1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 10:04:53.02 ID:uCkP6a7X0
グール「ぐわあああああ」
女騎士「グール...私の盾になって...」
女騎士「グール...私の盾になって...」
引用元: ・グール「ぐへへへ」女騎士「く、来るな!やめろ!」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 11:27:47.55 ID:Yeduoqw40
団長「今日我が騎士団に配属されたグールだ。よろしくしてやってくれ」
グール「アー」
女騎士「ま、魔物ではないか! しかも特に醜悪な部類の……。何故このような物を神聖な騎士団に?」
団長「人手が足りなくてな。苦肉の策だ。おまえにはこのグールの教育係を務めてもらう」
女騎士「なっ!? い、嫌だ! 断る!」
団長「団長命令だ」
女騎士「う……」
団長「雑用を一通り覚えさせたら剣の使い方も教えてやってくれ。頼んだぞ」
女騎士「……くそっ、なんでわたしがこんな目に……」
グール「アー」
女騎士「寄るなっ! 臭い! 醜い!」
グール「アー……」シュン
女騎士「……騎士団のため、そして命令ならば仕方ない。びしびししごいてやるから覚悟しろよ」
グール「アー」
グール「アー」
女騎士「ま、魔物ではないか! しかも特に醜悪な部類の……。何故このような物を神聖な騎士団に?」
団長「人手が足りなくてな。苦肉の策だ。おまえにはこのグールの教育係を務めてもらう」
女騎士「なっ!? い、嫌だ! 断る!」
団長「団長命令だ」
女騎士「う……」
団長「雑用を一通り覚えさせたら剣の使い方も教えてやってくれ。頼んだぞ」
女騎士「……くそっ、なんでわたしがこんな目に……」
グール「アー」
女騎士「寄るなっ! 臭い! 醜い!」
グール「アー……」シュン
女騎士「……騎士団のため、そして命令ならば仕方ない。びしびししごいてやるから覚悟しろよ」
グール「アー」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 11:38:25.40 ID:Yeduoqw40
女騎士「まずは洗濯だついてこい!」 スタスタスタ…
グール「アー」ノロノロ
女騎士「遅い! 駆け足っ!」
グール「ア、アー」ペコペコ
女騎士「各部屋を回ってシーツと服を回収して……」
グール「アー」メモメモ
女騎士「こんなことでいちいちメモを取るな! 頭で覚えろ!」
グール「アー」ペコペコ
女騎士「よし、おまえはこっちを持て。わたしはこっちだ」
グール「アー」 ヒョイ
女騎士「……おまえ結構力あるな。魔物というだけはある」
グール「アー」テレテレ
グール「アー」ノロノロ
女騎士「遅い! 駆け足っ!」
グール「ア、アー」ペコペコ
女騎士「各部屋を回ってシーツと服を回収して……」
グール「アー」メモメモ
女騎士「こんなことでいちいちメモを取るな! 頭で覚えろ!」
グール「アー」ペコペコ
女騎士「よし、おまえはこっちを持て。わたしはこっちだ」
グール「アー」 ヒョイ
女騎士「……おまえ結構力あるな。魔物というだけはある」
グール「アー」テレテレ
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 11:48:32.09 ID:Yeduoqw40
女騎士「たらいに水を張って、石鹸を用意して……」
女騎士「洗い方はこうだ」 ジャブジャブ
グール「アー」
女騎士「よし、やってみろ」
グール「アー」 ジャブジャブ
ジワァ…
女騎士「うおっ!? 水が一気に濁った!」
グール「アー……」
女騎士「そうか、肉が腐ってるから……ええい、これでは洗濯どころか料理も任せられんぞ」
グール「アー……」
女騎士「……風呂に入れば少しはましになるだろうか」
グール「アー?」
女騎士「洗い方はこうだ」 ジャブジャブ
グール「アー」
女騎士「よし、やってみろ」
グール「アー」 ジャブジャブ
ジワァ…
女騎士「うおっ!? 水が一気に濁った!」
グール「アー……」
女騎士「そうか、肉が腐ってるから……ええい、これでは洗濯どころか料理も任せられんぞ」
グール「アー……」
女騎士「……風呂に入れば少しはましになるだろうか」
グール「アー?」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 11:55:37.26 ID:Yeduoqw40
女騎士「ほら、ここが風呂場だ。特別に沸かしてやったんだから感謝しろよ。しっかり洗ってこい」
グール「アー」
女騎士「ふぅ……先が思いやられるな」
グール「アー?」
女騎士「!? な、何も着ずに出てくるな馬鹿者!」
グール「ア、アー……?」
女騎士「タオルならここだ! そらっ!」 ベシッ
グール「アー……」
グール「アー」
女騎士「ふぅ……先が思いやられるな」
グール「アー?」
女騎士「!? な、何も着ずに出てくるな馬鹿者!」
グール「ア、アー……?」
女騎士「タオルならここだ! そらっ!」 ベシッ
グール「アー……」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 12:01:59.35 ID:Yeduoqw40
グール「アー?」
