1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 01:15:11.78 ID:/DuoNz7c0
TRRRRRRR....Pi

オレ「はい、もしもし」

お袋「あ、いたのね。あと1時間ほどで家に帰るわ」

お袋「食事も用意しててくれる?」

オレ「ああ、わかった。で、親父の話はなんだったの?」

お袋「・・・ええ、まあ・・・ とにかくそちらに着いて話すわ。それじゃあ切るわね」プツッ

オレ(なんか話を濁したな。面倒なことになりそうだ。できるだけ関わらないようにしないと)

引用元: 姪「おじさんは・・・いいひとだもん」 オレ「・・・」 




 
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 01:19:25.18 ID:/DuoNz7c0
【2時間後】

お袋「ただいまー」

オレ「おう、おかえり・・・って、これどういうこと?」

お袋「挨拶しなさい、姪ちゃん」

姪「こんばんは、おじさん・・・」

オレ「・・・ああ、こんばんは。 で、どういうことだ? お袋」

お袋「連れて来たのよ」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 01:23:11.04 ID:/DuoNz7c0
オレ「そんなこたぁ見りゃわかるよ。だから、なんで姪がここにいるんだよ!」

お袋「しばらく預かることにしたのよ」

オレ「は?」

お袋「さ、姪ちゃん、入って入って」

姪「はい・・・おじゃまします」

オレ「」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 01:26:51.69 ID:/DuoNz7c0
お袋「姪ちゃん、夕御飯はグラタンだって。よかったわね」

姪「・・・はい」

オレ(二人分しか作ってないから俺の分がねーよorz)

お袋「ご飯食べたらお風呂入っておいで」

姪「・・・はい」

オレ(ずっと俯いてるな、この娘。たしか11になるよな。数年ぶりか。)

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 01:29:47.85 ID:/DuoNz7c0
オレ(しかし、小学校5年生の身長ってこんなもんか? なんか小さい気もするが)

姪「・・・あの、おじさん・・・、なにか・・・?」

お袋「あんた、そんな難しい顔して姪ちゃん睨むんじゃないわよ」

オレ「ああ、すまん。ごめんな、姪」

オレ(それにしても、なんで家で預かるなんてことに・・・)

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 01:34:17.39 ID:/DuoNz7c0
・・・・・・・・

お袋「姪ちゃん、お風呂に行ったわ」

オレ「で、どういうことだよ。なんで姪を預かんなきゃいけねーんだよ」

お袋「実はね、妹が入院してるらしいのよ、うつ病らしいわ」

お袋「見舞いにも行ったけど会えなかった。相当悪いらしいの」

お袋「妹の旦那はあんなふうだから、妹がいないと子育てとか無理でしょ」

お袋「パパがしばらく姪を預かってたけど、あの人にも無理よね」

オレ(別れた旦那を「パパ」とか言うなよ・・・ にしても、妹が入院、ねぇ・・・)

お袋「他に頼るとこもないし、それで相談されたのよ」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 01:38:47.15 ID:/DuoNz7c0
オレ「要するに、たらい回しの末にうちってことか。でも、そんなの妹夫婦の問題だろ?」

オレ「ましてお袋は親父と離婚してる。俺たちと妹夫婦も仲悪くて、何年もまともに話してない」

オレ「なのにこんなときだけ頼って来るなんておかしいだろ? 俺もお袋も仕事してるんだぞ?」

お袋「あんたは家で仕事してるからいいじゃない。姪ちゃんをひとりにすることも少ないでしょ」

オレ「意味がわからん」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 01:42:47.23 ID:/DuoNz7c0
お袋「あの子が生活してたいままでの環境よりはマシよ。ずいぶん酷かったらしいわ」

オレ「義弟にも親戚がいるだろう? そっちに預けるのが筋だろう?」

お袋「それがうまくいかなかったから、うちが預かることになったんじゃない」

オレ「・・・とにかく反対だな。送り返すしかない。面倒事はもうゴメンだ」

お袋「・・・じゃあ、あんた。これ見なさい」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 01:45:54.24 ID:/DuoNz7c0
オレ「おいおい、姪のバッグを勝手に開けるなよ」

お袋「・・・」ゴソゴソ

オレ「こらこら、下 とか出すな・・・」

お袋「これ、どう思う?」

お袋「これであの子の服は全部よ」

オレ「ん?」

お袋「よく見なさいよ、服がこれだけしかないわ。春夏秋冬あわせて全部でこれだけなのよ」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 01:48:59.06 ID:/DuoNz7c0
お袋「服も小さいと思わない? 下 もゴム出てるのあるのよ」

