1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 00:10:37.03 ID:qLdnDr0ZO
セシリア「なにをしていらっしゃるんでしょう」

箒「この間は訓練だと言っていたぞ?」

シャル「いつ?」

箒「先々週だ」

ラウラ「先々週なら嫁は外出していたようだぞ。夜外から戻って来るのを見た」

鈴「嘘をついて出掛けてたわけ?」

セシリア「先々週どころか、ここ1、2ヶ月は休日に訓練した記録はありませんでしたわ」

鈴「・・・」

ラウラ「・・・」

箒「・・・」

セシリア「・・・」

シャル「まさか・・・外で誰かと会ってるんじゃ」

引用元: セシリア「最近一夏さんは休日の度に出掛けて行きますの」 



3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 00:16:02.94 ID:qLdnDr0ZO
セシリア「そんな!?誰ですの!抜け駆けなんて!」

ラウラ「わたしは知らないぞ」

シャル「僕も知らないよ」

箒「わたしも知らん」

鈴「あたしも」

セシリア「・・・なら、今週末はみなさん一緒に行動しましょう」

シャル「そうだね。でもそれでもし一夏が出掛けたら・・・僕たち以外の誰かと」

鈴「お、男友達かも!一夏友達多いし!」

箒「それなら嘘をつく必要などないだろう」

ラウラ「後ろめたいことがあるから嘘をつく」

セシリア「・・・とにかく、今週末にはっきりさせましょう」

鈴「そうね」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 00:21:16.03 ID:qLdnDr0ZO
週末

シャル「あ、一夏。どこ行くの?」

一夏「く、訓練にな!」

シャル「なら僕も一緒にいってもいい?」

一夏「すまん!秘密特訓中だから、また今度な!」スタタッ

シャル「・・・」


シャル「こちらシャルロット。ターゲットは訓練に行く模様」

セシリア『了解しましたわ。ラウラさん、そちらは?』

ラウラ『気づかれてはいない。ターゲットは正門に向かっている』

セシリア『了解。鈴さん、ターゲットは恐らく正門から出ていきます。気づかれないよう尾行をお願いしますわ』

鈴『了解。見えたわ。尾行を開始』

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 00:30:03.64 ID:qLdnDr0ZO
箒「まさか本当に私たち以外の誰かと・・・」

セシリア「・・・まずは現場を押さえましょう。それからですわ」


鈴「こちら鈴。ラウラと合流。ターゲットは駅に向かっているみたい」

セシリア『見失わないように気をつけて』

鈴「あ、ちょっと待った・・・ターゲットは警戒しながら建物に入っていったわ」

セシリア『了解。すぐに向かいます。どんな建物ですの?』

鈴「・・・カラオケ」

セシリア『カラオケですか?』

鈴「うん、カラオケに入ってった」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 00:31:38.39 ID:qLdnDr0ZO



セシリア「どうしてカラオケなんでしょう」

箒「・・・」

セシリア「箒さん?」

箒「日本では・・・金がない若いカップルは・・・よくデートにカラオケを利用するんだ」

セシリア「っ!?そんな・・・」

シャル「・・・ほんとに誰かとデートしてたなんて・・・ひどいよ一夏・・・」

セシリア「・・・とにかく、まずは鈴さん達と合流しましょう」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 00:37:44.89 ID:qLdnDr0ZO


鈴「先にいるのか後から来るのか、店に入る時は一人だったわ」

シャル「・・・」

セシリア「・・・」

箒「・・・」

ラウラ「・・・乗り込もう」

鈴「本気?」

ラウラ「あぁ、戦いの基本はまず相手を知ることだ」

シャル「そうだよね・・・敵の正体を知らないと対策のしようがないもんね」

箒「・・・そうだな」

セシリア「ほ、ほんとうに行くんですの?」

鈴「なに、怖いの?」

セシリア「こ、怖くはありませんわ!」

シャル「なら、行こうよ」

セシリア「・・・わかりましたわ」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 00:43:48.61 ID:qLdnDr0ZO
鈴「あたし達と同い年の男の子で、織斑っていう」

