1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 21:15:45.96 ID:i42+hCeR0
男「10年か… 早いな…」

幼「そうね… 小学校に入る前だったわ…」

男「…」

幼「おじさんと、おばさんは元気?」

男「………」
  「死んだよ、3年前」

引用元: 男「久しぶり」 幼「10年ぶりかしら?」 



4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 21:20:21.28 ID:i42+hCeR0
幼「…!」
  「ごめんなさい…」

男「いいんだ」
  「それより幼のお父さんとお母さんは?」

幼「…離婚したわ、今は母親と一緒に暮らしてる」

男「…ごめん」

幼「いいの…」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 21:23:23.48 ID:i42+hCeR0
男「…」

幼「…」

男「幼、どの辺に住んでるんだ?」

幼「○○の方」
  「10年前と大体同じよ?」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 21:26:15.56 ID:i42+hCeR0
男「そうか…」

幼「一緒に行ってみない?」
  「まだ、公園はあるんでしょ?」

男「最近は行ってないから分からないな」

幼「そう」

男「…行ってみようか」

幼「そうね」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 21:27:57.48 ID:i42+hCeR0
男「…」

幼「…」
  「公園無いね」

男「そうだな」
  「ビルになってる」

幼「帰ろう、男」

男「そうだな」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 21:28:58.85 ID:i42+hCeR0
男「世の中こんなもんだ」

幼「そう…かもね」

男「…」

幼「…」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 21:31:56.71 ID:i42+hCeR0
男「それで、クラスは?」

幼「2組よ」

男「隣のクラスだね」
  「俺は1組だ」

幼「そうね」

男「でも、少しは近づいたかな…」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 21:32:56.74 ID:i42+hCeR0
男「じゃあ、また明日」

幼「ええ」

男「…」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 21:36:09.58 ID:i42+hCeR0
男「…もう3年か」
  「早いな…」
  「……飯を食うか」

──────

幼「ただいま」

幼母「おかえり、遅かったのね?」

幼「男君に会った」

幼母「そう、元気だった?」

幼「元気じゃなかった」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 21:40:42.36 ID:i42+hCeR0
男「おはよう、幼」

幼「おはよう」
  「昨日」

男「昨日?」

幼「昨日、元気が無かった」
  「今日も元気が無い…」

男「そんなことないよ」

幼「そうかな…?」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 21:43:21.85 ID:i42+hCeR0
男「じゃあ」

幼「…男君」

男「男で良いよ」

幼「一緒に帰りもいいかな?」

男「いいよ」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 21:47:32.65 ID:i42+hCeR0


男「…」

クラスメイト「でさー…」ガヤガヤ
       「うんうん、わかるわかる!」ガヤガヤ

男「…」
  (うるさいな…)

モブ1「男はどう思う!?」

男「俺はいいと思うよ?」ニコ

モブ1「だよなー、さすが話が分かる!」

男「…」ス

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 21:51:03.88 ID:i42+hCeR0
男「…」カツカツ
  (うるさい奴らだ… そんなことどうだっていじゃないか…)
  (……今日は曇ってる…)

男「明日は晴れるかな…?」

幼「明日も曇りだって」

男「…幼か…」

幼「男、元気無いよ?」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 21:53:11.00 ID:i42+hCeR0
男「…そんなことないよ」

幼「嘘」
  「ずっと会ってなかったけどそのくらい分かるわ…」

男「…」

幼「何かあったら相談して?」

男「…ありがとう」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 21:54:51.12 ID:i42+hCeR0
帰り道

男「……」

幼「…」

男「10年前のことって覚えてる?」

幼「10年前?」
  「あんまり覚えてないな…」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 21:56:52.79 ID:i42+hCeR0
男「10年前は良かった」

幼「…」

男「まだ公園もあった…」

幼「そうね…」

男「それに…」

幼「それに?」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 21:58:37.20 ID:i42+hCeR0
男「………」
  「…この話は止めよう」

幼「?」
  「どうしたの?」

男「何でもないよ」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 22:01:43.44 ID:i42+hCeR0
幼「変だよ、男…」

男「そんなことは無い」

幼「だって…」
  「私、心配なの…」
  「男が笑ってる所まだ見てない…」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 22:02:57.46 ID:i42+hCeR0
幼「…」

男「…」
  「大丈夫」ニコ

幼「…」

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 22:04:25.59 ID:i42+hCeR0
幼「…お母さん、10年前って」

