかも、別に誰に先導された訳でもなく・・・。」

完璧に自分の判断で行っている。

そして、これから行う事は・・・。

亜里沙「あ、ああああああ、あああああ、ああああ!!!」

亜里沙は段々と思い出す。

自分がどれだけ恐ろしい事を行ってきたのかを。

亜里沙「お、おえええええええええええええ!!!!」

黒い女「あらあら、汚いったらありゃしない、ちゃんと見なさいよ。

これが、あなたのしてきた事よ?」

亜里沙「う、嘘だ!嘘嘘だ嘘だ!!!嘘嘘嘘嘘嘘だ!!!!あなたは嘘をついている!!!

借りに私が殺したとしても、それはループした世界であって、現実の世界でh」

黒い女『今映っている映像は全て本物で、現実のものよ?』

亜里沙「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおうわああああああああああああ!!」

魔女にしか使えない力ある言葉で言われたら、身も心も信じてしまうしかない・・・。

だって、それは本当の事・・・、真実の力なのだから・・・。

293: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:52:21.11 ID:092QZoPD0
25:10

ことりの部屋

穂乃果「あれ・・・?真姫ちゃんからメールだ。」

ことり「なんだって?」

穂乃果「今起きているなら一階の管理室に一人で来てくれだってさ。

見せたい物があるんだって。」

穂乃果「見せたい物?なんだろう?」

穂乃果「分からないけど、とにかく行ってくるね。」

ことり「うん、分かったー。」

穂乃果は何の疑問も無く管理室に向かった。

294: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:52:49.30 ID:092QZoPD0
書庫室


亜里沙「お、返事が返ってきた返ってきた。」

亜里沙は真姫の携帯をポイと捨てる。

亜里沙「っんー!さて、管理室に行きますか。

この時期だから何か羽織らなきゃ寒そうだなぁ・・・。

そう思わない?雪穂、花陽さん。」

亜里沙の傍らでは、雪穂と花陽が倒れていた。

雪穂は首を一文に切られ、花陽は腹に銃創が何発もあった。

二人とも、血まみれで、はっきり見ずともその最後が想像できた。

亜里沙は二人を差し置いて管理室に向かう。

右手には銃、左手にはナイフを持っていて、今亜里沙は完全な殺人鬼だった

295: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:53:21.86 ID:092QZoPD0
隠し部屋

海未「・・・ん?ここ・・・は・・・。」

確か自分は亜里沙に撃たれて・・・、

海未は撃たれてはいなかったのだ。

弾は頭にあたったが、ギリギリかすった程度で、致命傷には至らなかった。

この部屋には真姫、絵里、にこの死体。

まさに死屍累々という言葉相応しい死の部屋・・・。

海未「そ、そうだ・・・!亜里沙は・・・!」

亜里沙はいなかった、海未はまわりを見渡すと、

時計の爆弾のスイッチがオンになっている事に気付く。

海未「まさか・・・にこが言っていた事を実行するために・・・。」

海未はそれを見て、まだ自分に出来る事があると気づく。

海未「穂乃果が危ないわ!助けないと!!・・・!いっつ!」

海未は頭に手を当てる掠ったとは言っても銃弾だ、少し出血していた。

海未はふらつきながらも武器庫に行く。

テレビでよく見るオートマチックの銃を選ぶとそれを持って試し打ちをする。

海未「亜里沙はきっと皆を殺す・・・。それだけはさせちゃいけない!!」

それは、銃弾の入っていた箱から銃弾が乱暴に掴み取りしていった痕跡があったからだ。

それはそれだけの量の弾を使うという意志が残されている。

海未「無事でいて・・・穂乃果!」

海未はゆっくりと一階を目指すのだった。

296: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:53:53.05 ID:092QZoPD0
管理室

