4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/29(月) 22:08:37.20 ID:Zucye1IlO
上条「あれは…!?」


不良A「もう一度言ってみろ!」

美琴「だから、道の真ん中でたむろってたら邪魔だって」

不良B「俺達が邪魔だってよォ!」

不良C「生意気なガキだ」

不良D「歯ァくいしばんな」


上条「まずい!」

引用元: 美琴「ボクには御坂美琴って名前があるんだけど」 


6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/29(月) 22:14:54.48 ID:Zucye1IlO
上条「お前こんなとこにいたのか!」

美琴「ん?」

不良A「んだァ、お前?」

不良B「こいつのツレか?」

上条「そうなんですよ。いやー、ツレがとんだ失礼を」



美琴「キミ、誰?」

上条「ばっ!いいから口裏合わせろ!」

美琴「助けに入ったつもり?」

上条「そーだよ!いいから逃げるぞ」

美琴「そんな必要ないんだけど」



不良C「なにゴチャゴチャやってんだ!」グオッ

上条「うわっ!?」



ビリビリビリビリッ


7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/29(月) 22:20:54.04 ID:Zucye1IlO
美琴「ふう、やれやれ」

不良D「あ…がが」ビリリ

上条「お前…能力者だったのか」

美琴「おや、キミは痺れなかったんだね」

上条「なるほど、超能力で不良を黙らす気だったのか」

美琴「そ。助太刀無用だったって訳」

上条「でもこれはやりすぎだろ」

美琴「なんで?こいつらが悪いんだよ?」

上条「力でねじ伏せるなんて、こいつらと変わんねーよ」

美琴「…うるさいな」ビリッ


13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/29(月) 22:26:35.54 ID:Zucye1IlO
美琴「助けに入ったところでキミは何が出来たんだい?」

上条「そりゃ…何も出来なかったかもしれない」

上条「でも、少なくともさっきのお前みたいに不良挑発して暴力振るう真似だけはしなかった」

上条「あんなの、憂さ晴らしと変わらない」

美琴「…言わせておけばっ!」ビリリリッ

上条「っ!」バシュッ


15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/29(月) 22:32:25.04 ID:Zucye1IlO
美琴「電撃が効かない…?」

上条「危ねー」シュー

美琴「キミも能力者なんだ?」

上条「いや…レベル0だ」

美琴「レベル0!?そんな馬鹿な!」

上条「ウソなもんか」

美琴「…ふ」

上条「…?」



美琴「キミ、面白いよ」

上条「は?」

美琴「レベル0なのにレベル5の攻撃を無効化…」



美琴「そんなの許さないよ!」ビリビリビリッ

上条「うわっ!?危ねぇ!」


19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/29(月) 22:37:44.04 ID:Zucye1IlO




美琴「待てー!」ビビッ

上条「待たねー!」ダダダ



上条(街中だと被害が広まる…人気のないところへ…)ダダダ





美琴「ハァハァ…やっと勝負する気になったかい?」

上条「ゼェゼェ…勝負だと?」

美琴「そう。レベル5であるボクがレベル0に負けるなんて…プライドが許さないからね」

上条「はあ…」

美琴「…本気でいくよ!」ビビビビビッ


20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/29(月) 22:43:09.67 ID:Zucye1IlO
バリバリバリッ



上条「くっ!?」バシューッ

美琴「っ!やはり駄目か…」

上条「こんな大技いきなり危ねーだろ!」シューッ

美琴「ごめんね、キミ相手に手加減する余裕は無さそうなんだ」

上条「お前の勝ちでいいって!死んじまう!」

美琴「次いくよ…守ってるだけだと怪我するよ」サラサラサラ

上条「なっ!?剣が…」


22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/29(月) 22:48:45.56 ID:Zucye1IlO
美琴「砂鉄の剣だよ。これは無効化できないでしょ」ブン

上条「マジかよ…器用すぎるぜ」

美琴「さあ!降参しな!」ブンッ

上条「うわ!?」サッ

美琴「せいっ」ブンッ

上条「くっ!」サッ



パシッ

サラサラサラ



美琴「なっ!?」

上条「ハァハァ…どうやら、それも無効にできるらしいな」


23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/29(月) 22:54:11.70 ID:Zucye1IlO
美琴「だったら…」ビビッ

上条「っと!」ガシッ

美琴「は、離せ!」グッ



美琴「電気が…!?」

上条「俺が掴んでる限り、お前は能力を使えない」

美琴「く…っ、どこまでも人を馬鹿にして!」

美琴「そんな力があるのにどうして本気で戦わないんだ!」



上条「本気になってもいいのか?」



美琴「え…」ドキッ


24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/29(月) 22:58:54.48 ID:Zucye1IlO
パッ



美琴「あ…」

上条「やれやれ…夜も遅いんだから、中坊は早く帰んな」

上条「…あ、そうそう」



上条「お前がいくら強くても、危険な真似は止めろよ」



美琴「…!」ドキッ

上条「じゃあな」

美琴「あ、キミ!」





美琴「………」


28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/29(月) 23:05:52.14 ID:Zucye1IlO
黒子「昨日は随時と遅かったんですのね、お姉様」

美琴「うん、ちょっと変な奴に絡まれてね」

黒子「まさか…ナンパですの?」

美琴「いや、そんなんじゃないよ」

黒子「ということは、また悪人を懲らしめてたんですのね」

黒子「危ない事は私達風紀委員に任せて下さいと、黒子は(ry」

美琴「あ、あはは…」

黒子「まぁ、お姉様なら不覚を取ることは万が一にも無いでしょうけれども」

美琴「ま、まぁね」





美琴(不覚…か)


32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/29(月) 23:12:12.29 ID:Zucye1IlO
上条「ふぁぁぁああ」

土御門「上やんずいぶんと眠そうだにゃー」

青ピ「昨晩充電しすぎたと見えるでぇ」

上条「馬鹿、そんなんじゃねーよ」

土御門「健全な男子高校生が夜に頑張る事…」

青ピ「●●●●以外に何があるのか、是非とも教えてもらうでぇ」

上条「いや、昨日の夜、中坊が不良に絡まれてて」

土・青「女子か!?」

上条「いや…」



土御門「はい終了ー」

青ピ「嘘でも女子って言いーや」





上条「はぁ…」


34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/29(月) 23:24:36.20 ID:Zucye1IlO




上条「今日はあまり不幸が起こらないな」

上条「昨日が悪かった分、今日は軽めなのかなっと」



美琴「あ!キミ!」

上条「それにしても今日は天気がいいなぁ!」

美琴「あれ、もしもーし」

上条「…聞こえない聞こえない」

美琴「…」

ゴロゴロゴロ



上条「うわ!?馬鹿!街中に落とす気か!」

美琴「やっぱり聞こえてたんだね」ニカッ

上条「あ」


36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/29(月) 23:31:12.04 ID:Zucye1IlO
上条「んで、何の用だ?」

美琴「用?」

上条「いや、用事があって話かけたんじゃねーの?」

美琴「用事がなきゃ話かけちゃいけないの?」

上条「いや、そうは言ってないけど…」

美琴「じゃあいいじゃない」

上条「そういやお前、制服は?」

美琴「美琴」

上条「はい?」

美琴「ボクには御坂美琴って名前があるんだけど」

上条「ミコトね、了解」

美琴「キミの名前は?」

上条「上条当麻」

美琴「いい名前だね、よろしく当麻」スッ

上条「ああ…!」ガシッ


40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/29(月) 23:39:32.93 ID:Zucye1IlO
美琴「さっきの答えだけど、学校終わったから着替えてきたんだ」

上条「へぇ…マメなんだな」

美琴「スースーして苦手なんだよね(スカートが)」

上条「この季節だと丁度いいんじゃないのか?(Yシャツは)」

美琴「大多数の人はそうだろうね。ボクぐらいじゃないかな、着替えて出歩くの」

上条「面倒だもんな」

美琴「まあね。でも慣れたよ」

上条「着替えなくてもいい方向に慣れろよ」

美琴「難しい注文だなぁ」


43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/29(月) 23:44:20.70 ID:Zucye1IlO
美琴「当麻は学校帰り?」

