1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 12:25:10.85 ID:+A/H7pyg0
ダル「今日じゃなくておとといな件」

岡部「何!? まさか俺はいつの間にかタイムリープを……?」

紅莉栖「ラボに引きこもってるから日付感覚がなくなるのよ」

岡部「フッ、それは生粋の科学者であるキサマとて同じであろう。たまには若者らしく外へ出てみてはどうだ?」

紅莉栖「あんたに言われたくないわよ、この引きこもり厨二病患者!」

岡部「そんなに褒めても何も出んぞ?」

紅莉栖「褒めてないわっ!」

ダル「夫婦漫才とかよそでやってくれません?」

岡部・紅莉栖「夫婦とか言うな!」





※シュタゲネタバレ注意(アニメ組はスルー推奨)
※比翼恋理本編の話はいっさいでてきません

引用元: 岡部「比翼恋理のだーりんが本日発売されたようだな」 




4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 12:28:53.52 ID:+A/H7pyg0
まゆり「じゅーしーからあげなんばわん、わんっ♪」

紅莉栖「おはよう、まゆり」

まゆり「おはよー」

岡部「これでラボにしょっちゅう来る面子が揃ったわけか。やれやれ、揃いもそろって暇人だな」

ダル「本日のお前が言うなスレはここですか?」

紅莉栖「まったくね。岡部にだけは暇人なんて言われたくない」

岡部「ぐぬぬ、まぁいい。そろそろ本日の作戦に移る。今回の作戦は非常にデリケートだ」

まゆり「もしかして、何か危ないことでもするの?」

岡部「ククク、その通り。なぜならターゲットとなる物品を入手することで世界線が異常な変動をしたという状況をさいげ……」

紅莉栖「ただゲームを買いに行くだけよ」

岡部「おい助手。人の丁寧な説明の邪魔をする気か」

ダル「オカリンの説明長すぎな上にイミフだお」

紅莉栖「そうよ。あんたの厨二病に付き合ってたら日が暮れちゃうわ」

まゆり「よかった、危ないことじゃないんだね」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 12:30:52.19 ID:+A/H7pyg0
紅莉栖「まったく、くだらないことでまゆりを心配させないでよね」

岡部「む……悪かった、まゆり」

まゆり「あ、頭なんて下げなくてもいいよオカリン」

岡部「やれやれ、この鳳凰院凶真が頭を下げるなんて超レアなシーンを自らの手で終了させるとは……後で後悔するなよ?」

まゆり「全然しないよ?」

ダル「写メ撮っておいたからいつでも見れるよ! やったねオカリン!」

紅莉栖「橋田GJ」

岡部「今すぐ消せ!」

ダル「あ、手が滑って牧瀬氏とまゆ氏のケータイに送っちゃいました」

岡部「ノオオオオオオオオオオッ!」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 12:33:45.45 ID:+A/H7pyg0
岡部「き、気をとりなおして、いい加減作戦に移るとしよう」

岡部「作戦内容はいたってシンプル。STEINS;GATE 比翼恋理のだーりんというゲームソフトを購入する、それだけだ」

岡部「質問がある者はいるか?」

ダル「ほい」

岡部「なんだ、ダル」

ダル「STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん……これ長いんで、以下だーりんって略称でおk?」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 12:36:27.94 ID:+A/H7pyg0
まゆり「だーりん? だーりん……だーりん♪」

岡部「グハァ!」

ダル「うはっ、これはなかなかの破壊力すな」

紅莉栖「このHE  どもめ!」

ダル「罵ったね……もっと罵ってくれ!」

紅莉栖「リアルでAAネタとか自重。微妙に改変してるせいでまともな人間にはわかんねーから!」

岡部「確かに、お前はまともな人間ではない。だが自分で言うのは悲しすぎるだろう?」

紅莉栖「あ……いちいち揚げ足とらないでよ!」

ダル「大丈夫だ、牧瀬氏。オカリンも僕もまともな人間じゃないから」

紅莉栖「あんたたちと一緒にしないでちょうだい」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 12:39:33.44 ID:+A/H7pyg0
紅莉栖「私もひとつ、質問いいかしら」

