1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/11(木) 17:26:15.19 ID:J5Buheqj0
メイド「私の制服がないのですが、ご存知ありませんか」

男「いや、知らんよ。でも代わりの制服とかあるんじゃないのか?」

メイド「いえ、私の制服は特製なんです。アレでなければやる気がおきません」

男「それは困る。しかし、どうしてその特製にこだわるんだ?」

メイド「収納スペースやアタッチメントを増設し、スペクトラを織り込んでいる特注品だからです」

男「普段、なにしてるの」

メイド「ただのメイドですよ」

引用元: メイド「服がない。やめろってか」 



4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/11(木) 17:31:20.12 ID:J5Buheqj0
男「しかし、仕事をしてくれないと困る・・・・・・俺が探すから、君は仕事をしてくれまいか」

メイド「気は進みませんが仕方がありませんね。よろしくお願いします」


男「しかし、メイド服がなくなるなんて、何か犯罪の臭いがするぞ」

男「よからぬ趣味を持つ不審者に盗まれたとか・・・?それなら屋敷の警備が甘いという証拠だ・・・うーん」

男「身内にそんな特殊な趣味もってるヤツはいないし、いたとしても、このご時世、メイド服ぐらい簡単に調達できるはずだしなぁ」

女「あら、執事さんご機嫌よう」

男「ああ、お嬢様。お尋ねしますが、ウチのメイドさんの制服が」

女「どうです?かわいらしいでしょう?」

男「身内にいただと」

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/11(木) 17:35:46.83 ID:J5Buheqj0
男「お嬢様、困ります。それはメイドさんの制服です。それがなくては彼女は仕事ができません」

女「代わりの制服がいくらでもあるじゃない」

男「それが、その制服は特製だそうで、普通の制服だとやる気が出ないそうなのです」

女「どう見ても普通の制服に見えるのだけれど・・・・・・困らせては仕方ないわね。この制服はお返ししましょう」

男「ありがとうございます。このままでは私が雑務をこなすところでした」

女「あら、袖になにか・・・・」

ゴトン、ジャラジャラジャラジャラジャラ・・・・

男「なんですかコレ」

女「まぁ、ニンジャーの武器みたいで格好いいですわね」

男「アイツ本当にただのメイドか?」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/11(木) 17:40:32.32 ID:J5Buheqj0
男「そら、特製のメイド服とやらを奪取してきたぞ。お嬢様が持ち出したんだ」

メイド「お嬢様ですか。かわいいものがお好きと聞いておりましたが、まさか制服にまで目をつけていたとは」

男「で、だな・・・この制服さ・・・」

メイド「ありがとうございます。これでいつものように爽やかな気分でお仕事に・・・・・軽い」

男「なんか服から大量に危険物がこぼれてきたんだが、なにこれこわい」

メイド「重りです」

男「は?」

メイド「体力勝負のメイド業をこなすために、日々このように重りをつけて鍛えているのです」

男「普通のメイドは重りなんてつけないし、山のような武装を重りに使わない!!」

12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/11(木) 17:45:35.83 ID:J5Buheqj0
メイド「失礼します。部屋の掃除に参りました。お邪魔でしょうか?」

女「あら、ご苦労様ですわ。私に気にせず、どうぞお掃除を」

メイド「それでは失礼します。すぐに終わりますので」

女「私はテラスでお茶を飲んでいますわ。お掃除が終わったら貴女もご一緒にどうかしら?」

メイド「ありがとうございます。お待たせしないよう、すぐに終わらせますね」

女「器用ですのねえ・・・テキパキとシーツを直して、窓を拭いて・・・キャア!!、蜂が!!!」

シュッ!!  カカン!!

メイド「お怪我はありませんか」

女「大丈夫ですわ・・・・・すごい特技をお持ちなのですねー・・・・・待ち針で飛んでいる蜂を落とすなんて・・・」

メイド「ほんのたしなみです」

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/11(木) 17:51:31.88 ID:J5Buheqj0
女「あら、執事さん・・・・・・ご機嫌よう」

男「今日も可愛らしい格好ですね」

女「今日はドンキ○ーテで買ってきたチャイナドレスですのよ」

男「それは安物で肌に悪いかもしれません。言ってくださればちゃんとしたものをご用意しますよ」

女「お気遣いなく。お買い物は自分でするものですのよ」

メイド「失礼します。これで本日の仕事は終わりました・・・・・・夕食の時間まで暇をいただいても?」

男「うわあああああああああああ!!!あ、い、いきなり現れるな!!」

メイド「さっきからいたのですが。それより、人のことを化け物を見るような目で見ないでください・・・あ、お嬢様、服に紙切れがついてますよ」

ス・・・・・・・

女「あらあら、ありがとう~」

男「普通のメイドは無拍子で移動したりしない!!」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/11(木) 17:57:16.84 ID:J5Buheqj0
男「うーん・・・これがメイドさんの特製制服・・・」

男「お、重いな・・・・・・何キロあるんだ・・・?なんかジャラジャラいってるし・・」

男「でも、あのメイドさんがこれ着てる時はそんな音しないんだよなぁ」

男「ぱっと見たら、他の制服と変わらないけど・・・」

メイド「そういう趣味をお持ちですか」

男「でえあああああああ!!!」

メイド「耳元で叫ばないでください」

男「じゃあ、無音で背後に立たないでください!!」

メイド「一応、ノックはしましたが・・・・・というか、また服がないと思ったら今度はアナタですか。嫌がらせですか。やめろってか」

男「いいえ!!決してそのようなことは!!」

メイド「何故、正座するのですか」

男「ご、ごめんなさい!!」

メイド「何故謝るのですか」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/11(木) 18:04:20.84 ID:J5Buheqj0
メイド「・・・・・・・・・・」

男(うーん、こうしてみると、普通のメイドさんだよなあ)

メイド「次は、シーツを干しますか・・・」

男(本人も自分は普通のメイドだって言うけれど・・・・・・普通のメイドは無拍子とか針で蜂落とすとかしないだろjk)

メイド(~♪)

男(・・・でも、ちょっと変わってるだけで、普通じゃないって決め付けるのも・・・アレだよな)

男(こんなご時世だし、なにかしらの護身術とか拳法を習ってたっておかしくないよな)

男(よし、もうやめよう。メイドさんを奇異の目で見るのは・・・・・よくない、よな)

メイド「あ、洗濯物が・・・・」

男(ああ、突風にシーツが!!)

シュッ、ダンッ!! パシ!!

メイド「ふう・・・・・」

男「普通のメイドは三角飛びで空中のシーツを捕まえたりしない!!!」

メイド「二階からわざわざ突っ込まないでください」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/11(木) 18:14:32.00 ID:J5Buheqj0
男「・・・・・・・・・おかしい」

男「メイドさんの履歴書を見てみたが・・・」

名前:名も無きメイド一号
生年月日:じゅうろくさい
学歴:見るべきものは見た
職歴:闇を駆ける一条の光
特技:無し 強いて言えば平凡なこと
趣味:無し 強いて言えば仕事

男「なにこれ、ふざけてんの!!?」

メイド「人のプライバシーを覗き見ですか」

男「くっ!!!そろそろ現れるだろうと思ってたぜ!!」

メイド「私は暗殺者か何かですか。ああ・・・その履歴書、懐かしいですね」

男「なんだこのふざけた履歴書は。よくこんなんで採用されたな」

メイド「いえ、その履歴書はご主人夫妻がふざけて書いたものです」

男「・・・・・・じゃあ、なんでこれが正式な人事ファイルに挟まっているんだ・・・」

メイド「さぁ・・・?誰か摩り替えたんじゃないですか?」

男「・・・・・・」

メイド「なんで私を見るんですか」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/11(木) 18:21:40.42 ID:J5Buheqj0
女「今日のご飯はなにかしらー♪」

メイド「今夜はビーフシチューです。他に何かご希望の献立はありますか?」

女「メイドさんのお料理はおいしいからなんでもいいですわ」

メイド「それも作り甲斐のない答えですね」

女「おいしいものなら、なんでも幸せになれますわ。メイドさんの作ったご飯で、私は毎日幸せですもの」

メイド「ありがとうございます。そういえば、お嬢様も料理はお上手と聞きましたが」

女「メイドさんにはかないませんわ、だって・・・宙に投げた野菜を切るなんて、私には無理ですわ」

男「本当にメイドかアンタ」

メイド「失礼ですね。どこからどう見ても普通のメイドじゃないですか・・・・・・つまみぐいしないでください」

男「いいじゃないか、ちょっとくら

スチャ、

男「すみません、もうしませんから包丁を逆手に持たないでください」

メイド「ただ野菜を移すために持ち替えただけです。何を怯えているのですか?」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/11(木) 18:27:52.66 ID:J5Buheqj0
メイド「また服がない。今度は誰ですか全く」

男「また制服がないのか?お嬢様が持ち出したんじゃないかい?」

メイド「あまり人を疑いたくはありませんが、一応尋ねてきますね」

男「はいはい・・・・・しかし、君の私服・・・」

メイド「なんでしょうか」

男「黒装束というか、真っ黒というか、動きやすそうというか・・・・・・」

メイド「私服にまで文句をつけないでいただきたいのですが」

男「どう見ても暗殺者とかそんな感じがするんだが。特に首元のスカーフというかマフラーというか」

メイド「最近冷えますからね」

男「普段なにやってるんだマジで」

メイド「普通のメイドとして立派に働いているではありませんか」

男「やたら普通を強調するから怪しくなるんだ!!」

メイド「普通であることが、一番いいのですよ」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/11(木) 18:35:49.19 ID:J5Buheqj0
メイド「>>21どこのヤンデレお嬢様のメイドですか」

男「いや、だって無拍子とか、ほら・・・こう、そういう雰囲気が」

メイド「この眼鏡はかけていませんし、髪も短くはないでしょう。サラサラの長髪は見栄えもいいし、女性としてのステータスでもあります」

男「はい」

メイド「必要があるなら眼鏡もかけ、髪だって切りますが・・・・・メイドの仕事にそんな特殊条件はないでしょう」

男「・・・・・・待て、そんな特殊条件がある仕事があるのか?」

メイド「変装するなら、まず眼鏡と髪型から入るでしょう。それだけで素人から見れば別人ですよ」

男「そうなんですか」

メイド「靴に細工して身長を変えたり、肩幅や胸に詰め物をしてサイズをいじってみるのも、女の場合は有効です」

男「随分と詳しいな」

メイド「書斎の本に書いてましたから・・・・・・アナタも読書をして教養を身につけるべきです」

男「いや、普通のメイドに変装の教養なんていらないだろ」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/11(木) 18:43:18.05 ID:J5Buheqj0
男「まぁ、ちょっと変わったスキルがあるとはいえ、今は普通のメイドなんだな」

メイド「何か引っかかる物言いですが、普通でないメイドなんて銀幕や本の中だけですよ」

男「じゃあ、昔なにやってたんだ?そんなスキルどこで身につけたんだよ」

メイド「さぁ・・・?知らないうちに身についていましたので・・・何か特別なことをしていたわけではありません」

男「普通の生活をしていて無拍子や三角飛びをマスターできるかああああ!!!」

メイド「別に特別なことでは・・・・・・皆その程度のことはできましたし」

男「み、皆!?」

メイド「・・・・・・では仕事がありますゆえ」

男「おい、待て、ちょっとおおお!!気になる、気になるんですけどおおおお!!!」

メイド「では10秒でここまで来たらお話ししましょう」

男「一瞬で屋根の上に飛び上がるなああああ!!!どう考えても無理だろおおお!!」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/11(木) 18:50:22.98 ID:J5Buheqj0
女「メイドさーん、お願いがあるのだけれど・・・メイドさーん、どこにいらっしゃるのー?」

メイド「どうかなさいましたか?」

女「あら、いつの間にいらしたの?あのね、風で帽子が飛ばされてしまったの」

メイド「それはそれは・・・探しにいってまいります」

女「いえいえ、庭の木に引っかかってるの。何か棒とか、梯子があればよいのだけど・・・」

メイド「心配には及びません。少々お待ちを」

男「ひとっとびだもんな」

メイド「む・・・・」

男「・・・・・・あれ?」

メイド「・・・・・・フンッ!!!」

ズドン!!!グラグラグラ・・・・・・ポテっ

女「わぁ、ありがとうメイドさん♪木って、案外簡単に揺れるものなのですねー」

男「嘘だろ・・・この木・・・直径80センチはあるんだぞ・・・・・・」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/11(木) 19:01:52.79 ID:J5Buheqj0
男「ふう・・・・・」

メイド「テラスでお茶を飲むとは、いい身分になりましたね」

男「い、いいだろうこれぐらい・・・ようやく不動産の書類が片付いたんだ・・・これで旦那様に商談を報告できるよ」

メイド「・・・・・・」

男「なんだ、君も飲むか?紅茶でよければだけど」

メイド「いえ、懐かしいな・・・と」

男「ほほう、昔こんなことをしていたとな」

メイド「ええ、前に働いていた屋敷でよくお茶会を」

男「なんだ・・・前もメイドだったのか・・・なんでこっちに移ってきたんだ?なんか嫌なことでもあったのか?」

メイド「いえ、夫妻が行方不明になってしまい、屋敷は空き家になってしまったのです」

男「・・・・・・・・・・」

メイド「ふふ・・・どこにいったのでしょうね・・・」

男(ガクガクガク)

メイド「夜風に当たりすぎるとよくありませんよ。ほら、手が震えていますよ」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/11(木) 19:14:41.12 ID:J5Buheqj0
男「カーッ!!一日のラストはやっぱ風呂だわなー!!」

男「屋敷の立派なお風呂を使用人にも使わせてくれるだなんて、さっすが旦那様だね・・・はー・・・」

男「うーん・・・広い風呂はいいねえ・・・風呂だけで俺の部屋ぐらいのサイズがあるもんなぁ・・・」

男「手足を伸ばして・・・フハー!!!最高でござる!!最高でござる!!」

男「天窓から見える月もよきかなよきかな」

メイド「では先にあがりますね。浴槽のお湯は抜いておいてください」

男「あいよー・・・ッ!!?」

男「・・・・・・・・・・・・い、いつからいた・・・・・・・」

メイド「先に入っていましたが・・・・・何故気付かなかったのか疑問です」

男「嘘だ、絶対気配とか殺していただろう!!ていうか普通の女の子は風呂に男が入ってきたらキャーとか言うだろう!!」

メイド「・・・・・・」

男「・・・・・・」

メイド「キャー」

男「もういい、ごめん」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/11(木) 19:30:30.07 ID:J5Buheqj0
メイド「そういえば、アナタは私の裸を見たわけですが、これは訴えたら勝てますか?」

男「すみません、気付かなくてすみません、謝りますので訴えないでくださいすみません」

メイド「冗談ですから廊下の真ん中で土下座しないでください。私が悪人に見えるじゃないですか」

男「しかし、うーん・・・」

メイド「なんですか、人のことをじろじろと・・・」

男「そんな華奢な身体のどこに大木を揺るがすような力が・・・」

メイド「特殊な呼吸法により、人体に隠された70%の力を引き出すことが可能です」

男「何のときに役に立つんだ、それ」

メイド「今朝、役に立ったじゃないですか」

男「あはい」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/11(木) 19:39:12.86 ID:J5Buheqj0
メイド「~♪」

男「なにを、しているんですか」

メイド「今日は非番なので、服の手入れを」

男「・・・服?」

メイド「はい」

男「床一面にナイフやら鎖やら針やら鉤爪やら危険そうなものが転がっているのだが」

メイド「付属品です」

男「どうみても服に収まりきる量じゃないだろう!!!」

メイド「気分や目的にあわせ、重量を調節できるグゥレイトな重りです。飽きないようにデザインも個々違っていていいじゃないですか」

男「重りっぽい外見なのはこのメイスだけなのだが」

メイド「・・・・・あれ・・?これ私のじゃないのですが・・・どこで紛れ込んだのでしょう?」

男「俺に聞くな」

メイド「昨日ですかねえ」

男「昨日どんな状況でこれが服に潜り込むんだ!!!」


42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/11(木) 19:51:42.73 ID:J5Buheqj0
女「メイドさーん、城下に買い物でもどうかしらー?」

