1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 09:02:27.59 ID:DbgmHW3A0
月「父さんが痴漢…?」

それは、僕がキラ活動を始めてから

少し経った頃に起きた事件である

引用元: 夜神総一郎「それでも私はやってない」 


5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 09:08:14.62 ID:DbgmHW3A0
さゆ「お兄ちゃん、痴漢ってなに?」

月「…知らない」

さゆ「えー?お兄ちゃん頭良いんでしょ?さゆに教えてよー!」

月「うるさいっ!!」

さゆ「…!」

母「さっき、駅で駅員さんに取り押さえられたらしいわ」

月「ホントに…ホントに父さんは触ったの?」

母「あの人に限ってそんな事するような人じゃないって思ってたけど…うぅっ…」


9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 09:14:08.57 ID:DbgmHW3A0
痴漢…公共の場所で相手に羞恥心を抱 かせ、不安にさせる
   行為を行う者もしくは行為そのものをいう

月「パソコンにはこう書いてある」

さゆ「嘘!?お父さんが!?」

月「電車だから、女性の身体の一部を触ったってことになるかな」

母「…」

タッタッタ

月「あ!母さんどこに行くの!?」

さゆ「お母さん泣いてたよ…」

月「くっ、僕だって父さんが痴漢をしたなんて思いたくないさ!」


10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 09:17:16.52 ID:DbgmHW3A0
―駅―

月「ハァハァハァ…!!」

リューク「よう、月」

月「リューク!」

リューク「くくっ…まさかお前の親父がそんな●らな行為をするとはな…」

月「止めろ、リューク」

リューク「お前の親父堅そうな奴だから、裏ではそんな事してるとは思ってたぜ」

月「うるさいぞ」

リューク「ふっ、まぁ暇潰しにはなるかもな…」

ざわざわ

駅のホームでは人が混雑していた

月「いつもより人が多いな…」

女「この人が触ったのよ!!」

総一郎「ち、違う…!私は触っていない!」

月(いた……)

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 09:20:51.66 ID:DbgmHW3A0
ホームで女性と口論になっている父がいた

その隣には駅員さんも立っている

月(状況は最悪だな…)

リューク「早くもゲームオーバーか?」

女「他の方も見てましたよねぇ?」

総一郎「そ、そんな!!」

「そういえば、そんな気がする…」

「確かにこの男性がその女性の後に立ってたし」

総一郎「…くっ!!」

総一郎「たまたま、私が後ろにいただけだ!触ったりはしていない!」

女「私、怖くてなにも出来なかったんです…」

月(どうしよう…声をかけようかな…)


13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 09:26:06.48 ID:DbgmHW3A0
総一郎「それに、後ろにいたと言っても距離は5mぐらい離れてたはず!」

女「そんな言い訳するんですか…」

駅員「とりあえず…警察を呼びましょう」

総一郎「ちょ、ちょっと待ってくれ!!」

月(マズイ…!このままだと父さんが!)


14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 09:26:42.32 ID:DbgmHW3A0
リューク「事情聴衆みたいなもんだろ?別にいいんじゃねーの?」

月(痴漢の疑いをかけられて駅員と警察官に連れ込まれた時点でお終いなんだ…!)

月(だから、身分を明かして逃走するのがホントは良いんだ!)

駅員「さぁこちらへ」

グイッ

総一郎「アッ…!」

月「と、父さーーーんッ!」

総一郎「月!」

月「父さん!父さんはやってないんだよね!?」

総一郎「……」ニッコリ

なぜか、その時父は僕に向けて笑顔を見せた

その時見せた笑顔がとても印象的だった

月「と…父さん……」

総一郎「それでも私はやってない」


16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 09:32:00.27 ID:DbgmHW3A0
それから父は3年間近く戦った

そして、父の無罪はついに晴らされた

女「顔とかは覚えてなかったんですけど」

女「電車降りた時にこの人だって思ったんです」

女「ホントに触られたのは触られました…怖くて…怖くて何も…」

裁判官「5mも離れたし、有り得ん」

カンカンッ

父の痴漢冤罪の無罪が証明された

やっぱり、父さんは痴漢なんてしていなかったんだ

月「嬉しいはずなんだけど…」

月「それを代償に僕達の家庭は大きく崩壊してしまった」


18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 09:35:35.41 ID:DbgmHW3A0
月「…」

僕は高校を卒業してから大学には進学せず

フリーターとなった

言いたくはないが、父の痴漢冤罪の噂が学校に流れてしまったからである

月「…」

「夜神くんのお父さんが痴漢したらしいよ」

ひそひそ

「えー?マジで!?」

「夜神くんのお父さん変 じゃん…」

ひそひそ

「じゃあ、夜神くんにも気をつけた方がいいね…」

月「……くっ」


19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 09:38:57.61 ID:DbgmHW3A0
教師「じゃあ、2人1組でストレッチしろ」

「はい!」

月「…誰と組もうかな」

「お、おい…誰か月の相手しろよ」

「俺嫌だよ!痴漢の息子に触られるかもしれないだろ!」

月「……」

教師「おい、夜神…組む相手がいないのか?」

月「い…いえ…別に……」

教師「お前以外は全員組んでるんだぞ?」

月「…」

教師「そんなことじゃ、いくら頭が良くても将来やっていけんぞ」


20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 09:42:45.51 ID:DbgmHW3A0
耐え切れなくなった僕は

先生に頼みホームルームで父の無実を話すことにした

教壇の上に立ち、生徒を見下ろす

まるで…僕が被告人であるかのようであった

月「えー…皆さん知ってるかもしれませんが」

月「僕の父は痴漢をして疑われています」

「やっぱりかよ」

「そんな話、今更掘り返さなくても」

月「父は触っていません、無実です」

「相手の女性が触ったって言ってたんでしょ?」

月「それでも父は触っていません」


22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 09:50:29.02 ID:DbgmHW3A0
DQN「おい夜神~!」