岡部「助手の質問を許可する」

紅莉栖「大学生に聞くような質問じゃないんだけど、お金はあるの?」

ダル「比翼恋理は通常版が税込6,090円、限定版が9,240円」

ダル「あとSTEINS;GATE本編とセットのダブルパックってのもあるっすな……これは税込9,240円だお」

岡部「限定版は3,150円も高いのか。一体何が違うというのだ」

まゆり「それはもちろん、何か特典がつくんだよ~」

ダル「リミックスサントラCDと、去年のコミマで限定販売されたメタルフィギュアを小さくしたものが付属するっぽい」

紅莉栖「それで3,150円……高いのか安いのかよく分からないわね」

岡部「サントラのボリューム次第だな、個人的には」

ダル「このフィギュアがフェイリスたんの胸像とかだったら10k高くても出す!」

まゆり「ダル君は本当にフェリスちゃんが好きだねぇ」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 12:42:32.27 ID:+A/H7pyg0
岡部「ダルよ、そのフィギュアは一体どのようなものなのだ?」

ダル「なんかよく分からない物体としか言いようがない」

岡部「それは誰得なのだ……。どれどれ、いったいどんな物体なんだ」

岡部「!」

岡部(これはあの時の……そうか、俺以外は誰も覚えてない。いや、知らないんだな)

岡部(フッ……これに目をつけるとは、製作者はなかなかいいセンスを持ってるじゃないか)

まゆり「なんだろ、これ。なんか宇宙を漂ってそうだね」

紅莉栖「これなら別に通常版でいいんじゃないかしら」

岡部「いいや、限定版を買おう」

紅莉栖「え」

岡部「この物体、気に入った」

ダル「まぁオカリンのお金ですし、どっちでもおk」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 12:45:13.73 ID:+A/H7pyg0
岡部「よし、そうと決まればさっそく行くとしようではないか」

ダル「留守番してますね、最近暑いし湿度高いし」

まゆり「まゆしぃはオカリンについて行きまーす♪」

紅莉栖「私も行くわ。岡部だけじゃ不安だもの」

岡部「子供扱いするな!」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 12:49:25.39 ID:+A/H7pyg0
岡部「どこの店も売り切れ、だと……? 馬鹿な、アキバでこんな事があっていいのか! いいや、よくない!」

紅莉栖「通常版ならあったじゃない。当日に買わなかった岡部が悪い。妥協しなさい」

まゆり「限定版は生産数も少ないからねぇ」

ダル「これだから情弱は困る」

岡部「あのメタルフィギュアは絶対に我が手中に収めねばならんというのに!」

紅莉栖「なんでそこまであんなのにこだわるのよ」

岡部「俺やお前たちを救ってくれた存在だからな……」

まゆり「?」

岡部「いや、なんでもないさ」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 12:52:50.32 ID:+A/H7pyg0
岡部「やむをえん。助手よ、タイムリープマシンを使うぞ」

紅莉栖「ちょっと、あんた本気で言ってる?」

岡部「本気と書いてマジと読むぐらい本気だ」

紅莉栖「こんなくだらないことで使って大丈夫なの?」

ダル「大丈夫じゃない、問題だ」

岡部「大丈夫だ、問題ない」

岡部(タイムリープマシンなら、Dメールと違ってエシュロンに捕らえられることもないはず)

まゆり「だめだよ、オカリン。危ないことはやらないって言ったでしょ」

岡部「安心しろ。別に危なくなどない」

紅莉栖「どこがだ。タイムリープマシン使ったら、アンタどうなるか分かんないのよ」

ダル「そうそう。理論上では問題ないとは言っても、実際には何が起きるか分かんないんだぜ?

