1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 00:23:16.34 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「今日から高校生かー」

    矢部「パワプロ君、おはようでやんす!」

    パワプロ「あ、矢部君おはよう」

    矢部「今日からオイラ達も高校生でやんすね。よろしく頼むでやんす」

    パワプロ「うん、こちらこそ!」


    教室

    ざわざわ・・・

    パワプロ「中学の同級生は殆どいないなぁ」

    矢部「オイラ人みしりでやんすからパワプロ君が一緒で良かったでやんす!」

    ガラガラ・・・・

    パワプロ「あ、先生だ」


2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 00:24:37.62 ID:ypDwocMb0
    マヤ「皆さん、おはようございます。私が皆さんの担任の伊吹マヤです」

    矢部「おお!若々しい先生でやんすー!」

    パワプロ「や、矢部君静かに・・・」

    伊吹「頼りない担任だと思いますが、みんな、仲良くしてやってくださいね?」

    矢部「はいでやんすーー!」

    (わはははは)

    パワプロ「何処が人見知りだよ」

    マヤ「では、皆さんに一人一人自己紹介してもらいましょうか・・・まず、君から」

    ・・・・

    「よろしくお願いします!」

    パチパチ・・

    マヤ「はい、では次・・・碇君」

4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 00:25:42.55 ID:ypDwocMb0
    シンジ「・・・碇シンジです。・・・よろしく」

    矢部「・・・」

    パワプロ「・・・」

    「・・・」

    シンジ「い、以上です」

    パチ・・・パチパチパチ・・・

    矢部「暗い感じの人でやんすね」

    パワプロ「うん・・・でも碇って校長先生と同じ苗字だよね」

    矢部「まさか、ただの偶然でやんすよ」

    ・・・・

    マヤ「はい、次はパワプロ君」

    パワプロ「はい、○○中学から来ましたパワプロです!野球が何より大好きです!ヨロシクお願いします!」

    パチパチパチ・・・

    マヤ「(野球好きなんだ・・・でも・・・)」

 

5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 00:26:41.18 ID:ypDwocMb0
    マヤ「はい、じゃあ最後ね。矢部君」

    矢部「はいでやんす!オイラ矢部明雄でやんす!パワプロ君と同じ中学出身でやんす!どうぞヨロシクでやんす!!」

    パチパチ・・・

    マヤ「以上ね。・・・じゃあみんな、これから一年間よろしくね!」



    パワプロ「さて、さっそく野球部に行こう!」

    矢部「パワプロ君、やる気まんまんでやんす」

    マヤ「え~っと・・パワプロ君、だったよね?」

    パワプロ「あ、先生!」

    矢部「何か用でやんすか?」

    マヤ「この高校でも野球部に入るつもりなの?」

    パワプロ「はい、それはもちろん!」

    矢部「オイラもでやんす!」

    マヤ「そっか、じゃあ校長先生に会いに行きましょうか」

    パワプロ「はい!(・・なんで校長先生に会いに行くんだ?)」

6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 00:27:37.08 ID:ypDwocMb0
    職員室

    マヤ「冬月教頭、すみません。お時間よろしいですか?」

    冬月「ん・・・伊吹先生か、なにか?」

    マヤ「私のクラスの生徒のパワプロ君と矢部君です。彼らが野球部に入りたいと言ってきましたので連れてきました」

    パワプロ「よろしくお願いします!」

    矢部「やんす!!」

    冬月「そうか・・わかった、校長には私から伝えとこう。それで、監督は伊吹先生がやるというのかね?」

    マヤ「はい、頑張ります!」

    パワプロ「???」

    マヤ「ああ、実はね・・・」

    ・・・・

7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 00:28:20.58 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「な・・・」

    矢部「なんだってーーーでやんす!」

    冬月「そんなに大声を出すな」

    マヤ「この高校は去年から野球部は機能していなかったの」

    パワプロ「前の二年生とかはどうしたんです?」

    冬月「去年は入部希望者が一人もいなかったんだ。みんなサッカーやテニスの方に行ってしまってな」

    マヤ「これからは新生野球部として頑張りましょう!」

    矢部「・・・でも、二人じゃ試合に出れないでやんす」

    パワプロ「・・・」

    冬月「今年も入部希望者は0だと思ったが・・・2人でも来てくれると嬉しいものだな」

    マヤ「はい!それに、これからこの子達みたいに野球をやりたいっていう子が増えてくるかもしれませんし!」

    矢部「先生の言う通りでやんす」

    パワプロ「そうだね、俺達みたいに野球が好きな人はまだ何人もいるはずさ。すぐに集まるよ!」

    冬月「そうだといいのだがな」

8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 00:29:23.35 ID:ypDwocMb0
    ・・・パワプロ達が野球部に入って二週間後



    矢部「結局、今日まで一人も入部希望者が現れなかったでやんす」

    マヤ「う~ん・・・どうして?やっぱり皆、テニスとかサッカーに行っちゃうのかな・・・」

    パワプロ「仕方ない、こうなったら俺達が勧誘しよう」

    矢部「勧誘でやんすか!?オイラ、人見知りだから・・・」

    パワプロ「甘ったれた事いうな!矢部君は野球が好きって言ってたじゃないか!!こんな所で簡単に諦めるのか!?」

    矢部「ひえっ!ご、ごめんでやんす」

    パワプロ「俺はキャッチボールがメインの高校野球生活なんてゴメンだ!!絶対にメンバーを揃えて甲子園に行くんだ!!」

    矢部「(パワプロ君、野球の事になると人が変わるでやんす)」

    マヤ「そうだね。私も時間を見つけてパンフレットとか作ってみるね」

    パワプロ「お願いします!よし、矢部君行くぞ!!」

    矢部「ラ、ラジャーでやんす!」

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 00:31:58.73 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「さっそくやるぞ!!!」

    矢部「やっぱり他の部からの勧誘が一番でやんすかね?」

    パワプロ「いや、ウチの高校は野球部以外はだいたい人気があるらしい。それなのに野球部に入りませんかって言っても断られるだけだと思う」

    矢部「じゃあ・・・狙いは帰宅部でやんすか?」

    パワプロ「うん、それが一番説得しやす・・・ん?あれは・・・」

    矢部「?」

    田中山「さ~て帰ってゲームするぞ」

    パワプロ「田中山じゃないか!」

    田中山「え?あ、お前は同じ中学のパワプロ!」

    矢部「田中山君もこの高校に来てたでやんすか」

    パワプロ「田中山!一緒に野球をやらないか!?」

    田中山「ええ?なんで僕が?」

    矢部「せっかくの高校生活を帰宅部で過ごすなんて勿体無いにも程があるでやんす!!」

    田中山「ええ・・・でも僕は・・・」


12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 00:33:55.79 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「よし!決まったな!矢部君、行こう!」
    矢部「やんす!」
    田中山「あ、ちょ・・・」


    パワプロ「・・・というわけで一人目の入部者を見つけてきました!!」

    マヤ「よろしくね、田中山君!」

    田中山「まぁここまで来たら仕方ない。やってやるぞ~!」

    田中山が入部した!

    矢部「残りは6人でやんすか」

    パワプロ「のんびりしてられないよ!すぐに探そう!!」

    マヤ「待って、パワプロ君。今日は一人でも見つかったから良かったじゃない」

    パワプロ「監督、そんなノンキな事・・・」

    マヤ「焦っても何もいい事ないよ。無理に勧誘を進めたら逆に野球部の印象が悪くなってしまうかもしれないしね」

    パワプロ「う・・・」

    矢部「監督の言う通りでやんす。ゆっくり行こうでやんす」

    田中山「そうだそうだ、今日はもう帰ろう」

    パワプロ「仕方ない・・か」

 
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 00:39:30.93 ID:ypDwocMb0
    ピンポンパンポーン♪

    『野球部部員は至急職員室まで来てください』

    矢部「オイラ達でやんす」

    パワプロ「なんだろう?


    職員室

    パワプロ「失礼しまーす」

    マヤ「あ、来た来た」

    田中山「遅いぞ、お前達~」

    マヤ「喜んで、入部希望者が来たよ!」


    パワプロ「本当ですか!!」

    矢部「やったでやんす!!」

    マヤ「彼がその入部希望者のC組の奥居君」

    奥居「よろしく頼むぜ~」


    奥居が入部した!

16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 00:40:51.48 ID:ypDwocMb0
    矢部「田中山君と似てるでやんす!」

    田中山「ええ?そんなわけ・・・」

    パワプロ「俺はパワプロ、こっちは矢部君。よろしくな!」

    矢部「よろしくでやんす!!」

    奥居「オイラ、中学で野球やってたんだよ。役に立つぜ~」

    パワプロ「頼もしいな・・・!」

    矢部「後5人でやんすか」

    マヤ「いい調子で集まってきてるし、夏の予選には間に合いそうだね!」


    ――それから二週間後

    「悪い、俺テニスが好きなんだ」

    パワプロ「あ、待って・・・」

    矢部「今日も失敗でやんすか」

    奥居「後たった5人なんだけどな~」

    田中山「勧誘ばっかでまともな練習もできないなー」


18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 00:41:37.53 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「困ったな・・・ん?」

    シンジ「・・・」

    矢部「どうしたでやんす、パワプロ君」

    パワプロ「同じクラスの碇君だ。そういや彼にはまだ声かけてなかったな」
    タッタッタ・・・


    パワプロ「お~い、碇くーん!」

    シンジ「ん?・・あ、パワプロ君」

    パワプロ「これから帰り?」

    シンジ「うん、まぁね」

    パワプロ「碇君、野球とかに興味ない??」

    シンジ「え、野球・・・?」

19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 00:43:30.39 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「やっぱ高校生は体力が資本だからさ!基礎体力をつけるのにも野球部の練習はあってるし・・・」

    シンジ「でも僕、あまり運動は・・・」

    パワプロ「大丈夫だよ!やっていく内に慣れてくるから!!」

    矢部「そうでやんす!一緒に甲子園行こうでやんす!」

    シンジ「こ、甲子園?」

    パワプロ「うん!皆で協力して優勝するんだ!俺達が高校生活で何かを成し遂げたって事を証明するんだよ!」

    シンジ「(・・・証明か・・こんな僕でも・・・出来るのかな?)」

    矢部「・・・(あんまり掴みはよくないでやんす)」

    パワプロ「無理だったらいいんだよ。ちょっといきなりすぎたよね・・・」

    シンジ「・・・いや、やるよ。こんな僕でも役に立てるなら・・・」
    パワプロ「ほ、本当?」

    シンジ「うん、僕を野球部に入れてよ。役に立つかどうかわからないけどさ」

    矢部「おおお!決まったでやんす!」

    パワプロ「よし!さっそく監督の元へ行こう!!」

    碇シンジが入部した!

    シンジが入部した事により、不足している部員は後4人となった


21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 00:44:26.87 ID:ypDwocMb0

    ――3日後

    体育館

    ミサト「今日はバレーをするわよー?じゃあ男子と女子に別れて初めー!」

    ペンペン「クワックワッ」

    ピーーッ


    パワプロ「またバレーか・・・」

    矢部「雨が降ってるから仕方ないでやんす」

    シンジ「でもバレーばっかりってのも飽きてくるよね・・・」

    矢部「葛城先生がバレー部顧問でやんすからね。どうしても優先されてしまうでやんす」

    パワプロ「まぁ気持ちはわからないでもないよね。俺も体育教師やってたら野球ばっかやってたかも・・・」

    矢部「(パワプロ君はホント野球馬鹿でやんす)」


    シンジ「・・・」

    パワプロ「(ん?碇君、なに見てるんだ?)」

22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 00:46:03.21 ID:ypDwocMb0
    「綾波さん、また来るよーー!!」

    バシッ!!

    レイ「! くっ」

    バンッ

    「すごーい!綾波さーん!」

    「二回連続ブロックしたよーー!」

    レイ「・・・」コクリ


    シンジ「・・・すごい横っ飛びだ」

    パワプロ「うん・・・本当だ」

    矢部「同じクラスの綾波レイちゃんでやんすね。物静かでミステリアスな子でやんす」

    パワプロ「あの反射神経は凄いなぁ・・・」

    シンジ「あの子、野球部に入ってくれたら力になるんじゃないかな?」

    パワプロ「うん・・確かにそうかも・・・」

    矢部「あの集中力なら内野手向きでやんすね」

    シンジ「(じょ、冗談で言ったのに・・・)」

 
25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 00:48:11.79 ID:ypDwocMb0
    放課後

    矢部「教室にカバンを忘れてしまったでやんす。オイラの大事なポタカが盗まれてしまうでやんす」

    ガラガラ

    レイ「・・・」

    矢部「あ、綾波さん・・・でやんす」

    矢部「・・・(なんか気まずいでやんす)」

    矢部「(早くカバン持って部活に戻・・・

    (あの子、野球部に入ってくれたら力になるんじゃないかな?)

    矢部「・・・(まさか・・・まさかでやんすよね)」

    レイ「・・・」

    矢部「・・・・・・あ、あの綾波さん・・・」

    レイ「?」

    ・・・・

    矢部「・・・というわけで連れてきたでやんす」

26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 00:49:46.29 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「え・・?あ、綾波さん入ってくれるの?」

    レイ「・・・ええ」

    シンジ「(本当に来ちゃったよ・・・)」

    矢部「監督、いかがでやんしょか?」

    マヤ「本人がやりたいっていうんだからオッケーだよ!綾波さん、頑張ろうね!」

    レイ「・・・綾波レイ。・・・・よろしく」

    奥居「うっひょ~!まさかの女の子入部だぜ~!!」

    田中山「レイちゃん、よろしく!」

    レイ「・・・」コクリ

    綾波レイが入部した!

    カキーン

    レイ「!」
    パシッ

    パワプロ「おおっ!」

    矢部「一回で捕ったでやんす!!」

    シンジ「す、すごい」

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 00:51:17.33 ID:ypDwocMb0
    奥居「レイちゃん・・・普通にスゲーぜ~!」

    矢部「勉強も出来てスポーツも出来る、その上美人でやんす。非の打ち所がないでやんす!」

    レイ「・・・」

    マヤ「うんうん!皆いい感じだよ!!!」


    校長室

    冬月「野球部に女子部員が入ったそうですな」

    ゲンドウ「ああ」

    冬月「伊吹先生は、女子部員はベンチにすら参加出来ない事を知っているのでしょうか・・・」

    ゲンドウ「それぐらいの事を知らないで監督をやるハズないだろう・・・私にはどうでもいい事だ」


    残り不足部員・・・3人

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 00:52:49.44 ID:ypDwocMb0
    女の子が部に入った事でネルフ高校野球部の活気はあがり、練習にも力が入っていった


    パワプロ「行くぞ!矢部くーーん!!」

    カキーーンッ!

    矢部「やんすーー!」

    パシッ

    パワプロ「次、レイちゃん行くぞ!」

    レイ「・・・」コクッ

    キィンッ!!

    レイ「!」

    パシッ!!

    矢部「レイちゃんお見事でやんすーー!!」

    レイ「・・・」パンパン

    シンジ「(矢部君も、綾波さんも出来てる・・・!僕は・・・)」

31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 00:53:53.90 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「シンジ君、行くぞー!」

    シンジ「あ、う、うん!!」

    キィンッ

    シンジ「わ!」

    ビュッ   コロコロ・・・

    パワプロ「シンジ君、怖がっちゃ駄目だよ!」

    シンジ「ご、ごめん」

    レイ「・・・」


36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 00:55:37.18 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「ふうー、今日も疲れたな~」

    矢部「本当でやんす。オイラお腹減ったでやんす」

    シンジ「・・・」

    奥居「碇~、守備の事なら気にすんなよ~。慣れてないから当然だって」

    パワプロ「さっきはキツイ事いってゴメンね。俺、野球の事になると自分忘れちゃうからさ・・・」

    シンジ「いや、いいんだよ。僕が悪かったから・・・」

    矢部「帰りにラメーンでも食べに行かないでやんすか?」

    奥居「おお~、いいな。行こうぜ~」

    パワプロ「いいね、シンジ君も行こうよ」

    シンジ「あ・・・ごめん、今日は用事あるから・・・」

    パワプロ「そっか、残念だな。じゃあこのメンツで行こうか」

    奥居「おいおい、レイちゃんは誘わね~のか?」

    矢部「真っ先に誘ったでやんすが、ラメーンは邪道・・・の一言で断られちゃったでやんす」

    パワプロ「じゃあ仕方ないな・・・このメンツで行こう。シンジ君、また明日ね」

    シンジ「うん、お疲れ様・・・」
    ゾロゾロ・・・

37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 00:56:59.33 ID:ypDwocMb0
    シンジ「・・・はぁ、やっぱ僕に野球なんて出来るわけないんだ・・・」

    ガチャ

    シンジ「!」

    レイ「・・・」

    シンジ「あ・・・お疲れ」

    レイ「お疲れ様」

    シンジ「・・・」

    レイ「・・・」ゴソゴソ

    シンジ「(わ、ここで着替えるの!?)」クルッ

    レイ「・・・」

    シンジ「(綾波さん・・あんな細い身体してるのに向かってくる打球を恐れずにキャッチするなんて・・・)」

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 00:58:42.22 ID:ypDwocMb0
    シンジ「(いや・・・綾波さんは昔ソフトでもやってたんじゃないかな・・だからボールにも慣れて・・)」

    レイ「・・・エラー」

    シンジ「!・・・え?」

    レイ「悩んでたってなんの解決にもならないわ」

    シンジ「・・・・うん」

    レイ「・・・じゃあ、さよなら」

    シンジ「え、あ・・・お疲れ・・・」

    バタンッ

    シンジ「(・・・わかってるよ・・・悩んでも無意味な事くらい)」

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:00:17.96 ID:ypDwocMb0
    碇宅

    シンジ「・・・ただいま」

    ユイ「おかえりなさい、ご飯出来てるわよ」

    シンジ「・・・・うん」

    ユイ「初めての部活はどう?」

    シンジ「まだ、わからないよ」

    ユイ「そうか・・・そうよね。頑張りなさいよ?」

    シンジ「う・・・うん」


    数時間後

    ガチャ

    ゲンドウ「・・・ただいま」

    ユイ「お帰りなさい、あなた」

    ゲンドウ「ああ・・・シンジは?」

    ユイ「自分の部屋よ」

42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:04:06.39 ID:ypDwocMb0

    ゲンドウ「・・・シンジが野球を始めたそうだな」

    ユイ「ええ、疲れたって言ってたわ」

    ゲンドウ「あいつの事だ、長くは続かんだろう」

    ユイ「もう、なんでそういう事言うの・・本当は嬉しいクセに」

    ゲンドウ「・・・今更入っても遅い。野球部は近い内に廃部になるからな」

    ユイ「ええ?なんで?」

    ゲンドウ「結果は出せていない、部員はいない。もう存在する意味がないからだ」

    ユイ「そんな・・・」

    ゲンドウ「ウチの高校はテニス部やバレー部、サッカー部などがいい成績を出している。野球部など消えてしまっても問題はない」

    ユイ「・・・シンジが初めて入った部活なのに」

    ゲンドウ「私一人の決定ではない。秋の予選で結果を出せなければ・・・野球部に未来はない」

    シンジ「・・・」

41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:01:20.69 ID:ypDwocMb0
    翌日 学校

    パワプロ「な、なんだってーーーー!?」

    矢部「それは本当でやんすか!?」

    シンジ「う、うん・・・」

    レイ「・・・」

    パワプロ「っていうかシンジ君、校長先生の息子さんだったんだ・・・」

    矢部「今だって部員が足りなくて困ってるでやんすのに!」

    パワプロ「秋の大会までまだ時間はあるけど・・・」

    矢部「急いで部員を集めなきゃでやんす!!」

    トウジ「なに騒いどんのや?」

    ケンスケ「面白い話?」

    パワプロ「あ、トウジに相田・・・」

44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:06:49.12 ID:ypDwocMb0
    矢部「野球部が廃部の危機に立たされているのでやんす!!」

    トウジ「な、なんやて?」

    パワプロ「秋の大会までに人集めて結果を出さないと廃部になっちゃうんだよ」

    シンジ「校長の話だから間違いなんだ・・・」

    トウジ「・・・やれやれ・・・しゃあないの~」

    パワプロ「え?」

    トウジ「ダチの危機や、ワシ達が力になったる!!」

    矢部「ほ、本当でやんすか!?」

    トウジ「モチロンや!!」

    ケンスケ「・・・ん?ワシ、達!?・・って僕も??」

    トウジ「当たり前やろ!!!」

    矢部「やったでやんす!一気に二人入部でやんす!!」

    パワプロ「ありがとう、トウジ、相田」

    トウジ「な~になに、ワシが入ったからには百人力や!」
    ケンスケ「あ~あ・・・僕もかぁ~・・・」

    鈴原、相田が入部した!

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:07:34.35 ID:ypDwocMb0
    シンジ「これで後、一人か・・・」

    レイ「・・・」


    鈴原トウジ、相田ケンスケを新たに加えたネルフ高校野球部

    残るは一人となったが、これが中々見つからなかった


    パワプロ「今日も駄目かぁ~・・・」

    矢部「オイラ達二人で探すのは効率が悪いでやんす」

    パワプロ「でも、トウジやシンジ君には少しでも練習してもらわないと・・・」

    矢部「今日から夏の地区予選でやんすね・・・秋もあっという間にくるでやんす」

    パワプロ「うん・・・急がないと」

    レイ「・・・ねえ」

    パワプロ「わ!?び、びっくりした!後ろから誰かと思ったよ」

    矢部「レイちゃん忍者みたいでやんす」

46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:09:55.69 ID:ypDwocMb0
    レイ「来て」
    スタスタスタ

    パワプロ「え?ちょっと待って・・・」

    矢部「レイちゃん、どうしたでやんすかね?」

    タッタッタ・・・


    レイ「・・・」

    パワプロ「ここはD組じゃないか」

    矢部「ここになにかあるのでやんすか?」

    レイ「・・・・あの子」

    パワプロ「あの子・・・?」

    矢部「げ!でやんす!!」


    レイの指先にはクラスメイトと楽しそうに話している女の子が

    パワプロ「矢部君、知ってるの?」

    矢部「D組の天才少女、アスカちゃんでやんす・・・頭脳明晰、容姿端麗、おまけにいい所のお嬢さんなのでやんす」

    パワプロ「へえー!すごい!!」

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:11:29.35 ID:ypDwocMb0
    レイ「・・・本名は惣流・アスカ・ラングレー。中学のソフトボール経験者」

    パワプロ「なるほど、彼女を勧誘するってわけか」

    矢部「パワプロ君!早まっちゃダメでやんす!」

    パワプロ「え?」

    矢部「アスカちゃんはとてもワガママで男顔負けの強気な性格をしているのでやんす!いくら経験者とはいえ彼女を入部させるという事は飢えたライオンの檻に
    ヒュヒュヒュンッ
    ドガッ

    バタッ

    パワプロ「わ、矢部君の後頭部に教科書が!」

    アスカ「誰がライオンですって?誰が?」

    パワプロ「え・・あ、いや・・・」

    レイ「・・・勧誘」

    パワプロ「こ、この状況で!?」


49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:15:13.53 ID:ypDwocMb0
    アスカ「さっきから何コソコソ話てんのよ?あたしに何か用なの?」

    パワプロ「あ・・・あ~と俺、A組のパワプロっていうんだ」

    アスカ「ああ、知ってるわよ。野球部のでしょ?・・で、今あたしに踏まれてるのが矢部」

    パワプロ「知ってるんだ?」

    アスカ「あんた達が野球部の勧誘で帰宅部の連中に片っ端から声掛けてる事もね」

    パワプロ「じゃあ、俺の言いたい事もわかるよね」

    アスカ「野球部の勧誘でしょ?悪いけど、お断りするわ」

    レイ「・・・」

    パワプロ「そ、そんなあっさりと・・・」

    アスカ「今、テニス部から勧誘があったのよ。そこに入ろうと・・・ん?」

    レイ「・・・」

    パワプロ「?」

    アスカ「あんたは・・・」

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:16:46.81 ID:ypDwocMb0
    レイ「・・・」

    パワプロ「ああ、彼女も実は野球部員なんだよ」

    アスカ「マネージャーじゃなくて?」

    パワプロ「いや、選手として」

    アスカ「ふーん・・・・・・・・・わかったわ、入部してあげる」

    パワプロ「ええ??」

    レイ「・・・」

    アスカ「明日から部活の時間になったら迎えに来なさい。・・・あたしが入ったからにはビシビシやるからね!」
    タッタッタ・・・

    パワプロ「・・・なんなの?」

    レイ「・・・さぁ」

    矢部「うぅ、やっとふみつけから解放されたでやんす・・・」

    パワプロ「何が何だかだけど・・・これで9人揃ったわけだ!これで秋の大会に出れるぞ!!」

51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:17:56.57 ID:ypDwocMb0
    翌日

    パワプロ「みんな!集まってくれ!」

    シンジ「?」

    トウジ「なんやなんや?」

    奥居「まさか最後の一人が決まったのか~?」

    パワプロ「その通りだ、最後の一人はソフトボール経験者という心強い味方だ!」

    ケンスケ「ソフトボール?・・・って女の子!?」

    レイ「・・・」

    パワプロ「そうだ!では入ってもらおう!どうぞ!」

    ガチャ

    アスカ「・・・」

    奥居「(ゲ!D組の惣流!)」

    田中山「(お転婆姫じゃないか~!)」


53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:22:53.83 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「知ってる人もいると思う。D組の惣流・アスカ・ラングレーさんだ!」

    アスカ「よろしく」

    トウジ「入るのはええけど・・・ポジションは?」

    パワプロ「本人の希望でピッチャーで」

    ケンスケ「ええ!?女の子がピッチャーって・・・スタミナ持つのかよ?」

    アスカ「そこのメガネ!その女だからって言い方止めなさいよ!」

    ケンスケ「うひっ」

    矢部「ご、ごめんなさいでやんす!」

    シンジ「(なんで矢部君まで謝ってるんだろう)」

    パワプロ「とにかく!これで人数が揃ったし、秋の予選には間に合ったわけだ!!」

    マヤ「あの、パワプロ君」

    パワプロ「はい、監督?」

    マヤ「最近調べて解ったんだけど、女の子って試合に出場出来ないんだよね?それについてはどうするの?」

54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:25:24.40 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「・・・・・・・・・・」

    パワプロ「わ」

    マヤ「?」

    パワプロ「忘れてたーーーーー!!」

    矢部「えええっ!?でやんす!!」

    マヤ「た、大変・・・」

    パワプロ「勧誘に必死だからつい忘れてた!監督もっと早く教えて下さいよ!!」

    トウジ「なんで出れへんのや、やる気があれば男女関係ないやんけ!」

    シンジ「監督、なにか方法はないんですか?」

    マヤ「え?う・・うーん・・・やっぱり署名活動かな?・・・でも、今からやっても・・」

    パワプロ「な、なんてこった・・・せっかく苦労して勧誘したのに」

    アスカ「大丈夫よ」

    シンジ「え?」

    パワプロ「惣流さん?」

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:26:36.40 ID:ypDwocMb0
    アスカ「あたしの親は顔が広いから、女子部員二人の出場許可くらいなんとか出来るわ」

    マヤ「ほ、本当?」

    奥居「あぁ、そういや惣流の両親はすげぇ人なんだったなぁ~」

    矢部「頼もしいでやんす!」

    パワプロ「頼むよ、惣流さん!!」

    アスカ「とにかく!そういう事だからあんた達は何も気にせず練習しなさい!!」

    パワプロ「そうだ!みんな、やるぞ!絶対予選で結果を出すんだ!」

    トウジ「おう!!!」

56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:27:53.07 ID:ypDwocMb0
    数日後

    パワプロ「よーし!守備練習やるぞーー!!」

    矢部「おー!でやんす!」

    奥居「どっからでも来い~!」

    レイ「・・・」

    パワプロ「行くぞ、シンジ君!!!」

    カキーンッ

    シンジ「!(こ、怖がるな!捕れ!)」

    ビュッ・・・

    シンジ「ああっ・・・」

    矢部「また見逃したでやんす」

    アスカ「ちょっと!ボーッと突っ立ってるんじゃないわよ!!!」

    シンジ「ご、ごめん・・・」


58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:33:38.40 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「気にするなシンジ君!!次セカンド行くぞーー!!」

    レイ「!」

    カキンッ

    バシッ

    ケンスケ「お~・・・」

    アスカ「・・・(さすがにやるわね)」

    パワプロ「ナイス、レイちゃん!!」

    シンジ「(くそ・・・!なんで僕は手が出ないんだ・・)」

    マヤ「うん、皆盛り上がってるね」

    ピンポンパンポーン♪

    「伊吹先生ー、伊吹先生、校長室までお越しください」

    マヤ「ん・・・?」

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:34:52.93 ID:ypDwocMb0
    校長室

    コンコン

    ゲンドウ「入れ」

    マヤ「失礼します。お呼びでしょうか」

    ゲンドウ「野球部に人員が集まったそうだな」

    マヤ「はい」

    ゲンドウ「先ほど、高野連から連絡があり女子部員二人の試合出場許可が出た」

    マヤ「本当ですか!?」

    ゲンドウ「ああ、間違いない。・・しかし、秋の試合で一勝も出来なかった場合は廃部だ。覚えておけ」

    マヤ「廃部・・・!わ、わかりました。必ず一勝してみせます!」
    バタン

    ゲンドウ「・・・・・出来ると思うか?」

    冬月「・・・さぁ」


61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:35:51.66 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「よーし!ラスト!シンジ君行くぞーー!!」

    シンジ「!う、うん!!」

    アスカ「最後ぐらいちゃんと捕りなさいよ!!」

    トウジ「碇!怖がったらあかんで!!!」

    カキィンッ!