オレ「・・・」

お袋「服を買ってもらってないのよ、育ち盛りなのに・・・」

お袋「気がつかなかった? 今日着てた服もサイズが小さいの。ちゃんと親が育ててないのよ」

お袋「ご飯もずいぶん偏ったもの食べてたみたいだし、心配なのよ」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 01:52:20.10 ID:/DuoNz7c0
オレ「・・・わかったよ。とりあえずしばらく預かるしかないってことか」

オレ「で、しばらくって、いつまでの予定なんだ?」

お袋「半年くらい・・・かしら。そのくらいは覚悟しないと」

オレ「っ!! 無理無理!!! 学校とかどうすんだよ!!!」

お袋「転校手続きするしかないわね、明日、役所に行ってくるわ」

オレ「待ってくれよ・・・サイアクだ。俺、ガキが苦手なんだよ・・・」

オレ「なあ、お袋。なんで事前に俺に相談しなかったんだよ? マジですげえ困るわ」

お袋「あんたがごねるのがわかってたからよ」

オレ「」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 01:57:07.25 ID:/DuoNz7c0
・・・・・・

お袋「姪ちゃんの部屋、あんたの部屋でいい?」

姪「・・・えっ?」

オレ「・・・おい。いいわけないだろ」

お袋「あんた、自分の仕事部屋にソファーベッドあるじゃない?」

お袋「姪ちゃんもしばらくこの家にいるんだったら自分の部屋があったほうがいいでしょ」

オレ「」

オレ(・・・もうなんか頭痛い)

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 02:00:52.12 ID:/DuoNz7c0
姪「・・・あの・・・わたしはこの部屋でいいです」

オレ(リビングで寝起き? それはいかんだろ。ああ、もうなんだかなあっ)

オレ「もういい。姪は俺の部屋を使いな。俺は仕事部屋で寝ることが多いし」

姪「でも、悪いし・・・」

オレ「もうこの話は終わりだ、めんどくせぇ。とにかく俺の部屋を使え」

姪「・・・はい。ごめんなさい」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 02:05:13.15 ID:/DuoNz7c0
【深夜】

カチャカチャカチャカチャ

オレ(サイアクだ。マジでサイアクだ)

カチャカチャカチャカチャ ...カチャッ...

オレ(とにかく仕事を先に倒していかないと、何が起こるかわからん)

カチャカチャカチャカチャ ...カタッ...クスン...

オレ(とりあえず、Sさんの表紙デザインのラフ案はこんな感じでどうかな)

カチャカチャカチャカチャ ...クスン...クスン...

オレ(なんだ、ドアの外。なんの気配だ? まさか・・・)

ガチャッ

オレ「・・・どうしたんだ、姪」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 02:11:17.75 ID:/DuoNz7c0
姪「・・・・・・・・クスンクスン」

オレ「眠れないのか?」

姪「・・・・・・・・クスンクスン」

オレ「まあ入れ」

オレ「なんでばあちゃんとこに行かないんだ?」

姪「・・・・・・・・クスン」

オレ(そりゃまあ寂しんだろうけどさぁ。困ったな。どう声をかけていいかわからん)

オレ「仕方ないな。そこのソファでしばらく寝るか?」

姪「・・・・・・・・コクン」

オレ「じゃあ、寝てろ。俺は仕事してるから電気消せないけど、いいか?」

姪「・・・はい。ごめんなさい クスン」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 02:16:10.17 ID:/DuoNz7c0
姪「・・・すぅ・・・すぅ・・・」

オレ(毛布一枚じゃ寒いだろうな、布団持ってくるか)

オレ(にしてもこの子小さいな。このソファ、オレだと足がはみ出るんだが、余裕でベッドになってる)

オレ(最後に会ったのが、この子が小学校に上がるまえだな)

オレ(あの頃はもう少し活発だったようだったけど。いまはえらく静かというか陰気というか・・・)

オレ(髪、あの頃よりずいぶん伸びたな・・・)

すぅっ

オレ(っ!!! おいおい、オレはまだ仕事があるんだ、手とか握ってくんなよっ)

姪「・・・お母さん・・・お父さん・・・クスン」

オレ「・・・・・・」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 02:21:16.83 ID:/DuoNz7c0
【朝】