岡部「既に数えきれぬほど使っている。弊害など……ないさ」

紅莉栖「妄想乙。これ、数日前に完成したばかりじゃない」

岡部「とにかく! 俺は必ずあれを手に入れなければならんのだ……分かってくれ、まゆり」

まゆり「オカリン……」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 12:55:14.78 ID:+A/H7pyg0
まゆり「わかった。でも絶対に無茶なことしないでね?」

紅莉栖「ちょっとまゆり!」

まゆり「こんな真剣な顔してるオカリンを見たら、仕方ないかなって……」

岡部「俺はいつだって真剣だぞ? フゥーハハハ!」

紅莉栖「ったく……分かったわよ。準備すればいいんでしょ。橋田、手伝って」

ダル「オーキードーキー」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 13:00:30.60 ID:+A/H7pyg0
紅莉栖「オーケー、いつでもいいわよ」

ダル「戻る時間はオカリンが設定してくれよな」

岡部「今が6/18の13:01だから……そうだな、52時間30分前。6/16の8:30ぐらいに戻るとしよう」

まゆり「それぐらいの時間なら、すぐにお店に並べば大丈夫だと思うよ」

紅莉栖「それじゃ、いってらっしゃい」

ダル「いってらー」

まゆり「いってらっしゃい、オカリン」

岡部「フッ……鳳凰院凶真、出撃する!」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 13:04:54.85 ID:+A/H7pyg0
かゆい。かゆい。かゆいかゆいかゆいかゆい。

頭の中がかゆい。虫か何かが頭のあちらこちらを動きまわってたりするのか。

頭をこじ開けてでもかきたいぐらいにかゆい。

久々のタイムリープなせいか、かゆい。とにかくかゆい。

いつになったら終わるんだ、この感覚は。かゆいかゆいかゆい。

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 13:07:25.35 ID:+A/H7pyg0
岡部「ここは、ラボ?」

岡部「頭のかゆみはもうないようだ……ふぅ」

岡部「さすがにまだ誰も来てないか。とにかく、だーりんを買いに行くとしよう」

岡部「おっとその前に、書置きでも残しておかねばな」


ちょっとだーりんに会いに行ってくる by岡部

27: >>25 たぶん 2011/06/18(土) 13:11:09.62 ID:+A/H7pyg0
岡部「人が少し並んでるが、まぁこれぐらいなら問題ないだろう」

岡部「しかし、1時間少々並び続けるのは苦痛だな」

岡部(そういえば今回の作戦の名前を決めていなかった)

岡部(うーむ、比翼恋理、だーりん……この辺りを上手く利用したいところだが)

岡部(いや、やはりいつもどおり北欧神話に走るべきか?)

岡部「…………」

岡部「お、開いたか。店内に突入するとしよう」

岡部「入って目の前にだーりん発見! 光速で駆けろ我が足よ!」

岡部「よし、限定版発見……なに、8190円? 定価より1割ほど安いな」

岡部「なけなしの我が諭吉よ、さらばだ」

30: >>25 たぶん 2011/06/18(土) 13:15:36.37 ID:+A/H7pyg0
岡部「ここに愛を司る女神作戦(オペレーション・フレイヤ)は成就した!」

岡部「……俺だ、作戦は成功。"機関"の妨害も多々あったが、俺の手にかかれば大したことはなかったな」

岡部「なに、油断するなだと? ラボに帰還するまで作戦は終了していない……なるほど、その通りだ。忠告、感謝する」

岡部「俺がラボに無事に帰還する、これが運命石の扉(シュタインズ・ゲート)の選択だ――エル・プサイ・コングルゥ」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 13:19:53.04 ID:+A/H7pyg0
岡部「ラボに帰る前に、アレを見てみるか」パカッ

岡部「Future Gadget 204……なかなかいい出来だな」

岡部(未来からのタイムトラベラー、阿万音鈴羽……彼女はどんな未来を生きて行くのだろうか)

岡部(今までの世界線のような、絶望的な未来でないことを祈ろう)

岡部(だが一番の心配は、ダルの奴が結婚するかどうかだな……)

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 13:22:53.37 ID:+A/H7pyg0
岡部「鳳凰院凶真、ただいま帰還した!」