月(DQN…コイツはよくクラスの奴等から恐喝をしているクズ)

月(その癖、授業には真面目に出席し先生には媚を売っている)

DQN「お前の親父も痴漢したときはそうやって無罪を主張してたんだろ?」

月「触ってないから…当たり前さ」

DQN「やっぱ、痴漢した奴は平気で嘘つけるんだなぁ」

月「なっんだと!?」

DQN「そうやって嘘ついてれば女性の身体触って許されると思ってんのかよ」

「やっぱり触ったんだ…」

「夜神くんも将来痴漢しそうだね」

月「…」イライラッ

DQN「ホントはお前も触ってんじゃねーの?」

月「僕はやってないっつってんだろ!!!!!!!」

僕は吠えた

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 09:55:01.60 ID:DbgmHW3A0
月「父さんは無実なんだ!!やってない!!」

月「それなのに、どうして僕まで避けられなくちゃいけないんだ!!!」

月「僕が痴漢?するわけねーだろ!!!!!」

月「父さんは…父さんは絶対にやってない!!!!!!!」

DQN「な…なにキレてんだよ…」

月「ハァハァハァハァ…」

クラスメイト全員が呆然としていた
滅多に吠えない僕が吠えたからね
先生ですら驚いているようだ

先生「…は、はい」

月「……もういいです」

ガラガラッ

先生「お、おい夜神!まだホームルーム終わってないぞ!!」

DQN「なに泣いてんだよww」

「アハハハハハ!!!」


24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 09:59:47.79 ID:DbgmHW3A0
その後、学校は休みがちになったが

なんとか卒業することは出来た

2年の頃から志望していた難関大学も今回の事件で諦めることにした

さゆも僕と同じく

学校で父のことでいじめられていたようだ

さゆ「…」

さゆ「上靴がない…」

男の子「やーい!お前の父さん変 !」

さゆ「男くん…」

男の子「俺の母さんが言ってたぞ!痴漢は犯罪だって!」

さゆ「お、お父さんはやってないよ!」

男の子「痴漢した奴は皆そういうんだよ!」


27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 10:05:30.40 ID:DbgmHW3A0
僕は学校に週に3~4回しか行かなかったが

さゆはいじめられながらも1度も休む事は無かった

兄として、少し尊敬した

その後、父の無罪が証明されたと同時に

さゆと母どこか田舎にへと引っ越した

母曰く「限界」のようだ

月「…今日は父さんが帰ってくるのか」

ピンポーン

月「父さんだ…!」ガタッ

チャイムの音が聞こえ

急いで玄関まで駆け出した


28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 10:09:23.96 ID:DbgmHW3A0
ガチャッ

月「父さん!!」

総一郎「ただいま、月」

総一郎「3年間迷惑をかけてすまなかったな」

月「なに言ってんだよ…無実を証明したんだよね?」

総一郎「ああ、それまで随分と時間がかかった」

月「とにかく中に入ってよ!僕が白ご飯だけ炊いておいたから!」

総一郎「そうか…すまんな」

スタスタ

父は職を失った

今後どうするかは僕もまだ分からない

そう思うと相手の女が憎くてたまらなかった

デスノートで何度も殺してやろうと思った


29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 10:13:57.74 ID:DbgmHW3A0
ー2年前ー

リューク「さっさと相手の女の名前書いちまえよ」

月「…くっぅ」

月「ダメだ…!これじゃダメなんだ!」

リューク「あん?」

月「自分の力でもっと相手を追い詰める…そうじゃなきゃ僕も犯罪者と同じだ…!」

リューク「チッ…新世界の神様が今更なにを言ってんだ」

月「その女にはいずれ僕が裁きを下す」

月「こっちは家族を失い、地位も名誉も失ったのに…!」

月「相手だけがのうのうと生きていい訳がない…!!!」

リューク「分かったよ、じゃあ人間の力ってのを見せてもらうぜ」

30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 10:17:14.86 ID:DbgmHW3A0
総一郎「久し振りの家で食べるご飯は美味いな」

月「はは、ホントは全員揃ってれば良かったんだけど」

総一郎「仕方ないさ…これだけ迷惑をかけてきたんだからな…」

月「…」

総一郎「それより、お前は母さん達と一緒に行かなくて良かったのか?」

月「僕は父さんとずっと一緒にいるさ」

月「それに、父さんに冤罪をふっかけた女にも仕返しを…」

総一郎「もういいんだ、月」

月「え?」

総一郎「これからは電車に乗らないようにする」

月(……父さん…が…電車を恐れている…)

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 10:21:44.32 ID:DbgmHW3A0
総一郎「痴漢という前には男は屈するしかないんだ」

月「そんな…」

総一郎「実際、女性専用車両が導入はされているが」

総一郎「痴漢は減らない一方だ」

総一郎「そのため、父さんのように痴漢冤罪をふっかけられる人もいる」

月「でも、父さんはハメられたんだよ!?」

総一郎「無実を証明できただけで満足だ…今は休みたい気分だ」

月(ダメだ…父さんは復讐所じゃないな…)

月「と、父さん僕ちょっと出かけてくるね」

総一郎「ああ、気をつけてな」


33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 10:28:02.50 ID:DbgmHW3A0
―電車―

ガタンガタンッ

「続いて~○○駅~」

月「…」

リューク「なんで電車乗ってんだよ」

月(これ以上、父さんのような人を増やさないためだよ)

