2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/28(金) 23:54:28.81 ID:VpZFcdTho
* 実験所 *
00001号「……?」
研究員A「は?」
一方通行「俺最初に言ったよなァ!?」
一方通行「人を傷つけるのはもう嫌だってよォ!!」
研究員A「ああ」
一方通行「だからお前らの研究に乗ったンだぜ!?」
一方通行「『LEVEL6になれば人を傷つけてしまう現状もなくなるかも』って言われたからよォ!?」
研究員A「……」
一方通行「それ聞いた時俺の気分はるンるンだったってのによォ」
一方通行「あァ……もう外歩くのにビクビクしなくてよくなるンだって」
一方通行「なのに蓋開けたら『第三位のクローンを二万回殺せ』とか……」
一方通行「テンションの落差半端ねェっての!」
研究員A「……」
一方通行「お前ら俺の感情もてあそぶやン!?」
引用元: ・一方通行「俺の感情もてあそぶやン!?」
3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/28(金) 23:55:43.71 ID:VpZFcdTho
一方通行「人を傷つけない様にする為に人を殺すとか意味わっかンねェだろォが!!」
00001号「……」
研究員A「しかしそれは君がLVEL6になるためn
一方通行「うっせェ!!」
一方通行「とにかくそンな研究内容なンなら俺ァやらねェからな!」
研究員A「なっ!!」
研究員A「それは困る! それにもうこの誓約書にサインをしているんだかr
一方通行「……」ビリビリビリ
研究員A「おおお前何を……」ワナワナ
一方通行「……」モグモグゴックン
研究員A「ああっ!?」
一方通行「うェ……まっじィ」
研究員A「何んて事してくれてんの!!?」
一方通行「誓約書が無くなっちまえばもゥ縛れねェよな?」
研究員A「き、貴様……」
一方通行「じゃあな」
4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/28(金) 23:56:45.33 ID:VpZFcdTho
研究員B「……」
研究員C「……」
研究員D「……」
研究員A「な、何してる! 早く追え!!」
研究員B「は、はい!」
研究員「やめなさイ」
研究員「行ったところで私たちに彼を止めるすべもありませン」
研究員A「しかし上層部にはもう今日から実験を開始すると伝えているので……」
研究員「……ではこうしましょウ」
研究員「そこのアナタ」
00001号「何でしょう。ミサカは一歩前へ出ます」
研究員「今からアナタに一方通行の監視を命じまス。目を離さない様にお願いしますネ」
00001号「分かりました。とミサカは身を翻して彼の後を追います」
研究員「あア、それと指示するまでコチラに帰らなくて結構でス」
00001号「……はい」
5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/28(金) 23:57:57.83 ID:VpZFcdTho
研究員A「ど、どうするんですか?」
研究員「……」
研究員「上には実験の前段階として、樹形図の設計者の演算に基づき」
研究員「妹達に彼の基本情報を与えることにしタ。とでも言って時間を稼ぎましょウ」
研究員「彼らとて樹形図の設計者に寄せられる依頼の結果全てに眼を通している訳ではなイ」
研究員「これなら一応体裁は保てると思いまス」
研究員「そしてバレる前に片付けてしまいましょウ」
研究員A「わ、分かりました」
研究員(さテ……どうしたものカ)
研究員(まさか彼がココまでチキンだとは思いませんでしたネ)
研究員「……」
研究員「各部署の責任者を集めてくださイ。これから会議を行いまス」
研究員BCD「はい!」
6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/28(金) 23:59:14.70 ID:VpZFcdTho
* 街中 *
一方通行(あー、胸糞わりィ)
一方通行(さっさと帰ってコーヒーでもがぶ飲みすっか)
一方通行「……」
一方通行(なァンでこンな能力発現しちまったかなァ)
一方通行(おかげで脳みそいじられるわ怖がられて友達出来ないわ無駄にDQNに絡まれるわ)
一方通行(そのたび傷つけねェ様に逃げ回らなきゃいけねェわ)
一方通行「最っっっ悪だ……」
00001号「何が最悪なのですか。とミサカは監視対象の脇腹を突きます」ツン
一方通行「おァ!?」
00001号「中々良い反応をしますね。とミサカはニヤついてみせます」
一方通行「……」
00001号「一方通行は脇腹が弱い」メモメモ
一方通行「メモってンじゃねェ」
00001号「学園都市第一位でも弱点がばれるのは不味いと?」
一方通行「別にそう言う事じゃねェよ」
一方通行「つーかなンだ? 俺を連れ戻しにでも来たンですかァ?」
00001号「いいえ、ミサカはあなたを監視するために来ました。とミサカは簡潔に答えます」
7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 00:00:32.42 ID:GzLr8hDQo
一方通行「ンだそりゃ。監視だけかよ?」
00001号「監視だけです」
一方通行「そォかい。ならさっさと帰れ」
一方通行「いくら監視したって俺があそこに戻る事なンてねェ」
00001号「あなたの命令には沿いかねます。とミサカは間髪いれず却下します」
一方通行「あァ?」
00001号「ミサカはミサカを作った研究員の命令にのみ従うように出来ていますので」
一方通行「お前には自分の意思ってもンがないンですかァ?」
00001号「ミサカは作り物の身体に借り物の心、単価にして18万の実験動物です」
00001号「実験に無関係ものは実験動物には必要ありません。とミサカは説明します」
一方通行「……」
一方通行「お前それでいいのかよ?」
00001号「ミサカにとってはこれが普通ですので」
一方通行「……」
00001号「どうしました?とミサカは急に黙り込んだ監視対象に問いかけます」
一方通行「……なンでもねェよ、話はもう終わりだ。じゃァな」
8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 00:01:36.21 ID:GzLr8hDQo
00001号「……」ビン
一方通行「あァ?」
00001号「じゃあな、じゃねーよ。とミサカは裾を引っ張ります」
一方通行「服伸びるから離せ」
00001号「あなたはミサカの話を聞いていなかったのですか。とミサカは嘆息します」
一方通行「聞いてたけどよ。俺がそれに協力してやる義理もねェンだわ」
00001号「誓約書食っといてなんたる言い草……。とミサカは呆れます」
一方通行「つーか監視とか勝手にやってりゃ良いだろ。そもそも監視してる事も俺に言う必要ねェよ」
00001号「それだとあなたが一人で励んでるのを見てしまう事n
一方通行「やンねェよ!!」
00001号「恥ずかしがらなくても大丈夫です。とミサカはミサカの男性への理解力をアピールします」
一方通行「余計な世話d
DQN「それでよー」
DQN2「まじかよソレwwww」
一方通行「……」クル
00001号「どこに行こうとしてるのですか」
一方通行「うっせェ。監視役なンなら黙ってついてこい」
00001号「彼らになにかあるんですか?」
一方通行「いいから来いってェの!!」
9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 00:03:37.22 ID:boFJpNoio
* * *
一方通行(ココまでくりゃ大丈夫か? 見つかってねェよな?)
00001号「どういう状況ですか。とミサカは問いかけます」
一方通行「なンでもねェ」
00001号「こんな裏路地にミサカを連れ込んで……まさかミサカとにゃんにゃんするつもりですか」
一方通行「ちげェよバカ」
一方通行「前に絡ンできた奴が遠くに見えたから逃げただけだってェの」
00001号「?」
一方通行「ンだよそのアホ面は」
00001号「理解しかねます。とミサカは首を傾げます」
00001号「LEVEL5であるあなたなら、どんな人間に絡まれても問題ないと思うのですが」
一方通行「そりゃそうだろうけどよ。俺は戦闘とか嫌だし……」
一方通行「撒くにしても結局火種は生ンじまう事の方が多いからな」
一方通行「こうやって逃げンのが一番なンだよ」
00001号「なかなかの弱虫ですね。とミサカは嘆息します」
一方通行「なンとでも言え。それでも俺は平穏な日常の方が好きなンだよ」
一方通行「学園都市一位の座なンてやれるならいくらでもやるってのになァ……」
00001号「……」
10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 00:04:52.09 ID:boFJpNoio
* 一方通行宅・玄関前 *
00001号「ほう、ここがあなたの家ですか。とミサカはあなたが普通の学生寮に住んでいる事に驚きます」
一方通行「お前俺をどンなだと思ってンだよ」
00001号「弱虫ド金持ち」
一方通行「……あァ、そう」ガチャ
00001号「お邪魔します。とミサカはドアに滑りこm
一方通行「なァにしようとしてンだ」ガシ
00001号「幼気ない少女を猫掴みするとは随分ですね」
一方通行「勝手に入ンじゃねェ。つーか部屋には入れさせねェぞ」
00001号「ああ、そうでした。とミサカはゴミ箱を埋め尽くすイカ臭いのティッシュや」
00001号「無造作に置かれたヌルヌルするちくわ状の物体の可能性に感づきます」
一方通行「ねェよ」
00001号「ミサカはここで待ってますのでどうぞ恥ずかしい所は存分に掃除してきて下さい」
一方通行「だからそンなのねェっての!」
00001号「ではミサカはもう部屋に入ってもいいですか?」
一方通行「ダメだって言ってンだろ」
00001号「この見栄っ張りめ」
一方通行「なンなンだお前」
11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 00:05:54.59 ID:boFJpNoio
一方通行「理解してねェみたいだからハッキリ言ってやる」
一方通行「俺は! お前を! 部屋に! 入れねェし! 入れる義理もねェ!」
00001号「ハァ……。とミサカは今日一の嘆息をつきます」
00001号「いいですか? ミサカは! あなたを監視するのが! 役目ですので! 一人で部屋に入られては! 困ります!」
一方通行「バーカ」バタン
00001号「……」
00001号「ミサカ20000人程度殺せない弱虫のくせにやってくれますね。とミサカはちょっとイラつきます」
00001号「ミサカがノリで熱くなっている所を狙って部屋に入るとは」
00001号「これでは彼を監視出来ません。とミサカはぼやきます」
00001号「……」ピンポーン
00001号「……」
00001号「……」ピンポーンピンポーン
00001号「……」
00001号「……」
00001号「……」ピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポーーーン
00001号「……」
00001号「仕方ありません。とミサカは次の行動に移ります」
12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 00:06:53.77 ID:boFJpNoio
一方通行(ったく……なンなンだアイツは)
一方通行(頑なにクズどもの命令守ろうとしやがって)
一方通行(……)
ピンポーン
一方通行(インターホン鳴らしても出ねェよ)
ピンポーンピンポーン
一方通行(……嫌な汗かいてンな……風呂でも入ってサッパリすっか)
一方通行(……)
シーン
一方通行(アイツも諦めたみt
ピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポピンポーーーン
一方通行「うっせェ!! アイツうっせェ!!!!」
13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 00:07:46.59 ID:boFJpNoio
* * *
カポーン
一方通行「はァ……」
一方通行(半身浴たまンねェ)
一方通行(あいつもインターホン連打した後は帰ったみてェだしゆっくり出来るわ)
一歩通行「……」
一方通行(正直『絶対能力進化計画』自体は魅力的だったンだけどな)
一方通行(『無敵』まで昇りつめれば絡んでくるバカもいなくなるだろうし……)
一方通行(だが、人二万回殺すより現状維持の方がどう考えたっていいだろ)
一方通行「……」
一方通行(……アイツこの後どうなるンだろうな)
一方通行(計画は拒否したからなァ)
一方通行(処分……か?)
一方通行「~~~~~!」ザブザブ
一方通行(関係ねェ! 俺には関係ねェぞ!!)
14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 00:08:48.04 ID:boFJpNoio
ガタッ
一方通行「ン?」
ガタタタタッ
一方通行「換気扇壊れたか?」
ガッ!!
一方通行「?」
ザバーーン!!
一方通行「」
00001号「……」
00001号「進入経路にお湯を張っておくとはなかなか陰湿なトラップですね」
00001号「とミサカはお湯に浸かりながらジト目で睨みます」
一方通行「どっから入って来てンだお前は!?」
00001号「換気扇ですが?」
一方通行「ですが? じゃねェェェ!! 帰ったンじゃねェのかよ!?」
00001号「ミサカにはあなたの傍以外に居場所はありませんし、それにミサカはあなたを監視しますと何度も言ったでしょう」
00001号「とミサカは割と理解力の無かったらしい監視対象に憐みの目を向けます」
15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 00:09:45.20 ID:boFJpNoio
一方通行「ンなっ!?」
00001号「だいたいあなたがミサカを部屋に入れてくれなかったのがいけないんですよ?」
00001号「とミサカはミサカが結構無理する羽目になった責任の所在を明確化します」
一方通行「俺のせいかよ!? つーか入れねェって言ったろ!?」
00001号「未だ平行線ですか。とミサカは監視対象のワガママっぷりに呆れます」
一方通行「どっちが!?」
00001号「それよりそろそろ前を隠して頂けませんか?」
一方通行「あァ?」
00001号「流石のミサカも目の前で堂々とブラブラされては目のやり場に困ります」
一方通行「!?」
一方通行「死ね! お前死ね!!」ドタバタ
00001号「慌てて出て行くとはウブですね」
16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 00:10:43.81 ID:boFJpNoio
* * *
一方通行「お婿に行けない」
00001号「ミサカが貰ってあげますよ」
一方通行「……どォも」
00001号「それはさておき」
00001号「洋服を貸して頂いてありがとうございます。とミサカは律義にお辞儀します」
一方通行「まァ……濡れたまンまで風邪引かれても困るしな」
00001号「ちなみに下はまだしもシャツの柄が酷くダサいのは嫌がらせですか?」
一方通行「えっ」
00001号「えっ」
一方通行「……」
00001号「……」
一方通行「冗談だよな?」
00001号「もちろん冗談です」
一方通行「だよなァ」ホッ
00001号(とミサカはミサカの心情と反する言葉を口にします。ダサくない訳ないじゃないですか)
17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 00:11:36.38 ID:boFJpNoio
一方通行「服乾いたらさっさと帰れよ」
00001号「その事なのですが……。とミサカは深刻そうな雰囲気を出しつつ打ち明けます」
00001号「実のところミサカ、家なき子状態なので監視とか関係なくココにおいて貰えないでしょうか」
一方通行「はァ?」
00001号「実験所を出る時あなたを監視するように言われましたが、同時に帰ってくるなとも言われました」
00001号「とミサカはミサカの現状を話します」
一方通行「……」
00001号「正確にはあちらが指示を出すまで帰ってくるなという事なのですが」
一方通行「平たく言えば捨てられたってか?」
00001号「そうですね、捨てミサカです。とミサカは同意します」
一方通行(……どォするコレ。完全に俺のせいだろ……)
18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 00:12:29.02 ID:boFJpNoio
一方通行(俺が実験断ったからコイツこンな事になってンだろ?)
一方通行(金銭的にはなンの問題もねェけど、ここでOKって言ったらコイツとずっと一緒って事か?)
一方通行(女子中学生とずっと一緒ってどォよ)
一方通行(なンかイロイロ不味い気がすンなァ)
00001号「長くても一週間程度のことだと思うのですが」
一方通行「ン? 一週間でいいのか?」
00001号「一週間です。とミサカは復唱します」
一方通行「一週間ねェ……」
一方通行(……そのくらいならいい……のか?)
00001号「ダメ? ですか?」カシゲ
一方通行「」
一方通行「……好きにすりゃァいいンじゃねェの」
00001号「本当ですか? とミサカはちょっと気持ちが上擦ります」
一方通行(なに首傾げられたぐらいでトキメいてンだ俺は)
19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 00:13:32.39 ID:boFJpNoio
00001号「ここが今日からあなたとミサカの愛の巣なんですね」
一方通行「ふざけた事言ってンじゃねェ」
00001号「少しぐらい乗ってはどうなんですか」
一方通行「はいはィ」
00001号「……ところで、この部屋には食器やら料理器具やら衣食住の『食』の気配が全くありませんね」
00001号「とミサカは部屋を見渡します」
一方通行「俺が自分で料理すると思うか?」
00001号「全て外食ですか」
一方通行「そうだな」
00001号「エプロン姿の家庭的一方通行が見られないなんて……。とミサカは落胆します」
一方通行「お前そンなンみたいのかよ」
00001号「いいえ全然」
一方通行「メシは近くのファミレスにでも連れて行ってやっから」
00001号「それはいけませんね。とミサカは反論します」
一方通行「今までずっと大丈夫だったンだからいいンだよ」
00001号「大丈夫ではないです。栄養が偏りミサカのこの美しいキメ細やかな肌が損なわれる可能性があります」
一方通行「なンで俺がお前の肌の心配まd
00001号「至急食器モロモロ調達する必要があります。とミサカは立ち上がります」
一方通行「俺の話聞けよ」
20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 00:14:28.92 ID:boFJpNoio
* デパート *
一方通行(なンで食器買うだけでこンな連れまわされンだ……女の買い物が長いって本当なンだな)
一方通行(つーかなンで俺が荷物全部持ってンだよ)
00001号「これで一通り揃いましたね」
一方通行「ならもゥ帰ろうぜ」
一方通行(やっと終わりか)
00001号「その前に一つお願いがあるのですが……とミサカは遠慮がちに切り出します」
一方通行「まだなンかいンのか?」
00001号「ミサカの●●●を買って頂けないでしょうか」
一方通行「ぱ、ぱン……?」
00001号「ミサカはご存知の通り体一つで放り出されたので替えを持っていないのです」
00001号「とミサカは説明します」
一方通行(何涼しい顔でいきなり●●●とかいってンだコイツは!)アワアワ
一方通行(おかげでチラッと脳裏にカットインして来たじゃねェか!)アワアワ
00001号「?」
一方通行「あ……あァ、そういやそうだな! 買わなきゃいけねェな!」
00001号「何を照れているんですか。ミサカの●●シーンでも妄想しているんですか」
一方通行「照れてねェし! してねェし!」
21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 00:15:19.26 ID:boFJpNoio
一方通行「ほら! さっさと下 買い行くぞ!!」スタスタスタスタ
一方通行(やべェ顔あっちィ!!)スタスタスタスタ
00001号「おお、ありがとうございます」スタスタスタスタ
00001号「あとミサカ、服も欲しいのですが。とミサカはダメ元で付けたしてみます」スタスタスタスタ
一方通行「それも買ってやンよ!!」スタスタスタスタ
00001号「天使ですかあなたは。とミサカは感謝の意を込めて腕に巻き付いてみたりします」スタスタスタスタ
一方通行(なンだこれ!? なンだこれ!?)スタスタスタスタ
00001号「……」スタスタスタスタ
一方通行(心臓やべェ!)スタスタスタスタ
00001号「……」スタスタスタスタ
一方通行(俺ってこんなに女に耐性ねェのか!? 普段関わンねェからわからン!!)スタスタスタスタ
00001号「……」スタスタスタスタ
一方通行(つーか胸当たっ……当たっ……て?)
