1 : ◆SbXzuGhlwpak [sage]:2020/10/11(日) 10:18:46.12 ID:3tMV5qMAO
注意事項

・武内Pもの

・武内Pもの







ワイワイ、ガヤガヤ


武内P「ここは……法廷?」


「今日は誰?」

「ほらあそこ。あの顔が怖くて大きい人」

「あ、CPのプロデューサーじゃん。何やらかしたんだろ」


武内P(噂で聞いたことがあります。346プロの地下6階には、プロデューサーとして許されざる者を裁く場所があると)

武内P(12歳のサッカー好きの少女をお城のようなホテルに連れて行った者は、メキシコ送りになったとか)

武内P(黒服の男たちに無理矢理連れてこられた法廷のような場所……まさか噂が本当だったとは)

武内P(しかし……なぜ私が? 心当たりはないのですが)

まゆ「心配しなくても大丈夫ですよ、CPのプロデューサーさん」

武内P「佐久間さん!? 佐久間さんは私がここに連れてこられた理由をご存じなのですか?」

まゆ「はぁい。まゆは今回弁護士の役割を与えられていますから。CPのプロデューサーさんにかけられている疑惑が何であるか、そして無実であることもちゃーんと知ってますから」

武内P「そ、そうでしたか。よろしくお願いします。それで、私にかけられている疑惑とは――」


『来たぞっ!!』


ザワ……ザワ……!


武内P「……ッ!?」

まゆ「……検察官役の方が来たようです。気をしっかりもってください。何せあの人は――」



――ホ は嘘つき

――大胆な告白はホ の特権

――疑わしきは腐女子の有利に



まゆ「この三つの原則を駆使し、数えきれないほど多くの男性にホ の烙印を背負わせた人……っ」

由里子「大西由里子……推参。今宵こそは、まゆPとCPのプロデューサーの赤裸々な関係を証明してみせるじぇ!」

武内P「」


2 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:19:44.98 ID:3tMV5qMAO
まゆ「フフ……フフフフフ。いつまでたってもまゆのプロデューサーさんを汚れ切った目で見て……今日という今日こそはかたを付けます」

武内P「あの……私にかけられている疑惑とは、もしかして」

由里子「ノンケのふりをしていることだじぇ!」

武内P「……………………大西さん、前々から言っている通り私は――」


「静粛に!」カンカンカン!!!


武内P「……ッ!?」

まゆ「裁判官の方です。今回は検察・弁護側の双方が346プロの人間なので、中立のために第三者が裁判官を務めます」

武内P「正直頭がまだ追い付いていないのですが……思ったよりも公平を心がけて――」

音無小鳥裁判官「これよりガチホ 総受けなのにノンケをよそおっていた言語道断の悪人の裁判を開始します」

武内P(……中立? 公平?)

小鳥「……」ジーッ

武内P「ん?」

小鳥(音無アイ! 起動!)クワッ

武内P「!?」

小鳥(身長190前後、体重95キロ前後の筋肉質。年齢は三十前後で強面三白眼。アホ毛ありで見るからに不器用で女の子の扱い方が下手そう)

小鳥(――受けね)

由里子(受けです)

小鳥(――総受けね)

由里子(心はまゆPだけのものですが、色んな男に無理矢理やられて、その度にまゆPが優しく慰めています)

小鳥(体液まみれでうずくまって悲しむ巨漢を、優しく慰める彼氏――尊い)

由里子(エモい、ホ い)

小鳥「……ふぅ。えー、では被告人の有罪が確定したので、捕ゲイ兵団によるケ 内調査を――」

まゆ「裁判官。まだ裁判は始まってすらいませんよ?」

小鳥「え……? CPのプロデューサーさんが複数のむくつけき男たちに穴という穴を、わからせ棒でわからせられた映像は……?」

まゆ「存在しない記憶です」

小鳥「なん……だと……?」




3 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:20:25.56 ID:3tMV5qMAO
※ ※ ※



文香「それでは裁判が開始する前に、読者の皆様に346裁判について説明させていただきます」

文香「一般の刑事裁判では冒頭手続→証拠調べ手続→論告→弁論→結審という流れになります」

文香「そして検察が提示した犯罪事実に関して、検察、弁護人が双方証拠を用いて、その犯罪事実を明白にし、裁判官に判断を仰ぐのです」

文香「346裁判では冒頭手続で行われる人定質問(裁判官が被告人に氏名や年齢等を確認)等が省略され、証拠の提出と証人への尋問を検察側と弁護側が相互に行い、最後に結審――判決の言い渡しを待つ状態になります」

文香「ちなみに今回は物的証拠は無いので、証言とそれへの尋問だけになります」

文香「大きな特徴としては、346プロ唯一の裁判所であるため上告ができないこと。本来三人の裁判官が一人のみであること。黙秘権が無いため証言のみで有罪もあり得ること。他にも裁判員が――話が長くなってしまいますので、このぐらいにしましょう」

文香「様するにこの裁判の形式はかなりでたらめなのに、プロデューサーをメキシコ送りにするなど影響力が極めて大きいという、はた迷惑なものということさえわかっていただけたら結構です」

文香「それでは起訴状の朗読が始まるようなので、本編に戻りましょう……」



※ ※ ※
4 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:21:40.36 ID:3tMV5qMAO
小鳥「それではこれから検察官が起訴状の朗読するので、お尻の穴をかっぽじってよく聞いてください。検察官、起訴状を朗読してください」

由里子「はい! CPのプロデューサーは2015年1月から現在にかけて、まゆPと残業と称して誰もいないオフィスで! 時には同じ部屋に人がいるのに机の下やロッカーに隠れながら! 確認できただけでも810回愛し合っているにも関わらずこれを隠匿していました」

由里子「この隠匿によりまゆちゃんを始め多くの思春期アイドルたちに叶わぬ恋を抱か『フフ』……ゴホン、何よりホ 視聴の自由を侵害しました!」

由里子「以上のことから、罪名偽装ノンケ! 罰条ケ 法72条として提訴するじぇ!」

まゆ「フフ……フフフフフフ」

武内P(……理不尽な罪状でしたが、隣にいる佐久間さんが怖くてそれどころではありません)

由里子「今読み上げられた起訴状の中で、何か間違っていることはありますか? ありませんね」

まゆ「全部間違っています。まゆのプロデューサーさんとCPのプロデューサーさんは、そのような関係ではありません」

小鳥「つまりCPのプロデューサーがホ であることは認めるんですね!」

武内P「認めません!」

小鳥「ピヨオォ……それでは証拠調べ手続きにうつります」

武内P「あの……そもそも私がノンケのふりをしていたという証拠があるのですか?」

由里子「じぇっじぇっじぇっじぇ! 高身長・高学歴・高収入の三十前後の男が、結婚はおろか彼女もいない時点でホ なのは確定的に明らか!」

武内P「……無駄にでかい、凶悪な人相、会話が下手が抜けています」

由里子「さらに今日はダメ押しで、CPのプロデューサーがホ である証人を呼んであるじぇ!」

武内P「は、はあ」


カツーン、カツーン


輝子「あ、えと……どうも」

武内P「……星さん?」




5 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:22:56.32 ID:3tMV5qMAO
証言者① ~星輝子~



輝子「あれは……小梅ちゃんに頼まれたキノコクン……あ、詳細は内緒な。それを持って行った時の話だ」



~ホワン、ホワン、ホワン~



小梅『ねるねるねるねは……ねればねるほど色が変わって……』ネリネリ


ガチャ


輝子『小梅ちゃん……頼まれていた例のキノコクンを……持ってきたぜ』

小梅『あ、輝子ちゃん……ありがとう。フフフ……あとはこの子を加えてさらにねれば……』

輝子『なあ、小梅ちゃん……なんだか紫色なブツをグツグツ煮ているけど……何を作っているんだ?』

小梅『これはね、プロデューサーさんに飲んでもらう物なの』

輝子『え……? これ口にする物だったのか』

小梅『うん、実はね――』



※ ※ ※



小梅『あ、プロデューサーさん』

武内P『白坂……さん?』

武内P(白坂さんの様子が普段と違うような気が……?)

小梅『エヘヘ♪』ギュウッ

武内P『……白坂さん。いつも言っていますが、私に抱きついてはいけま……っ!?』


ムニュウ


武内P(この……感触は!? まさか……いや、違う)

武内P『……白坂さん。何か着けていますか?』

小梅『うん。今の私は……Cカップ。びっくりした?』

武内P『はい、とても』

小梅『エヘヘ。面白そうだと思って……衣装のスタッフさんから借りて、つけてみたの。どう?』




6 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:23:55.44 ID:3tMV5qMAO
武内P(白坂さんは抱き着いていた私から離れると、頬を赤く染めながら胸を寄せ上げてみせました。その仕草と濡れるような瞳は十三歳の少女とはかけ離れたもので、思わず息を呑んでしまいます)

武内P『私は……普段の白坂さんの方がいいと思います』

小梅『……本当に?』

武内P『ええ』

小梅『ふーん』

武内P『あの……白坂さん、何か気分を害するようなことを言ってしまったでしょうか?』

小梅『……別に。普段私が抱きつくのは、やんわりと注意するぐらいだけど……さっきの反応を見るに、蘭子ちゃんぐらい発育が良かったら……絶対許さないだろうなって思ってただけ』

武内P『そ、それは……』

小梅『プロデューサーさんは……甘いぐらい私に優しいけど……それって、女性への優しさや好意じゃなくって……子どもへのモノだよね』

武内P『……』

小梅『私は……プロデューサーさんに、女性として扱ってほしいな』

武内P『配慮が足らず、申し訳ありませんでした。ですが一つ伝えたいことがあります』

小梅『……なに?』

武内P『確かに私は白坂さんを子どもとして扱っています。ですが今でも十分な魅力があり、数年後には美しい女性になると確信しています』

小梅『ほ、本当?』

武内P『もちろんです。ただ私はその……恥ずかしながら女性の扱いは不得手なため、自分にとって楽な子どもへの接し方を白坂さんにしていました。これからは白坂さんの希望通り、女性として接していきたいと思います』

小梅『うん……うん! ありがとうプロデューサーさん』ギュウッ


ガシッ


小梅『え……?』

武内P『というわけで、今後は私に抱きつくのは禁止とさせていただきます』

小梅『……え、なんで?』

武内P『女性が男性にみだりに抱きついてはいけません』

小梅『私が抱きつくのは……プロデューサーさんにだけだよ?』

武内P『まだ子どものアイドルがプロデューサーに抱きつくのは……あまり良くはないのですが、許されなくはないです。ですが女性アイドルが男性プロデューサーに抱きつくのは許されません』

小梅『で、でもほら! 茜さんはプロデューサーさんにタックル、もとい抱きついてるよ!』

武内P『あれは私が日野さんのスピードに対応できないだけです』

小梅『へぇ……? じゃあ――』

武内P『あの子を使って私の動きを止めてはいけません』

小梅『……プロデューサーさん……私のこと、嫌いなの……?』

武内P『大切に思えばこそです』
7 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:24:44.23 ID:3tMV5qMAO
小梅『こうまで私が抱きつくのは禁止するなんて……本当にプロデューサーさんは、私のことを魅力的だと思っているの?』