    シンジ「(逃げちゃダメだ・・・逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ!!!!)」

    パシッ

    レイ「!」

    矢部「おお!捕ったでやんす!!」

    シンジ「や・・・やった」

    トウジ「やるやないか」

    アスカ「遅いのよ、バカシンジ」

    シンジ「バ・・・」

    マヤ「ちょうど良かった、みんな集まってくれる?」

    パワプロ「あ、監督・・・」


63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:39:09.00 ID:ypDwocMb0
    マヤ「校長先生から惣流さん、綾波さんの試合出場許可がおりたって報告がさっきあったの」

    パワプロ「おお!!」

    レイ「・・・」

    アスカ「当然でしょ」

    矢部「じゃあこれで試合に参加出来るって事でやんすね!」

    マヤ「うん、でもね・・・秋の試合で一勝も出来なかった場合は即刻廃部だとも言わたの」

    シンジ「(やっぱり)」

    奥居「ええ~?マ、マジかよ~?」

    パワプロ「やっぱりか・・・」

    アスカ「なに心配してるのよ?あたしが入ったんだから、負けるわけないでしょう?」

    トウジ「えらい自信満々やな」

    矢部「一回戦の相手が問題でやんすね」


65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:40:56.40 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「よし、こうしちゃいられない!!練習を再開しよう!!」

    アスカ「ちょっとキャプテンはあたしよ!勝手に決めるんじゃないわよ!」

    シンジ「いつからキャプテンに・・・」

    アスカ「なによ!文句あるの!?」

    パワプロ「まぁまぁ、惣流さんがキャプテンでいいよ。早く練習しよう!」

    トウジ「そうやな、絶対に負けるわけにはいかんしな!」

    アスカ「これからは皆、あたしの事をアスカかキャプテンって呼びなさい!苗字で呼ばれるのはあまり好きじゃないから」

    パワプロ「わかったよ、アスカちゃん!」

    矢部「でやんす」

    アスカ「よろしい!じゃあやるわよ!!」

    「お~!」

    ゾロゾロゾロ・・・

    マヤ「いいなぁ、こうやって一丸となる瞬間・・・わたしも頑張らなきゃ!」

66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:41:56.80 ID:ypDwocMb0
    数日後


    アスカ「ちょっとパワプロ!!」

    パワプロ「ん?どうしたの、アスカちゃん」

    アスカ「綾波レイの事なんだけど」

    パワプロ「レイちゃんがどうかしたの?」

    アスカ「あの子、喋らなすぎよ。野球はお互い声掛け合ってやるものでしょ?」

    パワプロ「ん?うん・・・確かにレイちゃんは無口だけど、相手のやりたい事とかはわかってるみたいだし大丈夫じゃないかな?」

    アスカ「実際の試合でそれが通用すると思ってるの?練習みたいにはいかないのよ!?」

    パワプロ「う、うん・・・」

    アスカ「だから、あんたからなんか言ってやってよ!」

    パワプロ「俺が?」

    アスカ「あたしはキャプテンとして試合の事やら何やら考えるのに忙しいのよ!とにかく任せたわよ!!!」

    パワプロ「あ、アスカちゃん・・・」

67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:43:08.92 ID:ypDwocMb0
    矢部「あ、パワプロ君。アスカちゃんと何か話してたでやんすか?」

    パワプロ「ああ、まぁね・・・レイちゃんは何処かな?」

    矢部「向こうで碇君とキャッチボールしてるでやんす」



    シュッ パシッ
    シンジ「・・・」

    シュッ パシッ

    レイ「・・・」

    パワプロ「(全く会話無しのキャッチボールか・・・アスカちゃんの言う通り注意した方がいいのかな・・・)」

68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:44:03.90 ID:ypDwocMb0
    シンジ「・・・ありがとう、綾波」

    レイ「・・・」

    パワプロ「?」

    シンジ「部活終わった後も練習付き合ってくれて」

    レイ「・・・気にしないでいいわ」

    パワプロ「(へえ・・・)」

    シンジ「少しでも早く上達して、皆の役に立たないと・・・!」

    パワプロ「(シンジ君・・・)」

    綾波「続けましょう」

    シンジ「うん」 シュッ

    パワプロ「(・・・今日は、いいか)」

69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:46:11.60 ID:ypDwocMb0
    ミーン・・・ ミーン・・・


    パワプロ「暑い・・・」

    矢部「いよいよ夏でやんすね」

    パワプロ「夏といえば合宿だね」

    矢部「アスカちゃん張り切ってたでやんすね。地獄を見せられそうでやんす」

    パワプロ「やる気があるのはいい事だよ」

    矢部「・・・おお、パワプロ君。あれを見るでやんす」

    パワプロ「あれ、あんな所にスイカが生ってる。いつの間に」

    矢部「行ってみようでやんす」


70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:48:36.63 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「へぇ~、理科室の裏にこんな庭があったなんてね」

    矢部「大きいスイカでやんす。美味しそうでやんす」

    加持「ん?おお、野球部か」

    パワプロ「あ、加持先生」

    矢部「このスイカは加持先生が育ててたでやんすか」

    加持「ああ、俺の趣味でね。どうだい、良い出来だろう?」

    パワプロ「ええ、美味しそうです」

    矢部「やんす!」

    加持「・・・あ、そうだ」

    パワプロ「?」

    加持「君達、喉渇いてないかい?」

    矢部「カラッカラでやんす!」

    加持「ちょっと待っててくれ。いい物がある」
    スタスタスタ・・・

71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:50:26.30 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「なんだろう?」

    矢部「冷えた麦茶でやんすかね??」

    加持「っとお待たせ。どっちがいい?」

    パワプロ「・・・どっちがって先生、その怪しげな色した液体はなんです?」

    矢部「見るからに怪しいでやんす」

    加持「ははは、見た目だけさ。これは俺が特別に作ったスポーツ飲料だよ」

    パワプロ「スポーツ飲料・・・ですか」

    加持「まぁ、嫌だったらいいんだが」

    矢部「パワプロ君、どうしようでやんす」

    パワプロ「・・・せっかくだし、貰おうか」

    加持「お、飲むかい。ほれ」

    矢部「オ、オイラは遠慮するでやんす」

    パワプロ「い、いただきまーす」
    ゴクゴクゴク・・・

 
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:53:15.57 ID:ypDwocMb0
    矢部「・・・どうでやんすか、パワプロ君」

    加持「・・・」

    パワプロ「・・・いや、普通だね。なんもないよ」

    加持「だから言ったろう?普通のスポーツ飲料だって」

    矢部「実験好きの加持先生の事だから何かあったかと思ったでやんす」

    加持「ははは、酷いなそりゃ」

    パワプロ「ご馳走様でした。矢部君、そろそろ部活に戻ろうか」

    矢部「やんす」

    加持「そうだ、これ持って行きなよ」

    パワプロ「スイカ?いいんですか??」

    加持「ああ、野球部の皆で食べてくれ」

    矢部「ゴチでやんす!!」

    パワプロ「ありがとうございます。じゃ、行こう矢部君!」

    矢部「やんす!!」
    タッタッタ・・・

    加持「異常無しか・・まぁ、いいデータが取れたかな」

78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:55:10.30 ID:ypDwocMb0
    ミーン ミーン


    パワプロ「相変わらず暑い・・・」

    奥居「力が湧かないぜ~・・・・」

    矢部「こんだけ暑いと練習にも身が入らないでやんすぅ・・・」

    トウジ「こんな状況で動くと倒れてまうわ・・・」

    シンジ「アイスが食べたいな・・・」

    アスカ「こらこら!男が揃いも揃ってなにダラダラしてんのよ!!!」

    パワプロ「あ、アスカちゃん・・・」

    矢部「この暑さで動き回ってるのはアスカちゃんだけでやんす」

    アスカ「このぐらいの暑さでへばってるんじゃないわよ!男ならしゃっきりしなさい!」

    シンジ「アスカ、無茶言わないでよ。こんな暑い中練習すると熱中症になっちゃうよ・・・」

    トウジ「そやそや、碇の言う通りやで」

    アスカ「・・ったく!・・あれ、綾波レイは?」


80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:57:00.47 ID:ypDwocMb0
    矢部「あれ、そう言えば見当たらないでやんすね」

    パワプロ「ホントだ、さっきまでいたと思ったのに」

    アスカ「まさかアイツもどっかで涼んでるんじゃないでしょうね?」

    トウジ「アスカ、そんな目くじら立てる事ないやろ」

    ケンスケ「そうそう、こんな暑いんだから無理ないって」

    アスカ「キャプテンのあたしに無言でいなくなるなんて許さないわ!見つけたら説教してやるんだから!」

    パワプロ「(・・・アスカちゃん、レイちゃんに厳しい所あるよね)」

    矢部「(理由があるんでやんすよ)」

    パワプロ「(理由?)」

    ガチャ

    レイ「・・・」

    シンジ「あ、綾波・・・」


83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 01:59:24.68 ID:ypDwocMb0
    アスカ「あんた、勝手にいなくなるなんていい度胸ね!!一体なにして・・・」

    トウジ「ん?綾波、その袋に入ってんのってなんや?」

    レイ「アイス・・・買ってきたの」ガササ

    アスカ「・・・!」

    矢部「おおお!流石レイちゃんでやんす!!!早速いただくでやんす!!」ガサガサ

    パワプロ「あ、矢部君・・・」

    トウジ「コラ矢部!!ワシらにも見せんかい!!」

    奥居「そうだぜ~!」ガサガサ・・・

    ケンスケ「僕、これも~らい!」ガサガサ

    パワプロ「ちょっと皆、落ち着いて・・・」

    レイ「・・・」

    アスカ「・・・ふ、ふんっ!今度から買いに行くなら一言声かけてからにしなさいよね!」

    レイ「わかったわ」

    シンジ「ほら、アスカも選ばないと先に取られちゃうよ」

    アスカ「わ、わかってるわよ!」

86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 02:01:11.24 ID:ypDwocMb0
    いよいよ合宿当日



    パワプロ「今日から合宿か~」

    矢部「アスカちゃんが指定した待ち合わせ場所に来たでやんすが・・・」

    シンジ「当の本人がまだ来てないね」

    レイ「監督を乗せてから向かうって昨日言ってたわ」

    パワプロ「あ、そうだったっけ?」

    矢部「レイちゃんは記憶力がいいでやんすね」

    トウジ「ふぁ~・・・まだ朝6時前やろ?眠いわ~・・・」

    奥居「昨日の暑さで寝苦しかたから余計辛いぜ~」

    ケンスケ「これからクソ暑い太陽背負って練習か~・・・やんなっちゃうな~」


87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 02:02:22.98 ID:ypDwocMb0
    プップー

    パワプロ「ん?」

    レイ「来たわ」


    ブロロロロロ・・・

    矢部「でっかいバスでやんす!!!」

    マヤ「みんなおはようー、遅刻者はいないみたいだね?」


    アスカ「みんな、おはよう!このバスで合宿先に向かうわ!」

    パワプロ「凄い、こんなバスまで用意してくれるなんて」

    トウジ「さすがいい所のお嬢さんやな」

    奥居「よ~し、早く乗ろうぜ~」

    アスカ「みんな乗ったわね?じゃあ出発!」



   
かくして、ネルフ高校野球部の夏合宿が始まった

88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 02:03:43.86 ID:ypDwocMb0
    ザザーー・・・ ザー・・

    パワプロ「海だ・・・」

    矢部「朝方だからとても綺麗でやんす!」

    シンジ「時間が空いたら泳ぎたいね」

    アスカ「コラコラ、遊びに来たわけじゃないのよ?」

    トウジ「へいへい」

    アスカ「まったく、何しに来たと思って・・・」

    マヤ「わー、海海!レイちゃん、後で泳ごうね?」

    レイ「・・・」コク

    アスカ「ちょっと!!監督!」


91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 02:06:01.80 ID:ypDwocMb0
    アスカ「オラオラ!行くわよーー!!」
    カキィンッ

    パワプロ「うおおおお!!」
    パシッ

    矢部「パワプロ君ナイスでやんす!!」

    アスカ「次!!」
    カキンッ

    レイ「!」
    パシッ

    田中山「レイちゃん、ナイスキャッチだぞ!」
    アスカ「・・・次!」

    カキンッ!

    シンジ「!」
    バシッ

    シンジ「・・・よ、よし!」

    アスカ「へえ、ほんの少しはマシになったみたいね」
    レイ「・・・」

    矢部「碇君、上手くなってるでやんすね」

    パワプロ「うん、残って練習したお陰だね」

92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 02:07:06.17 ID:ypDwocMb0
    夜  合宿場の露天風呂

    カコーン

    矢部「初日からハードだったでやんす。オイラもう死に体でやんす」

    パワプロ「夏合宿って妙に気合が入るからね」

    トウジ「それにしても、一つの大部屋に男全員なんてむさ苦しいにも程があるで」

    シンジ「まぁまぁ・・・せっかくこんないい所にこれたんだし」

    ケンスケ「キャプテンや綾波や監督は個室らしいよ」

    奥居「マジかよ~?ずるいぜ~」

    パワプロ「男が個室にいたって寂しいだけだって」

    矢部「確かに、多少むさ苦しくても賑やかな方がいいでやんす」

    トウジ「まぁ、それもそうやな」

    田中山「それにしても、結構な広さの露天風呂だなー」

    シンジ「うん、本当に・・・」

94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 02:08:18.06 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「・・・矢部君、こんな所に来てもメガネを外さないんだ」

    矢部「オイラのポリシーでやんすから」

    トウジ「ポリシーて」

    シンジ「そういえば・・・僕、矢部君の素顔って見た事ないな」

    矢部「え?でやんす」

    パワプロ「そういや俺も・・・」

    トウジ「ワシもや・・・」

    奥居「もしかして皆見た事ないんじゃねぇか~?」

    矢部「え、ちょ、ちょっと・・・そんな事どうでもいいじゃないでやんすか」

    田中山「ここまで気になってしまったらそうも行かないぞ」

    トウジ「矢部・・・見せんかい」

    矢部「い、嫌でやんす!」

    パワプロ「無駄だよ矢部君、君は既に囲まれているんだから」キュピーン

95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 02:09:16.34 ID:ypDwocMb0
    奥居「矢部~観念しろよ~」


    ザバアアアアンッ

    矢部「ぎゃーっ!でやんすー!」


    シンジ「あはは・・・・ん?」

    レイ「・・・」

    シンジ「う、うわっ!?!?」

    パワプロ「ん?どうしたのシンジく・・・わあっ!レイちゃん!?」

    矢部「な、なんでレイちゃんが入ってるでやんすか!?」

    レイ「混浴・・・」

    パワプロ「そ、そうだったのか・・・」

    シンジ「・・・にしても冷静すぎだよ、綾波・・・」

    レイ「・・・そう?」


98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 02:11:23.86 ID:ypDwocMb0

    「わ~、広いねぇ~!」

    「当然よ、監督」

    トウジ「あの声は・・・」

    アスカ「あ、アンタ達!!」

    マヤ「あ、皆・・・ってここ、混浴だったの?」

    パワプロ「・・・」
    矢部「・・・」
    トウジ「・・・」
    ケンスケ「・・・」
    奥居「・・・」
    田中山「・・・」
    シンジ「・・・」

    弾道が上がった


    アスカ「な、なに見てんのよ!さっさと出ていきなさーい!!」

    パワプロ「わぁ、皆逃げろ~!!」


    楽しくも苦しい合宿の日々はあっという間に過ぎ、その最終日

100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 02:12:37.98 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「今日で合宿も終わりか~」

    矢部「あっという間だったでやんすね」

    アスカ「皆、集まってるわね!」

    シンジ「おはよう、アスカ」

    奥居「今日は何するんだ~?」

    マヤ「今日は最終日だし、自由に遊ぶ事にしたの」

    パワプロ「ほ、本当ですか?」

    矢部「やったでやんす!!」

    アスカ「練習で疲れてるんだから、あまり派手に騒がないでよ?」

    トウジ「おう!任せとき!」

    奥居「よ~し、早速海に行こうぜ~!」

    パワプロ「おーー!!」

    ドドドドドド・・・・

102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 02:15:34.14 ID:ypDwocMb0
    アスカ「はぁ、練習もあれぐらい気合入れてやればいいのに」
    マヤ「あはは、まぁいいじゃない。さぁ、私達も行きましょう?」
    レイ「・・・はい」コクリ


    ザパーーンッ

    トウジ「ひょーっ!気持ちええなぁ!!!」

    奥居「やっぱ夏は海に限るぜ~!」

    シンジ「(久しぶりだなぁ・・・こういう雰囲気)」

    矢部「おおっ!みんな見るでやんす!!」

    パワプロ「ん?」
    奥居「おおっ!」

    アスカ「さーて、泳ぐわよー!!」
    マヤ「海なんて久しぶりだなぁ~」
    レイ「・・・」コクリ

    パワプロ「3人ともナイスプロポーション・・・」

    矢部「・・・オイラ、野球部に入って心から良かったと思ってるでやんす」

    アスカ「ん?ちょっと、何ジロジロ見てんのよ!?」

    チームメイトの弾道が上がった
    アスカ「なによそれ・・・ったくこれだから男は・・・」

 
112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 03:20:48.16 ID:ypDwocMb0

    辛くも楽しかった合宿も無事終了し、いよいよ野球部の運命を決める予選大会が始まった・・・

    マヤ「皆集まって~!」

    ザザッ

    マヤ「いよいよ秋の地区大会が始まります。スタメンを発表したいと思います」

    アスカ「監督、ギリギリのメンバーだから発表は必要ないと思いますけど」

    マヤ「あ、それもそうか・・・あはは」

    パワプロ「一回戦の相手は何処だったっけ」

    レイ「一回戦はそよ風高校よ」

    矢部「そよ風高校は脚が速い選手が多いそうでやんす」

    パワプロ「野球部の存亡を賭けた大事な一戦だ!みんな、絶対に勝つぞ!!」

    アスカ「当たり前よ!!皆もしっかり頼むわよ!」

    矢部「おうでやんす!!」

    レイ「ええ」

    シンジ「う、うん」

113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 03:24:49.86 ID:ypDwocMb0
    そしていよいよ、試合当日

    パワプロ「いよいよ試合だ!!」

    シンジ「・・・」

    レイ「・・・大丈夫?」

    シンジ「う、うん!だ、大丈夫だよ

    アスカ「バカシンジ、緊張してエラーなんてするんじゃないわよ?」

    シンジ「わ、わかってるよ」

    パワプロ「シンジ君、練習通りでいいんだからね」

    奥居「そうだぜ~。あんまり気ぃ張り詰めるなよ~」

    シンジ「うん、・・・頑張るよ」

115 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 03:26:14.63 ID:ypDwocMb0
    ネルフ高校 職員室

    加持「あ、冬月教頭」

    冬月「なんだね」

    加持「校長先生を見かけませんでしたか?ちょっと聞きたい事がありまして」

    冬月「ああ、校長は私用で出かけている。私が聞こう」

    加持「そうですか、・・・まさか野球部の試合を見に行ったとか?」

    冬月「・・・さぁ、どうだろうな」



    ネルフ高校スタメン

    矢部 外野 DFCED
    綾波 二塁 CGEDC
    パワプロ 外野 EDCDD
    鈴原 捕手 FCDDE
    奥居 外野   DFEED
    田中山 遊撃 EFEDC
    相田 三塁 GFEEF
    碇 一塁 DFDEE
    アスカ 投手 DFDDC

117 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 03:27:49.02 ID:ypDwocMb0
    試合開始

    一回の表

    まず矢部が初球ヒットを放ち、一塁に進む

    2番のレイは送りバントをするが失敗、アウト



    ワンアウト、ランナー一塁(矢部)

    パワプロ「(よし!やるぞ!!)」


    阿畑「(お、こいつは他の奴の一際オーラが違うな・・・本気出して投げんと・・!)」

    阿畑が第一球を投げた


    シュッ

    ククッ

    パワプロ「!?(なんだこの変化球!?)」

118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 03:29:22.09 ID:ypDwocMb0
    ブンッ

    ズバンッ

    審判「ストラーイク!!」

    阿畑「(どうや、必殺アバタボール!)」

    中学では体験した事のない変化球にパワプロは戸惑う



    アスカ「ったく、何空振りしてんのよ!」

    奥居「パワプロ、面食らってるぜ~」

    シンジ「どうしたのかな・・・」

120 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 03:31:21.90 ID:ypDwocMb0
    阿畑「(行くで!!)」

    阿畑の第二球

    ビシュッ

    ククッ

    パワプロ「!(さっきとはまた違う方向に・・・!)」

    ブンッ

    バシッ

    審判「ストライクツー!!」

    パワプロ「(くっそ・・・)」

    阿畑「(ふっふっふ、上場の仕上がりやな!このまま貰うで!!)」

    阿畑が第三球を投げた

    ビシュッ

    阿畑「(!しもた!)」

    パワプロ「(すっぽ抜けた?チャンス!!!)」

121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 03:32:47.12 ID:ypDwocMb0
    カキンッ


    トウジ「おおっ!」

    アスカ「よしっ!!」

    パワプロの放った打球はセンター後ろへ


    ケンスケ「回れ回れー!」


    矢部は三塁、パワプロは二塁でストップ


    パワプロ「よし!」

    矢部「トウジ、頼むでやんすよ」


    トウジ「よーし!かかってこんかーい!!」

    チャンスに燃えるトウジだが、アバタボールの前に呆気なく抑えられた

122 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 03:34:07.69 ID:ypDwocMb0
    トウジ「くそ~・・・なんやあの変化球は?」

    アスカ「全く、だらしないわね!!奥居、ちゃんとランナー生還させてきなさいよ!!」

    奥居「お、おう!やってやるぜ~!」


    5番打者奥居もアバタボールに翻弄されるが、偶然振ったバットがボールに当たりヒット!

    矢部が生還し、ネルフ高校は先制点を手に入れた

    風0-ネ1


    矢部「ただいまでやんす!」

    マヤ「お疲れ様!」

    アスカ「よーし!田中山、あんたも頑張ってよ!」

    田中山「奥居に続くぞー!」


    しかし、田中山は三振でアウト

    審判「チェンジ!!」

124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 03:36:23.22 ID:ypDwocMb0

    一回裏

    アスカ「よーし!私の出番ね!!トウジ、しっかり捕りなさいよ!」

    トウジ「おう!ワシに任せとけ!!」

    アスカ「行くわよ!・・・ふんっ!!」

    ビシュッ

    ・・・・


    三番打者「くっ!」

    ブンッ

    バスッ

    審判「ストライク!バッターアウト!!チェンジ!!」

    アスカの気迫の投球にそよ風高校の打者達は次々とアウトにとられていった


    パワプロ「すごいな、アスカちゃん・・・」
    矢部「流石、元エースでやんす!」

126 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 03:45:04.60 ID:UmeitCVGO
    二回表

    アスカ「(ええいっ!!)」

    ビシュッ

    四番打者「ふんっ!!」

    ガキィィンッッ!!

    アスカ「!」

    パワプロ「ああっ!」

    四番打者の本塁打で早くも同点になってしまう

    風1-ネ1

    アスカ「こんのぉ~・・・もう取らせないんだから!」

    本塁打を打たれた事により、燃えたアスカは次打者達を押さえ、チェンジとなった

127 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 03:47:47.76 ID:UmeitCVGO
    三回表

    レイからのスタート
    マヤ「レイちゃん頑張ってー!」

    レイ「・・・」コクリ

    阿畑「(女だろうと手加減せんでー!)」

    ビシュッ

    阿畑の第一球はアバタボール

    ククッ…

    レイ「(・・・そこ)」

    カキィンッ!!


    阿畑「なにっ!!」

    パワプロ「おおっ!」

    矢部「当てたでやんす!」

128 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 03:50:17.81 ID:UmeitCVGO
    偶然なのか、狙って打ったのか、レイの打球は一二塁間を抜けヒットに

    ノーアウト、ランナー一塁(レイ)


    パワプロ「(よし、レイちゃんに続くぞ!)」

    阿畑「(最近出来たばっかの野球部と聞いとったが・・・中々やるやないか)」

    レイ「・・・」コクリ

    パワプロ「・・・」

131 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 03:52:53.37 ID:UmeitCVGO
    阿畑が第一球を投げる

    シュッ…

    レイ「っ」ダッ

    同時にレイがスタート

    パワプロ「(ここは確実に進ませる!)」

    コツッ

    阿畑「(バントかい!)」

    ボールは三塁方向へ転がり、レイはその間に二塁へ

    パワプロも全力で一塁に向かって行くが、間に合わずにアウト


135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 03:57:28.78 ID:UmeitCVGO
    ワンアウト、ランナー二塁(レイ)でトウジ

    トウジ「ようし!今度こそ目にもの見せたるで!!」

    阿畑「(なんか嫌な流れや・・・慎重にいかんと!)」

    阿畑が第一球を投げた

    ビシュッ
    トウジ「むんっ!」
    ブンッ

    バスッ
    審判「ストライク!」

    トウジ「(か~・・・、速いなぁ)」


    アスカ「ただのストレートじゃない、見逃してるんじゃないわよー!」

    パワプロ「ア、アスカちゃん落ち着いて」

136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 04:01:38.09 ID:UmeitCVGO
    トウジ「(アスカの怒鳴り声が聞こえるわ。黙って見とけ、今打ったるわ!)!

    阿畑の第二球

    ビシュッ

    トウジ「(しめた!またストレートや!)」

    ギュオオオオッ

    トウジ「(ここで一発、男見せたるでー!!)」

    カキィィンッ!!

    阿畑「!」

    レイ「!」ダッ

    パワプロ「おお!」

    トウジの放った打球はレフト後方へ

    トウジ「よ、よっしゃ!」


    アスカ「バカ!喜んでないで早く走りなさいよ!!」

    トウジ「おおっと、そうやった!」

137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 04:04:35.14 ID:UmeitCVGO
    レフトはすぐに送球し、トウジは一塁でストップ

    その間にレイが生還

    ネルフ高校1点追加

    風1-ネ2


    マヤ「レイちゃん、おかえり!」

    レイ「・・・」コク

    アスカ「・・・よ、よくやったわ」

    レイ「・・・」コクリ

    アスカ「・・・ふんっ」

    パワプロ「(なんだ?なんか素直じゃないな)」

139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 04:09:28.24 ID:UmeitCVGO
    阿畑「(ええい、嫌な予感的中や。これ以上は絶対に入れさせへん!)」

    次打者奥居、田中山もなんとかしてヒットを狙おうとするも、本気になった阿畑の投球の前に封じられてしまいチェンジ


    投球戦となって試合は進み、八回裏

    アスカの好投とレイ、田中山の守備、パワプロら野球経験者の奮闘によりここまで無失点に抑えた


    アスカ「・・・はぁ、はぁ」

    矢部「アスカちゃん、大丈夫でやんすか?」

    アスカ「・・・心配はいらないわよ、私を誰だと思ってんのよ」

140 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 04:12:55.91 ID:UmeitCVGO
    シンジ「でもアスカ・・・女の子に無茶は・・・」

    アスカ「うるさい、バカシンジ!そんな人を心配する余裕があったらヒットの一本でも打ちなさいよ!」

    シンジ「う、ご・・・ごめん」

    ケンスケ「ドキッ」

    パワプロ「アスカちゃん、ごめん・・・俺がもっと勧誘出来てたら・・・」

    アスカ「・・・いいのよ。代えの部員集める程時間的にも余裕はなかったんだから・・・」

    トウジ「アスカ、無理ならすぐ言うんやで?」

    奥居「そうだそうだ」

    レイ「無理はしないで」

141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 04:17:08.60 ID:UmeitCVGO
    マヤ「みんなの言うとおり、試合の結果よりアスカちゃんの身体の方が大事なんだから・・・」

    アスカ「わかってますって、監督」

    アスカ「でも、せっかくこうやって集まった野球部を終わらせるわけにもいかないでしょ?あたしはそんなの嫌よ」

    パワプロ「アスカちゃん・・・」

    矢部「モチロンでやんす!」

    シンジ「うん・・・!」

    アスカ「私はこれから打たせて取るピッチングに変えるから・・・アンタ達、絶対にエラーするんじゃないわよ?」

    パワプロ「うん!任せておいて!」

    レイ「必ず捕ってみせるわ」

    田中山「そうだ、守備は任せろー!」

    矢部「やるでやんす!」

144 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 04:22:33.79 ID:UmeitCVGO
    マヤ「みんな・・・」

    アンタ「さ、皆早く守備位置について!さっさとこの試合を終わらせるわよ!」

    全員「おう!!!」

    闘志に火がついたネルフ高校はそよ風高校の出塁を許さず、九回裏まで無失点で抑えてみせた

    九回裏
    アスカ「(えいっ!)」

    ビシュッ

    一番打者「(もらった!)」

    キィンッ!