00001号「肘に意識を集中させてもダメですよ。とミサカは自身の鉄壁っぷりを示します」
一方通行「全然集中させてねェし!!」
22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 00:16:23.14 ID:boFJpNoio
* * *
00001号「いろいろ買って頂いてありがとうございます」
00001号「とミサカは両手いっぱいの紙袋を抱き直します」
一方通行「そンな事、どォでもいいンだよ、でもなァ」
一方通行「『この下 カワイイですよね』とか言って店の外で待ってる俺に一々見せにくンじゃねェよ!」
一方通行「なんかすっげェ恥ずかしかったじゃねェか!」
一方通行「あと服選ぶ時も! 試着したの一々見せんな! なンかもう! なンかァァァァァああァァ!!」
00001号「夕日とは中々綺麗なものですね。とミサカはオレンジにやけたビル群を見渡します」
一方通行「いや、俺の話聞けよ」
00001号「そろそろ夕食の時間ですね。材料を買って帰りましょうか」
一方通行「あァー? 今日はもうよくねェか? 作るのめんどくせェし」
00001号「料理ならミサカがしますよ? とミサカはミサカに料理スキルがある事を明らかにします」
一方通行「お前作れンの?」
00001号「多分作れますよ」
一方通行「作ってみてェのか」
00001号「何事も体験することが大事です」キラキラ
一方通行(めんどくせェなァ……)
一方通行「ならスーパー行くか」ハァ
00001号「行きましょう。とミサカは先陣を切ります」
一方通行「スーパーこっちだバカ」
23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 00:17:24.91 ID:boFJpNoio
* 一方通行家 *
00001号「さて、ミサカのドキドキ夫婦料理コーナーです」
一方通行「何言ってンの?」
00001号「今日はカレーですか。とミサカはミサカの料理スキルが甘く見られている事に憤りを感じます」
一方通行「お前料理初めてなンだろうが。簡単なのでいいンだよ」
00001号「取り敢えずこれ着てください。とミサカはエプロンを取り出します」
一方通行「いつこンなン買った?」
00001号「うさぎさんとかえるさん、どちらがいいですか?」
一方通行「どっちも嫌に決まってンだろ」
00001号「ではミサカがかえるさんを着ますのであなたはうさぎさんを着てください」
一方通行「ちょっ」
00001号「とミサカはうさぎさんのエプロンを嫌がる一方通行に強制的に着せます」
一方通行「なァ、マジで俺の話聞いてくンねェかな」
00001号「白い毛に赤い目……あなたにピッタリですね。とミサカはジロジロ観察します」
一方通行「脱ぐ」ヌギヌギ
00001号「冗談ですよ。とミサカは本気で脱ごうとしているエプロンを押さえます」
24: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 00:18:22.32 ID:boFJpNoio
00001号「気を取り直してミサカのドキドキ夫婦料理コーナー再開です」
00001号「先ずはジャガイモなどの野菜を切ります」
一方通行「水で洗え。皮剥け」
00001号「……」
一方通行「……」
00001号「わかってましたよ?」ジャバジャバ
一方通行「嘘付け」ジャバジャバ
00001号「次は皮むきですか……ピューラーも買えばよかったですね。とミサカはちょっと悔みます」ジョリッ
一方通行「……」シャリシャリ
00001号「なんでそんなにスムーズに出来るんですか。あなたも料理は初めてではないんですか」ジョリッ
一方通行「初めてだけどそンな難しい事でもねェだろ」シャリシャリ
00001号「ではこのミサカの前に広がる大惨事は何なのでしょう。とミサカは問いかけます」
一方通行「大惨事って…………お前ひでェな。皮の方が肉厚じゃねェか」
00001号「まったくです。とミサカは胸を張ります」
一方通行「えっなンで?」
25: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 00:19:35.00 ID:boFJpNoio
00001号「どうしましょう」
一方通行「皮むきは俺がやるから剥き終わったの切ってろ」
00001号「分業ですね。合理的です。とミサカはあなたを褒めてあげます」
一方通行「……」
00001号「それでは早速切りましょうか」ズパンッ
一方通行「」ビクッ
00001号「これはミサカでもいけますね。とミサカは余裕を見せます」ズパンッ
一方通行「ストォォォォォップ!!」
00001号「なんでしょう?」
一方通行「お前指!! あぶねェ!!」
00001号「?」
一方通行「押さえる方の指伸ばしてんじゃねェよ! 切っちまうぞ!?」
00001号「ではどうすれば良いのでしょう? とミサカは助言を請います」
一方通行「いいか? 押さえる方の手はこう。猫の手みてェにすンだよ」
00001号「こうですか?」
一方通行「そゥ! ミャー!!」
00001号「!?」
26: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 00:20:36.26 ID:boFJpNoio
一方通行(こいつあっぶねェな……)
00001号「おおっ。これは安定感が出ますね。とミサカは感心します」
一方通行(まァ、コイツの知識は学習装置由来みてェだし仕方ないっちゃないのか?)
00001号「どうやらリズム感も大事な様ですね」トントントン
一方通行(どォせなら一人でも暮らせるぐらいの事はインストールしてやりゃァいいのに)
00001号「とミサカは分析します」トントン
一方通行(いや、そもそも俺に殺される予定だったからそンなもンいらねェってか?)
00001号「♪」トントン
一方通行(ふざけてやがンなァ)
一方通行「ン?」
00001号「♪」トントン
一方通行「おィ」
00001号「今6ビートで乗ってるので後にして頂けますか?」トントン
一方通行「ジャガイモ千切りにしてどォするつもりだ?」
00001号「……どうしましょう」トントン
一方通行「手ェ止めろ」
27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 00:21:40.16 ID:boFJpNoio
一方通行「そォいや飯焚いてねェな」
00001号「米とぎですか。それも楽しそうですね」
一方通行「お前やるか?」
00001号「やりましょう。とミサカは即答します」
一方通行「じゃあさっき買ってきた炊飯器出して米といでろ。具材はこっちでやっとくから」
00001号「♪」ガサゴソ
一方通行(なンでコイツこンな楽しそうなンだ)
00001号「お米は三合ぐらいでしょうか?」
一方通行「多くねェか? 二人だぞ?」
00001号「ミサカは大食いですよ? 恐らく」
一方通行「恐らくってなンだよ。まァ好きにやれ」
00001号「では四合にしときますね」
一方通行(なぜ増える)
00001号「水は手の甲ぐらいまでですね。とミサカは確認します」
一方通行「そォだな」
00001号「では洗剤を……」
一方通行「ストォォォォォオオオォォォォオォップ!!!!」
00001号「さっきからなんなんですか。とミサカは一々止められる事に苛立ちます」
一方通行「テンプレかお前はァァあァあァァァァ!!」
32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 01:11:19.09 ID:boFJpNoio
―― 一時間後
一方通行「なンとか出来たな」
00001号「見てください、この山盛りキャベツのサラダを。とミサカは自信満々にテーブルに置きます」
一方通行「……ちょっと目ェ離したら一玉まるまる使ったもンなァ」
00001号「半分使って半分捨てるのも勿体無いでしょう」
一方通行「ラップに包んで冷蔵庫ン中入れりゃ良いだろうが」
00001号「その手がありましたか。とミサカは手を叩きます」
一方通行「はァ……まァいい。食おうぜ」
00001号「いただきます。とミサカは行儀よく手を合わせます」
一方通行「飯作ンのって疲れンなァ」
00001号「む、あなたもいただきますをしてください。とミサカは促します」
一方通行「別にいいだろ。ンなの」
00001号「ダメです」キリッ
一方通行「……」
一方通行「イタダキマス」
00001号「どうぞお召し上がりください。とミサカはシェフを気どります」
一方通行「あァ、それがしたかった訳ね」
33: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 01:12:14.64 ID:boFJpNoio
00001号「……」パクパク
一方通行「しっかし、薄いな。ジャガイモ」
00001号「でもおいしいですよ?」
一方通行「……そォだな。うまい」
00001号「……」パクパク
一方通行(コイツも飯ン時は静かなンだな)パクパク
一方通行(どォでもいいけど)
00001号「おかわりしていいですか?」
一方通行「早くね!? 俺半分も食ってねェぞ!?」
00001号「そうですか?」
一方通行「いや、俺も他人とメシ食うの初めてだからわっかンねェけどよ。まァ、おかわりは自由にしろよ」
一方通行「作ったのお前なんだし」
00001号「ならば遠慮なく。とミサカは席を立ちます」
一方通行(そっか、そォいや俺他人と一緒にメシ食うの初めてだな)パクパク
一方通行(……どンな人生だよ)
00001号「サラダに続きカレーも山盛りにしてみました」
一方通行「アホか」
00001号「サラダも食べなくてはいけませんよ。とミサカはお母さん役になります」
一方通行「はいはい」パクパク
00001号「……」パクパク
34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 01:13:02.67 ID:boFJpNoio
一方通行「お前よく食うな」
00001号「ひょうでふは?」モグモグ
一方通行「口ン中に飯入れたまま喋ンな」
00001号「……」ゴクン
一方通行「アレか? 腹ペコキャラってやつか?」
00001号「いえ、そういう訳ではありませんが」
00001号「施設での栄養摂取は点滴や錠剤だったので食べると言う行為に興味がありまふ」モグ
一方通行「ふーン」
一方通行「で、実際どォよ。食うのと点滴では」
00001号「断然食べる方がいいですね。と、ミサカは即答します」
一方通行「……そォかい」
00001号「……」ガタッ
一方通行「お前絶対食うの早ェ!」
35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 01:14:10.87 ID:boFJpNoio
―― 食後・ゴロゴロタイム
00001号「そろそろ……」
一方通行「あ?」
00001号「お風呂、一緒に入りましょうか。とミサカは誘ってみたりします」
一方通行「バカかお前」
00001号「ですよね」
一方通行「ちょっと待ってろ。風呂、掃除してくる」
00001号「それはミサカがやります。居候の身として」
一方通行「いいよ別に」
00001号「そーいう訳にもいかないでしょう。とミサカはすでに立ち上がっている一方通行の袖を掴みます」
一方通行「気にしすぎなンだよお前は。ただ泊まるだけだってのによォ」
00001号「しかし……」
一方通行「つーかお前にやらせるとなンかなる気がする」
00001号「その言葉は心外ですね。とミサカはむくれてみます」
00001号「では、せめてじゃんけんで当番制にしましょう。負けた方がお風呂掃除です」
一方通行「めンどい」スタスタ
00001号「出さなきゃ勝ちです。とミサカは強行します」
00001号「じゃーんけーん」
00001号「ぽん」グー
一方通行「……」チョキ
36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 01:15:11.87 ID:boFJpNoio
00001号「出すんですね」
一方通行「あの言い方は卑怯だろうが」
00001号「どれだけミサカを信用してないんですか。とミサカは少し寂しくなります」シクシク
一方通行(泣いてる!?)
00001号「……」シクシク
一方通行(はァ!? マジか!?)
一方通行(俺なンかやらかしたか!? よくわっかンねェ!!)
一方通行(だって初めてなンですもの! 人を居候させるのも、つーか研究員以外とちゃンと会話すンのも!)
一方通行(どォすりゃいいンだ!? 泣きやませりゃいいンか!?)オロオロ
一方通行「お、おィ……俺は別にお前を……」
00001号「嘘泣きなんですけどね。とミサカは心配そうにミサカの顔を覗きこんでるあなたを笑顔で迎えます」
一方通行「」イラ
00001号「怒りましたか?」
一方通行「あ゛ァ゛? 別に怒ってなンかねェよ!?」
00001号「そうですか。それは良かったです」
00001号「ともかくこれでミサカは堂々とダラダラ出来るのでお風呂掃除よろしくお願いします」
一方通行「はいよォォォォ」
一方通行(自分が気持ちよくダラけるためかよ!!)
37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 01:16:09.32 ID:boFJpNoio
* 風呂場 *
一方通行「うォらァァァアァアアァァァァアァアァ!!」ゴシゴシゴシゴシ
* リビング *
……アァァァァアァアァ!!
00001号「……」
00001号「少しおふざけが過ぎたでしょうか」
00001号「怒りの雄たけびをあげていますし……」
00001号「……業務連絡以外で人と関わるのは初めてなので距離感がよく分かりませんね」
00001号「とミサカは天井を見上げます」
00001号「……」
00001号「次は怒らない程度にふざけなければ」
* 風呂場 *
一方通行「明日のじゃンけンはぜってェ勝ってやっからなァァァアァァアァァァ!!」ゴシゴシゴシゴシ
38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 01:17:20.53 ID:boFJpNoio
――風呂後
00001号「……そろそろ寝ましょう。とミサカは提案してみます」
一方通行「まだ十時前なンだけど」
00001号「夜更かしは美容の天敵ですよ」
00001号「明日起きてミサカがシワシワのおばあちゃんになってたらどうするのですか」
00001号「とミサカは危惧します」
一方通行「なンねェから安心しろ」
00001号「分かりました。とミサカは安心してベッドに潜り込みます」モゾモゾ
一方通行「はィストーップ」
00001号「むっ、なかなかいいシーツと布団ですね」
一方通行「OK。お前いいかげン俺の話聞け」
00001号「なんでしょう? とミサカは布団から頭だけ出して訊ねます」
一方通行「問題だ。この部屋にベッドはいくつある?」
00001号「一つです」
一方通行「正解、第二問。この部屋にある家具を答ろ」
00001号「食事用のテーブル、椅子、ベッド……ぐらいですね。殺風景な部屋です」
一方通行「余計な世話だっての。じゃあ次が最後の問題だ」
一方通行「この部屋の家主は誰でしょうか」
39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 01:18:27.89 ID:boFJpNoio
00001号「あなたです」
一方通行「よし、そこまで分かってンなら俺が何言いたいかわかンな?」
00001号「『寝る場所がないから一緒に寝よう』ですね。とミサカは即座に答えを導き出します」
一方通行「」
00001号「もちろん構いません。とミサカは人一人分のスペースを空けます」
一方通行「……アホですかァ? 入る訳ねェだろ?」
00001号「スペース的には問題ないと思いますが?」
一方通行「スペース以前の問題だろうよ」
00001号「……」
一方通行「……」
00001号「もしや、あなたはミサカと一緒に寝るのは緊張するから嫌だと?」
一方通行「はっ!?」
00001号「そしてあなたはミサカを 的な対象と見ていて、さらに●●●気分になっていると?」
一方通行「ななななァに言ってやがンですかァァァァァアァァ!?」
00001号「違うんですか?」
一方通行「違うに決まってンだろォがァ!!」
00001号「では、お隣どうぞ」ポンポン
一方通行「」
40: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 01:19:17.94 ID:boFJpNoio
* * *
00001号「何故ミサカに背中を向けるのですか」
一方通行「俺ァこっち向かねェと寝れねェンだよ」
00001号「そうですか」
一方通行「……」
一方通行(明日起きたら即効ソファでも買いに行くか……)
一方通行(正直心臓がもたねェ)バクバクバクバク
一方通行(コイツ自分がカワイ……くはねェけど女だって事理解してンのかよ?)
一方通行(初対面の人間と一緒に寝るとかありえねェだろ。絶対)
00001号「人と一緒に寝ると言うのはあたたかいですね」
一方通行「寝ろ」
00001号「……おやすみなさい」
一方通行「……おォ」
一方通行(……)
一方通行(なンか疲れたな)
一方通行(もし友達がいるとしたらこンな感じ……)
一方通行(ではねェわな。つーか俺に友達って時点でありえねェし……)
00001号「今からミサカがあなたの背中に指で文字を書きますので当ててみt
一方通行「寝ろやァァァァァアァァァ!!」
41: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 01:20:07.97 ID:boFJpNoio
* 実験所 *
00002号「以上、本日の一方通行と00001号でした。とミサカは報告します」
研究員A「なんか仲良くなってますね」
研究員「彼だって能力を除けば割と普通の人間ですからネ」
研究員A「普通?」
研究員「少なくとも我々よりは普通ですヨ」
研究員A「はぁ……」
研究員「あなたは彼の事、どう思いましたカ?」
00002号「……」
00002号「ミサカはMNWを介してしか彼を知りませんが、少なくとも悪感情はありません」
00002号「とミサカは自らの心中を吐露します」
研究員「ふム……」
42: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 01:20:55.85 ID:boFJpNoio
天井「何を呑気な会話を!! これ以上の実験の遅れはっ!!」
研究員「落ち着いてくださイ、ドクター天井」
研究員「我々がいくら焦ったところで彼にやる気が無ければ先に進みませン」
天井「……っ!」
研究員「ただ彼がずっとこのままでは実験には来ないでしょうネ」
天井「だったら早く動かなければっ!」
研究員「ドクター天井、何かいい案でもあるんですカ?」
天井「……いや」
研究員「では少し黙っていてくださイ」
天井「グッ」
研究員「私に考えがありまス」
43: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 01:21:43.94 ID:boFJpNoio
天井「本当か!?」
研究員「えェ。その前に確認しなければいけない事もありますガ」
天井「?」
研究員「00001号の身体は調整なしで後どれくらい持ちますカ?」
研究員A「今日処理される予定で最低限の調整しかしていなかったのでその後の事は……」
研究員「最後の調整日から逆算してくださイ。凡そで構いませン」
研究員A「そうですね……」
研究員A「……あと三日か四日、長く見積もっても一週間以内には機能不全ないし停止を起こすかと……」
研究員「ほウ、早くて良いですネ。その程度の期間なら上も誤魔化しきれるでしょう」
天井「どうするんだ?」
研究員「特に何モ」
天井「はぁ!?」
研究員「00001号が動ける間ハ……でス。」
天井「……何を言っているんだ?」
研究員「皆さン、よく聞いてくださイ」
44: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 01:22:34.45 ID:boFJpNoio
* * *
研究員「そしてそれから実験再開でス」
天井「~~~~~っ!!」
研究員「何か問題ガ?」
天井「そんなバカな話に乗れる訳がないだろう!?」
天井「今言った実験報告なんて見た事も聞いた事もない!!」
天井「臨床実験をするにしても施設も機材も、計画書すらない!!」
天井「00001号の機能停止には間に合わないぞ!?」
研究員「その辺りは心配いりませン」
研究員「当時プロジェクトに参加していなかったあなたが知らないのは当然ですガ……」
研究員「学習装置を開発する前段階としてほぼ同様の実験を行っていまス」
研究員「その時開発した機材もそのまま残っています。それを流用しまス」
天井「……」
研究員「布束砥信に感謝しなければいけませんネ」
天井「だが樹形図の設計者に申請した際の一方通行のデータは『今』の状態だ」
天井「そんな事をして演算とズレが生じでもすれば……」
研究員「どの道、今のまま『絶対能力進化計画』が失敗すれば私たちは終わりでス」
研究員「ならば少しでも足掻いてみるのも悪くはないでしょウ?」
45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 01:23:22.35 ID:boFJpNoio
天井「……」
研究員「……」
天井「……本当に一方通行はココに来ると思うか?」
研究員「来ますヨ」
研究員「今日の00002号の報告を加味すると」
研究員「彼は私が思っていた以上に良くも悪くもとても人間臭イ」
研究員「三日あればなんとかなるでしょウ」
天井「楽観的だな」
研究員「しかし現状としてこれ以外に方法もありませン」
研究員「あなたがまた別な方法を思いつくなら変わってきますがネ」
天井「……まさかアイツに私の命を握られる事になるとはな」
研究員「さァ、各部署に今の計画を伝達してくださイ」
研究員「分かっているでしょうが最速の三日に合わせて行動するようニ」
研究員BCDE「はいっ!」
46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 01:24:09.69 ID:boFJpNoio
研究員A「では、我々も」
天井「……うむ」
研究員「いェ、あなた達には私と一緒に他の事をしてもらいまス」
天井「他の事?」
研究員「MNWを統べる個体の製造でス。そうですね……『最終信号』とでも呼びましょうカ」
研究員A「なぜそんなものを……」
研究員「『絶対能力進化計画』を再開するに当たって今の一方通行との記録がMNWに残っていては不味いんですヨ」
研究員「00001号は一方通行と仲良くなりすぎていル」
研究員「この記録をMNWに残したままだと、実験を再開した時に、妹達に実験に必要ない無駄な感情が生まれる可能性もありまス」
研究員「なので我々がMNWを自由に弄れるようにしまス」
天井「MNW用のウイルスか」
研究員「ファイアウォールですよ」
47: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/29(土) 01:25:02.01 ID:boFJpNoio
00002号「ミサカは待機ですか? とミサカは尋ねます」
研究員「そうですネ。重火器の取り扱いの練習でもしていてくださイ」
00002号「わかりました。とミサカは首を縦に振ります」
研究員「あと、こちらの情報は向こうに漏らさないでくださいネ」
00002号「はい」
研究員「そうでしタ、一つだけ確認しまス」
00002号「何でしょう?」
研究員「00001号は本当に常盤台の制服を脱いでしまったんですカ?」
00002号「はい、今は一方通行に買ってもらったパジャマを着ている様です」
研究員「そうですカ……困りましたネ」
天井「制服になにか仕込んであったのか?」
研究員「……」ジロ
天井「……」
00002号「……」
研究員A「……」
天井「……」
研究員「……」
研究員A「……」ゴクッ
00002号「……」
天井「……」
研究員「……」
研究員「私の趣味のでス」キリッ
天井「はい、かいさーん」
58: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/30(日) 13:20:02.40 ID:2c6GEmLPo
* 一方通行家・二日目 *
チュンチュン
00001号「……」パチ
00001号「……朝」
一方通行「……」グー
00001号「ミサカは何時の間に一方通行を抱き枕にしていたのでしょうか」
一方通行「……」グー
00001号「おはようございます。とミサカは未だ眠りこけている一方通行の身体を揺らします」ユサユサ
一方通行「……」グー
00001号「……起きませんね」
00001号「あなたが起きなければミサカ、朝御飯を食べれないんですが」
一方通行「……」グー
00001号「聞いてますか? とミサカは再度揺らします」ユサユサ
一方通行「……」グー
00001号「困りましたね。とミサカは一方通行をどう起こすか思案します」
00001号「……」
00001号「耳に息でも吹きかけてみましょうか」
チュンチュン
00001号「……」パチ
00001号「……朝」
一方通行「……」グー
00001号「ミサカは何時の間に一方通行を抱き枕にしていたのでしょうか」
一方通行「……」グー
00001号「おはようございます。とミサカは未だ眠りこけている一方通行の身体を揺らします」ユサユサ
一方通行「……」グー
00001号「……起きませんね」
00001号「あなたが起きなければミサカ、朝御飯を食べれないんですが」
一方通行「……」グー
00001号「聞いてますか? とミサカは再度揺らします」ユサユサ
一方通行「……」グー
00001号「困りましたね。とミサカは一方通行をどう起こすか思案します」
00001号「……」
00001号「耳に息でも吹きかけてみましょうか」
59: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/30(日) 13:20:37.35 ID:2c6GEmLPo
一方通行「……」グー
00001号「……」ミミフー
一方通行「!?」ビクゥ!!
