女「じゃあまたねー」

男「またなー」

…

幼馴染「誰？」

男「ん？」

幼馴染「あの女の子、誰？」

男「あぁ女さんか、ウチの陸上部のエース知らないとか…」

幼馴染「そんなの知ってるもん！」

幼馴染「ど、どういう関係なのか聞いてるの！」

男「どうって…去年同じクラスで…クラス委員一緒にやったくらいで」

幼馴染「…」

男「ははっ、ただの友達だよ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

幼馴染「ふわぁ…」

男「幼馴染は撫でやすいなー」ﾖｼﾖｼ

幼馴染「こ、これから伸びるもん！！」

男「じゃ、ホームルーム始まるから席着こうか」

幼馴染「むー…」ﾃｸﾃｸ

同級生A「今日も仲良いねー」

B「仲良く登校ですかー」

C「妬けちゃうよマジで、いやマジで、うんマジマジ」

ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ

昼休み

A「気持ちよさそうに寝ちゃってもー」

B「かわいいなーもー！」ﾌﾟﾆﾌﾟﾆ

C「リスとタイマン張れるでマジで、いやマジで、ガチで」

幼馴染「むにゃむにゃ…ん！？」

ﾌﾟﾆﾌﾟﾆ

幼馴染「ふぉ！うるさいうるさい！！！」

ﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆ

幼馴染「ちょ、やめ…うわああああん！おとこぉ！」ｷﾞｭｯ

男「おー、よしよし」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

幼馴染「ほっぺ痛いよぉ…」

男「だいじょぶだいじょぶ」

女「…」ｼﾞｰｯ

男「昼飯食いに行くか？」

幼馴染「いく」

男「弁当は？」

幼馴染「ない」

男「購買と学食どっちが良い？」

幼馴染「購買」

男「じゃ、行くか」

女「あ、男くん！今からお昼？良かったら一緒に食べても良い？」

男「もちろん良いけど、購買でも良い？」

女「大丈夫だよ！私お弁当あるから」

幼馴染「…」

男「どっかいい場所ある？」

幼馴染「…」

女「ピロティとかどう？外で食べるのも気持ちいいよ！」

男「そうだなー…幼馴染もそれでいい？」

幼馴染「…」ｺｸﾝ

女「幼馴染ちゃん…可愛いなぁ」ﾂﾝﾂﾝ

幼馴染「っ！？」ｻｻｯ

男「そんなに脅えなくても…」

女「うーん…嫌われちゃったのかな」

男「まだ慣れてないだけだってば」

女「でもなー…うーん…」

幼馴染「…」ｼﾞｰｯ

男「意外と人いるのな…」

女「でしょ？良いところなの」

幼馴染「…」ｷｮﾛｷｮﾛ

男「幼馴染、大丈夫だから落ち着こうな」

幼馴染「う、うん…」

女「空いてた空いてた、ここにしよ！」

男「良かった良かった」

幼馴染「…」ﾁｮｺﾝ

女「いただきまーす」

男「いただきます」

幼馴染「…」ﾍﾟｺｯ

男「お、それ手作り？」

女「分かっちゃう？…あはは、まだあんまり上手くできないから…」

男「あ、いやいや、そういう意味じゃなくて」

幼馴染「キレイ…」

男「そうそう、びっくりするほど上手いから」

女「えっ？そ、そう…」ﾄﾞｷｯ

女「た、食べてみる？」

男「えっ？いいの？」

女「もちろん！それじゃあ…はい、あーん」

男「えっ、あ、いや…あ、あーん」

幼馴染「…」ﾊﾟｸｯ ﾓｸﾞﾓｸﾞ

女「あ」

男「お」

幼馴染「んまい」ｺﾞｸﾝ

女「そ、そう？良かった…」

女「それじゃあ男くん…あ、あーん」

男「お！おう」

幼馴染「…ん」ﾊﾟｸｯ

幼馴染「んまい」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

女「」

男「」

幼馴染「うん」ｺﾞｸﾝ

女「あ、あはは…」

男「…」

幼馴染「…」

女「男くん…これどうぞ」

男「わ、分かった…じゃあもらうな」

男「卵焼きか」ﾊﾟｸｯ

女「ど、どう？」

男「ん、美味い美味い！」

女「良かったぁ…」

幼馴染「…」

男「いやー、幼馴染も弁当の一つくらい作れるようにならないとなー」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