    アスカ「ゎっ!」

    田中山・レイ「!」
    一番打者の放った打球はピッチャー返しになり、レイが飛びつくもボールはセンター前へ

    最終回、ノーアウトでランナーを出してしまう

    アスカ「ぜぇ・・・ぜぇ」

    パワプロ「(アスカちゃん・・・頑張ってくれ!)」

    シンジ「(アスカ・・・)」

145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 04:27:27.32 ID:UmeitCVGO
    ノーアウト、ランナー一塁

    トウジ「(アスカ・・・大丈夫かいな)」

    アスカ「(余計な心配はいらないわよ!行くわよ!)」

    アスカの第一球

    ビシュッ

    二番打者「(遅い!ストレートか?)」

    ククッ…

    二番打者「!(カーブ!)」
    カッ

    アスカ「(よし!)」

    二番打者の打球はピッチャーゴロ

    まず、アスカが拾い二塁へ投げる

    パシッ
    審判「アウトー!!」

    レイ「(碇君)」
    ビシュッ

    急いでレイが一塁へ送球する

147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 04:29:17.82 ID:UmeitCVGO
    シンジ「(き、来た!)」

    パシッ



    ポロッ

    レイ「!」
    シンジ「あ・・・」
    アスカ「バ・・・!」

    ズサーーッ

    審判「セーフ!」

    パワプロ「(あちゃ~・・・)」


    一塁シンジのエラーによりアウトにならず
 
151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 04:32:57.30 ID:UmeitCVGO
    ワンアウト、ランナー一塁

    シンジ「(やっちゃった・・・)」

    アスカ「(・・・ったく!)」

    アスカはシンジに見向きもせず、投球を続ける


    ビシュッ

    三番打者「くっ!」

    ブンッ
    ズバァンッ!!

    審判「ストライク!バッターアウト!!」

    三番打者「(な、なんだあの子・・・さっきより球威が増してる・・・?」

    アスカ「フンッ」

    シンジのエラーによって発した短気によりアスカは楽々と三番打者を抑えた

    ツーアウト、ランナー一塁

    ラストバッターは四番打者

152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/07(火) 04:35:44.06 ID:UmeitCVGO
    アスカ「(ふう、よりによってコイツか・・・)」

    四番打者「(予選一回戦で負けてられるか!俺が決めてやる!)」

    トウジ「(四番かいな・・・!アスカ、しっかり頼むでー!)」

    アスカ「(行くわよ!)」


    アスカの第一球

    ビシュッッ

    四番打者「(速い!)」

    ククッ
    ブンッ

    ズバァンッ!

    審判「ストライク!」

153 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 04:41:24.39 ID:ypDwocMb0
    四番打者「(カーブだったか)」

    トウジ「(ええでええで、後二球や)」

    パワプロ「(頼むよ、アスカちゃん!)」

    矢部「(打たれてもオイラ達が絶対に捕るでやんすー!)」


    アスカの第二球

    ビシュッ

    カキィンッ!!

    アスカ「!」

    審判「ファール!!」

    四番打者「ちっ・・・」


    アスカ「(しぶとい奴ね・・・!)」

    トウジ「(後一球や!頼むで!!)」

154 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 04:43:20.60 ID:ypDwocMb0
    アスカ「(いい加減私も疲れてきてんのよ!さっさとやられちゃいなさい!)」


    アスカが第三球を振りかぶって

    ザッ

    四番打者「(来い!)」

    投げた

    ビシュッ

    四番打者「(俺の予想ではカーブ・・・!)」

    ククッ・・・

    四番打者「(もらったぁ!!)」

    キィィンッ

    アスカ「(しまった!!)」

156 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 04:47:16.64 ID:ypDwocMb0
    四番打者の放った打球はピッチャーの頭上を超えた

    パワプロ「(まずい、ヒットだ!)」


    誰もがヒットかと思ったが次の瞬間

    レイ「くっ!」


    レイが大ジャンプ


    パワプロ「!」

    アスカ「!」

    シンジ「!」

    パシッ

    四番打者「!」

    審判「アウトー!!ゲームセット!」

    ドザァンッ

    レイ「っ!!」

157 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 04:48:53.51 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「レイちゃん!」

    矢部「大丈夫でやんすか!?」

    レイ「・・・・・・平気」

    シンジ「綾波!」

    アスカ「だ、大丈夫なの?」

    レイ「ええ、大丈夫」

    奥居「レイちゃん、無茶するぜ~」

    トウジ「でも、カッコ良かったで!」

    レイ「・・・そう?」

    パワプロ「驚いたよ、まさかあんなジャンプするなんて」

    田中山「いや、あれが届くなんてレイちゃん、すごいぞ!」

    アスカ「ま・・まぁ、よくやってくれたわ。これからもその調子で頼むわよ」

    レイ「わかったわ」

159 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 04:50:23.69 ID:ypDwocMb0
    トウジ「なんや綾波、お前のファインプレーで試合終了したんやで?もっと嬉しそうな顔せんかい!」

    ケンスケ「そうそう!」

    レイ「・・・嬉しそうな・・・顔?」

    シンジ「・・・・・・笑えばいいと思うよ」

    レイ「・・・。・・・」ニコッ

    パワプロ「!」
    矢部「!」
    奥居「!」
    田中山「!」
    トウジ「!」
    ケンスケ「!」
    シンジ「・・・!」

    男子部員の疲れがとれた!

    レイ「?」

    アスカ「はぁ、男はこれだから・・・」

160 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 04:52:51.19 ID:ypDwocMb0
    ネルフ高校 職員室

    ガラッ

    ゲンドウ「今戻った」

    加持「(お・・・)」

    冬月「お疲れ様です」

    ゲンドウ「・・・」

    冬月「・・・(その様子だと勝ったか・・・)」

    ゲンドウ「・・・ああ」

    冬月「!」

    バタン

    冬月「・・・ふふ」

    加持「?」

162 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 04:57:12.36 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「やったぞ!一回戦は俺達の勝ちだ!!」

    アスカ「当然よ!」

    矢部「これで野球部も存続出来るでやんすー!」

    マヤ「みんな、お疲れ様!かっこよかったよ!」

    シンジ「・・・」

    トウジ「いやぁ~・・・不思議な気分やな。疲れが吹っ飛んだ感じがするで」

    奥居「試合に勝ったからだと思うぜ~!いやぁ、良かった~」

    田中山「これでとりあえず野球は続けられるかー・・・」

    アスカ「みんな、予選一回戦勝ったぐらいで調子に乗らない!私達の目標は甲子園優勝なんだから!!」

    パワプロ「うん、それもそうだね!」

    矢部「頑張れば出来ない事はないでやんす!」

    トウジ「その通りや!」

    アスカ「次の試合も絶対に勝つわよ!!」

    パワプロ「おおーーーっ!!」

163 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 05:00:20.38 ID:ypDwocMb0

    帰り道

    パワプロ「じゃあ、矢部君。俺はこっちだから」

    矢部「さようならでやんす!」

    タッタッタ・・・

    パワプロ「ふう、今日は疲れたな~・・・でも、無事一回戦も突破出来たし。このまま行けば・・・」

    「やぁ、パワプロ」

    パワプロ「ん?・・あ、お前は!!」

    猪狩「久しぶりだな。中学の試合以来だ」

    パワプロ「猪狩、こんな所でお前と会うなんて・・・」


164 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 05:01:53.71 ID:ypDwocMb0
    猪狩「今日の試合、見せてもらったよ。寄せ集めのチームにしては頑張ったじゃないか」

    パワプロ「なんだとー!?」

    猪狩「まさか女の子まで部員にしなきゃいけないくらい人材が不足しているとはね・・・何故野球馬鹿のキミがそんな高校に入学したのか不思議でならないよ」

    パワプロ「猪狩、言わせておけばー!」

    猪狩「まぁ、そう怒るなよ。決着は試合でつけようじゃないか」

    パワプロ「試合?・・・あ!」

    猪狩「その通り、次の試合で君達と当たる高校は我があかつき大付属高校さ」

    パワプロ「・・・」

    猪狩「キミ達が我があかつき相手にどれだけ足掻く事が出来るのか・・・楽しみだよ。じゃあな」
    タッタッタ・・・

    パワプロ「・・・そうか、あかつきには猪狩がいたんだ」

172 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 08:01:21.87 ID:ypDwocMb0

    翌日

    アスカ「え?あかつき大付属?・・モチロン、知ってるわよ」

    パワプロ「じゃあ、猪狩の事も知ってる?」

    アスカ「ええ、中学じゃ猪狩兄弟の噂は何度か聞いた事あるわ」

    パワプロ「アスカちゃん、正直今の戦力じゃあかつきには・・・」

    アスカ「ちょっと、やりもしないのに諦めてるんじゃないわよ!アンタらしくない!」
    ゲシッ

    パワプロ「痛っ!」

    アスカ「アンタ、廃部の危機を乗り越えたからって気が緩んでるんじゃないでしょうね?」

    パワプロ「い、いやそんな事はないけど・・・まだ野球をやり始めて浅い人達が殆どだし・・・」

    アスカ「あかつきが何よ!アタシが率いるこの野球部が完璧に叩き潰してやるわよ!」

    パワプロ「アスカちゃん・・・」

173 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 08:02:54.24 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「(あかつきの実力は本物だ。今の状態じゃ試合してもボロ負けになる・・・野球経験が浅い人はその敗戦のショックで辞めようと思うかもしれない・・・)」

    パワプロ「(せっかく廃部の危機を乗り越えて皆の気持ちも落ち着いて来たって所で、また雰囲気が悪くなるってのも・・・)」

    ガチャッ

    マヤ「あ、アスカちゃんにパワプロ君」

    アスカ「監督」

    パワプロ「どうかしました?」

    マヤ「2回戦の相手はあかつき大付属高校に決まったわ。かなりの強豪らしいから気をつけてね」

    パワプロ「(やっぱり・・・)」

    アスカ「望む所ですよ!さぁ、パワプロ!練習に戻るわよ!皆に気合入れさせないと!」

    パワプロ「う、うん」
    タッタッタッタ・・・

    マヤ「パワプロ君、元気ないけど・・・どうしたんだろ」


174 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 08:04:03.47 ID:ypDwocMb0
    カキーンッ カキーンッ

    バシッ  バシッ

    シンジ「・・・」

    レイ「・・・なにをボーッとしてるの?」

    シンジ「あ、綾波・・・」

    レイ「練習中よ」

    シンジ「ごめん、昨日の試合の事を思い出してて・・・ヒット取れなかったし・・・最後にエラーしちゃったし・・・」

    レイ「気にしたってしょうがないわ」

    シンジ「・・・・・・・うん、わかってるんだけど・・・」

    レイ「・・・心配はいらないわ」

    シンジ「え?」

    レイ「貴方がミスしても、私がカバーすればいいだけの話」

    シンジ「・・・」

    レイ「戻りましょう」

    シンジ「・・・うん」


176 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 08:06:14.43 ID:ypDwocMb0

    そして、ついにあかつき大付属高校との試合当日


    矢部「名門のあかつきが相手でやんすか・・・正直不安でやんす」

    シンジ「そんなに強いの・・・?」

    レイ「甲子園の常連高よ」

    ケンスケ「げ、マジかよ?そんな相手に僕達が勝てるわけないじゃん!」

    トウジ「なに、やる前から諦めてんねん」

    アスカ「トウジの言うとおりよ!男のくせに情けない事言うんじゃないの!」

    奥居「う~ん」

    パワプロ「ここまで来たらやるしかない。皆、頑張ろう!」

    田中山「お、おー・・・」


    猪狩「やぁ、ネルフ高校野球部の皆さん」

177 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 08:10:25.12 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「あ、猪狩!」

    矢部「出たでやんす!」

    猪狩「失礼な、人を幽霊みたいに」

    シンジ「(同じ苗字?)」

    アスカ「わざわざ何の用よ?」

    猪狩「いや、試合前の挨拶にとでも思ってね」

    トウジ「なんや、ええ奴やないか」

    レイ「・・・」



    猪狩「ふふ、パワプロ。ここで中学の借りを返させてもらうよ」
    タッタッタ・・・

    シンジ「・・・借り?」

    矢部「パワプロ君は中学の試合で猪狩君にホームランを浴びさせた事があるのでやんす」

178 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 08:13:53.97 ID:ypDwocMb0
    ケンスケ「ほ、本当かよ?あの名門投手相手に??」

    パワプロ「偶然振ったバットが当たっただけだよ」

    アスカ「それでもあの猪狩にホームランってのは凄いわね・・・」

    トウジ「急にパワプロが頼もしく見えてきたで」

    奥居「俺もだぜ~!」

    パワプロ「どういう意味だよそれ」

    田中山「なんか、いけそうな気がしてきたぞ~!」

    シンジ「うん、確かに・・・」

    レイ「そろそろ始まるわ」

    アスカ「(昔話で皆のやる気が少し上がったみたいね・・・いい感じだわ)」

    矢部「よーし!みんな、やってやろうでやんす!」

    アスカ「私の台詞よ、矢部!みんな、名門なんて名前は忘れて全力で試合に望むわよ!!」

    全員「おおーーー!!」


    そして遂に試合が始まった

179 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 08:17:06.30 ID:ypDwocMb0
    パワプロの過去の活躍を聞いたネルフ高校野球部は全力であかつき大付属高校に挑んだ




    ・・・が


    審判「ゲームセット!!」

    5回裏

    あ10-ネ0


    アスカ「・・・」

    シンジ「・・・」

    トウジ「・・・」

    パワプロ「(やっぱり、あかつきを相手にするには早過ぎた)」


    秋の予選はネルフ高校のコールド負けという結果で終わった

180 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 08:22:38.09 ID:ypDwocMb0
    マヤ「みんな、お疲れ様・・・」

    アスカ「・・・・・・・・」

    トウジ「・・・強いってもんやないであいつら」

    ケンスケ「やっぱり、俺達じゃ甲子園なんて無理なんじゃ・・・」

    シンジ「・・・・僕みたいな素人じゃ」

    パワプロ「み、みんな・・・」

    矢部「そんな事ないでやんす!!まだ一年目でやんす!頑張って練習すれば絶対に勝てるでやんす!」

    マヤ「そうそう!まだ野球部は始まったばかりじゃないの!みんな、頑張ろうよ!」

    トウジ「・・・そやな」

    ケンスケ「・・ん~・・・・」

    シンジ「・・・」

    奥居「(嫌な空気だぜ~)」

    レイ「・・・」

181 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 08:28:14.87 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「(思った通りの結果になっちゃった・・・どうにかしないと


    ダンッッ!!!


    マヤ「!!」

    パワプロ「!?」

    矢部「!!?」

    レイ「?」

    シンジ「ア、アスカ・・・?」

    アスカ「・・・・く・・・・・・!!!!」

    パワプロ「・・・く?」


    アスカ「く~・・・や~・・・し~~~・・ッッッ!!!」

182 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 08:34:02.35 ID:ypDwocMb0
    トウジ「ど、どうしたんや」

    アスカ「どうしたじゃないわよ!!こんな惨めな負け方してアンタ達悔しくないの!!?」

    ケンスケ「え・・・」

    トウジ「そ、そりゃまぁ・・・」

    アスカ「バカシンジ!!アンタはどうなの!?」

    シンジ「え、ぼ、僕?・・・その・・・」

    アスカ「その、じゃなくて!」

    シンジ「く、悔しい・・・よ・・」

    アスカ「でしょう?皆も悔しいでしょ!?」

    奥居「お、おう」

    田中山「う、うん・・・」

    矢部「アスカちゃん、怖いでやんす」

    アスカ「この私にコールド負けをさせるなんて~~~・・・!!次に当たった時には絶対に叩きのめしてやるんだから~~~!!」


184 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 09:12:42.62 ID:UmeitCVGO
    パワプロ「お、落ち着いてアスカちゃん・・・」

    アスカ「みんな!これから学校に戻って今日の悪かった所を徹底的に直すわよ!!」

    シンジ「こ、これから?」

    ケンスケ「試合やったばっかじゃんか!」

    アスカ「何が試合よ!!バッターボックスに突っ立ってただけのクセに!」

    ケンスケ「うっ」

    アスカ「そういう事は打てるようになってから言いなさいよね!さ、みんな行くわよ!!」
    タッタッタ…

    レイ「わかったわ」

    シンジ「あ、待ってよアスカ・・・」

    トウジ「しゃあないの、行くで。ケンスケ!」

    ケンスケ「わ、わかったよ~・・・」
    タッタッタ…

185 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 09:15:26.27 ID:UmeitCVGO
    パワプロ「・・・重い空気が晴れて良かったのかな・・・?」

    矢部「アスカちゃんが負けず嫌いな性格で良かったでやんす」

    奥居「俺達も負けてられねぇぜ~!」

    田中山「そうだそうだ、早く学校に戻ろう」

    パワプロ「そうだな、今回はあかつきにボロ負けしたけど、来年こそは絶対に勝つぞ!」

    矢部「おー!でやんす!」

    マヤ「みんな、頑張ってね!」

186 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 09:20:28.46 ID:UmeitCVGO
    猪狩「やあ、パワプロ」

    パワプロ「あ、猪狩!」

    矢部「また出たでやんす!」

    奥居「このヤロ~、また嫌味を言いに来たのか~?」

    猪狩「まぁまぁ、負けたからってそういきり立たないでくれ」

    パワプロ「強いな、あかつきは。・・・完敗だったよ」

    猪狩「これでとりあえず一勝・・・。君との勝負は引き分けたわけだ」

    パワプロ「ああ、だが来年は負けないぞ」

    猪狩「フッ、せいぜい楽しみにしてるよ、じゃあな」
    タッタッタ…

    田中山「なんだ、それだけを言いに来たのか」

    矢部「意外に律儀でやんす」

    パワプロ「よし、学校に戻って練習するぞ!すでに次の戦いは始まっている!!」

    矢部「おおーっ!でやんす!」

187 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 09:29:48.36 ID:UmeitCVGO
    月日はあっという間に過ぎ、俺達は二年生になった

    新入生が入ってくる時期なので俺達も勧誘に力が入る

    しかし、そんな大事な時にある事件が起こった


    ・・・・

    アスカ「どう?パンフレットは出来た?」

    パワプロ「うん、いい感じだよ」

    レイ「・・・」パラパラ

    奥居「レイちゃん、器用なんだな~。このパンフレット凄く良く出来てるぜ~」

    ケンスケ「字も綺麗で見易いし」

    レイ「そう?」

    矢部「勉強も出来て野球も出来る、さらに手先器用で言うことないでやんす!お嫁さんにしたいでやんす!」

    レイ「断っておくわ」

    矢部「そ、そんなハッキリ言われるとキツイでやんす」

    「ははははは」

    アスカ「・・・」

188 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 09:33:19.00 ID:UmeitCVGO
    シンジ「今年は何人か入ってくれるかな」

    トウジ「ウチの高校はサッカーとテニスが有名やからなぁ・・・待ってるだけじゃこんやろ」

    アスカ「だから、このパンフレットを使って皆で勧誘するのよ」

    矢部「・・・そういえば、田中山君がまだ来てないでやんすね」

    パワプロ「そうだね、学校でも見かけなかったな・・・」

    シンジ「風邪でも引いて休んでるのかな」

    ガチャッ

    マヤ「・・・」

    アスカ「あ、監督」

    パワプロ「田中山は休みですか?」

189 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 09:41:45.41 ID:UmeitCVGO
    マヤ「・・・みんな、驚かないで聞いてね。・・・田中山君が今朝、交通事故に遭ったの」

    レイ「!」

    全員「えええっ!」

    マヤ「学校に向かって横断歩道を渡ってる途中、信号無視したトラックが田中山君に突っ込んだの」

    パワプロ「そ、それで田中山は?」

    アスカ「無事なんですか?」

    マヤ「ええ、一命は取り留めたわ」

    トウジ「ほっ・・・」

    矢部「良かったでやんす」


191 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 09:46:14.55 ID:UmeitCVGO
    マヤ「でも、絶対安静の身だから・・・退院して野球部に復帰するのは無理かもしれないわ」

    ケンスケ「あ、そうか・・って事はまた一人足りなくなるんだ」

    パワプロ「田中山の命が助かって良かったですよ!部員はこれからすぐに集められますし!」

    アスカ「パワプロの言う通りね!田中山がいない分も私達が頑張るわよ!」

    シンジ「うん!」

    トウジ「おう!!」

    レイ「ええ」

    矢部「頑張るでやんす!」


    田中山の途中脱落という突然の事態にも、俺達はめげる事なく新入生への勧誘を行った

 
193 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 09:51:27.30 ID:UmeitCVGO
    二週間後

    ・・・必死に勧誘を続けるも、野球部に入りたいという新入生は見つからなかった

    アスカ「どう?野球部に入らない?」

    「あ、自分サッカーやるんで・・・すみません」
    タッタッタ…

    アスカ「・・・はぁ」

    パワプロ「アスカちゃん、どう?」

    アスカ「あ、パワプロ・・・ダメね。アンタ達の方は?」

    レイ「駄目だったわ」

    パワプロ「二週間も経つと入りたい部活も皆決まってるみたいでさ・・・」

    アスカ「・・・そう、困ったわね」

    パワプロ「矢部君とトウジ達はどうしてるかな・・・?」

194 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 09:56:04.25 ID:ypDwocMb0
    ケンスケ「野球部なんてどう?」

    「あ、すいません。大丈夫です・・・」

    ケンスケ「・・・ちぇっ」

    トウジ「どうや、そっちは?」

    ケンスケ「全然駄目だよ」

    シンジ「こっちも駄目だった・・・」

    トウジ「こうなると人気のあるサッカー部とテニス部が憎たらしいの~」

    ケンスケ「本当だよ。野球だって面白いのになぁ・・・」

    ヒカリ「あ、鈴原君達」

    トウジ「お、委員長」

 
197 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 10:01:53.08 ID:ypDwocMb0
    ヒカリ「部活の勧誘?大変だねー」

    シンジ「本当だよ、もう何回声かけたか・・・」

    ケンスケ「せっかく気合入れたパンフレット作ったのになぁ~・・・」

    ヒカリ「どれどれ見せて・・・へぇ~、良く出来てるね~」

    トウジ「殆ど、綾波の手作りや」

    ヒカリ「綾波さんの?確か、綾波さんも野球部部員なんでしょ?」

    シンジ「うん、そうだけど」

    ヒカリ「野球部の練習しながらこれ作るのって結構大変じゃない?」

    トウジ「ワシらが作ろうとするとアスカが汚いって怒るんや」

    ケンスケ「ウチの部マネージャーがいないからなぁ」

    ヒカリ「マネージャーか・・・」

    シンジ「・・・?」

198 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 10:05:57.87 ID:ypDwocMb0
    アスカ「遅いわねー」

    パワプロ「うん」

    マヤ「もしかしたら、新しい部員が見つかったかもよ?」

    ガチャッ

    トウジ「戻ったでー!」

    アスカ「お疲れ。どうだった?」

    ケンスケ「選手ではないけど・・・」

    パワプロ「?」

    シンジ「マネージャー志望の子を連れてきたよ」

    ヒカリ「こんにちは~」

    パワプロ「あ、委員長じゃん!」
    レイ「・・・」

    マヤ「洞木さん!マネージャーやってくれるの?」

    ヒカリ「はい、人手が足りないって聞きましたんで・・・」

    アスカ「助かるわ、ヨロシクね」
    ヒカリ「うん、よろしく!」

201 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 10:17:06.26 ID:ypDwocMb0
    矢部「ただいまでやんす!」

    シンジ「あ、おかえり」

    奥居「悪ぃ、駄目だったぜ~」

    パワプロ「そうか・・・残念」

    ヒカリ「あ、矢部君!」

    矢部「あれ、委員長でやんす」

    奥居「同じクラスの子か~?」

    アスカ「喜んで、彼女がマネージャーになってくれるって来てくれたの」

    矢部「おお!本当でやんすか!!野球部にようこそでやんす!」

    ヒカリ「ふふ、ヨロシクね」

    奥居「よろしく頼むぜ~!」

    マヤ「これでレイちゃんの負担も減るね!」

    レイ「・・・」コクリ

    トウジ「後一人・・・中々集まらないモンやなぁ・・・ほんま」

    アスカ「なんとか夏の試合前には見つけたい所ね・・・」

202 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 10:19:42.65 ID:ypDwocMb0
    その後、何度も勧誘はするも結局入部希望者は見つからず、夏の地区大会の日が来てしまった


    ミーン ミーン

    パワプロ「ああ、今日から大会か・・・」

    矢部「また出場出来なかったでやんすねぇ・・・」

    トウジ「練習ばっかやと正直、飽きてくるのぉ」

    シンジ「うーん・・・確かに」

    アスカ「コラコラ、大会に出れなかったからって落ち込んでるんじゃないわよ!」

    パワプロ「アスカちゃん」

    奥居「ああ~、試合がしてぇぜ~」

    レイ「・・・」

    アスカ「大丈夫よ、秋の大会前には一人くらい見つかるわよ・・・きっと」

    ケンスケ「そうだといいけどなぁ」

204 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 10:25:39.11 ID:ypDwocMb0
    数日後 

    病院

    田中山「・・・はぁ、暇だな~」

    コンコン

    田中山「ん?はーい」

    ガラガラ

    パワプロ「よっ」

    矢部「お邪魔しますでやんす」

    田中山「お、パワプロに矢部!」

    パワプロ「調子はどうだ?」

    田中山「うん、リハビリも順調に行ってるし・・・もう少しで退院出来そうなんだ」

    矢部「良かったでやんす!」

    田中山「ごめんな・・・みんなに迷惑かけて」

    パワプロ「いやいや、気にしないで気にしないで。こっちはなんとかやってるからさ」

205 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 10:27:52.01 ID:ypDwocMb0
    矢部「田中山君は何も気にする事ないでやんす」

    田中山「ありがとう・・・」

    ガララッ

    ダイジョーブ博士「田中山サーン、検診デスヨー」

    田中山「あ、院長先生」

    パワプロ「こんにちわー」

    ダイジョーブ博士「オウ?オ友達デスカ?」

    矢部「そうでやんす」

    ダイジョーブ博士「ソノ格好ハ・・・アナタ達野球部員デスカ!」

    パワプロ「はい、そうです」

    ダイジョーブ博士「ソウデスカー・・・トイウ事ハ田中山サンモ野球部員ダトカ?」

    田中山「はい、実はそうなんです」

    ダイジョーブ博士「ジャア早ク怪我ヲ治シテ野球部ニ復帰シタイデスヨネー?」

    田中山「出来る事なら戻りたいですけど・・・」

206 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 10:30:10.19 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「田中山・・・」

    ダイジョーブ博士「本当ノ本当ニ戻リタインデスネー?」キュピーン

    田中山「え・・・ええ」

    パワプロ「(な、なんだこの先生?)」

    ダイジョーブ博士「オッケー!ワカリマーシタ!マタ後デ会イマショー!」

    ガララ ピシャッ

    田中山「あ・・・行っちゃった」

    矢部「検診に来たんじゃないんでやんすか?」

    パワプロ「なんか変な先生だったな」

    田中山「腕は確からしいんだけどな」

209 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 10:40:37.69 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「じゃあ、そろそろ帰るよ」

    田中山「うん、わざわざ来てくれてありがとうな。みんなにもヨロシク言っておいてくれ」

    矢部「野球部の心配はいらないでやんす。ゆっくりと治してくれでやんす!」

    田中山「うん、ありがとう」

    パワプロ「じゃあな、お大事にー」

    矢部「やんすー」

    ガララッ ピシャッ


    田中山「(さて、ちょっと眠るかな・・・)」

    ガララッ

    田中山「ん?何か忘れもの・・・

    「ギョギョ」

    田中山「わっ?なんだお前?」

    「ギョ」プシューー・・・

    田中山「な・・・眠・・・・」バタッ

210 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 10:43:06.76 ID:ypDwocMb0
    田中山「・・・うーん、あれここは?」

    ダイジョーブ博士「ハーイ、コンバンハー!」

    田中山「え?い、院長先生??」

    ダイジョーブ博士「田中山サーン、アナタノ願イヲ叶エニキマシタヨー!」

    「ギョギョ」

    田中山「願い?っていうかこの人は・・・」

    ダイジョーブ博士「細カイ事ハ気ニシナクテイインデース。サ、ゲドー君オサエテクダサーイ」

    「ギョギョ」

    ガキッ

    田中山「わぁっ、な、何を・・・」

    ダイジョーブ博士「ダイジョーブ、アナタノ不運ハ逆ニ幸運ヲ呼ビマース・・・!」

    キュイイイイイイーーーーーン

    田中山「うぎゃあああああああ!!!!」

211 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 10:46:30.04 ID:ypDwocMb0
    翌週 教室

    ガラガラ

    パワプロ「おはよ~」

    矢部「あ、パワプロ君!おはようでやんす!!」

    レイ「・・・おはよう」

    パワプロ「おはよう、矢部君、レイちゃん」

    田中山「おはよう、パワプロ」

    パワプロ「ああ、おはよう田中や・・・  ・・・ええ!?」

    田中山「戻ってきたぞー」

    パワプロ「え、戻って来たって・・・え?」

 
213 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 10:55:39.50 ID:UmeitCVGO
    田中山「お前達が見舞いに来てくれた次の日の朝起きたら怪我が治っててさー」

