1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 10:38:29.61 ID:+Y5BWaNW0
俺は目の前の物体に目を疑った。

この感覚は…そう、初めてピースウォーカーを見た時に似た感覚だった。

[[[[[CALL]]]]]

スネーク「おいカズ!なんだあれは!?」

  カズ「いや・・・俺にもわからん」

スネーク「あれは・・・足?赤いのはなんだ?盾か?」

  カズ「スネーク、もう少し全体は見れないか?」

スネーク「わかった。もう少し高い位置へ移動しよう」

ビシュンッ!!


引用元: スネーク「なんだ、あの・・・白い兵器・・・か?」 



3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 10:39:25.75 ID:+Y5BWaNW0
[[[[[CALL]]]]]

スネーク「こちらスネーク、移動したぞ」

  カズ「ああ、これなら全体が良く見えるが・・・あれは・・・ロボットか?」

スネーク「そうだな・・・ロボット以外に適した表現が俺にも見つからん」

  カズ「両手に両足…頭まであるな。右手に握っているのはライフルだろう」

スネーク「それぐらいは俺にもわかる」

  カズ「反対に言うと、それぐらいしかわからんな。やはり専門家に聞くのがいいだろう」

スネーク「専門家?」

  カズ「ヒューイに決まってるじゃないか。今回線を繋ぐ」

ビシュンッ!!


5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 10:40:13.17 ID:+Y5BWaNW0
[[[[[CALL]]]]]

ヒューイ「やあスネーク、久しぶりだね」

スネーク「ヒューイ、あのロボットは一体なんだ?」

ヒューイ「いや、あれはロボットじゃない」

スネーク「ロボットじゃない?じゃあなんだ?」

ヒューイ「あれは恐らく・・・モビルスーツ」

スネーク「モビルスーツ?」

ヒューイ「そして白いモビルスーツと言うことは、ガンダムだね」

スネーク「ガンダム?モビルスーツ?ロボットじゃないのか?何が違う。」

ヒューイ「スネーク…モビルスーツとロボットは全然違う。

     そもそもモビルスーツというのは…」

プシュウゥゥゥゥ!!

スネーク「なんだ!?」


9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 10:42:22.00 ID:+Y5BWaNW0
ガシュン!グウウゥゥン

スネーク「立ち上がった・・・まさか・・・本当に動けるのか!?」

  カズ「信じられん・・・。こんな巨大な兵器が、しかも直立で」

スネーク「てっきり銅像代わりかなんかだと思ったが・・・」





[[[[[CALL]]]]]

スネーク「ヒューイ!それであのガンダムとかいうのはどういう兵器なんだ?」

ヒューイ「いいかいスネーク。ガンダムというのは連邦軍の新型モビルスーツだ。

     全モビルスーツの中で飛び抜けた性能を誇っている」

スネーク「全モビルスーツ?って事は他にもあんなのがいるのか?」

ヒューイ「もちろんさ。他にもザクやドム、グフ、それに…

スネーク「いや、モビルスーツの紹介はまたにしてくれ。それで?あれの性能は?」

ヒューイ「・・・基本兵装として、有効射程約20kmの携帯メガ粒子砲 ビーム・ライフル。

     近接斬撃兵装としてビーム・サーベルを2基。

     あとは対空近接防御火器として60mmバルカン砲を左右のこめかみに1門ずつ内蔵してる」

スネーク「ビーム・サーベル?ライフルもビーム・ライフルと言ったな?」

ヒューイ「ビームというのはミノフスキー粒子を縮退、融合…

スネーク「簡単にでいい」

ヒューイ「・・・」

スネーク「・・・落ち着いたら詳しく教えてもらう」


11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 10:43:44.05 ID:+Y5BWaNW0
ヒューイ「水圧カッターは知ってるだろう?」

スネーク「水に加圧して小さい穴から射出するヤツか?」

ヒューイ「そう。要はそれと似たようなものさ。縮退、融合を繰り返して生成したメガ粒子を…

     というか簡単に言うと核エネルギーと一緒だね」

スネーク「最初からそう言ってくれ」

ヒューイ「でも核と違って放射線障害はない」

スネーク「なんて代物だ・・・」



ゴウゥゥゥゥン


17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 10:47:12.57 ID:+Y5BWaNW0
[[[[[CALL]]]]]

  カズ「どうしたスネーク。なんの音だ」

スネーク「ガンダムが動き始めた」

  カズ「後を追えるか?」

スネーク「見失う事はないだろうが、間違いなく置いて行かれるな」

  カズ「なにか足になるものはないか?」

スネーク「探してみよう」

ビシュンッ!!



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 10:52:47.43 ID:+Y5BWaNW0
俺は格納庫らしき場所から、そのまま戦艦外部まで出た。

左右に砲台が見えるが、砲手はいない。どうやら戦闘態勢ではないようだ。

外装を伝い下りるとガンダムの出て行った射出口らしきシャッターの横にジープが止まっていた。

[[[[[CALL]]]]]

スネーク「こちらスネーク、ジープを見つけた」

  カズ「ジープか・・・」

スネーク「なんだ。何か問題が?」

  カズ「いや・・・気にしないでくれ」

スネーク「ハッキリ言え」

  カズ「ガンダムといい、ビームといい、何から何までオーバーテクノロジーの割に

     車はジープなんだなと思って拍子抜けしただけだ」

スネーク「まあ戦艦の中で見た水道も俺たちが使っているものと同じ蛇口を捻るものだったからな。

     身近なものほど形は変えづらいものかもしれん」

  カズ「それもそうだな。水道をハイテクノロジーで作れと言われても想像がつかん」

スネーク「アイザック・アシモフにでも教えてもらうんだな」

  カズ「スネーク、お前SF小説を読むのか?」

スネーク「・・・こいつに乗ってガンダムを追う」

ビシュンッ!!