上条「ああ」

美琴「この後予定あるの?」

上条「うーん、安売りがあるかないか次第だな」

美琴「あ、自炊してるんだ」

上条「まあな。男の料理だけど」

美琴「でも毎日大変でしょ、すごいね」

上条「ミコトは違うのか?」

美琴「ボクんとこは食事出るから」

上条「いいなー」

美琴「でも食品浮かせて小遣いに回すんじゃないの?」

上条「まーな」ニカッ

美琴「やっぱり」クスッ


44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/29(月) 23:49:37.64 ID:Zucye1IlO
上条「お、豚バラ詰め放題やってる!」

美琴「へー、良かったじゃない」

上条「ああ!参加人数も二人だしな!」

美琴「………ん?」

上条「頼むぜ」ポン

美琴「え、ボク?」







上条「久しぶりに肉のある食卓が続きそうだ」

美琴「嬉しそうだね」

上条「ああ!安くても肉は肉!」

美琴「いつもどんな食事なんだい…」


49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/29(月) 23:54:28.61 ID:Zucye1IlO
上条「そーだ」

美琴「ん?」

上条「せっかくだ、食べてけよ」

美琴「夕飯?」

上条「ああ…って、寮食出るんだっけ」

美琴「いいよ、そっちの方が楽しそうだしね」

上条「そうか?」

美琴「うん。でもいいのかい?」

上条「何が」

美琴「せっかくの肉が一食分減るんだよ?」

上条「…」



ピシッ



美琴「あいた!?」


56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 00:04:18.90 ID:y9eftDPCO
上条「俺の肉が食えないってのか?」

美琴「…クスッ ご馳走になります」

上条「よろしい」

美琴「キミ、面白いよ」

上条「お前も、思ったより良い奴っぽいな」



美琴「…昨日はごめん」

上条「俺はいいけど、あの不良達みたいなのには心ん中で謝っておけよ」

美琴「うん」


59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 00:07:47.26 ID:y9eftDPCO
上条「…」

美琴「…」

上条「な、なんか湿っぽくなっちまったな!」

美琴「うん…」

上条「そうだ!」

美琴「?」

上条「今日は大盤振る舞いだ!焼き肉パーティーにするぞ」

美琴「え、でも」

上条「いいからいいから」ニカッ





美琴「…ありがとう」


60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 00:10:52.41 ID:y9eftDPCO
ガチャッ

上条「ただいまー」

美琴「お邪魔します」

上条「適当に寛いでてくれ」

美琴「あ、なんか手伝うよ」

上条「いいって。適当に切ってくるだけだし」

美琴「そう?」

上条「任せときなさい」フンス

美琴「じゃあお言葉に甘えて」


64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 00:15:02.54 ID:y9eftDPCO
美琴(綺麗に片付いてるなー)

美琴(というか、物が少ないだけのような気も…)

美琴(お、このジャケットかっこいいなー)

美琴(ちょっと着てみてもいいかな…)ゴソゴソ



美琴(ボクには少し大きいかな)

美琴(それに肩幅が…)

上条「何してんだ?」

美琴「あ」


68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 00:18:54.04 ID:y9eftDPCO
美琴「ごめん。かっこいいジャケットだったからつい」

上条「わかるか!そのジャケットいいよな」ズイッ

美琴「う、うん」ドキッ

上条「それがどうしても欲しくて何ヶ月も食費切り詰めてさー!」力説

美琴「わかった!わかったからちょっと近いって!」

上条「ああ悪い」

美琴「ふーっ」ドキドキ


69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 00:24:42.63 ID:y9eftDPCO
美琴「そ、そうだ。準備が出来たのかな?」

上条「おお、そうだ。早く食おうぜ」

美琴「ああ」





美琴「二人前にしては多くないかい?」

上条「たーんと召し上がれ」

美琴「キミが大食いなら話は別だけどさ」

上条「いやいや、ミコトは線が細いから少し食べた方が…」

美琴(ムネナシで悪かったね)

上条「何か言った?」

美琴「いただきますっ」


72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 00:36:03.16 ID:y9eftDPCO




美琴「あ、お茶とかある?」

上条「うーん、そろそろ来ると思う」

美琴「どういうことだい?」



ピンポーン



上条「お、お出ましだ」

美琴「え、え?」

上条「開いてるよー!」



ガチャッ



土御門「ういー、上やん」

青ピ「お邪魔するでー」



美琴「!?」


75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 00:42:39.47 ID:y9eftDPCO
上条「遅かったな」

土御門「やー、パーティーって上やんが言うから肉を買い足しにィ!?」

上条「どうした!?」

青ピ「上やんの外道ォー!!」

上条「そげぶ!?」ボグシャー

美琴「当麻!?」

青ピ「当麻て!この娘今当麻て!」

土御門「パーティーって●●パーティーの事だったのかにゃー!」

上条「な、何馬鹿な事言ってんだよ!」

土御門「じゃあ何故上やんの部屋に女子がいるにゃー!」







上条「…は?」

土御門「…え?」


78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 00:48:06.01 ID:y9eftDPCO
上条「何言ってんだ土御門」

土御門「え、だから上やんが女子を…」



上条「こいつは男だぞ?」



青・土・美「ええええええー!?」





青ピ「あれはマジで言ってる目やで」ヒソ

土御門「上やん…ありえんぜよ」ヒソ

青ピ「あの娘もそう思ってるとは想像してなかったらしいな」ヒソ

土御門「…」

青ピ「どないした?」

土御門「いいこと思いついたぜよ」ニヤリ


80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 00:52:55.28 ID:y9eftDPCO
美琴(そ、そうだったのか…)

美琴(当麻はボクを男だと…)

美琴(ちょっと…ショックだな)

美琴(…ショック?)

美琴(なんでだろ…?)







上条「あ、あれ?みんなどうした?」


82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 01:00:37.09 ID:y9eftDPCO
青ピ「なあなあ上やん」

土御門「俺らにもその娘紹介してくれにゃー」

上条「ああ」



上条「御坂ミコト、今朝も話したけど昨日の夜知り合って、放課後再会したんだ」

土御門「御坂美琴!?」

青ピ「まさかあの常盤dムグッ」

土御門「なあ上やん、ちょっと美琴クン借りるにゃー」

土御門「ちょーっと表まで付き合って欲しいにゃー」

美琴「は、はい」



バタン





上条「なんなんだ…?」


83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 01:05:53.44 ID:y9eftDPCO
美琴「あの、ボクは女で」

土御門「知ってるぜよ」

青ピ「常盤台のエース、御坂美琴言うたら超のつく有名人や」

青ピ「しかしさっきなんで止めてん。常盤台て言うたら上やんも女ってわかったやん」

土御門「いや、今美琴ちんを女と言うのは危険だ」

美琴「え!?」

青ピ「なんやて!?」

土御門「昨日今日知り合ってここまで打ち解けた仲が崩壊する危険がある」

美琴「そんな…」


88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 01:21:52.28 ID:y9eftDPCO
美琴「ど、どうすれば…」

土御門「答えは簡単にゃー」

美琴「え、どういうことですか?」

土御門「つまり、このまま男の子で通せばいいぜよ」



青・美「な、なんだってー!?」



青ピ「な、なぁもしかしtムグッ」

土御門「どうどう」

美琴「し、しかし昨日今日ならまだしも、これからずっと隠し通せる自信が…」

土御門「いやいや、ずっととは言ってないにゃー」

土御門「ちゃんと時間をかけて友情を育んだ後なら、打ち明けても上やんは動揺しない筈ぜよ」

美琴「そ、そうかな」

青ピ「ムグーッ」


90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 01:28:13.06 ID:y9eftDPCO
土御門「間違いないにゃー、信じるぜよ」