武内P『その……魅力的に思っているからこそ、距離感を大切にしなければなりません』

小梅『……ということは、あるんだよね?』

武内P『……何のことでしょう?』

小梅『私で……大きくなったこと』

武内P『…………………………え?』

小梅『だから……私のことで……大きくなったこと』

武内P『…………………………え?』

小梅『もう……な、何度も言わせたいの? プロデューサーさんの……●●●』

武内P『…………………………え?』

武内P(白坂さんはいったい何を言っているのでしょうか? 大きくなる? 白坂さんのことで? まさか……いや、しかし何度も口にするのは恥ずかしい内容ということは、大きくなるというのはつまり――)

武内P(いえ、ありえません! 白坂さんは確かに性に関心を抱き始める年頃かもしれませんが、それを私に言うはずがありません! あの白坂さんが、天使のような純粋さと無邪気な残酷さを併せ持つ白坂さんが、私にそんなことを言うはずが……)

小梅『その様子だと……私で大きくなったこと、ないんだね。はい……どうぞ』ススッ


<SAY☆ いっぱい♪ 輝く~♪ 輝く、星になれ♪


武内P『ライン? 白坂さんが送ったのですか?』

小梅『うん……ちゃんと、見てね』


タタタタタタタタッ


武内P『あ……行ってしまいました。ラインの内容は……ッ!!?』

武内P(スマホの画面に写っているのは、まだ幼い肢体があられもない姿をさらしている画像です)

武内P(何枚も連なる肌色の画像たちの最後には、送り主からのメッセージが添えられていました)





小梅『今晩使ってね』





武内P『これは……白坂さん? なぜ……なぜこんな画像を私に……』

早苗『……』

武内P『私は……いったいどうすれば……』

早苗『……』

武内P『……』

早苗『……』

武内P『……違うんです』

早苗『うん。話はカツ丼を食べながら聞いてあげるから、とりあえずこっち(取調室)においで♪』

武内P『』
8 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:25:18.45 ID:3tMV5qMAO
――その日の夜



小梅『……』


<アー、アウアウアー


小梅(ゾンビ映画を観ているのに……全然頭の中に入ってこない。プロデューサーさんのことで頭がいっぱい)

小梅(もしかしたら今ごろ……プロデューサーさんが私のいけない写真を見ながら……してるんじゃないかと考えちゃって、頭が熱くなってボーッとしちゃう)

小梅(あの子にお願いしてプロデューサーさんを見てもらっているけど……早く知りたいなぁ)

小梅(今……私も始めちゃったら……私とプロデューサーさん、お互いのことを考えながら自分を慰めてるんだ……フフ♪ もうこれって、凸凹×じゃないかな?)

小梅『ん……っ』

小梅(プロデューサーさん……プロデューサーさん! 私の写真見てくれてますか? 私のこと、●●●な目でみてくれていますか? 私も今、プロデューサーさんに●●●なことをされています)

小梅『一緒に……一緒に!』



――

――――

――――――――



<チュンチュン、チュンチュン♪



小梅『やっちゃった……三回も』

小梅『プロデューサーさんは……どうだったかな? フフ』


<……小梅ちゃん


小梅『あ、昨日の夜、プロデューサーさんはどうだった?』


<それが……


小梅『……………………え?』

小梅『児童ポルノ単純所持!!?』

小梅『……』


<小梅ちゃん?


小梅『こうなったら……私が直接』
9 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:25:56.21 ID:3tMV5qMAO
※ ※ ※



小梅『――というわけで……プロデューサーさんに直接……私に手を出してもらうんだ』ネルネル

輝子『ま……待ってくれ。小梅ちゃんにはまだ早いというか……というか私のキノコクンを入れたそれは、いったい何なんだ?』

小梅『……プロデューサーさんはきっと、アイドルとプロデューサーがそういう関係になったらいけないとか……年齢が離れているとか……そういう、余計なことを考えていると思うの』

小梅『これはね……そんな余計な考えができなくなる魔法のお薬♪』

輝子(アカン)

小梅『……よし、できた』

輝子『こ、小梅ちゃん。もう一度よく落ち着いて考えよう! そんなに焦らなくたって……』

小梅『……焦るよ』

輝子『小梅ちゃん……?』

小梅『プロデューサーさんの周りには……私より年上で、キレイな人ばかり……大人になってから、なんて考えてたら……プロデューサーさんは私の手の届かないところに行ってしまう……』

小梅『強引でも、構わない。間違ってでも、構わない。自分が傷ついても、構わない』

小梅『プロデューサーさんと……一緒になれるのなら』

輝子『小梅ちゃん……』

輝子『フヒ! 小梅ちゃんがそこまで覚悟をきめてるならなぁ! 私も覚悟決めるぜヒャッハー!』

小梅『輝子ちゃん……っ』

輝子『行こうぜ小梅ちゃん。あの輝きの向こう側へ!』

小梅『うんっ』
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2020/10/11(日) 10:26:46.56 ID:gW2REJe+0
小鳥の餌場
11 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:26:52.94 ID:3tMV5qMAO
――

――――

――――――――



武内P『……』カタカタカタ


コンコン


武内P『どうぞ』

小梅『お、お邪魔します……』

武内P『し、白坂さん……っ』

小梅『プロデューサーさん……昨日はごめんなさい。私のせいで早苗さんに……』

武内P『ええ……その……はい。背伸びしたい年頃なのはわかりますが……今後は気をつけていただけたら助かります』

小梅『うん……それでね、お詫びにと思って……お茶をもってきたの』

武内P『……白坂さんが淹れてくれたのですか』

小梅『うん♪ どうぞ』

武内P『これは……ありがとうございます。いただきます』

小梅『……』ニヤリ

輝子(クックック。口をつけたなCPのプロデューサー! それを口にすれば性欲3.000倍の獣と化し、目の前のカワイらしい小梅ちゃんに手を出さずにはいられないって流れだ)

輝子(小梅ちゃん……草葉の陰、じゃなくてドアの陰からうまくいくように見守っているぜ)

武内P『んっ……』ゴクゴク

小梅『ど、どう……?』

武内P『はい。ほどよい苦みが合って癖になりそう……ンッ!?』

小梅(キタ!)

輝子(これで勝つる!)

武内P(心臓が高鳴るこの感覚……これはまるで――)





武内P(スタドリを飲んだ時のようです)





武内Pのウワサ①

危ないお薬(スタドリ)の飲み過ぎで薬物に耐性があるらしい。





小梅『プロデューサーさん……』ギュッ

武内P『……白坂さん。そのように抱きついてはいけないと、昨日話したではりませんか』

小梅『……あれ?』

輝子(なん……だと?)

武内P『さあ、離れてください』

小梅『う、うん』

輝子(いったいどういうわけだ……? あのお薬を飲んだ状態で、小梅ちゃんみたいにカワイイ子に甘えられたら、男なら誰だって雄になるはずだろ?)

輝子(そう、男なら誰だって……あっ)
12 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:27:41.79 ID:3tMV5qMAO
~ホワン、ホワン、ホワン~



輝子「――ということがあったんだ」

輝子「薬を飲んだ状態で、あれだけ可愛い小梅ちゃんに甘えられて平然としていられるのは――女に興味が無いってことだろ!!?」

小鳥「確かに」

由里子「やっぱりホ じゃないか!」

武内P「ち、違います!」


ザワ、ザワザワ


「CPのプロデューサーってやっぱり……」

「まあ顔が怖いことと比べたら、ホ ぐらいいいんじゃない?」

「うん、暖かく見守ってあげようよ」

「ま、待ってください。子どもに手を出さないのは大人として当然のことだと、ナナは思います」


まゆ「この流れ……まずいですね」

輝子「私はなあ! 小梅ちゃんと幸子ちゃんに望みが薄い恋ならともかく、叶うはずがない恋なんかさせたくないんだ!」

輝子「早くホ だって認めて、二人に次の恋をさせてやってくれ……頼むよ」グス

由里子「……これがノンケを偽装するということ。その罪の重さを少しは理解したじぇ?」

武内P「ま、待ってください!」

由里子「ほう……? まだ認めないとは往生際が悪い」

小鳥「焦らし上手ね」

由里子「誘い受けだじぇ」

武内P「白坂さんは、まだ中学生なんですよ!?」

小鳥「え?」

由里子「ん?」

武内P「まだ中学生の子どもを……そんな目で見るはずがありません!」


ザワ、ザワザワ


「え……? プロデューサーって中学生以上の女の子は性的な目で見る職業じゃないの?」

「ありすちゃん、千枝ちゃん、みりあちゃん、ちゃま……小学校高学年からは許されるよな!?」

「許されねえよ」


輝子「え……でも私のプロデューサーは――あ」

全員『え?』

輝子P「……」
13 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:28:23.52 ID:3tMV5qMAO
ダダダダダダダダッ


早苗「若ハゲが逃げたぞ! 追え! 後退しすぎた前髪をつかんでもいいから!」

輝子「プ、プロデューサー! 内緒だったのにゴメンよ~」


ザワ、ザワザワ


まゆ「輝子Pのおかげでうやむやになりましたが……CPのプロデューサーさん、先ほどの弁解はよくありません。小梅ちゃんとつながりたかったけど、まだ中学生だから必死になって自制したと答えないと」

武内P「……それはホ であることを否定できても、別件で逮捕されるのでは?」

まゆ「あとのことを考えるより、今は目の前のことに集中してください。そうしないと梨沙Pと同じ目にあいますよ」

武内P「梨沙P? 何があったのですか」

まゆ「……先週のことです。由里子検察官により、梨沙Pが梨沙ちゃんのパパさんと愛し合っているのにそれを隠していると、今回と同じように偽装ノンケの罪で訴えられました。弁護士役は梨沙ちゃんが務めたのですけど……」

まゆ「梨沙ちゃんの『コイツは  コンであってホ じゃない』という論調での弁護を、梨沙P自身が『俺はホ じゃないけど  コンでもない』と否定してしまい、そのせいで有罪判決が下され……梨沙Pは、梨沙Pは」グス

武内P「か、彼に何があったのですか?」

まゆ「調査ゲイ団の方々に、ケ 内調査をされてしまい……可愛そうに」

武内P「調査ゲイ団? ケ 内調査!?」

まゆ「はい。今もあそこで、有罪になりそうなCPのプロデューサーさんを見ながら舌なめずりをしています」

武内P「!!?」クルッ
14 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:29:18.54 ID:3tMV5qMAO
フロイト「……武内。オナホになれ」

ボラホーン(グフフフ。いいぞ、どんどん有罪になれ。ワシ特製の媚薬を飲ませてやる)

シャンクス「お前のバギー玉、俺のグリフォンによくなじみそうだ」

DIO「君は……可愛いアイドル目当てでアニメを見始めたプロデューサーたちを、ゲイのサディストに目覚めさせる能力があるそうだね?」

DIO「ひとつ……それを私に見せてくれると嬉しいのだが」

奈良重雄「エビの脱皮! エビの脱皮! エビの脱皮!」





武内P「」

まゆ「あの人たちによって、有罪半ケ になってしまった梨沙Pは……梨沙Pは!」





梨沙P『や……やめろぉぉ!! ぐ……がっ』メリィッ

フロイト『Oh――グッドアナル。かなり良いよ梨沙P』

梨沙P『ぢぐじょうっ、ぢぐじょうっ……』

シャンクス『おい泣くな。男だろ』

DIO『泣くぐらい感じなくてもいいじゃないか……安心しろ……安心しろよ梨沙P』

ボラホーン『さっさとやらせるんだな! ワシは今気が勃っているんだ!!』

梨沙P『……ッ……~ッ!!?』





奈良重雄『吉 六 会 奥 義

       奈 良 づ く し !!! 』





まゆ「……精神が崩壊した梨沙Pは今、病院で療養中です」

武内P「」
15 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:29:53.48 ID:3tMV5qMAO
まゆ「でも安心してください。まゆが呼んだ次の証人の方が、CPのプロデューサーさんがノンケであると証言してくれます。CPのプロデューサーさんはその証言を否定しなければ、何の問題もなくノンケであることが証明されます」