24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 10:57:30.95 ID:+Y5BWaNW0
ガンダムの飛び去った方角へジープを走らせる。

舗装された道などない、荒れた大地を走っているとあのコスタリカを思い出す。

そういえばあの時の兵器も二足歩行だった。ピースウォーカーにメタルギアZEEK・・・。

パスの顔が頭を過ぎったが、前方からの爆音と閃光に一気に現実へと引き戻された。

双眼鏡で前方をみると砂煙が上がっている。いつの間にか荒地から砂漠へ出たようだ。

スネーク「あれは・・・ガンダムとモビルスーツか?」


25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 11:00:52.84 ID:+Y5BWaNW0
[[[[[CALL]]]]]

スネーク「カズ、ガンダムを発見した。戦闘中の様だ」

  カズ「戦闘中?あんな巨大な物と戦っているのか?」

スネーク「あれは・・・ガンダム?いや、色が違う。緑色だ」

ヒューイ「それはザクだね。他にもモビルスーツがあるって言っただろう?」

スネーク「全く・・・あんな物が何体もあるとは、どうなってるんだ」

  カズ「それでスネーク。その・・・ザクは1体か?」

スネーク「いや、3体だな」

  カズ「モビルスーツ同士で戦っているのか?仲間割れか?」

ヒューイ「違うよ。ザクはジオン軍のモビルスーツだ」

スネーク「ジオン軍?ガンダムは連邦軍だと言ったな?

     連邦軍ってのはなんだ?ソ連の事じゃないのか?

     いや、そもそもお前なんでそんな事を知っているん

ヒューイ「落ち着きなよスネーク」


27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 11:05:56.28 ID:+Y5BWaNW0
ヒューイ「そうだな・・・何から言えばいいのかわからないけど…

     そもそもモビルスーツというのは『機動戦士ガンダム』という日本のアニメーションに登場するんだ」

スネーク「アニメーション???」

ヒューイ「そう、1979年・・・つまり今年から放映されている」

スネーク「いやしかし現実にこうして・・・」

ヒューイ「それが僕にもわからないんだ。僕も日本の友人に頼んでビデオを見てるから知ってるけれど、

     あれは未来の地球を描いたファンタジーのはずだ」

スネーク「それじゃ俺たちは未来に来てるってのか?」

ヒューイ「それもわからない。でもモビルスーツが日本で造られてるって話は聞いた事ないし、

     そもそもオーバーテクノロジーもいいとこだ」


29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 11:09:19.21 ID:+Y5BWaNW0
スネーク「それで?連邦軍と…ジオン軍というのは?」

ヒューイ「正式名称は地球連邦軍。ジオン軍は地球からの独立を目指しているジオン公国の軍のことさ」

スネーク「地球連邦・・・随分と規模の大きな話だな。地球から独立してどうする。宇宙にでも住むのか?」

ヒューイ「その通りだよスネーク。ガンダムの世界では宇宙への移住が進んでいるんだ」

スネーク「じゃあ俺がいるのも宇宙なのか?」

ヒューイ「それはわからない。ジオンが地球に攻めてきているのかも知れないし、反対かも知れない」

スネーク「要はその2国で戦争をしてるワケだな。それで?俺はどっちを相手にすればいいんだ?」

ヒューイ「どっちをやっつければいいのかって事かい?らしくない事を言うじゃないかスネーク。

     戦争に『どっち』なんて事はないよ」

スネーク「・・・そうだな。どちらを味方するかは自分がどちらに忠を尽くせるか。それだけだ」

ヒューイ「そもそも君、あんな巨大な兵器をどうやって相手にするつもりだい?」

スネーク「巨大な兵器を相手にするのは慣れてる・・・が、しばらく様子を見よう」

ビシュンッ!!


 
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 11:18:39.28 ID:+Y5BWaNW0
4体のモビルスーツは変わらず戦いを続けていた。

3対1、どう見てもガンダムが不利な状況だが随分手こずっている。

どうにもザクとガンダムでは圧倒的な性能差がある様だ。



「モビルスーツとはいうが、遠目に見る分には人間同士の白兵戦と変わらんな」



そうこうしている内に、ザクが1体ビームサーベルに貫かれた。

俺は爆風が来ると思い咄嗟に伏せたが、ザクは轟音と共に地面へ倒れただけだった。

どうやら人間の腹にあたる部分を貫けば爆発しないようだ。



残る2体のザクは怖じ気づいたのか2手に別れて離脱しようとしている。

逃がさんとばかりに撃ったガンダムのライフルはあえなく外れ、

ガンダムは慌てて一方のザクを追いかけて行った。


36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 11:23:26.71 ID:+Y5BWaNW0
[[[[[CALL]]]]]