その後、管理室で迎えられたことりはリビングで見せたい物があると言われてその後を

付いていく。

穂乃果「見せたいものって何?それと真姫ちゃんは?」

亜里沙「真姫さんなら、今その物を持ってここに来ますよ。

何せかなり大きい物ですからね、少し手こずっているんじゃないですか?」

穂乃果「何それ!?もしかして、もしかするの!?」

亜里沙「ふっふっふー、穂乃果さんは、きっと驚くんじゃないかなー。

あ、そこに座っててください。」

穂乃果は席にそわそわと落ち着かせない様子で座る。

碑文を解くと言っていたチームの一人が見せたいものがあると言うのだ。

期待しない方がおかしいだろう。

ことりが座った事を確認すると、亜里沙は予め机の上にあるバスケットに隠しておいた

拳銃を取り出す。それは穂乃果からみたら背になっていて気がつかない。

穂乃果「亜里沙ちゃんは何か知っているんだよね?」

亜里沙「もちろんです、きっと喜びますよ。」

穂乃果「ねぇねぇ・・・それって・・!」

期待に満ちた顔で振り返る穂乃果の顔の鼻先に小さい金属がぶつかる。

穂乃果「・・・あr」

パアン!!!

297: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:54:23.56 ID:092QZoPD0
一階 ホール

パアン!!

海未「!?」

海未は、今日だけで片手でも足りない回数を聞いた音を聞く。

海未「銃声!?穂乃果!?」

海未はよろけながらリビングを目指す。

そして、なんとかリビングにたどり着くと、

亜里沙「・・・。」

亜里沙が血まみれで倒れている穂乃果を見ている所だった。

海未「穂乃果ぁ!!!」

亜里沙がそれに気づく。

亜里沙は何の躊躇も無く、邪悪な笑顔を思い浮かべながら銃を海未に向けた。

亜里沙「ふっふっふっふっふっふっ!!はっはっはっはっはっはっ!!」

それと同時に、海未も銃を亜里沙に向ける。

海未「亜里沙ぁァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」

パアン!!!

298: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:54:52.11 ID:092QZoPD0
銃声が二つ重なる。

亜里沙「・・・。」

海未「・・・。」

ドシャア!

倒れたのは海未だった。

海未の撃った弾は外れたのだ。

亜里沙は銃を下し、

亜里沙「ふっふっふっふっふっふっふっ!はははははははははははははははは!!!」

パアン!!!!

亜里沙「はっ?」

亜里沙は聞きなれた音を聞く。それは、さっき自分が発した音と同じ音だったからだ。

亜里沙は自分の体が倒れていくのを感じながら、自分の胸を見る。

そこに、血が吹き出し穴が開いていた。

亜里沙「バ・・・な・・・ど・・・し・・・。」

亜里沙は最後の力を振り絞ってなんとか顔を上げる。

海未はフラフラと血まみれの腹をかばいながら穂乃果の方へ向かって行った。

・・・なんて事はない。

海未は撃った瞬間強い立ちくらみに襲われて姿勢を崩してしまっただけの事。

それで、亜里沙は狙った場所に当たらず、腹にあたり、海未に至ってはあたりもしなかった。

しかし、亜里沙がとどめを刺さずに銃を下げてくれたおかげで海未はスキをついて撃つことが出来たのだ。

299: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:55:25.21 ID:092QZoPD0
亜里沙「ちく・・・しょうが・・・。」

亜里沙は絶命する。

殺人鬼のあっけない最後だった。

海未「はァ・・・はァ・・・。」

海未はなんとか穂乃果の元へたどり着く。

即死は免れたが、急所を撃ち抜かれた事に変わりは無い。

海未は自分の命がもって後わずかだと確信した。

海未「穂乃果ァ・・・!」

穂乃果の顔は見れた物では無かった。

目は開いたままで、後頭部には飴玉ほどの大きさに、

ひき肉状の穴が開き、血をぶちまけながら中身を晒している。

その中はソーセージの皮の様な脳みそと、脳髄の真っ赤なゼリー。

それを中でグルグルにかき回してから降った後の様な汁が

頭と目、鼻、耳、口という穴という穴から出ていた。

海未「穂乃果ァ・・・!」

ダンッ!!