武内P「あの……その証言をしてくれる人はどなたなのですか?」

まゆ「それは……あ、来てくれましたよ」


タタタタタタッ


莉嘉「Pくーん! お待たせー♪」

武内P「城ヶ崎さん!?」

莉嘉「話は聞いてるよ。皆にPくんはホ じゃないって、今からアタシが証言してくるから☆」

武内P「城ヶ崎さん……どうかお願いします」

莉嘉「まっかせて~☆」

小鳥「では証言台へどうぞ」

莉嘉「はーい。えーとね、Pくんが女の人が好きだってわかる説明をすればいいんだよね?」

まゆ「はい。この前まゆにお話してくれたことを言ってくれたら大丈夫です」

莉嘉「ん、OK♪ Pくんは色っぽい女の人が好きだよ。だって……」

由里子「だって?」

莉嘉「アタシのお義兄ちゃんになってくれる人だもん!」

武内P「……ッ!!?」




16 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:30:45.43 ID:3tMV5qMAO
証言者② ~城ヶ崎莉嘉~



美嘉『……』

武内P『スゥー……スゥー……』

美嘉(近くを寄ったから顔を見に来たんだけど、机に突っ伏して寝ちゃってる)

美嘉(仮眠するつもりは無いのに寝ているのなら、起こした方がいいんだろうけど……仮眠って確か20分ぐらいがいいんだっけ? 時間に余裕はあるし、15分ぐらい様子を見るか)

美嘉『しっかし無防備に寝顔さらしちゃって……わかってんのアンタ? 年頃の女の子たちが周りにたくさんいるのに』

武内P『スゥー……スゥー……』

美嘉『周りのアイドル達が自分を狙っているだなんて、夢にも思ってないんだろうなぁ。呑気に寝息なんかたてちゃって、フフ★』

武内P『スゥー……スゥー……』

美嘉『……熟睡してるよね』

美嘉『ね、寝たフリをしているわけじゃ……ないよね?』

武内P『スゥー……スゥー……』

美嘉『キキ、キキキキキスしても……いいかな?』

美嘉『いや、ホッペだよ? 口にじゃないよ? からかう感じで、あくまでね? それぐらいはカリスマギャルだから許されるよね? よね?』

武内P『スゥー……スゥー……』

美嘉『今、頷いたよね?(※) 同意してくれたよね?』


 ※寝息で肩が上下しているだけです


美嘉『こ、これはご褒美だから。毎日頑張っているアンタへ、元担当のアタシから冗談半分の……混じりっけなしの本気の――』


ピピピピピピピピピピピッー チュッ💛


武内P『』

美嘉『』

武・処『』

美嘉(スマホの……アラーム? そっかー、ちゃんとアラームをかけてから寝てたんだぁ。でもアタシがキスする直前に鳴らなくてもいいじゃんアハハ★)

武内P『あの……城ヶ崎さん?』

美嘉(顔チカッ!? いや最初から近かったけど、目が覚めているともっと近くに感じる!?)

武内P『その……とりあえず離れてもらっても』

美嘉『え、あ、ああ、うん』バッ

武内P『……今私に、何かしていませんでしたか?』

美嘉『な、なんのことかなー? アタシはアンタが突っ伏して寝ていたから、大丈夫かなーって心配してのぞき込んでただけだよー』

武内P『その……私の頬に』

美嘉『ほほ、頬に? ほほー、何があったのー?』

美嘉(ダメだ! 完全にバレてるじゃん! 寝込みにキスしたって完全にバレてる! アア、なんでアタシはこんなに間が悪いの!? バレるにしたって、もっとロマンティックな感じに――ん?)ピタッ

武内P「……城ヶ崎さん?」
17 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:31:34.29 ID:3tMV5qMAO
美嘉(なんでコイツ……慌ててないし、混乱もしてないの?)

美嘉(コイツがアタシにキスされて慌てふためいていたら、まだ余裕をもって『ホッペにキスされたぐらいで何でそんなに騒いでんの? 何なら今度は別の所にしてあげよっか★』って感じでキメられるのに……コイツはアタシにキスされて、ただ困惑しているだけ)

美嘉(キスしたのが楓さんやちひろさんだったら、コイツはきっと腰が抜けるほど驚いて椅子から転げ落ちるんでしょうね……なんか、イライラしてきた)


ガシッ


武内P『じょ、城ヶ崎さん? なぜ私をつかむ――』

美嘉『――ねえ、アタシがアンタのホッペに何をしたか、知りたい?』

武内P『じょ……城ヶ崎さん?』

美嘉『フフ、ホッペにしたぐらいでそんなに騒いじゃって。口にしたらどうなるのかしら?』

武内P『お、落ち着いて……』

美嘉『落ち着いているわ。アンタの態度が腹に据えかねて、自分でも驚くぐらいにね』

武内P『ちかっ……顔が、近いです!』

美嘉『近くなんかないよ……もっと近づかないと、できないんだから』


チュッ


武内P『……ッ!?』

美嘉(キス――しちゃった! コイツと! この人と! やっと! でもまだ、まだここから――ッ!!)


チュウウウゥゥゥ


武内P『~~~~~ッッッ』

美嘉(もっともっと! この人と一緒に! 貴方がアタシのことしか考えられなくなるように、もっと――)


ガチャ


莉嘉『Pくーん! 起こしに来てあげ……???』


チュ、チュルウウウウゥ、チュッ


莉嘉『……おおぅ』

美嘉『プハッ……ハッ……ハァ』

武内P『』

美嘉『莉嘉が来ちゃったから……今日はここまでね★』

美嘉『莉嘉はコイツに何か用事があったの?』

莉嘉『う、うん!? Pくんが時間が過ぎても寝てたら、起こしてあげようって思って』

美嘉『そうなんだ。ちゃんとアタシが起こしてあげたからもう大丈夫。さ、いこっか』

莉嘉『う、うん!?』

武内P『』

美嘉『じゃ、また“今度”ね』


ガチャ、バタン
18 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:32:19.18 ID:3tMV5qMAO
※ ※ ※



莉嘉「――っていう場面を見たの!!!」


ウオオオオオオオォォォッッッ


武内P「」

莉嘉「そのあとアタシ、お姉ちゃんに訊いたもん!」





美嘉『え、さっきのやつ?』

美嘉『アイツが疲れてたから、元気が出るようにね』

美嘉『まあ、結構前から』

美嘉『たいていはアイツが元気になりすぎて、キスだけじゃ終わんないけど★』

美嘉『二人っきりの時はアイツけっこう甘えん坊なのよ。まあ疲れている男を甘えさせてあげるのも女の器ってところ』

美嘉『いや、別に付き合っているわけじゃないよ。お互いの立場があるから、はっきりさせちゃいけないし……まあ、大人の関係ってやつ★』

美嘉『でもアイツがあんな風に甘えられる相手なんかアタシしかいないし、私も他の男に興味は無いから……時間の問題といえば時間の問題かな』





莉嘉「――って言ってたもん! 二人は両想いで付き合ってるようなものだから、Pくんはホ なんかじゃないもん! アタシのお義兄ちゃんになってくれるんだもん!」

『……』


シーン………………………


莉嘉「あれ? 皆どうしたの?」

由里子「あの……裁判官。これは偽証罪にあたりますか?」ヒソヒソ

小鳥「ピヨォ。莉嘉ちゃんは嘘は言っていません。嘘を聞かされて、それを本当だと信じているだけで」ヒソヒソ

由里子「裁判官! 城ケ崎美嘉ちゃんの証人尋問を請求します!」

小鳥「許可します。ただし城ヶ崎美嘉ちゃんの名誉を守るために、いったん中学生以下のアイドルは退出してください」
19 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:33:38.54 ID:3tMV5qMAO
――

――――

――――――――



美嘉「……」

由里子「城ヶ崎美嘉ちゃん。貴方は妹の莉嘉ちゃんに、自分とCPのプロデューサーが、深い男女の関係にあると話したことを認めますか?」

美嘉「……はい。認めます」

由里子「では自分とCPのプロデューサーが男女の関係であると主張しますか?」

美嘉「しゅ、主張します! アタシとプロデューサーは、もう何回もええ、●●●なことを――」

由里子「何センチでしたか?」

美嘉「…………………………え?」

由里子「CPのプロデューサーのプロデューサーは何センチでしたか?」

武内P「」

美嘉「プロデューサーのプロデューサーって……え、何それ?」

由里子「意味が伝わらない……ッ!? ま、まぶしい!」

美嘉「へ?」

小鳥「ゴホン。いい、美嘉ちゃん? 由里子ちゃんはね、美嘉ちゃんがCPのプロデューサーさんの●●●●の大きさ(※)を知っているか聞いているの」

美嘉「なっ……!? そ、そんなの知らな――じゃなくて、じっくり見ているわけないでしょ!」

由里子「え、何回もしているのに? まゆPだったら即答できるじぇ」

武内P「できません」

まゆ「できません」


 ※【武内君の実年齢の数字】センチだよ!


