1 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 14:49:25 xcXPmFVk
ミカサ「アニ、ちょっといい?」

アニ「…なに?」

ミカサ「今日の格闘術…あんなやり方をしたらエレンが怪我をしてしまう」

アニ「…」

ミカサ「もっと優しくやってほしい」

アニ「…それじゃあ訓練にならないだろう?」

ミカサ「でも、エレンが怪我をしたら…」

アニ「まともに受身も取れないようじゃ、兵士になんてなれないさ」

ミカサ「…」ギロッ

ミカサ「…エレンに怪我をさせたら赦さない」

アニ「…ハァ。あっそ」スタスタ

アニ(………)


2 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 14:50:51 xcXPmFVk
アニ(…いいよね、気楽で)

ジャン「おい、アニ!」

アニ(めんどくさいな…)

アニ「…今度はあんたか。何か用?」

ジャン「お前さっきミカサと言い合ってただろ!」

アニ「…そうだけど、何?」

ジャン「何ミカサとケンカしてんだよ羨ましい!」

アニ「…あんた、頭大丈夫?」

ジャン「ってそうじゃなくて、ミカサに何したんだよお前!」

アニ「何もしてないよ。向こうから油売ってきたんだよ。…見てたならわかるだろ」

ジャン「チッ、ああそうかよ」スタスタ

アニ「…ハァ」


3 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 14:52:19 xcXPmFVk
アニ(はやく戻って寝よ)スタスタ

マルコ「あ、待ってアニ!」パシ

アニ(………)

アニ「…何?」

マルコ「今、ジャンと何か言い合ってただろ?」

アニ「ああ。わけわかんないこと言ってたよ」

マルコ「そっか。…誤解、解いておきたくてさ」

アニ「…誤解?」

マルコ「うん。ジャンってあんなんだから誤解されやすくてさ」

アニ「人相も悪いしね」

マルコ「はは、そうだね。でも、本当はいい奴なんだよ。正直なだけで」

アニ「……わかったよ。別に誤解もしてないし」


5 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 14:53:28 xcXPmFVk
マルコ「よかった。…でも、ごめんね」

アニ「……何であんたが謝るのさ」

マルコ「うーん、何でって言われても…。友達だから、かな?」

アニ「…あんたも大変だね」

マルコ「そうかも。でもジャンと居ると飽きないよ」

アニ「そう」

アニ「……あのさ、手」

マルコ「あ、ごめん」パッ

アニ「…別にいいよ」スタスタ

アニ(………)

アニ(アイツ…マルコ、だっけ。初めて話したな)


6 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 14:54:13 xcXPmFVk
アニ(…手、掴まれた)

アニ「……寝よ」



ミーナ「アニ!朝だよ、起きてー!」

アニ「」ボー

ミーナ「ほら、早く行かないと訓練に間に合わなくなるよ!」

アニ「…他の皆は?」

ミーナ「もう行っちゃったよ」

アニ(…私を待っててくれたのか)

アニ「…急ごうか」

ミーナ「アニ早く!!」グイッ

アニ「!」


7 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 14:55:04 xcXPmFVk
アニ(……)

アニ(…っていやいや。何思い出してんだ私は。今は急がないと)ブンブン

ミーナ「?」



アニ「」バシッ

エレン「うわ!」ドサッ

エレン「くっそー…。アニ、もう一回だ!」

アニ「…あんたも懲りないねえ。いいよ」

エレン「よし!いくぞ!」

アニ(…あ、昨日のアイツだ)ヨソミ

エレン「!隙ありっ」バシッ

アニ「っ!」


8 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 14:56:01 xcXPmFVk
アニ(しまった!)グラッ

アニ「くっ」ドサッ

アニ(……)