00001号「」ビクゥ!
一方通行「な、なンだ……?」
00001号「……やっと起きましたか、おはようございます。とミサカは朝の挨拶をします」
一方通行「お、お前俺になンかしたか?」
00001号「何もしてませんが?」
一方通行「……」
一方通行(なンか耳がムズムズする……)
60: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/30(日) 13:21:22.11 ID:2c6GEmLPo
一方通行「で、今何時」
00001号「午前7時半です」
一方通行「はっえェよ……なンでお前そンな早起きなンだよ……」
00001号「早寝早起きは美容の友です。とミサカはできもの一つないきめ細やかな肌を見せつけます」
一方通行「はァァ……俺もっかい寝る」ドサ
00001号「ダメです。とミサカは腕を引きます」
一方通行「なンだよ……」
00001号「朝御飯作ってください」
一方通行「自分で作れよ……俺眠ィから……寝るから……」
00001号「目覚めが悪いですね。低血圧ですか?」
一方通行「あァ…………そうそう………」スヤ
00001号「もう半分寝てるではないですか。とミサカは呆れます」
一方通行「…………ンー……」
00001号「これは仕方ありませんね。最終手段を使いましょう」
00001号「とミサカは一方通行の脇腹に手を置きます」
一方通行「……」グー
00001号「おはようございます」ツンツン
一方通行「!?」
00001号「さぁ、一緒に朝御飯を作りましょう。とミサカは催促します」
61: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/30(日) 13:22:13.67 ID:2c6GEmLPo
* * *
一方通行「脇突くのは止めろっていったろうが……」
00001号「何を作ってくれるんですか?」
一方通行「無視かよ。作ンねェよ、パン焼くだけだ」
00001号「それだけですか?」
一方通行「フライパンとか出すのめんどくせェしなァ」
00001号「なんと味気ない」
一方通行「まァなァ……」
一方通行「ンじゃ昨日ミートソースと、とろけるチーズ買ったろ。アレ持ってこい」
00001号「その二つで何が作れるのですか。とミサカは疑いつつも指示に従います」
一方通行「多分上手いもンだ」
00001号「多分ってなんですか」
一方通行「いいからミートソースをパンに塗れ」
00001号「このくらいですか? とミサカは一応確認を取ります」
一方通行「いや、かけすぎだろ。ベチャベチャじゃねェか。欲張りかお前」
00001号「いっぱいかけた方が恐らくオイシイですよ」
一方通行「まァいいけどよ。次はとろけるチーズ適当に裂いてパンにのせろ」
00001号「なるほど、これは食べずとも分かります。絶対おいしい」
一方通行「そォな。で、あとはオーブントースターで焼いたら終わりだ」
62: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/30(日) 13:23:16.98 ID:2c6GEmLPo
* * *
00001号「こ、これは……」モグモグ
一方通行「……」モグモグ
00001号「予想よりさらにおいしいです。シェフを呼んでください」
00001号「とミサカは手を叩きます」
一方通行「シェフお前だろ」
00001号「サクサクフワフワのパンにミートソースとチーズのハーモニー……」モグモグ
一方通行「俺飯食ったらソファ買いに行くから食器の片付け任せていいか?」
00001号「……ゴクン。一人で行くんですか? とミサカはちゃんと口の中を空にしてから質問します」
一方通行「お前ついてきてもどうしようもねェだろ?」
00001号「そんな事はありません。ミサカのセンスを舐めてはいけませんよ」
00001号「とミサカは胸を張ります」
一方通行「ついてくンのか」
00001号「ついて行きます」
一方通行「……」
00001号「ダメでしょうか? ミサカは不安げに尋ねます」
一方通行「……いや、じゃあ食器は一緒に片付けねェとな」
00001号「そうしましょう。あと牛乳貰えますか? とミサカは喉の渇きを訴えます」
一方通行「牛乳は買ってねェ。コーヒー飲め」
00001号「コーヒーは苦いです。とミサカは難色を示します」
一方通行「ガキかよ」
63: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/30(日) 13:23:57.85 ID:2c6GEmLPo
* 家具屋 *
一方通行「どれにすっかなァ」
00001号「なぜ急にソファを? とミサカは疑問に思います」
一方通行「マジかお前」
00001号「?」
一方通行「どう考えたって夜寝る時困るからじゃねェか」
00001号「昨日は普通に寝れましたよ? とミサカは快眠報告します」
一方通行「俺は寝不足なンだよ」
00001号「やっぱり●●●気分になったんですか。とミサカは昨晩の会話を思い出します」
一方通行「DAっ!?」
00001号「ミサカの操を破ろうと?」
一方通行「してねェよ!!」
00001号「ココに来て初めて本格的に身の危険を感じました」
00001号「とミサカは身を震わせます」
一方通行「ふざけた事言ってンじゃねェぞォ!?」
00001号「お買いもの中の皆さん、ココにいる白いのはプッ」
一方通行「そろそろ黙れ居候がァ」ギリギリ
00001号「てをはにゃしてくらひゃい、しゃべれみゃしぇん。とミシャカはおにぇがいしましゅ」
64: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/30(日) 13:24:37.46 ID:2c6GEmLPo
一方通行「もうなンも言わねェな?」
00001号「……」コクコク
一方通行「ったく調子乗りやがって」
00001号「ここまでされるとは思いませんでした」
一方通行「当然だっての」
00001号「実際のところは全然身の危険など感じていませんので安心して下さい」
00001号「ミサカはあなたがチキンだと言う事をちゃんと知っています」
一方通行「ちゃンとじゃねェよ。いいからさっさとソファ探すぞ」
00001号「これなんてどうでしょう? とミサカは目に留まったものを適当に指差します」
一方通行「ショッキングピンク……」
00001号「鮮やかな色ですね」
一方通行「これが俺ン家あるってどォよ?」
00001号「あなたのお家の物は暗い色ばかりなのでコレはこれでありですよ」
00001号「とミサカは適当なアドバイスをしてみたりします」
一方通行「無しだな」
00001号「むー」
65: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/30(日) 13:25:20.89 ID:2c6GEmLPo
一方通行「この茶色のでいいか」
00001号「またそんな味気ない……」
一方通行「すませーン。これくださーい」
00001号「決定ですか……とミサカは落胆します」
一方通行「別にいいだろうが。俺ン家のもンなンだし」
00001号「ではせめてクッションはこっちのカワイイのにしましょう」
00001号「とミサカは懇願してみます」
一方通行「水玉……」
00001号「住めば都ですよ」
一方通行「あそこ俺ン家だからな? 慣れなきゃいけねぇのはお前だからな?」
00001号「すいません。このクッションを追加でお願いします」
一方通行「話聞けよ」
00001号「あと隙あらばソファもあっちのゲコ太色のに替えてください。とミサカはコソッと根回しします」
一方通行「させねェよ!?」
66: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/30(日) 13:25:58.54 ID:2c6GEmLPo
* * *
00001号「届くのは夕方ですか」
一方通行「それまでにどっかで飯食って帰るか」
00001号「外食ですか。とミサカはミサカの健康を害しかねない事を危惧します」
一方通行「人間の身体はそンなヤワじゃねェっての」
00001号「人間……」
一方通行「つーか三食自炊とかありえねェから。めンどくさすぎる」
00001号「……」
一方通行「なンだよ?」
00001号「いえ……なんでもありません。とミサカは口笛を吹いてみます」
一方通行「?」
00001号「それで何を食べるのですか? とミサカは首を傾げます」
一方通行「ナンカ……ソコラヘン……ノモン……ダナ」
00001号「なぜいきなりカタコトに?」
一方通行「なってねェし!」
00001号「なってましたよ」
一方通行(なァにキョドってンだ!? 俺は首傾げられンのに弱ェのか!?)
67: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/30(日) 13:26:38.72 ID:2c6GEmLPo
一方通行「ファミレス行くぞ! ファミレス!」
00001号「冷凍食品オンパレードですか。とミサカは初めての外食にがっかりします」
一方通行「お前は外食してェのかしたくねェのかどっちなンだよ」
00001号「今となってはもうどっちでもいいです」
一方通行「なンだそりゃ」
00001号「何でもありませんよ。とミサカはスルーします」
一方通行「?」
一方通行「まァいいか。そこのファミレスでいいだろ?」
00001号「ミサカは違いがよく分からないのであなたに任せます」
一方通行「どこもそンな変わンねェよ」
00001号「ではなぜいろんなお店が?」
一方通行「しらン」
00001号「何も知らないんですね。とミサカは嘆息します」
一方通行「お前も知らないンじゃねェのか」
00001号「ミサカはいいけどあなたはダメです」
一方通行「なンだそのとンでも理論は」
68: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/30(日) 13:27:24.58 ID:2c6GEmLPo
* ファミレス *
00001号「ステーキ、ハンバーグ、パスタ。どれもおいしそうで悩みますね」
00001号「とミサカは目移りします」
一方通行「全部頼めばいいじゃねェか」
00001号「あなたはミサカがどんな胃袋を持っていると思っているんですか」
一方通行「昨日たらふく食ってたろ」
00001号「限度ってものがあります」
00001号「しかし困りましたね。これではミサカ、いつまでもお昼ご飯にありつけません」
00001号「と、言う訳であなたがミサカの分も決めてください。とミサカは可愛らしくお願いしてみます」
一方通行「はァ?」
00001号「あなたの経験則上一番おいしいのを頼んでください」
一方通行「なンでもいいのか?」
00001号「なんでもいいです」
ピンポーン
一方通行「すいませーン。このステーキと、コイツにお子様ランチ。あとドリンクバー二つ」
00001号「お子様ランチですか。それもまた美味しそうですね」
一方通行「えっ」
店員「かしこまりましたー」
00001号「ハンバーグだけでなく海老フライにチキンライスも食べれるとは欲張りなメニューです」
一方通行「ボケ、肯定ってのもくるなァ」
69: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/30(日) 13:28:05.04 ID:2c6GEmLPo
00001号「なにかジュースを入れて来ましょうか。とミサカはおもむろに席を立ちます」
00001号「何が良いですか?」
一方通行「コーヒー」
00001号「ミサカスペシャルですね。分かりました。とミサカは親指を立てます」
一方通行「ちょっと待って」
00001号「ミサカはオレンジジュースでも飲みます」
一方通行「ミサカスペシャルってなンだ」
00001号「それは出来上がってからのお楽しみです。とミサカは唇の前で人差し指を立てます」
一方通行「出来あがらねェと何ができるかわかンねェンだろ!?」
00001号「よく分かってるじゃないですか」
一方通行「ガキかお前はァ」
00001号「中学生ですので」
一方通行「……作るンならお前も飲めよ」
00001号「うふ。とミサカは口角を少し上げます」
一方通行「飲めよ!?」
70: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/30(日) 13:28:46.23 ID:2c6GEmLPo
一方通行(飲みもンまぜるとか何事だって話なンだよ)
一方通行(バカじゃねェのか)
一方通行(今まで遠巻きでバカやってンの見てるだけだったのにまさか自分が飲む事になるなンてなァ)
一方通行(ありえねェ……ありえねェわ)
一方通行(頼むから許容範囲で持ってこいよ)
一方通行(お前も飲むンだからなァ!)
00001号「お待たせしました、ミサカスペシャルです。とミサカはウェイターの様に丁寧にカップを置きます」
一方通行「まったく待ってねェよ」
00001号「どうですか。なかなか混沌としているでしょう」
一方通行「ヴッ」
一方通行(ンだこりゃァァァ!? 予想してたのよりずっとグロいの来やがった!!)
一方通行(緑なのは……まァ青汁なり抹茶系なり入れたンだろうが)
一方通行(この白い浮いてるのはなンなンだよ!?)
一方通行(牛乳? はドリンクバーにはねェし……なに? ミジンコ?)
00001号「さぁググッといっちゃって下さい。とミサカは催促します」
一方通行「いけるかァ!!」
71: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/30(日) 13:29:32.39 ID:2c6GEmLPo
一方通行「お前コレ何入れたンだよ!?」
00001号「それは飲んでからのお楽しみですよ」
一方通行「教えろやァ!」
00001号「秘密です。とミサカはそっぽを向きます」
一方通行「こ、コイツ……」
一方通行(楽しンでやがンな……)
00001号「男らしくいっちゃいましょう」
一方通行「……うっせェちょっと黙ってろ」
一方通行「取り敢えずにおいをだな……」クン
一方通行「っっっふぁァ!!?」
00001号「そんな高い声も出るのですか。とミサカは少し驚きます」
一方通行(なにこれくっせェ!! 酸っぱいンですけどォォ!!)
一方通行「なァ、マジで何入れたンだよ……劇薬なンだけど」
00001号「ドリンクバーにあるものだけですよ」
一方通行「……」フー
00001号「やっと飲む気になりましたか」
一方通行「なむさン!」カッ
00001号「お」
一方通行「ぶべらぶっふァァァあァ!」ボフッ!!
72: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/30(日) 13:30:18.67 ID:2c6GEmLPo
00001号「グレート・ムタみたいですね。毒きりですか」
一方通行「ゲッホォ! ゴホっ! ガギョ!!」
00001号「たった一口でこれとは……ミサカは恐ろしい兵器を作ってしまったようですね」
一方通行「ンーまっ!!」
00001号「鼻水でてますよ。とミサカはそっと紙ナフキンを差し出します」
一方通行「おまっ……これ何入れガッヒョ! ゲフっ!」
00001号「抹茶ラテをベースに梅こぶ茶、オレンジジュースとコーヒー用のミルクとガムシロップです」
00001号「とミサカは指折り数えます」
一方通行「おィ……ゲホッ」
00001号「何でしょう」
一方通行「もう一生こンなふざけたもン作ンじゃねェぞ……」
00001号「そうしましょう。とミサカはあまりに苦しんでいる一方通行を見て少し引きます」
一方通行「あと……」
00001号「はい」
一方通行「残りはお前が飲め」
店員「お待たせしましたー」
00001号「あっ、ご飯が来たのでもうおふざけは終了ですね。とミサカはナイフとフォークを手に取ります」
一方通行「飲めやァァァァアアァ!!」
店員「」ビクッ
73: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/30(日) 13:31:05.52 ID:2c6GEmLPo
* * *
00001号「いただきます。とミサカは手を合わせます」
一方通行「イタダキマス」
00001号「このエビフライ……サクッとプリッと美味しいです」モグモグ
一方通行(結局飲ませなかった……)
一方通行「ちょっと飲みもン注いでくる」
00001号「コップの中にまだ残ってますよ?」
一方通行「ぶっ殺すぞ」
00001号「冗談ですよ。とミサカはおどけてみせます」
一方通行「お前は? コップ空だけどなンかいるか?」
00001号「ミサカのも注いできてくれるんですか?」
一方通行「ついでにな」
00001号「さっきので怒ったかと思ったんですが」
一方通行「あ? いや、どォだろうな。わかンねェ」
00001号「……そうですか。ならオレンジジュースをお願いします。とミサカはサーバーを指差します」
一方通行「飯ン時にジュースかよ、子供舌だな。ちょっと待ってろ」スタスタ
00001号「……」
00001号「分からない事だらけですね」
00001号「あなたもミサカも」
74: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/30(日) 13:31:52.08 ID:2c6GEmLPo
* 一方通行家 *
一方通行「ソファ置いたらなンか部屋が狭く感じンな」
00001号「茶色のままでしたか……」
一方通行「クッションはマジで水玉が付いてきたンだからいいだろうが」
00001号「それはそうですが、これではあまりにもこの家はおばあちゃんの作ったお弁当箱です」
00001号「とミサカはテンションが下がります」
一方通行「暗くて地味ってか? その例えはどうなンだよ」
00001号「仕方ありません。約一週間ですし我慢します。とミサカは一歩引きます」
一方通行「そォいやそれ昨日も言ってたな。なンで一週間なンだ?」
00001号「言わなくてはいけませんか?」
一方通行「言いたくなきゃ言わなくてもいいけどよ。大体想像つくし」
一方通行「どォせ研究所戻ってなンやかンやするンだろ?」
00001号「……」
一方通行「違うか?」
00001号「……そんな感じです。とミサカは肯定します」
00001号(ホントの事は恐らく言わない方がいいでしょうね)
00001号(とミサカは少しだけ彼の思考パターンを考慮します)
75: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/30(日) 13:32:57.59 ID:2c6GEmLPo
* 研究所 *
00002号「以上、二日目の一方通行と00001号でした。とミサカは報告します」
研究員「順調ですネ」
天井「なぜ00002号の服装が変わっているんだ」
研究員「00001号が今日来ていたのと同じ物を用意しました」
研究員「春物の白のワンピースと薄手のカーディガンです」
天井「何故そんな事を?」
研究員「私の趣味でス」
天井「……」
研究員「ですが、やはり制服の方が似合ってますよネ」
研究員A「じゃなくて!」
研究員A「遊んでないで作業を進めてください!」
研究員「大丈夫ですヨ。やる事はやってまス」
研究員「MNWを操るシステムは作りましたシ」
天井「私に全投げしただろう」
研究員「反乱が起きない様、現在待機中の00003号以降の個体は凍結しましたシ」
研究員A「それは私がやりました」
研究員「最終信号の身体が成長しすぎないように培養液の濃度も変えましタ」
研究員A「それもやったの私ですよね」
77: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/30(日) 13:34:18.81 ID:2c6GEmLPo
研究員「ほラ、もう我々がやる事はMNWのテストと布束氏の作った装置のテスト用被験者の用意ぐらいですヨ」
研究員「しかしそれも実施は明日でス」
研究員「あとは他部署の報告と00001号の活動停止まで大人しく待っていましょウ」
研究員「一方通行と00001号も順調に仲良くなってまス」
研究員「このまま予想通り行くでしょウ」
天井「というかあなたは今日一体何をしていたんだ」
研究員「00002号の服を買いニ」
00002号「ありがとうございます」
研究員「いえいエ」
天井「手伝えよ!? 全投げされて一人で完成させるの大変だったんだぞ!?」
研究員「明後日までに完成させればよかったんですがネ」
研究員「あなたは仕事が早くて助かりまス」
研究員「それにあなたは知らないでしょウ?」
天井「な、何をだ?」
研究員「男一人で女性物の洋服を買うこっぱずかしさですヨ」
天井「知るわけ無いだろう!?」
研究員A「おつかれさまでーす」
78: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2011/10/30(日) 13:35:53.60 ID:2c6GEmLPo
* 一方通行家 *
一方通行「そろそろ」
00001号「寝ましょうか」
一方通行「そォだな」ゴロン
00001号「ではミサカがソファに……ってなんでもう横になってるんですか」
00001号「とミサカは水玉のクッションを枕代わりにしているあなたに問いかけます」
一方通行「寝る場所なンざどっちでもいいンだよ。お前はベッドに寝てろ」
00001号「そういう過剰な優しさは」
一方通行「あァ?」
00001号「キモイです」
一方通行「!?」
00001号「でもお言葉に甘えさせてもらいます。とミサカは布団をかぶります」
一方通行「お前は一々俺を傷つけなきゃ気がすまねェのか」
00001号「冗談ですよ?」
一方通行「分かってるっての。俺も冗談だ」
00001号「……」
一方通行「……」
00001号「おやすみなさい」
一方通行「……おゥ」
91: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/01(火) 23:07:13.62 ID:Ing5NMXho
* 一方通行家・三日目 *
TV『ココでサフランを適量……』
00001号「……」
一方通行「おィ、目ェ近いぞ」
TV『いい匂いですねー』
一方通行「夕方の料理番組がそンなに面白いかよ?」
00001号「……」ジー
TV『ここで蓋をします』ジュワー
一方通行「おーィ」
00001号「……」
00001号「ミサカ決めました」
一方通行「何を」
00001号「今日の晩御飯はミサカが一人でパエリアを作ります」
一方通行「えー」
00001号「えーってなんですかえーって。とミサカは反復します」
一方通行「お前パエリアの作り方なンてわかンのかよ」
00001号「さっきのテレビで覚えたから大丈夫ですよ」