幼馴染「む…」ﾑｽｯ

女「あの…ね」

男「なに？」

女「お、男君さえ良かったら…その、私…お弁当作ってくるけど」

男「お弁当？これ手作りなんじゃないの？」

女「あ、いや！そうじゃなくてね！男君の分も…ね」

男「え？…えっ、いいの？」

幼馴染「…」

女「わ、私がお願いしてるんだけど…」

男「もちろんもちろん！こっちからお願いしますよ！」

女「そう？じゃあ早速明日から！」ﾊﾟｧ

幼馴染「私も！」

女「！」

幼馴染「私も男にお弁当作るもん！」

男「いやいや、幼馴染は料理とか出来ないだろ？」

幼馴染「できる！」

男「でも、前に幼馴染の家で夕飯作ってくれた時

幼馴染「できるもん！」

女「あ、あはは…じゃ、じゃあ私止めとくね」

幼馴染「だめ！女ちゃんも作るの！」

女「えっ？」

幼馴染「ど、どっちがおいしいか…男に選んでもらう」

女「…なるほどなるほど、絶対負けないわよ！」

男「お、おい…俺そんなに食べれるかどうか…」

幼馴染「…」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

女「うーん、何作ろうかな…」ﾎﾞｿﾎﾞｿ

翌日

女「はい、これどうぞ…」

幼馴染「ん、これ私の」

男「まずは幼馴染の食べようかなー」

男「いやいや、美味しい物は後に残しておくタイプとかそういうんじゃなくてね！」

幼馴染「男？誰も聞いてないよ？」

男「」

女「公平なジャッジでお願いしますよ！」

男「う、うん…」

ﾊﾟｶｯ

男（ち、茶色い…）

幼馴染「…」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

男「幼馴染、そんなにタンパク質ばっかり詰め込まれても…ね？」

幼馴染「お肉好きじゃない…？」ｼﾞｰ

男「あ、いや…そういう訳じゃなくてね」

幼馴染「野菜もあるよ？ほらここ」

男（これ野菜だったのか…）

男「な、なるほど…じゃあ食べてみるな」ﾊﾟｸｯ

幼馴染「どう？」ﾜｸﾜｸ

男「個性…的な、げふんげふん！味…ですね」

女「だ、大丈夫？」

男「おっけーおっけー…」

男「それじゃ、女さんのお弁当を」

幼馴染「待って」ｶﾞｼｯ

男「え？」

幼馴染「まだ残ってる」

男「…」

女「が、頑張って」

男「さて、女さんのお弁ｔ

幼馴染「ねえ」

男「とりあえず、女さんｎ

幼馴染「食べてってば」

男「お

幼馴染「たべてよぉ…」ｳﾙｳﾙ

男「うおおおおお！」ｶﾞﾂｶﾞﾂ

男「美味い！」

幼馴染「ほんとっ！？」

男「うまい！！」ﾌﾙﾌﾙ

幼馴染「うんうん、自信あったんだー」ﾆｺﾆｺ

男「お、女さんの…弁当早く…」

女「はい！どうぞっ」

男「！」

男「いただきます！」

幼馴染「良かったぁ」ﾎﾟｰ

女「落ち着いてね、詰まらせないように…」

男「ごほっごほっ！」

女「だから言ったのに…はい、これお茶」

男「ごくっごくっ」

女「…大丈夫？」

男「大丈夫…」

女「そ、そんなに美味しかったの？」

男「うん、昨日よりもっと美味しかった」

女「ありがと…」

幼馴染「『これから毎日作ってくれないか』…なんて言われちゃったり」

男「女さんの勝ち」

幼馴染「え？」

女「やった！」

幼馴染「なんて？」

男「女さんの圧勝、大差、月とすっぽん」

幼馴染「」

幼馴染「う、うぅ…」ｼﾞﾜ

男「あ、やばい…これは…」

女「幼馴染ちゃん？その…泣かないで」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

幼馴染「んぅ…ひっく…」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

男「だめだめ！そんなことしても…」

幼馴染「うわああああああん！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

女「あ、あの…」ｱﾀﾌﾀ

幼馴染「おとこおおおお！うえええええん！」

男「女さん…悪いけどちょっと離れて」

女「あ、はい…」

幼馴染「男のばかあああああ！！」

男「タオル首に掛けて…」

幼馴染「うわああああん！！」

男「落ち着いて…」ｷﾞｭｯ

幼馴染「うぅ…男ぉ」ｼﾞｭﾙｼﾞｭﾙ

男「よしよし」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

幼馴染「私の、お弁当…ダメだったの？…ぐすっ」

男「ダメなんて言ってないだろ？」

幼馴染「でもでもっ、女ちゃんの、お弁当より…全然ダメ、なんでしょ？」

男「いや、それは…その、素直に言えば」

幼馴染「やっぱり…ぐすっ」

男「これからっ！これから頑張れば良いだろ？」

幼馴染「男…食べてくれる？」

男「食べる食べる！」

幼馴染「ほんと？」

男「こんなときに嘘なんか吐かないって！」

幼馴染「上手くなるまで…付き合ってくれる？」

男「いつまでだって、幼馴染が満足するまで付き合って…付き合わせてください」

幼馴染「じゃあゆるす」

男「良かった…」

女「…」

幼馴染「女ちゃん…今日は私の負けだけど…次は絶対に負けないから…」

女「え、あ、はい」

男「はいはい、鼻かんで」

幼馴染「ん」ﾁｰﾝ

女「あの…ふ、二人はその、付き合っていたり？」

男「いや別にそんなことは…」

幼馴染「ないよ」

女「え？あ、あはは…そうなんだ」

女（はたから見たら明らかに…）

男「ごめんな女さん…こんなんだけど幼馴染と友達で居てくれると」

幼馴染「おとこ！保護者じゃないんだから！」

男「あぁ…ご、ごめん」

女（あ、そうか…そっちなの…かな？）

女「ふふっ」ｸｽｯ

男「？」

女「あ、いや、話に聞いてた通りだなって」

男「は、話に聞いてるの！？」

女「うん、大分有名だよ？」

男「そんなばかな…いや、そうか、最近の生暖かい眼差しは…」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