女騎士「……うむ。あまり臭わなくなったな」
グール「アー」
女騎士「大分時間をつかってしまった。急ぐぞ」
グール「アー」
女騎士「洗濯!」
グール「アー」
女騎士「部屋の掃除!」
グール「アー」
女騎士「馬の餌やり!」
グール「アー」
女騎士「……うむ。あまり臭わなくなったな」
グール「アー」
女騎士「大分時間をつかってしまった。急ぐぞ」
グール「アー」
女騎士「洗濯!」
グール「アー」
女騎士「部屋の掃除!」
グール「アー」
女騎士「馬の餌やり!」
グール「アー」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 12:07:47.17 ID:Yeduoqw40
女騎士「よし、次は飯の用意だ」
グール「アー」
女騎士「こうやるんだ。よく見ておけ」 ズドッ
グール「ア……」
女騎士「材料を適当に切って……」 ドカッ バキッ
女騎士「後は鍋に入れて調味料を入れて……」 ドババババ
グール「……」
女騎士「わかったか? 同じ物を材料分作るだけだ。わたしは別に用があるから少し離れる」
グール「アー」
グール「……」 ペロッ
グール「……」
グール「アー」
女騎士「こうやるんだ。よく見ておけ」 ズドッ
グール「ア……」
女騎士「材料を適当に切って……」 ドカッ バキッ
女騎士「後は鍋に入れて調味料を入れて……」 ドババババ
グール「……」
女騎士「わかったか? 同じ物を材料分作るだけだ。わたしは別に用があるから少し離れる」
グール「アー」
グール「……」 ペロッ
グール「……」
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 12:21:01.58 ID:Yeduoqw40
グール「アー」 サクッ サクッ サクッ
グール「アーアー」 トプッ トプッ
グール「ア~」 ジュウウウウ…
グール「ア~ア~」 グツグツコトコト
グール「……」 ペロッ
グール「アー」
女騎士「戻ったぞ……む、もう作り終えたのか。中々手際がいいじゃないか」
グール「アー」
女騎士「飯の時間だぞ!」
団員「げ……今日の当番あいつかよ」
団員「……? いい匂いが……おかしいな、いつもはこんなことは……」
パクッ
団員「美味い!?」
グール「アーアー」 トプッ トプッ
グール「ア~」 ジュウウウウ…
グール「ア~ア~」 グツグツコトコト
グール「……」 ペロッ
グール「アー」
女騎士「戻ったぞ……む、もう作り終えたのか。中々手際がいいじゃないか」
グール「アー」
女騎士「飯の時間だぞ!」
団員「げ……今日の当番あいつかよ」
団員「……? いい匂いが……おかしいな、いつもはこんなことは……」
パクッ
団員「美味い!?」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 12:25:56.58 ID:Yeduoqw40
団員「今日の飯、本当におまえが作ったのか?」
女騎士「いや、作ったのは新入りのグールだ」
グール「アー」
団員「やけに美味いと思ったらそういうことか」
女騎士「わたしが教えた通りに作らせたからな。美味しいのは当然だろう」
団員「美味かったよ、ごちそうさま」
グール「アー」
女騎士「いや、作ったのは新入りのグールだ」
グール「アー」
団員「やけに美味いと思ったらそういうことか」
女騎士「わたしが教えた通りに作らせたからな。美味しいのは当然だろう」
団員「美味かったよ、ごちそうさま」
グール「アー」
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 12:40:33.03 ID:Yeduoqw40
女騎士「騎士団は雑用だけでは勤まらん。いざというときのために剣を振れるようにならなくては」
グール「アー」
女騎士「剣はこの高さだ。足はこう……」
グール「アー」
女騎士「よし、素振り始め!」
グール「アー。アー」 ブンッ ブンッ
女騎士「違う! こうだ!」 ビュッ
グール「アー」 ブンッ
女騎士「こう!」 ビュッ
グール「アー」 ブンッ
グール「アー」
女騎士「剣はこの高さだ。足はこう……」
グール「アー」
女騎士「よし、素振り始め!」
グール「アー。アー」 ブンッ ブンッ
女騎士「違う! こうだ!」 ビュッ
グール「アー」 ブンッ
女騎士「こう!」 ビュッ
グール「アー」 ブンッ
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 12:42:49.62 ID:Yeduoqw40
女騎士「素振り終わり!」ハァハァ
グール「アー……」ゼェゼェ
女騎士「だらしないぞ……この程度でへばってるんじゃない……」ハァハァ
グール「アー」
女騎士「う……もう動けるのか……? さすがアンデッド……」ハァハァ
グール「アー」
女騎士「きゅ、休憩もまた鍛錬だ……。初心者は特に無茶をしてはいけない……」ハァハァ
グール「アー」
グール「アー……」ゼェゼェ
女騎士「だらしないぞ……この程度でへばってるんじゃない……」ハァハァ
グール「アー」
女騎士「う……もう動けるのか……? さすがアンデッド……」ハァハァ
グール「アー」
女騎士「きゅ、休憩もまた鍛錬だ……。初心者は特に無茶をしてはいけない……」ハァハァ