一方通行「つーかなンでまたイキナリ」
00001号「ここ二日、ミサカはあなたにお世話になりっぱなしなのでそのお礼です」
一方通行(やめといたほうがいいンじゃねェかなァ)
00001号「今日は料理はもちろんお買いものまでミサカが一人でやるのであなたはグータラしてていいですよ」
00001号「とミサカは意気込みながらメモ帳に食材のリストを書きこみます」
一方通行(なンだかなァ)
00001号「どうしました?」
一方通行「はじめてのおつかい見てる気分だ」
00001号「実際初めてのおつかいですよ? とミサカは肯定します」
一方通行「そォいうテレビ番組があンだよ」
00001号「と言う事はミサカ取材されるかもですか」
一方通行「それはねェよ」
00001号「冗談ですよ?」
一方通行「分かってるっての。マジ顔で言うな」
00001号「それでは行ってきます」
一方通行「スーパーの場所分かるか?」
00001号「一昨日行った時に覚えました、大丈夫です。とミサカは自己の優秀性をアピールします」
一方通行「ちょっとリスト見せてみろ」
00001号「?」
一方通行「俺も食うンだし、お前もちゃんとしたもン作りてェだろ」
00001号「あなたは心配性ですね。どうぞ」
一方通行「……米はウチにあるからいらねェかな」
00001号「なるほど」
一方通行「塩とコショウ、あとオリーブオイルもな。一昨日買ったろ」
00001号「了解です」
一方通行「あとは……」
ソフラン
一方通行「こンなンいれたら俺ら柔らかくなっちまうからな?」
00001号「どうりで書いてて違和感があると思いました」
一方通行「サフランだ、サフラン」
00001号「さふらん」
一方通行「多分調味料のとこに置いてるから」
00001号「あなたは色々詳しいですね。とミサカはちょっと感心します」
一方通行「お前の中で俺はどンだけ評価低いンだよ」
00001号「上から一番目ですよ」
一方通行「は?」
00001号「一人中一位です」
一方通行「……」
00001号「ミサカはどうですか?」
00001号「ミサカはあなたの中で何番目にいますか?」
一方通行「……下から一番だ」
00001号「これは予期せぬ言葉でした。とミサカはちょっとショックを受けます」
一方通行「一人中な」
00001号「……」
一方通行「なンだよ」
00001号「ミサカが来るまでぼっちだったんですか、カワイソウです」
00001号「とミサカは憐れみます」
一方通行「うっせェ! はよ行け!!」
00001号「それでは行ってきます」
一方通行「財布持ったな」
00001号「大丈夫ですよ。あと見送る時は『行ってらっしゃい』です。とミサカは訂正します」
一方通行「お前なンかそう言うのにこだわるな」
00001号「大事ですので」
一方通行「そォか?」
00001号「そうですよ。では改めて」ガチャ
00001号「行ってきます」
一方通行「あー……」
一方通行(言うのハズイな)
00001号「……」ジー
一方通行「……」
一方通行「イッテラッシャイ」
00001号「良い子でお留守番してるんですよ」
一方通行「お前は俺をおちょくらねェと気がすまンのか」
* スーパー *
00001号「無事つけました。やはりミサカは優秀です」
00001号「とミサカは再確認します」
00001号「取り敢えず材量を片っ端からカゴに入れましょう」
00001号「鳥もも肉」ガサ
00001号「イカ」ガサ
00001号「エビ、ムール貝」ガサ
00001号「パプリカ」
00001号「色々色がありますね」ガサ
00001号「ニンニク、トマト、レモン」ガサ
00001号「白ワイン……」
00001号「白ワインってミサカが買えるのでしょうか」
00001号「……まぁ良いでしょう。止められた時考えます。とミサカはカゴに入れます」ガサ
00001号「次は……」
00001号「ろーりえ」
00001号「ローリエってなんですか」
00001号「多分ロリータの親戚でしょうがどのコーナーを探したらいいかすら分かりません」
00001号「とミサカはお手上げ状態です」
00001号「お家に戻るのも面倒ですしMNWで聞いてみましょう。00002号なら知っているでしょうし」
00001号「?」
00001号「オカシイですね。MNWにアクセスできません」
00001号「とミサカはミサカは可愛らしく首を傾げてみる」
00001号「……」
00001号「まあいいでしょう。店員さんに聞けばいい事です。とミサカは自己解決します」
00001号「あとはぶいよんですか」
00001号「……」
00001号「……」
00001号「これも店員さんに聞きましょう」
* 一方通行家 *
一方通行「アイツちゃンとついたンだろうな」
一方通行「一応スーパーの方に歩いて行くとこまではベランダから見えたけど……」
一方通行「はじめてのおつかいのお母さンもこんな心境なのか?」
一方通行「……」
一方通行「つーか俺はなンで心配してンだ」
一方通行「そもそも俺お母さンじゃねェし」
一方通行「……」
ミサカが来るまでぼっちだったんですか
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「そォだよバカ野郎」
一方通行「でも今はお前がいるだろうが」
一方通行「……」
一方通行「うっぜェけど」
ピンポーン
一方通行「……」ハァ
一方通行「帰って来たな」
00001号「ただいまです。とミサカは帰宅のあいさつをします」
一方通行「おかえり」
00001号「……」ポカーン
一方通行「なンでそンなに荷物多いンだよ。ちょっと渡せ」ヒョイ
一方通行「コーンフレーク……牛乳……カットケーキ」ガサゴソ
一方通行「余計なもン買いすぎだろ」
一方通行「? なに変な顔してンだ?」
00001号「いえ、あなたが素直に『おかえり』を言うとは思いませんでした」
一方通行「言ったか?」
00001号「しかも無意識ですか。明日は大雨ですね。とミサカは予報します」
一方通行「どォいう意味だよ、ふざけた事言ってねェで食材キッチンに運べ」
00001号「おかげでイジれませんでしたよ」
一方通行「イジるな」
一方通行「もう料理始めンのか?」
00001号「そうですね。今午後六時ですし今から始めれば調度いい時間にご飯が食べれそうです」
00001号「そしてココからはミサカの領域ですので手出し不要です」
一方通行「はィはィ。せめて食えるもン作れよ」
00001号「任せてください」
一方通行「エビが何故か伊勢海老だったけど」
00001号「多分伊勢海老の方がおいしいです」
一方通行「野菜切る前に洗えよ」
00001号「モチロン」
一方通行「ケーキあったけど余計なもン入れようとすンなよ」
00001号「あれは食後のデザートですよ」
一方通行「米とぐ時洗剤入れンなよ」
00001号「すいません。ちょっと黙ってください」
* * *
一方通行「どォよ?」
00001号「恐ろしいほど順調です。とミサカは答えます」
00001号「見てください。野菜と鶏肉もいい感じに炒めてます」
一方通行「ちゃンと魚介類と分けてンだな」
00001号「テレビで言ってました」
一方通行「そォいやお前よくワイン買えたな」
00001号「普通に売ってくれましたよ?」
一方通行「店員なにしてンだ」
00001号「ミサカが可愛かったからですね」
一方通行「老けて見えたンじゃねェの」
00001号「……ちょっとフライパンを覗いて貰えますか? とミサカはお願いします」
一方通行「は?」
00001号「焦げてないかあなたに見てもらいたいんで」
一方通行「おー」ヒョイ
00001号「フランべ」ボゥ!!
一方通行「あっつ!!?」
00001号「ミサカ老けてません」
一方通行「殺す気かお前!?」
00001号「あとはサフランを入れて煮込むだけですね」
一方通行「少しは俺を気にしろ」
00001号「あなたは大丈夫です」
一方通行「言いきってンじゃねェよ」
00001号「それにミサカも直接火が当たらない様にはしてますよ」
一方通行「当り前だろ」
一方通行「……つーかよく二日でココまで料理出来るようになったな」
00001号「才色兼備とはミサカの事です。とミサカは胸を張ります」
一方通行「謙遜しろや」
00001号「それよりフライパンの蓋をとってくれませんか?」
一方通行「パエリアってアルミホイルで蓋すンじゃなかったっけか?」
00001号「お家にあると思って買いませんでした」
一方通行「こっちみンな」
00001号「一般家庭には普通あるんですけどね。とミサカは姑のごとくチクチクネチネチします」
一方通行「確認しなかったお前が悪ィ」
00001号「開き直らないでください」
* * *
一方通行「出来たか?」
00001号「今まさに蓋を開けるところです」
一方通行「においは悪くねェな」
00001号「レシピ通りやりましたからね。これで不味かったら文句はテレビに出てた料理人に言ってください」
00001号「それでは開けます。とミサカはフライパンの蓋を外します」
一方通行「おー」
00001号「鮮やかな黄色ですね」
一方通行「具の量はンぱねェな」
00001号「伊勢海老もいい感じです」
一方通行「そォか、蓋が閉まりきってなかったのはコイツのせいか」
00001号「景気よく殻ごと突っ込みました」
00001号「ただお米がちょっとベチャベチャですね。とミサカは具材を掻きわけます」
一方通行「水気が多かったンだろォな」
00001号「おじやみたいになってますよ」
一方通行「ま、味が良けりゃいいだろ」
00001号「味見はしてないのでミサカもどんな味か楽しみです。とミサカは鼻歌交じりに食器を取り出します」
一方通行「えっ」
00001号「はい?」
一方通行「味見してねェの?」
00001号「味は食べる時の楽しみにとっておきました。とミサカは目を輝かせます」
一方通行「それ大丈夫かよ」
00001号「大丈夫ですよ」
00001号「あなたにいつも量が多いと言われているのでちょっと控えめにしましたし」
一方通行「じゃあ大丈夫……か?」
00001号「心配ありません。とミサカは宣言します」
一方通行「そォか、なら冷めにうちに食うか」
00001号「では早速取り分けましょう」
一方通行「伊勢海老どォすンだコレ」カチャカチャ
00001号「真ん中で一刀両断して分けます。とミサカは包丁を取り出します」カチャカチャ
一方通行「二度手間」
00001号「開けた時豪華だったでしょう?」ズパン
一方通行「手!」
00001号「おお、すっかり猫の手を忘れてました。とミサカは今更猫の手にしてみます」
一方通行「よく今日手ェ切らなかったな」
00001号「運はいい方です」
一方通行「料理は博打じゃねェ」
00001号「さて、無事取り分けましたし食べましょう」
一方通行「おォ」
00001号「いただきます」
一方通行「いただきます」
00001号「……」
一方通行「どォした? くわねェのか?」
00001号「あなたの感想待ちです。とミサカはこれからあなたの口から出るであろう言葉を心待ちにします」
一方通行「やっぱ気になンのか」パク
00001号「どうですか?」
一方通行「ンー」モグモグ
一方通行(……味ねェ)
一方通行(多分調味料の量が少なかったンだな……)
一方通行(ハッキリ言ってやった方がいいのか……適当にごまかす方がいいのか……)
一方通行(ただ誤魔化しても結局コイツも食う訳だし……)
00001号「感想はハッキリきっちりお願いします」
一方通行「……」
一方通行「味ねェ」
00001号「んなアホな」
一方通行「ちょっと味付け抑え過ぎたかもしれねェな」
00001号「……」パク
一方通行「ま、食えるレベルだしいいンじゃねェの」
00001号「確かに味が薄いですね」
00001号「料理とは思っていたより難しいものです。とミサカは素直に負けを認めます」
一方通行「誰と競ってたンだよ」
00001号「悔しいので今度はもっと美味しく作ります」
一方通行「おォ、ガンバレ」
00001号「……」ジー
一方通行「なンだよ? 顔になンかついてるか?」
00001号「今日のあなたはなんだか優しいですね」
一方通行「はァ?」
00001号「ミサカに惚れましたか?」
一方通行「惚れる訳ねェだろ」
00001号「そんなキッパリ言わなくてもいいじゃないですか」
一方通行「惚れる訳ねェだろ」
00001号「なんで二回も言うんですか」
* 研究所 *
天井「今日は何も起きなかったな」
研究員「もともと最速で三日というだけでしたからネ」
研究員「明日には私も少し動くので今日のところは様子見でス」
天井「何かするのか?」
研究員「今日、例の布束氏の装置の被験者を連れてきて実験してみましタ」
研究員「その実験結果の確認もかねて明日一方通行のところへ向かわせまス」
天井「揺さ振りを?」
研究員「一方通行が何か感じてくれれば儲けもんという程度でス」
天井「MNWは?」
研究員「あなたが昨日のうちにシステムを完成してくれていたおかげで、そちらはすでにテストは完了しましタ」
研究員「一瞬『最終信号』と00001号が混線しましたが、00001号が一人で買い物をしている時だったので」
研究員「一方通行も、モチロン00001号自身もソレに気付いていませんし問題はないでしょウ」
研究員「私がMNWに流した嘘の情報も00002号がちゃんと確認しましタ」
天井「どんな情報を流したんだ?」
研究員「00002号」
00002号「はい。とミサカは一歩前へ出ます」
研究員「今日の一方通行の服装はなんでしたカ?」
00002号「ネグリジェです」
研究員「はイ、正解でス」
天井「それはどうなんだろうか!!」
研究員「とにかく明日が楽しみですネ」
天井(なんとか機能停止を前倒しに出来ないだろうか……)
研究員「気難しい顔をしてますネ」
天井「い、いやただ待つだけと言うのは胃に悪くて」
研究員「気楽に行きましょウ」
天井「……そういえば研究員Aはどうしたんだ?」
研究員「上層部が五月蠅いので黙らせに行かせましタ」
天井「うっ……」
研究員「あとパエリアの材量をおつかいニ」
天井「パエリア? なんだってそんな物を」
研究員「私だって女の子の手作り料理が食べたいんですヨ」
00002号「がんばります。とミサカは意気込みます」
研究員「期待してまス」
天井「あなたは気楽に構え過ぎだ」
* 一方通行家・夜 *
00001号「じゃんけん」
一方通行「ぽォォォォン!!」
00001号「……」パー
一方通行「……」グー
00001号「あなたの負けですか」
一方通行「またかよ!」
00001号「これでお風呂掃除じゃんけんは三日連続でミサカの勝ちですね」
00001号「とミサカは勝ち誇ります」
一方通行「なァンなンだよ! お前じゃンけン強すぎンだろ!!」
00001号「あなたが弱いんですよ」
一方通行「なンか細工してンじゃねェだろうな」
00001号「人聞きの悪い。早くお風呂掃除してください」
一方通行「アーークソが!」
00001号「明日もよろしくお願いします」
一方通行「まだじゃンけンしてねェよ!!」
* 一方通行家・四日目 *
チュンチュン
00001号「……」ボー
一方通行「……」スカー
00001号(……頭が全然回りませんね)
00001号(昨日遅くまで彼にチョッカイ出してたからでしょうか)
00001号(とミサカは眠ったままの脳で分析します)
一方通行「……」スカー
00001号「気持ち良さそうに眠ってますね」
00001号「ミサカの寝起きは悪かったのに……」
一方通行「……」スカー
00001号「そろそろ起こしましょうか。とミサカはベッドから這いずり出ます」ズリ
00001号「……」
00001号「いつもいつもよく寝ますねこの人h
ガッ!
00001号「っっ!」
00001号「~~~~~~~っ!!」
00001号「ま、まさかソファの足に小指をぶつけるなんて……」
00001号「とミサカは目に涙を溜めながら小指をおさえます」
00001号「うー」フルフル
00001号「これはもうこんなとこにソファを置いたあなたの責任ですよ」
00001号「とミサカは未だ呑気に寝ている一方通行の顔を見降ろします」
一方通行「……」スカー
00001号「仕方ありませんね。とミサカはキッチンへ向かいます」
00001号「やかん……はありませんね。ポット……は流石に……」
00001号「……ミサカのコップを使いましょう。とミサカはコップに水を入れます」
00001号「ミサカの痛みを驚きに変えて食らってください」
00001号「とミサカは一方通行の耳の穴に水を注ぎ入れます」
チョロロロロ
一方通行「ダッハァァアァ!!?」
00001号「おはようございます。とミサカは半笑いで朝の挨拶をします」
一方通行「!?」
00001号「まさに寝耳に水ですね」
一方通行「うっせェ!!」
* * *
一方通行「今日、昼になったら買い物行くけど……」
00001号「ついて行きます、一人でいても面白くありませんし。とミサカは朝ご飯の納豆をかき混ぜつつ返事をします」
一方通行「つーかさっき言いそびれたけど寝てる人間の耳に水入れるンじゃねェよ」
00001号「足の小指を打ったのでそのお返しです。とミサカは納豆ご飯を頬張ります」
一方通行「八つ当たりって言うンだよ、お前のは!」
00001号「でも目覚めはスッキリでしょう?」
一方通行「まだ耳に水入ってて気持ちわりィ」
00001号「ゴーっていってますか?」
一方通行「ゴーって言ってる。頭振っても全然出てこねェしよォ」
00001号「綿棒で中の水を吸ってみてはどうでしょう。とミサカはさらに納豆を練りながら提案します」
一方通行「ウチに綿棒なンてねェよ」
00001号「では耳かきの先をティッシュを包みましょう」
一方通行「めンどくせェなァ」
00001号「ミサカがやってあげますよ」
一方通行「いや、いい」
00001号「即行否定ですか。とミサカは悲しくなります」
一方通行「お前には安心して俺の耳を預けらンねェ。自分でやる」
00001号「大丈夫ですよ。ミサカのお母さんスキルは中々のものです」
00001号「とミサカは納豆でねばねばなお箸で指します」
一方通行「箸で人を指すンじゃねェ。それにお前料理ン時も同じ様な事言ってて大惨事だったじゃねェか」
一方通行「昨日はそこそこ出来てたけど」
00001号「初めての料理は確かに難しかったですが初めての耳かきぐらいミサカでも出来ますよ」
一方通行「なンでお前はそンなやりたがりなンだよ。やるんなら自分の耳でやれや」
00001号「それは怖いじゃないですか。とミサカは耳を塞ぎます」
一方通行「俺はもっと怖ェンだよ」
00001号「まぁそう言わずに。とミサカh
カランカラン
00001号「……」
00001号(これは……)
一方通行「あーあー」
00001号(……)
一方通行「納豆まみれの箸を床に落としやがって……」
00001号「凄い埃が付いてますね。とミサカはお箸を拾い上げます」
一方通行「床もティッシュで拭いとけ」
00001号「……」
一方通行「おい」
00001号「もしかしてですが、このねばねばの上に大豆を置いとけば自家製納豆が出来たりしますか?」
一方通行「あ? どォだろうな。納豆菌が繁殖すンならできるンじゃねェのか?」
00001号「……」ジー
一方通行「いや、やらせねェよ!?」
00001号「ではせめて耳かk
一方通行「やだっつってンだろ」
00001号「仕方ありませんね……。とミサカは床を拭きつつ考えます」フキフキ
一方通行「さっさと諦めろ」
00001号「ではこうしましょう。この耳かきは没収です」
一方通行「なンでだ」
00001号「あなたは一生ゴーってなるのに悩まさせて下さい。とミサカはニヤつきます」
一方通行「……」
00001号「困ったでしょう? とミサカは正座をしてあなたを膝枕する準備を整えます」
一方通行「買い物ン時、綿棒買えばいいだけだし」
00001号「それは反則ですよ」
一方通行「なンでだ」
00001号「いいじゃないですか。仲良くしましょう。とミサカはミサカの健康的な太ももを叩きます」ペチペチ
00001号「それに中々ありませんよ? ミサカの太ももに触れる機会など」
一方通行「アホか」
00001号「普通年頃の男の子は触りたいでしょう。とミサカはスカートの丈を少し上げて誘惑してみます」
一方通行「俺をそこら辺のガキと一緒にすンじゃねェよ」
00001号「なるほど……ココまで無反応と言う事は、アナタはもしかして」
一方通行「なンだよ」
00001号「ホ 」
一方通行「ぶっ殺すぞ」
00001号「でもここでミサカにさせないとミサカはあなたをホ 認定し」
00001号「さらにご近所に触れ回りますよ? とミサカは脅しをかけてみます」
一方通行「どンだけやりたいンだお前」
00001号「……」ポンポン
一方通行「……」
00001号「……」ポンポンポンポン
一方通行「……」
00001号「……」ポンポンポンポンポンポンポンポンポンポン
一方通行「……水取るだけだからな」
00001号「やっと素直になりましたか」
一方通行「あンだけ脅しといてその台詞はありえねェだろ」
00001号「水が入ってる耳を上にしてくださいね。とミサカは一応注意を促します」
一方通行「わかってるっての」ゴロン
00001号「ではこれより緊急オペを開始します。とミサカは耳かきにティッシュを巻きます」
一方通行(怖ェ)
一方通行(ってかやっぱ恥ずいってェの)
一方通行(家ン中だし誰に見られるって事はねェけどよォ)
一方通行(今俺無防備過ぎるし)
一方通行(コイツも無防備だし……)
一方通行(太もも意外と冷てェし……なンか)
一方通行(もゥ……)
一方通行(……耳あっちィ)
00001号「暗くて見にくいですね」
一方通行「耳引っ張ンな」
00001号「明るくしましょう」
一方通行「明るくって……」
バチッ
一方通行「うおォォォ!?」ガバッ
00001号「なんで跳ね起きるんですか、折角電気の閃光で明るくしたのに」
00001号「とミサカは嘆息します」
一方通行「そンなンだれでもビビるってェの!」
一方通行「いいか!? 電気禁止!」
00001号「ならば手探りでやるしかないですね。とミサカは再び横になるように催促します」
一方通行「一気に全部入れたりすンなよ」
00001号「そんな危ない事はしませんよ。とミサカは指先に神経を集中させます」
一方通行(不安だ)
00001号「……」コソコソ
一方通行「……」
一方通行(くすぐったい)
00001号「どうですか? とミサカは手を休めずに質問します」コソコソ
一方通行「もっと奥っぽいな」
00001号「奥ですか」ゴリゴリ
一方通行「いてェ」
00001号「我慢してください。とミサカはさらなる奥地に踏み込みます」
一方通行「……」
ガリッ
00001号「あ」
一方通行「いってェえェェええェェえェェ!!」
一方通行「お、お前っ!」
00001号「耳のつまりは直りましたか?」
一方通行「うっせェバカ!!