エレン「よっしゃ!アニから一本取ったぜ!」グッ

アニ「…ふん。やるじゃないか」

ミカサ(さすがエレン!)グッ

エレン「おう!もう一回だ!」

アニ「もう油断しないよ。かかってきな」ザッ

エレン「いくぞ!」ダッ



エレン「くっそー…。結局一本しか取れなかった…」

アニ「まだまだだね」


10 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 14:56:38 xcXPmFVk
ミカサ「でもエレンはよく頑張った。前はアニから一本も取れなかったのだから成長している」

エレン「何だよ!今日は一本取れただろ!」

ミカサ「だからすごいと言っている。偉い。とても偉い」ナデナデ

エレン「やめろって、頭撫でるな!」

ミカサ「とても可愛い」ウットリ

アニ(……)

アニ(確かに、エレンの格闘術は伸びてきている)

アニ(…まさか、一本取られてしまうとはね)

アニ「……」

アニ(…格闘術も朝の時も)

アニ(……意識してるのか、私は)

アニ(……)




12 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 14:57:33 xcXPmFVk
ミーナ「…アニ?どうかしたの?」

アニ「何でもないよ」

ミーナ「そう?」

アニ(…何でもないよ)



アニ「…」

ミーナ「…アニ?」

アニ「何さ」

ミーナ「何か今日、ボーっとしてない?」

アニ(…否定できない)

アニ(皆気付いてたのかな。…アイツも)

アニ「…何でもないよ」



15 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:00:11 xcXPmFVk
ミーナ「ほんとにー?」

アニ「…ほんとだよ」

ミーナ「なーんだ。好きな人でもできたのかと思ったのに」

アニ「……そんなんじゃないさ」

ミーナ「ふーん。…悩みとかあるならいつでも言ってね」

アニ(…お人好し。でも)

アニ「…ありがとう」ボソ

ミーナ「!アニがお礼を!?やっぱり何かあったの!?」

アニ(……そんな無愛想かな、私…)

アニ「…なんでもないよ」フッ

ミーナ「えー、何か怪しー」

アニ(しつこい…)


16 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:01:17 xcXPmFVk


アニ(今日は休日で、ミーナはクリスタ達と町へ行ってしまった)

アニ(私も誘われたけど断った)

アニ(休日くらいゆっくり寝たいし)

アニ「……」

アニ「暇だなー…」

アニ「…」ゴロゴロ

アニ「…眠くならない…」

アニ「…散歩でもしようかな」



アニ(ほとんど人居ないな)テクテク

アニ(…その方がいいけど)テクテク


17 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:01:53 xcXPmFVk
アニ「……」テクテク

アニ(…あ)

マルコ「あ、アニ」

アニ「…あんたは出掛けないの?」

マルコ「うん。これから図書室でアルミンと待ち合わせしてるんだ」

アニ(あの頭いい奴か)

アニ「ふーん…」

マルコ「アニは?」

アニ「暇だから散歩してただけだよ」

マルコ「そっか」

アニ「……」

マルコ「……」


18 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:02:33 xcXPmFVk
アニ(気まずい…。この前のこともあるし……)

アニ「…今日はあの正直な友達と一緒じゃないんだね」

アニ(…何か、嫌味な言い方になってしまった)

マルコ「あー、ジャンは今…ふて寝してるよ」

アニ「ふて寝?」

マルコ「ミカサを町に行こうって誘ったんだけど断られちゃってね」

アニ(気の毒)

マルコ「…よかったら、アニも図書室行かない?」

アニ「…え?」

マルコ「面白い本いっぱいあるよ。…嫌ならいいんだけど」

アニ(図書室…行ったことないや)

アニ「…じゃあ、行こうかな。暇だし」


20 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:03:28 xcXPmFVk
マルコ「うん。それなら一緒に行こうか」



マルコ「アルミン来てるかな?」ガラッ

アニ「さあね…」

アニ(はじめて来たよ…)

アルミン「あ、マルコ!」

マルコ「先に来てたんだね」

アニ「……」

アルミン「と、アニ」

アニ「……」ペコ

アルミン「なんか、珍しいね」

マルコ「そうかな」


21 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:04:06 xcXPmFVk
アニ(同感)