グール「アー」
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 12:52:45.68 ID:Yeduoqw40
女騎士「ふぅ……底なしの体力につきあわせおって……」
女騎士「疲れた……今日はもう寝よう」
ガチャ
グール「アー……」ヌッ
女騎士「うおおおおおお!?」
グール「アー?」
女騎士「う、薄明かりの場所に現れるんじゃない! 心臓に悪いわ!」
グール「アー」ペコペコ
女騎士「疲れた……今日はもう寝よう」
ガチャ
グール「アー……」ヌッ
女騎士「うおおおおおお!?」
グール「アー?」
女騎士「う、薄明かりの場所に現れるんじゃない! 心臓に悪いわ!」
グール「アー」ペコペコ
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 12:55:12.48 ID:Yeduoqw40
女騎士「ど、どうした。何の用だ」
グール「アー……」
女騎士「夜トイレ行くの怖いって……わたしは教育係であって貴様のかーちゃんではない! 一人で行け!」
グール「アー……」スゴスゴ
女騎士「まったく……」
グール「アー」ヌッ
女騎士「ぬわっ! 今度はなんだ!」
グール「オヤ……スミ……」
女騎士「え……あ、ああ。おやすみ……」
グール「アー……」
女騎士「夜トイレ行くの怖いって……わたしは教育係であって貴様のかーちゃんではない! 一人で行け!」
グール「アー……」スゴスゴ
女騎士「まったく……」
グール「アー」ヌッ
女騎士「ぬわっ! 今度はなんだ!」
グール「オヤ……スミ……」
女騎士「え……あ、ああ。おやすみ……」
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 14:04:56.50 ID:Yeduoqw40
アー…
女騎士「……ん……」ムニャ
アー…
女騎士「……ふあ……何……」
グール「アァー」
女騎士「うわあああああああ!?」
グール「アー!?」
女騎士「近い! 顔近い!」
グール「アー……」
女騎士「ふー……どうした? まだ起床時間ではないぞ」
グール「アー」
女騎士「団長が? わかった、すぐに行こう」
女騎士「……ん……」ムニャ
アー…
女騎士「……ふあ……何……」
グール「アァー」
女騎士「うわあああああああ!?」
グール「アー!?」
女騎士「近い! 顔近い!」
グール「アー……」
女騎士「ふー……どうした? まだ起床時間ではないぞ」
グール「アー」
女騎士「団長が? わかった、すぐに行こう」
58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 14:15:04.56 ID:Yeduoqw40
女騎士「盗賊団……?」
団長「ああ、近頃被害が続出している。ついては我々で街と街道の警護に当たることになった。
今日はおまえとグールが任に就け」
女騎士「あのグールは入団したばかりだぞ。命の危険がある仕事に就かせるのは……」
団長「……」
女騎士「……いや、既に死んでいるようなものだが、それでも荷が重いのは確かだ」
団長「仕方ないんだよ。他は誰も手が空いてないんだ。何かあればすぐに駆けつけるから……」
女騎士「何かあってからでは遅いだろう。まったく……」ブツブツ
グール「アー?」
女騎士「なんでもない。外出の用意をしておけ」
グール「アー」
団長「ああ、近頃被害が続出している。ついては我々で街と街道の警護に当たることになった。
今日はおまえとグールが任に就け」
女騎士「あのグールは入団したばかりだぞ。命の危険がある仕事に就かせるのは……」
団長「……」
女騎士「……いや、既に死んでいるようなものだが、それでも荷が重いのは確かだ」
団長「仕方ないんだよ。他は誰も手が空いてないんだ。何かあればすぐに駆けつけるから……」
女騎士「何かあってからでは遅いだろう。まったく……」ブツブツ
グール「アー?」
女騎士「なんでもない。外出の用意をしておけ」
グール「アー」
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 14:23:20.55 ID:Yeduoqw40
町長「わざわざご足労いただいてすみません」
女騎士「いえ、これも騎士の仕事ですので」
町長「……ところで、そちらの方は……」
グール「アー」
女騎士「我が騎士団所属のグールです」
町長「グ、グールですか」
女騎士「人は襲いませんのでご安心を」
グール「アー」
町長「な、なんでしょうか」
女騎士「『よろしく』と申しております」
町長「は、はは……ユニークな方ですね……」
グール「アー」テレテレ
女騎士「いえ、これも騎士の仕事ですので」
町長「……ところで、そちらの方は……」
グール「アー」
女騎士「我が騎士団所属のグールです」
町長「グ、グールですか」
女騎士「人は襲いませんのでご安心を」
グール「アー」
町長「な、なんでしょうか」
女騎士「『よろしく』と申しております」
町長「は、はは……ユニークな方ですね……」
グール「アー」テレテレ
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 14:40:57.14 ID:Yeduoqw40
女騎士「……」