姪「・・・あの・・・おはようございます・・・おじさん・・・」

オレ「・・・んあ? げっ、朝じゃん。さぶっ」

姪「おはようございます、おじさん」

オレ「ああっ? あ、姪か。そうか。ここでお前寝たんだったな」

姪「・・・お仕事邪魔してごめんなさい」

姪「今夜からちゃんと自分の部屋で寝るようにします。じゃ、顔洗ってきます・・・」

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 02:23:23.02 ID:/DuoNz7c0

オレ「まて、姪」

姪「・・・はい」

オレ「・・・まあなんだ、ときどきならここで寝てもいいぞ」

姪「・・・・・・」

オレ「・・・な、なんだよ。そんなマジマジ見んな」

姪「ありがとう、おじさん」

オレ(・・・なんでオレ、あんなこと言ったんだ?)

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 02:26:09.20 ID:/DuoNz7c0

オレ(さて、朝から侵略イカ娘でも見るかなっと)

ガチャリ

お袋「あんた、今日は暇でしょ」

オレ「なんだよ、いきなり。ノックして入れよ」

お袋「いまから姪ちゃんの服、買ってきてちょうだい」

オレ「は??? なんでオレが!?」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 02:28:49.46 ID:/DuoNz7c0

お袋「わたしはこれから役所に行くの、忙しいのよ。姪ちゃんと車で行ってきなさいよ」

オレ「いやいやいやいや。オンナモノの服とかオレわかんねえよ」

お袋「オンナモノの服じゃないわよ。子ども服よ」

お袋「あんたもいい歳なんだから、子ども服選ぶくらいの甲斐性がないとダメ」

オレ「子どもいねえしっ、結婚もしてねえしっ」

お袋「とにかく、なんにせよ姪ちゃんをこのままにできないんだから。頼んだわよっ」

オレ(・・・・・・勘弁してくれ)

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 02:33:14.29 ID:/DuoNz7c0

オレ「・・・しゃあない、行くか」

ガチャッ

オレ「おい、姪。服買いに行くぞ」

姪「キャッ」

オレ「あ、ごめんっっ」

バタンッ

オレ(着替えてたんか。失敗した・・・ ノックするべきだった。ひとのことは言えんな)

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 02:34:49.65 ID:/DuoNz7c0

オレ(だけど、体型はまんま子どもだわ。発育が遅いのかな。あんなもんなのかな)

カチャッ

姪「・・・あの、ごめんなさい・・・着替えました」

オレ「あ、そう・・・ んじゃ、出かけるか」

姪「・・・はい」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 02:39:53.25 ID:/DuoNz7c0

オレ(あー、たしかにいま着てるコートも小さいなあ)

オレ「姪は好きな洋服屋さんとかあるか?」

姪「・・・いえ、洋服のことはよくわかんないんです。ごめんなさい」

オレ「服は誰と買いに行ってたの?」

姪「・・・服はいつもお古で・・・」

オレ「お古って、お前に姉はいないだろ」

姪「・・・いえ、お母さんが他所の家からもらってきてくれた服を・・・」

オレ(は? 義弟は稼ぎいいはずだぞ?? どういうことだ???)

オレ「リサイクルとかバザーってやつ?」

姪「・・・いえ、もらってくるんです・・・」

オレ(意味がわからん。要するに、新しい服を買わないで貰いもんで済ませてたわけか)

オレ(なにやってんだ、妹は)

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 02:45:38.36 ID:/DuoNz7c0

姪「・・・あの、おじさん」

オレ「ん? どした?」

姪「・・・わたし、お金持ってない・・・です・・・」

オレ「ああ、お金か。ちゃんとあるからだいじょうぶ。心配するな」

姪「・・・ごめんなさい」

オレ(なんでいちいち謝るんだ?)

オレ「まず下 を買うか。その後は冬物だな。じゃあ、デパートの下 売り場に行くか」

オレ(って、オンナモノの下 とか・・・ ヤだなあ)

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 02:51:12.85 ID:/DuoNz7c0

オレ(小学生の下 とか、どんなんか全然わからんぞ。ブラは・・・まだいらんだろけど)

オレ(パ  とか、こんなキャラクターのプリントされてるのがいいのか?)

オレ(いやいや、小5だし、もうちょっと大人っぽいのがいいのか?)