海未は拳を地面に打ち付ける。

後少し早ければ・・・、助けられたのに・・・!

海未「あっ・・・」

海未が穂乃果の横で倒れる。

もう海未には目の前が何も見えなかった。

海未(くっそ・・・!)

海未の意識は深い底へ沈んでいった

300: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:55:52.96 ID:092QZoPD0
魔法の欠片 欠片番号1934348538938593942個目

海未「ここ・・・どこですか・・・?」

海未はゆっくりと目を覚ます。

そこは上下左右真っ黒な不思議な世界。

そこに海未は浮いていた。

まるで宇宙の中にいるみたいだ。・・・と思った。

その周りをまるで小惑星が飛ぶかの様に赤、白、黄色と、綺麗な色の欠片が動いている。

黒い女「あら、目覚めた様ね、おはよう海未、調子はどう?」

ピンクの女「ずいぶん派手な展開だったわねぇ・・・。ま、お疲れさま。」

海未「ここは・・・?あなた方は?」

黒い女「私達は魔女。そうね、人間よりも上の存在だと思ってちょうだい。」

ピンクの女「それと、これを覚えてる?」

ピンクの女が指を振ると丸い球体が出てきた。

その中には小さい別荘のような建物が入っている。

海未「ジオラマ・・・?ですか?」

黒い女「そう。このジオラマは真姫の別荘。あなた、ここで殺されたでしょ?」

海未「・・・はい、そうですね、私は亜里沙・・・殺されました。」

ピンクの女「本当なら、そのはずだったんだけど・・・私が生き返らせてあげたのよ!」

黒い女「感謝しなさいよ?こんな事滅多にないわ。」

海未「は、はァ・・・。ありがとうございます・・・。」

301: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:56:27.27 ID:092QZoPD0
ピンクの女は気をよくしたようで、

ピンクの女「うんうん。素直な子は好きよ、私。ところであなた、大切な人、守りたくない?」

海未「え・・・?」

ピンクの女「今までの事は私達は全部見たわ、あの高坂穂乃果って子、好きなんでしょ?」

海未「べべ、別に好きとかそういうんじゃ・・・。」

ピンクの女「ああ、はいはい分かっているから。

それでね、助けたくない?穂乃果を。」

海未「・・・はい。助けたいです。」

ピンクの女「あなたを助けたのだから分かると思うけど、私達は人を自由に生き返らせる事

なんてちょちょいのちょいなのよ。」

ピンクの女「だからもし言うことを聞いてくれれば穂乃果だけとは言わず、全員助けてあげるわよ。」

海未「本当ですか!?」

ピンクの女「えぇ本当よ。言うことを聞いてくれればね?」

海未「何ですか・・・?穂乃果を助けるためなら、悪魔にでも魂を売りますよ・・・!」

その言葉に二人の魔女はニヤリと笑う。

ピンクの女「上出来よ!実は今ね、そこにいるネクラな魔女と賭けをしているのよ。」

海未「賭け?」

302: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:56:54.07 ID:092QZoPD0
ピンクの女「そうよ、賭け。これから起こる殺人事件を解くことが出来るか、それとも

その前に全滅するか、をね、あなたにはそれを手伝ってほしいのよ。」

海未「なるほど・・・つまり私にその事件を解けやと・・・。」

ピンクの女「んにゃ?違うよ?だって私は『解けない』方に賭けているんだもの。あなたにやってほしいのは・・・。」


   




     ピンクの女「あなたの親友を含めたμ'sを皆殺しにする連続殺人鬼の役よ。」

303: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:57:20.13 ID:092QZoPD0
海未「・・・!!」