シャル「呼ばれたんですけど合流しても大丈夫ですか?」

店員「織斑様なら17号室ですが、お部屋が狭いので変更致しましょうか?」

セシリア「ま、まだ大丈夫ですわ!また後でお願いしますの」

店員「では、17号室に5名様追加で・・・またなにかございましたらお呼び下さい」

シャル「はい、ありがとうございます」

セシリア「あ、あの!ちなみに今一夏さ、織斑さんは一人でしょうか」

店員「えぇ、現在は1名様ですが」

箒「あとから来るのか・・・」

鈴「とりあえず、部屋にいきましょ」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 00:51:56.40 ID:qLdnDr0ZO


鈴「いい?せーので突入よ」

シャル「言い訳を考える隙を与えちゃダメだからね」

セシリア「わかりましたわ」

ラウラ「そして混乱しているうちに詰問して真実を引き出す」

箒「わたしがいながら他の女と・・・」

鈴「あった、あそこの突き当たりの部屋ね」



セシリア「行きますわ!」

鈴「せーの!」

ガチャッ

一夏「まつもとにそーだ」
セシリア「一夏さんひどいですわ!相手はどこの馬の骨ですの!?」
鈴「一夏!あたしの酢豚ずっと食べてくれるんじゃなかったの!」
ラウラ「わたしという者がありながら!」
箒「この浮気もの!!」
シャル「誰!?誰なの相手は!許さないよ!」

一夏「な、なんでみんなこんなとこに・・・」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 00:57:09.17 ID:qLdnDr0ZO
セシリア「答えて下さい一夏さん!誰とデートなんですの!」

一夏「デートってなにを」

シャル「ごまかしたって無駄だよ!」

一夏「ご、ごまかすもなにも」

箒「男なら言い訳するな!」

一夏「だから、なんのはなしだって!」

テーテーテンテテテテーン 67点

ラウラ「正直に話さないと痛い目にあうことになるぞ!」

鈴「誰とデートなの!ねえ!」

一夏「ちょっ、話を聞いてくれよ!」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 01:03:05.28 ID:qLdnDr0ZO



セシリア「一人で?」

鈴「カラオケ?」

箒「・・・嘘をつくな!」

一夏「ほ、ほんとだって!」

鈴「そんな嘘ついたってすぐばれんのよ!?」

セシリア「そうですわ!一人でカラオケなんて来る人いませんわ!」

シャル「つくならもっとましな嘘つきなよ!」

箒「流石のわたしでも一人でカラオケしようなんて寂しいことは思わないぞ!」

一夏「・・・」

鈴「誰なの!?ま、まさか蘭じゃないでしょうね!」

箒「訓練だと嘘までついて!卑怯者め!」

セシリア「誰なんですの!」

一夏「・・・ヒトカラで悪いか・・・」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 01:10:09.01 ID:qLdnDr0ZO
鈴「なんか言った!?」

セシリア「はっきり言ってくださいまし!」

一夏「・・・一人でカラオケしてなにが悪いんだよ!!!」ドン!

シャル「っ!」ビクッ

一夏「俺は歌うのが好きなんだよ!!それでカラオケに来た!なにか文句があるのか!?」

箒「今度は逆キレか!?男らしくないぞ一夏!!」

一夏「うるせえ!!俺の歌を聞けぇーーー!!」ピッピッピッ

一夏「あーーーーーーーーーおぅ!!うたいはじめたこーろのー」




一夏「エビディエビナイエビウェアーーーーーーーーーーー!!!」

一夏「はぁ・・・はぁ・・・」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 01:17:26.80 ID:qLdnDr0ZO
一夏「俺は歌が好きなんだよ・・・」

シャル「な、ならなんで訓練なんて嘘ついたの?」

一夏「だって、一人でカラオケなんて言ったら寂しいとか、引くとか言うだろ・・・」

箒「・・・」

鈴「ほ、ほんとに歌いに来ただけなの?」

一夏「最初からそうだって言ってるだろ・・・」

セシリア「う、疑ったりして申し訳ありませんでした!」

鈴「ごめん一夏!」

箒「すまなかった!」

シャル「ごめんね一夏」

ラウラ「すまん」

一夏「わかってくれたならいいんだよ・・・じゃあそろそろみんな」

セシリア「そうですわ!せっかくですし、みなさんでカラオケしましょう!」

一夏「えっ」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 01:20:47.14 ID:qLdnDr0ZO
鈴「いいわね!店員さんも部屋変えてくれるって言ってたし!」