女「今日の講義パスしよっかなぁ」

女友達「女サボりすぎだってww」

女「めんどくさいし」

女友達「そういえば、女って痴漢されてたことあるんだっけ?」

女「あー高校の時にね」

女「なんか知らないけど相手の無実証明されちゃって終わったんだけどね」

女友達「触られたのに?」

女「そうそう!マジ意味分かんないよねー夜神なんとかって奴!」

月「…」ピクッ

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 10:30:51.31 ID:DbgmHW3A0
女「まぁ、今となっては良い思い出だけどねwww」

女友達「うわwwひっどーいwww」

「○○駅~○○駅~」

女「あ、着いたよ」

女友達「急ごう!急ごう!」

タッタッタ

月「……」ぷるぷるっ

リューク「女って怖いな」

月「父さんや僕たちはどれだけ人生を狂わされたと思ってるんだ…」

月「それなのに、なんだあいつは…!?」

リューク「相手にとっちゃただの武勇伝に過ぎねぇんだろうな」


39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 10:37:13.40 ID:DbgmHW3A0
月「降りよう…」

プシューッ

リューク「ただ電車に乗っただけかよ…」

OL「きゃぁっ!この人に触られました!」

バッ!

シブタク「は、はぁ!?」

OL(最近、お金に困ってきたし地獄でも見てもらおうかな~)

シブタク「いや俺は…触ってません…」

月(また痴漢か…!くそっ、見逃した!)

リューク「くくっ、面白くなってきたな」

シブタク「俺携帯弄ってましたよ…」

OL「でも、右手は空いてるますよね…言い訳は止めてください」

シブタク(う…嘘だろ…痴漢なんかで捕まったら俺の面子丸潰れじゃねーか…)

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 10:41:35.44 ID:DbgmHW3A0
L「すいません」

OL「なんですか?早く駅員さんと警察呼んでくれませんか?」

L「いえ、そうではなく」

シブタク(終わった)

L「私ずっと見ていましたが、この男性は一切貴女に触れていませんでした」

月(な、なんだコイツ…?)

OL「な、なに言ってるんですか!?私は触られたんですよ!?」

L「一応…動画で様子を撮影していましたが」

OL「あ、会社に遅れちゃうわ」

タッタッタ

月「!!」

L「災難でしたね、貴方も」

シブタク「あ…ありがとうございます…!ホントにありがとうございます!」

L「いえ…あまり露出度の高い服装をしている女性には近づかないように気をつけてください」

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 10:45:12.51 ID:DbgmHW3A0
L「…」

その男は電車を降りた

僕は思わずその男の後を追った

タッタッタ

月「ま、待ってくれ…!」

L「なんでしょうか」

月「あ…貴方は一体何者なんですか?」

L「私はLです」

月「…!?」グラッ

「この私を殺してみろ」

「私が必ずお前を見つけ出し始末してみせる」

父さんの痴漢事件の前に僕とライバル関係になった人物の名前だ

まさか…まさかこんな形で出会うなんて…

月(コイツ…頭がおかしいのか……?)

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 10:47:59.82 ID:DbgmHW3A0
L「…そういえば、どこかで見た顔ですね」

月「エッ」

L「夜神さんの息子さんですか…今思い出しました」

月「と、父さんを知っているのか?」

L「ええ、キラ事件で一緒に捜査させて頂いていますから」

月(なるほど…Lという男と一緒に捜査していたのか)

L「最近はキラの素性が全く掴めず捜査は一時中断となっています」

月「へ、へぇ」

L「なので、こうして平日の昼間から痴漢冤罪を防止しているんです」

月「痴漢冤罪防止だと!?」


52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 10:51:48.16 ID:DbgmHW3A0
L「夜神さんのことは私も知っています」

月「…」

L「そういえば、お名前は?」

月「月です」

L「月くんですね。私の事は普段は竜崎と呼んでください。」

月「はい」

L「恐らく、月くんも今回の夜神さん痴漢事件で大変辛い思いをされたと思います」

月「その通りだ…」

月「地位も名誉も…家族も全部失った…」

月「クソッ!!!あのクソ女!!あいつの所為だ!!!」

L「確かに私も許せません」

L「痴漢が減らない一方で、全く無実の人間を陥れ様としているバカがいるのも事実です」


53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 10:56:02.08 ID:DbgmHW3A0
月「そういえば…さっき本当に動画なんて撮っていたのか?」

L「いいえ、あれは嘘です」

月「う、嘘!?」

L「本当に撮っていたら私は今頃、盗撮で捕まっていますよ」

月「…!!」

L「相手の女性があまり頭の回らない方で助かりました」

L「1度痴漢の冤罪を掛けられれば、圧倒的にこちらは不利です」

L「あのような空間内でやっていないと示す証拠を探すのも難しい」

月「男性専用車両を作ろう…!!」

L「トイレのように完全に分けるのもいいかもしれませんね」


55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 11:00:24.50 ID:DbgmHW3A0
月「そもそも、痴漢する奴なんているから痴漢冤罪をふっかけようとしてくる女が増えてるんだ!!」

L「ええ…悲しい現実です」

L「本当に痴漢をされて心的にダメージを受けた女性だっています」

L「本気でこのような事件を減らしたいのであれば」

L「夜神くんが仰った様に男女完全に分別するのもいいかもしれません」

月「後は監視カメラとか!なんだって対策出来るだろ!」

L「ええ、ですが手間や資金がかかる所から中々動いてくれないでしょうね」

月「クソッ!!!」

L「良ければ、私の本部にきますか?」

月「え?」

L「痴漢冤罪対策本部です」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 11:04:12.57 ID:DbgmHW3A0
かつて、キラ対策本部として使われていたが