幼馴染「？」

女「それに！気にしなくてももう友達だよね？」ﾆｺｯ

幼馴染「…」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

幼馴染「あ、ありがと」

男「お？」

女「つんつん」ﾌﾟﾆﾌﾟﾆ

幼馴染「もぉ！」

女「あははっ、やっぱり可愛いなー」

男「良かったなー、ついでに料理も教えてもらえよ」

女「私で良いの？」

幼馴染「やだ」

女「あらら…」

男「じゃあ誰に教えてもらうんだよ」

幼馴染「お母さんがいるもん」

男「おばさんも忙しいんだからあんまり迷惑かけるなよ？」

幼馴染「いいの！」

女「そっかそっか…私達ライバルだもんねー」

幼馴染「敵！」

男「仲良くなー」

女「だいじょうぶだよ」ﾆｺﾆｺ

男「そっか…」

幼馴染「男、何が食べたい！？」

男「そうだな…やっぱり弁当には卵焼きとウインナーかな」

女「ふむふむ…」

幼馴染「女ちゃんは聞いちゃだめ！！」

女「聞こえちゃったんだもん、しょうがないでしょー」

幼馴染「だめなの！私が勝てなくなっちゃう！！！」

女「ごめんごめん」

幼馴染「ふんっ！」ﾌﾟｲｯ

女「ごめんてばー…」

翌日

女「はい、これ」

幼馴染「勝負はまだだからね！」

男「二人ともありがとな」

幼馴染「はい、どうぞ」ｶﾊﾟｯ

男「いや、えっと…あの」

幼馴染「？」

男「あんまり…変わってないって言うか」

幼馴染「お母さん居なかったんだもん…」

男「ほら、だからな…女さんに教えてもらえば」

幼馴染「だめだってば！」

女「男君も女のプライドってわかってあげなきゃ」

男「そういうもんなのか？」

女「うんうん」ﾆｺﾆｺ

…

男「ふぅ、食べ切れた…」

幼馴染「うーん…」

女「はい、じゃあこれどうぞ」

男「ありがと」

幼馴染「…」

男「うん、美味い美味い」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

女「良かった…初めて作ったのもあるからね」

幼馴染「ずるい」

女「えっ？」

幼馴染「女ちゃんばっかり色々作れてずるい」

女「…」

幼馴染「男のお姉さんに教えてもらう」

男「いや、でも幼馴染って姉ちゃんのこと

幼馴染「しょうがないもん」

女「お姉さんがいるの？」

男「うん…」

幼馴染「今日男の家行くから」

男「お、おぅ…」

女（男くんの家…）

幼馴染「負けないから」

女「羨ましい…」ﾎﾞｿｯ

男「ん？」

女「いや、別に…なんでもなぃ」

放課後

男「ただいまー」

幼馴染「…」

母「おかえり、ってあら、幼馴染ちゃんこんばんは」

幼馴染「ぁ…」ﾍﾟｺｯ

男「姉ちゃんいるー？」

母「部屋に居るはずよ」

ｺﾝｺﾝ

男「姉ちゃんちょっといい？」

姉「なに？スカイリムならまだ返せないわよ」

男「いや、それは良いんだけど」

幼馴染「あ、あの！」

姉「っ！……はぅ…幼ちゃん」ﾌﾙﾌﾙ

幼馴染「あの…り、料理を、教えて…いただきたくて」

姉「うんうん…あぁ…もぉ」ｿﾜｿﾜ

幼馴染「その、今日から、お願いしたいんですけど…」

姉「ぎゅーっ！！」ﾀﾞｷｯ

幼馴染「ふわぁ！！」

姉「ぷにぶにぷにぷにぷにぶにぷにぷに」ﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆ

幼馴染「ちょ、あ…お、男！助けて！！！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

男「ちょっと無理です」

姉「はふぅ…可愛いわぁ…」ｽﾘｽﾘ

幼馴染「」

姉「んー」ﾁｭｯ

幼馴染「！」

姉「ほっぺた柔らかいわぁ…」

幼馴染「おとこぉ…」ｳﾙｳﾙ