一夏「ま、待っ」

シャル「あ、もしもし?6人になったんで広い部屋に、ありがとうございます」

箒「カラオケなんて久しぶりだな」

ラウラ「わたしは初めてだ」

シャル「一緒に歌おうねラウラ」

ラウラ「あぁ」

鈴「あたしの美声を披露する時が来たわね」

セシリア「本場のUKロックを堪能させて差し上げますわ」

一夏「・・・・・・」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 01:29:14.86 ID:qLdnDr0ZO
一夏「スクリーンにー沈むゆうひー」

鈴「なに歌おうかなー」

セシリア「まずはQUEENを3曲ほど」ピッピッピッ

鈴「ちょっと!一人で何曲も入れるんじゃないわよ!」ギャーギャー

セシリア「早い者勝ちですわー」ギャーギャー

一夏「・・・・・・」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 01:29:53.34 ID:qLdnDr0ZO
鈴「ほら、箒も一緒にやるわよ!」グイッ

箒「わ、わたしは」

鈴「ララララララー ランララ ラララー」フリフリ

箒「こ、こうか?」フリフリ

セシリア「ララララララー」フリフリ

鈴「あははは!セシリア下手くそ!」

セシリア「んなっ!り、鈴さんにわたくしのセンスはわからないんですわ!」

シャル「あはははは今のは確かに変だったね」

セシリア「シャルロットさんまで!」

一夏「・・・」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 01:37:01.44 ID:qLdnDr0ZO
一夏「いとーしくてーつのーるーおもいー」

ラウラ「これはなにをするんだ?」

シャル「それはね、リズムに合わせて叩くんだよ」

一夏「アワナゲッバッウェアーユーワーアァー」

ラウラ「こうか」シャンシャンシャン

ラウラ「おぉ!」シャンシャンシャンシャンシャンシャン

シャル「あははは、上手上手」

箒「曲調には全くあってないがな」

ラウラ「~~♪」シャンシャンシャン

鈴「そもそもこれなんの曲よ」

セシリア「なんでしょう?アニメが流れて」

ラウラ「~~♪」シャンシャンシャン

セシリア「ラウラさん、うるさいですわ!」

鈴「どんだけ気に入ってんのよ!あははは」

一夏「・・・・・・」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 01:49:06.22 ID:qLdnDr0ZO
セシリア「You and I~ must make a pact♪」

鈴「ぷっ・・・」プルプル

セシリア「We must bring salvation back♪」

鈴「・・・」プルプル

シャル「どうしたの鈴」

鈴「発音よすぎっ、くひっ」プルプル

箒「は、発音が良いのは当たり前だろ!」プルプル

セシリア「Where there is love I'll be there ♪(I'll be there♪)」

鈴「ぶふっ!」プルプル

セシリア「なんですの?」

鈴「か、かっこの中の発音まで良すぎっ!あひあははははは!!」バンバン

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 01:49:48.45 ID:qLdnDr0ZO
ラウラ「かっこの中だからといって変わるわけないだろう」

シャル「くはっ!あははははははは!」バンバン

箒「ふっ・・・ふふっ」プルプル

セシリア「もう!邪魔しないでくださいまし!」

ラウラ「~~♪」シャンシャンシャン

セシリア「それとラウラさんお静かに!」

一夏「・・・・・・」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 01:54:31.90 ID:qLdnDr0ZO



鈴「あー楽しかった」

セシリア「カラオケというのも良いものですわね」

ラウラ「楽しかったな」

鈴「ラウラはほぼタンバリン叩いてただけじゃない!」

シャル「それでも楽しかったんだもんね~」

ラウラ「うむ」

一夏「・・・」

箒「またみんなで来ような」

一夏「・・・」

鈴「一夏?どうしたの?」

一夏「・・・から・・・なんだ・・・」

セシリア「一夏さん?」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/06/28(火) 02:02:58.03 ID:qLdnDr0ZO
一夏「・・・なんでもない」

こうして一夏唯一の楽しみであるヒトカラの時間は奪われた。

愚民共はカラオケの本質がわかっていない。カラオケは騒ぐところではない、歌うところなのだ。

人が歌っているのに大声で喋ることなどあってはならないのだ。

翌週から一夏は電車を使い、徹底的に尾行を撒いて隣町のカラオケに通うことにした。

一夏「なんでこんな苦労を・・・」

店員「1名様でよろしいですか?」

簪「は、はい」

一夏「あれは」


終わり