今は期間限定で「痴漢冤罪対策本部」となっている

L「どうぞ」

月「あ…ああ」

L「ワタリ、月くんにお茶を」

ワタリ「はっ」

月「あの人は…?」

L「私の右腕的存在のワタリです」

月「ワタリさんか」

L「夜神さんにも新しい仕事先が見つかるまで私の下で働いてもらうことになりました」

月「い、いいのか…?」

L「ええ、今の私にはこれぐらいの事しか出来ませんから」

月「今の父さんの年齢じゃ再就職するも難しい…」

月「ましてや痴漢冤罪の事があるし」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 11:09:43.98 ID:DbgmHW3A0
L「夜神さんには簡単なビルの清掃掃除をしてもらいます」

L「時給は850円で能力次第で昇給もあります」

月「そうか…父さんの事よろしくお願いするよ」

L「ええ」

月「それより、なぜ急に痴漢冤罪対策なんて?」

L「夜神さんの事件でショックを受けたのが理由の1つです」

月「なるほど…」

L「夜神さんはかなりの時間拘束され無実を訴えてきました」

月「なんで、男だけがこんな目に遭うんだ!」

月「女だって男を痴漢するかもしれないだろ!?」

L「あまり聞いたことありませんね…」


62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 11:12:50.70 ID:DbgmHW3A0
L「昔は女性には選挙拳がありませんでした」

L「ですから、男女平等が訴えられ女性にも色々な権利が与えられました」

月「確かに男女平等は必要だと思う」

月「だけど、中には悪事を働いている女性だっているんだ」

L「双方のバランスが難しい所です」

月「そうだ…良い案を思いついた」

L「お聞きしましょう」

月「露出度の高い服を着ている女は全員電車は乗れなくしよう!」

L「…」

月「そうすれば、痴漢したい人だって痴漢をしようと思わなくなるさ!」

L「別に露出度の高い服じゃなくても触る人は触ると思いますが…」

月「クッ…」


64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 11:17:31.81 ID:DbgmHW3A0
月「だったら、女性は電車を使えないようにすれば…」

L「そうなるとまた別の事で問題になりますよ」

月「チッ!」

L「月くん、少し落ち着いてください」

月「僕は一刻も早く痴漢を減らしたいんだ!」

月「というか電車なんてなくなればいいじゃないか」

月「この世の中には自転車だってバスだって車だってあるし」

L「月くん、少し頭が悪いように思えます」

月「はははは…僕は高校の時は秀才とまで塾で言われていたんだぞ!」

月「その僕に向かって頭が悪いとはなんだ…!」


68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 11:24:41.27 ID:DbgmHW3A0
L「痴漢冤罪回避としては、身元を明らかにするぐらいしか手段がありません」

月「なぜ身元を?」

L「例え駅員に何を言われようが身元を明らかにしている人間は現行犯逮捕できません」

月「す、すごい!そんなテクがあったのか!」

L「ですが、あまりこの事は世間に知られていません」

月「もっと取り上げられるべきだ!」

L「それに何も痴漢冤罪は電車だけには限られませんよ」

L「ただ歩いているだけ…それでも痴漢冤罪を掛けられるような時代になりましたから」

月「それじゃあ、外を歩けないだろ…」

L「女性が痴漢と言えばそれだけで1人の男性の人生が狂ってしまうんですから」

月「ふざけるな!!僕は認めないぞ!!」


70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 11:32:58.57 ID:DbgmHW3A0
月「今思ったんだが、その身分を明らかにするのは本当に痴漢した奴も使ったりしないのか?」

L「難しい所ですね」

L「現行犯逮捕がどこの時点で、成立しているかが明確ではありませんから」

L「それに、おとりを使って痴漢をでっち上げたりする人もいますからね」

月「囮だと!?」

L「結局は訴えられてしまえば泣き寝入りですよ」

L「相手は許してあげるからと言って、お金を要求してきます」

月「小遣い欲しさにそんな卑劣な手を…!」

L「高校生の子でも平気でしますからね」

月「バイトなんて山ほどあるだろ!なんで痴漢冤罪なんかで金を得ようとするんだ!」





71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 11:39:42.23 ID:DbgmHW3A0
ピーピーッ

L「そろそろ時間ですね」

月「な、なんだ?なにかあるのか?」

L「この時間帯はどこの駅の電車も混みますからね」

L「先程の駅に行って電車に乗り痴漢している人間がいないかを監視するんです」

月「そこまでしているのか…」

L「監視カメラをつけてもらえないのであれば」

L「私達が証拠の目として動くしかありませんよ」

月「竜崎の様な人がもっと増えてくれ…!」



72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 11:45:33.02 ID:DbgmHW3A0
ガタン…ゴトン…

月「さすがに混んでるな…」

L[ええ、満員電車は嫌いです」

月(ふぅ…これだけ窮屈だと間違って女性の身体に触れてしまいそうだな)

月(そういえば前にいる女の人、妙にそわそわしてるな…)


73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 11:46:05.04 ID:DbgmHW3A0
女子大生「…」そわそわ

月「!!」

オッサン「……」さわさわ

月(僕の隣にいるオッサンが前にいる女子大生のお尻を触っている…!)

月(元はと言えばコイツみたいな痴漢者がいるから痴漢冤罪が増えてるんだ!)

月(裁いてやる!僕の手で!)

痴漢している男の手を掴もうとした瞬間

グイッ

月「え」

痴漢されていた女性に月の手が掴まれた

女子大生「この人痴漢です!!!」

月「!!!!!」


76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 11:50:17.44 ID:DbgmHW3A0
ざわざわ

電車内にざわめきが起きる

女子大生「さっきから、ずっと私のお尻…触ってましたよね?」

月「え…い、いや僕は触ってない!」

女子大生「嘘は止めてください!」

月(おいおい…コイツ頭おかしいのか…?)