店員 「・・・あの」

オレ「うわわっ」

店員 「なにかお探しですか?」

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 02:55:42.85 ID:/DuoNz7c0

オレ「あ、えっと、えっとですねっ、この子の下 をですねっ」

店員 「ああ、お嬢様の下 ですね」

オレ「いや、オレの子どもじゃないんですけどねっ」

店員 「は?」

オレ「いえ、なんでもないですっ。あのぉ、オレにはよくわからないので選んでもらえますか? 上下5、6枚ずつっ」

店員 「わかりました。じゃあ、お嬢ちゃん。一緒に探そうか」

姪「・・・はい」

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 03:00:11.46 ID:/DuoNz7c0

オレ(下 の買い物は終了。うううう、難所は超えたな)

オレ(にしても、こいつにはやっぱまだブラは必要なさそうだww)

オレ「じゃあ、あとは服だな。GAPでも行くか」

姪「・・・はい。あの、さっきはごめんなさい」

オレ「あ? なにが?」

姪「・・・下 買うとき。おじさん困ってたから・・・」

オレ「・・・別に困ってねえよ。ちょっと店員さんにびっくりしただけだ」

姪「・・・・・・」

オレ「気にするな。大人の男は、その気になったらなんでも買えるんだよ」

オレ(・・・●●本とかな)

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 03:04:47.94 ID:/DuoNz7c0

・・・・・・・・

オレ「これとこれ着てみろ。靴はこれだな。試着室行け」

姪「え、でも、もうたくさん・・・」

オレ「いいから試着してみろ」

姪「・・・・・・はい」

オレ(体は小さいけど細いから、わりとなんでも似合うんだよなあ、こいつは)

オレ(髪はロングだけど、微妙に茶っぽいし。よく見ると顔だちもいいし)

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 03:09:56.98 ID:/DuoNz7c0

姪「・・・・・・あの、着ました」モジモジ

オレ「おっ、そのライダース、似合うな。背が高く見える。ブーツもデニムも似合ってるな」

オレ「よし、じゃあそれも買うか」

姪「えっ、あのあのっ・・・」

オレ「店員さん、これ計算お願いします」

店員 「はい、わかりました。こちらへどうぞ」

姪「・・・・・・・」

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 03:16:56.38 ID:/DuoNz7c0

オレ(買い物したあとは気持ちいいなあ。すげえハッピーな気分だぜ)

オレ(・・・よく考えたら、子どもの下 と服買っただけだけどなorz)

姪「・・・あの」

オレ「あ、どした?」

姪「・・・ごめんなさい。たくさんお金使わせて」

オレ「礼は、ばあちゃんに言っておけ。ばあちゃんがお金出してるから」

オレ「でも、似合ってるぞ、その服。大人っぽく見える。新しい服に着替えて正解だったな」

姪「あ・・・はい。ありがとうございます・・・」モジモジ

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 03:22:07.72 ID:/DuoNz7c0

姪「・・・あのっ」

オレ「ん?」

姪「・・・本屋さん、寄ってもいいですか?」

オレ「ああ、いいけど? オレも買いたい本あるし」

オレ(自分の買い物、ちょっとくらいしておきたいしな。このまんまじゃ虚しくなりそうだし)

姪「・・・ありがとうございますっ」

オレ(なんか嬉しそうだな。漫画でも買うのか?)

95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 03:27:30.79 ID:/DuoNz7c0

姪「あっちのコーナーに行ってきますっ」

オレ「ああ、オレはこのへんにいるから、終わったらここに来て」

姪「はいっ」タッタッタッタッ

オレ(なんか元気になったな・・・)


【30分経過】

オレ(おせえな。何やってんだ、姪は? 様子を見に行くか。あー荷物が重ぇよ)

オレ(児童書か。ん?あれ、姪か?)

オレ(あんなに本に集中して。横顔、綺麗だな・・・)

オレ(あ? 綺麗? キレイってなんだよ。おいおい、ロリコンかっつーのorz)

オレ(あれは自分の姪だぞ。小5だぞ。なに考えてるんだ。大人っぽい服着てるから、そう思っただけだっつうの)

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 03:33:29.69 ID:/DuoNz7c0

オレ「おい、姪」

姪「あっあっ、はいっ。あ、おじさん・・・」

オレ「その本、面白いか?」

姪「・・・はい、ごめんなさい」

オレ「そうか。じゃあ買ってやる」

姪「えっ?」

オレ「オレも本を買うからついでに買ってやる」

姪「・・・いえ、これは自分のお金で買います。お小遣い持ってきてますから」

オレ「・・・あっそ。んじゃ、自分で買って、残りは家で読め。ケーキ食って帰るぞ」

姪「・・・ケーキ・・・? あっ、はい」

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 03:39:21.43 ID:/DuoNz7c0

・・・・・・

オレ(さすがだな、このりんごのシブースト。紅玉使ってるようだが、キャラメリゼして酸味をおさえてる)