アニ「…あんた達、ここで何するの?」

アルミン「え、えーと、座学の復習とかだよ」ビクビク

アニ(ガリ勉)

アニ「休みの日まで勉強なんてよくやるよ」

アルミン「アニも復習するの?」

アニ「…まさか」

アルミン「そ、そっか」ホッ

アニ(コイツ、あからさまにホッとしやがった…)

マルコ「アニは本を読みに来たんだよ」

アルミン「へぇー。アニも本読むんだ(意外と気が合う…かも?)」

アニ(いや全く)


22 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:04:46 xcXPmFVk
マルコ「読み物はあっちの棚だよ」

アニ「…どうも」スタスタ

アルミン「……ねえ、マルコ」コソッ

マルコ「なんだい?」

アルミン「アニと仲良かったんだね」

マルコ「いや、この間初めて話したばっかりだよ」

アルミン「えっ」

マルコ「えっ?」



アニ(……)

アニ(…こんなに本があるとどれを読んだらいいかわからなくなるよ)

アニ(伝記…は興味ないし小説にするか…)


23 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:05:35 xcXPmFVk
アニ(…どれ読もう)

アニ(…あ、あの本、昔父さんが読んでたやつだ)

アニ(…ていうか、高すぎて手が届かない)イラ

アニ(…この辺蹴ったら落ちてくるかな)

マルコ「あれ、アニ何してるの?」

アニ「えっ」カマエ

アニ(やべっ)

アニ「な、何読もうか考えてたんだよ」ササッ

アニ「あ、あんたは休憩?」

マルコ「?うん」

アニ(誤魔化せた)

マルコ「・・・あ、それなら、これ読んでみたら?」スッ


24 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:06:39 xcXPmFVk
アニ(さり気なく一番高いとこの取った…)

マルコ「僕のお気に入りなんだけど」

アニ「ふぅん…」

マルコ「読みやすいと思うよ」

アニ(……)

アニ「…じゃあ読んでみる」



アニ(…結構古い本だね)

アニ(まあ、読んでみるか)ペラッ

1ページ目「」文字びっしり

アニ「」

アニ(…読む気しない…というか、本なんか読まないし…)


25 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:07:54 xcXPmFVk
アニ(でもマルコのお気に入りらしいし…)

アニ(って、いやいやいや。別にそういう意味じゃないから!)

アニ(せっかく教えてもらったんだから、読まないと人としてあれだからね、うん)

アニ(どうせやることもないし。暇だから読むんだし)

アニ(ほんと、そういうんじゃないから)

アニ「……」

アニ(…読も)

アニ「………」ペラ

アニ「…………」ペラ

アニ「……………」ペラ



アルミン「…ア、アニ?」


26 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:08:40 xcXPmFVk
アニ「な、何さ!?」ビクッ

アルミン「えっ、あ、いや。ご、ごめん」ビクッ

マルコ「そろそろ夕食だよ」

アニ(…もうそんな時間か)

マルコ「随分集中してたみたいだね」

アルミン「な、何読んでたの?」ビクビク

アニ「これ」

アルミン「あ、それ知ってる!その作者僕も好きだよ」

アニ「…ふぅん」

アルミン「でもだいぶ前に亡くなっちゃってるんだ」

アニ(…へぇ)

マルコ「面白かった?」


27 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:09:39 xcXPmFVk
アニ「…まだ読み終わってないけど、面白いよ」

アルミン「あ、それなら借りてく?」



アニ「……」

ミーナ「アニ、何読んでるのー?」ノゾキ

アニ「小説」ペラ

ミーナ「へぇー。あ、その本知ってる!」

ミーナ「作者が結構昔に死んじゃったんだけど、面白いよね」

アニ「…そうらしいね」

ミーナ「…アニが本読むって意外」

アニ「あんたもね」

アニ(…それにしても、結構面白いな)