00001号「直りましたか?」
一方通行「……アー、アー、アーー」
一方通行「直ってるな」
00001号「ミサカのおかげですね」
一方通行「最後のが無けりゃな!」
00001号「そんなに痛かったですか? とミサカは疑惑の目を向けます」
一方通行「やってやるからその身をもって知りやがれ」
00001号「結構。とミサカはきっぱり断ります」
00001号「それより反対の耳もやりましょう」
一方通行「反対はなンもなってねェンだよ! 一人で楽しくなってンじゃねェ!」
* 街中 *
00001号「今日の夜ご飯はなんにするんですか? とミサカは尋ねます」
一方通行「なンにすっかなァ。スーパー行って食材見ながら決めるとは思うが」
00001号「昨日のパエリアは失敗でしたね」
一方通行「そォだな」
00001号「それもこれも調味料の量についてミサカに苦言を呈したあなたのせいですよ」
00001号「とミサカは責任を擦り付けてみます」
一方通行「でもいつもは多いだろ」
00001号「それはそうですが」
一方通行「お前は適度ってもンを知らねェのか」
00001号「その言葉は凄く曖昧なのでミサカは全く信じてません。とミサカは胸を張ります」
一方通行「お前は何時も胸張るタイミング間違えてンな」
00001号「ジャストタイミングですよ」
一方通行「ちげーよ」
00001号「でも昨日でミサカ、少し料理の自信が付きました」
一方通行「その前に切る時の手をどォにかしねぇとな」
00001号「猫の手ですね。切る瞬間までは覚えてるんですけどね」
女の子「よろしくお願いしまーす」
00001号「?」
一方通行「どォした?」
00001号「向こうで女性がなにか配ってますがあれはなんですか? とミサカは疑問をぶつけます」
一方通行「あー……宣伝だな、宣伝」
一方通行「ああやって店のチラシとか広告入りのティッシュ配って集客力あげンだよ」
00001号「ほぅ」
一方通行「ゴミになっから受け取ンじゃねェぞ」
00001号「しかし無視するのは彼女が可哀想ですよ」
一方通行「アイツも仕事だから大丈夫だっての」
00001号「……」
女の子「よろしくお願いしまーす」サッ
一方通行「……」ムシ
女の子「よろしくお願いしまーす」サッ
00001号「わざわざありがとうございます。お仕事頑張ってください」
00001号「とミサカはチラシを受け取りつつ、日中の強い紫外線の中頑張っているあなたにエールを送ります」
女の子「えっ? えと……」
一方通行「お前はホント俺の言う事聞かねェな。ソイツも困っちまってンじゃねェか」
00001号「そうですか?」
女の子「あ、ありがとうございます」ニコ
00001号「よかったみたいですよ?」
一方通行「お前は……」ハァ
00001号「?」
一方通行「まァいいか」
00001号「自己完結しないでください。とミサカは袖を引っ張って抗議します」
一方通行「なンでもねェよ。で、なンて書いてあンだ?」
00001号「なんだかんだであなたも興味があるのですね」
一方通行「そォでもねェよ」
00001号「えー……移動遊園地が学園都市に! 様々なアトラクションがございます! 是非お越しください!」
00001号「だそうです。とミサカはチラシに書いてあるまま伝えます」
一方通行「あー、なンかテレビでやってたな。研究所の近くだったっけか?」
00001号「遊園地行ってみたいなーってミサカはミサカはおねだりしてみたり」
一方通行「ン?」
00001号「どうしました?」
一方通行「お前今、なンか一個『ミサカ』が多くなかったか?」
00001号「そんなこと無いですよ。ミサカはいつでもどこでも一ミサカです」
一方通行「変な単位作ンな」
00001号「それより明日一緒に行きましょう」
一方通行「一人でいけ」
00001号「そんなのありえないでしょう。とミサカはツッコミを入れてみます」
一方通行「もうすぐスーパーだから後でな」
00001号「一緒に観覧車乗りましょうね」
一方通行「献立なンにすっかなァ」
00001号「無視して有耶無耶にしないでください」
00001号「とミサカはすがります」
一方通行「はいはィ」
00001号「気のない返事ですね。忘れちゃったらミサカ泣きますよ?」
00001号「とミサカはあなたの手を振り回しながらアピールします」
一方通行「わーった! わーったからやめr
一方通行「……」
00001号「?」
一方通行「チッ……横道入ンぞ」
00001号「なんでですか。もうスーパーは目と鼻の先ですよ。とミサカは目的地を指差します」
一方通行「いいから来いっての!」
00001号「向こうに何かあるんですか?」ジーー
一方通行「おィ!」
00001号「おや……」
一方通行「行くぞ!」
00001号(あの白衣の人、どこかで見た事ある様な気がするんですが……)
00001号(でもMNWにもデータはありませんし気のせいみたいですね。とミサカは自己完結します)
一方通行「DQNに見つかるってェの!」
00001号「DQN?」
DQN「……」
00001号「ああ、この前の人ですか。確かにこっち見てますね」
一方通行「いいから見つかる前にさっさと逃げるぞ!」
研究員「いってらっしゃイ」
DQN「ヒャハッ」ニタァ
00001号「……どうやらすでに見つかってるみたいですね。とミサカは冷静に状況を判断します」
DQN「クカカッ!」
一方通行「!!」
00001号「こっちに向かってきます」
一方通行「クソがァ!! 走れ! 逃げンぞ!!」
00001号「やはり戦わないんですね」
一方通行「ったり前だろ!」
DQN「一方通行ァァァァァアァァァァァアァアアァ!!!!」
* 裏路地・逃走中 *
DQN「ヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッッ!!!!」
00001号「あなたは何時もこんな怖い目に会っているんですか」
00001号「とミサカは走りながら狂気を背中に感じます」
一方通行「流石にコレはいつも以上だっての!」
一方通行「どォ見てもアイツ、オカシイだろォが!」
一方通行(ナイフなンざ振り回しやがって……あぶねェったらねェっての!)
00001号「捕まったら不味いですよね」
一方通行「ナイフぶっ刺されて穴だらけになるだろォよ!」
00001号「それは嫌な死に方です」
一方通行「だったら走れ! アイツに捕まンねェよォによォ!!」
DQN「ikdserqpwlps殺mumw」
一方通行「なンだ! なンだよ! なンですかァ!? クスリでもキメちまってンのかァ!?」
DQN「vupwqdji殺sxc殺dncmvbwqlipm殺lpyx殺z!!」
00001号「ハァッ――ハァッ――」
00001号「……?…」
一方通行「おィ! もっと早く走れねェのか!? 追いつかれンぞ!!」
00001号「それはそう……なんですが…何故か身体が……おm
00001号「!?」ガクンッ
00001号(足の力が……)ズザァ
一方通行「なっ!?」
DQN「アハ――――ギャハッ」
一方通行「早く立て! こけてる場合じゃねェぞ!!」
DQN「ヒャッヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」
一方通行「やめろ! お前が気に食わねェのは俺だろうがっ!! そいつは関係ねェ!!」
00001号(抜け――)
DQN「くかきけこかかきくけききこかかきくここくけけけこきくかくきくこくくけくかきくこけくけくきくきこきかかか――ッ!!!!!」ヒュッ
一方通行「ミサカァァァァァァアアァァァアァァァァァァ!!!!」
ドッ
* 一方通行家 *
一方通行「……」
00001号「……」
一方通行(能力使っちまった……殺しちまった……)
一方通行(もう人には絶対使わねェって決めてたのに……)
一方通行(あの日みたいな事にならねェようにしてたのに……)
一方通行(抑えられなかった)
00001号「……あの…」
一方通行「……」
00001号「あなたが能力を使ってくれたおかげでミサカは助かりました」
00001号「ありがとうございます」
00001号「そして能力を使わせてしまってすみませんでした。とミサカは頭を下げます」
一方通行「……お前が謝るような事じゃねェよ」
00001号「しかし……」
一方通行「謝ンな!」
00001号「……」
一方通行「……悪ィ……俺今日はもう休む」
一方通行「飯とかは机に財布あるから適当にやってくれ」ゴロン
一方通行(クソッたれ……)
一方通行(アイツに当たっても何の意味もねェだろォが……!)
一方通行(……)
一方通行(元々こンな日常を変える為に『絶対能力進化計画』に乗ろうとしたンだ)
一方通行(最近は普通に生活が送れてたからってそんな事も忘れてた)
一方通行(アイツがウチに来たからって、俺の日常は……)
一方通行(何も変わってねェンだよ)
一方通行(……)
一方通行(浮かれちまって……元の自分の環境から目を反らして……)
一方通行(アイツを危ない目に合わせて……)
一方通行(ホント俺は、大バカ野郎だ……)
00001号「……」
00001号(大分参ってますね)
00001号(当然と言えば当然でしょうが……)
00001号(ミサカがナイフで刺されそうになった瞬間、どんな能力かは分かりませんでしたが)
00001号(一瞬でミサカとDQNさんの間に入ったと思ったら、DQNさんは粉々に弾けてしまいました)
00001号(能力を使うたびあんなことが起こってしまうなら、あなたが能力を使わないのにも納得です)
00001号(とミサカは心中を察します)
一方通行「……」
00001号「……」
00001号(それにしても今朝から調子は悪かったですが、思っていたより進行が早い……)
00001号(今日一日ならまだ大丈夫だと高を括っていたミサカが甘かったです)
00001号(結果、あなたを傷つけてしまいました、すみません。とミサカは心の中でも反省します)
00001号(……本当ならあなたが立ち直るまで傍にいたいのですが)
00001号(ミサカにはあまり時間が残っていない様です。とミサカは自身の体調を予測します)
00001号(しかしあなたをこのまま放っておく訳にもいかない)
00001号(ミサカがあなたに最後に出来る事は……)
00001号「……」
00001号「……少し、買い物に行ってきます」
一方通行「……」
* 一方通行家・夜 *
一方通行「……」
一方通行(いつの間にか寝ちまったのか)ムク
一方通行「……」
一方通行(クソ……まだ頭ン中ゴチャゴチャする……)
一方通行「……」
一方通行「あァ?」キョロキョロ
一方通行「アイツ何処行ったンだ?」
一方通行「……」
一方通行(時間は夜の十二時……)
一方通行「アイツがこの時間に外行ってンのか?」
一方通行「……いやァ、ねェだろ。夜更かしは美容の天敵とか言ってたしな」
一方通行「何時もならそろそろ布団入る時間だ……」
一方通行「でもいねェしな」
一方通行「研究所に戻ったのか?」
一方通行「……」
一方通行「……ねェな」
一方通行「戻るなら俺に言うだろフツー……」
一方通行「………」
一方通行「……」
一方通行「なァに柄にもなく不安になってンだ俺は」
一方通行「どォせアイツの事だ」
一方通行「俺が寝ちまう前に買い物に行くって言ってたからな」
一方通行「フラフラ寄り道して道が分からなくなってたりしてンだろ」
一方通行「そォに決まってる」
一方通行「……」
一方通行「ココ以外、他に行く場所はねェンだ」
一方通行「それに一週間はいるって言ってたじゃねェか」
一方通行「今日はまだあいつが来て四日目だ」
一方通行「勝手にいなくなったりはしねェはず……」
一方通行「……だよな」
一方通行「……」
一方通行「あーもォなンなンだよ!」
一方通行「……なンでいねェンだよ」
一方通行「ン?」クンクン
一方通行「飯の匂い……」
一方通行「なンかテーブルの上に置いてあンな」
一方通行「……」
一方通行「パエリアか」
一方通行「昨日の残りじゃねェよな」
一方通行「アイツが残りは一人で平らげてたし……」
一方通行「伊勢海老からロブスターに変わってるし」
一方通行「あいつまたパエリア作ったのか?」
一方通行「つーかロブスター詰めすぎなンだよ。昨日より絵面キモくなってンじゃねェか」
一方通行「……」
一方通行「探しに行くか……」
一方通行「何もねェとは思うけど」
一方通行「何もねェとは思うけど……」
* 研究所 *
研究員A「現場より報告です! 一方通行動き出しました!」
天井「やっとか」
研究員「結構時間がかかりましたネ。寝てたんでしょうカ」
天井「もしそうだとしたらかなりバカだな。00001号の機能停止も近いと言うのに」
研究員「そう言ってあげないでくださイ。彼は何も知らないのですかラ」
天井「さて、ここからアイツはこっちの思惑通り動いてくれるのか」
研究員「動くように祈りましょウ」
天井「我々研究者が神頼みか。滑稽だな」
研究員「それにしてもアナタが用意したMNW用ウイルスは大成功ですネ」
研究員「00001号の活動停止までを一気に縮める事が出来ましタ」
天井「もともと00001号の身体は今朝から不安定にはなっていたようだったからな」
天井「上手く作動してくれた」
研究員「よく数時間でこんなものが作れましたネ」
天井「……」
研究員「……」
天井「量産能力者計画から妹達に携わってきたからな」
研究員「……そうでしタ」
天井「ただ最初は断られると思ったんだがな。了承してくれてよかったよ」
研究員「何故でス? 計画が進むなら断る理由はありませんヨ」
天井「ウイルスを仕込むと凍結中の00003号以降はまだしも00001号だけでなく稼働中の00002号にも影響が出るからな」
研究員「それガ?」
天井「可愛がっていただろう? 00002号のこと」
研究員「まさカ、ただの暇つぶしですよ。モルモットに愛情などありませン」
天井「ハッ」
研究員「どうしましタ?」
天井「いや、前にあなたが言っていた事を思い出してね」
研究員「?」
天井「確かに普通の人間ではない様だ」
天井「少なくとも一方通行よりは」
研究員「くだらない事を覚えてますネ」
研究員「さて無駄話もここまでにしましょウ」
研究員「彼が動き出した以上いつここに来てもおかしくなイ」
研究員「いつでも実験が始められるよう準備ヲ……」
研究員A「あの……」
天井「どうした?」
研究員A「その一方通行なんですが」
研究員「00001号と接触しましたカ?」
研究員A「逆です。てんで的外れな方向に動いてるようです」
天井「……」
研究員「まア……」
研究員「最悪こちらから場所を教えてあげましょウ」
天井「胃が……」フラ
研究員A「天井さーーん!!」
* デパート *
一方通行「……」
一方通行「……この時間に開いてるわけねェわな」
一方通行「アイツもいねェし……」
一方通行「……」
一方通行「散々服買わされたっけか」
一方通行「まだアイツが着てないのも部屋の隅におきっぱだ」
一方通行「下 ……もだし……」
一方通行「……アレは恥ずかった」
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「なに思い出してんだ俺は……」
一方通行「さっさと次行くか」
* スーパー *
一方通行「またハズレかよ」
一方通行「……」
一方通行「最初はカレーだったか」
一方通行「千切りのジャガイモが入った……」
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「それにしても夜の学園都市ってのは寂しいもンだな」
一方通行「何もねェし誰もいねェ」
一方通行「……」
一方通行「つーかそろそろ出てこいよ……」
一方通行「……ミサカ」
* 家具屋 *
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「……」
* ファミレス *
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「……」
* 街中 *
一方通行「――いねェ」
一方通行「どこにも……」
一方通行「……」
一方通行「虱潰しに回るにしても学園都市は結構広いしな」
一方通行「それにもう探し始めてから大分時間が経ってる」
一方通行「……」
一方通行「一回家に戻ってみるか?」
一方通行「アイツも戻って来てるかも知れねェし」
一方通行「行き違いになったって事もありえるからな……」
一方通行「……」
一方通行(なに走ってンだ、俺……)
* 一方通行家 *
一方通行「帰って来てねェのかよ……」
一方通行「マジでどこに行ってンだよ」
一方通行「……」
一方通行「出てこねェなら寝ちまうぞォ!!」
一方通行「一人でパエリア食っちまうぞォ!!!!」
一方通行「……」
一方通行「……」
カサ
一方通行「……?」
一方通行「なンだ?」
一方通行「手紙?」
一方通行「さっきは気付かなかったな……」
一方通行「……」
一方通行「俺はアイツが居ないだけでどンだけテンパってンだよ、バカか」
一方通行「……」
一方通行「……」
本当はもっとあなたの傍にいたくて
本当はもっとあなたをイジっていたかった
あなたと居るのはとても楽しかったです
ただもうミサカには時間がありません
最後の数日があなたと居られてよかった
でも、だからこそ
ミサカはあなたの前から消えます
ありがとう
ごめんなさい
そして、さようなら
ミサカ
一方通行「ンだよコレ……」
一方通行「まだ夕方の事で頭ゴチャゴチャしてるってのに……」
一方通行「全然頭の処理が追いついてねェンだよ……」
一方通行「消えるってなンだよ」
一方通行「最後ってなンだよっ!」
一方通行「意味わかンねェこと書いてンじゃねェ」
一方通行「ミサカ……っ」
そうですね、捨てミサカです。
どォせ研究所戻ってなンやかンやするンだろ?