    矢部「オイラも教室入った時は驚いたでやんす」

    レイ「有り得ないわ」

    パワプロ「奇跡だ・・・」

    ガララッ

    トウジ「おーっす・・・・・おお!?」

    ケンスケ「え?」

    シンジ「た、田中山君・・・?」

    田中山「やあ」

    トウジ「どういうこっちゃ!?」

    シンジ「だ、大丈夫なの?」

    田中山「いや、実はさー・・・

214 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 10:58:34.64 ID:UmeitCVGO
    放課後

    カキーン カキーン

    田中山「とうっ!」

    バシッ

    トウジ「ナイスキャッチや!田中山!!」

    レイ「・・・前より動きがキレてる」

    シンジ「うん、本当に奇跡だね」


    アスカ「不思議な事もあるもんねぇ」

    パワプロ「本当だよ。でも、戻ってきてくれて良かった」

    マヤ「そうだね、これで秋の試合には出場出来るし」

    矢部「今度こそ、打倒あかつきでやんす!!」

    アスカ「今度はこっちがコールド負けを食らわせてやるのよ!!」


216 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 11:01:03.10 ID:UmeitCVGO
    ある日

    マヤ「ノック行くよー!」

    矢部「ばっちこーい!でやんす!!」

    マヤ「えいっ」

    ブンッ

    スカッ

    マヤ「あらっ・・・」

    アスカ「~~~」

    「ははははは」

    パワプロ「監督ドンマーイ!」


    ミサト「やってるわね~」

217 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 11:03:50.97 ID:UmeitCVGO
    マヤ「あ、葛城先生。どうかしたんですか?」

    ミサト「今日、バレー部は休みなのよん。だから暇でね~」

    マヤ「そうなんですか」

    ミサト「なに?ノックやってるの?」

    マヤ「はい、でも難しいですね。当てるのって」

    ミサト「そんな事ないわよ。ちょっち貸してみて」

    マヤ「え、あ・・・はい」


    ミサト「よーし!ノック行くわよーー!」

    パワプロ「え?葛城先生がやるのか?」

218 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 11:09:55.82 ID:UmeitCVGO
    キーーンッ

    レイ「! くっ」パシッ

    ミサト「ナイスキャッチ!」

    全員「おおおおぉぉ・・・」

    マヤ「葛城先生、野球出来たんですか?」

    ミサト「ん~?まぁ、スポーツならだいたいはね~・・・さあ、まだまだ行くわよーー!!」


    カキィンッ カキーンッ



    マヤ「(・・・仕事取られちゃった)」

219 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 11:16:24.45 ID:UmeitCVGO
    マヤ「(ボールでも磨いてようかな・・・)」

    加持「よぅ、伊吹先生!」

    マヤ「あ、加持先生」

    加持「ははは、葛城に仕事を取られちゃったみたいだな」

    マヤ「いえ、私なんかより葛城先生の方が練習になりますから・・・」

    加持「おいおい、野球部の監督がそんな事言ってどうするんだよ」

    マヤ「でも・・・私じゃ彼等の役には・・・」

    加持「伊吹先生は野球経験浅いんだろ?なら仕方ないさ。皆と一緒に上達してけばいいのさ」

    マヤ「う~ん」

220 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 11:19:15.22 ID:UmeitCVGO
    加持「なんだったら、俺が練習用のピッチングマシーンを作ってやろうか」

    マヤ「ほ、本当ですか!?」

    加持「え、あ・・・まぁ、暇があったらだが」

    マヤ「是非お願いします!私も自主練習頑張りますんで!」

    加持「お、おう」

    マヤ「じゃあ私、ボール磨きがあるんで失礼します!」
    タッタッタ…


    加持「・・・やれやれ、冗談半分に言ったんだけどな。まぁ、いいか」

 

232 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 12:41:11.72 ID:ypDwocMb0
    数日後

    教室

    マヤ「みんな、おはようございます」

    「おはようございます」

    マヤ「えーと、いきなりですが、今日の一時限目は学年抜き打ちテストを行います!」

    パワプロ「ええ!?」

    ざわざわ・・・ ざわ・・・

    矢部「聞いてないでやんす!」

    マヤ「聞いてたら抜き打ちの意味がないでしょ?」

    トウジ「うあ~・・・ホンマかいな~」

    マヤ「大丈夫よ、普段の授業内容を頭に入れていれば。じゃあ、配りますよ~」


233 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 12:42:53.95 ID:ypDwocMb0

    パワプロ「矢部君、どうだった?」

    矢部「大ピンチでやんす」

    トウジ「ワシ絶対赤点やで~」

    シンジ「僕もちょっと不安だな・・・」

    矢部「レイちゃん、どうだったでやんすか?」

    レイ「・・・別に、いつも通り」」

    パワプロ「流石レイちゃん。余裕があるなぁ」

    矢部「オイラも勉強出来る頭になりたいでやんす~」

    レイ「勉強なんて誰でも出来るわ。・・・ただ、やろうとしないだけ」

    矢部「うぐ、相変わらずキツイでやんす」

    パワプロ「ははは、でも正論だよね・・・」

234 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 12:46:47.75 ID:ypDwocMb0
    翌日

    シンジ「パワプロ君、昨日のテストの結果が張り出されてるらしいよ」

    パワプロ「本当?よし、見に行こうか」

    矢部「オイラは行きたくないでやんす」


    ・・・・


    パワプロ「ん?あそこにいるのって・・・」

    シンジ「アスカだ」


    アスカ「・・・・・・ふんっ」
    タッタッタ・・・


    パワプロ「?なんか機嫌悪そうだったな?」

    シンジ「まさか赤点取ったとか・・・」

    矢部「アスカちゃんに限ってそれはないでやんす」

235 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 12:49:41.36 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「どれどれ・・・よかった、赤点ギリギリ免れた」

    シンジ「僕もだ。思ってたより良かったかな・・・」

    矢部「野球部員は田中山君以外は全員セーフでやんすね」

    パワプロ「うん・・・お!レイちゃんが学年1位だ!!すごい!!」

    シンジ「ホントだ・・・2位がアスカか・・・しかも2点差」

    矢部「なるほど、アスカちゃんの機嫌が悪かったのも納得でやんす」

    パワプロ「?」

    シンジ「どういう事?」

    矢部「以前、パワプロ君がなんでアスカちゃんはレイちゃんに厳しいのかって言ってたでやんすよね?」

    パワプロ「ああ・・・そんな事言ってたっけ」

    シンジ「(そうだったんだ・・・)」

236 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 12:52:16.89 ID:ypDwocMb0
    矢部「アスカちゃんはあの通り、負けず嫌いな性格でやんす。自分と同じく勉強も出来てスポーツも出来るレイちゃんにライバル心を持っているのでやんすよ」

    パワプロ「ライバル心か・・・なるほど、勧誘の時レイちゃんがいてくれたからテニス部を蹴ってこっちに来てくれたのか」

    矢部「アスカちゃん、素直な性格じゃないでやんすからキツイ態度をとっちゃうんでやんすよ」

    シンジ「・・・矢部君、詳しいね」

    矢部「よくある性格でやんす」キリッ

    レイ「そうだったの」

    パワプロ「うわ、ビックリした!」
    シンジ「あ、綾波いつの間に・・・」
    レイ「私が彼女を困らせていたのね」

    パワプロ「いや、別に困らせてたわけじゃ・・・」

    レイ「気をつけるわ」
    スタスタスタ・・・

    矢部「・・・」

    シンジ「気をつけるって・・・」

    パワプロ「別にレイちゃんが悪いわけじゃないのに・・・」

    この日以降、レイは高校卒業までテスト順位を3~4位でキープしていく事になる

237 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 12:55:28.21 ID:ypDwocMb0
    月日は進み、夏合宿


    ザー・・・ザー・・・

    パワプロ「ここに来たのが1年前なんて信じられないな・・・」

    矢部「月日が経つのはあっという間でやんす」

    奥居「もう2年生なんだもんな~俺達。・・・今年こそはいい結果だしてぇぜ~」

    ヒカリ「あ、こんな所にいた!」

    パワプロ「あ、委員長」

    ヒカリ「キャプテンが怒ってるわよ、早く集合しなさいって」

    パワプロ「ひえっ、そりゃ大変だ」

    矢部「初日からアスカちゃんの機嫌を損ねると怖いでやんす」

    奥居「急ごうぜ~」

238 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 13:04:21.19 ID:ypDwocMb0

    アスカ「遅いわよ、アンタ達!」

    パワプロ「ごめんごめん」

    矢部「申し訳ないでやんす」

    アスカ「・・・去年の秋の試合はあかつき高校に完膚無きまでに叩きのめされたわ!」

    レイ「・・・」

    アスカ「だけど、今年はそうはいかない!今度はこっちがコールド勝ちするぐらいの意気込みで挑むのよ!わかった!?」

    全員「お、おう」

    アスカ「声が小さい!」

    全員「おーー!!」

    アスカ「よろしい」

 
241 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 13:19:39.28 ID:ypDwocMb0
    合宿3日目

    アスカ「パワプロ、ちょっと買い物に行くから手貸して」

    パワプロ「俺?いいけど・・・」


    ・・・・

    ミーン ミーン・・・

    パワプロ「やぁ、暑いねぇ。ところで、買い物って何を?」

    アスカ「スポーツ飲料がなくなりそうなのよ。沢山買うから男手が必要なの」

    パワプロ「なんだ、荷物持ちか」

    アスカ「なんだと思ったのよ」

243 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 13:21:28.23 ID:ypDwocMb0
    売店

    アスカ「え~と・・・」

    パワプロ「お、新しいパワリンだ」

    「あれ?あんた達は確か・・・」

    アスカ「ん?」

    パワプロ「?」

    阿畑「去年試合で当たったネルフ高校さんやな!覚えてるで!」

    アスカ「あ・・・確かそよ風高校の」

    阿畑「そや、投手やってた阿畑やすしや!こんな所で会うなんて奇遇やなぁ!」

    パワプロ「ああ・・・!あの凄い変化球投げてた!」

    阿畑「お、嬉しい事言ってくれるなー!あれはな、魔球アバタボールっていうんや!」

    パワプロ「アバタボール・・・」

    アスカ「あんた達も合宿?」

    阿畑「そや、向こうの方でな。いや~しかし、君が投手やってるとはな~・・・今でも信じられへんで」

244 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 13:23:15.75 ID:ypDwocMb0
    アスカ「女が投手やってちゃ悪い?」

    阿畑「いやいや、誰もそんな事言っとらんやん!むしろ、立派やと思うで~」

    アスカ「そ、そう?」

    阿畑「ああ、特にあのカーブのキレにはウチの部員達も驚いてたで」

    アスカ「ふ、ふん。当然よ!」

    パワプロ「(・・・嬉しいくせに)」

    阿畑「しかもあのカーブ・・・もっと磨く事が出来そうやで」

    アスカ「本当に?」

    パワプロ「へぇー」

    阿畑「勿論、変化球マスターのワイが言うんやらか間違いない!なんやったら、コツ教えたろか?」

    アスカ「え?・・・でも、いいの?敵に塩を送るような真似して」

    阿畑「変化球を愛する者に敵も味方も関係あらへん!あんたはスジが良さそうやしな!」

245 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 13:27:46.60 ID:ypDwocMb0
    アスカ「しょ・・・しょうがないわね。パワプロ」

    パワプロ「なに?」

    アスカ「そういう訳だから、買い物はあんたに任すわ。はい、これお金と必要な分書いてるメモ」

    パワプロ「え、ちょ・・・」

    アスカ「頼んだわよ。さ、行きましょ」

    阿畑「おう、任しとき!」

    パワプロ「ちょっとアスカちゃ・・・行っちゃったよ」

247 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 13:38:35.64 ID:ypDwocMb0
    奥居「あれ?パワプロは何処いったんだ~?」

    矢部「アスカちゃんと買いだしに出かけたでやんす」

    シンジ「出て行って結構経つよね・・・迷ってるのかな」


    ガラガラ

    パワプロ「た・・・ただいま」

    ヒカリ「パワプロ君?だ、大丈夫??」

    トウジ「戻っ・・・て、凄い量やな」

    パワプロ「こ、こんなの一人で持ちきれるか・・・・はぁ、はぁ」ドサッ

    レイ「気合ね」

    パワプロ「・・・・・・ありがとう」


249 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 13:41:28.13 ID:ypDwocMb0
    矢部「アスカちゃんはどうしたでやんすか?」

    パワプロ「・・・修行に出ちゃったよ」

    田中山「修行?」

    シンジ「パワプロ君置いて行っちゃったの?」

    パワプロ「偶然、そよ風高校の部員の人と出会ってね・・・アスカちゃんの変化球を強化してくれるって言ってくれてそれで」

    奥居「変化球の強化か~」

    ケンスケ「そんな上手い話あるか?」

    矢部「なんか心配になってきたでやんすね」

    シンジ「・・・アスカの事だから大丈夫だと思うけど」

250 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 13:46:53.25 ID:ypDwocMb0
    田中山「確かに、アスカちゃんが暴れれば不良の一人や二人くらい簡単にのしちゃいそうだしなー」

    「ははは」


    アスカ「誰が暴れ馬ですって?」
    ゲシッ

    田中山「ぎゃふっ」ドタッ

    パワプロ「ア、アスカちゃん!」

    シンジ「おかえり」

    アスカ「ったく、アンタ達あたしをなんだと思ってるのよ・・・」

    トウジ「変化球は強化出来たんか?」

    アスカ「ええ、今見せてあげるわ。みんな、外に出て」

251 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 13:49:30.24 ID:ypDwocMb0
    アスカ「準備はいい?二人とも?」

    トウジ「おう、かかってこんかい!」

    パワプロ「オッケー!」


    アスカ「行くわよ、これがあたしの新変化球!」

    ビシュッ

    ギュオオオオオオッ
    クッ
    パワプロ「(カーブ?これが新変化球?)」

    ククッ
    パワプロ「(!な、なんだこの変化はっ・・・!)」

    ブンッ
    ズバンッ

    トウジ「・・っとストライク!」

253 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 13:52:46.94 ID:ypDwocMb0
    マヤ「わー・・・アスカちゃん、すごい!」

    矢部「もの凄いキレでやんす」

    アスカ「ふふん、あたしにかかればこんなモンよ」

    パワプロ「うん、前のカーブとは段違いだよ」

    シンジ「へぇ・・・」

    矢部「アスカちゃん、名前はないでやんすか?」

    アスカ「え、名前?」

    矢部「魔球には名前をつけるのが常識でやんす!!」

    アスカ「そんな常識聞いた事ないわ。えーと・・・何にしようかしら」

 
256 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 14:01:59.05 ID:UmeitCVGO
    奥居「カーブ・・・なんか迫力ある名前がいいよな~」

    アスカ「迫力のある名前ね・・・」

    パワプロ「・・・」

    矢部「・・・」

    シンジ「・・・」

    アスカ「う~ん・・・」

    トウジ「捕る側から見ると、スッパリ斬るような変化に見えるで」

    矢部「カミソリカーブみたいな感じでやんすね」

    アスカ「カミソリカーブか・・・でもあたしにそんな名前の変化球は似合わないわ・・・」

257 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 14:06:28.49 ID:UmeitCVGO
    レイ「・・・」

    アスカ「! よし、決まったわ!」

    パワプロ「なにに?」

    アスカ「名付けてソニックグレイブ!」

    シンジ「ソ、ソニックグレイブ?」

    トウジ「確かに、インパクトある名前やな」

    アスカ「相手の戦意ごとぶった切るという意味合いで考えたわ!どう?」

    レイ「・・・」コクリ

    矢部「強そうな名前でやんす!」

    アスカ「よし!そういう訳でソニックグレイブに決定!あかつきの奴らの驚く顔が目に浮かぶわー!」


    こうしてアスカは魔球ソニックグレイブを手に入れた

 
265 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 15:16:38.61 ID:ypDwocMb0
    合宿も終わり、いよいよ秋の地区大会が始まった


    パワプロ「ついに来たぞ、秋の地区大会!!」

    矢部「やるでやんす!!」

    ヒカリ「一回戦の相手は恋恋高校ね、みんな頑張って!」

    パワプロ「恋恋高校か・・・確かウチみたいに部員に余裕のない学校だったけ」

    矢部「そうでやんす!可愛いマネージャーがいるのでやんす!」

    アスカ「なんでそんな事知ってんのよ」


266 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 15:18:16.10 ID:ypDwocMb0
    ネルフ高校スタメン

    矢部  外野 DEBCC
    田中山 遊撃 CDDCB
    パワプロ外野 DCBCC
    鈴原  捕手 EBDBD
    奥居  外野 CDCDC
    綾波  二塁 BFCCB
    碇   一塁 CECDD
    相田  三塁 EEDDE
    アスカ 投手 DFCDC

    試合開始


    恋恋高校はそよ風やあかつきと比べると然程強い相手でもなく、注意する選手もいなかった為ネルフ高校は大した苦戦もせず、恋恋高校に勝利した

    ネ3-恋1


    パワプロ「よし!勝ったぞ!!」

    アスカ「楽勝ね、魔球を使うまでもない相手だったわ」

    矢部「次はあかつきでやんすね!!」

    パワプロ「ああ!今度こそ絶対に勝つ!!!」

267 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 15:20:29.68 ID:ypDwocMb0
    翌週

    パワプロ「ええ!?あかつきが負けた?」

    アスカ「それ本当?」

    ヒカリ「うん、間違いないわ」

    シンジ「って事は・・・」

    矢部「次に当たるのは何処なんでやんすか?」

    マヤ「パワフル高校よ。あかつきの強いって言われてる高校」

    パワプロ「(猪狩・・・お前が予選で負けるなんて)」

    田中山「へぇー・・・」

    奥居「あのパワフル高校があかつきをな~」

    ヒカリ「パワフル高校には二人の留学生がいるらしいの。気をつけてね」


268 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 15:23:38.93 ID:ypDwocMb0
    そして試合当日


    アスカ「さぁ、みんな。この試合に春の甲子園の出場権がかかっているのよ!絶対に勝つわよ!」

    トウジ「おう!やったるで!!」

    レイ「ええ」

    奥居「あれ?パワプロと矢部はどうしたんだー?」

    シンジ「パワプロ君なら、トイレに行ってるよ」

    田中山「矢部はなんかアニメの録画を家族に頼むの忘れたって電話しに行ったぞ」

    アスカ「ったく、試合前だってのに・・・」

    トウジ「まぁ、リラックス出来てええやんけ。なあ?」

    ケンスケ「そうだな、試合中にウンコしたくなっちゃたまらないしな」

    ヒカリ「ちょっと、下品よ!」

    「ははははは」

271 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 15:31:02.14 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「ふう、スッキリした。急いで戻らないと・・・ん?」

    「・・・」

    パワプロ「あれは矢部君じゃないか。あんな所で突っ立って何してるんだ?」


    パワプロ「矢部君!」

    「あ、ここにいたでヤンスカ」

    パワプロ「探しててくれたの?ごめん、遅くなって。急いで戻ろう!アスカちゃんに怒られちゃうよ!!」

    「え、そっちは方角ガ・・・」
    タッタッタ・・・

272 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 15:32:32.61 ID:ypDwocMb0
    矢部「・・・じゃあヨロシク頼むでやんす、姉ちゃん」
    ピッ

    矢部「これで心配事はなくなったでやんす!急いで戻らないとアスカちゃんのカミナリが落ちるでやんす」

    「・・・」キョロキョロ

    矢部「ん?あれはパワプロ君でやんすか?・・・迷子になった子供みたいにキョロキョロしてるでやんす」

    「・・・」キョロキョロ

    矢部「パワプロ君!何してるでやんす?」

    「あ、探してたんだヨ」

    矢部「申し訳ないでやんす、急いで戻ろうでやんす!アスカちゃんに怒られたくないでやんすから!」

    「え、ちょ、そっちは方角ガ・・・」
    タッタッタ・・・

273 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 15:44:48.25 ID:ypDwocMb0

    アスカ「~~・・・遅いわねぇ」

    マヤ「うん・・・もうすぐで試合始まるのに」

    シンジ「探してこようか?」

    トウジ「そやな、皆で別れて探した方がええかもしれん」

    ヒカリ「・・・あ、待って!戻ってきたわ!!」

    パワプロ「お~い、ごめんごめん~!」
    タッタッタ・・・


    シンジ「良かった、矢部君も一緒だ」


    矢部「お待たせでやんす~!!」
    タッタッタ・・・

    奥居「あれ?こっちにも矢部とパワプロが来たぜ~?」

    田中山「え??」

    アスカ「ど、どういう事?」

274 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 15:46:35.39 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「え?あれ??矢部君!?」

    矢部君「え?パワプロ君でやんすか??じゃあオイラと一緒にいるのは誰でやんす?」

    「! あ、ヤーベン君!」

    パワプロ「ヤーベン?」

    ヤーベン「あ、パワプリオ君!探してたでヤンス!!」

    矢部「パワプリオ??」

    トウジ「な、なんや?何がどうなっとんのや?」

    アスカ「ちょ、ちょっと待って・・・どっちがどっちなの?」

275 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 15:49:42.03 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「は~・・・君達がパワフル高校の留学生なんだ」

    ヤーベン「そうでヤンス。オイラ、ヤーベン・ディヤンスでヤンス」

    パワプリオ「そして俺がパワプリオ」

    アスカ「しかし、不気味な程そっくりねぇ・・・」

    シンジ「世界には自分のそっくりさんが3人はいるって言うけど・・・」

    レイ「・・・」

    矢部「そんなに似てるでやんすか?」

    パワプロ「そっくりだよ、口調まで」

    奥居「ちなみに二人の守備位置は?」

    パワプリオ「俺は外野だヨ」

    ヤーベン「オイラは外野と二塁でヤンス」

    パワプロ「守備位置まで同じだなんて」

    トウジ「向こうの矢部の方が守備は器用なようやな」

    矢部「ひどいでやんす」

277 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 15:57:27.95 ID:UmeitCVGO
    パワプリオ「これも何かの運命だナ」

    パワプロ「ああ」

    ヤーベン「お手柔らかに頼むでヤンス」

    矢部「こっちは本気でやらせてもらうでやんす!!」

    パワプリオ「じゃあ、また試合で会おウ。ヤーベン君戻ろウ。キャプテンが心配していル」

    ヤーベン「オッケーでヤンス」
    タッタッタ…

    パワプロ「よし!この試合絶対に勝つぞ!」

    矢部「おー!でやんす!」

    アスカ「ちょっと、キャプテンはあたしなのよ?」

280 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 16:04:01.68 ID:UmeitCVGO
    試合開始

    一回表 パワフル高校の攻撃

    ヤーベン「いくでヤンス」

    アスカ「(矢部もどきが1番か・・・)」

    アスカの第一球

    ビシュッ

    ククッ

    ヤーベン「(カーブでヤンス!)」

    キィンッ!

    アスカ「!」

    打球は三塁方向へ


    ケンスケ「(げ!こっちに来た!)」

281 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 16:07:26.85 ID:UmeitCVGO
    急いで拾い、一塁へ投げるがヤーベンのヘッドスライディングの方が早くセーフ

    シンジ「(矢部君より速いみたいだ・・・)」


    ノーアウト、ランナー一塁(ヤーベン)

    パワプリオ「よし、ヤーベン君に続くゾ!」

    アスカ「(今度はパワプロもどきね!これ以上はさせないわよ!!)」

    アスカの第一球

    ビシュッ

    パワプリオ「(女の子にしては速い球を投げル・・・だガ!)」

    クククッ…

    パワプリオ「(変化!?うォッ)」

    カキッ

    いきなりアスカの魔球ソニックグレイブが炸裂

282 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 16:10:51.84 ID:UmeitCVGO
    打球はピッチャーゴロ

    アスカは拾ってすぐ二塁へ

    パシッ
    審判「アウト!」

    レイ「ッ」

    すかさず一塁へ送球

    シンジ「(来た!落ち着け、落ち着け・・・!)」

    パシッ

    審判「アウトー!」

    シンジ「・・・ほっ」

    試合開始早々ピンチだったが、アスカの魔球により無事抑える事が出来た


284 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 16:14:09.51 ID:UmeitCVGO
    二回裏

    ワンアウト、ランナー一塁(奥居)

    レイ「・・・」

    江崎「(これが噂の女選手か・・・)」

    江崎の第一球はスライダー

    ビシュッ

    クッ
    レイ「!」

    ブンッ バシッ

    審判「ストラーイク!」

    レイ「(・・・速い)」

    江崎「(色々苦労してるだろうけど、決めさせてもらうよ!!)」

    江崎の第二球

    ビシュッ

    レイ「(でも、打てない訳じゃない)」

    キンッ

285 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 16:17:28.50 ID:UmeitCVGO
    江崎「(なにっ!)」

    レイの放った打球はセカンド頭上を越えヒット

    その間に奥居は二塁へ


    奥居「(レイちゃん、やってくれたぜ~!)」グッ

    レイ「・・・」コクリ


    パワプロ「おお、さすがレイちゃん!」

    アスカ「チャンスよ!!」



    シンジ「(つ、次は僕だ・・・)」


288 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 16:21:06.14 ID:UmeitCVGO
    ネルフ高校 職員室

    ミサト「あ、冬月教頭」

    冬月「なんだね」

    ミサト「バレー部の予算の事で校長先生に聞きたい事があるんですけど、見掛けませんでしたか?」

    冬月「校長ならちょっと留守にしている」

    ミサト「え?またですか?」

    加持「この前も野球部の試合の日に留守してましたよね?まさか・・・」

    冬月「さあな」

    ミサト「なるほど、息子さんの活躍が気になるんですね~。素直じゃないんだからー」

289 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 16:23:42.92 ID:UmeitCVGO
    ブンッ

    ズバァンッ

    審判「ストライクツー!」

    シンジ「くっ・・・」



    アスカ「もう、しっかりしなさいよ!バカシンジ!!」

    矢部「(シンジ君はプレッシャーに弱いでやんす)」

    パワプロ「大丈夫だよ、シンジ君を信じよう!頑張って練習をしてきたんだ、必ずやってくれるよ!」

    トウジ「そうや、シンジ!しっかりせんかーい!」


    シンジ「(皆・・・ん?)」


291 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 16:26:28.09 ID:UmeitCVGO
    ゲンドウ「・・・」


    シンジ「(と、父さん?なんで観客席に・・・)」


    江崎が第三球を振りかぶる

    ザッ・・・

    シンジ「!(わ、ちょっと待って・・・!)」

    ビシュッ

    ギュオオオオッ

    キンッ!!

    シンジ「え!?」

    パワプロ「おおっ!」

    偶然振ったバットは完璧なタイミングで当たり、三塁とショートの間を抜けていった


294 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 16:29:15.00 ID:UmeitCVGO
    シンジ「当たっ・・・」


    アスカ「バカ!ボーッとしてないで走りなさーーーい!!!」

    シンジ「あ、そ、そうだ!」

    シンジは急いで一塁へ進む

    奥居は欲張らずに三塁でストップ


    シンジ「(よ、良かった・・・なんとか次に繋げれたんだ・・・!)」

    ワンアウト、満塁(一塁シンジ、二塁レイ、三塁奥居)


    ケンスケ「(こ、こんな大チャンスに僕かよ!?)」


297 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 16:32:06.74 ID:UmeitCVGO
    田中山「相田、大丈夫かな」

    アスカ「最悪でも犠牲フライになればいいわ」

    パワプロ「相田ー!頑張れー!」

    トウジ「ピッチャー、ビビッとるでー!!」


    江崎「(これ以上調子づかせる訳にはいかない!)」

    ビシュッ

    ケンスケ「(え、速・・・)」

    ズバンッッ

    審判「ストーライク!」

    ケンスケ「(あ、あの三人こんな球打ったのかよ?)」

298 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 16:35:03.88 ID:ypDwocMb0
    江崎が第二球を振りかぶる

    ケンスケ「(ちょ待っ・・・)」

    ビシュッ

    ブンッッ

    バスンッ

    審判「ストライクツーー!!!」

    ケンスケ「や、やばい・・・」


    トウジ「ケンスケーー!落ち着いて狙えやー!」

    アスカ「あんたには大して期待してないんだから、リラックスして打ちなさーい!!」

    ケンスケ「(ひ、酷いな・・・)」


299 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 16:37:47.12 ID:ypDwocMb0
    江崎が第三球を振りかぶって投げた

    ビシュッ

    ギュオオオオオッ

    ケンスケ「(く、くそー!僕だって1年間野球やってきたんだ!こんな球ーー!)」

    キィンッ!