月(無実だって言ってるのに…)

月「ち、違う!!僕の隣にいたオッサンが…!」

月(お…オッサンの姿がない…!)

女子大生「次の駅で降りてもらいますから…その時に駅員さんに突き出します」

月(やばい…親子揃って痴漢冤罪は…)

リューク「くくっ、面白くなってきたな」

月(黙れリューク…!)

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 11:56:06.51 ID:DbgmHW3A0
L「待ってください」

月「竜崎!」

女子大生「なんですか貴方…?」

L「その青年は痴漢はしていません」

女子大生「貴方もこの人とグルかなにかですか…?貴方も訴えますよ!」

L「真犯人はこの方です」

グイッ

オッサン「いてててっ…!」

月「こ、この人だ!この人が触っていたんだ!」

L「それは私も見ていました」

女子大生「…!」

L「彼女が痴漢、と叫んだ瞬間この男性はすぐさまこの車両から離れようとしました」

L「怪しいですよね?」

オッサン「ヒッ…ヒィィィィ!」


81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 11:59:17.00 ID:DbgmHW3A0
「俺もその人が触っているのを見たな…」

「そういえば、その男、妙に慌ててるものね」

月(なんだ…これは助かったのか…?)

L「もし嘘をつけば貴方にいずれ裁きは落ちますよ」

オッサン「わ、悪かった!俺が触ったんだ!!」

女子大生「…!」

月(自白した…!これで僕は無実だ!)

「○○駅~○○駅~」

L「降りて、この人を突き出しましょう」

女子大生「はい…」

オッサン「ヒッ…ヒッ…」

月(竜崎にまた助けられたな…)


83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 12:01:57.02 ID:DbgmHW3A0
駅員「では、この男性が痴漢を?」

L「ええ、その通りです」

女子大生「ごめんなさい…私の勘違いで…」

月「い、いやいいですよ」

女子大生「今度、良かったらお礼させてください!」

ピラッ

電話番号が書かれた紙を渡された

女子大生「それじゃあ、これからバイトなんで…失礼します」

L「月くん、良かったですね」

月「ああ…竜崎がいなかったら危うく親子痴漢冤罪になるところだったよ…」

L「その番号が書かれた紙、捨ててくださいね」

月「クッ……!」


84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 12:06:14.39 ID:DbgmHW3A0
L「しかし、今回のケースも珍しくはありませんね」

月「痴漢されているのを助けようとしたらあのザマだ」

L「痴漢されている女性を助けようとする男性もあまりいませんよね」

月「痴漢冤罪を掛けられるかもしれないしな…」

月「僕は今回たまたまミスを犯してしまっただけだが」

月「やっぱり、女性が痴漢をされていたら助けるべきだ!」

L「そうですね」

月「次の特急に乗ってまた監視を続けよう」

L「ええ、もちろんです」

こうして終電まで僕とLはずっと電車内を監視し続けたのであった


86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 12:11:22.97 ID:DbgmHW3A0
L「今日は結局、あの1件だけでしたね」

月「そう簡単には起きないって事か…!」

L「今日はこの辺にしましょう」

月「そういえば、腹が減ってきたな」

L「晩御飯の用意は?」

月「…しまった…忘れた…」

月「父さんがきっと腹を減らして待っているはずだ」

L「夜神さんの仕事もそろそろ終わる頃ですね」

L「良ければ近くのゴコスで食べませんか?」

月「で、でも…今の僕にはそんなお金…」

L「もちろん、私が出させて頂きますよ」

月「!!」


87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 12:15:14.02 ID:DbgmHW3A0
店員「いらっしゃいませ」

L「3名で」

店員「かしこまりました、こちらへどうぞ」

スタスタ

総一郎「いやぁ…ゴコスなんて久し振りだな」

月「そうだね」

総一郎「また家族揃って行きたいな…」

月(暗いよ父さん…どうしてすぐにネガティブな発言を…)

月「それより、父さん」

総一郎「なんだ?」

月「今日、竜崎と一緒に痴漢冤罪対策をしたんだ」

総一郎「そ…うか…」

L「第2の夜神さんを出さないようにしているのです」

総一郎「……月」

月「なに?」

88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 12:19:27.98 ID:DbgmHW3A0
総一郎「父さんと海外にでも引越ししないか?」

月「え…?」

L「…」

総一郎「正直、無罪になったとは言え世間の目も気になるんだ」

総一郎「どうせなら心機一転海外にでも行こうと思ってな」

月「な、なんで気になるんだよ」

月「父さんは無実だったんだ!それでいいでしょ?」

総一郎「そう言ってくれる息子で良かった」

月「……」

きっと、僕たち以上に父さんは周りから言われてきたんだろう

父さんの海外引越しの事については何も言うことが出来なかった


90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 12:22:59.18 ID:DbgmHW3A0
L「ふぅ…お腹いっぱいですね」

月「…」

L「どうしました?」

月「父さんの仇を討ちたい…」

L「…その気持ちは痛いほど分かります」

月「明日も…同じ電車に乗って監視を続けてみるよ…」

月「父さんをハメた女を見つけ出すまで…!」

L「分かりました、私は本部に戻りますね」

スタスタ

リューク「なぁ月~そろそろ裁きの方も続けてくれよな」

月「キラ活動はいずれする」

月「その前に痴漢を撲滅することが先だ」

僕は家に帰り真っ先にパソコンの電源をつけた


92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 12:28:05.46 ID:DbgmHW3A0
カタカタッ