……そんな感じです。とミサカは肯定します
一方通行「……」
一方通行「俺ァ本当にバカなンだな……」
一方通行「研究所の人間が一度捨てたもンを拾い上げるわけねェだろ……」
一方通行「そンなの腐るほど見てきただろォが」
一方通行「……」
一方通行「普通に考えりゃ分かる事だったンだ」
一方通行「一週間、それが……」
一方通行「アイツの寿命だった……」
一方通行「ふっざけンじゃねェぞ……」
一方通行「嘘まで吐きやがって」
一方通行「迷惑かけるだけ掛けて勝手に消えンじゃねェ!」
一方通行「俺まだ風呂掃除のじゃンけン勝ってねェし!」
一方通行「買ってやった洋服は置きっぱだし!」
一方通行「パエリアはあンだけ注意したのにやっぱりサフラン臭ェ!!」
一方通行「お前に言わなきゃいけねェ事は山ほどあンだよ!!」
一方通行「絶対見つけ出して……」
一方通行「なにしてでも救ってやるからなァ!!」
* 街中 *
一方通行「つーか、勢いよく出てきたはいいが」
一方通行「助けるってどォすりゃいいンだ?」
一方通行「普通に病院連れていきゃァいいのか」
一方通行「それとも……」
一方通行「……」
一方通行「その可能性の方が高いか……」
一方通行「……まァ、なンの問題もねェよ」
一方通行「それより手紙には時間がねェって書いてたな」
一方通行「つーことは限界が近いって事だろうが、そンな奴が遠くまで行けるとは思えねェし」
一方通行「どこだ……」
一方通行「アイツが行ける場所」
一方通行「……」
一方通行「アイツが行きたい場所?」
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「……いろよ」
一方通行「……」
* 学園都市・移動遊園地前 *
00001号「なんとか……遊園地に……つき……ましたが」
00001号「そうですよね……」
00001号「開いてるわけないですよね。とミサカは少し残念に感じます」
00001号「ミサカも……死を前に……は冷静で……いれなかったようですね」フラ
ドサッ
00001号「いたっ」
00001号「……」ハァ
00001号「立っていれなくなりましたか……」
00001号「いよいよもって……ミサカは……死んでしまうようです……」
00001号「――――」
00001号(正直超臭かったですが)
00001号(パエリア食べてくれるでしょうか……)
00001号(なんだかんだ)
00001号(あなた……の……言う事は正し……かっ)
00001号(とミサ……は最……後に悔います……)
00001号「――――」ハァ
00001号(暗い)
00001号(深い)
00001号(海の底に沈むような……)
00001号(これが)
00001号(『死』です……か)
00001号(と……)
00001号(ミ――)
00001号「――――」
00001号「――――――――」
00001号「――――――――――――――――」
一方通行「起きろ」ペシン
00001号「あぅ」
一方通行「やっと見つけた……」
00001号「……」
一方通行「勝手に消えて心配掛けやがって」
00001号「なん……で」
一方通行「そりゃァ……アレだ」
00001号「……」
一方通行「お前が……」
一方通行「ミサカが、大事だから」
00001号「……っ」
一方通行「能力が発現してから、俺はずっと一人だった」
一方通行「寄ってくるやつァ全員俺の能力目当て」
一方通行「誰一人として『俺』を見てくれるやつなンていなかった……」
一方通行「でも、お前は違った……」
一方通行「初めて『俺』を見てくれた」
一方通行「お前はうぜェし」
一方通行「ワガママだし人の話聞かねェが」
一方通行「俺と友達みたいに接してくれた」
00001号「……」
一方通行「すげェ嬉しかった」
一方通行「お前と話すのも」
一方通行「お前とふざけ合うのも」
一方通行「お前とどっか行くのもすげェ楽しかった」
一方通行「俺はこの感情を手放したくねェ」
一方通行「もっとずっと一緒にいたい」
一方通行「この感情がなンなのかはわっかンねェけど」
一方通行「俺にはお前が大切なンだよ」
一方通行「起きた時お前が居なくなってて、見つけられなくて、それでやっと気付いたンだけどな」
00001号「ミサカも……同じです」
00001号「ミサカが初めてあなたと会った時、あなたはミサカの事を人間だと言ってくれました」
00001号「それがすごくうれしくて……」
00001号「あなたと過ごした四日間が楽しくて……」
00001号「……ギリギリまで……一緒にいたくて」
00001号「でも、ミサカの事は忘れて欲しくて」
00001号「だからあなたの前から消えr
一方通行「だからっ!」
一方通行「だから守る」
一方通行「ミサカに一緒にいて欲しいから」
一方通行「ココ来る途中に研究所の連中とは話を付けてきた」
一方通行「問題ねェ」
00001号「それは……ウソです……ね」
一方通行「嘘じゃねェよ」
一方通行「俺が無償で『絶対能力進化計画』とは別の実験を受ける事で話はついた」
00001号「バカですかあなたは……」
00001号「彼らg――」
一方通行「あァ?」
00001号「――――」
一方通行「ミサカ!?」
00001号(意識が……)
一方通行「不味いな……悠長に話してる場合じゃなかったンだっつーの」
00001号(待ってく……ださい……実験は――)
一方通行「あとちょっとだけ我慢しろよ、すぐに助けてやる」
一方通行「そンで元気になったら、そしたら一緒に観覧車でもなンでも乗ってやっからよォ」
一方通行「だから勝手に死ぬんじゃねェぞ」
* 研究所 *
研究員「見つかりましたカ」
一方通行「あァ」
研究員「それは良かったですネ」
一方通行「ちゃンと、助けろよ」
研究員「分かってますヨ。そういう契約ですかラ」
研究員「キミ、すぐにコレを運んでくださイ」
一方通行「『コレ』じゃねェよ」
研究員「は?」
一方通行「『ミサカ』だ」
研究員「……」ハァ
研究員「ミサカ00001号を運んでくださイ」
研究員B「はい」
00001号「――――」
一方通行「心配すンな。お前は俺が守る」
00001号「――」
研究員「あなたも、さっさと実験の準備に取り掛かってくださイ」
一方通行「分かってるってェの」
研究員A「こっちだ」
一方通行「はィはィ」
* * *
研究員「……」
天井「取り敢えず終わったな。胃が消滅するかと思った」
研究員「なに言ってるんですカ、これからですヨ」
天井「しかし、一方通行もまさかこれから自分の記憶と感情、性格が改竄されるなんて思いもしてないだろうな」
研究員「初めからこうしていたら余計な手間が省けたんですけどネ」
天井「だがこれで『絶対能力進化計画』は進む」
研究員「えエ。実験台にしたDQNもかなり好戦的になってくれましたからネ」
研究員「一方通行もうまくいくでしょウ」
研究員「ただ、少しだけ彼の時と一方通行に与えるデータは変えましタ」
天井「なぜだ?」
研究員「何と言うカ、野 的になり過ぎてましたかラ」
研究員「一方通行を刺すはずが00001号を襲いましたシ」
研究員「彼がLEVEL0だったから良かったものノ、もし一方通行が同じ様に暴れたりしたラ」
研究員「学園都市そのものが吹き飛んで実験どころじゃ無くなりますからネ」
研究員「ちょっと理性を無くしすぎましタ」
天井「なるほど」
研究員「あとMNWは現在ある全てのデータを削除したのチ」
研究員「少し改良しましょウ。今日また混線が起きてしまいましタ」
天井「わかった。では私がやっておこう」
研究員「お願いしまス」
研究員「私は学習装置の入力情報を少し書き換えていますので何かあればソチラに来てくださイ」
天井「書き換え?」
研究員「今回の事を振り返ってみたのですガ」
研究員「不幸中の幸いと言いますカ」
研究員「00001号は私達が思っていた以上にフレンドリーというか感情豊かでしタ」
天井「そうだな。あなたの作戦もそれありきだったし」
研究員「えエ。おかげでなんとかにココまでこれましタ」
研究員「たダ」
天井「?」
研究員「一方通行も次は真面目に実験に参加してくれル、というかそうなるように弄りますシ」
研究員「本格的に実験が始まりまス」
研究員「そうなってくるとやはり邪魔なんですヨ。余計なものハ」
研究員「妹達が命乞いでもしたら面倒でしょウ?」
研究員「だからそうならない様に情報を書き換えて、妹達全員に入力し直すんですヨ」
天井「なにかあっても『最終信号』があるじゃないか」
研究員「アレは飽くまで緊急停止用でス」
天井「徹底的だな」
研究員「命がけですかラ」
研究員「私モ。もちろんあなたもネ」
天井「……」
研究員「さテ」
研究員「あなた達はこれから一方通行宅に行ってください」
研究員CD「「え?」」
研究員「そしてこの四日間の00001号との軌跡を一つ残さず消して来てくださイ」
研究員「この四日間どころか能力発現から今日までの全ての記憶を弄リ」
研究員「その記憶の内容に見合う性格や感情、行動原理まで入力しているのデ」
研究員「自分を疑う事は無いでしょうガ」
研究員「なにが改竄後の一方通行に影響するかも知れませン」
研究員「本当は学園都市ごと作り変えたいんですけどネ。流石にそうもいきませン」
研究員「なので二人のいる時間が一番長かった場所だけでモ」
研究員「徹底的に排除しまス」
研究員CD「「わかりました」」
研究員「よろしくお願いしまス」
* * *
研究員「サヨウナラ、一方通行」
* * *
研究員「サヨウナラ、一方通行」
一方通行『クク』
一方通行『国際法で禁止されてる人間のクローンの大量生産たァ』
一方通行『ハナからまともな実験じゃねェンだろうとは思ってたが』
一方通行『オマエラ』
一方通行『イイ感じに頭のネジ飛ンでンじゃねェか』
研究員A『元は別の計画で使われる予定だったモノだがね』
研究員A『色々あってこっちに流用する事になった』
研究員A『これを見て』
研究員A『それでもなお『無敵』を望むかね?』
一方通行『――』
* * *
* 実験所 *
一方通行「よォ」
一方通行「オマエが実験相手って事でいいンだよなァ」
00001号「はい。よろしくお願いします」
~ To Be Continued ~
TV『ココでサフランを適量……』
00001号「……」
一方通行「おィ、目ェ近いぞ」
TV『いい匂いですねー』
一方通行「夕方の料理番組がそンなに面白いかよ?」
00001号「……」ジー
TV『ここで蓋をします』ジュワー
一方通行「おーィ」
00001号「……」
00001号「ミサカ決めました」
一方通行「何を」
00001号「今日の晩御飯はミサカが一人でパエリアを作ります」
一方通行「えー」
92: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/01(火) 23:08:04.66 ID:Ing5NMXho
00001号「えーってなんですかえーって。とミサカは反復します」
一方通行「お前パエリアの作り方なンてわかンのかよ」
00001号「さっきのテレビで覚えたから大丈夫ですよ」
一方通行「つーかなンでまたイキナリ」
00001号「ここ二日、ミサカはあなたにお世話になりっぱなしなのでそのお礼です」
一方通行(やめといたほうがいいンじゃねェかなァ)
00001号「今日は料理はもちろんお買いものまでミサカが一人でやるのであなたはグータラしてていいですよ」
00001号「とミサカは意気込みながらメモ帳に食材のリストを書きこみます」
一方通行(なンだかなァ)
00001号「どうしました?」
一方通行「はじめてのおつかい見てる気分だ」
00001号「実際初めてのおつかいですよ? とミサカは肯定します」
一方通行「そォいうテレビ番組があンだよ」
00001号「と言う事はミサカ取材されるかもですか」
一方通行「それはねェよ」
00001号「冗談ですよ?」
一方通行「分かってるっての。マジ顔で言うな」
93: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/01(火) 23:08:58.81 ID:Ing5NMXho
00001号「それでは行ってきます」
一方通行「スーパーの場所分かるか?」
00001号「一昨日行った時に覚えました、大丈夫です。とミサカは自己の優秀性をアピールします」
一方通行「ちょっとリスト見せてみろ」
00001号「?」
一方通行「俺も食うンだし、お前もちゃんとしたもン作りてェだろ」
00001号「あなたは心配性ですね。どうぞ」
一方通行「……米はウチにあるからいらねェかな」
00001号「なるほど」
一方通行「塩とコショウ、あとオリーブオイルもな。一昨日買ったろ」
00001号「了解です」
一方通行「あとは……」
ソフラン
一方通行「こンなンいれたら俺ら柔らかくなっちまうからな?」
00001号「どうりで書いてて違和感があると思いました」
94: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/01(火) 23:09:52.84 ID:Ing5NMXho
一方通行「サフランだ、サフラン」
00001号「さふらん」
一方通行「多分調味料のとこに置いてるから」
00001号「あなたは色々詳しいですね。とミサカはちょっと感心します」
一方通行「お前の中で俺はどンだけ評価低いンだよ」
00001号「上から一番目ですよ」
一方通行「は?」
00001号「一人中一位です」
一方通行「……」
00001号「ミサカはどうですか?」
00001号「ミサカはあなたの中で何番目にいますか?」
一方通行「……下から一番だ」
00001号「これは予期せぬ言葉でした。とミサカはちょっとショックを受けます」
一方通行「一人中な」
00001号「……」
一方通行「なンだよ」
00001号「ミサカが来るまでぼっちだったんですか、カワイソウです」
00001号「とミサカは憐れみます」
一方通行「うっせェ! はよ行け!!」
95: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/01(火) 23:10:40.13 ID:Ing5NMXho
00001号「それでは行ってきます」
一方通行「財布持ったな」
00001号「大丈夫ですよ。あと見送る時は『行ってらっしゃい』です。とミサカは訂正します」
一方通行「お前なンかそう言うのにこだわるな」
00001号「大事ですので」
一方通行「そォか?」
00001号「そうですよ。では改めて」ガチャ
00001号「行ってきます」
一方通行「あー……」
一方通行(言うのハズイな)
00001号「……」ジー
一方通行「……」
一方通行「イッテラッシャイ」
00001号「良い子でお留守番してるんですよ」
一方通行「お前は俺をおちょくらねェと気がすまンのか」
96: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/01(火) 23:12:17.12 ID:Ing5NMXho
* スーパー *
00001号「無事つけました。やはりミサカは優秀です」
00001号「とミサカは再確認します」
00001号「取り敢えず材量を片っ端からカゴに入れましょう」
00001号「鳥もも肉」ガサ
00001号「イカ」ガサ
00001号「エビ、ムール貝」ガサ
00001号「パプリカ」
00001号「色々色がありますね」ガサ
00001号「ニンニク、トマト、レモン」ガサ
00001号「白ワイン……」
00001号「白ワインってミサカが買えるのでしょうか」
00001号「……まぁ良いでしょう。止められた時考えます。とミサカはカゴに入れます」ガサ
00001号「次は……」
00001号「ろーりえ」
00001号「ローリエってなんですか」
97: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/01(火) 23:13:14.34 ID:Ing5NMXho
00001号「多分ロリータの親戚でしょうがどのコーナーを探したらいいかすら分かりません」
00001号「とミサカはお手上げ状態です」
00001号「お家に戻るのも面倒ですしMNWで聞いてみましょう。00002号なら知っているでしょうし」
00001号「?」
00001号「オカシイですね。MNWにアクセスできません」
00001号「とミサカはミサカは可愛らしく首を傾げてみる」
00001号「……」
00001号「まあいいでしょう。店員さんに聞けばいい事です。とミサカは自己解決します」
00001号「あとはぶいよんですか」
00001号「……」
00001号「……」
00001号「これも店員さんに聞きましょう」
98: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/01(火) 23:14:09.12 ID:Ing5NMXho
* 一方通行家 *
一方通行「アイツちゃンとついたンだろうな」
一方通行「一応スーパーの方に歩いて行くとこまではベランダから見えたけど……」
一方通行「はじめてのおつかいのお母さンもこんな心境なのか?」
一方通行「……」
一方通行「つーか俺はなンで心配してンだ」
一方通行「そもそも俺お母さンじゃねェし」
一方通行「……」
ミサカが来るまでぼっちだったんですか
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「そォだよバカ野郎」
一方通行「でも今はお前がいるだろうが」
一方通行「……」
一方通行「うっぜェけど」
ピンポーン
一方通行「……」ハァ
一方通行「帰って来たな」
99: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/01(火) 23:14:53.40 ID:Ing5NMXho
00001号「ただいまです。とミサカは帰宅のあいさつをします」
一方通行「おかえり」
00001号「……」ポカーン
一方通行「なンでそンなに荷物多いンだよ。ちょっと渡せ」ヒョイ
一方通行「コーンフレーク……牛乳……カットケーキ」ガサゴソ
一方通行「余計なもン買いすぎだろ」
一方通行「? なに変な顔してンだ?」
00001号「いえ、あなたが素直に『おかえり』を言うとは思いませんでした」
一方通行「言ったか?」
00001号「しかも無意識ですか。明日は大雨ですね。とミサカは予報します」
一方通行「どォいう意味だよ、ふざけた事言ってねェで食材キッチンに運べ」
00001号「おかげでイジれませんでしたよ」
一方通行「イジるな」
100: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/01(火) 23:16:14.32 ID:Ing5NMXho
一方通行「もう料理始めンのか?」
00001号「そうですね。今午後六時ですし今から始めれば調度いい時間にご飯が食べれそうです」
00001号「そしてココからはミサカの領域ですので手出し不要です」
一方通行「はィはィ。せめて食えるもン作れよ」
00001号「任せてください」
一方通行「エビが何故か伊勢海老だったけど」
00001号「多分伊勢海老の方がおいしいです」
一方通行「野菜切る前に洗えよ」
00001号「モチロン」
一方通行「ケーキあったけど余計なもン入れようとすンなよ」
00001号「あれは食後のデザートですよ」
一方通行「米とぐ時洗剤入れンなよ」
00001号「すいません。ちょっと黙ってください」
101: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/01(火) 23:17:03.65 ID:Ing5NMXho
* * *
一方通行「どォよ?」
00001号「恐ろしいほど順調です。とミサカは答えます」
00001号「見てください。野菜と鶏肉もいい感じに炒めてます」
一方通行「ちゃンと魚介類と分けてンだな」
00001号「テレビで言ってました」
一方通行「そォいやお前よくワイン買えたな」
00001号「普通に売ってくれましたよ?」
一方通行「店員なにしてンだ」
00001号「ミサカが可愛かったからですね」
一方通行「老けて見えたンじゃねェの」
00001号「……ちょっとフライパンを覗いて貰えますか? とミサカはお願いします」
一方通行「は?」
00001号「焦げてないかあなたに見てもらいたいんで」
一方通行「おー」ヒョイ
00001号「フランべ」ボゥ!!
一方通行「あっつ!!?」
00001号「ミサカ老けてません」
一方通行「殺す気かお前!?」
102: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/01(火) 23:17:55.29 ID:Ing5NMXho
00001号「あとはサフランを入れて煮込むだけですね」
一方通行「少しは俺を気にしろ」
00001号「あなたは大丈夫です」
一方通行「言いきってンじゃねェよ」
00001号「それにミサカも直接火が当たらない様にはしてますよ」
一方通行「当り前だろ」
一方通行「……つーかよく二日でココまで料理出来るようになったな」
00001号「才色兼備とはミサカの事です。とミサカは胸を張ります」
一方通行「謙遜しろや」
00001号「それよりフライパンの蓋をとってくれませんか?」
一方通行「パエリアってアルミホイルで蓋すンじゃなかったっけか?」
00001号「お家にあると思って買いませんでした」
一方通行「こっちみンな」
00001号「一般家庭には普通あるんですけどね。とミサカは姑のごとくチクチクネチネチします」
一方通行「確認しなかったお前が悪ィ」
00001号「開き直らないでください」
103: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/01(火) 23:19:00.40 ID:Ing5NMXho
* * *
一方通行「出来たか?」
00001号「今まさに蓋を開けるところです」
一方通行「においは悪くねェな」
00001号「レシピ通りやりましたからね。これで不味かったら文句はテレビに出てた料理人に言ってください」
00001号「それでは開けます。とミサカはフライパンの蓋を外します」
一方通行「おー」
00001号「鮮やかな黄色ですね」
一方通行「具の量はンぱねェな」
00001号「伊勢海老もいい感じです」
一方通行「そォか、蓋が閉まりきってなかったのはコイツのせいか」
00001号「景気よく殻ごと突っ込みました」
00001号「ただお米がちょっとベチャベチャですね。とミサカは具材を掻きわけます」
一方通行「水気が多かったンだろォな」
00001号「おじやみたいになってますよ」
一方通行「ま、味が良けりゃいいだろ」
00001号「味見はしてないのでミサカもどんな味か楽しみです。とミサカは鼻歌交じりに食器を取り出します」
一方通行「えっ」
00001号「はい?」
104: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/01(火) 23:19:49.32 ID:Ing5NMXho
一方通行「味見してねェの?」
00001号「味は食べる時の楽しみにとっておきました。とミサカは目を輝かせます」
一方通行「それ大丈夫かよ」
00001号「大丈夫ですよ」
00001号「あなたにいつも量が多いと言われているのでちょっと控えめにしましたし」
一方通行「じゃあ大丈夫……か?」
00001号「心配ありません。とミサカは宣言します」
一方通行「そォか、なら冷めにうちに食うか」
00001号「では早速取り分けましょう」
一方通行「伊勢海老どォすンだコレ」カチャカチャ
00001号「真ん中で一刀両断して分けます。とミサカは包丁を取り出します」カチャカチャ
一方通行「二度手間」
00001号「開けた時豪華だったでしょう?」ズパン
一方通行「手!」
00001号「おお、すっかり猫の手を忘れてました。とミサカは今更猫の手にしてみます」
一方通行「よく今日手ェ切らなかったな」
00001号「運はいい方です」
一方通行「料理は博打じゃねェ」
105: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/01(火) 23:20:39.89 ID:Ing5NMXho
00001号「さて、無事取り分けましたし食べましょう」
一方通行「おォ」
00001号「いただきます」
一方通行「いただきます」
00001号「……」
一方通行「どォした? くわねェのか?」
00001号「あなたの感想待ちです。とミサカはこれからあなたの口から出るであろう言葉を心待ちにします」
一方通行「やっぱ気になンのか」パク
00001号「どうですか?」
一方通行「ンー」モグモグ
一方通行(……味ねェ)
一方通行(多分調味料の量が少なかったンだな……)
一方通行(ハッキリ言ってやった方がいいのか……適当にごまかす方がいいのか……)
一方通行(ただ誤魔化しても結局コイツも食う訳だし……)
00001号「感想はハッキリきっちりお願いします」
一方通行「……」
一方通行「味ねェ」
00001号「んなアホな」
106: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/01(火) 23:21:23.49 ID:Ing5NMXho
一方通行「ちょっと味付け抑え過ぎたかもしれねェな」
00001号「……」パク
一方通行「ま、食えるレベルだしいいンじゃねェの」
00001号「確かに味が薄いですね」
00001号「料理とは思っていたより難しいものです。とミサカは素直に負けを認めます」
一方通行「誰と競ってたンだよ」
00001号「悔しいので今度はもっと美味しく作ります」
一方通行「おォ、ガンバレ」
00001号「……」ジー
一方通行「なンだよ? 顔になンかついてるか?」
00001号「今日のあなたはなんだか優しいですね」
一方通行「はァ?」
00001号「ミサカに惚れましたか?」
一方通行「惚れる訳ねェだろ」
00001号「そんなキッパリ言わなくてもいいじゃないですか」
一方通行「惚れる訳ねェだろ」
00001号「なんで二回も言うんですか」
107: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/01(火) 23:22:15.61 ID:Ing5NMXho
* 研究所 *
天井「今日は何も起きなかったな」
研究員「もともと最速で三日というだけでしたからネ」
研究員「明日には私も少し動くので今日のところは様子見でス」
天井「何かするのか?」
研究員「今日、例の布束氏の装置の被験者を連れてきて実験してみましタ」
研究員「その実験結果の確認もかねて明日一方通行のところへ向かわせまス」
天井「揺さ振りを?」
研究員「一方通行が何か感じてくれれば儲けもんという程度でス」
天井「MNWは?」
研究員「あなたが昨日のうちにシステムを完成してくれていたおかげで、そちらはすでにテストは完了しましタ」
研究員「一瞬『最終信号』と00001号が混線しましたが、00001号が一人で買い物をしている時だったので」
研究員「一方通行も、モチロン00001号自身もソレに気付いていませんし問題はないでしょウ」
研究員「私がMNWに流した嘘の情報も00002号がちゃんと確認しましタ」
天井「どんな情報を流したんだ?」
研究員「00002号」
00002号「はい。とミサカは一歩前へ出ます」
研究員「今日の一方通行の服装はなんでしたカ?」
00002号「ネグリジェです」
研究員「はイ、正解でス」
天井「それはどうなんだろうか!!」
108: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/01(火) 23:23:16.85 ID:Ing5NMXho
研究員「とにかく明日が楽しみですネ」
天井(なんとか機能停止を前倒しに出来ないだろうか……)
研究員「気難しい顔をしてますネ」
天井「い、いやただ待つだけと言うのは胃に悪くて」
研究員「気楽に行きましょウ」
天井「……そういえば研究員Aはどうしたんだ?」
研究員「上層部が五月蠅いので黙らせに行かせましタ」
天井「うっ……」
研究員「あとパエリアの材量をおつかいニ」
天井「パエリア? なんだってそんな物を」
研究員「私だって女の子の手作り料理が食べたいんですヨ」
00002号「がんばります。とミサカは意気込みます」
研究員「期待してまス」
天井「あなたは気楽に構え過ぎだ」
109: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/01(火) 23:24:08.62 ID:Ing5NMXho
* 一方通行家・夜 *
00001号「じゃんけん」
一方通行「ぽォォォォン!!」
00001号「……」パー
一方通行「……」グー
00001号「あなたの負けですか」
一方通行「またかよ!」
00001号「これでお風呂掃除じゃんけんは三日連続でミサカの勝ちですね」
00001号「とミサカは勝ち誇ります」
一方通行「なァンなンだよ! お前じゃンけン強すぎンだろ!!」
00001号「あなたが弱いんですよ」
一方通行「なンか細工してンじゃねェだろうな」
00001号「人聞きの悪い。早くお風呂掃除してください」
一方通行「アーークソが!」
00001号「明日もよろしくお願いします」
一方通行「まだじゃンけンしてねェよ!!」
120: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/03(木) 20:09:04.36 ID:2XWoJ/dWo
* 一方通行家・四日目 *
チュンチュン
00001号「……」ボー
一方通行「……」スカー
00001号(……頭が全然回りませんね)
00001号(昨日遅くまで彼にチョッカイ出してたからでしょうか)
00001号(とミサカは眠ったままの脳で分析します)
一方通行「……」スカー
00001号「気持ち良さそうに眠ってますね」
00001号「ミサカの寝起きは悪かったのに……」
一方通行「……」スカー
00001号「そろそろ起こしましょうか。とミサカはベッドから這いずり出ます」ズリ
00001号「……」
00001号「いつもいつもよく寝ますねこの人h
ガッ!