グール「アー」キョロキョロ
ざわざわ ひそひそ
女騎士「巡回では異常を見落とさないよう気をつけるのと同時に、市井の人に不安を与えないようにしなくてはならない」
グール「アー?」
女騎士「あまり気を張り詰めるなということだ。表情ももっと柔らかくしろ」
グール「アー」ニコォ
ひぃっ ざわざわ…
女騎士「むむむ……」
グール「アー」キョロキョロ
ざわざわ ひそひそ
女騎士「巡回では異常を見落とさないよう気をつけるのと同時に、市井の人に不安を与えないようにしなくてはならない」
グール「アー?」
女騎士「あまり気を張り詰めるなということだ。表情ももっと柔らかくしろ」
グール「アー」ニコォ
ひぃっ ざわざわ…
女騎士「むむむ……」
62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 14:48:21.72 ID:Yeduoqw40
こつん
グール「ア?」
女騎士「む?」
子ども1「街から出てけー! 化け物ー!」 ブンッ
子ども2「正義の投石をくらえー!」 ブンッ
こん こん
グール「アー……アー……」
女騎士「こぉら悪童どもっ! 街を守ろうという者に何をするか!」
子ども1「おばさんが怒ったー!」
子ども2「逃げろー!」
女騎士「誰がおばさんだっ! ……ったく……」
グール「アー……」シュン
女騎士「そう落ち込むな。子どもは色々とストレートなんだ」
グール「アー」
グール「ア?」
女騎士「む?」
子ども1「街から出てけー! 化け物ー!」 ブンッ
子ども2「正義の投石をくらえー!」 ブンッ
こん こん
グール「アー……アー……」
女騎士「こぉら悪童どもっ! 街を守ろうという者に何をするか!」
子ども1「おばさんが怒ったー!」
子ども2「逃げろー!」
女騎士「誰がおばさんだっ! ……ったく……」
グール「アー……」シュン
女騎士「そう落ち込むな。子どもは色々とストレートなんだ」
グール「アー」
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 14:58:54.84 ID:Yeduoqw40
女騎士「異常なし。交代の者が来たら報告して終わりだ」
グール「アー!」
女騎士「どうした? ……あれは……!」
盗賊団「ヒャッハー!」
女騎士「件の盗賊か!」
グール「アー? アー?」オロオロ
女騎士「落ち着け! おまえは騎士団へ伝令。急げ」
グール「アー?」
女騎士「わたしはここでやつらの相手だ」
グール「アー」
女騎士「あの人数ならしばらくはなんとかできる。だからおまえは急いで騎士団を、と言ってるんだ」
グール「アー……」
女騎士「行ったか……よし」
グール「アー!」
女騎士「どうした? ……あれは……!」
盗賊団「ヒャッハー!」
女騎士「件の盗賊か!」
グール「アー? アー?」オロオロ
女騎士「落ち着け! おまえは騎士団へ伝令。急げ」
グール「アー?」
女騎士「わたしはここでやつらの相手だ」
グール「アー」
女騎士「あの人数ならしばらくはなんとかできる。だからおまえは急いで騎士団を、と言ってるんだ」
グール「アー……」
女騎士「行ったか……よし」
67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 15:12:38.92 ID:Yeduoqw40
盗賊「うりゃぁ!」 ブンッ
女騎士「むんっ!」 ギンッ
女騎士「はぁっ!」 ズバッ
盗賊1「ぐぎゃっ!」
盗賊2「頭! こいつかなり使うぜ! どうする!?」
頭「慌てんじゃねえ。数人で一斉に斬りかかれ!」
盗賊3「ふへへ」
盗賊4「ぐひひ」
女騎士「卑怯な……」
頭「やれ!」
女騎士「くっ……くそっ」 ギンッ ギギンッ
女騎士「むんっ!」 ギンッ
女騎士「はぁっ!」 ズバッ
盗賊1「ぐぎゃっ!」
盗賊2「頭! こいつかなり使うぜ! どうする!?」
頭「慌てんじゃねえ。数人で一斉に斬りかかれ!」
盗賊3「ふへへ」
盗賊4「ぐひひ」
女騎士「卑怯な……」
頭「やれ!」
女騎士「くっ……くそっ」 ギンッ ギギンッ
68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 15:14:49.97 ID:Yeduoqw40
盗賊5「すきありぃ!」
女騎士「しまっ……」
ズバッ
グール「アー……」ヨロッ
女騎士「おまえ……!」
盗賊5「な、なんだこいつ」
女騎士「おのれっ!」 ズバッ
盗賊5「ぎゃっ」
ドドドドド…
盗賊6「か、頭! 騎士団だ!」
頭「くそっ、ずらかるぞてめえら!」
女騎士「しまっ……」
ズバッ
グール「アー……」ヨロッ
女騎士「おまえ……!」
盗賊5「な、なんだこいつ」
女騎士「おのれっ!」 ズバッ
盗賊5「ぎゃっ」
ドドドドド…
盗賊6「か、頭! 騎士団だ!」
頭「くそっ、ずらかるぞてめえら!」
69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 15:20:14.62 ID:Yeduoqw40
団長「無事かっ!?」
女騎士「わたしは……おいっ、生きてるか!?」
グール「アー……」
女騎士「見た目では重傷かどうかまるでわからん! 痛むのか? 治療は必要か?」
グール「アー……」
女騎士「そうか……よかった……」