美琴「よし…頑張ろう」



ガチャ バタン



青ピ「ぷはっ」

土御門「ククク…面白くなったぜよ…」

青ピ「なあ、時間経つ程気まずいんとちゃうのん?」

土御門「そりゃそうにゃー」

青ピ「な!アンタも酷いやっちゃなー」

土御門「まあまあ、こっちの方が展開的に燃えるよにゃー」

青ピ「まあ…貴重な男装女子が減るのは惜しいわな」

土御門「我々は美琴ちんを正しい道に導くんだにゃー」

青ピ「了解や」


91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 01:35:17.98 ID:y9eftDPCO
上条「何やってたんだ?」ムグムグ

美琴「あー、えと」

土御門「名刺交換ぜよ」

上条「はあ?」

青ピ「名刺交換は紳士の嗜みやで上やん」

土御門「上やんは名刺持ってないのかにゃー」

上条「持ってねぇよ」

青ピ「あ、この肉いただきや!」

上条「はは、今日は取り合いする必要ないからなー」

土御門「しかし焼け上がる肉の順番は待てんぜよ!」

青ピ「男ならガッといかなな!なあ美琴ちん」

美琴「あ、ああ!」ガッ

上条「お!燃えてきたな!俺もっ」ガッ



土御門(上手くごまかしたにゃー)

青ピ(男装女子萌え萌えやでー)


92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 01:45:15.72 ID:y9eftDPCO




上条「ふー、久しぶりに満腹だ」

土御門「たまにはダチでこういうのもいいもんだにゃー」

青ピ「しかし、なんで急に焼き肉パーティーを?」

上条「それは…」

美琴「当麻が…」

青ピ「ん?」



美琴「当麻がボクを励ます為に開いてくれたんです」

青ピ「そうなんか!」

上条「まあな」

土御門「流石上やん!良かったなー美琴ちん」

美琴「皆さん、ありがとうございました」スッ

上条「いいってことよ」

青ピ「かわいい後輩の為なら、力んなるでー」

土御門(こんないい娘なら騙すの止めとけば良かった…)

土御門「これからよろしくにゃー」


95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 01:54:48.62 ID:y9eftDPCO




美琴「じゃあボクも帰るね」

上条「ああ、気をつけて帰れよ」

美琴「わかってる」

上条「じゃあな」



ガチャッ



美琴「あ、当麻」

上条「なんだ?」

美琴「たまに遊びに来ていいかな」

上条「ああ、もちろん」

美琴「ありがとう!おやすみ」



バタン…



上条「結構いいやつじゃん」


96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 01:59:57.57 ID:y9eftDPCO
美琴「ただいま」

黒子「あらお姉様、今日は外食でしたの?」

美琴「うん、他校の友達とね」

黒子「そうでしたの。お姉様、よっぽど楽しかったのですね」

美琴「ん?なんで?」

黒子「そんなにニコニコなさってたら誰でもわかりますの」

美琴「そ、そんなに笑ってたかな?」

黒子「ええ。写真に収めたくなる程」

美琴「はは…気をつけるよ」


97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 02:15:04.54 ID:y9eftDPCO




美琴「おーい」

上条「ミコトか、おす」

美琴「あれ、鞄なんて持ってどうしたんだい?」

上条「上条さんは成績が悪いので補習なんです」ガクリ

美琴「あー、お疲れ」

上条「そういうお前は?休みだし、誰かと待ち合わせか?」

美琴「いや、コンビニで立ち読みして帰るとこ」

上条「うわぁ…それって補習以下じゃん」

美琴「悪かったね」

上条「じゃあ暇人同士お茶でもするか」

美琴「いいね、それならボクいい店知ってるよ」


98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 02:20:25.29 ID:y9eftDPCO
上条「ミコトさん」

美琴「なに?」

上条「すごく高そうなんですけど」

美琴「ボクのとっておきだからね」

上条「ちょっと上条さんの財政的には厳しいんですが」

美琴「当麻がボクを誘ったんだよ?」

上条「とても情けないんですが本当に無理でして…」





美琴「ぷっ」

上条「え」

美琴「ごめんごめん、当麻があんまり慌てるからつい」クスクス

上条「え、え、え」


99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 02:25:11.77 ID:y9eftDPCO
美琴「だからごめんって」

上条「上条さんは別に怒ってません」

上条「タダで旨いお茶とケーキを食べれて大変上機嫌です」ムスーッ

美琴「こっちのケーキも一口どう?」

上条「うむ」



パク



上条「うん、旨い!」

美琴「良かったー、これボクのイチ押しなんだよ」

上条「ケーキに免じて許してやる」パクパク

美琴「ああ!?ちょっと食べ過ぎだよ!」


100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 02:29:45.50 ID:y9eftDPCO
初春「ねえねえ佐天さん」

佐天「なに?」

初春「あれ、御坂さんじゃないですか?」

佐天「本当だ!男の人とケーキつつきあってる!」

初春「デートですよね」

佐天「100%デートだね」

初春「そっとしときましょうか」

佐天「そうだね」

初春「白井さんにバレないといいですね」

佐天「そうだね」


104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 02:41:34.78 ID:y9eftDPCO




上条「なんか悪いな」

美琴「何が?」

上条「奢ってもらってさ」

上条(しかも後輩に)

美琴「当麻、今のは聞かなかったことにしとく」

上条「あ…」

美琴「ね、当麻」

上条「ああ…!」

美琴「さて、まだ帰るには早いけど」

上条「じゃあ今度は俺の番だな」

美琴「フフ…どこに案内してくれるのかな?」


106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 02:48:09.43 ID:y9eftDPCO




上条「金を使わないで遊ぶならここだな」

美琴「へー、バスケのコートがこんなとこに」

上条「結構状態いいのに利用者少ないんだよな」ダムダム

美琴「穴場なんだね」

上条「ミコトはバスケ好きか?」シュッ

美琴「もちろん」パシ



上条「晩飯」

美琴「…いいよ、受けて立つよ」ダムダム


108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 02:52:29.78 ID:y9eftDPCO




上条「ま、負けた…ッ」ガクリ

美琴「ディフェンスは上手いのにシュートがねぇ」ダムダム

上条「この右手が憎いッ」

美琴「不自然な方向にボールが跳ね返るよね」

上条「…不幸だ」

美琴「やっぱり面白いよ、当麻」


110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 02:58:58.26 ID:y9eftDPCO




ガラガラガラ

「いらっしゃーい、カウンターどうぞー」



上条「俺のオススメのラーメン屋だ。ほれメニュー」

美琴「安いね!どれがおいしいかな」

上条「どれでも安くて上手いけど、その780円の特製ラーメンが一番ボリュームあるな」

美琴「わー、運動してるとは言えこれは食べきれないかな」

上条「遠慮するなよ。お前は勝者なんだからな…!」

美琴「い、いやいいよ」

上条「すいませーん、特製と醤油を」

「あいよ!」

美琴「ちょっ」

上条「いいからいいから」


112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 03:03:30.91 ID:y9eftDPCO
「はい特製と醤油お待ちー!」



美琴「!?」

上条「うわっ、やっぱすげーな!」

美琴「当麻はボクを太らせたいのかい?」

上条「いや、まあ少し鍛えた方がいいとは思うけど」

美琴「え、そうかな」

上条「沢山食わないと、成長期なんだし」

美琴「そ、そうだね」

上条「いただきまーす」

美琴「いただきます…ッ」


114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 03:08:43.86 ID:y9eftDPCO
美琴「と、当麻」

上条「どうした」

美琴「少し食べない?」

上条「食えなかったかー」

美琴「おいしいんだけど…ボクには少し多いかな…」

上条「悪い悪い、じゃあいただきますよ」ズズーッ









「ありがとうごまかしたーッ」

上条「食った食った」

美琴「満腹だー」

上条「無理強いして悪かったな」

美琴「いやいや、おいしかったし気にしてないよ」

美琴(成長期だもんね)


117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 03:13:43.79 ID:y9eftDPCO
美琴「さて、帰ろうかな」

