前回 キャンディアイランドのいかにも毒にも薬にもならないおしゃべり

1: 名無しさん@おーぷん 20/10/13(火)04:05:17 ID:B9J

・「アイドルマスター シンデレラガールズ」のSSです
・概ねアニメ寄りの世界線ですが、その他のコンテンツの要素や独自の解釈を含むことがあります


-----事務所-----

ガチャ
杏「おつかれー」

智絵里「お疲れ様ですっ」

かな子「ふぅ……少しの間、一休みだね」

引用元: キャンディアイランドのずっと毒にも薬にもならないおしゃべり 



2: 名無しさん@おーぷん 20/10/13(火)04:06:28 ID:B9J
杏「はー、いやぁ、働いた働いた。もう今日はばっちり仕事したから、杏は今から充電モードに入りまーす」グデー

かな子「は、早いよ杏ちゃん……! まだ、プロデューサーさんと打合せをしただけなのに……」

智絵里「えっと、この後は三人で雑誌のインタビューがあるけど……」

杏「えー? ……大丈夫! 杏が付いてなくても、二人なら絶対できる! 自信を持つのだー!」

智絵里「そ、そういうことじゃなくって……!」

かな子「もう、キャンディアイランドで活動のことを書いてもらうんだから、三人一緒じゃないとダメなんだよ」

杏「なら、杏の代わりにプロデューサーに頼めばいいよ。ほら、アイドルとプロデューサーって、一蓮托生じゃん? 入れ替わってもたいして変わらないって」

かな子「け、結構変わると思うけど……」

智絵里「……それだと、プロデューサーさんが『働いたら負け』のシャツを着るのかな……?」

杏「智絵里ちゃん待って想像しちゃう」

3: 名無しさん@おーぷん 20/10/13(火)04:07:42 ID:B9J
かな子「でも、プロデューサーさんっていつもたくさんお仕事してて、忙しそうだから……そんなプロデューサーさんがあれを着ても、説得力が無いんじゃないかな……?」

智絵里「確かに、そうかも……」

杏「うーん……じゃあいつか、『働きすぎ注意』みたいなシャツを用意して、プロデューサーにプレゼントしよっか」

智絵里「ふふっ。それなら、プロデューサーさんも喜んでくれる…………かな……?」

かな子「た、たぶん……?」

杏「っていうかさぁ、働きすぎっていうなら、杏たちだってそうだよ。今日の打合せも、次の仕事の話だったしさ」

かな子「新しくリニューアルした駅地下のグルメ通りの紹介ロケ、かぁ……♪ ふふっ、今から楽しみだよ~!」

智絵里「杏ちゃんがいないのは少し寂しいけど、かな子ちゃんと二人で、しっかり頑張ってくるねっ」

杏「うんうん。かな子ちゃんが美味しいスイーツに気を取られて、リポートが疎かにならないように、ちゃんと見ててあげてね」

智絵里「は、はいっ」

かな子「ちょ、ちょっと待ってよぉ! いくら私でも、お仕事はきちんとやるから大丈夫だよっ」

4: 名無しさん@おーぷん 20/10/13(火)04:17:07 ID:B9J
杏「あ、あとお土産の方もよろしく」

かな子「あっ、それなら任せて! いくつか、美味しそうなお店ピックアップしてあるから!」フンス

智絵里「も、もうですか……! さすがかな子ちゃん、仕事熱心だね……!」

かな子「えへへ~♪」

杏「仕事っていうか、かな子ちゃんの実益も兼ねてるような……」

かな子「杏ちゃんのほうも、きらりちゃんとのお仕事、頑張ってねっ」

智絵里「杏ちゃん達も、お外でロケなんですよね」

杏「らしいねー。とときら学園の、『あんきらンキング出張編』だってさ。街でインタビューするんだって」

智絵里「インタビュー……知らない人に声をかけるのって、緊張するよね……」

かな子「そうだよね……初めてインタビューのお仕事をしたときは、二人とも震えちゃってたもん」

5: 名無しさん@おーぷん 20/10/13(火)04:22:48 ID:B9J
杏「でも、智絵里ちゃんはアレでしょ? カエルのおまじないで……あ、今はやってないんだっけ」