団長「二人ともよくやった。討伐は他の者に任せて、ゆっくり休んでくれ」
女騎士「わたしは……おいっ、生きてるか!?」
グール「アー……」
女騎士「見た目では重傷かどうかまるでわからん! 痛むのか? 治療は必要か?」
グール「アー……」
女騎士「そうか……よかった……」
団長「二人ともよくやった。討伐は他の者に任せて、ゆっくり休んでくれ」
70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 15:33:01.99 ID:Yeduoqw40
女騎士「何故あんな真似を……」
グール「アー」
女騎士「わたしを庇うなど十年早い! そういうのは自分の身も守れるほど熟練してからするものだ!」
グール「アー……」
女騎士「……まぁ、危なかったのは確かだし、一応礼は言っておく……」
グール「アー」
女騎士「今日はもう休め。雑用は気にしなくていい」
グール「アー」
女騎士「そうだ、後で秘伝の回復料理を作って食べさせてやるよ」
グール「アー!?」
女騎士「なんだ? 遠慮するな。怪我人は素直に甘えるものだ」
グール「アー……」
グール「アー」
女騎士「わたしを庇うなど十年早い! そういうのは自分の身も守れるほど熟練してからするものだ!」
グール「アー……」
女騎士「……まぁ、危なかったのは確かだし、一応礼は言っておく……」
グール「アー」
女騎士「今日はもう休め。雑用は気にしなくていい」
グール「アー」
女騎士「そうだ、後で秘伝の回復料理を作って食べさせてやるよ」
グール「アー!?」
女騎士「なんだ? 遠慮するな。怪我人は素直に甘えるものだ」
グール「アー……」
80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 16:13:36.76 ID:Yeduoqw40
グール「アー!」
女騎士「もう全快したのか。やはりわたしの料理が効いたんだな」
グール「……」
町長「先日は本当にありがとうございました。これは町の者があなた方へ、と」
グール「アー……」
女騎士「……そうか、人から礼を受け取るのは初めてか」
グール「アー」 ビュッ
女騎士「うっ」 ビタッ
グール「アー。アー」ワーイ
女騎士「……やっと一本取れたとていい気になるなよ。今のは油断だ。次から本気だ……」ゴゴゴゴゴ
グール「アー……」ガクガクブルブル
83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 16:24:34.48 ID:Yeduoqw40
グール「アー」 ジャブジャブ
団員「洗濯ごくろうさん。今日の飯当番おまえか?」
グール「アー……」
女騎士「今日の当番はわたしだが」
団員「そうか。……そうか……」
女騎士「?」
団員「なぁ、こっそり味調えといてくれよ」ヒソヒソ
グール「アー」ヒソヒソ
女騎士「何をこそこそしている!」
団長「急場しのぎのつもりだったんだが、馴染んでしまったなぁ……」
団長「ま、いいか」
団員「洗濯ごくろうさん。今日の飯当番おまえか?」
グール「アー……」
女騎士「今日の当番はわたしだが」
団員「そうか。……そうか……」
女騎士「?」
団員「なぁ、こっそり味調えといてくれよ」ヒソヒソ
グール「アー」ヒソヒソ
女騎士「何をこそこそしている!」
団長「急場しのぎのつもりだったんだが、馴染んでしまったなぁ……」
団長「ま、いいか」
86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 16:39:35.94 ID:Yeduoqw40
グール「アー」
女騎士「ん……そうだな、最近暇だな」
グール「アー」
女騎士「しかし騎士が暇ということは、それだけ平和だということだ。喜ぶべきことだな」
グール「アー」
女騎士「だが平和に慣れて勘を鈍らせてはいけない。よし、一つ稽古を……ん?」
わいわいがやがや
女騎士「騒がしいな……なんだ?」
グール「アー?」
女騎士「山火事?」
団員「今季はかなり乾燥していたからな。かなりの規模になりそうだ」
女騎士「いつも通り、治まるまで待てばいいだけの話ではないのか? 何故こうも騒いで……」
団員「それが……町の子どもが山に入って戻ってこないらしい」
女騎士「なんだと?」
女騎士「ん……そうだな、最近暇だな」
グール「アー」
女騎士「しかし騎士が暇ということは、それだけ平和だということだ。喜ぶべきことだな」
グール「アー」
女騎士「だが平和に慣れて勘を鈍らせてはいけない。よし、一つ稽古を……ん?」
わいわいがやがや
女騎士「騒がしいな……なんだ?」
グール「アー?」
女騎士「山火事?」
団員「今季はかなり乾燥していたからな。かなりの規模になりそうだ」
女騎士「いつも通り、治まるまで待てばいいだけの話ではないのか? 何故こうも騒いで……」
団員「それが……町の子どもが山に入って戻ってこないらしい」
女騎士「なんだと?」
87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 16:43:41.74 ID:Yeduoqw40
グール「アー?」
女騎士「仕事だ。子どもが入った山で火事が起きている。町民と協力して捜索にあたる」
グール「アー」
女騎士「? いやいや、おまえは留守番だ」
グール「アー?」