上条「じゃあ俺も」

美琴「今日は楽しかったよ」

上条「俺もだ」

美琴「また今度、補習以下になりそうになったら連絡するね」

上条「あれは失言でした」

美琴「フフ…、じゃあね」

上条「おう、じゃあな」


173: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 22:18:45.31 ID:y9eftDPCO




上条「悪い悪い、キャッチセールスに捕まってさ」

美琴「クスッ…キミが言うと本当っぽく聞こえるんだよね」

上条「いやホントなんだって!」

美琴「フフ…いいよ、一時間待つぐらい大したことじゃないさ」

上条「ごめんな、二時間前に出たんだけど…」

美琴「…キミも苦労してるね」


174: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 22:25:14.89 ID:y9eftDPCO
上条「いや、今日はたまたま不幸が重なってだな」

美琴「ここ一週間でキミの不幸体質は理解しているよ」

上条「ハァ…」

美琴「ため息はよしなよ。幸せが逃げるよ」

上条「逃げる程幸せ持ち合わせてねーよ」

美琴「むっ」





美琴「幸せは逃げなくても、クレープは逃げるかもね」

上条「ため息はよくないよな。周囲に不快感を与えるし」


176: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 22:36:30.92 ID:y9eftDPCO




美琴「はい、当麻の分」

上条「なんか餌付けされてる気分」ムグッ

美琴「そんなことないよ」ハムッ

上条「いや、毎回毎回おやつ奢られてるからなぁ」

美琴「いやいや、正当な報酬さ」

上条「報酬?」

美琴「ボクは当麻といると、とても新鮮で楽しいんだ」

美琴「さっきだって当麻とクレープ食べたいと思ったから買ってきただけ」

美琴「これって、すごく自然なことだよね」

上条「…」

美琴「…当麻」



上条「お前、恥ずかしいこと言うな」

美琴「悪かったね」


179: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 22:44:57.54 ID:y9eftDPCO
土御門「なんだか普通でつまらないにゃー」

青ピ「ワイはボクっ娘が見れるだけで満足やでー」

土御門「もっとこう…『こんな時、男の子ならどう返すんだろう…ドキドキ』みたいな展開が欲しいにゃー」

青ピ「美琴ちん、上やんの事兄貴分ぐらいにしか思ってなさそうやな」

土御門「『好きだけど…当麻の中でボクは男の子』みたいな葛藤は無いのかにゃー」

青ピ「逆に上やんに気づかせてもオモロそうやな」


181: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 22:53:43.00 ID:y9eftDPCO
上条「じゃあどこ行く?」

美琴「立ち読み以外ならどこでもいいよ」

上条「言ったな?上条さんを本気にさせたいんだな?」

美琴「あ、『常磐Midnight4』のロケテスだ。当麻、やろうよ」

上条「聞けよ!やるけど!」





『3』

上条「負けたら昼飯な」



『2』

美琴「ごちそうさま、当麻」



『1』

上条「言ってろ!」



『GO!』


182: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 23:00:00.03 ID:y9eftDPCO




美琴「悪いね、当麻」

上条「どこの世界に渋滞するレースゲームがあるんだよ…」

美琴「ちゃんとVICS確認しないと」

上条「するかあああああ!」

美琴「うーん、タダのご飯はおいしいなぁ」

上条「クレープより高くついちまった…」ガクリ


185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 23:08:41.80 ID:y9eftDPCO
佐天「いいなー御坂さん」

初春「とっても楽しそうですね」

佐天「さっき勝った時の満面の笑みときたらっ」





美琴「やったやった!これで3連勝だね!」

上条「くっ…俺のデミオム定食がぁぁぁ」





初春「思わず飛び跳ねてましたね」

佐天「いいなー、青春してるなー」


192: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 23:18:22.69 ID:y9eftDPCO




美琴「やー、楽しかったよ」

上条「次遊ぶとしたら来月だな…仕送り的に」

美琴「やった、じゃあ来月のアタマ予約!」

上条「まず今月遊ばないとこにツッコめよ!」

美琴「あははっ 当麻のツッコミの方が冴えてるからね!」

上条「くそう…年下に手玉に取られてる」


194: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 23:26:17.58 ID:y9eftDPCO
美琴「ただいまっ」

黒子「お姉様、お帰りなさいまし」

美琴「今日の晩ご飯はなーにかな~」ヌギヌギ

黒子「…」

美琴「デミオム以外なら何でもいい~」ポイポイ

黒子「…ハァハァ」

美琴「できたらプリンがあればいい~」イソイソ

黒子「…ゴクリ」

美琴「どうしたい?黒子」

黒子「ハッ…いえ、何でもありませんの」



黒子(最近のお姉様は少々刺激的ですの)タラーッ


198: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 23:32:56.88 ID:y9eftDPCO
……



ピンポーン



上条「はーい」ガチャッ

美琴「やあ」

上条「おう、上がった上がった」

美琴「お邪魔します」バタン





美琴「あれ、土御門さん達は?」

上条「今日は来てない」

美琴「そっかー、ドカボンでもと思ったんだけど」

上条「あいつらの行動は読めないからなぁ」


204: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 23:41:19.31 ID:y9eftDPCO
美琴「じゃあパワプルで」

上条「いいぜ、じゃあ俺は横浜な」

美琴「中日の力、見せてあげるよ!」

上条「全盛期の琢朗の俊足よ、唸れ!」

美琴「どんなバッターも野口のスライダーの前には無力…!」





土御門「隣が騒がしいにゃー」

青ピ「そろそろラブコメってもええんちゃう?」


206: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 23:48:14.30 ID:y9eftDPCO
…そんなある日



美琴(うう…具合悪い)

美琴(今日ばかりは女に生まれた事を本気で後悔するね…)

美琴(こんな日は寮で寝てたいんだけど、流石に生理用品は自分で買いに行かないと…)

上条「おーい、ミコト!」

美琴「げ、当麻…」





上条「ん?元気無いな。どうした?」

美琴(当麻ゴメン。ボク、今一番キミに会いたくなかったよ)


207: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 23:51:57.05 ID:y9eftDPCO
上条「顔色悪いな…、送ってくから帰ろうぜ」

美琴「いや、ちょっと薬局に…」

上条「薬か?俺が買ってくるから大人しく寝てろって」

美琴「いや、お構いなく…」

上条「あ、コラ!無理すんな!」ガシッ

美琴(ああ…鬱陶しいなぁ)


208: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/30(火) 23:57:51.84 ID:y9eftDPCO
美琴「当麻…」

上条「なんだ?肩貸すか?」

美琴「今日だけは放っておいてくれないかい…?」

上条「バカっ そんな顔色悪い奴を放っておけるかよ!」

美琴「…お願い」

上条「駄目だ、無理矢理でも寝させるぞ」美琴「ああ…もうっ」ビビッ



美琴「大きなお世話だよ!!」

ピシャゴロゴロドォーン!!!!!!!!


