15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 00:53:03.94 ID:M5RA1HqbO
P「う……もう朝か……
  ……やばい、遅刻ギリギリだ」

やよい「あっ、……おはようございます、プロデューサー」ニコッ

P「おはよう、やよい……やよい?」

やよい「朝ごはん、できてますよ。
    顔洗ってきてくださいね」

P「いや……いや、ちょっと待て」

やよい「?」

P「……なんでやよいが俺の部屋にいるんだ?」

引用元: P「朝起きたらやよいが朝食を作ってた」 



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 00:57:32.27 ID:M5RA1HqbO
やよい「……プロデューサー、昨日のことどこまで覚えてますか?」

P「昨日、のこと……昨日……」

やよい「えーっとぉ、……あ、冷めちゃうんで、今は先に朝ごはんにしましょうよー」

P「あ、あぁ……
  ……昨日……昨日……」ブツブツ





やよい「……」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 01:03:24.57 ID:M5RA1HqbO
やよい「お口に合いますかぁ……?」

P「うん……うまいよ。ありがとな」

やよい「うっうー! よかったです!」

P「……すまん、どうしても思い出せないんだ、昨日のこと。
  確か社長とたるき亭で呑んでたのは覚えてるんだが……」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 01:07:21.54 ID:M5RA1HqbO
やよい「プロデューサーさん」

P「は、はい」

やよい「――――遅刻しちゃいますから、ちょっとだけ、急がないとですよ?」

P「そっ、そうだった!」ガツガツ

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 01:09:24.26 ID:M5RA1HqbO
やよい「ふふっ。わたし、先に洗い物しときますね」

P「あ、あぁ。すまん」

やよい「いえいえー」パタパタ…

P「……やよいはいい子だなぁ」





P「いやいやいやいや、おかしいおかしいおかしい」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 01:12:29.22 ID:M5RA1HqbO
P「お、俺も手伝うよ」カチャカチャ

やよい「あ、じゃあお願いしますー」ザザーッ

P「……」キュッキュッ

やよい「……」ザザーッ

P「……」ゴシゴシ

やよい「……」フキフキ





P(ま……まさか……な……?)

31: プロデューサーさんじゃなくて「プロデューサー」だっけ? 2012/01/08(日) 01:18:12.84 ID:M5RA1HqbO
やよい「……ふたりだと」

P「はいっ?」ビクッ

やよい「ふたりだと、あっという間ですねー」

P「そ、そうだな。
  ふたりで皿洗ったのなんか、昔やってたバイトの時以来だ」

やよい「へぇー! プロデューサーって、バイトしてたんですね」

P「学生の頃はな」

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 01:23:56.74 ID:M5RA1HqbO
やよい「そっかー、バイトしてたのかぁ……」

P「な、なんだ? そんなに変か?」

やよい「いえー、違いますよぉ。
    プロデューサーがバイトしてたって知ってるの、わたしだけかなーって」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 01:26:58.18 ID:M5RA1HqbO
P「うーん……そう言えばそうだったかもしれん」

やよい「……うれしいなぁ。
    わたしだけかぁ」ニコニコ

P「お、おう」





P(やっぱりおかしいやっぱりおかしいやっぱりおかしい)

37: >>33 ありがとう 2012/01/08(日) 01:29:34.92 ID:M5RA1HqbO
やよい「あっ、プロデューサー!」

P「はいっ!」ビクビクッ

やよい「……」

P「……」

やよい「……急ぎましょっか」

P「そ、そうだな」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 01:33:53.91 ID:M5RA1HqbO
P(結局、当たり障りの無い話だけして出社して来たが……)





やよい「うっうー! おはようございますーっ」

伊織「あら、朝から上機嫌じゃないの」

春香「おはよう、やよいちゃん。
   プロデューサーさんと一緒だったの?」

やよい「えっとぉ……」チラッ

P(なぜこっちをチラ見した)

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 01:37:46.09 ID:M5RA1HqbO
やよい「――――さっき、階段のところで一緒になったんですよねー。
    ね? プロデューサー」ニコッ

P「あ、あぁ、そうだな」

伊織「朝からプロデューサーの顔見てテンション上がるなんて、
   やよいらしいわね、ほんと」

やよい「えへへー」





P(……なんでやよいに気を使われたみたいになってんだ?)

