1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 09:13:04.93 ID:QCgJzuNqO
魔王「姫をさらってきました」

姫「う……ん?」

魔王「起きたか」

姫「おはようございます」

魔王「えっ。あ、おはよう」

姫「ここはどこですか?」

魔王「ふふん、驚くなよ。ここは魔王城だ」

姫「ふーん」

魔王「!?」

引用元: 魔王「劇的ビフォーアフター!」 



2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 09:13:51.06 ID:QCgJzuNqO
魔王「なぜ驚かない」

姫「あなたが驚くなといったのですが」

魔王「……他に質問は?」

姫「特にないです」

魔王「俺様が誰だか気にならないのか?」

姫「興味がございません」

魔王「……」

3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 09:15:25.16 ID:QCgJzuNqO
魔王「俺様は魔王だ!」

姫「別に聞いてません」

魔王「言わないと話が進まないじゃないか」

姫「口がくさいのでしゃべらないでください」

魔王「」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 09:16:05.62 ID:QCgJzuNqO
魔王「歯みがきしてきた!」

姫「そうですか」

魔王「ガムも噛んできた!」

姫「そうですか」

魔王「しゃべってもいいかな?」

姫「仕方がないですね」

中ボス「涙出てきた」

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 09:16:54.95 ID:QCgJzuNqO
魔王「そういえば俺様本当に魔王なんだけど怖くないのか?」

姫「怖いという感情よりも、うざいの方が勝っているので」

魔王「うわあ」

姫「黒いマントに大きなツノ、大きなコウモリのような羽という、スタンダードすぎてもはや時代錯誤な格好で恥ずかしげもなく闊歩しているあなたの脳の仕組みは怖いといえば怖いです」

魔王「聞こえない聞こえない」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 09:19:26.19 ID:QCgJzuNqO
魔王「このマント夜なべして作ったのに」

中ボス「私がね」

魔王「苦労してさらってきた姫がこんなに毒舌だなんて……」

中ボス「さらってきたのも私ですがね」

姫「同情します」

中ボス「また目から汁が出てきた」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 09:21:06.81 ID:QCgJzuNqO
姫「城に敷いてある古ぼけた赤いじゅうたんも趣味が悪いです」

魔王「魔王城といえば赤いじゅうたんじゃないか……」

姫「そんな風に固定観念にとらわれすぎているからダメなのです」

魔王「じゃあどうすればいいんだ……」

姫「私が直々に指導してさしあげます」

魔王「本当に!?」

中ボス「頭痛くなってきた」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 09:22:20.38 ID:QCgJzuNqO
姫「まず、じめじめしたところでは魔物の士気が上がりません。窓を開けて換気をしましょう」

魔王「あ」

姫「なんです?」

魔王「魔王城といえば雷雨だ!と思って、外の天気悪くしてあるんだが」

姫「ただちに晴れにしなさい」

魔王「雨雲集めるの苦労したのに……」

中ボス「集めたのも私たちですがね」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 09:23:28.81 ID:QCgJzuNqO
魔王「疲れた……眩しい……」

姫「次は城内の掃除です」

魔王「えっ」

姫「こんなにホコリっぽい場所にいて、部下たちがアレルギーになったらどうするのですか?」

中ボス「労災おりないしなあ」

魔王「う」

姫「私も手伝いますから」

魔王「すみません」

中ボス(情けない)

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 09:24:24.58 ID:QCgJzuNqO
王様「うう、私のかわいい娘……今頃泣いているんだろうなあ」

騎士(あの姫に限ってそれはないだろ)

大臣「王様、大変です!」

王様「どうした騒々しい」

大臣「町中の掃除道具が魔物に盗まれました!」

王様「はあ?」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 09:26:06.76 ID:QCgJzuNqO
中ボス「ぜえ、ぜえ……」

魔王「掃除オワタ!」

姫「まあこんなものでしょうか」

中ボス(結局こいつら何もしなかったじゃねぇか)