メイド「いけません。どうせスラムの中古屋だの盗品市にでも行くつもりなのでしょう。危険です」

女「もう、カオスなのがいいんですのよ。先日なんて隣町の伯爵夫人の腕時計が売りに出されてて面白かったですわ」

メイド「おい」

女「ああ、でも通報なんていけませんことよ!あくまで中古品なのですから、もしかしたら伯爵夫人が売り払ったのかもしれないもの」

メイド「隣町の伯爵夫人がわざわざここまで時計を売りにくるなんてことはありません」

女「なにやら曰くつきなのかもしれないですわ・・・・・持ち主に不幸を招く、悪魔の時計!!」

メイド「そして人から人へと渡り、いつかは不幸の象徴ですね」

女「のりますねー」

メイド「その手の品ならいくつか見てきましたから・・・」

女「あら、どこでですか!?」

メイド「いろいろな場所でですよ。旅をするのもいいことですよ」

男「行く先々で何をしていたんだおまえは・・・」

123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 08:56:02.01 ID:vj6mmpk/0
メイド「おはようございます。今朝は早いですね」

女「今日はお友達とコミケでコスプレ写真会ですのよ」

メイド「いってらっしゃいまし」

女「なんですの、その興味のなさそうというか、くだらね~という顔は・・・少し傷つきましてよ」

メイド「それは失礼しました。しかし、そういうのは私にはよくわからない世界でして・・・」

女「ああ、それでしたらご一緒にいかがですの!?メイド服のままならそのまま参加しても違和感はなくてよ」

メイド「いえ・・・仕事があるので遠慮させていただきます」

女「いいじゃないの、一日くらい。きっと楽しいですわよー」

メイド「一日休むだけで、翌日には倍の仕事が待っているのです」

女「そこはほら、執事さんをこきつかって・・・」

メイド「諦めろよ・・・」

125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 09:04:03.69 ID:vj6mmpk/0
執事「ういーん、バリバリバリっと」

メイド「芝刈りは私の仕事なのですが」

執事「いや、オフだからなんか暇でさ・・・この前買ってきたこの芝刈り機、全然使ってないじゃないか」

メイド「はい、手作業ですから」

執事「・・・・・・おい・・・まさかこれ全部手でちぎってたりとか変なことは言わないよな?」

メイド「さすがにそんな気の遠くなるようなことはしませんよ。一応鎌を使っております」

執事「・・・・・・・で、それか」

メイド「はい、これです」

執事「作業用よいうか、戦闘用にも使えないような巨大な鎌でなにすんの、一体」

メイド「はぁ・・・・一振りで庭の半分は綺麗になるのですが」

執事「いいいいいや!!実演しなくていい!!こっち向いて構えないで!!あはははは!!今日はボクが芝刈りしよう!楽しいなあ!!」

127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 09:12:36.93 ID:vj6mmpk/0
男「前にもメイドやってたというけど、何年ぐらいメイドをやってるんだ?」

メイド「かれこれ六年でしょうか・・・皆が学校に行ってる時に、もうメイドとして働いてましたから」

男「え」

メイド「なんですか、その目は」

男「いまいくつ」

メイド「いくつに見えますか」

男「10代後半に見えなくもないし、20代半ばに見えないこともない」

メイド「女は化粧をすれば化けるものです。プロの化粧で10歳若返ることも、老けることもできます」 

男「え、今は若返るメイクなの?それとも老けるメイク?」

メイド「いいえ、すっぴんですが・・・・・・なんです、その目は」

男「今何歳?」

メイド「・・・・・・内緒にしておいたほうが面白そうですね」

男「やめてえええ!!気になるううう!!ちょっと待って、すごい勢いで雑巾かけしながら廊下に消えないで教えてえええ!!」

 

133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 09:46:40.68 ID:vj6mmpk/0
メイド「こういう世界では、やはり陰湿なイジメもあるものです」

男「メイドさんも、その、変わってるからいじめられたり・・・したのかい?」

メイド「ええ、ありますね・・・・・私の制服を切り裂こうとしたり、隠そうとしたり・・・・影で私のよからぬ噂をしていたり」

男「・・・・・・・・・・そうか・・・だからいじめられないように重りを服に仕込んで鍛えたり、すごいスキルを・・・・ん?したり?」

メイド「ええ、全部未遂ですから」

男「・・・・・・・」

メイド「スペクトラ織り込んだ服がそこらの女性に引き裂けるとでも?総重量28kgの制服を気軽に隠せると?
    何年も働いているこの屋敷で、私の目の届かない場所が存在するとでも?」

男「・・・え、まさかこの屋敷でメイドさんが君しかいないって・・・・・」

メイド「ほとんどは、辞表出すか夜逃げするか、行方不明になりました」

男「ひいいいいいいいいい!!!」

メイド「慕ってくれる子も少しはいましたが・・・結婚したり、私を見て修行してくると言ったまま帰ってこなかったり・・・」

男「どこ!?ねぇ、どこに修行しにいったの!?」

135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 09:57:27.03 ID:vj6mmpk/0
男「なぁメイドさん。今日はやけに服が重そうなんだが・・・何か変なモノを仕込んでいるのかい?」

メイド「失礼ですね。何も仕込んでませんよ」

男「うっそだーじゃあ、スカートの端もってゆっさゆっさしてみろよ」

メイド「こうですか。セクハラですね。訴えます」

男「誰がスカートの端を咥えてたくし上げろと言った」

メイド「冗談です。振っても何も出ませんよ」

ふりふりふり・・・・ガチャン!!

メイド「・・・・・・」

男「・・・あれ、おかしいな・・・さっきスカートたくし上げた時は●●●とガーターしかなかったのに・・・あれ・・・」

メイド「おかしなこともあるものですね。まぁ、よくあることですよ。お気になさらず」

男「よくあってたまるか、気にするわああああ!!!なんでスカートの中からミニガンなんて出てくんだ!!!
  スカートの中のファンタジーってレベルじゃねえぞ!!!」

メイド「よいしょ」

男「何事もなかったかのようにしまい直すなああああ!!!」

142: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 10:08:06.28 ID:vj6mmpk/0
男「君は一体何と戦っているのだ」

メイド「日々、大量の洗濯物と積もる埃、そして献立という課題と戦っています」

男「・・・ミニガンで?」

メイド「あれはたまたまですよ」

男「たまたまミニガンを持ち歩いている状況なんて想像できない」

メイド「しつこいですね・・・・・私が普通のメイドでないほうがいいのですか?」

男「なら普通のメイドらしく振舞ってくれ!!!」

メイド「だから普通のメイドとして、こうしてお仕事に励んでいるのではありませんか」

男「普通のメイドは電球取り替えるときに脚立を使います!!!壁に張り付いたりしません!!!」

メイド「脚立を持ち運ぶのは面倒じゃないですか」

男「脚立よりミニガン持ち歩くほうが面倒かと」

メイド「失敬な。いつ私がミニガンだなんて持ち出したんですか。なんならボディチェックでもしてみますか?
    怪しいものなど持ち歩いていませんよ」

男「スカートの影から刃物がのぞいていますよ」

メイド「庭園を手入れするための園芸セットですよ、きっと」

146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 10:23:38.04 ID:vj6mmpk/0
メイド「しかし、なんですか最近は・・・・・ことあるごとに問い詰めてきますね。かまってほしいんですか?歪んだ愛情表現ですか?」

男「普通のメイドと前置きしておいて、行動が一致してないあたり突っ込み待ちとしか思えないんだが」

メイド「スルーするのも、また優しさですよ。少し変なところがあっても、仲間を信用するということは、大事なことです」

男「信用するには謎が多すぎるし、信用したいからこそ、相互理解のためにこうやって話しているんじゃないか」

メイド「謎が解明されたところで、アナタが私を信用してくれるとは思えないのですが」

男「失敬な!!俺はそこまで心の狭いやつじゃあないぞ!!例えメイドさんが元暗殺者であろうと、コロンビアの脱走兵でも気にしないぜ!!」

メイド「時を止める程度の能力でも?」

男「むしろそんなスキルがあるならステキじゃないか」

メイド「・・・・・・暗殺は、まずは身内に潜り込むことから始めます」

男「・・・へ?」

メイド「長い時間をかけて、信頼に値する人間となり、標的の側にいることが当たり前になる・・・外部の人間では、ここが一番苦労するのですよ」

男「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

メイド「内部の人間・・・身内を殺すだけなら、こんな苦労しなくて済むのですが・・・ああ、執事さん。私は信用できますか?」

男「こええよ、かあちゃああああん!!!!」

メイド「冗談ですから、本気で泣かないでください」

148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 10:37:30.13 ID:vj6mmpk/0
メイド「服がない。またか。なめてんのか、やめろってか」

男「服がない。俺もか。クビっすか」

メイド「なんて個性のない私服ですか。もっと着飾ったほうがよろしいかと」

男「全身黒尽くめのナイトストーカーっぽい人に言われたくない」

メイド「黒はいい色です。どんな色にも染まらず、溶け込み、調和します。そしてどんな色であれ、同じ色に染め上げます」

男「なにそれこわい」

メイド「それに、デザインにだって気にかけているんです。少し大きめな上着で幼さを演出し、
    このスカーフで口元を隠すことで無意識の内に可愛らしさというイメージを与えます」

男「ほうほう」

メイド「ショートパンツとハイソックスの組み合わせも抜群です。
    ハイソックスとショートパンツは単品だけでもその手の人間には高い攻撃力を持ちますが、組み合わせることによって
    さらに健康的な少女を押し出し、わずかに覗くこの生足の補正によりグゥレイトにキュートな武器となるのです」

男「はぁ」

メイド「このように、魅力的な外見で標的を誘い出し、油断させるのです。真面目だからこそ、可愛げのある格好であれば、
    ギャップ萌えという一部の人間にとってはしんぼうたまらん状況になるのです」

男「で、俺の制服はどこ」

メイド「聞けよ、おい」

150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 10:43:43.15 ID:vj6mmpk/0
女「あら、お二人さん御機嫌よう」

男「・・・・ああ、俺の制服もついに毒牙に」

メイド「お嬢様、よくお似合いですよ。そのまま町内一週、いえ、いっそ旅に出てはいかがでしょうか」

男「おいやめろ、おれに仕事をさせん気か」

女「でもやっぱり殿方のサイズは大きいですわ。仕付け直しに半日もかかってしまいました」

男「おい待て」

メイド「裁縫がお上手なのですね。まるで新品のようですよ」

男「そりゃそうだ、昨日届いたばかりの新品だからな」

女「ああ、すみませんメイドさん。また服を持ち出してしまいました。重くて部屋の運ぶのがやっとでしたの」

メイド「お気になさらず。お嬢様にきていただいたのなら、服もきっと喜んでいます」

男「あの、俺の服」

女「それでは出かけてまいりますね」

メイド「いってらっしゃいまし」

男「いや、だから俺の服」

メイド「しつこい男は嫌われますよ」

151: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 10:52:07.22 ID:vj6mmpk/0
メイド「私服で仕事とは、あまり誉められたものではないですね。お休み気分では困ります」

男「おまえというヤツは」

メイド「冗談です。ですがせめて予備の制服やスーツか何かでも着るべきです」

男「ああ、だから予備の制服を注文して、古いのはクリーニングにだしたんだ」

メイド「あーあ」

男「スーツも、なんか小さくなっちまってさぁ・・・太ったのかなあ」

メイド「脂肪というよりも筋肉ですね。以前と比べてしっかりとした体格になられました」

男「そりゃまぁ・・・うれしいが、制服がないってことは困ったしなぁ・・・このスーツどうしよう・・・いる?」

メイド「女にスーツプレゼントしてどうするんですか」

男「いや、なんかすごく似合いそうな予感がして」

メイド「可愛くないです。いりません」

男「可愛いのがいいのか」

メイド「あいにくとクールな衣装は間に合っていますので」

男「うpしろ」

154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 11:01:56.34 ID:vj6mmpk/0
男「しっかし、とらえどころがないというか・・・」

メイド「なんですか」

男「おまえは今までに人を信用したことがあるのかと」

メイド「失礼ですね。ありますよ。過去に四人か五人、その程度ですが」

男「えー・・・本当ですかー?」

メイド「私は別に冷血怪人ではありませんよ。ただ、評価に値する人間がいないのが現状です」

男「それは理想が高すぎるのでは」

メイド「そんなことはありません。とても簡単な条件ですよ」

男「ほほう、どんな条件だ」

メイド「普通に接してくれる、それだけです」

男「そそり立つ絶壁!!!!無理です先生、登れません!!」

メイド「いま、非常に悲しくなりました」

男「普通に接してほしいなら、普通にしてくれええ!!!」

メイド「ですから、それも含めて私を普通に扱ってほしいのですよ」

男「と、言いつつ手刀でリンゴを割らないでください」

155: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 11:09:25.14 ID:vj6mmpk/0
男「よし、メイドさんと普通に接しよう!!」

メイド「はぁ」

男「やあ、メイドさん。今日も見事な三角飛びだね!!」

メイド「・・・・・・」

男「はは、今日の無拍子も一段と気合が入ってるね!!」

メイド「・・・・・・キモい」

男「ひどい!!!!!」

メイド「とってつけたような笑顔なんて、ただの嫌がらせにしかすぎません」

男「がんばって普通に接してみたのに!!!」

メイド「発想がゴブリンレベルですね。いえ、ゴブリンの方が気が利きます。評価の対象にもなりません。論外です」

男「そ・・・そこまでズタボロに言わなくても・・・・・だいたい、普通にしてくれってなんだよ!!!普通ってナニ!?」

メイド「それがわからないあたり、もはや救いようがありません」

男「うおおおおお・・・・天よおおお!!!!」

メイド「普通は、普通です。難しいことではありません」

158: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 11:22:52.22 ID:vj6mmpk/0
メイド「~♪」

男「嫌な予感がする」

メイド「ヒトが上機嫌な時に、なにを失礼な」

男「メイドさんのことだから武器の手入れとか毒物の調合とか新型トラップの開発とか」

メイド「普通のメイドはそんなことはしませんよ」

男「じゃあ、今なにやってたんだ?」

メイド「編み物です。最近冷えるのでお嬢様にマフラーを」

男「・・・ケブラー?スペクトラ?銀糸?」

メイド「ウール100%です」

男「収納スペースがあるとか、ナイフを仕込めるとか」

メイド「そういうのがお好みであれば、アナタ専用のものを作りますよ」

男「いえ、ボクも普通のマフラーがいいです」

メイド「そうですか・・・・・・」

男「なんで落胆するんだ」

159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 11:31:12.68 ID:vj6mmpk/0
メイド「我ながら器用なものです」

男「そのドクロの柄は趣味ですか」

メイド「かわいいじゃありませんか」

男「パンクですね」

メイド「ハート柄とかクマさん柄なんて、子供っぽくて失礼かと」

男「幼さを演出とか言ってたのは誰だ」

メイド「幼さと子供っぽさは違います」

男「そうですか」

メイド「では、アナタのマフラーにはデカデカと『メイドインヘヴン』と」

男「地味なのにしてください。せっかく作っていただけるのですからどこにでも着用できるデザインにしてください」

メイド「では『ヲタク道』と」

男「それは地味ではなく、暗いだ!!!」

メイド「注文の多いヒトですね」

男「わざと言ってるだろう」

メイド「なんのことやら」

162: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 11:39:29.04 ID:vj6mmpk/0
男「そうやってれば、普通の女の子なのになぁ」