209: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/31(水) 00:00:49.70 ID:ieCfrxFDO




ガチャッ

美琴「ハァ…」ボスン





美琴「当麻…怒ったかな」

美琴「心配してくれたのに、事情も説明しないで拒絶するなんて…」





美琴「ボク、最低だな…」





美琴「…グスッ」


211: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/31(水) 00:03:26.39 ID:ieCfrxFDO




上条「ったく、ミコトの奴なんなんだぁ?」

上条「まぁ、…虫の居所が悪かったと思うことにするか」



ガチャガチャ



上条「ハァ…」



上条「今日は寝るか…」


212: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/31(水) 00:12:36.64 ID:ieCfrxFDO
……



ムシムシ

上条「…」



ムシムシムシ

上条「……あつい」



上条「なんだ?エアコン止めたっけか?」

ポチ

エアコン「…」

上条「…あれ?」

ポチ

エアコン「…」



上条「嘘だろ…」


213: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/31(水) 00:18:17.09 ID:ieCfrxFDO
上条「不幸だ…」



ムシムシ

上条「こうムシムシしてたら暑くてかなわねぇ…」

上条「麦茶麦茶…」ガチャッ

ムワン

上条「うわぁ…温い空気が…」

上条「冷蔵庫まで故障……まさか」



カチ カチ ポチ カチャッ ………



上条「電化製品…全滅!?」





上条「ふ…不幸だ…」ガクリ


217: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/31(水) 00:23:41.72 ID:ieCfrxFDO
上条「何か生き残った食材は…」グゥー

ガサゴソ

上条「この惣菜パン…も駄目っぽいな」

ピリリリリリ

上条「小萌先生…?」ピッ

上条「もしもし」

小萌「上条ちゃん馬鹿だから補習でーす」



上条「…不幸だ」


218: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/31(水) 00:28:31.93 ID:ieCfrxFDO
上条「よ、よし。気分を入れ替えて、布団でも干すとするかぁ!」

上条「よっ」グチャッ



上条「…ウゲ」



上条「空はこんなに青いのに、お先は真っ暗…」





上条「ミコト…元気になってるかな」


220: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/31(水) 00:33:54.83 ID:ieCfrxFDO




美琴「当麻に謝ろう」

美琴「誠心誠意謝れば、きっと許してくれる筈」

美琴「家に直接行ってもいいけど、体調が万全じゃないし…」

美琴「とりあえず電話でアポとろうかな」ピピピ







電話「チャララー、チャチャチャチャチャチャ、チャララー」ブルブル



上条「シスター…さん?」

禁書「…」ブラーン


223: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/31(水) 00:40:18.66 ID:ieCfrxFDO
美琴「出ないな…まだ寝てるのかな?」

美琴「もうしばらくしたらかけ直そう…」



美琴「…当麻」







電話『着信アリ』



禁書「酸っぱい味付けが憎いよね!」

上条「………うわぁ」

上条「ゴクッ…俺が地獄に落ちる!」モグモグッ

禁書「ああ!?」

上条「ウグッ!?」バタンッ


226: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/31(水) 00:44:55.69 ID:ieCfrxFDO
美琴「そろそろ起きたかな?」



上条「やべぇ!補習!」



美琴「もし…当麻怒ってたら…」ピッ



上条「うわ!?」バキッ





『お掛けになった電話は、現在電波の届かない所にあるか、電源が入っていない為、掛かりません』





美琴「…え」


229: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/31(水) 00:49:16.40 ID:ieCfrxFDO
美琴「当麻…怒ってる」

美琴「やだ、どうしよう」

美琴「ごめん、ごめんよ当麻…」





美琴「ボクが女だったばっかりに、キミを傷つけてしまったんだね」











小萌「上条ちゃんはすけすけみるみるです」

上条「不幸だ…」


231: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/31(水) 00:54:55.91 ID:ieCfrxFDO
……





美琴「単に電池切れかとも思ったけど…」

美琴「メールの返事すらない…」

美琴「当麻に嫌われた…」







黒子「お姉様の元気がありませんの」

佐天「何かあったんですかね」

黒子「数日前まではアノ日だと思ってましたが、それだけではなさそうですの」

初春(彼氏ですね)

佐天(彼氏だね)

黒子「何か心当たりが?」

初春「いいえ」

佐天「全然」


240: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/31(水) 01:14:28.06 ID:ieCfrxFDO




美琴「…ゴクリッ」

美琴「へ、返信がなかったぐらいでボクは何を慌ててたんだろう」

美琴「当麻の事だ、携帯料金の支払いが出来ず止められてる…なんてことめあり得る」

美琴「よし…、いざっ」



ピンポーン



美琴「…」ドキドキ



ガチャッ



美琴「!」



禁書「はいはい誰かな?」

美琴「!?」


241: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/31(水) 01:22:39.77 ID:ieCfrxFDO
美琴「とっとっ当麻の部屋に…おお女の子?!?!!」

禁書「とうまのお客さんなのかな?」

美琴「しかもよびすて!」

禁書「むー、上がらないの?」

美琴「あがりますっ」







禁書「適当に寛ぐといいよ」

美琴(この娘は当麻とどういう関係なんだろう…)

美琴(妹?にしては外見が違いすぎるし…)

美琴「ボクは御坂美琴。…キミの名前は?」

禁書「私の名前はインデックスだよ。そういえば自己紹介してなかったね」

美琴「インデックス…?外国の方?」


245: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/31(水) 01:31:59.10 ID:ieCfrxFDO
禁書「そうなんだよ。イギリスから転々と逃亡生活をしている内にここに来たんだよ」

美琴「逃亡だって?」

禁書「魔術師に追われていたところをとうまが助けてくれたんだよ」

美琴「…そっか」

美琴(当麻…ボクの知らないところで危険なことを)







美琴「当麻は?」

禁書「補習って言ってたんだよ」

美琴「やっぱり」


246: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/31(水) 01:37:02.01 ID:ieCfrxFDO
禁書「みことはとうまに何の用だったの?」

美琴「いや、大した事じゃないんだ」

禁書「…そんな風には見えないけど」

美琴「いや、本当につまらない用事なんだ」

禁書「ふーん」

美琴「あ、あはは…」

禁書「あ、とうま。お帰り」

美琴「え!?」









禁書「本当につまらない用事なんだ」ジーッ

美琴「…」


250: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/31(水) 01:43:02.72 ID:ieCfrxFDO
美琴「今日は出直すことにするよ」

禁書「もう少しゆっくりしていってもいいんだよ」

美琴「いや、なんだか力が抜けてしまったからね。お暇するよ」

禁書「ちょっと残念だよ」

美琴「また近い内にお邪魔させてもらうね」ガチャッ

禁書「あ、みこと!」

美琴「ん?」





クゥー



禁書「お腹へった」

美琴「え?」


255: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/31(水) 01:57:23.26 ID:ieCfrxFDO
美琴「ふう…最初からそう言えばいいのに」カチャッ

禁書「わぁ!みこと手際良いね!」

美琴「フフ…ありがとう。冷蔵庫の中身勝手に使って良かったのかい?」

禁書「全然大丈夫なんだよ!!私のゴハン用意しないとうまが悪いんだよ!!」ムキャー

美琴「あはは…」

禁書「おいしい!とうまのゴハンより全然おいしいよ!」パクパク

美琴「そうかな?照れるな」





美琴「やっぱりボクは帰るよ。またねインデックス」

禁書「うん!また来るといいんだよ!」


258: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/31(水) 02:04:05.53 ID:ieCfrxFDO




ガチャッ

上条「ただいま」バタン

禁書「とーま」ギロッ

上条「ど、どうしたインデックス。恐い顔して」

禁書「私の昼ご飯、忘れて行ったでしょ」

上条「あ、しまった、悪いインデックス」

禁書「全く、みことが来なかったら餓死するとこだったんだよ」

上条「え、ミコトが来たのか?」

禁書「そうなんだよ。とうまも少しはみことを見習った方がいいんだよ」フンス



上条「インデックス」

禁書「なに?」

上条「ミコトは…元気だったか?」

禁書「うん。とうまと話したがってたんだよ」

上条「そっか…」


263: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/31(水) 02:16:05.50 ID:ieCfrxFDO




バタン

美琴「ただいま」

黒子「あ、お姉様」

美琴「黒子、出かけるの?」

黒子「ええ。お姉様もご一緒致しません?」

美琴「…そうだね。いろいろ心配かけたみたいだし」

黒子「もう、大丈夫なんですの?」

美琴「ああ。済まなかったね」

黒子「では…我慢していた分を!」

美琴「まさか…」



黒子「お姉様ぁぁぁぁあああん!」



美琴「ちょっ!脱がさないでくれ!」


266: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/31(水) 02:26:32.41 ID:ieCfrxFDO