姉「はいはい、よしよし…」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

幼馴染「うぅ…」

姉「もー！ん、ん！」ﾁｭｯﾁｭ

幼馴染「やぁ…」

姉「それじゃあキッチン行きましょうねー」ｽﾞﾙｽﾞﾙ

男（頑張れ…）

ーーー

ーー

幼馴染「」

男「お、おつかれ…」

幼馴染「ん」

男「じゃあ…ま、またな」

幼馴染「ん」ﾄﾎﾞﾄﾎﾞ

男「…」

翌日

A「幼馴染ちゃん疲れてるわね」

B「よだれ垂らしちゃって可愛いわー」ﾌﾟﾆﾌﾟﾆ

C「よだれ…よだれ…」ｼﾞｭﾙﾘ

ﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆ

幼馴染「zzz」

男（相当疲れたみたいだな…）

昼休み

女「男くんご飯たべよー！」

男「幼馴染もいくぞー」

幼馴染「ハンバーグ…耳たぶ…」zzz

男「おーい！」

幼馴染「はっ！……」

男「昼飯行くぞ？」

幼馴染「うん…」

幼馴染「だいじょうぶ、だいじょうぶ…」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

男「それじゃあいただきます」

幼馴染「はい」ﾊﾟｶｯ

男「お？」

女「あら」

男「見違えたな…」

幼馴染「！」

幼馴染「そ、そう？」

女「お姉さんて料理上手いのね…」

男「調理師の免許もってんだよ」

女「へー…すごい……」

男「うん、味も良い！よく頑張ったなー」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

幼馴染「え、えへへ…」

女「わ、私のも！」

男「あ、あぁ今食べるから」

女「はい…」

男「えっ？」

男（日に日に豪華になってる気はしたけど…）

女「どうかな？…お、お父さんがね、良い牛肉買ってきてね…男君にも食べてほしいなって」

男（でけえ一枚肉…）ｺﾞｸｯ

男「いただきます」

幼馴染「…（美味そう…）」

男「うおおおおおおおおおお！」

女「えっ？え？」

男「うまいッッッ！」

女「良かったぁ」ﾎｯ

男「うまい…けど弁当のレベル越えてるよね？」

女「きょ！今日は特別だもん！」

女「たまたま…そう！たまたま！！良いのがあったからで！」

男「そ、そうですか…」

女「それでね？」

男「？」

女「わ、私にはなでなでしてくれないのかなー、って…」

男「えっ？」

女「お、幼馴染ちゃんばっかりでずるいなー、って」

男「いや、あの」

女「……///」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

男「あ、あー…あの、ね」

女「ん」

男（え？なんで目瞑るのこわい）

幼馴染「…」ｼﾞｰｯ

男「頭を…撫でれば良いんだよね？」

女「うん」

男「…」ｿｰｯ

幼馴染「…」ﾑｯ

男「…」ｽｯ

幼馴染「…」ﾆｺﾆｺ

男「…」ｿｰｯ

幼馴染「…」ﾑｯ

男「…」

女「早くぅ…」ｿﾜｿﾜ

男「ご、ごめん」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

女「んぁ…」

男「こんな感じ？」

女「んー…もっとわしゃわしゃしても、良いよ」

幼馴染「どいて…」ﾎﾞｿｯ

男「ぁ…」

幼馴染「…」ｸﾞｼｬｸﾞｼｬ

女「お、男君？ちょっと強いかも…」

女「ねえ…」ﾁﾗｯ

幼馴染「…」ﾆｺｯ

女「……ず」

幼馴染「？」ﾆﾔﾆﾔ

女「ずるい！！！」

女「幼馴染ちゃんばっかりずるい！」

幼馴染「え、あ…」

女「私だって男君になでなでされたい！胸の中で泣きながらわがまま言いたい！！」

幼馴染「うるさいうるさい！！！」