  カズ「スネーク、大丈夫か?」

スネーク「白兵戦を遠巻きに見ていただけだ、何も問題ない」

  カズ「写真はちゃんと撮ってるのか?」

スネーク「・・・すまん」

  カズ「おいおい、目の前の状況が理解しがたいのはわかるが、依頼は忘れないでくれよ」

スネーク「わかってる・・・次はちゃんと撮る」


40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 11:28:31.19 ID:+Y5BWaNW0
今回の依頼はカズの友人からのものだった。

月に一度、カズの主催で行われるどんちゃん騒ぎでMSFの兵達が浮かれているのを横目に

俺は副司令室へと向かった。



スネーク「俺だ、入るぞ」

  カズ「ああ、スネーク。月に一度のパーティなのに悪いな」

スネーク「いや、俺は構わないが、パーティ好きのお前が現れないから皆気味悪がっていたぞ?」

  カズ「俺だって騒ぐ気分じゃない日もあるんだよ」

スネーク「お前にそんな繊細なところがあるとは思えんがな・・・で?用件はなんだ」

  カズ「もちろん・・・新しい仕事だ」


43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 11:32:35.63 ID:+Y5BWaNW0
スネーク「また傭兵派遣か?それならお前の判断でやってくれりゃいい」

  カズ「わかってるさ、今回の依頼は派遣じゃない・・・潜入だ」

スネーク「潜入・・・?どこからの依頼だ?どこかの国軍じゃないだろうな?」

  カズ「今回の依頼主は、俺の友人だ」

スネーク「友人?」

  カズ「俺が日本の自衛隊に居た頃の同僚だ。今はジャーナリストをしている」

スネーク「ジャーナリスト?潜入してどこかの政治スキャンダルでも撮って来いってのか?」

  カズ「そうじゃない。そいつは表向きはジャーナリストだが、裏ではまだ軍人だ。

     どこかの軍に所属しているワケじゃないが・・・日本政府専用の傭兵の様な事をしている」

スネーク「じゃあ今回の依頼主は日本政府なのか?」

  カズ「そう焦るな。日本政府の依頼で近隣諸国への諜報活動めいた事もしているが、今回はそいつ個人だ」

スネーク「いまいち話が見えんな」


 

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 11:38:27.15 ID:+Y5BWaNW0
  カズ「そいつが表向きの仕事をしている時に、東南アジアの小さな島に

     謎の施設が建造されているという情報を得たらしい。

     そいつが軍用か民間か、どこの国のものかも分からないが、

     軍用施設なら日本への攻撃も考えられる」

スネーク「それなら自衛隊に調べさせて、必要があれば攻撃なりすればいいじゃないか。

     自衛隊の軍事力はアジア最強じゃなかったか?」

  カズ「それはできん。自衛隊は軍じゃないからな。あくまで自衛の為の組織だ。

     こちらから攻撃に出る事は法律で禁止されている。例えアジア最強でも、だ。」

スネーク「詭弁だな」


46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 11:46:35.24 ID:+Y5BWaNW0
  カズ「攻撃されて被害が出ては困る、しかし政府としては自衛隊は動かせない。

     その辺の事情を推察した俺の友人からの依頼ってワケだ。

     そいつは愛国心の強いヤツでな。

     自衛隊を辞めたとはいえ、日本を守りたいという想いは変わらんらしい」

スネーク「なるほどな。それで?具体的には何をすりゃいい」

  カズ「目的は2つ。1つはその施設の用途を突き止める事。細かい用途はいらん。

     軍用か、そうじゃないか、それだけでいい」

スネーク「2つ目は?」

  カズ「軍用であれば施設内部へ潜入。

     どの国の施設か、それと軍用である事を証明できる写真を抑えて欲しい。

     近隣諸国への攻撃作戦などの記録があれば尚いい。

     その後主幹部を破壊してすみやかに離脱。破壊はもちろん完全じゃなくていい。

     復旧に時間を要する程度に破壊してくれれば、その間に証拠写真を元にヤツがリークし、

     各国政府が動くだろう」

スネーク「他には?」

  カズ「何もない。以上だ。ああ、そうそう、

スネーク「『今回も装備は全て現地調達』 だろう?そんな事はわかってる」

  カズ「いや、俺もそう考えたんだが、今回はいまいち現地の状況が掴めん。

     いつものハッシュパピーとグレネードぐらいは持って行ってくれ。」

スネーク「撮影するんだろう?カメラも支給してもらいたいところだな」

  カズ「それはもちろんだ」


47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 11:50:18.80 ID:+Y5BWaNW0
  カズ「明朝0900 MSFを出発。目的地近海上空よりパラシュート降下。

     単独で上陸し待機。2300より作戦開始だ」

スネーク「今回は裏はないんだろうな?」

  カズ「裏?」

スネーク「とぼけるな」

  カズ「今回は関係ない。むしろ俺の私情と言ってもいいぐらいだ」

スネーク「本当だろうな?」

  カズ「大丈夫だ」

スネーク「・・・わかった。じゃあ俺は明日に備えて休む。

     お前は少しぐらいパーティに顔出しておけよ」

  カズ「ああ、わかった」

バタンッ

  カズ「・・・・・・」


48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 11:51:39.17 ID:+Y5BWaNW0
[[[[[CALL]]]]]

スネーク「こちらスネーク、2300、作戦を開始する」

  カズ「目標の施設はそこから北西だ。他の施設や拠点などの情報はないが充分注意してくれ」

スネーク「了解」

ビシュンッ!!