45: >>42 大目にみてくれ 2012/01/08(日) 01:43:41.03 ID:M5RA1HqbO
P(一体何があったのか、社長に聞いてみるか……
  でもそれは同時に地雷っぽい気もする……どうしよう……)





やよい「……あの、プロデューサー」コソッ

P「う、ん?」

やよい「別に、気にしないでいいですよ?
    いつも通りで……」ニコッ





P(そう言われると余計に気になるうううううっうー)

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 01:49:41.31 ID:M5RA1HqbO
P(やよいは撮影に行った。
  俺は今日はほとんど事務職か電話で打ち合わせだから、
  付いていくことは出来ない。

  そして今は俺一人……)


ガタンッ


P「俺はやっ、やっ、やっちまったのかっ!?
  あの、アイドルとは言えほとんど子供の、いや、あのいたいけなやよいとっ!?」

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 01:51:47.01 ID:M5RA1HqbO
やよい『いつも通りで……』ニコッ



P(……でも、あの大人びた笑顔……気遣い……)ホワホワ


P「ってちっがーうっ!!
  そう言う問題じゃねぇ!!
  ……うっ、あの笑顔を思い出すと、なんかとてつもない罪悪感がっ……」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 01:55:09.41 ID:M5RA1HqbO
P「ダメだ、とてもじゃないが仕事にならん……
  社長に確認してみよう……」ピッピッピッ



Prrrrr、Prrrrr、Prrrrr、……



社長「やぁ、もしもし。昨日はずいぶん呑んでたが、大丈夫かね?」

P(そんなに呑んでたのか俺っ……)

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 02:00:11.56 ID:M5RA1HqbO
P「あ、あの社長、ひとつ確認したいことが……」

社長『なんだね?』

P「昨日……やよいがいつから一緒にいたか、覚えてますか……?」

社長『あぁ、そのことか。
   ……覚えていないのかね?』

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 02:02:12.13 ID:M5RA1HqbO
P「いえっ! 大筋は覚えておりますっ!
  ただ、細かい所が曖昧だったもので……ははは……」

社長『ふむ。
   君がだいぶ出来上がってきた頃に、律子くんがたるき亭に来てな……』





P(律子が……はっ!
  なんとなく、うすらぼんやりと思い出してきたぞ……)

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 02:07:08.44 ID:M5RA1HqbO
律子『遅れてしまってすみません』

社長『ずいぶん長引いたようだね。
   収録は上手くいったかね?』

律子『はい、それは大丈夫なんですが……やよいが終電をのがしてしまって』

やよい『すみません……』

社長『それはいけないな。なら、タクシーを……』



P『ちょっと待てれぅ!!』

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 02:11:42.21 ID:M5RA1HqbO
P『律子ォ!』ガタンッ

律子『は、はい?』

P『お前最近働き詰めでほとんど休んでないだろ』キリッ

律子『え? えぇ、まぁ』

P『そんなことじゃあ、
  せっかく軌道に乗りかけてきた竜宮小町のプロデュースに差し障る!
  だからお前は帰って寝ろ!!』ビシィッ

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 02:15:39.32 ID:M5RA1HqbO
律子『い、いや、やよいが……』

P『俺が今から送ってくる! 社長、すみません!』ペコッ

社長『そ、そう言うことなら私は別に構わないが……』

P『やよいっ! 俺と帰るのは嫌かっ?』ガシッ

やよい『ひゃっ……!
    い……嫌じゃないです! プロデューサーがいいです!』

P『だ、そうだ』フフン

律子『なに勝ち誇った顔してんですか』

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 02:18:17.90 ID:M5RA1HqbO
P(おっ……思い出して来たぁあああっ!)