女騎士「アンデッドは火に弱いだろうが。切られても平気だろうと、火に巻かれては本当に死んでしまう」
グール「アー……」
女騎士「おとなしく待っていろ。いいな?」
グール「アー」
女騎士「仕事だ。子どもが入った山で火事が起きている。町民と協力して捜索にあたる」
グール「アー」
女騎士「? いやいや、おまえは留守番だ」
グール「アー?」
女騎士「アンデッドは火に弱いだろうが。切られても平気だろうと、火に巻かれては本当に死んでしまう」
グール「アー……」
女騎士「おとなしく待っていろ。いいな?」
グール「アー」
89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 16:52:47.82 ID:Yeduoqw40
グール「……」ソワソワ
グール「アー?」
団長「落ち着け。大丈夫だ。やつもひよっこではない。自分の能力以上の無茶はしないさ」
グール「アー……」
団員「伝令!」
団長「どうした」
グール「……」
団長「姿が確認できないだと……? 追加の人員を……」
グール「アー」ダッ
団長「!? おいっ」
グール「アー?」
団長「落ち着け。大丈夫だ。やつもひよっこではない。自分の能力以上の無茶はしないさ」
グール「アー……」
団員「伝令!」
団長「どうした」
グール「……」
団長「姿が確認できないだと……? 追加の人員を……」
グール「アー」ダッ
団長「!? おいっ」
92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 17:01:20.11 ID:Yeduoqw40
メラメラ… パチパチ…
子ども1「熱いよぉ! 痛いよぉ……」
女騎士「めそめそするんじゃない! 男だろう!」
子ども1「うう……」
女騎士「いい子だ」
女騎士(しかし倒れた木に器用に挟まれたものだな。体が下敷きにならなかっただけ運がいいか)
女騎士「くっ……」 グッ
女騎士「……わたしの力では動かせんな。人を連れてすぐに戻ってくる。それまで待っていろ」
子ども1「やだぁ! 怖いよ!」
女騎士(一人残すのは危険すぎるが……しかし他にどうすることも……)
アー
女騎士「む?」
グール「アー」
女騎士「な……」
子ども1「熱いよぉ! 痛いよぉ……」
女騎士「めそめそするんじゃない! 男だろう!」
子ども1「うう……」
女騎士「いい子だ」
女騎士(しかし倒れた木に器用に挟まれたものだな。体が下敷きにならなかっただけ運がいいか)
女騎士「くっ……」 グッ
女騎士「……わたしの力では動かせんな。人を連れてすぐに戻ってくる。それまで待っていろ」
子ども1「やだぁ! 怖いよ!」
女騎士(一人残すのは危険すぎるが……しかし他にどうすることも……)
アー
女騎士「む?」
グール「アー」
女騎士「な……」
93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 17:06:10.18 ID:Yeduoqw40
グール「アー」
女騎士「ばかっ」 ぽかっ
グール「アー」
女騎士「助けに来たじゃないだろう! 言いつけを忘れたのか!」
グール「アー……」
女騎士「……だが実際助かった。約束を破った咎は今ので終わりにしてやる。手伝ってくれ」
グール「アー」
グググ… ズズン…
子ども1「うわぁぁぁん」
女騎士「よしよし、もう大丈夫だ」
グール「アー」
女騎士「ああ、急いで出よう」
女騎士「ばかっ」 ぽかっ
グール「アー」
女騎士「助けに来たじゃないだろう! 言いつけを忘れたのか!」
グール「アー……」
女騎士「……だが実際助かった。約束を破った咎は今ので終わりにしてやる。手伝ってくれ」
グール「アー」
グググ… ズズン…
子ども1「うわぁぁぁん」
女騎士「よしよし、もう大丈夫だ」
グール「アー」
女騎士「ああ、急いで出よう」
96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 17:17:32.06 ID:Yeduoqw40
子ども1「母ちゃぁぁぁん」
母親1「このばか、心配かけて……!」 ギュッ
女騎士「ふぅ……危なかったな。いよいよ火の勢いも頂点に達するようだし……」
グール「アー」
母親2「あのっ」
女騎士「はい?」
母親2「うちの子……見かけませんでした? さっきからっ、どこにも……」
女騎士「え……」
ゴオオオオオオオ…
女騎士「まさか……」
グール「……アァァァァァァァ!」ダッ
女騎士「ま、待て! 今からでは……くそっ」ダッ
町民「だ、だめです! この火の中入ったりしたら死んじまいますよ!」 ガシッ
女騎士「放してくれ! 放せっ!」
母親1「このばか、心配かけて……!」 ギュッ
女騎士「ふぅ……危なかったな。いよいよ火の勢いも頂点に達するようだし……」
グール「アー」
母親2「あのっ」
女騎士「はい?」
母親2「うちの子……見かけませんでした? さっきからっ、どこにも……」
女騎士「え……」
ゴオオオオオオオ…
女騎士「まさか……」
グール「……アァァァァァァァ!」ダッ
女騎士「ま、待て! 今からでは……くそっ」ダッ
町民「だ、だめです! この火の中入ったりしたら死んじまいますよ!」 ガシッ
女騎士「放してくれ! 放せっ!」