智絵里「うん。プロデューサーさんに言われて……ちゃんと相手の人の顔を見てお仕事できるようにならなきゃって思ったから……」

かな子「ファンの人たちだって、私たちのことを見て笑顔になってくれてるんだから、それを私たちが見逃しちゃうのはもったいないもんねっ」

智絵里「はいっ!」

杏「うんうん。二人も成長したねぇ……杏も鼻が高いよ」

智絵里「あっ、でも、やっぱり緊張はどうしてもしちゃうので、そういう時は幸せのクローバーを手に描いて、飲み込んでみたり……」

かな子「私も、お仕事前に甘い物を食べて、リラックスしたりしてるよ~」

杏「……かな子ちゃんのは緊張とか関係なくない?」

かな子「そう?」キョトン

6: 名無しさん@おーぷん 20/10/13(火)04:23:50 ID:B9J
智絵里「かな子ちゃんにとっては、お菓子やスイーツが幸せの源、だよね」

かな子「うんっ♪」

杏「まぁ、杏も人のことは言えないかぁ。きらりやプロデューサーに飴貰ったりしてるし……」

かな子「でも飴って舐め溶かすのに時間がかかるから、お仕事の直前には食べられないよね」

智絵里「ですね……あ、だったら、私みたいに、手のひらに飴を描いて……」

杏「食べるフリだけじゃ腹は膨れないんだよ、智絵里ちゃん」

智絵里「そ、それはそうだけど……」

かな子「…………」

杏「……? かな子ちゃん、急に黙ってどうかしたの?」

かな子「えっ、あ、うん。なんでもないよ」

かな子「……ただ、いくら食べてもお腹が膨れないお菓子があったらいいなぁ、って……」トオイメ

杏「カロリーは裏切らないからねー」

7: 名無しさん@おーぷん 20/10/13(火)04:29:48 ID:B9J
智絵里「かな子ちゃん……だ、大丈夫だよ。そのぶん、うんとレッスンすれば……」

かな子「そ、そうだよね……! 働かざる者、食うべからずって言うもんねっ」

智絵里「それは……少し意味合いが違うような……?」

杏「あー、そのことわざ、杏の辞書には載ってないから」

かな子「そうなの?」

杏「載ってるのは、『棚からぼた餅』とか、『海老で鯛を釣る』とか、『濡れ手で粟』とかだから」

かな子「楽してお金儲けしてるっぽいものばっかりだね」クスッ

智絵里「『働いたら負け』は?」

杏「あれはことわざじゃなくて、家訓だから……」

かな子「ぼた餅の話をしてたら、なんだか和菓子が食べたくなってきたなぁ……♪ 最近は洋菓子がメインだったし、久しぶりに作ってみようかな?」

杏「いや、別にぼた餅の話はしてないんだけど」

智絵里「海鮮には目もくれなかったね……。でも、かな子ちゃんの作る和菓子、楽しみですっ」

杏「それはまぁ、右に同じ、だけど」

かな子「ふふっ♪ 期待しててねっ」

8: 名無しさん@おーぷん 20/10/13(火)04:30:58 ID:B9J
杏「和菓子といえば、こないだ食べた……なんだっけ、あのお饅頭みたいなやつ。あれも美味しかったよね」

智絵里「あっ、うん。えっと、先週の日曜日のことだよね? 周子さんに貰った……」

かな子「えっ! ねぇねぇ、それって、何の話っ?」

智絵里「周子さんの実家から、和菓子が送られてきたみたいで、女子寮のみんなにお裾分けしてくれたの」

かな子「えぇーっ、いいなぁ! 私も、呼んでくれればよかったのに~!」

智絵里「ご、ごめんなさい……! でも、その日かな子ちゃんはオフだったし、そのためにわざわざ女子寮まで来てもらうのも、迷惑かなぁって……」

かな子「あれ、でも杏ちゃんも食べたんだよね?」

智絵里「杏ちゃんは、たまたま寮に遊びに来てて」

杏「あー、ちょっと蘭子ちゃんに渡すものがあってさ。前に読みたがってた漫画、ちょうどうちにあったから」

9: 名無しさん@おーぷん 20/10/13(火)04:32:15 ID:B9J
かな子「そっかぁ……。なんだかそういうお話を聞くと、女子寮での生活も楽しそうって思っちゃうなぁ」