社長『そう言って君は彼女の手を引いて出て行ったわけだが……
   その後、問題無かったかね?』

P「はいッ、無事任務完了しましたッ!」

社長『ならいいのだが』





P(そ、それで確かその後……)

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 02:21:23.56 ID:M5RA1HqbO
運転手『どこまで?』

P『えーとぉ……やよいの家まで……うっ!』

やよい『うわっ、しっかりしてください!
    すみません、一回そこのコンビニで停めてもらっていいですかぁ?』

運転手『はい(かわいい子だな……)』

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 02:25:49.12 ID:M5RA1HqbO
P『おろろろろ……』オロロロ

やよい『プロデューサー……ごめんなさい、わたしのために……』サスサス

P『ううっ……いや、当然のおろろろろ』オロロロ

やよい『……プロデューサー、自分の家の住所って、わかりますか?』サスサス

P『俺んちの……?』

67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 02:28:45.25 ID:M5RA1HqbO
やよい『ここからわたしの家まで遠いですし、
    プロデューサーの家に直接行った方が、早く休めますよね?』

P『うううぅ……俺んちはぁ……いま散らかっててぇ……』

やよい『わたしが掃除してあげますから……ね?』サスサス

P『やよいぃ……』





P(それでやよいと一緒に俺の部屋に……部屋に……!?)

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 02:33:13.26 ID:M5RA1HqbO
P「うわぁあああああっ!!
  そっから思い出せなぃいいいいいいい!!」



やよい『いつも通りで……』ニコッ



P「いつもと違う何かがッ!
  非日常がッ! そこにあったと言うのか……ッ!?」



やよい『うれしいなぁ。
    わたしだけかぁ』ニコニコ



P「マイガッ!!」ガンガン

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 02:36:57.06 ID:M5RA1HqbO
P「はっ! 今にして思えば……!」



やよい『シャワー借りてもいいですか……?』モジモジ



P「何故かそのシーンだけ鮮明に思い出せるうううううううわあああああ!!」

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 02:42:13.31 ID:M5RA1HqbO
P「もうダメだ……俺は最低だ……  逃げPだ……
  あの元気で無垢で可愛いやよいになんてことを……」シクシク



やよい『あっ……プロデューサー……怖いです……んぅっ……』



P「!?

  違う、これは記憶じゃなくて妄想だ! た、多分きっとそうだ!!
  や、やばい、もう何がなにやらっ……」

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 02:46:37.22 ID:M5RA1HqbO
P「はぁっ、はぁっ、……

  ……とにかく、あとでやよいに確認しよう……
  考え得る限り最悪の……まさにワーストコミュニケーションだが……
  やよいの優しさにかまけてそれすらしなかったら、
  それこそやよいに合わせる顔がない……!」ガタッ

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 03:17:51.25 ID:M5RA1HqbO
ガチャッ、



やよい「今日も遅くなっちゃいましたー」

P「やよい、お疲れさま」

やよい「あっ……
    プロデューサーも遅くまでお疲れさまですー」ニコッ



P(もう夜なのに笑顔が眩しいっ)

88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 03:20:13.96 ID:M5RA1HqbO
やよい「みんなは……」

P「もう帰っちゃったよ。
  残ってるのは俺だけだ」

やよい「そう、ですか」

P「あぁ」

やよい「……」

P「……」

89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 03:22:30.20 ID:M5RA1HqbO
P「な、なぁ、やよい」

やよい「なんですか?」

P「……その、昨日のことなんだが……」

やよい「あぁ、もう、別に気にしなくていいって言ったじゃないですかぁ」

P「そ、そう言うわけにはいかんっ」

やよい「……覚えてないんですよね?」

P「あ……あぁ……ほんとにすまん……」

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 03:25:48.59 ID:M5RA1HqbO
やよい「……」