美嘉「う……あ……その」

由里子「では質問を変えるじぇ。CPのプロデューサーが美嘉ちゃんに触れたがる体の場所は? 美嘉ちゃんの髪をどんな感じで撫でるの? 一回あたりにどれぐらい時間をかけるの?」

美嘉「???」

由里子「CPのプロデューサーが好きな体位は? 好きなシチュは? 美嘉ちゃんにどんな下着をつけたがるの?」

美嘉「??????????」

武内P「あの……もう止めてあげてください」

由里子「では最後に一つ」

美嘉「な、何?」

由里子「処女ですよね?」

美嘉「……ッ!?」

由里子「というか莉嘉ちゃんが見たのは、ファーストキスですよね?」

美嘉「ちが……ちが……ちがっ……」

由里子「裁判官! 以上で証人尋問を終えます」

小鳥「グフェフェ! キャベツ畑やコウノトリを信じている可愛い女の子に、無修正のポルノをつきつける時を想像する様な下卑た快感だピヨォ!!!」(もうちょっと手加減してあげてもよかったんじゃないですか、由里子検察官)

武内P(ダメだこの裁判官……早くなんとかしないと)

美嘉「プ、プロデューサー……」

武内P「城ケ崎さん!?」

美嘉「プロデューサーは……信じてくれるよね? アタシはカリスマだって……恋愛経験豊富だって!」

武内P「……わかっています。わかっていますとも」

20 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:34:29.04 ID:3tMV5qMAO
武内Pのウワサ②

美嘉ねぇが処女なことをとっくに気がついているらしい





まゆ「……ゴホン。えー、美嘉ちゃんが乙女であるかどうかは別として――いや別としなくて、乙女な美嘉ちゃんが大事にとっておいたファーストキスをするほど、CPのプロデューサーさんを想っています」

美嘉「ちょ、まゆ!? 違うからね? 違うからね!? あんなのアタシにとって、遊び半分で――でも貴方となら……じゃなくて!」

まゆ「そしてCPのプロデューサーさんも、今は大人と未成年、プロデューサーとアイドルという立場上我慢していますが、担当ではなくなっても足しげく通ってくれる美嘉ちゃんに、感謝を越えた情愛を抱いています」

武・処『!!?』

まゆ「そのことを認めますよね、CPのプロデューサーさん?」

武内P「あ、あの……佐久間さん?」

美嘉「ンッ……ま、まあ? アンタがどうしてもって言うのなら? アタシも悪いようにはしないっていうか、その……」ソワソワ

まゆ「さあ、CPのプロデューサーさん。あとはCPのプロデューサーさんが立場上秘めなければいけなかった想いを、ここで美嘉ちゃんの前で明かしさえすればノンケであることが証明されます」

武内P「待ってください。そもそも城ヶ崎さんはまだ高校生――」

まゆ「 高 校 生 の 何 が 問 題 な ん で す か ? 」

武内P「」

まゆ「民法が改正されるのは、2022年の4月1日からです。16歳以上ならまだ結婚できるんです。何の問題もありません」

まゆ「今ここで! CPのプロデューサーさんほど真面目な男性であっても! 自分を一途に慕ってくれる女子高生アイドルと結婚したいと考えていると認めてください!」

美嘉「あ、アタシほどの女ならアンタより良い男なんかいくらでも見つけられるけど、アンタにはアタシ以上の女なんかいないだろうし、莉嘉もアンタなら喜ぶから――貴方ならアタシは」ソワソワ

武内P「……せい……です」

美嘉まゆ『……え?』

武内P「城ヶ崎さんは……まだ高校生です。私は城ヶ崎さんをそのようないかがわしい考えをもったことは、一度もありませんッ!」


ザワ、ザワザワ


「美嘉ちゃんにあそこまで想われているのに……」

「ホ ね……」

「ホ よ……」

「ホ だわ……」

「掘らせて……」

「な、ナナは大人として立派な態度だと思いますよ!」
21 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:35:14.76 ID:3tMV5qMAO
美嘉「」

由里子「み、美嘉ちゃん?」

美嘉「」

由里子「これはまずいじぇ……誰かみりあちゃん呼んできて!」


ワイワイ、ザワザワ


武内P「じょ、城ヶ崎さん……」

まゆ「CPのプロデューサーさん……美嘉ちゃんに何の不満があるんですか?」

武内P「不満など何も。ただ私は、大人として皆さんを見守る立場として」

まゆ「見守る? 乙女の純情を踏みにじっているように見えましたけど?」

武内P「……佐久間さんも大人になったらわかってくれます」

まゆ「このままだとまゆが大人になる前に、CPのプロデューサーさんがケ 内調査をされることになりそうですけどね」

武内P「うっ……」

まゆ「はぁ……済んだことを責めても仕方ありません。もう一人証言してくれる人を呼んであるので、今度こそは否定したりしないでくださいね」

武内P「あの……どのような形で私がノンケであることを証言するのですか? 心配でたまらないのですが」

???「安心してくださいCPのプロデューサーさん。私がきっちりと、貴方が異性愛者であると証言しますから」

武内P「貴方は……ッ」

ありす「裁判官。証言を始めてもよろしいですか」

小鳥「ええ、どうぞありすちゃ『橘です』――グフェフェ」

ありす「……なんで私を見て笑っているんですか、あの人」

まゆ「反応を面白がっているだけですから、無視してください」

ありす「気味が悪いですね……ゴホン、それでは証言をさせていただきます」

ありす「CPのプロデューサーさんは同性愛者ではありません。なぜなら――」

由里子「なぜなら?」

ありす「文香さんが二十歳になったら、お持ち帰りをする約束をしているからです!」

武内P「!!?」


ガタッ


武内P(ん? 今の音はどこから……?)


<あ、あ……ありすちゃん? 何を言い出して……


まゆ「裁判員席の方からですね。ここからは位置の関係で見えませんから、今はありすちゃんの証言に集中しましょう」




22 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:36:23.03 ID:3tMV5qMAO
証言者③ ~橘ありす~



ありす「私は最初から見ていたわけではありませんが、ことの発端は控室で考え込んでいた文香さんに、偶然立ち寄ったCPのプロデューサーさんが話しかけたことだと聞いています」

武内P「そ、その件は待ってください!」

裁判員席<ガタッ、ガタガタッ

武内P「!?」

小鳥「二人とも、証言中は静粛に」





――某月某日、控室にて



文香『……どうしたらいいのでしょう』

武内P『鷺沢さん、何かあったのですか?』

文香『……兄さま? あ、あの……いつからそこにいらしたのですか?』





武内Pのウワサ③

ふみふみに「兄さま」と呼ばれているらしい


武内P「姉を望んだ末路」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1563177051

武内P「ホ のショックで記憶が」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1593212226

武内P「魔神が生まれた日」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1597086263



鷺沢文香のウワサ

このSSを書いている作者に手厳しい

1週目恒常:スカウトチケット

2週目限定:復刻の時にご理解

3週目限定:復刻の時にご理解

4週目フェス限:プラチナスカウトチケット

5週目⇒???




23 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:37:21.92 ID:3tMV5qMAO
武内P『申し訳ありません。ノックをして部屋に入ったのですが……』

文香『す、すみませんでした。少し物思いにふけっていて、気がつきませんでした』

武内P『悩み事でしょうか?』

文香『そんなことは……いえ、そうですね。悩み事になるのかもしれません』

武内P『私で良ければ相談にのりましょうか』

文香『フフ。相談相手が兄さまなら、安心して話すことができます』

文香『――悩みというのは私がそろそろ二十歳を迎えるため、色んな方からお酒についての忠告やお誘いを受けていることです』

武内P『お誘いがどなたからなのかは想像はつきます。忠告はどういったものでしたか?』


菜々<酒が飲める 酒が飲める 酒が飲めるぞ~♪

友紀<1月は正月で酒が飲めるぞ~♪

早苗<2月は豆まきで酒が飲めるぞ~♪


武内P(……この前の飲み会での惨状が、フラッシュバックしてきました)

文香『忠告の内容は、男の人と飲む時は気をつけるようにというものでした』

武内P『……なるほど』

文香『男の人に絶対に送ってもらってはいけないと。他にも飲んだあとはタクシーで帰った方がいい。なぜなら私が酔った状態で電車に乗れば、妙な考えをもった男があとをつけるかもしれないからと』

文香『そのような善意からくる忠告を聞いているうちに、段々とお酒を飲むこと自体が恐ろしく感じるようになって……でも私が二十歳になったら一緒に飲もうと、楽しそうに誘ってくれている人たちもいるので……どうしたらいいのだろうかと考え込んでいたのです』

武内P『……話はわかりました。そして鷺沢さんなら大丈夫ですと、私は自信をもって答えることができます』

文香『え……?』

武内P『お酒と正しく付き合っていくには、お酒の怖さを知る必要があります。そして多くの人は痛い目を見て初めてお酒の怖さを知るものです。私も学生の頃、一緒に飲んでいた先輩に勧められるがままに色々なお酒をハイペースに飲んでしまい、翌日は地獄のような気分を味わってようやくお酒の怖さがわかりました』

武内P『しかし鷺沢さんはお酒を飲む前から、お酒について怖さを感じています。鷺沢さんならアルコールが入った状態でも判断を誤ることはないでしょう』

文香『そ、そんなに私はしっかりとした人間ではありませんよ』

武内P『鷺沢さんがしっかりとしていないのなら、この世にしっかりとした人は何人いるでしょうか』

武内P『ただそうですね……鷺沢さんなら大丈夫だと私は確信していますが、安心してもらえるようにお酒と十年ほど付き合った私からのアドバイスを一つ』

文香『よ、よろしくお願いします』

武内P『私はお酒と正しい付き合いができるのも、大人の条件の一つだと思っています。それはアルコールに弱いからやんわりと断ることや、お酒が好きだからと周りに飲むことを強要しないこと。そして自制心を失わない範囲でお酒を楽しむことです』

武内P『鷺沢さんが受けた忠告は正しいことです。若く美しい女性は、酔った時のことを警戒しすぎるぐらいがちょうどいいと思います。ですかお酒と距離をとるだけが正しい付き合い方とは言えません。もちろんお酒がおいしくないと感じる、体に合わないのなら話は別ですか』

文香『距離をとるだけが……お酒との正しい付き合い方ではない』

武内P『はい。最初は親しい同性の人たちと自分がどれぐらいアルコールを飲んで大丈夫なのか確かめ、慣れてきてから異性の人とも飲む。そういった順序をとればいいのではないでしょうか』

文香『兄さま……ありがとうございます。おかげで胸のつかえがとれました』

武内P『いえ、鷺沢さんの悩みが解決できたのなら、私にとっても嬉しいことです』

文香『ただ、その……一つだけ練習したいことがあって、その練習に付き合っていただけませんか?』

武内P『何の練習でしょうか?』
24 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:38:02.96 ID:3tMV5qMAO
文香『お酒を飲む場では、酔った相手を自宅に連れていく「お持ち帰り」があると聞きます。私はハッキリと断るのが苦手なので、それを断る練習がしたいんです』

武内P『なるほど。では練習というのは、私がお持ち帰りしようとするのを鷺沢さんが断る内容ですね』

文香『はい、お願いできますか?』

武内P『ええ、いいですよ』

文香『ては隣に座ってください』

武内P『はい』ボフッ

文香『……どのような状況にしましょうか』

武内P『そうですね……私はお持ち帰りするために軽く酔っている程度で、鷺沢さんは少し飲み過ぎてしまって頭がボンヤリと――朝起きた時にひょっとしたら風邪を引いてしまったのだろうか――というぐらいのボンヤリとした感覚でいきましょう』

文香『お酒を飲み過ぎるとそのような感覚になるのですね。わかりました』

文香(頭がボンヤリとした状態で、隣には兄さまが座っている。風邪を引いた時のようにボンヤリということは、体は少し熱っぽくて辛いのでしょうか? そのような状態で兄さまと二人っきりなら……少しぐらい甘えてもいいですよね?)ポフンッ

武内P『……あの、鷺沢さん?』

文香『どうしましたか兄さま?』

武内P『……なぜ私の肩に頭をのせるのでしょうか?』

文香『? ボンヤリしているので』

武内P『これは……いけません。お持ち帰りを防ぐどころか、お持ち帰りしてくださいと言っているようなものです』

文香『そ、そうなんですか!? 兄さまとそういう状況だったら、こうしてしまうと考えたのですが……』

武内P『私が相手でもいけませんからね? それにあくまで練習なので、相手は私ではないと仮定してください』

文香『兄さまではないと仮定……兄さまではない……知らない男の人と、頭がボンヤリとした状態で二人っきり……ッ!!?』ガタッ

武内P『鷺沢さん?』

文香『ま、まずは距離をとって……いざという時の武器を探しながら、相手を刺激しないように入口の方へ』ガタガタガタッ

武内P『落ち着いてください鷺沢さん! 二人っきりではなく、まだお店の中で店員も他のお客さんもいますから』

文香『で、でも……意識がボンヤリとしている状態で、ろくに知らない男の人が隣にいるなんて……ち、近くに片桐さんと川島さんがいることにしてもらってもいいですか? あ、やはり高垣さんとちひろさん、それに姫川さんも』