女「ずるい！ずるい！ずるいー！！！」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

男「」

幼馴染「」

女「幼馴染ちゃんのばかあああああ！」

男「おい、ちょっと」

幼馴染「い、意外…」

男「まさか…同じタイプだったのか…」

幼馴染「同じ？」

男「いや、なんでも」

女「男くううううん！！」

男（まじかよ…）

…

女「男君は胸かしてくれないし…ぐす、なでなでしてくれないし…」

男「」

女「もうだめだぁ…もうやだぁ…」ｸﾞｽﾞｸﾞｽﾞ

男（め、めんどくせー）

女「うわぁん……え？」ｷﾞｭｯ

女「お、男ｋ

幼馴染「よしよし」

女「うわあああああん！！」

男「おい、幼馴染…いじめるのもその辺に」

幼馴染「えっ？」ｷﾗｷﾗ

男（楽しそう…）

幼馴染「～♪」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

女「…ひっく」

男（可愛いな…）

女「ご、ごめんね？」

男「？」

女「こんな見苦しいとこ見せちゃって」

男「いやいや、意外なとこ見れて面白かったよ」

女「お、面白…」

幼馴染「可愛かった！」

男「うんうん」

女「うぅ…///」

女「で、でもおどろかないでね？」

女「こっちの方が素の私だから…」

男「そうなの？」

女「うん…」

男「女さんって、もっと冷めてる大人びた人かと思ってた」

男「っていうか、去年はそうだったし…」

幼馴染「…」

女「みんながそういう目で見るからさ…ちょっと足が速いってだけなのに…」

女「期待に応えなきゃって思わぬキャラに…」

男「ﾌﾟｯ…」

女「ええっ！？ここで笑う！？」

男「あ、いや…ウチのスターが実はこんな人だったなんて…」

女「…」

幼馴染「ぷっ…くくくっ」

女「おいこら」

幼馴染「あははははっ！！」

女「おまえが笑うな」

男「いやー…でも意外だったな…」

女「…」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

男「幼馴染と気が合う訳だ！」

幼馴染「合わないもん」

女「私の方が大人だもん！」

男「いやドングリが何言ってんの？」

薬局とコンビニ行ってくる

度々すいません

女「がるる！」

幼馴染「ふしゅー！」

男「そこが似てるって言ってんの」

女「はっ！大人大人…」

幼馴染「…」

女「ごめんね幼馴染ちゃん」

幼馴染「…」ﾌﾟｲｯ

男「女さんは大人だなー」

幼馴染「！」

女「でしょ？」

幼馴染「ご、ごめんなさい！」

男「よしよし、幼馴染も大人になったなー」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

男（保護者か俺は…）

女「また…」

幼馴染「ふっ」

女「！」

男「ん？どうした？」

女「私も！私の頭も！！」

男「はいはいなでなで」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

女「ふぁぁ…」

幼馴染「…」ｷﾞｭｯ

男「お、おいおい…」

女「…」ｼﾞｰ

男「いや、これは…」

幼馴染「…」ｽﾘｽﾘ

女「…」

女（大人大人）

幼馴染「おとこぉ…」ｷﾞｭｯ

男「分かった、分かったから、な？」

女「大人大人ｵﾄﾅｵﾄﾅ」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

幼馴染「良い匂い…落ち着く」

ﾌﾟﾁﾝ

男「ん？」

幼馴染「むー…」

女「離れろおおおおおお！！！」ｸﾞｲｸﾞｲ

幼馴染「やだやだやだぁ！！」ｷﾞﾘｷﾞﾘ

男「あ、あの…ちょ、苦し

女「私の、番…でしょぉ」ｸﾞｲｸﾞｲ

男「」

幼馴染「女ちゃんはだめなの！」ｷﾞｭｯ