幼母「…」

幼「何で引っ越したんだっけ?」

幼母「どうしたの急に…?」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 22:08:21.75 ID:i42+hCeR0
幼「…その、男がね…」
  「…えと」

幼母「男君が?」

幼「10年前のこと…」

幼母「…!」

幼「話……たがらなかった…から」
  「どうしたのそんなに驚いて?」

幼母「な、何でもないの…」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 22:11:49.47 ID:i42+hCeR0
幼「?」

幼母「えと… 何で引っ越したのかだっけ?」

幼「そう… だけど…」

幼母「それは… お父さんの仕事の都合よ」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 22:13:48.16 ID:i42+hCeR0
幼「…あの人、今は何してるの?」

幼母「あの人、なんて言い方良くないわ」

幼「だって…」

幼母「…もう夕食にしましょう? ね?」

幼「…うん」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 22:17:36.86 ID:i42+hCeR0
男「…」
  「月が出てないな…」
  「雲が厚いのかな…?」

男「確か…3年前も…」
  「………」
  「…寝よう」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 22:19:35.96 ID:i42+hCeR0
幼「ねぇ、お母さん?」

幼母「ん?」

幼「今度、男を夕飯に誘って良い?」

幼母「!」
   「そ、それは…」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 22:23:28.25 ID:i42+hCeR0
幼「どうしたの?」

幼母「でも、男君も家で家族と食べたいんじゃないの?」

幼「お母さん、男のご両親は…」
  「亡くなってるのよ?」

幼母「え?」

幼「知らなかったの?」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 22:25:57.16 ID:i42+hCeR0
幼母「そ、そうだったの…」

幼「? お母さん?」

幼母「…ごめんなさい、ちょっと気分が良くないの」
   「また今度話しましょう?」

幼「う、うん…」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 22:27:51.03 ID:i42+hCeR0
幼「お母さん… 変だったな…」
  「…何だったんだろう……」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 22:30:01.25 ID:i42+hCeR0
男「………」トボトボ

幼「男、おはよう!」

男「幼か… おはよう」

幼「やっぱり元気ないなぁ…」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 22:39:47.07 ID:i42+hCeR0
男「…」

幼「でね…昨日お母さんに話をしたんだけど…」
  「何か変で…」

男「…」
  「……」
  「………やっぱりそうか」

幼「男…?」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 22:44:57.04 ID:i42+hCeR0
幼「…」

幼友「幼さんっ!」

幼「あ、ええと、幼友さん?」

幼友「今日カラオケに行かない?」

幼「え…」
  (今日も男と一緒に帰る約束してたんだけど…)
  「う、うん大丈夫だよ! 行こう」
  (後で連絡しておこう)

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 22:50:42.97 ID:i42+hCeR0
男「…………」ガサゴソ
 「──────────やっぱりそうだったんだ…」
  「…………そうか」

─────────

幼「………」ツーツーツー
  (繋がらないな…)
  (どうしたんだろ、男…)

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 22:52:53.85 ID:i42+hCeR0
幼「ただいま」

幼母「お帰り、幼」

幼「今日ね、クラスの幼友ちゃんと───」
  「それでね───」

幼母「そう、良かったわね」ニコ

幼(あれ、いつものお母さんに戻ってる)

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 22:55:51.56 ID:i42+hCeR0
幼「そうだ、男に電話しなきゃ!」トテトテ

幼母「…」


幼「………」ツーツーツー
  「やっぱり繋がらない…」
  「どうしたんだろ男?」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 23:00:22.08 ID:i42+hCeR0
次の日の朝

幼「ふぁぁぁ…結局繋がらなかった…」
  「…」

幼母「おはよう、幼」

幼「おはよう、お母さん」
  「昨日ね、男に電話したんだけど……」
  「……何か変だよね?」

幼母「そ、そんな時もあるわよ」
   「あんまり、男君を困らせちゃだめよ?」

幼「うん…」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 23:05:00.98 ID:i42+hCeR0
学校

幼「男、いますか?」

モブ2「あぁ、君は隣のクラスの」
   (可愛いな…)
   「ちょっと待って……ええと男は…」
   「あれ… いないな… まだ来てないみたい」
   「それよりさ、良かったらアドr…」

幼「…」スィ
  (男… 休みかな?)