66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 12:58:28.61 ID:+Y5BWaNW0
[[[[[CALL]]]]]
スネーク「こちらスネーク。目的の施設を発見した」

  カズ「どうだ。やはり軍用施設か?」

スネーク「いや、なんとも言えん。確かに要塞の様な形をしているが・・・それにしては妙だ」

  カズ「妙?」

スネーク「天辺にアンテナらしきものはあるが、砲台がひとつも見あたらん。
     なにより色だ。白と青、赤色まで使っている。あんな色じゃ見つけてくれと言わんばかりだ」

  カズ「それは確かに妙だな。軍事施設というのはほとんどの場合着色はせん。建材の色のままだ。
     塗装するにしても大抵は見つかりにくいように、暗色や迷彩色だったりするもんだ」

スネーク「そうだな。外観に金をかけるぐらいなら、少しでも軍備に回したいもんだ」

  カズ「と言うことは民間施設か?」

スネーク「判断するには早すぎる。いずれにしてもここからでは判断できん。もう少し近づいてみる」

  カズ「よろしく頼む」

ビシュンッ!!

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 13:01:20.31 ID:+Y5BWaNW0
俺は所々にある岩山や岩の窪みに身を隠しながら要塞らしきものへ接近した。
軍事要塞にしては見回り兵も、警備兵もいない。
しかし民間施設だとしても人や車の出入りが全くないというのは妙だ。

[[[[[CALL]]]]]

  カズ「どうだスネーク。何かわかったか?」

スネーク「いや、ダメだ。近づきはしたが何も変わらん」

  カズ「そうか・・・。お前はどう思う?」

スネーク「そうだな・・・民間施設にしては窓が少ない。人や車の出入りもない。
     なによりこんな所に造る理由がない。どちらかと言えば軍事施設だろうな」

  カズ「なるほどな・・・。いずれにせよ軍事施設なら内部へ潜入しなくてはならない。行けるか?」

スネーク「行くしかないだろう」

ビシュンッ!!

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 13:05:37.61 ID:+Y5BWaNW0
さて、どうしたものか。

警備がいないだけに近づくのは簡単だが、簡単に近づいていいものか。
赤外線センサーでも張っているのか?

いや、ここは屋外だ。赤外線が張れるワケがない。
考えるだけ無駄か・・・。

俺は入口を探す事にした。

69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 13:12:28.55 ID:+Y5BWaNW0
[[[[[CALL]]]]]
  カズ「どうした、スネーク」

スネーク「カズ・・・例の要塞の裏側に回ったんだが・・・」

  カズ「何か見つけたのか?」

スネーク「ああ・・・噴射口だ」

  カズ「噴射口?あの、ジェット機なんかの羽についてるアレか?」

スネーク「そうだ。馬鹿でかい噴射口が4つ。それも要塞の左右にそれぞれだ」

  カズ「4つでひとかたまりなのか?まるでスペースシャトルだな」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 13:13:01.11 ID:+Y5BWaNW0
スネーク「スペースシャトル?なんだそれは」

  カズ「知らないのか?NASAが開発している宇宙船だ。
     飛行機をでかくして胴体を3分の2ぐらいでぶった切った様な形をしている。
     胴体の尻の方にロケット数本を束ねた様な噴射口がある。
     まぁ俺も構想図を見ただけだがな。まだ実現には至っていない。」

スネーク「なるほど、丁度そんな感じだな。だがこいつの場合それが左右に2基もある。
     それにさっきは岩山に隠れて見えなかったが羽もついている」

  カズ「と言うことはそいつ飛ぶのか?」

スネーク「馬鹿な。滑走路がないどころか周りは岩ばかりだ。
     それにタイヤも付いてない。移動すらできんだろう」

  カズ「じゃあそれらは飾りという事か」

スネーク「そう考えるのが妥当だろうな。引き続き入口を探す」

ビシュンッ!!

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 13:15:10.61 ID:+Y5BWaNW0
俺は噴射口の前方、おそらくエンジン部の方へ廻り、
排気口のスリットを足がかりに主翼の下に潜り込んだ。

そこから身を隠しつつ要塞中央部の後部を見やると、ハッチが開いている。
俺はそこから内部へ潜入する事にした。

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 13:16:04.32 ID:+Y5BWaNW0
[[[[[CALL]]]]]

スネーク「こちらスネーク、内部へ潜入した」

  カズ「よし、内部はどうだ?」

スネーク「確証となるものはないな。このまま進む」

ビシュンッ!!

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 13:18:34.80 ID:+Y5BWaNW0
少し進んだ俺は違和感を覚えた。カメラがない。

やはり民間施設だろうか。いや、軍用施設でもカメラがないところはある。
5年前のヤツらの基地だってカメラはなかった。

チコ・リブリの様な技術があるのにカメラもないと言うのはおかしな話だが。

しばらく進むと通路の左右にドアが均等に配置されたエリアに出た。
居住区の様に見えるが・・・。

シュイン!!

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 13:24:11.29 ID:+Y5BWaNW0
まずい!人だ。こっちへ来る!!