メイド「でしょう?好奇の目で見るのは失礼というモノです」

男「陽の当たるテラスで編み物なんて、癒される光景じゃないか」

メイド「優しいメイドさんという雰囲気がでているでしょう。私はもともとこういうキャラなのです」

男「そうかそうか、スキルは特殊なものが多くても、その内面は心優しい、可愛い女の子なんだな」

メイド「わかってきたじゃありませんか。そうです、私は少し変わってはいても・・・普通の女の子なんです。ただのメイドです」

男「でも、な」

メイド「なんでしょう」

男「やっぱり普通の女の子はスカートの中から刃物が見えてたりしない!!!」

メイド「なんですか。いつもそういうところを見てるんですね、変 さんめ」

男「俺か、俺が悪いのか!?違和感に気付いてしまう俺の感性が悪なのか!?」

166: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 11:51:13.66 ID:vj6mmpk/0
男「そういえば、仕事をなんでもこなしたりするけど・・・・・・メイドさんに苦手なものはあるのか?」

メイド「そうですね。焦らすような愛 は苦手です。やるならさっさとやれと。しんぼうたまらん状態になります」

男「幽霊が苦手ーとか、蛇こわーいとか。そういうのあるのか?」

メイド「スルーを覚えましたか。幽霊なんてこの世にはいないし、蛇は貴重なサバイバルにおいて貴重なたんぱく質ですよ。おいしいし」

男「蛇をおいしいという女性を、始めて見たかもしれぬ」

メイド「さすがに虫は食べたくありませんね。栄養としては完璧なのですが、さすがにアレを食べたときは人間やめた気分になりました」

男「結局食ったのかよ!!!!」

メイド「芋虫が口の中でプチっと弾ける感覚と、酸っぱいような味はいまでも覚えています」

男「・・・・・・気持ち悪くなってきた。というかどういう状況で食ったんだ、それ」

メイド「あれは・・・大戦時、密書を届けるという任務でした・・・・」

男「ゴクリ」

メイド「しかし、偵察兵に見つかり山の中を転げまわることとなり・・・・」

男「ゴクリ」

メイド「でも、反則じゃないですか。ルールでは偵察ルートはちゃんと決まっていたんですよ?これだから子供は・・・」

男「ごっこかい!!!!!」

181: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 13:48:43.29 ID:vj6mmpk/0
メイド「そうですね。苦手なものを強いてあげるとすれば、お酒に弱いということでしょうか」

男「なに、酒とな!?」

メイド「はい、アルコールは苦手です」

男「いつもお仕事ご苦労様。たまには息抜きだって必要だろう。さぁ飲め、ほら飲め、いいから飲め」

メイド「どこから持ってきたんですか、というか仕事中ですよ」

男「大丈夫、人事特権で休みにしておいたから。さぁ飲め」

メイド「はぁ・・・飲めというのなら飲みますが」

男「ゴクリ」

メイド「ごくっ、ごく・・・ぐびぐびぐび」

男「え、ワインをラッパ飲み?え?」

メイド「ふぅ・・・・」

男「あのう、苦手なのでは」

メイド「ええ、なかなか酔えない体質なので宴の席ではなかなか空気になじめないのです。お休みありがとうございます。失礼しますね」

男「ちっくしょおおおお!!!騙されたあああああ!!!」

182: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 13:59:25.89 ID:vj6mmpk/0
男「完璧超人などいない。こうなったらとことん弱点を探してやる」

メイド「はぁ・・・・」

男「そうれ、蜘蛛をぽーいwwww」

メイド「蜘蛛、可愛くないですか?」

男「・・・・・・・・・え?」

メイド「こう、八本足でワキワキしてるところとか・・・小さな身体で巣を作ってるところとか」

男「辛い食べ物!!極端に甘い食べ物!!」

メイド「カレーもパフェも大好物であります」

男「これならどうだ、タバコ!!オラオラ出て来い嫌煙厨!!」

メイド「喫煙経験者ですがなにか?」

男「クソッタレがああ!!!他に苦手そうなモンが全然浮かばねえええ!!!」

女「あらら、デートですか?仲がよろしいですのね、うふふ」

メイド「そんなところです。あ、店員さん。お代は全部彼氏持ちで」

男「ひどい、ひどすぎる!!」

186: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 14:08:29.78 ID:vj6mmpk/0
男「くっ、おまえに動揺の文字はないのか!?」

メイド「失礼ですね。私はロボットじゃありません。驚きもすれば、感動で涙を流すことだってあります」

男「ならホラーとラブロマンスの二種の映画を見ようじゃないか・・・!!」

~ホラー~

殺人鬼「ウボァー!!!」
シャワーを浴びてた美女「オーゥwwwヘールプwww」

男「ぎゃあああああ!!!」

メイド「はいはいアメリカ式アメリカ式」

~ラブロマンス~

ヒロイン「愛してる・・・ずっと側にいてくれて・・・嬉しかったよ・・・」
主人公「ずっと側にいるさ・・・いつまでも・・・」

男「イイハナシダナー・・・ぐす」

メイド「安すぎる・・・なんてご都合主義な・・・」

男「フィクションはフィクションで楽しむという感覚はないのか!?」
メイド「はぁ、そんなことはないですが、どうせならもっとリアルに描いてほしいですね・・・世界はもっと汚いものです」
男「なんでそんなにひねくれてるの!?ねぇ!?」
メイド「映画館はお静かに、です」


189: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 14:15:36.70 ID:vj6mmpk/0
男「犬か!!そうか犬だな!!往け、我が忠実なるゴールデンレトリバー、マサヒロよ」

メイド「なんですかなんですか」

犬「バゥ!!バゥ!!ワゥ!!」

男「ハハハ、恐ろしいだろう、怖いだろう!!ひるめえええ!!おびえろおおお!!」

メイド「ここですか?そこですか?あぁ、こんなところがいいんですか。犬のくせに変 さんですねぇ」

犬「クゥゥゥン、キュゥゥゥゥゥン、わふぅ~ん、ハァハァ」

男「・・・二秒で飼いならされただと・・・」

メイド「なんですかその目は。もっとしてほしいんですか?ヒトにモノを頼むのであれば態度というものがあるでしょう」

犬「クゥゥゥン、クゥゥゥゥゥゥン!!」

メイド「なんですか?もっと気持ちよくなりたいと?お預けという言葉を知ってますか?お預けです」

犬「ハァハァハァハァ」

男「おいマサヒロ、ちょっと代われ」

192: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 14:18:16.07 ID:vj6mmpk/0
男「まんじゅうか!?そうだ、幼い頃に聞いたまんじゅうにまつわる怪談でトラウマに・・・」

メイド「もぐもぐもぐ」

男「・・・・・・・」

メイド「なんですか。コンビニの肉まんがそんなに欲しいんですか」

男「いえ、なんでもないです」

194: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 14:27:21.89 ID:vj6mmpk/0
男「官能小説・・・!!」

メイド「大好物であります」

男「BLラノベ!!」

メイド「飲み込んで、ボクのエクスカリバー」

男「聖教新聞!!」

メイド「大先生をヒトラーに、学会をナチスドイツに言い換えるとあら不思議」

男「本もダメか・・・くそう」

メイド「読書は基本的に楽しいものです」

男「書店は全滅、ええい、次じゃああ!!!」

メイド「何故、そこまで弱点を探そうとするのですか」

男「強固な城にも必ず穴はあるのだ!!そこから進入し、内部より打ち砕くことこそが攻城戦の基本ナリ」

メイド「穴ならありますが、進入してみますか?」

男「なにそれ卑 」

199: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 14:43:26.79 ID:vj6mmpk/0
メイド「ああ、どうせ街に出たのなら寄りたい店があるのですが、よろしいですか」

男「もう、好きなとこに行くといいよ」

メイド「この店なのですが」

男「帰る」

メイド「何故です」

男「一瞬、 着売り場にでも連れて行かれるかと思ったが、現実はそれよりも非情だったからだ」

メイド「なんですか。そんなに私に卑 な 着を着せたいのですか。どこまでも変 さんですね」

男「なぁ、なんなんだ、この店」

メイド「普通の雑貨屋さんですよ。きっと」

男「普通の雑貨屋に鉄の処女だの内臓の瓶詰めだの各種脱法ドラッグだのはおいてない!!」

店員「脱法じゃないよ、合法だよ」

男「知りません!!!」

メイド「注文していた『自宅で作れる簡単銀十字弾セット』は入荷しましたか?」

男「なにそれこわい」

203: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 14:52:59.41 ID:vj6mmpk/0
メイド「~♪」

男「あ、メイドさん大変だぞ!!実は昨日侵入者がいてな、お嬢様の 着が盗まれたんだ」

メイド「そのようですね」

男「そこで警備を厳重にするべく・・・・なにしてるんだ?」

メイド「ええ、庭にちょっとした細工を。危ないですから私が解除するまでは庭に入らないでくださいね」

男「・・・・・・・・・」

メイド「あ、そこ」

男「はいいい!!!」

メイド「気をつけないと串刺しになりますよ」

男「何を仕掛けたの!?ねえ、何を仕掛けたの!?」

メイド「ただの警報装置ですよ」

男「ただの警報装置で串刺しにはなりません!!!」

205: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 15:10:51.25 ID:vj6mmpk/0
男「しかし、こうも反応がないと面白くないな」

メイド「失礼ですね。私はオモチャじゃないんですよ。メイドなのですから普通に仕事をさせてください」

男「・・・嫌でも反応することをしてやろうか・・・・・・」

メイド「 でも ●みますか?スカートの中に手を突っ込みますか?それとも夜の●●をさせてみますか?」

男「なんだ、その挑戦的な笑みは・・・・よかろう。俺に対する戦線布告と受け取った!!」

メイド「都合のいい解釈ですね。これは挑発ではなく、低脳なアナタに対する蔑みの笑みです」

男「問答無用!!うおおおお!!まずはその じゃああ!!  ませろおおお!!」

メイド「キャー。しかもダイレクトですか。これは訴えたら勝てるレベルですね」

男「ふははははは!!掴んだ!!掴んだぞ!!この柔らかく暖かく弾力のある物体は間違いなく●●●●!!」

メイド「・・・・・・」

男「うおおおwwwみwwwなwwぎwwってwwwきwwwたwwwどうだ!!服の中に手を突っ込まれてまさぐられる気分・・・は・・・?」

メイド「どうかしましたか?」

男「あれ?なんで俺の後ろに君がいるんだい?あれ?じゃあ、ボクが握ってるこれは・・・ナニ?」

メイド「あ、気をつけてくださいね。すでにピンは抜かれていますので手を離しただけで炸裂します」

男「げぇ、手榴弾!!!ああ、しかも投げて逃げれないよう、ご丁寧に本体と手がテープで固定されてる!!!!!」

209: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 15:22:50.33 ID:vj6mmpk/0
・・・・ドゴーン・・・・・

女「あら、何の音でしょう?」

メイド「閃光手榴弾なので、まぁ死にはしないでしょう」

女「何の話ですの?」

メイド「いえ、こちらの話です。お茶のおかわりはいかがですか?」

女「ええ、いただきますわ・・・メイドさんはいいですわね・・・なんでもできて、美人で・・・きっと男性にモテモテなのでしょうね」

メイド「そうでもないです。滅多に屋敷からでないので、そういう色恋沙汰とも最近はめっきり・・・」

女「まぁ、それはよくなくてよ。今度開かれる舞踏会にアナタもどうかしら?踊らなくても、きっと雰囲気だけでも楽しめますわよ」

メイド「はぁ・・・行くのは構いませんが・・・」

男「目がぁぁ・・・・あああぁ、目がぁぁぁぁ・・・あああああ!!」

女「まぁ・・・目を怪我したのでしょうか?」

メイド「ご安心を。失明程度であればすぐ直せますので」

女「まぁ、失明は直せるものなのですか!?」

メイド「あの執事に限り、ですけれどね」

210: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 15:34:02.90 ID:vj6mmpk/0
男「武闘会?」

メイド「舞踏会です。活字でしかわからないボケはやめてください」

男「まぁ・・・行ってくるなら別にいいとは思うけど・・・くれぐれもお嬢様に迷惑はかけないようにな」

メイド「私をどこかの誰かと一緒にしないでください。まぁ、いざとなれば会場内の人間の記憶を飛ばせばいいだけです」

男「待て、行くなやめろ」

メイド「冗談です。さて、と・・・舞踏会に着ていけるような服なんて、あったでしょうか・・・確かあったはずなのですが・・・」

男「なぁ、メイドさん」

メイド「なんでしょうか」

男「これ、全部メイドさんの服、なんだよな」

メイド「私の部屋のクローゼットから、なんで他人の服がでてくるのですか」

男「食い込みの激しいレザーボンテージ・・・・・スク水・・・・ナース服・・・王立学園の制服・・・ケーキ屋の制服・・・?」

メイド「ヒトの持ち物を物色しないでください。プライバシーという単語を知ってますか?」

男「何に使うの、コレ」

メイド「さぁ・・・いつか役に立つんじゃないですか?」

214: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 16:06:11.74 ID:vj6mmpk/0
女「まぁ、綺麗なナイトドレス!お似合いですわ~♪」

メイド「ありがとうございます」

男「・・・やっぱり黒か」

女「では行きましょうか」

メイド「そうですね。遅れてしまってはご迷惑がかかります」

男「いってらっしゃいませ」

女「・・・・・・・」

メイド「・・・・・・・」

男「・・・・・・あれ?」

メイド「棒立ちしてないで、行きますよ。お嬢様をエスコートしてください」

女「あれ、執事さんは行かないのですか?」

男「まて、やめろ、嫌な予感がするんだ・・・は、離してくれメイドさん!!!いやあああ!!助けてえええ!!」

242: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 19:31:21.25 ID:vj6mmpk/0
男「煌びやかだねえ・・・・・俺には向いてないけど」

メイド「ええ、全く。なんでいるんですか。早く屋敷にもどってください」

男「今月中にシバいてやる」

女「まぁまぁ・・・見てくださいメイドさん、ここには各界の有名人の来ているのですわ」

メイド「ええ、だいたいは知ってます。そこの白豚は死んだ党首の娘に全権を引き継がせることによって実質的な権力を得たロリコン鬼畜。
    そこの金ピカは土地農民皆殺しというカタチで金山を得た外道。そこのビ  は・・・・」

男「おいやめろ。懐膨らませた黒服が俺たちを取り囲んでいるぞ・・・・」

女「・・・それでは挨拶に行ってまいりますわ」

男「逃げた・・・!!お嬢様が逃げた!!! ・・・・・あ、ボクトイレに」

黒服「ちょっとよろしいですかお客様」

男「よろしくない!!全然よろしくないです!!!」

メイド「本当のことを言っただけなのですが・・・」

男「馬鹿正直なのも考えものです!!!ひい、黒服さんごめんなさい!!誰かー!!!」

女騎士「開会早々、なんの騒ぎだ。落ち着いて飯も食えん」

従者「開会早々、食い物に飛びつく騎士様ってのもどうなんだ」

247: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 19:42:56.11 ID:vj6mmpk/0
黒服「これはこれは・・・・実はこちらの輩が貴族様方のよからぬ噂を」

女騎士「はぁ?事実だろう?」

黒服「え、あ、いや」

従者「おまえはバカか。こういうときはな、事実でもスルーするってのがダークな礼儀なんだよ」

女騎士「ああ、そういえば聞いたか?あそこで鎮座している老婆だがな。毎晩少年の鮮血風呂に入っているという『噂』だぞ」

従者「なんだって?いやいや、俺が聞いた『噂』ではな、この舞踏会は隠れ蓑で、メインは裏で行われる人身売買のだな」

黒服「すみません。なんでもないのでよからぬ噂を流さないでいただけますか」

女騎士「わかればよろしい。下がれ犬ども」

従者「・・・・いろいろひどすぎる」

男「た、助かった・・・・・・んだよな?」

メイド「ええ、命拾いしましたね。連中が」

男「・・・・すみません。どなたかは存じませんが、見ず知らずの我々を助けていただき・・・」

女騎士「お、メイドさん久しぶりじゃないか。どうだ、そっちはうまくいってるのかい?」

メイド「毎日セクハラにあって困っています。訴えれば勝てますよね」

男「知り合いだと・・・」

252: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 19:55:51.44 ID:vj6mmpk/0
男「すみません、少しお尋ねしたいのですが・・・・彼女とどのような・・・」