姪「・・・」

オレ(このオレンジピールの混じったカスタードクリーム。絶品じゃまいか)

姪「・・・・・」

オレ(タルト生地のこの香り、うむむ、紅茶の葉を混ぜてるのか)

姪「・・・・・・・」

オレ(イタリアンメレンゲの固さも申し分ないし、見た目も完璧だ。美味いなっ)

姪「・・・・・・・ふふっ」

オレ「ん? なに??」

姪「・・・いえ、おじさんは美味しそうにケーキ食べますね」

オレ「・・・・・・・」

姪「・・・な、なんでもないです。ごめんなさい」

オレ「あんま見んな。恥ずかしい」

117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 03:44:41.51 ID:/DuoNz7c0

オレ「ケーキ、うまかったか?」

姪「・・・はい。おごちそうさまでした」

オレ「あそこはこの街でいちばんうまいケーキ屋なんだ。・・・たぶんな」

姪「・・・・・・」

オレ「なあ、姪。おまえ、よく謝るよな、ごめんなさいって」

姪「・・・はい」

126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 03:51:56.53 ID:/DuoNz7c0

オレ「口ぐせなのかもしれんが、あれはできるだけやめろ」

姪「・・・はい。ごめんなさい・・・あっ」

オレ「・・・・・・」

オレ「おまえはここに来て、別に悪いことは一度もしてないよ」

オレ「しばらくは一緒に過ごすんだから、謝られてばかりだとオレの気も滅入る」

オレ「口ぐせだろうけど直せ。わかった?」

姪「・・・はい」

136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 03:59:39.18 ID:/DuoNz7c0

・・・・・・・

お袋「あんた、センスいいじゃない! かわいいわよ。このワンピースも」

お袋「こっちも着てみてよ、姪ちゃん」

姪「・・・はい」

オレ「・・・」

オレ(まあ、姪も嬉しい気持ちはあるんだろうな)

オレ(顔、赤くして恥ずかしそうだけど、女の子だし)

オレ(いままで洋服を選んだりする楽しみもなかったんだろうなあ・・・)

オレ「あ、そうだ、姪。ばあちゃんにお土産があるんだろ?」

姪「・・・はい。これ、おばあちゃんに」

お袋「ああっ、紅茶ね。ありがとう」

姪「・・・ニコッ」

140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 04:04:46.66 ID:/DuoNz7c0

お袋「あんた、わたしがあげたお金じゃ足りなかったでしょ」

オレ「・・・」

お袋「いいところあるわね。もしかしてわたしのお土産もお金足したげたんじゃないの?」

オレ「・・・」

お袋「ケーキも食べさせたんだって? ふふん」

オレ「・・・」

オレ(いちいちうるさいババアだな)

143: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 04:12:00.17 ID:/DuoNz7c0

・・・・・・

オレ(まだ起きてんのか、姪は? もう11時過ぎたぞ。そろそろ寝かせるか)

コンコン、ガチャッ

オレ「姪。まだ起きてるのか、そろそろ寝ろ」

姪「」

オレ「おい、姪っ」

姪「あっ、はい。あ、えっと、もう寝ます」

オレ「本、読んでたのか?」

姪「・・・はい、ごめんなさい」

オレ「謝らなくてもいい。昼、言っただろ。でも、もう遅いから寝な」

姪「・・・はい」

145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 04:19:09.88 ID:/DuoNz7c0

姪「・・・」

オレ「・・・なんの本読んでるんだ?」

姪「・・・えっと・・・」

オレ「どんな話?」

姪「・・・シリーズものの物語なんです。新しいのが出てたから・・・」

姪「女の子が弟と冒険する話で、変な世界に行っちゃうんだけど毎回ハッピーエンドで」

姪「読んでると楽しくって、何回も読み返してしちゃって・・・・あ、ごめんなさい」

オレ「謝らなくていい。本を読むのは悪いことじゃないからな」

オレ「とにかく、もう寝ろ。遅いから」

姪「・・・はい、ごめん・・・おやすみなさい」

オレ(ほんとに本が好きなんだな。はじめてだな、あんなにしゃべんの)

150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 04:27:20.10 ID:/DuoNz7c0

・・・・・・

オレ「今日から学校だな、姪」

姪「・・・はい」

お袋「集団登下校らしいけど、気をつけるのよ」

姪「・・・・・はい」

オレ「友だちできたらいいな」

姪「・・・・・・・・はい」

オレ(緊張してるんだろうな。ま、オレには関係ないけど)

姪「・・・あの、じゃ、行ってきます」

 

153: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 04:33:05.49 ID:/DuoNz7c0

・・・・・・

オレ(もう4時半か。そろそろ帰ってくるはずなんだが)

オレ(まだか?)