美琴「黒子、ちょっと買いすぎじゃないかい?」

黒子「お姉様の体調が優れなかった間、黒子は食事が喉を通らない想いでしたの。今日ぐらい羽目を外させて下さいまし」

美琴「まぁ、黒子がいいならボクはいいけど…」

黒子「何かご不満が?」

美琴「…付き合うと言った手前、荷物持ちだろうがブティック何軒回ろうが構わない」



美琴「でもスカートは…スカートだけはどうにも恥ずかしくて…」

黒子「お姉様、とってもお似合いでしてよっ」


268: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/31(水) 02:32:55.77 ID:ieCfrxFDO
美琴「似合うって、いつもの制服なんだからさ…」

黒子「いいえ、お姉様が就学時間外で制服をお召しになれているのを見たことがありませの」

黒子「制服着用は常盤台の規則であるにもかかわらず、まるで少年の様な格好で出歩かれて…」

美琴「だって、あれの方が落ち着くし…」

黒子「とにかく!風紀委員会の私と出歩く時はスカート着用を徹底致しますの!」

美琴「職権乱用だ…」


270: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/31(水) 02:45:16.50 ID:ieCfrxFDO
ワイワイガヤガヤ



美琴「人だかりだ」

黒子「一体何でしょう?」





美琴「鋭利な切り口…」

黒子「気体制御系の能力者の悪戯でしょうか?」

美琴「悪戯…ねぇ」

黒子「風紀委員会のお仕事ですの!」

美琴「あ、黒子!流石にこの量の荷物は…」



美琴「全く…」





禁書「」



美琴「…インデックス?」


289: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/31(水) 09:21:14.25 ID:ieCfrxFDO
美琴「おーい、インデックス!」

禁書「あ、みこと!」



禁書「すごい荷物だね」

美琴「あはは…全部友達のなんだよね」

禁書「そうだ、とうま見なかった?」

美琴「いや、見てないけど…」

禁書「なんだか胸騒ぎがするんだよ…」

美琴「…」


290: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/31(水) 09:27:20.05 ID:ieCfrxFDO
美琴「黒子」

黒子「どうしましたお姉様」

美琴「この辺でツンツン頭の男の子見なかった?」

黒子「さあ…?見ていませんけど」

美琴「わかった、ありがとう、荷物よろしく」ドサッ

黒子「おっ、お姉様!一人でこの荷物は少々酷ですのっ」

美琴「寮にテレポートさせたらいいと思うよっ」タッタッタッ


292: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/31(水) 09:30:57.87 ID:ieCfrxFDO
美琴「…当麻、どこにいるんだい」タッタッタッ



禁書「とうま…」テクテクキョロキョロ









美琴「ハァハァ…いた?」

禁書「ううん…」

美琴「携帯も通じないし…どうしたっていうんだ」

禁書「とうま…」





禁書「…あ」


293: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/31(水) 09:36:34.17 ID:ieCfrxFDO
美琴「いたかい!?」

禁書「違うけど…」

美琴「…けど?」



禁書「みことと会ったとこ、魔力を感じるよ」

美琴「魔力…?」

禁書「これは…人払いのルーンの跡!」

美琴「一体どういうことなんだい?」

禁書「魔術で人が立ち入らないように結界を張っていた痕跡があるんだよ」

美琴「…俄かに信じがたいけど、つまり」

禁書「とうまの身に何かあったのかも…!」


297: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/31(水) 09:51:39.25 ID:ieCfrxFDO
禁書「ルーンが解除されてるってことは、既に戦闘が終わってる可能性が高いんだよ」タタタッ

美琴「だとしたら、万一にも当麻が負けていたら…」タッタッタッ

禁書「あっ!?」

美琴「と、当麻…」



上条「」

美琴「当麻、聞こえる?当麻!」

禁書「刃物で斬られた痕…」



神裂「彼は私が倒しました」

美琴「…誰」

神裂「神裂火織。上条当麻は我々の目的を妨害したので撃破しました」

美琴「よくも…!!」ビリビリビリッ

神裂「命に別状はない筈です。連れて帰って手当てをして下さい」

美琴「当麻をこんなにしといて、どの口が言うんだ!」バリバリッ

禁書「どうして!…どうして人払いまでしてとうまを狙ったの?」

禁書「貴女の目的は私でしょ?」


298: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/03/31(水) 09:57:58.58 ID:ieCfrxFDO
神裂「ええ、その通りです」

禁書「じゃあ…!」

神裂「単純な話です」



神裂「我々の指示に従わなければ、彼を殺します」

禁書「!」

美琴「させるか!」

神裂「早まらないで下さい」

神裂「我々の真の目的は、インデックスの記憶している10万3000冊の魔導書」

美琴「記憶…だって?」


 
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 01:39:53.70 ID:0Xb/Gex90
神裂「三日後・・・インデックスの記憶を奪い去ります」

美琴「インデックス、聞く必要ないよ」

神裂「これは希望や忠告ではありません。命令です」

美琴「させないっ 当麻もインデックスも守りきる!」

禁書「・・・」



禁書「私が従えば・・・もう、とうまを傷つけないんだよね?」

美琴「インデックス!?」


 
2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 01:40:46.27 ID:0Xb/Gex90
神裂「約束します。あくまで彼は足枷なのですから」

禁書「ありがとう」

美琴「インデックス、正気か!? キミが犠牲になったって当麻は喜ばない!





禁書「ありがとうみこと。でも私もとうまと同じで、とうまやみことが犠牲



になっても喜べないんだよ」

美琴「インデックス・・・」

神裂「三日後の夜、迎えに行くので大人しくしていてください」





神裂「良い別れを・・・」



3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 01:41:36.45 ID:0Xb/Gex90
・・・・・・



美琴「当麻、目を覚ましておくれ・・・」



美琴「こんな時こそ、ボクの力を使うべきなのに・・・」



美琴「友達を守りたいのに・・・」



美琴「どうしたらいいのか・・・わからないんだ」



上条「・・・」

美琴「当麻、もう一度わらっておくれ・・・」


4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 01:42:38.34 ID:0Xb/Gex90
・・・・・・



美琴「インデックスにご飯作った時、当麻もいたらなあ・・・なんて思ったな



ぁ」

美琴「当麻・・・帰ったら起きてるかな」



ステイル「明日までは起きない・・・と、僕は思うけどな」

美琴「! 魔術師か!」

ステイル「こんにちわ、御坂美琴」

美琴「・・・」ビビッ

ステイル「おっと、今日は戦いに来たんじゃない。補足説明に来たんだ」

美琴「補足説明?」

ステイル「彼女抜きで話がしたかったからね。一昨日のでは不十分なのさ」



5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 01:43:03.29 ID:0Xb/Gex90
・・・



ステイル「ボクらの真の目的は10万3000冊の奪取ではなく、彼女の記憶の消



去」

美琴「消去・・・?」

ステイル「そうさ。彼女が完全記憶能力者なのは知っているね?」

美琴「ああ・・・」

ステイル「その能力のせいで、彼女は道端の石ころの数から他人の会話まで



一つたりともわすれることができない」

ステイル「だから一年ごとに記憶を消去しないと、膨大な魔道書の情報と記



憶能力で脳がパンクしてしまう・・・!」

美琴「そ、そんな・・・」


6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 01:43:31.26 ID:0Xb/Gex90
ステイル「僕達は一年毎に彼女の記憶を消去することで、彼女の命を長らえ



てきた」

ステイル「仲間の記憶を奪うのはそれはそれは苦しかったよ。共に過ごした



時間が無に帰すんだからね」

ステイル「それでも彼女が生きてくれさえすれば・・・僕らは敵にも悪魔にも



なれた」

美琴「どうして・・・」



美琴「どうしてそこで納得できるんだ!そんなの勝手じゃないか!」

ステイル「ああ・・・これは僕達のエゴだ」

美琴「インデックスはキミ達にそんな十字架を背負わせたくなかった筈だ!