女騎士「ん、元ウチのメイド長だ」

男「きゅ・・・・旧王立騎士団本部のメイド長だと・・・」

従者「今じゃガキの道場です。騎士団?なにそれおいしいの?」

男「はぁ。どおりで無拍子とかするわけだ・・・そんな凄い場所で働くならそれぐらいのスキルは・・・・」

女騎士「・・・・・あの頃は何回泣かされたか」

従者「・・・・・・・いや・・・・それがな、ウチに来る前から

キラッ

従者「今夜はトゥナイト。眠れない夜になりそうだ。騎士様一曲いかがですか?」

女騎士「フ・・・いいともさ。今夜は二人で踊り明かそうじゃないか、愛しい人よ」

男「・・・・・・おまえに負けず劣らず変な人たちだな」

メイド「変な連中ですが信頼はできますよ。べらぼうに強いですし」

男「メイドさんが・・・・信頼できるだと・・・・・」

メイド「なんですか、その目は・・・・傷つきます」

255: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 20:05:14.89 ID:vj6mmpk/0
男「うーん、でも信頼できるのなら・・・・なんでやめてウチのメイドなんかに?」

メイド「見聞を広めるというのは、それだけで大きな勉強になるのです」

男「・・・・見聞を広めるだけなら、メイドそのものをやめて放浪すればいいような気がしないでもない」

メイド「世の中、お金も無しに旅ができるほど親切ではありません」

男「用心棒か傭兵でもやったほうが儲かるような」

メイド「失礼ですね・・・・か弱い女の子にそんな荒仕事務まるわけがないでしょう」

白豚「フヒwwww君かわいいねwwwwどうだい一緒にwwwふひひwww」

メイド「あ?」

白豚「げぇ、アンタ!?すみませんごめんなさい生きててすみません生まれてすみません」

男「・・・・・か弱い女の子は権力者を一睨みで萎縮させたりしない!!!」

メイド「見聞を広めると、いろいろ学べるのですよ」

男「何を学んだの?ねぇ、キミは何を知ってるの!?」

256: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 20:22:10.39 ID:vj6mmpk/0
男「お、ダンスが始まったな」

メイド「お嬢様がいつの間にかイケメンをつれてますね。なかなかやるようです」

男「さっきの騎士様方も踊ってるな・・・・」

メイド「うまいですね。意外です」

男「・・・・・・・」

メイド「しかし、ステップが少しぎこちないですね・・・」

男「お嬢さん、一曲いかがですか?」

メイド「・・・・はぁ?」

男「あの、何いってんだコイツ、馬鹿か?みたいな顔しないでください・・・」

メイド「踊るのは構いませんが、アナタは踊れるのですか?」

男「腐っても屋敷の執事。社交ダンスくらいは覚えてるぞ!!」

メイド「・・・では喜んで。ついてこれるか、見物ですね」

男「え、ちょっと待って。社交ダンスってゆったりでしょ!?ゆったりだよね!?え?なにについてこれるの、え?」

メイド「さぁ、ほらエスコートしてください」

男「若き執事。ホールで散る」

267: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 21:36:10.43 ID:vj6mmpk/0
男「なんだ、全然普通じゃないか。びびって損した」

メイド「普通であることが一番大変なのです」

女騎士「しかしゆったりとしてるのも性に合わん。もっと激しくてもいいと思うのだが」

従者「さっきから俺の足を踏みまくってる点だけを言えば情熱的なダンスなんじゃねえの?」

女騎士「亀甲羅割り!!!」

従者「唐竹割り!!」

女騎士「パリィ!!」

従者「オートガードオートガード!!」

男「・・・・なんであれで踊りになってるの?」

メイド「さぁ・・・・?相性がいいんじゃないですか?あと・・・手を添えるのは腰です。それは私のお尻です」

男「申し訳ない・・・・・が、いまなんか冷たくて固くて重いモノに触れたような気がしたが、舞踏会に何仕込んでんだ!!!」

メイド「私はそんな尻軽な女ではないということです」

男「シャレになってない」

270: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 21:41:26.61 ID:vj6mmpk/0
ドン、

女騎士「おっと失礼」

メイド「いえ、こちらこそ」

従者「混んできたな・・・」

男「少し離れましょう」

ドン、

女騎士「度々すまない」

メイド「いえ、こちらこそ」

ドン、

女騎士「邪魔だ、ちょっとわきへいけ」

メイド「いえ、そちらこそ」

ドン、

女騎士「・・・・・・」

メイド「・・・・」

男「苦労しますね」
従者「わかる!?わかってくれるかこの苦労!!!」

274: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/12(金) 21:48:18.75 ID:vj6mmpk/0
しまった・・・・・・眠い・・・・・・
どうしてくれようか・・・・・・

333: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 10:28:36.34 ID:Mg9oUq0X0
メイド「・・・・・」スチャ

男「お願いですから華麗な舞踏会を熾烈な武闘会に変えるような品を引っ張り出さないでください!!」

メイド「失礼ですね。ただ乱れた髪を直そうと櫛をですね。えい」

チク!

女騎士「いってー!!!!」

男「普通の櫛に針なんて仕込まれてません!!!・・・・ま、まさか今の針、毒とか・・・・・・!!」

メイド「健康を害するような成分は配合されてないはずです」

男「なにか塗ってること自体を否定してほしかった」

女騎士「くっ、久しぶりに出会ってみれば相変わらずじゃないか・・・・・・うっ」

従者「どーした騎士様」

女騎士「な・・・・なんでもない・・・・(モジモジ」

男「ねえ、何刺したの!?ねえ!!」

メイド「見せ付けてくれやがって・・・・・・盛ってろというものです」


336: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 10:37:32.90 ID:Mg9oUq0X0
「お嬢さん、私といかがですか?」

メイド「すみません、少し疲れてしまって・・・・・・」

「お相手していただけますか?」

メイド「すみません。ダンスは眺めている方が好みでして」

「おっじょうすわん、ボクとホールで華麗なスティップを」

メイド「話にもなんねえ。基礎学力からやり直して来い」

男「なんだ大人気じゃないか。お嬢様が言うように、その気になれば玉の輿を狙えるんじゃないか?」

メイド「外見はもちろん重要ですが、それだけを気にして内面をスルーしてるような連中は、ちょっと・・・・・・」

男「人見知りが激しいのか」

メイド「というよりも、アナタやお嬢様のように単純に人を信じることができないのですよ」

男「なんか過去に裏切られたりしたの!?世界は怖くないよ!!やさしいよ!!」

メイド「光が強ければ強いほど、影は長く、濃くなるのですよ・・・・・フフ」

男「やめて、そんな怖い顔しないで!!貴族の舞踏会が邪悪なモノに見えてくる!!」

339: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 10:48:18.56 ID:Mg9oUq0X0
メイド「邪悪なモノですよ。主催者は無邪気に舞踏会を開きましたが、その無邪気さと善意を利用する輩は大量にいます」

男「た・・・たとえば?」

メイド「たとえばこちらの部屋」

「次の商品は亡国の歌姫!!傷無し●●の新品でございます!!」

「やめて・・・助けて・・・お兄様・・・・ううう・・・・・・」

「うおおおお!!4千万!!」

「なら4千5百だ!!」

メイド「こちらでは・・・・・・・」

「おーせ!!おーせ!!おーとーせ!!」

「やめろおお!!!押さないでくれええ!!」

男「ざわ・・・・・・ざわ・・・・・・」

メイド「金を持て余した暇人なんてこんなモノです」

男「もうやだ屋敷に帰りたいい!!」

従者「8千万・・・!!」

「落札されましたあああ!!」

343: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 10:58:55.51 ID:Mg9oUq0X0
女「あら、おふたりさん。お楽しみですか?」

メイド「ええ、ステキな時間をありがとうございます」(ニコッ

女「あらあら、いいですわね~執事さん、ちゃんとエスコートしないとダメですよ?」

男「どちらかと言うとメイドさんに主導権を握られています。盛大に」

女「もう、殿方なんだから尻に引かれてるようではいけませんわ。もっと女性をグイグイ引っ張っていかないと!」

男「どちらかというとメイドさんに振り回されています。室伏ハンマーのごとく」

メイド「・・・・・・・」

キラッ

男「メイドさん、どうです?あちらのテラスで夜景でもいかがですか?」

メイド「なかなか気が利きますね。お付き合いしましょう」

女「あらあらううふ、お似合いお二人ですわね♪」

男「・・・・・・俺・・・・この舞踏会が終わったら・・・旅にでるんだ・・・・・・」

メイド「ここに『希望の船』のミステリーツアーチケットが」

男「夢も希望も死んだ!!!何故だ!!!」

345: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 11:06:46.72 ID:Mg9oUq0X0
男「はぁぁぁぁ・・・・・・貴族様相手の挨拶もさることながら・・・・・メイドさんの相手がここまで疲れるとは・・・・・」

メイド「行儀が悪いですよ。誰もいないからといって、テラスにへたり込まないでください」

男「疲れたよママン。有給とって実家に帰りたい・・・・・・ふへえ」

メイド「楽しくないのですか?」

男「振り返れば楽しいのかもしれないが、それ以上にボクの疲労がマックスハート」

メイド「そうですか・・・・・」

男「イエーイ、メイドさん。楽しんでるー?・・・・はぁ・・・・・・」

メイド「ええ、とっても」(ニコリ

男「・・・・・・・・・・・・・・」

メイド「? なにか?」

男「・・・・・いつも、そういう風に笑えばかわいいのに・・・」(ボソ

メイド「失礼ですね。いつも笑ってるじゃありませんか」

男「ヒトを馬鹿にしたような、蔑むような皮肉な笑顔は違う!!」

メイド「そんな笑顔を向けられるようなことをする方に問題がありです」

男「俺か、俺が悪いのか。メイドさんが笑わないのは俺のせいか!!!」

346: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 11:17:18.29 ID:Mg9oUq0X0
メイド「いえいえ、執事さんのおかげでいつも笑顔が絶えない幸せな毎日です」

男「そうだな。俺を苛めて楽しいもんな!!」

メイド「ええ、とても」(ニッコリ

男「違う!!そこは純粋な笑顔を浮かべるべきタイミングじゃない!!ドSかアンタ!!」

メイド「失礼ですね。確かに●るのも好きですが、●られるのも嫌いじゃないですよ」

男「なにそれ卑 」

メイド「いつも私に先手を打たれたままだから、そんな風に受身なんです」

男「どうやって先手を取れという!!!ゼロシフトでもすれと!?」

メイド「アナタがそうやって受身なのですから、こっちもキャラ的に責めに回ってるのです。
    双方受身とか、どこのスイーツですか。双方責めではロアナプロですよ」

男「ほほう、では俺が一枚上を行っていれば、メイドさんは俺のされるがまま、と!!」

メイド「なにやら不穏な響きですが、まぁ、そうでしょう」

男「(メイド「ああ、やめてくださいまし執事さま・・・あぁん!!」)」

男「やいメイド。俺と一曲踊れ。踊るのだ!!」

メイド「一人で踊ってろカス」


348: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 11:26:53.81 ID:Mg9oUq0X0
男「うるさい、さぁ、踊るんだ!!」

メイド「強引ですね。先手を打つとは無理矢理という意味ではありませんよ」

男「くっくっく・・・・・・そんなこと言いながら身体は正直よのう!!しっかりと俺の腕の中で踊っているではないか!!」

メイド「なにそれひわい」

男「そぉれ、さぁ、俺の腰を抱け!!俺の手を握れ!!俺に息を合わせろ!!ステップを重ねろ!!俺に充電しろ!!」

メイド「さっきからずっと息を合わせてあげているのに、まだ気付きませんか。愚鈍ですね」

男「なん・・・・・・だと・・・・」

メイド「では、ついてこれますか?」

男「え、ちょ、まって、いや!!いやいやいや!!速い!!テンポが速い!!」

メイド「私の社交ダンスは108式まであります」

男「違う!!社交ダンスというのはこんなに情熱的でスピーディーでパワフルではない!!」

メイド「どうしました?また受身ですよ?もう限界ですか?」

男「待て、くそ、うおおおお・・・・・こうか、こうだな!!ステップの基本はこうか!!覚えたぞ!!」

メイド「ではもう少し速度を上げてみましょうか」

男「ごめんなさい待ってください。もうちょっと練習させてください」

351: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 11:36:36.42 ID:Mg9oUq0X0
メイド「いいタイミングですね。ほら、聞こえますか?ホールの方からアグレッシブなジャズが聞こえてきましたよ」

男「おい・・・・待て・・・・まさか・・・このテンポに・・・合わせろと・・・!?」

メイド「習うより慣れろです。さて、ステップのパターンを変則的にしてみますか」

男「はわわわわわ!!足が!!足が絡まる!!俺の足に俺の足がいやらしく絡みつく!!」

メイド「不器用ですね・・・・流れに身を任せれば足なんて勝手についてくるものですよ」

男「ひいいいい!!待ってえええ!!無理、無理無理無理!!つる!!足がつる!!」

メイド「仕方ありませんね、レベルを少しさげ」

男「ぬわー!!」

メイド「キャー」

ドテッ!!

男「・・・・・・・・・・・・・」

メイド「これは先手を打つというよりも、先走る。という感じですね」

男「・・・・え・・・・あ・・・いや」

メイド「ダンスの途中に押し倒す。お決まりですがベターな選択ですね。さて、次はなんですか?」

男「いいいいいい、ち、違います!!事故です!!すみませんすぐどきます!!」

355: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 11:45:15.94 ID:Mg9oUq0X0
メイド「どくんですか?」

男「え」

メイド「舞踏会という公共の場とはいえ、テラスは無人。人が来る気配もありません」

男「・・・・・・・・・・・・」

メイド「状況としては、これ以上ない好機だと思われますが」

男「な、何を言っているのだねキミは・・・・」

メイド「では、何のために押し倒したと?」

男「じ、事故です!!!すみません!!足がつりました!!」

メイド「では、何故すぐにどかないのです?」

男「え・・・あ、いや。君がその」

メイド「なんです。私に問題があると?」

男「その・・・・・背中に手を回しているから・・・・」

メイド「嫌なら振りほどけばいいだけの話です。ダンスの時も然り。抜け出したいのなら、簡単にこの手を振り払えるはずですが」

男「いや、だって・・・・・そんな無理矢理抜け出したら・・・・メイドさんが悲しい顔しそうでその・・・ダンスの時だって楽しそうだったし・・・・」

メイド「────」

356: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 11:54:16.63 ID:Mg9oUq0X0
男「いや、その、まぁ、うん・・・・・・メイドさん、楽しそうだから・・・・振り回されてもいいかなぁ、なんて・・・・・」

メイド「・・・・・・・・」

男「いつもなんか誘導されてる気がしないでもないけど、楽しそうなら、それでいいかなぁ、なんて・・・」

メイド「・・・・・・・・」

男「ほら、働きづめだし、普段妙な技使うのも、そうでもしないと身体が鈍って仕方が無いっぽいっていうのはわかるしさ・・・」

メイド「・・・・・・・・」

男「外、あまり出ないから娯楽も刺激もないから退屈、してそうで・・・・いやあの」

メイド「・・・・・・・・」

男「だ、黙ってないで何か喋ってください・・・・お、怒ってる?」

メイド「偉い人は、言いました」

男「はい」

メイド「言葉よりも、行動だと」

男「え?いや、その・・・・むぐっ!?」

女(キッス!!キッス!!したあああ!!!)
女騎士(  チュー!!  チュー!!うおおおお!!)
従者(メインシステム、脳内フォトショップ起動!!)