モブ2「…」

モブ1「まぁ…そんなこともある」ポンポン

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 23:07:36.84 ID:i42+hCeR0
 
幼「男…」
  「……あ、雨だ…」

幼「やだな…」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 23:11:15.90 ID:i42+hCeR0
それから一週間しても男は学校に来なかった…
電話にも出なかった…
途切れ途切れだけど雨が降っていて、気分が乗らなかったんだと思う

幼「男… どうしたんだろ?」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 23:15:55.58 ID:i42+hCeR0
幼「ねぇ、お母さん」
  「男君の家って確か××の辺りだったよね?」

幼母「…確かそうだけど、どうして?」

幼「このごろ男が学校に来ないから…」
  「もしかしたら具合が悪いのかと思って…」

幼母「…」
   「…男君のところに行くの?」

幼「うん、明日行ってみようかな」

幼母「…」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 23:22:19.35 ID:i42+hCeR0
幼「えっと…」
  「確か… この変だったよね」

幼「…雨が酷いな…」

──────ピンポン

幼「…」

────────ピンポン

幼「…出ない」

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 23:24:38.64 ID:i42+hCeR0
幼「…」ガチャ
  「開いてる…」

幼「…男? いるの?」
  「男ー?

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 23:29:07.20 ID:i42+hCeR0
幼「おじゃまします!」
  「男ー?」

幼「…」トテトテ
  「男?」トントン ガチャ
  「いない…」




幼「…ここかな?」
  「男、入るよ?」トントン ガチャ



76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 23:31:10.37 ID:i42+hCeR0
幼「男? 寝てるの?」

男「………」

幼「男?」ユサユサ





男「…」ドサ



80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 23:33:57.35 ID:i42+hCeR0
幼「!?」
  「男?!」ユサユサ!

男だったそれ「………」

幼「男! 起きて!!」ユサユサユサ!

男だったそれ「………」

幼「きゅ、救急車!」


86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 23:39:27.40 ID:i42+hCeR0

─────────
病院

幼「うっうっ…」ボロボロ…

医者「残念ですが…」
   「相当時間が経過してるようでした、ご親族の方ですか?」

幼「ひっくひっく…」フリフリ

医者「後は警察で…」

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 23:45:45.25 ID:i42+hCeR0
警察「お嬢さん、こんなときに質問して悪いんだけど、我慢してね?」

幼「はい…」

警察「名前は?」

幼「幼です…」

警察「何か身分を証明できるものある?」

幼「生徒手帳が…」

警察「…」
   「男さんとはどんな関係なの?」

幼「同じ学校の…」

─────────

そんな質問を繰り返し受けた
後になって知ったけど、質問はあくまで確認のためだったらしい
その後母が迎えにきた

幼母「大変だったね、幼…」

幼「…」

99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 23:50:21.79 ID:i42+hCeR0
それからしばらく学校には行かなかった… 行けなかったという方が正しいかもしれない
男はどうやら自殺したらしい…
ずっと元気が無いと思っていたけど…


それからしばらくして手紙が来た


幼「手紙…」
  「差出人が書いてない」

102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/14(木) 23:52:06.28 ID:i42+hCeR0


幼「誰宛かな…?」ピリピリ


111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/15(金) 00:02:47.72 ID:7OKdKS+H0

 いきなりでごめんなさい
 この手紙を読んでる読んでる頃には、僕はもう生きていないと思います
 
 僕は自分で命を絶ちました
 迷惑を掛けて申し訳ない

 でも、こうするしか方法が無かったんです
 
 “あなた”は僕から大切な人を奪っていった
 本当はあなたの大切な人を奪うつもりでした
 でも、僕にとっても大切な人です
 だから、こんな形でしか復讐出来ない
 さようなら                                  』

112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/15(金) 00:04:47.91 ID:7OKdKS+H0
幼「……どういう…こと?」

幼母「幼ー? どうしたの?」

幼「…」

幼母「手紙?」

115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/15(金) 00:07:00.76 ID:7OKdKS+H0
幼母「…!」

幼「これは何なの、お母さん?」

幼母「これは……」カタカタ

幼「ねぇ、お母さん!」

116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/15(金) 00:09:30.44 ID:7OKdKS+H0
幼「……お母さんが殺したの…?」

幼母「ち、違うわ…!」

幼「で、でも! ここに書いてあるのって!」

幼母「本当に違うの!」

117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/15(金) 00:12:10.90 ID:7OKdKS+H0
幼「ちゃんと、話して…!」

幼母「…」
   「話せない…」

幼「どうして?!」

幼母「……」

120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/15(金) 00:14:54.47 ID:7OKdKS+H0
幼「もういいよ!」ダッ!