俺は急いで近くの空き部屋のベッドの下へ隠れた。
軍服らしき服装の若い男女が何か話しながら部屋の前を通り過ぎていく。
しかし要塞同様、服の色も青と赤で派手だ。軍服の色とは思えない。

もしあれがこの艦の制服だとすれば、俺の迷彩はかえって目立つ。
なんとかしてカムフラージュ率を上げなくては・・・
待てよ?ここが居住区ならば軍服の1つや2つある筈だ。

二人の足音が遠くなり、自動ドアの開閉音が聞こえたのを確認すると
俺は部屋の引き出しを探った。

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 13:25:44.22 ID:+Y5BWaNW0
スネーク「・・・あった。・・・しかし・・・派手な色だ・・・」
    「もっと他にないのか?」

青の軍服を着る気になれない俺はそう願い
部屋の隅のロッカーを開けると、今度はベージュの軍服を見つけた。

スネーク「よし、これならまだマシだ」

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 13:30:02.15 ID:+Y5BWaNW0
[[[[[CALL]]]]]

ヒューイ「いいじゃないかスネーク、よく似合ってるよ」

スネーク「しかしこの詰襟・・・苦しくて敵わん。外しておくか」

ヒューイ「しとけばいいじゃないか。ビシッとしててまるでブライト艦長だ」

スネーク「ブライト?」

ヒューイ「その艦・・・ホワイトベースの艦長の名前さ」
    「元は19歳の士官候補生だけどね。成り行きで艦長をやってるハズだ」

スネーク「若いな・・・」

ヒューイ「そうかい?世界にはもっと若い兵士がたくさんいるだろう?」

スネーク「若い兵士はたくさんいるが、若い士官はいない
     それに若い兵士はそのほとんどが捨て駒か実験台だ」

ヒューイ「スネーク・・・」

スネーク「まぁお前には悪いが詰襟は外させてもらう」

ビシュンッ!!

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 13:35:56.11 ID:+Y5BWaNW0
軍服に着替えた俺は外を警戒しつつ通路へと出た。

壁を背にしながら素早く通路を進み自動ドアを1つ抜けると、細い通路があった。
通路の出口、その向こうには開けた空間が見える。

中腰の姿勢で進み、出口の向こうをうかがうとそこは格納庫の様だった。

確証が持てないのは、そこに見覚えのある兵器がなかったからだ。
戦車の様なものもなければ、トラックの様な車もない。

俺の愛するダンボールも見当たらない。

しかし、壁や天井、床などはいかにも軍事施設らしい顔をしている。
俺は通路の先にあるドアから、格納庫へ潜入した。

82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 13:40:01.71 ID:+Y5BWaNW0
[[[[[CALL]]]]]

スネーク「カズ、格納庫らしき所へ潜入した」

  カズ「格納庫?やはり軍事施設だったのか?」

スネーク「いや、確証はない。兵器らしいものがないからな。
     しかし軍事施設と見て間違いはないだろう」

  カズ「なぜだ?」

スネーク「ニオイだ。硝煙のニオイがする訳じゃないが、
     俺が過去に通ってきた戦場のニオイがする」

  カズ「つまり勘・・・という事か。しかしお前の勘なら信用できる。
     よし、なにか証拠になるものを探してくれ」

スネーク「わかった」

ビシュンッ!!

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 13:45:46.58 ID:+Y5BWaNW0
一旦、格納庫全体の写真をカメラに収めた俺は、
格納庫の内周をわたっている通路をエルードしながら1Fに降りた。
そして山積みのコンテナに身を隠しながら慎重に奥へと進んだ。

スネーク「くそ、ダンボールでもあれば楽に進めるものを・・・
     どこかにないのか?例え未来でもダンボールぐらいあるだろう。
     いや、むしろ未来でもダンボールを活用すべきだ。
     あれは未来に残すべき資産と言っても過言じゃない」

そして、ブツブツ言いながら奥に辿り着いた俺の目に飛び込んできたのが
あの白い兵器・・・ガンダムだった。

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 13:48:01.62 ID:+Y5BWaNW0

[[[[[CALL]]]]]


86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 13:49:08.69 ID:+Y5BWaNW0



無線の音に我に帰った俺が目線を前に戻すと
緑色のモビルスーツ、ザクがジープを掴もうとこちらへ手を伸ばしていた。

スネーク「しまった!!」
俺はジープを急発進しザクの手を躱す。

ザクから音声が聞こえる。

  ザク「貴様ぁ!!!連邦軍だな!!!!!」

スネーク「違う!!俺は連邦軍じゃない!!」

  ザク「嘘をつけぇ!!連邦の軍服を着てよく言う!!!」

そうだ・・・さっき戦艦の中で着替えたままだった。

スネーク「チッ!」

俺は舌打ちをするとジープを加速させザクの後ろに回りこんだ。

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 13:52:57.07 ID:+Y5BWaNW0
[[[[[CALL]]]]]

スネーク「ヒューイ!!あのザクをなんとかする方法はないのか!?」

ヒューイ「無理だよスネーク!そもそもキミ何か武器は持っているのかい?」

スネーク「・・・麻酔銃ならある」

ヒューイ「・・・麻酔が効く相手に見えるのか?」

  カズ「スネーク、今回はグレネードを持たせただろう?あれはどうした?」

スネーク「すまない。いつも現地調達だからな。すっかり忘れていた」

ヒューイ「しかしグレネードだけじゃ足止めにもならない。
     同じところに同時に5発ぐらい放り込めたら話は別だけど・・・」

スネーク「俺にそんな芸当はできんな」

  カズ「スネーク、そのジープなにか積んでいないのか?軍用ジープだろう?」

スネーク「わかった。ちょっと探ってみる」

ビシュンッ!!