オレ(おいおい、そろそろ5時だぞ。なんかあったのか?)

オレ(ちっ、迎えに行くか)

ガチャッ

姪「・・・あの、ただいま」

オレ「おい、どうした? 遅かったな。4時に帰るって朝は言ってただろ」

姪「・・・あ、すいません。先生とお話してて」

オレ「・・・・・」

姪「・・・あの、心配かけました?」

オレ「いや、まあ、ちょっとな」

159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 04:40:23.25 ID:/DuoNz7c0

・・・・・・・

オレ「どう、お袋? 今日のポトフ。うまい?」

お袋「で、姪ちゃん。学校はどうだった? お友だちはできた?」

オレ(無視かよ)

姪「・・・・いえ、まだ・・・」

オレ「そんなにいきなり友だちできたりはしないだろ」

お袋「あら、子どもなんだから。あんたなんか転校してもすぐに友だち作ってたじゃないの」

オレ「そんな高度なスキルを姪に求めるなよ」

姪「・・・ごちそうさまでした」

お袋「もういいの? 姪ちゃん??」

姪「・・・はい。宿題してきます」

オレ「・・・・・・」

163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 04:46:41.26 ID:/DuoNz7c0

トントン、ガチャッ

オレ「おい、姪。入るぞ」

姪「・・・はい」

オレ「学校はどうだった?」」

姪「・・・はい、楽しかったです」

オレ「勉強は、前の学校と同じくらいのとこやってんのか?」

姪「・・・はい。だいたい同じです・・・」

オレ「そうか・・・」

姪「・・・・・」

オレ「なあ、姪。無理はしなくていいからな」

166: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 04:51:55.71 ID:/DuoNz7c0

姪「・・・・・」

オレ「オレもだいぶ転校したからわかるんだが、なじみやすい学校とそうじゃない学校がある」

姪「・・・・・」

オレ「心配するな。そのうち友だちもできる。そんときはここに遊びに連れてこい」

姪「えっ・・・いいんですか?」

オレ「え? あ? ・・・ああ、うん、いいよ。連れてこい」

姪「はいっ」

オレ「じゃあな、おやすみ」

姪「はい、おやすみなさい」

オレ(墓穴掘ったああああああああ)

170: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 05:00:29.88 ID:/DuoNz7c0

・・・・・

オレ(さて、今日は打ち合わせで客が来るわけだが、菓子焼いてたらこんな時間か)

姪「ただいま」

オレ「おかえり」

姪「・・・あれ、なんですか、これ。ケーキ」

オレ「ああ、タルトだけど」

姪「! なんでわたしの友だちが今日来るの分かったんですか?!」

オレ「は?」

姪「友だちが来るからケーキ焼いてるんじゃ?」

オレ「そんなわけねえべ。これからオレの客がくるから・・・」

ピンポーン

姪友「姪ちゃーん」

173: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 05:07:38.66 ID:/DuoNz7c0

・・・・・・

客「なんかオレさん、雰囲気変わりましたね」

オレ「・・・そう?」

客「柔らかくなりました」」

オレ「そうかな? 自覚ねえな」

客「ていうか、オレさんの家に子どもがいるってことがちょっと信じられない」

オレ「仕方なく預かってるだけだよ」

客「そうですか? 意外と楽しそうですけど」

179: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 05:14:02.03 ID:/DuoNz7c0

オレ「そんなわけあるかよ。めんどくさい事の方が多いぞ」

オレ「知ってるか? いまどき宿題をチェックするのは保護者だぞ」

オレ「ガキの宿題チェックしてサインとかするんだぞ、たまんねえよ」

客「あははは、それはたしかにオレさんらしくないですね」

オレ「だろ? 毎日、教科書の音読聞かされたりするんだ」

客「あはははは ・・・でも、オレさんらしい気もしますよ」

オレ「なんでよ?」

客「オレさんは、ほんとは子ども好きですよね?」

オレ「・・・おまえ、なに言ってんの? 馬鹿なの死ぬの?」

183: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 05:26:47.80 ID:/DuoNz7c0