361: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 12:06:02.16 ID:Mg9oUq0X0
男「・・・・・・・・・・・」(ぽけー)

メイド「・・・ぎこちないですね。初めてですか?」

男「・・・・え・・・いや・・・はい」

メイド「●●ですか」

男「・・・・・・・・・・・・・・は、はいぃ」

メイド「・・・・可愛いですね。こんなに緊張しちゃって・・・・ん・・・・・」
男「いいいい、いや、待て、待て待て!!待ってくれ!!あ、頭が追いつきません!!」

従者(構わん、続けろ)
女騎士(けしからん、もっとやれ)
女(ヘタレを押し倒せ)

メイド「考えるの、やめてしまったほうが楽ですよ?」

男「え」

メイド「冷静に考えると、こんなところで何やってるんだという冷めた思考に捉われますから」

男「そういえば、ここテラスで」

メイド「だから・・・・・・惚けたまま、何も考えないで、されていればいいんですよ」

従者(●●い)
女騎士(けしからん)
女(もっとやれ)

364: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 12:15:05.79 ID:Mg9oUq0X0
男「メ、メメメメメメイドさん、やっぱタンマ、タンマです!!」

メイド「なんですか。肌を●められるのは趣味ではありませんか」

男「め、女々しいこと言うようだが、まだ心の準備がうんぬん!!覚悟がうんぬん!!」

メイド「そんなもの後からいくらでもついてきます」

男「せ、せめて初めてはベッドの上でえええ!!」

メイド「どこの学園  ゲのヒロインですか」

男「こんな、勢いに任せた云々はよくない!!いや、その・・・・メイドさんが嫌いってわけじゃない!!むしろがっつきたい!!」

メイド「なら素直になればいいものを・・・・情事なんて、ノリと勢いが9割です」

女(そうなんですの?)
従者(何故こっちに聞く)
女騎士(ノーコメント)

男「ちゃ、ちゃんとしたムードでこう、その・・・・」

メイド「・・・・・・クス」

男「ボ、ボクは真剣です!!!」

メイド「イジメすぎちゃいましたね」

366: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 12:25:59.64 ID:Mg9oUq0X0
メイド「お嬢様の様子を見てきますね」

男「あ、はい」

メイド「・・・・・・・・可愛い♪」(ボソ)

男「え」(ゴクリ


女騎士(ヘタレ)
従者(もったいない)
女(据え膳食わねばry)

メイド「こんばんわ」

女騎士&従者「!!!!!!!!!」
女「あら、メイドさん・・・・あ、私ちょっと化粧直しに」
女騎士「さて、帰るか」
従者「あー・・・あー・・・・・懐かしいなぁ、そのダガー・・・いつぞやはお世話になりました」

メイド「反対側のテラスから覗くとは考えましたね。ですが、ちょっと長居しすぎたようです」

Knight<<ああいうのはな、鬼神っていうんだよ>>
Nameless<<オメガ11、イジェークト!!>>
Maid<<全てをゼロに戻す・・・・・そのための「禁則事項」だ・・・!!>>

男「・・・・・あ、花火・・・・もうちょっとねばれば、一緒に見れた・・・のかな」

371: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 12:41:13.69 ID:Mg9oUq0X0
メイド「服がない。やめろってか」

女「あら、メイドさんの服なら執事さんがなにやら・・・・」

メイド「おはようございます」

男「ひいいいいいいいい!!!だから無拍子で背後に回るのはやめてえええ!!」

メイド「有給を、取ったと聞きましたが」

男「いや、まぁ・・・・うん・・・ちょっと実家に」

メイド「私の服を盗んだままでですか。さらに事務処理まで私に?過剰労働です。やめろってか」

男「いや、そうでもしないと、休んでくれないんだろう?
  その・・・・・キミの有給もとったから・・・一緒に地元に来ないかと・・・思って・・・その田舎だけど、いいとこだから気晴らしにって」

メイド「どこまで初心なんですか。素直に親に紹介してあわよくば実家でうんぬん」

男「そ、そんな急展開は心の準備が!!」

メイド「・・・・・・仕方ないですね、お付き合いしましょう」

男「ああ、その顔」

メイド「ヒトの顔に文句でも?」

男「いや、両親の前でも、そうやって笑ってくれ」

メイド「アナタ次第、かと思われます」

389: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 13:48:29.49 ID:Mg9oUq0X0
ガタンゴトン、ガタンゴトン

メイド「世界の車窓から。今日は名も無き田舎町の風景です」

男「緑しかない。山しかない。あれ、おかしいな・・・・・里帰りってこんな退屈なものだっけ・・・・」

メイド「道中は暇なものです。娯楽もないのであれば尚更です」

男「ああ、そうだな・・・・・何か遊べるものを持ってくればよかったなぁ」

メイド「とはいっても、揺れる車内ではボードゲームもトランプも向いてませんが」

男「あ、そういえばメイドさんトランプ持ってたじゃないか!あれで何かしよう」

メイド「ダメです。あれはトランプであってトランプでありません」

男「意味がわからない」

メイド「チタン製で四方がカミソリ並みの切れ味ですが、それでシャッフルできるのならどうぞ、ご自由に」

男「実家に行くのにそんな物騒なモノを携帯するな!!地獄のマジシャンかアンタ!!」

メイド「遊びも、度が過ぎればケガをするということです」

391: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 13:55:42.50 ID:Mg9oUq0X0
男「いや、しかしよかった」

メイド「なにがですか」

男「さすがに私服だよな。実家にまでメイド服でこられたら間違いなく変な目で見られる」

メイド「一応持ってきてはいますが。お望みなら着替え

男「着替えるな、持ち込むな、さっそく服を脱ぐなああ!!」

メイド「ああ、そういう趣味ですか」

男「どういう趣味だ!!そうか、何か妙に鞄がデカイと思ったら・・・また妙なモノを・・・・」

メイド「失礼ですね。女性は男性と違って荷物が多いのです」

男「はいはい女性女性」

メイド「化粧品、着替え、通信機材、生理用品、武装・・・・」

男「いま女性には不要なアイテムがあってような」

メイド「化粧品は必要です」

男「まて、実家に行く前にその鞄をチェックする。よこせ」

メイド「キャー」

396: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 14:07:37.29 ID:Mg9oUq0X0
男「まったく、重いな・・・一体何が入って」

ガコン、ジャキン!!

男「内藤康弘もびっくりのギミックだな、ええ?」

メイド「ちょっとしたサプライズですよ」

男「どこに旅の荷物が入ってるんだ!!」

メイド「脇に収納スペースが」

男「収納スペース飾りじゃねえか!!」

メイド「ちゃんと入ってますよ、はい着替えです」

男「パッフェルさんのコスプレじゃねえか!!」

メイド「間違えました、こっちです」

男「退魔忍の服なんてどこに着ていくの!?」

メイド「こちらはどうでしょう」

男「スネーク、スニーキングスーツだなんていいモノを手に入れたな」

メイド「すみません、冗談が過ぎました」

男「浮かれているんだろうか、これは」

399: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 14:20:58.07 ID:Mg9oUq0X0
男「マイタウンへようこそ」

メイド「到着早々駅の保管所に私の鞄をぶち込まないでください」

男「健全で安全な休暇のため、過剰な火力にはご退場願います」

メイド「武器も装備も現地調達ですか。効率的ではありませんね」

男「おまえは何しに来てるんだ」

メイド「未来の旦那様のご両親に挨拶を、と。事実上アナタのメイドといっても過言ではありませんし」

男「では、挨拶に火力は必要かね?」

メイド「舐められたら、負けです。障害となるのなら、ええ、粉砕します。草木も残しません」

男「・・・・・・やっぱ、ちょっとこっちへ来い。実家に行く前にボディチェックをさせてもらう」

メイド「昼間から、しかも野外で私を辱めると。初心を気取りながら真性の変 さんですね」

男「だって!だって服がなんかゴツゴツしてるし、歩くたびに金属音がするんだもん!!怖いんだもん!!」

メイド「最近冷えますからね、着込んでいるのです。小銭を持ち歩いていれば金属音くらいはします」

男「メイドさん、ポケットから袖から得物が見えてますよ?」

メイド「え?・・・・・あ・・・カマをかけられるとは・・・・屈辱です」

男「最近、慣れてきました」

401: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 14:29:38.62 ID:Mg9oUq0X0
男「・・・さて、我が家だが・・・・な、なんか緊張してきたなぁ・・・」

メイド「なんというか、何の面白みもない実家ですね」

男「ふ、普通なのがいいんだろう!!文句を言うでない!!・・・ああ、誰もいなけりゃいいが・・・」

メイド「ここまで来てヘタレますか」

男「ええい、ままよ!!ピンポーン!!ただいまー!!」

メイド「・・・・・・反応がありませんね」

男「かえるかー^p^」

メイド「待てよおい」

男「反応がないならしょうがない・・・・・あ」

?「あー!おかえりさないー!!」

メイド「・・・・この幼女が母というオチなら、帰るという案に賛成です」

男「姉さんです・・・・なんだかよくわからないけど、多分これ姉さんです・・・」

メイド「・・・・・・・・・・・すみません、眩暈が」

男「かえるかー^p^」

姉「キミたち、ちょっと失礼でないかい?」

406: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 14:39:53.59 ID:Mg9oUq0X0
姉「いやー、馬鹿な弟が立派になったねー」

男「姉さん、なんで老けないの?」

姉「ふっふっふ・・・・・女はメイクで化けるものだよ」

メイド「ピク」

男「何か変わったことは、あった?」

姉「うんにゃ、なんもないねえ・・・・・あぁ、なんか最近商店街に武器屋さんができたねえ。アタシには関係ないけど」

メイド「ピク」

男「三日ぐらい泊まる気でいるけど、大丈夫かな」

姉「好きなだけいたらいいよ、どうせ暇だしねぇ・・・・・ほら、父さんと母さんにも顔見せてやりな」

男「・・・・おう」

メイド「・・・・・・・ご両親、すでに亡くなっていたのですね」

男「ただいま母さん、ひさしぶり。こっちはなんとかやってるよ・・・・・いいヒトとお付き合いさせてもらってる」

メイド「・・・・・・・お母さん、ですか」

男「親父、クソ・・・・今思い出しても腹が立つぜあの野郎・・・・死ぬ間際まで俺の貯金盗みやがって・・・!!」

メイド「ひどい」

408: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 14:49:12.97 ID:Mg9oUq0X0
姉「おお、メイドさんなのかい!メイドの業界って誰でもできる仕事だから入れ替わりの激しい仕事って聞いたけど、どうなんだい?」

メイド「だからこそ長年培ってきた仕事の経験が活かせるのです。私の代役ができるのなら、大したものです」

男「自分で言うか」

メイド「どこの業界でもそうですが、何か特技があれば生き残るのは至極簡単なことです」

男「いいいいい、だからいきなり背後に回り込まないでえええ!!」

姉「面白い子じゃないか。アンタみたいな面白みのないやつにゃ、もったいないよ」

メイド「ありがとうございます」

姉「でも、ここまで来て他人行儀ってのもねえ・・・・・もっと気楽にしてていいんだよ?」

メイド「なんというか、こういう喋り方が染み付いてしまいまして。ですが、ご希望ならどんな喋り方でも」

姉「言うねえ、じゃあアタシの真似してみなよ」

メイド「こうかい?全くえらい注文をするもんだねぇ」

ガッシ!!

姉「アンタ、いつでもウチに来な」

メイド「ありがとうございます」

男「居場所が無い」

412: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 14:57:29.80 ID:Mg9oUq0X0
姉「ああ、片付けなんていいのに。ウチは基本ちらかしっぱなんだよ」

メイド「いえ、何か落ち着かなくて・・・」

姉「どうせ片付けても、アタシの性格じゃあすぐ元通りさね」

メイド「ええ、だからこそ毎日の掃除洗濯が大切なのです」

姉「アンタ、もうずっとウチにいていいよ」

メイド「ありがとうございます」

男「ちょっとぐらい自分でなんとかするという気合はないのか!!」

姉「ところで、どうなんだい・・・・あの朴念仁とはもう、ちゅっちゅしたのかい?」

男「おい」

メイド「残念ながらちゅっちゅ止まりです。なんですかあのヘタレは。押し倒しておいてそのままですよ」

姉「カーッ!!意気地のねえ・・・・アンタ、それでもアタシの弟かい!?」

男「アンタ、本当に俺の姉か!?」

メイド「仲が良いのですね。うらやましいです」

姉「いまでこそヘタレだけど、両親が死んだ直後とかはだねえ」

男「だまれえええ!!いやああ!!黒歴史語りはやめてえええ!!」

414: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 15:06:44.81 ID:Mg9oUq0X0
姉「ほほう、ではこの機会にちゅっちゅしておこうと」

メイド「そうですね。ついでに関係を持っておけば屋敷の主従関係においても主導権を握れますので」

男「本人の前でそういう話はですね、あの」

姉「そうさねえ・・・・変な 癖とか調教とかしとけば、職場でも自由自在さねえ・・・」

男「おい」

メイド「だいたい日ごろからヒトに卑 なポーズを要求したり、風呂に乱入してきたり、いきなり を んできたりと最低なんです」

姉「訴えたら勝てるぜそりゃ・・・・●められたら負けだよ」

メイド「ええ、でも●めるのも●められるのもご奉仕の内ですので」

姉「うっひぇーwwwwww言うじゃないかこの子wwwwwwwww」

男「あの」

姉「あ、いたの?酒買ってきなよ」

男「おのれ、久々に帰ってきたからおとなしくしてれば馬鹿姉がー!!」

姉「姉様に勝とうだなんて半世紀早いわ、そぉれコブラツイストォォォォォ!!」

男「ぬああああ!!馬鹿な・・・!!以前よりもパワーアップしているだとぉぉぉ!?」

メイド(なんて完璧な拘束・・・・この女、できる・・・!!)

420: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 15:27:07.72 ID:Mg9oUq0X0
姉「それじゃ、布団は敷いといたからね。健全な夜を楽しめい!」

男「おい。俺の布団がない」

姉「同じ布団で寝ろっつーの!!枕はお姉さまのを貸してあげたんだから」

男「そんなやさしさいらん!!」

姉「例のブツは枕元に・・・・」

メイド「ありがとうございます」

姉「んじゃ、邪魔者はたいさーん」

男「え、なに?ブツってなに?なにそれこわい」

メイド「さぁ、夜も更けてきました。横になりましょうか」

男「・・・・寝巻きあ普通のパジャマだってことだけが救いか・・・」

メイド「なんですか、こういうのを着てほしいのですか?変 さんですね」

男「食い込みの激しいレザーボンテージなど何に使うんだ?」

メイド「ご想像にお任せします」

男「おやすみ」

425: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 15:34:16.85 ID:Mg9oUq0X0
枕元
ティッシュ 薄くて破れにくい例のアレ*5 奇妙なラベルのビン 安産祈願のお守り 副作用のありそうな御香

男「馬鹿かあの姉はあああ!!!」

メイド「これは不要ですね」

男「薄くて破れにくい例のアレに針を刺すな、何を考えている!!!」

メイド「え?使う気だったのですか?それは失礼しました」

男「・・・・・・・・・・・もういい、寝る・・・・」

メイド「どうぞおやすみなさいませ。眠れるのでしたら」

男「・・・・・・・・・なんだ・・・目がさえる・・・・」

メイド「お姉さまがご用意した夜食ですが、精力のつくものばかりでしたからね」

男「・・・・・・・・」

ガバッ

メイド「どちらへ?」

男「あの姉、ブン殴ってくる」

メイド「いってらっしゃいまし」

428: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 15:39:12.81 ID:Mg9oUq0X0
「こんの馬鹿姉えええ!!」
「なんだい?メイドさんの身体だけじゃ飽き足らず、姉ちゃんも食いたいってか?うっひょーwwww」
「コロス」
「きたまえ」

ドスン、バタン、ギシギシ・・・・キュイーンドルドルドルドル、ガッシャーン!!