リューク「なにしてんだよ?」

月「痴漢冤罪に対するHPを立ち上げるんだ」

カタカタッ

「痴漢をしている奴等に告ぐ」

リューク「なんだこれ?」

「痴漢をすれば、裁きの神キラ様のご友人に当たる神がお前達に裁きを下す」

カタッ

月「よし…これで少しは痴漢も減るだろう」

リューク「お前バカだろ」

月「なんだと?」

リューク「キラの友人だなんて誰が信じるんだよ」

リューク「ただでさえ偽のキラとか出てんのによ」

月「…やらないよりやった方が全然違うに決まってるさ」


93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 12:34:38.08 ID:DbgmHW3A0
月「おっ、掲示板に書き込みが」

リューク「はえーな」

カタカタッ

「私は痴漢冤罪を掛けられ職を失ったものです」

月「同じような人だな…」

リューク「なぁ、コイツ等集めて話し合いでもしたらどうだ?」

月「オフ会か!」

月「ふっ、たまには良い事を言うじゃないかリューク」

リューク「まぁな」

カタカタッ

月「よければ明日の昼に痴漢冤罪の被害に遭われた方同士集まりませんか…?」

月「詳しくは…」

痴漢冤罪被害者の会を明日開催することとなった

場所は近くの公園で行なう事にした


94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 12:38:44.33 ID:DbgmHW3A0
―次の日―

月「ここの公園なんだけど…」

スタスタ

松田「あの…」

模木「え」

伊出「!」

月「…は、はい?」

松田「もしかして被害者の会の?」

月「そうです」

伊出「おぉ、やっぱりそうか」

松田「いやぁ~顔知らなかったから声かけるの戸惑ったんですよ~」

模木「うん」

月「という事は皆さんが被害者の…?」

伊出「ええ…ある女の所為で俺の人生は滅茶苦茶に…」

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 12:42:23.00 ID:DbgmHW3A0
松田「そういえば、自己紹介まだでしたね」

伊出「伊出です」

模木「模木完造です」

松田「松田です」

月「夜神です」

松田「や、夜神!?」

伊出「まさか夜神さんの息子さん…?」

月「え…ええ…父をご存知なんですか?」

松田「キラ事件が怖くて捜査員は全員降りたからねぇ」

伊出「申し訳ないと思っているが、今の我々にはどうすることも出来なかった…」

月(コイツ等、父さんにだけキラ事件を任せてたのかよ…)

伊出「だが、結局は痴漢冤罪に掛かり人生は壊れてしまったよ」


98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 12:49:24.48 ID:DbgmHW3A0
月「良ければ、その話聞かせてもらえませんか?」

伊出「あれはキラ事件の捜査を降りてから1週間後の話だ」

……



カタンゴトン

いつも通り俺は電車に乗っていた

その日に限って駅内は混雑していて電車内もパンパンだった


99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 12:50:49.02 ID:DbgmHW3A0
伊出「クッ…人が多いな…」

カタンゴトン

伊出(それにしても、やけに前の女の子が身体を密着させてくるな…)

ミサ「…」

伊出(両手だけでも挙げておかないと痴漢と間違えられそうだな)


101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 12:51:27.69 ID:DbgmHW3A0
伊出は両手を挙げようとした瞬間

隣にいた大男に腕を掴まれた

大男「ミサ、大丈夫か?」

ミサ「……うん」

伊出「えっ!?」

大男「人の女の身体触っておきながらとぼけんじゃねぇぞ!!」

「やだ、痴漢だなんて」

「彼氏いるの女の身体触るなんてなぁ…」

伊出「お、俺はなにも触ってない!ちょっと身体が当たっただけだろ!?」

大男「両手が妙にもぞもぞしてだろ」

伊出(クッ…冤罪対策で上げようとしただけなのに…!)

ミサ「えーん、ミサすっごく怖かったぁ」

大男「次の駅でお前を突き出してやるからな」

102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 12:57:56.92 ID:DbgmHW3A0
そして、私は駅員に連れて行かれた

半年近く拘束されたが無罪を証明することが出来た

月「当たり前ですよ…向こうから密着しておいたくせに…」

伊出「しかし、色々なモノを失ってしまったさ…」

松田「僕も伊出さんと同じ女にやられたんですよ!」

月「なんと」

伊出「俺たちはそれで親交を深めたんだ」

月「そうだったんですか」

模木「私は歩道を歩いていたら女性に取り押さえられ」

模木「スカートを捲ったと勘違いされました」

月「ひ、ひどすぎる」

模木「犯人は別の男だと分かり事は収まりましたが」

月「歩道を歩いているだけで痴漢冤罪に掛かるなんて…!!」


106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 13:02:04.86 ID:DbgmHW3A0
模木「我々がこうして苦しんでいるのに」

松田「冤罪を掛けてきた女は」

伊出「俺達の金でのうのうと生きてるんだ」

月「…立ち上がりましょう…!!」

僕は竜崎が作り上げた「痴漢冤罪対策本部」の事を話した

3人はそれなら協力すると言ってくれた

松田「どうせ毎日暇ですし」

伊出「時間なら腐る程ある、ぜひ協力させてくれ」

模木「…ぜひ」

月「ありがとうございます!」

月「僕達の力見せ付けましょう!!!」


109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 13:07:26.35 ID:DbgmHW3A0
松田「よーし!それじゃあ早速張り込みに行きましょう!」

伊出「とにかく痴漢をしている人間、冤罪を掛けようとしている女はすぐに摘み出そう」

模木「はい」

月「行きましょう!」

ワタリ「私も行きます」

タッタッタ

L「私は本部で待機します」

……



カタンゴトン

月「こちら夜神…2車両目異常なし…どうぞ」

伊出「こちら伊出、3車両目異常なしですどうぞ」

松田「同じく」

模木「こちらも異常ありません」


111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 13:12:44.73 ID:DbgmHW3A0
月「ふぅ…今の所問題無さそうだな」