美琴「今だって、当麻を守る為に命を張る覚悟でいる」

美琴「その覚悟を共に背負えなかったのは、キミ達じゃないか!」

ステイル「黙れ!!」


7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 01:44:14.20 ID:0Xb/Gex90
ステイル「ならば虫の息になった彼女の前でもう一度言ってみろ!」

ステイル「共に覚悟を背負うから命を張ってくれと言えるのか!」

美琴「・・・っ」

ステイル「そんな感情だけで彼女を救えるなら、こんなに悩み苦しみはしな



かった!」





ステイル「分かって・・・くれるね」

美琴「・・・」



美琴「ボクはあきらめない」

ステイル「・・・勝手にしろ」

美琴「インデックスを・・・一人にはしない」

ステイル「・・・」


8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 01:44:40.60 ID:0Xb/Gex90
・・・



美琴「ただいま・・・」

禁書「みこと! おそかったね」

美琴「ああ、ごめん。心配かけた?」

禁書「・・・小萌も帰ってこないから部屋が静かすぎて」

禁書「とうま、みことが帰ってきたよ」

上条「・・・」



美琴「当麻・・・」


9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 01:45:12.83 ID:0Xb/Gex90
・・・



禁書「ごちそうさま」

美琴「お粗末様」

小萌「御坂ちゃん、今日もおいしかったのですよ」

美琴「ありがとうございます」

小萌「さーて、今日も銭湯に行くのです!」

美琴「あ、すいません。ボクちょっと寮に戻ってきます」

小萌「そうですか」

禁書「みこと・・・」

美琴「明日には戻るから・・・」

禁書「わかったんだよ。じゃあ行こう、こもえ」

小萌「夜道に気をつけるのですよー」

美琴「はい」



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 01:45:44.49 ID:0Xb/Gex90
・・・







トゥルルルルルル



初春『もしもし』

美琴「あ、初春さん?」

初春『御坂さんですか。どうしました?』

美琴「急で申し訳ないんだけど、調べてほしいことがあるんだ」

初春『急ぎの用なんですね』

美琴「うん。初春さんにしか頼めない」

初春『了解です!何を調べればいいんですか?』

美琴「完全記憶能力と脳の記憶容量。それに、記憶の消去についてできるだ



け多くの情報が欲しいんだ」

初春『任せてください!』







美琴「今晩中に打開策を見つけないと・・・」


11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 01:46:30.20 ID:0Xb/Gex90
・・・・・・



美琴「・・・ん」

美琴「はっ!? 今何時!?」

美琴「調べ物をしているうちに寝るなんて・・・」

美琴「ん? メールがいっぱい来てる・・・初春さんだ!」



美琴「やっぱり・・・脳に負担がいくなんて報告は一件もない」

美琴「解決の糸口が見えてきたぞ・・・!」


12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 01:47:32.10 ID:0Xb/Gex90
・・・



バン

美琴「ただいま!」

上条「ミコトか・・・!」

美琴「当麻! 気が付いたんだね!」

上条「ああ・・・それよりインデックスが」



禁書「ゼエ・・・ゼエ・・・」



美琴「これは・・・!?」

上条「記憶を消去しないとインデックスは死んじまうらしい・・・これはその



前兆だ」

美琴「話は聞いている。当麻、落ち着いて聞いてほしい」


13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 01:48:25.97 ID:0Xb/Gex90
・・・



上条「それじゃあ、記憶を消去しないと死ぬっていうのは」

美琴「科学的根拠は全くない。となると考えられるのは・・・」

上条「あいつらが嘘をついているか、あいつらも騙されているか・・・」

美琴「ボクは後者だと思う。裏づけはできないけど、あれは演技している人



間の顔じゃなかった」

上条「俺も同感だ。黒幕がいると思うが・・・インデックスをなんとかする方



が先だ」

美琴「いや、黒幕と打開策は密接な関係にあると思うよ」

上条「どうしてだ?」

美琴「ボクは彼らの所属する・・・イギリス教会だっけ? そこが黒幕だと思



う」

上条「俺もそうは思うけど・・・・・・そうか!」

美琴「イギリス教会の人間・・・魔術師が人を騙すのに使うものといったら」

上条「魔術しかない!」



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 01:50:04.86 ID:0Xb/Gex90
上条「よし!早速その魔術を解除するぞ!」

美琴「当麻、残念だけどボクらにできるのはここまでだ・・・」

上条「なんでだ・・・?」

美琴「魔術はボクらの専門外だ・・・。ここはあの魔術師達を呼んで解除の方



法を・・・」

上条「それなら、俺の独壇場だ」

美琴「なんだって?」

上条「俺の右手は、触れれば異能の力なら何であろうと無効化できるんだ」

美琴「! そういうことだったのか・・・!」


16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 01:50:59.72 ID:0Xb/Gex90
美琴「そうと分かれば、当麻!」

上条「ああ!」ペタ







美琴「あれ・・・?」

上条「なにも変化なし・・・?」

美琴「どういうことなんだ?」

上条「異能に触れてないってことか・・・?」

美琴「体内ってこと?」

上条「魔術師が細工しても気付かないところ・・・」

美琴「インデックスから見えなくて、他人が触れない・・・」



美琴「当麻、変なこと想像したでしょ」

上条「ば、馬鹿!んなわけあるかよ!」


17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 01:51:50.64 ID:0Xb/Gex90
美琴「あ、口の中とかは?」

上条「なるほど・・・」



上条「! 見付けたぜ・・・」

美琴「よし! ・・・当麻、慎重にね」

上条「ああ・・・!」





バチッ

上条「うわっ!?」ドサッ

美琴「当麻!? ハッ!?」



禁書「・・・」

ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオン


18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 01:52:43.36 ID:0Xb/Gex90
禁書「警告、第三章第二節。第一から第三までの全結界の貫通を確認」



上条「いつつつ・・・、あ・・・!」



禁書「再生準備、失敗。自動再生は不可能」



美琴「てて・・・、な!? インデックス!」



禁書「現状、10万3000冊の書庫の保護の為、侵入者の迎撃を優先します」



禁書「書庫内の10万3000冊により、結界を貫通した魔術の術式を逆算・・・失



敗。該当する魔術は発見できず」



禁書「術式の構成を暴き、対侵入者用のローカルウエポンを組み上げます」





禁書「侵入者駆除に対して、最も有効な魔術の組み上げに成功しました」



キュイイイイイイイイン


19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 01:54:24.59 ID:0Xb/Gex90
禁書「聖ジョージの聖域を展開、侵入者を破壊します」



ズバアアアアアアアアアアアアアアアアアア



美琴「うわあ!?」

上条「ミコト!!」バシュウ

美琴「あ、ありがとう」

上条「ぐ、がががっ」ジュウウウウウウウウ

美琴「くっ インデックスを助けるには、当麻が懐に入らないと・・・」



美琴「おい! キミの相手はボクだ!」ビリビリビリビリッ

上条「ミコト!」

美琴「当麻、今のうちに・・・!」ビビビビビビッ

上条「ああ・・・!」



禁書「警告、第六章第十三節。新たな敵兵を確認」


20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 01:55:02.23 ID:0Xb/Gex90
禁書「現状、最も難易度の高い上条当麻の破壊を最優先します」

美琴「させるかああああああああああああああああ」



ドオオオオオオオオオオオオオオオオン



上条「うわっ!?」バシュウッ

美琴「落雷を食らったんだ、暫く動けないだろ!」

上条「無茶しやがって・・・でも今がチャンスだ!」

禁書「聖ジョージの聖域は第二段階へと移行・・・」

美琴「な・・・っ」

上条「マジかよ・・・」


22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 01:56:02.08 ID:0Xb/Gex90
ズバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア



上条「う・・・が・・・あぁあ・・・!?」ビキッ バキバキ



美琴「くっ!? 電撃が全く効かない!?」バリバリバリバリッ

上条「があああ!? 右手がっ!!!!」

美琴「! 当麻!!」







その瞬間、ボクは無意識の内に選んでいた



ごめん・・・インデックス



ごめん・・・・・・当麻





美琴「うわああああああああああああああああああああああ」



ズギュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウン


24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 01:57:54.27 ID:0Xb/Gex90
超電磁砲を放った直後、視界は眩い光に包まれた