男「ただいま」

メイド「おかえりなさいませ」

男「うん、疲れた。これなら眠れそうだ」

メイド「鼻血が出てますよ。それで眠れるのですか」

男「気合だ」

メイド「そうですか」

男「・・・・・」

メイド「・・・・・」

ガバッ。キュポ、グビグビグビ・・・・・

男「い、今何を飲んだ・・・!?」

メイド「さぁ・・・?」

429: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 15:46:05.65 ID:Mg9oUq0X0
枕元
ティッシュ 穴の開いた薄くて破れにくい例のアレ*5 奇妙なラベルのビン(空) 安産祈願のお守り 副作用のありそうな御香(点火)

男「何も見えない」

メイド「・・・・・・はぁ・・・」

男「不安だ。この御香は消火しておこう」

メイド「・・・・は・・・・ふぅ・・・・」

ガッシ

男「・・・・・メイドさん。飲んだな・・・やはり飲んだのだな!!」

メイド「・・・ふぅ・・・・はぁ・・・・」

男「あ、ダメだ。目が据わってる」

メイド「え・・・・えらいひひょは・・・・いいまひた・・・・」

男「ま、負けるなメイドさん!!このままでは姉の思う壺だぞ!!メイドさんとは・・・いや、ちゅっちゅウフフはしたいが、これは耐えろ!!
  ここで流れに負けたら・・・姉に負けるということ!!」

男「レッスン1。
       なめられたら、負けだ」

メイド「んふ・・・・・・んー♪」

男「●めたい」

436: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 15:59:59.88 ID:Mg9oUq0X0
メイド「んふ・・・・んー・・・・んむ・・・♪」

男「くぅ、耐えろ、マイスタンダップソルジャー!!」

男「『社会的な価値観』がある・・・そして『男の価値観がある』・・・」

男「昔は一致していたが、その『2つ』は現在では必ずしも一致はしてない」

男「『男』と『社会』はかなりズレた価値観になっている・・・・・・だが、『真の勝利の道』には『男の価値』が必要だ」

メイド「んー?んふふ・・・・はむ・・・♪」

男「俺には、それがもう見える筈だ・・・今を耐え、それを確認しろ・・・・『光り輝く道』を・・・・」

メイド「・・・・んー・・・・んー・・・うふふふふ・・・」

男「俺はそれを、祈っているぞ・・・・そして、感謝する」

メイド「・・・・んー・・・んふ・・・・んぐ・・・」








男「ようこそ、『男の世界』へ・・・・・・」

442: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 16:17:47.99 ID:Mg9oUq0X0
~翌朝~

メイド「う・・・・頭が・・・身体も重い・・・」

メイド「痺れを切らして、例のブツを使ってしまいましたが・・・まさか自身の記憶が吹き飛ぶほど強烈だったとは・・・」

メイド「彼は・・・?」

枕元
散乱したティッシュ 穴の開いた薄くて破れにくい例のアレ*5 空っぽのビン 安産祈願のお守り 燃え尽きた御香

そしてやり遂げた、『男』の果てた姿。

メイド「・・・・・・・・・なにこれこわい」

男「俺は『納得』したいだけだ・・・・・・スレで●●を書く必要があるのか?皆読みたがってるコトはなんなのか?」

メイド「いったい、何があったのですか・・・?」

男「『納得』は全てに優先するぜッ!! でないとオレは『前』に進めねえッ!『どこへ』も!『未来』への道も!探すことはできねえッ!!」

メイド「はぁ・・・」

男「見えたぞッ!見えて来た!姉上!『勝利』への感覚が見えて来たッ!」

姉「結局、未遂かい・・・・・・いやはや、粘るねえ」

メイド「彼が何を言ってるか、理解できないのですが・・・」

姉「男は不器用で頑固なんよ」

448: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 16:29:39.49 ID:Mg9oUq0X0
メイド「しかし・・・・・・そこまで憔悴しているのなら、素直に落ちていれば良かったのでは?」

男「正直、あの状態のメイドさん相手だったら・・・間違いなく『朝まで』続いていただろう・・・」

メイド「はぁ・・・・」

男「オレは、純粋に、メイドさんと、一緒にいたい!!●●とか、ちゅっちゅとか、もう『どうでもいい』!!」

メイド「・・・・・・・・・・」

男「メイドさんがいてくれれば、そこに愛がない日常であろうと、些細な、普通の仕事仲間という関係でもいい!!」

メイド「・・・・・・・・・・」

男「アナタがいる、少し変わったスキル持っていて、謎が多くて、捉えどころのない、『アナタがいる日常』にオレはいたいッ!」

メイド「・・・・・・・・・・」

男「いや・・・・・その・・・ちゅっちゅしたくないのか、と聞かれれば、そうじゃないけどさ」

メイド「・・・・・・まぁ、ちゅっちゅ程度なら、許されるんじゃないですか?」

男「・・・そうかな」

メイド「そうです・・・・・ん・・・」

男「いや・・・・・その・・・だからといってどこでもちゅっちゅとかはその・・・・・・」

メイド「ヘタレ」

451: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 16:42:12.82 ID:Mg9oUq0X0
姉「おー、朝からおはようのチッスですかーいいねー拝んどこ。彼氏くれ~彼氏くれ~」

メイド「その容姿で彼氏がいないのですか?」

姉「うんにゃー、お付き合いまでこぎつけても、私の私生活で愛想を切らすらしくてねー」

男「乱暴な姉貴のどこに魅力だあるんだか」

姉「失礼なやつだね、アンタも」

メイド「家族とは、いいものですね」

姉「なんか、そういう雰囲気があるけど、やっぱ家族はいないのかい?」

メイド「ええ、施設で育ちましたから」

男「その施設がどんな施設が非常に気になるのだが」

メイド「普通の孤児院ですよ。きっと」

男「関西弁の牧師とか、二重人格の兄ちゃんがいたり?」

メイド「どこのミカエルの眼ですか」

姉「よーし、今日からアタシをお姉ちゃんって呼びなさい!!」

メイド「はい、お姉さま」

姉「あふう」

454: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 16:49:27.08 ID:Mg9oUq0X0
男「なぁ、メイドさん」

メイド「なんでしょうか」

男「昔、なにやってたんだ?」

メイド「色々やってました」

男「たとえば?」

メイド「軽業師のお仕事をしたり、ケーキ屋でアルバイトをしたり、郵便配達をしたり、メイドをしたり・・・・・・」

男「まぁ、いいけどさ」

メイド「謎は、謎のまま。それが一番魅力的なんですよ」

男「でも、謎は解き明かすものだ」

メイド「さぁ?迷宮入りするのも、悪くはないかと」

男「くそう、納得いかない!!」

姉「ご飯できたぞー」

メイド「はい、お姉さま」

姉「あふう、もっと!!」

457: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 16:53:14.77 ID:Mg9oUq0X0
さて作り置きできるカレーの準備をしてきます

しかし、独特な文章と言われたが、そうなのだろうか

467: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 17:18:50.36 ID:Mg9oUq0X0
男「しかし、端からみたら姉妹に見えるな」

姉「いいじゃん、その内姉妹になるんだから」

メイド「ああ、お姉さま・・・・・・いけませんこぼれてますよ」

姉「あふぅ、こぼそう。盛大にこぼそう。垂れ流してしまおう」

男「ガキなのは外見だけにしろ!!」

姉「うー、おねえちゃーん、おにいちゃんがいじめるよー」

メイド「泣かないでください、お姉さま。私はお姉さまの味方ですよ。よしよし」

姉「生きてて、よかった」

男「随分と安い人生だな、おい」

メイド「彼が執事になってから、ずっと一人だったのでしょう?さびしいですよね・・・明日帰ってしまいますが・・・それまでは・・・」

姉「やだやだ!かえっちゃ、やー!」

男「今年でいくつだてめえ」

メイド「女の子は、いつまで経っても女の子です」

姉「男がオモチャ手放さんのと同じさね」

男「ようこそ、『乙女の世界』へ・・・・・」

470: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 17:32:32.45 ID:Mg9oUq0X0
男「ダッハー・・・・我が家の狭い風呂も、帰ってみれば癒されるなぁ・・・・」

男「フ・・・・・・結婚を前提としたお付き合いをしている以上、もう問題はないのかもしれんが・・・・」

男「やはり、風呂とは一人で入るべき!!従って、確認は怠らん!!」

男「脱衣所よし!!風呂よし!!天井よし!!風呂と壁の間よし!!」

男「全部よし!!ヒャッハー!!いざ入浴ー!!」

メイド「さすがに狭いですね」

男「うえぼがごば」

メイド「何器用な沈み方をしているのですか」

男「嘘だ!!確認したのに!!なんで!?なんでここにいるの!?」

メイド「先に入っているとあれほど」

男「聞いてない!!というか言ってないだろう!!」

姉「おねーさまぁ!!お背中をお流ししますー!!」

男「・・・・・・おい、でてけ。てめえにゃ井戸で十分だ」

姉「・・・・・・あ?誰に口きいてんだカス。肥溜めに沈めるぞ」

メイド「・・・・・・いいなぁ、家族・・・・・・」

472: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 17:40:37.80 ID:Mg9oUq0X0
姉「いやーしっかし、いい身体してるねー」

メイド「恐れ入ります」

姉「はー・・・アタシも人並みのスタイルがあればねぇ・・・・・拝んどこ。胸・・・胸・・・くれ・・・」

メイド「可愛らしいのも、いいじゃないですか」

姉「どうみてもお子様じゃないかい、この身なりは・・・・・病気だよ、絶対コレなにかの病気さね」

メイド「彼も血縁なのに、似てないのですね」

姉「─全くだよ・・・・・くそ、ヤツの成長率が少しでもアタシにあれば・・・・・」

メイド「それより・・・・・彼は大丈夫でしょうか」

姉「あーいいの、いいの。あんなのほっといて、女の子同士、キャッキャウフフしようじゃない」

メイド「はぁ・・・・・なんとなく、確かに姉弟ですね・・・」

姉「おお・・・・・これは・・・いい胸だ・・・・」




男「全裸で井戸に叩き落されるとは・・・・・姉、許すまじ・・・!!」

474: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 17:49:02.06 ID:Mg9oUq0X0
姉「さー、我が家最後の晩飯だよ!たーんと食べておくれ!」

メイド「いただきます」

男「相変わらず大雑把な味付けだなぁ・・・」

姉「どうせ、向こう帰ったらアタシの味を思い出して泣く癖にねえ」

男「メイドさん、この味は覚えたな?再現できるな?」

メイド「はい、8割は再現できるかと」

男「ふ・・・残念だったな・・・アンタはもう不要だ・・・・」

姉「ぬぁ!?ねぇお姉さま?屋敷に戻ったら、コイツの食事に泥を混ぜてやってくださいな」

メイド「毒ならすでに少量づつ・・・・・・そんな顔しないでください、冗談です」

男「わらえねええええ!!」

メイド「ところで・・・・・ひとつ質問なのですが」

姉「なにかねなにかね」

メイド「互いを支えにして成長した兄妹や姉弟の間には、恋愛のような関係ができると聞きましたが、本当ですか?」

男「ブフーッ!!!!」
姉「ななななななななななななににににをなななにをいいってるんだだだい、あははははははははあっはは」

479: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 18:12:26.47 ID:Mg9oUq0X0
メイド「?」

姉「ああああああった大変だ!!スープがこぼれちまったよ、あははああははかかたづけないとー!!」

男「げほ・・・ふへえ、はー・・・窒息するかと思った」

メイド「そういう関係は、できるものなのですか?」

男「うーん、やっぱあるんじゃないの?両親死んでからはお互い必死だったしなぁ」

メイド「そうですか・・・ですが、お姉さまは何をあんなに慌てて・・・・・」

男「さぁ・・・?どうせそれっぽいゴシックでも知ってるんだろ」

メイド「アナタは、お姉さまが好きですか?」

男「そりゃ大好きさ。ベクトルは家族愛だけどな。さっすがにあんなぐうたら女、家族でなきゃ愛せな
姉「ぐうたらで悪かったねえ!!」

男「ぐあああああ!!脳に!!脳天にねりちゃぎがあああ!!ゆ、ゆれ・・・うおおおおおお・・・!」

メイド「何をそんなに慌ててたのですか」

姉「い、いきなり変なことを聞くからび、びっくりしたのさ!!」

男「そんなんだから彼氏のひとつもできねーんだYO!!」

姉「おまえが・・・・ッ、しねえええ!!」

男「たわば!!」

480: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 18:14:36.88 ID:Mg9oUq0X0
おい、近所に消防車が集結してるぞ、おい

484: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 18:22:21.68 ID:Mg9oUq0X0
メイド「彼は、あのまま寝てしまいました」

姉「永遠に寝ておけばいいのにねぇ」

メイド「・・・・・家族ゆえの禁忌ですか」

姉「なななななななにをいってれえくぉうぃ」

メイド「でも、家族がいるからこその、感情ですよね」

姉「・・・・・・そうさね。家族がいなければ、家族を好きになったりもできないからね・・・あはは、アタシは贅沢か・・・・」

メイド「死んじゃいました」

姉「え?」

メイド「戦争で、家族はみんな、死んじゃいました」

姉「・・・・・・そうかい。アタシらの両親も・・・戦争で死んだよ」

メイド「まだ私は赤ん坊で・・・・・その時、拾われたんです」

姉「拾われた、か」

メイド「・・・・・・・そう聞きました」

姉「へ?」

490: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 19:03:24.26 ID:Mg9oUq0X0
メイド「私、空っぽなんです。記憶がないんです」

姉「記憶喪失?なんだろうね、胡散臭いねえ」

メイド「はい。記憶はありませんが、『情報』は頭に入ってます」

姉「情報?」

メイド「料理の作り方から毒薬の扱い方。ヒトの殺し方、男の誘い方、悦ばせ方・・・自分が何であったかは・・・だいたい想像できます」

メイド「どうせロクでもない記憶だったのでしょう。もしかしたら、自分で記憶を消したのかもしれません」

メイド「だから、昔のことなんて気にせず、働いてみました。生きてみました」

メイド「色々なことをしましたが・・・・・なにせ、常識的な記憶まで飛んでいるので、変なところで変な技を使ってしまうんですよね」

メイド「郵便を届けるのに、部屋に忍び込んで届けるとか、接客をしているのに、お客様の背後に無音で回りこんでしまったり」

メイド「結局、能力を買われ・・・・・・要人の警護も兼ねて、メイドとなりました」

姉「・・・・・・で、コイツが上司、か」

メイド「いいヒト、ですよ。なんだかんだ言って、私と対等に接してくれる・・・・・注文は多いですが」

姉「見境ないのが、コイツの長所だからねえ。昔、貴族様に告白しようとしてボコボコにされたりねえ」

494: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 19:08:21.88 ID:Mg9oUq0X0
姉「・・・『そう聞きました』と言ったね」

メイド「はい」

姉「誰に聞いたんだい?」

メイド「さぁ・・・誰でしょう?誰かに聞いた。それだけを覚えています」

姉「都合のいい、記憶喪失だね」

メイド「よろしければご紹介しますよ。薬を使い、都合のいいように記憶をいじる。情報は・・・・・・覚えてるんです」

姉「そうさね、私が何か大失敗したら頼むよ」

メイド「・・・はい」

姉「すっきりしたかい?」

メイド「え?」

姉「吐き出すだけ、誰かに聞いてほしかったんだろう?」

メイド「・・・・はい」

姉「・・・・・・好きなヒトには、自分の弱ってる姿を見せたくないってか・・・健気だねえ」

496: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 19:16:29.80 ID:Mg9oUq0X0
姉「でも、残念だったね」

メイド「ええ、残念です」

姉「おい、おきてるんだろ?何か声をかけてやんな。男だろうに?」

男「ぐごーすぴー」

姉「コイツはこの後に及んで・・・・いつからそんなヘタレになったんだい、もう」

メイド「いいんです。知らないようで・・・・彼は、理解してくれていますから。わかってて、私に流されてくれましたから」

姉「ったく、どうした、おい。昔みたいに本能で生きてればいいじゃないのさ」

メイド「ふふ、今でも本能に忠実ですよ?隠してるだけです」

姉「バレバレな嘘は見てて腹が立つねえ、全く・・・・・まぁ、不器用なのも、魅力の内か」

メイド「ええ、可愛いじゃないですか。お姉さまは嫌いですか?」

姉「もう一回」

メイド「お姉さま」

姉「ずっとウチにいてください」

メイド「いけません、仕事は大事です」

500: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 19:25:33.67 ID:Mg9oUq0X0
姉「なんだい、もう帰るのかい」