岡部「む、3人とも来てたのか。今日はずいぶんと早いじゃないか」

ダル「あ、オカリン」

紅莉栖「岡部! あ、あんたってソッチ系のケがあったのね……」

まゆり「まゆしぃは応援するよ! 世間の風当たりは辛いだろうけど、頑張ってね!」

岡部「い、一体何の話だ!?」

紅莉栖「書置きまでしておいて、なんで今さら隠すのよ」

まゆり「ダーリンとはちゃんと会えた?」

岡部「無論だ。俺が作戦を失敗するはずがない」

ダル「で、だーりんはどんな奴なの? まぁ十中八九るか氏だろうけど」ハァハァ

紅莉栖「ハァハァするなこのHE  ! でもまぁ、漆原さんなら仕方ないわよね」

まゆり「うんうん。ルカ君可愛いもんね~。オカリンにお姫様抱っこされてるルカ君とか見たいなぁ」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 13:24:33.19 ID:+A/H7pyg0
岡部「さっきから何を言っている? るか子がどうしたんだ。それに、だーりんならここにあるではないか」

紅莉栖「ま、まさか脳内旦那?」

ダル「さすがオカリン! おれたちにできない事を平然とやってのけるッ。そこにシビれる! あこがれるゥ!」

まゆり「オカリンはまゆしぃの手の届かない所までいっちゃったのです……」

紅莉栖「それを黙って見送ってあげるのが私たちの役目よ、まゆり」

岡部「……お前たちがロクでもないことを考えてることだけは分かった」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 13:28:09.01 ID:+A/H7pyg0
まゆり「ごめんね~、オカリン」

紅莉栖「アンタの書き置きが紛らわしいのよ」

ダル「狙って書いたってレベルじゃねーぞ! せっかくるか氏でハァハァしてたのに」

岡部「……まぁ今日の俺は気分がいいからな。許してやろう」

岡部「ダルよ、このディスクをパソコンにいれてくれ」

ダル「は?」

岡部「どうした」

ダル「どうしたもこうしたも、これ箱○のゲームじゃないっすか」

岡部「なん、だと……?」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 13:31:54.98 ID:+A/H7pyg0
紅莉栖「アンタ、パッケージぐらい見なさいよ」

まゆり「ラボに箱○はないよ~?」

岡部「むむむ……誰か箱○を持っていないのか」

ダル「僕は持ってるお」

岡部「よし、すぐにラボまで……」

ダル「お断りします」

岡部「なぜだっ!」

ダル「あんな重い物、家からここまで持ってくるとかそれなんて拷問ですか?」

岡部「フェイリスの靴下でどうだ」

紅莉栖「ちょ、アンタなに言って……」

ダル「全力で持ってこざるをえない!」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 13:35:00.60 ID:+A/H7pyg0
まゆり「すごい勢いで走っていったね……」

紅莉栖「これだからHE  は困る。てか岡部、なんでフェイリスさんの靴下なんて持ってんのよ?」

岡部「持ってるわけないだろう」

紅莉栖「ないわー……」

岡部「まぁさすがに何もやらんというのではかわいそうだ。この鳳凰院凶真の脱ぎたての靴下を……」

まゆり「ダルくんならフェリスちゃんの靴下じゃないってすぐ分かると思うよ」

紅莉栖「というかそれ、女の子が履くようなデザインじゃないだろ!」

岡部「盲点だった!」トゥットゥルートゥットゥルートゥットゥルー

岡部「む、電話? ダルか」ピッ

岡部「俺だ、どうしたダルよ」

ダル『ごめんオカリン。箱○、階段から落下してお亡くなりになりますた』

岡部「何!? まさかこれも"機関"の仕業……ではなく、ダルよ。お前は大丈夫なのか!?」

ダル『僕は特に怪我とかないけど、フェイリスたんの靴下が……』

岡部「そんな心配してられるなら大丈夫だな」

ダル『ちょ、オカリ……』ピッ

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 13:38:09.77 ID:+A/H7pyg0
岡部「クソッ! まさかこの世界線では俺がだーりんをプレイすることが出来ないという結果に収束するのか!」