バタバタバタッ

姪友「ねえ、おじさん!」

オレ「え? なに?」

姪友「ココアありますかーっ?」

姪「姪友ちゃん! ちょっとまって・・・」

オレ「・・・・・・」

オレ「・・・ココアは切れてる。ミロならある」

姪友「ミロでいいですっ wktk」

オレ「・・・ふぅ 作ってやるから待ってろ」

姪友「やったあ」

姪「・・・わたしも手伝います」

オレ「カップ出して、姪」

客「クスクス」

187: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 05:38:52.32 ID:/DuoNz7c0

・・・・・・

姪「ただいま」

オレ「おう、おかえり」

姪「あの、おじさん・・・これ・・・」

オレ「ん?『授業参観のお知らせ』?」

姪「はい・・・」

オレ(う〜ん、まず義弟に知らせないとな。どうせ来ないだろうけど)

オレ(それにしても、義弟は姪に電話かけてこねえな。お袋には時々電話してるみたいだが)

オレ「そうだな、お前のお父さんにも知らせておく。オレかお袋も行くようにするから」

姪「はい!」

191: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 05:46:13.28 ID:/DuoNz7c0

・・・・・・・

TRRRRRRR... Pi

オレ「おう、ひさしぶりだな、義弟」

義弟「ああ、お兄さんですか。姪がお世話になってます」

義弟「もっとはやくご挨拶したかったんですけど、ご無沙汰しててすいませんでした」

オレ(まったくだな。俺には電話一本かけてこないわけだが)

オレ「実はな、○月○日に姪の授業参観があるんだが」

義弟「そうですか。ちょっと待ってください。・・・ああ、ボクが行けます」

オレ(は? てっきり来ないと思ってたんだが。こいつ来るのか?)

オレ「お、おう。そうか。俺とお袋も行くから・・・」

義弟「いえ、結構です。ご足労かけるのもなんですし」

オレ「あ? なんだって?」

義弟「授業参観には僕が行きます。先生にご挨拶しないといけませんから」

195: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 05:52:27.89 ID:/DuoNz7c0

・・・・・・

お袋「どういうことなのよ、わたしたちは行っちゃいけないの?」

オレ「そうは義弟は言ってないが・・・ まあ暗にそういうことだな」

姪「・・・・・」

お袋「失礼じゃないの? 姪ちゃんと生活してるのはわたしたちなのに!」

オレ「・・・姪がいるんだから、その辺にしておけ、お袋」

お袋「だって、悔しいでしょ。馬鹿にしてるわよ。あんたは悔しくないの?」

オレ「まあ、父親が授業参観に行ってくれるって言ってるんだから、それがいちばんいいじゃねえか」

オレ「そもそも、それがあたりまえなんだからな」

姪「・・・わたしは、おじさんとおばあちゃんにも来てほしかったです」

お袋「・・・・・」

オレ「・・・・・」

201: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 05:59:05.26 ID:/DuoNz7c0

・・・・・・・

姪「ただいま」

義弟「お邪魔します」

オレ「おお、こんにちは。ひさしぶりだな、義弟」

お袋「いらっしゃい、義弟さん」

義弟「ひさしぶりですね、お兄さん、お義母さん」

オレ「妹の具合はどう?」

義弟「・・・まだしばらくかかりそうです。ご迷惑をおかけします」

オレ「いや、そんなことは気にしなくていい。どうだった、授業参観は」

義弟「はい。娘にも友だちがたくさんいるようで安心しました。先生もよい先生ですし」

オレ「そうか」

義弟「ただ、ちょっと気になることがあったんですが」

オレ「ん?」

205: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 06:08:42.75 ID:/DuoNz7c0

義弟「今日の授業参観、「家族」ってテーマで作文の発表があったんですけどね」

義弟「娘は、お兄さんと義母さんのことを書いてたんです」

オレ「・・・・・・」

義弟「もちろんぼくと家内のことも書いてましたけど」

義弟「ただ、家内の病気が改善して3人で暮らすようになったとき、あまりおふたりに干渉されるようだと困るんです」

オレ「・・・・・・・」

義弟「洋服や本を買い与えてるようですけど、あまり贅沢させてほしくないし」

義弟「できれば、わたしが送っている金額で足りる生活をしていただきたいと思って」

姪「・・・・お父さん、やめて!」

お袋「ちょっと待ちなさい、あなたなにを言ってるの、義弟さん?」

オレ「お袋、いいよ ・・・なあ、義弟。外に出ようか」

211: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 06:17:51.91 ID:/DuoNz7c0