00001号「っっ!」
00001号「~~~~~~~っ!!」
121: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/03(木) 20:09:50.02 ID:2XWoJ/dWo
00001号「ま、まさかソファの足に小指をぶつけるなんて……」
00001号「とミサカは目に涙を溜めながら小指をおさえます」
00001号「うー」フルフル
00001号「これはもうこんなとこにソファを置いたあなたの責任ですよ」
00001号「とミサカは未だ呑気に寝ている一方通行の顔を見降ろします」
一方通行「……」スカー
00001号「仕方ありませんね。とミサカはキッチンへ向かいます」
00001号「やかん……はありませんね。ポット……は流石に……」
00001号「……ミサカのコップを使いましょう。とミサカはコップに水を入れます」
00001号「ミサカの痛みを驚きに変えて食らってください」
00001号「とミサカは一方通行の耳の穴に水を注ぎ入れます」
チョロロロロ
一方通行「ダッハァァアァ!!?」
00001号「おはようございます。とミサカは半笑いで朝の挨拶をします」
一方通行「!?」
00001号「まさに寝耳に水ですね」
一方通行「うっせェ!!」
122: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/03(木) 20:10:40.87 ID:2XWoJ/dWo
* * *
一方通行「今日、昼になったら買い物行くけど……」
00001号「ついて行きます、一人でいても面白くありませんし。とミサカは朝ご飯の納豆をかき混ぜつつ返事をします」
一方通行「つーかさっき言いそびれたけど寝てる人間の耳に水入れるンじゃねェよ」
00001号「足の小指を打ったのでそのお返しです。とミサカは納豆ご飯を頬張ります」
一方通行「八つ当たりって言うンだよ、お前のは!」
00001号「でも目覚めはスッキリでしょう?」
一方通行「まだ耳に水入ってて気持ちわりィ」
00001号「ゴーっていってますか?」
一方通行「ゴーって言ってる。頭振っても全然出てこねェしよォ」
00001号「綿棒で中の水を吸ってみてはどうでしょう。とミサカはさらに納豆を練りながら提案します」
一方通行「ウチに綿棒なンてねェよ」
00001号「では耳かきの先をティッシュを包みましょう」
一方通行「めンどくせェなァ」
00001号「ミサカがやってあげますよ」
一方通行「いや、いい」
00001号「即行否定ですか。とミサカは悲しくなります」
一方通行「お前には安心して俺の耳を預けらンねェ。自分でやる」
00001号「大丈夫ですよ。ミサカのお母さんスキルは中々のものです」
00001号「とミサカは納豆でねばねばなお箸で指します」
一方通行「箸で人を指すンじゃねェ。それにお前料理ン時も同じ様な事言ってて大惨事だったじゃねェか」
一方通行「昨日はそこそこ出来てたけど」
00001号「初めての料理は確かに難しかったですが初めての耳かきぐらいミサカでも出来ますよ」
123: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/03(木) 20:11:43.26 ID:2XWoJ/dWo
一方通行「なンでお前はそンなやりたがりなンだよ。やるんなら自分の耳でやれや」
00001号「それは怖いじゃないですか。とミサカは耳を塞ぎます」
一方通行「俺はもっと怖ェンだよ」
00001号「まぁそう言わずに。とミサカh
カランカラン
00001号「……」
00001号(これは……)
一方通行「あーあー」
00001号(……)
一方通行「納豆まみれの箸を床に落としやがって……」
00001号「凄い埃が付いてますね。とミサカはお箸を拾い上げます」
一方通行「床もティッシュで拭いとけ」
00001号「……」
一方通行「おい」
00001号「もしかしてですが、このねばねばの上に大豆を置いとけば自家製納豆が出来たりしますか?」
一方通行「あ? どォだろうな。納豆菌が繁殖すンならできるンじゃねェのか?」
00001号「……」ジー
一方通行「いや、やらせねェよ!?」
00001号「ではせめて耳かk
一方通行「やだっつってンだろ」
124: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/03(木) 20:12:27.71 ID:2XWoJ/dWo
00001号「仕方ありませんね……。とミサカは床を拭きつつ考えます」フキフキ
一方通行「さっさと諦めろ」
00001号「ではこうしましょう。この耳かきは没収です」
一方通行「なンでだ」
00001号「あなたは一生ゴーってなるのに悩まさせて下さい。とミサカはニヤつきます」
一方通行「……」
00001号「困ったでしょう? とミサカは正座をしてあなたを膝枕する準備を整えます」
一方通行「買い物ン時、綿棒買えばいいだけだし」
00001号「それは反則ですよ」
一方通行「なンでだ」
00001号「いいじゃないですか。仲良くしましょう。とミサカはミサカの健康的な太ももを叩きます」ペチペチ
00001号「それに中々ありませんよ? ミサカの太ももに触れる機会など」
一方通行「アホか」
00001号「普通年頃の男の子は触りたいでしょう。とミサカはスカートの丈を少し上げて誘惑してみます」
一方通行「俺をそこら辺のガキと一緒にすンじゃねェよ」
00001号「なるほど……ココまで無反応と言う事は、アナタはもしかして」
一方通行「なンだよ」
00001号「ホ 」
一方通行「ぶっ殺すぞ」
125: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/03(木) 20:13:08.27 ID:2XWoJ/dWo
00001号「でもここでミサカにさせないとミサカはあなたをホ 認定し」
00001号「さらにご近所に触れ回りますよ? とミサカは脅しをかけてみます」
一方通行「どンだけやりたいンだお前」
00001号「……」ポンポン
一方通行「……」
00001号「……」ポンポンポンポン
一方通行「……」
00001号「……」ポンポンポンポンポンポンポンポンポンポン
一方通行「……水取るだけだからな」
00001号「やっと素直になりましたか」
一方通行「あンだけ脅しといてその台詞はありえねェだろ」
00001号「水が入ってる耳を上にしてくださいね。とミサカは一応注意を促します」
一方通行「わかってるっての」ゴロン
00001号「ではこれより緊急オペを開始します。とミサカは耳かきにティッシュを巻きます」
一方通行(怖ェ)
126: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/03(木) 20:13:50.61 ID:2XWoJ/dWo
一方通行(ってかやっぱ恥ずいってェの)
一方通行(家ン中だし誰に見られるって事はねェけどよォ)
一方通行(今俺無防備過ぎるし)
一方通行(コイツも無防備だし……)
一方通行(太もも意外と冷てェし……なンか)
一方通行(もゥ……)
一方通行(……耳あっちィ)
00001号「暗くて見にくいですね」
一方通行「耳引っ張ンな」
00001号「明るくしましょう」
一方通行「明るくって……」
バチッ
一方通行「うおォォォ!?」ガバッ
00001号「なんで跳ね起きるんですか、折角電気の閃光で明るくしたのに」
00001号「とミサカは嘆息します」
一方通行「そンなンだれでもビビるってェの!」
127: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/03(木) 20:14:29.72 ID:2XWoJ/dWo
一方通行「いいか!? 電気禁止!」
00001号「ならば手探りでやるしかないですね。とミサカは再び横になるように催促します」
一方通行「一気に全部入れたりすンなよ」
00001号「そんな危ない事はしませんよ。とミサカは指先に神経を集中させます」
一方通行(不安だ)
00001号「……」コソコソ
一方通行「……」
一方通行(くすぐったい)
00001号「どうですか? とミサカは手を休めずに質問します」コソコソ
一方通行「もっと奥っぽいな」
00001号「奥ですか」ゴリゴリ
一方通行「いてェ」
00001号「我慢してください。とミサカはさらなる奥地に踏み込みます」
一方通行「……」
ガリッ
00001号「あ」
一方通行「いってェえェェええェェえェェ!!」
128: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/03(木) 20:15:18.76 ID:2XWoJ/dWo
一方通行「お、お前っ!」
00001号「耳のつまりは直りましたか?」
一方通行「うっせェバカ!!
00001号「直りましたか?」
一方通行「……アー、アー、アーー」
一方通行「直ってるな」
00001号「ミサカのおかげですね」
一方通行「最後のが無けりゃな!」
00001号「そんなに痛かったですか? とミサカは疑惑の目を向けます」
一方通行「やってやるからその身をもって知りやがれ」
00001号「結構。とミサカはきっぱり断ります」
00001号「それより反対の耳もやりましょう」
一方通行「反対はなンもなってねェンだよ! 一人で楽しくなってンじゃねェ!」
129: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/03(木) 20:16:02.84 ID:2XWoJ/dWo
* 街中 *
00001号「今日の夜ご飯はなんにするんですか? とミサカは尋ねます」
一方通行「なンにすっかなァ。スーパー行って食材見ながら決めるとは思うが」
00001号「昨日のパエリアは失敗でしたね」
一方通行「そォだな」
00001号「それもこれも調味料の量についてミサカに苦言を呈したあなたのせいですよ」
00001号「とミサカは責任を擦り付けてみます」
一方通行「でもいつもは多いだろ」
00001号「それはそうですが」
一方通行「お前は適度ってもンを知らねェのか」
00001号「その言葉は凄く曖昧なのでミサカは全く信じてません。とミサカは胸を張ります」
一方通行「お前は何時も胸張るタイミング間違えてンな」
00001号「ジャストタイミングですよ」
一方通行「ちげーよ」
00001号「でも昨日でミサカ、少し料理の自信が付きました」
一方通行「その前に切る時の手をどォにかしねぇとな」
00001号「猫の手ですね。切る瞬間までは覚えてるんですけどね」
130: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/03(木) 20:16:43.82 ID:2XWoJ/dWo
女の子「よろしくお願いしまーす」
00001号「?」
一方通行「どォした?」
00001号「向こうで女性がなにか配ってますがあれはなんですか? とミサカは疑問をぶつけます」
一方通行「あー……宣伝だな、宣伝」
一方通行「ああやって店のチラシとか広告入りのティッシュ配って集客力あげンだよ」
00001号「ほぅ」
一方通行「ゴミになっから受け取ンじゃねェぞ」
00001号「しかし無視するのは彼女が可哀想ですよ」
一方通行「アイツも仕事だから大丈夫だっての」
00001号「……」
131: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/03(木) 20:17:32.37 ID:2XWoJ/dWo
女の子「よろしくお願いしまーす」サッ
一方通行「……」ムシ
女の子「よろしくお願いしまーす」サッ
00001号「わざわざありがとうございます。お仕事頑張ってください」
00001号「とミサカはチラシを受け取りつつ、日中の強い紫外線の中頑張っているあなたにエールを送ります」
女の子「えっ? えと……」
一方通行「お前はホント俺の言う事聞かねェな。ソイツも困っちまってンじゃねェか」
00001号「そうですか?」
女の子「あ、ありがとうございます」ニコ
00001号「よかったみたいですよ?」
一方通行「お前は……」ハァ
00001号「?」
一方通行「まァいいか」
00001号「自己完結しないでください。とミサカは袖を引っ張って抗議します」
一方通行「なンでもねェよ。で、なンて書いてあンだ?」
132: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/03(木) 20:18:45.19 ID:2XWoJ/dWo
00001号「なんだかんだであなたも興味があるのですね」
一方通行「そォでもねェよ」
00001号「えー……移動遊園地が学園都市に! 様々なアトラクションがございます! 是非お越しください!」
00001号「だそうです。とミサカはチラシに書いてあるまま伝えます」
一方通行「あー、なンかテレビでやってたな。研究所の近くだったっけか?」
00001号「遊園地行ってみたいなーってミサカはミサカはおねだりしてみたり」
一方通行「ン?」
00001号「どうしました?」
一方通行「お前今、なンか一個『ミサカ』が多くなかったか?」
00001号「そんなこと無いですよ。ミサカはいつでもどこでも一ミサカです」
一方通行「変な単位作ンな」
00001号「それより明日一緒に行きましょう」
一方通行「一人でいけ」
00001号「そんなのありえないでしょう。とミサカはツッコミを入れてみます」
133: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/03(木) 20:19:30.93 ID:iqxyFipLo
一方通行「もうすぐスーパーだから後でな」
00001号「一緒に観覧車乗りましょうね」
一方通行「献立なンにすっかなァ」
00001号「無視して有耶無耶にしないでください」
00001号「とミサカはすがります」
一方通行「はいはィ」
00001号「気のない返事ですね。忘れちゃったらミサカ泣きますよ?」
00001号「とミサカはあなたの手を振り回しながらアピールします」
一方通行「わーった! わーったからやめr
一方通行「……」
00001号「?」
一方通行「チッ……横道入ンぞ」
00001号「なんでですか。もうスーパーは目と鼻の先ですよ。とミサカは目的地を指差します」
一方通行「いいから来いっての!」
00001号「向こうに何かあるんですか?」ジーー
一方通行「おィ!」
00001号「おや……」
一方通行「行くぞ!」
134: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/03(木) 20:20:25.49 ID:2XWoJ/dWo
00001号(あの白衣の人、どこかで見た事ある様な気がするんですが……)
00001号(でもMNWにもデータはありませんし気のせいみたいですね。とミサカは自己完結します)
一方通行「DQNに見つかるってェの!」
00001号「DQN?」
DQN「……」
00001号「ああ、この前の人ですか。確かにこっち見てますね」
一方通行「いいから見つかる前にさっさと逃げるぞ!」
研究員「いってらっしゃイ」
DQN「ヒャハッ」ニタァ
00001号「……どうやらすでに見つかってるみたいですね。とミサカは冷静に状況を判断します」
DQN「クカカッ!」
一方通行「!!」
00001号「こっちに向かってきます」
一方通行「クソがァ!! 走れ! 逃げンぞ!!」
00001号「やはり戦わないんですね」
一方通行「ったり前だろ!」
DQN「一方通行ァァァァァアァァァァァアァアアァ!!!!」
135: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/03(木) 20:21:14.14 ID:2XWoJ/dWo
* 裏路地・逃走中 *
DQN「ヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッッ!!!!」
00001号「あなたは何時もこんな怖い目に会っているんですか」
00001号「とミサカは走りながら狂気を背中に感じます」
一方通行「流石にコレはいつも以上だっての!」
一方通行「どォ見てもアイツ、オカシイだろォが!」
一方通行(ナイフなンざ振り回しやがって……あぶねェったらねェっての!)
00001号「捕まったら不味いですよね」
一方通行「ナイフぶっ刺されて穴だらけになるだろォよ!」
00001号「それは嫌な死に方です」
一方通行「だったら走れ! アイツに捕まンねェよォによォ!!」
DQN「ikdserqpwlps殺mumw」
一方通行「なンだ! なンだよ! なンですかァ!? クスリでもキメちまってンのかァ!?」
DQN「vupwqdji殺sxc殺dncmvbwqlipm殺lpyx殺z!!」
00001号「ハァッ――ハァッ――」
00001号「……?…」
136: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/03(木) 20:22:02.04 ID:2XWoJ/dWo
一方通行「おィ! もっと早く走れねェのか!? 追いつかれンぞ!!」
00001号「それはそう……なんですが…何故か身体が……おm
00001号「!?」ガクンッ
00001号(足の力が……)ズザァ
一方通行「なっ!?」
DQN「アハ――――ギャハッ」
一方通行「早く立て! こけてる場合じゃねェぞ!!」
DQN「ヒャッヒャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!」
一方通行「やめろ! お前が気に食わねェのは俺だろうがっ!! そいつは関係ねェ!!」
00001号(抜け――)
DQN「くかきけこかかきくけききこかかきくここくけけけこきくかくきくこくくけくかきくこけくけくきくきこきかかか――ッ!!!!!」ヒュッ
一方通行「ミサカァァァァァァアアァァァアァァァァァァ!!!!」
ドッ
137: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/03(木) 20:23:01.63 ID:2XWoJ/dWo
* 一方通行家 *
一方通行「……」
00001号「……」
一方通行(能力使っちまった……殺しちまった……)
一方通行(もう人には絶対使わねェって決めてたのに……)
一方通行(あの日みたいな事にならねェようにしてたのに……)
一方通行(抑えられなかった)
00001号「……あの…」
一方通行「……」
00001号「あなたが能力を使ってくれたおかげでミサカは助かりました」
00001号「ありがとうございます」
00001号「そして能力を使わせてしまってすみませんでした。とミサカは頭を下げます」
一方通行「……お前が謝るような事じゃねェよ」
00001号「しかし……」
一方通行「謝ンな!」
00001号「……」
一方通行「……悪ィ……俺今日はもう休む」
一方通行「飯とかは机に財布あるから適当にやってくれ」ゴロン
138: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/03(木) 20:25:12.04 ID:2XWoJ/dWo
一方通行(クソッたれ……)
一方通行(アイツに当たっても何の意味もねェだろォが……!)