P「昨日、俺はお前と一緒に部屋に帰って……
  ……それから、……その、何があったのか……」

やよい「……覚えてないなら、それでいいじゃないですか」

P「え?」

やよい「わたしはそれでいいと思いますよ?」

92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 03:27:50.83 ID:M5RA1HqbO
P「いや、だから、そう言うわけには……」

やよい「じゃあ、もし何かあったら、プロデューサーはどうするんですか?」

P「……それは……責任を……」

やよい「責任、って?
    具体的にはどうするんですか?」

P「……」グッ

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 03:31:43.46 ID:M5RA1HqbO
やよい「ね? いろいろとプロデューサーに迷惑掛けちゃうから、
    この話はなかったことにした方がいいと思うんです、わたし」

P「……」



やよい「それに、みんな――――プロデューサーのこと、大好きですし」ニコッ

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 03:34:17.61 ID:M5RA1HqbO
やよい「だから、別にわたしは……」

P「……う」

やよい「う?」



P「責任を取って、やよいと真剣に付き合う!
  プロデューサーじゃなくて、男として!」ガターンッ



やよい「!」

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 03:37:32.90 ID:M5RA1HqbO
やよい「……ほんとですか?」

P「あぁ、ほんとだ!
  いや、もしやよいがよかったらだが……
  ここで体面を気にするほど、俺は腐ってないつもりだぞ!」

やよい「……うれしい」

P「俺は、やよい、お前と――――」





やよい「でも、……ほんとに残念なんですけど、お断りしますね」ニコッ

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 03:40:59.08 ID:M5RA1HqbO
P「なっ……なんでだ?
  やっぱり、俺なんかじゃ嫌か……?」

やよい「いえいえ! ほんとにうれしいんですよ?
    わたし、プロデューサーのこと大好きですもん」

P「じゃ、じゃあ……」

やよい「でも、これじゃなんだか、無理やりみたいじゃないですかー。
    プロデューサーの弱みを握って……みたいで、わたしはそれが嫌です」

106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 03:45:25.77 ID:M5RA1HqbO
P「……」

やよい「もし、もしもですよ?
    プロデューサーが、春香さんや伊織ちゃんや美希さんを差し置いて、
    どうしてもわたしがいい、わたしが一番って言ってくれるなら……
    それなら、よかったです。

    だから今回は、……お断りします。ごめんなさい。
    でも、うれしかったですよ」ニコッ

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 03:48:02.74 ID:M5RA1HqbO
P「やよい……いや、俺の方こそ、……ほんとに、いろいろごめんな……」

やよい「だからぁ、気にしないでくださいってば。
    だって――――



    ――――何もなかったですもん。プロデューサーと」





P「……は?」

112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 03:52:48.34 ID:M5RA1HqbO
やよい「わたしはただプロデューサーの部屋に泊めてもらっただけで、
    あ、シャワーは浴びさせてもらいましたけどぉ、
    でもプロデューサーすぐ寝ちゃって、
    だから私もベッドの端っこを貸してもらって、
    なんだかわたしもすぐ寝ちゃって、それだけですよー」

P「……」プルプル

118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 03:57:58.93 ID:M5RA1HqbO
やよい「それでわたしが先に起きたから、
    お礼として朝ごはんを食べてもらってぇ。
    だけどすごく焦ってるプロデューサー見てるとなんか楽しくて……
    だからちょっとからかっちゃいましたー。
    えっと……安心しましたか?」



P「こっ……こっ……こらぁあああああああああっ!!」ドタバタ

やよい「ひゃあーっ」バタバタ

119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 04:02:13.64 ID:M5RA1HqbO
P「まったく!
  けしからんまったく!」

やよい「ご、ごめんなさいです」

P「俺がどれだけ真剣に悩んだと……」ブツブツ

やよい「……ありがとうございます」

P「ん? 何がありがとうなんだ?」

やよい「だって、わたしと……そうなってた可能性が、
    プロデューサーのなかでもあったってことですよね?」

121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 04:04:19.93 ID:M5RA1HqbO
P「そ、それはだな……はっ!
  もう乗せられないぞ!!」