89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 13:57:13.54 ID:+Y5BWaNW0
俺はザクが振り向くタイミングに合わせて再度後ろに回りこんだ。
それを繰り返しつつジープの積荷を漁る。

スネーク「・・・あった!!ロケットランチャー、それも4連か。こいつはついてる」

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 14:03:09.53 ID:+Y5BWaNW0
[[[[[CALL]]]]]

スネーク「ヒューイ!!ロケットランチャーを見つけた!ザクの弱点を教えろ!!」

ヒューイ「ロケットランチャーか。それなら・・・いいかいスネーク?良く聞いて。
     ザクとはいえモビルスーツの装甲は厚い。ロケットランチャーぐらいじゃ簡単には破壊できない。
     だからザクの目を狙うんだ」

スネーク「目?あの赤く光ってる丸いヤツか?」

ヒューイ「そう、それだ。モノアイを破壊すればパイロットの視界を奪える。
     そうするとパイロットは視界を確保する為にコクピットを開くはずだ」

スネーク「なるほど。で?コクピットはどこにある?」

ヒューイ「お腹のところだ。コクピットさえ開けばあとはパイロットを倒せばいい
     でもパイロットはノーマルスーツを着てる。ヘッドショットはできないよ」

スネーク「弾き飛ばせないのか?」

ヒューイ「おそらくムリだろうね。キミが以前着ていたバトルスーツがあるだろう?アレを想像してくれたらいい」

スネーク「そりゃあムリだな」

ヒューイ「でもノーマルスーツの頭以外の部分はそんなに厚くない。何発か撃ちこめば・・・」

スネーク「そのうち麻酔が回るか。わかった。やってみよう」

ビシュンッ!!

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 14:07:35.84 ID:+Y5BWaNW0
スネーク「よし、今度ヤツが振り向いたらコイツをぶち込んでやる」

俺がランチャーを構えると同時にザクが振り向く。

スネーク「くらえ!!」
ドンッ!!

スネーク「よし!当たる!!」

バシュウゥゥゥゥゥン!!

俺が命中を確信した瞬間大きな空気音を出してザクが横にスライドした。

スネーク「何ッ!!」

96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 14:11:07.01 ID:+Y5BWaNW0
ザク「量産型だからってザクの機動力をナメるなよ!!モビルスーツがそんなチャチなもんに当たるかぁぁぁぁ!!!!」

ガシャン!!

スネーク「おいおい・・・こんなジープ1台にあんな巨大なマシンガン撃とうってのか!?」
    「あんなもの撃たれたら命中しなくても爆風だけでジープがひっくり返っちまう」

俺はジープを加速するとまた後ろに回りこんだ。

98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 14:13:44.76 ID:+Y5BWaNW0
ザク「ナメるなと言っただろうが!!!」

そう叫ぶやいなやザクは振り向きもせず後ろに下がってきた。

スネーク「マズイ!!踏み潰される!!」
俺はブレーキをかけギヤをバックに入れると後ろに急発進した。

しかしザクの前に出ると砂漠の強い日差しに黒光りしたマシンガンの銃口が
俺をしっかり捕らえていた。

ザク「かかったな!!死ねぇ!!!」

99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 14:17:53.33 ID:+Y5BWaNW0
スネーク「そう簡単には死ねん!!!」

ドンッ!!ドゴォ!!
ドゴォォォォォン!!

ザク「何ぃ!!」

爆発と同時に砂煙が上がり俺の姿を隠す。
バックしながら投げておいたグレネードが爆発したのだ。

そして俺はマシンガンの銃口付近を目がけてもう1発グレネードを投げた。

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 14:19:40.73 ID:+Y5BWaNW0
ドォォォォォォン!!

ザク「ぐわ!!おのれ小賢しいマネを!!!
   マシンガンが撃てずともどうという事はないわぁ!!」

ザク「どこだ!どこに隠れおった!!砂煙から出てきた瞬間踏みつぶしてくれる!!!」

102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 14:23:28.48 ID:+Y5BWaNW0
バシュ!!!

ザク「そこかぁ!!!」

砂煙から飛び出したジープの前にザクの足が出る。

ガァァァン!!

巨大な塊に激突したジープはそのまま跳ね返り、宙を舞い、二度三度跳ねた後裏返ったまま停止した。

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 14:27:06.36 ID:+Y5BWaNW0
ザク「ふん!手こずらせやがって・・・」

  「!?」

しゃがんだザクが持ち上げたジープは無人だった。

ザク「どこだ!飛び出してはいないハズだ!!」
と言うと同時にザクの側頭部にコツンと小石の様なものが当たり、間髪入れずに爆音が轟く。

ドォォォォォン!!

104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 14:31:21.57 ID:+Y5BWaNW0
  ザク「くっ!!!そんな玩具でモビルスーツは破壊できんと言っただろうが!!!」

スネーク「そんな事はわかっている」

  ザク「!しまっ!!」

スネーク「遅い!!」

ザクのモノアイが俺を睨む。瞬間、俺は引き金を引き、残りの3発全てをモノアイ目がけて撃ち込んだ。
ドォォォン!!ドン!!ドォォォォォン!!

105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 14:33:42.70 ID:+Y5BWaNW0
スネーク「よし、全弾命中したな」

しかしザクは後ろによろめきはしたものの、一歩下がり踏みとどまった。

スネーク「破壊・・・できたのか?」
俺は素早くジープの影に隠れ、銃を構えたまま様子を伺った。

  ザク「残念だったな!それぐらいでザクはやられはせん!!」

スネーク「く・・・っ!駄目だったか!?」

シュインッ!!