    江崎「!!」

    奥居「おお!」


    ケンスケの放った打球はセンター方向へ

    しかし

    パワプリオ「これなら捕れル!!」

    パシッ

    審判「アウトー!!」

    パワプリオがキャッチし、ツーアウト

303 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 16:42:25.08 ID:ypDwocMb0
    奥居「(行くぜ~!!)」

    同時に奥居がスタート

    パワプリオ「生還させるカ!!!」
    ビシュッ

    パワプリオがホームへ送球

    パワプロ「初速が速い!!」

    矢部「いい肩してるでやんす!」


    奥居「うおおお~~!!」

    奥居とボールがほぼ同時にホームに突っ込んでくる


    ズザザザザァァァ・・・・
    バシッ

    審判「・・・・セーフ!!!」

    ギリギリ、奥居の方が早くセーフ

    ネルフ高校先制


305 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 16:44:08.01 ID:ypDwocMb0
    奥居「やったぜ~!」

    パワプロ「ナイス奥居!!」

    アスカ「よくやったわ!!」

    ネ1-パ0

    シンジ「やった・・・」

    レイ「・・・」


    アスカ「よし、次はあたしの番ね!!」

    トウジ「やったれ!アスカ!!」


    次打者アスカは球に当てるも、ゴロになりスリーアウト

    チェンジ

306 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 16:47:44.31 ID:ypDwocMb0
    四回表

    ワンアウト、ランナー無しでヤーベン

    アスカ「(コイツの脚の速さには要注意ね・・・!)」

    アスカが第一球を投げる

    ビシュッ

    ヤーベン「ヤンスッ」

    アスカ「!?(バント!?)」

    コツッ

    ヤーベンのバントで球は一塁方向へ

    ヤーベン「ウオオオオでヤンス!!!」
    ダダッ

    アスカ「トウジ!」

    トウジ「おう!」


308 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 16:50:36.14 ID:ypDwocMb0
    ボールを拾い、一塁へ送球

    トウジ「(行くでシンジ!!)」
    ビシュッ

    シンジ「(う、うんっ!)」
    パシッ

    審判「アウトー!」

    アスカ「よしっ!」

    ヤーベン「(うう、行けたと思ったでヤンス)」

    トウジ「ええで、シンジ!その調子で頼むで!!」

    シンジ「う、うんっ!」チラッ・・・


    ゲンドウ「・・・」

    シンジ「(父さん、まだいるよ・・・)」


    パワプリオ「(ヤーベン君はダメだったカ。ならば俺ガ・・・)」

    アスカ「(来たわね、パワプロもどき)」

    アスカ「(アンタはあたしの魔球で相手してやるわ!光栄に思いなさい!!)」

311 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 17:04:30.66 ID:ypDwocMb0
    アスカの第一球

    ビシュッ

    クククッッ
    パワプリオ「(来タ!この厄介なカーブ!!)」
    ブンッ

    審判「ストラーイク!」


    アスカ「(ふふん、どうよ!)」

    パワプリオ「(女の子なのによくあんな鋭い変化球ヲ・・・!)」

    アスカの第二球

    ビシュッ

    クククッ

    パワプリオ「(ここカッ!?)」
    ブオンッ

    バスッ
    審判「ストライクツー!!」

312 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 17:06:14.64 ID:ypDwocMb0
    トウジ「(ええ感じやアスカ!決めてまえ!!)」

    アスカ「(当然!)」

    アスカが第三球を振りかぶって投げた

    が

    アスカ「!(すっぽ抜け・・・!」

    ビシュッ

    パワプリオ「(失投カ!?もらっタァ!!)」

    ガキキィィンッッ!!!

    トウジ「!!」

    パワプリオの放った球はそのままスタンドの方に向かっていった


    ここでパワフル高校が同点に追いつく

313 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 17:08:29.96 ID:ypDwocMb0
    ネ1-パ1


    アスカ「(くっそ~・・・大事な所で!)」

    トウジ「アスカ、ドンマイや!一点くらいすぐ取り返したる!!」

    アスカ「・・・ええ、わかってるわよ!」

    アスカは次打者を三振に討ち取りチェンジ


    四回裏

    矢部「よーし!オイラの出番でやんす!!」


    江崎「(・・ふんっ!)」

    矢部「(スライダー見切ったり!でやんす!!)」

    カキンッ!!

    矢部は初球から打ち、ボールはライト前ヒット


315 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 17:11:12.32 ID:ypDwocMb0
    ノーアウト、ランナー一塁(矢部)

    田中山「よーし!続くぞー!!」


    しかし田中山はフライでアウト


    ワンアウト、ランナー一塁(矢部)

    パワプロ「(このチャンスを無駄にはしないぞ!)」


    江崎の第一球

    ビシュッ

    パワプロ「(ストレートか!もらった!!)」

    キンッ!!

    江崎「くっ!」

 
328 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 17:58:25.26 ID:ypDwocMb0
    パワプロの打球は投手江崎を強襲


    しかし

    バスッ!

    審判「アウトー!!」

    パワプロ「!」

    江崎が見事にキャッチ

    矢部「ととっとでやんす!!」

    二塁へ進もうとした矢部が急ブレーキ、一塁へ戻ろうとするが、江崎の送球でアウト

    審判「アウトー!チェンジ!!!」


    パワプロ「くっそ、行けたと思ったのに」

    矢部「ドンマイでやんす、パワプロ君」

329 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 18:00:30.85 ID:ypDwocMb0
    七回表

    ノーアウト、ランナー一塁(パワプリオ)、二塁(ヤーベン)

    アスカ「はぁ・・・はぁ・・・」

    トウジ「(アスカ、大丈夫か?)」

    アスカ「・・・」コク


    矢部「(アスカちゃん、辛そうでやんす・・・)」


    ヤーベン「(あの子、スタミナ切れでヤンスネ・・・大分球威も変化も落ちてるでヤンス)」


    アスカが第一球を投げる

    ビシュッ

    ヤーベン「(ヤンス!)」

    と同時にヤーベンがスタート

    トウジ「!」

    バスッ
    審判「ストラーイク!」

331 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 18:03:02.77 ID:ypDwocMb0
    トウジ「(ケンスケ!)」

    トウジがすぐさまケンスケへ送球

    焦ったか、少し高めに投げてしまう

    ケンスケ「!(わ、ちょっと高・・・!!)」

    ケンスケは飛び上がりなんとかキャッチ

    その間にヤーベンが滑り込み、セーフ
    アスカ「(・・・頼むわよホント)」


    ノーアウト、ランナー一塁(パワプリオ)、三塁(ヤーベン)


    アスカ「(このっ!)」

    アスカが第一球を投げる

    シュッ・・・
    ククッ・・・

    三番打者「(大した変化じゃない、もらった!)」

    キンッ!!
    アスカ「!!」

    三番打者の放った打球は一、二塁間を抜けた

332 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 18:07:07.03 ID:ypDwocMb0
    レイ「くっ!!」
    と思ったが、レイが横っ飛びしキャッチ

    シンジ「(綾波!!)」

    パワプリオ「(何ッ!)」

    ヤーベン「!(と、捕ったでヤンス!?)」

    シュッ

    すぐにホームへ送球

    パシッ
    トウジ「(よしきた!)」
    ヤーベン「ヤーンス!!」

    ヤーベンはそのままホームへ突っ込む

    ドオンッ!!
    トウジ「ぐっ!」

    審判「アウト!!」
    トウジがブロックに成功、アウトとなった

    ヤーベン「(く~・・・悔しいでヤンス)」

    アスカ「(・・・よくやったわ)」

    レイ「・・・」コクリ

333 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 18:10:18.48 ID:ypDwocMb0
    ワンアウト、ランナー一塁(三番)、二塁(パワプリオ)

    鮫島「・・・」

    アスカ「(まだワンアウト・・・あと二人)」

    トウジ「(四番や、気をつけてや。アスカ!)」

    アスカの第一球

    シュッ・・・

    鮫島は見送り

    バスッ

    審判「ストライク!」

    鮫島「(・・・変化球のキレも確実に落ちてるな)」


    パワプロ「矢部君、奥居、一発が来るかもしれない!!気をつけろ!!」

    奥居「おーう!」
    矢部「やんす!」

337 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 18:32:38.37 ID:ypDwocMb0
    アスカ「(こんのぉ・・・!調子乗ってんじゃ・・・ないわよ!!!)」

    アスカが第二球を投げる

    ビシュッ

    鮫島「(悪いな)」


    カキィィンッ!!!

    アスカ「!!」

    トウジ「(あかん!)」

    鮫島の打球はレフト方向へ


    パワプロ「奥居ーー!!」

    奥居「おう!」


    奥居が急いで下がる


338 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 18:34:18.91 ID:ypDwocMb0
    奥居「(もうちょい下がってジャ・・・)」
    ドンッ

    奥居「うっ」

    奥居の背中が壁に当たる


    と同時に球はスタンドに叩きつけられた

    スリーランホームラン

    パ4-ネ1

    アスカ「・・・!」

    アスカはがっくりとうな垂れる

    シンジ「アスカ・・・」


    その後もアスカはヒットを打たれるが、仲間達のサポートもあり点を入れられる事なくチェンジ

340 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 18:36:06.27 ID:ypDwocMb0
    八回表、九回表も1点ずつ取られ、いよいよ最終回

    パ6-ネ1

    九回裏

    パワフル高校投手交代
    江崎→松倉

    ワンアウト、ランナー一塁(田中山)

    パワプロ「(まだまだ!こんな所で終われるか!!)」

    松倉「(後二人か。余裕だな!)」

    松倉が振りかぶって第一球を投げる

    ビシュッ

    ククッ

    パワプロ「(カーブか!だがアスカちゃん程じゃない!!)」

    カキーンッ!

    松倉「げ」

    パワプロの打球はレフト前ヒット

    パワプロ「よし!」

 

341 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 18:39:48.43 ID:ypDwocMb0
    ワンアウト、ランナー一塁(パワプロ)、二塁(田中山)


    トウジ「よっしゃ!やるで!」

    松倉「(俺のカーブを一発で当てるなんて・・・)」

    松倉「(いや、偶然だ偶然!!)」

    松倉の第一球

    ビシュッ

    ククッ
    トウジ「(なんやそのカーブは!?アスカの方がキレてたで!!)」

    キンッ!
    松倉「なにっ!」

    球は三塁とショートの間を抜け、ヒット

    矢部「おおお!いい展開でやんす!!」

    ケンスケ「これはもしかしたら・・・!」

342 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 18:42:37.96 ID:ypDwocMb0
    ワンアウト、満塁(一塁トウジ、二塁パワプロ、三塁田中山)

    奥居「やるぜ~!」


    松倉「(くっそ~!マグレだマグレ!!絶対にマグレだ!)」

    松倉の第一球

    シュッ
    松倉「(げ!すっぽ抜け・・・!)」

    奥居「(もらったぜ~!)」

    キンッ!!

    トウジ「よっしゃ!」

    パワプロ「よし!!」

    奥居の放った打球はセンター前へ転がる

343 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 18:46:20.17 ID:ypDwocMb0
    田中山「うおおおお!!!」

    田中山がホームへ猛ダッシュ

    パワプリオ「くっ!こんな所で流れを変えられてたまるカ!!」
    ビシュッ

    強肩のパワプリオが急いでホームへ送球する

    田中山「とーーー!!」
    ズザザザザーー!!!

    審判「セーフ!!」

    田中山のスライディングの方が早く、ネルフ高校は1点を取り返す

    パ6-ネ2


    マヤ「やった!!奥居君ナイス!!」

    田中山「ただいま~」

    アスカ「田中山、よくやったわね」

    矢部「これはいい流れでやんす!!レイちゃん、頼むでやんす!」

344 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 18:51:04.05 ID:ypDwocMb0
    ワンアウト、満塁(一塁奥居、二塁トウジ、三塁パワプロ)

    レイ「・・・」

    松倉「(くっそ~!こいつら、急に強くなりやがって~・・・ん?)」

    鮫島「・・・」ギロッ

    松倉「!(す、すいません・・・!これ以上はやらせません!)」


    松倉の第一球

    ビシュッ

    ククッ
    レイ「!」

    バンッ
    審判「ストラーイク!」

    レイ「(・・・フォーク)」

    松倉「(俺がカーブだけしか使えないと思ったら大間違いだ!!)」

346 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 18:59:53.88 ID:ypDwocMb0
    松倉の第二球はまたもフォーク

    ビシュッ
    ククッ

    レイ「(当てれる)」

    キンッ

    レイは難なく松倉のフォークを狙い打つ

    松倉「!」

    打球は三塁頭上へ


    鮫島「ふんっ!」ザッ

    バシッ
    審判「アウトー!!」

    しかし、鮫島がジャンピングキャッチ

    惜しくもアウトになった

    パワプロ「(今のを捕るか・・・!)」

    ケンスケ「あーー!」
    矢部「く~・・・惜しいでやんす・・・!!!」

347 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 19:09:26.48 ID:ypDwocMb0
    シンジ「(綾波が駄目だった・・・つ、次は僕か・・・!!)」

    レイ「・・・」スタスタ

    シンジ「・・・綾波」

    レイ「・・後は任せたわ・・・頑張って」

    シンジ「・・・え」



    ツーアウト、満塁

    次打者はシンジ

    シンジ「・・・」

    パワプロ「(シンジ君、頑張ってくれ!)」

    トウジ「(落ち着いてやれば大丈夫や!)」

    奥居「(頼むぜ~!)」


349 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 19:14:01.78 ID:ypDwocMb0
    松倉「(・・こいつ、ガチガチに緊張してんじゃん。これなら楽に抑え・・・)」

    鮫島「・・・」

    松倉「(いやいや!何があるかわからない!本気で投げるぞ!)」

    ワー  ワー

    シンジ「(み・・・皆が僕に注目してる・・・!か、身体が重い・・・!)」

    ビシュッ!!

    ズバンッ!!!

    審判「ストラーイク!」

    シンジ「え・・・」


    アスカ「あのバカ・・・!ボーッとして!」

    マヤ「シンジ君、リラックスー!」

350 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 19:17:50.09 ID:ypDwocMb0
    シンジ「(も、もう始まってるんだ!!振りかぶってたのに気づかなかった!)」

    松倉「(こいつ・・・。そうか、こいつプレッシャーに相当弱いんだな・・・!)」

    松倉が第二球を振りかぶる

    シンジ「(く、来る!)」

    ビシュッ

    ククッ
    シンジ「(変化・・・!)」

    ブンッ
    バスッ
    審判「ストライクツー!」

    松倉「へっへ・・・」

    シンジ「(も、もう後がない・・!)」

    レイ「・・・・・・」

351 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 19:22:09.42 ID:ypDwocMb0
    松倉「(これで決めさせてもらうぜ!!)」

    ビシュッ

    シンジ「(ス、ストレート・・・?こ、これなら・・・!)」


    ガクンッ

    シンジ「!」
    ブンッ

    バシィッ!!

    パワプロ「!」
    アスカ「!」

    審判「ストラーイク!バッタアウト!・・・ゲームセット!!」

    松倉「(残念、フォークだ)」
    シンジ「・・・・」


    ネルフ高校は最後のチャンスを生かせず、またも予選敗退という結果で終わった

    パ6-ネ2

    試合終了

357 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 19:30:49.20 ID:ypDwocMb0
    ヒカリ「みんな、お疲れ様!」

    マヤ「いい試合だったよ!」

    トウジ「いや~・・・惜しかった!」

    パワプロ「ああ、でもいい試合だった」

    矢部「そうでやんすね!久々に燃えたって感じでやんす!!」

    シンジ「・・・」

    奥居「碇~、落ち込むなよ」

    ケンスケ「そうだよ、気にする事ないって!」

    レイ「・・・」

    シンジ「・・・・・・うん」

358 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 19:33:09.81 ID:ypDwocMb0
    マヤ「みんな、お腹がすいたでしょ?帰りにラーメン食べに行きましょう!先生ご馳走するからさ!!」

    奥居「うっひょ~!本当っすか~?」

    田中山「やったー!」

    パワプロ「レイちゃんも、行くでしょ?」

    レイ「ラーメンなら」

    トウジ「よーし!たらふく食ったるで~!」

    シンジ「あ・・・ご、ごめん。僕ちょっとトイレに行ってくる」
    タッタッタ・・・

    アスカ「・・・」

    トウジ「・・はぁ、落ち込むなって言う方が無理やな」

    パワプロ「大丈夫、シンジ君ならきっと立ち直ってくれるさ!」

    アスカ「みんな、先に行ってて。私も後から行くから」

    マヤ「え?」

    アスカ「いいから、行ってて」


360 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 19:38:47.11 ID:ypDwocMb0
    シンジ「・・・はぁ・・・なんで僕は野球部なんかにいるんだろ・・・全然役に立ててないのに・・・」

    シンジ「やっぱり・・・僕なんか何やったって駄目なんだ・・・いたって迷惑かけるだけなんだ・・・」

    アスカ「そうやって、また自虐的になって・・・男のクセに!」

    シンジ「ア、アスカ!?ここ男子トイレ・・・」

    アスカ「関係ない!・皆は気にしないでって言ってくれてるのに、いつまでもウジウジ落ち込んでるのはアンタだけよ?」

    シンジ「・・・みんな、内心では絶対僕の事を鬱陶しがってるよ・・・分かるんだ。雰囲気で・・・」

    アスカ「皆の言葉が偽善だっていうの?」

    シンジ「・・・」


361 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 19:41:56.62 ID:ypDwocMb0
    アスカ「・・・アンタ、まさか野球部辞めようって思ってるんじゃないんでしょうね?」

    シンジ「・・・」

    アスカ「それだけは許さないわ。アンタがいないとまた数が足りなくなって試合出来なくなるんだから」

    シンジ「・・・」

    アスカ「・・・練習には参加しなくてもいい、だけど席は野球部に置いてもらうわ。アンタがいなくなる事が一番の迷惑なんだから」

    シンジ「・・・」

    アスカ「わかったわね?」

    シンジ「・・・・好きにしてよ」

    アスカ「!・・・ふんっ」
    タッタッタ・・・

    シンジ「・・・もう、僕の事はほっておいてよ・・・」

 
363 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 19:45:06.72 ID:ypDwocMb0
    翌日

    教室

    シンジ「・・・」

    パワプロ「おはよう、シンジ君」

    トウジ「なんや、朝から湿っぽい顔して」

    シンジ「・・・おはよう」

    パワプロ「アスカちゃんから聞いたよ。昨日の試合の事はなんも気にしなくていいんだからね」

    トウジ「そうや、そんなのすぐに忘れて早く部活復帰してくれや!」

    矢部「オイラ達は待ってるでやんす!」

    シンジ「・・・うん」


    シンジ「(どうしてみんな、こんな僕にかまうんだよ・・・)」

    レイ「・・・」


365 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 19:53:45.56 ID:ypDwocMb0
    数週間後

    カキーンッ カキーンッ

    トウジ「シンジの奴、全然来んなぁ・・・」

    ケンスケ「もう一回、呼びかけてみようか?」

    アスカ「いいのよ、ほっときなさい!時間の無駄よ」

    田中山「そ、そんな言い方しなくても・・・」

    アスカ「・・・文句あんの?」ギロッ

    田中山「い、いやないです」

    パワプロ「もうすぐ年があける・・・俺達高校生最後の年かぁ・・・」

    矢部「最後くらい甲子園狙いたいでやんすねぇ・・・」

    加持「よっ、みんなお疲れさん!」

    アスカ「あ、加持先生!」

    パワプロ「どうかしたんですか?」

    加持「伊吹先生に頼まれてた物が出来たんでね」

    矢部「頼まれてた物?」

 
380 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 21:17:13.82 ID:ypDwocMb0
    教室

    シンジ「・・・」

    シンジ「(ん、あれは・・・加持先生だ。野球部に何か持ってきたんだ・・・)」

    シンジ「(・・・なに、気にしてるんだよ。僕はもう・・・)」

    ガララッ

    シンジ「・・・?」

    レイ「・・・」

    シンジ「・・・・・・綾波」

    レイ「・・・もう2週間よ」

    シンジ「・・・僕にはもう関係ないよ」

    レイ「皆、あなたを待ってるわ」

    シンジ「・・・・・・もう放っておいてくれよ。僕なんかいたってなんの役にも立たないんだ」

381 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 21:18:41.06 ID:ypDwocMb0

    レイ「あなたに期待してる人だっているわ」

    シンジ「そんなの嘘だよ・・・なんの活躍もしてない僕に期待する奴なんかいるわけないだろ!?」

    レイ「・・・そう思うの」

    シンジ「ああ、だからもう僕の事はほっておいてくれ!」

    レイ「わかったわ」
    スタスタ・・・・


    シンジ「・・・」


    レイ「・・・私が試合で言った事」


    シンジ「・・・?」

    レイ「あれは嘘じゃないわ」

    ガララ ピシャ

    シンジ「・・・・」


383 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 21:21:38.15 ID:ypDwocMb0
    ドギュッ

    パワプロ「!??」

    ズドオォンッッ!!!

    トウジ「おうわっ!!!」ドサッ

    矢部「ト、トウジ君が吹っ飛ばされたでやんす!!」

    加持「あ、あれ?おかしいな。スピード調整はしたハズなんだが・・・」

    パワプロ「だ、大丈夫かトウジ?」

    トウジ「あ・・・ああ、しかし、なんつー速さや」

    パワプロ「目で捉えられませんでしたよ」

    ケンスケ「っていうか発射音が・・・」

384 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 21:22:44.19 ID:ypDwocMb0
    加持「・・・ああ、悪い悪い。165km/hに設定変わってた」

    トウジ「ひゃ、165!?こ、殺す気か!」

    アスカ「よく捕れたわね・・・」

    加持「機械は気まぐれ屋さんだからな、たまにこういう事もある。さ、直したし遠慮なく使ってくれ」

    矢部「恐くて使えないでやんす」

    レイ「ごめんさい、遅れて」

    パワプロ「あ、レイちゃん」

    アスカ「珍しいわね、アンタが遅刻なんて」

    レイ「・・・」コクリ

    パワプロ「?なんかあったの?」

    レイ「・・・いいえ」

386 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 21:26:03.00 ID:ypDwocMb0
    碇宅

    シンジ「ただいま・・・」

    ユイ「おかえり、シンジ。今日も部活いかなかったの?」

    シンジ「・・・もういかないよ」

    ユイ「どうして?シンジが自分からやるっていった部活だったからお母さん嬉しかったのに」

    シンジ「いいんだ、もう。僕がいたってなんの役にも立てないから」
    タンタンタンタン

    ユイ「あ・・シンジ・・・」

    ユイ「(・・・友達は気にしないでって言ってくれてるんでしょう・・・?野球は皆でやるスポーツなのに・・・)」



    数時間後

    ゲンドウ「・・・ただいま」

    ユイ「おかえりなさい、あなた」


387 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 21:29:36.98 ID:ypDwocMb0
    ゲンドウ「・・・シンジは?」

    ユイ「帰ってすぐ、自分の部屋に閉じこもっちゃって・・・野球部はもういかないとか言ってるの」

    ゲンドウ「そうか・・・」

    ユイ「え・・あなた・・・」

    ゲンドウ「・・・」
    タンタンタンタン

    ユイ「(あなたからシンジの部屋に行くなんて・・・珍しい)」



    シンジ「・・・」

    コンコン

    シンジ「・・・ご飯はいらないよ」

    「・・・いつまで殻に閉じこもっているつもりだ?」

    シンジ「え、父さん・・・?」

388 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 21:31:45.12 ID:ypDwocMb0
    「過ぎてしまった事をいつまでも悔やむな。お前の仲間達は気にするなと言ってくれたんだろう」

    シンジ「・・・」

    「部員達はお前が戻ってくるのを待っているんだぞ」

    シンジ「もう・・・いいんだよ、僕は」

    「部員だけではなく、私達の期待も裏切るのか。お前は」

    シンジ「え・・・?」

    「普段、何事にも消極的なお前が野球をやり出すと聞いた時、母さんはとても喜んでいたぞ・・・勿論、私もだ」

    シンジ「・・・父さんも・・・?」

    「そうだ。何時までもあの試合の事を悔やむな・・・後悔する暇があったら練習をして少しでも皆に追いつけ」

    シンジ「・・・」

    「自信を持て、私達の子供だ。・・・お前になら出来る」
    タンタンタンタン・・・

    シンジ「・・・・・・」

389 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 21:33:30.53 ID:ypDwocMb0

    数日後

    理科実験室

    カチャカチャ・・・

    加持「脚はこんな感じでいいか・・・ふう、疲れたな。一休みしよう」

    シュボッ ジジジ・・・

    加持「ふうー・・・・・・ん?」

    「・・・」

    加持「あれはシンジ君か・・・?」




    シンジ「・・・」

    加持「よぅ、シンジ君」

    シンジ「あ、加持先生・・・」


392 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 21:41:24.07 ID:ypDwocMb0
    加持「俺のスイカ畑に何か用かい?」

    シンジ「いえ・・・、もう12月になるっていうのになんでスイカが生ってるのかなって思って・・・」

    加持「ああ、これかい。実験の産物だよ、色んな薬を調合して季節に関係無く育つようにしたのさ」

    シンジ「へぇ・・・」

    加持「ところで・・・もう部活の時間じゃないのかい?」

    シンジ「僕は・・・今は野球部じゃありませんから」

    加持「そうなのかい?みんな、君を待っているようだったが」

    シンジ「・・・知ってるんじゃないですか」

    加持「!・・おっと、いけない」

    シンジ「・・・」

    加持「何時までいじけてるつもりだ?君を待っている人が沢山いるってのに」

    シンジ「・・・本当に僕は必要とされてるんでしょうか」

    加持「ふ・・君だって本当は解っているクセに、彼等の事をさ・・・俺がそれを言わなくちゃならないのか?」

    シンジ「・・・」


394 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 21:47:15.83 ID:ypDwocMb0

    加持「俺のスイカ畑に何か用かい?」

    シンジ「いえ・・・、もう12月になるっていうのになんでスイカが生ってるのかなって思って・・・」

    加持「ああ、これかい。実験の産物だよ、色んな薬を調合して季節に関係無く育つようにしたのさ」

    シンジ「へぇ・・・」

    加持「ところで・・・もう部活の時間じゃないのかい?」

    シンジ「僕は・・・今は野球部じゃありませんから」

    加持「そうなのかい?みんな、君を待っているようだったが」

    シンジ「・・・知ってるんじゃないですか」

    加持「!・・おっと、いけない」

    シンジ「・・・」

    加持「何時までいじけてるつもりだ?君を待っている人が沢山いるってのに」

    シンジ「・・・本当に僕は必要とされてるんでしょうか」

    加持「ふ・・君だって本当は解っているクセに、彼等の事をさ・・・俺がそれを言わなくちゃならないのか?」

    シンジ「・・・」

396 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 21:52:45.26 ID:UmeitCVGO
    ボンッ!!

    ガシャーン
    バリーン

    シンジ「!?」

    加持「ん!」

    シンジ「な、なんですか今の爆音?」

    加持「まずい、初号機が暴走した!!」

    シンジ「初号機?」


    理香実験室

    ガシャーン バリーン

    初号機「ウオオオオ」

    シンジ「な、なんですかコレ?」

    加持「野球部の練習に使えると思って作ってたロボットだ!」

 

399 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 21:55:40.53 ID:UmeitCVGO
    初号機「ガフッ ガフッ」
    ドガシャーン バリバリ ヴォリヴォリ

    加持「あああっ!実験のデータディスクが!」

    シンジ「た、大変だ」

    加持「シンジ君!俺が初号機を抑えてるからコンセント抜いてくれ!!」

    シンジ「わ、わかりました!!」

    初号機「ウオオオオ!!」

    加持「こら、それ以上暴れるんじゃない!!」

 
402 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 21:59:11.50 ID:UmeitCVGO
    シンジ「えーと・・・コンセント、コンセント・・・・・・」


    加持「いたたたた!か、髪を引っ張るな!!シンジ君!早くしてくれー!」

    シンジ「えーと・・・あ、あった!・・・それっ」

    ブチッ

    初号機「!!・・・・・」プシュー

    加持「ほっ・・・止まった」

    シンジ「良かった・・・」

    加持「いやぁ、助かったよシンジく・・・・


    冬月「・・・・・・・・・」

    シンジ「あ」

    加持「げっ!ふ、冬月教頭!」

403 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 22:01:49.91 ID:UmeitCVGO
    冬月「破壊音が聞こえたと思ったら・・・これはどういう事かね、加持先生」

    加持「あ、いやその、これはですね・・・」

    冬月「言い訳は職員室で聞こうか。来なさい」

    加持「わ、わかりました・・・とほほ・・・」

    シンジ「・・・」

    加持「あ、シンジ君!」

    シンジ「は、はい」

405 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 22:05:57.94 ID:UmeitCVGO
    加持「俺はここで下らない実験をする事しか出来ない。だが、だが君には、君にしか出来ない、君になら出来ることがあるハズだ」

    冬月「・・・」

    加持「誰も君に強要はしない。自分で決めろ、自分が今何をするべきなのか。・・・・まぁ、後悔の無いようにな」

    シンジ「・・・・・」

    冬月「何を偉そうな事を、さぁ来なさい」グイ

    加持「いててて、わ、わかりました」




    シンジ「(・・・自分が何をすべきか・・・・・後悔の無いように・・・・か)」

    シンジ「・・・」

406 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 22:08:44.86 ID:UmeitCVGO
    数日後

    パワプロ「さて、今日も部活頑張るぞ~・・・ん?」

    レイ「・・・」

    パワプロ「?レイちゃん、どうしたの?部室の前で」

    レイ「・・・見て」


    シンジ「・・・」



    パワプロ「シンジ君が掃除してる・・・?」

    レイ「ええ」

    アスカ「二人とも、突っ立って何してんのよ?」

    パワプロ「あ、アスカちゃん」

    アスカ「・・・ん?」


408 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 22:11:25.99 ID:UmeitCVGO
    ゴシゴシ

    シンジ「ふう、こんなモンかな・・・」

    ガラッ

    シンジ「!」

    アスカ「・・・」
    レイ「・・・」
    パワプロ「や、シンジ君」


    シンジ「あ・・・」

    アスカ「これはどういう事?」

    シンジ「・・・散らかってたから・・・その」

    アスカ「そう、・・・・で?」

    レイ「・・・」

    シンジ「・・・わ、ワガママ言ってごめんなさい!」ペコッ

    パワプロ「シンジ君」


411 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 22:15:07.89 ID:UmeitCVGO
    シンジ「皆があれだけ言ってくれてたのに、僕一人で塞ぎ込んで・・・本当にごめん!!」

    トウジ「お?なんやなんや?」

    ヒカリ「?」

    矢部「あ、シンジ君でやんす」

    奥居「どうしたんだ~?頭なんか下げて」


    シンジ「僕にもう一度野球をやらせて下さい!お願いします!!」

    トウジ「・・・」

    アスカ「・・・皆、どうする?こう言ってるけど」


413 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 22:16:57.47 ID:ypDwocMb0
    レイ「・・・かまわないわ」

    トウジ「ええんちゃう」

    ヒカリ「うん、いいと思うよ」

    パワプロ「別に辞めたわけじゃないしね」

    矢部「オイラ達は待ってたでやんすよ!」

    ケンスケ「・・にしても随分長い間いじけてたな」

    奥居「ったく、もっと早く戻って来いってんだよ~」

    田中山「そうdアスカ「って事よ。もう二度とワガママは聞かないわよ?いいわね、バカシンジ!」

    シンジ「みんな・・・・ありがとう!」

    レイ「・・・おかえりなさい」


    迷いを振り切ったシンジはパワーアップした!