美琴「ハア・・・ハア・・・」

美琴「ど、どうなった・・・?」



禁書「警・・・告・・・最終・・・章」



そこにはインデックスを抱える当麻の姿



美琴「やった!当麻!」



ヒラリ    ヒラリ



美琴「・・・羽?」



淡く光る羽の舞う幻想的な視界と裏腹に、とても嫌な予感がしたボクは





ドン



当麻たちを突き飛ばした


26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 02:02:25.54 ID:0Xb/Gex90
・・・・・・

・・・



小萌「はいはい皆さんお久しぶりなのですー」

小萌「新学期最初のHRを始めたいと思いますですー」

吹寄「先生、上条くんが来ていません」

小萌「上条ちゃんが?しょうがない子ですねー。後ですけすけみるみるなのです」


27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 02:08:25.99 ID:0Xb/Gex90
・・・



冥土返し「また今日も来ているのかね?」

看護師「ええ。友達が目を覚ますまで通い続けると言ってましたからね」

冥土返し「やれやれ、帰りを待つ者の方が辛いのはどこに居ても一緒だねぇ」





美琴「・・・」

上条「ミコト・・・」ギュッ


28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 02:13:49.67 ID:0Xb/Gex90
禁書「とうま・・・」ガラッ

上条「インデックスか」

禁書「今日からガッコウだったんじゃないの?」

上条「ああ・・・」

禁書「とうまがガッコウ行かないと、みことも安心して寝れないんじゃないかな」

上条「分かってる・・・分かってるんだ」

禁書「とうま・・・」



美琴「・・・」


29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 02:18:55.70 ID:0Xb/Gex90
禁書「みことね、とうまのこと大好きだったんだよ」

上条「・・・何を急に」



禁書「とうまと連絡が取れなくなったとき、みことすごく不安そうだった」

禁書「私と初めてあったとき、みことすごく気にしてた」

禁書「とうまが倒れたとき、みこととうまの帰りをずっとずっと待ってた」



禁書「みこと、とうまに恋してたんだよ」

上条「なっ!?」


30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 02:21:53.17 ID:0Xb/Gex90
上条「インデックス!変なこと言うな!」

禁書「変じゃないよ? とうまはみことのこと好きじゃないの?」

上条「好きっていうか、友達としてであって・・・」

禁書「恋人は無理なの?」

上条「無理だろ!男同士でなんて!」





禁書「え? みことは女の子だよ?」









上条「は?」


31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 02:26:25.91 ID:0Xb/Gex90
上条「おいおい、インデックスまで土御門みたいなことを・・・」

禁書「とうま、ひどいかも」

上条「え・・・」

禁書「みことのことずっと男の子だと思ってたんだね」

上条「あ、だって」

禁書「見損なったよとうま!馬鹿!ニブチン!」

上条「あ!おいインデックス!」

禁書「そんなだからみことも起きてくれないんだよ!」

ピシャッ



上条「・・・」



 
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 02:30:37.64 ID:0Xb/Gex90
上条「はは・・・まいったな」ガリガリ

上条「御坂美琴・・・、なんで気が付かなかったんだろう」

上条「表札でも見れば一発で気付いたのにな」



上条「ごめんな・・・」サラッ


38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 02:37:52.52 ID:0Xb/Gex90
上条「線が細いとか、いろいろひでえこと言ってまったな」

上条「ほんと・・・ごめん」





上条「・・・美琴と一緒にいると、心が裸になるんだ」

上条「隠すこともできない。ありのままの俺でいれたんだ」

上条「そりゃ最初は何考えてんのかわかんなかったけどさ、美琴も一緒だったんだな」

上条「美琴もありのままで接してくれてた・・・」



上条「たった一つ、気付いてやれなくて・・・ごめん」


40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 02:43:49.45 ID:0Xb/Gex90
上条「・・・」



上条「あん時、美琴が助けてくれたから俺は今ここにいれる」

上条「美琴のおかげでインデックスを救うこともできた」

上条「・・・ありがとう」



上条「それに、美琴と過ごした放課後、休日、バスケコートにゲーセン・・・」

上条「あんなにも楽しいことはなかった」

上条「俺の人生で最高の幸せだった」

上条「美琴・・・ありがとう」


41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 02:47:12.94 ID:0Xb/Gex90
上条「・・・神様とやらがいるなら聞いてくれ」

上条「俺の人生、これ以上の幸福はいらない」

上条「右手だけじゃない。全身で不幸を背負うから・・・」

上条「だから・・・」





上条「一度でいい。美琴に、神の加護を・・・」


42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 02:51:58.09 ID:0Xb/Gex90
美琴「・・・」

上条「・・・」



ガラガラ



看護師「上条さん、何か食べないと身体に悪いですよ」

上条「ああ・・・すみません」

看護師「ほら、今日も食堂に用意してあるから」

上条「わざわざすみません・・・」

看護師「いいからいいから」



ガララッ



美琴「・・・」


43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 02:53:45.11 ID:0Xb/Gex90
・・・



美琴「・・・」ピクッ



美琴「う・・・」



美琴「ここは・・・」



美琴「・・・とうま」



美琴「あ・・・当麻は・・・・・・?」


44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 02:58:25.72 ID:0Xb/Gex90
ガラッ



美琴「!」

上条「・・・み、こと・・・」

美琴「当麻!」

上条「美琴!気が付いたんだな!」

美琴「うん!私、どれくらい寝てたの?」

上条「大体・・・一月ぐらいかな」

上条「身体は? 痛い所とかないか?」

美琴「ちょっとまだだるいけど、大丈夫 すぐ回復してみせるわよ!」



上条「・・・ちょっとまって」

美琴「どうしたの?当麻?」


45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 03:04:53.82 ID:0Xb/Gex90
上条「美琴の一人称は?」

美琴「え?私に決まってるでしょ」



上条「俺と遊んだこと、覚えてるか?」

美琴「もちろん!」

上条「どんなだった?」

美琴「えっとね・・・たのしかった」

上条「どこに行ったか覚えてないか?」

美琴「えと・・・、あ、あれ・・・」

上条「まさか・・・」

美琴「ど、どうしよう・・・思い出せないよ・・・」ポロポロ

上条「いい! きっと記憶が曖昧なだけだ! 今無理に思い出さなくていいから!」

美琴「私・・・と、とうま・・・の・・・おもい・・・で・・・」ボロボロ

上条「もういい・・・泣くな・・・!」


46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 03:07:55.06 ID:0Xb/Gex90
上条「俺は美琴が目を覚ましてくれただけで十分幸せだ!」ギュッ

美琴「あ・・・」

上条「美琴・・・ありがとう」キュッ

美琴「当麻・・・」キュッ







禁書「本当に・・・よかったんだよ」


47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 03:12:42.91 ID:0Xb/Gex90
・・・・・・

・・・



上条「退院おめでとう」

美琴「ありがとう!」

上条「美琴のスカート姿って・・・新鮮だな」

美琴「インデックスから聞いたよ。私って男の子っぽかったんでしょ」

上条「ごめん。完全に男だと思ってた」

美琴「いいよ。覚えてないし」

上条「・・・そっか」





上条「その服、良く似合ってるよ」

美琴「ホント?」

上条「ああ。とってもかわいい」

美琴「フフ・・・ありがと」


50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2010/04/02(金) 03:18:36.82 ID:0Xb/Gex90
美琴「ねえ当麻」

上条「ん?」

美琴「私、当麻のこと、一つだけ覚えていることがあるの」

上条「え、何かな?」

美琴「それはね・・・」





美琴「私が、当麻のことを大好きだってこと」





上条「・・・」

美琴「はは・・・照れるね、コレ」

上条「美琴・・・俺は・・・ンム」

美琴「分かってる。知らなかったんだもんね」

美琴「だから・・・」





美琴「もう一度、1からお付き合いしてください」





fin