28 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:11:14 xcXPmFVk
アニ(…他のも借りてみようかな)



アニ(それからたまに図書室に通うようになって、アルミンと仲良くなった)

アルミン「あ、アニ。この前の読み終わった?よかったら、次はあの本読んでみてよ。すっごく面白いんだよ!結構マイナーなんだけど―」ペラペラ

アニ(たまに何言ってるかわかんないけど)

アニ(そして)

ミーナ「アニー?またボーっとしてるよ。どうしたの?好きな人でもできちゃった?」

アニ「……まさか」

アニ(…まさか、ね)



アニ『……あのさ、手』

マルコ『あ、ごめん』パッ


29 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:12:01 xcXPmFVk
アニ『…別にいいよ』

マルコ『……アニの手、あったかいね』

アニ『…そうかな』

マルコ『うん。手があったかい人は優しいっていうよね』

アニ『…そんなの、迷信でしょ』

マルコ『そんなことないよ』

アニ『…あんたは私が優しそうに見える?』

マルコ『見えるよ』

アニ『……そりゃどうも』スタスタ



アニ『…そうだといいな』


31 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:12:48 xcXPmFVk

アニ(…本当に、まさかだよ)

アニ(自分が単純すぎて、馬鹿みたいじゃないか)

アニ(…何で、あんなパッとしないような奴を私は…)

アニ(……)

アニ(昔は、ライナーのことが好きだったけど…)

アニ(…いや、早く忘れよう。あんな黄色いゴリラが好きだったなんて、自分が信じられないよ)

アニ(……)

アニ「ハァ…」

ベルトルト「あれ、こんな所で何してるの?アニ」

アニ「ベルトルト…」


32 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:14:00 xcXPmFVk
ベルトルト「…久し振りだね」

アニ「毎日顔は見てたけどね」

ベルトルト「どうしたの?悩みでもある?」

アニ「…うん」

アニ「私…好きな人ができたかもしれない」

ベルトルト「!?へ、へぇ。誰?」

アニ(…コイツなら話してもいいか)

ベルトルト(この間は…間違いない、『…お前だよ///』って奴だ!)ゴクリ

アニ「………マルコ///」

ベルトルト「」



ベルトルト「」フラフラ


33 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:15:02 xcXPmFVk
ライナー「おお、ベルトルト。先に戻って悪かったな…って、どうした?」

エレン「おう!…どうしたんだよ、ベルトルト?」

マルコ「具合でも悪いのかい?」

ベルトルト「っああああああああ!!!!くそっ!!悔しいけどマルコはいい奴だ!!だから辛い!余計辛い!!」

コニー「なんだ!?どうしたんだよ?」

ライナー「落ち着けベルトルト!何があったんだ!」

ベルトルト「……」


アニ(8)『…わたし、すきなひとができたの』

ベルトルト(8)『!?へ、へぇ。だれ?』

アニ(8)『……』モジモジ

ベルトルト(8)(このまは…まちがいない、『…おまえだよ///』ってやつだ!)ゴクリ


34 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:16:00 xcXPmFVk
アニ(8)『………らいなー///』

ベルトルト(8)『』


ベルトルト「うるッせーよこのゴリラ!!黄色いゴリラ!!お前なんかに僕の気持ちがわかるかチクショー!!!」ダッ

ライナー「あっ、こら待てベルトルト!!なぜベッドの下に潜ろうとする!?」



アニ「」ゴロゴロ

ミーナ「ねーアニ」

アニ(ベルトルトに言っちゃった)ゴロゴロ

ミーナ「ねぇーアーニー」

アニ(黙ってどこか行っちゃったから相談にはならなかったけど…)ゴロゴロ

ミーナ「ねーえー」


35 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:17:11 xcXPmFVk
アニ(…そう言えば、ライナーの時もアイツに相談したんだっけ)ゴロゴロ