414 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 22:18:45.65 ID:ypDwocMb0
    シンジが野球部に復帰し、ネルフ高校野球部の結束力も高まった

    そしてついに高校生活最後の年を迎える



    パワプロ「今日から三年か・・・」

    矢部「高校生活最後でやんす」

    アスカ「ねえ、パワプロ」

    パワプロ「ん?なに?」

    アスカ「いきなりだけど、今日からキャプテン任せるわ」

    パワプロ「・・・・え?」

    アスカ「最後の年だし、私も練習に集中したいのよ。じゃあ頼むわね」
 
417 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 22:20:03.98 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「・・・」

    矢部「随分あっさりしてるでやんすね」

    パワプロ「う、うん」

    トウジ「よろしく頼むで、パワプロキャプテン!」

    奥居「いきなり大出世じゃねえか~」

    パワプロ「冷やかすなよ」

    ケンスケ「あれ?碇は何処行ったんだ?」

    アスカ「新入生の勧誘に行ったわ」

    パワプロ「一人で?」

    アスカ「ええ、暫く留守にしてた罰よ」

    レイ「見つかるかしら」

    アスカ「見つかるまで帰って来ないように言ってあるから、なんとかするでしょ」

    矢部「気の毒でやんす」


419 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 22:21:12.15 ID:ypDwocMb0
    シンジ「野球、やりませんか?」

    「いえ、結構です」

    シンジ「・・・はぁ、難しいな」

    カサカサ・・・

    シンジ「・・・あ、さっき渡したパンフレット・・・」

    シンジ「・・・せっかく作ったのに、捨てるなんて・・・酷いなぁ」

    「・・・」ヒョイ

    シンジ「あ・・・」

    「・・・野球か」

    シンジ「?」

    カヲル「野球はいいねぇ・・・野球は心を熱くしてくれる。リリンが産んだ文化の極みだよ」

    シンジ「(リリン・・・?)」

 
422 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 22:23:28.11 ID:ypDwocMb0
    カヲル「そうは思わないかい?」

    シンジ「う・・・うん、どうだろう」

    カヲル「君は野球部員?」

    シンジ「うん、君は・・・?一年生?」

    カヲル「僕は渚カヲル。昨日この学校に転校してきたんだ・・・君と同じ三年生だよ」

    シンジ「そうなんだ・・・渚君は野球とかやるの?」

    カヲル「カヲルでいいよ。スポーツなら一通りは出来るよ」

    シンジ「カヲル・・・君、もし良かったら野球部に入らない?」

    カヲル「ああ、いいとも。これも何かの運命だ」

    シンジ「え、そんなあっさりと?」

    カヲル「ん?入部希望者を探してるんじゃなかったのかい?」

    シンジ「あ、いやまさかこんなに簡単にオッケー貰えるとは思わなかったから・・・」

    カヲル「そうかい、じゃあ部室に案内してくれるかな」

    シンジ「うん、こっちだよ」

    カヲル「よろしく、シンジ君」
    シンジ「う、うん・・・」


426 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 22:30:40.21 ID:ypDwocMb0

    シンジ「・・・という訳で連れてきたよ」

    カヲル「よろしく」

    矢部「(イケメンでやんす)」

    トウジ「えらい白いやっちゃなぁ、具合でも悪いんか?」

    カヲル「そうかい?健康そのものだよ」

    アスカ「まずアンタの実力を見てみたいわ、グランドに出てくれる?」

    カヲル「ああ、いいよ」

    アスカ「矢部、零号機用意して」

    矢部「ラジャーでやんす」

427 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 22:32:26.41 ID:ypDwocMb0
    ビシュッ

    カヲル「フッ」

    カキッィィィンン!!!!

    パワプロ「!」

    アスカ「!」

    シンジ「!」

    トウジ「またフェンス超えたで・・・」

    ケンスケ「す、すげぇ・・・」

    奥居「8球連続ホームランかよ・・・」

    アスカ「つ、次!遠投!」

 
430 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 22:33:56.03 ID:ypDwocMb0

    カヲル「・・・それっ」

    ビュッッ

    キューーーーンッ!!






    ・・・ボトッ

    レイ「・・・!」

    パワプロ「な、なんて肩だ・・・」

    矢部「凄いでやんす・・・」


    その後、渚カヲルは全てのテストを完璧にこなした


    カヲル「どうかな」

 
433 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 22:37:43.44 ID:ypDwocMb0
    アスカ「アンタ、凄いってモンじゃないわ・・・」

    シンジ「うん・・・」

    矢部「天才でやんす」

    トウジ「オリンピックに出れるんやないか・・・?」

    カヲル「ありがとう」

    アスカ「よし、渚!アンタにはショートを任せるわ!」

    カヲル「わかったよ」

    田中山「ショートか~・・・ん?ショート?」

    矢部「ショートは田中山君のポジションじゃ・・・」

    アスカ「田中山、アンタは今日から投手にコンバートしなさい」

434 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 22:39:10.26 ID:ypDwocMb0
    田中山「ええ!?今さら?」

    アスカ「パワプロから聞いてたけど、アンタ中学の頃は投手やってたらしいじゃない」

    田中山「た、確かにやってたけど・・・」

    アスカ「そういう訳で頼んだわよ!あたしの足引っ張らないようにね!」

    田中山「りょ、了解・・・」

    カヲル「ごめんよ、ポジションを奪ってしまって」

    パワプロ「(田中山、可哀そうに)」


437 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 22:42:50.86 ID:ypDwocMb0
    カヲルが野球部に入部して数日後


    マヤ「よーし!ノック行くよー!!」

    パワプロ「おー!」

    矢部「ばっちこーい!でやんす!!」

    マヤ「それっ!」

    カキーンッ!!

    シンジ「! っと」
    パシッ

    マヤ「ナイスキャッチ!」


    矢部「監督、ノック上達して来たでやんすね」

    パワプロ「うん、俺達が帰った後零号機で特訓してたらしいから」

438 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 22:44:45.50 ID:ypDwocMb0
    マヤ「よーし、次行くよー!」

    キンッ!!

    田中山「わ!  ぎゃふっ!」ガンッ

    マヤ「あ!」

    シンジ「田中山君!」

    パワプロ「なんだ?ピッチャー返しが当たったのか?」

    田中山「う、う~ん」

    マヤ「大丈夫?田中山君!」

    アスカ「ったく、何ボーッとしてるのよ」

    マヤ「ごめん、私、彼を保健室に連れて行くから。アスカちゃん、ノック代わりに頼める?」

    アスカ「了解」

    マヤ「さ、田中山君行きましょう」

    田中山「あ、は、はい・・・」


441 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 22:49:14.30 ID:ypDwocMb0
    保健室

    ガラッ

    マヤ「赤木先生、いますか?」

    リツコ「あら、伊吹先生。あ、足元気をつけてね」

    マヤ「え、あ・・・ネコ?」
    ニャー  ニャー

    リツコ「ええ、ここで飼ってるのよ。内緒よ?」

    マヤ「は、はぁ・・・」

    リツコ「で、どうしたの?」

    マヤ「あ、彼が私の打ったボールに顔面直撃しちゃいまして・・・」

    田中山「うーん」

    リツコ「あら・・・田中山君じゃない」

    マヤ「あ、知ってたんですか?」

    リツコ「え・・・あ、ちょっとね。さ、そこに座らせて」

442 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 22:50:37.56 ID:ypDwocMb0

    ニャー ニャー

    リツコ「大丈夫ね、見かけによらず頑丈な身体してるみたい」

    マヤ「そ、そうですか・・良かったです。ごめんね、田中山君」

    田中山「いえ、大丈夫ですよ」

    リツコ「まぁ、念の為ここで少し身体休めて行きなさい。ベッドは好きなの使っていいわ」

    田中山「はーい」
    ニャー ニャー

    マヤ「赤木先生、何匹ネコ飼ってるんですか?」

    リツコ「何匹かしらね?最初は一匹だったんだけど・・・まぁ、私ネコ好きだし」


    田中山「先生、ベッドが猫に占領されてて寝れないんですけど」

    リツコ「あら、仕方ないわね。コツを教えてあげるわ・・・いい?」

443 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 22:53:05.29 ID:ypDwocMb0
    マヤ「(ふふ、変わった保健室・・・)ん?」


    マヤ「赤木先生、この紫色の衣装みたいのってなんなんですか?」

    リツコ「え!?あ、そ、それは・・・」

    マヤ「なんか、アニメに出てくる悪者みたいな衣装ですね。先生が着るんですか?」

    リツコ「ち、違うわよ。演劇部に頼まれて解れた所を縫ってたのよ・・・」

    マヤ「なんだ、そうだったんですか。なんていうキャラなんですか?これ」

    リツコ「え~となんだったかしら・・・確かゲドー君とか言ってたわね」

    マヤ「あはは、そのまんまですね」

    リツコ「ほ、本当ねぇ。おほほほ・・・」

448 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 23:00:42.52 ID:UmeitCVGO
    翌週

    マヤ「出席をとりまーす。皆席ついて~」

    シンジ「(・・・あれ?)」

    パワプロ「(ん?今日レイちゃん来てないのか?)」


    ・・・・

    シンジ「あ、パワプロ君、いたよ!」

    パワプロ「監と・・・いや、先生!」

    マヤ「ん?どうしたの?」

    パワプロ「レイちゃん、今日休みなんですか?」

    マヤ「うん、なんか風邪引いたらしいの」

    シンジ「あの綾波が風邪・・・」
 

452 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 23:06:32.90 ID:UmeitCVGO
    パワプロ「そういえば、最近調子悪そうな感じだったな・・・」

    アスカ「何を話してるの?」

    パワプロ「アスカちゃん、いやレイちゃん今日風邪で休みみたいなんだ」

    アスカ「珍しい事もあるもんね」

    パワプロ「あのレイちゃんが倒れるって程だからなんか心配だな・・・今日の放課後お見舞いに行かないか?」

    シンジ「え?でも迷惑じゃ・・・」

    マヤ「あ、行ってあげてよ。彼女一人暮らしだから、行けばきっと喜んでくれると思うよ!」

    アスカ「大袈裟ねぇ・・・」

    パワプロ「一人暮らし・・・そういえば前に自炊してるって言ってたっけ」

    マヤ「今、住所書いた紙渡すから、是非行ってあげて!」

453 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 23:10:45.02 ID:UmeitCVGO

    放課後

    パワプロ「じゃあ、行こうか」

    シンジ「アスカも行くの?」

    アスカ「男二人に行かせたんじゃ何するかわからないから、監視の為ついて行くわ」

    パワプロ「酷いな、そりゃ」

    シンジ「(本当は心配なくせに・・・)」

    パワプロ「そうだ、お見舞いに何か果物買って行こうか」


456 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 23:14:42.45 ID:UmeitCVGO
    パワプロ「お見舞いの果物といえばなんだろう?」

    アスカ「蜜柑に決まってるでしょ」

    シンジ「桃じゃないの?」

    パワプロ「レイちゃんはどっちが好きなのかな」

    シンジ「綾波は好き嫌いなさそうな感じがするけど」

    アスカ「面倒よ、二つ買って行きましょ」

    パワプロ「そうだね」

    ・・・・


    パワプロ「住所によればここら辺のハズなんだけど」

    シンジ「・・・あ、あった!あのアパートだよ」

    アスカ「年季の入ったアパートねぇ・・・」

457 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 23:18:55.91 ID:UmeitCVGO
    ピンポーン♪

    パワプロ「・・・・・・・あれ、出ないな」

    アスカ「寝てるんじゃない?」

    シンジ「寝てるのを起こすのも・・・」


    ガチャ
    「・・・はい」

    パワプロ「あ、レイちゃん!パワプロだよ!」

    「どうしたの?」

    アスカ「あんたが風邪で休んでるって聞いたからお見舞いにきたのよ。シンジもいるわ」

    「お見・・・舞い?・・・ちょっと待ってて」ブツ

    ガチャ

    レイ「入って」

    シンジ「!」

    パワプロ「!(パジャマ姿のレイちゃん・・・!)」

    アスカ「なにボーッとしてるのよ、さっさと入りなさい!」ゲシッ
    パワプロ「いてっ!」

460 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 23:23:43.12 ID:UmeitCVGO
    シンジ「お邪魔します」

    パワプロ「お邪魔しまーす」

    アスカ「ふーん、アンタらしいサッパリとした部屋ね」

    レイ「そう?ケホッ」

    シンジ「綾波、寝てなよ。今果物用意するからさ」

    レイ「ええ・・・」ゴソゴソ

    アスカ「私がやるわ。台所、借りるわよ」

    レイ「ええ」

    シンジ「・・・身体の具合はどう?」

    レイ「・・・熱が少しと、喉が痛むだけ」

    パワプロ「あんまり無理しないでね、レイちゃん」

    レイ「ええ・・・でも大分楽になったから・・・」

462 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 23:27:04.64 ID:UmeitCVGO
    シンジ「(・・・なんで綾波、一人暮らしなんだろう?両親は何処に・・・)」

    アスカ「はい、お待たせ。形は悪いけど味は変わらないわ」

    レイ「・・・」

    パワプロ「・・・これはまた、ワイルドな」

    シンジ「アスカ、これ皮が残って・・・」

    アスカ「う、うるさいわね!包丁使うの久しぶりだから手こずったのよ!」

    レイ「・・・・クス」

    パワプロ「!(レイちゃんが笑った・・・)」

465 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 23:31:11.81 ID:UmeitCVGO
    アスカ「わ、笑ったわね?もー、バカにして!」

    レイ「・・・ごめんなさい、頂くわ」

    シンジ「(綾波、野球部に入ってから表情が柔らかくなってきたよな・・・)」

    レイ「・・・」

    アスカ「どう?お味は?」

    レイ「・・・うん、美味しいわ。・・・ありがとう」

    アスカ「!フ、フン・・・と、当然よ」

    パワプロ「ああ、俺はレイちゃんの笑顔が見れただけで来た甲斐があったよ」

    パワプロの弾道が上がった

    シンジ「綾波、蜜柑もあるんだ。食べるだろ?」

    レイ「ええ、ありがとう」

466 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 23:34:56.13 ID:UmeitCVGO
    ・・・・

    アスカ「っと、すっかり長居しちゃったわね。そろそろ帰りましょうか」

    パワプロ「もうこんな時間か・・・楽しい時間はあっという間だね」

    レイ「・・・そう」

    シンジ「あ、見送りはいらないよ。綾波」

    アスカ「そうよ、早く治して復帰してきてよね」

    パワプロ「果物は冷蔵庫入れといたからさ、気が向いたら食べてよ」

    レイ「うん」

    アスカ「じゃ、お大事にね」

    パワプロ「お邪魔しましたー」

    シンジ「綾波、お大事に」

    レイ「うん・・・ありがとう」

    バタン

467 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 23:38:52.72 ID:UmeitCVGO
    レイ「・・・」ゴソ


    ピッピッピッピ……

    tllll……

    レイ「・・・もしもし」

    「レイか?珍しいな、お前から電話をかけて来るなんて。・・・風邪はよくなったか?」

    レイ「うん・・・」

    「すまんな、中々帰れなくて、私も母さんも中々暇が取れなくてな」

    レイ「うん・・・大丈夫」

    「・・・気のせいか、嬉しそうな声に聞こえるな。風邪のせいか?」

    レイ「ううん、違う。・・・あのね、今日友達が・・・・・」

468 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 23:40:05.78 ID:ypDwocMb0
    翌日

    パワプロ「今日もレイちゃんは休みか」

    シンジ「後、2~3日休めば完治するんじゃないかな」

    矢部「パ ワ プ ロ 君 !!!!」

    パワプロ「わ、矢部君。どうしたの?」

    シンジ「顔が真っ赤だよ」

    矢部「どうしたもこうしたもないでやんす!監督から聞いたでやんすよ!!昨日レイちゃんのお見舞いに行ったって!!!」
    パワプロ「あ、ごめんごめん」

    トウジ「大丈夫そうやったんか?」

    シンジ「うん、もうすぐで治りそうな感じだったよ」

    矢部「ごめんで済まないでやんす!そんなビッグイベントにオイラを置いてけぼりにしていくなんて!」

    シンジ「ビッグイベントって・・・」

    パワプロ「でも矢部君、昨日補習受けてたじゃないか。誘うに誘えなかったんだよ」

    矢部「問答無用でやんす!今日は罰として学食をおごってもらうでやんす!」

    パワプロ「ええっ!?」
    トウジ「とんだ災難やな、パワプロ」


471 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 23:44:12.04 ID:ypDwocMb0
    その翌日、レイちゃんは風邪を完璧に治し野球部に復帰した

    練習に参加するその姿は実に活き活きとしていた



    季節は過ぎ、いよいよ高校生活最後の大会が始まる


    マヤ「みんな、集まってー!」

    ザザッ

    アスカ「いよいよ明日から高校生活最後の・・・っと、キャプテンはパワプロだったわ」

    パワプロ「え?あ・・・」

    アスカ「頼むわよ」


473 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 23:45:42.80 ID:ypDwocMb0
    パワプロ「え、えーと・・・いよいよ明日から俺達三年生、最後の大会が始まる!」

    レイ「・・・」

    カヲル「・・・」

    シンジ「・・・」

    矢部「・・・」

    パワプロ「勿論、目標は甲子園優勝だ!今年こそは絶対に優勝を狙うぞ!みんな、力を貸してくれ!」

    アスカ「おーーー!!」

    矢部「おー!でやんす!!」

    奥居「やるぜー!」

    シンジ「お、おーー!」

    レイ「・・・」コクリ

    トウジ「最後の試合や!暴れまわったろうやないか!!」

    カヲル「ああ、手加減はしないよ」


475 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 23:48:15.92 ID:ypDwocMb0

    ヒカリ「一回戦の相手は、恋恋高校ね」

    トウジ「恋恋高校か!楽勝やな!」

    レイ「油断は禁物よ」

    奥居「でも、去年は全然苦戦しなかったしな~」

    ヒカリ「恋恋高校にも女の子の投手がいるみたいよ」

    アスカ「本当?」

    パワプロ「でも、去年は出てなかったような・・・」

    矢部「女の子で投手でやんすか・・・ゴッツイ子かもしれないでやんすね」

    アスカ「それ、どういう意味よ?」

    矢部「い、いや、アスカちゃんの事を言ったのではないでやんす!!」


478 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 23:54:52.33 ID:ypDwocMb0
    翌日 地方球場

    パワプロ「いよいよ試合だ!!」

    矢部「最後の試合と考えると、緊張も一増しでやんす・・・」

    アスカ「あれが恋恋高校ね。・・・女の子は見えないけど」

    「こんにちは、ネルフ高校の皆さん!」

    シンジ「ん?」

    レイ「・・・誰?」

    あおい「ボクは恋恋高校のキャプテン、早川あおいです」

    パワプロ「君が恋恋高校の投手?」

    矢部「可愛いでやんす・・・」

    カヲル「矢部君、鼻の下が伸びているよ」

    アスカ「私と綾波以外にも女の子で選手をやる子がいるなんて、嬉しいわ」

    あおい「それはボクも同じだよ。今日はヨロシクね!」

    アスカ「ええ、手加減はしないわよ」

    レイ「・・・」コクリ


483 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/07(火) 23:57:23.82 ID:ypDwocMb0
    ざわ・・・ ざわざわ・・・

      ざわ・・・

    シンジ「(一回戦だっていうのに凄い観客だ・・・。女の子同士の対決が見れるからかな・・・)」

    レイ「・・・どうしたの?もう始まるわよ」

    シンジ「あ、ごめんごめん。観客の多さに驚いてさ・・・」

    カヲル「皆の期待に応える為にもここで負けるわけにはいかないね。さぁ、行こうか」

    シンジ「・・・うん!(父さん、何処かで見ててくれてるのかな・・・)」


    ネルフ高校スタメン

    矢部  外野  BCACB
    綾波  二塁  AECBA
    パワプロ外野  CBABB
    渚   遊撃  AAAAA
    鈴原  捕手  DBBBC
    碇   一塁  BCCCC
    奥居  外野  BCBCB
    相田  三塁  DDDCD
    アスカ 投手  DECDB
    田中山 投手  CDCCA

 
486 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 00:00:08.65 ID:cyj56rmj0
    試合開始

    一回表 ネルフ高校の攻撃

    矢部「よし!行くでやんす!!」

    あおい「(さっきのメガネ君か・・・!行くよ!)」

    あおいの第一球

    ビシュッ

    ククッ

    矢部「!」
    ブンッ

    スバンッ
    審判「ストラーイク!!」

    矢部「(なんでやんすか、今の変化球・・・?)」

489 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 00:03:13.00 ID:nyT3FzVm0
    カヲル「・・・シンカーか」

    シンジ「い、今のでわかったの?カヲル君」

    奥居「矢部、驚いてるぜ~」

    アスカ「予想以上の変化球なのかもしれないわね」


    ビシュッ

    ククッ

    矢部「(やんすー!)」

    ブンッ

    バスッ
    審判「ストラーイク!バッターアウト!!」

    あおい「(よしっ!)」

490 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 00:04:53.26 ID:nyT3FzVm0
    レイ「・・・」

    あおい「(次はこの子か・・・!)」

    ワー ワー


    トウジ「おお、盛り上がっとるで」

    田中山「世にも珍しい女の子対決だからなー」

    アスカ「(綾波、負けるんじゃないわよ)」


    ワンアウト、ランナー無し

    あおいの第一球

    ビシュッ
    ククッ

    レイ「・・・」

    バシッ
    審判「ストラーイク!!」


    あおい「(なんだろう・・・あの子、随分冷静・・・)」


492 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 00:07:50.73 ID:nyT3FzVm0
    あおいの第二球

    ビシュッ

    レイ「!」

    バンッ
    審判「ストライクツー!!」

    レイ「(ストレート・・・)」

    奥居「おいおい、アンダーであんな速いストレート投げれるのかよ~」

    矢部「レイちゃんも、表情は変えないけど驚いてるでやんす」

    カヲル「・・・大丈夫、彼女なら必ずやってくれるよ」


    あおい「(これで決めるよ!)」

    あおいの第三球

    ビシュッ
    ククッ

    レイ「(予想通り)」

    キンッ
    あおい「!」


494 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 00:10:29.00 ID:nyT3FzVm0
    トウジ「よっしゃ!」

    矢部「さすがレイちゃんでやんす!!」


    ワンアウト、ランナー一塁(レイ)

    パワプロ「よし!次は俺の番だ!!」

    あおい「(キャプテンのパワプロ君か)」


    あおいの第一球

    ビシュッ

    ククッ
    パワプロ「(うわ、凄い変化だ!)」

    ブンッ
    審判「ストラーイク!」

    パワプロ「(こんな球、すぐに慣れるもんじゃない・・よく打ったなレイちゃんは・・・)」

    あおい「(いい感じだ。この調子で抑える!)」

495 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 00:12:41.52 ID:nyT3FzVm0
    あおいの第二球

    ビシュッ

    パワプロ「(ギリギリまで見極めろ!)」

    ・・ククッ

    パワプロ「(ここだ!!)」

    キィンッ

    あおい「うわっ!!」
    バシッ

    パワプロの放った打球はピッチャー返し

    ボールはグラブに弾かれ、一塁寄りに転がる

    「くっ、それ!」

    一塁手が急いで拾い、二塁へ投げる

    レイ「!」
    ズザザーー・・ッ
    バシッ

    審判「セーフ!」

    レイの脚の方が早くセーフ

496 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 00:15:02.39 ID:nyT3FzVm0
    二塁手もすぐに一塁へ投げ返すがパワプロの頭から突っ込み、ギリギリセーフ


    パワプロ「(あ、危なかった)」



    アスカ「よし!チャンスね!!」

    トウジ「頼むで、渚ー!!」



    ワンアウト、ランナー一塁(パワプロ)二塁(レイ)

    次打者はカヲル


    カヲル「さぁ、行くよ」

    あおい「(この人・・・他の人と何かが違う。四番だし・・・本気で仕留めないと!!)」


501 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 00:18:17.45 ID:nyT3FzVm0
    あおいの第一球

    ビシュッ

    ククッ

    カヲル「(いい球だよ・・・。だけど、僕達はここで負けるわけにはいかないんだ。すまないね)」

    ガキィィィインンッッ!!!

    あおい「!!!」

    レイ「!」

    パワプロ「!!」


    カヲルの放った打球は場外へと消えた

    一回表、ネルフ高校はいきなり3点を手に入れる

    ネ3-恋0

 
506 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 00:20:06.22 ID:nyT3FzVm0
    カヲル「ただいま」

    シンジ「おかえりカヲル君!」

    矢部「すごいでやんす!!」

    カヲル「練習通りに狙っただけさ。・・・彼女には気の毒だったけどね」

    パワプロ「(カヲル君って・・何者なんだ?)」



    あおい「(いきなり打たれた・・・)」

    捕手「あおいちゃん、大丈夫か?」

    一塁「気を落とさないでくれよ~?」

    あおい「みんな・・・ありがとう」

    二塁「まだ一回だ、3点なんてすぐ取り返せるさ!」

    あおい「うん、そうだね!みんな、頑張ろう!!」

 
509 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 00:22:08.14 ID:nyT3FzVm0
    落ち着きを取り戻したあおいは次打者達を変化球で抑えていった

    審判「チェンジ!」

    トウジ「ぃや~、なんやあの変化球?」

    シンジ「綾波も、カヲル君もパワプロ君も、よく狙い打てたね・・・」

    パワプロ「大丈夫、試合が進むにつれて慣れてくるよ」


    ニ回表

    ツーアウト、ランナー無し

    アスカ「よし!行くわよ!!」

    あおい「・・・」

    ワー  ワー

    カヲル「女の子勝負となると急に盛り上がるね」

    パワプロ「ったく、俺達は真面目に試合してるっていうのに」


516 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 00:26:38.31 ID:nyT3FzVm0

    あおい「(行くよ!)」

    あおいの第一球

    ビシュッ

    ククッ

    アスカ「くっ」

    ブンッ
    審判「ストラーイク!」

    アスカ「(やるわね・・・確かに打ちにくい球だわ・・・!)」

    あおいの第二球

    ビシュッ

    アスカ「(ストレート!)」

    バスッ
    審判「スットラーイクツー!」

    アスカ「(あの投げ方でこんな速い球が投げれるなんて・・・投手の能力はあの子の方が上かもしれないわ・・・でも!)」


519 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 00:29:01.22 ID:nyT3FzVm0
    あおい「(これでトドメ!)」

    ビシュッ
    ククッ

    アスカ「(負けてられるかーー!)」
    キンッ

    あおい「!」


    パワプロ「当てた!」

    矢部「一、二塁間でやんす!」


    二塁「根性ー!!」
    パシッ

    二塁手が根性の横っ飛びでキャッチ!