107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 14:36:24.02 ID:+Y5BWaNW0
俺がグレネードに片手を掛けたその瞬間、静かな音を立ててザクの腹が開いた。

  ザク「わっはっは!!いくら頑張っても生身の人間ではメインカメラを壊すのが限界だったな!!」

スネーク「・・・頭の悪いヤツだな」

パシュッ!パシュッ!パシュッ!

そう呟くと俺はあらかじめ狙いをつけておいた
ザクの腹から姿を見せたパイロットへ弾を撃ち込んだ。

全弾命中した様だ。
5秒も待たずパイロットは小さな呻き声を上げ、ザクの腹から落下した。

109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 14:41:19.03 ID:+Y5BWaNW0
[[[[[CALL]]]]]

  カズ「やったじゃないかスネーク」

ヒューイ「すごいよスネーク!まさか生身でモビルスーツを倒すなんて!!」

スネーク「たまたまだ。もう少し頭の切れるパイロットならやられていた」

  カズ「それにしてもよくやったさ」

スネーク「まぁデカい兵器を相手にするのは慣れてるからな。
     どうする?こいつも写真に撮っておくか?」

  カズ「ああ、頼む」

ヒューイ「写真と言わずそのザク、乗って帰ったらどうだい?」

スネーク「バカ言え。俺はデカい兵器は相手にしてきたが、乗った事は一度もない」

ヒューイ「キミならできるさ」

スネーク「俺は破壊専門だ。車ぐらいは乗るが、ヘリすら操縦した事はない。絶対に無理だ」

ヒューイ「モノは試しさ」

スネーク「ヒューイ・・・しつこいぞ。お前自分がザクを研究したいだけだろう?」

ヒューイ「え、いや、そ、そんな事はないさ。し、心外だなぁ・・・」

110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 14:45:14.83 ID:+Y5BWaNW0
  カズ「スネーク、乗れないならそいつは破壊してくれ。」

ヒューイ「は、破壊なんて待っ

スネーク「コイツを?破壊できたらとっくにしてるさ」

  カズ「何も全部を壊せと言っているんじゃない。操作不能にしてくれればいいんだ」

ヒューイ「ちょ、そんな、もったいな

スネーク「なるほど、コクピットだけならグレネードで十分壊せるな」

ヒューイ「ふ、ふたりとも落ち着い

  カズ「そういう事だ。万が一ここが現代だとしたら、いや、現代と繋がっていたらこの・・・
     ジオン軍が日本に侵攻するかもしれん。少しでも戦力は削いでおきたいからな」

スネーク「わかった。破壊しておこう」

ヒューイ「ま、待ってよスネー

ビシュンッ!!

111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 14:50:07.37 ID:+Y5BWaNW0
俺は無線を切るとグレネードを数発投げ込みコクピットを破壊した。

パイロットは麻酔が効いていてよく寝ている。
まぁザクさえなければ何もできはしないだろう。パイロットはそのままにしておく事にした。

[[[[[CALL]]]]]

  カズ「スネーク、そこから少し北に行けば街があるようだ。
     街まで行くとまだ敵がいるかもしれん。その街の南1kmの地点でフルトン回収する」

スネーク「わかった。ジープはまだ少しぐらいなら走りそうだ。前がへこんじゃいるがエンジンは問題ない」

  カズ「よし。回収地点についたら無線してくれ」

ヒューイ「あ、ス、スネーク!!そのパイロット、たぶん短銃みたいなモノを持ってるはずだ。
     腰のあたりに。それだけでいいから!それだけでいいから持って帰ってくれないか?」

スネーク「ふぅ・・・仕方がないな。しかし、お前、前のラブレターといい、
     どうでも事ばかり俺に頼むのはやめてくれないか?」

  カズ「ラブレター?」

ヒューイ「そ、それじゃ頼んだよ!!」

ビシュンッ!!

113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 14:53:31.26 ID:+Y5BWaNW0
俺は仕方なくパイロットの腰を探った。
スネーク「あった、これか・・・?弾倉がないな。まさかこれもビームというヤツなのか?」

[[[[[CALL]]]]]

スネーク「ヒューイ、短銃を見つけた」

ヒューイ「ありがとうスネーク」

スネーク「ところで・・・ひとつ聞きたい事があるんだが」

ヒューイ「なんだい?」

スネーク「この世界・・・ガンダムの世界にはその・・・ダンボールはないのか?」

ヒューイ「ダンボール?どうして?」

スネーク「いや、その・・・ダンボールってのは非常に便利なものだ。
     薄い、軽い、しかし頑丈。そして加工もしやすい。
     この世界が未来だとすれば、俺はダンボールは未来に残すべき人類の資産だとも思っている」

ヒューイ「なるほど、それから?」

115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 14:58:33.39 ID:+Y5BWaNW0
スネーク「いや、だから・・・俺はいつも潜入する度にダンボールに助けられてきた。
     ダンボールのお陰で数々の任務を達成できたんだ。
     なのに今回はダンボールがなかった。ひとつもだ」

ヒューイ「キミらしくないなぁ・・・つまりどういう事だい?ハッキリ言いなよ。ん?」

スネーク「・・・ヒューイ。お前俺をからかっているだろう?」

ヒューイ「とんでもない!キミをからかうなんて僕にはできないよ!!」

スネーク「じゃあさっさと答えてくれ。ダンボールはあるのか、ないのか」

ヒューイ「う~ん・・・どうだったかなぁ~。思い出せないなぁ~。大した事じゃないからなぁ~」

スネーク「・・・よし、わかったヒューイ。もういい。その代わりこの短銃は捨てていく」

ヒューイ「あ!!駄目だよスネーク!!わかった!わかったから!!!