やよい「なーんだぁ」

P「反省しろっ!!」

やよい「はぁーい。えへへ……」

P「やれやれ……」クター

125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 04:07:59.19 ID:M5RA1HqbO
P「じゃあ、気を付けて帰れよ」

やよい「今日は送ってくれないんですか?」

P「ばっ……バカ、ほんとに怒るぞ!」

やよい「冗談ですってばぁ。
    プロデューサーも、気を付けて帰ってくださいねー」

P「あぁ……また明日な」

やよい「はーい」フリフリ

129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 04:13:25.88 ID:M5RA1HqbO
やよい「……」クルッ



P「……」フリフリ



やよい(わわっ、まだ見送ってくれてたんだ)フリフリフリー






やよい(いつかプロデューサーがほんとにわたしのことを好きになってくれるまで、
    昨日のほんとのことは誰にも内緒にします。
    ……えへへ、ごめんねプロデューサー!)ニコッ

134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 04:17:56.43 ID:M5RA1HqbO
――――この日の撮影を境に、高槻やよいは爆発的な人気を得ることになる。

ある雑誌の表紙を飾った、純粋で、可愛く、元気で、
しかしどこか儚げで、透明で、不思議な艶のある笑顔で手を振るその少女は、きっと――――








【おわり】

150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 04:58:01.38 ID:M5RA1HqbO
【エピローグ】



春香「なんだか最近のやよいって……」

美希「明らかに雰囲気変わったの」

伊織「一体何があったのかしら?」



やよい「ねぇ、プロデューサー、一口いかがですか?」

P「お、いいのか? やよいの弁当だろう?」

154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 05:02:05.53 ID:M5RA1HqbO
やよい「だってプロデューサー、お昼まだでしょう?
    はい、どーぞ」スッ

P「……スッ、って言われてもな」

やよい「あーん、です」ニコッ

P「う……まぁいいか。あーん」パクッ

やよい「どうですか?」

P「うん、うまいよ」モグモグ

やよい「えへへ……よかったですー」ニコニコ

157: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 05:05:20.82 ID:M5RA1HqbO
美希「ぐぬぬなの。あれくらい美希だってやるのにー」

春香「何というか……不思議と大人っぽい?」

伊織「そうね、今までもお姉ちゃんっぽいところはあったけど……
   急になんか大人っぽくなったわ」

美希「……もしかして」

春香・伊織「?」

美希「やよい、ハニーと……」ボソッ

春香「えぇっ」ガタッ

伊織「ぶっ」ガタタッ

159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 05:08:57.67 ID:M5RA1HqbO
春香「いくらなんでもそれは……」アセアセ

伊織「そっ、そうよ!
   なに適当言ってんのよ!」

美希「じゃあ……二人とも、それ以外になにか思い付くの?」





やよい「プロデューサー、ちゃんとご飯は食べてくださいね?」

P「あぁ、わかってるよ。ありがとう」





春香・伊織「「……」」

164: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 05:16:28.14 ID:M5RA1HqbO
美希「こうなったら、ハニーに直接確かめてくるの!」

伊織「ちょっ、なに言ってんのよバカ!」ガシッ

春香「それはいくらなんでもまずいよ美希!」バッ

美希「離してなのーっ! これは美希とハニーの問題でもあるんだからっ!」





やよい「じゃあ、わたしレッスン行ってきますね」

P「おう。頑張って来い」

166: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 05:18:56.54 ID:M5RA1HqbO
P「ふぅ……なにか食べるか」



美希「ハニー!!」

春香「あわわっ」

伊織「し、知らないわよどうなっても!」

P「ん? どうしたんだ三人とも」

美希「ハニー……やよいとなにかあったの?」

P「ぶふっ」ブフッ

167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 05:24:07.23 ID:M5RA1HqbO
P「なっ、なにかってなんだよ?」