武内P『……それだけの人に守られている人を、お持ち帰りしようとする男はいないでしょう』

文香『そ、それでも……やはり相手は兄さまということにしてもらえませんか?』

武内P『え、ええ。わかりました』

文香『……』

武内P『……』

文武両道『……』

文香『あの……兄さま?』
25 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:38:40.58 ID:3tMV5qMAO
武内P『……申し訳ありません。そういえば私は女性をお持ち帰りしたことも、お持ち帰りしようとしたことも無いので、どうすればいいのかわかりません』

文香『え……? 兄さまは女性をお持ち帰りしたことがないんですか?』

武内P『その……はい』

文香『では兄さまが初めてお持ち帰りするのは、私なんですね』

武内P『そうなり――なりませんよね?』

文香『ならないのですか?』

武内P『ならないんです』

文香『なるほど……お酒の世界は難しいんですね』

武内P『それとは少し違うような……』

文香『しかし……これでは練習の内容が変わってしまいましたね。兄さまは私をお持ち帰りする練習に、そして私は兄さまにお持ち帰りされる練習へと』

武内P『ええ……ん?』

文香『どうしましたか兄さま?』

武内P『いや、なんでもありません。先ほどの鷺沢さんのセリフにどこか引っかかったように思えたのですが、きっと気のせいでしょう』

文香『そうでしたか。ひょっとしたら何か私が言い間違えたのかもしれません。ともあれ練習を続けましょう』

武内P『はい、それでは……ふ、ふ……文香ちゃん』

文香『!!?』

武内P『だいぶ酔っているようだけど、大丈夫? 一人で帰れるか心配だし、送ってあげようか』

文香『ぜ、ぜひお願いします』

武内P『え?』

文香『え?』

武内P『あの……今の誘いに応じるのですか、鷺沢さんは』

文香『はい。文香ちゃんは兄さまの優しい申し出に、甘えることにしました』

武内P『ええと、それでは……私がタクシーを拾い、酔ってふらついている鷺沢さんを『文香ちゃんです』……ふ、文香ちゃんを後部座席に誘導します』

文香『はい、誘導されました!』

武内P『私はタクシーの運転手に行き先を伝えますが、小さな声でこっそりと伝えているのでさぎ……文香ちゃんの耳にはよく聞こえません』

文香『兄さまに任せていれば安心ですね』

武内P『……そこでふと、文香ちゃんは自分の住所を教えていないことを思い出しませんか?』

文香『安心しているので思い出しませんね、きっと』

武内P『え、ええとそれでは……車の窓から見える光景が、見慣れたものではないことに気がつきます』

文香『タクシーの運転手の方は道に詳しいですからね。私が知らない近道をご存じなのでしょう』

武内P『……タクシーが止まると、そこは文香ちゃんが利用したことが無いタイプのホテルでした』

文香『兄さま……ここは?』

武内P『文香ちゃんは酔っているだろ? 文香ちゃんの家まで遠いから、ここで少し休憩してから行こうよ』

文香『そんな……気遣ってもらって嬉しいです。ありがとうございます兄さま』

武内P『………………………それでは私が、無人のフロントで部屋を選び始めました。ものすごく真剣な様子で鷺沢さんに背中を見せています』

文香『背中を見せているのですか?』

武内P『はい。背中を向けているので逃げるチャンスです!』

文香『……それはおかしいのではないでしょうか?』

武内P『え?』
26 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:39:31.89 ID:3tMV5qMAO
文香『兄さまは酔ってしまった私を気遣ってくれているのです。私を放ったらかしにして、部屋を選ぶのに夢中になったりしないと思います。私の手を握っているか、肩を抱きよせているのではないでしょうか?』

武内P『…………………………鷺沢さんに逃げるチャンスは、ありませんでした』

文香(なぜ逃げなければいけないんでしょうか?)

武内P『ええっと、それでは……無人のフロント……そう、無人のフロントという不思議な! 怪しい場所で部屋を決めた私は、手を握ったまま文香ちゃんをエレベーターに連れていきます』

文香『は、はい。その……どうぞ』スッ

武内P『あの……これは?』

文香『……握るんですよね?』キョトン

武内P『は、はい』

文香『分厚くて、暖かくて……頼もしい手です。きっと私はこの手に引かれるにまかせて、狭い箱の中にプロデューサーさんと身を躍らせるのでしょう』

武内P『……機械仕掛けの箱が貴方に浮翌遊感を与えます。その浮き立つ感覚は一瞬ですが酔いをさまし、男と身を寄せ合って狭い空間にあるという現実を突きつけます』

文香『え、隣にいるのは兄さまですよね? 我に返って少し恥ずかしくなるかもしれませんが、体は預けたままです』

武内P『そ、それではエレベーターは止まり、私は部屋にカードを通しドアを開け、焦ったように文香ちゃんを部屋に引っ張りますが――悲鳴をあげますか?』

文香『え……? いつも落ち着いている兄さまが焦るのなら、何か理由があるはずです。兄さまに引っ張られるがまま、おとなしく部屋に入ります』

武内P『……それでは残念ながら、文香ちゃんはほとんど抵抗できずにお持ち帰りされてしまいました』

文香『え?』

武内P『その……文香ちゃ、ではなく鷺沢さんは気づいていなかったようですが、私にラブホテルに連れ込まれてしまったんです』

文香『ラブホテル……え、あのラブホテルというものにですか!?』

武内P『はい……驚くほど無抵抗に』

文香『で、ですが……私はまだお持ち帰りされてしまったという実感がわいてこないんです』

武内P『ホテル……それもラブホテルの個室に連れ込まれた時点で、もう終わりなんです』

文香『……本当にそうなのでしょうか?』

武内P『……と言いますと?』

文香『兄さまはお持ち帰りの経験がありません。これから先女性をお持ち帰りしようとしても、この段階から失敗しないとは言い切れませんよね?』

武内P『言い切ってもいい状況だと思いますが……』

文香『では試しに続けてみましょう』

武内P『続ける? え、まさか……』

文香『私をホテルの一室に連れ込んだ状況から、私をその……お、おか……ではなく、手折るまでです』

武内P『』

文香『兄さま……お願いです、これは練習なんです』

武内P『……ッ!!?』

武内P(そうです、これは練習です。練習を通して鷺沢さんに異性へのガードが緩すぎることを知ってもらわなければ!)

武内P(……しかし鷺沢さんは異性へのガードは堅い方だと思っていたのですが、なぜこんなことに?)

文香『兄さま? さあ、続けましょう』
27 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:40:14.43 ID:3tMV5qMAO
武内P『あ、はい。えー、それでは……部屋に引き込まれた鷺沢さんは少し進むと、部屋の中の大きなダブルベットに驚くことでしょう』

文香『だ、ダブルベッド』ゴクリ

武内P『私は貴方を、そのダブルベッドへと乱暴に投げて……投げて……』

文香『兄さま……?』

武内P『その……ここからどうすればいいのか、わからないのです』

文香『そうですよね。兄さまはお持ち帰りしたことがありませんし、女性に無理矢理乱暴することを想像しているようにも思えません』

武内P『申し訳ありませんが、練習はこの辺りで終了としませんか?』

文香『……いえ、大丈夫です』

武内P『しかし……』

文香『兄さまが素直に、有りのままの欲望を文香に話してくれたらいいんです』

武内P『あの……鷺沢さん?』

文香『教えてください、兄さま』





文香『兄さまは……どのように私を襲いたいのですか?』





武内P『』

文香『……兄さま?』

武内P(聞き間違い……聞き間違いです。そうに決まっています。鷺沢さんがそんなことを私に言うはずがありません。もしくは言い間違えです)

文香『……ッ!!? すみません兄さま! 間違えてしまいました』

武内P(やはりそうだった――)





文香『兄さまは襲うのではなく、襲われたいのですね!』





武内P『………………………え?』
28 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:40:54.38 ID:3tMV5qMAO
文香『え、えい』

武内P『~~~~~っっっ』

武内P(ソファに座ったまま鷺沢さんは私に前のめりで両手を伸ばします)

武内P(その両手を握って止めようものなら、勢いのついた鷺沢さんと抱き合う形になりかねないため、私はなんとか後ろに体をそらしてかわそうとしました)

武内P(しかしソファに座ったままかわそうとした私は体勢を崩してしまい――倒れた私の胸に、鷺沢さんが手をついて見下ろす形になってしまいます)

文香『こんなにたくましい体つきをしている兄さまが、私にあっさりと押し倒されるだなんて……やはり兄さまは、襲われたいのですね』

武内P『……ッ!?』

文香『兄さまの胸……ドキドキと鳴っていて、文香もドキドキしてきます』

武内P(ソファに倒れた私が見上げる私の視界に写るのは、美しく形の良いふくらみの奥から、熱にうなされているかのように頬を紅潮させた鷺沢さんの顔でした)

文香『兄さま……私はここからどのようにお持ち帰りされるのが正しいのでしょうか?』

武内P『ま、待ってくださ――』


コンコン、ガチャ


ありす『文香さん、まだ控室にいたのですか――――――――――か?』

文武両道『あ』

ありす『……』

文武両道『……』

ありす『ごゆるりと……』

武内P『ま、待ってください橘さん! これは誤解です』

ありす『誤解と言われましても……体格の良い年頃の男性が、非の打ち所がない美しい女性に押し倒されているのはその……小学生の私でもわかるといいますか……お邪魔をしてしまい、本当に申し訳ありません。ですが次からは、鍵をかけていただけると嬉しいです』

文香『ほ、本当に違うんですありすちゃん。これは私がそろそろお酒を飲む年齢になるから、酔った私が男性に連れていかれないための練習に付き合ってもらっていただけなんです』

ありす『な、なるほど!』

文香『わかってもらえましたか?』

ありす『そういうシチュエーションを楽しんでいたんですね。大人です!』

文香『し、シチュエーション?』
29 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:41:59.42 ID:3tMV5qMAO
ありす『次は雑誌のインタビューがあるのでそろそろ移動しなければならないのですが、私はどれだけ時間を稼けばいいでしょうか?』

武内P『そのような必要はありません。誤解です』

ありす『えっ……数分で終わるんですか?』

文香『数分?』

武内P『あの……そういった意味ではなくてですね、橘さん』

ありす『そうですよね。文香さんの相手をつとめるのに、そんな片手間ですませようものなら許せません!』

武内P『そういった意味でもないんです。今の体勢は、私と鷺沢さんどちらにとっても予想外の事故で……あの、鷺沢さん? そろそろどいてもらってもいいでしょうか?』

文香『……』

武内P『……鷺沢さん?』

文香『……は、はいっ。どきます』ササッ

ありす『あの……本当にすみません文香さん。邪魔をしてしまって』

文香『あ、ありすちゃんは何も悪いことはしていませんから。さあ、インタビューに向かいましょう。それでは兄さま、私たちは次の仕事に……』

武内P『鷺沢さん? どうかしましたか』

文香『あの……もう少ししたら私は二十歳になるのですが……私が二十歳になりましたら、一緒にお酒を飲んでくれますか?』

武内P『……? ええ、私で良ければ』

文香『……ッ! よ、よろしくお願いします。楽しみにしていますね! それでは次の仕事に行ってきます』

武内P『ええ、頑張ってください』

文香『じゃあ行きましょうかありすちゃん』

ありす『は、はい!』
30 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:42:46.85 ID:3tMV5qMAO
――

――――

――――――――



ありす「――という出来事があったんです! これはもう、文香さんが二十歳になったらお持ち帰りをする約束をしたと見るべきでしょう! 以上のことからCPのプロデューサーさんはノンケです!」


オオオオオオオォォォ!!!