一方通行(……)
一方通行(元々こンな日常を変える為に『絶対能力進化計画』に乗ろうとしたンだ)
一方通行(最近は普通に生活が送れてたからってそんな事も忘れてた)
一方通行(アイツがウチに来たからって、俺の日常は……)
一方通行(何も変わってねェンだよ)
一方通行(……)
一方通行(浮かれちまって……元の自分の環境から目を反らして……)
一方通行(アイツを危ない目に合わせて……)
一方通行(ホント俺は、大バカ野郎だ……)
00001号「……」
139: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/03(木) 20:26:13.66 ID:2XWoJ/dWo
00001号(大分参ってますね)
00001号(当然と言えば当然でしょうが……)
00001号(ミサカがナイフで刺されそうになった瞬間、どんな能力かは分かりませんでしたが)
00001号(一瞬でミサカとDQNさんの間に入ったと思ったら、DQNさんは粉々に弾けてしまいました)
00001号(能力を使うたびあんなことが起こってしまうなら、あなたが能力を使わないのにも納得です)
00001号(とミサカは心中を察します)
一方通行「……」
00001号「……」
00001号(それにしても今朝から調子は悪かったですが、思っていたより進行が早い……)
00001号(今日一日ならまだ大丈夫だと高を括っていたミサカが甘かったです)
00001号(結果、あなたを傷つけてしまいました、すみません。とミサカは心の中でも反省します)
00001号(……本当ならあなたが立ち直るまで傍にいたいのですが)
00001号(ミサカにはあまり時間が残っていない様です。とミサカは自身の体調を予測します)
00001号(しかしあなたをこのまま放っておく訳にもいかない)
00001号(ミサカがあなたに最後に出来る事は……)
00001号「……」
00001号「……少し、買い物に行ってきます」
一方通行「……」
145: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 17:48:05.06 ID:9gJGhN0uo
* 一方通行家・夜 *
一方通行「……」
一方通行(いつの間にか寝ちまったのか)ムク
一方通行「……」
一方通行(クソ……まだ頭ン中ゴチャゴチャする……)
一方通行「……」
一方通行「あァ?」キョロキョロ
一方通行「アイツ何処行ったンだ?」
一方通行「……」
一方通行(時間は夜の十二時……)
一方通行「アイツがこの時間に外行ってンのか?」
一方通行「……いやァ、ねェだろ。夜更かしは美容の天敵とか言ってたしな」
一方通行「何時もならそろそろ布団入る時間だ……」
一方通行「でもいねェしな」
一方通行「研究所に戻ったのか?」
一方通行「……」
一方通行「……ねェな」
一方通行「戻るなら俺に言うだろフツー……」
一方通行「………」
146: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 17:48:55.60 ID:9gJGhN0uo
一方通行「……」
一方通行「なァに柄にもなく不安になってンだ俺は」
一方通行「どォせアイツの事だ」
一方通行「俺が寝ちまう前に買い物に行くって言ってたからな」
一方通行「フラフラ寄り道して道が分からなくなってたりしてンだろ」
一方通行「そォに決まってる」
一方通行「……」
一方通行「ココ以外、他に行く場所はねェンだ」
一方通行「それに一週間はいるって言ってたじゃねェか」
一方通行「今日はまだあいつが来て四日目だ」
一方通行「勝手にいなくなったりはしねェはず……」
一方通行「……だよな」
一方通行「……」
一方通行「あーもォなンなンだよ!」
一方通行「……なンでいねェンだよ」
147: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 17:49:44.02 ID:9gJGhN0uo
一方通行「ン?」クンクン
一方通行「飯の匂い……」
一方通行「なンかテーブルの上に置いてあンな」
一方通行「……」
一方通行「パエリアか」
一方通行「昨日の残りじゃねェよな」
一方通行「アイツが残りは一人で平らげてたし……」
一方通行「伊勢海老からロブスターに変わってるし」
一方通行「あいつまたパエリア作ったのか?」
一方通行「つーかロブスター詰めすぎなンだよ。昨日より絵面キモくなってンじゃねェか」
一方通行「……」
一方通行「探しに行くか……」
一方通行「何もねェとは思うけど」
一方通行「何もねェとは思うけど……」
148: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 17:50:39.19 ID:9gJGhN0uo
* 研究所 *
研究員A「現場より報告です! 一方通行動き出しました!」
天井「やっとか」
研究員「結構時間がかかりましたネ。寝てたんでしょうカ」
天井「もしそうだとしたらかなりバカだな。00001号の機能停止も近いと言うのに」
研究員「そう言ってあげないでくださイ。彼は何も知らないのですかラ」
天井「さて、ここからアイツはこっちの思惑通り動いてくれるのか」
研究員「動くように祈りましょウ」
天井「我々研究者が神頼みか。滑稽だな」
研究員「それにしてもアナタが用意したMNW用ウイルスは大成功ですネ」
研究員「00001号の活動停止までを一気に縮める事が出来ましタ」
天井「もともと00001号の身体は今朝から不安定にはなっていたようだったからな」
天井「上手く作動してくれた」
研究員「よく数時間でこんなものが作れましたネ」
天井「……」
研究員「……」
天井「量産能力者計画から妹達に携わってきたからな」
研究員「……そうでしタ」
149: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 17:51:42.04 ID:9gJGhN0uo
天井「ただ最初は断られると思ったんだがな。了承してくれてよかったよ」
研究員「何故でス? 計画が進むなら断る理由はありませんヨ」
天井「ウイルスを仕込むと凍結中の00003号以降はまだしも00001号だけでなく稼働中の00002号にも影響が出るからな」
研究員「それガ?」
天井「可愛がっていただろう? 00002号のこと」
研究員「まさカ、ただの暇つぶしですよ。モルモットに愛情などありませン」
天井「ハッ」
研究員「どうしましタ?」
天井「いや、前にあなたが言っていた事を思い出してね」
研究員「?」
天井「確かに普通の人間ではない様だ」
天井「少なくとも一方通行よりは」
研究員「くだらない事を覚えてますネ」
150: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 17:54:01.80 ID:9gJGhN0uo
研究員「さて無駄話もここまでにしましょウ」
研究員「彼が動き出した以上いつここに来てもおかしくなイ」
研究員「いつでも実験が始められるよう準備ヲ……」
研究員A「あの……」
天井「どうした?」
研究員A「その一方通行なんですが」
研究員「00001号と接触しましたカ?」
研究員A「逆です。てんで的外れな方向に動いてるようです」
天井「……」
研究員「まア……」
研究員「最悪こちらから場所を教えてあげましょウ」
天井「胃が……」フラ
研究員A「天井さーーん!!」
151: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 17:55:07.94 ID:9gJGhN0uo
* デパート *
一方通行「……」
一方通行「……この時間に開いてるわけねェわな」
一方通行「アイツもいねェし……」
一方通行「……」
一方通行「散々服買わされたっけか」
一方通行「まだアイツが着てないのも部屋の隅におきっぱだ」
一方通行「下 ……もだし……」
一方通行「……アレは恥ずかった」
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「なに思い出してんだ俺は……」
一方通行「さっさと次行くか」
152: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 17:59:18.91 ID:9gJGhN0uo
* スーパー *
一方通行「またハズレかよ」
一方通行「……」
一方通行「最初はカレーだったか」
一方通行「千切りのジャガイモが入った……」
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「それにしても夜の学園都市ってのは寂しいもンだな」
一方通行「何もねェし誰もいねェ」
一方通行「……」
一方通行「つーかそろそろ出てこいよ……」
一方通行「……ミサカ」
153: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 18:00:48.19 ID:9gJGhN0uo
* 家具屋 *
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「……」
* ファミレス *
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「……」
154: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 18:01:39.69 ID:9gJGhN0uo
* 街中 *
一方通行「――いねェ」
一方通行「どこにも……」
一方通行「……」
一方通行「虱潰しに回るにしても学園都市は結構広いしな」
一方通行「それにもう探し始めてから大分時間が経ってる」
一方通行「……」
一方通行「一回家に戻ってみるか?」
一方通行「アイツも戻って来てるかも知れねェし」
一方通行「行き違いになったって事もありえるからな……」
一方通行「……」
一方通行(なに走ってンだ、俺……)
155: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 18:02:41.33 ID:9gJGhN0uo
* 一方通行家 *
一方通行「帰って来てねェのかよ……」
一方通行「マジでどこに行ってンだよ」
一方通行「……」
一方通行「出てこねェなら寝ちまうぞォ!!」
一方通行「一人でパエリア食っちまうぞォ!!!!」
一方通行「……」
一方通行「……」
カサ
一方通行「……?」
一方通行「なンだ?」
一方通行「手紙?」
一方通行「さっきは気付かなかったな……」
一方通行「……」
一方通行「俺はアイツが居ないだけでどンだけテンパってンだよ、バカか」
一方通行「……」
一方通行「……」
156: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 18:03:30.20 ID:9gJGhN0uo
本当はもっとあなたの傍にいたくて
本当はもっとあなたをイジっていたかった
あなたと居るのはとても楽しかったです
ただもうミサカには時間がありません
最後の数日があなたと居られてよかった
でも、だからこそ
ミサカはあなたの前から消えます
ありがとう
ごめんなさい
そして、さようなら
ミサカ
157: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 18:05:01.01 ID:9gJGhN0uo
一方通行「ンだよコレ……」
一方通行「まだ夕方の事で頭ゴチャゴチャしてるってのに……」
一方通行「全然頭の処理が追いついてねェンだよ……」
一方通行「消えるってなンだよ」
一方通行「最後ってなンだよっ!」
一方通行「意味わかンねェこと書いてンじゃねェ」
一方通行「ミサカ……っ」
そうですね、捨てミサカです。
どォせ研究所戻ってなンやかンやするンだろ?
……そんな感じです。とミサカは肯定します
一方通行「……」
一方通行「俺ァ本当にバカなンだな……」
一方通行「研究所の人間が一度捨てたもンを拾い上げるわけねェだろ……」
一方通行「そンなの腐るほど見てきただろォが」
一方通行「……」
一方通行「普通に考えりゃ分かる事だったンだ」
一方通行「一週間、それが……」
一方通行「アイツの寿命だった……」
158: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 18:06:02.16 ID:9gJGhN0uo
一方通行「ふっざけンじゃねェぞ……」
一方通行「嘘まで吐きやがって」
一方通行「迷惑かけるだけ掛けて勝手に消えンじゃねェ!」
一方通行「俺まだ風呂掃除のじゃンけン勝ってねェし!」
一方通行「買ってやった洋服は置きっぱだし!」
一方通行「パエリアはあンだけ注意したのにやっぱりサフラン臭ェ!!」
一方通行「お前に言わなきゃいけねェ事は山ほどあンだよ!!」
一方通行「絶対見つけ出して……」
一方通行「なにしてでも救ってやるからなァ!!」
159: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 18:06:49.69 ID:9gJGhN0uo
* 街中 *
一方通行「つーか、勢いよく出てきたはいいが」
一方通行「助けるってどォすりゃいいンだ?」
一方通行「普通に病院連れていきゃァいいのか」
一方通行「それとも……」
一方通行「……」
一方通行「その可能性の方が高いか……」
一方通行「……まァ、なンの問題もねェよ」
一方通行「それより手紙には時間がねェって書いてたな」
一方通行「つーことは限界が近いって事だろうが、そンな奴が遠くまで行けるとは思えねェし」
一方通行「どこだ……」
一方通行「アイツが行ける場所」
一方通行「……」
一方通行「アイツが行きたい場所?」
一方通行「……」
一方通行「……」
一方通行「……いろよ」
一方通行「……」
160: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 18:07:32.85 ID:9gJGhN0uo
* 学園都市・移動遊園地前 *
00001号「なんとか……遊園地に……つき……ましたが」
00001号「そうですよね……」
00001号「開いてるわけないですよね。とミサカは少し残念に感じます」
00001号「ミサカも……死を前に……は冷静で……いれなかったようですね」フラ
ドサッ
00001号「いたっ」
00001号「……」ハァ
00001号「立っていれなくなりましたか……」
00001号「いよいよもって……ミサカは……死んでしまうようです……」
00001号「――――」
00001号(正直超臭かったですが)
00001号(パエリア食べてくれるでしょうか……)
00001号(なんだかんだ)
00001号(あなた……の……言う事は正し……かっ)
00001号(とミサ……は最……後に悔います……)
161: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 18:08:20.31 ID:9gJGhN0uo
00001号「――――」ハァ
00001号(暗い)
00001号(深い)
00001号(海の底に沈むような……)
00001号(これが)
00001号(『死』です……か)
00001号(と……)
00001号(ミ――)
00001号「――――」
00001号「――――――――」
00001号「――――――――――――――――」
一方通行「起きろ」ペシン
00001号「あぅ」
162: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 18:09:08.25 ID:9gJGhN0uo
一方通行「やっと見つけた……」
00001号「……」
一方通行「勝手に消えて心配掛けやがって」
00001号「なん……で」
一方通行「そりゃァ……アレだ」
00001号「……」
一方通行「お前が……」
一方通行「ミサカが、大事だから」
00001号「……っ」
一方通行「能力が発現してから、俺はずっと一人だった」
一方通行「寄ってくるやつァ全員俺の能力目当て」
一方通行「誰一人として『俺』を見てくれるやつなンていなかった……」
一方通行「でも、お前は違った……」
一方通行「初めて『俺』を見てくれた」
一方通行「お前はうぜェし」
一方通行「ワガママだし人の話聞かねェが」
一方通行「俺と友達みたいに接してくれた」
00001号「……」
一方通行「すげェ嬉しかった」
163: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 18:09:57.19 ID:9gJGhN0uo
一方通行「お前と話すのも」
一方通行「お前とふざけ合うのも」
一方通行「お前とどっか行くのもすげェ楽しかった」
一方通行「俺はこの感情を手放したくねェ」
一方通行「もっとずっと一緒にいたい」
一方通行「この感情がなンなのかはわっかンねェけど」
一方通行「俺にはお前が大切なンだよ」
一方通行「起きた時お前が居なくなってて、見つけられなくて、それでやっと気付いたンだけどな」
00001号「ミサカも……同じです」
00001号「ミサカが初めてあなたと会った時、あなたはミサカの事を人間だと言ってくれました」
00001号「それがすごくうれしくて……」
00001号「あなたと過ごした四日間が楽しくて……」
00001号「……ギリギリまで……一緒にいたくて」
00001号「でも、ミサカの事は忘れて欲しくて」
00001号「だからあなたの前から消えr
一方通行「だからっ!」
一方通行「だから守る」
一方通行「ミサカに一緒にいて欲しいから」
164: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 18:10:44.44 ID:9gJGhN0uo
一方通行「ココ来る途中に研究所の連中とは話を付けてきた」
一方通行「問題ねェ」
00001号「それは……ウソです……ね」
一方通行「嘘じゃねェよ」
一方通行「俺が無償で『絶対能力進化計画』とは別の実験を受ける事で話はついた」
00001号「バカですかあなたは……」
00001号「彼らg――」
一方通行「あァ?」
00001号「――――」
一方通行「ミサカ!?」
00001号(意識が……)
一方通行「不味いな……悠長に話してる場合じゃなかったンだっつーの」
00001号(待ってく……ださい……実験は――)
一方通行「あとちょっとだけ我慢しろよ、すぐに助けてやる」
一方通行「そンで元気になったら、そしたら一緒に観覧車でもなンでも乗ってやっからよォ」
一方通行「だから勝手に死ぬんじゃねェぞ」
165: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 18:11:32.15 ID:9gJGhN0uo
* 研究所 *
研究員「見つかりましたカ」
一方通行「あァ」
研究員「それは良かったですネ」
一方通行「ちゃンと、助けろよ」
研究員「分かってますヨ。そういう契約ですかラ」
研究員「キミ、すぐにコレを運んでくださイ」
一方通行「『コレ』じゃねェよ」
研究員「は?」
一方通行「『ミサカ』だ」
研究員「……」ハァ
研究員「ミサカ00001号を運んでくださイ」
研究員B「はい」
00001号「――――」
一方通行「心配すンな。お前は俺が守る」
00001号「――」
研究員「あなたも、さっさと実験の準備に取り掛かってくださイ」
一方通行「分かってるってェの」
研究員A「こっちだ」
一方通行「はィはィ」
166: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 18:12:41.32 ID:9gJGhN0uo
* * *
研究員「……」
天井「取り敢えず終わったな。胃が消滅するかと思った」
研究員「なに言ってるんですカ、これからですヨ」
天井「しかし、一方通行もまさかこれから自分の記憶と感情、性格が改竄されるなんて思いもしてないだろうな」
研究員「初めからこうしていたら余計な手間が省けたんですけどネ」
天井「だがこれで『絶対能力進化計画』は進む」
研究員「えエ。実験台にしたDQNもかなり好戦的になってくれましたからネ」
研究員「一方通行もうまくいくでしょウ」
研究員「ただ、少しだけ彼の時と一方通行に与えるデータは変えましタ」
天井「なぜだ?」
研究員「何と言うカ、野 的になり過ぎてましたかラ」
研究員「一方通行を刺すはずが00001号を襲いましたシ」
研究員「彼がLEVEL0だったから良かったものノ、もし一方通行が同じ様に暴れたりしたラ」
研究員「学園都市そのものが吹き飛んで実験どころじゃ無くなりますからネ」
研究員「ちょっと理性を無くしすぎましタ」
天井「なるほど」
研究員「あとMNWは現在ある全てのデータを削除したのチ」
研究員「少し改良しましょウ。今日また混線が起きてしまいましタ」
天井「わかった。では私がやっておこう」
研究員「お願いしまス」
167: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 18:13:36.95 ID:9gJGhN0uo
研究員「私は学習装置の入力情報を少し書き換えていますので何かあればソチラに来てくださイ」
天井「書き換え?」
研究員「今回の事を振り返ってみたのですガ」
研究員「不幸中の幸いと言いますカ」
研究員「00001号は私達が思っていた以上にフレンドリーというか感情豊かでしタ」
天井「そうだな。あなたの作戦もそれありきだったし」
研究員「えエ。おかげでなんとかにココまでこれましタ」
研究員「たダ」
天井「?」
研究員「一方通行も次は真面目に実験に参加してくれル、というかそうなるように弄りますシ」
研究員「本格的に実験が始まりまス」
研究員「そうなってくるとやはり邪魔なんですヨ。余計なものハ」
研究員「妹達が命乞いでもしたら面倒でしょウ?」
研究員「だからそうならない様に情報を書き換えて、妹達全員に入力し直すんですヨ」
天井「なにかあっても『最終信号』があるじゃないか」
研究員「アレは飽くまで緊急停止用でス」
天井「徹底的だな」
研究員「命がけですかラ」
研究員「私モ。もちろんあなたもネ」
天井「……」
168: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 18:14:31.02 ID:9gJGhN0uo
研究員「さテ」
研究員「あなた達はこれから一方通行宅に行ってください」
研究員CD「「え?」」
研究員「そしてこの四日間の00001号との軌跡を一つ残さず消して来てくださイ」
研究員「この四日間どころか能力発現から今日までの全ての記憶を弄リ」
研究員「その記憶の内容に見合う性格や感情、行動原理まで入力しているのデ」
研究員「自分を疑う事は無いでしょうガ」
研究員「なにが改竄後の一方通行に影響するかも知れませン」
研究員「本当は学園都市ごと作り変えたいんですけどネ。流石にそうもいきませン」
研究員「なので二人のいる時間が一番長かった場所だけでモ」
研究員「徹底的に排除しまス」
研究員CD「「わかりました」」
研究員「よろしくお願いしまス」
169: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 18:15:04.00 ID:9gJGhN0uo
* * *
170: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 18:15:57.37 ID:9gJGhN0uo
研究員「サヨウナラ、一方通行」
171: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 18:16:49.47 ID:9gJGhN0uo
* * *
研究員「サヨウナラ、一方通行」
172: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 18:17:26.44 ID:9gJGhN0uo
ミスったwww
173: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 18:19:58.66 ID:9gJGhN0uo
一方通行『クク』
一方通行『国際法で禁止されてる人間のクローンの大量生産たァ』
一方通行『ハナからまともな実験じゃねェンだろうとは思ってたが』
一方通行『オマエラ』
一方通行『イイ感じに頭のネジ飛ンでンじゃねェか』
研究員A『元は別の計画で使われる予定だったモノだがね』
研究員A『色々あってこっちに流用する事になった』
研究員A『これを見て』
研究員A『それでもなお『無敵』を望むかね?』
一方通行『――』
174: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 18:20:45.22 ID:9gJGhN0uo
* * *
175: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(仮鯖です) 2011/11/05(土) 18:21:50.82 ID:9gJGhN0uo
* 実験所 *
一方通行「よォ」
一方通行「オマエが実験相手って事でいいンだよなァ」
00001号「はい。よろしくお願いします」
~ To Be Continued ~
コメントする
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。