岡部「いや、まだ2度失敗しただけだ。諦めんぞ! 助手、タイムリープマシンの準備だ!」

紅莉栖「はぁ?」

岡部「数時間前に戻り、俺はダルと共に箱○を取りに行く!」

紅莉栖「そんなくだらないことで使うの?」

岡部「くだらなくなどない! このゲームをプレイすることで……」

まゆり「紅莉栖ちゃん、まゆしぃからもお願い。今のオカリン、なんだかとても真剣みたいだし……」

紅莉栖「まゆり……分かったわよ」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 13:41:55.07 ID:+A/H7pyg0
紅莉栖「準備出来たわ、いつでもどうぞ」

岡部「感謝するぞ助手」

まゆり「気をつけてね、オカリン」

岡部「あぁ、分かってるさ」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 13:43:45.89 ID:+A/H7pyg0
ダル「ン……カリン」

岡部「ん? どうしたダァルよ」

ダル「フェイリスたんの靴下ってマジっすか?」

岡部(戻ってこれたようだな)

岡部「あぁもちろんだ」

紅莉栖「HE  どもめ……」

ダル「んじゃ早速行ってきますね」

岡部「待て、俺も行こう。あれは確か35kgも重量があるのだろう? 一人では危険だ」

ダル「35kgもあるゲーム機ってなんなんスかwwww」

ダル「まぁ手伝ってくれるのは助かるけど。ありがとう、そしてありがとう!」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 13:46:05.98 ID:+A/H7pyg0
岡部「む……35kgはないが、結構重いなこれ」

岡部「念のため俺が持って行こう……む、俺のかばんには入らん」

ダル「このリュックなら入るっしょ。ほい」

岡部「サンキュー」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 13:51:09.20 ID:+A/H7pyg0
岡部「この角を曲がれば駅だったか?」

ダル「そそ」

岡部「さっさと電車に乗りたいところだ、結構疲れる」

ダル「これだからヒッキーは困る」

岡部「ダルだけには言われたくないな……っておわっ!」どがーん

「きゃっ!」

岡部「くっ。あ痛たたた……」

「ご、ごめんなさい! 怪我はありませんか」

岡部「あ、あぁ。大丈夫だ。」

「よ、よかった。って少し足が切れてますよ。ばんそうこう貼っておきますね」

岡部「悪いな」

「いえ、私のせいですし。それでは」

岡部(MTBに乗る女、か……どこぞのバイト戦士を思い出すな)

ダル「これだから一級フラグ建築士は困る」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 13:56:24.29 ID:+A/H7pyg0
岡部「あ、箱○!」

ダル「ぶつかった時、おもいっくそリュック下敷きになってしまいましたなぁ」

岡部「ボディがかなりひしゃげてるんだが」

ダル「こりゃー、駄目かもしれませんね」

岡部「ダルの家に戻って確かめてみるしかないな」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 13:59:46.03 ID:+A/H7pyg0
岡部「おわた」

ダル「ぼ、僕の箱○が……」

岡部「すまん、ダル!」

ダル「まぁあれは事故だし、ちかないね」

岡部「そうは言っても俺の責任だからな。弁償はする」

ダル「んな金あるんすか?」

岡部「今はない、が……毎月少しずつ返していくということで許してくれないか」

ダル「おk」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 14:02:05.27 ID:+A/H7pyg0
俺はラボに戻り再びタイムリープを行った。

3回目。曲がり角に注意して歩いたが、駅の階段でつまづいて箱○粉砕。
4回目。駅のホームで電車を待ってる間、少し肩が痛いのでリュックを床に置こうとして駅のホームに落下。電車に踏み潰された。
7回目。ラボまで無事に持ってこれたものの、家賃滞納していたせいでミスターブラウンに取り上げられてしまった。
      ゲームで遊んでる暇があったらバイト増やせ……返す言葉もなかった。
10回目。ダルに箱◯を郵送で送らせてみたが、それを運ぶトラックが事故に遭ってしまった。

??回目。なんとかラボに着き、箱○をテレビに繋げ起動。しかし起動しない。いつの間にか壊れていたのか?