男「ったりめーだ。仕事が山ほど待ってるんだぞ・・・・・・欝だ」

メイド「お世話になりましたお姉さま」

姉「辛かったらいつでもここに逃げてきな。むしろ待ってるアタシが辛い」

男「お、かわいいこと言うようになったな」

姉「アンタはいらん。来るな」

男「さぁ、メイドさん屋敷に帰ろうかー」

メイド「家族を邪険にしてはいけませんよ」

男「いいんだよ、こんな馬鹿姉・・・孤独な方がちょうどいい」

姉「ふん、ヘタレにいわれたくないねえ」

メイド「・・・・・・そろそろ列車の時間が」

男「じゃあな、馬鹿姉」

姉「帰れ帰れ」

メイド「では、失礼します」

姉「・・・・・・・・・・いってらっしゃい」

501: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 19:35:36.81 ID:Mg9oUq0X0
ガタン、ゴトン・・・

メイド「世界の車窓から。今日は何の魅力もない田舎の風景をお送りします」

男「はーやれやれ。休暇にならんかったな。疲れたよ」

メイド「楽しくなかった、ですか?」

男「楽しかったけど、疲れは別物さ」

メイド「楽しかったです。いい思い出になりました」

男「こんなもんじゃないさ」

メイド「え?」

男「これから、もっと、山ほど。疲れるぐらいに思い出は増えるさ」

メイド「忘れませんよ。全部拾っていきます。私には、それだけ余裕がありますから」

男「・・・そうか」

メイド「だから、アナタも忘れないでくださいね。私は覚えているのに、アナタは覚えていない。それは悲しいですから」

男「かないそうに、ないな」

メイド「もし忘れたら・・・暗殺、しちゃいますよ?」

男「やめてくれ、洒落にならん」

564: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 22:14:28.51 ID:Mg9oUq0X0
 

メイド「~♪」

男「最近は、無拍子とかしないんだな」

メイド「窓を拭くのに無拍子をする必要はありません」

男「高いところを拭くのに三角飛びは?」

メイド「ここなら手を伸ばせば届きますので」

男「随分と普通になったなぁ」

メイド「と、おっしゃいますが。三角飛びも、無拍子も必要だからこそ実行しただけです」

男「というと」

メイド「たとえばシーツを掴んだ三角飛び。あれは急いで取らなければ風にさらわれてしまうから、という理由」

メイド「普段無拍子で近づくのも、メイドたるもの・・・・・・目障りであってはいけない、と自らを戒める習慣です」

男「へぇ」

メイド「ですから、何事にも超人的な能力で行動している、みたいな先入観はやめてくださいね」

男「ああ、わかったが・・・・・・問題は・・・・・キミの拭いてる窓が聖堂のステンドグラスってことだ。どうやって登ったの?ねえ?」

メイド「さぁ・・・?ご想像にお任せします」

568: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 22:22:20.66 ID:Mg9oUq0X0
メイド「世間も便利になったものです。掃除機と箒では効率が違います」

男「そうだろう、そうだろう。こう、効率という結果で効果が現れると買った価値があるもんだよ」

メイド「通常の三倍は掃除をこなせます。ただ、少しうるさいですね」

男「そりゃあしゃあない。掃除機だもの、音はするさ」

メイド「もっと消音の余地がありますね。改造してみましょう」

男「却下だ」

メイド「なぜです」

男「掃除機能のほかに、絶対攻撃力を持たせるだろう」

メイド「失敬ですね・・・・・そんな子供のような改造はしませんよ」

男「そうだろうか」

メイド「外装をそのままに、内部を丸ごとすりかえれば火炎放射器ぐらいにはなりそうですが、せっかくの掃除機がもったいないですから」

男「室内で汚物を消毒したら屋敷が燃え落ちるわ!!!!」

メイド「だから改造をあきらめたんですよ」

571: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 22:29:56.17 ID:Mg9oUq0X0
女「あら執事さん、ご機嫌よう~♪」

男「おはようございますお嬢様。どうなされました?」

女「新しく新人のメイドさんを雇おうと思ったのよ~♪」

男「なるほど。では面接をしましょうか」

女「その必要はないですわ。とっても可愛らしくて、見てるだけで和みますわぁ~」

男「・・・まぁ、最低限の仕事さえこなせれば構いませんが、ウチのメイドに追い出されなきゃいいですね」

メイド「新人ですか?いいと思いますよ。不器用な方でも、一人よりは大分マシになると思いますので」

?「はじめまして!今日から働くことになった新人ですぅ!!キャ☆」

男「姉さん、なにやってんだ。病院に案内してやるから帰るんだ」

姉「あ?誰だてめえ?誰に口聞いてるんだコラ?」

男「お?やんのかコラ?」

姉「あ?歯ァ抜くぞ?」

メイド「可愛いじゃないですか。似合ってますよ」

女「可愛らしいわよねぇ~びびっときたわぁ~」

男「ダメだ、絶対的に不利だ」

584: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 22:44:18.18 ID:Mg9oUq0X0
メイド「それでは掃除から始めますか」

男「姉さんアナタはこれから『できるわけがない』と四回言っていい。四回だ。四回言ったら助けてやろう」

姉「・・・意味がわからないねぇ。でも真面目な顔してるってことはマジな話なんだね。覚えておくよ」

メイド「さぁ、ここまで来てください。ちょっと窓を拭きましょうか」

姉「『できるわけがない』!! おねえさまー!そんな高いところ登れませーん」

メイド「そうですか、そうですね確かに・・・・・あ、そうだ、ちょっとコレを持ってていただけますか?」

姉「はーい!なんです・・・『できるわけがない』!! な、なんで手榴弾なんだい!?こ、これ爆発したりしないのかい!?」

メイド「大丈夫です。ピンは刺さってますから・・・・あれ、すみません。ピンが抜けました。手を離さなければ大丈夫なのでそのまま持っててください」

姉「『できるわけがない』!!そ、そんな、いつ爆発してもおかしいもんを持っていられるかい!!ああ、でも離したら爆発するし、ああ!!」

男「・・・確かにこんなんじゃあ、皆逃げていくわけだ」

姉「ごめんよ、簡単な気持ちで追っかけてきたが、メイド業界がこんなにも厳しいモンだったとは・・・・・すまん弟よ、アタシにメイドは『できるわけがない』!!」

男「ちょっとそれ貸しなさい。よっと、オラアアアアアアア!!!飛べええええ!!」

ガッシ、ポーイ・・・・・スドゴオオオン!!!

メイド「ああ、すみませんね。お手数かけます」

姉「・・・・・・不覚にもキュンとしてしまった」

587: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/13(土) 23:00:33.81 ID:Mg9oUq0X0
姉「・・・・・・・・・・」

メイド「~♪」

姉「なぁ、アンタ」

男「なんだ姉さん」

姉「アンタが差別しない良い子ちゃんなのは知ってるけどねえ」

男「はい」

メイド「~♪」

姉「あれを偏見無く愛せる男ってのは大したもんだよ、うん」

男「もう慣れた」

メイド「よいしょっと・・・どうかしましたか?」

男「ナイフで薪がスパッと割れるもんなんだなぁ・・・って」

メイド「慣れるとチーズを切るぐらい楽ですよ」

姉「メイドはヘタな兵隊より強いもんってことかい・・・・・厳しいねえ」

男「アレを比較に使うな、アレを」

786: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/15(月) 12:26:32.55 ID:lVFBExjk0
メイド「こうなれば地獄の果てまで付き合うのが礼儀かと思われます」

男「せめて世界の果てと表現してくれ」

メイド「とはいっても、いつもと変わらぬ、面白みのない普通の日常を惰性で繰り返すだけですが」

男「なんて非生産的な・・・・・・いや、待て。普通ではないな、普通では」

メイド「失礼ですね。どこをどう見ても普通ではありませんか」

男「うん、パット見はね」

メイド「なんですか?脱いだら実はみたいな展開をご希望ですか?つくづく変 さんですね」

男「そこでさも当然のようにスカートをたくし上げないでください。いいえ、見えてません。今日は縞  です」

メイド「縞  ではありません。紐縞  です」

男「同じだろう」

メイド「わかっていませんね。次元が違います。縞  と普通の●●●は言うなればネクストとMTです。紐  と普通の●●●
    はレッツ、パァリィィィ!!とチハたんのようなものです。わかりますか?圧倒的な。いえ、そもそも戦闘力の比較対象にもなりま
    せん。単品でさえ破壊力の高いこの二つが融合したとなれば原住民相手にAC130を持ち出すようなもの。上空からただ
    轟爆の蹂躙を加えるのみです。縞  の可愛らしさと紐  の艶。幼き縞  を紐を引くだけで丸裸にするという危うさ
    がアナタにはわからないかもしれませぬが、一部の人間にはグゥレイトな」

男「姉さん、暇なら廊下の掃除を」

メイド「聞けよ、おい」

789: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/15(月) 12:37:18.96 ID:lVFBExjk0
姉「しかしなんだい。広さの割りには恐ろしく人がいないじゃぁないかい」

男「アンタ含めて四人しかいないからな」

姉「あのメイドさんは一人で全部掃除してるのかい?全く見上げた体力だねえ」

メイド「さすがに毎日全域に手が届くわけではありません。ある程度区域をわけ、ローテーションしています」

姉「にゃあああああああああああああッ!!!!」

男「いい歳こいた大人が変な悲鳴上げんな。気持ち悪い」

姉「お姉さま~いつの間に後ろにいらしたの~」

メイド「最初からいましたが」

姉「あう~いるなら声かけてくれればいいのに~」

男「ウォェ、は、吐き気と寒気が・・・・・・」

姉「アンタいい加減にしないと噴水に沈めるよ」

メイド「風邪ですか?でしたらすぐに薬を調合いたしますが」

男「調合?」

メイド「ええ、最近お嬢様から菜園の使用許可をいただきまして」

男「・・・・・・マンドラゴラとかありそうだな、おい」

791: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/15(月) 12:45:07.51 ID:lVFBExjk0
男「まだ屋敷に慣れないアンタのためにわざわざ屋敷の地図もってきてやったぞ」

姉「たまには気が利くじゃないかい。しかし改めて見ると広いねえ」

メイド「・・・・・地下区画が書いてありませんが、別紙ですか?」

男「・・・・・地下は、いいだろう」

メイド「・・・・・そうですね。地下はなかったことにしましょう」

姉「なんだいなんだい。地下に拷問部屋か牢獄でもあるのかい?一回ぐらいはそういうの見てみたいもんだけどねぇ」

メイド「それだけで済めばいいのですが」

姉「なんだい。ヤバいネタでもあるのかい」

男「いや、ヤバくはない」

姉「じゃあなんだい。なんでそんな隠すんだい。逆に気になるじゃないのさ」

メイド「侵入するたびに生物のごとく姿を変える地下99階の迷宮があります」

姉「・・・・・・・・・・・・・」

メイド「嘘です」

姉「お姉さまが言うと嘘に聞こえないよー!」

男「ナ・ナ・ナ・ナイトオブダイアモンド~♪リ・リ・リ・リルガミン~♪」

792: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/15(月) 12:58:02.35 ID:lVFBExjk0
姉「メイドたるもの、主人を守れるほど強くなくっちゃいけないってかい」

メイド「そうですね。せめて自分の尻ぐらいは守れる程度になるべきです」

姉「こう見えてもアタシは腕っぷしでねえ・・・・・お姉さまにはかなわないが、昔はぐいぐい言わせたもんだよ」

男「ラブレターもらったのを決闘の申し込みと勘違いして男の子フルボッコにした事件がだな・・・
  ・・・・・姉さん。メイドさんに言うわけではないが、どこから戦斧なんてだしたんだい」

姉「そこら中にこれ持った鎧が飾ってあるじゃないかい♪」

男「メイドさん。明日のシフト変更だ。屋敷の中から最低限の観賞用武具を残して撤去してくれ」

メイド「えー」

男「いいでしょ!?どうせメイドさん服の中に666の武装とか仕込んでるんでしょ!?いいじゃん!!」

メイド「失敬ですね。最近は何も持ってませんよ。これぐらいです」 チラ

男「太ももにナイフか・・・・・いや、まぁ、うん・・・・・随分と穏やかになったなぁ・・・・・見えそうで見えない」

メイド「黒です」

男「なんだと」

メイド「見たいですか?」

男「見たくもないです。いいえ、それは綺麗なレースです」

姉「私はアウトオブ眼中かい、ええ?」

796: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/15(月) 13:20:57.17 ID:lVFBExjk0
メイド「いい風ですね」

男「なんで屋根の上で真っ直ぐ立てるの?怖くないの?」

メイド「五階くらいの高さなら無傷で着地できますので」

男「どこの空挺部隊だ」

メイド「無駄のない身のこなしとはメイドの基本です。見ていて嫌味ではない程度に、ですが」

男「少なくとも、見ていて嫌ではないよ」

メイド「口説いているのですか?遠まわしですね。もっとハッキリ言ったらどうです。言葉より行動です」

男「だから屋根までついてきたんじゃないか。鈍いですね。それともわざとですか?焦らしているのですか?変 さんですね」

メイド「む」

男「あからさまに不満がありそうな顔、初めて見たかもな。いいぞ、もっとやれ」

メイド「ひどい人ですね。ヒトを不快にさせて満足ですか?歪んでますね。劣等感でもお持ちで?」

男「そりゃあ、ねぇ。パッと見、完璧な人間を見たら、たまには困らせたくなるだろう」

メイド「困りましたね。言うほど完璧ではないのですが。私は穴だらけですよ」

男「わかってて言ってる」

メイド「変 さんですね」

822: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/15(月) 16:56:03.09 ID:lVFBExjk0
女「仕方が無いといえば仕方がありませんが、いつも同じ制服というのも飽きますわ」

メイド「決まった服装だからこそ制服なのですよ」

女「そうだ、たまには気分を変えて可愛い衣装でもどうかしら!」

ゴソ・・・・・・ゴソ・・・・

メイド「振り返るのが非常に恐ろしいですが、一体どのような服なのでしょうか」

            」」      」」       」」       」」
        __  |    __  |    __  |    __  |
              |          |          |          |   _|  _|  _|
        ___|    ___|    ___|    ___|

女「どうなさいました?ほら、可愛らしいですよ?」

メイド「何かよくわかりませんが、私の中でレッドアラートが鳴り響いています。
    Oh,God!!戦艦カルフォルニアがやられた!!六時方向からゼロが来る!!、と」

女「あらあら、真珠湾は大変ですわね。でも、残念。すでに艦隊は壊滅してますわ・・・・ほら着てみてくださいな」

メイド「Man,down!!ジーザス!!ジャップのバンザイチャージだ、二等兵本部に艦砲支援要請を!!」

女「暴れないても無駄ですわよ~キャ、かわいいですわ、似合ってますわ♪」

Maid <<オメガ11、イジェクト!!>>

男「今、クノイーチが窓から飛び出したような・・・!!ハッ!?曲者か!?」

826: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/15(月) 17:15:14.51 ID:lVFBExjk0
メイド「うう・・・・・・確かに可愛いですが好き好んで着るようなデザインではありませんね・・・・・」

メイド「こういう、身体に密着するようなタイトな衣装は・・・・・苦手です。わざわざ髪型まで変えて・・・お嬢様もなかなかの変 ですね」

メイド「私の制服を取り戻すのは後にして・・・・・とりあえず自室で私服に。さすがにこんな格好は誰にも見せられません」

男「侵入者か、どこだ、どこにいる!!警報システム・・・熱源探知センサー動体感知センサー起動!!」

メイド「仕事はええよ、おい」

姉「なんだい、曲者かい?どうすればいいんだい?」

男「見つけ次第確保だ。抵抗するならブッ飛ばしていいぞ」

姉「いいのかい、ホイホイ注文して。アタシは貴族でも構わずブン殴っちまう女なんだぜ」

メイド「クッ、さすがにこの格好では人前にでれないですね。ダクトでも這いますか」

男「とりあえず侵入者が来たらダクトとか屋根裏潰せってメイドさんが言ってたな」

メイド「グゥレイト。さすが私ですね。嫌らしい。さて、どう突破しますか・・・・・
    気配を消して・・・・・ダメですね、こんな衣装のおかげで調子がでません。ああ、いいものがありました」

男「こんな時にメイドさんはどこ行ったんだ・・・・・おーい、メイドさ・・・・・」

コロコロコロ・・・・・

男「グレネーーーード!!!」

ドゴン!!!!!