姫「次は、城内の悪趣味なインテリアを全て破棄しましょう」

魔王「えっ」

姫「何ですか入り口にある魔王像とか。誰得ですか」

中ボス(かなり美化されてるしな)

魔王「苦労して作ったのに」

中ボス「あれも私が作ったんですけどね」

姫「目障りなので叩き壊しましょう」

魔王「しくしく」

中ボス「うぜえ」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 09:27:16.96 ID:QCgJzuNqO
勇者「ここが魔王城か」

戦士「意外ときれいだな」

僧侶「所々に改装中って書いてありますけど何なのでしょうか」

中ボス「よう」

勇者「!?」

中ボス「来たばかりで悪いが、掃除の邪魔なんで帰ってもらうわ」

勇者「掃除だと?まさか……人類を掃除するとでもいうのか!」

中ボス「えっ」

勇者「貴様、許さない!!」

中ボス「いや、ちょ、待っ……話せばわかるって!」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 09:28:30.18 ID:QCgJzuNqO
中ボス「ひどい目に合った」

魔王「遅かったな」

姫「この前旅に出たばかりのぽっと出の小僧に何を手間取っているのですか、情けない」

中ボス「いやいやいや!だってあいつら聞く耳持たないし四人がかりだし何なのもう!」

姫「ちっ……無能め」

魔王「ごめん、フォローできない」

中ボス「泣いた」

姫「死ねばいいのに」

中ボス「」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 09:29:49.06 ID:QCgJzuNqO
魔王「さて次は……あれ?」

中ボス「どうしました?」

魔王「ここに置いていたドラクエと勇なまとダイの大冒険とその他諸々の魔王の資料がない」

姫「あれなら捨てました」

魔王「」

姫「あんないかにもなものを資料にしていては、教育に悪影きょ……!?」

魔王「うわああああああああああああああああああ」

中ボス「ちょww」

魔王「うわああああああああああああああああああ」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 09:32:26.52 ID:QCgJzuNqO
魔王「なんだ、ゴミ袋に入れただけで捨ててなかったのか。早く言え」

中ボス「ゴミの日がまだでよかった」

姫「もう少しで城に火をつけられるところでした」

魔王「まったく困ったやつだ」

中ボス(死ね。氏ねじゃなくて死ね)

姫「あ、でも棚に飾っていたフィギュアは捨てましたけど」

魔王「長門おおおおおおおおおお!!!!!!」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 09:34:46.38 ID:QCgJzuNqO
姫「次は観葉植物を置きましょう。淀んだ空気がきれいになります」

魔王「え、それなら置いてあるけど」

姫「あれは観葉植物ではなくて食虫植物のモンスターですし、置いてあるのではなく徘徊です」

中ボス「観葉植物なんて置いても、草食のモンスターに食べられるのでは?」

姫「では夾竹桃、トリカブト、鈴蘭、彼岸花でも植えますか」

魔王「お前は俺様の部下を殺す気か」

姫「いえ、部下ではなく……あっ」

魔王「全力で阻止する」

中ボス(全力で協力する)

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 09:36:28.92 ID:QCgJzuNqO
姫「働きすぎたのでお腹が空きました」

魔王「食堂にバイキングが用意してあるからご自由にどうぞ」

中ボス(てか口だけで何もしてねえだろ姫)

姫「わかりました」

バタン

魔王「……そういえばあいつ捕虜じゃなかったっけ?」

中ボス「今頃思い出したんですか」

魔王「どうしてこんなことに……」

中ボス「まったくです」

中ボス(あんたがふがいないせいだけどな)

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 09:39:03.68 ID:QCgJzuNqO
魔王「姫ってもっとおとなしいイメージだったのに」

中ボス「私もです」

魔王「黒髪ストレートで華奢で色白でさ、最初は怖がっていたのにだんだん優しい魔王にいつしか恋心を……二人の間に芽生える禁断の愛!みたいな!」

中ボス「●●きめえ」

魔王「どど、●●ちゃうわ」

バターン

姫「ちょっと!!!!!」

中ボス「はひ!?」

魔王「はい死んだ、俺様死んだ」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 09:41:51.82 ID:QCgJzuNqO
姫「ああああああれが!黒いカサカサしたあいつが!!!!!」