男「」

女「幼馴染ちゃんやっぱずるい…子供！幼馴染ちゃん幼稚！！」ｸﾞｲｸﾞｲ

男「」

幼馴染「お、女ちゃんだって同じじゃん！」ｶﾞｼｯ

男「」

女「同じじゃないもん！ちょっと我慢したもん！！」ｷﾞﾘｷﾞﾘ

男「」ﾌﾞｸﾌﾞｸ

幼馴染「私だって我慢…っ！」

女「嘘つき！幼馴染ちゃ…っ！」

男「」ﾋｸﾋｸ

幼、女「おとこぉー！！」

保健室

男「ふぅ…」

女「ごめんなさい」

幼馴染「ごめんなさい」

男「反省してください」

女「でもっ！あれは幼馴染ちゃんが！」

幼馴染「ち、違うよ！女ちゃんが引っ張るから！」

男「こら！！！！」

女（こら、って言われた…高校生にもなって…）

幼馴染（高校生にもなってこら、って言われた）

男「それが、いけないって、言ってるの！」

幼馴染「…」

女「はい…」

男「全く…近頃の二人は」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

幼馴染「…」

女「…」

…

男「いい加減に落ち着きって物を…」ｶﾞﾐｶﾞﾐ

幼、女（長い…）

男「分かった！？」

幼馴染「は、はい！」

女「はい！」

男「よしよし、それじゃ教室戻ろうか」

女「結局さっきの説教ってどういう事？」ﾋｿﾋｿ

幼馴染「分かんないよ、寝てたもん…」ﾋｿﾋｿ

男「～♪」

女「このままじゃまた怒られちゃうよ…」

幼馴染「大丈夫だよ！女ちゃんが我慢してくれれば」

女「…」ｶﾁﾝ

女「…」ﾌﾟﾆｯ

幼馴染「な、なによぉ…」

女「…」ﾌﾟﾆﾌﾟﾆ

幼馴染「ほっぺたやめてよぉ…」

女「…」ﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆ

幼馴染「や、ちょっと…女ちゃ」

幼馴染「おとこぉ！！！」

男「？」

ﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆﾌﾟﾆ

幼馴染「たしゅけてぇ！！」

女「…」ﾌﾟﾆﾌﾟﾆ

幼馴染「女ちゃん無言で怖いよ！！」

男「…はぁ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

女「…」ｷﾞｭｯ

幼馴染「っ！女ちゃ

男「幼馴染」

幼馴染「な、なに？」

男「女さんになにしたの？」

女「はふぅ…」ｽﾘｽﾘ

幼馴染「女ちゃん…」

男「幼馴染」

幼馴染「は、はいっ」

男「なにしたの？」

幼馴染「いや、別に…何も」

女「嘘つき！！」

男「なにしたの？」

幼馴染「…」

男「怒らないから」

幼馴染「ほんと？ほんとに怒らない？」

男「大丈夫だから」　

幼馴染「……女ちゃんに我慢してもらえれば…私が男と…もっと」

男「ほんと？」

女「…」ｺｸﾝ

男「とにかく、喧嘩両成敗だから二人とも罰として…うーん」

男「もっとおいしい弁当を作ってくること」ﾄﾞﾔｧ

幼、女「えっ？」

幼、女（罰しょぼ…しかも何このドヤ顔…）

男「分かった？」

女「う、うん…」

幼馴染「わかった…」

男「それじゃ、また明日期待してるから！」


女「男君てあんなとこあるんだ…」

幼馴染「うん…昔から説教モードはあんな感じ」

女「昔から怒られてたんだ…」

幼馴染「…うん」

女「ふふっ、やっぱ可愛いなー」

幼馴染「…///」

女「幼馴染ちゃんは男君のこと好きなの？」

幼馴染「…それは、その」

女「私は好きだよ、大好き！優しいもん…気が回るし」

幼馴染「わ、私のほうが！！」

女「あ、やっぱそうなんだ」

幼馴染「あぅ…」

女「付き合いたいとかはないの？」

幼馴染「だって…男はきっと私のこと…」

幼馴染「手の掛かる妹、ぐらいにしか思ってなさそうだし…」

女「そうかなー？」