101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 17:25:11.40 ID:Yeduoqw40
グール「アァー!? アァー!」キョロキョロ
グール「アー……」
うわーん
グール「ア?」
子ども2「うわぁぁぁぁぁぁぁん」
グール「アー」ホッ
子ども2「うわっ! 化け物!」
グール「アー」 ヒョイ
子ども2「やめろ! 下ろせ! 下ろせぇ!」
グール「……」テクテク
子ども2「友だちが……山の中にいるって聞いたから……おれが助けようと思って……」グスッ
子ども2「でもおれが迷子になっちゃって……うう、母ちゃん……」
グール「アー……」 ぽんぽん
子ども2「……」
グール「アー……」
うわーん
グール「ア?」
子ども2「うわぁぁぁぁぁぁぁん」
グール「アー」ホッ
子ども2「うわっ! 化け物!」
グール「アー」 ヒョイ
子ども2「やめろ! 下ろせ! 下ろせぇ!」
グール「……」テクテク
子ども2「友だちが……山の中にいるって聞いたから……おれが助けようと思って……」グスッ
子ども2「でもおれが迷子になっちゃって……うう、母ちゃん……」
グール「アー……」 ぽんぽん
子ども2「……」
103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 17:33:29.36 ID:Yeduoqw40
子ども2「あ、あそこ! 出口……!」
グール「アー」
バチバチ…メキッ
グール「ア?」
メキメキメキメキ…
子ども2「う、うわっ、木っ、こっちに倒れ……」
グール「アー!」 ブンッ
子ども2「うわあああああああ」
ズズーン…
子ども2「いてて……あっ、おい化け物! 大丈夫かよ!?」
グール「アー」
子ども2「こっち来れるか!?」
グール「アー……」
子ども2「お、大人呼んでくる! それまでがんばれよ!」
グール「アー」
グール「アー」
バチバチ…メキッ
グール「ア?」
メキメキメキメキ…
子ども2「う、うわっ、木っ、こっちに倒れ……」
グール「アー!」 ブンッ
子ども2「うわあああああああ」
ズズーン…
子ども2「いてて……あっ、おい化け物! 大丈夫かよ!?」
グール「アー」
子ども2「こっち来れるか!?」
グール「アー……」
子ども2「お、大人呼んでくる! それまでがんばれよ!」
グール「アー」
109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 17:40:15.22 ID:Yeduoqw40
グール「アー……」
ゴオオオオオオ…
グール「アー、アツッ、アツッ!」
グール「……アー」テクテク
グール「アー……」
ゴオオオ…
グール(イキドマリ……)
ゴオオオ…
グール(コッチモ……ドッチモ……)
グール「アー……」ペタン
ゴオオオオオオ…
グール「アー、アツッ、アツッ!」
グール「……アー」テクテク
グール「アー……」
ゴオオオ…
グール(イキドマリ……)
ゴオオオ…
グール(コッチモ……ドッチモ……)
グール「アー……」ペタン
111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 17:44:24.69 ID:Yeduoqw40
女騎士「こっちかっ!?」
子ども2「うん! 早く……」
子ども2「あ……」
ゴオオオオオオオ…
女騎士「……」
子ども2(こんなの、入れるわけ……)
ゴオオオオオオオ…
グール「アー」
ゴオオオオオオオ…
バキバキ… メキメキ…
子ども2「うん! 早く……」
子ども2「あ……」
ゴオオオオオオオ…
女騎士「……」
子ども2(こんなの、入れるわけ……)
ゴオオオオオオオ…
グール「アー」
ゴオオオオオオオ…
バキバキ… メキメキ…
117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 17:59:42.23 ID:Yeduoqw40
団長「……子どもは軽い怪我をしてるが無事……そうか」
団長「火が治まったら再び捜索隊を組むぞ」
団長「……町民から志願者が? そうか、ありがたいな」
団長「……」
女騎士「……」
団員「おう、おつかれ」
女騎士「……」
団員(今日も何も見つからなかったのか……。もう何日も探し続けて……)
団員「……あまり自分を責めてやるなよ」
女騎士「ああ……すまない」
団長「火が治まったら再び捜索隊を組むぞ」
団長「……町民から志願者が? そうか、ありがたいな」
団長「……」
女騎士「……」
団員「おう、おつかれ」
女騎士「……」
団員(今日も何も見つからなかったのか……。もう何日も探し続けて……)
団員「……あまり自分を責めてやるなよ」
女騎士「ああ……すまない」
124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 18:16:24.12 ID:Yeduoqw40
団長「捜索を打ち切る……?」
女騎士「ああ。いつまでもかかずらっているわけにもいくまい。みんなよく探してくれた。これ以上はもう無意味だ」
団長「そうか……そうだな」
女騎士「立派な墓を作ってもらえてよかったな」
女騎士「……」
女騎士「悪たれ小僧どもが毎日聞きにくるんだよ。おまえが見つかったかって」
女騎士「団員たちの士気が下がった。おまえの飯が食いたいんだそうだ」