スネーク「じゃあさっさと教えろ」

116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 14:59:11.07 ID:+Y5BWaNW0
ヒューイ「ごめんよ。キミ、ダンボールの事となるといつも熱くなるからさ
     ・・・つい・・・面白くて・・・・ふふふ・・はは」

スネーク「ヒューイ・・・」

ヒューイ「ごめんって言ってるだろう?ちょっと待ってくれよ・・・くく・・・・ふぅ~
     ・・・ダンボールはあるよ。ガンダムの世界にも。
     食料庫や居住区あたりあったハズだ。さっきの格納庫にだって、おそらくコンテナの中にはあったと思う。
     今回キミが見つけられなかったのはたまたまだ」

スネーク「・・・本当だな?」

ヒューイ「本当だよ!嘘じゃない!!だから短銃は・・・

スネーク「わかった。短銃もちゃんと持って帰る」

ビシュンッ!!

117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 15:01:46.50 ID:+Y5BWaNW0
スネーク「そうか・・・ダンボールはあるのか・・・。
     さて、回収ポイントに向かうか」

俺は少しがたつくジープを走らせ回収ポイントへと向かった。

119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 15:05:05.96 ID:+Y5BWaNW0
照りつける日差しと、舞い上がる砂煙に目を細めながら俺は考えていた・・・。

もしあんなのが戦場の主力兵器になってしまったら・・・人間の残虐性は歯止めがきかなくなる。
人は自らの手に血がつく事で、始めて自分は人を殺していると実感できる。
だからこそ戦争を嫌う。戦争を止めようと思う。
あんなもので戦争をしてしまったら、戦争がただのゲームになってしまう。

俺たちはそんな時代が来るまでに戦争のない世界を作れるだろうか?
いや、無理だろう。人の歴史は争いの歴史だ。
そんな世界でMSFが、俺ができる事はあるのだろうか・・・。

・・・何を考えているんだ俺は。あんなのが動きまわる世界が来るはずはない。
来るとしてもその世界、その時代に俺はいない。

俺は考えるのをやめた。
考えても無駄だからじゃない。考えても同じだからだ。
どんな兵器、どんな時代になっても、俺のすることは1つだ。

自分に忠を尽くす。

それ以外に答えなどなかった。

121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 15:10:17.78 ID:+Y5BWaNW0
ヒューイ「っていう話を考えてみたんだけどどうかな?」

  カズ「ガンダムとMSFのコラボレーションか、いいじゃないか!!
     MSFの宣伝にバッチリだ!!」

スネーク「何を馬鹿な事を言ってるんだ」

  カズ「スネーク、馬鹿な事なんかじゃない。これからの時代、宣伝は大事だ。
     宣伝で全てが決まると言っても過言じゃない」

ヒューイ「そうだよスネーク。それにこのコラボが当たれば新しいMSFの活動資金源も確保できる」

  カズ「それに日本というのがいい。利害が一致している。軍隊を持たない日本にとってMSF、
     国境なき軍隊は最適なビジネスだ」

スネーク「ふざけるな。国境なきってのはそんな意味でつけたんじゃない!!
     俺達はただの傭兵部隊じゃないんだ!!」

  カズ「だからあくまで宣伝だ。日本も今は戦争なんかしないだろう。
     ただ日本での知名度を上げておけば、将来有事の時には要請があるかもしれないだろう?」

スネーク「ビジネスは任せると言ったがそんな手段は認めん。俺達は遊びで戦ってるんじゃないんだ!
     どうしてもやると言うなら俺はMSFを抜ける!!」

バンッ!!!!!!!!!

123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 15:12:15.67 ID:+Y5BWaNW0
ヒューイ「あ~あ、怒って出て行っちゃったよ・・・」

  カズ「まぁアイツがこんな話に乗るとは思ってなかったさ」

ヒューイ「面白いと思ったんだけどなぁ」

  カズ「仕方ないさ。ビジネスである以上、社長の言う事には逆らえん」

ヒューイ「そうだね。まぁ僕の私小説としてでも楽しむよ」

  カズ「また完成したら読ませてくれ」

ヒューイ「うん。こっちも感想聞きたいからお願いするよ。
     じゃあスネークも怒っちゃったし、今日は帰るとするかな」

  カズ「また面白い話があったら連絡してくれ」

124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 15:14:42.77 ID:+Y5BWaNW0
トゥルルルルルル

トゥルルルルルル

125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/05/19(木) 15:17:04.74 ID:+Y5BWaNW0
トゥルル
ガチャ

カズ「もしもし・・・私です」

カズ「はい、はい・・・ええ」

カズ「ええ、予想通りです。はい、ヤツだけです」

カズ「大丈夫です。他に障害はありません。予定通り進めて下さい。」

カズ「公開・・・ええ・・・問題ありません。どうとでもなります」

カズ「・・・はい。・・・・わかりました。」

カズ「ありがとうございます。」

カズ「はい、お任せ下さい・・・・総監督」

~THE END~