1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/16(金) 21:46:34.53 ID:URyjX1Ym0
幼「今目の前にいるのは誰よ?!」

男「いや、俺だけど」

幼「生きてるじゃない!」

男「幽霊ってやつだろ、多分」

幼「そ、そんなはずは…」

引用元: 幼馴染「はぁ? 死んだ?」 男「そう、死んだ」 



3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/16(金) 21:51:01.04 ID:URyjX1Ym0
男「まぁ、触ってみろよ、●●●でも」

幼「何ふざけてんのよ!」スカ!

男「な?」

幼「ほ、本当だ…」
  「…」

男「さて、どうしようか?」

幼「そんなの私に聞かないでよ…」グス

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/16(金) 21:53:59.94 ID:URyjX1Ym0
男「泣いてんの?」

幼「だって…」

男「まぁ、落ち着けよ」

幼「…」グスグス

男「とにかく、今日はもう出てくわ 近くの公園にいるから何かあったら言ってくれ」

幼「ちょ、ちょっと待って!」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/16(金) 21:58:02.46 ID:URyjX1Ym0
幼「行っちゃった…」
  「…疲れた… もう寝よう」

翌日

幼「…はぁ…」
  「もう3年近く会ってなかったのに…」
  「久しぶりに会ったら幽霊なんて…」

男「おいーす」
  「どうした、そんなに落ち込んで」

幼「だって、男が…」
  「って、なんでここにいるのよ!」

男「いや、暇だったんで…」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/16(金) 22:00:45.12 ID:URyjX1Ym0
男「相変わらず胸がないね」

幼「…どこから見てた?」

男「まぁ、ブラ辺りから」

幼「バカ!」///

男「おいおい、死んでるんだからそれくらい良いだろ…」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/16(金) 22:06:50.21 ID:URyjX1Ym0
幼「…何でついてくんのよ」

男「いや、暇だし」

幼「誰かに見られたらどうすんの!?」

男「大丈夫、おじさんにもおばさんにも見えてなかったし」

幼「…」

幼友「幼ー! おはよう!」

幼「あ、友! おはよう」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/16(金) 22:15:11.61 ID:URyjX1Ym0
友「幼、知ってる?」

幼「何を?」

友「転校生よ!」

幼「転校生?」

男「転校生ね」
  「男、女?」

友「そう、男だって!」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/16(金) 22:19:18.78 ID:URyjX1Ym0
幼「ふーん…」

友「ふーんって…」
  「イケメンだったらどうすんの?!」

幼「はは、ないない」

男「どうかな?」

幼(ちょっと、黙ってて)

友「転校してきた男の子と恋に落ちるシチュエーション」
  「素敵じゃない?」

男「まぁ、素敵だね」

幼「…」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/16(金) 22:26:53.41 ID:URyjX1Ym0
幼「…」

友「幼ー?」
  「聞いてるの?」

幼「聞いてるよ」

男「へぇ やったじゃん」

幼(うるさい)

男「何だよ、冷たいな…」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/16(金) 22:37:35.88 ID:URyjX1Ym0
先生「転校生を紹介する」

転校生「どうも、転校生です、よろしくお願いします」

女子1「あ、ちょっとカッコ良くない?」

女子2「うん、カッコ格好いい」

女子3「あたし好みかも」

男「確かにイケメンだ…」

━━━ワイワイ

先生「はいはい、うるさい黙れー」
   「席は… 幼の隣で良いか」

幼「…」ボケー

先生「おい、幼聞いてんのか?」

幼「はい! 聞いてます!」

転「よろしくね幼さん」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/16(金) 22:49:45.59 ID:URyjX1Ym0
幼「はぁ… よろしく」
  (あれ、男がいない…)

友「いいなぁ、幼」

転「あ、今日一日教科書見せてもらっても良いですか?」

幼「どうぞ」 
  (どこ行ったんだろ…)

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/16(金) 22:55:57.50 ID:URyjX1Ym0
男「ふんふーん、ええと更衣室は、と…」
  「お、ここね 御邪魔します!」スイ


幼(男、死んじゃったんだよね… まだ伝えてないことあったのに…)

転「幼さん… 幼さん…!」ボソボソ

幼「…どうして…?」

先生「おい、幼! 話聞け!」

幼「! はい! すみません!」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/16(金) 23:04:51.13 ID:URyjX1Ym0
転「さっきは大変だったね」ニコ

幼「まぁ、そうだね」

友(ちょっと、幼のやつ、何であんなにあっけらかんとしてんのよ)
  (もっと積極的に行かないと!)