中ボス「ああ。食堂にはよく出ますね」

魔王(なんだ、聞かれていたわけではないのか)

姫「早くホウ酸団子を買い占めて来てください!!」

中ボス「がってん承知のすけ」

魔王「意外と女の子っぽい一面もあるのだな」

姫「意外とは余計ですゴキブリ野郎」

魔王「すみませんでした」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 09:44:32.97 ID:QCgJzuNqO
魔王「わーい、密林から資料が届いたぞ」

姫「またくだらないものを」

魔王「今回は、女とうまく接するための資料だ。姫には振り回されてばかりだからな」

中ボス「まさかときメモとか言うんじゃないですよね」

姫「あら?これ、箱が既に開けられてますけど」

中ボス「ラwブwプwラwスwwwww」

魔王「konozamaいい加減にしろよマジで……」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 09:47:41.12 ID:QCgJzuNqO
魔王「ずーん」

中ボス「落ちこんでますね」

姫「鬱陶しいです」

中ボス「誰かがなぐさめないと」

姫「その回りくどい言い方とあからさまな視線も鬱陶しいです」

中ボス「お願いします!」

姫「仕方がないですね」

姫「元気を出してください。あのようなゲームをやっていたからって引きませんから。本当はドン引きしましたが」

魔王「違う……」

姫「はい?」

魔王「寧々姉が名前呼んでくれなかった」

姫(駄目だこいつ、早くなんとかしないと)

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 09:50:34.66 ID:QCgJzuNqO
姫「ラブなんとかばかりしていては城の改造が先へ進まないので、しばらくの間隠させていただきました」

魔王「ひどすぎる」

中ボス「まあ捨てられなかっただけマシでしょう」

姫「あと先ほどシマシマの配達員さんがお届けものを持って来たので、
勝手に財布を拝借して代引きしておきました」

魔王「ちょ」

姫「それもしばらく隠させていただきます」

魔王「返せ俺様のヴァリホ!!!!!!」

中ボス「ドリクラ乙wwwwwwww」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 09:53:04.20 ID:QCgJzuNqO
姫「ゲームをやりたければ城の改造を進めましょう」

魔王「次は?次はどうすればいい!?」

中ボス「うわマジきめえこいつ」

姫「破棄したダサいインテリアの代わりに、幸せになれる壺や掛け軸を飾ります。
今なら私が安く仕入れてさしあげましょう」

魔王「調子に乗るなよ」

姫「ちっ」

中ボス「何者なんだよあんた……」

姫「姫です」

魔王「そのうちラッセンの絵とか買わされそうだな。気を付けないと」

姫「ちっ」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 09:55:52.17 ID:QCgJzuNqO
魔王「じゅうたんも替えた、カーテンも明るい色にした、これで我が城は完璧だな!」

中ボス「めちゃめちゃ住みやすくなった」

魔王「さあ早くラブプラスを!俺様にドリクラを!」

姫「まだです」

魔王「なんですと」

姫「魔王本人の改造が済んでいません」

魔王「えっ」

姫「そんなしまむらで買ったような服と手縫いのマントで勇者を迎えるつもりで?」

魔王「すみません」

中ボス「しまむらナメんな」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 09:58:19.14 ID:QCgJzuNqO
 
姫「まずその長い髪を切りましょう。不潔です」

魔王「ええーっ!?何年かけて伸ばしたと思ってるの!?」

姫「問答無用」

魔王「いやこれは!デスピサロに憧れてですね!!」

姫「一生ゲームができなくてもいいと?」

魔王「今すぐ切ります切りましょう」

中ボス「就職先間違えたかなあ」

姫「今は坊主が流行っているそうです」

魔王「それはさすがに勘弁してください」

中ボス「魔王様だったらEXILEじゃなくて野球少年になりそうだ」

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 10:01:36.25 ID:QCgJzuNqO
姫「あとはきれいなスーツと、センスのいいネクタイと」