ワタリ「夜神さん」

月「はい?」

ワタリ「あそこに立っている女性…」

月「ん?」

ミサ「…」

月「普通の女の子ですね」

ワタリ「妙に露出度の高い服装なので危険です」

月「1度、他の人をこの車両に集めましょう」

僕は他の3名をトランシーバーで呼んだ


112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 13:18:37.47 ID:DbgmHW3A0
松田「間違いないですよ」

伊出「ああ…あのコが俺たちをハメた…」

模木「…」

月「今回はどうやら1人のようですね」

伊出「この冬の季節にあんな露出度の高い服装なんてな…」

松田「狙ってるとしか思えませんよ」

月「どうします?」

伊出「あの子の周りに結構男性がいるしな…」

月「あまり近づくとハメられますよね」


114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 13:23:23.61 ID:DbgmHW3A0
月「なんだか、わざと男性の方へ寄ってる気が…」

伊出「マズイな…あのままじゃ危ない」

松田「でも、どうするんですか~」

ワタリ「私が囮になりましょう」

月「わ、ワタリさんが!?」

ワタリ「皆さんは私は一切彼女に触れていないという事だけ証明してください」

伊出「でも、万が一どこかに触れてしまえばそれだけでワタリさんは…!」

ワタリ「2~3年拘束されるだけなら構いません」

ワタリ「これも全て痴漢及び痴漢冤罪を減らすためです」

月(……ワタリさん…)

そして、ワタリさんはゆっくりとミサに近づいていった

116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 13:28:04.30 ID:DbgmHW3A0
ワタリ「…」

ミサ(…ん)

ミサ(なにコイツ…急にミサの後にきてうざいんだけど)

ミサ(結構年食ってそうだし、搾り取ろうかなぁ)

ミサは背後に立っていたワタリに自身の背中を押し付けようとした

松田「…!」

伊出「あれは俺がやられた技…!」

ミサ(ミサの身体にさえ触れれば痴漢ー!って叫んであげるねっ)

グイッグイッ

ミサはワタリにお尻や背中を押し付けた

月「マズイ…!!」


117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 13:33:44.98 ID:DbgmHW3A0
ワタリ「…」

グイッ(ミサから離れ)

ミサ「えっ」

ワタリ「ちょっと、自分のお尻とか背中押し付けないでください」

ワタリ「この人●女です」

ミサ「は?」

月「…!!」

伊出「ど、どういうことだ?」

月「逆転の発想だ…」

松田「逆転の発送?」

月「あの女性のように自らの身体を押し付けてくる人に対して」

月「男だって痴漢だ!って言う権利はあるはずだ!」


120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 13:38:42.90 ID:DbgmHW3A0
「あんなお年寄りに●らな行為するなんて…」

「痴漢の次は痴女かよ、どうりで露出度の高い服装してると思った」

ミサ「ち、違うの!ミサがコイツに触られたの!」

ワタリ「自分が寄ってきたのによく言えますね」

月「ハッハッハッ!ワタリさんの発想勝ちだよ全く!」

ミサ「意味分かんないし!痴漢したんでしょ!?ねぇ!!」

ワタリ「恐喝罪ですかね…今の貴方は」

ミサ「はぁ!?」

ワタリ「貴方は覚えていないかもしれませんが」

スッ

伊出「…」松田「…」

ワタリ「このお二方は以前に貴方に痴漢冤罪を掛けられた方々ですよ」

ミサ「…!」

122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 13:45:37.44 ID:DbgmHW3A0
ワタリ「また同じことを繰り返すんですかね」

伊出「へっ、自分の身体使ってこんな真似しやがって」

松田「お前の所為で人生狂っちまっただろ!!」

ミサ「し…知らなーい、ミサあんた達の事なんで覚えてないし!」

ミサ「汚いから向こう行って!」

松田「な、なんだと!!」

伊出「大人舐めんじゃねーーぞ!」

ミサ「あぁーもううざいなぁ!」

ミサ「ミサがこのオッサンに密着させたからなに?捕まるの?」

ミサ「たまたま身体が触れた!って言えば問題無いし~」

ミサ「警察だって私の言ったこと鵜呑みにしてくれから!バーカ!」

松田「…コイツ…!」

伊出「止せ松田!!!」


124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 13:50:12.79 ID:DbgmHW3A0
松田「ダメだ…コイツだけは殴る…!!」

ミサ「きゃっ!」

伊出「松田止めろ!ここで殴ったら俺達も同じような人間に成り下がっちまう!」

松田「くっ…ぅうううう!!!」

ミサ「同じような人間?なに正義ぶってんの…気持ち悪いなぁ」

伊出「…テメェ!」

月「い、伊出さん!ダメだ!」

模木「2人共落ち着いて!」

ミサ「アハハハ!なにキレてんの~?こんな女の子に対してキレるなんて情けないなぁ」

月(この女…!)