転「あの、良かったらお昼一緒にどうかな?」

幼「は、はぁ」

転「良かった」

幼(もう… 男、早く戻ってきてよ…)

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/16(金) 23:08:58.64 ID:URyjX1Ym0
幼「そう言えば、転君はこの時期にどうして転校?」モグモグ

転「まぁ… 色々あってね」パク

幼「ふーん」

転「少し浮かない顔をしているようだけど、迷惑だったかな…?」

幼「そ、そんなことないよ…!」
  「ちょっと考え事を…」

転「もしかして好きな人の事?」

幼「な、そんなわけないよ!」///

転「分かりやすいね、幼さん」

男「そうそう、分かりやすいやつなんだよ昔から」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/16(金) 23:13:58.14 ID:URyjX1Ym0
幼(! 男、いつの間に…!)

転「ごめん、ごめん、冗談だったんだけど」クスクス

幼「もう、人が悪いなぁ…転君」

友(いいぞ、幼、その調子だ!)

女子1「…何よ幼の奴」

女子2「でも…」

女子3「ちょっとお似合いかも…」

男「良い感じじゃないか」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/16(金) 23:18:14.13 ID:URyjX1Ym0
転「幼さんとは気が合うよ」ニコ

幼「そうかな?」

転「僕はそう思う」

男「へぇ…」ニヤニヤ

幼「…」イラ

幼「転君、授業始まるよ!」

転「う、うん」

男「おいおい、転君ビビッちゃってるよ」ゲラゲラ

幼「う、うるさいな」

転「あ、ごめん…」

幼「ち、違うの!」

転「…」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/16(金) 23:21:44.97 ID:URyjX1Ym0
下校時刻

転「今日はありがとう、幼さん」
  「明日からまたよろしくね」ニコ

幼「う、うん」///
  (やだ、ちょっとカッコイイかも)

男「…」ニヤニヤ

転「あ、あの、良かったら…一緒n」

幼「じゃあね! 転君!」
  (ほら、帰るよ! 男!)

男「ヘイヘイ…」

転「…」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/16(金) 23:25:51.18 ID:URyjX1Ym0
幼「ちょっと、昼はどこにいたの!?」

男「いや、裸体を拝みに、女子更衣室に」

幼「な、何それ!?」
  「変 犯罪者!」

男「いやいや、死んでるんだから犯罪にはならんだろ」

幼「屁理屈男…」

男「何とでも言ってくれ、痛くも痒くもない」
  「死んでるし」

幼「…!」シュン…

男「おいおい、何シュンとしちゃってんの?」ゲラゲラ

幼「バカ…」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/16(金) 23:31:05.43 ID:URyjX1Ym0
男「おい、そんなに落ち込むなよ…」

幼「だって… もう会えないんだよ…?」

男「まぁ今会ってるけど」

幼「うるさい」

男「人はいつか死ぬ、早いか遅いかそれだけだ、って偉い人が言ってたぜ?」

幼「…」グス

男「お、もう家に着いたな、じゃあ」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/16(金) 23:37:23.21 ID:URyjX1Ym0
幼「待って!」

男「何だ?」

幼「そ、その… 公園は寒いでしょ? う、家に来ても良いよ?」

男「…」

幼「そ、その… あの…」

男「遠慮しとくわ」ケラケラ
  「昨日ブラ姿は拝んだし、一人の方が落ち着くしな」ニカ!

幼「そう…」
  「…おやすみ」

男「おう、おやすみ、また明日な!」

37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/16(金) 23:43:45.71 ID:URyjX1Ym0
男「幼んとこにいたら、積もる話しちゃいそうだしな…」
  「引越して3年、死んでから… 何日だろう…」

男「気温に関係なく結構寒いんだよね…この体」

───キィキィ…

男「ブランコか…」
  「ガキの頃は幼とよく遊んだっけ…」


幼『わたし、大きくなったら男のおよめさんになるー!』

男『わかった! オレが幼をしあわせにするぜー!』

幼『やくそくだよ?!』

男『あぁ! やくそくだ!』

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/16(金) 23:54:06.53 ID:URyjX1Ym0
翌日

