萌郁「代わりに行けば……良いの……？」

岡部「頼めるか？」

萌郁「別に……良いけど…………」

岡部「すまんな」

萌郁「急ぎ……？」

岡部「ああ、今日は最終回だからな」

萌郁「……？」

岡部「頼む、行ってきてくれ」

萌郁「わかった……」

岡部「よし、これでなんとか間に合うか」

萌郁「あの……」

ブラウン「ん？」

萌郁「テレビ……」

ブラウン「なんだ？」

萌郁「テレビの……修理…………」

ブラウン「なんだ仕事か」

萌郁「……そう」

ブラウン「悪いが今日はダメだ」

萌郁「…………それは、こまる……」

ブラウン「今日は最終回だからな、忙しいんだ」

萌郁「なんの……？」

ブラウン「いいから帰れ、今日は終りだ」

萌郁「…………はい」

萌郁「…………ダメだった」

岡部「なにっ！？」

萌郁「忙しい……みたい……」

岡部「ぐぬぬ……Mr.ブラウンめ……」

萌郁「ごめんなさい……」

岡部「仕方ない、何処かテレビのある所へ」

萌郁「出掛けるの……？」

岡部「お前も来い！！」

萌郁「！？」

フェイリス「にゃにゃ、凶真～」

岡部「フェイリス！！テレビの用意を！！」

フェイリス「にゃ！一体どうしたのにゃ？」

岡部「ラボのテレビが壊れたのだ、このままでは最終回が見れん」

フェイリス「にゃー、それは大変だにゃ……でも……」

岡部「どうした！？早くしろ！！」

フェイリス「お店のテレビも壊れちゃったのにゃ……」

岡部「なに！？」

フェイリス「だからフェイリスも困ってたのにゃ」

岡部「なんという事だ……」

フェイリス「今ダルにゃんが頑張って修理してるんだけど……」

ダル「フェイリスたん、あれはもうダメっぽいお」

岡部「ダル！！直らんのか！？」

ダル「オカリン！？なんでここに……」

岡部「ラボのテレビも壊れたのだ」

ダル「んーでも、ここのも修理には時間かかるし……」

岡部「くそ……なんともならんのか……」

まゆり「あれー、オカリン」

岡部「おお、まゆりではないか」

まゆり「オカリン、今日は最終回だからラボに居るって……」

岡部「そのはずだったのだがテレビが壊れてしまってな……」

まゆり「そうなんだぁ……最終回見れないのかなぁ」

岡部「ええい、こうなったらルカ子の所へ」

まゆり「あ、ルカ君ならさっき電話で……」

岡部「テレビの事は聞いたか！？」

まゆり「うん……でもルカ君の所も壊れてて……」

岡部「なっ……」

まゆり「だから今から落ち合って一緒に探そうって……」

岡部「なん……だと…………」

ルカ子「あ、岡部さん……」

まゆり「あ、ルカ君、来たー」

ルカ子「あの……さっき阿万音さんに会って……」

岡部「なに！？鈴羽にか！？」

ルカ子「はい、それで、テレビは私が用意してみせるって……」

岡部「なんと、流石はバイト戦士だな」

ルカ子「だから僕は皆さんを呼びに……」

岡部「よし！！連れていってくれ！！」

ルカ子「はい！！」

ブラウン管工房前

鈴羽「店長～」ｶﾞﾝｶﾞﾝ

鈴羽「あ～け～て～！！」

ブラウン「うっせぇ！！今日は帰れって言っただろ！！」

鈴羽「あ～け～て～よ～」ｶﾞﾝｶﾞﾝ

岡部「鈴羽！！」

鈴羽「あ、岡部倫太郎！！」

岡部「テレビは手に入ったか！？」

鈴羽「ダメ……、失敗した…………」

岡部「くそっ……、これが世界の選択だというのか……」

鈴羽「でもまだ諦めないよ」

岡部「なにか、運命を変える方法があるのか！？」

鈴羽「ただ一つ……、あまり気は進まないけどね…………」

岡部「い、言ってみろ……」ｺﾞｸﾘ

鈴羽「…………、牧瀬紅莉栖……」

岡部「！？」

鈴羽「意味は……、解るよね？」

岡部「そうか……、アイツなら……」

まゆり「どういうこと？」

ダル「わかんね」

萌郁「岡部君……？」

フェイリス「にゃー、良く解らないにゃ」

ルカ子「あの……、岡部さん……？」

鈴羽「行こう、岡部倫太郎。世界を、運命を変えるためにさ！！」

岡部「ああ、解っている……解っているぞ！！」

まゆり「オカリン！？」

岡部「行くぞ！！　助手の……牧瀬紅莉栖の泊まっているホテルへ！！」

紅莉栖「あ、フロントですか？」

紅莉栖「ええ……はい……早急に…………ええ…………」

岡部「紅莉栖！！」

紅莉栖「うわぁ！？な、なんだ突然！！」

岡部「テレビは……テレビはあるか！？」

紅莉栖「て、テレビ……？」

岡部「ああ！！」

紅莉栖「ある……けど……、でも調子が悪いみたいで……」

岡部「なっ……」

紅莉栖「今ホテルの人が来るから」

岡部「間に合うのか？」

紅莉栖「そうね……ギリギリなんとかってところかしら」

岡部「後は時間との勝負か……」

紅莉栖「あら、時間を超越するなんて、狂気のマッドサイエンティスト様なら余裕でしょ？」

岡部「ふ…………、無論だ！！」ﾌﾞﾜｯ!

岡部「…………」

紅莉栖「……」

ｺﾝｺﾝ

岡部「来たか！？」

ダル「は、早く接続！！」

まゆり「アンテナ線はここだよ！！」

フェイリス「テレビはあっちに運ぶにゃ！！」

ルカ子「あ、あの……コンセントはここに……」

萌郁「リモコン……ある……」

鈴羽「岡部倫太郎！！いけるよ！！」

紅莉栖「岡部！！」

岡部「映れよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ！！」ﾎﾟﾁｯ

ﾌﾞｰﾝ

ダル「やった……」

鈴羽「これでようやく……」

まゆり「やった！やったよオカリン！！」

萌郁「映ってる……」

ルカ子「やりました岡部さん！！」

フェイリス「やったにゃ凶真ぁ！！」

紅莉栖「岡部！！映ってる！！映ってるよ！！」

岡部「ああ…………これでようやく……」

紅莉栖「岡部？」

岡部「終わるんだな……」

まゆり「オカリン？」

岡部「おかしいな……嬉しいはずなのに……涙が…………」

紅莉栖「岡部……」

岡部「これで！！終りだ！！」

紅莉栖「うん！！」

岡部「全て！！終りなんだ！！」

まゆり「うん！！」

鈴羽「そうだよ！！」

岡部「俺達はやり遂げた！！」

フェイリス「にゃ！！」

ルカ子「はい！！」

萌郁「……」ｺｸ

岡部「今！！完結の時を向かえる！！」

ダル「…………、でも25話あるぜ？」

岡部「え…………？」

ダル「公式発表、知らんかった？」

岡部「な、なんだと～！？」


おわり