美希「なにかはなにかなの」ジーッ

春香「……」

伊織「……」

P「なにも無いぞ、別に!」

美希「じゃあ、ハニーは最近のやよいを見てどう思うの?」

P「どうって……調子よく頑張ってるなーとは思うけど」

美希「それだけなの?」

169: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 05:28:04.18 ID:M5RA1HqbO
P「いや、それだけって言っても」

美希「ハニーなら私達がなにか変わったら細かいことでもすぐ気付くはずなの。
   やよいがなんで急に人気になったのかもわかるはずなの」

春香「……私も気になります、アイドルとして」

伊織「そ、そうよ、アイドルとして上を目指すからには、知っておきたいわ!」

P「う、うぅ、そうは言ってもな……」

171: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 05:35:11.75 ID:M5RA1HqbO
テレビ『……と言うわけで、ゲストの高槻やよいちゃんなんですが、』



P「!」

春香「あ、やよいが映ってる」

伊織「こないだの収録のやつね」

美希「ほら、ハニーよく見てなの!」グイッ

P「わ、わかったって……」

174: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 05:45:01.01 ID:M5RA1HqbO
司会『やよいちゃんは最近お仕事増えて大変だと思うけど、
   どうかな、恋愛とかについてちょっと聞きたいな』

やよい『恋愛ですかー? うーん……

    ……私、まだ考え方とかが子供っぽいから、
    もっと成長して、相手の人のことも考えられるようにならないと、
    恋しても、それって恋じゃなくて憧れ?になっちゃうと思うんですよねー』

176: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 05:47:33.52 ID:M5RA1HqbO
やよい『だから、今はお仕事頑張りながら、自分と向き合って、
    一歩ずつ進んで、大人に近づいて行きたいって思います』ニコッ

司会『お、おぉ……十分立派な大人な考え方だと思うけどねぇ、それ……
   えっと、じゃあ次の質問は……』



春香「すごい拍手ですね」

伊織「とても前までのやよいとは思えないわ」

美希「……」

177: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 05:52:24.86 ID:M5RA1HqbO
美希「……で、どうなの? ハニー」

P「いや、あの……確かに、やよいは急にいい意味で大人びてきたと思うよ。
  それが表情とか仕草にも出てて、いつもの元気なやよいとも共存してるから、
  特に魅力的に見えるようになったんじゃないか?」

美希「それはその通りだと思うの。
   ……問題は、ハニーがやよいになにをしたかなの!」ドンッ

181: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 05:55:22.29 ID:M5RA1HqbO
P「だ、だからなにもしてないって!」

美希「ウソなの!
   なにもしてないのにやよいがいきなりあんなに変わるわけないの!」

P「いや、……そうだ!
  別に俺じゃなくても、誰か他に好きな人が出来たとか」

美希・春香・伊織「!」

P「それでいろいろ思うところがあって、……とかじゃないか?」

183: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 05:58:22.87 ID:M5RA1HqbO
春香「まぁそれなら……」

伊織「確かに、筋は通るわね……」

美希「……かもしれないの」

P「だ、だろ?
  もしなにかあったんだとしたら、きっとそうだよ。
  さぁ、お前たちもそろそろ午後の仕事の準備するんだ」

185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 06:02:05.25 ID:M5RA1HqbO
P(ふ、ふぅー……やれやれ、妙なところで鋭いから困る。

  ……しかし、こないだのは何もなかったとすると、
  ほんとにやよいには好きな人ができたりしたわけか?
  やよいに好きな人……)



ズキッ



P(……まてまてまて、『ズキッ』ってなんだよ『ズキッ』って!!
  ちっ、違う、これは断じてうわぁああああああっ!!)