827: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/15(月) 17:24:44.58 ID:lVFBExjk0
男「ゲホ、ゲホ、煙幕か!?クソ、メイドさんさえいればこんなことに・・・」

メイド「・・・・・ああ、服ならここにあるじゃないですか」

男「ねえさーん、メイドさーん」

メイド「お呼びですか?」

男「ひゃいいいいいい!!だ、だからいきなり声をかけないでくれ・・・・・し、侵入者がだな」

メイド「はぁ・・・・・それでしたらつい先ほど穴だらけにしたところですが」

男「・・・・・・・・・・あはい。姉さん、大丈夫かー?あれ?ねえさーん?」

姉「み、見るなあああ!!」

男「・・・・・なんで 着姿なんだおい」

姉「し、知らないよ!!煙の中でいきなり服を剥がされたのさ!!」

男「・・・・・うわぁ・・・随分とチャイルドな 着ですね」

姉「みるなあああ!!おのれ侵入者ゆるすまじ」

メイド(制服がフリーサイズで良かった・・・・・)

830: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/15(月) 17:34:05.28 ID:lVFBExjk0
男「しっかし、最近のメイドさんは本当におっかないなぁ」

メイド「どうしましたか」

男「いや、お嬢様に頼まれて近所の貴族様のところへ書類を届けたら賊と勘違いされて二刀流のメイドと槍持ったメイドに追っかけられてなぁ」

メイド「最近はメイド派遣商戦を生き残るために武力を持ったメイドを育成する組織もあるそうです」

男「なにそのもえカン」

メイド「しかし実際のところ戦闘能力を持つメイドが必要な職場など存在せず、牙を抜かれたままの子も多いですよ」

男「なにその  ゲ」

メイド「まぁ、いいんじゃないですか?高い金を出してガードをいちいち雇うよりも、万能のメイドを雇った方が安上がりですから」

男「メイドさんは普通、家事をこなすだけだと思うのだが」

メイド「時代が進めば求められる能力も変わるものです。○○なら○○~というように、妙な先入観もあるのでしょう」

男「メイドにはナイフってか」

メイド「銃でしょう」

男「ナイフだろ」

姉「いや、家事だろ」

955: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/16(火) 19:19:24.92 ID:y+V7NTxW0
女「あらあら、どうしましょう・・・」

姉「ん。どうしたんだい」

女「木に服が挟まってしまいましたの。このままでは服が破けてしまいますわ」

姉「む、ちょっと待ってな」

女「あらあら、どうするのかしら」

姉「ん~・・・ドッセェェイ!!!」

ドッガッ!!!

女「あらあら、一刀両断ですわねえ」

姉「ふ・・・・・普通のメイドならこれぐらいは朝飯前さね」

女「でも、ごめんなさい。今度は私が木にはさまれてしまいましたわ」

姉「お嬢様ー!!!!」

男「どこから突っ込めばいい?」

メイド「とりあえず、普通のメイドは木を一閃なんてできません」

男「・・・・・・・・普通ってなんだっけ」

958: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/16(火) 19:35:47.42 ID:y+V7NTxW0
男「そういえば、買出しする時に毎度毎度思うんだが、現金だよな」
メイド「そうですね。しかし最低限用意された現金ならば必要以上に買ってしまう心配もありません」

男「買いまくる癖でもあるのか?」

メイド「いえ、以前屋敷の買出し用のカードと個人的なカードを間違ってしまいまして」

男「なんだ、らしくないな・・・・・・似てるカードだったりするのか?」

メイド「ええ、同じブラックカードでした」

男「え?」

メイド「ブラックカードです」

男「アナタ個人が?高級ホテルも予約無しでスイート余裕な?」

メイド「ブラックカードです」

男「オラ、突然高いホテルに行きたくなってきたぞ!!」

メイド「こんな昼間っからマット運動ですか。どこまで欲望に忠実なんですか?変 さんですね。いいでしょう行きましょう」

男「待て、違う。ブラックカードを出された反応が見たいと思っただけだ!!それに待て違う!!このホテルは泊まらないホテルだ!!」

メイド「ロイヤルスイート一泊コース。カードでお願いします」

店員「ハッ!?か、かしこまりましてございます!!お二人様ご入場でございます!!」

男「おまえの反応も何か違う!!」

959: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/16(火) 19:43:14.96 ID:y+V7NTxW0
メイド「ただいま帰りました。今日の献立はビーフストロガノフです」

女「なんだか強そうな献立ですわ」

メイド「ええ、よく言われますね。このネタ」

女「リングの上のヒーローという感じですわね」

メイド「そうでしょうか?私はロシアンマフィアの幹部というイメージが」

女「執事さんはどう思われますか?」

男「ようこそ・・・・・・『男の世界』へ・・・・・・」

女「何かありましたの?」

メイド「ストロガノフに襲われたのでしょう、きっと」

女「まぁ、怖いさんですねぇ」

メイド「実際の料理は普通の料理なのでご安心を」

女「ふふ、わかっておりましてよ。お互い冗談が好きですわね」

メイド「長く働いていれば、趣味も合うというものです」

男「タァーボ・・・タァーボ・・・!!」

姉「アンタ、よくもつもんだねぇ。主に心が」

966: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/16(火) 20:14:49.17 ID:y+V7NTxW0
男「ふむ・・・・・・たまにはなんか昔のこと思い出したーとかないのか?」

メイド「ないですね。空っぽです。切ないです。あなたで埋めてください」

男「最近やけに絡んでくるな・・・・・・何か思い出したのか?」

メイド「思い出していたら、きっと屋敷にはいれないでしょうね。そんなことはうっすらとわかります」

男「よほどワケありなのか」

メイド「よほどワケありなのでしょうね」

男「でも、大丈夫なんじゃないか?」

メイド「何がですか?」

男「今までも大丈夫なんだから、思い出しても誰か襲ってきたり、右腕の封印がとけたり、魔王に覚醒したりするわけでもないだろう」

メイド「失礼ですね。ついに人間扱いすることもやめたのですか。傷つきました。いえ、むしろそういう●●●が好みですか?」

男「変 さんめ・・・・・・ってか思い出しても、いきなりドロンは簡便な」

メイド「さすがに挨拶くらいはしますよ」

男「それはドロンが前提の受け答えだな。そういうのが好みか。あえて寂しい道をゆくか。変 さんめ」

メイド「でも、多分、飛び出したところで・・・・・・すぐに追手に捕まるのでしょうね」

男「ああ、多分、地の果てまで追いかけるだろうさ」

969: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/16(火) 20:26:01.37 ID:y+V7NTxW0
メイド「む、これは面白いものを」

男「なんだ、一緒にやるか?」

女「カードゲームは面白いですわよ」

姉「なんでさっきからアタシが負け続きなんだい全く・・・・・」

メイド「そうですね。断る理由もありませんし」

男「オレのターン!!ドロー!!森を出してオラオラ速攻で巨大クリーチャーじゃウハハハハハ!!!さぁどうするメイドさん!!」

メイド「ドロー・・・・・・インスタント。抹殺」

男「げぇ、!!バリバリの黒デッキ!!」

メイド「殺し・・・抹殺・・・滅殺・・・虫つぶし!!ライフを支払い●●●ヤーにダメージ!!」

男「オレのターンがこない!!オレのターンがこない!!」

メイド「ライフを支払いアーティファクトで無色補充、アーティファクト召還!!」

男「コイツ・・・・・死が怖くないのか!!!」

メイド「生きるために、あえて血は流しましょう」

女「私なら青で打ち消しです」

姉「お嬢様、それは禁止カードです」

971: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/16(火) 20:30:46.93 ID:y+V7NTxW0
メイド「さて、お別れのお時間が近づいてきましたが」

男「メタな話はやめなさい」

メイド「メタな話でなかったとすれば?」

男「──そうだな。会えるさ」

メイド「自信たっぷりですね」

男「あぁ、離さないし・・・・・見失わないし、忘れない」

メイド「随分と軽く言うものです。それがどれだけ重い言葉か・・・・・・わかっていますか?」

男「偉いひとは言いました」

メイド「言葉より」

男「行動だと」

メイド「さぁて・・・・・・行動力が追いつくかは疑問ではありますけれどね」

男「男は度胸!なんでも試してみるのさ!」

メイド「それが、『勝利への道』ですか?」

男「いや・・・・・・再会への道さ」

974: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/16(火) 20:37:09.59 ID:y+V7NTxW0
男「なぁ、思い出したんだろう?」

メイド「さて、なんのことやら。カマをかけようとしても・・・もう引っかかりませんよ」

男「最近態度がなんか違う」

メイド「ふふ・・・・・・恋する乙女は変わるものですよ」

男「恋ねぇ・・・・・じゃあ、なんでそんなに悲しい顔をするんだ?」

メイド「泣いてません。悲しくもありません。いいえ、これは涙です」

男「落ち着け」

メイド「もし・・・・・・私が思い出したとしたら」

男「ん?」

メイド「もし、私が記憶を思い出したとしたら。アナタはまず、なにをたずねますか」

男「そうだな・・・・・どこでそんな技術を習ったのか、どこからキミはきたのか・・・いや、そんなことよりもまず」

メイド「まず?」

男「おいしいシチューの作り方、だな」

メイド「決め手は人体の一部を・・・・・・嘘ですから真っ青にならないでください」

982: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/16(火) 20:51:53.23 ID:y+V7NTxW0
男「謎は謎のまま。わかんないことは、頭で色々妄想して、たまにはヒトと意見がぶつかる。そんなんでいいのさ」

メイド「そんなものですか」

男「そうさ。何故は解ける直前が一番楽しいのさ」

メイド「解ける直前なら。すぐに解けてしまうのでは?」

男「最後のヒントを出し惜しみしてくれればいいさ。ダメなら・・・・・・その内考えるのをやめるさ」

メイド「クス・・・・・・焦らし●●●がお好みですか?そこまでドMですか変 さんですね」

男「うん。そうだな。やっぱりその顔が一番いい」

メイド「え?」

男「皮肉った笑顔より、ずっとそのままの純粋な笑顔でいてくれ」

メイド「───ふふ、その言葉・・・・・・アナタが最初に言ったのなら・・・キュンと来たかもです」

男「え?誰か・・・・・何かやっぱり思い出したのか?」

メイド「さぁ、何も思い出していませんよ?思い出です。私の、大事な大事な思い出、です」

男「なに!?初恋か!?誰だ!?イケメンか!?」

メイド「さぁ・・・・・・?そこに私の出る幕はありませんでしたから」

983: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/16(火) 20:58:44.31 ID:y+V7NTxW0
女「メイドさーん。あらあらメイドさーん?」

姉「どうしたんだいお嬢様」

女「メイドさんがいないのです。あらあらどうしましょう」

姉「そういえば、男もいないねえ・・・・・朝っぱらからお盛んなことで・・・」

女「あらあら、どうでしょうねぇ、うふふ」

姉「なーんで、そんなに楽しそうなのかねぇ」

女「楽しいですわよ?とっても楽しくなりますわ」

姉「?」

女「とりあえず、お手伝いしてもらってもいいかしら小さなメイドさん」

姉「小さくても。小回りがきいてパワフルだよー?アタシは」

───

『突然の消失、申し訳ありません。ちょっとした急用を思い出してしまい、しばし旅にでます』

『・・・・・・アナタは、なんていうでしょうか?私をやっぱり見損ないますか?失望しましたか?』

『約束します。必ず帰ります。必ず側に戻ります。』

『だから。きっと戻りますから。アナタは私を・・・忘れないでください』

985: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/16(火) 21:03:53.19 ID:y+V7NTxW0
メイド「という書置きも、こうでは格好がつきませんね」

男「ハハ、ハッサクゥート!!悪いが神様はバッドエンドなんて苦手だそうだ。自分で言ったじゃあないか。追手に捕まるってな」

メイド「この列車は・・・・・・文字通り地の果てに行きますよ?それでもついてくる気で?」

男「ああ、もちろん。いつか屋敷に帰って、メイドさんとして戻れるさ」

メイド「・・・・・・変 さんですね。いつ覚えたのですか?私が優しくされると弱いってことに」

男「ふ・・・・・・初めて出会った時から知っていたさ」

メイド「・・・・・・そうですか。列車、もうすぐ出ますね」

男「ああ、お嬢様と姉貴に何にも言わなかったのは・・・・・・悪かったかな?」

メイド「・・・えい」

ドン、

男「いきなりなにをするだああ!!って、ああああ!!」

プシュー

メイド「うーん、やっぱりちょっと危ないのでお留守番しててください」(ニッコリ)

男「こ、この後に及んでソロですとおおお!?」


986: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/16(火) 21:11:42.38 ID:y+V7NTxW0
男「ああ、斑鳩が行く・・・・・・じゃねえ!!くっそ!!これじゃいかん!!あの列車と同じコースのは・・・げぇ!!明日ぁ!?」

駅員「ぎゃああああ!!車だ!!車が構内にきたぞおお!!」

男「え・・・?車ってn

ドゴフ!!

男「ガフ!!!」

女「あらら、駐車場はどこでしょう?」

姉「おーい・・・・・・生きてるかい?出発点で死んでちゃあ、クリア同然だよ」

男「ヘイ、タクシー!!」

女「あらあら、お客様、駆け込み乗車はご遠慮ください」

姉「行き先は?」

男「さぁ?彼女次第。ヘイ運ちゃん!!とりあえずあの列車を追いかけろ!!」

女「あらあら、映画みたいですねー。それじゃ、飛ばしますわね」

姉「やーれやれ。結局女のケツに引かれるのかい?アタシにまで迷惑はかけないでおくれよ」

男「あ?ならここで降りろやクソ姉・・・・・・・・・ぎゃあああああああ!!お嬢様あああ!!もっとやさしく運転・・・死!!死!!」

女「イェイベイビー!!ここは地獄のルート66!!行き先は地獄しかねえぜ、フゥハハハー!!」

987: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/16(火) 21:18:36.34 ID:y+V7NTxW0
メイド「すみません、やっぱり私は・・・・・・アナタまで付き合わせれない・・・・・・」

メイド「ごめんなさい。でも、必ずもどりま

男『メイドー!ターイホだー!!』

メイド「・・・・・・疲れてるんでしょうか、幻聴が」

男『よぉし!!並走できたな!!お嬢様よせてくれ!!飛び移るぞ!!』

女『オーケィブラザーですわ!ヒャッハー!!本当にレールチェイスは地獄だぜ!!』

姉『あんた、命綱こんなロープでいいのかい?』

男『男の価値観をなめるでない!!よおっし、いまだ、トゥr

女『ああ、茂みが』

ドグワシャ!!ズザザザザザザザ!!!

男『ぎゃああああああ!!顔が、顔が潰れる擦れるお婿にいけない!!ぐわは、あ、姉貴いいい!!ロープ!!ロープをはなさいでくれええ!』

姉『ぬああああ!!アンタねええ!!お、重いじゃないさああ!!』

メイド「・・・・・・クス、あははは」

メイド「あはははははは!!もう、悩んでるの、馬鹿みたいですね」

ガラッ

991: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/06/16(火) 21:26:04.41 ID:y+V7NTxW0
男「よう、メイドさん!」

メイド「よう、執事さん」

女「勝手に屋敷を飛び出すなんて、懲戒免職ですわよー」

姉「お姉さまがいないと、仕事が回りませんよー!」

メイド「どこまでついてくる気ですか?」

男「そりゃ地の果てまで!!」

女「屋敷に引っ張ってでも連れてかえりますわよー!!」

姉「お姉さまのためなら死ねますー!!」

メイド「もう、やれやれ・・・・・・揃いも揃って、変 さんですねー!!」

線路は続いていく。

彼らをのせて、どこまでも。

果たして、彼らはメイドを屋敷に連れて帰れたのか。

あるいは、彼らの旅の始まりだったのか。

物語はここでおしまい。
そのあとの話は・・・・・・読んだアナタが作る話。

~fin~