幼馴染「そうだよ…きっと」

女「保護者みたいに見えるけど」

幼馴染「…」

女「なんて言うか…ふとしたときに真剣な目で見てることもあるよ？」

幼馴染「そ、そうかな？」

女「って、なんでこんなこと言ってんだろ？」

幼馴染「女ちゃんも…優しいね」

女「ち、ちがうし！幼馴染ちゃんは恋敵だもん！」

幼馴染「あははっ、ツンデレ乙！」

女「うるさい！」

女「わ、私ね…男に私の気持ち伝えるから！」

幼馴染「え？」

女「お弁当食べてもらうの…すごく幸せなの」

幼馴染「…いや」

女「男君と喋ってるともっと幸せ」

幼馴染「だ…だめだよ」

女「なんかもう…我慢できないよ、もっともっと幸せになりたいよ」

幼馴染「だめなのぉ…」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

女「ど、どうして？」

幼馴染「女ちゃん綺麗だもん…足だってすごく速いし…有名人で人気者で…料理でも勝てないし…」ｳﾙｳﾙ

幼馴染「私じゃ勝てないもん！男を取られたく、ないんだもん…」

女「やだ」

幼馴染「え？」

女「私だって取られたくない！」

幼馴染「…」

女「幼馴染ちゃんは昔から、男君とずっと一緒じゃん」

女「毎日一緒に登校して…一緒にご飯食べて…一緒に過ごして…一緒に帰って…」

女「ずっとずっと羨ましかったんだから！」

幼馴染「だって幼馴染だもん！」

女「私にちょっとぐらい分けてくれてもいいじゃん！」

幼馴染「だめ！」

女「なんで！」

幼馴染「だめなものはだめ！！」

女「理由になってない！！！」

男「小学生か！！！」

幼馴染「！」

女「！」

男「また喧嘩して…今度はどっちが悪いんだ？」

幼馴染「男！」

女「男君！」

男「え？」

幼馴染「バカ！ばーか！」

女「鈍感！変　！」

男「え？えっ？」

ﾋｿﾋｿ

ｵﾄｺｸﾝﾃﾍﾝﾀｲﾅﾝﾀﾞ

男「いや…え？」

女「もういいよ！勝手にするから！」

幼馴染「ダメだからね！」

男「？、？……？」

……

…

男「なぁ…」

女「なに！？」

男「せ、せめてみんなの誤解を解いていただけると…」

女「幼馴染ちゃんに頼めば？」

男「いや、幼馴染は口も聞いてくれないし…」

女「じゃあ諦めれば！」

男「頼むよぉ…視線が痛くて」

ﾁｸﾁｸ

男「うぅ…」

女「また明日ね！」

翌日

女「男くーん！」

男「おぉ…女さんか…」

幼馴染「おはよ…」

女「疲れてるね！どうしたの？」

男「いやいや…あはは」

女「？」

男「もう覚えてないのね…ﾊﾊｯ」

幼馴染「…」

女「それでね、今日もお弁当作ったからよろしくね！」

男「あ、はい」

幼馴染「わ、私も作ったから！」

男「うん、食べるよ、喜んで食べるから…」

男「良かったらみんなの誤解…解いてください」

女「…？」

幼馴染「…」

昼

男「はぁ…良かったぁ…」

女「ご、ごめんね？まさかあんな事になってるなんて…」

幼馴染「ごめんなさい…」

男「まぁいいや…結果オーライ！ご飯食べようか」

幼馴染「はい、今日は…上手く出来たの…」

男「おー、そうか…がんばってるみたいだなー」ﾊﾟｶｯ

男「…なるほど、確かにこれは美味そうな」ﾊﾟｸｯ

幼馴染「…」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

男「うん、うまい！」

幼馴染「やった！」ﾊﾟｧｧ

女「…」

男「最初の頃からは考えられないなー」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

幼馴染「ふわぁ…あ、ありがと」

女「私のも！」

男「あ、うん」

女「どうぞ」ﾊﾟｶｯ

男（ん？今日のはまた…）

男「いつもより質素だね？」