幼「昔の夢見ちゃった…」
  「男… どうしてるだろ…」


男「おいーす!」

幼「おはよう…」
  「相変わらず馬鹿面ね…」

男「ちょっと、朝一でそれは無いんじゃない?」

幼「もう、学校行くよ!」


幼「この道覚えてる?」
  「中学校の時に一緒にこの道通ったよね」

男「懐かしいな… お前、犬の●●●踏んで大泣きしなかったっけ?」

幼「踏んだのはあんたでしょ」
  「それをくっつけようとしたから…」

男「あぁ! そうだった」ゲラゲラ


44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/16(金) 23:56:06.81 ID:URyjX1Ym0
転「幼さーん!」

幼「あ、転君、おはよう」

転「おはよう」
  「一緒に行っても良いかな?」

幼「う、うん」チラ

男「俺は気にすんな」
  「女子のスカート覗いてくるわ」

幼(もう! 男!)

転「? どうしたの?」

幼「な、何でもないよ?」アセアセ

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/16(金) 23:59:56.07 ID:URyjX1Ym0
幼「友ー、おはよう」

友「おはよう、幼」
  「!」
  「ちょっと! あんた!」

幼「何?」

友「何で転君と一緒に入ってきたの?」

幼「何でって、途中で一緒に来たからだけど?」

友「ずるい~!」

幼「ずるいって…」ハハ

転「?」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 00:04:47.45 ID:DL4Ekesi0
男「…手が …ちょっとずつ透けてきてるな」
  「…これはもうすぐ消えるってことなのか?」
  「…」
  「……そうだよな」ハハ
  「はぁ…」



幼(どこ行ってたの? 男)

男「ちょっと小便に」

幼「下ネタ…」

男「その辺見てきただけだよ、それに下ネタなんてガキの頃たくさん言ってただろ」

幼「中二でぱったり聞けなくなったけどね…」

男「まぁ引っ越したからな」

転「幼さん、ちょっと良いかな?」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 00:07:36.81 ID:DL4Ekesi0
幼「何?」

転「この問題なんだけど…」

幼「あ、ここね」
  「これは…」

男(上手く行ってんじゃん)ニヤニヤ

幼(何ニヤついてんのよ、男の奴…)

転「…幼さん?」

幼「あ、ごめん」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 00:10:56.76 ID:DL4Ekesi0
幼「…」ハァ…
  (男、またどっか行っちゃった…)

転「幼さん、元気ないね? もしかして疲れてる?」

幼「そ、そんなことないよ?」
  (あいつに振り回されてるけど…)

転「何か変わったことがあれば相談してね?」

幼「うん、ありがとう」ニコ

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 00:15:55.92 ID:DL4Ekesi0
放課後

幼「結局男戻ってこなかったな…」

転「幼さん、良かったら一緒に帰らない?」

幼「んん… どうしようかな…」

男「ほら、せっかく誘ってんだから一緒に帰れよ」

幼「確かに、一緒に帰った方が良いかな…」
  「!」
  (ちょっと、どこ行ってたの?!)

転「どうしたの?」

幼「ご、ごめん、急用を思い出して…」

男「急用は思い出すもんじゃなくて、出来るもんだろ…」

幼「ごめんね、転君!」
  「それじゃあ!」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 00:24:15.08 ID:DL4Ekesi0
幼「もう、どこ行ってたの!?」

男「ちょっと大便に」

幼「あんたトイレ行かないでしょ…」

男「まぁそうだけど…」

幼「…男は…」

男「ん?」

幼「…一緒に居たくないの?」

男「…」

幼「私はもっと一緒に居たいの!」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 00:29:20.66 ID:DL4Ekesi0
男「あのな… 俺は死んでるんだ」
  「幽霊なわけ、お分かり?」
  「アーユーレイディ―?」

幼「意味分かんない...」

男「今の笑ってもらうとこなんだけど…」
  「…俺とあんまり長くいると、お前の身体に影響するんだよ…」
  「ほら、霊障って聞いたことあるだろ?」

幼「…そんなの関係ないよ…」

男「おいおい…」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 00:33:27.98 ID:DL4Ekesi0
幼「…」グスグス

男「お、おい、泣くなよ…!」アセアセ

幼「…」

男「困ったな…」
  「ほら、今はここに居るんだから」スカ
  「…触れないけど…」

幼「…きて」

男「?」

幼「今日は家に来て!」

男「おいおい…」

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 00:36:19.20 ID:DL4Ekesi0
男「…」

幼「男が来ないなら、私が公園に行くから!」

男「…」
  (あそこは変 が出るんだぞ…)
  「分かったよ、しばらく厄介になるよ」

幼「本当?!」パァ!