武内P「」

由里子「おかしい……こんなことは許されないじぇ……CPのプロデューサーを押し倒して、CPのプロデューサーのプロデューサーをプロデュースするのはまゆPのプロデューサーのはず……」ブツブツ

まゆ「フフ、何もおかしいことはありません。なぜか高校生に手を出してはいけないという謎の固定観念をお持ちのCPのプロデューサーさんですが、相手が十八歳以上で、さらに美しく穏やかでありながら大胆な一面もある女性に一途に慕われたのならば、お持ち帰りするのも当然でしょう」

武内P「し、していません! 私はお持ち帰りしたことなどありません!」

まゆ「ああ、“まだ”でしたね。では宣言してください。自分は文香さんが二十歳になったらお持ち帰りする気だと」

武内P「……ッ!?」


裁判員席<ガタッ、ガタガタッ ゴトンバタン


小鳥「静粛に! 静粛に!」ゴンゴンッ

武内P(なんでしょう? 裁判員席の方から複数の物音が……)

まゆ「さあ、CPのプロデューサーさん! 宣言を!」

ありす「健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、文香さんを愛し、文香さんを敬い、文香さんを慰め、文香さんを助け、その命ある限り真心を尽くすことを誓いますよね!」

武内P「……私はプロデューサーです」

まゆ「え?」

ありす「ん?」

小鳥「ほほぅ?」

由里子「じぇじぇ?」

武内P「信頼を寄せてくれるアイドルに、そのような邪念を抱いたりなどしません!!!」


シーン……


武内P(……なんでしょうこの痛い沈黙は。周りからの視線が痛いほど怖い)


「え、ええ? あの文香ちゃんが勇気を出してあんなことまでしたのに?」

「ホ ね!」

「ホ よ!」

「ホ だわ!」

「掘らせて!」

「駿ちゃん……」


由里子「大胆な告白はホ の特権。やっぱりCPのプロデューサーはホ だじぇ♪」

武内P「」
31 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:43:28.11 ID:3tMV5qMAO
裁判員席<バタンッ


ありす「……ッ!? 失礼します」


<大丈夫ですか文香さん!? 気を確かに!

<ありすちゃん……私は……私は……


まゆ「……」

武内P「……あの」

まゆ「……気は確かですか?」

武内P「そうは言いましても男性が苦手な鷺沢さんが、いくらか信頼している私にそのような目で見られていると感じたら男性不振になりかねません。この場に鷺沢さんの姿は見えませんが、私のここでの発言が彼女に伝わる可能性を考えれば……」

まゆ「……アイドルへの思いやりはこれ以上なくあるのに、女性への思いやりがこれっぽっちも無いというか、女心を少しも理解できていないといいますか……どうしましょう、もう弁護する手立てがありません」

武内P「そ、そんな……」

まゆ「あの……これから調査ゲイ団の方に調査された結果、そちらの方に目覚めるかもしれませんが……まゆのプロデューサーさんをそういう目で見るのは止めてくださいね? CPのプロデューサーさんの境遇には同情しますが、容赦はしませんから」

武内P「まだ……まだ有罪になると決まったわけではありません」

小鳥「ふふーん? 儚い願いを抱いているフリをして、調査ゲイ団の劣情を煽るのがうまいですね。さあ由里子ちゃん! とどめを!」

由里子「イエス、マム! 本日最後の証人を呼びます」

武内P(最後の証人? いったい誰なのでしょうか)


タタタタタタッ


心「お待たせぇ☆ スウィーティーなシュガシュガアイドル、しゅがーはぁとの登場だよ♪」

武内P「……佐藤さん?」

心「おい☆ はぁとって呼べって何度も言ってるだろ☆」

武内P「…………は、はぁとさん。大西さんに呼ばれて証言台にあがるということは、貴方も私を同性愛者だと思っているのですか?」

心「へ? CPのプロデューサーはノンケじゃん何言ってんの?」

武内P「え?」

小鳥「ん?」

由里子「なん……だと?」

心「はぁとは今日はね、CPのプロデューサーに男としての責任を取らせるために来たんだぞ☆」

武内P「あの……何のことがよくわからな――」


傍聴席<ダメー! はぁとちゃん止めてー!


武内P「……ッ!?」

小鳥「そこの方! 静粛に!」 


傍聴席<は、はい……すみません


武内P(今の声はもしかして……)

心「あれは一週間前に、三人で飲んでいた時のこと――」




32 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:44:17.59 ID:3tMV5qMAO
証言者④~しゅがあはぁと~



菜々『――プハァッ! この一杯のために生きている!』

心『よっ☆ 菜々パイセン良い飲みっぷり!』

武内P『あの……そのペースの飲み方は止めておいた方が……』

菜々『ん? なんですか駿ちゃん。ナナにお説教しようっていうんですか?』

菜々『言っときますけどねぇ! 身長なんかとっっっっっくの昔に追い抜かれてますけど、年齢は何故かナナの方が圧倒しているんですからね!』

武内P『』





武内Pのウワサ④

初恋の相手は小学生の頃に優しくしてくれた、近所の高校生のお姉さんらしい



武内Pのウワサ⑤

最近の悩みは初恋の相手が当時の姿のまま、同じ事務所で働いていることらしい





心『ねーねー、菜々パイセン。CPのプロデューサーって子どもの頃からでかかったの?』

菜々『そーですねぇ、クラスで一番はもとより、学年で一番大きかったはず……はず……』

心『パイセン? どうしたの? 胃が喉まで登ってきてんの?』

菜々『駿ちゃんが……』グス

武・心『!!?』

菜々『駿ちゃんがあぁ~、あんなに純粋で可愛らしかった駿ちゃんがあぁ~、今じゃ何人もの女の子をたらしこむようになっちゃうなんて~』ヒック

武内P『たらっ!? お、落ち着いてください安部さん!』

菜々『安部さんじゃないです~。ナナは菜々お姉ちゃんです~』

武内P『え、いえ、あの』オロオロ

心『呼んでやれよー、駿ちゃん☆』

武内P『な、菜々お姉ちゃん?』

菜々『……』

武内P『あ、あの……』

菜々『エヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘ』ペカー

武内P『!?』
33 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:44:59.72 ID:3tMV5qMAO
菜々『そうですよぉ、ナナは駿ちゃんのお姉ちゃんなんですよぉ。ヨシヨシ』

武内P『あの、止めてください安部さん』

菜々『ん~? お姉ちゃんのことをお姉ちゃんって呼ばない悪い子の言うことなんか、ウサミン星では聞き入れられませーん♪』

心『アハハハハハハハッ! でっかくて怖い面したお兄さんが、見た目は小柄な女子高生に頭ヨシヨシされてんの☆』

菜々『聞いてくださいはぁとちゃん。駿ちゃんはですね、小学生の頃は冬でも短パンな男の子だったんですよ』

心『ああ、あのクラスに一人はいた謎生命体』

菜々『小学校高学年の頃には菜々よりもう背が高くてですね。スラッとした長い足で短パンだから、周りの女の子が●●●な目で見るのを菜々が一生懸命牽制してたんですよ?』

武内P『え?』

菜々『そしたら皆《菜々っち、小学生に手を出すのはまずいっしょ》とか言っちゃってもう!』

菜々『……まあ確かに大きくなったら菜々お姉ちゃんと結婚するって言ってもらいましたけど』ニヘラァ

心『おっきく……なったなぁ』

菜々『なりすぎですねぇ』

武内P『……恐縮です』

菜々『けどこんなにおっきくなった駿ちゃんが! 何度も何度も警察のお世話になって、あまつさえ、あまつさえ女の子を次々とたらしこむなんて~』

心『……まじいな。この面子で飲むとパイセンボケっぱなしじゃねえか』ヒソヒソ

武内P『姫川さんを呼びますか?』ヒソヒソ

心『え? この酔い方のパイセンと友紀ちゃん会わせんのか☆ 前回みたいに――」ヒソヒソ



友紀『ユキミンユキミン、ユーキミン!』

菜々『ハイ!』

友紀『ユキミンユキミン、ユーキミン!』

菜々『ハイ!』

友紀『ユキユキユーキ、ユーキミン!』

菜々『ハイ!』



心『――ってなるぞ☆』ヒソヒソ

武内P『アレは……たいへんでした』ヒソヒソ

菜々『あーっ! ナナがお説教しているのに、なんではぁとちゃんと内緒話してるんですか!? 若い娘の方がいいんですか!? ぼんっ、きゅっ、ぼんがいいんですか!?』

武内P『いえ、あの……』

心『いやー、ごめんね菜々パイセン☆ はぁとってば二人より若いうえにぼん、きゅっ、ぼんだから、パイセンの弟分を寝取っちゃったぞ☆』

菜々『な、菜々だって大きいですから! ほら駿ちゃん! Eカップですよ!』ドンッ

武内P『ゲホッ……ンッ……』

心『へっへっへ。大きいのはわかったから、はぁとがむせてるCPのプロデューサーに代わって感度を確かめてやんよ☆』

菜々『いや……止めてください……っ! ナナには、ナナには……心に決めた人が!』

心『よいではないか、よいではないか☆ そこにいる旦那さんに見せつけてやろうではないか☆』

菜々『あーれー』

武内P『あの……お二人とも……その辺で』
34 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:45:57.02 ID:3tMV5qMAO
――

――――

――――――――



菜々『シュピー……シュピー……』

心『完全に寝入っちまったよ☆』

武内P『終電までまだ余裕はありますが、この状態では千葉まで帰れそうにありませんね』

心『しゃあないな☆ じゃあCPのプロデューサー』

武内P『はい。お願いしま――』

心『はぁとが許すから、持ち帰っちゃいな☆』

武内P『…………………………というわけで佐藤さん、安部さんのことをお願いします』

心『おいこらスルーするな☆ はぁとは本気で言ってるんだぞ☆ あと佐藤じゃなくてはぁとだから』

武内P『あの、冗談はそのあたりで』

心『ん? 冗談ですませていいのか? 大きくなったら結婚するって言ってたんだろ☆ もしかしかしなくてもパイセンが初恋の相手だろ☆』

武内P『……ッ』

心『初恋のお姉さんが、当時の姿のまま独り身でいるんだぞ☆ はぁとが許すからやっちゃいなよ☆』

武内P『そ、そんなことは……』

菜々『ンー……はぁれ? 今何時ですか?』

心『げ』

武内P『安部さん! 目が覚めたのですね安部さん! 良かったぁ……ッ!』

菜々『ふぇ、なんですかその反応は? ナナは意識不明の重体だったのですか?』

武内P『いえ、こちらの話です。それよりも安部さん、今日はもうお開きにしようと思うのですが、飲みすぎのようなので今日は千葉まで帰らずに、佐藤さんのお世話になってください』