中ボス「まるで幼なじみに変身させられている喪男のようだ」

魔王「オラなんだかワクワクしてきたぞ」

中ボス「やることないみたいなんで見回り行ってきます」

魔王「いってらっしゃい」

姫「よくできた部下です。うちの城へ来れば給料を上げるのに」

魔王「やめて。あいついないと俺様何もできないから」

姫「彼に比べて上司はクソですね」

魔王「なんも言えねえ」

姫「すみません、クソに失礼でした」

魔王「……目から鼻水が」

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 10:04:42.20 ID:QCgJzuNqO
 

姫「巷では部分ボウズなるものがあるそうです」

魔王「何それ?」

中ボス「ggrks」

魔王「すみません、ググっても出てこなかったんですけど……」

姫「某ボクサーみたいな髪じゃないでしょうか」

中ボス「ハンバーグか」

魔王「よくわからないけどハンバーグは好きだ」

姫「じゃあ今度やりましょうね」

魔王「わーい」

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 10:07:44.39 ID:QCgJzuNqO
雑魚A「はっ、中ボス様!」

中ボス「ご苦労さん」

雑魚B「お、お疲れさまです!」

中ボス「みんながんばってくれてるなあ……お?」

中ボス「ここの本棚、魔王になるための101の術がなくなってる」

中ボス「姫の仕業か。なんか漫画が入ってるし。ん?」

中ボス「『中ボス×魔王』…だと……」

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 10:09:34.28 ID:QCgJzuNqO
勇者「魔王城リベンジ!」

戦士「なんかまたえらい変わったな……」

僧侶「階段のある中央は吹き抜けになっていますし」

武闘家「ピカピカだね」

勇者「その辺に休憩所のように置いてあるイスも、ふかふかしていて気持ち良さそうだ」

戦士「快適すぎるな」

武闘家「魔王への道も矢印で誘導されてるし」

勇者「きっとこれは罠だ!みんな気を付けろよ!」

中ボス(そういえば……快適さを追求するあまり罠を全部外してしまった)

45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 10:11:47.55 ID:QCgJzuNqO
勇者「何故まったく罠がない。どうなっているんだ」

武闘家「あれ、僧侶は?」

勇者「はっ!もしや魔物に!?」

戦士「あそこにいるぞ」

僧侶「ぎくっ」

勇者「なんだ僧侶、期待させるなよ」

戦士(期待?)

僧侶「いや、興味深い文献があったもので」

武闘家「僧侶は勉強熱心だなあ」

僧侶「ハアハア」

中ボス(……)

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 10:16:03.06 ID:QCgJzuNqO
中ボス「ふはははは!」

勇者「なんだ!?」

中ボス「私は魔王様の一番のシモベ!」

中ボス(魔王様の変身は終わったはず……あとは舞台を整えるのみ!)

武闘家「おりゃあ!」

戦士「ふぬう!」

中ボス「え?先制攻撃!?ちょ、待っ……」

勇者「死ねえっ!!」

中ボス「いやあああああ魔王様あああああああああ」

僧侶「ハアハア」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 10:18:59.80 ID:QCgJzuNqO
勇者「魔王!観念しろ!」

魔王「ふふ、勇者よ……俺様のシモベを倒し、よくぞここまでたどり着いた」

勇者「ごちゃごちゃ言ってないで姿を現せ!」

魔王「え?いや、ここにいるけど」

勇者「え?どこ?」

僧侶「角と羽の生えた、アルマーニを着たイケメンしかいません」

魔王「イケメン?マジで?」

姫「ストーップ!!!!」

勇者「!?」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 10:22:07.86 ID:QCgJzuNqO
姫「何ですかさっきのは。私が教えたセリフまったく言えてないじゃないですか」