海未は衝撃を受ける。

海未「私に・・・人殺しをやれと・・・言うんですか・・・。」

ピンクの女「そうよ、舞台となるのはあなたがさっきまで過ごした別荘よ。

状況も同じ、メンバーも同じ。そこであなたには台風が去る前にμ'sを皆殺しにしてほしいのよ。」

海未「そんな・・・!そんな事無理・・・・!」

ピンクの女「じゃあこの話はオシマイね、違う人に任せよっかなァ・・・、高坂穂乃果とか。」

海未「・・・!!!!」

ピンクの女「あなたが拒否するなら、そういう事になるけれど・・・?」

海未「分かりました・・・。」

ピンクの女「何がよ?」

海未「その役、引き受けます。」

ピンクの女「ほぉ・・・?二言はないわね?」

海未「ちゃんと、成功したら最後には全員生き返らせるんでしょうね?」

ピンクの女「もちろんよ。」

海未「じゃあ、やります。

ちゃんと皆を殺します・・・。」

304: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:57:56.87 ID:092QZoPD0
ピンクの女「上出来よ、ルールを言うわ。

あなたにはこれから『殺人鬼』として『探偵』に完璧にばれずに殺人を実行してメンバーを皆殺しにする事。

仲間は何人いても構わないわ。でも最後には必ず殺しなさい。

もう一つ、絢瀬亜里沙を殺すのは最後にするか、亜里沙の推理を聞いて、犯人が間違っていたら殺してもいいわ。」

海未「亜里沙を最後に・・・?まさか・・・。」

ピンクの女「そう、賭けをしていると言ったでしょ?私があなたに賭ける様に、」

黒い女「私にも、賭ける人がいるのよ。それが、亜里沙。『探偵』よ。」

海未「なるほど・・・、あなた達、趣味の悪い屑野郎ですね。」

ピンクの女「その屑のゲームをやるあなたは、なんなのかしらね・・・?」

海未「覚悟はしてますよ。私はもう汚れています。しかし、いくら自分を汚しても、穂乃果だけは守りたいんです。」

ピンクの女「その覚悟よし!行ってらっしゃい!あの日へね!!!」

海未の前が緑から赤から黒くなり、眩しくなる。

海未は思わず目つぶった。

あの惨劇を、今度は自分の手で、起こさなくてはいけない。

海未(やってやります。そして、必ず!皆を生き返らせて見せます!)

305: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:58:26.21 ID:092QZoPD0
亜里沙「あっあああああああああ!!!!!」

亜里沙は今こそ本当の真実を知る。

こういう事だったのだ!

亜里沙はずっと今まで海未が全ての現況だと思っていた!

だが、違うのだ!

全て亜里沙が自ら起こした事で、それを助けるために海未が・・・!

亜里沙「うっうううううううううううう!!!!」

自分が愚かで、情けなかった。

どうしてこんな大事な事を忘れてしまったんだろうか。

ピンクの女「いやーやっぱ人が真実を知る時の顔はいいわァ・・・ぞくぞくするもん。」

ピンクの女「海未の時もすごかったわよ。引き分けってなった時の顔と言ったら!

やっとの思いで海未はかつての親友を殺したって言うのに亜里沙が中途半端に解くもんだから

もっかい初めからだもんねー。あんときの海未、気がくるってたんじゃない?」

黒い女「あなたが『完璧に』なんてつけるからよ。あなたの完璧主義には聞いて飽きれるわ。」

ピンクの女「中途半端に勝って後腐れが残るならすぱっとやってボロ負けした方がマシだわ!

別に勝つのは退屈を紛らわす手段であって目的じゃないもの。」

黒い女「あら、負け惜しみ?」

ピンクの女「そんなんじゃないもん!・・・さて・・・、負けた子には罰ゲーム、といきますか。」

306: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:59:04.89 ID:092QZoPD0
亜里沙「!?海未さんに何をするつもりですか!!」