ミーナ「…アニ!!」

アニ「」ビクッ

ミーナ「やっと気付いた」

アニ「な、何?」ドキドキ

ミーナ「さっきからベッドの上転がってどうしたの?いいことでもあった?」

ミーナ『悩みとかあるならいつでも言ってね』

アニ(ベルトルトは役に立たなかったし…相談してみるか)

アニ「……あのさ、ミーナ」

ミーナ「ん?何?」

アニ「た、大したことじゃないんだけどさ」

ミーナ「何よ?」


36 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:18:08 xcXPmFVk
アニ「あんたって……好きな人とか、いる?///」

ミーナ「…」ニヤ

ミーナ「え~何々、どうしたのアニ?好きな人、できたの~?」ニヤニヤ

アニ(っ!)

アニ「……質問に答えてよ」ハァ

ミーナ「ごめんごめん。アニとこういう話できるの嬉しくって」

アニ「…で、いるの?いるなら誰?」

ミーナ「急かさないでってば。…いるよ」

アニ(へぇ。誰だろ)

ミーナ「ぜ、絶対誰にも言わないでよ!?///」

アニ「言わないよ」

アニ(…言うような相手もいないし)


37 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:19:25 xcXPmFVk
ミーナ「ぜったいね!?///」

アニ「はいはい」



ミーナ「……マルコ///」



アニ(…そっか)

ミーナ「アニ、誰にも言わないでね!」

アニ「わかってるって」

アニ(…そうだったんだ)

ミーナ「それで、アニは?」

アニ「……え?」

ミーナ「こんなこと聞いてくるって事は、いるんでしょ、好きな人」


38 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:22:03 xcXPmFVk
アニ(私?)

ミーナ「今、あたし達しかいないし教えてよ」

アニ(私は、)

アニ「………」

アニ(…私の、好きな人は、)




アニ「いないよ」






アニ「……ハァ」

アニ(全く、どこのベタな恋愛小説だよ)


39 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:23:25 xcXPmFVk
アニ(親友と、好きな人が被るなんて)

アニ(……違う)

アニ(これは現実)

アニ(ドラマチックな展開もなければ、ハッピーエンドもありゃしない)

アニ(これが現実)

アニ「…はは」


『アニ…だよね?』

『…そうだけど』

『あたしね、ミーナっていうの。ミーナ・カロライナ』

『・・・ふーん』

『これからよろしくね!』



42 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:27:34 xcXPmFVk
『…よろしく』


アニ「………」


『あんたさ、お人好しだよ』

『他の子達と仲良くすればいいじゃないか』

『どうして私に構うのさ』

『私は一人で居るのが好きなんだ』

『…勘違い、しないでよね』

『あたしは、アニの為にこんなことしてるんじゃないんだから』

『アニと仲良くなりたいあたしの為にやってるの!』


アニ「…嘘吐いて、ごめん。私、好きな人いるよ」


43 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:29:26 xcXPmFVk

『……アニの手、あったかいね』

『…あんたは私が優しそうに見える?』

『見えるよ』


『…そうだといいな』


アニ「……そうでありたいよ」

アニ「……私、あんたが好きだったんだよ」



アニ(…私は戦士)

アニ(この気持ちは、全てなかったことにしよう)


44 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:31:43 xcXPmFVk












ストヘス区


エレン「まさか暗くて狭い所が怖いとか言うなよ?」

アニ「…そうさ。怖いんだ」

アニ「あんたには…きっとか弱い乙女の気持ちなんてわからないだろうさ」

アニ「全く…傷つくよ」


45 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:32:52 xcXPmFVk
アルミン「アニ…何で」

アルミン「マルコの立体起動装置を持ってたの?」

アニ「…」


アニ「そう…」

アニ「あれは…」


46 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:33:47 xcXPmFVk















アニ「拾ったの」


47 : ◆3s.o9hGMaw :2013/11/10(日) 15:36:22 xcXPmFVk
終わりです

書き溜めてたの消化できてよかったw