世界はなぜ俺がだーりんをプレイすることをそこまで拒むのだ。
いや、そこに理由などないな。まゆりの時同様。
とりあえずタイムリープだ、箱○を取りに行く前に。

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 14:05:24.28 ID:+A/H7pyg0
紅莉栖「ちょっと、岡部。アンタ大丈夫なの?」

岡部「な、何がだ?」

まゆり「気付いてないの?」

岡部「何の話をしているのだ」

紅莉栖「こりゃ重症ね。ちょっと岡部借りるわよ」

ダル「これだからリア充は……って箱○どうするん?」

紅莉栖「今日は中止ってことで」

岡部「おい何を言っているのだ助手」

紅莉栖「うるさい、病人は少し黙ってなさい」

岡部「病人?」

まゆり「オカリン、顔真っ青だよ……」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 14:10:12.21 ID:+A/H7pyg0
岡部「で、外に連れ出して何をするつもりだ」

紅莉栖「アンタがタイムリープしたのは分かってる」

岡部「!」

紅莉栖「今まで体験してきたこと、話して」

岡部「さすが助手と言ったところか。いいだろう……」

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 14:13:27.39 ID:+A/H7pyg0
紅莉栖「…………」

岡部「どうしたクリスティーナよ。恐怖のあまり声も出ないか?」

紅莉栖「まさか。呆れて物も言えないだけよ」

岡部「何?」

紅莉栖「ていうかこんなの簡単に解決できるじゃない」

紅莉栖「橋田さんの箱○が絶対に壊れてしまうのなら、別の箱○を用意すればいいのよ」

紅莉栖「そう。例えば、お店で買うとか」

54:   2011/06/18(土) 14:17:20.16 ID:+A/H7pyg0
岡部「クリスティーナよ、素晴らしいアイデアだと言いたいところだが……」

紅莉栖「なによ」

岡部「この世界線では箱○でだーりんをプレイできないという結果に収束するのなら、別の箱○を用意しても無駄では?」

紅莉栖「まだ分からないじゃない。橋田の箱○が壊れる、というだけかもしれない」

岡部「なるほどな……。だがまだ問題があるのだ」

岡部「それはズバァリッ、この鳳凰院凶真には箱○を買う金がない!」

紅莉栖「うわぁ……」

岡部「憐れむような目で見るな!」

紅莉栖「……仕方ないわね。少しぐらい貸してあげるわよ」

岡部「ほ、本気なのか?」

紅莉栖「べ、別に岡部の為に貸すんじゃないんだからね! いつまでもタイムリープを繰り返されても困るっていうだけよ」

岡部「ツンデレクリスティーナァアアア!」

紅莉栖「誰がツンデレか。まったく……こういうときはひとりで抱え込まないで、誰かに頼りなさいよね」

岡部「そうだな。すまん」

岡部(あの時と同じだ。また助手に助けられてしまった)

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 14:21:25.23 ID:+A/H7pyg0
岡部「箱○が6,800円、だと? 中古ならかなり安いな」

紅莉栖「ゲームハードを中古で買う奴は情弱もいいところよ。特に箱○は絶対に中古で買うな」

岡部「そうなると、新品で一番安い奴だな。16,800円、これにしよう」

紅莉栖「アンタねぇ……それ、容量4GBのモデルよ?」

岡部「だーりんをプレイするだけなら容量などさほど必要あるまい」

紅莉栖「まぁ4GBあればだーりんをインスコするぐらいできるわ」

紅莉栖「でも、もしかしたら他のゲームやりたくなるかもしれないじゃない」

岡部「そんな時はラボに転がっているハードディスクを使えばいいだけではないか?」

紅莉栖「残念ながら箱○のデータを保存する際には専用のハードディスクじゃないとだめなのよ」

岡部「なに! 汚いぞマイクロ◯フトめ!」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 14:26:10.29 ID:+A/H7pyg0
紅莉栖「安物買いの銭失いほど愚かなことはないわ……ここは250GBモデルを買いましょう」