126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 13:56:17.10 ID:DbgmHW3A0
ミサ「あぁ~!ホントはお金搾り取ってやりたかったなぁ!」

伊出「お前…!!!」

ミサ「バーカ、証拠も何も無いんだからミサは捕まらないよーだっ!」

ミサ「アハハハハハ!!!アハハハハ!!!」

スタスタ

L「ご苦労様です」

ミサ「誰…?」

L「ボイスレコーダーで貴方の声を録音させて頂きました」

ミサ「!?」

月「りゅ、竜崎!」

L「私達以外にも証人います」

L「そして、このボイスレコーダーも証拠として使わせて頂きます」

ミサ「……え…うそ……うそ…」

L「敢えて貴方を泳がせておいた甲斐がありましたよ」

127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 14:02:22.14 ID:DbgmHW3A0
L「これを警察に提出すれば貴方のした罪が分かります」

L「当然、事情聴衆だけでは終わりませんけどね」

L「貴方はまだ若いのに今後この事で一生を棒に振るでしょう」

L「痴漢で悩んでいる女性、そして痴漢冤罪を掛けられ何もかも失った男性」

L「それなのに貴方という人間が存在しているから色々と問題が起きるんです」

ミサ「…」ぶるぶるっ

L「今後、貴方には不名誉なレッテルが貼られ楽しい人生を送る事は出来ないでしょう」

ミサ「……あっ…ああああああああああああああああ!!!!!!!!」

ミサは壊れ突然電車内で奇声を上げた

L「地獄に堕ちてください…」


131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 14:09:06.43 ID:DbgmHW3A0
―○○駅―

L「後の事は警察に任せましょう」

ワタリ「はい」

ミサ「…」

月「お前みたいな奴がいるから痴漢が減らないんだよ…」

月「本当に痴漢に苦しんでる女性に謝れよ」

ミサ「うるさい、ミサは悪くないから」

月「…」ブチッ

月「オラァァァァァ!!!!!!!!!」

ドスッ

月はミサを蹴り飛ばした

ミサ「ッ!!!」

月「テメェー!マジでいい加減にしろよ!!!」


136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 14:13:34.93 ID:DbgmHW3A0
月「小遣い欲しいならバイトでもしろよ!!!」

月「社会人から金毟ろうとすんじゃねぇ!!」

L「月くん、その辺で」

月「ハァハァハァ…今の1発は父さんの分だ…」

ミサ「ぐすっ…」

警察「お待たせしました」

L「ご苦労様です、この女性です」

警察「分かりました…っとこの腕の痣は…?」

月(マズイ…思わず蹴ってしまった…)

ミサ「転んだだけです……」

月(!!)

警察に連行される直前ミサが僕に対してべーっと舌を出した

まるで反省の色が見えなかった


138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 14:20:25.50 ID:DbgmHW3A0
松田「今日はお疲れ様でした」

月「ワタリさんと竜崎のお陰で助かりました」

伊出「今は気分が晴れて爽快です」

L「いえ、皆さんのお陰ですよ」

L「今回の事件、私とワタリだけではどうすることも出来ませんでした」

L「皆さんと私達が集まればそれは世界に通用する痴漢冤罪対策本部となるのです」

月「ゴクリ…」

ワタリ「だからと言って痴漢が減るわけではありません」

L「そうです、今後もこの活動は続けて行く予定です」

松田「俺達も協力しますよ」

伊出「なんでも言って下さいよ!!」

L「ありがとうございます、そうさせてもらいます」


141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 14:29:33.85 ID:DbgmHW3A0
その日から、痴漢冤罪対策は活発的に行動を始めた
電車内での痴漢は警察以上に厳しく取り締まった

月「てぇやぁ!」

バシッ

痴漢「いてててっ…!」

女「あ、ありがとうございます」

月「大丈夫ですか?」

L「この痴漢男は次の駅で降ろしましょう」

ピーッピーッ

L「松田さんグループからですね」

L「はい、もしもし?」

松田「こちらの車両でも痴漢男を捕まえました!」

L「ご苦労様です、次の駅で降ろしましょう」

月「ふっ、この所絶好調だな!」

L「ええ、私としても嬉しい限りです」


143: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 14:34:06.11 ID:DbgmHW3A0
僕は最初の方、男性は不利な立場だなんて思っていたけど

今は女性を男性が守ってあげようという気持ちが強く芽生えた

女性だって辛い思いをしているんだ

もちろん、痴漢冤罪を掛けようとしている女は厳しく取り締まる

リューク「ホントに良いのか?」

月「ああ…短い間世話になったな」

リューク「まぁ、俺としてはちょっとつまんなかったけど」

リューク「痴漢について学ぶことが出来て楽しかったぜ?」

リューク「俺も死神界で痴漢冤罪掛けられないように気をつけるぜ」

月(死神界も痴漢冤罪とかあるのか…)

リューク「じゃあな、月」

月「ああ、またいつか会える日まで」

リュークはノートを持ち元の世界にへと戻った

145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 14:38:07.54 ID:DbgmHW3A0
カタン…ゴトン

女「この人、私のお尻触りましたァ!」

男「えっ…?さ、触ってません!」

ざわざわ

女「とぼけないでよぉ!私のお尻触ったでしょぉ!」

男「い…いや…そんな…」

男(ち、痴漢なんて疑いをかけられたら…!俺には家族も子供いるんだ…!)

女(あ~これで稼げそう)

スッ

総一郎「彼はやっていませんよ」

女「はぁ?なに言ってんの?」

男「…」

総一郎「触ったのは私ですから」

男「!?」


148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/05/02(水) 14:42:06.93 ID:DbgmHW3A0
女(コイツなに言ってんの…まぁ稼げそうだしいいかぁ)

男「あ、貴方は触ってなんか…」

総一郎「シーッ」

総一郎「貴方には大切な家族がいるんだろ?」

男「ど、どうしてそれを…」

総一郎「さっき貴方が嬉しそうに家族の写真を見ていたからさ」

総一郎「こんな所で人生を棒に振っちゃダメだ」

男「……で、でも…」

「○○駅~○○駅~」

女「じゃあ、降りて話てもらおうかなぁ」

総一郎「ああ…私だけで構わないだろ」

父は幸せな家庭を持つ男性を庇い再び闇の世界にへと堕ちた

総一郎「それでも私はやってない」