菜々『んー、確かにまだ酔いが酷いですね。すみませんがはぁとちゃん、今晩お願いしてもいいですか?』

心『んー、はぁとは構わないんだけど……なあCPのプロデューサーの家ってここから遠いの?』

武内P『……何故ここで私の家の話になるのでしょうか?』
35 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:46:34.86 ID:3tMV5qMAO
心『ねーねー菜々パイセン。CPのプロデューサーの家がどうなってるのか、気にならない? なるだろ☆』

菜々『……駿ちゃんの家!? ちゃんとお片づけはできていますか? 片付いてはいるけれど、物が少ない殺風景な部屋な予感がします。それに冷蔵庫の中身もレトルトと冷凍食品ばかりで……よし、決めました! 家庭訪問です!』

武内P『安部さん!? 落ち着いてください!』

菜々『大丈夫ですよ駿ちゃん。明日の朝食はナナが作ってあげますから♪ 駿ちゃんの家に泊まる前に、スーパーに寄って食材を買って、あと壁に貼るナナのポスターも必要ですね』

心『良かったなあCPのプロデューサー。お姉ちゃんが今夜は泊まってくれるってさ☆ 菜々パイセン、ポスターはスクール水着の時のヤツにしようぜ☆』

武内P『待ってください……』

菜々『な、何を言い出すんですかはぁとちゃん! ライブの時のポスターに決まっているじゃないですか!』

心『え~? CPのプロデューサーはお姉ちゃんのHなポスターの方が喜ぶと思うけどなあ。口には言えないだけで☆』

菜々『……そ、そうですよね。駿ちゃんも男の子ですからね。わ、わかりました! ナナの水着グラビアを貼ります!』

心『ヒューヒューッ♪ いいぞー☆』

武内P『待って……待ってください』

心『お、どうしたCPの駿ちゃん☆ 年貢の納め時だぞ☆』

武内P『よ、酔って男性の家に泊まるのはいかがなものかと?』

菜々『え? 当然それはダメですけど、昔なじみの瞬ちゃんの家ですからね。何の問題もありませんよ』

武内P『周りの目を気にしましょう!』

菜々『周りの目……ハッ!?』

武内P『気がついてくれましたか!?』

菜々『は、はぁとちゃんっ』ヒソヒソ

武内P『……ん?』
36 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:47:12.07 ID:3tMV5qMAO
心『どうしたパイセン?』ヒソヒソ

菜々『しゅ、駿ちゃんは……ナナに手を出すような子じゃないですよね?』ヒソヒソ

心『いやぁ、どうだろう? けっこうため込んでそうな性格をしているし、そこに憧れのお姉さんであったパイセンが酔って無防備な状態で部屋にあがるんだぞ☆ 一回じゃ済ませてもらえないだろうな~♪』ヒソヒソ

菜々『なっ……』ヒソヒソ

心『いいかパイセン! 部屋に入ったら上のボタンを一つ外しながら、ベッドに腰かけるんだ! 色っぽくな! はぁとの家に泊まる時みたいなオジサン臭い仕草は厳禁で☆』ヒソヒソ

菜々『ま、待ってください! ナナはそんなつもりじゃ……』ヒソヒソ

心『こらビビんなパイセン! 今日の飲みは楓ちゃんという最強の敵がいないうえに、隙あれば幸子ちゃんを推す友紀ちゃんもいないんだぞ☆ 今日で決めるんだ! ラストはだいしゅきホールドだ☆』ヒソヒソ

菜々『なっ……しゅ、駿ちゃん!』

武内P『は、はい!』

菜々『駿ちゃんは良い子だから、ナナが家に泊まっても悪いことなんか……しませんよね?』

武内P『え……あの……』

菜々『するんですか!?』

心『いや、しないよなCPの瞬ちゃん! だから安心して泊まりなって菜々パイセン! なあ、CPの瞬ちゃん』

武内P『は、はい』

心『良い子なら、内心期待しながら泊まりにくる女の子をどうエスコートすべきか……わかってんだろうな』ヒソヒソ

武内P(わかりません……っ)

武内P『あの……本当に止めましょう!』

菜々『そ、そうです! ナナは駿ちゃんを信じていますけど、駿ちゃんも男のですから万が一……万が一……万が一』

武内P『安部さん』

菜々『押し倒されたら……抵抗なんかできなくて……興奮した必死な目で駿ちゃんに見つめられたら……ナナは……ナナは……』

菜々『きゅう』バタン

武内P『安部……さん?』

心『……パイセン?』

武内P『安部さん? 安部さん? お姉ちゃん! 菜々お姉ちゃん!!!』

菜々『ナナは……ナナは……むーりぃ』

心(パイセーンッッッ あともう少し粘ればお持ち帰りだったのに、緊張に耐えかねて潰れてんじぇねえええよ! つうか飲ませすぎたあああああああぁぁぁ)
37 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:48:04.24 ID:3tMV5qMAO
――

――――

――――――――



心「――ということがあって、お持ち帰りさせようとしたけど失敗したんだぞ☆」


ウオオオオオオオォォォッッッ


武内P「」

菜々(傍聴席)「」

由里子「なんだ、やっぱりホ じゃないか(歓喜)」

心「そうだよなあ。中学生と高校生に手を出さないのはわかる☆ 文香ちゃんは未成年だからという理由でギリわかる☆ けど初恋の年上女性が、当時の姿のままで独り身なのに! あまつさえ自分からお持ち帰りされようとしていたのに手を出さないってのは男としてどうよ!」

武内P「いえ……あの……」

心「こんなんホ じゃん☆ ホ じゃないっていうのなら、結婚するっていう子どもの時の約束を果たせよオラ☆」

疑惑の17歳コンビ『!!?』

まゆ「なるほど、そういう意図での証言でしたか。CPのプロデューサーさん、これが最後のチャンスです」

武内P「……チャンス? ピンチではなくてですか?」

まゆ「チャンスですよ。ホ ではないと否定するためには、約束を果たすだけでいいんですから」

武内P「つ、つまり……?」

まゆ「このまま指をくわえて有罪判ケ になるか、菜々さんとの結婚を宣言するかです」

武内P「……ッ!!?」

心「花の命は短いんだぞー☆ さっさと手を出して幸せにしてやれー☆」

菜々「やや、止めてはぁとちゃん」オロオロ

小鳥「クックック。初恋の成人女性を絶好のチャンスにお持ち帰りしないとは……」

由里子「昔ノンケで今はホ 、ということだじぇ」

小鳥「ノンケなことは恥ではない。だがノンケから脱出しようと努めないことは、恥とされる」

由里子「アテネのペリクレスの名言(※)……すばらしいじぇ」


 ※正しくは「アテネでは、貧しいことは恥ではない。だが、貧しさから脱出しようと努めないことは、恥とされる」


心「さあ☆ ケ 内調査をされるか、初恋のお姉さんと結婚するか! 答えは決まっているだろ☆」

武内P(……ここで私が安部さんと結婚すると宣言すれば、今も優しい彼女は私を有罪判ケ から助けるためだけに私との結婚を承諾してしまい……アイドルとしての夢が断たれることになりかねません)

武内P(そんな事態を防ぎつつ、私の身の安全を……お尻を守るためには、前提を……魅力的な成人女性をお持ち帰りするチャンスを逃しただけで、ホ 扱いされるという常軌を逸した前提を否定しなければ)

武内P(つまり私がとるべき道は――ッ!)

菜々「駿ちゃん……」

武内P「安心してください、安部さん」

菜々「でも……このままじゃ駿ちゃんは……っ」

武内P「大丈夫です。なぜなら安部さんは――」





武内P「17歳ですから」





38 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:48:53.95 ID:3tMV5qMAO
『……は?』

武内P「三十になる社会人が、まだ17歳の子どもに手を出さないのは当然のことです。そこにホ もノンケも関係ありません」

由里子「いや……あの……その……」

小鳥「菜々さんは……私よりゴニョゴニョ」

武内P「安部さん!」

菜々「は、はい!」

武内P「安部さんは……17歳ですよね!?」

菜々「……ッ!?」

菜々(ここでナナが17歳だと証明できなければ、ナナの駿ちゃんはむくつけき男たちにあんなことやこんなことをされてしまいます)

菜々(大丈夫……ナナは17歳です。17歳を●●年もやっているんです。そんじょそこらの17歳より17歳です)

菜々(ナナを信じてくれるファンのためにも……最初のファンである駿ちゃんのためにも……ナナはここで、真の17歳になる!!!)

菜々「ナナは――」

小鳥「言っておきますが菜々さん。虚偽の証言は――」





菜々「ナナは17歳です」ピカーッ





39 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:49:43.18 ID:3tMV5qMAO
小鳥「~~~~~っっっ」

まゆ「この光は……いったい」

武内P「……今安部さんは、17歳を演じているのではなく、自分を17歳だと思い込んでいます」

まゆ「そんなことができるはずが……っ」

武内P「それができるから、永遠の17歳。それができるから、シンデレラガールなのです!」

心「シンデレラガールのハードルたっけーなオイ☆」

菜々「ナナは……17歳なんです」ピカーッ

小鳥(精神が肉体を凌駕している……っ! 肉体年齢と知識は違っても、見た目と精神は完全に17歳!)ゴクリ

由里子(信仰が暴挙を生み――暴挙のみが――)


――奇跡を生む!!!


パチパチパチパチッ


菜々「……?」

瑞樹「おめでとう」

早苗「おめでとう」

心「おめでとう☆」

友紀「おめでとう」

笑美「おめでとさん」

菜々「……ありがとう」


――ファンに、ありがとう

――婚活に、さようなら

――そして、全てのプロデューサーたちに





――おめでとう





~おしまい~
40 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:50:20.20 ID:3tMV5qMAO
――

――――

――――――――



小鳥「……さて、茶番も終わったことですし、そろそろ判ケ を下しましょうか」

武内P「……え?」

小鳥「何ですかその反応は。まさかエヴァの流れでお茶を濁せると思っていたんですか? あ、はぁとちゃんは菜々さんを正気に戻しておいてください」

菜々「ナナは17歳……ナナは17歳」ピカーッ

心「ほおら菜々パイセン。パイセンの運転免許証だぞー☆ 生年月日と有効年月日を見ろー、ハートアターック☆」

菜々「昭和……令和? ナナは17歳……平成生まれのJK……昭和のはずが……ナナは、ナナは!?」ガタガタガタッ

心「あ、すんません。ちょっと廊下に出ときます。できれば判ケ は心神喪失気味のパイセンに、一生かけて償うとかでオナシャス☆」

菜々「しゅ、駿ちゃん……ナナは……ナナは」


ガチャ、バタン


小鳥「さて判決内容については、今の茶番の間に話し合いが終わっています。判決文をここに」

武内P(あのまま有耶無耶になってくれれば……もう、終わってしまった)

由里子(屈強な男の絶望顔……たまらん! 進撃の巨人が売れるわけだじぇ)