男「あぁ、本当だ」

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 00:40:24.32 ID:DL4Ekesi0
幼「ただいまー」

幼母「おかえり、幼」

幼「あ、今日は勉強するから部屋で軽くご飯食べるね」

幼母「あら、珍しい 熱でもあるのかしら?」

幼「もう! 熱なんて無いよ!」

幼母「ごめんごめん」フフ

男「相変わらず、仲良いね」

幼「そうかな?」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 00:46:08.60 ID:DL4Ekesi0
幼「さ、男、部屋に行こう」

男「わざわざ無理しなくて良かったんだぞ?」

幼「いいの!」
  (だって男が一人で夕飯の様子見ることになっちゃうじゃない...)


男「お、これ学習合宿の写真じゃん 懐かしいな…」

幼「懐かしいでしょ?」
  「一緒の班だったよね」

男「そうだったな、一緒の班だったのに、他の男と良く絡んでたからすごく嫌な感じだったな」

幼「そうだっけ?」ケロ

男「そうだよ、俺の気も知らないで……」ハッ!

幼「…」///

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 00:49:19.48 ID:DL4Ekesi0
幼「今、何て言ったの?」///

男「いや、その…」

幼「もう一回言ってよ!」

男「…嫌だよ」///

幼「お願い! もう一回言って!」

男「う、うるさいな…」///
  「俺の気も知らないでって言ったんだよ…」///

幼「嬉しい…」

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 00:51:44.51 ID:DL4Ekesi0
男「お、おい、もう寝た方が良いんじゃないのか?!」///

幼「んふふ… そうだね」

男「全く、俺は寝るぞ…」
  「まぁ、寝れないけどな」

幼「…」
  「ねぇ、男?」

男「何だよ?」

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 00:59:12.09 ID:DL4Ekesi0
幼「私、ずっと男の事…」

男「…」
  「…もう寝ようぜ」

幼「うん…」
  「…」
  「ねぇ…」

男「今度は何だよ?」

幼「…一緒に寝ない?」

男「な、な、な…!」

幼「か、勘違いしないでよ! 床で寝るのが可哀そうだから!」ゴニョゴニョ…

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 01:01:31.76 ID:DL4Ekesi0
幼「良いでしょそのくらい! あんたのためなんだから!」

男「いや、さすがに…」

幼「そ、その… あの…」///

男「…しょうがないな、今日だけだぞ?」

幼「うん…」///

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 01:04:23.53 ID:DL4Ekesi0
幼「…ドキドキするね…」

男「そ、そうだな…」

幼「男…」スカ…

男「…」

幼「やっぱり、触れないね…」

男「…おやすみ」

幼「うん… おやすみ…」

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 01:10:13.21 ID:DL4Ekesi0
男「…もう寝たか」
  「…眠気もない、食欲もない、体温も、でも確かに今はドキドキしてる…」
  「もうすぐ終わるのか…」
  「転の奴は幼を大事にしてくれるよな…」

幼「くー…くー…」

男「一緒に寝るのは小一以来…」スカ…
  「もうすぐ、こいつの髪を撫でられなくなるのかな… 今も撫でられてないか…」
  「…」

幼「男、ずっと一緒だよ…?」

男「ごめんな… その約束は出来そうもない…」

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 01:16:21.25 ID:DL4Ekesi0
幼「おはよう… 男…」ニコ

男「おはよう!」
  「お前、寝言多過ぎだろ」ケラケラ

幼「ちょっと聞いてたの!?」

男「まぁ、聞こえますよ、横で寝てるわけだし」

幼「もう! バカ!」///

男「あ、そうだ、ちょっと用事あるから先に行ってるわ~」

幼「また覗きに行くわけじゃないでしょうね…」ジトー

男「そんなわけないだろ!」
  「多分」ボソ…

幼「今何て…?」ギロ

男「何でもねーよ、じゃあ、先に行ってるわ!」

幼「あ! ちょっと!」

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 01:18:03.95 ID:DL4Ekesi0
幼「今、ちょっとだけ透けてた…?」
  「幽霊だから?」




男「…よう、待たせたな…」


93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 01:21:52.44 ID:DL4Ekesi0
転「やっと来たね…」