    アスカ「なにっ!」

    二塁「ほいっ!」
    シュッ

    一塁「よしきた!」パシッ
    審判「アウトー!チェンジ!!」

    アスカ「・・く~!イケると思ったのにー!」

520 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 00:32:20.39 ID:nyT3FzVm0
    三回表

    ノーアウト、ランナー無し

    カヲル「・・・」

    あおい「(この人に打たせる訳にはいかない)」

    あおいはカヲルを敬遠する

    カヲル「(敬遠か。・・・懸命な判断だね)」


    ノーアウト、ランナー一塁(カヲル)

    トウジ「ようし!今度こそ一発狙ったるで!!」

    あおいの第一球

    ビシュッ

    カヲル「」ダッ

    一塁「あ!」

    同時にカヲルがスタート

 
522 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 00:34:14.71 ID:nyT3FzVm0

    バシッ
    審判「ストライク!!」

    捕手「このっ!!」
    ビシュ

    カヲル「っと!」

    捕手が急いで投げるも、カヲルの脚の速さは並ではなく盗塁を許してしまった

    あおい「(速い・・・ウチのキャッチャーじゃ刺せない)」


    その後、トウジがあおいのストレートを狙い球をセンター後ろへ運ぶ

    カヲルが生還し、ネルフ高校はまた1点獲得

    ネ4-恋0

527 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 00:44:01.31 ID:nyT3FzVm0
    次打者のシンジもストレートに狙いを絞り、ヒット

    ここであおいが調子を崩したか、四球で奥居も出塁

    ノーアウト、ランナー一二塁のチャンスにケンスケ


    しかし、あおいの変化球にタイミングが合わせずピッチャーゴロ

    さらにケンスケが一塁に向かう途中、転ぶというミスを犯しトリプルプレーで仕留められた


    アスカ「なにやってんのよ全く!」

    ケンスケ「も、申し訳ない」

    レイ「落ち着いて」

529 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 00:45:59.23 ID:nyT3FzVm0
    三回裏

    ツーアウト、ランナー無し

    あおい「よし!」

    アスカ「(来たわね、今度はこっちの球を見せてあげるわ!!)」

    アスカの第一球はカーブ

    ビシュッ

    あおい「えいっ!」

    ブンッ

    バスッ
    審判「ストラーイク!」

    アスカ「(次は・・・ストレート!)」

    ビシュッ

    あおい「(速い!)」

    バスッ
    審判「ストライクツー!!」

530 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 00:48:02.24 ID:nyT3FzVm0
    ワー ワー
    アスカ「(ったく、うるさい観客ね・・・!見世物やってるんじゃないのに!)」

    あおい「(キレのある変化球だね・・・。キミがどれだけ頑張って磨いてきたかがわかるよ・・・!)」

    アスカ「(トドメはこれで!)」

    あおい「(今度こそ打つ!!)」

    ビシュッ
    ククッ・・・

    あおい「(カーブだ!この・・・!)」

    クククッ!

    あおい「(まだ曲がっ・・・!)」
    ブンッ

    バスンッ
    審判「ストライク!バッターアウト!!チェンジ!!」

    ワー ワー

    あおい「(な、なに今のカーブは・・・)」

    アスカ「(驚いた?魔球ソニックグレイブ・・!)」


532 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 00:51:15.84 ID:nyT3FzVm0
    七回表

    ネ4-恋1

    あおい「はぁ・・・はぁ・・・」

    審判「タイム!」

    あおい「え?」
    伝令「あおいちゃん、お疲れ様!交代だよ」

    捕手「後は俺達に任せてくれ」

    一塁「ああ、前の回でようやく1点取り返せたし・・・この調子でいけばすぐ追いつけるさ!!」

    あおい「そう・・・わかった、みんな!後は頼むね!」

    三塁「おお!任せてくれ!!」

    七回表、あおいが遂にマウンドから降りる

    観客達はあおいに拍手を贈った

    パチパチパチパチ

    あおい「・・・!」
    あおいは観客達に頭を下げ、ベンチへと戻っていった


534 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 00:53:09.36 ID:nyT3FzVm0
    七回裏

    ワンアウト、ランナー三塁(八番)

    アスカ「ふんっ!!」

    シュッ

    一番「(球威が落ちてる!貰った!!)」

    カキーーンッ

    アスカ「!(しまった!)」


    矢部「オーライオラーイ!!大丈夫でやんす!!」

    パシッ
    審判「アウトーー!!」

    八番「うおおおお!!」ダッ

    三塁ランナーがタッチアップ

536 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 01:00:54.16 ID:nyT3FzVm0
    トウジ「矢部ーーー!」
    矢部「やんすー!」
    ビシュッ

    ズザーーーッ
    審判「セーフ!」

    八番「やった!」

    ネ4ー恋2


    アスカ「はぁ・・・はぁ」

    審判「タイム!」

    アスカ「!」
    田中山「アスカちゃん、ご苦労さん!交代だよ」

    アスカ「・・・そう、田中山。任せたわよ」

    田中山「任せてくれー!」
    アスカ「逆転されたら・・・わかってるわね?」ギロリ

    田中山「だ、大丈夫だよ。信用してくれー」

    アスカも遂にマウンドから降りた

    パチパチパチパチ
    アスカ「(よ・・・止しなさいよ!恥ずかしいったらない!)」


538 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 01:03:19.89 ID:nyT3FzVm0

    その後、ネルフ高校は鉄壁の守備により恋恋高校に1点も取らせず、試合は終了となった


    審判「ゲームセット!!!」

    ネ6-恋2

    でネルフ高校は初戦を突破

    ワー ワー

    パチパチパチパチ・・・

    影山「・・・渚カヲル君・・・。何故彼がネルフ高校に・・・・」

539 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 01:06:11.27 ID:nyT3FzVm0
    パワプロ「よし!初戦突破だ!」

    アスカ「うん、手強い相手だったわ」

    あおい「お疲れ様!」

    アスカ「あ、早川さん」

    あおい「あおいでいいよ。悔しいけど、ボク達の負けだね・・・でも、いい試合が出来たよ!」

    アスカ「うん、本当にね」

    レイ「ええ」

    あおい「惣流さんと綾並さんはプロを目指して野球やってるの?」

    アスカ「プロ?いや、成り行きよ。ただ・・・あたし負ける事が大嫌いだからさ」

    レイ「私は・・・好きだから」
    シンジ「(初耳だ・・・)」

    あおい「そっかー・・・君達とはもっと早くに出会いたかったよ。次の試合も頑張ってね!」

    アスカ「うん、ありがとう!あおいちゃん!」

    レイ「また・・・会いたいわね」
    アスカ「!・・・そ、そうね」
 
569 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 04:07:44.64 ID:nyT3FzVm0
    翌週

    パワプロ「ついに来たぞ・・・」

    矢部「次はあかつき高校でやんすか・・・二年ぶりでやんすね」

    アスカ「あれからもう二年か・・・」

    猪狩「久しぶりだな、パワプロ」

    パワプロ「あ!噂をすれば猪狩!」

    アスカ「出たわね」

    猪狩「三年目の最後の試合で君達と再会するとは、これも運命なのかな」

    パワプロ「猪狩、俺達は以前より確実に強くなってるぞ!二年前と同じだと思うなよ!」

    猪狩「勿論、油断する気はないさ・・・進!」

570 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 04:11:04.46 ID:nyT3FzVm0
    パワプロ「え?」

    進「お久しぶりです、パワプロさん」

    矢部「進君でやんす!」

    奥居「げ、もしかして最強バッテリーって噂された・・・」

    トウジ「誰や?」

    アスカ「(猪狩進・・・)」

    猪狩「僕と進が組んでいる限り、君達が得点を入れるのは不可能だ・・・それに、僕はこの三年間で新たなストレートを習得した」

    パワプロ「新たなストレート?」

    猪狩「名づけて、ライジングショット。君達の驚く顔が目に浮かぶよ」

    パワプロ「ライジングショット・・・」

    矢部「カッコイイ名前でやんす」

    レイ「感心してる場合じゃないと思うわ」

    猪狩「それじゃあ、試合で会おう・・・進、行くぞ」
    進「では、失礼します。いい試合にしましょうね」

574 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 04:13:12.29 ID:nyT3FzVm0
    シンジ「ライジングショットか・・・」

    ヒカリ「今のあかつき高校は前の三年生がいなくなって攻撃力や守備力は落ちてるみたいだけど、猪狩君の投球がそれをカバーしてるみたい」

    トウジ「っちゅー事は、あの猪狩を引きずり降ろせばこっちが有利になるってこっちゃな」

    矢部「そんな簡単にいく相手ではないでやんすよ」

    カヲル「自信に満ちている態度だが、彼の実力は本物だね」

    パワプロ「ライジングショットだかなんだか知らないが、ここで負ける訳にはいかない!二年前の借りを返すついでに勝ちももらうぞ!!」

    アスカ「当然!」

    レイ「ええ」

    シンジ「う、うん」

    トウジ「よっしゃ!やったるで!」

    矢部「頑張るでやんす!」

575 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 04:17:52.28 ID:nyT3FzVm0
    試合開始

    一回表 あかつき高校の攻撃

    田中山「よーし!頑張るぞ!」

    進「(女の子の投手は控えか・・・!)」

    トウジ「(田中山!しっかり頼むで!)」


    田中山が第一球を投げる

    シュッ

    進「(遅い!)」

    カキーンッ!

    レイ「くっ!」

    レイは飛び上がるが、進の打球はレイの頭上超える

    進は一塁でストップ

    田中山「(やばいやばい、いきなりランナー出しちゃったよ)」

576 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 04:20:56.27 ID:nyT3FzVm0
    田中山「(くそー、流石あかつきだ。何投げても打たれる気がするぞ~)」

    田中山の第一球
    ビシュッ

    進「(行くよっ!)」

    進がスタート

    ククッ

    二番「ふんっ!!」

    キインッ!!!

    田中山「!」

    またも初球を狙われ、打球はショート頭上へ
    カヲル「(行かせないよ)」

    バシッ
    審判「アウトーー!」

    カヲルがジャンプしてキャッチ

    進「!(な、なんて跳躍力だ・・・)」

    カヲル「それっ」

    そのまま一塁へ送球

583 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 04:35:30.77 ID:nyT3FzVm0

    シンジ「っ」パシッ

    審判「アウトー!」



    シンジ「(ほ、本当に凄いなカヲル君は・・・)」

    パワプロ「ナイス!カヲル君!!」

    奥居「その調子で頼むぜ~!」


    田中山「ふう、助かった・・・」

    カヲル「田中山君、後ろは僕達に任せてくれ」

    田中山「ああ、ありがとう!」


    天才カヲルの援護もあり、三番打者もアウトに取る



    ネルフ高校、この回は無失点で抑える事に成功した

584 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 04:39:19.90 ID:nyT3FzVm0
    一回裏 ネルフ高校の攻撃

    猪狩「矢部か」

    矢部「猪狩君、勝負でやんす!」

    猪狩「(とくとその目に焼き付けるといい。僕のライジングショットを!!)」

    猪狩の第一球

    ビュッ

    矢部「!・・速

    ズバァンッ!!

    審判「ストラーイク!!」


    アスカ「音・・・!」

    パワプロ「速い!!」

    レイ「・・・」

    カヲル「(・・・これは、打つのに苦労しそうだね)」

585 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 04:41:35.20 ID:nyT3FzVm0
    矢部「(もの凄い勢いのあるストレートでやんす!)」

    猪狩「(フ、予想通りの反応だ。・・・キミにこれが攻略出来るか?)」

    ビュッ

    ズバン
    審判「ストライク!!」


    ビュッ


    矢部「(ぬおおおおでやんすー!)」
    ブンッ
    ズバンッ
    審判「ストライク!バッターアウト!!」

    矢部「(猪狩君、とんでもない球を身に着けたでやんす・・・)」


    ワンアウト、ランナー無し

    レイ「・・・」

    猪狩「(女の子か・・・女の子に使うのは若干抵抗があるが・・・!)」

587 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 04:50:29.53 ID:D0zpnYQXO
    ビュッ

    レイ「・・・」
    ズバァンッ

    審判「ストライクワン!」

    猪狩「(・・・見ている?)」

    進「(冷静な人だ・・・)」


    猪狩の第二球

    ビュッ
    レイ「(今!)」

    カキッ

    猪狩「!」

    進「(当てた!)」

    しかし、打球はピッチャーゴロとなりアウト

    猪狩「(力の無さに救われたか・・・?)」

 
589 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 04:54:30.89 ID:D0zpnYQXO
    ツーアウト、ランナー無し

    ザッ
    パワプロ「・・・」

    猪狩「(来たか、パワプロ!行くぞ!)」

    猪狩が第一球を振りかぶって投げる

    ビュッ

    パワプロ「(速い!)」

    ズドンッッ
    審判「ストラーイック!」

    パワプロ「(そして・・・重い!)」

    猪狩「(まだまだ行くぞ!)」

591 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 05:00:00.20 ID:D0zpnYQXO

    猪狩の第二球

    ビュッ

    パワプロ「(落ち着け、球威に押されるな!落ち着いて、見て打つ!)」

    ズバァンッ!
    審判「ストライークツーッ!!」

    猪狩「(手も足も出ないのか!?)」

    猪狩の第三球

    ビュッ

    ギュオオオオッ
    パワプロ「(ここだっ!!)」

    カキィンッ!
    猪狩「!」

    打球はライト前ヒット

    パワプロ「よし!」


592 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 05:06:04.27 ID:D0zpnYQXO
    猪狩「(もうヒットを打たれるとは・・・・二年間、遊んでた訳じゃないようだな)」

    ツーアウト、ランナー一塁(パワプロ)

    カヲル「さて・・・と」

    猪狩「(この男・・・二年前にはいなかったな。しかし、さっきの守備や、向かいあって感じる威圧感・・・・ただ者ではないようだ)」

    進「(兄さん、気をつけて)」

    猪狩「(わかっている)」


    猪狩の第一球

    ビュッ

    ククッ…
    カヲル「!」

    キンッ

    審判「ファール!」

593 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 05:12:35.44 ID:D0zpnYQXO
    カヲル「(いきなり変化球かい)」

    猪狩「(自慢のカーブを簡単に・・・)」

    猪狩「(・・・一番の要注意人物はパワプロではなく、この男なのかもしれない!)」

    猪狩の第二球

    ビュッ

    ガクンッ
    カヲル「(フォークか、もらったよ!)」

    ガキーーーンッ!!!

    パワプロ「!」

    猪狩「!」


    カヲルの一撃は真っ直ぐ、センターへ叩きつけられホームランとなった


    アスカ「・・・す」
    矢部「凄いでやんす!」
    トウジ「や、やるやないか!!」

    ネルフ高校、二点の先制
    ネ2-あ0

596 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 05:19:45.22 ID:D0zpnYQXO
    パワプロ「ナイス!カヲル君!」

    アスカ「よくやったわ!」

    カヲル「ありがとう」



    審判「タイム!」


    進「兄さん」

    猪狩「大丈夫だ、進。どうやら、ライジングショットを手に入れて浮かれていたようだ。・・・上には上がいる、こんな当たり前の事も忘れてしまっていた」

    進「兄さん・・・」

    猪狩「・・・まさか初回から本塁打を食らうとは思わなかった・・・もう、これ以上の点は入れさせないぞ!」

    進「!(兄さんの目つきが変わった・・・!)」

    本気モードになった猪狩はその後の打者(一部は出塁するが)を全て三振、ゲッツーで抑える

    またネルフ高校もパワプロ、矢部、奥居、レイ、カヲルの活躍によりランナーは出せども無失点に抑えた

597 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 05:24:36.27 ID:D0zpnYQXO

    七回表

    田中山「「ぜぇ、ぜぇ」

    審判「タイム!」

    アスカ「田中山、ご苦労だったわ!後はあたしに任せて」

    田中山「アスカちゃん、後は頼んだ~・・・」

    ネルフ高校投手交代
    田中山→アスカ


    アスカ「よーし!行くわよ!」

    七番「(噂の女投手か・・・)」

598 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 05:28:43.99 ID:D0zpnYQXO
    アスカの第一球

    アスカ「(あたしの魔球に、ド肝を抜かされなさーい!)」

    ビシュッ

    ククククッ

    七番「!(これは・・・!)」

    カッ

    ボールはバットの端に当たり、ファーストゴロ

    シンジ「よっと・・・」

    審判「アウト!」

    シンジがキャッチし、アウト

    アスカ「(どうよ!)」

    七番「(なんてキレのあるカーブだ・・・!変化だけなら猪狩と同等か?)」

599 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 05:32:12.37 ID:D0zpnYQXO
    ワンアウト、ランナー無し

    八番「(二塁、ショートは鉄壁だ。この守備の穴はやはり三塁か!)」

    アスカの第一球

    ビシュッ

    クククッ

    八番「くっ!」

    ブンッ
    審判「ストラーイク!」

    八番「(だがその前に・・・)」

    アスカ「(もう一丁!)」

    ビシュッ

    クククッ
    八番「(こいつの変化球をなんとかしなくちゃ・・・!)」

    バスッ
    審判「ストライクツー!」

601 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 05:35:49.74 ID:D0zpnYQXO
    アスカ「(打てるもんなら、打ってみなさい!)」

    アスカの第三球

    ビシュッ

    ククッ
    八番「(もう一段落ちるハズだ!ここは見極め・・・)」

    ボスッ

    審判「ストライク!バッターアウト!」

    アスカ「(残念、ただのカーブでした~)」

    八番「・・・・・・くっそ!」


    ツーアウト、ランナー無し

    九番「(もう七回だ、ここらで点を入れなければ・・・・・・・だが!)」

602 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 05:39:29.73 ID:D0zpnYQXO
    アスカ「(どおりゃああぁぁー!!)」

    ビシュッ

    クククッ

    ブンッ
    ズバンッッ

    審判「ストライク!」

    九番「(この厄介な変化球をどうにかしなければ・・・!)」

    アスカ「(どうやら、あたしの魔球に手も足も出ないみたいね!)」

    トウジ「(アスカ、このまま決めてまえ!)」


    アスカの第二球

    アスカ「(でいっ! あっ)」


    が、すっぽ抜けた

    トウジ「(げっ!)」


604 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 05:42:56.94 ID:D0zpnYQXO
    八番「!」

    カキィンッ!

    アスカ「(しまっ・・・)」

    シンジ「!」


    ボールがシンジ目掛けて向かってくる


    シンジ「!(・・・大丈夫!僕なら捕れる!!)」

    バスッ
    審判「アウト!」

    見事、シンジがキャッチしアウト

    チェンジとなった


    アスカ「よくやったわ、シンジ!」

    シンジ「う、うん」

    トウジ「やるやないか!流石や!」

    シンジ「そんな、大袈裟だよ」

605 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 05:43:34.11 ID:nyT3FzVm0
    両者、一点も譲らずいよいよ最終回

    九回表

    ノーアウト、ランナー無し

    猪狩「・・・」

    アスカ「(すごい・・・結局一人で9回まで投げたんだ・・・!)」

    猪狩「(あかつきはここで終わるわけには行かない・・・!)」


    アスカ「(凄い威圧感・・・!流石、猪狩ね・・・!)」

    アスカの第一球

    ビシュッ

    クククッ

    猪狩「(僕に何度も同じ球が通用すると思うな!!)」

    ガキィィィン!!!!

    アスカ「嘘ッ」

    打球はレフト方向へ

606 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 05:52:04.87 ID:nyT3FzVm0
    パワプロ「奥居!!」

    奥居「うおおおおおーーー!!!」
    ガシッガシッ

    奥居がフェンスによじ登る


    しかし、打球は無情にもスタンドへ叩きつけられた

    最終回でようやくあかつきが1点を取り戻す

    ネ2-あ1



    進「兄さん!ナイス!」

    猪狩「まだ試合は終わってない。五番、六番、七番、頼んだぞ!」

    五番「おう!」


    アスカ「(・・・!最終回でホームラン食らうなんて・・・!)」

    アスカの胸の中にモヤモヤしたものが湧き始めた

607 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 05:54:22.22 ID:nyT3FzVm0
    トウジ「アスカ、落ち着きや。大丈夫や、1点くらい」

    カヲル「そうだよ。強打者の猪狩君がいなくなったんだから、後はしっかり抑えればいいだけさ」

    パワプロ「万が一長打打たれても、俺達が意地でも捕ってみせるからさ!!」

    矢部「命懸けるでやんす!!」

    奥居「おおー!」

    レイ「私も」

    アスカ「・・・」

    シンジ「落ち込んでるなんてアスカらしくないよ」

    アスカ「・・・私らしくない?」

    シンジ「う、うん」

    アスカ「・・・ふふ、あんたにそんな事言われるなんてね」

    シンジ「え・・あ・・・」

    アスカ「大丈夫よ、皆。あたしがこの程度で落ち込むわけないじゃない!どうやって次の奴らを抑えてやろうか考えてただけよ!!」

    パワプロ「アスカちゃん」

    アスカ「さ、皆戻って!さっさと終わらせて甲子園行くわよ!」


609 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 05:56:03.08 ID:nyT3FzVm0
    そして――

    アスカ「ふんっ!」
    ビシュッ

    ククッ
    五番「くぅっ!!」
    ブンッ
    ズバンッ
    審判「ストライク!バッターアウト!!」



    アスカ「でぃっ!!」

    ビシュッ

    六番「ふんんっ!!」

    キィンッ

    アスカ「!」

    カヲル「よっ・・と!」
    バシッ

    審判「アウトーー!!」


    猪狩「・・・」

611 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 05:58:14.36 ID:nyT3FzVm0
    アスカ「(これで・・・ラストォォーーーー!!!)」

    ビシュッ
    クククッ

    七番「(こなくそおおーーー!!)」

    カキッ
    ポトトッ

    パワプロ「(ピッチャーゴロ!)」

    矢部「(決まったでやんす!)」

    ヒョイッ
    アスカ「シンジ!!」

    ビシュッ

    シンジ「!」

    バシッ

    審判「アウトー!ゲームセット!!」

    シンジ「・・・・よしっ」

    試合終了

    ネ2-あ1でネルフ高校の勝利

614 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 06:01:32.70 ID:nyT3FzVm0
    パワプロ「よし!勝ったぞ!」

    シンジ「最後はヒヤっとしたけどね」

    ヒカリ「みんな、お疲れ様!」

    マヤ「やったね!練習頑張った甲斐があったね!!」

    矢部「これで念願の甲子園出場が叶ったでやんす!!」

    アスカ「出場じゃないでしょ?目標は優勝よ!」

    カヲル「甲子園・・・か」

    レイ「・・・?」

    パワプロ「入部したばっかの時はどうなるかと思ったけど・・・」

    ケンスケ「まさかあの名門に勝てるとは・・・!」

    奥居「感無量だぜ~」

    トウジ「こうなったらとことんまで行ったるで!!」


    猪狩「・・・パワプロ」

    アスカ「!」

    パワプロ「あ、猪狩!」
 

616 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 06:06:11.93 ID:nyT3FzVm0
    猪狩「・・・・・・・・・・・負けたよ」

    パワプロ「・・・猪狩」

    猪狩「・・・試合にはな」

    パワプロ「ん?」

    矢部「?」

    猪狩「だが、『勝負』は僕の勝ちだ。君は僕の投球に手も足も出なかったんだからな」

    アスカ「はぁ?」

    パワプロ「えーと・・つまり、引き分けって事か?」

    猪狩「その通りだ。決着はいずれつけるぞ!」

    トウジ「なんやそれ」

    パワプロ「ああ、わかったよ。猪狩」

    猪狩「・・・それと、我があかつきを破ったんだ!甲子園の初戦なんかで負けるんじゃないぞ!!」
    タッタッタ・・・

    矢部「猪狩君もアスカちゃんと同等かそれ以上の負けず嫌いでやんすからね」

    アスカ「あたしがアイツと同じ?冗談」

    カヲル「努力家な所も、似ているのかもね」


618 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 06:09:16.64 ID:nyT3FzVm0
    碇宅

    シンジ「ただいま」

    ユイ「おかえり、今日は頑張ったね」

    シンジ「ん?試合内容知ってるの?」

    ユイ「お父さんから連絡が来たからね」

    シンジ「・・・そうか、父さんまた見に来てたんだ」

    ユイ「お父さんも喜んでいたわ」

    シンジ「そう・・・」

    ユイ「・・・あの時、辞めなくて良かったでしょ?」

    シンジ「・・・・うん」



    ついに甲子園大会が始まった

    俺達ネルフ高校は初戦を突破、その後も奇跡的に勝ち続け準々決勝戦までコマを進めた

619 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 06:10:45.78 ID:nyT3FzVm0
    ヒカリ「次の相手は使徒高校ね」

    カヲル「!」

    パワプロ「使徒高校?」

    アスカ「聞かない名前ね。てっきり帝王実業かアンドロメダが相手だと思ったけど」

    カヲル「使徒高校は僕が前にいた学校なんだ」

    シンジ「え、そうなの?」

    アスカ「そういえばアンタ転校生だったんだもんね」

    カヲル「僕はそこの野球部に所属していたんだよ」

    矢部「って事は今日戦うのはかつての仲間って事でやんすか」

    カヲル「仲間・・・か。彼等はそうは思ってないだろうけどね」

    パワプロ「?」

    シンジ「(何か理由があるんだ・・・)」


621 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 06:16:34.46 ID:nyT3FzVm0
    試合当日

    パワプロ「あれが使徒高校の選手達か・・・」

    矢部「強そうでやんす」

    ケンスケ「外見も迫力ある奴ばっか・・・」

    パワプロ「外見で勝負が決まるわけじゃないよ」

    アスカ「パワプロのいう通りよ!」

    奥居「げ、あいつらこっちに来るぜ~!」

    カヲル「ん・・・」


    仇武「久しぶりだな、渚」

    カヲル「仇武監督・・・お久しぶりです」

    ラミエル「渚・・・まさかお前とこういう形で再開するとはナ」

    矢部「(で、でっかいでやんす!)」

622 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 06:18:11.71 ID:nyT3FzVm0
    カヲル「ラミエル、元気そうだね」

    ラミエル「元気だト?当たり前ダ、自己管理も出来ない奴にスポーツをやる資格はなイ」

    カヲル「・・・そうかい」

    ラミエル「・・しかシ、お前達のような寄せ集め部員の野球部が準決勝まで上り詰めてくるとハナ・・・」

    アスカ「なんですってー!?」

    レイ「落ち着いて」

    仇武「渚、つまらぬ事情でウチの野球部を辞めた事を後悔するがいい」

    ラミエル「覚悟しておケ!」


    アスカ「なんなのよ!あいつら!!」

    パワプロ「うーん、一緒に練習をした仲間にあんな言い方をするなんて・・・」

    マヤ「監督まであんな嫌味言いに来るなんて、信じられないね!」

623 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 06:19:37.19 ID:nyT3FzVm0
    トウジ「試合前に挑発してくるとは随分自信があるようやな」

    カヲル「ああ、彼等は強い。なにせプロペ・・・・ゴホン」

    シンジ「?」

    カヲル「・・・さっき僕と話していたラミエルという男。彼の武器は165km/hを誇る豪速球だ」

    レイ「!」

    ケンスケ「ひゃ、ひゃ・・・」

    マヤ「165km/h!?」

    パワプロ「(猪狩より速いのか・・・!)」

    トウジ「ホンマかいな!!」

    カヲル「本当だよ。また、彼は速球しか投げない」

625 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 06:20:50.54 ID:nyT3FzVm0
    アスカ「変化球は使わないの?」

    カヲル「使う必要がないんだよ。普通の高校生じゃまず打てない速さだからね」

    シンジ「165なんてプロでも打てないんじゃ・・・」

    パワプロ「でも、変化球を使われるよりはマシって事か・・・」

    カヲル「まぁ、そうだね」

    矢部「うう、オイラ一番でやんすからドキドキするでやんす・・・」

    奥居「トウジなら打てるんじゃねぇか~?この間、偶然とは言えキャッチしたんだしよ~」

    トウジ「アホ抜かせ、あんな球そう簡単に打てるか!」

    アスカ「渚の話が本当でも、今更嘆いた所でどうなるものでもないわ!」

626 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 06:26:26.99 ID:nyT3FzVm0
    パワプロ「うん、そうだ。これが俺達最後の試合なんだから!例え165km/hが相手でも最後まで諦めずに全力を尽くそう!!」

    シンジ「・・うん!」

    レイ「了解」

    矢部「わ、わ、わかってるでやんす!オイラ覚悟完了でやんす!」

    トウジ「当たり前や、とことんあがいたるわ!」

    ケンスケ「そ、そうだよな!ここまで来たんだし・・・!や、やる・・ぞ!」

    奥居「そうだな~!高校生活最後の試合に後悔は残したくないしな~!」

    田中山「うんうん、パワプロの言う通りだぞ!」

    カヲル「僕達は彼等に持ってないものを持っている。それを見せつけてやろう」

    マヤ「みんな、頑張ってね!」

    ヒカリ「祈ってるから!」

    パワプロ「よし!みんな行くぞ!」

    全員「おーー!」

627 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 06:29:31.96 ID:nyT3FzVm0
    ネルフ高校スタメン

    矢部  外野  BCACB
    綾波  二塁  AECBA
    パワプロ外野  CBABB
    渚   遊撃  AAAAA
    鈴原  捕手  DBBBC
    碇   一塁  BCCCC
    奥居  外野  BCBCB
    相田  三塁  DDDCD
    アスカ 投手  DECDB
    田中山 投手  CDCCA


    使徒高校スタメン

    咲江   外野 BBABA
    社無   捕手 ABBCB
    荒枝   外野 ACDAA
    是留   一塁 AADBB
    遥出井  三塁 DAAAC
    牙義   外野 CBABC
    乙    二塁 ACCAA
    甲    遊撃 ACCAA
    ラミエル 投手 CBDAA

    試合開始

 
637 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 07:36:10.88 ID:nyT3FzVm0
    試合開始

    1回表 ネルフ高校の攻撃

    矢部「ふー・・・・来いでやんす!」

    ラミエル「フ、凡人ガ・・・!」

    ラミエルが第一球を投げる

    ヒュッ

    ズドンッ
    審判「ス、ストラーイク!!」

    矢部「(み、見えないでやんす・・・!)」

    アスカ「反則じゃない、あの速さ・・・!」

    カヲル「ストレートしか来ないと解っていても、あの球威と音に萎縮させられるのかもしれないね」


    ズバァンッ!