黒い女「簡単よ、一番ヒドイ欠片(平衡世界)に入れて死ぬまで遊びつくすの。」

亜里沙「!?そ、そんな!!辞めてください!するなら私にしてください!」

ピンクの女「だーめ、あなたは勝者でしょ?それに、あなたが代わっても、この子が

ぶち込まれるのはもう決定しているのよ。あなたは一人助かって、真姫の別荘を出る。」

亜里沙「ならば!!それを他の人に譲る事はできますか!?そして、私を海未さんと同じ欠片に入れてください!」

ピンクの女「正気?あなたはせっかく助かった命をドブに捨てるよりもひどい扱いをこれから受けるのよ?」

亜里沙「覚悟の上です。」

黒い女「・・・そう、そこまで言うなら仕方ないわ。勝ったのはあなただもの。言うことを聞きましょう。」

ピンクの女「そうね、それも面白そうだし、で、それは誰にするのよ?」

亜里沙「それは・・・―――」

黒い女「そいつでいいのね。了解。」

ピンクの女「じゃ、亜里沙、海未。あなた達には、死ぬよりもつらい、そんな世界に行ってもらうわよ。」

亜里沙たちの目の前に、黒い欠片が現れる。それはどんどん大きくなり、彼女らを飲み込んだ。

ピンクの女「行ったわね。」

黒い女「そうね、今回の退屈凌ぎも中々だったわ。」

ピンクの女「お気に召したかしら?」

黒い女「えぇ。おもしろかったわ。亜里沙に免じて、少しだけ奇跡をプレゼントしようかしら。」

ピンクの女「え!?ほんと!?」

黒い女「あんたじゃないわよ。」

ピンクの女「ちえー。」

ピンクの女「あの二人に何やらせよっか?」

黒い女「そうねぇ・・・。」

307: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 04:59:31.61 ID:092QZoPD0

           黒い女「『探偵』と『殺人鬼』を入れ替えて無限に殺し合いでもさせてみようかしら。」




         「クスクスクスアハハハアハハハハクスクスクスクスクスアハハハハ!!!!!!!!」

         

               


                  <キャスト>

    絢瀬亜里沙

    園田海未

    黒い女(ベルンカステル)

    ピンクの女(ラムダデルタ)

    矢沢にこ

西木野真姫

 絢瀬絵里   東條希

     高坂穂乃果  南ことり

 星空凛    小泉花陽

 高坂雪穂   真姫母


308: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 05:00:30.06 ID:092QZoPD0
○月×日 ~音野木坂スクールアイドル連続殺人事件から10年後~

沖縄 真姫家別荘

真姫母「えっ・・・?私、生きているの・・・?」

真姫母はクレーターの中央で倒れていた。

おかしい、確かに私は薬を飲んで自殺を図ったはずなのに・・・。

真姫母はゆっくりと体を持ち上げる。

そして薬の小瓶を見た。

真姫母「あれ・・・これ、睡眠薬だ・・・。」

そんなバカな・・・いくら毎晩寝不足だったとはいえ、薬のビンを間違えるなんて・・・。

真姫母「焼きが回ったわね・・・。」

真姫母は起き上がりクレーターを上る。

身体を動かしたのは何日ぶりだろうか・・・。

島の外側までいくと、波が打ち付けてくる。

真姫母「・・・、今日は天気がいいわねー。」

天気は快晴だった。

娘が出発した時も、こんな感じだったけ?

真姫母「真姫・・・!うううううう!。」

その場で崩れ落ちる真姫母。

309: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 05:00:59.42 ID:092QZoPD0
ザザザザーン。

波が打ち付ける。

真姫母は思わず尻餅をついた。

真姫母「・・・。」

真姫母「えっ・・・?」

真姫母は砂浜をじっと見ていた。

そして、何か、遠くにオレンジ色の何かを見つける。

真姫母「・・・まさか・・・!」

真姫母は病弱なのにも関わらず走り続ける。

走って、走って、走って、そして、

真姫母「はーっはーっー!」

そのオレンジ、というより赤い髪の毛は、あれから10年たっているのに

まるで変わっていないその顔、体格。

真姫母は目に涙を浮かべる。

「う、ううん・・・。」

その者が目を覚ます。

真姫母は泣きながらその者を抱きしめてこういった。



                     「おかえりなさい」



310: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 05:01:28.56 ID:092QZoPD0
穂乃果「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