男「おまえさ、本当のところいつから見えてたんだ?」

転「? ずっとだけど?」

男「ふーん」
  「んで、あとどのくらい持つ?」

転「そうだね… 後12時間ってとこじゃない?」

96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 01:24:38.15 ID:DL4Ekesi0
男「何とかこの世に残る方法は…?」

転「有るにはあるけど… 多分理性を保ってられないんじゃないかな?」
  「理性があるうちに行った方がいいよ?」

男「そうか…」

転「なんなら、いますぐ消してあげようか?」

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 01:30:54.05 ID:DL4Ekesi0
男「…」ゾク…
  「いや、自然消滅と行きたいところだ…」

転「しかし、こんなにハッキリ見えたのは初めてだよ 今は消えかけだけど」

男「そりゃ、どうも」

転「大抵は抵抗してくるんだけどね、濃いのは」クスクス

男「他のに関しては知らねぇな」

104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 01:34:23.52 ID:DL4Ekesi0
男「まぁ…あんたは嫌な感じはしない、根は良いやつなんだろ」
  「今は嫌味な感じだが」

転「そうかい…?」
  「霊に褒められるのは初めてだ」

男「それで…」

転「ん?」

男「あんた、幼が好きだろ?」

106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 01:37:27.10 ID:DL4Ekesi0
転「まぁ、そうかもね」

男「あいつには誰かが着いていて欲しい」
  「頼れるのはあんただけだ」

転「…んん」

男「何とかお願いできないか?」

転「遠慮しておくよ」

男「! 何で!?」

109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 01:42:04.62 ID:DL4Ekesi0
転「いや、別に理由は無いけど…?」

男「な…」
  「あいつ結構可愛いだろ?! そりゃ生意気な時もあるけど」

転「だから、遠慮しておくって」
  「そんなことより、残り時間をどう有意義に使うか考えたらどうだい?」

男「こ、この野郎…」
  「前言撤回だ! このクソ野郎!」

転「はいはい、じゃあ、先に教室に行ってるから」

112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 01:45:11.08 ID:DL4Ekesi0
男「…」

幼「どこ行ってたの? 男?」

男「いや、ちょっとな…」イライラ
  (さてどうする… このくそったれには頼めない…)
  (かといって俺が見える奴は他にいない…)

幼「男?」

113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 01:47:42.75 ID:DL4Ekesi0
幼「…やっぱりちょっと透けてる…」

男「!」
  「今日はちょっと調子が悪いな~」ハハハ…

幼「嘘…」

男「いやいや、本当だって風邪気味でさ」

幼「…」

男「…」

115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 01:52:58.87 ID:DL4Ekesi0
幼「男、嘘ついてるでしょ?」

男「…」

幼「本当の事言ってよ…」

男「ごめんな…」ス

幼「!」
  (行っちゃった…)

転(ふーん…)

116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 01:55:55.20 ID:DL4Ekesi0
転「幼さん、どうしたの?」
  「顔色悪いよ?」

幼「え? そうかな?」ハハ…

転「具合悪いなら保健室言った方が良いよ…?」

幼「…」
  「う、うん… そうする」

転「うんうん」

117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 01:58:27.64 ID:DL4Ekesi0
幼「男、どこに行ったの…?」
  「私の家かな…」

幼「公園?」
  「まだ学校のどこかに居るの?」

119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 02:04:50.25 ID:DL4Ekesi0
男「結局本当の事は言えなかった…」
  「あと3時間位か… 大分透けてきたな」
  「…体が思うように動かない」


転「幼さん、体は大丈夫?」

幼「う、うん…」
  (結局見つからなかった…)

転「今日は帰り送っていくよ… 心配だし…」

幼「あ、ありがとう…」
  (男…)

120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 02:08:37.23 ID:DL4Ekesi0
転「良かったら、どこか寄って行かない?」

幼「え、でも…」
  (男を探さないと…)

転「ちょっとコーヒー飲む位何だけどダメかな?」

友「幼、行ってきたら? せっかく誘ってくれてるのに勿体無い…」

幼「う、うん…」

友(くぅ… 私って超良いやつ…)

123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 02:11:03.67 ID:DL4Ekesi0
幼「…男…」ボソ

転「どうしたの?」

幼「ね、何でもない…」

転「ちょっと裏の方だけど近くの喫茶がお勧めなんだ」

幼「うん…」ボー…

124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 02:13:11.21 ID:DL4Ekesi0
転「…」