女「うん、素材の味じゃなくて…やっぱり料理の腕で勝負しようかなって…」

男「そっか」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

男「ん、やっぱこっちの方が好き、かな」

女「ほんと！？」

幼馴染「むー…」

男「うんうん、暖かいというか…優しい感じで」

女「お、幼馴染ちゃんのより？」

男「うーん…そうだなー」

幼馴染「…」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

男「まだ女さんの方が美味しいかな」

女「！」

幼馴染「…」ｼｭﾝ

男「お、幼馴染はもうちょっと練習だな」ｱｾｱｾ

男「そんなに気を落とすなよ…びっくりするくらい上達してるんだから」

幼馴染「うん…」

女「あの、そ、それでね…男君に大事な話があるの」

幼馴染「！？」

女「幼馴染ちゃんには言ったんだけど…」

幼馴染「あ…」

女「男君にお弁当食べてもらうの…すごい幸せなの」

女「美味しいって言ってもらえるだけで１日頑張れる」

女「こうやって一緒に過ごせるだけで毎日が楽しい」

幼馴染「うぅ…」

男「…」

女「私、男君が好き…大好き…」

幼馴染「やぁ…ゃぁ…」

男「…ありがと、凄く嬉しい」

男「でも、やっぱり俺は幼馴染をほっとけないよ」

女「…」

幼馴染「！」

男「こいつ…ちびで人見知りだし、いじられっこで泣き虫だし、危なっかしいから」

幼馴染「おとこぉ…ちょっと言い過ぎ…」

男「俺も女さんのこと嫌いじゃないよ…ううん、好き…だけど」

男「俺は幼馴染にお節介焼き続けるから、それっていい気しないでしょ？だから…

女「私は構わないよ」

男「えっ？」

女「私も幼馴染ちゃん好きだもん、それぐらい気にしないよ」

男「え、いや…でも」

幼馴染「私も男の事好き！！」

男「え？」

幼馴染「こんな私にお節介焼いてくれるの男だけだもん」

幼馴染「ずっと一緒に居てくれたもん…これからも一緒に居てほしいよ」

男「いや、それはもちろん…」

幼馴染「女ちゃんのことなら気にしないよ？」

男「…」

女「幼馴染ちゃん…」

幼馴染「女ちゃんのこと、好きなんでしょ？」

男「それは、そうだけど…」

幼馴染「わ、私のことは…？」

男「好き、です」

幼馴染「じゃあいいでしょ？」ﾆｺｯ

男「いや、でもそれは、常識的に…」

女「男君はそれで幸せじゃないの？」

男「それは…し、幸せ…だけど」

女「私もしあわせだよ？」

幼馴染「私も！」

女「ほら」

男「…これで良い、のかな？」

女「良いの良いの！はい、決定」

男「…うーん」

幼馴染「ちゅー！男、ちゅーしよ！！」

男「な、なんでだよ！」

幼馴染「特別な関係になったんだよ？特別なことしなきゃ！！」

男「そ、それなら別に…手をつなぐとか…ハグとか…」

幼馴染「いつもしてる！」

男「」

女「わ、私も！」

男「なんか乗せられてる気がするけど…」

幼馴染「んー！」
　
男「…ん」ﾁｭｯ

女「男君！おとこくん！！」

男「あ、はい」ﾁｭｯ

幼馴染「…はぅ」ﾎﾟｰｯ

女「…ふわぁ」ﾎﾞｰｯ

男「うーん…」

幼馴染「…」ｷﾞｭｯ

女「…」ｷﾞｭｰ

男「…」

……

…

翌朝

委員長「あ、男君…お、おはよ」

男「ん、委員長かー、珍しいね、おはよう」

委員長「男君は、その…朝から…さ、爽やかね///」

幼馴染「…」ｼﾞｰｯ

女「…」ｼﾞｰｯ

委員長「ところで…そちらの妙な目をした方々は」

男「あ、いや…気にしないで」

女「男君？モテていいね…」

幼馴染「男？調子に乗らないで…」

男「な、なんだよ！！怖いよ」

委員長「ふふっ…面白い人たち…」

男（大変なのはこれからみたいだな…）


おわり