智絵里「ふふっ。いつでも身近にアイドルのみんながいるから、寂しくないし、なにか困りごとがあったら、みんな相談に乗ってくれるしね」

かな子「なるほど……それって素敵だね。お仕事ではライバルでも、それ以外では、お互いに助け合える仲間だもんねっ」

智絵里「はいっ!……そうだっ、よかったらかな子ちゃんも、今度女子寮に遊びに来ませんか? もし都合がつくなら、お泊りとかでも……!」

かな子「いいの? ぜひお願いするよ~! お土産に、いっぱいお菓子作って持っていくからねっ♪」

杏「宅配業者みたいだ……」

智絵里「でも、みんな喜ぶと思うよっ」

かな子「それじゃあ、お仕事のないお休みの日に、三人でお泊り会、だねっ」

杏「あれ、杏も? 別にいいけど……お土産は期待しないでよ?」

かな子「じゃあ、私が杏ちゃんの分も腕によりをかけて作っていくから!」フンス

智絵里「あはは……なんだかすごい量になりそう」

杏「お手柔らかにね、かな子ちゃん……」

10: 名無しさん@おーぷん 20/10/13(火)04:33:19 ID:B9J
智絵里「あ、でも……三人だと、泊まるにはちょっと手狭かもしれないけど……大丈夫?」

杏「んー、杏のサイズなら実質0.5人分くらいだし、大丈夫じゃない?」

かな子「……それだと私、杏ちゃんの、いってん……ん人分くらいあるかも……ご、ごめんね……?」シュン

智絵里「そ、それは気にしすぎだよ、かな子ちゃん……!」アセアセ

杏「それにもし布団敷くスペースが無いなら、うさぎソファさえ持ち込めば杏は快眠できるから、気にしないで」

智絵里「杏ちゃん、あんなに大きいソファ、持ち運ぶの……?」

杏「む。それもそうか……きらりも呼んで運んでもらおうか……?」

かな子「それだと四人になって、もっと狭くなるような……」

杏「いっそのこと、杏の部屋提供してもいいけど。たぶん寮よりは広いし」

かな子「ほんと?」

智絵里「……あれ? そもそも、かな子ちゃんが女子寮に来てみたいっていう話だったんじゃ……」

かな子「あ。えへへ……うっかり忘れちゃうところだったよ~」

11: 名無しさん@おーぷん 20/10/13(火)04:36:07 ID:B9J
杏「まぁ、杏はみんなでだらだら過ごせれば、どっちでもいいよー。……ふふふ。これを機に、二人にも怠け癖を植え付けてやる……」ニヤリ

智絵里「そ、それは困るかも……」

杏「いやー、分かってないなぁ。こういうギャップを身に付けるのも、この群雄割拠のアイドル界を生き抜くためには必要なんだよ」

かな子「ギャップ?」

杏「そうそう。普段頑張り屋さんな二人が、たまにこう、気の抜けたところを見せると、その意外性にファンもキュンとしちゃうってなもんよ」

智絵里「な、なるほど……」コクコク

かな子「そう言われると、そういうのもあるのかなって思うけど……」

杏「でしょ?」ドヤァ

智絵里「じゃあ反対に、杏ちゃんがギャップを見せるためには、元気いっぱい真面目にお仕事をするのかな?」

杏「……え?」

12: 名無しさん@おーぷん 20/10/13(火)04:36:47 ID:B9J
かな子「あっ、それいい! 杏ちゃんのファンも、きっとびっくりしちゃうよ! 私も見てみたいしっ♪」

杏「ごめん、この話は無かったことにしよう」

かな子「えー? ちょっとだけでいいから、試しに一回やってみようよ~。ギャップ重視のキャンディアイランド!」

智絵里「いろいろ挑戦してみるのも、新しい発見に繋がるかも、ですっ」グッ

杏「えぇ……? なんで二人ともそんなに乗り気なのさ……」

かな子「アイドル界を生き抜くためだもん。ねー、智絵里ちゃんっ」

智絵里「はいっ♪」

杏「くそぅ、変なこと言うんじゃなかった……一回だけだからね?」

かな子「やったぁ!」

杏「はい、じゃあやるよ。せーのっ」

13: 名無しさん@おーぷん 20/10/13(火)04:37:38 ID:B9J



ガチャ
卯月「お疲れ様ですっ!」



杏「双葉杏でーすっ☆ 今日も元気にはっぴはぴで、いっくよーっ!!」キャルンッ

かな子「三村かな子でーす」グデー

智絵里「緒方智絵里です……」クテン



卯月「…………!!?」

卯月「……」ホッペギュー

卯月「…………夢じゃないです! あわわ、三人ともどうしちゃったんですかー!?」



おわり