魔王「すみません、調子乗りました」

戦士「あれは、姫?」

勇者「ってことは、お前が魔王だったのか!」

僧侶「あのイケメンが!?」

魔王「その通り!俺様が魔王だ!!」

勇者「貴様あ!」

僧侶「ふぅ……」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 10:24:02.08 ID:QCgJzuNqO
勇者「姫、早くこちらへ!」

姫「嫌です」

勇者「えっ」

姫「城へ戻れば勉強だの縁談だのうるさいし、ここの方が住心地が良いです」

戦士「確かに快適だわ」

魔王「俺様ががんばったからな」

中ボス「がんばったの私ですがね」

魔王「生きてたのか……」

中ボス「えっへん」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 10:25:57.22 ID:QCgJzuNqO
魔王「ええい!とにかく勇者、俺様と戦え!」

勇者「戦えって言われても」

戦士「姫を助けなくていいなら必要ないよな」

魔王「えっ」

武闘家「魔王って他に悪さしたわけでもないし」

魔王「あっ」

中ボス「そういえば……」

姫「どういうことですか?」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 10:29:24.95 ID:QCgJzuNqO
魔王「とりあえず魔王になりたくて形から入ってみたんだが」

中ボス「想像力がミジンコ程度しかない魔王様は、
悪さらしい悪さが思いつきませんで」

勇者(さりげなくひどいこと言われてるな)

姫「手始めに私をさらったと?」

魔王「その後に悪事を重ねようとしたのだが、城の改造に手間取ってしまって」

中ボス「結局何もする暇がなかったんですよね」

姫「とんだ魔王ですね」

魔王「誰のせいだ……」

姫「何か?」

魔王「俺様が全て悪いです!」

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 10:33:17.41 ID:QCgJzuNqO
魔王「あっ!でも町中の掃除道具盗んだよね!?」

中ボス「それも私らですがね」

勇者「いやそれくらいで命までとるのはちょっと」

魔王「ですよねー」

勇者「もうなんかテンション下がったし帰るわ……」

魔王「面目ない」

姫「わざわざご足労いただいたのにお茶も出せませんで」

戦士「気にするな」

僧侶「いいもの見れましたし!」

中ボス「その本は置いてけよ」

僧侶「ちっ」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 10:35:42.73 ID:QCgJzuNqO
魔王「これから俺様はどうすれば……」

姫「そもそもどうして魔王になりたいと?」

中ボス「なんか有名になりたかったらしいですよ」

魔王「ジャニーズとジュノンは落ちたし……」

中ボス「目標が高すぎる件」

姫「なんだ、有名になりたいのならいい案がありますよ」

魔王「?」

姫「私に任せてください」

中ボス「あんたに任せた結果こうなったんですが」

姫「おだまり」

中ボス「すみませんでした」

魔王「不安だなあ」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 10:39:05.44 ID:QCgJzuNqO
数ヶ月後

勇者母「勇者、ご飯ここに置いとくわね」

勇者「うるせえババア死ね」

勇者「『魔王城行ってきたけど何か質問ある?』と……」

勇者「どうせまた『働けよおっさん』とか書かれるんだろうな」

勇者「仲間たちは元気にしてるだろうか」

勇者「戦士は腕の立つ男として有名になってるし、武闘家はアイドル的存在として格闘界で重宝されてるし」

勇者「役たたずだった僧侶も漫画家になってウハウハって聞いたし」

勇者「みんな遠い存在になっちまったな」

勇者「成功してるやつみんな死ねばいいのに」

勇者「おっ、そろそろテレビ見なきゃ」

勇者「ぽちっとな」

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/09/10(木) 10:41:48.80 ID:QCgJzuNqO
中ボス『はい!今日もはじまりました人気番組!』

中ボス『司会は毎度お馴染みのこの二人です』

姫『どうも』

魔王『こんにちは!』


中ボス『先日は最高視聴率90%を記録しましたね』

魔王『皆様のおかげですね』

中ボス『それではお二人とも、タイトルコールをどうぞ!』

姫『魔王大改造!』

魔王『劇的ビフォーアフター!』



おわり