岡部「しかし26,800円か。1諭吉も高いが、いいのか」

紅莉栖「アンタも出せるだけは出しなさいよ?」

岡部「俺が今出せそうなのは……5,000円ぐらいだ」

紅莉栖「分かった」

岡部「何から何まですまんな、紅莉栖」

紅莉栖「い、いきなり名前で呼ばないでよ……もう」

岡部「お前には感謝してる」

紅莉栖「何よ。岡部らしくないわね」

岡部「た、たまにはデレて置かないとなっ」

紅莉栖「はいはい。顔真っ赤よ」

岡部「そういう紅莉栖だって赤いぞ」

紅莉栖「なっ……そんな筈がないじゃない」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 14:29:23.69 ID:+A/H7pyg0
岡部「さて、ようやくラボに箱○が降臨したぞ」

ダル「んじゃオカリン、だーりんを箱○たんに●●してくだしあ」

まゆり「だーりん×箱○……ダルくんは●●●だねぇ」

紅莉栖「ちょっと橋田、まゆりに変なこと教えないで!」

ダル「変なことってどんなことでしょうか?」

紅莉栖「くっ、これだからHE  は困るのよ!」

岡部「HE  じゃないダルなんてダルじゃないさ」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 14:33:05.61 ID:+A/H7pyg0
まゆり「オカリンも変 さんだよね」

岡部「一緒にするな! 無機物×無機物など俺には理解できん!」

紅莉栖「あー、もうHE  話はいいから。早く起動しなさい!」

岡部「フッ、分かった分かった」

岡部「新たなる世界線への鍵(キー・オブ・ザ・アナザー・ワールド)、承認!」

ダル「了解! 新たなる世界線への鍵、プログラム……ドライブッ!」

まゆり「よっしゃあ!」

紅莉栖「???」

「そこまでよ」ブチッ

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 14:36:43.86 ID:+A/H7pyg0
岡部「キ、キサマは桐生萌郁!」

萌郁「なんで、私の名前を?」

岡部「孤独の観測者だからな」

ダル「いきなりコンセント引っこ抜くとは……あなたは僕の母親ですか?」

萌郁「は、はぁ?」

まゆり「きれいな人だね~。オカリンの友達?」

紅莉栖「何か、殺気みたいなものを感じるんだけど……」

岡部「キサマの目的は何だ」

萌郁のケータイ「あなた達がSTEINS;GATE 比翼恋理のだーりんを、プレイするのを阻止することよ」

岡部「こんな状況でもお前はケータイを使うのか……ってかどういうことだ」

岡部「キサマ、ラウンダーなのだろう? 俺や紅莉栖、ダルを拉致するとかではないのか」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 14:40:58.13 ID:+A/H7pyg0
萌郁「ラウンダーを知ってるなんて……何者?」

萌郁のケータイ「でももうラウンダーは存在しない」

萌郁のケータイ「ある企業の重役の排除をSERNがラウンダーに命令したのだけれど、失敗した」

萌郁のケータイ「それも、SERNとラウンダーの存在が世間にばれてしまうような失敗」

萌郁のケータイ「ラウンダーのような存在が明るみに出てはまずい。だから、そんなものはなかった……ということにしたの」

紅莉栖「そんな組織だったの…、SERNって」

岡部「しかし、それならお前たちは消されているはずでは?」

萌郁のケータイ「そう……でも、FBが助けてくれた。ラウンダーを大勢集めてSERNに反抗したのよ」

岡部「なるほど、事情は分かった」

岡部「だがなぜ、俺がだーりんをプレイすることを阻止しようとするのだ」

萌郁「それは、言えない。FBのプライベートに、関わる」

ダル「っていうかFBって誰?」

萌郁「教えると、思うの?」

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 14:43:59.62 ID:+A/H7pyg0
紅莉栖「なんでそのFBって奴は自分でやらないのかしら」

岡部「俺たちと面識のある人物だからだろう」

萌郁「!」

岡部「さらに言えば、それなりに親しい位置に居るな。だから人に任せた」

萌郁「な、何を」

岡部「どうせ聞こえてるんだろう。ミスターブラウン?」

萌郁「え、ミスター?」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 14:47:49.35 ID:+A/H7pyg0
ブラウン「何もかもお見通しだったってわけか。参ったな」