女騎士「ああ。いつまでもかかずらっているわけにもいくまい。みんなよく探してくれた。これ以上はもう無意味だ」
団長「そうか……そうだな」
女騎士「立派な墓を作ってもらえてよかったな」
女騎士「……」
女騎士「悪たれ小僧どもが毎日聞きにくるんだよ。おまえが見つかったかって」
女騎士「団員たちの士気が下がった。おまえの飯が食いたいんだそうだ」
125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 18:18:43.50 ID:Yeduoqw40
女騎士「……」
女騎士「次は美男として生まれてこいよ。グールじゃ、かっこつけても様にならんだろう」
女騎士「まぁ、グールのまま戻ってきてくれても……別に……それはそれで……」
女騎士「……うぅ……」
女騎士「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん……」
女騎士「うぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
グール「ア、アー……」
女騎士「うぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
グール「アー……」 スッ
女騎士「あ……ハンカチ、ありがと……」
ブビィィィィィィィィッ
女騎士「ふぅ……」
女騎士「うわあああああああ!?」
グール「アー!?」ビクッ
女騎士「次は美男として生まれてこいよ。グールじゃ、かっこつけても様にならんだろう」
女騎士「まぁ、グールのまま戻ってきてくれても……別に……それはそれで……」
女騎士「……うぅ……」
女騎士「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん……」
女騎士「うぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
グール「ア、アー……」
女騎士「うぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
グール「アー……」 スッ
女騎士「あ……ハンカチ、ありがと……」
ブビィィィィィィィィッ
女騎士「ふぅ……」
女騎士「うわあああああああ!?」
グール「アー!?」ビクッ
130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 18:29:06.12 ID:Yeduoqw40
女騎士「な、なんで? どうして……」
グール「アー」
女騎士「深く穴を掘って土の中に埋まってた!? 窒息は……あ、酸素いらないのか……」
グール「アー」
女騎士「で、でも何日も探したのに! 火が治まって大分経つのになんでずっと埋まってたんだ!」
グール「アー……」
女騎士「久しぶりの土の中が心地よくて、ずっと寝てた……?」
グール「アー……」
女騎士「ごめんなさい……じゃないだろぉ! どれだけ心配したと思ってるんだ!」
グール「アー……」
女騎士「……ごめんなさいはもういいよ。他に言うことがあるだろう」
グール「アー? ……ア」
グール「タダイマ」
女騎士「おかえりっ」
グール「アー」
女騎士「深く穴を掘って土の中に埋まってた!? 窒息は……あ、酸素いらないのか……」
グール「アー」
女騎士「で、でも何日も探したのに! 火が治まって大分経つのになんでずっと埋まってたんだ!」
グール「アー……」
女騎士「久しぶりの土の中が心地よくて、ずっと寝てた……?」
グール「アー……」
女騎士「ごめんなさい……じゃないだろぉ! どれだけ心配したと思ってるんだ!」
グール「アー……」
女騎士「……ごめんなさいはもういいよ。他に言うことがあるだろう」
グール「アー? ……ア」
グール「タダイマ」
女騎士「おかえりっ」
135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/11/04(金) 18:36:48.46 ID:Yeduoqw40
女騎士「……」
グール「アー?」
女騎士「……墓、どうしよう。こんなに立派な物作ってもらっておいて、取っ払ってしまうのは……」
グール「アー」
女騎士「え? 寝床にする……あ、そう……」
グール「アー」
女騎士「ごきげんだな……ああ、そうだ。今日はわたしが飯の当番だった」
グール「ア、アー!?」
女騎士「ちょうどいい。英雄の帰還祝いに、腕によりをかけてやるよ」
グール「アー……」
女騎士「もう一日寝てればよかった……どういう意味だ?」
グール「アー」
おわり
グール「アー?」
女騎士「……墓、どうしよう。こんなに立派な物作ってもらっておいて、取っ払ってしまうのは……」
グール「アー」
女騎士「え? 寝床にする……あ、そう……」
グール「アー」
女騎士「ごきげんだな……ああ、そうだ。今日はわたしが飯の当番だった」
グール「ア、アー!?」
女騎士「ちょうどいい。英雄の帰還祝いに、腕によりをかけてやるよ」
グール「アー……」
女騎士「もう一日寝てればよかった……どういう意味だ?」
グール「アー」
おわり
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