幼母「幼…!」

─────────

幼「…」グス
  「……」
  「どうしたらいいの……」

122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/15(金) 00:17:01.11 ID:7OKdKS+H0
幼「男……」フラフラ

─────────

幼「男の家…」
  「…」
  「……」
  「………」ガチャガチャ
  「やっぱり閉まってるよね…」

123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/15(金) 00:19:38.43 ID:7OKdKS+H0
幼「…」
  (確か… 鍵が…)ゴソゴソ
  「…あった」

幼「…」
  「……」ガチャ
  「………」ゴクリ

125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/15(金) 00:22:48.45 ID:7OKdKS+H0
幼「…」ギシ…ギシ…

気分が動転しているからか、妙に床が軋んでいるような気がする
当たり前だが、家の中は静まり返っていた

幼「…男の部屋」


126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/15(金) 00:24:56.95 ID:7OKdKS+H0
幼「…」
  「誰もいない… 当然だよね…」
  (男は3年間一人だったんだよね…)

幼「………あ」

129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/15(金) 00:26:34.71 ID:7OKdKS+H0
幼「…●●●な本が」
  「男も男の子だもんね…」

  「ん?」
  「ノート…」
  「何だろう?」

134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/15(金) 00:30:24.00 ID:7OKdKS+H0
幼「…」ペラペラ
  「4年前から始まってる…」

○月×日

今日もケンカが酷い
大分前から酷いとは思っていたが、最近特に酷い
離婚は時間の問題なのかもしれない…

136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/15(金) 00:33:30.46 ID:7OKdKS+H0
□月△日

もう駄目だ…
完全に離婚みたいだ
ちらっと聞いただけだが
親父の6年前の浮気が原因らしい

137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/15(金) 00:35:15.79 ID:7OKdKS+H0
▽月●日

今日はかなり酷い喧嘩だ
食器が割れる音がしてる…
もうこんな家こりごりだ…

138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/15(金) 00:36:33.02 ID:7OKdKS+H0
幼「…」
  「男のご両親も仲が悪かったんだ…」
  「…」ペラ
  「ここから日付が飛んでる…」

141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/15(金) 00:38:26.25 ID:7OKdKS+H0
◎月◇日

久しぶりに日記を書く
葬式が終わって大分落ち着いた
これからどうすればいいのか分からない…

144: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/15(金) 00:43:23.05 ID:7OKdKS+H0
幼「……お葬式…」ペラ
  「…これは最近ね」ペラ

☆月Λ日

とうとう分かった、親父の浮気相手が…
俺の人生をめちゃくちゃにした奴が…
でも、幼が知ったらどう思うだろうか…?

147: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/15(金) 00:46:52.79 ID:7OKdKS+H0
幼「…私が知ったら?」
  「………」
  「……」
  「そう、だったのね…」

幼「…最後のページ」ペラ

149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/15(金) 00:52:47.67 ID:7OKdKS+H0
幼「日付が書いてない…」

15年前程浮気は続いていたらしい… 俺が生まれる1年前から
そう考えると、俺と幼は…
だが、幼が大切な人であることに変わりは無い
せめて幸せに生きて欲しい…

152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/15(金) 00:55:45.78 ID:7OKdKS+H0
幼「………」
  「でも… あんな手紙を寄こしたら、幸せになんかなれないよ…」
  「次のぺージが切り取ってある… これが手紙だったのね…」

154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/15(金) 00:59:00.67 ID:7OKdKS+H0
幼「…せめて幸せに…か…」

─────────
幼宅

幼「…」ガチャ

幼母「お、幼…」
   「お、お母さん、あなたにずっと隠してたことがあるの…」

幼「知ってる…」

幼母「!」
   「…ごめんさい、幼」

158: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/15(金) 01:02:24.62 ID:7OKdKS+H0
幼「…」

幼母「……」

幼「私はお母さんの事は許せない」

幼母「…!」

159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/15(金) 01:04:52.96 ID:7OKdKS+H0
幼母「…」

幼「でも…」
  「どうしたらいいのか分からないの…」
  「私はお母さんのことが好き」
  「でも… 男はもう戻ってこない…」
  「だから、許せない」

幼母「…」

160: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/07/15(金) 01:12:26.52 ID:7OKdKS+H0
幼母「ごめんなさい…」ボロボロ

幼「…しばらく家を出る…」

幼母「…」ボロボロ

“世の中そんなものだ”男が言っていたことは正しかったのかもしれない
公園はビルになるし、晴れの日は雨になる
母が母として見れなくなるのも不思議じゃない

幼「さようなら…」

そう言うと幼は家を出て行った
外はまだ雨が降っている

     終わり