萌郁「え、え……? FBが男だなんて……」

ブラウン「俺への依存の次は現実逃避か? 逃避はよくねぇって教えたはずだがな、M4」

萌郁「FB」

ブラウン「何だ」

萌郁「そ、その……」

ブラウン「言いたいことがあるなら、早く言ったらどうだ」

萌郁「私と、その、お、お……お付き合いしてください!」

岡部「なっ!?」

ダル「犯罪的すな」

まゆり「ごくり」

紅莉栖「訳が分からないわ」

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 14:52:47.67 ID:+A/H7pyg0
萌郁「FBの、こと。お母さんみたいだって、思ってた」

萌郁「でも時々、もしFBが男の人だったら、いいのにって……考えてた」

萌郁「FBは私が信頼できる、唯一の人。FBと、恋人になれたら、とってもいいなって……」

ブラウン「馬鹿だな。メールに女口調で丁寧に全レスしてやったのは、お前を信頼させるために計算してやったことなんだよ」

岡部「ミスターブラウン……あなたという人は!」

萌郁「それでも、いい」

ブラウン「!」

萌郁「それでも、うれしかったから」

ブラウン「ったく、本当に馬鹿だよお前は……」ギュッ

萌郁「きゃ」

ダル「ブラウン氏が眼鏡っ子を抱きしめた……ペロッ、これは犯罪!」

紅莉栖「ちょっと黙ってろ」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 14:57:39.89 ID:+A/H7pyg0
ブラウン「悪い、お前の気持ちには答えられねぇ。俺は結婚してて娘も居る。カミさんはとっくに逝っちまったが……」

萌郁「そう、だったんだ……」

萌郁「でも、気持ち伝えられて、よかった」

ブラウン「……そうか」

まゆり「よく分からないけど、よかったよぉ」

紅莉栖「他人の告白シーンを見るなんて、初めてだわ……」ドキドキ

岡部「普通は見ることなんてないだろう」

ダル「何十歳も年下に告白されるとか、ブラウン氏のリア充レベルがヤバい!」

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 15:01:17.05 ID:+A/H7pyg0
岡部「ミスターブラウン」

ブラウン「なんだ、岡部」

岡部「なぜ我々がだーりんをプレイするのを阻止しようとしたんですか?」

ブラウン「そりゃあお前、アレだ」

岡部「ア、アレとは?」

ブラウン「お前なんかに俺の可愛い綯と恋愛なんてさせるわけにはいかねぇんだよ!」

岡部「はい?」

ダル「は?」

紅莉栖「はぁ?」

まゆり「?」

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 15:04:56.45 ID:+A/H7pyg0
岡部「ミスターブラウン」

ブラウン「なんだ?」

岡部「あなたの娘、天王寺綯はだーりんの攻略対象ではありません(たぶん)」

ブラウン「ば、馬鹿な!? あんなに可愛い綯が攻略できないだと!」

ダル「魅力あるサブキャラを攻略できないと知ったときの悲しみは異常。ロリキャラは特にその傾向が強いと思われ」

ダル「某●●●では攻略できるけど本番がないという鬼畜仕様もありした」

紅莉栖「それじゃ、ただのギャルゲじゃない!」

まゆり「サブキャラはファンディスクで補完されること多いよねぇ」

萌郁「何の、話……?」

岡部「閃光の指圧師(シャイニング・フィンガー)は知らなくていいことだ!」

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/18(土) 15:11:07.37 ID:+A/H7pyg0
ブラウン「綯が攻略できないとはな。勘違いして悪かった」

岡部「プレイ中にコンセントを引っこ抜くなんて行為、もうやめてくださいよ。ゲーム本体が壊れかねません」

萌郁「ごめんなさい……」

紅莉栖「インスコ中だったらヤバかったわね」

まゆり「それじゃ、気を取りなおしてもう一度電源入れよっ」

ダル「おk、コンセント差したお」

岡部「STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん、起動。未知なる世界線をここに示せ!」

あったかもしれないラボメンたちとの物語が、扉を開けた。


おわり