    審判「ストライク!バッターアウト!」

    矢部「レイちゃん、気をつけてでやんす」

    レイ「ええ」コクリ

638 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 07:38:11.80 ID:nyT3FzVm0
    ラミエル「(来たカ、女。俺はどんな相手だろうと手加減はしないゾ!)」

    ビシュッ

    ギュオオオオオッ
    レイ「!」

    ズバンッ
    審判「ストライク!」

    レイ「(・・・捉えきれない)」


    ラミエル「(そう落ち込むナ、打てなくて当然なのダ!)」

    ビシュッ
    レイ「っ!」

    ブン スバァンッ!!!

    審判「ストライクツー!」


    奥居「レイちゃんでも厳しいか~・・・」

    ケンスケ「当たり前だろ、相手は165km/hのバケモノだぜ?」

640 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 07:40:49.63 ID:nyT3FzVm0
    ズバァンッ!!!!!
    奥居「ういっ」

    審判「ストライク!バッタアウト!!」

    レイ「・・・ごめんなさい」

    パワプロ「気にするな、レイちゃん!」


    ツーアウト、ランナー無し


    パワプロ「(勝負だ!ラミエル!)」

    ラミエル「(フ、一丁前に俺を睨みやがッテ!実力の差を教えてやル!!)」

    ビシュッ!!

    ギュオオオッ

    パワプロ「!」
    ブンッ カッ

    バシッ
    審判「ストライク!!!」

    ラミエル「(・・・今、掠ったカ?)」


644 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 07:44:27.10 ID:nyT3FzVm0
    パワプロ「(~~~~!ちょっと掠ったけで手が・・・!)」


    ラミエル「(まァ・・・!当てれる所でどうなる訳でもないがナ!!)」

    ビシュッ

    ズバァンッ!!

    審判「ストライクツー!」


    パワプロ「(直球が来るのはわかってるんだ・・・!後はタイミングを合わせて打つだ

    ズバァンッ!!!

    審判「ストラーーイック!バッターアウト!!チェンジ!」

    パワプロ「(・・・慣れるまで時間がかかるな・・・!)」

645 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 07:47:13.30 ID:nyT3FzVm0
    一回裏 使徒高校の攻撃


    咲江「・・・」

    アスカ「(不気味な奴・・・まずは様子見の・・・)」

    アスカの第一球はカーブ

    ビシュッ

    ククッ
    咲江「むんっ!」

    キィンッ!

    アスカ「!(いきなり!)」

    審判「フェア!」

    打球はセンター前ヒット


    ノーアウト、ランナー一塁(咲江)

    社無「・・・」

646 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 07:52:47.39 ID:nyT3FzVm0
    アスカ「(・・初っ端から全力で行かなきゃ・・・!)」

    アスカが振りかぶる

    アスカ「(あかつき打線を抑えた魔球を思い知りなさい!)」

    ビシュッ

    クククッ

    社無「(む、これが噂の変化球か・・・確かにいい球だ。・・・だが!)」

    カキィンッ!

    アスカ「!」

    鋭い打球は一二塁間を抜け、ヒット

    アスカ「(魔球が、通用しない・・・?)」


    ノーアウト、ランナー一塁(社無)二塁(咲江)

    荒枝「(女性でここまでやった来た事は尊敬に値しますが・・・やらせてもらいますよ)」

648 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 07:55:59.44 ID:nyT3FzVm0
    アスカ「(このっ・・・なめんじゃないわよーー!!)」

    ビシュッ
    クククッ
    荒枝「(これぐらいの変化球、慣れていますよ!)」

    カキンッ
    アスカ「!!」

    打球はショート方向

    カヲル「(大丈夫!)」
    パシッ

    カヲルがジャンピングキャッチ
    審判「アウトー!!」

    咲江「!」

    レイ「(こっちに)」

    カヲル「それっ!」

    パシッ
    審判「アウトー!!」

    シンジ「よ、良かった・・・」

    荒枝「(渚・・・鉄壁の守備は健在ですか)」
    アスカ「(ふう、助かったわ・・・)」

650 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 08:01:07.81 ID:nyT3FzVm0
    ツーアウト、ランナー一塁(社無)

    是留「・・・・・」

    カヲル「(使徒高一の強打者だ。気をつけて)」

    アスカ「(魔球が通用しないなら・・・打たせて取る!!)」

    ビシュッ

    是留「(わからんな、渚。何故お前がこんな弱い高校の野球部に入部したのか・・・!)」

    ガキィィンッ!!!

    アスカ「!(あ!)」


    矢部「パワプロ君!行ったでやんすよーー!」

    パワプロ「うおおおおお!!!」
    是留「(バカめ、見て解るだろうが!あの高さで届くか!)」

    パワプロ「諦めるかー!」

    パワプロはフェンスによじ登りボールを捕ろうとするが、到底届かずホームランになった

    使2-ネ0

651 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 08:05:20.64 ID:nyT3FzVm0
    トウジ「アスカ、大丈夫か?」

    アスカ「当然!まだ一回じゃない!たった2点で諦めるワケないでしょ!!」

    カヲル「これ以上、点を入れさせなければ大丈夫だよ」
    レイ「守ってみせるわ」

    次打者、遥出井をアスカはフライに打ち取る事に成功しチェンジ

    二回表

    ラミエル「(来たな、渚)」

    カヲル「・・・」

    ラミエル「(行くぞ)」

    ラミエルの第一球

    ドシュッ

    ギュオオオオオッ

    カヲル「(むんっ!)」
    キンッ!!

    ラミエル「(なニッ!?)」

655 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 08:10:59.05 ID:nyT3FzVm0
    パワプロ「あ、当てた!!」

    矢部「信じられないでやんす!!」

    カヲルの放った打球はレフトへ飛んで行き、二塁まで進む


    ラミエル「(まさか当てるとハナ・・・)」

    カヲル「・・・」ズキズキ


    アスカ「よし!このチャンスを逃すんじゃないわよ!!行きなさいトウジ!!!」

    トウジ「おう!まかせとけ!!!」


    ノーアウト、ランナー二塁(カヲル)

    トウジ「よーし!かかってこんかい!(どう打ったらええかてんでわからんけどなぁ!!)」


657 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 08:14:08.71 ID:nyT3FzVm0
    ラミエル「(フン、渚が出てもお前達が打てなければ意味はナイ!!)」

    ラミエルが第一球を振って投げ

    カヲル「ッ」ダッ

    トウジ「!」

    カヲルがスタート


    ドシュッ

    ズバン!!
    審判「ストライク!」

    社無「ちっ!」

    社無が急いで三塁へ投げるがカヲルの脚の方が速くセーフ

    ラミエル「(渚・・・犠牲フライ待ちカ?)」

    カヲル「ふう」パンパンッ

 
661 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 08:19:29.27 ID:nyT3FzVm0
    パワプロ「流石カヲル君だ!」

    アスカ「トウジー!フライ狙いなさいよー!」

    トウジ「(ったく、簡単に言ってくれるで・・・!)」

    トウジも皆の期待に応えようとするが


    ラミエル「ムンッ!!」

    トウジ「くぉっ!」
    ブンッ
    スバンッッ

    審判「ストライク!バッターアウ!!」


    アスカ「あ~・・・」

    ケンスケ「そう簡単に打てないって・・・」

    トウジ「シンジ、頼んだで!」

    シンジ「う・・・うん!!」


663 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 08:23:24.72 ID:nyT3FzVm0
    ワンアウト、ランナー三塁(カヲル)


    ラミエル「ハァッ!!」
    ビシュッ

    ズドォンッ!!!
    審判「ストラーイク!」
    シンジ「・・・!!」

    シンジ「(こんな球どうやって・・・)」

    ラミエル「(残念だったナ、渚!お前一人で足掻こうが後が続かなければ結局無駄な行為ダ!)」

    ビュッ

    シンジ「くっ」
    ズバァンッ!!

    ブンッ
    審判「ストライクツー!!」


665 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 08:26:58.10 ID:nyT3FzVm0
    シンジ「(も、もう後が無い・・・!)」

    と、その時シンジが三塁にいるカヲルと目が合った

    シンジ「・・・」

    カヲル「(シンジ君、僕がこれからやる事・・・わかるね?・・・大丈夫、君は追い詰められた時にこそ力を発揮する人間だ。・・・頼むよ)」

    シンジ「・・・」

    目が合ったのは一瞬だったがシンジは直感で理解した

    シンジ「・・・!」

    ラミエル「(ム・・・?顔つきが・・・)」

    ラミエルが第三球を振りかぶって投げる

    カヲル「(行くよ、シンジ君!)」ダッ

    同時にカヲルがスタート
    ラミエル「!」

    ビシュッ

666 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 08:30:14.46 ID:nyT3FzVm0
    ギュオオオオオオッ
    シンジ「(う・・わああああ!)」

    シンジがバットを振る

    キッッ!!!

    バッ
    ラミエル「!」


    パワプロ「!」

    矢部「!」

    ボールはバットの下に当たり、そのまま地面に叩きつけられ大きく跳ね上がった

    ラミエル「なんトッ!!」

    ラミエルは飛び上がるが、届かずその間にカヲルが生還

    審判「セーフ!」

    カヲル「よしっ」

    使2-ネ1

    アスカ「よっしゃあああ!」

    パワプロ「よしッッ!」

667 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 08:32:44.54 ID:nyT3FzVm0
    甲「ちっ!」

    ショートの甲が急いで拾い、一塁へ投げる

    審判「アウトー!!」

    アスカ「ああ、惜しい!」

    パワプロ「すごいな、シンジ君!あんな球当てるなんて・・・!」

    カヲル「彼ならやってくれると思っていたよ」


    シンジ「ご、ごめん。間に合わなくて・・・」

    アスカ「何言ってんのよ!よくやってくれたわ!!」

    レイ「・・・うん」

    トウジ「ホンマや!カッコ良かったで!!」

    矢部「相手のピッチャーも驚いてたでやんすよ!」

    シンジ「そんな・・・」

    カヲル「自信を持っていいんだよ、シンジ君。あれは君でなければ出来ない事だったんだから」

    シンジ「・・・ありがとう」

668 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 08:35:38.97 ID:nyT3FzVm0
    ズバンッ!!!

    審判「ストライク!バッターアウト!!チェンジ!!」

    ケンスケ「あ、奥居がアウトになった」

    アスカ「よし、皆。この調子で守り、攻めていくわよ!!」

    パワプロ「ああ!」
    矢部「勿論でやんす!」
    シンジ「うん!」
    レイ「ええ」
    トウジ「おう!」
    田中山「パワプロ「俺達の力!とことん見せつけてやるぞ!!」


    だが、それ以降の回はラミエルの投球の前に全て抑えられ、奮戦空しくもネルフ高校は使徒高校に敗れてしまった


    使7-ネ1

    審判「ゲームセット!!!」

    試合終了

675 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 09:04:06.57 ID:nyT3FzVm0
    パワプロ「・・・・負けた、か」

    アスカ「うん・・・まぁ、でも悔いはないわよね。あたし達全力でやったんだし」

    シンジ「うん、なんか・・・スッキリしたよ」

    トウジ「そやな!」

    カヲル「・・・」


    ラミエル「フッフッフ・・・」

    矢部「あ、出たでやんす!」

    奥居「なんの用だ~?」

    ラミエル「お前達、口程の相手でもなかったナ・・・所詮、凡人は天才に勝てんという事だナ!!」

    アスカ「・・・」

    ラミエル「ハッハッハ、言い返せないカ!」

    アスカ「馬鹿ね、相手にすんのも馬鹿らしいのよ」

676 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 09:06:22.12 ID:nyT3FzVm0
    パワプロ「気が済んだら、さっさとあっち行ってくれ」

    ラミエル「フッフッフ、精一杯の負け惜しみという奴カ・・・」

    カヲル「・・・」

    ラミエル「なんダ、渚?その目ハ」

    カヲル「可哀想に・・・君には永遠にわからないんだろうね」

    ラミエル「何を意味の解らない事ヲ・・・だが、光栄に思うんだナ!甲子園優勝する我々と試合出来た事ヲ!」

    シンジ「・・・」

    ラミエル「さよならダ、渚!もうお前とも二度と会う事も無いだろウ!ハハハハハ!!」
    ザッザッザ・・・

    矢部「ふう、ようやくいなくなったでやんす」

    アスカ「あそこまで行くと滑稽ね」

    カヲル「彼等は野球をするにあたって一番大切な事を忘れてしまっている。・・・僕はそれが嫌で野球部を辞めこの学校に転校して来たんだ」

677 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 09:08:25.46 ID:nyT3FzVm0
    シンジ「そうだったんだ・・・」

    カヲル「試合には負けてしまったけど、僕はこの学校にこれて、君達と共に野球が出来て嬉しかったよ」

    パワプロ「俺も、皆がいてくれたお陰でここまで来れたんだ。この学校で野球をやれて本当によかったよ!」

    矢部「オイラもでやんす!」

    アスカ「あたしも、色々ドタバタやったけどアンタ達とやれて本当に楽しかったわ!!」

    シンジ「僕も・・・野球をやってなかったら、つまらない毎日を送ってたと思う・・・。本当に、野球を初めて良かったと思うよ!」

    トウジ「そうやそうや、甲子園出れただけでも立派やしな!」

    ケンスケ「うん、そうだそうだ!」

    奥居「楽しかったぜ~!」

    ヒカリ「私も、もっと長く皆と一緒にやってたかった!」

    マヤ「みんな、3年間本当にお疲れ様!!!」

    レイ「・・・・も」

678 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 09:10:41.34 ID:nyT3FzVm0
    パワプロ「ん?」

    アスカ「?」

    シンジ「綾波?」

    レイ「私も・・・貴方達と一緒に3年間やれて、楽しかった・・・・ありがとう」ニコッ

    パワプロ「!」
    矢部「!」
    シンジ「!」
    トウジ「!」
    ケンスケ「!」
    奥居「!」
    田中山「!」

    男子部員の疲れがとれた!!!

    アスカ「~、やれやれ・・・三年経ってもそういう所は変わらないんだから」

680 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 09:12:12.74 ID:nyT3FzVm0
    田中山「
    マヤ「じゃあ、皆胸を張って帰りましょうか!」

    パワプロ「はい!」

    矢部「監督、オイラお腹が減ったでやんす!」

    奥居「オイラもだぜ~!」

    マヤ「え?」

    アスカ「あ・・・私も減ったな~」

    トウジ「偶然、俺もや・・・」

    マヤ「・・・もう、仕方ないなぁ!給料日前だけど、行きましょうか!」

    ケンスケ「やったー!」

    パワプロ「よーし!皆行くぞー!」


    こうして、俺達の高校生活最後の試合が終わった

 
686 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 09:34:22.97 ID:nyT3FzVm0
    碇宅

    シンジ「ただいま」

    ユイ「おかえり、お疲れ様」

    シンジ「ただい・・・」

    ゲンドウ「・・・」

    シンジ「・・・」



    ゲンドウ「・・・頑張ったな、シンジ」

    シンジ「うん・・・ありがとう、父さん」

688 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 09:35:32.00 ID:nyT3FzVm0
    翌週

    ワーワー

    『試合終了!激戦の末、準決勝戦はアンドロメダ学院高校の勝利に終わりました!』

    アスカ「・・・あんだけ大口叩いて準決勝で負けるなんてね!」

    レイ「・・・」コクリ

    カヲル「上には上がいるって事だね」

    矢部「ラミエルの悔しがる顔が目に浮かぶでやんす」

    トウジ「いい気味やな」

    ヒカリ「そういう言い方しないの!」


    パワプロ「いや~・・・しかしこうやって終わると、力が抜けちゃうね」

    シンジ「うん、確かに」


690 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 09:36:40.46 ID:nyT3FzVm0

    奥居「もう少しでドラフトが始まるんだな~」

    パワプロ「ドラフト・・・か」

    アスカ「そういえば、渚。監督から聞いたわよ?」

    カヲル「ん?」

    マヤ「あ・・・」

    アスカ「この間、球団のスカウトに声掛けられたらしいじゃないの」

    パワプロ「ええ!?」

    シンジ「ほ、本当!?」

    トウジ「て、て、って事はウチからプロが出るって事かいな?」

    カヲル「ちょ、ちょっと、落ち着いて。・・・僕はプロになる気はないよ」

    奥居「え~マジかよ~?」

    矢部「勿体無いでやんす」

691 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 09:38:39.01 ID:nyT3FzVm0
    カヲル「プロでの野球は僕には向いてない。僕は皆とやる野球が好きなんだよ」

    パワプロ「ふ~ん・・・そっか。まぁ、カヲル君がそう決めたんならね」

    アスカ「・・・で、ドラフトに縁が無い男性諸君はこれからどうするの?」

    パワプロ「な、なんかトゲのある言い方だな」

    トウジ「ワシは就職やな、ウチが貧乏やさかい。町内会の野球大会でこの腕を振るったるわ!」

    ケンスケ「・・・僕は、とりあえず大学かな~・・・やりたい事がまだわかんないし・・・」

    アスカ「パワプロは?」

    パワプロ「俺は、パワフル大学に行って野球を続けるよ。今度はプロを目指す!」

    矢部「偶然でやんす!オイラもパワフル大学に行くでやんすよ!」

    パワプロ「本当に!?」

    奥居「実はオイラもパワフル大学目指してるんだぜ~!」

    パワプロ「奥居もか!また楽しくなりそうだ」

    アスカ「本当に野球が好きなのね、アンタ達は」

692 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 09:42:01.18 ID:nyT3FzVm0
    アスカ「シンジは?」

    シンジ「僕も大学へ行こうと思う。・・・野球が楽しいってようやく解ってきた所だし、・・・プロを目指す訳じゃないけどさ」

    カヲル「君ならそういうと思ったよ」

    パワプロ「いいねぇ~」

    アスカ「田中山は?」

    田中山「え・・・あ、喋っていいの?」

    アスカ「アンタに聞いてんのよ」

    田中山「僕は就職するよ。知り合いの人が誘ってくれてる所があってね。てくてくテックって所に」

    矢部「レイちゃんとアスカちゃんはどうするんでやんすか?」


694 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 09:51:28.84 ID:D0zpnYQXO
    アスカ「あたしは、外国の大学に行くわ」

    シンジ「えっ」

    パワプロ「ほ、本当!?」

    トウジ「ホンマか!?」

    アスカ「そんな大袈裟に驚かなくても・・・二度と会えなくなる訳じゃないんだし」

    カヲル「向こうでも野球を続けるのかい?」

    アスカ「ん~ん、今度は勉学に集中するわ。・・・まぁ、やるとしてもマネージャーでしょうね」

    パワプロ「へ~・・・いやぁ、いきなりだから驚いたよ」

    アスカ「本当は卒業まで黙ってようと思ってたんだけどね」

    矢部「(・・・アスカちゃんに振り回される部員達の姿が想像出来るでやんす)」
    ギュ
    アスカ「何か言った?」

    矢部「いででで!な、何も言ってないでやんすよ!?」

    アスカ「顔でわかんのよ、顔で!」

    パワプロ「ははは・・・」

695 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 09:55:51.51 ID:D0zpnYQXO
    レイ「私も大学に行くわ・・・・それで、野球を続ける」

    アスカ「え!?」

    シンジ「ほ、本当に!!?」

    レイ「うん・・・皆でやるこのスポーツ・・・もう少し続けたいの」

    トウジ「は~・・・意外やなぁ」

    矢部「じゃあせっかくでやんすから、レイちゃんプロ目指すでやんす!」

    レイ「プロ?」

    アスカ「そうね、恋恋高校のあおいちゃんもプロ目指してるって言ってたし・・・女の子でもプロになれるって事が証明出来るかも」

    奥居「レイちゃん、守備もバットコントロールも上手いしな~」

    レイ「そう・・・そうね。それもいいかもしれない」

    シンジ「(ほ、本気にしてる?)」

696 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 09:59:02.02 ID:D0zpnYQXO
    月日は過ぎ、卒業式

    ガヤガヤ・・・ ガヤガヤ・・・

    パワプロ「やぁ、卒業式も終わったね」

    シンジ「うん」

    レイ「・・・これで高校生活も終わりね」

    トウジ「ほんと、あっちゅう間やったなぁ」

    ケンスケ「高校生じゃなくなるって、なんか嫌だな」

    ガララッ

    ヒカリ「あ、みんな!」

    パワプロ「お?委員長?」

    トウジ「どうしたんや?」

    田中山「アスカちゃんが部室に集まってくれって」

    シンジ「部室に?」

    矢部「なんでやんすかね?」


698 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 10:03:10.01 ID:D0zpnYQXO
    ガラガラッ

    アスカ「! 来たわね」

    奥居「遅いぜ~」

    カヲル「やあ」

    パワプロ「アスカちゃん、どうしたの?」

    アスカ「どうしたって、最後に写真を撮るのよ。高校生活最後の思い出にするのにね」

    シンジ「なるほど」

    アスカ「もし次の一年生が入部して来なかったら、野球部もどうなるかわからないし」

    矢部「アスカちゃん、不吉な事言うでやんす」

    カヲル「大丈夫さ、部員は来るよ。・・・そんな予感がする」

    トウジ「渚の感はよう当たるからな」

    パワプロ「そうだよ、きっと俺達みたいな野球に目が無い人が入ってくれるさ!」

    アスカ「そうだといいけどね」

699 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 10:07:35.59 ID:D0zpnYQXO
    ガチャ
    マヤ「ごめん、遅れちゃった!」

    奥居「監督、遅いっすよ~」

    マヤ「ちょっとバタバタしちゃっててね」

    アスカ「よし!みんな揃ったわね!じゃ、並んで並んで!」

    ガタガタタッ ゾロゾロ…


    アスカ「ちょっと、寄りすぎよ!」

    シンジ「そ、そんな事言ったって」
    レイ「・・・」

    パワプロ「いてて!誰か足踏んでる!」

    トウジ「お、すまんすまん!」

    矢部「誰でやんすか、こんな所にボール転がしたのは・・・」

    ケンスケ「あっちに投げとけよ」

    カヲル「監督、前にどうぞ」

    マヤ「あ、ごめんね・・・」

700 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 10:11:16.04 ID:D0zpnYQXO
    アスカ「どう、田中山?皆フレームに入ってる?」

    田中山「えーと・・・オッケー!大丈夫だぞ!」

    アスカ「じゃあ押して!10秒にセットしてあるから」

    田中山「よし!」ビッ
    矢部「田中山君、早く来るでやんす!」

    田中山「わかってる、今行・・・あっ」
    グニッ

    田中山が足元に転がってたボールに足を取られる

    田中山「(誰がこんな所に~!!)」

    ガシャーーン!!

701 :1 ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 10:15:43.04 ID:D0zpnYQXO
    アスカ「・・・・ふっ」

    パワプロ「・・・ぷっ・・・!」

    シンジ「・・・くっ」

    レイ「・・・プッ」

    『あはははははははは!!!!』


    カシャッ



    ・・・こうして、俺の高校野球ライフは幕を閉じた

    最初はどうなるかと思ったけど、多くの仲間達が支えてくれたお陰で最高の気分で高校野球生活を終わりに出来た

    皆がいてくれたからこそ、俺は今もこうして野球を続けられている

    今度は俺が皆に応える番だ

    このネルフ高校野球部でやった三年間が無駄ではなかったという事を証明する為にも・・・・

 

705 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 10:17:07.89 ID:nyT3FzVm0
    ――数ヵ月後

    パワフル大学

    あおい「あれ?三人共、何処か行くの?」

    パワプロ「あおいちゃん、ちょっと母校にね」

    矢部「野球部がどうなったか見に行くのでやんす」

    あおい「椿本キャプテンは知ってるの?」

    パワプロ「あ、ああ。あの人に言うと却下されるから皆川先輩にそれとなく伝えてもらうようお願いしといたんだ」

    あおい「もー、そういう事してるからキャプテンも厳しくなっちゃうんだよ?ちゃんと自分達から言わなきゃ駄目でしょ!」

    奥居「あ! あんな所にほるひすが!」

    あおい「え?」

    タッタッタッタッタ・・・

    あおい「あ!逃げた!コラーーー!!」

706 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 10:18:48.15 ID:nyT3FzVm0
    ネルフ高校

    パワプロ「久しぶりだなー・・・」

    矢部「ああ、戻れるなら戻りたいでやんす」

    奥居「だよな~」

    カキーンッ カキーンッ

    パワプロ「お?この音はもしや・・・」


    グラウンド

    マヤ「ノック行くよーー!それ!」

    カキーッン!

    外野手「オーライオーライ・・・ふぎゃ!」ドテッ

    「何やってんだー!」


    矢部「良かった、残ってるでやんす!」

    パワプロ「どうやら、試合に出れる人数は集まってるみたいだね」

    奥居「すげぇぜ~」

707 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 10:20:10.91 ID:nyT3FzVm0
    マヤ「ん?あそこにいるのって・・・パワプロ君?おーい!」

    パワプロ「あ、気づいてくれたぞ!」

    矢部「行こうでやんす!」



    マヤ「久しぶりだね、元気にやってる?」

    矢部「先生も元気そうで良かったでやんす!」

    パワプロ「こんなに部員が集まってるなんて意外でしたよ」

    マヤ「うん、最初は君達みたいに二人しか入部してこなかったんだけどね」

    奥居「へぇ~!最初二人っすか!すごいな~」

    マヤ「あそこにいる、手塚君と円谷君って子がそうなの。二人共必死に勧誘したんだよ」

    パワプロ「へぇ・・・やるなぁ・・・」

708 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 10:21:23.56 ID:nyT3FzVm0
    初号機「ウオオオオオ」
    ガシャンガシャンガシャン

    矢部「先生、あの部員を追っかけてるロボットはなんでやんすか?」

    マヤ「加持先生が野球部の練習用にって作ってくれたロボットなの」

    パワプロ「加持先生がですか」

    マヤ「あの初号機に追いつかれるとお尻かじられちゃうから、皆必死で走るのよ」

    矢部「そ、それは恐いでやんす」

    奥居「か、完成する前に卒業出来て良かったぜ~」


    マヤ「・・・今年も私達は甲子園出場を目指して頑張るから、君達も頑張ってね!」

    パワプロ「はい!」

709 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 10:23:13.09 ID:nyT3FzVm0
    矢部「野球部が無くなってなくて良かったでやんすねー」

    パワプロ「うん、本当だ」

    奥居「俺達も頑張らないとな~」


    「やあ、こんな所で奇遇だな」

    パワプロ「!」

    矢部「その声はまさか・・・」

    猪狩「そのまさかさ」

    進「こんにちわ」

    奥居「猪狩~!」

    パワプロ「進君も!」

    猪狩「パワフル大学に入ったそうじゃないか。入学して結構経つがレギュラーは取れたのかい?」

    パワプロ「うぐ・・・」

    進「兄さん、そんな言い方・・・」

710 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 10:26:41.87 ID:nyT3FzVm0
    猪狩「ここでこうして偶然会ったのも何かの運命だ。丁度進もいる事だしな」

    パワプロ「?」

    進「え?」

    猪狩「大学に入って最初の勝負だ。高校の時は引き分けで終わったからな」

    パワプロ「・・・」

    進「兄さんったら・・・!」

    奥居「(しつこい奴だな~)」

    パワプロ「よし、猪狩やろう!」

    進「パワプロさん、そんな無理に付き合わなくてもいいんですよ!」

    パワプロ「いいんだよ、進君」

    猪狩「それでこそ僕のライバルだ。では河川敷へ行こう」

711 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 10:28:40.52 ID:nyT3FzVm0
    河川敷

    進「すみません、パワプロさん。兄のワガママを・・・」

    パワプロ「いやいや、そんな気を使わないでよ。俺も好きでやってるんだし」

    猪狩「僕からヒットを打てば君の勝ち、それ以外は僕の勝ちだ。準備はいいか?」

    パワプロ「ああ、いつでもこい!」


    あおい「あ!こんな所にいた!コラー!」

    矢部「げ、あおいちゃんでやんす」

    あおい「キャプテン怒ってたよ?明日の練習は鉄ゲタランニングって・・・ん?」

    パワプロ「・・・」

    猪狩「・・・」

    あおい「あれって、あかつき大学の猪狩君じゃない?」

    矢部「そうでやんす、今まさに、男の勝負が始まるでやんす」

    あおい「男の勝負?」

    奥居「パワプロ~!頑張れよ~!」

 
713 : ◆WAKj/OhRKU :2009/07/08(水) 10:31:26.49 ID:nyT3FzVm0
    パワプロ「・・・」
    猪狩「・・・」

    矢部「駄目でやんす。完全に二人の世界に入ってるでやんす」

    猪狩「(行くぞ、パワプロ!)」
    ザッ・・・

    パワプロ「(来い猪狩!!)」

    猪狩「(受けてみろ!この渾身のライジングショットを!!!)」

    ビシュッ!!!

    ギュオオオオオオオオオッッ!!!


    パワプロ「どりゃああああああーーー!!」

    進「!」
    矢部「!」
    奥居「!」
    あおい「!」


    カキィンッ・・・!!



    ――おしまい