幼「…」

転(大分滅入ってるみたいだね…)
  「ここなんだけど」

幼「…」

転「聞いてる?」

幼「は、はい!」
  「ん?」

126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 02:16:15.68 ID:DL4Ekesi0
幼「喫茶って…? 何にもないよね?」
  「ビルの裏?」

転「そうゆうこと」

幼「どうゆうこと?」

転「確かに男君が心配するのも分かるな…」ボソ…
  「少しは状況を把握したほうが良いよ?」ニヤ

幼「…え?」

128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 02:20:38.95 ID:DL4Ekesi0
幼「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 02:25:59.12 ID:DL4Ekesi0
転「ほらここに毛虫」

幼「取って! 早く!」

転「はい」

幼「ありがとう…」
  「えと、それで何だっけ?」

転「あれ、あのあたり」

幼「ん?」

134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 02:28:10.00 ID:DL4Ekesi0
幼「!」
  「男!」

男「……?」
  「幼か……」

幼「男、大分薄くなってるよ?!」

男「お前らのつまんないショートコントのせいかもな……」

転(まだ無駄口叩けるんだ)

135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 02:30:19.92 ID:DL4Ekesi0
 
男「…あのさ、幼…」

幼「なに…?」

男「多分俺…」

幼「うん…」

男「消えちまうんだ…」

幼「!」

137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 02:35:31.61 ID:DL4Ekesi0
男「最期にさ… お前の顔が見れて嬉しかった…」

幼「まって…! まだ消えちゃ駄目!」
  「私男のことがずっと好きだったの!」
  「だから、幽霊でもいいからずっと一緒にいて!」

男「……俺も……幼の事…」フ…

幼「……男…?」
  「…うそ?」

140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 02:40:37.65 ID:DL4Ekesi0
幼「嘘…消えちゃった……」ポロ

転「…もう、家に帰った方が良いよ?」
  「暗くなってる」

幼「……」グスグス…


転「まぁ、あんまり気にしない方が良いよ?」
  「早いか遅いか、出会った人間はいつかは別れることになる」

幼「…」

転「だから、人は人との関わりに価値を見出すわけだし」

幼「……」

転「あら、いっちゃった…」

141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 02:44:53.35 ID:DL4Ekesi0
男「…ここは…」
  「視界が大分ぼやけてるな…真っ白な世界だ… 消えたあとってこんな風になってるのか…」
  「…死んじまったら無なんてのは嘘だな」
  「現に俺は今考えてる…」

男「…」
  「さてこれからどうなるのか…?」

144: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 02:48:12.60 ID:DL4Ekesi0
幼「ただいま…」ボソ

幼母「あら、幼おかえり」
   「どうしたの?」

幼「何でもない…」

幼母「あ、もしかしてもう聞いてたの?」

幼「…?」

146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 02:49:42.86 ID:DL4Ekesi0
幼母「あんた、男君って覚えてる?」

幼「…うん」

幼母「実は男君が事故にあってね」

幼「…死んだんでしょ? 知ってるよ…」

148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 02:52:44.71 ID:DL4Ekesi0
幼母「ちょっと何不吉なこと言ってるの?」

幼「へ?」

幼母「今意識を取り戻したんですって」
   「一週間くらい前から意識不明だったみたいなんだけど、ついさっき意識を取り戻したって」

幼「え? え?」

幼母「さっき男君のお母さんから連絡があったのよ?」

幼「うそ!?」

150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 02:54:18.34 ID:DL4Ekesi0
幼母「あんた、男君にお世話になったんだから、お見舞に行きなさいよ?」

幼「…うん!!」

156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 02:58:14.42 ID:DL4Ekesi0
数日後

──トントン

男「どうぞー」

幼「…男」

男「!?」
  「幼!」

幼「バカァ!」ガバ!
  「カッコつけて、何が消えるよ! ちゃんといるじゃない!」メソメソ

男「お、おい、泣くなよ…」

転「やぁ、元気?」

男「あ、お前は!?」

162: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/12/17(土) 03:02:23.87 ID:DL4Ekesi0
転「だから、大丈夫だって言っただろ?」

男「言ってないだろ」イラ

幼「男…」ギュウ

男「あの、幼さんちょっと痛いです…」

転「邪魔なようだし、僕は退散するね、お幸せに」



幼「もうどこにも行っちゃ駄目だよ?」ジー

男「…分かってるよ」///


終わり