オレ「やっぱ外は冷えるな」

義弟「ええ」

オレ「なあ、義弟。おまえ、なんで姪に電話しないんだ?」

義弟「・・・え?」

オレ「おまえ、ここに姪が来て、姪宛てに、姪だけのために電話したことは何回あるんだ?」

義弟「・・・」

オレ「俺と会話したくないって気持ちはわかる。俺もそうだ。お前と話はしたくない。」

オレ「だから決まった時間にこの自宅に電話かけろ。姪に出させる。あいつの話をちゃんと聞け」

オレ「学校のこととか勉強のこととか友だちのこととか、ちゃんと話を聞いてやれ」

義弟「・・・」

212: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 06:21:54.74 ID:/DuoNz7c0

オレ「オレはな、正直言って、姪が不憫だと思う」

オレ「ここに来た最初の日の夜「お母さん、お父さん」って泣いてたんだ」

オレ「姪は、お前たちのことを家族だと思ってないなんてことない」

義弟「ふっ、義兄さんからそんな話を聞かされるとは思いませんでしたね」

ガチャッ

姪「お父さんっ」

義弟「姪っ」

オレ「・・・姪」

216: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 06:27:31.79 ID:/DuoNz7c0

姪「おじさんはね、優しいんだよ。不機嫌な顔してる時もあるけど、優しいよ」

姪「ごはん作ってくれる、お買い物についてきてくれる、宿題も教えてくれる」

姪「友だち連れてきていいって、はじめてだったの、家にお友だち呼んだの」

姪「ケーキ作ってくれて・・・」

姪「おばあちゃんもね、いっしょにお風呂に入ってくれるし、お裁縫教えてくれるし、」

姪「ボタンも自分で縫えるようになったよ、マフラーもへたくそだけど編めるよ」

姪「おじさんは・・・いいひとだもん・・・ おばあちゃんもね、いいひとだもん・・・」

219: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 06:29:32.96 ID:/DuoNz7c0

姪「うううう・・・だからね・・・だからね・・・ うわあああああんん」

オレ「・・・」

義弟「ふう」

義弟「わかりました。姪には決まった時間に電話するようにします」

義弟「今日はこれで帰ります。姪、またな。電話するから」

姪「・・・ヒックヒック」

222: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 06:35:28.67 ID:/DuoNz7c0

【1年後】

オレ「義弟、転職先はどうだ?」

義弟「ええ、まあなんとか・・・ でも、少しは姪と時間がとれそうです」

お袋「あとは妹ちゃんね」

弟「ええ、でも家内もだいぶ良くなってきましたし」

オレ「・・・また頼っていいぞ。姪のこと限定だけどな」

お袋「そうね、姪ちゃんはいつでも来ていいわよ」

義弟「・・・はい」

227: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 06:38:33.92 ID:/DuoNz7c0

姪友「姪ちゃん、引っ越したら手紙書いてね。絶対だよ。あ、そうだ。みんなで写真撮ろうよ」

オレ「おう、並べ並べ、撮ってやるから。みんなもうちょっと姪にくっつけ」

オレ(姪もすいぶん身長伸びたな、かわいくなった)

オレ「よし撮るぞ、1たす1はーーー」

「にーーーーっ」

パシャッ

229: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 06:40:21.32 ID:/DuoNz7c0

姪「おじさん・・・」

オレ「ん? よかったな。また元の学校に戻れるな」

姪「おじさん・・・ありがとうございました」

オレ「ん」

姪「・・・クスンクスン」

オレ「おまえ、よく泣くな。最初に来た日も泣いてたな」

姪「・・・クスンクスン」

オレ「でも明るくなった。友だちがこんなにできるなんてすげえよ、おまえ」

姪「・・・クスンクスン」

244: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/04(水) 06:47:52.97 ID:/DuoNz7c0

オレ「ああ、そうだ」

姪「・・・・」

オレ「姪に餞別だ。お前の好きな本だぞ」

姪「あっ・・・」

オレ「お前が読んでた本の作家さんが新しい本出したんだ。その表紙のデザインしたんだ。持ってけ」

姪「はい、ありがとう、おじさん」



本のタイトルは『みんなでケーキを食べましょう』