ありす「どうぞ、判決文です」

小鳥「はい」

小鳥「…………………………ん?」

武内P「ん?」

小鳥「これはいったいなんです? ばかばかしい。私はこの判決を受理できません」

武内P「あの……いったい何が起きているのですか?」

まゆ「日本の裁判員制度では、6名の裁判員と3名の裁判官が評議を行ったあとに評決を行い、全会一致とならない場合に限って多数決で決まります。ただし被告人に不利な判決を下すには、最低でも1名の裁判官が多数意見に賛成していることが必要になっています」

まゆ「それに加えて評議では法律のスペシャリストである裁判官3名に対して、素人の裁判員6名による話し合いとなるので、裁判官の影響力が極めて大きいものとなります」

まゆ「346裁判でも裁判官の影響力は極めて大きく、1名の裁判官と7名の裁判員による評議が行われますが、多数決になった場合は裁判員7名全員が一致した場合のみ裁判官とは違う判決を下せるのです」

武内P「つ、つまり! あの音無さんの反応は……っ!」

まゆ「はい。どうやら裁判員7名全員が――」

小鳥「……はぁ。では判ケ を言い渡します。誰がどう見てもガチホ なCPのプロデューサーさんですが、何故か7名の裁判員全員が――」

まゆ「――CPのプロデューサーさんをノンケだと認めてくれたんです」

由里子「なん……だと……?」
41 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:51:07.56 ID:3tMV5qMAO
武内P「良かった……本当に、本当に良かった」

まゆ「ふふ。良かったですねCPのプロデューサーさん。あ、裁判員席から7名が出てきました。お礼を言ったらどうでしょう?」

武内P「はい……っ」

武内P(これだけ不利な状況で、私がノンケであることを信じてくれるとは……いったい誰なんでしょ――」





凛「……」

美波「……」

アーニャ「……」

楓「……」

小梅「……」

文香「……」

加蓮「……」





武内P(……すごく……クールです)ゴクリ

凛「プロデューサー……」

武内P「は、はい!」

凛「美嘉とキス……したんだ」

武内P「あ、あれはその」

アーニャ「Муки и слезы - ведь это тоже жизнь」

武内P「アナスタシアさん……?」

アーニャ「苦しみと涙、それもまた人生なのだ。ドストエフスキーの言葉です。ナーシ……アーニャたちは今、とても悲しいです」

武内P「も、申し訳ありません」

加蓮「まあまあ二人とも、いいじゃない!」

武内P「北条さん……!」

加蓮「隙さえつけば、やっていいってことなんだから」

武内P「え……?」

凛「ふーん。まあそういうことなら」

アーニャ「ンー…ニチェボー」

文香「あの……兄さま」
42 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:51:53.05 ID:3tMV5qMAO
武内P「鷺沢さん。助けて――」

文香「今月の27日……私はもう、覚悟を決めていますからっ」

武内P「……え?」

文香「兄さまの……好きにしてください」

武内P「あの……鷺沢さん?」

美波「ふふっ、文香ちゃんが二十歳になったら飲む約束をしているんですね」

武内P「あ、はい」

美波「文香ちゃんとは約束してるんですね♪」

武内P「あの……新田さん」

美波「はい、どうしましたかプロデューサーさん?」

武内P「もし良ければ……新田さんが二十歳になりましたら、私と一緒に飲みませんか?」

美波「え!? 私もいいんですか!? 嬉しいなあ、楽しみです♪」

武内P「よ、喜んでもらえて何よりです」

美波「飲んだあとも、よろしくお願いします!」

武内P(……いったい何を?)

小梅「プロデューサーさん……」

武内P「白坂さん。私の無罪に投じてもらってありが――」

小梅「年齢を気にしたらダメだって……痛いほどわかってくれた?」

武内P「……え?」

小梅「私はいつでもいいから……我慢できなくなったら、いつでも来てね」

武内P「あの……あの……白坂さん?」

楓「ふふっ、困らせたらいけませんよ小梅ちゃん」

武内P「良かった……高垣さん、助かりました」

楓「当然のことです。中学生にチューはもちろんのこと、高校生に手を出したら更生が必要ですからね、フフ」

武内P「そ、そうですね」

楓「でも成人女性なら、何の必要もありませんから」

武内P「ええ、そうですね」

楓「そのうえ年齢差も、ちょうどいいぐらいですからね♪」

武内P「……あの、何の話ですか?」

楓「フフフ」

凛「フフッ」

アーニャ「フッ……」

加蓮「フフ―ン♪」

文香「……うふふ」

美波「アハハ」

小梅「エヘヘ……」

武内P(何故かはわかりませんが……空気が重くて冷たいです)


ガラガラ


武内P「……ん?」
43 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:52:47.93 ID:3tMV5qMAO
ありす「台車でも……この量はなかなか……たいへんですね」

武内P「橘さん、何を運んでいるのですか? 私も手伝いま――これはスタドリ? それも8ダースも?」

ありす「あ、運ぶのはここまでなので大丈夫です。はい、どうぞ」

武内P「え、どうも」

小鳥「えー、それでは何故かノンケという扱いになったCPのプロデューサーさんですが、ホ と思われてもしょうがないというか、ホ らしい行動があまりに多かったのが今回の騒動の原因であり、それを解消する必要があります」

武内P「解消……ですか。しかしどのようにすればいいのですか」

小鳥「あー、とりあえずこれから三日間は、自分に好意を寄せてくれた女性を拒まずに凸凹×してください」

武内P「……え?」

小鳥「CPのプロデューサーさんの××な××を×の××××へ××に×××で、さんざん××××させたあげく、ムリヤリ凸凹×してくださいと言っているんです」

武内P「」

小鳥「とりあえずこれだけスタドリがあれば大丈夫でしょう。以上、閉廷!」

武内P「ま、待ってくださ――」


ガシッ


武内P「え?」クルッ

凛「……」

美波「……」

アーニャ「……」

楓「……」

小梅「……」

文香「……」

加蓮「……」

武内P「あの……皆さん離してもらっていいですか」


ズル、ズルズル


武内P「あの……引きずるのは止めてください。どこへ私を連れて行くのですか?」


ズルズルズルッ


武内P「お願いですから答えください! 誰か、誰か助け――ッ」





「待ってくださいっ!!!」





武内P「その声は……っ!?」
44 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:53:27.08 ID:3tMV5qMAO
???「皆の気持ちはわかります。でも、どうか待ってください。そして――」





菜々「一番目はナナに譲ってくださいっ!!!」





武内P「…………………………え?」

菜々「ナナに残された時間は限られているんです……だから一番たくさん出る最初は、ナナに譲ってくださいっ」

武内P「あの……あの……あの……安部さん?」

楓「……みんな」チラッ

凛「まあ……うん」

アーニャ「……仕方がありませんね」

加蓮「私たちにはまだいくらでも時間があるけど……」

文香「長く使われていない体の機能は、不要だと体が判断してしまうことがあるそうです……」

美波「……うん、ここは譲ってあげないと」

小梅「菜々ちゃん……がんばって」

菜々「皆さん……っ、ありがとうございます!」

武内P(いったい何が起きているのですか? わからない……わからない、わからない、わからない)

武内P「……ッ!? 佐久間さん! 弁護を! どうか弁護をお願いします!」

まゆ「……」

武内P「佐久間さんお願いします!」

まゆ「申し訳ありません、CPのプロデューサーさん。まゆが弁護士の時間はもう終わったんです」

武内P「え……?」

まゆ「まゆは次に始まる裁判のため――」

まゆ検察官「相思相愛の担当アイドルに手を出さないプロデューサーさんを糾弾する、検察官なんです」

由里子弁護士「ちなみに今度の弁護士はアタシだじぇ!」

武内P「……もしかして、次の裁判は」


ガチャ


まゆP「こ、ここはいったい……武内!? オマエどうしたんだ!?」

武内P「まゆP!? 助け――いや、逃げてください!」
45 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:54:14.17 ID:3tMV5qMAO
まゆP「え? え? とりあえず君たち、武内を離して! 楓さんまで何やって――え、何?」

黒服’s『……』

まゆP「ちょっとどいて。武内を助けないと……おいやめろ、離せ。まずいんだって……離せってオイ!」

黒服’s『……』ガシッ

まゆP「た、武内いいいいいいいぃぃぃっ!!!」

武内P「ま、まゆPいいいいいいいぃぃぃっ!!!」


ズルズルズル、ガチャ、バタン


ありす「ごゆるりと……」

まゆP「何だ……何が起きているんだ……ま、まさかここは……あの346裁判!?」

由里子「安心するんだじぇまゆP。ユリユリがまゆPの無罪を証明して、まゆPの無罪をもって武内Pを救ってみせるじぇ!」

まゆP「頼りになんねぇ……っ! そもそも俺はいったい何で訴えられてるんだ?」

まゆ「フフ」

まゆP「ま、まゆ? まゆは俺の……味方だよな?」

まゆ「はい」

まゆP「だ、だったら俺をここから出して、武内を助けるのを手伝ってくれよ、頼む!」

まゆ「……ごめんなさい、プロデューサーさん。まゆはプロデューサーさんの“本心”の味方なんです」

まゆP「え……?」

まゆ「まゆのことが好きだ、大好きだ。自分だけのものにしたい。結婚して、二人で幸せな家庭を築きたい」

まゆ「その本心をプロデューサーさんが受け入れられるように、まゆはここに検察官として立っています」

まゆP「な、何をふざけたことを……」

由里子「そうだじぇ! まゆPのまゆPは武内Pの武内Pをプロデュースするためにあるんだじぇ! まゆちゃんのためじゃない!」

まゆP「オマエは黙ってろ」

まゆP「茶番はもういい! さっさと武内を――」





アッ―――――!!!





まゆP「たけ……うち?」

まゆP(分厚いドアすら貫いてきた悲鳴とも嬌声ともつかぬ男の声が、法廷に響き渡る。その声が何を意味するか、理性が否定しても直感が理解していまう)

まゆP(武内は、もう――)

まゆP「たけうちいいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃっっっ!!!」

まゆ「さあ、裁判を始めましょう♪」





~おしまい~
46 : ◆SbXzuGhlwpak 2020/10/11(日) 10:55:03.08 ID:3tMV5qMAO
お・ま・け



――某病院


梨沙P「……」ギィ、ギィ

梨沙「今日は良い天気ねー。こんな良にい天気なら本当はパパとデートをするのに、ここに来てあげたんだから感謝なさい」

梨沙P「……」ギィ、ギィ

梨沙「車椅子って最初は大変たけど、慣れたら押すのが楽しくなってきたわ♪」

梨沙P「……」ギィ、ギィ

梨沙「でもいつまでもアタシに押してもらえるって甘えるんじゃないわよ! そんな沈んだ顔じゃ、治るものも治らないんだから」

梨沙P「……」ギィ、ギィ

梨沙「アタシも、その……車椅子を押すのは悪くないけど、アンタと一緒に歩けた方が……楽しいから」

莉沙P「お…り……よぉ」 

梨沙「……え?」

梨沙P「お尻……痛いよぉ」

梨沙「……プロデューサー」グスッ

梨沙「うん……お尻痛いよね? ごめん……ごめんね……守ってあげられなくて」

梨沙「今度はちゃんと守るから……アタシがこれからずっと、アンタの隣にいるから……守ってあげるから……」

梨沙「ごめんなさい……プロデューサー……う、うう――」





梨沙P「お尻痛いよぉ」





~おしまい~