海未「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

絵里「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

花陽「・・・・・・・・・・・。」

凛「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

希「・・・・。」

真姫「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

にこ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

ことり「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」


穂乃果「っていう話を考えてみたんだけど、どうかな?」

絵里「ダメに決まっているでしょうが!!!!なんなの!?これは!?この量!?」

花陽「前回(海未が探偵のやつ)より前後入れたら五倍くらいの量ですよこれ・・・。」

ことり「しかもそれをテスト期間中にやってるんだもん、さすがに擁護できないよ・・・。」

希「32、31、35、35、38、なんやこのテストの点数は!?8月の気温グラフみたいやで。」

にこ「私今回もなんかすごい悲しい役だったじゃない!しかもなんか●●●されてるしさ!!!

いくらなんでも扱いひどくない!?」

311: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 05:02:09.18 ID:092QZoPD0
凛「凛またなんか出番少ない気がしたんだけど!?ねぇおかしくない?これおかしくない?」

穂乃果「今回は雪穂や、真姫ちゃんのお母さん、亜里沙ちゃんを出して風呂敷をでかくしてみたんだ~

どうよ?畳めてたでしょ?」

絵里「最悪よ、それに、まぁ誤字脱字はしょうがないとしても・・・いくつか伏線回収し忘れてるわよ?

海未の「未来の後輩のためですよ」ってセリフとかメッセージボトルとか!」

穂乃果「あれはねー、最初は海未ちゃんの犯行理由を亜里沙ちゃんを助けるためってしてたんだ。

でも書いているうちに皆を助けるためって書いた方がいいかなって思って辞めたんだよね。

メッセージボトルも前半で書いててかっこいい終わり方だなって思ってたけど

それを流すシーンを忘れちゃって・・・。

下手にいれてもあれだし、金が欲しかった漁師が偽造したって事にしておいて!」

絵里「私の妹を探偵と殺人鬼にするなんて失礼しちゃうわよ、本当に。」

穂乃果「私の身の周りでそれが似合うなぁ・・・って思う人って亜里沙ちゃんと海未ちゃんくらいしか

いなくて・・・。」

にこ「それはそれで失礼よね・・・。」

真姫「私の出番結構多かったけどかなり悲惨だったわよね。

ないからね!?別荘の近くに爆弾なんて!」

穂乃果「真姫ちゃんには事件を動かす役を担当してもらいました・・・。ありがとう!!」

真姫「うれしくないから!」

312: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/06/10(火) 05:02:38.73 ID:092QZoPD0
絵里「じゃ、いろんな意見を聞いたところで裁判長、判決をお願いします。」

海未「・・・・・・。」

海未「一つお聞きします、明日、追試が行われますが、その勉強はちゃんと進んでいるんですよね?」

穂乃果「いや全然?進んでいる訳ないじゃん。これ書いていたのにさ。」

海未「」ブチッ

穂乃果「書いている時もあーしようこーしようってどんどん浮かんできてさー

次は海未ちゃんがルパンみたいな役も似合うかなって・・・ヘゴッ!!!」

海未「」ムンズ

穂乃果「海未ちゃん!!アイアンクローはNG!!ひ、額がぁぁぁぁ!!:

海未「イロイロ言いたい事、聞きたい事、しばきたい事、この小説もどきにでてくる

あなたをめぐる私とことりの関係性とかその他もろもろの件で聞きたいことが

山の様にあるのでちょっっとこっちまで来てくれませんか?ほ・の・か?」ニコリ

穂乃果「い、いやだよ!!顔が怖いよ海未ちゃん!!み、皆たすけt・・・。」

絵里「じゃ、テスト終わったしカラオケでも行きましょーか!」

凛「いいにゃ、最高にゃー!」

穂乃果「裏切ったね!?皆!!!」

絵里「ちゃんと勉強しないとだめよ。」

穂乃果「い、いやだよ、無理無理!!!ヒイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!!」

おすまい