188: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 06:07:02.31 ID:M5RA1HqbO
やよい「え? 好きな人、ですか?」

P「あ、あぁ。
  今日放送されてた番組のやよいのインタビュー見てて、ちょっと気になってな」

やよい「……ふぅーん。
    気になりますか?」

P「そりゃあ……アイドルのことだし……」

やよい「あー。そんな言い方するプロデューサーには教えませんよー」プイッ

P「お、おい……」

190: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 06:11:32.72 ID:M5RA1HqbO
P「悪かったよ……個人的に気になるから、教えてくれないか?」

やよい「えへへ。しょうがないなー。
    あのですね……いますよ、好きな人」

P「そ、そ、そうか。
  道理で最近大人びてきたわけだ、うん」

やよい「ほんとですか?
    私、大人っぽくなってますか?」

P「うん、間違いないぞ、うん」

やよい「……」

192: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 06:15:52.18 ID:M5RA1HqbO
P「そうかー、いるんだな、ちゃんと。
  いやー、よかったよかった、うんうん……」

やよい「……プロデューサー」

P「な、なんだ?」

やよい「いいんですか? わたしに好きな人がいても」

P「それは……仕事に差し障りがないなら、別に……」

194: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 06:19:44.29 ID:M5RA1HqbO
やよい「あ、じゃあ平気ですね。
    いつもその人に応援してもらってますから。
    わたし、そのおかげで頑張れちゃうんですよー」

P「へ、へぇー、それはいいな、うん、それはいいことだぞ」

やよい「その人は優しくてー、かっこよくてー、
    頑張ってるわたしよりもっと頑張ってくれててー、……」

198: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 06:23:29.10 ID:M5RA1HqbO
P「す、すごいなーそれは、いい人じゃないか。
  そんな人なら、安心だな、うん」

やよい「そうなんですよー。
    わたし、その人といると、とっても安心した気分になるんです」

P「その人、プロデューサーの素質あるんじゃないかな、なんて、ははは……」





P(逃げてぇ……
  なんか今すぐ逃げてぇ……)ズキズキ

200: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 06:28:04.22 ID:M5RA1HqbO
やよい「あっ、プロデューサーもそう思いますか?
    わたしもずっとそう思ってたんですよー。
    きっと、その人とだったらずっと一緒にやっていけるって」

P「だ、……だったら、いっそその人がだな……
  やよいをプロデュースしたら、いいんじゃないか……?」

やよい「……じゃあ、そうしちゃおっかな」

P「……っ」ズキッ

203: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 06:31:53.58 ID:M5RA1HqbO
やよい「頼んでみようかなー、その人に。
    わたしのプロデュース、お願いします、って」

P「……」

やよい「今から」

P「いっ、今からっ!?」ガタッ

204: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 06:36:31.66 ID:M5RA1HqbO
P(おいおいおい!
  こ、これは引き留めるべきだよな!?
  いや、しかし、やよいが本当にその人が好きなら、いや、
  しかし765プロとして、いや、やよいのプロデューサーとして、
  いやいや、いやいやいや、

  ……違うだろっ!
  ここはそんなのとは関係無く、引き留めなきゃダメだろ!)

P「や、やよい!」

やよい「……はい?」

206: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 06:39:29.94 ID:M5RA1HqbO
P「お、お前のプロデューサーは、俺だぞっ!
  これからもずっと、やめる気なんかないからなっ!」



やよい「……プロデューサー?」



P「あぁ、頼まれたってやめてやるもんか!
  絶対お前をトップアイドルにするまで、俺はお前のプロデューサーだからな!!」

211: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 06:46:37.03 ID:M5RA1HqbO
P「だから……他のやつに、プロデューサー頼むとか、やめてくれよ……」

やよい「……えっとぉ……」

P「……」



やよい「じゃあ……これからも、ずっと私のプロデュース、してくださいね?
    私の大好きなプロデューサーさん」ニコッ

214: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/01/08(日) 06:51:27.88 ID:M5RA1HqbO
P「……え?」

やよい「えへへ、トップアイドルまではまだまだ長いですよー!」ギュッ

P「えっ、ちょ、……えっ」

やよい「わたしのプロデューサーは、ずっとプロデューサーに決まってますよー。
    ……ね?」チュッ

P「なっ、おまっ……!」




やよい「二回目、ですよっ!」




【終わり】